JP2015056260A - リチウム含有酸化珪素粉末 - Google Patents

リチウム含有酸化珪素粉末 Download PDF

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Abstract

【課題】リチウムイオン二次電池の負極材として用いられるリチウム含有酸化珪素粉末であって、水に対する反応性が抑制された粉末を提供する。【解決手段】このリチウム含有酸化珪素粉末を構成する粒子の少なくとも一部は、炭素被覆されており、このリチウム含有酸化珪素粉末に純水を添加したときのアセチレン発生量は、当該リチウム含有酸化珪素粉末に含有されるリチウム1molあたり、5.11?10-8mol以下である。このリチウム含有酸化珪素粉末の炭素含有率は、0.5〜20質量%であることが好ましい。【選択図】図1

Description

この発明は、リチウムイオン二次電池の負極材に用いられるリチウム含有酸化珪素粉末に関し、より詳しくは、当該リチウム含有酸化珪素粉末を構成する粒子の少なくとも一部が、炭素被覆されているリチウム含有酸化珪素粉末に関する。
近年、携帯型の電子機器、通信機器等の著しい発展に伴い、経済性と機器の小型化および軽量化との観点から、高エネルギー密度の二次電池の開発が強く要望されている。現在、高エネルギー密度の二次電池として、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン二次電池、およびポリマー電池等がある。このうち、リチウムイオン二次電池は、ニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池に比べて格段に高寿命かつ高容量であることから、その需要は電源市場において高い伸びを示している。
図1は、コイン形状のリチウムイオン二次電池の構成例を示す図である。リチウムイオン二次電池は、同図に示すように、正極1、負極2、電解液を含浸させたセパレータ3、および正極1と負極2との電気的絶縁性を保つとともに電池内容物を封止するガスケット4から構成されている。充放電を行うと、リチウムイオンがセパレータ3の電解液を介して正極1と負極2との間を往復する。
正極1は、対極ケース1aと、対極集電体1bと、対極1cとで構成され、対極1cには、主に、コバルト酸リチウム(LiCoO2)やマンガンスピネル(LiMn24)が使用される。負極2は、作用極ケース2aと、作用極集電体2bと、作用極2cとで構成され、作用極2cに用いる負極材は、一般に、リチウムイオンの吸蔵・放出が可能な活物質(負極活物質)と、導電助剤およびバインダーとで構成される。
負極活物質としては、酸化珪素の粉末を用いることが、試みられている。ここで、「酸化珪素」とは、非晶質の珪素酸化物で、たとえば、二酸化珪素と珪素との混合物を加熱して生成した一酸化珪素ガスを冷却し、析出させて得られたものである。
酸化珪素は、充放電時のリチウムイオンの吸蔵・放出による構造の破壊や不可逆物質の生成等による劣化が少ないことから、有効な充放電容量をより大きくすることが可能な負極活物質となり得る。そのため、負極活物質として、酸化珪素を用いることにより、炭素を用いた場合と比較して、高容量であり、かつ、SiやSn合金といった高容量負極材を用いた場合と比較して、サイクル特性が良好なリチウムイオン二次電池が得られている。
負極材用粉末として、酸化珪素粉末にリチウムを添加したものを用いると、リチウムイオン二次電池として、初期効率、およびサイクル特性を高くすることができることが知られている。また、酸化珪素粉末に炭素被覆することにより、負極の導電性を高くすることができることが知られている。
下記特許文献1には、「SiOx(x=0.5〜1.6)で表される酸化珪素および/または珪素−珪素酸化物系複合体からなる粉末(以下、「酸化珪素等からなる粉末」という。)の表面に炭素を被覆し、炭素被覆後の粉末と水素化リチウムおよび/または水素化リチウムアルミニウムを混合した後、加熱して、粉末に対してのドープ量が0.1〜20質量%となるようにリチウムを炭素被覆後の粉末にドープする」ことが開示されている。
