JP2015064088A - シール付転がり軸受ユニット - Google Patents

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【課題】密封装置を圧入する際の軸受内部の圧力上昇を抑制し、密封性の低下や密封装置の損傷が生じにくいシール付転がり軸受ユニットを提供する。【解決手段】静止側円筒部23aの外周面には、径方向外方に突出して外輪の内周面と弾性的に嵌合するガスケット部26を設け、静止側円筒部23aの外周面で外輪の内周面と嵌合する部分には、軸方向に延びる排気溝30aが、周方向に亙って複数設けられている。この排気溝30,30aは、静止側円筒部23aの軸方向外端部に軸方向に開口し、ガスケット部26の近傍で、ガスケット部26に隣接する堰部31aまで延在して形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する為の転がり軸受ユニットに関するものである。
従来より、自動車の車輪等を懸架装置に対して回転自在に支持する為の転がり軸受ユニットとして、図6に示す様なシール付転がり軸受ユニットの構造が知られている。図6に示したシール付転がり軸受ユニット1は、静止側軌道輪である外輪2と回転側軌道輪であるハブ3とを互いに同心に配置している。そして、外輪2の内周面に設けた、それぞれが静止側軌道である複列の外輪軌道4,4と、ハブ3の外周面に設けた、それぞれが回転側軌道である複列の内輪軌道5,5との間に、それぞれが転動体である玉6,6を、各列毎に複数個ずつ配置している。各玉6,6は、それぞれ保持器7,7により、転動自在に保持されている。
この様な構成により、外輪2の内径側にハブ3を、回転自在に支持している。懸架装置に対して車輪等を回転自在に支持するには、外輪2の外周面に設けた静止側フランジ8を懸架装置(不図示)に対してねじ止め固定すると共に、ハブ3の軸方向外端部外周面に形成した回転側フランジ9に、車輪及びディスクロータ等の制動用回転体をねじ止め固定する。尚、軸方向に関して外とは、車両への組み付け状態で車両の幅方向外側となる、各図の左側を言う。これに対して、車両の幅方向内側となる、各図の右側を、軸方向に関して内と言う。
外輪2の内周面とハブ3の外周面との間で、各玉6,6を設置した軸受内部空間10の両端開口は、密封装置であるシールリング11と組み合わせシールリング12とにより、それぞれ全周に亙り塞がれている。軸受内部空間10の軸方向外端側開口を塞ぐシールリング11は、金属板製の芯金13により、ゴムの如きエラストマー製の弾性材14を補強して、全体を円環状に構成して成る。又、弾性材14は、複数本(図示の例では3本)のシールリップ15a,15b,15cを有する。そして、芯金13を外輪2の内周面の軸方向外端部に締り嵌めで内嵌した状態で、各シールリップ15a〜15cの先端縁を回転側フランジ9の軸方向内側面又はハブ3の中間部外周面に、それぞれ全周に亙り摺接させている。
組み合わせシールリング12は、スリンガ16とシールリング17とを組み合わせて成る。スリンガ16は、金属板を曲げ成形する事により断面L字形で全体を円環状に構成したもので、回転側円筒部18と、この回転側円筒部18の軸方向内端縁から径方向外方に折れ曲がった回転側円輪部19とから成る。この様なスリンガ16は、回転側円筒部18をハブ3(ハブ本体と共にこのハブ3を構成する内輪)の軸方向内端部に締り嵌めで外嵌する事により、ハブ3に対して固定している。
