JP2015064319A - 残留塩素濃度測定装置およびそれを用いるバラスト水処理装置 - Google Patents

残留塩素濃度測定装置およびそれを用いるバラスト水処理装置 Download PDF

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西山 正一
Shoichi Nishiyama
正一 西山
和昭 萩原
Kazuaki Hagiwara
和昭 萩原
井上 敬道
Takamichi Inoue
敬道 井上
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Abstract

【課題】試料液が持ち込む水を効率的に排出できる残留塩素濃度測定装置を提供する。
【解決手段】残留塩素濃度測定装置10は、試料液Xが付与される作用極と、対極と、作用極と対極との間に介在されたイオン交換膜と、作用極および対極に含浸された電解液とを備え、作用極と対極との間を流れる電流に基づいて試料液Xの残留塩素濃度を測定する。作用極は、電極と、炭素繊維フェルトとを含んで構成される。測定装置10は、炭素繊維フェルトを収容するケース13と、ケース13内の液体を毛細管現象により吸い出す繊維成形物32を介してケース13の外部に排出する排出部30とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、残留塩素濃度測定装置、特に電気化学測定法による残留塩素濃度測定装置およびそれを用いるバラスト水処理装置に関する。
従来、残留塩素濃度測定装置として、DPD法による測定装置が多く用いられてきた。しかし、この測定装置は、発色試薬等のメンテナンスが頻繁に必要であり、妨害物質の存在によって正確に測定できない、5mg/L以上の塩素濃度は測定できない、という問題がある。そこで、電気化学測定法による測定装置を用いることが提案される(特許文献1参照)。この測定装置によれば、前記DPD法の弊害はなく、精度よく残留塩素濃度を測定できる。
図5に、電気化学測定法による電気分析装置を示す(特許文献2参照)。図5に示すように、この電気分析装置Aは、下部ケースBと上部ケースCとを備えるセルを有する。セルは、対極Dと、作用極Eと、これらの対極Dと作用極Eとの間に介在されたイオン交換膜Fとを備え、白金線G,Hを通して電流積算計Iに接続されている。作用極Eおよび対極Dに電解液Kを入れ、被測定試料物質を含有する試料液を作用極Eに滴下し、電池反応を起こして、そのとき流れる電気量を計測することにより、試料液中の被測定試料物質を定量できる。作用極Eおよび対極Dにカーボンフェルトを挿入することもある。
特開平05−113424号公報 特開平06−300734号公報
前記電気分析装置Aを残留塩素濃度測定装置として利用する場合、作用極Eに滴下(付与)した試料液が上部ケースC内に留まるので、残留塩素濃度を測定する毎に試料液を構成する水がセルに蓄積し、電解液Kが希釈される(すなわち電解液Kに含まれるイオン成分の濃度が薄くなる)のみならず、作用極Eのフェルトが膨潤して測定対象とする塩素成分の電解反応が起こり難くなる。その結果、異常値を検出したり、測定に長時間を要する等の不具合が生じる。そこで、測定が終るたびに上部ケースC内の液体(電解液Kに試料液が混入したもの)をスポイト等を用いて吸い出すことが提案される。しかし、非効率的であり、作業者に負担を強いることになる。また、水だけでなくイオン成分も一緒に抜き取られるため、測定装置の性能および寿命が低下してしまう。
そこで、本発明は、試料液が持ち込む水を効率的に排出できる残留塩素濃度測定装置およびそれを用いるバラスト水処理装置の提供を目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、試料液が付与される作用極と、対極と、前記作用極と前記対極との間に介在されたイオン交換膜と、前記作用極および前記対極に含浸された電解液と、を備え、前記作用極と前記対極との間を流れる電流に基づいて前記試料液の残留塩素濃度を測定する残留塩素濃度測定装置であって、前記作用極は、電極と、通電可能な材質で作成されたフェルトと、を含んで構成され、当該残留塩素濃度測定装置は、前記フェルトを収容するケースと、前記ケース内の液体を毛細管現象により吸い出す吸い出し材を介して前記ケースの外部に排出する排出手段と、を備えている。
本発明によれば、電気化学測定法による残留塩素濃度測定装置において、ケース内の液体(電解液に試料液が混入したもの)が毛細管現象により吸い出し材を介して吸い出されてケースの外部に自然に排出されるので、作業者に負担を強いることなく、ケース内に余剰に蓄積された液体が効率的に排出される。その場合、従来のようにスポイト等を用いて強制的に液体を排出すると、水と一緒にイオン成分も抜き取られてしまうのに対し、本発明では、毛細管現象により自然に液体を排出させるので、イオン成分を殆ど含まない水が排出される。その理由は、フェルトが電荷を帯びているため、イオン成分はフェルトの表面に引き付けられているからである。したがって、イオン成分の量はそのままにして試料液が持ち込む水を自動排水できるから、測定装置の性能および寿命が維持される効果が得られ、その結果、残留塩素濃度の測定精度の低下が抑制された寿命の長い残留塩素濃度測定装置が提供される。
