JP2015056370A - 接続部材 - Google Patents

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明香里 高橋
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明香里 高橋
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Abstract

【課題】導電糸に性能よく電気的につなげられる接続部材を提供することにある。【解決手段】導線21aの外面一部に、外面一部とは異なる導線21aの外面他部(31)よりも大きな凹凸を備える除去部32を形成し、第一面部21と第二面部22を、被接続部11aを挟んで対面状に当接させつつ被接続部11aに除去部32を擦り合せることにより、加熱手段よる加熱にて取りきれなかった残余の樹脂コーティングを被接続部11aから除去したのち、導線21aを軸線周りに回転させて、導線21aの外面他部(31)を被接続部11aに当接可能な構成とした。【選択図】図6

Description

本発明は、布材中の導電糸(通電可能な糸材)に電力を供給可能な接続部材に関する。
この種の布材及び接続部材として、特許文献1に開示の布材及び接続部材が公知である。この布材は、樹脂コーティングされた導電糸と、他の糸材(例えばPET糸)を用いて作成される(特許文献1の明細書の段落[0025]等を参照)。このとき布材に、複数の導電糸を適宜の間隔をあけて並列配置するなどして、各種機能(ヒータ機能,静電容量式センサの電極機能等)を持たせる。そして加熱手段を用いて他の糸材と樹脂コーティングを燃焼又は溶融させる(極力除去する)などして、布材の端部から各導電糸の端部(被接続部)を露出させる。
つぎに露出した被接続部に通電手段(接続部材に相当)を電気的につなげる。通電手段は、帯状の支持体(布帛製)と、メッキ層と、導線(金属製の線材)を有する。そこで布材の端部に通電手段を配置して、メッキ層と導線を、複数の導電糸の被接続部を横断するように配置する。この状態で通電手段を布材にミシンにて縫合するとともに、縫合糸の拘束力にて、各被接続部と通電手段を接合させて電気的につなげる。
特開2010−261143号公報
ところで公知技術では、加熱手段にて、樹脂コーティングを溶融等させて除去することにより各被接続部(導電糸本体)を露出させる。
しかしこの種の構成では、樹脂コーティングの除去が不十分となることがあり、樹脂コーティングが比較的多く残る箇所では、通電手段と導電糸の電気的な接合が不十分となるおそれがあった。そして通電手段と導電糸が、(残余の樹脂コーティングがこれらの間に配置するなどして)部分的に非接合状態となることにより、例えば布材をヒータとして用いる場合には温度ムラが生じることとなる。
本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、導電糸に性能よく電気的につなげられる接続部材を提供することにある。
上記課題を解決するための手段として、第1発明の接続部材は、樹脂コーティングされた通電可能な導電糸と他の糸材を構成糸として有する布材に取付けられる。そして接続部材は、布材から露出する導電糸の被接続部に電気的につなげられて導電糸に電力を供給可能である。
本発明では、被接続部が、加熱手段にて布材中の他の糸材を溶融又は燃焼させて除去させることで布材から露出する構成である。このとき被接続部の樹脂コーティングの大部分が加熱手段にて除去される。この種の構成では、接続部材と被接続部を、性能よく(残余の樹脂コーティングに極力邪魔されることなく)電気的につなげられることが望ましい。
本発明では、接続部材が、導電糸に電力を供給可能な第一面部と、第一面部に対面配置可能な第二面部とを有し、第一面部に、通電可能な線状の導線が軸線周りに回転可能に取付けられる。
そこで本発明では、導線の外面を、第一面部の一面側から部分的に突出させて被接続部に対面可能に配置するとともに、導線の外面一部に、外面一部とは異なる導線の外面他部よりも大きな凹凸を備える除去部を形成する。
そして第一面部と第二面部を、被接続部を挟んで対面状に当接させつつ被接続部に除去部を擦り合せることにより、加熱手段よる加熱にて取りきれなかった残余の樹脂コーティングを被接続部から除去する。さらに導線を軸線周りに回転させて、導線の外面他部を被接続部に当接可能な構成とした。
