本発明者らは、先願において、タッチパネル装置に混入する外来ノイズを除去するためのサンプリング動作の変更構成を提案し(特願2012-199993号、平成24年9月11日出願)、上記外来ノイズを検知する構成を提案してきた(特願2012-199994号、平成24年9月11日出願)。本願は、上記外来ノイズを検知する構成により検知された外来ノイズを除去するためのドライブラインの駆動周波数(外来ノイズ除去駆動周波数)を高速に決定することができる構成を提案する。
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
(タッチセンサシステム1の構成)
図1は、本実施形態に係るタッチセンサシステム1の構成を示すブロック図である。図2は、タッチセンサシステム1に設けられたタッチパネル3の構成を示す模式図である。
タッチセンサシステム1は、タッチパネル3と静電容量値分布検出回路2(タッチパネル装置)とを備えている。タッチパネル3は、水平方向(横方向)に沿って延び互いに平行に配置された水平信号線HL1〜HLM(第2信号線)と、垂直方向(縦方向)に沿って延び互いに平行に配置された垂直信号線VL1〜VLM(第1信号線)とを備えている。水平信号線HL1〜HLMと垂直信号線VL1〜VLMとの交点には、それぞれ静電容量C11〜CMMが形成される。
静電容量値分布検出回路2は、マルチプレクサ4、駆動部5、センス信号処理部6、動作制御部7、ノイズ検知部8(外来ノイズ判定部)、タッチ位置検出部9、パラメータ記憶部10、および駆動周波数決定部12を備えている。
駆動部5は、ドライブラインDL1〜DLMに、時系列で駆動信号を供給する。駆動信号が印加されると、タッチパネル3は、静電容量の値に対応する電荷をセンスラインSL1〜SLMから出力する。
センス信号処理部6は、センスラインSL1〜SLMを介して、タッチパネル3に供給された駆動信号と静電容量とに応じたセンス信号を受信する。センス信号処理部6は、水平信号線HL1〜HLMと垂直信号線VL1〜VLMとの各交点における静電容量の値に応じたセンス信号を受信する。受信したセンス信号の強度の分布は、タッチパネル3上の静電容量値の分布に対応する信号である。センス信号処理部6は、センス信号の強度分布をノイズ検知部8に出力する。
図3は、マルチプレクサ4の概略構成を示す回路図である。マルチプレクサ4は、縦続接続されたM個の接続切替部11を備える。動作制御部7からの制御ラインCLは、1番目の接続切替部11に入力されている。マルチプレクサ4は、制御ラインCLを介して動作制御部7から入力される制御信号に応じて、第1接続状態と第2接続状態とを切り替える。第1接続状態では、垂直信号線VL1〜VLMが駆動部5のドライブラインDL1〜DLMにそれぞれ接続され、水平信号線HL1〜HLMがセンス信号処理部6のセンスラインSL1〜SLMにそれぞれ接続される。第2接続状態では、垂直信号線VL1〜VLMがセンス信号処理部6のセンスラインSL1〜SLMにそれぞれ接続され、水平信号線HL1〜HLMが駆動部5のドライブラインDL1〜DLMにそれぞれ接続される。
図4は、接続切替部11の具体的な構成の一例を示す回路図である。接続切替部11は、4個のCMOSスイッチSW1〜SW4を有している。接続切替部11の制御ラインCLは、前段の接続切替部11の制御ラインCLおよび後段の接続切替部11の制御ラインCLに接続されている。すなわち、動作制御部7からの制御ラインCLは、各接続切替部11によって共有されている。制御ラインCLは、CMOSスイッチSW1のp型トランジスタの制御端子と、CMOSスイッチSW2のn型トランジスタの制御端子と、CMOSスイッチSW3のp型トランジスタの制御端子と、CMOSスイッチSW4のn型トランジスタの制御端子と、反転器invの入力とに接続されている。反転器invの出力は、CMOSスイッチSW1のn型トランジスタの制御端子と、CMOSスイッチSW2のp型トランジスタの制御端子と、CMOSスイッチSW3のn型トランジスタの制御端子と、CMOSスイッチSW4のp型トランジスタの制御端子とに接続されている。水平信号線HLkは、CMOSスイッチSW1・SW2の一端に接続されている。垂直信号線VLkは、CMOSスイッチSW3・SW4の一端に接続されている。ドライブラインDLkは、CMOSスイッチSW1・SW4の他端に接続されている。センスラインSLkは、CMOSスイッチSW2・SW3の他端に接続されている。ここで、例えばHLkは、k番目(1≦k≦M)の水平信号線を示す。
制御ラインCLの制御信号をHighにすると、水平信号線HL1〜HLMは、センスラインSL1〜SLMにそれぞれつながり、垂直信号線VL1〜VLMは、ドライブラインDL1〜DLMにそれぞれつながる(第1接続状態)。制御ラインCLの制御信号をLowにすると、水平信号線HL1〜HLMは、ドライブラインDL1〜DLMにそれぞれつながり、垂直信号線VL1〜VLMは、センスラインSL1〜SLMにそれぞれつながる(第2接続状態)。
