JP2015065263A - 変圧器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来の巻線の電磁騒音低減の際には、巻線をワニス含浸もしくは、滴下含浸することにより、巻線同士を接着させることにより、巻線から発生する電磁騒音を低減させている。このような手段を用いる場合は、特に大容量の変圧器では、ワニス含浸を行うための巨大な設備が必要となり、設備コストがかかるという問題があった。【解決手段】 変圧器1は、鉄心2と巻線3と絶縁体60とで構成され、鉄心の脚部2aに巻線が巻装され、絶縁体は複数の凹部61が形成された凹部面61aを有し、なお、凹部面が巻線の最外周に接するように巻き付けられており、凹部は絶縁体を直接加工によって略半球体の形状に形成される。以上のような構成で、設備コストをかけることなく、巻線からの電磁騒音を低減することができる。【選択図】 図1
Description
本発明は、鉄心と巻線とを変圧器タンクの絶縁油内に配置した変圧器において、騒音低減を図るものである。
変圧器は主に、巻線と鉄心と、それらを内部に備える変圧器タンクとで構成される。さらに変圧器タンク内には、巻線と鉄心を冷却するための絶縁油が設けられている。
ここで、変圧器の鉄心からは主に励磁騒音、巻線からは主に電磁騒音が発生し、周囲に伝達することで問題となっている。これらは一般に容量が大きくなればなるほど騒音も大きくなる。
例えば巻線から発生される電磁騒音を低減するための手段として、本発明に関連する従来技術の特許文献1に記載の変圧器について説明する。
特許文献1では、巻線をワニス含浸もしくは、滴下含浸することにより、巻線同士を接着させることにより、巻線から発生する電磁騒音を低減させている。
巻線をワニス含浸もしくは滴下含浸する場合には、確かに巻線同士を接着させ、電磁騒音を低減することはできるが、特に容量の大きい変圧器では、ワニス含浸のための巨大な設備を新たに設ける必要があり、設備コストがかかるという問題がある。
本発明では設備コストをかけることなく、巻線の電磁騒音を低減させる変圧器を提供する。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、
鉄心および巻線を冷却する絶縁油と、絶縁体とを内部に備えた変圧器において、
前記絶縁体は、複数の凹部が形成された凹部面を有し、前記凹部面が前記巻線の最外周に接するように巻き付けられ、
前記凹部は、前記絶縁体を直接加工することにより形成された変圧器である。
鉄心および巻線を冷却する絶縁油と、絶縁体とを内部に備えた変圧器において、
前記絶縁体は、複数の凹部が形成された凹部面を有し、前記凹部面が前記巻線の最外周に接するように巻き付けられ、
前記凹部は、前記絶縁体を直接加工することにより形成された変圧器である。
請求項2の発明は、前記凹部は、略半球体で形成された請求項1に記載の変圧器である。
請求項3の発明は、鉄心および巻線を冷却する絶縁油と、絶縁体とを内部に備えた変圧器において、
前記絶縁体は、複数の油道が形成された油道面を有し、前記油道面が前記巻線の最外周に接するように巻き付けられ、
前記複数の油道は、前記絶縁体の下端から上端まで加工により形成された変圧器である。
前記絶縁体は、複数の油道が形成された油道面を有し、前記油道面が前記巻線の最外周に接するように巻き付けられ、
前記複数の油道は、前記絶縁体の下端から上端まで加工により形成された変圧器である。
請求項4の発明は、前記油道の断面は、略半円形状で形成された請求項3に記載の変圧器である。
請求項5の発明は、前記油道に少なくとも一つ以上略半球体で形状された凹部が設けられた請求項3ないし4に記載の変圧器である。
請求項6の発明は、前記凹部もしくは前記油道の加工は、削り取り、もしくは押圧により行われた請求項1ないし5に記載の変圧器である。
本発明によれば、設備コストをかけることなく、巻線の電磁騒音を低減させることができる。
<第1の実施形態>
以下、図1ないし図4を用いて、本発明の第1の実施形態について説明する。
以下、図1ないし図4を用いて、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1ないし図2において、変圧器1は、主に鉄心2と巻線3と、これらを冷却するための図示しない絶縁油と、さらに、鉄心2と巻線3と絶縁油とを内部に収納する同じく図示しない変圧器タンクとで構成される。
鉄心2は鉛直方向に伸びる2つの脚部2aと、脚部2aの上端同士を繋ぐ上ヨーク部2bと、脚部2aの下端同士を繋ぐ下ヨーク部2cとで構成されている。2つの脚部2aにはそれぞれ巻線3が巻装され、長手方向が鉛直方向の略円筒形状で構成されている。また鉄心2は、図1の紙面手前とその反対側に積層面2dが形成されている。これは鉄心2が薄板の鋼板を複数巻き付けられたことで形成されたものである。
