<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1~図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば504パルスの駆動信号(以下、励磁パルスともいう。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、21個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、24パルス(=504パルス÷21図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図6には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ21個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0~20まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「赤ベル」図柄(例えば、左リール32Lの7番目)、「白ベル」図柄(例えば、左リール32Lの20番目)、「第1リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)、「第2リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの6番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの10番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの8番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの4番目)、「黒BAR」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「白BAR」図柄(例えば、左リール32Lの17番目)、「LUCKY」図柄(例えば、左リール32Lの5番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの0番目)の11種類がある。そして、図6に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された21個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、上記視認可能となる図柄のうち、各リール32L,32M,32Rそれぞれ1の図柄ずつ、計3つの図柄の組合せを利用して各ゲームの遊技結果が報知される。上記のように3×3=9個の図柄が視認可能となることから、これら3つの図柄の組合せとしては、例えば、図7に示すように、各リール32L,32M,32Rの上段図柄を結んだ上ラインL1に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの中段図柄を結んだ中ラインL2に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの下段図柄を結んだ下ラインL3に停止する各図柄の組合せがある。また、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ右下がりラインL4に停止する各図柄の組合せや、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ右上がりラインL5に停止する各図柄の組合せがある。その他、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの中段図柄を結んだ折れ曲がりラインL6に停止する各図柄の組合せもある。上記のラインL1~L5は各図柄を並べると一直線となるラインであり、折れ曲がりラインL6は各図柄を並べると途中で折れ曲がりが生じるラインである。なお、折れ曲がりが生じるラインに停止する各図柄の組合せとしては、折れ曲がりラインL6以外にもあるが、ここでは説明を省略する。
これらラインL1~L6のうち、メダルのベット数によって有効化されるラインと有効化されないラインとが設定され、有効化されたライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。その一方で、有効化されないライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞は成立せず、上記特典は付与されない。
本スロットマシン10では、図8(a)に示すように右下がりラインL4のみが有効ラインとされる場合と、図8(b)に示すように下ラインL3及び右下がりラインL4の2本の組合せラインが有効ラインとされる場合と、図8(c)に示すように折れ曲がりラインL6のみが有効ラインとされる場合と、がある。より詳しくは、3枚のメダルがベットされてゲームが開始された場合には、右下がりラインL4のみが有効ラインとされ、2枚のメダルがベットされてゲームが開始された場合には、下ラインL3及び右下がりラインL4が有効ラインとされる。また、1枚のメダルがベットされてゲームが開始された場合には、折れ曲がりラインL6のみが有効ラインとされる。上ラインL1,中ラインL2,右上がりラインL5の3本の組合せラインについては、有効ラインとされることがない。以下では、3枚のメダルがベットされて開始されたゲームを3ベットゲーム、2枚のメダルがベットされて開始されたゲームを2ベットゲーム、1枚のメダルがベットされて開始されたゲームを1ベットゲーム、ともいう。
図9~図11は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典と、の対応関係を示す図である。
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1小役入賞~第41小役入賞がある。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第1小役入賞となる。第1小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは9枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
第2小役入賞~第26小役入賞は、入賞となる図柄の組合せがそれぞれ異なるものの、3ベットゲームにおいて、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「白BAR」図柄、「赤7」図柄、「チェリー」図柄、「白ベル」図柄又は「LUCKY」図柄と、右リール32Rの「白BAR」図柄、「青年」図柄、「白ベル」図柄、「赤7」図柄又は「第2リプレイ」図柄と、が上ラインL1上に停止する、すなわち各リール32L,32M,32Rの「ベル」図柄が上ラインL1上に停止する入賞態様である。例えば、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が上段に停止し、中リール32Mの「チェリー」図柄が中段に停止し、右リール32Rの「白BAR」図柄が下段に停止した場合には、第8小役入賞となる。図6に示すように、中リール32Mには、「チェリー」図柄(11番)と上流側の隣接する位置(12番)に「赤ベル」図柄が配置されており、右リール32Rには、「白BAR」図柄(18番)から上流側に1図柄分離れた位置(20番)に「赤ベル」図柄が配置されている。このため、右下がりラインL4上で第8小役入賞が成立する場合には、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄と、が上ラインL1上に停止することとなる。第2小役入賞~第26小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
第27小役は、各リール32L,32M,32Rのうち所定のリールとして左リール32Lの停止図柄によって入賞か否かが決定される役であり、具体的には、左リール32Lの「チェリー」図柄が上段又は下段に停止することで第27小役入賞が成立する。この場合、中リール32M、右リール32Rの停止図柄は入賞判定には影響を及ぼさない。言い換えると、中リール32M、右リール32Rの停止図柄に関わらず、左リール32Lの「チェリー」図柄が上段又は停止すること、すなわち、「チェリー」図柄又は「第2リプレイ」図柄が有効ライン上に停止することで第27小役入賞が成立する。第27小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
第28小役入賞は、左リール32Lの「チェリー」図柄が上段又は下段に停止する場合であって、右下がりラインL4に「チェリー」図柄が揃って停止する場合がある入賞態様である。より詳しくは、左リール32Lに「チェリー」図柄又は「第2リプレイ」図柄、中リール32Mに「赤ベル」図柄、「白ベル」図柄又は「チェリー」図柄、右リール32Rに「チェリー」図柄、「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄が停止すると第28小役入賞となる。第28小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
なお、第27小役と第28小役との関係について補足説明すると、左リール32Lの「チェリー」図柄又は「第2リプレイ」図柄が停止すると中リール32Mと右リール32Rの停止図柄に関わらず第27小役入賞が成立するものの、中リール32Mと右リール32Rの停止図柄によっては第27小役入賞ではなく第28小役入賞が成立する場合がある。すなわち、第27小役入賞となる入賞態様に、第28小役入賞となる入賞態様が含まれる構成であるものの、第27小役入賞と第28小役入賞とは明確に区別されて入賞判定が行われる。
第29小役入賞は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止する入賞態様である。つまり、右下がりラインL4が有効ラインとされる場合、「スイカ」図柄が右下がりに揃って停止することで第29小役入賞が成立する。第29小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
第30小役入賞は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が上ラインL1上に停止する入賞態様である。より詳しくは、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第30小役入賞となる。第30小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「黒BAR」図柄,「青年」図柄,「スイカ」図柄,「第1リプレイ」と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第31小役入賞となる。第31小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは9枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
第32小役入賞~第35小役入賞は、3ベットゲームで成立した場合、3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
第36小役入賞は、遊技者が例えば各リール32L,32M,32Rの「スイカ」図柄を狙ってストップスイッチ42~44を操作していた場合、左リール32Lと中リール32M、又は左リール32Lと右リール32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止する一方、残りのリールの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止しない、所謂スイカテンパイ外れの停止出目となる入賞態様である。第36小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「黒BAR」図柄,「スイカ」図柄,「チェリー」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄,「白ベル」図柄,「青年」図柄と、が有効ライン上に停止した場合、第37小役入賞となる。図6に示すように、左リール32Lには、「赤ベル」図柄(7番)と下流側の隣接する位置(6番)に「第2リプレイ」図柄が配置されており、主な「白ベル」図柄(3番、12番、15番、20番)と下流側の隣接する位置(2番、11番、14番、19番)に「第1リプレイ」図柄が配置されている。右リール32Rには、主な「赤ベル」図柄(2番,5番,12番,20番)と上流側の隣接する位置(3番,6番,16番,0番)に「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄が配置されており、「白ベル」図柄(10番)と上流側の隣接する位置(11番)に「第1リプレイ」図柄が配置されている。このため、右下がりラインL4上で第37小役入賞が成立する場合には、主に、左リール32Lと右リール32Rにおいて「ベル」図柄と「リプレイ」図柄がテンパイする一方で中リール32Mの「ベル」図柄及び「リプレイ」図柄が停止しない、所謂ダブルテンパイ外れの停止出目となる。第37小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「白BAR」図柄,「青年」図柄,「スイカ」図柄,「第1リプレイ」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「第1リプレイ」図柄,「スイカ」図柄,「黒BAR」図柄と、が有効ライン上に停止した場合、第38小役入賞となる。3ベットゲームにおいて左リール32Lの4番の「チェリー」図柄が上段~下段に到達したタイミングで遊技者が左ストップスイッチを操作していた場合、第38小役入賞が成立する場合には、左リール32Lの「赤ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、が中ラインL2上に停止することとなる。第38小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「黒BAR」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第39小役入賞となる。第39小役入賞は、3ベットゲームにおいてのみ成立する入賞態様である。第39小役入賞が成立した場合には、9枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第40小役入賞となる。第40小役入賞は、3ベットゲームにおいてのみ成立する入賞態様である。第40小役入賞が成立した場合には、9枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「黒BAR」図柄又は「チェリー」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第41小役入賞となる。第41小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞としては、第1再遊技入賞~第12再遊技入賞がある。また、第2再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第1RT状態に移行し、第3再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第2RT状態に移行し、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第3RT状態に移行する。そして、第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第4RT状態に移行する。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞,第2BB入賞,CB入賞がある。
各リール32L,32M,32Rの「赤7」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第1BB入賞となり、各リール32L,32M,32Rの「白BAR」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第2BB入賞となる。これらBB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。また、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄,「第1リプレイ」図柄,「黒BAR」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、CB入賞となる。CB入賞が成立した場合には、遊技状態がCB状態に移行する。
加えて、入賞とは異なるものの、遊技状態が第1RT状態に移行する停止出目がある。具体的には、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「白BAR」図柄,「LUCKY」図柄,「赤7」図柄,「白ベル」図柄,「チェリー」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄,「第1リプレイ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、遊技状態が第1RT状態に移行する。また、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「白BAR」図柄,「青年」図柄,「白ベル」図柄,「赤7」図柄,「第2リプレイ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合にも、遊技状態が第1RT状態に移行する。以下では、上記各図柄の組合せを移行出目という。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42~44が設けられている。各ストップスイッチ42~44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。
ストップスイッチ42~44には、それぞれストップ検出センサ42a~44a(図12)が接続されており、ストップ検出センサ42a~44aと後述する主制御装置101とが接続されている。そして主制御装置101では、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号に基づいて、ストップスイッチ42~44の操作が行われたことを把握する。具体的には、ストップスイッチ42~44が操作されていない場合には、ストップ検出センサ42a~44aからはLOW信号の検知信号が出力されており、ストップスイッチ42~44が操作されることにより、当該検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。主制御装置101では、かかる信号の切り換わりを把握して、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握する。主制御装置101では、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握した場合には、操作されたスイッチに対応するリールの回転を停止するように制御する。
すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42~44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ56の右方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられており、第1クレジット投入スイッチ56の左方には第3クレジット投入スイッチ58が設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを1枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ58は仮想メダルを一度に2枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56~58は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56~58は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。
第1クレジット投入スイッチ56と第2クレジット投入スイッチ57との間には、演出発生時に操作される演出スイッチ66が設けられている。つまり、演出スイッチ66を挟んで左方には、第1クレジット投入スイッチ56及び第3クレジット投入スイッチ58が設けられており、演出スイッチ66の右方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられている。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60~62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26R下方であって、払出枚数表示部62の右方には、ストップスイッチ42~44の操作順序を報知する押し順表示器と、操作順序を報知することによって小役の入賞率を変化させ遊技者にとって有利な状況で遊技を進行可能となる区間である有利区間を示すための区間表示器と、有する指示モニタ68が設けられている。指示モニタ68については、後に詳細に説明する。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率(設定値)を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
主制御装置101には、遊技者にとって有利な遊技状態と、そうではない状態との比率を明示するための役比モニタ77が設けられている。役比モニタ77は、前面扉12を開放状態とすることで遊技機前方から視認可能となり、且つ、前面扉12を閉鎖状態とすることで遊技機前方から視認不可となるように、主制御装置101において遊技機前方を向く側に設置されており、より詳しくは、主制御装置101が収容される基板ボックスを介して役比モニタ77の表示面が視認可能となるように、基板ボックス内に収容されている。ちなみに、前面扉12が閉鎖状態とされている場合、役比モニタ77は表示窓26L~26Rの隙間等のからも視認不可であり、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって施錠状態が解除されて前面扉12を開放状態としない限り、役比モニタ77を確認することが不可となっている。なお、役比モニタ77については、後に詳細に説明する。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図12及び図13のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42~44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a~44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、第1クレジット投入スイッチ56の操作を個別に検出する第1クレジット投入検出センサ56a、第2クレジット投入スイッチ57の操作を個別に検出する第2クレジット投入検出センサ57a、第3クレジット投入スイッチ58の操作を個別に検出する第3クレジット投入検出センサ58a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、指示モニタ68、役比モニタ77、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、BB状態等の遊技状態を記憶するための状態情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図14参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
図13に示すように、表示制御装置81は、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
表示制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側に上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいて上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65を駆動制御する。つまり、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。
表示制御装置81の入力側には、演出スイッチ66(より詳しくは当該演出スイッチ66の操作を検出する演出スイッチ検出センサ)が接続されている。なお、各種表示部60~62、68も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを説明する。
図14は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msec毎にタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップS102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可するとともに停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a~44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図12参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS108では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61及び払出枚数表示部62にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60~62,68に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS114では、先のステップS101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図15のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップS202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップS203~ステップS215に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップS203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップS204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。具体的には、例えば、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行い、1ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には1枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。
なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理ステップS107にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。
メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56~58の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入スイッチ56~58の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップS205ではメダルのベット数が規定数に達しているか否かを判定する。本スロットマシン10では、CB状態における規定数として「2」が設定されており、CB状態以外の遊技状態(具体的には、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,BB状態)における規定数として「1」及び「3」が設定されている。つまり、CB状態においては、ベット数が「2」となっていることを条件にステップS205にて肯定判定し、CB状態以外ではベット数が「1」又は「3」となっていることを条件にステップS205にて肯定判定する。言い換えると、CB状態以外の遊技状態において、メダルがベットされていない場合、又は、ベットされていてもベット数が「2」である場合にはステップS205にて否定判定する。ベット数が規定数に達していない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
ベット数が規定数に達している場合には、ステップS206にてモード移行報知用処理を実行する。かかる移行報知用処理については後に詳細に説明する。
ステップS206の処理を行った後は、ステップS206の処理結果の情報及びステップS205にて肯定判定することとなったベット数の情報を含むベットコマンドをサブ側の制御装置としての表示制御装置81への出力対象としてセットする。ここでセットされたコマンドは、タイマ割込み処理におけるステップS110にて表示制御装置81へ出力される。ベットコマンドを受信した表示制御装置81の処理については、後に詳細に説明する。
ステップS207の処理を実行した後は、ステップS208にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップS209にてベット数と対応する組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行う。すなわち、3ベットゲームでは、右下がりラインL4のみを有効ラインと設定し、2ベットゲームでは、下ラインL3及び右下がりラインL4を有効ラインと設定する。また、1ベットゲームでは折れ曲がりラインL6を有効ラインと設定する。ステップS210では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップS211の抽選処理、ステップS212のリール制御処理、ステップS213のメダル払出処理、ステップS214のRT状態処理、ステップS215のボーナス状態処理を順に実行し、ステップS203に戻る。
次に、ステップS211の抽選処理について、図16のフローチャートに基づき説明する。
ステップS301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0~65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップS302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、遊技状態として、大別して通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,BB状態,CB状態の6種類の遊技状態を有しており、抽選テーブルは、各遊技状態用にそれぞれ設定されている。
すなわち、ステップS302では、ベット数と状態情報格納エリア106cにセットされている設定フラグとに基づいてスロットマシン10の現在の遊技状態を判別し、ベット数と遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、ベット数が「3」であって、状態情報格納エリア106cに設定フラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判別し、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップS302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
ここで、当選確率の設定に関する処理について補足説明する。
当選確率の設定処理は、電源投入時に主制御装置101にて起動されるメイン処理にて実行される。より詳しくは、当選確率の設定処理は、設定キー挿入孔に設定キーが挿入されてON操作されていることを設定キー検出センサ73aにて検出している状態で、電源投入された場合に、初期化処理の後に起動される。当選確率の設定処理では、所定の操作として、スタートレバー41の操作毎に設定値を1ずつ更新し、例えば、スタートレバー41が1回操作される度に、「設定1」→「設定2」→「設定3」→「設定4」→「設定5」→「設定6」→「設定1」となるように設定値を更新する。なお、各設定値は、例えばクレジット表示部60にて表示され、上記設定値の更新毎にその表示も更新される。そして、設定キー検出センサ73aがOFF操作されたことに基づいて、その時点での設定値を今回の設定値とし、当選確率の設定処理を終了する。当選確率の設定処理の終了に基づいて、クレジット表示部60の表示も終了する。当選確率の設定処理で設定された設定値は、次の当選確率の設定処理が起動されるまで、RAM106に記憶保持される。ステップS302では、この記憶されている設定値に基づいて、抽選テーブルを選択する処理を行うこととなる。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図17は、「設定3」の通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップS303ではインデックス値IVを1とし、続くステップS304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップS305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップS306にて、第1BB、第2BB、CBのいずれかに当選しているか否かを判定する。具体的には、第1BB、第2BB、CBのいずれかを含むインデックス値IV(IV=34~54)にてステップS305で肯定判定したか否かを判定する。ステップS306にて肯定判定した場合には、ステップS307にて対応するボーナス当選フラグ(第1BB当選フラグ、第2BB当選フラグ、CB当選フラグ)を、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を行う。ステップS306にて否定判定した場合、又はステップS307の処理を行った後は、ステップS308にて、ステップS305にて肯定判定したインデックス値IVに応じた各小役の当選フラグを、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を実行する。例えば、IV=34のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS307にて第1BB当選フラグをセットするとともに、ステップS308にて第28小役当選フラグ、第33小役当選フラグ、第35小役当選フラグをセットする。また、IV=17のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS308にて第30小役,第41小役に当選したことを示す当選フラグを当選フラグ格納エリア106aにセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(第1BB当選フラグ)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(第2BB当選フラグ)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のS203参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応する入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグは、複数回のゲームに亘って有効とされる場合がある。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップS306~ステップS308では、第1BB,第2BB,CB以外の役に当選していれば対応する当選フラグをセットし、第1BB,第2BB,CB以外の役に当選していなければ対応する当選フラグをセットしない。
すなわち、例えば、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=34のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1BB当選フラグはセットせず、第28小役当選フラグ、第33小役当選フラグ、第35小役当選フラグをセットする。また、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=35の時に判定値DVが65535を超えた場合、第2BB当選フラグはセットせず、第28小役当選フラグ、第33小役当選フラグ、第35小役当選フラグをセットする。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態における抽選テーブルを別途用意しておき、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態では、当該別途用意した抽選テーブルにて抽選処理を行う構成としてもよい。この場合、当該別途用意した抽選テーブルにおいては、第1BB,第2BB,CBに当選しないように各インデックス値IVやポイント値PV値を設定するとよい。
ステップS305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS309にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS310ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。ちなみに、図17に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、通常リプレイに当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は約7.3分の1、強チェリーに当選となる確率(IV=15の際に当選となる確率)は約300分の1、弱チェリーに当選となる確率(IV=16の際に当選となる確率)は約183分の1である。強スイカに当選となる確率(IV=17の際に当選となる確率)は約300分の1、弱スイカに当選となる確率(IV=18の際に当選となる確率)は約218分の1、チャンスAに当選となる確率(IV=19の際に当選となる確率)は約252分の1、チャンスBに当選となる確率(IV=20の際に当選となる確率)は約252分の1である。中段ベルに当選となる確率(IV=21の際に当選となる確率)は約32800分の1、不問ベルに当選となる確率(IV=22の際に当選となる確率)は約65500分の1である。順押しベル1,順押しベル2,挟み押しベル1,挟み押しベル2に当選となる確率(IV=23~26の際に当選となる確率)はそれぞれ約43.7分の1、中押しベル1,中押しベル2,右押しベル1,右押しベル2に当選となる確率(IV=27~30の際に当選となる確率)はそれぞれ約21.8分の1である。強チェリー重複1に当選となる確率(IV=34の際に当選となる確率)は約21800分の1、強チェリー重複2に当選となる確率(IV=35の際に当選となる確率)は約21800分の1、弱チェリー重複1に当選となる確率(IV=36の際に当選となる確率)は約32800分の1、弱チェリー重複2に当選となる確率(IV=37の際に当選となる確率)は約32800分の1である。強スイカ重複1に当選となる確率(IV=38の際に当選となる確率)は約32800分の1、強スイカ重複2に当選となる確率(IV=39の際に当選となる確率)は約32800分の1である。弱スイカ重複1に当選となる確率(IV=40の際に当選となる確率)は約65500分の1、弱スイカ重複2に当選となる確率(IV=41の際に当選となる確率)は約65500分の1である。チャンスA重複1,チャンスA重複2,チャンスB重複1,チャンスB重複2に当選となる確率(IV=42~45の際に当選となる確率)はそれぞれ約32800分の1である。中段ベル重複1,中段ベル重複2に当選となる確率(IV=46,47の際に当選となる確率)はそれぞれ約21800分の1である。特リプA重複1に当選となる確率(IV=48の際に当選となる確率)は約1010分の1、特リプA重複2に当選となる確率(IV=49の際に当選となる確率)は約1310分の1である。特リプAB重複1に当選となる確率(IV=50の際に当選となる確率)は約1010分の1、特リプAB重複2に当選となる確率(IV=51の際に当選となる確率)は約1310分の1である。第1BB,第2BBに単独当選となる確率(IV=52,53の際に当選となる確率)はそれぞれ約32800分の1である。CBに当選となる確率(IV=54の際に当選となる確率)は約19.9分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約1.96分の1である。
なお、通常遊技状態用抽選テーブルには、IV=2~14,31~33,55~58のポイント値PVに対して0が設定されている。このため、通常遊技状態では、これらのインデックス値IVにおいて当選とならない。
ステップS308にて当選フラグをセットした後、又はステップS310にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップS311に進み、ストップスイッチ42~44の操作を所定期間無効とするフリーズ演出を実行するか否かを決定すべくフリーズ抽選処理を行う。
続くステップS312では、抽選結果対応処理を行う。抽選結果対応処理では、ステップS301~ステップS311の抽選の結果に応じて遊技状態を移行させるか否かの処理や、押し順役の報知用の処理等を行う。当該抽選結果対応処理については、後に詳細に説明する。
ステップS312の処理を実行した後は、ステップS313にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップS110)にて行われる。
そして、ステップS314では、今回のゲームの抽選結果に基づいて各リール32L,32M,32Rに停止可能な図柄を設定する停止情報設定処理を実行する。停止情報設定処理では、ステップS306~ステップS308にてセットされる当選フラグに基づいて、入賞可能な役に応じた停止図柄情報を設定する。例えば、強チェリーに当選(IV=15の際に当選)となり、強チェリー当選フラグがセットされた場合、第28小役、第32小役~第35小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。また、強チェリー重複1に当選(IV=34の際に当選)となり、強チェリー当選フラグ及び第1BB当選フラグがセットされた場合、第28小役、第33小役、第35小役及び第1BB入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。
続くステップS315では、ステップS314にて複数の停止可能な図柄情報が設定された場合に、その優先順位を設定する優先設定処理を実行する。例えば、小役,再遊技,ボーナスの各役種のうち複数の役種に当選している場合、以下に示す優先順位を設定する。小役とボーナスに当選している場合には、小役入賞が優先して成立するように、小役入賞を成立させることができない場合にボーナス入賞が成立するようにして、優先順位を設定する。再遊技とボーナスに当選している場合には、再遊技入賞が優先して成立するようにして優先順位を設定する。
例えば、強チェリー重複1に当選し、第28小役、第33小役、第35小役及び第1BB入賞に対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第28小役、第33小役、第35小役入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。また、特リプA重複1に当選し、第9再遊技及び第1BB入賞に対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第9再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。そして、例えば、第1BB当選が持ち越された状況で、通常リプレイに当選し、第1BB入賞及び第1再遊技入賞に対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第1再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
ここで、再遊技に当選している場合、当選している再遊技のうちのいずれかの再遊技が必ず入賞するように、入賞となる図柄の組合せが設定されている。つまり、再遊技に当選している場合には再遊技入賞が必ず成立し、取りこぼしは発生しない。そのため、再遊技とボーナスとの停止図柄情報の設定が行われている場合、設定されている再遊技のいずれかの再遊技入賞が必ず成立し、ボーナス入賞が成立することがない。
また、複数の小役や複数の再遊技が重複して当選となる場合、いずれの小役又は再遊技に対応する図柄が有効ラインに停止するかは、停止操作が行われたタイミングによって異なる。例えば、強スイカに当選し、第30小役及び第41小役入賞に対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、上記のとおり、第30小役と第41小役とで、左リール32Lの対象図柄は「スイカ」図柄で共通している。そのため、左リール32Lの停止操作のタイミングによっては、いずれの小役入賞が成立するかは決定されない。一方、中リール32M及び右リール32Rの対象図柄は、第30小役ではいずれも「赤ベル」図柄であり、第41小役では中リール32Mが「チェリー」図柄及び「黒BAR」図柄であり、右リール32Rが「スイカ」図柄である。例えば、3ベットゲームにおいて、中リール32Mでは、4番目の「スイカ」図柄から7番目の「赤ベル」図柄が中段に到達したタイミングで中ストップスイッチ43の停止操作が行われた場合、第30小役の対象図柄である7番目の「赤ベル」図柄と、第41小役の対象図柄である「黒BAR」図柄のいずれの図柄についても、有効ライン上である中段に停止させることが可能となる。この場合、本実施形態では、スベリ数の少ない図柄を優先して停止するように、停止図柄情報の設定が行われる。その結果、上記の場合、「赤ベル」図柄が中段に停止するように停止駆動制御が行われ、第41小役入賞は成立しないようになり、第30小役が入賞可能となる。
一方、中リール32Mにおいて、8番目の「黒BAR」図柄から12番目の「赤ベル」図柄が中段に到達したタイミングで中ストップスイッチ43の停止操作が行われた場合、第41小役の対象図柄である8番目の「黒BAR」図柄及び11番目の「チェリー」図柄と、第30小役の対象図柄である12番目の「赤ベル」図柄のいずれの図柄についても、中段に停止させることが可能となる。この場合も、スベリ数の少ない図柄を優先して停止するように停止図柄情報の設定が行われるため、8番目の「黒BAR」図柄又は11番目の「チェリー」図柄が中段に停止し、第30小役入賞は成立しないようになり、第41小役が入賞可能となる。
右リール32Rについても同様であり、右ストップスイッチ44の停止操作が行われたタイミングによって、第30小役の対象図柄である「赤ベル」図柄と第41小役の対象図柄である「スイカ」図柄とでスベリ数の少ない図柄が有効ラインである下段に停止するように停止図柄情報の設定が行われる。なお、右リール32Rにおいて、6番目の「第1リプレイ」図柄及び7番目の「黒BAR」図柄が有効位置に到達したタイミングで、右ストップスイッチ44の停止操作が行われた場合、「スイカ」図柄及び「赤ベル」図柄のいずれも停止させることができず、この場合、いずれの小役入賞も成立せずに所謂取りこぼしとなる。
ステップS315の処理を実行した後は、ステップS316にて区間表示第1処理を実行してから、抽選処理を終了する。区間表示第1処理は、指示モニタ68や役比モニタ77の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
次に、ステップS212のリール制御処理について、図18のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップS401において回転演出処理を行う。回転演出処理は、上記ステップS311にて行ったフリーズ抽選処理の結果等に基づいて、無効期間中のリール制御を用いた演出を行うための処理である。続くステップS402では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップS106)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、各ストップスイッチ42~44の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップS403では、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42~44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップS404に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップS403に戻り、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップS405にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップS406~ステップS412に示す停止制御処理を行う。
ステップS406では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42~44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップS407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0~4のいずれかの値を算出する。その後、ステップS408では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS409では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS410にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップS411では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップS412にて停止情報第2設定処理を行い、ステップS403に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=23~30の際に当選となった場合すなわち順押しベル1,順押しベル2,挟み押しベル1,挟み押しベル2,中押しベル1,中押しベル2,右押しベル1,右押しベル2(以下、これらを総称して「押し順ベル」ともいう。)に当選となった場合(図17参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図19は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えば中押しベル1に当選している場合には、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合に第2小役入賞、第7小役入賞又は第9小役入賞が成立するよう停止情報を設定し、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合に第1小役入賞が成立するよう停止情報を設定し、右ストップスイッチ44が最初に操作された場合に第2小役入賞、第7小役入賞又は第9小役入賞が成立するよう停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、CB状態以外の遊技状態(3ベットゲーム)において、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42~44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができ、右下がりラインL4のみが有効ラインとして設定される。このため、各リール32L,32M,32Rに同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されている場合には、ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。一方、5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている図柄に関しては、有効ライン上に停止させる場合に遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42~44を操作する必要がある。
中押しベル1に当選となり、左ストップスイッチ42→中ストップスイッチ43→右ストップスイッチ44の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第2小役入賞、第7小役入賞又は第9小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lにおける第2小役図柄は、「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄である。また、「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄は、第7小役図柄としての機能も有しており、第9小役図柄としての機能も有している。左リール32Lには、第2小役図柄同士(第7小役図柄同士、第9小役同士)の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が停止する。例えば左リール32Lの4番の「チェリー」図柄が中段に到達しているタイミングで左ストップスイッチ42が操作された場合には、図20(a)に示すように、7番の「赤ベル」図柄が上段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第2小役入賞、第7小役入賞又は第9小役入賞の成立する余地が残る。
中リール32Mの第2小役図柄は「白BAR」図柄である。中リール32Mには、「白BAR」図柄が18番の位置にのみ配置されている。また、中リール32Mの第7小役図柄は「赤7」図柄である。中リール32Mには、「赤7」図柄が14番の位置にのみ配置されている。そして、中リール32Mの第9小役図柄は「チェリー」図柄である。中リール32Mには、「チェリー」図柄が11番の位置にのみ配置されている。このため、中ストップスイッチ43の操作タイミングによって、第2小役図柄、第7小役図柄又は第9小役図柄が有効ライン上に停止したり、第2小役図柄、第7小役図柄及び第9小役図柄のいずれも有効ライン上に停止しなかったりする。
具体的には、13番の「第1リプレイ」図柄~17番の「第1リプレイ」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合、第2小役図柄たる「白BAR」図柄が中段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第2小役入賞の成立する余地が残る。9番の「第2リプレイ」図柄~13番の「第1リプレイ」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合、図20(b)に示すように、第7小役図柄たる「赤7」図柄が中段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第7小役入賞の成立する余地が残る。6番の「白ベル」図柄~10番の「青年」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合、第9小役図柄たる「チェリー」図柄が中段に停止する。他のタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合には、中リール32Mを4図柄分滑らせた後に停止させたとしても第2小役図柄、第7小役図柄及び第9小役図柄を中段に停止させることができない。かかるタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合には、2番の「LUCKY」図柄又は6番の「白ベル」図柄が中段に停止する。
中リール32Mの第7小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第7小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
右リール32Rの第7小役図柄は「白ベル」図柄である。右リール32Rには、「白ベル」図柄が10番の位置にのみ配置されている。このため、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第7小役図柄が有効ライン上に停止したり停止しなかったりする。具体的には、6番の「第1リプレイ」図柄~10番の「白ベル」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合、図20(c)に示すように、第7小役図柄たる「白ベル」図柄が下段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第7小役入賞が成立する。他のタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、「スイカ」図柄又は「第1リプレイ」図柄が下段に停止する。例えば、3番の「第2リプレイ」図柄が下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、図20(d)に示すように、4番の「スイカ」図柄が下段に停止する。左から「赤ベル」図柄,「赤7」図柄,「スイカ」図柄の組合せは、図11に示すように移行出目である。
中リール32Mの第9小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第9小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
右リール32Rの第9小役図柄は「青年」図柄である。右リール32Rには、「青年」図柄が15番の位置に配置されている。このため、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第9小役図柄が有効ライン上に停止したり停止しなかったりする。具体的には、11番の「第1リプレイ」図柄~15番の「青年」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合、第9小役図柄たる「青年」図柄が下段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第9小役入賞が成立する。他のタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、「スイカ」図柄又は「第1リプレイ」図柄が下段に停止する。左から「白ベル」図柄(「赤ベル」図柄),「チェリー」図柄,「スイカ」図柄(「第1リプレイ」図柄)の組合せは、図11に示すように移行出目である。
中リール32Mの第2小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第2小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
右リール32Rの第2小役図柄は「白BAR」図柄である。右リール32Rには、「白BAR」図柄が18番の位置に配置されている。このため、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第2小役図柄が有効ライン上に停止したり停止しなかったりする。具体的には、14番の「スイカ」図柄~18番の「白BAR」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合、第2小役図柄たる「白BAR」図柄が下段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第2小役入賞が成立する。他のタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、「スイカ」図柄又は「第1リプレイ」図柄が下段に停止する。左から「白ベル」図柄(「赤ベル」図柄),「白BAR」図柄,「スイカ」図柄(「第1リプレイ」図柄)の組合せは、図11に示すように移行出目である。
中リール32Mの第2小役図柄、第7小役図柄及び第9小役図柄が中段に停止しなかった場合、すなわち中リール32Mの「LUCKY」図柄又は「白ベル」図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、「スイカ」図柄又は「第1リプレイ」図柄が下段に停止するように停止情報を変更する。
右リール32Rには、「スイカ」図柄及び「第1リプレイ」同士の間隔が4図柄以下となるようにして当該「スイカ」図柄及び「第1リプレイ」図柄が配置されている。このため、右ストップスイッチ44が操作された場合には、その操作タイミングに関わらず下段に「スイカ」図柄又は「第1リプレイ」図柄が停止する。左から「白ベル」図柄(「赤ベル」図柄),「LUCKY」図柄(「白ベル」図柄),「スイカ」図柄(「第1リプレイ」図柄)の組合せは、図11に示すように移行出目である。
このように、中押しベル1に当選となり、左ストップスイッチ42→中ストップスイッチ43→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、第2小役入賞が成立する場合と、第7小役入賞が成立する場合と、第9小役入賞が成立する場合と、移行出目が停止する場合と、のいずれかとなる。
次に、中押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第1小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
中リール32Mには、第1小役図柄たる「赤ベル」図柄が、「赤ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「赤ベル」図柄が停止する。
左リール32Lには、第1小役図柄たる「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄が、第1小役図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、左ストップスイッチ42が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が停止する。
右リール32Rには、第1小役図柄たる「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄が、第1小役図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、右ストップスイッチ44が3番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず下段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が停止する。
以上のとおり、中押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞が成立する。
押し順ベルに当選となった場合には、予め定められた1通り又は2通りの操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞が成立し、他の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングにより、小役入賞が成立するか、有効ライン上に移行出目が停止することとなる。ちなみに、中段ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第38小役入賞が成立し、不問ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第1小役入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップS411にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップS413にて払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
払出判定処理を行った後は、ステップS414にて入賞結果対応処理を行う。入賞結果対応処理では、入賞結果に基づいて遊技状態を移行させる処理等を行う。当該入賞結果対応処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理を行った後は、ステップS415にて区間表示第2処理を実行する。区間表示第2処理は、指示モニタ68の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。その後、ステップS416にて今回のゲームにおける入賞成立役を表示制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
次に、ステップS213のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞~第8再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技状態を再遊技状態とする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理(ステップS204)では、現在の遊技状態が再遊技状態であると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次に、ステップS214のRT状態処理を図21のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS501では、RAM106の状態情報格納エリア106cに第4RT設定フラグがセットされているか否かを確認することで、遊技状態が第4RT状態か否かを判定する。第4RT状態である場合には、ステップS502へ進み、固定RTゲーム数の減算処理を行う。詳細な説明は後に行うが、第4RT状態は、実行可能なゲーム数が予め定められているRT状態であり、ステップS502の処理は、当該実行可能な残りのゲーム数を減算するための処理である。続くステップS503では、ステップS502の処理結果に基づいて、第4RT状態における実行可能な残りゲーム数が0となったか否かを判定する。0となった場合には、ステップS504にて第4RT設定フラグをクリアする処理を実行してから、本RT状態処理を終了する。ステップS504の処理を行うことで、遊技状態は通常遊技状態へ移行する。ステップS503にて否定判定した場合、そのまま本RT状態処理を終了する。この場合、第4RT状態が継続される。
ステップS501にて否定判定した場合、ステップS505にて、有効ライン上に移行出目が停止したか否かを判定する。移行出目が停止した場合には、ステップS506に進み、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態が通常遊技状態である場合には、ステップS507にてRAM106の状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグをセットする。その後、本処理を終了する。ステップS505にて有効ライン上に移行出目が停止していないと判定した場合には、ステップS508に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第2再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第2再遊技入賞が成立した場合には、ステップS509にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS507にて第1RT設定フラグをセットする。その後、本処理を終了する。また、第4RT状態及び通常遊技状態以外の遊技状態下で有効ライン上に移行出目が停止した場合には、ステップS509にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS507にて第1RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS507にて第1RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第1RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第1RT状態であると判別し、第1RT状態用抽選テーブルを選択する。
図22は、「設定3」の第1RT状態で選択される第1RT状態用抽選テーブルである。第1RT状態用抽選テーブルは、通常遊技状態用抽選テーブル(図17参照)と比較した場合、IV=1~5のポイント値PVが相違しており、他のインデックス値IVに同一のポイント値PVが設定されている。このため、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合には、IV=6~58の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=1の際に当選となる確率は約67.0分の1、IV=2~5の際に当選となる確率はそれぞれ約32.8分の1となる。いずれの役にも当選しない外れの確率は約1.94分の1である。
ここで、図22に示すように、IV=1の際に当選となった場合には通常リプレイ当選となり、IV=2の際に当選となった場合には第1昇格リプレイ1当選となり、IV=3の際に当選となった場合には第1昇格リプレイ2当選となり、IV=4の際に当選となった場合には第1昇格リプレイ3当選となり、IV=5の際に当選となった場合には第1昇格リプレイ4当選となる。IV=1~5のいずれかの際に当選となる確率は約7.30分の1である。通常遊技状態下における通常リプレイ当選確率も約7.30分の1である。つまり、遊技状態が第1RT状態に移行した場合には、小役,再遊技,ボーナスの各役種について通常遊技状態と同一の確率で当選となる一方、再遊技の特典が付与される入賞態様が通常遊技状態と異なるものに変化する。より詳しくは、通常遊技状態では、遊技状態の移行しない第1再遊技入賞のみが成立し、第1RT状態では、第1再遊技入賞に加えて、第2RT状態に移行する第3再遊技入賞が成立する。
停止情報第2設定処理(ステップS409)では、上述した押し順ベルに当選となった場合に加えて第1昇格リプレイ1~第1昇格リプレイ4に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図23(a)は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。第1昇格リプレイ1~第1昇格リプレイ4に当選となった場合には、押し順ベルに当選となった場合と異なり、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞又は第3再遊技入賞が必ず成立する。第1昇格リプレイ1~第1昇格リプレイ4には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序に第3再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第1再遊技が対応付けられている。
なお、第1昇格リプレイ2~4では、第1再遊技及び第3再遊技の他に、第6再遊技、第7再遊技、第8再遊技も当選役として振り分けられている。但し、これら第6再遊技~第8再遊技は、上記6通りの操作順序のうちのいずれもが対応付けられていない。そのため、第6再遊技~第8再遊技は、第1昇格リプレイ2~4に当選していても、ストップスイッチ42~44の操作順序に関わらず、入賞しない。
より具体的には、第1昇格リプレイ1~4は、それぞれ、第1昇格リプレイ1は第1再遊技及び第3再遊技が振り分けられており、第1昇格リプレイ2は第1再遊技及び第3再遊技の他に第6再遊技が振り分けられており、第1昇格リプレイ3は第1再遊技及び第3再遊技の他に第7再遊技が振り分けられており、第1昇格リプレイ4は第1再遊技及び第3再遊技の他に第8再遊技が振り分けられているものの、いずれの第1昇格リプレイ1~4であっても、入賞する再遊技は第1再遊技と第3再遊技のうちの何れかとなっている。これは、第3再遊技入賞が成立する操作順序をわかりにくくするためである。すなわち、例えば、第1昇格リプレイが1種類であると、第3再遊技入賞に対応する操作順序も1種類となってしまい、第1昇格リプレイ当選時に、意図的に第3再遊技入賞を成立させることが可能となり得るからである。なおこの関係は、第1昇格リプレイ1~4の関係のみに限ったことではなく、他の重複役についても同様のことがいえる。
RT状態処理の説明に戻り、ステップS508にて第2再遊技入賞が成立していないと判定した場合には、ステップS510に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第3再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第3再遊技入賞が成立した場合には、ステップS511にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS512にて第2RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS512にて第2RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第2RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第2RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第2RT状態であると判別し、第2RT状態用抽選テーブルを選択する。
図24は、「設定3」の第2RT状態で選択される第2RT状態用抽選テーブルである。第2RT状態用抽選テーブルは、第1RT状態用抽選テーブル(図22参照)と比較した場合、IV=1~10,13,14のポイント値PVが相違しており、他のインデックス値IVに同一のポイント値PVが設定されている。このため、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合には、IV=11,12,15~58の際に当選となる確率は第1RT状態における各当選確率と等しく、IV=1の際に当選となる確率は約13.2分の1、IV=2~5の際に当選とならず、IV=6~8の際に当選となる確率はそれぞれ約15.5分の1、IV=9,10の際に当選となる確率はそれぞれ約8.90分の1となる。そして、IV=13の際に当選となる確率は約6.90分の1であり、IV=14の際に当選となる確率は約131分の1である。いずれの役にも当選しない外れの確率は約150分の1である。つまり、第2RT状態に移行した場合には、通常遊技状態及び第1RT状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。また、第2RT状態では、遊技状態の移行しない第1再遊技入賞に加えて、第1RT状態に移行する第2再遊技入賞と、第3RT状態に移行する第4再遊技入賞,第5再遊技入賞と、第4RT状態に移行する第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
停止情報第2設定処理(ステップS409)では、上述した第1昇格リプレイ1~第1昇格リプレイ4に当選となった場合に加えて、転落リプレイ1~転落リプレイ3,第2昇格リプレイ1,第2昇格リプレイ2,移行リプレイ1,移行リプレイ2に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図23(b)は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。転落リプレイ1~転落リプレイ3に当選となった場合には、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞又は第2再遊技入賞が必ず成立する。第2昇格リプレイ1に当選となった場合には、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞,第4再遊技入賞,第5再遊技入賞のいずれかが必ず成立する。第2昇格リプレイ2に当選となった場合には、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞又は第4再遊技入賞が必ず成立する。
