JP2015063920A - ターボ圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転軸周りの圧力のバラツキを低減し、インペラを通過する空気の流れを安定させることで、低流量側へ作動領域を拡げることができるターボ圧縮機を提供する。
【解決手段】インペラ11と、インペラ11が軸支されたハウジング21と、ハウジング21に設けられ、インペラ11の出口部を周方向に一周するスクロール流路25と、ハウジング21の筒壁内に周方向に沿って連通するキャビティ部34と、キャビティ部34の上流側にて開口する上流側開口部32と、キャビティ部34の下流側にてインペラ11の側方に開口する下流側開口部36とを備え、下流側開口部36とキャビティ部34と上流側開口部32とで循環路31が形成される遠心圧縮機1である。ハウジング21の、上流側開口部32より上流側における内部孔の輪郭が、スクロール流路25側の静圧のバラツキを相殺するように、インペラ11の回転中心に対して非軸対称に形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ターボ圧縮機に関する。
ターボ圧縮機として、例えば車両用エンジンに用いられる過給器を構成する圧縮機には遠心圧縮機が広く用いられている。遠心圧縮機は、高速回転するインペラによって軸方向から空気を吸引し、それに高速の速度エネルギーを与えて径方向外側に吐出する。インペラの外周側にはディフューザが設けられ、このディフューザ内にて吐出空気が次第に減速され、圧力が高められていく。さらに、ディフューザの径方向外側には渦巻き状のスクロール流路が設けられ、このスクロール流路内でも減速・昇圧がなされて、高圧(過給圧)の空気がエンジンに供給されるようになっている。
ところで、前記過給器を構成する圧縮機としては、低流量域から作動することが求められているが、遠心圧縮機においては、空気流量が減少してくると、インペラとハウジングとの間の隙間から圧縮された空気が逆流する現象が発生することが確認されている。また、この逆流流れが、インペラに吸込まれる主流を乱し、サージを引き起こす一因になっていることも確認されている。
そこで、サージの発生を抑制するとともに、圧縮機の作動領域を拡げるため、特許文献1〜特許文献3に示すように、インペラに吸込まれた空気の一部をインペラの上流側に戻し、循環させることが行なわれている。つまり、インペラに吸込まれた空気の一部を上流側に戻して循環させることにより、圧縮機に吸込まれる空気量よりも、循環する分だけインペラに吸込まれる空気量を増やすことができる。その結果として、循環する空気流量分だけサージ発生の限界域を低流量側へ移動させ、遠心圧縮機の低流量側の作動領域を拡大している。
特開2009−257177号公報 米国特許出願公開第2009/0263234A1号明細書 特開2010−190080号公報
しかし、前記従来の遠心圧縮機のように、吸入空気の一部を循環させる構成に対しても、さらに低流量側へ圧縮機の作動領域を拡げることが望まれている。
また、遠心圧縮機のように、インペラの回転によって圧縮された吸入空気をスクロール流路に合流させる構成では、低流量域でスクロール流路内の圧力が安定せず、回転軸周り方向に圧力差が生じることにより、サージ発生の起点となるおそれがある。
すなわち、インペラやディフューザは中心軸(インペラの回転中心)に対して均等に形成配置され、したがって軸対称に形成配置されているものの、スクロール流路は渦巻き状であって中心軸に対し均等でなく非軸対称となっているため、空気の流れによって生じるインペラ出口側の圧、つまりインペラ出口の背圧(静圧)は、周方向に沿って一定でなく、周方向でバラツキを有している。したがって、インペラ領域内ではその圧力がインペラ出口の背圧の影響を受けることでその周方向にバラツキを有し、流れが不均一になるため、圧縮機はその作動領域の拡大が妨げられている。また、このようなインペラ出口の背圧のバラツキの影響は、吸入空気の一部を循環させる構成の圧縮機にあっても同様に受けるため、このような圧縮機にあっても作動領域の拡大が妨げられている。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、回転軸周りの圧力のバラツキを低減し、インペラを通過する空気の流れを安定させることで、低流量側へ作動領域を拡げることができるターボ圧縮機を提供することを目的とする。
