JP2015066000A - 計測装置および計測方法、ならびに電子機器 - Google Patents

計測装置および計測方法、ならびに電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】イオン種の挙動をより詳細に知ることができる計測装置を提供する。【解決手段】計測装置は、n個(n:2以上の整数)の周波数成分を含む、異なるm個(m:n以上の整数)の入力信号を被計測物に与え、m個の応答信号を取得する測定部と、m個の入力信号およびm個の応答信号から、非線形インピーダンスを算出する解析部とを含んでいる。【選択図】図13

Description

本技術は、計測装置および計測方法、ならびに電子機器に関する。詳しくは、インピーダンス計測機能を有する計測装置および計測方法、ならびに電子機器に関する。
交流インピーダンス法は、試料に交流信号を与えてその電気応答を調べる測定法であり、試料が持つ抵抗成分、キャパシタンス成分、インダクタンス成分の大きさを調べることができる。また、それらの成分が試料内でどのような等価回路を構成しているかの情報を得ることができる。更に、こうした試料内部の様子を非破壊で解析することが可能である。このため、交流インピーダンス法は、現在、工学から化学、更には医学に至るまで、非常に幅広い分野で利用されている。
二次電池、燃料電池および色素増感太陽電池などは、その内部において、電子だけでなく電荷を帯びたイオン種も電荷のキャリアになっている。こうした、エレクトロニクスだけでなくイオニクスの要素も含む試料の交流インピーダンスを測定し、その結果を詳しく解析すると、イオン種が電極表面で酸化還元反応する様子や、電解質内部を拡散する様子を知ることができる(例えば非特許文献1参照)。このような、イオニクスの要素を含む試料の交流インピーダンス測定は、特に、電気化学インピーダンススペクトル法と呼ばれている。
人体をはじめとする生体試料もイオニクスの要素を含むため、人体の交流インピーダンス測定も、広義には電気化学インピーダンススペクトル法と呼べる。しかし実際には、統計データと組み合わされて、独自の用いられ方をされることが多い。例えば、体内の筋肉と脂肪との比率を求めることができる。これに、身長、体重、年齢、性別などのデータを併せて統計解析を行うと、体脂肪率や内臓脂肪の量、ひいては腹囲などを算出できたりする(例えば特許文献1、2参照)。この手法は、生体電気インピーダンススペクトル法と呼ばれている。このように、交流インピーダンス法の応用事例を挙げれば、枚挙に暇がない。
特許第3211118号公報
特許第4443114号公報
Randles,J.E.B.(1947). "Kinetics of rapid electrode reactions". Discussions of the Faraday Society 1.
しかし、現在用いられている交流インピーダンス法には限界がある。それは、線形性の問題である。もし、試料に与える交流電圧の振幅が大き過ぎた場合、電流応答の波形は綺麗な正弦波にはならず、歪んでしまう。これは言い換えれば、電流と電圧との関係が、オームの法則で表されるような単純な直線関係の式では記述できないということである。線形性が成り立たない理由は、その原理に立ち返ってみると分かりやすい。電気化学インピーダンスや生体電気インピーダンスにおける電荷のキャリアであるイオン種は、電子よりも遥かに大きな粒子であり、その運動は電子とは大きく異なる。例えば、イオン種は電気泳動を起こしたり、溶媒の流れに乗って対流を起こしたりする。また、酸化還元によってその価数を変えたりもする。すなわち、イオン種は、電子とは比べ物にならないほど複雑な挙動を示す。この挙動の結果が応答となって現れるため、応答も単純な直線関係の式では記述できないような複雑なものとなる。
この線形性の問題を回避するため、従来の交流インピーダンス法では、入力電圧の振幅を非常に小さくして測定が行われてきた。これは、数学的な表現を使えば、応答の式をテイラー展開したときの一次の項(すなわち線形の項)のみで議論してきた、ということである。しかしこの方法には二つの欠点がある。一つは測定精度の問題、そして二つ目は、より本質的な問題である。
例えば電気化学インピーダンスの場合、応答が線形近似できる「線形応答範囲」と呼ばれている範囲は、一般に(5/n)mV(nは測定対象となるイオン種の価数)以内であると言われている。つまり、電圧振幅Vppは(5/n)mV以内に設定しなければならない、ということである。印加電圧が小さいため電流応答も小さく、そのような微小電流を感度良く測定するために、従来の測定器には種々のノイズ対策が必要になったり、回路上の工夫が必要になったりしていた。これが、一つ目の問題である。
二つ目の問題は、交流インピーダンス測定を通して一体何を知りたいのかという、より本質的な問題である。電荷のキャリアがイオン種であるなら、そのイオン種のイオンらしい挙動、すなわち、電気泳動や対流、酸化還元の様子こそが重要な観察対象であると言える。しかしこれらの現象は、単純な比例式によって表される現象ではない。すなわち、交流インピーダンス測定においては応答の歪み成分として現れ、テイラー展開したときの項で言えば二次以降の項(すなわち非線形の項)に現れる現象である。従来の交流インピーダンス測定では、解析の簡便さなどを理由に電圧振幅を小さくして、応答が線形近似できる範疇のみで議論してきた。そのため、電気泳動や対流、酸化還元といった、イオン種のイオンらしい挙動の成分が減ってしまい、イオン種の性質についての十分な知見を得ることが困難な状況であった。
したがって、本技術の目的は、イオン種の挙動をより詳細に知ることができる計測装置および計測方法、ならびに電子機器を提供することにある。
上述の課題を解決するために、第1の技術は、
n個(n:2以上の整数)の周波数成分を含む、異なるm個(m:n以上の整数)の入力信号を被計測物に与え、m個の応答信号を取得する測定部と、
m個の入力信号およびm個の応答信号から、非線形インピーダンスを算出する解析部と
を含む計測装置である。
第2の技術は、
n個(n:2以上の整数)の周波数成分を含む、異なるm個(m:n以上の整数)の第1の入力信号および異なるm個の第2の入力信号を被計測物に与え、m個の第1の応答信号およびm個の第2の応答信号を取得する測定部と、
m個の第1の入力信号およびm個の第1の応答信号と、m個の第2の入力信号およびm個の第2の応答信号とから、非線形インピーダンスを算出する算出部と
を含み、
第1の入力信号および第2の応答信号は、電圧信号であり、
第1の応答信号および第2の入力信号は、電流信号である計測装置である。
第3の技術は、
n個(n:2以上の整数)の周波数成分を含む、異なるm個(m:n以上の整数)の入力信号を被計測物に与え、m個の応答信号を取得し、
m個の入力信号およびm個の応答信号から、非線形インピーダンスを算出する
ことを含む計測方法である。
第4の技術は、
n個(n:2以上の整数)の周波数成分を含む、異なるm個(m:n以上の整数)の第1の入力信号および異なるm個の第2の入力信号を被計測物に与え、m個の第1の応答信号およびm個の第2の応答信号を取得し、
m個の第1の入力信号およびm個の第1の応答信号と、m個の第2の入力信号およびn個の第2の応答信号とから、非線形インピーダンスを算出する
ことを含み、
第1の入力信号および第2の応答信号は、電圧信号であり、
第1の応答信号および第2の入力信号は、電流信号である計測方法である。
第5の技術は、
n個(n:2以上の整数)の周波数成分を含む、異なるm個(m:n以上の整数)の入力信号を被計測物に与え、m個の応答信号を取得する測定部と、
m個の入力信号およびm個の応答信号から、非線形インピーダンスを算出する解析部と
を含んでいる電子機器である。
第6の技術は、
n個(n:2以上の整数)の周波数成分を含む、異なるm個(m:n以上の整数)の第1の入力信号および異なるm個の第2の入力信号を被計測物に与え、m個の第1の応答信号およびm個の第2の応答信号を取得する測定部と、
m個の第1の入力信号およびm個の第1の応答信号と、m個の第2の入力信号およびm個の第2の応答信号とから、非線形インピーダンスを算出する算出部と
を含み、
第1の入力信号および第2の応答信号は、電圧信号であり、
第1の応答信号および第2の入力信号は、電流信号である電子機器である。
第7の技術は、
生体、または電力供給中の電気化学デバイスからリアルタイムに出力されるn個の電流信号およびn個の電圧信号を取得する測定部と、
n個の電流信号およびn個の電圧信号から、非線形インピーダンスを算出する算出部と
を含む計測装置である。
第8の技術は、
生体、または電力供給中の電気化学デバイスからリアルタイムに出力されるn個の電流信号およびn個の電圧信号を取得し、
n個の電流信号およびn個の電圧信号から、非線形インピーダンスを算出する
ことを含む計測方法である。
第9の技術は、
生体、または電力供給中の電気化学デバイスからリアルタイムに出力されるn個の電流信号およびn個の電圧信号を取得する測定部と、
n個の電流信号およびn個の電圧信号から、非線形インピーダンスを算出する算出部と
を含む電子機器である。
第10の技術は、
被計測物に含まれるイオン種に周波数fの入力信号を与え、応答信号を取得する測定部と、
上記応答信号に含まれる周波数成分nf(n:2以上の偶数)から被計測物の非対称部位の情報を得ると共に、周波数成分kf(k:3以上の奇数)から被計測物の対称部位の情報を得る解析部と
を備える計測装置。
第11の技術は、
被計測物に含まれるイオン種に周波数fの入力信号を与え、応答信号を取得し、
上記応答信号に含まれる周波数成分nf(n:2以上の偶数)から被計測物の非対称部位の情報を得ると共に、周波数成分kf(k:3以上の奇数)から被計測物の対称部位の情報を得る
ことを含む計測方法。
第12の技術は、
被計測物に含まれるイオン種に周波数fの入力信号を与え、応答信号を取得する測定部と、
上記応答信号に含まれる周波数成分nf(n:2以上の偶数)から被計測物の非対称部位の情報を得ると共に、周波数成分kf(k:3以上の奇数)から被計測物の対称部位の情報を得る解析部と
を備える電子機器。
以上説明したように、本技術によれば、非線形インピーダンスを計測できるので、イオン種の挙動をより詳細に知ることができる。また、奇数次の非線形インピーダンスを計測した場合には、測定試料において構造的に対称的な部分の情報を調べることができる。一方、偶数次の非線形インピーダンスを計測した場合には、測定試料において構造的に非対称的な部分の情報を調べることができる。よって、対称的な部分における情報と非対称的な部分における情報とを予め分離させた形で、イオン種の挙動を知ることができる。
図1Aは、入力信号の波形の一例を示す図である。図1Bは、理想的な応答波形の一例を示す図である。 図2Aは、非対称的に歪んだ応答波形の一例を示す図である。図2Bは、対称的に歪んだ応答波形の一例を示す図である。 図3A〜図3Cは、図2Aに示した非対称的な応答波形を3成分に分解して示す図である。 図4A、図4Bは、図2Bに示した対称的な応答波形を2成分に分解して示す図である。 図5は、本技術の第1の実施形態に係る計測装置の概略構成の一例を示すブロック図である。 図6は、図5に示した計測装置の各部の構成の一例を示すブロック図である。 図7は、電位規制モードにおける計測装置の動作の一例を説明するためのフローチャートである。 図8は、電流規制モードにおける計測装置の動作の一例を説明するためのフローチャートである。 図9は、複合モードにおける計測装置の動作の一例を説明するためのフローチャートである。 図10は、本技術の第1の実施形態の変形例1に係る計測装置の構成の一例を示すブロック図である。 図11は、本技術の第1の実施形態の変形例2に係る計測装置の構成の一例を示すブロック図である。 図12は、本技術の第2の実施形態に係る計測装置の概略構成の一例を示すブロック図である。 図13は、図12に示した計測装置の各部の構成の一例を示すブロック図である。 図14は、電位規制モードにおける計測装置の動作の一例を説明するためのフローチャートである。 図15は、電流規制モードにおける計測装置の動作の一例を説明するためのフローチャートである。 図16は、本技術の第2の実施形態の変形例1に係る計測装置の構成の一例を示すブロック図である。 図17は、本技術の第2の実施形態の変形例2に係る計測装置の構成の一例を示すブロック図である。 図18は、本技術の第3の実施形態に係る電子機器およびそれに電気的に接続される電池パックの概略構成の一例について説明する。 図19は、電池パックの充放電回路の構成の一例を示すブロック図である。 図20は、電子機器の計測装置の構成の一例を示すブロック図である。 図21は、本技術の第3の実施形態の変形例1に係る計測装置の構成の一例を示すブロック図である。 図22は、本技術の第3の実施形態の変形例2に係る計測装置の構成の一例を示すブロック図である。 図23Aは、参考例1に係る対称構造のセルに対して、振幅10mVの交流電圧を印加して測定した電気化学インピーダンススペクトルを示す図である。図23B〜図23Dはそれぞれ、参考例1に係る対称構造のセルに対して、振幅2Vの交流電圧を印加して測定した電気化学インピーダンススペクトルの一次(線形)、二次、三次の成分Z(1) P,Z(2) P,Z(3) Pを示す図である。
本技術の実施形態について以下の順序で説明する。
1 非線形交流インピーダンス法の理論
1.1 応答波形の二種類の歪み方
1.2 歪み波形の解析
1.3 オームの法則の拡張
2 非線形インピーダンス成分の具体的な計測方法
2.1 高次の成分の計測法1(正弦波印加方式)
2.2 高次の成分の計測法2(複合波印加方式)
2.3 in situ計測における注意点
3 第1の実施形態(複合波印加方式)
3.1 計測装置の概略構成
3.2 計測装置の詳細な構成
3.3 電位規制モードの動作
3.4 電流規制モードの動作
3.5 複合モードの動作
3.6 効果
3.7 変形例
4 第2の実施形態(正弦波印加方式)
4.1 計測装置の概略構成
4.2 計測装置の詳細な構成
4.3 電位規制モードの動作
4.4 電流規制モードの動作
4.5 変形例
5 第3の実施形態(in situ計測)
5.1 電子機器および電池パックの概略構成
5.2 充放電回路の構成
5.3 計測装置の構成
5.4 変形例
<1 非線形交流インピーダンス法の理論>
[1.1 応答波形の二種類の歪み方]
測定する試料が、もしオームの法則に完全に従うような理想的な試料であった場合、交流信号を印加したときの応答波形は、歪みのない綺麗な正弦波になる(図1A、図1B参照)。しかし、もし電荷のキャリアがイオン種であったりして非線形性が存在し、かつ信号の振幅も大きいと、応答波形は正弦波にはならず、歪んだ波形になる。特に入力信号の振幅が大きかった場合は、応答波形の歪み方も大きくなってくる。なお、歪み方には二つのモードがある。一つは応答の片側に制限がかかっているような非対称的な歪み(図2A参照)、もう一つは正負両側に均等に制限がかかっているような対称的な歪みである(図2B参照)。
非対称な歪みは、試料の構造が対称的であった場合には原理的に発生し得ない。例えば、水の電気分解に用いるH字管の電極間のインピーダンスを測定するような場合、その歪みは完全に対称的になり、非対称性は一切現れない。なぜなら、H字管に取り付けてある二つの電極は通常は同じ材質であり、また対称的な位置にあり、測定器から見て二つの電極を互いに区別できないからである。同様にして、食塩水に二本の炭素棒を入れたような場合も非対称歪みは現れないし、ヒトの右足と左足との間で生体電気インピーダンスを測定するような場合も非対称歪みは現れない。非対称な歪みは、試料が非対称であった場合にのみ発生し得る。例えば、通常の電池は正極材料と負極材料とが異なるため、電池の電気化学インピーダンス測定をする場合、非対称な歪みが発生し得る。また、ヒトの生体電気インピーダンス測定でも、手と足との間での応答を見るような場合には、非対称な歪みが発生し得る。
一方、対称的な歪みは、試料の構造上の対称性に関係なく、すべての試料において発生し得る。例えば、電池の電解液中を移動するイオン種の速度には物理的な限界がある。これは限界電流と呼ばれるが、こういった限界現象は対称的な歪みの直接的な原因になる。
[1.2 歪み波形の解析]
