JP3187624U - 残留塩素濃度測定装置およびそれを用いるバラスト水処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動で微量の試料液を精度よく計量し連続的に作用極に付与できる残留塩素濃度測定装置を提供する。
【解決手段】残留塩素濃度測定装置10は、試料液Xが付与される作用極と、対極と、作用極と対極との間に介在されたイオン交換膜と、作用極および対極に含浸された電解液とを備え、作用極と対極との間を流れる電流に基づいて試料液Xの残留塩素濃度を測定する。測定装置10は、試料液Xが通過する試料通過配管4aと、試料通過配管4aを通過する試料液Xをエアの押し出しにより作用極に付与する滴下部40とを備えている。
【選択図】図1

Description

本考案は、残留塩素濃度測定装置、特に電気化学測定法による残留塩素濃度測定装置およびそれを用いるバラスト水処理装置に関する。
従来、残留塩素濃度測定装置として、DPD法による測定装置が多く用いられてきた。しかし、この測定装置は、発色試薬等のメンテナンスが頻繁に必要であり、妨害物質の存在によって正確に測定できない、5mg/L以上の塩素濃度は測定できない、という問題がある。そこで、電気化学測定法による測定装置を用いることが提案される(特許文献1参照)。この測定装置によれば、前記DPD法の弊害はなく、精度よく残留塩素濃度を測定できる。
図3に、電気化学測定法による電気分析装置を示す(特許文献2参照)。図3に示すように、この電気分析装置Aは、下部ケースBと上部ケースCとを備えるセルを有する。セルは、対極Dと、作用極Eと、これらの対極Dと作用極Eとの間に介在されたイオン交換膜Fとを備え、白金線G,Hを通して電流積算計Iに接続されている。作用極Eおよび対極Dに電解液Kを入れ、被測定試料物質を含有する試料液を作用極Eに滴下し、電池反応を起こして、そのとき流れる電気量を計測することにより、試料液中の被測定試料物質を定量できる。作用極Eおよび対極Dにカーボンフェルトを挿入することもある。
特開平05−113424号公報 特開平06−300734号公報
前記電気分析装置Aを残留塩素濃度測定装置として利用する場合、作用極に滴下する試料液の1回の量は15〜200μLと微量である。そのため、試料液はマイクロピペットを使って作用極に滴下する必要がある。また、用途によっては残留塩素濃度を頻繁に測定する必要がある。そのため、従来は、かかる微量の試料液を精度よく計量し、しかも連続的に滴下するには、人手で作業を行う必要があった。
そこで、本考案は、自動で微量の試料液を精度よく計量し、しかも連続的に作用極に滴下(付与)することができる残留塩素濃度測定装置およびそれを用いるバラスト水処理装置の提供を目的とする。
前記課題を解決するために、本考案は、試料液が付与される作用極と、対極と、前記作用極と前記対極との間に介在されたイオン交換膜と、前記作用極および前記対極に含浸された電解液と、を備え、前記作用極と前記対極との間を流れる電流に基づいて前記試料液の残留塩素濃度を測定する残留塩素濃度測定装置であって、試料液が通過する試料通過配管と、前記試料通過配管を通過する試料液をガスの押し出しにより前記作用極に付与する付与手段と、を備えている。
本考案によれば、電気化学測定法による残留塩素濃度測定装置において、試料通過配管を通過する試料液がガスの押し出しにより作用極に付与されるので、前記試料液はガスの圧力を受けて一気に作用極に押し出され、短時間で作用極に付与される。その結果、自動で微量の試料液を精度よく計量し、しかも連続的に作用極に付与することができる残留塩素濃度測定装置が提供される。そのため、この測定装置を用いることにより、試料液の残留塩素濃度を自動で連続的に長時間でも測定することができる。
本考案においては、前記付与手段は、前記試料通過配管に相互に所定距離離して配設された一対のバルブと、前記一対のバルブ間で前記試料通過配管に接続された採取用配管と、前記一対のバルブ間で前記試料通過配管にガスを供給可能なガス供給管と、を備え、前記一対のバルブを閉じることにより前記一対のバルブ間に試料液を計量すると同時に閉じ込め、前記ガス供給管からガスを供給することにより前記閉じ込めた試料液を前記採取用配管を通して前記作用極に付与するように構成されていることが好ましい。
