<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1~図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば504パルスの駆動信号(以下、励磁パルスともいう。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、21個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、24パルス(=504パルス÷21図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図6には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ21個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0~20まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「赤ベル」図柄(例えば、左リール32Lの7番目)、「白ベル」図柄(例えば、左リール32Lの20番目)、「第1リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)、「第2リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの6番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの10番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの8番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの4番目)、「黒BAR」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「白BAR」図柄(例えば、左リール32Lの17番目)、「LUCKY」図柄(例えば、左リール32Lの5番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの0番目)の11種類がある。そして、図6に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された21個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、上記視認可能となる図柄のうち、各リール32L,32M,32Rそれぞれ1の図柄ずつ、計3つの図柄の組合せを利用して各ゲームの遊技結果が報知される。上記のように3×3=9個の図柄が視認可能となることから、これら3つの図柄の組合せとしては、例えば、図7に示すように、各リール32L,32M,32Rの上段図柄を結んだ上ラインL1に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの中段図柄を結んだ中ラインL2に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの下段図柄を結んだ下ラインL3に停止する各図柄の組合せがある。また、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ右下がりラインL4に停止する各図柄の組合せや、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ右上がりラインL5に停止する各図柄の組合せがある。その他、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの中段図柄を結んだ折れ曲がりラインL6に停止する各図柄の組合せもある。上記のラインL1~L5は各図柄を並べると一直線となるラインであり、折れ曲がりラインL6は各図柄を並べると途中で折れ曲がりが生じるラインである。なお、折れ曲がりが生じるラインに停止する各図柄の組合せとしては、折れ曲がりラインL6以外にもあるが、ここでは説明を省略する。
これらラインL1~L6のうち、メダルのベット数によって有効化されるラインと有効化されないラインとが設定され、有効化されたライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。その一方で、有効化されないライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞は成立せず、上記特典は付与されない。
本スロットマシン10では、図8(a)に示すように右下がりラインL4のみが有効ラインとされる場合と、図8(b)に示すように下ラインL3及び右下がりラインL4の2本の組合せラインが有効ラインとされる場合と、図8(c)に示すように折れ曲がりラインL6のみが有効ラインとされる場合と、がある。より詳しくは、3枚のメダルがベットされてゲームが開始された場合には、右下がりラインL4のみが有効ラインとされ、2枚のメダルがベットされてゲームが開始された場合には、下ラインL3及び右下がりラインL4が有効ラインとされる。また、1枚のメダルがベットされてゲームが開始された場合には、折れ曲がりラインL6のみが有効ラインとされる。上ラインL1,中ラインL2,右上がりラインL5の3本の組合せラインについては、有効ラインとされることがない。以下では、3枚のメダルがベットされて開始されたゲームを3ベットゲーム、2枚のメダルがベットされて開始されたゲームを2ベットゲーム、1枚のメダルがベットされて開始されたゲームを1ベットゲーム、ともいう。
図9~図11は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典と、の対応関係を示す図である。
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1小役入賞~第32小役入賞がある。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第1小役入賞となる。第1小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは9枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
第2小役入賞~第26小役入賞は、入賞となる図柄の組合せがそれぞれ異なるものの、3ベットゲームにおいて、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「白BAR」図柄、「赤7」図柄、「チェリー」図柄、「白ベル」図柄又は「LUCKY」図柄と、右リール32Rの「白BAR」図柄、「青年」図柄、「白ベル」図柄、「赤7」図柄又は「第2リプレイ」図柄と、が上ラインL1上に停止する、すなわち各リール32L,32M,32Rの「ベル」図柄が上ラインL1上に停止する入賞態様である。例えば、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が上段に停止し、中リール32Mの「チェリー」図柄が中段に停止し、右リール32Rの「白BAR」図柄が下段に停止した場合には、第8小役入賞となる。図6に示すように、中リール32Mには、「チェリー」図柄(11番)と上流側の隣接する位置(12番)に「赤ベル」図柄が配置されており、右リール32Rには、「白BAR」図柄(18番)から上流側に1図柄分離れた位置(20番)に「赤ベル」図柄が配置されている。このため、右下がりラインL4上で第8小役入賞が成立する場合には、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄と、が上ラインL1上に停止することとなる。第2小役入賞~第26小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
第27小役は、各リール32L,32M,32Rのうち所定のリールとして左リール32Lの停止図柄によって入賞か否かが決定される役であり、具体的には、左リール32Lの「チェリー」図柄が上段又は下段に停止することで第27小役入賞が成立する。この場合、中リール32M、右リール32Rの停止図柄は入賞判定には影響を及ぼさない。言い換えると、中リール32M、右リール32Rの停止図柄に関わらず、左リール32Lの「チェリー」図柄が上段又は停止すること、すなわち、「チェリー」図柄又は「第2リプレイ」図柄が有効ライン上に停止することで第27小役入賞が成立する。第27小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
第28小役入賞は、左リール32Lの「チェリー」図柄が上段又は下段に停止する場合であって、右下がりラインL4に「チェリー」図柄が揃って停止する場合がある入賞態様である。より詳しくは、左リール32Lに「チェリー」図柄又は「第2リプレイ」図柄、中リール32Mに「赤ベル」図柄、「白ベル」図柄又は「チェリー」図柄、右リール32Rに「チェリー」図柄、「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄が停止すると第28小役入賞となる。第28小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
なお、第27小役と第28小役との関係について補足説明すると、左リール32Lの「チェリー」図柄又は「第2リプレイ」図柄が停止すると中リール32Mと右リール32Rの停止図柄に関わらず第27小役入賞が成立するものの、中リール32Mと右リール32Rの停止図柄によっては第27小役入賞ではなく第28小役入賞が成立する場合がある。すなわち、第27小役入賞となる入賞態様に、第28小役入賞となる入賞態様が含まれる構成であるものの、第27小役入賞と第28小役入賞とは明確に区別されて入賞判定が行われる。
第29小役入賞は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止する入賞態様である。つまり、右下がりラインL4が有効ラインとされる場合、「スイカ」図柄が右下がりに揃って停止することで第29小役入賞が成立する。第29小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
第30小役入賞は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が上ラインL1上に停止する入賞態様である。より詳しくは、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第30小役入賞となる。第30小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「黒BAR」図柄,「青年」図柄,「スイカ」図柄,「第1リプレイ」と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第31小役入賞となる。第31小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは9枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
第32小役入賞~第35小役入賞は、3ベットゲームで成立した場合、3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
第36小役入賞は、遊技者が例えば各リール32L,32M,32Rの「スイカ」図柄を狙ってストップスイッチ42~44を操作していた場合、左リール32Lと中リール32M、又は左リール32Lと右リール32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止する一方、残りのリールの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止しない、所謂スイカテンパイ外れの停止出目となる入賞態様である。第36小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「黒BAR」図柄,「スイカ」図柄,「チェリー」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄,「白ベル」図柄,「青年」図柄と、が有効ライン上に停止した場合、第37小役入賞となる。図6に示すように、左リール32Lには、「赤ベル」図柄(7番)と下流側の隣接する位置(6番)に「第2リプレイ」図柄が配置されており、主な「白ベル」図柄(3番、12番、15番、20番)と下流側の隣接する位置(2番、11番、14番、19番)に「第1リプレイ」図柄が配置されている。右リール32Rには、主な「赤ベル」図柄(2番,5番,12番,20番)と上流側の隣接する位置(3番,6番,16番,0番)に「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄が配置されており、「白ベル」図柄(10番)と上流側の隣接する位置(11番)に「第1リプレイ」図柄が配置されている。このため、右下がりラインL4上で第37小役入賞が成立する場合には、主に、左リール32Lと右リール32Rにおいて「ベル」図柄と「リプレイ」図柄がテンパイする一方で中リール32Mの「ベル」図柄及び「リプレイ」図柄が停止しない、所謂ダブルテンパイ外れの停止出目となる。第37小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「白BAR」図柄,「青年」図柄,「スイカ」図柄,「第1リプレイ」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「第1リプレイ」図柄,「スイカ」図柄,「黒BAR」図柄と、が有効ライン上に停止した場合、第38小役入賞となる。3ベットゲームにおいて左リール32Lの4番の「チェリー」図柄が上段~下段に到達したタイミングで遊技者が左ストップスイッチを操作していた場合、第38小役入賞が成立する場合には、左リール32Lの「赤ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、が中ラインL2上に停止することとなる。第38小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「黒BAR」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第39小役入賞となる。第39小役入賞は、3ベットゲームにおいてのみ成立する入賞態様である。第39小役入賞が成立した場合には、9枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第40小役入賞となる。第40小役入賞は、3ベットゲームにおいてのみ成立する入賞態様である。第40小役入賞が成立した場合には、9枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「黒BAR」図柄又は「チェリー」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第41小役入賞となる。第41小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞としては、第1再遊技入賞~第10再遊技入賞がある。また、第2再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第1RT状態に移行し、第3再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第2RT状態に移行し、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第3RT状態に移行する。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞,第2BB入賞,CB入賞がある。
各リール32L,32M,32Rの「赤7」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第1BB入賞となり、各リール32L,32M,32Rの「白BAR」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第2BB入賞となる。これらBB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。また、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄,「第1リプレイ」図柄,「黒BAR」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、CB入賞となる。CB入賞が成立した場合には、遊技状態がCB状態に移行する。
加えて、入賞とは異なるものの、遊技状態が第1RT状態に移行する停止出目がある。具体的には、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「白BAR」図柄,「LUCKY」図柄,「赤7」図柄,「白ベル」図柄,「チェリー」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄,「第1リプレイ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、遊技状態が第1RT状態に移行する。また、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「白BAR」図柄,「青年」図柄,「白ベル」図柄,「赤7」図柄,「第2リプレイ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合にも、遊技状態が第1RT状態に移行する。以下では、上記各図柄の組合せを移行出目という。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42~44が設けられている。各ストップスイッチ42~44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。
ストップスイッチ42~44には、それぞれストップ検出センサ42a~44a(図12)が接続されており、ストップ検出センサ42a~44aと後述する主制御装置101とが接続されている。そして主制御装置101では、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号に基づいて、ストップスイッチ42~44の操作が行われたことを把握する。具体的には、ストップスイッチ42~44が操作されていない場合には、ストップ検出センサ42a~44aからはLOW信号の検知信号が出力されており、ストップスイッチ42~44が操作されることにより、当該検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。主制御装置101では、かかる信号の切り換わりを把握して、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握する。主制御装置101では、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握した場合には、操作されたスイッチに対応するリールの回転を停止するように制御する。
すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42~44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ56の右方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられており、第1クレジット投入スイッチ56の左方には第3クレジット投入スイッチ58が設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを1枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ58は仮想メダルを一度に2枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56~58は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56~58は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。
第1クレジット投入スイッチ56と第2クレジット投入スイッチ57との間には、演出発生時に操作される演出スイッチ66が設けられている。つまり、演出スイッチ66を挟んで左方には、第1クレジット投入スイッチ56及び第3クレジット投入スイッチ58が設けられており、演出スイッチ66の右方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられている。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60~62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26R下方であって、払出枚数表示部62の右方には、ストップスイッチ42~44の操作順序を報知する押し順表示器と、操作順序を報知することによって小役の入賞率を変化させ遊技者にとって有利な状況で遊技を進行可能となる区間である有利区間を示すための区間表示器と、有する指示モニタ68が設けられている。指示モニタ68については、後に詳細に説明する。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率(設定値)を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図12及び図13のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42~44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a~44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、第1クレジット投入スイッチ56の操作を個別に検出する第1クレジット投入検出センサ56a、第2クレジット投入スイッチ57の操作を個別に検出する第2クレジット投入検出センサ57a、第3クレジット投入スイッチ58の操作を個別に検出する第3クレジット投入検出センサ58a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、指示モニタ68、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、BB状態等の遊技状態を記憶するための状態情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図14参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
図13に示すように、表示制御装置81は、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
表示制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側に上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいて上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65を駆動制御する。つまり、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。
表示制御装置81の入力側には、演出スイッチ66(より詳しくは当該演出スイッチ66の操作を検出する演出スイッチ検出センサ)が接続されている。なお、各種表示部60~62、68も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを説明する。
図14は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msec毎にタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップS102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可するとともに停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a~44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図12参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS108では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61及び払出枚数表示部62にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60~62,68に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS114では、先のステップS101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図15のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップS202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップS203~ステップS215に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップS203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップS204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。具体的には、例えば、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行い、1ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には1枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。
なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理ステップS107にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。
メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56~58の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入スイッチ56~58の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップS205ではメダルのベット数が規定数に達しているか否かを判定する。本スロットマシン10では、CB状態における規定数として「2」が設定されており、CB状態以外の遊技状態(具体的には、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,BB状態)における規定数として「1」及び「3」が設定されている。つまり、CB状態においては、ベット数が「2」となっていることを条件にステップS205にて肯定判定し、CB状態以外ではベット数が「1」又は「3」となっていることを条件にステップS205にて肯定判定する。言い換えると、CB状態以外の遊技状態において、メダルがベットされていない場合、又は、ベットされていてもベット数が「2」である場合にはステップS205にて否定判定する。ベット数が規定数に達していない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
ベット数が規定数に達している場合には、ステップS206にてモード移行報知用処理を実行する。かかる移行報知用処理については後に詳細に説明する。
ステップS206の処理を行った後は、ステップS206の処理結果の情報及びステップS205にて肯定判定することとなったベット数の情報を含むベットコマンドをサブ側の制御装置としての表示制御装置81への出力対象としてセットする。ここでセットされたコマンドは、タイマ割込み処理におけるステップS110にて表示制御装置81へ出力される。ベットコマンドを受信した表示制御装置81の処理については、後に詳細に説明する。
ステップS207の処理を実行した後は、ステップS208にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップS209にてベット数と対応する組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行う。すなわち、3ベットゲームでは、右下がりラインL4のみを有効ラインと設定し、2ベットゲームでは、下ラインL3及び右下がりラインL4を有効ラインと設定する。また、1ベットゲームでは折れ曲がりラインL6を有効ラインと設定する。ステップS210では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップS211の抽選処理、ステップS212のリール制御処理、ステップS213のメダル払出処理、ステップS214のRT状態処理、ステップS215のボーナス状態処理を順に実行し、ステップS203に戻る。
次に、ステップS211の抽選処理について、図16のフローチャートに基づき説明する。
ステップS301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0~65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップS302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、遊技状態として、大別して通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,BB状態,CB状態の6種類の遊技状態を有しており、抽選テーブルは、各遊技状態用にそれぞれ設定されている。
すなわち、ステップS302では、ベット数と状態情報格納エリア106cにセットされている設定フラグとに基づいてスロットマシン10の現在の遊技状態を判別し、ベット数と遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、ベット数が「3」であって、状態情報格納エリア106cに設定フラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判別し、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップS302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
ここで、当選確率の設定に関する処理について補足説明する。
