JP2015058865A - 後輪転舵装置の制御装置 - Google Patents

後輪転舵装置の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 確実な異常診断が可能であり、かつ、制御手段が故障しても極力転舵機能の失陥を回避することが可能な冗長機能付きの後輪転舵装置の制御装置を提供する。
【解決手段】 転舵角とトー角の制御目標値を演算する第一の制御手段31と、この手段から制御目標値を受信し、転舵角およびトー角をそれぞれ制御する第二,第二の制御手段33,34を有する。第二の制御手段33および第3の制御手段34は、それぞれトー角予備指令部33bおよび転舵角予備指令部34bを有する。第二,第三の制御手段33,34の故障を判定する故障判定手段35を設け、故障時に予備指令に切替える制御信号切替手段36を設ける。
【選択図】 図3

Description

この発明は、自動車などの車両に装備される後輪転舵装置の制御装置に関する。
従来から、車両の安定走行性能を図る目的で、前輪転舵に加え、後輪を転舵させる後輪転舵装置が知られている。後輪転舵装置の制御装置は、マイクロコンピュータを内蔵し、車両の状態を常に監視するための各種センサ群の値から的確な転舵角やトー角の目標角を決定し、転舵のためのアクチュエータを駆動している。後輪転舵装置は車両の走行性能を左右する重要な機能であり、その異常が発生した場合は、確実に異常を検知し、極力安全性能を維持することが望まれる。
後輪転舵制御装置に関わる異常な状態に備えた例として、例えば特許文献1では、第一の制御手段と、第二の制御手段との通信異常が発生した場合、第二の制御手段に含まれるデジタルプロセッサをリセット状態にし、転舵用の電動モータ駆動手段に供給する電力を遮断する手段を備えている。この場合、異常が発生した時点で当然に転舵機能を失陥することになる。
特許文献2では、後輪転舵装置の制御と異常監視を別々の演算処理手段で行い、後輪転舵の制御性能を低下させることなく異常監視を行うことができる。この場合、異常監視を行う演算処理手段自体に異常が発生した場合、異常検出手段そのものを失うことになり、信頼性が低下する。この特許文献2には、異常監視機能が失陥した際に関する解決策は特に記載されていない。
特許文献3では、後輪操舵装置の制御手段として、メインCPUとサブCPUの2個のCPUを備え、2個のCPUの少なくとも1個が故障した場合に故障時対応回路が機能し、後輪を直進位置(中立位置)に戻すことを可能としている。この場合、フェールセーフ設計によって異常発生時の安全性は向上するが、後輪を直進位置に戻すのみであって、転舵機能自体を続行させるための冗長性は確保されない。
特許第3477889号公報 特開2009−227122号公報 特許4287565号公報
前述のように特許文献1の技術は、異常が発生した場合、デジタルプロセッサをリセット状態にし、転舵用の電動モータ駆動手段に供給する電力を遮断するため、異常が発生した時点で当然に転舵機能を失陥する。
特許文献2の技術は、後輪転舵装置の制御と異常監視を別々の演算処理手段で行うが、異常監視を行う演算処理手段自体に異常が発生した場合、異常検出手段そのものを失うことになり、信頼性が低下する。同文献には、異常監視機能が失陥した際に関する解決策は特に記載されていない。
特許文献3の技術は、後輪操舵装置の制御手段として、2個のCPUを備え、フェールセーフ設計によって異常発生時の安全性は向上するが、後輪を直進位置に戻すのみであって、転舵機能自体を続行させるための冗長性は確保されない。
上記のように、前記各特許文献1〜3のいずれにおいても、異常発生時は後輪転舵機能を続行させるための冗長性は確保されない。
この発明の目的は、上記の課題を解決し、確実な異常診断が可能であり、かつ、制御手段が故障しても極力転舵機能の失陥を回避することが可能な冗長機能付きの後輪転舵装置の制御装置を提供することである。
この発明の後輪転舵装置の制御装置は、車両の後輪の転舵角とトー角をそれぞれ制御可能な後輪転舵装置の制御装置であって、前記転舵角とトー角の制御目標値を演算する第一の制御手段31と、