本発明では、樹脂コーティングを除去部にて可能な限り除去することにより、接続部材(導線の外面他部)を、導電糸に性能よく電気的につなげることができる。
第2発明の接続部材は、第1発明の接続部材であって、導線が、一面とは反対の第一面部の他面側から非露出状態とされて第一面部に取付けられる。
本発明では、導線の不要な露出を極力抑えることで、導電糸とは異なる他部材と除去部の接触を極力抑えることができる。
第3発明の接続部材は、第1発明の接続部材であって、第二面部に、第一面部の一面から突出した導線部分を嵌装可能な嵌装部が設けられる。
本発明では、導線を、被接続部に押付けながら嵌装部に配置したのち、この状態で除去部と被接続部を擦り合わせることにより、樹脂コーティングを効率よく除去することができる。
本発明に係る第1発明によれば、導電糸に性能よく電気的につなげられる接続部材を提供することができる。また第2発明によれば、接続部材を、より性能よく導電糸に電気的につなげることができる。そして第3発明によれば、接続部材を、更に性能よく導電糸に電気的につなげることができる。
乗物用シートの正面図である。 作成途中のシートカバー一部の正面図である。 導電糸の断面図である。 シートカバー一部の斜視図である。 導線一部の斜視図である。 (a)は、作成途中のシートカバー一部の断面図であり、(b)は、シートカバー一部の断面図である。 変形例1にかかる接続部材一部の断面図である。 変形例2にかかる接続部材の断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図8を参照して説明する。図1には、適宜、乗物用シート前方に符号F、乗物用シート後方に符号B、乗物用シート上方に符号UP、乗物用シート下方に符号DWを付す。なお図2では、便宜上、接続部材を実際の寸法よりも大きく図示する。
図1の乗物用シート2は、シート構成部材(シートクッション4,シートバック6,ヘッドレスト8)を有する。これらシート構成部材は、各々、シート外形をなすシートパッド(4P,6P,8P)と、シートパッドを被覆するシートカバー(4S,6S,8S)を有する。
本実施例では、シートクッション4のシートカバー4Sが、複数の表皮ピース(第一表皮ピース40f,第二表皮ピース40s等)を縫合して形成される(図1を参照)。
ここで第二表皮ピース40sは、シート側部形状に倣った形状の面状部材であり、布帛(織物,編物,不織布)、皮革(天然皮革,合成皮革)又はこれらの複合材にて形成できる。
そして第一表皮ピース40fは、シート中央(座面)形状に倣った略矩形の面状部材である。本実施例では、第一表皮ピース40fが通電可能な布材(布帛)であり、複数種類の構成糸(導電糸11,他の糸材12)と、接続部材20を備える(図2を参照、各部材の詳細は適宜後述する)。そして後述するように接続部材20(電源に電気的につながる部材)を、第一表皮ピース40fの両端に取付けつつ導電糸11の一部(被接続部11a)に電気的につなげる。こうして第一表皮ピース40fをヒータ等として機能させるのであるが、この種の構成では、接続部材20を、導電糸11に性能よく(樹脂コーティングに極力邪魔されることなく)電気的につなげられることが望ましい。
そこで本実施例では、後述の構成にて、接続部材20を、導電糸11に性能よく電気的につなげることとした。以下、各構成について詳述する。
[導電糸]
導電糸11は、通電可能な導電性の糸材であり、典型的に比抵抗が100〜10-12Ω・cmである(図2及び図3を参照)。ここで「比抵抗(体積抵抗率)」とは、どのような材料が電気を通しにくいかを比較するために用いられる物性値であり、例えば「JIS K−7194」に準拠して測定することができる。
この種の導電糸11として、金属線(例えば金属や合金などの導電性糸材)、炭素繊維のフィラメント、カバリンク糸(後述の他の糸材12を金属線等でカバリングしてなる糸材)、メッキ糸材(他の糸材12表面を金属又は合金でメッキ処理した糸材)を例示できる。
(樹脂コーティング)
そして導電糸11は、導電糸11(本体)よりも低融点の樹脂コーティング11b(図示省略)で被覆される(図3を参照)。