なお、図中の第4再遊技に付されている番号は、第4再遊技入賞が成立する際の図柄組合せと対応するものである。「1」は、バラケ目となる図柄組合せと対応し、「2」は、赤7・赤7・黒BAR中段停止となる図柄組合せと対応する(図11参照)。例えば、第2昇格リプレイ1に当選となった際に左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、バラケ目となる図柄組合せが停止して第4再遊技入賞成立となるか、赤7・赤7・黒BAR中段停止となる図柄組合せが停止して第4再遊技入賞成立となる。
また、図23(d)に示すように、移行リプレイ1,2に当選となった場合には、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞、第2再遊技入賞、及び第11再遊技入賞若しくは第12再遊技入賞が成立する。つまり、移行リプレイ1,2に当選となった場合には、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞が成立して遊技状態の移行が生じないか、第2再遊技入賞が成立して第1RT状態への移行が生じるか、第11再遊技入賞若しくは第12再遊技入賞が成立して第4RT状態への移行が生じるか、のいずれかとなる。
RT状態処理の説明に戻り、ステップS510にて第3再遊技入賞が成立していないと判定した場合には、ステップS513に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立した場合には、ステップS514にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS515にて第3RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS515にて第3RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第3RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第3RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第3RT状態であると判別し、第3RT状態用抽選テーブルを選択する。
図25は、「設定3」の第3RT状態で選択される第3RT状態用抽選テーブルである。第3RT状態用抽選テーブルは、第2RT状態用抽選テーブル(図24参照)と比較した場合、IV=9~12のポイント値PVが相違しており、他のインデックス値IVに同一のポイント値PVが設定されている。このため、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1~8,13~58の際に当選となる確率は第2RT状態における各当選確率と等しく、IV=9,10の際に当選とならなくなり、IV=11,12の際に当選となる確率はそれぞれ約7.00分の1となる。いずれの役にも当選しない外れの確率は約150分の1である。つまり、遊技状態が第3RT状態に移行した場合には、小役,再遊技,ボーナスの各役種について第2RT状態と同一の確率で当選となる一方、再遊技の特典が付与される入賞態様が第2RT状態と異なるものに変化する。より詳しくは、第3RT状態では、遊技状態の移行しない第1再遊技入賞と、第1RT状態に移行する第2再遊技入賞、第4RT状態に移行する第11再遊技入賞及び第12再遊技入賞と、に加えて、遊技状態の移行しない第6再遊技入賞,第7再遊技入賞,第8再遊技入賞と、第2RT状態に移行する第3再遊技入賞と、が成立する。
停止情報第2設定処理(ステップS409)では、BARリプレイ1,BARリプレイ2に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図23(c)は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。BARリプレイ1に当選となった場合には、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞,第6再遊技入賞,第7再遊技入賞,第3再遊技入賞のいずれかが必ず成立する。BARリプレイ2に当選となった場合には、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞,第6再遊技入賞,第8再遊技入賞,第3再遊技入賞のいずれかが必ず成立する。
RT状態処理の説明に戻り、ステップS513にて第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立していないと判定した場合には、ステップS516に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第11再遊技入賞及び第12再遊技入賞のいずれも成立していない場合には、そのままRT状態処理を終了する。第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞が成立した場合には、ステップS517にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS518にて第4RT設定フラグをセットし、ステップS519にて固定RTゲーム数設定処理を実行してから、本処理を終了する。ステップS519は、第4RT状態において実行可能なゲーム数を設定する処理であり、かかる処理は、第4RT状態の説明とともに後に詳細に説明する。
以上のように、RT状態処理によって、通常遊技状態、第1RT状態、第2RT状態、第3RT状態及び第4RT状態の移行が行われる。図26は、各状態の移行契機や終了契機とともに、各状態間の移行の有無等をまとめて示している。
遊技状態が通常遊技状態、第1RT状態及び第4RT状態である場合、ボーナスとの重複当選となるIV=48~51(特リプA重複1等)を除くいずれかのリプレイ当選となる確率(以下の説明では、単に「リプレイ確率」とも称する)は、約7.30分の1である。一方、第2RT状態及び第3RT状態では、リプレイ確率が約1.53分の1となり、通常遊技状態や第1RT状態及び第4RT状態よりも持ちメダルの減りを抑えながら遊技を行うことが可能となる。通常遊技状態から第1RT状態へは移行出目が停止することで移行し、第3再遊技入賞によって第2RT状態へ移行する。第2RT状態においては、第2再遊技入賞が成立すると第1RT状態へ移行することとなり、通常時においては、基本的には、通常遊技状態と第1RT状態に滞在する。なお、以下の説明では、第1RT状態~第4RT状態との対比のため、通常遊技状態を第0RT状態とも称する。
第2RT状態及び第3RT状態では、第2再遊技入賞が成立するまでRT状態が継続する。第2再遊技入賞を成立させないようにするための構成は後述するが、第2RT状態や第3RT状態の滞在ゲーム数は、第2再遊技入賞が成立するまでのゲーム数として可変式となることから、これら第2RT状態及び第3RT状態は無限RT状態とも称される。これに対して、第11再遊技入賞や第12再遊技入賞によって移行する第4RT状態は、滞在ゲーム数が10ゲーム又は30ゲームの固定式となっており、固定RT状態とも称される。
なお、以下の説明では、第0RT状態(通常遊技状態)及び第1RT状態は、これらの無限RT状態や固定RT状態と対比するため、通常RT状態と称する。また、第0RT状態、第1RT状態及び第4RT状態よりも第2RT状態や第3RT状態の方が、リプレイ確率が高くなることを分かりやすくするため、第2RT状態及び第3RT状態を高RT状態と称し、第0RT状態、第1RT状態及び第4RT状態を低RT状態とも称する。
ちなみに、第0RT状態や第1RT状態も滞在するゲーム数が可変式であることから無限RT状態に含まれるが、説明をわかり易くするため、上記のように分類して説明する。
通常RT状態及び無限RT状態(第0RT状態~第3RT状態)は、滞在している状態から他の無限RT状態へは移行可能である一方、固定RT状態(第4RT状態)では、無限RT状態への移行が不可となっている。その他、固定RT状態(第4RT状態)への移行は、通常RT状態(第0RT状態、第1RT状態)では生じない一方、無限RT状態(第2RT状態、第3RT状態)では生じ得るように設定されている。
ちなみに、本スロットマシン10では、第4RT状態について特徴的な構成を有しており、以下の説明では、当該第4RT状態を特別RT状態とも称する場合がある。
次に、ステップS215のボーナス状態処理を図27のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップS601では、現在の遊技状態がボーナス状態か否か、すなわち現在の遊技状態がBB状態又はCB状態であるか否かを判定する。ボーナス状態でない場合には、ステップS602~ステップS613に示すボーナス判定処理を行う。
ボーナス判定処理では、ステップS602にて第1BB当選フラグ,第2BB当選フラグ,CB当選フラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。いずれかの当選フラグがセットされている場合には、ステップS603に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、CB入賞が成立したか否かを判定する。CB入賞が成立した場合には、ステップS604にて状態情報格納エリア106cにCB設定フラグをセットする。ステップS605では、状態情報格納エリア106cに設けられたボーナス状態中に払出可能な残りのメダル数をカウントするための残払出数カウンタに15をセットする。ステップS604~S605の処理を行うことにより、遊技状態がCB状態に移行する。
ここで、CB及びCB状態について簡単に説明する。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄,「第1リプレイ」図柄又は「黒BAR」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、CB入賞となる。各リール32L,32M,32Rには、CB図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして当該CB図柄が配置されている。このため、CBに当選となった場合には、ストップスイッチ42~44の操作順序及び操作タイミングに関わらず、CB入賞が成立する。
主制御装置101は、状態情報格納エリア106cにCB設定フラグがセットされている場合、遊技状態がCB状態であると判別する。そして、通常処理のステップS205では、メダルのベット数が「3」ではなく「2」に達しているか否かを判定し、有効ライン設定処理(ステップS209)では、下ラインL3及び右下がりラインL4を有効ラインと設定する。
抽選処理のステップS302では、CB状態用抽選テーブルを選択する。CB状態用抽選テーブルの図示は省略するが、CB状態用抽選テーブルでは、IV=1~52のポイント値PVとして「0」が設定されており、IV=55~58のポイント値として「16384」が設定されている(IVと当選役との対応関係については図17等参照)。したがって、CB状態では、CB中小役1に当選となる確率(IV=55の際に当選となる確率)が約4.00分の1となり、CB中小役2に当選となる確率(IV=56の際に当選となる確率)が約4.00分の1となり、CB中小役3に当選となる確率(IV=57の際に当選となる確率)が約4.00分の1となり、CB中小役4に当選となる確率(IV=58の際に当選となる確率)が約4.00分の1となる。外れとなる事象は発生しない。
図28(a)は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。詳細な説明は省略するが、CB中小役1~CB中小役4のいずれに当選となった場合であっても、ストップスイッチ42~44の操作順序及び操作タイミングに関わらず、何らかの小役入賞が必ず成立する。CB状態は2ベットゲームであるため、第1小役入賞,第27小役入賞,第31小役入賞,第36小役入賞~第38小役入賞が成立した場合には、15枚のメダル払出が行われ、第2小役入賞~第26小役入賞,第28小役入賞~第30小役入賞,第32小役入賞~第35小役入賞が成立した場合には、14枚のメダル払出が行われる。つまり、CB状態に移行した場合には、必ず14枚又は15枚のメダル払出が行われる。
なお、当選役としてのCB、及び遊技状態としてのCB状態に代え又は加えて、当選役として1ゲームの遊技(JACゲーム)を実行可能となるシングルボーナス(SB)、及びそのシングルボーナス当選(入賞)に基づいて移行するSB状態を設けてもよい。
ボーナス状態処理の説明に戻り、ステップS603にてCB入賞が成立していないと判定した場合には、CB以外のボーナス当選フラグがセットされていることを意味する。かかる場合には、ステップS608にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアし、ステップS609にて第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。
そして、いずれかのBB入賞が成立した場合には、ステップS610にてRAM106の当選フラグ格納エリア106aにセットされているBB当選フラグをクリアするとともに、ステップS611にて状態情報格納エリア106cにBB設定フラグがセットする。その後、ステップS612にて、残払出数カウンタに216をセットし、残払出枚数表示部61に216を表示させる処理を行う。ステップS612でセットする数値は、BB状態における上限払出数に対応する数値であり、BB状態において当該数値以上のメダルの払い出しが行われたことを条件に当該BB状態が終了される。
ステップS610~S612の処理を行うことにより、遊技状態がBB状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cにBB設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態がBB状態であると判別し、対応するBB状態用抽選テーブルを選択する。
図29は、第1BBや第2BBで移行するBB状態で選択されるBB状態用抽選テーブルである。BB状態用抽選テーブルでは、IV=1~30,34~58のポイント値PVとして「0」が設定されており、IV=31~33のポイント値として「21845」が設定されている。したがって、BB状態では、BB中第1役に当選となる確率(IV=31の際に当選となる確率)が約1.11分の1となり、BB中第2役に当選となる確率(IV=32の際に当選となる確率)が約20.0分の1となり、BB中第3役に当選となる確率(IV=33の際に当選となる確率)が約20.0分の1となる。いずれの役にも当選しない外れの確率は約65500分の1である。
これらBB中第1役やBB中第2役、BB中第3役の当選確率は、第1BBと第2BBとで共通の当選確率となっている。また、BB中第1役やBB中第2役、BB中第3役の当選確率は、第1BBや第2BBのBB状態への移行契機に関わらず共通の当選確率となっており、例えば、特リプA重複1当選に基づく第1BB中のBB中第3役と、特リプAB重複1当選に基づく第1BB中のBB中第3役との当選確率は同じ確率である。すなわち、いずれのBB状態においても、共通のBB状態用抽選テーブルが参照されて抽選処理が行われる。
図28(b)は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。上述したとおり、第1小役入賞は、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず成立させることができる入賞態様である。したがって、BB中第1役に当選となった場合、ストップスイッチ42~44の操作順序及び操作タイミングに関わらず、第1小役入賞,第39小役入賞,第40小役入賞のいずれかが必ず成立する。また、第9再遊技入賞についても、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず成立させることができる入賞態様である。したがって、BB中第2役に当選となった場合、ストップスイッチ42~44の操作順序及び操作タイミングに関わらず、第9再遊技入賞が必ず成立する。
第9再遊技入賞及び第10再遊技入賞が可能となるBB中第3役は、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによって、いずれの再遊技入賞が成立するかが異なり、ストップスイッチ42~44の停止操作が行われた際に、いずれも入賞可能であれば、スベリ数の少ない側の再遊技が入賞するように停止駆動制御される。より詳しくは、第9再遊技及び第10再遊技が入賞成立となる図柄の組み合わせは、中リール32M及び右リール32Rではいずれも「第1リプレイ」図柄及び「第2リプレイ」図柄で共通している一方、左リール32Lでは異なっている。すなわち、左リール32Lにおいては、第9再遊技の対象図柄は「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄である一方、第10再遊技の対象図柄は「青年」図柄及び「スイカ」図柄である。
例えば、3ベットゲームにおいて、左リール32Lの4番目の「チェリー」図柄から7番目の「赤ベル」図柄が上段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42が停止操作された場合、第9再遊技の対象図柄である7番目の「赤ベル」図柄及び第10再遊技の対象図柄である8番目の「スイカ」図柄のいずれも、有効ライン上である上段に停止させることが可能であるものの、この場合、スベリ数の少ない7番目の「赤ベル」図柄を上段に停止させるように停止駆動制御が行われる。その結果、第10再遊技入賞ではなく第9再遊技入賞が成立可能となる。その他、左リール32Lにおいて、9番目の「赤7」図柄から12番目の「白ベル」図柄が上段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42が停止操作された場合も同様に、13番目の「青年」図柄ではなく12番目の「白ベル」図柄が上段に停止するように駆動制御される等、第10再遊技よりも第9再遊技のほうが入賞成立し易いように設定されている。つまり、第10再遊技を入賞させようとするならば、左リール32Lの上段に0番目の「青年」図柄、8番目の「スイカ」図柄、13番目の「青年」図柄が到達したタイミングで左ストップスイッチ42の停止操作を行う必要があり、他のタイミングであれば、第9再遊技入賞が成立することになる。
BB状態は3ベットゲームであるため、BB中第1役当選となり、第1小役入賞,第39小役入賞,第40小役入賞が成立した場合には、9枚のメダル払出が行われる。また、BB中第2役当選となると第9再遊技入賞が成立し、BB中第3役当選となっても多くは第9再遊技入賞が成立する。つまり、BB状態となると、主に第1小役等のベル入賞及び第9再遊技たるリプレイ入賞のいずれかが頻繁に成立する。リプレイ入賞が成立するとメダルの払出が行われない代わりに、リプレイが付与されて、次ゲームをメダル不要で実施することができる。BB状態における外れの確率は約65500分の1であるため、BB状態は、非常に高確率で9枚のメダル払出が行われる遊技状態である、といえる。
ステップS609にて否定判定し、いずれかのBB入賞が成立した場合には、ステップS613にて持ち越しコマンドをセットする処理を行う。持ち越しコマンドとは、ボーナス当選ゲームにて当該ボーナス入賞が成立せず、所謂持ち越し状態となったことを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドであり、かかる持ち越しコマンドはタイマ割り込み処理のコマンド出力処理(ステップS110)にて表示制御装置81へ出力される。
既に説明した通り、持ち越し状態において行われるゲームでは、他のボーナスに当選することが制限される。より詳しくは、通常遊技状態用の抽選テーブル(図17)において、IV=34~51のボーナス(第1BB,第2BB,CB)との重複役等に当選した場合には、これらボーナスに対応する当選フラグはセットされない。そのため、例えば、IV=34~51の各小役又は再遊技との重複役に当選した場合には、これら各小役や再遊技の当選フラグはセットされるものの、ボーナスに対応する当選フラグはセットされず、小役入賞のみが有効となる。すなわち、持ち越し状態とは、ボーナスの抽選が制限される状態ともいえる。
遊技状態がCB状態又はBB状態に移行した場合には、ステップS601にて肯定判定をし、ステップS614にて終了判定処理を行う。終了判定処理では、残払出数カウンタの値が0となったか否かを判定し、0となった場合にCB設定フラグ又はBB設定フラグをクリアする処理を行う。また、終了判定処理では、BB設定フラグをクリアした場合、今回のゲームでBB状態が終了したことを示す終了フラグをセットする。なお、当該終了判定処理については、後に詳細に説明する。
ステップS602~ステップS614に示したように、CBに当選するとともにCB入賞が成立した場合には、RT設定フラグをクリアすることなくCB設定フラグをセットしている。このため、CB設定フラグをクリアした場合、すなわちCB状態が終了した場合には、CB入賞が成立した際の遊技状態に復帰することとなる。例えば、通常遊技状態下でCB入賞が成立した場合には、CB状態の終了後に通常遊技状態に復帰し、第3RT状態下でCB入賞が成立した場合には、CB状態の終了後に第3RT状態に復帰する。一方、第1BB、第2BBに当選した場合には、対応するBB入賞の成立有無に関わらずステップS608にてRT設定フラグをクリアしている。このため、BB設定フラグをクリアした場合、すなわちBB状態が終了した場合には、仮に第2RT状態下で第1BB入賞が成立したとしても、通常遊技状態に移行することとなる。CB状態に移行した場合、遊技者は、当該CB状態が終了するまでの間に13(=15-2)枚又は25(=14-2+15-2)枚のメダル増加を期待できる。BB状態に移行した場合、遊技者は、当該BB状態が終了するまでの間に約144(=9×24-3×24)枚のメダル増加を期待できる。
ちなみに、BB状態においてBB中第2役やBB中第3役に当選し、リプレイが付与される場合、残払出数カウンタの減算は行われない。つまり、BB状態においてBB中第2役やBB中第3役に当選した回数は、BB状態において期待できるメダル増加数に影響を及ぼさない。
第1BB当選フラグ,第2BB当選フラグ,CB当選フラグのいずれもセットされていない場合(ステップS602がNOの場合)と、第1BB入賞,第2BB入賞,CB入賞のいずれも成立しておらず持ち越しコマンドをセットした場合(ステップS613の処理を実行した場合)と、ステップS605、ステップS612にて残払出数カウンタに所定値をセットした場合と、ステップS614にて終了判定処理を行った場合と、には、ステップS606に進み、状態コマンドをセットする。ここで、状態コマンドとは、ゲーム終了時点での遊技状態(すなわち次回のゲームの遊技状態)を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドであり、ステップS606では、状態情報格納エリア106cにセットされている設定フラグと対応する状態コマンドをセットする。状態コマンドをセットした後、ステップS607では、外部集中端子板121からスロットマシン10外部に出力する外部信号を設定する外部信号設定処理を行う。その後、本処理を終了する。
<遊技状態の移行と表示モードの概要>
ここで、遊技状態の移行について図30を用いて説明する。なお、CB状態については、図示を省略している。
遊技状態がBB状態である場合、当該BB状態下におけるメダル払出数が216に達した場合にBB状態が終了し、遊技状態が通常遊技状態に移行する。
遊技状態が通常遊技状態である場合、移行出目が有効ライン上に停止することによって遊技状態が第1RT状態に移行し、BB入賞が成立することによって遊技状態がBB状態に移行する。移行出目は、押し順ベルに当選したゲームで取りこぼしが発生する場合に有効ライン上に停止する。通常遊技状態用抽選テーブルを用いた抽選処理では、第2RT状態への移行契機となる第1昇格リプレイ1~4や、第3RT状態への移行契機となる第2昇格リプレイ1,2、第4RT状態への移行契機となる移行リプレイ1,2は当選しないため、通常遊技状態からは、第2RT状態~第4RT状態に移行しない(図17参照)。
遊技状態が第1RT状態である場合、第3再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第2RT状態に移行する。第3再遊技入賞は、第1昇格リプレイ1~第1昇格リプレイ4のいずれかに当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合に成立する(図23(a)参照)。第1RT状態用抽選テーブルを用いた抽選処理では、第3RT状態への移行契機となる第2昇格リプレイ1,2、第4RT状態への移行契機となる移行リプレイ1,2は当選しないため、第1RT状態からは、第3RT状態及び第4RT状態に移行しない。
また、各BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立しなかった場合、すなわちBB当選フラグが持ち越された場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行し、各1BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。
遊技状態が第2RT状態である場合、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第3RT状態に移行する。また、第2再遊技入賞が成立した場合と、移行出目が有効ライン上に停止した場合と、には、遊技状態が第1RT状態に移行する。第4再遊技入賞と第5再遊技入賞は、第2昇格リプレイ1又は第2昇格リプレイ2に当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合に成立する(図23(b)参照)。第2再遊技入賞は、転落リプレイ1~転落リプレイ3のいずれかに当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合に成立する(図23(b)参照)。移行出目は、押し順ベルに当選したゲームで取りこぼしが発生する場合に有効ライン上に停止する。加えて、各BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立しなかった場合、すなわちBB当選フラグが持ち越された場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行し、各BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。
遊技状態が第3RT状態である場合、第3再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第2RT状態に移行する。また、第2再遊技入賞が成立した場合と、移行出目が有効ライン上に停止した場合と、には、遊技状態が第1RT状態に移行する。第3再遊技入賞は、BARリプレイ1又はBARリプレイ2に当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合に成立する(図23(c)参照)。第2再遊技入賞は、転落リプレイ1~転落リプレイ3のいずれかに当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合に成立する(図23(b)参照)。移行出目は、押し順ベルに当選したゲームで取りこぼしが発生する場合に有効ライン上に停止する。加えて、各当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立しなかった場合、すなわちBB当選フラグが持ち越された場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行し、各BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。
さらに、遊技状態が第2RT状態又は第3RT状態である場合、第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第4RT状態に移行する。第11再遊技入賞と第12再遊技入賞とは、移行リプレイ1又は移行リプレイ2に当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合に成立する(図23(d)参照)。既に説明した通り、第4RT状態はゲーム数が固定の固定RT状態である。そのため、第4RT状態において移行出目が停止しても第1RT状態には移行しない。なお、第4RT状態用抽選テーブルについては後に説明するが、第4RT状態では第2再遊技には当選しない。そのため、第2再遊技入賞に起因する第1RT状態への移行も生じない。また、各BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立しなかった場合、すなわちBB当選フラグが持ち越された場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行し、各BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する点は、上記第1RT状態~第3RT状態と同様である。
本スロットマシン10では、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,BB状態,CB状態の6種類の遊技状態を主制御装置101が管理するとともに、大別して通常モード,ATモード(アシストタイムモード),VBモード(ヴァーチャルボーナスモード、疑似ボーナスモード),BBモードの5種類の表示モードを主制御装置101が管理するようになっている。
図31は、各表示モードの移行を示す図である。
BBモードとは、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立した場合に移行し、BB状態が終了した場合に終了する表示モードである。すなわち、BBモードは、BB状態と対応する表示モードである。したがって、BBモードに移行した場合、遊技者は約144枚のメダル増加を期待できる。
通常モードからBBモードに移行した場合、当該BBモードでは、ATモードへの移行抽選が行われる場合がある。ATモードへの移行抽選に当選した場合には、BBモードの終了後にATモードに移行する。ATモードへの移行抽選にも当選しなかった場合には、BBモードの終了後に通常モードに移行する。ATモードからBBモードに移行した場合には、BBモードの終了後にATモードに復帰する。VBモードからBBモードに移行した場合には、BBモードの終了後にVBモードに復帰する。
通常モードとは、押し順ベル当選時と、第1昇格リプレイ1~第1昇格リプレイ4,転落リプレイ1~転落リプレイ3,第2昇格リプレイ1,第2昇格リプレイ2,BARリプレイ1,BARリプレイ2,移行リプレイ1,移行リプレイ2(以下、これらを総称して「押し順リプレイ」という。)当選時と、にストップスイッチ42~44の操作順序が報知されない表示モードである。通常モードでは、ATモードへの移行抽選が行われる。ATモードへの移行抽選に当選した場合には、通常モードからATモードに移行する。通常モードからは、VBモードに移行しない。
通常モードは、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,CB状態の各遊技状態と対応している。但し、通常モードでは、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、にストップスイッチ42~44の操作順序が報知されないため、第2RT状態~第4RT状態に移行することは稀であり、ほぼ通常遊技状態又は第1RT状態と対応することとなる。通常モードでは、そのときの遊技状態が通常遊技状態、第1RT状態又は第4RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約1.59枚減少することを期待でき、そのときの遊技状態が第2RT状態~第3RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.06枚減少することを期待できる。
ATモードとは、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、のいずれにおいてもストップスイッチ42~44の操作順序が報知される表示モードである。ATモードは、VBモードへの移行確率が異なるLV.1モード~LV.4モードの4つのATモードによって構成されており、いずれのATモードであっても、通常モードと比してVBモードへの移行確率が高くなっている。VBモードへの移行抽選に当選した場合には、ATモードからVBモードに移行する。VBモードへの移行抽選に当選することなく所定回数(例えば50回等)のゲームが行われた場合には、ATモードから通常モードに移行する。
LV.1モード~LV.4モードは、VBモードへの移行抽選に当選する確率が異なるように設定されている。より具体的には、VBモードへの移行抽選に当選する確率が、LV.4モードが最も高く、LV.1モードが最も低くなるように設定されており、LV.1モード、LV.2モード、LV.3モード、LV.4モードの順でVBモードへの移行抽選に当選する確率が高くなるように設定されている。
ATモードは、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,CB状態の各遊技状態と対応している。但し、ATモードでは、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、のいずれにおいてもストップスイッチ42~44の操作順序が報知されるため、遊技者が報知された操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合、第2RT状態及び第3RT状態と対応することとなる。ATモードでは、そのときの遊技状態が通常遊技状態、第1RT状態又は第4RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.61枚増加することを期待でき、そのときの遊技状態が第2RT状態又は第3RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約1.90枚増加することを期待できる。ATモードは、遊技状態が第2RT状態に移行してから少なくとも50ゲーム継続するため、ATモードに移行した場合、遊技者は約100枚のメダル増加を期待できる。なお、ATモードであって第2RT状態又は第3RT状態において、移行リプレイ1又は移行リプレイ2に当選した場合、第1再遊技入賞となる操作順序が報知される場合と第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞となる操作順序が報知される場合とがあり、第4RT状態へ移行しない場合と移行する場合とがある。これらの構成については、後に詳細に説明するが、本スロットマシン10では、第4RT状態へ移行することでATモードは終了する。
VBモードとは、ATモードと同様、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、のいずれにおいてもストップスイッチ42~44の操作順序が報知される表示モードである。VBモードとATモードとの相違点は、第2昇格リプレイ1又は第2昇格リプレイ2に当選となった場合に、ATモードでは第1再遊技入賞を成立させるための操作順序が報知される一方、VBモードでは第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞を成立させるための操作順序が報知される点である(図23(b)参照)。
VBモードは、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,CB状態の各遊技状態と対応している。但し、VBモードでは、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、のいずれにおいてもストップスイッチ42~44の操作順序が報知される。このため、VBモードは、遊技者が報知された操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合、第3RT状態と対応することとなる。VBモードでは、そのときの遊技状態が通常遊技状態、第1RT状態又は第4RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.61枚増加することを期待でき、そのときの遊技状態が第2RT状態又は第3RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約1.90枚増加することを期待できる。VBモードは、遊技状態が第3RT状態に移行してから少なくとも25ゲーム継続するため、VBモードに移行した場合、遊技者は約50枚のメダル増加を期待できる。なお、VBモードにおいても、移行リプレイ1又は移行リプレイ2に当選した場合に、その操作順序の報知によって第4RT状態へ移行しない場合と移行する場合とがある。第4RT状態へ移行することでVBモードは終了する点は上記ATモードと同様であり、かかる構成についても、後に詳細に説明する。
遊技者の所有メダルが増加する際の表示モードの移行について説明すると、通常モードからATモードに移行し、ATモードから通常モードに戻るという流れが一般的である。そして、ATモードではVBモードへの移行抽選が行われるため、ATモードからVBモードに移行し、VBモードからATモードに戻るというループが発生した場合、遊技者はより多くの所有メダル増加を期待できる。
また、ATモードにおいてLV.1モード~LV.4モードが設定されており、各ATモードにおいてVBモードへの移行抽選の当選確率が異なっている。そして、通常モードからATモードへ移行する場合、基本的にはLV.1モードに移行する。LV.1モードにおいては、VBモードへの移行抽選が行われるとともに、LV.2モードへの移行抽選が行われる。LV.2モードへの移行抽選に当選すると、LV.2モードに移行し、VBモードへの移行抽選の当選確率が上昇する。LV.2モードにおいては、VBモードへの移行抽選が行われるとともに、LV.3モードへの移行抽選が行われる。LV.3モードへの移行抽選に当選すると、LV.3モードに移行し、VBモードへの移行抽選の当選確率が上昇する。そして、LV.3モードにおいては、VBモードへの移行抽選が行われるとともに、LV.4モードへの移行抽選が行われる。ATLV.4モードへの移行抽選に当選すると、LV.4モードに移行し、VBモードへの移行抽選の当選確率が上昇する。
したがって、ATモードに移行した場合、LV.1モード→LV.2モード→LV.3モード→LV.4モードとATモードの昇格が行われることで、VBモードへの移行確率が高くなり、ATモードとVBモードとのループが発生し易くなる。
以上のとおり、本スロットマシン10では、ATモード,VBモード,BBモードの各表示モードにおいて遊技者が所有メダルの増加を図る構成となっている。そして、各表示モードと連動して、複数のRT状態と、BB状態、CB状態といった複数の状態が各再遊技の入賞又は移行出目の停止等によって行き来する構成となっている。上記のとおり、押し順リプレイ当選時や押し順ベル当選時のストップスイッチ42~43の操作順序によって対応する再遊技入賞が成立したり移行出目が停止したりする。また、ATモードやVBモードにおいては、押し順ベル当選時に、第1小役入賞を成立させることが可能となる操作順序が報知されることで、所有メダル増加を期待できる。
ここで、表示モードがATモード及びVBモードである場合、上記のように押し順ベルや押し順リプレイ当選時にストップスイッチ42~44の操作順序が報知され、通常モードである場合には、これら押し順ベルや押し順リプレイ当選時の操作順序の報知が行われない。そのため、これら押し順ベルや押し順リプレイ当選時の操作順序の報知の有無という観点で、ATモードやVBモードの方が通常モードよりも遊技者にとって有利なものである。つまり、ATモードやVBモードは、操作順序が報知されることによって小役等の入賞率を変化させ遊技者にとって有利な状況で遊技を進行可能となる区間である有利区間に含まれるものである。本スロットマシン10では、有利区間へ移行することでATモードへの移行抽選が行われ、ATモードやVBモードへの移行が生じ得るように構成されており、言い換えると、有利区間ではない通常区間においてATモードやVBモードへの移行は生じないように構成されている。
なお、有利区間においてATモードへの移行抽選が行われるのに対して、通常区間においてはATモードへの移行抽選が行われないことからして、有利区間であってATモードへの移行前の状態やATモード当選前の状態は、ATモードへの移行が生じ易くなっている状態として、チャンスゾーン(CZ)とも称することが可能である。
以下、表示モードに関する構成について説明する。
表示モードに関する構成としては、大別して、(1)表示モードの移行抽選に関する処理、(2)表示モードの移行抽選の結果に基づいて遊技状態を移行させるための処理、(3)入賞結果に基づいて表示モードを移行させるための処理、(4)サブ側の報知演出に関する処理がある。以下、順番に説明する。
<表示モードの移行抽選に関する処理>
<抽選結果対応処理>
(1)の表示モードの移行抽選に関する処理は、主制御装置101による抽選処理(図16)の抽選結果対応処理(ステップS312)にて行われる。そこで、以下、抽選結果対応処理について、図32のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS701では、今回のゲームが有利区間であるか否かをRAM106の各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。有利区間フラグは、上記のATモードやVBモードを含む有利区間への移行抽選に当選したことに基づいてセットされ、有利区間が終了する際にクリアされるフラグである。有利区間フラグがセットされていない場合には、ステップS702へ進み、有利区間移行抽選処理を実行してから、本抽選結果対応処理を終了する。
有利区間移行抽選処理では、図33のフローチャートに示すように、先ず、ステップS801にて、今回のゲームの抽選結果を把握する。そしてステップS802にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから有利区間移行抽選テーブルを取得する。有利区間移行抽選テーブルは、図40に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、有利区間への移行率(有利区間移行抽選の当選確率)が異なるように設定されている。有利区間への移行抽選の契機役としては、図39にも示すように、強チェリー、弱チェリー、強スイカ、弱スイカ、チャンスA、チャンスB、中段ベル、強チェリー重複1、弱チェリー重複1、強スイカ重複1、弱スイカ重複1、チャンスA重複1、チャンスB重複1、中段ベル重複1、特リプA重複1、特リプA重複2、単独第1BB、単独第2BBが設定されている(以下、これらをまとめて「移行契機役」とも称する)。これらの移行契機役は、いずれの設定値であっても設定されているポイント値PVが共通しており、当選確率に設定差がない。そして、有利区間移行抽選の当選確率についても、設定差がないように設定されている。これに対して、強チェリー重複2、弱チェリー重複2、強スイカ重複2、弱スイカ重複2、チャンスA重複2、チャンスB重複2、中段ベル重複2、特リプAB重複1、特リプAB重複2は、当選確率に設定差があるように設定されており、概して設定1が最も当選確率が低く、設定6が最も当選確率が高くなるようにポイント値PVが設定されている(以下、これらをまとめて「非契機役」とも称する)。そして、これら当選確率に設定差がある非契機役では、有利区間移行抽選は実施されない。つまり、出現率が共通している移行契機役にて当選確率に設定差のない有利区間移行抽選を行う構成とし、有利区間への移行率は共通なものとなっている。このようにすることで、遊技ホールに複数台設置され得る遊技機の設定値に関わらず、有利区間へ移行させるチャンスが同等なものとなり、遊技者間の不平等性を解消することが可能となる。
ステップS802にて抽選テーブルを取得した後は、ステップS803にて有利区間移行抽選を実行する。そして、ステップS804にて、移行抽選に当選したか否かを判定し、当選していなければ、そのまま本抽選処理を終了する。移行抽選に当選している場合、ステップS805にて、上記の有利区間フラグをセットする処理を実行する。この処理により、次ゲーム以降の抽選結果対応処理(図32)のステップS701では肯定判定することが可能となる。続くステップS806では、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグをセットする処理を実行する。有利区間当選ゲームフラグは、今回のゲームで有利区間への移行抽選に当選したことをCPU102が把握するためのフラグである。そして、ステップS807にて、有利区間移行当選時処理を実行してから、本有利区間移行抽選処理を終了する。有利区間移行当選時処理については、後に詳細に説明する。
抽選結果対応処理において、ステップS701にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合、すなわち、前ゲーム以前にて、有利区間への移行抽選に当選している場合、ステップS703に進む。ステップS703では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグ及びATモードフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。ATモード当選フラグは、ATモードへの移行抽選に当選している状態であることをCPU102が特定するためのフラグであり、ATモードの移行抽選に当選した場合にセットされ、ATモードへ移行する際にクリアされるフラグである。ATモードフラグは、表示モードがATモードであることをCPU102が特定するためのフラグであり、ATモードへ移行する際にセットされ、ATモードが最終的に終了する際(ATモードからVBモードや特化ゾーン、BBモードへ移行する際は除く)にクリアされるフラグである。ステップS703にて否定判定した場合には、ステップS704にて、第1特定役処理を実行する。
<第1特定役処理>
第1特定役処理について、図34のフローチャートを参照しながら説明する。
第1特定役処理では、表示モードをATモードに移行させるか否かの移行抽選が行われる。すなわち、ステップS901にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからATモード移行抽選用のテーブルを取得する。ATモード移行抽選テーブルでは、抽選結果(当選役)の種類に応じてATモードへの移行確率がそれぞれ設定されている。
具体的には、各種テーブル記憶エリア105aに記憶されている有利区間中のモード抽選テーブルでは、現状の表示モードと、抽選契機となる遊技結果の種類とによって、各モード移行抽選に当選する確率が異なるように設定されている。
ここで、有利区間中のモード移行抽選の抽選契機となる遊技結果としては、図40に示すように、上記の移行契機役及び非契機役に加えて、通常リプレイや押し順リプレイ及び押し順ベルが設定されている。すなわち、有利区間への移行抽選に関しては、設定値による移行率の差が生じないように設定されている一方、有利区間に含まれるATモード等への移行抽選については設定値による移行率に差が生じ得るように設定されている。このようにすることで、有利区間への移行が生じるチャンスを平等なものとしながら、有利区間におけるメダルの増減態様や増加率を多様なものとすることが可能となる。以下の説明では、これら、通常リプレイ、押し順リプレイ、押し順ベル、移行契機役及び非契機役を、まとめて、有利区間中の指示機能に関する抽選の契機となる役として、「特定役」とも称する。
ATモードへの移行抽選テーブルでは、特定役の種類に応じてそれぞれ移行抽選の当選確率が設定されている。また、ATモードへの移行抽選テーブルでは、同じ種類の特定役であっても、滞在しているRT状態によって移行抽選の当選確率が異なるように設定されている。図40に示すように、例えば、特定役が強チェリーである場合は90%~100%の確率でATモードへの移行抽選に当選する一方、特定役が弱チェリーである場合は30%~60%の確率でATモードへの移行抽選に当選し、各ゲームでの当選確率(出現率)が低い結果ほどATモードへの移行抽選に当選し易くなるように設定されている。なお、滞在しているRT状態によって移行抽選の当選確率が相違する構成については、後に詳細に説明する。
ステップS901にてATモード移行抽選用のテーブルを取得した後は、ステップS902にてATモード抽選処理を実行する。かかる処理では、抽選用のカウンタをRAM106の各種カウンタエリア106eから取得し、ステップS901にて取得した抽選用のテーブルに照らし合わせることで、ATモードへの移行抽選を行う。
ステップS903では、ステップS902の処理結果に基づいて、ATモードへの移行抽選に当選したか否かの判定を行う。ATモードへの移行抽選に当選した場合には、ステップS904にて、各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグをセットする処理を実行する。ATモード当選フラグをセットすることにより、上記抽選結果対応処理(図32)におけるステップS703にて肯定判定されることとなる。続くステップS905では、各種フラグ格納エリア106dのAT非当選フラグをクリアする処理を実行する。AT非当選フラグは、ATモード移行抽選に非当選となった場合にセットされるフラグである。ステップS905では、AT非当選フラグがセットされている場合にはそれをクリアし、セットされていない場合にはその状態を維持する。
続くステップS906では、今回当選したATモードがSATモードか否かを判定する。SATモードとは、上乗せ特化ゾーンを経てから開始されるATモードである。例えば、通常のATモードの初期ゲーム数が50とすると、SATモードでは当該初期ゲーム数の50に対し、上乗せ特化ゾーンにて上乗せされたゲーム数を加えたゲーム数でATモードが開始される。そのため、通常のATモードとSATモードとでは遊技者にとっての有利度が異なり、ATモードよりもSATモードの方が遊技者にとって有利なものとなる。
SATモードへの移行抽選は、ATモードへの移行抽選にて当選した場合(ステップS902の抽選処理にて当選した場合)に実施され、この移行抽選は、移行契機役と表示モードの種類によって設定されているSATモード用の移行抽選テーブルに基づいて行われる。SATモード用の移行抽選テーブルは、図40に示すように、強スイカを契機としてATモードへの移行抽選に当選する確率は50%~100%であり、その移行抽選に当選した場合の5%~10%SATモードに当選する。
ステップS906にて、SATモード当選であると判定した場合、ステップS907にて、特化ゾーン当選フラグをセットする処理を実行する。ステップS906にて否定判定した場合、又はステップS907の処理を実行した後は、ステップS908に進む。ステップS908~ステップS911の処理は前兆モードの設定用の処理である。
前兆モードとは、ATモード等に当選したことを示唆する当選示唆演出が発生し易くなるモードであり、当該前兆モードの各ゲームを経てから、ATモード等に当選したことの当選報知が行われる。前兆モードは0ゲーム~32ゲームに亘って継続し、当選したATモード等の種類と、ボーナスに同時当選しているか否かとによって、その前兆モードの継続ゲーム数が異なるように設定されている。なお、ATモード等がボーナスと同時当選している場合は、前兆モードを経てからボーナスの当選報知が行われ、そのボーナス状態が終了してから、ATモード等に当選していたことの報知が行われる。また、前兆ゲーム数が0ゲームとして設定される場合、前兆モードを介さずに当選報知が行われることになる。
具体的には、ステップS908では、先ず、前兆ゲーム数テーブルをROM105の各種テーブル記憶エリア105aから取得する処理を行う。図41に示すように、前兆ゲーム数テーブルでは、ボーナスと同時当選したか否かによって、選択される前兆ゲーム数が異なるように設定されている。具体的には、例えば、ATモード当選時においては、ボーナスに同時当選している場合には、0ゲームが80%で選択され1ゲーム~5ゲームが20%で選択される一方、ボーナスに同時当選していない場合には必ず0ゲームが選択される。また、SATモード当選時においては、ボーナスに同時当選している場合には、0ゲームが30%で選択され1ゲーム~5ゲームが70%で選択される一方、ボーナスに同時当選していない場合には必ず0ゲームが選択される。すなわち、ATモード及びSATモードのいずれについても、ボーナスと同時当選していなければ前兆モードを経ることなく当選ゲームで当選報知が行われ、ボーナスと同時当選している場合にはSATモード当選時の方がATモード当選時よりも前兆モードのゲーム数が多くなり易い。
なお、当選契機となった遊技結果によって、前兆ゲーム数を異ならせてもよい。例えば、特リプA重複1や特リプA重複2のようにリプレイ(第9再遊技)とボーナスとの重複役のほうが、強チェリー重複1や弱チェリー重複1のように小役(強チェリー、弱チェリー等)とボーナスとの重複役よりも長い前兆モードが選択され易い構成としてもよいし、その逆の関係となるようにしてもよい。
ステップS909では、ステップS908にて取得した前兆ゲーム数テーブルと、RAM106の各種カウンタエリア106eから取得した抽選用のカウンタとに基づいて、今回の前兆モードのゲーム数を抽選する処理を行う。そして、ステップS910にて、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられた前兆カウンタに前兆ゲーム数を入力する処理を行う。前兆カウンタは1ゲーム毎に1ずつ減算されるカウンタであり、前兆カウンタが0となることで前兆モードが終了し、ATモード等の移行抽選に当選したことの当選報知が行われる。
ステップS911では、前兆コマンドをサブ側の制御装置である表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。前兆コマンドには、前兆モードの契機となった抽選結果及び前兆ゲーム数の情報が含まれている。前兆コマンドを受信したことに基づく表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。ステップS911の処理を実行した後は、第1特定役処理を終了する。
ステップS903にてATモードへの移行抽選に当選していないと判定した場合、ステップS912に進み、AT非当選時第1処理を実行してから、第1特定役処理を終了する。本実施形態では、ATモードへの移行抽選が行われた場合において当該移行抽選に非当選となった場合には、その後、有利区間を終了する構成としており、AT非当選時第1処理は、かかる有利区間を終了するための処理である。AT非当選時第1処理については、後に詳細に説明する。
抽選結果対応処理の説明(図32)に戻り、ステップS703にて肯定判定した場合は、ステップS705に進む。ステップS705では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにVBモード当選フラグ及びVBモードフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。VBモード当選フラグは、VBモードの移行抽選に当選した場合にセットされ、VBモードへ移行する際にクリアされるフラグである。VBモードフラグは、表示モードがVBモードであることをCPU102が特定するためのフラグであり、VBモードへ移行する際にセットされ、VBモードが終了する際にクリアされるフラグである。ステップS705にて否定判定した場合には、ステップS706にて、第2特定役処理を実行する。また、ステップS705にて肯定判定した場合は、ステップS707にて、第3特定役処理を実行する。
<第2特定役処理>
第2特定役処理について、図35のフローチャートを参照しながら説明する。
第2特定役処理では、ATモードの上乗せ抽選を行ったり、表示モードをVBモードや上乗せ特化ゾーンに移行させるか否かの移行抽選を行う。なお、上乗せとは、ATモード等の継続ゲーム数(残数)を加算する(増加させる)ことをいい、上乗せゲーム数とは、当該継続ゲーム数に加算する値(増加させる値)に対応する。また、上乗せ特化ゾーンとは、複数回のゲームに亘って、ATモードの継続ゲーム数の上乗せが高確率で発生する状態を示す。また、第2特定役処理では、ATモードのレベルの昇格抽選を行うとともに、ATモードの継続ゲーム数の上乗せ用の処理を行う。
すなわち、ステップS1001では、ATモードのレベルを把握する処理を行う。既に説明したとおり、本実施形態では、LV.1モード~LV.4モードの4つのATモードのレベルが設けられており、各レベルでVBモードへの移行確率が異なっている。そこで、ステップS1001は、現状のATモードのレベルがLV.1モード~LV.4モードのいずれであるかを判定する。
ステップS1002では、ステップS1001で把握したATモードのレベルに応じたVBモード抽選テーブルを、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから取得する。VBモード抽選テーブルでは、抽選契機となる遊技結果の種類に応じてVBモードへの移行確率がそれぞれ設定されている。図40に示すように、例えば、強チェリー1と弱チェリーとでは、強チェリー1の方が弱チェリーよりもVBモードへの移行確率が高く設定されている。また、各レベルのVBモード抽選テーブルでは、全体的にVBモードへの移行確率が異なっており、LV.1モードのものよりもLV.2モードのものの方がVBモードへの移行確率が高くなるように、LV.2モードのものよりもLV.3モードのものの方がVBモードへの移行確率が高くなるように、LV.3モードのものよりもLV.4モードのものの方がVBモードへの移行確率が高くなるように設定されている。
ステップS1003では、ステップS1002にて取得したテーブルと、RAM106の各種カウンタエリア106eから取得した抽選用のカウンタとを用いて、VBモードの移行抽選を行う。そして、ステップS1004にて、ステップS1003の抽選結果が、VBモード当選に対応するものであったか否かの判定を行う。なお、本実施形態では、ボーナスとの重複役を契機としてVBモードの移行抽選が行われる場合、当該VBモードへの移行抽選に当選しないようになっている。つまり、BBモードへの移行とVBモードへの移行とがなるべく重複して生じないようにし、これらボーナスとの重複役の有利度が高まりすぎないようにしている。
ステップS1004にて肯定判定した場合、ステップS1005にてRAM106の各種フラグ格納エリア106dにVBモード当選フラグをセットする処理を行う。その後、ステップS1006~ステップS1009にて、前兆ゲーム数の設定用の処理を行う。すなわち、ステップS1006にて前兆ゲーム数テーブルを取得し、ステップS1007にて前兆ゲーム数を抽選し、ステップS1008にて前兆ゲーム数をセットし、ステップS1009にて前兆コマンドをセットしてから第2特定役処理を終了する。
ステップS1004にて、VBモード抽選処理の結果がVBモード当選ではないと判定した場合、ステップS1010に進む。ステップS1010~ステップS1013は、ATモードレベルの昇格用の処理である。
ステップS1010では、ATモード昇格抽選処理を行う。かかる処理では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから、昇格抽選用のテーブルを取得するとともに、RAM106の各種カウンタエリア106eから、抽選用のカウンタを取得する。昇格抽選用のテーブルは、ATモードのレベルに応じて複数設けられており、具体的にはLV.1モード用のテーブル、LV.2モード用のテーブル、LV.3モード用のテーブルと、計3つ(LV.4モードに滞在している状況では昇格抽選を行わない)設けられている。各テーブルでは、抽選契機となる遊技結果の種類に応じて昇格抽選の当選確率がそれぞれ設定されている。例えば、強チェリーと弱チェリーとでは、強チェリーの方が弱チェリーよりも昇格抽選の当選確率が高く設定されている。また、各ATモード用のテーブルでは、LV.1モード用のテーブルよりもLV.2モード用のテーブルの方が昇格確率が低くなるように、LV.2モード用のテーブルよりもLV.3モード用のテーブルの方が昇格確率が低くなるように設定されており、ATモードのレベルが昇格するにつれて、次のレベルに昇格しにくくなるように設定されている。
ステップS1011では、ステップS1010の抽選結果が、昇格当選であったか否かを判定する。昇格当選であった場合には、ステップS1012にて、ATモードの昇格処理を行う。かかる処理では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに設けられたレベルフラグを、現状のATモードのレベルに対応するレベルフラグから1つ上位のレベルフラグに書き換える処理を行う。その後、ステップS1013にて、昇格コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行う。昇格コマンドには、昇格先のATモードの情報が含まれている。昇格コマンドを受信した表示制御装置81では、昇格先のレベルのATモード用の演出を行うように、補助表示部65等を制御する。補助表示部65におけるATモード用の演出として、例えば、ATモードのレベルに応じて異なる背景色の演出が設定されており、表示制御装置81では、上記昇格コマンドを受信した場合に、ATモードのレベルが昇格したことの報知を行うとともに、昇格先のレベルに応じた背景色でATモード用の演出を行うように制御する。
ステップS1011にて昇格抽選に当選していないと判定した場合、又はステップS1013の処理を実行した後は、ステップS1014~ステップS1021にてATモードの継続ゲーム数の上乗せ用の処理を行う。
すなわち、ステップS1014では、ATモードのゲーム数の上乗せ抽選処理を行う。かかる上乗せ抽選処理では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからATモード上乗せ抽選用のテーブルを取得するとともに、RAM106の各種カウンタエリア106eから抽選用のカウンタを取得する。ATモード上乗せ抽選用のテーブルは、図42に示すように、抽選結果の種類に応じて上乗せ抽選に当選する確率が異なるように設定されている。
ここで、本実施形態では、ATモードのゲーム数上乗せ抽選は、移行契機役及び非契機役に押し順ベルや押し順リプレイ、通常リプレイを含めた特定役が抽選契機となるように設定されている。図42に示すように、特定役のうち、押し順ベルや押し順リプレイ(以下、これらをまとめて「押し順役」とも称する)や通常リプレイは、移行契機役や非契機役と比較してATモードのゲーム数上乗せ抽選の当選確率は低く設定されている。そのため、各ゲームの抽選結果として押し順役や通常リプレイが出現した場合よりも移行契機役や非契機役が出現した場合のほうが、ATモードのゲーム数上乗せに期待が持てることになる。そうすると、遊技者は、それを前提として移行契機役当選や非契機役当選となることに期待しながらゲームを進めると考えられる。その一方で、押し順役や通常リプレイは移行契機役や非契機役と比較して各ゲームにおける当選確率が高く、比較的出現し易い遊技結果といえる。このような役構成とすることで、押し順役や通常リプレイを上乗せ契機役としての存在感を低くし、上乗せが発生した場合の意外性を高めることができる。しかも、これら押し順役や通常リプレイに基づく上乗せが行われる機会がATモード中に現実的に生じ得る程度のもの(より詳しくは初期ゲーム数である50ゲームを2~3回実行すれば1回は発生するであろう程度の出現率)となっている。そのため、上記のような押し順役や通常リプレイを契機とする上乗せといった意外性のある上乗せを、好適に発生させることが可能となっている。
続くステップS1015では上乗せ抽選に当選しているか否かの判定を行う。上乗せ抽選に当選していると判定した場合、ステップS1016にて、ボーナス当選フラグがセットされているか否かを判定する。ボーナス当選フラグがセットされていない場合には、ステップS1017に進み、ATモードの上乗せゲーム数の抽選処理を行う。かかる上乗せゲーム数の抽選処理では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからATモード上乗せゲーム数抽選用のテーブルを取得するとともに、RAM106の各種カウンタエリア106eから抽選用のカウンタを取得する。ATモード上乗せゲーム数抽選用のテーブルは、図42に示すように特定役の種類に応じて上乗せゲーム数が異なるように設定されている。例えば、強チェリーでは20ゲームから200ゲームのATモードの上乗せを行い、その平均上乗せゲーム数は30ゲームとなっている。また、弱チェリーでは5ゲームから300ゲームの上乗せを行い、その平均上乗せゲーム数は20ゲームとなっており、強チェリーの場合よりも弱チェリーのほうが多いゲーム数が選択される場合があるものの、その平均値としては強チェリーのほうが多いゲーム数となるように設定されている。
ステップS1018では、ATモードのゲーム数上乗せ処理を行う。かかる処理では、ATモードの継続ゲーム数を管理するカウンタ(より詳しくは、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたATモード継続カウンタ)に、ステップS1017により抽選された上乗せゲーム数に対応する値を加算する処理を行う。続くステップS1019では、上乗せ抽選に当選したことやそのゲーム数を報知するための上乗せ報知用処理を行う。
<上乗せ報知用処理>
ここで、本スロットマシン10では、ATモードの継続ゲーム数の上乗せが発生する場合の上乗せ報知の態様が複数設定されている。より詳しくは、上乗せ報知の態様として、上乗せ報知が行われるゲームが異なる複数の態様を有しており、上乗せが発生したゲーム又は上乗せが発生したゲームを契機とする一連のゲームにて上乗せ報知を行う場合(以下の説明では「即乗せ報知」とも称する)と、上乗せが発生したゲームよりも後のゲームであって報知ゲームが事後的に決定される上乗せ報知を行う場合(以下の説明では「後乗せ報知」とも称する)とが設定されている。
即乗せ報知において、上乗せが発生したゲームを契機とする一連のゲームとは、例えば、上乗せが発生したゲームを契機として、前兆モードが発生したり連続演出が発生したりする場合等を示し、当該上乗せが発生したゲームから複数のゲームに亘って継続し得るゲームを一連のゲームと称する。当該一連のゲームは、連続した演出が発生しない場合も含み、例えば、上乗せが発生したゲームにおいては対応する演出は発生せず、次のゲームや複数ゲーム後において上乗せ報知が発生する態様も、当該上乗せが発生したゲーム及び上乗せ報知が発生するまでの間のゲームを一連のゲームとし、かかる上乗せ報知の態様も即乗せ報知に含まれるものとする。
一方、後乗せ報知において、上乗せが発生したゲームよりも後のゲームであって事後的に決定される報知ゲームとは、上乗せが発生したゲームにおいて定められるのではなく、例えばATモードの終了間際のゲーム等、ATモードの進行に伴い事後的に報知タイミングが決定される点で、上記即乗せ報知における一連のゲームとは異なっている。言い換えるならば、上記報知ゲームは、上乗せが発生したゲームを契機とせずに設定されるゲームともいえる。
即乗せ報知と後乗せ報知について、図43を参照しながら、補助表示部65の表示内容の概要を説明する。
上記のとおり、即乗せ報知は、ATモード等の残りゲーム数(有利区間残りゲーム数ZG)のうちの一部のゲーム数を報知するものであり、後乗せ報知は、ATモード等の残りゲーム数を後から報知するものである。先に報知する側のゲーム数を表示用残数カウンタHGとし、後から報知する側のゲーム数を後乗せカウンタBGとすると、ATモード等の残りゲーム数(有利区間残りゲーム数ZG)は、表示用残数カウンタHGと後乗せカウンタBGとの合計値に等しくなる。表示用残数カウンタHGはゲームを消化する度に1ずつ減算され、後乗せカウンタBGはゲームを消化しても後乗せ報知が発生しない限り減算はなされない。
図43に示すように、本実施形態では、ATモードを消化している最中において、補助表示部65に表示される表示上の残りゲーム数(残りゲーム数表示ZGP)が所定数(1)となった場合に、すなわち、表示用残数カウンタHGが所定数(1)となった場合に、後乗せ報知が発生する。後乗せ報知では、後乗せカウンタBGに対応するゲーム数(図では150)の上乗せが行われたことが報知される。この場合、後乗せカウンタBGはその報知分減算される(図では0となる)とともに、表示用残数カウンタHGは後乗せ報知による報知分が上乗せされて更新され、補助表示部65における残りゲーム数表示ZGPも表示用残数カウンタHGに対応した値となる(図では1ゲーム消化して150)。
このように、上乗せ当選時において、後乗せ報知が選択されると表示用残数カウンタHGと実際のATモード等の残りゲーム数(有利区間残りゲーム数ZG)とに差が生じ得る。その一方で、即乗せ報知が選択されると表示用残数カウンタHGと実際のATモード等の残りゲーム数(有利区間残りゲーム数ZG)とに差が生じない。本スロットマシン10では、上乗せ当選時に後乗せカウンタBGが参照され、現状の後乗せカウンタBGの値によって、後乗せ報知が選択されるか即乗せ報知が選択されるかが異なっている。
上記のステップS1019における上乗せ報知用処理では、上乗せ報知を行うゲームの設定を行うとともに、当該ゲームにて上乗せ報知を行う場合、その上乗せ報知の実行タイミングの設定を行う。すなわち、図36に示すように、先ずステップS1101にて各種カウンタエリア106eの後乗せカウンタBGを把握する処理を行う。続くステップS1102では、報知ゲーム抽選処理を実行する。報知ゲーム抽選処理は、今回の上乗せ報知を、後乗せ報知とするか即乗せ報知とするかの抽選処理である。報知ゲーム抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから後乗せ抽選テーブルを取得し、ステップS1101にて把握した後乗せカウンタBGの値に応じて後乗せ報知とするか否かの抽選を行う。
後乗せ抽選テーブルは、図44に示すように、後乗せカウンタBGの値と、上乗せ当選の契機となった特定役の種類とによって、後乗せ報知が選択される確率が異なるように設定されている。例えば、強チェリーを契機とする上乗せ時においては、後乗せカウンタBGが30未満である場合には20%で後乗せ報知が選択される(80%で即乗せ報知が選択される)一方、後乗せカウンタBGが30以上100未満では10%で後乗せ報知が選択され、後乗せカウンタBGが100以上では5%で後乗せ報知が選択される、といったように、後乗せカウンタBGの値が大きいほど、後乗せ報知の選択率が低くなるように設定されている。
また、上乗せ当選の契機となった特定役の種類として、強チェリーや弱チェリー、強スイカ、弱スイカといった当選確率が比較的低い所謂レア役(低確率契機結果、低確率結果)よりも、各種押し順リプレイや各種押し順ベルといった当選確率が比較的高い所謂通常役(高確率契機結果、高確率結果)のほうが、後乗せカウンタBGの値が小さい場合の後乗せ選択率が高くなるように設定されている。より詳しくは、各種押し順リプレイや各種押し順ベルを契機とする報知ゲーム抽選処理では、後乗せカウンタBGが30未満である状況では100%の確率で後乗せ報知が選択される。
上記のように、後乗せカウンタBGは、表示用残数カウンタHGが所定数となってから上乗せ報知が行われて、その上乗せ報知分減算される。そのため、基本的には、ATモードの遊技が進行するにつれて、後乗せカウンタBGの値は大きくなる場合が多く、逆に、ATモードの遊技の序盤においては、後乗せカウンタBGの値は0又は小さい値である可能性が高い。
すなわち、ATモードの遊技の序盤において上乗せ当選した場合、後乗せ報知が選択される確率が高く、特に、押し順リプレイや押し順ベルのようなレア役ではない通常役を契機として上乗せ当選した場合には、ATモードの序盤であれば必ず後乗せ報知が選択される。その結果、ATモードの開始後、後乗せカウンタBGは比較的早期に溜まり易くなる。
ステップS1102にて報知ゲーム抽選処理を実行した後は、ステップS1103にて、後乗せ当選したか否かを判定する。後乗せ当選しておらず、即乗せ報知が選択された場合、ステップS1104にて、各種カウンタエリア106eに設けられた表示用残数カウンタHGに、今回の上乗せ当選ゲームを加算する処理を行う。そして、ステップS1105にて、今回のゲームにおいて、いずれのタイミングにて上乗せ報知を実行するかを設定するための、報知タイミング設定処理を実行する。報知タイミング設定処理では、今回のゲームにおけるどのタイミングで上乗せ報知を行うかを設定する処理である。
一のゲームにおいて上乗せ報知は、上乗せゲーム数に応じて実行タイミングが異なるように設定されている。具体的には、図45の実行タイミングテーブルに示すように、今回のゲームにおける上乗せ報知の実行タイミングとして、各リール32L,32M,32Rの停止操作順に、第1リール、第2リール、第3リールとすると、第1リールの停止操作時、第2リールの停止操作時、第3リールの停止操作時が設定されている。そして、各リールの停止操作のうちストップスイッチ42~44の押圧操作が行われたとする停止ON操作が行われたタイミングと、当該押圧操作を終了したとする停止OFF操作が行われたタイミングと、が設定されている。
ここで、ストップスイッチ42~44の操作態様について、補足説明する。ストップスイッチ42~44は最も手前側に配置される初期位置から、最も奥側に配置される操作位置まで変位可能となっている。初期位置に配置される状況では、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号はLOW状態となっており、初期位置から操作位置まで操作されることによって、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。そして、主制御装置101では、検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わったことに基づいて、ストップスイッチ42~44の押圧操作が行われたとする停止ON操作が行われたと把握する。
また、ストップスイッチ42~44は、バネ等によって初期位置に向けて付勢されている。そのため、ストップスイッチ42~44から手を離して、操作位置に向けて押し込んだ操作力(押圧力)を付与しないようにすると、ストップスイッチ42~44は、上記バネ等の付勢力によって、初期位置に復帰する。この場合、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号は、HI信号からLOW信号に切り換わる。そして、主制御装置101では、検知信号がHI信号からLOW信号に切り換わったことに基づいて、ストップスイッチ42~44の押圧操作が終了されたとする停止OFF操作が行われたと把握する。
上乗せ報知は、各ストップスイッチ42~44の停止操作として、停止ON操作時と停止OFF操作時とのいずれでも発生し得るように設定されている。つまり、上乗せ報知が発生するゲームでは、ストップスイッチ42~44を押圧操作したタイミングだけでなく、押圧操作を終了したタイミングでも当該上乗せ演出が発生し得る。
上乗せ報知の実行タイミングテーブルでは、上乗せゲーム数が比較的少ないゲーム数として、例えば5ゲーム~10ゲームの上乗せが発生する場合、第1リールの停止ON操作が行われたタイミングが5%で選択され、第1リールの停止OFF操作が行われたタイミングは10%、第2リールの停止ON操作は15%、第2リールの停止OFF操作は20%、第3リールの停止ON操作は20%、第3リールの停止OFF操作(全リール停止時)は30%で、それぞれ選択される。この場合、各リールの停止ON操作時の方よりも、停止OFF操作時の方が選択され易くなっているとともに、後側の操作の方が選択され易くなっている。
一方、上乗せゲーム数が比較的多いゲーム数として、例えば100ゲーム以上の上乗せが発生する場合、第1リールの停止ON操作が行われたタイミングが5%で選択され、第1リールの停止OFF操作が行われたタイミングは10%、第2リールの停止ON操作は5%、第2リールの停止OFF操作は30%、第3リールの停止ON操作は5%、第3リールの停止OFF操作(全リール停止時)は45%で、それぞれ選択される。この場合も、各リールの停止OFF操作時の方が、停止ON操作時よりも選択され易くなっているとともに、後側の操作の方が比較的、選択され易くなっている。