当選確率の設定処理は、電源投入時に主制御装置101にて起動されるメイン処理にて実行される。より詳しくは、当選確率の設定処理は、設定キー挿入孔に設定キーが挿入されてON操作されていることを設定キー検出センサ73aにて検出している状態で、電源投入された場合に、初期化処理の後に起動される。当選確率の設定処理では、所定の操作として、スタートレバー41の操作毎に設定値を1ずつ更新し、例えば、スタートレバー41が1回操作される度に、「設定1」→「設定2」→「設定3」→「設定4」→「設定5」→「設定6」→「設定1」となるように設定値を更新する。なお、各設定値は、例えばクレジット表示部60にて表示され、上記設定値の更新毎にその表示も更新される。そして、設定キー検出センサ73aがOFF操作されたことに基づいて、その時点での設定値を今回の設定値とし、当選確率の設定処理を終了する。当選確率の設定処理の終了に基づいて、クレジット表示部60の表示も終了する。当選確率の設定処理で設定された設定値は、次の当選確率の設定処理が起動されるまで、RAM106に記憶保持される。ステップS302では、この記憶されている設定値に基づいて、抽選テーブルを選択する処理を行うこととなる。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図17は、「設定3」の通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップS303ではインデックス値IVを1とし、続くステップS304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップS305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップS306にて、第1BB、第2BB、CBのいずれかに当選しているか否かを判定する。具体的には、第1BB、第2BB、CBのいずれかを含むインデックス値IV(IV=32~52)にてステップS305で肯定判定したか否かを判定する。ステップS306にて肯定判定した場合には、ステップS307にて対応するボーナス当選フラグ(第1BB当選フラグ、第2BB当選フラグ、CB当選フラグ)を、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を行う。ステップS306にて否定判定した場合、又はステップS307の処理を行った後は、ステップS308にて、ステップS305にて肯定判定したインデックス値IVに応じた各小役の当選フラグを、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を実行する。例えば、IV=32のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS307にて第1BB当選フラグをセットするとともに、ステップS308にて第28小役当選フラグ、第33小役当選フラグ、第35小役当選フラグをセットする。また、IV=15のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS308にて第30小役,第41小役に当選したことを示す当選フラグを当選フラグ格納エリア106aにセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(第1BB当選フラグ)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(第2BB当選フラグ)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のS203参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応する入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグは、複数回のゲームに亘って有効とされる場合がある。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップS306~ステップS308では、第1BB,第2BB,CB以外の役に当選していれば対応する当選フラグをセットし、第1BB,第2BB,CB以外の役に当選していなければ対応する当選フラグをセットしない。
すなわち、例えば、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=32のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1BB当選フラグはセットせず、第28小役当選フラグ、第33小役当選フラグ、第35小役当選フラグをセットする。また、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=33の時に判定値DVが65535を超えた場合、第2BB当選フラグはセットせず、第28小役当選フラグ、第33小役当選フラグ、第35小役当選フラグをセットする。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態における抽選テーブルを別途用意しておき、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態では、当該別途用意した抽選テーブルにて抽選処理を行う構成としてもよい。この場合、当該別途用意した抽選テーブルにおいては、第1BB,第2BB,CBに当選しないように各インデックス値IVやポイント値PV値を設定するとよい。
ステップS305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS309にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS310ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。ちなみに、図17に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、通常リプレイに当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は約7.3分の1、強チェリーに当選となる確率(IV=13の際に当選となる確率)は約300分の1、弱チェリーに当選となる確率(IV=14の際に当選となる確率)は約183分の1である。強スイカに当選となる確率(IV=15の際に当選となる確率)は約300分の1、弱スイカに当選となる確率(IV=16の際に当選となる確率)は約218分の1、チャンスAに当選となる確率(IV=17の際に当選となる確率)は約252分の1、チャンスBに当選となる確率(IV=18の際に当選となる確率)は約252分の1である。中段ベルに当選となる確率(IV=19の際に当選となる確率)は約32800分の1、不問ベルに当選となる確率(IV=20の際に当選となる確率)は約65500分の1である。順押しベル1,順押しベル2,挟み押しベル1,挟み押しベル2に当選となる確率(IV=21~24の際に当選となる確率)はそれぞれ約43.7分の1、中押しベル1,中押しベル2,右押しベル1,右押しベル2に当選となる確率(IV=25~28の際に当選となる確率)はそれぞれ約21.8分の1である。強チェリー重複1に当選となる確率(IV=32の際に当選となる確率)は約21800分の1、強チェリー重複2に当選となる確率(IV=33の際に当選となる確率)は約21800分の1、弱チェリー重複1に当選となる確率(IV=34の際に当選となる確率)は約32800分の1、弱チェリー重複2に当選となる確率(IV=35の際に当選となる確率)は約32800分の1である。強スイカ重複1に当選となる確率(IV=36の際に当選となる確率)は約32800分の1、強スイカ重複2に当選となる確率(IV=37の際に当選となる確率)は約32800分の1である。弱スイカ重複1に当選となる確率(IV=38の際に当選となる確率)は約65500分の1、弱スイカ重複2に当選となる確率(IV=39の際に当選となる確率)は約65500分の1である。チャンスA重複1,チャンスA重複2,チャンスB重複1,チャンスB重複2に当選となる確率(IV=40~43の際に当選となる確率)はそれぞれ約32800分の1である。中段ベル重複1,中段ベル重複2に当選となる確率(IV=44,45の際に当選となる確率)はそれぞれ約21800分の1である。特リプA重複1に当選となる確率(IV=46の際に当選となる確率)は約1010分の1、特リプA重複2に当選となる確率(IV=47の際に当選となる確率)は約1310分の1である。特リプAB重複1に当選となる確率(IV=48の際に当選となる確率)は約1010分の1、特リプAB重複2に当選となる確率(IV=49の際に当選となる確率)は約1310分の1である。第1BB,第2BBに単独当選となる確率(IV=50,51の際に当選となる確率)はそれぞれ約32800分の1である。CBに当選となる確率(IV=52の際に当選となる確率)は約19.9分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約1.96分の1である。
なお、通常遊技状態用抽選テーブルには、IV=2~12,29~31,53~56のポイント値PVに対して0が設定されている。このため、通常遊技状態では、これらのインデックス値IVにおいて当選とならない。
ステップS308にて当選フラグをセットした後、又はステップS310にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップS311に進み、ストップスイッチ42~44の操作を所定期間無効とするフリーズ演出を実行するか否かを決定すべくフリーズ抽選処理を行う。
続くステップS312では、抽選結果対応処理を行う。抽選結果対応処理では、ステップS301~ステップS311の抽選の結果に応じて遊技状態を移行させるか否かの処理や、押し順役の報知用の処理等を行う。当該抽選結果対応処理については、後に詳細に説明する。
ステップS312の処理を実行した後は、ステップS313にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップS110)にて行われる。
そして、ステップS314では、今回のゲームの抽選結果に基づいて各リール32L,32M,32Rに停止可能な図柄を設定する停止情報設定処理を実行する。停止情報設定処理では、ステップS306~ステップS308にてセットされる当選フラグに基づいて、入賞可能な役に応じた停止図柄情報を設定する。例えば、強チェリーに当選(IV=13の際に当選)となり、強チェリー当選フラグがセットされた場合、第28小役、第32小役~第35小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。また、強チェリー重複1に当選(IV=32の際に当選)となり、強チェリー当選フラグ及び第1BB当選フラグがセットされた場合、第28小役、第33小役、第35小役及び第1BB入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。
続くステップS315では、ステップS314にて複数の停止可能な図柄情報が設定された場合に、その優先順位を設定する優先設定処理を実行する。例えば、小役,再遊技,ボーナスの各役種のうち複数の役種に当選している場合、以下に示す優先順位を設定する。小役とボーナスに当選している場合には、小役入賞が優先して成立するように、小役入賞を成立させることができない場合にボーナス入賞が成立するようにして、優先順位を設定する。再遊技とボーナスに当選している場合には、再遊技入賞が優先して成立するようにして優先順位を設定する。
例えば、強チェリー重複1に当選し、第28小役、第33小役、第35小役及び第1BB入賞に対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第28小役、第33小役、第35小役入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。また、特リプA重複1に当選し、第9再遊技及び第1BB入賞に対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第9再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。そして、例えば、第1BB当選が持ち越された状況で、通常リプレイに当選し、第1BB入賞及び第1再遊技入賞に対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第1再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
ここで、再遊技に当選している場合、当選している再遊技のうちのいずれかの再遊技が必ず入賞するように、入賞となる図柄の組合せが設定されている。つまり、再遊技に当選している場合には再遊技入賞が必ず成立し、取りこぼしは発生しない。そのため、再遊技とボーナスとの停止図柄情報の設定が行われている場合、設定されている再遊技のいずれかの再遊技入賞が必ず成立し、ボーナス入賞が成立することがない。
また、複数の小役や複数の再遊技が重複して当選となる場合、いずれの小役又は再遊技に対応する図柄が有効ラインに停止するかは、停止操作が行われたタイミングによって異なる。例えば、強スイカに当選し、第30小役及び第41小役入賞に対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、上記のとおり、第30小役と第41小役とで、左リール32Lの対象図柄は「スイカ」図柄で共通している。そのため、左リール32Lの停止操作のタイミングによっては、いずれの小役入賞が成立するかは決定されない。一方、中リール32M及び右リール32Rの対象図柄は、第30小役ではいずれも「赤ベル」図柄であり、第41小役では中リール32Mが「チェリー」図柄及び「黒BAR」図柄であり、右リール32Rが「スイカ」図柄である。例えば、3ベットゲームにおいて、中リール32Mでは、4番目の「スイカ」図柄から7番目の「赤ベル」図柄が中段に到達したタイミングで中ストップスイッチ43の停止操作が行われた場合、第30小役の対象図柄である7番目の「赤ベル」図柄と、第41小役の対象図柄である「黒BAR」図柄のいずれの図柄についても、有効ライン上である中段に停止させることが可能となる。この場合、本実施形態では、スベリ数の少ない図柄を優先して停止するように、停止図柄情報の設定が行われる。その結果、上記の場合、「赤ベル」図柄が中段に停止するように停止駆動制御が行われ、第41小役入賞は成立しないようになり、第30小役が入賞可能となる。
一方、中リール32Mにおいて、8番目の「黒BAR」図柄から12番目の「赤ベル」図柄が中段に到達したタイミングで中ストップスイッチ43の停止操作が行われた場合、第41小役の対象図柄である8番目の「黒BAR」図柄及び11番目の「チェリー」図柄と、第30小役の対象図柄である12番目の「赤ベル」図柄のいずれの図柄についても、中段に停止させることが可能となる。この場合も、スベリ数の少ない図柄を優先して停止するように停止図柄情報の設定が行われるため、8番目の「黒BAR」図柄又は11番目の「チェリー」図柄が中段に停止し、第30小役入賞は成立しないようになり、第41小役が入賞可能となる。
右リール32Rについても同様であり、右ストップスイッチ44の停止操作が行われたタイミングによって、第30小役の対象図柄である「赤ベル」図柄と第41小役の対象図柄である「スイカ」図柄とでスベリ数の少ない図柄が有効ラインである下段に停止するように停止図柄情報の設定が行われる。なお、右リール32Rにおいて、6番目の「第1リプレイ」図柄及び7番目の「黒BAR」図柄が有効位置に到達したタイミングで、右ストップスイッチ44の停止操作が行われた場合、「スイカ」図柄及び「赤ベル」図柄のいずれも停止させることができず、この場合、いずれの小役入賞も成立せずに所謂取りこぼしとなる。
ステップS315の処理を実行した後は、ステップS316にて区間表示第1処理を実行してから、抽選処理を終了する。区間表示第1処理は、指示モニタ68の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
次に、ステップS212のリール制御処理について、図18のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップS401において回転演出処理を行う。回転演出処理は、上記ステップS311にて行ったフリーズ抽選処理の結果等に基づいて、無効期間中のリール制御を用いた演出を行うための処理である。回転演出処理については、後に詳細に説明する。続くステップS402では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップS106)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、各ストップスイッチ42~44の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップS403では、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42~44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップS404に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップS403に戻り、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップS405にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップS406~ステップS412に示す停止制御処理を行う。
ステップS406では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42~44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップS407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0~4のいずれかの値を算出する。その後、ステップS408では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS409では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS410にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップS411では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップS412にて停止情報第2設定処理を行い、ステップS403に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=24~31の際に当選となった場合すなわち順押しベル1,順押しベル2,挟み押しベル1,挟み押しベル2,中押しベル1,中押しベル2,右押しベル1,右押しベル2(以下、これらを総称して「押し順ベル」ともいう。)に当選となった場合(図17参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図19は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えば中押しベル1に当選している場合には、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合に第2小役入賞、第7小役入賞又は第9小役入賞が成立するよう停止情報を設定し、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合に第1小役入賞が成立するよう停止情報を設定し、右ストップスイッチ44が最初に操作された場合に第2小役入賞、第7小役入賞又は第9小役入賞が成立するよう停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、CB状態以外の遊技状態(3ベットゲーム)において、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42~44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができ、右下がりラインL4のみが有効ラインとして設定される。このため、各リール32L,32M,32Rに同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されている場合には、ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。一方、5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている図柄に関しては、有効ライン上に停止させる場合に遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42~44を操作する必要がある。
中押しベル1に当選となり、左ストップスイッチ42→中ストップスイッチ43→右ストップスイッチ44の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第2小役入賞、第7小役入賞又は第9小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lにおける第2小役図柄は、「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄である。また、「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄は、第7小役図柄としての機能も有しており、第9小役図柄としての機能も有している。左リール32Lには、第2小役図柄同士(第7小役図柄同士、第9小役同士)の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が停止する。例えば左リール32Lの4番の「チェリー」図柄が中段に到達しているタイミングで左ストップスイッチ42が操作された場合には、図20(a)に示すように、7番の「赤ベル」図柄が上段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第2小役入賞、第7小役入賞又は第9小役入賞の成立する余地が残る。
中リール32Mの第2小役図柄は「白BAR」図柄である。中リール32Mには、「白BAR」図柄が18番の位置にのみ配置されている。また、中リール32Mの第7小役図柄は「赤7」図柄である。中リール32Mには、「赤7」図柄が14番の位置にのみ配置されている。そして、中リール32Mの第9小役図柄は「チェリー」図柄である。中リール32Mには、「チェリー」図柄が11番の位置にのみ配置されている。このため、中ストップスイッチ43の操作タイミングによって、第2小役図柄、第7小役図柄又は第9小役図柄が有効ライン上に停止したり、第2小役図柄、第7小役図柄及び第9小役図柄のいずれも有効ライン上に停止しなかったりする。
具体的には、13番の「第1リプレイ」図柄~17番の「第1リプレイ」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合、第2小役図柄たる「白BAR」図柄が中段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第2小役入賞の成立する余地が残る。9番の「第2リプレイ」図柄~13番の「第1リプレイ」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合、図20(b)に示すように、第7小役図柄たる「赤7」図柄が中段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第7小役入賞の成立する余地が残る。6番の「白ベル」図柄~10番の「青年」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合、第9小役図柄たる「チェリー」図柄が中段に停止する。他のタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合には、中リール32Mを4図柄分滑らせた後に停止させたとしても第2小役図柄、第7小役図柄及び第9小役図柄を中段に停止させることができない。かかるタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合には、2番の「LUCKY」図柄又は6番の「白ベル」図柄が中段に停止する。
中リール32Mの第7小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第7小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
右リール32Rの第7小役図柄は「白ベル」図柄である。右リール32Rには、「白ベル」図柄が10番の位置にのみ配置されている。このため、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第7小役図柄が有効ライン上に停止したり停止しなかったりする。具体的には、6番の「第1リプレイ」図柄~10番の「白ベル」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合、図20(c)に示すように、第7小役図柄たる「白ベル」図柄が下段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第7小役入賞が成立する。他のタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、「スイカ」図柄又は「第1リプレイ」図柄が下段に停止する。例えば、3番の「第2リプレイ」図柄が下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、図20(d)に示すように、4番の「スイカ」図柄が下段に停止する。左から「赤ベル」図柄,「赤7」図柄,「スイカ」図柄の組合せは、図11に示すように移行出目である。
中リール32Mの第9小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第9小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
右リール32Rの第9小役図柄は「青年」図柄である。右リール32Rには、「青年」図柄が15番の位置に配置されている。このため、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第9小役図柄が有効ライン上に停止したり停止しなかったりする。具体的には、11番の「第1リプレイ」図柄~15番の「青年」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合、第9小役図柄たる「青年」図柄が下段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第9小役入賞が成立する。他のタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、「スイカ」図柄又は「第1リプレイ」図柄が下段に停止する。左から「白ベル」図柄(「赤ベル」図柄),「チェリー」図柄,「スイカ」図柄(「第1リプレイ」図柄)の組合せは、図11に示すように移行出目である。
中リール32Mの第2小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第2小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
右リール32Rの第2小役図柄は「白BAR」図柄である。右リール32Rには、「白BAR」図柄が18番の位置に配置されている。このため、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第2小役図柄が有効ライン上に停止したり停止しなかったりする。具体的には、14番の「スイカ」図柄~18番の「白BAR」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合、第2小役図柄たる「白BAR」図柄が下段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第2小役入賞が成立する。他のタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、「スイカ」図柄又は「第1リプレイ」図柄が下段に停止する。左から「白ベル」図柄(「赤ベル」図柄),「白BAR」図柄,「スイカ」図柄(「第1リプレイ」図柄)の組合せは、図11に示すように移行出目である。
中リール32Mの第2小役図柄、第7小役図柄及び第9小役図柄が中段に停止しなかった場合、すなわち中リール32Mの「LUCKY」図柄又は「白ベル」図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、「スイカ」図柄又は「第1リプレイ」図柄が下段に停止するように停止情報を変更する。
右リール32Rには、「スイカ」図柄及び「第1リプレイ」同士の間隔が4図柄以下となるようにして当該「スイカ」図柄及び「第1リプレイ」図柄が配置されている。このため、右ストップスイッチ44が操作された場合には、その操作タイミングに関わらず下段に「スイカ」図柄又は「第1リプレイ」図柄が停止する。左から「白ベル」図柄(「赤ベル」図柄),「LUCKY」図柄(「白ベル」図柄),「スイカ」図柄(「第1リプレイ」図柄)の組合せは、図11に示すように移行出目である。
このように、中押しベル1に当選となり、左ストップスイッチ42→中ストップスイッチ43→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、第2小役入賞が成立する場合と、第7小役入賞が成立する場合と、第9小役入賞が成立する場合と、移行出目が停止する場合と、のいずれかとなる。
次に、中押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第1小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
中リール32Mには、第1小役図柄たる「赤ベル」図柄が、「赤ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「赤ベル」図柄が停止する。
左リール32Lには、第1小役図柄たる「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄が、第1小役図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、左ストップスイッチ42が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が停止する。
右リール32Rには、第1小役図柄たる「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄が、第1小役図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、右ストップスイッチ44が3番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず下段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が停止する。
以上のとおり、中押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞が成立する。