シールリング17は、金属板製の芯金20と弾性材21とを備えている。弾性材21は、複数本(図示の例では3本)のシールリップ22a、22b、22cを備えている。芯金20は、金属板を曲げ成形する事により断面略L字形で全体を円環状に構成したもので、静止側円筒部23と、この静止側円筒部23の軸方向外端縁から径方向内方に折れ曲がった静止側円輪部24とから成る。この様な芯金20を備えたシールリング17は、静止側円筒部23を外輪2の軸方向内端部に締り嵌めで内嵌する事により、外輪2に固定している。又、この状態で、シールリップ22aの先端縁を回転側円輪部19の軸方向外側面に、各シールリップ22b、22cの先端縁を回転側円筒部18の外周面に、それぞれ全周に亙り摺接させている。
組み合わせシールリング12を構成するスリンガ16の回転側円輪部19の軸方向内側面に、円輪状のエンコーダ25を、全周に亙り添着固定している。このエンコーダ25は、ゴム、合成樹脂等の高分子材料中に磁性粉を分散させて全体を円輪状とした、ゴム磁石、プラスチック磁石等の永久磁石製で、軸方向に着磁している。着磁方向は、円周方向に関して、交互に、且つ等間隔で変化させている。従って、被検出面である、エンコーダ25の軸方向内側面には、S極とN極とが、円周方向に関して、交互に、且つ、等間隔で配置されている。この様なエンコーダ25の被検出面には、図示しない回転検出センサの検出部を対向させて、ハブ3と共に回転する車輪の回転速度を測定可能としている。
以上の様に、軸受内部空間10の軸方向両端開口をシールリング11と組み合わせシールリング12とにより、それぞれ全周に亙り塞ぐ事で、軸受内部空間10内に充填されたグリースの漏洩防止と、外部空間に存在する水分や塵芥等の異物がこの軸受内部空間10内に侵入する事の防止とを図っており、車輪支持用のシール付転がり転がり軸受ユニット1の耐久性を確保する為には、シールリング11及び組み合わせシールリング12のシール性を確保する事が重要である。
自動車の車輪を支持するシール付転がり軸受ユニットの場合、自動車の運転初期に急激に転がり軸受の回転速度が高まり、転がり軸受の温度が上昇する事により、転がり軸受内部の圧力が上昇し、転がり軸受の内部に封入したグリースが軸受内部から押し出されて漏洩する場合がある。
又、転がり軸受が定常状態で運転されていても、自動車が水溜りの中等を走行して車輪が水や泥水を巻き上げる事により、転がり軸受が水や泥水に曝される。この場合、温度の上昇している転がり軸受が急激に冷却されるため、転がり軸受内部の圧力が低下して、各シールリップと摺接面との間から転がり軸受内部に水や塵挨が吸引されるおそれがある。さらに、各シールリップの先端部が摺接面に強く押し付けられ、摩擦抵抗が増加して回転トルクが上昇すると共に、各シールリップの先端部に著しい摩耗をきたすことがある。この様にしてシールリップの先端部が摩耗してしまうと、転がり軸受の密封性が低下する。
ところで、シール付転がり軸受ユニット1を組み立てる際には、シールリング11が装着された外輪2とハブ3と玉6(保持器7)とを組み立て、次にグリースを封入し、最後に組み合わせシールリング12を軸方向内側から圧入する。組み合わせシールリング12を圧入する際に、軸受内部空間10の軸方向外側開口はシールリング11により密封されているので、軸受内部空間10の体積は組み合わせシールリング12の体積分減少して、軸受内部の圧力が上昇する。組立時における軸受内部空間10の圧力上昇によっても上述した様な密封性能の低下を引き起こす場合がある。
この部分の先行技術としては、密封装置の圧入開始時からは排気溝を介して軸受外部に排気し、圧入途中からは排気溝及び弾性溝部を介して軸受外部に排気して、軸受内部の圧力上昇を抑制すると共に、密封装置を軸受に圧入完了時には、弾性嵌合部が押しつぶされて弾性溝部が閉塞され、軸受内部空間を密封するハブユニットが、特許文献1に記載されている。
特開2013−029131号公報
しかしながら、この先行技術の密封装置では、金属製である嵌合部に設けられた排気溝が、弾性嵌合部と連続して軸受外部まで連通している。従って、嵌合部に弾性部材を加硫成形する際、溶融して粘度の低い弾性材により、嵌合部にフラッシングを起こす、或は嵌合部の排気溝に弾性材が流れて溝を塞いでしまうおそれがある。
