JP2015061988A - 回転体 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の回転体は、セラミックスからなる中空状の胴部と前記胴部の両端部内面に嵌合されたセラミックスからなる中実状の軸部とを有する回転体であって、前記胴部および軸部は密着状態で嵌合されるべき嵌合面を各々有し、前記胴部および軸部の嵌合界面には、回転体の回転軸方向に沿い伸びる空気孔が形成されていることを特徴とする。
本発明に係わる第1実施形態である回転体について、その正面図である図1(a)、図1(a)のA矢視図である図1(b)を参照して説明する。図1に示す回転体100は、セラミックスからなる中空円筒状の胴部1と前記胴部の両端部内面に嵌合されたセラミックスからなる中実円柱状の一対の軸部2とを備える。そして、胴部1および軸部2は密着状態で嵌合されるべき嵌合面3、4を各々有し、左側の軸部2の嵌合界面5には、回転体100の回転軸9の方向に伸びる空気孔6が形成されている。本発明の回転体100は、セラミックスからなる中空状の胴部1と胴部の両端部内面に配置された中実状軸部2とが嵌合された、セラミックス一体構造である。従って、加熱炉内における熱膨張が胴部1および軸部2ともにほぼ同等となり、胴部1の緩みにより生じる胴部1の振れ回りに起因する振動の発生することを防ぐことができる。このため、回転体100により搬送される製品(加熱された鋼板)にうねりやキズが発生しにくくなるという効果を有する。また、加熱された鋼板などが接触する胴部1が中空状に形成されており、肉厚が薄いため胴部1に生じる熱衝撃応力が抑制され、胴部1が割損することを防ぐことができる。
上記第1実施形態の回転体100とは異なる第2実施形態の回転体200について、図2を参照しつつ説明する。ここで、図2(a)は、回転体200の正面図であり、図2(b)は、図2(a)のB矢視図である。なお、図2において、第1実施形態の回転体100と同一の構成については、図1と同一符号を付しており、詳細な説明を省略する(以下の第3〜第5実施態様および変形例についても同様)。
上記第1実施形態の回転体100とは異なる第3実施形態の回転体300について、図4を参照しつつ説明する。ここで、図4(a)は、回転体300の正面図であり、図4(b)は、図4(a)のC矢視図であり、図4(c)は、図4(a)の平面図であり、図4(d)は、図4(c)のD矢視図である。
第4実施形態の回転体400について、その正面図である図5、加熱炉に組み込まれた回転体400を示す図7、回転体400の各構成要素の正面図である図8を参照しつつ説明する。 図5に示す第4実施形態の回転体400は、第3実施形態の回転体300と同様な軸部2f、および空気孔6、19を有するが、胴部1dが複数の胴部材1e、1fおよび1gとから構成され、胴部材1e〜1gが互いに嵌合されている点で相違している。すなわち、図8に示すように、胴部1dの中央部を構成する円筒状の胴部材1fは、その両端に円形凹部を有し、円形凹部の内周面が嵌合面1iとなる。また、この胴部材1fの両端に嵌合いされる一対の胴部材1e・1gは、その一端に、胴部材1fの凹部に嵌合可能な円形凸部を有し、円形凸部の外周面が嵌合面1j・1kとなる。そして、胴部材胴部材1e・1gは、その円形凸部が、胴部材1fの円形凹部に嵌合い固定され、胴部1dが形成される。なお、軸部2fの構成は、上記第3態様の回転体300と同様であり、胴部材1e・1gの他端に形成された円形凹部1L・1mに、軸部2fの嵌合部2jが嵌合いされ、当該嵌合いにより、空気孔6および空気孔19が形成される。
第5実施形態の回転体500について、その正面図である図6を参照しつつ説明する。図5に示す第5実施形態の回転体500は、第4実施形態の回転体400と同様3つの胴部材を有するが、空気孔56、59を胴部材1fと胴部材1hの間に形成されている点で相違する。すなわち、図6に示すように、胴部材1hの嵌合面1Kには、第4態様における軸部2fの嵌合部2jに形成されたのと同様の平坦面57が形成されており、この平坦面57の右端から回転体500の半径方向に伸びる断面が略半円形状の凹溝(図示せず)が形成されており、胴部材1fの端面と胴部材1hの端面とを密着することにより、中空部8と外部に連通する空気孔56および59が形成される。
(実施例1)
