JP2015064002A - 固体潤滑転がり軸受 - Google Patents

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直明 辻
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寛生 真鍋
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Abstract

【課題】軸受の回転ロックや意図しない分解を長期間安定して防止することができ、しかも固体潤滑剤粉の軸受外部への漏れ出しを安定して防止できる固体潤滑転がり軸受を提供する。【解決手段】セパレータ8を固体潤滑剤で形成する。規制部材10により、隣接する転動体7およびセパレータ8の円周方向に離反する方向への相対移動を規制し、この規制部材10を円周方向の複数個所に配置して隣接する規制部材10間の相対移動を許容する。また、規制部材10の軸方向外側に遮蔽部材20を配置し、この遮蔽部材20に固体潤滑剤粉の溜り部22となる凹部21を設ける。【選択図】図4

Description

本発明は、固体潤滑剤を使用した固体潤滑転がり軸受に関する。
上記の固体潤滑転がり軸受は、潤滑剤としてグリースや潤滑油を使用することができない高温雰囲気や真空雰囲気等での使用、例えばフィルム延伸機のテンタークリップ用軸受としての使用に適合する。
ここでいうフィルム延伸機は、一般包装材、液晶パネル、あるいは二次電池等に用いられる延伸フィルムを製造するもので、フィルムの強度を向上させるために、図14に示すように、フィルム100を連続的に長手方向(矢印X方向)に搬送し、破線で示す領域内でフィルム100を加熱しながら幅方向に引き延ばす(さらに長手方向に引き延ばす場合もある)機械装置である。テンタークリップは、このフィルム延伸機において、フィルムの両端をクリップし、無限軌道のガイドレールに安定されて図中の矢印Cで示すように循環走行しながらフィルムを所定方向に引き延ばす機械部品である。テンタークリップ用軸受は、このテンタークリップのレール走行をガイドする部分に用いられており、高温環境下(250℃以上、最大で400℃程度)で使用されることから、固体潤滑転がり軸受を使用する必要がある。
このような固体潤滑転がり軸受として、従来では、保持器を使用せず、固体潤滑剤からなるセパレータを隣接する転動体の間に配置したもの(特許文献1、特許文献2)が知られている。この他にも、固体潤滑転がり軸受として、セパレータと転動体をリベット止めが必要な保持器で保持するもの(特許文献3)も知られている。
特許第3934277号公報 特開2012−67884号公報 特許第3550689号公報
固体潤滑転がり軸受の使用中は、転動体との接触により固体潤滑剤からなるセパレータの摩耗や欠けが生じ、セパレータのサイズが徐々に小さくなる。そのため、保持器を有しない特許文献1や特許文献2の構成では、長期使用によりセパレータが小さくなった際に、転動体が円周方向の一部領域に偏在するおそれがある。特に円周方向の180°の領域内に全ての転動体が移動した際には、僅かな外力で内輪と外輪が分離し、軸受が意図せず分解状態となって軸受としての機能を果たせなくなる。その一方、特許文献3の構成では、保持器によって隣接する転動体間の距離が維持されるため、上記の不具合は回避できるが、セパレータが摩耗していない初期段階では、転動体と保持器間の位置自由度が小さいため、保持器のポケット面と転動体の間の隙間にセパレータの摩耗粉が充満し易い。そのため、転動体の自転運動や公転運動が阻害され、回転ロックに至るおそれがある。
また、固体潤滑剤の耐摩耗性が十分でない場合、固体潤滑剤の摩耗が急激に進展して軸受内部の固体潤滑剤粉の量が過剰となるおそれがある。この場合、固体潤滑剤粉が軸受外部に漏れ出し易くなり、周辺環境を汚染するおそれがある。特にフィルム延伸機のテンタークリップ用軸受では、漏れ出た固体潤滑剤粉がフィルムに付着して製品品質を大きく低下させるため、固体潤滑剤粉の軸受外部への漏れ出しを確実に防止する必要がある。
そこで、本発明は、軸受の回転ロックや意図しない分解を長期間安定して防止することができ、しかも固体潤滑剤粉の軸受外部への漏れ出しを安定して防止できる固体潤滑転がり軸受を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、外側軌道面を有する外輪と、内側軌道面を有する内輪と、外側軌道面と内側軌道面の間に配置した複数の転動体と、隣接する転動体の間に配置されたセパレータとを有し、セパレータが固体潤滑剤で形成された固体潤滑転がり軸受であって、隣接する転動体およびセパレータの円周方向に離反する方向への相対移動を規制部材で規制し、前記規制部材を円周方向の複数個所に配置して隣接する規制部材間の相対移動を許容し、かつ規制部材の軸方向外側に固体潤滑剤粉の溜り部を設けたことを特徴とするものである。