本発明は、上記の様な従来のシール付転がり軸受ユニットが有する問題点を解決し、密封装置を圧入する際の軸受内部の圧力上昇を抑制し、密封性の低下や密封装置の損傷が生じにくいシール付転がり軸受ユニットを提供する事を目的とする。
上記問題を解決するために、本発明に係わるシール付転がり軸受ユニットは、互いに同心に配置された状態で相対回転する回転側軌道輪及び静止側軌道輪と、前記回転側軌道輪と前記静止側軌道輪との互いに対向する周面同士の間に存在する軸受内部空間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、前記軸受内部空間の端部開口を塞ぐ、スリンガ及びシールリングから成る組み合わせシールリングとを備えている。前記スリンガは、金属板を断面L字形で全体を円環状に構成し、前記回転側軌道輪の周面に嵌合固定される回転側円筒部を有している。前記シールリングは、芯金と、この芯金に基端部を支持されたシールリップを有する弾性材とを備え、前記芯金は、金属板を断面L字形で全体を円環状に構成し、前記静止側軌道輪の周面に嵌合固定される静止側円筒部を有している。前記弾性材は、前記静止側円筒部の軸受外部側の周面を被覆して前記静止側軌道輪の周面と嵌合するガスケット部を備えている。
特に、本発明のシール付転がり軸受ユニットは、前記シールリングを前記静止側軌道輪に嵌合する際に、前記軸受内部空間と軸受外部とを連通して、前記軸受内部空間の空気を軸受外部に排気する排気溝が、前記静止側円筒部に設けられている。
さらに、前記排気溝と前記ガスケット部との間に堰部を設けている。
又、前記排気溝は、コレットチャックにより形成される。
又、前記排気溝は、加硫金型により形成される。
本発明によれば、密封装置を圧入する際の軸受内部の圧力上昇を抑制し、密封性の低下や密封装置の損傷が生じにくいシール付転がり軸受ユニットを提供する事ができる。
即ち、シールリングを軸受に圧入する際、静止側円筒部に設けられて軸方向に軸受内部空間と軸受外部とを連通する排気溝により、軸受内部空間の空気は外部空間に排気されるので、軸受内部空間の圧力上昇を抑制する事ができる。これにより、シーリップの損傷を防止して、密封装置の密封性を維持する事が可能となる。更に、排気溝は金属製である芯金の静止側円筒部のみに形成し、ガスケット部には設けていないので、ガスケット部によるシールリングの密封性を良好に保つ事ができる。
又、弾性材を芯金に加硫成形してガスケット部を形成する際、排気溝はガスケット部が加硫形成される部分には設けられていないので、弾性材が静止側円筒部の嵌合面にフラッシングを起こす虞がない。更に、溶融した弾性材が排気溝に流れて、排気溝を弾性材で塞いでしまう事もないので、排気溝を有するシールリングを安定して製造する事ができる。
又、排気溝は、コレットチャック又は加硫金型に保持された芯金を引き抜く事で成形されるので、低コストである。
実施形態を示す、組み合わせシールリングの断面図。 実施形態の組み合わせシールリングの外周面を示す、部分拡大図。 コレットチャックの斜視図。 変形例を示す、組み合わせシールリングの断面図。 変形例の組み合わせシールリングの外周面を示す、部分拡大図。 従来構造のシール付転がり軸受ユニットの1例を示す断面図。
図1,2は、本発明の実施形態を示している。尚、本実施形態を含めて本発明のシール付転がり軸受ユニットの特徴は、組み合わせシールリングを構成する静止側円筒部及び回転側円筒部に、軸方向に軸受内部空間と外部空間とを連通する排気溝を設ける事により、軸受内部空間の圧力上昇を抑えて各シールリップの変形及び損傷を防止し、組み合わせシールリングの密封性能を長期間に亙って良好に保つ為の構成にある。その他の部分の構成及び作用に就いては、前述の図6に示したシール付転がり軸受ユニット1を含め、従来から広く知られている各種転がり軸受ユニットと同様であるから、重複する図示並びに説明は省略若しくは簡略にし、以下、本実施形態の特徴部分を中心に説明する。
