JP2014014055A - 電圧制御発振器 - Google Patents

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Abstract

【課題】PLLを構成する電圧制御発振器において、安定した発振出力が得られる技術を提供すること。
【解決手段】PLLの他の構成要素から周波数制御用の制御電圧が供給される端子部と、発振ループを構成する回路部と、前記端子部と前記回路部とを接続する信号路に介設され、前記回路部と前記他の構成要素との結合を疎にするための第1のインダクタと、前記端子部と前記第1のインダクタとの接続点とアースとの間に設けられ、発振周波数を含む帯域の高周波をアースに落とすためのコンデンサと、前記信号路における前記第1のインダクタと前記コンデンサとの接続点と前記端子部との間に介設され、端子部から前記回路部を見た通過特性の極の減衰量を大きくして、前記回路部と前記他の構成要素との結合を疎にするための第2のインダクタと、を備えるように装置を構成する。
【選択図】図2

Description

本発明はPLLを構成する電圧制御発振器に関する。
移動体通信や地上ディジタル放送などの基地局では、セシウム周波数標準発振器、ルビジウム周波数標準発振器などから得られる標準信号を分配して使用している。分配された標準信号は例えばPLL(Phase Locked Loop)回路の位相比較のリファレンス信号として使用され、このPLL回路から例えば必要とされる周波数の基準信号が得られる。
前記PLL回路は、例えば図5に示すコルピッツ型発振回路により構成された電圧制御発振器(VCO;Voltage Controlled Oscillator)100を備えている。この図5に示すVCO100は、例えば7.5GHz付近の高周波信号を出力する。図中T2は、VCO100の発振周波数を制御する端子を表す。この 端子部T2に前記PLL回路を構成するループフィルタ16が接続され、このループフィルタ16からの制御電圧Vcontが印加される。図中2は共振部である。前記 端子部T2に印加される制御電圧に従って、共振部2に含まれるバリキャップダイオード21、22の静電容量が変化して共振周波数が変更され、当該共振部2の後段の帰還部3に接続される出力端子部T3から比較的広帯域の発振周波数を取り出すことができる。
ところで、上記のようにVCO100の発振周波数がGHz帯域と、比較的高いために高周波により前記ループフィルタ16と前記共振部2との間に高周波による結合が起こることが懸念される。この結合が大きい場合には、VCO100は当該ループフィルタ16の特性の影響を受けることになってしまう。具体的には発振周波数変動、位相雑音変動などの特性劣化が見られる。つまり、発振周波数が所望の値とはならなかったり、位相雑音が増加するなどの特性の劣化が起こる場合がある。また、前記制御電圧Vcontを変化させたときにVCO100からの出力周波数が所望の変化具合にならない場合があり、詳しくは後述の評価試験で示すが制御電圧対周波数特性(以下、VF(Voltage vs Frequency)感度とする)にリップルが発生する場合がある。
また、共振部2の各バリキャップダイオード21、22が所定の静電容量値であるときにループフィルタ16の影響が抑えられていても、前記制御電圧が変更されて前記静電容量値が変更されると、ループフィルタ16の影響が現れる場合がある。即ち、VCO100の周波数帯域が広いほど上記の不具合が起こりやすくなる。
このループフィルタ16との結合を低減するために、図5中のインダクタ41及びコンデンサ43が設けられている。インダクタ41は端子部T2と共振部2との間に設けられる。コンデンサ43は、インダクタ41と端子部T2との間から分岐し、接地される分岐路に設けられる。コンデンサ43はVCO100の発振周波数を含めた帯域で低インピーダンスになるような値であり、インダクタ41は発振周波数を含めた帯域で高インピーダンスになるような値とされる。これによって、ループフィルタ16から、共振部2よりもコンデンサ43の接地が見えやすくなるのでループフィルタ16とVCO100とが疎結合になり、共振部2への影響が抑えられる。
