JP2015060781A - 導電路及びコネクタ - Google Patents

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康雄 大森
芳正 水野
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芳正 水野
平井 宏樹
Hiroki Hirai
宏樹 平井
田端 正明
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正明 田端
学 上里
Manabu Kamisato
学 上里
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Abstract

【課題】大型化することなく端子金具の抜止め機能の信頼性向上を図る。【解決手段】コネクタAは、端子収容室11が形成されたハウジング10と、端子収容室11に臨むように形成されたランス15C,15Eと、端子収容室11に挿入されるようになっている端子金具21と、端子金具21に接続された電線30とを備えた導電路20と、電線30の外周を包囲するように成形され、端子金具21が端子収容室11に挿入された状態では、ランス15C,15Eに係止することで端子金具21を抜止めする光硬化性樹脂製の係止部29とを備えている。【選択図】図3

Description

本発明は、導電路及びコネクタに関するものである。
特許文献1には、電線の前端部に端子金具を接続した形態の導電路が記載されている。この導電路のうち端子金具全体と電線の前端部は、ハウジング内の端子収容室に挿入されるようになっている。端子金具には、その外面から突出する抜止め突起が形成され、端子収容室の内壁には、弾性撓み可能なランスが形成されている。端子収容室に挿入された端子金具は、抜止め突起をランスに係止させることにより、抜止めされる。
特開2013−084350号公報
上記の導電路では、端子金具を抜止めするための抜止め突起が、端子金具の外面から突出させた形態となっている。そのため、抜止め機能の信頼性向上を図るために抜止め突起のランスとの係止代を増やそうとすると、抜止め突起の突出寸法を大きくすることになり、端子金具が大型化する。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、大型化することなく端子金具の抜止め機能の信頼性向上を図ることを目的とする。
第1の発明の導電路は、
ハウジングの端子収容室内に挿入される端子金具と、前記端子金具に接続された電線とを備えた導電路であって、
前記電線の外周を包囲するように成形され、前記端子金具が前記端子収容室に挿入された状態では、前記端子収容室に形成されているランスに係止することで前記端子金具を抜止めする光硬化性樹脂製の係止部を備えているところに特徴を有する。
第2の発明のコネクタは、
端子収容室が形成されたハウジングと、
前記端子収容室に臨むように形成されたランスと、
前記端子収容室に挿入されるようになっている端子金具と、前記端子金具に接続された電線とを備えた導電路と、
前記電線の外周を包囲するように成形され、前記端子金具が前記端子収容室に挿入された状態では、前記ランスに係止することで前記端子金具を抜止めする光硬化性樹脂製の係止部とを備えているところに特徴を有する。
一般的に、電線の外径寸法は、端子金具の最大高さ寸法又は最大幅寸法よりも小さい。したがって、端子金具を大型化したり電線を大径化しなくても、係止部とランスとの係止代、即ち電線の外径と係止部の外径との寸法差を大きく確保できる。
実施例1のコネクタの正面図 コネクタの背面図 コネクタの断面図 図3のX−X線断面図 導電路の正面図 端子金具に相手側端子が嵌合した状態をあらわす導電路の正面図 導電路の背面図 導電路の断面図
