<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1~図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば504パルスの駆動信号(以下、励磁パルスともいう。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、21個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、24パルス(=504パルス÷21図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図6には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ21個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0~20まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「赤ベル」図柄(例えば、左リール32Lの7番目)、「白ベル」図柄(例えば、左リール32Lの20番目)、「第1リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)、「第2リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの6番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの10番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの8番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの4番目)、「黒BAR」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「白BAR」図柄(例えば、左リール32Lの17番目)、「LUCKY」図柄(例えば、左リール32Lの5番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの0番目)の11種類がある。そして、図6に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された21個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、上記視認可能となる図柄のうち、各リール32L,32M,32Rそれぞれ1の図柄ずつ、計3つの図柄の組合せを利用して各ゲームの遊技結果が報知される。上記のように3×3=9個の図柄が視認可能となることから、これら3つの図柄の組合せとしては、例えば、図7に示すように、各リール32L,32M,32Rの上段図柄を結んだ上ラインL1に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの中段図柄を結んだ中ラインL2に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの下段図柄を結んだ下ラインL3に停止する各図柄の組合せがある。また、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ右下がりラインL4に停止する各図柄の組合せや、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ右上がりラインL5に停止する各図柄の組合せがある。その他、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの中段図柄を結んだ折れ曲がりラインL6に停止する各図柄の組合せもある。上記のラインL1~L5は各図柄を並べると一直線となるラインであり、折れ曲がりラインL6は各図柄を並べると途中で折れ曲がりが生じるラインである。なお、折れ曲がりが生じるラインに停止する各図柄の組合せとしては、折れ曲がりラインL6以外にもあるが、ここでは説明を省略する。
これらラインL1~L6のうち、メダルのベット数によって有効化されるラインと有効化されないラインとが設定され、有効化されたライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。その一方で、有効化されないライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞は成立せず、上記特典は付与されない。
本スロットマシン10では、図8(a)に示すように右下がりラインL4のみが有効ラインとされる場合と、図8(b)に示すように下ラインL3及び右下がりラインL4の2本の組合せラインが有効ラインとされる場合と、図8(c)に示すように折れ曲がりラインL6のみが有効ラインとされる場合と、がある。より詳しくは、3枚のメダルがベットされてゲームが開始された場合には、右下がりラインL4のみが有効ラインとされ、2枚のメダルがベットされてゲームが開始された場合には、下ラインL3及び右下がりラインL4が有効ラインとされる。また、1枚のメダルがベットされてゲームが開始された場合には、折れ曲がりラインL6のみが有効ラインとされる。上ラインL1,中ラインL2,右上がりラインL5の3本の組合せラインについては、有効ラインとされることがない。以下では、3枚のメダルがベットされて開始されたゲームを3ベットゲーム、2枚のメダルがベットされて開始されたゲームを2ベットゲーム、1枚のメダルがベットされて開始されたゲームを1ベットゲーム、ともいう。
図9~図11は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典と、の対応関係を示す図である。
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1小役入賞~第41小役入賞がある。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第1小役入賞となる。第1小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは9枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
第2小役入賞~第26小役入賞は、入賞となる図柄の組合せがそれぞれ異なるものの、3ベットゲームにおいて、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「白BAR」図柄、「赤7」図柄、「チェリー」図柄、「白ベル」図柄又は「LUCKY」図柄と、右リール32Rの「白BAR」図柄、「青年」図柄、「白ベル」図柄、「赤7」図柄又は「第2リプレイ」図柄と、が上ラインL1上に停止する、すなわち各リール32L,32M,32Rの「ベル」図柄が上ラインL1上に停止する入賞態様である。例えば、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が上段に停止し、中リール32Mの「チェリー」図柄が中段に停止し、右リール32Rの「白BAR」図柄が下段に停止した場合には、第8小役入賞となる。図6に示すように、中リール32Mには、「チェリー」図柄(11番)と上流側の隣接する位置(12番)に「赤ベル」図柄が配置されており、右リール32Rには、「白BAR」図柄(18番)から上流側に1図柄分離れた位置(20番)に「赤ベル」図柄が配置されている。このため、右下がりラインL4上で第8小役入賞が成立する場合には、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄と、が上ラインL1上に停止することとなる。第2小役入賞~第26小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
第27小役は、各リール32L,32M,32Rのうち所定のリールとして左リール32Lの停止図柄によって入賞か否かが決定される役であり、具体的には、左リール32Lの「チェリー」図柄が上段又は下段に停止することで第27小役入賞が成立する。この場合、中リール32M、右リール32Rの停止図柄は入賞判定には影響を及ぼさない。言い換えると、中リール32M、右リール32Rの停止図柄に関わらず、左リール32Lの「チェリー」図柄が上段又は停止すること、すなわち、「チェリー」図柄又は「第2リプレイ」図柄が有効ライン上に停止することで第27小役入賞が成立する。第27小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
第28小役入賞は、左リール32Lの「チェリー」図柄が上段又は下段に停止する場合であって、右下がりラインL4に「チェリー」図柄が揃って停止する場合がある入賞態様である。より詳しくは、左リール32Lに「チェリー」図柄又は「第2リプレイ」図柄、中リール32Mに「赤ベル」図柄、「白ベル」図柄又は「チェリー」図柄、右リール32Rに「チェリー」図柄、「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄が停止すると第28小役入賞となる。第28小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
なお、第27小役と第28小役との関係について補足説明すると、左リール32Lの「チェリー」図柄又は「第2リプレイ」図柄が停止すると中リール32Mと右リール32Rの停止図柄に関わらず第27小役入賞が成立するものの、中リール32Mと右リール32Rの停止図柄によっては第27小役入賞ではなく第28小役入賞が成立する場合がある。すなわち、第27小役入賞となる入賞態様に、第28小役入賞となる入賞態様が含まれる構成であるものの、第27小役入賞と第28小役入賞とは明確に区別されて入賞判定が行われる。
第29小役入賞は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止する入賞態様である。つまり、右下がりラインL4が有効ラインとされる場合、「スイカ」図柄が右下がりに揃って停止することで第29小役入賞が成立する。第29小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
第30小役入賞は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が上ラインL1上に停止する入賞態様である。より詳しくは、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第30小役入賞となる。第30小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「黒BAR」図柄,「青年」図柄,「スイカ」図柄,「第1リプレイ」と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第31小役入賞となる。第31小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは9枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
第32小役入賞~第35小役入賞は、3ベットゲームで成立した場合、3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
第36小役入賞は、遊技者が例えば各リール32L,32M,32Rの「スイカ」図柄を狙ってストップスイッチ42~44を操作していた場合、左リール32Lと中リール32M、又は左リール32Lと右リール32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止する一方、残りのリールの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止しない、所謂スイカテンパイ外れの停止出目となる入賞態様である。第36小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「黒BAR」図柄,「スイカ」図柄,「チェリー」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄,「白ベル」図柄,「青年」図柄と、が有効ライン上に停止した場合、第37小役入賞となる。図6に示すように、左リール32Lには、「赤ベル」図柄(7番)と下流側の隣接する位置(6番)に「第2リプレイ」図柄が配置されており、主な「白ベル」図柄(3番、12番、15番、20番)と下流側の隣接する位置(2番、11番、14番、19番)に「第1リプレイ」図柄が配置されている。右リール32Rには、主な「赤ベル」図柄(2番,5番,12番,20番)と上流側の隣接する位置(3番,6番,16番,0番)に「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄が配置されており、「白ベル」図柄(10番)と上流側の隣接する位置(11番)に「第1リプレイ」図柄が配置されている。このため、右下がりラインL4上で第37小役入賞が成立する場合には、主に、左リール32Lと右リール32Rにおいて「ベル」図柄と「リプレイ」図柄がテンパイする一方で中リール32Mの「ベル」図柄及び「リプレイ」図柄が停止しない、所謂ダブルテンパイ外れの停止出目となる。第37小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「白BAR」図柄,「青年」図柄,「スイカ」図柄,「第1リプレイ」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「第1リプレイ」図柄,「スイカ」図柄,「黒BAR」図柄と、が有効ライン上に停止した場合、第38小役入賞となる。3ベットゲームにおいて左リール32Lの4番の「チェリー」図柄が上段~下段に到達したタイミングで遊技者が左ストップスイッチを操作していた場合、第38小役入賞が成立する場合には、左リール32Lの「赤ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、が中ラインL2上に停止することとなる。第38小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「黒BAR」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第39小役入賞となる。第39小役入賞は、3ベットゲームにおいてのみ成立する入賞態様である。第39小役入賞が成立した場合には、9枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第40小役入賞となる。第40小役入賞は、3ベットゲームにおいてのみ成立する入賞態様である。第40小役入賞が成立した場合には、9枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「黒BAR」図柄又は「チェリー」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第41小役入賞となる。第41小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞としては、第1再遊技入賞~第12再遊技入賞がある。また、第2再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第1RT状態に移行し、第3再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第2RT状態に移行し、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第3RT状態に移行する。そして、第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第4RT状態に移行する。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞,第2BB入賞,CB入賞がある。
各リール32L,32M,32Rの「赤7」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第1BB入賞となり、遊技状態が第1BB状態に移行する。また、各リール32L,32M,32Rの「白BAR」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第2BB入賞となり、遊技状態が第2BB状態に移行する。左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄,「第1リプレイ」図柄,「黒BAR」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、CB入賞となる。CB入賞が成立した場合には、遊技状態がCB状態に移行する。
加えて、入賞とは異なるものの、遊技状態が第1RT状態に移行する停止出目がある。具体的には、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「白BAR」図柄,「LUCKY」図柄,「赤7」図柄,「白ベル」図柄,「チェリー」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄,「第1リプレイ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、遊技状態が第1RT状態に移行する。また、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「白BAR」図柄,「青年」図柄,「白ベル」図柄,「赤7」図柄,「第2リプレイ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合にも、遊技状態が第1RT状態に移行する。以下では、上記各図柄の組合せを移行出目という。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42~44が設けられている。各ストップスイッチ42~44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。
ストップスイッチ42~44には、それぞれストップ検出センサ42a~44a(図12)が接続されており、ストップ検出センサ42a~44aと後述する主制御装置101とが接続されている。そして主制御装置101では、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号に基づいて、ストップスイッチ42~44の操作が行われたことを把握する。具体的には、ストップスイッチ42~44が操作されていない場合には、ストップ検出センサ42a~44aからはLOW信号の検知信号が出力されており、ストップスイッチ42~44が操作されることにより、当該検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。主制御装置101では、かかる信号の切り換わりを把握して、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握する。主制御装置101では、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握した場合には、操作されたスイッチに対応するリールの回転を停止するように制御する。
すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42~44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ56の右方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられており、第1クレジット投入スイッチ56の左方には第3クレジット投入スイッチ58が設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを1枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ58は仮想メダルを一度に2枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56~58は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56~58は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。
第1クレジット投入スイッチ56と第2クレジット投入スイッチ57との間には、演出発生時に操作される演出スイッチ66が設けられている。つまり、演出スイッチ66を挟んで左方には、第1クレジット投入スイッチ56及び第3クレジット投入スイッチ58が設けられており、演出スイッチ66の右方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられている。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60~62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26R下方であって、払出枚数表示部62の右方には、ストップスイッチ42~44の操作順序を報知する押し順表示器と、操作順序を報知することによって小役の入賞率を変化させ遊技者にとって有利な状況で遊技を進行可能となる区間である有利区間を示すための区間表示器と、有する指示モニタ68が設けられている。指示モニタ68については、後に詳細に説明する。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率(設定値)を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
主制御装置101には、遊技者にとって有利な遊技状態と、そうではない状態との比率を明示するための役比モニタ77が設けられている。役比モニタ77は、前面扉12を開放状態とすることで遊技機前方から視認可能となり、且つ、前面扉12を閉鎖状態とすることで遊技機前方から視認不可となるように、主制御装置101において遊技機前方を向く側に設置されており、より詳しくは、主制御装置101が収容される基板ボックスを介して役比モニタ77の表示面が視認可能となるように、基板ボックス内に収容されている。ちなみに、前面扉12が閉鎖状態とされている場合、役比モニタ77は表示窓26L~26Rの隙間等のからも視認不可であり、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって施錠状態が解除されて前面扉12を開放状態としない限り、役比モニタ77を確認することが不可となっている。なお、役比モニタ77については、後に詳細に説明する。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図12及び図13のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42~44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a~44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、第1クレジット投入スイッチ56の操作を個別に検出する第1クレジット投入検出センサ56a、第2クレジット投入スイッチ57の操作を個別に検出する第2クレジット投入検出センサ57a、第3クレジット投入スイッチ58の操作を個別に検出する第3クレジット投入検出センサ58a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、指示モニタ68、役比モニタ77、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、BB状態等の遊技状態を記憶するための状態情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図14参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
図13に示すように、表示制御装置81は、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
表示制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側に上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいて上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65を駆動制御する。つまり、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。
表示制御装置81の入力側には、演出スイッチ66(より詳しくは当該演出スイッチ66の操作を検出する演出スイッチ検出センサ)が接続されている。なお、各種表示部60~62、68も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを説明する。
図14は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msec毎にタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップS102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可するとともに停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a~44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図12参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS108では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61及び払出枚数表示部62にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60~62,68に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS114では、先のステップS101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図15のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップS202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップS203~ステップS215に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップS203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップS204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。具体的には、例えば、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行い、1ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には1枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。
なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理ステップS107にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。
メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56~58の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入スイッチ56~58の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップS205ではメダルのベット数が規定数に達しているか否かを判定する。本スロットマシン10では、CB状態における規定数として「2」が設定されており、CB状態以外の遊技状態(具体的には、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,BB状態)における規定数として「1」及び「3」が設定されている。つまり、CB状態においては、ベット数が「2」となっていることを条件にステップS205にて肯定判定し、CB状態以外ではベット数が「1」又は「3」となっていることを条件にステップS205にて肯定判定する。言い換えると、CB状態以外の遊技状態において、メダルがベットされていない場合、又は、ベットされていてもベット数が「2」である場合にはステップS205にて否定判定する。ベット数が規定数に達していない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
ベット数が規定数に達している場合には、ステップS206にてモード移行報知用処理を実行する。かかる移行報知用処理については後に詳細に説明する。
ステップS206の処理を行った後は、ステップS206の処理結果の情報及びステップS205にて肯定判定することとなったベット数の情報を含むベットコマンドをサブ側の制御装置としての表示制御装置81への出力対象としてセットする。ここでセットされたコマンドは、タイマ割込み処理におけるステップS110にて表示制御装置81へ出力される。ベットコマンドを受信した表示制御装置81の処理については、後に詳細に説明する。
ステップS207の処理を実行した後は、ステップS208にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップS209にてベット数と対応する組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行う。すなわち、3ベットゲームでは、右下がりラインL4のみを有効ラインと設定し、2ベットゲームでは、下ラインL3及び右下がりラインL4を有効ラインと設定する。また、1ベットゲームでは折れ曲がりラインL6を有効ラインと設定する。ステップS210では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップS211の抽選処理、ステップS212のリール制御処理、ステップS213のメダル払出処理、ステップS214のRT状態処理、ステップS215のボーナス状態処理を順に実行し、ステップS203に戻る。
次に、ステップS211の抽選処理について、図16のフローチャートに基づき説明する。
ステップS301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0~65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップS302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、遊技状態として、大別して通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,BB状態,CB状態の6種類の遊技状態を有しており、抽選テーブルは、各遊技状態用にそれぞれ設定されている。
すなわち、ステップS302では、ベット数と状態情報格納エリア106cにセットされている設定フラグとに基づいてスロットマシン10の現在の遊技状態を判別し、ベット数と遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、ベット数が「3」であって、状態情報格納エリア106cに設定フラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判別し、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップS302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
ここで、当選確率の設定に関する処理について補足説明する。
当選確率の設定処理は、電源投入時に主制御装置101にて起動されるメイン処理にて実行される。より詳しくは、当選確率の設定処理は、設定キー挿入孔に設定キーが挿入されてON操作されていることを設定キー検出センサ73aにて検出している状態で、電源投入された場合に、初期化処理の後に起動される。当選確率の設定処理では、所定の操作として、スタートレバー41の操作毎に設定値を1ずつ更新し、例えば、スタートレバー41が1回操作される度に、「設定1」→「設定2」→「設定3」→「設定4」→「設定5」→「設定6」→「設定1」となるように設定値を更新する。なお、各設定値は、例えばクレジット表示部60にて表示され、上記設定値の更新毎にその表示も更新される。そして、設定キー検出センサ73aがOFF操作された状態でスタートレバー41が操作されたことを設定値の確定操作とし、その時点での設定値を今回の設定値として、当選確率の設定処理を終了する。当選確率の設定処理の終了に基づいて、クレジット表示部60の表示も終了する。当選確率の設定処理で設定された設定値は、次の当選確率の設定処理が起動されるまで、RAM106に記憶保持される。ステップS302では、この記憶されている設定値に基づいて、抽選テーブルを選択する処理を行うこととなる。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図17は、「設定3」の通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップS303ではインデックス値IVを1とし、続くステップS304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップS305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップS306にて、第1BB、第2BB、CBのいずれかに当選しているか否かを判定する。具体的には、第1BB、第2BB、CBのいずれかを含むインデックス値IV(IV=34~54)にてステップS305で肯定判定したか否かを判定する。ステップS306にて肯定判定した場合には、ステップS307にて対応するボーナス当選フラグ(第1BB当選フラグ、第2BB当選フラグ、CB当選フラグ)を、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を行う。ステップS306にて否定判定した場合、又はステップS307の処理を行った後は、ステップS308にて、ステップS305にて肯定判定したインデックス値IVに応じた各小役の当選フラグを、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を実行する。例えば、IV=34のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS307にて第1BB当選フラグをセットするとともに、ステップS308にて第28小役当選フラグ、第33小役当選フラグ、第35小役当選フラグをセットする。また、IV=17のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS308にて第30小役,第41小役に当選したことを示す当選フラグを当選フラグ格納エリア106aにセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(第1BB当選フラグ)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(第2BB当選フラグ)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のS203参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応する入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグは、複数回のゲームに亘って有効とされる場合がある。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップS306~ステップS308では、第1BB,第2BB,CB以外の役に当選していれば対応する当選フラグをセットし、第1BB,第2BB,CB以外の役に当選していなければ対応する当選フラグをセットしない。
すなわち、例えば、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=34のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1BB当選フラグはセットせず、第28小役当選フラグ、第33小役当選フラグ、第35小役当選フラグをセットする。また、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=35の時に判定値DVが65535を超えた場合、第2BB当選フラグはセットせず、第28小役当選フラグ、第33小役当選フラグ、第35小役当選フラグをセットする。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態における抽選テーブルを別途用意しておき、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態では、当該別途用意した抽選テーブルにて抽選処理を行う構成としてもよい。この場合、当該別途用意した抽選テーブルにおいては、第1BB,第2BB,CBに当選しないように各インデックス値IVやポイント値PV値を設定するとよい。
ステップS305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS309にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS310ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。ちなみに、図17に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、通常リプレイに当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は約7.3分の1、強チェリーに当選となる確率(IV=15の際に当選となる確率)は約300分の1、弱チェリーに当選となる確率(IV=16の際に当選となる確率)は約183分の1である。強スイカに当選となる確率(IV=17の際に当選となる確率)は約300分の1、弱スイカに当選となる確率(IV=18の際に当選となる確率)は約218分の1、チャンスAに当選となる確率(IV=19の際に当選となる確率)は約252分の1、チャンスBに当選となる確率(IV=20の際に当選となる確率)は約252分の1である。中段ベルに当選となる確率(IV=21の際に当選となる確率)は約32800分の1、不問ベルに当選となる確率(IV=22の際に当選となる確率)は約65500分の1である。順押しベル1,順押しベル2,挟み押しベル1,挟み押しベル2に当選となる確率(IV=23~26の際に当選となる確率)はそれぞれ約43.7分の1、中押しベル1,中押しベル2,右押しベル1,右押しベル2に当選となる確率(IV=27~30の際に当選となる確率)はそれぞれ約21.8分の1である。強チェリー重複1に当選となる確率(IV=34の際に当選となる確率)は約21800分の1、強チェリー重複2に当選となる確率(IV=35の際に当選となる確率)は約21800分の1、弱チェリー重複1に当選となる確率(IV=36の際に当選となる確率)は約32800分の1、弱チェリー重複2に当選となる確率(IV=37の際に当選となる確率)は約32800分の1である。強スイカ重複1に当選となる確率(IV=38の際に当選となる確率)は約32800分の1、強スイカ重複2に当選となる確率(IV=39の際に当選となる確率)は約32800分の1である。弱スイカ重複1に当選となる確率(IV=40の際に当選となる確率)は約65500分の1、弱スイカ重複2に当選となる確率(IV=41の際に当選となる確率)は約65500分の1である。チャンスA重複1,チャンスA重複2,チャンスB重複1,チャンスB重複2に当選となる確率(IV=42~45の際に当選となる確率)はそれぞれ約32800分の1である。中段ベル重複1,中段ベル重複2に当選となる確率(IV=46,47の際に当選となる確率)はそれぞれ約21800分の1である。特リプA重複1に当選となる確率(IV=48の際に当選となる確率)は約1010分の1、特リプA重複2に当選となる確率(IV=49の際に当選となる確率)は約1310分の1である。特リプAB重複1に当選となる確率(IV=50の際に当選となる確率)は約1010分の1、特リプAB重複2に当選となる確率(IV=51の際に当選となる確率)は約1310分の1である。第1BB,第2BBに単独当選となる確率(IV=52,53の際に当選となる確率)はそれぞれ約32800分の1である。CBに当選となる確率(IV=54の際に当選となる確率)は約19.9分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約1.96分の1である。
なお、通常遊技状態用抽選テーブルには、IV=2~14,31~33,55~58のポイント値PVに対して0が設定されている。このため、通常遊技状態では、これらのインデックス値IVにおいて当選とならない。
ステップS308にて当選フラグをセットした後、又はステップS310にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップS311に進み、ストップスイッチ42~44の操作を所定期間無効とするフリーズ演出を実行するか否かを決定すべくフリーズ抽選処理を行う。
続くステップS312では、抽選結果対応処理を行う。抽選結果対応処理では、ステップS301~ステップS311の抽選の結果に応じて遊技状態を移行させるか否かの処理や、押し順役の報知用の処理等を行う。当該抽選結果対応処理については、後に詳細に説明する。
ステップS312の処理を実行した後は、ステップS313にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップS110)にて行われる。
そして、ステップS314では、今回のゲームの抽選結果に基づいて各リール32L,32M,32Rに停止可能な図柄を設定する停止情報設定処理を実行する。停止情報設定処理では、ステップS306~ステップS308にてセットされる当選フラグに基づいて、入賞可能な役に応じた停止図柄情報を設定する。例えば、強チェリーに当選(IV=15の際に当選)となり、強チェリー当選フラグがセットされた場合、第28小役、第32小役~第35小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。また、強チェリー重複1に当選(IV=34の際に当選)となり、強チェリー当選フラグ及び第1BB当選フラグがセットされた場合、第28小役、第33小役、第35小役及び第1BB入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。
続くステップS315では、ステップS314にて複数の停止可能な図柄情報が設定された場合に、その優先順位を設定する優先設定処理を実行する。例えば、小役,再遊技,ボーナスの各役種のうち複数の役種に当選している場合、以下に示す優先順位を設定する。小役とボーナスに当選している場合には、小役入賞が優先して成立するように、小役入賞を成立させることができない場合にボーナス入賞が成立するようにして、優先順位を設定する。再遊技とボーナスに当選している場合には、再遊技入賞が優先して成立するようにして優先順位を設定する。
例えば、強チェリー重複1に当選し、第28小役、第33小役、第35小役及び第1BB入賞に対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第28小役、第33小役、第35小役入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。また、特リプA重複1に当選し、第9再遊技及び第1BB入賞に対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第9再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。そして、例えば、第1BB当選が持ち越された状況で、通常リプレイに当選し、第1BB入賞及び第1再遊技入賞に対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第1再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
ここで、再遊技に当選している場合、当選している再遊技のうちのいずれかの再遊技が必ず入賞するように、入賞となる図柄の組合せが設定されている。つまり、再遊技に当選している場合には再遊技入賞が必ず成立し、取りこぼしは発生しない。そのため、再遊技とボーナスとの停止図柄情報の設定が行われている場合、設定されている再遊技のいずれかの再遊技入賞が必ず成立し、ボーナス入賞が成立することがない。
また、複数の小役や複数の再遊技が重複して当選となる場合、いずれの小役又は再遊技に対応する図柄が有効ラインに停止するかは、停止操作が行われたタイミングによって異なる。例えば、強スイカに当選し、第30小役及び第41小役入賞に対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、上記のとおり、第30小役と第41小役とで、左リール32Lの対象図柄は「スイカ」図柄で共通している。そのため、左リール32Lの停止操作のタイミングによっては、いずれの小役入賞が成立するかは決定されない。一方、中リール32M及び右リール32Rの対象図柄は、第30小役ではいずれも「赤ベル」図柄であり、第41小役では中リール32Mが「チェリー」図柄及び「黒BAR」図柄であり、右リール32Rが「スイカ」図柄である。例えば、3ベットゲームにおいて、中リール32Mでは、4番目の「スイカ」図柄から7番目の「赤ベル」図柄が中段に到達したタイミングで中ストップスイッチ43の停止操作が行われた場合、第30小役の対象図柄である7番目の「赤ベル」図柄と、第41小役の対象図柄である「黒BAR」図柄のいずれの図柄についても、有効ライン上である中段に停止させることが可能となる。この場合、本実施形態では、スベリ数の少ない図柄を優先して停止するように、停止図柄情報の設定が行われる。その結果、上記の場合、「赤ベル」図柄が中段に停止するように停止駆動制御が行われ、第41小役入賞は成立しないようになり、第30小役が入賞可能となる。
一方、中リール32Mにおいて、8番目の「黒BAR」図柄から12番目の「赤ベル」図柄が中段に到達したタイミングで中ストップスイッチ43の停止操作が行われた場合、第41小役の対象図柄である8番目の「黒BAR」図柄及び11番目の「チェリー」図柄と、第30小役の対象図柄である12番目の「赤ベル」図柄のいずれの図柄についても、中段に停止させることが可能となる。この場合も、スベリ数の少ない図柄を優先して停止するように停止図柄情報の設定が行われるため、8番目の「黒BAR」図柄又は11番目の「チェリー」図柄が中段に停止し、第30小役入賞は成立しないようになり、第41小役が入賞可能となる。
右リール32Rについても同様であり、右ストップスイッチ44の停止操作が行われたタイミングによって、第30小役の対象図柄である「赤ベル」図柄と第41小役の対象図柄である「スイカ」図柄とでスベリ数の少ない図柄が有効ラインである下段に停止するように停止図柄情報の設定が行われる。なお、右リール32Rにおいて、6番目の「第1リプレイ」図柄及び7番目の「黒BAR」図柄が有効位置に到達したタイミングで、右ストップスイッチ44の停止操作が行われた場合、「スイカ」図柄及び「赤ベル」図柄のいずれも停止させることができず、この場合、いずれの小役入賞も成立せずに所謂取りこぼしとなる。
ステップS315の処理を実行した後は、ステップS316にて区間表示第1処理を実行してから、抽選処理を終了する。区間表示第1処理は、指示モニタ68や役比モニタ77の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
次に、ステップS212のリール制御処理について、図18のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップS401において回転演出処理を行う。回転演出処理は、上記ステップS311にて行ったフリーズ抽選処理の結果等に基づいて、無効期間中のリール制御を用いた演出を行うための処理である。続くステップS402では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップS106)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、各ストップスイッチ42~44の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップS403では、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42~44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップS404に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップS403に戻り、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップS405にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップS406~ステップS412に示す停止制御処理を行う。
ステップS406では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42~44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップS407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0~4のいずれかの値を算出する。その後、ステップS408では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS409では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS410にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップS411では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップS412にて停止情報第2設定処理を行い、ステップS403に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=23~30の際に当選となった場合すなわち順押しベル1,順押しベル2,挟み押しベル1,挟み押しベル2,中押しベル1,中押しベル2,右押しベル1,右押しベル2(以下、これらを総称して「押し順ベル」ともいう。)に当選となった場合(図17参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図19は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えば中押しベル1に当選している場合には、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合に第2小役入賞、第7小役入賞又は第9小役入賞が成立するよう停止情報を設定し、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合に第1小役入賞が成立するよう停止情報を設定し、右ストップスイッチ44が最初に操作された場合に第2小役入賞、第7小役入賞又は第9小役入賞が成立するよう停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、CB状態以外の遊技状態(3ベットゲーム)において、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42~44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができ、右下がりラインL4のみが有効ラインとして設定される。このため、各リール32L,32M,32Rに同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されている場合には、ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。一方、5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている図柄に関しては、有効ライン上に停止させる場合に遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42~44を操作する必要がある。
中押しベル1に当選となり、左ストップスイッチ42→中ストップスイッチ43→右ストップスイッチ44の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第2小役入賞、第7小役入賞又は第9小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lにおける第2小役図柄は、「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄である。また、「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄は、第7小役図柄としての機能も有しており、第9小役図柄としての機能も有している。左リール32Lには、第2小役図柄同士(第7小役図柄同士、第9小役同士)の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が停止する。例えば左リール32Lの4番の「チェリー」図柄が中段に到達しているタイミングで左ストップスイッチ42が操作された場合には、図20(a)に示すように、7番の「赤ベル」図柄が上段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第2小役入賞、第7小役入賞又は第9小役入賞の成立する余地が残る。
中リール32Mの第2小役図柄は「白BAR」図柄である。中リール32Mには、「白BAR」図柄が18番の位置にのみ配置されている。また、中リール32Mの第7小役図柄は「赤7」図柄である。中リール32Mには、「赤7」図柄が14番の位置にのみ配置されている。そして、中リール32Mの第9小役図柄は「チェリー」図柄である。中リール32Mには、「チェリー」図柄が11番の位置にのみ配置されている。このため、中ストップスイッチ43の操作タイミングによって、第2小役図柄、第7小役図柄又は第9小役図柄が有効ライン上に停止したり、第2小役図柄、第7小役図柄及び第9小役図柄のいずれも有効ライン上に停止しなかったりする。
具体的には、13番の「第1リプレイ」図柄~17番の「第1リプレイ」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合、第2小役図柄たる「白BAR」図柄が中段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第2小役入賞の成立する余地が残る。9番の「第2リプレイ」図柄~13番の「第1リプレイ」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合、図20(b)に示すように、第7小役図柄たる「赤7」図柄が中段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第7小役入賞の成立する余地が残る。6番の「白ベル」図柄~10番の「青年」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合、第9小役図柄たる「チェリー」図柄が中段に停止する。他のタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合には、中リール32Mを4図柄分滑らせた後に停止させたとしても第2小役図柄、第7小役図柄及び第9小役図柄を中段に停止させることができない。かかるタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合には、2番の「LUCKY」図柄又は6番の「白ベル」図柄が中段に停止する。
中リール32Mの第7小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第7小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
右リール32Rの第7小役図柄は「白ベル」図柄である。右リール32Rには、「白ベル」図柄が10番の位置にのみ配置されている。このため、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第7小役図柄が有効ライン上に停止したり停止しなかったりする。具体的には、6番の「第1リプレイ」図柄~10番の「白ベル」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合、図20(c)に示すように、第7小役図柄たる「白ベル」図柄が下段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第7小役入賞が成立する。他のタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、「スイカ」図柄又は「第1リプレイ」図柄が下段に停止する。例えば、3番の「第2リプレイ」図柄が下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、図20(d)に示すように、4番の「スイカ」図柄が下段に停止する。左から「赤ベル」図柄,「赤7」図柄,「スイカ」図柄の組合せは、図11に示すように移行出目である。
中リール32Mの第9小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第9小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
右リール32Rの第9小役図柄は「青年」図柄である。右リール32Rには、「青年」図柄が15番の位置に配置されている。このため、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第9小役図柄が有効ライン上に停止したり停止しなかったりする。具体的には、11番の「第1リプレイ」図柄~15番の「青年」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合、第9小役図柄たる「青年」図柄が下段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第9小役入賞が成立する。他のタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、「スイカ」図柄又は「第1リプレイ」図柄が下段に停止する。左から「白ベル」図柄(「赤ベル」図柄),「チェリー」図柄,「スイカ」図柄(「第1リプレイ」図柄)の組合せは、図11に示すように移行出目である。
中リール32Mの第2小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第2小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
右リール32Rの第2小役図柄は「白BAR」図柄である。右リール32Rには、「白BAR」図柄が18番の位置に配置されている。このため、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第2小役図柄が有効ライン上に停止したり停止しなかったりする。具体的には、14番の「スイカ」図柄~18番の「白BAR」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合、第2小役図柄たる「白BAR」図柄が下段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第2小役入賞が成立する。他のタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、「スイカ」図柄又は「第1リプレイ」図柄が下段に停止する。左から「白ベル」図柄(「赤ベル」図柄),「白BAR」図柄,「スイカ」図柄(「第1リプレイ」図柄)の組合せは、図11に示すように移行出目である。
中リール32Mの第2小役図柄、第7小役図柄及び第9小役図柄が中段に停止しなかった場合、すなわち中リール32Mの「LUCKY」図柄又は「白ベル」図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、「スイカ」図柄又は「第1リプレイ」図柄が下段に停止するように停止情報を変更する。
右リール32Rには、「スイカ」図柄及び「第1リプレイ」同士の間隔が4図柄以下となるようにして当該「スイカ」図柄及び「第1リプレイ」図柄が配置されている。このため、右ストップスイッチ44が操作された場合には、その操作タイミングに関わらず下段に「スイカ」図柄又は「第1リプレイ」図柄が停止する。左から「白ベル」図柄(「赤ベル」図柄),「LUCKY」図柄(「白ベル」図柄),「スイカ」図柄(「第1リプレイ」図柄)の組合せは、図11に示すように移行出目である。
このように、中押しベル1に当選となり、左ストップスイッチ42→中ストップスイッチ43→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、第2小役入賞が成立する場合と、第7小役入賞が成立する場合と、第9小役入賞が成立する場合と、移行出目が停止する場合と、のいずれかとなる。
次に、中押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第1小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
中リール32Mには、第1小役図柄たる「赤ベル」図柄が、「赤ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「赤ベル」図柄が停止する。
左リール32Lには、第1小役図柄たる「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄が、第1小役図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、左ストップスイッチ42が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が停止する。
右リール32Rには、第1小役図柄たる「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄が、第1小役図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、右ストップスイッチ44が3番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず下段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が停止する。
以上のとおり、中押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞が成立する。
押し順ベルに当選となった場合には、予め定められた1通り又は2通りの操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞が成立し、他の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングにより、小役入賞が成立するか、有効ライン上に移行出目が停止することとなる。ちなみに、中段ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第38小役入賞が成立し、不問ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第1小役入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップS411にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップS413にて払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
払出判定処理を行った後は、ステップS414にて入賞結果対応処理を行う。入賞結果対応処理では、入賞結果に基づいて遊技状態を移行させる処理等を行う。当該入賞結果対応処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理を行った後は、ステップS415にて区間表示第2処理を実行する。区間表示第2処理は、指示モニタ68の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。続くステップS416では、表示モードの移行抽選に用いられる抽選用の乱数を取得するための乱数取得用処理を実行する。乱数取得種処理についても後に詳細に説明する。その後、ステップS417にて今回のゲームにおける入賞成立役を表示制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
次に、ステップS213のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞~第8再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技状態を再遊技状態とする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理(ステップS204)では、現在の遊技状態が再遊技状態であると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次に、ステップS214のRT状態処理を図21のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS501では、RAM106の状態情報格納エリア106cに第4RT設定フラグがセットされているか否かを確認することで、遊技状態が第4RT状態か否かを判定する。第4RT状態である場合には、ステップS502へ進み、固定RTゲーム数の減算処理を行う。詳細な説明は後に行うが、第4RT状態は、実行可能なゲーム数が予め定められているRT状態であり、ステップS502の処理は、当該実行可能な残りのゲーム数を減算するための処理である。続くステップS503では、ステップS502の処理結果に基づいて、第4RT状態における実行可能な残りゲーム数が0となったか否かを判定する。0となった場合には、ステップS504にて第4RT設定フラグをクリアする処理を実行してから、本RT状態処理を終了する。ステップS504の処理を行うことで、遊技状態は通常遊技状態へ移行する。ステップS503にて否定判定した場合、そのまま本RT状態処理を終了する。この場合、第4RT状態が継続される。
ステップS501にて否定判定した場合、ステップS505にて、有効ライン上に移行出目が停止したか否かを判定する。移行出目が停止した場合には、ステップS506に進み、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態が通常遊技状態である場合には、ステップS507にてRAM106の状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグをセットする。その後、本処理を終了する。ステップS505にて有効ライン上に移行出目が停止していないと判定した場合には、ステップS508に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第2再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第2再遊技入賞が成立した場合には、ステップS509にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS507にて第1RT設定フラグをセットする。その後、本処理を終了する。また、第4RT状態及び通常遊技状態以外の遊技状態下で有効ライン上に移行出目が停止した場合には、ステップS509にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS507にて第1RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS507にて第1RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第1RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第1RT状態であると判別し、第1RT状態用抽選テーブルを選択する。
図22は、「設定3」の第1RT状態で選択される第1RT状態用抽選テーブルである。第1RT状態用抽選テーブルは、通常遊技状態用抽選テーブル(図17参照)と比較した場合、IV=1~5のポイント値PVが相違しており、他のインデックス値IVに同一のポイント値PVが設定されている。このため、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合には、IV=6~58の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=1の際に当選となる確率は約67.0分の1、IV=2~5の際に当選となる確率はそれぞれ約32.8分の1となる。いずれの役にも当選しない外れの確率は約1.94分の1である。
ここで、図22に示すように、IV=1の際に当選となった場合には通常リプレイ当選となり、IV=2の際に当選となった場合には第1昇格リプレイ1当選となり、IV=3の際に当選となった場合には第1昇格リプレイ2当選となり、IV=4の際に当選となった場合には第1昇格リプレイ3当選となり、IV=5の際に当選となった場合には第1昇格リプレイ4当選となる。IV=1~5のいずれかの際に当選となる確率は約7.30分の1である。通常遊技状態下における通常リプレイ当選確率も約7.30分の1である。つまり、遊技状態が第1RT状態に移行した場合には、小役,再遊技,ボーナスの各役種について通常遊技状態と同一の確率で当選となる一方、再遊技の特典が付与される入賞態様が通常遊技状態と異なるものに変化する。より詳しくは、通常遊技状態では、遊技状態の移行しない第1再遊技入賞のみが成立し、第1RT状態では、第1再遊技入賞に加えて、第2RT状態に移行する第3再遊技入賞が成立する。
停止情報第2設定処理(ステップS409)では、上述した押し順ベルに当選となった場合に加えて第1昇格リプレイ1~第1昇格リプレイ4に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図23(a)は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。第1昇格リプレイ1~第1昇格リプレイ4に当選となった場合には、押し順ベルに当選となった場合と異なり、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞又は第3再遊技入賞が必ず成立する。第1昇格リプレイ1~第1昇格リプレイ4には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序に第3再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第1再遊技が対応付けられている。
なお、第1昇格リプレイ2~4では、第1再遊技及び第3再遊技の他に、第6再遊技、第7再遊技、第8再遊技も当選役として振り分けられている。但し、これら第6再遊技~第8再遊技は、上記6通りの操作順序のうちのいずれもが対応付けられていない。そのため、第6再遊技~第8再遊技は、第1昇格リプレイ2~4に当選していても、ストップスイッチ42~44の操作順序に関わらず、入賞しない。
より具体的には、第1昇格リプレイ1~4は、それぞれ、第1昇格リプレイ1は第1再遊技及び第3再遊技が振り分けられており、第1昇格リプレイ2は第1再遊技及び第3再遊技の他に第6再遊技が振り分けられており、第1昇格リプレイ3は第1再遊技及び第3再遊技の他に第7再遊技が振り分けられており、第1昇格リプレイ4は第1再遊技及び第3再遊技の他に第8再遊技が振り分けられているものの、いずれの第1昇格リプレイ1~4であっても、入賞する再遊技は第1再遊技と第3再遊技のうちの何れかとなっている。これは、第3再遊技入賞が成立する操作順序をわかりにくくするためである。すなわち、例えば、第1昇格リプレイが1種類であると、第3再遊技入賞に対応する操作順序も1種類となってしまい、第1昇格リプレイ当選時に、意図的に第3再遊技入賞を成立させることが可能となり得るからである。なおこの関係は、第1昇格リプレイ1~4の関係のみに限ったことではなく、他の重複役についても同様のことがいえる。
RT状態処理の説明に戻り、ステップS508にて第2再遊技入賞が成立していないと判定した場合には、ステップS510に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第3再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第3再遊技入賞が成立した場合には、ステップS511にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS512にて第2RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS512にて第2RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第2RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第2RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第2RT状態であると判別し、第2RT状態用抽選テーブルを選択する。
図24は、「設定3」の第2RT状態で選択される第2RT状態用抽選テーブルである。第2RT状態用抽選テーブルは、第1RT状態用抽選テーブル(図22参照)と比較した場合、IV=1~10のポイント値PVが相違しており、他のインデックス値IVに同一のポイント値PVが設定されている。このため、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合には、IV=11~58の際に当選となる確率は第1RT状態における各当選確率と等しく、IV=1の際に当選となる確率は約11.0分の1、IV=2~5の際に当選とならず、IV=6~8の際に当選となる確率はそれぞれ約15.5分の1、IV=9,10の際に当選となる確率はそれぞれ約8.90分の1となる。そして、いずれの役にも当選しない外れの確率は約150分の1である。つまり、第2RT状態に移行した場合には、通常遊技状態及び第1RT状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。また、第2RT状態では、遊技状態の移行しない第1再遊技入賞に加えて、第1RT状態に移行する第2再遊技入賞と、第3RT状態に移行する第4再遊技入賞,第5再遊技入賞と、が成立する。
停止情報第2設定処理(ステップS409)では、上述した第1昇格リプレイ1~第1昇格リプレイ4に当選となった場合に加えて、転落リプレイ1~転落リプレイ3,第2昇格リプレイ1,第2昇格リプレイ2に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図23(b)は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。転落リプレイ1~転落リプレイ3に当選となった場合には、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞又は第2再遊技入賞が必ず成立する。第2昇格リプレイ1に当選となった場合には、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞,第4再遊技入賞,第5再遊技入賞のいずれかが必ず成立する。第2昇格リプレイ2に当選となった場合には、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞又は第4再遊技入賞が必ず成立する。
なお、図中の第4再遊技に付されている番号は、第4再遊技入賞が成立する際の図柄組合せと対応するものである。「1」は、バラケ目となる図柄組合せと対応し、「2」は、赤7・赤7・黒BAR中段停止となる図柄組合せと対応する(図11参照)。例えば、第2昇格リプレイ1に当選となった際に左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、バラケ目となる図柄組合せが停止して第4再遊技入賞成立となるか、赤7・赤7・黒BAR中段停止となる図柄組合せが停止して第4再遊技入賞成立となる。
RT状態処理の説明に戻り、ステップS510にて第3再遊技入賞が成立していないと判定した場合には、ステップS513に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立した場合には、ステップS514にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS515にて第3RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS515にて第3RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第3RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第3RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第3RT状態であると判別し、第3RT状態用抽選テーブルを選択する。
図25は、「設定3」の第3RT状態で選択される第3RT状態用抽選テーブルである。第3RT状態用抽選テーブルは、第2RT状態用抽選テーブル(図24参照)と比較した場合、IV=9~12のポイント値PVが相違しており、他のインデックス値IVに同一のポイント値PVが設定されている。このため、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1~8,13~58の際に当選となる確率は第2RT状態における各当選確率と等しく、IV=9,10の際に当選とならなくなり、IV=11,12の際に当選となる確率はそれぞれ約7.00分の1となる。いずれの役にも当選しない外れの確率は約150分の1である。つまり、遊技状態が第3RT状態に移行した場合には、小役,再遊技,ボーナスの各役種について第2RT状態と同一の確率で当選となる一方、再遊技の特典が付与される入賞態様が第2RT状態と異なるものに変化する。より詳しくは、第3RT状態では、遊技状態の移行しない第1再遊技入賞と、第1RT状態に移行する第2再遊技入賞と、に加えて、遊技状態の移行しない第6再遊技入賞,第7再遊技入賞,第8再遊技入賞と、第2RT状態に移行する第3再遊技入賞と、が成立する。
停止情報第2設定処理(ステップS409)では、BARリプレイ1,BARリプレイ2に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図23(c)は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。BARリプレイ1に当選となった場合には、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞,第6再遊技入賞,第7再遊技入賞,第3再遊技入賞のいずれかが必ず成立する。BARリプレイ2に当選となった場合には、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞,第6再遊技入賞,第8再遊技入賞,第3再遊技入賞のいずれかが必ず成立する。
