JP2015064930A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】支持基板の主面に形成された凹部に内側電極が埋設された燃料電池において、凹部の側壁と内側電極との境界部にクラックが発生する事態を抑制すること。【解決手段】この燃料電池では、ガス流路11が内部に形成された支持基板10の主面における互いに離れた複数の箇所に、燃料極20、固体電解質40、及び空気極60が積層されてなる発電素子部Aがそれぞれ設けられる。支持基板10の主面における発電素子部Aが設けられる箇所に、支持基板10の材料からなる底壁と支持基板10の材料からなる側壁とを有する凹部12がそれぞれ形成される。各凹部12に、対応する発電素子部Aの燃料極20がそれぞれ埋設される。各凹部12について、凹部12の側壁と、対応する埋設された燃料極20の側壁と、の境界部に、支持基板10及び燃料極20と比べて気孔率が小さい低気孔率部35が介在する。【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池に関する。
従来より、「ガス流路が内部に形成された支持基板」と、「前記支持基板の主面における互いに離れた複数の箇所にそれぞれ設けられ、少なくとも内側電極(典型的には、燃料極)、固体電解質、及び外側電極(典型的には、空気極)が積層されてなる複数の発電素子部」と、「1組又は複数組の隣り合う前記発電素子部の間にそれぞれ設けられ、隣り合う前記発電素子部の一方の内側電極と他方の外側電極とを電気的に接続する1つ又は複数の電気的接続部」と、を備えた燃料電池が広く知られている(例えば、特許文献1を参照)。このような構成は、「横縞型」とも呼ばれる。
上記文献に記載の燃料電池では、前記支持基板の主面における前記複数の箇所に、前記支持基板の材料からなる底壁と前記支持基板の材料からなる側壁とを有する凹部がそれぞれ形成され、前記各凹部に、対応する前記発電素子部の内側電極がそれぞれ埋設されている。
上述した燃料電池では、長時間稼働後などにおいて、支持基板の凹部の側壁と、対応する前記埋設された内側電極(の側壁)との境界部に、クラックが発生する場合があった。これは、支持基板と内側電極との熱膨張係数の相違、並びに、内側電極が薄板状を呈すること(即ち、内側電極の側面の高さに対する底面の代表長さの割合(アスペクト比)が大きいこと)等に起因して、支持基板の凹部の側壁と、対応する内側電極との境界部に過大な熱応力が局所的に発生し易いことに基づく、と考えられる。このようなクラックの発生を抑制することが望まれてきたところである。
特許第4883733号公報
本発明の目的は、ガス流路が内部に形成された支持基板の主面に形成された凹部に内側電極が埋設された燃料電池であって、支持基板の凹部の側壁と前記埋設された内側電極との境界部にクラックが発生する事態を抑制し得るものを提供することにある。
本発明に係る燃料電池は、上記文献に記載のものと同様に、支持基板と、発電素子部と、電気的接続部とを備え、前記支持基板の主面における前記複数の箇所に、前記支持基板の材料からなる底壁と前記支持基板の材料からなる側壁とを有する凹部がそれぞれ形成され、前記各凹部に、対応する前記発電素子部の内側電極がそれぞれ埋設されている。
本発明に係る燃料電池の特徴は、前記各凹部について、前記凹部の側壁と、対応する前記埋設された内側電極(の側壁)と、の境界部に、前記支持基板及び前記内側電極と比べて気孔率が小さい低気孔率部が介在することにある。
一般に、支持基板、及び内側電極極は、それら自身の内部にガスを透過させる必要があることに起因して、多孔質材料で構成されている。通常、支持基板の気孔率は、20〜60%であり、内側電極の気孔率は25〜50%である。従って、支持基板の凹部の側壁と、凹部に埋設された内側電極(の側壁)と、が直接接触する態様では、その境界部にて、多孔質材料同士が接合されることになる。その結果、その境界部の剛性が比較的低いといえる。
これに対し、本発明の特徴によれば、その境界部に、比較的剛性が高い(典型的には、緻密材料で構成される)低気孔率部が介在する。前記低気孔率部の気孔率は、例えば、10%以下である。従って、支持基板の凹部の側壁と、凹部に埋設された内側電極とが直接接触する態様と比べて、その境界部の剛性が高くなる。この結果、上述したクラックの発生が抑制され得る。