この第一の制御手段31から前記制御目標値を受信し、前記転舵角を制御する第二の制御手段33と、
前記第一の制御手段31から前記制御目標値を受信し、前記トー角を制御する第三の制御手段34を有し、
前記第二の制御手段33は、前記トー角を制御するためのトー角予備指令部33bを有し、前記第三の制御手段34は、前記転舵角を制御するための転舵角予備指令部34bを有し、
前記第二の制御手段33と第三の制御手段34の故障を判定する故障判定手段35を設け、
この故障判定手段35の判定結果に基づき前記第二の制御手段33の前記トー角予備指令部33bおよび前記第三の制御手段33の前記転舵角予備指令部34aから出力されるいずれかの予備指令に切替える制御信号切替手段36を設けたことを特徴とする。
この構成によると、転舵角を制御する第二の制御手段33に後輪トー角の指令値を出力するトー角予備指令部33bを、トー角を制御する第三の制御手段34に後輪転舵角の指令値を出力する転舵角予備指令部34bをそれぞれ冗長回路として実装するため、第二および第三のいずれか一方の制御手段33,34に異常が発生しても、転舵機能を維持することができる。
このように、確実な異常診断が可能であり、かつ、制御手段が故障しても極力転舵機能の失陥を回避することができる。
この発明において、前記第二の制御手段33は、前記第二の制御手段33の診断を行う自己診断部33cと、前記第三の制御手段34の状態を監視する相互診断部33dを有し、前記第三の制御手段34は、前記第三の制御手段34の診断を行う自己診断部34cと、前記第二の制御手段33の状態を監視する相互診断部34dを有し、前記第一の制御手段31は、前記第二の制御手段33と第三の制御手段33の状態を監視する相互診断部31bを有し、前記故障判定手段35は、前記第一の制御手段31の相互診断部31bによる前記第二および第三の制御手段33,34の診断結果と、前記第二および第三の制御手段33,34の自己診断部33c,34c自己診断結果と、相互診断部33d,34dの相互診断結果とから得られる診断結果のうち、信頼性の高い少なくとも2つの診断結果から前記第二および第三の制御手段33,34の故障を判定し、その判定結果を前記制御信号切替手段36へ伝達するようにしても良い。
このように、前記第一ないし第三の3つの制御手段31,33,34による相互診断機能によって、確実に異常を診断することが可能となる。また、得られる診断結果のうち、信頼性の高い少なくとも2つの診断結果から前記第二および第三の制御手段33,34の故障を判定し、その判定結果を前記制御信号切替手段36へ伝達する場合、異常診断がより一層確実に行える。
この発明において、前記制御信号切替手段36は、前記故障判定手段35から伝達された前記第二および第三の制御手段33,34の正常か否かの判定結果に基づいて、前記転舵角指令と前記転舵角予備指令、及びトー角指令とトー角予備指令の、それぞれの指令出力から有効な方の信号を選択し、その選択した信号に切り替えるようにしても良い。
このように、前記故障判定手段35から伝達された各制御手段33,34の正常か否かの判定結果に基づいて、前記転舵角指令と前記転舵角予備指令、及びトー角指令とトー角予備指令の、それぞれの指令出力から有効な方の信号を選択し、その選択した信号に切り替えるようにした場合、異常に対して一層確実に対応した転舵およびトー角の制御が行える。
この発明の後輪転舵装置の制御装置は、車両の後輪の転舵角とトー角をそれぞれ制御可能な後輪転舵装置の制御装置であって、前記転舵角とトー角の制御目標値を演算する第一の制御手段と、この第一の制御手段から前記制御目標値を受信し、前記転舵角を制御する第二の制御手段と、前記第一の制御手段から前記制御目標値を受信し、前記トー角を制御する第三の制御手段を有し、前記第二の制御手段は、前記トー角を制御するためのトー角予備指令部を有し、前記第三の制御手段は、前記転舵角を制御するための転舵角予備指令部を有し、前記第二の制御手段と第三の制御手段の故障を判定する故障判定手段を設け、