RT状態処理の説明に戻り、ステップS513にて第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立していないと判定した場合には、ステップS516に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第11再遊技入賞及び第12再遊技入賞のいずれも成立していない場合には、そのままRT状態処理を終了する。第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞が成立した場合には、ステップS517にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS518にて第4RT設定フラグをセットし、ステップS519にて固定RTゲーム数設定処理を実行してから、本処理を終了する。ステップS519は、第4RT状態において実行可能なゲーム数を設定する処理である。具体的には、ステップS519では、各種カウンタエリア106eに設けられた固定RTカウンタに規定の値(例えば10)を入力する。上記ステップS502では、当該固定RTカウンタの減算を行い、当該カウンタが0となることで、ステップS503にて第4RT状態終了用の処理を実行することとなる。
次に、ステップS215のボーナス状態処理を図26のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップS601では、現在の遊技状態がボーナス状態か否か、すなわち現在の遊技状態がBB状態又はCB状態であるか否かを判定する。ボーナス状態でない場合には、ステップS602~ステップS613に示すボーナス判定処理を行う。
ボーナス判定処理では、ステップS602にて第1BB当選フラグ,第2BB当選フラグ,CB当選フラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。いずれかの当選フラグがセットされている場合には、ステップS603に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、CB入賞が成立したか否かを判定する。CB入賞が成立した場合には、ステップS604にて状態情報格納エリア106cにCB設定フラグをセットする。ステップS605では、状態情報格納エリア106cに設けられたボーナス状態中に払出可能な残りのメダル数をカウントするための残払出数カウンタに15をセットする。ステップS604~S605の処理を行うことにより、遊技状態がCB状態に移行する。
ここで、CB及びCB状態について簡単に説明する。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄,「第1リプレイ」図柄又は「黒BAR」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、CB入賞となる。各リール32L,32M,32Rには、CB図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして当該CB図柄が配置されている。このため、CBに当選となった場合には、ストップスイッチ42~44の操作順序及び操作タイミングに関わらず、CB入賞が成立する。
主制御装置101は、状態情報格納エリア106cにCB設定フラグがセットされている場合、遊技状態がCB状態であると判別する。そして、通常処理のステップS205では、メダルのベット数が「3」ではなく「2」に達しているか否かを判定し、有効ライン設定処理(ステップS209)では、下ラインL3及び右下がりラインL4を有効ラインと設定する。
抽選処理のステップS302では、CB状態用抽選テーブルを選択する。CB状態用抽選テーブルの図示は省略するが、CB状態用抽選テーブルでは、IV=1~52のポイント値PVとして「0」が設定されており、IV=55~58のポイント値として「16384」が設定されている(IVと当選役との対応関係については図17等参照)。したがって、CB状態では、CB中小役1に当選となる確率(IV=55の際に当選となる確率)が約4.00分の1となり、CB中小役2に当選となる確率(IV=56の際に当選となる確率)が約4.00分の1となり、CB中小役3に当選となる確率(IV=57の際に当選となる確率)が約4.00分の1となり、CB中小役4に当選となる確率(IV=58の際に当選となる確率)が約4.00分の1となる。外れとなる事象は発生しない。
図27(a)は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。詳細な説明は省略するが、CB中小役1~CB中小役4のいずれに当選となった場合であっても、ストップスイッチ42~44の操作順序及び操作タイミングに関わらず、何らかの小役入賞が必ず成立する。CB状態は2ベットゲームであるため、第1小役入賞,第27小役入賞,第31小役入賞,第36小役入賞~第38小役入賞が成立した場合には、15枚のメダル払出が行われ、第2小役入賞~第26小役入賞,第28小役入賞~第30小役入賞,第32小役入賞~第35小役入賞が成立した場合には、14枚のメダル払出が行われる。つまり、CB状態に移行した場合には、必ず14枚又は15枚のメダル払出が行われる。
なお、当選役としてのCB、及び遊技状態としてのCB状態に代え又は加えて、当選役として1ゲームの遊技(JACゲーム)を実行可能となるシングルボーナス(SB)、及びそのシングルボーナス当選(入賞)に基づいて移行するSB状態を設けてもよい。
ボーナス状態処理の説明に戻り、ステップS603にてCB入賞が成立していないと判定した場合には、CB以外のボーナス当選フラグがセットされていることを意味する。かかる場合には、ステップS608にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアし、ステップS609にて第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。
そして、いずれかのBB入賞が成立した場合には、ステップS610にてRAM106の当選フラグ格納エリア106aにセットされているBB当選フラグをクリアするとともに、ステップS611にて状態情報格納エリア106cにBB設定フラグがセットする。その後、ステップS612にて、残払出数カウンタに216をセットし、残払出枚数表示部61に216を表示させる処理を行う。ステップS612でセットする数値は、BB状態における上限払出数に対応する数値であり、BB状態において当該数値以上のメダルの払い出しが行われたことを条件に当該BB状態が終了される。
ステップS610~S612の処理を行うことにより、遊技状態がBB状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cにBB設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態がBB状態であると判別し、対応するBB状態用抽選テーブルを選択する。
図28は、第1BB入賞により移行する第1BB状態で選択される第1BB状態用抽選テーブルと第2BB入賞により移行する第2BB状態で選択される第2BB状態用抽選テーブルとをまとめて示している。第1BB状態用抽選テーブルと第2BB状態抽選テーブルとは、IV=1~14,22~30,34~58のポイント値PVとして「0」が設定されている。したがって、第1BB状態及び第2BB状態のいずれにおいても、これらIV=1~14,22~30,34~58では当選とならない。また、第1BB状態用抽選テーブル及び第2BB状態用抽選テーブルでは、IV=19~21,31~33のポイント値が両抽選テーブルで共通のポイント値が設定されており、第1BB状態及び第2BB状態のいずれにおいても、IV=19のチャンスAに当選となる確率は約65.5分の1、IV=20のチャンスBに当選となる確率は約65.5分の1、IV=21の中段ベルに当選となる確率は約1310分の1、IV=31のBB中第1役に当選する確率は約2.12分の1、IV=32のBB中第2役に当選する確率は約13.1分の1、IV=33のBB中第3役に当選する確率は約13.1分の1である。
一方、第1BB状態用抽選テーブル及び第2BB状態用抽選テーブルにおいて、IV=15~18のポイント値は異なるポイント値が設定されており、IV=15の強チェリーに当選となる確率は第1BB状態では約21.8分の1であるのに対して第2BB状態では約93.6分の1であり、第1BB状態の方が第2BB状態よりも強チェリーに当選し易い。また、IV=16の弱チェリーに当選となる確率は第1BB状態では約6.56分の1であるのに対して第2BB状態では約26.2分の1であり、第1BB状態の方が第2BB状態よりも弱チェリーに当選し易い。
IV=17の強スイカに当選となる確率は第1BB状態では約93.6分の1であるのに対して第2BB状態では約21.8分の1であり、第2BB状態の方が第1BB状態よりも強スイカに当選し易い。また、IV=18の弱チェリーに当選となる確率は第1BB状態では約26.2分の1であるのに対して第2BB状態では約6.56分の1であり、第2BB状態の方が第1BB状態よりも弱スイカに当選し易い。
つまり、第1BB状態や第2BB状態では、強チェリーや強スイカ等の所謂レア役と称させる抽選結果の当選確率が通常遊技状態や第1RT状態~第3RT等の他の状態よりも高くなる。また、第1BB状態と第2BB状態とを比較すると、第1BB状態では第2BB状態よりも強チェリー又は弱チェリーに当選し易く、第2BB状態では第1BB状態よりも強スイカ又は弱スイカに当選し易くなるように設定されている。
また、強チェリーや弱チェリー、強スイカ、弱スイカ等は、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによって入賞が成立し、入賞に対応しないタイミングで操作されると入賞が成立せず、取りこぼしとなる。
図27(b)は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。上述したとおり、第1小役入賞は、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず成立させることができる入賞態様である。したがって、BB中第1役に当選となった場合、ストップスイッチ42~44の操作順序及び操作タイミングに関わらず、第1小役入賞,第39小役入賞,第40小役入賞のいずれかが必ず成立する。これに対して、BB中第2役とBB中第3役は、6通りの操作順序のうちの4通りの操作順序に第1小役が対応付けられており、2通りの操作順序に第40小役や第41小役が対応付けられている。つまり、BB中第2役やBB中第3役は、ストップスイッチ42~44の操作順序が第1小役に合致したものであれば、第1小役入賞が成立し、第40小役や第41小役に合致したものであれば、第1小役ではなく第40小役入賞や第41小役入賞が成立する。BB状態における3ベットゲームにおいて、第1小役入賞又は第40小役入賞が成立すると9枚のメダル払出が行われ、第41小役入賞が成立すると3枚のメダル払出が行われる。つまり、BB中第1役に当選した場合には操作順序に関わらず第1小役入賞が成立して9枚のメダル払出が行われ、BB中第2役に当選した場合には操作順序によって第1小役入賞又は第40小役入賞が成立して9枚のメダル払出が行われる。そして、BB中第3役に当選した場合には操作順序によって第1小役入賞又は第41小役入賞が成立し、第1小役入賞が成立した場合には9枚のメダル払出が行われ、第41小役入賞が成立した場合には3枚のメダル払出が行われる。つまり、BB中第3役については、ストップスイッチ42~44の操作順序によってメダル払出枚数が異なるようになる。
ステップS609にて否定判定し、いずれかのBB入賞が成立した場合には、ステップS613にて持ち越しコマンドをセットする処理を行う。持ち越しコマンドとは、ボーナス当選ゲームにて当該ボーナス入賞が成立せず、所謂持ち越し状態となったことを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドであり、かかる持ち越しコマンドはタイマ割り込み処理のコマンド出力処理(ステップS110)にて表示制御装置81へ出力される。
既に説明した通り、持ち越し状態において行われるゲームでは、他のボーナスに当選することが制限される。より詳しくは、通常遊技状態用の抽選テーブル(図17)において、IV=34~51のボーナス(第1BB,第2BB,CB)との重複役等に当選した場合には、これらボーナスに対応する当選フラグはセットされない。そのため、例えば、IV=34~51の各小役又は再遊技との重複役に当選した場合には、これら各小役や再遊技の当選フラグはセットされるものの、ボーナスに対応する当選フラグはセットされず、小役入賞のみが有効となる。すなわち、持ち越し状態とは、ボーナスの抽選が制限される状態ともいえる。
遊技状態がCB状態又はBB状態に移行した場合には、ステップS601にて肯定判定をし、ステップS614にて終了判定処理を行う。終了判定処理では、残払出数カウンタの値が0となったか否かを判定し、0となった場合にCB設定フラグ又はBB設定フラグをクリアする処理を行う。また、終了判定処理では、BB設定フラグをクリアした場合、今回のゲームでBB状態が終了したことを示す終了フラグをセットする。なお、当該終了判定処理については、後に詳細に説明する。
ステップS602~ステップS614に示したように、CBに当選するとともにCB入賞が成立した場合には、RT設定フラグをクリアすることなくCB設定フラグをセットしている。このため、CB設定フラグをクリアした場合、すなわちCB状態が終了した場合には、CB入賞が成立した際の遊技状態に復帰することとなる。例えば、通常遊技状態下でCB入賞が成立した場合には、CB状態の終了後に通常遊技状態に復帰し、第3RT状態下でCB入賞が成立した場合には、CB状態の終了後に第3RT状態に復帰する。一方、第1BB、第2BBに当選した場合には、対応するBB入賞の成立有無に関わらずステップS608にてRT設定フラグをクリアしている。このため、BB設定フラグをクリアした場合、すなわちBB状態が終了した場合には、仮に第2RT状態下で第1BB入賞が成立したとしても、通常遊技状態に移行することとなる。CB状態に移行した場合、遊技者は、当該CB状態が終了するまでの間に13(=15-2)枚又は25(=14-2+15-2)枚のメダル増加を期待できる。BB状態に移行した場合、遊技者は、当該BB状態が終了するまでの間に最大で144(=9×24-3×24)枚のメダル増加を期待できる。
上記のように、BB状態において強チェリーや強スイカ等に当選した場合、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによっては入賞が成立しない場合があり、入賞が成立しなければ当該ゲームでのメダル払出は生じない。また、BB中第3役に当選した場合には、ストップスイッチ42~44の操作順序によって、9枚又は3枚のメダル払出が生じる。つまり、BB状態において上限払出数が設定され(ステップS216)、毎ゲーム9枚の払出が生じた場合には、上記のように最大144枚のメダル増加が見込めるとともに、24ゲームでBB状態が終了するものの、BB状態の各ゲームの抽選結果や、そのゲームのストップスイッチ42~44の操作タイミングや操作順序によっては、上限払出数に達した場合のメダル増加数は上記最大数よりも少なくなり得るし、上限払出数に達するまでのゲーム数が多くなり得るように設定されている。
第1BB当選フラグ,第2BB当選フラグ,CB当選フラグのいずれもセットされていない場合(ステップS602がNOの場合)と、第1BB入賞,第2BB入賞,CB入賞のいずれも成立しておらず持ち越しコマンドをセットした場合(ステップS613の処理を実行した場合)と、ステップS605、ステップS612にて残払出数カウンタに所定値をセットした場合と、ステップS614にて終了判定処理を行った場合と、には、ステップS606に進み、状態コマンドをセットする。ここで、状態コマンドとは、ゲーム終了時点での遊技状態(すなわち次回のゲームの遊技状態)を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドであり、ステップS606では、状態情報格納エリア106cにセットされている設定フラグと対応する状態コマンドをセットする。状態コマンドをセットした後、ステップS607では、外部集中端子板121からスロットマシン10外部に出力する外部信号を設定する外部信号設定処理を行う。その後、本処理を終了する。
<遊技状態の移行と表示モードの概要>
ここで、遊技状態の移行について図29を用いて説明する。なお、CB状態については、図示を省略している。
遊技状態がBB状態である場合、当該BB状態下におけるメダル払出数が216に達した場合にBB状態が終了し、遊技状態が通常遊技状態に移行する。
遊技状態が通常遊技状態である場合、移行出目が有効ライン上に停止することによって遊技状態が第1RT状態に移行し、BB入賞が成立することによって遊技状態がBB状態に移行する。移行出目は、押し順ベルに当選したゲームで取りこぼしが発生する場合に有効ライン上に停止する。通常遊技状態用抽選テーブルを用いた抽選処理では、第2RT状態への移行契機となる第1昇格リプレイ1~4や、第3RT状態への移行契機となる第2昇格リプレイ1,2、第4RT状態への移行契機となる移行リプレイ1,2は当選しないため、通常遊技状態からは、第2RT状態~第4RT状態に移行しない(図17参照)。
遊技状態が第1RT状態である場合、第3再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第2RT状態に移行する。第3再遊技入賞は、第1昇格リプレイ1~第1昇格リプレイ4のいずれかに当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合に成立する(図23(a)参照)。また、遊技状態が第1RT状態である場合、第11再遊技入賞や第12再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第4RT状態に移行する。既に説明した通り、第4RT状態はゲーム数が固定の固定RT状態である。そのため、第4RT状態において移行出目が停止しても第1RT状態には移行しない。第1RT状態用抽選テーブルを用いた抽選処理では、第3RT状態への移行契機となる第2昇格リプレイ1,2は当選しないため、第1RT状態からは、第3RT状態に移行しない。
但し、本実施形態では、第1RT状態において、第4RT状態への移行契機となる移行リプレイ1,2に当選しないように設定されている。そのため、第1RT状態からは第4RT状態に移行しない。本実施形態では第1RT状態からに限られず、他の遊技状態からも第4RT状態への移行が生じないように設定されている。第4RT状態については、その移行が可能となるように設定される実施形態の説明に際して、詳細に説明する。
各BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立しなかった場合、すなわちBB当選フラグが持ち越された場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行し、各1BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。
遊技状態が第2RT状態である場合、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第3RT状態に移行する。また、第2再遊技入賞が成立した場合と、移行出目が有効ライン上に停止した場合と、には、遊技状態が第1RT状態に移行する。第4再遊技入賞と第5再遊技入賞は、第2昇格リプレイ1又は第2昇格リプレイ2に当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合に成立する(図23(b)参照)。第2再遊技入賞は、転落リプレイ1~転落リプレイ3のいずれかに当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合に成立する(図23(b)参照)。移行出目は、押し順ベルに当選したゲームで取りこぼしが発生する場合に有効ライン上に停止する。加えて、各BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立しなかった場合、すなわちBB当選フラグが持ち越された場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行し、各BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。
遊技状態が第3RT状態である場合、第3再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第2RT状態に移行する。また、第2再遊技入賞が成立した場合と、移行出目が有効ライン上に停止した場合と、には、遊技状態が第1RT状態に移行する。第3再遊技入賞は、BARリプレイ1又はBARリプレイ2に当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合に成立する(図23(c)参照)。第2再遊技入賞は、転落リプレイ1~転落リプレイ3のいずれかに当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合に成立する(図23(b)参照)。移行出目は、押し順ベルに当選したゲームで取りこぼしが発生する場合に有効ライン上に停止する。加えて、各当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立しなかった場合、すなわちBB当選フラグが持ち越された場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行し、各BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。
本スロットマシン10では、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,BB状態,CB状態の6種類の遊技状態を主制御装置101が管理するとともに、大別して通常モード,ATモード(アシストタイムモード),VBモード(ヴァーチャルボーナスモード、疑似ボーナスモード),BBモードの5種類の表示モードを主制御装置101が管理するようになっている。
図30は、各表示モードの移行を示す図である。
BBモードとは、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立した場合に移行し、BB状態が終了した場合に終了する表示モードである。すなわち、BBモードは、BB状態と対応する表示モードである。したがって、BBモードに移行した場合、遊技者は最大で144枚のメダル増加を期待できる。
通常モードからBBモードに移行した場合、当該BBモードでは、ATモードへの移行抽選が行われる場合がある。ATモードへの移行抽選に当選した場合には、BBモードの終了後にATモードに移行する。ATモードへの移行抽選にも当選しなかった場合には、BBモードの終了後に通常モードに移行する。ATモードからBBモードに移行した場合には、BBモードの終了後にATモードに復帰する。VBモードからBBモードに移行した場合には、BBモードの終了後にVBモードに復帰する。
通常モードとは、押し順ベル当選時と、第1昇格リプレイ1~第1昇格リプレイ4,転落リプレイ1~転落リプレイ3,第2昇格リプレイ1,第2昇格リプレイ2,BARリプレイ1,BARリプレイ2,移行リプレイ1,移行リプレイ2(以下、これらを総称して「押し順リプレイ」という。)当選時と、にストップスイッチ42~44の操作順序が報知されない表示モードである。通常モードでは、ATモードへの移行抽選が行われる。ATモードへの移行抽選に当選した場合には、通常モードからATモードに移行する。通常モードからは、VBモードに移行しない。
通常モードは、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,CB状態の各遊技状態と対応している。但し、通常モードでは、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、にストップスイッチ42~44の操作順序が報知されないため、第2RT状態~第4RT状態に移行することは稀であり、ほぼ通常遊技状態又は第1RT状態と対応することとなる。通常モードでは、そのときの遊技状態が通常遊技状態、第1RT状態又は第4RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約1.59枚減少することを期待でき、そのときの遊技状態が第2RT状態~第3RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.06枚減少することを期待できる。
ATモードとは、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、のいずれにおいてもストップスイッチ42~44の操作順序が報知される表示モードである。ATモードは、VBモードへの移行確率が異なるLV.1モード~LV.4モードの4つのATモードによって構成されており、いずれのATモードであっても、通常モードと比してVBモードへの移行確率が高くなっている。VBモードへの移行抽選に当選した場合には、ATモードからVBモードに移行する。VBモードへの移行抽選に当選することなく所定回数(例えば50回等)のゲームが行われた場合には、ATモードから通常モードに移行する。
LV.1モード~LV.4モードは、VBモードへの移行抽選に当選する確率が異なるように設定されている。より具体的には、VBモードへの移行抽選に当選する確率が、LV.4モードが最も高く、LV.1モードが最も低くなるように設定されており、LV.1モード、LV.2モード、LV.3モード、LV.4モードの順でVBモードへの移行抽選に当選する確率が高くなるように設定されている。
ATモードは、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,CB状態の各遊技状態と対応している。但し、ATモードでは、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、のいずれにおいてもストップスイッチ42~44の操作順序が報知されるため、遊技者が報知された操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合、第2RT状態及び第3RT状態と対応することとなる。ATモードでは、そのときの遊技状態が通常遊技状態、第1RT状態又は第4RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.61枚増加することを期待でき、そのときの遊技状態が第2RT状態又は第3RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約1.90枚増加することを期待できる。ATモードは、遊技状態が第2RT状態に移行してから少なくとも50ゲーム継続するため、ATモードに移行した場合、遊技者は約100枚のメダル増加を期待できる。
VBモードとは、ATモードと同様、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、のいずれにおいてもストップスイッチ42~44の操作順序が報知される表示モードである。VBモードとATモードとの相違点は、第2昇格リプレイ1又は第2昇格リプレイ2に当選となった場合に、ATモードでは第1再遊技入賞を成立させるための操作順序が報知される一方、VBモードでは第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞を成立させるための操作順序が報知される点である(図23(b)参照)。
VBモードは、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,CB状態の各遊技状態と対応している。但し、VBモードでは、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、のいずれにおいてもストップスイッチ42~44の操作順序が報知される。このため、VBモードは、遊技者が報知された操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合、第3RT状態と対応することとなる。VBモードでは、そのときの遊技状態が通常遊技状態、第1RT状態又は第4RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.61枚増加することを期待でき、そのときの遊技状態が第2RT状態又は第3RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約1.90枚増加することを期待できる。VBモードは、遊技状態が第3RT状態に移行してから少なくとも25ゲーム継続するため、VBモードに移行した場合、遊技者は約50枚のメダル増加を期待できる。
遊技者の所有メダルが増加する際の表示モードの移行について説明すると、通常モードからATモードに移行し、ATモードから通常モードに戻るという流れが一般的である。そして、ATモードではVBモードへの移行抽選が行われるため、ATモードからVBモードに移行し、VBモードからATモードに戻るというループが発生した場合、遊技者はより多くの所有メダル増加を期待できる。
また、ATモードにおいてLV.1モード~LV.4モードが設定されており、各ATモードにおいてVBモードへの移行抽選の当選確率が異なっている。そして、通常モードからATモードへ移行する場合、基本的にはLV.1モードに移行する。LV.1モードにおいては、VBモードへの移行抽選が行われるとともに、LV.2モードへの移行抽選が行われる。LV.2モードへの移行抽選に当選すると、LV.2モードに移行し、VBモードへの移行抽選の当選確率が上昇する。LV.2モードにおいては、VBモードへの移行抽選が行われるとともに、LV.3モードへの移行抽選が行われる。LV.3モードへの移行抽選に当選すると、LV.3モードに移行し、VBモードへの移行抽選の当選確率が上昇する。そして、LV.3モードにおいては、VBモードへの移行抽選が行われるとともに、LV.4モードへの移行抽選が行われる。ATLV.4モードへの移行抽選に当選すると、LV.4モードに移行し、VBモードへの移行抽選の当選確率が上昇する。
したがって、ATモードに移行した場合、LV.1モード→LV.2モード→LV.3モード→LV.4モードとATモードの昇格が行われることで、VBモードへの移行確率が高くなり、ATモードとVBモードとのループが発生し易くなる。
以上のとおり、本スロットマシン10では、ATモード,VBモード,BBモードの各表示モードにおいて遊技者が所有メダルの増加を図る構成となっている。そして、各表示モードと連動して、複数のRT状態と、BB状態、CB状態といった複数の状態が各再遊技の入賞又は移行出目の停止等によって行き来する構成となっている。上記のとおり、押し順リプレイ当選時や押し順ベル当選時のストップスイッチ42~43の操作順序によって対応する再遊技入賞が成立したり移行出目が停止したりする。また、ATモードやVBモードにおいては、押し順ベル当選時に、第1小役入賞を成立させることが可能となる操作順序が報知されることで、所有メダル増加を期待できる。
ここで、表示モードがATモード及びVBモードである場合、上記のように押し順ベルや押し順リプレイ当選時にストップスイッチ42~44の操作順序が報知され、通常モードである場合には、これら押し順ベルや押し順リプレイ当選時の操作順序の報知が行われない。そのため、これら押し順ベルや押し順リプレイ当選時の操作順序の報知の有無という観点で、ATモードやVBモードの方が通常モードよりも遊技者にとって有利なものである。つまり、ATモードやVBモードは、操作順序が報知されることによって小役等の入賞率を変化させ遊技者にとって有利な状況で遊技を進行可能となる区間である有利区間に含まれるものである。本スロットマシン10では、有利区間へ移行することでATモードへの移行抽選が行われ、ATモードやVBモードへの移行が生じ得るように構成されており、言い換えると、有利区間ではない通常区間においてATモードやVBモードへの移行は生じないように構成されている。
なお、有利区間においてATモードへの移行抽選が行われるのに対して、通常区間においてはATモードへの移行抽選が行われないことからして、有利区間であってATモードへの移行前の状態やATモード当選前の状態は、ATモードへの移行が生じ易くなっている状態として、チャンスゾーンモード(CZモード)とも称することが可能である。
以下、表示モードに関する構成について説明する。
表示モードに関する構成としては、大別して、(1)表示モードの移行抽選に関する処理、(2)表示モードの移行抽選の結果に基づいて遊技状態を移行させるための処理、(3)入賞結果に基づいて表示モードを移行させるための処理、(4)サブ側の報知演出に関する処理がある。以下、順番に説明する。
<表示モードの移行抽選に関する処理>
<抽選結果対応処理>
(1)の表示モードの移行抽選に関する処理は、主制御装置101による抽選処理(図16)の抽選結果対応処理(ステップS312)にて行われる。そこで、以下、抽選結果対応処理について、図31のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS701では、乱数シフト処理を実行する。かかる処理は、ATモード抽選に用いられる乱数用の処理であり、後に詳細に説明する。
続くステップS702では、今回のゲームが有利区間であるか否かをRAM106の各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。有利区間フラグは、上記のATモードやVBモードを含む有利区間への移行抽選に当選したことに基づいてセットされ、有利区間が終了する際にクリアされるフラグである。有利区間フラグがセットされていない場合には、ステップS703へ進み、有利区間移行抽選処理を実行してから、本抽選結果対応処理を終了する。
有利区間移行抽選処理では、図32のフローチャートに示すように、先ず、ステップS801にて、今回のゲームの抽選結果を把握する。そしてステップS802にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから有利区間移行抽選テーブルを取得する。有利区間移行抽選テーブルは、図39に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、有利区間への移行率(有利区間移行抽選の当選確率)が異なるように設定されている。有利区間への移行抽選の契機役としては、図38にも示すように、強チェリー、弱チェリー、強スイカ、弱スイカ、チャンスA、チャンスB、中段ベルが設定されている(以下、これらをまとめて「移行契機役」とも称する)。これらの移行契機役は、いずれの設定値であっても設定されているポイント値PVが共通しており、当選確率に設定差がない。そして、有利区間移行抽選の当選確率についても、設定差がないように設定されている。つまり、出現率が共通している移行契機役にて当選確率に設定差のない有利区間移行抽選を行う構成とし、有利区間への移行率は共通なものとなっている。このようにすることで、遊技ホールに複数台設置され得る遊技機の設定値に関わらず、有利区間へ移行させるチャンスが同等なものとなり、遊技者間の不平等性を解消することが可能となる。
ステップS802にて抽選テーブルを取得した後は、ステップS803にて有利区間移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。有利区間移行抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップS803ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。そして、ステップS804にて有利区間移行抽選を実行し、ステップS805にて、移行抽選に当選したか否かを判定し、当選していなければ、そのまま本抽選処理を終了する。移行抽選に当選している場合、ステップS806にて、上記の有利区間フラグをセットする処理を実行する。この処理により、次ゲーム以降の抽選結果対応処理(図31)のステップS702では肯定判定することが可能となる。続くステップS807では、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグをセットする処理を実行する。有利区間当選ゲームフラグは、今回のゲームで有利区間への移行抽選に当選したことをCPU102が把握するためのフラグである。ステップS807の処理を実行した後は、本有利区間移行抽選処理を終了する。
抽選結果対応処理において、ステップS702にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合、すなわち、前ゲーム以前にて、有利区間への移行抽選に当選している場合、ステップS704に進む。ステップS704では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグ及びATモードフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。ATモード当選フラグは、ATモードへの移行抽選に当選している状態であることをCPU102が特定するためのフラグであり、ATモードの移行抽選に当選した場合にセットされ、ATモードへ移行する際にクリアされるフラグである。ATモードフラグは、表示モードがATモードであることをCPU102が特定するためのフラグであり、ATモードへ移行する際にセットされ、ATモードが最終的に終了する際(ATモードからVBモードや特化ゾーン、BBモードへ移行する際は除く)にクリアされるフラグである。ステップS704にて否定判定した場合には、ステップS705にて、第1特定役処理を実行する。
<第1特定役処理>
第1特定役処理について、図33のフローチャートを参照しながら説明する。
第1特定役処理では、表示モードをATモードに移行させるか否かの移行抽選が行われる。すなわち、ステップS901にて、今回のゲームの抽選結果を把握する。そしてステップS902にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからATモード移行抽選テーブルを取得する。ATモード移行抽選テーブルでは、抽選結果(当選役)の種類に応じてATモードへの移行確率がそれぞれ設定されている。
具体的には、各種テーブル記憶エリア105aに記憶されている有利区間中のモード抽選テーブルでは、現状の表示モードと、抽選契機となる遊技結果の種類とによって、各モード移行抽選に当選する確率が異なるように設定されている。
ここで、有利区間中のモード移行抽選の抽選契機となる遊技結果としては、図39に示すように、上記の移行契機役に加えて、通常リプレイや押し順リプレイ及び押し順ベルが設定されている。すなわち、有利区間への移行抽選に関しては、設定値による移行率の差が生じないように設定され、特に当選確率の低い所謂レア役と称される遊技結果に基づいて移行抽選が行われる一方、有利区間に含まれるATモード等への移行抽選についてはこれらレア役以外にも抽選のチャンスが付与されており、各ゲームの期待感が高められている。以下の説明では、これら、通常リプレイ、押し順リプレイ、押し順ベル、移行契機役を、まとめて、有利区間中の指示機能に関する抽選の契機となる役として、「特定役」とも称する。
ATモードへの移行抽選テーブルでは、特定役の種類に応じてそれぞれ移行抽選の当選確率が設定されている。図39に示すように、例えば、特定役が強チェリーである場合は約51%の確率でATモードへの移行抽選に当選する一方、特定役が弱チェリーである場合は約15%の確率でATモードへの移行抽選に当選し、各ゲームでの当選確率(出現率)が低い結果ほどATモードへの移行抽選に当選し易くなるように設定されている。
ステップS902にてATモード移行抽選テーブルを取得した後は、ステップS903にてATモード移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。ステップS903では、RAM106のうち、抽選用情報記憶エリア106fからATモード移行抽選用の乱数を取得する。抽選用情報記憶エリア106fの構成やATモード移行抽選用の乱数を当該エリア106fに格納するための処理等については後に詳細に説明するが、ステップS903にてATモード移行抽選用の乱数を取得する処理は、他の抽選(例えば有利区間移行抽選)のように抽選時に最新のカウンタ値を取得する構成とは異なっている。
そして、ステップS904にてATモード移行抽選を実行し、ステップS905にて、ATモードへの移行抽選に当選したか否かの判定を行う。ATモードへの移行抽選に当選した場合には、ステップS906にて、各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグをセットする処理を実行する。ATモード当選フラグをセットすることにより、上記抽選結果対応処理(図31)におけるステップS704にて肯定判定されることとなる。続くステップS907では、今回当選したATモードがSATモードか否かを判定する。SATモードとは、上乗せ特化ゾーンを経てから開始されるATモードである。例えば、通常のATモードの初期ゲーム数が50とすると、SATモードでは当該初期ゲーム数の50に対し、上乗せ特化ゾーンにて上乗せされたゲーム数を加えたゲーム数でATモードが開始される。そのため、通常のATモードとSATモードとでは遊技者にとっての有利度が異なり、ATモードよりもSATモードの方が遊技者にとって有利なものとなる。
SATモードへの移行抽選は、ATモードへの移行抽選にて当選した場合(ステップS904の抽選処理にて当選した場合)に実施され、この移行抽選は、移行契機役と表示モードの種類によって設定されているSATモード用の移行抽選テーブルに基づいて行われる。SATモード用の移行抽選テーブルは、図39に示すように、強スイカを契機としてATモードへの移行抽選に当選する確率は約51%であり、その移行抽選に当選した場合の約5%でSATモードに当選する。
ステップS907にて、SATモード当選であると判定した場合、ステップS908にて、特化ゾーン当選フラグをセットする処理を実行する。ステップS907にて否定判定した場合、又はステップS908の処理を実行した後は、ステップS906に進む。ステップS909~ステップS912の処理は前兆モードの設定用の処理である。
前兆モードとは、ATモード等に当選したことを示唆する当選示唆演出が発生し易くなるモードであり、当該前兆モードの各ゲームを経てから、ATモード等に当選したことの当選報知が行われる。前兆モードは0ゲーム~32ゲームに亘って継続し、当選したATモード等の種類と、ボーナスに同時当選しているか否かとによって、その前兆モードの継続ゲーム数が異なるように設定されている。なお、ATモード等がボーナスと同時当選している場合は、前兆モードを経てからボーナスの当選報知が行われ、そのボーナス状態が終了してから、ATモード等に当選していたことの報知が行われる。また、前兆ゲーム数が0ゲームとして設定される場合、前兆モードを介さずに当選報知が行われることになる。
具体的には、ステップS909では、先ず、前兆ゲーム数テーブルをROM105の各種テーブル記憶エリア105aから取得する処理を行う。図40に示すように、前兆ゲーム数テーブルでは、当選した表示モードによって、選択される前兆ゲーム数が異なるように設定されている。具体的には、例えば、ATモード当選時においては、0ゲームが30%で選択され、1ゲーム~5ゲームが60%で選択され、6ゲーム~10ゲームが10%で選択される一方、SATモード当選時においては、0ゲームが10%で選択され、1ゲーム~5ゲームが70%で選択され、6ゲーム~10ゲームが10%で選択され、11ゲーム~20ゲームが10%で選択され、遊技者にとって有利なSATモードに当選している場合の方が前兆ゲーム数が多くなり易いように設定されている。
本実施形態では、ボーナスとATモード等との同時当選は規定していないが、同時当選する構成においては、同時当選の有無によって前兆ゲーム数を異ならせてもよい。また、当選契機となった遊技結果によって、前兆ゲーム数を異ならせてもよい。
ステップS910では、ステップS909にて取得した前兆ゲーム数テーブルと、RAM106の各種カウンタエリア106eから取得する抽選用のカウンタとに基づいて、今回の前兆モードのゲーム数を抽選する処理を行う。前兆ゲーム数の抽選用のカウンタについても、有利区間移行抽選用の乱数(カウンタ)と同様に、所定周期で更新されるものであり、ステップS910の抽選に際して、そのカウンタのうち最新の更新値が取得されて抽選に用いられる。なお、以降の説明において、他の抽選(例えば、VBモード移行抽選、ATモード上乗せ抽選、上乗せゲーム数抽選、特化ゾーン移行抽選等)に用いられる抽選用の乱数(カウンタ)についても、特に説明がない限り、上記有利区間移行抽選用の乱数(カウンタ)と同様の構成とし、その抽選に際して最新の更新値が取得されるものとする。
そして、ステップS911にて、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられた前兆カウンタに前兆ゲーム数を入力する処理を行う。前兆カウンタは1ゲーム毎に1ずつ減算されるカウンタであり、前兆カウンタが0となることで前兆モードが終了し、ATモード等の移行抽選に当選したことの当選報知が行われる。
ステップS912では、前兆コマンドをサブ側の制御装置である表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。前兆コマンドには、前兆モードの契機となった抽選結果及び前兆ゲーム数の情報が含まれている。前兆コマンドを受信したことに基づく表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。ステップS912の処理を実行した後は、第1特定役処理を終了する。
ステップS905にてATモードへの移行抽選に当選していないと判定した場合は、そのまま第1特定役処理を終了する。
抽選結果対応処理の説明(図31)に戻り、ステップS704にて肯定判定した場合は、ステップS706に進む。ステップS706では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにVBモード当選フラグ及びVBモードフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。VBモード当選フラグは、VBモードの移行抽選に当選した場合にセットされ、VBモードへ移行する際にクリアされるフラグである。VBモードフラグは、表示モードがVBモードであることをCPU102が特定するためのフラグであり、VBモードへ移行する際にセットされ、VBモードが終了する際にクリアされるフラグである。ステップS706にて否定判定した場合には、ステップS707にて、第2特定役処理を実行する。また、ステップS706にて肯定判定した場合は、ステップS708にて、第3特定役処理を実行する。
<第2特定役処理>
第2特定役処理について、図34のフローチャートを参照しながら説明する。
第2特定役処理では、ATモードの上乗せ抽選を行ったり、表示モードをVBモードや上乗せ特化ゾーンに移行させるか否かの移行抽選を行う。なお、上乗せとは、ATモード等の継続ゲーム数(残数)を加算する(増加させる)ことをいい、上乗せゲーム数とは、当該継続ゲーム数に加算する値(増加させる値)に対応する。また、上乗せ特化ゾーンとは、複数回のゲームに亘って、ATモードの継続ゲーム数の上乗せが高確率で発生する状態を示す。また、第2特定役処理では、ATモードのレベルの昇格抽選を行うとともに、ATモードの継続ゲーム数の上乗せ用の処理を行う。
すなわち、ステップS1001では、ATモードのレベルを把握する処理を行う。既に説明したとおり、本実施形態では、LV.1モード~LV.4モードの4つのATモードのレベルが設けられており、各レベルでVBモードへの移行確率が異なっている。そこで、ステップS1001は、現状のATモードのレベルがLV.1モード~LV.4モードのいずれであるかを判定する。
ステップS1002では、ステップS1001で把握したATモードのレベルに応じたVBモード抽選テーブルを、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから取得する。VBモード抽選テーブルでは、抽選契機となる遊技結果の種類に応じてVBモードへの移行確率がそれぞれ設定されている。図39に示すように、例えば、強チェリーと弱チェリーとでは、強チェリーの方が弱チェリーよりもVBモードへの移行確率が高く設定されている。また、各レベルのVBモード抽選テーブルでは、全体的にVBモードへの移行確率が異なっており、LV.1モードのものよりもLV.2モードのものの方がVBモードへの移行確率が高くなるように、LV.2モードのものよりもLV.3モードのものの方がVBモードへの移行確率が高くなるように、LV.3モードのものよりもLV.4モードのものの方がVBモードへの移行確率が高くなるように設定されている。
ステップS1003では、ステップS1002にて取得したテーブルと、RAM106の各種カウンタエリア106eから取得した抽選用の乱数(カウンタ)とを用いて、VBモードの移行抽選を行う。そして、ステップS1004にて、ステップS1003の抽選結果が、VBモード当選に対応するものであったか否かの判定を行う。ステップS1004にて肯定判定した場合、ステップS1005にてRAM106の各種フラグ格納エリア106dにVBモード当選フラグをセットする処理を行う。その後、ステップS1006~ステップS1009にて、前兆ゲーム数の設定用の処理を行う。すなわち、ステップS1006にて前兆ゲーム数テーブルを取得し、ステップS1007にて前兆ゲーム数を抽選し、ステップS1008にて前兆ゲーム数をセットし、ステップS1009にて前兆コマンドをセットしてから第2特定役処理を終了する。
ステップS1004にて、VBモード抽選処理の結果がVBモード当選ではないと判定した場合、ステップS1010に進む。ステップS1010~ステップS1013は、ATモードレベルの昇格用の処理である。
ステップS1010では、ATモード昇格抽選処理を行う。かかる処理では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから、昇格抽選用のテーブルを取得するとともに、RAM106の各種カウンタエリア106eから、抽選用の乱数(カウンタ)を取得する。昇格抽選用のテーブルは、ATモードのレベルに応じて複数設けられており、具体的にはLV.1モード用のテーブル、LV.2モード用のテーブル、LV.3モード用のテーブルと、計3つ(LV.4モードに滞在している状況では昇格抽選を行わない)設けられている。各テーブルでは、抽選契機となる遊技結果の種類に応じて昇格抽選の当選確率がそれぞれ設定されている。例えば、強チェリーと弱チェリーとでは、強チェリーの方が弱チェリーよりも昇格抽選の当選確率が高く設定されている。また、各ATモード用のテーブルでは、LV.1モード用のテーブルよりもLV.2モード用のテーブルの方が昇格確率が低くなるように、LV.2モード用のテーブルよりもLV.3モード用のテーブルの方が昇格確率が低くなるように設定されており、ATモードのレベルが昇格するにつれて、次のレベルに昇格しにくくなるように設定されている。
ステップS1011では、ステップS1010の抽選結果が、昇格当選であったか否かを判定する。昇格当選であった場合には、ステップS1012にて、ATモードの昇格処理を行う。かかる処理では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに設けられたレベルフラグを、現状のATモードのレベルに対応するレベルフラグから1つ上位のレベルフラグに書き換える処理を行う。その後、ステップS1013にて、昇格コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行う。昇格コマンドには、昇格先のATモードの情報が含まれている。昇格コマンドを受信した表示制御装置81では、昇格先のレベルのATモード用の演出を行うように、補助表示部65等を制御する。補助表示部65におけるATモード用の演出として、例えば、ATモードのレベルに応じて異なる背景色の演出が設定されており、表示制御装置81では、上記昇格コマンドを受信した場合に、ATモードのレベルが昇格したことの報知を行うとともに、昇格先のレベルに応じた背景色でATモード用の演出を行うように制御する。
ステップS1011にて昇格抽選に当選していないと判定した場合、又はステップS1013の処理を実行した後は、ステップS1014~ステップS1021にてATモードの継続ゲーム数の上乗せ用の処理を行う。
すなわち、ステップS1014では、ATモードのゲーム数の上乗せ抽選処理を行う。かかる上乗せ抽選処理では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからATモード上乗せ抽選用のテーブルを取得するとともに、RAM106の各種カウンタエリア106eから抽選用の乱数(カウンタ)を取得する。ATモード上乗せ抽選用のテーブルは、図41に示すように、抽選結果の種類に応じて上乗せ抽選に当選する確率が異なるように設定されている。
ここで、本実施形態では、ATモードのゲーム数上乗せ抽選は、移行契機役に押し順ベルや押し順リプレイ、通常リプレイを含めた特定役が抽選契機となるように設定されている。図41に示すように、特定役のうち、押し順ベルや押し順リプレイ(以下、これらをまとめて「押し順役」とも称する)や通常リプレイは、移行契機役と比較してATモードのゲーム数上乗せ抽選の当選確率は低く設定されている。そのため、各ゲームの抽選結果として押し順役や通常リプレイが出現した場合よりも移行契機役が出現した場合のほうが、ATモードのゲーム数上乗せに期待が持てることになる。そうすると、遊技者は、それを前提として移行契機役当選となることに期待しながらゲームを進めると考えられる。その一方で、押し順役や通常リプレイは移行契機役と比較して各ゲームにおける当選確率が高く、比較的出現し易い遊技結果といえる。このような役構成とすることで、押し順役や通常リプレイを上乗せ契機役としての存在感を低くし、上乗せが発生した場合の意外性を高めることができる。しかも、これら押し順役や通常リプレイに基づく上乗せが行われる機会がATモード中に現実的に生じ得る程度のもの(より詳しくは初期ゲーム数である50ゲームを2~3回実行すれば1回は発生するであろう程度の出現率)となっている。そのため、上記のような押し順役や通常リプレイを契機とする上乗せといった意外性のある上乗せを、好適に発生させることが可能となっている。
続くステップS1015では上乗せ抽選に当選しているか否かの判定を行う。上乗せ抽選に当選していると判定した場合、ステップS1016にて、ボーナス当選フラグがセットされているか否かを判定する。ボーナス当選フラグがセットされていない場合には、ステップS1017に進み、ATモードの上乗せゲーム数の抽選処理を行う。かかる上乗せゲーム数の抽選処理では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからATモード上乗せゲーム数抽選用のテーブルを取得するとともに、RAM106の各種カウンタエリア106eから抽選用の乱数(カウンタ)を取得する。ATモード上乗せゲーム数抽選用のテーブルは、図41に示すように特定役の種類に応じて上乗せゲーム数が異なるように設定されている。例えば、強チェリーでは20ゲームから200ゲームのATモードの上乗せを行い、その平均上乗せゲーム数は30ゲームとなっている。また、弱チェリーでは5ゲームから300ゲームの上乗せを行い、その平均上乗せゲーム数は20ゲームとなっており、強チェリーの場合よりも弱チェリーのほうが多いゲーム数が選択される場合があるものの、その平均値としては強チェリーのほうが多いゲーム数となるように設定されている。
ステップS1018では、ATモードのゲーム数上乗せ処理を行う。かかる処理では、ATモードの継続ゲーム数を管理するカウンタ(より詳しくは、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたATモード継続カウンタ)に、ステップS1017により抽選された上乗せゲーム数に対応する値を加算する処理を行う。続くステップS1019では、上乗せ抽選に当選したことやそのゲーム数を報知するための上乗せ報知用処理を行う。
<上乗せ報知用処理>
ここで、本スロットマシン10では、ATモードの継続ゲーム数の上乗せが発生する場合の上乗せ報知の態様が複数設定されている。より詳しくは、上乗せ報知の態様として、上乗せ報知が行われるゲームが異なる複数の態様を有しており、上乗せが発生したゲーム又は上乗せが発生したゲームを契機とする一連のゲームにて上乗せ報知を行う場合(以下の説明では「即乗せ報知」とも称する)と、上乗せが発生したゲームよりも後のゲームであって報知ゲームが事後的に決定される上乗せ報知を行う場合(以下の説明では「後乗せ報知」とも称する)とが設定されている。
即乗せ報知において、上乗せが発生したゲームを契機とする一連のゲームとは、例えば、上乗せが発生したゲームを契機として、前兆モードが発生したり連続演出が発生したりする場合等を示し、当該上乗せが発生したゲームから複数のゲームに亘って継続し得るゲームを一連のゲームと称する。当該一連のゲームは、連続した演出が発生しない場合も含み、例えば、上乗せが発生したゲームにおいては対応する演出は発生せず、次のゲームや複数ゲーム後において上乗せ報知が発生する態様も、当該上乗せが発生したゲーム及び上乗せ報知が発生するまでの間のゲームを一連のゲームとし、かかる上乗せ報知の態様も即乗せ報知に含まれるものとする。
一方、後乗せ報知において、上乗せが発生したゲームよりも後のゲームであって事後的に決定される報知ゲームとは、上乗せが発生したゲームにおいて定められるのではなく、例えばATモードの終了間際のゲーム等、ATモードの進行に伴い事後的に報知タイミングが決定される点で、上記即乗せ報知における一連のゲームとは異なっている。言い換えるならば、上記報知ゲームは、上乗せが発生したゲームを契機とせずに設定されるゲームともいえる。
即乗せ報知と後乗せ報知について、図42を参照しながら、補助表示部65の表示内容の概要を説明する。
上記のとおり、即乗せ報知は、ATモード等の残りゲーム数(有利区間残りゲーム数ZG)のうちの一部のゲーム数を報知するものであり、後乗せ報知は、ATモード等の残りゲーム数を後から報知するものである。先に報知する側のゲーム数を表示用残数カウンタHGとし、後から報知する側のゲーム数を後乗せカウンタBGとすると、ATモード等の残りゲーム数(有利区間残りゲーム数ZG)は、表示用残数カウンタHGと後乗せカウンタBGとの合計値に等しくなる。表示用残数カウンタHGはゲームを消化する度に1ずつ減算され、後乗せカウンタBGはゲームを消化しても後乗せ報知が発生しない限り減算はなされない。
図42に示すように、本実施形態では、ATモードを消化している最中において、補助表示部65に表示される表示上の残りゲーム数(残りゲーム数表示ZGP)が所定数(1)となった場合に、すなわち、表示用残数カウンタHGが所定数(1)となった場合に、後乗せ報知が発生する。後乗せ報知では、後乗せカウンタBGに対応するゲーム数(図では150)の上乗せが行われたことが報知される。この場合、後乗せカウンタBGはその報知分減算される(図では0となる)とともに、表示用残数カウンタHGは後乗せ報知による報知分が上乗せされて更新され、補助表示部65における残りゲーム数表示ZGPも表示用残数カウンタHGに対応した値となる(図では1ゲーム消化して150)。
このように、上乗せ当選時において、後乗せ報知が選択されると表示用残数カウンタHGと実際のATモード等の残りゲーム数(有利区間残りゲーム数ZG)とに差が生じ得る。その一方で、即乗せ報知が選択されると表示用残数カウンタHGと実際のATモード等の残りゲーム数(有利区間残りゲーム数ZG)とに差が生じない。本スロットマシン10では、上乗せ当選時に後乗せカウンタBGが参照され、現状の後乗せカウンタBGの値によって、後乗せ報知が選択されるか即乗せ報知が選択されるかが異なっている。
上記のステップS1019における上乗せ報知用処理では、上乗せ報知を行うゲームの設定を行うとともに、当該ゲームにて上乗せ報知を行う場合、その上乗せ報知の実行タイミングの設定を行う。すなわち、図35に示すように、先ずステップS1101にて各種カウンタエリア106eの後乗せカウンタBGを把握する処理を行う。続くステップS1102では、報知ゲーム抽選処理を実行する。報知ゲーム抽選処理は、今回の上乗せ報知を、後乗せ報知とするか即乗せ報知とするかの抽選処理である。報知ゲーム抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから後乗せ抽選テーブルを取得し、ステップS1101にて把握した後乗せカウンタBGの値に応じて後乗せ報知とするか否かの抽選を行う。
後乗せ抽選テーブルは、図43に示すように、後乗せカウンタBGの値と、上乗せ当選の契機となった特定役の種類とによって、後乗せ報知が選択される確率が異なるように設定されている。例えば、強チェリーを契機とする上乗せ時においては、後乗せカウンタBGが30未満である場合には20%で後乗せ報知が選択される(80%で即乗せ報知が選択される)一方、後乗せカウンタBGが30以上100未満では10%で後乗せ報知が選択され、後乗せカウンタBGが100以上では5%で後乗せ報知が選択される、といったように、後乗せカウンタBGの値が大きいほど、後乗せ報知の選択率が低くなるように設定されている。
また、上乗せ当選の契機となった特定役の種類として、強チェリーや弱チェリー、強スイカ、弱スイカといった当選確率が比較的低い所謂レア役(低確率契機結果、低確率結果)よりも、各種押し順リプレイや各種押し順ベルといった当選確率が比較的高い所謂通常役(高確率契機結果、高確率結果)のほうが、後乗せカウンタBGの値が小さい場合の後乗せ選択率が高くなるように設定されている。より詳しくは、各種押し順リプレイや各種押し順ベルを契機とする報知ゲーム抽選処理では、後乗せカウンタBGが30未満である状況では100%の確率で後乗せ報知が選択される。
上記のように、後乗せカウンタBGは、表示用残数カウンタHGが所定数となってから上乗せ報知が行われて、その上乗せ報知分減算される。そのため、基本的には、ATモードの遊技が進行するにつれて、後乗せカウンタBGの値は大きくなる場合が多く、逆に、ATモードの遊技の序盤においては、後乗せカウンタBGの値は0又は小さい値である可能性が高い。
すなわち、ATモードの遊技の序盤において上乗せ当選した場合、後乗せ報知が選択される確率が高く、特に、押し順リプレイや押し順ベルのようなレア役ではない通常役を契機として上乗せ当選した場合には、ATモードの序盤であれば必ず後乗せ報知が選択される。その結果、ATモードの開始後、後乗せカウンタBGは比較的早期に溜まり易くなる。
ステップS1102にて報知ゲーム抽選処理を実行した後は、ステップS1103にて、後乗せ当選したか否かを判定する。後乗せ当選しておらず、即乗せ報知が選択された場合、ステップS1104にて、各種カウンタエリア106eに設けられた表示用残数カウンタHGに、今回の上乗せ当選ゲームを加算する処理を行う。そして、ステップS1105にて、今回のゲームにおいて、いずれのタイミングにて上乗せ報知を実行するかを設定するための、報知タイミング設定処理を実行する。報知タイミング設定処理では、今回のゲームにおけるどのタイミングで上乗せ報知を行うかを設定する処理である。
一のゲームにおいて上乗せ報知は、上乗せゲーム数に応じて実行タイミングが異なるように設定されている。具体的には、図44の実行タイミングテーブルに示すように、今回のゲームにおける上乗せ報知の実行タイミングとして、各リール32L,32M,32Rの停止操作順に、第1リール、第2リール、第3リールとすると、第1リールの停止操作時、第2リールの停止操作時、第3リールの停止操作時が設定されている。そして、各リールの停止操作のうちストップスイッチ42~44の押圧操作が行われたとする停止ON操作が行われたタイミングと、当該押圧操作を終了したとする停止OFF操作が行われたタイミングと、が設定されている。
ここで、ストップスイッチ42~44の操作態様について、補足説明する。ストップスイッチ42~44は最も手前側に配置される初期位置から、最も奥側に配置される操作位置まで変位可能となっている。初期位置に配置される状況では、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号はLOW状態となっており、初期位置から操作位置まで操作されることによって、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。そして、主制御装置101では、検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わったことに基づいて、ストップスイッチ42~44の押圧操作が行われたとする停止ON操作が行われたと把握する。
また、ストップスイッチ42~44は、バネ等によって初期位置に向けて付勢されている。そのため、ストップスイッチ42~44から手を離して、操作位置に向けて押し込んだ操作力(押圧力)を付与しないようにすると、ストップスイッチ42~44は、上記バネ等の付勢力によって、初期位置に復帰する。この場合、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号は、HI信号からLOW信号に切り換わる。そして、主制御装置101では、検知信号がHI信号からLOW信号に切り換わったことに基づいて、ストップスイッチ42~44の押圧操作が終了されたとする停止OFF操作が行われたと把握する。
上乗せ報知は、各ストップスイッチ42~44の停止操作として、停止ON操作時と停止OFF操作時とのいずれでも発生し得るように設定されている。つまり、上乗せ報知が発生するゲームでは、ストップスイッチ42~44を押圧操作したタイミングだけでなく、押圧操作を終了したタイミングでも当該上乗せ演出が発生し得る。
上乗せ報知の実行タイミングテーブルでは、上乗せゲーム数が比較的少ないゲーム数として、例えば5ゲーム~10ゲームの上乗せが発生する場合、第1リールの停止ON操作が行われたタイミングが5%で選択され、第1リールの停止OFF操作が行われたタイミングは10%、第2リールの停止ON操作は15%、第2リールの停止OFF操作は20%、第3リールの停止ON操作は20%、第3リールの停止OFF操作(全リール停止時)は30%で、それぞれ選択される。この場合、各リールの停止ON操作時の方よりも、停止OFF操作時の方が選択され易くなっているとともに、後側の操作の方が選択され易くなっている。
一方、上乗せゲーム数が比較的多いゲーム数として、例えば100ゲーム以上の上乗せが発生する場合、第1リールの停止ON操作が行われたタイミングが5%で選択され、第1リールの停止OFF操作が行われたタイミングは10%、第2リールの停止ON操作は5%、第2リールの停止OFF操作は30%、第3リールの停止ON操作は5%、第3リールの停止OFF操作(全リール停止時)は45%で、それぞれ選択される。この場合も、各リールの停止OFF操作時の方が、停止ON操作時よりも選択され易くなっているとともに、後側の操作の方が比較的、選択され易くなっている。
つまり、本実施形態では、各リールの停止ON操作時よりも停止OFF操作時の方が、上乗せ報知が発生し易くなるように設定されている。また、第1~第3リールを比較すると、第3リールの停止操作時(ON操作、OFF操作)が最も選択され易く、第2リールの停止操作時が次いで選択され易く、第1リールの停止操作時が最も選択されにくくなるように設定されている。
上乗せゲーム数との関係からすると、上乗せゲーム数が多いほど、特に第3リール停止OFF操作時のタイミングが選択され易くなっている。つまり、上乗せ報知が発生することを事前に察知している場合、第3リール停止ON操作時までに上乗せ報知が発生しなければ、遊技者は、多量のゲーム数の上乗せが発生することに大いに期待しながら、第3リール停止OFF操作を実行するものと考えられる。
ステップS1105では、上記上乗せ報知の実行タイミングテーブルに基づいて、今回のゲームにおける上乗せ報知の実行タイミングを設定する。その後、本上乗せ報知用処理を終了する。この場合、今回の上乗せが即乗せ報知として、今回のゲームにて報知されることの情報、及び、今回のゲームにおける上乗せ報知の実行タイミングに関する情報は、本上乗せ報知用処理に続けて実行される上乗せコマンドのセット処理(ステップS1020)にて、上乗せコマンドに設定される。これらの情報を含む上乗せコマンドを受信した表示制御装置81では、これらの情報に基づいて、上乗せ報知演出の設定を行う。この処理については、後に説明する。
ステップS1103にて後乗せ抽選に当選したと判定した場合、ステップS1106に進む。ステップS1106では、各種カウンタエリア106eに設けられた後乗せカウンタBGに、今回の上乗せゲーム数を加算する処理を実行する。そして、ステップS1107にて各種フラグ格納エリア106dに後乗せフラグをセットする処理を行ってから、本上乗せ報知用処理を終了する。
後乗せフラグは、後乗せカウンタBGの値が0よりも大きく、表示用残数カウンタHGが所定値となった場合に後乗せ報知そ行うべき状況であることを、主制御装置101のCPU102が把握するためのフラグである。また、この場合、本上乗せ報知用処理に続けて実行される上乗せコマンドのセット処理では、今回のゲームにて上乗せ報知が発生しないことの情報が上乗せコマンドに設定される。この情報を含む上乗せコマンドを受信した表示制御装置81では、今回のゲームでは上乗せ報知が発生しないように制御する。
第2特定役処理(図34)の説明に戻り、ステップS1019にて上乗せ報知用処理を実行した後は、ステップS1020にて上乗せ報知用処理の処理結果を含む上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行ってから、本第2特定役処理を終了する。上乗せコマンドには、上乗せが発生したこと、上乗せゲーム数及び上乗せを行う対象の情報が含まれている。
ステップS1016にてボーナス当選フラグがセットされている場合には、ステップS1021に進む。ステップS1021では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにATモード上乗せフラグをセットしてから、本第2特定役処理を終了する。ATモード上乗せフラグは、ATモードのゲーム数の上乗せ条件が成立していることをCPU102が把握するためのフラグである。詳細は後述するが、ATモード上乗せフラグがセットされている状況でボーナスが終了する場合に、ボーナス終了時にATモードの上乗せが行われる。すなわち、ボーナス同時当選か否かによって、上乗せ報知が行われるゲームが異なるように設定されている。
ステップS1015にて上乗せ抽選に非当選であると判定した場合、ステップS1022に進む。ステップS1022では、特化ゾーンへの移行抽選を実行する。すなわち、ATモード中に特定役に当選した場合において、VBモードへの移行抽選やATモードのゲーム数上乗せ抽選等に当選しなかった場合に、特化ゾーンへの移行抽選が行われる。特化ゾーン抽選処理では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから特化ゾーン移行抽選用のテーブルを取得するとともに、抽選用の乱数(カウンタ)等によって、表示モードを特化ゾーンへ移行させるか否かの抽選を行う。特化ゾーン移行抽選用のテーブルは、図39に示すように、特定役の種類によって移行抽選の当選確率が異なるように設定されている。例えば、強チェリーに基づく特化ゾーン移行抽選では約5%の確率で当選し、弱チェリーに基づく特化ゾーン移行抽選では約0.8%の確率で当選する。一方、強スイカに基づく特化ゾーン移行抽選では約2%の確率で当選し、弱スイカに基づく特化ゾーン移行抽選では約0.8%の確率で当選する。
ステップS1023では、上記ステップS1022の処理結果に基づいて、特化ゾーンへの移行抽選に当選したか否かを判定する。当選している場合には、ステップS1024にて、各種フラグ格納エリア106dに特化ゾーン当選フラグをセットする処理を行う。そして、ステップS1025にて前兆ゲーム数テーブルを取得する処理を行い、ステップS1026にて前兆ゲーム数の抽選処理を行い、ステップS1027にて前兆ゲーム数をセットする処理を行い、ステップS1028にて前兆コマンドをセットする処理を行ってから、第2特定役処理を終了する。ステップS1025~ステップS1028の処理は、例えばステップS1006~ステップS1009の処理と同様であり、前兆モードを設定するための処理である。
ステップS1023にて否定判定し、VBモードへの移行抽選、ATモードのゲーム数上乗せ抽選、及び特化ゾーンへの移行抽選のいずれにも非当選であった場合、ステップS1029にて疑似上乗せ報知用処理を行ってから、第2特定役処理を終了する。疑似上乗せ報知用処理は、これら抽選に非当選であったとしても当選時と似た演出を発生させることによって期待感を持続させるための処理である。
<第3特定役処理>
次に、ステップS708にて実行される第3特定役処理について、図36のフローチャートを参照しながら説明する。
第3特定役処理では、ATモードの継続ゲーム数の上乗せ用の処理や特化ゾーンに移行させるか否かの移行抽選を行う。すなわち、ステップS1201では、ATモードのゲーム数上乗せ抽選処理を行う。かかる処理は、ステップS1014の処理と同様である。なお、ステップS1014の抽選処理とステップS1201の抽選処理とで、上乗せ抽選の当選確率を異ならせてもよい。
ステップS1202では、ステップS1201の抽選結果が、上乗せ当選結果であったか否かを判定する。上乗せ抽選に当選していると判定した場合、ステップS1203にて、ボーナス当選フラグがセットされているか否かを判定する。ボーナス当選フラグがセットされていない場合には、ステップS1204に進み、ATモードの上乗せゲーム数の抽選処理を行う。そして、ステップS1205にてATモードのゲーム数上乗せ処理を行い、ステップS1206にて上乗せ報知用処理を行い、ステップS1207にて上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行ってから、本第3特定役処理を終了する。ステップS1203~ステップS1207の処理は、ステップS1016~ステップS1020の処理と同様である。なお、ステップS1016の抽選処理とステップS1204の抽選処理とで、上乗せゲーム数を異ならせてもよい。
ステップS1202にて否定判定した場合には、ステップS1209へ進む。ステップS1209では、特化ゾーンへの移行抽選を実行する。すなわち、VBモード中に特定役に当選した場合において、ATモードのゲーム数上乗せ抽選に当選しなかった場合にも、特化ゾーンへの移行抽選が行われる。特化ゾーン抽選処理は、上記ステップS1022の処理と同様であり、特化ゾーン移行抽選用のテーブルに基づいて行われる(図39)。ステップS1210~ステップS1216の処理は、上記ステップS1023~ステップS1029の処理と同様である。また、ステップS1203にてボーナス当選フラグがセットされていると判定した場合には、ステップS1207にてATモード上乗せフラグをセットしてから、第3特定役処理を終了する。ATモード上乗せフラグについては、上述したとおりである。
抽選結果対応処理(図31)の説明に戻る。ステップS705、ステップS707及びステップS708のいずれかの処理を実行した後は、ステップS709にて、今回の抽選処理の結果が押し順リプレイや押し順ベルの押し順役当選であったか否かを判定する。押し順役当選であった場合には、ステップS710にて押し順役処理を実行する。かかる押し順役処理については、後に詳細に説明する。
ステップS709にて否定判定した場合、又はステップS710の処理を実行した後は、ステップS711に進む。ステップS711では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに上乗せ特化ゾーンに対応する特化ゾーンフラグがセットされているか否かを判定する。特化ゾーンフラグは、上記のとおり、SATモードへの移行抽選や特化ゾーンへの移行抽選に当選することに基づいて特化ゾーン当選フラグがセットされた後、特化ゾーンへの移行が生じた場合(第7再遊技入賞が成立した場合)にセットされるフラグである。ステップS711にて特化ゾーンフラグがセットされている場合には、ステップS712にて特化ゾーン用処理を実行する。ステップS711にて否定判定した場合、又はステップS712の処理を実行した後は、本抽選結果対応処理を終了する。
<特化ゾーン用処理>
特化ゾーン用処理について、図37のフローチャートを参照しながら説明する。
特化ゾーン用処理では、先ず、ステップS1301にて今回の抽選処理の結果を把握する。続くステップS1302では、ATモードの上乗せゲーム数抽選処理を行う。続くステップS1303では、ATモードのゲーム数上乗せ処理を行う。そして、ステップS1304にて、上乗せ報知用処理を実行し、ステップS1305にて上乗せコマンドをセットしてから、特化ゾーン用処理を終了する。ステップS1302~ステップS1305の処理は、ステップS1017~ステップS1020の処理と同様である。但し、ステップS1302の上乗せゲーム数抽選処理の方が、ステップS1017の上乗せゲーム数抽選処理よりも、選択されるゲーム数が多くなっている(図41)。また、特化ゾーンにおいては、遊技結果に関わらず、必ずATモードのゲーム数上乗せが発生するように設定されている(図41)。
以上のように、抽選結果対応処理においては、有利区間中でなければ有利区間への移行抽選が行われ、有利区間中であれば、ATモードやVBモードへの移行抽選や、ATモードの継続ゲーム数の上乗せ用の処理等が行われる。言い換えると、特定役当選となった場合でも、有利区間ではなく通常区間であれば、ATモードやVBモードの移行抽選や、ATモードの継続ゲーム数の上乗せ用の処理等は基本的には行われず、その実施が制限される。つまり、通常区間は、有利区間と比較して、ATモード等の指示機能に関する処理の実行が制限される区間ともいえる。ATモードやVBモードへの移行抽選に当選した場合には、前兆ゲームを経てから、当該移行抽選に当選したことの報知が行われる。そこで、以下、表示モードの移行抽選の結果に基づいて遊技状態を移行させるための処理について説明する。
<表示モードの移行抽選の結果に基づいて遊技状態を移行させるための処理>
(2)表示モードの移行抽選の結果に基づいて遊技状態を移行させるための処理では、表示モードの移行抽選に当選したことの報知を行うための処理と、遊技状態を移行させるための報知を行うための処理と、が行われる。そこで、先ず、移行抽選に当選したことの報知に関する処理について説明する。
<モード移行報知用処理>
移行抽選に当選したことの報知は、通常処理(図15)におけるモード移行報知用処理(ステップS206)にて行われる。モード移行報知用処理は、所定のベット操作が行われた場合(ステップS205のベット数が規定数であると判定された場合)に実施される処理である。以下、モード移行報知用処理について、図45のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1401では、前兆ゲーム数が0であるか否かを判定する。前兆ゲーム数のカウントは、後述する入賞結果対応処理にて行われ、1ゲーム消化する度に前兆ゲーム数が1ずつ減算される。前兆ゲーム数が0ではない場合は、そのままモード移行報知用処理を終了する。
前兆ゲーム数が0である場合、ステップS1402にてボーナス当選フラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、今回の前兆モードがボーナス当選を契機とする前兆モードであったか否かを判定する。ボーナス当選フラグがセットされている場合には、ステップS1403にてボーナス当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットしてから、本モード移行報知用処理を終了する。ボーナス当選報知コマンドを受信した表示制御装置81は、例えば、補助表示部65にて「ボーナス確定!!」と表示することにより、ボーナスに当選していることの報知を行う。なお、当選しているボーナスの種類(第1BB及び第2BBのいずれか)を合わせて報知する構成としてもよい。
ちなみに、本実施形態では、ボーナスとATモード等が同時当選している場合、ステップS1403にて報知したボーナスの終了時にATモード等の当選報知が行われる構成としている。かかる当選報知に関する処理については後に詳細に説明するが、ボーナス当選報知に合わせてATモード等の当選報知を行う場合、ステップS1403にて設定するボーナス当選報知コマンドに合わせて、ATモード等の当選報知コマンドを設定する構成とするとよい。
ステップS1402にて否定判定した場合、ステップS1404に進む。ステップS1404では、ATモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、今回の前兆モードが、ATモード当選を契機とする前兆モードであったか否かを判定する。ATモード当選フラグがセットされている場合、ステップS1405にて、ATモード当選フラグをクリアする。そして、ステップS1406にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにAT用報知フラグをセットする。AT用報知フラグは、ATモードの移行抽選に当選したことに伴って、遊技状態を第2RT状態へ移行させるためのフラグである。その後、ステップS1407にてATモード当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。ATモード当選報知コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモード移行抽選に当選したことの報知を、補助表示部65等により行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。ステップS1407の処理を実行した後は、本モード移行報知用処理を終了する。
