JP2015067897A - 高周波焼入装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】準備時間を短縮することが可能であり、且つ無駄な電力消費を抑制することができる高周波焼入装置を提供する。【解決手段】高周波焼入装置1は、誘導加熱装置2、冷却液タンク3、冷却液供給流路5、冷却液回収流路6、冷却液混合流路7、冷却液冷却流路8を有している。冷却液タンク3には仕切り12が設けられ、主貯留部15と副貯留部16とに分離されている。副貯留部16の中に、電気ヒータ20が設けられている。副貯留部16内の冷却液の温度が、始業基準温度未満である場合には、電気ヒータ20に通電して副貯留部16内を予熱する。副貯留部16内の冷却液の温度が、始業基準温度に達すると、焼入作業が開始される。暫くした後に、電気ヒータ20への通電を停止する。副貯留部16内の冷却液の温度が上昇すると、副貯留部16内の冷却液と主貯留部15内の冷却液を混合する。【選択図】図1

Description

本発明は、ワークを高周波電流で誘導加熱し、その直後のワークに冷却液を供給して急冷する高周波焼入装置に関するものである。
高周波焼入装置は、鋼製ワークの表面を熱処理するものである。即ちワークを誘導加熱して焼入温度まで昇温させ、さらに当該ワークに冷却液を噴射供給して急冷し、組織をマルテンサイト化することによって高周波焼入が行われる。
このような高周波焼入装置が、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された高周波焼入装置は、長尺状のワークに沿って誘導コイルと冷却ジャケットを移動させ、誘導コイルがワークの対向する部位を順次誘導加熱し、冷却ジャケットは誘導加熱された箇所に冷却液を噴射供給する。
特開2001−20012号公報
高周波焼入は、大量のワークを焼入処理する方策として好適である。
ところで焼入処理は、鋼材を加熱してオーステナイト組織にし、これを急冷してマルテンサイト組織に変態させるものである。従って鋼材の冷却速度は、組織がマルテンサイト組織に変態する効果に影響を与える。
そのため、大量のワークを高周波焼入し、その際の焼入品質を一定に保つためには、加熱後の冷却速度を一定に保つことが大切である。より具体的には、一定範囲の温度の冷却液を、一定の時間内に、一定量噴射してワークを冷却することが要求される。
即ち、高周波焼入を行う際には、一定温度の冷却液を赤熱したワークに噴射させることが必要であり、冷却液の温度は高過ぎても低過ぎてもよくない。
そのため、高周波焼入を実施する現場では、冷却液の温度を一定範囲に保つための温度調節装置が設けられている。
より具体的には、冷却液タンクにヒータと冷却装置が取り付けられ、冷却液タンク内の液温が一定温度に保たれる。
仮に、冷却液の目標温度を摂氏30度と仮定する。一方、焼入作業を昼勤の一直勤務であるとすると、夜間は焼入作業が休止しているため、夜間は冷却液タンク内の液温が低下する。例えば、冬季であるならば、液温は摂氏10度程度まで低下することとなる。
そこで、焼入作業を開始する前に、ヒータに通電して冷却液タンク内の液温度を上昇させる。
ここで一般的に、冷却液タンクに貯留されている冷却液の量は、標準的な一個のワークを高周波焼入する際に必要な冷却液量に比べて遙に多い。
即ち、冷却液の急激な温度変化を避けるためや、冷却液の取り替え頻度を少なくする目的、規格外の大形ワークを焼入する際にも対応可能とする目的等から、冷却液タンクに貯留されている冷却液の量は、一つのワークを高周波焼入する際に必要な冷却液量に比べて遙に多い。
そのため、始業時には、大量の冷却液をヒータで摂氏30度まで昇温することが必要となり、焼入作業を開始する前の準備に時間が掛かる。
また大量の冷却液を昇温するために、多くのエネルギーを消費することとなり、無駄が多い。
