JP2015059207A - 構造修飾添加剤を添加した高耐衝撃性のビニル芳香族材料の組成物 - Google Patents

構造修飾添加剤を添加した高耐衝撃性のビニル芳香族材料の組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】耐衝撃性が向上した高衝性ポリビニル飽香族の熱可塑性樹脂材料であって同様の組成の従来の重合材料よりも耐衝撃性が高い重合材料の提供。【解決手段】ゴムを用いて改質させたビニル芳香族重合体に関し、このビニル芳香族重合体は、下記式の不飽和化合物である構造修飾添加剤を含み、前記構造修飾添加剤は、0.020〜5重量%の濃度範囲で使用されるか、又は、好ましくは5/1〜1/5の混合比で低分子量の重合体と混合して使用される。前記材料の向上した耐衝撃性はHIPS系のビニル芳香族の熱可塑性樹脂材料で約60〜約151J/mであり、ABS系ビニル芳香族の熱可塑性樹脂材料で約60〜約473J/mである。【選択図】図1

Description

本発明は高耐衝撃性の重合体に関する。本発明は特に、高耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)およびポリ(アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン)(ABS)などの、ゴムおよび構造修飾添加剤を用いて強化した耐衝撃性の熱可塑性プラスチック材料について述べるものである。
ポリスチレン(PS)およびポリ(スチレン共アクリロニトリル)(SAN)が靱性の低い熱可塑性重合体であることは周知である。一方で、ゴムを導入することにより、脆弱な熱可塑性重合体を強化することが可能である。これにより、熱可塑性重合体は、その靱性が著しく向上して、高耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)およびポリ(アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン)(ABS)を得ることのできる耐衝撃性の材料となる。HIPSおよびABSは、高耐衝撃性の熱可塑性材料に対応しており、ゴム粒子を分散させたPSおよびPSANの剛性マトリクスによってそれぞれ形成される。
HIPSおよびABSはポリスチレンの複合混合物として定義され、それぞれPS‐ポリブタジエン(PBd)‐グラフト共重合体(PBd‐g‐PS)およびポリ(スチレン共アクリロニトリル)(PSAN)‐ポリブタジエン(PBd)‐グラフト共重合体(PBd‐g‐PSAN)である。したがって、HIPSおよびABSの特性および特徴は、ゴム粒子が変性されて異なる形態をとり得る範囲で変化させることが可能である。
特にHIPSの場合では、典型的な形態の例は、グラフト共重合体PBd‐g‐PSのドメインをマトリクスPS内部に埋め込んだ「サラミ(Salami)」型の形態である。上記ドメインは、マトリクスPSを内部に含み、PSの一定範囲を占め、サブドメインを形成することがあるので、純粋なエラストマーではない。PBdは、上記ドメインの外側部分および内側部分に薄ラメラ微細相を形成するように、上記PSのサブドメインの間に位置する。HIPSおよびABSの靱性特徴および耐衝特徴は、これらエラストマーの微細相に起因する。そしてエラストマーの微細相は、異なる強化メカニズム(ひび割れおよびせん断降伏)を介してこれら材料の性能特性を向上させる。
異なる種類の形態によって付与される特定の特徴については、「サラミ」型の形態の材料がより良好な耐衝撃性を示す一方で「コアシェル(core‐shell)」型はより良好な靱性を付与するものの、「サラミ」型の形態の材料は良好な光学特性(光沢性および透明性)をも示すということが言える。同様に、HIPSおよび/またはABSの分散相の形態構造に作用するか、またはこれを修飾する要因間において、本願発明者は靱性の強化に用いられるゴムの種類を見出した。
