JP2015064263A - 環境試験装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】発熱量の大きい試料体であっても試料体の温度を試験温度に調節することができる環境試験装置を提供する。【解決手段】環境試験装置1は、通電によって発熱する試料体5を加熱しながら環境試験する装置である。環境試験装置1は、槽内温度の調節が可能な恒温槽2と、恒温槽2内に配置され、試料体5を加熱する加熱面6aを有するヒータブロック6と、加熱面6aを除いてヒータブロック6を覆い、ヒータブロック6を恒温槽2内の空気に対して断熱する断熱部材7と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、通電によって発熱する試料体を加熱しながら環境試験する環境試験装置に関するものである。
従来、パワー半導体などの電子部品の信頼性を確認する高温逆バイアス試験、パワー半導体などの電子部品の製造におけるスクリーニング(初期不良を除くこと)を目的としたバーンイン試験などが知られている。例えば高温逆バイアス試験は、パワー半導体に所定の電圧(例えば定格電圧の80%の電圧)を印加し、パワー半導体を通常使用時よりも高温の雰囲気に曝すことによってパワー半導体の信頼性を評価する試験である。この試験では、パワー半導体に電圧が印加されて通電されると、パワー半導体が発熱する。
このように自己発熱を伴う試料体の温度を一定に制御する方法としては、例えば恒温槽内に配置された試料体に放熱フィンを設けることが考えられる。また、他の方法としては、例えば試料体に送風するファンを設けて、このファンのオン、オフによって試料体の温度を制御することが考えられる。
従来のシリコンパワー半導体は、信頼性評価試験などの試験においてリーク電流が少ないため、試料体の自己発熱量も少なかったが、近年注目されている半導体であるシリコンカーバイドパワー半導体は、前記試験においてリーク電流が多く、例えば定格電圧の80%の電圧を印加する高温逆バイアス試験における試料体の自己発熱量は、数W〜10W程度にも達することがある。その一方で、前記試験においては、試料体の試験温度と試料体の実際の温度との偏差は1〜2℃未満に抑える必要がある。
特許文献1は、検査対象(DUT)毎にヒータを設け、ヒータのオン、オフによって自己発熱するDUTの温度調節を行うバーンイン装置を開示している。
特開2005−156172号公報
特許文献1のような従来の試験装置では、試料体の熱と、試料体を加熱するヒータの熱とが恒温槽の槽内に放散される。そして、上記のような自己発熱量の大きい試料体の試験を行う場合、試料体を加熱するヒータの熱量及び試料体の発熱量の総熱量が恒温槽の許容発熱負荷を超過して試料体の温度を試験温度に調節できない場合がある。具体的には次の通りである。
すなわち、試料体の温度を試験温度に調節するときには、前記総熱量が大きいほど恒温槽の槽内温度の槽内目標値を低く設定する必要があるが、通常の試験装置の恒温槽は、槽内の空気を加熱することができる一方で、冷却能力(冷凍能力)には限界があるので、恒温槽の槽内温度を低くすることにも限界がある。したがって、前記総熱量が恒温槽の許容発熱負荷の範囲内であれば、試料体の温度を試験温度に調節することができるが、前記総熱量が恒温槽の許容発熱負荷を超えると、試料体の温度を試験温度に調節することができない。
本発明の目的は、発熱量の大きい試料体であっても試料体の温度を試験温度に調節することができる環境試験装置を提供することである。
(1)本発明の環境試験装置は、通電によって発熱する試料体を加熱しながら環境試験する装置である。前記環境試験装置は、槽内温度の調節が可能な恒温槽と、前記恒温槽内に配置され、前記試料体を加熱する加熱面を有するヒータブロックと、前記加熱面を除いて前記ヒータブロックを覆い、前記ヒータブロックを前記恒温槽内の空気に対して断熱する断熱部材と、を備える。
この構成では、次の理由から、恒温槽が有する許容発熱負荷に対して、試料体の発熱量が占有できる範囲を従来に比べて大きくすることができる。これにより、この構成では、従来に比べて、発熱量の大きな試料体の環境試験が可能になる。
すなわち、従来の環境試験装置では、ヒータと恒温槽内の空気とは断熱されていないので、恒温槽内の空気には、試料体から熱が放散されるだけでなく、ヒータからも熱が放散される。したがって、恒温槽が有する許容発熱負荷に対して、試料体の発熱量が占有できる範囲は、許容発熱負荷からヒータの発熱量を引いた範囲となる。
これに対して、本発明では、ヒータブロックは、加熱面によって試料体を加熱する一方で、加熱面を除いてヒータブロックが断熱部材によって覆われて恒温槽内の空気に対して断熱されている。すなわち、ヒータブロックの出力は、恒温槽内の空気に対して直接放熱されるのではなく、加熱面を介して試料体に放熱され、この試料体を介して恒温槽内の空気に放熱される。したがって、恒温槽が有する許容発熱負荷に対して試料体の発熱量が占有できる範囲を従来に比べて大きくすることができる。これにより、この構成では、従来に比べて、発熱量の大きな試料体の環境試験が可能になる。
