JP2015063680A - 蛍光体 - Google Patents

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孝昌 伊澤
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正彦 吉野
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Abstract

【課題】青色LEDの光源波長に励起ピークが集中した、低コストで演色性の良好な黄色蛍光体を提供する。
【解決手段】本発明は、下記式で表わす結晶体から主としてなる黄色蛍光体である。

Lnは、Y、Scを含んだ希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素であり、Mは、アルカリ土類金属元素から選ばれる少なくとも1種の元素であり、REは、Ceを含む賦活成分である。
【選択図】なし

Description

本発明は、青色の光を励起源として発光する黄色蛍光体に関する。
発光ダイオード(LED)を用いたLED照明は、省エネルギー、長寿命等の特性を有し、近年、街路灯や乗用車用ランプ等その用途が著しく拡大している。
従来、LED照明においては、LEDと黄色蛍光体とを組み合わせて用いることが広く行われている。上記黄色蛍光体は、LEDの発光を励起源として黄色の光を発する。この黄色蛍光体に由来する黄色とLEDの発光色とを混色させることにより、所望の照明色が生成される。たとえば、青色LEDと黄色蛍光体とを組み合わせた場合は、補色関係にある青色と黄色が混色され、擬似白色が得られる。
青色LEDと組み合わせて用いられる黄色蛍光体としては、サイアロン系蛍光体や、セリウム賦活イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(Y、Gd)(Al、Ga)12:Ce(YAG:Ce系蛍光体)が公知である(特許文献1)。これらの従来公知の黄色蛍光体は、発光スペクトル分布等の光学特性や劣化特性、温度特性が良好である。特にYAG:Ce系蛍光体は、所定の演色性を備えた擬似白色を得られる点で優れる。その他、本発明に関連する先行文献として、特許文献2〜6がある。
また、特許文献7には、Y6+x/3−zSi11−yAl20+x−y1−x+y:Re(0≦x≦3、0≦y≦3、0.005≦z≦0.2)が記載されており、これは、近紫外波長領域から青色波長領域にかけて幅広い励起帯を有し、570〜583nmの発光ピークを有する橙色蛍光体と認められるものである。
特表2010−507008号公報 特開2008−222878号公報 特開2006−199755号公報 特開2007−332217号公報 特開2007−526635号公報 米国特許出願公開第2012/8133461号明細書 韓国登録特許第10−1243774号公報
JOURNAL OF SOLID STATE CHEMISTRY 129, 312-319
特許文献7で提案されているY6+x/3−zSi11−yAl20+x−y1−x+y:Ceは、570nm以上の長波長発光ピークをもつ橙色蛍光体であるため、青色LEDと組み合わせたときに、良好な白色光が得られにくい。更には、励起スペクトルがブロードであり、すなわち、励起ピークが412nm、421nm、453nm、464nmと多数にわたって分散している。後述の図1において、特許文献7の図6に記載されている励起スペクトルを参考のために示した。この橙色蛍光体は、青色LEDの光源の450nmの波長の分だけCe電子が励起されて収まるはずの5d軌道のエネルギーレベルのキャパシティが相対的に小さいことを原因として、青色LED光による励起効率が悪く、発光効率が上げられない課題を有する。そして、本願発明者らの検討によれば、Y6+x/3−zSi11−yAl20+x−y1−x+y:Ceは、結晶性の悪い不完全な蛍光体であることが判明している。
そして、上記のYAG:CeやY6+x/3−zSi11−yAl20+x−y1−x+y:Ceは、高価なイットリウムが大量に使われているため、蛍光体としては経済性に劣るという課題を抱えている。そこで、本発明は、高価な希少金属元素の含有量が比較的少ない、低コストで生産可能であり、450nm付近に励起ピークが集中した黄色蛍光体を提供することを目的とする。