ちなみに、本実施形態では、SATモードの当選報知の態様は、ATモードの当選報知の態様と異なる態様としている。そのため、ステップS1407では、SATモードか否かの情報を含むように、ATモード当選報知コマンドを設定する構成とするとよい。ATモードの当選報知の態様と、SATモードの当選報知の態様とは、遊技者が識別可能な程度に異なる態様であればよく、より好ましくは、有利度の高いSATモードの当選報知の態様の方が、ATモードの当選報知の態様よりも派手な態様であるとよい。
なお、これらATモードとSATモードの当選報知の態様を共通化させる構成としてもよい。このようにすることで、ATモード当選報知ゲームから開始報知ゲームまでの間に、当選している内容が、ATモードからSATモードに昇格したかのように見せることが可能となり、ATモード当選報知ゲームと開始報知ゲームとが異なることによる間延びを解消することができる。
ステップS1404にてATモード当選フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS1408にてVBモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、今回の前兆モードが、VBモード当選を契機とする前兆モードであったか否かを判定する。VBモード当選フラグがセットされている場合、ステップS1409にて、VBモード当選フラグをクリアする。そして、ステップS1410にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにVB用報知フラグをセットする。VB用報知フラグは、VBモードの移行抽選に当選したことに伴って、遊技状態を第3RT状態へ移行させるためのフラグである。その後、ステップS1411にてVBモード当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。VBモード当選報知コマンドを受信した表示制御装置81は、VBモード移行抽選に当選したことの報知を、補助表示部65等により行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。ステップS1411の処理を実行した後は、本モード移行報知用処理を終了する。
ステップS1408にてVBモード当選フラグがセットされていないと判定した場合は、ステップS1412に進む。ステップS1412では、特化ゾーン当選フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのままモード移行報知用処理を終了する。セットされている場合には、ステップS1413にて、当該特化ゾーン当選フラグをクリアする処理を行う。そして、ステップS1414にて、各種フラグ格納エリア106dに特化ゾーン用報知フラグをセットする処理を行う。特化ゾーン用報知フラグは、第7再遊技入賞に対応する押し順報知を実行するためのフラグである。ステップS1414の処理を実行した後は、ステップS1415にて特化ゾーン当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットしてから、本モード移行報知用処理を終了する。特化ゾーン当選報知コマンドを受信した表示制御装置81は、特化ゾーンに当選したことの報知を行うように、補助表示部65やスピーカ64を制御する。
すなわち、前兆モードを経て移行するATモード、VBモード及び特化ゾーンについては、前兆モードの前兆ゲーム数が0となった際のベット操作に基づいて、ATモード移行抽選やVBモード移行抽選に当選したことの報知だけが行われ、前兆ゲーム数が0となってもATモードやVBモード、特化ゾーンは開始されない。これは、表示モードとしてのATモードやVBモードは遊技状態の移行を伴い、具体的にはATモードは第2RT状態へ移行することで開始され、VBモードは第3RT状態へ移行することで開始されることによるものである。なお、特化ゾーンについては遊技状態の移行を伴わない場合(第3RT状態→第3RT状態)もあるが、本実施形態では第3RT状態中の第7再遊技当選ゲームを開始ゲームとしているため、上記処理構成となる。
既に説明したとおり、第2RT状態へは第1昇格リプレイ1~4に当選した場合であって、第3再遊技入賞が成立した場合に移行し、第3RT状態へは第2昇格リプレイ1,2に当選した場合であって、第4,第5再遊技入賞が成立した場合に移行する。そして、第1昇格リプレイ1~4に当選し、第3再遊技入賞が成立する場合や、第2昇格リプレイ1,2に当選し、第4,第5再遊技入賞が成立する場合とは、これら昇格リプレイ当選時のストップスイッチ42~44の操作順序が、第3再遊技入賞等に対応するものであった場合である。そこで、ATモードやVBモードへの移行抽選に当選した場合には、その後に、これら遊技状態を移行させることとなる役に当選したゲームにおいて、ストップスイッチ42~44の操作順序を報知して、遊技状態を移行させることを可能とする構成としている。なお、ATモードやVBモードの移行抽選に当選したことの報知が行われてから、ATモードやVBモードが開始されるまで(遊技状態が移行するまで)は、準備状態としての報知(例えば「準備中」という報知)が行われる。
<表示モードの移行に関する説明>
遊技状態を移行させるための報知用の処理は、抽選結果対応処理(図31)における、押し順役処理(ステップS710)にて行われる。ここでは、押し順役処理の説明に先立って、ストップスイッチ42~44の操作順序が報知される場合の概要について図46を参照しながら説明する。
<押し順報知演出の概要>
押し順役当選時の操作順序の報知(押し順報知、押し順報知演出、順序報知、態様報知)は、主に補助表示部65及び指示モニタ68にて行われる。ここでは、今回報知する操作順序が、中→右→左である場合の押し順役に当選している場合を例として、補助表示部65での押し順報知演出を説明する。指示モニタ68における押し順報知については、後に詳細に説明する。
図46(a)に示すとおり、補助表示部65では、ストップスイッチ42~44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップスイッチに対応するボタン表示(図では中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、各ボタン表示は、当選役に対応する色(ベルなら黄色、再遊技なら青色等)にて表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて当選している役と、最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。また、補助表示部65では、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であり、最後に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを示すように、右のボタン表示に数字の2が付されて表示され、左のボタン表示に数字の3が付されて表示される。
遊技者が中ストップスイッチ43を操作すると、図46(b)に示すように、補助表示部65では、中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示が消え、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、中ストップスイッチ43の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であることを確認することができる。
遊技者が右ストップスイッチ44を操作すると、図46(c)に示すように、補助表示部65では、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が消え、左ストップスイッチ42に対応する左のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、右ストップスイッチ44の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを確認することができる。
押し順報知の実行タイミングについて説明すると、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから、加速期間を経て定速回転に至るまでのストップスイッチ42~44の無効期間中に、押し順報知が実行されるように設定されている。このようにストップスイッチ42~44の操作が有効となるよりも前のタイミングで押し順報知を実行する構成とすることで、ストップスイッチ42~44の操作順序を認識したうえでストップスイッチ42~44の操作に望ませることが可能となり、テンポ良く遊技を進行させることができる。
<押し順役処理>
次に、抽選結果対応処理(図31)におけるステップS710にて実行される押し順役処理について、図47のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1501では、今回の抽選結果が第1昇格リプレイ1~4のいずれかであるか否かを判定する。ステップS1501にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によって、第1再遊技又は第3再遊技が入賞する場合である。この場合、ステップS1502に進み、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにAT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。既に説明したとおり、AT用報知フラグは、モード移行報知用処理(図45)において、ATモードへの移行抽選に当選した後、前兆モードの前兆ゲーム数が0となることでセットされるフラグである。
AT用報知フラグがセットされている場合には、ステップS1503にて、第3再遊技の押し順報知用の処理を実行する。具体的には、第1再遊技及び第3再遊技のうち、第3再遊技入賞に対応する操作順序を報知する(図23(a)参照)。その後、ステップS1504にて、押し順報知コマンドをサブ側の制御装置である表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。押し順報知コマンドには、今回の表示モードの情報と、抽選結果の情報とが含まれている。押し順報知コマンドを受信したことに基づく表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
なお、ステップS1503にて第3再遊技入賞に対応する操作順序の報知を行う場合とは、基本的には、ATモードへの移行抽選に当選し、前兆モードを経てATモードの当選報知が行われた後であって、ATモードへの移行前が想定される。すなわち、第2RT状態や第3RT状態での抽選テーブルでは第1昇格リプレイ1~4は当選しないようになっており、第1RT状態でのみ第1昇格リプレイ1~4に当選する。但し、ATモード中であっても、誤操作等によって遊技状態が第2RT状態から第1RT状態へ転落してしまう場合もあり、このような場合であっても、第1昇格リプレイ1~4に当選することで、早期に第2RT状態へ復帰させることが可能となっている。
ステップS1501にて否定判定した場合、ステップS1505にて、今回の抽選結果が転落リプレイ1~3のいずれかであるか否かを判定する。ステップS1505にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によって、第1再遊技又は第2再遊技が入賞する場合である。この場合、ステップS1506にて、上記AT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。AT用報知フラグがセットされている場合には、ステップS1507にて、第1再遊技の押し順報知用の処理を実行する。具体的には、第1再遊技及び第2再遊技のうち、第1再遊技入賞に対応する操作順序を報知する(図23(b)参照)。その後、ステップS1508にて、押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。
このように、ATモードへの移行抽選に当選している状況において第1昇格リプレイ1~4に当選すると、第3再遊技入賞に対応する操作順序の報知が行われることにより、遊技状態を第2RT状態に移行させることが可能となる。一方、ステップS1502にて否定判定した場合は、押し順報知用の処理を行うことなく、そのまま押し順役処理を終了する。そのため、例えば、第1RT状態において、ATモードに当選することなく第1昇格リプレイ1~4に当選しても、第1再遊技入賞が成立する場合と、第3再遊技入賞が成立する場合と、がある。
また、AT用報知フラグがセットされている状況で転落リプレイ1~3に当選した場合に、第1再遊技入賞に対応する操作順序の報知が行われることにより、遊技状態を第1RT状態に移行させないようにすることが可能となる。一方、ステップS1506にて否定判定した場合は、押し順報知用の処理を行うことなく、そのまま押し順役処理を終了する。そのため、例えば、ATモードが終了してAT用報知フラグがクリアされ、表示モードが通常モードに移行すると、転落リプレイ1~3の当選によって、第2再遊技入賞が成立する場合があり、RT状態が第2RT状態や第3RT状態から第1RT状態に移行することになる。
また、例えば、第1RT状態において、ATモードに当選することなく第1昇格リプレイ1~4に当選し、たまたま操作順序が第3再遊技入賞に対応するものであって第3再遊技入賞が成立した場合であっても(第2RT状態に移行した場合であっても)、転落リプレイ1~3の当選によって、第2再遊技入賞が成立し得る。そのため、上記のように、ATモードに当選することなくたまたま第2RT状態に移行した場合であっても、その後、速やかに第1RT状態に移行することとなる。
ステップS1505にて否定判定した場合、ステップS1509にて、今回の抽選結果が第2昇格リプレイ1,2のいずれかであるか否かを判定する。ステップS1509にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によって、第1再遊技、第4再遊技又は第5再遊技が入賞する場合である。この場合、ステップS1510にて、上記AT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。AT用報知フラグがセットされている場合には、ステップS1511にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにVB用報知フラグ又は特化ゾーン用報知フラグがセットされているか否かを判定する。既に説明したとおり、VB用報知フラグは、モード移行報知用処理(図45)において、VBモードへの移行抽選に当選した後、前兆モードの前兆ゲーム数が0となることでセットされるフラグである。また、特化ゾーン用報知フラグは、モード移行報知用処理(図45)において、特化ゾーンへの移行抽選に当選した後、前兆モードの前兆ゲーム数が0となることでセットされるフラグである。
VB用報知フラグ又は特化ゾーン用報知フラグがセットされている場合、ステップS1512にて第4再遊技又は第5再遊技の押し順報知用の処理を実行する。具体的には、第1再遊技、第4再遊技及び第5再遊技のうち、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞に対応する操作順序を報知する(図23(b)参照)。その後、ステップS1513にて、押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。
ステップS1510にて否定判定した場合には、押し順報知用の処理を行うことなく、そのまま押し順役処理を終了する。一方、ステップS1511にて否定判定した場合には、ステップS1507にて第1再遊技の押し順報知用の処理を実行するとともに、ステップS1508にて押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。そのため、VBモードや特化ゾーンに当選することなく、第2昇格リプレイ1,2に当選した場合において、ATモード中であれば第1再遊技入賞に対応する押し順報知演出が行われ、ATモード中ではなければ押し順報知演出は行われない。
ステップS1509にて否定判定した場合、ステップS1514にて、今回の抽選結果がBARリプレイであるか否かを判定する。ステップS1514にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によっては、第1再遊技、第3再遊技及び第6再遊技~第8再遊技のいずれかが入賞する場合である。この場合、ステップS1515にて、AT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。AT用報知フラグがセットされている場合、ステップS1516にて特化ゾーン用報知フラグがセットされているか否かを判定する。AT用報知フラグがセットされており、且つ特化ゾーン用報知フラグがセットされている場合、ステップS1517にて、第7再遊技の押し順報知用の処理を実行する。具体的には、第1再遊技、第3再遊技及び第6再遊技~第8再遊技のうち、第7再遊技入賞に対応する操作順序を報知する(図23(c)参照)。その後、ステップS1518にて、押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。
ステップS1515にて否定判定した場合には、押し順報知用の処理を行うことなく、そのまま押し順役処理を終了する。一方、ステップS1516にて否定判定した場合には、ステップS1503にて第3再遊技の押し順報知用の処理を実行するとともに、ステップS1504にて押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。そのため、VBモードや特化ゾーンに当選することなく、BARリプレイに当選した場合において、ATモード中であれば第3再遊技入賞に対応する押し順報知演出が行われて第2RT状態への移行が生じ、ATモード中ではなければ押し順報知演出は行われない。
ステップS1514にて否定判定した場合、ステップS1519にて、今回の抽選結果が押し順ベル当選であるか否かを判定する。押し順ベル当選である場合、ステップS1520にて、AT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。セットされている場合には、ステップS1521にて第1小役入賞に対応する操作順序を報知するための押し順報知用の処理を実行する(図19参照)。その後、ステップS1522にて、押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。ステップS1520にて否定判定した場合は、押し順報知用の処理を行うことなく、そのまま本押し順役処理を終了する。
なお、AT用報知フラグがセットされている状況で押し順ベル当選した場合(ステップS1520にて肯定判定した場合)、今回の遊技状態が通常遊技状態であれば、第1小役入賞に対応する押し順報知を行わないようにするとよい。このようにすることで、移行出目が停止することとなり、遊技状態を第1RT状態へ移行させること、すなわち、その後に第1昇格リプレイ1~4当選となって高RT状態へ移行させることが可能となる。
ステップS1519にて否定判定した場合、ステップS1523にて今回の抽選結果が移行リプレイであるか否かを判定する。移行リプレイ当選である場合、ステップS1524にて特別報知用処理を実行してから、押し順役処理を終了する。また、ステップS1523にて否定判定した場合にも、押し順役処理を終了する。ステップS1524の特別報知用処理は、移行リプレイ当選時に第4RT状態へ移行させるための処理である。なお、既に説明した通り、本実施形態ではいずれの遊技状態においても移行リプレイに当選しないように設定されている。そのため、第4RT状態への移行も生じない。ステップS1524の処理は、移行リプレイに当選し得るように設定される実施形態の説明に際して、詳細に説明する。
<入賞結果に基づいて表示モードを移行させるための処理>
<入賞結果対応処理>
次に、上記のように遊技状態を移行させるための報知を行った結果、遊技状態を移行させることに対応する役が入賞した場合の処理について説明する(3)。この処理は、リール制御処理(図18)における入賞結果対応処理(ステップS414)にて行われる。以下、入賞結果対応処理について、図48のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1601では、ゲーム数管理処理を実行する。詳細は後述するが、このゲーム数管理処理では、上記の前兆モードにおける前兆ゲーム数のカウントの他、ATモード、VBモード、特化ゾーンにおける継続ゲーム数のカウント等を行う。続くステップS1602では、後乗せ報知用処理を実行する。後乗せ報知用処理は、上記図42にて説明した後乗せ報知を行うための処理であり、表示用残数カウンタHGが所定値(1)となったことに基づいて後乗せフラグがセットされていることを条件として後乗せカウンタBGに対応する上乗せ報知(後乗せ報知)を実行する。そして、実行した上乗せ報知に対応する値を表示用残数カウンタHGに加算するとともに後乗せカウンタBGから減算し、後乗せカウンタBGが0であることを条件として後乗せフラグをクリアする。
続くステップS1603では、今回の停止結果が、第3再遊技入賞が成立しているか否かを判定する。上記のとおり、第3再遊技入賞が成立している場合、RT状態処理(図21)では、遊技状態を第2RT状態に移行するための処理が行われる。この場合、ステップS1604にて、AT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。AT報知用フラグがセットされていない場合とは、ATモードへの移行条件が成立することなく第3再遊技入賞が成立した場合であり、この場合、ATモード開始用の処理を行うことなく、そのまま入賞結果対応処理を終了する。AT用報知フラグがセットされている場合、ステップS1605にて、現状の表示モードがATモード中であるか否かを判定する。具体的には、各種フラグ格納エリア106dにATモードフラグがセットされているか否かを判定する。上記のとおり、ATモードフラグは、表示モードがATモードであることをCPU102が特定するためのフラグである。ちなみに、表示モードを特定するためのフラグとしては、ATモードフラグの他、VBモードフラグ、特化ゾーンフラグ、BBモードフラグが設けられている。なお、本実施形態では、表示モードがATモードよりも上位のRT状態に対応するモード(VBモード、上乗せ特化ゾーン)である場合、ATモードフラグがそのモードの対応するフラグ(VBモードフラグ、特化ゾーンフラグ)と並存する構成としている。そのため、例えば、ステップS1605にて、ATモードフラグがセットされていると判定する場合とは、ATモード中である場合の他、VBモード中である場合や特化ゾーン中である場合が含まれる。
ステップS1605にて、ATモードフラグがセットされている場合には、既に表示モードがATモードであるため、そのまま、本入賞結果対応処理を終了する。一方、ATモードフラグがセットされていない場合には、ステップS1606~ステップS1609にてATモードの開始用の処理を行う。
すなわち、ステップS1606では、ATモードフラグをセットする。続くステップS1607では、ATモード開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。ATモード開始コマンドを受信した表示制御装置81は、次ゲームからATモードが開始されることの報知を、補助表示部65等により行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。その後、ステップS1608にて、ATモード継続数のカウントを開始する。具体的には、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたATモード継続カウンタにATモードの継続ゲーム数の初期値(例えば50)をセットする。
ステップS1608の処理を行った後は、ステップS1609にて特化ゾーンフラグがセットされているか否かを判定する。ステップS1609にて肯定判定する場合とは、今回当選したATモードがSATモードであることを意味し、この場合、ステップS1610にて特化ゾーン当選フラグをクリアしてから、上乗せ特化ゾーン開始用の処理(ステップS1619~ステップS1621)に進む。上乗せ特化ゾーン開始用の処理については、後に説明する。ステップS1609にて否定判定した場合は、そのまま入賞結果対応処理を終了する。
ステップS1603にて、第3再遊技入賞が成立していないと判定した場合、ステップS1611に進む。ステップS1611では、今回の停止結果として、第4,第5再遊技入賞が成立しているか否かを判定する。上記のとおり、第4,第5再遊技入賞が成立している場合、RT状態処理(図21)では、遊技状態を第3RT状態に移行するための処理が行われる。この場合、ステップS1612にて、VB用報知フラグがセットされているか否かを判定する。VB用報知フラグがセットされていない場合は、VBモードの移行抽選に当選することなく第4,第5再遊技入賞が成立した場合であり、この場合、VBモード開始威容の処理を行うことなく、そのまま入賞結果対応処理を終了する。VB用報知フラグがセットされている場合、ステップS1613にて、VBモードフラグがセットされているか否かを判定する。VBモードフラグがセットされている場合には、既に表示モードがVBモードであるため、そのまま、本入賞結果対応処理を終了する。一方、VBモードフラグがセットされていない場合には、ステップS1614~ステップS1616にてVBモードの開始用の処理を行う。
すなわち、ステップS1614では、VBモードフラグをセットする処理を行う。この場合、各種フラグ格納エリア106dには、ATモードフラグとVBモードフラグとが併存することになる。これは、VBモードがATモードを経て移行するモードであるとともに、VBモード終了後は、必ずATモードへ移行することによるものである。
その後、ステップS1615にてVBモード開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。VBモード開始コマンドを受信した表示制御装置81は、次ゲームからVBモードが開始されることの報知を、補助表示部65等により行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。そして、ステップS1616にて、VBモード継続数のカウントを開始する。具体的には、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたVBモード継続カウンタにVBモードの継続ゲーム数の初期値(例えば25)をセットする。ステップS1616の処理を行った後は、本入賞結果対応処理を終了する。
ステップS1611にて第4,第5再遊技入賞が成立していないと判定した場合、ステップS1617に進む。ステップS1617では、今回の停止結果として第7再遊技入賞が成立しているか否かを判定する。本実施形態では、第7再遊技入賞が成立している場合、すなわち、左リール32Lの中段に「黒BAR」図柄、中リール32Mの中段に「黒BAR」図柄、右リール32Rの中段に「黒BAR」図柄が停止して、中段の組合せラインに「黒BAR」図柄が停止した場合、上乗せ特化ゾーンに移行する構成としている。なお、第7再遊技入賞が成立している場合とは、BARリプレイ1に当選した場合であって、且つ第7再遊技入賞に対応する操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合である(図23(c))。
第7再遊技入賞が成立している場合、ステップS1618にて、特化ゾーン用報知フラグがセットされているか否かを判定する。特化ゾーン用報知フラグがセットされている場合、ステップS1619~ステップS1621にて特化ゾーン開始用の処理を行う。なお、既に説明したとおり、SATモードの開始時において、ステップS1609にて肯定判定してステップS1610の処理を行った場合にもステップS1619~ステップS1621の処理が行われる。
具体的には、ステップS1619では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに特化ゾーンフラグをセットする処理を行う。特化ゾーンフラグは、上記の上乗せ特化ゾーンであることをCPU102が把握するためのフラグであり、当該特化ゾーンフラグがセットされることにより、ATモードやVBモードの継続ゲーム数のカウントが停止される。この場合、各種フラグ格納エリア106dには、ATモードフラグとVBモードフラグと特化ゾーンフラグとが併存する場合がある。
その後、ステップS1620にて、特化ゾーン開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。特化ゾーン開始コマンドを受信した表示制御装置81は、次ゲームから特化ゾーンが開始されることの報知を、補助表示部65等により行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。そして、ステップS1621にて、特化ゾーン継続数のカウントを開始する。具体的には、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられた特化ゾーン継続カウンタに特化ゾーンの継続ゲーム数の初期値(例えば5)をセットする。ステップS1621の処理を行った後は、本入賞結果対応処理を終了する。
ステップS1617にて、第7再遊技入賞が成立していないと判定した場合、又はステップS1618にて否定判定した場合は、ステップS1622に進む。ステップS1622では、今回の停止結果として、第11,第12再遊技入賞が成立しているか否かを判定する。上記のとおり、本実施形態では第11,第12再遊技入賞は成立しないように設定されているため、本実施形態におけるステップS1622では否定判定することになり、この場合、そのまま入賞結果対応処理を終了する。第11,第12再遊技入賞が成立し得る実施形態においては、ステップS1622にて肯定判定し得るようになり、この場合、ステップS1623にて遊技状態を第4RT状態へ移行させることに対応する第4RT移行用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。第4RT移行用処理については、第11,第12再遊技に当選し得る実施形態の説明に際して、詳細に説明する。
以上のように、特に、遊技状態を第2RT状態~第4RT状態へ移行させることに対応する役の入賞に基づいて、RT状態処理(図21)とは別途、表示モードを移行させるための処理を行う。これは、表示モードの移行抽選に当選していないのにも関わらず、たまたま遊技状態を移行させることに対応する役が入賞したことに基づいてATモード等が開始されてしまうことを回避するためである。
また、表示モードの移行に際して、遊技状態の移行を伴うもののうち、上位のモードへの移行、すなわち、通常モードからATモードへ移行する場合や、ATモードからVBモードへ移行する場合、又はATモードやVBモードから特化ゾーンへ移行する場合には、対応する役の入賞結果に基づいて移行する構成としている。そのため、表示モードの移行と遊技状態の移行とが同じゲームにてセットで行われる。その一方で、下位のモードへの移行の場合、例えば転落リプレイとしての第2再遊技入賞や移行出目の停止によって遊技状態が移行する場合においては、表示モードの移行は行われない。このような下位のモードへ移行する場合、遊技状態は入賞結果によって管理される(RT状態用処理)一方、表示モードはゲーム数によって管理される。そのため、これらの下位のモードへ移行する場合には、遊技状態の移行と表示モードの移行とが別々のゲームにて行われる可能性がある。
<ゲーム数管理処理>
上記入賞結果対応処理のステップS1601にて実行される、ゲーム数管理処理について、図49のフローチャートを参照しながら説明する。ゲーム数管理処理では、前兆モードにおける前兆ゲーム数のカウントを行うとともに、ATモード、VBモード、特化ゾーンにおける継続ゲーム数のカウントを行い、これらの表示モードの継続ゲーム数が0となることに基づいて、対応する表示モードを終了させるための処理を行う。
ゲーム数管理処理では、先ず、ステップS1701にて、ベット数は特定数か否かを判定する。既に説明したとおり、本実施形態では、各遊技を1~3のベット数にて実施可能となっており、ステップS1701では、このうち特定数として、3ベットであるか否かを判定する。3ベットではない場合には、そのままゲーム数管理処理を終了する。すなわち、1ベットや2ベットのゲームでは、前兆モードのゲーム数のカウントは行われない。なお、ベット数に関わらずカウントを行う構成としてもよい。
今回のゲームが3ベットゲームであった場合、ステップS1702に進む。ステップS1702では、ボーナス当選フラグがセットされている状態又はボーナス状態であるか否かを判定する。ステップS1702にて肯定判定した場合、ステップS1703にてATモードフラグ、VBモードフラグ、特化ゾーンフラグの各種表示モード用のフラグをクリアする処理を行った後、本ゲーム数管理処理を終了する。つまり、ボーナス当選フラグがセットされている場合や、ボーナス中はATモード等のゲーム数のカウントは行わない。なお、ステップS1703にて、各フラグがセットされていない場合にはその状態を維持する。
ちなみに、ステップS1703では、ATモードフラグやVBモードフラグ等はクリアする一方で、AT用報知フラグやVB用報知フラグはクリアしない。そのため、ボーナス終了後は、ATモード等の準備状態を経てから、これらのフラグによって、遊技状態を移行させるための押し順報知が行われてボーナス前の遊技状態に復帰させることが可能となる。その一方で、特化ゾーン中にボーナス当選した場合には、ボーナス当選によって当該特化ゾーンは終了する構成としている。また、ステップS1703では、ATモード当選フラグ等についてもクリアしない。そのため、ATモード等とボーナスとに同時当選した場合、ボーナス終了後にこれら当選フラグに基づく当選報知が行われる。
ステップS1702にて否定判定した場合、ステップS1704にて、前兆ゲーム数が0であるか否かを判定する。0ではない場合には、ステップS1705にて前兆ゲーム数を1減算する処理を行う。ステップS1704にて前兆ゲーム数が0である場合(前兆モードではない場合)、又はステップS1705の処理を実行した後は、ステップS1706~ステップS1723にて、各モードの継続ゲーム数のカウント処理を行う。
すなわち、ステップS1706では、現状の表示モードがATモードであるか否かを判定する。ATモードである場合には、ステップS1707に進み、ATモード中の特化ゾーンか否かを判定する。すなわち、SATモードのようにATモード開始時に特化ゾーンに移行する場合、ステップS1707にて肯定判定することになる。特化ゾーン中である場合には、ステップS1720~ステップS1723にて特化ゾーン用のゲーム数管理処理を行う。これらの処理については、後に説明する。
ステップS1707にて特化ゾーンではないと判定した場合、ステップS1708にて、ATモード継続カウンタを1減算する処理を行うことで、ATモード継続ゲーム数の減算を行う。そして、ステップS1709にて、ATモード継続カウンタが0であるか否かを判定する。0ではない場合には、そのままゲーム数管理処理を終了する。0である場合には、ステップS1710にてATモードフラグをクリアし、ステップS1711にてAT用報知フラグをクリアする。その後、ステップS1712にてATモード終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。ステップS1712の処理を行った後は、ゲーム数管理処理を終了する。
ステップS1706にてATモードではないと判定した場合、ステップS1713に進む。ステップS1713では、現状の表示モードがVBモードであるか否かを判定する。VBモードである場合には、ステップS1714に進み、上乗せ特化ゾーンであるか否かを判定する。上乗せ特化ゾーンではない場合には、ステップS1715にてVBモード継続カウンタを1減算する処理を行うことで、VBモード継続ゲーム数の減算を行う。そして、ステップS1716にて、VBモード継続カウンタが0であるか否かを判定する。0ではない場合には、そのままゲーム数管理処理を終了する。0である場合には、ステップS1717にてVBモードフラグをクリアし、ステップS1718にてVB用報知フラグをクリアする。その後、ステップS1719にてVBモード終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。VBモード終了コマンドを受信した表示制御装置81では、今回のゲームにてVBモードが終了することの報知を補助表示部65等にて行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。ステップS1719の処理を行った後は、ゲーム数管理処理を終了する。
ステップS1714にて、上乗せ特化ゾーンであると判定した場合には、ステップS1720に進む。既に説明したとおり、ステップS1707にてATモード中の特化ゾーンであると判定した場合もステップS1720に進む。ステップS1720では、特化ゾーン継続カウンタを1減算する処理を行うことで、特化ゾーン継続ゲーム数の減算を行う。そして、ステップS1721にて、特化ゾーン継続カウンタが0であるか否かを判定する。0である場合には、ステップS1722にて特化ゾーンフラグをクリアし、ステップS1723にて特化ゾーン終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。特化ゾーン終了コマンドを受信した表示制御装置81では、今回のゲームにて特化ゾーンが終了することの報知を補助表示部65等にて行う。かかる報知としては、例えば、今回の特化ゾーンにてトータルで上乗せに成功したゲーム数の報知を行う。ステップS1723の処理を行った後は、ゲーム数管理処理を終了する。ステップS1713又はステップS1721にて否定判定した場合、そのままゲーム数管理処理を終了する。
<終了判定処理>
次に、ボーナス終了時の処理として、終了判定処理について、図50のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、終了判定処理は、ボーナス状態処理(図27)におけるステップS614にて実施される処理である。終了判定処理では、ボーナス終了条件の成否を判定するとともに、ボーナスを終了する場合には、ボーナス当選後であってボーナス入賞前に当選したATモード等や、ボーナス中に当選したATモード等の当選報知用の処理を行うとともに、ATモード等のゲーム数の上乗せ用の処理を行う。
すなわち、ステップS1801では、小役入賞が成立したか否かを判定する。第1BBや第2BBのボーナス中はBB中第1役が高確率で成立し、一部、BB中第2役やBB中第3役や強チェリーや強スイカ等の所謂レア役が成立する(図28)。BB中第1役当選時には、主に第1小役入賞が成立して9枚のメダル払出が発生し、その他の場合、3枚~9枚のメダル払出が発生するか、取りこぼしとなってメダル払出が発生しない。また、CB中においては、CB中小役1~CB中小役4のいずれかに当選し、いずれに当選した場合であっても、主に第1小役入賞が成立して所定数(15枚)のメダル払出が発生する。ステップS1801は、これらボーナスやCB中に当選する役のうちメダル払出の発生する小役入賞が成立したか否かを判定する処理である。
ステップS1801にて小役入賞が成立したと判定した場合には、ステップS1802にて、残払出数から今回のゲームの払出数を減算する処理を行う。ステップS1801にて否定判定した場合、又はステップS1802の処理を実行した後は、ステップS1803にて、残払出数が0となったか否かを判定する。0ではない場合には、そのまま終了判定処理を終了する。0である場合には、ステップS1804にてボーナス終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットした後、ステップS1805~ステップS1814にて、ATモード等の当選報知用の処理や、ATモード等の継続ゲーム数の上乗せ用の処理を行う。
ステップS1805では、ATモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。ATモード当選フラグがセットされている場合には、ステップS1806にて前兆ゲーム数の抽選処理を行い、ステップS1807にて前兆ゲーム数のセットを行い、ステップS1808にて前兆コマンドのセットを行う。ちなみに、本実施形態では、ステップS1806の前兆ゲーム数の抽選処理では、100%の確率で前兆ゲーム数が0となる抽選を行う。すなわち、ステップS1807では、必ず0ゲームの前兆ゲーム数をセットすることになり、ボーナス終了ゲームの次ゲームにてATモード等の当選報知が行われることになる。ステップS1808の処理を実行した後は、終了判定処理を終了する。
ステップS1805にてATモード当選フラグがセットされていない場合、ステップS1809にて、VBモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。VBモード当選フラグがセットされている場合には、ステップS1806~ステップS1808の前兆モード用の処理を行ってから、終了判定処理を終了する。
なお、ATモード当選フラグがセットされている状況でボーナスが終了する場合とは、ATモードとボーナスに同時当選した場合や、ボーナス当選後であってボーナス入賞前にATモードに当選した場合や、ボーナス中にATモードに当選した場合や、ATモードの当選報知の前兆モード中にボーナスに当選した場合である。一方、VBモード当選フラグがセットされている状況でボーナスが終了する場合とは、ATモード中においてVBモードとボーナスとに同時当選した場合や、ボーナス当選後であってボーナス入賞前にVBモードに当選した場合や、ボーナス中にVBモードに当選した場合や、VBモードの当選報知の前兆モード中にボーナスに当選した場合である。
ステップS1809にてVBモード当選フラグがセットされていない場合、ステップS1810に進む。ステップS1810では、ATモード上乗せフラグがセットされているか否かの判定を行う。ATモード上乗せフラグがセットされていない場合は、そのまま終了判定処理を終了する。ATモード上乗せフラグがセットされている場合、ステップS1811にてATモードの上乗せゲーム数抽選処理を行い、ステップS1812にてATモードのゲーム数上乗せ処理を行い、ステップS1813にて上乗せ報知用処理を行い、ステップS1814にて上乗せコマンドのセットを行う。これらステップS1811~ステップS1814の処理は、ステップS1017~ステップS1020の処理と同様である。ステップS1814の処理を実行した後は、終了判定処理を終了する。
以上のように、主制御装置101側において、(1)表示モードの移行抽選に関する処理、(2)表示モードの移行抽選の結果に基づいて遊技状態を移行させるための処理、(3)入賞結果に基づいて表示モードを移行させるための処理、の各処理が行われる結果、補助表示部65による押し順報知演出が発生して表示モードの移行に追従するように遊技状態も移行し、更に、補助表示部65による押し順報知演出により押し順ベル入賞を発生させることが可能となり、多量のメダル獲得が期待できるようになる。
ここで、押し順リプレイや押し順ベル当選時において、補助表示部65による押し順報知演出(表示制御装置81による押し順報知演出)が行われる場合、当該押し順報知演出の他に、主制御装置101に接続された指示モニタ68でも押し順報知が行われる。この指示モニタ68の構成について、図51を参照しながら説明する。図51(a)は、指示モニタ68の正面図であり、図51(b)は、指示モニタ68の表示態様と表示内容との関係を説明するための図である。
図51(a)に示すように、指示モニタ68には8個の表示用セグメントN1~N8が設けられている。各表示用セグメントN1~N8は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、指示モニタ68では、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっている。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメントN1~N8においてはいずれも同一の色が表示されることとなる。
各表示用セグメントN1~N8について詳細には、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、いずれも直線状の表示用セグメントであり、これら第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、数字の「1」~「6」を少なくとも表示することができるように配置されている。また、第8表示用セグメントN8は、円形状の表示用セグメントであり、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7が設けられた領域の右下部分の横方に配置されている。したがって、指示モニタ68では、「1」~「6」と、「1.」~「6.」と、「 .」と、を少なくとも表示することができる。
なお、指示モニタ68において、複数パターンの記号をそれぞれ個別に表示することが可能であれば、各表示用セグメントN1~N8の形状や配置態様は任意であり、さらには8個のセグメントではなく7個のセグメント、又は9個のセグメント等を用いる構成としてもよい。また、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が同一であることは必須ではなく、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が適宜変更可能となる構成としてもよい。また、光源をオンオフ制御することで、各表示用セグメントN1~N8の点灯又は消灯を制御する構成は必須のものではなく、各表示用セグメントN1~N8において個別に表示制御が行えるのであれば、単一のバックライトと液晶ディスプレイとによりセグメント表示器を構成してもよい。さらには、各表示領域に対してセグメント表示を適用するのではなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって記号を表示する構成としてもよい。
第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、押し順役の操作順序の報知に用いられる表示用セグメントである。例えば、図51(b)に示すように、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「左」→「中」→「右」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第6表示用セグメントN6及び第7表示用セグメントN7が点灯表示されて「1」が表示される。また、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「右」→「左」→「中」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第1表示用セグメントN1、第2表示用セグメントN2、第3表示用セグメントN3、第5表示用セグメントN5及び第6表示用セグメントN6が点灯表示されて「5」が表示される。つまり、各表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)は、ストップスイッチ42~44の操作順序と1対1で対応付けられており、表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)に基づいて、ストップスイッチ42~44を停止操作することで、遊技者にとって有利な態様にて入賞させることが可能となる。
第8表示用セグメントN8は、有利区間に移行し、ATモード当選報知が行われてAT用報知フラグがセットされる等、押し順報知が発生し得る状況となる報知条件を含む所定の開始条件が成立した場合に、その開始条件が成立したゲームにて点灯される。また、ATモードやSATモードが終了して有利区間から通常区間へ移行する場合に消灯される。
つまり、押し順ベルや押し順リプレイの操作順序が報知され易くなることによって遊技者にとって有利な態様にて入賞させ易くなるナビ状態(ATモードやSATモード、高頻度モード)、当該ナビ状態への移行抽選に当選し易くなるチャンス状態(CZモードや第1BB、高確率モード)、又はナビ状態やチャンス状態への移行抽選に当選しているもののこれらナビ状態やチャンス状態に移行していない当選状態(当選モード)を含む区間を有利区間(特定遊技状態、特定モード)とし、第8表示用セグメントN8は、当該有利区間において、押し順報知による恩恵が得られるようになる特定区間中は点灯し、有利区間ではない通常区間や、有利区間であっても特定区間ではない非特定区間中は消灯する区間表示器(特定報知手段)をなすものである。
既に説明したとおり、押し順表示器としての第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7、及び区間表示器としての第8表示用セグメントN8を有する指示モニタ68は、遊技パネル25において払出枚数表示部62の側方付近に配置されている。つまり、指示モニタ68は、遊技者が操作するストップスイッチ42~44等よりも上方に配置されており、言い換えると、ストップスイッチ42~44等が設けられている位置よりも下方において遊技機前面部である化粧パネルに配置されていない。そのため、ストップスイッチ42~44等を操作する手等によって、第8表示用セグメントN8が隠されることが抑制され、遊技者が視認し易い位置に配置されているといえる。また、メダルの獲得を目指して遊技を進行させる遊技者が注視し易い払出枚数表示部62の近くに配置されていることからしても、遊技者による見逃しが抑制されているといえる。
さらに、指示モニタ68において特に第8表示用セグメントN8は、周囲の表示部(例えば払出枚数表示部62や、遊技パネル25のバックライト)の明度よりも高い明度となるように(より詳しくは、周囲の表示部の明度の2倍の明度となるように)、対応するLEDの明度が定められている。そのため、第8表示用セグメントN8と周囲の表示部とがいずれも発光制御されている場合(点灯状態となっている場合)であっても、第8表示用セグメントN8が一際目立つようになっている。遊技機前方に向けた照度についても、第8表示用セグメントN8の方が周囲の表示部より、遊技機前方に向けた照度が高くなるように(より詳しくは、周囲の表示部の照度の2倍の照度となるように)、対応するLEDの照度が定められている。このような構成からも、第8表示用セグメントN8の視認性が向上されており、当該第8表示用セグメントN8が点灯状態となった場合の見逃しが抑制されている。
以下、第8表示用セグメントN8の点灯/消灯に関する処理として、区間表示第1処理及び区間表示第2処理について説明する。
<区間表示第1処理>
先ず、区間表示第1処理について、図52を参照しながら説明する。区間表示第1処理は、抽選処理(図16)におけるステップS316にて実施される処理であり、スタートレバー41の操作に基づいて当該ゲームの抽選結果が決定されるとともに、当該抽選結果に基づいて表示モードの移行抽選等(抽選結果対応処理)が行われた後に実施される。
ステップS1901では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が表示中であるか否か、より詳しくは、第8表示用セグメントN8を点灯中か否かを判定する。上記のように、第8表示用セグメントN8を点灯中である場合とは、有利区間のうち、少なくとも押し順報知が発生し得る報知条件が成立している特定区間である場合を示している。ステップS1901にて否定判定し、第8表示用セグメントN8を消灯中であると判定した場合、ステップS1902に進む。
ステップS1902では、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。既に説明した通り、有利区間フラグは、有利区間移行抽選処理(図32)において、有利区間への移行抽選に当選した場合にセットされるフラグである。有利区間フラグがセットされている場合、ステップS1903にて、有利区間当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。有利区間当選ゲームフラグは、上記有利区間移行抽選処理において有利区間移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、その当選ゲームであることをCPU102が特定するためのフラグである。有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合、ステップS1904にて有利区間当選ゲームフラグをクリアする処理を実行する。ステップS1903にて有利区間当選ゲームフラグがセットされていない場合、ステップS1905に進む。
ステップS1905では、有利区間中のゲーム数のカウント、より詳しくは、各種カウンタエリア106eの有利区間ゲーム数AGの計測が開始されている状況か否かを判定する。有利区間ゲーム数AGの計測が開始されていない場合、ステップS1906にて有利区間ゲーム数AGの計測を開始する処理を行う。有利区間ゲーム数AGは、有利区間の実行ゲーム数を把握する把握手段に相当するものであり、有利区間中の各ゲームにおいて1ずつ加算する処理が実行される。
ステップS1905にて既に計測を開始していると判定した場合、又はステップS1906の処理を実行した後は、ステップS1907に進む。ステップS1907では、AT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。既に説明した通り、ATモード当選報知が行われてAT用報知フラグがセットされることにより、押し順役当選時の押し順報知が発生し得る状態となり、上記の報知条件が成立することとなる。ステップS1907にてAT用報知フラグがセットされていると判定した場合、ステップS1908にて、第8表示用セグメントN8を点灯させることにより区間表示器の表示を開始する。付け加えると、主制御装置101では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を点灯状態として表示を開始する際には、スピーカ64から所定の効果音(例えば、機械音で「ガゴッ!」という音)が出力されるように表示制御装置81へ音出力用のコマンドを出力する。表示制御装置81は、当該音出力用のコマンドに基づいて、上記所定の効果音が発せられるようにスピーカ64を制御する。なお、第8表示用セグメントN8の表示開始に際して、補助表示部65や他の表示部において演出を発生させる構成としてもよく、この場合、表示制御装置81に対して対応するコマンドを出力するとともに、表示制御装置81にて対応する演出が行われるよう補助表示部65等の制御を行う構成とするとよい。
ステップS1901にて区間表示器としての第8表示用セグメントN8を表示中であると判定した場合、ステップS1909にて、有利区間中の表示を継続する処理を実行する。ステップS1909について具体的には、第8表示用セグメントN8が点灯状態である状況を継続させるための処理を行う。すなわち、区間表示器の表示を終了するための処理は、本区間表示第1処理では実施しない。
ステップS1902にて有利区間フラグがセットされていないと判定した場合と、有利区間フラグがセットされている場合であっても当選ゲームである場合(ステップS1904の処理を実行した後)と、当選ゲームではなくても押し順報知が発生し得る状況ではない場合(ステップS1907にてAT用報知フラグがセットされていないと判定した場合)は、ステップS1910に進む。ステップS1910では、各種カウンタエリア106eに設けらた役比第1カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第1カウンタは、押し順報知が発生しないゲーム数、すなわち、通常区間と非特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
また、ステップS1908にて区間表示器の表示開始処理を実行した後と、ステップS1909の表示継続処理を実行した後は、ステップS1911に進む。ステップS1911では、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第2カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第2カウンタは、押し順報知が発生可能なゲーム数、すなわち、特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
ステップS1910又はステップS1911の処理を実行した後は、ステップS1912にて役比算出処理を実行する。かかる処理では、役比第2カウンタの値を役比第1カウンタと役比第2カウンタとの加算値(全ゲーム数)で除算する処理を行う。すなわち、役比算出処理は、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合を算出する処理である。そして、ステップS1913にて、ステップS1912の演算処理結果が役比モニタ77にて表示されるようにするための処理を実行する。
図5に示すように、役比モニタ77は、7つの表示用セグメントからなる7セグ表示部を複数有している。具体的には、役比モニタ77は、7セグ表示部としての第1表示部77a、第2表示部77b、第3表示部77c、第4表示部77d、第5表示部77eを有している。第1表示部77a~第5表示部77eにおける表示用セグメントは、指示モニタ68の表示用セグメントN1~N7と同様に、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、役比モニタ77は、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっており、特に、役比モニタ77では、5桁の数字を表示可能となっている。
ステップS1913では、ステップS1912の演算処理の結果を役比モニタ77に出力するとともに、役比モニタ77にて、4桁の数字が表示されるように役比モニタ77における各表示部77a~77eの表示制御を行う。具体的には、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合として、例えば、「0.5012」といったように、1よりも小さい数であって、小数点以下4桁までの数字が役比モニタ77にて表示される。ステップS1913の処理を実行した後は、区間表示第1処理を終了する。
なお、ステップS1912の演算処理において小数点以下第5桁の数字を四捨五入する処理を行ったうえで、役比モニタ77の表示制御を行う構成としてもよい。また、役比モニタ77のうち、第1表示部77aは、基本的には「0」が表示されるため、第1表示部77aを有さないようにしたり、第1表示部77aを印刷等によって「0」との表示が常にされる構成としてもよい。また、第1表示部77aと第2表示部77bとの間に、小数点が印刷等により表示される構成とするとよい。
<区間表示第2処理>
次に、区間表示第2処理について、図53のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、区間表示第2処理は、リール制御処理のステップS415にて実施される処理であり、1ゲームの終了に際して、メダルの払出(払出判定処理)及び入賞結果に基づく遊技状態の移行等(入賞結果対応処理)が行われてから実施される。
ステップS2001では、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。有利区間フラグがセットされている場合にはステップS2002にて、有利区間中のゲーム数をカウントする処理を実行する。具体的には、上記有利区間ゲーム数AGを1加算する処理を行う。ステップS2002の処理を実行した後は、ステップS2003にて、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間増減枚数ZMの更新処理を実行する。有利区間増減枚数ZMは、有利区間中のメダルの増減枚数(有利区間中の各ゲームでベットされた枚数と払い出された枚数との差枚数)をCPU102が把握するためのカウンタであり、ステップS2003では、今回のゲームの入賞結果(直前の入賞結果対応処理や払出判定処理)に基づいて、今回のゲームのメダル増減数(今回のゲームのメダル払出数-今回のゲームのベット数)を把握し、そのメダル増減数を有利区間増減枚数ZMに加算する処理を行う。例えば、今回のゲームが3ベットゲームであり9枚のメダル払出が行われた場合、メダル増減数は+6であり、ステップS2003では有利区間増減枚数ZMに+6を加算する処理を行う。また、今回のゲームが3ベットゲームでありメダル払出が行われなかった場合、メダル増減数は-3であり、ステップS2003では有利区間増減枚数ZMに-3を加算する処理を行う。
ステップS2003の処理を実行した後は、ステップS2004にて、残ゲーム数管理処理を実行し、続くステップS2005にて、残枚数管理処理を実行する。残ゲーム数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限ゲーム数に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残枚数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限増加数に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。
残ゲーム数管理処理について、具体的には、図54のフローチャートに示すように、先ずステップS2101にて、前兆ゲーム数G1を把握する。前兆ゲーム数G1は、例えば現状が有利区間中における前兆モードである場合、残りの前兆モードのゲーム数を表しており、ゲーム数管理処理(図49)にて1ゲーム毎に1ずつ減算される。ステップS2102では、ATモード継続数G2を把握する。ATモード継続数G2は、例えば現状が有利区間におけるATモードである場合、残りのATモードのゲーム数を表しており、ゲーム数管理処理(図49)にて1ゲーム毎に1ずつ減算される。ステップS2103では、VBモード継続数G3を把握する。VBモード継続数G3は、例えば現状が有利区間におけるVBモードである場合、残りのVBモードのゲーム数を表しており、ゲーム数管理処理(図49)にて1ゲーム毎に1ずつ減算される。ステップS2104では、特化ゾーン継続数G4を把握する。特化ゾーン継続数G4は、例えば現状が有利区間における特化ゾーンである場合、残りの特化ゾーンのゲーム数を表しており、ゲーム数管理処理(図49)にて1ゲーム毎に1ずつ減算される。ステップS2105では、BB残りゲーム数G5を把握する。BB残りゲーム数G5は、例えば現状が有利区間におけるBBモード(ボーナス状態)である場合、残りのBBモードのゲーム数を表しており、ゲーム数管理処理(図49)が1回起動されるごとに、BBモード中であることを条件に図示しない減算処理にて1ずつ減算される。
ここで、これら継続数G1~G5は、現状が対応するモードやゾーンではない場合であっても0以上の値が入力されている場合がある。具体的には、例えば、VBモードや特化ゾーンやBBモードにおいては、ATモードの残りゲーム数のカウントが停止されるところ、ATモード中にこれらのVBモードや特化ゾーンやBBモードへの移行が生じた場合、ATモード継続数G2と、これら各モードの継続数とに0以上の値が入力されている。
ステップS2106では、上記ステップS2101~ステップS2105の各処理で把握したG1~G5を積算することで、有利区間の残りゲーム数ZGを算出する処理を行う。かかる処理を行うことにより、有利区間が後何ゲーム継続するかを把握することが可能となる。続くステップS2107では、これまでに実施してきた有利区間のゲーム数(有利区間ゲーム数AG)と上記残りゲーム数ZGとを加算することで、総有利区間ゲーム数SGを算出する処理を行う。そして、ステップS2108にて、有利区間の継続上限ゲーム数である1500Gから上記総有利区間ゲーム数SGを減算することで、空きゲーム数(上乗せ可能な空きゲーム数、残ゲーム数)FGを算出する処理を行う。
ステップS2108の処理を行った後は、ステップS2109にて、空きゲーム数FGが0よりも大きいか否か、すなわち、空きゲーム数があって上乗せ可能であるか否かを判定する。空きゲーム数FGが0よりも大きい場合には、そのまま残ゲーム数管理処理を終了する。一方、空きゲーム数FGが0以下である場合には、ステップS2110にて各種フラグ格納エリア106dに第1超過フラグをセットする処理を実行してから、残ゲーム数管理処理を終了する。第1超過フラグは、有利区間の第1の強制終了条件が成立することが特定されている状況であることをCPU102が把握するためのフラグである。
残枚数管理処理は、図55のフローチャートに示すように、先ずステップS2201にて、上記ステップS2003にて更新された有利区間増減枚数ZMを把握する。続くステップS2202では、上記ステップS2004の残ゲーム管理処理にて算出される有利区間残りゲーム数ZG(ステップS2106)と、ROM105に記憶されている有利区間の各ゲームにて期待できる純増枚数(期待増減枚数KM)とから、有利区間の残りゲーム数にて獲得できる残り増減期待枚数NMを算出する処理を実行する。本実施形態では、期待増減枚数KMは、有利区間が上記の押し順報知が発生する状況で高RT状態にて消化された場合であって、ボーナス状態を加味した純増枚数(約+2.46枚)を用いる構成としている。すなわち、例えば、有利区間残りゲーム数ZGが500ゲームであれば、残り増減期待枚数NMは、500ゲーム×2.46枚=1230枚となる。
ステップS2203では、ステップS2201にて把握した有利区間増減枚数ZMと、ステップS2202にて算出した残り増減期待枚数NMとから、現状の有利区間残りゲーム数を加味して今回の有利区間中に獲得することが期待できる枚数(総増減期待枚数SM)を算出する処理を行う。そして、ステップS2204にて、増加可能な空き枚数FMを算出する処理を行う。ステップS2204の処理は、残ゲーム数管理処理におけるステップS2108の加算可能な空きゲーム数FGを算出する処理に対応するものであり、ステップS2109の処理が、その後のゲームにて第1の強制終了条件にて有利区間が強制終了されることを事前に予測する処理であり、ステップS2204の処理は、その後のゲームにて第2の強制終了条件にて有利区間が強制終了されることを事前に予測する処理である。すなわち、ステップS2204では、有利区間の上限増加数である2400枚から、上記ステップS2203にて算出した総増減期待枚数SMを減算する処理を行う。
ステップS2205では、ステップS2204の処理結果に基づいて、増加可能な空き枚数FMが0以下となり、将来的に第2の強制終了条件にて強制終了されることとなるか否かを判定する。空き枚数FMが1以上である場合には、上限増加数に至らないものとして、そのまま残枚数管理処理を終了する。空き枚数FMが0以下である場合には、ステップS2206に進み、各種フラグ格納エリア106dに第2超過フラグをセットする処理を行ってから、残枚数管理処理を終了する。第2超過フラグは、第2の強制終了条件がその後に成立し得る状況であることをCPU102が把握するためのフラグである。
第1超過フラグや第2超過フラグがセットされることにより、本実施形態においては、有利区間中に特定役当選となったとしても、ATモード中のゲーム数上乗せ抽選等の実施が制限される。より具体的には、例えば、ステップS1014や、ステップS1201等のATモードのゲーム数上乗せ抽選処理において、第1超過フラグや第2超過フラグがセットされている場合には、かかる抽選処理の実施が制限され、上乗せ当選しなくなる(又は、当選しても0ゲームの上乗せが発生する)。これにより、継続し得ない分まで上乗せを行ってしまって、有利区間が上限ゲーム数以上継続するかのような誤解が生じてしまうことを抑制することが可能となる。
なお、一旦、第1超過フラグや第2超過フラグがセットされた後は、今回の有利区間においては残ゲーム数管理処理が実施されない構成としてもよい。
区間表示第2処理(図53)の説明に戻り、ステップS2005の処理を実行した後は、ステップS2006にて、上記有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数である1500に達したか否か、又は有利区間増減枚数ZMが上限増加数である2400以上となったか否かを判定する。これらいずれかの強制終了条件が成立している場合には、ステップS2007にて、有利区間ゲーム数AG及び有利区間増減枚数ZMを0にクリアする。続くステップS2008では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示を終了させる処理を行う。そして、ステップS2009にて、有利区間中の各種フラグやカウンタ等のパラメータ、情報を初期化する処理を行ってから、本区間表示第2処理を終了する。
ステップS2009のデータ初期化処理について、より詳しくは、今回の有利区間への移行に際して設定されたフラグやカウンタ、及び、今回の有利区間中に設定されたフラグやカウンタを初期値に戻す処理である。例えば、有利区間への移行に際してATモード当選フラグ等がセットされたり、ATモード中にVBモード当選フラグがセットされたりし、本初期化処理まで当該フラグがセットされたままであれば、これらの当選フラグをクリアする。また、初期化処理では、AT用報知フラグや、ATモードフラグ、VBモードフラグ、特化ゾーンフラグ等がセットされていれば、これらのフラグもクリアする。さらに、前兆カウンタ、アタックモード等の継続ゲーム数用のカウンタ等が0より大きければ、これらのカウンタを全て0にリセットする。つまり、初期化処理では、押し順報知を用いた有利な状態としての有利区間に関し、押し順報知に係る性能に及ぼす全ての変数乃至パラメータを初期化するものであり、かかる変数乃至パラメータに関してRAMクリアを行う処理である。
ステップS2006にて有利区間ゲーム数AGが上限値に達していないと判定した場合や有利区間増減枚数ZMが上限増加数に達していないと判定した場合は、ステップS2010に進み、有利区間の通常終了条件が成立したか否かを判定する。より詳しくは、ATモード当選フラグ及びATモードフラグのいずれもセットされておらず、ATモードよりも上位のモードを含めて、残り継続ゲーム数が0となったか否かを判定する。ATモード当選フラグ及びATモードフラグのいずれもセットされていない場合、ステップS2007へ進み、ステップS2007~ステップS2009の有利区間終了用の処理を行ってから、区間表示第2処理を終了する。ステップS2010にて否定判定した場合は、そのまま区間表示第2処理を終了する。この場合、区間表示器(第8表示用セグメントN8)の点灯表示は継続することになる。
<押し順表示器及び区間表示器の表示とゲームの進行について>
有利区間の開始及び終了と区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示との関係を、図56を参照しながら説明する。
本スロットマシン10では、図56に示すように、有利区間ではない通常区間においては、区間表示器としての第8表示用セグメントN8は消灯している(点灯していない)。この通常区間においては、押し順報知は行われない。つまり、押し順報知等の指示機能に係る性能を有する有利区間に対し、通常区間は当該指示機能に係る有さない区間といえる。表示モードが通常モードである状況が、主に通常区間に対応する。
通常区間において、例えば、弱スイカ役当選等によって有利区間への移行抽選に当選すると、当該当選契機となった遊技結果が成立するゲームの次ゲームから有利区間の実行ゲーム数の計測(有利区間ゲーム数AGのカウント)が開始される。そして、有利区間中においてATモードへの移行抽選に当選し、当選報知及びAT用報知フラグがセットされる等して押し順報知が発生し得る状況となると、区間表示器の表示の開始条件が成立したものとして、第8表示用セグメントN8が点灯する。
その後、第8表示用セグメントN8が点灯している状況で、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7を利用した押し順報知が発生する。この場合、上記のように第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7によって押し順情報(「1」~「6」)の表示がなされ、かかる押し順情報に基づいて、遊技者は押し順を把握することができる。押し順報知において、押し順情報は、当該ゲームにおいてスタートレバー41の操作時に表示が開始され、当該ゲームにおいて第3リール停止ON操作時にその表示が終了する。かかるゲームが有利区間の最終ゲームではない場合には、第3リール停止ON操作時においては、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7による押し順情報の表示のみ終了し、第8表示用セグメントN8による有利区間の表示は継続される。そして、次ゲーム以降において再度押し順役に当選すると、その押し順役に対応する押し順情報が第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7にて表示される。
有利区間の継続ゲーム数が上限に達したり、有利区間のメダル増加数が上限増加数に達する等して、有利区間の最終ゲームとなると、第8表示用セグメントN8も消灯し、有利区間の報知が終了する。本実施形態では、有利区間の最終ゲームにおいて、メダル払出が終了したタイミングで(払出判定処理の後の処理である区間表示第2処理により)、第8表示用セグメントN8が消灯する。なお、最終ゲームにおいてメダル払出が行われない場合には、第3リール停止OFF操作時に第8表示用セグメントN8が消灯する。これにより、遊技者は、当該ゲームが有利区間の最終ゲームであったことを明確に把握することができる。
上記のように、有利区間のゲーム数のカウントは、有利区間への移行抽選に当選したゲームの次ゲームから行われる一方、押し順報知は第8表示用セグメントN8が点灯している期間においてのみ発生する。言い換えると、有利区間であっても第8表示用セグメントN8が消灯している区間(非特定区間)においては、押し順報知は発生しない。つまり、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の点灯の有無を確認することで、有利区間のうち、少なくとも押し順報知による恩恵を享受可能な状況(特定区間、実質増加区間)であることを明確に把握することが可能となっている。このようにすることで、押し順報知による恩恵を享受可能な状況であることを知らずにゲームを終了してしまう遊技者と、その後に着席する後任の遊技者との有利度に差を生じないようにすることができる。言い換えるならば、第8表示用セグメントN8が点灯していない状況においては、押し順報知は発生しないため、ゲームを潔く終了することも可能となる。
付け加えると、本スロットマシン10においては、押し順報知により有利度を変化させる遊技性に関し、特に、有利区間への移行抽選については、設定値による有利度の差がないよう構成されている。ATモード等の押し順報知が発生し得る状況は有利区間に含まれるものであり、有利区間において区間表示器が表示していない状況だけでなく、通常区間においても押し順報知は発生しない。つまり、押し順報知による恩恵を受けようとする遊技において、第1段階としての有利区間への移行抽選については、設定値による有利度の差がない。このようにすることで、各遊技台(設定値)や各ゲーム(状況)において一律の有利度となり、遊技者間の有利/不利を排除するとともに、絵柄を狙って特典を得るというスロットマシン10本来の遊技性を存分に楽しみつつ、そしてその付随する押し順報知による遊技性との関連性によりバランスのとれた遊技機とすることが可能となる。
<サブ側の報知演出に関する処理>
次に、(4)サブ側の報知演出に関する処理として、サブ側の表示制御装置81にて行われる各種報知用の処理を説明する。各種報知用の処理として、所定周期(1.49msec周期)で実行される演出設定処理が設けられている。そこで、当該演出設定処理について、図57のフローチャートを参照しながら説明する。
演出設定処理では、先ずステップS2301にて、主制御装置101から新たなコマンドを受信したか否かを判定する。新たなコマンドを受信している場合には、ステップS2302にて、受信したコマンドをRAM183に格納する処理を実行する。RAM183にはコマンド格納エリアが設けられており、当該コマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
ステップS2301にて否定判定した場合、又はステップS2302の処理を実行した後は、ステップS2303にて、新たに受信したコマンドが、ベット時コマンドであったか否かを判定する。ベット時コマンドとは、ベット操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、通常処理のステップS207にてセットされるベットコマンドの他、モード移行報知用処理(図45)におけるATモード当選報知コマンド、VBモード当選報知コマンド、ボーナス当選報知コマンド等がある。これらのベット時コマンドである場合には、ステップS2304にてベット時演出設定処理を実行する。
ステップS2303にて否定判定した場合、又はステップS2304の処理を実行した後は、ステップS2305にて、新たに受信したコマンドが、開始時コマンドであったか否かを判定する。開始時コマンドとは、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、抽選処理のステップS313にてセットされる抽選結果コマンドの他、第1~第3特定役処理(図33~図36)にて設定される前兆コマンドや上乗せコマンド、押し順役処理(図47)にて設定される押し順報知コマンド等がある。これらの開始時コマンドである場合には、ステップS2306にて開始時演出設定処理を実行する。
ステップS2305にて否定判定した場合、又はステップS2306の処理を実行した後は、ステップS2307にて、新たに受信したコマンドが、各停止操作時コマンドであったか否かを判定する。各停止操作時コマンドとは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれの停止操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図18)のステップS405にてセットされる停止指令コマンドである。かかる各停止操作時コマンドとしての停止指令コマンドである場合には、ステップS2308にて各停止操作時演出設定処理を実行する。
ステップS2307にて否定判定した場合、又はステップS2308の処理を実行した後は、ステップS2309にて、新たに受信したコマンドが、全停止時コマンドであるか否かを判定する。全停止時コマンドとは、全リール32L,32M,32Rが停止したことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図18)のステップS411にてセットされる入賞結果コマンドの他、入賞結果対応処理(図48)にてセットされるATモード開始コマンド、VBモード開始コマンド、特化ゾーン開始コマンド、ATモード終了コマンド、VBモード終了コマンド、特化ゾーン終了コマンド、第1固定RT開始コマンド、第2固定RT開始コマンド等がある。これらの全停止時コマンドである場合には、ステップS2310にて全停止時演出設定処理を実行する。
ステップS2309にて否定判定した場合、又はステップS2310の処理を実行した後は、ステップS2311にてその他の処理を実行してから、演出設定処理を終了する。ステップS2311では、ベット時、開始時、停止時以外の主制御装置101からの指令に基づく演出(例えば、精算スイッチ59の操作に基づく演出等)の設定や、主制御装置101を介さずに接続されたセンサ(演出スイッチ検出センサ等)からの信号に基づく演出の設定、エラー報知用の設定等を行う。
以下、ベット時演出設定処理、開始時演出設定処理、各停止操作時演出設定処理、全停止時演出設定処理について、説明する。なお、各演出設定処理の説明では、図67~図72の表示演出の概要図を参照しながら説明する。
<ベット時演出設定処理>
ベット時演出設定処理について、図58のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2401では、今回受信したベット時コマンドとしてATモード当選報知コマンドが含まれているか否かを判定する。ATモード当選報知コマンドが含まれている場合、ステップS2402にて、ATモード当選報知演出を設定する処理を行う。ATモード当選報知演出では、例えば、図68(a)に示すように、補助表示部65にて、「AT確定」という文字表示を行う。その他、ATモード当選報知演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、女性の高い声で「やったわ!」)が発せられるように制御する。