この故障判定手段の判定結果に基づき前記第二の制御手段の前記トー角予備指令部と前記第三の制御手段の前記転舵角予備指令部から出力されるいずれかの予備指令に切替える制御信号切替手段を設けたため、確実な異常診断が可能であり、かつ、制御手段が故障しても極力転舵機能の失陥を回避することが可能な冗長機能付きの後輪転舵装置の制御装置となる。
この発明の一実施形態に係る後輪転舵装置の制御装置を備えた車両の概略構成を示す平面図である。 同車両の後輪転舵装置を示す部分破断平面図である。 同後輪転舵装置の制御装置の概念構成を示すブロック図である。 同後輪転舵装置の制御装置における故障判定手段および制御信号切替手段の具体的回路例を示すブロックである。
図1に、後輪転舵装置を搭載した自動車の概略構成図を示す。車両1の前輪2,3は、ステアリングホイール4の操舵角をラックアンドピニオンからなる前輪転舵機構5に伝達することで左右に転舵される。ステアリングホイール4の操舵軸に設けた舵角センサ6、車速センサ7、ヨーレートセンサ8の出力は、電子制御ユニット9に入力される。後輪10、11は後輪転舵装置12と連結されたタイロッド13を介して転舵される。後輪10、11の転舵角は、舵角センサ6、車速センサ7、ヨーレートセンサ8など、自動車1の走行情報を元に、電子制御ユニット9から指令を受けて制御される。
後輪転舵装置12は、概要を説明すると、図2のように、前輪転舵角に対して後輪を同位相、逆位相に転舵する第一の駆動手段である転舵機構12A、およびトー角調整を実現するための第二の駆動手段であるトー角調整機構12Bを配置する。例えば、前記各機構は、滑りねじまたはボールねじを有し、これらに螺合するナット23,25を減速機を介してモータ15,16で回転させる。
後輪転舵装置12は、具体的には、転舵機構12Aと、トー角調整機構12Bとを有する。転舵機構12Aは、転舵用モータ15と、この転舵用モータ15の回転を軸部材14abに軸方向移動として伝える転舵動力伝達機構17とを有する。トー角調整機構12Bは、トー角調整用モータ16と、このトー角調整用モータ16の回転によりトー角を調整させるトー角調整動力伝達機構18とを有する。転舵軸14は、非回転分割軸14Aと回転分割軸14Bとに軸方向に2分割され、これら両分割軸14A、14Bを軸中心と同心のねじ結合部14Cで互いに伸縮可能に結合した軸である。ねじ結合部14Cは、滑りねじまたはボールねじにより構成される。後輪転舵装置12のハウジング19から突出した非回転分割軸14A及び回転分割軸14Bの先端部に、左右のタイロッド13(図1)がそれぞれ連結されている。
図2において、ねじ結合部14Cは、非回転分割軸14Aに設けられた雄ねじ20と、回転分割軸14Bに設けられ雄ねじ20に噛合う雌ねじ21とを有する。これら雄ねじ20、雌ねじ21のリード角αは、ねじ結合14Cの摩擦によって、回転分割軸14Bが自己保持可能な角度に設定されている。すなわち、リード角αは、軸方向の外力により滑りを生じる摩擦角未満とする。回転分割軸14Bが前記「自己保持可能」とは、トー角調整用モータ16による駆動が停止されている状態において、回転分割軸14Bが、軸方向の外力が作用しても回転不能に保持されてねじ結合部14Cの螺合長さが変化しないことを言う。雄ねじ20は、非回転分割軸14Aのボールねじ軸部14aから回転分割軸14B側に突出する嵌合軸部の先端に設けられている。
回転分割軸14Bは、筒状部22と、この筒状部22内に一部が嵌合して転舵軸先端側へ延びる軸部材22aとを有する。筒状部22の内周に雌ねじ21が形成され、この雌ねじ21に、非回転分割軸14Aの雄ねじ20が噛合している。回転分割軸14Bは、筒状部22の軸方向の一部が外周面にスプラインが形成されたスプライン軸部14Baとされ、このスプライン軸部14Baの軸方向一端に、軸部材22aが固定されている。この軸部材22aが図示外の連結手段によりタイロッド13(図1)に連結される。
ハウジング19内にはボールねじ機構BKが設けられ、このボールねじ機構BKは、ボールねじ軸部14aと、このボールねじ軸部14aに螺合するボールナット23とを有する。ボールナット23がハウジング19に軸受24で回転自在に設置されている。