つまり、本実施形態では、各リールの停止ON操作時よりも停止OFF操作時の方が、上乗せ報知が発生し易くなるように設定されている。また、第1~第3リールを比較すると、第3リールの停止操作時(ON操作、OFF操作)が最も選択され易く、第2リールの停止操作時が次いで選択され易く、第1リールの停止操作時が最も選択されにくくなるように設定されている。
上乗せゲーム数との関係からすると、上乗せゲーム数が多いほど、特に第3リール停止OFF操作時のタイミングが選択され易くなっている。つまり、上乗せ報知が発生することを事前に察知している場合、第3リール停止ON操作時までに上乗せ報知が発生しなければ、遊技者は、多量のゲーム数の上乗せが発生することに大いに期待しながら、第3リール停止OFF操作を実行するものと考えられる。
ステップS1105では、上記上乗せ報知の実行タイミングテーブルに基づいて、今回のゲームにおける上乗せ報知の実行タイミングを設定する。その後、本上乗せ報知用処理を終了する。この場合、今回の上乗せが即乗せ報知として、今回のゲームにて報知されることの情報、及び、今回のゲームにおける上乗せ報知の実行タイミングに関する情報は、本上乗せ報知用処理に続けて実行される上乗せコマンドのセット処理(ステップS1020)にて、上乗せコマンドに設定される。これらの情報を含む上乗せコマンドを受信した表示制御装置81では、これらの情報に基づいて、上乗せ報知演出の設定を行う。この処理については、後に説明する。
ステップS1103にて後乗せ抽選に当選したと判定した場合、ステップS1106に進む。ステップS1106では、各種カウンタエリア106eに設けられた後乗せカウンタBGに、今回の上乗せゲーム数を加算する処理を実行する。そして、ステップS1107にて各種フラグ格納エリア106dに後乗せフラグをセットする処理を行ってから、本上乗せ報知用処理を終了する。
後乗せフラグは、後乗せカウンタBGの値が0よりも大きく、表示用残数カウンタHGが所定値となった場合に後乗せ報知そ行うべき状況であることを、主制御装置101のCPU102が把握するためのフラグである。また、この場合、本上乗せ報知用処理に続けて実行される上乗せコマンドのセット処理では、今回のゲームにて上乗せ報知が発生しないことの情報が上乗せコマンドに設定される。この情報を含む上乗せコマンドを受信した表示制御装置81では、今回のゲームでは上乗せ報知が発生しないように制御する。
第2特定役処理(図35)の説明に戻り、ステップS1019にて上乗せ報知用処理を実行した後は、ステップS1020にて上乗せ報知用処理の処理結果を含む上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行ってから、本第2特定役処理を終了する。上乗せコマンドには、上乗せが発生したこと、上乗せゲーム数及び上乗せを行う対象の情報が含まれている。
ステップS1016にてボーナス当選フラグがセットされている場合には、ステップS1021に進む。ステップS1021では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにATモード上乗せフラグをセットしてから、本第2特定役処理を終了する。ATモード上乗せフラグは、ATモードのゲーム数の上乗せ条件が成立していることをCPU102が把握するためのフラグである。詳細は後述するが、ATモード上乗せフラグがセットされている状況でボーナスが終了する場合に、ボーナス終了時にATモードの上乗せが行われる。すなわち、ボーナス同時当選か否かによって、上乗せ報知が行われるゲームが異なるように設定されている。
ステップS1015にて上乗せ抽選に非当選であると判定した場合、ステップS1022に進む。ステップS1022では、特化ゾーンへの移行抽選を実行する。すなわち、ATモード中に特定役に当選した場合において、VBモードへの移行抽選やATモードのゲーム数上乗せ抽選等に当選しなかった場合に、特化ゾーンへの移行抽選が行われる。特化ゾーン抽選処理では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから特化ゾーン移行抽選用のテーブルを取得するとともに、抽選用のカウンタ等によって、表示モードを特化ゾーンへ移行させるか否かの抽選を行う。特化ゾーン移行抽選用のテーブルは、図40に示すように、特定役の種類によって移行抽選の当選確率が異なるように設定されている。既に説明したとおり、移行契機役のうちボーナスとの重複役についてはVBモードへ移行抽選に当選しないようになっている一方、図42に示すように、当該ボーナスとの重複役はATモードのゲーム数上乗せ抽選に必ず当選する(100%の確率で当選する)ように設定されている。そのため、これらボーナスとの重複役を契機として特化ゾーン移行抽選が行われることはなく、特化ゾーン移行抽選は、ボーナスとの重複役ではない強チェリーや弱チェリー等の当選時であって、VBモードへの移行抽選及びゲーム数上乗せ抽選に非当選となった場合に当選し得るように設定されている。例えば、強チェリーに基づく特化ゾーン移行抽選では5%の確率で当選し、弱チェリーに基づく特化ゾーン移行抽選では0.5%の確率で当選する。一方、強スイカに基づく特化ゾーン移行抽選では15%の確率で当選し、弱スイカに基づく特化ゾーン移行抽選では5%の確率で当選する。
ステップS1023では、上記ステップS1022の処理結果に基づいて、特化ゾーンへの移行抽選に当選したか否かを判定する。当選している場合には、ステップS1024にて、各種フラグ格納エリア106dに特化ゾーン当選フラグをセットする処理を行う。そして、ステップS1025にて前兆ゲーム数テーブルを取得する処理を行い、ステップS1026にて前兆ゲーム数の抽選処理を行い、ステップS1027にて前兆ゲーム数をセットする処理を行い、ステップS1028にて前兆コマンドをセットする処理を行ってから、第2特定役処理を終了する。ステップS1025~ステップS1028の処理は、例えばステップS1006~ステップS1009の処理と同様であり、前兆モードを設定するための処理である。
ステップS1023にて否定判定し、VBモードへの移行抽選、ATモードのゲーム数上乗せ抽選、及び特化ゾーンへの移行抽選のいずれにも非当選であった場合、ステップS1029にて疑似上乗せ報知用処理を行ってから、第2特定役処理を終了する。疑似上乗せ報知用処理は、これら抽選に非当選であったとしても当選時と似た演出を発生させることによって期待感を持続させるための処理である。
<第3特定役処理>
次に、ステップS707にて実行される第3特定役処理について、図37のフローチャートを参照しながら説明する。
第3特定役処理では、ATモードの継続ゲーム数の上乗せ用の処理や特化ゾーンに移行させるか否かの移行抽選を行う。すなわち、ステップS1201では、ATモードのゲーム数上乗せ抽選処理を行う。かかる処理は、ステップS1014の処理と同様である。なお、ステップS1014の抽選処理とステップS1201の抽選処理とで、上乗せ抽選の当選確率を異ならせてもよい。
ステップS1202では、ステップS1201の抽選結果が、上乗せ当選結果であったか否かを判定する。上乗せ抽選に当選していると判定した場合、ステップS1203にて、ボーナス当選フラグがセットされているか否かを判定する。ボーナス当選フラグがセットされていない場合には、ステップS1204に進み、ATモードの上乗せゲーム数の抽選処理を行う。そして、ステップS1205にてATモードのゲーム数上乗せ処理を行い、ステップS1206にて上乗せ報知用処理を行い、ステップS1207にて上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行ってから、本第3特定役処理を終了する。ステップS1203~ステップS1207の処理は、ステップS1016~ステップS1020の処理と同様である。なお、ステップS1016の抽選処理とステップS1204の抽選処理とで、上乗せゲーム数を異ならせてもよい。
ステップS1202にて否定判定した場合には、ステップS1209へ進む。ステップS1209では、特化ゾーンへの移行抽選を実行する。すなわち、VBモード中に特定役に当選した場合において、ATモードのゲーム数上乗せ抽選に当選しなかった場合にも、特化ゾーンへの移行抽選が行われる。特化ゾーン抽選処理は、上記ステップS1022の処理と同様であり、特化ゾーン移行抽選用のテーブルに基づいて行われる(図40)。ステップS1210~ステップS1216の処理は、上記ステップS1023~ステップS1029の処理と同様である。また、ステップS1203にてボーナス当選フラグがセットされていると判定した場合には、ステップS1207にてATモード上乗せフラグをセットしてから、第3特定役処理を終了する。ATモード上乗せフラグについては、上述したとおりである。
抽選結果対応処理(図31)の説明に戻る。ステップS704、ステップS706及びステップS707のいずれかの処理を実行した後は、ステップS708にて、今回の抽選処理の結果が押し順リプレイや押し順ベルの押し順役当選であったか否かを判定する。押し順役当選であった場合には、ステップS709にて押し順役処理を実行する。かかる押し順役処理については、後に詳細に説明する。
ステップS708にて否定判定した場合、又はステップS709の処理を実行した後は、ステップS710に進む。ステップS710では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに上乗せ特化ゾーンに対応する特化ゾーンフラグがセットされているか否かを判定する。特化ゾーンフラグは、上記のとおり、SATモードへの移行抽選や特化ゾーンへの移行抽選に当選することに基づいて特化ゾーン当選フラグがセットされた後、特化ゾーンへの移行が生じた場合(第7再遊技入賞が成立した場合)にセットされるフラグである。ステップS710にて特化ゾーンフラグがセットされている場合には、ステップS711にて特化ゾーン用処理を実行する。ステップS710にて否定判定した場合、又はステップS711の処理を実行した後は、本抽選結果対応処理を終了する。
<特化ゾーン用処理>
特化ゾーン用処理について、図38のフローチャートを参照しながら説明する。
特化ゾーン用処理では、先ず、ステップS1301にて今回の抽選処理の結果を把握する。続くステップS1302では、ATモードの上乗せゲーム数抽選処理を行う。続くステップS1303では、ATモードのゲーム数上乗せ処理を行う。そして、ステップS1304にて、上乗せ報知用処理を実行し、ステップS1305にて上乗せコマンドをセットしてから、特化ゾーン用処理を終了する。ステップS1302~ステップS1305の処理は、ステップS1017~ステップS1020の処理と同様である。但し、ステップS1302の上乗せゲーム数抽選処理の方が、ステップS1017の上乗せゲーム数抽選処理よりも、選択されるゲーム数が多くなっている(図42)。また、特化ゾーンにおいては、遊技結果に関わらず、必ずATモードのゲーム数上乗せが発生するように設定されている(図42)。
以上のように、抽選結果対応処理においては、有利区間中でなければ有利区間への移行抽選が行われ、有利区間中であれば、ATモードやVBモードへの移行抽選や、ATモードの継続ゲーム数の上乗せ用の処理等が行われる。言い換えると、特定役当選となった場合でも、有利区間ではなく通常区間であれば、ATモードやVBモードの移行抽選や、ATモードの継続ゲーム数の上乗せ用の処理等は基本的には行われず、その実施が制限される。つまり、通常区間は、有利区間と比較して、ATモード等の指示機能に関する処理の実行が制限される区間ともいえる。ATモードやVBモードへの移行抽選に当選した場合には、前兆ゲームを経てから、当該移行抽選に当選したことの報知が行われる。そこで、以下、表示モードの移行抽選の結果に基づいて遊技状態を移行させるための処理について説明する。
<表示モードの移行抽選の結果に基づいて遊技状態を移行させるための処理>
(2)表示モードの移行抽選の結果に基づいて遊技状態を移行させるための処理では、表示モードの移行抽選に当選したことの報知を行うための処理と、遊技状態を移行させるための報知を行うための処理と、が行われる。そこで、先ず、移行抽選に当選したことの報知に関する処理について説明する。
<モード移行報知用処理>
移行抽選に当選したことの報知は、通常処理(図15)におけるモード移行報知用処理(ステップS206)にて行われる。モード移行報知用処理は、所定のベット操作が行われた場合(ステップS205のベット数が規定数であると判定された場合)に実施される処理である。以下、モード移行報知用処理について、図46のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1401では、前兆ゲーム数が0であるか否かを判定する。前兆ゲーム数のカウントは、後述する入賞結果対応処理にて行われ、1ゲーム消化する度に前兆ゲーム数が1ずつ減算される。前兆ゲーム数が0ではない場合は、そのままモード移行報知用処理を終了する。
前兆ゲーム数が0である場合、ステップS1402にてボーナス当選フラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、今回の前兆モードがボーナス当選を契機とする前兆モードであったか否かを判定する。ボーナス当選フラグがセットされている場合には、ステップS1403にてボーナス当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットしてから、本モード移行報知用処理を終了する。ボーナス当選報知コマンドを受信した表示制御装置81は、例えば、補助表示部65にて「ボーナス確定!!」と表示することにより、ボーナスに当選していることの報知を行う。なお、当選しているボーナスの種類(第1BB及び第2BBのいずれか)を合わせて報知する構成としてもよい。
ちなみに、本実施形態では、ボーナスとATモード等が同時当選している場合、ステップS1403にて報知したボーナスの終了時にATモード等の当選報知が行われる構成としている。かかる当選報知に関する処理については後に詳細に説明するが、ボーナス当選報知に合わせてATモード等の当選報知を行う場合、ステップS1403にて設定するボーナス当選報知コマンドに合わせて、ATモード等の当選報知コマンドを設定する構成とするとよい。
ステップS1402にて否定判定した場合、ステップS1404に進む。ステップS1404では、ATモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、今回の前兆モードが、ATモード当選を契機とする前兆モードであったか否かを判定する。ATモード当選フラグがセットされている場合、ステップS1405にて、ATモード当選フラグをクリアする。そして、ステップS1406にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにAT用報知フラグをセットする。AT用報知フラグは、ATモードの移行抽選に当選したことに伴って、遊技状態を第2RT状態へ移行させるためのフラグである。その後、ステップS1407にてATモード当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。ATモード当選報知コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモード移行抽選に当選したことの報知を、補助表示部65等により行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。ステップS1407の処理を実行した後は、本モード移行報知用処理を終了する。
ちなみに、本実施形態では、SATモードの当選報知の態様は、ATモードの当選報知の態様と異なる態様としている。そのため、ステップS1407では、SATモードか否かの情報を含むように、ATモード当選報知コマンドを設定する構成とするとよい。ATモードの当選報知の態様と、SATモードの当選報知の態様とは、遊技者が識別可能な程度に異なる態様であればよく、より好ましくは、有利度の高いSATモードの当選報知の態様の方が、ATモードの当選報知の態様よりも派手な態様であるとよい。
なお、これらATモードとSATモードの当選報知の態様を共通化させる構成としてもよい。このようにすることで、ATモード当選報知ゲームから開始報知ゲームまでの間に、当選している内容が、ATモードからSATモードに昇格したかのように見せることが可能となり、ATモード当選報知ゲームと開始報知ゲームとが異なることによる間延びを解消することができる。
ステップS1404にてATモード当選フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS1408にてVBモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、今回の前兆モードが、VBモード当選を契機とする前兆モードであったか否かを判定する。VBモード当選フラグがセットされている場合、ステップS1409にて、VBモード当選フラグをクリアする。そして、ステップS1410にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにVB用報知フラグをセットする。VB用報知フラグは、VBモードの移行抽選に当選したことに伴って、遊技状態を第3RT状態へ移行させるためのフラグである。その後、ステップS1411にてVBモード当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。VBモード当選報知コマンドを受信した表示制御装置81は、VBモード移行抽選に当選したことの報知を、補助表示部65等により行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。ステップS1411の処理を実行した後は、本モード移行報知用処理を終了する。
ステップS1408にてVBモード当選フラグがセットされていないと判定した場合は、ステップS1412に進む。ステップS1412では、特化ゾーン当選フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのままモード移行報知用処理を終了する。セットされている場合には、ステップS1413にて、当該特化ゾーン当選フラグをクリアする処理を行う。そして、ステップS1414にて、各種フラグ格納エリア106dに特化ゾーン用報知フラグをセットする処理を行う。特化ゾーン用報知フラグは、第7再遊技入賞に対応する押し順報知を実行するためのフラグである。ステップS1414の処理を実行した後は、ステップS1415にて特化ゾーン当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットしてから、本モード移行報知用処理を終了する。特化ゾーン当選報知コマンドを受信した表示制御装置81は、特化ゾーンに当選したことの報知を行うように、補助表示部65やスピーカ64を制御する。
すなわち、前兆モードを経て移行するATモード、VBモード及び特化ゾーンについては、前兆モードの前兆ゲーム数が0となった際のベット操作に基づいて、ATモード移行抽選やVBモード移行抽選に当選したことの報知だけが行われ、前兆ゲーム数が0となってもATモードやVBモード、特化ゾーンは開始されない。これは、表示モードとしてのATモードやVBモードは遊技状態の移行を伴い、具体的にはATモードは第2RT状態へ移行することで開始され、VBモードは第3RT状態へ移行することで開始されることによるものである。なお、特化ゾーンについては遊技状態の移行を伴わない場合(第3RT状態→第3RT状態)もあるが、本実施形態では第3RT状態中の第7再遊技当選ゲームを開始ゲームとしているため、上記処理構成となる。
既に説明したとおり、第2RT状態へは第1昇格リプレイ1~4に当選した場合であって、第3再遊技入賞が成立した場合に移行し、第3RT状態へは第2昇格リプレイ1,2に当選した場合であって、第4,第5再遊技入賞が成立した場合に移行する。そして、第1昇格リプレイ1~4に当選し、第3再遊技入賞が成立する場合や、第2昇格リプレイ1,2に当選し、第4,第5再遊技入賞が成立する場合とは、これら昇格リプレイ当選時のストップスイッチ42~44の操作順序が、第3再遊技入賞等に対応するものであった場合である。そこで、ATモードやVBモードへの移行抽選に当選した場合には、その後に、これら遊技状態を移行させることとなる役に当選したゲームにおいて、ストップスイッチ42~44の操作順序を報知して、遊技状態を移行させることを可能とする構成としている。なお、ATモードやVBモードの移行抽選に当選したことの報知が行われてから、ATモードやVBモードが開始されるまで(遊技状態が移行するまで)は、準備状態としての報知(例えば「準備中」という報知)が行われる。
<表示モードの移行に関する説明>
遊技状態を移行させるための報知用の処理は、抽選結果対応処理(図32)における、押し順役処理(ステップS709)にて行われる。ここでは、押し順役処理の説明に先立って、ストップスイッチ42~44の操作順序が報知される場合の概要について図47を参照しながら説明する。
<押し順報知演出の概要>
押し順役当選時の操作順序の報知(押し順報知、押し順報知演出、順序報知、態様報知)は、主に補助表示部65及び指示モニタ68にて行われる。ここでは、今回報知する操作順序が、中→右→左である場合の押し順役に当選している場合を例として、補助表示部65での押し順報知演出を説明する。指示モニタ68における押し順報知については、後に詳細に説明する。
図47(a)に示すとおり、補助表示部65では、ストップスイッチ42~44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップスイッチに対応するボタン表示(図では中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、各ボタン表示は、当選役に対応する色(ベルなら黄色、再遊技なら青色等)にて表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて当選している役と、最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。また、補助表示部65では、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であり、最後に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを示すように、右のボタン表示に数字の2が付されて表示され、左のボタン表示に数字の3が付されて表示される。
遊技者が中ストップスイッチ43を操作すると、図47(b)に示すように、補助表示部65では、中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示が消え、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、中ストップスイッチ43の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であることを確認することができる。
遊技者が右ストップスイッチ44を操作すると、図47(c)に示すように、補助表示部65では、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が消え、左ストップスイッチ42に対応する左のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、右ストップスイッチ44の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを確認することができる。
押し順報知の実行タイミングについて説明すると、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから、加速期間を経て定速回転に至るまでのストップスイッチ42~44の無効期間中に、押し順報知が実行されるように設定されている。このようにストップスイッチ42~44の操作が有効となるよりも前のタイミングで押し順報知を実行する構成とすることで、ストップスイッチ42~44の操作順序を認識したうえでストップスイッチ42~44の操作に望ませることが可能となり、テンポ良く遊技を進行させることができる。
<押し順役処理>
次に、抽選結果対応処理(図32)におけるステップS709にて実行される押し順役処理について、図48のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1501では、今回の抽選結果が第1昇格リプレイ1~4のいずれかであるか否かを判定する。ステップS1501にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によって、第1再遊技又は第3再遊技が入賞する場合である。この場合、ステップS1502に進み、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにAT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。既に説明したとおり、AT用報知フラグは、モード移行報知用処理(図46)において、ATモードへの移行抽選に当選した後、前兆モードの前兆ゲーム数が0となることでセットされるフラグである。
AT用報知フラグがセットされている場合には、ステップS1503にて、第3再遊技の押し順報知用の処理を実行する。具体的には、第1再遊技及び第3再遊技のうち、第3再遊技入賞に対応する操作順序を報知する(図23(a)参照)。その後、ステップS1504にて、押し順報知コマンドをサブ側の制御装置である表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。押し順報知コマンドには、今回の表示モードの情報と、抽選結果の情報とが含まれている。押し順報知コマンドを受信したことに基づく表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
なお、ステップS1503にて第3再遊技入賞に対応する操作順序の報知を行う場合とは、基本的には、ATモードへの移行抽選に当選し、前兆モードを経てATモードの当選報知が行われた後であって、ATモードへの移行前が想定される。すなわち、第2RT状態や第3RT状態での抽選テーブルでは第1昇格リプレイ1~4は当選しないようになっており、第1RT状態でのみ第1昇格リプレイ1~4に当選する。但し、ATモード中であっても、誤操作等によって遊技状態が第2RT状態から第1RT状態へ転落してしまう場合もあり、このような場合であっても、第1昇格リプレイ1~4に当選することで、早期に第2RT状態へ復帰させることが可能となっている。
ステップS1501にて否定判定した場合、ステップS1505にて、今回の抽選結果が転落リプレイ1~3のいずれかであるか否かを判定する。ステップS1505にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によって、第1再遊技又は第2再遊技が入賞する場合である。この場合、ステップS1506にて、上記AT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。AT用報知フラグがセットされている場合には、ステップS1507にて、第1再遊技の押し順報知用の処理を実行する。具体的には、第1再遊技及び第2再遊技のうち、第1再遊技入賞に対応する操作順序を報知する(図23(b)参照)。その後、ステップS1508にて、押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。
このように、ATモードへの移行抽選に当選している状況において第1昇格リプレイ1~4に当選すると、第3再遊技入賞に対応する操作順序の報知が行われることにより、遊技状態を第2RT状態に移行させることが可能となる。一方、ステップS1502にて否定判定した場合は、押し順報知用の処理を行うことなく、そのまま押し順役処理を終了する。そのため、例えば、第1RT状態において、ATモードに当選することなく第1昇格リプレイ1~4に当選しても、第1再遊技入賞が成立する場合と、第3再遊技入賞が成立する場合と、がある。
また、AT用報知フラグがセットされている状況で転落リプレイ1~3に当選した場合に、第1再遊技入賞に対応する操作順序の報知が行われることにより、遊技状態を第1RT状態に移行させないようにすることが可能となる。一方、ステップS1506にて否定判定した場合は、押し順報知用の処理を行うことなく、そのまま押し順役処理を終了する。そのため、例えば、ATモードが終了してAT用報知フラグがクリアされ、表示モードが通常モードに移行すると、転落リプレイ1~3の当選によって、第2再遊技入賞が成立する場合があり、RT状態が第2RT状態や第3RT状態から第1RT状態に移行することになる。
また、例えば、第1RT状態において、ATモードに当選することなく第1昇格リプレイ1~4に当選し、たまたま操作順序が第3再遊技入賞に対応するものであって第3再遊技入賞が成立した場合であっても(第2RT状態に移行した場合であっても)、転落リプレイ1~3の当選によって、第2再遊技入賞が成立し得る。そのため、上記のように、ATモードに当選することなくたまたま第2RT状態に移行した場合であっても、その後、速やかに第1RT状態に移行することとなる。
ステップS1505にて否定判定した場合、ステップS1509にて、今回の抽選結果が第2昇格リプレイ1,2のいずれかであるか否かを判定する。ステップS1509にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によって、第1再遊技、第4再遊技又は第5再遊技が入賞する場合である。この場合、ステップS1510にて、上記AT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。AT用報知フラグがセットされている場合には、ステップS1511にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにVB用報知フラグ又は特化ゾーン用報知フラグがセットされているか否かを判定する。既に説明したとおり、VB用報知フラグは、モード移行報知用処理(図46)において、VBモードへの移行抽選に当選した後、前兆モードの前兆ゲーム数が0となることでセットされるフラグである。また、特化ゾーン用報知フラグは、モード移行報知用処理(図46)において、特化ゾーンへの移行抽選に当選した後、前兆モードの前兆ゲーム数が0となることでセットされるフラグである。
VB用報知フラグ又は特化ゾーン用報知フラグがセットされている場合、ステップS1512にて第4再遊技又は第5再遊技の押し順報知用の処理を実行する。具体的には、第1再遊技、第4再遊技及び第5再遊技のうち、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞に対応する操作順序を報知する(図23(b)参照)。その後、ステップS1513にて、押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。
ステップS1510にて否定判定した場合には、押し順報知用の処理を行うことなく、そのまま押し順役処理を終了する。一方、ステップS1511にて否定判定した場合には、ステップS1507にて第1再遊技の押し順報知用の処理を実行するとともに、ステップS1508にて押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。そのため、VBモードや特化ゾーンに当選することなく、第2昇格リプレイ1,2に当選した場合において、ATモード中であれば第1再遊技入賞に対応する押し順報知演出が行われ、ATモード中ではなければ押し順報知演出は行われない。
ステップS1509にて否定判定した場合、ステップS1514にて、今回の抽選結果がBARリプレイであるか否かを判定する。ステップS1514にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によっては、第1再遊技、第3再遊技及び第6再遊技~第8再遊技のいずれかが入賞する場合である。この場合、ステップS1515にて、AT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。AT用報知フラグがセットされている場合、ステップS1516にて特化ゾーン用報知フラグがセットされているか否かを判定する。AT用報知フラグがセットされており、且つ特化ゾーン用報知フラグがセットされている場合、ステップS1517にて、第7再遊技の押し順報知用の処理を実行する。具体的には、第1再遊技、第3再遊技及び第6再遊技~第8再遊技のうち、第7再遊技入賞に対応する操作順序を報知する(図23(c)参照)。その後、ステップS1518にて、押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。
ステップS1515にて否定判定した場合には、押し順報知用の処理を行うことなく、そのまま押し順役処理を終了する。一方、ステップS1516にて否定判定した場合には、ステップS1503にて第3再遊技の押し順報知用の処理を実行するとともに、ステップS1504にて押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。そのため、VBモードや特化ゾーンに当選することなく、BARリプレイに当選した場合において、ATモード中であれば第3再遊技入賞に対応する押し順報知演出が行われて第2RT状態への移行が生じ、ATモード中ではなければ押し順報知演出は行われない。
ステップS1514にて否定判定した場合、ステップS1519にて、今回の抽選結果が移行リプレイ1又は移行リプレイ2であるか否かを判定する。ステップS1519にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によっては、第1再遊技、第2再遊技、第11再遊技及び第12再遊技のいずれかが入賞する場合である。この場合、ステップS1520にて、AT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。AT用報知フラグがセットされている場合、ステップS1521にてRAM106の各種フラグ格納エリア106dに移行用報知フラグがセットされているか否かを判定する。移行用報知フラグは、第4RT状態へ移行させることを可能とする条件が成立した場合にセットされるフラグである。当該移行用報知フラグをセットすることとなる処理については、後に詳細に説明する。AT用報知フラグがセットされており、且つ移行用報知フラグがセットされている場合、ステップS1522にて、第11再遊技又は第12再遊技の押し順報知用の処理を実行する。具体的には、第1再遊技、第2再遊技、第11再遊技及び第12再遊技のうち、第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞に対応する操作順序を報知する(図23(d)参照)。その後、ステップS1523にて、押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。
ステップS1520にて否定判定した場合には、押し順報知用の処理を行うことなく、そのまま押し順役処理を終了する。一方、ステップS1521にて否定判定した場合には、ステップS1507にて第1再遊技の押し順報知用の処理を実行するとともに、ステップS1508にて押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。そのため、第4RT状態への移行を可能とする条件が成立することなく移行リプレイ1,2に当選した場合において、ATモード中であれば第1再遊技入賞に対応する押し順報知演出が行われ、ATモード中ではなければ押し順報知演出は行われない。
ステップS1519にて否定判定した場合、ステップS1524にて、今回の抽選結果が押し順ベル当選であるか否かを判定する。押し順ベル当選である場合、ステップS1525にて、AT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。セットされている場合には、ステップS1526にて第1小役入賞に対応する操作順序を報知するための押し順報知用の処理を実行する(図19参照)。その後、ステップS1527にて、押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。ステップS1524又はステップS1525にて否定判定した場合は、押し順報知用の処理を行うことなく、そのまま本押し順役処理を終了する。
なお、AT用報知フラグがセットされている状況で押し順ベル当選した場合(ステップS1525にて否定判定した場合)、今回の遊技状態が通常遊技状態であれば、第1小役入賞に対応する押し順報知を行わないようにするとよい。このようにすることで、移行出目が停止することとなり、遊技状態を第1RT状態へ移行させること、すなわち、その後に第1昇格リプレイ1~4当選となって高RT状態へ移行させることが可能となる。
<入賞結果に基づいて表示モードを移行させるための処理>
<入賞結果対応処理>
次に、上記のように遊技状態を移行させるための報知を行った結果、遊技状態を移行させることに対応する役が入賞した場合の処理について説明する(3)。この処理は、リール制御処理(図18)における入賞結果対応処理(ステップS414)にて行われる。以下、入賞結果対応処理について、図49のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1601では、ゲーム数管理処理を実行する。詳細は後述するが、このゲーム数管理処理では、上記の前兆モードにおける前兆ゲーム数のカウントの他、ATモード、VBモード、特化ゾーンにおける継続ゲーム数のカウント等を行う。続くステップS1602では、後乗せ報知用処理を実行する。後乗せ報知用処理は、上記図43にて説明した後乗せ報知を行うための処理であり、表示用残数カウンタHGが所定値(1)となったことに基づいて後乗せフラグがセットされていることを条件として後乗せカウンタBGに対応する上乗せ報知(後乗せ報知)を実行する。そして、実行した上乗せ報知に対応する値を表示用残数カウンタHGに加算するとともに後乗せカウンタBGから減算し、後乗せカウンタBGが0であることを条件として後乗せフラグをクリアする。
続くステップS1603では、今回の停止結果が、第3再遊技入賞が成立しているか否かを判定する。上記のとおり、第3再遊技入賞が成立している場合、RT状態処理(図21)では、遊技状態を第2RT状態に移行するための処理が行われる。この場合、ステップS1604にて、AT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。AT報知用フラグがセットされていない場合とは、ATモードへの移行条件が成立することなく第3再遊技入賞が成立した場合であり、この場合、ATモード開始用の処理を行うことなく、そのまま入賞結果対応処理を終了する。AT用報知フラグがセットされている場合、ステップS1605にて、現状の表示モードがATモード中であるか否かを判定する。具体的には、各種フラグ格納エリア106dにATモードフラグがセットされているか否かを判定する。上記のとおり、ATモードフラグは、表示モードがATモードであることをCPU102が特定するためのフラグである。ちなみに、表示モードを特定するためのフラグとしては、ATモードフラグの他、VBモードフラグ、特化ゾーンフラグ、BBモードフラグが設けられている。なお、本実施形態では、表示モードがATモードよりも上位のRT状態に対応するモード(VBモード、上乗せ特化ゾーン)である場合、ATモードフラグがそのモードの対応するフラグ(VBモードフラグ、特化ゾーンフラグ)と並存する構成としている。そのため、例えば、ステップS1605にて、ATモードフラグがセットされていると判定する場合とは、ATモード中である場合の他、VBモード中である場合や特化ゾーン中である場合が含まれる。
ステップS1605にて、ATモードフラグがセットされている場合には、既に表示モードがATモードであるため、そのまま、本入賞結果対応処理を終了する。一方、ATモードフラグがセットされていない場合には、ステップS1606~ステップS1609にてATモードの開始用の処理を行う。
すなわち、ステップS1606では、ATモードフラグをセットする。続くステップS1607では、ATモード開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。ATモード開始コマンドを受信した表示制御装置81は、次ゲームからATモードが開始されることの報知を、補助表示部65等により行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。その後、ステップS1608にて、ATモード継続数のカウントを開始する。具体的には、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたATモード継続カウンタにATモードの継続ゲーム数の初期値(例えば50)をセットする。
ステップS1608の処理を行った後は、ステップS1609にて特化ゾーンフラグがセットされているか否かを判定する。ステップS1609にて肯定判定する場合とは、今回当選したATモードがSATモードであることを意味し、この場合、ステップS1610にて特化ゾーン当選フラグをクリアしてから、上乗せ特化ゾーン開始用の処理(ステップS1619~ステップS1621)に進む。上乗せ特化ゾーン開始用の処理については、後に説明する。ステップS1609にて否定判定した場合は、そのまま入賞結果対応処理を終了する。
ステップS1603にて、第3再遊技入賞が成立していないと判定した場合、ステップS1611に進む。ステップS1611では、今回の停止結果として、第4,第5再遊技入賞が成立しているか否かを判定する。上記のとおり、第4,第5再遊技入賞が成立している場合、RT状態処理(図21)では、遊技状態を第3RT状態に移行するための処理が行われる。この場合、ステップS1612にて、VB用報知フラグがセットされているか否かを判定する。VB用報知フラグがセットされていない場合は、VBモードの移行抽選に当選することなく第4,第5再遊技入賞が成立した場合であり、この場合、VBモード開始威容の処理を行うことなく、そのまま入賞結果対応処理を終了する。VB用報知フラグがセットされている場合、ステップS1613にて、VBモードフラグがセットされているか否かを判定する。VBモードフラグがセットされている場合には、既に表示モードがVBモードであるため、そのまま、本入賞結果対応処理を終了する。一方、VBモードフラグがセットされていない場合には、ステップS1614~ステップS1616にてVBモードの開始用の処理を行う。
すなわち、ステップS1614では、VBモードフラグをセットする処理を行う。この場合、各種フラグ格納エリア106dには、ATモードフラグとVBモードフラグとが併存することになる。これは、VBモードがATモードを経て移行するモードであるとともに、VBモード終了後は、必ずATモードへ移行することによるものである。
その後、ステップS1615にてVBモード開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。VBモード開始コマンドを受信した表示制御装置81は、次ゲームからVBモードが開始されることの報知を、補助表示部65等により行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。そして、ステップS1616にて、VBモード継続数のカウントを開始する。具体的には、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたVBモード継続カウンタにVBモードの継続ゲーム数の初期値(例えば25)をセットする。ステップS1616の処理を行った後は、本入賞結果対応処理を終了する。
ステップS1611にて第4,第5再遊技入賞が成立していないと判定した場合、ステップS1617に進む。ステップS1617では、今回の停止結果として第7再遊技入賞が成立しているか否かを判定する。本実施形態では、第7再遊技入賞が成立している場合、すなわち、左リール32Lの中段に「黒BAR」図柄、中リール32Mの中段に「黒BAR」図柄、右リール32Rの中段に「黒BAR」図柄が停止して、中段の組合せラインに「黒BAR」図柄が停止した場合、上乗せ特化ゾーンに移行する構成としている。なお、第7再遊技入賞が成立している場合とは、BARリプレイ1に当選した場合であって、且つ第7再遊技入賞に対応する操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合である(図23(c))。
第7再遊技入賞が成立している場合、ステップS1618にて、特化ゾーン用報知フラグがセットされているか否かを判定する。特化ゾーン用報知フラグがセットされている場合、ステップS1619~ステップS1621にて特化ゾーン開始用の処理を行う。なお、既に説明したとおり、SATモードの開始時において、ステップS1609にて肯定判定してステップS1610の処理を行った場合にもステップS1619~ステップS1621の処理が行われる。
具体的には、ステップS1619では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに特化ゾーンフラグをセットする処理を行う。特化ゾーンフラグは、上記の上乗せ特化ゾーンであることをCPU102が把握するためのフラグであり、当該特化ゾーンフラグがセットされることにより、ATモードやVBモードの継続ゲーム数のカウントが停止される。この場合、各種フラグ格納エリア106dには、ATモードフラグとVBモードフラグと特化ゾーンフラグとが併存する場合がある。
その後、ステップS1620にて、特化ゾーン開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。特化ゾーン開始コマンドを受信した表示制御装置81は、次ゲームから特化ゾーンが開始されることの報知を、補助表示部65等により行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。そして、ステップS1621にて、特化ゾーン継続数のカウントを開始する。具体的には、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられた特化ゾーン継続カウンタに特化ゾーンの継続ゲーム数の初期値(例えば5)をセットする。ステップS1621の処理を行った後は、本入賞結果対応処理を終了する。ステップS1618にて否定判定した場合、そのまま入賞結果対応処理を終了する。
ステップS1617にて、第7再遊技入賞が成立していないと判定した場合、ステップS1622に進む。ステップS1622では、今回の停止結果として、第11,第12再遊技入賞が成立しているか否かを判定する。上記のとおり、第11,第12再遊技入賞が成立している場合、RT状態処理(図21)では、遊技状態を第4RT状態に移行させるための処理が行われる。この場合、ステップS1623にて、移行用報知フラグがセットされているか否かを判定する。移行用報知フラグがセットされている場合は、第4RT状態へ移行させることを可能とする条件が成立してから第11,第12再遊技入賞が成立した場合であり、この場合、ステップS1624にて、特別RT開始Aコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。特別RT開始Aコマンドを受信した表示制御装置81は、第4RT状態への移行が生じたことの報知を、補助表示部65等により行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。一方、ステップS1623にて移行用報知フラグがセットされていない場合とは、第4RT状態へ移行させることを可能とする条件が成立していない状況で第11,第12再遊技入賞が成立した場合であり、この場合、ステップS1625にて、特別RT開始Bコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。特別RT開始Bコマンドを受信した表示制御装置81は、第4RT状態への移行が生じたことの報知を、補助表示部65等により行う。かかる報知については、後に詳細に説明するが、特別RT開始Aコマンドを受信した場合の報知と、特別RT開始Bコマンドを受信した場合の報知とは遊技者が識別可能な程度に異なっている。ステップS1622にて否定判定した場合は、入賞結果対応処理を終了する。
ステップS1622及びステップS1625のいずれかの処理を実行した後は、ステップS1626にてAT終了用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。AT終了用処理では、第4RT状態への移行に際して、ATモード等を終了するための処理を行う。具体的には、AT終了用処理では、ATモード当選フラグ、VBモード当選フラグ、特化ゾーン当選フラグの各種表示モードの当選フラグをクリアするとともに、ATモードフラグ、VBモードフラグ、特化ゾーンフラグの各種表示モード用のフラグをクリアする。更に、AT用報知フラグ、VB用報知フラグ、移行用報知フラグといったRT状態を移行させるためのフラグをクリアする。そして、ATモード終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。ATモード終了コマンドを受信した表示制御装置81は、今回のゲームにてATモードが終了することの報知を補助表示部65等にて行う。表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
以上のように、特に、遊技状態を第2RT状態~第4RT状態へ移行させることに対応する役の入賞に基づいて、RT状態処理(図21)とは別途、表示モードを移行させるための処理を行う。これは、表示モードの移行抽選に当選していないのにも関わらず、たまたま遊技状態を移行させることに対応する役が入賞したことに基づいてATモード等が開始されてしまうことを回避するためである。
また、表示モードの移行に際して、遊技状態の移行を伴うもののうち、上位のモードへの移行、すなわち、通常モードからATモードへ移行する場合や、ATモードからVBモードへ移行する場合、又はATモードやVBモードから特化ゾーンへ移行する場合には、対応する役の入賞結果に基づいて移行する構成としている。そのため、表示モードの移行と遊技状態の移行とが同じゲームにてセットで行われる。その一方で、下位のモードへの移行の場合のうち、第11再遊技入賞や第12再遊技入賞に基づいてATモードが終了される場合の他は、例えば転落リプレイとしての第2再遊技入賞や移行出目の停止によって遊技状態が移行する場合においては、表示モードの移行は行われない。このような下位のモードへ移行する場合、遊技状態は入賞結果によって管理される(RT状態用処理)一方、表示モードはゲーム数によって管理される。そのため、これらの下位のモードへ移行する場合には、遊技状態の移行と表示モードの移行とが別々のゲームにて行われる可能性がある。
<ゲーム数管理処理>
上記入賞結果対応処理のステップS1601にて実行される、ゲーム数管理処理について、図50のフローチャートを参照しながら説明する。ゲーム数管理処理では、前兆モードにおける前兆ゲーム数のカウントを行うとともに、ATモード、VBモード、特化ゾーンにおける継続ゲーム数のカウントを行い、これらの表示モードの継続ゲーム数が0となることに基づいて、対応する表示モードを終了させるための処理を行う。
ゲーム数管理処理では、先ず、ステップS1701にて、ベット数は特定数か否かを判定する。既に説明したとおり、本実施形態では、各遊技を1~3のベット数にて実施可能となっており、ステップS1701では、このうち特定数として、3ベットであるか否かを判定する。3ベットではない場合には、そのままゲーム数管理処理を終了する。すなわち、1ベットや2ベットのゲームでは、前兆モードのゲーム数のカウントは行われない。なお、ベット数に関わらずカウントを行う構成としてもよい。
今回のゲームが3ベットゲームであった場合、ステップS1702に進む。ステップS1702では、ボーナス当選フラグがセットされている状態又はボーナス状態であるか否かを判定する。ステップS1702にて肯定判定した場合、ステップS1703にてATモードフラグ、VBモードフラグ、特化ゾーンフラグの各種表示モード用のフラグをクリアする処理を行った後、本ゲーム数管理処理を終了する。つまり、ボーナス当選フラグがセットされている場合や、ボーナス中はATモード等のゲーム数のカウントは行わない。なお、ステップS1703にて、各フラグがセットされていない場合にはその状態を維持する。
ちなみに、ステップS1703では、ATモードフラグやVBモードフラグ等はクリアする一方で、AT用報知フラグやVB用報知フラグはクリアしない。そのため、ボーナス終了後は、ATモード等の準備状態を経てから、これらのフラグによって、遊技状態を移行させるための押し順報知が行われてボーナス前の遊技状態に復帰させることが可能となる。その一方で、特化ゾーン中にボーナス当選した場合には、ボーナス当選によって当該特化ゾーンは終了する構成としている。また、ステップS1703では、ATモード当選フラグ等についてもクリアしない。そのため、ATモード等とボーナスとに同時当選した場合、ボーナス終了後にこれら当選フラグに基づく当選報知が行われる。
ステップS1702にて否定判定した場合、ステップS1704にて、前兆ゲーム数が0であるか否かを判定する。0ではない場合には、ステップS1705にて前兆ゲーム数を1減算する処理を行う。ステップS1704にて前兆ゲーム数が0である場合(前兆モードではない場合)、又はステップS1705の処理を実行した後は、ステップS1706~ステップS1723にて、各モードの継続ゲーム数のカウント処理を行う。
すなわち、ステップS1706では、現状の表示モードがATモードであるか否かを判定する。ATモードである場合には、ステップS1707に進み、ATモード中の特化ゾーンか否かを判定する。すなわち、SATモードのようにATモード開始時に特化ゾーンに移行する場合、ステップS1707にて肯定判定することになる。特化ゾーン中である場合には、ステップS1720~ステップS1723にて特化ゾーン用のゲーム数管理処理を行う。これらの処理については、後に説明する。
ステップS1707にて特化ゾーンではないと判定した場合、ステップS1708にて、ATモード継続カウンタを1減算する処理を行うことで、ATモード継続ゲーム数の減算を行う。そして、ステップS1709にて、ATモード継続カウンタが0であるか否かを判定する。0ではない場合には、そのままゲーム数管理処理を終了する。0である場合には、ステップS1710にてATモードフラグをクリアし、ステップS1711にてAT用報知フラグをクリアする。その後、ステップS1712にてATモード終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。ステップS1712の処理を行った後は、ゲーム数管理処理を終了する。
ステップS1706にてATモードではないと判定した場合、ステップS1713に進む。ステップS1713では、現状の表示モードがVBモードであるか否かを判定する。VBモードである場合には、ステップS1714に進み、上乗せ特化ゾーンであるか否かを判定する。上乗せ特化ゾーンではない場合には、ステップS1715にてVBモード継続カウンタを1減算する処理を行うことで、VBモード継続ゲーム数の減算を行う。そして、ステップS1716にて、VBモード継続カウンタが0であるか否かを判定する。0ではない場合には、そのままゲーム数管理処理を終了する。0である場合には、ステップS1717にてVBモードフラグをクリアし、ステップS1718にてVB用報知フラグをクリアする。その後、ステップS1719にてVBモード終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。VBモード終了コマンドを受信した表示制御装置81では、今回のゲームにてVBモードが終了することの報知を補助表示部65等にて行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。ステップS1719の処理を行った後は、ゲーム数管理処理を終了する。
ステップS1714にて、上乗せ特化ゾーンであると判定した場合には、ステップS1720に進む。既に説明したとおり、ステップS1707にてATモード中の特化ゾーンであると判定した場合もステップS1720に進む。ステップS1720では、特化ゾーン継続カウンタを1減算する処理を行うことで、特化ゾーン継続ゲーム数の減算を行う。そして、ステップS1721にて、特化ゾーン継続カウンタが0であるか否かを判定する。0である場合には、ステップS1722にて特化ゾーンフラグをクリアし、ステップS1723にて特化ゾーン終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。特化ゾーン終了コマンドを受信した表示制御装置81では、今回のゲームにて特化ゾーンが終了することの報知を補助表示部65等にて行う。かかる報知としては、例えば、今回の特化ゾーンにてトータルで上乗せに成功したゲーム数の報知を行う。ステップS1723の処理を行った後は、ゲーム数管理処理を終了する。ステップS1713又はステップS1721にて否定判定した場合、そのままゲーム数管理処理を終了する。
<終了判定処理>
次に、ボーナス終了時の処理として、終了判定処理について、図51のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、終了判定処理は、ボーナス状態処理(図27)におけるステップS614にて実施される処理である。終了判定処理では、ボーナス終了条件の成否を判定するとともに、ボーナスを終了する場合には、ボーナスと重複当選等したATモード等の当選報知用の処理を行うとともに、ボーナスと重複当選等したATモード等のゲーム数の上乗せ用の処理を行う。
すなわち、ステップS1801では、小役入賞が成立したか否かを判定する。第1BBや第2BBのボーナス中はBB中第1役が高確率で成立し、一部、BB中第2役やBB中第3役の成立する(図28)。BB中第1役当選時には、主に第1小役入賞が成立して、所定数(9枚)のメダル払い出しが発生し、BB中第2役及びBB中第3役は第9再遊技や第10再遊技のリプレイであり、入賞が成立してもメダル払い出しは発生しない。また、CB中においては、CB中小役1~CB中小役4のいずれかに当選し、いずれに当選した場合であっても、主に第1小役入賞が成立して所定数(15枚)のメダル払い出しが発生する。ステップS1801は、これらボーナスやCB中に当選する役のうちメダル払い出しの発生する小役入賞が成立したか否かを判定する処理である。
ステップS1801にて小役入賞が成立したと判定した場合には、ステップS1802にて、残払出数から今回のゲームの払出数を減算する処理を行う。ステップS1801にて否定判定した場合、又はステップS1802の処理を実行した後は、ステップS1803にて、残払出数が0となったか否かを判定する。0ではない場合には、そのまま終了判定処理を終了する。0である場合には、ステップS1804にてボーナス終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットした後、ステップS1805~ステップS1814にて、ATモード等の当選報知用の処理や、ATモード等の継続ゲーム数の上乗せ用の処理を行う。
ステップS1805では、ATモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。ATモード当選フラグがセットされている場合には、ステップS1806にて前兆ゲーム数の抽選処理を行い、ステップS1807にて前兆ゲーム数のセットを行い、ステップS1808にて前兆コマンドのセットを行う。ちなみに、本実施形態では、ステップS1806の前兆ゲーム数の抽選処理では、100%の確率で前兆ゲーム数が0となる抽選を行う。すなわち、ステップS1807では、必ず0ゲームの前兆ゲーム数をセットすることになり、ボーナス終了ゲームの次ゲームにてATモード等の当選報知が行われることになる。ステップS1808の処理を実行した後は、終了判定処理を終了する。
ステップS1805にてATモード当選フラグがセットされていない場合、ステップS1809にて、VBモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。VBモード当選フラグがセットされている場合には、ステップS1806~ステップS1808の前兆モード用の処理を行ってから、終了判定処理を終了する。
なお、ATモード当選フラグがセットされている状況でボーナスが終了する場合とは、ATモードとボーナスに同時当選した場合か、ATモードの当選報知の前兆モード中にボーナスに当選した場合である。一方、VBモード当選フラグがセットされている状況でボーナスが終了する場合とは、ATモード中においてVBモードとボーナスとに同時当選した場合か、VBモードの当選報知の前兆モード中(この場合、0ゲームの前兆モードが選択されるため、VBモードに当選した次ゲーム)にボーナスに当選した場合である。
ステップS1809にてVBモード当選フラグがセットされていない場合、ステップS1810に進む。ステップS1810では、ATモード上乗せフラグがセットされているか否かの判定を行う。ATモード上乗せフラグがセットされていない場合は、そのまま終了判定処理を終了する。ATモード上乗せフラグがセットされている場合、ステップS1811にてATモードの上乗せゲーム数抽選処理を行い、ステップS1812にてATモードのゲーム数上乗せ処理を行い、ステップS1813にて上乗せ報知用処理を行い、ステップS1814にて上乗せコマンドのセットを行う。これらステップS1811~ステップS1814の処理は、ステップS1017~ステップS1020の処理と同様である。ステップS1814の処理を実行した後は、終了判定処理を終了する。
以上のように、主制御装置101側において、(1)表示モードの移行抽選に関する処理、(2)表示モードの移行抽選の結果に基づいて遊技状態を移行させるための処理、(3)入賞結果に基づいて表示モードを移行させるための処理、の各処理が行われる結果、補助表示部65による押し順報知演出が発生して表示モードの移行に追従するように遊技状態も移行し、更に、補助表示部65による押し順報知演出により押し順ベル入賞を発生させることが可能となり、多量のメダル獲得が期待できるようになる。
ここで、押し順リプレイや押し順ベル当選時において、補助表示部65による押し順報知演出(表示制御装置81による押し順報知演出)が行われる場合、当該押し順報知演出の他に、主制御装置101に接続された指示モニタ68でも押し順報知が行われる。この指示モニタ68の構成について、図52を参照しながら説明する。図52(a)は、指示モニタ68の正面図であり、図52(b)は、指示モニタ68の表示態様と表示内容との関係を説明するための図である。
図52(a)に示すように、指示モニタ68には8個の表示用セグメントN1~N8が設けられている。各表示用セグメントN1~N8は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、指示モニタ68では、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっている。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメントN1~N8においてはいずれも同一の色が表示されることとなる。
各表示用セグメントN1~N8について詳細には、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、いずれも直線状の表示用セグメントであり、これら第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、数字の「1」~「6」を少なくとも表示することができるように配置されている。また、第8表示用セグメントN8は、円形状の表示用セグメントであり、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7が設けられた領域の右下部分の横方に配置されている。したがって、指示モニタ68では、「1」~「6」と、「1.」~「6.」と、「 .」と、を少なくとも表示することができる。
なお、指示モニタ68において、複数パターンの記号をそれぞれ個別に表示することが可能であれば、各表示用セグメントN1~N8の形状や配置態様は任意であり、さらには8個のセグメントではなく7個のセグメント、又は9個のセグメント等を用いる構成としてもよい。また、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が同一であることは必須ではなく、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が適宜変更可能となる構成としてもよい。また、光源をオンオフ制御することで、各表示用セグメントN1~N8の点灯又は消灯を制御する構成は必須のものではなく、各表示用セグメントN1~N8において個別に表示制御が行えるのであれば、単一のバックライトと液晶ディスプレイとによりセグメント表示器を構成してもよい。さらには、各表示領域に対してセグメント表示を適用するのではなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって記号を表示する構成としてもよい。
第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、押し順役の操作順序の報知に用いられる表示用セグメントである。例えば、図52(b)に示すように、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「左」→「中」→「右」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第6表示用セグメントN6及び第7表示用セグメントN7が点灯表示されて「1」が表示される。また、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「右」→「左」→「中」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第1表示用セグメントN1、第2表示用セグメントN2、第3表示用セグメントN3、第5表示用セグメントN5及び第6表示用セグメントN6が点灯表示されて「5」が表示される。つまり、各表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)は、ストップスイッチ42~44の操作順序と1対1で対応付けられており、表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)に基づいて、ストップスイッチ42~44を停止操作することで、遊技者にとって有利な態様にて入賞させることが可能となる。
第8表示用セグメントN8は、有利区間に移行し、ATモード当選報知が行われてAT用報知フラグがセットされる等、押し順報知が発生し得る状況となる報知条件を含む所定の開始条件が成立した場合に、その開始条件が成立したゲームにて点灯される。また、ATモードやSATモードが終了して有利区間から通常区間へ移行する場合に消灯される。
つまり、押し順ベルや押し順リプレイの操作順序が報知され易くなることによって遊技者にとって有利な態様にて入賞させ易くなるナビ状態(ATモードやSATモード、高頻度モード)、当該ナビ状態への移行抽選に当選し易くなるチャンス状態(CZモードや第1BB、高確率モード)、又はナビ状態やチャンス状態への移行抽選に当選しているもののこれらナビ状態やチャンス状態に移行していない当選状態(当選モード)を含む区間を有利区間(特定遊技状態、特定モード)とし、第8表示用セグメントN8は、当該有利区間において、押し順報知による恩恵が得られるようになる特定区間中は点灯し、有利区間ではない通常区間や、有利区間であっても特定区間ではない非特定区間中は消灯する区間表示器(特定報知手段)をなすものである。
既に説明したとおり、押し順表示器としての第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7、及び区間表示器としての第8表示用セグメントN8を有する指示モニタ68は、遊技パネル25において払出枚数表示部62の側方付近に配置されている。つまり、指示モニタ68は、遊技者が操作するストップスイッチ42~44等よりも上方に配置されており、言い換えると、ストップスイッチ42~44等が設けられている位置よりも下方において遊技機前面部である化粧パネルに配置されていない。そのため、ストップスイッチ42~44等を操作する手等によって、第8表示用セグメントN8が隠されることが抑制され、遊技者が視認し易い位置に配置されているといえる。また、メダルの獲得を目指して遊技を進行させる遊技者が注視し易い払出枚数表示部62の近くに配置されていることからしても、遊技者による見逃しが抑制されているといえる。
さらに、指示モニタ68において特に第8表示用セグメントN8は、周囲の表示部(例えば払出枚数表示部62や、遊技パネル25のバックライト)の明度よりも高い明度となるように(より詳しくは、周囲の表示部の明度の2倍の明度となるように)、対応するLEDの明度が定められている。そのため、第8表示用セグメントN8と周囲の表示部とがいずれも発光制御されている場合(点灯状態となっている場合)であっても、第8表示用セグメントN8が一際目立つようになっている。遊技機前方に向けた照度についても、第8表示用セグメントN8の方が周囲の表示部より、遊技機前方に向けた照度が高くなるように(より詳しくは、周囲の表示部の照度の2倍の照度となるように)、対応するLEDの照度が定められている。このような構成からも、第8表示用セグメントN8の視認性が向上されており、当該第8表示用セグメントN8が点灯状態となった場合の見逃しが抑制されている。
以下、第8表示用セグメントN8の点灯/消灯に関する処理として、区間表示第1処理及び区間表示第2処理について説明する。
<区間表示第1処理>
先ず、区間表示第1処理について、図53を参照しながら説明する。区間表示第1処理は、抽選処理(図16)におけるステップS316にて実施される処理であり、スタートレバー41の操作に基づいて当該ゲームの抽選結果が決定されるとともに、当該抽選結果に基づいて表示モードの移行抽選等(抽選結果対応処理)が行われた後に実施される。
ステップS1901では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が表示中であるか否か、より詳しくは、第8表示用セグメントN8を点灯中か否かを判定する。上記のように、第8表示用セグメントN8を点灯中である場合とは、有利区間のうち、少なくとも押し順報知が発生し得る報知条件が成立している特定区間である場合を示している。ステップS1901にて否定判定し、第8表示用セグメントN8を消灯中であると判定した場合、ステップS1902に進む。
ステップS1902では、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。既に説明した通り、有利区間フラグは、有利区間移行抽選処理(図33)において、有利区間への移行抽選に当選した場合にセットされるフラグである。有利区間フラグがセットされている場合、ステップS1903にて、有利区間当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。有利区間当選ゲームフラグは、上記有利区間移行抽選処理において有利区間移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、その当選ゲームであることをCPU102が特定するためのフラグである。有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合、ステップS1904にて有利区間当選ゲームフラグをクリアする処理を実行する。ステップS1903にて有利区間当選ゲームフラグがセットされていない場合、ステップS1905に進む。
ステップS1905では、有利区間中のゲーム数のカウント、より詳しくは、各種カウンタエリア106eの有利区間ゲーム数AGの計測が開始されている状況か否かを判定する。有利区間ゲーム数AGの計測が開始されていない場合、ステップS1906にて有利区間ゲーム数AGの計測を開始する処理を行う。有利区間ゲーム数AGは、有利区間の実行ゲーム数を把握する把握手段に相当するものであり、有利区間中の各ゲームにおいて1ずつ加算する処理が実行される。
ステップS1905にて既に計測を開始していると判定した場合、又はステップS1906の処理を実行した後は、ステップS1907に進む。ステップS1907では、AT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。既に説明した通り、ATモード当選報知が行われてAT用報知フラグがセットされることにより、押し順役当選時の押し順報知が発生し得る状態となり、上記の報知条件が成立することとなる。ステップS1907にてAT用報知フラグがセットされていると判定した場合、ステップS1908にて、第8表示用セグメントN8を点灯させることにより区間表示器の表示を開始する。付け加えると、主制御装置101では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を点灯状態として表示を開始する際には、スピーカ64から所定の効果音(例えば、機械音で「ガゴッ!」という音)が出力されるように表示制御装置81へ音出力用のコマンドを出力する。表示制御装置81は、当該音出力用のコマンドに基づいて、上記所定の効果音が発せられるようにスピーカ64を制御する。なお、第8表示用セグメントN8の表示開始に際して、補助表示部65や他の表示部において演出を発生させる構成としてもよく、この場合、表示制御装置81に対して対応するコマンドを出力するとともに、表示制御装置81にて対応する演出が行われるよう補助表示部65等の制御を行う構成とするとよい。
ステップS1901にて区間表示器としての第8表示用セグメントN8を表示中であると判定した場合、ステップS1909にて、有利区間中の表示を継続する処理を実行する。ステップS1909について具体的には、第8表示用セグメントN8が点灯状態である状況を継続させるための処理を行う。すなわち、区間表示器の表示を終了するための処理は、本区間表示第1処理では実施しない。
ステップS1902にて有利区間フラグがセットされていないと判定した場合と、有利区間フラグがセットされている場合であっても当選ゲームである場合(ステップS1904の処理を実行した後)と、当選ゲームではなくても押し順報知が発生し得る状況ではない場合(ステップS1907にてAT用報知フラグがセットされていないと判定した場合)は、ステップS1910に進む。ステップS1910では、各種カウンタエリア106eに設けらた役比第1カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第1カウンタは、押し順報知が発生しないゲーム数、すなわち、通常区間と非特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
また、ステップS1908にて区間表示器の表示開始処理を実行した後と、ステップS1909の表示継続処理を実行した後は、ステップS1911に進む。ステップS1911では、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第2カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第2カウンタは、押し順報知が発生可能なゲーム数、すなわち、特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
ステップS1910又はステップS1911の処理を実行した後は、ステップS1912にて役比算出処理を実行する。かかる処理では、役比第2カウンタの値を役比第1カウンタと役比第2カウンタとの加算値(全ゲーム数)で除算する処理を行う。すなわち、役比算出処理は、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合を算出する処理である。そして、ステップS1913にて、ステップS1912の演算処理結果が役比モニタ77にて表示されるようにするための処理を実行する。
図5に示すように、役比モニタ77は、7つの表示用セグメントからなる7セグ表示部を複数有している。具体的には、役比モニタ77は、7セグ表示部としての第1表示部77a、第2表示部77b、第3表示部77c、第4表示部77d、第5表示部77eを有している。第1表示部77a~第5表示部77eにおける表示用セグメントは、指示モニタ68の表示用セグメントN1~N7と同様に、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、役比モニタ77は、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっており、特に、役比モニタ77では、5桁の数字を表示可能となっている。
ステップS1913では、ステップS1912の演算処理の結果を役比モニタ77に出力するとともに、役比モニタ77にて、4桁の数字が表示されるように役比モニタ77における各表示部77a~77eの表示制御を行う。具体的には、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合として、例えば、「0.5012」といったように、1よりも小さい数であって、小数点以下4桁までの数字が役比モニタ77にて表示される。ステップS1913の処理を実行した後は、区間表示第1処理を終了する。