また、従来の黄色蛍光体の演色性をさらに向上させ、より自然に近い白色を生成できる、青色発光により励起する黄色蛍光体が求められている。本発明は、演色性を向上させた黄色蛍光体の提供を第2の目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、原料を焼結した後、下記化1式で表す結晶体から主としてなり、450nm付近の波長領域にピークを有する光で励起されることにより、発光ピークが545〜590nmの範囲の波長領域に現れる黄色蛍光体であることを特徴とする。
Lnは、Y、Scを含んだ希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素であり、Mは、アルカリ土類金属元素から選ばれる少なくとも1種の元素であり、REは、Ceを含む賦活成分である。
本発明によれば、低コスト化に加え、演色性を向上させ、450nm付近に励起ピークが集中した黄色蛍光体を提供することができる。
特許文献7の図6に記載されている励起スペクトルである。 本発明の蛍光体の一例のX線回折パターンを示す図である。 公知のEr6.254Si1120.7620.238のX線回折パターン(JCPDS 01−088−0410)を示す図である。 実施例1:Ca2.7(Y0.97Ce0.033.3Si113.717.3の励起・発光スペクトルを示す図である。 実施例2:Ca3.6(Y0.97Ce0.032.4Si114.616.4の励起・発光スペクトルを示す図である。 実施例3:Ca4.2(Y0.97Ce0.031.8Si115.215.8の励起・発光スペクトルを示す図である。 実施例4:Ca4.8(Y0.97Ce0.031.2Si115.815.2の励起・発光スペクトルを示す図である。 実施例5:Ca4.2(Y0.65La0.32Ce0.031.8Si115.215.8の励起・発光スペクトルを示す図である。 実施例6:Ca4.2(Y0.32La0.65Ce0.031.8Si115.215.8の励起・発光スペクトルを示す図である。 実施例7:Ca4.2(La0.97Ce0.031.8Si115.215.8の励起・発光スペクトルを示す図である。 実施例8:Ca4.2(Y0.65Gd0.32Ce0.031.8Si115.215.8の励起・発光スペクトルを示す図である。 実施例9:Ca4.2(Y0.32Gd0.65Ce0.031.8Si115.215.8の励起・発光スペクトルを示す図である。 実施例10:Ca4.2(Gd0.97Ce0.031.8Si115.215.8の励起・発光スペクトルを示す図である。 実施例11:Ca4.2(Y0.97Ce0.031.8Si115.215.8原料としてCaFを0.5wt%加えて合成したサンプル、実施例12:Ca4.2(Y0.97Ce0.031.8Si115.215.8原料としてCaFを1wt%加えて合成したサンプル、実施例13:Ca4.2(Y0.97Ce0.031.8Si115.215.8原料としてCaFを3wt%加えて合成したサンプルの励起・発光スペクトルを示す図である。 実施例14:Ca4.2(Y0.97Ce0.032.13Si114.216.8の励起・発光スペクトルを示す図である。 実施例15:Ca3.6(Y0.97Ce0.032.4Si10AlO5.615.4の励起・発光スペクトルを示す図である。 実施例1:Ca2.7(Y0.97Ce0.033.3Si113.717.3、実施例2:Ca3.6(Y0.97Ce0.032.4Si114.616.4、実施例3:Ca4.2(Y0.97Ce0.031.8Si115.215.8、そして、実施例4:Ca4.8(Y0.97Ce0.031.2Si115.815.2のXRD回折パターンを示す図である。 実施例3:Ca4.2(Y0.97Ce0.031.8Si115.215.8、実施例5:Ca4.2(Y0.65La0.32Ce0.031.8Si115.215.8、実施例6:Ca4.2(Y0.32La0.65Ce0.031.8Si115.215.8、そして、実施例7:Ca4.2(La0.97Ce0.031.8Si115.215.8のXRD回折パターンを示す図である。 実施例3:Ca4.2(Y0.97Ce0.031.8Si115.215.8、実施例8:Ca4.2(Y0.65Gd0.32Ce0.031.8Si115.215.8、実施例9:Ca4.2(Y0.32Gd0.65Ce0.031.8Si115.215.8、そして、実施例10:Ca4.2(Gd0.97Ce0.031.8Si115.215.8のXRD回折パターンを示す図である。 