本発明においては、前記吸い出し材の吸水量が0.5mm/秒以上であることが好ましい。
この構成によれば、作用極に付与した試料液の量と略同じ量の水がケースの外部に排出される。そのため、作用極の水の量およびイオン成分の量が略一定に保たれ、残留塩素濃度の測定条件が略一定に保たれるので、より一層、残留塩素濃度の測定精度の低下が長期に亘って抑制される。一方、吸い出し材の吸水量が0.5mm/秒未満であると、ケースの外部に排出される水の量が過度に少なくなり、次回の測定時は前回の測定時よりも電解液が過度に希釈された状態となって、測定精度に影響を及ぼしてしまうのである。
なお、本発明でいう吸水量は、以下の方法で測定するものとする。すなわち、長さ10cmの試料を垂直に吊るし、下端を1cm水に浸漬させ、水面上3cmの高さにまで水を吸い上げる時間を計測し、単位を(mm/秒)に換算して吸水速度を算出した後に、算出した吸水速度(mm/秒)に試料の断面積(幅×厚み)(mm)を乗算して表示する。
本発明においては、前記フェルトを厚み方向に押え付けてケースに固定する固定部材を備えていることが好ましい。
この構成によれば、作用極のフェルトがケース内の液体で膨潤することが抑制される。作用極のフェルトが膨潤すると、前述のように、測定対象とする塩素成分の電解反応が起こり難くなり、異常値を検出したり、測定に長時間を要するという問題がある。したがって、この構成によれば、前記フェルトの膨潤が抑制されるので、より一層、残留塩素濃度の測定精度の低下が抑制される。
本発明においては、前記固定部材は、前記フェルトをケースの外部から密閉する密閉部材を兼ねていることが好ましい。
この構成によれば、作用極のフェルトが乾燥することが抑制される。作用極のフェルトが乾燥すると、フェルトに含浸された電解液のイオン成分が析出して、残留塩素濃度の測定精度が低下するという問題がある。したがって、この構成によれば、前記フェルトの乾燥が抑制されるので、より一層、残留塩素濃度の測定精度の低下が抑制される。しかも、フェルトの乾燥を抑制する密閉部材と、フェルトの膨潤を抑制する固定部材とが、単一の部材で兼用されるので、部品点数およびコストの削減が図られる。
本発明においては、試料液が通過する試料通過配管と、前記試料通過配管を通過する試料液をガスの押し出しにより前記作用極に付与する付与手段と、を備えていることが好ましい。
この構成によれば、試料通過配管を通過する試料液がガスの押し出しにより作用極に付与されるので、前記試料液はガスの圧力を受けて一気に作用極に押し出され、短時間で作用極に付与される。その結果、自動で微量の試料液を連続的に作用極に付与することができる残留塩素濃度測定装置が提供される。そのため、この測定装置を用いることにより、試料液の残留塩素濃度を自動で連続的に長時間でも測定することができる。
本発明においては、当該残留塩素濃度測定装置は、前記ガスをケースの外部に排出する排出管を備え、前記吸い出し材は、前記排出管に収容されていることが好ましい。
この構成によれば、ケース内の液体のケース外部への排出と、試料液を押し出すために用いられたガスのケース外部への排出とが、排出管という単一の部材で共に安定して確実に行われる。
また、本発明は、バラスト水の残留塩素濃度を測定する測定手段と、前記測定手段の測定結果に応じて、バラスト水に中和剤を配合する中和剤配合手段と、を備えているバラスト水処理装置であって、前記測定手段として、請求項1から6のいずれか1項に記載の残留塩素濃度測定装置が用いられている。
本発明によれば、排出するバラスト水の残留塩素濃度に応じてバラスト水に中和剤を配合するように構成されたバラスト水処理装置において、残留塩素濃度の測定精度の低下が長期に亘って抑制されるので、バラスト水に中和剤を配合するべきか配合しなくてもよいかの判定が長期に亘って精度よく行われる。
本発明は、試料液が持ち込む水を効率的に排出でき、残留塩素濃度の測定精度の低下が抑制された寿命の長い残留塩素濃度測定装置を提供するので、バラスト水だけでなく、上水や下水処理の放流水、プールの水、公衆浴場の温水、食品工場でのビンの洗浄液等、残留塩素濃度の管理やモニタリング(監視)一般に広く好ましく適用される。
本発明の実施形態に係る残留塩素濃度測定装置の全体構成を示す概略断面図である。 本実施形態に係る残留塩素濃度測定装置の作用(実施例)を示すグラフである。 排出手段(排出部)のない残留塩素濃度測定装置の作用(比較例)を示すグラフである。 前記残留塩素濃度測定装置を用いたバラスト水処理装置の全体構成を示すブロック図である。 従来の電気化学測定法による電気分析装置の説明図である。
(1)残留塩素濃度測定装置
まず、図1を参照して、本実施形態に係る残留塩素濃度測定装置10を説明する。なお、本実施形態で、「上流」、「下流」というときは、そこを通過する流体の流れに関していう。
この残留塩素濃度測定装置(以下単に「測定装置」という)10は、電気化学測定法によるもので、電解セル10aを有している。
測定装置10は、詳しくは図示しないが、電解セル10a中に、試料液Xが滴下される作用極と、対極と、前記作用極と前記対極との間に介在されたイオン交換膜と、前記作用極および前記対極に含浸された電解液と、を備え、前記作用極と前記対極との間を流れる電流に基づいて前記試料液Xの残留塩素濃度を測定するように構成されている。