そこで本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、準備時間を短縮することが可能であり、且つ無駄な電力消費を抑制することができる高周波焼入装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、誘導コイルを備えていてワークを誘導加熱する加熱処理部と、冷却液を貯留する冷却液貯留部と、冷却液貯留部内の冷却液をワークに供給する冷却液供給流路と、ワークに供給された冷却液を冷却液貯留部に戻す冷却液回収流路とを備えた高周波焼入装置において、冷却液貯留部は、少なくとも主貯留部と副貯留部とに分離され、前記副貯留部の容積は主貯留部の容積よりも小さく、前記副貯留部と前記主貯留部との間で冷却液を行き来させることが可能であり、前記副貯留部には加熱手段が設けられていて副貯留部内に貯留された冷却液を昇温可能であり、前記冷却液供給流路は、前記副貯留部から冷却液をくみ出してワークに供給するものであることを特徴とする高周波焼入装置である。
ここで「副貯留部と前記主貯留部との間で冷却液を行き来させることが可能である」とは、副貯留部と前記主貯留部との間の流通を遮断することもできるし、連通させることもできる構成を含む。また副貯留部と前記主貯留部の間が常時流通する場合も含む。
本発明の高周波焼入装置では、冷却液貯留部が少なくとも主貯留部と副貯留部とに分離され、前記副貯留部の容積は主貯留部の容積よりも小さい。そして小さい方の副貯留部に加熱手段が設けられている。
本発明の高周波焼入装置では、冷却液の温度が低すぎる場合、副貯留部に設けられた加熱手段によって副貯留部内の冷却液を昇温する。ここで前記した様に、副貯留部の容積は主貯留部の容積よりも小さいから、副貯留部内の冷却液が所望の温度に達するまでに多くの時間を要しない。また必要な熱量も少ない。
そして副貯留部内の冷却液が所望の温度に達したならば、焼入作業を開始する。本発明の高周波焼入装置では、副貯留部から冷却液をくみ出してワークに供給するから、ワークには適度の温度に調整された冷却液が供給され、焼入品質が安定する。
また本発明の高周波焼入装置は、ワークに供給された冷却液が冷却液回収流路を経由して冷却液貯留部に戻される。ここで、ワークに供給された冷却液は、高温のワークに触れて昇温している。そのため焼入作業が開始されると、ワークから奪った熱が冷却液貯留部に供給される。そして本発明の高周波焼入装置は、副貯留部と主貯留部との間で冷却液の行き来が可能であるから、ワークから奪った熱によって冷却液貯留部に貯留された冷却液の全体が昇温され、加熱手段の稼働時間を低下させることができる。
請求項2に記載の発明は、冷却液貯留タンクを有し、当該冷却液貯留タンク内に仕切りが設けられて主貯留部と副貯留部とに分離され、主貯留部及び副貯留部の一方の液位が上昇すると冷却液が前記仕切りをオーバーフローして他方側に流入することを特徴とする請求項1に記載の高周波焼入装置である。
本発明は、「副貯留部と前記主貯留部との間で冷却液を行き来させる」手段として仕切りを活用するものである。
本発明によれば、冷却液貯留タンク内に仕切りを設けることによって主貯留部と副貯留部とを構成することができる。また仕切りをオーバーフローさせて副貯留部と主貯留部との間に冷却液を行き来させる。
請求項3に記載の発明は、主貯留部内の冷却液を副貯留部側に導入する導入ポンプを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の高周波焼入装置である。
本発明は、「副貯留部と前記主貯留部との間で冷却液を行き来させる」手段として導入ポンプを活用するものである。
本発明の高周波焼入装置では、導入ポンプを利用して副貯留部と主貯留部との間に冷却液を行き来させる。