ステップS2401にてATモード当選報知コマンドが含まれていない場合、ステップS2403にて、今回受信したベット時コマンドとしてVBモード当選報知コマンドが含まれているか否かを判定する。VBモード当選報知コマンドが含まれている場合、ステップS2404にて、VBモード当選報知演出を設定する処理を行う。VBモード当選報知演出では、例えば、図68(b)に示すように、補助表示部65にて、「V-BONUS確定」という文字表示を行う。その他、VBモード当選報知演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男女の声で「スーパーラッキー!」)が発せられるように制御する。
ステップS2403にてVBモード当選報知コマンドが含まれていない場合、ステップS2405にて、今回受信したベット時コマンドとしてボーナス当選報知コマンドが含まれているか否かを判定する。ボーナス当選報知コマンドが含まれている場合、ステップS2406にて、ボーナス当選報知演出を設定する処理を行う。ボーナス当選報知演出では、例えば、補助表示部65にて、「やったぜ ボーナス確定」という文字表示を行う。その他、ボーナス当選報知演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男女の声で「やったぜ!」)が発せられるように制御する。
ステップS2405にてボーナス当選報知コマンドが含まれていない場合、ステップS2407にて、今回受信したベット時コマンドとして特化ゾーン当選報知コマンドが含まれているか否かを判定する。特化ゾーン当選報知コマンドが含まれている場合、ステップS2408にて、特化ゾーン当選報知演出を設定する処理を行う。特化ゾーン当選報知演出では、例えば、補助表示部65にて、「乗せまくれ!!」という文字表示を行う。その他、特化ゾーン当選報知演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、恍惚とした男性の野太い声で「ノリノリィ!」)が発せられるように制御する。
ステップS2402、ステップS2404、ステップS2406及びステップS2408のいずれかの処理を実行した後、又はステップS2407にて否定判定した場合には、ステップS2409にて、その他のベット時演出を設定してから、本演出設定処理を終了する。ステップS2409の処理では、例えば、ベットコマンドの受信に対応させて、対応するベット数のクレジット投入スイッチ56~58周辺(又は内部)のランプを消灯させてその操作が受け付けられたことを報知する処理や、例えば所定時間遊技が行われていないことを一の条件に移行するデモモードから復帰するための処理や、スタートレバー41周辺のランプを点灯させてその操作が有効となったことを報知する処理等を行う。
<開始時演出設定処理>
次に、開始時演出設定処理について、図59のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2501では、表示モード設定処理を行う。かかる処理では、現状、主制御装置101側で設定されている表示モードが、通常モード、ATモード、VBモード、特化ゾーンのいずれであるかを判定し、対応する表示モードにて、補助表示部65の表示演出が行われるように設定する。具体的には、表示制御装置81側のRAM183の各種フラグ格納エリア183aにおいても、表示モードを把握するためのフラグとして、ATモードフラグ、VBモードフラグ、特化ゾーンフラグをセットするエリアが設けられており、各モードの開始に際して対応するフラグがセットされ、終了に際して対応するフラグがクリアされる。ステップS2501では、これらの各種モード対応フラグを把握することで、現状の表示モードを特定し、対応する演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64、上部ランプ63等を制御する。
続くステップS2502では、保留シフト用処理を実行する。保留シフト用処理は、ATモード移行抽選に関する保留情報の表示についての処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
ステップS2503では、受信している抽選結果コマンドに基づいて、今回開始されるゲームの抽選結果が押し順役当選であるか否かを判定する。押し順役当選である場合には、ステップS2504にて、押し順報知用処理を行う。ここで、押し順報知用処理について、図60のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2601では、今回受信している開始時コマンドとして、押し順報知コマンドが含まれているか否かを判定する。押し順報知コマンドが含まれていない場合には、そのまま本押し順報知用処理を終了する。押し順報知コマンドが含まれている場合には、ステップS2602に進む。
ステップS2602では、今回の抽選結果が第1昇格リプレイ1~4であるか否かを判定する。第1昇格リプレイ1~4である場合には、ステップS2603にて、第3再遊技入賞が成立する押し順報知を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。
ステップS2602にて第1昇格リプレイ1~4当選ではないと判定した場合、ステップS2604にて、今回の抽選結果が転落リプレイ1~3であるか否かを判定する。転落リプレイ1~3である場合には、ステップS2605に進み、第1再遊技入賞が成立する押し順報知を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。
ステップS2604にて転落リプレイ1~3ではないと判定した場合、ステップS2606にて、今回の抽選結果が第2昇格リプレイ1,2であるか否かを判定する。第2昇格リプレイ1,2である場合には、ステップS2607にて、既にVBモード当選報知演出又は特化ゾーン当選報知演出を実行済みか否かを判定する。例えば、ステップS2404のVBモード当選報知演出やステップS2408の特化ゾーン当選報知演出の設定に際して、RAM183の各種フラグ格納エリア183aにVB当選や特化ゾーン当選の報知が行われたことを示す報知済みフラグをセットする。当該報知済みフラグは、VBモード又は特化ゾーンへ移行することに基づいてクリアする。そして、ステップS2607にて、当該報知済みフラグの有無を判定する構成とするとよい。VBモード又は特化ゾーンの当選報知済みである場合には、ステップS2608にて、第4,第5再遊技入賞が成立する押し順報知を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。VBモード又は特化ゾーンの当選報知済みではない場合には、ステップS2605に進み、第1再遊技入賞用の押し順報知を行ってから、押し順報知用処理を終了する。
ステップS2606にて第2昇格リプレイ1,2ではないと判定した場合、ステップS2609にて、今回の抽選結果がBARリプレイであるか否かを判定する。BARリプレイである場合には、ステップS2610にて、特化ゾーン当選報知演出を実行済みであるか否かを判定する。特化ゾーンの当選報知済みである場合には、ステップS2611にて第7再遊技入賞が成立する押し順報知を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。特化ゾーンの当選報知済みではない場合には、上記ステップS2603に進み、第3再遊技入賞用の押し順報知を行ってから、押し順報知用処理を終了する。
ステップS2609にてBARリプレイではないと判定した場合、ステップS2612にて、今回の抽選結果がベルであるか否かを判定する。ベル当選である場合には、ステップS2613にて、第1小役としてベル入賞が成立する押し順報知を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。
ステップS2612にて否定判定した場合、ステップS2614にて、今回の抽選結果が移行リプレイであるか否かを判定する。移行リプレイ当選である場合には、ステップS2615にて特別報知実行用処理を実行してから、押し順報知用処理を終了する。ステップS2614及びステップS2615の処理は、移行リプレイに当選し得る実施形態用の処理であり、これらの処理については、後に詳細に説明する。ステップS2614にて否定判定した場合には、そのまま、押し順報知用処理を終了する。
開始時演出設定処理の説明(図59)に戻り、ステップS2503にて押し順役当選ではないと判定した場合、ステップS2505にて、移行契機役当選か否かを判定する。移行契機役当選である場合には、ステップS2506にて移行契機役報知用処理を行う。移行契機役報知用処理については、後に詳細に説明する。
ステップS2505にて否定判定した場合、又はステップS2504若しくはステップS2506の処理を実行した後は、ステップS2507に進む。ステップS2507では、今回の開始時コマンドとして、上乗せコマンドを受信しているか否かを判定する。上乗せコマンドを受信している場合には、ステップS2508にて、上乗せコマンドに対応するゲーム数の上乗せ演出が、停止時に実行されるように、予め上乗せ演出を設定する処理を行う。上乗せ演出としては、例えば、図67(a)~図67(c)に示すように、補助表示部65にて、上乗せゲーム数に対応する数値を表示する。その他、上乗せ演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、電子音で「キュキュキュキュキュイーン!」)が発せられるように制御する。
ステップS2508の上乗せ演出の設定処理の詳細について、図61のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2701では、今回受信した上乗せコマンドに基づいて、報知する上乗せゲーム数を把握する処理を行う。続くステップS2702では、報知タイミングを把握する処理を実行する。報知タイミングとは、上乗せ演出を実行するタイミングであり、上記の主制御装置101側の処理(上乗せ報知用処理)にてそのタイミングが決定される。決定されたタイミングの情報は、上記上乗せコマンドに設定されて出力される。そのため、表示制御装置81側では、かかる上乗せコマンドを読み取ることで上乗せ演出を実行すべきタイミングを把握することが可能となる。報知タイミングとしては、上乗せ演出を実行すべきゲームと、各ストップスイッチ42~44の停止操作に対応するタイミングと、が設定される。
ステップS2702にて、報知タイミングを把握した後は、ステップS2703にて、ステップS2702の把握結果が、今回のゲームで上乗せ演出を行うものであったか否かを判定する。今回のゲームにて上乗せ報知を行うものではない場合とは、後乗せ報知が選択された場合であり、この場合には、そのまま上乗せ演出の設定処理を終了する。今回のゲームで上乗せ演出を行うものである場合、ステップS2704にて、今回のゲームにおける上乗せ演出の実行タイミングとして、いずれかのリールの停止ON時であったか否かを判定する。停止ON時であった場合、ステップS2705にて、上乗せ演出を発生させる対象リールを設定し、当該対象リールの停止ON操作時に上乗せ演出が発生するように設定する。具体的には、各種フラグ格納エリア183aに、第1リール停止ON操作時フラグ~第3リール停止ON操作時フラグのいずれかをセットする処理を行う。これらのフラグは、上乗せ演出発生タイミングをCPU181が把握するためのフラグである。また、ステップS2705では、かかる停止ON操作時に発生させる上乗せゲーム数に対応する上乗せ演出の演出データを、演出データ記憶エリア182bから読み出し、予め定められた演出データ設定エリアに当該データを一時記憶させる処理を行う。CPU181は、上記停止ON操作時フラグに対応するタイミングで上乗せ演出が発生することを把握した場合、上記演出データ設定エリアに一時記憶された演出データを読み出し、上乗せ演出が行われるようにする。
ステップS2704にて否定判定した場合、ステップS2706にて、第1リール又は第2リールの停止OFF操作時であったか否かを判定する。これらのリールの停止OFF操作時であった場合、ステップS2707にて、上乗せ演出を発生させる対象リールを設定し、当該対象リールの停止OFF操作時に上乗せ演出が発生するように設定する。具体的には、各種フラグ格納エリア183aに、第1リール停止OFF操作時フラグ、第2リール停止OFF操作時フラグのいずれかをセットする処理を行う。これらのフラグも、上乗せ演出発生タイミングをCPU181が把握するためのフラグである。また、ステップS2707でも、上乗せゲーム数に対応する上乗せ演出の演出データを、演出データ記憶エリア182bから読み出し、予め定められた演出データ設定エリアに当該データを一時記憶させる処理を行う。
ステップS2706にて否定判定した場合、ステップS2708にて、今回の上乗せ演出を全リール停止時(第3リールの停止OFF操作時)に発生するように設定する。具体的には、各種フラグ格納エリア183aに、第3リール停止OFF操作時フラグをセットする処理を行う。また、ステップS2708でも、上乗せゲーム数に対応する上乗せ演出の演出データの一時記憶処理を行う。ステップS2705、ステップS2707又はステップS2708の処理を実行した後は、上乗せ演出の設定処理を終了する。
開始時演出設定処理の説明に戻り、ステップS2507にて上乗せコマンドを受信していない場合、又はステップS2508の処理を実行した後は、ステップS2509にてボーナス中演出設定処理を実行し、ステップS2510にて連続演出設定処理を実行し、その後、ステップS2511にて、その他の開始時演出を設定してから、開始時演出設定処理を終了する。ボーナス中演出設定処理及び連続演出設定処理については、後に詳細に説明する。ステップS2511の処理では、例えば、ゲーム開始に対応させて抽選結果を示唆する演出を設定したり、スタートレバー41周辺のランプを消灯させてその操作が受け付けられたことを報知する処理等を行う。
<各停止操作時演出設定処理>
次に、ステップS2308にて実施される各停止操作時演出設定処理について、図62のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2801では、今回受信した各停止操作時コマンドが、停止ON操作コマンドであるか否かを判定する。停止ON操作コマンドは、各リールの停止操作のうちストップスイッチ42~44の押圧操作が行われた場合に主制御装置101から出力されるコマンドである。
ステップS2801にて肯定判定した場合、ステップS2802に進み、今回のゲームの演出として、リールの停止ON操作時に発生する演出が設定されているか否かを判定する。設定されていなければ、そのまま本設定処理を終了する。設定されている場合、ステップS2803にて、今回受信した停止ON操作コマンドが、設定されている停止ON操作時の演出の対象となっているリールの停止操作のものか否かを判定する。対象リールの停止ON操作ではない場合には、そのまま本設定処理を終了する。対象リールの停止ON操作である場合、ステップS2804にて、停止ON操作時演出が行われるように、補助表示部65等を制御して、その後、本設定処理を終了する。
例えば、今回の停止ON操作時演出として、上乗せ演出が設定されている場合、図67(a)に示すように、ストップスイッチ42~44を押圧操作(ON操作)したタイミングで、補助表示部65にて上乗せ演出が発生する。またこの場合、当該上乗せ演出に対応する効果音がスピーカ64から発せられる。
また、例えば今回のゲームが押し順役当選であって、押し順報知演出が設定されている場合、各停止ON操作に基づき対応するリールが停止することによって、押し順報知演出が次の操作対象となるリールを示す演出に変化する。具体的には、当該停止ON操作時演出前に全リール32L,32M,32Rが回転している状況であれば、図46(a)に示す第1リールを操作対象とする表示がなされている。そして、第1リールに対応する停止ON操作によって対応するリール(図では中リール32M)が停止すると、図46(b)に示す、次の操作対象となるリール(図では右リール32R)を示す演出に変化する。また、当該停止ON操作時演出前に2つのリールが回転している状況であれば、図46(b)に示す第2リールを停止対象とする表示がなされており、停止ON操作によって第2リールが停止することに基づき、第3リールを停止対象とする表示(図46(c))に変化する。
ステップS2801にて否定判定した場合、ステップS2805に進み、今回受信した各停止操作時コマンドが、停止OFF操作コマンドであるか否かを判定する。停止OFF操作コマンドは、各リールの停止操作のうちストップスイッチ42~44の押圧操作を終了した場合に主制御装置101から出力されるコマンドである。
ステップS2805にて肯定判定した場合、ステップS2806に進み、今回のゲームの演出として、リールの停止OFF操作時に発生する演出が設定されているか否かを判定する。設定されていなければ、そのまま本設定処理を終了する。設定されている場合、ステップS2807にて、今回受信した停止OFF操作コマンドが、設定されている停止OFF操作時の演出の対象となっているリールの停止操作のものか否かを判定する。対象リールの停止OFF操作ではない場合には、そのまま本設定処理を終了する。対象リールの停止OFF操作である場合、ステップS2808にて、停止OFF操作時演出が行われるように、補助表示部65等を制御して、その後、本設定処理を終了する。
例えば、今回の停止OFF操作時演出として、上乗せ演出が設定されている場合、図67(b)に示すように、ストップスイッチ42~44の押圧操作を終了して、当該ストップスイッチ42~44から手を離したタイミングで、補助表示部65にて上乗せ演出が発生する。またこの場合、当該上乗せ演出に対応する効果音がスピーカ64から発せられる。ステップS2805にて否定判定した場合は、そのまま本演出設定処理を終了する。
<全停止時演出設定処理>
次に、全停止時演出設定処理について、図63のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS2901では、今回受信している停止時コマンドとしてATモード開始コマンドが含まれているか否かを判定する。ATモード開始コマンドが含まれている場合には、ステップS2902にて、ATモード開始演出を設定する処理を行う。ATモード開始演出では、例えば、図69(a)に示すように、補助表示部65にて、「AT開始!! LV.1」という文字表示を行う。その他、ATモード開始演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、女性の高い声で「いくわよー!」)が発せられるように制御する。
ちなみに、ATモード開始演出における「LV.1」の表示は、ATモードのレベルに対応している。つまり、今回開始されるATモードがLV.1モードであることを示す表示である。そして、ATモードのレベルがLV.2モードに昇格すると(昇格コマンドを受信すると)、昇格演出として、補助表示部65にて、「LV.2」という文字表示が行われる。また、ATモードのレベルがLV.3モードに昇格すると、「LV.3」という文字表示が行われ、LV.4モードに昇格すると、「LV.4」という文字表示が行われる。
ステップS2901にてATモード開始コマンドが含まれていない場合には、ステップS2903にて、今回受信している停止時コマンドとしてATモード終了コマンドが含まれているか否かを判定する。ATモード終了コマンドが含まれている場合には、ステップS2904にて、ATモード終了演出を設定する処理を行う。ATモード終了演出では、例えば、図69(b)に示すように、補助表示部65にて、「AT END」という文字表示を行うとともに、今回のATモード(VBモード、特化ゾーンを含む)の継続ゲーム数を表示し、また、今回のATモード(VBモード、特化ゾーン、ボーナスを含む)の総払出枚数を表示する。その他、ATモード終了演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、女性の高い声で「またね」)が発せられるように制御する。
ステップS2903にてATモード終了コマンドが含まれていない場合には、ステップS2905にて、今回受信している停止時コマンドとしてVBモード開始コマンドが含まれているか否かを判定する。VBモード開始コマンドが含まれている場合には、ステップS2906にて、VBモード開始演出を設定する処理を行う。VBモード開始演出では、例えば、図70(a)に示すように、補助表示部65にて、「777 ラッキー!!」という文字表示を行う。その他、VBモード開始演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男女の声で「ボーナス開始!!」)が発せられるように制御する。
ステップS2905にてVBモード開始コマンドが含まれていない場合には、ステップS2907にて、今回受信している停止時コマンドとしてVBモード終了コマンドが含まれているか否かを判定する。VBモード終了コマンドが含まれている場合には、ステップS2908にて、VBモード終了演出を設定する処理を行う。VBモード終了演出では、例えば、図70(b)に示すように、補助表示部65にて、「V-BONUS END」という文字表示を行うとともに、今回のVBモード終了時のATモードの継続ゲーム数(VBモード、特化ゾーンを含む)の継続ゲーム数を表示し、また、今回のVBモード終了時のATモード(VBモード、特化ゾーン、ボーナスを含む)の総払出枚数を表示する。その他、VBモード終了演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男女の声で「まだまだ続くぞ」)が発せられるように制御する。
ステップS2907にてVBモード終了コマンドが含まれていない場合には、ステップS2909にて、今回受信している停止時コマンドとして特化ゾーン開始コマンドが含まれているか否かを判定する。特化ゾーン開始コマンドが含まれている場合には、ステップS2910にて、特化ゾーン開始演出を設定する処理を行う。特化ゾーン開始演出では、例えば、図71(a)に示すように、補助表示部65にて、「上乗せチャレンジ!!」という文字表示を行うとともに、ATモードの上乗せが発生し易い特殊なモードであることを示唆するキャラクタの表示を行う。その他、特化ゾーン開始演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男の子の声で「行くぞ」)が発せられるように制御する。
ステップS2909にて特化ゾーン開始コマンドが含まれていない場合には、ステップS2911にて、今回受信している停止時コマンドとして特化ゾーン終了コマンドが含まれているか否かを判定する。特化ゾーン終了コマンドが含まれている場合には、ステップS2912にて、特化ゾーン終了演出を設定する処理を行う。特化ゾーン終了演出では、例えば、補助表示部65にて、今回の特化ゾーンにて上乗せを行った総ゲーム数を表示する。その他、特化ゾーン終了演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、電子音で「キュキュキュキュキュイーン!」)が発せられるように制御する。なお、総上乗せゲーム数に応じて補助表示部65の表示内容やスピーカ64から発せられる効果音を異ならせるとよい。
ステップS2911にて特化ゾーン終了コマンドが含まれていない場合には、ステップS2913にて、今回受信している停止時コマンドとしてボーナス終了コマンドが含まれているか否かを判定する。ボーナス終了コマンドが含まれている場合には、ステップS2914にて、ボーナス終了演出を設定する処理を行う。ボーナス終了演出では、例えば、補助表示部65にて、今回のボーナス中に獲得した総払出枚数を表示するとともに、ATモードやVBモード、特化ゾーン中に移行したボーナスであれば、ATモード(VBモード、特化ゾーン、ボーナスを含む)の総払出枚数を表示する。その他、ボーナス終了演出では、ATモードの当否、上乗せゲーム数に応じて、これらの内容を示唆するキャラクタ等による演出を行う。
ステップS2902、ステップS2904、ステップS2906、ステップS2908、ステップS2910、ステップS2912及びステップS2914のいずれかの処理を実行した後、又はステップS2913にて否定判定した後は、ステップS2915に進む。ステップS2915では、上乗せ演出が設定されている場合には上乗せ演出を実行するように、補助表示部65等を制御する。既に説明したとおり、上乗せ演出の設定は、開始時演出設定処理における、ステップS2507にて行われる。具体的には、上乗せ演出の設定処理(図61)にて、今回の上乗せ演出の発生タイミングが全停止時に設定された場合、図67(c)に示すように、全ての各リール32L,32M,32Rが停止したタイミングで、補助表示部65にて上乗せ演出が発生する。またこの場合、当該上乗せ演出に対応する効果音がスピーカ64から発せられる。
その後、ステップS2916にて、保留表示用処理を実行する。保留表示用処理は、ATモード移行抽選に関する保留情報の表示についての処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。その後、ステップS2917にて、その他の停止時演出を設定してから、本演出設定処理を終了する。ステップS2917では、例えば、入賞役に対応させた色で上部ランプ63が点灯するように制御したり、入賞役の払出数に対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したり、リプレイ時の自動ベットに対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したりする。
以上のように、主制御装置101からの各種コマンドに基づいて、表示モードの移行を報知するための各種処理が表示制御装置81側で行われ、その報知が補助表示部65等により行われる。その他、表示制御装置81側では、これら表示モードの移行の報知以外にも、各種ゲーム中の演出用処理が行われる。
<各種ゲーム中の演出用処理>
本実施形態では、各種ゲーム中の演出として、ボーナス中演出や連続演出が設けられている。ボーナス中演出は、第1BBや第2BB入賞に基づいて移行するボーナス状態中の各ゲームにて行われる演出である。連続演出とは、遊技者にとって有利な結果(ボーナスやATモード、VBモード等に当選していること)を期待させる演出であって、複数回(本実施形態では4回)のゲームに亘って継続され得る演出であり、最終回のゲームにおいて当該有利な結果であったか否かの報知が行われる演出である。
<ボーナス中演出設定処理>
先ず、ボーナス中演出設定処理について、図64のフローチャートを参照しながら説明する。ボーナス中演出設定処理は、開始時演出設定処理(図59)のステップS2509にて実施される処理である。
ボーナス中演出設定処理では、ステップS3001にて、今回のゲームからボーナスゲームが開始されるか否かを判定する。ボーナスゲームとは、第1BB又は第2BB入賞した次のゲームから、ボーナス終了までのゲームが該当する。ステップS3001にて肯定判定する場合とは、前ゲームにて第1BB又は第2BB入賞が成立した場合である。この場合、ステップS3002にて、今回のボーナス種別を把握する処理を行う。より詳しくは、今回のボーナスゲームが第1BB入賞に基づくものか、それとも第2BB入賞に基づくものかを把握する。そして、ステップS3003にて、ステップS3002にて把握したボーナス種別に対応するボーナス演出の設定を行う。ステップS3001にて否定判定した場合、又はステップS3003の処理を実行した後は、ボーナス中演出設定処理を終了する。
ちなみに、本実施形態では、第1BB入賞に基づくボーナスゲームの場合と、第2BB入賞に基づくボーナスゲームの場合とで、ボーナス演出の内容が遊技者に識別可能な程度に異なっている。より詳しくは、第1BB入賞に基づくボーナスゲームでは、補助表示部65にて実写による動画演出が行われるボーナス演出が設定されており、第2BB入賞に基づくボーナスゲームでは、補助表示部65にてアニメーションによる演出が行われるボーナス演出が設定されている。また、スピーカ64から出力される効果音(歌)も第1BBと第2BBとで異なっている。
いずれのボーナス演出も、ゲームの進行に関わらず独立して実施される演出であり、ボーナスゲームが継続する限り繰り返し実施されるように設定されている。例えば、5分間の動画演出又はアニメーション演出を単位演出とし、ボーナス演出開始後5分が経過して当該単位演出が終了すると、再度、当該単位演出を再度最初から開始するように設定されている。なお、補助表示部65における演出については単位演出終了時の画面で停止し、且つ効果音(歌)のみが繰り返される構成としてもよい。また、補助表示部65における演出については各ゲームの進行に同期して実施され、且つ効果音(歌)のみが各ゲームの進行に関わらず独立して実施される構成としてもよい。
<連続演出用の処理>
連続演出について、その概要を、図72を参照しながら説明する。
例えば、図72(a)に示すように、連続演出が設定された1ゲーム目の開始時に連続演出の継続回数を示唆する表示を行う(図では、4ゲームの連続演出に対応させて4段のだるま落とし演出を示している)。そして、当該連続演出が設定された1ゲーム目の終了時において、連続演出の継続の有無を報知する演出を行う(図では、1段目のだるま落としが成功したことの演出を示しており、連続演出が継続することを示している)。連続演出が途切れる場合、当該連続演出が設定された1ゲーム目の終了時において、連続演出が途中で終了することを報知する演出が行われる(例えば、1段目のだるま落としが失敗する演出等)。連続演出の継続の有無に関する演出は、連続演出における各ゲームにおいて同様である。
図72(b)に示すように、連続演出が設定された2ゲーム目の開始時には、残りの連続演出の回数を示唆する表示を行う(図では、残り3段のだるま落とし演出)。そして、当該2ゲーム目の終了時において、連続演出の継続の有無を報知する演出を行う(図では、2段目のだるま落としが成功したことの演出を示しており、連続演出が継続することを示している)。
図72(c)に示すように、連続演出が設定された3ゲーム目の開始時には、残りの連続演出の回数を示唆する表示を行う(図では、残り2段のだるま落とし演出)。そして、当該3ゲーム目の終了時において、連続演出の継続の有無を報知する演出を行う(図では、3段目のだるま落としが成功したことの演出を示しており、連続演出が継続することを示している)。
図72(d)に示すように、連続演出の最終ゲーム(4ゲーム目)の開始時には、連続演出の最終ゲームであることを示唆する表示を行う(図では、1段のだるま落とし演出)。そして、当該最終ゲームの終了時において、遊技者にとって有利な結果であったか否かの演出を行う(図では、最終段のだるま落としが成功したことの演出を示している)。
以上のように、連続演出では、前ゲームの演出を引き継いで次のゲームの演出が設定され、各ゲームの演出が連続性を有している。また、現状のゲームが連続演出開始から何ゲーム目であるか(連続演出終了まで何ゲームあるか)が明確に認識可能となっている。
ここで、連続演出の各ゲームにおいて、次ゲームまで連続演出が継続するか否かは、連続演出のゲームが進行するほど継続率が高くなるように設定されている。すなわち、連続演出の1ゲーム目終了時に、連続演出の非継続が報知される可能性が最も高く、ゲームが進行するほど、非継続が報知される可能性は低くなる。そのため、連続演出においては、現状のゲームが連続演出における何ゲーム目であるかで、遊技者の関心の高さが大きく異なり、開始ゲームから終了ゲームに進行するにつれて高い関心が寄せられるようになる。
以下、上記連続演出に関する処理として、開始時演出設定処理(図59)における移行契機役報知用処理(ステップS2506)、連続演出設定処理(ステップS2510)について、それぞれ説明する。
<移行契機役報知用処理>
移行契機役報知用処理では、図65のフローチャートに示すように、先ず、ステップS3101にて、チャンス演出を今回のゲームの演出として設定するか否かのチャンス演出抽選処理を実行する。チャンス演出では、図71(b)に示すように、例えば、補助表示部65にて、「チャンス!!」という文字表示を行うとともに、ビックリマークが付されたキャラクタを各リール32L,32M,32Rに対応させてそれぞれ表示するようにする。その他、チャンス演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、電子音で「キュイ」)が発せられるように制御する。チャンス演出抽選処理では、例えば、移行契機役当選時の約2分の1でチャンス演出が発生するように抽選を行う。なお、チャンス演出抽選処理の当選確率が移行契機役の種類、表示モードや遊技状態、設定値等によって異なる構成としてもよい。続くステップS3102では、ステップS3101の抽選処理に当選したか否かを判定する。当選している場合には、ステップS3103にて今回のゲームの演出としてチャンス演出が行われるように設定する。
ここで、本スロットマシン10において、移行契機役を含めて各小役の入賞を成立させるために推奨される遊技態様について説明する。
各ゲームにて当選し得る役のうち、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによって入賞させることができない所謂取りこぼしが発生する小役は、強チェリー、弱チェリー、強スイカ、弱スイカが設定されている。より詳しくは、既に説明したとおり、強チェリーは、第28小役、第32小役~第35小役のいずれかが入賞し得る役であるところ、左リール32Lについての第28小役図柄、第32小役図柄~第35小役図柄は「チェリー」図柄及び「第2リプレイ」図柄である。この場合、3ベットゲームにおいて、7番目の「赤ベル」図柄から20番目の「白ベル」図柄が左リール32Lの上段に到達したタイミングで左リール32Lの停止操作が行われた場合、上記第28小役図柄、第32小役図柄~第35小役図柄たる「チェリー」図柄及び「第2リプレイ」図柄のいずれをも、有効ラインに停止させることができない。そのため、これらのタイミングで左リール32Lの停止操作が行われると、強チェリー役の取りこぼしが発生する。
また、弱チェリーは、第27小役、第32小役~第35小役のいずれかが入賞し得る役であるところ、左リール32Lについての第27小役図柄、第32小役図柄~第35小役図柄は「チェリー」図柄及び「第2リプレイ」図柄である。この場合においても、3ベットゲームにおいて、7番目の「赤ベル」図柄から20番目の「白ベル」図柄が左リール32Lの上段に到達したタイミングで左リール32Lの停止操作が行われた場合、上記第27小役図柄、第32小役図柄~第35小役図柄たる「チェリー」図柄及び「第2リプレイ」図柄のいずれをも、有効ラインに停止させることができない。そのため、これらのタイミングで左リール32Lの停止操作が行われると、弱チェリー役の取りこぼしが発生する。
強スイカは、第30小役及び第41小役のいずれかが入賞し得る役であるところ、左リール32Lについての第30小役図柄及び第41小役図柄は、「スイカ」図柄である。この場合、3ベットゲームにおいて、9番目の「赤7」図柄から3番目の「白ベル」図柄が左リール32Lの上段に到達したタイミングで左リール32Lの停止操作が行われた場合、第30小役図柄及び第41小役図柄たる「スイカ」図柄を有効ラインに停止させることができない。そのため、これらのタイミングで左リール32Lの停止操作が行われると、強スイカ役の取りこぼしが発生する。
弱スイカは、第29小役及び第41小役のいずれかが入賞し得る役であるところ、左リール32Lについての第29小役図柄及び第41小役図柄は、「スイカ」図柄である。この場合においても、3ベットゲームにおいて、9番目の「赤7」図柄から3番目の「白ベル」図柄が左リール32Lの上段に到達したタイミングで左リール32Lの停止操作が行われた場合、第29小役図柄及び第41小役図柄たる「スイカ」図柄を有効ラインに停止させることができない。そのため、これらのタイミングで左リール32Lの停止操作が行われると、弱スイカ役の取りこぼしが発生する。
そうすると、これら取りこぼしが発生し得る役のいずれについても入賞可能性を残しながら左リール32Lを停止操作する場合、4番目の「チェリー」図柄から6番目の「第2リプレイ」図柄が左リール32Lの上段に到達したタイミングで停止操作する必要がある。なお、以下の説明では、かかる左リール32Lの操作態様を、取りこぼしを生じさせない操作態様として、特定操作態様(第1操作態様)とも称し、これに対する上記の取りこぼしが生じる各操作態様を非特定操作態様(第2操作態様)とも称する。
ステップS3103にて設定するチャンス演出では、今回の当選役が移行契機役のうちのいずれかであることが示唆されるものの、いずれの移行契機役であるかは判別できない又は判別しにくいように設定されている。すなわち、チャンス演出が行われた場合、今回のゲームの当選役として、強チェリー、弱チェリー、強スイカ、弱スイカ等のいずれかである可能性が高いものの、強チェリー及び弱チェリーのいずれであるかの判別、強スイカ及び弱スイカのいずれであるかの判別、強チェリー及び強スイカのいずれであるかの判別等が行えないようになっている。そのため、遊技者としては、各移行契機役のいずれに当選している場合であっても取りこぼしを発生させないように、上記の特定操作態様にて左リール32Lの操作を行うこととなる。
また、チャンス演出は移行契機役の当選したゲームで必ず発生するわけではなく、チャンス演出抽選処理(ステップS3101)にて当選したことを条件として発生する。そうすると、移行契機役の取りこぼしを発生させないように、通常時から毎ゲーム、上記の特定操作態様にて左リール32Lの操作を行うことが推奨されることになる。
ステップS3102にて否定判定した場合、又はステップS3103の処理を行った後は、ステップS3104に進む。ステップS3104では、今回の開始時コマンドとして前兆コマンドが含まれているか否かを判定する。前兆コマンドが含まれていない場合には、ステップS3105にて、今回の開始時コマンドとして上乗せコマンドが含まれているか否かを判定する。上乗せコマンドが含まれていない場合には、ステップS3106にてボーナスに当選しているか否かを判定する。ボーナスに当選していない場合、すなわち、抽選結果として強チェリーや弱スイカ等の移行契機役当選であった場合であって、ATモードやVBモードへの移行抽選や継続ゲーム数の上乗せ抽選に当選しておらず、且つボーナスにも当選していない場合には、ステップS3107にて、擬似前兆モードの抽選処理を実行する。擬似前兆モードとは、前兆モードと見た目上は識別困難であるものの、前兆モードでは前兆ゲーム数が終了したことに基づいて遊技者に有利な結果(ATモードの当選等)が報知される一方、擬似前兆モードでは、擬似前兆ゲーム数が終了したことに基づいて遊技者にとって有利な結果を報知することなく終了するモードである。
ステップS3107では、ROM182の各種テーブル記憶エリア182aから擬似前兆モード抽選用のテーブルを取得するとともに、各種カウンタエリア183bから抽選用のカウンタを取得して、擬似前兆モードを実行するか否かの抽選を行う。擬似前兆モード抽選用のテーブルでは、当選している移行契機役の種類に応じて擬似前兆モードの抽選に当選する確率が異なるように設定されており、例えば、強チェリーの方が弱チェリーよりも擬似前兆モードの抽選に当選する確率が高くなるように設定されている。
ステップS3108では、ステップS3107の処理結果に基づいて、擬似前兆モードの抽選に当選したか否かを判定する。当選している場合には、ステップS3109にて、擬似前兆モードのゲーム数の抽選処理を行う。かかる処理は、主制御装置101側のステップS909等に対応するものであり、1~20のうちの1の擬似前兆ゲーム数を抽選によりランダムに決定する。但し、上記のとおり、各種当選に基づく前兆モードとは異なり、疑似前兆ゲーム数は20ゲーム以下となるように決定される。また、疑似前兆ゲーム数の抽選においては、0ゲームは選択されない。続くステップS3110では、ステップS3109にて決定した擬似前兆ゲーム数を、各種カウンタエリア183bに設けられた連続演出カウンタにセットする処理を行う。連続演出カウンタは、結果報知までのゲーム数を把握するためのカウンタであり、1ゲーム毎に1ずつ減算される。例えば、4ゲームの連続演出を行う構成においては、連続演出カウンタが4となるゲームにおいて連続演出が開始され、連続演出カウンタが0となるゲームにて結果報知が行われる。本実施形態では、前兆モードや擬似前兆モードに設定されると、連続演出を経てから当該前兆モードや擬似前兆モードが終了する構成としている。そして、上記ステップS3110にて連続演出カウンタに擬似前兆ゲーム数を入力することで、擬似前兆モードの残りゲーム数が連続演出開始に対応するもの(残り4ゲーム)となると、連続演出が開始されることとなる。
ステップS3111では、各種フラグ格納エリア183aに擬似前兆モードであることを示す擬似フラグをセットする処理を実行する。続くステップS3112では、連続演出フラグをセットする。その後、移行契機役報知用処理を終了する。また、ステップS3104~ステップS3106のいずれかで肯定判定した場合、又はステップS3108にて否定判定した場合は、そのまま移行契機役報知用処理を終了する。
<連続演出設定処理>
次に、開始時演出設定処理(図59)のステップS2510にて行われる連続演出設定処理について、図66のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS3201では、今回受信している開始時コマンドとして前兆コマンドが含まれているか否かを判定する。前兆コマンドが含まれている場合には、ステップS3202にて、当該前兆コマンドに含まれる前兆モードの前兆ゲーム数を連続演出カウンタに入力する処理を行う。これにより、前兆モードの残りゲーム数が連続演出開始に対応するもの(残り4ゲーム)となると、連続演出が開始されることとなる。なお、ステップS3202にて1ゲーム~3ゲームの前兆ゲーム数を連続演出カウンタに入力する場合には、連続演出が途中から開始される。例えば、ステップS3202にて連続演出カウンタに2を入力すると、連続演出は今回のゲームから開始され、図72(c)の連続演出3ゲーム目の演出から行われる。また、連続演出カウンタに0を入力する場合、すなわち、前兆モードを経ずにATモード等の当選報知が行われる場合には、連続演出は実行されない。ステップS3202の処理を行った後は、ステップS3203にて、連続演出フラグをセットする。
ステップS3201にて否定判定した場合、又はステップS3203の処理を実行した後は、ステップS3204に進む。ステップS3204では、連続演出フラグがセットされているか否かを判定する。連続演出フラグがセットされている場合には、ステップS3205にて連続演出カウンタから1減算する処理を行う。そして、ステップS3206にて、連続演出カウンタが連続演出に対応する数(0~3)であるか否かを判定する。連続演出カウンタが連続演出に対応する数である場合には、ステップS3207にて、擬似フラグがセットされているか否かを判定する。擬似フラグがセットされていない場合には、ステップS3208に進み、各種テーブル記憶エリア182aから本前兆用演出テーブルを取得する。そして、ステップS3209にて、本前兆用演出テーブルと連続演出カウンタとから、対応する連続演出の演出データを特定し、ROM182の演出データ記憶エリア182bから対応する演出データを取得し、今回の連続演出として設定する処理を行う。本前兆用演出テーブルから特定される連続演出の演出データとしては、連続演出カウンタが1~3であれば、次ゲームまで連続演出が継続することを示す演出データとなっており、連続演出カウンタが0であれば、今回の連続演出が成功で終了することを示す演出データとなっている。
ステップS3207にて擬似フラグがセットされていると判定した場合には、ステップS3210に進む。ステップS3210では、各種テーブル記憶エリア182aから擬似前兆用演出テーブルを取得する。そして、ステップS3211にて、擬似前兆用演出テーブルと連続演出カウンタとから、対応する連続演出の演出データを特定し、ROM182の演出データ記憶エリア182bから対応する演出データを取得し、今回の連続演出として設定する処理を行う。擬似前兆用演出テーブルから特定される連続演出の演出データとしては、連続演出カウンタが1~3であれば、次ゲームまで連続演出が継続することを示す演出データ又は継続しないことを示す演出データとなっており、連続演出カウンタが0であれば、今回の連続演出が失敗で終了することを示す演出データとなっている。
なお、連続演出カウンタが1~3である場合に擬似前兆用演出テーブルから特定される演出データとしては、連続演出が設定されないものも含まれる。例えば、連続演出カウンタが3及び2の場合には連続演出の演出データが設定されず、連続演出カウンタが1の場合に、図72(a)の次ゲームまで連続演出が継続することを示す連続演出1ゲーム目の演出データが設定され、連続演出カウンタが0の場合に、図72(b)において次ゲームまで連続演出が継続しないことを示す連続演出2ゲーム目の演出データが設定される。このようにすることで、擬似前兆モードの擬似前兆ゲーム数が0となるゲームにて連続演出が途中で途切れる演出を設定することが可能となる。
ステップS3209又はステップS3211の処理を行った後は、ステップS3212にて連続演出カウンタが0であるか否かを判定する。連続演出カウンタが0である場合には、ステップS3213にて連続演出フラグ及び擬似フラグをクリアする処理を行う。なお、擬似フラグがセットされていない場合には、その状態を維持する。ステップS3204、ステップS3206若しくはステップS3212にて否定判定した場合、又はステップS3213の処理を行った後は、本連続演出設定処理を終了する。
以上のように、本スロットマシン10では、遊技媒体としてのメダルの投入、及びスタートレバー41の始動操作に基づいて主制御装置101側の抽選処理が行われるとともに、各リール32L,32M,32Rが回転開始され、ストップスイッチ42~44の停止操作に基づいて各リール32L,32M,32Rは停止し、有効ラインに停止した図柄の組合せが、抽選処理の結果に対応するものである場合、対応する特典が付与される構成において、抽選処理の結果としてリプレイとなる確率が異なる複数のRT状態が設けられており、対応する昇格リプレイや転落リプレイの入賞が成立することでRT状態が移行する。対応するリプレイの入賞の可否は、当否抽選の結果の他、ストップスイッチ42~44の操作順序によって定められており、当該操作順序の報知は、抽選処理の結果に応じて行われる有利区間への移行抽選に当選して有利区間へ移行し、更に、当該有利区間に含まれるATモードへの移行抽選に当選してATモードへ移行することで行われるようになる。抽選処理の結果としては押し順ベルが設けられており、当該ストップスイッチ42~44の操作順序によっては、当該押し順ベル入賞を成立させてメダルを獲得することが可能となる。そして、ATモードへ移行して、リプレイ確率が向上するRT状態として第2RT状態や第3RT状態に移行させることで、そのRT状態において、リプレイ確率が向上した状態で押し順ベル入賞を成立させることができ、多量のメダルを獲得することが可能となる。
既に説明したとおり、ATモードへ移行すると、初期ゲーム数(50)が設定され、当該初期ゲーム数に亘ってATモードによる遊技が可能となる。ATモード等において上乗せ抽選に当選すると、ATモードの継続ゲーム数の上乗せが行われ、ATモードによる遊技を行うことが可能となるゲーム数が増加する。その結果、当該ATモードにて獲得できるメダル数も増加し得ることとなる。
ATモードの残りゲーム数が0となり、且つ有利区間中の他の表示モードの残りゲーム数が0である場合や、有利区間の強制終了条件(1500ゲーム消化や2400枚増加)が成立した場合には、区間表示第2処理において、有利区間(ATモード)の終了処理が行われる。既に説明した通り、有利区間の終了処理においては、有利区間中の各種パラメータ(各種情報)の初期化処理を行うことによって、有利区間の終了後に、当該有利区間中の情報が引き継がれないようにし、有利区間と通常区間とが明確に区別可能となっている。
以下、本スロットマシン10のATモード移行抽選の抽選態様について説明する。
既に説明したとおり、ATモード移行抽選は、抽選結果対応処理において、有利区間に移行した後のゲームの第1特定役処理にて実行される。ATモード移行抽選は、当該移行抽選が行われるゲームにおける抽選処理の抽選結果(以下の説明では、「ゲームの抽選結果」や、単に「抽選結果」とも称する)と、ATモード移行抽選テーブルと、抽選用の乱数(カウンタ値)と、に基づいて行われる。各ゲームの抽選結果は各ゲームの開始操作(スタートレバー41の操作)に基づき行われる抽選処理の結果であり、ATモード移行抽選テーブルは、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aに予め記憶されている。これに対して、抽選用の乱数は、ATモード移行抽選が行われるゲーム以前のゲームにて事前に取得される構成としている。
図74は、ATモード移行抽選用の乱数を事前取得するための処理として、乱数取得用処理を示すフローチャートである。乱数取得用処理は、リール制御処理(図18)におけるステップS416にて実施される処理であり、全リール32L,32M,32Rの停止操作が行われた後に実施される。言い換えると、各リール32L,32M,32Rの停止操作のうち、第3停止操作における第3停止OFF操作に基づいて行われる。
ステップS3301では、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたATカウンタCを取得する処理を実行する。ATカウンタCは、ATモード移行抽選に用いられる抽選用の乱数に相当する。そして、ATカウンタCは、1~128の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり128)に達した後1に戻るループカウンタである。ATカウンタCは定期的に更新され、例えば、タイマ割込み処理が起動される度に1ずつ加算される。
なお、役の当否判定に用いられるフリーランカウンタとハード回路とのように、専用のフリーランカウンタとハード回路を用い、ステップS3301の処理よりも前(例えば、第3停止OFF操作時)に当該ハード回路がフリーランカウンタの値をラッチし、ステップS3301にてそのラッチした値を読み取る構成としてもよい。なお、ステップS3301の処理が行われるまで、ラッチした値をRAM106の所定の領域に一時記憶しておく構成としてもよい。
ステップS3302では、ステップS3301にて取得したATカウンタCの値を、RAM106の抽選用情報記憶エリア106fに記憶する処理を実行する。抽選用情報記憶エリア106fは、図74に示すように、記憶エリアREと、実行エリアAEとを備えている。記憶エリアREは複数の記憶エリアからなり、第1記憶エリアRE1~第10記憶エリアRE10を備えている。
第1記憶エリアRE1~第10記憶エリアRE10には、ATカウンタCの取得条件が成立した場合に、第1記憶エリアRE1→第2記憶エリアRE2→第3記憶エリアRE3・・・といった順に、ATカウンタCが時系列的に格納される。そして、複数の記憶エリアとして10個の記憶エリアを有していることにより、ATモード移行抽選に用いられる抽選用の乱数は最大10個まで記憶される。
ステップS3302では、第1記憶エリアRE1~第10記憶エリアRE10における空きエリアのうちの最も番号が小さい領域(若い領域)に、ステップS3301にて取得したATカウンタCの値を格納する。例えば、第1記憶エリアRE1~第9記憶エリアRE9の各エリアにATカウンタCの値が格納されており、第10記憶エリアRE10が空きエリアとなっていた場合、ステップS3302では、ステップS3301にて取得したATカウンタCの値を第10記憶エリアRE10に格納する。
なお、ATカウンタCの値をそのまま格納する構成に限定されず、ATカウンタCの値に対応する情報を格納する構成であってもよく、例えば、ATカウンタCの値をATモード抽選用の値に変換してから格納する構成であってもよい。
ステップS3303では、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。有利区間フラグがセットされている場合には、ステップS3304にてATコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行ってから、乱数取得用処理を終了する。ATコマンドには、今回格納されたATカウンタCの値に対応する情報の他、各記憶エリアRE1~RE10に格納されているATカウンタCの値に対応する情報が含まれている。そのため、表示制御装置81は、当該ATコマンドを受信することで抽選用情報記憶エリア106fにおける各記憶エリアRE1~RE10の情報を把握可能となる。
ステップS3303にて有利区間フラグがセットされていないと判定した場合、ATコマンドを出力することなく本乱数取得用処理を終了する。そのため、有利区間移行抽選に当選するよりも前のゲームにおいては、ATカウンタCの取得は行われるものの、ATコマンドの出力は行われない。ちなみに、有利区間移行抽選に当選したゲーム、すなわち、次ゲームから有利区間が開始されるゲームにおいては、上記のように抽選結果対応処理にて有利区間フラグがセットされる。そのため、当該抽選結果対応処理よりも後に起動される乱数取得用処理においては、当該ゲーム(有利区間移行抽選に当選したゲーム)にてATコマンドの出力設定が開始されることになる。
上記の乱数取得用処理は、各ゲームの抽選結果に関わらず起動され、各ゲームの抽選結果に関わらず、ATカウンタCの取得が行われる。つまり、ATカウンタCは、その取得時のゲームの抽選結果とは独立して取得される。
次に、抽選用情報記憶エリア106fの各記憶エリアRE1~RE10に記憶されているATモード抽選用の乱数を、順にシフトする乱数シフト用処理について、図75のフローチャートを参照しながら説明する。乱数シフト用処理は、抽選結果対応処理(図31)におけるステップS701にて実施される処理である。
ステップS3401では、各記憶エリアRE1~RE10のうち、第1記憶エリアRE1に記憶されている抽選用の乱数の情報(ATカウンタCに対応する情報)を実行エリアAEにシフトするとともに、当該第1記憶エリアRE1に記憶されている乱数の情報をクリアする処理を行う。実行エリアAEは、今回のゲームにてATモード移行抽選が行われる場合、ATモード移行抽選に用いられる乱数の情報を格納するためのエリアである。そして、第1特定役処理(図33)におけるATモード移行抽選に際し、ステップS903の抽選用の乱数を取得する処理では、かかる実行エリアAEに格納されているATカウンタCに対応する情報を今回のATモード移行抽選に用いられる乱数の情報として取得する。つまり、ATモード移行抽選は、事前取得されているATカウンタCの情報のうち、実行エリアAEにシフトされた情報に基づいて行われる。
続くステップS3402では、各記憶エリアRE2~RE10に格納されている情報を下位エリア側にシフトする処理を行う。具体的には、第2記憶エリアRE2に格納されている情報を第1記憶エリアRE1に格納するとともに当該第2記憶エリアRE2に格納されている情報をクリアし、順に、第3記憶エリアRE3→第2記憶エリアRE2、第4記憶エリアRE4→第3記憶エリアRE3・・・第10記憶エリアRE10→第9記憶エリアRE9といった具合に各エリア内の情報をシフトする。この場合、第10記憶エリアRE10からは第9記憶エリアRE9へ情報がシフトされるだけであり、新たな情報はシフトされない。つまり、第10記憶エリアRE10の情報はクリアされ、第10記憶エリアRE10は空きエリアとなる。
続くステップS3403では、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。有利区間フラグがセットされている場合には、ステップS3404にてシフト時コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、乱数シフト用処理を終了する。ステップS3403にて有利区間フラグがセットされていない場合には、そのまま乱数シフト用処理を終了する。
ここで、ステップS3403にて有利区間フラグがセットされている場合とは、今回のゲームよりも前のゲームにおいて有利区間移行抽選に当選している場合であり、今回のゲームが有利区間中であることを意味する。つまり、上記のATコマンドの出力(ステップS3304)については、有利区間移行抽選に当選したゲームからATコマンドの出力が開始されるのに対して、ステップS3404におけるシフト時コマンドについては、有利区間移行抽選に当選したゲームの次のゲーム以降にて出力が開始される。
<ATモード移行抽選テーブル>
上記のように、ATモード移行抽選には、各ゲームの第3停止OFF操作に基づいて事前に取得されたATカウンタCの情報が用いられる。ATモード移行抽選は、ATカウンタCとしての抽選用の乱数の情報の他、各ゲームの抽選結果と、ATモード移行抽選テーブルと、が用いられる。そこで、以下、ATカウンタCの値と、各ゲームの抽選結果との関係を、図76のATモード移行抽選テーブルを参照しながら説明する。
ATモード移行抽選テーブルでは、各ゲームの抽選結果に対して、ATモード移行抽選に当選となるATカウンタCの値が対応付けられている。具体的には、例えば、ゲームの抽選結果が通常リプレイである場合、ATモード移行抽選に当選となるATカウンタCの値は「3」であり、ゲームの抽選結果が押し順ベルである場合、ATモード移行抽選に当選となるATカウンタCの値は「7」である。また、ゲームの抽選結果が強チェリーである場合、ATモード移行抽選に当選となるATカウンタCの値は「1」~「64」であり、ゲームの抽選結果が弱スイカである場合、ATモード移行抽選に当選となるATカウンタCの値は「5」、「65」~「76」である。
つまり、例えば、ATカウンタCとして「7」が取得され、当該ATカウンタCが実行エリアAEに格納されているゲームにおいてATモード移行抽選が行われた場合であって、当該ゲームの抽選結果が押し順ベルであった場合、ATモード移行抽選に当選となる。これに対して、同様にATカウンタCとして「7」が実行エリアAEに格納されているゲームにてATモード移行抽選が行われた場合であっても、当該ゲームの抽選結果が弱スイカであった場合、ATモード移行抽選に非当選となる。
また、ATモード移行抽選テーブルにおいて、SAT移行抽選に当選となるATカウンタCの値も定められており、例えば、ゲームの抽選結果が弱チェリーである場合、ATカウンタCが「1」~「18」であればATモード移行抽選に当選し、そのうちATカウンタCが「13」であればSAT移行抽選にも当選する。また、ゲームの抽選結果が強スイカである場合、ATカウンタCが「5」~「8」、「65」~「94」であればATモード移行抽選に当選し、そのうちATカウンタCが「5」、「65」、「66」であればSAT移行抽選にも当選する。
付け加えると、ATモード移行抽選テーブルにおいて、各ゲームの抽選結果に対してATモード移行抽選やSAT移行抽選に当選となるATカウンタCとは異なるATカウンタCについて、疑似前兆モードへの移行抽選に当選となるカウンタ値が対応付けられている。既に説明した通り、移行契機役に当選した場合であって、各種モード移行抽選やBB抽選等に当選していない場合には、サブ側の制御装置である表示制御装置81にて疑似前兆の設定が行われる場合がある(図65)。かかるサブ側の疑似前兆の設定は、補助表示部65による表示演出やスピーカ64による効果音が、前兆モードと同じ又は識別困難な演出となり、且つ最終的には非当選の報知がなされる(当選報知がなされない)ようにするためのものである。これに対して、上記ATモード移行抽選テーブルにて規定される疑似前兆に対応するATカウンタCは、疑似前兆として、各リール32L,32M,32Rの回転演出やフリーズ演出が、前兆モードと同じ又は識別困難となるようにするためのものであり、主制御装置101側での疑似前兆モードを設定するためのものである。かかる主制御装置101側での疑似前兆モードに関する詳細な処理の説明は省略するが、例えば、
ATモード移行抽選に当選した場合における前兆モードにて、各リール32L,32M,32Rの回転制御が通常の回転制御と異なる制御として、回転開始タイミングを各リール32L,32M,32Rで異ならせる(通常時は同時に回転開始する)特別回転制御を所定の確率で発生させる構成とする。そして、ATモード移行抽選が行われたゲームにおいて、当該ゲームの抽選結果とATカウンタCとが疑似前兆に対応するものである場合(例えば強チェリーかつATカウンタCが「65」~「128」である場合)、疑似前兆モードとして、上記の特別回転制御を所定確率にて発生させる構成とするとよい。
図77は、ATカウンタCの値を基準として、各ゲームの抽選結果によってATモード移行抽選に当選となるか否かを示した図である。
例えば、ATカウンタCの値が「5」である場合、各ゲームの抽選結果が強チェリー、弱チェリーである場合にATモード移行抽選に当選となるほか、強スイカ、弱スイカ、チャンスA、チャンスB、中段ベルでも当選となり、更に、押し順リプレイでもATモード移行抽選に当選となる。つまり、「5」のATカウンタCが取得されている状況では、ATモード移行抽選に当選し易いといえる。これに対して、ATカウンタCの値が「10」~「18」である場合、各ゲームの抽選結果が強チェリー及び弱チェリーの場合にATモード移行抽選に当選となるものの、他の通常時に当選となる抽選結果ではATモード移行抽選に当選とならない。つまり、「10」~「18」のATカウンタCが取得されている状況では、強チェリーや弱チェリー以外では当選せず、ATモード移行抽選に当選しにくい。そして、ATカウンタCとして「100」~「120」が取得されている場合には、各ゲームの抽選結果がいずれであってもATモード移行抽選に当選しない。つまり、「100」~「120」のATカウンタCが取得されている状況では、ATモード移行抽選に当選しない。
その他、本スロットマシン10では、第1BB状態や第2BB状態において当選し得る、BB中第1役やBB中第2役、BB中第3役でもATモード移行抽選に当選し得る構成としている。すなわち、第1特定役処理(図33)が第1BB状態や第2BB状態中のゲームにて起動された場合、これら第1BB状態や第2BB状態のゲームの抽選結果と、ATカウンタCと、ATモード移行抽選テーブルとにより、ATモード移行抽選が行われる。この場合、ゲームの抽選結果がBB中第1役でありATカウンタCが「128」であればATモード移行抽選に当選となり、BB中第2役には「121」~「128」、BB中第3役には「1」~「8」がATモード移行抽選に当選する値としてそれぞれ対応付けられている。
そして、ATカウンタCとして「121」~「128」が取得されている状況においては、通常遊技状態中に当選し得る各抽選結果ではATモード移行抽選に当選せず、第1BB状態や第2BB状態にて当選し得る抽選結果ではATモード移行抽選に当選し得るように設定されている。つまり、取得されているATカウンタCによっては、遊技状態によってATモード移行抽選に当選しない値もあり、その値が取得されている状況で遊技状態が移行するとATモード移行抽選に当選し得るようにもなる。
<保留表示用処理>
本実施形態では、上記のように事前取得されるATカウンタCと各ゲームの抽選結果との関係を利用して、どの抽選結果となればATモード移行抽選に当選となるか、又は当選となり易いか、といった情報を示唆する特定報知を、補助表示部65にて行う。図78に示す保留表示用処理は、当該特定報知としての保留表示を行うための処理であり、主制御装置101から受信するATコマンドに基づいて表示制御装置81の全停止時演出設定処理(図63)にて実施される処理である。
ステップS3501では、ATモード当選フラグ又はATモードフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのフラグがセットされている場合には、そのまま保留表示用処理を終了する。いずれのフラグもセットされていない場合、ステップS3502にてATコマンドを受信しているか否かを判定する。ATコマンドを受信していない場合には、そのまま保留表示用処理を終了する。ATコマンドを受信している場合には、ステップS3503に進む。
既に説明した通り、ATコマンドを受信する場合とは、主制御装置101側の乱数取得用処理(図73)において、有利区間フラグがセットされていると判定した場合である。そのため、ステップS3501にてATモード当選フラグやATモードフラグがセットされていないと判定し、且つステップS3502にてATコマンドを受信していると判定する場合とは、有利区間移行抽選に当選した後であって、且つATモード移行抽選に当選していない状況(CZモード、非特定区間)であることを意味する。つまり、この有利区間移行抽選に当選し、且つATモード当選前である状況において、特定報知としての保留表示を行うための各処理(ステップS3503~ステップS3509)が行われることとなる。言い換えると、有利区間移行抽選に当選し、且つATモード当選前である状況において保留表示が開始され得るものであり、有利区間移行抽選に当選する前は保留表示は開始されないし、ATモード移行抽選に当選した後も保留表示は開始されない。
ステップS3503では、受信したATコマンドに含まれる情報に基づき、各記憶エリアRE1~RE10に対応するATカウンタCの情報を、RAM183の保留用情報記憶エリア183cに格納する処理を行う。図による詳細な説明は省略するが、表示制御装置81側の保留用情報記憶エリア183cは、主制御装置101側の抽選用情報記憶エリア106fと同様の構成をなしており、10ゲーム分(ATモード移行抽選10回分)のATカウンタCの情報を記憶可能に各記憶エリア(第1記憶エリア~第10記憶エリア)を有しているとともに、ATモード移行抽選の対象となるゲームのATカウンタCの情報を格納する実行エリアを有している。ステップS3503では、受信しているATコマンドに基づいて、主制御装置101側の第1記憶エリアRE1のATカウンタCの情報を保留用情報記憶エリア183cにおける第1記憶エリアに格納し、第2記憶エリアRE2のATカウンタCの情報を保留用情報記憶エリア183cにおける第2記憶エリアに格納し・・・第10記憶エリアRE10のATカウンタCの情報を保留用情報記憶エリア183cにおける第10記憶エリアに格納し、実行エリアAEのATカウンタCの情報を保留用情報記憶エリア183cにおける実行エリアに格納する処理を行う。
続くステップS3504では、保留表示抽選処理を行う。保留表示抽選処理は、今回の取得契機で取得されたATカウンタCに対応する表示を補助表示部65にて行うか否かを抽選する抽選処理である。
ここで、補助表示部65にて行う保留表示について、図79を参照しながら説明する。
図79(a)に示すように、補助表示部65における所定の表示領域として下部において、保留表示領域Drが設定されている。保留表示領域Drは、ATカウンタCが保留用情報記憶エリア183cに記憶される最大個数と同一の数の単位保留表示領域Dr1~Dr10が左右方向に併設されるように区画されている。具体的には、保留表示領域Drには、第1単位保留表示領域Dr1、第2単位保留表示領域Dr2、第3単位保留表示領域Dr3、第4単位保留表示領域Dr4、第5単位保留表示領域Dr5、第6単位保留表示領域Dr6、第7単位保留表示領域Dr7、第8単位保留表示領域Dr8、第9単位保留表示領域Dr9、第10単位保留表示領域Dr10が設定されている。また、保留表示領域Drに併設させて、保留表示領域Drの左側(第1単位保留表示領域Dr1の左側)には、保留用情報記憶エリア183cの実行エリアに格納されるATカウンタCの保留表示を行うための実行用表示領域Dpが設定されている。実行用表示領域Dpは、各単位保留表示領域Dr1~Dr10よりも大きな領域として区画されており、当該ゲームのATモード移行抽選用の保留表示と、当該ゲームよりも後のATモード移行抽選用の保留表示とを遊技者が明確に区別可能とされている。
図79(b)に示すように、実行用表示領域Dpや保留表示領域Drに表示する保留表示として、第1特別画像P1~第10特別画像P10が設定されている。第1特別画像P1~第10特別画像P10は、ゲームの抽選結果が対応する抽選結果であればATモード移行抽選に当選することが確定する特別画像(第4特別画像P4~第8特別画像P8、以下の説明では「確定系特別画像」とも称する)と、ゲームの抽選結果が対応する抽選結果であってもATモード移行抽選に当選しない場合もある特別画像(第1特別画像P1~第3特別画像P3、第9特別画像P9、第10特別画像P10、以下の説明では「示唆系特別画像」とも称する)とに分別される。
例えば、示唆系特別画像としての第1特別画像P1は、ATモード移行抽選を行うゲームの抽選結果が強チェリーや弱チェリーであればATモード移行抽選に当選する可能性が高いATカウンタCであることを示唆するものである。示唆系特別画像としての第2特別画像P2は、ATモード移行抽選を行うゲームの抽選結果が強スイカや弱スイカであればATモード移行抽選に当選する可能性が高いATカウンタCであることを示唆するものである。示唆系特別画像としての第3特別画像P3は、ATモード移行抽選を行うゲームの抽選結果が強チェリーや弱チェリー、強スイカや弱スイカの他、チャンスAやチャンスB、中段ベルなどの所謂レア役(移行契機役)であればATモード移行抽選に当選する可能性が高いATカウンタCであることを示唆するものである。
確定系特別画像としての第4特別画像P4は、ATモード移行抽選を行うゲームの抽選結果が強チェリーであればATモード移行抽選に当選となるATカウンタCであることを示唆するものである。確定系特別画像としての第5特別画像P5は、ATモード移行抽選を行うゲームの抽選結果が強チェリーや弱チェリーであればATモード移行抽選に当選となるATカウンタCであることを示唆するものである。確定系特別画像としての第6特別画像P6は、ATモード移行抽選を行うゲームの抽選結果が強スイカであればATモード移行抽選に当選となるATカウンタCであることを示唆するものである。確定系特別画像としての第7特別画像P7は、ATモード移行抽選を行うゲームの抽選結果が強スイカや弱スイカであればATモード移行抽選に当選となるATカウンタCであることを示唆するものである。確定系特別画像としての第8特別画像P8は、ATモード移行抽選を行うゲームの抽選結果が上記のレア役であればATモード移行抽選に当選となるATカウンタCであることを示唆するものである。
示唆系特別画像のうち、第9特別画像P9と第10特別画像P10は、ATモード移行抽選が行われるゲームの遊技状態によって、対応するゲームの抽選結果となり得るか否が異なることを示唆するものであり、状態系特別画像とも称することができる。具体的に、状態系特別画像としての第9特別画像P9は、ATモード移行抽選を行うゲームの抽選結果が通常遊技状態や第1RT状態~第3RT状態等の、BB状態とは異なる状態(以下、単に「通常時」とも称する)で当選し得る抽選結果であればATモード移行抽選に当選する可能性が高いATカウンタCであることを示唆するものである。これに対して、状態系特別画像としての第10特別画像P10は、ATモード移行抽選を行うゲームの抽選結果が第1BB状態や第2BB状態で当選し得る抽選結果であればATモード移行抽選に当選する可能性が高いATカウンタCであることを示唆するものである。
これら、各特別画像P1~P10は、遊技者がそれぞれを識別可能となるように表示されるキャラクタや色等が異なるように設定されている。例えば、第1特別画像P1や第4特別画像P4、第5特別画像P5は、各リール32L,32M,32Rに付されている「チェリー」図柄に対応するキャラクタが表示され、直感的にいずれかのチェリー当選となることで有利なことが認識可能となるとともに、第1特別画像P1は黄色のチェリー、第4特別画像P4は赤色のチェリー、第5特別画像P5は緑色のチェリーといったように、各特別画像P1,P4,P5で色(背景色)が異なり、それぞれの違いが明確に認識され得るように設定されている。また、例えば、第2特別画像P2や第6特別画像P6、第7特別画像P7は、各リール32L,32M,32Rに付されている「スイカ」図柄に対応するキャラクタが表示され、直感的にいずれかのスイカ当選となることで有利なことが認識可能となるとともに、第2特別画像P2は黄色のスイカ、第6特別画像P6は赤色のスイカ、第7特別画像P7は緑色のスイカといったように、各特別画像P2,P6,P7で色(背景色)が異なり、それぞれの違いが明確に認識され得るように設定されている。なお、図においては、ドットハッチを異ならせて色の違いを表現している。
図79(a)においては、第1単位保留表示領域Dr1に第2特別画像P2が表示され、第3単位保留表示領域Dr3に第4特別画像P4が表示され、第7単位保留表示領域Dr7に第9特別画像P9が表示され、第9単位保留表示領域Dr9に第10特別画像P10が表示され、実行用表示領域Dpに第1特別画像P1が表示されている様子を示している。この場合、今回のゲームで強チェリーや弱チェリーに当選すればATモード移行抽選に当選し易いことが示されており、また、1ゲーム後に強スイカや弱スイカに当選すればATモード移行抽選に当選し易いことが示されている。
保留表示用処理の説明に戻り、ステップS3504にて行う保留表示抽選処理は、今回受信したATコマンドのうち、今回取得されたATカウンタCに対応する保留表示(基本的には第10単位保留表示領域Dr10に対応する保留表示)を表示させるか否かの抽選を行う。かかる抽選の当選確率について、本実施形態では約5分の1の確率で表示抽選に当選して保留表示が表示されるように設定されている。この場合、複数ある単位保留表示領域Dr1~Dr10の個数の逆数よりも保留表示抽選の当選確率が大きな値となるように当該当選確率が設定されており、複数ある単位保留表示領域Dr1~Dr10に少なくとも1つ(上記確率では2つ)は平均的に保留表示が表示されるような確率として設定されている。
ステップS3504の処理を実行した後は、ステップS3505にて、保留表示抽選に当選したか否かの判定を行う。当選していない場合にはそのまま保留表示用処理を終了し、当選している場合にはステップS3506に進む。ステップS3506では、各種テーブル記憶エリア182aに記憶されている特別画像テーブルを取得する処理を行う。
図80に示すように、特別画像テーブルには、ATカウンタCの値に対して、選択され得る各特別画像P1~P10が、それぞれ対応付けられて設定されている。より詳しくは、例えば、ATカウンタCの値が「5」である場合、特別画像として第1特別画像P1、第2特別画像P2、第3特別画像P3、第4特別画像P4、第5特別画像P5、第6特別画像P6、第7特別画像P7、第8特別画像P8、第9特別画像P9が選択され得るように設定されている。既に説明した通り、ATカウンタCの値が「5」であれば、ATモード移行抽選が行われるゲームの抽選結果が強チェリー、弱チェリーである場合にATモード移行抽選に当選となるほか、強スイカ、弱スイカ、チャンスA、チャンスB、中段ベルでも当選となり、更に、押し順リプレイでもATモード移行抽選に当選となるように設定されている。つまり、第1特別画像P1~第9特別画像P9に対応するゲームにて上記の各結果に当選すればATモード移行抽選にも当選し易いことが、その保留表示から示唆される。
また、例えば、ATカウンタCの値が「10」~「18」である場合、特別画像として第1特別画像P1、第4特別画像P4、第5特別画像P5が選択され得るように設定されている。既に説明した通り、ATカウンタCの値が「10」~「18」である場合、ATモード移行抽選が行われるゲームの抽選結果が強チェリー及び弱チェリーの場合にATモード移行抽選に当選となるように設定されている。つまり、第1特別画像P1、第4特別画像P4、第5特別画像P5に対応するゲームにて強チェリーや弱チェリーに当選すればATモード移行抽選にも当選し易いことが、その保留表示から示唆される。
これに対して、ATカウンタCの値が「100」~「120」である場合、特別画像として第1特別画像P1、第2特別画像P2が選択され得るように設定されている。既に説明した通り、ATカウンタCの値が「100」~「120」である場合、ATモード移行抽選が行われるゲームの抽選結果がいずれであってもATモード移行抽選に当選しないように設定されている。つまり、第1特別画像P1に対応するゲームにて強チェリーに当選してもATモード移行抽選に当選しない場合もあるし、第2特別画像P2に対応するゲームにて強スイカに当選してもATモード移行抽選に当選しない場合もあることが、その保留表示から示唆される。
そして、ATカウンタCの値が「128」である場合、特別画像として第1特別画像P1の他、第10特別画像P10も選択され得るように設定されている。既に説明した通り、ATカウンタCの値が「128」である場合、ATモード移行抽選が通常時に行われた場合にはATモード移行抽選に当選せず、第1BB状態や第2BB状態にて行われた場合にはATモード移行抽選に当選し得るように設定されている。つまり、第10特別画像P10に対応するゲームがいずれかのBB状態にて実施され、かかるゲームの抽選結果が対応する抽選結果(BB中第3役)であればATモード移行抽選に当選することが、その保留表示から示唆される。
上記ステップS3506にて特別画像テーブルを取得した後は、ステップS3507にて特別画像選択処理を実行する。上記のように、特別画像テーブルでは、ATカウンタCの値に対して、複数の特別画像が選択され得るように設定されており、いずれの特別画像が選択されるかの割合も予め定められている(図では省略している)。その割合としては、概して、示唆系特別画像(第1特別画像P1~第3特別画像P3、第9特別画像P9、第10特別画像P10)と確定系特別画像(第4特別画像P4~第8特別画像P8)とのいずれにも対応付けられているATカウンタCであれば、示唆系特別画像よりも確定系特別画像の方が選択され易くなるように設定されている。確定系特別画像に対応付けられているATカウンタCであれば必ず示唆系特別画像にも対応付けられており、上記のように選択される割合を設定することで、全体的に確定系特別画像が表示される頻度を多くすることが可能となる。
また、示唆系特別画像や確定系特別画像において、出現率の高い抽選結果に対応付けられていたり、複数の抽選結果に対応付けられているものの方が、同じATカウンタCが取得されている場合であっても選択され易いように設定されている。具体的には、示唆系特別画像として第1特別画像P1と第3特別画像P3とは、第1特別画像P1は強チェリーと弱チェリーに対応付けられているのに対して、第3特別画像P3は強チェリーや弱チェリー以外にも他のレア役にも対応付けられている。そのため、対応付けられているゲームの抽選結果となる確率は第3特別画像P3の方が第1特別画像P1よりも高いし、対応付けられている抽選結果の種類も第3特別画像P3の方が第1特別画像P1よりも多い。また、確定系特別画像として、第6特別画像P6と第7特別画像P7とは、第6特別画像P6は強スイカに対応付けられているのに対して、第7特別画像P7は強スイカの他に弱スイカにも対応付けられている。そのため、対応付けられているゲームの抽選結果となる確率は第7特別画像P7の方が第6特別画像P6よりも高いし、対応付けられている抽選結果の種類も第7特別画像P7の方が第6特別画像P6よりも多い。
選択割合について、更に具体的には、例えば、ATカウンタCの値が「5」である場合、上記のように第1特別画像P1~第9特別画像P9として、示唆系特別画像と確定系特別画像とに対応付けられている。この場合、示唆系特別画像としての第1特別画像P1は3%、第2特別画像P2は3%、第3特別画像P3は4%、第9特別画像P9は5%で選択され、確定系特別画像としての第4特別画像P4は10%、第5特別画像P5は15%、第6特別画像P6は15%、第7特別画像P7は20%、第8特別画像P8は25%で選択されるようにその割合が定められている。また、ATカウンタCの値が「10」~「18」である場合、上記のように、特別画像として第1特別画像P1、第4特別画像P4、第5特別画像P5として、示唆系特別画像と確定系特別画像とに対応付けられている。この場合、示唆系特別画像としての第1特別画像P1は10%で選択され、確定系特別画像としての第4特別画像P4は30%で選択され、第5特別画像P5は60%で選択されるようにその割合が定められている。ATカウンタCの値が「100」~「120」である場合、上記のように特別画像として第1特別画像P1、第2特別画像P2として、示唆系特別画像に対応付けられている。この場合、第1特別画像P1は40%で選択され、第2特別画像P2は60%で選択されるようにその割合が定められている。
ステップS3507の特別画像選択処理では、上記のように予め定められている割合に基づいて抽選等により表示する特別画像を選択する。そして、ステップS3508にて、上記選択した特別画像を、今回の取得契機で取得されたATカウンタCに対応する単位保留表示領域に表示させる処理を実行する。より詳しくは、選択した特別画像に対応する画像データをROM182から読み出し、保留用情報記憶エリア183cの空きエリアのうちの最も番号の若い空きエリア(基本的には第10記憶エリア)に今回取得されたATカウンタCが格納され、その格納する領域に対応する単位保留表示領域(基本的には第10単位保留表示領域Dr10)に、上記選択した特別画像が表示されるように補助表示部65を制御する。
続くステップS3509では、状況表示開始用処理を実行する。状況表示開始用処理は、今回表示させる特別画像と遊技状態との関係性を示唆したり解説したりするための状況表示を開始する処理である。かかる状況表示開始用処理については、後に詳細に説明する。ステップS3509の処理を実行した後は、保留表示開始用処理を終了する。
<保留シフト用処理>
次に、上記のように開始された保留表示を、ゲームの進行にあわせて表示させる領域をシフトするための保留シフト用処理について、図81を参照しながら説明する。保留シフト用処理は、表示制御装置81における開始時演出設定処理(図59)におけるステップS2502にて実施される処理である。