ところで、VCO100から例えば7.5GHzの信号を出力させるものとする。図6(a)はVCO100の端子部T2、インダクタ41及びコンデンサ43のみを取り出して互いに接続したものであり、回路部101とする。この回路部101において、端子部T2と、インダクタ41の端子部T2とは反対側に設定される測定点Aとの間の通過特性を測定した。この測定点Aは、前記VCO100において端子部T2とトランジスタ30のベースとを接続する信号路P1における点であり、VCO100のバリキャップダイオード22が接続される点である。図6(b)は測定結果を示すグラフであり、グラフ中の横軸は周波数(単位:MHz)、縦軸は通過特性(単位:dB)を夫々示している。通過特性の値が小さいほど高周波はこの端子部T2と測定点Aとの間を通過し難く、前記ループフィルタ16との間が疎結合になっていると判断することができる。グラフ中の減衰のピーク(極)Cは、インダクタ41の自己共振周波数を利用して形成されており、この極CがVCO100とループフィルタ16との結合を小さくしている。図6(b)のグラフで例えば7.5GHz(7500MHz)の周波数の通過特性を見ると、その値は−38.2dBである。
図7(a)に示すように前記回路部101に共振部2及びコンデンサ51を接続し、前記端子部T2と前記信号路P1において共振部2及びコンデンサ51の後段側の測定点Bとの間の通過特性を測定した。前記図6(b)のグラフと同様に図7(b)に、端子部T2と測定点Bとの間の通過特性を示すグラフを示している。図6(b)のグラフにおいて見られた極Cが低周波数側に移動して極Dとなり、7.5GHzの周波数の通過特性は−29.6dBとなっている。このように共振部2を接続することにより、インダクタ41及びコンデンサ43の周波数特性は当該共振部2の影響を受けてしまい、前記結合を防ぐ効果が低下してしまう。
従って、端子部T2と共振部2とをさらに大きく疎結合にする手法が求められる。ここで、図7に示すように極Dは7.5GHzよりも低周波数側にある。従って、この極Dが7.5GHzに位置するように高周波側にシフトさせることで、ループフィルタ16と共振部2とを疎結合にすることが考えられる。しかし、そうなると本来のインダクタ41の目的に反することが問題になる。具体的に説明すると、そのように極Dの周波数を上げるためには、インダクタ41のインダクタンスを低下させなければならないが、そうすると当該インダクタ41のインピーダンスを発振周波数を含めた帯域で高インピーダンスになるような値にすることに反してしまう。即ち、インダクタ41のインピーダンスを低くし、共振部2に及ぼす影響が大きくなってしまうことになり、前記インダクタンスによっては所望の周波数以外の周波数で発振するなど、上記の不具合が発生してしまうおそれがある。つまり、インダクタ41のインピーダンス、インダクタンスを小さくすることはVCO100の特性の劣化を招くおそれがある。
特許文献1には、発振回路の前段側にバイアス回路が接続されたVCOについて記載され、前記バイアス回路は、外部と発振回路とを直列に接続する2つのインピーダンス素子と、前記インピーダンス素子間と接地間に設けられる容量素子8とにより構成されている。そして、発振回路側インピーダンス素子の遮断周波数をf1、外部側インピーダンス素子の遮断周波数をf2とすると、発振回路側から見たときに容量素子のインピーダンスが小さく見えるようにf1>f2とし、これによって発振回路中の可変容量ダイオードの直流電圧を抑え、制御電圧に対する出力周波数の応答性を向上させることが記載されている。
しかし、このように遮断周波数が設定されるということは、外部側インピーダンス素子のインピーダンス値よりも発振回路側インピーダンス素子のインピーダンス値は低いことになる。また、このVCOの発振周波数は例えば10MHzであることが記載されており、そして前記各インピーダンス素子は、例えば抵抗であってもよいと記載されている。VCOからGHz帯域の高周波を出力する場合、そのように抵抗を用いると高周波は当該抵抗のカットオフ周波数を超えるのでインピーダンス素子としての十分な機能は果たせない。このことからも特許文献1の発振器はGHz帯域の周波数を出力することが想定されていないことが分かる。つまり、引用文献1の技術は本発明とは回路素子の構成も異なるし、出力周波数の帯域も異なるし、インピーダンス素子を設ける目的も本発明とは異なる。
特開平7-263957号公報(段落0011、0017)
本発明は、このような事情の下になされたものであり、その目的はPLLを構成する電圧制御発振器において、安定した発振出力が得られる技術を提供することである。
本発明の電圧制御発振器は、PLLを構成する構成要素である電圧制御発振器において、
PLLの他の構成要素から周波数制御用の制御電圧が供給される制御電圧用の端子部と、
前記制御電圧に応じた共振周波数で発振する発振ループを構成する回路部と、
前記制御電圧用の端子部と前記回路部とを接続する信号路に介設され、前記回路部と前記他の構成要素との結合を疎にするために高インピーダンスとされる第1のインダクタと、