この構成によれば、試料通過配管に配設された一対のバルブを閉じ、ガス供給管からガスを供給するという簡単な動作で、試料通過配管を通過する試料液をガスの押し出しにより作用極に付与することが、安定、確実にできる。また、前記一対のバルブ間の距離に基づいて試料液の作用極への付与量が設定される。
本考案においては、前記ガス供給管にガス供給用バルブが配設され、前記付与手段は、前記ガス供給用バルブを開けることにより前記ガス供給管からガスを供給するように構成されていることが好ましい。
この構成によれば、ガス供給管に配設されたガス供給用バルブを開けるという簡単な動作で、ガス供給管からガスを供給することが、安定、確実にできる。
本考案においては、前記採取用配管の作用極側の端部は、先細り形状であることが好ましい。
この構成によれば、前記採取用配管の作用極側の端部から吐出する試料液の飛散が抑制されるので、試料液の残留塩素濃度の測定精度を高めることができる。
また、本考案は、バラスト水の残留塩素濃度を測定する測定手段と、前記測定手段の測定結果に応じて、バラスト水に中和剤を配合する中和剤配合手段と、を備えているバラスト水処理装置であって、前記測定手段として、請求項1から4のいずれか1項に記載の残留塩素濃度測定装置が用いられている。
本考案によれば、バラスト水の残留塩素濃度に応じてバラスト水に中和剤を配合するように構成されたバラスト水処理装置において、バラスト水の残留塩素濃度を上述の残留塩素濃度測定装置を用いて測定するので、バラスト水の残留塩素濃度を自動で連続的に長時間でも測定することができる。そのため、バラスト水の処理を長時間でも連続的に行うことができる。
本考案は、自動で微量の試料液を精度よく計量し、しかも連続的に作用極に付与することができる残留塩素濃度測定装置を提供するので、バラスト水だけでなく、上水や下水処理の放流水、プールの水、公衆浴場の温水、食品工場でのビンの洗浄液等、残留塩素濃度の管理やモニタリング(監視)一般に広く好ましく適用される。
本考案の実施形態に係る残留塩素濃度測定装置の全体構成を示す概略断面図である。 前記残留塩素濃度測定装置を用いたバラスト水処理装置の全体構成を示すブロック図である。 従来の電気化学測定法による電気分析装置の説明図である。
(1)残留塩素濃度測定装置
まず、図1を参照して、本実施形態に係る残留塩素濃度測定装置10を説明する。なお、本実施形態で、「上流」、「下流」というときは、そこを通過する流体の流れに関していう。
この残留塩素濃度測定装置(以下単に「測定装置」という)10は、電気化学測定法によるもので、電解セル10aを有している。
測定装置10は、詳しくは図示しないが、電解セル10a中に、試料液Xが滴下される作用極と、対極と、前記作用極と前記対極との間に介在されたイオン交換膜と、前記作用極および前記対極に含浸された電解液と、を備え、前記作用極と前記対極との間を流れる電流に基づいて前記試料液Xの残留塩素濃度を測定するように構成されている。
前記作用極および前記対極は、通電可能な材質である炭素繊維で作成されたフェルトと、この炭素繊維フェルトに挿入された白金電極とを含んで構成されている。この構成によれば、フェルトの表面積が見かけの面積よりも大きいので、作用極の表面積および対極の表面積が大きくなる。その結果、作用極で起きる還元反応、および対極で起きる酸化反応が広い面積で起きるので、これらの反応が短時間で終了する。
測定装置10は、試料液Xを作用極に滴下するための滴下部40を備えている。この滴下部40は、試料通過配管4aを通過する試料液Xをエアの押し出しにより作用極に滴下するものである。
滴下部40は、試料通過配管4aに相互に所定距離離して配設された一対のバルブ、すなわち上流側バルブ4bおよび下流側バルブ4cを備えている。
前記両バルブ4b,4c間の試料通過配管4aにおいて、上流側バルブ4bに隣接する位置に、エア供給管42の下流端が接続されている。エア供給管42の上流端は所定のエア供給源(例えば圧縮エアタンク)46に接続されている。
前記両バルブ4b,4c間の試料通過配管4aにおいて、下流側バルブ4cに隣接する位置に、採取用配管43の上流端が接続されている。採取用配管43の下流端はノズル41になっている。ノズル41は、電解セル10aの内部に突入し、先端部が作用極の炭素繊維フェルトの近傍まで延びていることが好ましい。