なお、ステップS1912の演算処理において小数点以下第5桁の数字を四捨五入する処理を行ったうえで、役比モニタ77の表示制御を行う構成としてもよい。また、役比モニタ77のうち、第1表示部77aは、基本的には「0」が表示されるため、第1表示部77aを有さないようにしたり、第1表示部77aを印刷等によって「0」との表示が常にされる構成としてもよい。また、第1表示部77aと第2表示部77bとの間に、小数点が印刷等により表示される構成とするとよい。
<区間表示第2処理>
次に、区間表示第2処理について、図54のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、区間表示第2処理は、リール制御処理のステップS415にて実施される処理であり、1ゲームの終了に際して、メダルの払出(払出判定処理)及び入賞結果に基づく遊技状態の移行等(入賞結果対応処理)が行われてから実施される。
ステップS2001では、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。有利区間フラグがセットされている場合にはステップS2002にて、有利区間中のゲーム数をカウントする処理を実行する。具体的には、上記有利区間ゲーム数AGを1加算する処理を行う。ステップS2002の処理を実行した後は、ステップS2003にて、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間増減枚数ZMの更新処理を実行する。有利区間増減枚数ZMは、有利区間中のメダルの増減枚数(有利区間中の各ゲームでベットされた枚数と払い出された枚数との差枚数)をCPU102が把握するためのカウンタであり、ステップS2003では、今回のゲームの入賞結果(直前の入賞結果対応処理や払出判定処理)に基づいて、今回のゲームのメダル増減数(今回のゲームのメダル払出数-今回のゲームのベット数)を把握し、そのメダル増減数を有利区間増減枚数ZMに加算する処理を行う。例えば、今回のゲームが3ベットゲームであり9枚のメダル払出が行われた場合、メダル増減数は+6であり、ステップS2003では有利区間増減枚数ZMに+6を加算する処理を行う。また、今回のゲームが3ベットゲームでありメダル払出が行われなかった場合、メダル増減数は-3であり、ステップS2003では有利区間増減枚数ZMに-3を加算する処理を行う。
ステップS2003の処理を実行した後は、ステップS2004にて、残ゲーム数管理処理を実行し、続くステップS2005にて、残枚数管理処理を実行する。残ゲーム数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限ゲーム数に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残枚数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限増加数に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。
残ゲーム数管理処理について、具体的には、図55のフローチャートに示すように、先ずステップS2101にて、前兆ゲーム数G1を把握する。前兆ゲーム数G1は、例えば現状が有利区間中における前兆モードである場合、残りの前兆モードのゲーム数を表しており、ゲーム数管理処理(図50)にて1ゲーム毎に1ずつ減算される。ステップS2102では、ATモード継続数G2を把握する。ATモード継続数G2は、例えば現状が有利区間におけるATモードである場合、残りのATモードのゲーム数を表しており、ゲーム数管理処理(図50)にて1ゲーム毎に1ずつ減算される。ステップS2103では、VBモード継続数G3を把握する。VBモード継続数G3は、例えば現状が有利区間におけるVBモードである場合、残りのVBモードのゲーム数を表しており、ゲーム数管理処理(図50)にて1ゲーム毎に1ずつ減算される。ステップS2104では、特化ゾーン継続数G4を把握する。特化ゾーン継続数G4は、例えば現状が有利区間における特化ゾーンである場合、残りの特化ゾーンのゲーム数を表しており、ゲーム数管理処理(図50)にて1ゲーム毎に1ずつ減算される。ステップS2105では、BB残りゲーム数G5を把握する。BB残りゲーム数G5は、例えば現状が有利区間におけるBBモード(ボーナス状態)である場合、残りのBBモードのゲーム数を表しており、ゲーム数管理処理(図50)が1回起動されるごとに、BBモード中であることを条件に図示しない減算処理にて1ずつ減算される。
ここで、これら継続数G1~G5は、現状が対応するモードやゾーンではない場合であっても0以上の値が入力されている場合がある。具体的には、例えば、VBモードや特化ゾーンやBBモードにおいては、ATモードの残りゲーム数のカウントが停止されるところ、ATモード中にこれらのVBモードや特化ゾーンやBBモードへの移行が生じた場合、ATモード継続数G2と、これら各モードの継続数とに0以上の値が入力されている。
ステップS2106では、上記ステップS2101~ステップS2105の各処理で把握したG1~G5を積算することで、有利区間の残りゲーム数ZGを算出する処理を行う。かかる処理を行うことにより、有利区間が後何ゲーム継続するかを把握することが可能となる。続くステップS2107では、これまでに実施してきた有利区間のゲーム数(有利区間ゲーム数AG)と上記残りゲーム数ZGとを加算することで、総有利区間ゲーム数SGを算出する処理を行う。そして、ステップS2108にて、有利区間の継続上限ゲーム数である1500Gから上記総有利区間ゲーム数SGを減算することで、空きゲーム数(上乗せ可能な空きゲーム数、残ゲーム数)FGを算出する処理を行う。
ステップS2108の処理を行った後は、ステップS2109にて、空きゲーム数FGが0よりも大きいか否か、すなわち、空きゲーム数があって上乗せ可能であるか否かを判定する。空きゲーム数FGが0よりも大きい場合には、そのまま残ゲーム数管理処理を終了する。一方、空きゲーム数FGが0以下である場合には、ステップS2110にて各種フラグ格納エリア106dに第1超過フラグをセットする処理を実行してから、残ゲーム数管理処理を終了する。第1超過フラグは、有利区間の第1の強制終了条件が成立することが特定されている状況であることをCPU102が把握するためのフラグである。
残枚数管理処理は、図56のフローチャートに示すように、先ずステップS2201にて、上記ステップS2003にて更新された有利区間増減枚数ZMを把握する。続くステップS2202では、上記ステップS2004の残ゲーム管理処理にて算出される有利区間残りゲーム数ZG(ステップS2106)と、ROM105に記憶されている有利区間の各ゲームにて期待できる純増枚数(期待増減枚数KM)とから、有利区間の残りゲーム数にて獲得できる残り増減期待枚数NMを算出する処理を実行する。本実施形態では、期待増減枚数KMは、有利区間が上記の押し順報知が発生する状況で高RT状態にて消化された場合であって、ボーナス状態を加味した純増枚数(約+2.46枚)を用いる構成としている。すなわち、例えば、有利区間残りゲーム数ZGが500ゲームであれば、残り増減期待枚数NMは、500ゲーム×2.46枚=1230枚となる。
ステップS2203では、ステップS2201にて把握した有利区間増減枚数ZMと、ステップS2202にて算出した残り増減期待枚数NMとから、現状の有利区間残りゲーム数を加味して今回の有利区間中に獲得することが期待できる枚数(総増減期待枚数SM)を算出する処理を行う。そして、ステップS2204にて、増加可能な空き枚数FMを算出する処理を行う。ステップS2204の処理は、残ゲーム数管理処理におけるステップS2108の加算可能な空きゲーム数FGを算出する処理に対応するものであり、ステップS2109の処理が、その後のゲームにて第1の強制終了条件にて有利区間が強制終了されることを事前に予測する処理であり、ステップS2204の処理は、その後のゲームにて第2の強制終了条件にて有利区間が強制終了されることを事前に予測する処理である。すなわち、ステップS2204では、有利区間の上限増加数である2400枚から、上記ステップS2203にて算出した総増減期待枚数SMを減算する処理を行う。
ステップS2205では、ステップS2204の処理結果に基づいて、増加可能な空き枚数FMが0以下となり、将来的に第2の強制終了条件にて強制終了されることとなるか否かを判定する。空き枚数FMが1以上である場合には、上限増加数に至らないものとして、そのまま残枚数管理処理を終了する。空き枚数FMが0以下である場合には、ステップS2206に進み、各種フラグ格納エリア106dに第2超過フラグをセットする処理を行ってから、残枚数管理処理を終了する。第2超過フラグは、第2の強制終了条件がその後に成立し得る状況であることをCPU102が把握するためのフラグである。
第1超過フラグや第2超過フラグがセットされることにより、本実施形態においては、有利区間中に特定役当選となったとしても、ATモード中のゲーム数上乗せ抽選等の実施が制限される。より具体的には、例えば、ステップS1014や、ステップS1201等のATモードのゲーム数上乗せ抽選処理において、第1超過フラグや第2超過フラグがセットされている場合には、かかる抽選処理の実施が制限され、上乗せ当選しなくなる(又は、当選しても0ゲームの上乗せが発生する)。これにより、継続し得ない分まで上乗せを行ってしまって、有利区間が上限ゲーム数以上継続するかのような誤解が生じてしまうことを抑制することが可能となる。
なお、一旦、第1超過フラグや第2超過フラグがセットされた後は、今回の有利区間においては残ゲーム数管理処理が実施されない構成としてもよい。
区間表示第2処理(図54)の説明に戻り、ステップS2005の処理を実行した後は、ステップS2006にて、RT移行用処理を実行する。RT移行用処理は、第4RT状態へ移行させることを可能とする条件の成否を判定するとともに、条件成立に基づき第4RT状態へ移行させるための報知用のフラグ(移行用報知フラグ)をセットする処理である。かかる処理については、後に詳細に説明する。
ステップS2006の処理を実行した後は、ステップS2007にて、上記有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数である1500に達したか否か、又は有利区間増減枚数ZMが上限増加数である2400以上となったか否かを判定する。これらいずれかの強制終了条件が成立している場合には、ステップS2008にて、有利区間ゲーム数AG及び有利区間増減枚数ZMを0にクリアする。続くステップS2009では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示を終了させる処理を行う。そして、ステップS2010にて、有利区間中の各種フラグやカウンタ等のパラメータ、情報を初期化する処理を行ってから、本区間表示第2処理を終了する。
ステップS2010のデータ初期化処理について、より詳しくは、今回の有利区間への移行に際して設定されたフラグやカウンタ、及び、今回の有利区間中に設定されたフラグやカウンタを初期値に戻す処理である。例えば、有利区間への移行に際してATモード当選フラグ等がセットされたり、ATモード中にVBモード当選フラグがセットされたりし、本初期化処理まで当該フラグがセットされたままであれば、これらの当選フラグをクリアする。また、初期化処理では、AT用報知フラグや、ATモードフラグ、VBモードフラグ、特化ゾーンフラグ等がセットされていれば、これらのフラグもクリアする。さらに、前兆カウンタ、アタックモード等の継続ゲーム数用のカウンタ等が0より大きければ、これらのカウンタを全て0にリセットする。つまり、初期化処理では、押し順報知を用いた有利な状態としての有利区間に関し、押し順報知に係る性能に及ぼす全ての変数乃至パラメータを初期化するものであり、かかる変数乃至パラメータに関してRAMクリアを行う処理である。
ステップS2007にて有利区間ゲーム数AGが上限値に達していないと判定した場合や有利区間増減枚数ZMが上限増加数に達していないと判定した場合は、ステップS2011に進み、各種フラグ格納エリア106dにAT非当選フラグがセットされているか否かを判定する。既に説明した通り、AT非当選フラグは、ATモードへの移行抽選に非当選となった場合にセットされるフラグである。AT非当選フラグがセットされている場合には、ステップS2012にてAT非当選時第3処理を実行してから、本区間表示第2処理を終了する。AT非当選時第3処理については、後に詳細に説明する。
AT非当選フラグがセットされていない場合、ステップS2013にて、有利区間の通常終了条件が成立したか否かを判定する。より詳しくは、ATモード当選フラグ及びATモードフラグのいずれもセットされておらず、ATモードよりも上位のモードを含めて、残り継続ゲーム数が0となったか否かを判定する。ATモード当選フラグ及びATモードフラグのいずれもセットされていない場合、ステップS2008へ進み、ステップS2008~ステップS2010の有利区間終了用の処理を行ってから、区間表示第2処理を終了する。ステップS2011及びステップS2013のいずれでも否定判定した場合は、そのまま区間表示第2処理を終了する。この場合、区間表示器(第8表示用セグメントN8)の点灯表示は継続することになる。
ここで、上記ステップS1626において第11再遊技入賞や第12再遊技入賞に基づいてAT終了用処理が行われる場合、既に説明した通り、ATモードフラグがクリアされる。そのため、ATモード中において第11再遊技入賞や第12再遊技入賞が成立すると、上記ステップS2013にて肯定判定することとなり、有利区間終了用の処理が行われることになる。つまり、有利区間において、第4RT状態への移行が生じると、ATモードだけでなく、有利区間についても終了する。
<押し順表示器及び区間表示器の表示とゲームの進行について>
有利区間の開始及び終了と区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示との関係を、図57を参照しながら説明する。
本スロットマシン10では、図57に示すように、有利区間ではない通常区間においては、区間表示器としての第8表示用セグメントN8は消灯している(点灯していない)。この通常区間においては、押し順報知は行われない。つまり、押し順報知等の指示機能に係る性能を有する有利区間に対し、通常区間は当該指示機能に係る有さない区間といえる。表示モードが通常モードである状況が、主に通常区間に対応する。
通常区間において、例えば、弱スイカ役当選等によって有利区間への移行抽選に当選すると、当該当選契機となった遊技結果が成立するゲームの次ゲームから有利区間の実行ゲーム数の計測(有利区間ゲーム数AGのカウント)が開始される。そして、有利区間中においてATモードへの移行抽選に当選し、当選報知及びAT用報知フラグがセットされる等して押し順報知が発生し得る状況となると、区間表示器の表示の開始条件が成立したものとして、第8表示用セグメントN8が点灯する。
その後、第8表示用セグメントN8が点灯している状況で、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7を利用した押し順報知が発生する。この場合、上記のように第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7によって押し順情報(「1」~「6」)の表示がなされ、かかる押し順情報に基づいて、遊技者は押し順を把握することができる。押し順報知において、押し順情報は、当該ゲームにおいてスタートレバー41の操作時に表示が開始され、当該ゲームにおいて第3リール停止ON操作時にその表示が終了する。かかるゲームが有利区間の最終ゲームではない場合には、第3リール停止ON操作時においては、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7による押し順情報の表示のみ終了し、第8表示用セグメントN8による有利区間の表示は継続される。そして、次ゲーム以降において再度押し順役に当選すると、その押し順役に対応する押し順情報が第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7にて表示される。
有利区間の継続ゲーム数が上限に達したり、有利区間のメダル増加数が上限増加数に達する等して、有利区間の最終ゲームとなると、第8表示用セグメントN8も消灯し、有利区間の報知が終了する。本実施形態では、有利区間の最終ゲームにおいて、メダル払出が終了したタイミングで(払出判定処理の後の処理である区間表示第2処理により)、第8表示用セグメントN8が消灯する。なお、最終ゲームにおいてメダル払い出しが行われない場合には、第3リール停止OFF操作時に第8表示用セグメントN8が消灯する。これにより、遊技者は、当該ゲームが有利区間の最終ゲームであったことを明確に把握することができる。
上記のように、有利区間のゲーム数のカウントは、有利区間への移行抽選に当選したゲームの次ゲームから行われる一方、押し順報知は第8表示用セグメントN8が点灯している期間においてのみ発生する。言い換えると、有利区間であっても第8表示用セグメントN8が消灯している区間(非特定区間)においては、押し順報知は発生しない。つまり、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の点灯の有無を確認することで、有利区間のうち、少なくとも押し順報知による恩恵を享受可能な状況(特定区間、実質増加区間)であることを明確に把握することが可能となっている。このようにすることで、押し順報知による恩恵を享受可能な状況であることを知らずにゲームを終了してしまう遊技者と、その後に着席する後任の遊技者との有利度に差を生じないようにすることができる。言い換えるならば、第8表示用セグメントN8が点灯していない状況においては、押し順報知は発生しないため、ゲームを潔く終了することも可能となる。
付け加えると、本スロットマシン10においては、押し順報知により有利度を変化させる遊技性に関し、特に、有利区間への移行抽選については、設定値による有利度の差がないよう構成されている。ATモード等の押し順報知が発生し得る状況は有利区間に含まれるものであり、有利区間において区間表示器が表示していない状況だけでなく、通常区間においても押し順報知は発生しない。つまり、押し順報知による恩恵を受けようとする遊技において、第1段階としての有利区間への移行抽選については、設定値による有利度の差がない。このようにすることで、各遊技台(設定値)や各ゲーム(状況)において一律の有利度となり、遊技者間の有利/不利を排除するとともに、絵柄を狙って特典を得るというスロットマシン10本来の遊技性を存分に楽しみつつ、そしてその付随する押し順報知による遊技性との関連性によりバランスのとれた遊技機とすることが可能となる。
<サブ側の報知演出に関する処理>
次に、(4)サブ側の報知演出に関する処理として、サブ側の表示制御装置81にて行われる各種報知用の処理を説明する。各種報知用の処理として、所定周期(1.49msec周期)で実行される演出設定処理が設けられている。そこで、当該演出設定処理について、図58のフローチャートを参照しながら説明する。
演出設定処理では、先ずステップS2301にて、主制御装置101から新たなコマンドを受信したか否かを判定する。新たなコマンドを受信している場合には、ステップS2302にて、受信したコマンドをRAM183に格納する処理を実行する。RAM183にはコマンド格納エリアが設けられており、当該コマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
ステップS2301にて否定判定した場合、又はステップS2302の処理を実行した後は、ステップS2303にて、新たに受信したコマンドが、ベット時コマンドであったか否かを判定する。ベット時コマンドとは、ベット操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、通常処理のステップS207にてセットされるベットコマンドの他、モード移行報知用処理(図46)におけるATモード当選報知コマンド、VBモード当選報知コマンド、ボーナス当選報知コマンド等がある。これらのベット時コマンドである場合には、ステップS2304にてベット時演出設定処理を実行する。
ステップS2303にて否定判定した場合、又はステップS2304の処理を実行した後は、ステップS2305にて、新たに受信したコマンドが、開始時コマンドであったか否かを判定する。開始時コマンドとは、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、抽選処理のステップS313にてセットされる抽選結果コマンドの他、第1~第3特定役処理(図34~図37)にて設定される前兆コマンドや上乗せコマンド、押し順役処理(図48)にて設定される押し順報知コマンド等がある。これらの開始時コマンドである場合には、ステップS2306にて開始時演出設定処理を実行する。
ステップS2305にて否定判定した場合、又はステップS2306の処理を実行した後は、ステップS2307にて、新たに受信したコマンドが、各停止操作時コマンドであったか否かを判定する。各停止操作時コマンドとは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれの停止操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図18)のステップS405にてセットされる停止指令コマンドである。かかる各停止操作時コマンドとしての停止指令コマンドである場合には、ステップS2308にて各停止操作時演出設定処理を実行する。
ステップS2307にて否定判定した場合、又はステップS2308の処理を実行した後は、ステップS2309にて、新たに受信したコマンドが、全停止時コマンドであるか否かを判定する。全停止時コマンドとは、全リール32L,32M,32Rが停止したことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図18)のステップS411にてセットされる入賞結果コマンドの他、入賞結果対応処理(図49)にてセットされるATモード開始コマンド、VBモード開始コマンド、特化ゾーン開始コマンド、ATモード終了コマンド、VBモード終了コマンド、特化ゾーン終了コマンド、第1固定RT開始コマンド、第2固定RT開始コマンド等がある。これらの全停止時コマンドである場合には、ステップS2310にて全停止時演出設定処理を実行する。
ステップS2309にて否定判定した場合、又はステップS2310の処理を実行した後は、ステップS2311にてその他の処理を実行してから、演出設定処理を終了する。ステップS2311では、ベット時、開始時、停止時以外の主制御装置101からの指令に基づく演出(例えば、精算スイッチ59の操作に基づく演出等)の設定や、主制御装置101を介さずに接続されたセンサ(演出スイッチ検出センサ等)からの信号に基づく演出の設定、エラー報知用の設定等を行う。
以下、ベット時演出設定処理、開始時演出設定処理、各停止操作時演出設定処理、全停止時演出設定処理について、説明する。なお、各演出設定処理の説明では、図68~図73の表示演出の概要図を参照しながら説明する。
<ベット時演出設定処理>
ベット時演出設定処理について、図59のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2401では、今回受信したベット時コマンドとしてATモード当選報知コマンドが含まれているか否かを判定する。ATモード当選報知コマンドが含まれている場合、ステップS2402にて、ATモード当選報知演出を設定する処理を行う。ATモード当選報知演出では、例えば、図69(a)に示すように、補助表示部65にて、「AT確定」という文字表示を行う。その他、ATモード当選報知演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、女性の高い声で「やったわ!」)が発せられるように制御する。
ステップS2401にてATモード当選報知コマンドが含まれていない場合、ステップS2403にて、今回受信したベット時コマンドとしてVBモード当選報知コマンドが含まれているか否かを判定する。VBモード当選報知コマンドが含まれている場合、ステップS2404にて、VBモード当選報知演出を設定する処理を行う。VBモード当選報知演出では、例えば、図69(b)に示すように、補助表示部65にて、「V-BONUS確定」という文字表示を行う。その他、VBモード当選報知演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男女の声で「スーパーラッキー!」)が発せられるように制御する。
ステップS2403にてVBモード当選報知コマンドが含まれていない場合、ステップS2405にて、今回受信したベット時コマンドとしてボーナス当選報知コマンドが含まれているか否かを判定する。ボーナス当選報知コマンドが含まれている場合、ステップS2406にて、ボーナス当選報知演出を設定する処理を行う。ボーナス当選報知演出では、例えば、補助表示部65にて、「やったぜ ボーナス確定」という文字表示を行う。その他、ボーナス当選報知演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男女の声で「やったぜ!」)が発せられるように制御する。
ステップS2405にてボーナス当選報知コマンドが含まれていない場合、ステップS2407にて、今回受信したベット時コマンドとして特化ゾーン当選報知コマンドが含まれているか否かを判定する。特化ゾーン当選報知コマンドが含まれている場合、ステップS2408にて、特化ゾーン当選報知演出を設定する処理を行う。特化ゾーン当選報知演出では、例えば、補助表示部65にて、「乗せまくれ!!」という文字表示を行う。その他、特化ゾーン当選報知演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、恍惚とした男性の野太い声で「ノリノリィ!」)が発せられるように制御する。
ステップS2402、ステップS2404、ステップS2406及びステップS2408のいずれかの処理を実行した後、又はステップS2407にて否定判定した場合には、ステップS2409にて、その他のベット時演出を設定してから、本演出設定処理を終了する。ステップS2409の処理では、例えば、ベットコマンドの受信に対応させて、対応するベット数のクレジット投入スイッチ56~58周辺(又は内部)のランプを消灯させてその操作が受け付けられたことを報知する処理や、例えば所定時間遊技が行われていないことを一の条件に移行するデモモードから復帰するための処理や、スタートレバー41周辺のランプを点灯させてその操作が有効となったことを報知する処理等を行う。
<開始時演出設定処理>
次に、開始時演出設定処理について、図60のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2501では、表示モード設定処理を行う。かかる処理では、現状、主制御装置101側で設定されている表示モードが、通常モード、ATモード、VBモード、特化ゾーンのいずれであるかを判定し、対応する表示モードにて、補助表示部65の表示演出が行われるように設定する。具体的には、表示制御装置81側のRAM183の各種フラグ格納エリア183aにおいても、表示モードを把握するためのフラグとして、ATモードフラグ、VBモードフラグ、特化ゾーンフラグをセットするエリアが設けられており、各モードの開始に際して対応するフラグがセットされ、終了に際して対応するフラグがクリアされる。ステップS2501では、これらの各種モード対応フラグを把握することで、現状の表示モードを特定し、対応する演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64、上部ランプ63等を制御する。
続くステップS2502では、受信している抽選結果コマンドに基づいて、今回開始されるゲームの抽選結果が押し順役当選であるか否かを判定する。押し順役当選である場合には、ステップS2503にて、押し順報知用処理を行う。ここで、押し順報知用処理について、図61のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2601では、今回受信している開始時コマンドとして、押し順報知コマンドが含まれているか否かを判定する。押し順報知コマンドが含まれていない場合には、そのまま本押し順報知用処理を終了する。押し順報知コマンドが含まれている場合には、ステップS2602に進む。
ステップS2602では、今回の抽選結果が第1昇格リプレイ1~4であるか否かを判定する。第1昇格リプレイ1~4である場合には、ステップS2603にて、第3再遊技入賞が成立する押し順報知を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。
ステップS2602にて第1昇格リプレイ1~4当選ではないと判定した場合、ステップS2604にて、今回の抽選結果が転落リプレイ1~3であるか否かを判定する。転落リプレイ1~3である場合には、ステップS2605に進み、第1再遊技入賞が成立する押し順報知を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。
ステップS2604にて転落リプレイ1~3ではないと判定した場合、ステップS2606にて、今回の抽選結果が第2昇格リプレイ1,2であるか否かを判定する。第2昇格リプレイ1,2である場合には、ステップS2607にて、既にVBモード当選報知演出又は特化ゾーン当選報知演出を実行済みか否かを判定する。例えば、ステップS2404のVBモード当選報知演出やステップS2408の特化ゾーン当選報知演出の設定に際して、RAM183の各種フラグ格納エリア183aにVB当選や特化ゾーン当選の報知が行われたことを示す報知済みフラグをセットする。当該報知済みフラグは、VBモード又は特化ゾーンへ移行することに基づいてクリアする。そして、ステップS2607にて、当該報知済みフラグの有無を判定する構成とするとよい。VBモード又は特化ゾーンの当選報知済みである場合には、ステップS2608にて、第4,第5再遊技入賞が成立する押し順報知を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。VBモード又は特化ゾーンの当選報知済みではない場合には、ステップS2605に進み、第1再遊技入賞用の押し順報知を行ってから、押し順報知用処理を終了する。
ステップS2606にて第2昇格リプレイ1,2ではないと判定した場合、ステップS2609にて、今回の抽選結果がBARリプレイであるか否かを判定する。BARリプレイである場合には、ステップS2610にて、特化ゾーン当選報知演出を実行済みであるか否かを判定する。特化ゾーンの当選報知済みである場合には、ステップS2611にて第7再遊技入賞が成立する押し順報知を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。特化ゾーンの当選報知済みではない場合には、上記ステップS2603に進み、第3再遊技入賞用の押し順報知を行ってから、押し順報知用処理を終了する。
ステップS2609にてBARリプレイではないと判定した場合、ステップS2612にて、今回の抽選結果が移行リプレイ1,2であるか否かを判定する。移行リプレイ1,2である場合には、ステップS2613にてRAM183の各種フラグ格納エリア183aに移行リプレイ報知フラグがセットされているか否かを判定する。移行リプレイ報知フラグは、第4RT状態へ移行させることを可能とする条件が成立している状況であることをCPU181が把握するためのフラグである。移行リプレイ報知フラグがセットされている場合、ステップS2614にて第11,第12再遊技入賞が成立する押し順報知を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。移行リプレイ報知フラグがセットされていない場合には、上記ステップS2605に進み、第1再遊技入賞用の押し順報知を行ってから、押し順報知用処理を終了する。
ステップS2612にて移行リプレイ1,2ではないと判定した場合、ステップS2615にて、今回の抽選結果がベルであるか否かを判定する。ベル当選である場合には、ステップS2616にて、第1小役としてベル入賞が成立する押し順報知を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。ステップS2615にて否定判定した場合には、そのまま押し順報知用処理を終了する。
開始時演出設定処理の説明(図60)に戻り、ステップS2502にて押し順役当選ではないと判定した場合、ステップS2504にて、移行契機役当選か否かを判定する。移行契機役当選である場合には、ステップS2505にて移行契機役報知用処理を行う。移行契機役報知用処理については、後に詳細に説明する。
ステップS2504にて否定判定した場合、又はステップS2503若しくはステップS2505の処理を実行した後は、ステップS2506に進む。ステップS2506では、今回の開始時コマンドとして、上乗せコマンドを受信しているか否かを判定する。上乗せコマンドを受信している場合には、ステップS2507にて、上乗せコマンドに対応するゲーム数の上乗せ演出が、停止時に実行されるように、予め上乗せ演出を設定する処理を行う。上乗せ演出としては、例えば、図68(a)~図68(c)に示すように、補助表示部65にて、上乗せゲーム数に対応する数値を表示する。その他、上乗せ演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、電子音で「キュキュキュキュキュイーン!」)が発せられるように制御する。
ステップS2507の上乗せ演出の設定処理の詳細について、図62のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2701では、今回受信した上乗せコマンドに基づいて、報知する上乗せゲーム数を把握する処理を行う。続くステップS2702では、報知タイミングを把握する処理を実行する。報知タイミングとは、上乗せ演出を実行するタイミングであり、上記の主制御装置101側の処理(上乗せ報知用処理)にてそのタイミングが決定される。決定されたタイミングの情報は、上記上乗せコマンドに設定されて出力される。そのため、表示制御装置81側では、かかる上乗せコマンドを読み取ることで上乗せ演出を実行すべきタイミングを把握することが可能となる。報知タイミングとしては、上乗せ演出を実行すべきゲームと、各ストップスイッチ42~44の停止操作に対応するタイミングと、が設定される。
ステップS2702にて、報知タイミングを把握した後は、ステップS2703にて、ステップS2702の把握結果が、今回のゲームで上乗せ演出を行うものであったか否かを判定する。今回のゲームにて上乗せ報知を行うものではない場合とは、後乗せ報知が選択された場合であり、この場合には、そのまま上乗せ演出の設定処理を終了する。今回のゲームで上乗せ演出を行うものである場合、ステップS2704にて、今回のゲームにおける上乗せ演出の実行タイミングとして、いずれかのリールの停止ON時であったか否かを判定する。停止ON時であった場合、ステップS2705にて、上乗せ演出を発生させる対象リールを設定し、当該対象リールの停止ON操作時に上乗せ演出が発生するように設定する。具体的には、各種フラグ格納エリア183aに、第1リール停止ON操作時フラグ~第3リール停止ON操作時フラグのいずれかをセットする処理を行う。これらのフラグは、上乗せ演出発生タイミングをCPU181が把握するためのフラグである。また、ステップS2705では、かかる停止ON操作時に発生させる上乗せゲーム数に対応する上乗せ演出の演出データを、演出データ記憶エリア182bから読み出し、予め定められた演出データ設定エリアに当該データを一時記憶させる処理を行う。CPU181は、上記停止ON操作時フラグに対応するタイミングで上乗せ演出が発生することを把握した場合、上記演出データ設定エリアに一時記憶された演出データを読み出し、上乗せ演出が行われるようにする。
ステップS2704にて否定判定した場合、ステップS2706にて、第1リール又は第2リールの停止OFF操作時であったか否かを判定する。これらのリールの停止OFF操作時であった場合、ステップS2707にて、上乗せ演出を発生させる対象リールを設定し、当該対象リールの停止OFF操作時に上乗せ演出が発生するように設定する。具体的には、各種フラグ格納エリア183aに、第1リール停止OFF操作時フラグ、第2リール停止OFF操作時フラグのいずれかをセットする処理を行う。これらのフラグも、上乗せ演出発生タイミングをCPU181が把握するためのフラグである。また、ステップS2707でも、上乗せゲーム数に対応する上乗せ演出の演出データを、演出データ記憶エリア182bから読み出し、予め定められた演出データ設定エリアに当該データを一時記憶させる処理を行う。
ステップS2706にて否定判定した場合、ステップS2708にて、今回の上乗せ演出を全リール停止時(第3リールの停止OFF操作時)に発生するように設定する。具体的には、各種フラグ格納エリア183aに、第3リール停止OFF操作時フラグをセットする処理を行う。また、ステップS2708でも、上乗せゲーム数に対応する上乗せ演出の演出データの一時記憶処理を行う。ステップS2705、ステップS2707又はステップS2708の処理を実行した後は、上乗せ演出の設定処理を終了する。
開始時演出設定処理の説明に戻り、ステップS2506にて上乗せコマンドを受信していない場合、又はステップS2507の処理を実行した後は、ステップS2508にてボーナス中演出設定処理を実行し、ステップS2509にて連続演出設定処理を実行し、その後、ステップS2510にて、その他の開始時演出を設定してから、開始時演出設定処理を終了する。ボーナス中演出設定処理及び連続演出設定処理については、後に詳細に説明する。ステップS2510の処理では、例えば、ゲーム開始に対応させて抽選結果を示唆する演出を設定したり、スタートレバー41周辺のランプを消灯させてその操作が受け付けられたことを報知する処理等を行う。
<各停止操作時演出設定処理>
次に、ステップS2308にて実施される各停止操作時演出設定処理について、図63のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2801では、今回受信した各停止操作時コマンドが、停止ON操作コマンドであるか否かを判定する。停止ON操作コマンドは、各リールの停止操作のうちストップスイッチ42~44の押圧操作が行われた場合に主制御装置101から出力されるコマンドである。
ステップS2801にて肯定判定した場合、ステップS2802に進み、今回のゲームの演出として、リールの停止ON操作時に発生する演出が設定されているか否かを判定する。設定されていなければ、そのまま本設定処理を終了する。設定されている場合、ステップS2803にて、今回受信した停止ON操作コマンドが、設定されている停止ON操作時の演出の対象となっているリールの停止操作のものか否かを判定する。対象リールの停止ON操作ではない場合には、そのまま本設定処理を終了する。対象リールの停止ON操作である場合、ステップS2804にて、停止ON操作時演出が行われるように、補助表示部65等を制御して、その後、本設定処理を終了する。
例えば、今回の停止ON操作時演出として、上乗せ演出が設定されている場合、図68(a)に示すように、ストップスイッチ42~44を押圧操作(ON操作)したタイミングで、補助表示部65にて上乗せ演出が発生する。またこの場合、当該上乗せ演出に対応する効果音がスピーカ64から発せられる。
また、例えば今回のゲームが押し順役当選であって、押し順報知演出が設定されている場合、各停止ON操作に基づき対応するリールが停止することによって、押し順報知演出が次の操作対象となるリールを示す演出に変化する。具体的には、当該停止ON操作時演出前に全リール32L,32M,32Rが回転している状況であれば、図47(a)に示す第1リールを操作対象とする表示がなされている。そして、第1リールに対応する停止ON操作によって対応するリール(図では中リール32M)が停止すると、図47(b)に示す、次の操作対象となるリール(図では右リール32R)を示す演出に変化する。また、当該停止ON操作時演出前に2つのリールが回転している状況であれば、図47(b)に示す第2リールを停止対象とする表示がなされており、停止ON操作によって第2リールが停止することに基づき、第3リールを停止対象とする表示(図47(c))に変化する。
ステップS2801にて否定判定した場合、ステップS2805に進み、今回受信した各停止操作時コマンドが、停止OFF操作コマンドであるか否かを判定する。停止OFF操作コマンドは、各リールの停止操作のうちストップスイッチ42~44の押圧操作を終了した場合に主制御装置101から出力されるコマンドである。
ステップS2805にて肯定判定した場合、ステップS2806に進み、今回のゲームの演出として、リールの停止OFF操作時に発生する演出が設定されているか否かを判定する。設定されていなければ、そのまま本設定処理を終了する。設定されている場合、ステップS2807にて、今回受信した停止OFF操作コマンドが、設定されている停止OFF操作時の演出の対象となっているリールの停止操作のものか否かを判定する。対象リールの停止OFF操作ではない場合には、そのまま本設定処理を終了する。対象リールの停止OFF操作である場合、ステップS2808にて、停止OFF操作時演出が行われるように、補助表示部65等を制御して、その後、本設定処理を終了する。
例えば、今回の停止OFF操作時演出として、上乗せ演出が設定されている場合、図68(b)に示すように、ストップスイッチ42~44の押圧操作を終了して、当該ストップスイッチ42~44から手を離したタイミングで、補助表示部65にて上乗せ演出が発生する。またこの場合、当該上乗せ演出に対応する効果音がスピーカ64から発せられる。ステップS2805にて否定判定した場合は、そのまま本演出設定処理を終了する。
<全停止時演出設定処理>
次に、全停止時演出設定処理について、図64のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS2901では、今回受信している停止時コマンドとしてATモード開始コマンドが含まれているか否かを判定する。ATモード開始コマンドが含まれている場合には、ステップS2902にて、ATモード開始演出を設定する処理を行う。ATモード開始演出では、例えば、図70(a)に示すように、補助表示部65にて、「AT開始!! LV.1」という文字表示を行う。その他、ATモード開始演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、女性の高い声で「いくわよー!」)が発せられるように制御する。
ちなみに、ATモード開始演出における「LV.1」の表示は、ATモードのレベルに対応している。つまり、今回開始されるATモードがLV.1モードであることを示す表示である。そして、ATモードのレベルがLV.2モードに昇格すると(昇格コマンドを受信すると)、昇格演出として、補助表示部65にて、「LV.2」という文字表示が行われる。また、ATモードのレベルがLV.3モードに昇格すると、「LV.3」という文字表示が行われ、LV.4モードに昇格すると、「LV.4」という文字表示が行われる。
ステップS2901にてATモード開始コマンドが含まれていない場合には、ステップS2903にて、今回受信している停止時コマンドとしてATモード終了コマンドが含まれているか否かを判定する。ATモード終了コマンドが含まれている場合には、ステップS2904にて、ATモード終了演出を設定する処理を行う。ATモード終了演出では、例えば、図70(b)に示すように、補助表示部65にて、「AT END」という文字表示を行うとともに、今回のATモード(VBモード、特化ゾーンを含む)の継続ゲーム数を表示し、また、今回のATモード(VBモード、特化ゾーン、ボーナスを含む)の総払出枚数を表示する。その他、ATモード終了演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、女性の高い声で「またね」)が発せられるように制御する。
ステップS2903にてATモード終了コマンドが含まれていない場合には、ステップS2905にて、今回受信している停止時コマンドとしてVBモード開始コマンドが含まれているか否かを判定する。VBモード開始コマンドが含まれている場合には、ステップS2906にて、VBモード開始演出を設定する処理を行う。VBモード開始演出では、例えば、図71(a)に示すように、補助表示部65にて、「777 ラッキー!!」という文字表示を行う。その他、VBモード開始演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男女の声で「ボーナス開始!!」)が発せられるように制御する。
ステップS2905にてVBモード開始コマンドが含まれていない場合には、ステップS2907にて、今回受信している停止時コマンドとしてVBモード終了コマンドが含まれているか否かを判定する。VBモード終了コマンドが含まれている場合には、ステップS2908にて、VBモード終了演出を設定する処理を行う。VBモード終了演出では、例えば、図71(b)に示すように、補助表示部65にて、「V-BONUS END」という文字表示を行うとともに、今回のVBモード終了時のATモードの継続ゲーム数(VBモード、特化ゾーンを含む)の継続ゲーム数を表示し、また、今回のVBモード終了時のATモード(VBモード、特化ゾーン、ボーナスを含む)の総払出枚数を表示する。その他、VBモード終了演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男女の声で「まだまだ続くぞ」)が発せられるように制御する。
ステップS2907にてVBモード終了コマンドが含まれていない場合には、ステップS2909にて、今回受信している停止時コマンドとして特化ゾーン開始コマンドが含まれているか否かを判定する。特化ゾーン開始コマンドが含まれている場合には、ステップS2910にて、特化ゾーン開始演出を設定する処理を行う。特化ゾーン開始演出では、例えば、図72(a)に示すように、補助表示部65にて、「上乗せチャレンジ!!」という文字表示を行うとともに、ATモードの上乗せが発生し易い特殊なモードであることを示唆するキャラクタの表示を行う。その他、特化ゾーン開始演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男の子の声で「行くぞ」)が発せられるように制御する。
ステップS2909にて特化ゾーン開始コマンドが含まれていない場合には、ステップS2911にて、今回受信している停止時コマンドとして特化ゾーン終了コマンドが含まれているか否かを判定する。特化ゾーン終了コマンドが含まれている場合には、ステップS2912にて、特化ゾーン終了演出を設定する処理を行う。特化ゾーン終了演出では、例えば、補助表示部65にて、今回の特化ゾーンにて上乗せを行った総ゲーム数を表示する。その他、特化ゾーン終了演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、電子音で「キュキュキュキュキュイーン!」)が発せられるように制御する。なお、総上乗せゲーム数に応じて補助表示部65の表示内容やスピーカ64から発せられる効果音を異ならせるとよい。
ステップS2911にて特化ゾーン終了コマンドが含まれていない場合には、ステップS2913にて、今回受信している停止時コマンドとしてボーナス終了コマンドが含まれているか否かを判定する。ボーナス終了コマンドが含まれている場合には、ステップS2914にて、ボーナス終了演出を設定する処理を行う。ボーナス終了演出では、例えば、補助表示部65にて、今回のボーナス中に獲得した総払出枚数を表示するとともに、ATモードやVBモード、特化ゾーン中に移行したボーナスであれば、ATモード(VBモード、特化ゾーン、ボーナスを含む)の総払出枚数を表示する。その他、ボーナス終了演出では、ATモードの当否、上乗せゲーム数に応じて、これらの内容を示唆するキャラクタ等による演出を行う。
ステップS2902、ステップS2904、ステップS2906、ステップS2908、ステップS2910、ステップS2912及びステップS2914のいずれかの処理を実行した後、又はステップS2913にて否定判定した後は、ステップS2915に進む。ステップS2915では、上乗せ演出が設定されている場合には上乗せ演出を実行するように、補助表示部65等を制御する。既に説明したとおり、上乗せ演出の設定は、開始時演出設定処理における、ステップS2507にて行われる。具体的には、上乗せ演出の設定処理(図62)にて、今回の上乗せ演出の発生タイミングが全停止時に設定された場合、図68(c)に示すように、全ての各リール32L,32M,32Rが停止したタイミングで、補助表示部65にて上乗せ演出が発生する。またこの場合、当該上乗せ演出に対応する効果音がスピーカ64から発せられる。
その後、ステップS2916にて、RT移行用報知処理を実行する。RT移行用報知処理は、第4RT状態用の処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。その後、ステップS2917にて、その他の停止時演出を設定してから、本演出設定処理を終了する。ステップS2917では、例えば、入賞役に対応させた色で上部ランプ63が点灯するように制御したり、入賞役の払出数に対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したり、リプレイ時の自動ベットに対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したりする。
以上のように、主制御装置101からの各種コマンドに基づいて、表示モードの移行を報知するための各種処理が表示制御装置81側で行われ、その報知が補助表示部65等により行われる。その他、表示制御装置81側では、これら表示モードの移行の報知以外にも、各種ゲーム中の演出用処理が行われる。
<各種ゲーム中の演出用処理>
本実施形態では、各種ゲーム中の演出として、ボーナス中演出や連続演出が設けられている。ボーナス中演出は、第1BBや第2BB入賞に基づいて移行するボーナス状態中の各ゲームにて行われる演出である。連続演出とは、遊技者にとって有利な結果(ボーナスやATモード、VBモード等に当選していること)を期待させる演出であって、複数回(本実施形態では4回)のゲームに亘って継続され得る演出であり、最終回のゲームにおいて当該有利な結果であったか否かの報知が行われる演出である。
<ボーナス中演出設定処理>
先ず、ボーナス中演出設定処理について、図65のフローチャートを参照しながら説明する。ボーナス中演出設定処理は、開始時演出設定処理(図60)のステップS2508にて実施される処理である。
ボーナス中演出設定処理では、ステップS3001にて、今回のゲームからボーナスゲームが開始されるか否かを判定する。ボーナスゲームとは、第1BB又は第2BB入賞した次のゲームから、ボーナス終了までのゲームが該当する。ステップS3001にて肯定判定する場合とは、前ゲームにて第1BB又は第2BB入賞が成立した場合である。この場合、ステップS3002にて、今回のボーナス種別を把握する処理を行う。より詳しくは、今回のボーナスゲームが第1BB入賞に基づくものか、それとも第2BB入賞に基づくものかを把握する。そして、ステップS3003にて、ステップS3002にて把握したボーナス種別に対応するボーナス演出の設定を行う。ステップS3001にて否定判定した場合、又はステップS3003の処理を実行した後は、ボーナス中演出設定処理を終了する。
ちなみに、本実施形態では、第1BB入賞に基づくボーナスゲームの場合と、第2BB入賞に基づくボーナスゲームの場合とで、ボーナス演出の内容が遊技者に識別可能な程度に異なっている。より詳しくは、第1BB入賞に基づくボーナスゲームでは、補助表示部65にて実写による動画演出が行われるボーナス演出が設定されており、第2BB入賞に基づくボーナスゲームでは、補助表示部65にてアニメーションによる演出が行われるボーナス演出が設定されている。また、スピーカ64から出力される効果音(歌)も第1BBと第2BBとで異なっている。
いずれのボーナス演出も、ゲームの進行に関わらず独立して実施される演出であり、ボーナスゲームが継続する限り繰り返し実施されるように設定されている。例えば、5分間の動画演出又はアニメーション演出を単位演出とし、ボーナス演出開始後5分が経過して当該単位演出が終了すると、再度、当該単位演出を再度最初から開始するように設定されている。なお、補助表示部65における演出については単位演出終了時の画面で停止し、且つ効果音(歌)のみが繰り返される構成としてもよい。また、補助表示部65における演出については各ゲームの進行に同期して実施され、且つ効果音(歌)のみが各ゲームの進行に関わらず独立して実施される構成としてもよい。
上記のように、第1BB入賞に基づくボーナス演出と、第2BB入賞に基づくボーナス演出とが識別可能である一方で、第1BB入賞や第2BB入賞の契機となった遊技結果は、ボーナス演出から識別不可又は識別困難となるように設定されている。すなわち、第1BB入賞に基づくボーナス演出について、例えば、特リプA重複1当選を契機として第1BB入賞した場合と、特リプAB重複1当選を契機として第1BB入賞した場合とで、ボーナス演出は識別不可又は識別困難であり、より具体的には同じボーナス演出が実行される。また、第2BB入賞に基づくボーナス演出についても、同様であり、例えば、特リプA重複2当選を契機としたボーナス演出と、特リプAB重複2当選を契機としたボーナス演出とが識別不可又は識別困難であり、同じボーナス演出が実行される。
<連続演出用の処理>
連続演出について、その概要を、図73を参照しながら説明する。
例えば、図73(a)に示すように、連続演出が設定された1ゲーム目の開始時に連続演出の継続回数を示唆する表示を行う(図では、4ゲームの連続演出に対応させて4段のだるま落とし演出を示している)。そして、当該連続演出が設定された1ゲーム目の終了時において、連続演出の継続の有無を報知する演出を行う(図では、1段目のだるま落としが成功したことの演出を示しており、連続演出が継続することを示している)。連続演出が途切れる場合、当該連続演出が設定された1ゲーム目の終了時において、連続演出が途中で終了することを報知する演出が行われる(例えば、1段目のだるま落としが失敗する演出等)。連続演出の継続の有無に関する演出は、連続演出における各ゲームにおいて同様である。
図73(b)に示すように、連続演出が設定された2ゲーム目の開始時には、残りの連続演出の回数を示唆する表示を行う(図では、残り3段のだるま落とし演出)。そして、当該2ゲーム目の終了時において、連続演出の継続の有無を報知する演出を行う(図では、2段目のだるま落としが成功したことの演出を示しており、連続演出が継続することを示している)。
図73(c)に示すように、連続演出が設定された3ゲーム目の開始時には、残りの連続演出の回数を示唆する表示を行う(図では、残り2段のだるま落とし演出)。そして、当該3ゲーム目の終了時において、連続演出の継続の有無を報知する演出を行う(図では、3段目のだるま落としが成功したことの演出を示しており、連続演出が継続することを示している)。
図73(d)に示すように、連続演出の最終ゲーム(4ゲーム目)の開始時には、連続演出の最終ゲームであることを示唆する表示を行う(図では、1段のだるま落とし演出)。そして、当該最終ゲームの終了時において、遊技者にとって有利な結果であったか否かの演出を行う(図では、最終段のだるま落としが成功したことの演出を示している)。
以上のように、連続演出では、前ゲームの演出を引き継いで次のゲームの演出が設定され、各ゲームの演出が連続性を有している。また、現状のゲームが連続演出開始から何ゲーム目であるか(連続演出終了まで何ゲームあるか)が明確に認識可能となっている。
ここで、連続演出の各ゲームにおいて、次ゲームまで連続演出が継続するか否かは、連続演出のゲームが進行するほど継続率が高くなるように設定されている。すなわち、連続演出の1ゲーム目終了時に、連続演出の非継続が報知される可能性が最も高く、ゲームが進行するほど、非継続が報知される可能性は低くなる。そのため、連続演出においては、現状のゲームが連続演出における何ゲーム目であるかで、遊技者の関心の高さが大きく異なり、開始ゲームから終了ゲームに進行するにつれて高い関心が寄せられるようになる。
以下、上記連続演出に関する処理として、開始時演出設定処理(図60)における移行契機役報知用処理(ステップS2505)、連続演出設定処理(ステップS2509)について、それぞれ説明する。
<移行契機役報知用処理>
移行契機役報知用処理では、図66のフローチャートに示すように、先ず、ステップS3101にて、チャンス演出を今回のゲームの演出として設定するか否かのチャンス演出抽選処理を実行する。チャンス演出では、図72(b)に示すように、例えば、補助表示部65にて、「チャンス!!」という文字表示を行うとともに、ビックリマークが付されたキャラクタを各リール32L,32M,32Rに対応させてそれぞれ表示するようにする。その他、チャンス演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、電子音で「キュイ」)が発せられるように制御する。チャンス演出抽選処理では、例えば、移行契機役当選時の約2分の1でチャンス演出が発生するように抽選を行う。なお、チャンス演出抽選処理の当選確率が移行契機役の種類、表示モードや遊技状態、設定値等によって異なる構成としてもよい。続くステップS3102では、ステップS3101の抽選処理に当選したか否かを判定する。当選している場合には、ステップS3103にて今回のゲームの演出としてチャンス演出が行われるように設定する。
ここで、本スロットマシン10において、移行契機役を含めて各小役の入賞を成立させるために推奨される遊技態様について説明する。
各ゲームにて当選し得る役のうち、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによって入賞させることができない所謂取りこぼしが発生する小役は、強チェリー、弱チェリー、強スイカ、弱スイカが設定されている。より詳しくは、既に説明したとおり、強チェリーは、第28小役、第32小役~第35小役のいずれかが入賞し得る役であるところ、左リール32Lについての第28小役図柄、第32小役図柄~第35小役図柄は「チェリー」図柄及び「第2リプレイ」図柄である。この場合、3ベットゲームにおいて、7番目の「赤ベル」図柄から20番目の「白ベル」図柄が左リール32Lの上段に到達したタイミングで左リール32Lの停止操作が行われた場合、上記第28小役図柄、第32小役図柄~第35小役図柄たる「チェリー」図柄及び「第2リプレイ」図柄のいずれをも、有効ラインに停止させることができない。そのため、これらのタイミングで左リール32Lの停止操作が行われると、強チェリー役の取りこぼしが発生する。
また、弱チェリーは、第27小役、第32小役~第35小役のいずれかが入賞し得る役であるところ、左リール32Lについての第27小役図柄、第32小役図柄~第35小役図柄は「チェリー」図柄及び「第2リプレイ」図柄である。この場合においても、3ベットゲームにおいて、7番目の「赤ベル」図柄から20番目の「白ベル」図柄が左リール32Lの上段に到達したタイミングで左リール32Lの停止操作が行われた場合、上記第27小役図柄、第32小役図柄~第35小役図柄たる「チェリー」図柄及び「第2リプレイ」図柄のいずれをも、有効ラインに停止させることができない。そのため、これらのタイミングで左リール32Lの停止操作が行われると、弱チェリー役の取りこぼしが発生する。
強スイカは、第30小役及び第41小役のいずれかが入賞し得る役であるところ、左リール32Lについての第30小役図柄及び第41小役図柄は、「スイカ」図柄である。この場合、3ベットゲームにおいて、9番目の「赤7」図柄から3番目の「白ベル」図柄が左リール32Lの上段に到達したタイミングで左リール32Lの停止操作が行われた場合、第30小役図柄及び第41小役図柄たる「スイカ」図柄を有効ラインに停止させることができない。そのため、これらのタイミングで左リール32Lの停止操作が行われると、強スイカ役の取りこぼしが発生する。
弱スイカは、第29小役及び第41小役のいずれかが入賞し得る役であるところ、左リール32Lについての第29小役図柄及び第41小役図柄は、「スイカ」図柄である。この場合においても、3ベットゲームにおいて、9番目の「赤7」図柄から3番目の「白ベル」図柄が左リール32Lの上段に到達したタイミングで左リール32Lの停止操作が行われた場合、第29小役図柄及び第41小役図柄たる「スイカ」図柄を有効ラインに停止させることができない。そのため、これらのタイミングで左リール32Lの停止操作が行われると、弱スイカ役の取りこぼしが発生する。
そうすると、これら取りこぼしが発生し得る役のいずれについても入賞可能性を残しながら左リール32Lを停止操作する場合、4番目の「チェリー」図柄から6番目の「第2リプレイ」図柄が左リール32Lの上段に到達したタイミングで停止操作する必要がある。なお、以下の説明では、かかる左リール32Lの操作態様を、取りこぼしを生じさせない操作態様として、特定操作態様(第1操作態様)とも称し、これに対する上記の取りこぼしが生じる各操作態様を非特定操作態様(第2操作態様)とも称する。
ステップS3103にて設定するチャンス演出では、今回の当選役が移行契機役のうちのいずれかであることが示唆されるものの、いずれの移行契機役であるかは判別できない又は判別しにくいように設定されている。すなわち、チャンス演出が行われた場合、今回のゲームの当選役として、強チェリー、弱チェリー、強スイカ、弱スイカ等のいずれかである可能性が高いものの、強チェリー及び弱チェリーのいずれであるかの判別、強スイカ及び弱スイカのいずれであるかの判別、強チェリー及び強スイカのいずれであるかの判別等が行えないようになっている。そのため、遊技者としては、各移行契機役のいずれに当選している場合であっても取りこぼしを発生させないように、上記の特定操作態様にて左リール32Lの操作を行うこととなる。
また、チャンス演出は移行契機役の当選したゲームで必ず発生するわけではなく、チャンス演出抽選処理(ステップS3101)にて当選したことを条件として発生する。そうすると、移行契機役の取りこぼしを発生させないように、通常時から毎ゲーム、上記の特定操作態様にて左リール32Lの操作を行うことが推奨されることになる。
ステップS3102にて否定判定した場合、又はステップS3103の処理を行った後は、ステップS3104に進む。ステップS3104では、今回の開始時コマンドとして前兆コマンドが含まれているか否かを判定する。前兆コマンドが含まれていない場合には、ステップS3105にて、今回の開始時コマンドとして上乗せコマンドが含まれているか否かを判定する。上乗せコマンドが含まれていない場合には、ステップS3106にてボーナスに当選しているか否かを判定する。ボーナスに当選していない場合、すなわち、抽選結果として強チェリーや弱スイカ等の移行契機役当選であった場合であって、ATモードやVBモードへの移行抽選や継続ゲーム数の上乗せ抽選に当選しておらず、且つボーナスにも当選していない場合には、ステップS3107にて、擬似前兆モードの抽選処理を実行する。擬似前兆モードとは、前兆モードと見た目上は識別困難であるものの、前兆モードでは前兆ゲーム数が終了したことに基づいて遊技者に有利な結果(ATモードの当選等)が報知される一方、擬似前兆モードでは、擬似前兆ゲーム数が終了したことに基づいて遊技者にとって有利な結果を報知することなく終了するモードである。
ステップS3107では、ROM182の各種テーブル記憶エリア182aから擬似前兆モード抽選用のテーブルを取得するとともに、各種カウンタエリア183bから抽選用のカウンタを取得して、擬似前兆モードを実行するか否かの抽選を行う。擬似前兆モード抽選用のテーブルでは、当選している移行契機役の種類に応じて擬似前兆モードの抽選に当選する確率が異なるように設定されており、例えば、強チェリーの方が弱チェリーよりも擬似前兆モードの抽選に当選する確率が高くなるように設定されている。
ステップS3108では、ステップS3107の処理結果に基づいて、擬似前兆モードの抽選に当選したか否かを判定する。当選している場合には、ステップS3109にて、擬似前兆モードのゲーム数の抽選処理を行う。かかる処理は、主制御装置101側のステップS909等に対応するものであり、1~20のうちの1の擬似前兆ゲーム数を抽選によりランダムに決定する。但し、上記のとおり、各種当選に基づく前兆モードとは異なり、疑似前兆ゲーム数は20ゲーム以下となるように決定される。また、疑似前兆ゲーム数の抽選においては、0ゲームは選択されない。続くステップS3110では、ステップS3109にて決定した擬似前兆ゲーム数を、各種カウンタエリア183bに設けられた連続演出カウンタにセットする処理を行う。連続演出カウンタは、結果報知までのゲーム数を把握するためのカウンタであり、1ゲーム毎に1ずつ減算される。例えば、4ゲームの連続演出を行う構成においては、連続演出カウンタが4となるゲームにおいて連続演出が開始され、連続演出カウンタが0となるゲームにて結果報知が行われる。本実施形態では、前兆モードや擬似前兆モードに設定されると、連続演出を経てから当該前兆モードや擬似前兆モードが終了する構成としている。そして、上記ステップS3110にて連続演出カウンタに擬似前兆ゲーム数を入力することで、擬似前兆モードの残りゲーム数が連続演出開始に対応するもの(残り4ゲーム)となると、連続演出が開始されることとなる。
ステップS3111では、各種フラグ格納エリア183aに擬似前兆モードであることを示す擬似フラグをセットする処理を実行する。続くステップS3112では、連続演出フラグをセットする。その後、移行契機役報知用処理を終了する。また、ステップS3104~ステップS3106のいずれかで肯定判定した場合、又はステップS3108にて否定判定した場合は、そのまま移行契機役報知用処理を終了する。
<連続演出設定処理>
次に、開始時演出設定処理(図60)のステップS2509にて行われる連続演出設定処理について、図67のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS3201では、今回受信している開始時コマンドとして前兆コマンドが含まれているか否かを判定する。前兆コマンドが含まれている場合には、ステップS3202にて、当該前兆コマンドに含まれる前兆モードの前兆ゲーム数を連続演出カウンタに入力する処理を行う。これにより、前兆モードの残りゲーム数が連続演出開始に対応するもの(残り4ゲーム)となると、連続演出が開始されることとなる。なお、ステップS3202にて1ゲーム~3ゲームの前兆ゲーム数を連続演出カウンタに入力する場合には、連続演出が途中から開始される。例えば、ステップS3202にて連続演出カウンタに2を入力すると、連続演出は今回のゲームから開始され、図73(c)の連続演出3ゲーム目の演出から行われる。また、連続演出カウンタに0を入力する場合、すなわち、前兆モードを経ずにATモード等の当選報知が行われる場合には、連続演出は実行されない。ステップS3202の処理を行った後は、ステップS3203にて、連続演出フラグをセットする。
ステップS3201にて否定判定した場合、又はステップS3203の処理を実行した後は、ステップS3204に進む。ステップS3204では、連続演出フラグがセットされているか否かを判定する。連続演出フラグがセットされている場合には、ステップS3205にて連続演出カウンタから1減算する処理を行う。そして、ステップS3206にて、連続演出カウンタが連続演出に対応する数(0~3)であるか否かを判定する。連続演出カウンタが連続演出に対応する数である場合には、ステップS3207にて、擬似フラグがセットされているか否かを判定する。擬似フラグがセットされていない場合には、ステップS3208に進み、各種テーブル記憶エリア182aから本前兆用演出テーブルを取得する。そして、ステップS3209にて、本前兆用演出テーブルと連続演出カウンタとから、対応する連続演出の演出データを特定し、ROM182の演出データ記憶エリア182bから対応する演出データを取得し、今回の連続演出として設定する処理を行う。本前兆用演出テーブルから特定される連続演出の演出データとしては、連続演出カウンタが1~3であれば、次ゲームまで連続演出が継続することを示す演出データとなっており、連続演出カウンタが0であれば、今回の連続演出が成功で終了することを示す演出データとなっている。
ステップS3207にて擬似フラグがセットされていると判定した場合には、ステップS3210に進む。ステップS3210では、各種テーブル記憶エリア182aから擬似前兆用演出テーブルを取得する。そして、ステップS3211にて、擬似前兆用演出テーブルと連続演出カウンタとから、対応する連続演出の演出データを特定し、ROM182の演出データ記憶エリア182bから対応する演出データを取得し、今回の連続演出として設定する処理を行う。擬似前兆用演出テーブルから特定される連続演出の演出データとしては、連続演出カウンタが1~3であれば、次ゲームまで連続演出が継続することを示す演出データ又は継続しないことを示す演出データとなっており、連続演出カウンタが0であれば、今回の連続演出が失敗で終了することを示す演出データとなっている。
なお、連続演出カウンタが1~3である場合に擬似前兆用演出テーブルから特定される演出データとしては、連続演出が設定されないものも含まれる。例えば、連続演出カウンタが3及び2の場合には連続演出の演出データが設定されず、連続演出カウンタが1の場合に、図73(a)の次ゲームまで連続演出が継続することを示す連続演出1ゲーム目の演出データが設定され、連続演出カウンタが0の場合に、図73(b)において次ゲームまで連続演出が継続しないことを示す連続演出2ゲーム目の演出データが設定される。このようにすることで、擬似前兆モードの擬似前兆ゲーム数が0となるゲームにて連続演出が途中で途切れる演出を設定することが可能となる。
ステップS3209又はステップS3211の処理を行った後は、ステップS3212にて連続演出カウンタが0であるか否かを判定する。連続演出カウンタが0である場合には、ステップS3213にて連続演出フラグ及び擬似フラグをクリアする処理を行う。なお、擬似フラグがセットされていない場合には、その状態を維持する。ステップS3204、ステップS3206若しくはステップS3212にて否定判定した場合、又はステップS3213の処理を行った後は、本連続演出設定処理を終了する。
以上のように、本スロットマシン10では、遊技媒体としてのメダルの投入、及びスタートレバー41の始動操作に基づいて主制御装置101側の抽選処理が行われるとともに、各リール32L,32M,32Rが回転開始され、ストップスイッチ42~44の停止操作に基づいて各リール32L,32M,32Rは停止し、有効ラインに停止した図柄の組合せが、抽選処理の結果に対応するものである場合、対応する特典が付与される構成において、抽選処理の結果としてリプレイとなる確率が異なる複数のRT状態が設けられており、対応する昇格リプレイや転落リプレイの入賞が成立することでRT状態が移行する。対応するリプレイの入賞の可否は、当否抽選の結果の他、ストップスイッチ42~44の操作順序によって定められており、当該操作順序の報知は、抽選処理の結果に応じて行われる有利区間への移行抽選に当選して有利区間へ移行し、更に、当該有利区間に含まれるATモードへの移行抽選に当選してATモードへ移行することで行われるようになる。抽選処理の結果としては押し順ベルが設けられており、当該ストップスイッチ42~44の操作順序によっては、当該押し順ベル入賞を成立させてメダルを獲得することが可能となる。そして、ATモードへ移行して、リプレイ確率が向上するRT状態として第2RT状態や第3RT状態に移行させることで、そのRT状態において、リプレイ確率が向上した状態で押し順ベル入賞を成立させることができ、多量のメダルを獲得することが可能となる。
既に説明したとおり、ATモードへ移行すると、初期ゲーム数(50)が設定され、当該初期ゲーム数に亘ってATモードによる遊技が可能となる。ATモード等において上乗せ抽選に当選すると、ATモードの継続ゲーム数の上乗せが行われ、ATモードによる遊技を行うことが可能となるゲーム数が増加する。その結果、当該ATモードにて獲得できるメダル数も増加し得ることとなる。
ATモードの残りゲーム数が0となり、且つ有利区間中の他の表示モードの残りゲーム数が0である場合や、有利区間の強制終了条件(1500ゲーム消化や2400枚増加)が成立した場合には、区間表示第2処理において、有利区間(ATモード)の終了処理が行われる。既に説明した通り、有利区間の終了処理においては、有利区間中の各種パラメータ(各種情報)の初期化処理を行うことによって、有利区間の終了後に、当該有利区間中の情報が引き継がれないようにし、有利区間と通常区間とが明確に区別可能となっている。
そのうえで、本スロットマシン10では、RT状態として、通常遊技状態としての第0RT状態や第1RT状態、第2RT状態、第3RT状態の他、第4RT状態を設け、これら各RT状態において、有利区間への移行抽選の当選確率は同じとなるようにしつつ、ATモードの移行抽選の当選確率が異なるように設定されている。より詳しくは、第4RT状態におけるATモード移行抽選の当選確率は、第0RT状態~第3RT状態におけるATモード移行抽選の当選確率よりも高くなるように設定されている。つまり、上記のように有利区間が終了した後、通常区間において、有利区間への移行抽選を受けるうえでは、その当選確率にRT状態の差は存在しないものの、有利区間に移行した後はATモードへの移行抽選といった点からすると、第0RT状態~第3RT状態よりも第4RT状態の方が遊技者にとって有利なものとなる。
より詳しくは、図74に示すように、有利区間においてATモード(SATモードも含む)への移行抽選に当選する確率は、特定役の種類に応じて、第0RT状態~第3RT状態中の当選確率と第4RT状態中の当選確率とがそれぞれ設定されており、第0RT状態~第3RT状態中の当選確率よりも第4RT状態中の当選確率の方が高くなるように設定されている。例えば、強スイカを契機とするATモード移行抽選においては、第0RT状態~第3RT状態においては約50%の確率で移行抽選に当選するように設定されているのに対して、第4RT状態においては100%の確率で移行抽選に当選するように設定されている。また、押し順ベルや押し順リプレイを契機とするATモード移行抽選においても、第0RT状態~第3RT状態においては約1%の確率で移行抽選に当選するように設定されている一方、第4RT状態においては約5%の確率で移行抽選に当選するように設定されている。そして、強チェリー重複2や弱チェリー重複2といった設定値に当選確率の差がある役を契機とするATモード移行抽選においても、第0RT状態~第3RT状態よりも、第4RT状態のほうが移行抽選に当選し易くなるようにその当選確率が設定されている。そのため、ATモードへの移行抽選の当選確率の高低という観点からすると、第0RT状態~第3RT状態をATモード低確率状態と称することも可能であり、第4RT状態をATモード高確率状態と称することも可能である。
既に説明した通り、第4RT状態へは、第2RT状態や第3RT状態において移行リプレイ1,2に当選した場合であって、第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞に対応する操作順序でストップスイッチ42~44が操作されることで移行する。本実施形態では、上記第2RT状態や第3RT状態となるATモードの終了間際に第4RT状態へ移行させることで、ATモードの終了後、再びATモードへの移行抽選に当選し易くなる所謂連荘状態を実現している。
第4RT状態用抽選テーブルについて、図75を参照しながら説明する。第4RT状態用抽選テーブルは、抽選処理のステップS302にて、状態情報格納エリア106cに第4RT設定フラグがセットされていることに基づいて選択されるテーブルである。
第4RT状態用抽選テーブルは、他のRT状態用抽選テーブル(図22等参照)と比較して、IV=1~14のポイント値PVが相違しており、他のインデックス値IVに同一のポイント値PVが設定されている。このため、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合には、IV=15~58の際に当選となる確率は他のRT状態における各当選確率と等しく、IV=1の際に当選となる確率は約7.3分の1であり、IV=2~14の際には当選とならない。つまり、第4RT状態用の抽選テーブルは、通常遊技状態用の抽選テーブル(図17)と同じものであり、第4RT状態のトータルのリプレイ確率は、通常遊技状態(第0RT状態)や第1RT状態のそれと同じであり、第2RT状態や第3RT状態のそれよりも低い確率となるように設定されている。なお、両抽選テーブルにおけるリプレイ確率は完全に同じものでなくてもよく、ほとんど同じものであってもよく、より詳しくは、遊技者が認識困難な程度の差(例えば、当選確率の差が0.1%)であってもよい。また、第4RT状態に移行すると、遊技状態の移行契機となる第1昇格リプレイ1~4や、転落リプレイ1~3、第2昇格リプレイ1,2、BARリプレイ1,2に当選せず、これらの再遊技入賞に基づく遊技状態の移行は生じないようになる。そして、第4RT状態において移行出目が停止した場合においても、第1RT状態へ移行しないことは、既に説明した通りである。そして、第4RT状態は、予め定められたゲーム数を実行することで通常遊技状態へ移行する。