(2)前記環境試験装置は、前記試料体に通電した状態で前記試料体の温度(Tj)が試験温度(Tj0)に近づくように前記ヒータブロックの温度(Th)をヒータ目標値(Th0)に調節するとともに、前記槽内温度(Ta)を前記試験温度(Tj0)よりも小さい槽内目標値(Ta0)に調節する制御を行う温度制御部を含む制御手段を備えているのが好ましい。
上述したようにヒータブロックの出力は、恒温槽内の空気に対して直接放熱されるのではなく、加熱面を介して試料体に放熱され、この試料体を介して恒温槽内の空気に放熱される。この場合、試料体が試験温度(Tj0)に近づくように試料体を加熱する役割は、主にヒータブロックが担い、恒温槽は、試料体からの恒温槽内の空気への放熱が安定して行われるようにする役割を担う。したがって、槽内温度(Ta)は、試験温度(Tj0)よりも小さい槽内目標値(Ta0)に調節される。そして、槽内温度(Ta)が槽内目標値(Ta0)に調節されることによって、試料体から安定して放熱が行われるので、試料体の温度調節の精度をより高めることができる。
また、この構成では、上記のような温度制御部を備えているので、前記恒温槽内において複数の試料体を同時に試験する場合であっても、温度制御部は、各試料体の温度(Tj)が試験温度(Tj0)に近づくように、各試料体に対応するヒータブロックの温度(Th)を各試料体に対応するヒータ目標値(Th0)に調節するとともに、前記槽内温度(Ta)を前記試験温度(Tj0)よりも小さい槽内目標値(Ta0)に調節することによって、発熱量の異なる複数の試料体を同時に試験することができ、複数の試料体の温度(Tj)をすべて同じ試験温度(Tj0)で試験することができる。
(3)前記環境試験装置において、前記制御手段は、前記ヒータブロックのヒータ出力(P)、前記試験温度(Tj0)、及び前記ヒータブロックと前記試料体との間の第1熱抵抗に基づいて前記ヒータ目標値(Th0)を算出し、前記ヒータブロックのヒータ出力(P)、前記試験温度(Tj0)、及び前記試料体と前記恒温槽内の空気との間の第2熱抵抗に基づいて前記槽内目標値(Ta0)を算出する目標値算出部を含んでいるのが好ましい。
上述したようにヒータブロックは、断熱部材によって覆われて恒温槽内の空気に対して断熱されているので、この構成では、例えば、後述する図6に示されるような等価熱抵抗モデルが近似的に成り立つ。したがって、目標値算出部は、ヒータブロックのヒータ出力(P)、試験温度(Tj0)、及び第1熱抵抗に基づいてヒータ目標値(Th0)を算出し、ヒータブロックのヒータ出力(P)、試験温度(Tj0)、及び第2熱抵抗に基づいて槽内目標値(Ta0)を算出することができる。
(4)前記環境試験装置において、前記制御手段は、前記試料体の温度(Tj)と前記試験温度(Tj0)との偏差が小さくなるように、前記偏差に基づいて前記ヒータ目標値(Th0)を設定変更するヒータ目標値変更部を含んでいるのが好ましい。
この構成では、ヒータ目標値変更部が前記偏差に基づいてヒータ目標値(Th0)を設定変更するので、試料体の温度(Tj)を試験温度(Tj0)に精度よく近づけることができる。
(5)前記環境試験装置において、前記制御手段は、前記第1熱抵抗及び前記第2熱抵抗を算出する熱抵抗算出部を含んでいるのが好ましく、この場合において、前記熱抵抗算出部は、前記試料体に通電していない状態で、前記ヒータブロックの温度(Th)を暫定的なヒータ暫定値(Th1)に調節するとともに、前記槽内温度(Ta)を暫定的な槽内暫定値(Ta1)に調節し、温度平衡に達した後の前記試料体の温度(Tj)、前記ヒータブロックのヒータ出力(P)、及び前記ヒータ暫定値(Th1)に基づいて前記第1熱抵抗を算出し、温度平衡に達した後の前記試料体の温度(Tj)、前記ヒータブロックのヒータ出力(P)、及び前記槽内暫定値(Ta1)に基づいて前記第2熱抵抗を算出する。
上述したようにヒータブロックは、断熱部材によって覆われて恒温槽内の空気に対して断熱されているので、この構成では、例えば、後述する図6に示されるような等価熱抵抗モデルが近似的に成り立つ。したがって、このような熱抵抗モデルに基づいて、熱抵抗算出部は、上述のように第1熱抵抗及び第2熱抵抗を算出することができる。そして、算出された第1熱抵抗及び第2熱抵抗を用いて、槽内目標値(Ta0)などを算出することができる。すなわち、この構成では、放熱系の熱抵抗を自動測定して試験条件を求めることができる。
(6)前記環境試験装置において、前記制御手段は、前記試料体の発熱量(Ps)が増加して前記発熱量(Ps)と前記ヒータブロックのヒータ出力(P)の設定値(P0)との関係が所定の条件を満たすと、前記ヒータ出力(P)の設定値(P0)をより大きな値に設定変更し、設定変更された前記ヒータブロックのヒータ出力(P)の設定値(P0)から前記ヒータ目標値(Th0)を再算出し、設定変更された前記ヒータブロックのヒータ出力(P)の設定値(P0)、前記試験温度(Tj0)、及び前記第2熱抵抗に基づいて前記槽内目標値(Ta0)を再算出し、再算出された値に前記槽内目標値(Ta0)を再設定する槽内目標値変更部を含んでいるのが好ましい。
