JP2015066144A - 生体管腔治療デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】生体管腔内の処置対象に対し被塗布物質を所望の塗布範囲及び塗布形状に塗布する。
【解決手段】生体管腔治療デバイス10は、血管内に挿入されるシャフト12と、収縮状態と拡張状態に移行可能なバルーン14とを備える。バルーン14は、拡張状態において、基端傾斜部38、先端傾斜部40を有する。基端傾斜部38には、凹部44内にプレジェル溶液を吐出する吐出口22が設けられる。また、基端傾斜部38と先端傾斜部40が連結する括れ部34は、拡張状態において凹部44の軸方向中央部から基端方向にずれた位置に配置される。
【選択図】図1

Description

本発明は、生体管腔の内面に被塗布物質を塗布する生体管腔治療デバイスに関する。
生体器官(例えば、血管、胆管、気管、食道、尿道、鼻腔、或いはその他の臓器等)に生じた病変部に対しては、生体管腔内を通して治療デバイスを送達し、所定の治療を施す手技が行われている。例えば、血管の狭窄部を処置する際には、血管壁を内側から押し広げるステント(薬剤溶出型ステント(DES)を含む)を送達するデリバリーデバイスや薬剤溶出型バルーンカテーテル(DEB)等が用いられる。また、近年では、治療デバイスとして血管内を介して送達可能なアブレーションデバイスを用い、例えば、腎動脈の内部の神経を切断(アブレーション)する処置等を行うこともある。
ところで、上記の手技では、肥厚した血管壁(内膜)に治療デバイスが接触又は拡張することで内膜中の弾性板に亀裂が生じたり断裂したりする、又は治療デバイスの接触にともない血管壁に炎症や損傷が生じることが確認されている。さらに、治療後に、血管内に血栓が発生して末梢血管を塞栓(エンボリ)したり、処置箇所に再狭窄が生じたりする不都合も生じる。
このため、近年では、特許文献1に開示されているアルギネート−カテコールのような生体内でゲル化する物質を塗布する治療法、及びその塗布物質が提案されている。この被塗布物質は、過ヨウ素酸塩等の酸化剤を添付してアルカリ性にすることで、カテコール基が血管壁と結合し、且つ、カテコール基同士も架橋することにより、短時間にゲル化することとなり、血管壁等の生体管腔を良好にコーティングすることができる。
また、上記の被塗布物質を塗布する治療デバイスとして、特許文献1には、血管内を送達可能な管状の部材(カテーテル)が開示されている。この治療デバイスは、先端部の側面に吐出口を有し、術者により先端部が血管内の処置対象に送達された後、吐出口から血管壁に被塗布物質を塗布するように構成されている。
米国特許出願公開第2011/0077216号明細書
ところで、血管内に被塗布物質を塗布する治療では、粘性の低い状態の被塗布物質を塗布すると、塗布後に被塗布物質が血液に押し流されることになる。そのため、塗布時には、粘性が高い状態で被塗布物質を塗布することが好ましい。しかしながら、この場合は、被塗布物質の吐出抵抗が高くなり、特許文献1に開示されているような治療デバイスの吐出口から血管の内面への単純な塗布では、処置対象の所望範囲に被塗布物質を精度よく塗布することが難しくなる。
また、粘性の高い被塗布物質は、血管に塗布された後に、血液の流動(血流)の影響を受けることで、その塗布層が意図しない形状に簡単に変化してしまい、処置対象の治療能力が低下する可能性もある。例えば、塗布してからゲル化反応が完了するまでの間に、血流によるシアストレスを受けた塗布層の遠位部(血流の出口側)が盛り上がって塗布層に段差が生じた状態でゲル化が完了してしまうと、その段差が血流の乱れ又は血液の滞留を引き起こして血栓形成を促進してしまい、結果的にむしろ治療能力を低下させてしまう、といったことも考えられる。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、処置対象に対し被塗布物質を塗布する際に、塗布層を所望の塗布状態とすることで生体管腔を良好に治療することが可能な生体管腔治療デバイスを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、生体管腔内に挿入可能なシャフトと、前記シャフトに設けられ、収縮状態と拡張状態に移行可能な拡縮体とを備える生体管腔治療デバイスであって、前記拡縮体は、前記拡張状態において、第1傾斜部及び第2傾斜部を有し、前記生体管腔の内面との間で塗布室を形成可能な少なくとも1つの凹部と、前記第1傾斜部又は前記第2傾斜部に設けられ、前記塗布室に向けて被塗布物質を吐出する吐出口とを備え、前記第1傾斜部と前記第2傾斜部の連結部は、前記拡張状態において前記凹部の軸方向中央部から基端方向にずれた位置に配置されることを特徴とする。
上記によれば、生体管腔治療デバイスは、第1及び第2傾斜部の連結部が凹部の軸方向中央部から基端側にずれた位置にあるので、被塗布物質の塗布層として頂点が偏った山形を形成することができる。このため、血管内で使用される場合、血管内を流れる血液の上流側に塗布層の頂部が偏るように被塗布物質を塗布することで、塗布後には、山形の塗布層を、血流によりならして適切な塗布形状及び塗布範囲に変化させることができる。例えば、被塗布物質がアルギネート−カテコールのような生体内でのゲル化反応完結までに時間を要する物質の場合、被塗布物質がゲル化する前に、体液によるシアストレスにより下流側に流されることを加味した塗布層の形状を被塗布物質により形成することが重要である。そのため、血管のような生体管腔内に塗布層を形成する場合、生体管腔の中心軸に向かうに従って体液の流速が速くなることを考慮して、よりシアストレスの影響を受けやすい頂部は生体管腔内を流れる体液(血管の場合は血流)の上流側に偏るように被塗布物質を塗布する方がよい。これにより、生体管腔の処置対象に対する塗布層の形状がより均一となり、良好に治療することができる。
また、吐出口を第1傾斜部又は第2傾斜部の少なくとも一方に設けることにより、塗布室に吐出された被塗布物質が血管壁に向かって塗布層を形成しながら、凹部に残された血液や置換された生理食塩水を凹部の両端へと押し出すことができる。これにより被塗布物質によって満たされた塗布層をより良好に形成することが可能となる。
また、前記拡縮体は、前記拡張状態において筒状に形成され、前記拡縮体の長軸方向両端部には、前記生体管腔の内面に当接又は近接する第1突出部及び第2突出部を備えるとよい。
拡縮体は、軸方向両端部に第1突出部と第2突出部を有することで、被塗布物質を塗布する塗布室を第1突出部と第2突出部の間の広い範囲とすることができる。このように広い塗布室でも、第1又は第2傾斜部に設けられた吐出口は、被塗布物質を斜めに吐出することにより、凹部内を被塗布物質で満たすことができる。
さらに、前記第1突出部は、前記拡縮体の基端部に設けられて径方向外側の端部に前記第1傾斜部が連設され、前記第2突出部は、前記拡縮体の先端部に設けられて径方向外側の端部に前記第2傾斜部が連設されることが好ましい。
生体管腔治療デバイスは、基端部側に設けられた第1突出部が第1傾斜部を支持し、先端側に設けられた第2突出部が第2傾斜部を支持することで、拡縮体の拡張状態を良好に維持することができる。この構造により、拡縮体は、生体管腔内に周方向に沿って環状の被塗布物質の塗布層を形成することができる。