(1)第1の発明の導電路及び第2の発明のコネクタは、前記係止部が、前記電線を全周に亘って包囲した形態であり、前記端子金具における相手側端子との嵌合手段が、前記電線と略同心に配され、且つ前記相手側端子に対して相対回転した状態でも嵌合可能な形態であってもよい。この構成によれば、端子収容室に対する端子金具及び電線の回転方向の姿勢が不定であっても、係止部をランスに係止させることができるとともに、端子金具を相手側端子と接続させることができる。
(2)第2の発明のコネクタは、前記係止部が、周方向において少なくとも前記電線を挟んで対応する2位置に配されており、前記ランスが、前記電線を挟んで対向するように対をなして配置されていてもよい。電線は、その軸線と交差する方向へ変位するような変形を生じ易いが、ランスは、電線を挟んで対をなすように配置されているので、電線の変位を抑制し、ランスと係止部との係止状態を確実に保持することができる。
(3)第2の発明のコネクタは、(2)において、前記端子収容室が対をなして並ぶようにされ、前記ランスが、前記対をなす端子収容室の並び方向と同じ方向に並ぶように配されているとともに、前記対をなす端子収容室の並び方向と同じ方向へ弾性変位可能なアーム部と、前記アーム部から前記端子収容室側へ突出して前記係止部に係止する係止突起とから構成され、前記対をなす端子収容室を仕切る位置に配された前記ランスは、1つの前記アーム部から一対の前記係止突起を一方の前記端子収容室側と他方の前記端子収容室側とに突出させた形態であってもよい。この構成によれば、対をなす端子収容室を仕切る位置に配されたランスは、一方の端子収容室に挿入された端子金具を抜止めする機能と、他方の端子収容室に挿入された端子金具を抜止めする機能を兼ね備えているので、ランスの形状の簡素化を図ることができる。
<実施例1>
以下、本発明を具体化した実施例1を図1〜図8を参照して説明する。図3に示すように、本実施例1のコネクタAは、ハウジング10と、複数本の導電路20とを備えて構成されている。
<ハウジング10>
ハウジング10は合成樹脂製であり、図3に示すように、ハウジング10内には、前後方向に貫通した形態の複数の端子収容室11が形成されている。図1,2に示すように、複数の端子収容室11は、上下2段に分かれて配置されていて、上段の端子収容室11と下段の端子収容室11は、1:1で対をなすような位置関係となっている。各端子収容室11には、ハウジング10の後方から端子金具21(導電路20の前端部)が挿入されるようになっている。図1,3に示すように、端子収容室11を構成する前面壁12には、ハウジング10の前端面から端子収容室11まで前後方向に貫通した形態であって端子収容室11よりも小径の円形の受入口13が形成されている。各端子収容室11のうち前端側領域は、端子金具21の挿入方向と直角に切断した断面形状が円形をなす前部室14Fとなっている。前部室14Fと受入口13は同軸状の位置関係となっている。端子収容室11のうち後端側領域は、前部室14Fと同軸の略円形断面をなす後部室14Rとなっている。後部室14Rの後端はハウジング10の後端面に開口している。
図3に示すように、上段側の端子収容室11には、後部室14Rの内壁面における上端部に沿った形態の専用ランス15E(請求項に記載のランス)が形成されている。上段側の専用ランス15Eは、後方へ片持ち状に延出した形態の専用アーム部16E(請求項に記載のアーム部)と、専用アーム部16Eの後端部(延出端部)から下方(つまり、上段の端子収容室11内に進出する方向)に突出する係止突起17とから構成されている。上段側の専用ランス15Eは、その上方に形成した撓み空間18内へ退避することにより上段側の端子収容室11から遠ざかる方向へ弾性撓みし得るようになっている。
下段側の端子収容室11には、後部室14Rの内壁面における下端部に沿った形態の専用ランス15E(請求項に記載のランス)が形成されている。この下段側の専用ランス15Eは、上段側の専用ランス15Eと上下対称である。つまり、下段側の専用ランス15Eは、後方へ片持ち状に延出した形態の専用アーム部16E(請求項に記載のアーム部)と、専用アーム部16Eの延出端部から下段の端子収容室11内に進出するように下向きに突出する係止突起17とから構成されている。下段側の専用ランス15Eは、その下方に形成した撓み空間18内へ退避することにより下段側の端子収容室11から遠ざかる方向へ弾性撓みし得るようになっている。