スチレンの重合速度、グラフト形成、界面の動力学および熱力学要因、エラストマー相のせん断応力および架橋などの異なる要因に応じて、異なる種類の形態を形成することが可能である。異なる種類の形態間の差異は、数ある要因のなかでも特に、ゴム粒子とPSマトリクスとの相互作用、分散相の分子間分離、ゴムのPS配列、および機械的処理といった要因を原因にして発生する。さらに、使用する異なる反応条件(撹拌、開始剤の種類および濃度、ゴムの種類および濃度、粘度など)によって、粒子形成は複合的な形で影響を受ける。
上述のように、HIPSおよび/またはABSの分散相に作用し、および/またはこれを修飾する要因間において、本願発明者は、数ある発見のなかでも特に、(1)国際出願第WO2008033646号(Styranec、2008)および米国特許出願第US20060194915号(Morales‐Balado et al.、2006)に記載のゴムの種類、(2)欧州特許第EP0818481号(Doyle、2002)に記載の反応温度、上記欧州特許出願および米国特許第US6239225号(Michels et al.、 2001)に記載の反応系の撹拌速度、(3)例えばMichels et al.の上記特許に記載の開始剤の種類および濃度とグラフト密度、連鎖移動剤の使用(欧州特許第EP0716664号(Schrader et al.、1997、2005、2006)参照)、および、Michels et al.の上記特許および欧州出願EP1380620(Miyatake et al.、2004)に記載のような溶媒などの添加剤の使用を見出した。
より詳細には、出願人Styranecの上記国際出願では、耐衝撃性の向上は、異なる分子量のエラストマーを用いて二峰性の粒径分布の形態を得ることで記載されている。同様に、Morales‐Balado et al.の上記特許出願では、異なる耐衝撃性を有するエラストマー粒子の形態の変化は、ポリスチレンブロック中の多分散性が異なるスチレン/ブタジエンのブロック共重合体の使用を介して記載されている。
Doyleの上記欧州特許では、耐衝撃性を改変したスチレン重合体の合成は、撹拌反応器およびタービン形状のシャフトを用いる連続処理法の使用により記載されている。明細書では、タービン形状のシャフトとアンカー形状のシャフトとの撹拌系の差異によって耐衝撃性に生じる差異が主に示されるとともに、熱的に開始される重合反応により発生する効果およびラジカル開始剤の使用についても示される。
Michels et al.の上記特許では、耐衝撃性の差異を示すHIPS製造用の連続重合反応法は、反応処理時の異なる条件(熱開始反応処理および化学開始反応処理、開始剤の濃度、溶媒の使用、メルカプタンの一群の連鎖移動剤、および撹拌速度の変化など)から得られる二峰性の粒子の粒径分布によって記載されている。
上記欧州特許第0716664号では、ゴムを添加した改変芳香族モノビニルの組成物を調製する方法が記載されている。この方法は、開始剤および連鎖移動剤を含み、撹拌条件下において、耐衝撃性を向上させる特定の粒径範囲のカプセル型およびセル型の形態を提供する。
Michels et al.の上記特許は、HIPSの重合反応における溶媒の使用を示す。また、Miyatake et al.の上記特許出願では、粒径を向上させる反応手段として溶媒を使用することが記載されている。
上述の文献および従来技術に合致する他の文献では、耐衝撃特性の向上した重合体を得ることの必要性が述べられているのと同等に、耐衝撃特性を向上させるのに必要な異なる代替法を使用したことについても記載されており、これら代替法には、基礎処理の操作条件の変更または形態の変化を促進する基質の採用が含まれる。
同様に、従来技術の公知のHIPSおよびABSの大部分は、耐衝撃性の増大または向上の実現を目的としてポリスチレン(PS)およびポリ(スチレン共アクリロニトリル)(SAN)を強化するゴムを多量の範囲で使用することに起因する異なる問題を抱えている。
後者の場合では、耐衝撃性が向上したHIPSおよびABSを製造するためのゴムの著しい使用により、費用が多額になる。
国際出願第WO2008033646号 米国特許出願第US20060194915号 欧州特許第EP0818481号 米国特許第US6239225号 欧州特許第EP0716664号 欧州出願EP1380620
