本実施形態の磁気共鳴イメージング装置(MRI装置)及び冷凍機監視装置について、添付図面を参照して説明する。
(本実施形態のMRI装置)
図1は、本実施形態のMRI装置と冷凍機ユニットとの関係を示す概略図である。
図1は、本実施形態のMRI装置1と冷凍機ユニットRとを示す。MRI装置1及び冷凍機ユニットRはそれぞれ商用電源に接続され、MRI装置1は、冷凍機ユニットRの動作を制御する。
冷凍機ユニットRは、冷凍機(極低温冷凍機)R1及び冷凍機電源回路R2を含む。例えば、冷凍機R1は、Gifford−Mcmahon型冷凍機(GM冷凍機)であり、冷凍機R1内部に封入されるガスにはヘリウムガスが使用される。
図2は、本実施形態のMRI装置1及び冷凍機ユニットRの構成を示す構成図である。
図2に示すように、MRI装置1は、スキャナ装置10及び画像処理装置20を備える。例えば、スキャナ装置10は検査室に設置され、画像処理装置20はコンピュータ室に設置される。
スキャナ装置10は、静磁場磁石11、傾斜磁場コイル12、高周波コイル13、及び天板(寝台装置)14を設ける。
静磁場磁石11は、静磁場電源回路21から供給される電流により、被検体Pが置かれる撮像領域に静磁場を発生させる。例えば、静磁場磁石11は、真空容器111、冷媒容器112、超電導(超伝導)コイル113、ボビン(支持部材)114(図3に図示)、及び温度センサ115を有する。真空容器111は、概略円筒形状に形成されており、円筒壁内が真空状態に保たれる。この真空容器111の内側に形成された空間が、被検体Pが置かれる撮像領域となる。冷媒容器112は、概略円筒形状に形成されており、真空容器111の円筒壁内に収納される。なお、一般的な例としては、冷媒容器112は、容器内を十分に低温な状態に保つため、円筒壁内に冷媒として液体ヘリウムを収容する。超電導コイル113は、冷媒容器112の円筒壁内に配置され、液体ヘリウムに浸漬される。この超電導コイル113は、真空容器111の内側にある撮像領域に静磁場を発生させる。
なお、冷凍機R1は、冷凍機本体R11及び圧縮機R12を含む。冷凍機本体R11は、動作時に振動するコールドヘッドを含む。冷凍機本体R11は、冷媒容器112内の冷媒を介して静磁場磁石11内の超電導コイル113を冷却する。
圧縮機R12は、冷媒であるヘリウムガスを圧縮して高圧にして冷凍機本体R11に送る。冷凍機電源回路R2は、商用電源の電源電圧に基づいて、冷凍機R1の圧縮機R12に電流を供給する。
図3は、真空容器111の構成を示す断面図である。
図3に示す真空容器111内部には、冷媒容器112が備えられる。また、冷媒容器112内部には、超電導コイル113、ボビン114、及び温度センサ115が備えられる。
ボビン114の外周には超電導コイル113を巻くための溝が設けられる。超電導コイル113は、その溝を介してボビン114の上に配置される。
温度センサ115は、冷媒容器112内部に設けられ、冷媒容器112内の冷媒の温度を計測する。又は、温度センサ115は、冷媒容器112内部の超電導コイルユニット(超電導コイル113及びボビン114)上に直接設けられ、超電導コイルユニットの温度を計測する。図2では、温度センサ115が冷媒容器112内部に設けられ、冷媒容器112内の冷媒の温度が計測される例を示す。
また、真空容器111には、冷媒容器112内の冷媒を介して超電導コイル113を冷却するための冷凍機本体R11(2個の冷凍機本体R11)が取り付けられる。図3では、2個の冷凍機本体R11が示されているが、これに限定されず、1個でもよいし、3個以上であってもよい。
図2の説明に戻って、傾斜磁場コイル12は、概略円筒形状に形成され、静磁場磁石11の内側に配置される。この傾斜磁場コイル12は、傾斜磁場電源回路22から供給される電流により、撮像領域に設定されたX軸,Y軸,Z軸の方向に傾斜磁場を発生させる。かかる傾斜磁場コイル12は、スキャンの実行中にパルス電流が繰り返し供給されるため発熱する。
高周波コイル13は、傾斜磁場コイル12の内側に配置される。この高周波コイル13は、撮像領域に置かれた被検体Pに対して、送信部23から送信される高周波パルスを照射する。また高周波コイル13は、高周波パルスによる水素原子核の励起によって被検体Pから放出される磁気共鳴信号を受信する。
天板14は、図示しない寝台によって支持される。また、天板14は、撮影時には被検体Pが載置され、被検体Pとともに撮像領域内へ移動される。
画像処理装置20は、静磁場電源回路21、傾斜磁場電源回路22、送信部23、受信部24、スキャン実行部25、及び制御部26を設ける。
静磁場電源回路21は、スキャン実行部25からの指示に基づいて、静磁場磁石11内の超電導コイル113に電流を供給する。
傾斜磁場電源回路22は、スキャン実行部25からの指示に基づいて、傾斜磁場コイル12に電流を供給する。
送信部23は、スキャン実行部25からの指示に基づいて、高周波コイル13に高周波パルスを送信する。送信部23は、高周波コイル13に送信する高周波パルスを発生させるための高周波電源回路を有する。
受信部24は、高周波コイル13によって受信された磁気共鳴(RF:radio frequency)信号を検出し、検出した磁気共鳴信号をデジタル化することで生データを生成する。そして、受信部24は、生成した生データをスキャン実行部25に送信する。
スキャン実行部25は、制御部26による制御のもと、静磁場電源回路21、傾斜磁場電源回路22、送信部23、及び受信部24をそれぞれ駆動することによってスキャンを実行して被検体Pの検査を行なう。そして、スキャン実行部25は、スキャンを実行した結果として受信部24から生データが送信されると、その生データを制御部26に送信する。