本発明のターボ圧縮機は、回転軸周りに回転可能に配置されたインペラと、回転軸に沿った筒形状を有し、内部孔内に前記インペラが軸支されたハウジングと、前記ハウジングに設けられ、前記インペラの出口部を周方向に一周するスクロール流路と、前記ハウジングの筒壁内に周方向に沿って連通する筒状のキャビティ部と、前記キャビティ部の上流側にて、前記ハウジングの内部孔内における前記インペラの上流側に開口する上流側開口部と、前記キャビティ部の前記上流側開口部より下流側にて、前記ハウジングの内部孔内における前記インペラの側方に開口する下流側開口部と、を備え、前記下流側開口部とキャビティ部と上流側開口部とによって循環路が形成されるターボ圧縮機であって、前記ハウジングの、前記上流側開口部より上流側における前記内部孔の輪郭が、前記スクロール流路側の静圧のバラツキを相殺するように、前記インペラの回転中心に対して非軸対称に形成されていることを特徴とする。
また、ターボ圧縮機においては、前記ハウジングの、前記上流側開口部より上流側における前記内部孔の輪郭の、前記インペラの回転中心からの距離が最も短い最小半径位置が、前記インペラの入口側の静圧の最も高くなる部位に対応して配置されていることが好ましい。
また、前記最小半径位置が、前記スクロール流路の巻始め部と巻終わり部とが合流する場所である舌部の周方向の位置を0度とした場合の、−160度から30度の範囲に配置されていることが好ましい。
その場合に、前記ハウジングの、前記上流側開口部より上流側における前記内部孔の輪郭は、真円に対して一部が外側に突出した凸型の形状になっており、前記最小半径位置は、真円になっている部位に形成されていてもよい。
また、前記ハウジングの、前記上流側開口部より上流側における前記内部孔の輪郭は、真円に対して一部が内側に凹んでいる凹型の形状になっており、前記最小半径位置は、凹んでいる部位に形成されていてもよい。
また、前記ハウジングの、前記上流側開口部より上流側における前記内部孔の輪郭は、前記インペラの回転中心に対して偏心した真円形状になっており、前記最小半径位置は、偏心した方向と逆側に形成されていてもよい。
本発明のターボ圧縮機によれば、ハウジングの、上流側開口部より上流側における内部孔の輪郭を、スクロール流路側の静圧のバラツキを相殺するように、インペラの回転中心に対して非軸対称に形成したので、インペラ領域内ではその圧力がスクロール流路側の静圧、すなわちインペラ出口の背圧(静圧)のバラツキの影響が少なくなり、したがってその周方向のバラツキが少なくなる。よって、インペラ領域内で流れが均一化することにより、本発明のターボ圧縮機にあってはその作動領域を低流量側へ拡げることができる。
本発明に係る遠心圧縮機の概略構成を示す側断面図である。 図1に示した遠心圧縮機を吸込側から見た正面図である。 (a)はスクロール室を示す正面図、(b)は(a)の断面図である。 インペラ出口側の静圧と、インペラ入口側の静圧とを示すグラフである。 (a)〜(c)は円筒部の輪郭をインペラの回転中心に対して非軸対称に形成する手法を説明するための模式図である。
以下、図面を参照して本発明の遠心圧縮機を詳しく説明する。なお、以下の図面においては、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
図1は、本発明のターボ圧縮機を遠心圧縮機に適用した場合の一実施形態の概略構成を示す縦断面図である。なお、この遠心圧縮機は、例えば舶用や大型車両用などの遠心圧縮機に好適に用いられる。
図1に示すように本実施形態の遠心圧縮機1は、車両用エンジン(図示せず)等の過給器を構成し、回転軸方向に沿って導入する空気を圧縮しつつ、放射状に吐出するように構成されている。この遠心圧縮機1は、主にインペラ11と、ハウジング21とで構成されている。
インペラ11は、回転軸L周りに回転可能に軸支され、上流側から下流側に向かって拡径する末広がりの略円錐台形状を備えたハブ12と、ハブ12の回転軸Lに対して傾斜する傾斜側面13に所定の間隔で配置されたブレード14とによって構成されている。
