JP2015066817A - コアドリル装置 - Google Patents

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【課題】コンクリート構造物などの被削物に穿孔する際に用いるコアドリル装置におけるコアドリルのドレッシング処理を効率的に行えるコアドリル装置の構造を提供する。
【解決手段】モータを内蔵したドリルユニット30と、ドリルユニットの回転軸Sに連結されたコアビット40とを備えたコアドリル装置1において、コアビット40と回転軸Sとが振動レジューサー50を介して連結されている。振動レジューサー50は、振動の有無を設定する切り替え手段を備えたものが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリート構造物、石材、岩盤、鉄鋼構造物などの被削物に穿孔する際に用いるコアドリル装置に関する。
コアドリル装置は、例えば、図6に示されるようなものが一般的に知られている(特許文献1参照)。コアドリル装置100は、設置用ベース101と、ベースに立てられた支柱102と、支柱102に沿って上下動するモータが内蔵されたドリルユニット103とを有し、このドリルユニット103の回転軸Sに連結されたコアビット104とからなる。そして、このコアビット104は、図7に示すように、パイプ状のシャンク104aの先端部分に、ダイヤモンド砥粒を固結したダイヤモンドセグメント104bが設けられている。
このようなコアドリル装置によりコンクリート構造物などの被削物に穿孔を行う場合、ドリルユニット103の回転軸Sにコアビット104を連結した後、コアビット104をモータで回転させ、ドリルユニット103を支柱102に沿って下方に移動させて、ダイヤモンドセグメント104bを被削物Wに押し付けて、穿孔する。この穿孔により、被削物Wはコアビット104により円柱状に刳り貫かれる。
このようなコアドリル装置による穿孔作業を連続的に行うと、ダイヤモンドセグメント104bのダイヤモンド砥粒部分に被削物が噛み込んだり、ダイヤモンド砥粒の脱落が進行すると、切れ味が悪くなり穿孔効率が低下し、場合によっては穿孔不能となったりすることがある。このような状態になったとき、砥石やレンガなどの被削物をコアビットで穿孔するという、いわゆるドレッシング(目だし)処理を行い、コアビットのメンテナンスがされる。
この従来から行われているドレッシング処理では、砥石やレンガなどのドレッシング用被削物を別途準備し、そのドレッシング用研削物をコアビットで穿孔するため、穿孔作業が煩雑となり、作業時間が長期化する傾向がある。そのため、効率的なドレッシング処理を行える手法が強く要求されているのが現状である。
国際公開第2005/063458号
本発明は、このような事情の下になされたもので、コンクリート構造物などの被削物を穿孔するコアドリル装置において、効率的なドレッシング処理が可能となるコアドリル装置を提供するものである。
上記課題を解決するため、本発明は、モータを内蔵したドリルユニットと、ドリルユニットの回転軸に連結されたコアビットとを備えたコアドリル装置において、コアドリルと回転軸とが、振動レジューサーを介して連結されていることを特徴とする。
本発明に係るコアドリル装置によれば、穿孔時にコアビットの切れ味が低下した場合に、振動レジューサーを起動させてコアビットに振動を加えることで、穿孔しながらドレッシング処理を行うことができる。そのため、従来のように、砥石やレンガなどのドレッシング用被削物を別途準備する必要もなく、コアビットの取付、取り外しなどの作業も不要となり、非常に簡便かつ迅速なドレッシング処理を行いコアドリルの切れ味を簡単に回復させることができるので、高効率の穿孔作業が可能となる。
本発明において、振動レジューサーによりコアドリルに与える振動は、その振動方式に特に制限はないが、コアドリルの穿孔方向で前後運動するような振動、いわゆる打撃振動をコアビットに与えることが好ましい。コアビットに打撃振動を与えながら穿孔すると、穿孔作業時に強制的な自生作用を、コアビットのダイヤモンドセグメントに誘起させることができ、コアビットのメンテナンスが効率的に行えるようになる。
本発明に係るコアドリル装置は、その装置態様に特に制限はない。被削物に設置固定して使用する固定型コアドリル装置でも、ハンディタイプの携帯型コアドリル装置であっても適用することができる。
