JP2015063466A - 土壌燻蒸剤含有組成物 - Google Patents

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大悟 平山
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Abstract

【課題】土壌燻蒸剤の含量が高く、使用時までは、土壌燻蒸剤の放出が極めて抑制されており、且つ、土壌に施用後に短期間の土壌燻蒸を可能にする土壌燻蒸剤含有組成物を提供する。【解決手段】常温において液状を呈する、クロルピクリン及び又は1,3−ジクロロプロペン等の土壌燻蒸剤(A)、吸収剤(B)を含むことを特徴とする土壌燻蒸剤含有組成物、並びにこの土壌燻蒸剤含有組成物が、澱粉及びその誘導体、又は、デキスリン等の水溶性又は生分解性の高分子フィルムで被覆されている土壌燻蒸剤含有製剤に関するものである。吸収剤(B)が火山灰(白砂)、ゼオライト、珪藻土から選ばれる一種である。【選択図】なし

Description

本願発明は、土壌燻蒸剤含量が高く、土壌に施用するまでの土壌燻蒸剤の放出が極めて抑制されており、且つ、土壌に施用後に短期間の土壌燻蒸を可能にする土壌燻蒸剤含有組成物、その製造方法、及び土壌燻蒸剤含有製剤に関する。
クロルピクリンや、1,3−ジクロロプロペン(DC)などに代表される土壌燻蒸剤は、蒸気圧が高く、通常の使用条件では、ガス化しやすい。特に、クロルピクリンは刺激臭を有しており、使用時には、保護眼鏡、保護マスク、手袋を着用し、さらに特殊な灌注器具を用いる必要がある。土壌の燻蒸は、一般に、土壌に土壌燻蒸剤を灌注し、灌注後に土壌表面をガスバリアー性のあるフィルムで被覆する方法により行われる。
特許文献1には、液体のクロルピクリンを直接、ポリビニルアルコール(PVA)のフィルム袋に密封して製剤化する手法が記載されている。しかし、上記製剤は、土壌燻蒸剤の刺激臭が十分に抑制されておらず、さらに土壌燻蒸剤を長期間保持することができない。また、密封しているフィルムが破けた場合、中の燻蒸剤が放出してしまう。
特許文献2には、アルギン酸ナトリウムやローメトキシルペクチンなどの多糖類の水溶液を用い、エマルジョン化の際にゼラチンを添加することでO/W型エマルジョン液を得て、その後、このエマルジョン液に2価以上の金属塩を添加し、得られたゲル化物を乾燥することにより、クロルピクリン含有量が高く、刺激臭を抑えることのできる土壌燻蒸剤含有固形物が得られるとしている。しかし、この文献記載の方法で得られる土壌燻蒸剤含有固形物は、製造過程に乾燥工程を含むことから、生産効率、さらには製造時における安全性において、工業的に生産性に優れる方法とは言えない。
特開平7−324002号公報 特開2006−3421567号公報
本発明の主な目的は、土壌燻蒸剤含量が高く、土壌に施用するまでは土壌燻蒸剤の放出が極めて抑制されており、且つ、土壌に施用後に短期間の土壌燻蒸を可能にする土壌燻蒸剤含有組成物を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、常温において液状を呈する土壌燻蒸剤(A)と、吸収剤(B)含む組成物が、組成物中の土壌燻蒸剤の含量が高く、土壌に施用するまでの土壌燻蒸剤(A)の放出が極めて抑制されており、且つ土壌に施用後に短期間に土壌を燻蒸できることを見出した。
本願発明は、上記知見に基づいて完成されたものであり、以下の土壌燻蒸剤含有組成物、その製造方法、及び土壌燻蒸剤含有製剤を提供する。
項1. 常温において液状を呈する土壌燻蒸剤(A)と吸収剤(B)を含むことを特徴とする土壌燻蒸剤含有組成物。
項2. 土壌燻蒸剤(A)が、クロルピクリン及び/又は1,3−ジクロロプロペンである項1に記載の土壌燻蒸剤含有組成物。