図2Aに示した非対称的な応答波形を波形分解した結果を図3A〜図3Cに示す。この結果から、図2Aに示した非対称的な応答波形は、入力信号と同じ周波数成分である「線形成分」と、入力信号の二倍の周波数成分である「二次の非線形成分」と、直流成分である「バイアス成分」とが合成されたものであることがわかる。
また、図2Bに示した対称的な応答波形を波形分解した結果を図4A、図4Bに示す。この結果から、図2Bに示した対称的な応答波形は、入力信号と同じ周波数成分である「線形成分」と、入力信号の三倍の周波数成分である「三次の非線形成分」とが合成されたものであることがわかる。
上記結果を数式により表すと、図2Aに示した非対称的な応答波形は式(1)により表すことができ、図2Bに示した対称的な応答波形は式(2)により表すことができる。ここで、A(i)は比例定数、S0は入力信号の振幅、Responseは応答、jは−1の平方根、ωは入力信号の角振動数である。
Figure 2015066000
Figure 2015066000
そして、この二つの式を足し合わせた式(3)は、比例定数の与え方によって、対称歪みの応答も非対称歪みの応答も記述することができる一般式である。
Figure 2015066000
このように、歪みを含む応答の式というのは、フーリエ級数展開の形で記述することができる。実際には非線形成分が三次までしかないということはなく、四次以降の高次の項も存在する。また、ここでは数学的な証明を省略するが、線形成分に非線形成分を足し合わせる際、ゼロ次(すなわち直流のバイアス成分)、二次、四次、・・・、といった偶数次成分を足し合わせると、合成波形は必ず非対称な波形になる。一方で、三次、五次、・・・、といった奇数次の成分は、線形成分に対してどのように足し合わせても、合成波形の対称性を崩すことができない。これは言い換えれば、非対称的な歪みは、偶数次の非線形成分に掛かっている比例定数A(i)(i=0,2,4,・・・)で記述できることを意味しており、また対称的な歪みは、奇数次の非線形成分に掛かっている比例定数A(i)(i=3,5,・・・)で記述できることを意味している。
“1.1 応答波形の二種類の歪み方”での結論、すなわち「非対称的な歪みは非対称的な構造から生じる」という内容と、上述の偶奇性の議論の「非対称的な歪みは偶数次の非線形成分に掛かっている比例定数で記述できる」という内容とを組み合わせると、一つの重大な結論が得られる。それは、「偶数次の非線形成分に掛かっている比例定数には、試料内で構造が非対称的な部分の情報が含まれている」ということである。同様にして、「奇数次の非線形成分に掛かっている比例定数には、試料内で構造が対称的な部分の情報が含まれている」ということでもある。この構造の対称性と非線形成分の偶奇性との関係は、本技術の応用上、大変重要かつ本質的である。以下に、幾つか具体例を挙げる。
電池の電気化学インピーダンスを測定したとする。信号振幅を大きくして応答波形を歪ませた場合、電池の限界電流に起因する歪みは奇数次に現れる。これは、電解液内でのイオン種の動きが対称的だからである。しかし、正極と負極の電極反応速度の違いに起因する歪みは偶数次に現れる。また、片方の電極に注目して、その電極上での酸化反応と還元反応の速度が異なれば、それも偶数次に現れる。
もう一つ例を挙げる。“1.1 応答波形の二種類の歪み方”において、ヒトの右足と左足との間で生体電気インピーダンスを測定するような場合、非対称な歪みは現れないと述べた。しかし両足間ではなく両手間であれば、非対称性が見えてくる可能性がある。それは、解剖学的に左右非対称な位置にある心臓の近辺を電流が通ることになるからである。この場合、対称性を欠く心臓近辺の情報は偶数次の項に現れ、腕の筋肉など左右対称的な部位の情報は奇数次の項に現れることになる。
さらに別の例を挙げる。血流は鉄イオンを含むヘモグロビンの流れでもあり、鉄イオンは電荷をもっている。このため、血流は電流そのものである。つまり、脈動する動脈を流れる血流はパルス電流、静脈を流れる血流は静電流と見做せる。このことに着目すると、例えば、脇の下と肘の内側の二点でインピーダンス測定をすれば、その偶数次の項からは、主に上腕内部の血管の情報が得られると考えられる。さらに、測定周波数を掃引することによって、動脈の情報と静脈の情報とを別々に得ることができると考えられる。
以上のように、測定試料の構造の対称性を考えるだけで、その構造の情報が、フーリエ級数解析をしたときの偶数次の項に現れるのか、それとも奇数次に現れるのかを、前もって予測することができる。
[1.3 オームの法則の拡張]
試料の電気特性を測定する場合、印加する信号は電圧信号か電流信号のどちらかであるので、以下では、実際に入力信号を電圧信号および電流信号に置き換えて、本実施形態について、より具体的に説明する。
まず、入力信号を交流電圧としたときの、電流応答の一般式を考えてみる。式(3)を参考にして、4次以降の項も含む一般式にて電流応答を表すと、その応答は、式(4)にて表すことができる。
Figure 2015066000
ここで、Z(i) Pはi次の非線形複素インピーダンス、V0は印加電圧の振幅、I(t)は電流応答である。このように、電圧を制御して電流を測定する方式のことは、電位規制法、またはポテンショメトリーと呼ばれている。そのため、インピーダンスの記号には下付きでPと添えた。
次に、入力信号を交流電流としたときの、電圧応答の一般式を考えてみる。
Figure 2015066000
ここで、Z(i) Gはi次の非線形複素インピーダンス、I0は印加電流の振幅、V(t)は電圧応答である。このように、電流を制御して電圧測定する方式のことは、電流規制法、またはガルバノメトリーと呼ばれている。そのため、インピーダンスの記号には下付きでGと添えた。
電位規制法で測定した線形複素インピーダンスと、電流規制法で測定した線形複素インピーダンスとを区別し、敢えて異なる記号を与えたのには理由がある。それは、両者が異なる次元を持つ異なる物理定数だからである。(4)および(5)を注意して見ると、Z(i) Pの単位は[ΩVi-1]であり、一方でZ(i) Gの単位は[Ω/Ai-1]であることがわかる。非線形項が一切存在しない場合は、V(t)=V0-jωtかつI(t)=I0-jωtとなり、Z(1) P=Z(1) Gとなる。すなわち、電流規制で測定を行っても電位規制で行っても、得られるインピーダンスの値は同じになる。しかし、応答に歪みがあって非線形項が存在する場合は、非線形項のみならず、線形項を含むすべてのiにおいてZ(i) P≠Z(i) Gとなる。
ただし、実用上Z(i) PとZ(i) Gとを区別して取り扱うのは不便であることが多い。そのため、非線形インピーダンス測定の際には、電位規制法でZ(i) Pを計測すると共に、電流規制法でZ(i) Gを計測し、計測したZ(i) PとZ(i) Gとの積((6A)式)または相乗平均((6B)式)を算出することにより、単位[Ωi+1]または単位[Ω(i+1)/2]を有する非線形インピーダンスとして取り扱う方法も考えられる。
Figure 2015066000
Figure 2015066000
<2 非線形インピーダンス成分の具体的な計測方法>
[2.1 高次の成分の計測法1(正弦波印加方式)]
非線形インピーダンス成分を実測する方法は、大きく分けて二つある。そのうちの一つは、測定試料に周波数fの交流信号を印加して、応答波形に含まれる周波数f成分、周波数2f成分、周波数3f成分などを抽出する、という方法である。各成分の抽出には、FRA(周波数応答解析器)やロックインアンプのようなハードウェアを使用してもよいし、もしくは、高速ADコンバータを用いて応答波形を読み取り、フーリエ変換、ラプラス変換またはウェーブレット変換などの算術計算によってソフトウェア的に抽出してもよい。
[2.2 高次の成分の計測法2(複合波印加方式)]
非線形インピーダンス成分を計測する二つ目の方法は、測定試料に周波数f、f/2、f/3などの複数の周波数成分が重畳された入力信号、もしくは、これらの周波数成分が含まれているノイズ信号を与えて、応答波形に含まれている周波数f成分を抽出する、という方法である。
“2.1 高次の成分の計測法1”で説明した一つ目の方法には、入力信号が厳密に正弦波でなければならないという制限がある。なぜなら、仮に入力信号に周波数f/nの成分が含まれており、かつ、試料がn次の非線形インピーダンス成分を持っていた場合、それは周波数fにおける応答となり、周波数fにおける測定結果に影響を与えてしまうからである。本計測法は、こうした入力信号波形への制限を取り除くために案出した方法であり、本計測法を用いることによって、様々な入力波形での測定が可能になる。また、本計測方法は、測定試料そのものが発する信号を使用する測定(例えば血液の脈動電流や心電パルスを利用した非線形生体電気インピーダンス測定や、駆動中の電子機器に接続された電池の電気化学インピーダンス測定など)にも使用可能である。つまり、測定環境の幅を大きく広げることが可能な計測法である。
以下、本計測法の理論について説明する。入力信号が正弦波信号ではなく、様々な周波数成分を含んだ信号であった場合、周波数fの応答には、周波数fの入力信号成分による応答以外にも、周波数f/2の入力信号成分の二次の非線形応答や、周波数f/3の入力信号成分の三次の非線形応答などが含まれ、更に、それらが銘々の位相で重畳されることになる。この状況を数式で書くと、以下の式(7)のようになる。
Figure 2015066000
ここで、添え字のfはターゲットとしている周波数を意味している。次に、入力信号を電圧として、電位規制法にて測定した場合について考えてみる。この場合、式(7)を以下の式(8)に書き直すことができる。
Figure 2015066000
ここで、周波数領域の入力電圧Vf,Vf/2,Vf/3,・・・はすべて計測によって求めることができる値であり、また電流応答の振幅と位相の情報Ifについても、計測によって求めることができる値である。これらの計測にあたっては、FRA(周波数応答解析器)やロックインアンプのようなハードウェアを使用してもよいし、もしくは、高速ADコンバータを用いて応答波形を読み取り、フーリエ変換、ラプラス変換またはウェーブレット変換などの算術計算によってソフトウェア的に求めてもよい。一方で、式中に現れる非線形インピーダンス成分Z(1) P,f,Z(2) P,f/2,Z(3) P,f/3,・・・はすべて未知数である。未知数を求めるには、その数に合わせた方程式を立てる必要があり、それには、Vf,Vf/2,Vf/3,・・・の条件を変えて測定を繰り返す必要がある。
最も簡単な方法は、ノイズのようにVf,Vf/2,Vf/3,・・・の値が時々刻々変わる信号源を用いる方法である。ノイズを用いて、n次までのすべての非線形複素インピーダンスZ(n) Pf/nを求めるには、未知数の数に合わせた時系列データを用意して立式すればよく、すなわち、時間t1,t2,t3,・・・,tnにおけるn個の時系列データ群を取得して、式(9)の行列で書かれるn元一次連立方程式を解けばよい。なお、時系列データ群の数がm個(m:nより大きい整数)あった場合は、条件が過剰となって、式(9)の右辺第一項は正方行列にはならなくなる。そのため逆行列の計算ができず、非線形インピーダンス成分を求めることが出来なくなる。しかしそのような場合でも、重回帰分析の解法と同様、右辺の複素電圧信号行列の転置行列を両辺に左から掛けて計算を進めることにより、最尤の非線形インピーダンスZ(n) Pf/nを求めることは可能である。よって、取得する時系列データ群の数は、必ずしも未知数の数に合わせる必要はない。
Figure 2015066000
時系列データ群の数と未知数の数とが一致している場合の具体的な解法としては、例えばクラメルの公式を使えばよい。すなわち、複素電流行列IP,fと複素電圧行列VP,fとを以下の式(10),(11)のように定義する。
Figure 2015066000
Figure 2015066000
さらに、VP,fのj列目をIP,fに置き換えた行列をVP,f,jと定義して、以下の行列式の計算をすればよい。
Figure 2015066000
ここで、det(A)は行列Aの行列式(ディターミナント)である。例えばn=3として三次までの非線形インピーダンスを導出するのであれば、Z(1) P,f,Z(2) P,f/2,Z(3) P,f/3はそれぞれ以下の式によって得ることができる。
Figure 2015066000
Figure 2015066000
Figure 2015066000
次に、入力信号を電流として、電流規制法にて測定した場合について考えてみる。この場合、式(7)を以下の式(16)に書き直すことができる。
Figure 2015066000
この後の式展開は電位規制法の場合と全く同様であり、未知数であるZ(1) G,f,Z(2) G,f/2,Z(3) G,f/3,・・・を求めるには、If,If/2,If/3,・・・の条件を変えて測定を繰り返せばよい。仮に、時々刻々If,If/2,If/3,・・・の値が変わる信号源を用いた場合、解くべき連立方程式は(17)のようになる。
Figure 2015066000
やはり、この場合も時系列データ群の数と未知数の数とが一致している必要はないが、仮に一致していた場合、以下の手順によって非線形複素インピーダンスZ(n) Gf/nを求めることができる。まず、複素電圧行列VG,fと複素電流行列IG,fとを以下の式(18),(19)のように定義する。
Figure 2015066000
Figure 2015066000
さらに、IG,fのj列目をVG,fに置き換えた行列をIG,f,jと定義すると、Z(n) G,f/nは次式(20)によって求めることができる。
Figure 2015066000
さらに、n=3として三次までの非線形インピーダンスを導出する場合、Z(1) G,f,Z(2) G,f/2,Z(3) G,f/3はそれぞれ以下の通りとなる。
Figure 2015066000
Figure 2015066000
Figure 2015066000
なお、電位規制法においてVf,Vf/2,Vf/3,・・・の条件をある程度選ぶことができる場合、また電流規制法においてIf,If/2,If/3,・・・の条件をある程度選ぶことができる場合は、より低周波数の信号成分の振幅ほど大きく設定するのが望ましい。例えば、もし入力信号にノイズを用いる場合は、ピンクノイズ(1/fノイズ)やブラウンノイズ(1/f2ノイズ)などのように、周波数が低くなればなるほどその振幅が大きくなるノイズ信号であることが望ましい。これは、一般的に高次の項になればなるほど、その非線形応答が小さくなるためである。
[2.3 in situ計測における注意点]
測定試料そのものが発する信号を使用する測定、例えば血液の脈動電流や心電パルスなどの生体電流や生体電位を利用した非線形生体電気インピーダンス測定や、駆動中の電子機器に接続された電池の非線形電気化学インピーダンス測定などでは、計測する上で特段の注意が必要となる。これらの試料の測定では、外部から電圧信号を印加したり電流を流したりせずに、試料自身が発生している電圧と電流を直接読み取ることになる。そのため、電流と電圧のどちらが信号源であり、どちらが応答なのかを区別することが本質的にできない。“1.3 オームの法則の拡張”で述べた通り、電位規制法による測定と電流規制法による測定は、互いに別のものである。よって、因果関係がはっきりとしない状態では、測定法そのものが成立しないことになる。
このような場合でも、周波数領域の電圧応答Vf,Vf/2,Vf/3,・・・と電流応答If,If/2,If/3,・・・とが計測できれば、式(12)、および式(20)を用いて、それぞれZ(i) P,fやZ(i) G,fを計算することは可能である。電位規制法と電流規制法のどちらか分からない状態での測定は、両方が混ざった状態での測定と見なすことができる。このように見なすと、Z(i) P,fとZ(i) G,fとの積((24A)式)または相乗平均((24B)式)をとって、単位[Ωi+1]または単位[Ω(i+1)/2]を有する非線形インピーダンスとして取り扱うことが好ましいと考えられる。
Figure 2015066000
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<3 第1の実施形態>
[3.1 計測装置の概略構成]
図5を参照して、本技術の第1の実施形態に係る計測装置1の概略構成の一例について説明する。この計測装置1は、複合波印加方式の計測装置であり、制御部11と、信号発生部12と、測定部13と、解析部14と、記憶部17と、操作部18とを備える。解析部14は、抽出部15と、演算部16とを備える。測定部13が、プローブ13a、13bを介して、被計測物である測定試料3に対して電気的に接続または接触される。