平均粒径0.8μm、酸素量0.9%、α化率97%の窒化珪素粉末93質量%に、焼結助剤として、平均粒径0.2μmの酸化マグネシウム粉末を2.0質量%、平均粒径2.0μmの酸化イットリウム粉末を5.0質量%添加し、適量の分散剤、バインダーを加えアルコール中で粉砕、混合した。ついで、噴霧乾燥後、篩を通して造粒した後、ゴム型に充填し、静水圧により冷間静水圧プレス(CIP)を行い、図5に示す胴部材1e、1f、1gおよび軸部2に相当する所定形状の成形体を作製した。この成形体を1800℃、10気圧の窒素ガス雰囲気中で5時間焼成し、窒化珪素質セラミックスからなる焼結体を得た後、それぞれ所定の形状に研削加工して図5に示す第4態様の回転体400および材料特性測定用の焼結体を作製した。ここで、回転体400は、その全長を3060mmとし、その胴部1dの全長を2260mm、外径を120mmとした。
実施例1の回転体に対して、軸部2fの嵌合面3に形成した平坦面7の幅、およびこれに連なる大径部2iに形成した凹溝の曲率半径を変更して、回転軸に対し垂直な断面における空気孔6の断面積を表1に示すように変更して空気孔6を形成し、空気孔19の断面積を空気孔6と略同一に形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜5の回転体を作製した。
実施例1の回転体に対して、空気孔19・6を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして比較例1の回転体を作製した。
実施例1と同様のセラミックスを用い、回転体400と同様の寸法を有する、全長3060mm、外径120mmの中実状で一体構造の回転体を作製した。
実施例1と同様のセラミックスを用い、外径120mm、内径80mm、全長1500mmのセラミックスからなるスリーブを作製した。SUS310で全長3060mm、外径60mm、内部に冷却水を循環させる流路を設けた金属軸を作製して、スリーブ内に挿入し、スリーブと金属軸との間には、セラミックスファイバーからなる断熱材を配置し、スリーブの軸方向の一方の端面をバネで押圧固定した、セラミックスと金属からなる回転体を作製した。
1e、1f、1g:胴部材
2(2a〜2f、2k):軸部
2j:嵌合部
2i:大径部
2h:フランジ部
2g:軸受部
3(4):嵌合面
5:嵌合界面
6(10、17、19):空気孔
7:平坦面
8:中空部
9:回転軸
Claims (11)
- セラミックスからなる中空状の胴部と前記胴部の両端部の内面に嵌合されたセラミックスからなる中実状の軸部とを有する回転体であって、前記胴部および軸部は密着状態で嵌合されるべき嵌合面を各々有し、前記胴部および軸部の嵌合界面には、回転体の回転軸方向に伸びる空気孔が形成されており、前記空気孔が大気とつながった状態で、大気中で高温の材料を載せて搬送、支持に用いる回転体。
- 炉外で使用する回転体である請求項1に記載の回転体。
- 回転軸に対し垂直な断面における、前記空気孔の断面積は、前記軸部の断面積の0.001〜5%である請求項1又は2に記載の回転体。
- 前記軸部の嵌合面の一部には平坦面が形成されている請求項1乃至3のいずれかに記載の回転体。
- 前記嵌合面の回転軸方向に沿う嵌合長さLと前記軸部の直径Dの関係がL/D=0.5〜2である請求項1乃至4のいずれかに記載の回転体。
- 前記軸部は、軸受けに接続されるべき軸受部、前記軸受部に連なるフランジ部、前記フランジ部に連なる前記軸受部より大径の大径部、および前記大径部に連なるとともに前記嵌合面を有する嵌合部とからなる請求項1乃至5のいずれかに記載の回転体。
- 前記胴部は、いずれも複数のセラミックからなる胴部材で構成されており、前記胴部材は互いに嵌合されている請求項1乃至6のいずれかに記載の回転体。
- 前記胴部材は密着状態で嵌合されるべき嵌合面を各々有し、前記胴部および軸部の嵌合界面に形成された空気孔に替え、前記胴部材の嵌合界面に、回転体の回転軸方向に伸びる空気孔が形成されている請求項7に記載の回転体。
- 前記軸部は、軸受けに接続されるべき軸受け部を有し、前記軸受け部の端部には、回転軸方向に伸びる平坦面が形成されている請求項1乃至8のいずれかに記載の回転体。
- 前記胴部および前記軸部が、いずれも窒化珪素質セラミックスから形成され、4点曲げ強度500MPa以上、ビッカース硬度1300以上、相対密度95%以上、ヤング率250〜350GPaである請求項1乃至9のいずれかに記載の回転体。
- 前記窒化珪素質セラミックスの熱伝導率が50W/mK以上、10μmあたりの粒界数が10個以下である請求項10に記載の回転体。
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