JP2007322205A - 信頼性試験装置 - Google Patents

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Masaya Hiwatari
雅哉 樋渡
Koichi Irie
浩一 入江
Tatsuro Akiyama
達郎 秋山
Motoyasu Okumura
元康 奥村
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Abstract

【課題】被試験対象である半導体素子が複数あり、温度依存性を有する現象の試験を行う場合の試験時間を短くすることが可能な信頼性試験装置を実現する。
【解決手段】半導体素子を試験する信頼性試験装置において、被試験対象である複数の半導体素子にそれぞれ内蔵された複数のセンサ部と、複数のセンサ部からの信号を受信する温度測定部と、複数の半導体素子が置かれる恒温槽と、複数の半導体素子にそれぞれ内蔵された温度調整部と、温度測定部から送信される温度データに基づいて複数の半導体素子のそれぞれのジャンクション温度を算出すると共にこれらの中の最大値が試験規格温度の最大値になるように恒温槽の設定温度を制御しそれぞれのジャンクション温度が試験規格温度の最大値になるように温度調整部を制御する演算制御部とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体素子を試験する信頼性試験装置に関し、特に被試験対象である半導体素子が複数あり、温度依存性を有する現象の試験を行う場合に試験時間を短くすることが可能な信頼性試験装置に関する。
従来の信頼性試験装置に関連する先行技術文献としては次のようなものがある。
特開平5−067664号公報 特開2001−313320号公報 特開2003−168709号公報
図3はこのような従来の信頼性試験装置の一例を示す構成ブロック図である。図3において1は温度を測定する温度測定部、2及び3は温度センサを有するセンサ部、4は恒温槽、5はパソコン及び直流電源等を有する演算制御部である。温度測定部1、センサ部2、センサ部3、恒温槽4及び演算制御部5は信頼性試験装置50を構成している。
また、100及び101は被測定対象である半導体素子であり、恒温槽4の中に置かれる。半導体素子100はセンサ部2を内蔵し、半導体素子101はセンサ部3を内蔵する。
温度測定部1は電流源”IS01”、電流源”IS02”、電圧計”VM01”及び電圧計”VM02”を有している。また、センサ部2はトランジスタ”TR01”を有し、センサ部3はトランジスタ”TR02”を有している。演算制御部5は直流電源”PS01”を有している。
温度測定部1の電流源”IS01”の一端は温度測定部1の電圧計”VM01”の一端、センサ部2のトランジスタ”TR01”のコレクタ端子及びベース端子にそれぞれ接続され、温度測定部1の電流源”IS01”の他端は接地される。また、温度測定部1の電圧計”VM01”の他端及びセンサ部2のトランジスタ”TR01”のエミッタ端子はそれぞれ接地される。
温度測定部1の電流源”IS02”の一端は温度測定部1の電圧計”VM02”の一端、センサ部3のトランジスタ”TR02”のコレクタ端子及びベース端子にそれぞれ接続され、温度測定部1の電流源”IS02”の他端は接地される。また、温度測定部1の電圧計”VM02”の他端及びセンサ部3のトランジスタ”TR02”のエミッタ端子はそれぞれ接地される。
温度測定部1の温度データ出力端子は演算制御部5の温度データ入力端子に接続され、演算制御部5の制御信号出力端子は恒温槽4の制御信号入力端子に接続される。また、演算制御部5の直流電源”PS01”の一端は半導体素子100及び半導体素子101の電源端子にそれぞれ接続され、演算制御部5の直流電源”PS01”の他端は接地される。
ここで、図3に示す従来例の動作を図4を用いて説明する。図4は信頼性試験を行う時の演算制御部5の動作を示すフロー図である。