請求項4に記載の発明は、主貯留部内の冷却液または主貯留部から副貯留部側に導入される冷却液を冷却する冷却手段と、副貯留部内に貯留された冷却液の温度を検知する温度検知手段を備え、温度検知手段の検知温度が一定の始業基準温度未満であることを条件の一つとして前記加熱手段によって副貯留部内に貯留された冷却液が加熱され、温度検知手段の検知温度が一定の定常運転基準温度以上であることを条件の一つとして導入ポンプが運転されることを特徴とする請求項3に記載の高周波焼入装置である。
本発明によると、冷却液の温度が過度に上昇した場合にこれを低下させることができる。
本発明の高周波焼入装置では、温度検知手段によって副貯留部内に貯留された冷却液の温度を検知することができるから、焼入作業を開始することができる時期を知ることができる。
副貯留部内に貯留された冷却液の温度が低い場合に加熱手段が起動し、適温の冷却液がワークに供給される。また副貯留部内に貯留された冷却液の温度が高い場合には、導入ポンプが運転されて主貯留部内の冷却液が副貯留部に供給され、副貯留部に貯留された冷却液の温度を低下させる。その結果、適温の冷却液がワークに供給される。
本発明の高周波焼入装置は、始業時に冷却液の温度が低すぎる場合、容量の小さい副貯留部内の冷却液を加熱手段によって昇温し、ワークに噴射される冷却液を所望の温度に調整して焼入作業を開始することができる。
また焼入作業が開始された後は、ワークから奪った熱を冷却液貯留部内の冷却液の昇温に寄与させることができる。
そのため本発明の高周波焼入装置は、準備に要する時間が短く、且つ準備に要する電力等が少ない。
本発明の実施形態にかかる高周波焼入装置の概念図である。 本発明の実施形態にかかる高周波焼入装置の冷却液の循環経路を示す回路図である。 本発明の実施形態にかかる高周波焼入装置において副貯留部内の冷却液の温度が始業基準温度未満である場合における冷却液の循環経路を示す回路図である。 本発明の実施形態にかかる高周波焼入装置において副貯留部内の冷却液の温度が始業基準温度以上である場合における冷却液の循環経路を示す回路図である。 本発明の実施形態にかかる高周波焼入装置において副貯留部内の冷却液の温度が定常運転基準温度以上である場合における冷却液の循環経路を示す回路図である。 本発明の実施形態にかかる高周波焼入装置において副貯留部内の冷却液の温度が高すぎる場合における冷却液の循環経路を示す回路図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
高周波焼入装置1は、誘導加熱装置2(加熱処理部)、冷却液タンク3、冷却液供給流路5、冷却液回収流路6、冷却液混合流路7、冷却液冷却流路8及び図示しないワーク支持装置によって構成されている。
誘導加熱装置2(加熱処理部)は、図示しない高周波電源と、図1に示す加熱導体10(誘導コイル)を有している。
図示しない高周波電源は、高周波発振器とトランスとを備え、商用電力を高周波電力に変換して加熱導体10に供給するものである。
加熱導体10は、銅や銅合金等の良導体で形成された中空の管部材が、適宜湾曲及び屈曲して形成されたものである。すなわち、加熱導体10は、中空の線状部材であり、高周波電源から高周波電力が供給される。また、加熱導体10には、図示しないコイル冷却液の循環回路が接続されており、コイル冷却液が循環供給されている。加熱導体10は、ワーク26に近接配置されている。
冷却液タンク3は開放タンクであり、冷却液が貯留される水槽である。
本実施形態では、図1、図2の様に、冷却液タンク3に仕切り12が設けられ、冷却液タンク3内が主貯留部15と副貯留部16とに分離されている。
主貯留部15と副貯留部16とは、容積に差があり、副貯留部16の容積は主貯留部15よりも小さい。
より具体的には、副貯留部16の容積は主貯留部15の5分の1程度である。即ち副貯留部16の容積は主貯留部15の2分の1以下であることが望ましく、さらに望ましくは3分の1以下である。