前記作用極および前記対極は、通電可能な材質である炭素繊維で作成されたフェルトと、この炭素繊維フェルトに挿入された白金電極とを含んで構成されている。この構成によれば、フェルトの表面積が見かけの面積よりも大きいので、作用極の表面積および対極の表面積が大きくなる。その結果、作用極で起きる還元反応、および対極で起きる酸化反応が広い面積で起きるので、これらの反応が短時間で終了する。
電解セル10aは、ケース本体11とケースカバー12とを含むケース13を備えている。ケースカバー12は、ケース本体11よりも周壁部の厚みが大きく形成されている。そのため、ケースカバー12は、その周壁部の端面(ケース本体11側の端面)で、ケース本体11に収容された炭素繊維フェルトを厚み方向に押え付けてケース13に固定している(固定部材としての働き)。
ケースカバー12は、ケース本体11と適宜の連結手段(例えば螺合等)で相互に連結されている。そのため、ケースカバー12は、ケース本体11に収容された炭素繊維フェルトをケース13の外部から密閉している(密閉部材としての働き)。
すなわち、ケースカバー12は固定部材と密閉部材とを兼ねている。
ケースカバー12の周壁部の一部に電解液補充管51が立設されている。この管51は、電解セル10aに電解液を補充するためのものである。
測定装置10は、試料液Xを作用極に滴下するための滴下部40を備えている。この滴下部40は、試料通過配管4aを通過する試料液Xをエアの押し出しにより作用極に滴下するものであり、本発明の付与手段に相当する。
滴下部40は、試料通過配管4aに相互に所定距離離して配設された一対のバルブ、すなわち上流側バルブ4bおよび下流側バルブ4cを備えている。
前記両バルブ4b,4c間の試料通過配管4aにおいて、上流側バルブ4bに隣接する位置に、エア供給管42の下流端が接続されている。エア供給管42の上流端は所定のエア供給源(例えば圧縮エアタンク)46に接続されている。
前記両バルブ4b,4c間の試料通過配管4aにおいて、下流側バルブ4cに隣接する位置に、採取用配管43の上流端が接続されている。採取用配管43の下流端はノズル41になっている。ノズル41は、電解セル10aの内部に突入し、先端部が作用極の炭素繊維フェルトの近傍まで延びていることが好ましい。
前記エア供給管42にエア供給用バルブ44が配設され、前記採取用配管43に採取用バルブ45が配設されている。
以上の各バルブ4b,4c,44,45は、それぞれ、開閉することにより、そこを通過する流体の流れを許可または禁止する。
この滴下部40において、試料液Xを作用極に滴下しないときは、図示しない制御盤からの信号により、試料通過配管4a上の上流側バルブ4bおよび下流側バルブ4cが開かれると共に、エア供給管42上のエア供給用バルブ44および採取用配管43上の採取用バルブ45が閉じられる。エア供給用バルブ44が閉じられることにより、エア供給源46からエアが試料通過配管4aに導入されることがない。また、採取用バルブ45が閉じられることにより、試料通過配管4aを流れる試料液Xが採取用配管43に分岐することがない。そして、上流側バルブ4bおよび下流側バルブ4cが開かれることにより、試料通過配管4aを流れる試料液Xはそのまま試料通過配管4aを直進する。
一方、この滴下部40において、試料液Xを作用極に滴下するときは、前記制御盤からの信号により、上流側バルブ4bおよび下流側バルブ4cが閉じられると共に、エア供給用バルブ44および採取用バルブ45が開かれる。これにより、試料通過配管4aを流れる試料液Xの一部がエアの押し出しにより作用極に滴下される。より詳しくは、上流側バルブ4bおよび下流側バルブ4cが閉じられることにより、試料通過配管4aを流れていた試料液Xの一部が前記バルブ4b,4c間に計量されると同時に閉じ込められる。そして、エア供給用バルブ44が開かれることにより、エア供給源46からエアが前記バルブ4b,4c間の試料通過配管4aに上流側バルブ4bに隣接する位置から導入される。また、採取用バルブ45が開かれることにより、前記バルブ4b,4c間に閉じ込められていた所定量の試料液Xがエアの圧力を受けて採取用配管43に押し出され、ノズル41から作用極に一気に滴下される(これを「ショット」という)。その際、一緒に、試料液押し出し用のエアがケースカバー12の内部空間に噴出する。
以上のことから、測定装置10は、自動で微量の試料液Xを精度よく計量し、しかも連続的に作用極に滴下することができる。そのため、この測定装置10を用いることにより、試料液Xの残留塩素濃度を自動で連続的に長時間でも測定することができる。
測定装置10は、試料通過配管4aを流れる試料液Xの残留塩素濃度を所定の時間間隔(以下「測定間隔」という)で連続的に測定する。そのため、前述のような試料液Xの滴下(すなわちショット)および試料液押し出し用エアの噴出が、試料液Xが試料通過配管4aを流れている期間中、前記測定間隔で連続的に自動で繰り返し行われる。なお、ここで、前記測定間隔としては、後述するように、例えば1.5〜5分間隔等が好ましい。