かかる構成では、各転動体の円周方向の移動範囲が規制部材で規制される。そのため、軸受の運転によりセパレータが摩耗してサイズが小さくなっても、全ての転動体が円周方向の一部領域に偏在するような事態を防止することができる。そのため、長期運転後も外輪と内輪が分離することはなく、軸受が意図せず分解する事態を防止することができる。固体潤滑剤粉の余剰分は規制部材の軸方向外側に設けられた溜り部で捕捉されるため、軸受外部への固体潤滑剤粉の漏れ出しを防止することができる。
また、各規制部材が独立して相対移動可能であるので、転動体と規制部材の内側面との間の隙間の大きさをフレキシブルに変動させることができる。そのため、この隙間に溜まった固体潤滑剤粉の排出を促進することができ、隙間が固体潤滑剤粉で充満されて回転ロックとなる事態を防止することができる。また、規制部材相互間はリベット等の連結部材で連結されていない非連結状態であるので、軸受内の円周方向で連結部材の設置スペースを確保する必要がない。そのため、軸受内部に多くの転動体を組み込むことが可能となり、軸受の基本定格荷重を大きくすることができる。さらに、規制部材同士の連結作業が不要であるので、軸受組立時の作業工数を削減することができる。
この固体潤滑転がり軸受には、規制部材の軸方向外側に配置され、内外輪間の空間をシールするシール部材と、シール部材と軸方向で対向し、かつ半径方向に延びる遮蔽部材とをさらに設けることができる。規制部材の軸方向外側に半径方向に延びる遮蔽部材を配置することにより、セパレータで生じた固体潤滑剤粉がシール部材に到達しにくくなるため、固体潤滑剤粉の漏れ出し防止に有効となる。また、遮蔽部材で規制部材の脱落を防止することもできる。
遮蔽部材をシール部材の軸方向内側に配置することにより、この遮蔽部材で固体潤滑剤粉の溜り部を形成することができる。例えば遮蔽部材の軸方向内側面に凹部を設け、あるいは遮蔽部材の軸方向外側面とシール部材との間に凹所を設ければ、これら凹部や凹所で固体潤滑剤粉の溜り部を形成することができる。
遮蔽部材とシール部材との間にラビリンス隙間を形成することで、固体潤滑粉のシール部材外への漏れ出しをより効果的に防止することができる。
各規制部材には、外輪と内輪の間で円周方向に延びる基部と、基部から内側軌道面と外側軌道面の間の空間に延びる規制部とを設けるのが好ましい。
基部および規制部の各内側面を、曲率を持たない平坦面状に形成すれば、転動体と規制部材の内側面との間の隙間からの固体潤滑剤の排出をさらに促進することができる。
基部の外径端および内径端を、外輪の内周面および内輪の外周面に近接させることにより、発生した固体潤滑剤粉を基部で軌道面付近に留めることができる。そのため、軸受外への固体潤滑剤粉の漏れ出しを抑制することができる。
転動体およびセパレータの軸方向両側に対をなす規制部材を配置し、前記対をなす規制部材と、その内部に収容された転動体およびセパレータとを一つのユニットとして、該ユニットを円周方向の複数個所に配置し、かつ各ユニット間の相対移動を許容することにより、固体潤滑剤粉の軸受外への漏れ出しをより確実に防止することが可能となる。
各規制部材を同一形状にすれば、規制部材の加工コストを低廉化することができ、固体潤滑転がり軸受の低コスト化を図ることができる。
以上に述べた固体潤滑転がり軸受は、フィルム延伸機のテンタークリップ用軸受として特に適合するものである。
本発明にかかる固体潤滑転がり軸受によれば、軸受の回転ロックや意図しない分解を長期間安定して防止することができ、しかも固体潤滑剤粉の軸受外部への漏れ出しを安定して防止することが可能となる。
テンタークリップの概略構造を示す斜視図である。 本発明にかかる固体潤滑転がり軸受の断面図である。 図2中のA方向から見た固体潤滑転がり軸受の正面図である。 外輪を除いた状態で、図2の固体潤滑転がり軸受を外径側から見た展開図である。 規制部材を示す斜視図である。 本発明にかかる固体潤滑転がり軸受の断面図である。 図6中のA方向から見た固体潤滑転がり軸受の正面図である。 外輪を除いた状態で、図6の固体潤滑転がり軸受を外径側から見た展開図である。 本発明にかかる固体潤滑転がり軸受の他の実施形態を示す断面図である。 セパレータの他の構成例を示す図で、(a)が軸方向から見た正面図、(b)が半径方向から見た平面図である。 本発明の固体潤滑転がり軸受で使用する固体潤滑剤のミクロ組織を示す図である。 上記固体潤滑剤の製造工程で使用する造粒粉の構成を示す断面図である。 従来の固体潤滑剤のミクロ組織を示す図である。 フィルム延伸機の概略構成を示す平面図である。