この場合には、恒温槽の槽内温度を調節するための発熱量を最小にした状態で試験を行うことができるとともに、恒温槽の許容発熱負荷限界まで試験を自動継続することができる。具体的には次の通りである。すなわち、試料体の中で最も発熱する試料体の発熱量が例えば10Wとすると、ヒータブロックのヒータ最大電力(ヒータ出力(P)の設定値(P0))を10W+αとして槽内温度の設定が行われる。試験時間の経過とともに試料体の発熱量が増えてくると、ヒータブロックのヒータ出力(P)の設定値(P0)を上昇させて試料体の温度(Tj)の制御温度幅を確保し、その一方で槽内温度の槽内目標値(Ta0)を低くする。このように試料体の発熱量(Ps)の増加に応じてヒータブロックのヒータ出力(P)の設定値(P0)をより大きな値に設定変更することにより、ヒータブロックのヒータ出力(P)をできるだけ小さく抑えることができる。これにより、ヒータの出力電力を最小値としながら、恒温槽の許容発熱負荷限界まで試験を行うことができる。
(7)前記環境試験装置は、前記試料体の熱を放散するための放熱板を備えているのが好ましい。放熱板は、試料体と恒温槽内の空気との間の熱抵抗を低くするために設けられる。この熱抵抗が低くなると、恒温槽の槽内温度(Ta)の槽内目標値(Ta0)は高く設定される。これにより、恒温槽の許容発熱負荷は大きくなり、試料体の発熱量をより多く許容できることになる。
以上説明したように、本発明によれば、発熱量の大きい試料体であっても試料体の温度を試験温度に調節することができる環境試験装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る環境試験装置を示す正面図である。 前記実施形態に係る環境試験装置の試料配置台及びこれに支持された試料体を示す平面図である。 前記実施形態に係る環境試験装置の概略の構成を示すブロック図である。 前記実施形態に係る環境試験装置におけるヒータブロック、試料体、断熱部材及び放熱板を示す断面図である。 前記実施形態に係る環境試験装置における制御ブロック図である。 前記実施形態に係る環境試験装置における等価熱抵抗モデルを示す図である。 前記実施形態に係る環境試験装置における等価熱抵抗モデルを示す図である。 前記実施形態に係る環境試験装置における等価熱抵抗モデルを示す図である。 (A),(C)は、本実施形態に係る環境試験装置を用いて環境試験を行ったときの試料体の温度と試験温度(目標値)との関係を示すグラフであり、(B),(D)は、従来の環境試験装置を用いて環境試験を行ったときの試料体の温度と試験温度(目標値)との関係を示すグラフである。
<環境試験装置の構造>
以下、本発明の実施形態に係る環境試験装置1ついて図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る環境試験装置1を示す正面図である。環境試験装置1は、通電によって発熱する試料体5を加熱しながら環境試験するための装置である。環境試験装置1は、パワー半導体などの電子部品の信頼性を確認する高温逆バイアス試験、バーンイン試験などの信頼性評価試験を行うことができる。
環境試験装置1では、試料体に通電しながら試料体5を通常の使用温度よりも高い温度の空気中に曝して試料体5に温度ストレスを与えることによって試料体5の促進劣化試験を行う。また、環境試験装置1では、試料体5に対して、所定の電圧(例えば試料体5の定格電圧、定格電圧の80%の電圧など)を印加することもできる。
通電によって発熱する試料体としては、シリコンパワー半導体、シリコンカーバイドパワー半導体などを用いた電子部品が挙げられる。特に、シリコンカーバイドパワー半導体は、高温逆バイアス試験においてリーク電流が大きくなるが、本実施形態の環境試験装置1を用いることにより、発熱する試料体の温度と試験温度との偏差を小さくすることができ、これにより、信頼性試験の精度を高めることができる。具体的には、試料体5としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、C−MOS FET(Complementary Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、システムLSI(System Large Scale Integration)、DSP(Digital Signal Processor)などのように通電時の発熱量が大きなものが例示できる。
図2は、環境試験装置の試料配置台4及びこれに支持された試料体5を示す平面図である。図3は、本実施形態に係る環境試験装置の概略の構成を示すブロック図である。図1〜図3に示すように、環境試験装置1は、恒温槽2と、恒温槽2内に設けられた複数の試料配置台4と、各試料配置台4の上面に設けられた複数のヒータブロック6と、各ヒータブロック6の一部を覆う断熱部材7と、環境試験装置1を制御する制御手段10とを備える。恒温槽2は、例えば直方体形状を呈しており、図略の操作パネルなどが設けられている。
恒温槽2は、複数の試料配置台4を収容する収容空間3を形成する箱体である。恒温槽2は、収容空間3を囲む断熱壁を有する。恒温槽2は、槽内の空気の温度を所定の温度に調節することができる。恒温槽2は、槽内温度を調節するための温度調節機構を備える。この温度調節機構は、図3に示すように、恒温槽2内の空気(収容空間3内の空気)の温度を検知する温度センサ31、恒温槽2内の空気を加熱するヒータ32、恒温槽2内の空気の流れを形成するファン33などを含む。恒温槽2は、恒温槽2内の空気を冷却する冷却機構(冷凍機)を備えていない。なお、恒温槽2は、冷却機構(冷凍機)を備えていてもよい。
