JP2015025216A - 通電可能な布材 - Google Patents

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明香里 高橋
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Abstract

【課題】接続部材と導電糸を、性能よく電気的につなげることにある。【解決手段】布材(40f)から露出する導電糸の被接続部11aと導線21a(接続部材20中の導線21a)が、これらに密着状に配置する通電可能な導電部30にて電気的につなげられるとともに、導電部30が、加熱により固化状態から流動状態に変化する導電材を、被接続部11aと導線21aの間で固化状態から一旦流動状態に変化させたのち導線21aに沿って線状に固化してなる。【選択図】図2

Description

本発明は、導電糸と、接続部材(導電糸に電力を供給可能な部材)を備えた通電可能な布材に関する。
この種の通電可能な布材として、特許文献1に開示の布材が公知である。そして公知技術の布材は、導電糸と、通電手段(接続部材に相当)を有する面材であり、下記の第一工程と第二工程にて製造される。
公知技術の布材の製造方法では、第一工程にて、導電糸と他の糸材(例えばPET糸)を用いて布材を作成する。このとき布材に、複数の導電糸を適宜の間隔をあけて並列配置するなどして、各種機能(ヒータ機能,静電容量式センサの電極機能等)を持たせる。そして第一工程では、加熱手段を用いて他の糸材を燃焼させて除去するなどして、布材の端部から各導電糸の端部(被接続部)を露出させる。
また第二工程では、露出した被接続部に通電手段を電気的につなげる。このとき公知技術では、通電手段が、例えば帯状の支持体(布帛製)と、メッキ層と、導線(金属製)を有する。そこで第二工程において、布材の端部に通電手段を配置して、メッキ層と導線を、複数の導電糸の被接続部を横断するように配置する。この状態で通電手段を布材にミシンにて縫合するとともに、縫合糸の拘束力にて、各被接続部と通電手段を接合させて電気的につなげる。
そして公知技術の布材は、例えば乗物用シートのシートカバーとして使用される。このときシートカバーが、通電可能な導電糸を有することから、静電容量式センサの電極やヒータとして使用できる(利便性に優れるシート構成となる)。
特開2010−261143号公報
ところで公知技術では、縫合糸の拘束力にて、各被接続部に通電手段を接合させて電気的につなげる。
しかしこの種の構成では、各被接続部と通電手段が、縫合糸の拘束箇所で点状に接合するため、これらの電気的なつながりが不安定になりやすい(確実性にやや欠ける)構成であった。また上記構成では、縫合糸による拘束力が一様とならないことがあり、縫合糸の拘束が緩む箇所では、通電手段と導電糸の接合が不十分となるおそれがあった。そして通電手段と導電糸が部分的に非接合状態となることにより、例えば布材をヒータとして用いる場合には温度ムラが生じることとなる。
本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、接続部材と導電糸を、性能よく電気的につなげることにある。
上記課題を解決するための手段として、第1発明の通電可能な布材は、通電可能な導電糸と、導電糸に電力を供給可能な面状の接続部材とを備える。
そして接続部材の通電可能な導線が、布帛製の布材に適宜の間隔で並列配置する複数の導電糸を横断して配置されるのであるが、この種の構成では、接続部材と導電糸を、性能よく(例えばより確実に)電気的につなげられることが望ましい。
そこで本発明では、布材から露出する導電糸の被接続部と導線が、これらに密着状に配置する通電可能な導電部にて電気的につなげられる。そして導電部が、加熱により固化状態から流動状態に変化する導電材を、被接続部と導線の間で固化状態から一旦流動状態に変化させたのち導線に沿って線状に固化してなる。