上段側の端子収容室11と下段側の端子収容室11とを仕切る位置には、共用ランス15C(請求項に記載のランス)が配置されている。共用ランス15Cは、上段側の後部室14Rの内壁面における下端部と下段側の後部室14Rの内壁面における上端部とに沿って後方へ片持ち状に延出する共用アーム部16C(請求項に記載のアーム部)と、この共用アーム部16Cの延出端部から上下で対をなす両端子収容室11内に進出するように上下両方向へ対称に突出する一対の係止突起17とから構成されている。この共用ランス15Cは、上下両方向へ弾性撓みし得るようになっている。
上述のように、上段の端子収容室11には、上段側の専用ランス15Eと共用ランス15Cが上下に並ぶように設けられ、下段の端子収容室11には、共用ランス15Cと下段側の専用ランス15Eとが上下に並ぶように設けられている。この3つのランス15C,15Eの並び方向は、上下で対をなす端子収容室11の並び方向と平行な方向となっている。そして、これらのランス15C,15Eを構成するアーム部16C,16Eの弾性変位方向も、上下で対をなす端子収容室11の並び方向と平行であり、且つ上下に対向する専用ランス15Eと共用ランス15Cの並び方向と平行である。
<導電路20>
図8に示すように、1本の導電路20は、雌形の端子金具21と、端子金具21の後端部に接続された電線30と、電線30の外周に形成した係止部29とを備えて構成されている。端子金具21は、銅製の板材に曲げ加工等を施すことにより、全体として前後方向に細長く延びた形状に成形されている。端子金具21の前端側には相手側端子40との接続手段として角筒部22が形成されている。端子金具21が端子収容室11に正しく挿入された状態では、角筒部22は前部室14F内に収容される。このとき、前部室14Fの円形の内周面は、角筒部22にほぼ外接するような位置関係となるため、角筒部22(端子金具21)は、前部室14F内で前後方向の軸線回りに回転することが可能である。
図5,6,8に示すように、角筒部22内には、相手側端子40に対して弾性的に接触する弾性接触片23が収容されている。弾性接触片23と対向するように位置して角筒部22を構成する壁部24と、弾性接触片23との間の空間は、電線30とほぼ同軸状に位置する嵌合空間25(請求項に記載の嵌合手段)として機能する。
相手側端子40は、電線30と同軸状に細長く、図6に示すように、断面形状が円形をなすピン状のタブ41を有する雄形の端子である。受入口13を通って角筒部22の前方から嵌合空間25に挿入されたタブ41は、壁部24と弾性接触片23との間で弾性的に挟み付けられ、これにより、端子金具21と相手側端子40とが導通可能に接続される。また、タブ41は円形断面のピン状をなすので、タブ41と角筒部22がタブ41の軸線回りに相対回転しても、適正な嵌合状態(接続状態)を維持するようになっている。
図8に示すように、端子金具21の後端側には、電線30を接続するためのオープンバレル状の圧着部26が形成されている。圧着部26は、前側に配されたワイヤバレル部27と、後側に配されたインシュレーションバレル部28とから構成されている。インシュレーションバレル部28は端子金具21の最後端に位置している。端子金具21が端子収容室11に正しく挿入された状態では、圧着部26は後部室14Rのうち係止突起17よりも前方の領域に配置される。
図7,8に示すように、電線30は、略円形断面の導体31の外周を、円筒形をなす絶縁被覆32で全周に亘って同心状に包囲した周知形態のものである。導体31は、アルミニウム製又は銅製の複数本の素線(図示省略)を撚り合わせた周知形態の撚り線からなり、可撓性を有する。絶縁被覆32は可撓性を有する合成樹脂材料からなる。したがって、電線30は、その長さ方向と交差する方向へ自在に曲げ変形させることができるものである。電線30の前端部においては、絶縁被覆32が皮剥きされて導体31が露出した状態となっている。