動作制御部7は、マルチプレクサ4に接続状態を指示する制御信号を供給する。動作制御部7は、駆動部5およびセンス信号処理部6のそれぞれの動作を規定する信号を生成し、駆動部5およびセンス信号処理部6のそれぞれに該信号を供給する。
ノイズ検知部8は、センス信号の強度分布から、外来ノイズの有無を判定する。ノイズ検知部8の詳細な処理は後述する。ノイズ検知部8は、外来ノイズの有無の判定結果と、センス信号の強度分布とをタッチ位置検出部9及び駆動周波数決定部12に出力する。
タッチ位置検出部9は、センス信号の強度分布から、指示体がタッチしている位置を特定する。
駆動周波数決定部12は、タッチした指示体を通じて前記静電容量に対応する電荷の出力方向に沿って生じる外来ノイズを除去するために、水平信号線HL1〜HLM又は垂直信号線VL1〜VLMの駆動周波数を第1ずらし量によりずらしながら駆動周波数候補を決定し、前記第1ずらし量よりも小さい第2ずらし量により前記駆動周波数候補をずらしながら外来ノイズ除去駆動周波数を決定する。駆動周波数決定部12は、前記第1ずらし量により前記駆動周波数を複数回ずらしながら前記外来ノイズの量に対応する外来ノイズ指標を複数回計測し、前記複数回計測した外来ノイズ指標の最小値に対応する駆動周波数を前記駆動周波数候補に決定する。駆動周波数決定部12の詳細な処理は後述する。
パラメータ記憶部10は、ノイズの有無、駆動周波数の決定、またはタッチ位置の判定のために使用する所定のパラメータを記憶している。パラメータは、ノイズ検知部8、タッチ位置検出部9、および駆動周波数決定部12によって読み出される。
(ノイズ検出方法の概要)
ここで、外来ノイズが存在する場合に、センス信号にどのように影響を与えるかについて簡単に説明する。
図5の(a)および(b)は、外来ノイズが存在する場合のセンス信号の強度分布を示すグラフである。図5の(a)は、垂直信号線がドライブラインに接続されており、水平信号線がセンスラインに接続されているときの、センス信号の強度分布を示す。グラフにおける高さは、センス信号の強度を示す。ある垂直信号線(ドライブライン)に駆動信号を供給したときにある水平信号線(センスライン)から得られるセンス信号の強度を、該垂直信号線と水平信号線との交点にプロットしている。
図5の(a)における中央のピークが、タッチに起因するセンス信号である。外来ノイズが存在する場合、タッチされた位置以外にも小さなピークが検出される。この小さなピークが外来ノイズに起因するセンス信号であり、この小さなピークは、タッチされたセンスライン上に複数現れる。
図5の(b)は、水平信号線がドライブラインに接続されており、垂直信号線がセンスラインに接続されているときの、センス信号の強度分布を示す。この場合も、外来ノイズに起因するセンス信号のピークは、タッチされたセンスライン上に現れる。
なお、ノイズには、人体等が受けた電磁ノイズが指示体を介してタッチパネル装置に混入した外来ノイズ以外にも、タッチパネル上を指示体が高速で移動することに起因して生じるノイズがある。本明細書ではタッチパネル上を指示体が高速で移動することに起因して生じるノイズを「ファントムノイズ」と称する。指示体が高速で移動している場合、指示体がタッチしているセンスライン上に、ファントムノイズに起因するセンス信号の複数のピークが現れる。ファントムノイズが存在する場合も、図5の(a)および(b)のようなセンス信号の強度分布が得られる。
センス信号の強度と閾値とを比較することにより、タッチされた位置を特定することができる。しかしながら、外来ノイズを誤検出しないために閾値を大きくしすぎると、タッチを検出する感度が低下してしまう。また、信号強度が大きく異なる指示体を同時にタッチ検出しようとする場合、複数の閾値を設定するか、あるいは、信号強度の小さい指示体を検出可能なように閾値を設定する必要がある。いずれの場合も、ノイズが閾値より大きくなり、ノイズをタッチとして誤検出してしまう。そのため、単にセンス信号の強度からだけでは、ノイズに起因するピークなのかタッチに起因するピークなのかを正確に判別するのは難しい。
そこで、本実施形態の静電容量値分布検出回路2では、外来ノイズがタッチしたセンスライン上に現れる性質を利用する。静電容量値分布検出回路2は、第1接続状態で得られるセンス信号の強度分布と第2接続状態で得られるセンス信号の強度分布とを用いて、外来ノイズの存在を検知する。