なお、内側電極が薄板状を呈する場合(即ち、内側電極の側面の高さに対する底面の代表長さの割合(アスペクト比)が大きい場合)、ガスは、主として内側電極の底面を介して内側電極の内部に透過してくる。従って、本発明のように、凹部の側壁と内側電極の側壁との境界部に緻密材料が介在しても、ガスの透過性に悪影響を与えることはない。
本発明に係る燃料電池を示す斜視図である。 図1に示す燃料電池の2−2線に対応する断面図である。 図1に示す支持基板の凹部に埋設された燃料極及びインターコネクタの状態を示した平面図である。 図1に示す燃料電池の作動状態を説明するための図である。 図1に示す燃料電池の作動状態における電流の流れを説明するための図である。 図1に示す支持基板を示す斜視図である。 図1に示す燃料電池の製造過程における第1段階における図2に対応する断面図である。 図1に示す燃料電池の製造過程における第2段階における図2に対応する断面図である。 図1に示す燃料電池の製造過程における第3段階における図2に対応する断面図である。 図1に示す燃料電池の製造過程における第4段階における図2に対応する断面図である。 図1に示す燃料電池の製造過程における第5段階における図2に対応する断面図である。 図1に示す燃料電池の製造過程における第6段階における図2に対応する断面図である。 図1に示す燃料電池の製造過程における第7段階における図2に対応する断面図である。 図1に示す燃料電池の製造過程における第8段階における図2に対応する断面図である。 図1に示す燃料電池の製造過程における第9段階における図2に対応する断面図である。 本発明に係る燃料電池の変形例の図2に対応する断面図である。
(構成)
図1は、本発明の実施形態に係る固体酸化物形燃料電池(SOFC)を示す。このSOFCは、長手方向(x軸方向)を有する平板状の支持基板10の上下面(互いに平行な両側の主面(平面))のそれぞれに、電気的に直列に接続された複数(本例では、4つ)の同形の発電素子部Aが長手方向において所定の間隔をおいて配置された、所謂「横縞型」と呼ばれる構成を有する。
このSOFCの全体を上方からみた形状は、例えば、長手方向の辺の長さが50〜500mmで長手方向に直交する幅方向(y軸方向)の長さが10〜100mmの長方形である。このSOFCの全体の厚さは、1〜5mmである。このSOFCの全体は、厚さ方向の中心を通り且つ支持基板10の主面に平行な面に対して上下対称の形状を有する。以下、図1に加えて、このSOFCの図1に示す2−2線に対応する部分断面図である図2を参照しながら、このSOFCの詳細について説明する。図2は、代表的な1組の隣り合う発電素子部A,Aのそれぞれの構成(の一部)、並びに、発電素子部A,A間の構成を示す部分断面図である。その他の組の隣り合う発電素子部A,A間の構成も、図2に示す構成と同様である。
支持基板10は、電子伝導性を有さない多孔質の材料からなる平板状の焼成体である。後述する図6に示すように、支持基板10の内部には、長手方向に延びる複数(本例では、6本)の燃料ガス流路11(貫通孔)が幅方向において所定の間隔をおいて形成されている。本例では、支持基板10の上下面における複数の発電素子部Aに対応する位置に、凹部12がそれぞれ形成されている。各凹部12は、支持基板10の材料からなる底壁と、全周に亘って支持基板10の材料からなる周方向に閉じた側壁(長手方向に沿う2つの側壁と幅方向に沿う2つの側壁)と、で画定された直方体状の窪みである。各凹部12の長さ(x軸方向の寸法)は5〜50mmであり、幅(y軸方向の寸法)は2〜95mmであり、深さ(z軸方向の寸法)は0.03〜1.5mmである。
支持基板10は、例えば、CSZ(カルシア安定化ジルコニア)から構成され得る。或いは、NiO(酸化ニッケル)とYSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)とから構成されてもよいし、NiO(酸化ニッケル)とY(イットリア)とから構成されてもよいし、MgO(酸化マグネシウム)とMgAl(マグネシアアルミナスピネル)とから構成されてもよい。
支持基板10は、「遷移金属酸化物又は遷移金属」と、絶縁性セラミックスとを含んで構成され得る。「遷移金属酸化物又は遷移金属」としては、NiO(酸化ニッケル)又はNi(ニッケル)が好適である。遷移金属は、燃料ガスの改質反応を促す触媒(炭化水素系のガスの改質触媒)として機能し得る。