耐衝撃特性の向上したポリマー材料を求める要求を鑑みて、本発明の目的は、同様の組成の従来の重合材料よりも耐衝撃性が高い重合材料を提供することにある。
本発明の他の目的は、重合材料の組成物中のゴムの含有量を低下させて、現行の従来技術の他の材料と同等の耐衝撃性を有する重合材料を提供することである。そして、このことは、製剤に使用するゴムのより優れたアセスメントを提案するものである。
本発明のさらに他の目的は、構造修飾添加剤を導入して、耐衝撃性を向上させた、ゴムを用いて改質させたビニル芳香族重合体の製造用の改良組成物を提供することである。
本発明のさらにもう1つの目的は、ゴムを用いて改質させたビニル芳香族重合体の製造用の改良組成物であって、従来の製剤よりもゴムの含有量を低下させた場合であっても、前記従来の製剤において得られる耐衝撃性と同様の耐衝撃性を示すビニル芳香族重合体の製造用の改良組成物を提供することである。
上述の目的および他の目的は、以下の説明および添付の図面に照らすことで明らかになるであろう。
本発明は、HIPSおよびABSなどの、ゴムを用いて改質させたビニル芳香族重合体に関する。上記ビニル芳香族重合体は、従来技術に記載の任意の合成法の異なる工程(好ましくは複数のフェーズの共連続期間中および反転インターバル中)において構造修飾添加剤を導入することで、得られる生成物の耐衝撃性が著しく向上する。
構造修飾添加剤は、低分子量のポリマーと組み合わせて使用することが可能である。上記低分子量のポリマーは、ビニル芳香族化合物の一群を含み、好ましくは、変性添加剤との重量関係が5/1〜1/5の範囲の構造/低質量の重合体中の混合物として含む。
上記構造修飾添加剤を添加することにより、ゴムの含有量が従来の範囲(8%)であるHIPS材料の耐衝撃性が100%〜114%の範囲で向上する。同様に、ゴムの含有量が6%のHIPS材料の耐衝撃性の向上は約62%および約65%である。
同等に、上記構造修飾添加剤を添加した場合では、ゴムの含有量が従来の範囲(6%)であるABS材料の耐衝撃性が40%〜43%の範囲で向上する。
図1は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察した、8%のゴムの含有量を含む、耐衝撃性を向上させたHIPS材料の第1の写真を示す。 図2は、透過型電子顕微鏡を用いて観察した、8%のゴムの含有量を含む、耐衝撃性を向上させたHIPS材料の第2の写真を示す。 図3は、透過型電子顕微鏡を用いて観察した、6%のゴムの含有量を含む、耐衝撃性を向上させたHIPS材料の第1の写真を示す。 図4は、透過型電子顕微鏡を用いて観察した、6%のゴムの含有量を含む、耐衝撃性を向上させたHIPS材料の第2の写真を示す。 図5は、透過型電子顕微鏡を用いて観察した、6%のゴムの含有量を含む、耐衝撃性を向上させたABS材料の第1の写真を示す。 図6は、透過型電子顕微鏡を用いて観察した、6%のゴムの含有量を含む、耐衝撃性を向上させたABS材料の第2の写真を示す。
本発明は、(a)60重量%〜95重量%のビニル芳香族単量体、(b)5重量%〜40重量%のゴム(共役ジエン、または共役ジエンおよびビニル芳香族化合物に基づいた共重合体など)、および(c)0.20重量%〜5重量%の構造修飾添加剤を含み、(d)耐衝撃性が、60J/m〜473J/mの範囲で向上したビニル芳香族の熱可塑性プラスチック材料について述べるものである。
特定の様式では、本発明は、上述の組成を含む、好ましくはサラミ型の粒子を示すHIPSまたはABSを得る手法について述べるものである。
本発明を実現するための好適な実施形態によれば,耐衝撃性の重合体は、スチレン、アクリロニトリルまたは他のビニル芳香族単量体の溶液と、ポリブタジエン、または、ジエンおよびビニル芳香族単量体に基づく(に由来する)共重合体とから構成され、製剤には下記一般式(1)を有する構造修飾添加剤が導入され、
式中、RおよびRはC〜C18の飽和または不飽和鎖をそれぞれ示し、前記RおよびRは互いに同一であるか、または異なり、R、R、およびRは、水素、ハロゲン、またはC〜C18の炭素鎖をそれぞれ示し、前記R、R、およびRは互いに同一であるか、または異なり、「n」は1以上の整数である。