図6の(a)は、第1接続状態においてタッチされた領域とノイズが発生する領域とを示す図である。図6の(b)は、第2接続状態においてタッチされた領域とノイズが発生する領域とを示す図である。ここでは垂直信号線の延びる方向をx方向、水平信号線の延びる方向をy方向としている。第1接続状態(図6の(a))において、領域Aが指示体によってタッチされている場合、外来ノイズは領域Aを通るセンスライン(水平信号線)のセンス信号に現れる。よって、領域Aを通るセンスライン(水平信号線)上の領域Bのセンス信号に外来ノイズが現れる。同様に、第2接続状態(図6の(b))において、領域Aが指示体によってタッチされている場合、外来ノイズは領域Aを通るセンスライン(垂直信号線)のセンス信号に現れる。よって、領域Aを通るセンスライン(垂直信号線)上の領域Cのセンス信号に外来ノイズが現れる。
ここで、タッチされた領域A以外の位置に、所定の信号閾値を超えるような信号強度を有する箇所(交点)が存在すれば、外来ノイズが存在すると考えられる。そこで、第1接続状態において信号強度が信号閾値を超える交点の数(静電容量の数)をカウントし、bとする。これは、領域B(第2検出領域)において信号強度が信号閾値を超える交点の数を表すと考えられる。信号強度が信号閾値を超える交点の数を超閾値静電容量数とする。同様に、第2接続状態において信号強度が信号閾値を超える交点の数をカウントし、cとする。これは、領域C(第1検出領域)において信号強度が信号閾値を超える交点の数を表すと考えられる。bとcとの和から、領域Aの中の交点の数aの2倍を減算したものを外来ノイズ指標とする。領域Aの中の交点の数aをタッチ対応静電容量数とする。外来ノイズ指標(b+c−2×a)が零(0)より大きければ、タッチされた領域A以外の位置に信号閾値を超えるような信号強度を有する交点が存在すると考えられる。すなわち、外来ノイズ指標(b+c−2×a)が0より大きければ、外来ノイズが存在すると考えられる。外来ノイズ指標(b+c−2×a)が0以下であれば、外来ノイズは存在しないと考えられる。
(ノイズ検出方法の詳細)
図7は、本実施形態のノイズ検出のフローを示す図である。
第1時刻において、動作制御部7は、制御ラインCLを介してマルチプレクサ4に制御信号を出力し、マルチプレクサ4を第1接続状態に切り替える(ST1)。第1接続状態では、垂直信号線VL1〜VLMが駆動部5のドライブラインDL1〜DLMにそれぞれ接続され、水平信号線HL1〜HLMがセンス信号処理部6のセンスラインSL1〜SLMにそれぞれ接続される。
次に第2時刻において、駆動部5がドライブラインDL1〜DLMに駆動信号を供給する。また、センス信号処理部6は、センスラインSL1〜SLMを介してセンス信号を受信する(ST2)。センス信号は、交点の静電容量の値に対応する信号である。
ノイズ検知部8は、パラメータ記憶部10から、所定のパラメータ(外部パラメータ)NoiseThおよびFingerWidthwithMarginを読み込む。
NoiseThは、タッチされた位置およびノイズを検知するための信号閾値(検出閾値)である。すなわち、ある交点の信号強度がNoiseThを超える場合、該交点は指示体によってタッチされている可能性があると考えられる。ただし、外来ノイズ等によって信号強度が信号閾値NoiseThを超える場合も考えられる。
FingerWidthwithMarginは、想定される指示体がタッチパネル3をタッチした場合におけるタッチされた領域の垂直方向または水平方向の幅(交点の数)の上限値(第1閾値、第2閾値)を示す。FingerWidthwithMarginは、垂直方向と水平方向とで異なっていてもよい。外来ノイズが無い状態で想定される指示体がタッチパネル3をタッチした場合、信号強度が信号閾値NoiseThを超える複数の交点の垂直方向の広がりおよび水平方向の広がりは、上限値FingerWidthwithMargin以下に収まると考えられる。すなわち、外来ノイズが無い場合、図6における領域Aの垂直方向の幅および水平方向の幅は、上限値FingerWidthwithMargin以下に収まると想定できる。
ノイズ検知部8は、得られたセンス信号の強度分布から、第1接続状態におけるパラメータNoiseIndicator(i)、NoisyLineSet(first)、NumNoisyLine(first)、およびNumNoise(first)を求める(ST3)。
ノイズ検知部8は、各センスライン毎に、信号閾値NoiseThを超える信号強度(信号絶対値)を有する交点(静電容量)の数をNoiseIndicator(i)として求める。NoiseIndicator(i)は、第i番目のセンスライン上における、信号閾値NoiseThを超える信号強度(信号絶対値)を有する交点の数(超閾値静電容量数)を表す変数である。
