JP2015065763A - 電力供給装置 - Google Patents

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孝 荒川
Takashi Arakawa
孝 荒川
真基 加藤
Masaki Kato
真基 加藤
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Abstract

【課題】磁界共鳴により電力供給を行う電力供給装置において、送電用の共鳴回路に周波数が異なる複数の信号を供給することなく、安定した電力供給を実施できるようにする。【解決手段】電子機器2に電力供給を行う電力供給装置10は、LC発振回路の一つであるクラップ発振回路にて構成されており、クラップ発振回路の発振によりコイルLbから発生する磁界を利用した磁界共鳴により、電子機器2側のLC共振回路へ電力供給を行う。電力供給装置10の送電用のコイルLbは、電子機器2側の受電用のコイルLaのインピーダンスと略同じインピーダンスに設定されている。この結果、電子機器2と電力供給装置10との距離が変化した際、電力伝送効率が低下するのを防止できる。【選択図】図1

Description

本発明は、磁界共鳴により電力供給を行う電力供給装置に関する。
従来、無線による電力伝送技術として、コイルやコンデンサが共鳴して結合されることにより電力伝送を行う磁界共鳴方式の電力伝送技術が知られている。
この電力伝送技術では、送電側の共鳴回路と受電側の共鳴回路との間の磁界共鳴による結合度が、共鳴回路間の距離により変化する。
これは、共鳴回路間の共鳴周波数が、共鳴回路間の距離に応じて変化するためであり、共鳴回路間の結合度(換言すれば電力伝送効率)を高めるには、共鳴回路間の距離に応じて、送信側共鳴回路に供給する電気信号(換言すれば送信信号)の周波数を調整する必要がある。
しかし、共鳴回路間の距離に応じて送信信号の周波数を調整するには、調整用の専用回路が必要であり、コストアップを招く。
そこで、従来、共鳴回路間の距離が変化しても、結合特性が結合度を一定に保つことができるように、送電側の共鳴回路に対し、共鳴周波数近傍の複数の周波数成分からなる電気信号を合成して供給することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この提案の技術は、送信信号を、互いに周波数が異なる複数の電気信号で構成することにより、特定周波数の送信信号1波で電力伝送する場合に生じる伝送効率の変化を、複数の電気信号により相殺させて、共鳴回路間の距離が変化しても、伝送可能な電力を略一定にできるようにする、というものである。
従って、この提案の技術を利用すれば、磁界共鳴方式の電力伝送システムにおいて、送電側及び受電側の共鳴回路間の距離が変化しても、その距離変化の影響を受けることなく、安定した電力伝送を行うことができる。
特開2010−200563号公報
しかしながら、上記提案の技術では、送電側の共鳴回路に対し、周波数の異なる複数の送信信号を合成して供給する必要があり、各送信信号を生成する複数の信号生成回路、及び、各信号生成回路からの出力を合成する電力合成回路を設けなければならない。
このため、上記提案の技術を磁界共鳴方式の電力伝送システムに適用すると、受電側の共鳴回路に電力供給を行う電力供給装置の構成が複雑になり、電力供給装置のコストアップを招くという問題がある。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、磁界共鳴により電力供給を行う電力供給装置において、送電用の共鳴回路に周波数が異なる複数の信号を供給することなく、電気負荷に対し安定した電力供給を実施できるようにすることを目的とする。
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、
直流電源から電力供給を受けて発振するLC発振回路にて構成され、
当該LC発振回路を構成する送電用コイルと、電気負荷に設けられたLC共振回路を構成する受電用コイルとの共鳴により、前記電気負荷に電力供給を行う電力供給装置であって、
前記送電用コイルのインダクタンスを、前記受電用コイルのインダクタンスと略同一にしたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電力供給装置において、
前記LC発振回路は、コルピッツ発振回路若しくは該コルピッツ発振回路のコイルにコンデンサを直列接続したクラップ発振回路であることを特徴とする。