ハウジング21は、前記インペラ11の回転軸L方向に沿うように形成配置された略円筒形状のもので、その最上流側に配置された導入部23と、この導入部23の下流側に配置された圧縮部24と、圧縮部24の下流側に配置されたスクロール流路25と、を有して構成されている。
導入部23は円筒形状を有し、この円筒の内部孔内に導入された空気が流れる主流路50を形成するもので、環状の入口縁22からインペラ入口部15に向けて主流路50を徐々に縮径する縮径部23aと、この縮径部23aの下流側に位置する円筒部23bとを有して形成されている。円筒部23bの形状、すなわちその内部孔の輪郭形状については後述する。
圧縮部24は、その内部孔内にインペラ11を収容し、該インペラ11を回転可能に軸支したもので、上流側から下流側に向かってインペラ11の外形形状に沿って徐々に拡径する円筒形状に形成されている。
スクロール流路25は、インペラ11の出口側に設けられたディフューザ16に連続して形成されたもので、インペラ11から放射状に排出された圧縮空気を機外に吐出するように渦巻き状に形成されている。このスクロール流路25の中心には、インペラ11を軸支する基部26が配設されている。
ハウジング21の導入部23から圧縮部24に移行する部位には、筒壁内に周方向に沿って連通する環状のキャビティ部34が形成されている。このキャビティ部34には、その上流側に形成された上流側連通部33を介して上流側開口部32が形成されている。この上流側開口部32は、ハウジング21の内部孔内におけるインペラ11の上流側に開口している。
また、キャビティ部34には、前記上流側連通部33よりも下流側に形成された下流側連通部35を介して下流側開口部36が形成されている。この下流側開口部36は、ハウジング21の内部孔内におけるインペラ11の側方に開口している。このような下流側開口部36とキャビティ部34と上流側開口部32とにより、ハウジング21の筒壁には循環路31が形成されている。
なお、前記上流側連通部33を含む前記キャビティ部34内には、旋回フィン(図示せず)が所定方向に傾けられた状態で配設されている。これにより、循環路31を流れる空気は、旋回フィンによって旋回させられ、あるいはインペラ11によって付与された旋回が低減されるようになっている。
また、上流側開口部32と下流側開口部36のそれぞれの軸方向の位置は、一定に設定されており、回転軸L周りの任意の角度で開口する位置が異なることはない。
前記スクロール流路25は、遠心圧縮機1を吸込側(導入部23側)から見た正面図である図2、および図2と同じ方向から見た正面図であって、スクロール流路25を形成するスクロール室18の概略構成を示す図3(a)、および図3(a)の断面図である図3(b)に示すように、小径の断面略円形形状を有する巻始め部51から大径の巻終わり部52まで、インペラ出口側に形成されたディフューザ16(図2参照)を周方向に一周しつつ、徐々に拡径した流路を形成している。
これにより、巻終わり部52から吐出口39を通じて外部に圧縮した空気を吐出するようになっている。また、巻終わり部52は、図3(a)、(b)に示すように舌部53を介して、巻始め部51に折重なりつつ、連通するように形成されている。舌部53は、スクロール室18(スクロール流路25)の巻始め部51と巻終わり部52とが合流する場所である。なお、図2、図3(a)、(b)中に示す矢印は、インペラ11の回転方向を示している。
ここで、インペラ11やディフューザ16は、インペラ11の回転中心(回転軸L:中心軸)に対して均等に形成配置され、したがって軸対称に形成配置されている。これに対してスクロール流路25は、渦巻き状であって回転軸L(中心軸)に対し均等でなく非軸対称となっている。そのため、空気の流れによって生じるインペラ11出口側の圧、すなわちディフューザ16、スクロール流路25によるインペラ11出口の静圧(背圧)は、周方向に沿って一定でなく、周方向でバラツキを有している。
図4は、このようなインペラ11出口側の静圧と、インペラ11入口側の静圧とを示すグラフであり、図4中の折曲線Aはインペラ11出口側の静圧を示し、図4中の折曲線Bはインペラ11入口側の静圧を示している。ここで、図4中の横軸は、図2、図3(a)、(b)中に示した舌部53を基点(0度)として、この舌部53からのインペラ11の軸周り方向(周方向)における位置を、角度(θ)で示している。ただし、舌部53からインペラ11の回転方向180度までを正とし、舌部53からインペラ11の逆回転方向180度までを負(マイナス)として示している。また、縦軸は静圧を示している。