電線30の前端部は、圧着部26において圧着されることにより、端子金具21の後端部に接続されている。即ち、露出した導体31は、ワイヤバレル部27にカシメ付けられることで導通可能に固着されている。また、電線30のうち絶縁被覆32で包囲された領域の前端部は、インシュレーションバレル部28にカシメ付けられることで固着されている。電線30の前端部を端子金具21の後端部の圧着部26に圧着することにより、電線30と端子金具21が接続されて導電路20が構成されている。電線30が圧着された状態の圧着部26の最大外径は、後部室14Rの内径よりも小さい寸法となっている。
図7,8に示すように、電線30の外周のうち端子金具21の後方近傍領域には、電線30と同心の円筒状をなす係止部29が、全周に亘って包囲するように成形されている。係止部29は、導電路20の前端部(端子金具21)を端子収容室11内に挿入したときに、端子金具21が後方へ抜けるのを防止するための抜止め手段として機能する。図3に示すように、電線30の長さ方向(軸線方向)における係止部29の形成領域は、端子金具21を端子収容室11内に正しく挿入したときに係止突起17に対しその前方に隣接する位置となっている。つまり、端子金具21が端子収容室11に正しく挿入されると、係止部29は後部室14Rに位置する。
係止部29の内周面は、その全領域に亘って電線30の絶縁被覆32の外周面に固着されている。この固着力により、係止部29は、電線30に対し長さ方向(軸線方向)及び周方向への相対変位を規制されている。また、係止部29の外径は、後部室14Rの内径よりも小さい寸法とされている。この寸法差は、後述するように上下で対をなす端子収容室11のうち一方の端子収容室11に端子金具21が挿入された状態で、他方の端子収容室11に端子金具21を挿入する過程で、係止部29が係止突起17との干渉を回避するために必要なクリアランスである。
<光硬化性樹脂>
係止部29は、光硬化性樹脂からなる。光硬化性樹脂は、モノマーとオリゴマーと光重合開始剤(光開始剤)と各種添加剤から構成されている。光硬化性樹脂は、液体の状態で光が照射されると、光エネルギーにより硬化する。添加剤としては、硬化後に、ランス15C,15Eとの係止手段としての所定の剛性が得られるとともに、電線30の絶縁被覆32に対して相対変位不能に密着するような材料が選定されている。また、光硬化性樹脂としては、大きく分けて紫外線硬化性樹脂と可視光線硬化性樹脂があるが、本実施例1では係止部29の材料として紫外線硬化性樹脂が用いられている。
係止部29の材料として紫外線硬化性樹脂を用いる理由は、次の通りである。電線30と端子金具21の圧着工程はアプリケータにより自動化されているが、このアプリケータに光硬化用の設備を付設した自動機(図示省略)を用いることにより、圧着工程と連続して係止部29を形成するための光硬化工程の自動化を図ることが可能である。圧着工程は短時間で行われるため、両工程を連続的に自動処理するためには、光硬化工程に要する時間も短縮化することが望ましい。光硬化性樹脂の硬化時間は、受ける光エネルギーの密度が高いほど短い。そして、紫外線は、可視光線に比べて光エネルギーの密度が高い。したがって、可視光線硬化性樹脂よりも硬化時間の短い紫外線硬化性樹脂を用いた。
<自動機による導電路20の製造工程>
自動機(図示省略)による導電路20の製造工程を説明する。製造は、皮剥き工程、光硬化工程、圧着工程を順に経て行われる。皮剥き工程では、電線30の前端部の絶縁被覆32を除去して導体31の前端部を露出させる。光硬化工程では、まず、電線30が、モールド型(図示省略)に供給されて、長さ方向に位置決めされた状態でセットされる。次いで、モールド型内に液体状の光硬化性樹脂(紫外線硬化性樹脂)が注入され、その後、モールド型内の液状光硬化性樹脂に紫外線が照射される。紫外線の照射により光硬化性樹脂が硬化し、係止部29が絶縁被覆32の外周に液密状に密着した状態でモールド成形される。