図4中”S001”において信頼性試験装置50の演算制御部5は、直流電源”PS01”を制御して半導体素子100及び半導体素子101に電圧を印加し、図4中”S002”において信頼性試験装置50の演算制御部5は、恒温槽4内の温度、すなわち、半導体素子100及び半導体素子101の周囲温度”Ta1”が一定になるまで待つ。
図4中”S003”において信頼性試験装置50の演算制御部5は、温度測定部1を制御して半導体素子100及び半導体素子101のジャンクション温度を測定する。
半導体素子100のジャンクション温度を測定する場合には、演算制御部5は温度測定部1を制御して電流源”IS01”からセンサ部2のトランジスタ”TR01”へ電流を流す。この電流によりセンサ部2のトランジスタ”TR01”のベース−エミッタ間にはベース−エミッタ間電圧”Vbe1”が発生するので、演算制御部5は温度測定部1を制御して電圧計”VM01”でこの電圧を測定し、温度データとして受信する。
センサ部2のトランジスタ”TR01”のベース−エミッタ間電圧”Vbe1”は周囲温度、すなわち、半導体素子100の温度に比例するので、演算制御部5は受信した温度データに基づいて半導体素子100のジャンクション温度を算出することができる。
同様に、半導体素子101のジャンクション温度を測定する場合には、演算制御部5は温度測定部1を制御して電流源”IS02”からセンサ部3のトランジスタ”TR02”へ電流を流す。この電流によりセンサ部3のトランジスタ”TR02”のベース−エミッタ間にはベース−エミッタ間電圧”Vbe2”が発生するので、演算制御部5は温度測定部1を制御して電圧計”VM02”でこの電圧を測定し、温度データとして受信する。
センサ部3のトランジスタ”TR02”のベース−エミッタ間電圧”Vbe2”は周囲温度、すなわち、半導体素子101の温度に比例するので、演算制御部5は受信した温度データに基づいて半導体素子101のジャンクション温度を算出することができる。
そして、演算制御部5は半導体素子100、若しくは、半導体素子101のジャンクション温度の高い方をジャンクション温度”Tjmax1”とする。また、演算制御部5には半導体素子100及び半導体素子101のジャンクション温度の絶対最大定格である試験規格温度の最大値”TJMAX1”及び試験時間が予め設定されている。
図4中”S004”において信頼性試験装置50の演算制御部5は、ジャンクション温度”Tjmax1”が試験規格温度の最大値である”TJMAX1”を超えていないか否かを判断し、もし、ジャンクション温度”Tjmax1”が試験規格温度の最大値である”TJMAX1”を超えていない場合には、図4中”S005”において信頼性試験装置50の演算制御部5は、恒温槽4の温度を上げ、図4中”S002”へ戻る。
一方、図4中”S004”において信頼性試験装置50の演算制御部5は、ジャンクション温度”Tjmax1”が試験規格温度の最大値である”TJMAX1”を超えていないか否かを判断し、もし、ジャンクション温度”Tjmax1”が試験規格温度の最大値である”TJMAX1”に到達した場合には、信頼性試験装置50の演算制御部5は、恒温槽4の温度をそのままに保つようにして図4中”S006”へ進む。
最後に、図4中”S006”において信頼性試験装置50の演算制御部5は、試験終了時間が来たか否かを判断し、もし、試験終了時間が来た場合には、信頼性試験装置50の演算制御部5は、恒温槽4を停止して試験を終了する。
このように、被試験対象である半導体素子のジャンクション温度を試験規格温度の最大値まで上げて行う試験には、半導体集積回路の金属配線のエレクトロマイグレーションの試験がある。
エレクトロマイグレーションとは、金属配線にある一定以上の電流を流し続けた場合に金属中の金属原子が電子との衝突により移動する現象であり、周囲温度が高いほど顕著に現れる。エレクトロマイグレーションにより、半導体集積回路の金属配線の断線不良等が発生する。
この結果、温度依存性があり、高い温度ほど現象が発生しやすい試験、例えば、エレクトロマイグレーションの試験の場合は、被試験対象である半導体素子のジャンクション温度を試験規格温度の最大値まで上げて試験を行うことにより、現象を発生しやすくできるので、加速して試験をすることが可能になる。