恒温槽2内には、図4に示すように試料体5の温度を検知する温度センサ51が設けられている。この温度センサ51は、試料体5内に予め設けられていてもよく、試料体5の表面に取り付けられるものであってもよい。温度センサ51が試料体5内に設けられている場合には、この温度センサ51によって検知される温度は、試料体(半導体デバイス)の接合部温度(ジャンクション温度)である。また、温度センサ51が試料体5の表面に取り付けられている場合には、予めジャンクション温度と試料体5の表面温度との温度差(ΔT℃)を、別途計測された熱抵抗に基づいて求めておく。この温度差と温度センサ51によって検知される温度とに基づいて、ジャンクション温度を求めることができる。恒温槽2は、湿度調整機能を備えた恒温恒湿槽としてもよい。
図2に示すように、各試料配置台4は、複数の試料体5を支持することができる。環境試験装置1は、これらの試料体5に対して、通電するための図略の電圧印加ユニットを備える。複数の試料配置台4は上下方向に配列されている。
図1及び図4に示すように、本実施形態では、試料配置台4の上面には、断熱部材7、ヒータブロック6、試料体5及び放熱板8がこの順に配置されている。放熱板8は、必須のものではなく、省略することができる。
ヒータブロック(ヒータプレート)6は、上下方向の厚みが水平方向の寸法よりも小さい扁平形状を呈しており、平面視で矩形状を有するプレート状の部品である。ただし、ヒータブロック6の形状は、矩形状に限られず、また、プレート状に限られない。ヒータブロック6は、試料体5が配置される加熱面(上面)6aと、この加熱面6aの反対側の下面6bと、加熱面6a及び下面6bの周縁同士を接続している側面6cとを有する。本実施形態では、加熱面6aは平面であるがこれに限られない。加熱面6aに対向する試料体5の被加熱面(下面)5bは、加熱面6aに接している。これにより、試料体5は、ヒータブロック6によって加熱される。
図4に示すように、ヒータブロック6は、温度センサ61と、ヒータ62と、これらを支持するブロック本体63とを含む。本実施形態では、温度センサ61及びヒータ62はブロック本体63に収容されているが、これに限られない。温度センサ61は、例えばブロック本体63の表面(外面)に設けられていてもよい。
断熱部材7は、ヒータブロック6を恒温槽2内の空気に対して断熱するために、ヒータブロック6の一部を覆っている。すなわち、断熱部材7は、ヒータブロック6の加熱面6aを除いてヒータブロック6を覆っている。本実施形態では、断熱部材7は、ヒータブロック6における加熱面6aを除く部分を覆っており、具体的には、下面6bと側面6cを覆っている。断熱部材7は、ヒータブロック6の下面6bに対向する底部71と、ヒータブロック6の側面6cに対向する側部72とを有する。
断熱部材7の材料としては、種々の断熱材料を用いることができ、特に限定されるものではないが、例えば発泡樹脂やグラスウールなどを用いることができる。発泡樹脂の原料となる合成樹脂としては、例えばポリウレタン、ポリスチレン、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)などを例示できる。
放熱板8は、試料体5の上面(放熱面)5aに接する対向面(下面)8bと、その反対側の放熱面(上面)8aとを有する。本実施形態では、放熱板8は、平板形状を呈しているが、これに限られない。放熱板8は、例えば放熱面8aに図略の複数のフィンなどが設けられていてもよい。放熱板8は、金属などの熱伝導性に優れる材質により形成されている。放熱板8としては、例えばアルミニウム、銅などの金属板、シリコンゴムシートなどの樹脂板などが例示できる。試料体5で生じた熱は、放熱板8に伝達され、この放熱板8から恒温槽2内の空気に放熱される。ただし、上述したように放熱板8は省略可能である。
図5は、本実施形態に係る環境試験装置1における制御ブロック図である。なお、以下では、温度センサ31によって検知される恒温槽2内の空気の温度を温度Taとし、恒温槽2内の空気の温度Taの目標値を槽内目標値Ta0とする。また、温度センサ51によって検知される試料体5の温度を温度Tjとし、試料体5の温度の目標値を試験温度Tj0とする。また、温度センサ61によって検知されるヒータブロック6の温度を温度Thとし、ヒータブロック6の温度の目標値をヒータ目標値Th0とする。また、ヒータブロック6のヒータ出力を加熱電力Pとし、加熱電力Pの目標値を設定値P0とする。
図5に示すように、制御手段10は、図略の中央演算処理装置、メモリなどを有する。制御手段10の機能には、温度制御部11、熱抵抗算出部12、目標値算出部13、ヒータ目標値変更部14、槽内目標値変更部15、記憶部16などが含まれている。制御手段10は、ヒータブロック6の温度Thを検知する温度センサ61、槽内温度Taを検知する温度センサ31、及び試料体5の温度を検知する温度センサ51からの温度データを受けて、これらの温度データに基づいてヒータブロック6の温度、恒温槽2内の温度などを調節する制御を行う。