請求項1に記載の電力供給装置は、LC発振回路にて構成されており、LC発振回路を構成する送電用コイルのインダクタンスが、電気負荷に設けられたLC共振回路を構成する受電用コイルのインダクタンスと略同一に設定されている。
このため、本発明の電力供給装置によれば、LC発振回路を構成する送電用コイルと、電気負荷側に設けられたLC共振回路を構成する受電用コイルとの間の距離が変化した際、自身の発振周波数が、電気負荷側のLC共振回路の共振周波数と一致するように自動調整されることになる。この結果、本発明の電力供給装置によれば、電気負荷との間の距離の変化によって、電気負荷への電力伝送効率が低下するのを抑制できる。なお、この理由については、後述の実施形態にて説明する。
次に、請求項2に記載の電力供給装置は、コルピッツ発振回路若しくはクラップ発振回路にて構成される。このため、この電力供給装置によれば、これら各発振回路を構成するコイルを、そのまま、送電用コイルとして利用することができ、装置構成をより簡単にすることができる。
実施形態の電力供給システムの構成を表す電気回路図である。 図1に示す電力供給システムの等価回路を表す説明図である。
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1に示すように、本実施形態の電力供給システムは、電気負荷である電子機器2と、電子機器2に対し非接触で電力供給を行う電力供給装置10と、から構成されている。
電子機器2は、電力供給装置10からの供送電力により動作する負荷Z0と、コンデンサCaとコイルLaとの直列回路4と、この直列回路4と負荷Z0との間の電流経路に設けられた抵抗Rと、を備える。
コンデンサCaとコイルLaとの直列回路4は、磁界共鳴により電力供給装置10からの供送電力を受電するLC共振回路を構成しており、抵抗Rは、LC共振回路から負荷Z0に流れる電流を制限する。
一方、電力供給装置10は、バッテリ等からなる直流電源20から電源供給を受けて発振するクラップ発振回路にて構成されており、その発振によりコイルLbから発生する磁界を利用した磁界共鳴により、電子機器2側のLC共振回路(直列回路4)へ電力供給を行う。
すなわち、電力供給装置10は、コイルLbとコンデンサC0bとの直列回路12、及び、この直列回路12に並列接続された、コンデンサC1b及びC2bの直列回路14を備える。
そして、これら各直列回路12、14の一端(コイルLbのコンデンサC0bとは反対側、及び、コンデンサC1bのコンデンサC2bとは反対側)は、直流信号遮断用のコンデンサC3を介して、NPNトランジスタQ1のベースに接続されている。
また、各直列回路12、14の他端(コンデンサC0bのコイルLbとは反対側、及び、コンデンサC2bのコンデンサC1bとは反対側)は、グランドに接地されている。
また、直列回路14において、コンデンサC1b−C2b間の接続点は、抵抗R1を介してNPNトランジスタQ1のエミッタに接続されており、NPNトランジスタQ1のエミッタは、抵抗R2を介してグランドに接地されている。
また、直流電源20の正極側は、NPNトランジスタQ1のコレクタに接続され、直流電源20の負極側は、グランドに接地されている。
また、NPNトランジスタQ1のベース−コレクタ間、及び、ベース−グランド間には、NPNトランジスタQ1に動作用のバイアス電圧を供給する抵抗R4、R3がそれぞれ接続されている。
このように構成された電力供給装置10においては、コイルLb及びコンデンサC0b、C1b、C2bにて共振回路が形成されており、コンデンサC1b、C2bにて分圧された信号がNPNトランジスタQ1にフィードバックされることにより発振する。
そして、電力供給装置10は、その発振によりコイルLbから発生する磁界によって、電子機器2側のLC共振回路(直列回路4)と共鳴(共振)させることで、電子機器2に対し電力供給を行う。
ところで、このように、電力供給装置10から電子機器2に対し、磁界共鳴を利用して電力供給を行う場合、電力伝送効率を最大にするには、電力供給装置10を構成しているクラップ発振回路の発振周波数を、電子機器2側でLC共振回路を構成している直列回路4の共振周波数と一致させる必要がある。
しかし、このように周波数を一致させたとしても、電子機器2と電力供給装置10との間の距離(詳しくは、電子機器2側で受電用コイルとして機能するコイルLaと、電力供給装置10側で送電用コイルとして機能するコイルLbとの間の距離)が変化すると、これらコイルLa−Lb間の結合量Mが変化する。
このため、コイルLa−Lb間の距離が変化すると、コイルLa−Lb間の共鳴周波数が変化して、電力伝送効率が低下する。