押し順ベルに当選となった場合には、予め定められた1通り又は2通りの操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞が成立し、他の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングにより、小役入賞が成立するか、有効ライン上に移行出目が停止することとなる。ちなみに、中段ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第38小役入賞が成立し、不問ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第1小役入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップS411にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップS413にて払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
払出判定処理を行った後は、ステップS414にて入賞結果対応処理を行う。入賞結果対応処理では、入賞結果に基づいて遊技状態を移行させる処理等を行う。当該入賞結果対応処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理を行った後は、ステップS415にて区間表示第2処理を実行する。区間表示第2処理は、指示モニタ68の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。その後、ステップS416にて今回のゲームにおける入賞成立役を表示制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
次に、ステップS213のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞~第8再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技状態を再遊技状態とする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理(ステップS204)では、現在の遊技状態が再遊技状態であると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次に、ステップS214のRT状態処理を図21のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS501では、有効ライン上に移行出目が停止したか否かを判定する。移行出目が停止した場合には、ステップS502に進み、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態が通常遊技状態である場合には、ステップS503にてRAM106の状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグをセットする。その後、本処理を終了する。ステップS501にて有効ライン上に移行出目が停止していないと判定した場合には、ステップS504に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第2再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第2再遊技入賞が成立した場合には、ステップS505にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS503にて第1RT設定フラグをセットする。その後、本処理を終了する。また、通常遊技状態以外の遊技状態下で有効ライン上に移行出目が停止した場合には、ステップS505にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS503にて第1RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS503にて第1RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第1RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第1RT状態であると判別し、第1RT状態用抽選テーブルを選択する。
図22は、「設定3」の第1RT状態で選択される第1RT状態用抽選テーブルである。第1RT状態用抽選テーブルは、通常遊技状態用抽選テーブル(図17参照)と比較した場合、IV=1~5のポイント値PVが相違しており、他のインデックス値IVに同一のポイント値PVが設定されている。このため、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合には、IV=6~56の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=1の際に当選となる確率は約67.0分の1、IV=2~5の際に当選となる確率はそれぞれ約32.8分の1となる。いずれの役にも当選しない外れの確率は約1.94分の1である。
ここで、図22に示すように、IV=1の際に当選となった場合には通常リプレイ当選となり、IV=2の際に当選となった場合には第1昇格リプレイ1当選となり、IV=3の際に当選となった場合には第1昇格リプレイ2当選となり、IV=4の際に当選となった場合には第1昇格リプレイ3当選となり、IV=5の際に当選となった場合には第1昇格リプレイ4当選となる。IV=1~5のいずれかの際に当選となる確率は約7.30分の1である。通常遊技状態下における通常リプレイ当選確率も約7.30分の1である。つまり、遊技状態が第1RT状態に移行した場合には、小役,再遊技,ボーナスの各役種について通常遊技状態と同一の確率で当選となる一方、再遊技の特典が付与される入賞態様が通常遊技状態と異なるものに変化する。より詳しくは、通常遊技状態では、遊技状態の移行しない第1再遊技入賞のみが成立し、第1RT状態では、第1再遊技入賞に加えて、第2RT状態に移行する第3再遊技入賞が成立する。
停止情報第2設定処理(ステップS409)では、上述した押し順ベルに当選となった場合に加えて第1昇格リプレイ1~第1昇格リプレイ4に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図23(a)は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。第1昇格リプレイ1~第1昇格リプレイ4に当選となった場合には、押し順ベルに当選となった場合と異なり、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞又は第3再遊技入賞が必ず成立する。第1昇格リプレイ1~第1昇格リプレイ4には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序に第3再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第1再遊技が対応付けられている。
なお、第1昇格リプレイ2~4では、第1再遊技及び第3再遊技の他に、第6再遊技、第7再遊技、第8再遊技も当選役として振り分けられている。但し、これら第6再遊技~第8再遊技は、上記6通りの操作順序のうちのいずれもが対応付けられていない。そのため、第6再遊技~第8再遊技は、第1昇格リプレイ2~4に当選していても、ストップスイッチ42~44の操作順序に関わらず、入賞しない。
より具体的には、第1昇格リプレイ1~4は、それぞれ、第1昇格リプレイ1は第1再遊技及び第3再遊技が振り分けられており、第1昇格リプレイ2は第1再遊技及び第3再遊技の他に第6再遊技が振り分けられており、第1昇格リプレイ3は第1再遊技及び第3再遊技の他に第7再遊技が振り分けられており、第1昇格リプレイ4は第1再遊技及び第3再遊技の他に第8再遊技が振り分けられているものの、いずれの第1昇格リプレイ1~4であっても、入賞する再遊技は第1再遊技と第3再遊技のうちの何れかとなっている。これは、第3再遊技入賞が成立する操作順序をわかりにくくするためである。すなわち、例えば、第1昇格リプレイが1種類であると、第3再遊技入賞に対応する操作順序も1種類となってしまい、第1昇格リプレイ当選時に、意図的に第3再遊技入賞を成立させることが可能となり得るからである。なおこの関係は、第1昇格リプレイ1~4の関係のみに限ったことではなく、他の重複役についても同様のことがいえる。
RT状態処理の説明に戻り、ステップS504にて第2再遊技入賞が成立していないと判定した場合には、ステップS506に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第3再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第3再遊技入賞が成立した場合には、ステップS507にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS508にて第2RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS508にて第2RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第2RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第2RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第2RT状態であると判別し、第2RT状態用抽選テーブルを選択する。
図24は、「設定3」の第2RT状態で選択される第2RT状態用抽選テーブルである。第2RT状態用抽選テーブルは、第1RT状態用抽選テーブル(図22参照)と比較した場合、IV=1~10のポイント値PVが相違しており、他のインデックス値IVに同一のポイント値PVが設定されている。このため、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合には、IV=11~56の際に当選となる確率は第1RT状態における各当選確率と等しく、IV=1の際に当選となる確率は約13.2分の1、IV=2~5の際に当選とならず、IV=6~8の際に当選となる確率はそれぞれ約10.5分の1、IV=9,10の際に当選となる確率はそれぞれ約7.00分の1となる。いずれの役にも当選しない外れの確率は約150分の1である。つまり、第2RT状態に移行した場合には、通常遊技状態及び第1RT状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。また、第2RT状態では、遊技状態の移行しない第1再遊技入賞に加えて、第1RT状態に移行する第2再遊技入賞と、第3RT状態に移行する第4再遊技入賞,第5再遊技入賞と、が成立する。
停止情報第2設定処理(ステップS409)では、上述した第1昇格リプレイ1~第1昇格リプレイ4に当選となった場合に加えて、転落リプレイ1~転落リプレイ3,第2昇格リプレイ1,第2昇格リプレイ2に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図23(b)は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。転落リプレイ1~転落リプレイ3に当選となった場合には、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞又は第2再遊技入賞が必ず成立する。第2昇格リプレイ1に当選となった場合には、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞,第4再遊技入賞,第5再遊技入賞のいずれかが必ず成立する。第2昇格リプレイ2に当選となった場合には、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞又は第4再遊技入賞が必ず成立する。
なお、図中の第4再遊技に付されている番号は、第4再遊技入賞が成立する際の図柄組合せと対応するものである。「1」は、バラケ目となる図柄組合せと対応し、「2」は、赤7・赤7・黒BAR中段停止となる図柄組合せと対応する(図11参照)。例えば、第2昇格リプレイ1に当選となった際に左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、バラケ目となる図柄組合せが停止して第4再遊技入賞成立となるか、赤7・赤7・黒BAR中段停止となる図柄組合せが停止して第4再遊技入賞成立となる。
RT状態処理の説明に戻り、ステップS506にて第3再遊技入賞が成立していないと判定した場合には、ステップS509に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第4再遊技入賞及び第5再遊技入賞が成立していない場合には、そのまま本処理を終了する。第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立した場合には、ステップS510にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS511にて第3RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS511にて第3RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第3RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第3RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第3RT状態であると判別し、第3RT状態用抽選テーブルを選択する。
図25は、「設定3」の第3RT状態で選択される第3RT状態用抽選テーブルである。第3RT状態用抽選テーブルは、第2RT状態用抽選テーブル(図24参照)と比較した場合、IV=9~12のポイント値PVが相違しており、他のインデックス値IVに同一のポイント値PVが設定されている。このため、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1~8,13~56の際に当選となる確率は第2RT状態における各当選確率と等しく、IV=9,10の際に当選とならなくなり、IV=11,12の際に当選となる確率はそれぞれ約7.00分の1となる。いずれの役にも当選しない外れの確率は約150分の1である。つまり、遊技状態が第3RT状態に移行した場合には、小役,再遊技,ボーナスの各役種について第2RT状態と同一の確率で当選となる一方、再遊技の特典が付与される入賞態様が第2RT状態と異なるものに変化する。より詳しくは、第3RT状態では、遊技状態の移行しない第1再遊技入賞と、第1RT状態に移行する第2再遊技入賞と、に加えて、遊技状態の移行しない第6再遊技入賞,第7再遊技入賞,第8再遊技入賞と、第2RT状態に移行する第3再遊技入賞と、が成立する。
停止情報第2設定処理(ステップS409)では、BARリプレイ1,BARリプレイ2に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図23(c)は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。BARリプレイ1に当選となった場合には、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞,第6再遊技入賞,第7再遊技入賞,第3再遊技入賞のいずれかが必ず成立する。BARリプレイ2に当選となった場合には、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞,第6再遊技入賞,第8再遊技入賞,第3再遊技入賞のいずれかが必ず成立する。
次に、ステップS215のボーナス状態処理を図26のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップS601では、現在の遊技状態がボーナス状態か否か、すなわち現在の遊技状態がBB状態又はCB状態であるか否かを判定する。ボーナス状態でない場合には、ステップS602~ステップS613に示すボーナス判定処理を行う。
ボーナス判定処理では、ステップS602にて第1BB当選フラグ,第2BB当選フラグ,CB当選フラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。いずれかの当選フラグがセットされている場合には、ステップS603に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、CB入賞が成立したか否かを判定する。CB入賞が成立した場合には、ステップS604にて状態情報格納エリア106cにCB設定フラグをセットする。ステップS605では、状態情報格納エリア106cに設けられたボーナス状態中に払出可能な残りのメダル数をカウントするための残払出数カウンタに15をセットする。ステップS604~S605の処理を行うことにより、遊技状態がCB状態に移行する。
ここで、CB及びCB状態について簡単に説明する。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄,「第1リプレイ」図柄又は「黒BAR」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、CB入賞となる。各リール32L,32M,32Rには、CB図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして当該CB図柄が配置されている。このため、CBに当選となった場合には、ストップスイッチ42~44の操作順序及び操作タイミングに関わらず、CB入賞が成立する。
主制御装置101は、状態情報格納エリア106cにCB設定フラグがセットされている場合、遊技状態がCB状態であると判別する。そして、通常処理のステップS205では、メダルのベット数が「3」ではなく「2」に達しているか否かを判定し、有効ライン設定処理(ステップS209)では、下ラインL3及び右下がりラインL4を有効ラインと設定する。
抽選処理のステップS302では、CB状態用抽選テーブルを選択する。CB状態用抽選テーブルの図示は省略するが、CB状態用抽選テーブルでは、IV=1~52のポイント値PVとして「0」が設定されており、IV=53~56のポイント値として「16384」が設定されている(IVと当選役との対応関係については図17等参照)。したがって、CB状態では、CB中小役1に当選となる確率(IV=53の際に当選となる確率)が約4.00分の1となり、CB中小役2に当選となる確率(IV=54の際に当選となる確率)が約4.00分の1となり、CB中小役3に当選となる確率(IV=55の際に当選となる確率)が約4.00分の1となり、CB中小役4に当選となる確率(IV=56の際に当選となる確率)が約4.00分の1となる。外れとなる事象は発生しない。
図27(a)は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。詳細な説明は省略するが、CB中小役1~CB中小役4のいずれに当選となった場合であっても、ストップスイッチ42~44の操作順序及び操作タイミングに関わらず、何らかの小役入賞が必ず成立する。CB状態は2ベットゲームであるため、第1小役入賞,第27小役入賞,第31小役入賞,第36小役入賞~第38小役入賞が成立した場合には、15枚のメダル払出が行われ、第2小役入賞~第26小役入賞,第28小役入賞~第30小役入賞,第32小役入賞~第35小役入賞が成立した場合には、14枚のメダル払出が行われる。つまり、CB状態に移行した場合には、必ず14枚又は15枚のメダル払出が行われる。
なお、当選役としてのCB、及び遊技状態としてのCB状態に代え又は加えて、当選役として1ゲームの遊技(JACゲーム)を実行可能となるシングルボーナス(SB)、及びそのシングルボーナス当選(入賞)に基づいて移行するSB状態を設けてもよい。
ボーナス状態処理の説明に戻り、ステップS603にてCB入賞が成立していないと判定した場合には、CB以外のボーナス当選フラグがセットされていることを意味する。かかる場合には、ステップS608にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアし、ステップS609にて第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。
そして、いずれかのBB入賞が成立した場合には、ステップS610にてRAM106の当選フラグ格納エリア106aにセットされているBB当選フラグをクリアするとともに、ステップS611にて状態情報格納エリア106cにBB設定フラグがセットする。その後、ステップS612にて、残払出数カウンタに216をセットし、残払出枚数表示部61に216を表示させる処理を行う。ステップS612でセットする数値は、BB状態における上限払出数に対応する数値であり、BB状態において当該数値以上のメダルの払い出しが行われたことを条件に当該BB状態が終了される。
ステップS610~S612の処理を行うことにより、遊技状態がBB状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cにBB設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態がBB状態であると判別し、対応するBB状態用抽選テーブルを選択する。
図28は、第1BBや第2BBで移行するBB状態で選択されるBB状態用抽選テーブルである。BB状態用抽選テーブルでは、IV=1~28,32~56のポイント値PVとして「0」が設定されており、IV=29~31のポイント値として「21845」が設定されている。したがって、BB状態では、BB中第1役に当選となる確率(IV=29の際に当選となる確率)が約1.11分の1となり、BB中第2役に当選となる確率(IV=30の際に当選となる確率)が約20.0分の1となり、BB中第3役に当選となる確率(IV=31の際に当選となる確率)が約20.0分の1となる。いずれの役にも当選しない外れの確率は約65500分の1である。
これらBB中第1役やBB中第2役、BB中第3役の当選確率は、第1BBと第2BBとで共通の当選確率となっている。また、BB中第1役やBB中第2役、BB中第3役の当選確率は、第1BBや第2BBのBB状態への移行契機に関わらず共通の当選確率となっており、例えば、特リプA重複1当選に基づく第1BB中のBB中第3役と、特リプAB重複1当選に基づく第1BB中のBB中第3役との当選確率は同じ確率である。すなわち、いずれのBB状態においても、共通のBB状態用抽選テーブルが参照されて抽選処理が行われる。
図27(b)は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。上述したとおり、第1小役入賞は、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず成立させることができる入賞態様である。したがって、BB中第1役に当選となった場合、ストップスイッチ42~44の操作順序及び操作タイミングに関わらず、第1小役入賞,第39小役入賞,第40小役入賞のいずれかが必ず成立する。また、第9再遊技入賞についても、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず成立させることができる入賞態様である。したがって、BB中第2役に当選となった場合、ストップスイッチ42~44の操作順序及び操作タイミングに関わらず、第9再遊技入賞が必ず成立する。
第9再遊技入賞及び第10再遊技入賞が可能となるBB中第3役は、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによって、いずれの再遊技入賞が成立するかが異なり、ストップスイッチ42~44の停止操作が行われた際に、いずれも入賞可能であれば、スベリ数の少ない側の再遊技が入賞するように停止駆動制御される。より詳しくは、第9再遊技及び第10再遊技が入賞成立となる図柄の組み合わせは、中リール32M及び右リール32Rではいずれも「第1リプレイ」図柄及び「第2リプレイ」図柄で共通している一方、左リール32Lでは異なっている。すなわち、左リール32Lにおいては、第9再遊技の対象図柄は「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄である一方、第10再遊技の対象図柄は「青年」図柄及び「スイカ」図柄である。
例えば、3ベットゲームにおいて、左リール32Lの4番目の「チェリー」図柄から7番目の「赤ベル」図柄が上段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42が停止操作された場合、第9再遊技の対象図柄である7番目の「赤ベル」図柄及び第10再遊技の対象図柄である8番目の「スイカ」図柄のいずれも、有効ライン上である上段に停止させることが可能であるものの、この場合、スベリ数の少ない7番目の「赤ベル」図柄を上段に停止させるように停止駆動制御が行われる。その結果、第10再遊技入賞ではなく第9再遊技入賞が成立可能となる。その他、左リール32Lにおいて、9番目の「赤7」図柄から12番目の「白ベル」図柄が上段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42が停止操作された場合も同様に、13番目の「青年」図柄ではなく12番目の「白ベル」図柄が上段に停止するように駆動制御される等、第10再遊技よりも第9再遊技のほうが入賞成立し易いように設定されている。つまり、第10再遊技を入賞させようとするならば、左リール32Lの上段に0番目の「青年」図柄、8番目の「スイカ」図柄、13番目の「青年」図柄が到達したタイミングで左ストップスイッチ42の停止操作を行う必要があり、他のタイミングであれば、第9再遊技入賞が成立することになる。
BB状態は3ベットゲームであるため、BB中第1役当選となり、第1小役入賞,第39小役入賞,第40小役入賞が成立した場合には、9枚のメダル払出が行われる。また、BB中第2役当選となると第9再遊技入賞が成立し、BB中第3役当選となっても多くは第9再遊技入賞が成立する。つまり、BB状態となると、主に第1小役等のベル入賞及び第9再遊技たるリプレイ入賞のいずれかが頻繁に成立する。リプレイ入賞が成立するとメダルの払出が行われない代わりに、リプレイが付与されて、次ゲームをメダル不要で実施することができる。BB状態における外れの確率は約65500分の1であるため、BB状態は、非常に高確率で9枚のメダル払出が行われる遊技状態である、といえる。
ステップS609にて否定判定し、いずれかのBB入賞が成立した場合には、ステップS613にて持ち越しコマンドをセットする処理を行う。持ち越しコマンドとは、ボーナス当選ゲームにて当該ボーナス入賞が成立せず、所謂持ち越し状態となったことを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドであり、かかる持ち越しコマンドはタイマ割り込み処理のコマンド出力処理(ステップS110)にて表示制御装置81へ出力される。
ここで、本実施形態では、持ち越し状態において行われるゲームでは、他のボーナスに当選することが制限される。より詳しくは、通常遊技状態用の抽選テーブル(図17)において、IV=32~49のボーナス(第1BB,第2BB,CB)との重複役等に当選した場合には、これらボーナスに対応する当選フラグはセットされない。そのため、例えば、IV=32~49の各小役又は再遊技との重複役に当選した場合には、これら各小役や再遊技の当選フラグはセットされるものの、ボーナスに対応する当選フラグはセットされず、小役入賞のみが有効となる。すなわち、持ち越し状態とは、ボーナスの抽選が制限される状態ともいえる。
遊技状態がCB状態又はBB状態に移行した場合には、ステップS601にて肯定判定をし、ステップS614にて終了判定処理を行う。終了判定処理では、残払出数カウンタの値が0となったか否かを判定し、0となった場合にCB設定フラグ又はBB設定フラグをクリアする処理を行う。また、終了判定処理では、BB設定フラグをクリアした場合、今回のゲームでBB状態が終了したことを示す終了フラグをセットする。なお、当該終了判定処理については、後に詳細に説明する。
ステップS602~ステップS614に示したように、CBに当選するとともにCB入賞が成立した場合には、RT設定フラグをクリアすることなくCB設定フラグをセットしている。このため、CB設定フラグをクリアした場合、すなわちCB状態が終了した場合には、CB入賞が成立した際の遊技状態に復帰することとなる。例えば、通常遊技状態下でCB入賞が成立した場合には、CB状態の終了後に通常遊技状態に復帰し、第3RT状態下でCB入賞が成立した場合には、CB状態の終了後に第3RT状態に復帰する。一方、第1BB、第2BBに当選した場合には、対応するBB入賞の成立有無に関わらずステップS608にてRT設定フラグをクリアしている。このため、BB設定フラグをクリアした場合、すなわちBB状態が終了した場合には、仮に第2RT状態下で第1BB入賞が成立したとしても、通常遊技状態に移行することとなる。ちなみに、CB状態に移行した場合、遊技者は、当該CB状態が終了するまでの間に13(=15-2)枚又は25(=14-2+15-2)枚のメダル増加を期待できる。BB状態に移行した場合、遊技者は、当該BB状態が終了するまでの間に約144(=9×24-3×24)枚のメダル増加を期待できる。
ちなみに、BB状態においてBB中第2役やBB中第3役に当選し、リプレイが付与される場合、残払出数カウンタの減算は行われない。つまり、BB状態においてBB中第2役やBB中第3役に当選した回数は、BB状態において期待できるメダル増加数に影響を及ぼさない。
第1BB当選フラグ,第2BB当選フラグ,CB当選フラグのいずれもセットされていない場合(ステップS602がNOの場合)と、第1BB入賞,第2BB入賞,CB入賞のいずれも成立しておらず持ち越しコマンドをセットした場合(ステップS613の処理を実行した場合)と、ステップS605、ステップS612にて残払出数カウンタに所定値をセットした場合と、ステップS614にて終了判定処理を行った場合と、には、ステップS606に進み、状態コマンドをセットする。ここで、状態コマンドとは、ゲーム終了時点での遊技状態(すなわち次回のゲームの遊技状態)を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドであり、ステップS606では、状態情報格納エリア106cにセットされている設定フラグと対応する状態コマンドをセットする。状態コマンドをセットした後、ステップS607では、外部集中端子板121からスロットマシン10外部に出力する外部信号を設定する外部信号設定処理を行う。その後、本処理を終了する。
<遊技状態の移行と表示モードの概要>
ここで、遊技状態の移行について図29を用いて説明する。なお、CB状態については、図示を省略している。
遊技状態がBB状態である場合、当該BB状態下におけるメダル払出数が216に達した場合にBB状態が終了し、遊技状態が通常遊技状態に移行する。
遊技状態が通常遊技状態である場合、移行出目が有効ライン上に停止することによって遊技状態が第1RT状態に移行し、BB入賞が成立することによって遊技状態がBB状態に移行する。移行出目は、押し順ベルに当選したゲームで取りこぼしが発生する場合に有効ライン上に停止する。通常遊技状態用抽選テーブルを用いた抽選処理では、第2RT状態への移行契機となる第1昇格リプレイ1~4や、第3RT状態への移行契機となる第2昇格リプレイ1,2は当選しないため、通常遊技状態からは、第2RT状態及び第3RT状態に移行しない(図17参照)。
遊技状態が第1RT状態である場合、第3再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第2RT状態に移行する。第3再遊技入賞は、第1昇格リプレイ1~第1昇格リプレイ4のいずれかに当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合に成立する(図23(a)参照)。第1RT状態用抽選テーブルを用いた抽選処理では、第3RT状態への移行契機となる第2昇格リプレイ1,2は当選しないため、第1RT状態からは、第3RT状態に移行しない。