樹脂コーティング11bは、典型的に導電糸11よりも耐水性(水によって変質しにくい性質)に優れる樹脂層(絶縁性)であり、導電糸11表面(略全面)に設けることができる。このように樹脂コーティング11bにて導電糸11を覆うことで、導電糸11の錆つきや加水分解を抑制することによりその耐久性を向上させることができる。
この種の樹脂として、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂及びシリコン樹脂を例示できる。なお樹脂コーティング11bの厚み寸法は特に限定しないが、典型的には10〜100μmである。
[他の糸材]
他の糸材12は、絶縁性の糸材(導電糸よりも比抵抗が大きい糸材)である(なお図2では、便宜上、他の糸材で形成された組織部分に符号12を付す)。
そして他の糸材12は、導電糸11よりも低融点であるか又は限界酸素指数(LOI)が26未満の糸材であることが望ましい。ここで限界酸素指数(LOI)とは、絶縁繊維などの糸材が燃焼を持続するために必要な最小酸素量から求めた酸素濃度の指数(O2%)である。限界酸素指数(LOI)は、「JIS K 7201 高分子材料の酸素指数燃焼試験方法」や、「JIS L 1091(1999) 8.5E−2法(酸素指数法試験)」に準拠して測定できる。
この種の他の糸材12(材質)として、植物系及び動物系の天然繊維、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂からなる化学繊維及びこれらの混紡繊維を例示できる。そして他の糸材12として、上記繊維の糸材(紡績糸、フィラメント、延伸糸又は伸縮加工糸(仮撚加工糸や座屈糸))を好適に使用できる。
ここで一般的な天然繊維はLOIが26未満であることが多い。例えば綿のLOIは18〜20であり、羊毛のLOIは24〜25である。そして天然繊維では、綿、麻又は羊毛が風合いに優れるため、第一表皮ピース40fの構成糸(材質)として用いることが好ましい。
また一般的な化学繊維は、導電糸11よりも低融点であることが多い。そしてLOIが26未満の化学繊維として、例えばポリエステル(LOI:18〜20)や、ナイロン(LOI:20〜22)を例示できる。そして化学繊維では、ポリエステル繊維やポリエチレン繊維(例えばポリエチレンテレフタレートのフィラメント)は耐久性と耐光性と強度に優れるため、第一表皮ピース40fの構成糸(材質)として用いることが好ましい。
[接続部材]
接続部材20は、導電糸11に電力を供給可能な面状部材であり、第一面部21(導線21a)と、第二面部22と、ヒンジ部24と、挟持部28を備える(図2、図4〜図6を参照)。
第一面部21は、可撓性を有する平板部材であり、窓部21cと、通電可能な導線21a(後述)を有する。本実施例の第一面部21は帯状であり、第一表皮ピース40fの端部に沿って配置可能な長さ寸法を有する(図2を参照)。そして窓部21cは、第一面部21を厚み方向に貫通する孔部であり、後述の導線21aをその軸線周りに回転可能に嵌装できる。本実施例の窓部21cは、第一面部21の長尺方向に延びており、複数の被接続部11aを横断して配置する。
また第二面部22は、第一面部21と同形同寸の面材(導線省略)であり、第一面部21と同様に可撓性を有することが好ましい。なお第一面部21と第二面部22は、ミシン針の挿入可能な(互いに縫合可能な)硬度を有することが好ましく、典型的にエラストマ又は樹脂にて形成できる。
またヒンジ部24は、各面部21,22の長尺方向に延びる軸材(円筒状)である。本実施例では、第一面部21と第二面部22を、これらの短尺方向の一端でヒンジ部24を介して回転可能に連結する。例えば第一面部21にヒンジ部24を固定するとともに、ヒンジ部24の両端を、第二面部22両端の軸受け(図示省略)に回転可能に挿設する。そして第一面部21と第二面部22を、ヒンジ部24を回転中心として回転させることにより、両面部21,22の他端が離間する開き状態と、両面部21,22が対面状に当接する閉じ状態の間を変位可能とする。
そして挟持部28は、第一表皮ピース40fの端部を挟付けるための凹部位(スリット状)であり、接続部材20の短尺方向の他端側に設けることができる(図4及び図6を参照)。
本実施例では、接続部材20の短尺方向で見て、第一面部21内面(第二面部22を臨む面)の他側に、一側よりも一段低い(第二部位から離間する方向に一段低い)第一段差部26aを設ける。また同様に第二面部22内面(第二面部22を臨む面)の他側に、一側よりも一段低い第二段差部26bを設ける。そして接続部材20を閉じ状態とすることで、第一段差部26aと第二段差部26bの間に挟持部28(側面視で略矩形のスリット状の空間部)が形成される。