また、絶縁性セラミックスとしては、MgO(酸化マグネシウム)、又は、「MgAl(マグネシアアルミナスピネル)とMgO(酸化マグネシウム)の混合物」が好適である。また、絶縁性セラミックスとして、CSZ(カルシア安定化ジルコニア)、YSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)、Y(イットリア)が使用されてもよい。
このように、支持基板10が「遷移金属酸化物又は遷移金属」を含むことによって、改質前の残存ガス成分を含んだガスが多孔質の支持基板10の内部の多数の気孔を介して燃料ガス流路11から燃料極に供給される過程において、上記触媒作用によって改質前の残存ガス成分の改質を促すことができる。加えて、支持基板10が絶縁性セラミックスを含むことによって、支持基板10の絶縁性を確保することができる。この結果、隣り合う燃料極間における絶縁性が確保され得る。
支持基板10の厚さは、1〜5mmである。支持基板10の気孔率は、後述する「還元処理」の後において20〜60%である。なお、以下、他の部材の気孔率の値も、還元処理後の値である。なお、気孔率の測定は,樹脂埋めしたサンプル(還元処理後)の断面を研磨し、同断面についてのSEM(走査型電子顕微鏡)による画像(2次電子像)を解析することによって行われた。SEMの加速電圧は5kV、SEMの倍率は5000倍、又は7500倍に設定された。気孔率の測定は、サンプルの任意の10箇所の断面について行われ、それらの平均値が気孔率の値として採用された。
以下、この構造体の形状が上下対称となっていることを考慮し、説明の簡便化のため、支持基板10の上面側の構成についてのみ説明していく。支持基板10の下面側の構成についても同様である。
図2及び図3に示すように、支持基板10の上面(上側の主面)に形成された各凹部12には、燃料極集電部21の全体が埋設(充填)されている。従って、各燃料極集電部21は直方体状を呈している。なお、後述するように、支持基板10の凹部12の側壁と燃料極集電部21の側壁との境界部には、緻密質の焼成体である低気孔率部35が介装されている。
各燃料極集電部21の上面(外側面)には、凹部21aが形成されている。各凹部21aは、燃料極集電部21の材料からなる底壁と、全周に亘って燃料極集電部21の材料からなる周方向に閉じた側壁(長手方向に沿う2つの側壁と、幅方向に沿う2つの側壁)と、で画定された直方体状の窪みである。
各凹部21aには、燃料極活性部22の全体が埋設(充填)されている。従って、各燃料極活性部22は直方体状を呈している。燃料極集電部21と燃料極活性部22とにより燃料極20が構成される。燃料極20(燃料極集電部21+燃料極活性部22)は、電子伝導性を有する多孔質の材料からなる焼成体である。各燃料極活性部22の4つの側面と底面とは、凹部21a内で燃料極集電部21と接触している。
各燃料極集電部21の上面(外側面)における凹部21aを除いた部分には、凹部21bが形成されている。各凹部21bは、燃料極集電部21の材料からなる底壁と、全周に亘って燃料極集電部21の材料からなる周方向に閉じた側壁(長手方向に沿う2つの側壁と、幅方向に沿う2つの側壁)と、で画定された直方体状の窪みである。
各凹部21bには、インターコネクタ30が埋設(充填)されている。従って、各インターコネクタ30は直方体状を呈している。インターコネクタ30は、電子伝導性を有する緻密な材料からなる焼成体である。各インターコネクタ30の4つの側面と底面とは、凹部21b内で燃料極集電部21と接触している。
燃料極20(燃料極集電部21及び燃料極活性部22)の上面(外側面)と、インターコネクタ30の上面(外側面)と、支持基板10の主面とにより、1つの平面(凹部12が形成されていない場合の支持基板10の主面と同じ平面)が構成されている。即ち、燃料極20の上面とインターコネクタ30の上面と支持基板10の主面との間で、段差が形成されていない。
燃料極活性部22は、例えば、NiO(酸化ニッケル)とYSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)とから構成され得る。或いは、NiO(酸化ニッケル)とGDC(ガドリニウムドープセリア)とから構成されてもよい。燃料極集電部21は、例えば、NiO(酸化ニッケル)とYSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)とから構成され得る。或いは、NiO(酸化ニッケル)とY(イットリア)とから構成されてもよいし、NiO(酸化ニッケル)とCSZ(カルシア安定化ジルコニア)とから構成されてもよい。燃料極活性部22の厚さは、5〜30μmであり、燃料極集電部21の厚さ(即ち、凹部12の深さ)は、50〜500μmである。燃料極集電部21の気孔率は、25〜50%であり、燃料極活性部22の気孔率も、25〜50%である。