また、各BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立しなかった場合、すなわちBB当選フラグが持ち越された場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行し、各1BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。第1RT状態からは、第3RT状態に移行しない。
遊技状態が第2RT状態である場合、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第3RT状態に移行する。また、第2再遊技入賞が成立した場合と、移行出目が有効ライン上に停止した場合と、には、遊技状態が第1RT状態に移行する。第4再遊技入賞と第5再遊技入賞は、第2昇格リプレイ1又は第2昇格リプレイ2に当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合に成立する(図23(b)参照)。第2再遊技入賞は、転落リプレイ1~転落リプレイ3のいずれかに当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合に成立する(図23(b)参照)。移行出目は、押し順ベルに当選したゲームで取りこぼしが発生する場合に有効ライン上に停止する。加えて、各BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立しなかった場合、すなわちBB当選フラグが持ち越された場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行し、各BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。
遊技状態が第3RT状態である場合、第3再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第2RT状態に移行する。また、第2再遊技入賞が成立した場合と、移行出目が有効ライン上に停止した場合と、には、遊技状態が第1RT状態に移行する。第3再遊技入賞は、BARリプレイ1又はBARリプレイ2に当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合に成立する(図23(c)参照)。第2再遊技入賞は、転落リプレイ1~転落リプレイ3のいずれかに当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合に成立する(図23(b)参照)。移行出目は、押し順ベルに当選したゲームで取りこぼしが発生する場合に有効ライン上に停止する。加えて、各当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立しなかった場合、すなわちBB当選フラグが持ち越された場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行し、各BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。
本スロットマシン10では、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,BB状態,CB状態の6種類の遊技状態を主制御装置101が管理するとともに、大別して通常モード,チャレンジモード,アタックモード(上乗せ特化ゾーン含む),VBモード(上乗せ特化ゾーン含む),BBモードの5種類の表示モードを主制御装置101が管理するようになっている。
図30は、各表示モードの移行を示す図である。
BBモードとは、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立した場合に移行し、BB状態が終了した場合に終了する表示モードである。すなわち、BBモードは、BB状態と対応する表示モードである。したがって、BBモードに移行した場合、遊技者は約144枚のメダル増加を期待できる。
通常モード又はチャレンジモードからBBモードに移行した場合、当該BBモードでは、チャレンジモードへの移行抽選と、アタックモードへの移行抽選と、が行われる場合がある。アタックモードへの移行抽選に当選した場合には、BBモードの終了後にアタックモードに移行し、チャレンジモードへの移行抽選に当選した場合には、BBモードの終了後にチャレンジモードに移行する。いずれの移行抽選にも当選しなかった場合には、BBモードの終了後に通常モードに移行する。アタックモードからBBモードに移行した場合には、BBモードの終了後にアタックモードに復帰する。VBモードからBBモードに移行した場合には、BBモードの終了後にVBモードに復帰する。
通常モードとは、押し順ベル当選時と、第1昇格リプレイ1~第1昇格リプレイ4,転落リプレイ1~転落リプレイ3,第2昇格リプレイ1,第2昇格リプレイ2,BARリプレイ1,BARリプレイ2(以下、これらを総称して「押し順リプレイ」という。)当選時と、にストップスイッチ42~44の操作順序が報知されない表示モードである。通常モードでは、チャレンジモードへの移行抽選と、アタックモードへの移行抽選と、が行われる。チャレンジモードへの移行抽選に当選した場合には、通常モードからチャレンジモードに移行し、アタックモードへの移行抽選に当選した場合には、通常モードからアタックモードに移行する。通常モードからは、VBモードに移行しない。
通常モードは、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,CB状態の各遊技状態と対応している。但し、通常モードでは、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、にストップスイッチ42~44の操作順序が報知されないため、第2RT状態及び第3RT状態に移行することは稀であり、ほぼ通常遊技状態又は第1RT状態と対応することとなる。通常モードでは、そのときの遊技状態が通常遊技状態又は第1RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約1.59枚減少することを期待でき、そのときの遊技状態が第2RT状態又は第3RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.06枚減少することを期待できる。
チャレンジモードとは、通常モードと同様、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、にストップスイッチ42~44の操作順序が報知されない表示モードである。チャレンジモードでは、アタックモードへの移行抽選が行われる。但し、当該チャレンジモードにおけるアタックモードへの移行抽選の当選確率は、通常モードにおけるアタックモードへの移行抽選の当選確率よりも高く設定されている。つまり、チャレンジモードは通常モードと同じように操作順序の報知が行われないものの、アタックモードへ移行し易いモードとして設定されている。アタックモードへの移行抽選に当選した場合には、チャレンジモードからアタックモードに移行する。上記移行抽選に当選することなく所定回数(例えば10回等)のゲームが行われた場合には、チャレンジモードから通常モードに移行する。チャレンジモードからは、VBモードに移行しない。
チャレンジモードは、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,CB状態の各遊技状態と対応している。但し、チャレンジモードでは、押し順リプレイ当選時にストップスイッチ42~44の操作順序が報知されないため、第2RT状態及び第3RT状態に移行することは稀であり、ほぼ通常遊技状態又は第1RT状態と対応することとなる。チャレンジモードでは、そのときの遊技状態が通常遊技状態又は第1RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約1.59枚減少することを期待でき、そのときの遊技状態が第2RT状態又は第3RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.06枚減少することを期待できる。
アタックモードとは、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、のいずれにおいてもストップスイッチ42~44の操作順序が報知される表示モードである。アタックモードは、VBモードへの移行確率が異なる第1アタックモード~第4アタックモードの4つのアタックモードによって構成されており、いずれのアタックモードであっても、通常モードと比してVBモードへの移行確率が高くなっている。VBモードへの移行抽選に当選した場合には、アタックモードからVBモードに移行する。VBモードへの移行抽選に当選することなく所定回数(例えば50回等)のゲームが行われた場合には、アタックモードから通常モードに移行する。
第1アタックモード~第4アタックモードは、VBモードへの移行抽選に当選する確率が異なるように設定されている。より具体的には、VBモードへの移行抽選に当選する確率が、第4アタックモードが最も高く、第1アタックモードが最も低くなるように設定されており、第1アタックモード、第2アタックモード、第3アタックモード、第4アタックモードの順でVBモードへの移行抽選に当選する確率が高くなるように設定されている。
アタックモードは、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,CB状態の各遊技状態と対応している。但し、アタックモードでは、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、のいずれにおいてもストップスイッチ42~44の操作順序が報知されるため、遊技者が報知された操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合、ほぼ第2RT状態と対応することとなる。アタックモードでは、そのときの遊技状態が通常遊技状態又は第1RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.61枚増加することを期待でき、そのときの遊技状態が第2RT状態又は第3RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約1.90枚増加することを期待できる。アタックモードは、遊技状態が第2RT状態に移行してから少なくとも50ゲーム継続するため、アタックモードに移行した場合、遊技者は約100枚のメダル増加を期待できる。
VBモードとは、アタックモードと同様、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、のいずれにおいてもストップスイッチ42~44の操作順序が報知される表示モードである。VBモードとアタックモードとの相違点は、第2昇格リプレイ1又は第2昇格リプレイ2に当選となった場合に、アタックモードでは第1再遊技入賞を成立させるための操作順序が報知される一方、VBモードでは第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞を成立させるための操作順序が報知される点である(図23(b)参照)。
VBモードは、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,CB状態の各遊技状態と対応している。但し、VBモードでは、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、のいずれにおいてもストップスイッチ42~44の操作順序が報知され、第2昇格リプレイ1又は第2昇格リプレイ2に当選となった場合に第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞を成立させるための操作順序が報知される。このため、VBモードは、遊技者が報知された操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合、ほぼ第3RT状態と対応することとなる。VBモードでは、そのときの遊技状態が通常遊技状態又は第1RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.61枚増加することを期待でき、そのときの遊技状態が第2RT状態又は第3RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約1.90枚増加することを期待できる。VBモードは、遊技状態が第3RT状態に移行してから少なくとも25ゲーム継続するため、VBモードに移行した場合、遊技者は約50枚のメダル増加を期待できる。
遊技者の所有メダルが増加する際の表示モードの移行について説明すると、通常モードからチャレンジモードに移行し、チャレンジモードからアタックモードに移行し、アタックモードから通常モードに戻るという流れが一般的である。そして、アタックモードではVBモードへの移行抽選が行われるため、アタックモードからVBモードに移行し、VBモードからアタックモードに戻るというループが発生した場合、遊技者はより多くの所有メダル増加を期待できる。
上記のように、通常モードとチャレンジモードとで比較すると、アタックモードへの移行抽選に当選する確率が通常モードよりもチャレンジモードの方が高くなるように設定されている。したがって、チャレンジモードはアタックモードへの移行を期待させる所謂チャンスゾーンとも称される。
また、アタックモードにおいて第1アタックモード~第4アタックモードが設定されており、各アタックモードにおいてVBモードへの移行抽選の当選確率が異なっている。そして、通常モード又はチャレンジモードからアタックモードへ移行する場合、基本的には第1アタックモードに移行する。第1アタックモードにおいては、VBモードへの移行抽選が行われるとともに、第2アタックモードへの移行抽選が行われる。第2アタックモードへの移行抽選に当選すると、第2アタックモードに移行し、VBモードへの移行抽選の当選確率が上昇する。第2アタックモードにおいては、VBモードへの移行抽選が行われるとともに、第3アタックモードへの移行抽選が行われる。第3アタックモードへの移行抽選に当選すると、第3アタックモードに移行し、VBモードへの移行抽選の当選確率が上昇する。そして、第3アタックモードにおいては、VBモードへの移行抽選が行われるとともに、第4アタックモードへの移行抽選が行われる。第4アタックモードへの移行抽選に当選すると、第4アタックモードに移行し、VBモードへの移行抽選の当選確率が上昇する。
したがって、アタックモードに移行した場合、第1アタックモード→第2アタックモード→第3アタックモード→第4アタックモードとアタックモードの昇格が行われることで、VBモードへの移行確率が高くなり、アタックモードとVBモードとのループが発生し易くなる。
以上のとおり、本スロットマシン10では、アタックモード,VBモード,BBモードの各表示モードにおいて遊技者が所有メダルの増加を図る構成となっている。そして、各表示モードと連動して、複数のRT状態と、BB状態、CB状態といった複数の状態が各再遊技の入賞又は移行出目の停止等によって行き来する構成となっている。上記のとおり、押し順リプレイ当選時や押し順ベル当選時のストップスイッチ42~43の操作順序によって対応する再遊技入賞が成立したり移行出目が停止したりする。また、アタックモードやVBモードにおいては、押し順ベル当選時に、第1小役入賞を成立させることが可能となる操作順序が報知されることで、所有メダル増加を期待できる。
以下、表示モードに関する構成について説明する。
表示モードに関する構成としては、大別して、(1)表示モードの移行抽選に関する処理、(2)表示モードの移行抽選の結果に基づいて遊技状態を移行させるための処理、(3)入賞結果に基づいて表示モードを移行させるための処理、(4)サブ側の報知演出に関する処理がある。以下、順番に説明する。
<表示モードの移行抽選に関する処理>
<抽選結果対応処理>
(1)の表示モードの移行抽選に関する処理は、主制御装置101による抽選処理(図16)の抽選結果対応処理(ステップS312)にて行われる。そこで、以下、抽選結果対応処理について、図31のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS701では、今回のゲーム以前にて既に第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされており、今回のゲームが第1BBや第2BBの持ち越し状態か否かを判定する。
ステップS701にて否定判定した場合、ステップS702~ステップS710の表示モードの移行用の処理等を実行する。一方、ステップS701にて肯定判定し、持ち越し状態中である場合には、表示モード移行用の処理等を行わない。すなわち、ボーナスの持ち越し状態中においては、表示モード移行用の処理等の実施が制限される。
具体的には、ステップS701にて否定判定した場合、ステップS702にて、現状の遊技状態が通常遊技状態又は第1RT状態であるか否かを判定する。ステップS702にて肯定判定した場合、ステップS703にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにアタックモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。アタックモード当選フラグは、アタックモードの移行抽選に当選した場合にセットされ、アタックモードへ移行する際にクリアされるフラグである。ステップS703にて否定判定した場合には、ステップS704にて、第1特定役処理を実行する。
<第1特定役処理>
第1特定役処理について、図32のフローチャートを参照しながら説明する。
ここで、第1特定役処理が行われる場合とは、通常遊技状態又は第1RT状態であって、且つアタックモードに当選していない状態である。この場合の表示モードとしては、通常モード又はチャレンジモードが対応する。第1特定役処理では、表示モードをチャレンジモードに移行するか否かの移行抽選が行われるとともに、アタックモードに移行するか否かの移行抽選が行われる。また、第1特定役処理では、現状の表示モードがチャレンジモードであれば、チャレンジモードの継続ゲーム数の上乗せ用の処理を行う。
すなわち、ステップS801にて、現状の表示モードがチャレンジモード中か否かの判定を行う。チャレンジモード中ではない場合とは、現状の表示モードが通常モードであることを意味する。ステップS801にて否定判定した場合には、ステップS802にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからアタックモード抽選用のテーブルとして通常時用テーブルを取得する。一方、ステップS801にて肯定判定した場合には、ステップS803にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからアタックモード抽選用のテーブルとしてチャレンジモード用テーブルを取得する。通常時用テーブルとチャレンジモード用テーブルとでは、抽選結果(当選役)の種類に応じてアタックモードへの移行確率がそれぞれ設定されている。
具体的には、各種テーブル記憶エリア105aに記憶されているモード抽選テーブルでは、現状の表示モードと、抽選契機となる遊技結果の種類とによって、各モード移行抽選に当選する確率が異なるように設定されている。
ここで、モード移行抽選の抽選契機となる遊技結果としては、図36に示すように、強チェリー、弱チェリー、強スイカ、弱スイカ、チャンスA、チャンスB、中段ベル、強チェリー重複1、弱チェリー重複1、強スイカ重複1、弱スイカ重複1、チャンスA重複1、チャンスB重複1、中段ベル重複1、特リプA重複1、特リプA重複2、単独第1BB、単独第2BBが設定されている(以下、これらをまとめて「移行契機役」とも称する)。これらの移行契機役は、いずれの設定値であっても設定されているポイント値PVが共通しており、当選確率に設定差がない。そして、各モード移行抽選の当選確率についても、設定差がないように設定されている。これに対して、強チェリー重複2、弱チェリー重複2、強スイカ重複2、弱スイカ重複2、チャンスA重複2、チャンスB重複2、中段ベル重複2、特リプAB重複1、特リプAB重複2は、当選確率に設定差があるように設定されており、概して設定1が最も当選確率が低く、設定6が最も当選確率が高くなるようにポイント値PVが設定されている(以下、これらをまとめて「非契機役」とも称する)。そして、これら当選確率に設定差がある非契機役では、各モード移行抽選は実施されない。つまり、出現率が共通している移行契機役にて当選確率に設定差のないモード移行抽選を行う構成し、各モード移行の移行率は共通なものとなっている。
ステップS802やステップS803にて取得するアタックモードへの移行用の抽選テーブルでは、移行契機役の種類に応じて、それぞれ移行抽選の当選確率が設定されている。図37に示すように、例えば、移行契機役が強チェリーである場合、通常時用テーブルでは45%の確率でアタックモードへの移行抽選に当選する一方、チャレンジモード用テーブルでは90%の確率でアタックモードへの移行抽選に当選し、通常モードよりもチャレンジモードのほうがアタックモードへの移行抽選に当選し易くなるように設定されている。また、移行契機役が強チェリーである場合は、移行契機役が弱チェリーである場合よりも通常時用テーブルおよびチャレンジモード用テーブルのいずれにおいてもアタックモードへの移行抽選に当選する確率が高く、各ゲームでの当選確率(出現率)が低い結果ほどアタックモードへの移行抽選に当選し易くなるように設定されている。
ステップS802又はステップS803にてアタックモード移行抽選用のテーブルを取得した後は、ステップS804にてアタックモード抽選処理を実行する。かかる処理では、抽選用のカウンタをRAM106の各種カウンタエリア106eから取得し、ステップS802又はステップS803にて取得した抽選用のテーブルに照らし合わせることで、アタックモードへの移行抽選を行う。
ステップS805では、ステップS804の処理結果に基づいて、アタックモードへの移行抽選に当選したか否かの判定を行う。アタックモードへの移行抽選に当選した場合には、ステップS806にて、今回当選したアタックモードがスーパーアタックモードか否かを判定する。スーパーアタックモードとは、上乗せ特化ゾーンを経てから開始されるアタックモードである。例えば、通常のアタックモードの初期ゲーム数が50とすると、スーパーアタックモードでは当該初期ゲーム数の50に対し、上乗せ特化ゾーンにて上乗せされたゲーム数を加えたゲーム数でアタックモードが開始される。そのため、通常のアタックモードとスーパーアタックモードとでは遊技者にとっての有利度が異なり、アタックモードよりもスーパーアタックモードの方が遊技者にとって有利なものとなる。
スーパーアタックモードへの移行抽選は、アタックモードへの移行抽選にて当選した場合(ステップS804の抽選処理にて当選した場合)に実施され、この移行抽選は、移行契機役と表示モードの種類によって設定されているスーパーアタックモード用の移行抽選テーブルに基づいて行われる。スーパーアタックモード用の移行抽選テーブルは、図37に示すように、通常モード中にアタックモードに当選した場合よりもチャレンジモード中にアタックモードに当選した場合のほうがスーパーアタックモードへの移行抽選に当選し易くなるように設定されており、チャレンジモードの優位性が担保されている。例えば、通常モード中において、強スイカを契機としてアタックモードへの移行抽選に当選する確率は60%であり、その移行抽選に当選した場合の5%がスーパーアタックモードに当選するため、実質的に通常モード中に強スイカ当選となった場合の57%がアタックモードに移行し、3%がスーパーアタックモードに移行する。その一方、チャレンジモード中において、強スイカを契機としてアタックモードへの移行抽選に当選する確率は50%であり、その移行抽選に当選した場合の50%がスーパーアタックモードに当選するため、実質的にチャレンジモード中に強スイカ当選した場合の25%がアタックモードに移行し、25%がスーパーアタックモードに移行し、通常モードよりもスーパーアタックモードへの移行率が高められている。さらに、スーパーアタックモードへの移行抽選の当選確率は移行契機役によって異なり、例えば、強チェリーと強スイカとを比較すると、通常モードにおいてはスーパーアタックモードへの移行抽選の当選確率は強チェリーと強スイカとで共通している(5%の当選確率)ものの、チャレンジモードにおいては同移行抽選の当選確率は強チェリーよりも強スイカの方が高くなるように設定されている。
ステップS806にて、スーパーアタックモード当選であると判定した場合、ステップS807にて、特化ゾーン当選フラグをセットする処理を実行する。
ステップS806にて否定判定した場合、又はステップS807の処理を実行した後は、ステップS808にて、アタックモード当選フラグをセットする処理を行う。すなわち、アタックモード当選時にはアタックモード当選フラグがセットされ、そのうちの一部で(スーパーアタックモードに当選した場合には)特化ゾーン当選フラグがセットされることになる。
ステップS808の処理を行った後は、ステップS809~ステップS812にて前兆モードの設定用の処理を行う。前兆モードとは、アタックモードやチャレンジモード等に当選したことを示唆する当選示唆演出が発生し易くなるモードであり、当該前兆モードの各ゲームを経てから、アタックモードやチャレンジモード等に当選したことの当選報知が行われる。前兆モードは0ゲーム~32ゲームに亘って継続し、当選したアタックモードやチャレンジモード等の種類と、ボーナスに同時当選しているか否かとによって、その前兆モードの継続ゲーム数が異なるように設定されている。なお、アタックモードやチャレンジモード等がボーナスと同時当選している場合は、前兆モードを経てからボーナスの当選報知が行われ、そのボーナス状態が終了してから、アタックモードやチャレンジモード等に当選していたことの報知が行われる。また、前兆ゲーム数が0ゲームとして設定される場合、前兆モードを介さずに当選報知が行われることになる。
具体的には、ステップS809では、先ず、前兆ゲーム数テーブルをROM105の各種テーブル記憶エリア105aから取得する処理を行う。図38に示すように、前兆ゲーム数テーブルでは、現状の表示モード(通常モード又はチャレンジモード)と、ボーナスと同時当選したか否かによって、選択される前兆ゲーム数が異なるように設定されている。具体的には、現状の表示モードが通常モードである場合であって、アタックモード当選時においては、ボーナスに同時当選していない場合には、1ゲーム~5ゲームが80%で選択され、6ゲーム~10ゲームが20%で選択される。一方、現状の表示モードが通常モードである場合であっても、アタックモードとボーナスに同時当選している場合には、1ゲーム~5ゲームが10%で選択され、6ゲーム~10ゲームが20%で選択され、11ゲーム~20ゲームが50%で選択され、21ゲーム~32ゲームが20%で選択される。すなわち、表示モードが通常モードである場合、ボーナスに同時当選している場合の方が、同時当選していない場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっている。言い換えると、ボーナスに同時当選していない場合には、アタックモード当選ゲームから比較的に短いゲーム数で当該アタックモード当選が報知されることになる。一方、現状の表示モードがチャレンジモードである場合には、ボーナス同時当選の有無に関わらず、前兆ゲーム数として0ゲームが選択される。つまり、この場合、前兆モードに設定されず、当選ゲームの次ゲームにおいてアタックモードの当選報知が行われる。
また、上乗せ特化ゾーン付きのアタックモードであるスーパーアタックモード当選時においては、ボーナスに同時当選していない場合には、1ゲーム~5ゲームが70%で選択され、6ゲーム~10ゲームが30%で選択される。一方、アタックモード当選時においてボーナスに同時当選している場合には、1ゲーム~5ゲームは選択されず、6ゲーム~10ゲームが20%で選択され、11ゲーム~20ゲームが30%で選択され、21ゲーム~32ゲームが50%で選択される。すなわち、スーパーアタックモード当選時においても、ボーナスに同時当選している場合のほうが、同時当選していない場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっているし、ボーナスに同時当選していない場合には、スーパーアタックモード当選ゲームから比較的に短いゲーム数で当該スーパーアタックモード当選が報知されることになる。スーパーアタックモード当選時においても、現状の表示モードがチャレンジモードである場合には、ボーナス同時当選の有無に関わらず、前兆ゲーム数として0ゲームが選択される。つまり、この場合、前兆モードに設定されず、当選ゲームの次ゲームにおいてスーパーアタックモードの当選報知が行われる。
なお、ボーナスと当時当選している場合において、重複役の種類によって選択され易い前兆ゲーム数を異ならせてもよい。例えば、特リプA重複1や特リプA重複2のようにリプレイ(第9再遊技)とボーナスとの重複役のほうが、強チェリー重複1や弱チェリー重複1のように小役(強チェリー、弱チェリー等)とボーナスとの重複役よりも長い前兆モードが選択され易い構成としてもよいし、その逆の関係となるようにしてもよい。
ステップS810では、ステップS809にて取得した前兆ゲーム数テーブルと、RAM106の各種カウンタエリア106eから取得した抽選用のカウンタとに基づいて、今回の前兆モードのゲーム数を抽選する処理を行う。そして、ステップS811にて、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられた前兆カウンタに前兆ゲーム数を入力する処理を行う。前兆カウンタは1ゲーム毎に1ずつ減算されるカウンタであり、前兆カウンタが0となることで前兆モードが終了し、アタックモード等の移行抽選に当選したことの当選報知が行われる。
ステップS812では、前兆コマンドをサブ側の制御装置である表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。前兆コマンドには、前兆モードの契機となった抽選結果(前兆モード後に移行する表示モード、上記ステップS812の場合にはBBモード及びアタックモード)及び前兆ゲーム数の情報が含まれている。前兆コマンドを受信したことに基づく表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。ステップS812の処理を実行した後は、第1特定役処理を終了する。
ステップS805にてアタックモードへの移行抽選に当選していないと判定した場合、ステップS813に進む。ステップS813では、チャレンジモード抽選処理を実行する。チャレンジモード抽選処理では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからチャレンジモード抽選用のテーブルを取得するとともに、RAM106の各種カウンタエリア106eから抽選用のカウンタを取得する。チャレンジモード抽選用のテーブルは、移行契機役の種類に応じてチャレンジモードへの移行確率がそれぞれ設定されている(図37)。例えば、強チェリーと弱チェリーとでは、強チェリーの方が弱チェリーよりもチャレンジモードへの移行確率が高く設定されている。
