JP6871424B2 - 質感再現装置、質感再現方法、プログラムおよび記録媒体 - Google Patents

質感再現装置、質感再現方法、プログラムおよび記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、目標とする表面の質感(目標質感)の光学特性を有する光学構造の光学特性を再現する質感再現装置、質感再現方法、プログラムおよび記録媒体に関する。
従来、光学構造の光学特性が得られるように、製品のサンプルを試作してサンプル表面の質感を評価するか、あるいは、類似サンプルから商品表面の質感を想像していた。しかし、この手法では、サンプル表面の質感の良し悪しを評価して光学構造の光学特性が得られていない場合、サンプルの試作および評価を繰り返し行う必要があるため、目標質感の光学特性を有する光学構造の設定および再現が容易ではないという問題があった。
ここで、本発明に関連性のある先行技術文献として、特許文献1および2がある。
特許文献1は、プレビュー画像の表示を制御する表示処理装置であって、実空間における表示環境の背景画像、表示環境に設置された照明の第1照明画像、表示環境における光属性を示す光源情報、原稿データ、及び画像形成対象の記録媒体の質感情報を取得し、質感情報に応じて予め定められた補正情報に基づいて第1照明画像を補正した第2照明画像を生成し、背景画像と、原稿データの表示された原稿面に第2照明画像を環境マッピングすると共に光源情報によって特定される光属性の設定された原稿表示面と、を重ねた画像を、原稿データの印刷結果を推定したプレビュー画像として表示部に表示する。
特許文献2は、見本物体の質感を、見本物体とは反射特性の異なる模擬物体上に再現する質感再現システムであって、見本物体の反射特性に基づいて、所定の観察位置における見本物体の輝度画像を演算し、模擬物体の反射特性に基づいて、所定の観察位置における模擬物体の輝度画像を演算し、見本物体の輝度画像と模擬物体の輝度画像との差分を演算し、差分に基づいて、この差分がなくなるような投影用輝度画像を演算し、見本物体および/または模擬物体に投影用輝度画像を投影する。
特開2014−095965号公報 特開2006−139726号公報
特許文献1の表示処理装置は、実空間の表示環境を反映させたプレビュー画像を提供することができる。また、特許文献2の質感再現システムは、見本物体の質感を、見本物体とは反射特性の異なる模擬物体上にリアルに再現することができる。しかし、特許文献1および2は、実空間の表示環境および見本物体が必要であって、目標質感の光学特性を有する光学構造を設定することも、設定された光学構造の光学特性を被投射物体の表面上に再現することもできない。
本発明の目的は、目標質感の光学特性を有する光学構造を設定し、設定された光学構造の光学特性を被投射物体の表面上に再現することができる質感再現装置、質感再現方法、プログラムおよび記録媒体を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、構造に応じた光学特性を有する光学構造を設定する光学構造設定部と、
光学構造から光学構造の光学特性を算出する光学特性算出部と、
それぞれ異なる複数の被投射物体の中から光学構造の光学特性を再現するために使用する1つの被投射物体を選択被投射物体として選択する被投射物体選択部と、
観察位置から選択被投射物体の表面の注目位置を観察する際の観察方向に対する、選択被投射物体の表面の注目位置を含む、各画素位置における面角度を取得する面角度取得部と、
注目位置を含む選択被投射物体の表面に、入射光をあらかじめ設定された方向から投射する少なくとも1つの投射部と、
注目位置を含む、各画素位置における面角度、選択被投射物体の表面に光学構造の光学特性を再現する際の環境光を再現する仮想光源となる少なくとも1つの投射部からの入射光の入射特性、光学構造の光学特性、および、選択被投射物体の表面の光学特性に基づいて、注目位置から観察位置への目標出射光の出射特性を算出する目標光学特性算出部と、
注目位置から観察位置への出射光の出射特性が目標出射光の出射特性となるように、少なくとも1つの投射部から注目位置を含む選択被投射物体の表面への入射光の入射特性を制御する投射制御部とを備え、
少なくとも1つの投射部は、注目位置を含む選択被投射物体の表面に、入射特性が制御された入射光を投射することにより、注目位置を含む選択被投射物体の表面に光学構造の光学特性を再現する質感再現装置を提供する。
ここで、光学構造の光学特性は、反射特性として、被投射物体の表面への入射光の入射特性に対する、被投射物体の表面からの出射光の出射特性を含み、
被投射物体の表面への入射光の入射特性は、被投射物体の表面への入射光の入射角、光強度および分光特性を含み、被投射物体の表面からの出射光の出射特性は、被投射物体の表面からの出射光の出射角、光強度および分光特性を含むことが好ましい。
また、反射特性は、BRDFまたはBSSRDFによって表される反射特性であることが好ましい。
光学構造の光学特性は、さらに、被投射物体の表面の光学特性のばらつきを表すゆらぎ情報を含み、
目標光学特性算出部は、ゆらぎ情報に基づいて光学構造の光学特性を変更し、注目位置を含む、各画素位置における面角度、仮想光源となる少なくとも1つの投射部からの入射光の入射特性、変更された光学構造の光学特性、および、選択被投射物体の表面の光学特性に基づいて目標出射光の出射特性を算出することが好ましい。
さらに、複数の被投射物体のデータを記憶する被投射物体記憶部を備え、
被投射物体選択部は、被投射物体記憶部に記憶された複数の被投射物体のデータに対応する複数の被投射物体の中から1つの被投射物体を選択することが好ましい。
また、被投射物体記憶部は、複数の被投射物体のデータとして、形状、材質、大きさ、表面の状態、表面の色および表面の光学特性のうちの少なくとも1つが異なるデータを記憶し、
被投射物体選択部は、被投射物体の形状、材質、大きさ、表面の状態、表面の色および表面の光学特性のうちの少なくとも1つに基づいて1つの被投射物体を選択することが好ましい。
さらに、複数の被投射物体の光学特性を測定する光学特性測定部を備え、
被投射物体記憶部は、複数の被投射物体のデータの一部として、光学特性測定部によって測定された複数の被投射物体の光学特性を記憶することが好ましい。