このように、燃料極集電部21は、電子伝導性を有する物質を含んで構成される。燃料極活性部22は、電子伝導性を有する物質と酸素イオン伝導性を有する物質とを含んで構成される。燃料極活性部22における「気孔部分を除いた全体積に対する酸素イオン伝導性を有する物質の体積割合」は、燃料極集電部21における「気孔部分を除いた全体積に対する酸素イオン伝導性を有する物質の体積割合」よりも大きい。
インターコネクタ30は、例えば、LaCrO(ランタンクロマイト)から構成され得る。或いは、(Sr,La)TiO(ストロンチウムチタネート)から構成されてもよい。インターコネクタ30の厚さは、10〜100μmである。インターコネクタ30の気孔率は、10%以下である。
図2及び図3に示すように、支持基板10の凹部12の側壁と燃料極集電部21の側壁との境界部には、凹部12の側壁の全周に亘って、低気孔率部(低気孔率膜)35が介装・充填されている。低気孔率部35の気孔率は、支持基板10の気孔率より小さく、且つ、燃料極集電部21の気孔率より小さい。低気孔率部35の気孔率は、10%以下であることが好適である。低気孔率部35の厚さ(膜厚、凹部12の側壁と、燃料極集電部21の側壁と、の間の距離)は、5〜50μmである。
低気孔率部35は、例えば、後述する固体電解質膜40と同じ緻密質材料、その他の緻密質材料で構成され得る。
燃料極20及びインターコネクタ30がそれぞれの凹部12に埋設された状態の支持基板10における長手方向に延びる外周面において複数のインターコネクタ30が形成されたそれぞれの部分の長手方向中央部を除いた全面は、固体電解質膜40により覆われている。固体電解質膜40は、イオン伝導性を有し且つ電子伝導性を有さない緻密な材料からなる焼成体である。固体電解質膜40は、例えば、YSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)から構成され得る。或いは、LSGM(ランタンガレート)から構成されてもよい。固体電解質膜40の厚さは、3〜50μmである。固体電解質膜40の気孔率は、10%以下である。
即ち、燃料極20がそれぞれの凹部12に埋設された状態の支持基板10における長手方向に延びる外周面の全面は、インターコネクタ30と固体電解質膜40とからなる緻密層により覆われている。この緻密層は、緻密層の内側の空間を流れる燃料ガスと緻密層の外側の空間を流れる空気との混合を防止するガスシール機能を発揮する。なお、本願において「緻密」とは、「ガスが通過しない程度に高密度であること」を指し、具体的には、「気孔率が10%以下であること」を指す。
なお、図2に示すように、本例では、固体電解質膜40が、燃料極20(集電部21+活性部22)の上面、インターコネクタ30の上面における長手方向の両側端部、及び支持基板10の主面を覆っている。ここで、上述したように、燃料極20の上面とインターコネクタ30の上面と支持基板10の主面との間で段差が形成されていない。従って、固体電解質膜40が平坦化されている。この結果、固体電解質膜40に段差が形成される場合に比して、応力集中に起因する固体電解質膜40でのクラックの発生が抑制され得、固体電解質膜40が有するガスシール機能の低下が抑制され得る。
固体電解質膜40における各燃料極活性部22と接している箇所の上面には、反応防止膜50を介して空気極60が形成されている。反応防止膜50は、緻密な材料からなる焼成体であり、空気極60は、電子伝導性を有する多孔質の材料からなる焼成体である。反応防止膜50及び空気極60を上方からみた形状は、燃料極活性部22と略同一の長方形である。
反応防止膜50は、例えば、GDC=(Ce,Gd)O(ガドリニウムドープセリア)から構成され得る。反応防止膜50の厚さは、3〜50μmである。空気極60は、例えば、LSCF=(La,Sr)(Co,Fe)O(ランタンストロンチウムコバルトフェライト)から構成され得る。或いは、LSF=(La,Sr)FeO(ランタンストロンチウムフェライト)、LNF=La(Ni,Fe)O(ランタンニッケルフェライト)、LSC=(La,Sr)CoO(ランタンストロンチウムコバルタイト)等から構成されてもよい。また、空気極60は、LSCFからなる第1層(内側層)とLSCからなる第2層(外側層)との2層によって構成されてもよい。空気極60の厚さは、10〜100μmである。