下記特許文献2には、「酸化珪素等からなる粉末の表面に、熱CVD処理によって炭素を被覆し、該炭素被覆後の粉末とリチウムドープ剤を混合した後、加熱してリチウムを該炭素被覆後の粉末に対してドープする」ことが開示されている。
このように、下記特許文献1および2のいずれにも、酸化珪素等からなる粉末に炭素被覆した後、この粉末にリチウムをドープすることが開示されている。炭素被覆とリチウムドープとの順序をこのようにすることに関して、下記特許文献1および2では、「リチウムをドープした後に炭素を熱CVD処理によって被覆すると、ドープされたリチウムによって酸化珪素等と被覆炭素との界面の珪素と炭素が反応してSiCの生成が促進され、また酸化珪素等中の珪素の結晶化が促進されるため、電子伝導性やサイクル耐久性が良好な負極材とはいえないものとなる」とされている。
そして、下記特許文献1および2では、「炭素を被覆した後にリチウムをドープすることによって、酸化珪素等と被覆炭素との界面のSiCの生成量を十分に少なくすることができ、また酸化珪素等中の珪素の結晶が必要以上に成長することを抑制でき、負極とした時にサイクル耐久性等の電池特性が良好な負極材とすることができる」とされている。下記特許文献1および2では、酸化珪素等からなる粉末に対して、リチウムをドープした後、炭素被覆した場合は、得られた粉末をリチウムイオン二次電池に用いると、その電池のサイクル耐久性が劣るとされている。
特開2011−222151号公報 特許2011−222153号公報
しかし、酸化珪素等からなる粉末に対して、炭素を被覆した後にリチウムをドープすると、被覆された炭素とリチウムとが反応し、Li22が形成される。Li22は、水と接触すると、反応して、水酸化リチウム(LiOH)とアセチレン(C22)ガスとを生じる。このため、負極材の成形のために、上記Li22が形成された粉末と、水、および水系バインダーとを混合してスラリーを形成すると、上記反応により、アセチレンガスが発生し気泡となってスラリーに混入し、また、LiOHが生成してスラリー中の水に溶解しスラリーの液性が塩基性に偏る。これに起因して、スラリーの塗布性が悪化し、電池性能の劣化にもつながる。
酸化珪素粉末にリチウムをドープした後に炭素被覆して負極材用粉末を得ると、この負極材用粉末を、水、および水系バインダーと混合したときのアセチレンガスの発生量を少なくすることはできるが、気泡の混入による上述の問題は生じる。
本発明は、これらの問題に鑑みてなされたものであり、水に対する反応性が抑制された、リチウム含有酸化珪素粉末を提供することを目的としている。
本発明の要旨は、下記(1)および(2)のリチウム含有酸化珪素粉末にある。
(1)リチウムイオン二次電池の負極材用のリチウム含有酸化珪素粉末であって、
当該リチウム含有酸化珪素粉末を構成する粒子の少なくとも一部が、炭素被覆されており、
当該リチウム含有酸化珪素粉末に純水を添加したときのアセチレン発生量が、当該リチウム含有酸化珪素粉末に含有されるリチウム1molあたり、5.11×10-8mol以下であることを特徴とするリチウム含有酸化珪素粉末。
(2)当該リチウム含有酸化珪素粉末の炭素含有率が、0.5〜20質量%であることを特徴とする上記(1)に記載のリチウム含有酸化珪素粉末。
本発明のリチウム含有酸化珪素粉末は、水との反応性が抑制されており、負極材の成形時に、本発明のリチウム含有酸化珪素粉末を、水、および水系バインダーと混合してスラリーを形成しても、気泡はほとんど発生しない。このため、スラリーの塗布性が悪化することはなく、負極材の成形状態に起因する電池性能の劣化は生じ難い。
コイン形状のリチウムイオン二次電池の構成例を示す図である。
1.本発明のリチウム含有酸化珪素粉末