また、前記吐出口は、前記第1傾斜部に設けられ、前記第2突出部は、前記塗布室内の流体を該塗布室から排出可能な排出手段を有していることが好ましい。
生体管腔治療デバイスは、排出手段を有することにより、吐出口から塗布室内に向けて被塗布物質を吐出した際に、排出手段を介して塗布室内の流体を排出することができる。よって、塗布室内に強い圧力を掛けずに被塗布物質を吐出することができる。また、吐出口から塗布室内に向けて過剰に吐出された被塗布物質は、排出手段を介して塗布室外に排出されることもあり得る。このように、生体管腔治療デバイスは、排出手段により、被塗布物質の塗布室内での流動を制御することができる。例えば、排出手段を第2突出部に設けることにより、塗布室内の液体は吐出口と排出手段とを繋ぐ軸線の軸方向に流動し、塗布室内での被塗布物質の流動を生体管腔壁の方に誘導することができる。さらに、吐出口を備えた第1傾斜部の対面に、排出手段を備えた第2突出部を設けることで、塗布室内の被塗布物質の流動がより制御しやすくなる。
またさらに、排出手段により流体の流動を厳密に制御することで、塗布室内に残存している血液又は送達流路を被塗布物質で置換する際に使用する生理食塩水と、被塗布物質との粘性の違いを利用することもできる。例えば、術者は、塗布室内が生理食塩水から被塗布物質に置換されたかどうかを、手元側注入部における塗布時の圧力差により確認することも可能となる。
さらに、前記排出手段は、前記第2突出部に設けられ、前記塗布室と前記拡縮体の外部を連通する連通路により構成されることが好ましい。
生体管腔治療デバイスは、連通路を介して塗布室内の流体を拡縮体の外部に排出することができるので、排出手段として物質を吸引する構造等を設ける必要がなくなり、構成がより簡素化する。そのため、実際の手技が簡素化されるだけでなく、製造コスト等を低減することができる。
またさらに、前記拡縮体は、前記シャフトの拡張流体用ルーメンに連通する内部空間を有する内側バルーンと、前記内側バルーンの外側を覆う外側バルーンとにより構成され、前記内側バルーンと前記外側バルーンの間には、前記吐出口を連通する流路が設けられるとよい。
このように、拡縮体を内側バルーンと外側バルーンの2重構造とすることで、被塗布物質を吐出口に案内する流路を簡単に形成することができる。
またさらに、前記シャフトは、前記吐出口に連通する吐出用ルーメンを有し、前記吐出用ルーメンを構成する内面には、前記被塗布物質の流動抵抗を低減する流動抵抗低減手段が設けられていてもよい。
生体管腔治療デバイスは、吐出用ルーメンに流動抵抗低減手段が設けられていることで、被塗布物質の吐出時の吐出抵抗を低減して吐出口に円滑に導くことができる。
さらにまた、前記拡縮体の表面には、前記被塗布物質の付着を低減する被塗布物質付着低減手段が設けられているとよい。具体的には、被塗布物質付着低減手段とは、拡縮体の表面が疎水性或いは撥水性を示すような処理であり、その処理方法としては、コーティングや表面の微細加工等が挙げられる。
生体管腔治療デバイスは、拡縮体の表面が疎水性或いは撥水性になるよう処理されていることにより、被塗布物質の塗布後に塗布層の粘性が高まったとしても、拡縮体への付着が抑えられる。そのため、拡縮体を回収する際も、塗布層の形状を良好に維持することができる。
さらにまた、前記生体管腔は血管であり、前記連結部は前記拡張状態において前記凹部の軸方向中央部より血流の上流側にあるように構成してもよい。
生体管腔治療デバイスは、血管の中心軸に向かうに従って血液の流速が速くなることを考慮して、被塗布物質を塗布するデバイスである。そのため、流動する血液に満たされた血管内で使用することが好ましい。この際、血管内を流れる血液の上流側に塗布層の頂部が偏るように被塗布物質を塗布することで、塗布後に、塗布層を血流によりなして適切な塗布形状及び塗布範囲に変化させることができる。そのため、第1傾斜部と第2傾斜部の連結部は、拡縮体の拡張状態において凹部の軸方向中央部より血流の上流側にあるように構成することが好ましい。
本発明によれば、生体管腔治療デバイスは、処置対象に対し被塗布物質を塗布する際に、塗布層を所望の塗布状態とすることで生体管腔を良好に治療することができる。
本発明の一実施形態に係る生体管腔治療デバイスの全体構成を示す斜視図である。 図2Aは、図1のバルーンの収縮状態を示す側面断面図であり、図2Bは、図1のバルーンの拡張状態を示す側面断面図である。 図3Aは、図1の治療デバイスの先端部の構成を概略的に示す側面断面図であり、図3Bは、図3AのIIIB−IIIB線断面図であり、図3Cは、図3AのIIIC−IIIC線断面図である。 図4Aは、図1の治療デバイスの使用方法を説明する第1説明図であり、図4Bは、図4Aに続く使用方法の第2説明図であり、図4Cは、図4Bに続く使用方法の第3説明図である。 図5Aは、図4Cに続く使用方法の第4説明図であり、図5Bは、図5Aに続く使用方法の第5説明図であり、図5Cは、図5Bに続く使用方法の第6説明図である。 第1変形例に係る治療デバイスの先端部を示す側面図である。 図7Aは、第2変形例に係る排出手段を示す拡大斜視図であり、図7Bは、第3変形例に係る排出手段を示す拡大斜視図であり、図7Cは、第4変形例に係る排出手段を示す拡大斜視図である。 図8Aは、第5変形例に係る治療デバイスの先端部を示す側面図であり、図8Bは、図8Aの治療デバイスの被塗布物質の塗布状態を示す部分側面図であり、図8Cは、図8Bに続く被塗布物質の塗布後の状態を示す部分側面図である。 図9Aは、第6変形例に係る治療デバイスの被塗布物質の塗布状態を示す部分側面図であり、図9Bは、第7変形例に係る治療デバイスの被塗布物質の塗布状態を示す部分側面図であり、図9Cは、第8変形例に係る治療デバイスの被塗布物質の塗布状態を示す部分側面図である。
以下、本発明に係る生体管腔治療デバイスについて好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1に示す本実施形態に係る生体管腔治療デバイス10(以下、単に治療デバイス10ともいう)は、生体管腔である血管に被塗布物質を塗布するために用いられるデバイスである。すなわち、術者は、この治療デバイス10を、皮膚に開けた小さな孔から血管内に挿入して、血管内を介して処置対象に送達し、この処置対象に被塗布物質を塗布するインターベンション手技を行う。特に、この治療デバイス10は、バルーンカテーテルやステントデリバリーデバイス等の他のデバイスによる治療と併用することが可能であり、他のデバイスが処置した血管壁(血管の内面)に治療用の被塗布物質を好適に塗布し得る。
例えば、バルーン血管形成術では、バルーンカテーテルにより狭窄部を押し広げる手技を行った後に、治療デバイス10により狭窄部周辺に被塗布物質を塗布する。また、ステント留置術では、ステントを狭窄部に留置する手技を行った後に、治療デバイス10によりステントの留置部周辺に被塗布物質を塗布する。さらに、アテレクトミーでは、アテレクトミーデバイスにより血管壁に堆積したアテローム(粥種)や石灰化病変の除去を行った後に、治療デバイス10により除去部周辺に被塗布物質を塗布する。或いは、交感神経アブレーション治療では、血管壁の内部を通る交感神経を切断する処置を行った後に、治療デバイス10により処置箇所周辺の血管壁に被塗布物質を塗布する。さらにまた、急性心筋梗塞の主な原因とされるバルネラブルプラーク破裂の予防処置として、破裂の可能性のあるプラーク上に被塗布物質を塗布することにより、プラークの破裂を事前に防ぐことが可能となる。