前者(試料液Xの滴下)の場合、作用極に滴下した試料液Xがケース本体11の内部空間に留まるので、残留塩素濃度を測定する毎に試料液Xを構成する水が電解セル10aに蓄積し、電解液が希釈されるのみならず、作用極の炭素繊維フェルトが膨潤して測定対象とする塩素成分(例えば試料液X中の次亜塩素酸イオン)の電解反応が起こり難くなる。その結果、異常値を検出したり、測定に長時間を要する等の不具合が生じる。
後者(エアの噴出)の場合、試料液Xを押し出すために用いられたエアがケースカバー12の内部空間に留まるので、残留塩素濃度を測定する毎にケースカバー12の内部空間の圧力が増大していく(ケース本体11とケースカバー12とは相互に連結されてケース13は密閉状態であるから)。このことは、試料液Xのショットを困難なものにする。
そこで、測定装置10は、ケース13内の液体(電解液に試料液Xが混入したもの)をケース13の外部に排出すると共に、ケースカバー12の内部空間内のエアをケース13の外部に排出するための排出部30を備えている。この排出部30は、本発明の排出手段に相当するものであり、ケース13の内外に亘って延びる排出管31を含んでいる。この排出管31は、ケース13の周壁の一部分に組み付けられたL字状のエルボ管で構成されている。排出管31のケース13側の端部は、ケース本体11とケースカバー12との境界部に形成された円形開口33aに嵌入されている。この嵌入部において、排出管31の内部通路の一部が作用極の炭素繊維フェルトに臨み、残部がケースカバー12の周壁部の端面(ケース本体11側の端面)に形成されたエア排出溝33bを介してケースカバー12の内部空間に臨んでいる。
前記排出管31に繊維の成形物32が収容されている。この繊維成形物32は、ケース13内の液体を毛細管現象により吸い出す機能を有し、本発明の吸い出し材に相当する。繊維成形物32は、ケース13の内外に亘って延び、ケース13側の端部が作用極の炭素繊維フェルトと接触し、反ケース13側の端部がケース13の外部に至っている。繊維成形物32は、排出管31と円形開口33aとの嵌入部において作用極の炭素繊維フェルトに臨む排出管31の内部通路の一部を占有して収容されている。そして、前記嵌入部においてエア排出溝33bを介してケースカバー12の内部空間に臨む排出管31の内部通路の残部は、エア排出路33として残されている。
作用極の炭素繊維フェルトが、ケース13の外部に至っている繊維成形物32と接触しているので、ケース13内の液体が毛細管現象により繊維成形物32を介して吸い出されてケース13の外部に自然に排出される(矢印Y参照)。そのため、作業者に負担を強いることなく、ケース13内に余剰に蓄積された液体が効率的に排出される。
その場合、例えばスポイト等を用いて強制的に液体を排出すると、水と一緒に電解液のイオン成分も抜き取られてしまうのに対し、本実施形態では、炭素繊維フェルトが電荷を帯びているため、イオン成分はフェルトの表面に引き付けられており、毛細管現象によって自然に液体を排出させることで、イオン成分を殆ど含まない水が排出される。したがって、イオン成分の量はそのままにして試料液Xが持ち込む水を自動排水できるから、当該測定装置10の性能および寿命が維持される。換言すれば、当該測定装置10の測定精度の低下が長期に亘って抑制される。
また、ケースカバー12の内部空間が、エア排出溝33bおよびエア排出路33を介してケース13の外部と連通しているので、ケースカバー12の内部空間内のエアが排出管31を通ってケース13の外部に排出される(矢印Z参照)。そのため、試料液押し出し用エアの噴出が、残留塩素濃度の測定間隔で連続的に繰り返し行われても、ケースカバー12の内部空間の圧力の増大が抑制される。その結果、試料液Xのショットが困難になることが抑制される。
繊維成形物32は、前記吸い出し機能を有する限り、好ましくは、さらに耐久性を有する限り、その材質や形状は特に限定されない。材質としては、例えば、ポリビニルアルコール、そのアセタール化物、ポリビニルアルコールとエチレンとの共重合体、ナイロン、ポリエステル、セルロース、アセテート、コットン、羊毛繊維、およびこれらの混合物等が好ましく使用可能である。形状としては、例えば、不織布状、紙状、織物状、およびニット状等の平面的に広がりをもつ成形物や、フィラメント状、紡績糸状、および紐状等の長尺物等が好ましく採用可能である。
繊維成形物32の吸水量は0.5mm/秒以上であることが好ましい。これにより、後述する同量設定が容易となるからである。また、吸水量が0.5mm/秒未満であると、ケース13の外部に排出される水の量が過度に少なくなり、次回の測定時は前回の測定時よりも電解液が過度に希釈された状態となって、測定精度に影響を及ぼしてしまうからである。なお、吸水量の上限は特に限定されない。排出すべき液体の量が多い場合や測定間隔が短い場合等は吸水量のなるべく大きい繊維成形物32が必要になるからである。
繊維成形物32の吸水速度(mm/秒)は、吸水量(mm/秒)に最も大きく影響するパラメータの1つである。例えば吸水速度が大きいほど吸水量が多くなる。そのような観点から、吸水速度は例えば0.3mm/秒以上であることが好ましい。これにより、吸水量を0.5mm/秒以上とすることが容易となるからである。なお、吸水速度の上限は特に限定されない。排出すべき液体の量が多い場合や測定間隔が短い場合等は吸水速度のなるべく大きい繊維成形物32が必要になるからである。また、次に説明する繊維成形物32の断面積や目付を調節することにより吸水量の調節が可能であるからである。