本実施例の挟持部28は、接続部材20の長尺方向全長にわたって形成されており、例えば第一表皮ピース40fの端部を挟付け可能な隙間寸法を有する(図4を参照)。なお挟持部28の隙間寸法よりも第一表皮ピース40fが肉厚の場合には、第一面部21等が撓み変形するなどして挟持部28の隙間寸法を適宜広げることができる(図6を参照)。
(導線)
導線21aは、第一面部21の長尺方向に延びる通電可能な線材(中空又は中実)であり、軸部21bと、除去部32を有する(図2、図4〜図6を参照)。
ここで軸部21bは、導線21aの長尺方向の両端中央から突出する円筒状の部位である(図2を参照)。
また除去部32は、導線21aの外面(被接続部に接する面)一部をなす部位(半円状)であり、軸線周りで見た導線21aの外面他部31(半円状)よりも大きな凹凸が形成される(図5及び図6では、便宜上、除去部に網目状のハッチを付す)。本実施例の除去部32は、その表面粗さ(Ra)が導線21aの外面他部(31)のそれよりも大きく、例えば表面粗さを0.05〜1.0μm(好ましくは0.1〜0.5μm)の範囲に設定できる。なお除去部32は、導線21aの長さ方向全長にわたって形成されていてもよく、(長尺方向で見て)被接続部11aに接する導線一部に形成されているだけでもよい。
そして本実施例では、導線21a(円筒状)を、第一面部21の窓部21cに嵌装する(図4及び図6を参照)。このとき導線21aの外面を、第一面部21の一面(内面)側から部分的に突出させて被接続部11aに対面可能に配置する。そして導線21a両端から突出する軸部21bを、窓部21cの壁面(図示しない孔部)に回転可能に嵌装することで、導線21aがその軸線周りに回転可能となる(図2を参照)。
ここで導線21aとして、金属や合金などの線材、メッキされた線材(合成繊維の芯材とメッキ層を備える線材)、炭素繊維等を例示できる。
例えば本実施例では、導線21aとして中空の線材を用いる(図5を参照)。このとき導線(少なくとも外面部分)を、各種の金属(銅、金、銀、黄銅、白金、鉄、鋼、亜鉛、錫、ニッケル、ステンレス、アルミニウム及びタングステン等)で形成できる。
そして除去部32は、例えば導線21aの外面一部を凹凸加工することで形成できる。また除去部32(半円状)を予め形成したのち、導線21aの外面他部31(半円状)に一体化することもできる。なお導線21aは、第一面部21中に単数配置することができ、また複数本を並列して配置することもできる。
[第一表皮ピース(通電可能な布材)の作成例]
本実施例では、下記の第一工程と第二工程にて、第一表皮ピース40f(通電可能な布材)を作成する(図2、図4及び図6を参照)。
第一工程:導電糸11を構成糸として第一表皮ピース40fの原反(布材)を作成する。そして第一表皮ピース40fから導電糸11の被接続部11aを露出させる。
第二工程:接続部材20を、第一表皮ピース40fに取付けつつ被接続部11aに電気的につなげる(通電可能な布材とする)。
そして本実施例では、第二工程にて、導線21a(除去部32)と被接続部11aを擦り合わせることにより、接続部材20を被接続部11aに性能よく電気的につなげることとした。
[第一工程]
第一工程では、導電糸11と他の糸材12を構成糸として第一表皮ピース40fの原反を作成する(図2を参照)。
そして本実施例では、複数の導電糸11を、第一表皮ピース40fの一端から他端にかけて(シート幅方向に向けて)適宜の間隔で並列配置させる。
例えば織物の第一表皮ピース40fを作成する場合、経糸(他の糸材12)を整経したのち、緯糸(他の糸材12)を打ち込むに際して、緯糸の一部として導電糸11を適宜打ち込むことができる。また経糸の一部に導電糸11を使用して、緯糸としての他の糸材12を打ち込むことができる。また編物の第一表皮ピース40fを作成する場合、コース方向又はウェール方向の一部に導電糸11を導入できる。また不織布の第一表皮ピース40fを作成する場合、他の糸材12でベースを形成するとともに、ベースに埋め込み状に導電糸11を配置することができる。