ステップS813が実施される場合として、表示モードがチャレンジモードである場合も含まれるが、この場合もステップS813ではチャレンジモード抽選処理を実行し、その抽選用のテーブルは通常モードとチャレンジモードとで共通のテーブルとしている。なお、ステップS801~803のように、チャレンジモード中か否かによって、抽選テーブルを異ならせてもよい。
ステップS814では、ステップS813の処理結果に基づいて、チャレンジモードに当選したか否かの判定を行う。チャレンジモードに当選したと判定した場合には、ステップS815にて、現状の表示モードがチャレンジモードであるか否かを判定する。チャレンジモードではなく通常モードである場合、ステップS816にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにチャレンジモード当選フラグをセットする処理を実行する。
ステップS816の処理を行った後は、ステップS809~ステップS812と同様にステップS817~ステップS820にて前兆モード用の設定処理を行う。すなわち、ステップS817にて前兆ゲーム数テーブルを取得し、ステップS818にて前兆ゲーム数の抽選処理を行い、ステップS819にて前兆ゲーム数をセットし、ステップS820にて前兆コマンドをセットしてから、第1特定役処理を終了する。
ステップS817にて取得する前兆ゲーム数テーブルでは、図38に示すように、チャレンジモード単独で当選している場合には、1ゲーム~5ゲームが90%で選択され、6ゲーム~10ゲームが10%で選択される。一方、チャレンジモードがボーナスと同時当選であった場合には、1ゲーム~5ゲームが20%で選択され、6ゲーム~10ゲームが30%で選択され、11ゲーム~20ゲームが50%で選択される。すなわちチャレンジモード当選時においても、ボーナスに同時当選している場合のほうが、同時当選していない場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっているし、ボーナスに同時当選していない場合には、チャレンジモード当選ゲームから比較的に短いゲーム数で当該チャレンジモード当選が報知されることになる。
前兆ゲーム数について付け加えると、ボーナスに同時当選しているか否かに関わらず、チャレンジモードよりもアタックモードのほうが長い前兆ゲーム数が選択され易く、アタックモードよりもスーパーアタックモードの方が長い前兆ゲーム数が選択され易く、遊技者にとって有利な表示モードに当選していれば長い前兆ゲーム数が選択され易くなっている。また、ボーナスに同時当選していない場合には、10ゲーム以下の前兆ゲーム数が選択されるようになっており、前兆モードが11ゲーム以上継続すれば、ボーナスと同時当選していることが確定する。また、ボーナスと同時当選している場合であっても、チャレンジモードとボーナスの同時当選では20ゲーム以下の前兆ゲーム数が選択されるようになっている一方、アタックモードやスーパーアタックモードとボーナスの同時当選では21ゲーム以上の前兆ゲーム数も選択されるようになっており、前兆モードが21ゲーム以上継続することで、ボーナス+アタックモード又はスーパーアタックモードであることが確定する。このように、前兆ゲーム数との関係で当選内容を予測する楽しみが追加されている。
さらに本実施形態では、移行契機役当選時においてアタックモードやチャレンジモード等に非当選の場合や非契機役当選時において、疑似前兆モードに移行する場合がある。かかる処理については後述するが、疑似前兆モードとして設定されるゲーム数は、1ゲーム~20ゲームのいずれかとなっている。そのため、当選示唆演出が21ゲーム以上に亘って頻繁に発生することにより、移行した前兆モード又は疑似前兆モードが、前兆モードであることが確定することになる。
ステップS815にてチャレンジモード中に再度チャレンジモードに当選したと判定した場合には、ステップS821~ステップS825にて、チャレンジモードの継続ゲームの上乗せ用の処理を行う。すなわち、ステップS821では、ボーナス当選フラグがセットされているか否かを判定する。ボーナス当選フラグがセットされていない場合には、ステップS822に進み、チャレンジモードの上乗せゲーム数の抽選処理を実行する。
ここで、上乗せとは、チャレンジモードやアタックモードの継続ゲーム数を加算することをいい、上乗せゲーム数とは、当該継続ゲーム数に加算する値に対応する。ステップS822では、チャレンジモードの継続ゲーム数に加算する値を抽選により決定する。
具体的には、上乗せゲーム数の抽選処理では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからチャレンジモード上乗せゲーム数抽選用のテーブルを取得するとともに、RAM106の各種カウンタエリア106eから抽選用のカウンタを取得する。チャレンジモード上乗せゲーム数抽選用のテーブルは、抽選契機となる遊技結果の種類に応じて上乗せゲーム数が多くなるように設定されている。具体的には、図39に示すように、例えば、強チェリーでは2ゲームから20ゲームのチャレンジモードの上乗せを行い、その平均上乗せゲーム数は15ゲームとなっている。また、弱チェリーでは5ゲームから30ゲームの上乗せを行い、その平均上乗せゲーム数は10ゲームとなっており、強チェリーの場合よりも弱チェリーのほうが多いゲーム数が選択される場合があるものの、その平均値(期待上乗せゲーム数)としては強チェリーのほうが多いゲーム数となるように設定されている。
ステップS823では、チャレンジモードのゲーム数上乗せ処理を行う。かかる処理では、チャレンジモードの継続ゲーム数を管理するカウンタ(より詳しくは、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたチャレンジモード継続カウンタ)に、ステップS822により抽選された上乗せゲーム数に対応する値を加算する処理を行う。そして、ステップS824にて、上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行ってから、本第1特定役処理を終了する。上乗せコマンドには、上乗せが発生したこと、上乗せゲーム数及び上乗せを行う対象(チャレンジモード又はアタックモード)の情報が含まれている。上乗せコマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明するが、表示制御装置81では、上乗せコマンドを受信したことに基づいて、これら上乗せコマンドに含まれる情報の報知としての上乗せ報知(上乗せ演出)を行う。
ステップS821にてボーナス当選フラグがセットされている場合には、ステップS825に進む。ステップS825では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにチャレンジモード上乗せフラグをセットしてから、本第1特定役処理を終了する。チャレンジモード上乗せフラグは、チャレンジモードのゲーム数の上乗せ条件が成立していることをCPU102が把握するためのフラグである。詳細は後述するが、チャレンジモード上乗せフラグがセットされている状況でボーナスが終了する場合に、ボーナス終了時にチャレンジモードの上乗せが行われる。すなわち、ボーナス同時当選か否かによって、上乗せ報知が行われるゲームが異なるように設定されている。
抽選結果対応処理の説明(図31)に戻り、ステップS702にて否定判定した場合、又はステップS703にて肯定判定した場合、ステップS705に進む。ステップS705では、現状の遊技状態が、第2RT状態か否かを判定する。第2RT状態である場合には、ステップS706にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにVBモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。VBモード当選フラグは、VBモードの移行抽選に当選した場合にセットされ、VBモードへ移行する際にクリアされるフラグである。ステップS706にて否定判定した場合には、ステップS707にて、第2特定役処理を実行する。また、ステップS705にて否定判定した場合は、ステップS708にてボーナス状態中か否かを判定する。ボーナス状態中ではない場合、又はステップS706にて肯定判定した場合には、ステップS709にて、第3特定役処理を実行する。ボーナス状態中である場合には、ステップS710にて、第4特定役処理を実行する。
<第2特定役処理>
第2特定役処理について、図33のフローチャートを参照しながら説明する。
ここで、第2特定役処理が行われる場合とは、第2RT状態であって、且つVBモードに当選していない状態である。この場合の表示モードとしては、アタックモードが対応する。第2特定役処理では、表示モードをVBモードや上乗せ特化ゾーンに移行させるか否かの移行抽選を行う。なお、上乗せ特化ゾーンとは、複数回のゲームに亘って、アタックゾーンの継続ゲーム数の上乗せが高確率で発生する状態を示す。また、第2特定役処理では、アタックモードのランクの昇格抽選を行うとともに、アタックモードの継続ゲーム数の上乗せ用の処理を行う。
すなわち、ステップS901では、アタックモードのランクを把握する処理を行う。既に説明したとおり、本実施形態では、第1アタックモード~第4アタックモードの4つのアタックモードのランクが設けられており、各ランクでVBモードへの移行確率が異なっている。そこで、ステップS901は、現状のアタックモードのランクが第1アタックモード~第4アタックモードのいずれであるかを判定する。
ステップS902では、ステップS901で把握したアタックモードのランクに応じたVBモード抽選テーブルを、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから取得する。VBモード抽選テーブルでは、抽選契機となる遊技結果の種類に応じてVBモードへの移行確率がそれぞれ設定されている。図37に示すように、例えば、強チェリー1と弱チェリーとでは、強チェリー1の方が弱チェリーよりもVBモードへの移行確率が高く設定されている。また、各ランクのVBモード抽選テーブルでは、全体的にVBモードへの移行確率が異なっており、第1アタックモードのものよりも第2アタックモードのものの方がVBモードへの移行確率が高くなるように、第2アタックモードのものよりも第3アタックモードのものの方がVBモードへの移行確率が高くなるように、第3アタックモードのものよりも第4アタックモードのものの方がVBモードへの移行確率が高くなるように設定されている。
ステップS903では、ステップS902にて取得したテーブルと、RAM106の各種カウンタエリア106eから取得した抽選用のカウンタとを用いて、VBモードの移行抽選を行う。そして、ステップS904にて、ステップS903の抽選結果が、VBモード当選に対応するものであったか否かの判定を行う。なお、本実施形態では、ボーナスとの重複役を移行契機役としてVBモードの移行抽選が行われる場合、当該VBモードへの移行抽選に当選しないようになっている。つまり、BBモードへの移行とVBモードへの移行とがなるべく重複して生じないようにし、これらボーナスとの重複役の有利度が高まりすぎないようにしている。
ステップS904にて肯定判定した場合、ステップS905にてRAM106の各種フラグ格納エリア106dにVBモード当選フラグをセットする処理を行う。その後、ステップS906~ステップS909にて、前兆ゲーム数の設定用の処理を行う。すなわち、ステップS906にて前兆ゲーム数テーブルを取得し、ステップS907にて前兆ゲーム数を抽選し、ステップS908にて前兆ゲーム数をセットし、ステップS909にて前兆コマンドをセットしてから第2特定役処理を終了する。但し、本実施形態においては、図38に示すように、アタックモード中のVBモード当選については、いずれも前兆ゲーム数が0となるように設定されている。そのため、アタックモード中にVBモードに当選した場合、次ゲームでその当選報知が行われることとなる。
ステップS904にて、VBモード抽選処理の結果がVBモード当選ではないと判定した場合、ステップS910に進む。ステップS910~ステップS913は、アタックモードのランクの昇格用の処理である。
ステップS910では、アタックモード昇格抽選処理を行う。かかる処理では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから、昇格抽選用のテーブルを取得するとともに、RAM106の各種カウンタエリア106eから、抽選用のカウンタを取得する。昇格抽選用のテーブルは、アタックモードのランクに応じて複数設けられており、具体的には第1アタックモード用のテーブル、第2アタックモード用のテーブル、第3アタックモード用のテーブルと、計3つ(第4アタックモードに滞在している状況では昇格抽選を行わない)設けられている。各テーブルでは、抽選契機となる遊技結果の種類に応じて昇格抽選の当選確率がそれぞれ設定されている。例えば、強チェリーと弱チェリーとでは、強チェリーの方が弱チェリーよりも昇格抽選の当選確率が高く設定されている。また、各アタックモード用のテーブルでは、第1アタックモード用のテーブルよりも、第2アタックモード用のテーブルの方が昇格確率が低くなるように、第2アタックモード用のテーブルよりも、第3アタックモード用のテーブルの方が昇格確率が低くなるように設定されており、アタックモードのランクが昇格するにつれて、次のランクに昇格しにくくなるように設定されている。
ステップS911では、ステップS910の抽選結果が、昇格当選であったか否かを判定する。昇格当選であった場合には、ステップS912にて、アタックモードの昇格処理を行う。かかる処理では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに設けられたランクフラグを、現状のアタックモードのランクに対応するランクフラグから1つ上位のランクフラグに書き換える処理を行う。その後、ステップS913にて、昇格コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行う。昇格コマンドには、昇格先のアタックモードの情報が含まれている。昇格コマンドを受信した表示制御装置81では、昇格先のランクのアタックモード用の演出を行うように、補助表示部65等を制御する。補助表示部65におけるアタックモード用の演出として、例えば、アタックモードのランクに応じて異なる背景色の演出が設定されており、表示制御装置81では、上記昇格コマンドを受信した場合に、アタックモードのランクが昇格したことの報知を行うとともに、昇格先のランクに応じた背景色でアタックモード用の演出を行うように制御する。
ステップS911にて昇格抽選に当選していないと判定した場合、又はステップS913の処理を実行した後は、ステップS914~ステップS921にてアタックモードの継続ゲーム数の上乗せ用の処理を行う。
すなわち、ステップS914では、アタックモードのゲーム数の上乗せ抽選処理を行う。かかる上乗せ抽選処理では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからアタックモード上乗せ抽選用のテーブルを取得するとともに、RAM106の各種カウンタエリア106eから抽選用のカウンタを取得する。アタックモード上乗せ抽選用のテーブルは、図40に示すように、抽選結果の種類に応じて上乗せ抽選に当選する確率が異なるように設定されている。
ここで、本実施形態では、アタックモードのゲーム数上乗せ抽選に関しては、押し順ベルや押し順リプレイでも抽選契機となるように設定されている。押し順ベルや押し順リプレイ(以下、これらをまとめて「押し順役」ともいう)は、図36に示すように設定値に関わらず共通のポイント値PVが設定されており、当選確率に設定差がない。そして、押し順役を契機として行われるゲーム数上乗せ抽選の当選確率や当選時の上乗せゲーム数についても設定差がないように設定されている。つまり、押し順役を契機とする上乗せ性能に設定差はない。なお、これら押し順役に上記移行契機役を含め、指示機能に関する抽選の契機となる役として、以下の説明では特定役とも称する。
図40に示すように、特定役のうち、押し順役は、移行契機役と比較してアタックモードのゲーム数上乗せ抽選の当選確率は低く設定されている。そのため、各ゲームの抽選結果として押し順役が出現した場合よりも移行契機役が出現した場合のほうが、アタックモードのゲーム数上乗せに期待が持てることになる。そうすると、遊技者は、それを前提として移行契機役当選となることに期待しながらゲームを進めると考えられる。その一方で、押し順役は移行契機役と比較して各ゲームにおける当選確率が高く、比較的出現し易い遊技結果といえる。このような役構成とすることで、押し順役を上乗せ契機役としての存在感を低くし、上乗せが発生した場合の意外性を高めることができる。しかも、これら押し順役に基づく上乗せが行われる機会がアタックモード中に現実的に生じ得る程度のもの(より詳しくは初期ゲーム数である50ゲームを2~3回実行すれば1回は発生するであろう程度の出現率)となっている。そのため、上記のような意外性ある押し順役を契機とする上乗せを、好適に発生させることが可能となっている。
上乗せ抽選に当選していると判定した場合、ステップS916にて、ボーナス当選フラグがセットされているか否かを判定する。ボーナス当選フラグがセットされていない場合には、ステップS917に進み、アタックモードの上乗せゲーム数の抽選処理を行う。かかる上乗せゲーム数の抽選処理では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからアタックモード上乗せゲーム数抽選用のテーブルを取得するとともに、RAM106の各種カウンタエリア106eから抽選用のカウンタを取得する。アタックモード上乗せゲーム数抽選用のテーブルは、図39に示すように特定役の種類に応じて上乗せゲーム数が異なるように設定されている。例えば、強チェリーでは20ゲームから200ゲームのアタックモードの上乗せを行い、その平均上乗せゲーム数は30ゲームとなっている。また、弱チェリーでは5ゲームから300ゲームの上乗せを行い、その平均上乗せゲーム数は20ゲームとなっており、強チェリーの場合よりも弱チェリーのほうが多いゲーム数が選択される場合があるものの、その平均値としては強チェリーのほうが多いゲーム数となるように設定されている。
ステップS918では、アタックモードのゲーム数上乗せ処理を行う。かかる処理では、アタックモードの継続ゲーム数を管理するカウンタ(より詳しくは、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたアタックモード継続カウンタ)に、ステップS917により抽選された上乗せゲーム数に対応する値を加算する処理を行う。続くステップS919では、上乗せ抽選に当選したことやそのゲーム数を報知するための上乗せ報知用処理を行う。そして、ステップS920にて上乗せ報知用処理の処理結果を含む上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行ってから、本第2特定役処理を終了する。上乗せ報知用処理については、後に詳細に説明する。
ステップS916にてボーナス当選フラグがセットされている場合には、ステップS921に進む。ステップS921では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにアタックモード上乗せフラグをセットしてから、本第2特定役処理を終了する。アタックモード上乗せフラグは、アタックモードのゲーム数の上乗せ条件が成立していることをCPU102が把握するためのフラグである。詳細は後述するが、アタックモード上乗せフラグがセットされている状況でボーナスが終了する場合に、ボーナス終了時にアタックモードの上乗せが行われる。すなわち、チャレンジモードのゲーム数上乗せ報知と同様に、ボーナス同時当選か否かによって、上乗せ報知が行われるゲームが異なるように設定されている。
ステップS915にて上乗せ抽選に非当選であると判定した場合、ステップS922に進む。ステップS922では、特化ゾーンへの移行抽選を実行する。すなわち、アタックモード中に特定役に当選した場合において、VBモードへの移行抽選やアタックモードのゲーム数上乗せ抽選等に当選しなかった場合に、特化ゾーンへの移行抽選が行われる。特化ゾーン抽選処理では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから特化ゾーン移行抽選用のテーブルを取得するとともに、抽選用のカウンタ等によって、表示モードを特化ゾーンへ移行させるか否かの抽選を行う。特化ゾーン移行抽選用のテーブルは、図39に示すように、特定役のうち移行契機役の種類によって移行抽選の当選確率が異なるように設定されている。既に説明したとおり、移行契機役のうちボーナスとの重複役についてはVBモードへ移行抽選に当選しないようになっている一方、図40に示すように、当該ボーナスとの重複役はアタックモードのゲーム数上乗せ抽選に必ず当選する(100%の確率で当選する)ように設定されている。そのため、これらボーナスとの重複役を契機として特化ゾーン移行抽選が行われることはなく、特化ゾーン移行抽選は、ボーナスとの重複役ではない強チェリーや弱チェリー等の当選時であって、VBモードへの移行抽選及びゲーム数上乗せ抽選に非当選となった場合に当選し得るように設定されている。例えば、強チェリーに基づく特化ゾーン移行抽選では5%の確率で当選し、弱チェリーに基づく特化ゾーン移行抽選では0.5%の確率で当選する。一方、強スイカに基づく特化ゾーン移行抽選では15%の確率で当選し、弱スイカに基づく特化ゾーン移行抽選では5%の確率で当選する。
ステップS923では、上記ステップS922の処理結果に基づいて、特化ゾーンへの移行抽選に当選したか否かを判定する。当選していない場合には、そのまま第2特定役処理を終了する。当選している場合には、ステップS924にて、各種フラグ格納エリア106dに特化ゾーン当選フラグをセットする処理を行う。そして、ステップS925にて前兆ゲーム数テーブルを取得する処理を行い、ステップS926にて前兆ゲーム数の抽選処理を行い、ステップS927にて前兆ゲーム数をセットする処理を行い、ステップS928にて前兆コマンドをセットする処理を行ってから、第2特定役処理を終了する。ステップS925~ステップS928の処理は、例えばステップS906~ステップS909の処理と同様であり、前兆モードを設定するための処理である。
ステップS923にて否定判定し、VBモードへの移行抽選、アタックモードのゲーム数上乗せ抽選、及び特化ゾーンへの移行抽選のいずれにも非当選であった場合、ステップS929にて疑似上乗せ報知用処理を行ってから、第2特定役処理を終了する。疑似上乗せ報知用処理は、これら抽選に非当選であったとしても当選時と似た演出を発生させることによって期待感を持続させるための処理である。疑似上乗せ報知用処理については、後に詳細に説明する。
<第3特定役処理>
次に、ステップS709にて実行される第3特定役処理について、図34のフローチャートを参照しながら説明する。
第3特定役処理が行われる場合とは、第3RT状態である場合、又は第2RT状態であって、且つVBモードに当選している状態である。この場合の表示モードとしては、アタックモード又はVBモードが対応する。第3特定役処理では、アタックモードの継続ゲーム数の上乗せ用の処理や特化ゾーンに移行させるか否かの移行抽選を行う。
すなわち、ステップS1001では、アタックモードのゲーム数上乗せ抽選処理を行う。かかる処理は、ステップS914の処理と同様である。なお、ステップS914の抽選処理とステップS1001の抽選処理とで、上乗せ抽選の当選確率を異ならせてもよい。
ステップS1002では、ステップS1001の抽選結果が、上乗せ当選結果であったか否かを判定する。上乗せ抽選に当選していると判定した場合、ステップS1003にて、ボーナス当選フラグがセットされているか否かを判定する。ボーナス当選フラグがセットされていない場合には、ステップS1004に進み、アタックモードの上乗せゲーム数の抽選処理を行う。そして、ステップS1005にてアタックモードのゲーム数上乗せ処理を行い、ステップS1006にて上乗せ報知用処理を行い、ステップS1007にて上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行ってから、本第3特定役処理を終了する。ステップS1003~ステップS1007の処理は、ステップS916~ステップS920の処理と同様である。なお、ステップS916の抽選処理とステップS1004の抽選処理とで、上乗せゲーム数を異ならせてもよい。
ステップS1002にて否定判定した場合には、ステップS1009へ進む。ステップS1009では、特化ゾーンへの移行抽選を実行する。すなわち、VBモード中に特定役に当選した場合において、アタックモードのゲーム数上乗せ抽選に当選しなかった場合にも、特化ゾーンへの移行抽選が行われる。特化ゾーン抽選処理は、上記ステップS922の処理と同様であり、特化ゾーン移行抽選用のテーブルに基づいて行われる(図37)。ステップS1010~ステップS1016の処理は、上記ステップS923~ステップS929の処理と同様である。また、ステップS1003にてボーナス当選フラグがセットされていると判定した場合には、ステップS1007にてアタックモード上乗せフラグをセットしてから、第3特定役処理を終了する。アタックモード上乗せフラグについては、上述したとおりである。
抽選結果対応処理(図31)において、ステップS710の第4特定役処理については、ボーナス状態中の処理であり、後に詳細に説明する。
ステップS701にて持ち越し状態中であると判定した場合、又はステップS704、ステップS707、ステップS709及びステップS710のいずれかの処理を実行した後は、ステップS711にて、今回の抽選処理の結果が押し順リプレイや押し順ベルの押し順役当選であったか否かを判定する。押し順役当選であった場合には、ステップS712にて押し順役処理を実行する。かかる押し順役処理については、後に詳細に説明する。
ステップS711にて否定判定した場合、又はステップS712の処理を実行した後は、ステップS713に進む。ステップS713では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに上乗せ特化ゾーンに対応する特化ゾーンフラグがセットされているか否かを判定する。特化ゾーンフラグは、上記のとおり、スーパーアタックモードへの移行抽選や特化ゾーンへの移行抽選に当選することに基づいて特化ゾーン当選フラグがセットされた後、特化ゾーンへの移行が生じた場合(第7再遊技入賞が成立した場合)にセットされるフラグである。ステップS713にて特化ゾーンフラグがセットされている場合には、ステップS714にて特化ゾーン用処理を実行する。ステップS713にて否定判定した場合、又はステップS714の処理を実行した後は、本抽選結果対応処理を終了する。
<特化ゾーン用処理>
特化ゾーン用処理について、図35のフローチャートを参照しながら説明する。
特化ゾーン用処理では、先ず、ステップS1101にて今回の抽選処理の結果を把握する。続くステップS1102では、アタックモードの上乗せゲーム数抽選処理を行う。続くステップS1103では、アタックモードのゲーム数上乗せ処理を行う。そして、ステップS1104にて、上乗せ報知用処理を実行し、ステップS1105にて上乗せコマンドをセットしてから、特化ゾーン用処理を終了する。ステップS1102~ステップS1105の処理は、ステップS917~ステップS920の処理と同様である。但し、ステップS1102の上乗せゲーム数抽選処理の方が、ステップS917の上乗せゲーム数抽選処理よりも、選択されるゲーム数が多くなっている(図39)。また、特化ゾーンにおいては、遊技結果に関わらず、必ずアタックモードのゲーム数上乗せが発生するように設定されている(図40)。
以上のように、抽選結果対応処理においては、持ち越し状態中ではないことを条件として、チャレンジモード、アタックモード又はVBモードへの移行抽選や、チャレンジモード又はアタックモードの継続ゲーム数の上乗せ用の処理等が行われる。言い換えると、特定役当選となった場合でも、持ち越し状態中においては、チャレンジモード、アタックモード又はVBモードの移行抽選や、チャレンジモード又はアタックモードの継続ゲーム数の上乗せ用の処理等は行われず、その実施が制限される。チャレンジモード、アタックモード又はVBモードへの移行抽選に当選した場合には、前兆ゲームを経てから、当該移行抽選に当選したことの報知が行われる。そこで、以下、表示モードの移行抽選の結果に基づいて遊技状態を移行させるための処理について説明する。
<表示モードの移行抽選の結果に基づいて遊技状態を移行させるための処理>
(2)表示モードの移行抽選の結果に基づいて遊技状態を移行させるための処理では、表示モードの移行抽選に当選したことの報知を行うための処理と、遊技状態を移行させるための報知を行うための処理と、が行われる。そこで、先ず、移行抽選に当選したことの報知に関する処理について説明する。
<モード移行報知用処理>
移行抽選に当選したことの報知は、通常処理(図15)におけるモード移行報知用処理(ステップS206)にて行われる。モード移行報知用処理は、所定のベット操作が行われた場合(ステップS205のベット数が規定数であると判定された場合)に実施される処理である。以下、モード移行報知用処理について、図41のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1201では、前兆ゲーム数が0であるか否かを判定する。前兆ゲーム数のカウントは、後述する入賞結果対応処理にて行われ、1ゲーム消化する度に前兆ゲーム数が1ずつ減算される。前兆ゲーム数が0ではない場合は、そのままモード移行報知用処理を終了する。
前兆ゲーム数が0である場合、ステップS1202にてボーナス当選フラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、今回の前兆モードがボーナス当選を契機とする前兆モードであったか否かを判定する。ボーナス当選フラグがセットされている場合には、ステップS1203にてボーナス当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットしてから、本モード移行報知用処理を終了する。ボーナス当選報知コマンドを受信した表示制御装置81は、例えば、補助表示部65にて「ボーナス確定!!」と表示することにより、ボーナスに当選していることの報知を行う。なお、当選しているボーナスの種類(第1BB及び第2BBのいずれか)を合わせて報知する構成としてもよい。
ちなみに、本実施形態では、ボーナスとアタックモードやチャレンジモード等が同時当選している場合、ステップS1203にて報知したボーナスの終了時にこれらアタックモード等の当選報知が行われる構成としている。かかる当選報知に関する処理については後に詳細に説明するが、ボーナス当選報知に合わせてアタックモード等の当選報知を行う場合、ステップS1203にて設定するボーナス当選報知コマンドに合わせて、アタックモード等の当選報知コマンドを設定する構成とするとよい。
ステップS1202にて否定判定した場合、ステップS1204に進む。ステップS1204では、チャレンジモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、今回の前兆モードが、チャレンジモード当選を契機とする前兆モードであったか否かを判定する。チャレンジモード当選フラグがセットされている場合、ステップS1205にて、チャレンジモード当選フラグをクリアする。そして、ステップS1206にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにチャレンジモードフラグをセットする。チャレンジモードフラグは、現状の表示モードがチャレンジモードであることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップS1207では、チャレンジモード開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。チャレンジモード開始コマンドを受信した表示制御装置81は、チャレンジモードが開始されることの報知を、補助表示部65等により行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。