上述のように、本発明のリチウム含有酸化珪素粉末は、リチウムイオン二次電池(以下、単に、「電池」という。)の負極材に用いられるものであり、「当該リチウム含有酸化珪素粉末を構成する粒子の少なくとも一部が、炭素被覆されており、当該リチウム含有酸化珪素粉末に純水を添加したときのアセチレン発生量が、当該リチウム含有酸化珪素粉末に含有されるリチウム1molあたり、5.11×10-8mol以下である」ことを特徴とする。
ここで、「純水」とは、導電率が1μS/cm以下である水をいう。
アセチレン発生量の測定は、たとえば、ガスクロマトグラフィーによって行うものとすることができる。
従来のリチウム含有酸化珪素粉末で炭素被覆されたもの、すなわち炭素被膜の表面近傍にLi22が存在するものに純水を添加したときのアセチレン発生量は、当該リチウム含有酸化珪素粉末に含有されるリチウム1molあたり、たとえば、1×10-5molを超える。これに対して、本発明のリチウム含有酸化珪素粉末に純水を添加したときのアセチレン発生量は、当該リチウム含有酸化珪素粉末に含有されるリチウム1molあたり、5.11×10-8mol以下であり、従来のリチウム含有酸化珪素粉末に比して極めて少ない。すなわち、本発明のリチウム含有酸化珪素粉末は、水との反応性が抑制されている。
負極材の成形時に、本発明のリチウム含有酸化珪素粉末を、水、および水系バインダーと混合してスラリーを形成しても、気泡はほとんど発生せず、スラリーの液性の塩基性への偏倚も小さい。このため、スラリーの塗布性が悪化することはなく、負極材の成形状態に起因する電池性能の劣化は生じ難い。したがって、本発明のリチウム含有酸化珪素粉末を用いて、リチウムイオン二次電池の負極材を形成する際、水系バインダーを用いることができる。水系バインダーは、有機系バインダーに比して、安価であるので、水系バインダーを用いることにより、コストを低減できる。また、従来、負極活物質として炭素を用いる場合は、水系バインダーが用いられてきたので、これまでに得られた水系バインダーに関する豊富な知見を活用することができる。
このリチウム含有酸化珪素粉末を構成する粒子の少なくとも一部が炭素被覆されていることにより、この粉末を用いた負極の導電性を高くすることができる。炭素被膜の膜厚は、薄すぎると、負極の導電性を十分に高くすることができず、厚すぎると、電池の充放電時に、負極を構成する当該粉末の粒子の膨張・収縮により、当該粉末の粒子からの炭素被膜の剥離が生じやすく、この場合、電池のサイクル特性が悪化する。このリチウム含有酸化珪素粉末の炭素含有率は、0.5〜20質量%であることが好ましく、この場合、炭素被膜の膜厚は、リチウム含有酸化珪素粉末の導電性を十分に高くし、かつ電池の充放電時に上述の剥離を生じ難くすることができるものとなりやすい。このような効果を奏するためには、このリチウム含有酸化珪素粉末の炭素含有率が1〜15質量%であることが、より好ましい。
このような膜厚を有する炭素被膜は、当該リチウム含有酸化珪素粉末を構成する粒子の体積メディアン径(以下、「D50」という。)が0.5〜10μmであるときに得られやすい。D50は、体積基準の累積粒度分布の微粒側(または粗粒側)から累積50%の粒径であり、粉体の平均的な粒径の指標となる。累積粒度分布、およびD50は、たとえば、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定することができる。
また、D50が、0.5μmを下回ると、電池を製造する際に必要となる電解液の量が多くなる。D50が、10μmを超えると、電池の充放電時に、負極を構成するリチウム含有酸化珪素粉末粒子の膨張・収縮が大きくなり、これにより、当該粒子における炭素被膜の剥離や、電極(図1で、作用極集電体2b)からの負極材の剥離が生じやすくなる。これらの問題を、より生じ難くするために、リチウム含有酸化珪素粉末を構成する粒子のD50は、1〜7μmであることが、さらに好ましい。
2.本発明の粉末を製造する方法
以下、本発明のリチウム含有酸化珪素粉末を製造する方法の一例について説明する。