ここで隣り合う導電糸11同士の間隔寸法はシート構成に応じて適宜変更可能である。例えば第一表皮ピース40fにヒータ機能を持たせる場合、導電糸11同士の間隔寸法を60mm以内に設定できる。また第一表皮ピース40fに静電容量式センサの電極機能を持たせる場合においても、導電糸11同士の間隔寸法を60mm以内に設定することで、好適なセンサ機能(静電容量)を備えることとなる。
(被接続部の形成)
つぎに第一表皮ピース40fの両端から導電糸11の端部(被接続部11a)を露出させる(図2及び図3を参照)。
本実施例では、後述の加熱手段(図示省略)を用いて、他の糸材12と樹脂コーティング11b(図示省略)を溶融又は燃焼させて極力除去する(図2及び図3を参照)。このとき加熱手段の温度や出力などを適宜設定することにより、導電糸11本体を極力燃焼(溶融)又は断線させることなく、他の糸材12を燃焼(溶融)及び樹脂コーティング11bを溶融等させることが望ましい。
そして加熱手段にて他の糸材12だけを燃焼(溶融)させて、第一表皮ピース40fの両側に一対の切れ目を形成する。このとき他の糸材12は、加熱手段にて切断されるが、導電糸11は切断されることなくそのままの状態で残存する。そこで第一表皮ピース40f本体から端部側の布片を剥き取ることにより、導電糸11の端部(被接続部11a)を露出させることができる。
さらに本実施例では、上述の加熱手段にて、被接続部11aを覆う樹脂コーティング11bに切れ目を入れる。そして樹脂コーティング11bの大部分を、被接続部11aから布片とともに剥ぎ取るなどして除去する。こうして被接続部11a(導電糸本体)を露出させるのであるが、被接続部11aの周囲には、加熱手段で取りきれなかった樹脂コーティング11b一部が残存することとなる。
(加熱手段)
加熱手段として、第一表皮ピース40fと物理的に接触可能な加熱装置(パンチ機構やハサミ機構等)や、レーザなどの光学的な加熱手段を例示できる。
なかでもレーザは正確な温度(出力)制御が可能であり、本実施例の加熱手段として好適に用いることができる。ここでレーザの種類は特に限定しないが、CO2レーザ、YAGレーザ、エキシマレーザ、UVレーザ、半導体レーザ、ファイバレーザ、LDレーザ、LD励起固体レーザを例示できる。なかでも有機物(他の糸材12)への吸収が高いCO2レーザが好ましい。
例えば三菱炭酸ガスレーザ加工機(形式:2512H2、発信機形式名:25SRP、レーザ定格出力:1000W)を加熱手段として使用する。このときレーザ加工機の照射条件を、出力15W以上25W未満(周波数200Hz,加工速度1500mm/min)に設定することで、導電糸11を極力残存させつつ他の糸材12を燃焼(溶融)させることができる。
[第二工程]
第二工程では、接続部材20を、第一表皮ピース40fの両端にそれぞれ取付けつつ被接続部11aに電気的につなげる(なお図2では、便宜上、第一表皮ピース一側の接続部材のみを図示する)。
本実施例では、第一面部21(導線21a)と第二面部22を、複数の被接続部11aを横断するように直交状に配置しつつ、各被接続部11aを挟んで対面可能に配置する(図2及び図4を参照)。このとき第一面部21を、例えば第一表皮ピース40fの表側に配置するとともに、第二面部22を、第一表皮ピース40fの裏側に配置する。
そしてヒンジ部24を回転中心として、第一面部21と第二面部22を閉じ状態とすることにより、第一表皮ピース40fの端部を挟持部28で挟み付ける(図4及び図6を参照)。この状態で第一表皮ピース40fの端部と接続部材20の端部を縫合する(縫合線SEWを形成する)ことで、第一表皮ピース40fに対する接続部材20の取付け安定性が向上する(図6を参照)。
こうして両面部21,22にて被接続部11aを挟むことで、これらを電気的につなげる。この種の構成では、接続部材20の導線21aと被接続部11aを、(樹脂コーティング11bに極力邪魔されることなく)より安定性よく電気的につなげられることが望ましい。
(残余の樹脂コーティングの除去)
そこで本実施例では、上述の縫合作業に前後して、導線21aの外面一部(除去部32)を、複数の被接続部11aに対面状に配置する。この状態で導線21aを軸線周りに回転させる(例えば回転と反回転を繰り返す)などして、除去部32を、個々の被接続部11aに擦り合わせる(図6(a)を参照)。こうすることで加熱手段にて取りきれなかった残余の樹脂コーティング11bを被接続部11aから削り取るなどして極力除去する(第一工程後よりも多くの樹脂コーティング11bを除去する)ことができる(図3を参照)。ここで残余の樹脂コーティング11bを除去するとは、例えば被接続部11aと導線21aの間とは異なる箇所に樹脂コーティング11bを移動する又は樹脂コーティング11bを接続部材20中から取り去ることである。