また、光学特性測定部は、被投射物体の表面の任意の1点における光学特性を測定し、1点の光学特性を被投射物体の全ての表面の光学特性として使用することが好ましい。
また、光学特性測定部は、被投射物体の表面を一定の大きさの複数の領域に分割し、複数の領域の各々の光学特性を測定することが好ましい。
さらに、観察方向に対する、選択被投射物体の表面の注目位置を含む、各画素位置における面角度を測定する面角度測定部を備え、
面角度取得部は、面角度測定部によって測定された面角度を取得することが好ましい。
また、面角度取得部は、選択被投射物体の形状のデータおよび配置角度に基づいて、観察方向に対する、選択被投射物体の表面の注目位置を含む、各画素位置における面角度を計算することにより取得することが好ましい。
さらに、選択被投射物体の配置角度の変更を制御する配置角度制御部と、配置角度制御部の制御により、選択被投射物体の配置角度を変更する配置角度変更部とを備え、
面角度取得部は、観察方向に対する、配置角度が変更された選択被投射物体の表面の注目位置を含む、各画素位置における面角度を取得することが好ましい。
さらに、注目位置を含む選択被投射物体の表面からの出射光の出射特性を測定する出射光測定部と、
出射光測定部によって測定された出射光の出射特性に基づいて、光学構造の光学特性の再現性を評価する質感評価部とを備えることが好ましい。
また、本発明は、光学構造設定部が、構造に応じた光学特性を有する光学構造を設定するステップと、
光学特性算出部が、光学構造から光学構造の光学特性を算出するステップと、
被投射物体選択部が、それぞれ異なる複数の被投射物体の中から光学構造の光学特性を再現するために使用する1つの被投射物体を選択被投射物体として選択するステップと、
面角度取得部が、観察位置から選択被投射物体の表面の注目位置を観察する際の観察方向に対する、選択被投射物体の表面の注目位置を含む、各画素位置における面角度を取得するステップと、
目標光学特性算出部が、注目位置を含む、各画素位置における面角度、選択被投射物体の表面に光学構造の光学特性を再現する際の環境光を再現する仮想光源となる少なくとも1つの投射部からの入射光の入射特性、光学構造の光学特性、および、選択被投射物体の表面の光学特性に基づいて、注目位置から観察位置への目標出射光の出射特性を算出するステップと、
投射制御部が、注目位置から観察位置への出射光の出射特性が目標出射光の出射特性となるように、少なくとも1つの投射部から注目位置を含む選択被投射物体の表面への入射光の入射特性を制御するステップと、
少なくとも1つの投射部が、入射特性が制御された入射光をあらかじめ設定された方向から投射することにより、注目位置を含む選択被投射物体の表面に光学構造の光学特性を再現するステップとを含む質感再現方法を提供する。
また、本発明は、上記の質感再現方法の各々のステップをコンピュータに実行させるためのプログラムを提供する。
また、本発明は、上記の質感再現方法の各々のステップをコンピュータに実行させるためのプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
また、本発明は、プロセッサと、少なくとも1つの投射部とを備え、
プロセッサは、
構造に応じた光学特性を有する光学構造を設定し、
光学構造から光学構造の光学特性を算出し、
それぞれ異なる複数の被投射物体の中から光学構造の光学特性を再現するための1つの被投射物体を選択被投射物体として選択し、
観察位置から選択被投射物体の表面の注目位置を観察する際の観察方向に対する、選択被投射物体の表面の注目位置を含む、各画素位置における面角度を取得し、
注目位置を含む、各画素位置における面角度、選択被投射物体の表面に光学構造の光学特性を再現する際の環境光を再現する仮想光源となる少なくとも1つの投射部からの入射光の入射特性、光学構造の光学特性、および、選択被投射物体の表面の光学特性に基づいて、注目位置から観察位置への目標出射光の出射特性を算出し、
注目位置から観察位置への出射光の出射特性が目標出射光の出射特性となるように、少なくとも1つの投射部から注目位置を含む選択被投射物体の表面への入射光の入射特性を制御し、
少なくとも1つの投射部は、注目位置を含む選択被投射物体の表面に、入射特性が制御された入射光を投射することにより、注目位置を含む選択被投射物体の表面に光学構造の光学特性を再現する質感再現装置を提供する。
本発明によれば、サンプルを試作することなく、光学構造を設定し、選択被投射物体の表面に光学構造の光学特性を再現することができる。また、再現された光学構造の光学特性を観察して、その再現性を評価することができる。従って、再現性の評価結果に応じて光学構造を変更し、光学構造の光学特性の再現を繰り返すことにより、光学構造をより良いものにすることができ、かつ光学構造の光学特性を精度よく再現することができる。
本発明の質感再現装置の構成を表す一実施形態のブロック図である。 光学構造を表す概念図である。 BRDFによって表される反射特性を表す概念図である。 選択被投射物体の表面上の注目位置の座標を表す概念図である。 2つの投射部からの入射光に対応する出射光のうち、観察方向に対応する出射光を表す概念図である。 質感再現装置の動作を表すフローチャートである。 被投射物体の出射光の出射特性を測定する様子を表す概念図である。 仮想的な観察位置から仮想的な被投射物体の表面の注目位置が目視された場合の様子を表す概念図である。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の質感再現装置、質感再現方法、プログラムおよび記録媒体を詳細に説明する。
図1は、本発明の質感再現装置の構成を表す一実施形態のブロック図である。図1に示す質感再現装置10は、被投射物体の表面に光学構造の光学特性を再現するものであり、光学特性設定部12と、光学構造設定部13と、光学特性算出部14と、光学特性測定部16と、被投射物体記憶部18と、被投射物体選択部20と、配置角度制御部22と、配置角度変更部24と、面角度測定部26と、面角度取得部28と、投射部30と、目標光学特性算出部32と、投射制御部34と、出射光測定部36と、質感評価部38とを備えている。
質感再現装置10において、光学特性設定部12は、後述する仮想光源からの入射光(環境光)の入射特性、および、投射部30からの入射光(照明光)の入射特性を設定する。