項3. 吸収剤(B)が、水溶性高分子及び/または生分解性有機物(b−1)である項1または2に記載の土壌燻蒸剤含有組成物。
項4. 水溶性高分子及び/または生分解性有機物(b−1)が、デンプン及びその誘導体、又はデキストリンである項3に記載の土壌燻蒸剤含有組成物。
項5. 吸収剤(B)が、固形状担体(b−2)である項1又は2に記載の土壌燻蒸剤含有組成物。
項6. 固形状担体(b−2)が、火山灰(白砂)、ゼオライト、珪藻土からなる群より選ばれる1種である項5に記載の土壌燻蒸剤含有組成物。
項7. 項1〜6の何れかに記載の土壌燻蒸剤含有組成物が、水溶性または生分解性の高分子フィルムで被覆されている土壌燻蒸剤含有製剤。
本発明の土壌燻蒸剤含有組成物は、組成物中の土壌燻蒸剤含有量を極めて高くすることができ、各成分の組み合わせにより異なるが、例えば、60重量%以上の含有量にすることもできる。それにより、少ない組成物を用いて効率よく土壌を燻蒸できるものとなる。
また、本発明の土壌燻蒸剤含有組成物は、土壌に施用するまでの流通、保管、使用時などに、土壌燻蒸剤の揮発ないしは放出が著しく抑制されている。従って、土壌燻蒸剤の刺激臭がほとんど無く、また人体への影響が抑制されている。また、本発明の土壌燻蒸剤組成物がフィルムで被覆されている場合に、フィルムが破損しても、人体への影響が抑制されている。即ち、本発明の土壌燻蒸剤含有組成物は、安全性、及び安定性に優れる。
また、本発明の土壌燻蒸剤含有組成物は、土壌燻蒸剤(A)が吸収剤(B)に吸着されているところ、土壌燻蒸剤(A)の担持性に優れ、特に、夏場の高温下でもその吸着状態を保持することができ、保存安定性に優れる。
以下、本発明を詳しく説明する。
(1)土壌燻蒸剤含有組成物
本発明の土壌燻蒸剤含有組成物は、常温において液状を呈する土壌燻蒸剤(A)と、吸収剤(B)を含み、土壌燻蒸剤(A)が吸収剤(B)に吸収/吸着され、担持(包接)されているものである。
常温において液状を呈する土壌燻蒸剤(A)
土壌燻蒸剤(A)の定義において、「常温」は25℃を意味し、常温において液状を呈する土壌燻蒸剤(A)は、この温度で液状を呈する。本発明において「液状」は、流動性を有することを意味する。
土壌燻蒸剤(A)は、常圧下で使用するとガス状態で土壌中に拡散し、農作物などの有用植物や人間に害を及ぼす土中の昆虫、雑草、細菌などを防除することができる。カーバム剤のように、使用時または薬剤処理後に分解などの化学変化を起こして生物活性を示すものも本発明において使用することができる。
本発明において、土壌燻蒸剤(A)は、常圧で沸点が40℃以上、且つ蒸気圧が0.5mmHg/20℃以上の揮散性を有するものが好ましい。この範囲であれば、燻蒸により十分に土壌中の病害虫を防除できる。
土壌燻蒸剤(A)としては、1,3−ジクロロプロペン(DC)、DBCP(1,2−ジブロモ−3クロロプロパン)、DCIP(ジクロロジイソプロピルエーテル)、MITC(メチルイソチオシアネート)、クロルピクリン(トリクロロニトロメタン)、ジメチルジクロルビニルホスフェート、二硫化炭素、カーバム(N−メチルジチオカルバミン酸アンモニウム)などを例示することができる。中でも、1,3−ジクロロプロペン(DC)、クロルピクリン(トリクロロニトロメタン)が好ましい。土壌燻蒸剤(A)は、1種を単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用できる。
組成物中の土壌燻蒸剤(A)の含有量は、後述する吸収剤(B)として、水溶性高分子及び/または生分解性有機物(b−1)を用いる場合、組成物の全量に対して、好ましくは、60重量%以上、中でも75重量%以上とすることができる。また、吸収剤(B)として、固形状担体(b−2)を用いる場合、組成物の全量に対して、好ましくは、60重量%以上とすることができる。本発明では、土壌燻蒸剤(A)と吸収剤(B)を組み合わせることにより、このように高濃度の土壌燻蒸剤(A)を含む組成物とすることができる。組成物中の土壌燻蒸剤(A)の含有量の上限は特に限定されない。なお、本発明における土壌燻蒸剤(A)の含有量とは、組成物の全量に対する土壌燻蒸剤(A)の純分の重量の比率を意味する。