非回転分割軸14Aは、ボールねじ軸部14aと、このボールねじ軸部14aの軸方向一端に固定され軸方向に延びる軸部材14abとを有する。この軸部材14abが図示外の連結手段によりタイロッド13(図1)に連結される。また非回転分割軸14Aは、図示外の回り止め手段により、ハウジング19に対して軸方向に進退自在かつ軸回りに回転不能とされている。前記回り止め手段は、例えば、非回転分割軸14Aにおけるボールねじ軸部14aの軸方向外側に続く部分である非同心円部と、ハウジング19に固定して設けられ、前記非同心円部が軸方向に摺動自在に嵌合する滑り軸受とを有する。ハウジング19に固定された滑り軸受に、ボールねじ軸部14aの非同心円部が嵌合することで、非回転分割軸14Aは、ハウジング19に対して軸方向に進退自在かつ軸回りに回転不能とされる。
転舵軸14の全体は、以下のようにハウジング19に支持されている。先ず、非回転分割軸14Aの支持構造については、ハウジング19の内周に、複列アンギュラ玉軸受等の転がり軸受24および前記滑り軸受が嵌合され、転がり軸受24にボールナット23が回転自在に設置される。これらボールナット23及び前記滑り軸受に非回転分割軸14Aが支持される。回転分割軸14Bの支持構造については、ハウジング19の内周に、転がり軸受26が嵌合され、この転がり軸受26にスプラインナット25が回転自在に設置される。スプラインナット25の内周に、スプライン軸部14Baの外周がスプライン嵌合することで、回転分割軸14Bが支持される。なお、スプライン軸部14Baとスプラインナット25とは、両者が滑り接触しても良いし、図示外のボールを介して互いに転がり接触しても良い。
転舵動力伝達機構17は、転舵軸14の非回転分割軸14Aおよび回転分割軸14Bを一体に軸方向に移動させて後輪10、11(図1)の転舵を行うものとしている。転舵用モータ15は、このモータ軸が転舵軸14と平行となるように、ハウジング19に取付けられている。
転舵動力伝達機構17は、転舵用モータ15の前記モータ軸と、出力ギヤ27と、この出力ギヤ27と図示外のカウンタギヤを介して噛合う入力ギヤ28と、この入力ギヤ28に固定されボールねじ軸部14aに螺合するボールナット23とを有する。転舵用モータ15の回転駆動力が各ギヤ27,28およびボールナット23に伝達され、ボールナット23が回転することで、非回転分割軸14Aおよび回転分割軸14Bを一体に軸方向移動させる。これにより後輪10、11を転舵可能としている。
トー角調整用モータ16は、ハウジング19に取付けられている。トー角調整動力伝達機構18は、トー角調整用モータ16のモータ軸に固定された出力ギヤ29と、この出力ギヤ29に図示外の中間ギヤを介して噛合う入力ギヤ30と、この入力ギヤ30に固定されたスプラインナット25とを有する。またスプラインナット25に、スプライン軸部14Baがスプライン嵌合している。トー角調整用モータ16の回転駆動力が各ギヤ29,30およびスプラインナット25に伝達され、このスプラインナット25とともにスプライン軸部14Baを回転することで、ねじ結合部14Cの螺合長さを調整し得る。
トー角調整動力伝達機構18は、非回転分割軸14Aに対し回転分割軸14Bを回転させることで、ねじ結合部14Cの螺合長さを調整して、転舵軸14を伸縮させる。これにより、左右のタイロッド間距離を変更して、後輪10,11(図1)のトー角を変える。このトー角を調整するとき、トー角調整用モータ16のみを駆動すると、回転分割軸14B側のみが伸縮するため、例えば、車両走行時において、図1に示す左右の後輪10,11のトー角を等しく変更する際には、トー角調整用モータ16と転舵用モータ15とを協調して制御する。
具体的には、トー角調整モータ16を一方向に回転させて、トー角調整動力伝達機構18により、図1左側の後輪10のトー角を変える。これと共に図1右側の後輪11のトー角を変えるため、転舵用モータ15を回転させて転舵動力伝達機構17により、図1左右の後輪10,11のトー角を変える。このとき転舵動力伝達機構17は、転舵軸14の全体が軸方向に移動するため、左側の後輪10のトー角が相殺される。このトー角の相殺分を補うべくトー角調整用モータ16の回転量を増やすことで、左右の後輪10,11のトー角を等しく変更し得る。このようにトー角調整用モータ16及び転舵用モータ15を協調して制御することにより、トー角調整動力伝達機構18および転舵動力伝達機構17は、左右の転舵輪10,11の転舵角が目標値に一致するように互いに協調して動作させられる。