しかし、図3に示す従来例では、被試験対象である半導体素子の消費電力のばらつきや熱抵抗のばらつき(恒温槽4内の温度分布/風量の分布、各半導体素子に取り付けられた放熱板の向き等)により、ジャンクション温度がばらつくという問題点があった。
また、エレクトロマイグレーションのように高い温度ほど現象が発生しやすい試験において、被試験対象である半導体素子が複数ある場合には、各半導体素子のジャンクション温度の中の最小値”Tjmin1”を基準に試験時間が決められる。すなわち、ジャンクション温度”Tjmin1”が低い場合には試験時間が長くなり、ジャンクション温度”Tjmin1”が高い場合には試験時間が短くなる。
そのため、ジャンクション温度のばらつきが大きく、最大値”Tjmax1”と最小値”Tjmin1”の差が大きい時は、最小値”Tjmin1”が低いので、試験時間が長くなるという問題点があった。
従って本発明が解決しようとする課題は、被試験対象である半導体素子が複数あり、温度依存性を有する現象の試験を行う場合の試験時間を短くすることが可能な信頼性試験装置を実現することにある。
このような課題を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、
半導体素子を試験する信頼性試験装置において、
被試験対象である複数の半導体素子にそれぞれ内蔵された複数のセンサ部と、これら複数のセンサ部からの信号を受信する温度測定部と、前記複数の半導体素子が置かれる恒温槽と、前記複数の半導体素子にそれぞれ内蔵された温度調整部と、前記温度測定部から送信される温度データに基づいて前記複数の半導体素子のそれぞれのジャンクション温度を算出すると共にこれらの中の最大値が試験規格温度の最大値になるように前記恒温槽の設定温度を制御し前記それぞれのジャンクション温度が前記試験規格温度の最大値になるように前記温度調整部を制御する演算制御部とを備えたことにより、半導体素子のジャンクション温度のばらつきを抑えると共に試験規格温度の最大値となる温度で試験することができるので、試験時間を短くすることが可能になる。
請求項2記載の発明は、
請求項1記載の信頼性試験装置において、
前記演算制御部が、
前記複数の半導体素子に電圧を印加し、ある時間経過後に前記温度測定部から送信される温度データに基づいて前記複数の半導体素子のそれぞれのジャンクション温度を算出し、これらジャンクション温度の中の最大値が前記試験規格温度の最大値になるように前記恒温槽の設定温度を制御し、ある時間経過後に前記温度測定部から送信される温度データに基づいて前記複数の半導体素子のそれぞれのジャンクション温度を算出し、前記それぞれのジャンクション温度が前記試験規格温度の最大値になるように前記温度調整部を制御することにより、半導体素子のジャンクション温度のばらつきを抑えると共に試験規格温度の最大値となる温度で試験することができるので、試験時間を短くすることが可能になる。
請求項3記載の発明は、
半導体素子を試験する信頼性試験装置において、
被試験対象である複数の半導体素子にそれぞれ内蔵された複数のセンサ部と、これら複数のセンサ部からの信号を受信する温度測定部と、前記複数の半導体素子が置かれる恒温槽と、前記複数の半導体素子にそれぞれ内蔵された温度調整部と、前記温度測定部から送信される温度データに基づいて前記複数の半導体素子のそれぞれのジャンクション温度を算出すると共にこれらの中の最小値が試験規格温度の最小値になるように前記恒温槽の設定温度を制御し前記それぞれのジャンクション温度が前記試験規格温度の最小値になるように前記温度調整部を制御する演算制御部とを備えたことにより、半導体素子のジャンクション温度のばらつきを抑えると共に試験規格温度の最小値となる温度で試験することができるので、試験時間を短くすることが可能になる。
請求項4記載の発明は、
請求項3記載の信頼性試験装置において、
前記演算制御部が、