NoisyLineSet(first)は、第1接続状態においてNoiseIndicator(i)>FingerWidthwithMarginの関係を満たすセンスラインの集合である。例えば、第3番目のセンスラインから第6番目のセンスラインが上記関係を満たす場合、NoisyLineSet(first)は、要素として3、4、5、6を含む配列として規定することができる。
NumNoisyLine(first)は、第1接続状態における集合NoisyLineSet(first)の要素の数を示す変数である。すなわちNumNoisyLine(first)は、NoiseIndicator(i)>FingerWidthwithMarginの関係を満たすセンスラインの数(第2線数)を示す。
NumNoise(first)は、第1接続状態におけるNoisyLineSet(first)に含まれるセンスラインについてのNoiseIndicator(i)の和を示す変数である。すなわち、NoiseIndicator(i)>FingerWidthwithMarginの関係を満たすセンスラインのNoiseIndicator(i)の合計(第2合計)が、NumNoise(first)である。
第2時刻より後の第3時刻において、動作制御部7は、制御ラインCLを介してマルチプレクサ4に制御信号を出力し、マルチプレクサ4を第2接続状態に切り替える(ST4)。第2接続状態では、垂直信号線VL1〜VLMがセンス信号処理部6のセンスラインSL1〜SLMにそれぞれ接続され、水平信号線HL1〜HLMが駆動部5のドライブラインDL1〜DLMにそれぞれ接続される。
次に第4時刻において、駆動部5がドライブラインDL1〜DLMに駆動信号を供給する。また、センス信号処理部6は、センスラインSL1〜SLMを介してセンス信号を受信する(ST5)。
ノイズ検知部8は、得られたセンス信号の強度分布から、第2接続状態におけるパラメータNoiseIndicator(i)、NoisyLineSet(second)、NumNoisyLine(second)、およびNumNoise(second)を求める(ST6)。
NoisyLineSet(second)は、第2接続状態においてNoiseIndicator(i)>FingerWidthwithMarginの関係を満たすセンスラインの集合である。
NumNoisyLine(second)は、第2接続状態における集合NoisyLineSet(second)の要素の数を示す変数である。すなわちNumNoisyLine(second)は、NoiseIndicator(i)>FingerWidthwithMarginの関係を満たすセンスラインの数(第1線数)を示す。
NumNoise(second)は、第2接続状態におけるNoisyLineSet(second)に含まれるセンスラインについてのNoiseIndicator(i)の和を示す変数である。すなわち、NoiseIndicator(i)>FingerWidthwithMarginの関係を満たすセンスラインのNoiseIndicator(i)の合計(第1合計)が、NumNoise(second)である。
ノイズ検知部8は、第1接続状態のパラメータおよび第2接続状態のパラメータから、以下の外来ノイズ指標NoiseMetricを求める。
NoiseMetric=NumNoise(first)+NumNoise(second)
−2×NumNoisyLine(first)×NumNoisyLine(second)
外来ノイズが大きいほど外来ノイズ指標NoiseMetricは大きくなると考えられる。ノイズ検知部8は、NoiseMetric>0である場合(ST7でYes)、外来ノイズが存在すると判定する。
NoiseMetric≦0である場合(ST7でNo)、ノイズ検知部8は、外来ノイズが存在しないと判定し、判定結果をタッチ位置検出部9に通知する。タッチ位置検出部9は、第1接続状態および/または第2接続状態のセンス信号の強度分布に基づいて、指示体にタッチされた位置を特定する(ST8)。
NoiseMetric>0である場合(ST7でYes)、ノイズ検知部8は、ノイズが存在すると判定する。そして、ノイズ検知部8は、ST1からST7のノイズ判定処理を所定回数以上行ったかを判定する。なお、ノイズ検知部8は、外来ノイズ指標NoiseMetricと対応する信号の強度分布とを蓄積(記憶)しておく。
ST1からST7のノイズ判定処理を所定回数以上行っている場合(ST9でYes)、ノイズ検知部8は、複数回のノイズ判定処理の中で最もNoiseMetricが小さかったときのセンス信号の強度分布をタッチ位置検出部9に出力する。NoiseMetricの値が小さい場合、外来ノイズの影響も小さいと考えられる。そして、タッチ位置検出部9は、受け取ったセンス信号の強度分布に基づいて、指示体にタッチされた位置を特定する(ST8)。なお、ノイズ検知部8(通知部)は、外来ノイズの有無を、タッチ位置検出部9に、またはタッチセンサシステム1を利用する装置(ホスト装置)に通知してもよい。