図1の電子制御ユニット9は、図3に示すように、第一の制御手段31を構成するメインECU(電気制御ユニット)と、後輪転舵専用制御装置32とを備える。この後輪転舵装置12の制御装置は、前記第一の制御手段31と、前記後輪転舵専用制御装置32に設けられた第二の制御手段33、第三の制御手段34、故障判定手段35、制御信号切替手段36、及びモータドライブ回路部37で構成される。前記第二の制御手段33および第三の制御手段34は、それぞれ専用のECUであるECU(1) 、ECU(2) により構成される。
第一の制御手段31には、後輪転舵の目標値を決定するために車速センサ7や、ヨーレートセンサ8、操舵軸に設けた舵角センサ6などのセンサ群の出力が入力され、これらの入力を用い、制御目標値演算部31aで車両の状態に応じた適切な後輪転舵角やトー角の角度を、設定された演算式によって演算し、演算結果を後輪転舵専用制御装置32へ転舵角とトー角の制御目標値として出力する。第一の制御手段31を構成するメインECUは、車両全体を制御する上位ECUを併用するものであっても、また専用のECUであっても良い。
後輪転舵専用制御装置32の内部では、第二の制御手段33と第三の制御手段34それぞれが、第一の制御手段31の制御目標値演算部31aから制御目標値を受信し、第二の制御手段33の転舵角指令部33aで後輪転舵用アクチュエータを制御する。また、第三の制御手段34のトー角指令部34aでトー角用アクチュエータを制御する。
通常は、後輪転舵アクチュエータを駆動するための転舵用モータ15と回転角検出器38は、第二の制御手段33により制御され、トー角駆動用アクチュエータを駆動するためのトー角モータ16と回転角検出器39は第三の制御手段34により制御される。
第二の制御手段33は自己診断部33cを、第三の制御手段34は自己診断部34cをそれぞれ有し、かつ第二の制御手段33および第三の制御手段34の異常状態を相互に監視する相互診断部33d、34dを、第二の制御手段33および第三の制御手段34のそれぞれに有する。この相互診断部33d、34dによって、第二の制御手段33および第三の制御手段34のいずれかの異常検出や、演算値の比較を常時行うことが可能となり、異常診断の信頼性を向上させることが可能となる。
この構成において、第二の制御手段33または第三の制御手段34のいずれかに異常が発生した場合、異常を監視するだけでは転舵またはトー角の制御が不能になる。そこで、この機能失陥を防止するために、以降に示す冗長回路を備える。以下、この冗長回路について説明する。
第二の制御手段33は、通常は転舵の駆動を担当するが、万一に第三の制御手段34が異常な状態になった際には、トー角の駆動も可能なように、常にトー角制御量を演算するトー角予備指令部33bを有する。一方で、第三の制御手段34は、通常はトー角の駆動を担当するが、万一に第二の制御手段33が異常な状態になった際には、転舵の駆動も可能なように、常に転舵角制御量を演算する転舵角予備指令部34bを有する。
制御信号切替手段36は、第二の制御手段33または第三の制御手段34のいずれかに異常が発生した場合、故障判定手段35による診断結果に基づき、第二の制御手段33および第三の制御手段34のうちの正常な方の制御手段である第二の制御手段33のトー角予備指令部33b、または第三の制御手段34の転舵角予備指令部34bから出力される予備指令に切り替える。
図4に故障判定手段35と制御信号切替手段36の詳細を示す。
故障判定手段35は、第二の制御手段33および第三の制御手段34の状態を、各自己診断部33c,34c、および各相互診断部33d,34dの出力信号によって監視し、各々正常時は、第二の制御手段33から出力される転舵角指令と、第三の制御手段34から出力されるトー角指令が選択される。故障判定手段35は、第二の制御手段33もしくは第三の制御手段34に異常が発生した場合は、予備信号に自動的に切り替わるように、ゲート回路(35a,35b,35c,35d)が実装される。以下にゲート回路(35a〜35d)の構成とそれぞれの信号について説明する。