また副貯留部16の容積は主貯留部15の20分の1以上であることが望ましい。
最も推奨される副貯留部16の容積は本実施形態の通り、主貯留部15の5分の1程度である。
副貯留部16の容積は、標準的なワークを一回冷却するのに要する液量の3回分以上であることが望ましく、4回分以上であることがさらに推奨される。ただし、標準的なワークを一回冷却するのに要する液量の10回分以上である場合は、過剰に大きいと言える。本実施形態では、副貯留部16の容積は、ワークを一回冷却するのに要する液量の6回分程度である。
本実施形態では、冷却液タンク3の壁面及び仕切り12に断熱材17が設けられている。即ち本実施形態では、仕切り12は、断熱性を有している。
副貯留部16の中には、電気ヒータ20と、温度センサー21が設けられている。
また主貯留部15内には液位センサー22が設けられている。液位センサー22は、主貯留部15内の液位が過度に低くなった場合に、警報等を発するために設けられたものである。
冷却液供給流路5は、主流路23と、リリース流路25とによって構成されている。
主流路23は、冷却液タンク3内の冷却液をワーク26に噴射供給する流路である。即ち主流路23は、副貯留部16内に挿入された吸入管24を起点とし、冷却液供給ポンプ30、電磁弁31及び冷却液噴射ノズル18を繋ぐ流路である。
冷却液供給ポンプ30は、冷却液タンク3内の冷却液を、加圧して冷却液噴射ノズル18へ供給する機能を有する。
冷却液噴射ノズル18は、いわゆる冷却ジャケットであり、図示しない多数のノズル孔を有する。冷却液噴射ノズル18は、冷却液供給流路5の末端に設けられており、焼入対象のワーク26に近接配置され、ワーク26に向けて冷却液を噴射供給する。
また主流路23の一部であって、冷却液供給ポンプ30の下流側が分岐されてリリース流路25が設けられている。
リリース流路25は、冷却液供給ポンプ30の下流側と副貯留部16とを繋ぐ流路であり、中途にリリース弁32が設けられている。リリース弁32は、導入側の圧力が一定の圧力を越えた場合に開く弁である。
冷却液回収流路6は、ワーク26に向かって噴射された冷却液を冷却液タンク3に戻す流路である。即ち冷却液回収流路6は、冷却液回収パン33を起点とし、冷却液回収ポンプ37を経て冷却液タンク3の副貯留部16に戻す流路である。
冷却液回収パン33は、冷却液噴射ノズル18からワーク26に向けて噴射供給された冷却液を回収する受け皿として機能する。すなわち、冷却液回収パン33は、上方が開放された容器である。また、冷却液回収パン33の底部には、排液管35の一端が接続されている。排液管35の途中に、前記した冷却液回収ポンプ37が設けられている。
冷却液回収ポンプ37は、冷却液回収パン33で回収された冷却液を加圧して冷却液タンク3の副貯留部16に戻すものである。
冷却液混合流路7は、冷却液タンク3の主貯留部15と副貯留部16とを繋ぐ流路であり、その中途に熱交換器40の二次側流路45と、主貯留部15内の冷却液を副貯留部16に導入する導入ポンプ41が設けられている。
即ち冷却液混合流路7は、主貯留部15内に挿入された吸入管43を起点とし、熱交換器40の二次側流路45と、導入ポンプ41が順次接続され、副貯留部16内に挿入された供給管46に至る一連の流路である。
冷却液冷却流路8は、熱交換器40の一次側流路47に冷却液を供給する流路であり、図示しないチラーやクーリングタワー等の冷却装置に繋がる配管系統であり、温度調節用ポンプ50が接続されている。
図示しないワーク支持装置は、ワーク26の両端を支持すると共に、ワーク26を回転駆動する。
次に、本実施形態の高周波焼入装置1が定常運転を行っている際の動作について簡単に説明する。
本実施形態の高周波焼入装置1では、図示しない制御装置によって、誘導加熱装置2と一連の冷却液供給システムとが制御され、ワーク26が焼入される。
