JP2015055504A - 計測装置および計測方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】計測装置1は、下地層90及び媒体層911〜913へ光を照射する光照射部11と、光照射部11が照射した光の反射光を集光し、3以上の異なる複数の波長の光それぞれに基づく下地層90及び媒体層911〜913の撮像データを取得する撮像部12と、撮像部12が取得した撮像データから推定される複数の媒体層911〜913の、波長ごとの吸収係数の比に基づいて、当該複数の媒体層911〜913の膜厚を算出する膜厚演算部(計測処理部10)と、を備えている。
【選択図】図1
Description
また、上記手法のそれぞれに用いられる膜厚センサのほとんどは、二次元的に分布する媒体のうちの一点のみを計測可能とするものである(例えば、特許文献1参照)。したがって、多くの場合、当該膜厚センサを空間的に配置若しくは移動(走査)させることで、測定対象とする媒体の二次元的な膜厚分布を取得する。
このように、既存技術では、二次元平面全体の膜厚の正確な計測に多くの制約が存在するため、適用範囲が限られるばかりでなく、高精度な計測を簡素に行うことが困難であった。
以下、第1の実施形態に係る計測装置について、図面を参照して説明する。
図1は、第1の実施形態に係る計測装置の機能構成を示す図である。この図において、符号1は計測装置である。
図1に示すように、計測装置1は、計測処理部10、光照射部11、及び撮像部12を備えている。計測装置1は、下地層90表面に積層された各媒体層911、912、913の膜厚を、光学的手段により計測する計測装置である。
計測装置1は、この計測対象物9の下地層90が平面である場合に、その平面に対して均一な、白色に対応する波長の光を照射し、撮像部12において取得される各波長の光の反射光に基づいて取得される撮像データに基づいて、各媒体層911、912、913の膜厚を計測する。
なお、図1に示す光照射部11は、例として、3つの光源110、111、112を組み合わせたものとしているが、光照射部11は、下地層90の平面に対して均一な光を照射できる構成であれば、4つ以上の複数の光源を組み合わせたものであってもよいし、単一の光源で構成されるものであってもよい。
取得された撮像データは、直ちに、計測処理部10内に備えられた記憶領域に記憶される。ここで「色」とは3つ以上の波長からなる分光反射率を示す。以下、分光反射率を「色」として記載する。
次に、計測処理部10の各機能部について、図2を参照しながら詳細に説明する。
図2に示すように、計測処理部10は、CPU(Central Proccess Unit:中央演算装置)100、操作部106、表示部107、外部インターフェイス108、及び、記憶部109を備えている。
操作部106は、例えばキーボード、マウス、タッチパネル等から構成され、各種操作の入力を受け付ける。
表示部107は、例えば液晶ディスプレイ等であって、オペレータの操作を促す画像、計測対象物9の撮像データを示す画像、後述する各演算処理に基づく演算結果や計測データを示す画像などを表示する。
外部インターフェイス108は、光照射部11、撮像部12と情報の送受信を行う接続インターフェイスである。
記憶部109は、撮像データ等の種々の情報が格納される記憶領域である。記憶部109は一般的な記憶手段、例えばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の大容量記憶デバイスで構築される。
計測処理部10は、以上のような機能構成に基づく汎用のPC(Personal Computer)であってよい。なお、計測処理部10は、上述した内容以外の他の機能構成を備えるものであってもよい。
ここで「そのものの色」とは、所定の白色光の下、下地層90及び各媒体層911〜913それぞれが、他の色と交じり合うことなく撮像データに取得される色を指す。
以下、下地色と媒体色を総称して「基本色」とも記載し、下地色情報と媒体色情報を総称して「基本色情報」とも記載する。
基本色取得部102の具体的な処理については後述する。
図3に示すように、撮像部12が撮像する計測対象物9は、下地層90に異なる媒体層911〜913が積層されている。上述したように、撮像部12は、光照射部11が有する光の反射光を集光、分光して撮像する。取得した撮像データは、一般的な画像データと同様に、マトリクス状に配される複数の画素の集合により構成される。撮像データは、各画素それぞれが画素色情報(異なる波長の反射光の強度に対応する数値の組み合わせ。分光データともいう)を有して、全体として一の画像を形成する。