なお、各折曲線A、Bに交差する破線は、周方向での各静圧の平均値を示している。
また、折曲線Aで示すインペラ11出口側の静圧は、図1に示したディフューザ16の出口付近(スクロール流路25の入口付近)にて測定した値であり、折曲線Bで示すインペラ11出口側の静圧は、図1に示したインペラ入口部15よりやや下流側の、インペラインデューサ付近にて測定した値である。
図4中の折曲線Aで示すように、インペラ11出口の静圧(背圧)は、回転軸Lの周方向に沿って一定でなく、周方向でバラツキを有している。具体的には、図2、図3(a)、(b)中の舌部53近傍よりインペラ11の回転方向側で一旦低くなり、その後上昇する。また、このようなインペラ11出口の静圧(背圧)のバラツキ傾向は、インペラ11入口側では、折曲線Bで示すように折曲線Aとは位相差を持って現れる。すなわち、インペラ11入口側では、インペラ11の回転方向に60度から80度程度進んだ位置(ずれた位置)で、インペラ11出口側の静圧バラツキと同様の傾向の静圧バラツキが生じる。
そこで、本実施形態では、インペラ11出口側、すなわちスクロール流路25側の静圧のバラツキの影響を少なくするべく、このバラツキを相殺するように、インペラ11の回転中心(回転軸L)に対して、ハウジング21の導入部23の円筒部23bの輪郭を非軸対称に形成している。具体的には、図1に示した導入部23における、上流側開口部32より上流側の円筒部23bの輪郭、すなわちその内周面を回転軸L方向から見た形状を、インペラ11の回転中心(回転軸L)に対して非軸対称に形成している。
その場合に、図4中に折曲線Aで示したインペラ11出口側の静圧の最も高くなる部位に対応させるべく、図4中に折曲線Bで示したインペラ11入口側の静圧の最も高くなる部位(周方向の位置)に対応して、前記輪郭の、インペラ11の回転中心からの距離が最も短い最小半径位置を配置するのが好ましい。導入部23の内部孔内に形成される主流路50では、中心軸(回転軸L)からの流路幅、すなわち中心軸から内周面までの半径が短いほど、インペラ11での圧力比を高める傾向にあることがCFD(数値流体力学)や実験によって確認されている。
したがって、インペラ11入口側の静圧の最も高くなる部位(周方向の位置)に対応して、インペラ11の回転中心からの距離が最も短い最小半径位置を配置すれば、この最小半径位置ではインペラ11での圧力比を最も高めることができるため、インペラ11入口側の最も高い静圧の影響を相殺し、インペラ11を通過する空気の流速、つまりインペラ11の領域内での流速を他の部位とほぼ同じに調整することができる。すなわち、図4中に折曲線Aで示したインペラ11出口側の静圧のバラツキを効率良く相殺することができる。
円筒部23bの輪郭をインペラ11の回転中心(回転軸L)に対して非軸対称に形成するには、例えば図5(a)に示すように前記回転軸Lを中心とする真円に対して一部を外側に突出した凸型の楕円形状とする。そして、真円になっている部位を最小半径位置r0とし、この最小半径位置r0を、図4中の折曲線Bに示されるインペラ11入口側の静圧の最も高くなる部位に対応して配置する。具体的には、図2、図3(a)、(b)中に示す舌部53の周方向の位置を0度とした場合の、−160度から30度の範囲に配置するのが好ましく、−90度から−60度の範囲に配置するのが望ましい。このような範囲に最小半径位置r0を配置することにより、前述したようにインペラ11出口側の静圧のバラツキを効率良く相殺し、インペラ11の領域内での流速を他の部位とほぼ同じに調整することができる。なお、図5(a)中の符号17は旋回フィンである。
また、円筒部23bの輪郭をインペラ11の回転中心(回転軸L)に対して非軸対称に形成する手法としては、図5(b)に示すように前記回転軸Lを中心とする真円に対して一部を内側に凹ませた凹型の楕円形状としてもよい。その場合には、楕円形状における最も凹んだ部位を最小半径位置r0とし、この最小半径位置r0を、図4中の折曲線Bに示されるインペラ11入口側の静圧の最も高くなる部位に対応する位置、すなわち前記した−160度から30度の範囲、望ましくは−90度から−60度の範囲に配置する。このようにしても、前述したようにインペラ11出口側の静圧のバラツキを効率良く相殺し、インペラ11の領域内での流速を他の部位とほぼ同じに調整することができる。