ここでは、計測装置1が、制御部11、記憶部17および操作部18を備える構成を例として説明するが、これらの各部のうちの少なくとも1つが計測装置1の外部に設けられた構成を採用してもよい。その場合、それらの各部のうちの少なくとも1つと計測装置1との情報のやり取りは、有線または無線により行われる。
計測装置1は、動作モードとして、3つの動作モード、すなわち(1)電位規制モード(ポテンショスタットモード)と、(2)電流規制モード(ガルバノスタットモード)と、(3)それらの複合モードとを有する。
電位規制モードでは、測定試料3に与える入力信号が電圧信号であり、その応答信号が電流信号である。この電位規制モードでは、計測装置1は、これらの入力信号および応答信号から、Ωの次元の線形インピーダンスZ(1) Pと、ΩVi-1の次元の非線形インピーダンスZ(i) P(i:2以上の整数)を算出する。
電流規制モードでは、測定試料3に与える入力信号が電流信号であり、その応答信号が電圧信号である。この電流規制モードでは、計測装置1は、これらの入力信号および応答信号から、Ωの次元の線形インピーダンスZ(1) Gと、Ω/Ai-1の次元の非線形インピーダンスZ(i) G(i:2以上の整数)を算出する。
複合モードは、電位規制モードおよび電流規制モードの複合モードである。複合モードでは、計測装置1は、電位規制モードおよび電流規制モードにてそれぞれ、線形インピーダンスおよび非線形インピーダンスを求める。そして、それらの線形インピーダンスおよび非線形インピーダンスのうち次数が等しいもの同士を乗算することによって、Ω2の次元の線形インピーダンスZ(1) P(1) Gと、Ωi+1の次元の非線形インピーダンスZ(i) P(i) G(i:2以上の整数)とを算出する。もしくは、それらの線形インピーダンスおよび非線形インピーダンスのうち次数が等しいもの同士を相乗平均することによって、Ωの次元の線形インピーダンス√Z(1) P(1) Gと、Ω(i+1)/2の次元の非線形インピーダンス√Z(i) P(i) G(i:2以上の整数)を算出する。
(測定試料)
測定試料3としては、例えば、電気化学デバイス、生体試料などが挙げられる。電気化学デバイスとしては、例えば、一次電池、二次電池、燃料電池、太陽電池などが挙げられるが、これに限定されるものではない。一次電池としては、例えば、マンガン電池、アルカリマンガン電池、ニッケル電池、リチウム電池、酸化銀電池、空気亜鉛電池などが挙げられるが、これに限定されるものではない。二次電池としては、例えば、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、鉛蓄電池などが挙げられるが、これに限定されるものではない。燃料電池としては、例えば、固体高分子形燃料電池、りん酸形燃料電池、固体酸化物形燃料電池、溶融炭酸塩形燃料電池、酵素電池などが挙げられるが、これに限定されるものではない。太陽電池としては、例えば、色素増感型太陽電池、アモルファス型太陽電池、化合物半導体型太陽電池、薄膜多結晶型太陽電池などが挙げられるが、これに限定されるものではない。生体試料としては、人体、生体組織などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
(操作部)
操作部18は、ボタン、キー、スイッチまたはタッチパネルなどを備え、その操作により計測装置1を操作可能である。例えば、電位規制モードと、電流規制モードと、複合モードとの動作モードの切り替え操作が可能である。
(制御部)
制御部11は、ユーザによる操作部18の操作に応じて、計測装置1の各部を制御する。例えば、電位規制モード、電流規制モード、および複合モードのうち、操作部18の操作により選択された動作モードに応じて、計測装置1の各部を制御する。
(信号発生部)
信号発生部12は、異なるm個(m:2以上の整数)の入力信号(任意信号)を順次発生し、測定部13および解析部14に供給する。この入力信号は、上記発生信号数mに対してn個(n:2以上m以下の整数)の周波数成分f,f/2,・・・,f/nを少なくとも含んでいる。また、信号発生部12は、周波数f、f/2,・・・,f/nの正弦波をそれぞれ発生し、それらの正弦波を参照信号として解析部14に供給する。
入力信号には振幅が時々刻々変わるノイズ信号を用い、信号発生させながらm回測定を行うという方法を用いても良い。その際、高い周波数帯域ほど小さい振幅を有するノイズ信号であることが好ましい。一般的に高次の項になればなるほど、その非線形応答が小さくなるためである。このような特性を有するノイズ信号としては、例えば、ピンクノイズ、ブラウンノイズなどが挙げられる。ピンクノイズやブラウンノイズに大きな振幅変化を与えるために、更にAM変調を行っても良い。
入力信号が、周波数成分f,f/2,・・・,f/nからなるn個の正弦波の合成波となっている場合、高い周波数成分のものほど振幅が小さいことが好ましい。より具体的には、周波数成分f/k(k:1以上の整数)の振幅が、周波数成分f/(k+1)の振幅よりも小さいことが好ましい。上述したように、一般的に高次の項になればなるほど、その非線形応答が小さくなるためである。m個の入力信号は、例えば、振幅または成分比が異なるm個(m:n以上の整数)の周波数成分を含んでいる。
(測定部)
測定部13は、信号発生部12から供給されるm個の入力信号(任意信号)を測定試料3に順次与え、それに対するm個の応答信号を測定して解析部14に順次供給する。
(解析部)
解析部14は、信号発生部12から供給される周波数f,f/2,・・・,f/nの正弦波を参照信号として、測定部13から順次供給されるm個の応答信号と、信号発生部12から順次供給されるm個の入力信号から、1個の線形インピーダンスと、(n−1)個の非線形インピーダンス(例えば2次以降の非線形インピーダンス)とを算出する。
(抽出部)
抽出部15は、信号発生部12から供給される周波数fの正弦波を参照信号として、測定部13から順次供給されるm個の応答信号から、周波数成分fの情報を抽出し、演算部16に供給する。また、抽出部15は、信号発生部12から供給される周波数f、f/2,・・・,f/nの正弦波を参照信号として、信号発生部12から順次供給されるm個の入力信号それぞれから、各周波数成分f,f/2,・・・,f/nの情報を抽出し、演算部16に供給する。
(演算部)
演算部16は、抽出部15から供給されるm個の応答信号の周波数成分fの情報と、信号発生部12から供給されるm個の入力信号それぞれの各周波数成分f,f/2,・・・,f/nの情報とから、1個の線形インピーダンスと、(n−1)個の非線形インピーダンス(例えば2次以降の非線形インピーダンス)とを算出し、記憶部17に供給する。
(記憶部)
記憶部17は、演算部16から供給される1個の線形インピーダンスと、(n−1)個の非線形インピーダンス(例えば2次以降の非線形インピーダンス)とを記憶する。
[3.2 計測装置の詳細な構成]
図6を参照して、本技術の第1の実施形態に係る計測装置1の詳細な構成の一例について説明する。制御部11は、モード切替制御部111と、関数発生制御部112とを備える。信号発生部12は、関数発生器121と、関数発生器1221,1222,・・・,122nとを備える。抽出部15は、ロックインアンプ151と、ロックインアンプ1511,1512,・・・,151nと、マルチチャンネルA/Dコンバータ153とを備える。なお、図6では、操作部18の図示を省略している。
(モード切替制御部)
モード切替制御部111は、測定部13の動作モードを切り替える。
(関数発生制御部)
関数発生制御部112は、関数発生器121と、関数発生器1221,1222,・・・,122nの動作を制御する。
(関数発生器)
電位規制モードでは、関数発生器121は任意波形の電圧信号を順次発生し、測定部13に供給する。ただし、この任意波形には、n個の周波数成分f,f/2,・・・,f/nを少なくとも含んでいる。また、電位規制モードでは、関数発生器1221,1222,・・・,122nは、正弦波SP,f,SP,f/2,・・・,SP,f/nを発生し、これらの正弦波SP,f,SP,f/2,・・・,SP,f/nを参照信号としてロックインアンプ1521,1522,・・・,152nにそれぞれ供給する。また、関数発生器1221は、発生した正弦波SP,fを参照信号としてロックインアンプ151にも供給する。
ここで、SP,f/nの添え字「P」は、動作モードが電位規制モード(ポテンショメトリー モード)におけるものであることを示し、「f/n」は、正弦波の周波数がf/nであることを示している。したがって、正弦波SP,f,SP,f/2,・・・,SP,f/nはそれぞれ、電位規制モードにおける周波数f,f/2,・・・,f/nを有する正弦波である。
一方、電流規制モードでは、関数発生器221は任意波形の電流信号を順次発生し、測定部13に供給する。ただし、この任意波形には、n個の周波数成分f,f/2,・・・,f/nを少なくとも含んでいる。また、電流規制モードでは、関数発生器1221,1222,・・・,122nは、正弦波SG,f,SG,f/2,・・・,SG,f/nを発生し、これらの正弦波SG,f,SG,f/2,・・・,SG,f/nを参照信号としてロックインアンプ1521,1522,・・・,152nにそれぞれ供給する。また、関数発生器1221は、発生した正弦波SG,fを参照信号としてロックインアンプ151にも供給する。
ここで、SG,f/nの添え字「G」は、動作モードが電流規制モード(ガルバノメトリー モード)におけるものであることを示し、「f/n」は、正弦波の周波数がf/nであることを示している。したがって、正弦波SG,f,SG,f/2,・・・,SG,f/nはそれぞれ、電流規制モードにおける周波数f,f/2,・・・,f/nを有する正弦波である。
(測定部)
測定部13は、例えば、ポテンショスタット/ガルバノスタットである。測定部13は、電流測定用の作用極端子WE1と、電圧測定用の作用極端子WE2と、電流測定用の対極端子CEと、電圧測定用の参照電極端子REとを有する。作用極端子WE1および作用極端子WE2がケーブルを介してプローブ(作用極)13aに電気的に接続される。一方、対極端子CEおよび参照電極端子REがケーブルを介してプローブ(対極)13bに接続される。これらのプローブ13a、13bを介して測定部13は、被計測物である測定試料3に電気的に接続または接触される。
測定部13は、制御部11の制御により、電位規制モードおよび電流規制モードのいずれかに設定される。電位規制モードでは、測定部13は、信号発生部12から順次供給される電圧信号(入力信号)に基づき、測定試料3に印加される電圧を規制し、測定試料3に流れる電流を測定し、その測定結果を電流信号(応答信号)としてロックインアンプ151に供給する。
一方、電流規制モードでは、測定部13は、信号発生部12から順次供給される電流信号(入力信号)に基づき測定試料3に流れる電流を規制し、測定試料3に印加される電圧を測定し、その測定結果を電圧信号(応答信号)としてロックインアンプ151に供給する。
(ロックインアンプ)
電位規制モードでは、ロックインアンプ151は、関数発生器1221から供給される正弦波SP,fを参照信号として、測定部13から供給される電流信号(応答信号)から、周波数成分fの情報(実部、虚部)を抽出し、マルチチャンネルA/Dコンバータ153に供給する。また、電位規制モードでは、ロックインアンプ1521,1522,・・・,152nはそれぞれ、関数発生器1221,1222,・・・,122nから供給される正弦波SP,f,SP,f/2,・・・,SP,f/nを参照信号として、関数発生器121から供給される電圧信号(入力信号)から、周波数成分f,f/2,・・・,f/nそれぞれの情報(実部、虚部)を抽出し、マルチチャンネルA/Dコンバータ153に供給する。
一方、電流規制モードでは、ロックインアンプ151は、関数発生器1221から供給される正弦波SG,fを参照信号として、測定部13から供給される電圧信号(応答信号)から、周波数成分fの情報(実部、虚部)を抽出し、マルチチャンネルA/Dコンバータ153に供給する。また、電流規制モードでは、ロックインアンプ1521,1522,・・・,152nはそれぞれ、関数発生器1221,1222,・・・,122nから供給される正弦波SG,f,SG,f/2,・・・,SG,f/nを参照信号として、関数発生器121から供給される電圧信号(入力信号)から、周波数成分f,f/2,・・・,f/nそれぞれの情報(実部、虚部)を抽出し、マルチチャンネルA/Dコンバータ153に供給する。
(マルチチャンネルA/Dコンバータ)
電位規制モードでは、マルチチャンネルA/Dコンバータ153は、ロックインアンプ151から順次供給される周波数領域のm個の電流信号Ires(t1),Ires(t2),・・・,Ires(tm)それぞれの周波数成分fの情報と、ロックインアンプ1521,1522,・・・,152nから順次供給される周波数領域のm個の電圧信号Vin(t1),Vin(t2),・・・,Vin(tm)それぞれの周波数成分f,f/2,・・・,f/nの情報とを、アナログ信号からデジタル信号に変換し、演算部16に供給する(m:n以上の整数)。
一方、電流規制モードでは、マルチチャンネルA/Dコンバータ153は、ロックインアンプ151から順次供給される周波数領域のm個の電圧信号Vres(t1),Vres(t2),・・・,Vres(tm)それぞれの周波数成分fの情報と、ロックインアンプ1521,1522,・・・,152nから順次供給される周波数領域のm個の電流信号Iin(t1),Iin(t2),・・・,Iin(tm)それぞれの周波数成分f,f/2,・・・,f/nの情報とを、アナログ信号からデジタル信号に変換し、演算部16に供給する。
(演算部)
電位規制モードでは、演算部16は、マルチチャンネルA/Dコンバータ153から順次供給される時間依存の周波数領域データ、すなわちm個の電流信号Ires(t1),Ires(t2),・・・,Ires(tm)それぞれの周波数成分fの情報と、m個の電圧信号Vin(t1),Vin(t2),・・・,Vin(tm)それぞれの周波数成分f,f/2,・・・,f/nの情報とを式(12)に代入し、Ωの次元の線形インピーダンス成分Z(1) Pと、ΩVi-1(i:2以上の整数)の次元の非線形インピーダンス成分Z(2) P,Z(3) P,・・・,Z(n) Pとを算出し、記憶部17に供給する。
電流規制モードでは、演算部16は、マルチチャンネルA/Dコンバータ153から順次供給される時間依存の周波数領域データ、すなわちm個の電圧信号Vres(t1),Vres(t2),・・・,Vres(tm)それぞれの周波数成分fの情報と、m個の電流信号Iin(t1),Iin(t2),・・・,Iin(tm)それぞれの周波数成分f,f/2,・・・,f/nの情報とを式(20)に代入し、Ωの次元の線形インピーダンス成分Z(1) Gと、Ω/A,Ω/A2,・・・,Ω/An-1の次元の非線形インピーダンス成分Z(1) G,Z(2) G,・・・,Z(n) Gとを算出し、記憶部17に供給する。
複合モードでは、演算部16は、上述のようにして算出された線形インピーダンスZ(1) PとZ(1) Gとの乗算、および非線形インピーダンス成分Z(2) P,Z(3) P,・・・,Z(n) PとZ(2) G,Z(3) G,・・・,Z(n) Gとの乗算により、Ω2の次元の線形インピーダンスZ(1) P(1) Gと、Ω3,Ω4,・・・,Ωn+1の次元の非線形インピーダンスZ(2) P(2) G,Z(3) P(3) G,・・・,Z(n) P(n) Gとを算出し、記憶部17に供給する。もしくは、演算部16は、上述のようにして算出された線形インピーダンスZ(1) PとZ(1) Gとの相乗平均、および非線形インピーダンス成分Z(2) P,Z(3) P,・・・,Z(n) PとZ(2) G,Z(3) G,・・・,Z(n) Gとの相乗平均により、Ωの次元の線形インピーダンス√Z(1) P(1) Gと、Ω3/2,Ω4/2,・・・,Ω(n+1)/2の次元の非線形インピーダンス√Z(2) P(2) G,√Z(3) P(3) G,・・・,√Z(n) P(n) Gとを算出し、記憶部17に供給する。
[3.3 電位規制モードの動作]
以下、図7を参照して、電位規制モードにおける計測装置1の動作の一例を説明する。