なお、撮像部12が撮像データを取得した段階では、各媒体層911〜913それぞれの吸収係数は未知である。
基本色取得部102は、表示部107に撮像データ(図3)を表示するとともに、上述した下地色情報、及び、媒体色情報を取得するためのオペレータの操作を受け付ける。
具体的には、基本色取得部102は、撮像部12が取得した撮像データを表示部107に表示させながら、操作部106を介して、オペレータの撮像データに対する領域指定操作を受け付ける。
ここで、領域指定操作とは、オペレータが撮像データを目視で確認しながらマウス操作等に基づいて、媒体層911〜913そのものの色が撮像されている領域、及び、下地層90そのものの色が撮像されている領域を含むような領域を指定する操作をいう。
例えば、図4に示すように、オペレータは、撮像データの媒体層911が積層されている領域のうち、下地層90の色と混じらずに媒体層911そのものの色が撮像されている部分である媒体色特定点P1を目視で確認しながら、当該媒体色特定点P1を含むようなサンプル領域R1を指定する操作を行う。
同様に、オペレータは、異なる複数の媒体層912,913についても同様に、媒体色特定点P2、P3を含むようなサンプル領域R2、R3をそれぞれ指定する操作を行う。また、オペレータは、媒体層911〜913が積層されていない部分を目視で確認しながら、下地そのものの色が表されている部分を特定する。
撮像データ解析部103は、画素色情報(各波長の分光データ)に基づいて、基本色取得部102が指定したサンプル領域に含まれる画素ごとの色空間内における座標点を特定する。
具体的には、撮像データ解析部103は、例として、図5に示すような、縦、横、高さ、のそれぞれに波長λ1,波長λ2,波長λ3の各パラメータのそれぞれを当てはめた色空間内において、画素ごとに、当該画素の画素色情報(各波長λ1、λ2、λ3の分光データ)に基づいた座標点を特定する。なお、色空間内の座標軸は、縦、横、高さの3つに限定されることはなく、分光した波長(λ1、λ2、λ3、λ4・・・)の数に応じて4軸以上の軸をもって表されるものであってよい。
同様に、サンプル領域R1、R2内の各画素は、同一の色空間内においてそれぞれに対応する座標点の集合を形成する。
ここで、下地色情報の各波長成分を(B1,B2,B3)とし、これらを総称してBcと置く。同様に、媒体色情報の各波長成分を(F1,F2,F3)とし、これらを総称してFcと置く。さらに、画素色情報の各波長成分を(I1,I2,I3)とし、これらを総称してIcと置く。
このとき、下地色情報Bcと媒体色情報Fcそれぞれが示す色が所定の比率で混合された中間色を示す画素色情報Icは、Lambert-Beerに基づく層状表面2層の式より、その混合の度合いを示すパラメータφcに基づいて、以下の式(1)で表すことができる。
撮像データ解析部103は、各画素がいずれの集合に属するかを特定することで、画素ごとに下地層90に積層されている媒体層911〜913の別を特定し、その画素ごとの不透明度φcを算出する。
式(2)、(3)は、下地色情報Bc(B1,B2,B3),媒体色情報Fc(F1,F2,F3),及び、吸収係数μc(μ1,μ2,μ3)をパラメータとした画素色情報Ic(I1,I2,I3)の関連性を示す関数となっている。ここで、画素色情報Icは、撮像部12により、撮像データを構成する画素ごとに取得されている。また、下地色情報Bc及び媒体色情報Fcは基本色取得部102により既知となっている。
具体的には、撮像データ解析部103は、例えば未知のパラメータ(γ1,γ2)を含む式(2)、(3)の関数により色空間内に導出される未知の曲線C(図5)に対し、サンプル領域R3に含まれる画素の集合(図5の破線に囲まれた座標点の集合)に基づく上記非線形最小二乗法を用いたパラメータフィッティングを行う。この曲線Cを描く関数のパラメータは、既知の値である下地層90そのものの色(下地色情報Bc)及び媒体層913そのものの色(媒体色情報Fc)と、未知の値である媒体層913の吸収係数μc(γ1,γ2)からなる。よって、撮像データ解析部103は、上記非線形最小二乗法により曲線Cを一意に特定することで、媒体層913における吸収係数μcの比(γ1,γ2)を推定することができる。