繊維成形物32の断面積(mm)や目付(g/m)もまた吸水量(mm/秒)や耐久性に影響するパラメータである。例えば断面積が大きいほど吸水量が多くなり、目付が大きいほど耐久性が向上する。そのような観点から、断面積は例えば0.1mm以上であることが好ましく、目付は例えば20g/m以上であることが好ましい。これにより、吸水量を0.5mm/秒以上とすることが容易となるからである。上限については、断面積は50mm程度、目付は500g/m程度が好ましい。これを超えると、繊維成形物32の取り扱いが困難となるからである。
繊維成形物32の吸水速度や断面積や目付等のパラメータは、繊維成形物32の材質や形状等のその他のパラメータを考慮して、残留塩素濃度の測定間隔(例えば1.5〜5分間隔等)に基き、ケースバイケースで設定することができる。例えば、残留塩素濃度の測定間隔の間に、前回の測定時に作用極に滴下された試料液Xの量と略同じ量の液体(すなわち水)がケース13の内部から外部に自動排水されるように設定すること(これを便宜上「同量設定」という)が好ましい。これにより、各回の測定時において作用極の水の量およびイオン成分の量が略一定に保たれ、各回の測定時毎に残留塩素濃度の測定条件が略一定に保たれるので、より一層、当該測定装置10の測定精度の低下が長期に亘って抑制される。
繊維成形物32の吸水速度を0.3mm/秒以上、あるいは断面積を0.1mm以上、あるいは目付を20g/m以上とすることにより、前記のような同量設定が実現しやすくなる。
一方、吸水速度が0.3mm/秒未満、あるいは断面積が0.1mm未満、あるいは目付が20g/m未満では、吸水量(mm/秒)が過度に少なくなり、次回の測定時は前回の測定時よりも電解液が過度に希釈された状態となりやすくなり、測定精度に影響を及ぼしてしまう。逆に、断面積が50mm超え、あるいは目付が500g/m超えでは、繊維成形物32の剛性が高くなりすぎ、加工し難くなるという取り扱い上の不具合が生じる。また、吸水量(mm/秒)が過度に多くなり、次回の測定時は前回の測定時よりも電解液が過度に濃縮された状態または電解液が不足する状態となりやすくなり、測定精度に影響を及ぼしてしまう。
図2は、図1に示す測定装置10を用いて残留塩素濃度を連続的に測定した場合のグラフ(横軸:測定回数、縦軸:測定値)である。ただし、フェルトの材質は炭素繊維、繊維成形物32の材質はポリビニルアルコール、繊維成形物32の形状は不織布状、繊維成形物32の吸水量は1.02mm/秒、繊維成形物32の吸水速度は0.5mm/秒、繊維成形物32の断面積は2.04mm、繊維成形物32の目付は45g/mである。
図示したように、測定値は測定回数が増えても略一定に保たれている。これは同量設定されたため、すなわち、繊維成形物32の毛細管現象による吸い出し機能によって、残留塩素濃度の測定間隔の間に、前回の測定時に作用極に滴下された試料液Xの量と略同じ量の水がケース13の内部から外部に自動排水されたためと考察される。
これに対し、図3は、図1に示す測定装置10から排出部30を取り除いたものを用いて残留塩素濃度を連続的に測定した場合のグラフ(横軸:測定回数、縦軸:測定値)である。ただし、フェルトの材質は炭素繊維である。
図示したように、測定値は測定回数が増えるに従って低下していく。これは、測定装置10に排出部30がなく、したがって繊維成形物32が備えられておらず、ケース13内の液体(電解液に試料液Xが混入したもの)がケース13の外部に排出されないので、残留塩素濃度を測定する毎に試料液Xを構成する水が電解セル10aに蓄積し、電解液が希釈されたためと考察される。
(2)バラスト水処理装置
次に、図4を参照して、本実施形態に係るバラスト水処理装置1を説明する。
前述のように、本実施形態に係る測定装置10は、自動で微量の試料液Xを精度よく計量し、しかも連続的に作用極に滴下することができる。そのため、この測定装置10を用いることにより、試料液Xの残留塩素濃度を自動で連続的に長時間でも測定することができる。したがって、用途としては、限定されるものではなく、例えば、上水や下水処理の放流水、プールの水、公衆浴場の温水、食品工場でのビンの洗浄液等、各種用途に使用可能であり、残留塩素濃度の管理やモニタリング(監視)一般に広く好ましく適用されるものである。ここでは、一例として、バラスト水処理装置を挙げて説明するが、単なる例示に過ぎないことはいうまでもない。また、図4は、本実施形態に係る前記測定装置10を用いたバラスト水処理装置の一例を示すが、これもまた例示に過ぎず、これに限定されるものではない。
このバラスト水処理装置(以下単に「処理装置」という)1は、国際航路を運行する船舶(図示せず)に備えられている。船舶から排出されるバラスト水に含まれる生物が環境汚染を引き起こす事例があった。そこでIMO(国際海事機関)で排出水中の生物数を制限する「バラスト水管理条約」が2004年に採択された。この条約に適合するにはバラスト水に含まれる生物を殺滅処理することが必要である。そのため紫外線や薬剤を使ったシステムが提案されている。中でも、塩素やオゾンを使って殺滅処理するシステムが多い。この場合、バラスト水の排出に際しては処理水を無毒にすることが必要である。具体的には残留塩素濃度を0.2mg/L(0.2ppm)以下として排出することが必要である。そのため処理水の残留塩素濃度を常時モニタリング(監視)することが必要である。