温度制御部11は、前記試料体5に通電した状態で試料体5の温度Tjが試験温度Tj0に近づくように、ヒータブロック6の温度Thをヒータ目標値Th0に調節するとともに、槽内温度Taを試験温度Tj0よりも小さい槽内目標値Ta0に調節する制御を行う。
熱抵抗算出部12は、後述する第1熱抵抗Rth(h−Tj)及び第2熱抵抗Rth(Tj−Ta)を算出する。
目標値算出部13は、ヒータブロック6の出力の設定値P0、試験温度Tj0、及び第1熱抵抗Rth(h−Tj)に基づいてヒータ目標値Th0を算出し、ヒータブロック6のヒータ出力の設定値P0、試験温度Tj0、及び第2熱抵抗Rth(Tj−Ta)に基づいて槽内目標値Ta0を算出する。
ヒータ目標値変更部14は、試料体5の温度Tjと試験温度Tj0との偏差を小さくするために、前記偏差に基づいてヒータ目標値Th0を設定変更する。
槽内目標値変更部15は、試料体5の発熱量が増加してこの発熱量とヒータブロック6のヒータ出力Pの設定値P0との関係が所定の条件を満たすと、ヒータ出力Pの設定値P0をより大きな値に設定変更し、設定変更されたヒータ出力Pの設定値P0、試験温度Tj0、及び第2熱抵抗Rth(Tj−Ta)に基づいて槽内目標値Ta0を算出する。
記憶部16は、試験温度Tj0、ヒータ目標値Th0、槽内目標値Ta0、ヒータ出力の設定値P0などを記憶する。
なお、本実施形態では、図3に示すように、制御手段10は、ヒータブロック6の温度を調節する温度調節器10Aと、これ以外の制御を行うコントローラ10Bとを備えているが、これに限られない。例えば、制御手段10は、温度調節器10Aとコントローラ10Bとが一体に形成されたものであってもよい。
<環境試験装置の動作>
次に、本実施形態に係る環境試験装置1の動作について説明する。環境試験装置1による環境試験は、下記の試料体配置ステップ、熱抵抗測定ステップ、初期目標値算出ステップ、及び本試験ステップを含む環境試験方法を実行する。
(試料体配置ステップ)
試料配置ステップでは、例えば図1及び図2に示すように複数の試料体5が試料配置台4上の所定の位置に配置される。具体的には、図4に示すように各試料体5は、ヒータブロック6の加熱面6a上に搭載される。各試料体5の放熱面5a側には、必要に応じて放熱板8が配置される。試料体5を配置した試料配置台4は、恒温槽2内の所定の位置に配置される。その後、恒温槽2の図略の扉が閉じられる。
(熱抵抗測定ステップ)
次に、熱抵抗測定ステップが行われる。図6は、本実施形態に係る環境試験装置1における等価熱抵抗モデルを示す図である。本実施形態では、ヒータブロック6は、加熱面6aを除く部分が断熱部材7によって覆われており、恒温槽2内の空気に対して断熱されている。すなわち、ヒータブロック6の熱の大半は、恒温槽2内の空気に直接放散されず、試料体5に伝わる。したがって、本実施形態では、図6に示すような熱抵抗モデルが近似的に成り立つ。
そして、本実施形態では、熱抵抗測定ステップにおいて、熱抵抗算出部12は、ヒータブロック6と試料体5との間の第1熱抵抗Rth(h−Tj)と、試料体5と恒温槽2内の空気との間の第2熱抵抗Rth(Tj−Ta)とを、例えば次のように算出する。
熱抵抗算出部12は、試料体5に電圧を印加せず通電していない状態で、ヒータブロック6の温度Thを暫定的なヒータ暫定値Th1に調節するとともに、槽内温度Taを暫定的な槽内暫定値Ta1に調節する。槽内暫定値Ta1は、ヒータ暫定値Th1よりも小さい値に設定される。槽内暫定値Ta1及びヒータ暫定値Th1の値は、試験温度Tj0の近傍に設定されるのが好ましい。これにより、実際の試験温度Tj0に近い温度域における熱抵抗を得ることができ、また、熱抵抗測定ステップ以降のステップにおける恒温槽2及びヒータブロック6の予熱も兼ねることができる。具体的に、ヒータ暫定値Th1は、例えば試験温度Tj0に設定され、槽内暫定値Ta1は、ヒータ暫定値Th1よりも数度〜十数度低い値(例えばヒータ暫定値Th1よりも約10℃低い値)に設定されることができるが、これに限られない。
そして、温度制御部11は、槽内の温度Taを槽内暫定値Ta1に調節し、ヒータブロック6の温度Thをヒータ暫定値Th1に調節する制御を行い、これらの系は温度平衡に達する。温度平衡に達した後の熱抵抗モデルは、例えば図7によって示される。
熱抵抗算出部12は、温度平衡に達した後のヒータ出力Pと、温度平衡に達した後の試料体5の温度Tjと、槽内暫定値Ta1と、ヒータ暫定値Th1とから、第1熱抵抗Rth(h−Tj)と第2熱抵抗Rth(Tj−Ta)を下式に基づいて算出する。
すなわち、温度平衡に達した後の関係式は、次の通りである。
Tj=Th1−Rth(h−Tj)×P ・・・(1)
Ta1=Tj―Rth(Tj−Ta)×P ・・・(2)
これらの式(1),(2)より各熱抵抗が次のように求められる。
第1熱抵抗Rth(h−Tj)=(Th1−Tj)/P ・・・(3)
第2熱抵抗Rth(Tj−Ta)=(Tj−Ta1)/P ・・・(4)
(初期目標値算出ステップ)
次に、目標値算出部13は、後述する本試験を開始するときのヒータ目標値Th(初期ヒータ目標値Th0)及び本試験を開始するときの槽内目標値Ta0(初期槽内目標値Ta0)を次式に基づいて算出する。
