JP2015055024A - 衝撃吸収構造体、保護具及びその製造方法 - Google Patents

衝撃吸収構造体、保護具及びその製造方法 Download PDF

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【課題】通気性及び柔軟性を維持しつつ衝撃吸収性を高めることができる衝撃吸収構造体、保護具及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】衝撃吸収構造体1は、貫通穴21を有する複数の球状体2を備えている。また、各球状体2の貫通穴21の貫通方向が各球状体2の配列方向に対して垂直となるように配列され、各球状体2の球状体列3が形成されている。さらに、形成された球状体2の各球状体列3は、貫通穴21の貫通方向に複数積層されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、衝撃を吸収する衝撃吸収構造体、保護具及びその製造方法に関するものである。
倒立二輪車などの車両の転倒を想定して、搭乗者を適切に保護するヘルメットなどの衝撃吸収構造体が重要となっている。例えば、貫通穴を有する球状体を複数備え、各球状体の貫通穴の貫通方向が各球状体の配列方向に対して垂直となるように配列された衝撃吸収構造体が知られている(特許文献1参照)。
特開2013−014855号公報
上記特許文献1に示す衝撃吸収構造体において、その衝撃吸収能力を高めるため、例えば、貫通穴を無くす、球状体の直径を大きくする、球状体を貫通穴の貫通方向に伸ばす、ことなどが考えられる。しかしながら、貫通穴を無くした場合、衝撃吸収体の通気性が低下する虞があり、球状体の直径を大きくした場合、衝撃吸収構造体の柔軟性が低下する虞がある。さらに、球状体を貫通方向に伸ばした場合、貫通方向に対して垂直方向からの衝撃に弱くなる虞がある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、通気性及び柔軟性を維持しつつ衝撃吸収性を高めることができる衝撃吸収構造体、保護具及びその製造方法を提供することを主たる目的とする。
上記目的を達成するための本発明の一態様は、貫通穴を有する複数の球状体を備える衝撃吸収構造体であって、前記各球状体の貫通穴の貫通方向が前記各球状体の配列方向に対して垂直となるように配列された前記各球状体の球状体列が、前記貫通穴の貫通方向に複数積層されている、ことを特徴とする衝撃吸収構造体である。
この一態様において、上層の前記各球状体の貫通穴の軸が、対応する下層の前記各球状体の貫通穴の軸と一致するように前記各球状体が配置されていてもよい。
この一態様において、人が装着する保護具に着脱可能に取り付けられてもよい。
この一態様において、球状体列は弾性体で覆われていてもよい。
上記目的を達成するための本発明の一態様は、人に装着される保護具であって、前記各球状体の貫通穴の貫通方向が前記各球状体の配列方向に対して垂直となるように配列された前記各球状体の球状体列が、前記貫通穴の貫通方向に複数積層されている衝撃吸収構造体を備える、ことを特徴とする保護具であってもよい。
上記目的を達成するための本発明の一態様は、貫通穴を有する複数の球状体を備える衝撃吸収構造体の製造方法であって、前記各球状体の貫通穴の貫通方向が前記各球状体の配列方向に対して垂直となるように配列された前記各球状体の球状体列を生成し、該生成した球状体列を前記貫通穴の貫通方向に複数積層する、ことを特徴とする衝撃吸収構造体の製造方法であってもよい。
本発明によれば、通気性及び柔軟性を維持しつつ衝撃吸収性を高めることができる衝撃吸収構造体、保護具及びその製造方法を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係る衝撃吸収構造体の概略的な構成を示す斜視図である。 3層の球状体列で構成された衝撃吸収構造体の一例を示す図である。 弾性部材で覆われていない衝撃吸収構造体の一例を示す図である。 本発明の一実施の形態に係る衝撃吸収構造体を帽子のリボンに適用した図である。 上下層の球状体列を布で挟み込み外縁を縫製した状態の一例を示す図である。 上下層の球状体列間に接着剤で接着した状態の一例を示す図である。 隣接する各球状体同志を貫通穴に糸を通し結束した状態の一例を示す図である。 各球状体を所定位置に配置するための治具の一例を示す図である。 各球状体を所定位置に配置するための治具の一例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る衝撃吸収構造体の概略的な構成を示す斜視図である。本実施の形態に係る衝撃吸収構造体1は、貫通穴21を有する複数の球状体2を備えている。