第4RT状態を通常モードにて遊技すると、1ゲーム当たりメダルが約1.59枚減少することを期待できるようになる。また、第4RT状態をATモードにて遊技すると、第2RT状態や第3RT状態よりもメダル増加の期待値が低くなり、より具体的には、第2RT状態や第3RT状態では1ゲーム当たり約1.90枚のメダル増加を見込むことができるのに対して、第4RT状態では1ゲーム当たり約0.61枚のメダル増加を見込むことができるようになり、第4RT状態をATモードで遊技してもメダル増加をほとんど見込むことができないようになる。しかも、第4RT状態へ移行することでATモードが終了するため、ATモード中に第4RT状態に移行させることは、遊技者にとって不利となる。
<固定RTゲーム数設定処理>
第4RT状態のゲーム数は、ステップS519にて設定される。そこで、当該ステップS519にて実施される固定RTゲーム数設定処理について、図76のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS3301では、第11再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第11再遊技入賞が成立している場合には、ステップS3302にて、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられた固定RTゲーム数カウンタに、今回の第4RT状態の継続ゲーム数として「10」を入力する処理を実行してから、本固定RTゲーム数設定処理を終了する。一方、ステップS3301にて第11再遊技入賞が成立していないと判定した場合とは、第12再遊技入賞が成立していることを意味し、この場合、ステップS3303にて、上記固定RTゲーム数カウンタに、今回の第4RT状態の継続ゲーム数として「30」を入力する処理を実行してから、本固定RTゲーム数設定処理を終了する。
ステップS3302やステップS3303にて入力される固定RTゲーム数カウンタは、ステップS502の減算処理によって1ゲーム毎に1ずつ減算される。そして、当該固定RTゲーム数カウンタが0となることに基づいて、ステップS504にて第4RT設定フラグがクリアされて、遊技状態は通常遊技状態へ移行する。
<RT移行用処理>
ATモード中において第4RT状態へ移行を生じさせるか否かは、区間表示第2処理(図54)におけるRT移行用処理にて管理される。RT移行用処理について、図77のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS3401では、各種フラグ格納エリア106dにAT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。既に説明した通り、AT用報知フラグは、ATモードへの移行抽選に当選し、当該ATモードへの移行抽選に当選したことの報知が行われることに基づいてセットされ、ATモードの終了に際してクリアされるフラグであり、当該AT用報知フラグがセットされている状況が押し順報知が発生し得る状況である。AT用報知フラグがセットされていない場合には、そのまま本固定RT用処理を終了する。AT用報知フラグがセットされている場合には、ステップS3402に進む。なお、遊技状態が第2RT状態や第3RT状態へ移行してATモードが開始された後、BB状態へ移行させたり、操作ミス等でATモード終了前に第1RT状態へ移行した場合であっても、当該AT用報知フラグはクリアされない。そのため、ATモード終了前に第1RT状態へ移行した場合であっても、ステップS3402へ進むこととなる。
ステップS3402では、有利区間残りゲーム数ZG(例えば、ATモードの残りのゲーム数)が所定値として10となったか否かを判定する。なお、当該ステップS3402で判定する所定値とは、第4RT状態へ移行した場合の継続ゲーム数(10及び30の少ない方、主に移行する方)以下の値である。ステップS3402にて否定判定し、例えば、ATモードの残りのゲーム数が10より多く、まだまだATモードが継続し得る状況である場合には、そのまま固定RT用処理を終了する。ATモードの残りの継続ゲーム数が10となり、当該ATモードが終盤に差し掛かった場合には、ステップS3403へ進む。
ステップS3403では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに移行用報知フラグをセットする処理を実行する。移行用報知フラグは、第4RT状態へ移行させることを許容する状態となったことをCPU102が把握するためのフラグである。なお、当該移行用報知フラグは、ATモード終了時にクリアされる。ステップS3403の処理を実行した後は、ステップS3404にて、移行用コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定してから、本固定RT用処理を終了する。
既に説明した通り、第4RT状態へは移行リプレイ1,2当選に基づいて移行し、より詳しくは、移行リプレイ1,2当選時のストップスイッチ42~44の操作順序が第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞に合致したものであれば、第4RT状態への移行が生じる。ここで、ATモード中に主に滞在する第2RT状態や第3RT状態では、移行リプレイ1,2の当選確率が約6.5分の1である(図24、図25)。そして、1を上記所定値として設定している10にて除算した数(10分の1)と、上記移行リプレイ1,2の当選確率とを比較すると、移行リプレイ1,2の当選確率の方が大きい値(高い確率)である。そうすると、ATモードの残りゲーム数が10となって、上記移行用報知フラグがセットされてからATモードの残りゲーム数が0となるまでの10ゲーム間で、1回以上の移行リプレイ1,2当選が見込めるように、移行リプレイ1,2の当選確率及び移行用報知フラグをセットする所定値(10)とが設定されているといえる。
<固定RT状態報知処理>
次に、表示制御装置81側の固定RT状態に関する処理を説明する。かかる処理としては、全停止時演出設定処理(図64)におけるステップS2916のRT移行用報知処理が設けられている。既に説明したとおり、全停止時演出設定処理は、主制御装置101からの全停止時演出用のコマンドに基づいて実施される処理であり、全てのリール32L,32M,32Rが停止する際に発生する演出用の処理である。
図78のフローチャートに示すように、ステップS3501では、上記の移行用コマンドを受信して、ATモードの終盤に差し掛かったか否かを判定する。移行用コマンドを受信している場合、ステップS3502にて、RAM183の各種フラグ格納エリア183aに移行リプレイ報知フラグをセットする処理を実行する。移行リプレイ報知フラグは、主制御装置101から移行用コマンドを受信している状況であることをCPU181が把握するためのフラグである。その後、ステップS3503にて、第1移行期間演出を設定する処理を実行する。第1移行期間演出では、例えば、図79(a)に示すように、補助表示部65にて、「チャンスゾーン突入を目指すのよ」という文字表示を行うとともに、ATモードの終了に際して、ATモード高確率状態としての第4RT状態へ移行させ、ATモードの連荘ゾーン(引き戻しゾーン)への突入が生じ得る状況であることを示唆する表示(例えば女性のキャラクタ表示や説明文)を行う。その他、第1移行期間演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、女性の優しい声で「あなたならできるわ」)が発せられるように制御する。
ステップS3501にて否定判定した場合、又はステップS3503の処理を実行した後は、ステップS3504にて、今回のゲームにてATモードが終了したか否かを判定する。ATモードが終了した場合には、ステップS3505にて、上記の移行リプレイ報知フラグをクリアする処理を実行し、ステップS3506にて第2移行期間演出を設定する処理を実行する。第2移行期間演出では、例えば、図79(a)に示すように、補助表示部65にて、「まだまだ あきらめるな!!」という文字表示を行うとともに、ATモード終了後において第2RT状態や第3RT状態が終了するよりも前に第4RT状態へ移行させることで、ATモードの連荘ゾーンへの突入が生じ得る状況であることを示唆する表示(例えば男性のキャラクタ表示や説明文)を行う。その他、第2移行期間演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男性の荒々しい声で「あきらめるな まだ大丈夫だ」)が発せられるように制御する。
ここで、第1移行期間演出が行われる場合と、第2移行期間演出が行われる場合との相違点について説明する。第1移行期間演出が行われる場合とは、上記のとおりATモードが終了間際になった場合であり、より詳しくは、ATモードの残りゲーム数が10となった場合である。この場合、移行リプレイ報知フラグがセットされ、この状況にて(ATモードが終了する前に)移行リプレイ1,2に当選すると、押し順報知用処理(図61)において、ステップS2613にて肯定判定し、ステップS2614にて第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞が成立する操作順序の押し順報知が発生する。その結果、ATモードの終盤に際し、RT状態を第2RT状態や第3RT状態から第4RT状態へ移行させることが可能となる。つまり、第1移行期間演出が行われる場合とは、ATモードはその後終了するものの、ATモード終了前に移行リプレイ1,2に当選させれば押し順報知が発生し、第4RT状態へ移行させてATモード高確率状態へ移行させることが可能となる状況である。この場合、移行リプレイ当選ゲームにて、第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞に対応する押し順報知とともに、第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞を成立させることが可能である状況を祝福する演出を発生させるとよい。例えば、図79(b)に示すように、補助表示部65にて、当該押し順報知演出とともに、第1移行期間演出にて登場したキャラクタを再度登場させ、スピーカ64から対応する効果音(例えば、女性の優しい声で「いっけー!!」)が発せられるように制御する。
一方、第2移行期間演出が行われる場合とは、上記のとおりATモードが終了する場合であり、より詳しくは、ATモードの終了に際して、次ゲームから押し順報知演出が発生しない状況である。この場合、移行リプレイ報知フラグがクリアされる。そして、当該状況で移行リプレイ1,2に当選すると、主制御装置101から押し順報知コマンドも受信しないため、押し順報知用処理(図61)において、ステップS2601にて否定判定して、押し順報知演出は発生しなくなる。つまり、第2移行期間演出が行われる場合とは、ATモードは既に終了しているものの、転落リプレイ当選・入賞前に移行リプレイに当選させ、当該移行リプレイ当選ゲームにおいてストップスイッチ42~44の操作順序さえ第11再遊技入賞や第12再遊技入賞に合致させることができれば、ATモード高確率状態へ移行させることが可能となる状況である。この場合、移行リプレイ当選ゲームにて、第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞を成立させることが可能である状況を知らしめる演出を発生させるとよい。例えば、図80(b)に示すように、補助表示部65にて、押し順を「? ? ?」として表示するとともに、第2移行期間演出にて登場したキャラクタを再度登場させ、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男性の荒々しい声で「儂のは大分荒々しいぞォ」)が発せられるように制御する。
ステップS3504にて否定判定した場合、又はステップS3506の処理を実行した後は、ステップS3507に進む。ステップS3507では、特別RT開始Aコマンドを受信したか否かを判定する。特別RT開始Aコマンドは、主制御装置101側の入賞結果対応処理(図49)において、第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞が成立した場合であって、且つ移行用報知フラグがセットされている場合に、出力されるコマンドである(ステップS1624)。特別RT開始Aコマンドを受信している場合、ステップS3508にて特別RT開始演出Aを設定する処理を行う。そして、ステップS3509にて特別RT演出Aフラグをセットする処理を行う。
特別RT開始演出Aでは、例えば、図81(a)に示すように、補助表示部65にて、ATモード突入のチャンスゾーンであることを示す「C-ZONE」という文字表示を行うとともに、第4RT状態における実行可能ゲーム数に対応させて、固定RTゲーム数対応キャラクタ(図では、弾丸を模した画像)をそのゲーム数分だけ表示する。固定RTゲーム数対応キャラクタは、第4RT状態において1ゲーム消化毎に1つずつ(例えば右から1つずつ)消滅させ、第4RT状態の最終ゲームで0となる。
また、特別RT開始演出Aでは、上記のチャンスゾーンであることを示す表示の後、例えば、図81(b)に示すように、補助表示部65に、複数の識別情報としての1~9までの数字のいずれかを3つ並べて表示する。そして、特別RT演出Aフラグがセットされている状況での第4RT状態における各ゲームにおいて、これら複数の識別情報の変動表示を行い、ATモード移行抽選の結果に応じた停止態様にて停止させる。ATモード移行抽選に当選した場合に、これら識別情報の組み合わせが所定の態様(例えば、333等のぞろ目)となるようにし、非当選の場合には、所定の態様とは異なる態様(例えば、334等のばらけ目)となるようにする。
つまり、補助表示部65に表示される固定RTゲーム数対応キャラクタの数だけ、第4RT状態のゲームを実行可能であり、ATモード高確率状態の実行可能ゲーム数に対応付けられている。そして、毎ゲーム、当該固定RTゲーム数対応キャラクタが消費されるとともに、ATモード移行抽選の結果が識別情報の停止結果によって報知される。
ステップS3507にて否定判定した場合、又はステップS3509の処理を実行した後は、ステップS3510に進む。ステップS3510では、特別RT開始Bコマンドを受信したか否かを判定する。特別RT開始Bコマンドは、主制御装置101側の入賞結果対応処理(図49)において、第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞が成立した場合であって、且つ移行用報知フラグがセットされていない場合に、出力されるコマンドである(ステップS1625)。ちなみに、移行用報知フラグがセットされていない場合とは、移行用報知フラグのセット前か、ATモードではない場合である。特別RT開始Bコマンドを受信している場合、ステップS3511にてATモード中であるか否かを判定する。ATモード中ではない場合には、そのまま固定RT状態報知処理を終了する。ステップS3511にてATモード中であると判定する場合とは、ATモードの最中(終盤の移行用報知フラグがセットされるよりも前)に、第2RT状態や第3RT状態から第4RT状態へ移行した場合である。
既に説明した通り、第4RT状態は、ATモード高確率状態ではあるものの、リプレイ確率は第2RT状態や第3RT状態よりも低く、メダル獲得を目指すといった観点からすると、これら第2RT状態や第3RT状態よりも遊技者にとって好ましくない。ましてや、ATモード中に第4RT状態へ移行することは、既にATモードであることからして、上記のように移行用報知フラグがセットされるATモードの終盤といった特殊な状況を除いて、ATモード移行抽選の高確率状態であることのメリットは多くない。しかも、本スロットマシン10においては、ATモード中に第4RT状態へ移行する場合、ATモードの残りゲーム数に関わらず、当該ATモードを終了させる構成としている。そのため、ATモード中において、上記の移行用報知フラグがセットされることなく第4RT状態への移行が生じる場合とは、当該移行が生じない場合よりも遊技者にとって不利な状況となることを意味する。
ステップS3511にてATモード中であると判定した場合、ステップS3512にて特別RT開始演出Bを設定する処理を行う。そして、ステップS3513にて特別RT演出Bフラグをセットする処理を行う。ステップS3510及びステップS3511のいずれかで否定判定した場合、又はステップS3513の処理を実行した後は、RT移行用報知処理を終了する。
特別RT開始演出Bでは、例えば、図82(a)に示すように、補助表示部65にて、「ガーン・・・」という文字表示を行うとともに、遊技者にとって不利な状況(リプレイ確率が低くなること、ATモードが終了すること)ことを示唆する表示(例えば落胆した男性のキャラクタ表示や説明文)を行う。その他、特別RT開始演出Bでは、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男性の慌てた声で「やばいよやばいよ」)が発せられるように制御する。
また、特別RT開始演出Bでは、上記のATモードが終了してしまったことを示す表示の後、例えば、図82(b)に示すように、補助表示部65にて、「復帰チャンス」との文字表示を行い、終了してしまったATモードに再度移行させることが可能なチャンスゾーンであることの表示を行う。そして、特別RT演出Bフラグがセットされている第4RT状態の各ゲームでは、第4RT状態の実行可能なゲーム数が例えば10ゲームであれば、「残り10ゲーム」として残りゲーム数の表示を行い、毎ゲーム、当該残りゲーム数の表示を減算して更新するように補助表示部65を制御する。
<ATモード終了時の様子>
ATモード中にATモード高確率状態としての第4RT状態への移行を生じさせる様子について、図83~図85を参照しながら説明する。
図83では、第4RT状態への移行が生じることなくATモードが終了する様子を示している。
例えば、ATモードの残りゲーム数が10よりも多いta1のタイミングにおいて、移行リプレイ1,2のいずれかに当選した場合、移行用報知フラグはセットされていないことから、この場合は、第4RT状態への移行を生じさせる第10再遊技や第11再遊技ではなく、第1再遊技に対応する押し順報知が発生する。その押し順報知に従った操作順序で遊技者がストップスイッチ42~44を操作すると、RT状態の移行は生じず、リプレイ確率の高い第2RT状態や第3RT状態が維持される。ATモードの残りゲーム数が10になるta2のタイミングで移行用報知フラグがセットされ、以降の移行リプレイ1,2当選時に、第4RT状態への移行を生じさせる押し順報知が発生するようになる。移行用報知フラグがセットされるta2においては、上記の第1移行期間演出が実行される(ステップS3503、図79(a))。
図83の例では、ta2のタイミングで移行用報知フラグがセットされたものの、ATモードの残りゲーム数が0となるta3のタイミングまでに、移行リプレイ1,2当選が生じなかった場合を示している。ta3にて残りゲーム数が0となると、ATモードが終了し、押し順報知が発生しなくなり、移行用報知フラグもクリアされる。ta3よりも後であって、第2再遊技入賞や移行出目停止によってRT状態が第1RT状態へ移行することとなるta5のタイミングよりも前は、押し順報知は発生しないもののリプレイ確率が高い状態であり、所謂、復帰区間と称される状況である。この復帰区間へ移行するta3においては、上記の第2移行期間演出が実行される(ステップS3506、図80(a))。
この復帰区間中であるta4のタイミングで移行用リプレイ1,2のいずれかに当選した場合、上記のように押し順報知が発生しないことから、第10再遊技入賞や第11再遊技入賞に対応する操作順序に合致しない限り、第4RT状態への移行は生じない。より詳しくは、第4RT状態への移行が生じない場合、第1再遊技入賞が成立してRT状態の移行が生じないか、第2再遊技入賞が成立して第1RT状態への移行が生じる。なお、復帰区間中に移行リプレイ1,2当選した場合、図80(b)に示すように、11再遊技入賞又は第12再遊技入賞を成立させることが可能である状況を知らしめる演出が発生する(図80(b))。図83の例では、ta4にて第1再遊技入賞が成立したことを示しており、この場合、RT状態の移行が生じず、その後のta5のタイミングにて第2再遊技入賞が成立し、リプレイ確率が低い第1RT状態への移行が生じる。その後、ta6のタイミング等において移行契機役当選し、有利区間移行抽選、及びATモード移行抽選が行われる。
有利区間移行抽選に関しては、RT状態の高低に関わらず移行当選となる確率は共通している一方、ATモード移行抽選に関しては、第1RT状態~第3RT状態がATモード低確率状態であり、第4RT状態がATモード高確率状態である。そして、上記のように、ta5にて第1RT状態への移行が生じており、ATモード移行抽選は低確率状態にて実施される。その結果、ta3にてATモードが終了してからATモード移行抽選に再度当選するまでに、比較的、多くのゲーム数を要することとなる。図83においては、ta7のタイミングでATモード移行抽選に当選し、その後、押し順リプレイ当選時の押し順報知によってRT状態が第2RT状態へと移行することを示している。
図84では、第4RT状態への移行が生じてATモードが終了する様子を示している。
ATモードの残りゲーム数が10よりも多いtb1のタイミングにおいて移行リプレイ1,2のいずれかに当選した場合、ta1と同様に、移行用報知フラグはセットされていないことから、第1再遊技に対応する押し順報知が発生する。そして、ATモードの残りゲーム数が10となるtb2のタイミングで、移行用報知フラグがセットされ、第1移行期間演出が実行される。
移行用報知フラグがセットされた後であって、ATモードの残りゲーム数が0となるtb4のタイミングよりも前の、tb3のタイミングにおいて、移行リプレイ1,2のいずれかに当選した場合、第10再遊技入賞又は第11再遊技入賞に対応する押し順報知が発生する。なお、tb3の移行リプレイ当選ゲームにおいては、第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞に対応する押し順報知とともに、第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞を成立させることが可能である状況を祝福する演出が発生する(図79(b))。遊技者がその押し順報知の内容に沿った操作順序でストップスイッチ42~44の操作を行うと、第4RT状態への移行が生じ、ATモードも終了する(ステップS1626)。第4RT状態への移行が生じる場合、特別RT開始演出Aが実行され、ATモード高確率状態であることが示される(図81)。
tb3にて移行した第4RT状態の規定ゲーム数(10ゲーム)が消化されるtb6のタイミングよりも前であるtb5のタイミングのゲームにおいて、移行契機役に当選すると、当該移行契機役を契機とするATモード移行抽選がATモード高確率状態にて行われる。ATモードへの移行抽選に当選した場合には、tb6にて第4RT状態が終了して第1RT状態へ移行した後、tb7にて押し順リプレイ当選時の押し順報知によってRT状態が第2RT状態へと移行する。
図85では、ATモードの残りゲーム数が10ゲームとなる前に第4RT状態への移行が生じた場合の様子を示している。
ATモードの残りゲーム数が10よりも多いtc1のタイミングにおいて移行リプレイ1,2のいずれかに当選した場合、ta1やtb1と同様に、移行用報知フラグはセットされていないことから、第1再遊技に対応する押し順報知が発生する。例えばこの場合、ストップスイッチ42~44の操作ミス等によって第10再遊技入賞や第11再遊技入賞を成立させてしまった場合、第4RT状態への移行が生じ、tc4まで継続するはずであったATモードが、当該第4RT状態への移行が生じるtc1にて終了する。この場合、特別RT開始演出Bが実行され、遊技者にとって好ましくない状況が生じたものの、ATモード高確率状態であることが示される(図82)。
tc1にて移行した第4RT状態の規定ゲーム数(10ゲーム)が消化されるtc3のタイミングよりも前であるtc2のタイミングのゲームにおいて、移行契機役に当選すると、当該移行契機役を契機とするATモード移行抽選がATモード高確率状態にて行われる。図85においては、このATモードへの移行抽選に非当選であった場合を示している。そして、tc3にて第4RT状態が終了して第1RT状態へ移行すると、ATモード低確率状態となり、以降のtc5やtc6にて移行契機役に当選しても、ATモードの移行抽選に当選しにくくなる。
以上のように、ストップスイッチ42~44の操作順序の押し順報知といった指示機能に関する遊技が遊技者にとって有利となる有利区間への移行抽選の当選確率をRT状態によって差が生じないようにしながらも、ストップスイッチ42~44の操作順序の押し順報知が発生し得るATモードへの移行抽選の当選確率をRT状態によって異ならせるようにしたため、指示機能に関する遊技について、通常区間であれば、遊技者がどの遊技台を選択して遊技を行ってもチャンスが平等なものとなるようにしながらも、有利区間中においてATモードへの移行が生じ易い状況や生じにくい状況を創出することが可能となり、遊技の大幅な多様化が図られる。
そのうえで、本スロットマシン10では、有利区間中のATモード移行抽選が高確率で行われることとなる第4RT状態(ATモード高確率状態)への移行を、移行リプレイ1,2の押し順報知(第10再遊技入賞又は第11再遊技入賞となる押し順報知)によって生じさせる構成としたことにより、ATモード高確率状態への移行の有無を、押し順報知の発生の有無によって遊技機側で管理することが可能となる。このようにすれば、ATモード高確率状態を設計者の意図するタイミングで生じさせることが可能となる。
上記のように、ATモード高確率状態への移行を押し順報知によって生じさせるところ、当該押し順報知はATモード中に発生するものとなる。そして、ATモード高確率状態としての第4RT状態への移行が生じた場合、ATモードが終了する構成とした。このようにすることで、ATモード中の押し順報知によって、ATモードを終了させるとともに、ATモードへの移行抽選が高確率となる状況への移行を生じさせて、ATモードへの再度の移行が生じ易くなるようにする、といった斬新な遊技性を実現することが可能となる。
ATモード高確率状態としての第4RT状態への移行がATモードの終盤に生じ得るように、より詳しくは、ATモードの残りゲーム数が、固定RT状態としての第4RT状態の規定ゲーム数(10ゲーム及び30ゲームのうちの少ない方である10ゲーム)以下となった場合に、移行用報知フラグをセットして第4RT状態への移行が生じ得るようにした。このようにすることで、ATモードの序盤等、ATモードによる恩恵を十分に享受できていない状況でATモードが終了してしまう事象を生じさせにくくすることが可能となるとともに、ATモード高確率状態としての第4RT状態によりATモード終了後の連荘ゾーンを実現することができる。
上記のように、ATモード移行抽選は有利区間中に実施され、有利区間移行前の通常区間においては実施されない構成としているため、有利区間中の遊技の多様化と、通常区間において指示機能に関する遊技についてのチャンスを平等に生じさせること、とを両立させることに成功している。その一方で、有利区間は上限ゲーム数(1500ゲーム)が規定されているため、上記のようにATモード移行抽選を有利区間中に行う構成とし、有利区間であって且つATモードではない区間(非特定区間)が生じるようになると、当該非特定区間によって上限ゲーム数が侵食され、有利区間の恩恵を実質的には最大限に享受できない、といった不都合も生じ得る。
そこで、本スロットマシン10では、上記のような有利区間移行抽選とATモード移行抽選の関係性を有しながらも、非特定区間が短くなるような工夫が施されている。以下、その点について説明する。
<有利区間当選時処理>
抽選結果対応処理(図32)において、通常区間中に有利区間移行抽選処理(図33)が実施され、当該有利区間移行抽選に当選した場合に行われる有利区間当選時処理(ステップS807)について、図86のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS3601では、今回のゲームの抽選結果を把握する。より詳しくは、今回の有利区間移行抽選に当選することとなった移行契機役(例えば、強チェリーにて有利区間移行抽選に当選したか、強スイカにて有利区間移行抽選に当選したか)を把握する。続くステップS3602では、現状の遊技状態を把握する処理を実行する。より詳しくは、RT状態が第0RT状態~第4RT状態のいずれであるかを把握する。そして、ステップS3603にて、遊技状態(RT状態)に応じたATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。つまり、ステップS3602にて把握したRT状態が第0RT状態~第3RT状態であれば、図74における、ATモード低確率状態用のATモード移行抽選テーブルを取得し、ステップS3602にて把握したRT状態が第4RT状態であれば、図74における、ATモード高確率状態用のATモード移行抽選テーブルを取得する。
そして、ステップS3604にて、ATモード移行抽選を実行する。この処理は、ステップS902の処理と実質的には同様であり、ステップS902の処理が有利区間中に行われるATモード移行抽選であるのに対して、ステップS3604の処理は、有利区間移行抽選に当選したゲームにて、すなわち有利区間移行前にてATモード移行抽選を行う点で、ステップS3604の処理は、ATモード先抽選とも称することが可能である。
その後、ステップS3605にて、ATモード移行抽選に当選したか否かを判定し、当選している場合には、ステップS3606~ステップS3613にて、ATモード当選フラグ等をセットするための処理等を実行する。なお、ステップS3606~ステップS3613の処理は、第1特定役処理(図34)におけるステップS904~ステップS911の処理と同様である。ステップS3605にてATモードに非当選であると判定した場合には、ステップS3614にてAT非当選時第2処理を実行してから、有利区間移行当選時処理を終了する。
ステップS3614のAT非当選時第2処理は、第1特定役処理(図34)におけるATモード移行抽選に非当選となった場合のAT非当選時第1処理(ステップS912)に対応するものである。そこで、以下、AT非当選時第1処理及びAT非当選時第2処理について、それぞれ説明する。
<AT非当選時第1処理>
先ず、AT非当選時第1処理について、図87のフローチャートを参照しながら説明する。上記のとおり、AT非当選時第1処理は、有利区間中のATモード移行抽選に非当選となった場合の処理である。
ステップS3701では、各種フラグ格納エリア106dにAT非当選フラグをセットする処理を実行する。かかるAT非当選フラグがセットされることで、区間表示第2処理(図54)におけるステップS2011にて肯定判定し、ステップS2012のAT非当選時第3処理が起動されることとなる。
ステップS3701の処理を実行した後は、ステップS3702にて、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間終了カウンタに0を入力する処理を実行してから、本AT非当選時第1処理を終了する。本スロットマシン10では、ATモード移行抽選に非当選となった場合に有利区間を終了する構成としており、有利区間終了カウンタは、ATモード移行抽選に非当選となってから、有利区間を終了するまでのゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。上記のように、有利区間終了カウンタに0が入力される場合とは、当該ゲームにて有利区間が終了することを意味する。
<AT非当選時第2処理>
次に、AT非当選時第2処理について、図88のフローチャートを参照しながら説明する。上記のとおり、AT非当選時第2処理は、有利区間移行抽選に当選した場合に行われる、ATモード先抽選としてのATモード移行抽選に非当選となった場合の処理である。
AT非当選時第2処理は、AT非当選時第1処理と概ね同様の処理であり、相違点としては、有利区間終了カウンタに入力する値である。すなわち、ステップS3801では、ステップS3701と同様に、AT非当選フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップS3802では、ステップS3702とは異なり、有利区間終了カウンタに1を入力する処理を実行する。有利区間終了カウンタに1が入力される場合とは、当該ゲームの次のゲームにて有利区間が終了すること、すなわち、有利区間に移行するゲームにて有利区間が終了することを意味する。ステップS3802の処理を実行した後は、AT非当選時第2処理を終了する。
<AT非当選時第3処理>
次に、上記AT非当選時第1処理やAT非当選時第2処理において、AT非当選フラグがセットされることにより起動される、区間表示第2処理のAT非当選時第3処理について、図89のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS3901では、上記の有利区間終了カウンタが0であるか否かを判定する。有利区間終了カウンタが0である場合には、ステップS3902に進み、有利区間終了用の処理を実行する。すなわち、ステップS3902にて、有利区間ゲーム数AG及び有利区間増減枚数ZMを0にクリアする処理を実行する。そして、ステップS3903にて、第8表示用セグメントN8を消灯することで区間表示器の表示を終了する。その後、ステップS3904にて、有利区間中の各種カウンタや各種フラグの情報を初期化するデータ初期化処理を実行してから、AT非当選時第3処理を終了する。すなわち、ステップS3902~ステップS3904の処理は、区間表示第2処理におけるステップS2008~ステップS2010の処理と同様の処理である。ステップS3901にて有利区間終了カウンタが0ではない場合、ステップS3905にて有利区間終了カウンタを1減算する減算処理を実行してから、AT非当選時第3処理を終了する。例えば、上記AT非当選時第2処理において有利区間終了カウンタに1が入力された場合、当該入力されたゲーム(有利区間移行抽選に当選し、且つATモード先抽選としてのATモード移行抽選に非当選となったゲーム)ではステップS3901にて否定判定して、ステップS3905にて有利区間終了カウンタの減算処理が行われ、次ゲームにてステップS3902~ステップS3904の有利区間終了用の処理が実施されることとなる。
<有利区間移行抽選とATモード移行抽選>
有利区間移行抽選とATモード移行抽選の関係について、図90のタイミングチャートを参照しながら説明する。
スタートレバー41の操作に基づいてゲームが開始されると、抽選処理が実行され、当該抽選処理において移行契機役に当選すると、有利区間移行抽選が実行される。td1では、有利区間移行抽選に当選した場合を示しており、この場合、当該有利区間移行抽選に当選したゲームにて有利区間フラグがセットされ、td2において開始される次のゲームからが有利区間となる。
上記のように有利区間移行抽選に当選すると、有利区間移行当選時処理においてATモード先抽選(ステップS3601~ステップS3604)が実行される。td1においては、ATモード先抽選に当選した場合を示しており、この場合、ATモード当選フラグがセットされる一方、AT非当選フラグはセットされない。その結果、今回のゲームの終了時における区間表示第2処理や、td2において有利区間となったゲームでの区間表示第2処理において、AT非当選時第3処理が実行されることはなく、その後、ATモードへの移行が生じることとなる。
td3においては、有利区間移行抽選に当選したものの、当該当選時における有利区間移行当選時処理のATモード先抽選に非当選となった場合を示している。この場合、td3において有利区間フラグがセットされるとともに、AT非当選フラグもセットされ、有利区間終了カウンタに1が入力される。その結果、td5にて開始される次のゲームは有利区間となるものの、当該ゲームが終了するtd6において実施される区間表示第2処理にて、AT非当選時第3処理が実行されて、有利区間の終了処理が実行される。つまり、有利区間移行抽選に当選した場合において、当該ゲームにてATモード移行抽選(ATモード先抽選)が実行されるものの、当該ATモード移行抽選に非当選となると、有利区間へ移行した場合であっても、その有利区間は、ATモード移行抽選に非当選となることに基づいて(ATモード移行抽選に非当選となった場合に設定されるゲーム数を消化することに基づいて)終了することとなる。
td3においては、有利区間終了カウンタに1が入力される。そのため、td3において有利区間移行抽選に当選したゲームが終了する場合、td4の区間表示第2処理にてAT非当選時第3処理が実行されても、有利区間終了カウンタの減算処理が行われるだけで有利区間の終了処理は実行されず、有利区間フラグはクリアされない。つまり、有利区間移行抽選に当選した場合、ATモード移行抽選を有利区間移行前に実行する構成としたうえで、当該ATモード移行抽選に非当選となった場合には、有利区間への移行は生じさせてから当該有利区間を終了する構成とした。このようにすることで、有利区間へ移行しないのにもかかわらずATモード移行抽選が実行される事象を生じないようにすることができる。
また、td3で有利区間フラグがセットされることにより、td5にて開始される次のゲームは有利区間となる。この場合、本実施形態では、td5のゲームでもATモード移行抽選が実行される構成としている(第1特定役処理)。td5のATモード移行抽選においては、非当選となった場合を示しており、この場合、上記のように当該td5にて開始されるゲームの終了タイミングであるtd6の区間表示第2処理において、AT非当選時第3処理で有利区間の終了処理が実行される。
これに対して、td7においては、有利区間移行抽選に当選したものの、当該当選時における有利区間移行当選時処理のATモード先抽選に非当選となり、更に、有利区間への移行ゲームで行われるtd9のATモード移行抽選に当選した場合を示している。この場合、td7においては、AT非当選フラグがセットされ、有利区間終了カウンタに1が入力されるてtd8にて0に減算されるものの、td9の第1特定役処理中のATモード移行抽選に当選することで、AT非当選フラグはクリアされる。これにより、有利区間移行ゲームが終了する場合の区間表示第2処理においては、AT非当選時第3処理が実行されることがなく、その後、ATモードへの移行が生じるようになる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
通常区間と、当該通常区間よりも遊技者にとって有利な有利区間を設け、当該有利区間に含まれる状態としてATモードを設定し、ATモードとなることで押し順報知による恩恵が享受できるようになる、といった構成とし、有利区間移行抽選に関しては、各RT状態による当選率の差がないようにし、且つATモード移行抽選に関しては、各RT状態によって当選率の差が生じ得る構成とした。このようにすることで、通常区間においては遊技台の選択を行ううえでの遊技者間の平等性を担保し、且つ有利区間においてATモードを利用した遊技の多様化が図られる。
しかも、上記実施形態においては、ATモード移行抽選に当選し易くなる第4RT状態への移行が生じる第11再遊技や第12再遊技の押し順報知が発生し得る構成としたため、ATモード高確率状態としての第4RT状態への移行が生じるタイミングを遊技機側である程度管理することが可能となるし、押し順報知が発生するATモードにおいて、更にATモード高確率状態へ移行させる、といった構成となり、ATモードの連荘ゾーンや引き戻しゾーンと称される状態を、RT状態の移行によって実現することが可能となり、斬新な遊技性の実現に寄与することができる。
ATモードにおいて、残りゲーム数が第4RT状態の継続ゲーム数以下となってから、第4RT状態への移行を生じさせる構成としたため、ATモードの残りゲーム数がまだまだたくさんある状況で第4RT状態へ移行させてしまう事象を回避することができる。このようにすることで、ATモード中のゲーム数との関係で、滞在しているATモードを楽しませるタイミングと、その後に新たなATモードへ移行し得るか否かを楽しませるタイミングと、をそれぞれ別々のタイミングとして設定でき、ATモード中の遊技の面白みが削がれない範囲で、第4RT状態を利用した連荘ゾーン等を実現することが可能となる。
第4RT状態への移行が生じることでATモードを終了させる構成としたことにより、ATモード中において第4RT状態への移行が生じるか否かが、単にATモード高確率状態へ移行させるか否かの要素だけではなく、ATモードが終了するか否かといった要素も追加され、第4RT状態への移行が生じ得る移行リプレイ当選の有無や、当選ゲームへ大きな関心が寄せられるようにすることが可能となる。
ATモード移行抽選に非当選となったことに基づいて、有利区間を終了させる構成としたため、有利区間であって且つATモードではない状況のゲーム数を少なくすることができる。このようにすることで、有利区間において上限ゲーム数が定められている構成において、ATモードではない状況のゲーム数によって上限ゲーム数が侵食される事象を解消することができる。
有利区間移行抽選に当選した場合、そのゲームの遊技結果を利用して、ATモード移行抽選を行う構成とした。これにより、有利区間への移行抽選に当選させ、更にATモードへの移行抽選に当選させる必要がある、といった抽選系統において、有利区間への移行抽選に当選させるべく強チェリー等の所謂レア役に当選したのにもかかわらず、更にATモード移行抽選用にレア役を引き当てなければいけない、とった遊技の困難性を解消することができる。
有利区間移行当選時のATモード移行抽選を、有利区間移行前のゲームにおいて実行可能とし、当該ATモード移行抽選に当選した場合も、その後、ATモードへの移行が生じるようにした。このようにすることで、有利区間移行抽選に当選した時点で、有利区間へ移行するよりも前にATモード移行抽選が可能となり、有利区間当選ゲームとATモード移行抽選ゲームとの間隔をなるべく少なくする(0とする)ことが可能となる。
<変形例1>
本変形例では、予め定められた所定条件が成立した場合に、ATモード高確率状態としての第4RT状態への移行を生じさせる構成の例を説明する。この例では、上記所定条件として、有利区間の強制終了条件である上限ゲーム数やメダルの上限増加数に達することを、これら強制終了条件が成立するよりも前に把握された場合に成立するものとして、第4RT状態への移行を生じさせる構成を説明する。図91は、本変形例におけるRT移行用処理を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップS4001にてAT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。AT用報知フラグがセットされていない場合には、そのまま、RT移行用処理を終了する。AT用報知フラグがセットされている場合、ステップS4002にて、有利区間残りゲーム数ZGが第4RT状態の規定ゲーム数以下となったと判定する。有利区間残りゲーム数ZGが第4RT状態の規定ゲーム数以下となった場合には、ステップS4003にて移行用報知フラグをセットし、ステップS4004にて移行用コマンドをセットする処理を実行してから、RT移行用処理を終了する。これらステップS4001~ステップS4004の処理は、上記ステップS3401~ステップS3404の処理と同様である。
ステップS4002にて、有利区間残りゲーム数ZGが10ではないと判定した場合、ステップS4005にて、有利区間の強制終了条件が将来的に成立することが把握されているか否かを判定する。より詳しくは、ステップS4005では、各種フラグ格納エリア106dに第1超過フラグ又は第2超過フラグがセットされているか否かを判定する。既に説明した通り、第1超過フラグは、現状の有利区間ゲーム数AGや有利区間残りゲーム数ZGとの関係で、将来的に有利区間の上限ゲーム数(1500)に達することが把握された場合にセットされるフラグである。また、第2超過フラグは、現状の有利区間増減枚数ZMと有利区間残りゲーム数ZG及び期待純増枚数との関係で、将来的に有利区間の上限増加数(2400枚)に達することが把握された場合にセットされるフラグである。これらのフラグがセットされていない場合には、そのまま、RT移行用処理を終了する。第1超過フラグ及び第2超過フラグのいずれかがセットされている場合には、ステップS4006に進み、有利区間の強制終了条件に近い状況であるか否か、より詳しくは、有利区間ゲーム数AGが1450であり、有利区間の上限ゲーム数(1500)まで残り50ゲームである状況、又は、有利区間増減枚数ZMが2300であり、有利区間の上限増加数(2400)までに要する平均的なゲーム数が残り50ゲームである状況(期待純増約+2.0枚で算出)、のいずれかであるかを判定する。いずれかである場合には、ステップS4003側に進み、移行用報知フラグ及び移行用コマンドをセットしてからRT移行用処理を終了する。いずれでもない場合には、そのままRT移行用処理を終了する。
すなわち、有利区間が終了するまでの残りゲーム数では、ステップS4006の残りゲーム数の方が、ステップS4002の残りゲーム数よりも多く、強制終了条件が成立する場合の方が、そうではない場合よりも、より早期に移行用報知フラグがセットされ、第4RT状態への移行が生じ得る状況となるようにしている。このようにすることで、移行用報知フラグがセットされたのにもかかわらず、移行リプレイ1,2に当選しないことによって第4RT状態への移行を生じさせることができない、といった事象を回避することが可能となる。
以上のように、本変形例では、有利区間の上限ゲーム数や上限増加数に到達することで当該有利区間が強制終了される場合、ATモード高確率状態としての第4RT状態への移行が生じるようにした。このようにすることで、第4RT状態への移行を、強制終了さえなければATモードがまだまだ継続していたかもしれない、といった期待感への補填とすることが可能となる。
この場合、第4RT状態への移行が生じることにより有利区間を終了する構成としていることから、強制終了前に第4RT状態への移行が生じることで、実質的には、上限ゲーム数や上限増加数に達することなく、有利区間は終了することになる。一方で、その後、すぐにATモードへの移行が生じ得る。そのため、例えば、強制終了がなされる回数を少なくしたい、といった事情がある場合には、有利区間の実質的な長さを短くすることなく、強制終了回数を減らすことができる、といった効果も見込めることになる。なお、強制終了は、遊技者にとっては好ましいものではなく、強制終了がなされる回数が少なくなることは、遊技者にとって好ましい事象である。より詳しくは、強制終了といった上限ゲーム数等が設定されているとはいえ、強制終了前にATモード高確率状態へ移行させて有利区間を終了させることで、当該ATモード高確率状態を介して、有利区間乃至ATモードを継続させることが可能となり、実質的には、強制終了までのゲーム数を初期値に再設定することが可能となる。よって、第4RT状態を介して再開する有利区間乃至ATモードにおいて、上限ゲーム数までの継続に再度チャレンジする、といった遊技性も実現可能である。
<変形例2>
本変形例では、有利区間の強制終了条件が成立する場合において、強制終了条件によって得ることができなくなる有利区間の恩恵に応じて、第4RT状態への移行を生じさせるか否かを異ならせる。
図92(a)は、本変形例におけるゲーム数上乗せ処理を示すフローチャートである。ゲーム数上乗せ処理は、例えば、第2特定役処理(図35)におけるステップS1018にて実施される処理であり、ATモードの上乗せ抽選に当選し、上乗せゲーム数が決定された場合に実施される。
ステップS4101では、上記第1超過フラグ及び第2超過フラグのいずれかがセットされており、将来的に強制終了条件が成立することが把握されている状況か否かを判定する。第1超過フラグ及び第2超過フラグのいずれもがセットされていない場合には、ステップS4102にて今回の上乗せゲーム数を把握する処理を行い、ステップS4103にて対象となる継続ゲーム数(ATモード継続数)に上乗せゲーム数を加算する処理を実行してから、本ゲーム数上乗せ処理を終了する。
ステップS4101にていずれかの超過フラグがセットされていると判定した場合、ステップS4104に進む。ステップS4104では、今回の上乗せゲーム数を把握する処理を実行する。そして、ステップS4105にて、各種カウンタエリア106eに設けられた消滅ゲーム数EGに今回の上乗せゲーム数を加算する処理を実行してから、本ゲーム数上乗せ処理を終了する。消滅ゲーム数EGは、第1超過フラグや第2超過フラグが既にセットされており、これ以上のゲーム数の上乗せを行っても強制終了処理によってその上乗せされるゲーム数を消化することができない場合に、その上乗せゲーム数(上乗せによる恩恵の程度)をCPU102が把握するためのカウンタである。
図92(b)は、本変形例におけるRT移行用処理を示している。
ステップS4151では、上記と同様にAT用報知フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合にはRT移行用処理を終了する。セットされている場合には、ステップS4152にて有利区間残りゲーム数ZGが10であるか否かを判定する。残り10ゲームである場合、ステップS4513にて移行用報知フラグをセットし、ステップS4514にて移行用コマンドをセットしてから、RT移行用処理を終了する。これらの処理は、上述の通りであり、残り10ゲームとなることで、移行リプレイ当選時の第4RT状態移行用の押し順報知が発生するようになる。
ステップS4152にて有利区間残りゲーム数ZGが10ではない場合、ステップS4155に進む。ステップS4155では、第1超過フラグ及び第2超過フラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。いずれかの超過フラグがセットされている場合、ステップS4156では有利区間ゲーム数AGが1450、又は有利区間増減枚数ZMが2300であるか否かを判定する。ステップS4155又はステップS4156にて否定判定した場合には、そのままRT移行用処理を終了する。
ステップS4156にて肯定判定した場合、すなわち、有利区間ゲーム数AGが1450であったり、有利区間増減枚数ZMが2300であり、有利区間の強制終了条件の成立が近い場合、ステップS4157に進む。ステップS4157では、上記消滅ゲーム数EGを把握する処理を実行し、続くステップS4158にて、移行報知抽選処理を実行する。移行報知抽選処理では、消滅ゲーム数EGの値が大きいほど当選確率が高くなるように設定されている。例えば、消滅ゲーム数EGが10であり、いずれかの超過フラグがセットされてから生じた上乗せのゲーム数、すなわち、強制終了によって消化できない分のゲーム数が10ゲームである場合、移行報知抽選に約10%の確率で当選する。これに対して、消滅ゲーム数EGが50であり、上記の強制終了によって消化できない分のゲーム数が50ゲームである場合、移行報知抽選に約50%の確率で当選する、といったように、消化できない分のゲーム数が多いほど、移行報知抽選に当選し易くなるように設定されている。
ステップS4159では、上記ステップS4158の移行報知抽選処理に当選したか否かを判定する。当選していない場合には、そのままRT移行用処理を終了し、当選している場合には、ステップS4153に進む。この場合、移行用報知フラグがセットされることにより、以降のゲームにおいて移行リプレイに当選すると、第4RT状態への移行を生じさせる押し順報知が発生することになる。
以上のように、本変形例によれば、上限ゲーム数や上限増加数を超過した上乗せ分が多いほど、第4RT状態への移行が生じ易くなる。このようにすることで、上記超過することへの喪失感を低減することが可能となるだけでなく、既に上限ゲーム数や上限増加数に至ることが特定されているような状況において、上乗せ契機が生じた場合に、引き損と感じさせにくく、当該状況での遊技性を好適に高めることが可能となる。
<変形例3>
本変形例では、第4RT状態への移行率が設定値によって異なる構成を説明する。
図93(a)は、第2RT状態用抽選テーブル及び第3RT状態用抽選テーブルの一部を示している。本変形例では、移行リプレイ1の当選確率が設定1,2よりも設定3,4の方が高く、更に設定5,6の方が高くなるように設定されている。より詳しくは、設定1,2において移行リプレイ1に当選する確率は、約8.7分の1であるのに対し、設定3,4においては約6.9分の1であり、設定5,6では約5.7分の1である。この場合、上記のように有利区間の残りゲーム数が10ゲームとなって移行用報知フラグがセットされてから、残りの10ゲーム間で移行リプレイ1に当選する確率は、設定1,2では約70%、設定3,4では約79%、設定5,6では約85%となり、有利区間終了時に第4RT状態への移行が生じる確率、すなわち有利区間終了時にATモード高確率状態へ移行する確率が設定1,2より設定3,4の方が高くなり、設定5,6は更に高くなる。このように、移行リプレイ1の当選確率を設定値によって異ならせるだけで、ATモードの連荘性能に関し、設定値による差を生じさせることが可能となる。
ちなみに、本変形例では、図93(a)に示すように、10ゲームの第4RT状態への移行が許容される移行リプレイ1よりも多いゲーム数(30ゲーム)の第4RT状態への移行が許容される移行リプレイ2の当選確率は、設定値による差が生じないように設定されている。このようにすることで、設定値に関わらず、第4RT状態への移行に関し、運の要素が強い遊技も組み込むことで、例えば、遊技中に設定値が低いことが把握された場合であっても、遊技継続の後押しとすることが可能となる。
また、設定1~6において、上記のように移行リプレイ1の当選確率は異なるものの、トータルのリプレイ確率は共通なものとなるように設定されている。より詳しくは、通常リプレイの当選確率も設定値によって異なるように設定されており、上記移行リプレイ1の当選確率の設定差が通常リプレイの当選確率の設定差によって吸収され、通常リプレイの当選確率は設定値が高くなるほど低くなるように設定されている。このようにすることで、トータルのリプレイ確率が異なることを通じて、第2RT状態や第3RT状態の1ゲーム当たりの期待増加枚数が異ならないようにしたり、リプレイ確率から設定値が予測・特定されたりすることを抑制することが可能となっている。
特に、移行リプレイ1当選時において、多くは(移行用報知フラグがセットされるよりも前においては)、第1再遊技入賞に対応する押し順報知が発生する。そのため、その入賞態様から、移行用リプレイ1に当選し、且つ第1再遊技入賞が成立したのか、それとも、通常リプレイに当選し、且つ第1再遊技入賞が成立したのか、がわかりにくくなる。なお、通常リプレイ当選時においても押し順報知を発生させる構成とすることで、第1再遊技入賞成立時の押し順報知の有無によって、通常リプレイ及び移行リプレイのいずれに当選したかが判別されることを回避することも可能である。この場合、通常リプレイ当選時に、ランダムに又は予め定められた停止順序の押し順報知を発生させるようにするとよい。
図93(b)は、上記変形例2のように、超過フラグがセットされた状況で生じた上乗せゲーム数(超過ゲーム数)によって移行報知抽選処理の当選確率が異なる構成において、その当選確率が設定値によっても異なる例を示している。より詳しくは、超過ゲーム数が1~50である状況において、移行報知抽選に当選する確率は、設定1,2では30%、設定3,4では35%、設定5,6では40%としており、設定値が高くなるほど移行報知抽選に当選する確率が高くなるように設定されている。また、超過ゲーム数が101以上である状況においては、移行報知抽選に当選する確率が、設定1,2では50%、設定3,4では70%、設定5,6では90%としており、設定値が高くなるほど移行報知抽選に当選する確率が高くなるように設定されるとともに、超過ゲーム数が多いほど移行報知抽選に当選する確率が高くなり、更に、超過ゲーム数が多いほど、移行報知抽選に当選する確率の設定差が大きくなるように設定されている。このようにすることで、いずれかの超過フラグがセットされている状況において、移行用報知フラグがセットされて移行リプレイ当選時の第4RT状態への押し順報知の発生し易さが設定値によって異なるようになり、その押し順報知の発生率から設定値を予測するといった遊技が追加される。また、超過フラグがセットされてから上乗せが発生するほど、すなわち、強制終了によって実質的に消化できないゲーム数が多くなるほど、上記の設定値を予測する遊技において、設定値の予測がより容易に行えるようになり、消化できないゲーム数が多くなることによる補填とすることが可能となる。
なお、上記のように移行リプレイ1の当選確率が設定値によって異なる構成において、設定値が高くなるほど移行リプレイ1に当選し易くなる構成に限られず、設定値が高くなるほど移行リプレイ1に当選しにくくなる構成や、設定値が偶数である場合と、奇数である場合とで移行リプレイ1の当選確率が異なる等としてもよい。また、設定値によって当選確率を異ならせる移行リプレイは移行リプレイ1に限られず、移行リプレイ2の当選確率が設定値によって異なるようにしてもよいし、移行リプレイ1と移行リプレイ2の当選確率がそれぞれ設定値によって異なるようにしてもよい。この場合、例えば、移行リプレイ1は設定値が高くなるほど当選確率が高くなる一方、移行リプレイ2は設定値が高くなるほど当選確率が低くなる、といったようにしてもよい。
また、移行報知抽選の当選確率を設定値によって異ならせる構成においても、超過ゲーム数が多いほど移行報知抽選に当選し易くなる構成に限られず、超過ゲーム数が少ないほど移行報知抽選に当選し易くなる構成や、設定値が偶数である場合と、奇数である場合とで移行リプレイ1の当選確率が異なる等としてもよい。また、超過ゲーム数が50、100、150といったようにキリの良いゲーム数である場合の方が、それとは異なる1~49や51~99、101~149よりも移行報知抽選に当選し易いといった構成としてもよい。
さらに、移行報知抽選の当選確率を設定値によって異ならせる構成において、上記変形例2の超過ゲーム数に基づく抽選を前提として説明したが、例えば、上記第1の実施形態において有利区間残りゲーム数ZGが10となった際に一律に移行用報知フラグをセットする構成に代えて、又は加えて、移行用報知抽選を経て、その抽選に当選した場合に移行用報知フラグをセットする構成としたうえで、その抽選の当選確率が設定値によって異なるようにしてもよい。そして、移行用報知フラグがセットされる確率が設定値によって異なる構成であればよく、例えば、移行用報知抽選の当選確率ではなく、予め定められた所定役の当選回数や入賞回数(例えば押し順ベルの当選回数や入賞回数)が所定数となったことによって移行用報知フラグがセットされる構成とし、その所定役の当選確率が設定値によって異なる構成としてもよい。
<変形例4>
本変形例では、移行リプレイ1,2当選時に、第4RT状態への移行を生じさせるか否かを、遊技者が選択可能な構成とする。既に説明した通り、ATモードへの移行が生じると、その開始処理においてATモードの初期ゲーム数(50)がセットされる。ここで、ATモード中(第2RT状態や第3RT状態)において移行リプレイに当選した場合、上記のように残りゲーム数が所定ゲーム数となるまでは、第4RT状態への移行用の押し順報知は発生しない構成としていたが、第4RT状態への移行が生じ、且つ再度のATモードへの移行が生じさせることに成功すれば、それまでに上乗せが生じていないと仮定すると、それまでに消化したATモードの分だけ、ATモードのゲーム数の延長が生じたともとれる。
より詳しくは、例えば、図94(b)に示すように、te1で開始され、te5にて初期ゲーム数の消化が予定されているATモードにおいて、te2にて移行リプレイに当選したとする。この場合、例えば、te2において第4RT状態への移行を生じさせたとして、その第4RT状態において有利区間への移行且つATモード移行抽選の当選に成功したとする。この場合、te3にて第4RT状態が終了し、te4にてATモードへ移行する場合、上記のように初期ゲーム数(50)が再度設定されると、当該再設定されるATモードはte6までの継続が確定することになる。そうすると、te1からte2までに消化したATモードのゲーム数の分だけ、te2において移行リプレイに当選したことによってATモードの上乗せが生じたとしてとらえることが可能である。
但し、上記の例においては、te2からte3までの第4RT状態において有利区間及びATモード移行抽選に当選した場合であり、仮に当該第4RT状態において有利区間への移行抽選に当選しなかったり、有利区間移行抽選には当選したもののATモード移行抽選に当選しなかった場合には、te2からte5までのATモードの残りゲーム数をまるまる消化することなくATモードが終了することとなる。
本変形例は、このようなATモードの再設定による恩恵とリスクを、遊技者に選択させることを遊技に組み込もうというものである。つまり、本変形例では、このような移行リプレイ当選時のATモードの残りゲーム数による有利度の差を考慮させながら、第4RT状態への移行を生じさせるか否かを遊技者に選択させる演出を、移行リプレイ当選ゲームにて行う。例えば、図94(a)に示すように、移行リプレイ当選ゲームでは、補助表示部65にて、「運命の選択!!」という文字表示を行うとともに、操作順序によっては、第4RT状態への移行が生じたり、第4RT状態への移行も第1RT状態への移行も生じなかったりすることを示唆する報知を行う。この場合、ATモードの残りゲーム数を報知する(図では「残り30G」として表示)ことで、ATモードの残りゲーム数による有利度の差を考慮させる手助けとなる。
移行リプレイに対応するインデックス値IV=13,14にて当選となった場合の当選役として、第1再遊技と第11再遊技と第12再遊技とを設定し、第2再遊技を設定しないようにしてもよい。すなわち、移行リプレイ当選時の操作順序によって、第4RT状態への移行が生じるか、それともRT状態の移行が生じないか、のいずれかとなるようにし、第1RT状態への移行が生じないようにしてもよい。この場合、移行リプレイ当選時の操作順序をより単純化することができるし、図94(a)のように、左リール32Lから停止させることで第1再遊技入賞が成立し、右リール32Rから停止させることで第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞が成立する、といったように、左右いずれかを選択させるというわかり易い選択となり、遊技者の遊技への理解度の向上が見込まれる。
なお、移行リプレイに当選となった場合の各再遊技に対応する操作順序の具体的な構成は、例えば、以下のとおりである。各リール32L,32M,32Rが、左→中→右、及び、左→右→中の順で停止操作された場合には第1再遊技入賞が成立し、右→中→左、及び、右→左→中の順で停止操作された場合には第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞が成立する。また、中→左→右の順で停止操作された場合には第1再遊技入賞が成立し、中→右→左の順で停止操作された場合には第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞が成立する。
また、このように左右いずれを選択させることが可能な操作順序と入賞態様とが設定されている移行リプレイを、上記第1の実施形態の移行リプレイ1,2とは別途設け、これらが併存する構成としてもよい。
<変形例5>
本変形例では、後乗せ報知の分を加味して固定RT状態への移行を生じさせる。先ず、図95のフローチャートを用いて、後乗せ報知用処理を説明する。後乗せ報知用処理は、主制御装置101による入賞結果対応処理(図49)におけるステップS1602にて実施される処理である。
ステップS4201では、各種フラグ格納エリア106dにAT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。AT用報知フラグがセットされていない場合には、そのまま本後乗せ報知用処理を終了する。AT用報知フラグがセットされている場合、ステップS4202にてボーナス状態中であるか否かを判定する。第1BBや第2BBに基づくBB状態やCBに基づくCB状態のいずれかである場合は、そのまま後乗せ報知用処理を終了する。ステップS4202にて否定判定した場合、ステップS4203に進み、表示用残数カウンタHGの減算処理を行う。この場合、ステップS4203では、表示用残数カウンタHGの減算後の値を含むコマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する。かかるコマンドを受信した表示制御装置81では、残りゲーム数の表示を更新するように、補助表示部65を制御する。なお、表示制御装置81にて表示用残数カウンタHGに対応するカウンタ等を設け、表示制御装置81側で残りゲーム数表示の更新用の処理を行う構成としてもよい。
ステップS4204では、ステップS4203の処理結果として、表示用残数カウンタHGが後乗せ報知の契機となる所定値(1)となったか否かを判定する。所定値となっていない場合には、そのまま後乗せ報知用処理を終了する。所定値となった場合には、ステップS4205にて後乗せフラグがセットされているか否かを判定する。後乗せフラグがセットされていなければ、そのまま後乗せ報知用処理を終了する。
ステップS4205にて後乗せフラグがセットされていると判定した場合、ステップS4206に進む。ステップS4206では、後乗せカウンタBGの値を把握する。そして、ステップS4207にて、後乗せカウンタBGの値に応じた上乗せ報知が行われるように、上乗せコマンドをセットする処理を行う。この場合の上乗せコマンドには、当該ゲームにて上乗せ報知を行うことの情報とともに、後乗せカウンタBGの値に応じたゲーム数の上乗せが行われることの情報が含まれている。なお、後乗せカウンタBGの一部を上乗せする構成としてもよく、例えば、抽選により一部を上乗せするか否かを決定したうえで、一部とする場合にはその一部のゲーム数の上乗せが行われることの情報を上乗せコマンドにセットするとよい。
続くステップS4208では、上記ステップS4207にて上乗せコマンドに設定した上乗せゲーム数に対応する値を、後乗せカウンタBGから減算する処理を行う。そして、ステップS4209にて、ステップS4208の処理結果として、後乗せカウンタBGが0となったか否かを判定する。0ではない場合には、そのまま後乗せ報知用処理を終了する。0である場合には、ステップS4210にて後乗せフラグをクリアする処理を行ってから、後乗せ報知用処理を終了する。
上記のように、入賞結果対応処理における後乗せ報知用処理にて、上乗せコマンドが表示制御装置81へ送信される。既に説明した通り、表示制御装置81では、全停止時演出設定処理の上乗せ報知用処理にて、上乗せ報知演出を行うための処理が実行される。これにより、表示用残数カウンタHGが所定値となったゲームにおいて、全リール32L,32M,32Rが停止した後に後乗せ報知として上乗せ報知が実行される。そのため、表示用残数カウンタHGが所定値(1)となったゲームにおいては、当該ゲームの入賞結果に関わらず、上乗せ報知(後乗せ報知)が行われることに期待しながら、第3リールの停止OFF操作が行われることとなる。
ちなみに、即乗せ報知を行う場合に選択される上乗せ報知のタイミングのうちの第3リール停止OFF操作時と、後乗せ報知を行う場合の全停止時とは、異なるタイミングとなり得る。すなわち、第3リール停止OFF操作時とは、第3リールの停止OFF操作を行ったタイミングであり、当該タイミングにて対応するリールが停止する場合もあれば、スベリ制御を伴って若干遅れたタイミングにて対応するリールが停止する場合もある。そのため、第3リール停止OFF操作時とは、全リール32L,32M,32Rが停止するタイミングよりも若干早いタイミングとなり得る。その一方、入賞結果対応処理における後乗せ報知用処理にて設定される後乗せ報知の実行タイミングは、当該入賞結果対応処理が実行された後のタイミングであり、全リール32L,32M,32Rが完全に停止した後であって、小役入賞が発生していればメダル払い出しが行われた後(ステップS413の払出判定処理が実行された後)のタイミングである。そのため、即乗せ報知における第3リール停止OFF操作時よりも、後乗せ報知が実行されるタイミングは後のタイミングとなり得るものである。
次に、本変形例におけるRT移行用処理について、図96のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS4301では、AT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていなければ、そのままRT移行用処理を終了する。セットされている場合、ステップS4302にて有利区間残りゲーム数ZGが10であるか否かを判定する。10である場合には、ステップS4303にて移行用報知フラグをセットし、ステップS4304にて移行用コマンドをセットしてからRT移行用処理を終了する。
ステップS4302にて有利区間残りゲーム数ZGが10ではない場合、ステップS4305に進む。ステップS4305では、上記の後乗せフラグがセットされているか否かを判定する。後乗せフラグがセットされている場合、ステップS4306にて、表示用残数カウンタHGが10となり、ATモードの残りゲーム数の表示が見た目上10ゲームとなっているか否かを判定する。ステップS4305にて後乗せフラグがセットされていない場合や、表示用残数カウンタHGが10ではない場合には、そのままRT移行用処理を終了する。後乗せフラグがセットされており、表示用残数カウンタHGが10である場合、ステップS4307に進む。
ステップS4307では、各種フラグ格納エリア106dに疑似移行用報知フラグをセットする処理を実行する。疑似移行用報知フラグは、後乗せ報知が発生し得る状況で移行リプレイ当選した場合に、それ用の演出を行うことを主制御装置101のCPU102が把握するためのフラグである。ステップS4307の処理を実行した後は、ステップS4308にて疑似移行用コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットしてから、RT移行用処理を終了する。疑似移行用コマンドを受信した表示制御装置81は、移行用コマンドを受信した場合と同様に、第1移行期間演出が発生するように補助表示部65等を制御する。
次に、本変形例における押し順役処理について、図97のフローチャートを参照しながら説明する。
本変形例においては、概して、ATモード中の移行用報知フラグがセットされていない状況で移行リプレイに当選した場合の処理が異なっている。すなわち、ステップS4401~ステップS4423の処理は、上記ステップS1401~ステップS1423の処理と同様であり、ステップS4421にて否定判定した場合の処理が異なっている。
具体的には、ステップS4419にて移行リプレイに当選したと判定し、ステップS4420にてAT用報知フラグがセットされていると判定した場合であって、ステップS4421にて移行用報知フラグがセットされていないと判定した場合、本変形例では、ステップS4428に進む。ステップS4428では、上記ステップS4307にてセットする疑似移行用報知フラグがセットされているか否かを判定する。疑似移行用報知フラグがセットされている場合とは、後乗せフラグがセットされている状況で表示用残数カウンタHGの値が10となり、見た目上、ATモードの残りゲーム数が10となって第1移行期間演出が発生し、更に、移行リプレイ当選となった場合である。すなわち、実際にはATモードは終盤に差し掛かっているわけではない場合である。
この場合、本変形例では、遊技進行を一時的に制限する所謂フリーズ演出を発生させる。すなわち、ステップS4428にて疑似移行用報知フラグがセットされていると判定した場合、ステップS4429に進み、フリーズタイミング抽選処理を実行する。フリーズタイミング抽選処理では、後乗せ報知によって報知され得るATモードのゲーム数に応じて、フリーズ演出の発生タイミングを抽選する。より詳しくは、RAM106の各種カウンタエリア106eから後乗せカウンタBG及び抽選用のカウンタを取得するとともに、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからフリーズタイミングテーブルを取得し、後乗せカウンタBGの値に応じたフリーズタイミングを抽選により決定する。フリーズタイミングテーブルは、図98に示すように、フリーズタイミングとして、第1停止ON操作時、第2停止ON操作時、第3停止ON操作時が設定されているとともに、後乗せカウンタBGの値に応じた振分率でいずれの操作時にフリーズを発生させるかが定められている。そして、後乗せカウンタBGの値が大きいほど、先側の操作時よりも後側の操作時のほうが選択され易くなるように設定されている。
ステップS4429にてフリーズタイミング抽選処理を実行した後は、ステップS4430にて、各種フラグ格納エリア106dに、ステップS4429の抽選結果に応じたフリーズフラグをセットする処理を実行する。具体的には、ステップS4429の抽選結果が第1停止ON操作時であれば第1停止ON時フリーズフラグをセットし、抽選結果が第2停止ON操作時であれば第2停止ON時フリーズフラグをセットし、抽選結果が第3停止ON操作時であれば第3停止ON時フリーズフラグをセットする。
ステップS4428にて疑似移行用報知フラグがセットされていないと判定した場合、又はステップS4430の処理を実行した後は、ステップS4407の第1再遊技用の押し順報知を行う処理へ進む。
なおこの場合、疑似移行用報知フラグがセットされている場合の指示モニタ68による押し順報知と、疑似移行用報知フラグがセットされていない場合の指示モニタ68による押し順報知とは、いずれも第1再遊技入賞用の押し順を報知する点で共通している。一方、疑似移行用報知フラグがセットされている場合の補助表示部65による押し順報知演出を含む演出内容と、疑似移行用報知フラグがセットされていない場合の補助表示部65による押し順報知演出を含む演出内容とは異なっており、より詳しくは、疑似移行用報知フラグがセットされていない場合の補助表示部65による押し順報知演出を含む演出内容は、移行用報知フラグがセットされていない場合の補助表示部65による押し順報知演出を含む第1再遊技入賞用の演出内容と共通しており、疑似移行用報知フラグがセットされている場合の補助表示部65による押し順報知演出を含む演出内容は、移行用報知フラグがセットされている場合の補助表示部65による第11再遊技入賞用又は第12再遊技入賞用の演出内容と共通しており、押し順報知の順序だけが第1再遊技入賞用のものとして報知される。つまり、疑似移行用報知フラグがセットされている状況で移行リプレイ当選した場合、押し順報知や押し順報知演出としては第1再遊技入賞用の操作順序のものが報知されるものの、移行用報知フラグがセットされている状況で移行リプレイ当選した場合と、補助表示部65等による演出内容からは区別することが困難となっている。
本変形例におけるフリーズ用処理について、図99を参照しながら説明する。フリーズ用処理は、主制御装置101によるリール制御処理(図18)において、ステップS404にてストップスイッチ42~44の操作が行われたと判定した場合に、ステップS405の停止指令コマンドをセットするよりも前に実施される処理である。なお、本フリーズ用処理を、各ストップスイッチ42~44の無効期間中に実施する構成としてもよい。
ステップS4501では、今回の停止操作が第1停止ON操作であったか否かを判定する。第1停止ON操作である場合、ステップS4502にて、上記の第1停止ON時フリーズフラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのままフリーズ用処理を終了する。セットされている場合には、ステップS4503にてフリーズ処理を実行する。フリーズ処理では、対応するリール32L,32M,32Rの回転を停止させることなく、且つ他のストップスイッチ42~44の操作を一時的に無効とする処理である。すなわち、当該フリーズ処理により、ストップスイッチ42~44の操作に基づき対応するリール32L,32M,32Rを停止させるといった、通常遊技の進行が一時的に制限される。
ステップS4503にてフリーズ処理を実行した後は、ステップS4504にて、特別演出コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する処理を実行する。特別演出コマンドは、フリーズ処理に対応する演出を発生させるようにするためのコマンドであり、表示制御装置81では、当該特別演出コマンドを受信したことに基づいて、特別演出が補助表示部65やスピーカ64等にて行われるように制御する。その後、ステップS4505~ステップS4508にて後乗せ報知を発生させるための処理を実行する。すなわち、ステップS4505では、後乗せカウンタBGに応じた上乗せコマンドをセットし、ステップS4506では、後乗せカウンタBGの減算処理を実行する。ステップS4507では、後乗せカウンタBGが0となったか否かを判定し、0となった場合には、ステップS4508にて後乗せフラグをクリアする処理を実行する。0となっていない場合には、そのままフリーズ用処理を終了する。
ステップS4501にて否定判定した場合、ステップS4509に進み、今回の停止操作が第2停止ON操作であったか否かを判定する。第2停止ON操作である場合、ステップS4510にて、第2停止ON時フリーズフラグがセットされているか否かを判定する。第2停止ON時フリーズフラグがセットされていない場合、そのままフリーズ用処理を終了する。第2停止ON時フリーズフラグがセットされている場合、ステップS4503に進み、フリーズ演出、特別演出及び後乗せ報知を発生させるための処理を行う。