即ち、図示しない支持装置によってワーク26が所定の位置に固定され、さらに回転駆動される。また、誘導加熱装置2の加熱導体10(誘導コイル)がワーク26に近接対向し、加熱導体10には図示しない高周波電源から高周波電流が供給される。その結果、ワーク26が誘導加熱される。
ワーク26が焼入温度まで昇温すると、制御装置の指令によって冷却液供給ポンプ30が起動されると共に電磁弁31が開かれ、ワーク26に冷却液が噴射供給され、ワーク26が急冷される。すなわち、冷却液供給ポンプ30を作動させ、冷却液タンク3内に貯留された低温の冷却液を加圧して冷却液噴射ノズル18からワーク26に向けて噴射し、ワーク26を急冷する。ワーク26に衝突した冷却液は、落下して冷却液回収パン33に回収される。
冷却液回収パン33に貯留された冷却液は、冷却液回収ポンプ37によって冷却液タンク3の副貯留部16に戻される。
以上の一連の動作は、制御装置の指令信号によって自動的に実行される。
次に、本実施形態に特有の動作たる、始業時の動作について詳細に説明する。
本実施形態の高周波焼入装置1では、冷却液タンク3の副貯留部16に温度センサー21が設けられており、副貯留部16内の冷却液の温度が監視されている。
そして副貯留部16内の冷却液の温度が、始業基準温度以上であって要冷却基準温度未満であることを条件として、焼入作業が実施可能となる。即ち本実施形態では、温度センサー21の信号が図示しない制御装置に入力されており、温度センサー21の検知温度が前記した範囲を外れている場合には自動的にロックされ、前記した一連の焼入作業は実行されない。
始業時における副貯留部16内の冷却液の温度が、始業基準温度以上であって要冷却基準温度未満であるならば、先に説明した定常運転が実施され、ワーク26に焼入が施される。
これに対して始業時における副貯留部16内の冷却液の温度が、始業基準温度未満である場合には、以下の予熱動作が自動的に実行される。
なお説明を簡単にするため、始業時における主貯留部15の液位と、副貯留部16の液位は図2、図3の様に等しく、共に仕切り12の上端よりも下であるとする。
予熱動作では冷却液タンク3の副貯留部16に取り付けられた電気ヒータ20に通電され、冷却液タンク3内が予熱される。
即ち、電気ヒータ20に通電すると共に冷却液供給ポンプ30を起動する。なお冷却液供給流路5に設けられた電磁弁31は閉じた状態を維持する。
その結果、図3に示す流路を冷却液が循環し、副貯留部16内の冷却液の温度を上昇させる。即ち、電気ヒータ20が発熱することによって電気ヒータ20の近傍の液温が上昇する。冷却液供給ポンプ30を起動することによって副貯留部16内の冷却液は、吸入管24から吸入され、冷却液供給ポンプ30の吐出側から排出される。ここで、冷却液供給ポンプ30の吐出側に設けられた電磁弁31が閉じられているから、リリース流路25の圧力が上昇し、リリース弁32が開いて冷却液を副貯留部16に戻す。
その結果、副貯留部16内の冷却液がリリース流路25を経由して循環し、副貯留部16内の冷却液が攪拌される。
一方、副貯留部16は、仕切り12によって主貯留部15から分離されており、且つ副貯留部16の液位は図3の様に仕切り12の上端よりも下である。そのため副貯留部16と主貯留部15の間における冷却液の行き来は、殆どない。即ち副貯留部16内の冷却液は主貯留部15内の冷却液と混じらない。さらに仕切り12は断熱壁であり、熱の伝導も少ない。
そのため、電気ヒータ20の熱エネルギーは、副貯留部16内の冷却液の温度を上昇させるためだけに寄与する。その結果、副貯留部16内の冷却液は、短時間の内に昇温し、始業基準温度に達する。また電気ヒータ20の電力は、容積の小さい副貯留部16内の冷却液の温度を上昇させるためだけに使われるから、消費電力も少ない。