ノズル41、すなわち採取用配管43の作用極側の端部は、テーパー状に形成され、先細り形状であることが好ましい。これにより、ノズル41から吐出する試料液Xの飛散が抑制されるので、試料液Xはかたまって作用極に滴下され、試料液Xの残留塩素濃度の測定精度を高めることができて好ましい。
前記エア供給管42にエア供給用バルブ44が配設され、前記採取用配管43に採取用バルブ45が配設されている。
以上の各バルブ4b,4c,44,45は、それぞれ、開閉することにより、そこを通過する流体の流れを許可または禁止する。
この滴下部40において、試料液Xを作用極に滴下しないときは、図示しない制御盤からの信号により、試料通過配管4a上の上流側バルブ4bおよび下流側バルブ4cが開かれると共に、エア供給管42上のエア供給用バルブ44および採取用配管43上の採取用バルブ45が閉じられる。エア供給用バルブ44が閉じられることにより、エア供給源46からエアが試料通過配管4aに導入されることがない。また、採取用バルブ45が閉じられることにより、試料通過配管4aを流れる試料液Xが採取用配管43に分岐することがない。そして、上流側バルブ4bおよび下流側バルブ4cが開かれることにより、試料通過配管4aを流れる試料液Xはそのまま試料通過配管4aを直進する。
一方、この滴下部40において、試料液Xを作用極に滴下するときは、前記制御盤からの信号により、上流側バルブ4bおよび下流側バルブ4cが閉じられると共に、エア供給用バルブ44および採取用バルブ45が開かれる。これにより、試料通過配管4aを流れる試料液Xの一部がエアの押し出しにより作用極に滴下される。より詳しくは、上流側バルブ4bおよび下流側バルブ4cが閉じられることにより、試料通過配管4aを流れていた試料液Xの一部が前記バルブ4b,4c間に計量されると同時に閉じ込められる。そして、エア供給用バルブ44が開かれることにより、エア供給源46からエアが前記バルブ4b,4c間の試料通過配管4aに上流側バルブ4bに隣接する位置から導入される。また、採取用バルブ45が開かれることにより、前記バルブ4b,4c間に閉じ込められていた所定量の試料液Xがエアの圧力を受けて採取用配管43に押し出され、ノズル41から作用極に一気に滴下される(これを「ショット」という)。
以上のことから、測定装置10は、自動で微量の試料液Xを精度よく計量し、しかも連続的に作用極に滴下することができる。そのため、この測定装置10を用いることにより、試料液Xの残留塩素濃度を自動で連続的に長時間でも測定することができる。
測定装置10は、試料通過配管4aを流れる試料液Xの残留塩素濃度を所定の時間間隔で連続的に測定する。そのため、上述のような試料液Xの滴下(すなわちショット)が、試料液Xが試料通過配管4aを流れている期間中、前記時間間隔で連続的に自動で行われる。
(2)バラスト水処理装置
次に、図2を参照して、本実施形態に係るバラスト水処理装置1を説明する。
上述のように、本実施形態に係る測定装置10は、自動で微量の試料液Xを精度よく計量し、しかも連続的に作用極に滴下することができる。そのため、この測定装置10を用いることにより、試料液Xの残留塩素濃度を自動で連続的に長時間でも測定することができる。したがって、用途としては、限定されるものではなく、例えば、上水や下水処理の放流水、プールの水、公衆浴場の温水、食品工場でのビンの洗浄液等、各種用途に使用可能であり、残留塩素濃度の管理やモニタリング(監視)一般に広く好ましく適用されるものである。ここでは、一例として、バラスト水処理装置を挙げて説明するが、単なる例示に過ぎないことはいうまでもない。また、図2は、本実施形態に係る前記測定装置10を用いたバラスト水処理装置の一例を示すが、これもまた例示に過ぎず、これに限定されるものではない。
このバラスト水処理装置(以下単に「処理装置」という)1は、国際航路を運行する船舶(図示せず)に備えられている。船舶から排出されるバラスト水に含まれる生物が環境汚染を引き起こす事例があった。そこでIMO(国際海事機関)で排出水中の生物数を制限する「バラスト水管理条約」が2004年に採択された。この条約に適合するにはバラスト水に含まれる生物を殺滅処理することが必要である。そのため紫外線や薬剤を使ったシステムが提案されている。中でも、塩素やオゾンを使って殺滅処理するシステムが多い。この場合、バラスト水の排出に際しては処理水を無毒にすることが必要である。具体的には残留塩素濃度を0.2mg/L(0.2ppm)以下として排出することが必要である。そのため処理水の残留塩素濃度を常時モニタリング(監視)することが必要である。