制御部26は、操作者によって行われる操作に基づいてMRI装置1全体を制御する。制御部26は、一般的なコンピュータとしての構成を有し、図4に示すように、CPU(central processing unit)261、入力部262、表示部263、及び記憶部264等を有する。CPU261は、操作者からの指示に基づいて各部の動作を制御する。入力部262は、キーボード及びマウス等によって構成され、操作者から各種入力を受け付ける。表示部263は、被検体P(図2に図示)のMRI画像を含む各種情報を表示する。記憶部264は、後述する稼働履歴情報、計測温度、及びMRI画像等のデータを記憶する。
図4は、本実施形態のMRI装置1の機能を示すブロック図である。
制御部26のCPU261がプログラムを実行することによって、MRI装置1は、図4に示すように、温度取得手段41、撮像条件設定手段42、停止判断手段43、監視手段44、冷凍機制御手段45、稼働履歴登録手段46、スキャン制御手段47、及び画像再構成手段48として機能する。なお、手段41〜48の一部又は全部は、MRI装置1にハードウェアとして備えられるものであってもよい。
温度取得手段41は、温度センサ115に接続され、温度センサ115から、冷媒容器112(図1に図示)内の冷媒や超電導コイルユニット(超電導コイル113及びボビン114)の計測温度を取得する機能を有する。温度取得手段41は、取得された冷媒や超電導コイルユニットの計測温度を記憶部264に適宜記憶させる。以下、温度取得手段41が、冷媒容器112内の冷媒の計測温度を取得する場合について説明する。
撮像条件設定手段42は、撮像条件編集画面上で操作者が入力部262を用いて入力した入力信号に基づいて、被検体P(図2に図示)の検査に係る撮像条件を設定する機能を有する。撮像条件には、検査部位、シーケンス、スキャン断面、及びスライス厚等が含まれる。
停止判断手段43は、静磁場磁石11(図2に図示)内の計測温度又はその推測情報に基づいて、冷凍機R1の停止を許容するか否かを判断する機能を有する。または、停止判断手段43は、撮像条件設定手段42によって設定されたスキャンと、静磁場磁石11内の計測温度又はその推測情報とに基づいて、冷凍機R1の停止を許容するか否かを判断する機能を有する。冷凍機R1の停止(稼働停止)に関する許容の判断方法については、後述する。
監視手段44は、冷凍機R1のステータス(稼働状態又は停止状態)を監視する機能を有する。
冷凍機制御手段45は、停止判断手段43による判断結果と、監視手段44によって得られた冷凍機R1のステータスとに基づいて、冷凍機ユニットRに冷凍機R1の稼働指示及び停止指示を行なう機能を有する。冷凍機制御手段45は、検査開始前に、停止判断手段43によって冷凍機Rの停止が許容されると判断され、かつ、冷凍機R1のステータスとして稼働状態が得られた場合、検査開始前に、冷凍機ユニットRに冷凍機R1の停止指示を行なう。また、その場合、冷凍機制御手段45は、検査終了後に、冷凍機ユニットRに冷凍機R1の稼働指示を行なう。
稼働履歴登録手段46は、冷凍機制御手段45による冷凍機ユニットRへの冷凍機R1の稼働指示に基づく稼働状態に係る情報と、冷凍機R1の停止指示に基づく停止状態に係る情報とを、冷凍機R1の稼働履歴情報(ログ情報)として記憶部264に適宜登録する機能を有する。なお、稼働履歴登録手段46は、記憶部264に記憶された冷凍機R1の稼働履歴情報を任意にリセット(初期化)することができる。
スキャン制御手段47は、撮像条件設定手段42によって設定された撮像条件に従ってスキャン実行部25に、1又は複数のスキャンを実行させる機能を有する。スキャン制御手段47は、停止判断手段43によって冷凍機R1の停止が許容された場合、冷凍機制御手段45による冷凍機R1の停止指示に基づくシャットダウン後の停止状態で、スキャンを実行させる。一方で、スキャン制御手段47は、停止判断手段43によって冷凍機R1の停止が許容されない場合、冷凍機R1をシャットダウンさせずに冷凍機R1の稼働状態で、スキャンを実行させる。
画像再構成手段48は、スキャン実行部25から送信された、k空間の生データに基づいて被検体PのMRI画像を再構成する機能と、MRI画像を表示部263に表示させたり、記憶部264に記憶させたりする機能とを有する。
ここで、停止判断手段43による冷凍機R1の停止に関する許容の判断方法について説明する。停止判断手段43は、静磁場磁石11(図2に図示)内の計測温度(下の[1])又はその推測情報(下の[2])に基づいて、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容するか否かを判断する。
[1]温度取得手段41によって取得された冷媒の現在の計測温度
[2]稼働履歴登録手段46によって登録された冷凍機R1の稼働履歴情報(稼働状態への変化又は停止状態への変化を示す情報)
また、停止判断手段43は、静磁場磁石11(図2に図示)内の計測温度又はその推測情報に加え、撮像条件から予想される、被検体Pに対する1又は複数のスキャンを含む検査全体の予想検査時間(下の[3]、[4])に基づいて、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容するか否かを判断する。
[3]温度取得手段41によって取得された冷媒の現在の計測温度と、撮像条件設定手段42によって設定された撮像条件から予想される予測検査時間
[4]稼働履歴登録手段46によって登録された冷凍機R1の稼働履歴情報と、撮像条件設定手段42によって設定された撮像条件から予想される予測検査時間
まず、上記[1]に示す計測温度と、冷凍機R1の停止の許容判断とについて詳細する。
停止判断手段43は、温度取得手段41によって取得された冷媒の現在の計測温度が温度閾値未満(又は以下)の場合は、被検体P(図2に図示)の検査全体を通して冷媒の温度が適温に維持される見込みと判断し、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容すると判断する。一方で、停止判断手段43は、温度取得手段41によって取得された冷媒の現在の計測温度が温度閾値以上の(又は超える)場合は、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容しないと判断する。停止判断手段43は、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容しない場合、その旨を操作者に報知する。