光学特性設定部12には、例えば、環境光の入射特性および照明光の入射特性のデータが質感再現装置10の外部から入力される。光学特性設定部12は、環境光の入射特性および照明光の入射特性のデータに基づいて、環境光の入射特性および照明光の入射特性を設定する。
質感再現装置10のオペレータは、環境光の入射特性および照明光の入射特性を任意の方法によって設定することができ、例えば光学特性設定部12に直接入力して設定することもできる。
環境光の入射特性は、例えば、被投射物体の表面への光強度および分光特性等を含み、照明光の入射特性は、被投射物体の表面への入射角、光強度および分光特性等を含む。
続いて、光学構造設定部13は、目標とする表面の質感(観察者の視覚的な質感)である目標質感の光学特性を有する光学構造を設定する。
光学構造設定部13には、例えば、光学構造のデータが質感再現装置10の外部から入力される。光学構造設定部13は、光学構造のデータに基づいて、光学構造を設定する。
オペレータは、光学構造を任意の方法によって設定することができ、例えば光学構造設定部13に直接入力して設定することもできる。
光学構造は、構造の物理的および光学的な情報の両方を含む。構造の物理的な情報は、例えば、光学構造を構成する各部材の形状、材質、大きさ、表面の状態(表面粗さ)、表面の色等の情報を含む。構造の光学的な情報は、例えば、光学構造を構成する各部材の光学特性等の情報を含む。また、各部材の光学特性の情報は、例えば、反射率、吸収率、散乱率、透過率、屈折率等の情報を含む。
図2に示す光学構造は、構造の物理的な情報として、例えば、第1層の上に第2層が積層された積層構造であり、第1層は第2層よりも粒状感があるという情報を含む。その他、第1層および第2層の厚みおよび色等の情報を含む。また、構造の光学的な情報として、第1層および第2層の表面における反射率、ならびに、第1層および第2層の屈折率AおよびB等の情報を含む。
続いて、光学特性算出部14は、光学構造設定部13によって設定された光学構造から、その光学構造の光学特性を算出する。
光学特性算出部14は、例えば、幾何学的または波動光学的な光学シミュレーションによって光学構造からその光学特性を算出することができる。
光学構造の光学特性は、例えば反射特性として、図2に示すように、被投射物体の表面への入射光(環境光および照明光)の入射特性に対する、被投射物体の表面からの出射光(反射光)の出射特性を含む。環境光は方向性が無く、全方向から入射する光であり、照明光は、蛍光灯およびスポットライトのように指向性を持つ光である。また、光学構造の光学特性として、例えば被投射物体の吸収率、散乱率、屈折率、異方性因子等の各種の光学特性値を含む、任意の光学パラメータを使用することが可能である。
被投射物体は、その表面に光学構造の光学特性が再現されるスクリーンの役割を果たす。被投射物体としては、例えば黒ガラス、拡散板(硫酸バリウム)、表面粗さを変更した材料等を含む、各種材質のものが利用可能である。表面粗さの指標は、特に限定されず、例えば算術平均粗さRa、最大高さRzおよび十点平均粗さRZJIS等がいずれも利用できる。また、被投射物体の色も特に限定されないが、例えば無彩色(白、灰色、黒)であるのが好ましい。
被投射物体の表面への入射光の入射特性は、被投射物体の表面への入射光の入射角(広がり、面積を含む)、光強度(放射輝度)および分光特性(分光スペクトル)等を含み、被投射物体の表面からの出射光の出射特性は、被投射物体の表面からの出射光の出射角、光強度および分光特性等を含む。入射光および出射光の光強度は、例えば、入射光および出射光がRGB(赤緑青)の各色を含む光の場合にはRGBの各色の光強度であり、入射光および出射光が分光の場合には、分光の光強度である。また、分光特性は、分光反射率等を含む。
反射特性としては、図3に示すように、光の反射モデルの1つであるBRDF(Bidirectional Reflectance Distribution Function:双方向反射率分布関数)によって表される、入射光に対する出射光の反射特性を使用することができる。また、BSSRDF(Bidirectional Scattering Surface Reflectance Distribution Function:双方向散乱面反射率分布関数)によって表される反射特性、および、他の反射特性を使用してもよい。
また、光学構造の光学特性は、被投射物体の表面の光学特性のばらつき(面内分布)を表すゆらぎ情報を含んでいてもよい。被投射物体の表面の光学特性は均一であることが望ましいが、位置に応じてばらつく場合がある。ゆらぎ情報は、例えば、被投射物体の表面を一定の大きさの複数の領域に分割した場合に、分割された複数の領域の各々の光学特性のばらつきを表す。
続いて、光学特性測定部16は、それぞれ異なる複数の被投射物体の光学特性(反射特性)を測定する。
光学特性測定部16は、光学特性の測定器であり、複数の被投射物体の各々について、例えば、被投射物体の配置角度を変更して、光源から被投射物体の表面に入射光を投射し、被投射物体の表面からの出射光(反射光)を検出器で検出することにより、被投射物体の光学特性を測定する。なお、配置角度の変更手段、光源および検出器として、それぞれ、配置角度制御部22と配置角度変更部24の組み合わせ、投射部30および出射光測定部36を利用することもできる。
光学特性測定部16は、被投射物体の光学特性が均一な場合には、例えば、被投射物体の表面の任意の1点における光学特性を測定し、測定された1点における光学特性を被投射物体の全ての表面の光学特性として使用することができる。また、被投射物体の光学特性が位置に応じてばらついている場合には、例えば、被投射物体の表面を一定の大きさの複数の領域に分割し、分割された複数の領域の各々の光学特性を測定してもよいし、前述のゆらぎ情報を使用してもよい。
続いて、被投射物体記憶部18は、それぞれ異なる複数の被投射物体のデータを記憶する。
被投射物体記憶部18は、複数の被投射物体のデータとして、例えば、形状、材質、大きさ、表面の状態(表面粗さ)、表面の色および表面の光学特性等のうちの少なくとも1つが異なるデータを記憶する。例えば、被投射物体記憶部18は、複数の被投射物体のデータの一部として、光学特性測定部16によって測定された被投射物体の表面の光学特性等のデータを記憶する。