ステップS3601では、主制御装置101からシフト時コマンドを受信しているか否かを判定する。シフト時コマンドを受信していない場合には、そのまま保留シフト用処理を終了する。シフト時コマンドを受信している場合、ステップS3602にて、実行用表示領域Dpの保留表示をクリアする処理を行う。より詳しくは、実行用表示領域Dpに保留表示としての特別画像が表示されている場合には、その特別画像を消去するように補助表示部65を制御し、実行用表示領域Dpに特別画像が表示されていない場合にはその状態を維持する。そして、ステップS3603にて、実行用表示領域Dpに第1単位保留表示領域Dr1の保留表示をシフトする処理を行う。より詳しくは、第1単位保留表示領域Dr1に特別画像の保留表示が表示されている場合にはその保留表示が実行用表示領域Dpに表示されるようにするとともに、当該第1単位保留表示領域Dr1に表示されていた保留表示を消去するように補助表示部65を制御し、第1単位保留表示領域Dr1に保留表示が表示されていない場合にはその状態を維持する。続くステップS3604では、各単位保留表示領域の保留表示を下位の表示領域へシフトする処理を行う。より詳しくは、第2単位保留表示領域Dr2に表示されている特別画像の保留表示を第1単位保留表示領域Dr1に表示するとともに、当該第2単位保留表示領域Dr2に表示されていた保留表示を消去し、順に、第3単位保留表示領域Dr3→第2単位保留表示領域Dr2、第4単位保留表示領域Dr4→第3単位保留表示領域Dr3・・・第10単位保留表示領域Dr10→第9単位保留表示領域Dr9といった具合に、各単位保留表示領域の保留表示をシフトする。この場合、保留表示が行われていない単位保留表示領域については、その保留表示が行われていない状態をそのまま下位側の単位保留表示領域へシフトする。そして、第10単位保留表示領域Dr10からは第9単位保留表示領域Dr9へ保留表示がシフトされるだけであり、新たな保留表示はシフトされない。つまり、第10単位保留表示領域Dr10の保留表示はクリアされ、第10単位保留表示領域Dr10は保留表示が行われていない状態となる。
続くステップS3605では、状況表示更新用処理を実行する。状況表示更新用処理は、上記の状況表示開始用処理にて開始された状況表示について、ゲームの進行に合わせて(状況の変化に合わせて)その表示内容を更新するための処理である。かかる状況表示更新用処理については、後に詳細に説明する。ステップS3605の処理を実行した後は、保留表示開始用処理を終了する。
ここで、上記の保留表示用処理では、ATモード移行抽選に当選するよりも前に保留表示を開始するように定められている。これに対して保留シフト用処理では、ステップS3602~ステップS3605の保留表示のシフト用の処理を、ATモード当選フラグやATモードフラグの有無に関わらず実行するように定められている。つまり、保留表示は、有利区間移行抽選に当選した後であってATモード移行抽選に当選するよりも前に開始され、その保留表示のシフトは、ATモード移行抽選に当選した後も行われる。このようにすることで、保留表示を用いたATモード移行抽選の楽しみを提供しながら、シフトの有無によってATモード移行抽選の当否が丸わかりとなってしまう事象を回避することが可能となっている。
なお、図による詳細な説明は省略するが、ATモード当選報知が行われることにより、各保留表示を終了するようにするとよい。
<ATモード移行抽選と保留表示との関係>
事前取得されるATカウンタCに基づきATモード移行抽選が行われる様子を、図82及び図83を参照しながら説明する。
図82(a1)及び図82(b1)では、ゲームの開始前(開始時)の状況において、図82(a1)は補助表示部65における保留表示領域Drと実行用表示領域Dpを示し、図82(b1)は抽選用情報記憶エリア106fにおける記憶エリアREと実行エリアAEとを示している。例えば、実行エリアAEにはATカウンタCに対応する情報として「20」が格納され、実行用表示領域DpにはそのATカウンタCに対応する保留表示として第1特別画像P1が表示されている。また、次ゲームのATモード移行抽選に用いられる乱数として、第1記憶エリアRE1にはATカウンタCに対応する情報として「8」が格納され、第1単位保留表示領域Dr1にはそのATカウンタCに対応する保留表示として第2特別画像P2が表示されている。この状況において、スタートレバー41の操作が行われて次ゲームが開始された場合であって、当該次ゲームの抽選処理において、強スイカに当選した場合を説明する。
スタートレバー41の操作に基づき、乱数シフト処理や保留シフト処理が行われる。図82(a2)や図82(b2)では、図82(a1)及び図82(b1)の状況から1ゲーム分、ATカウンタCの情報や保留表示がシフトされた状況を示しており、第1記憶エリアRE1に記憶されていたATカウンタCの情報が実行エリアAEにシフトされ、第1単位保留表示領域Dr1に表示されていた第2特別画像P2が実行用表示領域Dpにシフトされる。この場合、今回のゲームの抽選結果が強スイカや弱スイカであればATモード移行抽選に当選し易い状況であることが、実行用表示領域Dpの第2特別画像P2により示唆される。また、図82(a1)及び図82(b2)においては、乱数シフト処理や保留シフト処理が行われた結果として、第10記憶エリアRE10や第10単位保留表示領域Dr10が空きエリアとなる様子を示している。
既に説明した通り、ATモード移行抽選は、実行エリアAEにシフトされたATカウンタCの情報と、今回のゲームの抽選結果の情報と、ATモード移行抽選テーブルとに基づいて行われる。図82(a2)及び図82(b2)においては、実行エリアAEにシフトされたATカウンタCは「8」であり、今回のゲームの抽選結果は強スイカであり、これらの情報をATモード移行抽選テーブル(図76)に照らし合わせたうえで、この場合のATモード移行抽選はATモード移行当選となる。なお、ATモード移行抽選は、上記のように抽選結果対応処理における第1特定役処理にて実行されるものであり、スタートレバー41の開始操作に基づいて、今回のゲームの抽選処理とATモード移行抽選とが行われることとなる。
上記のように、強スイカ当選となったゲーム(ATモード移行抽選に当選となったゲーム)において、各リール32L,32M,32Rの停止操作が行われた場合、図83に示すように、強スイカ入賞が成立し得る。乱数取得用処理は、第3停止OFF操作に基づいて実施されるものであり、図83(b)では、強スイカ入賞を成立させる第3停止OFF操作に基づいて第10記憶エリアRE10用のATカウンタCの取得が行われることを示している。そして、第10記憶エリアRE10にATカウンタCが格納されることにより、図83(a)に示すように、当該ATカウンタCに対応する保留表示としての第1特別画像P1が表示され得るようになる。
以上のように、事前取得されるATカウンタCを用いてATモード移行抽選を行う構成において、そのATカウンタCに対応する保留表示を行うようにしたことから、ATモード移行抽選に当選し得るゲームの抽選結果の内容を事前に把握したうえでゲームを進行させることが可能となる。そうすると、例えば、3ゲーム後に対応する保留表示として第3単位保留表示領域Dr3に強チェリーに対応する第4特別画像P4が表示されている状況であれば、1ゲーム後や2ゲーム後ではなく3ゲーム後に強チェリー当選となるように願いを込めて3ゲーム間の遊技を行わせることも可能であり、各ゲームの面白みが格段に向上する。
ここで、各ゲームの抽選結果の当選確率は、遊技状態別に設定されている抽選テーブルにより規定されており、ATモード移行抽選の契機となる特定役の当選確率も、通常時とBB時とで異なり得る。図84は、ATモード移行抽選の契機となる各特定役の状態別の当選確率を示している。
通常リプレイは、通常遊技状態、第1RT状態~第3RT状態の通常時において当選確率の相違はあれど、いずれの状態であっても当選し得るものである。これに対して第1BB状態や第2BB状態のBB時においては通常リプレイに当選しないように設定されている。また、押し順リプレイは、第1RT状態~第3RT状態にて当選し得るものの、通常遊技状態とBB時においては当選しないように設定されている。そして、押し順ベルは、通常時には当選し得るものの、BB時には当選しないように設定されている。つまり、通常リプレイや押し順リプレイ、押し順ベルは、主に通常時において当選し、BB時には当選しない通常役といえる。そうすると、これら通常役に対応するATカウンタCが取得されている状況においては、通常時にATモード移行抽選が行われれば当選し得る一方、BB時にATモード移行抽選が行われると当選しない。但し、本実施形態においては、通常役に対応するATカウンタCはBB中第3役にも対応付けられている(図76)。そのため、通常役に対応するATカウンタCが取得されている状況においては、通常時でもBB時でもATモード移行抽選が行われれば当選し得るものとなっている。
BB中第1役、BB中第2役及びBB中第3役は、BB時にのみ当選し得るBB役である。そうすると、これらBB役に対応するATカウンタCが取得されている状況においては、BB時にATモード移行抽選が行われれば当選し得る一方、通常時にATモード移行抽選が行われると当選しない。本実施形態においては、BB役に対応するATカウンタCのうち、通常役にも対応付けられている値と、通常役には対応付けられていない値とが設定されている(図76)。そのため、BB役に対応するATカウンタCのうち、通常役にも対応付けられている値を利用したATモード移行抽選では、BB時及び通常時のいずれでも当選し得る一方、BB役に対応するATカウンタCのうち、通常役には対応付けられていない値を利用したATモード移行抽選では、BB時にのみ当選し得るものとなっている。
強チェリー、弱チェリー、強スイカ、弱スイカ、チャンスA、チャンスB、中段ベルといったレア役は、通常時でもBB時でもいずれも当選し得る共通役である。但し、通常時の当選確率とBB時の当選確率とを比較すると、BB時のほうが圧倒的に当選しやすくなるようにそれぞれの当選確率が設定されている。つまり、これら共通役に対応付けられているATカウンタCを利用したATモード移行抽選では、通常時よりもBB時のほうが圧倒的に当選し易いものとなっている。
共通役のうち、強チェリーと弱チェリーは、第1BB状態のほうが第2BB状態よりも当選確率が高い。また、強スイカと弱スイカは、第2BB状態のほうが第1BB状態よりも当選確率が高い。そのため、強チェリーや弱チェリーに対応付けられているATカウンタCを利用したATモード移行抽選では、第1BB状態のほうが第2BB状態よりも当選し易く、強スイカや弱スイカに対応付けられているATカウンタCを利用したATモード移行抽選では、第2BB状態のほうが第1BB状態よりも当選し易くなっている。
ATカウンタCに対応する保留表示としての特別画像との関係性を、図85を参照しながら説明する。
既に説明した通り、示唆系特別画像としての第1特別画像P1は強チェリーや弱チェリー時にATモード移行抽選に当選し易いことを示唆するものであり、確定系特別画像としての第4特別画像P4は強チェリー時に、第5特別画像P5は強チェリーや弱チェリー時にATモード移行抽選に当選することを示すものである。通常時よりBB時のほうが強チェリーや弱チェリーに当選し易いことから、第1特別画像P1や第4特別画像P4、第5特別画像P5が表示されている状況においては、ATモード移行抽選にも通常時よりBB時のほうが当選し易い。しかも、第1BB状態のほうが第2BB状態よりも強チェリーや弱チェリーに当選し易いことから、ATモード移行抽選にも第1BB状態のほうが第2BB状態よりも当選し易い。
また、示唆系特別画像としての第2特別画像P2は強スイカや弱スイカ時にATモード移行抽選に当選し易いことを示唆するものであり、確定系特別画像としての第6特別画像P6は強スイカ時に、第7特別画像P7は強スイカや弱スイカ時にATモード移行抽選に当選することを示すものである。通常時よりBB時のほうが強スイカや弱スイカに当選し易いことから、第2特別画像P2や第6特別画像P6、第7特別画像P7が表示されている状況においては、ATモード移行抽選にも通常時よりBB時のほうが当選し易い。しかも、第2BB状態のほうが第1BB状態よりも強スイカや弱スイカに当選し易いことから、ATモード移行抽選にも第2BB状態のほうが第1BB状態よりも当選し易い。
示唆系特別画像としての第9特別画像P9は通常役時にATモード移行抽選に当選し易いことを示唆するものであり、第10特別画像P10はBB役時にATモード移行抽選に当選し易いことを示唆するものである。そのため、第9特別画像P9が表示されている状況においては、ATモード移行抽選には通常時のほうがBB時よりも当選し易く、第10特別画像P10が表示されている状況においては、ATモード移行抽選にはBB時のほうが通常時よりも当選し易い。
これらの各種特別画像は、第10記憶エリアRE10にATカウンタCが格納されるゲームにて表示が開始され、実行エリアAEにそのATカウンタCがシフトされるゲームにてATモード移行抽選の対象となるものであり、表示開始ゲームとATモード移行抽選の対象となるゲームとが異なる。そうすると、表示開始ゲームの遊技状態とATモード移行抽選の対象となるゲームの遊技状態とが異なる場合があることになる。つまり、通常時において表示開始された特別画像が、BB時にATモード移行抽選の対象となる場合がある。例えば、第1特別画像P1が表示開始されたゲームが通常時であっても、ATモード移行抽選の対象となるゲームがBB時であれば、そのまま通常時でATモード移行抽選の対象となるよりも、その移行抽選に当選となることに大いに期待が持てるようになる。本実施形態では、このような事前取得されるATカウンタCを用いたATモード移行抽選において、その取得時と移行抽選時の状態の相違を状況表示として報知する構成としている。以下、その状況表示を行うための構成について説明する。
<状況表示開始用処理>
状況表示に関する構成として、まず、状況表示開始用処理について、図86のフローチャートを参照しながら説明する。状況表示開始用処理は、保留表示用処理において保留表示を開始する場合にステップS3509にて実施される処理である。既に説明した通り、保留表示用処理は、全停止時演出設定処理において実施される処理であり、ゲームの終了に際して実施される。なお、状況表示開始用処理においては、今回終了するゲームの内容(遊技結果、入賞結果、払出数等)が反映された内容に基づいて、状況表示の内容が決定されるものとする。
ステップS3701では、今回表示を開始する保留表示としての特別画像がチェリーに対応する特別画像であるか否かを判定する。より詳しくは、今回表示を開始する特別画像が、第1特別画像P1、第4特別画像P4及び第5特別画像P5のいずれかであるか否かを判定する。上記の通り、第1BB状態のゲームにおいては強チェリーや弱チェリー当選となり易く、第1特別画像P1、第4特別画像P4及び第5特別画像P5のチェリー対応特別画像は、第1BB状態にてATモード移行抽選の対象となった場合に当選となり易い。
そこで、今回表示を開始する特別画像が上記のチェリー対応特別画像である場合、ステップS3702に進み、現状の遊技状態が第1BB状態や第2BB状態ではなく、且つ第1BBや第2BBに当選する前の状態であるか否かを判定する。ステップS3702にて肯定判定した場合、ステップS3703に進み、今回の状況表示として、第1BB当選時有利表示を行う処理を実行してから、状況表示開始用処理を終了する。第1BB当選時有利表示は、対象とする特別画像がATモード移行抽選の対象となるゲームが第1BB状態となっていれば、ATモード移行抽選に当選し易いことを示唆する報知である。第1BB当選時有利表示としては、例えば、図88(a)に示すように、今回表示を開始する特別画像を指し示しながら(吹き出しで)、第1BB入賞に対応する「赤7」図柄のキャラクタを3つ表示させ、「7 7 7でATチャンス」との表示を行うとよい。
ステップS3702にて否定判定した場合、ステップS3704に進む。ステップS3704では、現状の遊技状態が第1BB状態や第2BB状態ではなく、且つ第1BBに当選した後の持ち越し状態であるか否かを判定する。ステップS3704にて肯定判定した場合、ステップS3705に進み、今回の状況表示として、第1カウントダウン表示を行う処理を実行してから、状況表示開始用処理を終了する。第1カウントダウン表示は、対象とする特別画像がATモード移行抽選の対象となるゲームまでに第1BB状態となっていれば、ATモード移行抽選に当選し易いことを示唆する報知であり、既に当選している第1BBを速やかに入賞させるべきことを示唆する報知である。第1カウントダウン表示としては、例えば、図88(b)に示すように、今回表示を開始する特別画像を指し示しながら(吹き出しで)、第1BB入賞に対応する「赤7」図柄のキャラクタを3つ表示させ、「9ゲーム以内に7 7 7入賞させろ!!」との表示を行うとよい。この場合、今回表示させる特別画像がATモード移行抽選の対象となるゲームが10ゲーム後であることから、その1ゲーム前である9ゲーム以内に第1BB入賞を成立させることで、対象となる特別画像のATモード移行抽選が第1BB状態にて実施されることになる。
ステップS3704にて否定判定した場合、ステップS3706に進む。ステップS3706では、現状の遊技状態が第1BB状態であるか否かを判定する。第1BB状態である場合、ステップS3707にて、その第1BB状態における上限払出数までの残り払出数が45枚よりも多いか否かを判定する。既に説明した通り、第1BB状態においては、高確率でBB中第1役入賞が成立して9枚のメダル払出が発生する。ステップS3707にて上限払出数までの残りが45枚以下である場合とは、一部、3枚や5枚のメダル払出が発生したり、メダル払出が発生しないゲームを加味しても、今回表示を開始する特別画像がATモード移行抽選の対象となる10ゲーム後のゲームは、既に第1BB状態が終了している可能性が高い場合である。より詳しくは、今回表示を開始する特別画像がATモード移行抽選の対象となる1ゲーム前までの9ゲーム間において、9枚のメダル払出が5回発生すると、当該特別画像の対象となっているゲームは第1BB状態の終了後となる場合である。そこで、ステップS3707にて残り払出数が45枚以下であると判定した場合には、そのまま状況表示開始用処理を終了する。この場合、今回表示を開始する特別画像に対する状況表示は行われない。
ステップS3707にて残り払出数が45枚よりも多いと判定した場合、ステップS3708に進む。ステップS3708では、残り払出数が70枚よりも多いか否かを判定する。70枚以下である場合とは、今回表示を開始する特別画像がATモード移行抽選の対象となるまでの9ゲーム間において、9枚のメダル払出が8回以上発生すると、当該特別画像の対象となっているゲームは第1BB状態の終了後となる場合である。また、9枚のメダル払出が7回であっても、5枚のメダル払出が2回、又は5枚のメダル払出1回と3枚のメダル払出が1回発生すると、当該特別画像の対象となっているゲームは第1BB状態の終了後となる場合である。言い換えると、9枚のメダル払出が9ゲーム中7回発生しても、残り2回ともが3枚のメダル払出であったり、残り2回のうち1回でもメダル払出が発生しなければ、当該特別画像の対象となっているゲームは第1BB状態中となる。また、9枚のメダル払出が9ゲーム中6回以下であれば、残りのゲームのメダル払出数に関わらず、当該特別画像の対象となっているゲームは第1BB状態中となる。ステップS3708にて70枚より多いと判定した場合、ステップS3709にて、今回の状況表示として、対応チャンス表示を行う処理を実行してから、状況表示開始用処理を終了する。対応チャンス表示は、対象とする特別画像がATモード移行抽選の対象となれば、ATモード移行当選となる可能性が高いことを示唆する報知である。対応チャンス表示としては、例えば、図88(c)に示すように、今回表示を開始する特別画像を指し示しながら(吹き出しで)、「激熱でござる!!」との表示を行うとよい。
ステップS3708にて否定判定し、第1BB状態の残り払出数が45枚よりは多いものの70枚以下である場合とは、今回表示を開始する特別画像がATモード移行抽選の対象となるまでのゲームにおいて、3枚や5枚のメダル払出が発生したり、メダル払出が発生しないゲームの回数によって、そのATモード移行抽選の対象となる10ゲーム後のゲームが第1BB状態である可能性がある場合である。つまり、今回表示を開始する特別画像がATモード移行抽選の対象となるまでの9ゲーム間の抽選結果や、ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングによって、その10ゲーム後のゲームが第1BB状態中のゲームか否かが異なり得る場合である。この場合、ステップS3710にて、今回の状況表示として、終了遅延用表示を行う処理を実行してから、状況表示開始用処理を終了する。終了遅延用表示は、対象とする特別画像がATモード移行抽選の対象となるまで現状の状態を維持すべきこと、すなわち、対象とする特別画像がATモード移行抽選の対象となるまで現状の状態を維持できれば、ATモード移行当選となる可能性が高いことを示唆する報知である。終了遅延用表示としては、例えば、図88(d)に示すように、今回表示を開始する特別画像を指し示しながら(吹き出しで)、「オイラの出番までボーナス終わらせんなよ!!」との表示を行うとよい。
ステップS3701にて、今回表示を開始する特別画像がチェリー対応特別画像ではないと判定した場合、ステップS3711に進む。ステップS3711では、今回表示を開始する保留表示としての特別画像がスイカに対応する特別画像であるか否かを判定する。より詳しくは、今回表示を開始する特別画像が、第2特別画像P2、第6特別画像P6及び第7特別画像P7のいずれかであるか否かを判定する。上記の通り、第2BB状態のゲームにおいては強スイカや弱スイカ当選となり易く、第2特別画像P2、第6特別画像P6及び第7特別画像P7のスイカ対応特別画像は、第2BB状態にてATモード移行抽選の対象となった場合に当選となり易い。
そこで、今回表示を開始する特別画像が上記のスイカ対応特別画像である場合、ステップS3712に進み、現状の遊技状態が第1BB状態や第2BB状態ではなく、且つ第1BBや第2BBに当選する前の状態であるか否かを判定する。ステップS3712にて肯定判定した場合、ステップS3713に進み、今回の状況表示として、第2BB当選時有利表示を行う処理を実行してから、状況表示開始用処理を終了する。第2BB当選時有利表示は、対象とする特別画像がATモード移行抽選の対象となるゲームが第2BB状態となっていれば、ATモード移行抽選に当選し易いことを示唆する報知である。第2BB当選時有利表示としては、例えば、今回表示を開始する特別画像を指し示しながら(吹き出しで)、第2BB入賞に対応する「白BAR」図柄のキャラクタを3つ表示させ、「白BAR 白BAR 白BARでATチャンス」との表示を行うとよい(図90(b)参照)。
ステップS3712にて否定判定した場合、ステップS3714に進む。ステップS3714では、現状の遊技状態が第1BB状態や第2BB状態ではなく、且つ第2BBに当選した後の持ち越し状態であるか否かを判定する。ステップS3714にて肯定判定した場合、ステップS3715に進み、今回の状況表示として、第2カウントダウン表示を行う処理を実行してから、状況表示開始用処理を終了する。第2カウントダウン表示は、対象とする特別画像がATモード移行抽選の対象となるゲームまでに第2BB状態となっていれば、ATモード移行抽選に当選し易いことを示唆する報知であり、既に当選している第2BBを速やかに入賞させるべきことを示唆する報知である。第2カウントダウン表示としては、例えば、今回表示を開始する特別画像を指し示しながら(吹き出しで)、第2BB入賞に対応する「白BAR」図柄のキャラクタを3つ表示させ、「9ゲーム以内に白BAR 白BAR 白BAR入賞させろ!!」との表示を行うとよい(図89(b)参照)。この場合、今回表示させる特別画像がATモード移行抽選の対象となるゲームが10ゲーム後であることから、その1ゲーム前である9ゲーム以内に第2BB入賞を成立させることで、対象となる特別画像が第2BB状態にて実施されることになる点は、上記第1カウントダウン表示と同様である。
ステップS3714にて否定判定した場合、ステップS3716に進む。ステップS3716では、現状の遊技状態が第2BB状態であるか否かを判定する。第2BB状態である場合、ステップS3717にて、その第2BB状態における上限払出数までの残り払出数が45枚よりも多いか否かを判定する。ステップS3717にて残り払出数が45枚以下であると判定した場合には、そのまま状況表示開始用処理を終了する。この場合、今回表示を開始する特別画像に対する状況表示は行われない。
ステップS3717にて残り払出数が45枚よりも多いと判定した場合、ステップS3718に進む。ステップS3718では、残り払出数が70枚よりも多いか否かを判定する。70枚よりも多い場合、ステップS3719にて、今回の状況表示として、対応チャンス表示を行う処理を実行してから、状況表示開始用処理を終了する。対応チャンス表示は、上記のとおりである。
ステップS3718にて否定判定した場合、ステップS3720にて、今回の状況表示として、終了遅延用表示を行う処理を実行してから、状況表示開始用処理を終了する。終了遅延用表示は、上記のとおりである。
ちなみに、上記の状況表示開始用処理において、例えば、既に他の特別画像に対して状況表示が発生している場合には、今回の特別画像に対する状況表示の開始を制限する(開始させない、状況表示を行わない)構成とするとよい。このようにすることで、状況表示が重複して行われることにより、遊技内容の複雑化を生じにくくすることができる。
<状況表示更新用処理>
状況表示に関する構成として、次に、状況表示更新用処理について、図87のフローチャートを参照しながら説明する。状況表示更新用処理は、保留シフト用処理において保留表示をシフトする場合にステップS3605にて実施される処理である。
ステップS3801では、状況表示を実行中であるか否かを判定する。状況表示を実行中ではない場合には、更新対象となるものがないため、そのまま本状況表示更新用処理を終了する。状況表示を実行中である場合には、ステップS3802に進む。ステップS3802では、今回のシフト処理によって、状況表示の対象となっている特別画像が第5単位保留表示領域Dr5にシフトされたか否かを判定する。第5単位保留表示領域Dr5にシフトされた場合、ステップS3803にて、当該シフトされた特別画像を対象とする状況表示を終了する処理を行ってから、本状況表示更新用処理を終了する。
すなわち、本実施形態では、状況表示は第10単位保留表示領域Dr10に特別画像が表示される際に開始され、第5単位保留表示領域Dr5にシフトされる際に終了される。言い換えると、状況表示は、事前取得されるATカウンタCがATモード移行抽選の対象となるよりも10ゲーム前から6ゲーム前まで実施され、5ゲーム前から1ゲーム前の(当該ゲームも)状況表示の実行が制限されている。この場合、例えば、図90(b)に示すように、第6単位保留表示領域Dr6における第2特別画像P2を対象として第2BB当選時有利表示を行っている状況にて、第2BBに当選することなく当該対象となっている第2特別画像P2が第5単位保留表示領域Dr5にシフトされる場合、そのシフトに際して、第2当選時有利表示は終了される。このようにすることで、第1BB当選時有利表示や第2BB当選時有利表示等のように、比較的、達成しにくい内容の示唆が、ATモード移行抽選の対象となるまでの残りゲーム数が僅かとなった状況にまで表示され続けることによって、遊技者のやる気を削いでしまうことを抑制することが可能となる。
なお、表示中の状況表示の内容によって、表示継続の有無を異ならせてもよい。例えば、表示中の状況表示が第1BB当選時有利表示や第2BB当選時有利表示であれば、第5単位保留表示領域Dr5へのシフトに際して当該状況表示を終了する一方、他の状況表示(第1カウントダウン表示、第2カウントダウン表示、対応チャンス表示、終了遅延用表示)であれば、第5単位保留表示領域Dr5へのシフトに際して当該状況表示を終了しないようにしてもよい。また、表示を終了するタイミングを異ならせてもよく、表示中の状況表示が第1BB当選時有利表示や第2BB当選時有利表示であれば、第5単位保留表示領域Dr5へのシフトに際して当該状況表示を終了する一方、他の状況表示(第1カウントダウン表示、第2カウントダウン表示、対応チャンス表示、終了遅延用表示)であれば、第3単位保留表示領域Dr3へのシフトに際して(第5単位保留表示領域Dr5とは異なる領域へのシフトに際して、第5単位保留表示領域Dr5へのシフトよりも遅いタイミングにて)当該状況表示を終了する構成としてもよい。
ステップS3802にて否定判定した場合、ステップS3804に進む。ステップS3804では、更新対象となっている状況表示が、第1BB当選時有利表示又は第2BB当選時有利表示であるか否かを判定する。いずれかのBB当選時有利表示である場合、ステップS3805に進み、対応するBBの当選報知がなされたか否かを判定する。より詳しくは、第1BB当選時有利表示を実行している場合であって、ボーナス当選報知演出(ステップS2406)が行われ、且つ当該ボーナス当選報知演出の対象となっているボーナスの種別の報知として第1BBに当選していることの報知演出が発生した場合にステップS3805にて肯定判定し、また、第2BB当選時有利表示を実行している場合であって、ボーナス当選報知演出(ステップS2406)が行われ、且つ当該ボーナス当選報知演出の対象となっているボーナスの種別の報知として第2BBに当選していることの報知演出が発生した場合にステップS3805にて肯定判定する。言い換えると、第1BB当選時有利表示を実行している場合であって、ボーナス当選報知演出(ステップS2406)が行われた場合であっても、当該ボーナス当選報知演出の対象となっているボーナスの種別の報知が行われていなかったり、ボーナスの種別の報知として第2BBに当選していることの報知演出が発生した場合にはステップS3805にて否定判定するし、第2BB当選時有利表示を実行している場合であって、ボーナス当選報知演出(ステップS2406)が行われた場合であっても、当該ボーナス当選報知演出の対象となっているボーナスの種別の報知が行われていなかったり、ボーナスの種別の報知として第1BBに当選していることの報知演出が発生した場合にはステップS3805にて否定判定する。ステップS3805にて否定判定した場合、ステップS3806にて、実行中のBB当選時有利表示を継続表示させる処理を行ってから、本状況表示更新処理を終了する。
ステップS3805にて肯定判定した場合、ステップS3806にて、対象となっているボーナス用のカウントダウン表示に表示内容を切り替える処理を行ってから、本状況表示更新処理を終了する。この場合、カウントダウン表示においては、ATモード移行抽選に対象となるまでのゲーム数に応じて、カウントダウンの残りゲーム数を決定し、そのゲーム数を表示させる。例えば、図89(a)に示すように、第7単位保留表示領域Dr7における第1特別画像P1を対象として第1BB当選時有利表示を行っている状況にて、第1BBに当選したことのボーナス当選報知演出が発生した場合、当該対象となっている第1特別画像P1が第6単位保留表示領域Dr6にシフトされることに合わせて、第1カウントダウン表示として「5ゲーム以内に、7 7 7入賞させろ!!」との表示を行うとよい。
そのため、BB当選時有利表示を行っている場合に、ボーナス当選報知演出が発生する前にそのBB当選時有利表示が終了することにより、ボーナス当選が当選報知演出よりも先に察知されてしまうことを解消することが可能となっている。また、第1BB当選時有利表示を行っている場合に第2BBに当選したり、第2BB当選時有利表示を行っている場合に第1BBに当選した場合であっても、そのボーナスの種別の報知が行われるまでは、BB当選時有利表示が継続表示される。また、ボーナスの種別の報知が行われた場合であっても対象となる種別とは異なるボーナスの報知であった場合には、BB当選時有利表示が継続表示される。このようにすることで、対象となっているボーナス当選への期待感を持続させることが可能となっている。
ステップS3804にて否定判定した場合、ステップS3808に進む。ステップS3808では、更新対象となっている状況表示が、第1カウントダウン表示又は第2カウントダウン表示であるか否かを判定する。いずれかのカウントダウン表示である場合、ステップS3809にて、前ゲームにて対応するBB入賞が成立したか否かを判定する。すなわち、今回のゲームが対象となっている第1BB状態や第2BB状態でのゲームであるか否かを判定する。ステップS3809にて否定判定した場合、ステップS3810にて、カウントダウン表示の更新処理を行ってから、本状況表示更新処理を終了する。カウントダウン表示の更新処理では、特別画像のシフトに合わせて、残りゲーム数の表示を1減算して更新する処理を行う。
ステップS3809にて肯定判定した場合、ステップS3811にて、対応チャンス表示に表示内容を切り替える処理を行ってから、本状況表示更新処理を終了する。例えば、図89(b)に示すように、第7単位保留表示領域Dr7における第6特別画像P6を対象として第2カウントダウン表示を行っている状況にて、第2BB入賞が成立した場合、第2カウントダウン表示を対応チャンス表示に切り替えるとよい。
ステップS3808にて否定判定した場合、ステップS3812に進む。ステップS3812では、更新対象となっている状況表示が、対応チャンス表示であるか否かを判定する。対応チャンス表示である場合、ステップS3813にて、現状のボーナス状態の上限払出数までの残り払出数が45枚よりも多いか否かを判定する。残り払出数が45枚よりも多い場合、ステップS3814にて、対応チャンス表示を継続させる処理を行ってから、本状況表示更新用処理を終了する。残り払出数が45枚以下である場合、ステップS3815にて終了遅延用表示に表示内容を切り替える処理を行ってから、本状況表示更新処理を終了する。例えば、図90(a)に示すように、第7単位保留表示領域Dr7における第5特別画像P5を対象として対応チャンス表示を行っている状況にて、残り払出数が45枚以下となり、当該対象となっている第5特別画像P5が第6単位保留表示領域Dr6にシフトされる場合に、終了遅延用表示に切り替えるとよい。
ここで、ステップS3813にて残り払出数が45枚以下であると判定する場合とは、例えば、残り払出数が72枚である状況で対応チャンス表示が開始された場合において、3ゲーム連続で9枚のメダル払出が発生し、残り払出数が45枚となって第6単位保留表示領域Dr6へシフトされる場合等が想定される。第5単位保留表示領域Dr5へのシフトにより状況表示は終了されることから、ステップS3813にて対応チャンス表示を行っている状況で残り払出数が45枚以下であると判定する場合とは、対応チャンス表示が71枚ま72枚である状況で開始され、且つ開始から3ゲーム連続で9枚のメダル払出が発生した場合である。言い換えると、残り払出数が73枚以上で対応チャンス表示が開始された場合には、開始から3ゲーム連続で9枚のメダル払出が発生しても、ステップS3813にて残り45枚以下であると判定することととはならないし、71枚や72枚で対応チャンス表示が開始された場合であっても、開始から3ゲームで1度でも9枚のメダル払出が発生しなければ、ステップS3813にて45枚以下であると判定することとはならない。
ステップS3812にて対応チャンス表示を行っていると判定した場合とは、更新対象となっている状況表示が終了遅延用表示であることを意味する。この場合、ステップS3816にて終了遅延用表示を継続させる処理を行ってから、本状況表示更新用処理を終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
ATカウンタCを事前に取得して抽選用情報記憶エリア106fに記憶し、その記憶されているATカウンタCと、ゲームの抽選結果とを用いてATモード移行抽選を行う構成において、遊技状態の移行が生じても、抽選用情報記憶エリア106fに記憶しているATカウンタCを用いてATモード移行抽選を行う構成とした。すなわち、通常時に取得したATカウンタCを用いてBB時にATモード移行抽選が行われ、BB時に取得したATカウンタCを用いて通常時にATモード移行抽選が行われ得る。通常時とBB時とではゲームの抽選結果が異なり得るところ、同じATカウンタCを用いても、ATモード移行当選となる確率が異なり得る。このような関係性を利用することで、事前取得されているATカウンタCによって、例えば通常時において、BB状態へ移行させたほうがよい場合とそうではない場合とが生じ、状態の移行タイミングも踏まえながらATモード移行抽選を楽しませることが可能となる。
通常時とBB時とで、ATモード移行抽選の契機となる特定役の当選確率が異なる構成とした。このようにすることで、事前取得されているATカウンタCとの関係で、通常時においてBB状態への移行を生じさせるか否かといった点が異なり得るようになり、上記の遊技性を好適に実現することが可能となる。
第1BB状態と第2BB状態とでは、ATモード移行抽選の契機となる特定役の当選確率が異なる構成とした。このようにすることで、事前取得されているATカウンタCとの関係で、通常時において第1BB状態と第2BB状態とのいずれに移行すべきかが異なることとなり、移行タイミングだけでなく移行先の状態も踏まえながらATモード移行抽選を楽しませることが可能となる。
また、第1BB当選や第2BB当選した情報は、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグとして、第1BB入賞又は第2BB入賞が生じるまで保持される構成としたことから、第1BBや第2BBに当選してから、ATカウンタCとの関係で、その当選しているBBの入賞ゲームを調節する、といった遊技性を実現することができる。
抽選用情報記憶エリア106fに記憶されている各ATカウンタCがATモード移行抽選の対象となった場合の保留表示として、そのゲームでどのような抽選結果となればATモード移行当選となるか、又はATモード移行当選となり易いかを特定し、その特定結果に対応する報知として各特別画像P1~P10を表示させる構成とした。このようにすることで、その保留表示から、どのような抽選結果となればよいかを把握したうえで、ゲームに挑ませることが可能となり、ATモード移行抽選を行わせるうえでの遊技性を劇的に向上させることができる。
しかも、特別画像P1~P10といった保留表示に加え、状況表示によって、状態移行を生じさせるべきか否かに関する報知を行うようにしたことから、毎ゲームATカウンタCが消費されて刻一刻と状況が変化する遊技性において、その遊技内容を容易に理解可能とすることが可能となる。これにより、遊技に慣れていない遊技者に対しても、保留表示の内容からどのような抽選結果を引き当てればよいか、といった内容に加え、遊技状態を移行させるべきか否かに関しても理解させながら遊技を行わせることが可能となる。
乱数取得用処理において、ATカウンタCは、有利区間フラグがセットされているか否かに関わらず取得される。このようにすることで、有利区間に移行した際に、ATカウンタCが取得されていないといった事象が生じにくくなり、有利区間移行当選時からATカウンタCを用いたATモード移行抽選を好適に実施することが可能となる。
その一方で、ATカウンタCを用いたATモード移行抽選の先読み報知としての保留表示は、有利区間移行後に発生する。このようにしたことで、通常区間から有利区間へ移行させ、有利区間においてATモード移行抽選を受ける、といった段階的な抽選を設けた意義に反しない範囲で、ATモード移行抽選についての先読み報知を行うことが可能となる。
<変形例1>
上記第1の実施形態では、保留表示としての特別画像を、各保留(ATカウンタC)に対して個別に実施される保留表示抽選に当選した場合に表示させる構成としたが、所定条件が成立したことに基づいて、保留表示抽選に当選しなくても保留表示を行う構成としてもよい。図91は、本変形例における保留表示用処理を示すフローチャートである。
本変形例における保留表示用処理では、ステップS3901にてATモード当選フラグ又はATモードフラグがセットされているか否かを判定し、ステップS3902ではATコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS3903では、受信したATコマンドに基づき、ATカウンタCの情報を対応するエリアに格納する処理を行う。上記ステップS3901~ステップS3903の処理は、上記ステップS3501~ステップS3503の処理と同様である。
ステップS3903の処理を行った後、本変形例では、ステップS3904にて、ボーナス当選報知演出が発生し、ボーナスの種別の報知も行われたか否かを判定する。より詳しくは、今回のゲームの開始に際し、ベット時演出設定処理として、第1BB当選なのかそれとも第2BB当選なのかの演出を含むボーナス当選報知演出の設定が行われて、当該演出が発生したか否かを判定する。発生していない場合には、ステップS3905~ステップS3910にて、保留表示抽選処理を経て保留表示を発生させる処理を行う。ステップS3905~ステップS3910の処理は、上記ステップS3504~ステップS3509の処理と同様である。
ステップS3904にて、今回のゲームの開始に際しボーナス当選報知演出が発生したと判定した場合、ステップS3911に進む。ステップS3911では、保留表示抽選に非当選となる等して、未表示の(特別画像が表示されていない)単位保留表示領域が存在するか否かを判定する。存在する場合には、ステップS3912に進み、未表示の単位保留表示領域のうち、最も番号の小さい単位保留表示領域に対応する保留用情報記憶エリア183cの記憶エリアからATカウンタCの情報を取得する処理を行う。そして、ステップS3913にて、特別画像テーブルを取得し、ステップS3914にて特別画像選択処理を実行し、ステップS3915にて選択した特別画像を対応する単位保留表示領域に表示させる処理を実行する。これらの処理は、保留表示抽選に当選した場合の処理と同様である。
ステップS3915の処理を実行した後は、ステップS3911に戻り、未表示の単位保留表示領域がまだ存在するか否かを判定する。全ての単位保留表示領域に特別画像が表示されることで、ステップS3911にて否定判定することとなる。全ての単位保留表示領域に特別画像が表示された場合、ステップS3916に進み、今回表示される特別画像のうち、状況表示を行う特別画像を選択する処理を行う。この場合、上記のように既にボーナス当選報知が行われていることから、状況表示としては、第1カウントダウン表示と第2カウントダウン表示とのいずれかとなり、その第1カウントダウン表示や第2カウントダウン表示に対応する特別画像が状況表示の対象となる。より詳しくは、第1BBに当選している状況であれば、チェリー系特別画像が状況表示の対象となり、第2BBに当選している状況であれば、スイカ系特別画像が状況表示の対象となる。そして、そのカウントダウン表示の対象となり得る特別画像が複数存在する場合には、保留用情報記憶エリア183cの各記憶エリアのうちの最も番号の小さいエリアに対応する特別画像を、今回の状況表示の対象として選択する。
この場合、図92に示すように、例えば、第2単位保留表示領域Dr2と第6単位保留表示領域Dr6とに特別画像が表示されている状況で、第1BBに当選したことのボーナス当選報知演出が発生した場合、特別画像が表示されていなかった単位保留表示領域にて特定報知が開始される。より詳しくは、当該ボーナス当選報知演出を契機として、第1単位保留表示領域Dr1、第3単位保留表示領域Dr3~第5単位保留表示領域Dr5、第7単位保留表示領域Dr7~第10単位保留表示領域Dr10にて、特別画像が表示される。この場合、これらの単位保留表示領域Dr1、Dr3~Dr5、Dr7~Dr9に対応する特別画像は、一旦は、保留表示抽選に非当選となったものであり、ボーナス当選報知演出は、かかる非当選となったものを表示させる契機といえる。また、第10単位保留表示領域Dr10については、保留表示抽選を経ることなく特別画像を表示させることになるため、ボーナス当選報知演出は、保留表示抽選の実行を制限したり、保留表示抽選の実行に非当選となることを制限したりする契機といえる。
図92においては、新たに表示された特別画像のうち、チェリー系特別画像としての第1特別画像P1が第7単位保留表示領域Dr7に表示され、その第1特別画像P1を対象とする第1カウントダウン表示が状況表示として開始される。
以上のようにすることで、通常時においていずれかのBBに当選し、通常時からBB時への移行が可能となる状態となると、抽選用情報記憶エリア106fに記憶されている各ATカウンタCの内容を知り得ることが可能となる。つまり、ATモード移行抽選において、ATモード移行抽選の契機となる特定役の当選確率が異なる状態への移行が可能となる状況で、ATカウンタCの内容が保留表示により把握可能となる。このようにすれば、例えば、通常時において、全ての保留表示を行わないような構成として、演出上、煩わしさを感じさせないようにすることも可能となるし、必要な際にピンポイントで保留表示を行うことで、当該保留表示の演出効果を好適に期待することも可能となる。
<変形例2>
本変形例では、当選したボーナス種別の報知がなされた場合において、表示されている特別画像に当選したボーナスに対応する特別画像がない場合には、対応する特別画像が表示されるまでボーナス入賞を遅延させる。図93は、表示制御装置81にて実行されるBB入賞ゲーム調整用処理を示すフローチャートである。BB入賞ゲーム調整用処理は、例えば、開始時演出設定処理(図59)におけるその他の開始時演出の設定処理(ステップS2511)にて実行される処理であり、スタートレバー41の操作に基づきゲームを開始する際に実行される。
ステップS4001では、直前のベット時演出として、ボーナス当選報知が実行されたか否かを判定する。ボーナス当選報知が行われた場合には、ステップS4002にて、第1BBの当選報知が行われたか否かを判定する。第1BB当選報知である場合、ステップS4003にて、いずれかの単位保留表示領域に、チェリー系特別画像が表示されているか否かを判定する。なお、本変形例を変形例1に適用するのであれば、ボーナス当選報知を契機として新たに表示を開始する単位保留表示領域についても、ステップS4003の判定対象とするとよい。いずれかの単位保留表示領域にチェリー系特別画像が表示されている場合には、状況表示開始用処理や状況表示更新用処理によって、かかるチェリー系特別画像に対する第1カウントダウン表示の状況表示が開始される場合である。すなわち、速やかに第1BB入賞させることで、そのチェリー系特別画像に対応するATカウンタCがATモード移行抽選の対象となるゲームを第1BB状態とすることが可能な状況である。ステップS4003にていずれかの単位保留表示領域にチェリー系特別画像が表示されている場合、そのまま本BB入賞ゲーム調整用処理を終了する。
これに対して、ステップS4003にていずれの単位保留表示領域にも、チェリー系特別画像が表示されていないと判定した場合、ステップS4005にて入賞遅延表示を行う処理を実行してから、本BB入賞ゲーム調整用処理を終了する。入賞遅延表示とは、今回当選したBBを直ぐに入賞させず、その当選したBBに対応する特別画像が表示されるまで(当選したBBに対応するATカウンタCが取得されるまで)BB入賞を遅延させるべき状況であることを報知するための表示である。より詳しくは、例えば、図94に示すように、第1BBに当選したことのボーナス当選報知演出が発生した場合において、各単位保留表示領域に第1BBに対応するチェリー系特別画像が表示されていない場合、チェリー系特別画像として、第1特別画像P1、第4特別画像P4又は第5特別画像P5が表示されるまでBB入賞を回避すべき旨の表示を行う。
ステップS4002にて実行されたボーナス当選報知演出が、第1BBに対応するものではないと判定した場合とは、第2BBに対応するものであることを意味する。この場合、ステップS4004に進み、いずれかの単位保留表示領域に、スイカ系特別画像が表示されているか否かを判定する。いずれかの単位保留表示領域にスイカ系特別画像が表示されている場合には、状況表示開始用処理や状況表示更新用処理によって、かかるスイカ系特別画像に対する第2カウントダウン表示の状況表示が開始される場合である。すなわち、速やかに第2BB入賞させることで、そのスイカ系特別画像に対応するATカウンタCがATモード移行抽選の対象となるゲームを第2BB状態とすることが可能な状況である。ステップS4004にていずれかの単位保留表示領域にスイカ系特別画像が表示されている場合、そのまま本BB入賞ゲーム調整用処理を終了する。
これに対して、ステップS4004にていずれの単位保留表示領域にも、スイカ系特別画像が表示されていないと判定した場合、ステップS4005にて入賞遅延表示を行う処理を実行してから、本BB入賞ゲーム調整用処理を終了する。この場合の入賞遅延表示では、スイカ系特別画像として、第2特別画像P2、第6特別画像P6又は第7特別画像P7が表示されるまでBB入賞を回避すべき旨の表示を行うとよい。
ステップS4001にて今回のゲームにてボーナス当選演出が行われていないと判定した場合、ステップS4006に進む。ステップS4006では、上記の入賞遅延表示を実行中であるか否かを判定する。入賞遅延表示を行っていない場合には、そのまま本BB入賞ゲーム調整用処理を終了する。入賞遅延表示を行っている場合には、ステップS4007に進み、第1BBの持ち越し状態中であるか否かを判定する。第1BBの持ち越し状態中である場合とは、上記のチェリー系特別画像が表示されるまでBB入賞を回避すべき旨の入賞遅延表示が行われている場合である。この場合、ステップS4008にて、前ゲームの保留表示用処理にて(第3停止OFF操作に基づいて)、第10単位保留表示領域Dr10にチェリー系特別画像が表示されたか否かを判定する。チェリー系特別画像が表示された場合、ステップS4010にて、入賞遅延表示を終了する処理を行う。そして、ステップS4011にて入賞指示表示を行ってから、本BB入賞ゲーム調節用処理を終了する。入賞指示表示とは、速やかにBB入賞を成立させるべき状況となったことを報知するための表示である。例えば、図94に示すように、第1BBに対応する入賞遅延表示を行っている状況にて第10単位保留表示領域にDr10に、チェリー系特別画像として第5特別画像P5が表示された場合、補助表示部65にて速やかに第1BB入賞を成立させる旨の表示(例えば、「赤7」を狙え!!との表示)を行うとよい。
ステップS4007にて第1BBの持ち越し状態中ではないと判定した場合とは、第2BBの持ち越し状態中であることを意味し、実行中の入賞遅延表示としてスイカ系特別画像が表示されるまでBB入賞を回避すべき旨の入賞遅延表示が行われている場合である。この場合、ステップS4009にて、前ゲームの保留表示用処理にて(第3停止OFF操作に基づいて)、第10単位保留表示領域Dr10にスイカ系特別画像が表示されたか否かを判定する。スイカ系特別画像が表示された場合、ステップS4010にて、入賞遅延表示を終了する処理を行い、ステップS4011にて入賞指示表示を行ってから、本BB入賞ゲーム調節用処理を終了する。
以上のように、移行が可能となったBB状態との関係で、事前取得されているATカウンタCがATモード移行当選となり易いかどうかを特定し、そのBB状態への移行を速やかに生じさせるか否かを報知することで、単にATモード移行当選となり易いBB当選を目指すといった遊技だけでなく、BB状態の移行タイミングをBB当選後において調節させるといった遊技も実現することが可能となる。
特に、本変形例では、状態移行が可能となる状況となってから、その移行が可能となっている状態に対応するATカウンタCを取得させる構成(対応するATカウンタCが取得されるまで状態移行を回避させる構成)としたことから、事前取得されるATカウンタCを用いてATモード移行抽選を行う遊技性において、取得されたATカウンタCのなかからATモード移行抽選に提供されるATカウンタCを遊技者が選別する、といった遊技が可能となる。これにより、遊技者自らがそのATモード移行抽選に関与可能となり、遊技の面白みが格段に向上する。
ちなみに、上記第1の実施形態における終了遅延用表示は、対象とする特別画像がATモード移行抽選の対象となるまで現状の状態を維持すべきことを示す報知であり、上記の終了遅延用表示は、対象となる特別画像に対応するATカウンタCが取得されるまで現状の状態を維持すべきことを示す報知である。
<変形例3>
上記第1の実施形態では、第1BB入賞と第2BB入賞とを打ち分け可能な図柄配列を前提として説明したが、第1BB入賞と第2BB入賞とを打ち分けできない又は打ち分けしにくい図柄配列としてもよい。なお、本変形例3におけるボーナス当選報知演出では、第1BB及び第2BBのいずれに当選しているのかの種別報知は行わない構成とする。
図95は、本変形例における各リール32L,32M,32Rに付されている図柄の配置の概要を示す図である。なお、図95においては、第1BB入賞に対応する「赤7」図柄と、第2BB入賞に対応する「白BAR」図柄のみを表示しており、他の図柄(「チェリー」図柄や「第1リプレイ」図柄等)は省略している。なお、本変形例3においては、3ベットゲームでは、右下がりラインL4の他、中ラインL2、右上がりラインL5も有効ラインとして設定されるものとする。
本変形例では、左リール32Lの17番目に「白BAR」図柄が配置され、それに隣接させた18番目に「赤7」図柄が配置されている。中リール32Mにおいては、17番目に「赤7」図柄が配置されており、それに隣接させた18番目に「白BAR」図柄が配置されている。右リール32Rには、18番目に「赤7」図柄が配置されており、それに隣接させた19番目に「白BAR」図柄が配置されている。
この場合、例えば、第1BB入賞を成立させようとして左リール32Lに18番目の「赤7」図柄を狙って停止操作し、当該18番目の「赤7」図柄が上段に停止すると、17番目の「白BAR」図柄が中段に停止して、第2BB入賞の余地が残る。つまり、この時点では、第1BB入賞が成立するか第2BB入賞が成立するかが、停止出目から判別することができない。更に、挟み押しとして、その後に右リール32Rに18番目の「赤7」図柄を狙って停止操作し、当該18番目の「赤7」図柄が下段に停止すると、19番目の「白BAR」図柄が中段に停止して、第2BB入賞の余地が残る。つまり、第1BBと第2BBとのダブルテンパイとなり、中リール32Mを停止させるまで、第1BB入賞が成立するか第2BB入賞が成立するかが判別することができない。
このように、表示されている保留表示としての特別図柄との関係で、有利なボーナス状態へ移行するかどうかを、ボーナス入賞を成立させるまで把握しにくくすることで、ボーナス入賞を成立するまでのドキドキ感をより高めることが可能となる。
<第2の実施形態>
上記第1の実施形態では、ATモード移行抽選用の乱数として、通常時とBB時とで共通のATカウンタCを使用する構成としたが、本実施形態では別々の乱数を使用する。図96は、本実施形態における抽選用情報記憶エリア106fの構成を示すブロック図である。
本実施形態では、抽選用情報記憶エリア106fにおいて、実行エリアAEと、記憶エリアREとが設けられており、記憶エリアREには、通常時のATモード移行抽選用の乱数を記憶する通常用記憶エリアREAと、BB時のATモード移行抽選用の乱数を記憶するBB用記憶エリアREBとが設けられている。通常用記憶エリアREAは複数の記憶エリアを有しており、上記第1の実施形態における記憶エリアREと同様に、第1記憶エリアREA1~第10記憶エリアREA10の10ゲーム分のATモード移行抽選用の乱数の情報を記憶可能なエリアが設定されている。また、BB用記憶エリアREBにも、第1記憶エリアREB1~第10記憶エリアREB10が設定されている。
すなわち、本実施形態では、ATモード移行抽選用の乱数の情報として、通常用記憶エリアREAにおける第1記憶エリアREA1~第10記憶エリアREB10と、BB用記憶エリアREBにおける第1記憶エリアREB1~第10記憶エリアREB10といったように、それぞれ10ゲーム分ずつのATモード移行抽選用の乱数の情報が記憶可能とされている。
本実施形態では、通常時用のATモード移行抽選の乱数として各種カウンタエリア106eに通常用ATカウンタCAが設けられ、BB時用のATモード移行抽選の乱数として各種カウンタエリア106eにBB用ATカウンタCBが設けられている。通常用ATカウンタCAとBB用ATカウンタCBとは、いずれも第1実施形態におけるATカウンタCと同様に、1~128の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり128)に達した後1に戻るループカウンタである。通常用ATカウンタCAとBB用ATカウンタCBは定期的に更新され、例えば、タイマ割込み処理が起動される度に1ずつ加算される。
なお、通常用ATカウンタCAやBB用ATカウンタCBについても、役の当否判定に用いられるフリーランカウンタとハード回路とのように、専用のフリーランカウンタとハード回路を用い、これら通常用ATカウンタCAやBB用ATカウンタCBの取得タイミングよりも前(例えば、第3停止OFF操作時)に当該ハード回路がフリーランカウンタの値をラッチし、通常用ATカウンタCAやBB用ATカウンタCBの取得時にてそのラッチした値を読み取る構成としてもよい。
通常用ATカウンタCAを用いた場合のATモード移行抽選テーブルと、BB用ATカウンタCBを用いた場合のATモード移行抽選テーブルとを、図97にまとめて示している。
ATモード移行抽選が行われた場合にATモード移行当選となる値は、通常用ATカウンタCAとBB用ATカウンタCBとで、強チェリー、弱チェリー、強スイカ及び弱スイカに対応する値で相違しており、他の遊技結果での値は共通している。より詳しくは、強チェリー、弱チェリー、強スイカ及び弱スイカ時にATモード移行当選となる値として、通常用ATカウンタCAよりもBB用ATカウンタCBの方が多くの値が対応付けられており、これら強チェリー、弱チェリー、強スイカ及び弱スイカ時に行われるATモード移行抽選においては、通常用ATカウンタCAを用いた抽選よりもBB用ATカウンタCBを用いた抽選の方が当選し易くなるように設定されている。また、強チェリー及び弱チェリーに対応する値は、BB用ATカウンタCBの値に通常用ATカウンタCAの値が包含される関係となり、強スイカ及び弱スイカに対応する値は、通常用ATカウンタCAの値とBB用ATカウンタCBの値とが異なる関係となるように設定されている。
より詳しくは、強チェリー当選時に行われるATモード移行抽選に当選となる値として、通常用ATカウンタCAでは「1」~「64」が対応付けられているのに対して、BB用ATカウンタCBでは「1」~「95」が対応付けられている。また、弱チェリー当選時に行われるATモード移行抽選に当選となる値として、通常用ATカウンタCAでは「1」~「18」が対応付けられているのに対して、BB用ATカウンタCBでは「1」~「32」が対応付けられている。つまり、これら強チェリーや弱チェリー時に当選となる値としては、BB用ATカウンタCBの値に通常用ATカウンタCAの値が含まれるように設定されている。
これに対して、強スイカ当選時に行われるATモード移行抽選に当選となる値として、通常用ATカウンタCAでは「5」~「8」と「65」~「94」とが対応付けられているのに対して、BB用ATカウンタCBでは「5」~「8」と「33」~「58」及び「95」~「128」が対応付けられている。また、弱スイカ当選時に行われるATモード移行抽選に当選となる値として、通常用ATカウンタCAでは「5」と「65」~「76」とが対応付けられているのに対して、BB用ATカウンタCBでは「5」と「33」~「58」が対応付けられている。つまり、強スイカにおける「5」~「8」、弱スイカにおける「5」を除き、他の値は、互いに異なる値となるように設定されている。
図98は、本実施形態における乱数取得用処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、乱数取得用処理は、ストップスイッチ42~44の操作のうち、第3停止OFF操作に基づいて実行される処理である。
ステップS4101では、今回終了するゲームが第1BB状態や第2BB状態のボーナス状態中のゲームか否かを判定する。ボーナス状態中ではない場合は、ステップS4102に進み、通常用ATカウンタCAを取得する処理を実行する。そして、ステップS4103にて、通常用記憶エリアREAにおける対応する記憶エリアに、ステップS4102にて取得した通常用ATカウンタCAを格納する処理を行う。より詳しくは、各記憶エリアREA1~REA10における空きエリアのうち、最も番号の小さいエリア(基本的には第10記憶エリアREA10)に通常用ATカウンタCAを格納する処理を実行する。その後、ステップS4104にて、有利区間フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップS4105にて通常用ATコマンドAを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。通常用ATコマンドAは、通常用記憶エリアREAの各記憶エリアREAに記憶されている通常用ATカウンタCAの情報を表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。
ステップS4104にて有利区間フラグがセットされていない場合、又はステップS4105の処理を実行した後は、ステップS4106に進む。ステップS4106では、BB用記憶エリアREBを確認し、各記憶エリアREB1~REB10の全てのエリアにBB用ATカウンタCBが格納されているか否かを判定する。全てのエリアに格納されている場合には、そのまま本乱数取得用処理を終了する。格納されていないエリアがある場合には、ステップS4107に進み、BB用ATカウンタCBを取得する処理を実行する。そして、ステップS4108にてBB用記憶エリアREBにおける対応する記憶エリアに、ステップS4107にて取得したBB用ATカウンタCBを格納する処理を行う。より詳しくは、各記憶エリアREB1~REB10における空きエリアのうち、最も番号の小さいエリアにBB用ATカウンタCBを格納する処理を実行する。そして、ステップS4109にて、有利区間フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップS4110にて、BB用ATコマンドBを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本乱数取得用処理を終了する。BB用ATコマンドBは、BB用記憶エリアREBの各記憶エリアREBに記憶されているBB用ATカウンタCBの情報を表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。ステップS4109にて有利区間フラグがセットされていない場合には、そのまま乱数取得用処理を終了する。
すなわち、ボーナス状態中ではない場合の乱数取得用処理では、通常用ATカウンタCAを取得して対応する記憶エリアへ格納し、BB用記憶エリアREBに空きエリアがあることを条件としてBB用ATカウンタCBの取得処理や格納処理も行う。これに対して、ステップS4101にてボーナス状態中であると判定した場合、ステップS4111に進み、ステップS4102~ステップS4110とは逆の処理を行う。すなわち、BB用ATカウンタCBを取得して対応する記憶エリアへ格納し、通常用記憶エリアREAに空きエリアがあることを条件として通常用ATカウンタCAの取得処理や格納処理も行う。
より詳しくは、ステップS4111にてBB用ATカウンタCBを取得する処理を実行し、ステップS4112にてBB用記憶エリアREBの空きエリアのうち最も番号の小さいエリアにBB用ATカウンタCBを格納する処理を行う。そして、ステップS4113にて、有利区間フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップS4114にてBB用ATコマンドBをセットする処理を実行する。ステップS4113にて有利区間フラグがセットされていない場合や、ステップS4114の処理を実行した後は、ステップS4115にて、通常用記憶エリアREAの全てのエリアに通常用ATカウンタCAが格納されているか否かを判定する。全てのエリアに格納されている場合には、そのまま乱数取得用処理を終了する。空きエリアがある場合には、ステップS4116にて通常用ATカウンタCAを取得する処理を行い、ステップS4117にて通常用記憶エリアREAの空きエリアのうち最も番号の小さいエリアに通常用ATカウンタCAを格納する処理を行う。そして、ステップS4118にて有利区間フラグがセットされている場合には、ステップS4119にて通常用ATコマンドAをセットしてから、乱数取得用処理を終了する。有利区間フラグがセットされていない場合には、通常用ATコマンドAをセットすることなく、そのまま乱数取得用処理を終了する。
次に、本実施形態における乱数シフト用処理について、図99のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、乱数シフト用処理は、ゲームの開始に際して抽選結果対応処理(図31)において実施される処理である(ステップS701)。
ステップS4201では、今回のゲームが第1BB状態や第2BB状態のボーナス状態中のゲームであるか否かを判定する。ボーナス状態中ではない場合には、ステップS4202に進み、通常用記憶エリアREAのシフト処理を行う。すなわち、ステップS4202では、各記憶エリアREA1~REA10のうち、第1記憶エリアREA1に記憶されている通常用ATカウンタCAを実行エリアAEにシフトするとともに、当該第1記憶エリアREA1に記憶されていた通常用ATカウンタCAの情報をクリアする処理を行う。第1特定役処理(図33)におけるATモード移行抽選においては、かかる実行エリアAEに格納されている通常用ATカウンタCAに対応する情報を今回のATモード移行抽選に用いられる乱数の情報として取得する。つまり、ボーナス状態中ではない通常時におけるATモード移行抽選は、事前取得されている通常用ATカウンタCAとBB用ATカウンタCBのうち、通常用ATカウンタCAに基づいて行われる。
続くステップS4203は、各記憶エリアREA2~REA10に格納されている通常用ATカウンタCAを下位エリア側にシフトする処理を行う。具体的には、第2記憶エリアREA2に格納されている情報を第1記憶エリアREA1に格納するとともに、当該第2記憶エリアREA2に格納されていた情報をクリアし、順に、第3記憶エリアREA3→第2記憶エリアREA2、第4記憶エリアREA4→第3記憶エリアREA3・・・第10記憶エリアREA10→第9記憶エリアREA9といった具合に各エリア内の情報をシフトする。この場合、第10記憶エリアREA10からは第9記憶エリアREA9へ情報がシフトされるだけであり、新たな情報はシフトされない。つまり、第10記憶エリアREA10の情報はクリアされ、第10記憶エリアREA10は空きエリアとなる。
ステップS4201にてボーナス状態中であると判定した場合、ステップS4204に進み、BB用記憶エリアREBのシフト処理を行う。すなわち、ステップS4204では、各記憶エリアREB1~REB10のうち、第1記憶エリアREB1に記憶されているBB用ATカウンタCBを実行エリアAEにシフトするとともに、当該第1記憶エリアREB1に記憶されていたBB用ATカウンタCBの情報をクリアする処理を行う。第1特定役処理(図33)におけるATモード移行抽選においては、かかる実行エリアAEに格納されているBB用ATカウンタCBに対応する情報を今回のATモード移行抽選に用いられる乱数の情報として取得する。つまり、ボーナス状態中におけるATモード移行抽選は、事前取得されている通常用ATカウンタCAとBB用ATカウンタCBのうち、BB用ATカウンタCBに基づいて行われる。
続くステップS4204は、各記憶エリアREB2~REB10に格納されているBB用ATカウンタCBを下位エリア側にシフトする処理を行う。具体的には、上記通常用記憶エリアREAのシフトと同様であり、かかるシフト処理により、第10記憶エリアREB10は空きエリアとなる。
ステップS4203又はステップS4205の処理を実行した後は、ステップS42006にて、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。有利区間フラグがセットされている場合には、ステップS4207にてシフト時コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、乱数シフト用処理を終了する。ステップS4206にて有利区間フラグがセットされていない場合には、そのまま乱数シフト用処理を終了する。
図による詳細な説明は省略するが、本実施形態における表示制御装置81の保留用情報記憶エリア183cには、通常用保留用情報記憶エリアとBB用保留用情報記憶エリアとが設定されており、主制御装置101側の通常用記憶エリアREAとBB用記憶エリアREBと同様に、それぞれ10個分のATモード移行抽選用の乱数の情報を記憶可能となっている。
図100(a)に示すように、本実施形態では、補助表示部65における所定の表示領域として下部において、通常用保留表示領域DraとBB用保留表示領域Drbとが設定されており、通常用保留表示領域DraとBB用保留表示領域Drbとが上下に並んだ領域として設定されている。通常用保留表示領域Draは、通常用ATカウンタCAが通常用記憶エリアREAに記憶される最大個数と同一の数の単位保留表示領域Dra1~Dra10が左右方向に併設されるように区画されている。また、BB用保留表示領域Drbも、BB用ATカウンタCBがBB用記憶エリアREBに記憶される最大個数と同一の数の単位保留表示領域Drb1~Drb10が左右方向に併設されるように区画されている。また、通常用保留表示領域DraとBB用保留表示領域Drbに併設させて、左側(第1単位保留表示領域Dra1及び第1単位保留表示領域Drb1の左側)に、保留用情報記憶エリア183cの実行エリアAEに格納される通常用ATカウンタCA又はBB用ATカウンタCBの保留表示を行うための実行用表示領域Dpが設定されている。
表示制御装置81側の保留表示用処理(図79)や保留シフト用処理(図81)について、図による詳細な説明は省略するが、本実施形態における保留表示用処理では、ステップS3502にて通常用ATコマンドAを受信した場合には通常用保留用情報記憶エリアの対応するエリアに通常用ATカウンタCAの情報を格納し、BB用ATコマンドBを受信した場合にはBB用保留用情報記憶エリアの対応するエリアにBB用ATカウンタCBの情報を格納する(ステップS3503)。そして、今回取得されたカウンタに基づき保留表示を行うか否かの保留表示抽選を行い(ステップS3504)、保留表示抽選に当選した場合には、対応する特別画像を表示させる(ステップS3508)。
本実施形態における保留シフト処理では、シフト時コマンドを受信したことに基づき、実行用表示領域Dpの特別画像をクリアするとともに(ステップS3602)、今回シフトの対象となった側の第1単位保留表示領域の特別画像を実行用表示領域Dpにシフトする処理を行う(ステップS3603)。より詳しくは、通常用記憶エリアREAのシフトが行われた場合に出力されたシフト時コマンドであれば、通常用保留表示領域Draにおける第1単位保留表示領域Dra1の特別画像を実行用表示領域Dpにシフトし、BB用記憶エリアREBのシフトが行われた場合に出力されたシフト時コマンドであれば、BB用保留表示領域Drbにおける第1単位保留表示領域Drb1の特別画像を実行用表示領域Dpにシフトする。
つまり、図100(b)に示すように、通常時においては、通常用保留表示領域Draに表示されている各特別画像が1ゲーム毎にシフトされ、実行用表示領域Dpに表示されることでATモード移行抽選の対象となることが把握される。その一方で、BB用保留表示領域Drbに表示されている各特別画像は、シフトされずに待機する。また、図101に示すように、BB時においては、BB用保留表示領域Drbに表示されている各特別画像が1ゲーム毎にシフトされ、実行用表示領域Dpに表示されることでATモード移行抽選の対象となることが把握される。その一方で、通常用保留表示領域Draに表示されている各特別画像は、シフトされずに待機する。
すなわち、通常時において、BB時になった場合の特別画像を把握しながら、その特別画像をBB当選するまで持ち越すことが可能であり、また、通常時の特別画像について、BB時へ移行した場合には、その通常時の特別画像を消費することなくBB時のATモード移行抽選を受けることが可能となる。このように、別々のATカウンタをそれぞれ別途記憶しておき、状態に合わせて消費する(シフトする)ATカウンタが選択されるようにしたことから、各状態用のATカウンタを、より確実に対応する状態にてATモード移行抽選の対象とすることが可能となる。
以上のように、本実施形態では、ATモード移行抽選に用いられる乱数の情報として、通常用ATカウンタCAとBB用ATカウンタCBとをそれぞれ設け、通常時においては通常用ATカウンタCAを用いてATモード移行抽選を行い、BB時においてはBB用ATカウンタCBを用いてATモード移行抽選を行う。
ATモード移行抽選は、これらの通常用ATカウンタCAやBB用ATカウンタCBといった抽選用の乱数の情報の他に、各ゲームの抽選結果を利用して行うものであるところ、第1の実施形態のように、例えば、所定の抽選結果(例えば、強チェリー)でのATモード移行当選となる確率を遊技状態ごとに調節した場合には、所定の抽選結果の当選確率を遊技状態ごとに異ならせるといった方法がある。但し、各ゲームにおける所定の抽選結果の当選確率を高めたり低めたりするのにも限度があるし、所定の抽選結果の当選確率を変化させることによって、メダル払出率にも影響が生じ得る。
そこで、本実施形態では、所定の抽選結果でATモード移行当選となるように対応付けられる抽選用の乱数の情報を異ならせる構成としたことにより、所定の抽選結果の当選確率を大きく変化させなくても、遊技状態によってATモード移行当選となる確率を変化させることが可能となる。そのうえで、本実施形態では、上記のとおり各遊技状態用にそれぞれ抽選用の乱数の情報を設けたことから、各遊技状態のATモード移行当選となる確率だけでなく、移行当選となるように対応付けられる乱数の情報の自由度が大幅に向上する。
この場合、例えば、通常用ATカウンタCAとBB用ATカウンタCBとの更新範囲を異ならせることも可能である。乱数を用いた抽選の最低確率は、基本的には、その抽選用の乱数の更新範囲の最大値(乱数値の数)の逆数となるところ、その最低確率を低くしたい場合には、乱数の更新範囲を広くするとよい。その一方で、あまりにも乱数の更新範囲が広すぎると、抽選テーブルの対応付けが複雑化する等、構成上の不都合が生じ得る。つまり、抽選用の乱数の範囲は、対象とする抽選の当選確率と処理負荷等との兼ね合いで調節することが好ましい。その点、上記のように通常用ATカウンタCAとBB用ATカウンタCBとの更新範囲を異ならせる構成とすると、それぞれの状態用のATモード移行抽選用の乱数としてうまくカスタマイズすることが可能となる。
しかも、本実施形態では、通常時においては通常用ATカウンタCAを用いたATモード移行抽選を行い、BB用ATカウンタCBについては使用しないしシフトも行わず、BB時においてはBB用ATカウンタCBを用いたATモード移行抽選を行い、通常用ATカウンタCAについては使用しないしシフトも行わない構成としている。このようにしたことから、第1の実施形態のように、通常時において、取得済みのATカウンタCがATモード移行抽選の対象となるよりも前に対象となるボーナス当選とする必要があるといった遊技と異なり、本実施形態では、通常時において取得済みのBB用ATカウンタCBは消費されないことから、比較的長期的に、次のボーナスでのATモード移行抽選の有利不利を把握させることが可能となる。つまり、抽選用の乱数が第1BBに対応するものであれば、次のボーナスが第1BBであることに期待させ、第2BBに対応するものであれば、次のボーナスが第2BBであることに期待させる点は、第1の実施形態と共通するが、第1の実施形態では、保留エリアの数である10ゲーム間といった短期間の予告であったのに対し、本実施形態では、次のボーナスとなるまで抽選用の乱数が保持される点で、長期間の予告とすることができる。よって、より長期にわたって、そのボーナスへの期待感を煽ることが可能となる。
<変形例1>
本変形例では、上記のように遊技状態ごとに通常用ATカウンタCAとBB用ATカウンタCBとを設け、通常用ATカウンタCAに対応する特別画像と、BB用ATカウンタCBに対応する特別画像とを補助表示部65にて並列表示させる構成において、遊技状態に関わらず各カウンタCA,CBのシフトを行う。図102は、本変形例における乱数シフト用処理を示すフローチャートである。
ステップS4301では、ボーナス状態中か否かを判定する。ボーナス状態中ではない場合、ステップS4302にて、通常用記憶エリアREAから実行エリアAEへのシフト処理を行う。すなわち、ステップS4302では、第1記憶エリアREA1に記憶されている通常用ATカウンタCAを実行エリアAEにシフトするとともに、第1記憶エリアREA1に記憶されていた通常用ATカウンタCAをクリアする処理を行う。かかる処理は、上記ステップS4202の処理と同様である。続くステップS4303は、上記ステップS4203と同様に、各記憶エリアREA2~REA10に格納されている通常用ATカウンタCAを下位エリア側にシフトする処理を行う。
ステップS4303の処理を実行した後は、ステップS4304にて、BB用記憶エリアREBの第1記憶エリアREB1のデータをクリアする処理を実行する。そして、ステップS4305にて、BB用記憶エリアREBにおける各記憶エリアREB2~REB10に格納されているBB用ATカウンタCBを下位エリア側にシフトする処理を行う。かかる処理は、上記ステップS4204の処理と同様である。すなわち、本変形例では、ボーナス状態中ではなく、ATモード移行抽選の対象とならなくてもBB用記憶エリアREBにおけるBB用ATカウンタCBのシフトを行う。
ステップS4301にてボーナス状態中であると判定した場合、ステップS4306にて、BB用記憶エリアREBから実行エリアAEへのシフト処理を行う。すなわち、ステップS4306では、第1記憶エリアREB1に記憶されているBB用ATカウンタCBを実行エリアAEにシフトするとともに、第1記憶エリアREB1に記憶されていたBB用ATカウンタCBをクリアする処理を行う。かかる処理は、上記ステップS4204の処理と同様である。続くステップS4307は、上記ステップS4205と同様に、各記憶エリアREB2~REB10に格納されているBB用ATカウンタCBを下位エリア側にシフトする処理を行う。
ステップS4307の処理を実行した後は、ステップS4308にて、通常用記憶エリアREAの第1記憶エリアREA1のデータをクリアする処理を実行する。そして、ステップS4309にて、通常用記憶エリアREAにおける各記憶エリアREA2~REA10に格納されている通常用ATカウンタCAを下位エリア側にシフトする処理を行う。かかる処理は、上記ステップS4203の処理と同様である。すなわち、本変形例では、ボーナス状態中において、ATモード移行抽選の対象とならなくても通常用記憶エリアREAにおける通常用ATカウンタCAのシフトを行う。
ステップS4305又はステップS4309の処理を実行した後は、ステップS4310にて有利区間フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていれば、ステップS4311にてシフト時コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットしてから、乱数シフト用処理を終了する。有利区間フラグがセットされていない場合には、シフト時コマンドを出力設定しないで、乱数シフト用処理を終了する。
この場合、図103に示すように、通常時においては、通常用保留表示領域Draに表示されている各特別画像が1ゲーム毎にシフトされ、実行用表示領域Dpに表示されることでATモード移行抽選の対象となることが把握される。更に、通常時であっても、BB用保留表示領域Drbに表示されている各特別画像が1ゲーム毎にシフトされる。また、BB時においては、BB用保留表示領域Drbに表示されている各特別画像が1ゲーム毎にシフトされ、実行用表示領域Dpに表示されることでATモード移行抽選の対象となることが把握される。更に、BB時であっても、通常用保留表示領域Draに表示されている各特別画像が1ゲーム毎にシフトされる。
通常時においては、BB用保留表示領域Drbの特別画像は実行用表示領域Dpにシフトされることはなく、その特別画像がクリアされるだけである。また、BB時においては、通常用保留表示領域Draの特別画像は実行用表示領域Dpにシフトされることはなく、その特別画像がクリアされるだけである。そのため、通常用保留表示領域DraとBB用保留表示領域Drbのいずれの特別画像がATモード移行抽選の対象となったかを、遊技者は明確に把握可能である。
このようにすることで、いずれの遊技状態でATモード移行抽選を受ければ有利となるかを、通常用保留表示領域DraとBB用保留表示領域Drbとの特別画像を見比べながら把握することが可能となり、事前取得されるATカウンタを用いた遊技性を好適に向上させることが可能となる。
<変形例2>
本変形例では、第1BB状態と第2BB状態とで、終了後に移行する遊技状態を異ならせる。すなわち、図104(a)に示すように、第1BB状態が終了する場合には、上記各実施形態と同様に、通常遊技状態へ移行するものの、第2BB状態が終了する場合には、上記各実施形態とは異なり、第4RT状態へ移行するものとする。第4RT状態は、規定ゲーム数を消化すると通常遊技状態へ移行するゲーム数が固定式の固定RT状態であり(図21)、本変形例では規定ゲーム数として10ゲームが設定されている。本変形例において、第4RT状態中の各ゲームの抽選内容は、通常遊技状態における各ゲームの抽選内容と同様又はほぼ同様の構成とし、通常遊技状態と比較して、第4RT状態では移行出目が停止しても第1RT状態へ移行しない点で相違するものとする。第4RT状態用の抽選テーブルは、上記通常遊技状態用の抽選テーブル(図17)を流用するとよい。