撮像データ解析部103は、さらに、色空間内にプロットされた別の集合についても、上述した非線形最小二乗法に基づく最適化手法を行い、媒体層911〜913それぞれの吸収係数μcの比(γ1,γ2)を推定する。具体的には、推定された媒体層911〜913それぞれの曲線生成し、各曲線のどれ一番近いかによって、どの曲線に属するかを判別する。
膜厚演算部104は、撮像データ解析部103が算出した不透明度φcと、同じく撮像データ解析部103が推定した媒体層911〜913ごとの吸収係数μcの比(γ1,γ2)に基づいて、媒体層911〜913の膜厚を算出する。具体的には、膜厚演算部104は、上述した不透明度φcと、吸収係数μc及び膜厚dと、の間に成り立つ関係式に基づいて膜厚dを算出する。
具体的には、膜厚演算部104は、A=μc×dと置き、μc=A/|A|を算出する。ここでφc、μcは、それぞれ波長ごとに特定される不透明度(φ1,φ2,φ3)、吸収係数(μ1,μ2,μ3)からなるベクトル量とみなすことができる。また、Aも(d×μ1,d×μ2,d×μ3)からなるベクトル量とみなすことができる。
膜厚演算部104は、φcを単位ベクトルとして正規化することで、μc=A/|A|を算出する。ここで|A|は、(d×μ1,d×μ2,d×μ3)の各成分の二乗の和の平方根で与えられる。
そして膜厚演算部104は、γ1,γ2からμcを特定し、d=|A|を算出することができる。
以上のように、膜厚演算部104は、波長ごとの吸収係数の比(γ1,γ2)と、下地層そのものの色及び媒体層911〜913そのものの色の混合の度合いを示す不透明度φcと、の関係に基づいて、複数の媒体層911〜913の膜厚dを画素ごとに算出する。
そして膜厚演算部104は、図6に示すような、下地層90を基準(膜厚=0)として、その上に積層された媒体層911〜913の膜厚を取得する。
次に、上述した計測処理部10が備える各機能部による処理フローを、図7を参照しながら順を追って説明する。
図7に示す処理フローは、計測装置1の所定の位置に計測対象物9をセットし、オペレータが実際に計測を開始する時点からの処理の流れである。
例えば、当該他の実施形態に係る撮像データ解析部103は、色空間内にプロットされた座標点の集合に基づいて、基本色情報を特定してもよい。具体的には、撮像データ解析部103は、色空間内において、下地層90そのものの色から最も離れた座標点を、各媒体層911〜913そのものの色と見なして、媒体色情報を特定する方法を用いてもよい。ここで、媒体層911〜913そのものの色とは、下地層そのものの色が全く混じらない部分の色であるから、色空間内においては、下地層そのものの色を示す座標点から最も離れた座標点に存在する色が媒体層そのものの色と見なすことができる。
また、計測装置1は、媒体層の吸収係数が未知であっても、色空間内にプロットされた座標点の集合に基づいて、波長ごとの吸収係数の比γ1,γ2に基づいて、膜厚dを計測することができる。
さらに、計測装置1は、下地層に吸収係数がそれぞれ異なる顔料からなる複数の媒体層が積層されていた場合であっても、面内に存在する全ての媒体層の膜厚dを計測することができる。
第2の実施形態に係る計測装置1Aは、下地層90に凹凸が存在した場合において、その凹凸に基づく陰影による色合いの変化分を除去した平坦画像を取得した上で膜厚の計測を行うことを特徴とする。
図8は、第2の実施形態に係る計測処理部の機能構成を示す図である。
第2の実施形態に係る計測装置1Aの全体構成は、第1の実施形態で示した計測装置1(図1)と同等のため、図示を省略する。また図8において、第1の実施形態に係る計測処理部10と同一の機能構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
ここで、まず平坦画像取得部105Aの機能について説明する。平坦画像取得部105Aは、下地層90の表面に凹凸が存在する場合において、その凹凸に応じて撮像データに反映される陰影成分(陰影による色合いの変化分)を除去する処理を行う。
ここで、本実施形態に係る光照射部11では、3つの光源110〜112がそれぞれ異なる位置に配されている。そして、平坦画像取得部105Aは、各光源110〜112の異なる角度から照射される光によって取得された撮像データに基づいて、照度差ステレオ法を利用して、撮像データから下地層90そのものの凹凸(三次元形状)による陰影成分を除去する画像処理を行う。
また、照度差ステレオ法では物体表面の傾斜角を特定することで、照射光の散乱方向の相違による色合いの変化成分(陰影成分)を除去して、物体表面固有の色のみが抽出された平坦な画像(アルベド画像という)を取得することができる。
