JP2015054167A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の制御手段間における情報の伝送を好適に行うことが可能な遊技機を提供する。【解決手段】主側MPU72は所定枚数のメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作された場合、役の抽選を行うとともに各リールの回転を開始させる。その後、主側MPU72は、ストップボタンが操作された場合にそれに対応したリールの回転を停止させ、全てのリールが停止した場合に入賞が発生していればそれに対応した処理を実行する。主側MPU72は上記のようなゲームの進行制御を行う場合、各種タイミングでサブ側MPU82にコマンドを送信する。このコマンドの送信はシリアル通信で行われる。当該構成において、コマンドデータを送信するための信号経路として複数の信号経路が設けられており、これら複数の信号経路の中からコマンドデータの送信対象となる信号経路が選択される。【選択図】 図6

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、一の制御装置から送信されたコマンドを利用して他の制御装置にて当該コマンドに対応した制御が実行される構成が知られている。
例えば、パチンコ機においては遊技の進行を制御する主制御装置から送信されたコマンドに基づいて払出制御装置にて遊技球の払出制御が実行される構成が知られている。この場合、例えば払出制御装置は受信したコマンドに対応した数の遊技球が払い出されるように払出装置を駆動制御する。また、パチンコ機においては、主制御装置から送信されたコマンドに基づいて演出用の制御装置にて演出の実行制御が行われる構成も知られている(例えば特許文献1参照)。
例えばスロットマシンにおいては遊技の進行を制御する主制御装置から送信されたコマンドに基づいてサブ制御装置にて演出の実行制御が行われる構成や、遊技状態の設定制御が行われる構成が知られている。この場合、例えばサブ制御装置は受信したコマンドに対応した演出状態や遊技状態となるように各種制御を実行する(例えば特許文献2参照)。
特開2009−153690号公報 特開2013−128726号公報
ここで、上記例示等のような遊技機においては複数の制御手段間における情報の伝送を好適に行うことが可能な構成が求められており、この点について未だ改良の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、複数の制御手段間における情報の伝送を好適に行うことが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決すべく請求項1記載の発明は、信号経路を利用して所定情報を送信する送信手段と、
前記信号経路を通じて受信した前記所定情報を利用して制御を実行する所定制御手段と、
を備え、
前記信号経路として、
前記所定情報の全体又は当該所定情報の全体に対応した若しくは当該所定情報に付属する対応情報の全体を送信可能とするための第1信号経路と、
前記所定情報の全体又は当該所定情報の全体に対応した若しくは当該所定情報に付属する対応情報の全体を送信可能とするための第2信号経路と、
を備え、
当該遊技機は、前記第1信号経路及び前記第2信号経路を含めた複数種類の信号経路の中から前記所定情報の送信対象の信号経路を選択する経路選択手段を備えていることを特徴とする。
本発明によれば複数の制御手段間における情報の伝送を好適に行うことが可能となる。
第1の実施形態におけるスロットマシンの正面図である。 前面扉を開いた状態を示すスロットマシンの斜視図である。 各リールの図柄配列を示す図である。 表示窓部から視認可能となる図柄と組合せラインとの関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 スロットマシンの電気的構成図である。 主側MPUにて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される通常処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される抽選処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行されるリール制御処理を示すフローチャートである。 サブ側MPUにて実行される周期処理を示すフローチャートである。 サブ側MPUにて実行される非AT中処理を示すフローチャートである。 サブ側MPUにて実行されるAT中処理を示すフローチャートである。 不正なコマンド送信を監視するための電気的構成図である。 主側MPUにて実行されるコマンド送信処理を示すフローチャートである。 通常コマンドデータ及び反転コマンドデータが送信される様子を示すタイムチャートである。 サブ側MPUにて実行されるコマンド受信処理を示すフローチャートである。 XOR処理が実行される様子を説明するための説明図である。 第2の実施形態における不正なコマンド送信を監視するための電気的構成図である。 第1送信回路及び第2送信回路によりコマンドデータが送信される様子を示すタイムチャートである。 (a)第1受信回路における第1コマンド監視の様子を示すフローチャートであり、(b)第2受信回路における第2コマンド監視の様子を示すフローチャートである。 サブ側MPUにて実行されるコマンド受信処理を示すフローチャートである。 第3の実施形態における第1コマンドデータの各単位ビット及び第2コマンドデータの各単位ビットの送信タイミングがそれぞれ異なっている様子を示すタイムチャートである。 (a)受信回路におけるコマンド監視の様子を示すフローチャートであり、(b)サブ側MPUにおけるコマンド受信処理を示すフローチャートである。 (a)第4の実施形態におけるコマンドデータ及び連番データを説明するための説明図であり、(b)主側MPUにおけるコマンド送信処理を示すフローチャートである。 コマンドデータ及び連番データの組合せがコマンドとして送信される様子を示すタイムチャートである。 サブ側MPUにて実行されるコマンド受信処理を示すフローチャートである。 (a)第5の実施形態における主側MPUにて実行される連番データの抽選処理を示すフローチャートであり、(b)サブ側MPUにて実行される連番データの監視処理を示すフローチャートである。 (a)主側MPUにて実行されるコマンド送信処理を示すフローチャートであり、(b)サブ側MPUにて実行されるコマンド受信処理を示すフローチャートである。 (a)主側MPUにて実行される電源立ち上げ処理を示すフローチャートであり、(b)主側MPUにて実行されるコマンド送信処理を示すフローチャートである。 (a)第6の実施形態における主側MPUにて実行される更新間隔の決定処理を示すフローチャートであり、(b)サブ側MPUにて実行される更新間隔の監視処理を示すフローチャートである。 (a)主側MPUにて実行されるコマンド送信処理を示すフローチャートであり、(b)サブ側MPUにて実行されるコマンド受信処理を示すフローチャートである。 第7の実施形態における不正なコマンド送信を監視するための電気的構成図である。 (a)主側MPUにて実行される電源立ち上げ処理を示すフローチャートであり、(b)サブ側MPUにて実行される不使用群データの監視処理を示すフローチャートである。 (a)主側MPUにて実行されるコマンド送信処理を示すフローチャートであり、(b)サブ側MPUにて実行されるコマンド受信処理を示すフローチャートである。 第8の実施形態におけるサブ側MPUにて実行される電源立ち上げ処理を示すフローチャートである。 (a)主側MPUにて実行されるコマンド送信処理を示すフローチャートであり、(b)サブ側MPUにて実行されるコマンド受信処理を示すフローチャートである。 (a)第9の実施形態におけるコマンドデータ、固有IDデータ及び調整値データを説明するための説明図であり、(b−1)主側合計値用エリアを説明するための説明図であり、(b−2)サブ側合計値用エリアを説明するための説明図である。 主側MPUにて実行される電源立ち上げ処理を示すフローチャートである。 サブ側MPUにて実行される電源立ち上げ処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行されるコマンド送信処理を示すフローチャートである。 (a),(b)調整値データの設定態様を説明するための説明図である。 サブ側MPUにて実行されるコマンド受信処理を示すフローチャートである。 第10の実施形態における不正なコマンド送信を監視するための電気的構成図である。 (a)第1送信テーブルを説明するための説明図であり、(b)第2送信テーブルを説明するための説明図である。 (a)主側MPUにて実行される電源立ち上げ処理を示すフローチャートであり、(b)サブ側MPUにて実行される電源立ち上げ処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行されるコマンド送信処理を示すフローチャートである。 第1データ線〜第4データ線及びクロック線を利用してコマンドデータが送信される様子を示すタイムチャートである。 受信回路におけるコマンド監視の様子を示すフローチャートである。 サブ側MPUにおけるコマンド受信処理を示すフローチャートである。 (a)第11の実施形態における主側MPUにて実行される電源立ち上げ処理を示すフローチャートであり、(b)サブ側MPUにて実行される電源立ち上げ処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行されるコマンド送信処理を示すフローチャートである。 サブ側MPUにて実行されるコマンド受信処理を示すフローチャートである。 第12の実施形態における不正なコマンド送信を監視するための電気的構成図である。 (a)第1配列テーブルを説明するための説明図であり、(b)第2配列テーブルを説明するための説明図である。 (a)主側MPUにて実行される電源立ち上げ処理を示すフローチャートであり、(b)サブ側MPUにて実行される電源立ち上げ処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行されるコマンド送信処理を示すフローチャートである。 (a)〜(c)配列パターンの変換処理が行われる様子を説明するための説明図である。 サブ側MPUにて実行されるコマンド受信処理を示すフローチャートである。 第13の実施形態における不正なコマンド送信を監視するための電気的構成図である。 (a)主側MPUにて実行されるコマンド送信処理を示すフローチャートであり、(b)送信回路における送信監視の様子を示すフローチャートである。 一のコマンドデータが複数回送信される様子を示すタイムチャートである。 受信回路におけるコマンド監視の様子を示すフローチャートである。 サブ側MPUにて実行されるコマンド受信処理を示すフローチャートである。 第14の実施形態におけるサブ側MPUにて実行されるコマンド受信処理を示すフローチャートである。
<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるスロットマシンに本発明を適用した場合の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図であり、図2はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図である。
図2に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、複数の木製パネルが固定されることにより、全体として前方に開放された箱状に形成されている。
筐体11の前面側には、前面扉12が取り付けられている。前面扉12はその左側部を回動軸として、筐体11の内部空間を開閉可能とするように筐体11に支持されている。なお、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置13によって開放不能に施錠状態とされており、この施錠状態は、キーシリンダ14への所定のキーによる解錠操作により解除される。
前面扉12の中央部上寄りには、図1に示すように、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル20が設けられている。遊技パネル20には、縦長の3つの表示窓部21L,21M,21Rが横並びとなるように形成されている。表示窓部21L,21M,21Rは透明又は半透明な材質により形成されており、各表示窓部21L,21M,21Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。
図2に示すように、筐体11は仕切り板によりその内部が上下2分割されており、仕切り板の上部にはリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状にそれぞれ形成された左リール32L、中リール32M及び右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓部21L,21M,21Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓部21L,21M,21Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓部21L,21M,21Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
これら各リール32L,32M,32Rは、それぞれが図示しないステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。
図1に示すように、遊技パネル20の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。メダルがベットされているときにこのスタートレバー41が操作されると、各リール32L,32M,32Rが一斉に回転を始める。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるストップボタン42,43,44が設けられている。各ストップボタン42,43,44は停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓部21L,21M,21Rの直下にそれぞれ配置されている。各ストップボタン42,43,44は、左リール32Lが回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となる。
なお、スタートレバー41の操作に基づき各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、各ストップボタン42,43,44の操作に基づき各リール32L,32M,32Rが回転を停止して、メダル付与及び遊技状態の管理といった各種処理の実行が完了するまでが、1回のゲーム(又は遊技回)に相当する。
表示窓部21L,21M,21Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45から投入されたメダルは、図2に示すように、前面扉12の背面に設けられたセレクタ52によって、投入可能時であればホッパ装置53へ導かれ、投入不可時であれば前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口58からメダル受け皿59へと導かれる。なお、ホッパ装置53は、上記有効ライン上にメダルの付与に対応した入賞が成立した場合に、貯留タンクに貯留されたメダルを、メダル排出口58を通じてメダル受け皿59に払い出す機能を有している。
メダル投入口45の下方には、図1に示すように、メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ52内に詰まった際に押される返却ボタン46が設けられている。また、表示窓部21L,21M,21Rの下方左側には、クレジットされた仮想メダルを一度にベット可能な最大分投入するための第1クレジット投入ボタン47と、仮想メダルを一度に2枚投入するための第2クレジット投入ボタン48と、仮想メダルを一度に1枚投入するための第3クレジット投入ボタン49とが設けられている。
スタートレバー41の左側には、精算ボタン51が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算ボタン51を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口58から払い出されるようになっている。
筐体11の内部においてホッパ装置53の左方には、図2に示すように、電源装置54が設けられている。電源装置54には、電源投入時や電源遮断時に操作される電源スイッチ55と、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのリセットボタン56と、スロットマシン10の設定状態を「設定1」から「設定6」の範囲で変更するために操作される設定キー挿入孔57と、を備えている。
<各リール32L,32M,32Rに付されている図柄>
次に、各リール32L,32M,32Rに付されている図柄について説明する。
図3には、左リール32L、中リール32M及び右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ21個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0〜20まで付されているが、これら番号は主制御装置70が表示窓部21L,21M,21Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの20番目)、「リプレイ1」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの15番目)、「リプレイ2」図柄(例えば、左リール32Lの11番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの10番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの9番目)、「リプレイ3」図柄(例えば、左リール32Lの6番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの5番目)の9種類がある。そして、図3に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
図4は、表示窓部21L,21M,21Rの正面図である。各表示窓部21L,21M,21Rは、対応するリールに付された21個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓部21L,21M,21Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rの図柄が視認可能となる位置を結ぶようにして、1本のメインラインMLが設定されている。メインラインMLは、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの下段図柄を結んだラインである。規定数のメダルがベットされた状態で各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、当該メインラインML上に当選役に対応した入賞が成立した場合には、メダルの払い出しという特典、再遊技という特典及び遊技状態の移行という特典のいずれかが付与される。
つまり、本スロットマシン10では、入賞が成立し得るラインとして1本のメインラインMLのみが設定されている。そして、当該メインラインMLは一直線に延びるラインではなく、折り曲げラインとして設定されている。したがって、左リール32Lの上段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの下段図柄を結んだサブラインSL1と、左リール32Lの上段図柄、中リール32Mの上段図柄及び右リール32Rの上段図柄を結んだサブラインSL2と、左リール32Lの中段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの中段図柄を結んだサブラインSL3と、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの下段図柄及び右リール32Rの下段図柄を結んだサブラインSL4と、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの上段図柄を結んだサブラインSL5といった1直線に延びるライン上に、入賞対象となる図柄の組合せが成立したとしても、入賞は成立しない。なお、メインラインMLは1本に限定されることはなく2本、3本、4本又は5本以上であってもよく、このようにメインラインMLが複数設定されている構成においてはベット枚数に応じて有効化されるメインラインMLの数が相違する構成としてもよい。また、メインラインMLが折れ曲がりラインである構成に限定されることはなく、一直線に延びるラインであってもよい。
以下、図5を参照しながら、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典との対応関係を説明する。図5は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典との対応関係を説明するための説明図である。
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1〜第12補填入賞、第1ベル入賞、第2ベル入賞、第1スイカ入賞及び第2スイカ入賞がある。
詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄、「BAR」図柄、「赤7」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかである場合、第1補填入賞〜第9補填入賞のいずれかとなる。また、メインラインML上において左から「赤7」図柄、「ベル」図柄及び「ベル」図柄が停止した場合、第10補填入賞となり、メインラインMLにおいて左から「BAR」図柄、「ベル」図柄及び「ベル」図柄が停止した場合、第11補填入賞となり、メインラインMLにおいて左から「スイカ」図柄、「ベル」図柄及び「ベル」図柄が停止した場合、第12補填入賞となる。第1補填入賞〜第12補填入賞のいずれかとなった場合、3枚ベット時であれば1枚のメダルが払い出され、2枚ベット時であれば2枚のメダルが払い出される。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第1ベル入賞となる。第1ベル入賞となった場合、3枚ベット時であれば4枚のメダルが払い出され、2枚ベット時であれば2枚のメダルが払い出される。
第1ベル入賞となる場合、下段のサブラインSL4において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「ベル」図柄となる。遊技者は、同一の図柄の組合せが一直線のライン上に停止表示されると入賞が成立したと認識し易い。この場合に、第1ベル入賞に際して同一の「ベル」図柄の組合せを停止表示させることにより、メインラインMLにおける入賞成立態様の多様化を図った構成において入賞の発生を遊技者に認識させ易くすることが可能となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかである場合、第2ベル入賞となる。第2ベル入賞となった場合、3枚ベット時であれば9枚のメダルが払い出され、2枚ベット時であれば2枚のメダルが払い出される。
第2ベル入賞となる場合、右上がりのサブラインSL5において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「ベル」図柄となる。これにより、第2ベル入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。また、第2ベル入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるラインはサブラインSL5であり、第1ベル入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL4とは異なる。かかる相違により、同一図柄の組合せが停止表示されたか否かによって入賞の有無を判断する遊技者に対して、第1ベル入賞と第2ベル入賞とを区別させることが可能となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「スイカ」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「スイカ」図柄である場合、第1スイカ入賞となる。第1スイカ入賞となった場合、3枚ベット時であれば4枚のメダルが払い出され、2枚ベット時であれば2枚のメダルが払い出される。
第1スイカ入賞となる場合、右下がりのサブラインSL1において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「スイカ」図柄となり得る。これにより、第1スイカ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。但し、左リール32Lの停止タイミングによっては「スイカ」図柄の組合せが一直線上に停止表示されない。なお、「チェリー」図柄が上段、中段又は下段を通過するタイミングで左リール32Lを停止操作する場合には、第1スイカ入賞に際して、サブラインSL1にて「スイカ」図柄の組合せが停止表示される。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「BAR」図柄及び「赤7」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「スイカ」図柄である場合、第2スイカ入賞となる。第2スイカ入賞となった場合、3枚ベット時であれば4枚のメダルが払い出され、2枚ベット時であれば2枚のメダルが払い出される。
第2スイカ入賞となる場合、下段のサブラインSL4において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「スイカ」図柄となる。これにより、第2スイカ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。また、第2スイカ入賞に際して「スイカ」図柄の組合せが停止表示されるラインはサブラインSL4であり、第1スイカ入賞に際して「スイカ」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL1とは異なる。かかる相違により、同一図柄の組合せが停止表示されたか否かによって入賞の有無を判断する遊技者に対して、第1スイカ入賞と第2スイカ入賞とを区別させることが可能となる。
メダル(又は仮想メダル)をベットすることなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞として、通常リプレイ入賞、第1ベルリプレイ入賞、第2ベルリプレイ入賞、第1チェリーリプレイ入賞、第2チェリーリプレイ入賞、第1特殊リプレイ入賞、第2特殊リプレイ入賞、第1特別リプレイ入賞、第2特別リプレイ入賞及び第3特別リプレイ入賞がある。
詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄、「BAR」図柄、「赤7」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「白7」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかである場合、通常リプレイ入賞となる。
通常リプレイ入賞となる場合、中段のサブラインSL3において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかとなる。これにより、通常リプレイ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄、「BAR」図柄、「赤7」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかである場合、第1ベルリプレイ入賞となる。
第1ベルリプレイ入賞となる場合、上段のサブラインSL2において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「ベル」図柄となる。これにより、第1ベルリプレイ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。また、第1ベルリプレイ入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるラインはサブラインSL2であり、第1ベル入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL4及び第2ベル入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL5とは異なる。かかる相違により、同一図柄の組合せが停止表示されたか否かによって入賞の有無を判断する遊技者に対して、第1ベルリプレイ入賞を第1ベル入賞及び第2ベル入賞に対して区別させることが可能となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「白7」図柄、「赤7」図柄及び「BAR」図柄のいずれかである場合、第2ベルリプレイ入賞となる。
第2ベルリプレイ入賞となる場合、中段のサブラインSL3において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「ベル」図柄となる。これにより、第2ベルリプレイ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。また、第2ベルリプレイ入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるラインはサブラインSL3であり、第1ベル入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL4、第2ベル入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL5及び第1ベルリプレイ入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL2とは異なる。かかる相違により、同一図柄の組合せが停止表示されたか否かによって入賞の有無を判断する遊技者に対して、第2ベルリプレイ入賞を第1ベル入賞、第2ベル入賞及び第1ベルリプレイ入賞に対して区別させることが可能となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「白7」図柄、「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかである場合、第1チェリーリプレイ入賞となる。
第1チェリーリプレイ入賞となる場合、右下がりのサブラインSL1において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「チェリー」図柄となり得る。これにより、第1チェリーリプレイ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。但し、左リール32L又は右リール32Rの停止タイミングによっては「チェリー」図柄の組合せが一直線上に停止表示されない。第1チェリーリプレイ入賞に対応した役に当選した場合、前面扉12に設けられた画像表示装置24にて、チャンス報知として各リール32L,32M,32Rにおいて「チェリー」図柄を停止表示させようとする動機付けとなる演出が実行される。当該演出を確認して「チェリー」図柄を停止表示させようとして各ストップボタン42〜44が停止操作されることにより、サブラインSL1において2個の「チェリー」図柄又は3個の「チェリー」図柄が停止表示され得る。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「白7」図柄、「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかである場合、第2チェリーリプレイ入賞となる。
第2チェリーリプレイ入賞となる場合、上段のサブラインSL2において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「チェリー」図柄となり得る。これにより、第2チェリーリプレイ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。但し、各リール32L,32M,32Rの停止タイミングによっては「チェリー」図柄の組合せが一直線上に停止表示されない。第2チェリーリプレイ入賞に対応した役に当選した場合、前面扉12に設けられた画像表示装置24にて、チャンス報知として各リール32L,32M,32Rにおいて「チェリー」図柄を停止表示させようとする動機付けとなる演出が実行される。当該演出を確認して「チェリー」図柄を停止表示させようとして各ストップボタン42〜44が停止操作されることにより、サブラインSL2において2個の「チェリー」図柄又は3個の「チェリー」図柄が停止表示され得る。また、第2チェリーリプレイ入賞に際して「チェリー」図柄の組合せが停止表示されるラインはサブラインSL2であり、第1チェリーリプレイ入賞に際して「チェリー」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL1とは異なる。かかる相違により、同一図柄の組合せが停止表示されたか否かによって入賞の有無を判断する遊技者に対して、第1チェリーリプレイ入賞と第2チェリーリプレイ入賞とを区別させることが可能となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかである場合、第1特殊リプレイ入賞となる。なお、第1特殊リプレイ入賞となるか否かに関して、中リール32Mの停止図柄は任意である。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかである場合、第2特殊リプレイ入賞となる。
メインラインML上において中リール32Mの停止図柄が「白7」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「白7」図柄である場合、第1特別リプレイ入賞となる。なお、第1特別リプレイ入賞となるか否かに関して、左リール32Lの停止図柄は任意である。
第1特別リプレイ入賞となる場合、右下がりのサブラインSL1及び右上がりのサブラインSL5のそれぞれにおいて各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「白7」図柄となり得る。これにより、第1特別リプレイ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。但し、各リール32L,32M,32Rの停止タイミングによっては「白7」図柄の組合せが一直線上に停止表示されない。第1特別リプレイ入賞に対応した役に当選した場合、前面扉12に設けられた画像表示装置24にて、チャンス報知として各リール32L,32M,32Rにおいて「白7」図柄を停止表示させようとする動機付けとなる演出が実行される。当該演出を確認して「白7」図柄を停止表示させようとして各ストップボタン42〜44が停止操作されることにより、サブラインSL1において3個の「白7」図柄が停止表示され得る。なお、当該演出は、第1特別リプレイ入賞に対応した役に当選していない場合にも実行され得る。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄及び「リプレイ1」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「白7」図柄である場合、第2特別リプレイ入賞となる。
第2特別リプレイ入賞となる場合、上段のサブラインSL2において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「白7」図柄となり得る。また、これ以外にも、下段のサブラインSL4において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「白7」図柄となり得る。これにより、第2特別リプレイ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。但し、各リール32L,32M,32Rの停止タイミングによっては「白7」図柄の組合せが一直線上に停止表示されない。第2特別リプレイ入賞に対応した役に当選した場合、前面扉12に設けられた画像表示装置24にて、チャンス報知として各リール32L,32M,32Rにおいて「白7」図柄を停止表示させようとする動機付けとなる演出が実行される。当該演出を確認して「白7」図柄を停止表示させようとして各ストップボタン42〜44が停止操作されることにより、サブラインSL2又はサブラインSL4において3個の「白7」図柄が停止表示され得る。また、第2特別リプレイ入賞に際して「白7」図柄の組合せが停止表示されるラインはサブラインSL2又はサブラインSL4であり、第1特別リプレイ入賞に際して「白7」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL1及びサブラインSL5とは異なる。かかる相違により、同一図柄の組合せが停止表示されたか否かによって入賞の有無を判断する遊技者に対して、第1特別リプレイ入賞と第2特別リプレイ入賞とを区別させることが可能となる。なお、当該演出は、第2特別リプレイ入賞に対応した役に当選していない場合にも実行され得る。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄、「赤7」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「赤7」図柄である場合、第3特別リプレイ入賞となる。
第3特別リプレイ入賞となる場合、下段のサブラインSL4において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「赤7」図柄となり得る。これにより、第3特別リプレイ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。但し、各リール32L,32M,32Rの停止タイミングによっては「赤7」図柄の組合せが一直線上に停止表示されない。第3特別リプレイ入賞に対応した役に当選した場合、前面扉12に設けられた画像表示装置24にて、チャンス報知として各リール32L,32M,32Rにおいて「赤7」図柄を停止表示させようとする動機付けとなる演出が実行される。当該演出を確認して「赤7」図柄を停止表示させようとして各ストップボタン42〜44が停止操作されることにより、サブラインSL4において3個の「赤7」図柄が停止表示され得る。なお、当該演出は、第3特別リプレイ入賞に対応した役に当選していない場合にも実行され得る。
上記いずれかのリプレイ入賞となった場合、メダル及び仮想メダルの両方についてベットを不要としながら次ゲームの遊技を行うことが可能となる。具体的には、メダルを3枚ベットしたゲームにおいていずれかのリプレイ入賞となった場合、メダル及び仮想メダルの両方についてベットを不要としながら、3枚ベット状態で次ゲームの遊技を開始することが可能となる。また、メダルを2枚ベットしたゲームにおいていずれかのリプレイ入賞となった場合、メダル及び仮想メダルの両方についてベットを不要としながら、2枚ベット状態で次ゲームの遊技を開始することが可能となる。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞として、CB(チャレンジボーナス)入賞がある。詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「赤7」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「BAR」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「BAR」図柄である場合、CB入賞となる。CB入賞が成立した場合には、遊技状態がCB状態に移行する。
CB状態とは、メインラインMLで小役入賞に対応した図柄の組合せが停止すると、当選役の有無に関わらず入賞成立としてメダルの払い出しが行われる遊技状態である。例えば、第1ベル入賞に対応した当選フラグに「1」がセットされていない場合であっても、第1ベル入賞に対応した図柄の組合せがメインラインML上に停止すると、当該第1ベル入賞に対応した枚数のメダルが遊技者に付与される。一方、リプレイ入賞に関しては、抽選で対応する役に当選していることを条件として成立する。
CB状態では、CB状態ではない非CB状態とは異なるリール制御が行われる。非CB状態では、ストップボタン42〜44が操作されてから最大4図柄分まで滑らせることが可能なリール制御が、各リール32L,32M,32Rについて行われる。換言すれば、非CB状態では、ストップボタン42〜44が操作されてから規定時間(190msec)が経過するまでに停止させるリール制御が、各リール32L,32M,32Rについて行われるとも言える。一方、CB状態では、中リール32Mと右リール32Rについて上記リール制御、すなわち通常ゲームと同様のリール制御が行われるが、左リール32Lについて上記リール制御が行われない。左リール32Lについては、左ストップボタン42を操作されてから最大1図柄分までしか滑らせないリール制御が行われる。換言すれば、CBゲーム状態では、左ストップボタン42が操作されてから規定時間より短い規定時間(75msec)が経過するまでに停止させるリール制御が、左リール32Lについて行われるとも言える。
CB状態では、リプレイ入賞に対応した役に当選している場合にはリプレイ入賞が優先され、リプレイ入賞が不可であればいずれかの小役入賞が100%で発生する。また、リプレイ入賞に対応した役に当選していない場合にはいずれかの小役入賞が100%で発生する。この場合に、CB状態では、各ゲームのベット枚数が2枚に定められる。既に説明したとおりベット枚数が2枚である場合、いずれの小役入賞が成立したとしてもメダルの払い出し枚数は2枚となる。したがって、CB状態では小役入賞成立時のメダルの払い出し枚数は2枚のみとなる。また、CB状態においてリプレイ入賞が成立した場合、次のゲームにおけるベット枚数は2枚となる。したがって、CB状態では2枚ベットされた各ゲームにおいて2枚のメダルの払い出し及び2枚ベット状態での再遊技のいずれかが発生することとなり、CB状態においては遊技者の所有メダルの増減が発生しない。当該CB状態は、小役入賞が19回発生した場合に終了する。
なお、CBゲームにおいて、最大1図柄分までしか滑らないリール制御は、左リール32Lに限定されるものではなく、最初に操作されたストップボタンに対応したリールについて最大1図柄分までしか滑らない制御が行われてもよく、予め定められたリールについてのみ最大1図柄分しか滑らないリール制御が行われてもよい。さらには、2番目に操作されたストップボタン又は最後に操作されたストップボタンに対応したリールについて最大1図柄分までしか滑らないリール制御が行われるといったように、ある順番目に操作されたストップボタンに対応したリールについて最大1図柄分しか滑らないリール制御が行われてもよい。