本実施形態では、上述の測定装置10が、前記モニタリングのため、塩素やオゾンを使って生物を殺滅処理したバラスト水を自動でサンプリングし、サンプリングしたバラスト水(すなわち試料液)の残留塩素濃度を自動で連続的に測定するための装置として好適に使用されるものである。
処理装置1は、船外から海水を導入するための導水管2と、船外へバラスト水を排出するための排水管3とを備えている。導水管2および排水管3は、第1循環管4、第2循環管5、および入出管6を介してバラストタンクBTに接続されている。
導水管2の下流端と、第1循環管4の上流端と、第2循環管5の下流端とが第1切替バルブ7に接続されている。この第1切替バルブ7は、第2循環管5の下流端を遮断して導水管2の下流端と第1循環管4の上流端とを連通する漲水時流路と、導水管2の下流端を遮断して第2循環管5の下流端と第1循環管4の上流端とを連通する排水時流路とを選択可能に構成されている。
排水管3の上流端と、第1循環管4の下流端と、第2循環管5の上流端と、入出管6の反タンク側端部とが第2切替バルブ8に接続されている。この第2切替バルブ8は、排水管3の上流端および第2循環管5の上流端を遮断して第1循環管4の下流端と入出管6の反タンク側端部とを連通する漲水時流路と、入出管6の反タンク側端部と第2循環管5の上流端とを連通すると共に第1循環管4の下流端と排水管3の上流端とを連通する排水時流路とを選択可能に構成されている。
第1循環管4にケミカルユニットCUが備えられている。ケミカルユニットCUは、第1循環管4を流れる海水またはバラスト水に含まれる生物を殺滅するための薬剤(例えば次亜塩素酸カルシウム)やバラスト水の残留塩素を中和するための中和剤(例えば亜硫酸ナトリウム)を配合するためのものである(中和剤配合手段)。
ケミカルユニットCUの上流で、第1循環管4に、上述の測定装置10が備えられている。この測定装置10は、バラスト水が通過する試料通過配管4aを介して第1循環管4に接続されている。すなわち、試料通過配管4aは、ケミカルユニットCUの上流で、第1循環管4から分岐し再び第1循環管4に合流する細管である。バラスト水の排水時、第1循環管4を通過するバラスト水の一部がこの試料通過配管4aに流入する。この試料通過配管4aに流入したバラスト水が前記エアの押し出しによるショットにより電解セル10a中の作用極に滴下されるように上述の測定装置10が採取用配管43を介して試料通過配管4aに接続されている。
バラストタンクBTにバラスト水を漲る漲水時(バラスティング時)は、第1切替バルブ7および第2切替バルブ8は漲水時流路を選択する。これにより、船外から導入された海水が、矢印a,b,c,dの順に、導水管2、第1切替バルブ7、第1循環管4、第2切替バルブ8、および入出管6を経由して、バラストタンクBTへ供給される。
この漲水時、ケミカルユニットCUにより、第1循環管4を通過する海水に生物を殺滅するための薬剤(例えば次亜塩素酸カルシウム)が配合される。これにより、バラスト水を海洋に排水しても、生態系の撹乱や伝染病の拡散が抑制される。
バラストタンクBTからバラスト水を排出する排水時(デバラスティング時)は、第1切替バルブ7および第2切替バルブ8は排水時流路を選択する。これにより、バラストタンクBT内のバラスト水が、矢印d,e,c,fの順に、入出管6、第2切替バルブ8、第2循環管5、第1切替バルブ7、第1循環管4、第2切替バルブ8、および排水管3を経由して、船外へ排出される。
この排水時、第1循環管4を通過するバラスト水の一部が試料通過配管4aに分岐して試料通過配管4aを流れる。その際、上述したように、測定装置10の滴下部40が、試料通過配管4aを通過するバラスト水をショットするときは、第1循環管4から試料通過配管4aに分岐したバラスト水の一部がエアの押し出しにより作用極に滴下され、ショットしないときは、第1循環管4から試料通過配管4aに分岐したバラスト水はそのまま第1循環管4に戻る。