なお、反応防止膜50が介装されるのは、SOFC作製時又は作動中のSOFC内において固体電解質膜40内のYSZと空気極60内のSrとが反応して固体電解質膜40と空気極60との界面に電気抵抗が大きい反応層が形成される現象の発生を抑制するためである。
ここで、燃料極20と、固体電解質膜40と、反応防止膜50と、空気極60とが積層されてなる積層体が、「発電素子部A」に対応する(図2を参照)。即ち、支持基板10の上面には、複数(本例では、4つ)の発電素子部Aが、長手方向において所定の間隔をおいて配置されている。
各組の隣り合う発電素子部A,Aについて、一方の(図2では、左側の)発電素子部Aの空気極60と、他方の(図2では、右側の)発電素子部Aのインターコネクタ30とを跨ぐように、空気極60、固体電解質膜40、及び、インターコネクタ30の上面に、空気極集電膜70が形成されている。空気極集電膜70は、電子伝導性を有する多孔質の材料からなる焼成体である。空気極集電膜70を上方からみた形状は、長方形である。
空気極集電膜70は、例えば、LSCF=(La,Sr)(Co,Fe)O(ランタンストロンチウムコバルトフェライト)から構成され得る。或いは、LSC=(La,Sr)CoO(ランタンストロンチウムコバルタイト)から構成されてもよい。或いは、Ag(銀)、Ag−Pd(銀パラジウム合金)から構成されてもよい。空気極集電膜70の厚さは、50〜500μmである。
このように各空気極集電膜70が形成されることにより、各組の隣り合う発電素子部A,Aについて、一方の(図2では、左側の)発電素子部Aの空気極60と、他方の(図2では、右側の)発電素子部Aの燃料極20(特に、燃料極集電部21)とが、電子伝導性を有する「空気極集電膜70及びインターコネクタ30」を介して電気的に接続される。この結果、支持基板10の上面に配置されている複数(本例では、4つ)の発電素子部Aが電気的に直列に接続される。ここで、電子伝導性を有する「空気極集電膜70及びインターコネクタ30」が、「電気的接続部」に対応する。
なお、インターコネクタ30は、「電気的接続部」における「緻密な材料で構成された第1部分」に対応し、気孔率は10%以下である。空気極集電膜70は、「電気的接続部」における「多孔質の材料で構成された第2部分」に対応し、気孔率は20〜60%である。
以上、説明した「横縞型」のSOFCに対して、図4に示すように、支持基板10の各燃料ガス流路11内に、長手方向の一方向(同じ方向)に燃料ガス(水素ガス等)を流すとともに、支持基板10の上下面(特に、各空気極集電膜70)を「酸素を含むガス」(空気等)に曝す(或いは、支持基板10の上下面に沿って酸素を含むガスを流す)ことにより、固体電解質膜40の両側面間に生じる酸素分圧差によって起電力が発生する。更に、この構造体を外部の負荷に接続すると、下記(1)、(2)式に示す化学反応が起こり、電流が流れる(発電状態)。
(1/2)・O+2e→O2− (於:空気極60) …(1)
+O2−→HO+2e
(於:燃料極20) …(2)
発電状態においては、図5に示すように、各組の隣り合う発電素子部A,Aについて、電流が、矢印で示すように流れる。この結果、図4に示すように、このSOFC全体から(具体的には、図4において最も手前側の発電素子部Aのインターコネクタ30と最も奥側の発電素子部Aの空気極60とを介して)電力が取り出される。
(製造方法)
次に、図1に示した「横縞型」のSOFCの製造方法の一例について図6〜図14を参照しながら簡単に説明する。図6〜図15において、各部材の符号の末尾の「g」は、その部材が「焼成前」であることを表す。
先ず、図6に示す形状を有する支持基板の成形体10gが作製される。この支持基板の成形体10gは、例えば、支持基板10の材料(例えば、CSZ)の粉末にバインダー等が添加されて得られるスラリーを用いて、押し出し成形、切削等の手法を利用して作製され得る。以下、図6に示す7−7線に対応する部分断面を表す図7〜図15を参照しながら説明を続ける。
図7に示すように、支持基板の成形体10gが作製されると、次に、図8に示すように、支持基板の成形体10gの上下面に形成された各凹部の側壁に、前記側壁の全周に亘って、低気孔率部の成形体35gがそれぞれ形成される。各低気孔率部の成形体35gは、例えば、低気孔率部35の材料(例えば、YSZ)の粉末にバインダー等が添加されて得られるスラリーを用いて、印刷法、ディッピング法等を利用して形成される。