被投射物体記憶部18としては、例えば、半導体メモリ、ハードディスク(HD)、コンパクトディスク(CD)、ディーブイディーディスク(DVD)、ブルーレイディスク(Blu-ray(登録商標) Disc)等の各種の記録媒体を使用することができる。また、半導体メモリとしては、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)メモリ、SSD(Solid State Drive)等を使用することができる。
光学特性測定部16および被投射物体記憶部18を備えることは必須ではなく、例えば、既存の複数の被投射物体のデータ、または、複数の被投射物体の光学特性を測定したデータがある場合には、これらのデータを利用してもよい。
続いて、被投射物体選択部20は、それぞれ異なる複数の被投射物体の中から光学構造の光学特性を再現するために使用する1つの被投射物体を選択被投射物体として選択する。
被投射物体選択部20は、本実施形態の場合、被投射物体記憶部18に記憶された複数の被投射物体のデータに対応する複数の被投射物体の中から、光学構造の光学特性を最もよく再現することができる1つの被投射物体を選択する。つまり、被投射物体の形状、材質、大きさ、表面の状態(表面粗さ)、表面の色および表面の光学特性等のうちの少なくとも1つに基づいて、複数の被投射物体の中から1つの被投射物体を選択する。
例えば、漆器の表面を再現する場合、漆には、黒い漆および赤い漆等の色の違いがあるため、被投射物体選択部20は、黒い漆の表面を再現する場合には表面の色が黒い被投射物体を選択し、赤い漆の表面を再現する場合には表面の色が赤い被投射物体を選択する。また、金属表面を再現する場合には高い反射強度が要求されるため、被投射物体選択部20は、表面の反射強度が高い被投射物体を選択する。
被投射物体記憶部18に記憶された複数の被投射物体のデータを使用することは必須ではない。例えば、既存の複数の被投射物体のデータを被投射物体選択部20の内部に格納しておき、内部の複数の被投射物体のデータを使用してもよい。
続いて、配置角度制御部22は、選択被投射物体の配置角度の変更を制御する。
また、配置角度変更部24は、配置角度制御部22の制御により、選択被投射物体の配置角度を変更する。
配置角度変更部24は、本実施形態の場合、被投射物体が載置されるステージの配置角度を変更可能な多軸回転ステージユニットである。配置角度変更部24としては、ステージの配置角度を変更可能な各種のステージユニットを使用することができる。
配置角度制御部22は、本実施形態の場合、選択被投射物体がステージ上に載置された多軸回転ステージユニットのそれぞれの軸の回転角度を制御することにより、ステージの配置角度を変更して選択被投射物体の配置角度の変更を制御する。オペレータは、配置角度制御部22を操作し、例えば、配置角度に応じて見え方が変わるような被投射物体に対して選択被投射物体の配置角度を任意に変更することができる。
配置角度制御部22および配置角度変更部24を備えることは必須ではない。例えば、選択被投射物体の配置角度を固定してもよいし、オペレータが選択被投射物体を手で持って、その配置角度を変更してもよい。
続いて、面角度測定部26は、観察位置から選択被投射物体の表面の注目位置を観察する際の観察方向に対する、選択被投射物体の表面の注目位置を含む、各画素位置における面角度を測定する。
注目位置は、観察位置から観察される被選択投射物体の表面上の1つの画素位置であり、多軸回転ステージユニットのステージの3次元空間内の原点座標(0,0,0)に対して、図4に示すように、座標P(x,y,z)で表される。観察位置は、注目位置を観察する際の位置であり、例えば、観察者の目の位置、あるいは、出射光測定部36の配置位置である。観察者は、注目位置の座標P(x,y,z)を中心とする被投射物体の表面を観察することによって光学構造の光学特性の再現性を評価する。
面角度測定部26は、面角度を測定する3次元測定器であり、例えば、選択被投射物体の表面の複数の微小領域の各々の面角度を測定することにより、選択被投射物体の表面の注目位置の座標P(x,y,z)を含む、各画素位置における面角度を測定する。
続いて、面角度取得部28は、観察位置から選択被投射物体の表面の注目位置を観察する際の観察方向に対する、選択被投射物体の表面の注目位置を含む、各画素位置における面角度および座標を取得する。また、選択被投射物体の配置角度が変更された場合には、観察方向に対する、配置角度が変更された選択被投射物体の表面の注目位置を含む、各画素位置における面角度および座標を取得する。
面角度取得部28は、例えば、面角度測定部26によって測定された面角度を取得する。面角度取得部28が、面角度測定部26によって測定された面角度を取得することは必須ではなく、選択被投射物体の配置角度および形状のデータ(縦横高さの3次元のデータ)等に基づいて、複数の領域の各々の面角度および座標を計算することにより、観察方向に対する、選択被投射物体の表面の注目位置を含む、各画素位置における面角度および座標を取得することもできる。
選択被投射物体の配置角度が固定の場合、面角度取得部28は、例えば、選択被投射物体の配置角度および形状のデータ等に基づいて、複数の領域の各々の面角度および座標を計算することにより、選択被投射物体の表面の注目位置を含む、各画素位置における面角度および座標を取得することができる。また、オペレータが選択被投射物体を手で持って配置角度を変更する場合、面角度取得部28は、例えば、面角度測定部26によって測定された面角度を取得することができる。
観察位置から選択被投射物体の表面の注目位置を観察する場合、観察位置と注目位置との距離に応じて、観察位置を錐体の頂点として一定の立体角で広がる範囲内に含まれる選択被投射物体の表面が観察される。選択被投射物体の表面における好ましい表示解像度は、観察位置と注目位置との距離に応じて変化するが、例えば、観察位置と注目位置との距離が30cmの場合に600dpi程度であることが好ましい。
続いて、投射部30は、注目位置を含む選択被投射物体の表面に、入射光(照明光)をあらかじめ設定された方向から投射する。
キャリブレーションを行って、多軸回転ステージユニット、つまり、選択被投射物体の配置位置に対する投射部30の配置位置を決定しておくことにより、投射部30は、選択被投射物体との位置関係に応じて、注目位置を含む選択被投射物体の表面に、入射光をあらかじめ設定された方向から投射することができる。投射部30は、入射光として、RGBの各色を一定の割合で含む光を投射してもよいし、特定のスペクトルの分光を投射してもよい。