上記のように入賞の態様として小役入賞、リプレイ入賞及びCB入賞が存在しているが、内部抽選の抽選結果にはこれら全ての入賞が発生し得ない外れ結果が存在している。そして、外れ結果となった場合には、中段のサブラインSL3上に「白7」図柄の組合せが停止し得るとともに、中段のサブラインSL3上に「赤7」図柄の組合せが停止し得る。これにより、外れ結果となったことを遊技者に認識させることが可能となる。但し、当該外れ結果となった場合には、メインラインML上には、上記いずれかの入賞に対応した図柄の組合せは停止表示されない。また、外れ結果の場合に「白7」図柄の組合せ又は「赤7」図柄の組合せが停止表示されるラインはサブラインSL3であるため、第1特別リプレイ入賞、第2特別リプレイ入賞及び第3特別リプレイ入賞の場合に「白7」図柄の組合せ又は「赤7」図柄の組合せが停止表示されるサブラインとは異なる。かかる相違により、同一図柄の組合せが停止表示されたか否かによって入賞の有無を判断する遊技者に対して、外れ結果を第1特別リプレイ入賞、第2特別リプレイ入賞及び第3特別リプレイ入賞に対して区別させることが可能となる。
<各種報知及び各種演出を実行するための装置>
次に、各種報知及び各種演出を実行するための装置について説明する。
前面扉12の上部には、図1に示すように、上部ランプ64が設けられているとともに画像表示装置66が設けられており、前面扉12の下部には、スピーカ65が設けられている。上部ランプ64は、スロットマシン10において異常が発生した場合に当該異常に対応した態様で発光制御されるとともに、入賞結果に応じた態様で発光制御される。また、上部ランプ64は、画像表示装置66における表示演出に対応した発光演出が行われるように発光制御される。スピーカ65は左右一対として設けられており、スロットマシン10において異常が発生した場合に当該異常に対応した音又は音声が出力されるように音出力制御されるとともに、入賞結果に対応した音又は音声が出力されるように音出力制御される。また、スピーカ65は、画像表示装置66における表示演出に対応した音出力演出が行われるように音出力制御される。
画像表示装置66は表示面66aを有しており、スロットマシン10において異常が発生した場合には当該異常に対応した画像が当該表示面66aにて表示されるように表示制御される。また、画像表示装置66は、内部抽選における役の当選結果及び各ゲームにおける入賞結果に対応した画像が表示面66aにて表示されるように表示制御される。
<各種制御装置>
スロットマシン10には、各種制御装置が設けられている。
具体的には、図2に示すように、リールユニット31の上方には、主制御装置70が設けられている。当該主制御装置70は、筐体11の背板に取り付けられている。主制御装置70は、主基板が基板ボックスに収容されて構成されている。基板ボックスを開放する場合には、締結状態を解除する必要があり、当該締結状態の解除に際して破壊箇所が生じることとなる。当該破壊箇所の有無を確認することで、基板ボックスが開放されたか否かを簡易的に確認することが可能となる。
スロットマシン10には、主制御装置70以外にもサブ制御装置80が設けられている。サブ制御装置80は、前面扉12において画像表示装置66の後方に重ねて配置されている。サブ制御装置80は、主制御装置70から受信したコマンドに基づき、上部ランプ64、スピーカ65、画像表示装置66、及び可動物ユニット67の制御を実行する。なお、サブ制御装置80は、主制御装置70と同様に、基板ボックス内に制御基板が収容されてなる。
<スロットマシン10の電気的構成>
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図6のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置70は、遊技の主たる制御を司る主制御基板71を具備している。主制御基板71には、MPU72が搭載されている。MPU72には、当該MPU72により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM73と、そのROM73内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM74と、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路75と、割込回路、データ入出力回路、乱数発回路などが内蔵されている。なお、MPU72に対してROM73及びRAM74が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU72には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU72の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップボタン42,43,44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a,43a,44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、各クレジット投入ボタン47,48,49の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ47a,48a,49a、精算ボタン51の操作を検出する精算検出センサ51a、ホッパ装置53の払出検出センサ、リセットボタン56の操作を検出するリセット検出センサ56a、設定キー挿入孔57に設定キーが挿入されたことを検出する設定キー検出センサ57a等の各種センサが接続されており、これら各センサからの信号はMPU72に入力される。
MPU72の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、ホッパ装置53の払出モータ及びサブ制御装置80等が接続されている。各ゲームにおいてはリールユニット31の各リール32L,32M,32Rの回転駆動制御がMPU72により行われるとともに、小役入賞が成立してメダルの払い出しを実行する場合にはホッパ装置53の駆動制御がMPU72により行われる。また、サブ制御装置80には、各ゲームの各タイミングでMPU72からコマンドが送信される。
MPU72の入力側には、電源装置54に設けられた停電監視回路が接続されている(図示略)。電源装置54には、主制御装置70をはじめとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部及び停電監視回路が搭載されており、停電監視回路は、外部電源から電源部に印加されている電圧を監視し、当該電圧が基準電圧以下となった場合にMPU72に停電信号を出力する。MPU72は、停電信号を受信することにより停電時処理を実行し、復電後において停電前の処理状態への復帰を可能とする。また、電源装置54には、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況において電断中電力としてバックアップ電力をRAM74に供給するための電断中電源部が設けられている。これにより、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況であっても、電断中電源部においてバックアップ電力を供給可能な状況(例えば1日や2日)ではRAM74においてデータが記憶保持される。但し、電源装置54に設けられたリセットボタン56を押圧操作した状態でスロットマシン10の電源のON操作を行うことで、RAM74に記憶保持されているデータは初期化される。
サブ制御装置80は、各種報知や各種演出の実行制御を実行するためのサブ制御基板81を具備している。サブ制御基板81には、MPU82が搭載されている。MPU82には、当該MPU82により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM83と、そのROM83内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM84と、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路85と、割込回路、データ入出力回路、乱数発回路などが内蔵されている。
なお、MPU82に対してROM83及びRAM84が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。また、RAM84には、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況において電源装置54の電断中電源部からバックアップ電力が供給され、当該バックアップ電力が供給されている状況(例えば1日や2日)ではRAM84においてデータが記憶保持される。但し、電源装置54に設けられたリセットボタン56を押圧操作した状態でスロットマシン10の電源のON操作を行うことで、RAM84に記憶保持されているデータは初期化される。
MPU82には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU82の入力側には、既に説明したとおり主制御装置70のMPU72が接続されており、当該MPU72から各種コマンドを受信する。MPU82の出力側には、上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66が接続されている。MPU82は、主制御装置70のMPU72から受信したコマンドに基づき、上部ランプ64の発光制御、スピーカ65の音出力制御、及び画像表示装置66の表示制御を実行することで、各種報知や各種演出が行われるようにする。
なお、以下の説明では説明の便宜上、主制御装置70のMPU72、ROM73及びRAM74をそれぞれ主側MPU72、主側ROM73及び主側RAM74といい、サブ制御装置80のMPU82、ROM83及びRAM84をそれぞれサブ側MPU82、サブ側ROM83及びサブ側RAM84という。
<主側MPU72及びサブ側MPU82により実行される処理>
次に、主側MPU72及びサブ側MPU82により実行される処理について説明する。まず、主側MPU72にて実行される基本的な処理の内容について説明する。
かかる主側MPU72の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されたメイン処理の実行後に繰り返し実行される通常処理と、当該通常処理に対して定期的に割り込んで起動されるタイマ割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込み処理を説明し、その後、通常処理を説明する。
<タイマ割込み処理>
図7は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。当該タイマ割込み処理は、例えば1.49msecごとに起動される。
ステップS101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用している主側MPU72内の全レジスタの値を主側RAM74に退避させる。ステップS102では停電フラグに「1」がセットされているか否かを確認し、停電フラグに「1」がセットされているときにはステップS103に進み、停電時処理を実行する。
停電フラグは、電源装置54の停電監視回路からの停電信号が主側MPU72に入力された場合にセットされる。停電時処理では、まずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、主側MPU72のスタックポインタの値を主側RAM74に保存する。その後、主側MPU72の出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時に主側RAM74のデータが正常か否かを判定するための判定値を算出して当該主側RAM74に保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
ステップS102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS104以降の各種処理を行う。すなわち、ステップS104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS105では、主側MPU72自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれのステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS107では、入力ポートに接続された各種センサの状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS108では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ減算処理を行う。ステップS109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS110では、各種コマンドをサブ制御装置80へ送信するコマンド送信処理を行う。ステップS111では、入出力ポートからI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS112では、先のステップS101にて主側RAM74に退避させた各レジスタの値をそれぞれ主側MPU72内の対応するレジスタに復帰させる。その後、ステップS113にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について図8のフローチャートに基づき説明する。
ステップS201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップS202では、開始待ち処理を実行する。開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかのリプレイ入賞が発生したか否かを判定する。いずれかのリプレイ入賞が発生していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。いずれのリプレイ入賞も発生していなかった場合には、精算ボタン51が操作されたか否かを判定し、精算ボタン51が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。メダル返却処理の終了後又は精算ボタン51が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入ボタン47〜49の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入ボタン47〜49の操作との両方が行われていない場合にはそのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップS203ではメダルのベット数が規定数(本実施の形態では「3」又は「2」)に達しているか否かを判定し、ベット数が規定数に達していない場合には、ステップS202の開始待ち処理に戻る。ベット数が規定数に達している場合には、ステップS204にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。
スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップS202の開始待ち処理に戻る。一方、スタートレバー41が操作された場合には、メインラインMLを有効化させた後に、ステップS205にてセレクタ52を制御することによりベット受付を禁止する。その後、ステップS206にて、今回のゲームにおける役の抽選を行うための抽選処理を実行し、ステップS207にて、各リール32L,32M,32Rを駆動制御するためのリール制御処理を実行する。
その後、ステップS208にて、メダル払出処理を実行する。メダル払出処理では、今回のゲームにおいて小役入賞が成立している場合に、当該小役入賞に対応した枚数のメダル又は仮想メダルを遊技者に付与するための処理を実行する。具体的には、仮想メダルを付与する場合には主側RAM74に設けられた仮想メダル用エリアに今回の小役入賞に対応した値を加算し、仮想メダル用エリアの値が最大値に達している場合にはその最大値を超えた数分のメダルがメダル受け皿59に払い出されるようにホッパ装置53を駆動制御する。
その後、ステップS209にて、CB状態処理を実行する。CB状態処理では、CB状態ではない状況においては、CB当選フラグに「1」がセットされている状況下でCB入賞が成立していることを条件として遊技状態をCB状態に移行させる。この際、CB状態処理では、主側RAM74に設けられたベット規定数カウンタの値を非CB状態に対応した「3」からCB状態に対応した「2」に変更する。これにより、通常処理(図8)のステップS203では、ベット数が「2」であるか否かが判定されることとなる。したがって、ベット数が「2」に達していないとスタートレバー41の操作が無効化されるとともに、3枚以上のベットが不可となる。また、CB状態処理では、小役入賞の回数がCB終了条件回数(例えば19回)に達した場合にCB状態を終了させて非CB状態に復帰させる。この際、CB状態処理では、ベット規定数カウンタの値をCB状態に対応した「2」から非CB状態に対応した「3」に変更する。これにより、通常処理(図8)のステップS203では、ベット数が「3」であるか否かが判定されることとなる。したがって、ベット数が「3」に達していないとスタートレバー41の操作が無効化されるとともに、4枚以上のベットが不可となる。CB状態処理を実行した後は、ステップS201の処理に戻る。
以下、ステップS206の抽選処理、及びステップS207のリール制御処理について詳細に説明する。
<抽選処理>
図9は、通常処理(図8)におけるステップS206の抽選処理を示すフローチャートである。
ステップS301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0〜65535の乱数を生成しており、主側MPU72は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値を主側RAM74に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップS302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを主側ROM73から読み出す。本スロットマシン10では、主側MPU72において抽選テーブルが相違する遊技状態として、CB非内部状態と、CB内部後状態と、CB中状態との3種類が存在している。ステップS302では、主側RAM74に設けられた遊技状態に対応したフラグの内容に基づいてスロットマシン10の現在の遊技状態を判別し、遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。具体的には、現在の遊技状態がCB非内部状態である場合には非内部状態用抽選テーブルを選択し、現状の遊技状態がCB内部後状態である場合には内部後状態用抽選テーブルを選択し、現状の遊技状態がCB状態である場合にはCB状態用抽選テーブルを選択する。
また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。内部後状態用抽選テーブルは6段階の設定状態に1対1で対応させて用意されており、ステップS302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い内部後状態用抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い内部後状態用抽選テーブルを選択する。一方、非内部状態用抽選テーブル及びCB用抽選テーブルは全ての設定状態に共通となるように1種類のみ用意されている。
各抽選テーブルについて説明する。まず非内部状態用抽選テーブルについて説明する。非内部状態用抽選テーブルにはインデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには当選となる役がそれぞれ対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。ポイント値PVは、対応する抽選役の当選確率をフリーランカウンタの最大値(「65535」)との関係で定めるものである。
具体的には、IV=1には、第2ベル当選データと、第1補填当選データと、第5補填当選データと、第9補填当選データとが設定されている。IV=1で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に第2ベル入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1補填入賞、第5補填入賞及び第9補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては、第1補填入賞、第5補填入賞及び第9補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。
IV=2には、第2ベル当選データと、第2補填当選データと、第4補填当選データと、第9補填当選データとが設定されている。IV=2で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に第2ベル入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2補填入賞、第4補填入賞及び第9補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては、第2補填入賞、第4補填入賞及び第9補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。
IV=3には、第2ベル当選データと、第2補填当選データと、第6補填当選データと、第7補填当選データとが設定されている。IV=3で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に第2ベル入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2補填入賞、第6補填入賞及び第7補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては、第2補填入賞、第6補填入賞及び第7補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。
IV=4には、第2ベル当選データと、第3補填当選データと、第5補填当選データと、第7補填当選データとが設定されている。IV=4で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に第2ベル入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第3補填入賞、第5補填入賞及び第7補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては、第3補填入賞、第5補填入賞及び第7補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。
IV=5には、第1ベル当選データと、第1補填当選データと、第3補填当選データと、第4補填当選データと、第5補填当選データと、第8補填当選データと、第9補填当選データとが設定されている。IV=5で当選となった場合、第1停止が中リール32Mである場合に第1ベル入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1補填入賞、第3補填入賞、第4補填入賞、第5補填入賞、第8補填入賞及び第9補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては、第1補填入賞、第3補填入賞、第4補填入賞、第5補填入賞、第8補填入賞及び第9補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。この取りこぼしが発生する確率は、IV=1〜4の場合よりも低い。
IV=6には、第1ベル当選データと、第1補填当選データと、第2補填当選データと、第4補填当選データと、第6補填当選データと、第8補填当選データと、第9補填当選データとが設定されている。IV=6で当選となった場合、第1停止が右リール32Rである場合に第1ベル入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1補填入賞、第2補填入賞、第4補填入賞、第6補填入賞、第8補填入賞及び第9補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては、第1補填入賞、第2補填入賞、第4補填入賞、第6補填入賞、第8補填入賞及び第9補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。この取りこぼしが発生する確率は、IV=1〜4の場合よりも低い。
IV=7には、第1スイカ当選データと、第2スイカ当選データと、第10補填当選データと、第11補填当選データと、第12補填当選データとが設定されている。IV=7で当選となった場合、第1停止が左リール32Lである場合に第1スイカ入賞又は第2スイカ入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては、第1スイカ入賞及び第2スイカ入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。また、第1停止が中リール32M又は右リール32Rである場合には、第10補填入賞、第11補填入賞及び第12補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては、第10補填入賞、第11補填入賞及び第12補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。
IV=8には、通常リプレイ当選データが設定されている。IV=8で当選となった場合、各リール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に発生する。
IV=9には、CB当選データが設定されている。IV=9で当選となった場合、各リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なくCB入賞が発生し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングによってはCB入賞が発生しない可能性がある。
非内部状態用抽選テーブルが選択される場合、IV=1の際に当選となる確率、IV=2の際に当選となる確率、IV=3の際に当選となる確率、IV=4の際に当選となる確率は、それぞれ約1/9.3であり、IV=5の際に当選となる確率、及びIV=6の際に当選となる確率は、それぞれ約1/11.6であり、IV=7の際に当選となる確率は約1/66.7であり、IV=8の際に当選となる確率は約1/7であり、IV=9の際に当選となる確率は約1/4.3である。
次に、内部後状態用抽選テーブルについて説明する。内部後状態用抽選テーブルには非内部状態用抽選テーブルと同様にインデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには当選となる役がそれぞれ対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。IV=1〜8に設定されている当選データは、非内部状態用抽選テーブルの場合と同様である。
IV=9には、第1ベルリプレイ当選データと、第1チェリーリプレイ当選データとが設定されている。IV=9で当選となった場合、第1停止が左リール32Lである場合に第1ベルリプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1チェリーリプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。
IV=10には、第2ベルリプレイ当選データと、第1チェリーリプレイ当選データと、第1特殊リプレイ当選データとが設定されている。IV=10で当選となった場合、第1停止が左リール32Lである場合に第2ベルリプレイ入賞又は第1特殊リプレイ入賞が発生する。この場合、第2ベルリプレイ入賞は各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては発生しない可能性があるのに対して、第1特殊リプレイ入賞は各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく発生する。IV=10で当選となり左リール32Lが最初に停止操作された場合、各ストップボタン42〜44の操作タイミングが第2ベルリプレイ入賞の発生を可能とするタイミングである場合には第2ベルリプレイ入賞の発生が優先され、第2ベルリプレイ入賞の発生が不可となるタイミングである場合には第1特殊リプレイ入賞が発生する。また、第1停止が中リール32M又は右リール32Rである場合には、第1チェリーリプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。
IV=11には、第1ベルリプレイ当選データと、第1チェリーリプレイ当選データと、第2特別リプレイ当選データと、第3特別リプレイ当選データとが設定されている。IV=11で当選となった場合、第1停止が左リール32Lである場合に第1ベルリプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。それ以外の場合には第1チェリーリプレイ入賞、第2特別リプレイ入賞又は第3特別リプレイ入賞が発生する。この場合、第2特別リプレイ入賞及び第3特別リプレイ入賞は各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては発生しない可能性があるのに対して、第1チェリーリプレイ入賞は各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく発生する。IV=11で当選となり中リール32M又は右リール32Rが最初に停止操作された場合、各ストップボタン42〜44の操作タイミングが第2特別リプレイ入賞又は第3特別リプレイ入賞の発生を可能とするタイミングである場合には第2特別リプレイ入賞又は第3特別リプレイ入賞の発生が優先され、第2特別リプレイ入賞及び第3特別リプレイ入賞の発生が不可となるタイミングである場合には第1チェリーリプレイ入賞が発生する。
IV=12には、第2ベルリプレイ当選データと、第1チェリーリプレイ当選データと、第1特殊リプレイ当選データと、第2特別リプレイ当選データとが設定されている。IV=12で当選となった場合、第1停止が左リール32Lである場合に第2ベルリプレイ入賞又は第1特殊リプレイ入賞が発生する。この場合、第2ベルリプレイ入賞は各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては発生しない可能性があるのに対して、第1特殊リプレイ入賞は各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく発生する。IV=12で当選となり左リール32Lが最初に停止操作された場合、各ストップボタン42〜44の操作タイミングが第2ベルリプレイ入賞の発生を可能とするタイミングである場合には第2ベルリプレイ入賞の発生が優先され、第2ベルリプレイ入賞の発生が不可となるタイミングである場合には第1特殊リプレイ入賞が発生する。また、第1停止が中リール32M又は右リール32Rである場合には、第1チェリーリプレイ入賞又は第2特別リプレイ入賞が発生する。この場合、第2特別リプレイ入賞は各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては発生しない可能性があるのに対して、第1チェリーリプレイ入賞は各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく発生する。IV=12で当選となり中リール32M又は右リール32Rが最初に停止操作された場合、各ストップボタン42〜44の操作タイミングが第2特別リプレイ入賞の発生を可能とするタイミングである場合には第2特別リプレイ入賞の発生が優先され、第2特別リプレイ入賞の発生が不可となるタイミングである場合には第1チェリーリプレイ入賞が発生する。
IV=13には、第2ベルリプレイ当選データと、第1チェリーリプレイ当選データと、第1特殊リプレイ当選データと、第1特別リプレイ当選データとが設定されている。IV=13で当選となった場合、第1停止が左リール32Lである場合に第2ベルリプレイ入賞又は第1特殊リプレイ入賞が発生する。この場合、第2ベルリプレイ入賞は各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては発生しない可能性があるのに対して、第1特殊リプレイ入賞は各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく発生する。IV=13で当選となり左リール32Lが最初に停止操作された場合、各ストップボタン42〜44の操作タイミングが第2ベルリプレイ入賞の発生を可能とするタイミングである場合には第2ベルリプレイ入賞の発生が優先され、第2ベルリプレイ入賞の発生が不可となるタイミングである場合には第1特殊リプレイ入賞が発生する。また、第1停止が中リール32M又は右リール32Rである場合には、第1チェリーリプレイ入賞又は第1特別リプレイ入賞が発生する。この場合、第1特別リプレイ入賞は各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては発生しない可能性があるのに対して、第1チェリーリプレイ入賞は各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく発生する。IV=13で当選となり中リール32M又は右リール32Rが最初に停止操作された場合、各ストップボタン42〜44の操作タイミングが第1特別リプレイ入賞の発生を可能とするタイミングである場合には第1特別リプレイ入賞の発生が優先され、第1特別リプレイ入賞の発生が不可となるタイミングである場合には第1チェリーリプレイ入賞が発生する。
IV=14には、第1チェリーリプレイ当選データが設定されている。IV=14で当選となった場合、各リール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく第1チェリーリプレイ入賞が確実に発生する。
IV=15には、第2チェリーリプレイ当選データが設定されている。IV=15で当選となった場合、各リール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく第2チェリーリプレイ入賞が確実に発生する。
IV=16には、第1特殊リプレイ当選データと、第2特殊リプレイ当選データとが設定されている。IV=16で当選となった場合、各リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく第1特殊リプレイ入賞又は第2特殊リプレイ入賞が発生する。この場合、第2特殊リプレイ入賞は各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては発生しない可能性があるのに対して、第1特殊リプレイ入賞は各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく発生する。IV=16で当選となった場合、各ストップボタン42〜44の操作タイミングが第2特殊リプレイ入賞の発生を可能とするタイミングである場合には第2特殊リプレイ入賞の発生が優先され、第2特殊リプレイ入賞の発生が不可となるタイミングである場合には第1特殊リプレイ入賞が発生する。
内部後状態用抽選テーブルが選択される場合、IV=1の際に当選となる確率、IV=2の際に当選となる確率、IV=3の際に当選となる確率、IV=4の際に当選となる確率は、それぞれ約1/9.3であり、IV=5の際に当選となる確率、及びIV=6の際に当選となる確率は、それぞれ約1/11.6であり、IV=7の際に当選となる確率は約1/66.7であり、IV=8の際に当選となる確率は約1/2.9であり、IV=9の際に当選となる確率は約1/65であり、IV=10の際に当選となる確率は約1/135であり、IV=11の際に当選となる確率は約1/3277であり、IV=12の際に当選となる確率は約1/1456であり、IV=13の際に当選となる確率は約1/1456であり、IV=14の際に当選となる確率は約1/212であり、IV=15の際に当選となる確率は約1/185であり、IV=16の際に当選となる確率は約1/328であり、IV=1〜16のいずれにも当選とならない外れ結果となる確率は1/65536である。
次に、CB状態用抽選テーブルについて説明する。CB状態用抽選テーブルには、非内部状態用抽選テーブル及び内部後状態用抽選テーブルと同様に、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。当該CB状態用抽選テーブルでは、IV=1として通常リプレイ当選データが設定されているのみであり、それ以外の当選データは設定されていない。また、その当選確率は、内部後状態用抽選テーブルの場合と同一となっている。但し、これに限定されることはなく、内部後状態用抽選テーブルの場合よりも通常リプレイ役の当選確率が高い構成としてもよく、低い構成としてもよい。
CB状態用抽選テーブルには、上記のとおり通常リプレイ役のみが設定されているが、既に説明したとおり、CB状態では通常リプレイ役に当選していない状況では抽選処理の結果に関係なく小役入賞を発生させることが可能であり、さらには通常リプレイ役に当選していない状況ではいずれかの小役入賞が確実に発生するようにリール制御が実行される。したがって、CB状態では、通常リプレイ役に当選している場合には通常リプレイ入賞が確実に発生し、通常リプレイ役に当選していない場合にはいずれかの小役入賞が確実に発生する。
抽選処理(図9)の説明に戻り、ステップS302にて抽選テーブルを選択した後、ステップS303ではインデックス値IVを1とし、続くステップS304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップS305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップS306に進み、そのときのインデックス値IVと対応する当選役のデータを主側RAM74にセットするための当選データの取得処理を実行する。
ステップS305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS307にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS308ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ステップS306の処理を実行した場合、又はステップS308にて否定判定をした場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。この場合には、ステップS309にて抽選結果コマンドを送信対象とするためのデータ設定を行う。抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべくサブ制御装置80に送信されるコマンドであり、当該抽選結果コマンドには役の当否判定の結果に対応したデータが含まれる。ここで送信対象としてデータ設定された抽選結果コマンドはタイマ割込み処理(図7)のステップS110におけるコマンド送信処理にて送信される。その後、ステップS310にて、リール停止制御用の停止情報を設定する停止情報第1設定処理を行い、本抽選処理を終了する。
<リール制御処理>
次に、通常処理(図8)におけるステップS207のリール制御処理について、図10のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、まずステップS401において各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。回転開始処理では、前回の遊技回でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1sec)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技回のためのウエイト時間を再設定するとともに、主側RAM74に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理におけるステップS106のステッピングモータ制御処理にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、主側MPU72は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、各ストップボタン42〜44の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップS402では、ストップボタン42〜44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップボタン42〜44も操作されていない場合には、ストップボタン42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップボタン42〜44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップS403に進み、回転中のリールと対応するストップボタンが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップS402に戻り、ストップボタン42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップS404にて停止指令コマンドを送信対象とするためのデータ設定を行う。停止指令コマンドとは、いずれのストップボタン42〜44が操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべくサブ制御装置80に送信されるコマンドである。ここで送信対象としてデータ設定された停止指令コマンドはタイマ割込み処理(図7)のステップS110におけるコマンド送信処理にて送信される。その後、回転中のリールを停止させるべくステップS405〜ステップS411に示す停止制御処理を行う。
ステップS405では、ストップボタンの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS406では、主側RAM74に格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップボタン42〜44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップS406では、主側RAM74に格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0〜4のいずれかの値を算出する。