まず、全体として、モル比で、Si:O=1:y(0.4<y<1.5)の平均組成を有する酸化珪素粉末を用意する。酸化珪素粉末としては、一酸化珪素粉末、一酸化珪素粉末と珪素粉末とを混合した混合粉末、および一部酸化してSiO2となったSi粉末等を使用することができる。この酸化珪素粉末に対して、500〜1200℃(好ましくは、600〜900℃)で、熱CVD(Chemical Vapor Deposition)反応による炭素被覆を行う。この際、炭素源として、たとえば、炭化水素(メタン、プロパン、アセチレン等)ガスを用いることができる。
次に、得られた粉末(炭素被膜が形成された酸化珪素粉末)と、金属Li、またはLi化合物(たとえば、LiH)を含むLi原料粉末とを混合する。そして、得られた混合粉末を、不活性ガス雰囲気中において、200〜1200℃(好ましくは、350〜900℃)の範囲内の温度で焼成する。これにより、酸化珪素とリチウムとが化合(反応)して、リチウム含有酸化珪素粉末が得られる。焼成温度が低くなるほど、化合が進み難くなり、200℃未満では、化合は、実質的に進まない。焼成温度が900℃より高くなると、酸化珪素の不均化(2SiO → Si+SiO2の反応による分解)が進行する。酸化珪素の不均化が進行すると、電池性能が悪化することが多い。
酸化珪素粉末に対してリチウムを化合させる際に、粉末が加熱されることにより、リチウムと、酸化珪素粉末に被覆された炭素とが反応して、主として炭素被膜中に、Li22が形成される。
以上のように、酸化珪素粉末に対して、炭素被覆を行ってから、リチウムを化合させることができるが、酸化珪素粉末に対して、リチウムを化合させてから、炭素被覆を行ってもよい。この場合でも、リチウムと炭素との反応により、主として炭素被膜中に、Li22が形成される。
次に、リチウムとの反応性が炭素とリチウムとの反応性よりも高い物質の粉末(以下、「リチウム除去用粉末」という)を、上述の炭素被覆されたリチウム含有酸化珪素粉末(以下、「被処理粉末」という)と混合し、この混合粉末を、加熱処理する。リチウム除去用粉末を構成する粒子の大部分は、被処理粉末を構成する粒子の大部分よりも粒径が大きいものとする。この加熱処理により、炭素被膜中のLi22のうち、少なくとも炭素被膜表面近傍に存在するものを構成するリチウムが、リチウム除去用粉末と反応し、リチウム除去用粉末中に移動する。その結果、被処理粉末の表面近傍に存在するリチウムの大部分が除去される。このように、被処理粉末をリチウム除去用粉末と混合して、加熱処理することを、以下、「脱Li処理」という。
リチウムとの反応性が炭素とリチウムとの反応性よりも高い物質としては、たとえば、リチウムの添加、および炭素被覆のいずれも施していない酸化珪素を採用することができる。熱処理は、たとえば、ロータリキルン(回転式熱処理炉)を用いて、400〜900℃で、30分〜4時間行うものとすることができる。被処理粉末からのリチウムの除去量は、脱Li処理の時間、および温度により制御できる。
その後、篩により、混合粉末からリチウム除去用粉末を取り除く。具体的には、被処理粉末の大部分が通過し、リチウム除去用粉末の大部分が通過しない目開きの篩に、混合粉末をかけ、篩下を回収する。リチウム除去用粉末は、篩上となり、除去される。換言すれば、リチウム除去用粉末としては、このような方法により除去できる粒径を有するものを用いる。篩下を、本発明のリチウム含有酸化珪素粉末とすることができる。
以下の方法により、本発明の範囲に入るリチウム含有酸化珪素粉末(実施例)と、純水を添加したときのアセチレン発生量が本発明の要件を満たさないリチウム含有酸化珪素粉末(比較例)とを作製した。
Si:O=1:1.0の平均組成を有し、D50が5μmである酸化珪素粉末に対して、800℃で30分、熱CVD反応による炭素被覆を行った。この際、炭素源として、プロパンガスを用いた。そして、得られた粉末と、Li原料粉末としての水素化リチウム粉末とを混合し、不活性ガス雰囲気中で、800℃で2時間、焼成した。