投射部30は、例えば、面光源であり、選択被投射物体の表面に入射光を投射するプロジェクタ等である。投射部30の投射面は平面でもよいし、被投射物体の形状に応じて一定の曲率を持つ曲面としてもよい。
質感再現装置10は、少なくとも1つの投射部30を備えていればよいが、2以上の投射部30を備えていることが好ましい。1つの投射部30のみを使用して光学構造の光学特性を再現することは可能であるが、2以上の投射部30を同時に使用して光学構造の光学特性を再現することにより、より精度よく光学構造の光学特性を再現することが可能になる。
複数の投射部30を備える場合、例えば、多軸回転ステージユニット、つまり、選択被投射物体の配置位置を中心とする一定半径の円の円周上に均等な間隔で配置するのが好ましい。
続いて、目標光学特性算出部32は、観察方向に対する、選択被投射物体の表面の注目位置を含む、各画素位置における面角度、仮想光源となる少なくとも1つの投射部30からの入射光の入射特性、光学構造の光学特性、および、選択被投射物体の表面の光学特性等に基づいて、光学構造の光学特性が選択被投射物体の表面に再現されるように、選択被投射物体の表面の注目位置から観察位置への目標出射光の出射特性を算出する。
仮想光源は、目標出射光の出射特性を算出する際の仮想的な光源であり、光学構造の光学特性を選択被投射物体の表面に再現する際の環境光を再現する。仮想光源は、上記のように、例えば投射部30によって実現することができる。仮想光源からの入射光の入射特性は、仮想光源の数、仮想光源の位置、選択被投射物体の表面の注目位置への入射光(環境光)の光強度(放射輝度)および分光特性(分光スペクトル)等を含む。目標出射光の出射特性は、選択被投射物体の表面の注目位置から観察位置への出射光の光強度および分光特性等を含む。
光学構造の光学特性がゆらぎ情報を含む場合、目標光学特性算出部32は、ゆらぎ情報、つまり、被投射物体の表面の光学特性のばらつきに基づいて光学構造の光学特性を変更し、観察方向に対する、選択被投射物体の表面の注目位置を含む、各画素位置における面角度、仮想光源となる少なくとも1つの投射部30からの入射光の入射特性、変更された光学構造の光学特性、および、選択被投射物体の表面の光学特性等に基づいて目標出射光の出射特性を算出する。
続いて、投射制御部34は、選択被投射物体の表面の注目位置から観察位置への出射光の出射特性が目標出射光の出射特性となるように、少なくとも1つの投射部30から注目位置を含む選択被投射物体の表面への入射光の入射特性を制御する。
入射光の入射特性は、注目位置を含む選択被投射物体の表面への入射光の入射角、光強度および分光特性等を含む。入射光の入射角は、投射部30と選択被投射物体との位置関係に応じてあらかじめ設定された入射光の投射の方向によって決定される。投射制御部34は、少なくとも1つの投射部30のうちの1つの投射部30だけを使用するように制御してもよいし、2以上の投射部30を同時に使用するように制御してもよい。
続いて、出射光測定部36は、注目位置を含む選択被投射物体の表面からの出射光の出射特性を測定する。
出射光測定部36は、例えば、注目位置を含む選択被投射物体の表面における分光の輝度を2次元的に計測する2次元分光輝度計、あるいは、XYZフィルタを持つカメラおよびRGBカメラのように、注目位置を含む選択被投射物体の表面を2次元的に撮影するカメラ等である。出射光の出射特性は、選択被投射物体の表面の注目位置からの出射光の出射角、光強度および分光特性等を含む。
図5に示すように、例えば、2つの投射部30から注目位置を含む選択被投射物体の表面に、入射光aおよびbがそれぞれ入射角aおよびbで投射された場合を考える。この場合、注目位置を含む選択被投射物体の表面からの入射光aおよびbに対応する出射光(反射光)のうち、観察方向に対応する出射角(測定角)の出射光(測定光)を含む一定の範囲内の出射光の出射特性が出射光測定部36によって測定される。
続いて、質感評価部38は、出射光測定部36によって測定された出射光の出射特性等に基づいて、光学構造の光学特性の再現性を評価する。
質感評価部38は、例えば、光学構造の光学特性が再現されている、または、再現されていないと評価したり、出射光の光強度が強すぎる、ちょうどよい、弱すぎると評価したりすることができる。オペレータは、質感評価部38の評価結果に応じて光学構造を変更し、光学構造の光学特性の再現を繰り返してもよい。例えば、出射光の光強度が強すぎると評価された場合には、光学構造として、例えば、表面の反射率が低い部材を使用する。
質感再現装置10において、出射光測定部36および質感評価部を備えることは必須ではない。例えば、光学構造の光学特性が再現された選択被投射物体の表面を観察者が観察して、光学構造の光学特性の再現性を評価し、光学構造の光学特性を変更してもよい。一方、光学構造の光学特性が再現された選択被投射物体の表面の光学特性を測定して記録したい場合などには、出射光測定部36および質感評価部を備えることが好ましい。
次に、図6に示すフローチャートを参照して質感再現装置10の動作を説明する。
まず、被投射物体の表面に光学構造の光学特性を再現する前に、光学特性測定部16により、それぞれ異なる複数の被投射物体の光学特性が測定され、測定された被投射物体の光学特性を含む、複数の被投射物体のデータが被投射物体記憶部18に記憶される(ステップS1)。
続いて、光学特性設定部12により、仮想光源からの入射光(環境光)および投射部30からの入射光(照明光)の入射特性が設定される(ステップS2)。また、光学構造設定部13により、光学構造が設定され、光学特性算出部14により、光学構造から、その光学構造の光学特性が算出される(ステップS3)。
続いて、被投射物体選択部20により、被投射物体記憶部18に記憶された複数の被投射物体のデータに対応する複数の被投射物体の中から光学構造の光学特性を再現するための1つの被投射物体が選択被投射物体として選択される(スッテプS4)。
続いて、配置角度制御部22により、選択被投射物体の配置角度の変更が制御され、これに応じて、配置角度変更部24により、選択被投射物体の配置角度が変更される(ステップS5)。