前記制御電圧用の端子部と前記第1のインダクタとの接続点と、アースとの間に設けられ、発振周波数を含む帯域の高周波をアースに落とすために低インピーダンスとされるコンデンサと、
前記信号路における前記第1のインダクタと前記コンデンサとの接続点と、制御電圧用の端子部との間に介設され、制御電圧用の端子から前記回路部を見た通過特性の極の減衰量を大きくして、前記回路部と前記他の構成要素との結合を疎にするための第2のインダクタと、を備え、
前記第2のインダクタのインピーダンスは前記第1のインダクタのインピーダンスよりも小さいことを特徴とする。
前記電圧制御発振器の出力発振周波数は、例えば5GHz以上である。
本発明によれば、発振ループを形成する回路部とPLLの構成要素との結合を疎にするための第1のインダクタと、高周波をアースに落とすためのコンデンサと、制御電圧用の端子部と回路部とを接続する信号路における前記第1のインダクタと前記コンデンサとの接続点と前記端子部との間に介設され、前記端子部から前記回路部を見た通過特性の極の減衰量を大きくして、前記回路部と前記他の構成要素との結合を疎にすると共にそのインピーダンスが第1のインダクタのインピーダンスよりも小さい第2のインダクタと、を備えている。これによって、外部と共振部との高周波結合を抑え、電圧制御発振器を安定して発振させることができる。
本発明の電圧制御発振器を含むPLL回路のブロック図である。 前記電圧制御発振器の回路図である。 前記電圧制御発振器を構成する回路部の構成と当該回路部の減衰特性を示すグラフ図である 前記電圧制御発振器と従来の電圧制御発振器の制御電圧に対する出力電圧の変化を示すためのグラフ図である。 従来の電圧制御発振器の回路図である。 前記電圧制御発振器を構成する回路部の構成と当該回路部の減衰特性を示すグラフ図である 前記電圧制御発振器を構成する回路部の構成と当該回路部の減衰特性を示すグラフ図である
図1は、本発明のコルピッツ型発振回路を用いた電圧制御発振器(VCO)1が組み込まれたPLL回路11のブロック図である。PLL回路11は、参照クロック12と、VCO1の出力信号を分周回路13で分周した信号との位相差を位相比較器14で比較し、その位相差に応じた信号をチャージポンプ15から得て、その出力を、ループフィルタ16を介して前記VCO1に供給する。こうしてPLL制御を行って精度の高い信号生成を行っている。
VCO1について図2の回路図を参照しながら説明する。このVCO1は5GHz以上の周波数を出力する。例えば7.5GHzを中心周波数とする帯域の周波数を出力し、帯域幅はこの中心周波数に対して例えば10%以上となるように構成されている。
VCO1は主に共振部2、帰還部3及び結合抑制部4により構成されている。図中T1はVCO1の電源電圧Vccが印加される端子である。T2はループフィルタ16からの出力電圧が制御電圧Vcontとして印加される制御電圧用の端子である。T3はVCO1の発振信号の出力端子である。
帰還部3を構成するトランジスタ30のベースと前記制御電圧用の 端子部T2とを結ぶ信号路をP1として示している。この信号路P1にて、端子部T2側から帰還部3側に向けて結合抑制部4、共振部2、直流カット用のコンデンサ51が設けられている。
前記共振部2は、バリキャップダイオード21、22、コンデンサ23、24、インダクタ25、26により構成されており、バリキャップダイオードを2つ用いることで発振回路の可変周波数を広帯域にしている。共振部2におけるバリキャップダイオード21、22及びコンデンサ23、24の静電容量と、インダクタ25、26のインダクタンスとは、当該共振部2における共振周波数の決定因子の一つとされる。前記端子部T2に印加する制御電圧が変化することにより、前記バリキャップダイオード21、22の静電容量が変化する結果、この共振周波数を調整され、VCO1の発振出力が制御される。
次に帰還部3とその周囲の構成について説明する。帰還部3は、前記トランジスタ30、抵抗(抵抗素子)31、32、コンデンサ33、34により構成される。電源電圧用の 端子部T1と接地との間にはコンデンサ52が設けられている。また端子部T1は、インダクタ53を介して前記トランジスタ30のコレクタに接続されると共に、抵抗(抵抗素子)31を介してトランジスタ30のベースに接続されている。当該ベースは、抵抗32を介して接地されているため、抵抗31、32の抵抗値を調整することによりトランジスタ30のバイアス電圧を設定することができる。トランジスタ30のエミッタは、コンデンサ33を介してトランジスタ30のベースに接続され、またコンデンサ34を介して接地されている。これらのコンデンサ33、34は分圧用コンデンサを形成しており、これらの静電容量を調整することにより、発振信号の増幅率を調整することができる。また当該エミッタは、前記出力 端子部T3に接続されており、抵抗54を介して接地されている。VCO1において、このような構成により、共振部2及び帰還部3からなる発振ループが形成される。