得られた粉末を、比較例のリチウム含有酸化珪素粉末とした。すなわち、比較例のリチウム含有酸化珪素粉末については、脱Li処理を行っていない。この粉末に対して、脱Li処理を施して、実施例のリチウム含有酸化珪素粉末とした。脱Li処理に用いたリチウム除去用粉末は、リチウムの添加、および炭素被覆のいずれも施していない酸化珪素粉末を、目開きが53μmの篩にかけて、篩上を回収したものとした。脱Li処理は、被処理粉末であるリチウム含有酸化珪素粉末と、リチウム除去用粉末とを混合し、ロータリキルンで、800℃、2時間、加熱処理することにより行った。その後、得られた粉末を目開きが45μmの篩にかけて、篩下を回収して、実施例のリチウム含有酸化珪素粉末とした。
実施例、および比較例のリチウム含有酸化珪素粉末について、組成の分析、およびD50の測定を行った。いずれの粉末についても、Si:Li:O=1:1.0:1.0で、炭素含有率は、10質量%であった。また、いずれの粉末についても、D50は、5μmであった。
次に、実施例、および比較例のリチウム含有酸化珪素粉末について、純水を添加したときのアセチレン発生量を測定した。実施例、および比較例のリチウム含有酸化珪素粉末は、いずれも、製造後、アセチレン発生量を測定するまで、大気との接触を断って保管した。
アセチレン発生量は、以下の方法により測定した。まず、リチウム含有酸化珪素粉末のサンプル1gを、セロハンに包んで、第1のシリンジの中(シリンジとプランジャとにより形成される空間内)に入れ、第1のシリンジ内の空気を排出後、この第1のシリンジに、室温の純水を100cm3吸い取った。リチウム含有酸化珪素粉末のサンプルをセロハンに包んだことにより、第1のシリンジ内の空気を排出する際、当該サンプルの粒子が、シリンジ外に排出されることはなかった。この状態で、第1のシリンジにおいて、シリンジに対するプランジャの位置を固定した。
次に、第2のシリンジの内部の空気を排出してから、第1のシリンジの口を、第2のシリンジの口と、連通接続した。その後、第1のシリンジ内で発生した気体が、第2のシリンジ内に流入し、第2のシリンジにおいて、シリンジに対してプランジャが後退していくのが観察された。
第2のシリンジのプランジャの後退量から、第2のシリンジ内の気体の量が20mlになったと判断されたとき、第2のシリンジを第1のシリンジから外して、第2のシリンジの口から、第2のシリンジ内の気体の一部をサンプリングした。その後、第2のシリンジ内に残った気体を排出してから、再度、第1のシリンジの口を、第2のシリンジの口と、連通接続した。サンプリングした気体については、ガスクロマトグラフィ分析を行い、アセチレンを定量した。
以後、第2のシリンジ内の気体の量が20mlになったと判断される毎に、当該気体を上記の手順でサンプリングし、ガスクロマトグラフィ分析することを、ガスクロマトグラフィ分析でアセチレンが検出されなくなるまで続けた。
以上の定量分析の結果に基づいて、リチウム含有酸化珪素粉末のサンプルと純水との反応により生じるアセチレンの量を求めた。表1に、実施例、および比較例のリチウム含有酸化珪素粉末それぞれについて、脱Li処理の有無、およびアセチレン発生量を示す。表1には、アセチレン発生量を、リチウム含有酸化珪素粉末に含有されるリチウム1molあたりの量として、mol数で示している。実施例のリチウム含有酸化珪素粉末は、比較例のリチウム含有酸化珪素粉末に比して、アセチレン発生量が極めて少なく、水との反応性が大きく低減されていることがわかる。
Figure 2015056260

Claims (2)

  1. リチウムイオン二次電池の負極材用のリチウム含有酸化珪素粉末であって、
    当該リチウム含有酸化珪素粉末を構成する粒子の少なくとも一部が、炭素被覆されており、
    当該リチウム含有酸化珪素粉末に純水を添加したときのアセチレン発生量が、当該リチウム含有酸化珪素粉末に含有されるリチウム1molあたり、5.11×10-8mol以下であることを特徴とするリチウム含有酸化珪素粉末。
  2. 当該リチウム含有酸化珪素粉末の炭素含有率が、0.5〜20質量%であることを特徴とする請求項1に記載のリチウム含有酸化珪素粉末。
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