また、電線30と端子金具21を圧着するための圧着工程は、図示しないアプリケータ(自動機)を用いて行われる。圧着工程では、端子金具21が所定の圧着位置に供給されてアンビルに載置され、次いで、導体31の前端部を露出させた電線30が、端子金具21の圧着部26にセットされる。その後、クリンパが下降することにより、圧着部26が電線30を包囲するように変形してカシメ付けられ、電線30と端子金具21が接続される。
<ハウジング10に対する端子金具21の挿入工程>
まず、図3に示すように、上段側の端子収容室11に端子金具21を挿入する。挿入過程では、角筒部22が係止突起17に当接することにより、上段側の専用ランス15Eが端子金具21から退避するように上方へ弾性変位するとともに、共用ランス15Cが端子金具21から退避するように下方へ弾性変位する。そして、角筒部22が係止突起17を通過すると、上段側の専用ランス15Eと共用ランス15Cが弾性復帰する。この後、係止部29が係止突起17に当接することにより、上段側の専用ランス15Eが係止部29から退避するように上方へ弾性変位するとともに、共用ランス15Cが係止部29から退避するように下方へ弾性変位する。
そして、端子金具21が正規の挿入位置に到達すると、係止部29が係止突起17を通過し終わり、上段側の専用ランス15Eと共用ランス15Cが弾性復帰する。両ランス15C,15Eが弾性復帰すると、それらの係止突起17が、係止部29の上下2箇所に対して後方から係止する。この2つのランス15C,15Eによる係止作用により、係止部29の後方への相対変位が規制され、端子金具21が抜止め状態に保持される。
また、電線30構成する導体31は撚り線からなるため、曲げ変形を生じ易く、導体31を包囲する絶縁被覆32も合成樹脂製であるから曲げ変形を生じ易い。しかし、係止部29に係止する上下2つのランス15C,15Eの係止突起17は、電線30を上下から挟むように位置している。しかも、上下両係止突起17は電線30の外周面に接近している。したがって、電線30がランス15C,15Eに対して上下方向に位置ずれしようとしても、係止突起17に当接することにより、位置ずれが防止される。これにより、係止部29と係止突起17との係止代の減少が回避され、信頼性の高い抜止め機能が維持される。
端子金具21が挿入された上段の端子収容室11と対をなす下段側の端子金具21に端子金具21を挿入する際には、その過程で、角筒部22が係止突起17に当接することにより、下段側の専用ランス15Eが端子金具21から退避するように下方へ弾性変位するとともに、共用ランス15Cが端子金具21から退避するように上方へ弾性変位する。共用ランス15Cが上方へ弾性変位するのに伴い、上段側の端子収容室11に挿入されている電線30と係止部29が上方へ変位するとともに、上段側の専用ランス15Eが上方へ変位する。
角筒部22が係止突起17を通過すると、下段側の専用ランス15Eが上方へ弾性復帰するとともに共用ランス15Cが下方へ弾性復帰する。共用ランス15Cの弾性復元力に伴い、上段側の電線30と係止部29と専用ランス15Eが下方へ復帰する。この後、係止部29が係止突起17に当接することにより、下段側の専用ランス15Eが係止部29から退避するように下方へ弾性変位するとともに、共用ランス15Cが係止部29から退避するように上方へ弾性変位する。この共用ランス15Cの弾性変位に伴い、上段側の電線30と係止部29と専用ランス15Eが上方へ変位する。
そして、端子金具21が正規の挿入位置に到達すると、係止部29が係止突起17を通過し終わり、下段側の専用ランス15Eが上方へ弾性復帰するとともに共用ランス15Cが下方へ弾性復帰する。この共用ランス15Cの弾性復元力に伴い、上段側の電線30と係止部29と専用ランス15Eが下方へ復帰する。両ランス15C,15Eが弾性復帰すると、それらの係止突起17が、係止部29の上下2箇所に対して後方から係止する。この2つのランス15C,15Eによる係止作用により、係止部29の後方への相対変位が規制され、端子金具21が抜止め状態に保持される。