以下、本発明の実施形態を図1〜図13に基づいて説明する。
図1は、本発明にかかる固体潤滑転がり軸受の適用対象であるフィルム延伸機のテンタークリップの概略構造を示すものである。既に述べたように、テンタークリップは、無限軌道のガイドレール1に案内されながら移動するもので、フレーム2と、フィルム100(図13参照)を挟持するクリップ部3と、フレーム2に回転自在に支持された複数の軸受4とを具備する。このテンタークリップは図示しないチェーン等で駆動されて走行する。その際に、各軸受4の外周面がガイドレール1上で転動することにより、テンタークリップの移動方向がガイドレール1で案内され、クリップ部3で挟持されたフィルムの延伸が行われる。軸受外輪の外周面に嵌合固定したリング状の別部材をガイドレール1上で転動させる場合もある。
図2はテンタークリップ用固体潤滑転がり軸受4の第一実施形態を示す断面図、図3は図2の軸受4をA方向から見た正面図である(但し図2の右側のシールド板9、第一遮蔽部材20、および第二遮蔽部材23(何れも後述する)を取り外した状態を表している)。この軸受4は、深溝玉軸受としての形態をなし、内周面に外側軌道面5aを有する外輪5と、外周面に内側軌道面6aを有する内輪6と、外側軌道面5aと内側軌道面6aとの間に配置された複数(本実施形態では六個)の転動体7、例えばボールと、隣接する転動体7の間に配置された複数(本実施形態では三個)のセパレータ8と、外輪5と内輪6の間の空間を軸方向両側でシールするシール部材9とを主要な構成要素とする。この実施形態の軸受4では、外輪5の外周面5bが図1に示すガイドレール1を転動する転動面となり、内輪6の内周面6bがフレーム2に設けられた固定軸2aに嵌合固定される。
シール部材9は、例えばシールド板で形成される。このシールド板9は、その外径端が外輪5の内周面に形成された周溝に圧入固定され、その内径端が内輪6の外周面のシール面6dに近接して非接触シールを形成している。なお、高温環境で使用されない軸受等では、シール部材9として、その内径端を内輪6の外周面に摺接させる接触シールタイプを使用することもできる。
外輪5、内輪6、および転動体7は、鋼材料、例えばSUS440C等のマルテンサイト系ステンレス鋼で形成される。転動体はセラミックスで形成してもよく、その場合、セラミックスとしては例えば窒化ケイ素を使用することができる。転動体7をセラミックスで形成しない場合には、その表面にグラファイト等の固体潤滑材料からなる被膜を形成するのが好ましい。シールド板9は鋼材料で形成し、例えば耐食性に優れるSUS304等のオーステナイト系ステンレス鋼で形成するのが好ましい。
セパレータ8は固体潤滑剤で形成されている。固体潤滑剤の組成は任意であり、例えばグラファイト、二硫化モリブデン、二硫化タングステン等の層状物質、金、銀、鉛等の軟質金属、PTFEやポリイミド等の高分子樹脂組成物といった固体潤滑材料、あるいはこれら固体潤滑材料を主成分とする複合材をセパレータ8として用いることができる。例えばグラファイトの粉末を成形して焼成したものや、グラファイトを主成分とする粉末をバインダーと共に成形し、焼成したものをセパレータ8として使用することができる。
セパレータ8の形状は任意であるが、この実施形態では、全体を部分円筒状に形成したセパレータ8を例示している。セパレータ8の半径方向の肉厚は、外輪5の内周面(外側軌道面5aに隣接する肩面5c)の半径寸法と、内輪6の外周面(内側軌道面6aに隣接する肩面6c)の半径寸法との差よりも僅かに小さい。また、セパレータ8の軸方向寸法は、外側軌道面5aおよび内側軌道面6aの軸方向寸法よりも大きい。従って、軸受の回転中は、セパレータ8の軸方向両端部が、外輪5および内輪6の肩面5c、6cと摺接可能である。
図3では、セパレータ8の内周面8a(内輪6の外周面と対向する面)および外周面8b(外輪5の内周面と対向する面)を、何れも軸心を中心とする円筒面状に形成しているが、図10に示すように、セパレータ8の外周面8bの円周方向中央領域に平坦面8cを形成してもよい。
固体潤滑転がり軸受4は、隣接する転動体7およびセパレータ8を円周方向両側から保持し、両者の円周方向に離反する方向への相対移動を規制する規制部材10を主要構成要素としてさらに備えている。以下、この規制部材10の構成を図4および図5に基づいて詳細に説明する。ここで、図4は外輪5を除いた状態で、図2の固体潤滑転がり軸受4を外径側から見た展開図であり、図5は規制部材10の斜視図である。