本実施形態のシール付転がり軸受ユニットは、図6に示した従来構造のシール付転がり軸受ユニット1と同様に、互いに同心に配置された状態で相対回転する回転側軌道輪であるハブ3及び静止側軌道輪である外輪2と、ハブ3と外輪2との互いに対向する周面同士の間に存在する軸受内部空間10に転動自在に設けられた複数個の転動体である玉6とを備えている。
軸受内部空間10の軸方向内端開口は組み合わせシールリング12aにより全周に亙り塞がれており、この組み合わせシールリング12aは、スリンガ16a及びシールリング17aから成る。スリンガ16aは、金属板を断面L字形で全体を円環状に構成しており、ハブ3の軸方向内端部の外周面に嵌合固定される回転側円筒部18aと、回転側円筒部18aの軸方向内端縁から径方向外方に延びる回転側円輪部19とを有している。そして、この回転側円輪部19の軸方向内側面には、円輪状のエンコーダ25を、全周に亙り添着固定している。
シールリング17aは、芯金20aと、この芯金20aに基端部を支持されたシールリップ22a,22b,22cを有する弾性材21とを備えている。芯金20aは、金属板を断面L字形で全体を円環状に構成し、外輪2の軸方向内端部の内周面に嵌合固定される静止側円筒部23aと、この静止側円筒部23aの軸方向外端縁から径方向内方に延びる静止側円輪部24とを有している。静止側円筒部23aの内周面と、軸方向内端面と、軸方向内側(軸受外部側)寄り部分の外周面とは、弾性材21により一体的に被覆されている。静止側円筒部23aの外周面を被覆する弾性材21には、静止側円筒部23aの外周面よりも径方向外方に突出して、外輪2の内周面と弾性的に嵌合するガスケット部26を設けている。
静止側円筒部23aの外周面で外輪2の内周面と直接嵌合する部分には、軸方向に延びる排気溝30が、周方向に亙って複数設けられている。この排気溝30は、静止側円筒部23aの軸方向外端部に軸方向に開口し、ガスケット部26の近傍で、ガスケット部26に隣接して設けられた堰部31まで延在して形成されている。
同様に、回転側円筒部18aの内周面でハブ3の外周面と直接嵌合する部分には、軸方向に延びる排出溝30aが、周方向に亙って複数設けられている。この排気溝30aは、回転側円筒部18aの軸方向外端面に軸方向に開口し、エンコーダ25の近傍で、エンコーダ25に隣接して設けられた堰部31aまで延在して形成されている。
上述した様な排気溝30は、図3に示す様なコレットチャック35を用いて芯金20aの静止側円筒部23aに加工を施す事で形成される。コレットチャック35の内径面の曲率は静止側円筒部23aの外径面より小さく、分割された各把持部における周方向の稜部には径方向内方に突出する爪部36を設けている。又、コレットチャック35の内径面には芯金20を軸方向に位置決めする為の段部37が設けられている。この様なコレットチャック35は、静止側円輪部24が段部37に当接した状態で静止側円筒部23aを掴み、この状態で芯金20aを引き抜くと、静止側円筒部23aの外周面の所定の軸方向位置に排気溝30が形成される。図3に示した3分割のコレットチャック35の場合には、1対(2本)の排気溝30が周方向に3箇所で、合計6個の排気溝30が形成される。
同様に、スリンガ16aの回転側円筒部18aに形成される排気溝30aもコレットチャック(不図示)により加工が施される。この場合、回転側円筒部18aの内径面よりも大きい曲率を有するコレットチャックの外径面には、分割された各把持部における周方向の稜部に径方向外方に突出する爪部を設ける。又、コレットチャックの外径面にはスリンガ16aを軸方向に位置決めする為の段部を設ける。そして、回転側円輪部19が段部に当接した状態で回転側円筒部23aを内径側から掴み、この状態でスリンガ16aを引き抜くと、回転側円筒部18aの内周面の所定の軸方向位置に排気溝30aが形成される。