そして、基本色取得部102、撮像データ解析部103及び膜厚演算部104は、平坦画像取得部105Aにより取得された平坦画像について、第1の実施形態で説明した各種処理を実行する。
次に、上述した計測処理部10Aが備える各機能部による処理フローを、図9を参照しながら説明する。ただし、図9に示す処理内容のうち、第1の実施形態に係る計測処理部10の処理フローと同一の内容については、同一の符号を付して説明を省略する。
具体的には、まず撮像制御部101が光照射部11及び撮像部12を制御して撮像データを取得する(ステップS1)。ここで、光照射部11の各光源110〜112がそれぞれ異なる波長、かつ、異なる角度で、計測対象物9に光を照射する。そして、撮像部12は、各光源110〜112から照射された光のそれぞれに基づいて、撮像データを取得する。
例えば、第1の実施形態に係る計測装置1は、下地層90が平坦であることを前提として各処理を行っている。すなわち、下地層90そのものに凹凸があって、下地層90及び媒体層911〜913の色合いが陰影により本来の色からずれて取得された場合、色空間内にプロットされる各座標点の集合は、式(2)、(3)に基づく曲線に沿うものとならない。そうすると、撮像データ解析部103は、パラメータフィッティングを精度よく行うことが困難となる。
すなわち第1の実施形態に係る計測装置1は、例えば、岩盤に描かれた壁画を分析しようとする場合など、下地層90そのものに凹凸があった場合には、精度よく膜厚を計測することができない。
これにより、第2の実施形態に係る計測装置1Aは、下地層90に凹凸が存在した場合であっても、精度よく膜厚を計測することができる。
第3の実施形態に係る計測装置1Bは、下地層90及び媒体層911〜913で光の吸収だけでなく、所定の割合で光の散乱が起きていることを考慮して、膜厚の算出の誤差要因となる散乱の割合が最も小さくなる光の波長を選択して、膜厚を計測することを特徴とする。
図10は、第3の実施形態に係る計測処理部の機能構成を示す図である。
第3の実施形態に係る計測装置1Bの全体構成は、第1の実施形態で示した計測装置1(図1)とほぼ同等のため、図示を省略する。また図10において、第1の実施形態に係る計測処理部10と同一の機能構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
また、図10に示すように、計測処理部10BのCPU100Bは、第1の実施形態に係る各機能に加え、さらに最適波長特定部105Bとしての機能を発揮する点で、第1の実施形態に係る計測処理部10と異なる。
最適波長特定部105Bは、媒体層911〜913に入射する光の散乱成分S(λ)に対する吸収成分K(λ)の割合を算出するとともに、散乱成分S(λ)に対する吸収成分K(λ)の割合が最大となる波長の光を特定する。具体的には、上記4以上の異なる波長全てによって取得された分光の撮像データのうち、媒体層911〜913そのものの色が撮像されている部分から、媒体色情報F(λ)を取得する。ここでλは、撮像部12が取得する複数の光の波長であり、F(λ)は、媒体層911〜913それぞれの固有の色を示す媒体色情報であって、波長λの光ごとに取得された値である。
次に、上述した計測処理部10Bが備える各機能部による処理フローを、図11を参照しながら説明する。ただし、図11に示す処理内容のうち、第1の実施形態に係る計測処理部10の処理フローと同一の内容については、同一の符号を付して説明を省略する。
具体的には、まず撮像制御部101が撮像部12を制御して撮像データを取得する(ステップS1)。ここで、光照射部11の光源110、111、112が異なる角度で、計測対象物9に光を照射する。そして、撮像部12は、各光源110、111、112から照射された光のそれぞれに基づいて、n種類(nは3以上の整数)の異なる波長の光を分光して得たn枚の撮像データを取得する。
次に、最適波長特定部105Bは、ステップS2で取得された媒体層911〜912そのものの色を示す媒体色情報F(λ)を用いて、Kubelka-Munkモデルに基づく式(7)を演算する。そして、その演算結果から、撮像データ全体としてK(λ)/S(λ)が最も大きい上位3つを与える3つ以上の異なる最適波長λ1,λ2,λ3、・・・を特定する(ステップS2B)。
第1の実施形態に係る計測処理部10が膜厚計測の過程で用いたLambert-Beer則に基づく式(6)は、半透明媒体における光の吸収成分K(λ)に基づいて導出された式であり、光の散乱成分S(λ)は考慮されていない。したがって、計測対象とする媒体層911〜913の散乱成分S(λ)が大きい場合、散乱成分S(λ)によって膜厚計測に誤差を生じてしまい、精度の高い膜厚計測が困難となる。