図4および図5に示すように、規制部材10は、外輪5と内輪6の間で円周方向に延びる基部10aと、基部10aの周方向両端から基部10aの表面と直交する方向(軸方向)に延びる規制部10bとを一体に有する。基部10aおよび規制部10の、転動体7およびセパレータ8と対向する内側面10a1,10b1は、何れも曲率を持たない平坦面状に形成されている。図4に示すように、規制部10bの軸方向長さLは転動体7の直径寸法Db、およびセパレータ8の軸方向寸法Pよりも僅かに大きい(L>Db、L>P)。
規制部材10は厚さ0.1mm〜1.0mm程度であり、例えば金属薄板をプレス加工することで製作することができる。規制部材10の材料は任意に選択することができ、ステンレス鋼などの鉄系材料からなるもの、これら鉄系材料を母材として耐食性確保のためにクロムメッキ等の表面処理を施したもの、等を使用することができる。この他、固体潤滑剤で規制部材10を形成してもよい。
図2および図3に示すように、この規制部材10の基部10aは、外輪5の内周面と内輪6の外周面の間に配置され、規制部10bは外輪5の外側軌道面5aと内輪6の内側軌道面6aとの間の空間に配置される。換言すると、規制部10bは、転動体7の公転軌跡と交差するように配置されている。規制部材10の二つの規制部10bの間には、少なくとも一つの転動体7および少なくとも一つのセパレータ8が配置されている。本実施形態では規制部材10の二つの規制部10bの間に二つの転動体7を配置し、さらに二つの転動体7の間に一つのセパレータ8を配置した場合を例示している。規制部材10の二つの規制部10b間の周方向寸法は、その間に収容した各転動体7およびセパレータ8が周方向に僅かに移動可能となるように設定される。
以上に述べた規制部材10は、図3および図4に示すように、円周方向の複数個所(好ましくは三箇所以上)に配置される。この時、全ての規制部材10は同一形状とする。隣接する規制部材10の規制部10b間には転動体7およびセパレータ8が何れも配置されておらず、規制部10b同士が円周方向で対向している。従って、全ての転動体7およびセパレータ8が何れかの規制部材10の規制部10b間に配置されることになる。隣接する規制部材10同士は非連結の状態にあり、隣接する規制部材10の対向する規制部10b間には、図4に示すように円周方向の微小隙間αがある。
規制部材10の半径方向寸法は、外輪5の肩面5cの半径寸法と内輪6の肩面6cの半径寸法との差よりも僅かに小さく、基部10aの外径端と内径端はそれぞれ外輪5の内周面(肩面5c)および内輪6の外周面(肩面6c)に近接している。本実施形態では、基部10aの内径端と内輪6の肩面6cとの間の隙間を、基部10aの外径端と外輪5の肩面5cとの間の隙間よりも小さくしている。隣接する規制部材10間の微小隙間αは、基部10aの内径端が内輪6の外周面(肩面6c)と非接触になるよう定めることができるが、特に問題がなければ規制部材10の回転中に基部10aの内径端と内輪6の外周面(肩面6c)が一時的に接触するように定めても構わない。また、基部10aの外径端を外輪5の内周面と接触させることもできる。
また、本発明の固体潤滑転がり軸受4は、半径方向に延びた二種類の遮蔽部材20,23を主要構成要素としてさらに備える。二種類の遮蔽部材20,23は何れも薄肉で環状をなし、シール部材9と軸方向で対向させて当該シール部材9の軸方向両側に配置されている。以下では、二種類の遮蔽部材20,23のうち、シール部材9の軸方向内側に位置する遮蔽部材20を「第一遮蔽部材」と称し、軸方向外側に位置する遮蔽部材23を「第二遮蔽部材」と称する。第一遮蔽部材20および第二遮蔽部材23は、これを1セットとして軸受4の軸方向両側にそれぞれ配置されている。この実施形態において、シール部材9の内径端は、半径方向にストレートに延びている。
第一遮蔽部材20の軸方向内側面には、環状の凹部21が形成されている。この凹部21は、後述するように固体潤滑剤粉の溜り部22として機能する。一方、第一遮蔽部材20の軸方向外側面は、半径方向に延びた平坦面である。第一遮蔽部材20は、内輪6の内周面の軸方向両端に形成されたシール面6dに隙間嵌め状態で嵌合されており、規制部材10とシール部材に当接する範囲内で軸方向に僅かに移動可能である。なお、第一遮蔽部材20は内輪のシール面6dに圧入等の手段で固定することもできる。この場合には、第一遮蔽部材20の軸方向外側面と、これに対向するシール部材9の軸方向内側面との間に微小な軸方向隙間を設ける。