つづいて導線21aを軸線周りに回転させて、導線21aの外面他部31(比較的平滑)を、第一面部21の一面から突出させつつ複数の被接続部11aに接触させる(図6(b)を参照)。このとき本実施例では、除去部32(凹凸状)が窓部21cの内面に係止するなどして、導線21aの外面他部31の突出状態を好適に維持できる。こうして各被接続部11aを、両面部21,22で挟み付けつつ導線21aに当接(接触)させることで、接続部材20と被接続部11aを性能よく電気的につなげることができる。
[シートカバーの作成及び使用]
こうして作成された第一表皮ピース40fを、他の表皮ピース(第二表皮ピース40s等)に縫合することでシートカバー4Sを作成する(図1を参照)。
そして接続部材20を図示しない電源に電気的につなげるとともに、シートカバー4Sを、シートパッド4P上に配置しつつヒータ等として使用する。本実施例では、接続部材20と各被接続部11a(導電糸11)が、樹脂コーティング11bに極力邪魔されることなく電気的につながるため、例えばシートカバー4Sをヒータとして用いる場合には温度ムラが極力生じない構成となる。
以上説明したとおり本実施例では、樹脂コーティング11bを除去部32にて可能な限り除去できる。このため接続部材20(導線の外面他部31)を、被接続部11aに性能よく電気的につなげることができる。
また本実施例では、導線21aを回転させることで(比較的シンプルな操作にて)、樹脂コーティング11bが除去された被接続部11a部分に導線の外面他部31を確実に接触させる(電気的につなげる)ことができる。このため除去部32にて、電気的な接触に必要な箇所の被接続部11aの樹脂コーティング11bを削り取るだけでよい。
そして本実施例では、除去部32(凹凸状)が窓部21cの内面に係止するなどして、導線21aの外面他部31の突出状態を好適に維持できる。
このため本実施例によれば、導電糸11に性能よく電気的につなげる接続部材20を提供することができる。
[変形例1]
ここで接続部材20の構成は、上述の構成のほか、各種の構成を取り得る。
例えば変形例1では、第一面部21Aに、非貫通形状の窓部21dが設けられており、導線21aをその軸線周りに回転可能に嵌装できる(図7を参照)。
窓部21dは、第一面部21Aの一面(内面)側に開口するが、それとは反対側の第一面部21Aの他面(外面)側には開口しない。このため窓部21dに導線21aを回転可能に嵌装することで、導線21aが、第一面部21Aの他面側で被覆された状態で第一面部21Aに取付けられる。
なお本変形例では、導線21aの長尺方向の一端部を第一面部21Aから突出配置することが望ましい。こうすることで導線21aの一端部を持ち手として、導線21aを軸線周りに回転させることができる。
このように本変形例では、導線21aの不要な露出を極力抑えることで、導電糸11とは異なる他部材と導線21a(除去部32)の接触を極力抑えることができる。例えば他部材として、シート内に配索されるケーブルなどの配線類や、シートパッド等の弾性部材を例示できる。
[変形例2]
また変形例2の接続部材20Aでは、第二面部22に嵌装部22aが設けられて、第一面部21の一面から突出した導線21a部分を嵌装可能である(図8を参照)。
嵌装部22aは、突出する導線21a部分の外形形状に倣った凹み部(円弧状)であり、第二面部22の長尺方向に延びて導線21aに対面可能に配置する。そして本変形例では、第一面部21と第二面部22を閉じ状態としつつ、導線21aの一部(除去部32)を、被接続部11aに押付けながら嵌装部22a内に配置する。この状態で除去部32と被接続部11aを擦り合わせることにより、被接続部11aの樹脂コーティング11bを効率よく除去できる。
本実施形態の接続部材及び布材は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。