まず、ステップS11において、モード切替制御部111から測定部13に制御信号が供給されると、測定部13が電位規制モードに設定される。
次に、ステップS12において、関数発生器121が、異なるm個(m:2以上の整数)の電圧信号(任意信号)を順次発生し、測定部13に供給する。さらに、関数発生器1221,1222,・・・,122nは、正弦波SP,f,SP,f/2,・・・,SP,f/nを発生し、これらの正弦波SP,f,SP,f/2,・・・,SP,f/nを参照信号としてロックインアンプ1521,1522,・・・,152nにそれぞれ供給する。また、関数発生器1221は、発生した正弦波SP,fを参照信号としてロックインアンプ151にも供給する。
次に、ステップS13において、測定部13は、関数発生器121から順次供給される電圧信号に比例した電圧をプローブ13a,13b間に印加する。そして、測定部13は、その電圧印加に対して測定試料3に流れる電流値を測定し、その電流値に比例した電流信号を取得し、ロックインアンプ151に供給する。
次に、ステップS14において、ロックインアンプ151は、関数発生器1221から供給される正弦波SP,fを参照信号として、測定部13から供給される電流信号から、周波数成分fの情報(実部、虚部)を抽出し、マルチチャンネルA/Dコンバータ153に供給する。また、ロックインアンプ1521,1522,・・・,152nは、関数発生器1221,1222,・・・,122nから供給される正弦波SP,f,SP,f/2,・・・,SP,f/nを参照信号として、関数発生器121から供給される電圧信号から、周波数成分f,f/2,・・・,f/nそれぞれの情報(実部、虚部)を抽出し、マルチチャンネルA/Dコンバータ153に供給する。マルチチャンネルA/Dコンバータ153は、ロックインアンプ151から順次供給される周波数領域のm個の電流信号Ires(t1),Ires(t2),・・・,Ires(tm)それぞれの周波数成分fの情報と、ロックインアンプ1521,1522,・・・,152mから順次供給される周波数領域のm個の電圧信号Vin(t1),Vin(t2),・・・,Vin(tm)それぞれの周波数成分f,f/2,・・・,f/nの情報とを、アナログ信号からデジタル信号に変換し、演算部16に供給する。
次に、ステップS15において、演算部16は、マルチチャンネルA/Dコンバータ153から順次供給されるm個の電流信号Ires(t1),Ires(t2),・・・,Ires(tm)それぞれの周波数成分fの情報と、m個の電圧信号Vin(t1),Vin(t2),・・・,Vin(tm)それぞれの周波数成分f,f/2,・・・,f/nの情報とを式(12)に代入し、Ωの次元の線形インピーダンス成分Z(1) Pと、ΩVi-1(i:2以上の整数)の次元の非線形インピーダンス成分Z(2) P,Z(3) P,・・・,Z(n) Pとを算出し、記憶部17に供給する。
次に、ステップS16において、記憶部17が、演算部16から供給される線形インピーダンス成分Z(1) Pと、非線形インピーダンス成分Z(2) P,Z(3) P,・・・,Z(n) Pとを記憶する。
[3.4 電流規制モードの動作]
以下、図8を参照して、電流規制モードにおける計測装置1の動作の一例を説明する。
まず、ステップS21において、モード切替制御部111から測定部13に制御信号が供給されると、測定部13が電流規制モードに設定される。
次に、ステップS22において、関数発生器121が、異なるn個(n:2以上の整数)の電流信号(任意信号)を順次発生し、測定部13に供給する。さらに、関数発生器1221,1222,・・・,122nは、正弦波SG,f,SG,f/2,・・・,SG,f/nを発生し、これらの正弦波SG,f,SG,f/2,・・・,SG,f/nを参照信号としてロックインアンプ1521,1522,・・・,152nにそれぞれ供給する。また、関数発生器1221は、発生した正弦波SG,fを参照信号としてロックインアンプ151にも供給する。
次に、ステップS23において、測定部13は、関数発生器121から順次供給される電流信号に比例した電流をプローブ13a,13b間に流す。そして、測定部13は、その電流に対して測定試料3に流れる電圧値を測定し、その電圧値に比例した電圧信号を取得し、ロックインアンプ151に供給する。
次に、ステップS24において、ロックインアンプ151は、関数発生器1221から供給される正弦波SG,fを参照信号として、測定部13から供給される電圧信号から、周波数成分fの情報(実部、虚部)を抽出し、マルチチャンネルA/Dコンバータ153に供給する。また、ロックインアンプ1521,1522,・・・,152nは、関数発生器1221,1222,・・・,122nから供給される正弦波SG,f,SG,f/2,・・・,SG,f/nを参照信号として、関数発生器121から供給される電流信号から、周波数成分f,f/2,・・・,f/nそれぞれの情報(実部、虚部)を抽出し、マルチチャンネルA/Dコンバータ153に供給する。マルチチャンネルA/Dコンバータ153は、ロックインアンプ151から順次供給される周波数領域のm個の電流信号Ires(t1),Vres(t2),・・・,Vres(tm)それぞれの周波数成分fの情報と、ロックインアンプ1521,1522,・・・,152nから順次供給される周波数領域のm個の電圧信号Iin(t1),Iin(t2),・・・,Iin(tm)それぞれの周波数成分f,f/2,・・・,f/nの情報とを、アナログ信号からデジタル信号に変換し、演算部16に供給する。
次に、ステップS25において、演算部16は、マルチチャンネルA/Dコンバータ153から順次供給されるm個の電流信号Ires(t1),Ires(t2),・・・,Ires(tm)それぞれの周波数成分fの情報と、m個の電流信号Iin(t1),Iin(t2),・・・,Iin(tm)それぞれの周波数成分f,f/2,・・・,f/nの情報とを式(20)に代入し、Ωの次元の線形インピーダンス成分Z(1) Gと、Ω/A,Ω/A2,・・・,Ω/An-1の次元の非線形インピーダンス成分Z(1) G,Z(2) G,・・・,Z(n) Gとを算出し、記憶部17に供給する。
次に、ステップS26において、記憶部17が、演算部16から供給される線形インピーダンス成分Z(1) Gと、非線形インピーダンス成分Z(2) G,Z(3) G,・・・,Z(n) Gとを記憶する。
[3.5 複合モードの動作]
以下、図9を参照して、複合モードにおける計測装置1の動作の一例を説明する。
まず、ステップS31において、計測装置1は、電位規制モードにて、線形インピーダンス成分Z(1) Pと、非線形インピーダンス成分Z(2) P,Z(3) P,・・・,Z(n) Pを算出し、記憶部17に記憶する。
次に、ステップS32において、計測装置1は、電流規制モードにて、線形インピーダンス成分Z(1) Gと、非線形インピーダンス成分Z(2) G,Z(3) G,・・・,Z(n) Gを算出し、記憶部17に記憶する。
次に、ステップ33において、演算部16は、記憶部17から線形インピーダンス成分Z(1) P,Z(1) Gと、非線形インピーダンス成分Z(2) P,Z(3) P,・・・,Z(n) P,Z(2) G,Z(3) G,・・・,Z(n) Gとを読み出し、それらのインピーダンスを乗算し、線形インピーダンスZ(1) P(1) Gと、非線形インピーダンスZ(2) P(2) G,Z(3) P(3) G,・・・,Z(n) P(n) Gとを算出し、記憶部17に供給する。もしくは、演算部16は、それらのインピーダンスを相乗平均し、Ωの次元の線形インピーダンス√Z(1) P(1) Gと、非線形インピーダンス√Z(2) P(2) G,√Z(3) P(3) G,・・・,√Z(n) P(n) Gとを算出し、記憶部17に供給する。
次に、ステップS34において、記憶部17は、演算部16から供給される線形インピーダンスZ(1) P(1) G、および非線形インピーダンスZ(2) P(2) G,Z(3) P(3) G,・・・,Z(n) P(n) G、もしくは線形インピーダンス√Z(1) P(1) G、および非線形インピーダンス√Z(2) P(2) G,√Z(3) P(3) G,・・・,√Z(n) P(n) Gを記憶する。
[3.6 効果]
第1の実施形態に係る計測装置1では、測定試料3(例えば一次電池、二次電池、燃料電池、太陽電池などの電気化学デバイスや、人体、生体組織などの生体試料)の非線形インピーダンスを計測することができる。したがって、測定試料3の内部におけるイオン種の挙動を詳細に調べることができる。
奇数次の非線形インピーダンスを計測した場合には、測定試料3において構造的に対称的な部分の情報を調べることができる。一方、偶数次の非線形インピーダンスを計測した場合には、測定試料3において構造的に非対称的な部分の情報を調べることができる。
従来の交流インピーダンス測定では、入力電圧の振幅を十分に小さくする必要があったが、第1の実施形態における交流インピーダンス測定では、歪みの解析法が示されているため、より大きな入力電圧を印加することができる。これにより、電流応答を大きくすることができ、比較的簡単な回路で精度の高い測定を行うことが可能である。
[3.7 変形例]
(変形例1)
図10を参照して、本技術の第1の実施形態の変形例1に係る計測装置1aの構成の一例について説明する。この計測装置1aは、信号発生部12および解析部14(図6参照)に代えて、信号発生部12aおよび解析部14aを備える点において、第1の実施形態に係る計測装置1とは異なっている。
信号発生部12aは、関数発生器121と、関数発生器123とを備える。解析部14aは、抽出部15aと、演算部16とを備える。抽出部15aは、ロックインアンプ154と、ロックインアンプ155と、4チャンネルA/Dコンバータ156とを備える。なお、第1の実施形態の変形例1において、第1の実施形態と同様の箇所には同一の符号を付して説明を省略する。
以下、関数発生器123、ロックインアンプ154,155、および4チャンネルA/Dコンバータ156の動作の一例について、電位規制モードと電流規制モードとに分けて説明する。
(電位規制モード)
関数発生器123は、関数発生器121から測定部13に任意波形の電圧信号を出力しながら、正弦波SP,f,SP,f/2,・・・,SP,f/nを順次発生し、これらの正弦波SP,f,SP,f/2,・・・,SP,f/nを参照信号としてロックインアンプ154,155それぞれに順次供給する。
ロックインアンプ154は、関数発生器123から順次供給される正弦波SP,f,SP,f/2,・・・,SP,f/nを参照信号として、測定部13から順次供給される電流信号(応答信号)の周波数成分f,f/2,・・・,f/nの情報(実部、虚部)を抽出し、マルチチャンネルA/Dコンバータ156に供給する。なお、測定部13から順次供給される電流信号(応答信号)の周波数成分fの情報(実部、虚部)のみを抽出し、マルチチャンネルA/Dコンバータ156に供給するようにしてもよい。この場合、関数発生器123からロックインアンプ154に正弦波SP,fのみが参照信号として供給されるようにしてもよい。
ロックインアンプ155は、関数発生器123から順次供給される正弦波SP,f,SP,f/2,・・・,SP,f/nを参照信号として、関数発生器121から順次供給される電圧信号の周波数成分f,f/2,・・・,f/nの情報(実部、虚部)を抽出し、マルチチャンネルA/Dコンバータ156に供給する。
4チャンネルA/Dコンバータ156は、ロックインアンプ154から順次供給される周波数領域の電流信号Ires(t1),Ires(t2),・・・,Ires(tm)それぞれの周波数成分f,f/2,・・・,f/nの情報(実部、虚部)と、ロックインアンプ155から順次供給される周波数領域の電圧信号Vin(t1),Vin(t2),・・・,Vin(tm)それぞれの周波数f,f/2,・・・,f/nの情報(実部、虚部)とを、アナログ信号からデジタル信号に変換し、演算部16に供給する。
以下に、具体例として、電位規制モード、n=3、周波数範囲を125kHz〜3.81Hzとしたときの実際の測定手順を示す。
(手順1)
関数発生器121は、以下の33個のすべての周波数成分を含む任意の波形を発生させる。また、それらの振幅は時々刻々変化させるようにする。なお、低周波数ほど振幅が大きいことが望ましく、また、振幅は時々刻々変化させるために、ピンクノイズやブラウンノイズなどをAM変調させたものを用いても良い。なお、最大振幅は必ず(5/n)mVを超えるようにし(ここでのnはイオンの荷数)、かつ、試料の分解電圧以下になるようにする。
(手順2)
関数発生器123は、以下の33個の周波数の正弦波を順次発生させる。なお理論上は、各周波数それぞれについて、2〜3周期分発生させれば十分である。
1:125kHz(f=125kHzに対するfの応答)
2:62.5kHz(f=62.5kHzに対するfの応答,f=125kHzに対するf/2の応答)
3:41.7kHz(f=125kHzに対するf/3の応答)
4:31.3kHz(f=31.3kHzに対するfの応答,f=62.5kHzに対するf/2の応答)
5:20.8kHz(f=62.5kHzに対するf/3の応答)
6:15.6kHz(f=15.6kHzに対するfの応答,f=31.3kHzに対するf/2の応答)
7:10.4kHz(f=31.3kHzに対するf/3の応答)
8:7.81kHz(f=7.81kHzに対するfの応答,f=15.6kHzに対するf/2の応答)
9:5.21kHz(f=15.6kHzに対するf/3の応答)
10:3.91kHz(f=3.91kHzに対するfの応答,f=7.81kHzに対するf/2の応答)
11:2.60kHz(f=7.81kHzに対するf/3の応答)
12:1.95kHz(f=1.95kHzに対するfの応答,f=3.91kHzに対するf/2の応答)
13:1.30kHz(f=3.91kHzに対するf/3の応答)
14:977Hz(f=977Hzに対するfの応答,f=1.95kHzに対するf/2の応答)
15:651Hz(f=1.95kHzに対するf/3の応答)
16:488Hz(f=488Hzに対するfの応答,f=977Hzに対するf/2の応答)
17:326Hz(f=977Hzに対するf/3の応答)
18:244Hz(f=244Hzに対するfの応答,f=488Hzに対するf/2の応答)
19:163Hz(f=488Hzに対するf/3の応答)
20:122Hz(f=122Hzに対するfの応答,f=244Hzに対するf/2の応答)
21:81.4Hz(f=244Hzに対するf/3の応答)
22:61.0Hz(f=61.0Hzに対するfの応答,f=122Hzに対するf/2の応答)
23:40.7Hz(f=122Hzに対するf/3の応答)
24:30.5Hz(f=30.5Hzに対するfの応答,f=61.0Hzに対するf/2の応答)
25:20.3Hz(f=61.0Hzに対するf/3の応答)
26:15.3Hz(f=15.3Hzに対するfの応答,f=30.5Hzに対するf/2の応答)
27:10.2Hz(f=30.5Hzに対するf/3の応答)
28:7.63Hz(f=7.63Hzに対するfの応答,f=15.3Hzに対するf/2の応答)
29:5.09Hz(f=15.3Hzに対するf/3の応答)
30:3.81Hz(f=3.81Hzに対するfの応答,f=7.63Hzに対するf/2の応答)
31:2.54Hz(f=7.63Hzに対するf/3の応答)
32:1.91Hz(f=3.81Hzに対するf/2の応答)
33:1.27Hz(f=3.81Hzに対するf/3の応答)
(手順3)
ロックインアンプ154は、関数発生器123が上記1,2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24,26,28,30の周波数を送出しているときのデータ(計16個)を収集し、電流信号(応答信号)の持つ周波数f成分のデータとして、4チャンネルA/Dコンバータ156に送出する。そしてアナログ信号からデジタル信号に変換し、演算部16に供給する。
(手順4)
ロックインアンプ155は、上記33周波数すべてのデータを収集し、電圧信号(入力信号)の持つ周波数f成分、f/2成分、f/3成分のデータとして、4チャンネルA/Dコンバータ156に送出する。そしてアナログ信号からデジタル信号に変換し、演算部16に供給する。
(手順5)