本実施形態では、前述の測定装置10が、前記モニタリングのため、塩素やオゾンを使って生物を殺滅処理したバラスト水を自動でサンプリングし、サンプリングしたバラスト水(すなわち試料液)の残留塩素濃度を自動で連続的に測定するための装置として好適に使用されるものである。
処理装置1は、船外から海水を導入するための導水管2と、船外へバラスト水を排出するための排水管3とを備えている。導水管2および排水管3は、第1循環管4、第2循環管5、および入出管6を介してバラストタンクBTに接続されている。
導水管2の下流端と、第1循環管4の上流端と、第2循環管5の下流端とが第1切替バルブ7に接続されている。この第1切替バルブ7は、第2循環管5の下流端を遮断して導水管2の下流端と第1循環管4の上流端とを連通する漲水時流路と、導水管2の下流端を遮断して第2循環管5の下流端と第1循環管4の上流端とを連通する排水時流路とを選択可能に構成されている。
排水管3の上流端と、第1循環管4の下流端と、第2循環管5の上流端と、入出管6の反タンク側端部とが第2切替バルブ8に接続されている。この第2切替バルブ8は、排水管3の上流端および第2循環管5の上流端を遮断して第1循環管4の下流端と入出管6の反タンク側端部とを連通する漲水時流路と、入出管6の反タンク側端部と第2循環管5の上流端とを連通すると共に第1循環管4の下流端と排水管3の上流端とを連通する排水時流路とを選択可能に構成されている。
第1循環管4にケミカルユニットCUが備えられている。ケミカルユニットCUは、第1循環管4を流れる海水またはバラスト水に含まれる生物を殺滅するための薬剤(例えば次亜塩素酸カルシウム)やバラスト水の残留塩素を中和するための中和剤(例えば亜硫酸ナトリウム)を配合するためのものである(中和剤配合手段)。
ケミカルユニットCUの上流で、第1循環管4に、前述の測定装置10が備えられている。この測定装置10は、バラスト水が通過する試料通過配管4aを介して第1循環管4に接続されている。すなわち、試料通過配管4aは、ケミカルユニットCUの上流で、第1循環管4から分岐し再び第1循環管4に合流する細管である。バラスト水の排水時、第1循環管4を通過するバラスト水の一部がこの試料通過配管4aに流入する。この試料通過配管4aに流入したバラスト水が前記エアの押し出しによるショットにより電解セル10a中の作用極に滴下されるように前述の測定装置10が採取用配管43を介して試料通過配管4aに接続されている。
バラストタンクBTにバラスト水を漲る漲水時(バラスティング時)は、第1切替バルブ7および第2切替バルブ8は漲水時流路を選択する。これにより、船外から導入された海水が、矢印a,b,c,dの順に、導水管2、第1切替バルブ7、第1循環管4、第2切替バルブ8、および入出管6を経由して、バラストタンクBTへ供給される。
この漲水時、ケミカルユニットCUにより、第1循環管4を通過する海水に生物を殺滅するための薬剤(例えば次亜塩素酸カルシウム)が配合される。これにより、バラスト水を海洋に排水しても、生態系の撹乱や伝染病の拡散が抑制される。
バラストタンクBTからバラスト水を排出する排水時(デバラスティング時)は、第1切替バルブ7および第2切替バルブ8は排水時流路を選択する。これにより、バラストタンクBT内のバラスト水が、矢印d,e,c,fの順に、入出管6、第2切替バルブ8、第2循環管5、第1切替バルブ7、第1循環管4、第2切替バルブ8、および排水管3を経由して、船外へ排出される。
この排水時、第1循環管4を通過するバラスト水の一部が試料通過配管4aに分岐して試料通過配管4aを流れる。その際、前述のように、測定装置10の滴下部40が、試料通過配管4aを通過するバラスト水をショットするときは、第1循環管4から試料通過配管4aに分岐したバラスト水の一部がエアの押し出しにより作用極に滴下され、ショットしないときは、第1循環管4から試料通過配管4aに分岐したバラスト水はそのまま第1循環管4に戻る。
前者の場合、試料通過配管4aを流れるバラスト水が試料液として所定量(例えば15〜200μL等の微量)サンプリングされ、測定装置10に供給され、残留塩素濃度が測定される。その結果、試料液(バラスト水)の残留塩素濃度が所定の基準値(例えば0.2ppm)を超えているときは、ケミカルユニットCUにより、第1循環管4を通過するバラスト水に残留塩素を中和するための中和剤(例えば亜硫酸ナトリウム)が配合される。これにより、バラスト水の残留塩素濃度が前記基準値以下に抑えられ、バラスト水を海洋に排水しても、海洋汚染が防止される。一方、試料液(バラスト水)の残留塩素濃度が前記基準値以下のときは、バラスト水は、中和剤が配合されることなく、そのまま海洋に排水される。
測定装置10は、バラスト水の排水時は、前述の制御盤により、バラスト水の残留塩素濃度を所定の測定間隔で連続的に自動で測定するように制御される。つまり、前記ショットが、バラスト水を排水している期間中、前記測定間隔で連続的に自動で行われる。