続いて結合抑制部4について説明する。この結合抑制部4は、ループフィルタ16が発振回路側に与える影響を抑えるために設けられており、第1のインダクタ41、第2のインダクタ42及びコンデンサ43を備える。VCO1は、前記第2のインダクタ42が設けられる点で背景技術の項目で説明したVCO100と異なっている。
インダクタ41、42は前記信号路P1に介挿されて互いに直列に設けられており、第1のインダクタ41は共振部2側に、第2のインダクタ42は端子部T2側に夫々配置されている。インダクタ41、42の中間にて信号路P1は分岐し、その端部がアースに接続される分岐路P2が形成されており、コンデンサ43はこの分岐路P2に介挿されて設けられている。
コンデンサ43はVCO1の発振周波数を含む帯域で低インピーダンスになるように静電容量が設定される。それによって、発振周波数を含む帯域の高周波がアースに落とされる。第1のインダクタ41は発振周波数を含めた帯域で高インピーダンスになるようにインダクタンスが設定される。そして、第2のインダクタ42のインダクタンスは、結合抑制部4に共振部2が接続された状態で、VCO1とループフィルタ16とが疎結合になるように設定される。つまりVCO1の発振周波数において、上記の図6、図7で説明した通過特性の極が近づくようなインダクタンスに設定される。そしてループフィルタ16からの出力を、コンデンサ43を介してアースに落とすために、第1のインダクタ41のインピーダンスよりも、第2のインダクタ42のインピーダンスは低く設定される。
このVCO1の動作について説明すると、ループフィルタ16から端子部T2に制御電圧Vcontが印加される。直流電圧であるVcontはインダクタ42、41を通じて共振部2のバリキャップダイオード21、22に印加され、これらバリキャップダイオード21、22は共振部2が所望の共振周波数になるような容量値に調整される。このとき、第1のインダクタ41が比較的高いインピーダンスに設定され、コンデンサ43はVCO1の発振周波数を含めた帯域で低インピーダンスにすることでループフィルタ16とVCO1との結合はある程度疎になっているが、さらに第2のインダクタ42を加え疎結合にすることでループフィルタ16が共振部2に与える影響を抑えることができ、純粋な共振部2の共振周波数でVCO1は発振することができ、発振周波数が変動することを防ぐことができる。ループフィルタ16が共振部2に影響していると、発振周波数が変動し、結果としてVF感度のリップルや位相雑音の劣化が見られる。
また、図7に示されるように第1のインダクタ41によりできる極はコンデンサ43、共振部2の影響により一般的に低い周波数へ移動するため、第2のインダクタ42は第1のインダクタ41よりも小さなインダクタンス値、すなわち小さなインピーダンス値にすることが必要となる。言い換えると第1のインダクタ41はVCO1の発振周波数以下のインピーダンスを高くし、第2のインダクタ42はVCO1の発振周波数を中心としたインピーダンスを高くする動作となる。
このように第2のインダクタ42を設けることで、第1のインダクタ41のインピーダンスを比較的高くして、ループフィルタ16とVCO1との結合を抑えながら、後述の評価試験でも示すように発振周波数の減衰特性を調整することができる。その結果として、共振部2がループフィルタ16からの影響を受けることが抑えられ、VCO1から安定した発振出力が得られる。つまり、制御電圧Vcontが変化したときにVCO1の発振出力も前記制御電圧に従って変化し、当該発振出力が所望の出力値からずれることが抑えられる。
さらにインダクタ41、42について説明すると、理想の状態ではインピーダンスはZ=2πfLで決まるため、第1のインダクタ41のインダクタ値(L値)を大きくするほどインピーダンスが大きくなり、それによって背景技術の項目で説明した極Dの減衰量が大きくなり、ループフィルタ16の影響をより抑えることができるが、現実的にはインダクタには自己共振周波数があるため単純にL値を大きくすることができないし、図7で示したように極が低域にあるときにL値を大きくすると極はさらに低域へ移動するため逆効果になる。