また、円筒部23bの輪郭をインペラ11の回転中心(回転軸L)に対して非軸対称に形成する手法としては、図5(c)に示すようにインペラ11の回転軸Lに対して偏心した真円形状としてもよい。その場合には、偏心した方向と前記回転中心(回転軸L)を挟んだ逆側の部位を最小半径位置r0とし、この最小半径位置r0を、図4中の折曲線Bに示されるインペラ11入口側の静圧の最も高くなる部位に対応する位置、すなわち前記した−160度から30度の範囲、望ましくは−90度から−60度の範囲に配置する。このようにしても、前述したようにインペラ11出口側の静圧のバラツキを効率良く相殺し、インペラ11の領域内での流速を他の部位とほぼ同じに調整することができる。
このような構成の遠心圧縮機1では、インペラ11が回転すると、入口縁22から回転軸L方向に沿って導入部23に導入された空気がインペラ11に吸い込まれる。そして、吸込まれた空気は、ハブ12の傾斜側面13に沿いつつ、インペラ11のブレード14によって旋回しながら圧縮され、ディフューザ16、スクロール流路25を経て吐出口39から吐出される。
また、インペラ11に吸い込まれた空気の一部は、下流側開口部36から循環路31を通って上流側開口部32より導入部23内に返送される。上流側開口部32から導入部23内に返送された空気は、上流の入口縁22から導入された空気と合流し、インペラ11に吸い込まれる。
このようにしてインペラ11に吸い込まれる空気は、特に入口縁22から導入されて導入部23の円筒部23bを通る際にこの円筒部23bの輪郭形状の影響を受ける。すなわち、中心軸(回転軸L)から内周面までの半径が短い(小さい)部位(例えば最小半径位置)ではインペラ11での圧力比を高める傾向にあり、半径が長い(大きい)部位ではインペラ11での圧力比を低める傾向にある。したがって、本実施形態では円筒部23bの輪郭を、インペラ11出口側、すなわちスクロール流路25側の静圧のバラツキの影響を少なくするべくこのバラツキを相殺するように、インペラ11の回転中心(回転軸L)に対してハウジング21の導入部23の円筒部23bの輪郭を非軸対称に形成し、インペラ11に流入する空気の圧力比にバラツキを付与している。これにより、インペラ11の領域内ではその圧力がスクロール流路25側の静圧、すなわちインペラ11出口側の背圧(静圧)のバラツキの影響が少なくなる。
したがって、本実施形態の遠心圧縮機1によれば、インペラ11の領域内においてその周方向のバラツキを少なくし、インペラ11を通過する空気の流れを安定させて流れ(流速)を均一化することができ、これによってその作動領域を低流量側へ拡げることができる。
また、図4中に折曲線Aで示したインペラ11出口側の静圧の最も高くなる部位に対応させるべく、図4中に折曲線Bで示したインペラ11入口側の静圧の最も高くなる部位(周方向の位置)に対応して、前記円筒部23bの内部孔の輪郭の前記最小半径位置r0を配置すれば、最小半径位置r0ではインペラ11での圧力比を最も高めることができるため、インペラ11入口側の最も高い静圧の影響を相殺し、インペラ11の領域内での流速を他の部位とほぼ同じに調整することができる。したがって、インペラ11の領域内においてその周方向のバラツキを少なくし、インペラ11を通過する空気の流れを安定させて流れ(流速)を均一化することができ、これによってその作動領域を低流量側へ拡げることができる。
特に、最小半径位置r0を、スクロール流路25の巻始め部51と巻終わり部52とが合流する場所である舌部53の周方向の位置を0度とした場合の、−160度から30度の範囲に配置すれば、インペラ11入口側の最も高い静圧の影響をより良好に相殺することができる。