本発明では、接続部材(導線)と導電糸を、これらに密着状に配置する導電部にて(より安定的に)電気的につなげることができる。そして各被接続部を、線状の導電部を介して導線により確実に電気的につなげることができる。
第2発明の通電可能な布材は、第1発明の通電可能な布材であって、導電材が、導線に予め固化状態で取付けられるとともに、導電部が、被接続部と導線の間に配置された導電材部分を、加熱により一旦流動状態にしたのち固化してなる。
本発明では、導電材を予め導線に取付けることで、導電部を、更に確実に導線に沿って配置することができる。
第3発明の通電可能な布材は、第2発明の布材において、導電材が、導線を被覆する第一被覆層と、第一被覆層を被覆する第二被覆層とを有する。そして第一被覆層の融点が第二被覆層の融点よりも高いとともに、導電部が、第二被覆層を、加熱により一旦流動状態にしたのち固化してなる。
本発明では、接続部材と導電糸を、これらに密着状に配置する導電部の一部(一旦流動状態にしたのち固化してなる第一被覆層)にて電気的につなげることができる。そして本発明では、導電部の他部(第二被覆層)で導線が被覆された状態が極力維持されることから、導線の劣化を防止又は低減できる。
本発明に係る第1発明によれば、接続部材と導電糸を、性能よく電気的につなげることができる。また第2発明によれば、接続部材と導電糸を、更に確実に電気的につなげることができる。そして第3発明によれば、導線の劣化を防止又は低減しつつ、接続部材と導電糸を、より確実に電気的につなげることができる。
乗物用シートの正面図である。 シートカバー一部の正面図である。 第一表皮ピース一部と、分解状態の接続部材を示す正面図である。 シートカバー一部と取付け機構の概略斜視図である。 シートカバー一部と取付け機構の概略側面図である。 (a)は、変形例1にかかる導線の斜視図である。(b)は、変形例2の導線の断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図6を参照して説明する。図1には、適宜、乗物用シート前方に符号F、乗物用シート後方に符号B、乗物用シート上方に符号UP、乗物用シート下方に符号DWを付す。なお図4では、便宜上、導電糸(被接続部)や導線を実際の寸法よりも大きく図示する。
図1の乗物用シート2は、シート構成部材(シートクッション4,シートバック6,ヘッドレスト8)を有する。これらシート構成部材は、各々、シート外形をなすシートパッド(4P,6P,8P)と、シートパッドを被覆するシートカバー(4S,6S,8S)を有する。
本実施例では、シートクッション4のシートカバー4Sが、複数の表皮ピース(第一表皮ピース40f,第二表皮ピース40s等)を縫合して形成される(図1及び図2を参照)。
ここで第二表皮ピース40sは、シート側部形状に倣った形状の面状部材であり、布帛(織物,編物,不織布)、皮革(天然皮革,合成皮革)又はこれらの複合材にて形成できる。
そして第一表皮ピース40fは、シート中央(座面)形状に倣った略矩形の面状部材である。本実施例では、第一表皮ピース40fが通電可能な布材(布帛)であり、複数種類の構成糸(導電糸11,他の糸材12)と、接続部材20(導線21a)を備える(図2を参照、各部材の詳細は適宜後述する)。
そして後述するように接続部材20(導線21a)を、第一表皮ピース40fの両端に取付けつつ導電糸11の一部(被接続部11a)に電気的につなげる。こうして第一表皮ピース40fをヒータ等として機能させるのであるが、この種の構成では、接続部材20(導線21a)と導電糸11を、性能よく電気的につなげられることが望ましい。
そこで本実施例では、後述の構成(導電部30)にて、接続部材20と導電糸11を、性能よく電気的につなげることとした。以下、各構成について詳述する。
[導電糸]