本変形例では、第4RT状態を、ATモード移行抽選においてATモード移行当選となり易い高確率状態として利用する。すなわち、図105に示すように、通常用ATカウンタCAを用いたATモード移行抽選において、通常遊技状態及び第1RT状態~第3RT状態と、第4RT状態とで、ATモード移行当選となる確率が異なっている。より詳しくは、通常遊技状態及び第1RT状態~第3RT状態においては、強チェリーについて、通常用ATカウンタCAの「1」~「64」が当選用の値として設定されているのに対して、第4RT状態においては、強チェリーについて、通常用ATカウンタCAの「1」~「128」が当選用の値として設定されている。また、弱チェリーについても、通常遊技状態及び第1RT状態~第3RT状態においては、通常用ATカウンタCAの「1」~「18」が当選用の値として設定されているのに対して、第4RT状態においては、通常用ATカウンタCAの「1」~「128」が当選用の値として設定されている。そして、強スイカについても、通常遊技状態及び第1RT状態~第3RT状態においては、通常用ATカウンタCAの「5」~「8」及び「65」~「94」が当選用の値として設定されているのに対して、第4RT状態においては、通常用ATカウンタCAの「1」~「95」が当選用の値として設定されている。弱スイカについても、通常遊技状態及び第1RT状態~第3RT状態においては、通常用ATカウンタCAの「5」及び「65」~「76」が当選用の値として設定されているのに対して、第4RT状態においては、通常用ATカウンタCAの「1」~「95」が当選用の値として設定されている。このように、通常遊技状態及び第1RT状態~第3RT状態よりも第4RT状態の方が、強チェリー、弱チェリー、強スイカ及び弱スイカ時にATモード移行当選となり易い。
また、本変形例では、第1BB状態と第2BB状態とで、終了契機となる上限払出数を異ならせる。図104(b)に示すように、第1BB状態については、上記各実施形態と同様に、216枚のメダル払出が発生した場合に終了するものとし、毎ゲーム9枚のメダル払出が発生した場合には、24ゲーム(最短)で当該第1BB状態が終了する。これに対して、第2BB状態については、上限払出数として、36枚を設定する。すなわち、ボーナス状態処理(図26)のステップS612では、今回入賞したBBが第1BBであれば216をセットし、第2BBであれば36をセットする。この場合、第2BB状態については、毎ゲーム9枚のメダル払出が発生した場合には、4ゲーム(最短)で当該第2BB状態が終了するようになる。
つまり、本変形例では、第2BB当選となると、第1BB当選と比較して、移行するボーナス状態で期待できるメダル獲得数は少ないものの、その後に、10ゲーム間のATモード高確率状態としての第4RT状態に設定される。
このような構成に、上記変形例1における、遊技状態ごとに通常用ATカウンタCAとBB用ATカウンタCBとを設け、通常用ATカウンタCAに対応する特別画像と、BB用ATカウンタCBに対応する特別画像とを補助表示部65にて並列表示させたうえで、遊技状態に関わらず各カウンタCA,CBのシフトを行う構成を適用することで、ボーナス入賞タイミングとボーナス終了タイミングとを各保留表示領域の特別画像との関係で楽しませることが可能となる。
すなわち、図106(a)に示すように、通常用保留表示領域DraとBB用保留表示領域Drbとのうち、BB用保留表示領域Drbにおける第4単位保留表示領域Drb4に第1特別画像P1が表示され、通常用保留表示領域Draの第10単位保留表示領域Dra10に第1特別画像P1が表示されている状況で第2BBに当選したとする。上記のように、第1BB状態や第2BB状態は、ATモード移行抽選に当選し易くなることから、第4単位保留表示領域Drb4の第1特別画像P1についてのATモード移行抽選を、通常時ではなくBB時に受けたほうが遊技者にとって好ましい。
また、第2BB状態後においては第4RT状態へ移行し、当該第4RT状態においてもATモード移行抽選に当選し易くなることから、第10単位保留表示領域Dra10の第1特別画像についてのATモード移行抽選は、通常時のうち第4RT状態中に受けたほうが遊技者にとって好ましい。そこで、本変形例では、上記のような第10単位保留表示領域Dra10の特別画像に対する状況表示として、例えば、「BB後はチャンス」といった表示を行う。
この場合、例えば図106(a)に示すゲームの次のゲームである、図106(b)のゲームにて第2BB入賞した場合、そのゲームの次のゲームから第2BB状態である状況下でATモード移行抽選が受けられるようになる。すなわち、通常用保留表示領域DraとBB用保留表示領域Drbのうち、BB用保留表示領域Drbの特別画像(BB用ATカウンタCB)がATモード移行抽選に用いられることになる。
上記のように第2BB状態は、上限払出数が36枚として規定されており、毎ゲーム最大払出枚数である9枚の払出が発生した場合に、最短で4ゲームで終了し得る。言い換えると、第2BB状態は少なくとも4ゲームは継続し得るものである。そうすると、図106(a)における第4単位保留表示領域Drb4や、図106(b)における第3単位保留表示領域Drb3に表示されている第1特別画像P1は、少なくとも第2BB状態である状況下でATモード移行抽選に用いられることになる。
但し、第2BB状態中の各ゲームの抽選結果が9枚払出に対応する抽選結果ではなかった場合や、ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングによって払出枚数が少なくなったり払出が生じなかったりすると、第2BB状態は4ゲームよりも多いゲーム要して終了することになる。その場合、図106(a)における第10単位保留表示領域Dra10や、図106(b)における第9単位保留表示領域Dra9に表示されている第1特別画像P1は、第2BB状態に要したゲーム数によって通常時である状況下、より詳しくは第4RT状態である状況下でATモード移行抽選に用いられることになるか否かが異なる。
例えば、第2BB状態が毎ゲーム9枚の払出が発生して最短の4ゲームで終了した場合、図106(b)における第9単位保留表示領域Dra9に表示されていた第1特別画像P1が、第6単位保留表示領域Dra6に表示されるゲームにて第2BB状態が終了し、図106(c)に示すように、第5単位保留表示領域Dra5に表示されるゲームから第2BB状態終了後の第4RT状態が開始される。第4RT状態は10ゲーム間継続するものであることから、第5単位保留表示領域Dra5に表示される第1特別画像P1は、第4RT状態である状況下でATモード移行抽選に用いられることになる。
これに対して、第2BB状態が毎ゲーム3枚の払出が発生して12ゲームで終了した場合、図106(d)に示すように、図106(b)における第9単位保留表示領域Dra9に表示されていた第1特別画像P1が既に通常用保留表示領域Draからクリアされた後で、第2BB状態終了後の第4RT状態が開始される。つまり、この場合、上記図106(b)における第9単位保留表示領域Dra9に表示されていた第1特別画像P1の恩恵を享受することができない。
以上のように、移行するBB状態が第1BB状態か第2BB状態かによって、最低終了ゲーム数が異なるようにしたことから、保留表示との関係で、表示中の保留表示に対応するATカウンタCに基づくATモード移行抽選をBB状態後に行われる可能性の有無が異なるようになる。よって、このようなBB状態後のATモード移行抽選といった観点からも、移行するBB状態の種類へ関心を持たせることが可能となる。
しかも、第2BB状態が最低終了ゲーム数で終了するか否かは、ゲームの抽選結果やそのゲームでのストップスイッチ42~44の操作態様によって異なることから、運の要素と、遊技者の技術介入の要素と、が遊技に追加され、表示中の保留表示との関係性の遊技性がより高められる。
ちなみに、第1BB状態や第2BB状態における各ゲームで当選し得る抽選結果は、メダル払出が生じ得る結果であり、メダル払出数が規定数に達することを終了条件とする場合において、上記の各ゲームで当選し得る抽選結果は、その終了条件の一部又は全部を構成するものといえる。
なお、上記変形例2については、通常用ATカウンタCAとBB用ATカウンタCBとを用いる構成を前提として、第1BB状態や第2BB状態、第4RT状態との関係性を利用した遊技性を説明したが、遊技状態に関わらず通常用ATカウンタCAとBB用ATカウンタCBのシフトを行う構成においては、第1の実施形態のように遊技状態に関わらず共通のATカウンタCを用いてATモード移行抽選を行う構成としてもよい。
<第3の実施形態>
上記各実施形態では、ATモード移行抽選に用いられる乱数の「(ATカウンタC、通常用ATカウンタCA、BB用ATカウンタCB)が既に取得されていることを前提とし、ATモード移行抽選に供されることで消費され、乱数取得用処理にて当該乱数の情報が補充されることを説明したが、本実施形態では、ATモード移行抽選用の乱数の情報が取得されていない状況での説明を行う。すなわち、既に説明した通り、乱数取得用処理は第3停止OFF操作に基づいて実行されるところ、仮に抽選用情報記憶エリア106fに乱数の情報が格納されていなければ、第1特定役処理におけるATモード移行抽選が実行できないことになる。そこで、本スロットマシン10では、スロットマシン10の電源投入時に、ATモード移行抽選に用いられる乱数の情報を予め取得する処理が実施される。より詳しくは、既に説明した通り、電源投入時には主制御装置101にてメイン処理が起動される。そして、ATモード移行抽選に用いられる乱数の情報を取得する処理としての初期乱数取得用処理は、当該メイン処理中に設定されている当選確率の設定処理が起動される場合に、あわせて起動されるように設定されている。
なお、以下の説明では、ATモード移行抽選用の乱数の情報として、第1の実施形態におけるATカウンタCを取得する構成について説明するが、第2の実施形態のように各遊技状態用の抽選用の乱数として、通常用ATカウンタCAとBB用ATカウンタCBとを設ける構成においては、それぞれのカウンタCA,CB用の取得処理を行う構成としてもよいし、同じ処理内でそれぞれのカウンタCA,CBを取得する構成としてもよい。
既に説明した通り、当選確率の設定処理は、電源投入時に設定キー挿入孔に設定キーが挿入されてON操作されていることを設定変更操作とし、その設定変更操作が行われることにより起動される。当選確率の設定処理が起動されると、スタートレバー41の操作により設定値の更新が行われ、設定キー検出センサ73aがOFF操作されたうえでスタートレバー41の操作が行われたことを設定値の確定操作として、その時点での設定値を今回の設定値とし当選確率の設定処理が終了される。
初期乱数取得用処理では、図107のフローチャートに示すように、ステップS4401にて設定変更操作が行われたか否かを判定する。すなわち、当選確率の設定処理が起動されたか否かを判定する。設定変更操作が行われていない場合には、そのまま初期乱数取得用処理を終了する。
ここで、既に説明した通り、抽選用情報記憶エリア106fは主制御装置101におけるRAM106に設けられており、当選確率の設定処理は、電源投入時のメイン処理において、RAM106に記憶されている各種情報(遊技状態の情報や、当選フラグ等)の初期化処理(RAMリセット処理、RAMクリア処理)が行われる場合に起動される。つまり、ステップS4401にて当選確率の設定処理が起動されていないと判定する場合とは、RAM106の初期化処理を行うことなくスロットマシン10の電源投入が行われた場合である。この場合、電源遮断前(例えば、前日)のRAM106の各種情報が引き継がれて(読み出されて)、その電源遮断前の状態に復帰する。つまり、ステップS4401にて当選確率の設定処理が起動されていないと判定する場合、電源遮断前に取得されているATカウンタCが引き継がれることになる。
ステップS4401にて設定変更操作が行われたと判定した場合、ステップS4402に進み、設定確定操作が行われたか否かを判定する。設定確定操作が行われていない場合には、その状態で待機する。設定確定操作が行われた場合、すなわち、当選確率の設定処理において、設定キー検出センサ73aがOFF操作されたうえでスタートレバー41の操作が行われた場合、ステップS4403にて抽選用情報記憶エリア106fの全ての記憶エリアにATカウンタCが格納されているか否かを判定する。上記のように、当選確率の設定処理が起動される場合には、初期化処理が行われているため、基本的には、ステップS4402からステップS4403に進む場合には、ステップS4403で空きエリアがあると判定することになる。ステップS4403にて空きエリアがあると判定した場合、ステップS4404に進む。
ステップS4404では、抽選用の乱数の更新処理を行う。かかる処理では、ATカウンタCにランダムな値を加算等して更新する処理である。すなわち、上記のように初期化処理が行われることにより、ATカウンタCの値は初期値(1)に初期化されている。ステップS4404では、かかる初期値をランダムな値として更新するための処理である。
具体的には、本スロットマシン10では、電源投入とともに起動されるフリーランカウンタ用の乱数回路が設けられている。当該乱数回路は、1~128の乱数を生成しており、メイン処理の起動中(すなわち、初期乱数取得用処理の実行中)においても別途独立して乱数を更新・生成する。ステップS4404では、ステップS4404の起動時の乱数を上記乱数回路から取得して、その取得した乱数を現状のATカウンタCに加算する処理を行う。
そして、ステップS4405にて上記更新されたATカウンタCの取得処理を行う。その後、ステップS4406にて、ATカウンタCを空きエリアのうちの最も番号の小さいエリアに格納する処理を行う。これらステップS4405及びステップS4406の処理は、上記ステップS3301とステップS3302の処理と同様である。
ステップS4406の処理を実行した後は、ステップS4403に戻り、抽選用情報記憶エリア106fに空きエリアがあるか否かを判定する。空きエリアがある場合には、再びステップS4404に進み、ATカウンタCの更新処理を行ってから、そのATカウンタCの取得・格納処理を行う。このようにすることで、複数ゲーム分のATカウンタCを一度に取得する場合に、同じ値や連続する値のATカウンタCが取得されにくくなる。なお、上記乱数回路の更新周期は、ステップS4403~ステップS4406の周回周期と非同期となるように設定されている。
全てのエリアにATカウンタCが格納されることで、ステップS4403にて否定判定し、ステップS4407に進む。ステップS4407では、ATコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行ってから、本初期乱数取得用処理を終了する。ここで設定されたATコマンドは、メイン処理の終了後に、タイマ割込み処理にて表示制御装置81へ出力される。これにより、初期化処理の実行後の最初にゲームを、既に抽選用情報記憶エリア106fの全てのエリアにATカウンタCが格納された状態で実施可能となる。
ちなみに、電源投入時に初期化処理が実行される場合、有利区間フラグもクリアされることから、当該初期化処理後は、有利区間ではなく通常区間にてゲームが開始されることになる。そうすると、本実施形態では、電源投入後においては、通常区間であってもATコマンドが出力されて保留表示がなされ得る構成となる。このようにすることで、電源投入時に当選確率の設定処理が行われて、当該当選確率(設定値)の変更が行われたか否かを、保留表示の有無により予測する、といった遊技も行うことが可能となる。
なお、上記他の実施形態等のように、初期乱数取得用処理においても、有利区間中であることを条件としてATコマンドを出力する構成としてもよい。
以上のようにすることで、ATカウンタCを事前取得してATモード移行抽選を行う構成において、ATカウンタCが取得されていないことを理由としてATモード移行抽選を行うことができない、といった事象を生じさせないようにすることができる。
特に、上記実施形態では、電源投入時のメイン処理内の当選確率の設定処理において、初期乱数取得用処理を行う構成としたことから、当該メイン処理が通常処理に移行して、ゲームを開始可能となる状況では、既にATカウンタCが抽選用情報記憶エリア106fに満タンとなっている状況となる。よって、電源投入後、1ゲーム目であっても、ATモード移行抽選を好適に実施することが可能となる。
通常時の乱数取得用処理では、ATカウンタCの取得を、ストップスイッチ42~44の操作のうち第3停止OFF操作時に行う構成とし、初期乱数取得用処理ではATカウンタCの取得を、当選確率の設定処理において設定値の確定操作としてスタートレバー41の操作に基づいて行う構成とした。このように、ATカウンタCを取得するための何らかの操作が介在することとなり、遊技機側で自動的に取得するような構成と比較して、取得タイミングがランダムなものとなり易いし、取得されるATカウンタCの値もランダムなものとなり易くなる。
<変形例1>
上記第3の実施形態では、設定値の確定操作に基づいて、抽選用情報記憶エリア106fの空きエリア分の乱数の情報を取得する構成としたが、空きエリア分の取得操作に基づいて乱数を取得する構成としてもよい。図108は、本変形例における初期乱数取得用処理を示すフローチャートである。
ステップS4501にて設定変更操作が行われたか否かを判定し、行われていなければそのまま初期乱数取得用処理を終了する。設定変更操作が行われた場合、ステップS4502にて、抽選用情報記憶エリア106fに空きエリアがあるか否かの判定を行う。かかる処理は、上記ステップS4403の処理と同様である。空きエリアがある場合、ステップS4503に進み、操作指示報知を実行するための処理を行う。操作指示報知としては、例えば、ATモード移行抽選用の乱数の取得用操作を管理者に行わせるための報知である。例えば、取得用操作をスタートレバー41の操作とする場合、補助表示部65にて「スタートレバーを操作して下さい」と表示する構成としてもよいし、指示モニタ68にて所定の記号(アルファベット、数字、例えば「S」の文字)を表示する構成としてもよい。
この場合、設定値(当選確率)の変更用の操作と、ATカウンタCの取得用の操作とが、遊技機側及び管理者側で区別可能とする構成とすることが好ましい。より詳しくは、これら設定値(当選確率)の変更用の操作と、ATカウンタCの取得用の操作とが、別々のタイミングにて操作される構成とするとよい。
その後、ステップS4504にて、取得用操作が行われたか否かを判定し、取得用操作が行われるまで待機する。取得用操作が行われた場合には、ステップS4505にて乱数の更新処理を行い、ステップS4506にてATカウンタCの取得処理、ステップS4507にてATカウンタCの格納処理を行ってから、ステップS4502に戻る。ステップS4505~ステップS4507の処理は、上記ステップS4404~ステップS4406の処理と同様である。
ステップS4502にて空きエリアがないと判定した場合、ステップS4508に進み、設定値の確定操作が行われたか否かを判定し、確定操作が行われるまで待機する。確定操作が行われた場合には、ステップS4509にてATコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行ってから、初期乱数取得用処理を終了する。
以上のようにすることで、ATカウンタCが管理者の操作に基づき取得される構成において、取得用の操作と、取得される乱数の情報とが1対1の関係となる。これにより、ATカウンタCの取得タイミングが、ランダムなものとなり易く、取得されるATカウンタCの値もランダムなものとなり易くなる。
<変形例2>
ATカウンタCとは別の他のカウンタ等の乱数を用いて、ATモード移行抽選用の乱数を取得する構成としてもよい。図109は、本変形例における初期乱数取得用処理を示すフローチャートである。
ステップS4601では設定変更操作が行われたか否かを判定し、ステップS4602では設定値の確定操作が行われたか否かの判定を行う。そして、ステップS4603にて、抽選用情報記憶エリア106fに空きエリアがあるか否かの判定を行う。これらステップS4601~ステップS4603の処理は、ステップS4401~ステップS4403の処理と同様である。ステップS4603にて空きエリアがあると判定した場合、ステップS4604に進む。
ステップS4604では、乱数の更新処理を行う。当該更新処理は、基本的にはステップS4404等のATカウンタCの更新処理と同様であるが、本変形例では、他のカウンタ等の乱数の更新処理も行う。本変形例では、他のカウンタ等の乱数として、上乗せ抽選に用いられる抽選カウンタや、VBモード移行抽選に用いられる抽選カウンタ、特化ゾーン移行抽選に用いられる抽選カウンタを例として説明する。
図110に示すように、上乗せ抽選に用いられる抽選カウンタは、1~256の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり256)に達した後1に戻るループカウンタである。上乗せ抽選に用いられる抽選カウンタは定期的に更新され、例えば、タイマ割込み処理が起動される度に1ずつ加算される。また、VBモード移行抽選に用いられる抽選カウンタは、1~128の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり128)に達した後1に戻るループカウンタである。VBモード移行抽選に用いられる抽選カウンタも定期的に更新され、例えば、タイマ割込み処理が起動される度に1ずつ加算される。特化ゾーン移行抽選に用いられる抽選カウンタは、1~64の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり64)に達した後1に戻るループカウンタである。特化ゾーン移行抽選に用いられる抽選カウンタも定期的に更新され、例えば、タイマ割込み処理が起動される度に1ずつ加算される。
これらの抽選カウンタも、メイン処理の終了後においてはタイマ割込み処理にて更新されるものの、初期乱数取得用処理の起動に際して上記の通り初期化処理が行われることにより初期値(1)に初期化されている。そこで、ステップS4604では、これらの抽選カウンタについてもランダムな値として更新する。この場合、ATカウンタCの更新に際しては乱数回路から取得される乱数をそのまま加算し、上乗せ抽選に用いられる抽選カウンタの更新に際しては乱数回路から取得される乱数に対して第1演算(例えば第1所定値を加算)を実行してからその演算値を加算し、VBモード移行抽選に用いられる抽選カウンタの更新に際しては乱数回路から取得される乱数に対して第1演算とは異なる第2演算(例えば第2所定値を加算)を実行してからその演算値を加算し、特化ゾーン移行抽選に用いられる抽選カウンタの更新に際しては乱数回路から取得される乱数に対して第1演算や第2演算とは異なる第3演算(例えば第3所定値を加算)を実行してからその演算値を加算する構成とすることで、初期値からの更新値がそれぞれ異なる値となり得るようになる。
また、初期値をそれぞれ異ならせる構成としてもよい。また、更新用の乱数回路をそれぞれ別途用意しておき、それぞれの乱数回路の更新周期を異ならせる等して、各抽選カウンタが異なる値に更新され得るようにしてもよい。
ステップS4605では、ATモード移行抽選用の乱数を取得する処理を行う。この場合、本変形例では、ATカウンタCの他に、各ゲームの抽選処理に用いられる抽選用のフリーランカウンタ(ハード回路がラッチするカウンタ)、上乗せ抽選に用いられる抽選カウンタや、VBモード移行抽選に用いられる抽選カウンタ、特化ゾーン移行抽選に用いられる抽選カウンタの取得処理を行う。上記のように、ATカウンタCだけでなく、上乗せ抽選に用いられる抽選カウンタや、VBモード移行抽選に用いられる抽選カウンタ、特化ゾーン移行抽選に用いられる抽選カウンタについても、ステップS4604の更新処理にてランダムな値として更新されている。また、各ゲームの抽選処理に用いられる抽選用のフリーランカウンタ(ハード回路がラッチするカウンタ)については、ハード回路にて個別にランダムな値がラッチされている。
これら、各ゲームの抽選処理に用いられる抽選用のフリーランカウンタ、上乗せ抽選に用いられる抽選カウンタや、VBモード移行抽選に用いられる抽選カウンタ、特化ゾーン移行抽選に用いられる抽選カウンタ等は、ATカウンタCとは別に設けている抽選用の乱数である。本変形例では、このATカウンタCとは別に設けられている抽選用の乱数を、ATカウンタCに利用する。
これら別に設けられている抽選用の乱数の少なくとも1つ(具体的には、各ゲームの抽選処理に用いられる抽選用のフリーランカウンタ)は、ATカウンタCの更新周期とは異なる周期で更新されるものである。より詳しくは、各ゲームの抽選処理に用いられる抽選用のフリーランカウンタは、ATカウンタCの更新周期よりも短い更新周期で更新される。また、当該フリーランカウンタは、電源投入に際しメイン処理の進行状況にかかわらず更新が開始されるものである。
ステップS4606では、ステップS4605にて取得したカウンタの変換処理を行う。具体的には、上記別に設けられた乱数としての各抽選カウンタを、ATモード移行抽選用の乱数に対応する値として変換する。図110に示すように、各種テーブル記憶エリア105aには、各カウンタの変換テーブルが記憶されており、ステップS4606では、ステップS4605にて取得したカウンタと、上記変換テーブルとを利用して、ATモード移行抽選に利用可能な乱数として変換する。
例えば、各ゲームの抽選処理に持ちいられる抽選用のフリーランカウンタは、0~65535の間のいずれかの値が取得されており、0~511の値が取得されていればATカウンタCとして1に変換し、512~1023の値が取得されていればATカウンタCとして2に変換し、65024~65535の値が取得されていればATカウンタCとして128に変換する。また、上乗せ抽選用の抽選カウンタは、1~256の間のいずれかの値が取得されており、1又は2が取得されていればATカウンタCとして1に変換し、3又は4が取得されていればATカウンタCとして2に変換し、255又は256が取得されていればATカウンタCとして128に変換する。このように、ATカウンタCよりも更新範囲が広いカウンタ(大きい値となり得るカウンタ)については、複数のカウンタ値に対して1のATカウンタの値が対応付けられて変換テーブルが設定されている。
また、例えば、VBモード移行抽選用の抽選カウンタは、1~128の間のいずれかの値が取得されており、1が取得されていればATカウンタCとして1に変換し、2が取得されていればATカウンタCとして2に変換し、128が取得されていればATカウンタCとして128に変換する。つまり、ATカウンタCの更新範囲と同じ更新範囲のカウンタについては、所得したカウンタ値がそのままATカウンタの値となるように変換テーブルが設定されている。なお、1が取得されていればATカウンタCとして128に変換し、2が取得されていればATカウンタCとして127に変換し、128が取得されていればATカウンタCとして1に変換する、といったように、所得したカウンタ値とは異なる値のATカウンタとなるように変換テーブルを設定してもよい。
特化ゾーン移行抽選用の抽選カウンタは、1~64の間のいずれかの値が取得されており、1が取得されていればATカウンタCとして1又は2に変換し、2が取得されていればATカウンタCとして3又は4に変換し、64が取得されていればATカウンタCとして127又は128に変換する。つまり、ATカウンタCよりも更新範囲が狭いカウンタ(大きい値となり得ないカウンタ)については、1のカウンタ値に対して複数のATカウンタの値が対応付けられて変換テーブルが設定されている。この場合、いずれの値のATカウンタCに変換されるかについても、抽選等により決定される。例えば、特化ゾーン移行抽選用の抽選カウンタとして1が取得されている場合、50%がATカウンタCとして1に変換され、50%がATカウンタCとして2に変換される。なお、いずれのATカウンタCに変換されるかについては均等割りではなくてもよく、例えば、特化ゾーン移行抽選用の抽選カウンタとして1が取得されている場合、20%がATカウンタCとして1に変換され、80%がATカウンタCとして2に変換されるといった異なる割合としてもよい。
なお、各変換テーブルにおいて、変換先のATカウンタが一部重複する構成としてもよい。例えば、特化ゾーン移行抽選用の抽選カウンタとして1が取得されている場合、30%がATカウンタCとして1に変換され、30%がATカウンタCとして2に変換され、40%がATカウンタCとして3に変換され、また、特化ゾーン移行抽選用の抽選カウンタとして2が取得されている場合、40%がATカウンタCとして2に変換され、30%がATカウンタCとして3に変換され、30%がATカウンタCとして4に変換される、といった構成としてもよい。
ステップS4606にて各カウンタをATカウンタC用に変換する処理を実行した後は、変換後の値を抽選用情報記憶エリア106fの空きエリアに格納する処理を行う。この場合、例えば、ATカウンタC、各ゲームの抽選処理に用いられる抽選用のフリーランカウンタの変換値、上乗せ抽選に用いられる抽選カウンタの変換値、VBモード移行抽選に用いられる抽選カウンタの変換値、特化ゾーン移行抽選に用いられる抽選カウンタの変換値の順で、空きエリアのうちの番号の小さいエリアから格納する構成としてもよいし、いずれの空きエリアにどのカウンタの変換値が格納されるかを抽選等によりランダムに決定する構成としてもよい。
ステップS4606の処理を実行した後は、ステップS4602に戻り、空きエリアがなくなった場合にステップS4602にて否定判定して、ステップS4607のATコマンドのセット処理に進む。かかる処理は、上記ステップS4407の処理と同様である。
ちなみに、本変形例では、上記のように、ステップS4603~ステップS4607の処理を1周分で5つの乱数を取得可能としたため、これらステップS4603~ステップS4607の処理が2周分行われると、全エリアにATカウンタC(又はそれに相当する値)が格納される。その点、ATカウンタC用に取得する乱数を10個とし、ステップS4603~ステップS4607の処理を1周分で全エリアにATカウンタCが格納されるようにしてもよい。この場合、ATカウンタCを1つとして他の乱数を9個用意し、10個分のATモード移行抽選用の乱数が1度に取得可能な構成としてもよいし、ATカウンタCを除いて他の乱数を10個用意し、10個分のATモード移行抽選用の乱数が1度に取得可能な構成としてもよい。後者のようにすることで、仮にATカウンタCが初期値のままの状況のように、取得しても意味がないか、取得することにより抽選結果が毎回同じとなってしまう等の不都合が生じ得る場合には、他の乱数にて代替することが可能となる。
また、ATカウンタC用に取得する乱数を3個とし、ステップS4603~ステップS4607の処理を3周で9個のエリアにATカウンタCが格納され、残りの1周で1つのATカウンタCが格納されるといったように、ステップS4605にて取得するカウンタの数が空きエリアの数に応じて異なり得るようにしてもよい。
また、上記変形例のように、ATカウンタCとは異なる乱数を複数個取得して、それぞれATカウンタCに変換する構成において、複数の乱数のうち、更新周期の短いものから取得する構成としてもよい。このようにすることで、例えば、その乱数を取得する場合において、初期値から既に更新されている可能性が高いものから順に取得されるようになり、初期値に近い値がいつも取得されてしまう可能性が高くなるといった不都合を回避することができる。
<変形例3>
電源起動時の当選確率の設定処理が起動される際にATモード移行抽選用の乱数を事前取得する構成に代え、又は加えて、起動後のゲームにて事前取得する構成としてもよい。図111は、本変形例における初期乱数取得用処理を示すフローチャートである。本変形例の初期乱数取得用処理は、所定周期で起動され、例えば、タイマ割込み処理が起動される度に当該タイマ割込み処理内にて又は当該タイマ割込み処理とは別処理として起動される。
ステップS4701では、抽選用情報記憶エリア106fに空きエリアがあるか否かを判定する。なお、ステップS4701では、抽選用情報記憶エリア106fのうち、各記憶エリアREの他、実行エリアAEも空きエリアとなっている場合にも肯定判定する。ステップS4701にて否定判定した場合、そのまま本初期乱数取得用処理を終了する。
ステップS4701にて実行エリアAE又は記憶エリアREに空きエリアがあると判定した場合、ステップS4702に進み、ゲーム中であるか否かを判定する。ちなみに、ステップS4702では、スタートレバー41が操作されて全リール32L,32M,32Rの回転が開始され、第3停止OFF操作に基づき全てのリール32L,32M,32Rが停止して、入賞結果に対応する処理(メダル払出等)が終了するまでを1ゲームとし、その間をゲーム中と判定する。ゲーム中ではないと判定した場合、ステップS4703に進み、ゲームの開始操作としてスタートレバー41の操作が行われたか否かを判定する。なお、スタートレバー41の操作に際し、有効なベットがなされていることを開始操作と判定する条件としてもよい。開始操作がなされていない場合には、そのまま初期乱数取得用処理を終了する。
開始操作がなされたと判定した場合、ステップS4704に進み、ATカウンタCの取得処理を行う。そして、ステップS4705にて当該ATカウンタCの格納処理を行う。なお、実行エリアAEが空きエリアである場合には、ステップS4705にて当該実行エリアAEにATカウンタCを格納する。通常処理中の抽選結果対応処理にてATモード移行抽選を行う場合において、実行エリアAEにATカウンタCが格納されていなければ、ステップS4705の格納処理が完了するまで待機する構成とするとよい。ステップS4705にて実行エリアAEにATカウンタCが格納されている場合、記憶エリアREの空きエリアのうち最も番号の小さいエリアにATカウンタCを格納する。ステップS4705の処理を実行した後は、本初期乱数取得用処理を終了する。
ステップS4702にてゲーム中であると判定した場合、ステップS4706に進む。ステップS4706では、第1停止ON操作が行われたか否かを判定する。第1停止ON操作が行われた場合、ステップS4707にてATカウンタCの取得処理を行い、ステップS4708にて記憶エリアREの空きエリアのうち最も番号の小さいエリアにATカウンタCを格納してから、本初期乱数取得用処理を終了する。
ステップS4706にて第1停止ON操作が行われていない(既に第1停止ON操作が行われた後である)と判定した場合、ステップS4709に進む。ステップS4709では、第2停止ON操作が行われたか否かを判定する。第2停止ON操作が行われた場合、ステップS4710にてATカウンタCの取得処理を行い、ステップS4711にて記憶エリアREの空きエリアのうち最も番号の小さいエリアにATカウンタCを格納してから、本初期乱数取得用処理を終了する。
ステップS4709にて第2停止ON操作が行われていない(既に第2停止ON操作が行われた後である)と判定した場合、ステップS4712に進む。ステップS4712では、第3停止ON操作が行われたか否かを判定する。第3停止ON操作が行われた場合、ステップS4713にてATカウンタCの取得処理を行い、ステップS4714にて記憶エリアREの空きエリアのうち最も番号の小さいエリアにATカウンタCを格納してから、本初期乱数取得用処理を終了する。ステップS4712にて第3停止ON操作が行われていない(既に第3停止ON操作が行われた後である)と判定した場合は、そのまま本初期乱数取得用処理を終了する。
以上のように、初期乱数取得用処理においてもATカウンタCの取得を、遊技者の操作が介在するようにしたことから、ATモード移行抽選が、遊技者自身の責任の範囲内で行われることとなり、遊技ホールの管理者等の操作により取得される構成と比較して、その結果を遊技者が納得し易くなり、遊技の透明性が担保される。
なお、例えば、電源投入時の初期乱数取得用処理においてATカウンタC等を1つだけ取得し、残りは、上記のようにゲームの進行操作に合わせて取得する構成としてもよい。
<第4の実施形態>
本実施形態では、第1RT状態において第4RT状態への移行が生じ得る。そして、第4RT状態への移行に際して、事前取得されているATカウンタCに対応する報知を行う。なお、本実施形態では、保留表示領域Drは設定されておらず、ATカウンタCに対応する特別画像を表示しない構成とする。既に説明した通り、第4RT状態はゲーム数が固定式の固定RT状態である。
図112は、本実施形態における第1RT状態用の抽選テーブルを示している。
本実施形態では、第4RT状態への移行が生じる第11再遊技と第12再遊技とに当選となる移行リプレイ1と移行リプレイ2とに当選し得る。より具体的には、インデックス値IV=13の移行リプレイ1に当選となる確率は約400分の1であり、インデックス値IV=14の移行リプレイ2に当選となる確率も約400分の1であり、あわせると、約200分の1の確率で移行リプレイ1及び移行リプレイ2のいずれかに当選する。
図113は移行リプレイ当選時に入賞となる遊技結果とストップスイッチ42~44の操作順序との関係を示している。移行リプレイ1及び移行リプレイ2はいずれも、左→中→右の停止順序と、左→右→中の停止順序と、中→左→右の停止順序と、のいずれかで操作された場合に第11再遊技入賞が成立し、右→中→左の停止順序と、右→左→中の停止順序と、中→右→左の停止順序と、のいずれかで操作された場合に第12再遊技入賞が成立するように設定されている。
本実施形態では、第11再遊技入賞が成立すると第4RT状態のうちの第4RT状態Aに移行し、第12再遊技入賞が成立すると第4RT状態のうちの第4RT状態Bに移行する。第4RT状態Aと第4RT状態Bとでは、各ゲームの抽選テーブルが異なっている。具体的には、図114は、第4RT状態用の抽選テーブルを示しており、ポイント値PVの欄の左側に示した値が第4RT状態Aを示し、ポイント値PVの欄の右側に示した値が第4RT状態Bを示している。
ここで、本実施形態では、インデックス値IV=59と60との当選結果が設定されている。インデックス値IV=59に当選となると、第13再遊技入賞が成立し得る。また、インデックス値IV=60に当選となる、第14再遊技入賞が成立し得る。第13再遊技入賞と第14再遊技入賞との入賞態様は、図115(a)に示すとおりであり、いずれの再遊技も、ストップスイッチ42~44の操作タイミングや操作順序に関わらず入賞が成立し得る。第13再遊技は、例えば、左リール32Lの上段に「LUCKY」図柄が停止して入賞が成立する場合に、左リール32Lの中段に「チェリー」図柄が停止することから、チェリーリプレイとも称される。第14再遊技は、例えば、中リール32Mの中段に「スイカ」図柄が停止して入賞が成立する場合があることから、スイカリプレイとも称される。
チェリーリプレイとスイカリプレイとは、ATモード移行抽選の対象となる遊技結果として特定役に含まれる。図115(b)では、本実施形態における特定役の当選確率を遊技状態別に示している。通常遊技状態、第1RT状態~第3RT状態、第1BB状態及び第2BB状態の特定役の当選確率は上記各実施形態のものと同様である。第4RT状態では、通常リプレイや押し順リプレイ(なお、移行リプレイ1及び移行リプレイ2はここでは含まない)、には当選せず、移行リプレイ1や移行リプレイ2のチェリーリプレイとスイカリプレイに当選し得るようになる。第4RT状態Aと第4RT状態Bとでは、チェリーリプレイとスイカリプレイとの当選確率が異なり、第4RT状態Aでは約2分の1でチェリーリプレイに当選して約20分の1でスイカリプレイに当選するのに対し、第4RT状態Bでは約20分の1でチェリーリプレイに当選して約2分の1でスイカリプレイに当選する。すなわち、第4RT状態Aはチェリーリプレイに当選し易く、チェリーRTとも称されるものであり、第4RT状態Bはスイカリプレイに当選し易く、スイカRTとも称されるものである。
チェリーリプレイの入賞が成立した場合は再遊技が付与され、スイカリプレイの入賞が成立した場合にも再遊技が付与される。また、第4RT状態Aと第4RT状態Bとでは、チェリーリプレイ及びスイカリプレイ以外の当選確率は互いに同じ確率である。そして、第4RT状態Aと第4RT状態Bとは、いずれも10ゲームを消化することで通常遊技状態に移行する。つまり、第4RT状態Aと第4RT状態Bとは、1ゲーム当たりの期待獲得メダル数の面で、遊技者にとっての有利度に差がない。そのため、移行リプレイ1や移行リプレイ2当選時に、第4RT状態Aと第4RT状態Bとのいずれに移行してもそのRT状態において遊技者が期待できるメダル数に差は生じない。
図116は本実施形態におけるATモード移行抽選テーブルを示している。
本実施形態では、チェリーリプレイとスイカリプレイとについて、ATモード移行抽選に当選となるATカウンタCの値が設定されており、他の特定役についてのATカウンタCの値は上記各実施形態のものと同じである。具体的には、チェリーリプレイにてATモード移行抽選が行われる場合、ATカウンタCの値が「1」~「64」であるとATモード移行当選となり、スイカリプレイにてATモード移行抽選が行われる場合、ATカウンタCの値が「65」~「128」であるとATモード移行当選となるように設定されている。これらチェリーリプレイとスイカリプレイとに対応付けられているATカウンタCの値は、第4RT状態Aと第4RT状態Bとで共通している。なお、通常遊技状態や第1RT状態~第3RT状態でのチェリーリプレイやスイカリプレイでのATモード移行当選となるATカウンタCの値も設定されているが、本実施形態では、通常遊技状態や第1RT状態~第3RT状態では、チェリーリプレイやスイカリプレイに当選しないように設定されているため、これらの遊技状態にてチェリーリプレイやスイカリプレイを契機とするATモード移行当選となる事象は生じない。
ここで、チェリーリプレイに対応付けられているATカウンタCの値と、スイカリプレイに対応付けられているATカウンタCの値とは、いずれも連続した値であって、その平均値が異なっている。具体的には、チェリーリプレイは「1」~「64」であり、その平均値は32.5である。これに対して、スイカリプレイは「65」~「128」であり、その平均値は96.5である。既に説明した通り、ATカウンタCは「1」~「128」を更新範囲とする値であり、チェリーリプレイはその更新範囲の前半部分が対応付けられており、スイカリプレイはその更新範囲の後半部分が対応付けられている。つまり、取得されたATカウンタが更新範囲内で小さい値(前半の更新範囲、第1の範囲)に属するものであればチェリーリプレイに対応し、取得されたATカウンタが更新範囲内で大きい値(後半の更新範囲、第2の範囲)に属するものであればスイカリプレイに対応する。
図117は、本実施形態における乱数取得用処理を示すフローチャートである。
ステップS4801では、ATカウンタCを取得する処理を実行し、続くステップS4802では、ATカウンタCを対応する記憶エリアに格納する処理を行う。ステップS4802の処理を実行した後は、ステップS4803にて今回取得・格納したATカウンタCの値が65よりも小さいか否かを判定する。すなわち、今回のATカウンタCが更新範囲内の小さい側の値であり、チェリーリプレイに対応するものであるか否かを判定する。チェリーリプレイに対応するものであれば、ステップS4804にて各種カウンタエリア106eに設けられたチェリーカウンタCCに1を加算する処理を実行してから、乱数取得用処理を終了する。これに対して、ステップS4803にて、今回のATカウンタCが更新範囲内の大きい側の値であり、スイカリプレイに対応するものであると判定した場合、ステップS4805にて各種カウンタエリア106eに設けられたスイカカウンタSCに1を加算する処理を実行してから、乱数取得用処理を終了する。チェリーカウンタCCは、抽選用情報記憶エリア106fに記憶されているATカウンタCのうち、更新範囲内の小さい側の値のチェリーリプレイに対応するものの数をCPU102が把握するためのカウンタであり、スイカカウンタSCは、抽選用情報記憶エリア106fに記憶されているATカウンタCのうち、更新範囲内の大きい側の値のスイカリプレイに対応するものの数をCPU102が把握するためのカウンタである。
上記のように、本実施形態では、保留表示領域Drは設定されておらず、ATカウンタCに対応する特別画像を表示しない構成としている。そのため、本実施形態における乱数取得用処理では、ATコマンドを表示制御装置81へ出力する処理は設定されていない。
次に、本実施形態における乱数シフト用処理を、図118のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS4901では、第1記憶エリアRE1に記憶されているATカウンタCを実行エリアAEにシフトする処理を実行する。続くステップS4902では、ステップS4901にてシフトしたATカウンタCの値、すなわち、実行エリアAEにシフトしたATカウンタCの値が65よりも小さいか否かを判定する。65よりも小さく、今回のATカウンタCが更新範囲内の小さい側の値であり、チェリーリプレイに対応するものである場合、ステップS4903にてチェリーカウンタCCを1減算する処理を実行する。これに対して、実行エリアAEにシフトしたATカウンタCの値が65以上であり、今回のATカウンタCが更新範囲内の大きい側の値であり、スイカリプレイに対応するものであると判定した場合、ステップS4904にてスイカカウンタSCを1減算する処理を実行する。ステップS4903又はステップS4904の処理を実行した後は、ステップS4905にて各記憶エリアのシフト処理を実行してから、乱数シフト用処理を終了する。なお、上記のように、本実施形態では特別画像による保留表示を行わない関係上、本実施形態における乱数シフト用処理では、シフト時コマンドの出力設定を行う処理が設けられていない。
次に、主制御装置101における押し順役処理のステップS1524にて実行される、特別報知用処理について、図119のフローチャートを参照しながら説明する。特別報知用処理は、移行リプレイ1又は移行リプレイ2に当選となったゲームにて実行される処理である。
ステップS5001では、今回当選した移行リプレイが移行リプレイ1であるか否かを判定する。移行リプレイ1である場合、ステップS5002にて上記のチェリーカウンタCCとスイカカウンタSCとの比較を行い、チェリーカウンタCCとスイカカウンタSCとの値が同数であるか否かを判定する。チェリーカウンタCCが5であり、スイカカウンタSCが5である場合に、ステップS5002にて同数であると判定する。
同数ではない場合、ステップS5003にてチェリーカウンタCCの方がスイカカウンタSCよりも大きいか否かを判定する。チェリーカウンタCCの方が大きい場合、ステップS5004にて、特別報知Aコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。
チェリーカウンタCCの方が大きい場合とは、抽選用情報記憶エリア106fに記憶されている10ゲーム分のATカウンタCのうち、半数よりも多くが、チェリーリプレイに対応するATカウンタCであり、今回の移行リプレイ1当選に基づいて、第4RT状態A(チェリーRT)に移行させたほうが、ATモード移行抽選に当選し易くなる場合である。特別報知Aコマンドを受信した表示制御装置81では、押し順報知用処理(図60)における特別報知実行用処理(ステップS2615)において、補助表示部65にて第11再遊技入賞に対応する操作態様の報知を行うための処理を実行する。具体的には、図120(a)に示すように、「左から停止」といったように、最初に停止させるべきストップスイッチ42~44の報知を行うようにするとよい(図113)。
ステップS5003にてスイカカウンタSCの方がチェリーカウンタCCよりも大きい場合、ステップS5005にて、特別報知Bコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。
スイカカウンタSCの方が大きい場合とは、抽選用情報記憶エリア106fに記憶されている10ゲーム分のATカウンタCのうち、半数よりも多くが、スイカリプレイに対応するATカウンタCであり、今回の移行リプレイ1当選に基づいて、第4RT状態B(スイカRT)に移行させたほうが、ATモード移行抽選に当選し易くなる場合である。特別報知Bコマンドを受信した表示制御装置81では、特別報知実行用処理において、補助表示部65にて第12再遊技入賞に対応する操作態様の報知を行うための処理を実行する。具体的には、図120(b)に示すように、「右から停止」といったように、最初に停止させるべきストップスイッチ42~44の報知を行うようにするとよい(図113)。
ステップS5001にて移行リプレイ1ではなく移行リプレイ2当選であると判定した場合と、ステップS5002にてチェリーカウンタCCとスイカカウンタSCとが同数であると判定した場合、ステップS5006にて、特別報知Cコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。
特別報知Cコマンドを受信した表示制御装置81では、特別報知実行用処理において、補助表示部65にて第11再遊技入賞に対応する停止操作を行うか第12再遊技入賞に対応する停止操作を行うかを遊技者に選択させる報知を行うための処理を実行する。具体的には、図120(c)に示すように、「運命の選択」といった表示を行うとともに、第11再遊技入賞に対応する操作態様と第12再遊技入賞に対応する操作態様を報知したうえで、いずれの第4RT状態に移行させるかを遊技者に選択させるようにするとよい。
ステップS5004、ステップS5005及びステップS5006のいずれかの処理を実行した後は、ステップS5007にて、押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行ってから、特別報知用処理を終了する。
つまり、移行リプレイ当選時の特別報知は、移行が可能となっている第4RT状態Aと第4RT状態Bとのいずれに移行させるべき状況かを報知するものであり、当該特別報知は、上記第1の実施形態にて示した状況報知の一態様ともいえる。
なお、本実施形態では、移行リプレイ1や移行リプレイ2当選時に指示モニタ68での押し順報知は発生せず、押し順報知演出として、上記のように補助表示部65にて特別報知A、特別報知B又は特別報知Cが発生する。
次に、第11再遊技入賞や第12再遊技入賞が成立した場合に実行される、第4RT移行用処理について、図121のフローチャートを参照しながら説明する。第4RT状態移行用処理は、上記の通り、入賞結果対応処理におけるステップS1623にて実施される処理である。
第4RT移行用処理は、移行する第4RT状態においてATモード移行抽選に当選する可能性を、取得済みのATカウンタCに基づいて把握し、その期待値(可能性)の高低に応じた第4RT状態の開始演出を設定するための処理である。ここで、第4RT状態の開始演出としては、第4RT演出A、第4RT演出Bと、第4RT演出Cとが設定されている。具体的には、図122(b1)~図122(b3)に示すように、補助表示部65での第4RT状態の開始演出において背景色が異なるように設定されており、図122(b1)の第4RT演出Aでは赤色の背景色にて開始演出を行い、図122(b2)の第4RT演出Bでは緑色の背景色にて開始演出を行い、図122(b3)の第4RT演出Cでは青色の背景色にて開始演出を行うように設定されており、遊技者がそれぞれを識別可能となっている。第4RT状態中にATモード移行当選となる可能性が高い順に、第4RT演出A、第4RT演出B、第4RT演出Cとなっており、第4RT演出Aが最もATモード移行当選が高いことを示す演出として設定されている。
第4RT移行用処理では、先ずステップS5101にて、チェリーカウンタCCとスイカカウンタSCとが同数であるか否かを判定する。同数ではないと判定した場合、ステップS5102に進む。ステップS5102では、チェリーカウンタCCの方がスイカカウンタSCよりも大きいか否かを判定する。チェリーカウンタCCの方が大きい場合、ステップS5103に進む。ステップS5103では、第11再遊技入賞が成立したか否かを判定する。ステップS5103にて第11再遊技入賞が成立した場合とは、チェリーカウンタCCの方がスイカカウンタSCよりも多い状況でチェリーRTたる第4RT状態Aへの移行が生じた場合である。
図122(a)は、チェリーカウンタCCの方がスイカカウンタSCよりも大きい場合の抽選用情報記憶エリア106fの各記憶エリアRE1~RE10に記憶されているATカウンタCの一例を示している。具体的には、第1記憶エリアRE1、第2記憶エリアRE2、第4記憶エリアRE4、第6記憶エリアRE6、第7記憶エリアRE7、第9記憶エリアRE9の6つのエリアに記憶されているATカウンタCがチェリーリプレイに対応する値であり、第3記憶エリアRE3、第5記憶エリアRE5、第8記憶エリアRE8、第10記憶エリアRE10の4つのエリアに記憶されているATカウンタCがスイカリプレイに対応する値である。この場合、10ゲームの固定RT状態としての第4RT状態において、1ゲーム目、2ゲーム目、4ゲーム目、6ゲーム目、7ゲーム目、9ゲーム目のいずれかにてチェリーリプレイに当選すればATモード移行抽選に当選となり、3ゲーム目、5ゲーム目、8ゲーム目、10ゲーム目のいずれかにてスイカリプレイに当選すればATモード移行抽選に当選となる。上記の通り、チェリーRTではチェリーリプレイに高確率で当選し、スイカRTではスイカリプレイに高確率で当選する。つまり、この例においては、チェリーRTたる第4RT状態Aへ移行した場合のほうが、スイカRTたる第4RT状態Bへ移行した場合よりも、ATモード移行抽選に当選となる可能性は高い。
そこで、ステップS5103にて、チェリーカウンタCCの方がスイカカウンタSCよりも多い状況でチェリーRTたる第4RT状態Aへの移行が生じたと判定した場合、ステップS5104にて、第4RT演出コマンドAを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、第4RT移行用処理を終了する。第4RT演出コマンドAは、今回の第4RT状態においてATモード移行抽選に当選する可能性が高いことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、今回の第4RT状態の開始演出を第4RT演出Aとして実行させるためのコマンドである。上記のように第4RT演出Aは、今回の第4RT状態においてATモード移行当選となる可能性が高いことを示す開始演出である。
ステップS5103にて第11再遊技入賞が成立していないと判定した場合とは、第12再遊技入賞が成立した場合である。この場合、スイカRTたる第4RT状態Bへの移行が生じた場合を示しており、上記図122(a)のようにチェリーカウンタCCの方がスイカカウンタSCよりも大きい場合においては、ATモード移行抽選に当選する可能性が低くなる。そこで、この場合、ステップS5105にて第4RT演出コマンドCを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本第4RT移行用処理を終了する。第4RT演出コマンドCは、今回の第4RT状態においてATモード移行抽選に当選する可能性が低いことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、今回の第4RT状態の開始演出を第4RT演出Cとして実行させるためのコマンドである。上記のように第4RT演出Cは、今回の第4RT状態においてATモード移行当選となる可能性が低いことを示す開始演出である。
ステップS5102にてチェリーカウンタCCよりもスイカカウンタSCの方が大きいと判定した場合とは、図122(a)の逆の状況であり、スイカRTたる第4RT状態Bへの移行が生じた場合にATモード移行当選となる可能性が高くなる一方、チェリーRTたる第4RT状態Aへの移行が生じた場合にATモード移行当選となる可能性が低くなる状況である。
この場合、ステップS5106にて第11再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第11再遊技入賞が成立している場合、すなわちチェリーRTたる第4RT状態Aへの移行が生じた場合、ステップS5105にて第4RT演出コマンドCを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本第4RT移行用処理を終了する。この場合、ATモード移行当選となる可能性が低いことを示す第4RT演出Cが第4RT状態の開始演出が行われる。
これに対して、ステップS5106にて第11再遊技入賞ではなく第12再遊技入賞が成立していると判定した場合、すなわちスイカRTたる第4RT状態Bへの移行が生じた場合、ステップS5104にて第4RT演出コマンドAを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本第4RT移行用処理を終了する。この場合、ATモード移行当選となる可能性が高いことを示す第4RT演出Aが第4RT状態の開始演出が行われる。
ステップS5101にてチェリーカウンタCCとスイカカウンタSCとが同数であると判定した場合、ステップS5107に進み、第4RT演出コマンドBを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本第4RT移行用処理を終了する。第4RT演出コマンドBは、今回の第4RT状態においてATモード移行抽選に当選する可能性が中間程度であることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、今回の第4RT状態の開始演出を第4RT演出Bとして実行させるためのコマンドである。上記のように第4RT演出Bは、今回の第4RT状態においてATモード移行当選となる可能性が中間程度であることを示す開始演出である。
以上のように本実施形態では、遊技状態の移行が可能となる際にその移行が可能となる遊技状態中にATモード移行抽選が行われたとして、そのATモード移行抽選の内容を移行前に特定し、その移行抽選の内容に対応する報知を特別報知として行う構成とした。このようにすることで、その遊技状態中のATモード移行当選の期待度を、移行前に把握したうえで遊技状態を移行させることが可能となる。
特に、移行リプレイ1当選時において、第4RT状態Aへの移行を生じさせるべきか、第4RT状態Bへの移行を生じさせるべきかを、事前取得されているATカウンタCによって特定し、その内容を特別報知として行う構成としたことで、遊技者は、いずれの第4RT状態へ移行させるかをその特別報知によって選択することが可能となる。よって、事前取得されているATカウンタCとの関係で、移行させる遊技状態を遊技者が選択する、といった新たな遊技性を実現することが可能となる。
この場合、移行リプレイ2当選時においては、いずれの第4RT状態への移行を生じさせるべきかを、ATカウンタCから特定することなく特別報知Cを実行する構成としたため、移行させる遊技状態を遊技者が選択する場面が多くなり、その遊技性を向上させることが可能となる。
本実施形態では、上記第1~第3の実施形態のように各ATカウンタCに対応する個別表示(保留表示としての特別画像)ではなく、抽選用情報記憶エリア106fに記憶されているATカウンタCについてのATモード移行抽選に関する報知を、まとめて行う構成とした。このようにすることで、各ATカウンタCに対応するゲームでのATモード移行抽選への期待感を均等化することが可能となり、それぞれのゲームの注目度をまんべんなく高めることができる。
移行リプレイ1や移行リプレイ2当選時に特別報知を行ったうえで、実際に第4RT状態への移行が生じる場合に、その移行する第4RT状態でATモード移行当選となる期待度を第4RT状態演出として報知する構成とした。この場合、チェリーカウンタCCやスイカカウンタSCを用いて、ATモード移行当選の期待値を予測し、その予測に基づく第4RT状態演出を行うようにした。第4RT状態Aではチェリーリプレイが最もATモード移行当選の契機となり易く、第4RT状態Bではスイカリプレイが最もATモード移行当選の契機となり易い。チェリーカウンタCCやスイカカウンタSCは、これらの第4RT状態へ移行させた場合における最も当選契機となり易い遊技結果を用いてATモード移行抽選が行われたと想定して、そのATモード移行抽選に当選となる個数を表すものである。そして、第4RT状態演出に際して、当該チェリーカウンタCCやスイカカウンタSCを利用して、ATモード移行当選の期待値を報知する構成とした。このようにすることで、移行する第4RT状態でのATモード移行抽選の当選期待度を、事前取得されているATカウンタCとの関係で、精度よく予測することが可能となる。
つまり、事前取得されるATカウンタCと、ATモード移行抽選が実施される場合のゲームの抽選結果とを用いてATモード移行抽選が行われる構成においては、事後的に生じるゲームの抽選結果という要素が含まれるため、事前取得されているATカウンタCだけでは、ATモード移行抽選が行われた場合の当否の予測を100%当てることは困難である。そこで、上記第4の実施形態では、移行させる遊技状態における各ゲームにて当選し易い抽選結果を特定し、その当選し易い抽選結果にてATモード移行抽選が行われたと想定して、ATモード移行抽選の結果を予測する構成とした。このようにすることで、事後的に生じる要素が含まれる予測であっても、ある程度予測精度を高めることが可能となり、その予測に基づく報知(特別報知)の信頼度を向上させることができる。
この場合、第4RT状態Aや第4RT状態Bにおけるゲームの抽選結果として、チェリーリプレイやスイカリプレイよりも、強チェリーや中段ベル等のほうがAT当選確率の高い抽選結果である。但し、各ゲームの当選確率を考慮すると、チェリーリプレイやスイカリプレイの方が、強チェリーや中段ベルよりもATモード移行当選の契機となり易い。そこで、このようなチェリーリプレイやスイカリプレイを用いてATモード移行抽選の予測を行う構成とすることで、その予測を、実際に起こり得る結果にマッチしたものとなり易くすることができる。
<変形例1>
本変形例では、抽選用情報記憶エリア106fの各記憶エリアRE1~RE10に記憶されているATカウンタCの値を用い、所定の演算処理を行ったうえで、その演算結果に基づいて特別報知を実行する。
図123は、本変形例における特別報知用処理を示すフローチャートである。
ステップS5201では、今回当選している移行リプレイが移行リプレイ1であるか否かを判定する。移行リプレイ1である場合、ステップS5202に進み、抽選用情報記憶エリア106fの各記憶エリアRE1~RE10に記憶されているATカウンタCの値の積算処理を行う。つまり、各記憶エリアRE1~RE10に記憶されているATカウンタCの値を用いた所定の演算処理として、各ATカウンタCの合計値を算出する処理を実行する。
続くステップS5203では、ステップS5202の演算結果が650よりも小さいか否かを判定する。650は、チェリーリプレイにてATモード移行当選となる値と、スイカリプレイにてATモード移行当選となる値との境界値である「65」の10ゲーム分に相当する値である。すなわち、チェリーリプレイにてATモード移行当選となる値のATカウンタCが多いほど、上記ATカウンタCの合計値は650よりも小さくなり得る。そこで、ステップS5203にて650よりも小さいと判定した場合、ステップS5204にて特別報知Aコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。既に説明した通り、特別報知AコマンドはチェリーRTたる第4RT状態Aへ移行することとなる第11再遊技入賞に対応する操作態様を報知するためのコマンドである。
ステップS5203にて650以上であると判定した場合とは、スイカリプレイにてATモード移行当選となる値のATカウンタCが多いと想定される場合であり、この場合、ステップS5205にて特別報知Bコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。既に説明した通り、特別報知BコマンドはスイカRTたる第4RT状態Bへ移行することとなる第12再遊技入賞に対応する操作態様を報知するためのコマンドである。
ステップS5201にて移行リプレイ2であると判定した場合、ステップS5206に進み、特別報知Cコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。既に説明した通り、特別報知Cコマンドは第4RT状態Aと第4RT状態Bとのいずれへ移行させるかを、遊技者に選択させる報知を行うためのコマンドである。
ステップS5204、ステップS5205及びステップS5206の処理を実行した後は、ステップS5207にて押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットしてから、特別報知用処理を終了する。
本変形例における第4RT移行用処理について、図124のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS5301では、抽選用情報記憶エリア106fの各記憶エリアRE1~RE10に記憶されているATカウンタCの値の積算処理を行う。ステップS5301の処理は、上記ステップS5202の処理と同様である。
続くステップS5302では、ステップS5301の処理結果が、500よりも大きく且つ800よりも小さいか否かを判定する。ステップS5302にて否定判定した場合、ステップS5303にて、ステップS5301の処理結果が500以下であるか否かを判定する。500以下である場合とは、各記憶エリアRE1~RE10に記憶されているATカウンタCの多くが、小さい側の値である可能性が高い場合である。この場合、ステップS5304にて、第11再遊技入賞が成立してチェリーRTへの移行が生じるか否かを判定する。チェリーRTへの移行が生じる場合、ステップS5305にて、今回の第4RT状態の開始演出として第4RT演出Aを行わせるべく、第4RT演出コマンドAを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本第4RT移行用処理を終了する。
ステップS5304にて第11再遊技入賞ではなく第12再遊技入賞が成立し、スイカRTへの移行が生じる場合、ステップS5306にて、今回の第4RT状態の開始演出として第4RT演出Cを行わせるべく、第4RT演出コマンドCを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本第4RT移行用処理を終了する。
ステップS5303にて、ATカウンタCの合計値が500以下ではないと判定する場合とは、ATカウンタCの合計値が800以上であることを意味する。この場合、各記憶エリアRE1~RE10に記憶されているATカウンタCの多くが、大きい側の値である可能性が高い。そこで、ステップS5303にて否定判定した場合、ステップS5307にて第11再遊技入賞が成立したか否かを判定して、第11再遊技入賞が成立していれば、ステップS5306にて、第4RT演出コマンドCを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本第4RT移行用処理を終了する。第12再遊技入賞が成立していれば、ステップS5305にて、第4RT演出コマンドAを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本第4RT移行用処理を終了する。
ステップS5302にて、ATカウンタCの合計値が500よりも大きく且つ800よりも小さいと判定した場合、ステップS5308にて、第4RT演出コマンドBを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本第4RT移行用処理を終了する。
以上のように、ATカウンタCの値が小さいほどチェリーリプレイ当選時にATモード移行当選となり易く、ATカウンタCの値が大きいほどスイカリプレイ当選時にATモード移行当選となり易い構成を利用して、事前取得されているATカウンタCの積算値によってATモード移行当選となる期待度を予測する構成とした。つまり、ATカウンタCの積算値が小さいほどチェリーリプレイに対応するATカウンタCが多く取得されている可能性が高く、ATカウンタCの積算値が大きいほどチェリーリプレイに対応するATカウンタCが多く取得されている可能性が高い。そこで、このような傾向を利用して、移行当選となる期待度の予測を行うことで、100%の事前予測が困難なATモード移行抽選を逆手にとって、ある程度アバウトな予測報知としたことで、抽選用情報記憶エリア106fに複数記憶されるATカウンタCについて、これら複数のATカウンタCがそれぞれATモード移行抽選に付された場合のATモード移行当選となる期待度をまとめて予測することが可能となる。
<変形例2>
本変形例では、抽選用情報記憶エリア106fの各記憶エリアRE1~RE10に記憶されているATカウンタCの積算値を、第4RT状態移行が可能となる前に算出し、その算出結果に基づく報知を、第4RT状態への移行が生じ得る移行リプレイ当選前に行う。
図125は、本変形例における乱数取得用処理を示すフローチャートである。
ステップS5401ではATカウンタCの取得処理を実行し、ステップS5402ではATカウンタCの格納処理を実行する。続くステップS5403では、抽選用情報記憶エリア106fの各記憶エリアRE1~RE10に記憶されているATカウンタCの値の積算処理を行う。ステップS5403の処理は、上記ステップS5202やステップS5301の処理と同様である。
ステップS5403の処理を実行した後は、ステップS5404にて、上記ステップS5403の処理結果の情報を含む積算値コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本乱数取得用処理を終了する。
図126は、本変形例における積算値情報用処理を示すフローチャートである。積算値情報用処理は、表示制御装置81において例えば全停止時演出設定処理のその他の処理(ステップS2917)にて起動される。
ステップS5501では、上記の積算値コマンドを受信したか否かを判定する。積算値コマンドを受信していない場合には、そのまま積算値情報用処理を終了する。積算値コマンドを受信している場合には、ステップS5502に進む。ステップS5502では、積算値コマンドに含まれる積算値が、500より大きく且つ800よりも小さい値であるか否かを判定する。ステップS5502にて否定判定した場合、ステップS5503にて、積算値が500以下であるか否かを判定する。500以下である場合とは、上記の通り、ATカウンタCの多くが小さい側の値である可能性が高い場合であり、この場合、ステップS5504にて、状態A演出を補助表示部65等にて行う処理を実行してから、本積算値情報用処理を終了する。
状態A演出は、チェリーとスイカ(チェリーリプレイとスイカリプレイ)との比較でチェリーに当選したほうがATモード移行当選となり易い状態となっていることを示唆する演出である。例えば、図127(b)に示すように、チェリーのキャラクタとスイカのキャラクタとを天秤で重さ比べを行っている様子を示す表示演出を行い、かかる重さ比べでチェリーのキャラクタのほうが重いことを示す演出(チェリー側に傾く演出)を行うとよい。
ステップS5503にて500以下ではないと判定した場合とは、ATカウンタCの積算値が800以上であることを意味する。この場合、上記の通り、ATカウンタCの多くが大きい側の値である可能性が高い場合である。そこで、ステップS5505にて、状態C演出を補助表示部65等にて行う処理を実行してから、本積算値情報用処理を終了する。
状態C演出は、チェリーとスイカ(チェリーリプレイとスイカリプレイ)との比較でスイカに当選したほうがATモード移行当選となり易い状態となっていることを示唆する演出である。例えば、図127(c)に示すように、チェリーのキャラクタとスイカのキャラクタとを天秤で重さ比べを行っている様子を示す表示演出を行い、かかる重さ比べでスイカのキャラクタのほうが重いことを示す演出(スイカ側に傾く演出)を行うとよい。
ステップS5502にて、ATカウンタCの積算値が500より大きく且つ800よりも小さいと判定した場合、ステップS5506にて、状態B演出を補助表示部65等にて行う処理を実行してから、本積算値情報用処理を終了する。
状態B演出は、チェリーとスイカ(チェリーリプレイとスイカリプレイ)との比較でチェリーに当選した場合とスイカに当選した場合とでATモード移行当選となり易さに差がない又は差が小さい状態となっていることを示唆する演出である。例えば、図127(a)に示すように、チェリーのキャラクタとスイカのキャラクタとを天秤で重さ比べを行っている様子を示す表示演出を行い、かかる重さ比べでチェリーのキャラクタとスイカのキャラクタとの重さが釣り合っていることを示す演出を行うとよい。
このようにすることで、移行リプレイ1や移行リプレイ2に当選するよりも前に、いずれの第4RT状態の移行が生じるとよいかを事前に知らしめることができる。よって、移行させるべき第4RT状態の移行契機となる抽選結果(第11再遊技や第12再遊技)の当選への期待感を煽ることが可能となる。
この場合、第4の実施形態では、移行リプレイ1当選時において第11再遊技入賞と第12再遊技入賞とのいずれもが成立し得るものであり、移行リプレイ2当選時において第11再遊技入賞と第12再遊技入賞とのいずれもが成立し得るものであることを前提として説明したが、上記変形例のように、いずれの第4RT状態への移行が生じればよいかの報知を行う場合、それぞれの第4RT状態の移行契機となる抽選結果を別々に設けてもよい。具体的には、例えば、移行リプレイ1当選となると第11再遊技入賞が成立して第4RT状態Aへの移行が生じ、移行リプレイ2当選となると第12再遊技入賞が成立して第4RT状態Bへの移行が生じる、といったようにしてもよい。
また、上記第1の実施形態等において説明したとおり、第1BB状態では強チェリー等に当選し易く、第2BB状態では強スイカ等に当選し易くなる。かかる構成を利用して、上記状態演出にていずれのBB当選となればよいかを煽る構成としてもよい。
<変形例3>
上記第4の実施形態では、チェリーリプレイやスイカリプレイを含め、各特定役について第4RT状態Aと第4RT状態BとでATモード移行当選となるATカウンタCの値が共通の値として設定されていたが、本変形例では、第4RT状態Aと第4RT状態Bとで、ATモード移行当選となるATカウンタCの値が異なっている。図128は、本変形例におけるATモード移行抽選テーブルを示している。
本変形例では、チェリーリプレイとスイカリプレイとに関し、第4RT状態A及び第4RT状態B以外の状態ではATモード移行当選となるATカウンタCが対応付けられていない。第4RT状態Aでは、チェリーリプレイ時にATモード移行当選となるATカウンタCは「1」~「128」が対応付けられており、いずれのATカウンタCの値が取得されている場合であっても第4RT状態Aにてチェリーリプレイ当選となれば、ATモード移行当選となる。また、第4RT状態Aでは、スイカリプレイ時にATモード移行当選となるATカウンタCは「116」~「128」が対応付けられており、これらのATカウンタCの値が取得されている状況でスイカリプレイ当選となれば、ATモード移行当選となる。
第4RT状態Bでは、チェリーリプレイ時にATモード移行当選となるATカウンタCは「1」~「13」が対応付けられており、これらのATカウンタCの値が取得されている状況でチェリーリプレイ当選となれば、ATモード移行当選となる。また、第4RT状態Bでは、スイカリプレイ時にATモード移行当選となるATカウンタCは「1」~「128」が対応付けられており、いずれのATカウンタCの値が取得されている場合であっても第4RT状態Bにてスイカリプレイ当選となれば、ATモード移行当選となる。
つまり、第4RT状態Aにおいては、チェリーリプレイに当選すれば100%の確率でATモード移行当選となるものの、スイカリプレイ当選時には約10%の確率でATモード移行当選となり、第4RT状態Aでは、チェリーリプレイ当選した場合の方がスイカリプレイ当選した場合よりも遊技者にとって有利となるように、ATモード移行抽選テーブルが設定されている。
これに対して、第4RT状態Bにおいては、スイカリプレイに当選すれば100%の確率でATモード移行当選となるものの、チェリーリプレイ当選時には約10%の確率でATモード移行当選となり、第4RT状態Bでは、スイカリプレイ当選した場合の方がチェリーリプレイ当選した場合よりも遊技者にとって有利となるように、ATモード移行抽選テーブルが設定されている。
以上のように、本変形例では、移行するRT状態によって、同じ抽選結果を用いてもATモード移行抽選に当選となる確率が異なっている。このような構成を利用することで、ATモード移行抽選の当選確率を遊技状態によって異ならせるうえで、状態や各ゲームの抽選結果、ATモード移行抽選の当選確率の設定における自由度が大幅に向上する。
図129は、本変形例における遊技状態別の特定役の当選確率の差を示している。
本変形例では、第4RT状態Aと第4RT状態Bとで、チェリーリプレイの当選確率と、スイカリプレイの当選確率が共通している。つまり、いずれの第4RT状態であっても、チェリーリプレイにてATモード移行抽選が行われる機会は同じ程度であり、スイカリプレイにてATモード移行抽選が行われる機会も同じ程度となる。このようにすることで、例えば、いずれの第4RT状態に移行したか、又はいずれの第4RT状態に滞在しているかが判別しにくい演出態様とした場合、チェリーリプレイやスイカリプレイの出現率から第4RT状態の種類が判別される可能性を低くすることができる。
そのうえで、第4RT状態Aと第4RT状態Bとで、チェリーリプレイ時とスイカリプレイ時のATモード移行当選となる確率を異ならせたため、チェリーリプレイやスイカリプレイ当選時において、ATモード移行当選となることを、遊技状態の予測をさせながら、期待させることができ、遊技の面白みが倍増されるようになる。
<第5の実施形態>
本実施形態では、事前取得されるATモード移行抽選用の乱数が、ATモード移行抽選の対象となった場合にATモード移行当選となり易い乱数であるか否かの判定を事前に行う。図130は、本変形例におけるATモード移行抽選テーブルを示している。
本変形例では、各特定役にATモード移行当選となるように対応付けられているATカウンタCの値が、ATカウンタCの更新範囲のうちの所定範囲内の値が含まれるように設定されている。より詳しくは、通常リプレイにはATカウンタCの「3」が対応付けられ、押し順リプレイにはATカウンタCの「5」が対応付けられ、押し順ベルにはATカウンタCの「7」が対応付けられている。また、強チェリーにはATカウンタCの「1」~「64」が対応付けられ、弱チェリーにはATカウンタCの「1」~「18」が対応付けられ、強スイカにはATカウンタCの「1」~「34」が対応付けられ、弱スイカにはATカウンタCの「1」~「13」が対応付けられている。そして、チャンスAとチャンスBとにはATカウンタCの「1」~「41」が対応付けられ、中段ベルにはATカウンタCの「1」~「99」が対応付けられている。
そうすると、ATカウンタCとして「1」~「13」の値が取得されている場合には、強チェリー、弱チェリー、強スイカ、弱スイカ、チャンスA、チャンスB及び中段ベルのいずれを契機とするATモード移行抽選が行われた場合であってもATモード移行当選となる。そして、ATカウンタCとして「1」~「13」のうちの「3」が取得されている場合には、通常リプレイを契機としてもATモード移行当選となり、「1」~「13」のうちの「5」が取得されている場合には、押し順リプレイを契機としてもATモード移行当選となり、「1」~「13」のうちの「7」が取得されている場合には、押し順ベルを契機としてもATモード移行当選となる。
つまり、ATカウンタCとして「1」~「13」を用いてATモード移行抽選が行われると、通常時に当選し得る特定役のいずれを契機として移行抽選が行われたとしても、ATモード移行当選となり易い。本実施形態では、上記のようにATモード移行当選となり易いATカウンタCの値が取得されている状況を特定状況とし、かかる特定状況にて特定報知を行う。
図131は、本実施形態における乱数取得用処理を示すフローチャートである。
ステップS5601ではATカウンタCを取得する処理を実行し、ステップS5602ではATカウンタCを格納する処理を実行する。続くステップS5603では、ステップS5601にて取得されたATカウンタCが、ATモード移行抽選の対象となった場合にATモード移行当選となり易い値として、上記の「1」~「13」の特定領域に含まれる値であるか否かを判定する。特定領域に含まれる値である場合、ステップS5604にて特定領域コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットしてから、本乱数取得用処理を終了する。特定領域コマンドは、特定領域に含まれる値のATカウンタCが事前取得されたことを、表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。
図132は、本実施形態におけるCZモード用処理を示すフローチャートである。CZモード用処理は、例えば、表示制御装置81における全停止時演出設定処理のその他の処理にて起動される処理である。
ステップS5701では、有利区間中であるか否かを判定する。有利区間中ではない場合は、ステップS5702に進み、上記の特定領域コマンドを受信しているか否かを判定する。特定領域コマンドは、第3停止OFF操作時の乱数取得用処理にて出力されることからして、特定領域コマンドを受信している場合とは、今回の第3停止OFF操作時において特定領域に含まれるATカウンタCが取得されたことを意味し、特定領域コマンドを受信していない場合とは、今回の第3停止OFF操作時において特定領域に含まれないATカウンタCが取得されたことを意味する。特定領域に含まれているATカウンタCが取得された場合、ステップS5703に各種カウンタエリア183bに設けられた特定カウンタTCを1加算する処理を実行する。