第二遮蔽部材23は、軸方向両面を半径方向に延びる平坦面とした円板状をなしている。第二遮蔽部材23は、その軸方向内側面と、シール部材9の軸方向外側面との間に僅かな軸方向隙間を介在させて、内輪6のシール面6dに圧入等の手段で固定されている。
規制部材10は、基部10aが軸受の軸方向一方側に配置されるように同じ向きにして外輪5と内輪6の間に組み込まれる。規制部材10の組み込みは、外輪5と内輪6の間に転動体7およびセパレータ8を組み込む前、およびこれらを組み込んだ後の何れの段階でも行うことができる。転動体7、セパレータ8、および規制部材10の組み付け完了後、第一遮蔽部材20を組み込み、外輪5の周溝にシール部材9を圧入固定し、さらに内輪6の小径面6dに第二遮蔽部材23を圧入固定することで、図2に示す固体潤滑転がり軸受4が完成する。この状態では、規制部材10が第一遮蔽部材20を介し、シール部材9によって軸方向両側から拘束されるため、規制部材10が軸受4から脱落することはない。
かかる構成の固体潤滑転がり軸受4において、軸受の回転中は、自転・公転する転動体7とセパレータ8との接触により、セパレータ8が削り取られて固体潤滑剤粉(固体潤滑剤の小片も含む)が発生する。この固体潤滑剤粉が外側軌道面5aや内側軌道面6a等に転着することで、潤滑油やグリースが存在しない環境下でも軸受4の潤滑が安定して行われる。
仮に軸受内部に過剰の固体潤滑粉が生じても、余剰の固体潤滑剤粉は、規制部材10の軸方向外側に設けた第一遮蔽部材20の溜り部22に捕捉・収容される。そのため、固体潤滑剤粉がシール部材9と内輪6の小径面6dとの間のシール隙間に到達しにくくなり、固体潤滑剤粉の軸受外への漏れ出しを抑制することができる。
加えて、第一遮蔽部材20の軸方向外側面とシール部材9の軸方向内側面との間の軸方向隙間、第二遮蔽部材23の軸方向内側面とシール部材9の軸方向外側面との間の軸方向隙間、およびシール部材9の内径端とシール面6dとの間のシール隙間により、互いに連通したラビリンス隙間が構成される。このラビリンス隙間により、シール効果がさらに高まるので、固体潤滑剤粉の軸受外への漏れ出しをより確実に防止することが可能となる。そのため、固体潤滑転がり軸受4をテンタークリップ用軸受として使用した場合でも、外部に漏れ出した固体潤滑剤粉によるフィルム品質の低下を防止することができる。
また、軸受の運転によりセパレータ8は徐々に摩耗してサイズが小さくなるが、その場合でも各転動体7の円周方向の移動範囲が規制部材10で規制されているため、全ての転動体7が円周方向の一部領域に偏在するような事態を防止することができる。そのため、長期運転後も外輪5と内輪6が分離することはなく、軸受が意図せず分解する事態を防止することができる。特に本実施形態のように、三つ以上の規制部材10を使用すれば、全ての転動体7が180°以内の領域に移動することは理論的にありえず、そのために上記の不具合を確実に防止することができる。
また、上記構成から、各規制部材10は、相互間であらゆる方向(軸方向、円周方向、および半径方向)に独立して相対移動可能となる。従って、初期の段階(セパレータ8の摩耗が進行していない状態)でも、転動体7と規制部材10の内側面10a1,10b1との間の隙間の大きさをフレキシブルに変動させることができる。そのため、この隙間に溜まった固体潤滑剤粉の排出が促進され、隙間が固体潤滑剤粉で充満されて回転ロックとなる事態を防止することができる。固体潤滑剤粉の隙間からの排出促進効果は、基部10aおよび規制部10bの各内側面10a1,10b1を、曲率を持たない平坦面状に形成することでさらに助長される。
また、上述した特許文献3の軸受で使用されるリベット等の連結部材が不要となるので、円周方向で連結部材の設置スペースを確保する必要がない。そのため、軸受内部に多くの転動体7を組み込むことが可能となり、軸受の基本定格荷重を増大することができる。さらに、規制部材10同士の連結作業が不要となるので、軸受組立時の作業工数を削減し、低コスト化を図ることができる。
また、各規制部材10を同一形状としているので、規制部材10の加工コストを低減することができ、固体潤滑転がり軸受4のさらなる低コスト化が達成される。
次に本発明の第二実施形態を図6〜図8に基づいて説明する。
この第二実施形態は、転動体7およびセパレータ8の軸方向両側に、同形状からなる一対の規制部材10,10’を配置したものである。以下、かかる実施形態の詳細な構成を説明する。なお、第二実施形態においては、対をなす規制部材10,10’のうち、軸方向他方側の規制部材10’の各部は、軸方向一方側の規制部材10の対応する各部と共通の参照符号に(’)を付した形で表している。