導電糸11は、通電可能な導電性の糸材であり、典型的に比抵抗が100〜10-12Ω・cmである(図2を参照)。ここで「比抵抗(体積抵抗率)」とは、どのような材料が電気を通しにくいかを比較するために用いられる物性値であり、例えば「JIS K−7194」に準拠して測定することができる。
この種の導電糸11として、金属線(例えば金属や合金などの導電性糸材)、炭素繊維のフィラメント、カバリンク糸(後述の他の糸材12を金属線等でカバリングしてなる糸材)、メッキ糸材(他の糸材12表面を金属又は合金でメッキ処理した糸材)を例示できる。
[他の糸材]
他の糸材12は、絶縁性の糸材(導電糸よりも比抵抗が大きい糸材)である(なお図2では、便宜上、他の糸材で形成された組織部分に符号12を付す)。
そして他の糸材12は、導電糸11よりも低融点であるか又は限界酸素指数(LOI)が26未満の糸材であることが望ましい。ここで限界酸素指数(LOI)とは、絶縁繊維などの糸材が燃焼を持続するために必要な最小酸素量から求めた酸素濃度の指数(O2%)である。限界酸素指数(LOI)は、「JIS K 7201 高分子材料の酸素指数燃焼試験方法」や、「JIS L 1091(1999) 8.5E−2法(酸素指数法試験)」に準拠して測定できる。
この種の他の糸材12(材質)として、植物系及び動物系の天然繊維、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂からなる化学繊維及びこれらの混紡繊維を例示できる。そして他の糸材12として、上記繊維の糸材(紡績糸、フィラメント、延伸糸又は伸縮加工糸(仮撚加工糸や座屈糸))を好適に使用できる。
ここで一般的な天然繊維はLOIが26未満であることが多い。例えば綿のLOIは18〜20であり、羊毛のLOIは24〜25である。そして天然繊維では、綿、麻又は羊毛が風合いに優れるため、第一表皮ピース40fの構成糸(材質)として用いることが好ましい。
また一般的な化学繊維は、導電糸11よりも低融点であることが多い。そしてLOIが26未満の化学繊維として、例えばポリエステル(LOI:18〜20)や、ナイロン(LOI:20〜22)を例示できる。そして化学繊維では、ポリエステル繊維やポリエチレン繊維(例えばポリエチレンテレフタレートのフィラメント)は耐久性と耐光性と強度に優れるため、第一表皮ピース40fの構成糸(材質)として用いることが好ましい。
[接続部材(導線)]
接続部材20は、導電糸11に電力を供給可能な面状部材であり、第一面部21(導線21a)と、第二面部22を備える(図2〜図5を参照)。
第一面部21は、可撓性を有する帯状の面材(布帛,繊維マット,樹脂シート等)であり、通電可能な導線21a(後述)を有する。そして第一面部21は、第一表皮ピース40fの端部に沿って配置可能な(複数の被接続部11aを横断可能な)長さ寸法を有する。また第二面部22は、第一面部21と略同形の帯状の面材(後述の溶着前は第一面部21と別体)である。第二面部22は、絶縁性の面材(布帛,繊維マット,樹脂シート等)や、第一面部21と同種の通電可能な面材で形成できる。
そして本実施例では、第一面部21と第二面部22のベースとなる部分(導線21aを除く部分)が、いずれも熱により溶融可能な材質(例えば他の糸材で例示の材質)にて形成される。このため後述の第二工程において、第一面部21と第二面部22を面接触した状態で加熱により溶着可能である。
また導線21aは、第一面部21の長尺方向に延びる線材であり、第一面部21の一面から露出して被接続部11aに対面可能に配置する。
この種の導線21aとして、金属や合金などの線材、メッキされた線材(合成繊維の芯材とメッキ層を備える線材)、炭素繊維等を例示できる。例えば本実施例では、導線21aとして、各種の金属(銅、金、銀、黄銅、白金、鉄、鋼、亜鉛、錫、ニッケル、ステンレス、アルミニウム及びタングステン等)製の線材を用いることができる。
なお導線21aは、第一面部21中に単数配置することができ、また複数本を並列して配置することもできる。
[導電部]