副貯留部16内の冷却液の温度が、始業基準温度に達すると、焼入作業が可能な状態となる。この状況に至ると、手動操作又は自動運転によって焼入作業が開始される。
実際には所定の起動スイッチを手動で操作することにより、一連の焼入作業が開始される。
焼入作業においては、前記した様にワーク26を誘導加熱して昇温させ、電磁弁31を開いてワーク26の加熱部位を急冷する。すなわち、図4に示すように、供給ポンプ30を作動させ、冷却液タンク3の副貯留部16内に貯留された冷却液を加圧して冷却液噴射ノズル18からワーク26に向けて噴射し、ワーク26を急冷する。ワーク26に衝突した冷却液は、落下して冷却液回収パン33に回収される。
そして回収された冷却液は、図4に示すように冷却液回収ポンプ37によって冷却液タンク3の副貯留部16に戻される。
ここで、ワーク26に衝突した冷却液は、ワーク26から熱を奪って昇温している。そのため冷却液タンク3の副貯留部16に戻される冷却液は、ワーク26に向かって供給された冷却液よりも温度が高い。また依然として副貯留部16と主貯留部間における冷却液の行き来は、殆どなく、副貯留部16内の冷却液は主貯留部15内の冷却液と混じらない。さらに仕切り12は断熱壁であり、熱の伝導も少ない。そのため焼入作業が開始されると、副貯留部16内の冷却液の温度は、さらに上昇傾向となる。
そのため、焼入作業が開始されると、電気ヒータ20を断状態としても副貯留部16内の冷却液の温度は上昇する。そこで本実施形態では、焼入作業が開始されて暫くした後に、電気ヒータ20への通電を停止する。即ち副貯留部16内の冷却液の温度が一定温度に達すると、制御装置からの指令によって電気ヒータ20への通電が停止される。
さらに焼入作業を続行すると、副貯留部16内の冷却液の温度がさらに上昇し、定常運転基準温度に達する。ここで定常運転基準温度は、始業基準温度よりも高く、要冷却基準温度よりも低い温度である。
副貯留部16内の冷却液の温度が定常運転基準温度に達すると、図5の様に冷却液混合流路7に通水し、副貯留部16内の冷却液と主貯留部15内の冷却液を混合する。
即ち冷却液混合流路7に設けられた導入ポンプ41を起動し、主貯留部15内の冷却液を副貯留部16に供給する。なおこの段階では、温度調節用ポンプ50は起動させない。そのため熱交換器40の一次側流路47には冷却液は流れていない。
主貯留部15内の冷却液を副貯留部16に供給した結果、図5の様に副貯留部16側の液位が上昇し、主貯留部15側の液位が低下する。そのため、図5の様に副貯留部16側の冷却液が、仕切り12を越えてオーバーフローし、主貯留部15側に流れ込む。
即ち、導入ポンプ41によって主貯留部15内の冷却液が副貯留部16に供給され、溢れた冷却液が仕切り12を越えて主貯留部15側に戻る。そのため副貯留部16内の冷却液と主貯留部15内の比較的低温の冷却液が混合され、副貯留部16内の冷却液の温度上昇が抑制される。そのため、ワーク26には、適温の冷却液が供給される。
副貯留部16内の冷却液と主貯留部15内の冷却液の混合が進むと、両者の温度が同一温度となる。そしてさらに焼入作業を続行すると、冷却液タンク3全体の冷却液の温度が上昇する。
また夏期であれば、冷却液タンク3全体の冷却液の温度が過度に上昇し、遂には要冷却基準温度に達する。
冷却液タンク3全体の冷却液の温度が過度に上昇し、遂には要冷却基準温度に達した場合には、温度調節用ポンプ50は起動させ、図6の様に熱交換器40の一次側流路47に冷却液を通過させる。その結果、主貯留部15内の冷却液が副貯留部16側に移動する間に冷却され、冷却液タンク3全体の冷却液の温度上昇が抑制される。そのため、ワーク26には、適温の冷却液が供給される。
以後は、温度センサー21の検知温度に応じて、導入ポンプ41及び温度調節用ポンプ50をオンオフし、冷却液タンク3の冷却液温度や副貯留部16内の冷却液温度が始業基準温度以上であって要冷却基準温度未満となる様に制御する。