吸収剤(B)
本発明の吸収剤(B)としては、常温において液状を呈する土壌燻蒸剤(A)を吸収/吸着させ、吸収剤(B)中に一定期間、担持(包接)する性質を有するものを意味し、土壌中に散布された時に土壌燻蒸剤(A)が土壌中に速やかに揮散、放出(徐放)することができるものであれば、特に制限なく用いることができるが、例えば、水溶性高分子及び/または生分解性有機物(b−1)、固形状担体(b−2)などを例示することができる。
水溶性高分子及び/または生分解性有機物(b−1)
本発明に用いる水溶性高分子及び/または生分解性有機物(b−1)としては、水に完全溶解あるいは一部溶解する高分子であれば特に限定されないが、例えば、デンプン及びカルボキシメチルデンプンなどの誘導体、デキストリン、セルロース及びメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの誘導体、マンナン、プルラン、キチン、キトサン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、グアーガム、ローカストビーンガム、アラビアゴム、キサンタンガムなど;多糖類、ゼラチン、カゼイン、にかわなど;天然水溶性高分子、ポリ乳酸、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、エチレン・プロピレンブロックポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドンなど;合成水溶性高分子などを例示することができる。
デンプンとしては、特に由来は限定させず、例えば、馬鈴薯、トウモロコシ、タピオカ、小麦などの植物由来のものいずれであってもよい。また、デンプンはエーテル化やエステル化などの処理を行われた誘導体化されたものを用いることもできる。さらに、焙焼・酵素処理・酸化による分解処理を施したもの、アルファー化処理(α化デンプンとは、糊化状態のデンプンを急速に乾燥する方法などにより得られるデンプンである)を施したものを用いることの可能である。
デキストリンとしては、α−グルコースが直鎖状又は環状に連なったデキストリンであれば特に限定されるものではないが、好ましくはDE値が2〜40程度のものがよい。また、アセチル化、ヒドロキシプロピル化、メチル化などの誘導体化されたもの、酵素処理を施されたものを用いることも可能である。
上述したもののうち、特に常温において液状を呈する土壌燻蒸剤(A)の吸収能に優れるものが好ましい。組成物中の土壌燻蒸剤(A)の含有量が高いと、製剤として際の形状が小さくなり、製剤化コストの低減につながる。また、製剤の運搬コストも低くなるなどの効果が得られる。中でも、土壌燻蒸剤(A)の吸収量が高く、土壌での残留性も少ない、デンプン及びその誘導体、デキストリンなどが常温において液状を呈する土壌燻蒸剤の吸収剤(B)として好ましい。
本発明に用いる水溶性高分子及び/または生分解性有機物(b−1)の土壌燻蒸剤含有組成物中における添加量は特に量の制限はないが、好ましくは常温において液状を呈する土壌燻蒸剤(A)が、土壌中において見掛け上残存しない程度の量比で、できるだけ水溶性高分子及び/または生分解性有機物(b−1)の含有量を少なくし、組成物中の常温において液状を呈する土壌燻蒸剤を多くさせることが好ましい。例えば、常温において液状を呈する土壌燻蒸剤(A)100重量部に対し、10〜100重量部の範囲であればよく、好ましくは20〜80重量部の範囲であり、より好ましくは25〜60重量部の範囲である。なお、この最適な添加量は常温において液状を呈する土壌燻蒸剤(A)と混合させる水溶性高分子及び/または生分解性有機物(b−1)の種類によって異なる。