導電部30は、通電可能な部位(線状)であり、固化状態の導電材30aを加熱により一旦流動状態としたのち冷却にて固化状態とすることで形成できる(図3〜図5を参照)。
ここで導電材30aの融点(軟化点)は、導電糸11や導線21aの融点以下であることが望ましい。また後述するように第一面部21と第二面部22を溶着させる場合を想定して、導電材30aの融点(軟化点)は、接続部材20(ベース部分)の融点以上であることが更に好ましい。そして導電材30aの融点(軟化点)は、典型的に200〜300℃の範囲に設定できる。
そして本実施例の導電材30a(固化状態)は、導線21aの延びる方向に長尺な帯状(線状)の面材であり、導線21aに沿って配置可能である。この種の導電材30aとして、スズ(Sn)などの金属の面材(箔,シート材,板材など)、半田などの合金の面材、導電微細物(金属やカーボンブラック等の粒子、カーボンナノチューブ等)とバインダ(熱可塑性樹脂等)からなる面材を例示できる。なお導電材30aの短尺方向の寸法は、導線21aを被覆可能な寸法である限り特に限定しないが、接続部材20(第一面部21)からはみ出さないことが好ましい。
[第一表皮ピース(通電可能な布材)の作成例]
本実施例では、下記の第一工程と第二工程にて、第一表皮ピース40f(通電可能な布材)を作成する(図2〜図5を参照)。
第一工程:導電糸11を構成糸として第一表皮ピース40fの原反(布材)を作成する。そして第一表皮ピース40fから導電糸11の被接続部11aを露出させる。
第二工程:接続部材20を、第一表皮ピース40fに取付けつつ被接続部11aに電気的につなげる(通電可能な布材とする)。
そして本実施例では、第二工程にて、後述の導電部30を介して、導電糸11(被接続部11a)と接続部材20(導線21a)を電気的につなげることとした。
[第一工程]
第一工程では、導電糸11と他の糸材12を構成糸として第一表皮ピース40fの原反を作成する(図2を参照)。
そして本実施例では、複数の導電糸11を、第一表皮ピース40fの一端から他端にかけて(シート幅方向に向けて)適宜の間隔で並列配置させる。
例えば織物の第一表皮ピース40fを作成する場合、経糸(他の糸材12)を整経したのち、緯糸(他の糸材12)を打ち込むに際して、緯糸の一部として導電糸11を適宜打ち込むことができる。また経糸の一部に導電糸11を使用して、緯糸としての他の糸材12を打ち込むことができる。また編物の第一表皮ピース40fを作成する場合、コース方向又はウェール方向の一部に導電糸11を導入できる。また不織布の第一表皮ピース40fを作成する場合、他の糸材12でベースを形成するとともに、ベースに埋め込み状に導電糸11を配置することができる。
ここで隣り合う導電糸11同士の間隔寸法はシート構成に応じて適宜変更可能である。例えば第一表皮ピース40fにヒータ機能を持たせる場合、導電糸11同士の間隔寸法を60mm以内に設定できる。また第一表皮ピース40fに静電容量式センサの電極機能を持たせる場合においても、導電糸11同士の間隔寸法を60mm以内に設定することで、好適なセンサ機能(静電容量)を備えることとなる。
(被接続部の形成)
つぎに第一表皮ピース40fの両端から導電糸11の端部(被接続部11a)を露出させる(図2及び図3を参照)。
例えば本実施例では、後述の加熱手段(図示省略)を用いて、他の糸材12を溶融又は燃焼させて除去する。このとき加熱手段の温度や出力などを適宜設定することにより、導電糸11を極力燃焼(溶融)又は断線させることなく、他の糸材12を燃焼(溶融)させることが望ましい。
そして加熱手段によって他の糸材12だけを溶融(燃焼)させて、第一表皮ピース40fの両側に一対の切れ目を形成する。このとき他の糸材12は、加熱手段によって切断されるが、導電糸11は切断されることなくそのままの状態で残存する。そこで第一表皮ピース40f本体から端部側の布片を剥き取ることにより、導電糸11の端部(被接続部11a)を露出させることができる。
(加熱手段)