すなわち、本試験を開始するときのヒータ出力Pの設定値P0(初期設定値P0)と、試験温度Tj0とが予め設定され、これらの設定値P0及び試験温度Tj0を下式(5),(6)に代入することによって初期槽内目標値Ta0及び初期ヒータ目標値Th0を算出する。
Th0=Tj0+Rth(h−Tj)×P0 ・・・(5)
Ta0=Tj0−Rth(Tj−Ta)×P0 ・・・(6)
すなわち、初期ヒータ目標値Th0は、初期設定値P0、試験温度Tj0、及び第1熱抵抗Rth(h−Tj)に基づいて算出される。初期槽内目標値Ta0は、初期設定値P0、試験温度Tj0、及び第2熱抵抗Rth(Tj−Ta)に基づいて算出される。
(本試験ステップ)
次に、制御手段10は、試料体5に通電しながら試料体5を通常の使用温度よりも高い温度(試験温度Tj0)の空気中に曝して試料体5に温度ストレスを与える本試験を実行する。具体的には次の通りである。
まず、温度制御部11は、試料体5に電圧を印加して通電した状態で試料体5の温度を試験温度Tj0に近づけるために、ヒータブロック6の温度をヒータ目標値Th0(初期ヒータ目標値Th0)に調節するとともに、槽内温度を試験温度Tj0よりも小さい槽内目標値Ta0(初期槽内目標値Ta0)に調節する制御を行う。
この本試験ステップでは、試料体5に通電されているので、試料体5自体が発熱する。このときの発熱量Psを考慮に入れた熱抵抗モデルは、例えば図8によって示される。ヒータブロック6の温度Thは、ヒータ目標値Th0に調節されるので、ヒータ出力Pは、図8に示すように初期設定値P0よりも小さい値(P0−Ps)となる。値Psは、試料体5の発熱量である。
図8に示す熱抵抗モデルでは、試料体5の温度Tjは、下式(7)のようになり、試料体5が発熱していないときに比べて、[Rth(h−Tj)×Ps]だけ高くなる。
Tj=Th0−Rth(h−Tj)×(P0−Ps) ・・・(7)
したがって、制御手段10は、本試験における実際の制御では、試験温度Tj0と試料体5の温度Tjとの差を監視して、これらに温度偏差がある場合には、この偏差をヒータブロック6の温度Thの設定値Th0に反映し、その結果として試料体5の温度Tjが試験温度Tj0に一致又は近似するように制御する。
具体的には、ヒータ目標値変更部14は、試験温度Tj0に対して試料体5の温度Tjが高い場合には、ヒータブロック6の温度Thの設定値Th0をより小さい値に再設定し、試験温度Tj0に対して試料体5の温度Tjが低い場合には、ヒータブロック6の温度Thの設定値Th0をより大きい値に再設定する。再設定前と再設定後の設定値の差は、予め定められた一定値であってもよく、前記偏差に応じて大きさが変わる値であってもよい。
また、制御手段10のコントローラ10Bは、ヒータブロック6の出力P(加熱量)をモニタしている。本試験中に試料体5の発熱量Psが増加し、この発熱量Psとヒータ出力Pの設定値P0との関係が所定の条件を満たすと、槽内目標値変更部15は、槽内目標値Ta0を例えば次のように再設定する制御を行う。
すなわち、試料体5の発熱量Psがヒータ出力Pの設定値P0(ヒータの最大出力P0)に対して予め定められた所定の範囲内に近づいた場合、槽内目標値変更部15は、ヒータ出力Pの設定値P0(ヒータの最大出力P0)をより大きな値に再設定する。そして、この設定変更された設定値(P0)からヒータブロック6の温度Thの設定値Th0が再算出される。また、槽内目標値変更部15は、上述した式(6)に基づいて、槽内目標値Ta0を算出し、その値を槽内目標値Ta0に再設定する。
Ta0=Tj0−Rth(Tj−Ta)×P0 ・・・(6)
そして、予め定められた本試験の試験時間が経過するなどの試験終了のタイミングに到達すると、制御手段10は、試料体5への通電、ヒータブロック6のヒータ62への通電、恒温槽2のヒータ32への通電などを停止するように各部位を制御する。
なお、上述した各ステップにおいては、恒温槽2のファン33を適宜運転するのが好ましく、これによって恒温槽2内の空気が均一化される。
<試験結果>
図9(A),(C)は、本実施形態に係る環境試験装置1を用いて環境試験を行ったときの試料体の温度と試験温度(目標値)との関係を示すグラフである。図9(B),(D)は、従来の環境試験装置を用いて環境試験を行ったときの試料体の温度と試験温度(目標値)との関係を示すグラフである。
図9(A),(B)は、互いに同じ試料体5を用いたときの試験結果である。図9(C),(D)は、互いに同じ試料体5を用いたときの試験結果である。図9(C),(D)に示す試験では、図9(A),(B)における試料体5よりも発熱量Psが大きい試料体5を用いた。また、図9(A),(C)に示す試験結果は、図3−5に示す構成を備える環境試験装置1を用いて、上述した試料体配置ステップ、熱抵抗測定ステップ、初期目標値算出ステップ、本試験ステップを含む制御をしたときの試験結果である。また、図9(B)、(D)に示す試験結果は、ヒータブロックが断熱部材によって覆われていない環境試験装置を用いたときの試験結果である。
図9(A)−(D)に示される何れの試験においても、試験温度Tj0は150℃に設定されている。
図9(A)−(D)に示すように、本実施形態に係る環境試験装置1では、従来の環境試験装置に比べて、試料体5の温度Tjと試験温度Tj0との偏差が非常に小さく抑えられていることがわかる。
<実施形態のまとめ>