10、10A、10B・・・計測処理部
100、100A、100B・・・CPU
101・・・撮像制御部
102・・・基本色取得部
103・・・撮像データ解析部
104・・・膜厚演算部
105A・・・平坦画像取得部
105B・・・最適波長特定部
106・・・操作部
107・・・表示部
108・・・外部インターフェイス
109・・・記憶部
11・・・光照射部
12・・・撮像部
9・・・計測対象物
90・・・下地層
911、912、913・・・媒体層
Claims (9)
- 下地層に積層された複数の媒体層の膜厚を計測する計測装置であって、
前記下地層及び前記媒体層へ光を照射する光照射部と、
前記光照射部が照射した光の反射光を集光し、3以上の異なる複数の波長の光それぞれに基づく前記下地層及び前記媒体層の撮像データを取得する撮像部と、
前記撮像部が取得した前記撮像データから推定される前記複数の媒体層の、前記波長ごとの吸収係数の比に基づいて、当該複数の媒体層の膜厚を算出する膜厚演算部と、
を備えることを特徴とする計測装置。 - 前記下地層そのものの色を示す下地色情報と、前記媒体層そのものの色を示す媒体色情報と、を取得する基本色取得部と、
前記基本色取得部が取得した前記下地色情報、前記媒体色情報、及び、前記撮像データを構成する画素ごとの色を示す画素色情報に基づいて、前記吸収係数の比を推定する吸収係数推定部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の計測装置。 - 前記膜厚演算部は、
前記波長ごとの吸収係数の比と、前記下地層そのものの色及び前記媒体層そのものの色の混合の度合いを示す当該媒体層の不透明度と、の関係に基づいて、前記複数の媒体層の膜厚を算出する
ことを特徴とする請求項2に記載の計測装置。 - 前記吸収係数推定部は、
前記画素色情報に基づいて前記撮像データを構成する一部または全部の画素の色空間内における座標点を特定するとともに、前記下地色情報と、前記媒体色情報と、前記画素色情報との関係を示すモデル関数に対し、前記特定された座標点の集合に基づく回帰分析処理を行うことによって前記吸収係数の比を推定する
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の計測装置。 - 前記下地層そのものの三次元形状を特定するとともに、前記撮像データについて当該三次元形状による色の陰影成分を除去する画像処理を行う平坦画像取得部をさらに備え、
前記膜厚演算部は、
前記平坦画像取得部が、前記撮像データから陰影成分を除去した後の画像データから推定される前記複数の媒体層ごとの吸収係数に基づいて、当該複数の媒体層の膜厚を算出する
ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の計測装置。 - 前記光照射部は、光をそれぞれ異なる角度から照射し、
前記平坦画像取得部は、前記異なる角度から照射された光に基づいて取得された複数の前記撮像データに基づいて、前記画像処理を行う
ことを特徴とする請求項5に記載の計測装置。 - 前記光照射部は、白色の光を前記下地層及び前記媒体層へ照射するものであり、
前記撮像部は、前記白色の光の反射光を3以上の異なる波長に分光して、当該波長の光ごとに、前記撮像データを取得する
ことを特徴とする請求項1から請求項6の何れか一項に記載の計測装置。 - 前記撮像部は、前記撮像部は、前記白色の光の反射光を3以上の異なる波長に分光して、当該波長の光ごとに、前記撮像データを取得し、
前記媒体層に入射する光の散乱成分に対する吸収成分の割合を算出するとともに、前記3以上の異なる波長の光から、前記散乱成分が最小となる波長の光を特定する最適波長特定部をさらに備える
ことを特徴とする請求項7に記載の計測装置。 - 下地層に積層された複数の媒体層の膜厚を計測する計測方法であって、
光照射部が、前記下地層及び前記媒体層へ光を照射し、
撮像部が、前記光照射部が照射した光の反射光を集光し、3以上の異なる複数の波長の光それぞれに基づく前記下地層及び前記媒体層の撮像データを取得し、
膜厚演算部が、前記撮像部が取得した前記撮像データから推定される前記複数の媒体層の、前記波長ごとの吸収係数の比に基づいて、当該複数の媒体層の膜厚を算出する
ことを特徴とする計測方法。
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