加熱手段として、第一表皮ピース40fと物理的に接触可能な加熱装置(パンチ機構やハサミ機構等)や、レーザなどの光学的な加熱手段を例示できる。
なかでもレーザは正確な温度(出力)制御が可能であり、本実施例の加熱手段として好適に用いることができる。ここでレーザの種類は特に限定しないが、CO2レーザ、YAGレーザ、エキシマレーザ、UVレーザ、半導体レーザ、ファイバレーザ、LDレーザ、LD励起固体レーザを例示できる。なかでも有機物(他の糸材12)への吸収が高いCO2レーザが好ましい。
例えば三菱炭酸ガスレーザ加工機(形式:2512H2、発信機形式名:25SRP、レーザ定格出力:1000W)を加熱手段として使用する。このときレーザ加工機の照射条件を、出力15W以上25W未満(周波数200Hz,加工速度1500mm/min)に設定することで、導電糸11を極力残存させつつ他の糸材12を燃焼(溶融)させることができる。
[第二工程]
第二工程では、接続部材20を、取付け機構にて第一表皮ピース40fに取付けつつ被接続部11aに電気的につなげる(図4及び図5を参照)。
ここで本実施例の取付け機構は、略矩形の台座BMと、ミシン(図示省略)と、溶着装置(40,43)と、センサ装置44を有する。ミシンは、接続部材20の端部側を第一表皮ピース40fの端部に重ね合わせて、この重ね合わせ部分を縫合してつなげるための装置であり、台座BM上に配置される(図2の縫合線SEWを参照)。
また溶着装置は、押え部材40(ローラ状)と、振動体43を有する。押え部材40は、略水平に延びる軸材Aを介して支持部材42に軸支されており、台座BM上で軸材Aを回転中心として軸周りに回転可能である。そして支持部材42を、図示しない昇降機構に連結することで、押え部材40を、台座BMに近接又は離間する向きに移動させる。また振動体43は、台座BMの一部をなす平板状の部位であり、押え部材40の対面位置に設けられる。そして振動体43は、台座BM内の図示しない機構(モータと超音波振動素子)の駆動により微振動可能である。
またセンサ装置44は、略矩形の箱体であり、導電糸11の有無を検出可能な機構(磁気型、X線放射型、静電容量型などの機構)を有する。本実施例では、センサ装置44を、台座BMに隣接配置しつつ、これらの間に隙間(第二面部22を配置可能な隙間)を設ける。このときセンサ装置44を、溶着装置(40,43)の前方に配置して、第一表皮ピース40fの裏面側から導電糸11を検出可能とする。
(取付け作業)
図4及び図5を参照して、第一表皮ピース40fを、台座BMとセンサ装置44に橋渡し状に配置しつつ、各被接続部11aを、押え部材40と振動体43の間に順次配置可能とする。
また第一面部21と第二面部22を、複数の被接続部11aを横断するように配置しつつ、各被接続部11aを挟んで対面可能に配置する(図5を参照)。このとき第二面部22を、第一表皮ピース40fの裏側に配置しつつ、台座BMの上面から側面(台座BMとセンサ装置44の間の隙間)にかけて配置する。また第一面部21を、第一表皮ピース40fの表側に配置しつつ、センサ装置44側から溶着装置(40、43)側に向かうにつれて次第に第二面部22に近接させる。
そして本実施例では、第一表皮ピース40f(被接続部11a)と接続部材20を、押え部材40の回転等にて溶着装置側に向けて移動可能とする(図4の矢印D1で示す進行方向を参照)。このとき第二面部22が、第一表皮ピース40fの移動に追従しつつ、台座BMとセンサ装置44の間の隙間から引出される。そして第一面部21が、第一表皮ピース40fの移動に追従することで次第に第二面部22に近接しつつ、溶着装置(40,43)の手前で第二面部22に閉じ合わされる。
そして本実施例では、接続部材20の端部側を第一表皮ピース40fの端部に重ね合わせて、この重ね合わせ部分を縫合する(図2の縫合線SEWを参照)。こうすることで第一表皮ピース40fに対する接続部材20の取付け安定性が向上する。そして第一表皮ピース40fと接続部材20をミシンにて縫合する場合には、センサ装置44にて導電糸11を予め検出することにより、ミシン針(図示省略)が導電糸11を避けつつ、これらを縫付けることができる。