その後、ステップS1208にて、チャレンジモード継続数のカウントを開始する。具体的には、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたチャレンジモード継続カウンタにチャレンジモードの継続ゲーム数の初期値(例えば10)をセットする。ステップS1208の処理を行った後は、本モード移行報知用処理を終了する。
ステップS1204にてチャレンジモード当選フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS1209にてアタックモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、今回の前兆モードが、アタックモード当選を契機とする前兆モードであったか否かを判定する。アタックモード当選フラグがセットされている場合、ステップS1210にて、アタックモード当選フラグをクリアする。そして、ステップS1211にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにアタック用報知フラグをセットする。アタック用報知フラグは、アタックモードの移行抽選に当選したことに伴って、遊技状態を第2RT状態へ移行させるためのフラグである。その後、ステップS1212にてアタックモード当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。アタックモード当選報知コマンドを受信した表示制御装置81は、アタックモード移行抽選に当選したことの報知を、補助表示部65等により行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。ステップS1212の処理を実行した後は、本モード移行報知用処理を終了する。
ちなみに、本実施形態では、スーパーアタックモードの当選報知の態様は、アタックモードの当選報知の態様と異なる態様としている。そのため、ステップS1212では、スーパーアタックモードか否かの情報を含むように、アタックモード当選報知コマンドを設定する構成とするとよい。アタックモードの当選報知の態様と、スーパーアタックモードの当選報知の態様とは、遊技者が識別可能な程度に異なる態様であればよく、より好ましくは、有利度の高いスーパーアタックモードの当選報知の態様の方が、アタックモードの当選報知の態様よりも派手な態様であるとよい。
なお、これらアタックモードとスーパーアタックモードの当選報知の態様を共通化させる構成としてもよい。このようにすることで、アタックモード当選報知ゲームから開始報知ゲームまでの間に、当選している内容が、アタックモードからスーパーアタックモードに昇格したかのように見せることが可能となり、アタックモード当選報知ゲームと開始報知ゲームとが異なることによる間延びを解消することができる。
ステップS1209にてアタックモード当選フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS1213にてVBモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、今回の前兆モードが、VBモード当選を契機とする前兆モードであったか否かを判定する。アタックモード当選フラグがセットされている場合、ステップS1214にて、VBモード当選フラグをクリアする。そして、ステップS1215にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにVB用報知フラグをセットする。VB用報知フラグは、VBモードの移行抽選に当選したことに伴って、遊技状態を第3RT状態へ移行させるためのフラグである。その後、ステップS1216にてVBモード当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。VBモード当選報知コマンドを受信した表示制御装置81は、VBモード移行抽選に当選したことの報知を、補助表示部65等により行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。ステップS1216の処理を実行した後は、本モード移行報知用処理を終了する。
ステップS1213にてVBモード当選フラグがセットされていないと判定した場合は、ステップS1217に進む。ステップS1217では、特化ゾーン当選フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのままモード移行報知用処理を終了する。セットされている場合には、ステップS1218にて、当該特化ゾーン当選フラグをクリアする処理を行う。そして、ステップS1219にて、各種フラグ格納エリア106dに特化ゾーン用報知フラグをセットする処理を行う。特化ゾーン用報知フラグは、第7再遊技入賞に対応する押し順報知を実行するためのフラグである。ステップS1219の処理を実行した後は、ステップS1220にて特化ゾーン当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットしてから、本モード移行報知用処理を終了する。特化ゾーン当選報知コマンドを受信した表示制御装置81は、特化ゾーンに当選したことの報知を行うように、補助表示部65やスピーカ64を制御する。ステップS1217にて否定判定した場合には、そのままモード移行報知用処理を終了する。
すなわち、前兆モードを経て移行するチャレンジモード、アタックモード、VBモード及び特化ゾーンのうち、チャレンジモードについては、前兆モードの前兆ゲーム数が0となった際のベット操作に基づいて当該チャレンジモードが開始される。一方、アタックモード、VBモード及び特化ゾーンについては、前兆モードの前兆ゲーム数が0となった際のベット操作に基づいて、アタックモード移行抽選やVBモード移行抽選に当選したことの報知だけが行われ、前兆ゲーム数が0となってもアタックモードやVBモード、特化ゾーンは開始されない。これは、表示モードとしてのチャレンジモードは遊技状態の移行を伴わないものである一方、アタックモードやVBモードは遊技状態の移行を伴い、具体的にはアタックモードは第2RT状態へ移行することで開始され、VBモードは第3RT状態へ移行することで開始されることの違いに起因するものである。なお、特化ゾーンについては遊技状態の移行を伴わない場合(第3RT状態→第3RT状態)もあるが、本実施形態では第3RT状態中の第7再遊技当選ゲームを開始ゲームとしているため、上記処理構成となる。
既に説明したとおり、第2RT状態へは第1昇格リプレイ1~4に当選した場合であって、第3再遊技入賞が成立した場合に移行し、第3RT状態へは第2昇格リプレイ1,2に当選した場合であって、第4,第5再遊技入賞が成立した場合に移行する。そして、第1昇格リプレイ1~4に当選し、第3再遊技入賞が成立する場合や、第2昇格リプレイ1,2に当選し、第4,第5再遊技入賞が成立する場合とは、これら昇格リプレイ当選時のストップスイッチ42~44の操作順序が、第3再遊技入賞等に対応するものであった場合である。そこで、アタックモードやVBモードへの移行抽選に当選した場合には、その後に、これら遊技状態を移行させることとなる役に当選したゲームにおいて、ストップスイッチ42~44の操作順序を報知して、遊技状態を移行させることを可能とする構成としている。なお、アタックモードやVBモードの移行抽選に当選したことの報知が行われてから、アタックモードやVBモードが開始されるまで(遊技状態が移行するまで)は、準備状態としての報知(例えば「準備中」という報知)が行われる。
<表示モードの移行に関する説明>
遊技状態を移行させるための報知用の処理は、抽選結果対応処理(図31)における、押し順役処理(ステップS712)にて行われる。ここでは、押し順役処理の説明に先立って、ストップスイッチ42~44の操作順序が報知される場合の概要について図42を参照しながら説明する。
<押し順報知演出の概要>
押し順役当選時の操作順序の報知(押し順報知、押し順報知演出、順序報知、態様報知)は、主に補助表示部65及び指示モニタ68にて行われる。ここでは、今回報知する操作順序が、中→右→左である場合の押し順役に当選している場合を例として、補助表示部65での押し順報知演出を説明する。指示モニタ68における押し順報知については、後に詳細に説明する。
図42(a)に示すとおり、補助表示部65では、ストップスイッチ42~44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップスイッチに対応するボタン表示(図では中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、各ボタン表示は、当選役に対応する色(ベルなら黄色、再遊技なら青色等)にて表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて当選している役と、最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。また、補助表示部65では、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であり、最後に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを示すように、右のボタン表示に数字の2が付されて表示され、左のボタン表示に数字の3が付されて表示される。
遊技者が中ストップスイッチ43を操作すると、図42(b)に示すように、補助表示部65では、中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示が消え、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、中ストップスイッチ43の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であることを確認することができる。
遊技者が右ストップスイッチ44を操作すると、図42(c)に示すように、補助表示部65では、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が消え、左ストップスイッチ42に対応する左のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、右ストップスイッチ44の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを確認することができる。
押し順報知の実行タイミングについて説明すると、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから、加速期間を経て定速回転に至るまでのストップスイッチ42~44の無効期間中に、押し順報知が実行されるように設定されている。このようにストップスイッチ42~44の操作が有効となるよりも前のタイミングで押し順報知を実行する構成とすることで、ストップスイッチ42~44の操作順序を認識したうえでストップスイッチ42~44の操作に望ませることが可能となり、テンポ良く遊技を進行させることができる。
<押し順役処理>
次に、抽選結果対応処理(図31)におけるステップS712にて実行される押し順役処理について、図43のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1301では、今回の抽選結果が第1昇格リプレイ1~4のいずれかであるか否かを判定する。ステップS1301にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によって、第1再遊技又は第3再遊技が入賞する場合である。この場合、ステップS1302に進み、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにアタック用報知フラグがセットされているか否かを判定する。既に説明したとおり、アタック用報知フラグは、モード移行報知用処理(図41)において、アタックモードへの移行抽選に当選した後、前兆モードの前兆ゲーム数が0となることでセットされるフラグである。
アタック用報知フラグがセットされている場合には、ステップS1303にて、第3再遊技の押し順報知用の処理を実行する。具体的には、第1再遊技及び第3再遊技のうち、第3再遊技入賞に対応する操作順序を報知する(図23(a)参照)。その後、ステップS1304にて、押し順報知コマンドをサブ側の制御装置である表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。押し順報知コマンドには、今回の表示モードの情報と、抽選結果の情報とが含まれている。押し順報知コマンドを受信したことに基づく表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
なお、ステップS1303にて第3再遊技入賞に対応する操作順序の報知を行う場合とは、基本的には、アタックモードへの移行抽選に当選し、前兆モードを経てアタックモードの当選報知が行われた後であって、アタックモードへの移行前が想定される。すなわち、第2RT状態や第3RT状態での抽選テーブルでは第1昇格リプレイ1~4は当選しないようになっており、第1RT状態でのみ第1昇格リプレイ1~4に当選する。但し、アタックモード中であっても、誤操作等によって遊技状態が第2RT状態から第1RT状態へ転落してしまう場合もあり、このような場合であっても、第1昇格リプレイ1~4に当選することで、早期に第2RT状態へ復帰させることが可能となっている。
ステップS1301にて否定判定した場合、ステップS1305にて、今回の抽選結果が転落リプレイ1~3のいずれかであるか否かを判定する。ステップS1305にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によって、第1再遊技又は第2再遊技が入賞する場合である。この場合、ステップS1306にて、上記アタック用報知フラグがセットされているか否かを判定する。アタック用報知フラグがセットされている場合には、ステップS1307にて、第1再遊技の押し順報知用の処理を実行する。具体的には、第1再遊技及び第2再遊技のうち、第1再遊技入賞に対応する操作順序を報知する(図23(b)参照)。その後、ステップS1308にて、押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。
このように、アタックモードへの移行抽選に当選している状況において第1昇格リプレイ1~4に当選すると、第3再遊技入賞に対応する操作順序の報知が行われることにより、遊技状態を第2RT状態に移行させることが可能となる。一方、ステップS1302にて否定判定した場合は、押し順報知用の処理を行うことなく、そのまま押し順役処理を終了する。そのため、例えば、第1RT状態において、アタックモードに当選することなく第1昇格リプレイ1~4に当選しても、第1再遊技入賞が成立する場合と、第3再遊技入賞が成立する場合と、がある。
また、アタック用報知フラグがセットされている状況で転落リプレイ1~3に当選した場合に、第1再遊技入賞に対応する操作順序の報知が行われることにより、遊技状態を第1RT状態に移行させないようにすることが可能となる。一方、ステップS1306にて否定判定した場合は、押し順報知用の処理を行うことなく、そのまま押し順役処理を終了する。そのため、例えば、アタックモードが終了してアタック用報知フラグがクリアされ、表示モードが通常モードに移行すると、転落リプレイ1~3の当選によって、第2再遊技入賞が成立する場合があり、RT状態が第2RT状態から第1RT状態に移行することになる。
また、例えば、第1RT状態において、アタックモードに当選することなく第1昇格リプレイ1~4に当選し、たまたま操作順序が第3再遊技入賞に対応するものであって第3再遊技入賞が成立した場合であっても(第2RT状態に移行した場合であっても)、転落リプレイ1~3の当選によって、第2再遊技入賞が成立し得る。そのため、上記のように、アタックモードに当選することなくたまたま第2RT状態に移行した場合であっても、その後、速やかに第1RT状態に移行することとなる。
ステップS1305にて否定判定した場合、ステップS1309にて、今回の抽選結果が第2昇格リプレイ1,2のいずれかであるか否かを判定する。ステップS1309にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によって、第1再遊技、第4再遊技又は第5再遊技が入賞する場合である。この場合、ステップS1310にて、上記アタック用報知フラグがセットされているか否かを判定する。アタック用報知フラグがセットされている場合には、ステップS1311にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにVB用報知フラグ又は特化ゾーン用報知フラグがセットされているか否かを判定する。既に説明したとおり、VB用報知フラグは、モード移行報知用処理(図41)において、VBモードへの移行抽選に当選した後、前兆モードの前兆ゲーム数が0となることでセットされるフラグである。また、特化ゾーン用報知フラグは、モード移行報知用処理(図41)において、特化ゾーンへの移行抽選に当選した後、前兆モードの前兆ゲーム数が0となることでセットされるフラグである。
VB用報知フラグ又は特化ゾーン用報知フラグがセットされている場合、ステップS1312にて第4再遊技又は第5再遊技の押し順報知用の処理を実行する。具体的には、第1再遊技、第4再遊技及び第5再遊技のうち、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞に対応する操作順序を報知する(図23(b)参照)。その後、ステップS1313にて、押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。
ステップS1310にて否定判定した場合には、押し順報知用の処理を行うことなく、そのまま押し順役処理を終了する。一方、ステップS1311にて否定判定した場合には、ステップS1307にて第1再遊技の押し順報知用の処理を実行するとともに、ステップS1308にて押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。そのため、VBモードや特化ゾーンに当選することなく、第2昇格リプレイ1,2に当選した場合において、アタックモード中であれば第1再遊技入賞に対応する押し順報知演出が行われ、アタックモード中ではなければ押し順報知演出は行われない。
ステップS1309にて否定判定した場合、ステップS1314にて、今回の抽選結果がBARリプレイ1であるか否かを判定する。ステップS1314にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によっては、第1再遊技、第3再遊技及び第6再遊技~第8再遊技のいずれかが入賞する場合である。この場合、ステップS1315にて、アタック用報知フラグがセットされているか否かを判定する。アタック用報知フラグがセットされている場合、ステップS1316にて特化ゾーン用報知フラグがセットされているか否かを判定する。アタック用報知フラグがセットされており、且つ特化ゾーン用報知フラグがセットされている場合、ステップS1317にて、第7再遊技の押し順報知用の処理を実行する。具体的には、第1再遊技、第3再遊技及び第6再遊技~第8再遊技のうち、第7再遊技入賞に対応する操作順序を報知する(図23(c)参照)。その後、ステップS1318にて、押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。
ステップS1315にて否定判定した場合には、押し順報知用の処理を行うことなく、そのまま押し順役処理を終了する。一方、ステップS1316にて否定判定した場合には、ステップS1307にて第1再遊技の押し順報知用の処理を実行するとともに、ステップS1308にて押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。そのため、VBモードや特化ゾーンに当選することなく、BARリプレイ1に当選した場合において、アタックモード中であれば第1再遊技入賞に対応する押し順報知演出が行われ、アタックモード中ではなければ押し順報知演出は行われない。
ステップS1314にて否定判定した場合、ステップS1319にて、今回の抽選結果が押し順ベル当選であるか否かを判定する。押し順ベル当選である場合、ステップS1320にて、現状の表示モードが通常モード又はチャレンジモード中であるか否かを判定する。通常モード又はチャレンジモードではない場合には、ステップS1321にて第1小役入賞に対応する操作順序を報知するための押し順報知用の処理を実行する(図19参照)。その後、ステップS1322にて、押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。ステップS1319にて否定判定した場合又はステップS1320にて肯定判定した場合は、押し順報知用の処理を行うことなく、そのまま本押し順役処理を終了する。
なお、チャレンジモードにおいて少なくとも所定回数(1回)の押し順報知を実行する構成とする場合、ステップS1302やステップS1320において、当該チャレンジモード中に所定回数の押し順報知を実行したか否かの判定を行う構成とするとよい。そして、かかる判定にて否定判定した場合、所定回数のカウントを行うとともに、ステップS1303やステップS1321側の押し順報知用の処理へ進む構成とするとよい。
<入賞結果に基づいて表示モードを移行させるための処理>
<入賞結果対応処理>
次に、上記のように遊技状態を移行させるための報知を行った結果、遊技状態を移行させることに対応する役が入賞した場合の処理について説明する(3)。この処理は、リール制御処理(図18)における入賞結果対応処理(ステップS414)にて行われる。以下、入賞結果対応処理について、図44のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1401では、ゲーム数管理処理を実行する。詳細は後述するが、このゲーム数管理処理では、上記の前兆モードにおける前兆ゲーム数のカウントの他、チャレンジモード、アタックモード、VBモード、特化ゾーンにおける継続ゲーム数のカウント等を行う。続くステップS1402では、後乗せ報知用処理を実行する。後乗せ報知用処理は、上乗せ報知の一報知態様である後乗せ報知を行うための処理である。後乗せ報知用処理については、後に詳細に説明する。
続くステップS1403では、今回の停止結果が、第3再遊技入賞が成立しているか否かを判定する。上記のとおり、第3再遊技入賞が成立している場合、RT状態処理(図21)では、遊技状態を第2RT状態に移行するための処理が行われる。この場合、ステップS1404にて、アタック用報知フラグがセットされているか否かを判定する。アタック報知用フラグがセットされていない場合とは、アタックモードへの移行条件が成立することなく第3再遊技入賞が成立した場合であり、この場合、アタックモード開始用の処理を行うことなく、そのまま入賞結果対応処理を終了する。アタック用報知フラグがセットされている場合、ステップS1405にて、現状の表示モードがアタックモード中であるか否かを判定する。具体的には、各種フラグ格納エリア106dにアタックモードフラグがセットされているか否かを判定する。アタックモードフラグは、表示モードがアタックモードであることをCPU102が特定するためのフラグである。ちなみに、表示モードを特定するためのフラグとしては、アタックモードフラグの他、チャレンジモードフラグ、VBモードフラグ、特化ゾーンフラグ、BBモードフラグが設けられている。なお、本実施形態では、表示モードがアタックモードよりも上位のRT状態に対応するモード(VBモード、上乗せ特化ゾーン)である場合、アタックモードフラグがそのモードの対応するフラグ(VBモードフラグ、特化ゾーンフラグ)と並存する構成としている。そのため、例えば、ステップS1405にて、アタックモードフラグがセットされていると判定する場合とは、アタックモード中である場合の他、VBモード中である場合や特化ゾーン中である場合が含まれる。
ステップS1405にて、アタックモードフラグがセットされている場合には、既に表示モードがアタックモードであるため、そのまま、本入賞結果対応処理を終了する。一方、アタックモードフラグがセットされていない場合には、ステップS1406~ステップS1409にてアタックモードの開始用の処理を行う。
すなわち、ステップS1406では、アタックモードフラグをセットする。続くステップS1407では、アタックモード開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。アタックモード開始コマンドを受信した表示制御装置81は、次ゲームからアタックモードが開始されることの報知を、補助表示部65等により行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。その後、ステップS1408にて、アタックモード継続数のカウントを開始する。具体的には、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたアタックモード継続カウンタにアタックモードの継続ゲーム数の初期値(例えば50)をセットする。
ステップS1408の処理を行った後は、ステップS1409にて特化ゾーンフラグがセットされているか否かを判定する。ステップS1409にて肯定判定する場合とは、今回当選したアタックモードがスーパーアタックモードであることを意味し、この場合、ステップS1410にて特化ゾーン当選フラグをクリアしてから、上乗せ特化ゾーン開始用の処理(ステップS1419~ステップS1421)に進む。上乗せ特化ゾーン開始用の処理については、後に説明する。ステップS1409にて否定判定した場合は、そのまま入賞結果対応処理を終了する。
ステップS1403にて、第3再遊技入賞が成立していないと判定した場合、ステップS1411に進む。ステップS1411では、今回の停止結果として、第4,第5再遊技入賞が成立しているか否かを判定する。上記のとおり、第4,第5再遊技入賞が成立している場合、RT状態処理(図21)では、遊技状態を第3RT状態に移行するための処理が行われる。この場合、ステップS1412にて、VB用報知フラグがセットされているか否かを判定する。VB用報知フラグがセットされていない場合は、VBモードの移行抽選に当選することなく第4,第5再遊技入賞が成立した場合であり、この場合、VBモード開始威容の処理を行うことなく、そのまま入賞結果対応処理を終了する。VB用報知フラグがセットされている場合、ステップS1413にて、VBモードフラグがセットされているか否かを判定する。VBモードフラグがセットされている場合には、既に表示モードがVBモードであるため、そのまま、本入賞結果対応処理を終了する。一方、VBモードフラグがセットされていない場合には、ステップS1414~ステップS1416にてVBモードの開始用の処理を行う。
すなわち、ステップS1414では、VBモードフラグをセットする処理を行う。この場合、各種フラグ格納エリア106dには、アタックモードフラグとVBモードフラグとが併存することになる。これは、VBモードがアタックモードを経て移行するモードであるとともに、VBモード終了後は、必ずアタックモードへ移行することによるものである。
その後、ステップS1415にてVBモード開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。VBモード開始コマンドを受信した表示制御装置81は、次ゲームからVBモードが開始されることの報知を、補助表示部65等により行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。そして、ステップS1416にて、VBモード継続数のカウントを開始する。具体的には、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたVBモード継続カウンタにVBモードの継続ゲーム数の初期値(例えば25)をセットする。ステップS1416の処理を行った後は、本入賞結果対応処理を終了する。
ステップS1411にて第4,第5再遊技入賞が成立していないと判定した場合、ステップS1417に進む。ステップS1417では、今回の停止結果として第7再遊技入賞が成立しているか否かを判定する。本実施形態では、第7再遊技入賞が成立している場合、すなわち、左リール32Lの中段に「黒BAR」図柄、中リール32Mの中段に「黒BAR」図柄、右リール32Rの中段に「黒BAR」図柄が停止して、中段の組合せラインに「黒BAR」図柄が停止した場合、上乗せ特化ゾーンに移行する構成としている。なお、第7再遊技入賞が成立している場合とは、BARリプレイ1に当選した場合であって、且つ第7再遊技入賞に対応する操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合である(図23(c))。
第7再遊技入賞が成立している場合、ステップS1418にて、特化ゾーン用報知フラグがセットされているか否かを判定する。特化ゾーン用報知フラグがセットされている場合、ステップS1419~ステップS1421にて特化ゾーン開始用の処理を行う。なお、既に説明したとおり、スーパーアタックモードの開始時において、ステップS1409にて肯定判定してステップS1410の処理を行った場合にもステップS1419~ステップS1421の処理が行われる。
具体的には、ステップS1419では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに特化ゾーンフラグをセットする処理を行う。特化ゾーンフラグは、上記の上乗せ特化ゾーンであることをCPU102が把握するためのフラグであり、当該特化ゾーンフラグがセットされることにより、VBモードの継続ゲーム数のカウントが停止される。この場合、各種フラグ格納エリア106dには、アタックモードフラグとVBモードフラグと特化ゾーンフラグとが併存する場合がある。
その後、ステップS1420にて、特化ゾーン開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。特化ゾーン開始コマンドを受信した表示制御装置81は、次ゲームから特化ゾーンが開始されることの報知を、補助表示部65等により行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。そして、ステップS1421にて、特化ゾーン継続数のカウントを開始する。具体的には、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられた特化ゾーン継続カウンタに特化ゾーンの継続ゲーム数の初期値(例えば5)をセットする。ステップS1421の処理を行った後は、本入賞結果対応処理を終了する。また、ステップS1417又はステップS1418にて否定判定した場合、そのまま入賞結果対応処理を終了する。
以上のように、遊技状態を移行させることに対応する役(第3~第5再遊技)の入賞に基づいて、RT状態処理(図21)とは別途、表示モードを移行させるための処理を行う。これは、表示モードの移行抽選に当選していないのにも関わらず、たまたま遊技状態を移行させることに対応する役が入賞したことに基づいてアタックモード等が開始されてしまうことを回避するためである。