鉄心2の上ヨーク部2bの上端には上コア締め4aが配置され、下ヨーク部2cの下端には下コア締め4bが配置される。
上コア締め4aは鉄心2の上ヨーク部2bに接する長方形状の平板である平板部4a1と、その平板部4a1の長辺の2辺から直角下向きに折り曲げられている2つの折り曲げ部4a2とで構成されている。
同じく、下コア締め4bは鉄心2の下ヨーク部2cに接する長方形状の平板である平板部4b1と、その平板部4b1の長辺の2辺から直角上向きに折り曲げられている2つの折り曲げ部4b2とで構成されている。
同じく、下コア締め4bは鉄心2の下ヨーク部2cに接する長方形状の平板である平板部4b1と、その平板部4b1の長辺の2辺から直角上向きに折り曲げられている2つの折り曲げ部4b2とで構成されている。
また、上コア締め4aと巻線3の間には板状の絶縁材で構成された上コイル台5aが、下コア締め4bと巻線3の間には板状の下コイル台5bが設けられている。
上コイル台5aの上端は、上コア締め4aの平板部4a1の下面に接せられ、かつ、下端は巻線3の上端に接せられ、側面の1面は鉄心2の積層面2dにほぼ接せられた状態で配置される。
同じく、下コイル台5bの下端は、下コア締め4bの平板部4b1の上面に接せられ、かつ、上端は巻線3の下端に接せられ、側面の1面は鉄心2の積層面2dにほぼ接せられた状態で配置される。
上コイル台5aの上端は、上コア締め4aの平板部4a1の下面に接せられ、かつ、下端は巻線3の上端に接せられ、側面の1面は鉄心2の積層面2dにほぼ接せられた状態で配置される。
同じく、下コイル台5bの下端は、下コア締め4bの平板部4b1の上面に接せられ、かつ、上端は巻線3の下端に接せられ、側面の1面は鉄心2の積層面2dにほぼ接せられた状態で配置される。
このように各部材を配置した状態で、上コア締め4aと下コア締め4bとの間に図示しない上下連結金具で連結させ、上下連結金具の両端に螺合されているナットを締め上げることで、上コア締め4aと下コア締め4bとを引き合うような力を発生させることで、上下コイル台5a,5bおよび巻線3および鉄心2が固定されることで、位置決めされ、変圧器1が構成される。
ここで絶縁体60について図3を用いて説明する。絶縁体60は、1面は複数の凹部61が直接加工によって形成された凹部面61aで構成され、反対側の面は加工されていない平面で構成される。
凹部61は、例えば絶縁体60を機械加工で削り取ることによって形成されたり、または球体の治具で押圧することで形成される。また凹部61の窪みの形状は、略半球体で形成される。
このような絶縁体60が図1ないし2に示すように、凹部面61aが巻線3の最外周に接せられた状態で巻かれる。
以上のような構成とすることで、巻線3から発せられる電磁騒音の低減が図れる。以下、電磁騒音により発生する音波の低減の説明として図4を用いる。
図4は巻線3の最外周付近と絶縁体60の一部を示したものである。図4に示すように、巻線3から発せられる電磁騒音の音波Aが、絶縁体60の凹部61内を通過し、絶縁体60に到達すると、凹部内の絶縁油と絶縁体60との反射率との違いにより、音波Aは僅かではあるが、反射音波Bとして反射される。このような音波の反射が、半球体の凹部内部で頻繁に行われることで、音波のエネルギーが絶縁油の熱エネルギーとして変換され、結果として、外部へ漏れる音波を低減させることができる。
音波Cについても同様の原理で、凹部61が半球体であるため、反射音波Dが半球体の凹部61内部を乱反射することにより、音波が拡散し、音波のエネルギーが絶縁油の熱エネルギーとして変換され、結果として、外部へ漏れる音波を低減させることができる。
本実施形態では、凹部の形状を半球体としたが、その形状は問わない。いずれにしても凹部という窪みを設けることで、凹部内で音波を吸音する役割を果たすことで、外部に漏れる音波を低減することができる。
<第2の実施形態>
次に図5を用いて、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態で説明したものと同じ構成であるものは、同じ番号を付与し、詳細な説明は割愛する。
次に図5を用いて、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態で説明したものと同じ構成であるものは、同じ番号を付与し、詳細な説明は割愛する。
図5に示すように、絶縁体60は1面は油道62が直接加工によって形成された油道面62aで構成され、反対側の面は加工されていない平面で構成される。油道62は、図5(A)に示すように油道面62aの下端から上端まで形成された窪みで形成され、さらにそれらが複数設けられている。