なお、この治療デバイス10は、上記の使用方法に限定されず様々な用途に用いることが可能であり、また種々の生体管腔(例えば、胆管、気管、食道、尿道、鼻腔、その他の臓器等)内の治療に適用できることは勿論である。
血管の処置対象に塗布される被塗布物質は、血管を治療する機能(改善や保護を含む)を有するものであり、例えば、血管壁に対し強い接着力を発揮するアルギネート−カテコールが挙げられる。既述したように、アルギネート−カテコールは、血管内で短時間にゲル化する。このため、処置対象に生じた炎症等を保護しつつ、処置対象の再狭窄や血栓の発生を抑止することができる。勿論、塗布される物質は、アルギネート−カテコールに限定されるものではなく、例えば、ヘパリン、ヒアルロン酸等の多糖類、ベタイン系の高分子、或いはポリエチレングリコールのカテコール修飾物等が挙げられる。また、被塗布物質に加えて、生物学的生理活性物質を含む種々の薬剤を同時に適用してもよいことは勿論である。例えば、被塗布物質がアルギネート−カテコール等の血管内でゲル化する物質の場合、被塗布物質に薬剤や薬剤内包粒子を混合して処置対象に対応することで、被塗布物質のゲル化後、ゲルで血管壁を保護し、且つ、処置対象に薬剤を徐放することができる。
以下の説明では、アルギネート−カテコールを含む薬剤を塗布する治療デバイス10について代表的に説明していく。特に、塗布する溶液は、pHの調整によりアルカリ性とすることで、時間経過とともに粘性が増加していく状態となっている。以下の説明では、血管に塗布する際の被塗布物質をプレジェル溶液という。プレジェル溶液は、血管への塗布後に短時間にゲル化し(留置してもよい程度の粘性となり)ジェル状の塗布層を形成する。
図1に示すように、本実施形態に係る治療デバイス10は、長尺なシャフト12と、シャフト12の先端側に設けられるバルーン14(拡縮体)とを備える。バルーン14は、血管の処置対象にプレジェル溶液を塗布する治療デバイス10の塗布部でもあり、シャフト12は、このバルーン14にプレジェル溶液を導く機能を有している。
シャフト12は、血管内に挿入可能な管体として構成され、バルーン14を処置対象に到達し得る全長及び太さ(外径)に形成されている。このシャフト12の先端側には、バルーン14が強固に固着されており、バルーン14はシャフト12と一体的に血管内を進退自在となっている。また、シャフト12の基端部には、術者が把持するためのハブ16が設けられている。このハブ16は、操作が容易となるように、シャフト12よりも大径に形成されている。
シャフト12は、血管内に先行挿入されるガイドワイヤ18(図2A参照)に沿って送達される。そのため、シャフト12の内部にはガイドワイヤルーメン20が設けられている。ガイドワイヤルーメン20は、シャフト12の先端からハブ16の基端まで軸方向に沿って貫通形成されている。すなわち、この治療デバイス10は、ガイドワイヤ18によりシャフト12全体が案内されるオーバーザワイヤタイプのカテーテルである。なお、治療デバイス10は、オーバーザワイヤタイプに限定されるものではなく、シャフト12の途中位置でガイドワイヤ18を外部に導出するラピッドエクスチェンジタイプに構成してもよい。
一方、バルーン14は、可撓性及び伸縮性を有する筒状(袋状)の部材である。このバルーン14は、図2Aに示すように外周面(凹部44)がシャフト12側に近接した収縮状態と、図2Bに示すように外周面(凹部44)がシャフト12側から離間した拡張状態とに移行自在に構成されている。また、バルーン14の所定位置には、プレジェル溶液を吐出する吐出口22が設けられている。つまり、治療デバイス10は、バルーン14を血管内で拡張及び収縮する機能と、バルーン14からプレジェル溶液を吐出する機能とを有している。
よって、以下の説明では、本発明の理解の容易化のため、バルーン14の機能毎に治療デバイス10の構成を説明していく。バルーン14を拡縮する機能は、図1及び図3A〜図3Cに示すように、シャフト12の第1ルーメン26と、バルーン14自体と、ハブ16の第1ポート28と、第1ポート28に接続された拡縮操作装置30によって実現される。なお、図3Aでは、図面を分かりやすくするため、第1ルーメン26、第2ルーメン50、吐出案内路51及び連通口50aを、流体の経路を示す簡略的な線で図示している。より具体的には、拡張用流体の経路を実線で示し、プレジェル溶液の流路を一点鎖線で示す。また、図3Aでは、突出部吐出案内路52の内路52bが環状であることを分かりやすくするため、斜視図で記載している。
シャフト12の第1ルーメン26は、バルーン14に拡張用流体を供給し、又バルーン14から拡張用流体を排出するための拡張流体用ルーメンとして構成される。シャフト12は、ガイドワイヤルーメン20を軸心部に備え、ガイドワイヤルーメン20の外側周方向に沿って第1及び第2ルーメン26、50を備える。第1ルーメン26は、ガイドワイヤルーメン20の外側部分を略1/2程度囲う断面扇状に形成されている。例えば、図3B中では、ガイドワイヤルーメン20の下側に第1ルーメン26が設けられている。第1ルーメン26は、シャフト12の軸方向に沿って延び、その基端側は、ハブ16内において第1ポート28の内部に形成された流通路28aに連通している。
第1ルーメン26の先端側は、バルーン14に重なる位置でシャフト12の径方向外側に屈曲し、シャフト12の側面開口26aを介して、バルーン14の内部空間32に連通している。よって、バルーン14の内部空間32には、第1ルーメン26を介して拡張用流体が供給又は排出される。なお、側面開口26aは、シャフト12に複数設けられることが好ましい。バルーン14は、内部空間32に供給された拡張用流体によりシャフト12の径方向外側に拡張し、拡張状態において図2B及び図3A〜図3Cに示すような形状となる。
具体的に、バルーン14は、拡張状態で、基端部から先端方向に細くなる円錐形状と、先端部から基端方向に細くなる円錐形状とが途中で交わることで、全体として括れた部分(括れ部34)を有する筒状に形成される。さらに詳細に説明すると、バルーン14は、基端側から先端側に向かって、基端突出部36(第1突出部)、基端傾斜部38(第1傾斜部)、先端傾斜部40(第2傾斜部)、先端突出部42(第2突出部)を有するように拡張する。
基端突出部36及び先端突出部42の径方向内側部分は、シャフト12の外周面に固着されるバルーン14の固定部となっている。基端突出部36及び先端突出部42の径方向外側には、突出部位である基端突出端部36a、先端突出端部42aが設けられている。基端突出端部36a及び先端突出端部42aの側周面は、拡張状態において、シャフト12の軸方向と直交する方向に突出して血管の内面に接触する。