<実施例1の作用、効果>
本実施例1のコネクタAは、ハウジング10と導電路20を備える。ハウジング10には、端子収容室11と、端子収容室11に臨むランス15C,15Eとが形成されている。導電路20は、端子収容室11に挿入されるようになっている端子金具21と、端子金具21に接続された電線30とを備える。そして、導電路20は、電線30の外周を包囲するように成形された係止部29を有している。係止部29は、光硬化性樹脂からなり、端子金具21が端子収容室11に挿入された状態で、ランス15C,15Eに係止することで端子金具21を抜止めする。電線30の外径寸法は、端子金具21の最大高さ寸法及び最大幅寸法よりも小さい。したがって、端子金具21を大型化したり電線30を大径化しなくても、係止部29とランス15C,15Eとの係止代、即ち電線30の外径と係止部29の外径との寸法差を大きく確保できる。
また、係止部29が、電線30を全周に亘って包囲した形態である。そして、端子金具21における相手側端子40との嵌合空間25は、電線30と略同心に配されていて、相手側端子40に対して相対回転した状態でも嵌合可能な形態である。この構成によれば、端子収容室11に対する端子金具21及び電線30の回転方向の姿勢が不定であっても、係止部29をランス15C,15Eに係止させることができるとともに、端子金具21を相手側端子40と接続させることができる。
また、端子収容室11が上下で対をなして並ぶように配されており、ランス15C,15Eは、対をなす端子収容室11の並び方向と同じく上下方向に並ぶように配されている。ランス15C,15Eは、対をなす端子収容室11の並び方向と同じ方向へ弾性変位可能なアーム部16C,16Eと、アーム部16C,16Eから端子収容室11側へ突出して係止部29に係止する係止突起17とから構成されている。そして、対をなす端子収容室11を仕切る位置に配された共用ランス15Cは、1つの共用アーム部16Cから一対の係止突起17を上段の端子収容室11側と下段の端子収容室11側とに突出させた形態である。このように、対をなす端子収容室11を仕切る位置に配された共用ランス15Cは、上段側の端子収容室11に挿入された端子金具21を抜止めする機能と、下段側の端子収容室11に挿入された端子金具21を抜止めする機能を兼ね備えているので、ハウジング10の内部の形状簡素化が実現されている。
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例1では、係止部を電線と同心の円筒形としたが、係止部は、電線に対して偏心した円筒形や、外周が多角形の筒状であってもよい。
(2)上記実施例1では、係止部が電線を全周に亘って包囲する形態であったが、係止部は、電線の外周のうち周方向における一部又は周方向に間隔を空けた複数箇所に分散して配置されていてもよい。
(3)上記実施例1では、電線と端子金具を圧着する前に、電線に光硬化樹脂による係止部を成形したが、電線と端子金具を圧着した後に、電線に光硬化樹脂による係止部を成形してもよい。
(4)上記実施例1では、係止部を絶縁被覆の外周面に密着させたが、係止部は、電線のうち絶縁被覆を除去して露出させた導体の外周面に密着させてもよい。この場合、係止部の端面を絶縁被覆の端面に当接させれば、電線及び端子金具に対する係止部の軸線方向への位置ずれを確実に防止できる。
(5)上記実施例1では、係止部の材料を紫外線硬化性樹脂としたが、係止部の材料は可視光硬化性樹脂であってもよい。
(6)上記実施例1では、1本の導電路に対してランスが電線を挟んで対をなすように設けられていたが、1本の導電路に対応するランスの数は、1つだけでもよく、3つ以上であってもよい。
(7)上記実施例1では、対をなす端子収容室を仕切る位置に配されたランスが、一方の端子収容室側と他方の端子収容室側とで共用するようにしたが、対をなす端子収容室を仕切る位置に配されるランスは、夫々の端子収容室専用に個別に設けられていてもよい。