以上説明したように、本実施形態では、恒温槽2が有する許容発熱負荷に対して、試料体5の発熱量が占有できる範囲を従来に比べて大きくすることができる。これにより、この構成では、従来に比べて、発熱量の大きな試料体5の環境試験が可能になる。
すなわち、従来の環境試験装置では、ヒータと恒温槽内の空気とは断熱されていないので、恒温槽内の空気には、試料体から熱が放散されるとともに、ヒータからも熱が放散される。したがって、恒温槽が有する許容発熱負荷に対して、試料体の発熱量が占有できる範囲は、許容発熱負荷からヒータの発熱量を引いた範囲となる。
これに対して、本実施形態では、ヒータブロック6は、加熱面6aによって試料体5を加熱する一方で、加熱面6aを除いてヒータブロック6が断熱部材7によって覆われて恒温槽2内の空気に対して断熱されている。すなわち、ヒータブロック6の出力は、恒温槽2内の空気に対して直接放熱されるのではなく、加熱面6aを介して試料体5に放熱され、この試料体5を介して恒温槽2内の空気に放熱される。したがって、恒温槽2が有する許容発熱負荷に対して試料体5の発熱量が占有できる範囲を従来に比べて大きくすることができる。これにより、この構成では、従来に比べて、発熱量の大きな試料体5の環境試験が可能になる。
本実施形態では、環境試験装置1は、試料体5に通電した状態で試料体5の温度Tjが試験温度Tj0に近づくように、ヒータブロック6の温度Thをヒータ目標値Th0に調節するとともに、槽内温度Taを試験温度Tj0よりも小さい槽内目標値Ta0に調節する制御を行う温度制御部11を含む制御手段10を備えている。
上述したようにヒータブロック6の出力は、恒温槽2内の空気に対して直接放熱されるのではなく、ヒータブロック6の加熱面6aを介して試料体5に放熱され、この試料体5を介して恒温槽2内の空気に放熱される。この場合、試料体5が試験温度Tj0に近づくように試料体5を加熱する役割は、主にヒータブロック6が担い、恒温槽2は、試料体5からの恒温槽2内の空気への放熱が安定して行われるようにする役割を担う。したがって、槽内温度Taは、試験温度Tj0よりも小さい槽内目標値Ta0に調節される。そして、槽内温度Taが槽内目標値Ta0に調節されることによって、試料体5から安定して放熱が行われるので、試料体5の温度調節の精度をより高めることができる。
また、環境試験装置1は、上記のような温度制御部11を備えているので、恒温槽2内において複数の試料体5を同時に試験する場合であっても、温度制御部11は、各試料体5の温度Tjが試験温度Tj0に近づくように、各試料体5に対応するヒータブロック6の温度Thを各試料体5に対応するヒータ目標値Th0に調節するとともに、槽内温度Taを試験温度Tj0よりも小さい槽内目標値Ta0に調節することによって、発熱量の異なる複数の試料体5を同時に試験することができ、複数の試料体5の温度Tjをすべて同じ試験温度Tj0で試験することができる。
本実施形態では、制御手段10は、ヒータブロック6のヒータ出力P、試験温度Tj0、及び第1熱抵抗Rth(h−Tj)に基づいてヒータ目標値Th0を算出し、ヒータブロック6のヒータ出力P、試験温度Tj0、及び第2熱抵抗Rth(Tj−Ta)に基づいて槽内目標値Ta0を算出する目標値算出部を含んでいる。上述したようにヒータブロック6は、加熱面6aを除く部分が断熱部材7によって覆われて恒温槽2内の空気に対して断熱されているので、本実施形態の環境試験装置1では図6に示されるような等価熱抵抗モデルが近似的に成り立つ。したがって、目標値算出部13は、ヒータブロック6のヒータ出力P、試験温度Tj0、及び第1熱抵抗Rth(h−Tj)に基づいてヒータ目標値Th0を算出し、ヒータブロック6のヒータ出力P、試験温度Tj0、及び第2熱抵抗Rth(Tj−Ta)に基づいて槽内目標値Ta0を算出することができる。
本実施形態では、制御手段10は、試料体5の温度と試験温度Tj0との偏差を小さくするために、前記偏差に基づいてヒータ目標値Th0を設定変更するヒータ目標値変更部14を含んでいる。この構成では、ヒータ目標値変更部14が前記偏差に基づいてヒータ目標値Th0を設定変更するので、試料体5の温度を試験温度に精度よく近づけることができる。
本実施形態では、制御手段10は、第1熱抵抗Rth(h−Tj)及び第2熱抵抗Rth(Tj−Ta)を算出する熱抵抗算出部12を含んでいる。この場合において、熱抵抗算出部12は、試料体5に通電していない状態で、ヒータブロック6の温度Thを暫定的なヒータ暫定値Th1に調節するとともに、槽内温度Taを暫定的な槽内暫定値Ta1に調節し、温度平衡に達した後の試料体5の温度Tj、ヒータブロック6のヒータ出力P、及びヒータ暫定値Th1に基づいて第1熱抵抗Rth(h−Tj)を算出し、温度平衡に達した後の試料体5の温度Tj、ヒータブロック6のヒータ出力P、及び槽内暫定値Ta1に基づいて第2熱抵抗Rth(Tj−Ta)を算出する。上述したようにヒータブロック6は、加熱面6aを除く部分が断熱部材7によって覆われて恒温槽2内の空気に対して断熱されているので、本実施形態の環境試験装置1では、図6に示されるような等価熱抵抗モデルが近似的に成り立つ。したがって、このような熱抵抗モデルに基づいて、熱抵抗算出部12は、上述のように第1熱抵抗Rth(h−Tj)及び第2熱抵抗Rth(Tj−Ta)を算出することができる。