実施例3:Ca4.2(Y0.97Ce0.031.8Si115.215.8、実施例11:Ca4.2(Y0.97Ce0.031.8Si115.215.8原料としてCaFを0.5wt%加えて合成したサンプル、実施例12:Ca4.2(Y0.97Ce0.031.8Si115.215.8原料としてCaFを1wt%加えて合成したサンプル、そして、実施例13:Ca4.2(Y0.97Ce0.031.8Si115.215.8原料としてCaFを3wt%加えて合成したサンプルのXRD回折パターンを示す図である。 実施例14:Ca4.2(Y0.97Ce0.032.13Si114.216.8のXRD回折パターンを示す図である。 実施例15:Ca3.6(Y0.97Ce0.032.4Si10AlO5.615.4のXRD回折パターンを示す図である。 実施例3:Ca4.2(Y0.97Ce0.031.8Si115.215.8と、比較例として合成したY6+x/3−zSi11−yAl20+x−y1−x+y:REの励起・発光スペクトルの比較を示す図である。 実施例7の蛍光体に対して、結晶構造のX線回折パターンのリートベルト解析を行った結果を示す図である。
本発明者が鋭意検討したところ、YSi1120なる結晶性の悪い化合物が、Yをアルカリ土類金属で置換し、窒素Nを酸素Oに置換することによって、励起のピークが青色LEDの発光ピーク波長(450nm付近)に集中し、結晶性が格段に向上した、発光半値幅の広い黄色蛍光体になりかわることを見出した。Y以外のLa、Gd、Lu等の希土類元素についても同様の効果が得られた。したがって、本発明の青励起黄色蛍光体は、アルカリ土類金属元素をMとした、MLn6+x/3−ySi11−zAl1−x+y+z20+x−y−z:REで表現される組成を包含する。
希土類元素Lnとしては、輝度の観点から、Y、Gd、La、Luが好ましい。温度特性の観点から、Y、La、Gdが好ましく、Laがより好ましい。YとGdのように、二成分以上でもよい。アルカリ土類金属元素Mとしては、Ca、Sr、Mgが好ましく、Ca、Srがより好ましく、Caが最も好ましい。Caに少量のSrやMgを添えることも可能である。
既述の蛍光体において、Siの一部又は全部がAlで置換されてもよい。AlによるSiサイトの置換量zは、輝度の観点から、5モル以下が好ましく、4モル以下がより好ましい。結晶の安定化の観点から、0.3モル以上が好ましく、1モル以上がより好ましく、5モル以下が好ましく、4モル以下がより好ましい。
Lnをアルカリ土類金属元素Mで置き換えると、また、Si元素(Si4+)をAl元素(Al3+)で置き換えると、カチオンの変化(Ln3+→M2+)(Si4+→Al3+)に伴う電荷補償の観点から、窒素(N3−)が酸素(O2−)に置換される。即ち、化1式において、yLn→yM、及び、zSi→zAlの置換により、カチオンのプラスの電荷がy+zモルだけ減少すると、アニオンでは、酸素がy+zだけ増えて、窒素がy+zだけ減少することにより、マイナスの電荷がy+zだけ減少するので、電荷がバランスされる。
賦活成分として、Ce3+が好ましい。Ce3+以外に、Pr3+、Mn2+、Eu2+、Tb3+、Yb2+等が含まれていてもよい。これは、増感効果を誘起する場合があるためである。Ce3+の含有量は、Lnに対して、0.5〜7.5モル%であることが好ましい。賦活成分の添加量を調節することにより、発光スペクトルを既述の波長領域内で調節することができる。賦活成分の含有量が少なすぎると、賦活が不充分のため、発光ピークが小さくなり、好ましくない。賦活成分の量が多すぎると、濃度消光により発光スペクトルが小さくなるおそれがある。
上記のLnからアルカリ土類金属元素Mへの置換と、窒素イオンから酸素イオンへの置換とが行われることにより、賦活元素としてのCeとCeをとりまく原子との間の原子間距離、配位角度、及び、結合の電子状態が変化する。すなわち、これらの置換によりCeに対する配位環境が変化する。更には、前記置換により、母体の安定性が格段に向上する。これらにより、450nm付近に励起ピークが集中するようになり、発光スペクトルのピークトップが550〜590nmの範囲の波長領域に現れ、結晶性が格段に向上する。Lnを置換するアルカリ土類金属元素Mの割合yは、輝度及び結晶性の観点から、0.25〜0.95(25〜95モル%)が好ましく、0.4〜0.8がさらに好ましく、0.6〜0.7が特に好ましい。