その後、ステップS407では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS408では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS409にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップS410では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップS411にて停止情報第2設定処理を行い、ステップS402に戻る。
ここで、停止情報とは、各リール32L,32M,32Rの停止態様を、抽選処理(図9)の結果に対応したものとするための情報であり、当該停止情報を利用することにより、各ストップボタン42〜44が停止操作された場合に基点位置に到達している到達図柄に対するスベリ数(具体的には「0」〜「4」)を算出することが可能となる。当該停止情報としては、各図柄とスベリ数との対応関係を示すスベリ数データが、各抽選結果及び各リール32L,32M,32Rの停止順序に対応させて主側ROM73に予め記憶されている。但し、これに限定されることはなく、各抽選結果及び各リール32L,32M,32Rの停止順序に対応するスベリ数データを、リール32L,32M,32Rの回転中などに導出する構成としてもよい。
上記停止情報を設定するための処理として、抽選処理(図9)のステップS310にて実行される停止情報第1設定処理と、リール制御処理(図10)のステップS411にて実行される停止情報第2設定処理とが存在している。停止情報第1設定処理では、抽選処理結果に応じて停止情報を設定する。この場合に設定される停止情報は、CB非内部状態におけるIV=1〜7であれば、第1停止と入賞役との関係に対応した停止情報を設定し、CB内部後状態におけるIV=1〜7,9〜13であれば第1停止と入賞役との関係に対応した停止情報を設定する。
停止情報第2設定処理では、停止情報第1設定処理又は前回の停止情報第2設定処理にて主側RAM74に格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選データと、リール32L,32M,32Rの停止順序と、停止しているリール32L,32M,32Rの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、CB非内部状態及びCB内部後状態においてIV=1〜7,9〜13の際に当選となった場合に、セットされている当選データと、停止指令を発生させたストップボタン42〜44の操作順序と、停止出目とによって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
ちなみに、第1ベル入賞、第2ベル入賞、通常リプレイ入賞、第1ベルリプレイ入賞、第1チェリーリプレイ入賞、第2チェリーリプレイ入賞又は第1特殊リプレイ入賞に対応した図柄組合せを形成する図柄は、対応する各リール32L,32M,32Rにおいて周回方向に離間される最大の図柄数が4図柄分となるように配置されている。かかる構成において、抽選処理の結果及び各リール32L,32M,32Rの停止順序の組合せが、第1ベル入賞、第2ベル入賞、通常リプレイ入賞、第1ベルリプレイ入賞、第1チェリーリプレイ入賞、第2チェリーリプレイ入賞及び第1特殊リプレイ入賞のいずれかの入賞発生に対応している場合、各ストップボタン42〜44の操作順序に関係なく当該入賞が発生するように停止情報が設定される。
また、CB内部後状態においてはCB当選フラグに「1」がセットされている状況下でいずれかの小役又はリプレイ役に当選することになるが、この場合、その当選に対応した小役入賞又はリプレイ入賞がCB入賞よりも優先されるように停止情報が設定される。例えば、CB内部後状態においてIV=1で当選となった場合、CB入賞を発生させることが可能なタイミングでストップボタン42〜44が操作されたとしても、停止情報との関係で小役入賞が優先されるスベリ数が選択されることで小役入賞が発生してCB入賞は発生しない。また、例えば、CB内部後状態においてリプレイ役に当選となった場合、CB入賞を発生させることが可能なタイミングでストップボタン42〜44が操作されたとしても、停止情報との関係でリプレイ入賞が優先されるスベリ数が選択されることでリプレイ入賞が発生してCB入賞は発生しない。但し、抽選結果が外れ結果となった場合には、CB入賞よりも発生が優先される役が存在しないため、ストップボタン42〜44の操作タイミングによってはCB入賞が発生し得る。
リール制御処理(図10)の説明に戻り、ステップS410にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップS412にて入賞判定処理を実行し、続くステップS413にて当該入賞判定処理の結果に対応したデータを含む入賞結果コマンドをサブ制御装置80への送信対象とするためのデータ設定を行った後に、本リール制御処理を終了する。ここで送信対象としてデータ設定された入賞結果コマンドはタイマ割込み処理(図7)のステップS110におけるコマンド送信処理にて送信される。
入賞判定処理では、左リール32L、中リール32M及び右リール32RのそれぞれにおいてメインラインML上に停止している図柄の種類を把握する。この図柄の種類の把握に際しては、図柄の種類毎に設定されている2バイトデータを主側ROM73から読み出す。そして、図柄組合せの論理演算処理として、各2バイトデータを同一の順番のビット同士でAND処理することで、図柄の組合せに対応した2バイトデータを導出する。この導出した2バイトデータのうちいずれかのビットに入賞データが存在している場合には、当該入賞データに対応した当選フラグに「1」がセットされているか否かを判定し、「1」がセットされていない場合には異常コマンドをサブ制御装置80への送信対象とするためのデータ設定を行う。ここで送信対象としてデータ設定された異常コマンドはタイマ割込み処理(図7)のステップS110におけるコマンド送信処理にて送信される。
サブ側MPU82では、当該異常コマンドを受信することにより、不正入賞に対応した異常報知をスピーカ65及び画像表示装置66により実行する。上記対応した当選フラグに「1」がセットされている場合には、その入賞が小役入賞であればメダル払出処理においてメダル又は仮想メダルの付与を可能とするように払出対象となるメダルの数を主側RAM74の払出対象カウンタにセットする。一方、その入賞がリプレイ入賞であれば、通常処理(図8)における次回のステップS202にて、今回のベット数と同一数のベット設定を可能とするためのフラグ設定処理を実行する。
<サブ側MPU82における各種報知及び各種演出の実行制御>
次に、各種報知及び各種演出を実行するためのサブ側MPU82の処理構成について説明する。
<周期処理>
まず、サブ側MPU82において定期的(例えば2msec周期)に実行される周期処理について、図11のフローチャートを参照しながら説明する。
主側MPU72から新たなコマンドを受信している場合(ステップS501:YES)、ステップS502にて今回受信したコマンドの内容を確認するためのコマンド受信処理を実行する。コマンド受信処理の内容については後に説明する。
周期処理では、CB内部後状態である場合(ステップS503:YES)であってAT中ではない場合(ステップS504:NO)には、ステップS505にて非AT中処理を実行する一方、CB内部後状態である場合(ステップS503:YES)であってAT中である場合(ステップS504:YES)には、ステップS506にてAT中処理を実行する。なお、サブ側MPU82は、主側MPU72からCB役当選に対応した抽選結果コマンドを受信することでCB内部後状態が開始されたことを特定し、CB開始コマンドを受信することでCB内部後状態が終了したことを特定する。
周期処理では、現状の遊技状態に関係なくステップS507にて演出用データの設定処理を実行する。演出用データの設定処理では、各ゲームにおける役の抽選結果又は入賞結果に応じた演出、AT状態の移行期待度を示す演出、及びAT状態の進行状況に応じた演出を、上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて行わせるための処理を実行する。
<非AT中処理>
次に、周期処理(図11)のステップS505にて実行される非AT中処理について、図12のフローチャートを参照しながら説明する。
抽選結果コマンドを受信している場合(ステップS601:YES)、ステップS602にてその抽選結果コマンドに対応した当選役データをサブ側RAM84に書き込む。また、停止指令コマンドを受信している場合(ステップS603:YES)、ステップS604にて、今回のゲームにおける各リール32L,32M,32Rの停止順序を記憶するために停止順序データをサブ側RAM84に書き込む。
入賞結果コマンドを受信している場合(ステップS605:YES)、ステップS606にて、ペナルティ事象が発生したか否かを判定する。ペナルティ事象とは、CB内部後状態であって非AT状態において第1停止として中リール32M又は右リール32Rを停止させるとともに、いずれかの入賞が発生する事象のことである。ペナルティ事象が発生すると、スロットマシン10の設計段階において設定されている非AT状態中のメダルの付与率よりも、実際のメダルの付与率の方が高くなってしまう可能性がある。そこで、ペナルティ事象が発生した場合には、遊技者に不利益を与えることにより、非AT状態中においては第1停止として左リール32Lを停止させることを促すようにしている。
なお、ペナルティ事象が発生した場合には、周期処理(図11)における演出用データの設定処理(ステップS507)にてペナルティ用の表示データが設定されるとともに、ペナルティ用の音データが設定される。これにより、ペナルティ事象が発生したことが遊技者に報知される。
ペナルティ事象が発生した場合には、ステップS607にて、サブ側RAM84に設けられたペナルティカウンタへの加算処理を実行する。当該加算処理では、ペナルティ対応ゲーム数に対応した値である「5」をペナルティカウンタの値に加算する。ペナルティカウンタの値が1以上の場合、ペナルティカウンタの値分だけAT状態への移行が遅延される。なお、ペナルティカウンタの値はAT状態の1実行回の継続ゲーム数である「50」よりも少ない値である「30」を上限として設定されているが、これに限定されることはなく当該上限が設定されていなくてもよい。
ステップS606にて否定判定をした場合には、ステップS608にて移行チャンス管理処理を実行するとともに、ステップS609にて天井ゲーム管理処理を実行する。そして、ステップS610にて入賞対応処理を実行した後に、本非AT中処理を終了する。
移行チャンス管理処理(ステップS608)では、非AT状態において主側MPU72における役の抽選処理にてIV=7,9〜12,14〜16のいずれかにて当選となった場合にAT状態への移行抽選処理を実行する。当該移行抽選処理にて当選となった場合には所定ゲーム数(例えば32ゲーム)に亘って、上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて前兆演出が実行された後にAT状態への移行が発生する。また、移行チャンス管理処理(ステップS608)では、非AT状態において主側MPU72における役の抽選処理にて外れ結果となった場合に、上記前兆演出を実行させた後にAT状態に移行させる。
天井ゲーム管理処理(ステップS609)では、AT状態が前回終了する場合に設定された天井ゲーム数分のゲームがAT状態への新たな移行が発生することなく消化された場合にAT状態に移行させるための処理を実行する。但し、ペナルティカウンタの値が1以上である場合には、ゲームが消化されたとしてもペナルティカウンタの値のみが減算され、天井ゲーム数の消化は発生しない。また、天井ゲーム数の残りゲーム数が32以下となった場合には天井ゲーム前兆状態となり、当該残りゲーム数に亘って、上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて前兆演出が実行された後にAT状態への移行が発生する。
AT状態は1実行回が50ゲームに亘って継続することとなるが、移行チャンス管理処理又は天井ゲーム管理処理にてAT状態への移行設定が行われる場合、実行回の抽選処理が実行される。実行回の抽選処理では、1実行回、2実行回、3実行回、4実行回及び5実行回のいずれかが選択され、その選択された実行回の値が、サブ側RAM84に設けられたAT実行カウンタにセットされる。また、AT状態への移行設定が行われる場合、サブ側RAM84に設けられたATゲームカウンタに1実行回の継続ゲーム数である「50」をセットする。
入賞対応処理(ステップS610)では、今回の入賞役に対応した画像が画像表示装置66にて表示されるようにするための処理を実行するとともに、入賞の発生に対応した音がスピーカ65を通じて出力されるようにするための処理を実行する。
<AT中処理>
次に、周期処理(図11)のステップS506にて実行されるAT中処理について、図13のフローチャートを参照しながら説明する。
抽選結果コマンドを受信している場合(ステップS701:YES)、ステップS702にてその抽選結果コマンドに対応した当選役データをサブ側RAM84に書き込む。そして、第1ベル役又は第2ベル役に当選している場合(ステップS703:YES)、ステップS704にて、第1ベル入賞又は第2ベル入賞の発生を可能とする各ストップボタン42〜44の押し順データを、今回受信している抽選結果コマンドの内容から読み出し、サブ側RAM84に書き込む。つまり、AT状態においては第1ベル役又は第2ベル役に当選した場合には各ストップボタン42〜44の押し順が報知される。これにより、当該AT状態下においては、それ以外の遊技状態の場合よりもメダル付与の期待度が高い。
なお、AT状態において報知された順序で各リール32L,32M,32Rが停止操作されなかったとしても、ベル入賞は発生しないもののそれがペナルティ事象として扱われることはない。つまり、AT状態において報知された順序で各リール32L,32M,32Rが停止操作されなかったとしても、AT状態の終了、AT状態の一時的な中断、及び通常リプレイ役の当選確率の低下といった事象は発生しない。
入賞結果コマンドを受信している場合(ステップS705:YES)、ステップS706にて入賞対応処理を実行する。入賞対応処理では、今回の入賞役に対応した画像が画像表示装置66にて表示されるようにするための処理を実行するとともに、入賞の発生に対応した音がスピーカ65を通じて出力されるようにするための処理を実行する。
その後、ステップS707にてAT中監視処理を実行した後に本AT中処理を終了する。AT中監視処理では、AT状態の継続延長条件が成立したか否かを判定し、当該条件が成立している場合にはAT状態の継続ゲーム数を増加させる。また、AT中監視処理では、AT状態の終了条件が成立したか否かを判定し、当該条件が成立している場合にはAT状態を終了させて非AT状態に復帰させる。
<不正なコマンド送信を監視するための構成>
次に、サブ側MPU82に対して不正なコマンド送信が行われているか否かを監視するための構成について説明する。
不正なコマンド送信について具体的には、既に説明したとおり主側MPU72からサブ側MPU82には複数種類のコマンドが送信される。当該コマンドとしては、抽選結果コマンドと、停止指令コマンドと、入賞結果コマンドと、異常コマンドとが少なくとも挙げられる。サブ側MPU82は、これらコマンドを受信した場合、上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66などを利用して抽選結果や入賞結果に対応した各種演出が実行されるようにするとともに、異常報知が実行されるようにする。また、サブ側MPU82は既に説明したとおり、上記各コマンドの受信結果に基づいて、非AT状態とAT状態との間での遊技状態の移行制御、及びAT状態中におけるストップボタン42〜44の押し順報知制御を実行する。
かかる構成において、主側MPU72からサブ側MPU82へのコマンドの送信経路に対して不正にアクセスしたり、不正な電波をサブ側MPU82に向けて出力することにより、実際には上記各コマンドが主側MPU72から送信されていないにも関わらず、外部の不正装置から上記コマンドをサブ側MPU82に送信する行為が想定される。例えば、非AT状態において入賞結果コマンドが繰り返し送信されると、実際にはゲームが消化されていないも関わらず、サブ側MPU82では天井ゲーム数が消化されたと認識し、短時間でAT状態への移行設定が発生してしまうことが懸念される。これに対して、本スロットマシン10では、かかる不正行為が行われた場合にその不正行為者に対して不正な利益が付与されてしまうことを防止するための構成が採用されている。
図14は、不正なコマンド送信を監視するための電気的な構成を説明するためのブロック図である。
主側MPU72からサブ側MPU82には、シリアル通信でコマンドが送信される。具体的には、主制御基板71とサブ制御基板81とは信号線群91を利用して電気的に接続されており、主側MPU72とサブ側MPU82との間には上記信号線群91、主制御基板71に形成された電気回路92、及びサブ制御基板81に形成された電気回路93によって、信号経路が形成されている。
信号線群91は、シリアルでのコマンドデータを送信するためのデータ線94,95と、コマンドデータに含まれる各単位ビット(具体的には1ビット分のデータ)を識別するためのクロック信号用のクロック線96とからなる。また、これらデータ線94,95及びクロック線96のそれぞれに1対1で対応させて主制御基板71及びサブ制御基板81のそれぞれには電気回路が形成されており、データ線94,95に対応したデータ用の信号経路と、クロック線96に対応したクロック用の信号経路とが形成されている。
データ線94,95(すなわち、データ用の信号経路)は、シリアル通信であるものの1本ではなく複数本、具体的には2本設けられている。各データ線94,95に対しては、一のコマンドを送信する必要が生じた場合に当該一のコマンドデータを利用したデータをそれぞれ個別に送信するための送信設定が行われる。詳細には、一のコマンドを送信する必要が生じた場合、第1データ線94を利用してそのコマンドデータがそのままシリアル通信で送信されるのに対して、第2データ線95を利用してそのコマンドデータを反転させたデータ、すなわち当該コマンドデータの各ビットのデータをそれぞれ2値の範囲で反転させたデータがシリアル通信で送信される。以下、説明の便宜上、第1データ線94を利用して送信されるデータを通常コマンドデータともいい、第2データ線95を利用して送信されるデータを反転コマンドデータともいう。
上記のようにデータ線94,95が複数本設けられた構成において、クロック線96は一本のみ設けられている。したがって、第1データ線94を利用して通常コマンドデータが送信される場合、第2データ線95を利用して反転コマンドデータが送信される場合のいずれであっても、各コマンドデータに含まれる各単位ビットの識別用のクロック信号は、一のクロック線96を利用して送信される。さらに言うと、本スロットマシン10では、第1データ線94を利用した通常コマンドデータの送信と、第2データ線95を利用した反転コマンドデータの送信とが、送信順序が同一の単位ビット同士が同時に送信されるようにして同期させて行われる。
信号線群91は、一対のコネクタ部材間に複数の信号線が並設されたハーネス(コネクタユニット)によって形成されており、各コネクタ部材は主制御基板71及びサブ制御基板81のそれぞれに設けられたコネクタ部材に対して着脱自在な状態で接続されている。ハーネスは、各信号線が第1データ線94、第2データ線95及びクロック線96のいずれに対応しているのかを外観からは識別不可又は識別しづらくなるように形成されている。なお、主制御基板71とサブ制御基板81とが信号線群91のみによって接続されている構成に限定されることはなく、信号経路の途中位置に中継基板が存在している構成としてもよい。
信号線群91を利用したコマンドデータの送信は、主側MPU72に設けられた送信回路97において行われる。つまり、送信回路97は、主側MPU72の制御部において設定されたデータに従って、第1データ線94を利用した通常コマンドデータの送信、第2データ線95を利用した反転コマンドデータの送信、及びクロック線96を利用したクロック信号の送信を同期させて行う。この場合、主側ROM73に設けられたコマンド記憶エリア101から送信対象のコマンドデータが読み出され、その読み出されたコマンドデータが通常コマンドデータとして第1送信用エリア102に書き込まれるとともに、そのコマンドデータを反転させた反転コマンドデータが第2送信用エリア103に書き込まれる。送信回路97は、第1送信用エリア102から通常コマンドデータを読み出して第1データ線94を利用してサブ側MPU82に向けて送信するとともに、第2送信用エリア103から反転コマンドデータを読み出して第2データ線95を利用してサブ側MPU82に向けて送信する。
サブ側MPU82には、信号線群91を利用して送信されたデータを受信するための受信回路98が設けられている。受信回路98は、クロック線96を利用して送信されたクロック信号の受信結果に基づき、第1データ線94を利用して送信された通常コマンドデータ及び第2データ線95を利用して送信された反転コマンドデータの各単位ビットを個別に認識する。そして、受信回路98は、受信した通常コマンドデータをビットデータの受信順序に従ってサブ側RAM84の第1受信用エリア105に書き込むとともに、受信した反転コマンドデータをビットデータの受信順序に従ってサブ側RAM84の第2受信用エリア106に書き込む。サブ側MPU82の制御部は、第1受信用エリア105に書き込まれた通常データコマンドと、第2受信用エリア106に書き込まれた反転データコマンドとを利用して、今回受信したコマンドデータが正規のものであるか否かを判定し、正規のものであると判定した場合には通常コマンドデータを今回受信したコマンドデータとしてサブ側RAM84のコマンド用エリア107に書き込む。
なお、コマンド用エリア107はリングバッファとして設けられている。リングバッファは、複数のコマンドを格納することが可能なバッファであり、書き込みポインタが示すエリアへのコマンドの書き込み処理が実行されるとともに書き込み処理が実行される度に当該書き込みポインタが更新され、読み出しポインタが示すエリアからのコマンドの読み出し処理が実行されるとともに読み出し処理が実行される度に当該読み出しポインタが更新される。なお、読み出しポインタの更新は、周期処理の1処理回においてコマンドの読み出しが行われた場合においてその次の処理回の周期処理が開始された場合に行われる。
<コマンド送信処理>
次に、主側MPU72にて実行されるコマンド送信処理について図15のフローチャートを参照しながら説明する。なお、コマンド送信処理は、タイマ割込み処理(図7)のステップS110にて実行される。
送信すべきコマンドがセットされている場合(ステップS801:YES)には、ステップS802にて送信対象のコマンドデータを主側ROM73のコマンド記憶エリア101から読み出す。続くステップS803ではそのコマンドデータを通常コマンドデータとして主側RAM74の第1送信用エリア102に書き込む。
続くステップS804ではコマンド記憶エリア101から読み出したコマンドデータの各ビットのデータを反転させる。具体的には、「0」がセットされているビットについては2値データの逆側である「1」をセットし、「1」がセットされているビットについては2値データの逆側である「0」となるようにクリアする。その後、ステップS805にて、その各ビットを反転させた反転コマンドデータを主側RAM74の第2送信用エリア103に書き込む。
通常コマンドデータ及び反転コマンドデータが送信される様子を、図16のタイムチャートを参照しながら説明する。図16(a)はクロック信号が送信される様子を示し、図16(b)は通常コマンドデータが送信される様子を示し、図16(c)は反転コマンドデータが送信される様子を示す。
図16(a)に示すように、t1〜t8のタイミングのそれぞれでクロック信号がLOWレベルからHIレベルに切り換えられることで、通常コマンドデータ及び反転コマンドデータのそれぞれで新たな単位ビットのデータが送信されることがサブ側MPU82の受信回路98に対して示される。そして、これらt1〜t8のタイミングのそれぞれでは図16(b)及び図16(c)に示すように通常コマンドデータ及び反転コマンドデータのそれぞれにおいて新たな単位ビットのデータの送信が開始される。この場合、各タイミングにおいて通常コマンドデータと反転コマンドデータとで単位ビットの値は逆となっている。
サブ側MPU82の受信回路98は、第1データ線94を利用して受信した通常コマンドデータの各単位ビットのデータを、受信した順序に従ってサブ側RAM84の第1受信用エリア105に書き込む。これにより、通常コマンドデータが第1受信用エリア105にて記憶されることとなる。また、受信回路98は、第2データ線95を利用して受信した反転コマンドデータの各単位ビットのデータを、受信した順序に従ってサブ側RAM84の第2受信用エリア106に書き込む。これにより、反転コマンドデータが第2受信用エリア106にて記憶されることとなる。
<コマンド受信処理>
次に、サブ側MPU82にて実行されるコマンド受信処理について図17のフローチャートを参照しながら説明する。なお、コマンド受信処理は、周期処理(図11)のステップS502にて実行される。
ステップS901にて、サブ側RAM84の第1受信用エリア105から通常コマンドデータを読み出すとともにサブ側RAM84の第2受信用エリア106から反転コマンドデータを読み出す。その後、ステップS902にて、それら各コマンドデータのうち一方が他方に対して反転させたデータに該当しているか否かを特定するための演算処理を実行する。具体的には、通常コマンドデータ及び反転コマンドデータの対応するビット同士をXOR処理する。この対応するビット同士とは、主側MPU72からの受信順序が同一のビット同士であり、さらに言うと主側MPU72において反転させた関係にあるビット同士である。
XOR処理が実行されることにより、異なる値のビット同士については演算結果が「0」となり、同じ値のビット同士については演算結果が「1」となる。図18(a)〜図18(f)の説明図を参照しながら具体的に説明すると、図18(a)に示すように通常コマンドデータが「01101011」の1バイトのデータであり、図18(b)に示すように反転コマンドデータが「10010100」の1バイトのデータである場合、XOR処理を実行した後のデータは図18(c)に示すように「00000000」となる。この場合、これら通常コマンドデータと反転コマンドデータとは反転させた関係であると言えるため、正規のコマンド送信が行われたことがサブ側MPU82において把握される。
一方、第1データ線94を利用して送信された通常コマンドデータと第2データ線95を利用して送信された反転コマンドデータとが図18(d)及び図18(e)に示すように同一である場合、それらのXOR処理の結果は図18(f)に示すように「11111111」となる。この場合、これら通常コマンドデータと反転コマンドデータとは反転させた関係であると言えないため、不正なコマンド送信が行われたことがサブ側MPU82において把握される。
なお、不正行為が行われる場合、上記のように第1データ線94を利用して送信されたコマンドデータと第2データ線95を利用して送信されたコマンドデータとが同一である場合だけでなく、第1データ線94を利用したコマンド送信及び第2データ線95を利用したコマンド送信のうち一方が行われない場合が想定される。この場合、正規のコマンドデータは8ビットの中に「0」及び「1」のデータの両方を持つように設定されている。したがって、この場合であってもXOR処理の結果は図18(c)のようにならないため、不正なコマンド送信が行われたことがサブ側MPU82において把握される。
コマンド受信処理(図17)では、ステップS902にてXOR処理を実行した結果のデータのうち全てのビットが「0」である場合(ステップS903:YES)、ステップS904にてサブ側RAM84の第1受信用エリア105に格納されている通常コマンドデータをサブ側RAM84のコマンド用エリア107に書き込む。これにより、当該通常コマンドデータがサブ側MPU82におけるその後の処理にて利用される。
一方、ステップS902にてXOR処理を実行した結果のデータのうちいずれか1つのビットに「1」がセットされている場合(ステップS903:NO)、ステップS905にて異常処理を実行する。異常処理では、不正なコマンド送信が行われたことを報知するために、上部ランプ64にて異常報知用の発光を行わせ、スピーカ65から異常報知用の音を出力させ、画像表示装置66にて異常報知用の画像を表示させる。但し、異常処理の態様はこれに限定されることはなく、例えばこれら異常報知のいずれか一つのみを実行する構成としてもよく、スロットマシン10の外部に設けられたホールコンピュータに異常報知用の外部出力を行う構成としてもよい。さらにまた、主側MPU72とサブ側MPU82とが双方向通信可能である構成である場合には、サブ側MPU82から主側MPU72に異常信号が送信されるようにすることで、主側MPU72にて遊技の進行が阻止される構成としてもよい。また、ステップS905の異常処理が実行される場合、当該異常処理の実行の契機となった各コマンドデータはその種類がいずれであるかに関係なくサブ側MPU82におけるその後の処理にて利用されない。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
コマンドデータをシリアル方式で送信するためのデータ線として第1データ線94だけでなく第2データ線95が設けられており、それら各データ線94,95のそれぞれにおいて個別に複数ビットからなる一群のコマンドデータが送信される。これにより、例えば信号出力用の外部装置を不正に接続して抽選結果コマンドや入賞結果コマンドを不正に送信する場合、それら複数のデータ線94,95を利用する各信号経路に対応した信号送信を行う必要が生じる。したがって、当該不正行為を行いづらくさせることが可能となる。
また、コマンドデータの不正送信を行うための一手法として、不正な電波を発生させることによりコマンドデータの送信をサブ側MPU82に誤認識させる行為が想定され、この場合、サブ側MPU82は複数のデータ線を通じて同一の内容のデータを受信した状態となる。これに対して、上記のように一方のデータ線と他方のデータ線とで相互に反転されたコマンドデータを送信することで、上記のような不正な電波の発生を利用したコマンドデータの不正送信に対して好適に対処することが可能となる。
また、送信回路97は、第1データ線94を利用した信号経路を利用して、送信対象として設定された通常コマンドデータの全体を送信する構成であるため、上記のように複数の信号経路を備えて信号の送信態様を複雑化させた構成であっても、サブ側MPU82は一の信号経路のみから通常コマンドデータを受信することが可能となる。よって、サブ側MPU82において通常コマンドデータを利用するための構成が極端に複雑化してしまうことが抑えられる。
第1データ線94及び第2データ線95は一のコネクタユニットとしてまとめて設けられている。これにより、第1データ線94を利用した信号経路及び第2データ線95を利用した信号経路のそれぞれを個別に認識することが難しくなり、結果的に各信号経路のそれぞれに対して個別に不正を施すことが難しくなる。
第1データ線94を利用した信号経路、及び第2データ線95を利用した信号経路のそれぞれに共通させて、クロック線96を利用した信号経路が1個のみ設けられている。これにより、信号経路の数が増加することを抑えながら既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
一のコマンドが送信対象として設定された場合、そのコマンドに対応した通常コマンドデータの各ビットを反転させて反転コマンドデータを生成する。そして、第1データ線94を利用した信号経路を通じて通常コマンドデータが送信されるとともに、第2データ線95を利用した信号経路を通じて反転コマンドデータが送信される。サブ側MPU82は、通常コマンドデータと反転コマンドデータとの対応するビット同士にXOR処理を実行し、全てのビットの値が「0」とならない場合には、今回受信した通常コマンドデータをその後の処理において利用しないようにするとともに異常処理を実行して異常報知が行われるようにする。これにより、サブ側MPU82は不正送信が行われたか否かの特定を通常コマンドデータ及び反転コマンドデータを利用して行うことができるとともに、不正送信が行われたことを特定した場合にはそれに対処することができる。
また、反転コマンドデータは通常コマンドデータの各ビットを反転させることで導出されるデータであるため、不正監視専用のデータを主側ROM73に予め記憶させておく必要が生じない。また、サブ側MPU82は、主側MPU72から受信した2個のコマンドデータを照合することで不正監視を行うことができるため、不正監視専用のデータをサブ側ROM83に予め記憶させておく必要が生じない。
<第1の実施形態の別例>
・通常コマンドデータと反転コマンドデータとの対応関係が正常であるか否かを特定するためにサブ側MPU82にてXOR処理が実行される構成としたが、これに限定されることはなく、他の論理演算処理を利用して対応関係が正常であるか否かを特定する構成としてもよい。
・通常コマンドデータから導出するコマンドデータの種類は反転コマンドデータに限定されることはなく、所定の変換方法に従って導出されるコマンドデータであれば任意である。例えば、通常コマンドデータの各ビットの配列を逆向きの配列とした逆向きコマンドデータを導出し、それを第2データ線95の信号経路を利用して送信する構成としてもよい。この場合であっても、サブ側MPU82は通常コマンドデータと逆向きコマンドデータとの対応関係が正常であるか否かを特定することで、コマンドの送信が不正によるものであるか否かを監視することが可能となる。
・データ線が第1データ線94及び第2データ線95の2本である構成に限定されることはなく、3本以上設けられている構成としてもよい。この場合、通常コマンドデータ及び反転コマンドデータのうち少なくとも一方を2個以上送信する構成としてもよく、反転コマンドデータ以外のコマンドデータを通常コマンドデータから導出し、その導出したコマンドデータを通常コマンドデータ及び反転コマンドデータとともに送信する構成としてもよい。
<第2の実施形態>
本実施形態では不正なコマンド送信を監視するための構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下、本実施形態における不正なコマンド送信を監視するための構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
本実施形態においても上記第1の実施形態と同様に1のコマンドデータに対応したデータを送信するためのデータ線として第1データ線111と第2データ線113とが設けられている。但し、本実施形態では各データ線111,113に1対1で対応させてクロック線112,114が設けられている。これらデータ線111,113及びクロック線112,114のそれぞれに1対1で対応させて主制御基板71及びサブ制御基板81のそれぞれには電気回路が形成されており、各データ線111,113に対応したデータ用の信号経路と、各クロック線112,114に対応したクロック用の信号経路とが形成されている。
これら信号線群110は、一対のコネクタ部材間に複数の信号線が並設されたハーネス(コネクタユニット)によって形成されており、各コネクタ部材は主制御基板71及びサブ制御基板81のそれぞれに設けられたコネクタ部材に対して着脱自在な状態で接続されている。ハーネスは、各信号線が第1データ線111、第1クロック線112、第2データ線113及び第2クロック線114のいずれに対応しているのかを外観からは識別不可又は識別しづらくなるように形成されている。なお、主制御基板71とサブ制御基板81とが信号線群110のみによって接続されている構成に限定されることはなく、信号経路の途中位置に中継基板が存在している構成としてもよい。
第1データ線111及び第1クロック線112を利用したシリアル通信によるコマンドの送信は、主側MPU72に設けられた第1送信回路115により行われる。当該第1送信回路115は、主側ROM73のコマンド記憶エリア101から主側RAM74の送信用エリア119に読み出されたコマンドデータをサブ側MPU82に向けて送信する。第1送信回路115により送信されたコマンドデータは、サブ側MPU82に設けられた第1受信回路117にて受信される。
第2データ線113及び第2クロック線114を利用したシリアル通信によるコマンドの送信は、主側MPU72に設けられた第2送信回路116により行われる。当該第2送信回路116は、上記送信用エリア119に読み出されたコマンドデータをサブ側MPU82に向けて送信する。第2送信回路116により送信されたコマンドデータは、サブ側MPU82に設けられた第2受信回路118にて受信される。
第1送信回路115及び第2送信回路116は共に、主側MPU72の制御部において送信対象として設定されたコマンドデータをそのままサブ側MPU82に向けて送信する。つまり、主側MPU72において一のコマンドデータが送信対象として設定された場合、そのコマンドデータが第1送信回路115によって送信されるとともに第2送信回路116によって送信される。但し、第1送信回路115と第2送信回路116とでコマンドデータに含まれる各単位ビットの送信速度が異なっている。具体的には、第1送信回路115は約32kbpsの送信速度でコマンドデータを送信し、第2送信回路116は約12kbpsの送信速度でコマンドデータを送信する。なお、第1送信回路115と第2送信回路116とで送信速度が異なるのであれば、具体的な送信速度は任意である。
第1送信回路115及び第2送信回路116によりコマンドデータが送信される様子を、図20のタイムチャートを参照しながら説明する。図20(a)は第1クロック線112を利用して第1クロック信号が送信される様子を示し、図20(b)は第1データ線111を利用して第1コマンドデータが送信される様子を示し、図20(c)は第2クロック線114を利用して第2クロック信号が送信される様子を示し、図20(d)は第2データ線113を利用して第2コマンドデータが送信される様子を示す。
図20(a)に示すように、t1〜t8のタイミングのそれぞれで第1クロック信号がLOWレベルからHIレベルに切り換えられることで、第1コマンドデータにおいて新たな単位ビットのデータが送信されることがサブ側MPU82の第1受信回路117に対して示される。そして、これらt1〜t8のタイミングのそれぞれでは図20(b)に示すように第1コマンドデータにおいて新たな単位ビットのデータの送信が開始される。この場合、各単位ビットの送信周期はT1となっている。
一方、図20(c)に示すように、t1,t11〜t17のタイミングのそれぞれで第2クロック信号がLOWレベルからHIレベルに切り換えられることで、第2コマンドデータにおいて新たな単位ビットのデータが送信されることがサブ側MPU82の第2受信回路118に対して示される。そして、これらt1,t11〜t17のタイミングのそれぞれでは図20(d)に示すように第2コマンドデータにおいて新たな単位ビットのデータの送信が開始される。この場合、各単位ビットの送信周期は、第1コマンドデータの場合における送信周期T1よりも長いT2となっている。したがって、第1コマンドデータ及び第2コマンドデータはt1のタイミングで同時に送信が開始されるものの、第1コマンドデータの送信が完了するt8のタイミングよりも後のタイミングであるt17のタイミングで第2コマンドデータの送信が完了する。
<コマンド監視>
次に、サブ側MPU82の第1受信回路117及び第2受信回路118のそれぞれにて実行されるコマンド監視の内容について説明する。まず図21(a)を参照しながら第1受信回路117にて実行される第1コマンド監視の内容について説明する。
第1クロック信号がHIレベルに変化した場合(ステップS1001:YES)、サブ側RAM84に設けられた第1計測用エリア121に、第1受信回路117に内蔵されたリアルタイムクロックの現状のデータを書き込む(ステップS1002)。また、第1コマンドデータにおける現状の単位ビットの値をサブ側RAM84の受信用エリア123に書き込む(ステップS1003)。第1コマンドデータの受信が完了した場合、すなわち第1クロック信号のHIレベルへの変化が8回発生した場合(ステップS1004:YES)、サブ側RAM84に設けられた第1完了判定用フラグ124に「1」をセットする(ステップS1005)。
つまり、第1受信回路117は、第1コマンドデータの各単位ビットを受信した周期を計測するためのデータ設定をサブ側RAM84に対して行うとともに、第1コマンドデータをサブ側MPU82にて利用するためのデータ設定をサブ側RAM84に対して行う。
次に、図21(b)を参照しながら第2受信回路118にて実行される第2コマンド監視の内容について説明する。
第2クロック信号がHIレベルに変化した場合(ステップS1101:YES)、サブ側RAM84に設けられた第2計測用エリア122に、第2受信回路118に内蔵されたリアルタイムクロックの現状のデータを書き込む(ステップS1102)。第2コマンドデータの受信が完了した場合、すなわち第2クロック信号のHIレベルへの変化が8回発生した場合(ステップS1103:YES)、サブ側RAM84に設けられた第2完了判定用フラグ125に「1」をセットする(ステップS1104)。
つまり、第2受信回路118は、第2コマンドデータの各単位ビットを受信した周期を計測するためのデータ設定をサブ側RAM84に対して行うものの、第2コマンドデータをサブ側MPU82にて利用するためのデータ設定を行わない。第1コマンドデータと第2コマンドデータとは同一のコマンドデータであるため、第1コマンドデータを制御用のデータとして利用するためのデータ設定が行われれば、第2コマンドデータについてはこのようなデータ設定が不要となるためである。
<コマンド受信処理>
次に、サブ側MPU82にて実行されるコマンド受信処理について図22のフローチャートを参照しながら説明する。なお、コマンド受信処理は、周期処理(図11)のステップS502にて実行される。
サブ側RAM84の第1完了判定用フラグ124及び第2完了判定用フラグ125のうちいずれか一方に「1」がセットされているものの、両方のフラグに「1」がセットされていない場合(ステップS1201:YES、ステップS1202:NO)、ステップS1203にてその状況が完了監視時間以上に亘って継続したか否かを判定する。その結果、完了監視時間以上に亘って継続したと判定した場合には、ステップS1204にて完了監視異常処理を実行する。
完了監視異常処理では、第1コマンドデータ及び第2コマンドデータの受信が正常に行われなかったことを報知するために、上部ランプ64にて完了異常報知用の発光を行わせ、スピーカ65から完了異常報知用の音を出力させ、画像表示装置66にて完了異常報知用の画像を表示させる。但し、完了監視異常処理の態様はこれに限定されることはなく、例えばこれら完了異常報知のいずれか一つのみを実行する構成としてもよく、スロットマシン10の外部に設けられたホールコンピュータに完了異常報知用の外部出力を行う構成としてもよい。さらにまた、主側MPU72とサブ側MPU82とが双方向通信可能である場合には、サブ側MPU82から主側MPU72に異常信号が送信されるようにすることで、主側MPU72にて遊技の進行が阻止される構成としてもよい。