なお、基端突出端部36a及び先端突出端部42aは、血管の内面に接触せずに近接するだけでもよい。また、本実施形態では、基端突出部36と先端突出部42の突出高さは同程度に設定されているが、互いに異なる突出高さに設定されていてもよい。この場合、基端突出部36と先端突出部42のうち突出高さが高い方を、血流の上流側に位置するように手技を行うことで、血液の流入を効果的に遮断することができる。例えば、基端突出部36を血管の内面に当接する突出高さとし、先端突出部42を基端突出部36よりも低く設定する。そして、基端突出部36を血流の上流側に配置するように手技を行うことで、手技時に基端突出部36により凹部44内への血液の流入を遮断することができる。
一方、基端傾斜部38は、基端突出部36よりも一回り小径で基端突出端部36aに連結される基端連結端部38aを有する。従って、基端突出端部36aの側周面と基端連結端部38aの間には、先端方向を臨む先端面36b(対向面)が形成される。基端傾斜部38は、基端連結端部38aから先端方向に向かって徐々に小径となるテーパ状を呈し、その先端が先端傾斜部40の基端に連結されている。
先端傾斜部40は、基端傾斜部38の先端から先端方向に向かって徐々に大径となるテーパ状に形成されている。つまり、バルーン14は、基端傾斜部38と先端傾斜部40の連結部が括れ部34となる。先端傾斜部40は、バルーン14の軸方向に沿った長さが基端傾斜部38の軸方向に沿った長さよりも長く形成されている。従って、バルーン14の軸方向に対する先端傾斜部40の傾斜角度は、基端傾斜部38の傾斜角度よりも緩やかとなっている。
この先端傾斜部40は、先端突出部42よりも一回り小径で先端突出端部42aに連結する先端連結端部40aを有する。従って、先端突出端部42aの側周面と先端連結端部40aの間には、基端方向を臨む基端面42bが形成される。
また、バルーン14は、内側バルーン14aと外側バルーン14bの2重構造となっており、内側バルーン14aと外側バルーン14bの間に、プレジェル溶液の流路を有している。内側バルーン14aは、内側に内部空間32を有し、拡張用流体が供給されると上述した基端突出部36、基端傾斜部38、先端傾斜部40、先端突出部42からなる形状を呈する。内部空間32は、基端突出部36と基端傾斜部38の間、及び先端傾斜部40と先端突出部42の間に環状の隙間32aを設けており、バルーン14の折り畳みを容易化している。一方、外側バルーン14bは、内側バルーン14aを覆うことで内側バルーン14aの拡張及び収縮に追従して変形する。
バルーン14(外側バルーン14b)は、基端突出部36の先端面36b、基端傾斜部38の外周面38b、先端傾斜部40の外周面40b、先端突出部42の基端面42bにより構成される凹部44を有するように拡張する。凹部44は、バルーン14の周方向全周にわたって形成される。バルーン14は、拡張状態で、基端突出部36及び先端突出部42が血管の内面に接触することで、この凹部44と血管の内面との間に環状の塗布室X(図4A等参照)を形成する。
バルーン14を構成する材料は、特に限定されないが、例えば、ラテックス等の天然ゴム、或いはシリコーンゴム、ウレタンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ニトリルゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム等の合成ゴム等の樹脂材、又は織物、編物、不織布、紙材のような繊維性多孔質膜、その他、非繊維性多孔質膜、高分子シートのような緻密膜等を挙げることができる。
また、バルーン14(凹部44)の表面は、疎水性或いは撥水性を示す被塗布物質付着低減手段が設けられていることが好ましく、その処理方法としてはコーティングや表面の微細加工等が挙げられる。中でもプレジェル溶液の付着を低減するコーティング層15が設けられていることが好ましく、コーティング層15を形成するものとしては撥水性を有する塗布剤等が挙げられる。
バルーン14の内部空間32に供給又は排出される拡張用流体も、特に限定されず、例えば、生理食塩水やX線不透過性の造影剤等を好適に用いることができる。特に、造影剤は、X線撮影下に、バルーン14の拡張状態を確認することができるので有効である。
図1に戻り、拡張用流体は、第1ポート28に接続された拡縮操作装置30により供給及び排出が操作される。拡縮操作装置30は、例えば、インデフレータにより構成される。インデフレータは、図示しないプランジャの押し操作時に加圧力を調整しながら拡張用流体を流出(供給)し、プランジャの引き操作時に減圧力を調整しながら拡張用流体を吸引(排出)する。
次に、図1及び図3A〜図3Cを参照して、プレジェル溶液を吐出する機能について説明する。プレジェル溶液を吐出する機能は、シャフト12の第2ルーメン50と、バルーン14の吐出案内路51及び吐出口22と、ハブ16の第2ポート54と、第2ポート54に接続された供給装置56によって実現される。
シャフト12の第2ルーメン50は、バルーン14にプレジェル溶液を供給するための流路(吐出用ルーメン)である。この第2ルーメン50は、ガイドワイヤルーメン20の外側部分において略1/2程度囲う断面扇状に形成されている。例えば、図3B中では、ガイドワイヤルーメン20の上半分を囲うように第2ルーメン50が設けられる。第2ルーメン50は、シャフト12の軸方向に沿って延び、その基端側は、ハブ16内において第2ポート54の内部に形成された流通路54aに連通している。
ここで、本実施形態に係る第2ルーメン50の流路断面積は、第1ルーメン26と同じ流路断面積に形成されているが、第2ルーメン50の流路断面積は、被塗布物質の粘度に応じて大きさが設定されることが好ましい。例えば、被塗布物質がより粘度の高いプレジェル溶液の場合は、第2ルーメン50の流路断面積を第1ルーメン26の流路断面積よりも大きい流路断面積に設定するとよい。これにより、プレジェル溶液の吐出抵抗を大幅に低減して、プレジェル溶液を吐出することができる。また、第2ルーメン50の内部には、粘性の高いプレジェル溶液の流動抵抗(吐出抵抗)を低減するための流動抵抗低減手段として、超撥水コーティング層58やリブレット構造が形成されていることが好ましい。ここで、リブレット構造とは、微細な溝を設けることで、流速抵抗を低減する効果のある構造のことをいう。
第2ルーメン50の先端側は、図3Aに示すように、バルーン14の基端突出部36に重なる位置でシャフト12の径方向外側に屈曲し、基端突出部36に形成された吐出案内路51に連なる連通口50aに連通している。
吐出案内路51は、内側バルーン14aと外側バルーン14bの間に設けられる空間により構成される。この空間は、内側バルーン14aの外面や外側バルーン14bの内面に作成した溝や、チューブの設置により構成されてもよい。この吐出案内路51は、基端突出部36に設けられる突出部吐出案内路52と、基端傾斜部38に設けられる傾斜部吐出案内路53とにより構成される。
突出部吐出案内路52は、プレジェル溶液を内側の連通口50aから径方向外側に導く機能を有する。例えば、吐出案内路51は、連通口50aに連通する導入路52a、シャフト12に近い位置で周回する内路52b、内路52bから径方向外側に延びる複数の中間路52c、及び中間路52cに連通し基端突出端部36aで周回する外路52dを含む。