ここで、所定の測定間隔とは、例えば1.5分〜5分間隔等が好ましい。この間隔が過度に短い場合は、真の数値よりも低い数値を検出してしまう。これは、試料液をフェルトに吐出すると、その部分では電解液が一時的に希釈され濃度が下がってしまうためである。おおよそ1.5分の間隔を空ければ、フェルト内の電解液は拡散して均一濃度となるため正確な測定が可能となる。逆に5分以上の間隔では、測定自体には問題ないが、処理水の残留塩素濃度を常時モニタリング(監視)しているとはいい難い。もちろん、このバラスト水の排水時において残留塩素濃度を連続的に測定する際の時間間隔は、状況に応じて適宜変更しても構わない。
なお、図示しないが、導水管2にフィルタユニットを配設し、このフィルタユニットで、漲水時に、導水管2を通過する海水から比較的大型のプランクトンを除去することも好ましい。大型プランクトンを薬剤で殺滅しなくて済む分、薬剤の配合量が少なくて済むというコストメリットが得られる。
また、排水時に、ケミカルユニットCUにより、第1循環管4を通過するバラスト水に中和剤が配合された場合は、ケミカルユニットCUの下流において、再度、残留塩素濃度を測定することも好ましい。
(3)作用
以上のように、本実施形態に係る測定装置10は、試料液Xが滴下される作用極と、対極と、前記作用極と前記対極との間に介在されたイオン交換膜と、前記作用極および前記対極に含浸された電解液と、を備え、前記作用極と前記対極との間を流れる電流に基づいて前記試料液Xの残留塩素濃度を測定する。
その上で、前記作用極は、電極と、通電可能な材質である炭素繊維で作成された炭素繊維フェルトと、を含んで構成され、測定装置10は、前記フェルトを収容するケース13と、前記ケース13内の液体を毛細管現象により吸い出す繊維成形物32を介して前記ケース13の外部に排出する排出部30と、を備えている。
この構成によれば、電気化学測定法による測定装置10において、ケース13内の液体が毛細管現象により繊維成形物32を介して吸い出されてケース13の外部に自然に排出されるので、作業者に負担を強いることなく、ケース13内に余剰に蓄積された液体が効率的に排出される。その場合、従来のようにスポイト等を用いて強制的に液体を排出すると、水と一緒にイオン成分も抜き取られてしまうのに対し、本実施形態では、毛細管現象により自然に液体を排出させるので、前述の理由により、イオン成分を殆ど含まない水が排出される。したがって、イオン成分の量はそのままにして試料液Xが持ち込む水を自動排水できるから、測定装置10の性能および寿命が維持される効果が得られ、その結果、残留塩素濃度の測定精度の低下が抑制された寿命の長い測定装置10が提供される。
本実施形態では、繊維成形物32の吸水量が0.5mm/秒以上である。
この構成によれば、作用極に滴下した試料液Xの量と略同じ量の水がケース13の外部に排出される(すなわち同量設定が実現する)。そのため、作用極の水の量およびイオン成分の量が略一定に保たれ、残留塩素濃度の測定条件が略一定に保たれるので、より一層、残留塩素濃度の測定精度の低下が長期に亘って抑制される。一方、繊維成形物32の吸水量が0.5mm/秒未満であると、ケース13の外部に排出される水の量が過度に少なくなり、次回の測定時は前回の測定時よりも電解液が過度に希釈された状態となって、測定精度に影響を及ぼしてしまう。
本実施形態では、繊維成形物32の吸水速度が0.3mm/秒以上、あるいは断面積が0.1mm以上、あるいは50mm以下、あるいは目付が20g/m以上、あるいは500g/m以下である。
この構成によれば、繊維成形物32の吸水量を0.5mm/秒以上とすることが容易となり、前記のような同量設定が実現しやすくなる。
一方、繊維成形物32の吸水速度が0.3mm/秒未満、断面積が0.1mm未満、目付が20g/m未満では、ケース13の外部に排出される水の量、つまり吸水量(mm/秒)が過度に少なくなり、次回の測定時は前回の測定時よりも電解液が過度に希釈された状態となって、測定精度に影響を及ぼしてしまう。逆に、繊維成形物32の断面積が50mm超え、目付が500g/m超えでは、ケース13の外部に排出される水の量、つまり吸水量(mm/秒)が過度に多くなり、次回の測定時は前回の測定時よりも電解液が過度に濃縮された状態または電解液が不足する状態となって、やはり測定精度に影響を及ぼしてしまう。また、繊維成形物32の加工性、取り扱い性が低下するのでこの点からも好ましくない。
本実施形態では、測定装置10は、前記フェルトを厚み方向に押え付けてケース13に固定するケースカバー12を備えている。
この構成によれば、作用極のフェルトがケース13内の液体で膨潤することが抑制される。作用極のフェルトが膨潤すると、測定対象とする塩素成分の電解反応が起こり難くなり、異常値を検出したり、測定に長時間を要するという問題がある。したがって、この構成によれば、前記フェルトの膨潤が抑制されるので、より一層、残留塩素濃度の測定精度の低下が抑制される。
本実施形態では、ケースカバー12は、前記フェルトをケース13の外部から密閉する密閉部材を兼ねている。
この構成によれば、作用極のフェルトが乾燥することが抑制される。作用極のフェルトが乾燥すると、フェルトに含浸された電解液のイオン成分が析出して、残留塩素濃度の測定精度が低下するという問題がある。したがって、この構成によれば、前記フェルトの乾燥が抑制されるので、より一層、残留塩素濃度の測定精度の低下が抑制される。しかも、フェルトの乾燥を抑制する密閉部材と、フェルトの膨潤を抑制する固定部材とが、ケースカバー12という単一の部材で兼用されるので、部品点数およびコストの削減が図られる。