前者の場合、試料通過配管4aを流れるバラスト水が試料液として所定量(例えば15〜200μL等の微量)サンプリングされ、測定装置10に供給され、残留塩素濃度が測定される。その結果、試料液(バラスト水)の残留塩素濃度が所定の基準値(例えば0.2ppm)を超えているときは、ケミカルユニットCUにより、第1循環管4を通過するバラスト水に残留塩素を中和するための中和剤(例えば亜硫酸ナトリウム)が配合される。これにより、バラスト水の残留塩素濃度が前記基準値以下に抑えられ、バラスト水を海洋に排水しても、海洋汚染が防止される。一方、試料液(バラスト水)の残留塩素濃度が前記基準値以下のときは、バラスト水は、中和剤が配合されることなく、そのまま海洋に排水される。
測定装置10は、バラスト水の排水時は、上述の制御盤により、バラスト水の残留塩素濃度を所定の時間間隔で連続的に自動で測定するように制御される。つまり、前記ショットが、バラスト水を排水している期間中、前記時間間隔で連続的に自動で行われる。
ここで、所定の時間間隔とは、例えば1.5分〜5分間隔等が好ましい。この間隔が過度に短い場合は、真の数値よりも低い数値を検出してしまう。これは、試料液をフェルトに吐出すると、その部分では電解液が一時的に希釈され濃度が下がってしまうためである。おおよそ1.5分の間隔を空ければ、フェルト内の電解液は拡散して均一濃度となるため正確な測定が可能となる。逆に5分以上の間隔では、測定自体には問題ないが、処理水の残留塩素濃度を常時モニタリング(監視)しているとはいい難い。もちろん、このバラスト水の排水時において残留塩素濃度を連続的に測定する際の時間間隔は、状況に応じて適宜変更しても構わない。
なお、図示しないが、導水管2にフィルタユニットを配設し、このフィルタユニットで、漲水時に、導水管2を通過する海水から比較的大型のプランクトンを除去することも好ましい。大型プランクトンを薬剤で殺滅しなくて済む分、薬剤の配合量が少なくて済むというコストメリットが得られる。
また、排水時に、ケミカルユニットCUにより、第1循環管4を通過するバラスト水に中和剤が配合された場合は、ケミカルユニットCUの下流において、再度、残留塩素濃度を測定することも好ましい。
(3)作用
以上のように、本実施形態に係る測定装置10は、試料液Xが滴下される作用極と、対極と、前記作用極と前記対極との間に介在されたイオン交換膜と、前記作用極および前記対極に含浸された電解液と、を備え、前記作用極と前記対極との間を流れる電流に基づいて前記試料液Xの残留塩素濃度を測定する。
その上で、測定装置10は、試料液Xが通過する試料通過配管4aと、前記試料通過配管4aを通過する試料液Xをエアの押し出しにより前記作用極に滴下する滴下部40と、を備えている。
この構成によれば、電気化学測定法による測定装置10において、試料通過配管4aを通過する試料液Xがエアの押し出しにより作用極に滴下されるので、前記試料液Xはエアの圧力を受けて一気に作用極に押し出され、短時間で作用極に滴下される。その結果、自動で微量の試料液Xを精度よく計量し、しかも連続的に作用極に滴下することができる測定装置10が提供される。そのため、この測定装置10を用いることにより、試料液Xの残留塩素濃度を自動で連続的に長時間でも測定することができる。
本実施形態では、前記滴下部40は、前記試料通過配管4aに相互に所定距離離して配設された一対のバルブ4b,4cと、前記一対のバルブ4b,4c間で前記試料通過配管4aに接続された採取用配管43と、前記一対のバルブ4b,4c間で前記試料通過配管4aにエアを供給可能なエア供給管42と、を備えている。
その上で、前記滴下部40は、前記一対のバルブ4b,4cを閉じることにより前記試料通過配管4a内で前記一対のバルブ4b,4c間に試料液Xを計量すると同時に閉じ込め、前記エア供給管42からエアを供給することにより前記閉じ込めた試料液Xを前記採取用配管43を通して前記作用極に滴下するように構成されている。
この構成によれば、試料通過配管4aに配設された一対のバルブ4b,4cを閉じ、エア供給管42からエアを供給するという簡単な動作で、試料通過配管4aを通過する試料液Xをガスの押し出しにより作用極に滴下することが安定、確実にできる。また、前記一対のバルブ4b、4cの間の距離に基づいて試料液Xの作用極への滴下量が設定される。