ステップS5702にて特定領域コマンドを受信していないと判定した場合、又はステップS5703にて特定カウンタTCの加算処理を実行した後は、ステップS5704に進む。ステップS5704では、今回終了するゲームで使用されたATカウンタCの値を把握し、そのATカウンタCが特定領域に含まれる値であるか否かを判定する。特定領域に含まれる値のATカウンタCである場合、ステップS5705にて特定カウンタTCを1減算する処理を実行する。
ステップS5704にて特定領域に含まれる値のATカウンタCではないと判定した場合、又はステップS5705にて特定カウンタTCの減算処理を実行した後は、ステップS5706に進む。ステップS5706では、特定カウンタTCが所定値として5以上であるか否かを判定する。特定カウンタTCが5以上である場合とは、10個のATカウンタCを記憶可能な構成において、その半数以上が特定領域に含まれる値のATカウンタCである場合を示している。具体的には、図133(a)に示すように、抽選用情報記憶エリア106fの各記憶エリアRE1~RE10のうち、例えば、第2記憶エリアRE2、第5記憶エリアRE5、第6記憶エリアRE6及び第9記憶エリアRE9に特定領域に含まれる値のATカウンタCが格納されている状況で、今回の取得処理にて第10記憶エリアRE10に特定領域に含まれる値のATカウンタCが格納されることで、特定カウンタTCが5となる。この場合、次のゲームにおいては、少なくとも第1記憶エリアRE1、第4記憶エリアRE4、第5記憶エリアRE5、第8記憶エリアRE8及び第9記憶エリアRE9に格納されているATカウンタCの値は特定領域に含まれるものであるため、当該次のゲームにおいても特定カウンタTCは5以上である。その次のゲームでは、第3記憶エリアRE3、第4記憶エリアRE4、第7記憶エリアRE7及び第8記憶エリアRE8に格納されているATカウンタCの値が特定領域に含まれるものであり、補充された第9記憶エリアRE9や第10記憶エリアRE10に格納されているATカウンタCの値が特定領域に含まれるものではなければ、特定カウンタTCは5未満となる。
ステップS5706にて特定カウンタTCが5以上である場合、ステップS5707にて、各種フラグ格納エリア183aにCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグは、ATモード移行抽選に当選し易いチャンスゾーンとしてのCZモード中の演出を行うべき状況であることを、CPU181が把握するためのフラグである。
CZモードフラグがセットされていない場合、ステップS5708にてCZモードフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップS5709にてCZモード演出が補助表示部65等にて実行されるようにする処理を行う。CZモード演出としては、例えば、図133(b)に示すように、補助表示部65の画面の上部や下部に「AT当選確率上昇中!!」といった表示を行うとよい。
続くステップS5710では、各種カウンタエリア183bに設けられたCZカウンタZCに10を入力する処理を実行する。CZカウンタZCは、チャンスゾーンとしてのCZモードの最低継続ゲーム数を規定するためのカウンタである。より詳しくは、本実施形態では、CZモードは特定カウンタTCが5以上となることで開始され、特定カウンタTCが5未満となってからその特定カウンタTCが5未満である状況が10ゲーム間継続することで終了する構成としている。
ステップS5710の処理を実行した後は、本CZモード用処理を終了する。また、ステップS5707にてCZモードフラグがセットされている場合、そのままCZモード用処理を終了する。この場合、上記のCZモード演出が継続されることになる。
ステップS5706にて特定カウンタTCが5未満であると判定した場合、ステップS5711に進む。ステップS5711では、CZモードフラグがセットされているか否かを判定する。セットされている場合には、CZモード中において特定カウンタTCが5未満となったことを意味し、この場合、ステップS5712にて上記CZカウンタZCを1減算する処理を実行する。その後、ステップS5713にてCZカウンタZCが0となっているか否かを判定し、0である場合にはステップS5714にて、CZモードフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS5715にてCZモード演出を終了するようにするための処理を行ってから、本CZモード用処理を終了する。ステップS5711にてCZモードフラグがセットされていない場合や、ステップS5713にてCZモード中であっても未だCZカウンタZCが0となっていない場合には、そのままCZモード用処理を終了する。
ステップS5701にて有利区間中であると判定した場合、ステップS5716にて特定カウンタTCの値を初期値(0)にクリアする処理を実行してから、本CZモード用処理を終了する。なお、既に特定カウンタTCの値が初期値である場合にはその状態を維持する。
以上のように、事前取得されるATカウンタCによって、CZモード演出が行われるようにしたことから、従来のように各ゲームの抽選結果に基づいてATモード移行抽選に当選し易いチャンスゾーンに移行する構成とは全く異なる遊技性が実現される。
すなわち、既に説明した通り、ATカウンタCは、乱数取得用処理において、各ゲームの抽選結果に関わらず取得されるものである。また、CZモード演出を行ううえで、CZモード用処理を行うゲームでの抽選結果は考慮しない。つまり、CZモード演出の設定は、ATカウンタCのみを利用して行われることになる。よって、例えば、ATモード移行当選に期待できないようなゲームの抽選結果(例えば通常リプレイ)である場合においてもCZモード演出が発生する場合があり、逆に、ATモード移行当選に期待できるようなゲームの抽選結果(例えば強チェリー)である場合においてもCZモード演出が発生しない場合があり、従来のようなチャンスゾーンとは全く異なるCZモード演出とし、各ゲームでの期待感を持続させることが可能となるし、CZモード演出が行われる場合の意外性が高められる。
CZモード演出の設定に際し、ATモード移行当選となり易いATカウンタCの値の範囲として特定範囲を設定し、その特定範囲に含まれるATカウンタの個数に基づきCZモード演出を設定する構成とした。このようにすることで、ATモード移行当選となる期待度をある程度精度よく予測した結果としてCZモード演出を行うことが可能となり、CZモード演出の実効性を高めることができる。
CZモード演出を抽選用情報記憶エリア106fに記憶可能なATカウンタCの個数以上のゲーム数は継続し得るように行うようにしたことから、いずれのATカウンタCを用いたATモード移行抽選にて当選となり易いかがわかりにくくなるし、抽選用情報記憶エリア106fに記憶されているいずれのATカウンタCを用いたATモード移行抽選に対しても、期待感を抱かせることが可能となる。
CZモード演出を、有利区間移行前に行うことを可能とした。このようにすることで、有利区間移行前であってもATモード移行に期待させることが可能となる。なお、ATカウンタCに基づいてCZモード演出を行うものの、ATモード移行抽選自体は、有利区間移行後に行われる。つまり、CZモード演出が行われていてもATモード移行抽選が実施されない場合もある。言い換えると、本実施形態におけるCZモード演出は、ATモード移行抽選が実際に行われるか否か関わらず発生するものである。このようにすることで、従来の遊技機のように有利区間に移行しなければチャンスモードに移行しないといった構成とは全く異なる観点でCZモード演出を発生させることが可能となり、CZモード演出の発生率を高くして、通常時の遊技性を向上させることが可能となる。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記各実施形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態や変形例の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)抽選用の乱数を事前取得して、その乱数と、各ゲームの抽選結果とを利用して抽選を行う構成において、抽選用の乱数としてATモード移行抽選に用いられるATカウンタCを例として説明したが、他の抽選に用いられる乱数に上記各発明を適用してもよい。例えば、有利区間移行抽選に用いられる抽選用のカウンタを事前取得する構成に適用してもよいし、VBモード移行抽選に用いられる抽選用のカウンタを事前取得する構成に適用してもよいし、特化ゾーン移行抽選に用いられる抽選用のカウンタを事前取得する構成に適用してもよいし、上乗せ抽選や上乗せゲーム数抽選に用いられる抽選用のカウンタを事前取得する構成に適用してもよいし、所定演出(例えば、設定値示唆演出や、当選内容確定演出等)の抽選に用いられる抽選用のカウンタを事前取得する構成に適用してもよい。
すなわち、事前取得される特定情報(乱数)に基づいて発生の有無の抽選を行う特定事象としては、ATモードへの移行に限定されず、有利区間への移行であってもよいし、VBモードへの移行であってもよいし、特化ゾーンへの移行であってもよいし、ゲーム数の上乗せであってもよいし、所定ゲーム数の上乗せ(上乗せゲーム数の多い少ない)であってもよいし、所定演出の発生であってもよい。
(2)遊技状態の移行として、ATモード移行抽選の当選確率が高くなる状態(第1BB状態、第2BB状態、第4RT状態)を例として説明したが、ATモード移行抽選の当選確率が低くなる状態に適用してもよい。なお、ATモード移行抽選の当選確率の高低は、ATモード移行抽選の契機となる特定役の当選確率の高低で規定されるものであってもよいし、特定役に対応付けられるATカウンタC等の値の数で規定されるものであってもよいし、その両方であってもよい。
(3)ATモード移行抽選を、ATカウンタC等と、当該ATモード移行抽選が行われるゲームの抽選結果と、当該ATモード移行抽選が行われる遊技状態と、に基づき行う構成としたが、他のパラメータを用いてもよく、少なくとも事前取得される乱数(ATカウンタC)と、そのゲームの抽選結果とが用いられる構成であればよい。他のパラメータとしては、例えば、ゲーム数や、所定の遊技結果(例えばベル)の当選回数や入賞回数、当該ゲームよりも前のゲームの抽選結果(ゲームの履歴)等が考えられる。
(4)ATモード移行抽選に用いられる抽選用の乱数としてATカウンタC等を、ストップスイッチ42~44の操作のうち、第3停止OFF操作時に取得する構成としたが、他のタイミングで取得する構成としてもよい。例えば、第1停止OFF操作時や第2停止OFF操作時であってもよいし、第1~第3停止ON操作時であってもよい。また、スタートレバー41の操作に基づき取得する構成としてもよいし、クレジット投入スイッチ56~58の操作に基づき取得する構成としてもよい。これらの操作として、操作に基づき遊技が進行することとなる有効な操作であってもよいし、その操作が無効とされる期間中等の無効な操作に基づき取得する構成としてもよい。更に、操作に基づき直ちに取得する構成に限定されず、例えば、操作に基づき所定期間後に取得する構成としてもよいし、左ストップスイッチ42が操作された後、中ストップスイッチ43が操作された場合には取得するものの、左ストップスイッチ42が操作された後、右ストップスイッチ44が操作された場合には取得しないといったように、複数の操作の組合せにより取得する構成としてもよい。
(5)ATモード移行抽選に用いられる抽選用の乱数としてATカウンタC等を1回の第3停止OFF操作に基づき1個取得する構成としたが、操作と取得個数とが1対1の関係でなくてもよく、1対複数、複数対1、複数対複数の関係であってもよい。より詳しくは、1回の操作に基づき複数個のATカウンタC等を取得する構成としてもよいし、複数回の操作に基づき1個のATカウンタC等を取得する構成としてもよいし、複数回の操作に基づき複数個のATカウンタC等を取得する構成としてもよい。1対複数の関係では、例えば、所定のゲームの第3停止OFF操作時に2個のATカウンタC等を取得し、当該所定のゲームの次のゲームの第3停止OFF操作時にはATカウンタC等を取得せず、更に次のゲームの第3停止OFF操作時には2個のATカウンタC等を取得するといったように、ATカウンタC等の消費頻度と取得頻度との関係で、ATカウンタC等の数が常に一定数となるように取得タイミングを調節するとよい。また、複数対1の関係では、例えば、第2停止OFF操作と第3停止OFF操作といった複数回の操作に基づき1個のATカウンタC等を取得するといったように、ATカウンタC等の数が常に一定数となるように調節するとよい。
(6)ATモード移行抽選を、スタートレバー41の操作に基づき行う構成としたが、少なくとも今回のゲームの抽選結果が把握可能であり、且つATカウンタC等が事前取得されているタイミングであればよく、例えば、ストップスイッチ42~44の操作(第1~第3停止ON操作、第1~第3停止OFF操作)に基づきATモード移行抽選を行う構成としてもよい。ちなみに、第3停止OFF操作時にATモード移行抽選を行う構成においては、ATカウンタC等の取得と、ATモード移行抽選とのいずれもがその第3停止OFF操作に基づき行う構成となるものの、当該取得されるATカウンタC等は、その後のゲームで使用するためのATカウンタC等であり、ATモード移行抽選に用いられるATカウンタC等は、当該第3停止OFF操作時よりも前のゲームでの第3停止OFF操作時に取得されたものとなる。
(7)乱数取得用処理を、抽選処理(図16)よりも前に行う構成としてもよい。例えば、通常処理(図15)におけるステップS210とステップS211(抽選処理)との間で乱数取得用処理が起動される構成としてもよい。このようにすることで、ゲームの抽選結果に影響されず独立してATカウンタC等が取得されることがより明確化される。
(8)乱数取得用処理においてATカウンタC等を取得する場合、当該取得時のゲームの抽選結果等に影響されずに、当該ゲームの抽選結果等とは独立してATカウンタC等の取得を行う構成としたが、ゲームの抽選結果等に基づいて取得されるATカウンタC等が異なり得る構成としてもよい。例えば、ゲームの抽選結果が強チェリー等の第1結果である場合には、第1数値範囲として「1」~「64」のうちの1の値のATカウンタCの取得が行われ、ゲームの抽選結果が強スイカ等の第2結果である場合には、第2数値範囲として「65」~「128」のうちの1の値のATカウンタCの取得が行われる、といったように、そのゲームでの抽選結果によって取得される数値が規定される構成としてもよい。
(9)第1BBや第2BBの入賞態様として、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによって取りこぼしが生じ得る入賞態様を設定したが、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず入賞が成立する入賞態様を設定してもよい。この場合、例えば、第1BBは取りこぼしが生じ得る入賞態様が設定され、第2BBは取りこぼしが生じ得ない入賞態様が設定されるといったように、BBの種類によって取りこぼしの有無が異なる構成としてもよい。
(10)第4RT状態Aや第4RT状態Bへの入賞が生じる第11再遊技や第12再遊技について、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず操作順序さえ合致していれば入賞が成立する入賞態様を設定したが、操作タイミングによって取りこぼしが生じ得る入賞態様を設定してもよい。この場合、例えば、第11再遊技入賞が成立しない場合には第1再遊技入賞が成立する、といったようにいずれかの再遊技入賞は成立する構成とするとよい。
(11)第4RT状態Aや第4RT状態Bへの入賞が生じる第11再遊技や第12再遊技について、第1BBや第2BBのようにその当選フラグが入賞まで持ち越される構成としてもよい。
(12)第1BB状態や第2BB状態の終了条件として、上限払出数のメダル払出が発生したこととしたが、他の終了条件が規定される構成としてもよい。例えば、予め定められた数のゲームを消化することで終了する構成や、予め定められた数の(所定結果の)入賞が成立することで終了する構成や、メダル払出数とメダル使用数との差分であるメダル増加数(減少数)が予め定められた数に達した場合に終了する構成や、所定の終了結果(所謂パンク役)に当選した場合や所定の終了結果入賞が成立した場合に終了する構成としてもよい。これらの場合において、第1BB状態と第2BB状態とで、終了条件が異なる構成としてもよく、その終了条件として、抽選用情報記憶エリア106fに記憶されるATカウンタC等の数(10)よりも長いゲーム数で終了する場合と、当該数(10)よりも短いゲーム数で終了する場合とが生じるようにするとよい。
(13)通常時のゲームにて当選する抽選結果として、通常リプレイ、押し順リプレイ、押し順ベル等を設け、これらの抽選結果をBB時のゲームでは当選しないようにしたが、BB時にも当選するようにしてもよい。この場合、通常時の当選確率よりもBB時の当選確率の方が低くなるように設定したり、通常時にこれらの抽選結果においてATモード移行当選となるATカウンタC等よりもBB時にこれらの抽選結果においてATモード移行当選となるATカウンタC等の数を少なく設定したりすることで、通常時よりもBB時の方がこれらの抽選結果を契機としてATモード移行当選となりにくくなる。また、BB時のゲームにて当選する抽選結果として、BB中第1役、BB中第2役、BB中第3役を設け、これらの抽選結果を通常時のゲームでは当選しないようにしたが、通常時にも当選するようにしてもよい。この場合、BB時の当選確率よりも通常時の当選確率の方が低くなるように設定したり、BB時にこれらの抽選結果においてATモード移行当選となるATカウンタC等よりも通常時にこれらの抽選結果においてATモード移行当選となるATカウンタC等の数を少なく設定したりすることで、BB時よりも通常時の方がこれらの抽選結果を契機としてATモード移行当選となりにくくなる。
(14)状況表示について、既に他の特別画像に対する状況表示が行われている場合には、今回の特別画像についての状況表示の開始を制限する構成としたが、既に行っている状況表示を終了させたうえで、今回の特別画像についての状況表示を開始する構成としてもよいし、既に行っている状況表示と、今回の状況表示とをいずれを優先するか(今回の状況表示を開始するか否か)を抽選等により決定する構成としてもよく、対象とする特別画像や状況表示の内容によっていずれの状況表示を優先するかを異ならせてもよい。
(15)特別画像による保留表示を行う構成において、保留表示の対象となっている抽選結果に基づいてATモード移行抽選が行われた場合(ATモード移行当選となった場合)と、保留表示の対象となっている抽選結果とは異なる抽選結果に基づいてATモード移行抽選が行われた場合(ATモード移行当選となった場合)とで、演出内容を異ならせてもよい。また、保留表示の対象となっている抽選結果に基づいてATモード移行抽選が行われた場合(ATモード移行当選となった場合)と、保留表示が行われていない状況でその抽選結果に基づいてATモード移行抽選が行われた場合(ATモード移行当選となった場合)とで、演出内容を異ならせてもよい。例えば、チェリーに対応する第1特別画像P1の対象となるゲームにおいて、強チェリーや弱チェリーにてATモード移行抽選が行われた場合と、当該第1特別画像P1の対象となるゲームにおいて、強スイカにてATモード移行抽選が行われた場合とで、補助表示部65におけるそのATモード移行抽選が行われたゲームや、その移行抽選の結果を報知するための演出を異ならせてもよい。
(16)通常用ATカウンタCAとBB用ATカウンタCBとを取得可能とする構成において、通常時では通常用ATカウンタCAを使用してATモード移行抽選を行い、且つBB用ATカウンタCBを消費だけし、BB時ではBB用ATカウンタCBを使用してATモード移行抽選を行い、且つ通常用ATカウンタCAを消費だけする、といった、状態に関わらずATカウンタCA,CBを消費する構成と、通常時では通常用ATカウンタCAを使用してATモード移行抽選を行い、且つBB用ATカウンタCBを消費せず(保持し)、BB時ではBB用ATカウンタCBを使用してATモード移行抽選を行い、且つ通常用ATカウンタCAを消費しない(保持する)、といった、状態よって消費されるATカウンタCA,CBが異なる構成と、を説明したが、消費の有無を遊技者が選択可能な構成としてもよい。つまり、例えば、通常時において通常用ATカウンタCAを使用してATモード移行抽選を行ったうえで、BB用ATカウンタCBを消費するか否かを、所定の操作部(例えば、クレジット投入スイッチ56~58のいずれか)の操作に基づいて遊技者が選択可能な構成としてもよい。
(17)通常用ATカウンタCAとBB用ATカウンタCBとの更新範囲が異なる構成としてもよい。具体的には、例えば、通常用ATカウンタCAは「1」~「128」の範囲で更新される一方、BB用ATカウンタCBは「1」~「64」の範囲で更新される構成としてもよく、ATモード移行当選となる確率に応じて更新範囲を設定してもよい。より詳しくは、更新範囲によって、ATモード移行当選となる最低確率が規定される(1~128の更新範囲では、128分の1が最低確率となる)ところ、ATモード移行当選となる最低確率を低くしたい場合には更新範囲を広くするとよく、その一方で、更新範囲が広くなることで同じ当選確率においてATモード移行当選となる乱数の値は多くなるため、構成の複雑化や処理の煩雑化が生じ得る。そこで、上記のように通常用ATカウンタCAとBB用ATカウンタCBの更新範囲を異なるこを許容すれば、ATモード移行抽選が行われる遊技状態用にそれぞれのカウンタをカスタマイズすることが可能となる。
(18)ゲームの抽選結果が所定結果として例えば強スイカである場合、通常用ATカウンタCAの値が所定値(65)であればATモード移行抽選に当選となるものの、その通常用ATカウンタCAの所定値に対応するBB用ATカウンタCBの値(65)ではATモード移行抽選に非当選となる構成としたところ、上記(15)のように、通常用ATカウンタCAとBB用ATカウンタCBとの更新範囲が異なる構成においては、更新範囲を同じものとして換算した値でATモード移行抽選を行った場合に、ATモード移行当選となるか否かが異なる構成とするとよい。より詳しくは、例えば、通常用ATカウンタCAの更新範囲が「1」~「128」であり、BB用ATカウンタCBの更新範囲が「1」~「256」である構成において、通常用ATカウンタCAの「65」でATモード移行当選となる強スイカを対象とするのであれば、BB用ATカウンタCBの「130」と「131」とを対応するBB用ATカウンタCBとして強スイカ時にATモード移行当選とならないようにするとよく、BB用ATカウンタCBの更新範囲が「1」~「64」であれば、「32」や「33」を対応するBB用ATカウンタCBとして強スイカ時にATモード移行当選とならないようにするとよい。
(19)通常用ATカウンタCAとBB用ATカウンタCBとの記憶可能な上限記憶数を異ならせる構成としてもよい。具体的には、通常用ATカウンタCAの方がBB用ATカウンタCBよりも多い個数記憶可能とされる構成や、通常用ATカウンタCAよりもBB用ATカウンタCBの方が多い個数記憶可能とされる構成としてもよい。これらの場合、上限記憶数は異なるものの、実際に記憶する個数は共通なものとしてもよい。
(20)通常用ATカウンタCAとBB用ATカウンタCBとに対応する保留表示をそれぞれ行う構成としたが、通常時は通常用ATカウンタCAに対応する保留表示のみを行い、BB時はBB用ATカウンタCBに対応する保留表示のみを行う構成としてもよく、また、通常時はBB用ATカウンタCBに対応する保留表示のみを行い、BB時は通常用ATカウンタCAに対応する保留表示のみを行う構成としてもよい。更に、表示されている保留表示が、通常用ATカウンタCAに対応するものなのか、それともBB用ATカウンタCBに対応するものなのかが、識別しにくかったり識別不可能であったりする構成としてもよい。
(21)通常用ATカウンタCAとBB用ATカウンタCBとで通常時とBB時のATモード移行当選となる値を異ならせたが、通常時とBB時とで共通のATカウンタCを用いる形態に、上記構成を適用してもよい。すなわち、例えば、所定の特定役に基づくATモード移行抽選において、通常時とBB時のATモード移行当選となるATカウンタCの値を異ならせてもよい。
(22)第1BB状態及び第2BB状態のいずれの終了後においても通常遊技状態に移行する構成と、第1BB状態終了後は通常遊技状態に移行する一方、第2BB状態終了後は第4RT状態に移行する構成と、を説明したが、第1BB状態及び第2BB状態のいずれの終了後においても第4RT状態に移行する構成としてもよいし、第1BB状態終了後は第4RT状態に移行する一方、第2BB状態の終了後は通常遊技状態に移行する構成としてもよいし、他の遊技状態(例えば第1RT状態~第3RT状態)に移行する構成としてもよい。
(23)初期乱数取得用処理を、電源投入時のメイン処理において当選確率の設定処理が起動される際に実行する構成を説明したが、当選確率の設定処理の起動の有無に関わらず電源投入時に初期乱数取得用処理を実行する構成としてもよく、RAM106の初期化処理の実行の有無に関わらず電源投入時に初期乱数取得用処理を実行する構成としてもよい。この場合、初期乱数取得用処理に際して、抽選用情報記憶エリア106fにATカウンタC等が記憶されている場合には、そのATカウンタC等をクリアしたうえで、新たにATカウンタC等の取得処理を行う構成としてもよいし、記憶されているATカウンタC等を保持し、新たなATカウンタC等の取得処理を行わない構成としてもよいし、新たなATカウンタC等の取得処理(記憶されているATカウンタCのクリア処理)の実行の有無を抽選等により決定する構成としてもよい。
また、例えば、有利区間の終了時の初期化処理に際して、取得済みのATカウンタC等をクリアする構成とした場合、初期乱数取得用処理を、有利区間の終了を契機として、例えば、通常区間の開始時に行う構成としてもよい。
(24)初期乱数取得用処理において、他の抽選用の乱数を取得してATカウンタC等に変換する構成を説明したが、通常時の乱数取得用処理において、他の抽選用の乱数を取得してATカウンタC等に変換する構成を適用してもよい。
(25)他の抽選用の乱数をATカウンタC等に変換するうえで、変換テーブルを予め記憶しておき、その変換テーブルに従って変換する構成としたが、取得時にランダムに変換する構成としてもよい。
(26)他の抽選用の乱数をATカウンタC等に変換する構成としたが、同じ値のATカウンタC等を複数個取得したうえで、そのATカウンタC等を変換して複数種類の値のATカウンタC等として記憶する構成としてもよい。なお、この場合、当該変換に際して、同じ値のATカウンタC等となることは許容され得るものとするとよい。つまり、他の抽選用の乱数をATカウンタC等に変換する構成に限定されず、ATカウンタC等自体を(別の値の)ATカウンタC等に変換する構成も、上記変換処理に含まれる。
(27)他の抽選用の乱数をATカウンタC等に変換する構成としたが、それ専用の乱数を取得して、ATカウンタC等に変換する構成としてもよく、それ専用の乱数を取得して変換処理を介さずにATカウンタC等として記憶する構成としてもよい。
(28)他の抽選用の乱数をATカウンタC等に変換する構成としたが、変換を要しない乱数を選択して、その乱数を取得してそのまま記憶する構成としてもよい。変換を要しない乱数とは、少なくとも更新範囲がATカウンタC等と同じ範囲であることが好ましい。
(29)他の抽選用の乱数をATカウンタC等に変換する構成としたが、他の抽選用の乱数をそのままATカウンタC等として記憶する構成としてもよい。この場合、例えば、更新範囲が異なる乱数において、ATカウンタCの更新範囲(1~128)よりもその更新範囲が狭い乱数(1~64)を取得する場合には、その乱数の更新範囲に含まれない値でのATモード移行抽選は行われないため、その値をATモード移行当選として設定されている抽選結果(例えば強スイカ)がある場合にはその抽選結果でのATモード移行当選は発生しない。そのため、このような更新範囲に含まれない値でのATモード移行抽選においては、いずれ抽選結果を用いてもATモード移行当選とならないようにATモード移行抽選テーブルを設定するとよい。また、ATカウンタCの更新範囲(1~128)よりもその更新範囲が広い乱数(1~256)を取得する場合には、ATカウンタCの更新範囲に含まれない値でのATモード移行抽選では、抽選結果に関わらずATモード移行当選となり得ない。そこで、このような場合には、ATカウンタCの更新範囲外の値でATモード移行当選となり得るように設定された抽選テーブルでATモード移行抽選を行うようにするとよい。
(30)他の抽選用の乱数をATカウンタC等に変換する構成としたが、他の抽選用の乱数をそのままATカウンタC等として記憶する構成とし、例えば、それぞれの乱数用にATモード移行抽選テーブルを設定する構成としてもよい。これにより、更新範囲がATカウンタC等と異なる乱数を用いてATモード移行抽選を行う場合でも、好適に当該抽選を行うことが可能となる。
(31)第4RT状態Aと第4RT状態Bとのいずれの移行を生じさせるべきかを、移行リプレイ当選時に特別報知として報知する構成としたが、移行リプレイ当選時には、第4RT状態Aと第4RT状態Bとの移行が生じ得る状況である旨の報知(例えば、図120(c))だけを行い、実際に移行が生じた際に、抽選用情報記憶エリア106fに記憶されているATカウンタC等に基づいてATモード移行当選となる期待度を報知する(図122(b))構成としてもよい。
(32)第4RT状態Aや第4RT状態Bへ移行する際に、抽選用情報記憶エリア106fに記憶されているATカウンタC等に基づいてATモード移行当選となる期待度をまとめて報知する(図122(b))構成としたが、第1の実施形態等のように、いずれのゲームにてATモード移行当選となり易いかを保留表示等により個別に報知する構成としてもよい。
(33)第4RT状態Aと第4RT状態Bとで、いずれの状態に滞在しているかを補助表示部65等の演出等からは識別困難としたり識別できないようにしたりしてもよい。なお、この構成は、第4RT状態Aと第4RT状態Bとでチェリーリプレイとスイカリプレイの当選確率を同じ確率としながらも、ATカウンタCの対応付けによりチェリーリプレイ時とスイカリプレイ時のATモード移行当選となる確率を第4RT状態Aと第4RT状態Bとで異ならせる構成に適用するとよい。
(34)第4RT状態Aにおいて最もATモード移行当選の契機となり易いチェリーリプレイや、第4RT状態Bにおいて最もATモード移行当選の契機となり易いスイカリプレイを用いて、当該チェリーリプレイやスイカリプレイにてATモード移行抽選が行われることを想定してATモード移行抽選の結果を先読みする構成としたが、最もATモード移行当選の契機となり易い抽選結果が、チェリーリプレイやスイカリプレイとは別に設けられていてもよい。
(35)第4RT状態Aの各ゲームにおいて最も当選確率の高いチェリーリプレイや、第4RT状態Bの各ゲームにおいて最も当選確率の高いスイカリプレイを用いて、当該チェリーリプレイやスイカリプレイにてATモード移行抽選が行われることを想定してATモード移行抽選の結果を先読みする構成としたが、最も当選確率の高い抽選結果が、チェリーリプレイやスイカリプレイとは別に設けられていてもよい。
(36)ATモード移行当選となるATカウンタCとして、チェリーリプレイに対応付けられている値を更新範囲のうちの小さい側の値とし、スイカリプレイに対応付けられている値を大きい側の値とし、各ATカウンタCの積算値によりいずれのリプレイに対応するATカウンタCが格納されているかを予測する構成において、積算値ではなく平均値を算出することにより、いずれのリプレイに対応するATカウンタCが格納されているかを予測する構成としてもよい。この場合、予測対象となる抽選結果に対応付けられているATカウンタCの値が所定範囲(例えば1~64)であれば、その所定範囲内に上記演算した格納済みのATカウンタCの平均値が含まれる場合に、予測対象となる抽選結果にてATモード移行当選となり易いと予測することが可能である。また、その演算した格納済みのATカウンタCの平均値が、予測対象となる抽選結果に対応付けられているATカウンタCの値が所定範囲(例えば1~64)の平均値に近いほど、予測対象となる抽選結果にてATモード移行当選となり易いと予測することも可能である。
(37)格納済みのATカウンタC等の演算処理を行うことで、ATモード移行抽選の結果を予測する構成において、演算処理は、各ATカウンタCの積算処理に限定されず、上記のように平均値を算出する処理を演算処理としてもよいし、第4の実施形態のように個数を数えることを演算処理としても良いし、差分を演算する処理を演算処理としてもよいし、他の四則演算を行う処理を演算処理としても良い。例えば、差分を演算する処理を演算処理とする場合、その差分が小さければ演算処理の対象となるATカウンタCの値が似通っているものとなるし、差分が大きければ演算処理の対象となるATカウンタCの値が大きく異なることとなる。似通っているものである場合、同じ抽選結果を用いたATモード移行抽選において同じ結果となり易いことが予測され、そうすると連続して当選となったり連続して外れとなったりすることが予測される。また、大きく異なるものである場合、同じ抽選結果を用いたATモード移行抽選において異なる結果となり易いことが予測され、そうするといずれかのATモード移行抽選にて当選となる(外れとなる)ことが予測される。
(38)格納されているATカウンタCの演算処理を行う構成において、抽選用情報記憶エリア106fに記憶されている全てのATカウンタCを演算処理の対象とする構成に代え、又は加えて、所定のATカウンタCと他のATカウンタCとをピックアップして演算処理を行う構成としてもよい。いずれのATカウンタCをピックアップするかは、各記憶エリアRE1~RE10のうちの番号の小さいもの(RE1とRE2)といったように、予め定められた記憶エリアのATカウンタCをピックアップする構成としてもよいし、抽選によりピックアップする記憶エリアを決定する構成としてもよい。更に、演算処理の対象とするATカウンタCの数も、2個以上であればよく、3個であってもよいしそれ以上であってもよい。そして、その数についても、予め定められた数であってもよいし、抽選によりその数を決定する構成としてもよい。
また、演算処理を行うタイミングや遊技状態、当該ゲームの抽選結果によって、演算処理の対象とするATカウンタCの数やどの記憶エリアに格納されているものか等が異なる構成としてもよい。
(39)ATカウンタCの更新範囲のうち、ATモード移行当選となり易い特定範囲を定め、その特定範囲内の値の個数を把握し、その把握結果によってCZモードを設定する構成としたが、第4の実施形態のように、遊技状態中の各ゲームで最も当選確率の高い抽選結果にてATモード移行抽選が行われたと想定して、ATモード移行当選となる個数を把握し、その把握結果によってCZモードを設定する構成としてもよいし、各ATカウンタCの演算処理に基づいてCZモードを設定する構成としてもよい。
(40)特定範囲内の値のATカウンタCの記憶個数が所定数(5)以上となることでCZモードに設定する構成としたが、CZモードを複数設け、特定範囲内の値のATカウンタCの記憶個数によって、段階的にCZモードの設定を行う構成としてもよい。例えば、ATモード移行当選となる期待値が低い順に第1CZモード、第2CZモード、第3CZモードを設け、特定範囲内の値のATカウンタCの記憶個数が3つ以上となった場合に第1CZモードへ移行させ、5つ以上となった場合に第2CZモードへ移行させ、7つ以上となった場合に第3CZモードへ移行させる、といった構成としてもよい。
(41)特定範囲内の値のATカウンタCの記憶個数が所定数以上となることでCZモードに設定する構成において、所定数以上となり、且つ所定の開始条件が成立したことに基づきCZモードに設定する構成としてもよい。所定の開始条件とは、例えば、特定範囲内の値のATカウンタCの記憶個数が所定数以上である状況が予め定められたゲーム数継続することや、ゲームの抽選結果が予め定められた結果(いずれかのレア役)となること等が考えられる。
(42)ATモード移行抽選の契機となる抽選結果として特定役を設定し、当該特定役に付いては設定値による当選確率の差がないようにしたが、設定値による当選確率の差がある抽選結果に基づいてATモード移行抽選を行う構成としてもよい。また、有利区間移行抽選の契機となる抽選結果として移行契機役を設定し、当該移行契機役に付いては設定値による当選確率の差がないようにしたが、設定値による当選確率の差がある抽選結果に基づいて有利区間移行抽選を行う構成としてもよい。
(43)ATモード移行抽選をBBとの重複役(インデックス値IV=34~51の強チェリー重複1等)においても実行する構成としてもよいし、BBの単独当選(インデックス値IV=52,53)において実行する構成としてもよいし、CB当選やCB状態中の抽選結果(インデックス値IV=54~58)において実行する構成としてもよい。これらの場合においても、ATモード移行抽選の契機を、設定値による当選確率の差がある抽選結果としてもよい。
(44)第1BBや第2BBに当選した場合や、移行リプレイ1,2に当選した場合を、遊技状態の状態が生じる場合とした発明を説明したが、例えば、CB当選してCB状態に移行する場合や、MB(ミドルボーナス)当選してMB状態に移行する場合、REG(レギュラーボーナス)当選してREG状態に移行する場合等に各発明を適用してもよい。また、第1BB状態、第2BB状態、第4RT状態、第4RT状態A、第4RT状態Bや、これらの他の状態が終了する場合を、状態移行が生じる場合として、各発明を適用してもよい。また、遊技状態の移行が可能となるものの種類に応じて、保留表示や特別報知、特定報知の種類や発生条件等を異ならせてもよい。例えば、第2BBに当選した場合には、保留表示抽選を介さずに保留表示を行うようにする一方(第1の実施形態における変形例1)、第1BBに当選した場合には、保留表示に当選したものだけの保留表示を行う構成としてもよい。
(45)各設定値によって出玉率が変化する構成とし、設定1が最も出玉率が低く、設定6が最も出玉率が高くなる構成としたが、設定値によって出玉(遊技媒体)の増減率や増減態様が変化する構成であればよい。例えば、設定1と設定2との出玉率が同じであるなど、一部の設定値の出玉率が同じであって、他の設定値の出玉率が異なる構成としてもよい。また、設定1,3,5は出玉の増減率が高く、設定2,4,6は出玉の増減率が低い構成としてもよい。また、設定1,5は短時間で出玉が所定量増加し長時間で出玉が所定量減少し、設定2,3,4は所定量の増加に設定1,5よりも長時間要するとともに所定量の減少に設定1,5よりも短時間で済み、設定6は出玉の増減がほとんど発生しない構成としてもよい。これらの場合、各設定値の出玉率は同じであってもよい。
(46)リール及びそれに対応するストップスイッチを3つ並列して備えるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップスイッチを5つ並列して備えたスロットマシンであってもよい。リールの停止操作における誤操作を抑制するという観点からすると、リール及びそれに対応するストップスイッチは少なくとも2つあればよい。また、ベット数が3である状況で有効ラインが1ラインに設定されるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、有効ラインは5ラインであってもよい。
(47)スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機(所謂、球使用回胴式遊技機)としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
例えば、パチンコ機や球使用回胴式遊技機において、出玉率等に変化を与える設定値を複数段階有する構成とし、これらの設定値の示唆や教示演出として、上記各発明を適用してもよい。この場合、大当たり確率が高低となる高確率状態と低確率状態とを有するパチンコ機においては、上記スロットマシン10における有利区間を高確率状態として適用してもよく、所定の入球部への入球率が高低となる高入球状態と低入球状態とを有するパチンコ機においては、上記スロットマシン10における有利区間を高入球状態として、上記各発明を適用してもよい。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される特徴的な構成について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の各特徴群に示す発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴A群>
特徴A1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特別結果(例えば、強チェリー、チェリーリプレイ、スイカリプレイ)となる確率が異なる第1遊技状態(例えば、通常遊技状態)と第2遊技状態(例えば、第1BB状態や第2BB状態、第4RT状態Aや第4RT状態B)と、が設定されており、
予め定められた移行条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態から前記第2遊技状態へと移行させる遊技状態移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理やRT状態処理を実行する機能)を備える遊技機であって、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特定情報(ATカウンタC)を取得する特定情報取得手段(主制御装置101における乱数取得用処理を実行する機能)と、
前記特定情報取得手段により取得された前記特定情報を記憶可能な特定情報記憶手段(主制御装置101における抽選用情報記憶エリア106f)と、
少なくとも前記特定情報記憶手段に記憶された前記特定情報と、前記抽選手段による抽選結果と、を用いて、特定事象(ATモード移行)を生じさせるか否かの特定抽選を実行可能な特定抽選手段(主制御装置101によるATモード移行抽選を実行する機能)と、
前記特定抽選手段による前記特定抽選の抽選結果が前記特定事象の発生に対応する特定結果(ATモード移行当選)であることに基づいて、前記特定事象を生じさせる特定実行手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定抽選手段は、前記第1遊技状態にて前記特定情報取得手段により取得され、前記特定情報記憶手段に記憶されている所定の特定情報と、前記第2遊技状態における前記抽選手段による抽選結果と、を用いて前記特定抽選を実行可能であることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段によりゲームの抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が今回のゲームの抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、抽選手段による抽選結果と、特定情報取得手段により取得され特定情報記憶手段に記憶されている特定情報と、を用いて特定事象を生じさせるか否かの特定抽選が行われるようにしたため、単に抽選手段による抽選結果と周回体の停止結果との対応付けといった従来のスロットマシンとは全く異なる遊技性が実現される。
しかも、抽選手段による抽選結果が特別結果となる確率が異なる第1遊技状態と第2遊技状態とが設けられており、第1遊技状態にて取得された特定情報と、第2遊技状態におけるゲームの抽選結果とを用いて、特定抽選が実行され得るようにした。そのため、特定抽選を用いた遊技において、特定情報の取得後に遊技状態の移行が生じるか否かといった要素が追加され、遊技者が関心を寄せる要素が多様化され、遊技者を惹きつける面白みのある遊技とすることができる。より具体的には、例えば、取得済みの特定情報が、抽選手段による抽選結果が特別結果となれば特定抽選に当選する(特定抽選の結果が特定結果となる)内容に相当する情報である場合、当該特定情報の取得後に、第1遊技状態から第2遊技状態への移行が生じることで、特定抽選に当選する確率が事後的に変化することになる。よって、特定事象を生じさせたい遊技者としては、特別結果となる確率が高くなる状態への移行を期待したり、特別結果となる確率が低くなる状態に移行しないことを期待し、特定事象を生じさせたくない遊技者としては、特別結果となる確率が低くなる状態への移行を期待したり、特別結果となる確率が高くなる状態に移行しないことを期待する、といったように、取得済みの特定情報との関係で遊技状態の移行の有無を期待させる斬新な遊技性を実現することが可能となる。
なお、「特定抽選手段」について、「少なくとも前記特定情報記憶手段に記憶された前記特定情報と、前記抽選手段による抽選結果のうちの前記特別結果と、を用いて、特定事象を生じさせるか否かの特定抽選を実行可能な特定抽選手段」と表現してもよい。
また、上記構成は、「前記特定抽選手段は、所定のゲームにて前記特定情報取得手段により取得され、前記特定情報記憶手段に記憶されている所定の特定情報と、前記所定のゲームよりも後のゲームである特定ゲームにおける前記抽選手段による抽選結果と、を用いて前記特定抽選を実行可能である」との構成を備えるようにすることで、取得済みの特定情報と、その後のゲームでの遊技結果との関係で特定抽選が行われる場合があることが、より明確化され得る。
なお、「前記特定情報を記憶可能な特定情報記憶手段」について、「予め定められた所定数の前記特定情報を記憶可能な特定情報記憶手段」と表現してもよく、「予め定められた複数である所定数の前記特定情報を記憶可能な特定情報記憶手段」と表現してもよい。かかる表現の変更は、他の特徴や他の特徴群においても適用可能である。
特徴A2.前記特定情報記憶手段により記憶されている所定の特定情報を、当該所定の特定情報が前記特定抽選の対象となるよりも前に特定可能な先特定手段(例えば、表示制御装置81による保留表示用処理を実行する機能)と、
前記先特定手段による特定結果に対応する特定報知を、所定の報知手段(補助表示部65)にて実行可能な特定報知実行手段(表示制御装置81による保留表示用処理において特別画像を表示させる処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
上記構成によれば、取得済みの特定情報に対応する特定報知が所定の報知手段にて行われることにより、その特定報知を確認しながら遊技状態の移行を生じさせたほうがよいかどうかを判断しながら遊技を行わせることができる。よって、特徴A1の遊技を好適に実行させることができる。
特徴A3.前記特定報知実行手段は、前記特定報知として、前記所定の特定情報を用いて前記特定抽選を行う場合、前記特定結果となる又は前記特定結果となり易い前記抽選手段による抽選結果に対応する報知を実行することが可能であることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
上記構成によれば、取得済みの特定情報について、抽選手段による抽選結果がどのような結果であれば特定結果となるか又は特定結果となり易いかが特定報知から把握可能となる。このようにすることで、その特定報知との関係で遊技状態の移行の有無が遊技者にとって有利となるか否かを判断させ、各ゲームでの抽選結果に対し、その抽選結果に基づいて特典付与手段により付与される特典以上に高い関心が寄せされられるようになる。よって、遊技の興趣向上が図られる。
特徴A4.前記特定抽選手段は、
前記抽選手段による抽選結果のうちの第1結果(例えば、強チェリー)と前記特定情報のうちの第1特定情報(例えば、ATカウンタCの5)と、を用いて前記特定抽選を行った場合に前記特定結果となり、
前記抽選手段による抽選結果のうちの前記第1結果とは異なる第2結果(例えば、弱チェリー)と前記第1特定情報と、を用いて前記特定抽選を行った場合に前記特定結果となり得る構成であることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、取得済みに特定情報とゲームの抽選結果とを利用して特定抽選を行う遊技において、その特定抽選の結果が特定結果となる場合の特定情報とゲームの抽選結果との関係が1対1の関係とならず、1の特定情報に対して複数の抽選結果が対応付けられる。このようにすることで、特定抽選の多様化が図られるし、仮に出現しにくいゲームの抽選結果と対応付けられた特定情報が取得されたとしても、他の抽選結果との関係で特定結果となる可能性が残り、遊技の面白みが向上する。
特徴A5.前記特定抽選手段は、
前記抽選手段による抽選結果のうちの第1結果(例えば、強チェリー)と前記特定情報のうちの第1特定情報(例えば、ATカウンタCの5)と、を用いて前記特定抽選を行った場合に前記特定結果となり、
前記抽選手段による抽選結果のうちの前記第1結果と前記特定情報のうちの前記第1特定情報とは異なる第2特定情報(例えば、ATカウンタCの6)と、を用いて前記特定抽選を行った場合に前記特定結果となり得る構成であることを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、取得済みに特定情報とゲームの抽選結果とを利用して特定抽選を行う遊技において、その特定抽選の結果が特定結果となる場合の特定情報とゲームの抽選結果との関係が1対1の関係とならず、1の抽選結果に対して複数の特定情報が対応付けられる。このようにすることで、特定抽選の多様化を図りつつも、その特定抽選に関連するゲームの抽選結果があまりにも複雑化してしまうことを抑制することができる。
特徴A6.前記特定抽選手段は、前記抽選手段による抽選結果のうちの第3結果(例えば強チェリーやBB中第3役)と前記特定情報のうちの第3特定情報(例えば、ATカウンタCの1)と、を用いて前記特定抽選を行った場合に前記特定結果となるように構成されており、
前記第2遊技状態において前記抽選手段による抽選が行われた場合には前記第3結果となる一方、前記第1遊技状態において前記抽選手段による抽選が行われた場合には前記第3結果とならない又は前記第2遊技状態の場合よりも前記第3結果となりにくいことを特徴とする特徴A1乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定情報取得手段により第3特定情報が取得されている場合、ゲームの抽選結果が第3結果となれば特定抽選に当選となる構成において、第2遊技状態では第3結果となるものの、第1遊技状態では第3結果とならないか第2遊技状態の場合よりも第3結果となりにくいように設定されている。このような構成とすることで、特定情報取得手段により事前に取得されている特定情報と、その後のゲームの抽選結果とを用いて特定抽選が行われる遊技性において、当該事前に取得されている特定情報が第3特定情報であれば、第1遊技状態から第2遊技状態への移行を望ませるようにすることができる。よって、特定情報との関係性で遊技状態の移行の有無への関心を寄せさせる遊技の興趣が向上する。
特徴A7.前記特定抽選手段は、前記抽選手段による抽選結果のうちの第4結果(例えば、通常リプレイ)と前記特定情報のうちの第4特定情報(例えば、ATカウンタCの3)と、を用いて前記特定抽選を行った場合に前記特定結果となるように構成されており、
前記第1遊技状態において前記抽選手段による抽選が行われた場合には前記第4結果となる一方、前記第2遊技状態において前記抽選手段による抽選が行われた場合には前記第4結果とならない又は前記第1遊技状態の場合よりも前記第4結果となりにくいことを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定情報取得手段により第4特定情報が取得されている場合、ゲームの抽選結果が第4結果となれば特定抽選に当選となる構成において、第1遊技状態では第4結果となるものの、第2遊技状態では第4結果とならないか第1遊技状態の場合よりも第4結果となりにくいように設定されている。このような構成とすることで、特定情報取得手段により事前に取得されている特定情報と、その後のゲームの抽選結果とを用いて特定抽選が行われる遊技性において、当該事前に取得されている特定情報が第4特定情報であれば、第1遊技状態から第2遊技状態への移行が生じないことを望ませるようにすることができる。よって、特定情報との関係性で遊技状態の移行の有無への関心を寄せさせる遊技の興趣が向上する。
特徴A8.前記第2遊技状態として、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果となる確率が異なる第1特定状態(第1BB状態、第4RT状態A)と第2特定状態(第2BB状態、第4RT状態B)とが設けられていることを特徴とする特徴A1乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定情報の取得後に遊技状態の移行が生じるか否かといった楽しみを提供する遊技性において、その移行が生じる先が第1特定状態か第2特定状態かによって、抽選手段による抽選の内容が異なるようになり、例えば、取得済みの特定情報との関係性で、第1特定状態への移行が生じた場合の方が第2特定状態への移行が生じた場合よりも有利となる等、上記遊技性においてその移行先にも関心を寄せさせることが可能となる。
特徴A9.前記移行条件として、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた移行結果(第1BB当選、第2BB当選)であり、前記有効位置に当該移行結果に対応する移行用の絵柄組合せが停止することが設定されており、
前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せが停止するまで、前記移行結果に当選している情報を留保可能な留保手段(主制御装置101によるボーナス当選フラグを持ち越す処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成は、第1遊技状態から第2遊技状態への移行が移行結果当選となって移行用の絵柄組合せが停止することで生じる構成において、移行用の絵柄組合せが停止するまで移行結果当選が持ち越される構成となる。このような構成を特徴A1に適用することで、特定情報を事前に取得してゲームの抽選結果に基づいて特定抽選を行う遊技性において、取得済みの特定情報との関係で、第2遊技状態への移行を生じさせた方が良いかどうかを判断させたうえで、移行させたほうがよい状況となった場合に移行用の絵柄組合せを停止させる、といった遊技性が創出される。
特徴A10.前記移行条件として、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた移行結果(移行リプレイ1当選、移行リプレイ2当選)であり、前記有効位置に当該移行結果に対応する移行用の絵柄組合せが停止することが設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記移行結果となったゲームにて、前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せが停止しなかった場合、当該移行結果に当選している情報を消去可能な消去手段(主制御装置101による各ゲームの当選フラグを消去する処理を実行する機能)を備えている構成、又は、前記停止操作手段の停止操作態様に関わらず、前記抽選手段による抽選結果が前記移行結果となったゲームにて前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せが停止可能となる構成であることを特徴とする特徴A1乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成では、第1遊技状態から第2遊技状態への移行が、移行結果当選となって移行用の絵柄組合せが停止することで生じる構成において、移行結果当選となった情報はそのゲームにのみ有効なものとなる。このようにすることで、特定情報を事前に取得してゲームの抽選結果に基づいて特定抽選を行う遊技性において、取得済みの特定情報との関係で、第2遊技状態への移行を生じさせた方が良いかの判断を行わせつつも、実際に移行が生じるか否かは運の要素が強く反映されることになる。よって、例えば、特定情報との関係で第2有利状態への移行が生じれば有利となるような状況においては、各ゲームの抽選手段の結果に大いに関心が寄せられることとなり、ハラハラドキドキさせながら遊技を行わせることが可能となる。
特徴A11.前記駆動制御手段は、前記停止操作手段が所定の操作態様にて操作された場合、前記移行用の絵柄組合せを前記有効位置に停止させることが可能である一方、前記停止操作手段が前記所定の操作態様とは異なる操作態様にて操作された場合、前記移行用の絵柄組合せを前記有効位置に停止させることができない構成であることを特徴とする特徴A9又は特徴A10に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行結果当選となった場合であっても第2遊技状態へ移行させないほうがよい場合には、遊技者が停止操作手段の操作態様を所定の操作態様とは異なる操作態様とすることで移行用の絵柄組合せを停止させないようにすることも可能となり得るため、特定抽選の内容について遊技者の選択の余地があるようになり、遊技の面白みが向上する。
特徴A12.前記第2遊技状態は、予め定められた終了条件(上限払出数の払出、固定ゲーム数消化等)が成立したことに基づいて前記第1遊技状態又は他の遊技状態へ移行する構成であり、
前記特定情報記憶手段は、予め定められた所定数の前記特定情報を記憶可能な構成であり、
前記終了条件は、前記所定数よりも少ないゲーム数で成立し得るものであることを特徴とする特徴A1乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定情報記憶手段による特定情報の上限記憶数である所定数よりも少ないゲーム数で第2遊技状態は終了し得るため、第2遊技状態へ移行するよりも前に取得していた特定情報を全て消化するよりも前に、第2遊技状態が終了し得る構成となる。このようにすることで、例えば、特定情報が第1遊技状態である状況の方が好ましいものに対応する場合、第2遊技状態への移行が生じないようにする、といった遊技だけでなく、第2遊技状態への移行を生じさせたうえで、その特定情報が特定抽選の対象となるよりも前に第2遊技状態を終了させる、といった遊技も行えるようになる。よって、特定情報との関係で遊技状態の移行の有無を楽しませる遊技性の興趣をより好適に向上させることが可能となる。
特徴A13.前記第2遊技状態は、予め定められた終了条件(上限払出数の払出、固定ゲーム数消化等)が成立したことに基づいて前記第1遊技状態又は他の遊技状態へ移行する構成であり、
前記特定情報記憶手段は、予め定められた所定数の前記特定情報を記憶可能な構成であり、
前記終了条件は、前記所定数よりも多いゲーム数で成立し得るものであることを特徴とする特徴A1乃至A12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定情報記憶手段が記憶可能な特定情報の数の上限数である所定数よりも多いゲーム数で第2遊技状態は終了し得るため、第2遊技状態へ移行するよりも前に取得していた特定情報を全て消化した後に、第2遊技状態が終了し得る構成となる。このようにすることで、例えば、特定情報が第1遊技状態である状況よりも第2遊技状態である状況の方が好ましいものに対応する場合、第2遊技状態へ移行させることで、第2遊技状態が終了するよりも前にその特定情報が特定抽選の対象となるようになる。よって、特定情報との関係で遊技状態の移行の有無を楽しませる遊技性の興趣をより好適に向上させることが可能となる。
特徴A14.前記終了条件は、前記第2遊技状態における前記抽選手段による抽選結果によって、前記第2遊技状態におけるゲーム数が異なり得るものであることを特徴とする特徴A12又は特徴A13に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2遊技状態の継続ゲーム数に運の要素が加わり、例えば、遊技者にとって好ましい特定情報が、第2遊技状態中に特定抽選の対象となるか、それとも第2遊技状態終了後に特定抽選の対象となるかが、第2遊技状態中の各ゲームの抽選結果によって異なることとなる。このようにすることで、第2遊技状態中の各ゲームにおいて、特定抽選の結果だけでなく、その先の特定情報との関係で当該ゲームの抽選結果に大いに関心を寄せさせることが可能となる。
特徴A15.前記第2遊技状態における前記抽選手段による抽選結果として終了結果(例えば、払出役としての強チェリー)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記終了結果であり、前記有効位置に終了用の絵柄組合せが停止した場合に、当該終了結果に対応する特典が前記特典付与手段により付与される構成であり、
前記特典付与手段により前記終了結果に対応する特典が付与されるか否かによって、前記終了条件の成否が異なり得る構成であり、
前記駆動制御手段は、前記停止操作手段が終了用の操作態様にて操作された場合、前記終了用の絵柄組合せを前記有効位置に停止させる一方、前記停止操作手段が前記終了用の操作態様とは異なる操作態様にて操作された場合、前記終了用の絵柄組合せを前記有効位置に停止させないように制御することが可能であることを特徴とする特徴A12乃至A14のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2遊技状態の終了条件の成否に関し、第2遊技状態中に終了結果となったゲームの停止操作手段の操作が関係することになる。より詳しくは、終了結果となったゲームにおいて、終了用の操作態様にて停止操作手段が操作された場合には、終了用の絵柄組合せが有効位置に停止することで特典付与の対象となり、終了用の操作態様とは異なる操作態様にて操作された場合には、終了用の絵柄組合せが有効位置に停止せず特典付与の対象とならない。そして、その特典付与の有無によって終了条件の成否が異なり得る構成であることから、当該終了結果当選時の操作態様によって、第2遊技状態を終了させるか否かが異なり得ることとなる。このようにすることで、特定情報との関係で第2遊技状態を終了させるか否かを、遊技者が停止操作手段の操作によって関与することが可能となり、遊技への積極参加が促されるとともに、その停止操作手段の操作をより楽しませることが可能となる。
なお、上記構成の具体的構成としては、以下の構成が考えられる。
「前記終了条件は、前記第2遊技状態にて払い出された遊技媒体数が予め定められた特定数に至ることで成立する構成であり、
前記終了結果は、前記特典付与手段により予め定められた数の遊技媒体が前記特典として付与されるものである」構成。
特徴A16.前記第1遊技状態よりも前記第2遊技状態のほうが、遊技者にとっての有利度が高くなるものであり、
同じ特定情報を用いた前記特定抽選において前記特定結果となる確率が、前記第1遊技状態よりも前記第2遊技状態の方が高くなり易くなる構成であることを特徴とする特徴A1乃至A15のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1遊技状態から第2遊技状態へ移行させることで遊技者にとって有利な状態となり、しかも、同じ特定情報であれば第1遊技状態にて特定抽選を受けるよりも第2遊技状態にて特定抽選を受けたほうが特定結果となる確率が高くなる。このような構成であれば、第2遊技状態への移行、すなわち大当たり状態への移行を期待させる遊技性に、第2遊技状態移行前に取得した特定情報を用いて第2遊技状態中に特定抽選を行う遊技性をマッチさせることができる。よって、大当たり状態としての第2遊技状態をより楽しませることが可能となる。
特徴A17.遊技状態として、通常遊技状態(通常区間)と、当該通常遊技状態よりも遊技者にとって有利となり易い第1特定遊技状態(有利区間)と、を設け、
前記第1特定遊技状態に含まれる状態として、当該第1特定遊技状態における他の状態よりも遊技者にとって有利となり易い第2特定遊技状態(ATモード)が設定されており、
前記通常遊技状態において、前記第1特定遊技状態へ移行させるか否かの第1移行抽選を実行する第1移行抽選手段(主制御装置101による有利区間移行抽選を実行する機能)と、
前記第1移行抽選手段による前記第1移行抽選の抽選結果が前記第1特定遊技状態へ移行させることに対応する第1移行結果(有利区間当選)であることに基づいて、前記第1特定遊技状態へ移行させる第1特定移行手段(主制御装置101による有利区間へ移行させるための処理を実行する機能)と、
前記第2特定遊技状態へ移行させるか否かの第2移行抽選を実行する第2移行抽選手段(主制御装置101によるATモード移行抽選を実行する機能)と、
前記第2移行抽選手段による前記第2移行抽選の抽選結果が前記第2特定遊技状態へ移行させることに対応する第2移行結果(ATモード移行当選)であることに基づいて、前記第2特定遊技状態へ移行させる第2特定移行手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定抽選手段は、前記第2移行抽選手段による前記第2移行抽選を前記特定抽選として実行するものであり、前記特定事象は、前記第2特定遊技状態への移行を生じさせることであることを特徴とする特徴A1乃至A16のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利となり易い第1特定遊技状態が設けられており、その第1特定遊技状態に含まれる状態として更に有利な第2特定遊技状態が設けられているため、通常遊技状態から第1特定遊技状態へ移行させ、第2特定遊技状態を目指す、といったように段階的に有利となる状態移行を前提とした遊技性において、その第2特定遊技状態への移行抽選を、事前取得する特定情報に基づいて行う、といった斬新な遊技性とすることができる。
特徴A18.前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第2結果とを有し、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を所定の報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7)にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備え、
前記特定事象は、前記態様報知手段による態様報知が実行され得る状態への移行を生じさせることを特徴とする特徴A1乃至A17のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、事前取得する特定情報に基づいて行う特定抽選は、停止操作態様のナビを発生し得る状態への移行を生じさせる特定事象の抽選を行うものとなる。このようにすることで、停止操作態様のナビを用いた遊技に関し、その抽選用の特定情報を事前取得するといった抽選手法とし、その事前取得した特定情報が遊技状態の移行後も有効に利用されるといった斬新な遊技性を創出することが可能となる。
<特徴B群>
特徴B1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特別結果(例えば、強チェリー)となる確率が異なる第1遊技状態(例えば、通常遊技状態)と第2遊技状態(例えば、第1BB状態、第2BB状態)と、が設定されており、
予め定められた移行条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態から前記第2遊技状態へと移行させる遊技状態移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)を備える遊技機であって、
予め定められた第1取得条件が成立したことに基づいて、第1特定情報を取得する第1特定情報取得手段(主制御装置101における乱数取得用処理において通常用ATカウンタCAを取得する処理を実行する機能)と、
前記第1特定情報取得手段により取得された前記第1特定情報を記憶可能な第1特定情報記憶手段(主制御装置101における通常用記憶エリアREA)と、
少なくとも前記第1特定情報記憶手段に記憶された前記第1特定情報と、前記第1遊技状態における前記抽選手段による抽選結果と、を用いて、特定事象(ATモード移行)を生じさせるか否かの特定抽選を実行する第1特定抽選手段(主制御装置101による通常用ATカウンタCAに基づくATモード移行抽選を実行する機能)と、
予め定められた第2取得条件が成立したことに基づいて、第2特定情報を取得する第2特定情報取得手段(主制御装置101における乱数取得用処理においてBB用ATカウンタCBを取得する処理を実行する機能)と、
前記第2特定情報取得手段により取得された前記第2特定情報を記憶可能な第2特定情報記憶手段(主制御装置101におけるBB用記憶エリアREB)と、
少なくとも前記第2特定情報記憶手段に記憶された前記第2特定情報と、前記第2遊技状態における前記抽選手段による抽選結果と、を用いて、前記特定事象を生じさせるか否かの特定抽選を実行する第2特定抽選手段(主制御装置101によるBB用ATカウンタCBに基づくATモード移行抽選を実行する機能)と、
前記第1特定抽選手段による前記第1特定抽選の抽選結果又は前記第2特定抽選手段による前記第2特定抽選の抽選結果が前記特定事象の発生に対応する特定結果(ATモード移行当選)であることに基づいて、前記特定事象を生じさせる特定実行手段(主制御装置101による有利区間へ移行させるための処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段によりゲームの抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が今回のゲームの抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、抽選手段による抽選結果と、第1特定情報取得手段により取得され第1特定情報記憶手段に記憶されている第1特定情報と、を用いて特定事象を生じさせるか否かの第1特定抽選が行われたり、抽選手段による抽選結果と、第2特定情報取得手段により取得され第2特定情報記憶手段に記憶されている第2特定情報と、を用いて特定事象を生じさせるか否かの第2特定抽選が行われたりするようにしたため、単に抽選手段による抽選結果と周回体の停止結果との対応付けといった従来のスロットマシンとは全く異なる遊技性が実現される。
ここで、抽選手段による抽選結果が特別結果となる確率が異なる第1遊技状態と第2遊技状態とが設けられている。この場合、仮に同じ特定情報を用いて両特定抽選を行う構成とすると、第1遊技状態における第1特定抽選と第2遊技状態における第2特定抽選とで、抽選結果が特別結果となる確率が異なることに起因して両特定抽選の結果が特定結果となる確率も異なり得る。そうすると、例えば、特定抽選の結果が特定結果となる確率を高くなり過ぎないようにしたい、といった事情から、特別結果の当選確率を調節する必要がある、といったように、両遊技状態における抽選手段の構成に制限が生じ得る。また、例えば、特定抽選の結果が特定結果となる確率によっては、特定情報の更新範囲を調節する必要があり、遊技状態に合わせた特定結果の確率に応じて更新範囲とすべき事情もある。
そこで、上記構成においては、両遊技状態における特定抽選について、それぞれ特定情報を別途取得し、それぞれの特定情報と、それぞれの遊技状態の抽選結果とに基づいて特定抽選を行う構成としたため、各遊技状態の実情に合わせた特定抽選の設定を行うことが可能となり、特定抽選を用いた優れた遊技性を実現することが可能となる。
なお、「第1特定抽選手段」について、「少なくとも前記第1特定情報記憶手段に記憶された前記第1特定情報と、前記抽選手段による抽選結果のうちの前記特別結果と、を用いて、特定事象を生じさせるか否かの特定抽選を実行する第1特定抽選手段」と表現してもよく、「第2特定抽選手段」について、「少なくとも前記第2特定情報記憶手段に記憶された前記第2特定情報と、前記抽選手段による抽選結果のうちの前記特別結果と、を用いて、特定事象を生じさせるか否かの特定抽選を実行する第2特定抽選手段」と表現してもよい。
特徴B2.前記第1特定情報取得手段は、前記第2遊技状態において前記第1取得条件が成立したことに基づき前記第1特定情報を取得可能であり、
前記第2特定情報取得手段は、前記第1遊技状態において前記第2取得条件が成立したことに基づき前記第2特定情報を取得可能であることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
上記構成によれば、両遊技状態用の特定情報がそれぞれ設けられている構成において、他方の遊技状態へ移行するよりも前に、その他方側の特定情報を予め取得しておくことが可能となる。このようにすることで、他方側への遊技状態の移行が生じたほうが特定抽選的に有利かどうかを、当該移行前にその他方側の遊技状態に対応する特定情報に基づいて判断させることが可能となる。
なお、上記構成は、以下のように表現してもよい。
「前記第2遊技状態において前記第1取得条件が成立し得るものであり、
前記第1遊技状態において前記第2取得条件が成立し得るものであることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機」。
特徴B3.前記第1特定情報取得手段は、前記第1遊技状態において前記第1取得条件が成立したことに基づき前記第1特定情報を取得可能であり、
前記第2特定情報取得手段は、前記第2遊技状態において前記第2取得条件が成立したことに基づき前記第2特定情報を取得可能であることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
上記構成によれば、両遊技状態用の特定情報がそれぞれ設けられている構成において、滞在している遊技状態に応じた特定情報に基づいて特定抽選が行われ、その特定抽選により特定情報が消費されて特定情報が枯渇するといった事象が生じないようになる。つまり、滞在している遊技状態に応じた特定情報に基づく特定抽選が行われるとともに、その遊技状態に応じた特定情報が取得され、特定情報が常に補充され得る構成となることから、事前に取得した特定情報を用いた遊技性を好適に実現することが可能となる。
なお、上記構成は、以下のように表現してもよい。
「前記第1遊技状態において前記第1取得条件が成立し得るものであり、
前記第2遊技状態において前記第2取得条件が成立し得るものであることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機」。
特徴B4.前記第1遊技状態において前記第1特定情報に基づく前記第1特定抽選が行われた場合、前記第2特定情報記憶手段に記憶されている前記第2特定情報のうち、当該ゲームにて前記第2特定抽選が行われていた場合に当該第2特定抽選の対象となる前記第2特定情報を前記第2特定情報記憶手段から消去し、
前記第2遊技状態において前記第2特定情報に基づく前記第2特定抽選が行われた場合、前記第1特定情報記憶手段に記憶されている前記第1特定情報のうち、当該ゲームにて前記第1特定抽選が行われていた場合に当該第1特定抽選の対象となる前記第1特定情報を前記第1特定情報記憶手段から消去する消去手段(主制御装置101におけるステップS4301~ステップS4309の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1遊技状態において第1特定情報に基づく第1特定抽選が行われた場合、第2特定情報も消費され、第2遊技状態において第2特定情報に基づく第2特定抽選が行われた場合、第1特定情報も消費される。つまり、特定抽選の対象となっていない側の特定情報も消費され、遊技状態に関わらず、ゲームの進行に合わせて特定情報が消費される構成となる。このようにすることで、例えば、取得済みの第2遊技状態用の第2特定情報が遊技者にとって好ましくないものである場合において、その第2特定情報が保持されることによって、第2遊技状態へ移行しても嬉しくない状況が延々と継続してしまう、といった事象が生じないようになる。言い換えると、例えば、取得済みの第2遊技状態用の第2特定情報が遊技者にとって好ましいものである場合において、その第2特定情報が保持されることによって、第2遊技状態へ移行しても嬉しい状況が延々と継続するわけではなく、その第2特定情報が消費されるよりも前に第2遊技状態への移行を生じさせる必要がある、といった遊技性が実現される。
特徴B5.前記第1遊技状態において前記第1特定情報に基づく前記第1特定抽選が行われた場合、前記第2特定情報記憶手段に記憶されている前記第2特定情報を保持し、
前記第2遊技状態において前記第2特定情報に基づく前記第2特定抽選が行われた場合、前記第1特定情報記憶手段に記憶されている前記第1特定情報を保持する保持手段(主制御装置101におけるステップS4201~ステップS4205の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1遊技状態において第1特定情報に基づく第1特定抽選が行われた場合、第2特定情報は消費せず、第2遊技状態において第2特定情報に基づく第2特定抽選が行われた場合、第1特定情報は消費されない。つまり、特定抽選の対象となっていない側の特定情報は消費されず、遊技状態によって消費される特定情報が異なる構成となる。このようにすることで、例えば、取得済みの第2遊技状態用の第2特定情報によって、次の第2遊技状態での第2特定抽選の期待度を示唆することが可能となる。例えば、取得済みの第2特定情報が好ましいものであれば、その示唆によって第2遊技状態への移行が生じるまで遊技を継続するであろうし、取得済みの第2特定情報が好ましいものでは無ければ、更に次の第2遊技状態への移行を期待しながら遊技を行わせることも可能である。
ここで、第1特定抽選や第2特定抽選は、特定情報と、そのゲームの抽選結果とを利用して行うものであることから、上記のように第2特定情報が好ましいものではなくても、そのゲームの結果によっては第2特定抽選の結果が異なり得るものであり、第2特定抽選への望みが完全に断たれるわけではない。そのため、上記のようにしたとしても、遊技への意欲が削がれにくく、且つ、第2特定情報が好ましいものである場合の優れた効果を期待できる。
特徴B6.前記第1取得条件と前記第2取得条件とは同じゲームにて成立し得るものであることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定情報と第2特定情報とは同じゲームにて取得される場合があるようになる。このようにすることで、例えば、第1遊技状態にて第1特定情報が消費され、且つ第2特定情報の空きがある場合や、第2遊技状態にて第2特定情報が消費され、且つ第1特定情報の空きがある場合には、第1特定情報と第2特定情報とを1のゲームにて補充することが可能となる。よって、特定情報が枯渇してしまう事象を好適に回避できるようになる。
特徴B7.前記第1特定抽選手段は、前記抽選手段による抽選結果のうちの第1結果(例えば、強スイカ)と前記第1特定情報のうちの第1結果対応第1特定情報(例えば、通常用ATカウンタCAの65)と、を用いて前記第1特定抽選を行った場合に前記特定結果となるように設定されており、
前記第2特定抽選手段は、前記抽選手段による抽選結果のうちの前記第1結果と前記第2特定情報のうちの前記第1結果対応第1特定情報に対応する第1結果対応第2特定情報(例えば、通常用ATカウンタCAの65に対応するBB用ATカウンタCBの65)と、を用いて前記第2特定抽選を行った場合に前記特定結果とならないように設定されていることを特徴とする特徴B1乃至B6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定情報取得手段により第1結果対応第1特定情報が取得されている場合、ゲームの抽選結果が第1結果となれば特定抽選に当選となる構成において、第1遊技状態では上記のようにゲームの抽選結果が第1結果となれば特定抽選に当選となるものの、第1結果対応第1特定情報に対応する第1結果対応第2特定情報が第2特定情報取得手段に取得されている場合、第2遊技状態においてゲームの抽選結果が第1結果となっても特定抽選に当選とならない。このような構成とすることで、同じような特定情報(第1結果対応第1特定情報と第1結果対応第2特定情報)であっても、遊技状態によって特定抽選の当否が異なることとなり、遊技状態に合わせて特定情報を別途用意する意義が高められるし、どちらの特別情報として第1結果対応のものが取得されたかに多いに関心を寄せさせることが可能となる。
なお、「前記第1結果対応第1特定情報に対応する第1結果対応第2特定情報」とは、「前記第1特定情報と前記第2特定情報との更新範囲が同じ」であることを前提として、「前記第1結果対応第1特定情報の値と同じ値となる第1結果対応第2特定情報」と表現してもよく、また、「前記第1特定情報と前記第2特定情報との更新範囲が異なる」ことを前提として、「前記第2特定情報の値を前記第1特定情報の更新範囲にて換算した場合の値が、前記第1結果対応第1特定情報の値と同じ値となる第1結果対応第2特定情報」と表現してもよい。
特徴B8.前記第1特定抽選手段は、前記抽選手段による抽選結果のうちの第2結果(例えば、強チェリー)と前記第1特定情報のうちの第2結果対応第1特定情報(例えば、通常用ATカウンタCAの1)と、を用いて前記第1特定抽選を行った場合に前記特定結果となるように設定されており、
前記第2特定抽選手段は、前記抽選手段による抽選結果のうちの前記第2結果と前記第2特定情報のうちの前記第2結果対応第1特定情報に対応する第2結果対応第2特定情報(例えば、通常用ATカウンタCAの1に対応するBB用ATカウンタCBの1)と、を用いて前記第2特定抽選を行った場合に前記特定結果となるように設定されていることを特徴とする特徴B1乃至B7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定情報取得手段により第2結果対応第1特定情報が取得されている場合、ゲームの抽選結果が第2結果となれば特定抽選に当選となる構成において、第1遊技状態では上記のようにゲームの抽選結果が第2結果となれば特定抽選に当選となり、第2結果対応す第1特定情報に対応する第2結果対応第2特定情報が第2特定情報取得手段に取得されている場合、第2遊技状態においてゲームの抽選結果が第2結果となれば特定抽選に当選となる。このようにすることで、同じような特定情報(第2結果対応第1特定情報と第2結果対応第2特定情報)が取得されている場合、遊技状態によって特定抽選の当否が共通なものであるといった構成を前提としながら、例えば特徴B7のように、同じような特定情報であっても遊技状態によっては特定抽選の当否が異なる、といった意外性のある構成の効果を高めることが可能となる。よって、両遊技状態用にそれぞれ特定情報を別途用意することを利用した遊技の遊技性を高めることが可能となる。