続いて、面角度測定部26により、観察方向に対する、選択被投射物体の表面の注目位置を含む、各画素位置における面角度が測定され、面角度取得部28により、面角度測定部26によって測定された面角度が取得される(ステップS6)。
続いて、目標光学特性算出部32により、観察方向に対する、選択被投射物体の表面の注目位置を含む、各画素位置における面角度、仮想光源となる少なくとも1つの投射部30からの入射光の入射特性、光学構造の光学特性、および、選択被投射物体の表面の光学特性等に基づいて、光学構造の光学特性が選択被投射物体の表面に再現されるように、選択被投射物体の表面の注目位置から観察位置への目標出射光の出射特性が算出される(ステップS7)。
続いて、投射制御部34により、選択被投射物体の注目位置の表面から観察位置への出射光の出射特性が目標出射光の出射特性となるように、少なくとも1つの投射部30から注目位置を含む選択被投射物体の表面への入射光の入射特性が制御される(ステップS8)。
続いて、少なくとも1つの投射部30により、注目位置を含む選択被投射物体の表面に、投射制御部34によって入射特性が制御された入射光があらかじめ設定された方向から投射される。これにより、注目位置を含む選択被投射物体の表面に光学構造の光学特性が再現される(ステップS9)。
続いて、出射光測定部36により、選択被投射物体の表面の注目位置からの出射光の出射特性が測定され、質感評価部38により、出射光測定部36によって測定された出射光の出射特性等に基づいて、光学構造の光学特性の再現性が評価される(ステップS10)。
次に、複数の被投射物体の中から1つの被投射物体を選択被投射物体として選択する手順について一例を挙げて説明する。
この例では、光学特性測定部16の配置角度の変更手段、光源および検出器として、それぞれ、配置角度制御部22と配置角度変更部24の組み合わせ、投射部30および出射光測定部36が使用されるとする。
まず、図7に示すように、選択被投射物体の候補となる1つの被投射物体が配置角度変更部24となる多軸回転ステージユニットのステージ上に載置され、配置角度制御部22によりステージの配置角度が変更されて被投射物体の配置角度が、ある配置角度に設定される。
続いて、投射制御部34の制御により、光学特性設定部12によって設定された入射特性の入射光が投射部30から被投射物体の表面に投射される。これにより、各々の投射部30が、被投射物体の表面において光学構造の光学特性を再現可能な範囲が決定される。2以上の投射部30を備えている場合には、各々の投射部30を独立に制御してもよいし、複数の投射部30を組み合わせて制御してもよい。
続いて、観察位置に配置された出射光測定部36により、ある配置角度に設定された被投射物体の表面からの出射光の出射特性が測定される。出射光測定部36は、被投射物体の表面からの出射光の出射特性を2次元的に測定することができるため、各々の投射部30が光学構造の光学特性を再現可能な範囲に含まれる全画素位置からの出射光の出射特性を同時に取得することが可能である。
続いて、配置角度制御部22により、ステージの配置角度が変更されて被投射物体の配置角度が変更され、上記動作が繰り返されることにより、各々の配置角度毎に、各々の投射部30が光学構造の光学特性を再現可能な範囲に含まれる全画素位置からの出射光の出射特性が測定されて被投射物体記憶部18に記憶される。また、各々の被投射物体について上記の動作が繰り返されることにより、各々の被投射物体の各々の配置角度毎の出射光の出射特性が測定されて記憶される。
次に、図8に示すように、配置角度が異なる複数の被投射物体が仮想的に選択され、配置角度が異なる仮想的な各々の被投射物体および仮想的な観察位置について、観察位置から被投射物体の表面の注目位置が目視された場合に相当する出射光の光成分が計算される。
例えば、被投射物体選択部20により、被投射物体の配置角度および形状のデータ等に基づいて、観察位置から見える被投射物体の表面上の各画素位置について、その画素位置への入射光(環境光および照明光)の入射特性が、各入射角毎に計算される。
続いて、光学構造の光学特性および入射光の入射特性等に基づいて、その画素位置の出射光の出射特性が、各入射角毎に計算される。
続いて、その画素位置と観察位置との位置関係に基づいて、観察位置に集光される立体角が計算され、その画素位置の出射光のうち、観察位置に集光される出射光の光成分が計算される。
上記のようにして、観察位置から見える被投射物体の表面上の全画素位置について、観察位置に集光される出射光の光成分が計算される。
次に、観察位置から見える被投射物体の表面上の画素位置から観察位置に集光される出射光の光成分が、出射光測定部36によって測定された場合の値に変換される。
上記のようにして、配置角度が異なる仮想的な各々の被投射物体および仮想的な観察位置について、変換された光成分が計算される。
続いて、変換された光成分の値と、既に記憶されている、各々の被投射物体の各々の配置角度毎の出射光の出射特性とが比較され、複数の被投射物体の中から、同じ配置角度において光学構造の光学特性を再現可能な被投射物体が選択被投射物体として選択される。
次に、被投射物体と観察位置との間の位置関係を決定する手順について一例を挙げて説明する。
まず、選択被投射物体が多軸回転ステージユニットのステージ上に載置され、配置角度制御部22により、ステージの配置角度が変更されて選択被投射物体の配置角度が、所定の配置角度に設定される。
続いて、面角度取得部28により、多軸回転ステージユニットのステージの3次元空間内の原点座標(0,0,0)に対して、選択被投射物体の配置角度および形状のデータから選択被投射物体の表面上の各画素位置における面角度および座標が取得される。
観察位置の座標は、選択被投射物体が所定の配置角度に設定された場合には、所定の配置角度に設定された選択被投射物体の表面上の各画素位置の座標に応じて事前に決定された座標が使用される。一方、選択被投射物体の配置角度が変更された場合には、面角度測定部26により選択被投射物体の表面上の各画素位置の座標を測定し、測定された選択被投射物体の表面上の各画素位置の座標に応じて観察位置の座標が決定される。これにより、被投射物体の表面上の各画素位置と観察位置との間の位置関係が決定される。
次に、光学構造の光学特性を選択被投射物体の表面に再現する手順について一例を挙げて説明する。