行われたST1からST7のノイズ判定処理が所定回数未満である場合(ST9でNo)、ノイズ検知部8は、外来ノイズが存在すると判定し、駆動周波数決定部12にノイズ除去を行う指示を出力する。駆動周波数決定部12は、外来ノイズを除去するために、駆動周波数を第1ずらし量によりずらしながら駆動周波数候補を決定し、前記第1ずらし量よりも小さい第2ずらし量により前記駆動周波数候補をずらしながら外来ノイズ除去駆動周波数を決定し、当該外来ノイズ除去駆動周波数を駆動部5に供給する。駆動部5は、駆動周波数決定部12から供給された当該外来ノイズ除去駆動周波数によりドライブラインDL1〜DLMを駆動する。その後、静電容量値分布検出回路2は、当該外来ノイズ除去駆動周波数による動作条件でST1〜ST7のノイズ判定処理を繰り返す。
(駆動周波数決定部による外来ノイズ除去駆動周波数の決定)
図8は、本発明の実施形態1に係る外来ノイズ周波数と駆動周波数ずらし量との関係を示すグラフである。横軸は、指示体を介してタッチした水平信号線又は垂直信号線に対応するセンスラインSL1〜SLM上に走る外来ノイズの周波数を示している。横軸の外来ノイズの周波数は任意の単位であり、例えば、kHzであり得る。縦軸は、外来ノイズを除去するために、ドライブラインDL1〜DLMを駆動する駆動周波数のずらし量を示している。この駆動周波数のずらし量は、任意の単位であり、例えば、駆動信号を生成するためのクロック数であり得る。
図8では、駆動周波数ずらし量で駆動周波数をずらしたときに、低減することができる外来ノイズの周波数をプロットしている。例えば、ずらし量238単位により駆動周波数をずらしたときに低減することができる外来ノイズの周波数に対応する12個の点P11〜点P1Cをプロットしている。また、ずらし量236単位により駆動周波数をずらしたときに低減することができる外来ノイズの周波数に対応する点P21〜点P2Cをプロットしている。以下同様にして、駆動周波数を2単位ずらしていく毎に、低減することができる外来ノイズの周波数に対応する点をプロットしている。この結果、駆動周波数ずらし量で駆動周波数をずらしたときに、低減することができる外来ノイズの周波数を表す12本の曲線C1〜CCが描かれている。
図8のグラフによれば、例えば、外来ノイズの周波数が325kHzである場合、325kHzの垂直線と曲線C8との領域A1での交点、当該垂直線と曲線C7との領域A2での交点、及び、当該垂直線と曲線C6との領域A3での交点に示すように、駆動周波数のずらし量を230単位、200単位、170単位のいずれかにすると、外来ノイズを低減することができる。
図9は、本発明の実施形態1に係る駆動周波数ずらし量と外来ノイズ指標との関係を示すグラフである。横軸は、駆動周波数ずらし量を示している。縦軸は、外来ノイズ指標を示している。横軸の1〜88単位は、図8の縦軸の駆動周波数ずらし量の238〜150単位に対応している。図9に示す線M1は、外来ノイズの周波数が325kHzのときの外来ノイズ指標(Metric値)の変化をプロットしている。外来ノイズ指標(Metric値)が小さいほど、外来ノイズの除去効果は強くなる。
線M1に示されるように、外来ノイズ指標は、領域A1、領域A2、領域A3で極小値をとり、領域A3で最小値になる。
図10(a)〜(d)は本発明の実施形態1に係る駆動周波数ずらし量と外来ノイズ指標との関係のパターンを模式的に示すグラフである。図10(a)に示す曲線M2は、例えば図8に示す外来ノイズ周波数が25kHzのときの駆動周波数ずらし量に対する外来ノイズ指標の変化の態様を示している。外来ノイズ指標は、駆動周波数ずらし量に対して概略的に単調に減少しており、最小値B2を有する。
図10(b)に示す曲線M3は、例えば外来ノイズ周波数が75kHzのときの駆動周波数ずらし量に対する外来ノイズ指標の変化の態様を示している。外来ノイズ指標は、点B3で示される1個の極小値(最小値)を有する。図10(c)に示す曲線M4は、例えば外来ノイズ周波数が250kHzのときの駆動周波数ずらし量に対する外来ノイズ指標の変化の態様を示している。外来ノイズ指標は、2個の極小値を有し、点B4で示される最小値を有する。図10(d)に示す曲線M5は、例えば外来ノイズ周波数が375kHzのときの駆動周波数ずらし量に対する外来ノイズ指標の変化の態様を示している。外来ノイズ指標は、3個の極小値を有し、点B5で示される最小値を有する。
このように、駆動周波数ずらし量と外来ノイズ指標との間には様々な態様が存在する。タッチパネルシステムは、外来ノイズを検知すると、ドライブラインの駆動周波数を変更する。そして、外来ノイズ指標の計測により外来ノイズの量を推定する。次に、駆動周波数をさらに変更する。その後、さらに外来ノイズ指標を計測して外来ノイズの量を推定する。そして、タッチパネルシステムは、これらの動作を繰り返して最適な駆動周波数を決定する。