前記複数の半導体素子に電圧を印加し、ある時間経過後に前記温度測定部から送信される温度データに基づいて前記複数の半導体素子のそれぞれのジャンクション温度を算出し、これらジャンクション温度の中の最小値が前記試験規格温度の最小値になるように前記恒温槽の設定温度を制御し、ある時間経過後に前記温度測定部から送信される温度データに基づいて前記複数の半導体素子のそれぞれのジャンクション温度を算出し、前記それぞれのジャンクション温度が前記試験規格温度の最小値になるように前記温度調整部を制御することにより、半導体素子のジャンクション温度のばらつきを抑えると共に試験規格温度の最小値となる温度で試験することができるので、試験時間を短くすることが可能になる。
請求項5記載の発明は、
請求項1乃至請求項4記載の信頼性試験装置において、
前記複数のセンサ部が、
前記複数の半導体素子の外部に取り付けられたことにより、半導体素子のジャンクション温度のばらつきを抑えると共に試験規格温度の最大値、若しくは、最小値となる温度で試験することができるので、試験時間を短くすることが可能になる。
請求項6記載の発明は、
請求項1乃至請求項5記載の信頼性試験装置において、
前記複数の温度調整部が、
前記複数の半導体素子の外部に取り付けられたことにより、半導体素子のジャンクション温度のばらつきを抑えると共に試験規格温度の最大値、若しくは、最小値となる温度で試験することができるので、試験時間を短くすることが可能になる。
本発明によれば次のような効果がある。
請求項1,2,3,4,5及び請求項6の発明によれば、被試験対象である複数の半導体素子のジャンクション温度を試験規格温度の最大値、若しくは、最小値までそれぞれ合わせ込むことにより、半導体素子のジャンクション温度のばらつきを抑えると共に試験規格温度の最大値、若しくは、最小値となる温度で試験することができるので、試験時間を短くすることが可能になる。
以下本発明を図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明に係る信頼性試験装置の一実施例を示す構成ブロック図である。
図1において6は温度を測定する温度測定部、7及び8は温度センサを有するセンサ部、9は恒温槽、10はパソコン、直流電源及び発振器等を有する演算制御部、11及び12は温度を調整する温度調整部である。温度測定部6、センサ部7、センサ部8、恒温槽9、演算制御部10、温度調整部11及び温度調整部12は信頼性試験装置51を構成している。
また、102及び103は被測定対象である半導体素子であり、恒温槽9の中に置かれる。半導体素子102はセンサ部7及び温度調整部11を内蔵し、半導体素子103はセンサ部8及び温度調整部12を内蔵する。
温度測定部6は電流源”IS03”、電流源”IS04”、電圧計”VM03”及び電圧計”VM04”を有している。また、センサ部7はトランジスタ”TR03”を有し、センサ部8はトランジスタ”TR04”を有している。演算制御部10は直流電源”PS02”、発振器”OS01”及び発振器”OS02”を有している。
温度測定部6の電流源”IS03”の一端は温度測定部6の電圧計”VM03”の一端、センサ部7のトランジスタ”TR03”のコレクタ端子及びベース端子にそれぞれ接続され、温度測定部6の電流源”IS03”の他端は接地される。また、温度測定部6の電圧計”VM03”の他端及びセンサ部7のトランジスタ”TR03”のエミッタ端子はそれぞれ接地される。
温度測定部6の電流源”IS04”の一端は温度測定部6の電圧計”VM04”の一端、センサ部8のトランジスタ”TR04”のコレクタ端子及びベース端子にそれぞれ接続され、温度測定部6の電流源”IS04”の他端は接地される。また、温度測定部6の電圧計”VM04”の他端及びセンサ部8のトランジスタ”TR04”のエミッタ端子はそれぞれ接地される。
温度測定部6の温度データ出力端子は演算制御部10の温度データ入力端子に接続され、演算制御部10の制御信号出力端子は恒温槽9の制御信号入力端子に接続される。また、演算制御部10の直流電源”PS02”の一端は半導体素子102及び半導体素子103の電源端子にそれぞれ接続され、演算制御部10の直流電源”PS02”の他端は接地される。
演算制御部10の発振器”OS01”の出力端子は温度調整部11の入力端子に接続され、演算制御部10の発振器”OS02”の出力端子は温度調整部12の入力端子に接続される。