この第二実施形態では、対をなす規制部材10,10’の各基部10a,10a’を軸方向で対向させ、かつ各規制部10b、10b’を周方向で対向させている。対をなす規制部材10,10’は非連結状態にある。両基部10a,10a’の内側面10a1,10a1’と、軸方向一方側の規制部材10の規制部10bの内側面10b1と、軸方向他方側の規制部材10’の規制部10b’の内側面10b1’とで囲まれた空間内に、第一実施形態と同数の転動体7およびセパレータ8が収容されている。各規制部10b,10b’の先端が、対向する相手側の規制部材の基部10a’、10aと接触できるように、各規制部10b、10b’の軸方向長さL(対向する基部10a,10a’の内側面10a1,10a1’間の最小軸方向距離)は、転動体7の直径寸法Db、およびセパレータ8の軸方向寸法Pよりも僅かに大きくする(L>Db、L>P)。
この実施形態の軸受4では、以上に述べた対をなす規制部材10,10’、転動体7、およびセパレータ8からなるユニットを一組として、同構成のユニットが円周方向の複数個所(図示例では三箇所)に配置される。円周方向で隣接するユニット間には第一実施形態と同様に円周方向の微小隙間αが形成されている。また、図6に示すように、シール部材9の軸方向両側には、第一遮蔽部材20および第二遮蔽部材23が配置されている。以上に述べた以外の各部の構成は、基本的に第一実施形態と共通している。また、かかる構成により、第一実施形態で述べた作用効果と同様の作用効果を得ることができる。なお、対をなす規制部材10,10’の規制部10b,10b’同士をルーズに嵌合させる場合を例示しているが、両者をタイトに嵌合させて上記ユニットを一体化することもできる。
図9にラビリンス隙間の他の実施形態を示す。この実施形態では、図2に示す実施形態とは異なり、第一遮蔽部材20の軸方向内側面は凹部のない半径方向にストレートな平坦面である。また、第一遮蔽部材20の軸方向外側面の内径部には、軸方向外側に向けて突出する突出部24が形成されている。さらに、シール部材9の内径端は、突出部24の内径側の形状に沿う形で軸方向内側に屈曲している。
この実施形態では、(1)突出部24の軸方向外側面、突出部24の内径面、および第一遮蔽部材20の突出部24よりも内径側の軸方向外側面とシール部材9の内径端部との間に形成された各隙間、(2)第二遮蔽部材23の軸方向内側面とシール部材9の軸方向外側面との間の軸方向隙間、並びに(3)シール部材0の内径端とシール面6dとの間のシール隙間、で互いに連通するラビリンス隙間が構成される。また、第一遮蔽部材20の突出部24よりも外径側の軸方向外側面と、シール部材9の軸方向内側面との間にはラビリンス隙間よりも幅広の凹所が形成され、この凹所で固体潤滑剤粉の溜り部22が構成されている。図9は、転動体7の軸方向両側に規制部材10を配置した図6に示す第二実施形態の固体潤滑転がり軸受4をベースとしているが、図2に示す第一実施形態の固体潤滑転がり軸受4にも、図9に示す実施形態と同形状の第一遮蔽部材20およびシール部材9を適用することができる。
次に、セパレータ8を構成する固体潤滑剤の他の構成例を説明する。図11は、この固体潤滑剤のミクロ組織を拡大して表すものである。
同図に示すように、この固体潤滑剤11は、炭素材粒子12と、黒鉛粒子13とこれらの粒子12,13間に介在するバインダー成分14と、気孔15とを有する多孔質体である。炭素材粒子12は、隣接する炭素材粒子12同士が互いに結合した骨格構造を形成している。バインダー成分14および黒鉛粒子13は、炭素材粒子12の骨格構造内に保持されている。
この固体潤滑剤11は、炭素材粉、黒鉛粉、およびバインダーを含む粉末を成形型に充填し、所定形状に成形してから型から取り出し、焼成することで製造される。
本発明では、炭素材粉として、非晶質であり、かつ自己焼結性を有する(それ自身で結合することができる)炭素材の粉末が使用される。この炭素材粉は、非晶質であるから結晶質の黒鉛粉とは異なり、また自己焼結性を有するために、自己焼結性を有しない炭素繊維等とも異なる。この条件にあてはまる炭素材粉の一例として、コークス粉あるいはピッチ粉を挙げることができる。ピッチ粉としては、石油系および石炭系の何れも使用可能である。
また、黒鉛粉としては天然黒鉛粉および人造黒鉛粉の何れもが使用可能である。天然黒鉛粉は鱗片状をなし、潤滑性に優れる。一方、人造黒鉛粉は成形性に優れる。従って、必要とされる要求特性に応じて天然黒鉛粉と人造黒鉛粉を選択使用する。ちなみに黒鉛粉は焼成前後を問わず結晶質である。バインダーとしては例えばフェノール樹脂を使用することができる。