本実施形態では、試料液Xが通過する試料通過配管4aと、前記試料通過配管4aを通過する試料液Xをエアの押し出しにより前記作用極に滴下する滴下部40と、を備えている。
この構成によれば、試料通過配管4aを通過する試料液Xがエアの押し出しにより作用極に付与されるので、前記試料液Xはエアの圧力を受けて一気に作用極に押し出され、短時間で作用極に付与される。その結果、自動で微量の試料液Xを連続的に作用極に付与することができる測定装置10が提供される。そのため、この測定装置10を用いることにより、試料液Xの残留塩素濃度を自動で連続的に長時間でも測定することができる。
本実施形態では、当該測定装置10は、前記エアをケース13の外部に排出する排出管31を備え、前記繊維成形物32は、前記排出管31に収容されている。
この構成によれば、ケース13内の液体のケース13外部への排出と、試料液Xを押し出すために用いられたエアのケース13外部への排出とが、排出管31という単一の部材で共に安定して確実に行われる。
また、本実施形態に係る処理装置1は、バラスト水の残留塩素濃度を測定する測定手段と、前記測定手段の測定結果に応じて、バラスト水に中和剤を配合するケミカルユニットCUと、を備え、前記測定手段として、前記測定装置10が用いられている。
この構成によれば、排出するバラスト水の残留塩素濃度に応じてバラスト水に中和剤を配合するように構成された処理装置1において、残留塩素濃度の測定精度の低下が長期に亘って抑制されるので、バラスト水に中和剤を配合するべきか配合しなくてもよいかの判定が長期に亘って精度よく行われる。
(4)その他
試料液Xを電解セル10aにショットする際のエアの圧力やショットの時間等は、状況に応じて適宜設定される。
上流側バルブ4bと下流側バルブ4cとの間の距離、すなわち試料液Xの滴下量は、状況に応じて適宜設定される。
前記実施形態では、作用極と対極とを上下方向(縦方向)に並ぶように配置し、試料液Xを作用極に滴下(付与)したが、水平方向(横方向)に並ぶように配置してもよい。その場合、試料液Xのショット(付与)を作用極に対して水平方向(横方向)から行うようにする。
エアに代えて、窒素ガス、アルゴンガス等を用いてもよい。
1 バラスト水処理装置
4a 試料通過配管
10 残留塩素濃度測定装置(測定手段)
10a 電解セル
11 ケース本体
12 ケースカバー(固定部材、密閉部材)
13 ケース
30 排出部(排出手段)
31 排出管
32 繊維成形物(吸い出し材)
33 エア排出路
33a 円形開口
33b エア排出溝
40 滴下部(付与手段)
41 ノズル
CU ケミカルユニット(中和剤配合手段)
X 試料液

Claims (7)

  1. 試料液が付与される作用極と、対極と、前記作用極と前記対極との間に介在されたイオン交換膜と、前記作用極および前記対極に含浸された電解液と、を備え、
    前記作用極と前記対極との間を流れる電流に基づいて前記試料液の残留塩素濃度を測定する残留塩素濃度測定装置であって、
    前記作用極は、電極と、通電可能な材質で作成されたフェルトと、を含んで構成され、
    当該残留塩素濃度測定装置は、
    前記フェルトを収容するケースと、
    前記ケース内の液体を毛細管現象により吸い出す吸い出し材を介して前記ケースの外部に排出する排出手段と、を備えている、残留塩素濃度測定装置。
  2. 前記吸い出し材の吸水量が0.5mm/秒以上である、請求項1に記載の残留塩素濃度測定装置。
  3. 前記フェルトを厚み方向に押え付けてケースに固定する固定部材を備えている、請求項1または2に記載の残留塩素濃度測定装置。
  4. 前記固定部材は、前記フェルトをケースの外部から密閉する密閉部材を兼ねている、請求項3に記載の残留塩素濃度測定装置。
  5. 試料液が通過する試料通過配管と、
    前記試料通過配管を通過する試料液をガスの押し出しにより前記作用極に付与する付与手段と、を備えている、請求項4に記載の残留塩素濃度測定装置。
  6. 当該残留塩素濃度測定装置は、前記ガスをケースの外部に排出する排出管を備え、
    前記吸い出し材は、前記排出管に収容されている、請求項5に記載の残留塩素濃度測定装置。
  7. バラスト水の残留塩素濃度を測定する測定手段と、
    前記測定手段の測定結果に応じて、バラスト水に中和剤を配合する中和剤配合手段と、を備えているバラスト水処理装置であって、
    前記測定手段として、請求項1から6のいずれか1項に記載の残留塩素濃度測定装置が用いられている、バラスト水処理装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018118534A (ja) * 2017-01-23 2018-08-02 Jfeエンジニアリング株式会社 船舶
JP2021019141A (ja) * 2019-07-23 2021-02-15 株式会社トーキン 複合インダクタ、電気電子機器及び複合インダクタの製造方法

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