手順2〜手順4をm回繰り返す。これにより、演算部16には、時々刻々変化する周波数領域の電流信号Ires(t1),Ires(t2),・・・,Ires(tm)の周波数fにおける情報(実部、虚部)と、時々刻々変化する周波数領域の電圧信号Vin(t1),Vin(t2),・・・,Vin(tm)の周波数f,f/2,f/3における情報(実部、虚部)とが集積される。
(手順6)
演算部16にて、式(13)の演算を行うことにより、線形インピーダンス成分Z(1) P,fが求められる。
(手順7)
演算部16にて、式(14)の演算を行うことにより、非線形インピーダンス成分Z(2) P,f/2が求められる。
(手順8)
演算部16にて、式(15)の演算を行うことにより、非線形インピーダンス成分Z(3) P,f/3が求められる。
(電流規制モード)
関数発生器123は、関数発生器121から測定部13に任意波形の電流信号を出力しながら、正弦波SG,f,SG,f/2,・・・,SG,f/nを順次発生し、これらの正弦波SG,f,SG,f/2,・・・,SG,f/nを参照信号としてロックインアンプ154,155それぞれに順次供給する。
ロックインアンプ154は、関数発生器123から順次供給される正弦波SG,f,SG,f/2,・・・,SG,f/nを参照信号として、測定部13から順次供給される電圧信号(応答信号)の周波数成分f,f/2,・・・,f/nの情報(実部、虚部)を抽出し、マルチチャンネルA/Dコンバータ156に供給する。なお、測定部13から順次供給される電圧信号(応答信号)の周波数成分fの情報(実部、虚部)のみを抽出し、マルチチャンネルA/Dコンバータ156に供給するようにしてもよい。この場合、関数発生器123からロックインアンプ154に正弦波SG,fのみが参照信号として供給されるようにしてもよい。
ロックインアンプ155は、関数発生器123から順次供給される正弦波SG,f,SG,f/2,・・・,SG,f/nを参照信号として、関数発生器121から順次供給される電流信号の周波数成分f,f/2,・・・,f/nの情報(実部、虚部)を抽出し、マルチチャンネルA/Dコンバータ156に供給する。
4チャンネルA/Dコンバータ156は、ロックインアンプ154から順次供給される周波数領域の電圧信号Vres(t1),Vres(t2),・・・,Vres(tm)それぞれの周波数成分f,f/2,・・・,f/nの情報(実部、虚部)と、ロックインアンプ155から順次供給される周波数領域の電流信号Iin(t1),Iin(t2),・・・,Iin(tm)それぞれの周波数f,f/2,・・・,f/nの情報(実部、虚部)とをアナログ信号からデジタル信号に順次変換し、演算部16に供給する。
(変形例2)
図11を参照して、本技術の第1の実施形態の変形例2に係る計測装置1bの構成の一例について説明する。この計測装置1bは、信号発生部12および解析部14(図6参照)に代えて、信号発生部12bおよび解析部14bを備える点において、第1の実施形態に係る計測装置1とは異なっている。
信号発生部12bは、関数発生器121を備える。解析部14bは、抽出部15bと、演算部16とを備える。抽出部15bは、2チャンネルA/Dコンバータ157と、フーリエ変換器158とを備える。なお、第1の実施形態の変形例2において、第1の実施形態と同様の箇所には同一の符号を付して説明を省略する。
以下、2チャンネルA/Dコンバータ157、およびフーリエ変換器158の動作の一例について、電位規制モードと電流規制モードとに分けて説明する。
(電位規制モード)
2チャンネルA/Dコンバータ157は、関数発生器121から供給される任意波形の電圧信号(入力信号)と、測定部13から供給される電流信号(応答信号)とをアナログ信号からデジタル信号に順次変換し、フーリエ変換器158に供給する。
フーリエ変換器158は、2チャンネルA/Dコンバータ157から供給される電圧信号と電流信号とをフーリエ変換することにより、時々刻々変化する周波数f,f/2,・・・,f/n成分の周波数領域の電圧信号Vin(t1),Vin(t2),・・・,Vin(tm)と、時々刻々変化する周波数f成分の周波数領域の電流信号Ires(t1),Ires(t2),・・・,Ires(tm)とを算出し、それらの情報(実部、虚部)を演算器16に供給する。
(電流規制モード)
2チャンネルA/Dコンバータ157は、関数発生器121から供給される任意波形の電流信号(入力信号)と、測定部13から供給される電圧信号(応答信号)とをアナログ信号からデジタル信号に順次変換し、フーリエ変換器158に供給する。
フーリエ変換器158は、2チャンネルA/Dコンバータ157から供給される電流信号と電圧信号とをフーリエ変換することにより、時々刻々変化する周波数f,f/2,・・・,f/n成分の周波数領域の電流信号Iin(t1),Iin(t2),・・・,Iin(tm)と、時々刻々変化する周波数f成分の周波数領域の電圧信号Vres(t1),Vres(t2),・・・,Vres(tm)とを算出し、それらの情報(実部、虚部)を演算器16に供給する。
<4 第2の実施形態>
[4.1 計測装置の概略構成]
図12を参照して、本技術の第2の実施形態に係る計測装置2の概略構成の一例について説明する。この計測装置2は、正弦波印加方式の計測装置であり、制御部11と、信号発生部22と、測定部23と、解析部24と、記憶部17と、操作部18とを備える。解析部24は、抽出部25と、演算部26とを備える。なお、第2の実施形態において、第1の実施形態と同様の箇所には同一の符号を付して説明を省略する。
第2の実施形態に係る計測装置2は、第1の実施形態と同様に、3つの動作モード、すなわち(1)電位規制モード(ポテンショスタットモード)と、(2)電流規制モード(ガルバノスタットモード)と、(3)それらの複合モードとを有する。
(信号発生部)
信号発生部22は、周波数f,2f,・・・,nf(n:2以上の整数)の正弦波を発生する。そして、発生した周波数fの正弦波を入力信号として測定部23に供給し、かつ、発生した周波数f,2f,・・・,nfの正弦波を参照信号として解析部24に供給する。
(測定部)
測定部23は、信号発生部22から供給される入力信号(正弦波)を測定試料3に与え、それに対する応答信号を測定して解析部24に供給する。
(解析部)
解析部24は、信号発生部22から供給される周波数f、2f,・・・,nfの正弦波を参照信号として、測定部23から供給される応答信号から、1個の線形インピーダンスと、(n−1)個の非線形インピーダンス(例えば2次以降の非線形インピーダンス)とを算出する。
(抽出部)
抽出部25は、信号発生部22から供給される周波数f、2f,・・・,nfの正弦波を参照信号として、測定部23から供給される応答信号から、各周波数成分f、2f,・・・,nfの情報を抽出し、演算部26に供給する。
(演算部)
演算部26は、抽出部25から供給される各周波数成分f、2f,・・・,nfの情報から、1個の線形インピーダンスと、(n−1)個の非線形インピーダンス(例えば2次以降の非線形インピーダンス)とを算出し、記憶部17に供給する。
[4.2 計測装置の詳細な構成]
図13を参照して、本技術の第2の実施形態に係る計測装置2の詳細な構成の一例について説明する。信号発生部22は、関数発生器2211,2212,・・・,221nを備える。抽出部25は、ロックインアンプ2511,2512,・・・,251nと、マルチチャンネルA/Dコンバータ252とを備える。
(関数発生器)
電位規制モードでは、関数発生器2211,2212,・・・,221nはそれぞれ、正弦波SP,f,SP,2f,・・・,SP,nfを発生する。そして、発生した正弦波SP,fを電圧信号(入力信号)として測定部23に供給する。また、発生した正弦波SP,f,SP,2f,・・・,SP,nfを参照信号としてロックインアンプ2511,2512,・・・,251nにそれぞれ供給する。
ここで、SP,nfの添え字「P」は、動作モードが電位規制モード(ポテンショメトリー モード)におけるものであることを示し、「nf」は、正弦波の周波数がnfであることを示している。したがって、正弦波SP,f,SP,2f,・・・,SP,nfはそれぞれ、電位規制モードにおける周波数f,2f,・・・,nfを有する正弦波である。
一方、電流規制モードでは、関数発生器2211,2212,・・・,221nはそれぞれ、正弦波SG,f,SG,2f,・・・,SG,nfを発生する。そして、発生した正弦波SG,fを電流信号(入力信号)Iin(t)として測定部23に供給する。また、発生した正弦波SG,f,SG,2f,・・・,SG,nfを参照信号としてロックインアンプ2511,2512,・・・,251nにそれぞれ供給する。
ここで、SG,nfの添え字「G」は、動作モードが電流規制モード(ガルバノメトリー モード)におけるものであることを示し、「nf」は、正弦波の周波数がnfであることを示している。したがって、正弦波SG,f,SG,2f,・・・,SG,nfはそれぞれ、電流規制モードにおける周波数f,2f,・・・,nfを有する正弦波である。
なお、本実施形態では、関数発生器2211,2212,・・・,221nにてそれぞれ発生される正弦波の周波数間隔Δfが一定間隔(Δf=f)である場合を例として説明するが、周波数間隔Δfはこの例に限定されるものではない。また、正弦波の周波数を一定間隔で変更するのではなく、一定比率で変更するようにしてもよい。
(測定部)
測定部23は、例えば、ポテンショスタット/ガルバノスタットである。測定部23は、モード切替制御部111の制御により、動作モードが電位規制モードおよび電流規制モードのいずれかに設定される。電位規制モードでは、測定部23は、関数発生器2211から供給される電圧信号(入力信号)に基づき、測定試料3に印加する電圧を規制する。そして、その電位規制により測定試料3に流れる電流を測定し、その測定結果を電流信号(応答信号)としてロックインアンプ2511,2512,・・・,251nにそれぞれ供給する。
一方、電流規制モードでは、測定部23は、信号発生部22から供給される電流信号(入力信号)に基づき、測定試料3に流れる電流を規制する。そして、その電流規制により測定試料3に印加される電圧を測定し、その測定結果を電圧信号(応答信号)としてロックインアンプ2511,2512,・・・,251nにそれぞれ供給する。
(ロックインアンプ)
電位規制モードでは、ロックインアンプ2511,2512,・・・,251nはそれぞれ、関数発生器2211,2212,・・・,221nから供給される正弦波SP,f,SP,2f,・・・,SP,nfを参照信号として、測定部23から供給される電流信号(応答信号)から周波数成分f,2f,・・・,nfの情報(実部、虚部)を抽出し、マルチチャンネルA/Dコンバータ252に供給する。
一方、電流規制モードでは、ロックインアンプ2511,2512,・・・,251nはそれぞれ、関数発生器2211,2212,・・・,221nから供給される正弦波SG,f,SG,2f,・・・,SG,nfを参照信号として、測定部23から供給される電圧信号(応答信号)から周波数成分f,2f,・・・,nfの情報(実部、虚部)を抽出し、マルチチャンネルA/Dコンバータ252に供給する。
(マルチチャンネルA/Dコンバータ)
電位規制モードでは、マルチチャンネルA/Dコンバータ252は、ロックインアンプ2511,2512,・・・,251nから供給される周波数領域の電流信号Iresの周波数成分f,2f,・・・,nfの情報(実部、虚部)をアナログ信号からデジタル信号に変換して、演算部26に供給する。
電流規制モードでは、マルチチャンネルA/Dコンバータ252は、ロックインアンプ2511,2512,・・・,251nから供給される周波数領域の電圧信号Vresの周波数成分f,2f,・・・,nfの情報(実部、虚部)をアナログ信号からデジタル信号に変換して、演算部26に供給する。
(演算部)
電位規制モードでは、演算部26は、マルチチャンネルA/Dコンバータ252から供給される電流信号Iresの周波数成分f,2f,・・・,nfの情報(実部、虚部)と、入力電圧Vinの振幅とを式(8)に代入し、Ωの次元の線形インピーダンス成分Z(1) Pと、ΩV,ΩV2,・・・,ΩVn-1の次元の非線形インピーダンス成分Z(2) P,Z(3) P,・・・,Z(n) Pとを算出し、記憶部17に供給する。
一方、電流規制モードでは、演算部26は、マルチチャンネルA/Dコンバータ252から供給される電圧信号Vresの周波数成分f,2f,・・・,nfの情報(実部、虚部)と、入力電流Iinの振幅とを式(16)に代入し、Ωの次元の線形インピーダンス成分Z(1) Gと、Ω/A,Ω/A2,・・・,Ω/An-1の次元の非線形インピーダンス成分Z(1) G,Z(2) G,・・・,Z(n) Gとを算出し、記憶部17に供給する。
複合モードでは、演算部26は、上述のようにして算出された線形インピーダンスZ(1) P,Z(1) G、および非線形インピーダンス成分Z(2) P,Z(3) P,・・・,Z(n) P,Z(2) G,Z(3) G,・・・,Z(n) Gを用いる以外は第1の実施形態として、線形インピーダンスおよび非線形インピーダンスを算出し、記憶部17に供給する。
[4.3 電位規制モードの動作]
以下、図14を参照して、電位規制モードにおける計測装置2の動作の一例を説明する。
まず、ステップS111において、モード切替制御部111の制御により、測定部23が電位規制モードに設定される。
次に、ステップS112において、関数発生器2211,2212,・・・,221nがそれぞれ、正弦波SP,f,SP,2f,・・・,SP,nfを発生する。そして、発生した正弦波SP,fを電圧信号(入力信号)として測定部23に供給するとともに、発生した正弦波SP,f,SP,2f,・・・,SP,nfを参照信号としてロックインアンプ2511,2512,・・・,251nにそれぞれ供給する。
次に、ステップS113において、測定部23は、関数発生器2211から供給される電圧信号(入力信号)に比例した電圧をプローブ13a,13b間に印加する。そして、測定部23は、その電圧印加に対して測定試料3に流れる電流値を測定し、その電流値に比例した電流信号Iresを取得し、ロックインアンプ2511,2512,・・・,251nに供給する。
次に、ステップS114において、ロックインアンプ2511,2512,・・・,251nはそれぞれ、関数発生器2211,2212,・・・,221nから供給される正弦波SP,f,SP,2f,・・・,SP,nfを参照信号として、測定部23から供給される電流信号から周波数成分f,2f,・・・,nfの情報(実部、虚部)を抽出する。抽出された周波数成分f,2f,・・・,nfの情報(実部、虚部)は、マルチチャンネルA/Dコンバータ252においてアナログ信号からデジタル信号に変換されて、演算部26に供給される。
次に、ステップS115において、演算部26は、マルチチャンネルA/Dコンバータ252から供給される周波数領域の電流信号Iresの周波数成分f,2f,・・・,nfの情報(実部、虚部)と、入力電圧Vinの振幅とを式(4)に代入し、Ωの次元の線形インピーダンス成分Z(1) Pと、ΩVi-1(i:2以上の整数)の次元の非線形インピーダンス成分Z(2) P,Z(3) P,・・・,Z(n) Pとを算出し、記憶部17に供給する。
次に、ステップS116において、記憶部17が、演算部26から供給される線形インピーダンス成分Z(1) Pと、非線形インピーダンス成分Z(2) P,Z(3) P,・・・,Z(n) Pとを記憶する。
[4.4 電流規制モードの動作]
以下、図15を参照して、電流規制モードにおける計測装置2の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS121において、モード切替制御部111の制御により、測定部23が電流規制モードに設定される。
次に、ステップS122において、関数発生器2211,2212,・・・,221nがそれぞれ、正弦波SG,f,SG,2f,・・・,SG,nfを発生する。そして、発生した正弦波SG,fを電流信号(入力信号)Iinとして測定部23に供給するとともに、発生した正弦波SG,f,SG,2f,・・・,SG,nfを参照信号としてロックインアンプ2511,2512,・・・,251nにそれぞれ供給する。