本発明のコアドリル装置における振動レジューサーは、振動の有無を設定する切り替え手段を備えることが好ましい。振動の有無の切り替え手段により、通常の穿孔作業、振動しながらの穿孔作業を、適宜選択することができ、穿孔効率を向上させることが可能となる。
本発明のコアドリル装置における振動レジューサーは、構造や振動方式には特に制限はない。好ましくは、回転軸と連結し回動可能な第1スピンドルと、当該第1スピンドルに結着された第1ラチェットと、該第1ラチェットの凹凸状の爪に係合可能な凹凸状の爪を有して回転不能な第2ラチェットと、該第2ラチェットを前記第1ラチェット側に付勢するバネと、該第2ラチェットを結着するとともに軸方向に移動可能な、コアビットを取り付ける第2スピンドルと、を備えた構造の振動レジューサーである。このような振動レジューサーによれば、従来のコアドリル装置に簡単に取り付けることができ、従来のコアドリル装置を本発明に係るコアドリル装置に容易に変更することが可能となる。
本発明における振動レジューサーにおいて、ラチェットを用いた構造を採用した場合、凹凸状の爪の数を変えたラチェットを複数準備しておくことが好ましい。例えば、2爪と4爪と8爪のラチェットをそれぞれ準備しておき、コアビットのダイヤモンドセグメントにおけるダイヤの脱落状態などを考慮して、最適なラチェットを取り付けた振動レジューサーを採用すると、穿孔作業をより効率的に行うことができるものとなる。
本発明によれば、ドレッシング用の研削物を準備する必要もなく、穿孔作業を継続しながら、ドレッシング処理が行えるので、穿孔作業の効率を大きく向上させることができる。
本実施形態のコアドリルの斜視図。 振動レジューサーの斜視図。 振動レジューサーの分解斜視図。 振動レジューサーのラチェットの斜視図。 振動レジューサーの切り替え状態を示す斜視図。 振動レジューサーの切り替え状態を示す側面図。 従来のコアドリル装置の斜視図。 コアビットの側面図。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1に、本発明に関するコアドリル装置の斜視図を示す。
本実施形態におけるコアドリル装置1は、設置用ベース10と、ベースに立てられた支柱20と、支柱20に沿って上下動するモータが内蔵されたドリルユニット30とを有し、ドリルユニット30とコアビット40とを連結する振動レジューサー50とからなる。
次に、図2及び図3に、振動レジューサー50の全体斜視図及び分解斜視図を示す。この振動レジューサー50は、ドリルユニット30の回転軸Sと連結できるようにした第1スピンドル51と、コアビット40を取り付けることができる第2スピンドル52と、この第1及び第2スピンドル(51,52)を連結し、振動の付加できる機構を備えたケース53とからなる。また、ケース53の外側には、振動レジューサー50の取付用把持棒54が設けられている。そして、振動レジューサー50の第2スピンドル52とケース53には、図4に示すラチェットA(52a)と、ラチェットB(53a)とがそれぞれ組み込まれている。
この第2スピンドルは、ケース53にはめ込んだ状態で、軸方向(回転軸の軸方向)に移動可能とされている。そして、第2スピンドルの、ケースにはめ込まれる側の一端にはラチェットA(52a)が組み込まれている。また、この第2スピンドルには、ラチェットA(52a)に付勢力を加えるバネ52bが配置されている。
ケース53は、第1スピンドル51と第2スピンドル52とをはめ込むための中空の円筒部53bが形成されており、円筒部53の中には両スピンドルを連結させる連結台53cが設けられている。この連結台53cの第2スピンドルを連結する側には、ラチェットB(53a)が組み込まれている(図示省略)。
第2スピンドル52は、軸方向に移動可能なようにケース53にはめ込まれているが、この軸方向の移動を制限できるようにされている。図5−1及び図5−2には、振動レジューサーの振動の有無を切り替える構造を示す。図5−1及び図5−2の(ア)は振動が生じない状態の場合で、図5−1及び図5−2の(イ)は振動が生じる状態の場合を示している。振動の有無は、第2スピンドルに設けられたレバー54を回動させることにより切り替えられる。レバー54には凸部55が複数設けられており、この凸部55に対応する位置に凹部56が設けられている。図5−1及び図5−2の(ア)の場合、レバー54の凸部55は、凹部56以外の部分に合わせられているため、第2スピンドルは第1スピンドル側に移動できない状態(軸方向への移動ができない)となる。