第二の制御手段33は、正常状態の際には自己診断部33cから第二制御手段正常信号aを出力すると同時に、相互診断部33dで第三の制御手段34の状態を常時監視し、正常状態の際に第三制御手段正常信号a′を出力する。
第三の制御手段34は、正常状態の際には自己診断部34cから第三制御手段正常信号bを出力すると同時に、相互診断部34dで第二の制御手段33の状態を常時監視し、正常状態の際に第二制御手段正常信号b′を出力する。
ここで、例えば、第二の制御手段33が自己診断部33cの判定で異常と判定されたとき、第二制御手段(ECU1)正常信号aは異常のため出力されないが、異常な状態であるがゆえに、他の出力信号は信頼性がない。つまり、相互診断部33dから出力される第三制御手段(ECU2)正常信号a′の信頼性が低下する。そこで、図4に示す実施例では、第三制御手段(ECU2)正常信号a′は、さらに、第一の制御手段31の相互診断部31bから出力される第三制御手段(ECU2)正常信号c′とOR回路35cを構成し、その出力と第三制御手段(ECU2)正常信号bとでAND回路35dを構成している。以下にこの回路を付加する理由を説明する。
説明のために、第二の制御手段33が異常な状態の際の挙動に着目し、その機能を説明する。
第二の制御手段33が異常な状態の時、異常な状態であるために第三制御手段(ECU2)正常信号a′の出力信号も信頼性がない。この時、信頼性のない第三制御手段(ECU2)正常信号a′と、正常な判定がなされている第三の制御手段34の自己診断部34cから出力される第三制御手段(ECU2)正常信号bを利用して、例えばそれらの信号のAND回路だけで第三の制御手段34の判定を実施すると、誤診断をしてしまう可能性がある。
そこで、これを回避するために第一の制御手段31でも第二の制御手段33と第三の制御手段34の相互診断部31bを搭載し、第二制御手段(ECU1)正常信号cと第三制御手段(ECU2)正常信号c′を出力する。
ここで、第三制御手段(ECU2)正常信号a′と第三制御手段(ECU2)正常信号c′とを、OR回路35cを経由し、その出力と第三制御手段(ECU2)正常信号bとのAND回路35dに入力することで、OR回路35cでは第三制御手段(ECU2)正常信号a′に左右されることなく信頼性の高い第三制御手段(ECU2)正常信号c′が優先され、さらにその信号と第三制御手段正常信号bとのAND回路35dによってさらに診断の信頼性が高まる。
その結果、少なくとも2つの信頼性の高い診断結果を基に冗長性を確保するための指令が確実に選択されることになる。
上記とは逆に第三の制御手段34が異常判定され、第二の制御手段33が正常の場合も同様な機能を満足させるため、OR回路35aとAND回路35bが設置されることになる。
制御信号切替手段36では、上記AND回路35bとAND回路35dから得られる第二の制御手段33と第三の制御手段34の診断結果に基づき、転舵機能が続行可能なよう転舵角とトー角のモータ指令の選択が実施される。
回転角検出器38、39からの信号は、これらの切り替えを可能にするため、常時、第二の制御手段33と第三の制御手段34とにそれぞれに入力される。
なお、前記各AND回路35b,35dおよびOR回路35a,35cは、フソトウェアによるAND手段,OR手段により構成しても良い。
上記構成によると、後輪転舵装置の制御装置の後輪転舵専用制御装置32を、それぞれECU(2) ,ECU(3) からなる第二の制御手段33と第三の制御手段34との2つの制御回路で構成し、異常発生の相互診断および自己診断をするようにしたため、信頼性を向上させることが可能となる。
また、後輪転舵制専用御装置32の制御回路の異常状態を監視し、異常が発生しても転舵機能を維持すること、つまりフォールトトレランスの確保が可能となる。