各球状体2は、弾性部材で構成されており、例えば、合成樹脂等で形成されたビーズである。各球状体2は、略中心部に所定の内径を有する貫通穴21が形成されている。貫通穴21の内径は、例えば、後述する通気性、柔軟性、及び衝撃吸収性を考慮して設定される。
各球状体2の貫通穴21の貫通方向が各球状体2の配列方向に対して垂直となるように各球状体2は配列され、球状体列3が形成されている。なお、各球状体列3において、隣接する各球状体2間には隙間が設けられている。したがって、各球状体列3は、柔軟に変形することができる。本実施の形態に係る衝撃吸収構造体1は、上記形成した球状体列3を貫通穴21の貫通方向に複数積層して構成されている。このように、複数の球状体2で球状体例3を形成し、さらに、形成した球状体列3を複数積層することで、衝撃吸収構造体1の衝撃吸収性を高めることができる。また、各球状体2の直径を大きくする必要がないため、衝撃吸収構造体1の柔軟性を維持することができる。さらに、各球状体列3は貫通穴21の貫通方向に積層されることから、各球状体列3を複数積層した場合でも通気性を維持することができる。
なお、本実施の形態に係る衝撃吸収構造体1は、2層の球状体列3で構成されているが、これに限らず、例えば、3層の球状体列3(図2)で構成されてもよく、積層する球状体列3の数は任意でよい。
上層の各球状体2の貫通穴21の軸が、対応する下層の各球状体2の貫通穴21の軸と略一致するように、各球状体2が配置されているのが好ましい。これにより、例えば、上層の各球状体2が衝撃を受けたときに、その衝撃受けた各球状体2が下層の各球状体2間に入り込むことがない。したがって、上下層の各球状体2の衝撃吸収能力を最大限に発揮することができる。さらに、上下層の各球状体2の貫通穴21は完全に貫通するため、通気性が良好となる。
ところで、人を保護する帽子、ヘルメットなどの保護具においては、本来の目的である衝撃吸収性だけなく、高い通気性及び柔軟性が求められている。これに対し、本実施の形態に係る衝撃吸収構造体1において、各球状体2の貫通穴21の貫通方向が各球状体2の配列方向に対して垂直となるように配列された各球状体2の球状体列3は、貫通穴21の貫通方向に複数積層されている。これにより、上述の如く、衝撃吸収構造体1の通気性及び柔軟性を維持しつつ衝撃吸収性を高めることができる。
上述のように形成された衝撃吸収構造体1は、通気性及び柔軟性の良好な一対の弾性部材4で挟み込まれて覆われている。弾性部材4は、例えば、布材などの繊維が用いられているが、これに限らず、通気性及び柔軟性の良好な任意の部材を用いることができる。これにより、衝撃吸収構造体1の衝撃吸収性をより向上させることができる。なお、衝撃吸収構造体1は、上記弾性部材4に覆われていない構成であってもよい(図3)。
本実施の形態に係る衝撃吸収構造体1は、例えば、帽子などの保護具10に適用することができる。図4は、本実施の形態に係る衝撃吸収構造体を帽子のリボンに適用した図である。図4に示す如く、衝撃吸収構造体1は、任意の形状に変形可能なリボン1として構成され、帽子10の後頭部側に着脱可能に取り付けられている。衝撃吸収構造体1で構成されたリボン1を帽子10の後頭部側に配置することで、ユーザの後頭部を適切に保護することができる。
また、衝撃吸収構造体1は、帽子10に着脱可能に設けられていることから、例えば、帽子10の前頭部、頭頂部、側頭部などに配置変更することで、ユーザの前頭部、頭頂部、側頭部を適切に保護することができる。さらに、本実施の形態に係る衝撃吸収構造体1を柔軟に変形させデザイン性の高い形状に変形可能である。したがって、本実施の形態に係る衝撃吸収構造体1は意匠性にも優れる。
上記実施の形態は、衝撃吸収構造体1をリボン1として保護具10である帽子10に取り付ける構成であるが、これに限らず、保護具10の一部あるいは全部を衝撃吸収構造体1で構成してもよい。例えば、衝撃吸収構造体1を生地として用い、帽子10の一部あるいは全部を構成してもよい。これにより、帽子10の一部あるいは全部の通気性及び柔軟性を維持しつつ、衝撃吸収性を高めることができる。上記実施の形態では、保護具10として帽子10が適用さているが、これに限らず、例えば、洋服、手袋、などの任意の保護具に適用可能である。