上記重合体は、好ましくはラジカルアゾ系、ペルオキシド系、またはヒドロペルオキシド系の開始剤をさらに含み、好ましい開始剤は、単官能性または多官能性のペルオキシド系の開始剤である。
本発明に使用することが可能なゴムは、1,3‐ブタジエン、イソプレン、2,3‐ジメチル‐1,3‐ブタジエン、線形または放射状ブロック共重合体、完全ブロックまたは部分ランダム化型SB、SBR、SBS、BSBの共重合体、または多重ブロック(SB)nの共重合体であり、「S」はビニル芳香族重合体を示し、「B」は共役ジエンを示し、「n」は整数であり、エラストマー部分は部分的または全体的に水素化されることが可能である。SB共重合体の場合では、共重合体のS/B組成は5/95〜80/20の重量比の範囲内で可変であり、ゴムの分子量は100,000g/mol〜450,000g/molの間において可変である。
本発明の耐衝撃性を有する材料は、ビニルトルエン、スチレン、α‐スチレン、クロリド‐スチレン、および、それらの混合物、および、それらと、メタクリル酸、アクリロニトリル、および無水マレイン酸のアクリル単量体などの他の共重合性単量体との混合物、からなる群から選択されるビニル芳香族単量体を含む。
上述の組成については、ゴムに挿入したポリスチレン部分およびそのマトリクスの分子量を同時に制御するために、併用または個別に使用する鉱油および連鎖移動剤(分子量制御剤)を添加する(熱的に誘導するか、またはアゾまたはペルオキシド型の遊離基を生成可能な化合物を用いて誘導する)ことが可能である。これにより、耐衝撃ポリスチレンの流動の特性をその用途および処理法の種類に応じて制御することが可能になる。
本発明の好適な実施形態では、HIPS系のビニル芳香族の熱可塑性プラスチック材料は、92重量%〜95重量%のスチレン単量体の比、および5重量%〜8重量%のポリブタジエン(PB)の比、並びに、0.1重量%のベンゾイルペルオキシド(BPO)、および0.20重量%〜3重量%の構造修飾添加剤の比で構成される。
上述の説明によると典型的な実施形態では、ゴムの含有量が6%で、構造修飾添加剤を含むHIPS材料の場合では、71J/mの耐衝撃性が得られる。なお、この耐衝撃性は、ゴムの含有量が8%で、構造修飾添加剤を含まないHIPS材料によって得られる70.53J/mの耐衝撃性と近似の値を示す。このことは、本願実施形態のHIPS材料は、従来技術の重合体と比較して、ゴムの含有量が25%削減されていることを示す。
したがって、本発明の構造修飾添加剤を添加したHIPS材料を含む重合体は、ゴムの含有量が5%〜8%の場合では、約60J/m〜約151J/mの範囲の向上した耐衝撃性を有する。なお、この耐衝撃性は、ゴムの含有量が同一量(5%〜8%)である一方で構造修飾添加剤を無添加の従来技術のHIPS材料を含む重合体で得られる約36J/m〜約70.53J/mの耐衝撃性から大きく異なる。
本発明の好適な実施形態では、ABS系のビニル芳香族の熱可塑性プラスチック材料は、92重量%〜95重量%のスチレン単量体(S)およびアクリロニトリル(AN)の共沸関係(77.6 s/22.4 an)の比、5重量%〜8重量%の組成S/B=30/70のブロック共重合体(SB)の比、0.2重量%の移動剤としてのtert‐ドデシルメルカプタン、5重量%の鉱油、0.025重量%のベンゾイルペルオキシド(BPO)、0.2重量%〜3重量%の構造修飾添加剤の比、および、0.1重量%のtert‐ブチルペルベンゾエート(PBTB)を含む。
したがって、本発明の構造修飾添加剤を添加したABS材料を含む重合体は、ゴムの含有量が5%〜8%の場合では、約73J/m〜約117.5J/mの範囲の向上した耐衝撃性を有する。なお、この耐衝撃性は、ゴムの含有量が同一(5%〜8%)である一方で構造修飾添加剤が無添加の従来技術のABS材料を含む重合体で得られる約52J/m〜約83J/mの耐衝撃性から大きく異なる。
上記パール形状の材料に圧縮成形技術を施す。この圧縮成形技術により、耐衝撃性の機械的検査のために、確立された寸法のプローブをASTM D‐256規格に従って得た。