固形状担体(b−2)
本発明に用いることのできる固形状担体(b−2)としては、火山灰(白砂)、ケイ酸化合物、活性炭、ゼオライト、珪藻土、セラミクス、セピオライト、アパタルジャイト、珪酸カルシウム、アロフェン、カオリナイト質粘土、酸化アルミニウム、ホワイトカーボン、バーミキュライト、珪石、クレー、タルクなどの鉱物質、おがくず、粒状に処理したパルプなどが例示できる。中でも、土壌燻蒸剤(A)の吸収量が高く、土壌での残留性も少ない火山灰(白砂)、ゼオライト、珪藻土が好ましい。
火山灰(白砂)としては、天然より採取したもの粉砕したものをそのまま用いてもよく、焼成処理や表面処理などを施したものを用いてもよい。使用する火山灰(白砂)の形状は、紛末状、顆粒状、または塊を破砕し任意の大きさにしたものを使用することができる。
ケイ酸化合物としては、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸ナトリウム、メタケイ酸アルミン酸カリウム、無水ケイ酸などを例示することができる。
活性炭は、ガスの精製、脱臭剤、脱色剤などに用いられる多孔質の炭素であり、1000万分の数センチメートルの微細な孔がたくさんある。このため、物質を吸着する性質が極めて強い。活性炭としては、木材、鋸くず、椰子の実の殻、リグニンなどの植物を原料とするものや、ウシの骨、鶏糞、血炭などの動物を原料とするもの、更に亜炭、かっ炭、でい炭、石炭などを炭化したのち活性化し精製したものがあり、いずれも使用できる。使用する活性炭の形状は紛末状、顆粒状、または塊を破砕し任意の大きさにしたものを使用することができる。
ゼオライトとしては、結晶性のアルミノシリケートであり、X型、Y型、A型、シャバサイト、グメリナイト、フォージャサイト、エリオナイト、オフレタイト、レビナイト、マザイト、モルデナイト、フェリエライト、ヒューロンダイト、スチルバイト、およびクリノプチルライトなどを例示することができる。
上記ゼオライトは、合成ゼオライト、天然ゼオライトのいずれでも使用できるが安価な天然産ゼオライトを使用するのが本発明の目的には有利である。これらのゼオライトの内で特に天然産のモルデナイト、クリノプチルライトまたはこれらの混合物が多用される。使用するゼオライトの形状は紛末状、顆粒状、または塊を破砕し任意の大きさにしたものを使用することができる。
中でも、珪藻土、ゼオライト、セピオライト、アパタルジャイト、珪酸カルシウム、アロフェン、火山灰(白砂)、カオリナイト質粘土、酸化アルミニウム、ホワイトカーボン、バーミキュライト、珪石、クレー、タルクなどの鉱物質を用いる場合、これらの担体の粒子径は特に制限ないが、一般には平均粒径が0.1〜20mm、特に好ましくは0.3〜8mmである。0.1mmより小さい場合には、粉立ちが多く作業性が劣る場合がある。その一方、20mmを超えるとその後にこれを集合体とした場合に即効性が劣る場合がある。なお、本明細書における固形状担体(b−2)は、平均粒子径が上記範囲にあればよく、その名称が粉体、顆粒または細粒などと称されるかは問わない。これらは1種あるいは2種類以上を使用できるが、これらに限定されるものではない。
固形状担体(b−2)への常温において液状を呈する土壌燻蒸剤(A)の吸収は、室温において液状を呈する土壌燻蒸剤(A)に固形状担体(b−2)を数分〜数時間浸漬することによって容易に行なうことができる。また、土壌燻蒸剤(A)を撹拌している液中へ、固形状担体(b−2)を添加してもよい。土壌燻蒸剤(A)は、1種を単独で用いてもよく、また、これに適宜他の殺虫剤および殺線虫剤を添加した複合剤としてもよく、さらに、適当な希釈剤を混合したものであつてもよい。