外路52dには、厚肉に形成された基端突出端部36aの厚み方向(バルーン14の軸方向)に延びる連結路52eが連結されている。連結路52eは、外路52dの周方向に沿って複数本(図3B中では12個)設けられ、その先端部が傾斜部吐出案内路53に連通している。各連結路52eは互いに等間隔に離間している。
傾斜部吐出案内路53は、各連結路52eに応じて複数本の流路として構成されている。各傾斜部吐出案内路53は、基端連結端部38aから括れ部34付近まで基端傾斜部38の内部を直線状に延び、バルーン14の軸方向に沿って3つの吐出口22に連通している。
吐出口22は、基端傾斜部38の周方向に複数(12個)設けられ、基端傾斜部38の軸方向に3列で形成されている。傾斜部吐出案内路53は、吐出口22の周方向の形成数(12個)に応じて本数が設定されている。各吐出口22は、傾斜部吐出案内路53に案内されたプレジェル溶液を、バルーン14の内側(凹部44)に略均等に吐出する。
図1に戻り、プレジェル溶液は、ハブ16の第2ポート54に接続された供給装置56により供給が操作される。供給装置56は、例えば、リザーバによって構成され、充分な量のプレジェル溶液を貯留可能な貯留槽を有し、この貯留槽が第2ポート54の流通路54aに連通するように接続される。リザーバは、術者等に操作されることにより、プレジェル溶液の供給量を制御して出力するシリンジとしての機能も有している。従って、プレジェル溶液は、所望のタイミングでリザーバから第2ポート54に供給され、第2ルーメン50に供給される。
また、供給装置56は、プレジェル溶液の吐出圧(送出圧)を監視する圧力検出部を備えていることが好ましい。これにより、術者は、プレジェル溶液の吐出圧の変動を認識することが可能となる。
さらに、バルーン14の先端突出部42には、図2B、図3A及び図3Cに示すように、塗布室Xに存在する物質をバルーン14の外側に排出する排出手段60が設けられている。この排出手段60は、先端突出端部42a(外側バルーン14b)の外周面に設けられた溝部62(連通路)によって構成される。
溝部62は、先端突出端部42aの外周面から径方向内側に向かって所定の深さを有し、厚肉に形成された先端突出端部42aの厚み方向(バルーン14の軸方向)に沿って直線状に延びている。この溝部62は、先端突出端部42aの周方向に沿って等間隔に複数本形成されている。従って、先端突出端部42aの外周面は、溝部62と、隣り合う溝部62間に形成される隔壁64により、凹凸状に形成される。
血管内におけるバルーン14の拡張状態では、隔壁64が血管の内面に接触して、溝部62が血管の内面に対し非接触の位置に配置される。このため、バルーン14の内側の凹部44(塗布室X)と、バルーン14の外側(先端側)が連通する。溝部62は、塗布室X内の血液や後述する生理食塩水をバルーン14の外側に流動可能とする一方で、粘性の高いプレジェル溶液がバルーン14の外側に排出することを低減する。また、溝部62から塗布室X内にある液体を排出することで、塗布室X内でのプレジェル溶液の流動を制御することができる。
また、排出手段60は、先端突出部42の外周面に溝部を形成することに限らず、塗布室X内の液体を塗布室X外に出す手段であれば特に限定されない。例えば、先端突出部42の外周面に小さな逆止弁(図示せず)のような構造を有し、その弁を介して塗布室X内の液体に所定の圧力が掛った際に塗布室Xの外側に流す構造を選択してもよい。
また図1に戻り、治療デバイス10は、シャフト12の送達時に、バルーン14を保護するとともに送達性を高めるためにシース70を備えていてもよい。シース70は、送達される血管の内径よりも小径な外径を有し且つ可撓性を有する管体からなり、その内部にはシャフト12及びバルーン14を収容可能な収容ルーメン72が貫通形成されている。バルーン14は、収容ルーメン72の先端開口付近に収容される。
シース70の基端部は、バルーン14が処置対象に送達された状態で、生体外部に露出するようになっており、この基端部には径方向外側に拡径した操作板70a(シース操作部)が形成されている。シース70は、操作板70aが操作されることで、シャフト12及びバルーン14と相対的な進退移動がなされる。
なお、治療デバイス10は、バルーン14が処置対象に送達される際、バルーン14が血管の内径よりも小径な外径になるように構成されていればよく、シース70を適用しなくともよい。例えば、送達時にバルーン14が展開可能に折り畳まれており、送達後に拡縮操作装置30により拡張することでバルーン14が展開すればよい。
本実施形態に係る治療デバイス10は、基本的には、以上のように構成されるものであり、次にこの治療デバイス10の作用効果について、図4A〜図5Cを参照して説明する。
治療デバイス10は、手技の一例として、他のデバイスを使用して血管80を処置した後に、血管80の治療部位(処置対象A)にプレジェル溶液Pを塗布する際に適用される。以下の説明では、アテレクトミーデバイス(図示せず)によるアテレクトミーを行った後の治療デバイス10の使用例について代表的に説明していく。
術者は、この手技において、先ず血管内造影法や血管内超音波診断法により病変部の形態を特定する。次に、例えばセルジンガー法によって、大腿部等から経皮的に血管80内にガイドワイヤ18を導入し、アテレクトミーデバイスをこのガイドワイヤ18に沿って進行させる。そして、堆積されたアテロームをアテレクトミーデバイスにより除去(例えば、削り取る、粉砕する又は吸引する等)することで、処置対象Aの内面80aを血液が充分に流通可能な内径とする。処置後は、アテレクトミーデバイスを血管80内から引き抜くことでアテレクトミーが終了する。
このアテレクトミーにより血管80の内面80aに損傷等が生じた可能性を考慮し、次に治療デバイス10を血管80内に挿入して、アテロームが除去された処置対象Aにプレジェル溶液Pを塗布する。
この場合、治療デバイス10の先端部を処置対象Aに送達する送達ステップを実施する。送達ステップでは、治療デバイス10を、アテレクトミーデバイスと同じ挿入箇所から挿入する。血管80内の送達時には、先行して挿入されたガイドワイヤ18に沿って治療デバイス10が案内されるので、バルーン14を処置対象Aにスムーズに送達することができる。術者は、X線造影下に、バルーン14が処置対象Aに重なったことを判別すると、送達を停止する。
送達ステップの後は、図4Aに示すように、バルーン14を拡張する拡張ステップを実施する。この拡張ステップでは、拡縮操作装置30(図1参照)を操作して、拡張用流体を、第1ポート28の流通路28a(図1参照)及び第1ルーメン26(図3A参照)を介して、バルーン14の内部空間32に供給する。これにより、バルーン14の基端突出部36と先端突出部42が血管80の内面80aに接触し、血流が閉塞され、凹部44と血管80の内面80aによる略閉塞した塗布室Xが形成される。
塗布室X内には、血液Bが取り残されている。このため、プレジェル溶液Pの塗布前には、プレジェル溶液Pの塗布環境をより良好な状態とする塗布環境形成ステップを実施する。