続いて、図9に示すように、低気孔率部の成形体35gが形成された前記各凹部に、燃料極集電部の成形体21gがそれぞれ埋設・形成される。次いで、図10に示すように、各燃料極集電部の成形体21gの外側面に形成された各凹部に、燃料極活性部の成形体22gがそれぞれ埋設・形成される。各燃料極集電部の成形体21g、及び各燃料極活性部22gは、例えば、燃料極20の材料(例えば、NiとYSZ)の粉末にバインダー等が添加されて得られるスラリーを用いて、印刷法等を利用して埋設・形成される。
続いて、図11に示すように、各燃料極集電部の成形体21gの外側面における「燃料極活性部の成形体22gが埋設された部分を除いた部分」に形成された各凹部に、インターコネクタの成形体30gがそれぞれ埋設・形成される。各インターコネクタの成形体30gは、例えば、インターコネクタ30の材料(例えば、LaCrO)の粉末にバインダー等が添加されて得られるスラリーを用いて、印刷法等を利用して埋設・形成される。
次に、図12に示すように、複数の燃料極の成形体(21g+22g)及び複数のインターコネクタの成形体30gがそれぞれ埋設・形成された状態の支持基板の成形体10gにおける長手方向に延びる外周面において複数のインターコネクタの成形体30gが形成されたそれぞれの部分の長手方向中央部を除いた全面に、固体電解質膜の成形膜40gが形成される。固体電解質膜の成形膜40gは、例えば、固体電解質膜40の材料(例えば、YSZ)の粉末にバインダー等が添加されて得られるスラリーを用いて、印刷法、ディッピング法等を利用して形成される。
次に、図13に示すように、固体電解質膜の成形体40gにおける各燃料極の成形体22gと接している箇所の外側面に、反応防止膜の成形膜50gが形成される。各反応防止膜の成形膜50gは、例えば、反応防止膜50の材料(例えば、GDC)の粉末にバインダー等が添加されて得られるスラリーを用いて、印刷法等を利用して形成される。
そして、このように種々の成形膜が形成された状態の支持基板の成形体10gが、空気中にて1500℃で3時間焼成される。これにより、図1に示したSOFCにおいて空気極60及び空気極集電膜70が形成されていない状態の構造体が得られる。
次に、図14に示すように、各反応防止膜50の外側面に、空気極の成形膜60gが形成される。各空気極の成形膜60gは、例えば、空気極60の材料(例えば、LSCF)の粉末にバインダー等が添加されて得られるスラリーを用いて、印刷法等を利用して形成される。
次に、図15に示すように、各組の隣り合う発電素子部について、一方の発電素子部の空気極の成形膜60gと、他方の発電素子部のインターコネクタ30とを跨ぐように、空気極の成形膜60g、固体電解質膜40、及び、インターコネクタ30の外側面に、空気極集電膜の成形膜70gが形成される。各空気極集電膜の成形膜70gは、例えば、空気極集電膜70の材料(例えば、LSCF)の粉末にバインダー等が添加されて得られるスラリーを用いて、印刷法等を利用して形成される。
そして、このように成形膜60g、70gが形成された状態の支持基板10が、空気中にて1050℃で3時間焼成される。これにより、図1に示したSOFCが得られる。以上、図1に示したSOFCの製造方法の一例について説明した。
なお、この時点では、酸素含有雰囲気での焼成により、支持基板10、及び燃料極20中のNi成分が、NiOとなっている。従って、燃料極20の導電性を獲得するため、その後、支持基板10側から還元性の燃料ガスが流され、NiOが800〜1000℃で1〜10時間に亘って還元処理される。なお、この還元処理は発電時に行われてもよい。
(作用・効果)
上記実施形態では、支持基板10の各凹部12について、凹部12の側壁と、凹部12に埋設された燃料極集電部21の側壁と、の境界部に、支持基板10及び燃料極集電部21と比べて気孔率が小さい低気孔率部35が介在している。
支持基板10、及び燃料極集電部21は、それら自身の内部に燃料ガスを透過させる必要があることに起因して、多孔質材料で構成される。支持基板10の気孔率は、20〜60%であり、燃料極集電部21の気孔率は25〜50%である。従って、支持基板10の凹部12の側壁と、凹部12に埋設された燃料極集電部21の側壁と、が直接接触する態様では、その境界部にて、多孔質材料同士が接合されることになる。その結果、その境界部の剛性が比較的低いといえる。