そこで、本実施形態では、こうした電力伝送効率の低下を抑制するために、電力供給装置10の発振周波数を電子機器2側のLC共振回路(直列回路4)の共振周波数と一致させるだけでなく、送電用コイルであるコイルLbのインダクタンスを、受電用コイルであるコイルLaのインダクタンスと一致させている。
つまり、コイルLa、Lb間の相互インダクタンスをLmとすると、図1に示した電力供給システムは、図2に示すように記述できる。
図2に示す回路は、図1に示した電力供給システムから直列回路を除去した等価回路であり、電子機器2側の直列回路4と電力供給装置10側の直列回路12が、相互インダクタンスLmを介して接続されている。
そして、この場合、電子機器2において、コンデンサCaとコイルLaとの直列回路4にて構成されるLC共振回路の共振周波数faは、コイルLaのインダクタンス、及び、コンデンサCaの容量(キャパシタンス)を、これら各部の符号La、Caで表すと、次式(1)のように記述できる。
Figure 2015065763
また、電力供給装置10を構成するクラップ発振回路の発振周波数fbは、コイルLbのインダクタンス、及び、コンデンサC0b、C1b、C2bのキャパシタンスを、これら各部の符号Lb、C0b、C1b、C2bで表すと、次式(2)のように記述できる。
Figure 2015065763
そして、コイルLa−Lb間の距離が変化しても、電力供給装置10の発振周波数fbを、電子機器2側の共振周波数faと一致させることができれば、電力供給装置10から電子機器2に対し、電力伝送効率を低下させることなく、電力を供給することができる。
そこで、コイルLa−Lb間の距離が変化し、相互インダクタンスLmが変化しても、電子機器2側の共振周波数faと電力供給装置10側の発振周波数fbとを一致させること(つまり、fa=fbとすること)ができる条件を検討すると、上記(1)、(2)式から、次式(3)を導出することができ、「fa=fb」とするための条件としては、次式(4)にて規定することができる。
Figure 2015065763
そして、(4)式から、コイルLa−Lb間の相互インダクタンスLmが変化しても、電力供給装置10と電子機器2との間の共鳴周波数を一致させる(fa=fb)ことのできる条件は、送電用のコイルLbと受電用のコイルLaのインダクタンスを一致させること(La=Lb)であることが判る。
そこで、本実施形態では、電力供給装置10側の送電用コイルであるコイルLbのインダクタンスを、電子機器2側の受電用コイルであるコイルLaのインダクタンスと一致(若しくは略一致)させているのである。
この結果、本実施形態の電力供給装置10(換言すれば電力供給システム)によれば、電力供給装置10と電子機器2との間の距離が変化しても、電力供給装置10から電子機器2に対し、略最大の伝送効率で、電力を供給することができるようになる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内にて、種々の態様をとることができる。
例えば、上記実施形態では、電力供給装置10は、クラップ発振回路にて構成されているものとして説明したが、電力供給装置10は、LC発振回路であればよい。
つまり、電力供給装置10は、例えば、一つのコイルと2つのコイルとで構成されるコルピッツ発振回路(換言すれば、上記実施形態の電力供給装置10からコンデンサC0bを削除したもの)であっても、或いは、2つのコイルと一つのコンデンサとで構成されるハートレー発振回路であっても、送電用のコイルのインダクタンスを、受電用のコイルのインダクタンスと一致させることで、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
2…電子機器、4…直列回路(LC共振回路)、La…コイル、Ca…コンデンサ、R…抵抗、Z0…負荷、10…電力供給装置、12,14…直列回路、Lb…コイル、C0b,C1b,C2b,C3…コンデンサ、R1,R2,R3,R4…抵抗、Q1…トランジスタ、20…直流電源。

Claims (2)

  1. 直流電源から電力供給を受けて発振するLC発振回路にて構成され、
    当該LC発振回路を構成する送電用コイルと、電気負荷に設けられたLC共振回路を構成する受電用コイルとの共鳴により、前記電気負荷に電力供給を行う電力供給装置であって、
    前記送電用コイルのインダクタンスを、前記受電用コイルのインダクタンスと略同一にしたことを特徴とする電力供給装置。
  2. 前記LC発振回路は、コルピッツ発振回路若しくは該コルピッツ発振回路のコイルにコンデンサを直列接続したクラップ発振回路であることを特徴とする請求項1に記載の電力供給装置。
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