具体的には、バルーン14の吐出口22から生理食塩水Sの吐出を行う。生理食塩水Sは、供給装置56(図1参照)により第2ポート54の流通路54a(図1参照)、シャフト12の第2ルーメン50(図3A参照)を介して、バルーン14の吐出案内路51に流入される。そして、吐出案内路51を流動して吐出口22から塗布室X内に吐出される。図4Bに示すように、塗布室Xに吐出された生理食塩水Sは、塗布室X内に存在する血液Bを押し流して先端方向に流動していく。
バルーン14の先端突出部42には、上述したように溝部62(排出手段60)が設けられている。このため、吐出口22から生理食塩水Sを吐出すると、生理食塩水Sは塗布室X内の先端方向に向かい、塗布室X内の血液Bを押し流す。その結果、血液Bは、先端方向に押し出され、溝部62を通って凹部44(バルーン14)の外側に排出される。この際、吐出口22は、塗布室X内において対面側に排出手段60を有しているため、効率的に塗布室X内を生理食塩水S(又は被塗布物質)で満たすことができる。
これにより、塗布室Xは、図4Cに示すように、生理食塩水Sで満たされた塗布環境に形成される。プレジェル溶液Pは、生理食塩水Sに対しては化学反応を起こさないため、この環境下では塗布室X内に良好に塗布される。また、治療デバイス10は、吐出口22からの生理食塩水Sの吐出量に応じて血液Bを塗布室Xの外に押し流すので、塗布室X内にかかる圧力を大きく変動せずに塗布環境を形成することができる。なお、塗布環境形成ステップは、治療状況に応じて実施しなくてもよいことは勿論である。
塗布室X内が生理食塩水Sで満たされた後は、図5Aに示すように、プレジェル溶液Pを塗布室X内に吐出する(塗布ステップ)。プレジェル溶液Pは、供給装置56(図1参照)により第2ポート54の流通路54a(図1参照)、シャフト12の第2ルーメン50(図3A参照)内を先端方向に移動していく。この際、第2ルーメン50の内面には、超撥水コーティング層58が形成されているので、プレジェル溶液Pは第2ルーメン50内を円滑に流動することができる。
そして、プレジェル溶液Pは、図3Bに示すように、第2ルーメン50の連通口50aからバルーン14の吐出案内路51の突出部吐出案内路52に流入される。プレジェル溶液Pは、導入路52aに流入されると、内路52bを通ることで周方向に拡散して複数の中間路52cに流入し、さらに中間路52cから外路52dに流入されることで拡散が促される。外路52dに案内されたプレジェル溶液Pは、さらに、連結路52eを介して傾斜部吐出案内路53に案内され、傾斜部吐出案内路53を移動する。そして、図5Aに示すように、プレジェル溶液Pは、軸方向に並ぶ吐出口22から吐出される。これにより、多量のプレジェル溶液Pが基端傾斜部38の外周面38bから塗布室Xの先端側に流動していく。この際、吐出口22は基端傾斜部38にあるため血管壁との距離が近い。これにより、プレジェル溶液Pを効率よく血管壁に塗布することができる。
また、プレジェル溶液Pの吐出にともない、溝部62(排出手段60)が生理食塩水Sを排出するので、塗布室X内の生理食塩水S及びプレジェル溶液Pは、吐出口22からスムーズに先端方向に流動していく。その結果、塗布室Xは、図5Bに示すように、生理食塩水Sの充満状態からプレジェル溶液Pの充満状態に容易に移行する。塗布室X内で充満状態となったプレジェル溶液Pは、塗布室Xに対応する形状、すなわち環状に存在する。溝部62は、生理食塩水Sの排出を許容するものの、プレジェル溶液Pの排出を抑制又は遮断するため、塗布室X内をプレジェル溶液Pで確実に満たすことができる。
ここで、供給装置56(図1参照)の圧力検出部は、プレジェル溶液Pの吐出圧を監視しており、プレジェル溶液Pが塗布室Xを満たすと、プレジェル溶液Pが凹部44から排出されないことで吐出圧が急激に高まることを検出する。従って、術者は、吐出圧をモニタリングすることで、プレジェル溶液Pが塗布室X内を充満したことを簡単に認識することができる。プレジェル溶液Pが満たされると、供給装置56の操作を停止して吐出動作を停止する。
プレジェル溶液Pは、血流を受けない状態で、カテコール基が血管壁と反応することで、血管壁への付着が積極的に促される。また、プレジェル溶液Pは、アルカリ性の溶液として調整された時点から、ゲル化反応が開始される。その結果、血管80の内面80a上には、バルーン14の凹部44の形状に沿って、吐出時よりもさらに粘性が高くなったジェル状の塗布層Cが形成される。この際、塗布層Cの血管壁から離れている部分(血液に接触する部分)は、血管壁側と比較して血流の流速が速いため血流によるシアストレスの影響を受けやすい。そのため、ゲル化する前に血管80内の血流により塗布層Cの形状が変形してしまい、処置対象Aを適切に保護できない場合がある。本実施形態に係る凹部44は、この血流を考慮した塗布層Cを形成する。
プレジェル溶液Pの塗布後は、バルーン14を収縮する操作、すなわち、拡縮操作装置30がバルーン14に負圧を付与する動作を行う。これにより拡張用流体は、第1ルーメン26、流通路28aを通してバルーン14の内部空間32から排出される。バルーン14は拡張用流体の流出に伴い収縮状態に移行する。
バルーン14の収縮後は、血管80内から治療デバイス10を引き抜く操作を行う。これにより、ジェル状の塗布層Cは、図5Cに示すように径方向内側に凸となる頂部C1を有する断面山形の形状で血管80内に留置される。ここで、治療デバイス10は、バルーン14の表面にコーティング層15が設けられることで、プレジェル溶液の塗布後に塗布層Cの粘性が高まったとしても、バルーン14への付着が抑えられる。そのため、治療デバイス10を回収する際も、塗布層Cの形状を良好に維持することができる。
治療デバイス10の引き抜き直後の塗布層Cは、バルーン14の形状に基づき、山の頂部C1が塗布層Cの軸方向中央部よりも血流の上流方向に寄っている。そのため、治療デバイス10の収縮後に血管80内の血液の流通を再開すると、塗布層Cの山の頂部C1付近は、血液の流れを受けて下流方向に移動する。すなわち、塗布層Cは、血流のシアストレスを受けることになり、図5C中の二点鎖線で示すようにならされ、適切な塗布形状及び塗布範囲に変化して処置対象Aを覆うことになる。これにより処置対象Aを良好に保護又は治療することができる。例えば、塗布層Cの山の頂部C1付近に処置対象Aが来るように塗布層を配置することで、血流のシアストレスにより塗布層Cが流れたとしても処置対象Aを治療することができる。この際、治療デバイス10の凹部44は、塗布層Cの山の頂部C1に対応する括れ部34に造影マーカーを設けておくと、治療デバイス10と処置対象Aの位置を合わせやすく好ましい。
以上のように、本実施形態に係る治療デバイス10によれば、基端傾斜部38に設けられた複数の吐出口22からプレジェル溶液Pを吐出することで、バルーン14の凹部44内をプレジェル溶液Pでスムーズに満たすことができる。さらに、この凹部44は、括れ部34が凹部44の軸方向中央部からずれた位置にあるため、山の頂部C1が偏ったプレジェル溶液Pの塗布層Cを形成する。このため、血管80内を流れる血液の上流側に山の頂部C1が偏るように塗布することで、塗布層Cを、血流によりならして適切な塗布形状に変化させる。これにより、血管80の処置対象Aを良好に保護又は治療することができる。また、処置対象Aを治療する際、プレジェル溶液Pに生物学的生理活性物質を混合することにより、処置対象Aの付近に生物学的生理活性物質を含んだ塗布層を形成することができ、処置対象Aに生物学的生理活性物質を徐放的に適用することができる。