本実施形態では、制御手段10は、試料体5の発熱量Psが増加して発熱量Psとヒータブロック6のヒータ出力Pの設定値P0との関係が所定の条件を満たすと、ヒータ出力Pの設定値P0をより大きな値に設定変更し、設定変更された前記ヒータブロック6のヒータ出力Pの設定値P0、試験温度Tj0、及び第2熱抵抗Rth(Tj−Ta)に基づいて槽内目標値Ta0を算出し、算出された値に槽内目標値Ta0を再設定する槽内目標値変更部を含んでいる。この場合には、常に最小電力で試験を行うことができるとともに、恒温槽2の許容発熱負荷限界まで試験を自動継続することができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更、改良等が可能である。
前記実施形態では、例えば図6に示すような熱抵抗モデルに基づいて第1熱抵抗及び第2熱抵抗を、環境試験において算出するように構成されているが、これに限られない。これらの第1熱抵抗及び第2熱抵抗としては、環境試験前に予め算出されて記憶された値が用いられてもよい。
1 環境試験装置
2 恒温槽
4 試料配置台
5 試料体
5a 放熱面
6 ヒータブロック
6a 加熱面
7 断熱部材
8 放熱板
10 制御手段
10A 温度調節器
10B コントローラ
11 温度制御部
12 熱抵抗算出部
13 目標値算出部
14 ヒータ目標値変更部
15 槽内目標値変更部
16 記憶部
31 温度センサ
32 ヒータ
33 ファン
51 温度センサ
61 温度センサ
62 ヒータ
P ヒータ出力(加熱電力)
P0 ヒータ出力の初期設定値
Ps 試料体の発熱量
Rth(h−Tj) ヒータブロックと試料体との間の熱抵抗
Rth(Tj−Ta) 試料体と恒温槽内の空気との間の熱抵抗
Ta 槽内温度
Ta0 槽内目標値(初期槽内目標値)
Ta1 槽内暫定値
Th ヒータブロックの温度
Th0 ヒータ目標値(初期ヒータ目標値)
Th1 ヒータ暫定値
Tj 試料体の温度
Tj0 試験温度

Claims (7)

  1. 通電によって発熱する試料体を加熱しながら環境試験する環境試験装置であって、
    槽内温度の調節が可能な恒温槽と、
    前記恒温槽内に配置され、前記試料体を加熱する加熱面を有するヒータブロックと、
    前記加熱面を除いて前記ヒータブロックを覆い、前記ヒータブロックを前記恒温槽内の空気に対して断熱する断熱部材と、を備える環境試験装置。
  2. 前記試料体に通電した状態で前記試料体の温度(Tj)が試験温度(Tj0)に近づくように前記ヒータブロックの温度(Th)をヒータ目標値(Th0)に調節するとともに、前記槽内温度(Ta)を前記試験温度(Tj0)よりも小さい槽内目標値(Ta0)に調節する制御を行う温度制御部を含む制御手段を備える、請求項1に記載の環境試験装置。
  3. 前記制御手段は、前記ヒータブロックのヒータ出力(P)、前記試験温度(Tj0)、及び前記ヒータブロックと前記試料体との間の第1熱抵抗に基づいて前記ヒータ目標値(Th0)を算出し、前記ヒータブロックのヒータ出力(P)、前記試験温度(Tj0)、及び前記試料体と前記恒温槽内の空気との間の第2熱抵抗に基づいて前記槽内目標値(Ta0)を算出する目標値算出部を含む、請求項2に記載の環境試験装置。
  4. 前記制御手段は、前記試料体の温度(Tj)と前記試験温度(Tj0)との偏差が小さくなるように、前記偏差に基づいて前記ヒータ目標値(Th0)を設定変更するヒータ目標値変更部を含む、請求項3に記載の環境試験装置。
  5. 前記制御手段は、前記第1熱抵抗及び前記第2熱抵抗を算出する熱抵抗算出部を含み、
    前記熱抵抗算出部は、前記試料体に通電していない状態で、前記ヒータブロックの温度(Th)を暫定的なヒータ暫定値(Th1)に調節するとともに、前記槽内温度(Ta)を暫定的な槽内暫定値(Ta1)に調節し、温度平衡に達した後の前記試料体の温度(Tj)、前記ヒータブロックのヒータ出力(P)、及び前記ヒータ暫定値(Th1)に基づいて前記第1熱抵抗を算出し、温度平衡に達した後の前記試料体の温度(Tj)、前記ヒータブロックのヒータ出力(P)、及び前記槽内暫定値(Ta1)に基づいて前記第2熱抵抗を算出する、請求項3又は4に記載の環境試験装置。
  6. 前記制御手段は、前記試料体の発熱量(Ps)が増加して前記発熱量(Ps)と前記ヒータブロックのヒータ出力(P)の設定値(P0)との関係が所定の条件を満たすと、前記ヒータ出力(P)の設定値(P0)をより大きな値に設定変更し、設定変更された前記ヒータブロックのヒータ出力(P)の設定値(P0)から前記ヒータ目標値(Th0)を再算出し、設定変更された前記ヒータブロックのヒータ出力(P)の設定値(P0)、前記試験温度(Tj0)、及び前記第2熱抵抗に基づいて前記槽内目標値(Ta0)を再算出し、再算出された値に前記槽内目標値(Ta0)を再設定する槽内目標値変更部を含む、請求項3〜5の何れか1項に記載の環境試験装置。
  7. 前記試料体の熱を放散するための放熱板を備える、請求項1〜6の何れか1項に記載の環境試験装置。
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