油道62は、例えば絶縁体60を機械加工で削り取ることによって形成されたり、円柱形状の棒状の治具で押圧することで形成される。また油道62の断面の形状は、図5(c)に示すように半円形状で形成される。
このような絶縁体60が図1ないし2に示すように、油道面62aが巻線3の最外周に接せられた状態で、かつ油道62の長手方向が鉛直方向になるよう巻かれる。
以上のような構成とすることで、油道62によって第1の実施形態に示した原理と同じように音波の低減が図れる。なお第2の実施形態では、油道面62aの下端から上端まで形成された窪みで構成された油道62を設けているため、巻線3で熱せられた絶縁油が油道62を通って上昇して熱が逃がされることで巻線3の冷却をも図ることができる。
本実施形態では、油道の断面を半円形状としたが、形状は問わない。絶縁油の通路としての機能を有した形状であれば良い。
<第3の実施形態>
次に図6を用いて、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、第1および第2の実施形態で説明したものと同じ構成であるものは、同じ番号を付与し、詳細な説明は割愛する。
次に図6を用いて、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、第1および第2の実施形態で説明したものと同じ構成であるものは、同じ番号を付与し、詳細な説明は割愛する。
図6に示すように第3の実施形態は、第2の実施形態の油道面62aに形成された油道62に凹部61を設けるものである。
図6(A)に示すように第3の実施形態は、油道62が油道面62aの下端から上端までのひと繋がりの窪みとして形成されているが、その油道62に複数の凹部61が設けられている。凹部61は第1の実施形態で既に説明済みであるので、詳細な説明は省く。
以上のような構成とすることで、油道62によって巻線3の熱を冷却することも可能とし、さらに油道62と凹部61により音波低減効果がさらに向上する。
また、第1ないし第3の実施形態の凹部61および油道62はすべて削り取り、もしくは押圧によって機械加工されるため、作業工数の低減をも図ることができる。また、第1ないし第3の実施形態の絶縁体60に凹部や油道などの窪みを設けることで、従来のワニス含浸などの設備コストをかけることなく、巻線の電磁騒音を低減させることができる。
1 変圧器
2 鉄心
3 巻線
60 絶縁体
61 凹部
61a 凹部面
62 油道
62a 油道面
2 鉄心
3 巻線
60 絶縁体
61 凹部
61a 凹部面
62 油道
62a 油道面
Claims (6)
- 鉄心および巻線を冷却する絶縁油と、絶縁体とを内部に備えた変圧器において、
前記絶縁体は、複数の凹部が形成された凹部面を有し、前記凹部面が前記巻線の最外周に接するように巻き付けられ、
前記凹部は、前記絶縁体を直接加工することにより形成された変圧器。
- 前記凹部は、略半球体で形成された請求項1に記載の変圧器。
- 鉄心および巻線を冷却する絶縁油と、絶縁体とを内部に備えた変圧器において、
前記絶縁体は、複数の油道が形成された油道面を有し、前記油道面が前記巻線の最外周に接するように巻き付けられ、
前記複数の油道は、前記絶縁体の下端から上端まで加工により形成された変圧器。
- 前記油道の断面は、略半円形状で形成された請求項3に記載の変圧器。
- 前記油道に少なくとも一つ以上略半球体で形状された凹部が設けられた請求項3ないし4に記載の変圧器。
- 前記凹部もしくは前記油道の加工は、削り取り、もしくは押圧により行われた請求項1ないし5に記載の変圧器。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013197829A JP2015065263A (ja) | 2013-09-25 | 2013-09-25 | 変圧器 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN112276489A (zh) * | 2020-10-21 | 2021-01-29 | 山东泰开互感器有限公司 | 一种500千伏油浸倒立式电流互感器储油柜的制作方法 |
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-
2013
- 2013-09-25 JP JP2013197829A patent/JP2015065263A/ja active Pending
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