第1完了判定用フラグ124及び第2完了判定用フラグ125の両方に「1」がセットされている場合(ステップS1202:YES)、ステップS1205にてサブ側RAM84の第1計測用エリア121に記憶された8個のデータから、第1コマンドデータの単位ビットの受信間隔を算出する。既に説明したとおり、第1計測用エリア121には第1クロック信号がHIレベルに変化する度にその時点のリアルタイムクロックのデータが書き込まれるため、第1コマンドデータの受信が完了した場合には第1計測用エリア121に8個の時間データが記憶されている。ステップS1205ではこれら8個の時間データのうち時間的に隣り合う関係のデータ間の差分の時間を算出し、さらにそれら算出した差分の時間の平均を算出することで、上記受信間隔を導出する。同様に、ステップS1206では、サブ側RAM84の第2計測用エリア122に記憶された8個のデータから、第2コマンドデータの単位ビットの受信間隔を算出する。
ステップS1205にて算出した受信間隔及びステップS1206にて算出した受信間隔のそれぞれが、サブ側ROM83の間隔データ記憶エリア127に記憶されている第1コマンドデータ用の受信間隔及び第2コマンドデータ用の受信間隔のそれぞれと一致している場合(ステップS1207:YES)、ステップS1208にてサブ側RAM84の受信用エリア123に記憶されているコマンドデータをサブ側RAM84のコマンド用エリア107に書き込む。これにより、当該コマンドデータがサブ側MPU82におけるその後の処理にて利用される。
一方、ステップS1205にて算出した受信間隔及びステップS1206にて算出した受信間隔のいずれか一方が、サブ側ROM83の間隔データ記憶エリア127に記憶されている第1コマンドデータ用の受信間隔及び第2コマンドデータ用の受信間隔と一致しない場合(ステップS1207:NO)、ステップS1209にて間隔異常処理を実行する。間隔異常処理では、不正なコマンド送信が行われたことを報知するために、上部ランプ64にて間隔異常報知用の発光を行わせ、スピーカ65から間隔異常報知用の音を出力させ、画像表示装置66にて間隔異常報知用の画像を表示させる。但し、間隔異常処理の態様はこれに限定されることはなく、例えばこれら間隔異常報知のいずれか一つのみを実行する構成としてもよく、スロットマシン10の外部に設けられたホールコンピュータに間隔異常報知用の外部出力を行う構成としてもよい。さらにまた、主側MPU72とサブ側MPU82とが双方向通信可能である場合には、サブ側MPU82から主側MPU72に異常信号が送信されるようにすることで、主側MPU72にて遊技の進行が阻止される構成としてもよい。また、ステップS1209の間隔異常処理が実行される場合、当該間隔異常処理の実行の契機となった各コマンドデータはその種類がいずれであるかに関係なくサブ側MPU82におけるその後の処理にて利用されない。
以上詳述した本実施形態によれば、第1データ線111を利用する信号経路に対応させて第1クロック線112を利用する信号経路が設けられているとともに、第2データ線113を利用する信号経路に対応させて第2クロック線114を利用する信号経路が設けられている。これにより、各コマンドデータの単位ビットを送信するタイミングの自由度が高められる。
第1データ線111、第1クロック線112、第2データ線113及び第2クロック線114は一のコネクタユニットとしてまとめて設けられている。これにより、第1データ線111を利用した信号経路及び第2データ線113を利用した信号経路のそれぞれを個別に認識することが難しくなり、結果的に各信号経路のそれぞれに対して個別に不正を施すことが難しくなる。
第1データ線111を利用する信号経路と第2データ線113を利用する信号経路とで単位ビットの送信周期が異なっており、サブ側MPU82は各信号経路から受信する単位ビットの受信周期が正常なものではない場合、今回受信した通常コマンドデータをその後の処理において利用しないようにするとともに異常処理を実行して異常報知が行われるようにする。これにより、例えば各データ用の信号経路のそれぞれに対して同一のコマンドデータを同時に送信する不正が行われた場合にそれを不正送信として特定することができるとともに、当該不正送信に対処することができる。
本構成によれば、単位ビットの送信タイミングとの関係でコマンドデータの送信が不正によるものであるか否かを特定することが可能であるため、一のコマンドデータが送信対象として設定された場合、各信号経路のそれぞれにおいてコマンドデータそのものを送信すればよく、コマンドデータの送信が不正によるものであるか否かを監視するために主側MPU72からコマンドデータとは別のデータを送信する必要が生じない。
<第2の実施形態の別例>
・上記第2の実施形態のように各信号経路を通じて受信するコマンドデータの単位ビットの受信周期が異なる構成において、サブ側MPU82は各信号経路を通じて受信するコマンドデータの単位ビットの受信周期が予め定められた周期であるか否かを個別に特定する構成に代えて、コマンドデータの単位ビットの受信周期が異なる信号経路同士において一致した場合にコマンドデータの送信が不正に行われたと特定する構成としてもよい。
・データ線が第1データ線111及び第2データ線113の2本である構成に限定されることはなく、3本以上設けられている構成としてもよい。この場合、各データ線に対応した信号経路のそれぞれにおいてコマンドデータの単位ビットの送信周期を異ならせる構成とすることで、コマンドデータを不正に送信するためには各信号経路のそれぞれに対応させた送信周期で単位ビットの送信周期を調整する必要が生じ、かかる不正行為を行いづらくなる。
・第1データ線111を利用した信号経路によるコマンドデータの送信期間と、第2データ線113を利用した信号経路によるコマンドデータの送信期間との一部が重複している構成に限定されることはなく、これらコマンドデータの送信期間が重複しない構成としてもよい。この場合、各データ用の信号経路に対して一のクロック用の信号経路を共通させて設けてもよい。
・第1データ線111を利用した信号経路によるコマンドデータの送信期間と、第2データ線113を利用した信号経路によるコマンドデータの送信期間とがそれぞれ固定である構成に限定されることはなく、これら送信期間が順次変更される構成としてもよい。この場合、送信期間が新たに設定された場合にはそれに対応したコマンドが主側MPU72からサブ側MPU82に送信され、サブ側MPU82ではその送信されたコマンドに対応した送信期間を前提として上記第2の実施形態のようにコマンドデータの不正送信を監視する構成としてもよい。また、送信期間が順次変更される変更パターンが主側ROM73及びサブ側ROM83のそれぞれにおいて予め記憶されており、その変更パターンに従って主側MPU72からサブ側MPU82へのコマンドデータの送信が行われるとともに、その変更パターンに従ってサブ側MPU82においてコマンドデータの不正送信の監視が行われる構成としてもよい。また、上記のように順次変更される場合の具体的な構成としては、第1データ線111を利用した信号経路によるコマンドデータの送信期間と、第2データ線113を利用した信号経路によるコマンドデータの送信期間とが、所定数(1又は複数)のコマンドデータが送信される度に交互に切り換えられる構成が挙げられる。
<第3の実施形態>
本実施形態では、上記第2の実施形態と同様に、第1データ線111、第1クロック線112、第2データ線113及び第2クロック線114が設けられており、これら各電気配線111〜114を利用して複数のクロック信号用の信号経路及び複数のコマンドデータ用の信号経路が形成されている。また、主側MPU72の制御部において一のコマンドデータが送信対象として設定された場合には、第1データ線111及び第1クロック線112の組合せを利用してそのコマンドデータが送信されるとともに、第2データ線113及び第2クロック線114の組合せを利用してそのコマンドデータが送信される。
但し、第1コマンドデータの各単位ビット及び第2コマンドデータの各単位ビットの送信タイミングがそれぞれ異なっている。また、上記第2の実施形態ではサブ側MPU82に受信回路が2個設けられていたが本実施形態では受信回路は1個のみとなっており、主側MPU72の第1送信回路115から送信される第1コマンドデータ及び第2送信回路116から送信される第2コマンドデータはいずれも一の受信回路において受信される。
図23のタイムチャートを参照しながら、第1コマンドデータの各単位ビット及び第2コマンドデータの各単位ビットの送信タイミングがそれぞれ異なっている様子を説明する。図23(a)は第1クロック線112を利用して第1クロック信号が送信される様子を示し、図23(b)は第1データ線111を利用して第1コマンドデータが送信される様子を示し、図23(c)は第2クロック線114を利用して第2クロック信号が送信される様子を示し、図23(d)は第2データ線113を利用して第2コマンドデータが送信される様子を示す。
図23(a)に示すように、t1,t3,t5,t7,t9,t11,t13,t15のタイミングのそれぞれで第1クロック信号がLOWレベルからHIレベルに切り換えられることで、第1コマンドデータにおいて新たな単位ビットのデータが送信されることがサブ側MPU82の第1受信回路117に対して示される。そして、これらのタイミングのそれぞれでは図23(b)に示すように第1コマンドデータにおいて新たな単位ビットのデータの送信が開始される。
一方、図23(c)に示すように、t2,t4,t6,t8,t10,t12,t14,t16のタイミングのそれぞれで第2クロック信号がLOWレベルからHIレベルに切り換えられることで、第2コマンドデータにおいて新たな単位ビットのデータが送信されることがサブ側MPU82の第2受信回路118に対して示される。そして、これらのタイミングのそれぞれでは図23(d)に示すように第2コマンドデータにおいて新たな単位ビットのデータの送信が開始される。この場合、各単位ビットの送信周期は、第1コマンドデータの場合における送信周期と同一のTとなっている。但し、第1コマンドデータと第2コマンドデータとで最初の順番の単位ビットが送信されるタイミングが相違していることにより、全ての順番の単位ビットの送信タイミングが第1コマンドデータと第2コマンドデータとで相違している。
<サブ側MPU82の処理>
次に、図24(a)を参照しながら、サブ側MPU82の受信回路にて実行されるコマンド監視の内容について説明する。
第1クロック信号がHIレベルに変化するとともに第2クロック信号がHIレベルに変化した場合(ステップS1301:YES、ステップS1302:YES)、サブ側RAM84に設けられた一致カウンタの値を1加算する(ステップS1303)。一致カウンタは、第1コマンドデータの単位ビットが送信されるタイミングと第2コマンドデータの単位ビットが送信されるタイミングとが一致した回数を計測するためのカウンタである。また、第1クロック信号がHIレベルに変化した場合(ステップS1301:YES)、第2クロック信号が同時にHIレベルに変化しているか否かに関係なく、今回受信した第1コマンドデータの単位ビットをサブ側RAM84の受信用エリア123に書き込む(ステップS1304)。
次に、サブ側MPU82にて実行されるコマンド受信処理について図24(b)のフローチャートを参照しながら説明する。なお、コマンド受信処理は、周期処理(図11)のステップS502にて実行される。
サブ側RAM84の一致カウンタの値が2以上ではない場合(ステップS1311:NO)、ステップS1312にてサブ側RAM84の受信用エリア123に記憶されているコマンドデータをサブ側RAM84のコマンド用エリア107に書き込む。これにより、当該コマンドデータがサブ側MPU82におけるその後の処理にて利用される。
一方、サブ側RAM84の一致カウンタの値が2以上である場合(ステップS1311:YES)、ステップS1313にて異常処理を実行する。異常処理では、不正なコマンド送信が行われたことを報知するために、上部ランプ64にて異常報知用の発光を行わせ、スピーカ65から異常報知用の音を出力させ、画像表示装置66にて異常報知用の画像を表示させる。但し、異常処理の態様はこれに限定されることはなく、例えばこれら異常報知のいずれか一つのみを実行する構成としてもよく、スロットマシン10の外部に設けられたホールコンピュータに異常報知用の外部出力を行う構成としてもよい。さらにまた、主側MPU72とサブ側MPU82とが双方向通信可能である場合には、サブ側MPU82から主側MPU72に異常信号が送信されるようにすることで、主側MPU72にて遊技の進行が阻止される構成としてもよい。また、ステップS1313の異常処理が実行される場合、当該異常処理の実行の契機となった各コマンドデータはその種類がいずれであるかに関係なくサブ側MPU82におけるその後の処理にて利用されない。
以上詳述した本実施形態によれば、各信号経路を利用して送信されるコマンドデータの単位ビットの送信タイミングが全て異なるように、各信号経路において同一のコマンドデータの送信を開始するタイミングが調整される。そして、サブ側MPU82は各信号経路から受信する単位ビットの受信タイミングが一致する場合、コマンドデータの不正送信が行われたものとして、当該コマンドデータをその後の処理において利用しないようにするとともに異常処理を実行して異常報知が行われるようにする。これにより、例えば各データ用の信号経路のそれぞれに対して同一のコマンドデータを同時に送信する不正が行われた場合にそれを不正送信として特定することができるとともに、当該不正送信に対処することができる。
また、本構成の場合、コマンドデータの送信を開始するタイミングとの関係でコマンドデータの送信が不正によるものであるか否かを特定することが可能であるため、一のコマンドデータが送信対象として設定された場合、各信号経路のそれぞれにおいてコマンドデータそのものを送信すればよく、コマンドデータの送信が不正によるものであるか否かを監視するために主側MPU72からコマンドデータとは別のデータを送信する必要が生じない。
また、サブ側MPU82においては各信号経路から同時に単位ビットを受信したか否かを監視するだけでコマンドデータの送信が不正に行われたか否かを特定することができる。これにより、不正監視専用のデータをサブ側ROM83に予め記憶させておく必要が生じない。
<第3の実施形態の別例>
・サブ側MPU82はサブ側RAM84の一致カウンタの値が2以上である場合にコマンドデータの不正送信が行われたと特定する構成に限定されることはなく、各コマンドデータの単位ビットを同時に受信する回数が1回発生した場合に不正送信が行われたと特定する構成としてもよい。また、一致カウンタの値が3以上である場合に不正送信が行われたと特定する構成としてもよい。
<第4の実施形態>
本実施形態では不正なコマンド送信を監視するための構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下、本実施形態における不正なコマンド送信を監視するための構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
本実施形態においても上記第1の実施形態と同様に第1データ線94を利用したデータ用の信号経路と、第2データ線95を利用したデータ用の信号経路とが設けられているとともに、これらデータ用の信号経路に共通させて、クロック線96を利用したクロック用の信号経路が設けられている。但し、本実施形態では一のコマンドを送信する場合に送信対象となったコマンドデータだけでなく付属データも送信される。詳細には、図25(a)の説明図に示すように、1バイトからなるコマンドデータ131と、1バイトからなる連番データ132とを送信する。コマンドデータ131には、主側MPU72の処理の実行内容をサブ側MPU82に認識させるためのデータが設定されている。連番データ132には、主側MPU72及びサブ側MPU82への電力供給の開始後において当該主側MPU72からサブ側MPU82に送信されたコマンドの個数をサブ側MPU82に認識させるためのデータが設定されている。連番データ132においては、8ビットの2進数の値によって10進数の値によるコマンド送信個数が示される。
<コマンド送信処理>
次に、主側MPU72にて実行されるコマンド送信処理について図25(b)のフローチャートを参照しながら説明する。なお、コマンド送信処理は、タイマ割込み処理(図7)のステップS110にて実行される。
送信すべきコマンドがセットされている場合(ステップS1401:YES)であって主側RAM74に設けられた送信対象フラグの値が「0」である場合(ステップS1402:NO)、ステップS1403にて送信対象のコマンドデータを主側ROM73のコマンド記憶エリア101から読み出し、ステップS1404にてそのコマンドデータを第1送信データとして主側RAM74の第1送信用エリア102に書き込む。送信対象フラグは、コマンドデータ及び連番データのそれぞれを第1送信データ及び第2送信データのうちいずれとして設定するのかを主側MPU72にて特定するためのフラグであり、送信対象フラグの値が「0」であればコマンドデータを第1送信データとするとともに連番データを第2送信データとし、送信対象フラグの値が「1」であればコマンドデータを第2送信データとするとともに連番データを第1送信データとする。また、送信対象フラグは主側MPU72への動作電力の供給が新たに開始された場合に「0」クリアされる。また、一のコマンドが主側MPU72からサブ側MPU82に送信される度に、送信対象フラグの値は「0」と「1」との間で交互に切り換えられる。
ステップS1404の処理を実行した後は、ステップS1405にて主側RAM74の連番エリアから連番データを読み出し、ステップS1406にてその連番データを第2送信データとして主側RAM74の第2送信用エリア103に書き込む。連番エリアは、主側MPU72への電力供給が開始された場合に「0」クリアされるとともに主側MPU72から新たなコマンドが送信される度に1加算されるエリアである。
一方、送信すべきコマンドがセットされている場合(ステップS1401:YES)であって主側RAM74の送信対象フラグの値が「1」である場合(ステップS1402:YES)、ステップS1407にて送信対象のコマンドデータを主側ROM73のコマンド記憶エリア101から読み出し、ステップS1408にてそのコマンドデータを第2送信データとして主側RAM74の第2送信用エリア103に書き込む。また、ステップS1409にて主側RAM74の連番エリアから連番データを読み出し、ステップS1410にてその連番データを第1送信データとして主側RAM74の第1送信用エリア102に書き込む。
ステップS1406又はステップS1410の処理を実行した場合には、ステップS1411にて主側RAM74の連番エリアの値を1加算する。この場合、加算後に連番エリアの最大値に達した場合にはその時点で連番エリアを「0」クリアする。その後、ステップS1412にて送信対象フラグの切換処理を実行する。これにより、送信対象フラグの値が「0」であれば当該フラグの値が「1」に切り換えられ、送信対象フラグの値が「1」であれば当該フラグの値が「0」に切り換えられる。
コマンドデータ及び連番データの組合せがコマンドとして主側MPU72からサブ側MPU82に送信される様子を、図26のタイムチャートを参照しながら説明する。図26(a)はクロック信号が送信される様子を示し、図26(b−1)及び図26(b−2)はコマンドデータが第1送信データ及び第2送信データのいずれかとして送信される様子を示し、図26(c−1)及び図26(c−2)は連番データが第1送信データ及び第2送信データのいずれかとして送信される様子を示す。なお、図26においては説明の便宜上、コマンドデータ及び連番データを4ビットのデータとして説明する。
所定のコマンドが送信対象として設定されることにより、図26(a)に示すように、t1〜t4のタイミングのそれぞれでクロック信号がLOWレベルからHIレベルに切り換えられることで、第1送信データ及び第2送信データのそれぞれで新たな単位ビットのデータが送信されることがサブ側MPU82の受信回路98に対して示される。この場合、これらt1〜t4のタイミングのそれぞれで、図26(b−1)に示すようにコマンドデータの単位ビットが第1送信データとして送信され、図26(c−2)に示すように連番データの単位ビットが第2送信データとして送信される。
その後、上記所定のコマンドに対して次のコマンドが送信対象として新たに設定されることにより、図26(a)に示すように、t5〜t8のタイミングのそれぞれでクロック信号がLOWレベルからHIレベルに切り換えられることで、第1送信データ及び第2送信データのそれぞれで新たな単位ビットのデータが送信されることがサブ側MPU82の受信回路98に対して示される。この場合、これらt5〜t8のタイミングのそれぞれで、図26(b−2)に示すようにコマンドデータの単位ビットが第1送信データとして送信され、図26(c−1)に示すように連番データの単位ビットが第2送信データとして送信される。
上記のとおり主側MPU72は一のコマンドをサブ側MPU82に送信する場合、コマンドデータ及び連番データのうち一方を第1送信データとして第1データ線94を利用して送信し、他方を第2送信データとして第2データ線95を利用して送信する。そして、一のコマンドの送信が完了する度に、コマンドデータ及び連番データのうち第1送信データの対象とする側及び第2送信データの対象とする側が交互に切り換わる。
サブ側MPU82の受信回路98は、第1データ線94を利用して受信した第1送信データの各単位ビットのデータを受信した順序に従ってサブ側RAM84の第1受信用エリア105に書き込む。これにより、第1送信データが第1受信用エリア105にて記憶されることとなる。また、受信回路98は、第2データ線95を利用して受信した第2送信データの各単位ビットのデータを受信した順序に従ってサブ側RAM84の第2受信用エリア106に書き込む。これにより、第2送信データが第2受信用エリア106にて記憶されることとなる。
<コマンド受信処理>
次に、サブ側MPU82にて実行されるコマンド受信処理について図27のフローチャートを参照しながら説明する。なお、コマンド受信処理は、周期処理(図11)のステップS502にて実行される。
ステップS1501では、サブ側RAM84に設けられた受信対象フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。受信対象フラグは、コマンドデータ及び連番データのそれぞれが第1送信データ及び第2送信データのうちいずれとして設定されているのかをサブ側MPU82にて特定するためのフラグであり、受信対象フラグの値が「0」であれば第1送信データがコマンドデータであると特定するとともに第2送信データが連番データであると特定し、受信対象フラグの値が「1」であれば第2送信データがコマンドデータであると特定するとともに第1送信データが連番データであると特定する。また、受信対象フラグはサブ側MPU82への動作電力の供給が新たに開始された場合に「0」クリアされる。また、一のコマンドを主側MPU72から受信する度に、受信対象フラグの値は「0」と「1」との間で交互に切り換えられる。
ここで、主側MPU72への動作電力の供給が新たに開始される場合にサブ側MPU82への動作電力の供給が新たに開始されるため、動作電力の供給開始に際して主側RAM74の送信対象フラグとサブ側RAM84の受信対象フラグとは共に「0」クリアされる。また、送信対象フラグの値は主側MPU72から一のコマンドが送信される度に「0」と「1」との間で交互に切り換えられるとともに、受信対象フラグの値は主側MPU72から一のコマンドを受信する度に「0」と「1」との間で交互に切り換えられる。したがって、送信対象フラグの値と受信対象フラグの値とは一致することとなる。
受信対象フラグの値が「0」である場合(ステップS1501:NO)、ステップS1502にてサブ側RAM84の第2受信用エリア106に記憶された第2送信データを今回の連番データとして読み出す。一方、受信対象フラグの値が「1」である場合(ステップS1501:YES)、ステップS1503にてサブ側RAM84の第1受信用エリア105に記憶された第1送信データを今回の連番データとして読み出す。
その後、ステップS1504にて今回受信した連番データが正常であるか否かを判定する。具体的には、サブ側RAM84に設けられた連番監視カウンタの値と、今回受信した連番データの値とが一致しているか否かを判定する。連番監視カウンタは、サブ側MPU82への電力供給が開始された場合に「0」クリアされるとともに主側MPU72から新たなコマンドを受信する度に1加算されるカウンタエリアである。当該連番監視カウンタの値は、主側RAM74に設けられた連番エリアの値と一致することとなる。
今回受信した連番データが正常である場合(ステップS1504:YES)、ステップS1505にてサブ側RAM84の第1受信用エリア105及び第2受信用エリア106のうち今回のコマンドデータが記憶されている側のエリアからコマンドデータを読み出し、そのコマンドデータをサブ側RAM84のコマンド用エリア107に書き込む。この場合、受信対象フラグの値が確認され、その値に対応した側の受信用エリアからコマンドデータを読み出す。これにより、当該コマンドデータがサブ側MPU82におけるその後の処理にて利用される。
一方、今回受信した連番データが異常である場合(ステップS1504:NO)、ステップS1506にて異常処理を実行する。異常処理では、不正なコマンド送信が行われたことを報知するために、上部ランプ64にて異常報知用の発光を行わせ、スピーカ65から異常報知用の音を出力させ、画像表示装置66にて異常報知用の画像を表示させる。但し、異常処理の態様はこれに限定されることはなく、例えばこれら異常報知のいずれか一つのみを実行する構成としてもよく、スロットマシン10の外部に設けられたホールコンピュータに異常報知用の外部出力を行う構成としてもよい。さらにまた、主側MPU72とサブ側MPU82とが双方向通信可能である場合には、サブ側MPU82から主側MPU72に異常信号が送信されるようにすることで、主側MPU72にて遊技の進行が阻止される構成としてもよい。また、ステップS1506の異常処理が実行される場合、当該異常処理の実行の契機となった各コマンドデータはその種類がいずれであるかに関係なくサブ側MPU82におけるその後の処理にて利用されない。
ステップS1505又はステップS1506の処理を実行した後は、ステップS1507にてサブ側RAM84の連番監視カウンタの値を1加算する。この場合、加算後に連番監視カウンタの最大値に達した場合にはその時点で連番監視カウンタを「0」クリアする。なお、連番エリアの最大値と連番監視カウンタの最大値とは同一となっている。その後、ステップS1508にて受信対象フラグの切換処理を実行する。これにより、受信対象フラグの値が「0」であれば当該フラグの値が「1」に切り換えられ、受信対象フラグの値が「1」であれば当該フラグの値が「0」に切り換えられる。
以上詳述した本実施形態によれば、第1データ線94を利用した信号経路及び第2データ線95を利用した信号経路のうち、コマンドデータの送信対象となる信号経路が変更される。そして、サブ側MPU82は、正規ではない側の信号経路からコマンドデータを受信した場合、コマンドデータの不正送信が行われたものとして、当該コマンドデータをその後の処理において利用しないようにするとともに異常処理を実行して異常報知が行われるようにする。これにより、不正行為者にとっては正規の信号経路に対してコマンドデータの不正送信を行う必要が生じるため、コマンドデータを不正に送信して利益を得ようとする行為を阻止することが可能となる。
コマンドデータの送信対象となる信号経路が予め定められた順序に従って順次変更されるとともに、その順序はサブ側MPU82においてコマンドデータの受信回数との関係で把握可能となっている。これにより、主側MPU72においてコマンドデータの送信対象として選択した信号経路を認識させるためのコマンドを主側MPU72からサブ側MPU82に送信しなくても、サブ側MPU82において正規の信号経路を認識することが可能となる。
コマンドデータの送信対象ではない側の信号経路を利用して連番データが送信され、サブ側MPU82は当該連番データが正常であるか否かを特定することで、コマンドデータの不正な送信が行われたか否かを特定する。これにより、サブ側MPU82は、コマンドデータの送信対象ではない側の信号経路から受信したデータが正常の連番データであるか否かを特定することにより、コマンドデータの不正送信が行われたか否かを特定することが可能となる。
コマンドデータが送信される場合には連番データが送信される。そして、この連番データは、主側MPU72への動作電力の供給後においてサブ側MPU82にコマンドデータが送信された回数に対応したデータである。主側MPU72はコマンドデータを送信した回数に対応した連番データをコマンドデータに付加して送信し、サブ側MPU82は自身が計測しているコマンドデータの受信回数が受信した連番データに対応しているか否かを特定することでコマンドデータの不正な送信が行われたか否かを特定する。これにより、コマンドデータの送信回数及び受信回数を主側MPU72及びサブ側MPU82のそれぞれで計測することを通じて不正監視を行うことが可能となる。
<第4の実施形態の別例>
・第1データ線94を利用した信号経路及び第2データ線95を利用した信号経路のうちコマンドデータの送信対象ではない側の信号経路を通じて送信されるデータは、連番データに限定されることはなく、例えばスロットマシン10のメーカ毎、機種毎又はスロットマシン10毎に設定された固有IDデータが送信される構成としてもよい。この場合、当該固有IDデータをサブ側ROM83に予め記憶させておき、コマンドデータの送信対象ではない信号経路から受信したデータが固有IDデータと一致するか否かを特定することで、コマンドデータの不正な送信が行われたか否かを特定する構成としてもよい。
・コマンドデータが1回送信される毎に、コマンドデータの送信対象となる信号経路が変更される構成に限定されることはなく、複数回として定められた切換契機回数分のコマンドデータの送信が行われる毎に、コマンドデータの送信対象となる信号経路が変更される構成としてもよい。また、その切換契機回数が順次変更される構成としてもよい。この場合、切換契機回数が主側MPU72において設定された場合に、その設定した切換契機回数に対応するデータが主側MPU72からサブ側MPU82に送信されるようにし、サブ側MPU82はその受信したデータから切換契機回数を特定する構成とする。また、切換契機回数は主側MPU72への動作電力の供給が開始された場合に設定される構成としてもよく、それに加えて又は代えて、コマンドデータが所定回数送信される毎に切換契機回数が新たに設定される構成としてもよい。
<第5の実施形態>
本実施形態では不正なコマンド送信を監視するための構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下、本実施形態における不正なコマンド送信を監視するための構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
本実施形態においては、上記第1の実施形態と異なり、コマンドデータを送信するためのデータ線は一本のみとなっている。つまり、シリアル通信を行うための信号経路として、クロック線を利用したクロック用の信号経路と、データ線を利用したデータ用の信号経路とが1個ずつ設けられている。また、上記第4の実施形態と同様に、一のコマンドを送信する場合に送信対象となったコマンドデータだけでなく付属データも送信される。詳細には、1バイトからなるコマンドデータ131と、1バイトからなる連番データ132とを送信する(図25(a)参照)。コマンドデータ131には、主側MPU72の処理の実行内容をサブ側MPU82に認識させるためのデータが設定されている。連番データ132には、主側MPU72及びサブ側MPU82への動作電力の供給開始後において当該主側MPU72からサブ側MPU82に送信されたコマンドの個数をサブ側MPU82に認識させるためのデータが設定されている。連番データ132においては、8ビットの2進数の値によって10進数の値によるコマンド送信個数が示される。
連番データ132は、主側MPU72において所定のタイミングで実行される連番データの抽選処理にて不規則に決定され、当該抽選処理にて連番データ132が決定された場合、その後に主側MPU72からサブ側MPU82にコマンドが送信される度にその決定された連番データ132の値に対して1が加算されていく。
連番データの抽選処理について、図28(a)のフローチャートを参照しながら詳細に説明すると、まず加算値の取得処理を実行する(ステップS1601)。主側RAM74には、連番データの取得処理が実行される最短の間隔よりも短い周期(例えば4msec周期)で1加算される加算値用カウンタが設けられている。加算値の取得処理では、その加算値用カウンタに現状格納されている値を読み出す。その後、その読み出した加算値を主側RAM74の連番エリアに現状格納されている値に対して加算する(ステップS1602)。この場合、加算途中で連番エリアの最大値に達した場合にはその時点で連番エリアを「0」クリアし、その後に残りの加算値を加算する。その後、今回取得した加算値のデータが設定された加算値コマンドをサブ側MPU82に送信する(ステップS1603)。なお、当該加算値コマンドの送信に際しては連番エリアに対する1の加算は実行されない。
図28(b)はサブ側MPU82において定期的(例えば2msec周期)に起動される連番データの監視処理を示すフローチャートである。サブ側MPU82は加算値コマンドを受信した場合(ステップS1701:YES)、ステップS1702にて連番監視カウンタの更新処理を実行する。具体的には、加算値コマンドに含まれる加算値のデータを抽出し、その加算値をサブ側RAM84の連番監視カウンタに現状格納されている値に対して加算する。この場合、加算途中で連番監視カウンタの最大値に達した場合にはその時点で連番監視カウンタを「0」クリアし、その後に残りの加算値を加算する。主側RAM74の連番エリアの値とサブ側RAM84の連番監視カウンタの値とは動作電力の供給が新たに開始された場合に同じ値に初期化されるとともに一のコマンドが主側MPU72からサブ側MPU82に送信される度に共に1加算され、さらに連番エリアの最大値と連番監視カウンタの最大値とは同一となっている。そして、上記のとおり同じ加算値が加算されることとなるため、連番エリアの値と連番監視カウンタの値とは常に同じ値となる。
<コマンド送信処理>
次に、主側MPU72にて実行されるコマンド送信処理について図29(a)のフローチャートを参照しながら説明する。なお、コマンド送信処理は、タイマ割込み処理(図7)のステップS110にて実行される。
送信すべきコマンドがセットされている場合(ステップS1801:YES)、ステップS1802にて送信対象のコマンドデータを主側ROM73のコマンド記憶エリア101から読み出し、ステップS1803にて主側RAM74の連番エリアから連番データを読み出す。連番エリアの内容は上記第4の実施形態と同様である。そして、ステップS1804にて、それら読み出したコマンドデータ及び連番データからなる2バイト構成のコマンドを、今回の送信対象のコマンドとして設定する。これにより、主側MPU72の送信回路97は、その設定された2バイトのコマンドを送信する。この場合、コマンドデータが最初に送信され、その後に連番データが送信されることとなるが、これらデータの送信順序は任意である。その後、ステップS1805にて、主側RAM74の連番エリアの値を1加算する。この場合、加算後に連番エリアの最大値に達した場合には連番エリアを「0」クリアする。
サブ側MPU82の受信回路98は、コマンドデータ及び連番データの組合せである一のコマンドを受信した場合、それら2バイトのデータをサブ側RAM84の受信用エリアに書き込む。これにより、コマンドデータ及び連番データが共に受信用エリアにて記憶されることとなる。
<コマンド受信処理>
次に、サブ側MPU82にて実行されるコマンド受信処理について図29(b)のフローチャートを参照しながら説明する。なお、コマンド受信処理は、周期処理(図11)のステップS502にて実行される。
ステップS1901では、サブ側RAM84の受信用エリアに記憶された連番データを読み出す。その後、ステップS1902にて今回受信した連番データが正常であるか否かを判定する。具体的には、サブ側RAM84の連番監視カウンタの値と、今回受信した連番データの値とが一致しているか否かを判定する。連番監視カウンタの内容は上記第4の実施形態と同様である。
今回受信した連番データが正常である場合(ステップS1902:YES)、ステップS1903にてサブ側RAM84の受信用エリアに記憶されたコマンドデータを読み出し、そのコマンドデータをサブ側RAM84のコマンド用エリア107に書き込む。これにより、当該コマンドデータがサブ側MPU82におけるその後の処理にて利用される。
一方、今回受信した連番データが異常である場合(ステップS1902:NO)、ステップS1904にて異常処理を実行する。異常処理では、不正なコマンド送信が行われたことを報知するために、上部ランプ64にて異常報知用の発光を行わせ、スピーカ65から異常報知用の音を出力させ、画像表示装置66にて異常報知用の画像を表示させる。但し、異常処理の態様はこれに限定されることはなく、例えばこれら異常報知のいずれか一つのみを実行する構成としてもよく、スロットマシン10の外部に設けられたホールコンピュータに異常報知用の外部出力を行う構成としてもよい。さらにまた、主側MPU72とサブ側MPU82とが双方向通信可能である場合には、サブ側MPU82から主側MPU72に異常信号が送信されるようにすることで、主側MPU72にて遊技の進行が阻止される構成としてもよい。また、ステップS1904の異常処理が実行される場合、当該異常処理の実行の契機となった各コマンドデータはその種類がいずれであるかに関係なくサブ側MPU82におけるその後の処理にて利用されない。
ステップS1903又はステップS1904の処理を実行した後は、ステップS1905にてサブ側RAM84の連番監視カウンタの値を1加算する。この場合、加算後に連番監視カウンタの最大値に達した場合には連番監視カウンタを「0」クリアする。なお、連番エリアの最大値と連番監視カウンタの最大値とは同一となっている。
以上詳述した本実施形態によれば、コマンドデータが送信される場合には連番データも一緒に送信されるため、例えば信号出力用の外部装置を不正に接続してコマンドデータを不正に送信する場合、それに合わせて連番データも送信する必要が生じる。したがって、当該不正行為を行いづらくさせることが可能となる。また、コマンドデータと連番データとを送信するだけでよいため、主側MPU72においてコマンドデータを送信するための構成が極端に複雑化してしまうことが抑えられる。
連番データは、主側MPU72への動作電力の供給開始後においてサブ側MPU82にコマンドデータが送信された回数に対応したデータである。主側MPU72はコマンドデータを送信した回数に対応した連番データをコマンドデータに付加して送信し、サブ側MPU82は自身が計測しているコマンドデータの受信回数が受信した連番データに対応しているか否かを特定することでコマンドデータの不正な送信が行われたか否かを特定する。これにより、コマンドデータの送信回数及び受信回数を主側MPU72及びサブ側MPU82のそれぞれで計測することを通じて不正監視を行うことが可能となる。
連番データの抽選処理にて加算値が不規則に選択され、その選択された加算値に対応した値に対してコマンドデータの送信に応じた数値の更新が行われる。これにより、連番データを不規則に変化させることが可能となり、不正行為者が正常な連番データを付属させることをより難しくさせることが可能となる。
また、連番データの加算値が選択された場合には、それに対応した加算値コマンドがサブ側MPU82に送信される。これにより、サブ側MPU82において連番データの認識を正常に行うことが可能となる。
<第5の実施形態の別例>
・連番データの抽選処理が実行されるタイミングは任意であるが、例えば図30(a)に示すように主側MPU72への動作電力の供給が新たに開始された場合に起動される電源立ち上げ処理にて実行される構成としてもよい。この場合、復電時用の他の処理(ステップS2001)を実行した後に、連番データの抽選処理(ステップS2002)を実行する。これにより、動作電力の供給が開始された直後から、連番データの値を不規則なものとすることが可能となる。
・動作電力の供給が新たに開始された場合に加えて又は代えて、主側MPU72からサブ側MPU82に新たにコマンドが送信されたことに基づいて、連番データの抽選処理が実行される構成としてもよい。具体的には、図30(b)に示すように、コマンドを送信するための処理(ステップS2101)を実行した後に、主側RAM74に設けられた送信実行カウンタの値を1加算する。当該送信実行カウンタは、主側MPU72からサブ側MPU82に送信されたコマンドの個数を連番エリアとは別に計測するためのカウンタである。そして、その送信実行カウンタの値が抽選実行基準値である「20」となった場合(ステップS2103:YES)、ステップS2104にて連番データの抽選処理を実行する。なお、送信実行カウンタの値はステップS2103にて肯定判定をした場合に「0」クリアされる。このように連番データの抽選処理が実行されることにより、連番データの値を途中で不規則に変化させることが可能となる。
<第6の実施形態>
本実施形態では不正なコマンド送信を監視するための構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下、本実施形態における不正なコマンド送信を監視するための構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
本実施形態においては、上記第1の実施形態と異なり、コマンドデータを送信するためのデータ線は一本のみとなっている。つまり、シリアル通信を行うための信号経路として、クロック線を利用したクロック用の信号経路と、データ線を利用したデータ用の信号経路とが1個ずつ設けられている。また、上記第4の実施形態と同様に、一のコマンドを送信する場合に送信対象となったコマンドデータだけでなく付属データも送信される。詳細には、1バイトからなるコマンドデータ131と、1バイトからなる連番データ132とを送信する(図25(a)参照)。コマンドデータ131には、主側MPU72の処理の実行内容をサブ側MPU82に認識させるためのデータが設定されている。連番データ132には、主側MPU72及びサブ側MPU82への動作電力の供給開始後において当該主側MPU72からサブ側MPU82に送信されたコマンドの個数をサブ側MPU82に認識させるためのデータが設定されている。連番データ132においては、8ビットの2進数の値によって10進数の値によるコマンド送信個数が示される。
連番データ132に含まれるコマンドの送信回数に対応した値は、主側MPU72への動作電力の供給が新たに開始された場合に初期化されて「0」とされ、主側MPU72からコマンドが新たに送信される度に更新される。この場合に、コマンドの新たな送信に対して更新される値は一定ではなく、更新間隔の決定処理にて決定された更新値が利用される。更新間隔の決定処理は、主側MPU72への動作電力の供給が新たに開始された場合に電源立ち上げ処理にて実行される。なお、上記第5の実施形態にて示した図30(b)のフローチャートのように、所定個数のコマンドが送信された場合にも更新間隔の決定処理が実行される構成としてもよい。
更新間隔の決定処理について、図31(a)のフローチャートを参照しながら詳細に説明すると、まず更新値の取得処理を実行する(ステップS2201)。主側RAM74には、更新間隔の決定処理が実行される最短の間隔よりも短い周期(例えば4msec周期)で1加算される更新間隔用カウンタが設けられている。
更新間隔用カウンタは、初期値が「1」として設定されており、最大値が主側RAM74の連番エリアの最大値よりも小さい値となっている。具体的には、連番エリアの最大値は「255」となっているのに対して、更新間隔用カウンタの最大値は「10」となっている。これにより、更新間隔用カウンタの最大値の値で連番エリアの値が更新されたとしても、連番エリアの値が最大値となるためには当該連番エリアの値が複数回更新される必要がある(すなわちコマンドが複数回送信される必要がある)。