最小単位のずらし量により駆動周波数をインクリメント又はデクリメントによりずらして外来ノイズ指標が最小となる最適な駆動周波数を決定しようとすると、外来ノイズ指標の変化は図10(a)〜(d)に示すように様々な態様があるので、駆動周波数をずらすと外来ノイズが大きくなる場合がある。この間に誤タッチが起きるおそれがあるので、外来ノイズ指標が最小となる最適な駆動周波数は、高速に探索して決定する必要がある。
しかしながら、最適な駆動周波数を探索するために、駆動周波数ずらし量の最大値から順にデクリメントする方法、最小値から順にデクリメントする方法では、最適な駆動周波数を決定するまでに長時間を要するという問題がある。
高速探索の方法として、一般的に二分木探索法が知られている。しかしながら、外来ノイズ指標に対する最適な駆動周波数ずらし量の探索に二分木探索法を適用すると、最適な駆動周波数ずらし量が探索から漏れてしまい、外来ノイズを除去することができなかった。
図11は、本発明の実施形態1に係る駆動周波数の最適なずらし量を特定する方法を説明するためのグラフである。横軸は、外来ノイズの周波数を示している。横軸の外来ノイズの周波数は任意の単位であり、例えば、kHzであり得る。縦軸は、駆動周波数のずらし量を示している。この駆動周波数のずらし量は、任意の単位であり、例えば、クロック数であり得る。図8で説明した構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。これらの構成要素の詳細な説明は繰り返さない。
図11には、駆動周波数ずらし量で駆動周波数をずらしたときに、低減することができる外来ノイズの周波数を表す12本の曲線C1〜CCが描かれている。図11により説明する高速探索方法は、粗い間隔による探索と細かい間隔による探索とが組み合わされている。
外来ノイズ周波数が325kHzであった場合を例に挙げて説明する。前提条件として、駆動周波数ずらし量は150単位以上238単位以下であり、最小ステップ数は2単位とする。
駆動周波数決定部12は、まず、駆動周波数ずらし量を第1ずらし量に相当する8単位ずつずらして外来ノイズ指標を計測する。即ち、駆動周波数ずらし量234に対応する点R1、ずらし量226に対応する点R2、ずらし量218に対応する点R3、ずらし量210に対応する点R4、ずらし量202に対応する点R5、ずらし量194に対応する点R6、ずらし量186に対応する点R7、ずらし量178に対応する点R8、ずらし量170に対応する点R9、ずらし量162に対応する点RA、ずらし量154に対応する点RBの11個所において、それぞれ外来ノイズ指標を計測する。
そして、駆動周波数決定部12は、点R1〜点RBのうち、外来ノイズ指標が最小の点に対応する駆動周波数を、駆動周波数候補として決定する。例えば、外来ノイズ指標が最小の点が点R9のとき、駆動周波数決定部12は点R9に対応する駆動周波数ずらし量170の駆動周波数を駆動周波数候補として決定する。
次に、駆動周波数決定部12は、駆動周波数ずらし量を第2ずらし量に相当する2単位ずつずらして外来ノイズ指標を計測する。即ち、駆動周波数決定部12は、駆動周波数ずらし量を点R9から2単位プラス方向にずらした点R91、点R9から4単位プラス方向にずらした点R92、点R9から2単位マイナス方向にずらした点R93、点R9から4単位マイナス方向にずらした点R94において、それぞれ外来ノイズ指標を計測する。
その後、駆動周波数決定部12は、点R9、点R91、点R92、点R93、点R94のうち、外来ノイズ指標が最小になる点に対応する駆動周波数ずらし量の駆動周波数を外来ノイズ除去駆動周波数に決定する。
最大探索回数は、前述した単純なインクリメント法またはデクリメント法によれば、45回必要である。しかしながら、図11で説明した本実施形態の高速探索方法によれば、最大探索回数は、8単位ずらし回数11回、2単位ずらし回数2回、4単位ずらし回数2回であり、合計15回に低減される。
図12は、本発明の実施形態1に係る駆動周波数の最適なずらし量を特定する方法を示すフローチャートである。
まず、駆動部5がドライブラインDL1〜DLMを駆動信号により駆動し、駆動信号と静電容量とに応じたセンス信号をセンス信号処理部6が受信する(ステップS1)。そして、ノイズ検知部8は、センス信号に混入する外来ノイズを検知する(ステップS2)。次に、駆動周波数決定部12は、駆動周波数を粗い間隔でずらして駆動周波数候補を探索する粗い探索処理を実行する(ステップS3)。上記粗い探索処理(ステップS3)は以下のステップS4〜ステップS10を含む。