これに対し、上記実施形態では、その境界部に、比較的剛性が高い(典型的には、緻密材料で構成される)低気孔率部35が介在する。低気孔率部35の気孔率は、例えば、10%以下である。従って、支持基板10の凹部12の側壁と、凹部12に埋設された燃料極集電部21の側壁とが直接接触する態様と比べて、その境界部の剛性が高くなる。この結果、その境界部でのクラックの発生が抑制され得る。
なお、上記実施形態のように、燃料極集電部21が薄板状を呈する場合(即ち、燃料極集電部21の側面の高さに対する底面の代表長さの割合(アスペクト比)が大きい場合)、燃料ガスは、主として燃料極集電部21の底面を介して燃料極集電部21の内部に透過してくる。従って、上記実施形態では、凹部12の側壁と燃料極集電部21の側壁との境界部に緻密材料が介在しても、ガスの透過性に悪影響を与えることはない。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記実施形態では、平板状の支持基板10の上下面のそれぞれに複数の凹部12が形成され且つ複数の発電素子部Aが設けられているが、図16に示すように、支持基板10の片側面のみに複数の凹部12が形成され且つ複数の発電素子部Aが設けられていてもよい。
また、上記実施形態においては、燃料極20が燃料極集電部21と燃料極活性部22との2層で構成されているが、燃料極20が燃料極活性部22に相当する1層で構成されてもよい。また、上記実施形態においては、燃料極20及び空気極60が前記「内側電極」及び前記「外側電極」にそれぞれ対応しているが、燃料極20及び空気極60が前記「外側電極」及び前記「内側電極」にそれぞれ対応するように構成されてもよい。この構成では、支持基板10の各凹部12について、凹部12の側壁と、凹部12に埋設された空気極60の側壁と、の境界部に、支持基板10及び空気極60と比べて気孔率が小さい低気孔率部35が介在する。
加えて、上記実施形態においては、図3に示すように、支持基板10の凹部12の側壁と燃料極集電部21の側壁との境界部において、凹部12の側壁の全周に亘って、低気孔率部35が介装・充填されているが、凹部12の側壁の周方向の一部のみにおいて、凹部12の側壁と燃料極集電部21の側壁との境界部に低気孔率部35が介装・充填され、凹部12の側壁の周方向の残りの部分では、凹部12の側壁と燃料極集電部21の側壁とが直接接触・接合されていてもよい。
10…支持基板、11…燃料ガス流路、12…凹部、20…燃料極、21…燃料極集電部、35…低気孔率部、40…固体電解質膜、60…空気極、A…発電素子部

Claims (3)

  1. ガス流路が内部に形成された支持基板と、
    前記支持基板の主面における互いに離れた複数の箇所にそれぞれ設けられ、少なくとも内側電極、固体電解質、及び外側電極が積層されてなる複数の発電素子部と、
    1組又は複数組の隣り合う前記発電素子部の間にそれぞれ設けられ、隣り合う前記発電素子部の一方の内側電極と他方の外側電極とを電気的に接続する1つ又は複数の電気的接続部と、
    を備えた燃料電池において、
    前記支持基板の主面における前記複数の箇所に、前記支持基板の材料からなる底壁と前記支持基板の材料からなる側壁とを有する凹部がそれぞれ形成され、
    前記各凹部に、対応する前記発電素子部の内側電極がそれぞれ埋設され、
    前記各凹部について、前記凹部の側壁と、対応する前記埋設された内側電極と、の境界部に、前記支持基板及び前記内側電極と比べて気孔率が小さい低気孔率部が介在する、燃料電池。
  2. 請求項1に記載の燃料電池において、
    前記各凹部の側壁は、全周に亘って前記支持基板の材料からなるとともに周方向に閉じており、
    前記各凹部について、前記低気孔率部は、前記凹部の側壁の全周に亘って、前記凹部の側壁と対応する前記埋設された内側電極との境界部に介在する、燃料電池。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の燃料電池において、
    前記支持基板の気孔率が20〜60%であり、前記内側電極の気孔率が25〜50%であり、前記低気孔率部の気孔率が10%以下である、燃料電池。
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