更新値の取得処理では、その更新間隔用カウンタに現状格納されている値を読み出す。その後、その読み出した更新間隔を主側RAM74に設けられた更新間隔エリアに書き込む(ステップS2202)。その後、今回取得した更新値のデータが設定された更新間隔コマンドをサブ側MPU82に送信する(ステップS2203)。なお、当該更新間隔コマンドの送信に際しては連番エリアの更新は実行されない。
図31(b)はサブ側MPU82において定期的(例えば2msec周期)に起動される更新間隔の監視処理を示すフローチャートである。サブ側MPU82は更新間隔コマンドを受信した場合(ステップS2301:YES)、ステップS2302にて間隔設定エリアへの設定処理を実行する。具体的には更新間隔コマンドに含まれる更新値のデータを抽出し、その更新値をサブ側RAM84に設けられた間隔設定エリアに書き込む。これにより、主側MPU72から一のコマンドが送信された場合に主側RAM74の連番エリアに加算される値と、主側MPU72から一のコマンドを受信した場合にサブ側RAM84の連番監視カウンタに加算される値とが同一となる。
<コマンド送信処理>
次に、主側MPU72にて実行されるコマンド送信処理について図32(a)のフローチャートを参照しながら説明する。なお、コマンド送信処理は、タイマ割込み処理(図7)のステップS110にて実行される。
送信すべきコマンドがセットされている場合(ステップS2401:YES)、ステップS2402にて送信対象のコマンドデータを主側ROM73のコマンド記憶エリア101から読み出し、ステップS2403にて主側RAM74の連番エリアから連番データを読み出す。連番エリアの内容は上記第4の実施形態と同様である。そして、ステップS2404にて、それら読み出したコマンドデータ及び連番データからなる2バイト構成のコマンドを今回の送信対象として設定する。これにより、主側MPU72の送信回路97は、その送信対象として設定されたコマンドを一のデータ用の信号経路を利用して送信する。この場合、コマンドデータが最初に送信され、その後に連番データが送信されることとなるが、これらデータの送信順序は任意である。
その後、ステップS2405にて、主側RAM74の連番エリアの値を更新する。具体的には、主側RAM74の更新間隔エリアに格納された更新値を読み出し、その更新値を主側RAM74の連番エリアの値に加算する。この場合、加算途中で連番エリアの最大値に達した場合にはその時点で連番エリアを「0」クリアし、その後に残りの更新値を加算する。
サブ側MPU82の受信回路98は、コマンドデータ及び連番データの組合せである一のコマンドを受信した場合、それら2バイトのデータをサブ側RAM84の受信用エリアに書き込む。これにより、コマンドデータ及び連番データが共に受信用エリアにて記憶されることとなる。
<コマンド受信処理>
次に、サブ側MPU82にて実行されるコマンド受信処理について図32(b)のフローチャートを参照しながら説明する。なお、コマンド受信処理は、周期処理(図11)のステップS502にて実行される。
ステップS2501では、サブ側RAM84の受信用エリアに記憶された連番データを読み出す。その後、ステップS2502にて今回受信した連番データが正常であるか否かを判定する。具体的には、サブ側RAM84の連番監視カウンタの値と、今回受信した連番データの値とが一致しているか否かを判定する。連番監視カウンタの内容は上記第4の実施形態と同様である。
今回受信した連番データが正常である場合(ステップS2502:YES)、ステップS2503にてサブ側RAM84の受信用エリアに記憶されたコマンドデータを読み出し、そのコマンドデータをサブ側RAM84のコマンド用エリア107に書き込む。これにより、当該コマンドデータがサブ側MPU82におけるその後の処理にて利用される。
一方、今回受信した連番データが異常である場合(ステップS2502:NO)、ステップS2504にて異常処理を実行する。異常処理では、不正なコマンド送信が行われたことを報知するために、上部ランプ64にて異常報知用の発光を行わせ、スピーカ65から異常報知用の音を出力させ、画像表示装置66にて異常報知用の画像を表示させる。但し、異常処理の態様はこれに限定されることはなく、例えばこれら異常報知のいずれか一つのみを実行する構成としてもよく、スロットマシン10の外部に設けられたホールコンピュータに異常報知用の外部出力を行う構成としてもよい。さらにまた、主側MPU72とサブ側MPU82とが双方向通信可能である場合には、サブ側MPU82から主側MPU72に異常信号が送信されるようにすることで、主側MPU72にて遊技の進行が阻止される構成としてもよい。また、ステップS2504の異常処理が実行される場合、当該異常処理の実行の契機となったコマンドデータはその種類がいずれであるかに関係なくサブ側MPU82におけるその後の処理にて利用されない。
ステップS2503又はステップS2504の処理を実行した後は、ステップS2505にてサブ側RAM84の連番監視カウンタの値を更新する。具体的には、サブ側RAM84の間隔設定エリアに格納された更新値を読み出し、その更新値をサブ側RAM84の連番監視カウンタの値に加算する。この場合、加算途中で連番監視カウンタの最大値に達した場合にはその時点で連番監視カウンタを「0」クリアし、その後に残りの更新値を加算する。
以上詳述した本実施形態によれば、一のコマンドデータが送信される場合に連番エリアに加算される値が不規則に決定される。この場合、連番データを不正に把握しようとすると、主側MPU72からのコマンドデータの送信回数を単に計測するだけでは不十分であり、その更新間隔までも把握する必要が生じる。これにより、不正行為者が正常な連番データを付属させることをより難しくさせることが可能となる。
また、連番エリアの更新間隔が設定された場合には、それに対応した更新間隔コマンドがサブ側MPU82に送信される。これにより、サブ側MPU82において連番エリアの更新間隔の認識を正常に行うことが可能となる。
<第6の実施形態の別例>
・主側MPU72において更新間隔の決定処理が実行されるタイミングは任意であり、例えば主側MPU72への動作電力の供給が開始された場合に実行される構成としてもよい。また、コマンドデータの送信が決定契機回数行われた場合に、更新間隔の決定処理が実行される構成としてもよい。
<第7の実施形態>
本実施形態では不正なコマンド送信を監視するための構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下、本実施形態における不正なコマンド送信を監視するための構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
本実施形態においては、上記第1の実施形態と異なり、コマンドデータを送信するためのデータ線は一本のみとなっている。つまり、シリアル通信を行うための信号経路として、クロック線を利用したクロック用の信号経路と、データ線を利用したデータ用の信号経路とが1個ずつ設けられている。また、上記第4の実施形態と同様に、一のコマンドを送信する場合に送信対象となったコマンドデータだけでなく付属データも送信する。詳細には、1バイトからなるコマンドデータ131と、1バイトからなる連番データ132とを送信する(図25(a)参照)。コマンドデータ131には、主側MPU72の処理の実行内容をサブ側MPU82に認識させるためのデータが設定されている。連番データ132には、主側MPU72及びサブ側MPU82への動作電力の供給開始後において当該主側MPU72からサブ側MPU82に送信されたコマンドの個数をサブ側MPU82に認識させるためのデータが設定されている。連番データ132においては、8ビットの2進数の値によって10進数の値によるコマンド送信個数が示される。
ここで、本実施形態では連番データのうち使用しない数値が主側MPU72において定められ、その不使用の数値が使用された場合にはサブ側MPU82において異常なコマンド送信が行われたと特定する。この異常監視を行うための電気的な構成について図33の説明図を参照しながら説明する。
図33に示すように主側ROM73には、各種コマンドデータが記憶されたコマンド記憶エリア101とは別に不使用群記憶エリア141が設けられている。不使用群記憶エリア141には、不使用とする複数の連番データが予め定められた不使用群テーブルが複数記憶されている。具体的には、第1不使用群テーブルと第2不使用群テーブルと第3不使用群テーブルと第4不使用群テーブルとが予め記憶されている。これら不使用群テーブルは、不使用とする連番データの少なくとも一部が異なっている。例えば第1不使用群テーブルには「0〜255」の連番データのうち5の倍数の値が不使用とする連番データとして設定されており、第2不使用群テーブルには「0〜255」の連番データのうち6の倍数の値が不使用とする連番データとして設定されており、第3不使用群テーブルには「0〜255」の連番データのうち7の倍数の値が不使用とする連番データとして設定されており、第4不使用群テーブルには「0〜255」の連番データのうち8の倍数の値が不使用とする連番データとして設定されている。主側RAM74には、送信対象のコマンドデータ及び連番データを記憶するための送信用エリア142とは別に、主側ROM73の不使用群記憶エリア141から読み出した不使用群テーブルを記憶するための不使用群テーブル記憶エリア143が設けられている。
サブ側ROM83には、主側ROM73と同様に不使用群記憶エリア145が設けられている。不使用群記憶エリア145には、主側ROM73の不使用群記憶エリア141と同様に、第1不使用群テーブルと第2不使用群テーブルと第3不使用群テーブルと第4不使用群テーブルとが予め記憶されている。これら各不使用群テーブルの内容は、主側ROM73の不使用群記憶エリア141に記憶されている各不使用群テーブルの内容と同一である。サブ側RAM84には、受信したコマンドデータ及び連番データを記憶するための受信用エリア146、及びその受信用エリア146に記憶されたコマンドデータを利用対象として記憶するコマンド用エリア107とは別に、サブ側ROM83の不使用群記憶エリア145から読み出した不使用群テーブルを記憶するための不使用群テーブル記憶エリア147が設けられている。
主側MPU72は、動作電力の供給が新たに開始された場合に不使用群テーブルを読み出す。具体的には、図34(a)のフローチャートに示すように、復電時用の他の処理(ステップS2601)を実行した後に、不使用群テーブルの抽選処理(ステップS2602)を実行する。具体的には、主側RAM74には抽選用カウンタが設けられており、当該抽選用カウンタの値は主側MPU72に動作電力が供給されている状況において定期的(例えば4msec)に更新される。また、主側RAM74の抽選用カウンタの値は主側RAM74にバックアップ用電力が供給されている間は記憶保持されるとともに主側RAM74の初期化に際して初期化の対象から除外される。不使用群テーブルの抽選処理では、その抽選用カウンタの現状の値を読み出し、その読み出した値に対応した不使用群テーブルを今回の使用対象として特定する。そして、その特定した不使用群テーブルを主側ROM73の不使用群記憶エリア141から読み出して主側RAM74の不使用群テーブル記憶エリア143に書き込む(ステップS2603)。その後、今回読み出した不使用群テーブルの種類のデータが設定された不使用群コマンドをサブ側MPU82に送信する(ステップS2604)。なお、当該不使用群コマンドの送信に際しては連番エリアの更新は実行されない。
図34(b)はサブ側MPU82において定期的(例えば2msec周期)に起動される不使用群データの監視処理を示すフローチャートである。サブ側MPU82は不使用群コマンドを受信した場合(ステップS2701:YES)、ステップS2702にて、その不使用群コマンドに対応した不使用群テーブルをサブ側ROM83の不使用群記憶エリア145から読み出し、サブ側RAM84の不使用群テーブル記憶エリア147に書き込む。これにより、主側MPU72において参照される不使用群テーブルの種類と、サブ側MPU82において参照される不使用群テーブルの種類とが同一となる。
<コマンド送信処理>
次に、主側MPU72にて実行されるコマンド送信処理について図35(a)のフローチャートを参照しながら説明する。なお、コマンド送信処理は、タイマ割込み処理(図7)のステップS110にて実行される。
送信すべきコマンドがセットされている場合(ステップS2801:YES)、ステップS2802にて送信対象のコマンドデータを主側ROM73のコマンド記憶エリア101から読み出し、ステップS2803にて主側RAM74の連番エリアから連番データを読み出す。連番エリアの内容は上記第4の実施形態と同様である。そして、ステップS2804にて、それら読み出したコマンドデータ及び連番データからなる2バイト構成のコマンドを今回のコマンドとしてサブ側MPU82に送信されるようにする。これにより、主側MPU72の送信回路97は、その2バイトのコマンドを一のデータ用の信号経路を利用して送信する。この場合、コマンドデータが最初に送信され、その後に連番データが送信されることとなるが、これらデータの送信順序は任意である。
その後、ステップS2805にて、主側RAM74の連番エリアの値を1加算する。そして、ステップS2806にて、その1加算後の連番エリアの値が主側RAM74の不使用群テーブル記憶エリア143に読み出されている不使用群テーブルに含まれる値に該当しているか否かを判定する。該当している場合には、ステップS2805に戻り連番エリアの値を再度1加算する。そして、連番エリアの値が現状の不使用群テーブルに含まれる値に該当しなくなった場合に、本コマンド送信処理を終了する。
サブ側MPU82の受信回路98は、コマンドデータ及び連番データの組合せである一のコマンドを受信した場合、それら2バイトのデータをサブ側RAM84の受信用エリアに書き込む。これにより、コマンドデータ及び連番データが共に受信用エリアにて記憶されることとなる。
<コマンド受信処理>
次に、サブ側MPU82にて実行されるコマンド受信処理について図35(b)のフローチャートを参照しながら説明する。なお、コマンド受信処理は、周期処理(図11)のステップS502にて実行される。
ステップS2901では、サブ側RAM84の受信用エリアに記憶された連番データを読み出す。その後、ステップS2902にて今回受信した連番データが正常であるか否かを判定する。具体的には、サブ側RAM84の連番監視カウンタの値と、今回受信した連番データの値とが一致しているか否かを判定する。連番監視カウンタの内容は上記第4の実施形態と同様である。
今回受信した連番データが正常である場合(ステップS2902:YES)、ステップS2903にて、今回受信した連番データが、サブ側RAM84の不使用群テーブル記憶エリア147に読み出されている不使用群テーブルの値と一致するか否かを判定する。不使用群テーブルの値と一致しない場合(ステップS2903:NO)、ステップS2904にてサブ側RAM84の受信用エリアに記憶されたコマンドデータを読み出し、そのコマンドデータをサブ側RAM84のコマンド用エリア107に書き込む。これにより、当該コマンドデータがサブ側MPU82におけるその後の処理にて利用される。
一方、今回受信した連番データが正常ではない場合(ステップS2902:NO)、又は不使用群テーブルの値と一致する場合(ステップS2903:YES)、ステップS2905にて異常処理を実行する。異常処理では、不正なコマンド送信が行われたことを報知するために、上部ランプ64にて異常報知用の発光を行わせ、スピーカ65から異常報知用の音を出力させ、画像表示装置66にて異常報知用の画像を表示させる。但し、異常処理の態様はこれに限定されることはなく、例えばこれら異常報知のいずれか一つのみを実行する構成としてもよく、スロットマシン10の外部に設けられたホールコンピュータに異常報知用の外部出力を行う構成としてもよい。さらにまた、主側MPU72とサブ側MPU82とが双方向通信可能である場合には、サブ側MPU82から主側MPU72に異常信号が送信されるようにすることで、主側MPU72にて遊技の進行が阻止される構成としてもよい。また、ステップS2905の異常処理が実行される場合、当該異常処理の実行の契機となったコマンドデータはその種類がいずれであるかに関係なくサブ側MPU82におけるその後の処理にて利用されない。
ステップS2904又はステップS2905の処理を実行した後は、ステップS2906にてサブ側RAM84の連番監視カウンタの値を更新する。この場合、連番監視カウンタの値を1加算し、その結果の値がサブ側RAM84の不使用群テーブル記憶エリア147に読み出されている不使用群テーブルの値と一致する場合には再度、連番監視カウンタの値を1加算する。そして、その結果の値が当該不使用群テーブルの値と一致しない場合には今回の更新処理を終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、主側MPU72は主側RAM74の不使用群テーブル記憶エリア143に読み出された不使用群テーブルに設定されている値を除外するようにして連番エリアの更新を行う。そして、サブ側MPU82は不使用群テーブルの値と一致する連番データを受信した場合、受信したコマンドデータをその後の処理にて利用しないようにするとともに異常処理を実行することで異常報知が実行されるようにする。かかる構成においてコマンドデータの不正送信を行うべく連番データを不正に把握しようとすると、不使用群テーブルに設定されている値までも把握する必要が生じる。これにより、不正行為者が正常な連番データを付属させることをより難しくさせることが可能となる。
主側ROM73の不使用群記憶エリア141には不使用群テーブルが複数種類記憶されているとともに、サブ側ROM83の不使用群記憶エリア145にも不使用群テーブルが複数種類記憶されている。そして、これら複数種類の不使用群テーブルの中から一の不使用群テーブルが選択されて使用される。これにより、連番エリアの値として不使用とする値を不規則に変更させることが可能となり、不正行為を行いづらくさせることが可能となる。
一の不使用群テーブルを使用対象として設定した場合、その設定された不使用群テーブルに対応した不使用群コマンドがサブ側MPU82に送信される。サブ側MPU82は不使用群コマンドを受信した場合、主側MPU72にて使用対象として設定された不使用群テーブルと同一種類の不使用群テーブルを読み出す。これにより、連番エリアの値として不使用とする値が主側MPU72及びサブ側MPU82のそれぞれにおいて共通のものとなる。
<第7の実施形態の別例>
・不使用群テーブルが新たに設定されるタイミングは、主側MPU72への動作電力の供給が開始されたタイミングに限定されることはなく、当該タイミングに加えて又は代えて、例えばコマンドデータが所定回数送信された場合に不使用群テーブルの選択が新たに行われる構成としてもよく、テーブル変更の抽選処理にて当選となった場合に不使用群テーブルの選択が新たに行われる構成としてもよい。
・不使用群テーブルが複数種類設けられている構成に代えて、不使用群テーブルが1種類のみ設けられている構成としてもよい。
・サブ側MPU82は主側MPU72からのコマンドの受信回数を計測することなく、主側MPU72から受信したコマンドに含まれる連番データがサブ側RAM84の不使用群テーブル記憶エリア147に読み出されている不使用群テーブルの値と一致する場合にコマンドデータの不正送信が行われたと特定する構成としてもよい。この場合、サブ側MPU82においてコマンドの受信回数を計測する必要がないため、サブ側MPU82の処理負荷を軽減することが可能となる。
<第8の実施形態>
本実施形態では不正なコマンド送信を監視するための構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下、本実施形態における不正なコマンド送信を監視するための構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
本実施形態においては、上記第1の実施形態と異なり、コマンドデータを送信するためのデータ線は一本のみとなっている。つまり、シリアル通信を行うための信号経路として、クロック線を利用したクロック用の信号経路と、データ線を利用したデータ用の信号経路とが1個ずつ設けられている。また、上記第4の実施形態と同様に、一のコマンドを送信する場合に送信対象となったコマンドデータだけでなく付属データも送信される。当該付属データとしてサブ側RAM84のチェックサムの値が設定される。つまり、主側ROM73にはサブ側RAM84のチェックサムの値が予め記憶されており、主側MPU72からサブ側MPU82にコマンドが送信される場合に送信対象のコマンドデータに対してサブ側RAM84のチェックサムの値が付属されることとなる。この場合、一のコマンドは、1バイトのコマンドデータと1バイトの付属データとの組合せからなる。
付属データとして送信されるチェックサムの値は、主側MPU72においては主側ROM73に予め記憶されているが、サブ側MPU82においては動作電力の供給が新たに開始された場合に実際に算出することで導出される。詳細には、図36のフローチャートに示すように、復電時用の他の処理(ステップS3001)を実行した後に、サブ側RAM84のチェックサムを算出し(ステップS3002)、その算出した結果であるチェックサムの値をサブ側RAM84に書き込む(ステップS3003)。
<コマンド送信処理>
次に、主側MPU72にて実行されるコマンド送信処理について図37(a)のフローチャートを参照しながら説明する。なお、コマンド送信処理は、タイマ割込み処理(図7)のステップS110にて実行される。
送信すべきコマンドがセットされている場合(ステップS3101:YES)、ステップS3102にて送信対象のコマンドデータを主側ROM73のコマンド記憶エリア101から読み出し、ステップS3103にてサブ側RAM84のチェックサムの値を主側ROM73から読み出す。そして、ステップS3104にて、それら読み出したコマンドデータ及びチェックサムのデータからなる2バイト構成のコマンドが今回のコマンドとしてサブ側MPU82に送信されるようにする。これにより、主側MPU72の送信回路97は、2バイトのコマンドを一のデータ用の信号経路を利用して送信する。この場合、コマンドデータが最初に送信され、その後にチェックサムのデータが送信されることとなるが、これらデータの送信順序は任意である。
サブ側MPU82の受信回路98は、コマンドデータ及び連番データの組合せである一のコマンドを受信した場合、それら2バイトのデータをサブ側RAM84の受信用エリアに書き込む。これにより、コマンドデータ及び連番データが共に受信用エリアにて記憶されることとなる。
<コマンド受信処理>
次に、サブ側MPU82にて実行されるコマンド受信処理について図37(b)のフローチャートを参照しながら説明する。なお、コマンド受信処理は、周期処理(図11)のステップS502にて実行される。
ステップS3201では、サブ側RAM84の受信用エリアに記憶されたチェックサムのデータを読み出す。その後、ステップS3202にて今回受信したチェックサムのデータが正常であるか否かを判定する。具体的には、受信用エリアから読み出したチェックサムのデータが、動作電力の供給が新たに開始された場合にサブ側RAM84に記憶されたチェックサムのデータと一致しているか否かを判定する。
今回受信したチェックサムのデータが正常である場合(ステップS3202:YES)、ステップS3203にてサブ側RAM84の受信用エリアに記憶されたコマンドデータを読み出し、そのコマンドデータをサブ側RAM84のコマンド用エリア107に書き込む。これにより、当該コマンドデータがサブ側MPU82におけるその後の処理にて利用される。
一方、今回受信したチェックサムのデータが異常である場合(ステップS3202:NO)、ステップS3204にて異常処理を実行する。異常処理では、不正なコマンド送信が行われたことを報知するために、上部ランプ64にて異常報知用の発光を行わせ、スピーカ65から異常報知用の音を出力させ、画像表示装置66にて異常報知用の画像を表示させる。但し、異常処理の態様はこれに限定されることはなく、例えばこれら異常報知のいずれか一つのみを実行する構成としてもよく、スロットマシン10の外部に設けられたホールコンピュータに異常報知用の外部出力を行う構成としてもよい。さらにまた、主側MPU72とサブ側MPU82とが双方向通信可能である場合には、サブ側MPU82から主側MPU72に異常信号が送信されるようにすることで、主側MPU72にて遊技の進行が阻止される構成としてもよい。また、ステップS3204の異常処理が実行される場合、当該異常処理の実行の契機となった各コマンドデータはその種類がいずれであるかに関係なくサブ側MPU82におけるその後の処理にて利用されない。
以上詳述した本実施形態によれば、付属情報としてサブ側RAM84のチェックサムのデータが利用されるため、サブ側MPU82は付属情報が正常であるか否かの判定基準をサブ側RAM84のチェックサムから導出することが可能となる。よって、コマンドデータの送信が不正に行われたか否かを特定するための専用データをサブ側MPU82において予め記憶しておく必要が生じない。
<第8の実施形態の別例>
・付属情報としてサブ側RAM84のチェックサムが利用される構成に代えて、主側RAM74のチェックサムが利用される構成としてもよい。この場合、主側RAM74のチェックサムをサブ側ROM73に予め記憶させておく必要がある。
・主側RAM74のチェックサムをサブ側RAM84のチェックサムと同一の値とし、主側MPU72は主側RAM74からチェックサムデータを導出する構成としてもよい。
<第9の実施形態>
本実施形態では不正なコマンド送信を監視するための構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下、本実施形態における不正なコマンド送信を監視するための構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
本実施形態においては、上記第1の実施形態と異なり、コマンドデータを送信するためのデータ線は一本のみとなっている。つまり、シリアル通信を行うための信号経路として、クロック線を利用したクロック用の信号経路と、データ線を利用したデータ用の信号経路とが1個ずつ設けられている。また、一のコマンドを送信する場合に送信対象となったコマンドデータだけでなく付属データも送信する。
詳細には、図38(a)の説明図に示すように、1のコマンドを送信する場合に、1バイトからなるコマンドデータ151と、1バイトからなる固有IDデータ152と、2バイトからなる調整値データ153とを送信する。コマンドデータ131には、主側MPU72の処理の実行内容をサブ側MPU82に認識させるためのデータが設定されている。
固有IDデータ152には、本スロットマシン10に設定された固有のIDデータが設定されている。かかるIDデータは、メーカー毎や機種毎に共通して設定されているのではなく、同一メーカー間や同一機種間であっても異なるIDデータを有しており、主側ROM73に予め記憶されている。固有IDデータ152は、「0〜15」の範囲のいずれかの値に該当し、その値が2進数で表されている。このような数値範囲の場合、固有IDデータとして4ビットのデータが存在していれば十分であるため、固有IDデータ152として1バイトのデータが割り当てられているものの、そのうちの半分の4ビットのみが使用され、残りの4ビットはブランクとなっている。
調整値データ153には、コマンドデータ151、固有IDデータ152及び調整値データ153からなるコマンド全体に含まれる「1」の設定されたビットの数がいずれのコマンドであっても一定となるようにするための調整値が設定されている。調整値データには1以上の値である調整値が設定される。また、調整値データには、一のコマンド全体に含まれる「1」の設定されたビットの数が13個以上であって16個以下となるように調整値が設定される。コマンドデータ151として使われるビット数が8ビットであり固有IDデータ152として使われるビット数が4ビットである構成においては、これら8ビットと4ビットとの全てに「1」が設定された場合には、「1」の設定されたビットの数は12個となる。この場合に、「1」の設定されたビットの数が13個以上となるように最初の調整値が設定されることにより、調整値データに設定される調整値を1以上の値としながら、一のコマンド全体に含まれる「1」の設定されたビットの数をいずれのコマンドであっても一定となるようにすることが可能となる。また、調整値データは2バイトのデータ容量となっているため、一のコマンド全体に含まれる「1」の設定されたビットの数を調整値にて調整可能な数は16個となる。この場合に、コマンドデータ、固有IDデータ及び調整値データにおいて「1」の設定されたビットの数が16個以下となるように最初の調整値が設定されることにより、仮にコマンドデータ151及び固有IDデータ152の全てのビットが「0」である場合であっても調整値による調整によって、一のコマンド全体に含まれる「1」の設定されたビットの数をいずれのコマンドであっても一定となるようにすることが可能となる。
主側RAM74には、図38(b−1)に示すように、主側合計値用エリア155が設けられている。主側合計値用エリア155には、主側MPU72に動作電力の供給が新たに開始された場合において当該主側MPU72から最初に送信されるコマンドである復電コマンドにおいて「1」の設定されたビットの数が書き込まれる。主側MPU72は、主側合計値用エリア155に記憶された値を参照して調整値データ153に設定する調整値を調整することで、一のコマンド全体に含まれる「1」の設定されたビットの数をいずれのコマンドであっても一定となるようにする。なお、図38(b−1)では、図38(a)に示すコマンドにおいて「1」の設定されたビットの数が主側合計値用エリア155に記憶されている様子を示す。
サブ側RAM84には、図38(b−2)に示すように、サブ側合計値用エリア156が設けられている。サブ側合計値用エリア156には、主側MPU72から送信された復電コマンドにおいて「1」の設定されたビットの数が書き込まれる。サブ側MPU82は、サブ側合計値用エリア156に記憶された値を参照することで、新たに受信したコマンドにおいて「1」の設定されたビットの数が正常であるか否かを判定し、その判定結果に基づいて当該コマンドが不正に送信されたものであるか否かを特定する。
<調整値を利用してコマンドの監視を行うための処理構成>
以下、調整値を利用してコマンドの監視を行うための具体的な処理構成について説明する。まず図39のフローチャートを参照しながら、主側MPU72にて実行される電源立ち上げ処理について説明する。
復電時用の他の処理(ステップS3301)を実行した後は、ステップS3302にて主側ROM73から固有IDデータを読み出し、ステップS3303にて主側ROM73から復電コマンドデータを読み出す。復電コマンドデータは、復電コマンドの内容を示すデータであり、サブ側MPU82は当該復電コマンドを受信することにより上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66の制御を開始する。
その後、ステップS3304にて調整値の抽選処理を実行する。当該抽選処理では、主側RAM74に設けられた抽選用カウンタから現状の数値を読み出す。当該抽選用カウンタの値は主側MPU72に動作電力が供給されている状況において定期的(例えば4msec)に更新されるとともに、主側RAM74にバックアップ用電力が供給されている間は記憶保持され且つ主側RAM74の初期化に際して初期化の対象から除外される。調整値の抽選処理では、抽選用カウンタから読み出した値を、主側ROM73に予め記憶された調整値抽選用テーブルに対して照合することで、今回の調整値を決定する。この場合、当該調整値は、復電コマンドデータ、固有IDデータ及び調整値データにおいて「1」の設定されたビットの数が13個以上であって16個以下となるように抽選される。
その後、ステップS3305にて、復電コマンドデータ、固有IDデータ及び調整値データからなる4バイト構成の復電コマンドを生成する。そして、ステップS3306にて、当該復電コマンドの復電コマンドデータ、固有IDデータ及び調整値データから「1」の設定されたビットの数を算出し、その算出結果を合計値として主側RAM74の主側合計値用エリア155に書き込む。
その後、ステップS3307にて、上記のように生成した復電コマンドが今回のコマンドとしてサブ側MPU82に送信されるようにする。これにより、主側MPU72の送信回路97は、4バイトのコマンドを一のデータ用の信号経路を利用して送信する。この場合、復電コマンドデータが最初に送信され、次に固有IDデータが送信され、その後に調整値データが送信されることとなるが、これらデータの送信順序は任意である。
次に、図40のフローチャートを参照しながら、サブ側MPU82にて実行される電源立ち上げ処理について説明する。
まずステップS3401にて主側MPU72から復電コマンドを受信したか否かを判定する。復電コマンドを受信していない場合にはそのままステップS3401にて待機する。復電コマンドを受信した場合にはステップS3402にて復電用処理を実行する。例えば上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66に対する出力の初期化処理などを実行する。その後、ステップS3403にて、復電コマンドの復電コマンドデータ、固有IDデータ及び調整値データから「1」の設定されたビットの数を算出し、その算出結果を合計値としてサブ側RAM84のサブ側合計値用エリア156に書き込む。
<コマンド送信処理>
次に、主側MPU72にて実行されるコマンド送信処理について図41のフローチャートを参照しながら説明する。なお、コマンド送信処理は、タイマ割込み処理(図7)のステップS110にて実行される。
送信すべきコマンドがセットされている場合(ステップS3501:YES)、ステップS3502にて送信対象のコマンドデータを主側ROM73のコマンド記憶エリア101から読み出し、ステップS3503にて主側ROM73から固有IDデータを読み出し、ステップS3504にて主側RAM74の主側合計値用エリア155から合計値を読み出す。その後、ステップS3505にて、今回読み出したコマンドデータ及び固有IDデータにおいて「1」の設定されたビットの数を基準値として算出する。そして、ステップS3506にて、ステップS3504において読み出した合計値とステップS3505において算出した基準値との差を算出することで今回の調整値を導出する。
その後、ステップS3507にて、今回の送信対象のコマンドデータ、固有IDデータ及び今回算出した調整値データからなる4バイト構成のコマンドを生成する。そして、ステップS3508にて、その生成したコマンドが今回のコマンドとしてサブ側MPU82に送信されるようにする。これにより、主側MPU72の送信回路97は、4バイトのコマンドを一のデータ用の信号経路を利用して送信する。この場合、コマンドデータが最初に送信され、次に固有IDデータが送信され、その後に調整値データが送信されることとなるが、これらデータの送信順序は任意である。
ここで、図38(a)及び図42(a),(b)の説明図を参照しながら調整値データの設定態様について説明する。
図38(a)に示すデータ構成の復電コマンドが送信された場合、「1」が設定されたビットの数の合計値は「14」となる。この場合に、図42(a)に示すコマンドが送信される場合、コマンドデータ161において「1」の設定されたビット数は1個であり、固有IDデータ162において「1」の設定されたビット数は2個であるため、調整値データ163において「1」の設定されたビット数は11個となる。また、図42(b)に示すコマンドが送信される場合、コマンドデータ165において「1」の設定されたビット数は8個であり、固有IDデータ166において「1」の設定されたビット数は2個であるため、調整値データ167において「1」の設定されたビット数は4個となる。
<コマンド受信処理>
次に、サブ側MPU82にて実行されるコマンド受信処理について図43のフローチャートを参照しながら説明する。なお、コマンド受信処理は、周期処理(図11)のステップS502にて実行される。
ステップS3601では、今回受信したコマンドのコマンドデータ、固有IDデータ及び調整値データにおいて「1」の設定されたビット数を合計値として算出する。その算出した合計値がサブ側RAM84のサブ側合計値用エリア156に記憶されている合計値と一致する場合(ステップS3602:YES)、ステップS3603にてサブ側RAM84の受信用エリアに記憶されたコマンドデータを読み出し、そのコマンドデータをサブ側RAM84のコマンド用エリア107に書き込む。これにより、当該コマンドデータがサブ側MPU82におけるその後の処理にて利用される。
一方、算出した合計値がサブ側RAM84のサブ側合計値用エリア156に記憶されている合計値と一致しない場合(ステップS3602:NO)、ステップS3604にて異常処理を実行する。異常処理では、不正なコマンド送信が行われたことを報知するために、上部ランプ64にて異常報知用の発光を行わせ、スピーカ65から異常報知用の音を出力させ、画像表示装置66にて異常報知用の画像を表示させる。但し、異常処理の態様はこれに限定されることはなく、例えばこれら異常報知のいずれか一つのみを実行する構成としてもよく、スロットマシン10の外部に設けられたホールコンピュータに異常報知用の外部出力を行う構成としてもよい。さらにまた、主側MPU72とサブ側MPU82とが双方向通信可能である場合には、サブ側MPU82から主側MPU72に異常信号が送信されるようにすることで、主側MPU72にて遊技の進行が阻止される構成としてもよい。また、ステップS3604の異常処理が実行される場合、当該異常処理の実行の契機となったコマンドデータはその種類がいずれであるかに関係なくサブ側MPU82におけるその後の処理にて利用されない。
以上詳述した本実施形態によれば、主側MPU72は復電コマンドを送信する場合、復電コマンドデータ、固有IDデータ及び調整値データをまとめて送信する。この場合、復電コマンドデータ、固有IDデータ及び調整値データから合計値データを導出する。そして、主側MPU72は新たにコマンドを送信する場合、コマンドに付属させる調整値データを調整することによって、コマンドデータ、固有IDデータ及び調整値データから導出される合計値データを復電コマンドの送信時における合計値データと一致させる。サブ側MPU82は合計値データが復電コマンドの受信時における合計値データと一致しない場合、受信したコマンドデータをその後の処理にて利用しないようにするとともに異常処理を実行することで異常報知が実行されるようにする。かかる構成においてコマンドデータの不正送信を行おうとすると、調整値データを単に付属させるだけではなく当該調整値データの調整も行う必要が生じる。したがって、当該不正行為を行いづらくさせることが可能となる。
基準となる合計値データが復電コマンドを利用してサブ側MPU82に送信される。これにより、基準となる合計値データをサブ側MPU82に認識させるための専用のコマンドを用意する必要がないため、サブ側MPU82に送信されるコマンドの種類を抑えることが可能となる。
コマンドにはスロットマシン10固有の固有IDデータが付属されるため、当該スロットマシン10と同一機種である他のスロットマシンの固有IDデータを不正に取得し、この不正に取得した固有IDデータを本スロットマシン10に対してコマンドデータを不正送信するために利用しようとしてもそれが不可となる。
<第9の実施形態の別例>
・コマンドに固有IDデータが付属される構成としたが、当該固有IDデータは付属されない構成としてもよい。この場合、コマンドはコマンドデータと調整値データとからなることとなる。
・合計値データはコマンドにおいて「1」がセットされたビットの数として導出される構成としたが、これに限定されることはなく、例えばコマンドに含まれるバイトデータを1バイト単位で16進数の値として導出し、各バイトの16進数の値をコマンドに含まれるバイトデータの全体で合計した値を合計値データとする構成としてもよい。
・復電コマンドから導出される合計値データのみが基準となる合計値データとして利用される構成に代えて、例えばコマンドデータが所定回数送信された場合、その次に送信されるコマンドから導出される合計値データが新たな合計値データの基準として設定される構成としてもよい。
<第10の実施形態>
本実施形態では不正なコマンド送信を監視するための構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下、本実施形態における不正なコマンド送信を監視するための構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図44は、不正なコマンド送信を監視するための電気的な構成を説明するためのブロック図である。
本実施形態においても上記第1の実施形態と同様に1のコマンドデータに対応したデータを送信するためのデータ線が複数設けられている。当該データ線として、第1データ線171、第2データ線172、第3データ線173及び第4データ線174が設けられている。また、これらデータ線171〜174に共通させて一のクロック線175が設けられている。これらデータ線171〜174及びクロック線175のそれぞれに1対1で対応させて主制御基板71及びサブ制御基板81のそれぞれには電気回路が形成されており、各データ線171〜174に対応したデータ用の信号経路と、クロック線175に対応したクロック用の信号経路とが形成されている。
これら信号線群170は、一対のコネクタ部材間に複数の信号線が並設されたハーネス(コネクタユニット)によって形成されており、各コネクタ部材は主制御基板71及びサブ制御基板81のそれぞれに設けられたコネクタ部材に対して着脱自在な状態で接続されている。ハーネスは、各信号線が第1〜第4データ線171〜174及びクロック線175のいずれに対応しているのかを外観からは識別不可又は識別しづらくなるように形成されている。なお、主制御基板71とサブ制御基板81とが信号線群170のみによって接続されている構成に限定されることはなく、信号経路の途中位置に中継基板が存在している構成としてもよい。
データ線171〜174及びクロック線175を利用したシリアル通信によるコマンドの送信は、主側MPU72に設けられた送信回路176により行われる。当該送信回路176は、主側ROM73のコマンド記憶エリア101から主側RAM74の送信用エリア178に読み出されたコマンドデータをサブ側MPU82に向けて送信する。送信回路176により送信されたコマンドデータは、サブ側MPU82に設けられた受信回路177にて受信される。受信回路177は、第1データ線171から受信したデータをサブ側RAM84に設けられた第1受信用エリア181に書き込み、第2データ線172から受信したデータをサブ側RAM84に設けられた第2受信用エリア182に書き込み、第3データ線173から受信したデータをサブ側RAM84に設けられた第3受信用エリア183に書き込み、第4データ線174から受信したデータをサブ側RAM84に設けられた第4受信用エリア184に書き込む。
ここで、本実施形態ではコマンドデータを送信する場合、第1データ線171〜第4データ線174の全てを使用するのではなく、そのうちの一のデータ線のみを利用してコマンドデータを送信する。そして、コマンドデータの送信対象となるデータ線は、第1データ線171〜第4データ線174の中で順次変更される。かかる使用対象のデータ線の順序は、主側ROM73の送信テーブル記憶エリア185に予め記憶された送信テーブルにおいて定められている。