また、円筒部23bの輪郭をインペラ11の回転中心(回転軸L)に対して非軸対称に形成する手法として、図5(a)に示したように回転軸Lを中心とする真円に対して一部を外側に突出した凸型の楕円形状とし、真円になっている部位を最小半径位置r0にしたり、図5(b)に示したように回転軸Lを中心とする真円に対して一部を内側に凹ませた凹型の楕円形状とし、楕円形状における最も凹んだ部位を最小半径位置r0にしたり、図5(c)に示したようにインペラ11の回転軸Lに対して偏心した真円形状とし、偏心した方向と回転中心(回転軸L)を挟んだ逆側の部位を最小半径位置r0にする手法を採用すれば、円筒部23bを含むハウジング21の製作を従来とほぼ同様にして行うことができ、したがって製作コストの増加を招くことなく作動領域の拡大を容易に行うことができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、円筒部23bの輪郭をインペラ11の回転中心(回転軸L)に対して非軸対称に形成する手法としては、図5(a)〜(c)に示した例に限定されることなく、その他の種々の手法を採用することが可能である。
また、前記実施形態では本発明を遠心圧縮機に適用した場合について説明したが、ターボ圧縮機として、インペラの出口部を周方向に一周するスクロール状の導出部を備えた斜流圧縮機に、本実施形態の円筒部23bを設けても、遠心圧縮機と同様の作用効果が得られる。
1…遠心圧縮機(ターボ圧縮機)、11…インペラ、21…ハウジング、23…導入部、
23b…円筒部、25…スクロール流路、31…循環路、32…上流側開口部、
34…キャビティ部、36…下流側開口部、50…主流路、51…巻始め部、
52…巻終わり部、53…舌部

Claims (6)

  1. 回転軸周りに回転可能に配置されたインペラと、
    回転軸に沿った筒形状を有し、内部孔内に前記インペラが軸支されたハウジングと、
    前記ハウジングに設けられ、前記インペラの出口部を周方向に一周するスクロール流路と、
    前記ハウジングの筒壁内に周方向に沿って連通する筒状のキャビティ部と、
    前記キャビティ部の上流側にて、前記ハウジングの内部孔内における前記インペラの上流側に開口する上流側開口部と、
    前記キャビティ部の前記上流側開口部より下流側にて、前記ハウジングの内部孔内における前記インペラの側方に開口する下流側開口部と、を備え、
    前記下流側開口部とキャビティ部と上流側開口部とによって循環路が形成されるターボ圧縮機であって、
    前記ハウジングの、前記上流側開口部より上流側における前記内部孔の輪郭が、前記スクロール流路側の静圧のバラツキを相殺するように、前記インペラの回転中心に対して非軸対称に形成されていることを特徴とするターボ圧縮機。
  2. 前記ハウジングの、前記上流側開口部より上流側における前記内部孔の輪郭の、前記インペラの回転中心からの距離が最も短い最小半径位置が、前記インペラの入口側の静圧の最も高くなる部位に対応して配置されていることを特徴とする請求項1記載のターボ圧縮機。
  3. 前記最小半径位置が、前記スクロール流路の巻始め部と巻終わり部とが合流する場所である舌部の周方向の位置を0度とした場合の、−160度から30度の範囲に配置されていることを特徴とする請求項2記載のターボ圧縮機。
  4. 前記ハウジングの、前記上流側開口部より上流側における前記内部孔の輪郭は、真円に対して一部が外側に突出した凸型の形状になっており、前記最小半径位置は、真円になっている部位に形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のターボ圧縮機。
  5. 前記ハウジングの、前記上流側開口部より上流側における前記内部孔の輪郭は、真円に対して一部が内側に凹んでいる凹型の形状になっており、前記最小半径位置は、凹んでいる部位に形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のターボ圧縮機。
  6. 前記ハウジングの、前記上流側開口部より上流側における前記内部孔の輪郭は、前記インペラの回転中心に対して偏心した真円形状になっており、前記最小半径位置は、偏心した方向と逆側に形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のターボ圧縮機。
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