ここで、図1に示す実施例の動作を図2を用いて説明する。図2は信頼性試験を行う時の演算制御部10の動作を示すフロー図である。
図2中”S101”において信頼性試験装置51の演算制御部10は、直流電源”PS02”を制御して半導体素子102及び半導体素子103に電圧を印加し、図2中”S102”において信頼性試験装置51の演算制御部10は、恒温槽9内の温度、すなわち、半導体素子102及び半導体素子103の周囲温度”Ta2”が一定になるまで待つ。
図2中”S103”において信頼性試験装置51の演算制御部10は、温度測定部6を制御して半導体素子102及び半導体素子103のジャンクション温度を測定する。
半導体素子102のジャンクション温度を測定する場合には、演算制御部10は温度測定部6を制御して電流源”IS03”からセンサ部7のトランジスタ”TR03”へ電流を流す。この電流によりセンサ部7のトランジスタ”TR03”のベース−エミッタ間にはベース−エミッタ間電圧”Vbe3”が発生するので、演算制御部10は温度測定部6を制御して電圧計”VM03”でこの電圧を測定し、温度データとして受信する。
センサ部7のトランジスタ”TR03”のベース−エミッタ間電圧”Vbe3”は周囲温度、すなわち、半導体素子102の温度に比例するので、演算制御部10は受信した温度データに基づいて半導体素子102のジャンクション温度を算出することができる。
同様に、半導体素子103のジャンクション温度を測定する場合には、演算制御部10は温度測定部6を制御して電流源”IS04”からセンサ部8のトランジスタ”TR04”へ電流を流す。この電流によりセンサ部8のトランジスタ”TR04”のベース−エミッタ間にはベース−エミッタ間電圧”Vbe4”が発生するので、演算制御部10は温度測定部6を制御して電圧計”VM04”でこの電圧を測定し、温度データとして受信する。
センサ部8のトランジスタ”TR04”のベース−エミッタ間電圧”Vbe4”は周囲温度、すなわち、半導体素子103の温度に比例するので、演算制御部10は受信した温度データに基づいて半導体素子103のジャンクション温度を算出することができる。
そして、演算制御部10は半導体素子102、若しくは、半導体素子103のジャンクション温度の高い方をジャンクション温度”Tjmax2”とする。また、演算制御部10には半導体素子102及び半導体素子103のジャンクション温度の絶対最大定格である試験規格温度の最大値”TJMAX2”が予め設定されている。
図2中”S104”において信頼性試験装置51の演算制御部10は、ジャンクション温度”Tjmax2”が試験規格温度の最大値である”TJMAX2”を超えていないか否かを判断し、もし、ジャンクション温度”Tjmax2”が試験規格温度の最大値である”TJMAX2”を超えていない場合には、図2中”S105”において信頼性試験装置51の演算制御部10は、恒温槽9の温度を上げ、図2中”S102”へ戻る。
一方、図2中”S104”において信頼性試験装置51の演算制御部10は、ジャンクション温度”Tjmax2”が試験規格温度の最大値である”TJMAX2”を超えていないか否かを判断し、もし、ジャンクション温度”Tjmax2”が試験規格温度の最大値である”TJMAX2”に到達した場合には、信頼性試験装置51の演算制御部10は、恒温槽9の温度をそのままに保つようにして図2中”S106”へ進む。
図2中”S106”において信頼性試験装置51の演算制御部10は、恒温槽9内の温度、すなわち、半導体素子102及び半導体素子103の周囲温度”Ta2”が一定になるまで待ち、図2中”S107”において信頼性試験装置51の演算制御部10は、前述のように温度測定部6を制御して半導体素子102及び半導体素子103のジャンクション温度を測定する。
図2中”S108”において信頼性試験装置51の演算制御部10は、半導体素子102及び半導体素子103のジャンクション温度が試験規格温度の最大値である”TJMAX2”に到達しているか否かを判断し、もし、”TJMAX2”に到達していない場合には、図2中”S109”において信頼性試験装置51の演算制御部10は、温度調整部11、若しくは、温度調整部12を制御してジャンクション温度を調整する。