この場合、バルーン14は、基端突出部36と先端突出部42を有することで、プレジェル溶液Pを塗布する塗布室Xを基端突出部36と先端突出部42の間の広い範囲とすることができる。このように広い塗布室Xでも、基端傾斜部38に設けられた吐出口22は、プレジェル溶液Pを斜めに吐出することにより、凹部44内をプレジェル溶液で満たすことができる。
また、治療デバイス10は、溝部62(排出手段60)を有することにより、吐出口22から塗布室X内に向けてプレジェル溶液Pを吐出した際に、溝部62を介して塗布室X内の血液Bや生理食塩水Sを排出することができる。よって、プレジェル溶液Pにより塗布室X内を簡単に満たすことができる。この溝部62は、簡単に設けることができるため、治療デバイス10の製造コスト等を低減することができる。
さらに、バルーン14を内側バルーン14aと外側バルーン14bの2重構造とすることで、プレジェル溶液Pを吐出口22に案内する吐出案内路51を簡単に形成することができる。
またさらに、プレジェル溶液を流通する第2ルーメン50に超撥水コーティング層58が設けられていることで、プレジェル溶液の吐出抵抗を低減する(流動性を高める)ことができる。よって、粘性の高いプレジェル溶液Pでも容易に流動させることができる。なお、超撥水コーティング層58は、吐出案内路51や流通路54aに設けられてもよい。また、流動抵抗低減手段は、超撥水コーティング層58に限定されるものではなく、例えば、第2ルーメン50内に微細リブレット構造が設けることで、プレジェル溶液Pの流動性を高めてもよい。
なお、治療デバイス10は、上述した構成に限定されるものではなく、種々の変形例や応用例を取り得る。以下、治療デバイス10の他の変形例をいくつか説明していく。なお、以下の説明において本実施形態に係る治療デバイス10と同一の構成又は同一の機能を有する構成については、同じ符号を付しその詳細な説明については省略する。
図6に示す第1変形例に係るバルーン14Aは、先端傾斜部40の外周面40bに複数の吐出口22を設け、基端突出部36に排出手段60Aである溝部90を設けた構成となっている。このように構成しても、吐出口22から吐出されたプレジェル溶液Pや生理食塩水Sは、凹部44(塗布室X)内を基端方向に円滑に流動することができる。そのため、プレジェル溶液Pの塗布層Cを、バルーン14と同じように形成することができる。特に、バルーン14Aの先端側が血流の上流側である場合には、このバルーン14Aを好適に用いることができる。
さらに、排出手段60B(第2変形例に係るバルーン14B)は、プレジェル溶液Pをより流れにくくするため、例えば、図7Aのように、のれんのような開閉機構94(開閉可能な平板状物)が凹状の溝部92に設けられてもよい。これにより、塗布室X内の圧力が一定の値を越えた際に、溝部92の開閉機構94が開放状態になり、塗布室X内の液体を塗布室X外に排出することができる。このため、塗布室X内の圧力が一定の値以上にならないように圧力を制御することができる。また、図7Bのように、排出手段60C(第3変形例に係るバルーン14C)は、溝部92にスポンジのような多孔体構造物96を(障害物として)設け、粘性の低い液体は流れやすく、粘性の高い溶液はより流れにくくなるように構成していてもよい。さらにまた、図7Cのように、排出手段60D(第4変形例に係るバルーン14D)は、貫通路98として構成してもよく、この貫通路98は圧力損失が生じやすいように先細りに形成されることが好ましい。
要するに、バルーンに形成される排出手段は、連通路(溝部)や貫通路のように種々の構造を採用し得る。また、連通路や貫通路のような排出手段は、閉開構造、障害物、先細り構造等を設けることで、排出手段による塗布室X内の流体の排出条件や排出量を調整することが可能である。排出手段として塗布室X内の流体を吸引する構成(吸引口)を設けてもよい。また、バルーン14に形成される吐出口22の形成位置や形成数、形状等も、特に限定されるものではなく、自由に設定することができる。
図8A〜図8Cに示す第5変形例に係るバルーン14Eは、基端突出部36と先端突出部42の間に、軸方向に沿って複数(図8A中では5つ)の塗布部120が設けられた構成となっている。1つの塗布部120は、軸方向に短い範囲で基端傾斜部122と先端傾斜部124とを有し、この基端傾斜部122と先端傾斜部124の外周面により凹部126を構成している。基端傾斜部122及び先端傾斜部124の周面には吐出口22が設けられている。また、基端傾斜部122と先端傾斜部124の括れ部128(連結部)は、軸方向中央部から基端方向に偏っている。
バルーン14Eの先端突出部42には、排出手段60である溝部62が形成されている。従って、バルーン14Eは、基端突出部36と先端突出部42の間に挟まれた複数の凹部126により構成される塗布室Xにプレジェル溶液Pを多量に吐出し、溝部62を介して塗布室X内の流体を外部に排出することができる。
バルーン14Eは、軸方向に並ぶ塗布部120の形状に応じて、図8Bに示すように、小さい山形が血管80の軸方向に沿って連続するようにプレジェル溶液Pを塗布することができる。プレジェル溶液Pの塗布後は、図8Cに示すように、小さい山が並ぶ塗布層Cが血流を受けることで、より円滑にならされて平坦状の塗布層C’を形成する。これにより、血管80内の処置対象Aを均等的に覆うことができ、処置対象Aを良好に治療することができる。特に、粘性が高いプレジェル溶液の場合には、このように小さい山の塗布層Cを形成することで、塗布後の塗布層C’を所望の形状に誘導しやすくなる。また、図8Aに示すバルーン14Eのように複数の凹部126を有する場合には、基端傾斜部122及び先端傾斜部124の両方に吐出口22を設けることで、塗布室X内を効率的にプレジェル溶液Pで満たすことができる。
図9Aに示す第6変形例に係るバルーン14Fは、複数の塗布部130(凹部132)の形状を、バルーン14Fの軸方向に沿って段階的に変更した形状としている。なお、この場合でも、凹部132の括れ部134(連結部)は、凹部132の軸方向中央部から基端方向に偏っている。バルーン14Fは、拡張状態で、基端側の塗布部130が径方向内側寄りに拡張して、この基端側から先端方向に向かって、塗布部130が径方向外側寄りに段階的に拡張量が増える設定としている。そのため、プレジェル溶液Pは、血流の上流側(バルーン14Fの基端部)から下流側に向かって順次低くなるように血管80内に塗布される。このようにプレジェル溶液Pを塗布すると、塗布後に血流を多く受ける上流側のプレジェル溶液Pが下流側に容易に移動する。これにより、プレジェル溶液Pは、所望の形状に簡単にならされることになり、処置対象Aを良好に治療することができる。