また上記作業とともに、第一面部21と第二面部22を、被接続部11aを挟みつつ閉じ合せたのち、溶着装置(40、43)にて溶着する(接続部材20を形成する)。
このとき押え部材40を回転させつつ第一面部21側に押し当てて、第一面部21と第二面部22を密着状に閉じ合せる。この状態で振動体43を超音波にて微振動させることにより(押え部材40と振動体43の協働作用により)、第一面部21と第二面部22が、被接続部11aを挟んだ状態で溶着されて一体化される(図2の溶着箇所HSを参照)。
こうして両面部21,22にて被接続部11aを挟むことで、これらを電気的につなげるのであるが、この種の構成では、接続部材20(導線21a)と被接続部11aを性能よく電気的につなげられることが望ましい。
(導電部の形成)
そこで本実施例では、帯状の導電材30a(固化状態)を、第一面部21(導線21a)と被接続部11aの間に介装しつつ、導線21a(長尺方向)に沿って配置する(図3〜図5を参照)。付与された導電材30aは、第一面部21と第二面部22の間に挟持状態で支持されて各被接続部11a上に配置する。
そして第一面部21と第二面部22を、導電部30aとともに被接続部11aを挟みつつ、押え部材40にて密着状に閉じ合せる。この状態で両面部21,22を上述の通り溶着(微振動時の摩擦熱にて溶着)するとともに、溶着時の加熱により導電材30aを一旦流動状態とする。そして導電材30aが流動しつつ、被接続部11aと導線21aの間を埋めるように(両者に密着して)配置したのち固化状態となることで、導電部30が形成される。
こうして導電部30を、被接続部11aと導線21aの双方に密着させて形成することで、被接続部11aと導線21aを、固化状態の導電部30にて(より安定的に)電気的につなげることができる。そして本実施例では、導電部30が、導線21aに沿って接続部材20内で線状(連続的)に配置することとなる。
[シートカバーの作成及び使用]
こうして作成された第一表皮ピース40fを、他の表皮ピース(第二表皮ピース40s等)に縫合することでシートカバー4Sを作成する(図1を参照)。
そして接続部材20を図示しない電源に電気的につなげるとともに、シートカバー4Sを、シートパッド4P上に配置しつつ、ヒータ等として使用する。本実施例では、接続部材20と各導電糸11が、線状の導電部30にて(より安定的且つ確実に)電気的につながることから、例えばシートカバー4Sをヒータとして用いる場合には温度ムラが極力生じない構成となる(図2を参照)。
以上説明したとおり本実施例では、被接続部11aと導線21aを、これらに密着状に配置する線状の導電部30にて性能よく電気的につなげることができる。
すなわち導電部30にて、接続部材20と被接続部11aの間を埋めることによりこれらの電気的な接触面積を増加させることができる。また各被接続部11aを、線状の導電部30を介して導線21aにより確実に(線的に)電気的につなげることができる。さらに本実施例では、被接続部11aと導線21aが、第一面部21と第二面部22の溶着とともに導電部30にて比較的強固につなげられる。このため接続部材20に外力が加わるなどしても、被接続部11aと導線21aが(電気的なつながりが失われるように)動いたり離れたりすることを好適に阻止できる。
このため本実施例によれば、接続部材20と導電糸11を、性能よく電気的につなげることができる。
[変形例1]
ここで導電部の配設方法は、上述の構成のほか各種の構成をとることができ、後述の変形例のように、導電材を、導線21aに予め固化状態で取付けることもできる。