温度調整部11及び温度調整部12は、入力端子に入力されるクロックの周波数に依存して発熱し、温度が上昇する回路を有している。
例えば、半導体素子102のジャンクション温度が試験規格温度の最大値である”TJMAX2”に到達していない場合には、演算制御部10は、温度調整部11に入力されるクロック信号の周波数を上げるように発振器”OS01”を制御する。そして、温度調整部11の温度が上昇し、半導体素子102が温められるので、半導体素子102のジャンクション温度も上昇する。
同様に、半導体素子103のジャンクション温度が試験規格温度の最大値である”TJMAX2”に到達していない場合には、演算制御部10は、温度調整部12に入力されるクロック信号の周波数を上げるように発振器”OS02”を制御する。そして、温度調整部12の温度が上昇し、半導体素子103が温められるので、半導体素子103のジャンクション温度も上昇する。
信頼性試験装置51の演算制御部10は、図2中”S106”から”S109”の処理を繰り返し、半導体素子102及び半導体素子103のジャンクション温度を試験規格温度の最大値である”TJMAX2”に合わせ込む。
一方、図2中”S108”において信頼性試験装置51の演算制御部10は、半導体素子102及び半導体素子103のジャンクション温度が試験規格温度の最大値である”TJMAX2”に到達しているか否かを判断し、もし、”TJMAX2”に到達している場合には、図2中”S110”に進む。
最後に、図2中”S110”において信頼性試験装置51の演算制御部10は、試験終了時間が来たか否かを判断し、もし、試験終了時間が来た場合には、信頼性試験装置51の演算制御部10は、恒温槽9を停止して試験を終了する。
この結果、温度依存性があり、高い温度ほど現象が発生しやすい試験、例えば、エレクトロマイグレーションの試験の場合は、被試験対象である複数の半導体素子のジャンクション温度を試験規格温度の最大値までそれぞれ合わせ込むことにより、半導体素子のジャンクション温度のばらつきを抑えると共に試験規格温度の最大値となる温度で試験することができるので、試験時間を短くすることが可能になる。
なお、図1に示す実施例において被試験対象である半導体素子のジャンクション温度を試験規格温度の最大値になるようにしているが、実施する試験内容によっては、半導体素子のジャンクション温度を試験規格温度の最小値になるようにする。
この場合の試験の例として、MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタにおけるホットキャリア劣化の試験がある。このホットキャリア劣化現象は、MOSトランジスタのドレイン端において増大した電界により高エネルギーの電子及び正孔(以下、ホットキャリアと呼ぶ。)が発生し、このホットキャリアがゲート酸化膜中に注入され、ゲート酸化膜の特性を劣化させる現象である。
このホットキャリア劣化現象は低温になるほど劣化現象が顕著に現れるので、温度を加速して試験を行う場合は、温度を下げる方向で行う。
また、図1に示す実施例において被試験対象である半導体素子が2個として説明しているが、必ずしも2個に限定されるものでは無く、複数あればよい。
また、図1に示す実施例においてセンサ部が被試験対象である半導体素子に内蔵されているが、必ずしも内蔵される必要は無く、半導体素子の外部に取り付けてもよい。具体的には、熱電対及びサーミスタ等を取り付ける。この場合、温度測定部6は電流源及び電圧計の替わりに温度測定に対応したレコーダ等を用いる。
同様に、図1に示す実施例において温度調整部が被試験対象である半導体素子に内蔵されているが、必ずしも内蔵される必要は無く、半導体素子の外部に取り付けてもよい。具体的には、ヒータ及びペルチェ素子等を取り付ける。この場合、演算制御部10は発振器の替わりに電流源、若しくは、電圧源で制御する。
MOSトランジスタにおけるホットキャリア劣化の試験のように周囲温度を下げる場合はペルチェ素子が適している。