なお、温度閾値は、複数設定されてもよい。例えば、2個の温度閾値(第1温度閾値<第2温度閾値)が設定される場合、停止判断手段43は、冷媒の現在の計測温度が第1温度閾値未満(又は以下)の場合は、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容すると判断する。停止判断手段43は、冷媒の現在の計測温度が第1温度閾値以上の(又は超える)場合で、第2温度閾値未満(又は以下)の場合は、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容しないと判断し、その旨をワーニングとして操作者に報知する。停止判断手段43は、冷媒の現在の計測温度が第2温度閾値以上の(又は超える)場合は、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容しないと判断し、その旨をエラーとして操作者に報知する。
続いて、上記[2]に示す稼働履歴情報(稼働状態への変化回数)と、冷凍機R1の停止の許容判断とについて詳細する。
図5は、冷凍機R1の稼働履歴情報に基づく稼働状態への変化回数を説明するための図である。
図5に示すように、記憶部264(図4に図示)に登録された冷凍機R1(図4に図示)の稼働履歴情報は、冷凍機R1の稼働状態に係る情報と、冷凍機R1の停止状態に係る情報とを含む。冷凍機R1の稼働履歴情報によれば、稼働履歴情報のリセット後から、冷凍機R1の稼働指示に基づく起動と、冷凍機R1の停止指示に基づくシャットダウンとが順に繰り返される。そして、停止判断手段43(図4に図示)は、稼働履歴情報のリセットから現在(判断時)までの冷凍機R1の稼働状態(又は停止状態)への変化回数を計数する。図5に示す場合、冷凍機R1の稼働状態への変化回数は、時刻T1,T2,T3の3回である。停止判断手段43は、冷凍機R1の稼働状態への変化回数が回数閾値未満(又は以下)の場合は、被検体(図2に図示)の検査全体を通して冷媒の温度が適温に維持される見込みと判断し、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容すると判断する。
一方で、停止判断手段43は、冷凍機R1の稼働状態への変化回数が回数閾値以上の(又は超える)場合は、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容しないと判断する。停止判断手段43は、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容しない場合、その旨を操作者に報知する。
なお、回数閾値は、複数設定されてもよい。例えば、2個の回数閾値(第1回数閾値<第2回数閾値)が設定される場合、停止判断手段43は、冷凍機R1の稼働状態への変化回数が第1回数閾値未満(又は以下)の場合は、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容すると判断する。停止判断手段43は、冷凍機R1の稼働状態への変化回数が第1回数閾値以上の(又は超える)場合で、第2回数閾値未満(又は以下)の場合は、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容しないと判断し、その旨をワーニングとして操作者に報知する。停止判断手段43は、冷凍機R1の稼働状態への変化回数が第2回数閾値以上の(又は超える)場合は、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容しないと判断し、その旨をエラーとして操作者に報知する。
続いて、上記[2]に示す稼働履歴情報(稼働状態の積算時間)と、冷凍機R1の停止の許容判断とについて詳細する。
図6は、冷凍機R1の稼働履歴情報に基づく稼働状態の積算時間を説明するための図である。
図6に示すように、記憶部264(図4に図示)に登録された冷凍機R1(図4に図示)の稼働履歴情報は、冷凍機R1の稼働状態に係る情報と、冷凍機R1の停止状態に係る情報とを含む。冷凍機R1の稼働履歴情報によれば、稼働履歴情報のリセット後から、冷凍機R1の稼働指示に基づく起動と、冷凍機R1の停止指示に基づくシャットダウンとが順に繰り返される。そして、停止判断手段43(図4に図示)は、稼働履歴情報のリセットから現在(判断時)までの冷凍機R1の稼働状態における時間t1,t2,t3を算出する。停止判断手段43は、冷凍機R1の稼働状態における時間t1,t2,t3の積算時間が積算閾値を超える(又は以上の)場合は、被検体P(図2に図示)の検査全体を通して冷媒の温度が適温に維持される見込みと判断し、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容すると判断する。
一方で、停止判断手段43は、冷凍機R1の稼働状態における時間t1,t2,t3の積算時間が積算閾値以下(又は未満)の場合は、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容しないと判断する。停止判断手段43は、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容しない場合、その旨を操作者に報知する。
なお、積算閾値は、複数設定されてもよい。例えば、2個の積算閾値(第1積算閾値<第2積算閾値)が設定される場合、停止判断手段43は、冷凍機R1の稼働状態の積算時間が第2積算閾値を超える(又は以上の)場合は、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容すると判断する。停止判断手段43は、冷凍機R1の稼働状態の積算時間が第2積算閾値以下(又は未満)の場合で、第1積算閾値を超える(又は以下の)場合は、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容しないと判断し、その旨をワーニングとして操作者に報知する。停止判断手段43は、冷凍機R1の稼働状態の積算時間が第1回数閾値以下(又は未満)の場合は、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容しないと判断し、その旨をエラーとして操作者に報知する。