ステップS4509にて否定判定した場合、ステップS4511に進み、今回の停止操作が第3停止ON操作であったか否かを判定する。第3停止ON操作である場合、ステップS4512にて、第3停止ON時フリーズフラグがセットされているか否かを判定する。ステップS4511にて否定判定した場合(今回の停止操作がいずれかの停止OFF操作であった場合)や、第3停止ON時フリーズフラグがセットされていない場合は、そのままフリーズ用処理を終了する。ステップS4512にて第3停止ON時フリーズフラグがセットされている場合、ステップS4503に進み、フリーズ演出、特別演出及び後乗せ報知を発生させるための処理を行う。
フリーズ演出が発生する様子及び特別演出について、図100を参照しながら説明する。図100においては、第2停止ON時フリーズフラグがセットされている場合のフリーズ演出及び特別演出を示している。
図100(a)に示すように、例えば、第1停止リールとして中リール32Mが停止している状況で、第2停止リールとして右リール32Rを停止操作しようとして、右ストップスイッチ44を停止ON操作したとする。この場合、上記のとおり第2停止ON時フリーズフラグがセットされているため、当該右ストップスイッチ44の停止ON操作に基づいて右リール32Rの停止制御が制限される。またこの場合、左ストップスイッチ42の停止ON操作に基づく左リール32Lの停止制御も制限され、所謂フリーズ演出が発生する。
補助表示部65やスピーカ64では、フリーズ演出に対応させて、特別演出が発生する。特別演出では、例えば、図100(b)に示すように、炎に包まれた男性のキャラクタを表示するとともに、男性の野太い声で、「きさまがみていたのはまぼろしにすぎん!」とのセリフがスピーカ64から発せられ、それまでの表示、すなわち、第1移行期間演出や、第4RT状態への移行を生じさせるための押し順報知が疑似的な表示であったことの説明がなされる。なお、当該セリフは補助表示部65にて文字表示もなされる構成とするとより好ましい。特別演出は、フリーズ演出が行われる期間、すなわち、ストップスイッチ42~44の停止操作に基づく各リール32L,32M,32Rの停止制御が制限される期間に亘って実行され、ストップスイッチ42~44の停止操作に基づく各リール32L,32M,32Rの停止制御が再開されると当該特別演出が終了して、上記の後乗せ報知が発生する(上乗せ報知演出が発生する)。遊技者は、各リール32L,32M,32Rの停止制御が制限されることを通じて、特別演出が発生することを把握可能となる。そして、当該特別演出により、移行リプレイ当選に基づいて第4RT状態へ移行させようとしたものの、第4RT状態へ移行させるべき状況ではないこと、すなわち、ATモードがまだまだ継続することを把握可能となり、且つ、第11再遊技入賞や第12再遊技入賞を成立させて第4RT状態へ移行させるのではなく、第1再遊技入賞を成立させて無限RT状態を維持させることが可能となる。しかも、それと同時に、ATモードの上乗せ(後乗せ)が発生する。
このように、本変形例では、ATモード終了間際に固定RT状態へ移行させるための構成を利用しながら、後乗せ報知との関係により、上記特別演出が発生し得る構成としたため、ATモードが終了することの残念感をATモードが継続することの嬉しさ変え、更にそのATモードの継続数が報知される、といった強烈なドキドキ感を提供可能な演出とすることができる。
<変形例6>
本変形例では、ATモード高確率状態としての第4RT状態への移行ルートを上記第1の実施形態と異ならせる。図101は、本変形例における遊技状態の移行ルートを説明するための図である。
本変形例では、ATモード高確率状態としての第4RT状態へは、第3RT状態から移行可能とし、第1RT状態や第2RT状態、通常遊技状態からは移行不可とする。すなわち、上記第1の実施形態では、第2RT状態及び第3RT状態から第4RT状態へ移行可能となる構成としていたところ、本変形例では、第2RT状態からの移行を不可とする構成となる。
図102は、本変形例における第2RT状態用抽選テーブルの一例を示す図である。上記第1の実施形態における抽選テーブルと比較すると、インデックス値IV=13,14のポイント値PVが0として設定されており、第2RT状態においては移行リプレイ1,2に当選しないように設定されている。なお、上記インデックス値IV=13,14のポイント値の分は、インデックス値IV=6~10にそれぞれ加算されており、第2RT状態におけるトータルのリプレイ確率は、上記第1の実施形態のものと同じ確率となっている。
本変形例における第3RT状態用抽選テーブルは、上記第1の実施形態のものと同じであり、インデックス値IV=13,14にて当選となるとともに、ストップスイッチ42~44の操作順序が第11再遊技入賞や第12再遊技入賞に対応するものであれば、遊技状態が第4RT状態へ移行する。
すなわち、本変形例では、ATモードとなることで第2RT状態へ移行するものの、その第2RT状態にてATモードが終了する場合には、移行用報知フラグがセットされても移行リプレイに当選しないため、第4RT状態への移行は生じない。そして、ATモードにおいて第2RT状態から第3RT状態への移行が生じたうえで、当該第3RT状態にてATモードが終了する場合には、移行用報知フラグがセットされ、移行リプレイに当選すれば、第4RT状態への移行が生じ得る構成となっている。なお、上記第1の実施形態では、第3RT状態への移行を生じさせる表示モードをVBモードと称して説明したが、本変形例では、第4RT状態への移行が可能となるモードとして、移行モードと称して説明する。つまり、移行モードへの移行抽選に当選することで第3RT状態への移行が生じるようになり、より詳しくは、移行モードへの移行抽選に当選することで、第2昇格リプレイ1,2当選時に第4再遊技入賞や第5再遊技入賞に対応する押し順報知が行われるようになる。
図103は、本変形例における第2特定役処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、第2特定役処理は、主に、ATモード中の各ゲームの抽選結果に基づき実施される処理である。
本変形例では、ステップS4601にてATモードの残りゲーム数を把握する処理を実行する。既に説明した通り、ATモードの残りゲーム数は、ATモード継続カウンタから把握可能である。ステップS4602では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから移行モード抽選テーブルを取得する処理を実行する。移行モード抽選テーブルは、ATモードの残りゲーム数によって、移行モードへの移行を生じさせる確率が異なるように設定されており、より詳しくは、ATモードの残りゲーム数が少なくなるほど、移行モードへの移行を生じさせる確率が高くなるように設定されている。例えば、残りゲーム数が50ゲーム以上である場合には0%の確率で移行モードへの移行が生じ(移行モードへの移行抽選に当選せず)、残りゲーム数が49ゲーム~30ゲームである場合には5%の確率で移行モードへの移行が生じ、残りゲーム数が29ゲーム~10ゲームである場合には10%の確率で移行モードへの移行が生じ、残りゲーム数が10ゲーム未満である場合には30%の確率で移行モードへの移行が生じるように移行モード抽選テーブルが設定されている。
ステップS4603では、ステップS4601にて把握したATモードの残りゲーム数と、ステップS4602にて取得した移行モード抽選テーブルに基づいて移行モードへの移行を生じさせるか否かの移行モード抽選処理を実行する。ステップS4604では、ステップS4603の抽選結果が移行モードへの移行を生じさせる結果である当選結果であるか否かを判定する。当選結果である場合には、ステップS4605にて各種フラグ格納エリア106dに移行モード用フラグをセットする処理を実行してから、第2特定役処理を終了する。移行モード用フラグは、移行モードへの移行を生じさせることが可能な状況であることをCPU102が把握するためのフラグである。そして、移行モード用フラグがセットされている状況で第2昇格リプレイ1,2に当選すると、押し順役処理(図48)におけるステップS1411にて肯定判定して、ステップS1412にて第4再遊技入賞や第5再遊技入賞に対応する押し順報知用の処理が行われる。
ステップS4604にて当選結果ではないと判定した場合、ステップS4606に進む。ステップS4606~ステップS4621の処理は、上記ステップS1014~ステップS1029の処理と同様であり、ATモードの上乗せ用の処理や、特化ゾーン用の処理、疑似上乗せ報知用の処理を実行する。
本変形例における入賞結果対応処理について、図104のフローチャートを参照しながら説明する。本変形例においては、概して、第4再遊技入賞や第5再遊技入賞が成立して、遊技状態が第3RT状態へ移行する場合の処理が、上記第1の実施形態のものと異なっている。
すなわち、ステップS4701~ステップS4710のゲーム数管理処理、後乗せ報知用処理、及び第3再遊技入賞に基づく処理は、上記ステップS1601~ステップS1610の処理と同様である。ステップS4703にて今回のゲームの入賞結果が第3再遊技入賞ではないと判定した場合、ステップS4711に進み、今回のゲームの入賞結果が第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞であるか否かを判定する。第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞である場合には、ステップS4712へ進み、上記移行モード用フラグがセットされているか否かを判定する。移行モード用フラグがセットされていない場合には、移行モード抽選(ステップS4603)に当選することなく、たまたま第4再遊技入賞や第5再遊技入賞が成立して第3RT状態へ移行する場合であり、この場合、そのまま本入賞結果対応処理を終了する。移行モード用フラグがセットされている場合、ステップS4713に進む。
ステップS4713では、移行用報知フラグがセットされているか否かを判定する。移行用報知フラグは、上記のとおり、移行リプレイ1,2に当選した場合に、第11再遊技入賞や第12再遊技入賞に対応する押し順報知を発生させるためのフラグである。移行用報知フラグがセットされている場合には、そのまま入賞結果対応処理を終了する。セットされていない場合には、ステップS4714に進む。
ステップS4714では、移行用報知フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップS4715にて、移行用コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
すなわち、本変形例では、移行モードへの移行抽選に当選したうえで第3RT状態へ移行することで移行用報知フラグがセットされ、移行リプレイ1,2当選時に第11再遊技入賞や第12再遊技入賞に対応する押し順報知が発生することとなり、移行モードへの移行抽選に当選しなかったり、第3RT状態への移行が生じなかったりすると、ATモードの残りゲーム数が10となっても移行用報知フラグはセットされず、第4RT状態への移行を生じさせることなく有利区間(ATモード)が終了することとなる。
ステップS4711にて否定判定した場合の、ステップS4716~ステップS4720の処理は、上記ステップS1617~ステップS1621の処理と同様である。
本変形例においてRT状態の移行の様子を、図105のタイミングチャートを参照しながら説明する。
本変形例における移行モード抽選処理(ステップS4603)では、ATモードの残りゲーム数が50ゲーム未満となると移行モード抽選に当選するようになり、残りゲーム数が少なくなるほど移行モード抽選に当選し易くなっている。ATモードの残りゲーム数が50未満であるtf1のタイミングにおいて移行モード抽選に当選すると、移行モード用フラグがセットされる。その後、tf2において第2昇格リプレイ1,2に当選すると、第4再遊技入賞や第5再遊技入賞用の押し順報知が発生し、移行モードとしての第3RT状態へ移行する。第3RT状態へ移行すると、移行リプレイに当選し得る状態となる。
tf3のタイミングで移行リプレイ1,2に当選し、押し順報知に従った停止操作により、遊技状態が第4RT状態へ移行する。第4RT状態への移行が生じると、ATモードは、残りゲーム数が消化されるtf5のタイミングを待たず、tf3のタイミングにて有利区間とともに終了する。
そして、第4RT状態中に有利区間及びATモードへの移行抽選に当選すると、tf4のタイミングにて当該第4RT状態が終了した後、第2RT状態への押し順報知を経て、tf6のタイミングにてATモードが再開される。
ここで、tf1のタイミングにて移行モード抽選に当選するよりも前のタイミングでも、第2昇格リプレイ1,2に当選し得るものの、当該当選時の押し順報知は第1再遊技入賞に対応する操作順序のものであるし、仮に当該押し順報知とは異なる操作順序によって停止操作して第4再遊技入賞や第5再遊技入賞を成立させることに成功した場合であっても、移行用報知フラグはセットされない。そのため、仮に第2RT状態において、たまたま第3RT状態へ移行させることに成功した場合であっても、その後、第4RT状態へ移行させることは困難となっている。
以上のように、ATモードにおいて、第2RT状態から直接第4RT状態へ移行させるのではなく、移行モード(第3RT状態)といった第4RT状態への移行抽選に当選し得る状態を介在させて第4RT状態へ移行させる構成とすることで、意図せず、第4RT状態への移行が生じてしまう事象の発生を抑制することが可能となる。
<変形例7>
本変形例では、第4RT状態でのATモード移行抽選の当選確率が、設定値によって異なっている。図106は、本変形例におけるATモード移行抽選テーブルを示している。
本変形例における第4RT状態用のATモード移行抽選テーブルでは、例えば、弱チェリーや弱スイカを契機とする移行抽選において、設定1,2では55%の確率で当選し、設定3,4では60%の確率で当選し、設定5,6では65%の確率で当選する、といったように、設定値が高くなるほどATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。その一方で、強チェリーや強スイカを契機とする移行抽選では、設定値による当選確率の差が生じないように設定されている。つまり、本変形例における第4RT状態用のATモード移行抽選テーブルでは、抽選契機となる遊技結果によって設定値による当選確率の差があるものとないものとが設定されている。
これに対して、第0RT状態~第3RT状態用のATモード移行抽選テーブルは、設定値による差が生じないように設定されている。つまり、本変形例では、RT状態によって、ATモード移行抽選の当選確率が異なるだけでなく、ATモード移行抽選の設定差の有無がRT状態によって異なる構成となっている。このようにすることで、設定値によってATモード移行率に差を設けて遊技媒体の増減態様や増減率に変化を生じさせるといったメリットだけではなく、設定値を予測するといった遊技において第4RT状態へ移行させるメリットを生じさせることが可能となる。
本変形例においても、有利区間移行抽選は、RT状態によらず、その当選確率が共通しており、また設定値による差も生じないように設定されている。つまり、ATモード高確率状態としての第4RT状態においては、有利区間移行抽選の当選確率に設定差がなく、且つATモード移行抽選の当選確率に設定差がある状態といえる。このようにすることで、有利区間への移行を生じさせるチャンスを設定値による差の無い公平なものとしながら、有利区間へ移行したらその有利区間内においてはATモードによる恩恵の高低を、設定値によって実現することが可能となる。よって、遊技の公平性と多様化のバランスを担保することができる。
<変形例8>
本変形例では、ATモード高確率状態としての第4RT状態を複数有し、各第4RT状態によってATモード移行抽選の当選確率が異なっている。図107は、本変形例におけるATモード移行抽選テーブルを示している。
すなわち、本変形例では、第11再遊技入賞にて移行する第4RT状態と、第12再遊技入賞にて移行する第4RT状態とで、ATモード移行抽選の当選確率を異ならせる。ここでは、第11再遊技入賞にて移行する第4RT状態を第4RT状態Aと称し、第12再遊技入賞にて移行する第4RT状態を第4RT状態Bと称する。既に説明した通り、第11再遊技入賞にて第4RT状態へ移行すると、当該RT状態は10ゲームに亘って継続し、第12再遊技入賞にて第4RT状態へ移行すると、当該RT状態は30ゲームに亘って継続する。本変形例においても、第4RT状態Aの継続ゲーム数は10ゲームであり、第4RT状態Bの継続ゲーム数Bは30ゲームであり、ATモード高確率状態が長く継続するといった観点で、第4RT状態Aよりも第4RT状態Bの方が遊技者にとって有利なRT状態といえる。
図107に示すように、第4RT状態AにおけるATモード移行抽選テーブルと、第4RT状態BにおけるATモード移行抽選テーブルとを比較すると、いずれも第0RT状態~第3RT状態よりもATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されているものの、例えば、通常リプレイを契機とする場合、第4RT状態Aでは5%の確率で当選するのに対して、第4RT状態Bでは10%の確率で当選し、また、例えば、弱チェリーを契機とする場合、第4RT状態Aでは60%の確率で当選するのに対して、第4RT状態Bでは100%の確率で当選する、といったように、第4RT状態Aの場合よりも第4RT状態Bの方がATモード移行抽選に当選し易くなるように、ATモード移行抽選テーブルが設定されている。そのため、ATモード移行抽選に当選し易くなるといった観点でも、第4RT状態Aよりも第4RT状態Bの方が遊技者にとって有利なRT状態といえる。
その一方で、第11再遊技入賞が可能となる移行リプレイ1よりも第12再遊技入賞が可能となる移行リプレイ2は、その当選確率が圧倒的に低いものとなっている。つまり、基本的には、第4RT状態Aへ移行し、運が良ければ第4RT状態Bへ移行する、といったように、いずれの第4RT状態へ移行するかに期待させることが可能となる。
そして、上記のとおり、移行用報知フラグがセットされている状況でこれら移行リプレイ1,2に当選した場合、第11再遊技入賞や第12再遊技入賞を成立させるための押し順報知が発生する。この場合、本変形例では、第11再遊技入賞を成立させる押し順報知と、第12再遊技入賞を成立させる押し順報知と、が遊技者からは識別困難となるように設定されている。つまり、移行用報知フラグがセットされ、第1移行期間演出(図79(a))が発生した後、移行リプレイ1,2に当選して発生する押し順報知演出(図79(b))では、遊技者は第4RT状態Aと第4RT状態Bとのいずれの入賞が発生するかの見分けがつかなかったり、見分けがつきにくかったりするように、その演出内容や両際遊技入賞成立となる押し順が設定されている。このようにすることで、第4RT状態への移行が生じた場合に、その第4RT状態が第4RT状態Aであるかそれとも第4RT状態Bであるかが、ATモード移行抽選の当選率や、RT状態の実行数が10ゲーム以降も継続するか否かといった点から予測する遊技も追加され、遊技の面白みを増大化させることが可能となる。
上記変形例では、第4RT状態Aと第4RT状態Bとでいずれも第0RT状態~第3RT状態よりもATモード移行抽選に当選し易くなるように、そのATモード移行抽選テーブルが設定されていたが、第4RT状態Aは第0RT状態~第3RT状態よりも当選し易い一方、第4RT状態Bは第0RT状態~第3RT状態よりも当選しにくい又は同じ当選確率となる構成(ATモード低確率状態)や、その逆の構成といったように、移行リプレイ1,2当選時の押し順報知に従って操作した場合に、遊技者にとって有利なATモード高確率へ移行する場合と、ATモード低確率状態へ移行する場合と、があるように設定してもよい。このようにすることで、実際に移行するまで、ATモード高確率状態となるか否かがわからない、といった強烈なドキドキ感がある遊技性を実現することが可能である。
なお、移行リプレイ1,2当選時に、いずれの移行リプレイに当選しているかをその演出内容や押し順によって識別可能としてもよい。この場合、第4RT状態への移行が生じる際に、第4RT状態Aへの移行が生じるのか、それとも第4RT状態Bへの移行が生じるのかを、事前に把握可能となる。そうすると、例えば、第4RT状態Aや第4RT状態Bへの移行後において、弱チェリー当選ゲームでは、第4RT状態AであればATモード移行が確定しないけど、第4RT状態BであればATモード移行が確定し、強チェリー当選ゲームでは、第4RT状態A及び第4RT状態BのいずれでもATモード移行が確定する、といった内容からして、第4RT状態Bであれば、左リール32Lの上段又は下段に「チェリー」図柄が停止した時点で、ATモード移行が確定する、といったように、事前にいずれのRT状態であるかを把握したうえでの楽しみが追加される。
また、上記のように、移行リプレイ1,2当選時に、いずれの第4RT状態への移行が生じるかを把握可能としておけば、例えば、移行用報知フラグがセットされてから直ぐに第4RT状態Aへの移行が生じ得る状況となった場合(移行リプレイ1に当選した場合)は、その第4RT状態Aへの移行を見送り、第4RT状態Bへの移行が生じ得る状況となること(移行リプレイ2に当選すること)を待つ、といったように遊技者が移行の有無を、移行する第4RT状態の種類によって選択することも可能である。この場合、上記変形例4のように遊技者が移行の有無を演出上、選択可能な構成を適用するとよい。
<変形例9>
上記のように、ATモード高確率状態としての第4RT状態は固定RT状態であり、実行可能なゲーム数が予め定められている。そして、第4RT状態はリプレイ確率が低く、且つ、第2RT状態への移行を生じさせる第1昇格リプレイ1~4にも当選しないように設定されている。この場合、当該第4RT状態中に有利区間移行抽選に当選し、且つATモード移行抽選に当選しても、第4RT状態の規定ゲームを消化し終えない限り、第2RT状態への移行は生じず、ATモードは開始されない。そうすると、遊技者によっては、ATモード移行抽選に当選した後の第4RT状態の消化を煩わしく感じてしまう可能性もある。本変形例では、このような、第4RT状態において早期にATモード移行抽選に当選した場合の処理を説明する。
図108は、第1特定役処理や有利区間移行当選時処理において、ATモード移行抽選に当選した場合の処理を示すフローチャートである。より詳しくは、第1特定役処理においてATモード移行抽選に当選したと判定した場合(ステップS903:YES)と、有利区間移行当選時処理においてATモード移行抽選(ATモード先抽選)に当選したと判定した場合(ステップS3605:YES)との処理を示している。
すなわち、ATモード移行抽選に当選した場合、ステップS4801では、ATモード当選フラグをセットし、ステップS4802では、ATモード非当選フラグをクリアする処理を実行する。これらの処理は、上述の通りである。
続くステップS4803では、RT設定フラグを確認することで、現状のRT状態を把握し、第4RT状態であるか否かを判定する。第4RT状態ではなく、第0RT状態~第3RT状態である場合、すなわち、ATモード低確率状態中のATモード当選である場合、ステップS4804に進み、今回のATモードの初期ゲーム数を予め定められた所定ゲーム(50)として決定する処理を実行する。そして、ステップS4805では、今回のATモードレベルを抽選により決定する処理を実行する。ATモードレベル抽選においては、例えば、1%の確率でLV.4、5%の確率でLV.3、16%の確率でLV.2、80%の確率でLV.1に当選するようにATモードレベルの当選確率が設定されている。
これに対して、ステップS4803にて第4RT状態であると判定し、ATモード高確率状態中のATモード当選である場合、ステップS4806に進む。ステップS4806では、第4RT状態の残りゲーム数を各種カウンタエリア106eの固定RTゲーム数カウンタに基づいて把握する。そして、ステップS4807にて、今回のATモードの初期ゲーム数を、予め定められた所定ゲーム(50)と、上記ステップS4806にて把握した第4RT状態の残りゲーム数と、を合わせたゲーム数として設定する処理を実行する。続くステップS4808では、上記ステップS4806にて把握した残りゲーム数に応じてATモードのレベル抽選を実行したうえで、今回のATモードレベルを抽選により決定する処理を実行する。この場合、残りゲーム数が多いほど高いレベルに当選し易くなるように当該レベル抽選が設定されており、例えば、残りゲーム数が9ゲーム以上であれば80%の確率でLV.4に当選し20%の確率でLV.3に当選し、残りゲーム数が5ゲーム~8ゲームであれば5%の確率でLV.4、50%の確率でLV.3、40%の確率でLV.2、15%の確率でLV.1にそれぞれ当選し、残りゲーム数が4ゲーム以下であれば、2%の確率でLV.4、8%の確率でLV.3、30%の確率でLV.2、60%の確率でLV.1にそれぞれ当選する、といったように、各ATモードレベルの当選確率が設定されている。
ATモードの開始時においては、これら決定されたゲーム数やATモードレベルが参照されて、そのゲーム数やレベルの設定が行われる。
ステップS4805又はステップS4808の処理を実行した後は、ステップS4809に進み、特化ゾーン付きのSATモードに当選したか否かを判定する。SATモードに当選している場合、ステップS4810にて特化ゾーンフラグをセットし、ステップS4811にて第4RT状態であるか否かを判定する。第4RT状態ではない場合には、ステップS4812にて特化ゾーンのゲーム数を予め定められた所定ゲーム数(5)として決定する処理を実行する。ステップS4811にて第4RT状態であると判定した場合、ステップS4813にて第4RT状態の残りゲーム数を把握する処理を実行し、ステップS4814にて、残りゲーム数を上記所定ゲーム数に加算したゲーム数として、今回の特化ゾーンのゲーム数として決定する処理を実行する。
そして、特化ゾーンの開始時においては、これら決定されたゲーム数が参照されて、そのゲーム数の設定が行われる。
このように、ATモード当選時において、第4RT状態の残りゲーム数がATモードのゲーム数や特化ゾーンのゲーム数として加算され、更にATモードレベル抽選にもその残りゲーム数が反映されて有利なレベルに当選し易くなるようにしたため、より早期にATモード移行抽選に当選したほうが遊技者にとって有利となることが明確化される。このようにすることで、ATモードの残りゲーム数が多いほどATモード開始までに要するゲーム数が多くなることに起因する煩わしさを解消することが可能となる。
なお、ATモード移行抽選に当選した後の第4RT状態を、ATモードの上乗せ抽選に選し易くなる構成や特化ゾーンに当選し易くなる構成等のように、ATモードに関する抽選を受けられる構成であったり、ATモードに関する有利な抽選を受けられる構成としても、ATモードの残りゲーム数が多いほどATモード開始までに要するゲーム数が多くなることに起因する煩わしさを解消することが可能である。
<変形例10>
既に説明した通り、本実施形態では、有利区間当選ゲームにおいてATモード移行抽選(ATモード先抽選)を実施する場合と、有利区間中においてATモード移行抽選(ATモード後抽選)を実施する場合とがあり、これら、前者のATモード先抽選と後者のATモード後抽選との当選確率を異ならせることも可能である。本変形例では、ATモード先抽選とATモード後抽選との当選確率が異なる構成について説明する。
先ず、図109は、ATモード先抽選とATモード後抽選との当選確率が異なり、ATモード先抽選はRT状態による当選確率の差がなく、ATモード後抽選はRT状態による当選確率の差がある例を示している。
ATモード先抽選においては、第0RT状態~第3RT状態での当選確率と、第4RT状態での当選確率は共通している。ここで、有利区間移行抽選に関しては、当選確率に設定値の無い移行契機役を契機として実施され、当選確率に設定差のある非契機役を契機としては実施されないところ、有利区間移行抽選に当選したゲームで実施されるATモード先抽選に関しても、移行契機役では実施される一方、非契機役では実施されない。その点、ATモード先抽選におけるATモード移行抽選テーブルについても、移行契機役についてのATモード当選確率は設定されている一方、非契機役についてのATモード当選確率は設定されていない。
ATモード後抽選においては、ATモード当選確率がATモード先抽選のものよりも高くなるように設定されている。本変形例では、第0RT状態~第3RT状態におけるATモード移行抽選と、第4RT状態におけるATモード移行抽選とのいずれにおいても、ATモード先抽選よりもATモード後抽選の方が当選確率が高くなるように設定されている。そして、ATモード先抽選の当選確率に対するATモード後抽選の当選確率の差が、第0RT状態~第3RT状態よりも第4RT状態の方が大きくなるように設定されており、第4RT状態におけるATモード後抽選が最もATモード当選し易くなるように設定されている。
この場合であっても、第0RT状態~第3RT状態にて有利区間移行抽選に当選し、ATモード移行抽選が実施される場合のATモード当選率よりも、第4RT状態にて有利区間移行抽選に当選し、ATモード移行抽選が実施される場合のATモード当選率の方が高くなり、RT状態によって有利区間移行抽選の当選確率を異ならせることなく、第4RT状態におけるATモード移行抽選に関する優位性が担保される。
図110は、第0RT状態~第3RT状態におけるATモード先抽選とATモード後抽選との当選確率は共通するものの、第4RT状態におけるATモード先抽選とATモード後抽選との当選確率が異なる例を示している。
この例のように、第0RT状態~第3RT状態におけるATモード移行抽選の後先に当選確率の差がないようにすることで、有利区間移行前にATモード先抽選を行う構成としつつも、そのATモード先抽選による実質的な恩恵は第0RT状態~第3RT状態では享受できず、第4RT状態において享受できるようになり、第4RT状態の希少性や優位性が担保される。
また、図110では、第4RT状態において、ATモード先抽選のほうがATモード後抽選よりも当選確率が高くなる例を示している。有利区間移行抽選に当選する場合とは、強チェリー等、各ゲームでなかなか当選しないレア役を引き当てた場合であることが想定され、このようにすることで、ATモード先抽選でもそのレア役に基づく有利な抽選が受けられるようになる。
図111は、ATモード先抽選とATモード後抽選とで設定値による当選確率の有無が異なる例を示している。
具体的には、ATモード先抽選に関しては設定値による当選確率の差はないものの、ATモード後抽選に関しては設定値による当選確率の差があり、特に、第0RT状態~第3RT状態における設定差よりも、第4RT状態における設定差のほうが大きくなるように設定されている。このようにすることで、ATモード後抽選において設定差を設けることによる遊技の多様化といった効果だけでなく、設定値を予測する遊技に関し、第0RT状態~第3RT状態よりも、第4RT状態のほうがその予測が容易に行えるようになり、その面でも、第4RT状態の優位性が担保される。
<変形例11>
本変形例では、ATモード先抽選にて非当選となった場合の処理が、RT状態によって異なっている。図112(a)は、本変形例における第1特定役処理の一部を示すフローチャートである。第1特定役処理におけるATモード移行抽選は、上記のATモード先抽選及びATモード後抽選のうち、ATモード後抽選に対応するものである。
ステップS4901では、AT非当選フラグがセットされているか否かを判定する。AT非当選フラグは、有利区間当選時処理におけるATモード移行抽選、すなわちATモード先抽選にて非当選となった場合にセットされるフラグである。AT非当選フラグがセットされている場合、ステップS4902に進み、現状の遊技状態が第4RT状態であるか否かを判定する。ステップS4902にて第4RT状態であると判定した場合、ステップS4903に進み、ATモード移行抽選テーブルを取得し、ステップS4904にてATモード移行抽選を実行する。以降の処理は、既に説明した通りである。
これに対して、ステップS4901にてAT非当選フラグがセットされていない場合やステップS4902にて第4RT状態ではなく第0RT状態~第3RT状態であると判定した場合には、そのまま本第1特定役処理を終了する。
つまり、図112(b)に示すように、第4RT状態においては、有利区間移行抽選に当選したゲームにおいてATモード先抽選を実行し、そのATモード先抽選に非当選であっても、有利区間移行ゲームにてATモード後抽選が実行され、ATモード移行抽選は実質的に2回のチャンスが設定されている。これに対して、第0RT状態~第3RT状態においては、有利区間移行抽選に当選したゲームにおいてATモード先抽選を実行し、そのATモード先抽選に非当選であった場合には、有利区間移行ゲームのATモード後抽選の実行は制限され、ATモード移行抽選の回数は1回であり第4RT状態のそれよりも少ない。
このように、第0RT状態~第3RT状態と第4RT状態とのATモード移行抽選の実行回数によって、第0RT状態~第3RT状態と第4RT状態とでATモード移行抽選の有利度が異なる構成としてもよい。この場合、第0RT状態~第3RT状態と第4RT状態とでATモード移行抽選に当選となる確率が共通している又はほとんど同じ程度の当選確率が設定された構成としてもよい。この場合であっても、ATモード移行抽選の実行回数が異なれば、ATモード当選となるトータルの確率が異なることとなる。
<変形例12>
本変形例では、有利区間移行当選時の有利区間ゲーム数をRT状態によって異ならせることで、各RT状態でATモード当選率を異ならせる。図113は、本変形例におけるATモード移行抽選テーブルを示しており、本変形例では、当選時に有利区間終了カウンタに入力される値が、滞在している遊技状態と特定役の種類とによってそれぞれ設定されている。既に説明した通り、有利区間終了カウンタは、第1特定役処理のATモード後抽選にて非当選だった場合に実施されるAT非当選時第1処理(図87)や、有利区間当選時処理のATモード先抽選にて非当選だった場合に実施されるAT非当選時第2処理(図88)にて対応する値が入力され、区間表示第2処理のAT非当選時第3処理(図89)において当該有利区間終了カウンタの減算処理が行われ、0となることで有利区間終了用の処理が実施されるカウンタであり、ここでは、ATモード先抽選にて非当選となった場合に入力される場合について説明する。
すなわち、遊技状態が第0RT状態~第3RT状態である状況で有利区間移行抽選に当選した場合であってATモード先抽選に非当選となった場合、そのゲームの遊技結果に関わらず、有利区間終了カウンタにはいずれも1が入力される。つまり、上記第1の実施形態と同様に、今回の有利区間移行抽選に当選したゲームの次のゲームで有利区間に移行するものの、有利区間移行ゲームにて有利区間が終了する構成となり、有利区間は1ゲームとなる。そうすると、有利区間中のATモード移行抽選(ATモード後抽選)は、実質1回実施されることになる。
これに対して、遊技状態が第4RT状態である状況で有利区間移行抽選に当選した場合であってATモード先抽選に非当選となった場合、そのゲームの遊技結果によって、有利区間終了カウンタに入力される値が異なっている。具体的には、有利区間移行当選時の遊技結果が強チェリーでATモード先抽選に非当選となった場合には有利区間終了カウンタに5が入力され、有利区間移行当選時の遊技結果が弱チェリーでATモード先抽選に非当選となった場合には有利区間終了カウンタに2が入力される。
ここで、ATモード後抽選に非当選となった場合のAT非当選時第1処理では、ステップS3702の有利区間終了カウンタに0を入力する処理において、既に有利区間終了カウンタに0以外の値が入力されている場合には、有利区間終了カウンタに0を入力する処理を行わず、当該入力されれている値を維持する。つまり、ATモード先抽選において非当選となり、上記のように有利区間終了カウンタに1以外の値が入力される構成においては、次ゲームのATモード後抽選において非当選となっても、当該有利区間終了カウンタが0とされず、ATモード先抽選にて入力された有利区間終了カウンタが優先される。
そして、上記例においては、今回の有利区間移行抽選に当選したゲームの次のゲームで有利区間に移行し、上記強チェリーを契機として有利区間に移行した場合には、当該有利区間は5ゲームで終了するのに対して、弱チェリーを契機として有利区間に移行した場合には、当該有利区間は2ゲームで終了する。そうすると、有利区間中のATモード移行抽選(ATモード後抽選)は、強チェリーの場合は5回実施されるのに対して、弱チェリーの場合は2回実施されることとなり、強チェリーにてATモード先抽選に非当選となった場合の方が、弱チェリーにてATモード先抽選に非当選となった場合よりも、その後にATモード移行抽選に当選する可能性は高くなる。
そして、遊技状態が第0RT状態~第3RT状態である状況と比較すると、第0RT状態~第3RT状態にて有利区間移行抽選に当選した場合よりも、第4RT状態にて有利区間移行抽選に当選した場合の方が、同じ遊技結果を契機として有利区間移行抽選に当選した場合であっても、その有利区間のゲーム数が長くなり易く、有利区間中のATモード移行抽選の実行回数が多くなり易い。このようにしても、各遊技状態による有利区間移行抽選の当選確率を共通化しつつも、各遊技状態におけるATモード移行抽選の当選確率に優劣を設け、第4RT状態の優位性を担保することが可能である。
<変形例13>
有利区間当選ゲームの次のゲームにおいて有利区間への移行を生じさせる構成を変更してもよい。本変形例では、有利区間当選ゲームにて有利区間へ移行させる構成を説明する。
図114は、本変形例における有利区間移行抽選処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、有利区間移行抽選処理は、一のゲームの開始に際して実施される抽選処理(図16)のうち、抽選結果対応処理(図32)において、有利区間フラグがセットされておらず通常区間である場合に実施される処理である。
有利区間移行抽選処理のうち、本変形例における変更点としては、概して、有利区間当選ゲームフラグをセットしない点である。すなわち、ステップS5001にて今回のゲームの抽選結果を把握し、ステップS5002にて有利区間移行抽選テーブルを取得し、ステップS5003にて有利区間移行抽選を実行する。移行抽選に当選している場合(ステップS5004:YES)、ステップS5005にて有利区間フラグをセットした後、上記のように有利区間当選ゲームフラグをセットすることなく、ステップS5006にて有利区間移行当選時処理を実行してから、有利区間移行抽選処理を終了する。有利区間当選時処理では、上記のとおり、ATモード移行抽選が実行される。
図115は、本変形例における区間表示第1処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、区間表示第1処理は、一のゲームの開始に際して実施される抽選処理(図16)のうち、上記抽選結果対応処理よりも後に実施される処理である。
区間表示第1処理のうち、本変形例における変更点としては、概して、上記のように有利区間当選ゲームフラグをセットしないことに対応させて、有利区間フラグがセットされると、そのセットされたゲームを有利区間の開始ゲームとして有利区間へ移行させる点である。
具体的には、ステップS5101にて区間表示器を表示中ではないと判定した場合、ステップS5102にて有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。セットされている場合には、ステップS5103に進み、有利区間ゲーム数AGの計測中であるか否かを判定して、既に有利区間中であるか否かを判定する。ステップS5102にて有利区間フラグがセットされており、且つステップS5103にて有利区間ゲーム数AGの計測中ではないと判定した場合とは、今回のゲームの抽選結果対応処理において有利区間フラグがセットされたことを意味する。この場合、ステップS5104にて有利区間ゲーム数AGの計測開始処理を実行する。これにより、今回のゲームを開始ゲームとして有利区間への移行が生じることになる。
ステップS5103にて有利区間ゲーム数AGの計測中であると判定した場合、又はステップS5104の処理を実行した後は、ステップS5105にてAT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。セットされている場合には、ステップS5106にて区間表示器の表示開始処理を行う。ステップS5101にて区間表示器の表示中であると判定した場合には、ステップS5107にて表示継続処理を実行する。ステップS5108~ステップS5111の役比モニタ用の処理は、既に説明したとおりである。
本変形例におけるAT非当選時第2処理について、図116(a)を参照しながら説明する。上記のとおり、AT非当選時第2処理は、有利区間移行抽選に当選したゲームにて実施される有利区間当選時処理のATモード移行抽選に非当選となった場合に実施される処理である。
ステップS5201では、AT非当選時フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップS5202では有利区間終了カウンタに0を入力してから、AT非当選時第2処理を終了する。上記第1の実施形態では、AT非当選時第2処理においては、有利区間終了カウンタに1を入力していたところ、区間表示第2処理中のAT非当選時第3処理において有利区間終了カウンタの減算処理が行われ、その次のゲームにて有利区間終了用の処理が実施される構成としていた。これに対して、本変形例では、上記のとおり有利区間終了カウンタに0を入力することから、今回のゲームで実施されるAT非当選時第3処理において有利区間終了用の処理が実施されることとなる。
すなわち、図116(b)に示すように、例えば、弱スイカ当選を契機として有利区間移行抽選に当選した場合、そのゲームから有利区間が開始されるとともに、そのゲームにて有利区間当選時処理におけるATモード移行抽選が実施される。そして、そのATモード移行抽選に非当選となると、当該ゲームにて有利区間が終了することとなり、次のゲームは有利区間移行抽選に当選しない限り、通常区間である。
以上のようにすることで、ATモードに非当選であって且つATモード中でもない有利区間のゲームを最小限のゲームに留めながら、ATモード移行抽選の重複実施が制限される。よって、ATモード移行率を高めすぎることなく、それぞれのATモード移行抽選の当選確率を高くすることも可能となる。また、ATモード移行抽選が複数回行われることを抑制して注目度の分散化を回避することができる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、ゲーム数が変化し得る無限RT状態によってATモード高確率状態としての第4RT状態を実現する構成を説明する。図117は、本実施形態における遊技状態の移行概要を説明するための図である。
上記第1の実施形態と同様に、第4RT状態へは第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞が成立することで移行する。本実施形態における第4RT状態においては、インデックス値IV=2~5の第1昇格リプレイ1~4に当選し得る構成としており、第1昇格リプレイ1~4に当選し、且つ第3再遊技入賞が成立した場合には、第4RT状態の実行ゲーム数に関わらず遊技状態は第2RT状態へ移行する。但し、押し順ベルの取りこぼし時の移行出目が停止した場合には、他のRT状態とは異なり、第4RT状態から第1RT状態への移行は生じない。
なお、本実施形態では、第4RT状態をリプレイ確率が高い高RT状態として説明する。
図118は、本実施形態におけるRT状態処理を示すフローチャートである。
すなわち、本実施形態では、ステップS501~ステップS504に相当する処理は設定されておらず、先ず、ステップS5301にて移行出目が停止したか否かを判定する。移行出目が停止した場合には、ステップS5302にて第4RT設定フラグがセットされているか否かを判定することで、第4RT状態中か否かを判定する。第4RT状態中である場合には、そのままRT状態処理を終了する。すなわち、第4RT状態において移行出目が停止しても第1RT状態への移行は生じない。
ステップS5302にて第4RT状態ではない場合、ステップS5303にて通常遊技状態中であるか否かを判定し、通常遊技状態ではない場合にはステップS5306にてRT設定フラグをクリアしてから、通常遊技状態である場合にはそのままステップS5304に進み、第1RT状態に設定してからRT状態処理を終了する。移行出目が停止していない場合には、ステップS5305にて第2再遊技入賞が成立しているか否かを判定し、成立している場合には、ステップS5306にてRT設定フラグをクリアし、ステップS5304にて第1RT状態に設定する処理を実行してからRT状態処理を終了する。第2再遊技入賞が成立していない場合、ステップS5307にて第3再遊技入賞が成立しているか否かを判定する。ステップS5307で肯定判定した場合、ステップS5308にてRT設定フラグをクリアする処理を実行し、ステップS5309にて第2RT状態に設定する処理を実行してからRT状態処理を終了する。上記のとおり、本実施形態では第4RT状態において第3再遊技入賞が成立し得る構成となっており、第3再遊技入賞が成立すると、他のRT状態と同様に第2RT状態への移行が生じることとなる。ステップS5307にて第3再遊技入賞が成立していないと判定した場合のステップS5310~ステップS5315の処理は、第4RT状態に設定する場合の固定RTゲーム数設定処理(ステップS519)が設けられていないこと以外は、上記第1の実施形態の処理と同様である。
すなわち、本実施形態における第4RT状態は、第3再遊技入賞が成立するまで継続するものであり、その継続ゲーム数は第1昇格リプレイ1~4の当選確率に依存する。
そして、上記のとおり、ATモード中に第4RT状態への移行条件が成立することによって移行用報知フラグがセットされ、移行リプレイ当選時に第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞を成立させることが可能となる押し順報知が発生する。遊技者がその押し順報知に従って操作し、第4RT状態への移行が生じると、ATモードは有利区間を含めて終了する。つまり、第4RT状態へ移行することでATモード高確率状態となるものの、有利区間が終了することにより第1昇格リプレイ1~4当選時の押し順報知は発生しなくなり、これら第1昇格リプレイ当選時に第3再遊技入賞が成立することで、上記のとおり、ATモード高確率状態は終了し得る。
ちなみに、第2RT状態は、上記のとおりリプレイ確率の高いRT状態である。そして、上記のとおりATモードは終了していることからして、第2RT状態において押し順ベル当選時に移行出目が停止したり、転落リプレイ1~3当選時に第2再遊技入賞が成立したりして、第2RT状態は第1RT状態へ移行することとなる。
図119は、本実施形態における第4RT状態用の抽選テーブルの一部を示している。既に説明した通り、第4RT状態へは第11再遊技入賞と第12再遊技入賞とによって移行するものである。本実施形態では、第11再遊技入賞が成立して移行する第4RT状態と第12再遊技入賞が成立して移行する第4RT状態とで、抽選テーブルを共通のものとしている。その一方で、第4RT状態用の抽選テーブルでは、設定値によって、特に第1昇格リプレイ1~4の当選確率が異なるように設定されている。
具体的には、例えば設定1である場合、第1昇格リプレイ1~4のいずれかに当選する確率は約1.56分の1であり、設定2では約1.64分の1、設定3では約1.72分の1、設定4では約1.82分の1、設定5では約1.93分の1、設定6では約2.05分の1、といったように設定値が高くなるほど第1昇格リプレイ1~4の当選確率が低くなるように設定されている。既に説明した通り、第1昇格リプレイ1~4は、ストップスイッチ42~44の操作順序によって入賞する再遊技が異なるように設定されており、第2RT状態への移行が生じる第3再遊技入賞となる操作順序は、6通りの操作順序のうちの1通りの操作順序が対応付けられている(図23(a))。つまり、上記のように設定された第4RT状態用の抽選テーブルにおいて、第3再遊技入賞が成立する確率は、設定1から設定6まで、順に、約9.4分の1、約9.8分の1、約10.3分の1、約10.9分の1、約11.6分の1、約12.3分の1といったように、設定値が高くなるほど低くなるように設定されている。
そして、上記のように、第4RT状態が終了する場合とは、第3再遊技入賞が成立する場合であることから、第4RT状態の継続ゲーム数は設定値が高くなるほど長くなるように設定されているといえる。第4RT状態はAT高確率状態であり、遊技者にとって有利な状態であることからして、設定値が高くなるほど第4RT状態の恩恵を享受し易くなり、設定値が高くなるほど遊技者にとって有利な構成となる。
その一方で、第1昇格リプレイ1~4に当選し、且つ、その当選時における操作順序が第3再遊技入賞に対応するものである場合に、第3再遊技入賞が成立するのであり、第3再遊技入賞が成立するか否かは運の要素が大きく関与する。そのため、設定値が高く、第1昇格リプレイ1~4に当選しにくくなっていても、早期に第3再遊技入賞が成立して第4RT状態が終了する場合もあるし、設定値が低く第1昇格リプレイ1~4に当選し易くなっていても、なかなか第3再遊技入賞が成立しなくて第4RT状態が長く継続する場合もある。言い換えるならば、例えば、設定値が最も高い設定6であっても、その第4RT状態が、設定1における平均滞在ゲーム数よりも短くなることもあるし、設定値が最も低い設定1であっても、その第4RT状態が、設定6における平均滞在ゲーム数よりも長くなることもある。このように、ATモード高確率状態としての第4RT状態の継続性に運の要素が関与するようにすることで、第4RT状態を長く継続させたい、といった遊技者心理を利用した、面白みのある遊技性が実現される。
また、本実施形態では、図119に示すように、第1昇格リプレイ1~4の当選確率を設定値によって異ならせる一方、インデックス値IV=1の通常リプレイの当選確率を調節することによって、トータルのリプレイ確率は、設定値による差が生じないようにしている。具体的には、上記のように、設定値が高くなるほど第1昇格リプレイ1~4の当選確率が低くなるように設定されている一方、通常リプレイは、設定値が高くなるほど当選しにくくなるようにその当選確率が設定されている。このようにすることで、第4RT状態における持ちメダルの増減といった点では設定値による差を生じさせないようにしながら、ATモードへの移行が生じる確率といった点で、設定値による差を設けることが可能となる。また、このようにすることで、トータルのリプレイ確率から設定値が容易に判別されてしまうことを回避することが可能となる、といったメリットもある。
ここで、本実施形態における第4RT状態は、トータルのリプレイ確率が約1.53分の1であり、リプレイ確率の高い高RT状態である。具体的には、リプレイ確率の高い第2RT状態や第3RT状態と同じ又はほぼ同じリプレイ確率となっている。そのため、上記のとおり、第4RT状態へ移行することでATモードや有利区間は終了するものの、本実施形態では、リプレイ確率の高い状態は維持されることになる。そして、このようにすれば、ATモード高確率状態としての第4RT状態において、更に有利区間とATモード移行抽選に当選した場合、第1昇格リプレイ1~4当選時において第2RT状態への移行を生じさせる第3再遊技入賞用の押し順報知が発生し、ATモードが開始される。
つまり、本実施形態における第4RT状態を用いれば、リプレイ確率の低い状態を介することなく、ATモードに復帰させることが可能となる。よって、ATモード高確率状態といった所謂連荘ゾーンを、持ちメダルの減りを抑えながら遊技することができる。
<変形例1>
本変形例では、第11再遊技入賞が成立して第4RT状態に移行した場合と、第12再遊技入賞にて第4RT状態に移行した場合とで、抽選テーブルを異ならせる。図120は、本変形例における第4RT状態用の抽選テーブルを示しており、図120(a)が、第11再遊技入賞成立により移行する第4RT状態用の抽選テーブルであり、図120(b)が、第12再遊技入賞成立により移行する第4RT状態用の抽選テーブルである。
図120(a)の抽選テーブルは、上記第2の実施形態にて示した図119の抽選テーブルと同じものである。これに対して、図120(b)の抽選テーブルは、図120(a)のものと比較して、同じ設定値であっても、第1昇格リプレイ1~4の当選確率が低くなるように設定されている。例えば、設定1である場合、第11再遊技入賞により移行した第4RT状態(第4RT状態A)では約1.56分の1の確率で第1昇格リプレイ1~4に当選するのに対し、第12再遊技入賞により移行した第4RT状態(第4RT状態B)では約1.82分の1の確率で第1昇格リプレイ1~4に当選し、第4RT状態Aよりも第4RT状態Bの方が、平均滞在ゲーム数が長くなるように設定されている。
しかも、本変形例では、第1昇格リプレイ1~4の当選確率が、第4RT状態Aのものと第4RT状態Bのものとで、異なる設定値にて共通の確率となるように設定されている。具体的には、第4RT状態Aにおける設定4の当選確率と第4RT状態Bにおける設定1の当選確率とが同じ確率であり、第4RT状態Aにおける設定5の当選確率と第4RT状態Bにおける設定2の当選確率とが同じ確率であり、第4RT状態Aにおける設定6の当選確率と第4RT状態Bにおける設定3の当選確率とが同じ確率である。このようにすることで、例えば、第1昇格リプレイ1~4の出現率(当選確率)が約3.3分の1である状況で、実際には第4RT状態Bであっても、遊技者が第4RT状態Aであると判断すると設定5との予測がなされ、実際の設定値(設定3)とは異なる予測が行われることとなる。よって、設定値を予測する遊技の複雑化を通じてその遊技の面白みが増長されるし、現状の第4RT状態の種別、すなわち、第11再遊技及び第12再遊技のいずれの再遊技入賞によって第4RT状態へと移行したかに大きな関心を寄せさせることが可能となり、移行リプレイ当選時の押し順報知が発生するゲームへの注目度を好適に高めることが可能となる。
<変形例2>
本変形例では、第4RT状態の終了条件として、第1昇格リプレイ1~4当選時の第3再遊技入賞だけでなく、転落リプレイ1~3当選時の第2再遊技入賞も含める。具体的には、図121に示すように、本変形例における第4RT状態においては、第3再遊技入賞によって第2RT状態へ移行することで当該第4RT状態が終了する場合の他、第2再遊技入賞によって第1RT状態へ移行することで第4RT状態が終了する場合がある。
図122(a)は、本変形例における第4RT状態用の抽選テーブルの一部を示している。
本変形例では、インデックス値IV=1の通常リプレイ、インデックス値IV=2~5の第1昇格リプレイ1~4の他に、インデックス値IV=6~9の転落リプレイ1~3にも当選し得るようにポイント値PVが設定されている。なお、本変形例においては、各リプレイの当選確率に設定差がない構成を説明するが、設定差がある構成については後述する変形例3,4にて示す。
本変形例において、第1昇格リプレイ1~4の当選確率は約81.9分の1に設定されており、上記のとおり、第1昇格リプレイ1~4当選時の6分の1で第3再遊技に対応する順序に操作順序が合致することからして、第3再遊技入賞が成立する確率、すなわち、第2RT状態へ移行することで第4RT状態が終了する確率は、約491.5分の1となる。これに対して、転落リプレイ1~3の当選確率は約8.1分の1に設定されており、転落リプレイ1~3当選時の3分の2で第2再遊技に対応する順序に操作順序が合致することからして、第2再遊技入賞が成立する確率、すなわち、第1RT状態へ移行することで第4RT状態が終了する確率は、約12.1分の1となる。
そうすると、本変形例では、第3再遊技入賞が成立して第4RT状態が終了する場合と、第2再遊技入賞が成立して第4RT状態が終了する場合とが、第2再遊技入賞の方が圧倒的に多く生じ、これらを合計すると、約11.8分の1で第4RT状態が終了する異なる。つまり、本変形例における第4RT状態の平均滞在ゲーム数は、約11.8ゲームである。
本変形例の第4RT状態は、トータルのリプレイ確率が約7.30分の1であり、リプレイ確率の低い低RT状態である。具体的には、リプレイ確率の高い第2RT状態や第3RT状態よりも低いリプレイ確率となっている。そのため、上記のとおり、第4RT状態へ移行することでATモードや有利区間は終了し、リプレイ確率の低い状態へ移行する点で、上記第1の実施形態のものと同じ構成としている。
ここで、上記のとおり、第1昇格リプレイ1~4当選時において第3再遊技入賞が成立する確率は6分の1として設定されているところ、上記第2の実施形態のように第4RT状態の継続ゲーム数や終了条件の成立確率を第1昇格リプレイ1~4に依存させる場合、その継続ゲーム数や終了確率は第1昇格リプレイ1~4の当選確率の6分の1となる。言い換えると、6分の1の確率で第3再遊技入賞が成立する第1昇格リプレイ1~4の当選確率によって第4RT状態の終了確率を設定する場合、第1昇格リプレイ1~4の当選確率を、終了確率の6倍に設定する必要がある。そうすると、必然的に第1昇格リプレイ1~4の当選確率は高く設定せざるを得なくなり、第4RT状態のトータルのリプレイ確率も高くなり易い。
すなわち、上記第2の実施形態においては、第4RT状態をリプレイ確率の高い高RT状態として機能させることによるメリットを示したが、上記のように第1昇格リプレイ1~4によってのみ終了確率を規定する場合には、上記第1の実施形態のように第4RT状態をリプレイ確率の低い低RT状態とすることが困難となり得る。かといって、第1昇格リプレイ1~4の第3再遊技に対応する操作順序を、6通りのうちの1通りよりも多くすると、第1RT状態において、偶然、第2RT状態へ移行してしまう場合が多くなり、それも好ましくない。つまり、第1昇格リプレイ1~3は、押し順報知が発生し得る状況ではRT状態の移行を生じさせ、且つ、押し順報知が発生しない状況では、なるべくRT状態の移行を生じさせないようにするために、RT状態移行用の再遊技(第3再遊技)に対応付けられる操作順序がなるべく少なくなるように設定されている。
これに対して、転落リプレイ1~3は、押し順報知が発生し得る状況ではRT状態の移行を生じさせないようにし、且つ、押し順報知が発生しない状況では、なるべくRT状態の移行が生じ易くなるようにするために、RT状態移行用の再遊技(第2再遊技)に対応付けられる操作順序がなるべく多くなるように設定されている。そして、本変形例では、かかる転落リプレイ1~3を利用して、第4RT状態を終了させる契機として用いる構成としている。このようにすることで、終了確率に寄与する転落リプレイ1~3の当選確率をさほど高くしなくてもよくなり、新たにRT状態移行用のリプレイを増設することなく、第4RT状態のトータルのリプレイ確率を低く抑えることが可能となる。
しかも、本変形例では、第4RT状態の終了条件を第2再遊技入賞と第3再遊技入賞といった2つのルートを設定することで、第4RT状態中にATモード当選した場合と、ATモード当選しなかった場合とで、別々のルートを経て第4RT状態を終了させることも可能となる。つまり、第2再遊技入賞を成立させることで第1RT状態に移行するのであるから、ATモード移行抽選に当選していない場合には、第2再遊技入賞を成立させて第4RT状態を終了させたほうが、速やかに通常時の状態(第1RT状態)へ移行させることが可能な構成となる。一方、第3再遊技入賞を成立させることで第2RT状態に移行するのであるから、ATモード移行抽選に当選している場合には、第3再遊技入賞を成立させて第4RT状態を終了させたほうが、第1RT状態を介さずにATモードを開始させることが可能な構成となる。
但し、本変形例においては、第1昇格リプレイ1~4の当選確率が低く設定されていることから、ATモード移行抽選に当選している場合であっても、第1昇格リプレイ1~4当選を待って第2RT状態へ移行させようとすると、ATモード開始までに要するゲーム数が比較的多くなり得る。つまり、第1昇格リプレイ1~4の当選確率は上記のとおり約81.9分の1であり、ATモード当選時に、第3再遊技入賞を成立させて第2RT状態へ移行させる場合(図122(b)における第2ルート)、ATモード当選からATモード開始までに約81.9ゲーム要することとなる。これに対して、転落リプレイ1~3の当選確率は上記のとおり約8.1分の1であり、ATモード当選時に、第2再遊技入賞を成立させて第1RT状態へ移行させ、第1RT状態にて第1昇格リプレイ1~4を当選させて第2RT状態へ移行させる場合(図122(a)における第1ルート)、第4RT状態にてATモードに当選してからATモード開始までに、第4RT状態中の約8.1ゲームと、第1RT状態中の約8.1ゲーム(第1RT状態中の第1昇格リプレイ1~4の当選確率参照)とで、約16.2ゲーム要することとなり、上記第2ルートよりも第1ルートの方が速やかに第2RT状態への移行が生じ得る。
本変形例における押し順役処理においては、図123に示すように、ステップS5405にて転落リプレイ1~3に当選した場合、ステップS5406にてAT用報知フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップS5424にて第4RT状態中であるか否かを判定する。既に説明した通り、第4RT状態へ移行することによってATモード(有利区間)の終了処理が行われ、AT用報知フラグもクリアされる。つまり、ステップS5424にて第4RT状態中であると判定する場合とは、第4RT状態中に、再度ATモード移行抽選に当選した場合であって、ATモード当選報知が行われて、ATモードの開始待ちの状態といえる。ステップS5424にて第4RT状態である場合、ステップS5425にて、第1RT状態への移行を生じさせる第2再遊技に対応する押し順報知を行うように指示モニタ68を制御する。そして、ステップS5426にて、第2再遊技入賞に対応する押し順情報を含む押し順コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。当該押し順コマンドを受信した表示制御装置81は、第2再遊技の押し順に対応する押し順報知演出を行うように、補助表示部65やスピーカ64等を制御する。
ステップS5424にて第4RT状態ではないと判定した場合は、ステップS5407に進み、第1再遊技の押し順報知用の処理を行う。ステップS5401~ステップS5423の処理は、上記説明した部分を除いて、ステップS1501~ステップS1523の処理と同様である。すなわち、第4RT状態でAT用報知フラグがセットされている場合において、第1昇格リプレイ1~4に当選した場合には、ステップS5401及びステップS5402にて肯定判定し、ステップS5403にて第3再遊技の押し順報知用の処理を行う。
このようにすることで、第4RT状態において、ATモード移行抽選に当選した場合、第1RT状態を介して第2RT状態へ移行させる第1ルートと、第2RT状態へ直接移行させる第2ルートとを設けたうえで、各ゲームの抽選結果に応じて、第2RT状態への移行が速やかに生じるルートを好適に選択することが可能となる。
<変形例3>
本変形例では、上記変形例2のように、第4RT状態の終了条件として第2再遊技入賞と第3再遊技入賞とを設定したうえで、第1昇格リプレイ1~4や転落リプレイ1~3の当選確率に設定差を設ける構成について説明する。図124は、本変形例における第4RT状態用の抽選テーブルの一部を示している。
本変形例における第1昇格リプレイ1~4の当選確率は、設定1,3,5では約81.9分の1であるのに対し、設定2,4,6では約819分の1であり、奇数設定の方が偶数設定よりも圧倒的に当選し易くなるように設定されている。これに対して、転落リプレイ1~3の当選確率は、設定1,2は約8.1分の1、設定3,4は約12.1分の1、設定5,6は約24.3分の1であり、設定が高くなるほど当選しにくくなるように設定されている。そして、第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞を契機とする第4RT状態の終了確率は、設定1では約11.8分の1であり設定6では約36.1分の1であり、設定値が高くなるほど平均滞在ゲーム数が長くなるように各設定値で異なっている。
すなわち、本変形例においては、第4RT状態の平均滞在ゲーム数が、設定値によって異なっており、その平均滞在ゲーム数から設定値を予測するという楽しみが追加されている。しかも、第1昇格リプレイ1~4の当選確率からは設定値の偶奇を判別可能であり、転落リプレイ1~3の当選確率からは設定値の高低を判別可能となっており、これらの組合せによって、設定値の絞り込みが行えるようになっている。このようにすることで、単に第4RT状態においてATモード移行抽選に当選させるといった遊技だけではなく、設定値を予測させる遊技も行うことが可能となり、遊技の面白みを増加させることができる。
付け加えると、上記のように、第1昇格リプレイ1~4と転落リプレイ1~3とは、ATモード非当選時においては、ATモード高確率状態としての第4RT状態の終了契機となるものである一方、ATモード当選時においては、ATモードへ移行させるための契機ともなり得るものである。そのため、ATモード移行抽選の当否に関わらず、第4RT状態を利用して設定値を予測する遊技を行うことが可能となり、当該遊技が行われる機会を好適に提供することができる。その一方で、第1昇格リプレイ1~4や転落リプレイ1~3に当選した場合において、ATモード当選時では押し順報知が発生し、ATモード非当選時では押し順報知が発生しない。そのため、これらのリプレイの当選回数と試行ゲーム数とから当選確率を算出して設定値を予測するうえで、当該リプレイに当選した情報は、ATモード非当選時においては複数回得られる可能性があるものの、ATモードに当選すると、その後、基本的には1回だけ得られるものである。そのため、ATモード非当選時の方が、設定値を予測する遊技において得られる情報が多くなり易く、ATモードに当選しなかったことの補填がなされている。
<変形例4>
図125は、本変形例における第4RT状態用の抽選テーブルの一部を示している。
本変形例における第1昇格リプレイ1~4は、設定2,4,6では約81.9分の1であって当選確率が共通しているのに対して、設定1,3,5では、約10.2分の1、約9.6分の1、約8.2分の1といったように、設定値が高くなるほど当選し易くなるように設定されている。これに対して、転落リプレイ1~3は、設定1から順に、約26.3分の1、約16.8分の1、約43.7分の1、約21.8分の1、約72.8分の1、約24.3分の1、といったように、設定値によってそれぞれ異なる当選確率が設定されている。このような当選確率により、第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞を契機とする第4RT状態の終了確率は、設定1と設定2とで同じ(ほぼ同じ)約24.0分の1であり、設定3と設定4とで同じ(ほぼ同じ)約30.7分の1であり、設定5と設定6とで、同じ(ほぼ同じ)約33.9分の1となるように算出される。
つまり、第4RT状態の平均滞在ゲーム数、すなわち、ATモード高確率状態の恩恵の受け易さ、といった観点からすると、設定1と設定2、設定3と設定4、設定5と設定6とでは共通しており、その差はないかほとんどないものの、第4RT状態が終了するルートの振り分け(割合)といった観点からすると、設定1と設定2、設定3と設定4、設定5と設定6とで異なっている。具体的には、設定2よりも設定1の方が、また、設定4よりも設定3の方が、設定6よりも設定5の方が、第2RT状態を介して終了する割合が高くなっている。第2RT状態では、運よく第11再遊技入賞等を成立させることができれば、再度、ATモード高確率状態へ移行させることが可能となるため、第2RT状態を介して終了する割合が高いほど、ATモード高確率状態に再チャレンジできる可能性も高くなる。その一方で、第2RT状態を介する割合を高めると、第1昇格リプレイ1~4の当選確率が高くなり、そうすると、第1昇格リプレイ1~4当選時の操作順序によっては、平均滞在ゲーム数を消化することなく第4RT状態が終了する可能性も高くなる。
そのため、設定1と設定2、といった平均滞在ゲーム数が共通する設定値において、設定1の方が、ATモード高確率状態に再チャレンジできる可能性が高い分、運の要素で、第4RT状態が早期に終了する可能性が高くなり、設定2の方が第4RT状態の平均滞在ゲーム数を消化できる可能性が高い、といった特徴付けがなされている。このように、設定値によって第4RT状態のリプレイ確率を異ならせるだけで、ATモードに関する遊技性を大きく異ならせることが可能となっている。
<第3の実施形態>
上記第1,第2の実施形態では、有利区間移行抽選に当選した場合、そのゲームで更にATモード移行抽選(ATモード先抽選)を実行する構成としていたが、本実施形態では、有利区間移行抽選に当選した場合、その当選契機となった遊技結果を有利区間移行後まで記憶しておき、その記憶している遊技結果に基づいてATモード移行抽選を行う構成とする。図126(a)は、本実施形態における有利区間移行当選時処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、有利区間移行当選時処理は、抽選結果対応処理において、有利区間フラグがセットされていない通常区間中の有利区間移行抽選処理に当選した場合に実施される処理である。
ステップS5501では、今回のゲームの遊技結果を把握する処理を実行する。そして、ステップS5502にて、把握した遊技結果を、RAM106に設けられた移行当選時情報一時記憶エリア106f(図126(b)参照)に記憶する処理を実行する。移行当選時情報一時記憶エリア106fは、例えば、移行契機役の種類に応じて複数種類のエリアが設定されており、ステップS5502では、移行当選時情報一時記憶エリア106fのうち、有利区間移行抽選当選の契機となった移行契機役に対応するエリアに当選情報(例えばフラグ)を格納する処理を実行してから、本有利区間移行当選時処理を終了する。このようにすることで、いずれの移行契機役によって有利区間移行抽選に当選したかをCPU102が特定可能となっている。
なお、移行当選時情報一時記憶エリア106fの構成は上記構成に関わらず、有利区間移行抽選に当選したゲームでの遊技結果を、CPU102が事後的に(以後のゲームで)特定可能であればよい。例えば、移行契機役に対応付けれらた番号情報(例えば、強チェリーであれば15、弱チェリーであれば16、インデックス値IVでもよい)を記憶する構成としてもよい。また、今回のゲームの抽選処理(図16)で利用した乱数(スタートレバー41の操作に基づき、ハード回路がフリーランカウンタからラッチした値)や、今回のゲームで利用した抽選テーブル(遊技状態及び設定値の情報)、を記憶する構成としてもよい。この場合であっても、CPU102にて、事後的に、ステップS303~ステップS310の抽選用の処理を行うことによって、有利区間移行抽選の契機となった遊技結果を特定することが可能である。
図127は、本実施形態における第1特定役処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、第1特定役処理は、抽選結果対応処理において、有利区間フラグがセットされており、ATモード移行抽選に当選していない場合に実施される処理であり、有利区間中にATモード移行抽選を行うための処理である。
本実施形態では、先ず、ステップS5613にて、上記の移行当選時情報一時記憶エリア106fに遊技結果に関する情報が記憶されているか否かを判定する。記憶されていない場合には、ステップS5614にて今回のゲームの遊技結果を把握し、記憶されている場合には、ステップS5615にて移行当選時情報一時記憶エリア106fに記憶されている遊技結果の情報、すなわち、有利区間移行抽選に当選したゲームでの遊技結果を把握する処理を実行する。ステップS5615の処理の後は、ステップS5616にて一時記憶エリアの消去処理を実行する。
ステップS5614又はステップS5616の処理を実行した後は、ステップS5601~ステップS5611のATモード移行抽選用の処理やその移行抽選の結果に応じた処理を実行する。ステップS5601~ステップS5611の処理は、上記ステップS901~ステップS911の処理と同様である。
すなわち、本実施形態においては、図128に示すように、通常区間において有利区間移行抽選に当選した場合、そのゲームでの遊技結果(図においては、弱スイカの当選情報)が記憶される。そして、次のゲームから有利区間が開始されるところ、当該有利区間移行ゲームにおいて、上記記憶されている遊技結果に基づくATモード移行抽選が行われる。かかるATモード移行抽選に当選した場合と当選しなかった場合の処理は、上記各実施形態と同様であり、当選した場合には、前兆モードを経てATモードが開始され、当選しなかった場合には、当該ゲームにて有利区間が終了されて、次ゲームは通常区間となる。
このようにすることで、有利区間においてはATモード移行抽選の実施が許容され、通常区間においてATモード移行抽選の実施が制限される、といった前提を担保しながら、有利区間移行抽選とATモード移行抽選といった2段階の抽選において、せっかく有利区間移行抽選に当選するに値する遊技結果を引き当てたのにもかかわらず、再度ATモード移行抽選用の遊技結果を引き当てる必要がある、といった困難性を解消することが可能となる。つまり、有利区間移行抽選用の遊技結果を用いて、ATモード移行抽選を行う構成としつつ、有利区間移行前にATモード移行抽選が行われることを制限することが可能となる。
また、上記のように、移行当選時情報一時記憶エリア106fに遊技結果を記憶しておく構成としたことにより、ATモード移行抽選を実施するゲームの自由度が大幅に高められる。つまり、上記構成では、有利区間移行ゲームにてATモード移行抽選を実行する構成としたが、例えば、有利区間移行ゲームよりも後のゲームにて有利区間移行抽選に当選したゲームの遊技結果を用いたATモード移行抽選を実行する構成としてもよい。このようにすることで、有利区間移行とATモード移行抽選とが同じゲームで実施されることによる処理負荷の増大化を解消することが可能となる。但し、ATモード移行抽選に非当選となった場合に有利区間を終了させる構成においては、上記のように、有利区間移行ゲームにてATモード移行抽選を行う構成とした方が、より有利区間であって且つATモードではないゲームの割合を少なくすることが可能となる。
<変形例1>
上記第3の実施形態では、移行当選時情報一時記憶エリア106fに遊技結果の情報が記憶されている場合には、その情報に基づいてATモード移行抽選を実行し、記憶されていない場合にはそのゲームの遊技結果に基づいてATモード移行抽選を実行する構成としたが、本変形例では、両遊技結果の情報を加味してATモード移行抽選を実行する。
図129は、本変形例における第1特定役処理を示すフローチャートである。
ステップS5713では、移行当選時情報一時記憶エリア106fに遊技結果の情報が記憶されているか否かを判定する。記憶されていない場合には、ステップS5714にて今回のゲームの遊技結果を把握する処理を実行する。一方、記憶されている場合には、ステップS5715にて移行当選時情報一時記憶エリア106fに記憶されている遊技結果の情報を把握し、ステップS5716にて当該エリア106fの消去処理を実行したうえで、ステップS5714にて今回のゲームの遊技結果を把握する処理を実行する。すなわち、移行当選時情報一時記憶エリア106fに遊技結果の情報が記憶されている場合には、その情報とともに今回の遊技結果の情報が把握される。
ステップS5714の処理を実行した後は、ステップS5701~ステップS5711のATモード移行抽選用の処理等を実行する。これらの処理も、ステップS901~ステップS911と同様であり、本変形例では、ステップS5701にて取得する移行抽選テーブルが上記のものと異なっている。
図130は、本変形例におけるATモード移行抽選テーブルの一部を示している。
本変形例においては、移行当選時情報一時記憶エリア106fに記憶されている遊技結果の情報と、今回のゲームの遊技結果の情報と、の組合せによって、ATモード移行抽選に当選する確率が異なるように設定されている。
具体的には、例えば、移行当選時情報一時記憶エリア106fに通常リプレイの情報が記憶されている場合であって、今回のゲームの遊技結果が強チェリーである場合、すなわち、有利区間移行当選時の遊技結果が通常リプレイである場合であって、有利区間移行ゲームで強チェリーに当選した場合、ATモード移行抽選に90%の確率で当選する。一方、移行当選時情報一時記憶エリア106fに強チェリーの情報が記憶されている場合であって、今回のゲームの遊技結果が強チェリーである場合、すなわち、有利区間移行当選時の遊技結果が強チェリーである場合であって、更に、有利区間移行ゲームで強チェリーに当選した場合、ATモード移行抽選に100%の確率で当選する。
また、例えば、移行当選時情報一時記憶エリア106fに強スイカの情報が記憶されている場合であって、今回のゲームの遊技結果が通常リプレイである場合、ATモード移行抽選に1%の確率で当選する。一方、移行当選時情報一時記憶エリア106fに強スイカの情報が記憶されている場合であって、今回のゲームの遊技結果が強スイカである場合、ATモード移行抽選に100%の確率で当選する。