そして、ラチェットA(52a)と、ラチェットB(53a)と係合(接触しない)できない状態(矢印X)となる。また、レバー54を所定位置に回動することにより、レバー54の凸部55を凹部56に合わせる(図5−1及び図5−2の(イ))と、第2スピンドルが軸方向に移動可能となり、第2スピンドルは第1スピンドル側に移動でき、ラチェットA(52a)と、ラチェットB(53a)と係合(接触した)できる状態(矢印X)となり、振動を発生させる状態となる。尚、図5−1の斜視図は、図2で示した振動レジューサーを下方側(第2スピンドル側)から見た場合のものであり、図5−2の側面図は、図2で示した振動レジューサーのケース53の外側面を省略して図示したものである。
図4に示すラチェットAには凹凸状の爪を備えており、ラチェットBにはラチェットAの凹凸状の爪に係合可能な凹凸状の爪を備えている。そして、図5で示したように、第2スピンドルを軸方向に移動可能とした場合、両方のラチェットを係合可能な状態になる。この状態で、第2スピンドルをケース53側に押しつける(穿孔作業時に生じるコアビットから受ける負荷)と、第2スピンドルが軸方向に移動可能なため、ラチェットA(52a)がラチェットB(53a)側に付勢され、その状態でラチェットBが回動すると、爪の凹凸の高さ距離だけラチェットA(53a)が軸方向に振動することになる。このラチェットの爪の数を2つのものと、4つのものと、8つのものとを準備し、交換可能な状態とした。
続いて、図1で示したコアドリル装置を用いて穿孔作業を行った結果について説明する。切削対象は鉄筋コンクリートとし、湿式ビット(4インチ径)のコアドリルにより、振動無しの通常の穿孔作業を行った。穿孔条件は、モーター回転数700rpm、乾式穿孔、内部集塵とした。また、鉄筋コンクリートは、第1無筋コンクリート100mm、第1鉄筋D19、第2無筋コンクリート100mmの構造であった。この鉄筋コンクリートを振動無しの穿孔をしたところ、第1無筋コンクリートでの穿孔速度が33.9mm/minであったが、第1鉄筋で5分間停止状態となったため、コアビットの切れ味が悪くなったと判断した。そこで、コアドリル装置を振動モードに切り替えた。この振動モードで、1回の穿孔作業を行った。この振動モードでの穿孔速度は、第1無筋コンクリートで30mm/min、第1鉄筋で8.9mm/minn、第2無筋コンクリートで29mm/minであった。その後、振動無しの通常モードに切り替えて、通常の穿孔作業を行った所、初回時の穿孔作業時間とわずか数秒程度の作業時間であった。尚、この際の振動モードの条件は、図4で示したラチェットA及びBの爪の高さが0.5mmとしたため、振幅1mmであった。そして、ラチェットA及びBの爪数が4個で、モータ回転数が700rpmであったので、振動周期は2800回/minであった。
本発明によれば、穿孔作業を煩雑にすることなく、ドレッシング処理が行えるため、コンクリート構造物などの被削物を穿孔する穿孔作業を、非常に高効率に行うことができる。
1,100 コアドリル装置
10、101 ベース
20、102 支柱
30、103 ドリルユニット
40、104 コアビット
104a シャンク
104b ダイヤモンドセグメント
50 振動レジューサー
51 第1スピンドル
52 第2スピンドル
53 ケース
54 レバー
52a、53a ラチェット
S 回転軸
W 被削物

Claims (3)

  1. モータを内蔵したドリルユニットと、ドリルユニットの回転軸に連結されたコアビットとを備えたコアドリル装置において、
    コアドリルと回転軸とが、振動レジューサーを介して連結されていることを特徴とするコアドリル装置。
  2. 振動レジューサーは、振動の有無を設定する切り替え手段を備えた請求項1に記載のコアドリル装置。
  3. 振動レジューサーは、回転軸と連結し回動可能な第1スピンドルと、当該第1スピンドルに結着された第1ラチェットと、該第1ラチェットの凹凸状の爪に係合可能な凹凸状の爪を有して回転不能な第2ラチェットと、該第2ラチェットを前記第1ラチェット側に付勢するバネと、
    該第2ラチェットを結着するとともに軸方向に移動可能な、コアビットを取り付ける第2スピンドルと、
    を備えた請求項1又は請求項2に記載のコアドリル装置。
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