次に、ステップS123において、測定部23は、関数発生器2211から供給される電流信号(入力信号)に比例した電流をプローブ13a,13b間に流す。そして、測定部23は、その電流に対して測定試料3に印加される電圧値を測定し、その電圧値に比例した電圧信号Vresを取得し、ロックインアンプ2511,2512,・・・,251nに供給する。
次に、ステップS124において、ロックインアンプ2511,2512,・・・,251nはそれぞれ、関数発生器2211,2212,・・・,221nから供給される正弦波SG,f,SG,2f,・・・,SG,nfを参照信号として、測定部23から供給される電圧信号から周波数成分f,2f,・・・,nfの情報(実部、虚部)を抽出する。抽出された周波数成分f,2f,・・・,nfの情報(実部、虚部)は、マルチチャンネルA/Dコンバータ252においてアナログ信号からデジタル信号に変換されて、演算部26に供給される。
次に、ステップS125において、演算部26は、マルチチャンネルA/Dコンバータ252から供給される周波数領域の電圧信号Vresの周波数成分f,2f,・・・,nfの情報(実部、虚部)と、入力電流Iinの振幅とを式(5)に代入し、Ωの次元の線形インピーダンス成分Z(1) Gと、Ω/Ai-1(i:2以上の整数)の次元の非線形インピーダンス成分Z(1) G,Z(2) G,・・・,Z(n) Gとを算出し、記憶部17に供給する。
次に、ステップS126において、記憶部17が、演算部26から供給される線形インピーダンス成分Z(1) Gと、非線形インピーダンス成分Z(2) G,Z(3) G,・・・,Z(n) Gとを記憶する。
[4.5 変形例]
(変形例1)
図16を参照して、本技術の第2の実施形態の変形例1に係る計測装置2aの構成の一例について説明する。この計測装置2aは、信号発生部22および解析部24(図13参照)に代えて、信号発生部22aおよび解析部24aを備える点において、第2の実施形態に係る計測装置2とは異なっている。
信号発生部22aは、関数発生器2211と、関数発生器222とを備える。解析部24aは、抽出部25aと、演算部26とを備える。抽出部25aは、ロックインアンプ253と、2チャンネルA/Dコンバータ254とを備える。なお、第2の実施形態の変形例1において、第2の実施形態と同様の箇所には同一の符号を付して説明を省略する。
以下、関数発生器222、ロックインアンプ253、および2チャンネルA/Dコンバータ254の動作の一例について、電位規制モードと電流規制モードとに分けて説明する。
(電位規制モード)
関数発生器222は、正弦波SP,f,SP,2f,・・・,SP,nfを順次発生し、これらの正弦波SP,f,SP,2f,・・・,SP,nfを参照信号としてロックインアンプ253に順次供給する。
ロックインアンプ253は、関数発生器222から順次供給される正弦波SP,f,SP,2f,・・・,SP,nfを参照信号として、測定部23から供給される電流信号(応答信号)に含まれる周波数成分f,2f,・・・,nfの情報(実部、虚部)を順次抽出する。
2チャンネルA/Dコンバータ254は、ロックインアンプ253から順次供給される電流信号に含まれる周波数成分f,2f,・・・,nfの情報を、アナログ信号からデジタル信号に変換し、演算部26に供給する。
(電位規制モード)
関数発生器222は、正弦波SG,f,SG,2f,・・・,SG,nfを順次発生し、これらの正弦波SG,f,SG,2f,・・・,SG,nfを参照信号としてロックインアンプ253に順次供給する。
ロックインアンプ253は、関数発生器222から順次供給される正弦波SG,f,SG,2f,・・・,SG,nfを参照信号として、測定部23から供給される電圧信号(応答信号)に含まれる周波数成分f,2f,・・・,nfの情報(実部、虚部)を順次抽出する。
2チャンネルA/Dコンバータ254は、ロックインアンプ253から順次供給される電圧信号に含まれる周波数成分f,2f,・・・,nfの情報を、アナログ信号からデジタル信号に変換し、演算部26に供給する。
(変形例3)
図17を参照して、本技術の第2の実施形態の変形例2に係る計測装置2bの構成の一例について説明する。この計測装置2bは、信号発生部22および解析部24(図13参照)に代えて、信号発生部22bおよび解析部24bを備える点において、第2の実施形態に係る計測装置2とは異なっている。
信号発生部22bは、関数発生器2211を備える。解析部24bは、抽出部25bと、演算部26とを備える。抽出部25bは、A/Dコンバータ255と、フーリエ変換器256とを備える。なお、第2の実施形態の変形例2において、第2の実施形態と同様の箇所には同一の符号を付して説明を省略する。
以下、2チャンネルA/Dコンバータ255、およびフーリエ変換器256の動作の一例について、電位規制モードと電流規制モードとに分けて説明する。
(電位規制モード)
A/Dコンバータ255は、測定部23から供給される電流信号(応答信号)をアナログ信号からデジタル信号に変換し、フーリエ変換器256に供給する。
フーリエ変換器256は、A/Dコンバータ255から供給される電流信号をフーリエ変換することにより、その周波数領域の電流信号Iresの周波数成分f,2f,・・・,nfの情報(実部、虚部)を演算器26に供給する。
(電流規制モード)
A/Dコンバータ255は、測定部23から供給される電圧信号(応答信号)をアナログ信号からデジタル信号に変換し、フーリエ変換器256に供給する。
フーリエ変換器256は、A/Dコンバータ255から供給される電圧信号をフーリエ変換することにより、その周波数領域の電圧信号Vresの周波数成分f,2f,・・・,nfの情報(実部、虚部)を演算器26に供給する。
<5 第3の実施形態>
[5.1 電子機器および電池パックの概略構成]
図18を参照して、本技術の第3の実施形態に係る電子機器400およびそれに電気的に接続される電池パック300の概略構成の一例について説明する。電子機器400は、例えば、ユーザにより電池パック300を着脱自在な構成を有している。なお、電子機器400の構成はこれに限定されるものではなく、ユーザにより電池パック300を電子機器400から取り外しできないように、電池パック300が電子機器400内に内蔵されている構成を有していてもよい。
電池パック300の充電時には、電池パック300の正極端子331a、負極端子331bがそれぞれ、充電器(図示せず)の正極端子、負極端子に接続される。一方、電池パック300の放電時(電子機器400の使用時)には、電池パック300の正極端子331a、負極端子331bがそれぞれ、電子機器400の正極端子411a、負極端子411bに接続される。また、電池パック300のシリアル・データ端子332a、シリアル・クロック端子332bがそれぞれ、電子機器400のシリアル・データ端子412a、シリアル・クロック端子412bに接続される。
(電池パック)
電池パック300は、組電池301と、充放電回路302とを備える。組電池301は、複数の二次電池301aを直列および/または並列に接続して構成されている。複数の二次電池301aは、n並列m直列(n、mは整数)に接続される。なお、図18では、6つの二次電池301aが2並列3直列(2P3S)に接続された例として示されている。
充電時には、充放電回路302は、組電池301に対する充電を制御する。一方、放電時(すなわち電子機器400の使用時)には、充放電回路302は、電子機器400に対する放電を制御するとともに、被測定物である組電池301および/またはそれを構成する各二次電池301aにおけるリアルタイムの電流値および電圧値を測定し、電子機器400に供給する。
(電子機器)
電子機器400としては、例えば、ノート型パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、携帯電話(例えばスマートフォン)、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、オーディオ機器(例えばポータブルオーディオプレイヤー)、ゲーム機器などが挙げられるが、これに限定されるものでなない。
電子機器400は、電子機器本体の電子回路401と、計測装置402とを備える。ここでは、電子回路401と計測装置402とが別々に設けられている構成を例として説明するが、計測装置402が電子回路401内に組み込まれていてもよい。
電子回路401は、例えばCPU、周辺ロジック部、インターフェース部および記憶部などを備え、電子機器400の全体を制御する。計測装置402は、電池パック300のインピーダンスをin situ計測する。より具体的には、計測装置402は、電池パック300からの電力供給により電子機器400が動作している状態において、被測定物である組電池301および/またはそれを構成する各二次電池301aから電流信号および電圧信号をリアルタイムに取得し、それらの信号の周波数成分の情報(実部、虚部)を解析することにより、線形インピーダンスおよび非線形インピーダンスを算出する。
[5.2 充放電回路の構成]
図19を参照して、充放電回路302の構成の一例について説明する。充放電回路302は、制御部311と、電圧測定部312と、電流測定部313と、電流検出抵抗314と、温度測定部315と、温度検出素子316と、スイッチ部317と、スイッチ制御部318と、メモリ319とを備える。
(電圧測定部)
電圧測定部312は、組電池301および/またはそれを構成する各二次電池301aの電圧を測定し、その測定結果を制御部311に供給する。
(電流測定部)
電流測定部313は、電流検出抵抗314を用いて電流を測定し、その測定結果を制御部311に供給する。
(温度検出素子)
温度検出素子316は例えばサーミスタであり、組電池301の近傍に設けられる。
(温度測定部)
温度測定部315は、温度検出素子316を用いて組電池301の温度を測定し、その測定結果を制御部311に供給する。
(スイッチ部)
スイッチ部317は、充電制御スイッチ321aおよびダイオード321bと、放電制御スイッチ322aおよびダイオード322bとを備え、スイッチ制御部318により制御される。ダイオード321bは、正極端子331aから組電池301の方向に流れる充電電流に対して逆方向で、負極端子331bから組電池301の方向に流れる放電電流に対して順方向の極性を有する。ダイオード322bは、充電電流に対して順方向で、放電電流に対して逆方向の極性を有する。なお、図19では、正極端子331aと組電池301との間にスイッチ部317が設けられた構成が例として示されているが、負極端子331bと組電池301との間にスイッチ部317が設けられていてもよい。
充電制御スイッチ321aは、電池電圧が過充電検出電圧となった場合にOFFされて、組電池301の電流経路に充電電流が流れないように充放電制御部によって制御される。充電制御スイッチのOFF後は、ダイオード321bを介することによって放電のみが可能となる。また、充電時に大電流が流れた場合にOFFされて、組電池301の電流経路に流れる充電電流を遮断するように、制御部311によって制御される。
放電制御スイッチ322aは、電池電圧が過放電検出電圧となった場合にOFFされて、組電池301の電流経路に放電電流が流れないように制御部311によって制御される。放電制御スイッチ322aのOFF後は、ダイオード322bを介することによって充電のみが可能となる。また、放電時に大電流が流れた場合にOFFされて、組電池301の電流経路に流れる放電電流を遮断するように、制御部311によって制御される。
(スイッチ制御部)
スイッチ制御部318は、電圧測定部312および電流測定部313から入力された電圧および電流を基に、スイッチ部317の充電制御スイッチ321aおよび放電制御スイッチ322aを制御する。スイッチ制御部318は、二次電池301aのいずれかの電圧が過充電検出電圧もしくは過放電検出電圧以下になったとき、または、大電流が急激に流れたときに、スイッチ部317に制御信号を送ることにより、過充電および過放電、ならびに過電流充放電を防止する。
二次電池301aが例えばリチウムイオン二次電池の場合、過充電検出電圧は例えば4.20V±0.05Vに設定され、過放電検出電圧は例えば2.4V±0.1Vに設定される。
充電制御スイッチ321aおよび放電制御スイッチ322aは、例えばMOSFETなどの半導体スイッチを使用できる。この場合MOSFETの寄生ダイオードがダイオードとして機能する。充放電スイッチとして、Pチャンネル型FETを使用した場合は、スイッチ制御部318は、充電制御スイッチ321aおよび放電制御スイッチ322aのそれぞれのゲートに対して、制御信号DOおよびCOをそれぞれ供給する。充電制御スイッチ321aおよび放電制御スイッチ322aはPチャンネル型である場合、ソース電位より所定値以上低いゲート電位によってONする。すなわち、通常の充電および放電動作では、制御信号COおよびDOをローレベルとし、充電制御スイッチ321aおよび放電制御スイッチ322aをON状態とする。そして、例えば過充電もしくは過放電の際には、制御信号COおよびDOをハイレベルとし、充電制御スイッチ321aおよび放電制御スイッチ322aをOFF状態とする。
(メモリ)
メモリ319は、例えばRAMやROMを含み、より具体的には不揮発性メモリであるEPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)を含んでいる。メモリ319には、制御部311で演算された数値や、製造工程の段階で測定された各二次電池301aの初期状態における電池の内部抵抗値などの情報が予め記憶され、それらの情報を適宜書き換えることも可能である。また、二次電池301aの満充電容量の情報をメモリ319に記憶させておくことで、制御部311がこの満充電容量の情報を用いて電池パック300の残容量を算出することも可能である。
(制御部)
制御部311は、充放電回路302の各部を制御する。より具体的には例えば、放電時(すなわち電子機器400の使用時)には、制御部311は、電圧測定部312にてリアルタイムで電圧信号を取得し、その信号を計測装置402に供給する。計測装置402は、供給された電圧信号を、フーリエ変換などによって周波数領域の電圧信号に変換し、時々刻々変わるm個の周波数領域の電圧信号V(t1),V(t2),・・・,V(tm)として記憶する。また、制御部311は、電流測定部313にてリアルタイムで電流信号を取得し、その信号を計測装置402に供給する。計測装置402は、供給された電流信号を、フーリエ変換などによって周波数領域の電流信号に変換し、時々刻々変わるm個の周波数領域の電流信号I(t1),I(t2),・・・,I(tm)として記憶する。
なお計測装置402は、保存されたm個の電流信号I(t1),I(t2),・・・,I(tm)を擬似的な応答信号と見做して計算を行うときは、m個の電圧信号V(t1),V(t2),・・・,V(tm)を擬似的な入力信号と見做す。一方、m個の電圧信号V(t1),V(t2),・・・,V(tm)を擬似的な応答信号と見做して計算を行うときは、m個の電流信号I(t1),I(t2),・・・,I(tm)を擬似的な入力信号と見做す。
[5.3 計測装置の構成]
図20を参照して、計測装置402の構成の一例について説明する。この計測装置402は、測定部13から供給される電流信号および電圧信号に代えて(図6参照)、電池パック300の電流測定部313および電圧測定部312で測定した電流信号および電圧信号を、電池パック300内の制御部311を介さず、直接電子機器内の測定装置402に導いて入力信号および応答信号として用いる点において、第1の実施形態に係る計測装置1とは異なっている(図18では、電流測定部313および電圧測定部312と測定装置402とを結ぶ配線の図示を省略している)。
計測装置402は、信号発生部42と、解析部14と、記憶部17とを備える。信号発生部42は、関数発生器1221,1222,・・・,122nを備える。解析部14は、抽出部15と、演算部16とを備える。抽出部15は、ロックインアンプ151と、ロックインアンプ1521,1522,・・・,152nと、マルチチャンネルA/Dコンバータ153とを備える。なお、第3の実施形態において、第1の実施形態と同様の箇所には同一の符号を付して説明を省略する。