つまり、有利区間移行ゲームとしてATモード移行抽選を行うゲームの遊技結果が同じ結果であっても、有利区間移行抽選に当選したゲームの遊技結果によって、ATモード移行抽選の当選確率が異なるように設定されている。また、有利区間移行抽選に当選したゲームの遊技結果が同じ結果であっても、有利区間移行ゲームとしてATモード移行抽選を行うゲームの遊技結果によって、ATモード移行抽選の当選確率が異なるように設定されている。このように、有利区間移行抽選に当選したゲームの情報と、ATモード移行抽選が行われるゲームの情報とを両方を加味したATモード移行抽選とすることで、例えば、せっかく有利区間移行抽選時に所謂レア役に当選したのに、ATモード移行抽選時にはレア役に当選しなかったために有利なATモード移行抽選を受けられない、といった不条理感を解消することが可能となる。
そのうえで、例えば、移行当選時情報一時記憶エリア106fに通常リプレイの情報が記憶されている場合であって、今回のゲームの遊技結果が通常リプレイである場合、ATモード移行抽選に1%の確率で当選し、移行当選時情報一時記憶エリア106fに強チェリーの情報が記憶されている場合であって、今回のゲームの遊技結果が通常リプレイである場合、ATモード移行抽選に1%の確率で当選し、ATモード移行抽選の当選確率は同じである。その一方、上乗せ特化ゾーン付きのSATモードへは、移行当選時情報一時記憶エリア106fに通常リプレイの情報が記憶されている場合は0.1%の確率で上乗せ特化ゾーンに当選し、移行当選時情報一時記憶エリア106fに強チェリーの情報が記憶されている場合は90%の確率で上乗せ特化ゾーンに当選する。
つまり、有利区間移行ゲームとしてATモード移行抽選を行うゲームの遊技結果が同じ結果である場合において、有利区間移行抽選に当選したゲームの遊技結果に関わらずATモード移行抽選の当選確率が同じ確率となる場合もあるものの、有利区間移行抽選に当選したゲームの遊技結果の情報は、ATモード移行抽選に当選した場合の上乗せ特化ゾーンの当選確率に寄与する構成としている。このようにすることで、ATモード移行抽選の当選確率を高めすぎることなく、有利区間移行抽選に当選したゲームの遊技結果を、ATモード移行抽選に反映させることが可能となる。
<変形例2>
本変形例では、移行当選時情報一時記憶エリア106fに遊技結果の情報が記憶されている場合には、その遊技結果の情報に基づいてATモード移行抽選が行われる点で上記第3の実施形態と共通しているものの、当該移行当選時情報一時記憶エリア106fの情報に基づくATモード移行抽選に非当選であった場合に、今回のゲームの遊技結果に基づくATモード移行抽選が行われる点で異なっている。
すなわち、本変形例における第1特定役処理では、図131に示すように、ステップS5813にて移行当選時情報一時記憶エリア106fに遊技結果の情報が記憶されているか否かを判定する。記憶されていない場合には、ステップS5814にて今回のゲームの遊技結果を把握したうえで、ステップS5801~ステップS5811のATモード移行抽選用の処理等を行う。これらステップS5801~ステップS5811の処理も、上記ステップS901~ステップS911の処理と同様である。
ステップS5813にて遊技結果の情報が記憶されていると判定した場合、ステップS5815に進む。ステップS5815では、移行当選時情報一時記憶エリア106fに記憶されている遊技結果の情報を把握する処理を行い、ステップS5816にて当該一時記憶エリア106fの消去処理を行う。そして、ステップS5817にて、ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行し、ステップS5818にてATモード移行抽選を実行する。これらステップS5817及びステップS5818の処理は、ステップS901及びステップS902の処理と同様であり、遊技状態(RT状態)に応じたATモード移行抽選テーブルにて(遊技状態に応じた当選確率で)ATモード移行抽選を行う。
ステップS5818にてATモード移行抽選を行った後は、ステップS5819にてATモード移行抽選に当選したか否かを判定する。当選している場合には、ステップS5804に進み、ATモード当選フラグをセットする等、ATモード当選時の処理を行う。これに対して、ステップS5819にて非当選であると判定した場合、ステップS5814に進み、今回のゲームの遊技結果を把握する処理を行う。そして、ステップS5801以降のATモード移行抽選用の処理等を行う。
以上のように、本変形例では、先ずは、有利区間移行抽選に当選したゲームの遊技結果に基づいて、有利区間移行後のゲーム(移行ゲーム)にてATモード移行抽選を行う構成としつつ、その有利区間移行当選時の遊技結果に基づくATモード移行抽選に非当選となった場合にだけ、ATモード移行抽選時の遊技結果が参照されて、再度、ATモード移行抽選が行われる。このようにすることで、ATモード移行抽選時の遊技結果が参照され得るようにしつつも、ATモード移行抽選時の遊技結果が参照される機会を少なくし、処理や抽選テーブルの複雑化を回避することができる。
<変形例3>
本変形例では、有利区間移行当選時の遊技結果を、有利区間移行後に行われるATモード移行抽選に反映させる構成において、当該有利区間移行当選時の遊技状態や遊技結果によって、その遊技結果の情報がATモード移行抽選に反映される回数を異ならせる。
図による詳細な説明は省略するが、例えば、上記図113の有利区間終了カウンタの値を、移行当選時情報一時記憶エリア106fに記憶が保持されるゲーム数やATモード移行抽選の実行回数に利用する。すなわち、図126(a)の有利区間移行当選時処理において、移行当選時情報一時記憶エリア106fに遊技結果の情報を記憶する場合に、図113の上記有利区間終了カウンタの値に相当する値を各種カウンタエリア106eにおける消去用のカウンタに入力する。そして、ステップS5616やステップS5716、ステップS5816の消去処理に際して、上記消去用のカウンタを1減算する処理を行い、当該カウンタが0となれば移行当選時情報一時記憶エリア106fの消去処理を行い、0ではなければ、当該移行当選時情報一時記憶エリア106fの情報を記憶保持する(消去しない)構成とする。これにより、移行当選時情報一時記憶エリア106fに記憶されている有利区間移行当選時の遊技結果についての情報が、複数回のゲームに亘って、又は複数回のATモード移行抽選の契機に亘って、利用される構成となり、その回数が当該有利区間移行当選時の遊技結果の種類によって異なる構成となる。
具体的には、第4RT状態において、強チェリーを契機として有利区間移行抽選に当選した場合には、上記消去用のカウンタに5を入力し、弱チェリーを契機として有利区間移行抽選に当選した場合には、上記消去用のカウンタに2を入力する構成とすると、強チェリーを契機として有利区間移行抽選に当選した場合には、その情報が5回のATモード移行抽選に亘って利用される一方、弱チェリーを契機として有利区間移行抽選に当選した場合には、その情報が2回のATモード移行抽選に亘って利用される構成となる。
この場合、RT状態の情報も加味して、上記消去用のカウンタに値を入力する構成としてもよく、例えば、第0RT状態~第3RT状態において強チェリーを契機として有利区間移行抽選に当選した場合には、上記消去用のカウンタに1を入力し、弱チェリーを契機として有利区間移行抽選に当選した場合にも、上記消去用のカウンタに1を入力する構成としてもよい。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記各実施形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態や変形例の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)ATモード高確率状態としての第4RT状態への移行が生じる契機として、第11再遊技や第12再遊技を設定し、これら第11再遊技や第12再遊技の入賞に対応する押し順報知を行う構成としたが、第4RT状態への移行契機がこれらの再遊技に限定されず、他の移行契機を設ける構成としてもよい。他の移行契機を設ける場合、その入賞を可能とする操作態様の報知を行う構成とするとよい。例えば、第11再遊技や第12再遊技の他の移行契機として、他の再遊技を設ける場合には、当該他の再遊技入賞を成立させるための操作態様の報知を行う構成とするとよい。また、例えば、強チェリー等の小役入賞又は取りこぼしを契機として第4RT状態への移行を生じさせる構成としてもよく、この場合、第4RT状態への移行を生じさせる入賞又は取りこぼし用の操作態様の報知を行う構成としてもよいし、当該移行契機となる結果に当選したことの報知を行うだけの構成でもよい。また、報知する操作態様は押し順報知に限られず、操作タイミングの報知や狙うべき図柄の報知(例えば、「赤7」図柄を狙え、といった報知)であってもよい。更に、移行出目のように入賞は成立しないものの、RT状態の移行だけが生じる結果を用いて、ベル入賞となる押し順報知と取りこぼしを生じさせて移行出目を停止させる押し順報知とによって、第4RT状態への移行の有無を生じさせる構成としてもよい。
(2)ATモード高確率状態としての第4RT状態への移行が、ATモード中に生じるようにATモード中の押し順報知によるアシストについての構成を説明したが、ATモード中以外にも、又はATモード中以外に第4RT状態へのアシストを行う構成としてもよい。具体的には、例えば、通常遊技状態や第1RT状態においても移行リプレイ1,2等の第4RT状態への移行契機となる結果に当選し得る構成とし、これら通常遊技状態や第1RT状態において有利区間への移行抽選に当選した場合、その後のゲームにおいて上記第4RT状態への移行契機となる結果に当選したことに基づいて、その移行をアシストする構成としてもよい。この場合、第4RT状態への移行が生じたゲームにて有利区間が終了しないように、有利区間において上記移行契機となる結果に基づくATモード移行抽選に非当選となった場合には、有利区間終了カウンタに0ではない値(1以上の値)を入力する構成とするとよい。
(3)第4RT状態への移行が生じ得る移行リプレイ1,2に当選した場合、移行用報知フラグがセットされていれば第11再遊技入賞や第12再遊技入賞に対応する押し順報知を実行したり、その際に実行される報知抽選に当選した場合に上記再遊技入賞に対応する押し順報知を実行したりする構成としたが、移行用報知フラグがセットされていても第4RT状態への移行をアシストしない移行契機となる結果が含まれていてもよい。例えば、移行リプレイ1,2の他に、移行リプレイ3を設け、当該移行リプレイ3当選時においては、第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞とともに、第1再遊技入賞等もその操作順序によって成立し得る構成とする。そして、上記のように移行用報知フラグがセットされている場合に、移行リプレイ1、2に当選した場合には第11再遊技入賞や第12再遊技入賞に対応する押し順報知が発生し得るようにする一方、移行リプレイ3であれば移行用報知フラグがセットされていても第11再遊技入賞や第12再遊技入賞に対応する押し順報知が発生し得ない構成としてもよい。なお、押し順報知を発生させるか否かの抽選を介する構成において、移行リプレイ3であれば、当該押し順報知を発生させるか否かの抽選に非当選となるようにしてもよいし、抽選すら行わずに押し順報知を発生させないようにしてもよい。
(4)ATモード移行抽選の当選確率が異なるATモード高確率状態を複数設ける構成において、それぞれのRT状態移行を生じさせるアシストの発生条件を異ならせる構成としてもよい。具体的には、例えば第11再遊技入賞に基づいて移行する第4RT状態と、第12再遊技入賞に基づいて移行する第4RT状態とで、ATモード移行抽選の当選確率が異なる構成において、第11再遊技入賞に基づく第4RT状態をアシストする条件と、第12再遊技入賞に基づく第4RT状態をアシストする条件とが異なる構成としてもよい。例えば、第11再遊技入賞を可能とする移行リプレイ1当選時においては、移行用報知フラグがセットされ且つ第1の確率で当選する報知抽選に当選した場合に第11再遊技入賞に対応する押し順報知を発生させ、また、第12再遊技入賞を可能とする移行リプレイ2当選時においては、移行用報知フラグがセットされ且つ第1の確率とは異なる確率で当選する報知抽選に当選した場合に第12再遊技入賞に対応する押し順報知を発生させる構成や、移行用報知フラグを複数設け、残りゲーム数が第1数となった場合に第11再遊技入賞に対応する移行用報知フラグをセットし、残りゲーム数が第1数とは異なる第2数となった場合に第12再遊技入賞に対応する移行用報知フラグをセットする構成とするとよい。
(5)第4RT状態へは移行リプレイ1,2当選時の第11再遊技入賞や第12再遊技入賞に基づいて移行する構成としたが、例えば、ボーナス当選やボーナス状態の終了を契機として移行する構成としてもよい。例えば、第1BBや第2BBに当選しているものの、その入賞前である持ち越し状態が第4RT状態となる構成としてもよいし、また、第1BBや第2BB当選に基づくボーナス状態の終了に基づいて、第4RT状態に設定される構成としてもよい。これらにおいて、第1BB当選に基づく持ち越し状態は第4RT状態に設定される一方、第2BB当選に基づく持ち越し状態は第4RT状態に設定されない構成や、第1BB当選に基づくボーナス状態終了後は第4RT状態に設定される一方、第2BB当選に基づくボーナス状態終了後は第4RT状態に設定されない、といったように、ボーナスの種類によって第4RT状態の設定の有無が異なる構成としてもよい。
(6)通常遊技状態としての第0RT状態において、第4RT状態への移行が生じ得る構成としてもよい。第0RT状態は、電源投入後やRAMクリア処理後の他、ボーナス終了後に移行する状態であり、移行出目停止に基づいて第1RT状態へ移行する。すなわち、通常時において、多くは第1RT状態に滞在し、朝一やボーナス終了後に第0RT状態に滞在する。このような構成において、第0RT状態にて第4RT状態への移行が生じ得るように、例えば移行リプレイ1,2当選が可能な構成とすることで、これらの朝一やボーナス終了後の優位性を第4RT状態によるATモード高確率状態にて実現することが可能となる。この場合においても、当該第0RT状態において有利区間移行抽選に当選した場合には、移行リプレイ当選時の第4RT状態への移行用のアシストを発生させる構成とするとよい。
(7)移行リプレイ当選時の第4RT状態への移行用のアシストとして、第11再遊技入賞や第12再遊技入賞に対応する押し順報知を行う構成としたが、第11再遊技入賞や第12再遊技入賞に1対1で対応する押し順だけでなく第1再遊技入賞や他の再遊技入賞にも対応する押し順の押し順報知を発生させる構成としてもよい。具体的には、3つのストップスイッチ42~44の操作順序のうち、最初に停止させるべきもの、次に停止させるべきもの、最後に停止させるべきもの、といった押し順報知だけでなく、最初に停止させるべきものだけの押し順報知を行い、2番目と3番目は、遊技者の勘が合致した場合に第11再遊技入賞や第12再遊技入賞が成立する、といった遊技性としてもよい。
この場合、最初から最後までの押し順を報知する割合と、最初だけといったように一部の押し順を報知する割合とが、設定値や有利区間の超過分等によって異なる構成としてもよい。
(8)ATモード高確率状態としての第4RT状態が複数種類設定されている構成において、いずれも有利区間残りゲーム数ZGが10となったことに基づいてその移行を生じさせることが可能となる構成としたが、第4RT状態の種類によって、その移行を生じさせることが可能となる条件が異なる構成としてもよい。例えば、10ゲームの第4RT状態への移行を生じさせることが可能となる条件は有利区間残りゲーム数ZGが10となることであるのに対して、30ゲームの第4RT状態への移行を生じさせることが可能となる条件は有利区間残りゲーム数ZGが30となること、といったように、それぞれの条件を設定してもよい。この場合、例えば、有利区間残りゲーム数ZGが10となった場合に、移行用報知フラグとして移行用報知フラグ1をセットし、有利区間残りゲーム数ZGが30となった場合に、移行用報知フラグとして移行用報知フラグ2をセットし、移行リプレイ1当選時に移行用報知フラグ1がセットされていれば10ゲームの第4RT状態への移行を生じさせる押し順報知を発生させ、移行リプレイ2当選時に移行用報知フラグ2がセットされていれば30ゲームの第4RT状態への移行を生じさせる押し順報知を発生させる構成とするとよい。
(9)継続ゲーム数やATモード移行抽選の当選確率が異なることで、遊技者にとっての有利度が異なるATモード高確率状態としての第4RT状態が複数ある構成において、その第4RT状態への移行用の押し順報知の態様や演出を、移行した場合の有利度に合わせて異ならせる構成としてもよい。具体的には、第11再遊技入賞に基づく第4RT状態よりも第12再遊技入賞に基づく第4RT状態のほうが有利な構成において、第11再遊技入賞に対応する押し順報知を発生させる場合には、その操作順序を背景色が第1色(青)の第1演出での押し順報知演出を発生させ、第12再遊技入賞に対応する押し順報知を発生させる場合には、その操作順序を背景色が第1色とは異なる第2色(赤)の第2演出での押し順報知演出を発生させる構成としてもよい。
(10)ATモード高確率状態としての第4RT状態への移行を生じさせる押し順報知の発生の有無を、主制御装置101側(RT移行用処理等)にて管理する構成としたが、表示制御装置81側にて管理する構成としてもよい。
(11)第4RT状態への移行が生じた場合に、有利区間を終了させる構成としたが、有利区間は終了させず、ATモードだけを終了させる構成としてもよい。また、有利区間の終了の有無が有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数ZMの値によって異なる構成、すなわち、上限ゲーム数までの残りゲーム数や上限増加数までの増加数によって異なる構成としてもよい。
(12)第4RT状態への移行が生じた場合に、有利区間を終了させる構成としたが、第4RT状態への移行が生じても、ATモードの残りゲーム数が0となるまで、有利区間やATモードが継続する構成としてもよい。
また、ATモードの残りゲーム数によって、第4RT状態移行時の有利区間やATモードの継続の有無が異なる構成としてもよく、例えば、移行用報知フラグがセットされていない状況、すなわち、残りゲーム数が10に至っていない状況で第4RT状態への移行が生じた場合には、有利区間やATモードを終了させない一方、移行用報知フラグがセットされていて、残りゲーム数が10以下である状況で第4RT状態への移行が生じた場合には、有利区間やATモードを終了させる構成としてもよい。
有利区間の実行ゲーム数や増減枚数によって、第4RT状態移行時の有利区間やATモードの継続の有無が異なる構成としてもよく、例えば、有利区間の強制終了条件にまだまだ達しない状況で第4RT状態への移行が生じた場合には、有利区間を終了させない一方、有利区間の強制終了条件に近い状況で第4RT状態への移行が生じた場合には、有利区間を終了させる構成としてもよい。
更に、第4RT状態移行時の有利区間やATモードの継続の有無が設定値によって異なる構成としてもよい。
(13)第4RT状態移行時の有利区間やATモードを終了させる構成において、第4RT状態移行ゲームにて有利区間やATモードを終了させる構成としたが、その次のゲームにて有利区間やATモードを終了させる構成としてもよいし、それよりも後のゲームにて有利区間やATモードを終了させる構成としてもよい。例えば、第4RT状態移行時に、有利区間やATモード終了までのゲーム数を設定する構成とし、そのゲーム数を消化することで有利区間やATモードが終了する構成としてもよい。この場合、終了までのゲーム数が、第4RT状態移行時のATモードの残りゲーム数や有利区間の実行ゲーム数等の、第4RT状態移行までの遊技状況や設定値によって異なる構成としてもよい。
(14)ATモード非当選時に有利区間を終了させる構成としたが、ATモード非当選時の一部で有利区間を終了させる構成としてもよい。具体的には、ATモード移行抽選に非当選となった場合に、AT非当選フラグや有利区間終了カウンタに対応する値を入力する処理を、有利区間終了用の抽選を介して、当該終了抽選に当選となった場合(継続抽選に非当選となった場合)に実行する構成としてもよい。
また、ATモード移行抽選の契機となった遊技結果によって有利区間の終了の有無が異なる構成としてもよく、上記の終了抽選の当選確率が異なる構成としてもよい。
(15)ATモード先抽選において非当選となった場合、有利区間移行ゲームにて当該有利区間を終了させる構成としたが、有利区間に移行させない構成としてもよい。
(16)有利区間移行前に有利区間移行当選時のゲームに基づくATモード先抽選を実行する構成としたが、有利区間の開始ゲーム(移行ゲーム)が有利区間移行当選ゲームの次のゲームよりも後のゲームとなる構成においては、有利区間移行当選ゲームから開始ゲームの1ゲーム前までにおいてATモード先抽選を実行する構成としてもよい。この場合、当該移行当選ゲームから開始ゲームの1ゲーム前までのゲームの各ゲームの遊技結果に基づいてATモード先抽選を実行する構成としてもよいし、移行当選ゲームの遊技結果を記憶しておき、各ゲームで当該移行当選ゲームの遊技結果を利用する構成としてもよい。
(17)第1BBや第2BB等のボーナスと有利区間との同時当選した場合において、有利区間の開始ゲームがボーナス入賞時や終了時である構成においては、当該ボーナス当選から入賞やボーナス終了までの有利区間に当選し、且つ移行前のゲームにて、ATモード先抽選を実行する構成としてもよい。
(18)抽選結果によって、ATモード先抽選の実行は制限され得る構成において、制限の有無を、有利区間移行抽選の実行が制限される場合に合わせたが、有利区間移行抽選の実行が制限される遊技結果でもATモード先抽選は実行可能である一方、有利区間移行抽選の実行が制限されない遊技結果でATモード先抽選の実行が制限されるといったように、有利区間移行抽選の制限契機と、ATモード先抽選の制限契機とが異なる構成としてもよい。
(19)有利区間移行当選時の遊技結果を移行当選時情報一時記憶エリア106fに記憶し、その遊技結果に基づいて、次ゲーム以降でATモード移行抽選を行う構成としたが、有利区間移行当選時の遊技結果だけでなく、遊技状態の情報(RT状態)や、当該ゲームでの演出内容等の情報も含めて、又は別途記憶し、これらの情報に基づいて、事後的にATモード移行抽選を行う構成としてもよい。
(20)ATモード先抽選が行われる契機や移行当選時情報一時記憶エリア106fに記憶する情報に関し、有利区間移行抽選が、複数ゲームの遊技結果に基づいて行われる場合、その複数ゲームの遊技結果に基づいてATモード先抽選を行ったり、複数ゲームの遊技結果を記憶可能な構成としてもよい。
(21)有利期間移行当選時の遊技結果を主制御装置101にて記憶する構成としたが、ATモード移行抽選を表示制御装置81等の他の制御装置にて行う構成とする場合、当該他の制御装置にて記憶する構成としてもよい。この場合、移行当選時情報一時記憶エリア106fへの記憶処理に代えて、又は加えて、当該他の制御装置へその情報を記憶させるためのコマンドを出力する処理を実行し、当該コマンドを受信した他の制御装置にて、当該情報を記憶する処理を実行する構成とするとよい。
(22)有利区間移行当選時の遊技結果に基づいて、有利区間移行ゲームやそれ以後のゲームにてATモード移行抽選を行う構成を説明したが、有利区間に移行してから、ATモード移行抽選が行われるゲームまで有利区間移行当選時の遊技結果が記憶保持されていればよく、例えば、有利区間移行後、ATモード移行抽選が実施されるまでに複数ゲーム要する場合等においては、そのゲームまで上記遊技結果が記憶保持される構成とするとよい。
(23)有利区間移行当選時の遊技結果を移行当選時情報一時記憶エリア106fに記憶する構成において、有利区間移行当選ゲームの遊技結果とともに、有利区間移行当選ゲームにおいてATモード移行抽選(ATモード先抽選)を行う場合におけるATモード移行抽選テーブルを移行当選時情報一時記憶エリア106fに記憶する構成としてもよく、少なくとも、ATモード移行抽選が、その後のゲームで行われればよく、その移行抽選に必要な情報を、有利区間移行当選時に取得しておく構成であってもよい。
(24)有利区間に含まれる状態としてATモードを例として説明したが、遊技者にとって有利な第1特定遊技状態と、当該第1特定遊技状態に含まれる状態であって他の状態よりも有利な第2特定遊技状態と、の関係であればよく、有利区間における他の状態であってもよいし、指示機能に関して有利な状態でなくてもよい。
(25)固定RT状態を利用して第4RT状態を設定する構成において、固定RT状態のゲーム数を抽選等により決定する構成としてもよい。この場合、抽選されるゲーム数が、設定値により異なり得る構成としてもよく、具体的には、設定値が高いほど固定RT状態のゲーム数が多くなるように抽選する構成としてもよい。
(26)いずれかの超過フラグがセットされている状況で上乗せが発生した場合に、消滅ゲーム数EGにその上乗せゲーム数を加算する構成を示したが、超過フラグがセットされていない状況において上乗せを行った際に超過フラグがセットされることとなる場合には、その超過分を消滅ゲーム数EGに加算する構成としてもよい。
(27)RT状態によってATモード先抽選とATモード後抽選との実行の有無を異ならせる構成において、第0RT状態~第3RT状態にてATモード先抽選に非当選であった場合にはATモード後抽選を行わない一方、第4RTにてATモード先抽選に非当選であった場合にはATモード後抽選を行う例を示したが、第0RT状態~第3RT状態においてはATモード先抽選を行わないでATモード後抽選だけを行い、第4RT状態においてはATモード先抽選及びATモード後抽選を行う構成としてもよい。
(28)移行リプレイとして、第1再遊技、第2再遊技及び第11再遊技当選となる移行リプレイ1と、第1再遊技、第2再遊技及び第12再遊技当選となる移行リプレイ2を設けたが、他のRT状態への移行を生じさせる再遊技にも当選可能となる構成としてもよく、具体的には、移行リプレイに当選することで、第11再遊技や第12再遊技当選とともに、第3再遊技や第4再遊技、第5再遊技当選となる構成としてもよい。
また、第11再遊技当選と第12再遊技当選とが、同じ移行リプレイにて生じる構成としてもよく、この場合、移行用報知フラグがセットされている状況で当該移行リプレイに当選した場合、第11再遊技入賞に対応する押し順報知を発生させるか、第12再遊技入賞に対応する押し順報知を発生させるか、を抽選等により決定する構成としてもよい。
(29)第4RT状態では移行出目停止に基づいて第1RT状態への移行が生じないようにしたが、第4RT状態においても移行出目停止に基づいて第1RT状態への移行が生じる構成としてもよい。
(30)第4RT状態を固定RT状態にて実現する構成において、規定ゲーム数消化後は、第0RT状態へ移行する構成としたが、第1RT状態へ移行する構成としてもよいし、第2RT状態や第3RT状態へ移行する構成としてもよい。この場合、第1RT状態~第3RT状態が通常遊技状態であることが好ましい。
(31)第4RT状態を無限RT状態にて実現する構成において、所定の再遊技入賞に基づいて、第1RT状態や第2RT状態への移行が生じる構成としたが、第0RT状態や第3RT状態への移行が生じる構成としてもよい。
(32)第4RT状態が主にATモード高確率状態として説明したが、第4RT状態が第0RT状態~第3RT状態よりもATモード移行抽選の当選確率が低いATモード低確率状態としてもよく、第0RT状態~第3RT状態とはATモード移行抽選の当選確率が異なる構成であればよい。
(33)ATモード移行抽選の当選確率が第4RT状態と他のRT状態とで異なる構成について説明したが、例えば、VBモード移行抽選の当選確率が第4RT状態と他のRT状態とで異なる構成であってもよいし、特化ゾーン移行抽選の当選確率が第4RT状態と他のRT状態とで異なる構成であってもよい。
(34)有利区間移行抽選について、当選確率に設定差の無い移行契機役では実行するものの、当選確率に設定差のある非契機役では実行しない構成としたが、移行契機役及び非契機役のいずれであっても実行する構成としてもよいし、非契機役では実行する一方、移行契機役では実行しない構成としてもよい。
(35)ATモード先抽選について、当選確率に設定差の無い移行契機役では実行するものの、当選確率に設定差のある非契機役では実行しない構成だけでなく、移行契機役及び非契機役のいずれであっても実行する構成としてもよいし、非契機役では実行する一方、移行契機役では実行しない構成としてもよい。また、ATモード後抽選について、移行契機役では実行するものの、非契機役では実行しない構成としてもよいし、移行契機役及び非契機役のいずれであっても実行する構成としてもよいし、非契機役では実行する一方、移行契機役では実行しない構成としてもよい。
(36)ATモード先抽選やATモード後抽選について、いずれもATモード当選確率に設定差があってもよいし、設定差がなくてもよい。
(37)有利区間中のモード移行抽選の当選確率としてATモード移行抽選の当選確率が、RT状態によって異なる構成としたが、他の状態によって当選確率が異なる構成としてもよい。例えば、ボーナス状態と通常遊技状態(非ボーナス状態)とで当選確率が異なる構成としてもよいし、ボーナス状態とボーナス移行前のボーナス持ち越し状態とで当選確率が異なる構成としてもよい。
(38)役比モニタ77について、当該役比モニタ77にて押し順報知が発生し得る特定区間とそうではない区間との比率を表示する構成としたが、それに加えて又は代えて、当該比率を遊技ホールのホールコンピュータ等に対して外部出力する構成とし、当該外部出力先にて表示する構成としてもよい。
(39)役比モニタ77について、役比第1カウンタの値や役比第2カウンタの値等、特定区間とそうではない区間との情報を、遊技機の電源が遮断されたことに基づいてクリアされる構成としてもよいし、クリアされない構成としてもよい。
(40)役比モニタ77を主制御装置101に搭載する構成について説明したが、他の制御装置が有する構成としてもよいし、役比モニタ77専用の装置を設ける構成としてもよい。これらにおいては、主制御装置101から当該役比モニタ77を有する装置に対して、特定区間とそうではない区間の情報が出力される構成であるとよい。
(41)ATモードの開始時に、ATモードのレベルを表示する構成としたが、表示しないようにしたり、レベルが明確には把握できないが、ある程度の推測が可能となるようにレベルの示唆演出を行う構成としてもよい。例えば、LV.1なら補助表示部65における演出が青色背景となる示唆演出が発生し易く、LV.2なら緑色背景となる示唆演出が発生し易く、LV.3なら赤色背景となる示唆演出が発生し易く、LV.4なら虹色背景となる示唆演出が発生し易い、といったような構成が考えられる。このようにすることで、ATモード中に第4RT状態への移行を生じさせてATモードを再セットさせるうえでの遊技性が向上する。
(42)有利区間が強制終了条件成立にて終了する場合に第4RT状態への移行を生じさせたり、その超過分に基づいて第4RT状態への移行を生じさせたりする構成においても、有利区間残りゲーム数ZGが10となった場合に移行用報知フラグをセットする構成としたが、強制終了条件成立の有無や、超過分に基づく抽選等を優先し、有利区間残りゲーム数ZGが10となっても、セットしない場合がある構成としてもよい。
(43)後乗せフラグがセットされている状況で移行リプレイ当選した場合にフリーズを発生させる構成において、後乗せゲーム数とATモードの初期ゲーム数との関係でフリーズを発生させるか否かを異ならせる構成としてもよい。具体的には、後乗せゲーム数がATモードの初期ゲーム数である50ゲームよりも多い場合にフリーズを発生させる構成としてもよい。
(44)第4RT状態への移行が生じ得るようになる移行モードとして第3RT状態を設定する構成において、当該移行モードとしての第3RT状態にて第4RT状態への移行確率がそれまでの状態(第2RT状態)よりも高くなる構成であればよく、それまでの状態(第2RT状態)においても第4RT状態への移行が低確率で生じ得る構成としてもよい。
(45)有利区間当選ゲームの遊技結果を移行当選時情報一時記憶エリア106fに記憶する構成においても、有利区間当選ゲームでのATモード先抽選を実行する構成としてもよい。
(46)有利区間当選ゲームの遊技結果を移行当選時情報一時記憶エリア106fに記憶する構成において、RT状態によって当該記憶エリア106fの情報を記憶保持するゲーム数やATモード移行抽選の回数を異ならせる例を説明したが、RT状態によって、記憶の有無を異ならせる構成としてもよく、例えば、第4RT状態にて有利区間移行抽選に当選した場合にはそのゲームの遊技結果を記憶する一方、第0RT状態~第3RT状態にて第4RT状態にて有利区間移行抽選に当選した場合にはそのゲームの遊技結果を記憶しない構成としてもよい。
(47)有利区間移行当選ゲームにおいてATモード先抽選を実行する構成において、ATモード先抽選に当選した場合と非当選である場合とで、異なる演出を発生させる構成としてもよい。すなわち、有利区間移行抽選に当選している場合であっても、ATモード先抽選に当選していなければ、第1演出を発生させ、有利区間移行抽選及びATモード先抽選のいずれにも当選していれば、第1演出とは異なる第2演出を発生させる構成としてもよい。
(48)各設定値によって出玉率が変化する構成とし、設定1が最も出玉率が低く、設定6が最も出玉率が高くなる構成としたが、設定値によって出玉(遊技媒体)の増減率や増減態様が変化する構成であればよい。例えば、設定1と設定2との出玉率が同じであるなど、一部の設定値の出玉率が同じであって、他の設定値の出玉率が異なる構成としてもよい。また、設定1,3,5は出玉の増減率が高く、設定2,4,6は出玉の増減率が低い構成としてもよい。また、設定1,5は短時間で出玉が所定量増加し長時間で出玉が所定量減少し、設定2,3,4は所定量の増加に設定1,5よりも長時間要するとともに所定量の減少に設定1,5よりも短時間で済み、設定6は出玉の増減がほとんど発生しない構成としてもよい。これらの場合、各設定値の出玉率は同じであってもよい。
(49)リール及びそれに対応するストップスイッチを3つ並列して備えるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップスイッチを5つ並列して備えたスロットマシンであってもよい。リールの停止操作における誤操作を抑制するという観点からすると、リール及びそれに対応するストップスイッチは少なくとも2つあればよい。また、ベット数が3である状況で有効ラインが1ラインに設定されるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、有効ラインは5ラインであってもよい。
(50)スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機(所謂、球使用回胴式遊技機)としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
例えば、パチンコ機や球使用回胴式遊技機において、出玉率等に変化を与える設定値を複数段階有する構成とし、これらの設定値の示唆や教示演出として、上記各発明を適用してもよい。この場合、大当たり確率が高低となる高確率状態と低確率状態とを有するパチンコ機においては、上記スロットマシン10における有利区間を高確率状態として適用してもよく、所定の入球部への入球率が高低となる高入球状態と低入球状態とを有するパチンコ機においては、上記スロットマシン10における有利区間を高入球状態として、上記各発明を適用してもよい。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される特徴的な構成について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の各特徴群に示す発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴A群>
特徴A1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記抽選手段による抽選結果として、前記特典付与手段により次ゲームを新たな遊技媒体を要することなく実行可能となる再遊技が前記特典として付与される再遊技結果と、前記特典付与手段により所定数の遊技媒体の払出が前記特典として付与される払出結果と、が少なくとも設けられている遊技機であって、
遊技状態として、通常遊技状態(通常区間)と、当該通常遊技状態よりも遊技者にとって有利となり易い第1特定遊技状態(有利区間)と、を設け、
前記第1特定遊技状態に含まれる状態として、当該第1特定遊技状態における他の状態よりも遊技者にとって有利となり易い第2特定遊技状態(ATモード)が設定されており、
前記通常遊技状態において、前記第1特定遊技状態へ移行させるか否かの第1移行抽選を実行する第1移行抽選手段(主制御装置101による有利区間移行抽選を実行する機能)と、
前記第1移行抽選手段による前記第1移行抽選の抽選結果が前記第1特定遊技状態へ移行させることに対応する第1移行結果(有利区間当選)であることに基づいて、前記第1特定遊技状態へ移行させる第1特定移行手段(主制御装置101による有利区間へ移行させるための処理を実行する機能)と、
前記第2特定遊技状態へ移行させるか否かの第2移行抽選を実行する第2移行抽選手段(主制御装置101によるATモード移行抽選を実行する機能)と、
前記第2移行抽選手段による前記第2移行抽選の抽選結果が前記第2特定遊技状態へ移行させることに対応する第2移行結果(ATモード当選)であることに基づいて、前記第2特定遊技状態へ移行させる第2特定移行手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として、更に、前記抽選手段による抽選結果が前記払出結果となる確率が共通する一方、前記再遊技結果となる確率が異なり得る第1特別状態(例えば、第2RT状態)と第2特別状態(例えば、第4RT状態)と、が設定されており、
前記第1移行抽選手段は、前記第1特別状態及び前記第2特別状態において前記第1移行結果となる確率が同じ確率となるように前記第1移行抽選を実行可能であり、
前記第2移行抽選手段は、前記第1特別状態では第1確率にて前記第2移行結果となるように前記第2移行抽選を実行する一方、前記第2特別状態では前記第1確率よりも高い第2確率にて前記第2移行結果となるように前記第2移行抽選を実行可能であり、
予め定められた第2移行用の絵柄組合せが前記有効位置に停止したことに基づいて、前記第2特別状態へ移行させる第2特別移行手段(主制御装置101によるRT状態処理を実行する機能)と、
前記第2特定遊技状態において、予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記第2移行用の絵柄組合せを停止可能とする特定停止操作態様を含む特定態様報知を所定の報知手段(補助表示部65、指示モニタ68)にて実行可能な特定態様報知手段(主制御装置101において移行リプレイ当選時の押し順報知を行うための処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、遊技者にとって通常遊技状態よりも有利となり易い第1特定遊技状態が設けられており、その第1特定遊技状態に含まれる状態として更に有利な第2特定遊技状態が設けられているため、通常遊技状態から第1特定遊技状態へ移行させ、第2特定遊技状態を目指す、といったように段階的に有利となる状態移行を前提とした遊技性が実現され、興趣向上に大いに役立てることが可能となる。
更に遊技状態として、払出結果となる確率は共通するものの、再遊技結果となる確率が異なり得る、といった、所謂RT状態に相当する第1特別状態と第2特別状態とが設けられている。そして、第1特定遊技状態や第2特定遊技状態は、第1移行抽選や第2移行抽選を経て移行するものであり、第1特定遊技状態への第1移行抽選は第1特別状態と第2特別状態とで共通の確率で行われる一方、第2移行抽選に関しては第1特別状態よりも第2特別状態の方が第2特定遊技状態への移行が生じ易いように抽選が行われるため、RT状態の種類に関わらず遊技者にとって有利な第1特定遊技状態への移行のチャンスが平等に付与される一方、第2特定遊技状態への移行のチャンスはRT状態の種類によって異なるといったように、遊技の多様化が図られている。
しかも、上記構成においては、第2特定遊技状態において第2特別状態への移行が生じる特定停止操作態様を含む態様報知が行われ得るようにした。そのため、第2特定遊技状態への移行が生じ易くなる第2特別状態への移行を、既に第2特定遊技状態である状況にて生じさせる、といった構成となり、例えば、第2特定遊技状態が終了する場合に第2特別状態への移行を生じさせて、所謂引き戻しゾーンを創出したり、第2特定遊技状態の再セットを行う場合に第2特別状態への移行を生じさせたりする等、斬新な遊技性の実現に大いに役立たせることが可能となる。
なお、「遊技状態として、更に、前記抽選手段による抽選結果が前記払出結果となる確率が共通する一方、前記再遊技結果となる確率が異なり得る第1特別状態(例えば、第2RT状態)と第2特別状態(例えば、第4RT状態)と、が設定されており、」に関し、「遊技状態として、更に、前記抽選手段による抽選結果が前記再遊技結果となる確率が異なり得る第1特別状態(例えば、第2RT状態)と第2特別状態(例えば、第4RT状態)と、が設定されており、」や、「遊技状態として、更に、遊技者にとっての有利度が異なる第1特別状態(例えば、第2RT状態)と第2特別状態(例えば、第4RT状態)と、が設定されており、」や、「遊技状態として、更に、第1特別状態(例えば、第2RT状態)と第2特別状態(例えば、第4RT状態)と、が設定されており、」と表現してもよい。これら、「第1特別状態」と「第2特別状態」に関する表現の変更は、他の特徴群や特徴においても適用可能である。
特徴A2.予め定められた終了条件が成立したことに基づいて、前記第2特定遊技状態を終了する終了手段(主制御装置101によるATモード終了用の処理を実行する機能)を備え、
前記特定態様報知手段は、前記終了手段により前記第2特定遊技状態が終了されるよりも前に前記第2特別状態となるように前記特定態様報知を実行可能であることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者にとって有利な第2特定遊技状態が終了する際に、第2特別状態であるように特定態様報知が実行される。このようにすることで、第2特定遊技状態が終了した後、第2特別状態といった第2特定遊技状態への移行が生じ易い状況が生じることになり、第2特定遊技状態への所謂引き戻しゾーンを追加することが可能となる。
なお、上記構成は、例えば、「予め定められた終了条件が成立したことに基づいて、前記第2特定遊技状態を終了する終了手段(主制御装置101によるATモード終了用の処理を実行する機能)を備え、
前記特定態様報知手段は、前記終了手段により前記第2特定遊技状態が終了される場合に、前記第2特別状態となるように前記特定態様報知を実行可能であることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。」と表現してもよい。
特徴A3.前記終了条件として、前記第1特定遊技状態の実行ゲーム数が上限ゲーム数に達すること又は第1特定遊技状態において払い出された遊技媒体と使用した遊技媒体との差が上限増加数に達したことの強制終了条件が設定されており、
前記特定態様報知手段は、前記強制終了条件が成立したことに基づいて前記終了手段により前記第2特定遊技状態が終了される場合に、前記第2特別状態となるように前記特定態様報知を実行可能であることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定遊技状態が含まれる第1特定遊技状態の強制終了条件が成立する場合に第2特別状態への移行が生じるようになる。この場合、第1特定遊技状態の強制終了後、第1特定遊技状態への移行が生じ易くなるわけではないものの、第2特定遊技状態への移行が生じ易くなるため、第1特定遊技状態の強制終了条件を定めた意義に反することなく、第2特定遊技状態の引き戻しゾーンを設定することが可能となる。
特徴A4.前記第1特定遊技状態の実行ゲーム数又は差枚数を把握する第1把握手段(主制御装置101による有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数ZMを管理する処理を実行する機能)と、
予め定められた上乗せ条件が成立したことに基づいて、前記第1特定遊技状態の残数の上乗せを実行可能な上乗せ手段(主制御装置101によるATモードのゲーム数上乗せ処理を実行する機能)と、
前記第1把握手段の把握結果及び前記残数に基づいて、前記強制終了条件が成立することを、当該強制終了条件が成立するよりも先に把握可能な第2把握手段(主制御装置101による残ゲーム数管理処理や残枚数管理処理を実行する機能)と、
前記第2把握手段により前記強制終了条件が成立することが把握されている状況にて前記上乗せ条件が成立した場合に、当該上乗せ条件の成立に基づく前記残数の上乗せのうち、前記上限ゲーム数又は前記上限増加数を超える超過分に相当する特定情報を記憶する特定情報記憶手段(主制御装置101による消滅ゲーム数EGに上乗せゲーム数を記憶させる処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定態様報知手段は、前記強制終了条件の成立に基づいて前記終了手段により前記第2特定遊技状態が終了される場合に、前記特定情報記憶手段に記憶されている前記特定情報に応じて、前記特定態様報知の実行抽選を行う実行抽選手段(主制御装置101による移行報知抽選処理を実行する機能)を備え、当該実行抽選手段の抽選結果に基づいて、前記特定態様報知を実行可能となることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
上記構成によれば、強制終了条件を超える上乗せが生じた場合に、その超過分に応じて特定態様報知の実行抽選が行われて、特定態様報知が行われ得る。このようにすることで、第2特定遊技状態への移行が生じ易い第2特別状態への移行を生じさせる特定態様報知を、超過分を消化することができないことへの補填とすることが可能となる。
特徴A5.前記特定態様報知手段は、前記終了条件が成立するまでのゲーム数が前記第2特別状態の継続ゲーム数又はその平均継続ゲーム数よりも少なくなる特定状況となったことに基づいて、前記特定態様報知を実行可能となることを特徴とする特徴A2乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、第2特別状態の継続ゲーム数や平均継続ゲーム数との関係で特定態様報知に実行タイミングを規定することにより、第2特定遊技状態の終了時に強制的に第2特別状態へ移行させるなどの複雑な構成を用いることなく、比較的簡素な構成にて特徴A2の効果を奏することが可能である。
特徴A6.前記特定態様報知手段は、前記特定状況となり、且つ前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果となった場合に前記特定態様報知を実行可能であることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定遊技状態の終了間際において必ず特定態様報知が発生して第2特別状態への移行を生じさせることが可能となるわけではなく、各ゲームの抽選手段による抽選結果が特定結果となる必要がある。つまり、第2特定遊技状態終了時に第2特別状態への移行を生じさせることに運の要素が加わり、その特定結果となるか否かといった点にドキドキさせながら、すなわち、所謂引き戻しゾーンへの移行が生じるか否かに高い関心を持たせながら遊技を行わせることができる。
特徴A7.前記特定状況となるよりも前に、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果となった場合、前記特定態様報知手段による前記特定態様報知の実行を制限可能な手段(主制御装置101によるステップS1521の処理にて否定判定する機能)を備えていることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定遊技状態の終了間際に第2特別状態への移行を生じさせたいのに関わらず、それよりも前に第2特別状態への移行が生じてしまう事象を回避することができる。
第2特別状態は第2特定遊技状態への第2移行抽選に当選し易い構成であるところ、第2特別状態の有利度を高め過ぎないようにするために、例えば、第2特別状態の再遊技結果の当選確率を低く設定したり、第2特別状態への移行が生じたことに基づいて第2特定遊技状態を終了させる構成も考えられる。その点、仮に上記構成を備えていない場合、特定状況となる前に特定結果となったら第2特別状態への移行が生じてしまい、かえって遊技者に不利な事象が生じ得る。また、それを回避するために、特定状況の前後で抽選テーブルを切り替える等して、特定状況となる前には特定結果とならないようにする構成も考えられるが、構成の複雑化が懸念される。その点、上記構成のように、特定状況となる前の特定結果当選を許容しつつ、その特定結果当選時の特定態様報知の実行を制限するだけの構成とすることで、比較的簡素な構成にて特定状況前の第2特別状態への移行を回避することが可能となる。
特徴A8.前記第2特定遊技状態の残りのゲーム数に対応する残数報知を実行可能な残数報知実行手段(表示制御装置81による表示用残数カウンタHGに基づく報知を実行する機能)と、
前記第2特定遊技状態の残りのゲーム数の上乗せ処理を実行する上乗せ処理実行手段(主制御装置101によるATモードのゲーム数上乗せ処理を実行する機能)と、
前記上乗せ処理実行手段により前記上乗せ処理が行われたことに基づいて、当該上乗せの処理についての上乗せ報知を行う上乗せ報知手段(表示制御装置81による上乗せ報知演出用の処理を実行する機能)と、
前記上乗せ報知手段による前記上乗せ報知が行われることに基づいて、前記残数報知実行手段による前記残数報知を更新する更新手段(表示制御装置81による上乗せ報知演出用の処理を実行する機能)と、
前記残数報知実行手段による前記残数報知に対応するゲーム数が前記第2特別状態の継続ゲーム数又はその平均継続ゲーム数よりも少なくなる第2特定状況となった場合において、前記上乗せ処理実行手段による前記上乗せ処理が実行され且つ前記上乗せ報知手段による前記上乗せ報知が未実行である状況であれば、前記特定態様報知手段による前記特定態様報知の実行を制限可能な手段(主制御装置101によるステップS1521の処理にて否定判定する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、上乗せ処理が実行されたものの上乗せ報知が未実行である所謂後乗せ報知がなされる状況であれば、残数報知に対応するゲーム数が第2特定遊技状態の終了間近であるものであったとしても、特定態様報知実行手段による特定態様報知の実行が制限され、第2特別状態への移行を生じさせない。このようにすれば、実際の第2特定遊技状態の残りゲーム数が残数報知の内容よりも多いのにもかかわらず、第2特別状態への移行が生じてしまう、といった事象が生じないようにすることができる。よって、所謂後乗せ報知の演出効果を担保しながらも、第2特定遊技状態終了間近で第2特別状態への移行を生じさせる構成を実現可能となる。
特徴A9.前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果である場合、前記第2特別状態へ移行し得る構成であり、
前記特定状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、予め定められた特別演出を実行可能な手段(表示制御装置81による移行リプレイ当選時の第11再遊技又は第12再遊技に対応する押し順報知演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記第2特定状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記特別演出と遊技者が識別不可又は識別困難な演出を実行可能な手段(表示制御装置81による移行リプレイ当選時の第1再遊技に対応する押し順報知演出を行うための処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果当選に基づいて第2特別状態への移行が生じ得る構成において、特定状況にて特定結果当選となった場合に特別演出が発生することにあわせて、第2特定状況においても特定結果当選となった場合に特別演出に似た演出が発生するようにしたため、特別演出等が発生しないことを通じて第2特定状況であること、すなわち、上乗せ処理の未実行分(後乗せ報知)が存在することが悟られてしまう事象を回避することができる。よって、せっかく用意している後乗せ報知の演出効果を抹殺しない範囲で、第2特別状態へ移行させることによる効果を享受させることができる。
特徴A10.前記第2特別状態へ移行することに基づいて、前記第2特定遊技状態を終了させる特定終了手段(主制御装置101によるステップS1626の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定遊技状態において特定態様報知手段による特定態様報知に従って操作することで、第2特別状態への移行が生じるとともに、第2特定遊技状態が終了する。このようにすることで、第2特定遊技状態への移行が生じ易い第2特別状態を、第2特定遊技状態の引き戻しゾーンとして機能させることが可能であるとともに、第2特定遊技状態への移行が生じ易い第2特別状態が第2特定遊技状態中に生じるといった、無駄な状況を生じさせないようにすることも可能となる。
なお、上記「特定終了手段」は、「前記第2特別状態へ移行することに基づいて、前記第2特定遊技状態の残りゲーム数に関わらず、前記第2特定遊技状態を終了させる特定終了手段」と表現してもよい。
特徴A11.遊技状態として、前記抽選手段による抽選結果が前記払出結果となる確率が前記第1特別状態及び前記第2特別状態と共通する一方、前記再遊技結果となる確率が少なくとも前記第1特別状態とは異なる第3特別状態(第1RT状態)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記再遊技結果となる確率は、前記第1特別状態よりも前記第3特別状態のほうが低くなるように設定されており、
前記第2移行抽選手段による抽選結果が前記第2移行結果となる確率は、前記第2特別状態よりも前記第1特別状態及び前記第3特別状態の方が低くなるように設定されており、
予め定められた第3移行用の絵柄組合せが前記有効位置に停止したことに基づいて、前記第3特別状態へ移行させる第3特別移行手段(主制御装置101によるRT状態処理を実行する機能)を備え、
前記抽選手段による抽選結果として、前記特定停止操作態様にて停止操作されることで前記有効位置に前記第2移行用の絵柄組合せが停止可能となり、且つ、前記特定停止操作態様とは異なる第3特定停止操作態様にて停止操作されることで前記有効位置に前記第3移行用の絵柄組合せが停止可能となる特定結果(移行リプレイ1,2)が設定されていることを特徴とする特徴A1乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果に当選した際に特定停止操作態様にて停止操作を行うと第2移行結果となる確率が高くなる第2特別状態への移行が生じ、当該特定結果当選時に特定停止操作態様とは異なる第3特定停止操作態様にて停止操作を行うと再遊技結果となる確率が低くなる第3特別状態への移行が生じ得る。つまり、特定結果当選時の停止操作態様によって、その後の遊技状態が、第2特定遊技状態への移行が生じ易い第2特別状態となるか、それとも第2特定遊技状態への移行が生じにくいし更に再遊技結果となる確率も低くなる第3特別状態となるか、が異なる。このように、第2特別状態への移行が生じ得るゲームにて、同時に、第2特別状態とは遊技者にとっての有利度が大きく異なる第3特別状態への移行が生じ得るようにすることで、当該第2特別状態への移行が生じ得るゲームへの注目度を高めるとともに、その移行を生じさせる停止操作態様への関心も高めることが可能となる。
特徴A12.前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記特定停止操作態様及び前記第3特定停止操作態様とは異なる第2特定停止操作態様にて停止操作されることで、前記有効位置に当該第1特別状態を維持する維持用の絵柄組合せが停止可能となる構成であることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果当選時の停止操作態様によって、第2特別状態へ移行する場合と第3特別状態へ移行する場合の他に、第1特別状態が維持されること、すなわち状態の移行が生じない場合もあるようになる。このようにすることで、第2特別状態や第3特別状態への移行が生じると不都合がある場合等において、その移行を生じさせないようにすることを比較的簡素な構成で実現することが可能となる。より具体的には、第2特別状態や第3特別状態への移行を生じるようにしたり、これらの状態への移行を生じさせないようにしたりするといった遊技性を、特定結果当選となり得る抽選テーブルの変更を行うことなく実現することが可能となる。
特徴A13.前記第2特別状態へ移行することに基づいて、前記第2特定遊技状態を終了させる特定終了手段(主制御装置101によるステップS1626の処理を実行する機能)を備え、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記特定停止操作態様及び前記第2特定停止操作態様を含む特別報知を所定の報知手段にて実行可能な特別報知実行手段(表示制御装置81による図94(a)の報知を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定停止操作態様により第2特別状態へ移行させると第2特定遊技状態が終了するものの、第2特定遊技状態への移行抽選に当選し易くなる構成において、現状の第2特定遊技状態を見限って、新たな第2特定遊技状態への移行にチャレンジするか、それとも、現状の第2特定遊技状態を維持するかを、遊技者に選択させる、といった斬新な遊技性を実現可能となる。
特徴A14.前記抽選手段による抽選結果が前記再遊技結果となる確率は、前記第1特別状態の方が前記第2特別状態よりも高くなるように設定されており、
前記特定態様報知手段は、前記第1特別状態にて前記特定態様報知を実行可能であることを特徴とするA1乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特別状態から第2特別状態へ移行すると再遊技結果となる確率が低くなることから、遊技媒体の減りを少なくしながら遊技を行うことが可能であるといった観点からすると、第1特別状態から第2特別状態へ移行することは遊技者にとって好ましくない。その一方で、特徴A1に記載した通り、第2特定遊技状態への移行率といった観点では第2特別状態の方が優れている。そのため、例えば、既に第2特定遊技状態である状況下においては、第2特別状態よりも第1特別状態の方が遊技者にとって好ましく、第2特定遊技状態ではない状況下においては、第1特別状態よりも第2特別状態の方が遊技者にとって好ましい、といったように、両特別状態の印象を異ならせる(真逆とする)ことが可能となり、それを利用した遊技性の実現に大いに貢献することが可能となる。
特徴A15.遊技媒体の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数段階設けられており、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値が設定される設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段により第1設定値が設定されている場合の前記特定態様報知手段による前記特定態様報知の実行率と、
前記設定手段により前記第1設定値とは異なる第2設定値が設定されている場合の前記特定態様報知手段による前記特定態様報知の実行率と、
が異なっていることを特徴とする特徴A1乃至A14のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技媒体の増減率や増減態様の設定値による差を、第2特別状態への移行率、すなわち第2特定遊技状態への移行が生じ易い状態への移行率にて体現する、といった斬新な遊技性を実現することが可能となる。
特徴A16.前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果(移行リプレイ1,2)である場合、前記有効位置に前記第2移行用の絵柄組合せが停止可能となる構成であり、
前記設定手段により前記第1設定値が設定されている場合の前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果となる確率と、前記設定手段により前記第2設定値が設定されている場合の前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果となる確率と、が異なることにより、前記特定態様報知手段による前記特定態様報知の実行率が異なることを特徴とする特徴A15に記載の遊技機。
上記構成によれば、設定値によって特定結果となる当選確率が異なっており、その当選確率の違いにより、第2特別状態への移行率の違いが実現される。このようにすることで、比較的簡素な構成にて、第2特別状態への移行率の違いを実現可能となる。
特徴A17.前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果(移行リプレイ1,2)である場合であって、前記特定停止操作態様にて前記停止操作手段が操作された場合に、前記有効位置に前記第2移行用の絵柄組合せが停止可能となる構成であり、
前記特定態様報知は、前記第2特定遊技状態において前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果となった場合に、前記特定態様報知の実行抽選を行う実行抽選手段(主制御装置101による移行報知抽選処理を実行する機能)を備え、当該実行抽選手段の抽選結果に基づいて、前記特定態様報知を実行するものであり、
前記設定手段により前記第1設定値が設定されている場合の前記実行抽選手段による抽選結果が前記特定態様報知を実行する結果となる確率と、前記設定手段により前記第2設定値が設定されている場合の前記実行抽選手段による抽選結果が前記特定態様報知を実行する結果となる確率と、が異なることにより、前記特定態様報知手段による前記特定態様報知の実行率が異なることを特徴とする特徴A15又は特徴A16に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定態様報知の実行抽選の当選確率が設定値によって異なっており、その当選確率の違いにより、第2特別状態への移行率の違いが実現される。このようにすることで、比較的簡素な構成にて、第2特別状態への移行率の違いを実現可能となる。特に、特定態様報知の実行抽選の当選確率を変更するだけであるため、抽選手段による抽選テーブルを異ならせる等する必要がない。よって、抽選手段を有する制御装置において、それ用に複数の抽選テーブルを記憶しておく必要がなく、記憶容量の削減を図ることが可能となる。
特徴A18.遊技媒体の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数段階設けられており、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値が設定される設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記第2移行抽選手段は、前記設定手段により第1設定値が設定されている場合と前記第1設定値とは異なる第2設定値が設定されている場合とで、前記第1特別状態において前記第2移行結果となる確率が同じ確率となるように前記第2移行抽選を実行可能である一方、前記第2特別状態において前記第2移行結果となる確率が異なる確率となるように前記第2移行抽選を実行可能である(例えば、図106の通常リプレイに基づくATモード移行抽選では設定差がある)ことを特徴とする特徴A1乃至A17のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定遊技状態への移行抽選の当選確率が第1特別状態では設定値によらず共通しているものの、第2特別状態では設定値によって異なっている。この場合、第2特別状態のゲーム数が多くなるほど、設定値を予測する遊技の試行回数が多くなり、第2特別状態において設定値の予測が容易に行われてしまう可能性もある。これに対して、このような構成において、第2特別状態への移行を、特定態様報知実行手段による特定態様報知により実現する構成とすることで、第2特別状態における第2特定遊技状態への移行抽選の設定差以上に、第2特定遊技状態への移行率を設定することが可能となる。言い換えると、第2特別状態における第2特定遊技状態への移行抽選の設定差をさほど大きくしなくても、例えば特徴A14乃至特徴A16のように第2特別状態への移行率に設定差を設けるようにすることで、第2特定遊技状態への移行率の設定差を大きくすることが可能となる。第2特別状態への移行回数は、第2特別状態のゲーム数よりも圧倒的に少なくなるはずであり、設定値を予測する遊技における試行回数も少なくなる。よって、設定値の予測が容易に行われないようにしながらも、第2特定遊技状態への移行率の設定差を設けることが可能となる。
特徴A19.前記第2特別状態は、予め定められたゲーム数が消化されることに基づいて終了し、前記第2特別状態から前記第1特別状態への移行が生じないように設定されていることを特徴とする特徴A1乃至A18のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定遊技状態への移行が生じ易い第2特別状態は、実行可能なゲーム数が定められている所謂固定RT状態と称されるものとなる。実行可能なゲーム数が可変式の所謂無限RT状態と称される構成を適用すると、第2特別状態の長さが長くなったり短くなったりすることで、第2特別状態による恩恵の多い少ないが状況によって大きく変動し得るところ、上記構成のようにすることで、第2特定遊技状態への第2移行抽選が有利に受けられる恩恵をなるべく平等に享受させることが可能となる。
特徴A20.前記第2特別状態において前記第2移行抽選に当選した場合、当該第2特別状態の残りゲーム数に対応する情報が、当該第2移行抽選に当選した前記第2特定遊技状態に加味されることを特徴とする特徴A19に記載の遊技機。
第2特別状態を固定RT状態とした場合、第2特定遊技状態への移行抽選に当選したのにもかかわらず、予め定められたゲーム数が消化されない限り、当該第2特別状態を終了させることができず、第2特定遊技状態への移行をなかなか生じさせることができない場合がある。その点、上記構成によれば、このような第2特定遊技状態への移行抽選当選後の状況を、当選している第2特定遊技状態に反映させる構成としていることから、第2特別状態を固定RT状態とした際のデメリットが解消される。
なお、「当該第2特別状態の残りゲーム数に対応する情報が、当該第2移行抽選に当選した前記第2特定遊技状態に加味される」の具体的構成としては、「当該第2特別状態の残りゲーム数が、当該第2移行抽選に当選した前記第2特定遊技状態のゲーム数に加算される」であったり、「当該第2特別状態の残りゲーム数に対応する情報が、当該第2移行抽選に当選した前記第2特定遊技状態における有利度に加味される」であったり、第2特定遊技状態において「上乗せ処理が行われる確率が高くなる特殊状態」が設定されている構成としたうえで、「当該第2特別状態の残りゲーム数に対応する情報が、当該第2移行抽選に当選した前記第2特定遊技状態における前記特殊状態への移行率又は前記特殊状態におけるゲーム数に加味される」構成が考えられる。
特徴A21.前記第2特別状態は、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた終了結果となった場合に終了し得るものであり、前記第2特別状態から前記第1特別状態への移行が生じ得るように設定されていることを特徴とする特徴A1乃至A18のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定遊技状態への移行が生じ易い第2特別状態は、実行可能なゲーム数が可変式の所謂無限RT状態と称されるものとなる。この場合、第2特別状態による恩恵の多い少ないが状況によって大きく変動し得るものの、他のRT状態、例えば、第1特別状態への移行が許容されるため、第2特定遊技状態が第1特別状態にて消化される構成においては、第2特別状態中に第2特定遊技状態への移行抽選に当選した場合に、他の状態を介することなく第1特別状態へ移行させることも可能となる。よって、第2特定遊技状態への移行を比較的スムーズに行うことができる。
特徴A22.遊技媒体の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数段階設けられており、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値が設定される設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段により第1設定値が設定されている場合と前記第1設定値とは異なる第2設定値が設定されている場合とで、前記抽選手段による抽選結果が前記終了結果となる確率が異なり得ることを特徴とする特徴A21に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特別状態の継続率を規定する終了結果の当選確率に設定差があるため、第2特別状態の継続率に設定差があるようになる。これにより、第2特定遊技状態への移行が生じ易い第2特別状態の恩恵の享受し易さの差を、設定値によって実現することが可能となる。
特徴A23.予め定められた終了条件が成立したことに基づいて、前記第1特定遊技状態を終了する終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理を実行する機能)と、
前記終了手段により前記第1特定遊技状態が終了される場合、当該第1特定遊技状態に関する情報の初期化処理を実行可能な初期化手段(主制御装置101による区間表示第2処理において初期化処理を実行する機能)と、
を備え、
前記終了手段により前記第1特定遊技状態が終了される場合、前記第2特定遊技状態も終了する構成であり、
前記初期化手段による前記初期化処理が行われた場合であっても、前記第2特別状態は維持される構成であることを特徴とする特徴A1乃至A22のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、終了条件が成立して第1特定遊技状態が終了する場合には、第1特定遊技状態に含まれる第2特定遊技状態も終了し、第1特定遊技状態に関する情報の初期化処理が行われる。そのため、第1特定遊技状態や第2特定遊技状態の継続の有無を明確に管理することが可能となる。そのうえで、第2特別状態は初期化処理が行われても維持される構成であることから、第2特定遊技状態において特定態様報知によって第2特別状態への移行が生じた場合に、その状態を第1特定遊技状態の終了後も持ち越すことが可能となり、第2特別状態を介して、第1特定遊技状態や第2特定遊技状態の連続性を実現することが可能となる。
特徴A24.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記抽選手段による抽選結果として、前記特典付与手段により次ゲームを新たな遊技媒体を要することなく実行可能となる再遊技が前記特典として付与される再遊技結果と、前記特典付与手段により所定数の遊技媒体の払出が前記特典として付与される払出結果と、が少なくとも設けられている遊技機であって、
遊技状態として、通常遊技状態(通常区間)と、当該通常遊技状態よりも遊技者にとって有利となり易い第1特定遊技状態(有利区間)と、を設け、
前記第1特定遊技状態に含まれる状態として、当該第1特定遊技状態における他の状態よりも遊技者にとって有利となり易い第2特定遊技状態(ATモード)が設定されており、
前記通常遊技状態において、前記第1特定遊技状態へ移行させるか否かの第1移行抽選を実行する第1移行抽選手段(主制御装置101による有利区間移行抽選を実行する機能)と、
前記第1移行抽選手段による前記第1移行抽選の抽選結果が前記第1特定遊技状態へ移行させることに対応する第1移行結果(有利区間当選)であることに基づいて、前記第1特定遊技状態へ移行させる第1特定移行手段(主制御装置101による有利区間へ移行させるための処理を実行する機能)と、
前記第2特定遊技状態へ移行させるか否かの第2移行抽選を実行する第2移行抽選手段(主制御装置101によるATモード移行抽選を実行する機能)と、
前記第2移行抽選手段による前記第2移行抽選の抽選結果が前記第2特定遊技状態へ移行させることに対応する第2移行結果(ATモード当選)であることに基づいて、前記第2特定遊技状態へ移行させる第2特定移行手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として、更に、前記抽選手段による抽選結果が前記払出結果となる確率が共通する一方、前記再遊技結果となる確率が異なり得る第1特別状態(例えば、第2RT状態)と第2特別状態(例えば、第4RT状態)と、が設定されており、
前記第1移行抽選手段は、前記第1特別状態及び前記第2特別状態において前記第1移行結果となる確率が同じ確率となるように前記第1移行抽選を実行可能であり、
前記第2移行抽選手段は、前記第1特別状態では第1確率にて前記第2移行結果となるように前記第2移行抽選を実行する一方、前記第2特別状態では前記第1確率とは異なる第2確率にて前記第2移行結果となるように前記第2移行抽選を実行可能であり、
予め定められた第2移行用の絵柄組合せが前記有効位置に停止したことに基づいて、前記第2特別状態へ移行させる第2特別移行手段(主制御装置101によるRT状態処理を実行する機能)と、
前記第2特定遊技状態において、予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記第2移行用の絵柄組合せを停止可能とする特定停止操作態様を含む特定態様報知を所定の報知手段(補助表示部65、指示モニタ68)にて実行可能な特定態様報知手段(主制御装置101において移行リプレイ当選時の押し順報知を行うための処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、遊技者にとって通常遊技状態よりも有利となり易い第1特定遊技状態が設けられており、その第1特定遊技状態に含まれる状態として更に有利な第2特定遊技状態が設けられているため、通常遊技状態から第1特定遊技状態へ移行させ、第2特定遊技状態を目指す、といったように段階的に有利となる状態移行を前提とした遊技性が実現され、興趣向上に大いに役立てることが可能となる。
更に遊技状態として、払出結果となる確率は共通するものの、再遊技結果となる確率が異なり得る、といった、所謂RT状態に相当する第1特別状態と第2特別状態とが設けられている。そして、第1特定遊技状態や第2特定遊技状態は、第1移行抽選や第2移行抽選を経て移行するものであり、第1特定遊技状態への第1移行抽選は第1特別状態と第2特別状態とで共通の確率で行われる一方、第2移行抽選に関しては第1特別状態と第2特別状態とで第2特定遊技状態への移行率が異なり得るように抽選が行われるため、RT状態の種類に関わらず遊技者にとって有利な第1特定遊技状態への移行のチャンスが平等に付与される一方、第2特定遊技状態への移行のチャンスはRT状態の種類によって異なるといったように、遊技の多様化が図られている。
しかも、上記構成においては、第2特定遊技状態において第2特別状態への移行が生じる特定停止操作態様を含む態様報知が行われ得るようにした。そのため、第2特定遊技状態への移行が第1特別状態とは異なり得る第2特別状態への移行を、第2特定遊技状態である状況にて生じさせる、といった構成となり、例えば、第2特別状態の方が第2特定遊技状態への移行が生じ易い構成においては、第2特定遊技状態が終了する場合に第2特別状態への移行を生じさせて、所謂引き戻しゾーンを創出したり、第2特定遊技状態の再セットを行う場合に第2特別状態への移行を生じさせたりする等が可能となり、斬新な遊技性の実現に大いに役立たせることが可能となる。
なお、上記特徴A24に対し、特徴A1乃至A23にて示した各構成を適用してもよい。この場合、各構成を個別に適用してもよいし、組み合わせて適用してもよい。
<特徴B群>
特徴B1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記抽選手段による抽選結果として、前記特典付与手段により次ゲームを新たな遊技媒体を要することなく実行可能となる再遊技が前記特典として付与される再遊技結果と、前記特典付与手段により所定数の遊技媒体の払出が前記特典として付与される払出結果と、が少なくとも設けられている遊技機であって、
遊技状態として、通常遊技状態(通常区間)と、当該通常遊技状態よりも遊技者にとって有利となり易い第1特定遊技状態(有利区間)と、を設け、
前記第1特定遊技状態に含まれる状態として、当該第1特定遊技状態における他の状態よりも遊技者にとって有利となり易い第2特定遊技状態(ATモード)が設定されており、
前記通常遊技状態において、前記第1特定遊技状態へ移行させるか否かの第1移行抽選を実行する第1移行抽選手段(主制御装置101による有利区間移行抽選を実行する機能)と、