また、冷凍機R1の稼働状態における時間t1,t2,t3の積算時間は、単純な積算時間(t1+t2+t3)であってもよいし、現在に近いほど重みを重くする積算時間(1×t1+2×t2+3×t3)であってもよい。
さらに、図5を用いて説明した稼働状態への変化回数に基づく、冷凍機R1の停止の許容判断と、図6を用いて説明した稼働状態の積算時間に基づく、冷凍機R1の停止の許容判断とが組み合わせられてもよい。例えば、停止判断手段43(図4に図示)は、稼働状態への変化回数が回数閾値未満であり、かつ、稼働状態の積算時間が積算閾値を超える場合に、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容すると判断する。
続いて、上記[3]に示す計測温度及び予想検査時間と、冷凍機R1の停止の許容判断とについて詳細する。
図7は、現在までの冷媒の計測温度の推移の一例を示す図である。
図7に示すように、現在(判断時)までは、冷凍機R1(図4に図示)は起動後の稼働状態にあるので、その間、冷媒の計測温度は徐々に低下する。
図8は、現在からの冷媒の推測温度の推移の一例を示す図である。
図8に示すように、現在(判断時)からは、冷凍機R1(図4に図示)は停止状態にあるので、その間、冷媒の推測温度は徐々に上昇する。そして、異なる予測検査時間t4,t5を有する第1及び第2の撮像条件によってスキャンがそれぞれ行なわれると仮定すると、第1の撮像条件に基づく検査全体を通して、冷媒の推測温度は閾値温度を超えない。一方で、第2の撮像条件に基づく検査の途中で、冷媒の推測温度は閾値温度を超えてしまう。
そこで、停止判断手段43(図4に図示)は、第1の撮像条件に基づく検査の場合は、被検体P(図2に図示)の検査全体を通して冷媒の温度が適温に維持される見込みと判断し、検査開始前における冷凍機R1(図4に図示)の停止を許容すると判断する。一方、停止判断手段43は、第2の撮像条件に基づく検査の場合は、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容しないと判断する。停止判断手段43は、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容しない場合、その旨を操作者に報知する。
なお、冷媒の温度及び検査時間の組み合わせと、冷凍機R1の停止を許容するか否かの判断とを対応付けたテーブルが予め保有されてもよい。その場合、撮像条件が決定した時点で、冷媒の計測温度と予測検査時間とがテーブルに参照されることで、冷凍機R1の停止を許容するか否かが判断される。
続いて、上記[4]に示す稼働履歴情報に基づく稼働状態への変化回数及び予想検査時間と、冷凍機R1の停止の許容判断とについて詳細する。
図5に示すように、停止判断手段43(図4に図示)は、稼働履歴情報のリセットから現在(判断時)までの冷凍機R1の稼働状態(又は停止状態)への変化回数を計数する。冷凍機R1の稼働状態への変化回数が少ないほど冷媒の現在の温度が適温に維持されると判断できる。よって、停止判断手段43は、冷凍機R1の稼働状態への変化回数が比較的少ない場合、比較的長い予測検査時間であっても、被検体P(図2に図示)の検査全体を通して冷媒の温度が適温に維持される見込みと判断し、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容すると判断する。
一方、停止判断手段43は、冷凍機R1の稼働状態への変化回数が比較的多い場合、比較的長い予測検査時間であれば、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容しないと判断する。停止判断手段43は、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容しない場合、その旨を操作者に報知する。
例えば、停止判断手段43は、冷凍機R1の稼働状態への変化回数が比較的少ない場合、予測検査時間t4(図8に図示)はもちろん予測検査時間t5(図8に図示)であっても、被検体P(図2に図示)の検査全体を通して冷媒の温度が適温に維持される見込みと判断し、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容すると判断する。一方、停止判断手段43は、冷凍機R1の稼働状態への変化回数が比較的多い場合、予測検査時間t4(図8に図示)のみ、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容すると判断する。
なお、冷凍機R1の稼働状態への変化回数及び検査時間の組み合わせと、冷凍機R1の停止を許容するか否かの判断とを対応付けたテーブルが予め保有されてもよい。その場合、撮像条件が決定した時点で、稼働履歴情報のリセットから現在までの冷凍機R1の稼働状態への変化回数と予測検査時間とがテーブルに参照されることで、冷凍機R1の停止を許容するか否かが判断される。
続いて、上記[4]に示す稼働履歴情報に基づく稼働状態の積算時間及び予想検査時間と、冷凍機R1の停止の許容判断とについて詳細する。
図6に示すように、停止判断手段43(図4に図示)は、稼働履歴情報のリセットから現在(判断時)までの冷凍機R1の稼働状態における時間t1,t2,t3を算出する。冷凍機R1の稼働状態における時間t1,t2,t3の積算時間が長いほど冷媒の現在の温度が適温に維持されると判断できる。よって、停止判断手段43は、稼働状態の積算時間が比較的長い場合、比較的長い予測検査時間であっても、被検体P(図2に図示)の検査全体を通して冷媒の温度が適温に維持される見込みと判断し、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容すると判断する。