特徴B9.前記第1特定情報記憶手段により記憶されている前記第1特定情報についての第1特定報知(通常用保留表示領域Draにおける保留表示)を所定の報知手段(補助表示部65)にて実行可能な第1特定報知手段(表示制御装置81による通常用保留表示領域Draに保留表示としての特別画像を表示させる処理を実行する機能)と、
前記第2特定情報記憶手段により記憶されている前記第2特定情報についての第2特定報知(BB用保留表示領域Drbにおける保留表示)を所定の報知手段(補助表示部65)にて実行可能な第2特定報知手段(表示制御装置81によるBB用保留表示領域Drbに保留表示としての特別画像を表示させる処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、取得済みの第1遊技状態用の第1特定情報と第2遊技状態用の第2特定情報とを、遊技者はそれぞれ第1特定報知と第2特定報知として確認することが可能となる。これにより、いずれの遊技状態用の特定情報によって特定抽選を受けると有利となるかを把握しながらゲームを進行させることができ、移行条件の成否への関心を高めることが可能となる。
特徴B10.前記第2遊技状態として、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果となる確率が異なる第1特定状態(第1BB状態)と第2特定状態(第2BB状態)とが設けられていることを特徴とする特徴B1乃至B9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、事前取得されている第2遊技状態用の第2特定情報を用いた第2特定抽選が行われる構成において、更に、第2遊技状態は、ゲームの抽選結果が特別結果となる確率が異なる第1特定状態と第2特定状態とが存在し、いずれの特定状態に移行するかによって、取得済みの第2特定情報との関係で特定結果となり易いか否かが異なり得る。このようにすることで、第2特定情報について、遊技状態の移行先にも関心を寄せさせることが可能となり、遊技の重厚化を通じて興趣向上が図られる。
<特徴C群>
特徴C1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特定情報を取得する特定情報取得手段(主制御装置101における乱数取得用処理を実行する機能)と、
前記特定情報取得手段により取得された前記特定情報を、所定数を上限として記憶可能な特定情報記憶手段(主制御装置101における抽選用情報記憶エリア106f)と、
少なくとも前記特定情報記憶手段に記憶された前記特定情報と、前記抽選手段による抽選結果と、を用いて、特定事象(ATモード移行)を生じさせるか否かの特定抽選を実行可能な特定抽選手段(主制御装置101によるATモード移行抽選を実行する機能)と、
前記特定抽選手段による前記特定抽選の抽選結果が前記特定事象の発生に対応する特定結果(ATモード移行当選)であることに基づいて、前記特定事象を生じさせる特定実行手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理を実行する機能)と、
前記特定情報記憶手段により記憶されている前記特定情報が前記所定数に達していない特定状況で、前記取得条件とは異なる特定条件が成立したことに基づいて、前記特定情報を取得可能な第2特定情報取得手段(主制御装置101による初期乱数取得用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段によりゲームの抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が今回のゲームの抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、抽選手段による抽選結果と、第1特定情報取得手段により取得され特定情報記憶手段に記憶されている特定情報と、を用いて特定事象を生じさせるか否かの特定抽選が行われるようにしたため、単に抽選手段による抽選結果と周回体の停止結果との対応付けといった従来のスロットマシンとは全く異なる遊技性が実現される。
そのうえで、上記構成では、特定情報記憶手段に記憶上限である所定数の特定情報が記憶されていない特定状況において、取得条件とは異なる特定条件の成立により特定情報を取得する第2特定情報取得手段を設ける構成とした。このようにすることで、特定情報記憶手段に特定情報が記憶されていない状況を極力減らし、取得済みの特定情報を用いた遊技性を好適に実現することが可能となる。
特徴C2.前記特定条件は、前記始動操作手段による操作に基づき各前記周回体の周回が開始されるよりも前に成立するものであることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
上記構成によれば、ゲームの開始に際して始動操作手段の操作が有効となるよりも前に、第2特定情報取得手段による特定情報の取得が行われることになる。このようにすることで、ゲームの開始に際しては、少なくも第2特定情報取得手段により取得された特定情報を用いた特定抽選を行うことが可能となり、特定抽選を行えないといった事象が生じないようにすることができる。
なお、上記構成は、「前記特定抽選手段は、前記始動操作手段による操作に基づき前記特定抽選を実行する」構成を限定することで、ゲームの開始に際して始動操作手段の操作よりも前に特定情報を取得させる意義がより高められる。
特徴C3.遊技機の電源投入に基づき起動される立ち上げ処理を実行する立ち上げ処理実行手段(主制御装置101によるメイン処理を実行する機能)を備え、
前記特定条件は、前記立ち上げ処理内にて成立し(初期乱数取得用処理は当選確率の設定処理の起動時に実行される)、
前記第2特定情報取得手段は、前記立ち上げ処理内にて前記特定情報を取得することを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
上記構成によれば、電源投入時の立ち上げ処理内で、特定情報の取得が行われるため、立ち上げ処理が終了してゲームが開始され得るようになる際には、特定情報が既に記憶されている状態となる。よって、ゲームに際して特定情報が存在しないことを理由として特定抽選を行えない、といった事象を生じさせないようにすることができる。
特徴C4.前記立ち上げ処理実行手段による前記立ち上げ処理において、少なくとも前記特定情報記憶手段により記憶されている前記特定情報の消去を実行可能な特定消去手段(主制御装置101においてメイン処理中の初期化処理を実行する機能)を備え、
前記特定条件は、前記特定消去手段により前記特定情報の消去処理が行われる際に成立することを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
上記構成によれば、立ち上げ処理にて特定情報が消去される場合に、特定情報の新たな取得が行われる。つまり、特定情報が消去されない場合には、立ち上げ処理にて特定情報を取得する必要性はなく、このように取得の必要性がある場合にだけ取得する構成とすることで、多くの処理が集中する立ち上げ処理における処理負荷をなるべく増やさないようにすることができる。
特徴C5.前記特定条件は、ゲームを進行させるための所定の操作に基づき成立することを特徴とする特徴C1乃至C4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、ゲーム進行の所定の操作に基づき成立するものであり、特定条件成立により特定情報が取得される場合であっても、遊技者による操作が関与することになる。このようにすることで、特定情報を取得させる操作も含めて特定抽選についての遊技とし、遊技者の操作への関与も含め、遊技への関心を寄せさせることが可能となる。
特徴C6.ゲームを進行させるための所定の操作として、第1進行操作(例えば、第1停止ON操作)と、当該第1進行操作よりも後のタイミングであって当該第1進行操作が行われるゲームと同じゲームで行われる第2進行操作(例えば、第2停止ON操作)とを有し、
前記特定条件は、前記第1進行操作が行われることに基づき成立し、且つ、前記第2進行操作が行われることに基づき成立するものであることを特徴とする特徴C5に記載の遊技機。
上記構成によれば、1ゲーム中の各進行操作で、それぞれ特定情報の取得が行われる。このようにすることで、特定情報記憶手段に複数の空き領域が存在する状況で、1ゲームでその空き領域分の特定情報を取得できる可能性が高められるし、しかも、そのいずれの取得についても別々のタイミングでの遊技者の操作が関与することになり、取得操作への関心を寄せさせながら、より早期に取得操作を完了させることが可能となる。
特徴C7.前記特定情報を所定周期で更新可能な第1更新手段(主制御装置101によるタイマ割込み処理にてATカウンタCの更新を行う処理を実行する機能)と、
前記特定条件が成立したことに基づき、前記特定情報の更新処理を実行可能な第2更新手段(主制御装置101によるステップS4404等の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定周期で更新される特定情報を、取得条件ではなく特定条件成立に基づき取得する場合に、その取得が、所定周期による更新が開始されるよりも前であったり、複数取得する場合にその取得周期が所定周期と同期していたり、取得周期が所定周期よりも短かったりする場合に、同じような特定情報が取得されてしまうことを回避することが可能となる。
特に、特徴C2のように、立ち上げ処理内にて特定情報が取得されるような構成においては、その取得タイミングが、第1更新手段による所定周期の更新が開始されるよりも前である可能性があり、そうすると、取得される特定情報は初期値である可能性も生じ得る。その点、上記のように、取得に際して第2更新手段により更新されるようにすることで、このような不都合の発生を回避することができる。
なお、上記構成は、以下のように表現してもよい。
「前記特定情報を所定周期で更新可能な第1更新手段(主制御装置101によるタイマ割込み処理にてATカウンタCの更新を行う処理を実行する機能)と、
前記特定条件が成立したことに基づき、前記第2特定情報取得手段により前記特定情報が取得されるよりも前に、前記特定情報の更新処理を実行可能な第2更新手段(主制御装置101によるステップS4404等の処理を実行する機能)と、
を備えている」。
特徴C8.前記第2特定情報取得手段は、前記特定条件が成立したことに基づき、複数の前記特定情報を取得可能であり、
前記第2更新手段は、前記第2特定情報取得手段が前記特定情報を取得する度に、前記特定情報の更新処理を実行可能であることを特徴とする特徴C7に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定情報取得手段が複数の特定情報を一度に取得可能となるため、特定情報記憶手段の空き領域が複数ある場合には、第2特定情報取得手段によりその空き領域分の特定情報を取得することも可能となる。但し、同じような値の特定情報が取得されてしまうことは好ましくないことは上述の通りであり、その点、上記構成においては、第2特定情報取得手段の取得毎に更新処理が行われるため、このような不都合の発生を回避しながら、複数の特定情報を一度にまとめて取得することが可能となる。
なお、上記構成は、以下のように表現してもよい。
「前記第2特定情報取得手段は、前記特定条件が成立したことに基づき、複数の前記特定情報を取得可能であり、
前記第2更新手段は、前記第2特定情報取得手段が前記特定情報を取得する度に、その取得前に、前記特定情報の更新処理を実行可能である」。
特徴C9.遊技者により操作される所定の操作手段(例えば、ストップスイッチ44)を備え、
前記取得条件は、前記所定の操作手段が操作されたことに基づき成立するものであり、
前記特定条件は、前記所定の操作手段又は別の操作手段(例えば、スタートレバー41)が操作されたことに基づき成立するものであることを特徴とする特徴C1乃至C8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定抽選に用いられる特定情報が、遊技者による所定の操作手段の操作に基づいて取得されることを前提とし、第2特定情報取得手段により特定情報が取得される場合にも所定の操作手段又は別の操作手段の操作に基づき取得される構成としたことから、遊技機側で自動取得される構成と比較して、特定抽選の透明性が担保される。
特徴C10.前記第2特定情報取得手段は、前記特定状況のうち、前記特定情報記憶手段における前記特定情報が記憶されていない空き領域が複数個存在する状況であっても、前記所定の操作手段又は別の操作手段の1回の操作に基づき1個の前記特定情報を取得することを特徴とする特徴C9に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数個の空き領域が存在していても、1回ずつ取得操作を行わせる構成とすることで、特定情報の更新が行われる可能性が高められ、同じような特定情報が取得されることを極力防止することが可能となる。
特徴C11.前記第2特定情報取得手段は、前記所定の操作手段又は別の操作手段の1回の操作に基づき複数個の前記特定情報を取得可能に構成されていることを特徴とする特徴C9に記載の遊技機。
上記構成によれば、例えば、遊技ホールの開店前に管理者等が取得作業を行う場合において、その作業効率を高めることが可能となる。
特徴C12.遊技の所定の抽選に用いられる所定情報(例えば、VBモード移行抽選に用いられる抽選用のカウンタ)を有し、
前記第2特定情報取得手段は、前記所定情報を取得して前記特定情報記憶手段に記憶させることが可能であることを特徴とする特徴C1乃至C11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、例えば、特定情報を取得しようにも更新が間に合っていない等の理由により特定情報を取得できなかった場合や、取得しても意味がない場合、取得するとその値が好ましくない値であろう場合等において、他の所定情報の取得を行う等の代替措置をとることができる。しかも、当該他の所定情報は、遊技の所定の抽選に用いられるものであることから、代替措置の為に専用のものを設けるといった構成と比較して、記憶容量を圧迫しないようにしながら、特定情報を用いた特定抽選を好適に行うことができる。
<特徴D群>
特徴D1.予め定められた第1特定条件が成立したことに基づいて、特定乱数(例えば、ATカウンタC)を取得する第1特定乱数取得手段(主制御装置101における乱数取得用処理を実行する機能)と、
前記第1特定乱数取得手段により取得された前記特定乱数に対応する情報を、所定数を上限として記憶可能な特定乱数記憶手段(主制御装置101における抽選用情報記憶エリア106f)と、
少なくとも前記特定乱数記憶手段に記憶された前記特定乱数に対応する情報を用いて、特定事象(ATモード移行)を生じさせるか否かの特定抽選を実行する特定抽選手段(主制御装置101によるATモード移行抽選を実行する機能)と、
前記特定抽選手段による前記特定抽選の抽選結果が前記特定事象の発生に対応する特定結果(ATモード移行当選)であることに基づいて、前記特定事象を生じさせることが可能な特定実行手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記特定乱数とは異なる所定乱数(例えば、ゲームの抽選処理に用いられる抽選用のカウンタ)を設け、
予め定められた第2特定条件が成立したことに基づいて、前記所定乱数を取得する第2特定乱数取得手段(主制御装置101によるステップS4605の処理を実行する機能)と、
前記第2特定乱数取得手段により取得された前記所定乱数を、前記特定乱数に変換する変換手段(主制御装置101によるステップS4606の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、第1特定条件が成立すると特定乱数が取得されて、所定数を上限として特定乱数記憶手段に記憶されたうえで、その特定乱数に基づいて特定事象を生じさせるか否かの特定抽選が行われる構成において、第2特定条件が成立すると、特定乱数とは異なる所定乱数が取得され、その所定乱数が特定乱数に変換される。
ここで、例えば、特定乱数記憶手段に記憶されていない特定乱数が所定数に満たない状況等においては、速やかに特定乱数を補充することが望ましい。その一方で、同じようなタイミングで(同時に)特定乱数を複数取得しようとすると、同じような特定乱数が取得されてしまい、特定抽選に当選となる特定結果が連続で発生してしまったり、逆に特定結果とならない結果が連続で発生してしまう等、抽選の公平性といった観点からも好ましくない。その点、上記構成では、他の乱数としての所定乱数を取得してそれを特定乱数に変換する構成としたことから、同じような特定乱数が取得されてしまうといった不都合を生じさせにくくしながら、特定乱数の補充を速やかに行うことが可能となる。
特徴D2.予め定められた所定条件が成立したことに基づいて、前記所定乱数を取得する所定乱数取得手段(主制御装置101におけるハード回路がフリーランカウンタから抽選用のカウンタ値をラッチする機能)と、
前記所定乱数取得手段により取得された前記所定乱数に基づいて、前記特定事象とは異なる所定事象(BB状態)を生じさせるか否かの所定抽選を実行する所定抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記所定抽選手段による前記所定抽選の抽選結果が前記所定事象の発生に対応する所定結果(BB当選)であることに基づいて、前記所定事象を生じさせることが可能な所定実行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定乱数は所定事象を生じさせるか否かの所定抽選に用いられるものであり、特定乱数補充用に別途用意されたものではないことが明確化される。このように、既存の構成をうまく利用しながら、特定乱数の補充を速やかに行う構成とすれば、構成の複雑化を生じさせないようにしながらも、特定乱数の補充を速やかに行うことが可能となる。
特徴D3.予め定められた特定周期にて前記特定乱数の更新を行う特定更新手段(主制御装置101によるタイマ割込み処理にてATカウンタCの更新を行う処理を実行する機能)と、
予め定められた所定周期にて前記所定乱数の更新を行う所定更新手段(抽選処理に用いられる抽選用のカウンタの更新を行うハード回路)と、
を備え、
前記特定周期と前記所定周期とが異なる周期であることを特徴とする特徴D1又は特徴D2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定乱数に変換される所定乱数は、特定乱数とは異なる周期で更新されるものとなる。このようにすることで、例えば、初期値が同じものであって、同じタイミングで特定乱数と所定乱数とが取得された場合であっても、異なる値となり易く、その結果、特徴D1にて危惧する、同じような値で特定抽選が行われてしまうといった事象を好適に回避することが可能となる。
特徴D4.前記特定乱数は、初期値(1)から特定最大値(128)までの範囲で更新されるものであり、
前記所定乱数は、初期値(0)から前記特定最大値よりも大きい所定最大値(65535)までの範囲で更新されるものであり、
前記変換手段は、前記所定乱数のうちの第1所定乱数を前記特定乱数のうちの第1特定乱数に変換し、且つ前記所定乱数のうちの前記第1所定乱数とは異なる第2所定乱数を前記第1特定乱数に変換することを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定乱数の数値範囲よりも所定乱数の数値範囲の方が広い構成において、一の値の特定乱数に対して複数の値の所定乱数が対応付けられて変換手段による変換が行われる。このようにすることで、数値範囲の大きい乱数を特定乱数に変換する場合であっても変換先がないといった不都合が生じず、所定乱数を用いた特定乱数の補充を好適に行うことが可能となる。
特徴D5.前記特定乱数は、初期値から特定最大値までの範囲で更新されるものであり、
前記所定乱数は、初期値から前記特定最大値よりも小さい所定最大値までの範囲で更新されるものであり、
前記変換手段は、前記所定乱数のうちの第1所定乱数を前記特定乱数のうちの第1特定乱数に変換し、且つ前記所定乱数のうちの前記第1所定乱数を前記第1特定乱数とは異なる第2特定乱数に変換することが可能であり、
前記第1所定乱数を前記第1特定乱数に変換する割合と前記第2特定乱数に変換する割合とが予め定められていることを特徴とする特徴D1乃至D4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定乱数の数値範囲よりも所定乱数の数値範囲の方が狭い構成において、一の値の所定乱数に対して複数の値の特定乱数が対応付けられて変換手段による変換が行われ、どの特定乱数に変換するかの割合が予め定められている。このようにすることで、数値範囲の小さい乱数を特定乱数に変換する場合において、変換先を決定するための処理をその都度行う必要がなく、処理負荷を増大化させないようにしながら、所定乱数を用いた特定乱数の補充を好適に行うことが可能となる。
特徴D6.前記所定乱数として種類の異なる第1所定乱数(例えば、抽選処理に用いられる抽選用のカウンタ)及び第2所定乱数(例えば、VBモード移行抽選に用いられる抽選用のカウンタ)を有していることを特徴とする特徴D1乃至D5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、特定乱数に変換され得る所定乱数を複数種類設ける構成とすることで、特定乱数記憶手段に複数の空き領域がある場合等、より効率よく特定乱数の補充を行うことが可能となる。
特徴D7.種類の異なる前記所定乱数として、前記所定数から1を減算した数以上の前記所定乱数が設けられていることを特徴とする特徴D6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定乱数が特定乱数記憶手段に1つも記憶されていない状況であっても、特定乱数をそのまま取得・記憶するものも含めて、1度に上限記憶数である所定数の乱数を取得・記憶可能となる。これにより、より早期に特定乱数の補充を行うことが可能となる。
特徴D8.種類の異なる前記所定乱数として、前記所定数と同数の前記所定乱数が設けられていることを特徴とする特徴D6又は特徴D7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定乱数が特定乱数記憶手段に1つも記憶されていない状況であっても、1度に上限記憶数である所定数の乱数を取得・記憶可能となる。しかも、所定数と同数の所定乱数が設けられているため、仮に特定乱数が取得できない又は取得しても意味のない状況であっても、他の所定乱数にて代替可能となる。これにより、より早期に特定乱数の補充を行うことが可能となる。
特徴D9.前記第1所定乱数の更新周期は、前記第2所定乱数の更新周期よりも短いものであり、
前記第2特定乱数取得手段は、前記第1所定乱数を前記第2所定乱数よりも先に取得することが可能な構成であることを特徴とする特徴D6乃至D8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、更新周期の短い所定乱数(第1所定乱数)が先に取得されるため、例えば、取得時に初期値から更新されていない状況といったように、取得して特定乱数に変換してもいつも同じ値になってしまう、といった不都合が生じにくくなる。
<特徴E群>
特徴E1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常遊技状態(通常区間)と、当該通常遊技状態よりも遊技者にとって有利となり易い第1特定遊技状態(有利区間)と、を設け、
前記第1特定遊技状態に含まれる状態として、当該第1特定遊技状態における他の状態よりも遊技者にとって有利となり易い第2特定遊技状態(ATモード)が設定されており、
前記通常遊技状態において、前記第1特定遊技状態へ移行させるか否かの第1移行抽選を実行する第1移行抽選手段(主制御装置101による有利区間移行抽選を実行する機能)と、
前記第1移行抽選手段による前記第1移行抽選の抽選結果が前記第1特定遊技状態へ移行させることに対応する第1移行結果(有利区間当選)であることに基づいて、前記第1特定遊技状態へ移行させる第1特定移行手段(主制御装置101による有利区間へ移行させるための処理を実行する機能)と、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特定情報(ATカウンタC)を取得する特定情報取得手段(主制御装置101における乱数取得用処理を実行する機能)と、
前記特定情報取得手段により取得された前記特定情報を記憶可能な特定情報記憶手段(主制御装置101における抽選用情報記憶エリア106f)と、
少なくとも前記特定情報記憶手段に記憶された前記特定情報と、前記抽選手段による抽選結果と、を用いて、前記第2特定遊技状態へ移行させるか否かの第2移行抽選を実行する第2移行抽選手段(主制御装置101によるATモード移行抽選を実行する機能)と、
前記第2移行抽選手段による前記第2移行抽選の抽選結果が前記第2特定遊技状態へ移行させることに対応する第2移行結果(ATモード当選)であることに基づいて、前記第2特定遊技状態へ移行させる第2特定移行手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理を実行する機能)と、
前記特定情報記憶手段により記憶されている所定の特定情報を、当該所定の特定情報が前記第2移行抽選の対象となるよりも前に特定可能な先特定手段(例えば、表示制御装置81による保留表示用処理を実行する機能、主制御装置101によるステップS4802等の処理を実行する機能)と、
前記先特定手段による特定結果に対応する特定報知を、所定の報知手段(補助表示部65)にて実行可能な特定報知実行手段(表示制御装置81による保留表示用処理において特別画像を表示させる処理を実行する機能、主制御装置101による特別報知用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段によりゲームの抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が今回のゲームの抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、遊技者にとって通常遊技状態よりも有利となり易い第1特定遊技状態が設けられており、その第1特定遊技状態に含まれる状態として更に有利な第2特定遊技状態が設けられているため、通常遊技状態から第1特定遊技状態へ移行させ、第2特定遊技状態を目指す、といったように段階的に有利となる状態移行を前提とした遊技性が実現され、興趣向上に大いに役立てることが可能となる。しかも、第2特定遊技状態への第2移行抽選は、特定情報取得手段により事前取得された特定情報と、抽選手段による抽選結果と、を用いて行われるものであるから、単に抽選手段による抽選結果と周回体の停止結果との対応付けといった従来のスロットマシンとは全く異なる遊技性が実現される。
そして、その事前取得されている特定情報に関する特定報知が、その特定情報についての特定抽選が行われるよりも前に所定の報知手段にて実行される場合がある。このようにすることで、例えば、そのゲームにおける抽選結果がどのような結果となれば第2移行抽選に当選するかといった情報を把握したうえで、そのゲームの抽選に臨ませることが可能となる。よって、通常遊技状態から第1特定遊技状態へ移行させ、第2特定遊技状態へ移行させるといった遊技における最終目標的な第2特定遊技状態への移行抽選に関し、強烈なドキドキ感を提供しながら遊技を行わせることが可能となる。よって、興趣向上が図られる。
特徴E2.前記特定情報取得手段は、前記通常遊技状態にて前記特定情報を取得可能な構成であることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定遊技状態において第2特定遊技状態へ移行させるか否かの第2移行抽選に用いられる特定情報を、第1特定遊技状態への移行前である通常遊技状態にて取得することが可能となる。このようにすることで、特定情報を事前取得しておいて、その事前取得した特定情報についての特定報知を行う構成において、特定報知を行うべき状況となったのにもかかわらず、特定報知のもととなる特定情報が取得されていない、といった事象を生じさせないようにすることができるし、第2移行抽選用の特定情報を第2移行抽選が行われる第1特定遊技状態よりも前に取得する、といった斬新な遊技性が実現される。
特徴E3.前記特定情報記憶手段に記憶された前記特定情報が、前記第2移行抽選に利用されるか否かに関わらず、ゲームが行われる度に最も古い前記特定情報を消去可能な消去手段(主制御装置101によるステップS3401等の処理において実行エリアAEのATカウンタCをクリアする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1又は特徴E2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定情報記憶手段に記憶されている特定情報はゲームの進行に合わせて消去される構成であり、第2移行抽選が行われないからといって延々と記憶保持されるわけではないことが明確化される。このようにすることで、特定情報を事前取得したうえで第2移行抽選にて利用する構成において、特定情報を常に最新のものとすることができる。よって、第2移行抽選が行われるタイミング(ゲーム)によって、特定情報が刻一刻と異なることとなり、第1移行抽選の当否結果だけでなく第1移行抽選の当選タイミングや第1移行抽選に当選となって第1特定遊技状態へ移行するタイミングまで、遊技に関与させることができ、遊技の重厚化とともに遊技の興趣向上が図られる。
特徴E4.前記特定報知実行手段は、前記特定報知として、前記所定の特定情報を用いて前記第2移行抽選を行う場合、前記第2移行結果となる又は前記第2移行結果となり易い前記抽選手段による抽選結果に対応する報知を実行することが可能であることを特徴とする特徴E1乃至E3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、取得済みの特定情報について、抽選手段による抽選結果がどのような結果であれば第2移行結果となるか又は第2移行結果となり易いかが特定報知から把握可能となる。このようにすることで、各ゲームでの抽選結果へ、その結果に対応する特典以上に高い関心が寄せられるようになり、遊技の興趣向上が図られる。
特徴E5.前記抽選手段による抽選結果が特別結果(例えば、強チェリー)となる確率が異なる第1遊技状態(通常遊技状態、第1BB状態、第4RT状態A)と第2遊技状態(いずれかのBB状態、第2BB状態、第4RT状態B)とが設定されており、
前記第2移行抽選手段は、前記特定情報と、前記抽選手段による抽選結果として前記特別結果と、を用いて、前記第2移行抽選を実行可能であり、
前記特定報知の対象となる前記特定情報が、前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態のいずれにて前記第2移行抽選の対象となるべきかの情報を含む状態報知(状況表示)を行うことが可能な手段(表示制御装置81による状況表示開始処理や状況表示更新処理を実行する機能、主制御装置101による特別報知用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者は、遊技状態の移行を生じさせるべきか否かを、第2移行抽選の対象となる特定情報についての特定報知に加えて状態報知から把握することが可能となる。このようにすることで、通常遊技状態から第1特定遊技状態へ移行させ、第2特定遊技状態への移行を生じさせるか否かの第2移行抽選を受けることが可能となる、といった遊技に、更に第1遊技状態と第2遊技状態とのいずれにて第2移行抽選を受けるべきかといった要素が追加され、各状態の移行によって刻一刻と第2移行抽選の当選確率等が変化し得るような複雑な遊技において、その理解を補助することができる。これにより、遊技に慣れていない遊技者に対しても、その複雑な遊技性を容易に理解させながら、遊技を楽しんでもらうことが可能となる。
特徴E6.ゲームの進行に合わせて前記状態報知の更新を行うことが可能な手段(表示制御装置81による状況表示更新処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E5に記載の遊技機。
上記構成によれば、各状態の移行によって刻一刻と第2移行抽選の当選確率等が変化し得るような遊技において、状態報知はゲームの進行に合わせて更新される。このようにすることで、状態報知により遊技の理解を手助けする効果をより高めることが可能となる。
特徴E7.前記抽選手段による抽選結果が予め定められた移行結果(第1BB当選、第2BB当選)であり、前記有効位置に当該移行結果に対応する移行用の絵柄組合せが停止することで、遊技状態を特別遊技状態(第1BB状態、第2BB状態)へ移行させる特別状態移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知実行手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記移行結果となることで、前記特定報知を実行することを特徴とする特徴E1乃至E6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技状態が特別状態へ移行することとなる移行結果として所謂ボーナスが設定されており、ボーナス当選となることで、特定報知が行われるようになる。このようにすることで、通常遊技状態から第1特定遊技状態へ移行させ、更に第2特定遊技状態へ移行させる遊技性に、更にボーナス当選を目指す遊技性が追加されるとともに、その第2特定遊技状態への移行し易さを示す特定報知が、ボーナス当選により行われる、といったように、両遊技性を関連付けながら興趣向上が図られる。
特徴E8.前記抽選手段による抽選結果が予め定められた移行結果(第1BB当選、第2BB当選)であり、前記有効位置に当該移行結果に対応する移行用の絵柄組合せが停止することで、遊技状態を特別遊技状態(第1BB状態、第2BB状態)へ移行させる特別状態移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せが停止するまで、前記移行結果に当選している情報を留保可能な手段(主制御装置101によるボーナス当選フラグを持ち越す処理を実行する機能)と、
前記特定情報に基づく前記第2移行抽選を、前記特別遊技状態中のゲームにて実行した場合に当該第2移行抽選の結果が前記第2移行結果とならない又は第2移行結果となりにくいことが前記先特定手段により特定された場合、前記移行用の絵柄組合せを停止させないようにすることの報知を所定の報知手段(補助表示部65)にて実行可能な手段(表示制御装置81による入賞遅延表示を行うための処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技状態が特別状態へ移行することとなる移行結果として所謂ボーナスが設定されており、ボーナス当選した場合において、事前取得している特定情報により第2移行抽選を行ったとして、そのボーナス状態中に第2移行結果とならないことや第2移行結果となりにくいことが特定されると、ボーナス状態への移行を生じさせないようにするための報知が行われる。このように、特定情報が随時消費されて更新される構成において、ボーナス状態において第2移行結果となり易い特定情報が取得されるまで、そのボーナス状態への移行を遅延させれば、そのボーナス状態中に第2移行結果となる期待度を高めることが可能となる。
特徴E9.前記先特定手段は、前記所定の特定情報が前記第2移行抽選の対象となるよりも前であって前記第1特定遊技状態において、当該所定の特定情報を特定可能であることを特徴とする特徴E1乃至E8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、通常遊技状態から第1特定遊技状態へ移行させ、第2特定遊技状態へ移行させるといった遊技において、第1特定遊技状態において、第2特定遊技状態へ移行させるか否かの第2移行抽選に関する情報の一部が特定報知により把握可能となる。つまり、第1移行抽選に当選することで、先特定手段による先特定が行われて第2移行抽選についての特定報知が行われる。このようにすることで、通常遊技状態から第1特定遊技状態へ移行させ、第1特定遊技状態から第2特定遊技状態へ移行させるといった、複数の段階を経て第2特定遊技状態へ移行させる遊技性の意義に反しない範囲で、特定報知を行うことが可能となる。
特徴E10.前記先特定手段は、前記所定の特定情報が前記第2移行抽選の対象となるよりも前であって、前記第1特定遊技状態へ移行する前の前記通常遊技状態において、当該所定の特定情報を特定可能であることを特徴とする特徴E1乃至E9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、通常遊技状態から第1特定遊技状態へ移行させ、第2特定遊技状態へ移行させるといった遊技において、通常遊技状態において、第2特定遊技状態へ移行させるか否かの第2移行抽選に関する情報の一部が特定報知により把握可能となる。つまり、仮に第1特定遊技状態へ移行させることができたならば、更に第2特定遊技状態への移行が生じ得るかどうかといった内容を、第1特定遊技状態移行前に把握可能となるものである。このようにすることで、上記のような段階的な移行を経る遊技機において、実際には第1特定遊技状態への移行が生じなくても、第2特定遊技状態への移行が生じるのかどうか、といった皮算用をさせることが可能となり、遊技者の遊技意欲を掻き立てることができる。
特徴E11.前記特定報知実行手段は、前記第1移行抽選の抽選結果が前記第1移行結果となるよりも前に、前記特定報知を実行可能であることを特徴とする特徴E10に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴E9の構成において、特定報知が第1特定遊技状態への移行前であり、しかも、第1特定遊技状態への移行抽選に当選するよりも前に行われ得る。このようにすることで、通常遊技状態から第1特定遊技状態へ移行させ、更に第2特定遊技状態へ移行させるといった遊技における、出発点となる通常遊技状態の楽しみを増やすことが可能となる。
特徴E12.前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第2結果とを有し、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を所定の報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7)にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備え、
前記第2特定遊技状態は、前記態様報知手段による態様報知が実行され得る状態であることを特徴とする特徴E1乃至E11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作態様のナビを発生させる第2特定遊技状態への移行を生じさせることで、遊技者にとっての有利度が変化し得る構成において、その第2特定遊技状態への移行を生じさせるか否かの第2移行抽選に、事前取得される特定情報が用いられることになる。このように、停止操作態様のナビを用いた遊技に関し、その抽選用の特定情報が事前取得される、といった斬新な遊技性を創出することが可能となる。
<特徴F群>
特徴F1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特別結果(例えば、強チェリー、チェリーリプレイ、スイカリプレイ)となる確率が異なる第1遊技状態(例えば、通常遊技状態)と第2遊技状態(例えば、第1BB状態や第2BB状態、第4RT状態Aや第4RT状態B)と、が設定されており、
所定契機に基づいて、前記第1遊技状態から前記第2遊技状態へと移行させる遊技状態移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理やRT状態処理を実行する機能)を備える遊技機であって、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特定情報(ATカウンタC)を取得する特定情報取得手段(主制御装置101における乱数取得用処理を実行する機能)と、
前記特定情報取得手段により取得された前記特定情報を記憶可能な特定情報記憶手段(主制御装置101における抽選用情報記憶エリア106f)と、
少なくとも前記特定情報記憶手段に記憶された前記特定情報と、前記抽選手段による抽選結果のうちの前記特別結果と、を用いて、特定事象(ATモード移行)を生じさせるか否かの特定抽選を実行する特定抽選手段(主制御装置101によるATモード移行抽選を実行する機能)と、
前記特定抽選手段による前記特定抽選の抽選結果が前記特定事象の発生に対応する特定結果(ATモード移行当選)であることに基づいて、前記特定事象を生じさせることが可能な特定実行手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理を実行する機能)と、
前記第1遊技状態から前記第2遊技状態への移行が可能となる以前の状況である特定状況において、前記特定情報記憶手段に記憶されている前記特定情報に基づいて、当該第2遊技状態への移行が生じた場合の前記特定抽選に関する特定報知を、所定の報知手段(補助表示部65)にて実行可能な特定報知実行手段(表示制御装置81による保留表示用処理において特別画像を表示させる処理を実行する機能、主制御装置101による特別報知用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段によりゲームの抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が今回のゲームの抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、抽選手段による抽選結果と、特定情報取得手段により取得され特定情報記憶手段に記憶されている特定情報と、を用いて特定事象を生じさせるか否かの特定抽選が行われるようにしたため、単に抽選手段による抽選結果と周回体の停止結果との対応付けといった従来のスロットマシンとは全く異なる遊技性が実現される。
しかも上記構成では、抽選手段による抽選結果が特別結果となる確率が異なる第1遊技状態と第2遊技状態とが設けられており、第1遊技状態から第2遊技状態への移行が可能となる以前の状況である特定状況において、取得済みの特定情報に基づいて、第2遊技状態において実行される特定抽選に関する特定報知が所定の報知手段にて実行されるようにした。このようにすることで、例えば、第2遊技状態へ移行させて各ゲームの抽選内容が異なることによって特定抽選が有利なものとなるか否かが、第2遊技状態移行前に把握可能となる等、第1遊技状態の遊技性が劇的に高められる。よって、興趣向上を好適に図ることが可能となる。
特徴F2.前記特定報知実行手段は、前記第2遊技状態において前記特定抽選が行われる場合の前記特定情報についての報知を、複数の前記特定情報についてまとめた報知として前記特定報知を実行可能であることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2遊技状態において特定抽選が行われる場合の特定情報の特定報知が、複数の特定情報についてまとめて行われる。第1遊技状態から第2遊技状態への移行が可能となるといった、遊技者が遊技に集中するであろうポイントにおいて、各特定情報について個別に報知してしまうと、かえって注意が分散されてしまう可能性があるところ、上記構成のようにすることで、注目すべき箇所を集約化することを通じて、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。また、上記のように複数の特定情報についてまとめて報知すれば、各特定情報に対応するゲームの期待感を均等化することが可能となり、それぞれのゲームの注目度をまんべんなく高めることができる。
特徴F3.前記特定報知実行手段は、前記特定情報記憶手段により記憶されている各前記特定情報に基づいて前記第2遊技状態においてそれぞれ行われる前記特定抽選のいずれかで前記特定結果となることの期待度に関する報知を前記特定報知として実行可能であることを特徴とする特徴F1又は特徴F2に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行が可能となる第2遊技状態において特定抽選が行われた場合に、その特定抽選にて特定結果となることの期待度を、第2遊技状態移行前に把握することができる。このようにすることで、第2遊技状態への移行を生じさせることが好ましいことであるかといった判断を遊技者が行うことが可能となり、当該移行前の特定状況の遊技性が高められる。
特徴F4.前記特定報知実行手段は、前記特定情報記憶手段に記憶されている前記特定情報のうち、前記特別結果を利用した前記特定抽選手段による前記特定抽選の結果が前記特定結果となる場合の前記特定情報の個数に対応する報知を、前記特定報知として実行することが可能であることを特徴とする特徴F1乃至F3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果を用いた特定抽選でどのような特定情報が特定結果となるかといった情報さえあらかじめ記憶しておけば、特定報知に際して、その特定情報の個数を数えるだけで良く、比較的簡素な構成にて第2遊技状態移行前の特定報知を実現することが可能となる。
特徴F5.前記特定報知実行手段は、前記第2遊技状態において前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果となる確率を踏まえて前記特定報知を実行可能であることを特徴とする特徴F4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果を用いた特定抽選で特定結果となる特定情報の個数だけでなく、特別結果の当選確率も踏まえて特定報知が行われる。このようにすることで、実際に第2遊技状態にてどのような確率で特別結果となり、特定情報を用いた特定抽選にて特定結果となるかを事前にある程度予測することが可能となる。
特徴F6.前記第2遊技状態として、第1特定状態(第4RT状態A)と第2特定状態(第4RT状態B)とが設定されており、
前記第1特定状態と前記第2特定状態とで、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果となる確率が異なっていることを特徴とする特徴F1乃至F5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定抽選に付される特別結果の当選確率が異なれば、特定抽選にて特定結果となる確率も異なり得る。このような構成において、特定報知実行手段によりこれら第1特定状態や第2特定状態において特定抽選が行われた場合の特定報知が行われるようにしたことから、いずれの特定状態に移行するかによって特定結果となる確率が異なり得る特定抽選の内容を、状態移行前に遊技者に把握させることが可能となる。
特徴F7.前記特別結果として、第1特別結果(チェリーリプレイ)と第2特別結果(スイカリプレイ)とが設けられており、
前記第1特定状態では、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特別結果よりも前記第1特別結果となり易く、
前記第2特定状態では、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果よりも前記第2特別結果となり易いことを特徴とする特徴F6に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定状態への移行が生じると第1特別結果に基づく特定抽選が行われ易く、第2特定状態への移行が生じると第2特別結果に基づく特定抽選が行われ易くなる。そうすると、第1特別結果に対応する特定情報が取得されているのか、それとも第2特別結果に対応する特定情報が取得されているのかによって、移行すべき特定状態が異なることになる。このようにすることで、事前取得されている特定情報との関係で、遊技状態の移行先を異ならせるといった遊技性を好適に実現することが可能となる。
特徴F8.前記第1特別結果と前記特定情報のうちの第1特定情報とを用いて前記特定抽選が行われた場合に前記特定結果となり、前記第1特別結果と前記特定情報のうちの前記第1特定情報とは異なる第2特定情報とを用いて前記特定抽選が行われた場合に前記特定結果とならないように設定されている一方、
前記第2特別結果と前記第2特定情報とを用いて前記特定抽選が行われた場合に前記特定結果となり、前記第2特別結果と前記第1特定情報とを用いて前記特定抽選が行われた場合に前記特定結果とならないように設定されていることを特徴とする特徴F7に記載の遊技機。
上記構成によれば、事前取得されている特別情報が第1特定情報か第2特定情報かによって、第1特別結果となった場合と第2特別結果となった場合との特定抽選の結果が異なるようになる。このような構成とすることで、いずれの特定情報が取得されているかによって移行すべき特定状態の種類も異なることとなり、特定報知の重要性がより高められる。
特徴F9.前記特定状況において、前記第1特定状態と前記第2特定状態とのいずれにも移行が可能となることを特徴とする特徴F6乃至F8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知が行われる特定状況において、いずれの特定状態にも移行が可能となることから、第1特定状態と第2特定状態とのいずれに移行させると有利かといった内容を特定報知から把握可能となり得る。
特徴F10.前記所定契機として、前記抽選手段による抽選結果が第1移行結果となることで前記第1特定状態への移行が可能となり、前記抽選手段による抽選結果が第2移行結果となることで前記第2特定状態への移行が可能となる構成であり、
前記抽選手段による抽選結果として、前記第1移行結果と前記第2移行結果との重複結果が設けられていることを特徴とする特徴F9に記載の遊技機。
上記構成は、特徴F9の具体的構成である。
特徴F11.前記特定状況において、前記第1特定状態及び前記第2特定状態のいずれに移行させるかを遊技者が選択可能に構成されていることを特徴とする特徴F9又は特徴F10に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状況において、特定報知に従って、いずれの特定状態へ移行させるかを遊技者が選択可能となる。これにより、事前取得される特定情報を用いた特定抽選に関し、その特定抽選の内容を事前にある程度把握したうえで、移行先の特定状態を遊技者が選択して移行させることができる。
特徴F12.前記所定契機として、前記抽選手段による抽選結果が第1移行結果となることで前記第1特定状態への移行が可能となり、前記抽選手段による抽選結果が第2移行結果となることで前記第2特定状態への移行が可能となる構成であり、
前記抽選手段による抽選結果として、前記第1移行結果と前記第2移行結果との重複結果が設けられており、
前記抽選手段による抽選結果が前記重複結果である場合、前記停止操作手段が第1の停止操作態様にて操作されることで前記第1特定状態への移行が生じ、前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様にて操作されることで前記第2特定状態への移行が生じることを特徴とする特徴F11に記載の遊技機。
上記構成は、特徴F11の具体的構成である。
特徴F13.前記所定契機は、前記抽選手段による抽選結果が所定の移行結果(移行リプレイ1当選、移行リプレイ2当選)となることで生じるものであり、
前記特定報知実行手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記所定の移行結果となるゲームよりも前のゲームにおいて、当該抽選手段による抽選結果が前記所定の移行結果となった場合の前記第2遊技状態における前記特定抽選に関する前記特定報知を実行可能である(例えば、図127の状態A演出、状態B演出、状態C演出)ことを特徴とする特徴F1乃至F12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状況は第2遊技状態への移行が可能となるよりも前の状況となり、その移行が可能となるよりも前において、移行が可能となった場合の特定報知が行われることになる。このようにすることで、第2遊技状態への移行が可能となることが、遊技者にとって有利なことか否かを把握しながら、第2遊技状態の移行が生じる所定の移行結果となることを期待させることができる。
特徴F14.前記特別結果を利用した前記特定抽選手段による前記特定抽選の結果が前記特定結果となる場合の前記特定情報は、前記第1遊技状態と前記第2遊技状態とで共通している(例えば、図116のチェリーリプレイやスイカリプレイに対応付けられているATカウンタC)ことを特徴とする特徴F1乃至F13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定抽選のパラメータのうち、特定抽選に利用される抽選手段による抽選結果が特別結果となる確率は第1遊技状態と第2遊技状態とで異なるものの、特定情報については、第1遊技状態と第2遊技状態とが共通のものとなる。このようにすることで、遊技状態毎に特定情報の対応付け(抽選テーブル)を行わなくても、特定抽選の当選確率を異ならせることが可能となる。これにより、特定報知を行ううえで、特別結果となる確率を把握する等、比較的簡素な構成で特定抽選に関する特定報知を事前に行うことができる。
<特徴G群>
特徴G1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特定情報(ATカウンタC)を取得する特定情報取得手段(主制御装置101における乱数取得用処理を実行する機能)と、
前記特定情報取得手段により取得された前記特定情報を記憶可能な特定情報記憶手段(主制御装置101における抽選用情報記憶エリア106f)と、
少なくとも前記特定情報記憶手段に記憶された前記特定情報と、前記抽選手段による抽選結果と、を用いて、特定事象(ATモード移行)を生じさせるか否かの特定抽選を実行する特定抽選手段(主制御装置101によるATモード移行抽選を実行する機能)と、
前記特定抽選手段による前記特定抽選の抽選結果が前記特定事象の発生に対応する特定結果(ATモード移行当選)であることに基づいて、前記特定事象を生じさせることが可能な特定実行手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記抽選手段による抽選結果として、所定の遊技状態において当選確率が相対的に高低となる高当選結果(例えばチェリーRTにおけるチェリーリプレイ)と低当選結果(例えばチェリーRTにおけるスイカリプレイや強チェリー)とが設定されており、
前記特定情報記憶手段に記憶されている所定の特定情報について、前記高当選結果と当該所定の特定情報とを用いて前記特定抽選が行われた場合の当該特定抽選の結果に対応する情報を、当該所定の特定情報が前記特定抽選の対象となるよりも前に特定可能な先特定手段(主制御装置101による特定報知用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段によりゲームの抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が今回のゲームの抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、抽選手段による抽選結果と、特定情報取得手段により取得され特定情報記憶手段に記憶されている特定情報と、を用いて特定事象を生じさせるか否かの特定抽選が行われるようにしたため、単に抽選手段による抽選結果と周回体の停止結果との対応付けといった従来のスロットマシンとは全く異なる遊技性が実現される。
しかも上記構成では、事前取得された所定の特定情報について、各ゲームの抽選結果のうちの比較的当選し易い高当選結果に当選した場合を想定した特定抽選の結果に対応する情報が、当該所定の特定情報が特定抽選の対象となるよりも前に特定される。このようにすることで、事前取得される特定情報と、各ゲームの抽選結果とを利用して行われる特定抽選について、その結果をある程度精度よく予測することが可能となる。よって、例えば、その予測結果に基づいて報知内容を変更したり、その予測結果に基づいて抽選内容を変更したりする等することが可能となる。よって、遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
特徴G2.前記高当選結果は、前記所定の遊技状態における前記抽選手段による抽選結果のうちで、最も前記特定結果となる契機となり易い結果であることを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定抽選において最も当選契機となり易い抽選手段による抽選結果が高当選結果となり、このような結果を用いて特定抽選の結果を予測する構成とすることで、その予測精度を向上させることが可能となる。
特徴G3.前記所定の遊技状態において、前記特定抽選が前記高当選結果を利用して行われた場合に前記特定結果となる確率よりも、前記特定抽選が前記低当選結果を利用して行われた場合に前記特定結果となる確率のほうが高いことを特徴とする特徴G1又は特徴G2に記載の遊技機。
上記構成によれば、高当選結果よりも低当選結果を利用した特定抽選のほうが特定結果となる確率は高くなる。その一方で、高当選結果のほうが抽選手段による抽選結果としてなり易く、結果として特定抽選に付される機会は多くなる。このような関係となっている抽選結果のうちの高当選結果を利用して特定抽選の結果を予測するようにすることで、実際に起こり得る結果に近い結果となり易くなる。
特徴G4.遊技状態として第1遊技状態(通常遊技状態)と第2遊技状態(第4RT状態)とを有し、
前記所定の遊技状態は前記第2遊技状態であり、
前記高当選結果は、前記第1遊技状態と前記第2遊技状態とで当選確率が異なる結果であり、
前記先特定手段は、前記第2遊技状態にて前記特定抽選が行われた場合の当該特定抽選の結果に対応する情報を、前記第1遊技状態において特定可能であることを特徴とする特徴G1乃至G3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、当選確率が異なることとなる遊技状態の移行を加味しながら先特定手段による特定抽選の特定が行われる。このようにすることで、特定抽選の結果を遊技状態の移行も踏まえながら精度よく予測することが可能となる。
特徴G5.前記高当選結果は、
前記第2遊技状態において前記抽選手段による抽選結果のうちで最も前記特定抽選による抽選結果が前記特定結果となる契機となり易い結果であり、
前記第1遊技状態において前記抽選手段による抽選結果のうちで最も前記特定抽選による抽選結果が前記特定結果となる契機となり易い結果ではないことを特徴とする特徴G4に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2遊技状態においては特定抽選において最も当選契機となり易い抽選手段による抽選結果が高当選結果となり、このような結果を用いて特定抽選の結果を予測する構成とすることで、その予測精度を向上させることが可能となる。その一方、第2遊技状態への移行前である第1遊技状態においては、特定抽選において最も当選契機となり易い抽選手段による抽選結果ではない。つまり、先特定手段による特定抽選の結果の予測は、第2遊技状態においては精度よく行えることが可能である一方、第1遊技状態においては第2遊技状態のそれよりは精度が落ちることになる。このように、先特定手段による特定について第2遊技状態用にうまくカスタマイズすることで、汎用の予測手段と比較してその予測精度を高め易くなる。
特徴G6.前記先特定手段による特定結果に基づき、前記高当選結果と前記所定の特定情報とを用いて前記特定抽選が行われた場合の当該特定抽選の結果に対応する特定報知を、所定の報知手段にて実行可能な特定報知実行手段(主制御装置101による特別報知用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴G1乃至G5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、先特定手段による特定抽選の予測結果を、遊技者は把握可能となり、その予測結果を把握したうえで遊技を行うことが可能となる。このようにすることで、特定抽選の予測を遊技性に反映させることが可能となる。
特徴G7.前記特定報知実行手段は、前記高当選結果と前記所定の特定情報とを用いて前記特定抽選が行われた場合の当該特定抽選の結果が前記特定結果となる回数に応じて、前記特定報知の報知態様を異ならせることが可能であることを特徴とする特徴G6に記載の遊技機。
上記構成では、所定の遊技状態において当選し易い高当選結果と、事前取得されている特定情報とを用いて特定抽選を行った場合、特定結果となるであろう回数を特定し、その回数に応じて特定報知の報知態様が異ならせる。このようにすることで、例えば特定結果となるであろう回数が多いことに対応する報知態様の特定報知が行われれば、その後、特定結果となり易いことが予測可能となるし、逆に、特定結果となるであろう回数が少ないことに対応する報知態様の特定報知が行われれば、その後、特定結果となりにくいことが予測可能となる。
特徴G8.前記特定報知実行手段は、前記高当選結果と前記所定の特定情報とを用いて前記特定抽選が行われた場合の当該特定抽選の結果が前記特定結果となることが前記先特定手段により特定された当該所定の特定情報に対応するゲームを、他の特定情報に対応するゲームと識別困難となるように前記特定報知を実行可能であることを特徴とする特徴G6又は特徴G7に記載の遊技機。
上記構成によれば、高抽選結果となれば特定結果となることが予測されるゲームが識別困難となる。このようにすることで、どのゲームで高抽選結果となればよいかがわかりにくくなり、その特定報知の対象となっているゲーム全体に亘る注目度を高めることが可能となる。
特徴G9.前記特定報知実行手段は、前記高当選結果と前記所定の特定情報とを用いて前記特定抽選が行われた場合の当該特定抽選の結果が前記特定結果となることが前記先特定手段により特定された当該所定の特定情報に対応するゲームを、他の特定情報に対応するゲームと識別可能となるように前記特定報知を実行可能であることを特徴とする特徴G6又は特徴G7に記載の遊技機。
上記構成によれば、高抽選結果となれば特定結果となることが予測されるゲームが識別可能となる。このようにすることで、どのゲームで高抽選結果となればよいかがわかり易くなり、そのゲームの注目度を集中的に高めることが可能となる。
<特徴H群>
特徴H1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特定乱数(ATカウンタC)を取得する特定乱数取得手段(主制御装置101における乱数取得用処理を実行する機能)と、
前記特定乱数取得手段により取得された前記特定乱数を記憶可能な特定乱数記憶手段(主制御装置101における抽選用情報記憶エリア106f)と、
少なくとも前記特定乱数記憶手段に記憶された前記特定乱数と、前記抽選手段による抽選結果と、を用いて、特定事象(ATモード移行)を生じさせるか否かの特定抽選を実行する特定抽選手段(主制御装置101によるATモード移行抽選を実行する機能)と、
前記特定抽選手段による前記特定抽選の抽選結果が前記特定事象の発生に対応する特定結果(ATモード移行当選)であることに基づいて、前記特定事象を生じさせることが可能な特定実行手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理を実行する機能)と、
前記特定乱数記憶手段により記憶されている所定の特定乱数と、当該所定の特定乱数とは異なるものであって、前記特定乱数記憶手段により記憶されている他の特定乱数と、を利用する演算処理を実行可能な特定演算手段(主制御装置101によるATカウンタCの積算処理を実行する機能)と、
前記特定演算手段による演算結果に対応する特定報知を、所定の報知手段(補助表示部65)にて実行可能な特定報知実行手段(表示制御装置81による積算値情報用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段によりゲームの抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が今回のゲームの抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、抽選手段による抽選結果と、特定乱数取得手段により取得され特定乱数記憶手段に記憶されている特定乱数と、を用いて特定事象を生じさせるか否かの特定抽選が行われるようにしたため、単に抽選手段による抽選結果と周回体の停止結果との対応付けといった従来のスロットマシンとは全く異なる遊技性が実現される。
しかも上記構成では、記憶されている所定の特定乱数と他の特定乱数との演算処理が特定演算手段により行われたうえで、その演算結果に対応する特定報知が所定の報知手段により実行される場合がある。演算処理とは、具体的には、積算処理や平均化処理、減算処理等が挙げられ、数値情報(特定乱数)を用いる抽選において、その演算処理の結果は、その抽選の当否結果を予測するうえで役立つ情報となり得る。より詳しくは、例えば、小さい値の数値情報ほど(大きい値の数値情報ほど)当選し易くなるものであれば、積算処理の結果は全体的に当選し易いものか否かを判断するうえで大いに役立つものとなる。また、例えば、数値情報が所定の数値であれば当選するものであれば、平均化処理は、その所定の数値に近いか否かを判断するうえで大いに役立つものとなる。更に、例えば、減算処理の結果が小さい値であれば、似通った数値情報が取得されていると判断され、仮にその数値情報が当たりに対応するものであれば連荘する可能性が高くなるし(外れに対応するものであればいずれも外れとなる可能性が高くなり)、逆に、減算処理の差分が大きいものであれば、取得済みの数値情報のバラツキが大きく、連荘する可能性よりもどちらかで当選する可能性が高くなる、といったように減算処理の結果もその後の遊技内容の予測を行ううえでの有益な情報となり得る。
よって、特定乱数を用いた特定抽選に関し、演算処理の結果から特定抽選に当選し易い状況か否かを事前に予測することが可能となる等、遊技者が遊技を進めるうえで有益となり得る情報が提供されることになり、遊技の面白みが向上する。
特徴H2.前記特定演算手段は前記演算処理として、前記所定の特定乱数と、前記他の特定乱数との積算処理を行うことが可能であることを特徴とする特徴H1に記載の遊技機。
上記構成によれば、演算処理のうちの比較的処理負荷の低い積算処理を設定することで、処理負荷の増大化を回避しながら、その演算結果を特定抽選の結果の予測等に役立てることが可能となる。ちなみに、例えば、特定乱数が大きい値ほど特定抽選に当選し易かったり、特定乱数が小さい値ほど特定抽選に当選し易かったりする構成においては、所定の特定乱数と他の特定乱数との積算値は、所定の特定乱数と他の特定乱数とのいずれかで特定抽選の当選し易さを予測するうえで大いに役立つ情報となる。
特徴H3.小さい値の前記特定乱数ほど前記特定抽選において前記特定結果となり易い構成、又は大きい値の前記特定乱数ほど前記特定抽選において前記特定結果となり易い構成であることを特徴とする特徴H2に記載の遊技機。
上記構成のような遊技機に特徴H2の構成を適用することで、演算処理として積算処理を行うことの利点が活かされることになる。
特徴H4.前記抽選手段による抽選結果として第1結果(例えばチェリーリプレイ)を利用して行われる前記特定抽選において、小さい値の前記特定乱数ほど前記特定結果となり易く、前記抽選手段による抽選結果として前記第1結果とは異なる第2結果(例えばスイカリプレイ)を利用して行われる前記特定抽選において、大きい値の前記特定乱数ほど前記特定結果となり易い構成であることを特徴とする特徴H3に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技結果によって特定乱数が大きいほど特定結果となり易かったり、特定乱数が小さいほど特定結果となり易かったりし、このような構成とすることで、積算処理の結果によって特定抽選に全く期待できないといった事象が生じにくくなる。
特徴H5.遊技状態として第1遊技状態(第4RT状態A)と第2遊技状態(第4RT状態B)とが設けられており、
前記第1遊技状態においては、前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果となる確率が前記第2結果となる確率よりも高く、
前記第2遊技状態においては、前記抽選手段による抽選結果が前記第2結果となる確率が前記第1結果となる確率よりも高くなるように設定されていることを特徴とする特徴H4に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技状態によって積算処理の結果が大きい値となるほど特定結果となることに期待できるようになったり、積算処理の値が小さい値となるほど特定結果となることに期待できるようになったりする。このようにすることで、積算処理の結果に対応する特定報知を行う構成において、その特定報知から移行すべき(移行させるべき)遊技状態も把握させることが可能となる。よって、事前取得される特定乱数を用いた特定抽選を利用する遊技において、遊技状態の要素も追加され、当該遊技の興趣向上が図られる。
特徴H6.前記特定乱数は、初期値から最大値の更新範囲で更新される構成であり、
前記特定乱数が、前記更新範囲に含まれる範囲である特定範囲(例えば、1~13)に含まれる値である場合、前記特定抽選により前記特定結果となり易くなる構成であることを特徴とする特徴H1乃至H5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定乱数が特定範囲に含まれる値であれば特定結果となり易いように設定されているため、例えば、その特定範囲に含まれる値となっている特定乱数の個数を計測する等の演算処理を行う構成とすれば、比較的簡素な構成にて、取得済みの各特定乱数が当選となり易いものか否かの判断を行うことが可能となる。よって、演算処理の結果の特定報知をより有益なものとすることが可能となる。
特徴H7.前記特定演算手段は、前記特定範囲に含まれる値の前記特定乱数の個数を前記演算処理として数えることが可能であることを特徴とする特徴H6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定乱数が特定範囲に含まれる値であれば特定結果となり易い構成において、特定演算手段は、演算処理として特定範囲内の特定乱数の個数を数える処理を行う。このようにすることで、特定乱数記憶手段に記憶されている特定乱数のうち、特定結果となり易い特定乱数の個数を、特定報知から把握することが可能となる。
特徴H8.前記特定演算手段は、前記特定乱数記憶手段に記憶されている全ての前記特定乱数について前記演算処理を実行することを特徴とする特徴H1乃至H7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成は、取得済みの特定乱数のうち、所定のものをピックアップして演算処理を行うのではなく、全ての特定乱数を演算処理に供する構成となる。このようにすることで、特定報知が、事前取得されているいずれの特定乱数に対応するものかが、わかりにくくなり、その結果、これらの特定乱数に対応する各ゲームのいずれについてもまんべんなく注目度を高めることが可能となる。
<特徴I群>
特徴I1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特定情報(ATカウンタC)を取得する特定情報取得手段(主制御装置101における乱数取得用処理を実行する機能)と、
前記特定情報取得手段により取得された前記特定情報を記憶可能な特定情報記憶手段(主制御装置101における抽選用情報記憶エリア106f)と、
少なくとも前記特定情報記憶手段に記憶された前記特定情報と、前記抽選手段による抽選結果と、を用いて、特定事象(ATモード移行)を生じさせるか否かの特定抽選を実行する特定抽選手段(主制御装置101によるATモード移行抽選を実行する機能)と、
前記特定抽選手段による前記特定抽選の抽選結果が前記特定事象の発生に対応する特定結果(ATモード移行当選)であることに基づいて、前記特定事象を生じさせることが可能な特定実行手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理を実行する機能)と、
前記特定情報記憶手段に記憶されている所定の特定情報に基づいて、当該所定の特定情報が前記特定抽選の対象となるよりも前に、前記特定抽選に当選し易い状況である特定状態に対応する報知を、所定の報知手段(補助表示部65)にて実行可能な特定報知実行手段(表示制御装置81によるCZモード用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段によりゲームの抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が今回のゲームの抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、抽選手段による抽選結果と、特定情報取得手段により取得され特定情報記憶手段に記憶されている特定情報と、を用いて特定事象を生じさせるか否かの特定抽選が行われるようにしたため、単に抽選手段による抽選結果と周回体の停止結果との対応付けといった従来のスロットマシンとは全く異なる遊技性が実現される。
しかも上記構成では、事前取得された所定の特定情報に基づいて、その所定の特定情報が特定抽選の対象となるよりも前に、特定抽選に当選し易い状況である特定状態に対応する報知が行われる場合がある。このようにすることで、事前取得された所定の特定情報を利用した特定抽選が行われる遊技性において、特定結果となり易いことを、事前に察知することが可能となり、毎ゲーム実施される抽選手段による抽選結果を利用した遊技性とは別次元の、新たな遊技性の創出に寄与することが可能となる。
特徴I2.前記特定情報取得手段は、前記取得条件が成立したゲームでの前記抽選手段による抽選結果に関わらず、前記特定情報の取得を行うことを特徴とする特徴I1に記載の遊技機。
上記構成によれば、事前取得される特定情報を利用した遊技において、各ゲームの抽選結果は、特定抽選を行う際のゲームの抽選結果は関与するものの、その事前取得される際のゲームの抽選結果は関与しないことになる。このようにすることで、各ゲームの抽選結果によって事前取得される特定情報が把握されてしまうといった事象が回避されるし、特定情報に基づいて報知される特定状態の意外性を高めることが可能となる。
特徴I3.前記特定報知実行手段は、前記特定情報記憶手段に記憶されている所定の特定情報に基づいて、前記抽選手段による抽選結果に関わらず、前記特定状態の報知を行うことを特徴とする特徴I1又は特徴I2に記載の遊技機。
上記構成によれば、事前取得される特定情報に基づいて、特定抽選に当選し易くなる特定状態の報知を行う遊技において、各ゲームの抽選結果は、特定抽選を行う際のゲームの抽選結果は関与するものの、特定状態の報知にはゲームの抽選結果が関与しないことになる。このようにすることで、各ゲームの抽選結果によっては、特定状態に期待が持てない、といった事象が生じないし、報知される特定状態の意外性を高めることが可能となる。
特徴I4.前記特定報知実行手段は、前記特定情報記憶手段に記憶されている複数の所定の特定情報に基づいて、前記特定状態の報知を行うことが可能であることを特徴とする特徴I1乃至I3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、単に特定抽選に当選し易い特定情報が1つ取得されれば特定状態の報知が行われるのではなく、複数の特定情報に基づいて特定状態の報知が行われる。このようにすることで、特定状態として特定抽選に当選し易い状態を設けた意義を高め、複数のゲームに亘る注目度向上効果を期待できるようになる。
特徴I5.前記特定情報記憶手段は、予め定められた所定数の前記特定情報を記憶可能な構成であり、
前記特定報知実行手段は、前記特定状態の報知を前記所定数以上のゲーム継続可能なように行うことを特徴とする特徴I1乃至I4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定情報記憶手段に記憶されている特定情報のいずれが特定抽選に当選し易いか、といった情報がわかりにくくなるし、特定状態の報知が開始された時点で事前取得されている特定情報の全てに関心を寄せさせることが可能となる。
特徴I6.前記抽選手段による抽選結果が特別結果である場合において、前記特定状態とそうではない状態とで、前記特定抽選の抽選結果が前記特定結果となる前記特定情報は共通していることを特徴とする特徴I1乃至I5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態に設定されても特定抽選の当選確率が高くなるわけではなく、あくまで事前取得されている特定情報が当選に対応するものである等の理由で特定状態の報知が行われる。このようにすることで、所定の抽選の当選確率が高くなる従来の所謂チャンスゾーンとは全く異なる、斬新な状態を創出することが可能となる。
特徴I7.遊技状態として、通常遊技状態(通常区間)と、当該通常遊技状態よりも遊技者にとって有利となり易い第1特定遊技状態(有利区間)と、を設け、
前記第1特定遊技状態に含まれる状態として、当該第1特定遊技状態における他の状態よりも遊技者にとって有利となり易い第2特定遊技状態(ATモード)が設定されており、
前記通常遊技状態において、前記第1特定遊技状態へ移行させるか否かの第1移行抽選を実行する第1移行抽選手段(主制御装置101による有利区間移行抽選を実行する機能)と、
前記第1移行抽選手段による前記第1移行抽選の抽選結果が前記第1特定遊技状態へ移行させることに対応する第1移行結果(有利区間当選)であることに基づいて、前記第1特定遊技状態へ移行させる第1特定移行手段(主制御装置101による有利区間へ移行させるための処理を実行する機能)と、
前記第2特定遊技状態へ移行させるか否かの第2移行抽選を実行する第2移行抽選手段(主制御装置101によるATモード移行抽選を実行する機能)と、
前記第2移行抽選手段による前記第2移行抽選の抽選結果が前記第2特定遊技状態へ移行させることに対応する第2移行結果(ATモード当選)であることに基づいて、前記第2特定遊技状態へ移行させる第2特定移行手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定抽選手段は、前記第2移行抽選手段による前記第2移行抽選を前記特定抽選として実行するものであり、前記特定事象は、前記第2特定遊技状態への移行を生じさせることであることを特徴とする特徴I1乃至I6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利となり易い第1特定遊技状態が設けられており、その第1特定遊技状態に含まれる状態として更に有利な第2特定遊技状態が設けられているため、通常遊技状態から第1特定遊技状態へ移行させ、第2特定遊技状態を目指す、といったように段階的に有利となる状態移行を前提とした遊技性において、その第2特定遊技状態への移行抽選を、事前取得する特定情報に基づいて行う、といった従来にはない遊技を実現することが可能となる。
そのうえで、第2移行抽選に当選し易い状況として所謂チャンスゾーンの報知を、事前取得する特定情報に基づいて行うことで、抽選手段による抽選結果等に基づいてチャンスゾーンが設定されるような従来の遊技機とは全く異なる遊技性となり、例えば従来であればチャンスゾーンに期待が持てないような抽選結果であったとしてもチャンスゾーンとなる、といったように、各ゲームの抽選結果に関わらず、チャンスゾーン(特定状態)への期待感を抱かせることが可能となる。
特徴I8.前記特定報知実行手段は、前記通常遊技状態において前記特定状態の報知を行うことが可能であることを特徴とする特徴I7に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定遊技状態への移行抽選に当選し易くなる特定状態の報知を、第2特定遊技状態への移行抽選が行われる第1特定遊技状態に移行するよりも前の通常遊技状態において行う。このようにすることで、通常遊技状態から第1特定遊技状態へ移行させ、更に第2特定遊技状態へ移行させるといった段階的な移行を経る遊技を前提としながらも、最終段階の第2特定遊技状態への移行が生じやすくなるといった特定状態の報知を初期段階の通常遊技状態にて行うことが可能となり、第1特定遊技状態にすら移行していない状況で第1特定遊技状態に移行した場合の次の第2移行抽選の内容を皮算用させながら遊技を行わせ、通常遊技状態の新たな楽しみを提供することが可能となる。
なお、以上詳述した特徴A群乃至特徴I群の各構成に対して、他の特徴A群乃至特徴I群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以下に上述した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。