排気溝30が形成された芯金20aに弾性材21を加硫成形する際、固定側の加硫金型に把持された芯金20aに対して、軸方向内側から可動側の加硫金型を芯金20aに打ち込み、静止側円筒部23aの外周面に全周に亙って連続する堰部31を形成している。これにより、ガスケット部26の弾性材21の流れを堰き止め、溶融した弾性材21が芯金20aの外径面へフラッシングしたり、排気溝30を塞ぐ事を防止している。
同様に、排気溝30aが形成されたスリンガ16aにエンコーダ25を加硫成形する際には、堰部31aを形成して、溶融したエンコーダ25がスリンガ16aの内径面へフラッシングしたり、排気溝30aを塞ぐ事を防止している。
シール付転がり軸受ユニットの組立工程では、外輪2とハブ3と玉6及びシールリング11とを組み立てた状態で、組み合わせシールリング12aを軸方向内側から圧入する。 そして、静止側円筒面23aを外輪2の内周面に嵌合させ、回転側円筒面18aをハブ3の外周面に嵌合させた状態でを圧入すると、軸受内部空間10内の空気は排気溝30及び排気溝30aを介して外部空間に排気されて、軸受内部空間10の圧力は上昇しない。
さらに、組み合わせシールリング12aを圧入し続けて圧入が完了した状態となると、ガスケット部26が外輪2の内周面と弾性的に嵌合して、軸受内部空間10を密封する。一方、スリンガ16aに装着されたエンコーダ25の内周縁が、ハブ3の外周面に弾性的に当接して、軸受内部空間10を密封する。
以上の様に、本実施形態に係るシール付転がり軸受ユニットによれば、組み合わせシールリング12aを圧入する際、排気溝30,30aを介して軸受内部空間10の空気が外部空間に排気されるので、軸受内部空間10の圧力上昇を抑制している。そして、密封性の低下や密封装置の損傷が生じにくいシール付転がり軸受ユニットを提供する事ができる。
更に、排気溝30,30aは、金属製である静止側円筒部23a及び回転側円筒部18aのみに形成し、ガスケット部26(エンコーダ25)には設けていないので、ガスケット部26によるシールリング17aの密封性を良好に保つ事ができる。
又、弾性材21を芯金20aに加硫成形してガスケット部26を形成する際、排気溝30とガスケット部26とは堰部31により分離されているので、溶融した弾性材21が静止側円筒部23aの嵌合面にフラッシングを起こしたり、排気溝30に流れて、排気溝30を弾性材21で塞いでしまう虞もない。従って、排気溝30を有するシールリング17aを安定して製造する事ができる。更に、排気溝30は、コレットチャック35に保持された芯金20aを引き抜く事で成形されるので、低コストである。
尚、コレットチャックにより排気溝30を加工する場合、コレットチャック35の各把持部の綾部以外にも爪部を設ける、或いはコレットチャック35の割り数を増やす事で、周方向に多数の排気溝30を形成する事もできる。
又、加硫金型により排気溝30を加工する事もできる。この場合、芯金20aを把持する加硫金型を超硬合金製とし、加硫金型の内径面に内径側に突出する凸部を設け、芯金20aを加硫金型に押し込む際に凸部により排気溝30を形成する事ができる。
図4,5は本実施形態の変形例として、組み合わせシールリング12bに弾性材21を加硫成形した後に排気溝30cを設ける場合に適用可能な態様を示している。本変形例のシール付転がり軸受ユニットを構成する組み合わせシールリング12bは、加硫成形後に排気溝30b(30c)を加工する為、堰部31(31a)を設けていない。そして、静止側円筒部23bに設けられた排気溝30bは、ガスケット部26まで軸方向に貫通して形成されている。同様に、回転側円筒部18bに設けられた排気溝30cは、エンコーダ25まで貫通して形成されている。