(1)本実施形態では、第一面部21と第二面部22がヒンジ部24を介して一体化された接続部材20を例示した。第一面部と第二面部は一体成形可能であり、この場合にはインテグラルヒンジを介してこれらを連結することもできる。また第一面部と第二面部を別体で形成することもできる。この場合には第一面部と第二面部を対面状に当接させたのち、接着、融着、縫着等の手法にてこれらを一体化しつつ第一表皮ピースに取付けることができる。なお第一表皮ピースに電極機能を持たせる場合には、単数の接続部材20を取付けることとなる。
(2)また本実施形態では、第一面部21にのみ導線21aを設ける例を説明した。これとは異なり導線を、第一面部と第二面部の双方に設けることもできる。なお第一面部21と第二面部22は、第一表皮ピースの表裏面に適宜配設できる。なお導線は、被接続部に対して完全に直交して配置されるほか、被接続部をやや斜めに(実質的に直交状に)横断して配置させることもできる。また複数の導線を、第一面部に断続的に配置させることもでき、この場合には複数の窓部を適宜形成する。また除去部は、歯車状に凹凸状とすることもできる。そして本実施例では、半円状の導線の外面他部を例示したが、外面他部は、例えば平板状とすることができる。
(3)また本実施形態では、加熱手段による加熱及びその後の剥き取り作業にて(加熱手段にて)、被接続部11aを露出させる例を説明した。これとは異なり加熱手段よる加熱のみで、被接続部を露出させることもでき、この場合にも樹脂コーティングの大部分を除去できる。
(4)また本実施形態では、複数の導電糸11を第一表皮ピース40f(布材)に直線状に並列配置する例を説明したが、導電糸の構成を限定する趣旨ではない。例えば導電糸は、布材に波状に並列配置させることができる。なお導電糸を波状に配置させる場合においても、被接続部は直線状とすることが望ましい。また被接続部11aの形成位置は、導電糸の端部に限定されず適宜変更可能である。
(5)また本実施形態では、シートクッション4のシートカバー4Sを一例に説明したが、本実施例の構成は、シートバック等の各種シート構成部材のシートカバーに適用できる。また本実施例の構成は、車両用シートのほか、航空機や電車などの乗物用シート全般に適用できる。
2 乗物用シート
4 シートクッション
6 シートバック
8 ヘッドレスト
4S シートカバー
4P シートパッド
11 導電糸
11a 被接続部
11b 樹脂コーティング
12 他の糸材
20 接続部材
21 第一面部
21a 導線
21b 軸部
21c 窓部
22 第二面部
24 ヒンジ部
28 挟持部
31 外面他部
32 除去部
40f 第一表皮ピース
40s 第二表皮ピース

Claims (3)

  1. 樹脂コーティングされた通電可能な導電糸と他の糸材を構成糸として有する布材に取付けられるとともに、前記布材から露出する前記導電糸の被接続部に電気的につなげられて前記導電糸に電力を供給可能な接続部材において、
    前記被接続部が、加熱手段にて前記布材中の前記他の糸材を溶融又は燃焼させて除去させることで前記布材から露出する構成であるとともに、前記被接続部の前記樹脂コーティングの大部分が前記加熱手段にて除去されており、
    前記接続部材が、前記導電糸に電力を供給可能な第一面部と、前記第一面部に対面配置可能な第二面部とを有し、前記第一面部に、通電可能な線状の導線が軸線周りに回転可能に取付けられており、
    前記導線の外面を、前記第一面部の一面側から部分的に突出させて前記被接続部に対面可能に配置するとともに、前記導線の外面一部に、前記外面一部とは異なる前記導線の外面他部よりも大きな凹凸を備える除去部を形成し、
    前記第一面部と前記第二面部を、前記被接続部を挟んで対面状に当接させつつ前記被接続部に前記除去部を擦り合せることにより、前記加熱手段よる加熱にて取りきれなかった残余の樹脂コーティングを前記被接続部から除去したのち、前記導線を軸線周りに回転させて、前記導線の外面他部を前記被接続部に当接可能な構成とした接続部材。
  2. 前記導線が、前記一面とは反対の前記第一面部の他面側から非露出状態とされて前記第一面部に取付けられる請求項1に記載の接続部材。
  3. 前記第二面部に、前記第一面部の一面から突出した導線部分を嵌装可能な嵌装部が設けられる請求項1又は2に記載の接続部材。
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