送信テーブルは複数種類設けられている。具体的には、図45(a)及び図45(b)に示すように、第1送信テーブル185aと第2送信テーブル185bとが予め記憶されている。各送信テーブル185a,185bには、順序データと種類データとが1対1の対応関係で定められており、それら順序データ及び種類データの組合せが複数種類設定されている。各送信テーブル185a,185bを参照することにより、各データ線171〜174が使用対象となる順序を読み出すことが可能となっている。この場合、各送信テーブル185a,185bにおいて最後の順序となった場合には最初の順序に戻ることとなる。第1送信テーブル185aと第2送信テーブル185bとで、順序データと種類データとの対応関係が異なっている。なお、種類データの「1」が第1データ線171に対応しており、種類データの「2」が第2データ線172に対応しており、種類データの「3」が第3データ線173に対応しており、種類データの「4」が第4データ線174に対応している。
いずれの送信テーブル185a,185bを使用するのかは抽選により決定される。そして、その抽選により使用対象とされた送信テーブルは、主側RAM74に設けられたテーブル用エリア186に読み出される。
サブ側ROM83には主側ROM73と同様に送信テーブル記憶エリア187が設けられている。送信テーブル記憶エリア187には、主側ROM73の送信テーブル記憶エリア185と同様に、第1送信テーブル185aと第2送信テーブル185bとが予め記憶されている。これら各送信テーブル185a,185bの内容は、主側ROM73の送信テーブル記憶エリア185に記憶されている送信テーブル185a,185bの内容と同一である。サブ側RAM84には、サブ側ROM83の送信テーブル記憶エリア187から読み出した送信テーブルを記憶するためのテーブル用エリア188が設けられている。
主側MPU72は、動作電力の供給が新たに開始された場合に送信テーブルを読み出す。具体的には、図46(a)のフローチャートに示すように、復電時用の他の処理(ステップS3701)を実行した後に、送信テーブルの抽選処理(ステップS3702)を実行する。具体的には、主側RAM74には抽選用カウンタが設けられており、当該抽選用カウンタの値は主側MPU72に動作電力が供給されている状況において定期的(例えば4msec)に更新される。また、主側RAM74の抽選用カウンタの値は主側RAM74にバックアップ用電力が供給されている間は記憶保持されるとともに主側RAM74の初期化に際して初期化の対象から除外される。送信テーブルの抽選処理では、その抽選用カウンタの現状の値を読み出し、その読み出した値に対応した送信テーブルを今回の使用対象として特定する。そして、その特定した送信テーブルを主側ROM73の送信テーブル記憶エリア185から読み出して主側RAM74のテーブル用エリア186に書き込む(ステップS3703)。その後、今回読み出した送信テーブルの種類のデータが設定されたテーブル決定コマンドをサブ側MPU82に送信する(ステップS3704)。
図46(b)は、サブ側MPU82において動作電力の供給が新たに開始された場合に実行される電源立ち上げ処理を示すフローチャートである。復電時用の他の処理(ステップS3801)を実行した後は、ステップS3802にて主側MPU72からテーブル決定コマンドを受信したか否かを判定する。テーブル決定コマンドを受信していない場合にはステップS3802にて待機し、テーブル決定コマンドを受信した場合にはステップS3803に進む。ステップS3803では、そのテーブル決定コマンドに対応した送信テーブルをサブ側ROM83の送信テーブル記憶エリア187から読み出し、サブ側RAM84のテーブル用エリア188に書き込む。これにより、主側MPU72において参照される送信テーブルの種類と、サブ側MPU82において参照される送信テーブルの種類とが同一となる。
<コマンド送信処理>
次に、主側MPU72にて実行されるコマンド送信処理について図47のフローチャートを参照しながら説明する。なお、コマンド送信処理は、タイマ割込み処理(図7)のステップS110にて実行される。
送信すべきコマンドがセットされている場合(ステップS3901:YES)、ステップS3902にて送信対象のコマンドデータを主側ROM73のコマンド記憶エリア101から読み出す。その後、ステップS3903にて、主側RAM74のテーブル用エリア186に読み出されている送信テーブルにおいて、主側RAM74に設けられた順番カウンタの現状の値に対応した種類データを読み出し、その種類データに対応したデータ線を今回の使用対象として設定する。また、ステップS3904にて、ステップS3903において使用対象として設定されたデータ線以外のデータ線の送信状態をHIレベルに設定するための処理を実行する。その後、ステップS3905にて、主側RAM74の順番カウンタの値を1加算する。この場合、順番カウンタの値が最大値に達した場合、順番カウンタの値を「1」に初期化する。なお、順番カウンタは、送信テーブルにおいていずれの順番データに対応した種類データを使用するのかを主側MPU72にて特定するためのカウンタであり、その最大値は送信テーブルにおける順番データの最大値(具体的には「10」)と同一である。
ここで、図48のタイムチャートを参照しながら、第1データ線171〜第4データ線174及びクロック線175を利用してコマンドデータが送信される様子を説明する。図48(a)はクロック線175を利用してクロック信号が送信される様子を示し、図48(b)は第1データ線171を利用した信号の送信状況を示し、図48(c)は第2データ線172を利用した信号の送信状況を示し、図48(d)は第3データ線173を利用した信号の送信状況を示し、図48(e)は第4データ線174を利用した信号の送信状況を示す。なお、図48(b)〜図48(e)においてはLOWレベルの信号状態を一点鎖線で示す。
図48(a)に示すように、t1〜t8のタイミングのそれぞれでクロック信号がLOWレベルからHIレベルに切り換えられることで、コマンドデータにおいて新たな単位ビットのデータが送信されることがサブ側MPU82の受信回路177に対して示される。この場合、コマンドデータを送信するための使用対象のデータ線は第3データ線173に設定されているため、図48(d)に示すように、第3データ線173を利用してコマンドデータが送信される。一方、使用対象外のデータ線である第1データ線171、第2データ線172及び第4データ線174では、図48(b)、図48(c)及び図48(e)に示すように、クロック信号の状態に関係なくHIレベルの信号の送信が継続される。
その後、新たなコマンドが送信対象となることで、図48(a)に示すように、t9〜t16のタイミングのそれぞれでクロック信号がLOWレベルからHIレベルに切り換えられる。これにより、コマンドデータにおいて新たな単位ビットのデータが送信されることがサブ側MPU82の受信回路177に対して示される。この場合、コマンドデータを送信するための使用対象のデータ線は第4データ線174に変更されているため、図48(e)に示すように、第4データ線174を利用してコマンドデータが送信される。一方、使用対象外のデータ線である第1データ線171、第2データ線172及び第3データ線173では、図48(b)〜図48(d)に示すように、クロック信号の状態に関係なくHIレベルの信号の送信が継続される。
<コマンド監視>
次に、サブ側MPU82の受信回路177にて実行されるコマンド監視の内容について図49を参照しながら説明する。
クロック信号がHIレベルに変化した場合(ステップS4001:YES)、サブ側RAM84の第1受信用エリア181に第1データ線171から受信している信号状態に対応した値(HIレベルであれば「1」、LOWレベルであれば「0」)を書き込み(ステップS4002)、サブ側RAM84の第2受信用エリア182に第2データ線172から受信している信号状態に対応した値(HIレベルであれば「1」、LOWレベルであれば「0」)を書き込み(ステップS4003)、サブ側RAM84の第3受信用エリア183に第3データ線173から受信している信号状態に対応した値(HIレベルであれば「1」、LOWレベルであれば「0」)を書き込み(ステップS4004)、サブ側RAM84の第4受信用エリア184に第4データ線174から受信している信号状態に対応した値(HIレベルであれば「1」、LOWレベルであれば「0」)を書き込む(ステップS4005)。
つまり、受信回路177は、クロック信号に同期して、第1データ線171〜第4データ線174の信号状態に対応した値を、対応する受信用エリア181〜184に書き込む。この場合、一のコマンドが送信される場合には、受信用エリア181〜184のそれぞれに8ビット分のデータが書き込まれることとなる。
<コマンド受信処理>
次に、サブ側MPU82にて実行されるコマンド受信処理について図50のフローチャートを参照しながら説明する。なお、コマンド受信処理は、周期処理(図11)のステップS502にて実行される。
ステップS4101では、サブ側RAM84のテーブル用エリア188に読み出されている送信テーブルにおいて、サブ側RAM84に設けられた順番カウンタの現状の値に対応した種類データを読み出し、その種類データに対応したデータ線を今回の使用対象として設定する。なお、順番カウンタは、送信テーブルにおいていずれの順番データに対応した種類データを使用するのかをサブ側MPU82にて特定するためのカウンタであり、その最大値は送信テーブルにおける順番データの最大値(具体的には「10」)と同一である。
続くステップS4102では、サブ側RAM84の第1受信用エリア181〜第4受信用エリア184のうち使用対象外のデータ線に対応した3個のエリアのそれぞれから、今回のコマンドデータの受信に際して記憶された8ビット分のデータを履歴データとして読み出す。
それら読み出した履歴データの全てのビットに「1」がセットされている場合(ステップS4103:NO)、使用対象のデータ線に対応した受信用エリアに記憶されている8ビット分のデータを今回のコマンドデータとして読み出し、そのコマンドデータをサブ側RAM84のコマンド用エリア107に書き込む。これにより、当該コマンドデータがサブ側MPU82におけるその後の処理にて利用される。
一方、上記履歴データのいずれかのビットが「0」である場合(ステップS4103:YES)、ステップS4105にて異常処理を実行する。異常処理では、不正なコマンド送信が行われたことを報知するために、上部ランプ64にて異常報知用の発光を行わせ、スピーカ65から異常報知用の音を出力させ、画像表示装置66にて異常報知用の画像を表示させる。但し、異常処理の態様はこれに限定されることはなく、例えばこれら異常報知のいずれか一つのみを実行する構成としてもよく、スロットマシン10の外部に設けられたホールコンピュータに異常報知用の外部出力を行う構成としてもよい。さらにまた、主側MPU72とサブ側MPU82とが双方向通信可能である場合には、サブ側MPU82から主側MPU72に異常信号が送信されるようにすることで、主側MPU72にて遊技の進行が阻止される構成としてもよい。また、ステップS4105の異常処理が実行される場合、当該異常処理の実行の契機となったコマンドデータはその種類がいずれであるかに関係なくサブ側MPU82におけるその後の処理にて利用されない。
ステップS4104又はステップS4105の処理を実行した後は、ステップS4106にて、サブ側RAM84の順番カウンタの値を1加算する。この場合、順番カウンタの値が最大値に達した場合、順番カウンタの値を「1」に初期化する。
以上詳述した本実施形態によれば、第1〜第4データ線171〜174を利用した各信号経路のうち、コマンドデータの送信対象となる信号経路が変更される。そして、サブ側MPU82は、正規ではない側の信号経路からコマンドデータを受信した場合、コマンドデータの不正送信が行われたものとして、当該コマンドデータをその後の処理において利用しないようにするとともに異常処理を実行して異常報知が行われるようにする。これにより、不正行為者にとっては正規の信号経路に対してコマンドデータの不正送信を行う必要が生じるため、コマンドデータを不正に送信して利益を得ようとする行為を阻止することが可能となる。
コマンドデータの送信対象となる信号経路が予め定められた順序に従って順次変更されるとともに、その順序はサブ側MPU82においてコマンドデータの受信回数との関係で把握可能となっている。これにより、主側MPU72においてコマンドデータの送信対象として選択した信号経路を認識させるためのコマンドを主側MPU72からサブ側MPU82に送信しなくても、サブ側MPU82において正規の信号経路を認識することが可能となる。
主側MPU72は、コマンドデータの送信対象以外の信号経路については当該コマンドデータの送信期間中において信号状態が一定となるようにする。これにより、サブ側MPU82はコマンドデータの送信対象として選択されていない信号経路において信号状態が変化した場合、それを不正送信の発生と特定することが可能となる。よって、不正送信が行われたか否かの監視を簡易的に行うことが可能となる。
主側ROM73及びサブ側ROM83に予め記憶された送信テーブル185a,185bに従って、コマンドデータの送信対象となる信号経路が順次変更される。これにより、主側MPU72とサブ側MPU82とで送信対象となっている信号経路の認識を共通化させながら、コマンドデータの送信対象となる信号経路がいずれであるのかを不正行為者にとって分かりづらいものとすることが可能となる。
送信テーブル185a,185bは複数種類記憶されるとともにいずれの送信テーブル185a,185bを使用するのかが抽選により決定される。これにより、コマンドデータの送信対象となる信号経路の切り換わりをより不規則なものとすることが可能となる。
<第10の実施形態の別例>
・データ線として第1データ線171〜第4データ線174の4本が設けられている構成としたが複数本であれば任意であり、例えば2本のデータ線が設けられている構成としてもよく、3本のデータ線が設けられている構成としてもよく、5本以上のデータ線が設けられている構成としてもよい。
・コマンドデータの送信対象となっていない信号経路においてはHIレベルの信号状態が維持される構成に代えて、LOWレベルの信号状態が維持される構成としてもよい。
<第11の実施形態>
本実施形態では使用対象のデータ線の決定の仕方が上記第10の実施形態と相違している。以下、その相違する構成について説明する。なお、上記第10の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図51(a)は、主側MPU72にて実行される電源立ち上げ処理を示すフローチャートである。復電時用の他の処理(ステップS4201)を実行した後に、使用対象のデータ線の抽選処理(ステップS4202)を実行する。具体的には、主側RAM74には上記第10の実施形態と同様に抽選用カウンタが設けられており、当該抽選処理では、その抽選用カウンタの現状の値を読み出し、その読み出した値に対応したデータ線を今回の使用対象として特定する。そして、その特定したデータ線の種類を示すデータを、使用対象データとして主側RAM74に書き込む(ステップS4203)。その後、認証コマンドをサブ側MPU82に送信する(ステップS4204)。かかる認証コマンドは使用対象として設定されているデータ線を利用して送信され、使用対象外のデータ線は認証コマンドの送信に寄与しない。
図51(b)は、サブ側MPU82にて実行される電源立ち上げ処理を示すフローチャートである。復電時用の他の処理(ステップS4301)を実行した後は、ステップS4302にて主側MPU72から認証コマンドを受信したか否かを判定する。認証コマンドを受信していない場合にはステップS4302にて待機し、認証コマンドを受信した場合にはステップS4303に進む。ステップS4303では、その認証コマンドが送信されたデータ線を使用対象のデータ線として特定するための使用対象データをサブ側RAM84に書き込む。
<コマンド送信処理>
次に、主側MPU72にて実行されるコマンド送信処理について図52のフローチャートを参照しながら説明する。なお、コマンド送信処理は、タイマ割込み処理(図7)のステップS110にて実行される。
送信すべきコマンドがセットされている場合(ステップS4401:YES)、ステップS4402にて送信対象のコマンドデータを主側ROM73のコマンド記憶エリア101から読み出す。その後、ステップS4403にて、主側RAM74に記憶されている使用対象データを読み出すことで、使用対象データに対応したデータ線を今回の使用対象として設定する。また、ステップS4404にて、ステップS4403において使用対象として設定されたデータ線以外のデータ線の送信状態をHIレベルに設定するための処理を実行する。これにより、主側MPU72の送信回路176は使用対象のデータ線を利用してコマンドデータを送信するとともに、使用対象以外の各データ線においてはHIレベルの信号を継続して送信する。
その後、ステップS4405にて主側RAM74に設けられた送信回数カウンタの値を1加算する。送信回数カウンタは、主側MPU72におけるコマンドの送信回数を計測するためのカウンタであり、後述するステップS4406にて肯定判定をした場合に「0」クリアされる。
1加算後の送信回数カウンタの値が抽選実行基準値である「10」である場合(ステップS4460:YES)、ステップS4407にて使用対象のデータ線の抽選処理を実行するとともにステップS4408にて使用対象の記憶処理を実行し、さらにステップS4409にて認証コマンドの送信設定を行う。これらステップS4407〜ステップS4409の処理内容は、電源立ち上げ処理(図51(a))のステップS4202〜ステップS4204の処理内容と同一である。これにより、所定の頻度で使用対象のデータ線の種類を変更することが可能となる。
<コマンド受信処理>
次に、サブ側MPU82にて実行されるコマンド受信処理について図53のフローチャートを参照しながら説明する。なお、コマンド受信処理は、周期処理(図11)のステップS502にて実行される。
今回受信したコマンドが認証コマンドである場合(ステップS4501:YES)、ステップS4502にて、その認証コマンドが送信されたデータ線を使用対象のデータ線として特定するための使用対象データをサブ側RAM84に書き込む。
今回受信したコマンドが認証コマンド以外のコマンドである場合(ステップS4501:NO)、ステップS4503にて、サブ側RAM84の第1受信用エリア181〜第4受信用エリア184のうち使用対象外のデータ線に対応した3個のエリアのそれぞれから、今回のコマンドデータの受信に際して記憶された8ビット分のデータを履歴データとして読み出す。
それら読み出した履歴データの全てのビットに「1」がセットされている場合(ステップS4504:NO)、使用対象のデータ線に対応した受信用エリアに記憶されている8ビット分のデータを今回のコマンドデータとして読み出し、そのコマンドデータをサブ側RAM84のコマンド用エリア107に書き込む。これにより、当該コマンドデータがサブ側MPU82におけるその後の処理にて利用される。
一方、上記履歴データのいずれかのビットが「0」である場合(ステップS4504:YES)、ステップS4506にて異常処理を実行する。異常処理では、不正なコマンド送信が行われたことを報知するために、上部ランプ64にて異常報知用の発光を行わせ、スピーカ65から異常報知用の音を出力させ、画像表示装置66にて異常報知用の画像を表示させる。但し、異常処理の態様はこれに限定されることはなく、例えばこれら異常報知のいずれか一つのみを実行する構成としてもよく、スロットマシン10の外部に設けられたホールコンピュータに異常報知用の外部出力を行う構成としてもよい。さらにまた、主側MPU72とサブ側MPU82とが双方向通信可能である場合には、サブ側MPU82から主側MPU72に異常信号が送信されるようにすることで、主側MPU72にて遊技の進行が阻止される構成としてもよい。また、ステップS4506の異常処理が実行される場合、当該異常処理の実行の契機となった各コマンドデータはその種類がいずれであるかに関係なくサブ側MPU82におけるその後の処理にて利用されない。
以上詳述した本実施形態によれば、コマンドデータの送信対象の信号経路が決定された場合、当該信号経路を利用して主側MPU72からサブ側MPU82に認証コマンドが送信される。そして、サブ側MPU82は当該認証コマンドを受信した信号経路がコマンドデータの送信対象の信号経路であると認識する。本構成によれば、コマンドデータの送信対象となる信号経路の切り換え順序を示す送信テーブルを予め記憶しておく必要がないため、データ容量の削減を図ることが可能となる。
<第12の実施形態>
本実施形態では不正なコマンド送信を監視するための構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下、本実施形態における不正なコマンド送信を監視するための構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図54は、不正なコマンド送信を監視するための電気的な構成を説明するためのブロック図である。
本実施形態においては、上記第1の実施形態と異なり、コマンドデータを送信するためのデータ線は一本のみとなっている。つまり、シリアル通信を行うための信号経路として、データ線191を利用したデータ用の信号経路と、クロック線192を利用したクロック用の信号経路とが1個ずつ設けられている。
これら信号線群190は一対のコネクタ部材間に複数の信号線が並設されたハーネス(コネクタユニット)によって形成されており、各コネクタ部材は主制御基板71及びサブ制御基板81のそれぞれに設けられたコネクタ部材に対して着脱自在な状態で接続されている。ハーネスは、各信号線がデータ線191及びクロック線192のいずれに対応しているのかを外観からは識別不可又は識別しづらくなるように形成されている。なお、主制御基板71とサブ制御基板81とが信号線群190のみによって接続されている構成に限定されることはなく、信号経路の途中位置に中継基板が存在している構成としてもよい。
データ線191及びクロック線192を利用したシリアル通信によるコマンドの送信は、主側MPU72に設けられた送信回路193により行われる。当該送信回路193は、主側ROM73のコマンド記憶エリア101から主側RAM74の送信用エリア195に読み出されたコマンドデータをサブ側MPU82に向けて送信する。送信回路193により送信されたコマンドデータは、サブ側MPU82に設けられた受信回路194にて受信される。受信回路194は、データ線191を通じて受信したデータをサブ側RAM84に設けられた受信用エリア196に書き込む。
ここで、本実施形態ではコマンドデータを送信する場合、主側ROM73のコマンド記憶エリア101に記憶されているコマンドデータの2値の配列パターンを予め定められた配列パターンに変更した状態で当該コマンドデータの送信を行う。そして、その配列パターンは、予め定められた複数種類の配列パターンの中で順次変更される。配列パターンとして、第1配列パターン、第2配列パターン、第3配列パターン及び第4配列パターンが設定されている。第1配列パターンは、コマンドデータの一列に設定された8ビットの並びを逆の並びとするパターンであり、第2配列パターンは、コマンドデータの一列に設定された8ビットのうち両端に存在しているビットのデータを相互に入れ換えるパターンであり、第3配列パターンは、コマンドデータの一列に設定された8ビットのうち上位側の4ビットと下位側の4ビットとを相互に入れ換えるパターンであり、第4配列パターンは、コマンドデータの一列に設定された8ビットのうち最上位側の2ビットと最下位側の2ビットとを相互に入れ換えるパターンである。これら各配列パターンは、任意の一のコマンドデータに対していずれかの配列パターンを適用した結果のデータが他のコマンドデータと一致しないように設定されている。
配列パターンは、主側ROM73の配列テーブル記憶エリア201に予め記憶された配列テーブルにおいて定められている。配列テーブルは複数種類設けられている。具体的には、図55(a)及び図55(b)に示すように、第1配列テーブル201aと第2配列テーブル201bとが予め記憶されている。各配列テーブル201a,201bには、順序データと種類データとが1対1の対応関係で定められており、それら順序データ及び種類データの組合せが複数種類設定されている。各配列テーブル201a,201bを参照することにより、送信対象のコマンドデータに適用する配列パターンを読み出すことが可能となっている。この場合、各配列テーブル201a,201bにおいて最後の順序として設定されている配列パターンが使用対象となった場合、最初の順序として設定されている配列パターンに使用対象が戻ることとなる。第1配列テーブル201aと第2配列テーブル201bとで、順序データと種類データとの対応関係が異なっている。
いずれの配列テーブル201a,201bを使用するのかは抽選により決定される。そして、その抽選により使用対象となった配列テーブルは、主側RAM74に設けられた配列テーブル用エリア202に読み出される。
サブ側ROM83には、主側ROM73と同様にコマンド記憶エリア203及び配列テーブル記憶エリア204が設けられている。コマンド記憶エリア203には、主側ROM73のコマンド記憶エリア101と同様に、主側MPU72からサブ側MPU82に送信され得る全種類のコマンドデータが予め記憶されている。また、配列テーブル記憶エリア204には、主側ROM73の配列テーブル記憶エリア201と同様に、第1配列テーブル201aと第2配列テーブル201bとが予め記憶されている。これら各配列テーブル201a,201bの内容は、主側ROM73の配列テーブル記憶エリア201に記憶されている配列テーブル201a,201bの内容と同一である。サブ側RAM84には、サブ側ROM83の配列テーブル記憶エリア204から読み出した配列テーブルを記憶するための配列テーブル用エリア205が設けられている。
主側MPU72は、動作電力の供給が新たに開始された場合に配列テーブルを読み出す。具体的には、図56(a)のフローチャートに示すように、復電時用の他の処理(ステップS4601)を実行した後に、配列テーブルの抽選処理(ステップS4602)を実行する。具体的には、主側RAM74には抽選用カウンタが設けられており、当該抽選用カウンタの値は主側MPU72に動作電力が供給されている状況において定期的(例えば4msec)に更新される。また、主側RAM74の抽選用カウンタの値は主側RAM74にバックアップ用電力が供給されている間は記憶保持されるとともに主側RAM74の初期化に際して初期化の対象から除外される。配列テーブルの抽選処理では、その抽選用カウンタの現状の値を読み出し、その読み出した値に対応した配列テーブルを今回の使用対象として特定する。そして、その特定した配列テーブルを主側ROM73の配列テーブル記憶エリア201から読み出して主側RAM74の配列テーブル用エリア202に書き込む(ステップS4603)。その後、今回読み出した配列テーブルの種類のデータが設定されたテーブル決定コマンドをサブ側MPU82に送信する(ステップS4604)。
図56(b)は、サブ側MPU82において動作電力の供給が新たに開始された場合に実行される電源立ち上げ処理を示すフローチャートである。復電時用の他の処理(ステップS4701)を実行した後は、ステップS4702にて主側MPU72からテーブル決定コマンドを受信したか否かを判定する。テーブル決定コマンドを受信していない場合にはステップS4702にて待機し、テーブル決定コマンドを受信した場合にはステップS4703に進む。ステップS4703では、そのテーブル決定コマンドに対応した配列テーブルをサブ側ROM83の配列テーブル記憶エリア204から読み出し、サブ側RAM84の配列テーブル用エリア205に書き込む。これにより、主側MPU72において参照される配列テーブルの種類と、サブ側MPU82において参照される配列テーブルの種類とが同一となる。
<コマンド送信処理>
次に、主側MPU72にて実行されるコマンド送信処理について図57のフローチャートを参照しながら説明する。なお、コマンド送信処理は、タイマ割込み処理(図7)のステップS110にて実行される。
送信すべきコマンドがセットされている場合(ステップS4801:YES)、ステップS4802にて送信対象のコマンドデータを主側ROM73のコマンド記憶エリア101から読み出す。その後、ステップS4803にて、主側RAM74の配列テーブル用エリア202に読み出されている配列テーブルにおいて、主側RAM74に設けられた順番カウンタの現状の値に対応した配列パターンを読み出す。そして、ステップS4804にて、その読み出した配列パターンに従って、ステップS4802にて読み出したコマンドデータのビットの配列を変換する。その後、ステップS4805にて、主側RAM74の順番カウンタの値を1加算する。この場合、順番カウンタの値が最大値に達した場合、順番カウンタの値を「1」に初期化する。なお、順番カウンタは、配列テーブルにおいていずれの順番データに対応した配列パターンを使用するのかを主側MPU72にて特定するためのカウンタであり、その最大値は配列テーブルにおける順番データの最大値(具体的には「10」)と同一である。
配列パターンの変換処理について図58の説明図を参照しながら説明すると、図58(a)に示すコマンドデータが読み出された場合において配列パターンとして第1配列パターンが適用された場合、図58(b)に示すようにコマンドデータの一列に設定された8ビットの並びが逆の並びとなる。また、図58(a)に示すコマンドデータが読み出された場合において配列パターンとして第2配列パターンが適用された場合、図58(c)に示すようにコマンドデータの一列に設定された8ビットのうち両端に存在しているビットのデータが相互に入れ換えられた並びとなる。
<コマンド受信処理>
次に、サブ側MPU82にて実行されるコマンド受信処理について図59のフローチャートを参照しながら説明する。なお、コマンド受信処理は、周期処理(図11)のステップS502にて実行される。
ステップS4901では、サブ側RAM84の配列テーブル用エリア205に読み出されている配列テーブルにおいて、サブ側RAM84に設けられた順番カウンタの現状の値に対応した配列パターンを読み出す。なお、順番カウンタは、配列テーブルにおいていずれの順番データに対応した配列パターンを使用するのかをサブ側MPU82にて特定するためのカウンタであり、その最大値は配列テーブルにおける順番データの最大値(具体的には「10」)と同一である。
続くステップS4902では、サブ側RAM84の受信用エリア196から今回受信したコマンドデータを読み出し、その読み出したコマンドデータに対してステップS4901にて読み出した配列パターンを適用する。これにより、正規のコマンドデータを受信している場合には、主側MPU72において配列パターンの変換処理が実行される前の状態におけるコマンドデータに戻ることとなる。
その後、ステップS4903にて、ステップS4902にて変換処理を実行した結果のコマンドデータが、サブ側ROM83のコマンド記憶エリア203に記憶されているいずれかのコマンドデータと一致しているか否かを判定する。いずれかのコマンドデータと一致している場合(ステップS4903:YES)、サブ側RAM84の受信用エリア196に記憶されている8ビット分のデータを今回のコマンドデータとして読み出し、そのコマンドデータをサブ側RAM84のコマンド用エリア107に書き込む。これにより、当該コマンドデータがサブ側MPU82におけるその後の処理にて利用される。
一方、いずれのコマンドデータとも一致していない場合(ステップS4903:NO)、ステップS4905にて異常処理を実行する。異常処理では、不正なコマンド送信が行われたことを報知するために、上部ランプ64にて異常報知用の発光を行わせ、スピーカ65から異常報知用の音を出力させ、画像表示装置66にて異常報知用の画像を表示させる。但し、異常処理の態様はこれに限定されることはなく、例えばこれら異常報知のいずれか一つのみを実行する構成としてもよく、スロットマシン10の外部に設けられたホールコンピュータに異常報知用の外部出力を行う構成としてもよい。さらにまた、主側MPU72とサブ側MPU82とが双方向通信可能である場合には、サブ側MPU82から主側MPU72に異常信号が送信されるようにすることで、主側MPU72にて遊技の進行が阻止される構成としてもよい。また、ステップS4905の異常処理が実行される場合、当該異常処理の実行の契機となった各コマンドデータはその種類がいずれであるかに関係なくサブ側MPU82におけるその後の処理にて利用されない。
ステップS4904又はステップS4905の処理を実行した後は、ステップS4906にて、サブ側RAM84の順番カウンタの値を1加算する。この場合、順番カウンタの値が最大値に達した場合、順番カウンタの値を「1」に初期化する。
以上詳述した本実施形態によれば、コマンドデータが送信対象として設定された場合、コマンドデータがそのまま送信されるのではなく、当該コマンドデータに対して配列パターンの変換が実行され、その変換後のデータが主側MPU72からサブ側MPU82に送信される。サブ側MPU82は受信したコマンドデータに対して上記配列パターンに対応した復元処理を実行し、その復元後のコマンドデータがサブ側ROM83のコマンド記憶エリア203に記憶されたいずれかのコマンドデータと一致しているか否かを特定することで、コマンドデータの不正送信が行われたか否かを特定する。そして、復元後のコマンドデータがいずれのコマンドデータとも一致しない場合には、当該コマンドデータをサブ側MPU82におけるその後の処理にて利用しないようにするとともに、異常処理を実行することで異常報知が実行されるようにする。これにより、例えば信号出力用の外部装置を不正に接続してコマンドデータを不正に送信する場合、当該コマンドデータに対して変換処理を実行した結果であるコマンドデータを送信する必要が生じる。したがって、当該不正行為を行いづらくさせることが可能となる。
主側ROM73の配列テーブル記憶エリア201及びサブ側ROM83の配列テーブル記憶エリア204に記憶された配列テーブル201a,201bが利用されることにより、コマンドデータに対して適用される配列パターンが一定の順序で変更される。これにより、不正行為者が配列パターンの変換内容を踏まえてコマンドデータの不正送信を行おうとしても、それが難しくなる。また、配列テーブル201a,201bに従って配列パターンが一定の順序で変更されるため、サブ側MPU82においてコマンドデータの復元を正確に行うことが可能となる。
主側ROM73の配列テーブル記憶エリア201及びサブ側ROM83の配列テーブル記憶エリア204に記憶されている配列パターンは、任意の一のコマンドデータに対していずれかの配列パターンを適用した結果のデータが他のコマンドデータと一致しないように設定されている。かかる構成の場合、任意の一のコマンドデータに対していずれかの配列パターンを利用してサブ側MPU82にて復元用の変換処理を実行した結果のデータが他のコマンドデータと一致しないこととなる。これにより、不正に送信されたコマンドデータに対して復元用の変換処理を実行した結果のデータが正規のコマンドデータと一致してしまわないようにすることが可能となる。
主側MPU72は使用対象とする配列テーブル201a,201bの選択を抽選により行う。これにより、適用される配列パターンを不規則なものとすることが可能となり、コマンドデータの不正送信を発見し易くなる。この場合に、使用対象となる配列テーブルが決定された場合、その決定された配列テーブルの種類に対応したテーブル決定コマンドが主側MPU72からサブ側MPU82に送信される。これにより、配列テーブルの選択態様を不規則なものとしながら、サブ側MPU82において使用態様となる配列テーブルの認識を正確に行うことが可能となる。
<第12の実施形態の別例>
・配列テーブルは2種類に限定されることはなく、1種類であってもよい。この場合、その1種類の配列テーブルに設定されている複数種類の配列パターンにおいて、所定回数のコマンドデータの送信が行われた場合に次の順序の配列パターンが使用対象として選択される構成とするとともに、その1種類の配列テーブルを主側MPU72及びサブ側MPU82の双方において予め記憶しておくことで、使用対象となる配列パターンをサブ側MPU82に認識させるためのコマンドデータを主側MPU72から送信する必要が生じない。また、配列テーブルは3種類以上であってもよい。
・主側MPU72への動作電力の供給が開始されたタイミングで使用対象となる配列テーブルの選択が行われる構成に加えて又は代えて、コマンドデータが所定回数送信された場合に配列テーブルの選択が新たに行われる構成としてもよい。この場合、配列テーブルの選択が新たに行われた場合にその選択された配列テーブルの種類を示すコマンドが主側MPU72からサブ側MPU82に送信される必要がある。
<第13の実施形態>
本実施形態では不正なコマンド送信を監視するための構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下、本実施形態における不正なコマンド送信を監視するための構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図60は、不正なコマンド送信を監視するための電気的な構成を説明するためのブロック図である。
本実施形態においても上記第1の実施形態と同様に1のコマンドデータに対応したデータを送信するためのデータ線が複数設けられている。当該データ線として、第1データ線211、第2データ線212及び第3データ線213が設けられている。また、これらデータ線211〜213に共通させて一のクロック線214が設けられている。これらデータ線211〜213及びクロック線214のそれぞれに1対1で対応させて主制御基板71及びサブ制御基板81のそれぞれには電気回路が形成されており、各データ線211〜213に対応したデータ用の信号経路と、クロック線214に対応したクロック用の信号経路とが形成されている。
これら信号線群210は、一対のコネクタ部材間に複数の信号線が並設されたハーネス(コネクタユニット)によって形成されており、各コネクタ部材は主制御基板71及びサブ制御基板81のそれぞれに設けられたコネクタ部材に対して着脱自在な状態で接続されている。ハーネスは、各信号線が第1データ線211、第2データ線212、第3データ線213及びクロック線214のいずれに対応しているのかを外観からは識別不可又は識別しづらくなるように形成されている。なお、主制御基板71とサブ制御基板81とが信号線群210のみによって接続されている構成に限定されることはなく、信号経路の途中位置に中継基板が存在している構成としてもよい。
データ線211〜213及びクロック線214を利用したシリアル通信によるコマンドの送信は、主側MPU72に設けられた送信回路215により行われる。当該送信回路215は、主側ROM73のコマンド記憶エリア101から主側RAM74の送信用エリア217に読み出されたコマンドデータをサブ側MPU82に向けて送信する。送信回路215により送信されたコマンドデータは、サブ側MPU82に設けられた受信回路216にて受信される。受信回路216は、第1データ線211から受信したデータをサブ側RAM84に設けられた第1受信用エリア221に書き込み、第2データ線212から受信したデータをサブ側RAM84に設けられた第2受信用エリア222に書き込み、第3データ線213から受信したデータをサブ側RAM84に設けられた第3受信用エリア223に書き込む。
ここで、本実施形態では一のコマンドを送信する場合、第1データ線211〜第3データ線213のそれぞれにおいて同一のコマンドデータを送信する。但し、コマンドデータを同時に送信するのではなく、各データ線211〜213においてコマンドデータを送信している期間が全て重ならないように予め定められた順序で各データ線211〜213におけるコマンドデータの送信が行われる。かかる送信順序は送信回路215において管理されており、送信回路215は送信対象のコマンドデータが送信用エリア217に設定された場合、予め定められた順序に従って各データ線211〜213を利用して同一のコマンドデータを送信する。
主側MPU72にて実行される処理について詳細に説明する。
図61(a)は主側MPU72にて実行されるコマンド送信処理を示すフローチャートである。当該コマンド送信処理では、送信すべきコマンドがセットされている場合(ステップS5001:YES)、ステップS5002にて送信対象のコマンドデータを主側ROM73のコマンド記憶エリア101から主側RAM74の送信用エリア217に読み出す。
送信用エリア217にコマンドデータが読み出された場合、主側MPU72の送信回路215は図61(b)に示すように、1番目のコマンド送信タイミングである場合(ステップS5101:YES)、第1データ線211を利用したコマンドデータの送信を開始する(ステップS5102)。この場合、クロック線214を利用したクロック信号に同期させてコマンドデータの各単位ビットを送信する。また、2番目のコマンド送信タイミングである場合(ステップS5103:YES)、第2データ線212を利用したコマンドデータの送信を開始する(ステップS5104)。この場合、クロック線214を利用したクロック信号に同期させてコマンドデータの各単位ビットを送信する。また、3番目のコマンド送信タイミングである場合(ステップS5105:YES)、第3データ線213を利用したコマンドデータの送信を開始する(ステップS5106)。この場合、クロック線214を利用したクロック信号に同期させてコマンドデータの各単位ビットを送信する。
一のコマンドデータが複数回送信される様子を図62のタイムチャートを参照しながら説明する。図62(a)はクロック線214を利用したクロック信号の送信状況を示し、図62(b)は第1データ線211を利用したコマンドデータの送信状況を示し、図62(c)は第2データ線212を利用したコマンドデータの送信状況を示し、図62(d)は第3データ線213を利用したコマンドデータの送信状況を示す。
図62(a)に示すようにt1〜t2のタイミングにおいてクロック信号のLOWレベルからHIレベルの切り換えが8回行われる。この場合、図62(b)に示すように、第1データ線211を利用してコマンドデータが送信され、図62(c)及び図62(d)に示すように、第2データ線212及び第3データ線213を利用したコマンドデータの送信は行われない。
その後、図62(a)に示すようにt3〜t4のタイミングにおいてクロック信号のLOWレベルからHIレベルの切り換えが再度8回行われる。この場合、図62(c)に示すように、第2データ線212を利用してコマンドデータが送信され、図62(b)及び図62(d)に示すように、第1データ線211及び第3データ線213を利用したコマンドデータの送信は行われない。
その後、図62(a)に示すようにt5〜t6のタイミングにおいてクロック信号のLOWレベルからHIレベルの切り換えが再度8回行われる。この場合、図62(d)に示すように、第3データ線213を利用してコマンドデータが送信され、図62(b)及び図62(c)に示すように、第1データ線211及び第2データ線212を利用したコマンドデータの送信は行われない。
サブ側MPU82にて実行される処理について詳細に説明する。
サブ側MPU82の受信回路216は、図63に示すように、クロック線214を利用して受信しているクロック信号がLOWレベルからHIレベルに切り換えられた場合(ステップS5201:YES)、受信回路216に設けられた順番用エリア224の値が第1データ線211に対応している場合(ステップS5202:YES)、第1データ線211の信号状態に対応した値(LOWレベルであれば「0」、HIレベルであれば「1」)を第1受信用エリア221に書き込む(ステップS5203)。この場合、コマンドデータに含まれる単位ビットの数分のデータが受信した順序に従って第1受信用エリア221に記憶されることとなる。