まず、上記のように決定された選択被投射物体の配置角度および観察位置について、観察位置から選択被投射物体の表面の注目位置が目視された場合に相当する出射光の光成分が計算される。
例えば、目標光学特性算出部32により、選択被投射物体の配置角度および形状のデータ等に基づいて、観察位置から見える選択被投射物体の表面上の各画素位置について、その画素位置への入射光(環境光および照明光)の入射特性が、各入射角毎に計算される。
続いて、各画素位置における面角度、入射光の入射特性、光学構造の光学特性および選択被投射物体の表面の光学特性等に基づいて、その画素位置の出射光の出射特性が、各入射角毎に計算される。
続いて、その画素位置と観察位置との位置関係に基づいて、観察位置に集光される立体角が計算され、その画素位置の出射光のうち、観察位置に集光される出射光の光成分、つまり、目標出射光の出射特性が計算される。
上記のようにして、観察位置から見える選択被投射物体の表面上の全画素位置について、観察位置に集光される出射光の光成分が計算される。
次に、観察位置から見える選択被投射物体の表面上の画素位置から観察位置に集光される出射光の光成分が、出射光測定部36によって測定された場合の値に変換される。
続いて、投射制御部34により、変換された光成分の値が選択被投射物体の表面の各画素位置毎に再現されるように、既に記憶されている、選択被投射物体の各々の配置角度毎の出射光の出射特性の中から変換された光成分の値に最も近い出射光の出射特性が選択され、選択された出射光の出射特性に対応する、各々の投射部30からの入射光の入射特性の組み合わせを初期値として、各々の投射部30から選択被投射物体の表面への最適な入射光の入射特性の組み合わせが決定される。
続いて、投射部30により、最適な入射特性に決定された入射光が選択被投射物体の表面に投射され、選択被投射物体の表面に光学構造の光学特性が再現される。
質感再現装置10においては、サンプルを試作することなく、光学構造を設定し、選択被投射物体の表面に光学構造の光学特性を再現することができる。また、再現された光学構造の光学特性を観察して、その再現性を評価することができる。従って、再現性の評価結果に応じて光学構造を変更し、光学構造の光学特性の再現を繰り返すことにより、光学構造をより良いものにすることができ、かつ光学構造の光学特性を精度よく再現することができる。
本発明の装置において、例えば、光学特性設定部12、光学構造設定部13、光学特性算出部14、被投射物体選択部20、配置角度制御部22、面角度取得部28、目標光学特性算出部32、投射制御部34および質感評価部38等の各種の処理を実行する処理部(Processing Unit)のハードウェア的な構成は、専用のハードウェアであってもよいし、プログラムを実行する各種のプロセッサまたはコンピュータであってもよい。
各種のプロセッサには、ソフトウェア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理をさせるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
1つの処理部を、これら各種のプロセッサのうちの1つで構成してもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ、例えば、複数のFPGAの組み合わせ、または、FPGAおよびCPUの組み合わせ等によって構成してもよい。また、複数の処理部を、各種のプロセッサのうちの1つで構成してもよいし、複数の処理部のうちの2以上をまとめて1つのプロセッサを用いて構成してもよい。
例えば、サーバおよびクライアント等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。また、システムオンチップ(System on Chip:SoC)等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構成は、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(Circuitry)である。
また、本発明の方法は、例えば、その各々のステップをコンピュータに実行させるためのプログラムにより実施することができる。また、このプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することもできる。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 質感再現装置
12 光学特性設定部
13 光学構造設定部
14 光学特性算出部
16 光学特性測定部
18 被投射物体記憶部
20 被投射物体選択部
22 配置角度制御部
24 配置角度変更部
26 面角度測定部
28 面角度取得部
30 投射部
32 目標光学特性算出部
34 投射制御部
36 出射光測定部
38 質感評価部

Claims (16)

  1. 構造に応じた光学特性を有する光学構造を設定する光学構造設定部と、
    前記光学構造から前記光学構造の光学特性を算出する光学特性算出部と、
    それぞれ異なる複数の被投射物体の中から前記光学構造の光学特性を再現するために使用する1つの被投射物体を選択被投射物体として選択する被投射物体選択部と、
    観察位置から前記選択被投射物体の表面の注目位置を観察する際の観察方向に対する、前記選択被投射物体の表面の注目位置を含む、各画素位置における面角度を取得する面角度取得部と、
    前記注目位置を含む前記選択被投射物体の表面に、入射光をあらかじめ設定された方向から投射する少なくとも1つの投射部と、
    前記注目位置を含む、各画素位置における面角度、前記選択被投射物体の表面に前記光学構造の光学特性を再現する際の環境光を再現する仮想光源となる前記少なくとも1つの投射部からの入射光の入射特性、前記光学構造の光学特性、および、前記選択被投射物体の表面の光学特性に基づいて、前記注目位置から前記観察位置への目標出射光の出射特性を算出する目標光学特性算出部と、
    前記注目位置から前記観察位置への出射光の出射特性が前記目標出射光の出射特性となるように、前記少なくとも1つの投射部から前記注目位置を含む前記選択被投射物体の表面への入射光の入射特性を制御する投射制御部とを備え、