以上に述べた炭素材粉および黒鉛粉はバインダーを加えて造粒される。これにより、図12に示すように、炭素材粉12’および黒鉛粉13’をバインダー14’で保持した造粒粉Pが製造される。炭素材粉12’および黒鉛粉13’はサイズの小さい微粉末であり、そのままでは流動性が悪く、成形型にスムーズに充填できないために造粒が行わる。造粒粉Pを粉砕し、次いで篩掛けすることで、粒度600μm以下(平均粒径100μm〜300μm)の造粒粉Pが選別される。
こうして得た造粒粉を成形型に供給し、加圧して圧粉体を成形する。この時、圧粉体中の炭素材粉12’、黒鉛粉13’、およびバインダー14’の割合(重量比)は、炭素材粉12’が最も多く、バインダーが最も少ない。具体的には、炭素材粉12’を50〜60wt%、黒鉛粉13’を25〜40wt%含有し、残りをバインダー14’および不可避的不純物とする。
その後、この圧粉体を焼成することで、図11に示す固体潤滑剤11を製造することができる。焼成は、雰囲気ガスとして窒素ガス等の不活性ガスを使用し、焼成温度を900℃〜1000℃に設定して行われる。焼成により、炭素材粉12’は非晶質の無定形炭素である炭素材粒子12となり、黒鉛粉13’は結晶質の黒鉛粒子13となる。また、バインダー14’は非晶質の無定形炭素であるバインダー成分14となる。焼成後の固体潤滑剤11の密度は1.0〜3.0g/cm3とするのが好ましい。密度が下限値を下回ると欠けを生じやすくなり、逆に密度が上限値を上回ると成形時の寸法のばらつき(特に圧縮方向の寸法のばらつき)が大きくなるためである。
図13は、黒鉛を主成分とした、特許文献2記載の固体潤滑剤のミクロ組織を示すものである。同図に示すように、従来の固体潤滑剤では、黒鉛粒子13は個々に独立して存在しており、黒鉛粒子13相互間が結合されていない。また、バインダー成分も黒鉛粒子13を保持しているにすぎず、黒鉛粒子13とバインダー成分14は結合されていない。そのため、材料強度が低くなり、また黒鉛粒子の脱落も生じやすくなる。なお、図13中の符号16はタングステン等の添加物を示す。
これに対し、本発明の固体潤滑剤11は、炭素材粒子12が母材として機能し、炭素材粒子12同士が結合した骨格構造を形成している。また、バインダー成分14も非晶質で自己焼結性を有するため、炭素材粒子12とバインダー成分14も結合した状態にある。さらに焼成後の炭素材粒子12が硬いこともあり、焼成後の固体潤滑剤11は高硬度となる。そのため、固体潤滑剤11は高い材料強度と硬度を有するようになる。また、黒鉛粒子13の脱落も生じにくくなる。従って、高い潤滑性を保持しつつ、耐衝撃性および耐摩耗性に優れた固体潤滑剤を得ることができる。
ちなみに本発明の固体潤滑剤11は、ショア硬さ(HSC)50〜100程度に達し、特許文献2に挙げられた既存固体潤滑剤(ショア硬さHSC:10〜15程度)よりもはるかに硬い。この硬さゆえに、本発明の固体潤滑剤11は機械加工で後加工を行うこともできる。また、本発明の固体潤滑剤11は曲げ強度40〜100MPaであり、既存固体潤滑剤の曲げ強度よりも数倍〜数十倍大きくなる。さらに、比摩耗量も1.0〜2.5×10-7mm3/(N・m)であり、既存固体潤滑剤と比べて100分の1の比摩耗量となる。従って、転がり軸受の内部に配置する固定潤滑剤として使用することで、軸受を長寿命化することができる。
炭素材粒子12の骨格構造を、FeやCu等の金属粒子同士を結合した骨格構造と置き換えたものを想定することもできるが、かかる構成では、酸化により脆くなりやすい。また、高温環境下で材料が軟化するため、材料強度および硬度の双方が低下し、固体潤滑剤としての使用が困難となる。これに対し、本発明のように炭素材粒子12の骨格構造を採用することで、酸化や高温環境下の材料の軟化が生じにくくなり、これらの不具合を回避することができる。
以上の固体潤滑剤11には、必要に応じて他の組成物を添加することができる。例えばW、Mo、MoS2のうち、何れか一種または二種以上添加することで、耐摩耗性を向上させることができる。また、高温環境下では黒鉛の潤滑性の低下による耐摩耗性の低下が問題となるが、これらを配合することで耐摩耗性の低下を補うこともできる。一方、配合量が多すぎると材料強度が低下する。そのため、これらの配合量としては、1.0vol%〜8.0vol%が適切である。
また、焼成後の耐摩耗性をさらに向上させるため、固体潤滑剤11にカーボンファイバーやカーボンナノチューブを添加することもできる。その一方でこれらが多すぎると、成形性が悪くなる。従って、これらの配合量としては、10wt%以下が適切である。