電池パック300内の電圧測定部312と電流測定部313にて、リアルタイムで電圧信号と電流信号とを取得し、計測装置402に供給する。電流信号を疑似的な入力信号とし電圧信号を擬似的な応答信号と見做して計算を行う場合、計測装置402は、電圧測定部312から供給された電圧信号をロックインアンプ151に、電流測定部313供給された電流信号をロックインアンプ1521,1522,・・・,152nにそれぞれ供給し、周波数領域の信号に変換する。また、電圧信号を疑似的な入力信号とし電流信号を擬似的な応答信号と見做して計算を行う場合は、計測装置402は、電流信号をロックインアンプ151に、電圧信号をロックインアンプ1521,1522,・・・,152nに供給し、それぞれ周波数領域の信号に変換する。このようにして得られた、周波数f,f/2,・・・,f/n成分の時々刻々変わるm個の周波数領域の電圧信号V(t1),V(t2),・・・,V(tm)、およびm個の周波数領域の電流信号I(t1),I(t2),・・・,I(tm)を、式(12)および式(20)を用いて解析することによって非線形インピーダンスを得る。
[5.4 変形例]
(変形例1)
図21を参照して、本技術の第3の実施形態の変形例1に係る計測装置402aの構成の一例について説明する。この計測装置402aは、測定部13から供給される電流信号および電圧信号に代えて(図10参照)、電池パック300の電流測定部313と電圧測定部312から供給される電流信号および電圧信号を、入力信号および応答信号として用いる点において、第1の実施形態の変形例1に係る計測装置1aとは異なっている。
この計測装置402aは、信号発生部42aと、解析部14aと、記憶部17とを備える。信号発生部42aは、関数発生器123を備える。解析部14aは、抽出部15aと、演算部16とを備える。抽出部15は、ロックインアンプ154と、ロックインアンプ155とを備える。なお、第3の実施形態の変形例1において、第1の実施形態の変形例1と同様の箇所には同一の符号を付して説明を省略する。
まずは、電流信号を疑似的な入力信号とし電圧信号を擬似的な応答信号と見做し、電池パック300の電圧測定部312と電流測定部313からロックインアンプ154およびロックインアンプ155に電圧信号と電流信号を順次供給する。この状態で関数発生器123のnをスキャンすることによって、図20のように多数のロックインアンプを用いることなく、周波数fからf/nまでの入力信号の情報を得る。次に、電圧信号を疑似的な入力信号とし電流信号を擬似的な応答信号と見做し、電池パック300の電流測定部313と電圧測定部312からロックインアンプ154およびロックインアンプ155に電流信号と電圧信号を順次供給する。この状態で関数発生器123のnをスキャンすることによって、図20のように多数のロックインアンプを用いることなく、周波数fからf/nまでの入力信号の情報を得る。この一連の測定をn回繰り返して、時々刻々変わるm個の周波数領域の電圧信号V(t1),V(t2),・・・,V(tm)、およびm個の周波数領域の電流信号I(t1),I(t2),・・・,I(tm)を用意する。用意された周波数領域の信号を式(12)および式(20)を用いて解析することによって非線形インピーダンスを得る。
[5.5 変形例2]
図22を参照して、本技術の第3の実施形態の変形例2に係る計測装置402bの構成の一例について説明する。この計測装置402bは、測定部13から供給される電流信号および電圧信号に代えて(図11参照)、電池パック300の電流測定部313と電圧測定部312から供給される電流信号および電圧信号を、入力信号および応答信号として用いる点において、第1の実施形態の変形例2に係る計測装置1bとは異なっている。
この計測装置402bは、解析部14bと、記憶部17とを備える。解析部14bは、抽出部15bと、演算部16とを備える。抽出部15bは、2チャンネルA/Dコンバータ157と、フーリエ変換器158とを備える。なお、第3の実施形態の変形例2において、第1の実施形態の変形例2と同様の箇所には同一の符号を付して説明を省略する。
電池パック300の電流測定部313と電圧測定部312から2チャンネルA/Dコンバータ157に電流信号と電圧信号が順次供給され、フーリエ変換器158により周波数領域信号に変換される。この一連の測定をm回繰り返して、時々刻々変わるm個の周波数領域の電圧信号V(t1),V(t2),・・・,V(tm)、およびm個の周波数領域の電流信号I(t1),I(t2),・・・,I(tm)を用意する。用意された周波数領域の信号を式(12)および式(20)を用いて解析することによって非線形インピーダンスを得る。
[参考例]
以下、参考例により本技術を具体的に説明するが、本技術はこの参考例に限定されるものではない。
(参考例)
まず、10wt%のBaTiO3(粒径100nm)と1.6moldm≡3のLiTFSIとが均一に混ざったポリエチレンオキシド(PEO:分子量400万)のキャスト膜を調製した。これを200μmの厚さにして二枚の金属リチウム電極で挟み、対称構造のセルを作製した。このセルに対して、振幅10mVの交流電圧を印加して測定した電気化学インピーダンススペクトルを図23Aに示す。また、そのセルに対して、振幅2Vの交流電圧を印加して測定した電気化学インピーダンススペクトルの、一次(線形)、二次、三次の成分Z(1) P,Z(2) P,Z(3) Pを、それぞれ図23B,図23C,図23Dに示す。なお、測定周波数は概ね400mHzから600Hzの範囲とした。
図23C、図23Dを見ると、三次の非線形インピーダンス成分が概ね103ΩV2のオーダーだったのに対し、二次の非線形インピーダンス成分は105ΩVオーダーであり、二次の方が三次よりも桁違いに大きい値であった。電位規制法で測定した非線形インピーダンス成分は、式(4)に示す通り、値が大きい程効果が小さいことを意味する。すなわち、これは、三次の非線形電流応答よりも、二次の非線形電流応答の方が遥かに小さかったという結果である。前述の通り、偶数次の非線形効果は、試料の構造の非対称性に由来して発生する。今回の測定で二次の非線形電流応答が小さかった理由は、今回測定したセルの構造が対称的であったため、と理解できる。
以上、本技術の第1〜第3の実施形態およびそれらの変形例について具体的に説明したが、本技術は、上述の第1〜第3の実施形態およびそれらの変形例に限定されるものではなく、本技術の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の第1〜第3の実施形態およびそれらの変形例において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値などを用いてもよい。
また、上述の第1〜第3の実施形態およびそれらの変形例の構成、方法、工程、形状、材料および数値などは、本技術の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
また、上述の第1および第2の実施形態では、計測装置1,2が、n個(n:2以上の整数)のインピーダンス、すなわちn次までの非線形インピーダンスを算出する構成を例として説明したが、計測装置1が、n個(n:2以上の整数)のインピーダンスのうち、ユーザが所望する次数の非線形インピーダンスを選択的に算出するようにしてもよい。このような機能とする場合、計測装置1,2が、例えば以下のような構成を有するようにすればよい。すなわち、計測装置1,2がインピーダンス選択モードを有し、この選択モードが選択された場合には、操作部18によりユーザが所望する次数の非線形インピーダンスを選択できるようにする。そして、この選択された非線形インピーダンスのみを演算部16,26が算出できるようにする。
また、上述の第1および第2の実施形態では、線形インピーダンスおよび非線形インピーダンスのうち、ユーザが所望する一方のインピーダンスのみを選択的に算出するようにしてもよい。このような機能とする場合、計測装置1,2が、例えば以下のような構成を有するようにすればよい。すなわち、計測装置1,2が線形インピーダンス計測モードと非線形インピーダンス計測モードとを有し、操作部18によりこれらの計測モードのうちいずれかをユーザが選択できるようにする。そして、これらの計測モードのうち選択された計測モードに対応したインピーダンスのみを演算部16,26が算出できるようにする。
また、上述の第1および第2の実施形態では、n個(n:2以上の整数)のインピーダンスのうち、ユーザが所望する偶数次および奇数次のうちのいずれか一方の非線形インピーダンスを選択的に算出するようにしてもよい。このような機能とする場合、計測装置1,2が、例えば以下のような構成を有するようにすればよい。すなわち、計測装置1,2が偶数次の非線形インピーダンス計測モードと奇数次の非線形インピーダンス計測モードとを有し、操作部18によりこれらの計測モードのうちのいずれかをユーザが選択できるようにする。そして、これらの計測モードのうち選択された計測モードに対応したインピーダンスのみを演算部16,26が算出できるようにする。
また、上述の第1および第2の実施形態では、計測装置1,2が電位規制モード、電流規制モードおよび複合モードの3つの動作モードを有する場合を例として説明したが、計測装置1が上述の3つの動作モードのうちの1つの動作モード、または2つの動作モード(例えば、電位規制モードおよび電流規制モード)のみを有していてもよい。計測装置1,2が電位規制モードのみを有する専用の計測装置である場合には、測定部13,23としては、例えばポテンショタットを用いることができる。一方、計測装置1,2が電流規制モードのみを有する専用の計測装置である場合には、測定部13,23としては、例えばガルバノスタットを用いることができる。
また、上述の第1および第2の実施形態では、計測装置1,2が、算出結果(インピーダンス)を記憶部17に記憶する例について説明したが、算出結果を記憶部17に記憶するとともに、パーソナルコンピュータなどの外部機器に無線または有線で供給するようにしてもよい。また、記憶部17に記憶せずに外部機器に無線または有線で供給するようにしてもよい。この場合、計測装置1,2における記憶部17を省略してもよい。
また、上述の第3の実施形態では、駆動中の電子機器に接続された電池の非線形インピーダンスを測定する構成を例として説明したが、血液の脈動電流や心電パルスなどの生体電流および生体電位を利用して、生体試料などの非線形インピーダンスルを測定するようにしてもよい。このような非線形インピーダンスルを測定する装置としては、例えば、被験者の体内インピーダンスを測定する健康管理装置(例えばヘルスメータ)などが挙げられる。
また、第1および第2の実施形態に係る計測装置1,2を電子機器または健康管理装置に対して適用してもよい。電子機器としては、例えば、ノート型パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、携帯電話、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、オーディオ機器、ゲーム機器などが挙げられるが、これに限定されるものでなない。
また、上述の第1〜第3の実施形態において、計測装置1,2,402が、偶数次の非線形インピーダンスから被計測物の非対称部位の情報を取得し、奇数次の非線形インピーダンスから被計測物の対称部位の情報を取得するようにしてもよい。取得したそれらの情報は、記憶部17に記憶されるか、もしくは外部機器に出力されるようにしてもよい。なお、これらの処理は、例えば、計測装置1,2,402の解析部14,24により行われる。
また、上述の第1〜第3の実施形態において、計測装置1,2,402が、偶数次の非線形インピーダンスを被計測物の非対称部位の情報として、記憶部17に記憶する、もしくは外部機器に出力するようにしてもよい。また、計測装置1,2,402が、奇数次の非線形インピーダンスを被計測物の対称部位の情報として、記憶部17に記憶する、もしくは外部機器に出力するようにしてもよい。なお、これらの処理は、例えば、計測装置1,2,402の解析部14,24により行われる。
また、上述の第1の実施形態において、計測装置1,2,402が、応答信号に含まれる周波数成分nf(n:2以上の偶数)を用いて被計測物の非対称部位の情報を取得すると共に、応答信号に含まれる周波数成分kf(k:3以上の奇数)を用いて被計測物の対称部位の情報を取得するようにしてもよい。なお、これらの処理は、例えば、計測装置1,2,402の解析部14,24により行われる。
また、本技術は以下の構成を採用することもできる。
(1)
n個(n:2以上の整数)の周波数成分を含む、異なるm個(m:n以上の整数)の入力信号を被計測物に与え、m個の応答信号を取得する測定部と、
上記m個の入力信号および上記m個の応答信号から、非線形インピーダンスを算出する解析部と
を含む計測装置。
(2)
上記n個の周波数成分は、周波数成分f,f/2,f/3,・・・のうちのn個の周波数成分であり、
周波数成分f/k(k:1以上の整数)の振幅は、周波数成分f/(k+1)の振幅より小さい(1)に記載の計測装置。
(3)
上記入力信号は、高い周波数帯域ほど小さい振幅を有する(1)に記載の計測装置。
(4)
上記非線形インピーダンスは、上記m個の応答信号に含まれる1個の周波数成分の情報、および上記m個の入力信号に含まれるn個の周波数成分の情報から算出される(1)から(3)のいずれかに記載の計測装置。
(5)
上記1個の周波数成分の情報は、上記周波数fの成分の情報であり、
上記n個の周波数成分の情報は、上記周波数f,f/2,f/3,・・・のうちのn個の周波数成分の情報である(1)から(4)のいずれかに記載の計測装置。
(6)
上記入力信号は、電圧信号であり、
上記応答信号は、電流信号であり、
上記非線形インピーダンスは、ΩVi-1(i:2以上の整数)の次元の非線形インピーダンスである(1)から(5)のいずれかに記載の計測装置。
(7)
上記入力信号は、電流信号であり、
上記応答信号は、電圧信号であり、
上記非線形インピーダンスは、Ω/Ai-1(i:2以上の整数)の次元の非線形インピーダンスである(1)から(5)のいずれかに記載の計測装置。
(8)
上記被計測物は、電気化学デバイスまたは生体である(1)から(7)のいずれかに記載の計測装置。
(9)
n個(n:2以上の整数)の周波数成分を含む、異なるm個(m:n以上の整数)の第1の入力信号および異なるm個の第2の入力信号を被計測物に与え、m個の第1の応答信号およびm個の第2の応答信号を取得する測定部と、
上記m個の第1の入力信号および上記m個の第1の応答信号と、上記m個の第2の入力信号および上記m個の第2の応答信号とから、非線形インピーダンスを算出する算出部と
を含み、
上記第1の入力信号および上記第2の応答信号は、電圧信号であり、
上記第1の応答信号および上記第2の入力信号は、電流信号である計測装置。
(10)
上記非線形インピーダンスは、Ωi+1またはΩ(i+1)/2(i:2以上の整数)の次元の非線形インピーダンスである(9)に記載の計測装置。
(11)
上記非線形インピーダンスは、ΩVi-1(i:2以上の整数)の次元を有する第1の非線形インピーダンスと、Ω/Ai-1(i:2以上の整数)の次元を有する第2の非線形インピーダンスとの乗算、または相乗平均により算出され、
上記第1の非線形インピーダンスは、上記m個の第1の入力信号および上記m個の第1の応答信号から算出され、
上記第2の非線形インピーダンスは、上記m個の第2の入力信号および上記m個の第2の応答信号から算出される(9)または(10)に記載の計測装置。
(12)
上記n−1個の第1の非線形インピーダンスは、上記m個の第1の応答信号に含まれる1個の周波数成分の情報、および上記m個の第1の入力信号に含まれるn個の周波数成分の情報から算出され、
上記n−1個の第2の非線形インピーダンスは、上記m個の第2の応答信号に含まれる1個の周波数成分の情報、および上記m個の第2の入力信号に含まれるn個の周波数成分の情報から算出される(9)から(11)のいずれかに記載の計測装置。
(13)
n個(n:2以上の整数)の周波数成分を含む、異なるm個(m:n以上の整数)の入力信号を被計測物に与え、m個の応答信号を取得し、
上記m個の入力信号および上記m個の応答信号から、非線形インピーダンスを算出する
ことを含む計測方法。
(14)
n個(n:2以上の整数)の周波数成分を含む、異なるm個(m:n以上の整数)の第1の入力信号および異なるm個の第2の入力信号を被計測物に与え、m個の第1の応答信号およびm個の第2の応答信号を取得し、
上記m個の第1の入力信号および上記m個の第1の応答信号と、上記m個の第2の入力信号および上記m個の第2の応答信号とから、非線形インピーダンスを算出する
ことを含み、