本発明に用いる固形状担体(b−2)の土壌燻蒸剤含有組成物中における添加量は、特に量の制限はないが、常温において液状を呈する土壌燻蒸剤(A)が、土壌中において見掛け上残存しない程度の量比で、できるだけ固形状担体(b−2)の量を少なく土壌燻蒸剤中の常温において液状を呈する土壌燻蒸剤(A)を多くさせることが好ましい。例えば、常温において液状を呈する土壌燻蒸剤(A)100重量部に対し、30〜100重量部、好ましくは40〜80重量部程度である。この最適な添加量は常温において液状を呈する土壌燻蒸剤(A)と混合させる固形状担体(b−2)の種類によって異なる。
製造方法
本発明の組成物は、上記説明した土壌燻蒸剤(A)中に、吸収剤(B)を添加し、吸収剤(B)に土壌燻蒸剤(A)を吸収/吸着させることにより、得られる。各成分の混合順序は限定されないが、土壌燻蒸剤(A)を撹拌している中に、吸収剤(B)を添加する方法が好ましい。混合は、約5〜40℃の温度下で行うことができる。撹拌方法として、例えば、メカニカルスターラー、マグネティックスターラー、ディスパーなどを用いる方法を例示することができる
本発明においては、土壌燻蒸剤(A)に吸収剤(B)を所定量添加して数秒〜数十分程度(必要に応じては、数時間程度)撹拌して吸収させた後、土壌燻蒸剤(A)の揮発をできるだけ抑える為に直ちにその組成物を水溶性、或いは生分解性でガスバリア性の高いフィルムによって包み込み、密封、包装する。密封、包装する方法としては、例えば、土壌燻蒸剤(A)を吸収させた組成物をフィルムで包み込み、そのフィルムの周囲を加熱密封装置にて加熱融着させて密封、包装する方法が採用できる。
使用方法
土壌燻蒸剤含有組成物は、水溶性高分子、又は生分解性高分子のフィルムで被覆することができる。これにより、使用時までは、土壌燻蒸剤含有組成物を手で触れなくて済み、また、土壌燻蒸剤(A)の揮発を抑えることができる。さらに、土壌に施用後は、フィルムが溶解ないしは分解して、土壌燻蒸剤組成物中の土壌燻蒸剤(A)を土中に揮散させることができる。
水溶性高分子、又は生分解性高分子のフィルムとしては、特に限定されないが、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ乳酸、ポリ1,4-ブタンジオール、ポリカプロラクトン、ポリアクリル酸及びその塩、ゼラチン、プルランなどが挙げられる。この他にも、天然高分子を混合してフィルム状にしたものが多数市販されているので、使用できる。中でも、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコールが好ましい。
土壌燻蒸剤含有組成物の使用量は、土壌燻蒸剤の種類、土壌の状態、気候などによって異なるが、土壌の10アール当たりの土壌燻蒸剤の使用量が約15〜50kgになるようにすればよい。施用後、通常、7〜20日程度で土壌を十分に燻蒸することができる。
以下、本発明を、実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.土壌燻蒸剤含有組成物の製造
実施例1
200mLビーカーに1,3-ジクロロプロペン(ダウケミカル日本株式会社製)36.6g(30ml)を秤量し、室温下、攪拌翼(マリンプロペラ型)を用いて500rpmで撹拌しながら、アミコールHG(日澱化学製)10gを加えた。その後、5分間撹拌を続けた。1,3-ジクロロプロペンの含有率は79重量%であり、これを組成物(A−1)とした。
ポリビニルアルコールフィルムであるソルブロンPT#40(厚み40μm、アイセロ化学株式会社)で作製した水溶性高分子袋に、1,3−ジクロロプロペンを3.0mL含有する量の組成物(A−1)を秤量し、三方向をヒートシールして製剤(A−2)とした