一方、停止判断手段43は、稼働状態の積算時間が比較的短い場合、比較的長い予測検査時間であれば、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容しないと判断する。停止判断手段43は、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容しない場合、その旨を操作者に報知する。
例えば、停止判断手段43(図4に図示)は、稼働状態の積算時間が比較的長い場合、予測検査時間t4(図8に図示)はもちろん予測検査時間t5(図8に図示)であっても、検査開始前における冷凍機R1(図4に図示)の停止を許容すると判断する。一方、停止判断手段43は、稼働状態の積算時間が比較的短い場合、予測検査時間t4(図8に図示)のみ、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容すると判断する。
なお、冷凍機R1の稼働状態の積算時間及び検査時間の組み合わせと、冷凍機R1の停止を許容するか否かの判断とを対応付けたテーブルが予め保有されてもよい。その場合、撮像条件が決定した時点で、稼働履歴情報のリセットから現在までの冷凍機R1の稼働状態の積算時間と予測検査時間とがテーブルに参照されることで、冷凍機R1の停止を許容するか否かが判断される。
続いて、図1〜図11を用いて、本実施形態のMRI装置1の動作について説明する。
図9〜図11は、本実施形態のMRI装置1の動作の一例を示すフローチャートを示す図である。ここでは、[4]冷凍機R1の稼働履歴情報(稼働状態への変化回数)と、予測検査時間とに基づく冷凍機R1の停止の許容判断を例にとって説明する。
まず、MRI装置1は、入力部262に基づく稼働指示に基づいて自身の起動を行なう(ステップST1)。そして、MRI装置1は、記憶部264に登録された冷凍機R1の稼働履歴情報をリセットする(ステップST2)。なお、冷凍機R1の稼働履歴情報のリセットは、任意のタイミングで行なわれてもよい。
MRI装置1は、撮像条件編集画面上で操作者が入力部262を用いて入力した入力信号に基づいて、被検体Pの検査に係る撮像条件を設定する(ステップST3)。MRI装置1は、ステップST3によって設定された撮像条件に基づいて、1又は複数のスキャンを含む検査全体の予測検査時間を算出する(ステップST4)。
MRI装置1は、記憶部264に登録された冷凍機R1の稼働履歴情報に基づいて、ステップST2による稼働履歴情報のリセットから現在までの冷凍機R1の稼働状態への変化回数を計数する(ステップST5)。図5に示す場合、3回である。そして、MRI装置1は、ステップST4によって算出された予測検査時間と、ステップST5によって計数された冷凍機R1の稼働状態への変化回数とに基づいて、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容するか否かを判断する(ステップST6)。
ステップST6の判断にてYES、すなわち、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容すると判断される場合、MRI装置1は、冷凍機ユニットRに冷凍機R1の停止指示を行なう(ステップST7)。冷凍機R1の停止指示が行なわれることで、冷凍機R1による冷媒の冷却より検査が優先される。
MRI装置1は、冷凍機ユニットRから、ステップST7による冷凍機R1の停止指示に基づく冷凍機R1のステータスの停止状態への変化を受信する(ステップST8)。そして、MRI装置1は、冷凍機R1の停止状態へのステータスの変化を稼働履歴情報として記憶部264に登録する(ステップST9)。
そして、MRI装置1は、ステップST3に基づいて設定されたシーケンスに従って被検体Pに係る検査を開始して、検査を終了する(ステップST10)。ステップST10の検査によって収集されたデータに基づいて、MRI画像が生成される。MRI装置1は、ステップST10によって被検体Pに係る検査が終了されると、冷凍機ユニットRに冷凍機R1の稼働指示を行なう(ステップST11)。
MRI装置1は、冷凍機ユニットRから、ステップST11による冷凍機R1の稼働指示に基づく冷凍機R1のステータスの稼働状態への変化を受信したか、すなわち、冷凍機R1が正常に起動されたか否かを判断する(ステップST12)。ステップST12の判断にてYES、すなわち、冷凍機R1が正常に起動されたと判断される場合、MRI装置1は、冷凍機R1の稼働状態へのステータスの変化を稼働履歴情報として記憶部264に登録する(ステップST13)。
MRI装置1は、入力部262に基づく自身の停止指示があるか否かを判断する(ステップST14)。ステップST14の判断にてYES、すなわち、自身の停止指示があると判断される場合、MRI装置1は、自身をシャットダウンして(ステップST15)、動作を終了する。MRI装置1のシャットダウンが行なわれても、ステップST11による稼働指示に基づき稼働状態の冷凍機R1は、商用電源の電源電圧に基づいて、電流が供給され続ける。
一方、ステップST14の判断にてNO、すなわち、自身の停止指示がないと判断される場合、MRI装置1は、ステップST3に戻って、次の被検体Pに係る撮像条件の設定を待つ。
また、ステップST12の判断にてNO、すなわち、冷凍機R1が正常に起動されてないと判断される場合、MRI装置1は、冷凍機ユニットRに冷凍機R1の停止指示を行ない(図10のステップST16)、再び、冷凍機R1の稼働指示を行なう(図10のステップST17)。そして、MRI装置1は、図9のステップST12の判断に戻る。