(8)上記実施例1では、ランスのアーム部が後方(端子収容室に対する端子金具の挿入方向と反対方向)へ片持ち状に延出する形態としたが、アーム部は、前方へ片持ち状に延出する形態であってもよい。
(9)上記実施例1では、端子金具が、相手側端子との接続手段として角筒部を有する雌形の端子である場合について説明したが、端子金具は、相手側端子との接続手段が細長いタブである雄形の端子であってもよい。
(10)上記実施例1では、端子金具における相手側端子との嵌合手段(嵌合空間)を、電線と略同心に配され、且つ相手側端子に対して相対回転した状態でも嵌合可能な形態としたが、端子金具における相手側端子との嵌合手段は、電線に対して偏心した配置であってもよく、電線と略同心の配置であっても相手側端子に対して相対回転した状態では嵌合不能となる形態であってもよい。
(11)上記実施例1では、非防水タイプのコネクタに適用した例を説明したが、本発明は、個別ゴム栓を用いた防水タイプのコネクタにも適用することができる。この場合、個別ゴム栓は、電線のうち係止部を挟んで端子金具とは反対側の領域に取り付ければよい。
A…コネクタ
10…ハウジング
11…端子収容室
15C…共用ランス(ランス)
15E…専用ランス(ランス)
16C…共用アーム部(アーム部)
16E…専用アーム部(アーム部)
17…係止突起
20…導電路
21…端子金具
25…嵌合空間(嵌合手段)
29…係止部
30…電線
40…相手側端子

Claims (6)

  1. ハウジングの端子収容室内に挿入される端子金具と、前記端子金具に接続された電線とを備えた導電路であって、
    前記電線の外周を包囲するように成形され、前記端子金具が前記端子収容室に挿入された状態では、前記端子収容室に形成されているランスに係止することで前記端子金具を抜止めする光硬化性樹脂製の係止部を備えていることを特徴とする導電路。
  2. 前記係止部が、前記電線を全周に亘って包囲した形態であり、
    前記端子金具における相手側端子との嵌合手段が、前記電線と略同心に配され、且つ前記相手側端子に対して相対回転した状態でも嵌合可能な形態であることを特徴とする請求項1記載の導電路。
  3. 端子収容室が形成されたハウジングと、
    前記端子収容室に臨むように形成されたランスと、
    前記端子収容室に挿入されるようになっている端子金具と、前記端子金具に接続された電線とを備えた導電路と、
    前記電線の外周を包囲するように成形され、前記端子金具が前記端子収容室に挿入された状態では、前記ランスに係止することで前記端子金具を抜止めする光硬化性樹脂製の係止部とを備えていることを特徴とするコネクタ。
  4. 前記係止部が、周方向において少なくとも前記電線を挟んで対応する2位置に配されており、
    前記ランスが、前記電線を挟んで対向するように対をなして配置されていことを特徴とする請求項3記載のコネクタ。
  5. 前記端子収容室が対をなして並ぶようにされ、
    前記ランスが、前記対をなす端子収容室の並び方向と同じ方向に並ぶように配されているとともに、前記対をなす端子収容室の並び方向と同じ方向へ弾性変位可能なアーム部と、前記アーム部から前記端子収容室側へ突出して前記係止部に係止する係止突起とから構成され、
    前記対をなす端子収容室を仕切る位置に配された前記ランスは、1つの前記アーム部から一対の前記係止突起を一方の前記端子収容室側と他方の前記端子収容室側とに突出させた形態であることを特徴とする請求項4記載のコネクタ。
  6. 前記係止部が、前記電線を全周に亘って包囲した形態であり、
    前記端子金具における相手側端子との嵌合手段が、前記電線と略同心に配され、且つ前記相手側端子に対して相対回転した状態でも嵌合可能な形態であることを特徴とする請求項3ないし請求項5のいずれか1項に記載のコネクタ。
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