即ち、シールリング17bを製造する場合には、弾性材21が加硫成形された芯金20bをコレットチャック35で把持した際、芯金20bの軸方向位置(段部37の軸方向位置)を調整することで、爪部36がガスケット部26の軸方向外端に達する構成としている。尚、爪部36によってガスケット部26が損傷を受ける事を防止する為、若干の堰部31が残る位置にコレットチャック35を調整してもよい。これにより、弾性材21のフラッシング及び排気溝30bへの弾性材21の流れを防止しながら排気溝30bを形成する事ができる。同様に、排気溝30cは、エンコーダ25をスリンガ16bに加硫成形後に成形される。
又、本変形例の場合、排気溝30b,30cを形成する為に、弾性材21が加硫成形された芯金20b、或はエンコーダ25とスリンガ16bの成形体を、コレットチャック35で把持する工程を別途に設ける必要はない。例えば、弾性材21が加硫成形された芯金20bとエンコーダ25及びスリンガ16bの成形体とを組み合わせる組み合わせシールリング12bの組立機に於いて、芯金20b及びスリンガ16bを把持するチャック機構を利用する事も可能である。
本発明に係わるシール付転がり軸受は、自動車の車輪を回転自在に支持する車輪支持用のシール付転がり軸受ユニットとして適用できる。
1 転がり軸受ユニット
2 外輪
3 ハブ
4 外輪軌道
5 内輪軌道
6 玉
7 保持器
8 静止側フランジ
9 回転側フランジ
10 軸受内部空間
11 シールリング
12,12a,12b 組み合わせシールリング
13 芯金
14 弾性材
15a、15b、15c シールリップ
16,16a,16b スリンガ
17、17a,17b シールリング
18,18a,18b 回転側円筒部
19 回転側円輪部
20、20a、20b 芯金
21 弾性材
22a、22b、22c シールリップ
23,23a,23b 静止側円筒部
24 静止側円輪部
25 エンコーダ
26 ガスケット部
30,30a,30b,30c 排気溝
31,31a 堰部
35 コレットチャック
36 爪部
37 段部

Claims (4)

  1. 互いに同心に配置された状態で相対回転する回転側軌道輪及び静止側軌道輪と、前記回転側軌道輪と前記静止側軌道輪との互いに対向する周面同士の間に存在する軸受内部空間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、前記軸受内部空間の端部開口を塞ぐ、スリンガ及びシールリングから成る組み合わせシールリングとを備え、前記スリンガは、金属板を断面L字形で全体を円環状に構成し、前記回転側軌道輪の周面に嵌合固定される回転側円筒部を有しており、前記シールリングは、芯金と、この芯金に基端部を支持されたシールリップを有する弾性材とを備え、前記芯金は、金属板を断面L字形で全体を円環状に構成し、前記静止側軌道輪の周面に嵌合固定される静止側円筒部を有しており、前記弾性材は、前記静止側円筒部の軸受外部側の周面を被覆して前記静止側軌道輪の周面と嵌合するガスケット部を備えるシール付転がり軸受ユニットに於いて、
    前記シールリングを前記静止側軌道輪に嵌合する際に、前記軸受内部空間と軸受外部とを連通して、前記軸受内部空間の空気を軸受外部に排気する排気溝が、前記静止側円筒部に設けられている事を特徴とするシール付転がり軸受ユニット。
  2. 前記排気溝と前記ガスケット部との間に堰部を設けた事を特徴とする請求項1に記載のシール付転がり軸受ユニット。
  3. 前記排気溝は、コレットチャックにより形成された事を特徴とする請求項1又は2に記載のシール付転がり軸受ユニット。
  4. 前記排気溝は、加硫金型により形成された事を特徴とする請求項1又は2に記載のシール付転がり軸受ユニット。
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