さらに、ステップST6の判断にてNO、すなわち、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容しないと判断される場合、MRI装置1は、その旨をメッセージとして操作者に報知する(図11のステップST18)。
そして、MRI装置1は、入力部262に基づく入力に基づいて冷凍機R1の強制的な停止指示を行なうか否かを判断する(図11のステップST19)。ステップST19によってYES、すなわち、冷凍機R1の強制的な停止指示を行なうと判断される場合、MRI装置1は、図9のステップST7の動作に進む。冷凍機R1の強制的な停止指示が行なわれることで、冷凍機R1による冷媒の冷却より検査が優先される。
一方、ステップST19によってNO、すなわち、冷凍機R1の強制的な停止指示を行なわないと判断される場合、MRI装置1は、冷凍機R1の稼働状態のまま、ステップST3に基づいて設定されたシーケンスに従って被検体Pに係る検査を開始して、検査を終了する(ステップST20)。そして、MRI装置1は、図9のステップST14の判断に進む。
本実施形態のMRI装置1によると、静磁場磁石11内の計測温度又はその推測情報に基づいて、静磁場磁石11内を冷却する冷凍機R1の停止を許容するか否かを判断するので、静磁場磁石11の揺れに起因するMRI画像の画質の劣化を効果的に防止することができる。
特に、静磁場磁石11内の現在の計測温度が低い場合や、冷凍機R1の過去の稼働状態への変化回数が少ない場合や、冷凍機R1の過去の稼働状態の積算時間が長い場合や、それらの組み合わせの場合にのみ冷凍機R1の停止が行なわれるので(強制的な停止指示による停止を除く)、本実施形態のMRI装置1は、検査全体を通して静磁場磁石11内を適切な温度に維持できる。さらに、撮像条件から予測される予測検査時間が短い場合にのみ冷凍機R1の停止が行なわれるので(強制的な停止指示による停止を除く)、本実施形態のMRI装置1は、検査全体を通して静磁場磁石11内を適切な温度に維持できる。
(本実施形態の冷凍機監視装置)
図12は、本実施形態の冷凍機監視装置とMRI装置と冷凍機ユニットとの関係を示す図である。
図12は、本実施形態の冷凍機監視装置5とMRI装置Mと冷凍機ユニットRとを示す。冷凍機監視装置5、MRI装置M、及び冷凍機Rはそれぞれ商用電源に接続され、冷凍機監視装置5は、MRI装置Mの指示に従って、冷凍機ユニットRの動作を制御する。
冷凍機監視装置5は、一般的なコンピュータとしての構成を有し、図12に示すように、CPU51、入力部52、表示部53、及び記憶部54等を有する。CPU51は、操作者からの指示に基づいて各部の動作を制御する。入力部52は、キーボード及びマウス等によって構成され、操作者から各種入力を受け付ける。表示部53は、各種情報を表示する。記憶部54は、後述する稼働履歴情報等のデータを記憶する。
MRI装置Mは、一般的なMRI装置の構成を有する。
冷凍機ユニットRは、冷凍機R1及び冷凍機電源回路R2を含む。
なお、図12において、図1と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
図13は、本実施形態の冷凍機監視装置5の機能を示すブロック図である。
CPU51がプログラムを実行することによって、冷凍機監視装置5は、図13に示すように、停止判断手段63、監視手段64、冷凍機制御手段65、及び稼働履歴登録手段66として機能する。なお、手段63〜66の一部又は全部は、冷凍機監視装置5にハードウェアとして備えられるものであってもよい。
停止判断手段63は、MRI装置Mからの冷凍機R1の停止指示を受け、MRI装置Mの静磁場磁石(図示しない)内の温度の推測情報に基づいて、冷凍機R1の停止を許容するか否かを判断する機能を有する。また、停止判断手段63は、判断結果を、MRI装置Mに送信する機能を有する。冷凍機R1の停止に関する許容の判断方法については、後述する。
監視手段64は、冷凍機R1のステータスを監視する機能を有する。
冷凍機制御手段65は、停止判断手段63による判断結果と、監視手段64によって得られた冷凍機R1のステータスとに基づいて、冷凍機ユニットRに冷凍機R1の稼働指示及び停止指示を行なう機能を有する。冷凍機制御手段65は、検査開始前に、停止判断手段63によって冷凍機R1の停止が許容されると判断され、かつ、冷凍機R1のステータスとして稼働状態が得られた場合、MRI装置Mによる検査開始前に、冷凍機ユニットRに冷凍機R1の停止指示を行なう。また、その場合、冷凍機制御手段65は、MRI装置Mによる検査終了後に、冷凍機ユニットRに冷凍機R1の稼働指示を行なう。
稼働履歴登録手段66は、冷凍機制御手段65による冷凍機ユニットRへの冷凍機R1の稼働指示に基づく稼働状態に係る情報と、冷凍機R1の停止指示に基づく停止状態に係る情報とを、冷凍機R1の稼働履歴情報(ログ情報)として記憶部264に適宜登録する機能を有する。なお、稼働履歴登録手段66は、記憶部54に記憶された冷凍機R1の稼働履歴情報を任意にリセットすることができる。
ここで、停止判断手段63による冷凍機R1の停止に関する許容の判断方法について説明する。停止判断手段63は、MRI装置Mの静磁場磁石(図示しない)内の温度の推測情報(下の[5])に基づいて、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容するか否かを判断する。
[5]稼働履歴登録手段66によって登録された冷凍機R1の稼働履歴情報
まず、上記[5]に示す稼働履歴情報(稼働状態への変化回数)と、冷凍機R1の停止の許容判断とについて詳細する。
図5に示すように、停止判断手段63(図13に図示)は、稼働履歴情報のリセットから現在(判断時)までの冷凍機R1の稼働状態(又は停止状態)への変化回数を計数する。停止判断手段63は、冷凍機R1の稼働状態への変化回数が回数閾値未満(又は以下)の場合は、被検体の検査全体を通して冷媒の温度が適温に維持される見込みと判断し、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容すると判断する。