本発明の黄色蛍光体は、焼成後、ErSi1120型結晶構造を主として有すればよく、本発明の作用効果を損なわない程度に異なる結晶相を有することを妨げない。本発明の蛍光体は、前記化1で示される結晶体を少なくとも50モル%含有すればよい。
本発明の蛍光体がErSi1120型結晶構造を有することを、図2に例示するX線回折パターンを用いて説明する。図2は、Ln=YにおいてYをCaに70モル%置き換え、これに伴い窒素が酸素に置換された、既述の化1で示される結晶体のX線回析パターンである。公知のEr6.254Si1120.7620.238のX線回折パターンを図3に示す。図3はJOURNAL OF SOLID STATE CHEMISTRY 129, 312-319をもとにPDF-2にEntry # 01-088-0410で登録されたものである。公知のEr6.254Si1120.7620.238と本発明の蛍光体のX線回折パターンとが一致することが分かる。
図3から分かるように、本発明の蛍光体は、Cu Kα線源のX線回折パターンのプロファイルにおいて、2θが31.8°〜33.2°、34.7°〜35.7°、35.6°〜37°、36.8°〜38.2°、48.6°〜50.2°にピークを有すること、さらに、詳しくは、28.2°〜29.6°、30.6°〜32°、32.8°〜34.2°、38.0°〜39.4°、37.7°〜38.9°、38.0°〜39.4°にもピークを有することを特徴とする。
本発明の蛍光体の励起スペクトルの最も強いピークが青色LEDの発光波長位置と良い一致を見せる点で特徴的である。
高価なLnをCa等のアルカリ土類金属元素に置換させることにより、生産コストの低減を図ることができる。
例えば、発光スペクトルのピークトップが450nmである励起光を用いて、Yを25〜95モル%、Caを5〜75モル%含有する蛍光体を励起させると、発光スペクトルのピークトップは、550〜580nmの範囲に強く現れ、結晶性の高い黄色蛍光体になる。
また、発光スペクトルのピークトップが450nmである励起光を用いて、Gdを40モル%、Caを60モル%含有させた場合には、発光スペクトルのピークトップは、585〜600nmの範囲に強く現れ、結晶性の高い黄色乃至橙色蛍光体が生成される。
本発明の黄色蛍光体の製造方法は特に限定されないが、固相反応法等公知の方法でよい。一例を以下に説明する。
先ず、黄色蛍光体の原料化合物を粉砕、混合して混合物を得る。原料化合物は必要元素の酸化物、またはその前躯体と、窒化物とから選択される。例えばLnの原料は、Y、YN、La、LaN、Gd、GdN、Lu、LuN等から選択されるが、前駆体として炭酸塩、しゅう酸塩なども使用できる。アルカリ土類金属元素についてはCa、CaCO、CaO等とSr、SrCO、SrO等とが使用出来る。Alの原料としてAlN、Al、Siの原料として、Si、SiO、SiO等が使用でき、賦活成分としてCeOやCeN等が使用できる。また、原料にはFlux効果を目的としてCeFやAlF、CaF、YFなどのフッ化物を含ませることができる。
原料の混合物を焼結用の保持容器に充填率20〜50%で充填させ、窒素不活性雰囲気下、もしくは、5%以下の水素を含有する還元性ガス中で熱処理して反応させる。熱処理温度は、1350〜1900℃が好ましい。1450〜1750℃がより好ましい。熱処理時間は2〜24時間が好ましい。
本発明は、本発明の作用効果を発揮しうる限り、蛍光体に少量の不純物が含有されることを許容するが、該不純物の含有量は、原料化合物の選定等により極めて少量に抑制される。
得られた黄色蛍光体は、粉末状にして樹脂や液体等に混合させて用いることができる。その場合、分散性、取扱性の観点から、黄色蛍光体粉末の平均粒径は、1〜15μmが好ましい。
本発明の黄色蛍光体をLEDパッケージに用いる場合のLEDパッケージの製造方法の一例を以下に説明する。
まず、粒子化された黄色蛍光体を、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等公知の熱硬化性樹脂に均質に分散するまで混合させて封止剤を調製する。封止剤には、混合時に適宜分散剤等を添加してもよい。