順番用エリア224は、第1データ線211〜第3データ線213のうちいずれがコマンドデータの送信対象となっているのかを受信回路216にて特定するための記憶エリアであり、順番用エリア224の値が「0」である場合には第1データ線211がコマンドデータの送信対象であると特定し、順番用エリア224の値が「1」である場合には第2データ線212がコマンドデータの送信対象であると特定し、順番用エリア224の値が「2」である場合には第3データ線213がコマンドデータの送信対象であると特定する。順番用エリア224は、サブ側MPU82への動作電力の供給が開始された場合に「0」クリアされる。
クロック線214を利用して受信しているクロック信号がLOWレベルからHIレベルに切り換えられた場合(ステップS5201:YES)であって、受信回路216の順番用エリア224の値が第2データ線212に対応している場合(ステップS5204:YES)、第2データ線212の信号状態に対応した値(LOWレベルであれば「0」、HIレベルであれば「1」)を第2受信用エリア222に書き込む(ステップS5205)。この場合、コマンドデータに含まれる単位ビットの数分のデータが受信した順序に従って第2受信用エリア222に記憶されることとなる。
クロック線214を利用して受信しているクロック信号がLOWレベルからHIレベルに切り換えられた場合(ステップS5201:YES)であって、受信回路216の順番用エリア224の値が第3データ線213に対応している場合(ステップS5204:NO)、第3データ線213の信号状態に対応した値(LOWレベルであれば「0」、HIレベルであれば「1」)を第3受信用エリア223に書き込む(ステップS5206)。この場合、コマンドデータに含まれる単位ビットの数分のデータが受信した順序に従って第3受信用エリア223に記憶されることとなる。
また、受信回路216は、クロック信号がLOWレベルからHIレベルに切り換えられた回数がコマンドデータの単位ビットの数分の回数(具体的には8回)となった場合、一のコマンドデータの全単位ビットを受信したものと特定し(ステップS5207:YES)、順番用エリア224の値を1加算する(ステップS5208)。この場合、1加算後の順番用エリア224の値が「3」となった場合、当該順番用エリア224を「0」クリアする。
図64はサブ側MPU82にて実行されるコマンド受信処理を示すフローチャートである。サブ側RAM84の第1受信用エリア221〜第3受信用エリア223のいずれかに新たなコマンドデータが記憶されている場合(ステップS5301:YES)、ステップS5302にて全ての受信用エリア221〜223に新たなコマンドデータが記憶されているか否かを判定する。
なお、受信回路216は受信用エリア221〜223のいずれかにコマンドデータを新たに書き込んだ場合、その書き込み対象となった受信用エリア221〜223に対応させてサブ側RAM84に設けられた書き込み完了フラグに「1」をセットする。ステップS5301ではいずれかの完了フラグに「1」がセットされているか否かを判定し、ステップS5302では全ての完了フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。なお、ステップS5302にて肯定判定をした場合に全ての完了フラグを「0」クリアする。
ステップS5302にて肯定判定をした場合、ステップS5303にて、第1受信用エリア221〜第3受信用エリア223に記憶されているコマンドデータの全てが同一であるか否かを判定する。全てのコマンドデータが同一である場合(ステップS5303:YES)、ステップS5304にてサブ側RAM84の第1受信用エリア221に格納されているコマンドデータをサブ側RAM84のコマンド用エリア107に書き込む。これにより、当該コマンドデータがサブ側MPU82におけるその後の処理にて利用される。
一方、コマンドデータが同一ではない場合(ステップS5303:NO)、ステップS5305にて異常処理を実行する。異常処理では、不正なコマンド送信が行われたことを報知するために、上部ランプ64にて異常報知用の発光を行わせ、スピーカ65から異常報知用の音を出力させ、画像表示装置66にて異常報知用の画像を表示させる。但し、異常処理の態様はこれに限定されることはなく、例えばこれら異常報知のいずれか一つのみを実行する構成としてもよく、スロットマシン10の外部に設けられたホールコンピュータに異常報知用の外部出力を行う構成としてもよい。さらにまた、主側MPU72とサブ側MPU82とが双方向通信可能である場合には、サブ側MPU82から主側MPU72に異常信号が送信されるようにすることで、主側MPU72にて遊技の進行が阻止される構成としてもよい。また、ステップS5305の異常処理が実行される場合、当該異常処理の実行の契機となった各コマンドデータはその種類がいずれであるかに関係なくサブ側MPU82におけるその後の処理にて利用されない。
また、コマンド受信処理では、ステップS5302にて少なくとも一部の受信用エリア221〜223に新たなコマンドデータが記憶されていないと判定した場合、ステップS5306にて、ステップS5301にて否定判定をしている状況から肯定判定をする状況へと切り換わったタイミングから監視時間(例えば50msec)が経過したか否かを判定する。そして、監視時間が経過していると判定した場合には、ステップS5305にて異常処理を実行する。異常処理の内容は既に説明したとおりである。
以上詳述した本実施形態によれば、第1データ線211〜第3データ線213において一のコマンドデータが予め定められた順序に従って順次送信される。そして、サブ側MPU82はコマンドデータを上記順序で受信しなかった場合、コマンドデータの不正送信が行われたものとして、当該コマンドデータをその後の処理にて利用しないようにするとともに、異常処理を実行することで異常報知が実行されるようにする。これにより、コマンドデータの不正送信に対処することが可能となる。
<第13の実施形態の別例>
・第1〜第3データ線211〜213に対して共通となる一のクロック線214を設ける構成に限定されることはなく、第1〜第3データ線211〜213に1対1で対応させてクロック線を設ける構成としてもよい。この場合、サブ側MPU82においていずれのデータ線からコマンドデータが送信されているのかを把握することが可能となるため、各データ線211〜213においてコマンドデータが送信された順序を把握することが可能となる。これにより、コマンドデータが送信された順序との関係で、コマンドデータの不正送信が行われたか否かを特定することが可能となる。
・コマンドデータの送信対象ではないデータ線は信号状態をHIレベル又はLOWレベルで一定とし、サブ側MPU82は所定期間内に信号状態の変化が発生したデータ線が複数存在している場合に異常の発生と特定する構成としてもよい。
・データ線の数は3本に限定されることはなく2本であってもよく、4本以上であってもよい。
<第14の実施形態>
本実施形態では入賞結果コマンドの送信頻度を監視することで不正なコマンド送信が行われたか否かを監視する構成となっている。かかる監視は、サブ側MPU82のコマンド受信処理にて実行される。図65は、当該コマンド受信処理を示すフローチャートである。なお、本実施形態におけるコマンド受信処理は上記第1の実施形態と同様に周期処理(図11)にて実行されるものの、当該周期処理ではステップS501の処理が実行されずに新たなコマンドを受信したか否かに関係なくコマンド受信処理が実行される。
入賞結果コマンドを受信している場合(ステップS5401:YES)、ステップS5402にて、サブ側RAM84に設けられた受信回数カウンタの値を1加算する。受信回数カウンタは受信監視時間が経過するまでに入賞結果コマンドを受信した回数をサブ側MPU82にて計測するためのカウンタである。受信監視時間は、1の遊技回が開始されてから次の遊技回が開始されるまでの期間が所定期間以上となるようにするために設定されたウエイト時間と同一の時間として設定されており、具体的には4.1secに設定されている。
続くステップS5403では、サブ側RAM84の受信回数カウンタの値が基準値以上となっているか否かを判定する。当該基準値は「3」に設定されている。本スロットマシン10では、既に説明したとおり、1の遊技回が開始されてから次の遊技回が開始されるまでの期間が4.1sec以上となるようにウエイト時間が設定されているため、このウエイト時間と同一の受信監視時間が経過するまでに入賞結果コマンドを3回受信した場合、その入賞結果コマンドは不正に送信されたことを意味する。
受信回数カウンタの値が基準値未満である場合(ステップS5403:NO)、今回受信した入賞結果コマンドをその後のサブ側MPU82における処理にて利用可能とするために、サブ側RAM84に設けられたコマンド用エリア107に書き込む(ステップS5404)。一方、受信回数カウンタの値が基準値以上である場合(ステップS5403:YES)、ステップS5405にて異常処理を実行する。異常処理では、不正なコマンド送信が行われたことを報知するために、上部ランプ64にて異常報知用の発光を行わせ、スピーカ65から異常報知用の音を出力させ、画像表示装置66にて異常報知用の画像を表示させる。但し、異常処理の態様はこれに限定されることはなく、例えばこれら異常報知のいずれか一つのみを実行する構成としてもよく、スロットマシン10の外部に設けられたホールコンピュータに異常報知用の外部出力を行う構成としてもよい。さらにまた、主側MPU72とサブ側MPU82とが双方向通信可能である場合には、サブ側MPU82から主側MPU72に異常信号が送信されるようにすることで、主側MPU72にて遊技の進行が阻止される構成としてもよい。また、ステップS5405の異常処理が実行される場合、当該異常処理の実行の契機となった各コマンドデータはその種類がいずれであるかに関係なくサブ側MPU82におけるその後の処理にて利用されない。
ステップS5401にて否定判定をした場合、ステップS5404の処理を実行した場合、又はステップS5405の処理を実行した場合、ステップS5406にて受信監視時間が経過したか否かを判定する。受信監視時間が経過している場合には、ステップS5407にてサブ側RAM84の受信回数カウンタの値を「0」クリアする。その後、ステップS5408にて他の処理を実行する。他の処理では、入賞結果コマンド以外のコマンドを受信しているか否かを判定し、受信している場合にはそのコマンドをサブ側RAM84のコマンド用エリア107に書き込む。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
サブ側MPU82は入賞結果コマンドを受信監視時間が経過するまでに基準回数以上受信した場合、コマンドデータの不正送信が発生したとして、そのコマンドデータをその後の処理にて利用しないようにするとともに異常処理を実行することにより異常報知が実行されるようにする。これにより、例えば天井ゲーム数分の遊技が実行されたとサブ側MPU82に誤認させるべく入賞結果コマンドを繰り返し送信する不正が行われた場合、それに対処することが可能となる。
<第14の実施形態の別例>
・受信監視時間は4.1secに限定されることはなくそれよりも短い時間であってもよく長い時間であってもよい。
・監視対象のコマンドは入賞結果コマンドに限定されることはなく、抽選結果コマンド(又は開始指令コマンド)や停止指令コマンドなどであってもよい。
例えば抽選結果コマンドは1遊技回を開始させるべくスタートレバー41が操作された場合に送信されることとなるが、既に説明したとおり本スロットマシン10では1の遊技回が開始されてから次の遊技回が開始されるまでの期間が所定期間以上となるようにウエイト時間(4.1sec)が設定されているため、ウエイト時間と同一の時間が経過するまでに抽選結果コマンドが2回送信されることはない。そこで、サブ側MPU82では一の抽選結果コマンドを受信してから次の抽選結果コマンドを受信するまでの時間がウエイト時間と同一の時間未満である場合にはそのコマンド受信を無効としたり異常報知が実行されるようにすることで、抽選結果コマンドの不正送信に対処することが可能となる。なお、天井ゲーム数の減算が抽選結果コマンドの受信を契機として行われる構成においては抽選結果コマンドを繰り返し不正送信する行為が想定され、かかる不正行為に対して上記不正対策は有効である。
また、複数種類のコマンドが監視対象となる場合、それぞれのコマンドについて受信監視時間の計測とコマンド受信回数の計測とを行う必要がある。
<他の実施形態>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組合せて適用してもよい。
(1)シリアル通信を行うための信号線としてデータ線とクロック線とが用いられる構成としたが、これらに加えて、一のコマンドデータの送信開始及び送信終了のうち少なくとも一方を認識させるための信号が送信される信号線が用いられる構成としてもよい。また、一のコマンドデータの送信開始を認識させるための信号が送信される信号線と、一のコマンドデータの送信終了を認識させるための信号が送信される信号線とが用いられる構成としてもよい。この場合、一のコマンドデータの送信開始を認識させるための信号が送信された後にコマンドデータの最初の単位ビットが送信されるまでの時間を予め定められた態様で変動させ、実際の当該時間が正規の時間と一致しない場合にはコマンドデータの不正送信が行われたと特定し、上記各実施形態のような対応する処理を実行する構成としてもよい。また、コマンドデータの最後の単位ビットが送信されてから一のコマンドデータの送信終了を認識させるための信号が送信されるまでの時間を予め定められた態様で変動させ、実際の当該時間が正規の時間と一致しない場合にはコマンドデータの不正送信が行われたと特定し、上記各実施形態のような対応する処理を実行する構成としてもよい。
(2)上記各実施形態において、コマンドデータがシリアル通信で送信される構成に代えて、コマンドデータがパラレル通信で送信される構成としてもよい。この場合、上記第1〜第4,第10〜第11,第13の実施形態においてはパラレル通信を行うためのデータ線群を複数組設ける必要がある。
(3)コマンドデータは1バイトに限定されることはなく、2バイト、3バイト又は4バイト以上であってもよい。
(4)上記第4〜第7の実施形態において、主側RAM74の連番エリアにおいて計測される回数が全てのコマンドデータの送信回数である構成に限定されることはなく、抽選結果コマンドや入賞結果コマンドといった一部のコマンドに対応するコマンドデータの送信回数である構成としてもよい。
(5)サブ側MPU82はコマンドデータの受信態様が異常であった場合、そのコマンドデータをその後の処理にて利用しない構成としたが、これに代えて、そのコマンドデータをその後の処理にて利用する構成としてもよい。この場合であっても、異常処理が実行されるようにすることで、コマンドの不正送信に対処させるようにするために異常報知が行われるようにすることが可能となる。
(6)サブ側MPU82はコマンドデータの受信態様が異常であった場合、そのコマンドデータをその後の処理にて利用しないようにするとともに異常処理を実行する構成としたが、コマンドデータをその後の処理にて利用しないようにするだけで異常処理は実行しない構成としてもよい。
(7)上記第1〜第14の実施形態、及び当該他の実施形態を、任意に組み合わせてもよい。例えば上記第1の実施形態と上記第5の実施形態とを組み合わせてもよい。このように組み合わせることにより、各実施形態の構成を備えることによる相乗的な効果を得ることが可能となる。
(8)上記各実施形態では、小役入賞が成立した場合にメダルを払い出す特典を付与する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、小役入賞が成立した場合にメダル以外の賞品を払い出す構成であってもよい。また、現実のメダル投入やメダル払出機能を有さず、遊技者の所有するメダルをクレジット管理するスロットマシンにおいては、クレジットされたメダルの増加が特典の付与に相当する。
(9)本発明を所謂Bタイプのスロットマシンに適用してもよく、またCタイプ、AタイプとCタイプの複合タイプ、BタイプとCタイプの複合タイプ、さらにはRTゲーム、CTゲーム又はARTゲームを備えたタイプなど、どのようなスロットマシンにこの発明を適用してもよい。
(10)各リール32L,32M,32Rの図柄としては、絵、数字、文字等に限らず、幾何学的な線や図形等であってもよい。また、光や色等によって図柄を構成することも可能であるし、立体的形状等によっても図柄を構成し得るし、これらを複合したものであっても図柄を構成し得る。即ち、図柄は識別性を有した情報としての機能を有するものであればよい。
(11)上記各実施形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、パチンコ機に対して適用してもよく、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.信号経路を利用して所定情報(コマンドデータ)を送信する送信手段(第1の実施形態に記載された送信回路97、第2の実施形態に記載された第1送信回路115及び第2送信回路116、第10の実施形態に記載された送信回路176、第13の実施形態に記載された送信回路215)と、
前記信号経路を通じて受信した前記所定情報を利用して制御を実行する所定制御手段(サブ側MPU82)と、
を備え、
前記信号経路として、
前記所定情報の全体又は当該所定情報の全体に対応した若しくは当該所定情報に付属する対応情報(第4の実施形態では連番データ)の全体を送信可能とするための第1信号経路(第1の実施形態では第1データ線94を利用した信号経路、第2の実施形態では第1データ線111を利用した信号経路、第10の実施形態では第1データ線171を利用した信号経路、第13の実施形態では第1データ線211を利用した信号経路)と、
前記所定情報の全体又は当該所定情報の全体に対応した若しくは当該所定情報に付属する対応情報(第1の実施形態では反転コマンドデータ、第4の実施形態では連番データ)の全体を送信可能とするための第2信号経路(第1の実施形態では第2データ線95を利用した信号経路、第2の実施形態では第2データ線113を利用した信号経路、第10の実施形態では第2データ線172を利用した信号経路、第13の実施形態では第2データ線212を利用した信号経路)と、
を備え、
前記送信手段は、前記第1信号経路及び前記第2信号経路の少なくとも一方を利用して前記所定情報の全体を送信するものであることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、所定情報の全体又は対応情報の全体を送信可能とするための信号経路が複数設けられていることにより、例えば信号出力用の外部装置を不正に接続して所定情報を不正に送信する場合、それら複数の信号経路に対応した信号送信を行う必要が生じる。したがって、当該不正行為を行いづらくさせることが可能となる。
また、送信手段は、第1信号経路及び第2信号経路の少なくとも一方を利用して所定情報の全体を送信する構成であるため、上記のように複数の信号経路を備えて信号の送信態様を複雑化させた構成であっても、所定制御手段は一の信号経路のみから所定情報を受信することが可能となる。よって、所定制御手段において所定情報を利用するための構成が極端に複雑化してしまうことが抑えられる。
以上より、複数の制御手段間における情報の伝送を好適に行うことが可能となる。
なお、第1信号経路及び第2信号経路のそれぞれが単一の信号経路からなる構成としてもよく、この場合、第1信号経路及び第2信号経路のそれぞれにおいて情報がシリアル方式で送信されることとなる。一方、第1信号経路及び第2信号経路のそれぞれが複数の信号経路が並設されてなる構成としてもよく、この場合、第1信号経路及び第2信号経路のそれぞれにおいて情報がパラレル方式で送信されることとなる。
特徴A2.前記所定制御手段は、前記信号経路を通じた情報の受信態様が所定態様ではない場合、前記所定情報を利用した制御を実行しない制御実行手段(第1の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS903にて否定判定をする機能、、第2の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS1207にて否定判定をする機能、第3の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS1311にて肯定判定をする機能、第4の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS1504にて否定判定をする機能、第10の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS4103にて肯定判定をする機能、第11の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS4504にて肯定判定をする機能、第13の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS5306にて肯定判定をする機能)、及び前記信号経路を通じた情報の受信態様が前記所定態様ではない場合、それに対応した特別処理を実行する特別実行手段(第1の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS905の処理を実行する機能、第2の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS1209の処理を実行する機能、第3の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS1313の処理を実行する機能、第4の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS1506の処理を実行する機能、第10の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS4105の処理を実行する機能、第11の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS4506の処理を実行する機能、第13の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS5305の処理を実行する機能)のうち少なくとも一方を備えていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、複数の信号経路を通じた情報の受信態様が正常である場合にのみ所定情報を利用した制御の実行を可能としたり、複数の信号経路を通じた情報の受信態様が異常である場合にそれに対応した特別処理を実行することが可能となる。
なお、特別処理としては、異常であることを報知するための処理や、遊技を進行させるために必要な少なくとも一部の処理の実行を禁止する処理などが挙げられる。
特徴A3.前記第1信号経路は複数ビットからなる情報をシリアル方式で送信するための経路であり、
前記第2信号経路は複数ビットからなる情報をシリアル方式で送信するための経路であることを特徴とする特徴A1又はA2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、第1信号経路及び第2信号経路のそれぞれにおいて複数ビットからなる所定情報又は複数ビットからなる対応情報の全体を送信することが可能となる。
特徴A4.前記第1信号経路を生じさせるために利用される信号線(第1の実施形態では第1データ線94、第2の実施形態では第1データ線111、第10の実施形態では第1データ線171、第13の実施形態では第1データ線211)と、前記第2信号経路を生じさせるために利用される信号線(第1の実施形態では第2データ線95、第2の実施形態では第2データ線113、第10の実施形態では第2データ線172、第13の実施形態では第2データ線212)とが、両端にコネクタ部材を有しそれらコネクタ部材間にこれら信号線が並設されたコネクタユニットとして設けられていることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A4によれば、第1信号経路を生じさせるための信号線と第2信号経路を生じさせるための信号線とがコネクタユニットとしてまとめて設けられているため、第1信号経路及び第2信号経路のそれぞれを個別に認識することが難しくなり、結果的に第1信号経路及び第2信号経路のそれぞれに対して個別に不正を施すことが難しくなる。
特徴A5.前記第1信号経路を利用して複数ビットの情報が送信される場合の各ビットの送信タイミング及び前記第2信号経路を利用して複数ビットの情報が送信される場合の各ビットの送信タイミングを認識させるためのクロック信号が、これら第1信号経路及び第2信号経路に対して共通のクロック信号経路(第1の実施形態ではクロック線96を利用した信号経路、第10の実施形態ではクロック線175を利用した信号経路、第13の実施形態ではクロック線214を利用した信号経路)を利用して送信されることを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A5によれば、第1信号経路だけでなく第2信号経路が設けられた構成において、いずれの信号経路を利用して情報が送信される場合であっても共通のクロック信号経路を利用してクロック信号が送信されるため、信号経路の数が増加することを抑えながら既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴A6.前記第1信号経路を利用して複数ビットの情報が送信される場合の各ビットの送信タイミングを認識させるためのクロック信号を送信する場合に利用される第1クロック信号経路(第2の実施形態における第1クロック線112を利用した信号経路)と、
前記第2信号経路を利用して複数ビットの情報が送信される場合の各ビットの送信タイミングを認識させるためのクロック信号を送信する場合に利用される第2クロック信号経路(第2の実施形態における第2クロック線114を利用した信号経路)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A6によれば、第1信号経路及び第2信号経路のそれぞれに対応させてクロック信号経路が設けられているため、各信号経路において複数ビット情報を送信するタイミングの自由度が高められる。
特徴A7.前記第1信号経路を生じさせるための信号線(第2の実施形態における第1データ線111)と、前記第2信号経路を生じさせるための信号線(第2の実施形態における第2データ線113)と、前記第1クロック信号経路を生じさせるための信号線(第2の実施形態における第1クロック線112)と、前記第2クロック信号経路を生じさせるための信号線(第2の実施形態における第2クロック線114)とが、両端にコネクタ部材を有しそれらコネクタ部材間にこれら信号線が並設されたコネクタユニットとして設けられていることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、各信号経路を生じさせるために利用される各信号線と各クロック信号経路を生じさせるために利用される各信号線とがコネクタユニットとしてまとめて設けられているため、第1信号経路及び第2信号経路のそれぞれを個別に認識することが難しくなり、結果的に第1信号経路及び第2信号経路のそれぞれに対して個別に不正を施すことが難しくなる。
特徴A8.前記所定情報を送信対象として設定する情報設定手段(主側MPU72におけるステップS309、ステップS404及びステップS413の処理を実行する機能)と、
当該情報設定手段により設定された前記所定情報に対して変換処理を実行することにより当該所定情報とは異なるものの当該所定情報に対応した対応情報(反転コマンドデータ)を導出する導出手段(第1の実施形態において主側MPU72におけるステップS804の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記送信手段は、前記第1信号経路を利用して前記所定情報を送信し、前記第2信号経路を利用して前記対応情報を送信するものであることを特徴とする特徴A1乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A8によれば、一の所定情報が送信対象として設定された場合、第1信号経路を利用して所定情報そのものが送信されるとともに、第2信号経路を利用して所定情報を変換して導出された対応情報が送信される。これにより、所定制御手段においてはそれら所定情報と対応情報との対応関係が正常であるか否かを特定することで、情報の送信が不正によるものであるか否かを特定することが可能となる。また、対応情報は所定情報を変換することで導出されるものであるため、不正監視のために別の情報を予め記憶しておく必要が生じない。よって、情報を予め記憶しておくための記憶容量の増大化を抑えながら既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴A9.前記所定制御手段は、
前記第1信号経路を通じて受信した前記所定情報と前記第2信号経路を通じて受信した前記対応情報との対応関係が正常関係であるか否かを特定可能とするための情報を導出する対応関係導出手段(第1の実施形態においてサブ側MPU82におけるステップS902の処理を実行する機能)と、
当該対応関係導出手段により導出された情報が前記正常関係であることに対応した情報ではない場合、前記所定情報を利用した制御を実行しない制御実行手段(第1の実施形態においてサブ側MPU82におけるステップS903にて否定判定をする機能)、及び前記対応関係導出手段により導出された情報が前記正常関係であることに対応した情報ではない場合、それに対応した特別処理を実行する特別実行手段(第1の実施形態においてサブ側MPU82におけるステップS905の処理を実行する機能)のうち少なくとも一方と、
を備えていることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、複数の信号経路を通じた情報の受信態様が正常である場合にのみ所定情報を利用した制御の実行を可能としたり、複数の信号経路を通じた情報の受信態様が異常である場合にそれに対応した特別処理を実行することが可能となる。
また、対応情報は所定情報を変換して導出された情報であるため、所定制御手段において対応情報を記憶しておかなくても所定情報と対応情報との対応関係から、情報の送信が不正によるものであるか否かを特定することが可能となる。
なお、特別処理としては、異常であることを報知するための処理や、遊技を進行させるために必要な少なくとも一部の処理の実行を禁止する処理などが挙げられる。
特徴A10.前記送信手段は、前記第1信号経路を利用して複数ビットの情報を送信する場合における単位ビット情報の送信タイミングと、前記第2信号経路を利用して複数ビットの情報を送信する場合における単位ビット情報の送信タイミングとを異ならせることが可能であることを特徴とする特徴A1乃至A9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A10によれば、第1信号経路及び第2信号経路における単位ビット情報の送信タイミングとの関係で情報の送信が不正によるものであるか否かを特定することが可能であるため、例えば第1信号経路及び第2信号経路の両方に対して同一の所定情報を同時に送信する不正が行われた場合に、その情報の送信が不正によるものであると特定することが可能となる。
また、本構成によれば、単位ビット情報の送信タイミングとの関係で情報の送信が不正によるものであるか否かを特定することが可能であるため、一の所定情報が送信対象として設定された場合、第1信号経路及び第2信号経路のそれぞれにおいて所定情報そのものを送信すればよく、情報の送信が不正によるものであるか否かを監視するために所定情報とは別の情報を送信する必要が生じない。
特徴A11.前記送信手段は、
前記第1信号経路を利用して複数ビットの情報を送信する場合における単位ビット情報の送信周期を第1周期とする第1送信手段(第2の実施形態における第1送信回路115)と、
前記第2信号経路を利用して複数ビットの情報を送信する場合における単位ビット情報の送信周期を第2周期とする第2送信手段(第2の実施形態における第2送信回路116)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A11によれば、第1信号経路と第2信号経路とで単位ビット情報の送信周期が異なるため、その送信周期との関係で情報の送信が不正によるものであるか否かを特定することが可能となる。また、不正行為者は第1信号経路及び第2信号経路のそれぞれに対応させて情報の送信周期を調整する必要があるため、不正行為を行いづらくさせることが可能となる。
特徴A12.前記所定制御手段は、前記第1信号経路を通じて情報を受信した場合における単位ビット情報の送信周期及び前記第2信号経路を通じて情報を受信した場合における単位ビット情報の送信周期がそれぞれ前記第1周期及び前記第2周期ではない場合、前記所定情報を利用した制御を実行しない制御実行手段(第2の実施形態においてサブ側MPU82におけるステップS1207にて否定判定をする機能)、及び前記第1信号経路を通じて情報を受信した場合における単位ビット情報の送信周期が前記第1周期ではない場合又は前記第2信号経路を通じて情報を受信した場合における単位ビット情報の送信周期が前記第2周期ではない場合、それに対応した特別処理を実行する特別実行手段(第2の実施形態においてサブ側MPU82におけるステップS1209の処理を実行する機能)のうち少なくとも一方を備えていることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
特徴A12によれば、複数の信号経路を通じた情報の受信態様が正常である場合にのみ所定情報を利用した制御の実行を可能としたり、複数の信号経路を通じた情報の受信態様が異常である場合にそれに対応した特別処理を実行することが可能となる。
また、本構成の場合、第1信号経路に対応した送信周期と第2信号経路に対応した送信周期とを所定制御手段に予め記憶させておき、それら送信周期との関係で情報の送信が不正に行われたか否かを特定する構成であるため、受信した情報の加工などを要することなく不正監視を行うことが可能となる。
なお、特別処理としては、異常であることを報知するための処理や、遊技を進行させるために必要な少なくとも一部の処理の実行を禁止する処理などが挙げられる。
特徴A13.前記送信手段は、前記第1信号経路を利用して複数ビットの情報を送信する場合における送信期間と前記第2信号経路を利用して複数ビットの情報を送信する場合における送信期間との少なくとも一部を重複させる一方、前記第1信号経路を利用して複数ビットの情報を送信する場合における各単位ビット情報の送信タイミングと前記第2信号経路を利用して複数ビットの情報を送信する場合における各単位ビット情報の送信タイミングとを全て異ならせる手段(第3の実施形態における送信回路の機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A13によれば、第1信号経路及び第2信号経路を利用した情報の送信に要する期間の短縮化を図りながら、情報の送信が不正に行われたか否かの特定を行うことが可能となる。
特徴A14.前記所定制御手段は、前記第1信号経路を通じて情報を受信した場合における単位ビット情報の送信タイミングと前記第2信号経路を通じて情報を受信した場合における単位ビット情報の送信タイミングとが一致している場合、前記所定情報を利用した制御を実行しない制御実行手段(第3の実施形態においてサブ側MPU82におけるステップS1311にて肯定判定をする機能)、及び前記第1信号経路を通じて情報を受信した場合における単位ビット情報の送信タイミングと前記第2信号経路を通じて情報を受信した場合における単位ビット情報の送信タイミングとが一致している場合、それに対応した特別処理を実行する特別実行手段(第3の実施形態においてサブ側MPU82におけるステップS1313の処理を実行する機能)のうち少なくとも一方を備えていることを特徴とする特徴A13に記載の遊技機。
特徴A14によれば、複数の信号経路を通じた情報の受信態様が正常である場合にのみ所定情報を利用した制御の実行を可能としたり、複数の信号経路を通じた情報の受信態様が異常である場合にそれに対応した特別処理を実行することが可能となる。
また、本構成の場合、第1信号経路を通じた各単位ビット情報の受信タイミングと第2信号経路を通じた各単位ビット情報の受信タイミングとの関係で情報の送信が不正に行われたか否かを特定する構成であるため、受信した情報の加工などを要することなく不正監視を行うことが可能となるとともに、正常か否かを特定するための基準となる情報を所定制御手段に事前に記憶させておくことを要することなく不正監視を行うことが可能となる。
なお、特別処理としては、異常であることを報知するための処理や、遊技を進行させるために必要な少なくとも一部の処理の実行を禁止する処理などが挙げられる。
特徴A15.前記第1信号経路及び前記第2信号経路を含めた複数種類の信号経路の中から前記所定情報の送信対象の信号経路を選択する経路選択手段(第4の実施形態において主側MPU72におけるステップS1402の処理を実行する機能、第10の実施形態において主側MPU72におけるステップS3903の処理を実行する機能、第11の実施形態において主側MPU72におけるステップS4202の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A14のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A15によれば、複数の信号経路の中から一の信号経路が選択されて所定情報が送信されるため、不正行為者にとってはその選択結果と一致する信号経路に対して所定情報の不正送信を生じさせる必要が生じる。よって、情報を不正に送信して利益を得ようとする行為を阻止することが可能となる。
特徴A16.前記所定制御手段は、前記第1信号経路及び前記第2信号経路を含めた複数種類の信号経路を通じた情報の受信態様が前記経路選択手段の選択態様と一致していない場合、前記所定情報を利用した制御を実行しない制御実行手段(第4の実施形態においてサブ側MPU82におけるステップS1504にて否定判定をする機能、第10の実施形態においてサブ側MPU82におけるステップS4103にて肯定判定をする機能、第11の実施形態においてサブ側MPU82におけるステップS4504にて肯定判定をする機能)、及び前記第1信号経路及び前記第2信号経路を含めた複数種類の信号経路を通じた情報の受信態様が前記経路選択手段の選択態様と一致していない場合、それに対応した特別処理を実行する特別実行手段(第4の実施形態においてサブ側MPU82におけるステップS1506の処理を実行する機能、第10の実施形態においてサブ側MPU82におけるステップS4105の処理を実行する機能、第11の実施形態においてサブ側MPU82におけるステップS4506の処理を実行する機能)のうち少なくとも一方を備えていることを特徴とする特徴A15に記載の遊技機。
特徴A16によれば、複数の信号経路を通じた情報の受信態様が正常である場合にのみ所定情報を利用した制御の実行を可能としたり、複数の信号経路を通じた情報の受信態様が異常である場合にそれに対応した特別処理を実行することが可能となる。
また、本構成の場合、複数の信号経路に対して所定情報の送信をまとめて行わせる不正行為が行われた場合、送信対象として選択された信号経路以外の信号経路から所定情報を受信することとなるため、それに対して対処することが可能となる。
なお、特別処理としては、異常であることを報知するための処理や、遊技を進行させるために必要な少なくとも一部の処理の実行を禁止する処理などが挙げられる。
特徴A17.前記経路選択手段は、
前記第1信号経路及び前記第2信号経路を含めた複数種類の信号経路の中から前記所定情報の送信対象の信号経路を選択する手段(第4の実施形態において主側MPU72におけるステップS1404及びステップS1408の処理を実行する機能)と、
前記送信対象の信号経路とは異なる信号経路を利用して前記対応情報を送信されるようにする手段(第4の実施形態において主側MPU72におけるステップS1406及びステップS1410の処理を実行する機能)と、
前記所定情報及び前記対応情報を送信するために利用される信号経路の種類を変更する種類変更手段(第4の実施形態において主側MPU72におけるステップS1402及びステップS1412の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A15又はA16に記載の遊技機。
特徴A17によれば、複数種類の信号経路のうち所定情報の送信対象と対応情報の送信対象とが変更される。これにより、これら所定情報及び対応情報の送信対象の組合せとの関係で、情報の送信が不正に行われたか否かを特定することが可能となる。
特徴A18.前記送信手段は、前記第1信号経路及び前記第2信号経路を含めた複数種類の信号経路のうち前記経路選択手段により送信対象として選択された信号経路以外の信号経路において、前記送信対象として選択された信号経路にて前記所定情報の送信が行われている期間中は信号状態が一定となるようにする手段(第10の実施形態において主側MPU72におけるステップS3904の処理を実行する機能、第11の実施形態において主側MPU72におけるステップS4404の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A15乃至A17のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A18によれば、所定制御手段は所定情報の送信対象として選択されていない信号経路において信号状態が変化した場合、それを不正な情報送信行為の発生と特定することが可能となる。これにより、情報の送信が不正に行われたか否かの監視を簡易的に行うことが可能となる。
特徴A19.前記送信手段は、前記経路選択手段により前記所定情報の送信対象とする信号経路が選択された場合、当該所定情報の送信開始タイミングよりも前のタイミングにおいていずれの信号経路を利用するのかを示す選択情報を送信するものであることを特徴とする特徴A15乃至A18のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A19によれば、所定制御手段は送信手段から事前に受信している選択情報と対応しない信号経路から所定情報を受信した場合、情報の送信が不正に行われたと特定することが可能となる。これにより、所定制御手段に不正監視用の情報を事前に記憶させておかなくても不正監視を行うことが可能となる。
特徴A20.前記第1信号経路及び前記第2信号経路を含めた複数種類の信号経路が前記所定情報の送信対象として選択される順序が設定された選択順序情報(送信テーブル185a,185b)を予め記憶した選択順序記憶手段(送信テーブル記憶エリア185)を備え、
前記経路選択手段は、前記選択順序情報に従って、前記所定情報の送信対象とする信号経路の選択を行うものであることを特徴とする特徴A15乃至A19のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A20によれば、選択順序情報に従って所定情報の送信対象が決定されるため、かかる選択順序情報との関係で不正な情報送信の監視を行うことが可能となる。
特徴A21.前記選択順序記憶手段は、前記選択順序情報を複数種類記憶しており、
使用対象とする前記選択順序情報を選択する順序情報選択手段(第10の実施形態において主側MPU72におけるステップS3702の処理を実行する機能)を備え、