一方で、停止判断手段63は、冷凍機R1の稼働状態への変化回数が回数閾値以上の(又は超える)場合は、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容しないと判断する。停止判断手段63は、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容しない場合、その旨をMRI装置Mに通知することで、MRI装置Mは、その旨を操作者に報知することができる。
なお、回数閾値は、複数設定されてもよい。例えば、2個の回数閾値(第1回数閾値<第2回数閾値)が設定される場合、停止判断手段63は、冷凍機R1の稼働状態への変化回数が第1回数閾値未満(又は以下)の場合は、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容すると判断する。停止判断手段63は、冷凍機R1の稼働状態への変化回数が第1回数閾値以上の(又は超える)場合で、第2回数閾値未満(又は以下)の場合は、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容しないと判断し、その旨をワーニングとしてMRI装置Mに通知する。停止判断手段63は、冷凍機R1の稼働状態への変化回数が第2回数閾値以上の(又は超える)場合は、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容しないと判断し、その旨をエラーとしてMRI装置Mに通知する。
続いて、上記[5]に示す稼働履歴情報(稼働状態の積算時間)と、冷凍機R1の停止の許容判断とについて詳細する。
図6に示すように、停止判断手段63(図13に図示)は、稼働履歴情報のリセットから現在(判断時)までの冷凍機R1の稼働状態における時間t1,t2,t3を算出する。停止判断手段63は、冷凍機R1の稼働状態における時間t1,t2,t3の積算時間が積算閾値を超える(又は以上の)場合は、被検体の検査全体を通して冷媒の温度が適温に維持される見込みと判断し、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容すると判断する。
一方で、停止判断手段63は、冷凍機R1の稼働状態における時間t1,t2,t3の積算時間が回数閾値以下(又は未満)の場合は、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容しないと判断する。停止判断手段63は、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容しない場合、その旨をMRI装置Mに通知することで、MRI装置Mは、その旨を操作者に報知することができる。
なお、積算閾値は、複数設定されてもよい。例えば、2個の積算閾値(第1積算閾値<第2積算閾値)が設定される場合、停止判断手段63は、冷凍機R1の稼働状態の積算時間が第2積算閾値を超える(又は以上の)場合は、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容すると判断する。停止判断手段63は、冷凍機R1の稼働状態の積算時間が第2積算閾値以下(又は未満)の場合で、第1積算閾値を超える(又は以下の)場合は、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容しないと判断し、その旨をワーニングとしてMRI装置Mに通知する。停止判断手段63は、冷凍機R1の稼働状態の積算時間が第1回数閾値以下(又は未満)の場合は、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容しないと判断し、その旨をエラーとしてMRI装置Mに通知する。
また、冷凍機R1の稼働状態における時間t1,t2,t3の積算時間は、単純な積算時間(t1+t2+t3)であってもよいし、現在に近いほど重みを重くする積算時間(1×t1+2×t2+3×t3)であってもよい。
さらに、図5を用いて説明した稼働状態への変化回数に基づく、冷凍機R1の停止の許容判断と、図6を用いて説明した稼働状態の積算時間に基づく、冷凍機R1の停止の許容判断とが組み合わせられてもよい。例えば、停止判断手段63(図13に図示)は、稼働状態への変化回数が回数閾値未満であり、かつ、稼働状態の積算時間が積算閾値を超える場合に、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容すると判断する。
続いて、図12〜図16を用いて、本実施形態の冷凍機監視装置5の動作について説明する。ここでは、[5]冷凍機R1の稼働履歴情報(稼働状態への変化回数)に基づく冷凍機R1の停止の許容判断を例にとって説明する。
図14〜図16は、本実施形態の冷凍機監視装置5の動作の一例を示すフローチャートを示す図である。
まず、冷凍機監視装置5は、MRI装置Mから、冷凍機R1の停止指示を受け付ける(ステップST21)。冷凍機監視装置5は、記憶部54に登録された冷凍機R1の稼働履歴情報をリセットするか否かを判断する(ステップST22)。ステップST23にてYES、すなわち、記憶部54に登録された冷凍機R1の稼働履歴情報をリセットすると判断された場合、冷凍機監視装置5は、記憶部54に登録された冷凍機R1の稼働履歴情報をリセットする(ステップST23)。なお、冷凍機R1の稼働履歴情報のリセットは、任意のタイミングで行なわれてもよい。
一方、ステップST22にてNO、すなわち、記憶部54に登録された冷凍機R1の稼働履歴情報をリセットしないと判断された場合、冷凍機監視装置5は、記憶部54に登録された冷凍機R1の稼働履歴情報をリセットしないでステップST24に進む。
冷凍機監視装置5は、記憶部54に登録された冷凍機R1の稼働履歴情報に基づいて、ステップST23による稼働履歴情報のリセットから現在までの冷凍機R1の稼働状態への変化回数を計数する(ステップST24)。そして、冷凍機監視装置5は、ステップST24によって計数された冷凍機R1の稼働状態への変化回数に基づいて、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容するか否かを判断する(ステップST25)。