上記第1の入力信号および上記第2の応答信号は、電圧信号であり、
上記第1の応答信号および上記第2の入力信号は、電流信号である計測方法。
(15)
n個(n:2以上の整数)の周波数成分を含む、異なるm個の入力信号を被計測物に与え、m個の応答信号を取得する測定部と、
上記m個の入力信号および上記m個の応答信号から、非線形インピーダンスを算出する解析部と
を含んでいる電子機器。
(16)
n個(n:2以上の整数)の周波数成分を含む、異なるm個の第1の入力信号および異なるm個の第2の入力信号を被計測物に与え、m個の第1の応答信号およびm個の第2の応答信号を取得する測定部と、
上記m個の第1の入力信号および上記m個の第1の応答信号と、上記m個の第2の入力信号および上記m個の第2の応答信号とから、非線形インピーダンスを算出する算出部と
を含み、
上記第1の入力信号および上記第2の応答信号は、電圧信号であり、
上記第1の応答信号および上記第2の入力信号は、電流信号である電子機器。
(17)
生体、または電力供給中の電気化学デバイスからリアルタイムに出力されるm個の電流信号およびm個の電圧信号を取得する測定部と、
上記m個の電流信号および上記m個の電圧信号から、非線形インピーダンスを算出する算出部と
を含む計測装置。
(18)
生体、または電力供給中の電気化学デバイスからリアルタイムに出力されるm個の電流信号およびm個の電圧信号を取得し、
上記m個の電流信号および上記m個の電圧信号から、非線形インピーダンスを算出する
ことを含む計測方法。
(19)
生体、または電力供給中の電気化学デバイスからリアルタイムに出力されるm個の電流信号およびm個の電圧信号を取得する測定部と、
上記m個の電流信号および上記m個の電圧信号から、非線形インピーダンスを算出する算出部と
を含む電子機器。
(20)
動作モードを制御する制御部をさらに備え、
上記動作モードは、電圧規制モードおよび電流規制モードを含んでいる(1)から(12)のいずれかに記載の計測装置。
(21)
上記非線形インピーダンスは、偶数の次数の非線形インピーダンスまたは奇数の次数の非線形インピーダンスである(1)から(12)のいずれかに記載の計測装置。
(22)
解析モードの切り替えを制御する制御部をさらに備え、
上記解析モードは、偶数の次数の非線形インピーダンスを算出する第1の解析モード、および奇数の次数の非線形インピーダンスを算出する第2の解析モードを含んでいる(1)から(12)のいずれかに記載の計測装置。
(23)
上記応答信号および上記入力信号における周波数成分の情報は、振幅および位相である(1)から(12)のいずれかに記載の計測装置。
(24)
上記m個の入力信号は、振幅または成分比が異なるn個(n:2以上の整数)の周波数成分を含んでいる(1)から(12)のいずれかに記載の計測装置。
(25)
上記m個の電流信号は、n個(n:2以上の整数)の周波数成分を含む、それぞれ異なるm個の電流信号であり、
上記m個の電圧信号は、n個(n:2以上の整数)の周波数成分を含む、それぞれ異なるm個の電流信号である(17)に記載の計測装置。
(26)
上記電流信号および上記電圧信号のn個の周波数成分は、周波数成分f,f/2,f/3,・・・のうちのn個の周波数成分である(17)に記載の計測装置。
(27)
上記解析部は、
偶数次の非線形インピーダンスから被計測物の非対称部位の情報を取得し、
奇数次の非線形インピーダンスから被計測物の対称部位の情報を取得する(1)から(12)のいずれかに記載の計測装置。
(28)
上記解析部は、
偶数次の非線形インピーダンスを被計測物の非対称部位の情報として記憶部に記憶する、もしくは外部機器に出力し、
奇数次の非線形インピーダンスを被計測物の対称部位の情報として記憶部に記憶する、もしくは外部機器に出力する(1)から(12)のいずれかに記載の計測装置。
(31)
被計測物に含まれるイオン種に周波数fの入力信号を与え、応答信号を取得する測定部と、
上記応答信号に含まれる周波数成分f,2f,3f,・・・から非線形インピーダンスを算出する解析部と
を含む計測装置。
(32)
上記入力信号は、電圧信号であり、
上記応答信号は、電流信号であり、
上記非線形インピーダンスは、ΩVi-1(i:2以上の整数)の次元の非線形インピーダンスである(31)に記載の計測装置。
(33)
上記入力信号は、電流信号であり、
上記応答信号は、電圧信号であり、
上記非線形インピーダンスは、Ω/Ai-1(i:2以上の整数)の次元の非線形インピーダンスである(31)に記載の計測装置。
(34)
上記被計測物は、電気化学デバイスまたは生体である(31)から(33)のいずれかに記載の計測装置。
(35)
被計測物に含まれるイオン種に周波数fの第1の入力信号および第2の入力信号を与え、第1の応答信号および第2の応答信号を取得する測定部と、
上記第1の応答信号および上記第2の応答信号に含まれる周波数成分f,2f,3f,・・・から非線形インピーダンスを算出する解析部と
を含み、
上記第1の入力信号および上記第2の応答信号は、電圧信号であり、
上記第1の応答信号および上記第2の入力信号は、電流信号である計測装置。
(36)
上記非線形インピーダンスは、Ωi+1またはΩ(i+1)/2(i:2以上の整数)の次元の非線形インピーダンスである(35)に記載の計測装置。
(37)
上記非線形インピーダンスは、ΩVi-1(i:2以上の整数)の次元を有する第1の非線形インピーダンスと、Ω/Ai-1(i:2以上の整数)の次元を有する第2の非線形インピーダンスとの乗算、または相乗平均により算出され、
上記第1の非線形インピーダンスは、上記第1の応答信号に含まれる周波数成分f,2f,3f,・・・から算出され、
上記第2の非線形インピーダンスは、上記第2の応答信号に含まれる周波数成分f,2f,3f,・・・から算出される(36)に記載の計測装置。
(38)
被計測物に含まれるイオン種に周波数fの入力信号を与え、応答信号を取得する測定部と、
上記応答信号に含まれる周波数成分nf(n:2以上の偶数)から被計測物の非対称部位の情報を得ると共に、周波数成分kf(k:3以上の奇数)から被計測物の対称部位の情報を得る解析部と
を備える計測装置。
(39)
動作モードを制御する制御部をさらに備え、
上記動作モードは、電圧規制モードおよび電流規制モードを含んでいる(31)から(38)のいずれかに記載の計測装置。
(40)
上記非線形インピーダンスは、偶数の次数の非線形インピーダンスまたは奇数の次数の非線形インピーダンスである(31)から(38)のいずれかに記載の計測装置。
(41)
解析モードの切り替えを制御する制御部をさらに備え、
上記解析モードは、偶数の次数の非線形インピーダンスを算出する第1の解析モード、および奇数の次数の非線形インピーダンスを算出する第2の解析モードを含んでいる(31)から(38)のいずれかに記載の計測装置。
(42)
上記解析部は、
偶数次の非線形インピーダンスから被計測物の非対称部位の情報を取得し、
奇数次の非線形インピーダンスから被計測物の対称部位の情報を取得する(31)から(38)のいずれかに記載の計測装置。
(43)
上記解析部は、
偶数次の非線形インピーダンスを被計測物の非対称部位の情報として記憶部に記憶する、もしくは外部機器に出力し、
奇数次の非線形インピーダンスを被計測物の対称部位の情報として記憶部に記憶する、もしくは外部機器に出力する(31)から(38)のいずれかに記載の計測装置。
(44)
被計測物に含まれるイオン種に周波数fの入力信号を与え、応答信号を取得し、
上記応答信号に含まれる周波数成分f,2f,3f,・・・から非線形インピーダンスを算出する
ことを含む計測方法。
(45)
被計測物に含まれるイオン種に周波数fの入力信号を与え、応答信号を取得する測定部と、
上記応答信号に含まれる周波数成分f,2f,3f,・・・から非線形インピーダンスを算出する解析部と
を含む電子機器。
(46)
被計測物に含まれるイオン種に周波数fの入力信号を与え、応答信号を取得し、
上記応答信号に含まれる周波数成分nf(n:2以上の偶数)から被計測物の非対称部位の情報を得ると共に、周波数成分kf(k:3以上の奇数)から被計測物の対称部位の情報を得る
ことを含む計測方法。
(47)
被計測物に含まれるイオン種に周波数fの入力信号を与え、応答信号を取得する測定部と、
上記応答信号に含まれる周波数成分nf(n:2以上の偶数)から被計測物の非対称部位の情報を得ると共に、周波数成分kf(k:3以上の奇数)から被計測物の対称部位の情報を得る解析部と
を備える電子機器。
1,2,402 計測装置
3 測定試料
11 制御部
12,22 信号発生部
13,23 測定部
14,24 解析部
15,25 抽出部
16,26 演算部
17 記憶部
18 操作部
111 モード切替制御部
112 関数発生制御部
121,1211〜121n 関数発生器
151,1511〜151n,2511〜251n ロックインアンプ
153,252 マルチチャンネルA/Dコンバータ
300 電池パック
301 組電池
301a 二次電池
400 電子機器
401 電子回路

Claims (22)

  1. n個(n:2以上の整数)の周波数成分を含む、異なるm個(m:n以上の整数)の入力信号を被計測物に与え、m個の応答信号を取得する測定部と、
    上記m個の入力信号および上記m個の応答信号から、非線形インピーダンスを算出する解析部と
    を含む計測装置。
  2. 上記n個の周波数成分は、周波数成分f,f/2,f/3,・・・のうちのn個の周波数成分であり、
    周波数成分f/k(k:1以上の整数)の振幅は、周波数成分f/(k+1)の振幅より小さい請求項1に記載の計測装置。
  3. 上記入力信号は、高い周波数帯域ほど小さい振幅を有する請求項1に記載の計測装置。
  4. 上記非線形インピーダンスは、上記m個の応答信号に含まれる1個の周波数成分の情報、および上記m個の入力信号に含まれるn個の周波数成分の情報から算出される請求項2に記載の計測装置。
  5. 上記1個の周波数成分の情報は、上記周波数fの成分の情報であり、
    上記n個の周波数成分の情報は、上記周波数f,f/2,f/3,・・・のうちのn個の周波数成分の情報である請求項4に記載の計測装置。
  6. 上記入力信号は、電圧信号であり、
    上記応答信号は、電流信号であり、
    上記非線形インピーダンスは、ΩVi-1(i:2以上の整数)の次元の非線形インピーダンスである請求項1に記載の計測装置。
  7. 上記入力信号は、電流信号であり、
    上記応答信号は、電圧信号であり、
    上記非線形インピーダンスは、Ω/Ai-1(i:2以上の整数)の次元の非線形インピーダンスである請求項1に記載の計測装置。
  8. 上記被計測物は、電気化学デバイスまたは生体である請求項1に記載の計測装置。
  9. n個(n:2以上の整数)の周波数成分を含む、異なるm個(m:n以上の整数)の第1の入力信号および異なるm個の第2の入力信号を被計測物に与え、m個の第1の応答信号およびm個の第2の応答信号を取得する測定部と、
    上記m個の第1の入力信号および上記m個の第1の応答信号と、上記m個の第2の入力信号および上記m個の第2の応答信号とから、非線形インピーダンスを算出する算出部と
    を含み、
    上記第1の入力信号および上記第2の応答信号は、電圧信号であり、
    上記第1の応答信号および上記第2の入力信号は、電流信号である計測装置。
  10. 上記非線形インピーダンスは、Ωi+1またはΩ(i+1)/2(i:2以上の整数)の次元の非線形インピーダンスである請求項9に記載の計測装置。
  11. 上記非線形インピーダンスは、ΩVi-1(i:2以上の整数)の次元を有する第1の非線形インピーダンスと、Ω/Ai-1(i:2以上の整数)の次元を有する第2の非線形インピーダンスとの乗算、または相乗平均により算出され、
    上記第1の非線形インピーダンスは、上記m個の第1の入力信号および上記m個の第1の応答信号から算出され、
    上記第2の非線形インピーダンスは、上記m個の第2の入力信号および上記m個の第2の応答信号から算出される請求項10に記載の計測装置。
  12. 上記n−1個の第1の非線形インピーダンスは、上記m個の第1の応答信号に含まれる1個の周波数成分の情報、および上記m個の第1の入力信号に含まれるn個の周波数成分の情報から算出され、
    上記n−1個の第2の非線形インピーダンスは、上記m個の第2の応答信号に含まれる1個の周波数成分の情報、および上記m個の第2の入力信号に含まれるn個の周波数成分の情報から算出される請求項11に記載の計測装置。
  13. n個(n:2以上の整数)の周波数成分を含む、異なるm個(m:n以上の整数)の入力信号を被計測物に与え、m個の応答信号を取得し、
    上記m個の入力信号および上記n個の応答信号から、非線形インピーダンスを算出する
    ことを含む計測方法。
  14. n個(n:2以上の整数)の周波数成分を含む、異なるm個(m:n以上の整数)の第1の入力信号および異なるm個の第2の入力信号を被計測物に与え、m個の第1の応答信号およびm個の第2の応答信号を取得し、
    上記m個の第1の入力信号および上記m個の第1の応答信号と、上記m個の第2の入力信号および上記m個の第2の応答信号とから、非線形インピーダンスを算出する
    ことを含み、
    上記第1の入力信号および上記第2の応答信号は、電圧信号であり、
    上記第1の応答信号および上記第2の入力信号は、電流信号である計測方法。
  15. n個(n:2以上の整数)の周波数成分を含む、異なるm個の入力信号を被計測物に与え、m個の応答信号を取得する測定部と、
    上記m個の入力信号および上記m個の応答信号から、非線形インピーダンスを算出する解析部と
    を含んでいる電子機器。
  16. n個(n:2以上の整数)の周波数成分を含む、異なるm個の第1の入力信号および異なるm個の第2の入力信号を被計測物に与え、m個の第1の応答信号およびm個の第2の応答信号を取得する測定部と、
    上記m個の第1の入力信号および上記m個の第1の応答信号と、上記m個の第2の入力信号および上記m個の第2の応答信号とから、非線形インピーダンスを算出する算出部と
    を含み、
    上記第1の入力信号および上記第2の応答信号は、電圧信号であり、
    上記第1の応答信号および上記第2の入力信号は、電流信号である電子機器。
  17. 生体、または電力供給中の電気化学デバイスからリアルタイムに出力されるm個の電流信号およびm個の電圧信号を取得する測定部と、
    上記m個の電流信号および上記m個の電圧信号から、非線形インピーダンスを算出する算出部と
    を含む計測装置。
  18. 生体、または電力供給中の電気化学デバイスからリアルタイムに出力されるm個の電流信号およびm個の電圧信号を取得し、

    上記m個の電流信号および上記m個の電圧信号から、非線形インピーダンスを算出する
    ことを含む計測方法。
  19. 生体、または電力供給中の電気化学デバイスからリアルタイムに出力されるm個の電流信号およびm個の電圧信号を取得する測定部と、
    上記m個の電流信号および上記m個の電圧信号から、非線形インピーダンスを算出する算出部と
    を含む電子機器。
  20. 被計測物に含まれるイオン種に周波数fの入力信号を与え、応答信号を取得する測定部と、
    上記応答信号に含まれる周波数成分nf(n:2以上の偶数)から被計測物の非対称部位の情報を得ると共に、周波数成分kf(k:3以上の奇数)から被計測物の対称部位の情報を得る解析部と
    を備える計測装置。
  21. 被計測物に含まれるイオン種に周波数fの入力信号を与え、応答信号を取得し、
    上記応答信号に含まれる周波数成分nf(n:2以上の偶数)から被計測物の非対称部位の情報を得ると共に、周波数成分kf(k:3以上の奇数)から被計測物の対称部位の情報を得る
    ことを含む計測方法。
  22. 被計測物に含まれるイオン種に周波数fの入力信号を与え、応答信号を取得する測定部と、
    上記応答信号に含まれる周波数成分nf(n:2以上の偶数)から被計測物の非対称部位の情報を得ると共に、周波数成分kf(k:3以上の奇数)から被計測物の対称部位の情報を得る解析部と
    を備える電子機器。
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