図9Bに示す第7変形例に係るバルーン14Gは、基端突出部36と先端突出部42の間の外周面140が3以上の面(図9Bでは3面)により構成されている。この場合、例えば第2傾斜部140bは先端突出部42に連なる部分、第1傾斜部140aは第2傾斜部140bに連なる部分に設定することで、括れ部142は第1傾斜部140aと第2傾斜部140bの間に設定し得る。これにより、プレジェル溶液Pの塗布層Cもバルーン14Gの外周面140に沿った多面形状に形成される。このように、より多面形状に塗布層Cが形成されることで、プレジェル溶液Pの塗布層Cの長さがより長い場合にも、より均一な高さの塗布層Cを形成することが可能となる。
図9Cに示す第8変形例に係るバルーン14Hは、基端突出部36と先端突出部42の間の外周面150が滑らかな曲面により構成されている。つまり、本明細書におけるバルーンの「第1傾斜部」、「第2傾斜部」とは、側面視で直線状の外周面に形成されたものに限定されず、曲線状の外周面に形成されたものを含んでいる。外周面150が曲面(曲線)のバルーン14Hの場合は、第1傾斜部150aと第2傾斜部150bの括れ部152(連結部)は、外径が最も小径となる部分に相当する。これにより、プレジェル溶液Pの塗布層Cもバルーン14Hの外周面150に沿って滑らかな曲面形状に形成される。このように、プレジェル溶液Pの塗布層Cが曲面形状に形成されることで、血流を受けた際に頂部を流され難くすることができる。
図9Cの構成の場合、例えば、バルーン14Hは、第1傾斜部150aを先端突出部42に連なる部分、第2傾斜部150bを基端突出部36に連なる部分に設定する。この場合、括れ部152は、第1傾斜部150aと第2傾斜部150bの間で、外周面150に接線を引いた際の接線の傾きが、シャフト12(図3A参照)の軸線に対し0°となる部分に設定し得る。なお、図9Cにおいて、シャフト12の軸線と平行な仮想線Lを外周面150に重なるように引いた際、曲面と仮想線Lの第1交点Z1は第1傾斜部150aに存在し、第2交点Z2は第2傾斜部150bに存在する。この際、曲面における第1交点Z1と第2交点Z2の接線の交点Z0は、必ずバルーン14Hの凹部154の軸方向中央部から基端方向にずれた位置になるように設定される。
要するに、治療デバイス10のバルーン14の形状は、特に限定されるものではなく適宜設計してよい。そして、吐出口22は、バルーン14の形状に応じて塗布室X内にプレジェル溶液Pを良好に充満し得る適切な箇所に設ければよい。バルーン14は、外周面の全周にわたって凹部が設けられるだけでなく、周方向の一部分に凹部が設けられ周方向の他の部分は凹部を閉塞する突出部位であってもよい。
また、治療デバイス10の他の変形例として、プレジェル溶液の塗布時に血液を堰き止めずに手技を行ってもよい。またこの場合は、バルーン14に血液が通過可能な空間が形成されていてもよい。さらに、治療デバイス10の拡縮体は、バルーン14に限定されるものではなく、拡張状態において生体管腔内に塗布室Xを形成する凹部を有し、凹部に吐出口22を備えた種々の構造を採用し得る。
上記において、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能なことは言うまでもない。
10…治療デバイス 12…シャフト
14、14A〜14G…バルーン 22…吐出口
34、128、134、142、152…括れ部
36…基端突出部 38、122…基端傾斜部
40、124…先端傾斜部 42…先端突出部
44、126、132…凹部 50…第2ルーメン
58…超撥水コーティング層 60、60A〜60D…排出手段
62、90、92…溝部 80…血管
80a…内面 94…開閉機構
98…貫通路 120、130…塗布部
C…塗布層 P…プレジェル溶液
X…塗布室

Claims (9)

  1. 生体管腔内に挿入可能なシャフトと、
    前記シャフトに設けられ、収縮状態と拡張状態に移行可能な拡縮体とを備える生体管腔治療デバイスであって、
    前記拡縮体は、前記拡張状態において、
    第1傾斜部及び第2傾斜部を有し、前記生体管腔の内面との間で塗布室を形成可能な少なくとも1つの凹部と、
    前記第1傾斜部又は前記第2傾斜部に設けられ、前記塗布室に向けて被塗布物質を吐出する吐出口とを備え、
    前記第1傾斜部と前記第2傾斜部の連結部は、前記拡張状態において前記凹部の軸方向中央部から基端方向にずれた位置に配置される
    ことを特徴とする生体管腔治療デバイス。
  2. 請求項1記載の生体管腔治療デバイスにおいて、
    前記拡縮体は、前記拡張状態において筒状に形成され、前記拡縮体の長軸方向両端部には、前記生体管腔の内面に当接又は近接する第1突出部及び第2突出部を備える
    ことを特徴とする生体管腔治療デバイス。
  3. 請求項2記載の生体管腔治療デバイスにおいて、
    前記第1突出部は、前記拡縮体の基端部に設けられて径方向外側の端部に前記第1傾斜部が連設され、
    前記第2突出部は、前記拡縮体の先端部に設けられて径方向外側の端部に前記第2傾斜部が連設される
    ことを特徴とする生体管腔治療デバイス。
  4. 請求項2又は3記載の生体管腔治療デバイスにおいて、
    前記吐出口は、前記第1傾斜部に設けられ、
    前記第2突出部は、前記塗布室内の流体を該塗布室から排出可能な排出手段を有する
    ことを特徴とする生体管腔治療デバイス。
  5. 請求項4記載の生体管腔治療デバイスにおいて、
    前記排出手段は、前記第2突出部に設けられ、前記塗布室と前記拡縮体の外部を連通する連通路により構成される
    ことを特徴とする生体管腔治療デバイス。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の生体管腔治療デバイスにおいて、
    前記拡縮体は、前記シャフトの拡張流体用ルーメンに連通する内部空間を有する内側バルーンと、前記内側バルーンの外側を覆う外側バルーンとにより構成され、
    前記内側バルーンと前記外側バルーンの間には、前記吐出口を連通する流路が設けられる
    ことを特徴とする生体管腔治療デバイス。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の生体管腔治療デバイスにおいて、
    前記シャフトは、前記吐出口に連通する吐出用ルーメンを有し、
    前記吐出用ルーメンを構成する内面には、前記被塗布物質の流動抵抗を低減する流動抵抗低減手段が設けられている
    ことを特徴とする生体管腔治療デバイス。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の生体管腔治療デバイスにおいて、
    前記拡縮体の表面には、前記被塗布物質の付着を低減する被塗布物質付着低減手段が設けられる
    ことを特徴とする生体管腔治療デバイス。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の生体管腔治療デバイスにおいて、
    前記生体管腔は血管であり、
    前記連結部は、前記拡張状態において前記凹部の軸方向中央部より血流の上流側にある
    ことを特徴とする生体管腔治療デバイス。
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