実施例2
実施例1において、アミコールHGの添加量を20gとして以外は、実施例1と同様にして、組成物を得た。1,3-ジクロロプロペンの含有率は65重量%であり、これを組成物(B−1)とした。
ポリビニルアルコールフィルムであるソルブロンPT#40(厚み40μm、アイセロ化学株式会社)で作製した水溶性高分子袋に、1,3−ジクロロプロペンを3.0mL含有する量の組成物(B−1)を秤量し、三方向をヒートシールして製剤(B−2)とした。
実施例3
実施例2において、アミコールST(日澱化学製)を用いた以外は、実施例2と同様にして、組成物を得た。1,3-ジクロロプロペンの含有率は65重量%であり、これを組成物(C−1)とした。
ポリビニルアルコールフィルムであるソルブロンPT#40(厚み40μm、アイセロ化学株式会社)で作製した水溶性高分子袋に、1,3−ジクロロプロペンを3.0mL含有する量の組成物(C−1)を秤量し、三方向をヒートシールして製剤(C−2)とした。
実施例4
実施例1において、オイルQ50(日澱化学製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、組成物を得た。1,3-ジクロロプロペンの含有率は79重量%であり、これを組成物(D−1)とした。
ポリビニルアルコールフィルムであるソルブロンPT#40(厚み40μm、アイセロ化学株式会社)で作製した水溶性高分子袋に、1,3−ジクロロプロペンを3.0mL含有する量の組成物(D−1)を秤量し、三方向をヒートシールして製剤(D−2)とした。
実施例5
実施例4において、オイルQ50(日澱化学製)の添加量を20gとした以外は、実施例4と同様にして、組成物を得た。1,3-ジクロロプロペンの含有率は65重量%であり、これを組成物(E−1)とした。
ポリビニルアルコールフィルムであるソルブロンPT#40(厚み40μm、アイセロ化学株式会社)で作製した水溶性高分子袋に、1,3−ジクロロプロペンを3.0mL含有する量の組成物(E−1)を秤量し、三方向をヒートシールして製剤(E−2)とした。
実施例6
実施例1において、パインフロー(松谷化学工業製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、組成物を得た。1,3-ジクロロプロペンの含有率は79重量%であり、これを組成物(F−1)とした。
ポリビニルアルコールフィルムであるソルブロンPT#40(厚み40μm、アイセロ化学株式会社)で作製した水溶性高分子袋に、1,3−ジクロロプロペンを3.0mL含有する量の組成物(F−1)を秤量し、三方向をヒートシールして製剤(F−2)とした。
実施例7
実施例6において、パインフロー(松谷化学工業製)の添加量を20gとした以外は、実施例6と同様にして、組成物を得た。1,3-ジクロロプロペンの含有率は65重量%であり、これを組成物(G−1)とした。
ポリビニルアルコールフィルムであるソルブロンPT#40(厚み40μm、アイセロ化学株式会社)で作製した水溶性高分子袋に、1,3−ジクロロプロペンを3.0mL含有する量の組成物(G−1)を秤量し、三方向をヒートシールして製剤(G−2)とした。
実施例8
200mLビーカーに1,3-ジクロロプロペン(ダウケミカル日本株式会社製)36.6g(30ml)を秤量し、室温下、攪拌翼(マリンプロペラ型)を用いて500rpmで撹拌しながら、白砂(VSライトD30−N 大建工業製)20gを加えた。その後、5分間撹拌を続けた。1,3-ジクロロプロペンの含有率は65重量%であり、これを組成物(H−1)とした。
ポリビニルアルコールフィルムであるソルブロンPT#40(厚み40μm、アイセロ化学株式会社)で作製した水溶性高分子袋に、1,3−ジクロロプロペンを3.0mL含有する量の組成物(H−1)を秤量し、三方向をヒートシールして製剤(H−2)とした