上述の結果より、以下の結論を導くことが可能になる。
(1)同一のゴムの含有量(8重量%の従来の範囲)の場合では、HIPS材料は、添加剤を使用しない製剤において、その耐衝撃性が770.53J/mから150.6J/mまで大幅に増大する。この耐衝撃性の増大率は113.53%に相当するものである。
(2)ゴムの含有量を低下させて6%にしたHIPS材料の場合では、耐衝撃性の増大は約64.2%である。これは、ゴムの含有量が従来と同じ8%のHIPSの場合に得られる耐衝撃性に匹敵するのに十分な値である。
(3)ゴムの含有量が6%のABS組成物の場合では、添加剤を無添加のABSの耐衝撃性は61.6J/mであり、添加剤を添加したABSの耐衝撃性は87.71J/mである。よって、添加剤を添加したABSの耐衝撃性は、添加剤を無添加のABSの耐衝撃性と比較して、42.4%向上している。この方法で得た上記材料は、従来のABSより大きな耐衝撃性を有する。
上述のことは全て、重合体製造用のゴムの消費量が実際に21%〜110%節約されたこととして言い換えることが可能である。これは、当該技術分野における重大な長所を示すだけでなく、商業分野における重大な長所をも示している。したがって、本発明の構造修飾添加剤のビニル芳香族材料への添加によって、目に見えて向上した耐衝撃性が得られるとともに、これに関連する商業面での効果も得られる。
上記例は、本発明の目的をより良く理解することを可能にし、高耐衝撃性の重合体の製造に関する技術分野の利用可能な代替的処理法の一部に対する本発明の最良な使用法を反映するものである。しかし、当業者にとっては、発明の範囲からの逸脱として見なされることなく、本発明の教示は他の処理法に適用可能であること、または混合物の表示比率は従来の範囲内で変更可能であることは明らかであろう。

Claims (11)

  1. 耐衝撃性が向上したHIPS系のビニル芳香族の熱可塑性プラスチック材料であって、
    a.92重量%〜95重量%のビニル芳香族単量体、
    b.5重量%〜8重量%の、共役ジエン、または、共役ジエンおよびビニル芳香族化合物に基づく共重合体などのゴム、
    c.0.2重量%〜3重量%の、下記一般式(1)を含む構造修飾添加剤、
    (式中、RおよびRはC〜C18の飽和または不飽和鎖をそれぞれ示し、前記RおよびRは互いに同一であるか、または異なり、R、R、およびRは、水素、ハロゲン、またはC〜C18の炭素鎖をそれぞれ示し、前記R、R、およびRは互いに同一であるか、または異なり、「n」は1以上の整数である)、
    並びに、
    d)0.1重量%のベンゾイルペルオキシド(BPO)、
    を含み、
    前記耐衝撃性は約60J/m〜約151J/mの範囲であるHIPS系のビニル芳香族の熱可塑性プラスチック材料。
  2. 上記構造修飾添加剤の重量比は5/1〜1/5であることを特徴とする請求項1に記載のHIPS系のビニル芳香族の熱可塑性プラスチック材料。
  3. 上記共役ジエンは、1,3‐ブタジエン、イソプレン、2,3‐ジメチル‐1,3‐ブタジエン、線形または放射状ブロック共重合体、および、SB、SBR、SBS、BSB、または多重ブロック(SB)nの一種類を由来とする完全または部分ランダム化ブロック共重合体からなる群から選択され、
    Sはビニル芳香族重合体を示し、Bは共役ジエンを示し、nは整数を示し、
    エラストマー部分は部分的または全体的に水素化されることが可能であることを特徴とする請求項1に記載のHIPS系のビニル芳香族の熱可塑性プラスチック材料。
  4. 上記ブロック共重合体は、組成物の重量を5/95〜80/20の範囲内で変化させることが可能であるとともに、上記ブロック共重合体の混合比は可変であり、好ましくは組成物の重量比が30/70〜20/80のPS/PB共重合体であり、
    上記ブロック共重合体の分子量は100,000g/mol〜450,000g/molの範囲内で可変であることを特徴とする請求項1に記載のHIPS系のビニル芳香族の熱可塑性プラスチック材料。