黄色蛍光体を混合させた封止剤を、青色LED発光素子をワイヤボンディング等により搭載したLEDパッケージに注入し、青色LED発光素子をパッケージ内に封止する。封止後のパッケージを所定時間静置し、本発明の蛍光体粒子をLED発光素子近傍に沈降させる。
該蛍光体粒子を十分に沈降させた後、該LEDパッケージを熱処理することにより、本発明に係る黄色蛍光体を用いたLEDパッケージを得ることができる。
該LEDパッケージは、青色LED発光素子に電流を流すことにより、青色発光素子が450nm付近にピークを有する青色の光を発光する。この青色発光素子の光を励起源として、本発明の蛍光体粒子が励起される。その発光ピークは545〜590nmの範囲の波長領域に現れる。上記発光素子の青色と、本発明の蛍光体により発現される黄色とが混色して、演色性にすぐれた擬似白色を得ることができる。
本発明の蛍光体は、上記に挙げたLED照明以外に、バックライト光源、青色光励起のディスプレイ用塗料に応用することができる。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜15]
黄色蛍光体の実際に合成した化学組成を下記表1に示す。実施例1〜10、14、15に関しては下記表の化学式を満たす組成となるように、仕込みでCa、Y、YN、La、LaN、Gd、GdN、Al、SiO、Si、CeOを適当に組み合わせ、合成した。実施例11〜13に関してはCaの一部をCaFに置き換えCaFが原料の合計重量に対して、実施例11では0.5wt%、実施例12では1wt%、実施例13では3wt%となるように調整した。
前記表に示す組成の原料粉末を秤量して、乳鉢で十分に混合し、得られた混合物をBN製のるつぼに充填した。充填率は40%である。
るつぼに、充填した混合物を雰囲気炉にセットし、真空に引きながら、200分間で室温から1000℃まで昇温させ、さらに1000℃下で窒素を導入して0.1MPaで加圧した後、更に、120分間で1600℃まで昇温させた。焼成温度は、1600℃、焼成時間は、4時間であった。焼成工程の終了後、得られた焼成体を乳鉢で粉砕し、蛍光体粉末の実施例1〜15を得た。
常法により、実施例1〜15の励起・発光スペクトルと色度座標とを室温(25℃)において測定した。実施例1〜15夫々の励起・発光スペクトルを図4〜16に順番に示す。
また、下記表2は、実施例1〜15の発光スペクトルと色度座標の測定結果である。なお、表中の発光色の欄における「x」、「y」は、CIE色度座標の一つである、x、y表色系(CIE 1931表色系)の値である。すなわち表中の「x」、「y」は、本発明の化1に表される、x、yとは区別される。また、図4〜16において、励起スペクトルは図の左側に破線に示され、発光スペクトルは図の右側に実線で示される。
図と表から、YをGdやLaに置き換えると励起・発光ピーク波長が長波長側にシフトしていっている事や、CaFの添加量による発光強度の改善が見て取れる。
表1、2の実施例の蛍光体において、450nm付近のピークを有する光で励起されることにより、発光ピークが552〜579nmの範囲の波長領域にあることがわかる。同じく表1、2の実施例の蛍光体においては、その発光ピークの半値幅が140〜157nmの範囲にあり、従来のYAG黄色蛍光体の半値幅110〜115nmよりも大きい。これにより、蛍光体は単独使用時演色性を向上させ、更に、高演色性化を図る上で従来必要であった高価な赤色蛍光体の補填量を低減させることができる。
表2より、公知のY6+x/3Si11−yAl20+x−y1−x+y:Ce3+の励起スペクトルにおける450nm付近のピークの高さの全ピーク高さに対する割合が27%と低いのに対し、本発明のすべての実施例の励起スペクトルにおいては、450nm付近のピーク高さの全ピーク高さに対する割合が57〜65%と非常に高く、励起ピークが450nm付近に集中していることがわかる。
実施例1〜4のX線回折(Cu Kα線源)を測定した結果をCa組成比率の比較として図17に示した。X線回折パターンと励起・発光スペクトルにみられるとおり、Caの少ない系では、良好なX線回折パターンが得られないのに対し、Caで置換されたCa6−ySi111+y20−y:Ceでは良好なX線回折パターンを示すようになり、青励起黄色発光の特性を示すようになる。
実施例3、5〜7のX線回折(Cu Kα線源)を測定した結果をLa、Y組成比率の比較として図18に示した。Yに比べ、Laはイオン半径が大きいため、メインの回折ピークが低角側にシフトしていっている様子が見て取れる。