また、表示モードの移行に際して、遊技状態の移行を伴うもののうち、上位のモードへの移行、すなわち、通常モードやチャレンジモードからアタックモードへ移行する場合や、アタックモードからVBモードへ移行する場合、又はアタックモードやVBモードから特化ゾーンへ移行する場合には、対応する役の入賞結果に基づいて移行する構成としている。そのため、表示モードの移行と遊技状態の移行とが同じゲームにてセットで行われる。その一方で、下位のモードへの移行の場合には、例えば転落リプレイとしての第2再遊技入賞や移行出目の停止によって遊技状態が移行する際に、表示モードの移行は行われない。下位のモードへ移行する場合、遊技状態は入賞結果によって管理される(RT状態用処理)一方、表示モードはゲーム数によって管理される。そのため、下位のモードへ移行する場合には、遊技状態の移行と表示モードの移行とが別々のゲームにて行われる可能性がある。
<ゲーム数管理処理>
上記入賞結果対応処理のステップS1401にて実行される、ゲーム数管理処理について、図45のフローチャートを参照しながら説明する。ゲーム数管理処理では、前兆モードにおける前兆ゲーム数のカウントを行うとともに、チャレンジモード、アタックモード、VBモード、特化ゾーンにおける継続ゲーム数のカウントを行い、これらの表示モードの継続ゲーム数が0となることに基づいて、対応する表示モードを終了させるための処理を行う。
ゲーム数管理処理では、先ず、ステップS1501にて、ベット数は特定数か否かを判定する。既に説明したとおり、本実施形態では、各遊技を1~3のベット数にて実施可能となっており、ステップS1501では、このうち特定数として、3ベットであるか否かを判定する。3ベットではない場合には、そのままゲーム数管理処理を終了する。すなわち、1ベットや2ベットのゲームでは、前兆モードのゲーム数や、チャレンジモード等の継続ゲーム数のカウントは行われない。なお、ベット数に関わらずカウントを行う構成としてもよい。
今回終了するゲームが、3ベットゲームであった場合、ステップS1502に進む。ステップS1502では、ボーナス当選フラグがセットされている状態又はボーナス状態であるか否かを判定する。ステップS1502にて肯定判定した場合、ステップS1503にてチャレンジモードフラグ、アタックモードフラグ、VBモードフラグ、特化ゾーンフラグの各表示モードフラグをクリアする処理を行った後、本ゲーム数管理処理を終了する。つまり、ボーナス当選フラグがセットされている場合や、ボーナス中はアタックモード等のゲーム数のカウントは行わない。なお、ステップS1503にて、各フラグがセットされていない場合にはその状態を維持する。
ちなみに、ステップS1503では、アタックモードフラグやVBモードフラグ等はクリアする一方で、アタック用報知フラグやVB用報知フラグはクリアしない。そのため、ボーナス終了後は、アタックモード等の準備状態を経てから、これらのフラグによって、遊技状態を移行させるための押し順報知が行われてボーナス前の遊技状態に復帰させることが可能となる。その一方で、チャレンジモード又は特化ゾーン中にボーナス当選した場合には、ボーナス当選によって当該チャレンジモードや特化ゾーンは終了する構成としている。また、ステップS1503では、チャレンジモード当選フラグやアタックモード当選フラグ等についてもクリアしない。そのため、アタックモード等とボーナスとに同時当選した場合、ボーナス終了後にこれら当選フラグに基づく当選報知が行われる。
ステップS1502にて否定判定した場合、ステップS1504にて、前兆ゲーム数が0であるか否かを判定する。0ではない場合には、ステップS1505にて前兆ゲーム数を1減算する処理を行う。ステップS1504にて前兆ゲーム数が0である場合(前兆モードではない場合)、又はステップS1505の処理を実行した後は、ステップS1506~ステップS1528にて、各モードの継続ゲーム数のカウント処理を行う。
すなわち、ステップS1506では、現状の表示モードがチャレンジモードであるか否かを判定する。チャレンジモードである場合には、ステップS1507に進み、チャレンジモード継続カウンタを1減算する処理を行うことで、チャレンジモード継続ゲーム数の減算を行う。そして、ステップS1508にて、チャレンジモード継続カウンタが0であるか否かを判定する。0ではない場合には、そのままゲーム数管理処理を終了する。0である場合には、ステップS1509にてチャレンジモードフラグをクリアし、ステップS1510にてチャレンジモード終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。チャレンジモード終了コマンドを受信した表示制御装置81では、今回のゲームにてチャレンジモードが終了することの報知を補助表示部65等にて行う。ステップS1510の処理を行った後は、ゲーム数管理処理を終了する。
ステップS1506にてチャレンジモードではないと判定した場合、ステップS1511に進む。ステップS1511では、現状の表示モードがアタックモードであるか否かを判定する。アタックモードである場合には、ステップS1512に進み、アタックモード中の特化ゾーンか否かを判定する。すなわち、スーパーアタックモードのようにアタックモード開始時に特化ゾーンに移行する場合、ステップS1512にて肯定判定することになる。特化ゾーン中である場合には、ステップS1525~ステップS1528にて特化ゾーン用のゲーム数管理処理を行う。これらの処理については、後に説明する。
ステップS1512にて特化ゾーンではないと判定した場合、ステップS1513にて、アタックモード継続カウンタを1減算する処理を行うことで、アタックモード継続ゲーム数の減算を行う。そして、ステップS1514にて、アタックモード継続カウンタが0であるか否かを判定する。0ではない場合には、そのままゲーム数管理処理を終了する。0である場合には、ステップS1515にてアタックモードフラグをクリアし、ステップS1516にてアタック用報知フラグをクリアする。その後、ステップS1517にてアタックモード終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。アタックモード終了コマンドを受信した表示制御装置81では、今回のゲームにてアタックモードが終了することの報知を補助表示部65等にて行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。ステップS1517の処理を行った後は、ゲーム数管理処理を終了する。
ステップS1511にてアタックモードではないと判定した場合、ステップS1518に進む。ステップS1518では、現状の表示モードがVBモードであるか否かを判定する。VBモードである場合には、ステップS1519に進み、上乗せ特化ゾーンであるか否かを判定する。上乗せ特化ゾーンではない場合には、ステップS1520にてVBモード継続カウンタを1減算する処理を行うことで、VBモード継続ゲーム数の減算を行う。そして、ステップS1521にて、VBモード継続カウンタが0であるか否かを判定する。0ではない場合には、そのままゲーム数管理処理を終了する。0である場合には、ステップS1522にてVBモードフラグをクリアし、ステップS1523にてVB用報知フラグをクリアする。その後、ステップS1524にてVBモード終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。VBモード終了コマンドを受信した表示制御装置81では、今回のゲームにてVBモードが終了することの報知を補助表示部65等にて行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。ステップS1524の処理を行った後は、ゲーム数管理処理を終了する。
ステップS1519にて、上乗せ特化ゾーンであると判定した場合には、ステップS1525に進む。既に説明したとおり、ステップS1512にてアタックモード中の特化ゾーンであると判定した場合もステップS1525に進む。ステップS1525では、特化ゾーン継続カウンタを1減算する処理を行うことで、特化ゾーン継続ゲーム数の減算を行う。そして、ステップS1526にて、特化ゾーン継続カウンタが0であるか否かを判定する。0である場合には、ステップS1527にて特化ゾーンフラグをクリアし、ステップS1528にて特化ゾーン終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。特化ゾーン終了コマンドを受信した表示制御装置81では、今回のゲームにて特化ゾーンが終了することの報知を補助表示部65等にて行う。かかる報知としては、例えば、今回の特化ゾーンにてトータルで上乗せに成功したゲーム数の報知を行う。ステップS1528の処理を行った後は、ゲーム数管理処理を終了する。ステップS1518又はステップS1526にて否定判定した場合、そのままゲーム数管理処理を終了する。
<終了判定処理>
次に、ボーナス終了時の処理として、終了判定処理について、図46のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、終了判定処理は、ボーナス状態処理(図26)におけるステップS615にて実施される処理である。終了判定処理では、ボーナス終了条件の成否を判定するとともに、ボーナスを終了する場合には、ボーナスと重複当選等したアタックモード等の当選報知用の処理を行うとともに、ボーナスと重複当選等したアタックモード等のゲーム数の上乗せ用の処理を行う。
すなわち、ステップS1601では、小役入賞が成立したか否かを判定する。既に説明したとおり、第1BBや第2BBのボーナス中はBB中第1役が高確率で成立し、一部、BB中第2役やBB中第3役の成立する(図28)。BB中第1役当選時には、主に第1小役入賞が成立して、所定数(9枚)のメダル払い出しが発生し、BB中第2役及びBB中第3役は第9再遊技や第10再遊技のリプレイであり、入賞が成立してもメダル払い出しは発生しない。また、CB中においては、CB中小役1~CB中小役4のいずれかに当選し、いずれに当選した場合であっても、主に第1小役入賞が成立して所定数(15枚)のメダル払い出しが発生する。ステップS1601は、これらボーナスやCB中に当選する役のうちメダル払い出しの発生する小役入賞が成立したか否かを判定する処理である。
ステップS1601にて小役入賞が成立したと判定した場合には、ステップS1602にて、残払出数から今回のゲームの払出数を減算する処理を行う。ステップS1601にて否定判定した場合、又はステップS1602の処理を実行した後は、ステップS1603にて、残払出数が0となったか否かを判定する。0ではない場合には、そのまま終了判定処理を終了する。0である場合には、ステップS1604にてボーナス終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットした後、ステップS1605~ステップS1619にて、アタックモード等の当選報知用の処理や、アタックモード等の継続ゲーム数の上乗せ用の処理を行う。
すなわち、ステップS1605では、アタックモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。アタックモード当選フラグがセットされている場合には、ステップS1606にて前兆ゲーム数の抽選処理を行い、ステップS1607にて前兆ゲーム数のセットを行い、ステップS1608にて前兆コマンドのセットを行う。ちなみに、本実施形態では、ステップS1606の前兆ゲーム数の抽選処理では、100%の確率で前兆ゲーム数が0となる抽選を行う。すなわち、ステップS1607では、必ず0ゲームの前兆ゲーム数をセットすることになり、ボーナス終了ゲームの次ゲームにてアタックモード等の当選報知が行われることになる。ステップS1608の処理を実行した後は、終了判定処理を終了する。
ステップS1605にてアタックモード当選フラグがセットされていない場合、ステップS1609にて、チャレンジモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。チャレンジモード当選フラグがセットされている場合には、ステップS1606~ステップS1608の前兆モード用の処理を行ってから、終了判定処理を終了する。ステップS1609にてチャレンジモード当選フラグがセットされていない場合、ステップS1510にてVBモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。VBモード当選フラグがセットされている場合には、ステップS1606~ステップS1608の前兆モード用の処理を行ってから、終了判定処理を終了する。すなわち、チャレンジモードやVBモードについても当選している状況でボーナスが終了すると、ボーナス終了後、前兆ゲームを経て、チャレンジモードやVBモードの当選報知が行われる。
なお、アタックモード当選フラグ又はチャレンジモード当選フラグがセットされている状況でボーナスが終了する場合とは、アタックモードやチャレンジモード等とボーナスに同時当選した場合か、アタックモードやチャレンジモード等の当選報知の前兆モード中にボーナスに当選した場合である。一方、VBモード当選フラグがセットされている状況でボーナスが終了する場合とは、アタックモード中においてVBモードとボーナスとに同時当選した場合か、VBモードの当選報知の前兆モード中(この場合、0ゲームの前兆モードが選択されるため、VBモードに当選した次ゲーム)にボーナスに当選した場合である。
ステップS1610にてVBモード当選フラグがセットされていない場合、ステップS1611に進む。ステップS1611では、アタックモード上乗せフラグがセットされているか否かの判定を行う。アタックモード上乗せフラグがセットされている場合、ステップS1612にてアタックモードの上乗せゲーム数抽選処理を行い、ステップS1613にてアタックモードのゲーム数上乗せ処理を行い、ステップS1614にて上乗せ報知用処理を行い、ステップS1615にて上乗せコマンドのセットを行う。これらステップS1612~ステップS1615の処理は、ステップS917~ステップS920の処理と同様である。ステップS1615の処理を実行した後は、終了判定処理を終了する。
ステップS1611にてアタックモード上乗せフラグがセットされていない場合、ステップS1616にて、チャレンジモード上乗せフラグがセットされているか否かを判定する。チャレンジモード上乗せフラグがセットされている場合、ステップS1617にてチャレンジモードの上乗せゲーム数抽選処理を行い、ステップS1618にてチャレンジモードのゲーム数上乗せ処理を行い、ステップS1619にて上乗せコマンドのセットを行う。これらステップS1617~ステップS1619の処理は、ステップS822~ステップS824の処理と同様である。ステップS1616にて否定判定した場合、又はステップS1619の処理を実行した後は、終了判定処理を終了する。
以上のように、主制御装置101側において、(1)表示モードの移行抽選に関する処理、(2)表示モードの移行抽選の結果に基づいて遊技状態を移行させるための処理、(3)入賞結果に基づいて表示モードを移行させるための処理、の各処理が行われる結果、補助表示部65による押し順報知演出が発生して表示モードの移行に追従するように遊技状態も移行し、更に、補助表示部65による押し順報知演出により押し順ベル入賞を発生させることが可能となり、多量のメダル獲得が期待できるようになる。
ここで、押し順リプレイや押し順ベル当選時において、補助表示部65による押し順報知演出(表示制御装置81による押し順報知演出)が行われる場合、当該押し順報知演出の他に、主制御装置101に接続された指示モニタ68でも押し順報知が行われる。この指示モニタ68の構成について、図47を参照しながら説明する。図47(a)は、指示モニタ68の正面図であり、図47(b)は、指示モニタ68の表示態様と表示内容との関係を説明するための図である。
図47(a)に示すように、指示モニタ68には8個の表示用セグメントN1~N8が設けられている。各表示用セグメントN1~N8は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、指示モニタ68では、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっている。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメントN1~N8においてはいずれも同一の色が表示されることとなる。
各表示用セグメントN1~N8について詳細には、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、いずれも直線状の表示用セグメントであり、これら第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、数字の「1」~「6」を少なくとも表示することができるように配置されている。また、第8表示用セグメントN8は、円形状の表示用セグメントであり、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7が設けられた領域の右下部分の横方に配置されている。したがって、指示モニタ68では、「1」~「6」と、「1.」~「6.」と、「 .」と、を少なくとも表示することができる。
なお、指示モニタ68において、複数パターンの記号をそれぞれ個別に表示することが可能であれば、各表示用セグメントN1~N8の形状や配置態様は任意であり、さらには8個のセグメントではなく7個のセグメント、又は9個のセグメント等を用いる構成としてもよい。また、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が同一であることは必須ではなく、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が適宜変更可能となる構成としてもよい。また、光源をオンオフ制御することで、各表示用セグメントN1~N8の点灯又は消灯を制御する構成は必須のものではなく、各表示用セグメントN1~N8において個別に表示制御が行えるのであれば、単一のバックライトと液晶ディスプレイとによりセグメント表示器を構成してもよい。さらには、各表示領域に対してセグメント表示を適用するのではなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって記号を表示する構成としてもよい。
第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、押し順役の操作順序の報知に用いられる表示用セグメントである。例えば、図47(b)に示すように、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「左」→「中」→「右」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第6表示用セグメントN6及び第7表示用セグメントN7が点灯表示されて「1」が表示される。また、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「右」→「左」→「中」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第1表示用セグメントN1、第2表示用セグメントN2、第3表示用セグメントN3、第5表示用セグメントN5及び第6表示用セグメントN6が点灯表示されて「5」が表示される。つまり、各表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)は、ストップスイッチ42~44の操作順序と1対1で対応付けられており、表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)に基づいて、ストップスイッチ42~44を停止操作することで、遊技者にとって有利な態様にて入賞させることが可能となる。
第8表示用セグメントN8は、表示モードが通常モードである状況において、アタックモードやスーパーアタックモード、チャレンジモードへの移行抽選に当選した場合や、アタックモードやスーパーアタックモード、チャレンジモードに同時当選し得るボーナス(第1BB)に当選した場合に点灯される。また、アタックモードやスーパーアタックモード、チャレンジモード、第1BBが終了して通常モードへ移行する場合(前兆モードを経る等して再度アタックモード等へ移行する場合を除く)に消灯される。
つまり、押し順ベルや押し順リプレイの操作順序が報知され易くなることによって遊技者にとって有利な態様にて入賞させ易くなるナビ状態(アタックモードやスーパーアタックモード、高頻度モード)、当該ナビ状態への移行抽選に当選し易くなるチャンス状態(チャレンジモードや第1BB、高確率モード)、又はナビ状態やチャンス状態への移行抽選に当選しているもののこれらナビ状態やチャンス状態に移行していない当選状態(当選モード)を含む区間を有利区間(特定遊技状態、特定モード)とし、第8表示用セグメントN8は、当該有利区間中は点灯し、有利区間ではない通常区間中は消灯することにより、有利区間か否かを明確に示すための区間表示器(特定報知手段)をなすものである。
第8表示用セグメントN8は、これらナビ状態、チャンス状態、当選状態等の有利区間の契機となった遊技結果(強チェリー等の特定役等)に当選し当該遊技結果が成立するゲームを開始ゲームとし、当該開始ゲームの次のゲームにおいて遊技者による遊技操作が許容されるよりも前のタイミングで、有利区間となることの報知として点灯が開始される。より詳しくは、本実施形態では、有利区間の契機となった遊技結果入賞が成立するか否かに関わらず、すなわち、取りこぼしが生じるか否かに関わらず、当該遊技結果当選となったゲームを開始ゲームとし、次のゲームにおいて遊技者による遊技操作としてベット操作が許容されるよりも前のタイミングで、第8表示用セグメントN8を点灯させる。つまり、第8表示用セグメントN8は、有利区間への移行抽選に当選したゲームの次のゲームの開始前には点灯が開始される。
既に説明したとおり、押し順表示器としての第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7、及び区間表示器としての第8表示用セグメントN8を有する指示モニタ68は、遊技パネル25において払出枚数表示部62の側方付近に配置されている。つまり、指示モニタ68は、遊技者が操作するストップスイッチ42~44等よりも上方に配置されており、言い換えると、ストップスイッチ42~44等が設けられている位置よりも下方において遊技機前面部である化粧パネルに配置されていない。そのため、ストップスイッチ42~44等を操作する手等によって、第8表示用セグメントN8が隠されることが抑制され、遊技者が視認し易い位置に配置されているといえる。また、メダルの獲得を目指して遊技を進行させる遊技者が注視し易い払出枚数表示部62の近くに配置されていることからしても、遊技者による見逃しが抑制されているといえる。
さらに、指示モニタ68において特に第8表示用セグメントN8は、周囲の表示部(例えば払出枚数表示部62や、遊技パネル25のバックライト)の明度よりも高い明度となるように(より詳しくは、周囲の表示部の明度の2倍の明度となるように)、対応するLEDの明度が定められている。そのため、第8表示用セグメントN8と周囲の表示部とがいずれも発光制御されている場合(点灯状態となっている場合)であっても、第8表示用セグメントN8が一際目立つようになっている。遊技機前方に向けた照度についても、第8表示用セグメントN8の方が周囲の表示部より、遊技機前方に向けた照度が高くなるように(より詳しくは、周囲の表示部の照度の2倍の照度となるように)、対応するLEDの照度が定められている。このような構成からも、第8表示用セグメントN8の視認性が向上されており、当該第8表示用セグメントN8が点灯状態となった場合の見逃しが抑制されている。
以下、第8表示用セグメントN8の点灯/消灯に関する処理として、区間表示第1処理及び区間表示第2処理について説明する。
<区間表示第1処理>
先ず、区間表示第1処理について、図48を参照しながら説明する。区間表示第1処理は、抽選処理(図16)におけるステップS316にて実施される処理であり、スタートレバー41の操作に基づいて当該ゲームの抽選結果が決定されるとともに、当該抽選結果に基づいて表示モードの移行抽選等(抽選結果対応処理)が行われた後に実施される。
ステップS1701では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が表示中であるか否か、より詳しくは、第8表示用セグメントN8を点灯中か否かを判定する。上記のように、第8表示用セグメントN8を点灯中である場合とは、有利区間として、アタックモードやスーパーアタックモード、チャレンジモードへの移行抽選に当選している状態、又はこれらのモード中である場合を示している。ステップS1701にて否定判定し、第8表示用セグメントN8を消灯中であると判定した場合、ステップS1702に進む。
ステップS1702では、チャレンジモード当選フラグ又はアタックモード当選フラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。第8表示用セグメントN8が消灯しており、且つチャレンジモード当選フラグ又はアタックモード当選フラグのいずれかがセットされている場合とは、今回の抽選処理において、チャレンジモードへの移行抽選や、アタックモードやスーパーアタックモードへの移行抽選に当選した場合である。既に説明したとおり、第1特定役処理(図32)では、チャレンジモードへの移行抽選に当選した場合には、チャレンジモード当選フラグをセットし、アタックモード又はスーパーアタックモードへの移行抽選に当選した場合には、アタックモード当選フラグをセットする。ステップS1702にて、いずれのフラグもセットされていない場合には、そのまま本区間表示第1処理を終了する。
チャレンジモード当選フラグ又はアタックモード当選フラグのいずれかがセットされている場合、ステップS1703に進み、第8表示用セグメントN8を点灯させることにより区間表示器の表示を開始する。付け加えると、主制御装置101では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を点灯状態として表示を開始する際には、スピーカ64から所定の効果音(例えば、機械音で「ガゴッ!」という音)が出力されるように表示制御装置81へ音出力用のコマンドを出力する。表示制御装置81は、当該音出力用のコマンドに基づいて、上記所定の効果音が発せられるようにスピーカ64を制御する。なお、第8表示用セグメントN8の表示開始に際して、補助表示部65や他の表示部において演出を発生させる構成としてもよく、この場合、表示制御装置81に対して対応するコマンドを出力するとともに、表示制御装置81にて対応する演出が行われるよう補助表示部65等の制御を行う構成とするとよい。
ステップS1703の処理を実行した後は、ステップS1704にて、有利区間の継続ゲーム数の計測を開始する処理を実行してから、区間表示第1処理を終了する。有利区間の継続ゲーム数としては、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間ゲーム数AGの計測により行われ、ステップS1704では、当該有利区間ゲーム数AGを初期値である0に設定する処理を行う。有利区間ゲーム数AGは、有利区間中の各ゲームにおいて1ずつ加算する処理が実行される。
ステップS1701にて区間表示器としての第8表示用セグメントN8を表示中であると判定した場合、ステップS1705にて、有利区間中の表示を継続する処理を行ってから、本区間表示第1処理を終了する。ステップS1705について具体的には、第8表示用セグメントN8が点灯状態である状況を継続させるための処理を行う。すなわち、区間表示器の表示を終了するための処理は、本区間表示第1処理では実施しない。
<区間表示第2処理>
次に、区間表示第2処理について、図49のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、区間表示第2処理は、リール制御処理のステップS415にて実施される処理であり、1ゲームの終了に際して、メダルの払出(払出判定処理)及び入賞結果に基づく遊技状態の移行等(入賞結果対応処理)が行われてから実施される。
ステップS1801では、区間表示器として第8表示用セグメントN8を点灯表示中か否かを判定する。消灯(非点灯、非表示)である場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。点灯表示中である場合には、ステップS1802に進む。ステップS1802では、有利区間中のゲーム数をカウントする処理を実行する。具体的には、上記有利区間ゲーム数AGを1加算する処理を行う。有利区間ゲーム数AGは、有利区間中のゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、第8表示用セグメントN8が点灯されている状況で実施されるゲームの回数が計測される。ステップS1802の処理を実行した後は、ステップS1803にて、残ゲーム数管理処理を実行する。残ゲーム数管理処理は、アタックモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限ゲーム数に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。
具体的には、図50のフローチャートに示すように、先ずステップS1901にて、前兆ゲーム数G1を把握する。前兆ゲーム数G1は、例えば現状が有利区間中における前兆モードである場合、残りの前兆モードのゲーム数を表しており、ゲーム数管理処理(図45)にて1ゲーム毎に1ずつ減算される。ステップS1902では、チャレンジモード継続数G2を把握する。チャレンジモード継続数G2は、例えば現状が有利区間におけるチャレンジモードである場合、残りのチャレンジモードのゲーム数を表しており、ゲーム数管理処理(図45)にて1ゲーム毎に1ずつ減算される。ステップS1903では、アタックモード継続数G3を把握する。アタックモード継続数G3は、例えば現状が有利区間におけるアタックモードである場合、残りのアタックモードのゲーム数を表しており、ゲーム数管理処理(図45)にて1ゲーム毎に1ずつ減算される。ステップS1904では、VBモード継続数G4を把握する。VBモード継続数G4は、例えば現状が有利区間におけるVBモードである場合、残りのVBモードのゲーム数を表しており、ゲーム数管理処理(図45)にて1ゲーム毎に1ずつ減算される。ステップS1905では、特化ゾーン継続数G5を把握する。特化ゾーン継続数G5は、例えば現状が有利区間における特化ゾーンである場合、残りの特化ゾーンのゲーム数を表しており、ゲーム数管理処理(図45)にて1ゲーム毎に1ずつ減算される。ステップS1906では、BB残りゲーム数G6を把握する。BB残りゲーム数G6は、例えば現状が有利区間におけるBBモード(ボーナス状態)である場合、残りのBBモードのゲーム数を表しており、ゲーム数管理処理(図45)が1回起動されるごとに、BBモード中であることを条件に図示しない減算処理にて1ずつ減算される。
ここで、これら継続数G1~G6は、現状が対応するモードやゾーンではない場合であっても0以上の値が入力されている場合がある。具体的には、例えば、VBモードへの移行抽選に当選したものの、未だVBモードへ移行前である状況では、現状のモードはアタックモードであって且つVBモード継続数G4にはVBモードの継続ゲーム数の初期値である「25」が入力されたままの状況となる。また、チャレンジモード中にスーパーアタックモードへの移行抽選に当選したものの、未だスーパーアタックモードへ移行前である状況では、現状のモードはチャレンジモードであって、且つ特化ゾーン継続数G5には特化ゾーンの継続ゲーム数の初期値である「5」が入力されたままであるとともに、アタックモード継続数G3にもアタックモードの継続ゲーム数の初期値である「50」が入力されたままの状況となる。