ステップST25の判断にてYES、すなわち、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容すると判断される場合、冷凍機監視装置5は、冷凍機ユニットRに冷凍機R1の停止指示を行なう(ステップST26)。冷凍機R1の停止指示が行なわれることで、冷凍機R1による冷媒の冷却よりMRI装置Mによる検査が優先される。
冷凍機監視装置5は、冷凍機ユニットRから、ステップST26による冷凍機R1の停止指示に基づく冷凍機R1の停止状態へのステータスの変化を受信する(ステップST27)。そして、冷凍機監視装置5は、冷凍機R1の停止状態へのステータスの変化を稼働履歴情報として記憶部54に登録する(ステップST28)。
冷凍機監視装置5は、MRI装置Mに、ステップST27によって受信された冷凍機R1の停止状態を通知する(ステップST29)。ステップST29によって冷凍機R1の停止状態が通知されると、MRI装置Mによって被検体Pに係る検査が開始され、検査が終了されると、冷凍機監視装置5は、MRI装置Mから、冷凍機R1の稼働指示を受け付ける(ステップST30)。検査によって収集されたデータに基づいて、MRI装置MによってMRI画像が生成される。冷凍機監視装置5は、ステップST30によって冷凍機R1の稼働指示が受け付けられると、冷凍機ユニットRに冷凍機R1の稼働指示を行なう(ステップST31)。
冷凍機監視装置5は、冷凍機ユニットRから、冷凍機R1のステータスの稼働状態への変化を受信したか、すなわち、冷凍機R1が正常に起動されたか否かを判断する(ステップST32)。ステップST32の判断にてYES、すなわち、冷凍機R1が正常に起動されたと判断される場合、冷凍機監視装置5は、冷凍機R1の稼働状態へのステータスの変化を稼働履歴情報として記憶部54に登録する(ステップST33)。
冷凍機監視装置5は、MRI装置Mに、ステップST32によって受信された冷凍機R1の稼働状態を通知する(ステップST34)。そして、冷凍機監視装置5は、ステップST21によって、MRI装置Mから冷凍機R1の次の停止指示を受け付けるまで動作を終了する。
また、ステップST32の判断にてNO、すなわち、冷凍機R1が正常に起動されてないと判断される場合、冷凍機監視装置5は、MRI装置Mにその旨を通知する(図15のステップST35)。また、冷凍機監視装置5は、冷凍機ユニットRに冷凍機R1の停止指示を行ない(図15のステップST36)、再び、冷凍機R1の稼働指示を行なう(図15のステップST37)。そして、冷凍機監視装置5は、図14のステップST32の判断に戻る。
さらに、ステップST25の判断にてNO、すなわち、検査開始前における冷凍機R1の停止を許容しないと判断される場合、冷凍機監視装置5は、その旨をMRI装置Mに通知する(図16のステップST38)。ステップST38による通知に基づいて、MRI装置Mがその旨をメッセージとして操作者に報知することができる。
そして、冷凍機監視装置5は、MRI装置Mから、冷凍機R1の強制的な停止指示を受け付けたか否かを判断する(図16のステップST39)。ステップST39によってYES、すなわち、冷凍機R1の強制的な停止指示を受け付けたと判断される場合、冷凍機監視装置5は、図14のステップST26の動作に進む。冷凍機R1の強制的な停止指示が行なわれることで、冷凍機R1による冷媒の冷却よりMRI装置Mによる検査が優先される。
一方、ステップST39によってNO、すなわち、冷凍機R1の強制的な停止指示を受け付けてないと判断される場合、冷凍機監視装置5は、図14のステップST21によって、MRI装置Mから冷凍機R1の次の停止指示を受け付けるまで動作を終了する。冷凍機R1の強制的な停止指示を受け付けてないと判断される場合、冷凍機R1の稼働状態のまま、MRI装置Mによって被検体Pに係る検査が開始され、検査が終了される。そして、検査によって収集されたデータに基づいて、MRI装置MによってMRI画像が生成される。
なお、ステップST29によってMRI装置Mに冷凍機R1の停止状態を通知したにもかかわらず、所定時間内に、ステップST30によるMRI装置Mから冷凍機R1の稼働指示がない場合、冷凍機監視装置5は、冷凍機ユニットRに冷凍機R1の稼働指示を主体的に行なってもよい。その場合、冷凍機監視装置5は、冷凍機R1の停止状態における検査中に、停電などによってMRI装置Mの停止が行なわれたものと判断する。このままでは、冷凍機R1が停止状態のままとなり、MRI装置Mの静磁場磁石(図示しない)内の温度は上昇してしまう。そこで、冷凍機R1の停止状態における検査中にMRI装置Mの停止が行なわれたとしても、冷凍機監視装置5は、冷凍機ユニットRに冷凍機R1の稼働指示を主体的に行なうことで、MRI装置Mの静磁場磁石(図示しない)内の温度上昇を防ぐことができる。
本実施形態の冷凍機監視装置5によると、MRI装置Mの静磁場磁石(図示しない)内の温度の推測情報に基づいて、静磁場磁石内を冷却する冷凍機R1の停止を許容するか否かを判断するので、静磁場磁石11の揺れに起因するMRI画像の画質の劣化を効果的に防止することができる。また、本実施形態の冷凍機監視装置5が、冷凍機R1の停止を許容するか否かを判断するので、MRI装置M側で冷凍機R1の仕様を認識する必要はない。
特に、冷凍機R1の過去の稼働状態への変化回数が少ない場合や、冷凍機R1の過去の稼働状態の積算時間が長い場合や、それらの組み合わせの場合にのみ冷凍機R1の停止が行なわれるので(強制的な停止指示による停止を除く)、本実施形態の冷凍機監視装置5は、検査全体を通して静磁場磁石(図示しない)内を適切な温度に維持できる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。