本発明に係る信頼性試験装置の一実施例を示す構成ブロック図である。 信頼性試験を行う時の演算制御部の動作を示すフロー図である。 従来の信頼性試験装置の一例を示す構成ブロック図である。 信頼性試験を行う時の演算制御部の動作を示すフロー図である。
符号の説明
1,6 温度測定部
2,3,7,8 センサ部
4,9 恒温槽
5,10 演算制御部
11,12 温度調整部
50,51 信頼性試験装置
100,101,102,103 半導体素子

Claims (6)

  1. 半導体素子を試験する信頼性試験装置において、
    被試験対象である複数の半導体素子にそれぞれ内蔵された複数のセンサ部と、
    これら複数のセンサ部からの信号を受信する温度測定部と、
    前記複数の半導体素子が置かれる恒温槽と、
    前記複数の半導体素子にそれぞれ内蔵された温度調整部と、
    前記温度測定部から送信される温度データに基づいて前記複数の半導体素子のそれぞれのジャンクション温度を算出すると共にこれらの中の最大値が試験規格温度の最大値になるように前記恒温槽の設定温度を制御し前記それぞれのジャンクション温度が前記試験規格温度の最大値になるように前記温度調整部を制御する演算制御部と
    を備えたことを特徴とする信頼性試験装置。
  2. 前記演算制御部が、
    前記複数の半導体素子に電圧を印加し、
    ある時間経過後に前記温度測定部から送信される温度データに基づいて前記複数の半導体素子のそれぞれのジャンクション温度を算出し、
    これらジャンクション温度の中の最大値が前記試験規格温度の最大値になるように前記恒温槽の設定温度を制御し、
    ある時間経過後に前記温度測定部から送信される温度データに基づいて前記複数の半導体素子のそれぞれのジャンクション温度を算出し、
    前記それぞれのジャンクション温度が前記試験規格温度の最大値になるように前記温度調整部を制御することを特徴とする
    請求項1記載の信頼性試験装置。
  3. 半導体素子を試験する信頼性試験装置において、
    被試験対象である複数の半導体素子にそれぞれ内蔵された複数のセンサ部と、
    これら複数のセンサ部からの信号を受信する温度測定部と、
    前記複数の半導体素子が置かれる恒温槽と、
    前記複数の半導体素子にそれぞれ内蔵された温度調整部と、
    前記温度測定部から送信される温度データに基づいて前記複数の半導体素子のそれぞれのジャンクション温度を算出すると共にこれらの中の最小値が試験規格温度の最小値になるように前記恒温槽の設定温度を制御し前記それぞれのジャンクション温度が前記試験規格温度の最小値になるように前記温度調整部を制御する演算制御部と
    を備えたことを特徴とする信頼性試験装置。
  4. 前記演算制御部が、
    前記複数の半導体素子に電圧を印加し、
    ある時間経過後に前記温度測定部から送信される温度データに基づいて前記複数の半導体素子のそれぞれのジャンクション温度を算出し、
    これらジャンクション温度の中の最小値が前記試験規格温度の最小値になるように前記恒温槽の設定温度を制御し、
    ある時間経過後に前記温度測定部から送信される温度データに基づいて前記複数の半導体素子のそれぞれのジャンクション温度を算出し、
    前記それぞれのジャンクション温度が前記試験規格温度の最小値になるように前記温度調整部を制御することを特徴とする
    請求項3記載の信頼性試験装置。
  5. 前記複数のセンサ部が、
    前記複数の半導体素子の外部に取り付けられたことを特徴とする
    請求項1乃至請求項4記載の信頼性試験装置。
  6. 前記複数の温度調整部が、
    前記複数の半導体素子の外部に取り付けられたことを特徴とする
    請求項1乃至請求項5記載の信頼性試験装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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