前記経路選択手段は、前記順序情報選択手段により選択された前記選択順序情報に従って、前記所定情報の送信対象とする信号経路の選択を行うものであることを特徴とする特徴A20に記載の遊技機。
特徴A21によれば、複数種類設けられた選択順序情報のうちの一の選択順序情報に従って所定情報の送信対象とする信号経路の選択が行われるため、所定情報の送信が行われる対象の信号経路をより不規則に設定することが可能となる。
特徴A22.前記選択順序情報は、前記所定制御手段が備える所定側記憶手段にも予め記憶されていることを特徴とする特徴A20又はA21に記載の遊技機。
特徴A22によれば、選択順序情報が送信手段側だけでなく所定制御手段側にも予め記憶されているため、送信手段側は選択順序情報に従って所定情報の送信対象の信号経路を決定し、所定制御手段側は選択順序情報に従って所定情報の受信が正常であるか否かを特定することが可能となる。
特徴A23.前記所定情報を送信対象として設定する情報設定手段(主側MPU72におけるステップS309、ステップS404及びステップS413の処理を実行する機能)を備え、
前記送信手段は、当該情報設定手段により設定された前記所定情報を、所定の順序に従って、前記第1信号経路を利用して送信し、前記第2信号経路を利用して送信するものであることを特徴とする特徴A1乃至A22のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A23によれば、所定情報が送信対象として設定された場合、その送信情報が所定の順序に従って第1信号経路を利用して送信されるとともに第2信号経路を利用して送信されるため、それら送信順序との関係で情報の送信が不正に行われたか否かを特定することが可能となる。
なお、上記特徴A1〜A23のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A23、特徴B1〜B12、特徴C1〜C11、特徴D1〜D8のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴B群>
特徴B1.信号経路を利用して所定情報を送信する送信手段(第4〜第9の実施形態における主側MPU72及び送信回路97)と、
前記信号経路を通じて受信した前記所定情報を利用して制御を実行する所定制御手段(サブ側MPU82)と、
を備え、
前記送信手段は、前記所定情報を送信する場合、当該所定情報の送信が不正によるものであるか否かを監視するために前記所定制御手段にて利用される付属情報(第4〜第7の実施形態では連番データ、第8の実施形態ではチェックサムデータ、第9の実施形態では調整値データ)を送信する手段(第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS1406及びステップS1410の処理を実行する機能、第5の実施形態では主側MPU72におけるステップS1803の処理を実行する機能、第6の実施形態では主側MPU72におけるステップS2403の処理を実行する機能、第7の実施形態では主側MPU72におけるステップS2803の処理を実行する機能、第8の実施形態では主側MPU72におけるステップS3103の処理を実行する機能、第9の実施形態では主側MPU72におけるステップS3506の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、所定情報が送信される場合には付属情報も一緒に送信されるため、例えば信号出力用の外部装置を不正に接続して所定情報を不正に送信する場合、それに合わせて付属情報も送信する必要が生じる。したがって、当該不正行為を行いづらくさせることが可能となる。また、所定情報と付属情報とを送信するだけでよいため、送信手段において情報を送信するための構成が極端に複雑化してしまうことが抑えられる。以上より、複数の制御手段間における情報の伝送を好適に行うことが可能となる。
なお、信号経路が単一の信号経路からなる構成としてもよく、この場合、信号経路において情報がシリアル方式で送信されることとなる。一方、信号経路が複数の信号経路が並設されてなる構成としてもよく、この場合、信号経路において情報がパラレル方式で送信されることとなる。
特徴B2.前記所定制御手段は、前記付属情報が正常な情報ではない場合、前記所定情報を利用した制御を実行しない制御実行手段(第4の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS1504にて否定判定をする機能、第5の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS1902にて否定判定をする機能、第6の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2502にて否定判定をする機能、第7の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2902にて否定判定をする機能又はステップS2903にて肯定判定をする機能、第8の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS3202にて否定判定をする機能、第9の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS3602にて否定判定をする機能)、及び前記付属情報が正常な情報ではない場合、それに対応した特別処理を実行する特別実行手段(第4の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS1506の処理を実行する機能、第5の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS1904の処理を実行する機能、第6の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2504の処理を実行する機能、第7の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2905の処理を実行する機能、第8の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS3204の処理を実行する機能、第9の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS3604の処理を実行する機能)のうち少なくとも一方を備えていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、受信した付属情報が正常である場合にのみ所定情報を利用した制御の実行を可能としたり、受信した付属情報が異常である場合にそれに対応した特別処理を実行することが可能となる。
なお、特別処理としては、異常であることを報知するための処理や、遊技を進行させるために必要な少なくとも一部の処理の実行を禁止する処理などが挙げられる。
特徴B3.前記付属情報は、抽選により決定された抽選結果情報を含む情報であることを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、付属情報は不規則に決定されることとなるため、付属情報も含めて不正送信を行おうとしてもそれが行いづらくなる。
特徴B4.前記所定情報は、当該所定情報に含まれる複数ビットの情報の内容を相違させて複数種類存在しており、
当該遊技機は、把握基準タイミングにおいて前記送信手段により前記所定情報が送信される場合、当該所定情報及び前記付属情報から把握される複数ビットの情報に対応した把握情報を基準把握情報(第9の実施形態における合計値)として導出する基準導出手段(第9の実施形態における主側合計値用エリア155)を備え、
前記送信手段は、前記所定情報を送信する場合、当該所定情報及び前記付属情報から把握される複数ビットの情報に対応した把握情報が前記基準把握情報と一致するように当該所定情報に付属させる付属情報を調整する調整手段(第9の実施形態におけるステップS3506の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B4によれば、所定情報及び付属情報から把握される複数ビットの情報に対応した把握情報が基準把握情報で一定となるように付属情報の調整が行われるため、不正行為者は所定情報を不正に送信する場合、付属情報を単に付属させるだけではなく当該付属情報の調整も行う必要が生じる。したがって、当該不正行為を行いづらくさせることが可能となる。
特徴B5.前記所定制御手段は、
前記把握基準タイミングに送信された前記所定情報及び前記付属情報を受信した場合、それら所定情報及び付属情報から把握される複数ビットの情報に対応した所定側把握情報を所定側基準把握情報(合計値)として導出する所定側基準導出手段(第9の実施形態においてサブ側MPU82におけるステップS3403の処理を実行する機能)と、
前記把握基準タイミングとは異なるタイミングに送信された前記所定情報及び前記付属情報を受信した場合、それら所定情報及び付属情報から把握される複数ビットの情報に対応した所定側把握情報と前記所定側基準把握情報とが一致するか否かを特定する一致特定手段(第9の実施形態においてサブ側MPU82におけるステップS3602の処理を実行する機能)と、
当該一致特定手段において一致しないと特定された場合、前記所定情報を利用した制御を実行しない制御実行手段(第9の実施形態においてサブ側MPU82におけるステップS3602にて否定判定をする機能)、及び前記一致特定手段において一致しないと特定された場合、それに対応した特別処理を実行する特別実行手段(第9の実施形態においてサブ側MPU82におけるステップS3604の処理を実行する機能)のうち少なくとも一方と、
を備えていることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
特徴B5によれば、所定制御手段は受信した所定情報とそれに付属する付属情報とから把握される複数ビットの情報に対応した所定側把握情報が所定側基準把握情報と一致しない場合、受信した所定情報を不正によるものとして扱う。この場合、所定制御手段は受信した所定情報及び付属情報から所定側基準把握情報及び所定側把握情報の両方を導出することが可能であるため、情報の送信が不正に行われたか否かを特定するための情報を所定制御手段において予め記憶しておく必要が生じない。
特徴B6.前記付属情報は、前記所定制御手段に設けられた記憶手段のチェックサム値に対応した情報であることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B6によれば、付属情報として所定制御手段に設けられた記憶手段のチェックサム値に対応した情報が利用されるため、所定制御手段は付属情報が正常であるか否かの判定基準を記憶手段のチェックサム値から導出することが可能となる。よって、情報の送信が不正に行われたか否かを特定するための情報を所定制御手段において予め記憶しておく必要が生じない。
特徴B7.前記付属情報は、前記送信手段から計測対象となる情報の送信が行われた場合に更新される情報であることを特徴とする特徴B1乃至B6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B7によれば、付属情報として送信手段から計測対象となる情報の送信が行われた送信回数に対応した情報が付属されるため、不正行為者は所定情報を不正に送信する場合、付属情報を単に付属させるだけでなく送信手段からの計測対象となる情報の送信回数を計測しながらそれに対応した付属情報を付属させる必要が生じる。したがって、当該不正行為を行いづらくさせることが可能となる。
特徴B8.前記送信手段から計測対象となる情報の送信が行われた場合に更新される送信対応情報を記憶する対応計測手段(第5の実施形態において主側RAM74の連番エリア)と、
前記送信対応情報を変更するために利用される数値の抽選を行い、当該抽選により選択された数値を利用して前記送信対応情報を設定する情報設定手段(第5の実施形態において主側MPU72におけるステップS1601及びステップS1602の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記付属情報は、前記送信対応情報を含む情報であり、
前記送信手段は、前記情報設定手段により前記送信対応情報が設定された場合、その設定された送信対応情報を前記所定制御手段において認識可能とするための情報を送信する手段(第5の実施形態において主側MPU72におけるステップS1603の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
特徴B8によれば、送信手段から計測対象となる情報の送信が行われた送信回数に対応した情報を付属情報として利用しながら、当該付属情報を不規則に変化させることが可能となる。これにより、不正行為者が正常な付属情報を付属させることをより難しくさせることが可能となる。また、計測している送信対応情報が抽選結果を利用して強制的に変更される場合にはそれに対応した情報が所定制御手段に送信されるため、所定制御手段における付属情報の認識が正常に行えなくなってしまわないようにすることが可能となる。
特徴B9.前記送信手段から計測対象となる情報の送信が行われた場合に更新される送信対応情報を記憶する対応計測手段(第6の実施形態において主側RAM74の連番エリア)と、
前記送信手段から計測対象となる情報の送信が行われた場合に前記対応計測手段に記憶されている送信対応情報を更新する情報更新手段(第6の実施形態において主側MPU72におけるステップS2405の処理を実行する機能)と、
前記送信手段から計測対象となる情報の送信が行われた場合における前記情報更新手段による更新態様を設定する更新設定手段(第6の実施形態において主側MPU72におけるステップS2201及びステップS2202の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記付属情報は、前記送信対応情報を含む情報であり、
前記送信手段は、前記更新設定手段により前記更新態様が設定された場合、その設定された更新態様の内容を前記所定制御手段において認識可能とするための情報を送信する手段(第6の実施形態において主側MPU72におけるステップS2203の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B7又はB8に記載の遊技機。
特徴B9によれば、対応計測手段に記憶されている送信対応情報の更新態様が設定されるため、付属情報を不正に把握しようとすると、送信手段から計測対象となる情報が送信された回数を単に計測するだけでは不十分であり、その更新態様までも把握する必要が生じる。これにより、不正行為者が正常な付属情報を付属させることをより難しくさせることが可能となる。また、送信対応情報の更新態様が設定される場合にはそれに対応した情報が所定制御手段に送信されるため、所定制御手段における付属情報の認識が正常に行えなくなってしまわないようにすることが可能となる。
特徴B10.前記送信手段から計測対象となる情報の送信が行われた場合に更新される送信対応情報を記憶する対応計測手段(第7の実施形態において主側RAM74の連番エリア)と、
前記送信手段から計測対象となる情報の送信が行われた場合に前記対応計測手段に記憶されている送信対応情報を更新する情報更新手段(第7の実施形態において主側MPU72におけるステップS2805の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記付属情報は、前記送信対応情報を含む情報であり、
前記情報更新手段は、前記送信対応情報の更新を、更新後の送信対応情報が不使用情報と一致しないようにして行うものであることを特徴とする特徴B7乃至B9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B10によれば、対応計測手段に記憶されている送信対応情報は不使用情報を除外するようにして更新されるため、付属情報を不正に把握しようとすると、送信手段から計測対象となる情報が送信された回数を単に計測するだけでは不十分であり、不使用情報までも把握する必要が生じる。これにより、不正行為者が正常な付属情報を付属させることをより難しくさせることが可能となる。
特徴B11.複数種類の前記不使用情報が設定された不使用情報群(不使用群テーブル)を予め複数記憶した不使用情報群記憶手段(第7の実施形態における不使用群記憶エリア141)と、
使用対象となる前記不使用情報群を選択する情報群選択手段(第7の実施形態において主側MPU72におけるステップS2602の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記情報更新手段は、前記送信対応情報の更新を、更新後の送信対応情報が前記情報群選択手段により選択された前記不使用情報群に設定されている前記不使用情報と一致しないようにして行うものであることを特徴とする特徴B10に記載の遊技機。
特徴B11によれば、不使用情報を不規則に変更させることが可能となり、不正行為を行いづらくさせることが可能となる。
特徴B12.前記不使用情報群は、前記所定制御手段が備える記憶手段(第7の実施形態における不使用群記憶エリア145)にも予め記憶されていることを特徴とする特徴B11に記載の遊技機。
特徴B12によれば、不使用情報群が送信手段側だけでなく所定制御手段側にも予め記憶されているため、送信手段側は不使用情報群に従って送信対応情報の更新を行い、所定制御手段側は不使用情報群に従って付属情報が正常であるか否かを特定することが可能となる。
なお、上記特徴B1〜B12のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A23、特徴B1〜B12、特徴C1〜C11、特徴D1〜D8のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴C群>
特徴C1.信号経路を利用して所定情報(コマンドデータ)を送信する送信手段(第1の実施形態に記載された送信回路97、第10の実施形態に記載された送信回路176)と、
前記信号経路を通じて受信した前記所定情報を利用して制御を実行する所定制御手段(サブ側MPU82)と、
を備え、
前記信号経路として、
前記所定情報の全体又は当該所定情報の全体に対応した若しくは当該所定情報に付属する対応情報(第4の実施形態では連番データ)の全体を送信可能とするための第1信号経路(第4の実施形態では第1データ線94を利用した信号経路、第10の実施形態及び第11の実施形態では第1データ線171を利用した信号経路)と、
前記所定情報の全体又は当該所定情報の全体に対応した若しくは当該所定情報に付属する対応情報(第4の実施形態では連番データ)の全体を送信可能とするための第2信号経路(第4の実施形態では第2データ線95を利用した信号経路、第10の実施形態及び第11の実施形態では第2データ線172を利用した信号経路)と、
を備え、
当該遊技機は、前記第1信号経路及び前記第2信号経路を含めた複数種類の信号経路の中から前記所定情報の送信対象の信号経路を選択する経路選択手段(第4の実施形態において主側MPU72におけるステップS1404及びステップS1408の処理を実行する機能、第10の実施形態において主側MPU72におけるステップS3903の処理を実行する機能、、第11の実施形態において主側MPU72におけるステップS4202の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、複数の信号経路の中から一の信号経路が選択されて所定情報が送信されるため、不正行為者にとってはその選択結果と一致する信号経路に対して所定情報の不正送信を生じさせる必要が生じる。よって、情報を不正に送信して利益を得ようとする行為を阻止することが可能となる。
また、送信手段はいずれかの信号経路を利用して所定情報の全体を送信する構成であるため、所定制御手段は一の信号経路のみから所定情報を受信することが可能となる。よって、所定制御手段において所定情報を利用するための構成が極端に複雑化してしまうことが抑えられる。
以上より、複数の制御手段間における情報の伝送を好適に行うことが可能となる。
なお、第1信号経路及び第2信号経路のそれぞれが単一の信号経路からなる構成としてもよく、この場合、第1信号経路及び第2信号経路のそれぞれにおいて情報がシリアル方式で送信されることとなる。一方、第1信号経路及び第2信号経路のそれぞれが複数の信号経路が並設されてなる構成としてもよく、この場合、第1信号経路及び第2信号経路のそれぞれにおいて情報がパラレル方式で送信されることとなる。
特徴C2.前記所定制御手段は、前記第1信号経路及び前記第2信号経路を含めた複数種類の信号経路を通じた情報の受信態様が前記経路選択手段の選択態様と一致していない場合、前記所定情報を利用した制御を実行しない制御実行手段(第4の実施形態においてサブ側MPU82におけるステップS1504にて否定判定をする機能、第10の実施形態においてサブ側MPU82におけるステップS4103にて肯定判定をする機能、第11の実施形態においてサブ側MPU82におけるステップS4504にて肯定判定をする機能)、及び前記第1信号経路及び前記第2信号経路を含めた複数種類の信号経路を通じた情報の受信態様が前記経路選択手段の選択態様と一致していない場合、それに対応した特別処理を実行する特別実行手段(第4の実施形態においてサブ側MPU82におけるステップS1506の処理を実行する機能、第10の実施形態においてサブ側MPU82におけるステップS4105の処理を実行する機能、第11の実施形態においてサブ側MPU82におけるステップS4506の処理を実行する機能)のうち少なくとも一方を備えていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、複数の信号経路を通じた情報の受信態様が正常である場合にのみ所定情報を利用した制御の実行を可能としたり、複数の信号経路を通じた情報の受信態様が異常である場合にそれに対応した特別処理を実行することが可能となる。
また、本構成の場合、複数の信号経路に対して所定情報の送信をまとめて行わせる不正行為が行われた場合、送信対象として選択された信号経路以外の信号経路から所定情報を受信することとなるため、それに対して対処することが可能となる。
なお、特別処理としては、異常であることを報知するための処理や、遊技を進行させるために必要な少なくとも一部の処理の実行を禁止する処理などが挙げられる。
特徴C3.前記経路選択手段は、
前記第1信号経路及び前記第2信号経路を含めた複数種類の信号経路の中から前記所定情報の送信対象の信号経路を選択する手段(第4の実施形態において主側MPU72におけるステップS1404及びステップS1408の処理を実行する機能)と、
前記送信対象の信号経路とは異なる信号経路を利用して前記対応情報を送信されるようにする手段(第4の実施形態において主側MPU72におけるステップS1406及びステップS1410の処理を実行する機能)と、
前記所定情報及び前記対応情報を送信するために利用される信号経路の種類を変更する種類変更手段(第4の実施形態において主側MPU72におけるステップS1402及びステップS1412の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴C1又はC2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、複数種類の信号経路のうち所定情報の送信対象と対応情報の送信対象とが変更される。これにより、これら所定情報及び対応情報の送信対象の組合せとの関係で、情報の送信が不正に行われたか否かを特定することが可能となる。
特徴C4.前記送信手段は、前記第1信号経路及び前記第2信号経路を含めた複数種類の信号経路のうち前記経路選択手段により送信対象として選択された信号経路以外の信号経路において、前記送信対象として選択された信号経路にて前記所定情報の送信が行われている期間中は信号状態が一定となるようにする手段(第10の実施形態において主側MPU72におけるステップS3904の処理を実行する機能、第11の実施形態において主側MPU72におけるステップS4404の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C4によれば、所定制御手段は所定情報の送信対象として選択されていない信号経路において信号状態が変化した場合、それを不正な情報送信行為の発生と特定することが可能となる。これにより、情報の送信が不正に行われたか否かの監視を簡易的に行うことが可能となる。
特徴C5.前記送信手段は、前記経路選択手段により前記所定情報の送信対象とする信号経路が選択された場合、当該所定情報の送信開始タイミングよりも前のタイミングにおいていずれの信号経路を利用するのかを示す選択情報を送信するものであることを特徴とする特徴C1乃至C4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C5によれば、所定制御手段は送信手段から事前に受信している選択情報と対応しない信号経路から所定情報を受信した場合、情報の送信が不正に行われたと特定することが可能となる。これにより、所定制御手段に不正監視用の情報を事前に記憶させておかなくても不正監視を行うことが可能となる。
特徴C6.前記第1信号経路及び前記第2信号経路を含めた複数種類の信号経路が前記所定情報の送信対象として選択される順序が設定された選択順序情報(送信テーブル185a,185b)を予め記憶した選択順序記憶手段(送信テーブル記憶エリア185)を備え、
前記経路選択手段は、前記選択順序情報に従って、前記所定情報の送信対象とする信号経路の選択を行うものであることを特徴とする特徴C1乃至C5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C6によれば、選択順序情報に従って所定情報の送信対象が決定されるため、かかる選択順序情報との関係で不正な情報送信の監視を行うことが可能となる。
特徴C7.前記選択順序記憶手段は、前記選択順序情報を複数種類記憶しており、
使用対象とする前記選択順序情報を選択する順序情報選択手段(第10の実施形態において主側MPU72におけるステップS3702の処理を実行する機能)を備え、
前記経路選択手段は、前記順序情報選択手段により選択された前記選択順序情報に従って、前記所定情報の送信対象とする信号経路の選択を行うものであることを特徴とする特徴C6に記載の遊技機。
特徴C7によれば、複数種類設けられた選択順序情報のうちの一の選択順序情報に従って所定情報の送信対象とする信号経路の選択が行われるため、所定情報の送信が行われる対象の信号経路をより不規則に設定することが可能となる。
特徴C8.前記選択順序情報は、前記所定制御手段が備える所定側記憶手段にも予め記憶されていることを特徴とする特徴C6又はC7に記載の遊技機。
特徴C8によれば、選択順序情報が送信手段側だけでなく所定制御手段側にも予め記憶されているため、送信手段側は選択順序情報に従って所定情報の送信対象の信号経路を決定し、所定制御手段側は選択順序情報に従って所定情報の受信が正常であるか否かを特定することが可能となる。
特徴C9.前記第1信号経路は複数ビットからなる情報をシリアル方式で送信するための経路であり、
前記第2信号経路は複数ビットからなる情報をシリアル方式で送信するための経路であることを特徴とする特徴C1乃至C8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C9によれば、第1信号経路及び第2信号経路のそれぞれにおいて複数ビットからなる所定情報又は複数ビットからなる対応情報の全体を送信することが可能となる。
特徴C10.前記第1信号経路を生じさせるための信号線(第4の実施形態では第1データ線94、第10の実施形態及び第11の実施形態では第1データ線171)と、前記第2信号経路を生じさせるための信号線(第4の実施形態では第2データ線95、第10の実施形態及び第11の実施形態では第2データ線172)とが、両端にコネクタ部材を有しそれらコネクタ部材間にこれら信号線が並設されたコネクタユニットとして設けられていることを特徴とする特徴C1乃至C9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C10によれば、第1信号経路を生じさせるために利用される信号線と第2信号経路を生じさせるための信号線とがコネクタユニットとしてまとめて設けられているため、第1信号経路及び第2信号経路のそれぞれを個別に認識することが難しくなり、結果的に第1信号経路及び第2信号経路のそれぞれに対して個別に不正を施すことが難しくなる。
特徴C11.前記第1信号経路を利用して複数ビットの情報が送信される場合の各ビットの送信タイミング及び前記第2信号経路を利用して複数ビットの情報が送信される場合の各ビットの送信タイミングを認識させるためのクロック信号が、これら第1信号経路及び第2信号経路に対して共通のクロック信号経路(第4の実施形態ではクロック線96を利用した信号経路、第10の実施形態及び第11の実施形態ではクロック線175を利用した信号経路)を利用して送信されることを特徴とする特徴C1乃至C10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C11によれば、第1信号経路だけでなく第2信号経路が設けられた構成において、いずれの信号経路を利用して情報が送信される場合であっても共通のクロック信号経路を利用してクロック信号が送信されるため、信号経路の数が増加することを抑えながら既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
なお、上記特徴C1〜C11のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A23、特徴B1〜B12、特徴C1〜C11、特徴D1〜D8のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴D群>
特徴D1.信号経路を利用して情報を送信する送信手段(第1の実施形態における送信回路97、第12の実施形態における送信回路193)と、
前記信号経路を通じて受信した情報を利用して制御を実行する所定制御手段(サブ側MPU82)と、
を備えた遊技機において、
所定情報を送信対象として設定する情報設定手段(主側MPU72におけるステップS309、ステップS404及びステップS413の処理を実行する機能)と、
当該情報設定手段により設定された前記所定情報に対して変換処理を実行することにより当該所定情報とは異なるものの当該所定情報に対応した対応情報を導出する導出手段(第1の実施形態では主側MPU72におけるステップS804の処理を実行する機能、第12の実施形態では主側MPU72におけるステップS4804の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記送信手段は、前記情報設定手段により前記所定情報が送信対象として設定された場合、前記導出手段により導出された前記対応情報を送信するものであることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、所定情報が送信対象として設定された場合、当該所定情報がそのまま送信されるのではなく当該所定情報に対して変換処理が実行された結果である対応情報が送信される。これにより、例えば信号出力用の外部装置を不正に接続して所定情報を不正に送信する場合、当該所定情報に対して変換処理を実行した結果である対応情報を送信する必要が生じる。したがって、当該不正行為を行いづらくさせることが可能となる。以上より、複数の制御手段間における情報の伝送を好適に行うことが可能となる。
特徴D2.前記所定制御手段は、前記変換処理に対応した復元処理を前記対応情報に対して実行することで前記所定情報を把握可能とする復元手段(第12の実施形態においてサブ側MPU82におけるステップS4902の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、所定制御手段では対応情報に対して復元処理を実行することで所定情報への復元を行い、その復元後の所定情報を利用して制御を実行する。これにより、不正に所定情報が送信されたとしてもこの不正な所定情報に対して復元処理が実行されることとなり、不正に送信された所定情報がそのまま所定制御手段の制御にて利用されないようにすることが可能となる。
特徴D3.前記所定制御手段は、前記復元処理により復元された情報が前記所定情報と一致しない場合にその復元後の情報を利用した制御を実行しない制御実行手段(第12の実施形態においてサブ側MPU82におけるステップS4903にて否定判定をする機能)、及び前記復元処理により復元された情報が前記所定情報と一致しない場合にそれに対応した特別処理を実行する特別実行手段(第12の実施形態においてサブ側MPU82におけるステップS4905の処理を実行する機能)のうち少なくとも一方を備えていることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、復元処理により復元された情報が所定情報と一致する場合にのみ所定情報を利用した制御の実行を可能としたり、復元処理により復元された情報が異常である場合にそれに対応した特別処理を実行することが可能となる。
なお、特別処理としては、異常であることを報知するための処理や、遊技を進行させるために必要な少なくとも一部の処理の実行を禁止する処理などが挙げられる。
特徴D4.前記所定情報は複数種類存在しており、
前記復元処理は、いずれかの前記所定情報に対して前記復元処理を実行したとしてもいずれの前記所定情報とも一致しないように設定されていることを特徴とする特徴D2又はD3に記載の遊技機。
特徴D4によれば、所定情報に対して復元処理を実行したとしてもいずれの所定情報とも一致しないこととなるため、不正に送信された所定情報に対して復元処理を実行した結果の情報がいずれかの所定情報と一致してしまわないようにすることが可能となる。
特徴D5.前記変換処理による変換態様が複数種類存在していることを特徴とする特徴D1乃至D4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D5によれば、変換処理による変換態様が複数種類存在しているため、不正行為者が変換処理の内容を踏まえて所定情報の不正送信を行おうとしても、それが難しくなる。
特徴D6.前記変換処理による変換態様が所定の順序に従って設定された変換態様情報(配列テーブル201a,201b)を予め記憶した変換態様記憶手段(配列テーブル記憶エリア201)を備え、
前記導出手段は、前記変換態様情報に従って、前記変換処理の変換態様を順次変更するものであることを特徴とする特徴D5に記載の遊技機。
特徴D6によれば、変換処理による変換態様が一定の順序で変更されるため、所定制御手段において受信情報の内容の認識を正確に行うことが可能となる。
特徴D7.前記送信手段は、前記変換処理の変換態様が決定された場合に変換態様情報を送信する手段(第12の実施形態において主側MPU72におけるステップS4604の処理を実行する機能)を備え、
前記所定制御手段は、
前記変換処理に対応した復元処理を前記対応情報に対して実行することで前記所定情報を把握可能とする復元手段(第12の実施形態においてサブ側MPU82におけるステップS4902の処理を実行する機能)と、
前記変換態様情報を受信した場合、前記復元処理の復元態様をその受信した変換態様情報に対応した態様に設定する態様設定手段(第12の実施形態においてサブ側MPU82におけるステップS4703の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴D5又はD6に記載の遊技機。
特徴D7によれば、変換処理の変換態様が変更される場合には、所定制御手段においてそれに合わせて復元処理の復元態様が変更されるため、所定制御手段における所定情報の認識を正確に行えるようにしながら、所定情報を不正に送信する行為に対して適切に対処することが可能となる。
特徴D8.前記導出手段は、複数ビットからなる前記所定情報の各ビット情報の配列を予め定められた変換方法に従って変換することで前記対応情報を導出するものであることを特徴とする特徴D1乃至D7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D8によれば、複数ビットからなる所定情報の各ビット情報の配列を予め定められた変換方法に従って変換するだけでよいため、対応情報を導出するための処理負荷の軽減が図られる。
なお、上記特徴D1〜D8のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A23、特徴B1〜B12、特徴C1〜C11、特徴D1〜D8のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
また、上記特徴A群〜特徴D群の各発明は、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、一の制御装置から送信されたコマンドを利用して他の制御装置にて当該コマンドに対応した制御が実行される構成が知られている。
例えば、パチンコ機においては遊技の進行を制御する主制御装置から送信されたコマンドに基づいて払出制御装置にて遊技球の払出制御が実行される構成が知られている。この場合、例えば払出制御装置は受信したコマンドに対応した数の遊技球が払い出されるように払出装置を駆動制御する。また、パチンコ機においては、主制御装置から送信されたコマンドに基づいて演出用の制御装置にて演出の実行制御が行われる構成も知られている。
例えば、スロットマシンにおいては遊技の進行を制御する主制御装置から送信されたコマンドに基づいてサブ制御装置にて演出の実行制御が行われる構成や、遊技状態の設定制御が行われる構成が知られている。この場合、例えばサブ制御装置は受信したコマンドに対応した演出状態や遊技状態となるように各種制御を実行する。
ここで、上記例示等のような遊技機においては、複数の制御手段間における情報の伝送を好適に行うことが可能な構成が求められており、この点について未だ改良の余地がある。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:始動操作手段の操作に基づき周回体の回転を開始させ、停止操作手段の操作に基づき周回体の回転を停止させ、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
10…スロットマシン、72…主側MPU、73…主側ROM、74…主側RAM、82…サブ側MPU、83…サブ側ROM、84…サブ側RAM、94…第1データ線、95…第2データ線、96…クロック線、97…送信回路、111…第1データ線、112…第1クロック線、113…第2データ線、114…第2クロック線、115…第1送信回路、116…第2送信回路、141,145…不使用群記憶エリア、155…主側合計値用エリア、171…第1データ線、172…第2データ線、175…クロック線、176…送信回路、185…送信テーブル記憶エリア、185a,185b…送信テーブル、193…送信回路、201…配列テーブル記憶エリア、201a,201b…配列テーブル、211…第1データ線、212…第2データ線、214…クロック線、215…送信回路。

Claims (9)

  1. 信号経路を利用して所定情報を送信する送信手段と、
    前記信号経路を通じて受信した前記所定情報を利用して制御を実行する所定制御手段と、
    を備え、
    前記信号経路として、
    前記所定情報の全体又は当該所定情報の全体に対応した若しくは当該所定情報に付属する対応情報の全体を送信可能とするための第1信号経路と、
    前記所定情報の全体又は当該所定情報の全体に対応した若しくは当該所定情報に付属する対応情報の全体を送信可能とするための第2信号経路と、
    を備え、
    当該遊技機は、前記第1信号経路及び前記第2信号経路を含めた複数種類の信号経路の中から前記所定情報の送信対象の信号経路を選択する経路選択手段を備えていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記所定制御手段は、前記第1信号経路及び前記第2信号経路を含めた複数種類の信号経路を通じた情報の受信態様が前記経路選択手段の選択態様と一致していない場合、前記所定情報を利用した制御を実行しない制御実行手段、及び前記第1信号経路及び前記第2信号経路を含めた複数種類の信号経路を通じた情報の受信態様が前記経路選択手段の選択態様と一致していない場合、それに対応した特別処理を実行する特別実行手段のうち少なくとも一方を備えていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記経路選択手段は、
    前記第1信号経路及び前記第2信号経路を含めた複数種類の信号経路の中から前記所定情報の送信対象の信号経路を選択する手段と、
    前記送信対象の信号経路とは異なる信号経路を利用して前記対応情報を送信されるようにする手段と、
    前記所定情報及び前記対応情報を送信するために利用される信号経路の種類を変更する種類変更手段と、
    を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
  4. 前記送信手段は、前記第1信号経路及び前記第2信号経路を含めた複数種類の信号経路のうち前記経路選択手段により送信対象として選択された信号経路以外の信号経路において、前記送信対象として選択された信号経路にて前記所定情報の送信が行われている期間中は信号状態が一定となるようにする手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の遊技機。
  5. 前記送信手段は、前記経路選択手段により前記所定情報の送信対象とする信号経路が選択された場合、当該所定情報の送信開始タイミングよりも前のタイミングにおいていずれの信号経路を利用するのかを示す選択情報を送信するものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の遊技機。
  6. 前記第1信号経路及び前記第2信号経路を含めた複数種類の信号経路が前記所定情報の送信対象として選択される順序が設定された選択順序情報を予め記憶した選択順序記憶手段を備え、
    前記経路選択手段は、前記選択順序情報に従って、前記所定情報の送信対象とする信号経路の選択を行うものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載の遊技機。
  7. 前記選択順序記憶手段は、前記選択順序情報を複数種類記憶しており、
    使用対象とする前記選択順序情報を選択する順序情報選択手段を備え、
    前記経路選択手段は、前記順序情報選択手段により選択された前記選択順序情報に従って、前記所定情報の送信対象とする信号経路の選択を行うものであることを特徴とする請求項6に記載の遊技機。
  8. 前記選択順序情報は、前記所定制御手段が備える所定側記憶手段にも予め記憶されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の遊技機。
  9. 前記第1信号経路は複数ビットからなる情報をシリアル方式で送信するための経路であり、
    前記第2信号経路は複数ビットからなる情報をシリアル方式で送信するための経路であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1に記載の遊技機。
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