駆動周波数決定部12は、粗い間隔(刻み幅(A)、例えば8単位)により駆動周波数をずらす(ステップS4)。そして、駆動部5は、駆動周波数決定部12により粗い間隔でずらされた駆動周波数に基づく駆動信号によりドライブラインDL1〜DLMを駆動し、駆動信号と静電容量とに応じたセンス信号をセンス信号処理部6が受信する。駆動周波数決定部12は、上記センス信号に基づいて、外来ノイズ指標を計測する(ステップS5)。
次に、ノイズ検知部8は、外来ノイズが検知されなくなったか否かを判定する(ステップS6)。外来ノイズが検知されなくなったと判定されたときは(ステップS6でYES)、粗い検索処理を終了する(ステップS7)。
外来ノイズが検知されていると判定されたときは(ステップS6でNO)、次の粗い周波数ずらし処理へ移るためのカウンタをインクリメントする(ステップS8)。そして、最後の粗い周波数ずらし処理を行ったか否かを判定する(ステップS9)。最後の粗い周波数ずらし処理を行っていないと判定された時は(ステップS9でNO)、ステップS4に戻る。最後の粗い周波数ずらし処理を行ったと判定された時は(ステップS9でYES)、外来ノイズ指標が最も小さかった駆動周波数ずらし量に対応する駆動周波数を駆動周波数候補に決定する(ステップS10)。
次に、駆動周波数決定部12は、駆動周波数を細かい間隔でずらして外来ノイズ除去駆動周波数を探索する細かい探索処理を実行する(ステップS11)。上記細かい探索処理(ステップS11)は以下のステップS12〜ステップS17、及びステップS6を含む。
駆動周波数決定部12は、細かい間隔(刻み幅(B)、例えば2単位)により駆動周波数をずらす(ステップS12)。そして、駆動部5は、駆動周波数決定部12により細かい間隔でずらされた駆動周波数に基づく駆動信号によりドライブラインDL1〜DLMを駆動し、駆動信号と静電容量とに応じたセンス信号をセンス信号処理部6が受信する。駆動周波数決定部12は、上記センス信号に基づいて、外来ノイズ指標を計測する(ステップS13)。
次に、ノイズ検知部8は、外来ノイズが検知されなくなったか否かを判定する(ステップS6)。外来ノイズが検知されなくなったと判定されたときは(ステップS6でYES)、細かい検索処理を終了する(ステップS14)。
外来ノイズが検知されていると判定されたときは(ステップS6でNO)、次の細かい周波数ずらし処理へ移るためのカウンタをインクリメントする(ステップS15)。そして、最後の細かい周波数ずらし処理を行ったか否かを判定する(ステップS16)。最後の細かい周波数ずらし処理を行っていないと判定された時は(ステップS16でNO)、ステップS12に戻る。最後の細かい周波数ずらし処理を行ったと判定された時は(ステップS16でYES)、外来ノイズ指標が最も小さかった駆動周波数ずらし量に対応する駆動周波数を外来ノイズ除去駆動周波数に決定する(ステップS17)。そして、ステップS13に移る。
粗い検索処理を終了したとき(ステップS7)、または細かい検索処理を終了したときは(ステップS14)、後段処理を実行し(ステップS18)、処理を終了する。
なお、駆動部5がドライブラインDL1〜DLMに、時系列で駆動信号を供給する逐次駆動方式の例を説明したが、本発明はこれに限定されない。駆動部5がドライブラインDL1〜DLMを同時に駆動する並列駆動方式に対しても本発明を適用することができる。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図13〜図14に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。本実施形態では、実施形態1のタッチセンサシステム1を搭載した電子機器の例である携帯電話機100について説明する。
(携帯電話機100の構成)
図13は、本実施形態の携帯電話機100の構成を示すブロック図である。図14は、携帯電話機100の外観を示す図である。
携帯電話機100(スマートフォン)は、CPU110と、RAM112と、ROM111と、カメラ113と、マイクロフォン114と、スピーカ115と、操作キー116と、表示パネル118と、表示制御回路109と、タッチセンサシステム1とを備えている。各構成要素は、相互にデータバスによって接続されている。
CPU110は、携帯電話機100の動作を制御する。CPU110は、たとえばROM111に格納されたプログラムを実行する。操作キー116は、ユーザによる携帯電話機100への指示の入力を受ける。RAM112は、CPU110によるプログラムの実行により生成されたデータ、または操作キー116を介して入力されたデータを揮発的に格納する。ROM111は、データを不揮発的に格納する。