次に、本実施の形態に係る衝撃吸収構造体の製造方法について詳細に説明する。
各球状体2の貫通穴21の貫通方向が各球状体2の配列方向に対して垂直となるように配列された各球状体2の球状体列3を、貫通穴21の貫通方向に複数積層する。
さらに、上層の球状体列3と下層の球状体列3とがずれないように治具を用いて固定する。固定した上下層の球状体列3を一対の布材4で挟み込み、各球状体列3を布材4に接着しつつ、布材4の外縁を縫製する(図5)。
なお、上下層の球状体列3を布材で覆わない場合は、例えば、上下層の球状体列3を夫々ずれないように治具で固定し、固定した上下層の球状体列3間に接着剤Xを塗布し、上下層の球状体列3同志を接着してもよい(図6)。さらに、隣接する各球状体2の貫通穴21に糸などの紐状部材を通し結束することで、各球状体2同志を固定してもよい(図7)。
例えば、図8に示す如く、上記各球状体2の配列及び積層を行うために治具100を用いても良い。治具100において、筐体の下面であって各球状体2が配置される所定位置にピンなどのガイド101が夫々立設されている。各球状体2の貫通穴21を各ガイド101に通すことで、自ずと上述した上下層の球状体列3を形成することができる。
さらに、図9に示す如く、筐体の下面であって各球状体2が配置される所定位置に凹状部111を夫々形成した治具110を用いてもよい。複数の球状体2を入れた筐体を揺らすことで、自ずと筐体の各凹状部111に各球状体2が夫々嵌り、所定位置に配置される。このようにして、治具100、110を用いることで、隣接する各球状体2の貫通穴21が平行となるように配列された各球状体2の球状体列3を形成すること、さらには、各球状体列3を貫通穴21の貫通方向に複数積層することが容易に可能となる。
なお、本実施の形態においては、製造が容易となるように、平面で一定形状(例えば、正方形、長方形などの多角形、円形等)の衝撃吸収構造体1を生成し、その後、生成した衝撃吸収構造体1を必要な形状に分割し、最終的な衝撃吸収構造体1を生成している。しかし、これに限らず、最初から必要な形状となるように各球状体2を配列及び積層し、衝撃吸収構造体1を製造してもよい。
以上、本実施の形態に係る衝撃吸収構造体1において、各球状体2の貫通穴21の貫通方向が各球状体2の配列方向に対して垂直となるように配列された各球状体2の球状体列3は、貫通穴21の貫通方向に複数積層されている。これにより、衝撃吸収構造体1の通気性及び柔軟性を維持しつつ衝撃吸収性を高めることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
1 衝撃吸収構造体
2 球状体
3 球状体列
4 弾性部材
10 保護具
21 貫通穴

Claims (6)

  1. 貫通穴を有する複数の球状体を備える衝撃吸収構造体であって、
    前記各球状体の貫通穴の貫通方向が前記各球状体の配列方向に対して垂直となるように配列された前記各球状体の球状体列が、前記貫通穴の貫通方向に複数積層されている、ことを特徴とする衝撃吸収構造体。
  2. 請求項1記載の衝撃吸収構造体であって、
    上層の前記各球状体の貫通穴の軸が、対応する下層の前記各球状体の貫通穴の軸と一致するように前記各球状体が配置されている、ことを特徴とする衝撃吸収構造体。
  3. 請求項1又は2記載の衝撃吸収構造体であって、
    人が装着する保護具に着脱可能に取り付けられる、ことを特徴とする衝撃吸収構造体。
  4. 請求項1乃至3のうちいずれか1項記載の衝撃吸収構造体であって、
    前記球状体列は弾性体で覆われている、ことを特徴とする衝撃吸収構造体。
  5. 人に装着される保護具であって、
    前記各球状体の貫通穴の貫通方向が前記各球状体の配列方向に対して垂直となるように配列された前記各球状体の球状体列が、前記貫通穴の貫通方向に複数積層されている衝撃吸収構造体を備える、ことを特徴とする保護具。
  6. 貫通穴を有する複数の球状体を備える衝撃吸収構造体の製造方法であって、
    前記各球状体の貫通穴の貫通方向が前記各球状体の配列方向に対して垂直となるように配列された前記各球状体の球状体列を生成し、
    該生成した球状体列を前記貫通穴の貫通方向に複数積層する、ことを特徴とする衝撃吸収構造体の製造方法。
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