実施例3、8〜10のX線回折(Cu Kα線源)を測定した結果をY、Gd組成比率の比較として図19に示した。実施例3、11〜13のX線回折(Cu Kα線源)を測定した結果をCaFの添加量の比較として図20に示した。実施例14のX線回折(Cu Kα線源)を測定した結果を図21に示した。実施例15のX線回折(Cu Kα線源)を測定した結果を図22に示した。
図17、18、19、20、21、22より、本発明のいずれの実施例の蛍光体も、ErSi1120O型のX線回折パターンを示した。
比較例として特許文献7にあるY6+x/3−zSi11−yAl20+x−y1−x+y:Rez(0≦x≦3、0≦y≦3、0.005≦z≦0.2)をJ.Mater.Chem.,2011,21,5780にある合成方法にてy=1、ReのYに対する割合を3%として合成をおこなった。図23にその結果を示す。また、図23では本発明の実施例3と並べて比較した結果を示す。比較例の蛍光体は本発明の励起スペクトルと比べ、励起スペクトルがブロードであり、発光強度も極めて小さいことがわかる。
実施例11〜13はCa原料の一部にCaFを用いている。よって、微量のF元素がサンプル中に取り込まれている可能性がある。
本発明は、高価なイットリウム等の希土類元素の使用を抑制し、黄色蛍光体の生産コストを低減することができる。本発明の黄色蛍光体は、450nm付近のピークを有する光で励起されることにより、発光の半値幅が130〜170nmと顕著に大きく、発光ピークが545〜590nmの波長領域に現れる特徴を有しており、本発明を用いた発光装置の演色性を向上させることができる。本発明の黄色蛍光体は、その励起ピークが450nm付近に集中しているため、450nm付近の青色LED光源により効率よく励起され、高輝度の黄色発光を実現できる。
[リートベルト解析]
実施例7で得られた蛍光体に対して、結晶構造のX線回折パターンのリートベルト解析を行った(Cu Kα線源)。実施例7で合成された粉末は、本発明のMLn6+(x/3)−ySi111−x+y20+x−y相からなるほぼ単一相の状態であるが、厳密なリートベルト解析のために、ほんの僅かに含まれる不純物相、即ち、CaSi相、CaSi相、およびβ−Si相(第2〜4相)を含めた4相をモデルとして、多相解析を行った。非特許文献1の論文の結晶構造モデルから、Y/Caサイトを3種設定し、Paulingの第2則に従い、CaがYを1個置換するときは、近傍のN1個がOに置き換わる束縛条件を設定し、更には、YとCaの解析に大きな影響を及ぼさない少量のCeについては、3サイト等量配分の束縛条件、および、3サイトへの配分量フリーの条件の2通りで、解析を行った。
図24および表3に解析結果を示す。表3に記載の信頼性パラメータS=1.14が示すように、信頼性の高い解析結果が得られていることが分かる。Y→Ca、N→O同時置換の解析結果は、少量のCeに対する2種の条件のどれにおいても、同様の結果となった。本明細書には、少量Ceの3サイトへの配分量に束縛をかけずに行った解析結果を示してある。この結果は、Ln6+(x/3)Si111−x20+xの約70%ものLn−N結合がCa−O結合に置き換わっているというSEM−EDXからの解析結果と一致するものである。

Claims (5)

  1. 下記化1式で表わす結晶体から主としてなる黄色蛍光体。
    Lnは、Y、Scを含んだ希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素であり、Mは、アルカリ土類金属元素から選ばれる少なくとも1種の元素であり、REは、Ceを含む賦活成分である。
  2. 前記Lnは、Y、Gd、Lu、およびLaの少なくとも一つである請求項1に記載の黄色蛍光体。
  3. 前記Mは、Ca及びSrの少なくとも一つであり、前記賦活成分がCe3+である請求項1又は2に記載の黄色発光体。
  4. 前記結晶体がさらにフッ素を含有する請求項1乃至3の何れかに記載の黄色蛍光体。
  5. 青色光からなる励起光源と、
    前記励起光によって黄色蛍光を発する蛍光体と
    を備え、
    前記蛍光体が請求項1乃至4の何れかに記載の結晶体から主としてなる白色発光素子。
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