以上説明した実施形態では、冷却液を冷却する冷却手段として熱交換器40を採用し、当該熱交換器40を主貯留部15側から副貯留部16側に冷却液を導入する流路に設けた。冷却手段の構成や配置は、本実施形態に限定されるものではなく、例えば主貯留部15内に直接熱交換器を設けてもよい。また独立した冷却回路を設けてもよい。
上記した実施形態の高周波焼入装置1では、冷却液を予熱する動作を自動的に行わせたが、手動によって実行してもよい。
リリース流路25に設けられたリリース弁32に代わって、電磁弁を採用してもよい。またリリース流路25とは別の攪拌手段を副貯留部16に設けてもよい。
上記した実施形態では、主貯留部15側から副貯留部16側に冷却液を導入する手段として導入ポンプ41を採用し、副貯留部16から主貯留部15に冷却液を戻す手段として仕切り12を採用した。
しかしながら本発明は、この構成に限定されるものではなく、主貯留部15から副貯留部16側に冷却液を導入する手段として仕切り12を採用し、副貯留部16から主貯留部15に冷却液を戻す手段としてポンプを採用してもよい。
また主貯留部15と副貯留部16の間の冷却液の行き来を共にポンプで行ってもよい。
また仕切り12を可動式としたり、仕切り12に開閉部を設け、所定のタイミングで開閉部を開く等により、副貯留部16内の冷却液と主貯留部15内の冷却液を混合してもよい。またポンプ等によらず、対流によって主貯留部15と副貯留部16の間で冷却液を行き来させてもよい。
1 高周波焼入装置
2 誘導加熱装置(加熱処理部)
3 冷却液タンク
5 冷却液供給流路
6 冷却液回収流路
7 冷却液混合流路
8 冷却液冷却流路
10 加熱導体(誘導コイル)
12 仕切り
15 主貯留部
16 副貯留部
17 断熱材
20 電気ヒータ
21 温度センサー
23 主流路
26 ワーク
30 冷却液供給ポンプ
40 熱交換器
41 導入ポンプ

Claims (4)

  1. 誘導コイルを備えていてワークを誘導加熱する加熱処理部と、冷却液を貯留する冷却液貯留部と、冷却液貯留部内の冷却液をワークに供給する冷却液供給流路と、ワークに供給された冷却液を冷却液貯留部に戻す冷却液回収流路とを備えた高周波焼入装置において、
    冷却液貯留部は、少なくとも主貯留部と副貯留部とに分離され、前記副貯留部の容積は主貯留部の容積よりも小さく、前記副貯留部と前記主貯留部との間で冷却液を行き来させることが可能であり、前記副貯留部には加熱手段が設けられていて副貯留部内に貯留された冷却液を昇温可能であり、前記冷却液供給流路は、前記副貯留部から冷却液をくみ出してワークに供給するものであることを特徴とする高周波焼入装置。
  2. 冷却液貯留タンクを有し、当該冷却液貯留タンク内に仕切りが設けられて主貯留部と副貯留部とに分離され、主貯留部及び副貯留部の一方の液位が上昇すると冷却液が前記仕切りをオーバーフローして他方側に流入することを特徴とする請求項1に記載の高周波焼入装置。
  3. 主貯留部内の冷却液を副貯留部側に導入する導入ポンプを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の高周波焼入装置。
  4. 主貯留部内の冷却液または主貯留部から副貯留部側に導入される冷却液を冷却する冷却手段と、
    副貯留部内に貯留された冷却液の温度を検知する温度検知手段を備え、
    温度検知手段の検知温度が一定の始業基準温度未満であることを条件の一つとして前記加熱手段によって副貯留部内に貯留された冷却液が加熱され、温度検知手段の検知温度が一定の定常運転基準温度以上であることを条件の一つとして導入ポンプが運転されることを特徴とする請求項3に記載の高周波焼入装置。
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