また、ROM111は、EPROM(Erasable Programmable Read−Only Memory)またはフラッシュメモリなどの書込みおよび消去が可能なROMである。また、図13には示していないが、携帯電話機100が、他の電子機器に有線により接続するためのインターフェイス(IF)を備える構成としてもよい。
カメラ113は、ユーザの操作キー116の操作に応じて、被写体を撮影する。なお、撮影された被写体の画像データは、RAM112や外部メモリ(たとえば、メモリカード)に格納される。マイクロフォン114は、ユーザの音声の入力を受付ける。携帯電話機100は、当該入力された音声(アナログデータ)をデジタル化する。そして、携帯電話機100は、通信相手(たとえば、他の携帯電話機)にデジタル化した音声を送る。スピーカ115は、例えば、RAM112に記憶された音楽データなどに基づく音を出力する。
タッチセンサシステム1は、タッチパネル3と静電容量値分布検出回路2とを含んでいる。
表示パネル118は、表示制御回路109により、ROM111、RAM112に格納されている画像を表示する。表示パネル118は、タッチパネル3に重ねられていてもよいし、タッチパネル3を内蔵していてもよい。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るタッチパネル装置(静電容量値分布検出回路2)は、複数の第1信号線(垂直信号線VL1〜VLM)と複数の第2信号線(水平信号線HL1〜HLM)との交点にそれぞれ形成される複数の静電容量(C11〜CMM)の値の分布を検出するために、第1時刻において前記第1信号線を駆動して前記静電容量に対応する電荷を前記第2信号線から出力させ、第2時刻において前記第1及び前記第2信号線の接続を切替制御し、第3時刻において前記第2信号線を駆動して前記静電容量に対応する電荷を前記第1信号線から出力させるタッチパネル装置であって、タッチした指示体を通じて前記静電容量に対応する電荷の出力方向に沿って生じる外来ノイズを除去するために、前記第1又は第2信号線の駆動周波数を第1ずらし量によりずらしながら駆動周波数候補を決定し、前記第1ずらし量よりも小さい第2ずらし量により前記駆動周波数候補をずらしながら外来ノイズ除去駆動周波数を決定する駆動周波数決定部12を備えている。
上記の構成によれば、外来ノイズ除去駆動周波数を決定するために、まず、駆動周波数を第1ずらし量によりずらしながら粗い間隔で探索する。その後、第1ずらし量よりも小さい第2ずらし量によりずらしながら細かい間隔で探索する。このため、駆動周波数を順次ずらしながら探索するよりも少ない探索回数により外来ノイズ除去駆動周波数を決定することができる。その結果、外来ノイズ除去駆動周波数を高速に決定することができるので、外来ノイズを速やかに除去することができる。
本発明の態様2に係るタッチパネル装置は、上記態様1において、前記駆動周波数決定部12は、前記第1ずらし量により前記駆動周波数を複数回ずらしながら前記外来ノイズの量に対応する外来ノイズ指標を複数回計測し、前記複数回計測した外来ノイズ指標の最小値に対応する駆動周波数を前記駆動周波数候補に決定してもよい。
上記の構成によれば、前記複数回計測した外来ノイズ指標の最小値に対応する駆動周波数を前記駆動周波数候補に決定するので、外来ノイズ指標が最小になる外来ノイズ除去駆動周波数を確実に決定することができる。
本発明の態様3に係るタッチパネル装置は、上記態様1において、前記外来ノイズの有無を判定する外来ノイズ判定部(ノイズ検知部8)をさらに備え、前記駆動周波数決定部12は、前記外来ノイズ判定部により外来ノイズが有りと判定されたときに、前記駆動周波数候補及び前記外来ノイズ除去駆動周波数の決定処理を開始してもよい。
上記の構成によれば、外来ノイズが無いときは、外来ノイズ除去駆動周波数を決定する処理が実行されないので、駆動周波数決定部の消費電力を低減することができる。
本発明の態様4に係るタッチパネル装置は、上記態様3において、前記駆動周波数決定部12は、前記外来ノイズ判定部(ノイズ検知部8)により外来ノイズが無しと判定されたときに、前記決定処理を終了してもよい。
上記の構成によれば、発生した外来ノイズが消滅したときは、外来ノイズ除去駆動周波数を決定する処理を中止するので、駆動周波数決定部の消費電力を低減することができる。
本発明の態様5に係る電子機器は、上記態様1〜4のいずれか1項に記載のタッチパネル装置を備えている。
上記の構成によれば、電子機器は、駆動周波数を順次ずらしながら探索するよりも少ない探索回数により外来ノイズ除去駆動周波数を決定することができる。その結果、外来ノイズ除去駆動周波数を高速に決定することができるので、外来ノイズを速やかに除去することができる電子機器を提供することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。