例えば変形例1では、線状の導電材31a(典型的に導線よりも径小)を導線21aにスパイラル状に巻装する(図6(a)を参照)。このとき導電材31aの撚数を適宜調節するなどして、導電材31aの一部を各被接続部11aに対面可能に配置する。そして上述の第二工程にて、導電部30Aが、被接続部11aと導線21aの間に配置された導電材31aを、加熱により一旦流動状態にしたのち固化状態とすることで形成される。
このように本実施例では、導電材31aを予め導線21aに取付けることで、導電部30Aを、更に確実に導線21aに沿って配置することができる。
なお本変形例では、導線21aに対して、2本以上の導電材31aを巻装することもできる。また導電材31aの撚り方向はS撚又はZ撚のいずれでもよいが、例えば2本の導電材31aを巻装する場合には、一方の導電材をS撚とし、他方の導電材をZ撚とすることができる。
[変形例2]
また導電材は、導線表面に層状に(一層又は複数層に分けて)形成することもできる。
例えば変形例2では、導電材が、導線21aを被覆する第一被覆層33aと、第一被覆層33aを被覆する第二被覆層33bとを有する(図6(b)を参照)。
ここで第一被覆層33aと第二被覆層33bは、各種の導電可能な層(金属層、合金層、導電微細物とバインダからなる導電樹脂層等)である。
そして第一被覆層33a(材質)は、導線21aよりも酸化しにくい(劣化しにくい)ことが望ましい。この種の第一被覆層33a(材質)として、導線21aの材質を考慮しつつ、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、鉄(Fe)、鉛(Pb)、白金(Pt)、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、コバルト(Co)及びパラジウム(Pd)等の金属層を適宜選択できる。また第一被覆層33a(材質)として、Ni-Sn、Cu-Ni、Cu-Sn、Cu-Sn、Cu-Zn及びFe-Ni等の合金層を適宜選択できる。
また本変形例では、第一被覆層33aの融点が第二被覆層33bの融点よりも高く設定される。そして溶着時の熱により、第二被覆層33bが流動状態となる(不定形状となる)一方、第一被覆層33aが、固化状態又は導線21aの被覆状態を維持可能な程度に流動状態となることが望ましい。
この種の第二被覆層33b(材質)として、第一被覆層33aよりも融点の低い材質(第一被覆層で例示の材質)を適宜選択して使用できる。例えば本実施例の第一被覆層33aとして、融点1450℃のニッケルからなる層(メッキ層)を用いる。このとき第二被覆層33bとして、融点232℃のスズからなる層(メッキ層)を用いることができる。
そして本変形例では、上述の第二工程にて、導電部30Bが、被接続部11aと導線21aの間に配置された第一被覆層33a(導電材の一部)を、加熱により一旦流動状態にしたのち固化して形成される。また第二被覆層33b(導電材の他部)は、導線21aを被覆した状態でその形状を極力保持できる。
このため本変形例によれば、第一被覆層33aにて、被接続部11aと導線21aを、これらに密着状に配置する導電部30Bにて(より安定的に)電気的につなげることができる。そして導線21aが第二被覆層33bで被覆された状態となるため、導線21aの劣化(酸化等)を防止又は低減できる。
本実施形態の布材及びその製造方法は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。
(1)本実施形態では、第一面部21と第二面部22が別体である接続部材20を例示した。これとは異なり第一面部21と第二面部が予め一体とされた接続部材を用いることができる。例えば幅広な接続部材(一側が第一面部と他側が第二面部)を二つ折りすることで、第一面部と第二面部を対面配置させる。なお取付け作業時において、第一面部を、第一表皮ピースの表面と裏面のいずれか一方の面に配置でき、第二面部を、一方とは異なる他方の面に配置できる。なお第一表皮ピースに電極機能を持たせる場合には、単数の接続部材を取付けることとなる。