セパレータ8を耐摩耗性に優れる上記固体潤滑剤11で形成することで、固体潤滑剤の早期摩耗を防止して、固体潤滑剤11による潤滑効果を長期間維持することができる。また、セパレータ8からの単位時間あたりの固体潤滑剤粉の供給量が減少するので、軸受内部の固体潤滑剤粉の余剰量を抑えることができ、固体潤滑剤粉の漏れ出しをさらに効果的に防止することができる。加えて、長期間の使用によりセパレータ8のサイズが摩耗等により小さくなった場合、転動体7が薄くなったセパレータ8等と衝突するようになるが、耐衝撃性に優れた上記の固体潤滑剤11を使用することで、かかる衝突によるセパレータ8等の破損を防止することもできる。
本発明は以上に述べた各実施形態の構成に限定されるものではない。例えば軸受として深溝玉軸受に本発明を適用した場合を例示したが、本発明は、アンギュラ玉軸受、円筒ころ軸受、円すいころ軸受をはじめとする他の形式の軸受にも適用することができる。各実施形態では内輪回転の軸受4を例示したが、外輪回転の軸受にも本発明を適用することができる。
また、本発明にかかる固体潤滑転がり軸受の用途として、フィルム延伸機のテンタークリップ用を例示したが、用途はこれに限定されず、潤滑剤としてグリースや潤滑油を使用することができない、高温雰囲気や真空雰囲気等で使用される軸受に広く適用することが可能である。
さらに、円周方向での転動体7とセパレータ8の配置態様も任意であり、第一および第二実施形態で説明したように、複数(例えば二つ)の転動体を一組として、隣接する二つの転動体組の間に一つのセパレータ8を配置する他、転動体7とセパレータ8を円周方向で交互に配置した場合にも本発明を適用することができる。また、一つの規制部材の二つの規制部間に配置する転動体7やセパレータ8の数も任意である。
1 ガイドレール
2 フレーム
3 クリップ部
4 固体潤滑転がり軸受
5 外輪
5a 外側軌道面
6 内輪
6a 内側軌道面
7 転動体(ボール)
8 セパレータ
9 シール部材(シールド板)
10,10’ 規制部材
10a,10a’ 基部
10a1,10a1’ 内側面
10b,10b’ 規制部
10b1,10b1’ 内側面
11 固体潤滑剤
12 炭素材粒子
12’ 炭素材粉
13 黒鉛粒子
13’ 黒鉛粉
14 バインダー成分
14’ バインダー
20 第一遮蔽部材
21 凹部
22 固体潤滑剤粉の溜り部
23 第二遮蔽部材
24 突出部

Claims (11)

  1. 外側軌道面を有する外輪と、内側軌道面を有する内輪と、外側軌道面と内側軌道面の間に配置した複数の転動体と、隣接する転動体の間に配置されたセパレータとを有し、セパレータが固体潤滑剤で形成された固体潤滑転がり軸受であって、
    隣接する転動体およびセパレータの円周方向に離反する方向への相対移動を規制部材で規制し、前記規制部材を円周方向の複数個所に配置して隣接する規制部材間の相対移動を許容し、かつ規制部材の軸方向外側に固体潤滑剤粉の溜り部を設けたことを特徴とする固体潤滑転がり軸受。
  2. 規制部材の軸方向外側に配置され、内外輪間の空間をシールするシール部材と、シール部材と軸方向で対向し、かつ半径方向に延びる遮蔽部材とをさらに備える請求項1記載の固体潤滑転がり軸受。
  3. シール部材の軸方向内側に前記遮蔽部材を配置し、この遮蔽部材で固体潤滑剤粉の溜り部を形成した請求項2記載の固体潤滑転がり軸受。
  4. 遮蔽部材とシール部材との間にラビリンス隙間を形成した請求項2記載の固体潤滑転がり軸受。
  5. 遮蔽部材の軸方向内側面に、固体潤滑剤粉の溜り部となる凹部を設けた請求項3記載の固体潤滑転がり軸受。
  6. 遮蔽部材の軸方向外側面と、シール部材との間に固体潤滑粉の溜り部となる凹所を設けた請求項3記載の固体潤滑転がり軸受。
  7. 各規制部材が、外輪と内輪の間で円周方向に延びる基部と、基部から内側軌道面と外側軌道面の間の空間に延びる規制部とを有する請求項1記載の固体潤滑転がり軸受。
  8. 基部および規制部の内側面を、曲率を持たない平坦面状に形成した請求項7記載の固体潤滑転がり軸受。
  9. 基部の外径端および内径端を、外輪の内周面および内輪の外周面に近接させた請求項7記載の固体潤滑転がり軸受。
  10. 転動体およびセパレータの軸方向両側に対をなす規制部材を配置し、前記対をなす規制部材と、その内部に収容された転動体およびセパレータとを一つのユニットとして、該ユニットを円周方向の複数個所に配置し、かつ各ユニット間の相対移動を許容した請求項1記載の固体潤滑転がり軸受。
  11. フィルム延伸機のテンタークリップに用いられる請求項1記載の固体潤滑転がり軸受。
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