特に、転舵角を制御する第二の制御手段33に後輪トー角の指令値を出力するトー角予備指令部33bを、トー角を制御する第三の制御手段34に後輪転舵角の指令値を出力する転舵角予備指令部34bをそれぞれ冗長回路として実装するため、第二および第三のいずれか一方の制御手段33,34に異常が発生しても、転舵機能を維持することができる。
また、前記故障判定手段35は、得られる診断結果のうち、信頼性の高い少なくとも2つの診断結果から前記第二および第三の制御手段33,34の故障を判定し、その判定結果を前記制御信号切替手段36へ伝達するため、異常診断がより一層確実に行える。
さらに、前記制御信号切替手段36は、前記故障判定手段35から伝達された各制御手段33,34の正常か否かの判定結果に基づいて、転舵角指令と前記転舵角予備指令、及びトー角指令とトー角予備指令の、それぞれの指令出力から有効な方の信号を選択し、その選択した信号に切り替えるようにしたため、異常に対して一層確実に対応した転舵およびトー角の制御が行える。
1…車両
2,3…前輪
7…車速センサ
8…ヨーレートセンサ
9…電子制御ユニット
10,11…後輪
12…後輪転舵装置
12A…転舵機構
12B…トー角調整機構
15…転舵用モータ
17…転舵動力伝達機構
16…トー角調整用モータ
18…トー角調整動力伝達機構
13…タイロッド
31…第一の制御手段
31a…制御目標値演算部
31b…相互診断部
33…第二の制御手段
33a…転舵角指令部
33b…トー角予備指令部
33c…自己診断部
33d…相互診断部
34…第三の制御手段
34a…トー角指令部
34b…転舵角予備指令部
34c…自己診断部
34d…相互診断部
35…故障判定手段
36…制御信号切替手段
37…モータドライブ回路

Claims (3)

  1. 車両の後輪の転舵角とトー角をそれぞれ制御可能な後輪転舵装置の制御装置であって、 前記転舵角とトー角の制御目標値を演算する第一の制御手段と、
    この第一の制御手段から前記制御目標値を受信し、前記転舵角を制御する第二の制御手段と、
    前記第一の制御手段から前記制御目標値を受信し、前記トー角を制御する第三の制御手段を有し、
    前記第二の制御手段は、前記トー角を制御するためのトー角予備指令部を有し、
    前記第三の制御手段は、前記転舵角を制御するための転舵角予備指令部を有し、
    前記第二の制御手段と第三の制御手段の故障を判定する故障判定手段を設け、
    この故障判定手段の判定結果に基づき前記第二の制御手段の前記トー角予備指令部と前記第三の制御手段の前記転舵角予備指令部から出力されるいずれかの予備指令に切替える制御信号切替手段を設けた
    ことを特徴とする後輪転舵装置の制御装置。
  2. 請求項1に記載の後輪転舵装置の制御装置において、
    前記第二の制御手段は、前記第二の制御手段の診断を行う自己診断部と、前記第三の制御手段の状態を監視する相互診断部を有し、
    前記第三の制御手段は、前記第三の制御手段の診断を行う自己診断部と、前記第二の制御手段の状態を監視する相互診断部を有し、
    前記第一の制御手段は、前記第二の制御手段と第三の制御手段の状態を監視する相互診断部を有し、
    前記故障判定手段は、前記第一の制御手段の前記相互診断部による前記第二および第三の制御手段の診断結果と、前記第二および第三の制御手段の自己診断部の自己診断結果と、相互診断部の相互診断結果とから得られる診断結果のうち、信頼性の高い少なくとも2つの診断結果から前記第二および第三の制御手段の故障を判定し、その判定結果を前記制御信号切替手段へ伝達する、後輪転舵装置の制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の後輪転舵装置の制御装置において、前記制御信号切替手段は、前記故障判定手段から伝達された前記第二および第三の制御手段の正常か否かの判定結果に基づいて、前記転舵角指令と前記転舵角予備指令、及びトー角指令とトー角予備指令の、それぞれの指令出力から有効な方の信号を選択し、その選択した信号に切り替える、後輪転舵装置の制御装置。
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