比較例1
200mLビーカーに、超微粒子無水シリカであるアエロジル300(日本アエロジル株式会社製)3.19gを秤量し、1,3−ジクロロプロペン(ダウケミカル日本株式会社製)61.0gを加えた。室温下、攪拌翼(マリンプロペラ型)を用いて500rpmで5分間撹拌したところ、粘性の高いやや青味を帯びた透明ゲル状物を形成した。1,3−ジクロロプロペンの含有率は95重量%であった。これをゲル状組成物(I−1)とした。
ポリビニルアルコールフィルムであるソルブロンPT#40(厚み40μm、アイセロ化学株式会社)で作製した水溶性高分子袋に、1,3−ジクロロプロペンを2mL含有する量のゲル状組成物(I−1)を秤量し、三方向をヒートシールして製剤(I−2)とした。
2.耐熱試験
実施例4、5、6、7及び比較例1で作成した製剤(D−2)、(E−2)、(F−2)、(G−2)、(I−2)について、高温時の熱安定性を評価した。具体的には、各製剤をナイロンポリ袋(旭化成パックス株式会社製コーパックST1015、100mm x 50mm)に入れ、ヒートシールをして密封したものを試験体とした。試験体を70℃に設定したオーブンに入れ、4時間経過後の状態を目視で観察した。
結果を以下の表1に示す。表1中の○は吸収剤に吸収された1,3ジクロロプロペンが溶出しないことを示し、×は固体から液体が分離したことを示す。
Figure 2015063466
製剤D−2、製剤E−2、製剤F−2、及び製剤G−2は、70℃以下で1,3ジクロロプロペンを吸収剤に担持した状態を保持していたが、製剤I−2は固体から液体が分離した。吸収剤として、シクロデキストリンを用いた製剤では、高温に曝された場合にも土壌燻蒸剤が吸収剤に担持された状態を保持することができ、高温下での安定性に優れていることが分かった。
本発明の土壌燻蒸剤含有組成物は、組成物中の土壌燻蒸剤含量を高くすることができる。また、土壌に施用後の土壌燻蒸剤の放出性が良好であるため、土壌に施用後に短期間で土壌を燻蒸できる。また、土壌に施用するまでの保管時、流通、使用時の土壌燻蒸剤の放出が極めて抑制されており、取扱者には殆ど刺激臭が感じられない安全性、安定性に優れたものである。

Claims (7)

  1. 常温において液状を呈する土壌燻蒸剤(A)と吸収剤(B)を含むことを特徴とする土壌燻蒸剤含有組成物。
  2. 土壌燻蒸剤(A)が、クロルピクリン及び/又は1,3−ジクロロプロペンである請求項1に記載の土壌燻蒸剤含有組成物。
  3. 吸収剤(B)が、水溶性高分子及び/または生分解性有機物(b−1)である請求項1または2に記載の土壌燻蒸剤含有組成物。
  4. 水溶性高分子及び/または生分解性有機物(b−1)が、デンプン及びその誘導体、又はデキストリンである請求項3に記載の土壌燻蒸剤含有組成物。
  5. 吸収剤(B)が、固形状担体(b−2)である請求項1又は2に記載の土壌燻蒸剤含有組成物。
  6. 固形状担体(b−2)が、火山灰(白砂)、ゼオライト、珪藻土からなる群より選ばれる1種である請求項5に記載の土壌燻蒸剤含有組成物。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載の土壌燻蒸剤含有組成物が、水溶性または生分解性の高分子フィルムで被覆されている土壌燻蒸剤含有製剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101814484B1 (ko) * 2016-02-15 2018-01-05 (주) 피러스 잣나무부산물 추출오일을 이용한 재배시설내 병충해 방제용 훈증제 제조

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