前記第1移行抽選手段による前記第1移行抽選の抽選結果が前記第1特定遊技状態へ移行させることに対応する第1移行結果(有利区間当選)であることに基づいて、前記第1特定遊技状態へ移行させる第1特定移行手段(主制御装置101による有利区間へ移行させるための処理を実行する機能)と、
前記第2特定遊技状態へ移行させるか否かの第2移行抽選を実行する第2移行抽選手段(主制御装置101によるATモード移行抽選を実行する機能)と、
前記第2移行抽選手段による前記第2移行抽選の抽選結果が前記第2特定遊技状態へ移行させることに対応する第2移行結果(ATモード当選)であることに基づいて、前記第2特定遊技状態へ移行させる第2特定移行手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2移行抽選手段による前記第2移行抽選の結果が前記第2移行結果ではない場合、前記第1特定遊技状態を終了させる特定終了手段(主制御装置101によるAT非当選時第1処理~AT非当選時第3処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、遊技者にとって通常遊技状態よりも有利となり易い第1特定遊技状態が設けられており、その第1特定遊技状態に含まれる状態として更に有利な第2特定遊技状態が設けられているため、通常遊技状態から第1特定遊技状態へ移行させ、第2特定遊技状態を目指す、といったように段階に有利となる状態移行を前提とした遊技性が実現され、興趣向上に大いに役立てることが可能となる。
しかも、上記構成では、第2特定遊技状態への第2移行抽選に非当選となると第1特定遊技状態が終了してしまうことから、第2移行抽選の当否における有利度の差が両極端なものとなり、当該第2移行抽選が行われる際に強烈なドキドキ感が提供される。このようにすることで、第2特定遊技状態を目指す遊技性の興趣を好適に高めることが可能となる。
特徴B2.前記第1特定遊技状態の残数を把握する第1把握手段(主制御装置101による有利区間残ゲーム数ZGを管理する処理を実行する機能)と、
前記第1把握手段による把握結果に基づいて前記第1特定遊技状態を終了させる第1終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において通常の終了条件が成立したことに基づいて有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
前記第1特定遊技状態の実行数を把握する第2把握手段(主制御装置101による有利区間ゲーム数AGを管理する処理を実行する機能)と、
前記第2把握手段により把握される実行数が予め定められた上限数に達したことに基づいて、前記第1把握手段による把握結果に関わらず前記第1特定遊技状態を終了させる第2終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において強制終了処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
上記構成では、第1特定遊技状態は、第1把握手段により把握される残数に基づいて終了される場合と、第2把握手段により把握される実行数が上限数に達するといった所謂強制終了条件が成立した場合に終了される場合とがある。このような構成においては、例えば、第1特定遊技状態に含まれる第2特定遊技状態へ移行することで遊技媒体の増加が見込めるようになる場合、第2特定遊技状態への移行が生じていないのにもかかわらず第1特定遊技状態である状況が継続すると、上記強制終了条件により第1特定遊技状態が終了されてしまう可能性が高くなる。その点、特徴B1のように、第1特定遊技状態において第2移行抽選に非当選となると第1特定遊技状態が終了するようにしたため、上限数までのゲーム数が第2特定遊技状態ではない状態によって侵食されてしまうといった事象を抑制することが可能となる。
特徴B3.前記第1移行抽選手段は、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果となることに基づいて前記第1移行抽選を実行し、
前記第2移行抽選手段は、前記第1移行抽選手段による前記第1移行抽選の結果が前記第1移行結果となることに基づいて、当該第1移行結果となった前記特定結果を利用して、前記第2移行抽選を実行可能であることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1移行抽選と第2移行抽選といった多段式の抽選系統である構成において、1段階目の移行抽選は抽選手段による抽選結果が特定結果となることに基づいて実施され、2段階目の移行抽選は1段階目の移行抽選に当選した場合の抽選手段による抽選結果を利用して実施されるようになり、両移行抽選は同じゲームの抽選手段による抽選結果に基づいて実施され得るものとなる。つまり、例えば、第1移行抽選に当選した後、抽選手段による抽選結果が何らかの結果となった場合に第2移行抽選が行われるような構成であると、第1移行抽選が行われたゲームから第2移行抽選が行われるゲームまでのゲームで中だるみ感が生じ得るし、第2移行抽選が行われるまでのゲームは第1特定遊技状態となるため、第1特定遊技状態であって且つ第2特定遊技状態ではない状況を短くすべき事情がある構成においては好ましくない。その点、上記構成のように両移行抽選が同じゲームの抽選結果を利用して実施されるようにすることで、第1特定遊技状態へ移行後、直ぐに第2移行抽選を実施可能となり、注目すべき両移行抽選が濃縮されて注目度を劇的に高める効果が期待できるし、第1特定遊技状態であって且つ第2特定遊技状態ではないゲームを短くすることが可能となる。
特徴B4.前記第1移行抽選手段による前記第1移行抽選の結果が前記第1移行結果であることに基づいて、当該第1移行抽選が行われたゲームにて、前記第2移行抽選を実行可能な第2移行先抽選手段(主制御装置101による有利区間当選時処理におけるATモード移行抽選を実行する機能)を備え、
前記特定終了手段は、前記第2移行先抽選手段による前記第2移行抽選が前記第2移行結果ではない場合、その後に移行する前記第1特定遊技状態を終了させるための処理を実行可能であることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1移行抽選手段による抽選結果が第1移行結果となることに基づいて、第2移行抽選もそのゲームにて行うことが可能となる。このようにすることで、第2移行抽選に非当選となった場合に第1特定遊技状態を終了させる構成において、その終了用の処理を、事前に(第1特定遊技状態移行前に)行うことも可能となるし、例えば、第1移行抽選に当選したものの、第2移行抽選には当選しなかった場合等、実質的に第1特定遊技状態が直ぐに終了してしまう場合においては、それ用の演出を行う等、遊技者をぬか喜びさせないようにすることも可能となる。
なお、「その後に移行する前記第1特定遊技状態を終了させるための処理」とは、例えば、「その後に移行する前記第1特定遊技状態は特定ゲーム数に亘って実行可能となる構成であり、当該特定ゲーム数を設定するための処理」が考えられる。
特徴B5.前記第2移行抽選手段は、前記抽選手段による抽選結果に対応する抽選結果情報と前記第2移行結果に対応する第2移行結果情報との関係性が定められた第2移行抽選対応情報群(ATモード移行抽選テーブル)を利用して前記第2移行抽選を実行し、
前記第2移行先抽選手段は、前記第1移行抽選手段による前記第1移行抽選の結果が前記第1移行結果となることに基づいて、当該第1移行結果となったゲームでの前記抽選手段による抽選結果情報と、前記第2移行抽選対応情報群とを利用して、当該第1移行結果となったゲームにて前記第2移行抽選を実行可能であることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2移行抽選手段は、抽選手段による抽選結果に対応する抽選結果情報と第2移行結果に対応する第2移行結果情報との関係性が定められた第2移行抽選対応情報群といった、所謂抽選テーブルを利用して第2移行抽選を行う構成であり、第2移行先抽選手段は、第1移行抽選の抽選結果が第1移行結果となることに基づいて、当該第1移行結果となったゲームでの抽選手段による抽選結果と、第2移行抽選手段により第2移行抽選が行われる場合の抽選テーブルとを利用して第2移行抽選を行う構成となる。このようにすることで、第2移行抽選手段と第2移行先抽選手段との相違点が、第2移行抽選が行われるゲームでの抽選結果だけとなる。つまり、第2移行抽選手段は、第1特定遊技状態におけるゲームでの抽選手段による抽選結果を利用して第2移行抽選を行い、第2移行先抽選手段は、第1移行抽選に当選したゲームでの抽選手段による抽選結果を利用して第2移行抽選を行う。よって、第2移行先抽選手段の構成が比較的簡素なものとなるし、第2移行先抽選手段によって第2特定遊技状態への移行を生じさせる場合に、第1移行抽選の抽選方法を変える等といった不必要な変更が行われる余地をなくし、遊技の透明性も担保することができる。
特徴B6.前記第2移行抽選手段は、前記第2移行先抽選手段による前記第2移行抽選が前記第2移行結果ではない場合であっても、その後に移行する前記第1特定遊技状態において前記第2移行抽選を実行可能であり、
当該その後に移行す前記第1特定遊技状態における前記第2移行抽選の結果が前記第2移行結果である場合、前記特定終了手段により前記第1特定遊技状態が終了されないようにする手段(主制御装置101によるATモード当選時にATモード非当選フラグをクリアする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2移行先抽選手段による第2移行抽選に非当選となっても、その後に移行する第1特定遊技状態における第2移行抽選に当選した場合には、当該第1特定遊技状態は終了しない。つまり、第2移行先抽選手段による第2移行抽選と第2移行抽選手段による第2移行抽選とでいずれも非当選となった場合に第1特定遊技状態が終了することとなる。このようにすることで、第1特定遊技状態移行前に第2移行先抽選手段を実施することの効果を奏しながら、第1特定遊技状態移行後に第2移行抽選に当選し易い状況が生じた場合等(例えばレア役に当選した場合等)に、その状況変化に柔軟に対応することが可能となるし、遊技者に対しても、せっかく第2移行抽選に当選し易い状況が生じたのにもかかわらず、それが無効となってしまう等による消失感を与えないようにすることができる。
特徴B7.遊技状態として、前記抽選手段による抽選結果が前記払出結果となる確率が共通する一方、前記再遊技結果となる確率が異なり得る第1特別状態(例えば、第2RT状態)と第2特別状態(例えば、第4RT状態)と、が設定されており、
前記第1特別状態において前記第1移行抽選手段による前記第1移行抽選が行われた場合に前記第1移行結果となる確率と、前記第2特別状態において前記第1移行抽選手段による前記第1移行抽選が行われた場合に前記第1移行結果となる確率とが共通し、
前記第1特別状態において、前記第2移行先抽選手段による前記第2移行抽選の結果が前記第2移行結果となる確率と、前記第2移行抽選手段による前記第2移行抽選の結果が前記第2移行結果となる確率とが共通する一方、
前記第2特別状態において、前記第2移行先抽選手段による前記第2移行抽選の結果が前記第2移行結果となる確率と、前記第2移行抽選手段による前記第2移行抽選の結果が前記第2移行結果となる確率とが異なり得ることを特徴とする特徴B5又は特徴B6に記載の遊技機。
上記構成によれば、例えば、払出結果となる確率が共通する一方、再遊技結果となる確率が異なり得る第1特別状態と第2特別状態といった所謂RT状態が設定されており、第1移行抽選の当選確率が第1特別状態と第2特別状態とで共通する構成において、第2移行先抽選手段による第2移行抽選の当選確率は第1特別状態と第2特別状態とで共通し、第2移行抽選手段による第2移行抽選の当選確率は第1特別状態と第2特別状態とで異なり得る。第1移行抽選手段と第2移行抽選手段といった2段階の抽選系統が設定されている構成において、第1移行抽選手段の当選確率を両特別状態で共通なものとし、第2移行抽選手段の当選確率を両特別状態で異なり得るようにすることで、第1特定遊技状態へ移行させるチャンスは平等に付与しつつ、第2特定遊技状態への移行し易さが特別状態によって異なり得る、といったように、遊技の平等性と多様性とを両立させる効果が期待できる。その点、上記のとおり、第2移行先抽選手段による第2移行抽選は、第1特定遊技状態への移行前(当選ゲーム)で行われ得るものであるため、第2移行先抽選手段による当選確率を第1特別状態と第2特別状態とで共通なものとしておくことで、第1移行抽選の当選確率が両特別状態で共通なものとしている意義に反しない範囲で、第2移行抽選を第1特定遊技状態移行前に行うことが可能となる。
特徴B8.前記第2移行先抽選手段による前記第2移行抽選の結果が前記第2移行結果となる確率と、前記第2移行抽選手段による前記第2移行抽選の結果が前記第2移行結果となる確率とが、異なり得ることを特徴とする特徴B5乃至B7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定遊技状態移行前に実施される第2移行抽選と第1特定遊技状態移行後に実施される第2移行抽選との当選確率が異なり、例えば移行前の当選確率を高くすると、第1移行抽選当選時の遊技結果を第1特定遊技状態移行後の遊技結果よりも優先する構成となるし、移行後の当選確率を高くすると、第1移行抽選当選時の遊技結果よりも第1特定遊技状態移行後の遊技結果を優先する構成となる。このようにすることで、第2移行先抽選手段による第2移行抽選と、第2移行抽選手段による第2移行抽選との当選確率の相違を利用した新たな遊技性の創出に大きく貢献することが可能となる。
特徴B9.前記第2移行抽選の結果が前記第2移行結果ではない場合、前記第1特定遊技状態が終了するまでのゲーム数を設定する終了ゲーム数設定手段(主制御装置101による有利区間終了カウンタを設定する処理を実行する機能)と、
前記第1特定遊技状態の各ゲームにおいて、前記終了ゲーム数設定手段により設定されたゲーム数を更新可能な更新手段(主制御装置101によるAT非当選時第3処理において有利区間終了カウンタの減算処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定終了手段は、前記終了ゲーム数設定手段により設定されたゲーム数が前記第1特定遊技状態の終了に対応するゲーム数(0)となったことに基づいて、当該第1特定遊技状態を終了させることを特徴とする特徴B1乃至B8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定遊技状態は、第2移行抽選手段による第2移行抽選が非当選となった場合に設定される終了ゲーム数に基づいて終了する。具体的には、例えば終了ゲーム数が1ゲームとして設定されれば、第1特定遊技状態は1ゲームで終了するし、終了ゲーム数が2ゲームとして設定されれば、第1特定遊技状態が2ゲームで終了する。このようにすることで、第2移行抽選に非当選となることに基づいて第1特定遊技状態を終了させる構成において、第1特定遊技状態終了までのゲーム数を自由度の高いものとすることが可能となる。
特徴B10.前記終了ゲーム数設定手段によりゲーム数が設定されている状況において、前記第2移行抽選手段による前記第2移行抽選の抽選結果が前記第2移行結果となった場合、前記特定終了手段により前記第1特定遊技状態が終了されることを制限する手段(主制御装置101によるATモード非当選フラグをクリアする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B9に記載の遊技機。
上記構成によれば、一旦、第2移行抽選が非当選となって終了ゲーム数設定手段により第1特定遊技状態終了までのゲーム数が設定された状況であっても、再度の第2移行抽選に当選すれば、特定終了手段により第1特定遊技状態が終了されることが制限される。このようにすることで、第2移行抽選に非当選となっても第1特定遊技状態が終了することが確定するわけではなく、設定される終了ゲーム数によって終了させないように再チャレンジすることが可能となり、終了ゲーム数の数や、再チャレンジでの第2移行抽選へ高い関心を寄せさせることが可能となり、遊技性が大幅に向上する。
特徴B11.遊技状態として、前記抽選手段による抽選結果が前記払出結果となる確率が共通する一方、前記再遊技結果となる確率が異なり得る第1特別状態(例えば、第2RT状態)と第2特別状態(例えば、第4RT状態)と、が設定されており、
前記第1特定遊技状態が終了するまでの各ゲームにて、前記第2移行抽選が実行され得る構成であり、
前記終了ゲーム数設定手段は、前記第1特別状態にて実行された前記第2移行抽選の結果が前記第2移行結果ではない場合と、前記第2特別状態にて実行された前記第2移行抽選の結果が前記第2移行結果ではない場合とで、前記第1特定遊技状態が終了するまでのゲーム数を異ならせることが可能であることを特徴とする特徴B9又は特徴B10に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2移行抽選に非当選となった場合に第1特定遊技状態を終了させる構成において、払出結果となる確率は共通するものの再遊技結果となる確率が異なる所謂RT状態としての第1特別状態と第2特別状態とが設けられており、第1特別状態と第2特別状態とで、第2移行抽選に非当選となった場合の第1特定遊技状態終了までのゲーム数が異なる。そして、第1特定遊技状態の各ゲームにおいて第2移行抽選が実行され得る構成であるため、第1特別状態と第2特別状態とにおける第2特定遊技状態への実質的な移行率は、第2移行抽選の実行回数、すなわち第1特定遊技状態終了までのゲーム数によって規定されることとなり、このように第1特別状態と第2特別状態とで第1特定遊技状態終了までゲーム数を異ならせることで、第2特定遊技状態への移行率を第1特別状態と第2特別状態とで異ならせる、といった斬新な遊技性を実現することが可能となる。
特徴B12.前記第1特定移行手段は、前記第1移行抽選手段による前記第1移行抽選の結果が前記第1移行結果となったゲームにて前記第1特定遊技状態へ移行させることが可能であり、
前記第2移行抽選手段は、前記第1特定移行手段により前記第1特定遊技状態へ移行されたゲームにて前記第2移行抽選を実行可能であることを特徴とする特徴B1乃至B11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定遊技状態への移行抽選に当選したゲームで第1特定遊技状態へ移行し、更にそのゲームにて第2移行抽選も実施され得る。このようにすることで、第1移行抽選と第2移行抽選といった2段階の抽選系統を経て第2特定遊技状態へ移行させる構成において、第1移行抽選と第2移行抽選とが同じゲームにて実施され得る構成となる。よって、そのゲームにて第2移行抽選に非当選となった場合、特定終了手段により第1特定遊技状態が終了されるにしても、第1移行抽選から特定終了手段により第1特定遊技状態が終了されるまでが実質的に1ゲームで完了することとなり、遊技者が注目すべきゲームが集約化されることによって強烈なドキドキ感を提供する効果がより高められるし、例えば、特徴B2のように、第1特定遊技状態であって且つ第2特定遊技状態ではないゲーム数(第1特定遊技状態であって且つ第2移行抽選に当選していないゲーム数)を少なくしたいといった事情がある構成において、そのゲーム数を最小ゲーム数とすることも可能となる。
特徴B13.前記特定終了手段は、前記第2移行抽選の結果が前記第2移行結果ではない場合、当該ゲームにて前記第1特定遊技状態を終了させることが可能であることを特徴とする特徴B1乃至B12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2移行抽選に非当選となった場合、その後に第1特定遊技状態が継続されることなく、そのまま第1特定遊技状態が終了する。このようにすれば、第1特定遊技状態であって第2特定遊技状態ではないゲーム数を最小ゲーム数とすることができる点がより明確なものとなる。
特徴B14.前記第1特定移行手段は、前記第1移行抽選手段による前記第1移行抽選に当選したゲームの次のゲームを開始ゲームとして前記第1特定遊技状態へ移行させ、
前記第1移行抽選が行われたゲームにて実行された前記第2移行抽選又は前記開始ゲームにて実行された前記第2移行抽選の結果が前記第2移行結果ではない場合、前記特定終了手段は、当該開始ゲームにて前記第1特定遊技状態を終了させることが可能であることを特徴とする特徴B1乃至B13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定遊技状態への移行抽選に当選しなかった場合であっても、第1特定遊技状態への移行が生じることが明確化される。このような構成とすることで、単に、遊技機の内部処理によって抽選処理を多段階で行うといった構成と比較して、遊技者が第1特定遊技状態への移行抽選には当選していたことを明確に把握可能となり、両移行抽選のそれぞれへの注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴B15.前記第1移行抽選手段による前記第1移行抽選の結果が前記第1移行結果となった場合、当該第1移行抽選の契機となったゲームの前記抽選手段による抽選結果を記憶する抽選結果記憶手段(主制御装置101の移行当選時情報一時記憶エリア106f)を備え、
前記第2移行抽選手段は、前記第1特定遊技状態において前記抽選結果記憶手段により記憶されている抽選結果の情報を利用して、前記第2移行抽選を実行可能であることを特徴とする特徴B1乃至B14のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定終了手段により終了される契機となる第2移行抽選が、第1特定遊技状態中に行われるものであって、且つ第1移行抽選に当選したゲームの遊技結果を利用したものであることになる。このようにすることで、第1特定遊技状態への移行自体は確実に生じさせつつ、第1移行抽選と第2移行抽選とで別々に抽選契機となる遊技結果(所謂レア役)を引き当てなければいけないといった困難性を回避して第1特定遊技状態へ移行後、速やかに第2移行抽選を実行させることが可能となる。
特徴B16.前記第2特定遊技状態に移行が可能となっている状況と、そうではない状況とのゲーム数の割合を表示可能な特定表示手段(役比モニタ77)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B15のいずれか1に記載の遊技機。
第2特定遊技状態への移行が可能となっている状況とそうではない状況とのゲーム数の割合が表示されるようにしたため、遊技媒体の増加のうち、第2特定遊技状態によって生じた割合を遊技ホールの管理者等が把握することが可能となる。これにより、例えば、第2特定遊技状態に不正に移行させたりする行為や、設計者の意図する割合を凌駕する割合で第2特定遊技状態となったこと等を特定することが可能となり、遊技機の安全性や健全性を担保するうえで役立てることが可能となる。
特に、特徴B1のように、第1特定遊技状態において第2移行抽選に非当選となると第1特定遊技状態が終了するようにしたため、特定表示手段により表示される割合は大幅に小さい値となる。このようにすることで、第2特定遊技状態への移行が生じていないのに第1特定遊技状態である状況が継続することにより、当該割合が侵食される事象を回避することができる。
なお、上記構成は、「前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第2結果とを有し、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を所定の報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7)にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備え、
前記第2特定遊技状態に移行が可能となることで、前記態様報知手段による態様報知が実行されるようになる構成」である、といった限定を加えることにより、第2特定遊技状態に移行が可能となっている状況と、そうではない状況との割合を算出・表示することの意義がより明確化される。すなわち、このような限定を行うことにより、「特定表示手段」による表示が、態様報知が実行され得る状況と、そうではない状況との割合を表示する構成となり、態様報知が実行され得る状況の割合が、設計値からかけ離れていないかどうかを容易に確認することが可能となる。
また、「特定表示手段」に関し、「前記特定表示手段を、遊技機前方からの視認が不可となる位置と遊技機前方からの視認が可能となる位置とに変位可能な変位手段(前面扉12)を備え、所定の施錠手段によって前記変位手段の位置が変位可能となる状態と変位不可となる状態とに切り替わる」といった構成とすることで、特定表示手段を、施錠手段の施錠・開錠によって遊技ホールの管理者は確認可能となり、且つ遊技者は確認できない構成とすることが可能となる。
<特徴C群>
特徴C1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記抽選手段による抽選結果として、前記特典付与手段により次ゲームを新たな遊技媒体を要することなく実行可能となる再遊技が前記特典として付与される再遊技結果と、前記特典付与手段により所定数の遊技媒体の払出が前記特典として付与される払出結果と、が少なくとも設けられている遊技機であって、
遊技状態として、通常遊技状態(通常区間)と、当該通常遊技状態よりも遊技者にとって有利となり易い第1特定遊技状態(有利区間)と、を設け、
前記第1特定遊技状態に含まれる状態として、当該第1特定遊技状態における他の状態よりも遊技者にとって有利となり易い第2特定遊技状態(ATモード)が設定されており、
前記通常遊技状態において、前記第1特定遊技状態へ移行させるか否かの第1移行抽選を実行する第1移行抽選手段(主制御装置101による有利区間移行抽選を実行する機能)と、
前記第1移行抽選手段による前記第1移行抽選の抽選結果が前記第1特定遊技状態へ移行させることに対応する第1移行結果(有利区間当選)であることに基づいて、前記第1特定遊技状態へ移行させる第1特定移行手段(主制御装置101による有利区間へ移行させるための処理を実行する機能)と、
前記第2特定遊技状態へ移行させるか否かの第2移行抽選を実行する第2移行抽選手段(主制御装置101によるATモード移行抽選を実行する機能)と、
前記第2移行抽選手段による前記第2移行抽選の抽選結果が前記第2特定遊技状態へ移行させることに対応する第2移行結果(ATモード当選)であることに基づいて、前記第2特定遊技状態へ移行させる第2特定移行手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として、更に、前記抽選手段による抽選結果が前記払出結果となる確率が共通する一方、前記再遊技結果となる確率が異なり得る第1特別状態(例えば、第2RT状態)と第2特別状態(例えば、第4RT状態)と、が設定されており、
前記第2移行抽選手段は、前記第1特別状態では第1確率にて前記第2移行結果となるように前記第2移行抽選を実行する一方、前記第2特別状態では前記第1確率よりも高い第2確率にて前記第2移行結果となるように前記第2移行抽選を実行可能であり、
前記第2特定遊技状態において、前記第2特別状態への移行に基づいて当該第2特定遊技状態を終了させる特定終了手段(主制御装置101によるステップS1626の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、遊技者にとって通常遊技状態よりも有利となり易い第1特定遊技状態が設けられており、その第1特定遊技状態に含まれる状態として更に有利な第2特定遊技状態が設けられているため、通常遊技状態から第1特定遊技状態へ移行させ、第2特定遊技状態を目指す、といったように段階に有利となる状態移行を前提とした遊技性が実現され、興趣向上に大いに役立てることが可能となる。
更に遊技状態として、払出結果となる確率は共通するものの、再遊技結果となる確率が異なり得る、といった、所謂RT状態に相当する第1特別状態と第2特別状態とが設けられている。そして、第1特定遊技状態や第2特定遊技状態は、第1移行抽選や第2移行抽選を経て移行するものであり、特に、第2移行抽選に関しては第1特別状態よりも第2特別状態の方が第2特定遊技状態への移行が生じ易いように抽選が行われるため、第2特定遊技状態への移行のチャンスがRT状態の種類によって異なり、遊技の多様化が図られている。
しかも、上記構成においては、第2特定遊技状態において第2特別状態への移行が生じると、第2特定遊技状態が終了されるようにした。そのため、第2特定遊技状態へ移行し易い第2特別状態への移行が生じると、一旦、第2特定遊技状態が終了される、といった構成となり、例えば、第2特定遊技状態の所謂引き戻しゾーンを創出したり、第2特定遊技状態の再セットを促したりする等、斬新な遊技性の実現に大いに役立たせることが可能となる。
特徴C2.前記抽選手段による抽選結果が予め定められた第2特別結果(移行リプレイ1,2)となった場合に、前記第2特別状態へ移行させることが可能な第2特別移行手段(主制御装置101によるRT状態処理を実行する機能)を備え、
前記特定終了手段は、前記第2特定遊技状態にて前記抽選手段による抽選結果が前記第2特別結果となった場合に、当該第2特定遊技状態を終了させることが可能となることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特別状態への移行は、抽選手段による抽選結果が第2特別結果となったことに基づいて生じるものとなり、第2特定遊技状態において第2特別状態への移行が、遊技機側の設定(例えば、ゲーム数やメダルの差枚数等)によって強制的に生じるものではないし、遊技者が好きなタイミングで生じさせることができるものでもないことが明確化される。このように、第2特定遊技状態を終了させるとともに、第2特定遊技状態への引き戻しゾーンとなるもなり得るといった、遊技者にとって嬉しくも悲しくもある第2特別状態への移行が、各ゲームの抽選結果といった運の要素に関連付けられて生じるものとなり、各ゲームの抽選結果への関心が大幅に高められる。
特徴C3.前記第2特別移行手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特別結果であり、且つ前記停止操作手段が第1停止操作態様にて停止操作された場合、前記第2特別状態へ移行させ、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特別結果であり、且つ前記停止操作手段が前記第1停止操作態様とは異なる第2停止操作態様にて停止操作された場合、前記第2特別状態へ移行させないことを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特別状態への移行の有無に、各ゲームの抽選結果といった運の要素に加えて、遊技者に操作される停止操作手段の操作態様といった観点が加わる。このようにすることで、第2特別状態への移行を生じさせたい遊技者としては、第2特別結果当選時に第1停止操作態様となることを目指して遊技するであろうし、第2特別状態への移行を生じさせたくない遊技者としては、第2特別結果当選時に第2停止操作態様となることを目指して遊技する、といったように、遊技者の遊技への参加を促し、遊技の面白みが向上する。
特徴C4.前記抽選手段による抽選結果が前記第2特別結果である場合、前記第1停止操作態様及び前記第2停止操作態様のうちのいずれかを少なくとも含む停止操作態様についての態様報知を所定の報知手段(指示モニタ68)にて実行可能な態様報知実行手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特別状態への移行を生じさせる第1停止操作態様や移行を生じさせない第2停止操作態様についての態様報知が所定の報知手段にて行われるため、態様報知に従って操作することで、第2特別状態への移行が生じるようにしたり生じさせないようにしたりすることができる。このように、態様報知の有無によって、第2特別状態への移行の有無を遊技機側でアシストすることが可能となり、引き戻しゾーンとしての第2特別状態を用いた遊技性を設計通り実現させることが可能となる。
特徴C5.前記抽選手段による抽選結果が前記第2特別結果となり得る第1状態(例えば、第3RT状態)と、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特別結果とならない又は前記第1状態よりもなりにくい第2状態(例えば、第2RT状態)とが設定されており、
前記第2特定遊技状態において、予め定められた所定条件が成立したことに基づいて、前記第2状態から前記第1状態へ移行させる状態移行手段(主制御装置101による移行モード用へ移行させるための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C2乃至C4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、各ゲームの抽選結果が第2特別結果となった場合に第2特別状態への移行が生じ得るといった、第2特別状態への移行の有無が運の要素に左右され易い構成において、第2特別状態への移行契機となる第2特別結果当選の有無や当選確率が、第1状態と第2状態とで異なり、所定条件が成立することで、第2特別結果に当選し易い第1状態への移行が生じる構成となる。このような構成を用いれば、第2特別状態へ移行させるべきではないタイミングにおいては、第2状態に留まらせる(第1状態へ移行させない)ようにして第2特別結果当選とならないようにし、第2特別状態へ移行させるべきタイミングで第1状態へ移行させて第2特別結果当選となり得るようにすることが可能となり、意図しないタイミングで第2特別状態への移行が生じて第2特定遊技状態が終了してしまうことが回避される。
特徴C6.前記第2特定移行手段により前記第2特定遊技状態へ移行される場合、前記第1特別状態への移行も生じ得るものであり、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた第1特別結果(第1昇格リプレイ1~4)となった場合に、前記第1特別状態へ移行させることが可能な第1特別移行手段(主制御装置101によるRT状態処理や押し順役処理を実行する機能)を備え、
前記第2特別状態において、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果となり得るように設定されていることを特徴とする特徴C1乃至C5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定遊技状態中に第2特別状態へ移行すると、当該第2特定遊技状態が終了する構成において、その移行後の第2特別状態においては、第1特別状態への移行が生じ得る第1特別結果に当選し得るものとなる。第2特定遊技状態は第1特別状態にて遊技されるものといった前提に立つと、第2特別状態において第2特定遊技状態への移行抽選に当選した場合には、当該第1特別結果当選に基づいて、速やかに第1特別状態へ移行させることが可能となる。よって、所謂引き戻しゾーンとしての第2特別状態において、せっかく第2特定遊技状態への移行抽選に当選したのにもかかわらず、他の遊技状態を介在することによって、第1特別状態になかなか移行しないことを通じて第2特定遊技状態が開始されない、といった不都合を解消することが可能となる。
特徴C7.前記第2特別状態から前記第1特別状態へ移行することで、前記第2移行抽選の当選の有無に関わらず、前記第2特別状態が終了することを特徴とする特徴C6に記載の遊技機。
上記構成は、第1特別状態へ移行することで第2特定遊技状態へ復帰が可能となる構成において、第2移行抽選に当選していなければ、第2特定遊技状態への移行が生じないだけでなく、第2特別状態ももちろん終了する、といった点を明確化したものである。このように、第2特別状態から第1特別状態への移行を、遊技者にとってのメリットだけでなくデメリットもあるようにすることで、第1特別結果当選時や当選タイミングへの関心を高めることができる。
特徴C8.遊技媒体の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数段階設けられており、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値が設定される設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段により第1設定値が設定されている場合と前記第1設定値とは異なる第2設定値が設定されている場合とで、前記第2特別状態において前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果となる確率が異なり得ることを特徴とする特徴C6又は特徴C7に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定遊技状態において第2特別状態へ移行することで第2特定遊技状態が終了するとともに、第2特定遊技状態へ復帰し易くなるといった構成において、第2特別状態中に第2移行抽選に当選したうえで第1特別結果となって第2特定遊技状態へ直接復帰可能となる確率が、設定値によって異なり得る。つまり、第1特別結果の当選確率が高い設定値ほど、第2移行抽選に当選している状況において、第2特定遊技状態への復帰がスムーズに行われることとなる。また、第1特別結果となることで第2特別状態が終了し得る点からすると、第1特別結果の当選確率が高いほど、第2特定遊技状態への移行抽選に当選し易い第2特別状態が終了し易い、とも言え、このように、設定値によって第1特別結果の当選確率を異ならせることで、第2特別状態の遊技性や特性に設定値による差を設けることが可能となる。
特徴C9.前記第1特別移行手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果であり、且つ前記停止操作手段が第3停止操作態様にて停止操作された場合、前記第1特別状態へ移行させ、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果であり、且つ前記停止操作手段が前記第3停止操作態様とは異なる第4停止操作態様にて停止操作された場合、前記第1特別状態へ移行させない構成であり、
前記第2移行抽選に当選しており、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果である場合、前記第3停止操作態様及び前記第4停止操作態様のうちのいずれかを少なくとも含む停止操作態様についての態様報知を所定の報知手段(指示モニタ68)にて実行可能な第1態様報知実行手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備え、
前記第2特別状態とは異なる状態において前記第2移行抽選に当選した場合、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果となることに基づいて、前記第1態様報知実行手段による態様報知を介して、前記第2特定移行手段による前記第2特定遊技状態への移行が生じる構成であり、
前記第2特別状態において、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果とは異なる第3特別結果(転落リプレイ1~3)であることに基づいて、当該第2特別状態を終了させる第3特別状態移行手段(主制御装置101によるRT状態処理や押し順役処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C6乃至C8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特別結果は第2特別状態以外でも当選し得るものであり、第2特別結果とは異なる状態において第2特定遊技状態への移行抽選に当選した場合においても、当該第1特別結果当選に基づく第1特別状態への移行を通じて、第2特定遊技状態への移行が生じる構成となる。この場合、第2特定遊技状態の有利度を高めるために、例えば、第1特別状態における再遊技結果の当選確率を高める構成が考えられるところ、このように第1特別状態を有利なものとすると、停止操作の態様等が偶然にも第1特別状態への移行に対応するものとなったりして、第2特定遊技状態への移行抽選に当選していないのにもかかわらず第2特別状態への移行が生じてしまうと、遊技の設計上好ましくない。そのような観点からすると、第1特別結果当選時において、なるべく第1特別状態への移行が生じないようにしながら、且つ、第2移行抽選に当選している場合には、遊技機側のアシスト(第1態様報知実行手段による態様報知)を介して第1特別状態への移行がスムーズに行える構成が好ましい。具体的には、第1特別結果当選時に第1特別状態への移行が生じる第3停止操作態様と、第1特別状態への移行が生じない第4停止操作態様とを比較すると、第4停止操作態様の方が操作される可能性が高く、遊技機側のアシストによって第3停止操作態様がなされる構成がよいと考えられる。
このような前提を有する第1特別結果を、第2特別状態において第2特定遊技状態への復帰に利用しながら、第2特別状態の終了契機にも利用しようとすると、第2特別状態において第2移行抽選に当選していない状況で第1特別状態への移行する確率、すなわち第2特別状態が終了する確率が、比較的、低くなり易く、第2特別状態が長く継続し易くなる。その点、上記構成では、第2特別状態において第1特別結果の他に、第3特別結果も当該第2特別状態の終了契機として設定されていることから、第1特別結果の特性によって第2特別状態が長くなり易くなる事象を抑制し、第2特別状態の有利度を高め過ぎないようにすることが可能となる。
特徴C10.前記第2特定移行手段により前記第2特定遊技状態へ移行される場合、前記第1特別状態への移行も生じ得るものであり、
前記抽選手段による抽選結果が前記再遊技結果となる確率は、前記第2特別状態よりも前記第1特別状態の方が高くなり易いように設定されていることを特徴とする特徴C1乃至C9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定遊技状態が前記第1特別状態にて遊技される構成において、再遊技結果となる確率は第2特別状態へ移行すると低くなる。つまり、第2特定遊技状態において第2特定遊技状態への移行が生じ易い第2特別状態へ移行して当該第2特定遊技状態が終了すると、基本的には、再遊技結果となる確率がそれまでよりも低くなる。そうすると、第2特別状態へ移行することにより、再度、第2特定遊技状態へ移行し易いとはいえ、第2特別状態では遊技媒体の減りが多くなり易く、第2特定遊技状態へ移行するまでのゲームにおいて、遊技媒体が減る可能性がある。このようにすることで、第2特別状態において、第2移行抽選に当選するか否かといった観点だけでなく、第2移行抽選に当選するタイミング(消化ゲーム数)にも関心を寄せさせ、遊技の楽しみが追加される。
特徴C11.前記第2特定遊技状態の残数を把握する残数把握手段(主制御装置101による有利区間残りゲーム数ZGを把握する処理を実行する機能)と、
前記残数把握手段による把握結果に基づいて、前記第2特定遊技状態を終了させる終了処理を実行可能な第2終了手段(主制御装置101による通常の終了条件が成立したことに基づく有利区間・ATモード終了用の処理を実行する機能)と、
前記残数把握手段により把握される残数が、前記第2終了手段による終了処理の対象となるよりも前であって、予め定められた特定数となることに基づいて前記第2特別状態への移行を許容し、前記特定数となる前においては前記第2特別状態への移行を制限することが可能な手段(主制御装置101による移行用報知フラグをセットする処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定遊技状態の残数が残数把握手段により把握され、その把握結果に基づいて第2特定遊技状態が終了されるといった前提のもと、残数が特定数となるよりも前は、第2特別状態への移行が制限され、特定数となることで第2特別状態への移行が許容される。このように、第2特定遊技状態の終盤に第2特別状態の移行を生じさせる構成とすることで、せっかく移行した第2特定遊技状態が、第2特別状態への移行によって直ぐに終了してしまう、といった事象を生じさせないようにしながら、その終盤において、第2特別状態へ移行させて終了させるか、それとも、残数通りで終了されるか、といった点に関心を寄せさせることが可能となり、遊技の多様化を通じて遊技の興趣向上が図られる。
特徴C12.前記第2終了手段により前記第2特定遊技状態が終了される場合、前記第2特別状態への移行に基づいて前記特定終了手段により前記第2特定遊技状態が終了される場合よりも遊技者にとって不利となり易い構成であることを特徴とする特徴C11に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴C10の構成において、残数把握手段による把握結果に基づいて第2特定遊技状態が終了する場合は、第2特別状態移行に基づいて第2特定遊技状態が終了する場合よりも遊技者にとって不利なものとなる。このようにするからこそ、特定終了手段により第2特定遊技状態が終了されることのメリットを生じさせることができ、特徴C1の効果を好適に期待することができる。
特徴C13.前記第2特定移行手段により前記第2特定遊技状態へ移行される場合、前記第1特別状態への移行も生じ得るものであり、
前記第2特定遊技状態が前記第2終了手段により終了された後、前記第1特別状態において所定の終了条件(第2再遊技入賞、移行出目停止)が成立することで当該第1特別状態から前記第2特別状態とは異なる状態へ移行する構成であり、
前記第2特定遊技状態が前記第2終了手段により終了された後であって、前記所定の終了条件が成立するよりも前に、所定の移行条件(第11再遊技入賞、第12再遊技入賞)が成立した場合、前記第2特別状態へ移行することを特徴とする特徴C11又は特徴C12に記載の遊技機。
上記構成によれば、通常通り、第2特定遊技状態の残数に基づいて第2終了手段により当該第2特定遊技状態が終了する場合であっても、第1特別状態が他の状態へ移行するよりも前に第2特別状態への移行が生じ得るものとなっている。そのため、第2終了手段と特定終了手段といった異なる終了手段を有する構成において、第2終了手段により終了されるからといって、第2特別状態への移行が完全に否定されるわけではなく、チャンスが残存する構成となる。
特徴C14.前記特定終了手段により前記第2特定遊技状態が終了される場合、前記第1特定遊技状態も終了することを特徴とする特徴C1乃至C13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定終了手段により第2特定遊技状態が終了される場合、第1特定遊技状態も合わせて終了されるため、第2特別状態において、第1移行抽選に当選し、且つ第2移行抽選にも当選しないと、第2特定遊技状態に復帰しない構成となる。このようにすることで、第2特定遊技状態や第2特別状態の有利度を高めすぎることなく、遊技の健全性を担保することができる。
<特徴D群>
特徴D1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記抽選手段による抽選結果として、前記特典付与手段により次ゲームを新たな遊技媒体を要することなく実行可能となる再遊技が前記特典として付与される再遊技結果と、前記特典付与手段により所定数の遊技媒体の払出が前記特典として付与される払出結果と、が少なくとも設けられている遊技機であって、
遊技状態として、通常遊技状態(通常区間)と、当該通常遊技状態よりも遊技者にとって有利となり易い第1特定遊技状態(有利区間)と、を設け、
前記第1特定遊技状態に含まれる状態として、当該第1特定遊技状態における他の状態よりも遊技者にとって有利となり易い第2特定遊技状態(ATモード)が設定されており、
前記通常遊技状態において、前記第1特定遊技状態へ移行させるか否かの第1移行抽選を実行する第1移行抽選手段(主制御装置101による有利区間移行抽選を実行する機能)と、
前記第1移行抽選手段による前記第1移行抽選の抽選結果が前記第1特定遊技状態へ移行させることに対応する第1移行結果(有利区間当選)であることに基づいて、前記第1特定遊技状態へ移行させる第1特定移行手段(主制御装置101による有利区間へ移行させるための処理を実行する機能)と、
前記第1特定遊技状態において、前記第2特定遊技状態へ移行させるか否かの第2移行抽選を実行する第2移行抽選手段(主制御装置101によるATモード移行抽選を実行する機能)と、
前記第2移行抽選手段による前記第2移行抽選の抽選結果が前記第2特定遊技状態へ移行させることに対応する第2移行結果(ATモード当選)であることに基づいて、前記第2特定遊技状態へ移行させる第2特定移行手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理を実行する機能)と、
前記第1移行抽選手段による前記第1移行抽選の抽選結果が前記第1移行結果であることに基づいて、前記第1特定遊技状態へ移行する前に、前記第2移行抽選を実行可能な第2移行先抽選手段(主制御装置101による有利区間当選時処理におけるATモード移行抽選を実行する機能)と、
を備え、
前記第1特定移行手段は、前記第2移行先抽選手段による前記第2移行抽選の結果が前記第2移行結果ではない場合であっても、前記第1特定遊技状態へ移行させることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、遊技者にとって通常遊技状態よりも有利となり易い第1特定遊技状態が設けられており、その第1特定遊技状態に含まれる状態として更に有利な第2特定遊技状態が設けられているため、通常遊技状態から第1特定遊技状態へ移行させ、第2特定遊技状態を目指す、といったように段階に有利となる状態移行を前提とした遊技性が実現され、興趣向上に大いに役立てることが可能となる。
しかも、上記構成においては、第1特定遊技状態移行後において、第2特定遊技状態への第2移行抽選を実行可能な第2移行抽選手段の他に、第1特定遊技状態への第1移行抽選に当選したことに基づいて第1特定遊技状態移行前に第2特定遊技状態への第2移行抽選を実行可能な第2移行先抽選手段を備える構成とし、第2移行先抽選手段による第2移行抽選に非当選であっても第1特定遊技状態への移行が生じる構成とした。このようにしたことで、第1移行抽選に当選した場合に、実質的に第2移行抽選が複数回行われ得る構成となり、第2特定遊技状態へ移行させるチャンスが多く付与されるようになるし、複数回のチャンスを付与する構成とすることで、1回のチャンス(第2移行抽選)の当選確率を低くしても遊技者に不利益を与えにくくすることができる。そして、複数回のチャンスを付与する構成とすることで、第2移行抽選に当選するパターンが増え、遊技の大幅な多様化が図られる。
特徴D2.前記第2移行抽選手段により前記第2移行抽選が行われた場合に前記第2移行結果となる確率と、前記第2移行先抽選手段により前記第2移行抽選が行われた場合に前記第2移行結果となる確率と、が異なっていることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定遊技状態移行後に行われる第2移行抽選と、第1特定遊技状態移行前に行われる第2移行抽選との、当選確率が異なり、いずれの移行抽選を受けるかによって、又は、第1特定遊技状態移行前の第2移行抽選と移行後の第2移行抽選とを重複で受けた場合と、第1特定遊技状態移行後の第2移行抽選だけを繰り返し受けた場合とで、同じ第2移行抽選の実行回数であっても有利度が大きく異なり得る。このようにすることで、どのようなタイミングで第2移行抽選を受けるかに大きな関心を寄せさせることが可能となる。よって、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴D3.遊技媒体の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数段階設けられており、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値が設定される設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段により第1設定値が設定されている場合と前記第1設定値とは異なる第2設定値が設定されている場合とで、前記第2移行先抽選手段による前記第2移行抽選にて前記第2移行結果となる確率が共通している一方、
前記設定手段により前記第1設定値が設定されている場合と前記第2設定値が設定されている場合とで、前記第2移行抽選手段による前記第2移行抽選にて前記第2移行結果となる確率が異なり得ることを特徴とする特徴D1又は特徴D2に記載の遊技機。
上記構成では、遊技媒体の増減率や増減態様の差を、第2移行抽選手段による第2移行抽選の当選確率、すなわち、第1特定遊技状態において第2特定遊技状態への移行が生じる確率によって設定する構成としながらも、第1特定遊技状態移行前に行う第2移行先抽選手段による第2移行抽選の当選確率には設定差がないようにした。第1特定遊技状態といった、既に遊技者にとって有利な状態においては、遊技者は遊技を終了する可能性は低く、遊技者が新たに遊技を開始する遊技台は、第1特定遊技状態移行前の通常遊技状態である可能性が高い。そうすると、第1特定遊技状態移行前の第2移行先抽選手段による第2移行抽選の当選確率に設定差があると、通常遊技状態における有利度に差があり、遊技者が着席する遊技台によって遊技者間の平等性が担保されにくい。その点、上記構成のように、第2移行先抽選手段による第2移行抽選の当選確率に関しては、設定差がないようにしたため、遊技者間の平等性を担保しながらも、第2特定遊技状態を利用した遊技性を多様化することが可能となる。
特徴D4.前記設定手段により前記第1設定値が設定されている場合と前記第2設定値が設定されている場合とで、前記第1移行抽選手段による前記第1移行抽選にて前記第1移行結果となる確率が共通していることを特徴とする特徴D3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1移行抽選に関しても通常遊技状態において有利度に設定差がなく、第2移行先抽選手段による第2移行抽選の当選確率に設定差がないようにした意義が高められる。
特徴D5.前記第2移行先抽選手段による前記第2移行抽選の結果が前記第2移行結果である場合、前記第1特定遊技状態への移行後において、前記第2移行抽選手段による前記第2移行抽選の実行が制限されることを特徴とする特徴D1乃至D4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2移行先抽選手段による第2移行抽選に当選したのにもかかわらず、第1特定遊技状態移行後において、更に第2移行抽選が行われる、といった無駄な処理が省かれる。このように処理の重複を回避することで、第2移行先抽選手段を設けることの意義を高めることができる。
特徴D6.所定の抽選契機(ゲームの抽選結果)に基づいて、前記第2移行先抽選手段による前記第2移行抽選及び前記第2移行抽選手段による前記第2移行抽選が実行される構成であり、
前記所定の抽選契機のうち第1抽選契機(移行契機役)が生じた場合、前記第2移行先抽選手段による前記第2移行抽選、及び、前記第2移行抽選手段による前記第2移行抽選が実行される一方、前記所定の抽選契機のうち前記第1抽選契機(移行契機役)とは異なる第2抽選契機(非契機役)が生じた場合、前記第2移行抽選手段は実行されるものの前記第2移行先抽選手段の実行は制限されるようにすることが可能な手段(主制御装置101による移行契機役と非契機役とでATモード抽選の有無を異ならせる機能)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D5のいずれか1に記載の遊技機。
遊技機。
上記構成によれば、所定の抽選契機によって第2移行先抽選手段や第2移行抽選手段による第2移行抽選が行われる構成において、第2移行先抽選に関しては、その実行が制限される場合がある。このように、第1特定遊技状態移行前に行われる第2移行先抽選手段による第2移行抽選といったイレギュラーな抽選に制約を設けることで、このような抽選が無制限に行われることを解消することができる。
なお、上記構成の具体的な構成としては、「前記第2移行先抽選手段は、前記抽選手段による抽選結果を利用して前記第2移行抽選を実行するものであり、
前記第2移行抽選手段は、前記抽選手段による抽選結果を利用して前記第2移行抽選を実行するものであり、
前記抽選手段による抽選結果が第1結果(移行契機役)である場合、前記第2移行先抽選手段による前記第2移行抽選、及び、前記第2移行抽選手段による前記第2移行抽選が実行されるものである一方、前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果とは異なる第2結果(非契機役)である場合、前記第2移行抽選手段は実行されるものの前記第2移行先抽選手段の実行は制限される」が考えられる。
特徴D7.前記所定の抽選契機に基づいて、前記第1移行抽選手段による前記第1移行抽選が実行される構成であり、
前記所定の抽選契機のうち前記第1抽選契機(移行契機役)が生じた場合、前記第1移行抽選手段による前記第1移行抽選の実行を許容する一方、前記所定の抽選契機のうち前記第2抽選契機(非契機役)が生じた場合、前記第1移行抽選手段による前記第1移行抽選の実行を制限することが可能な手段(主制御装置101による移行契機役と非契機役とで有利区間移行抽選の有無を異ならせる機能)を備えていることを特徴とする特徴D6に記載の遊技機。
遊技機。
上記構成によれば、第2移行先抽選手段による第2移行抽選の実行が制限される場合とは、第1移行抽選手段による第1移行抽選の実行も制限されることになる。言い換えると、第1特定遊技状態移行前において第1移行抽選の実行が制限される場合には、その第1特定遊技状態移行前に行われる第2移行先抽選手段による第2移行抽選の実行も制限されることになる。このようにすることで、第1特定遊技状態から第2特定遊技状態へ移行する、といった2段階の移行を経る構成において、第1特定遊技状態に移行する前の第2特定遊技状態への第2移行抽選を行うといったイレギュラーな構成を、第1特定遊技状態への移行抽選に合わせることが可能となる。
特徴D8.遊技媒体の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数段階設けられており、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値が設定される設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段により第1設定値が設定されている場合と前記第1設定値とは異なる第2設定値が設定されている場合とで、前記第2移行先抽選手段による前記第2移行抽選の結果が前記第2移行結果となる確率は共通する一方、
前記設定手段により前記第1設定値が設定されている場合と前記第2設定値が設定されている場合とで、前記第2移行抽選手段による前記第2移行抽選の結果が前記第2移行結果となる確率は異なり得ることを特徴とする特徴D1乃至D7のいずれか1に記載の遊技機。
通常遊技状態から第1特定遊技状態への移行が生じ、更に第1特定遊技状態から第2特定遊技状態への移行が生じる、といった構成において、第2特定遊技状態への移行を遊技の目標とするならば、第1特定遊技状態は、所謂チャンスゾーンとしてとらえることができ得る。そして、このようなチャンスゾーンにおいて第2特定遊技状態への移行率に設定差を設けることで、遊技が多様なものとなることと考えられる。
但し、遊技ホールに複数台設置され得る遊技機において、遊技者がどの遊技台を選択してもチャンスが平等に与えられるべき、といった考えもあり、遊技者が選択する段階でそのチャンスが不平等となるような設定差は好ましくない、といった考えもある。
その点、上記のように第1特定遊技状態をチャンスゾーンとしてとらえると遊技者はそのチャンスゾーンにて遊技を終了する可能性は低く、言い換えるならば、遊技者が遊技を終了して、後任の遊技者が遊技を開始する状態とは、通常遊技状態である可能性が高い。つまり、本遊技機のように2段階の状態移行を経る構成においては、移行の設定差をなくすべきは通常遊技状態における移行率と考えられる。
そこで、上記構成のように、第1特定遊技状態移行前に実行する第2移行先抽選手段による第2移行抽選の設定差がなく、且つ第1特定遊技状態移行後に実行する第2移行抽選手段による第2移行抽選の設定差はあり得るようにすることで、通常遊技状態における設定差をなくしながら、第2特定遊技状態への移行率にて遊技の多様化を図ることが可能となる。
なお、上記構成は、「前記設定手段により前記第1設定値が設定されている場合と前記第2設定値が設定されている場合とで、前記第1移行抽選手段による前記第1移行抽選の結果が前記第1移行結果となる確率は共通する」といった構成を加えることで、通常遊技状態における遊技の平等性がより担保される。
特徴D9.遊技状態として、前記抽選手段による抽選結果が前記払出結果となる確率が共通する一方、前記再遊技結果となる確率が異なり得る第1特別状態(例えば、第2RT状態)と第2特別状態(例えば、第4RT状態)と、が設定されており、
前記第1特別状態においては前記第2移行先抽選手段による前記第2移行抽選の実行が制限される一方、前記第2特別状態においては前記第2移行先抽選手段による前記第2移行抽選の実行が許容されることを特徴とする特徴D1乃至D8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、払出結果となる確率は共通する一方、再遊技結果となる確率が異なりえる第1特別状態と第2特別状態といった所謂RT状態を利用して、第2移行抽選の当選確率を異ならせることができる。つまり、第1特別状態では第2移行先抽選手段による第2移行抽選の実行が制限され、第2特別状態では第2移行先抽選手段による第2移行抽選の実行が許容されることからして、第1特別状態にて第1移行抽選に当選した場合よりも第2特別状態にて第1移行抽選に当選した場合のほうが、その後の第2移行抽選手段による第2移行抽選も含めて、第2移行抽選に当選する可能性が高くなる。よって、第1特別状態や第2特別状態といった、既存のRT状態の構成を、第2移行先抽選手段といった特徴D1に組み合わせるだけで、状態による第2移行抽選の当選確率を異ならせることを容易に実現可能となる。
<特徴E群>
特徴E1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記抽選手段による抽選結果として、前記特典付与手段により次ゲームを新たな遊技媒体を要することなく実行可能となる再遊技が前記特典として付与される再遊技結果と、前記特典付与手段により所定数の遊技媒体の払出が前記特典として付与される払出結果と、が少なくとも設けられている遊技機であって、
遊技状態として、通常遊技状態(通常区間)と、当該通常遊技状態よりも遊技者にとって有利となり易い第1特定遊技状態(有利区間)と、を設け、
前記第1特定遊技状態に含まれる状態として、当該第1特定遊技状態における他の状態よりも遊技者にとって有利となり易い第2特定遊技状態(ATモード)が設定されており、
前記通常遊技状態において、前記第1特定遊技状態へ移行させるか否かの第1移行抽選を実行する第1移行抽選手段(主制御装置101による有利区間移行抽選を実行する機能)と、
前記第1移行抽選手段による前記第1移行抽選の抽選結果が前記第1特定遊技状態へ移行させることに対応する第1移行結果(有利区間当選)であることに基づいて、前記第1特定遊技状態へ移行させる第1特定移行手段(主制御装置101による有利区間へ移行させるための処理を実行する機能)と、
前記第1移行抽選手段による前記第1移行抽選の抽選結果が前記第1移行結果であることに基づいて、当該第1移行抽選の契機となったゲームの遊技結果に対応する特定情報を記憶する特定情報記憶手段(主制御装置101による移行当選時情報一時記憶エリア106f)と、
前記第1特定遊技状態において、前記特定情報に基づいて、前記第2特定遊技状態へ移行させるか否かの第2移行抽選を実行する第2移行抽選手段(主制御装置101によるATモード移行抽選を実行する機能)と、
前記第2移行抽選手段による前記第2移行抽選の抽選結果が前記第2特定遊技状態へ移行させることに対応する第2移行結果(ATモード当選)であることに基づいて、前記第2特定遊技状態へ移行させる第2特定移行手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、遊技者にとって通常遊技状態よりも有利となり易い第1特定遊技状態が設けられており、その第1特定遊技状態に含まれる状態として更に有利な第2特定遊技状態が設けられているため、通常遊技状態から第1特定遊技状態へ移行させ、第2特定遊技状態を目指す、といったように段階に有利となる状態移行を前提とした遊技性が実現され、興趣向上に大いに役立てることが可能となる。
しかも、上記構成においては、第1特定遊技状態への第1移行抽選に当選した場合、当該第1移行抽選の契機となったゲームの遊技結果に対応する特定情報が記憶され、第1特定遊技状態において、当該特定情報に基づく第2特定遊技状態への第2移行抽選が実行される場合がある。このようにすることで、第1特定遊技状態から第2特定遊技状態といった複数段階の抽選を経て遊技状態が移行する構成において、例えば、所謂レア役に当選して第1特定遊技状態への移行を勝ち取ったのにもかかわらず、その後の抽選手段による抽選結果に恵まれず(レア役に当選せず)、第2特定遊技状態への移行を生じさせることができない、といった不条理感を解消することが可能となる。
特徴E2.前記特定情報記憶手段による前記特定情報に基づく前記第2移行抽選が行われたことに基づいて、当該特定情報を消去することが可能な手段(主制御装置101による移行当選時情報一時記憶エリア106fの消去処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定情報に基づく第2移行抽選が行われれば、当該特定情報は消去されることから、いつまでも特定情報が記憶されていて、その後の遊技性に影響を及ぼし得る、といった構成とは異なり、特定情報が利用される回数等が制限される。よって、有利度を高めすぎることなく、第1移行抽選当選時の情報を引き継ぐことが可能となる。
特徴E3.前記特定情報記憶手段による前記特定情報は、複数回のゲーム又は複数回の前記第2移行抽選の実行回に亘って記憶保持され得るものであり、
前記特定情報記憶手段に前記特定情報が記憶される場合、当該ゲームの抽選結果に基づいて前記特定情報が記憶保持されるゲーム数又は実行回数が設定されることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定情報が利用されて第2移行抽選が実行される回数が、第1移行抽選当選時の抽選手段による抽選結果によって設定される。このようにすることで、第1移行抽選当選時のゲームの結果によって、第2移行抽選の当選し易さを設定することが可能となる。
特徴E4.前記第1特定遊技状態において、前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第2特定遊技状態へ移行させるか否かの第2移行抽選を実行する第2移行通常抽選手段(主制御装置101による当該ゲームの結果に基づくATモード移行抽選を実行する機能)を備え、
前記第2特定移行手段は、前記第2移行通常抽選手段による前記第2移行抽選の抽選結果が前記第2移行結果(ATモード当選)であることに基づいて、前記第2特定遊技状態へ移行させることが可能な構成であり、
前記特定情報記憶手段に前記特定情報が記憶されている場合、前記第2移行抽選手段による前記第2移行抽選が実行されるようにし、前記特定情報記憶手段に前記特定情報が記憶されていない場合、前記第2移行通常抽選手段による前記第2移行抽選が実行されるようにする手段(主制御装置101によるステップS5613、S5713、S5813の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定情報が記憶されていれば、それを利用した第2移行抽選が行われ、特定情報が記憶されていなければ、そのゲームでの抽選結果を利用した第2移行抽選が行われる。このようにすることで、特定情報に基づく第2移行抽選が行われるようにしたメリットを担保しながらも、特定情報が記憶されていない場合に第2移行抽選が行われないといった不都合が生じないようにすることができる。
特徴E5.前記第2移行抽選手段は、前記特定情報記憶手段に記憶されている前記特定情報と、当該第2移行抽選を実行するゲームでの前記抽選手段による抽選結果と、を利用して、前記第2移行抽選を実行することが可能であることを特徴とする特徴E1乃至E4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2移行抽選が実行されるゲームにて所謂レア役に当選した場合のように、第1特定遊技状態への移行後においてもレア役を引き当てた場合の優位性を担保して引き損と感じさせることなく、且つ特徴E1のように移行後にレア役に当選しなくてもそれが補われる遊技性を提供することができる。
特徴E6.前記第2移行抽選手段による前記第2移行抽選において、前記特定情報記憶手段に記憶されている前記特定情報よりも、当該第2移行抽選を実行するゲームでの前記抽選手段による抽選結果のほうが、前記第2移行結果となることへの影響度が高いことを特徴とする特徴E5に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴E1のように、第1移行抽選当選時の遊技結果が第2移行抽選に引き継がれる構成を利用しながらも、第2移行抽選が行われるゲームでの遊技結果のほうがその第2移行抽選の影響度が高いため、ゲームの結果に基づいて第2移行抽選を行う、といった一般的な遊技の前提を残しながら、当該第2移行抽選が行われたゲームの結果がレア役等ではなくても第1移行抽選時のゲームの結果によっては第2移行抽選に当選する場合がある、といった意外性のある遊技性を実現することができる。
なお、上記構成の具体的構成としては、「前記第1移行抽選の結果が前記第1移行結果である場合の前記抽選手段による抽選結果が特定結果である場合において、当該特定結果についての前記特定情報と、前記第2移行抽選が行われる場合の前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果を含む所定結果である場合の当該所定結果とに基づき前記第2移行抽選が行われた場合に前記第2移行結果となる確率が第1確率であり、
前記第1移行抽選の結果が前記第1移行結果である場合の前記抽選手段による抽選結果が前記所定結果である場合において、当該所定結果についての前記特定情報と、前記第2移行抽選が行われる場合の前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合の当該特定結果とに基づき前記第2移行抽選が行われた場合に前記第2移行結果となる確率が前記第1確率よりも高い第2確率である」といった構成が考えられる。
特徴E7.前記第1移行抽選の結果が前記第1移行結果である場合の前記抽選手段による抽選結果が特定結果である場合において、当該特定結果についての前記特定情報と、前記第2移行抽選が行われる場合の前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合の当該特定結果とに基づき前記第2移行抽選が行われた場合に前記第2移行結果となる確率よりも、
前記第1移行抽選の結果が前記第1移行結果である場合の前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合において、当該特定結果についての前記特定情報と、前記第2移行抽選が行われる場合の前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果とは異なる他の結果である場合の当該他の結果とに基づき前記第2移行抽選が行われた場合に前記第2移行結果となる確率のほうが低くなり易いことを特徴とする特徴E5又は特徴E6に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1移行抽選に当選したゲームでの抽選結果と同じ抽選結果を第2移行抽選実行ゲームにて引き当てたほうが、異なる結果となった場合よりも第2移行抽選に当選し易い。このようにすることで、遊技がわかりやすくなるし、仮に第1移行抽選当選が、レア役ではなく、通常時に多く出現するような結果であって、第1移行抽選に当選しにくい結果に基づいて当選した場合において、第2移行抽選ではレア役を引く必要がなくなり、上記のような通常時に多く出現する結果での第1移行抽選当選となったことの優位性を担保することができる。
特徴E8.前記第1移行抽選の結果が前記第1移行結果である場合の前記抽選手段による抽選結果が第1特定結果である場合において、当該第1特定結果についての前記特定情報と、前記第2移行抽選が行われる場合の前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果とは異なる第2特定結果である場合の当該第2特定結果とに基づき前記第2移行抽選が行われた場合に前記第2移行結果となる確率と、
前記第1移行抽選の結果が前記第1移行結果である場合の前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果である場合において、当該第2特定結果についての前記特定情報と、前記第2移行抽選が行われる場合の前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果である場合の当該第1特定結果とに基づき前記第2移行抽選が行われた場合に前記第2移行結果となる確率とが、異なり得ることを特徴とする特徴E5乃至E7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1移行抽選実行ゲームでの抽選結果と第2移行抽選実行ゲームでの抽選結果との組み合わせで第2移行抽選が実行される構成において、その順番も加味される。このようにすることで、第1移行抽選と第2移行抽選との遊技における重み付けを加味した遊技性を実現することができる。具体的には、第1移行抽選には頻繁に当選するけど、第2移行抽選にはなかなか当選しない、といった遊技であれば、第2移行抽選実行ゲームでの抽選結果が優先されるべきであろうし、その逆であれば、第1移行抽選実行ゲームでの抽選結果が優先されるべきであり、同じ抽選結果の組み合わせであっても、どちらの抽選実行ゲームの結果を優先すべきかによって当選確率を異ならせるべきと考えられる。
特徴E9.前記第1特定遊技状態において、前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第2特定遊技状態へ移行させるか否かの第2移行抽選を実行する第2移行通常抽選手段(主制御装置101による当該ゲームの結果に基づくATモード移行抽選を実行する機能)を備え、
前記第2特定移行手段は、前記第2移行通常抽選手段による前記第2移行抽選の抽選結果が前記第2移行結果(ATモード当選)であることに基づいて、前記第2特定遊技状態へ移行させることが可能な構成であり、
前記第2移行抽選手段による前記第2移行抽選の抽選結果が前記第2移行結果ではない場合、前記第2移行通常抽選手段による前記第2移行抽選が実行されるようにする手段(主制御装置101によるステップS5813~ステップS5819の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定情報に基づく第2移行抽選に非当選となった場合に、そのゲームでの抽選手段による抽選結果に基づく第2移行通常抽選手段による第2移行抽選が行われる。このようにすることで、特定情報が記憶されている場合の優位性を担保しながら、複数回のゲームの抽選結果を一の第2移行抽選に反映させようとする場合の構成の複雑化を解消することが可能である。
特徴E10.遊技状態として、前記抽選手段による抽選結果が前記払出結果となる確率が共通する一方、前記再遊技結果となる確率が異なり得る第1特別状態(例えば、第2RT状態)と第2特別状態(例えば、第4RT状態)と、が設定されており、
前記第1特別状態においては前記特定情報記憶手段による前記特定情報の記憶が制限される一方、前記第2特別状態においては前記特定情報記憶手段による前記特定情報の記憶が許容されることを特徴とする特徴E1乃至E9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、払出結果となる確率は共通する一方、再遊技結果となる確率が異なりえる第1特別状態と第2特別状態といった所謂RT状態を利用して、特定情報に基づく第2移行抽選の実行の有無を異ならせることができる。つまり、第1特別状態では特定情報が記憶されないので、第1特定遊技状態移行後の遊技結果に基づく第2移行抽選が行われるであろうし、第2特別状態では特定情報が記憶されるので、第1特定遊技状態当選時の遊技結果に基づく第2移行抽選が行われる。第1特定遊技状態当選時の遊技結果がレア役であろう、といった前提に立てば、後者のほうが第2移行抽選に当選しやすくなるものと考えられる。よって、第1特別状態や第2特別状態といった、既存のRT状態の構成を、特定情報記憶手段といった特徴E1に組み合わせるだけで、状態による第2移行抽選の当選確率を異ならせることを容易に実現可能となる。
なお、以上詳述した特徴A群乃至特徴E群の各構成に対して、他の特徴A群乃至特徴E群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以下に上述した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。