    前記少なくとも1つの投射部は、前記注目位置を含む前記選択被投射物体の表面に、前記入射特性が制御された入射光を投射することにより、前記注目位置を含む前記選択被投射物体の表面に前記光学構造の光学特性を再現する質感再現装置。
  2. 前記光学構造の光学特性は、反射特性として、前記被投射物体の表面への入射光の入射特性に対する、前記被投射物体の表面からの出射光の出射特性を含み、
    前記被投射物体の表面への入射光の入射特性は、前記被投射物体の表面への入射光の入射角、光強度および分光特性を含み、前記被投射物体の表面からの出射光の出射特性は、前記被投射物体の表面からの出射光の出射角、光強度および分光特性を含む請求項1に記載の質感再現装置。
  3. 前記反射特性は、BRDFまたはBSSRDFによって表される反射特性である請求項2に記載の質感再現装置。
  4. 前記光学構造の光学特性は、さらに、前記被投射物体の表面の光学特性のばらつきを表すゆらぎ情報を含み、
    前記目標光学特性算出部は、前記ゆらぎ情報に基づいて前記光学構造の光学特性を変更し、前記注目位置を含む、各画素位置における面角度、前記仮想光源となる前記少なくとも1つの投射部からの入射光の入射特性、前記変更された光学構造の光学特性、および、前記選択被投射物体の表面の光学特性に基づいて前記目標出射光の出射特性を算出する請求項1ないし3のいずれか一項に記載の質感再現装置。
  5. さらに、前記複数の被投射物体のデータを記憶する被投射物体記憶部を備え、
    前記被投射物体選択部は、前記被投射物体記憶部に記憶された複数の被投射物体のデータに対応する複数の被投射物体の中から前記1つの被投射物体を選択する請求項1ないし4のいずれか一項に記載の質感再現装置。
  6. 前記被投射物体記憶部は、前記複数の被投射物体のデータとして、形状、材質、大きさ、表面の状態、表面の色および表面の光学特性のうちの少なくとも1つが異なるデータを記憶し、
    前記被投射物体選択部は、前記被投射物体の形状、材質、大きさ、表面の状態、表面の色および表面の光学特性のうちの少なくとも1つに基づいて前記1つの被投射物体を選択する請求項5に記載の質感再現装置。
  7. さらに、前記複数の被投射物体の光学特性を測定する光学特性測定部を備え、
    前記被投射物体記憶部は、前記複数の被投射物体のデータの一部として、前記光学特性測定部によって測定された前記複数の被投射物体の光学特性を記憶する請求項5または6に記載の質感再現装置。
  8. 前記光学特性測定部は、前記被投射物体の表面の任意の1点における光学特性を測定し、前記1点の光学特性を前記被投射物体の全ての表面の光学特性として使用する請求項7に記載の質感再現装置。
  9. 前記光学特性測定部は、前記被投射物体の表面を一定の大きさの複数の領域に分割し、前記複数の領域の各々の光学特性を測定する請求項7に記載の質感再現装置。
  10. さらに、前記観察方向に対する、前記選択被投射物体の表面の注目位置を含む、各画素位置における面角度を測定する面角度測定部を備え、
    前記面角度取得部は、前記面角度測定部によって測定された面角度を取得する請求項1ないし9のいずれか一項に記載の質感再現装置。
  11. 前記面角度取得部は、前記選択被投射物体の形状のデータおよび配置角度に基づいて、前記観察方向に対する、前記選択被投射物体の表面の注目位置を含む、各画素位置における面角度を計算することにより取得する請求項1ないし9のいずれか一項に記載の質感再現装置。
  12. さらに、前記選択被投射物体の配置角度の変更を制御する配置角度制御部と、前記配置角度制御部の制御により、前記選択被投射物体の配置角度を変更する配置角度変更部とを備え、
    前記面角度取得部は、前記観察方向に対する、前記配置角度が変更された前記選択被投射物体の表面の注目位置を含む、各画素位置における面角度を取得する請求項1ないし11のいずれか一項に記載の質感再現装置。
  13. さらに、前記注目位置を含む前記選択被投射物体の表面からの出射光の出射特性を測定する出射光測定部と、
    前記出射光測定部によって測定された出射光の出射特性に基づいて、前記光学構造の光学特性の再現性を評価する質感評価部とを備える請求項1ないし12のいずれか一項に記載の質感再現装置。
  14. 光学構造設定部が、構造に応じた光学特性を有する光学構造を設定するステップと、
    光学特性算出部が、前記光学構造から前記光学構造の光学特性を算出するステップと、
    被投射物体選択部が、それぞれ異なる複数の被投射物体の中から前記光学構造の光学特性を再現するために使用する1つの被投射物体を選択被投射物体として選択するステップと、
    面角度取得部が、観察位置から前記選択被投射物体の表面の注目位置を観察する際の観察方向に対する、前記選択被投射物体の表面の注目位置を含む、各画素位置における面角度を取得するステップと、
    目標光学特性算出部が、前記注目位置を含む、各画素位置における面角度、前記選択被投射物体の表面に前記光学構造の光学特性を再現する際の環境光を再現する仮想光源となる少なくとも1つの投射部からの入射光の入射特性、前記光学構造の光学特性、および、前記選択被投射物体の表面の光学特性に基づいて、前記注目位置から前記観察位置への目標出射光の出射特性を算出するステップと、
    投射制御部が、少なくとも1つの投射部から前記注目位置を含む前記選択被投射物体の表面への入射光の入射特性に基づいて、前記注目位置から前記観察位置への出射光の出射特性が前記目標出射光の出射特性となるように、前記少なくとも1つの投射部から前記注目位置を含む前記選択被投射物体の表面への入射光の入射特性を制御するステップと、
    前記少なくとも1つの投射部が、前記入射特性が制御された入射光をあらかじめ設定された方向から投射することにより、前記注目位置を含む前記選択被投射物体の表面に前記光学構造の光学特性を再現するステップとを含む質感再現方法。
  15. 請求項14に記載の質感再現方法の各々のステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
  16. 請求項14に記載の質感再現方法の各々のステップをコンピュータに実行させるためのプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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