(2)また実施例1では、予め固化状態とした導電材30aを接続部材20に付与する例を説明した。これとは異なり流動状態の導電材を接続部材に付与した後、接続部材上で固化させることもできる。また本実施例では一つなぎの導電材を使用する例を説明した。これとは異なり複数の導電材を並列配置するとともに、加熱にて流動状態として一体化する構成(導電部を形成する途中で一つなぎとする構成)とすることもできる。
(3)また本実施形態では、第一面部21と第二面部22を、これらのベース部分を溶着することで取付ける例を説明した。これとは異なり第一面部と第二面部を、導電部のみにて溶着することもできる。このように第一面部と第二面部のベース部分を極力と溶かさない構成とすることで、接続部材の柔軟性を好適に維持できる。
(4)また本実施形態では、複数の導電糸11を第一表皮ピース40f(布材)に直線状に並列配置する例を説明したが、導電糸の構成を限定する趣旨ではない。例えば導電糸は、布材に波状に並列配置させることができる。また被接続部11aの形成位置は、導電糸の端部に限定されず適宜変更可能である。
(5)また本実施形態では、溶着装置(40,43)、センサ装置44の構成(各構成の形状や寸法や配置位置など)を例示したが、これら機構等の構成を限定する趣旨ではない。例えばセンサ装置は、第一表皮ピースの表側と裏面と側面のいずれかから導電糸を検出可能な構成とすることができる。また溶着装置として、超音波による加熱機構の他、パンチ機構やプレス機構などの接続部材を加熱可能な各種の機構を採用できる。
(6)また本実施形態では、シートクッション4のシートカバー4Sを一例に説明したが、本実施例の構成は、シートバック等の各種シート構成部材のシートカバーに適用できる。また本実施例の構成は、車両用シートのほか、航空機や電車などの乗物用シート全般に適用できる。
2 乗物用シート
4 シートクッション
6 シートバック
8 ヘッドレスト
4S シートカバー
4P シートパッド
11 導電糸
11a 被接続部
12 他の糸材
20 接続部材
21 第一面部
21a 導線
22 第二面部
30,30A,30B 導電部
30a 導電材(面状)
31a 導電材(線状)
33a 第一被覆層
33b 第二被覆層
40f 第一表皮ピース
40s 第二表皮ピース
40 押え部材(溶着装置)
43 振動体(溶着装置)
44 センサ装置
SEW 縫合線
HS 溶着箇所

Claims (3)

  1. 通電可能な導電糸と、前記導電糸に電力を供給可能な面状の接続部材とを備えるとともに、前記接続部材の通電可能な導線が、布帛製の布材に適宜の間隔で並列配置する複数の前記導電糸を横断して配置される通電可能な布材において、
    前記布材から露出する前記導電糸の被接続部と前記導線が、これらに密着状に配置する通電可能な導電部にて電気的につなげられるとともに、前記導電部が、加熱により固化状態から流動状態に変化する導電材を、前記被接続部と前記導線の間で固化状態から一旦流動状態に変化させたのち前記導線に沿って線状に固化してなる通電可能な布材。
  2. 前記導電材が、前記導線に予め固化状態で取付けられるとともに、前記導電部が、前記被接続部と前記導線の間に配置された導電材部分を加熱により一旦流動状態にしたのち固化してなる請求項1に記載の通電可能な布材。
  3. 前記導電材が、前記導線を被覆する第一被覆層と、前記第一被覆層を被覆する第二被覆層とを有し、前記第一被覆層の融点が前記第二被覆層の融点よりも高いとともに、前記導電部が、前記第二被覆層を加熱により一旦流動状態にしたのち固化してなる請求項2に記載の通電可能な布材。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016161555A (ja) * 2015-03-05 2016-09-05 株式会社槌屋 導電性織物及び導電性織物を使用した圧力センサ

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