  5. 上記ビニル芳香族単量体は、ビニルトルエン、スチレン、α‐スチレン、クロリド‐スチレン、それらの混合物、および、それらと、メタクリル酸、アクリロニトリル、および無水マレイン酸のアクリル単量体などの他の共重合性単量体との混合物から選択されることを特徴とする請求項1に記載のHIPS系のビニル芳香族の熱可塑性プラスチック材料。
  6. d.92重量%〜95重量%のビニル芳香族単量体、
    e.5重量%〜8重量%の、共役ジエンまたは共役ジエンおよびビニル芳香族化合物に基づく共重合体などのゴム、並びに、
    f.0.2重量%〜3重量%の、下記一般式(1)を有する構造修飾添加剤
    (式中、RおよびRはC〜C18の飽和または不飽和鎖をそれぞれ示し、前記RおよびRは互いに同一であるか、または異なり、R、R、およびRは、水素、ハロゲン、またはC〜C18の炭素鎖をそれぞれ示し、前記R、R、およびRは互いに同一であるか、または異なり、「n」は1以上の整数である)、
    を含む、耐衝撃性が向上したABS型のビニル芳香族の熱可塑性プラスチック材料であって、
    d)移動剤として、0.2重量%のtert‐ドデシルメルカプタン、
    e)および、5重量%の鉱油、
    f)0.025重量%のベンゾイルペルオキシド(BPO)、および、
    g)0.1重量%のtert‐ブチルペルベンゾエート(PBTB)を含み、
    前記耐衝撃性は約73J/m〜約117.5J/mの範囲であるABS系のビニル芳香族の熱可塑性プラスチック材料。
  7. 上記構造修飾添加剤の重量比が5/1〜1/5であることを特徴とする請求項6に記載のABS系のビニル芳香族の熱可塑性プラスチック材料。
  8. 上記共役ジエンは、1,3‐ブタジエン、イソプレン、2,3‐ジメチル‐1,3‐ブタジエン、線系または放射状ブロック共重合体、および、SB、SBR、SBS、BSB、または多重ブロック(SB)nの一種類を由来とする完全または部分ランダム化ブロック共重合体からなる群から選択され、
    Sはビニル芳香族重合体を示し、Bは共役ジエンを示し、nは整数を示し、
    エラストマー部分は部分的または全体的に水素化されることが可能であることを特徴とする請求項6に記載のABS系のビニル芳香族の熱可塑性プラスチック材料。
  9. 上記ブロック共重合体は、組成物の重量比を5/95〜80/20の範囲で変更させることが可能であるとともに、上記ブロック共重合体の混合比を変化させることが可能であり、好ましくは組成物の重量比が30/70〜20/80のPS/PB共重合体であり、
    上記ブロック共重合体の分子量は100,000g/mol〜450,000g/molの範囲内で可変であることを特徴とする請求項6に記載のABS系のビニル芳香族の熱可塑性プラスチック材料。
  10. 上記ビニル芳香族単量体は、ビニルトルエン、スチレン、α‐スチレン、クロリド‐スチレン、それらの混合物、および、それらと、メタクリル酸、アクリロニトリル、および無水マレイン酸のアクリル単量体などの他の共重合性単量体との混合物、から選択されることを特徴とする請求項6に記載のABS系のビニル芳香族の熱可塑性プラスチック材料。
  11. g.60重量%〜95重量%のビニル芳香族単量体、
    h.5重量%〜40重量%の、共役ジエンまたは共役ジエンおよびビニル芳香族化合物に基づく共重合体などのゴム、および、
    i.0.2重量%〜5重量%の、下記一般式(1)を有する構造修飾添加剤
    (式中、RおよびRはC〜C18の飽和または不飽和鎖をそれぞれ示し、前記RおよびRは互いに同一であるか、または異なり、R、R、およびRは、水素、ハロゲン、またはC〜C18の炭素鎖をそれぞれ示し、前記R、R、およびRは互いに同一であるか、または異なり、「n」は1以上の整数である)
    を含む、耐衝撃性が向上したビニル芳香族の熱可塑性プラスチック材料であって、
    前記耐衝撃性は約60J/m〜約473J/mの範囲であるABS系のビニル芳香族の熱可塑性プラスチック材料。
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