本実施形態では、前記エア供給管42にエア供給用バルブ44が配設され、前記滴下部40は、前記エア供給用バルブ44を開けることにより前記エア供給管42からエアを供給するように構成されている。
この構成によれば、エア供給管42に配設されたエア供給用バルブ44を開けるという簡単な動作で、エア供給管42からエアを供給することが安定、確実にできる。
本実施形態では、前記採取用配管43の作用極側の端部は、先細り形状である。
この構成によれば、前記採取用配管43の作用極側の端部から吐出する試料液Xの飛散が抑制されるので、試料液Xの残留塩素濃度の測定精度を高めることができる。
また、本実施形態に係る処理装置1は、バラスト水の残留塩素濃度を測定する測定手段と、前記測定手段の測定結果に応じて、バラスト水に中和剤を配合するケミカルユニットCUと、を備え、前記測定手段として、上述の測定装置10が用いられている。
この構成によれば、バラスト水の残留塩素濃度に応じてバラスト水に中和剤を配合するように構成された処理装置1において、バラスト水の残留塩素濃度を上述の測定装置10を用いて測定するので、バラスト水の残留塩素濃度を自動で連続的に長時間でも測定することができる。そのため、バラスト水の処理を長時間でも連続的に行うことができる。
(4)その他
試料液Xを電解セル10aにショットする際のエアの圧力やショットの時間等は、状況に応じて適宜設定される。
上流側バルブ4bと下流側バルブ4cとの間の距離、すなわち試料液Xの滴下量は、状況に応じて適宜設定される。
前記実施形態では、作用極と対極とを上下方向(縦方向)に並ぶように配置し、試料液Xを作用極に滴下(付与)したが、水平方向(横方向)に並ぶように配置してもよい。その場合、試料液Xのショット(付与)を作用極に対して水平方向(横方向)から行うようにする。
エアに代えて、窒素ガス、アルゴンガス等を用いてもよい。
1 バラスト水処理装置
4a 試料通過配管
4b 上流側バルブ(一対のバルブ)
4c 下流側バルブ(一対のバルブ)
10 残留塩素濃度測定装置(測定手段)
10a 電解セル
40 滴下部(付与手段)
41 ノズル(採取用配管の作用極側の端部)
42 エア供給管(ガス供給管)
43 採取用配管
44 エア供給用バルブ(ガス供給用バルブ)
45 採取用バルブ
CU ケミカルユニット(中和剤配合手段)
X 試料液(バラスト水)

Claims (5)

  1. 試料液が付与される作用極と、対極と、前記作用極と前記対極との間に介在されたイオン交換膜と、前記作用極および前記対極に含浸された電解液と、を備え、
    前記作用極と前記対極との間を流れる電流に基づいて前記試料液の残留塩素濃度を測定する残留塩素濃度測定装置であって、
    試料液が通過する試料通過配管と、
    前記試料通過配管を通過する試料液をガスの押し出しにより前記作用極に付与する付与手段と、を備えている、残留塩素濃度測定装置。
  2. 前記付与手段は、
    前記試料通過配管に相互に所定距離離して配設された一対のバルブと、
    前記一対のバルブ間で前記試料通過配管に接続された採取用配管と、
    前記一対のバルブ間で前記試料通過配管にガスを供給可能なガス供給管と、を備え、
    前記一対のバルブを閉じることにより前記一対のバルブ間に試料液を計量すると同時に閉じ込め、前記ガス供給管からガスを供給することにより前記閉じ込めた試料液を前記採取用配管を通して前記作用極に付与するように構成されている、請求項1に記載の残留塩素濃度測定装置。
  3. 前記ガス供給管にガス供給用バルブが配設され、
    前記付与手段は、前記ガス供給用バルブを開けることにより前記ガス供給管からガスを供給するように構成されている、請求項2に記載の残留塩素濃度測定装置。
  4. 前記採取用配管の作用極側の端部は、先細り形状である、請求項2または3に記載の残留塩素濃度測定装置。
  5. バラスト水の残留塩素濃度を測定する測定手段と、
    前記測定手段の測定結果に応じて、バラスト水に中和剤を配合する中和剤配合手段と、を備えているバラスト水処理装置であって、
    前記測定手段として、請求項1から4のいずれか1項に記載の残留塩素濃度測定装置が用いられている、バラスト水処理装置。
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