従って、図7で示したように共振部2の影響を含めて形成される極DがVCO1の発振周波数に近くなるようにすることが、ループフィルタ16とVCO1とを疎結合にするために効果的である。しかし、背景技術の項目で説明したように第1のインダクタ41のL値を小さくすると、当該インダクタ41のインピーダンスは低くなるため、ループフィルタ16の影響を受けやすくなり、共振部2の周波数にも影響してしまう。そこでVCO1においては、第1のインダクタ41は当該インダクタ41の自己共振周波数を超えない範囲で極力大きなL値を持つようにして共振部2の周波数への影響を小さくする。その上で極を調整する、つまり極をVCO1の発振周波数に近づける機能は第2のインダクタ42に担わせて、更にループフィルタ41と共振部2とを疎結合にする。
(評価試験1)
図3(a)は、端子部T2、共振部2及びコンデンサ51に上記の結合抑制部4が、上記のVCO1と同様に互いに接続された回路である。つまり、背景技術の項目で示した図7(a)の回路とは、第2のインダクタ42が追加されている点で異なっている。図3(a)の回路において、当該回路の端子部T2と、信号路P1のコンデンサ51の後段側の測定点Bとの間の通過特性を測定した。図3(b)のグラフは、その測定結果を背景技術の項目で説明した各グラフと同様に示したものである。このグラフを見ると、7.5GHz付近に極Eが現れており、7.5GHzにおける通過特性は−38.4dBとなっている。図7(a)のグラフでは7.5GHzにおける通過特性は、−29.6dBであるため、インダクタ42を追加したことにより、通過特性が向上したことが示された。
(評価試験2)
上記の実施形態のVCO1と背景技術の項目で説明したVCO100とについて、端子部T2に印加する制御電圧Vを変化させ、各制御電圧印加時に出力される周波数をこの制御電圧Vcontで割ったVF感度(MHz/V)を算出した。図4はこの制御電圧Vcont、VF感度を夫々横軸、縦軸に設定したグラフである。点線のグラフでVCO100の特性を、実線のグラフでVCO1の特性を夫々示している。VCO100は、制御電圧が4V付近になると電圧感度が急に高くなっており、いわゆるリップルが発生している。従って発振周波数の制御が難しい。しかしVCO1においては、制御電圧を変化させたときに電圧感度がなだらかに変化し、リップルは発生していない。従って発振周波数の制御が容易になるので、本発明の効果が示された。
ところで、PLL回路11において、位相比較の手法としては分周回路13からのパルスと参照クロック12との位相差を求めることに限られない。例えば特開2006-258787号に記載されているようにVCO1の周波数に応じた周波数で回転する回転ベクトルと、設定周波数で回転する回転ベクトルとの速度差をループフィルタ16に入力する手法であってもよい。また、上記の例では結合抑制部4の後段はコルピッツ型発振回路として構成されているがコルピッツ型発振回路には限られず、発振ループを構成するものであればよく、例えばピアース型発振回路として構成されていてもよい。
1 電圧制御発振器(VCO)
16 ループフィルタ
2 共振部
3 帰還部
4 結合抑制部
41 第1のインダクタ
42 第2のインダクタ
43 コンデンサ
P1 信号路
T2 制御電圧用端子部

Claims (2)

  1. PLLを構成する構成要素である電圧制御発振器において、
    PLLの他の構成要素から周波数制御用の制御電圧が供給される制御電圧用の端子部と、
    前記制御電圧に応じた共振周波数で発振する発振ループを構成する回路部と、
    前記制御電圧用の端子部と前記回路部とを接続する信号路に介設され、前記回路部と前記他の構成要素との結合を疎にするために高インピーダンスとされる第1のインダクタと、
    前記制御電圧用の端子部と前記第1のインダクタとの接続点と、アースとの間に設けられ、発振周波数を含む帯域の高周波をアースに落とすために低インピーダンスとされるコンデンサと、
    前記信号路における前記第1のインダクタと前記コンデンサとの接続点と、前記制御電圧用の端子部との間に介設され、制御電圧用の端子部から前記回路部を見た通過特性の極の減衰量を大きくして、前記回路部と前記他の構成要素との結合を疎にするための第2のインダクタと、を備え、
    前記第2のインダクタのインピーダンスは前記第1のインダクタのインピーダンスよりも小さいことを特徴とする電圧制御発振器。
  2. 出力発振周波数が5GHz以上であることを特徴とする請求項1記載の電圧制御発振器。
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