ステップS1907では、上記ステップS1901~ステップS1906の各処理で把握したG1~G6を積算することで、有利区間の残りゲーム数ZGを算出する処理を行う。かかる処理を行うことにより、有利区間が後何ゲーム継続するかを把握することが可能となる。続くステップS1908では、これまでに実施してきた有利区間のゲーム数(有利区間ゲーム数AG)と上記残りゲーム数ZGとを加算することで、総有利区間ゲーム数SGを算出する処理を行う。そして、ステップS1909にて、有利区間の継続上限ゲーム数である1500Gから上記総有利区間ゲーム数SGを減算することで、空きゲーム数(上乗せ可能な空きゲーム数、残ゲーム数)FGを算出する処理を行う。
ステップS1909の処理を行った後は、ステップS1910にて、空きゲーム数FGが0よりも大きいか否か、すなわち、空きゲーム数があって上乗せ可能であるか否かを判定する。空きゲーム数FGが0よりも大きい場合には、そのまま残ゲーム数管理処理を終了する。一方、空きゲーム数FGが0以下である場合には、ステップS1911にて各種フラグ格納エリア106dに超過フラグをセットする処理を実行してから、残ゲーム数管理処理を終了する。超過フラグは、有利区間の継続ゲーム数の上乗せを行えない状況、より詳しくは、上乗せを行っても、1500ゲーム時の強制終了によって当該上乗せ分のゲームが実施されない状況であることをCPU102が把握するためのフラグである。
超過フラグがセットされることにより、本実施形態においては、有利区間中に特定役当選となったとしても、アタックモード中のゲーム数上乗せ抽選等の実施が制限される。より具体的には、例えば、ステップS914や、ステップS1001等のアタックモードのゲーム数上乗せ抽選処理において、超過フラグがセットされている場合には、かかる抽選処理の実施が制限され、上乗せ当選しなくなる(又は、当選しても0ゲームの上乗せが発生する)。これにより、継続し得ない分まで上乗せを行ってしまって、有利区間が上限ゲーム数以上継続するかのような誤解が生じてしまうことを抑制することが可能となる。
なお、一旦、超過フラグがセットされた後は、今回の有利区間においては残ゲーム数管理処理が実施されない構成としてもよい。
区間表示第2処理(図49)の説明に戻り、ステップS1803の処理を実行した後は、ステップS1804にて、今回のゲームで有利区間ゲーム数AGが上限値である「1500」に達したか否かを判定する。「1500」に達した場合には、ステップS1805にて、有利区間ゲーム数AGを0にクリアしてから、ステップS1806にて区間表示器の表示の終了処理として、第8表示用セグメントN8を消灯させる処理を行う。そして、ステップS1807にてデータ初期化処理を行ってから、区間表示第2処理を終了する。
データ初期化処理は、今回の有利区間への移行に際して設定されたフラグやカウンタ、及び、今回の有利区間中に設定されたフラグやカウンタを初期値に戻す処理である。例えば、有利区間への移行に際してチャレンジモード当選フラグやアタックモード当選フラグ等がセットされたり、アタックモード中にVBモード当選フラグがセットされたりし、本初期化処理まで当該フラグがセットされたままであれば、これらの当選フラグをクリアする。また、初期化処理では、アタック用報知フラグや、アタックモードフラグ、VBモードフラグ、特化ゾーンフラグ等がセットされていれば、これらのフラグもクリアする。さらに、前兆カウンタ、アタックモード等の継続ゲーム数用のカウンタ等が0より大きければ、これらのカウンタを全て0にリセットする。つまり、初期化処理では、押し順報知を用いた有利な状態としての有利区間に関し、押し順報知に係る性能に及ぼす全ての変数乃至パラメータを初期化するものであり、かかる変数乃至パラメータに関してRAMクリアを行う処理である。
ステップS1804にて有利区間ゲーム数AGが上限値に達していないと判定した場合、ステップS1808に進み、有利区間が終了したか否かを判定する。すなわち、ステップS1808では、チャレンジモード当選フラグ及びアタックモード当選フラグのいずれもがセットされていない状態か否かを判定し、ステップS1809では、チャレンジモードフラグ及びアタックモードフラグのいずれもがセットされていない状態か否かを判定する。ステップS1808及びステップS1809のいずれでも肯定判定する場合とは、有利区間の上限ゲーム数に至る前に当該有利区間が終了したことを意味し、この場合、ステップS1805に進み、有利区間ゲーム数AGを0にクリアするとともに、ステップS1806にて区間表示器の表示の終了処理を行い、ステップS1807にてデータ初期化処理を行ってから区間表示第2処理を終了する。ステップS1808及びステップS1809のいずれかで否定判定した場合は、未だ有利区間中であるとして、そのまま区間表示第2処理を終了する。この場合、区間表示器(第8表示用セグメントN8)の点灯表示は継続することになる。
<押し順表示器及び区間表示器の表示とゲームの進行について>
有利区間の開始及び終了と区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示との関係を、図51を参照しながら説明する。
本スロットマシン10では、図51に示すように、有利区間ではない通常区間においては、区間表示器としての第8表示用セグメントN8は消灯している(点灯していない)。この通常区間においては、押し順報知演出は行われない。つまり、押し順報知等の指示機能に係る性能を有する有利区間に対し、通常区間は当該指示機能に係る有さない区間といえる。表示モードが通常モードである状況が、主に通常区間に対応する。
通常区間において、例えば、弱スイカ役当選等によってチャレンジモードやアタックモード等の有利区間への移行抽選に当選すると、当該当選契機となった遊技結果が成立するゲームを開始ゲームとし、当該開始ゲームの次のゲームにおいて遊技者によるベット操作が許容されるよりも前のタイミングで、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が点灯し、有利区間の報知が開始される。
この場合、上記のように弱スイカ役当選となったゲームにおいては、有利区間への移行前の状態であり、通常区間に含まれるゲームである。そうすると、有利区間を示す区間表示器としての第8表示用セグメントN8について、当該有利区間であることの報知が、当該弱スイカ役当選となった開始ゲームの次のゲームのベット操作を許容するタイミング、つまり、有利区間が開始されるゲームを遊技可能となるタイミングで行われるものとしてとらえると、上記のように、弱スイカ役当選ゲーム(開始ゲーム)において第8表示用セグメントN8を点灯状態とする報知は、有利区間であることの報知(状態中報知、モード中報知)よりも前に行われる先報知といえる。
その後、有利区間であることの報知がなされている状況で、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7を利用した押し順報知が発生する。この場合、上記のように第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7によって押し順情報(「1」~「6」)の表示がなされ、かかる押し順情報に基づいて、遊技者は押し順を把握することができる。押し順報知において、押し順情報は、当該ゲームにおいてスタートレバー41の操作時に表示が開始され、当該ゲームにおいて第3リール停止ON操作時にその表示が終了する。かかるゲームが有利区間の最終ゲームではない場合には、第3リール停止ON操作時においては、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7による押し順情報の表示のみ終了し、第8表示用セグメントN8による有利区間の表示は継続される。そして、次ゲーム以降において再度押し順役に当選すると、その押し順役に対応する押し順情報が第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7にて表示される。
有利区間の継続ゲーム数が上限に達する等して、有利区間の最終ゲームとなると、第8表示用セグメントN8も消灯し、有利区間の報知が終了する。有利区間のゲーム数は、第8表示用セグメントN8が点灯しているゲームにおいてカウントされ、具体的には、開始ゲームの次のゲームを1ゲーム目とし、第8表示用セグメントN8が消灯する最終ゲームまでが有利区間のゲーム数となる。
本実施形態では、有利区間の最終ゲームにおいて、メダル払出が終了したタイミングで(払出判定処理の後の処理である区間表示第2処理により)、第8表示用セグメントN8が消灯する。なお、最終ゲームにおいてメダル払い出しが行われない場合には、第3リール停止OFF操作時に第8表示用セグメントN8が消灯する。これにより、遊技者は、当該ゲームが有利区間の最終ゲームであったことを明確に把握することができる。
このように、有利区間となると第8表示用セグメントN8が点灯し、有利区間が終了すると第8表示用セグメントN8が消灯する。そして、第8表示用セグメントN8は、チャレンジモードやアタックモード等に移行することに基づいて点灯が開始されるだけでなく、チャレンジモードやアタックモード等への移行抽選に当選したことに基づいても点灯が開始される。つまり、これらのモードへの移行抽選に当選したゲームにおいてその報知がなされなくても、第8表示用セグメントN8の点灯の有無を確認することで、移行抽選に当選している状況か否かを明確に把握することができるようになっている。このようにすることで、これらのモードへの移行抽選に当選しているのにも関わらず、それを知らずにゲームを終了してしまう遊技者と、その後に着席する後任の遊技者との有利度に差を生じないようにすることができる。
付け加えると、本スロットマシン10においては、チャレンジモードやアタックモード等の押し順報知により有利度を変化させる遊技性に関し、設定値による有利度の差がないよう構成されている。そのため、押し順報知による遊技性を、各遊技台(設定値)や各ゲーム(状況)において一律の有利度とすることで、遊技者間の有利/不利を排除するとともに、絵柄を狙って特典を得るというスロットマシン10本来の遊技性を存分に楽しみつつ、そしてその付随する押し順報知による遊技性との関連性によりバランスのとれた遊技機とすることが可能となる。
<サブ側の報知演出に関する処理>
次に、(4)サブ側の報知演出に関する処理として、サブ側の表示制御装置81にて行われる各種報知用の処理を説明する。各種報知用の処理として、所定周期(1.49msec周期)で実行される演出設定処理が設けられている。そこで、当該演出設定処理について、図52のフローチャートを参照しながら説明する。
演出設定処理では、先ずステップS2001にて、主制御装置101から新たなコマンドを受信したか否かを判定する。新たなコマンドを受信している場合には、ステップS2002にて、受信したコマンドをRAM183に格納する処理を実行する。RAM183にはコマンド格納エリアが設けられており、当該コマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
ステップS2001にて否定判定した場合、又はステップS2002の処理を実行した後は、ステップS2003にて、新たに受信したコマンドが、ベット時コマンドであったか否かを判定する。ベット時コマンドとは、ベット操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、通常処理のステップS207にてセットされるベットコマンドの他、モード移行報知用処理(図41)におけるチャレンジモード開始コマンドや、アタックモード当選報知コマンド、VBモード当選報知コマンド、ボーナス当選報知コマンド等がある。これらのベット時コマンドである場合には、ステップS2004にてベット時演出設定処理を実行する。
ステップS2003にて否定判定した場合、又はステップS2004の処理を実行した後は、ステップS2005にて、新たに受信したコマンドが、開始時コマンドであったか否かを判定する。開始時コマンドとは、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、抽選処理のステップS313にてセットされる抽選結果コマンドの他、第1~第3特定役処理(図32~図34)にて設定される前兆コマンドや上乗せコマンド、押し順役処理(図43)にて設定される押し順報知コマンド等がある。これらの開始時コマンドである場合には、ステップS2006にて開始時演出設定処理を実行する。
ステップS2005にて否定判定した場合、又はステップS2006の処理を実行した後は、ステップS2007にて、新たに受信したコマンドが、各停止操作時コマンドであったか否かを判定する。各停止操作時コマンドとは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれの停止操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図18)のステップS405にてセットされる停止指令コマンドである。かかる各停止操作時コマンドとしての停止指令コマンドである場合には、ステップS2008にて各停止操作時演出設定処理を実行する。
ステップS2007にて否定判定した場合、又はステップS2008の処理を実行した後は、ステップS2009にて、新たに受信したコマンドが、全停止時コマンドであるか否かを判定する。全停止時コマンドとは、全リール32L,32M,32Rが停止したことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図18)のステップS411にてセットされる入賞結果コマンドの他、入賞結果対応処理(図44)にてセットされるアタックモード開始コマンド、VBモード開始コマンド、特化ゾーン開始コマンド、チャレンジモード終了コマンド、アタックモード終了コマンド、VBモード終了コマンド、特化ゾーン終了コマンド等がある。これらの全停止時コマンドである場合には、ステップS2010にて全停止時演出設定処理を実行する。
ステップS2009にて否定判定した場合、又はステップS2010の処理を実行した後は、ステップS2011にてその他の処理を実行してから、演出設定処理を終了する。ステップS2011では、ベット時、開始時、停止時以外の主制御装置101からの指令に基づく演出(例えば、精算スイッチ59の操作に基づく演出等)の設定や、主制御装置101を介さずに接続されたセンサ(演出スイッチ検出センサ等)からの信号に基づく演出の設定、エラー報知用の設定等を行う。
以下、ベット時演出設定処理、開始時演出設定処理、各停止操作時演出設定処理、全停止時演出設定処理について、説明する。なお、各演出設定処理の説明では、図58、図63~図68の表示演出の概要図を参照しながら説明する。
<ベット時演出設定処理>
ベット時演出設定処理について、図53のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2101では、今回受信したベット時コマンドとしてチャレンジモード開始コマンドが含まれているか否かを判定する。チャレンジモード開始コマンドが含まれている場合、ステップS2102にて、チャレンジモード開始演出を設定する処理を行う。チャレンジモード開始演出では、例えば、図63(a)に示すように、補助表示部65にて、「チャレンジモードスタート」という文字表示を行うとともに、移行する表示モードがアタックモード移行抽選に当選し易いチャンスモードであることを示唆する表示(例えば所定のキャラクタ表示)を行う。その他、チャレンジモード開始演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男性の野太い声で「アタックモードをつかみとれ!」)が発せられるように制御する。
ステップS2101にてチャレンジモード開始コマンドが含まれていない場合、ステップS2103にて、今回受信したベット時コマンドとしてアタックモード当選報知コマンドが含まれているか否かを判定する。アタックモード当選報知コマンドが含まれている場合、ステップS2104にて、アタックモード当選報知演出を設定する処理を行う。アタックモード当選報知演出では、例えば、図64(a)に示すように、補助表示部65にて、「アタックモード確定」という文字表示を行う。その他、アタックモード当選報知演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、女性の高い声で「アタックナンバーワン!」)が発せられるように制御する。
ステップS2103にてアタックモード当選報知コマンドが含まれていない場合、ステップS2105にて、今回受信したベット時コマンドとしてVBモード当選報知コマンドが含まれているか否かを判定する。VBモード当選報知コマンドが含まれている場合、ステップS2106にて、VBモード当選報知演出を設定する処理を行う。VBモード当選報知演出では、例えば、図64(b)に示すように、補助表示部65にて、「VICTORY BONUS確定」という文字表示を行う。その他、VBモード当選報知演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男女の声で「ヴィクトリー!」)が発せられるように制御する。
ステップS2105にてVBモード当選報知コマンドが含まれていない場合、ステップS2107にて、今回受信したベット時コマンドとしてボーナス当選報知コマンドが含まれているか否かを判定する。ボーナス当選報知コマンドが含まれている場合、ステップS2108にて、ボーナス当選報知演出を設定する処理を行う。ボーナス当選報知演出では、例えば、補助表示部65にて、「やったぜ ボーナス確定」という文字表示を行う。その他、ボーナス当選報知演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男女の声で「やったぜ!」)が発せられるように制御する。
ステップS2107にてボーナス当選報知コマンドが含まれていない場合、ステップS2109にて、今回受信したベット時コマンドとして特化ゾーン当選報知コマンドが含まれているか否かを判定する。特化ゾーン当選報知コマンドが含まれている場合、ステップS2110にて、特化ゾーン当選報知演出を設定する処理を行う。特化ゾーン当選報知演出では、例えば、補助表示部65にて、「乗せまくれ!!」という文字表示を行う。その他、特化ゾーン当選報知演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、恍惚とした男性の野太い声で「ノリノリィ!」)が発せられるように制御する。
ステップS2102、ステップS2104、ステップS2106、ステップS2108及びステップS2110の何れかの処理を実行した後、又はステップS2109にて否定判定した場合には、ステップS2111にて、その他のベット時演出を設定してから、本演出設定処理を終了する。ステップS2111の処理では、例えば、ベットコマンドの受信に対応させて、対応するベット数のクレジット投入スイッチ56~58周辺(又は内部)のランプを消灯させてその操作が受け付けられたことを報知する処理や、例えば所定時間遊技が行われていないことを一の条件に移行するデモモードから復帰するための処理や、スタートレバー41周辺のランプを点灯させてその操作が有効となったことを報知する処理等を行う。
<開始時演出設定処理>
次に、開始時演出設定処理について、図54のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2201では、表示モード設定処理を行う。かかる処理では、現状、主制御装置101側で設定されている表示モードが、通常モード、チャレンジモード、アタックモード、VBモード、特化ゾーンのいずれであるかを判定し、対応する表示モードにて、補助表示部65の表示演出が行われるように設定する。具体的には、表示制御装置81側のRAM183の各種フラグ格納エリア183aにおいても、表示モードを把握するためのフラグとして、チャレンジモードフラグ、アタックモードフラグ、VBモードフラグ、特化ゾーンフラグをセットするエリアが設けられており、各モードの開始に際して対応するフラグがセットされ、終了に際して対応するフラグがクリアされる。例えば、上記ステップS2102のチャレンジモード開始演出の設定処理に際しては、チャレンジモードフラグをセットする。ステップS2201では、これらの各種モード対応フラグを把握することで、現状の表示モードを特定し、対応する演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64、上部ランプ63等を制御する。
続くステップS2202では、受信している抽選結果コマンドに基づいて、今回開始されるゲームの抽選結果が押し順役当選であるか否かを判定する。押し順役当選である場合には、ステップS2203にて、押し順報知用処理を行う。ここで、押し順報知用処理について、図55のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2301では、今回受信している開始時コマンドとして、押し順報知コマンドが含まれているか否かを判定する。押し順報知コマンドが含まれていない場合には、そのまま本押し順報知用処理を終了する。押し順報知コマンドが含まれている場合には、ステップS2302に進む。
ステップS2302では、今回の抽選結果が第1昇格リプレイ1~4であるか否かを判定する。第1昇格リプレイ1~4である場合には、ステップS2303にて、第3再遊技入賞が成立する押し順報知を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。
ステップS2302にて第1昇格リプレイ1~4当選ではないと判定した場合、ステップS2304にて、今回の抽選結果が転落リプレイ1~3であるか否かを判定する。転落リプレイ1~3である場合には、ステップS2305に進み、第1再遊技入賞が成立する押し順報知を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。
ステップS2304にて転落リプレイ1~3ではないと判定した場合、ステップS2306にて、今回の抽選結果が第2昇格リプレイ1,2であるか否かを判定する。第2昇格リプレイ1,2である場合には、ステップS2307にて、既にVBモード当選報知演出又は特化ゾーン当選報知演出を実行済みか否かを判定する。例えば、ステップS2106のVBモード当選報知演出やステップS2110の特化ゾーン当選報知演出の設定に際して、RAM183の各種フラグ格納エリア183aにVB当選や特化ゾーン当選の報知が行われたことを示す報知済みフラグをセットする。当該報知済みフラグは、VBモード又は特化ゾーンへ移行することに基づいてクリアする。そして、ステップS2307にて、当該報知済みフラグの有無を判定する構成とするとよい。VBモード又は特化ゾーンの当選報知済みである場合には、ステップS2308にて、第4,第5再遊技入賞が成立する押し順報知を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。VBモード又は特化ゾーンの当選報知済みではない場合には、ステップS2305に進み、第1再遊技入賞用の押し順報知を行ってから、押し順報知用処理を終了する。
ステップS2306にて第2昇格リプレイ1,2ではないと判定した場合、ステップS2309にて、今回の抽選結果がBARリプレイ1であるか否かを判定する。BARリプレイ1である場合には、ステップS2310にて、特化ゾーン当選報知演出を実行済みであるか否かを判定する。特化ゾーンの当選報知済みである場合には、ステップS2311にて第7再遊技入賞が成立する押し順報知を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。特化ゾーンの当選報知済みではない場合には、上記ステップS2305に進み、第1再遊技入賞用の押し順報知を行ってから、押し順報知用処理を終了する。
ステップS2309にてBARリプレイ1ではないと判定した場合、ステップS2312にて、今回の抽選結果がベルであるか否かを判定する。ベル当選である場合には、ステップS2313にて、第1小役としてベル入賞が成立する押し順報知を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。ステップS2312にて否定判定した場合には、そのまま押し順報知用処理を終了する。
開始時演出設定処理の説明(図54)に戻り、ステップS2202にて押し順役当選ではないと判定した場合、ステップS2204にて、移行契機役当選か否かを判定する。移行契機役当選である場合には、ステップS2205にて移行契機役報知用処理を行う。移行契機役報知用処理については、後に詳細に説明する。
ステップS2204にて否定判定した場合、又はステップS2203若しくはステップS2205の処理を実行した後は、ステップS2206に進む。ステップS2206では、今回の開始時コマンドとして、上乗せコマンドを受信しているか否かを判定する。上乗せコマンドを受信している場合には、ステップS2207にて、上乗せコマンドに対応するゲーム数の上乗せ演出が、停止時に実行されるように、予め上乗せ演出を設定する処理を行う。上乗せ演出としては、例えば、図58に示すように、補助表示部65にて、上乗せゲーム数に対応する数値を表示する。その他、上乗せ演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、電子音で「キュキュキュキュキュイーン!」)が発せられるように制御する。
ステップS2207の上乗せ演出の設定処理の詳細について、図56のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2401では、今回受信した上乗せコマンドに基づいて、報知する上乗せゲーム数を把握する処理を行う。続くステップS2402では、報知タイミングを把握する処理を実行する。報知タイミングとは、上乗せ演出を実行するタイミングであり、後述する主制御装置101側の処理(上乗せ報知用処理)にてそのタイミングが決定される。決定されたタイミングの情報は、上記上乗せコマンドに設定されて出力される。そのため、表示制御装置81側では、かかる上乗せコマンドを読み取ることで上乗せ演出を実行すべきタイミングを把握することが可能となる。報知タイミングとしては、上乗せ演出を実行すべきゲームと、各ストップスイッチ42~44の停止操作に対応するタイミングと、が設定される。
ステップS2402にて、報知タイミングを把握した後は、ステップS2403にて、ステップS2402の把握結果が、今回のゲームで上乗せ演出を行うものであったか否かを判定する。今回のゲームにて上乗せ報知を行うものではない場合には、そのまま上乗せ演出の設定処理を終了する。今回のゲームで上乗せ演出を行うものである場合、ステップS2404にて、今回のゲームにおける上乗せ演出の実行タイミングとして、いずれかのリールの停止ON時であったか否かを判定する。停止ON時であった場合、ステップS2405にて、上乗せ演出を発生させる対象リールを設定し、当該対象リールの停止ON操作時に上乗せ演出が発生するように設定する。具体的には、各種フラグ格納エリア183aに、第1リール停止ON操作時フラグ~第3リール停止ON操作時フラグのいずれかをセットする処理を行う。これらのフラグは、上乗せ演出発生タイミングをCPU181が把握するためのフラグである。また、ステップS2405では、かかる停止ON操作時に発生させる上乗せゲーム数に対応する上乗せ演出の演出データを、演出データ記憶エリア182bから読み出し、予め定められた演出データ設定エリアに当該データを一時記憶させる処理を行う。CPU181は、上記停止ON操作時フラグに対応するタイミングで上乗せ演出が発生することを把握した場合、上記演出データ設定エリアに一時記憶された演出データを読み出し、上乗せ演出が行われるようにする。
ステップS2404にて否定判定した場合、ステップS2406にて、第1リール又は第2リールの停止OFF操作時であったか否かを判定する。これらのリールの停止OFF操作時であった場合、ステップS2407にて、上乗せ演出を発生させる対象リールを設定し、当該対象リールの停止OFF操作時に上乗せ演出が発生するように設定する。具体的には、各種フラグ格納エリア183aに、第1リール停止OFF操作時フラグ、第2リール停止OFF操作時フラグのいずれかをセットする処理を行う。これらのフラグも、上乗せ演出発生タイミングをCPU181が把握するためのフラグである。また、ステップS2407でも、上乗せゲーム数に対応する上乗せ演出の演出データを、演出データ記憶エリア182bから読み出し、予め定められた演出データ設定エリアに当該データを一時記憶させる処理を行う。
ステップS2406にて否定判定した場合、ステップS2408にて、今回の上乗せ演出を全リール停止時(第3リールの停止OFF操作時)に発生するように設定する。具体的には、各種フラグ格納エリア183aに、第3リール停止OFF操作時フラグをセットする処理を行う。また、ステップS2408でも、上乗せゲーム数に対応する上乗せ演出の演出データの一時記憶処理を行う。ステップS2405、ステップS2407又はステップS2408の処理を実行した後は、上乗せ演出の設定処理を終了する。
開始時演出設定処理の説明に戻り、ステップS2206にて上乗せコマンドを受信していない場合、又はステップS2207の処理を実行した後は、ステップS2208にてボーナス中演出設定処理を実行し、ステップS2209にて連続演出設定処理を実行し、その後、ステップS2210にて、その他の開始時演出を設定してから、開始時演出設定処理を終了する。ボーナス中演出設定処理及び連続演出設定処理については、後に詳細に説明する。ステップS2210の処理では、例えば、ゲーム開始に対応させて抽選結果を示唆する演出を設定したり、スタートレバー41周辺のランプを消灯させてその操作が受け付けられたことを報知する処理等を行う。
<各停止操作時演出設定処理>
次に、ステップS2008にて実施される各停止操作時演出設定処理について、図57のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2501では、今回受信した各停止操作時コマンドが、停止ON操作コマンドであるか否かを判定する。停止ON操作コマンドは、各リールの停止操作のうちストップスイッチ42~44の押圧操作が行われた場合に主制御装置101から出力されるコマンドである。
ステップS2501にて肯定判定した場合、ステップS2502に進み、今回のゲームの演出として、リールの停止ON操作時に発生する演出が設定されているか否かを判定する。設定されていなければ、そのまま本設定処理を終了する。設定されている場合、ステップS2503にて、今回受信した停止ON操作コマンドが、設定されている停止ON操作時の演出の対象となっているリールの停止操作のものか否かを判定する。対象リールの停止ON操作ではない場合には、そのまま本設定処理を終了する。対象リールの停止ON操作である場合、ステップS2504にて、停止ON操作時演出が行われるように、補助表示部65等を制御して、その後、本設定処理を終了する。
例えば、今回の停止ON操作時演出として、上乗せ演出が設定されている場合、図58(a)に示すように、ストップスイッチ42~44を押圧操作(ON操作)したタイミングで、補助表示部65にて上乗せ演出が発生する。またこの場合、当該上乗せ演出に対応する効果音がスピーカ64から発せられる。
また、例えば今回のゲームが押し順役当選であって、押し順報知演出が設定されている場合、各停止ON操作に基づき対応するリールが停止することによって、押し順報知演出が次の操作対象となるリールを示す演出に変化する。具体的には、当該停止ON操作時演出前に全リール32L,32M,32Rが回転している状況であれば、図42(a)に示す第1リールを操作対象とする表示がなされている。そして、第1リールに対応する停止ON操作によって対応するリール(図では中リール32M)が停止すると、図42(b)に示す、次の操作対象となるリール(図では右リール32R)を示す演出に変化する。また、当該停止ON操作時演出前に2つのリールが回転している状況であれば、図42(b)に示す第2リールを停止対象とする表示がなされており、停止ON操作によって第2リールが停止することに基づき、第3リールを停止対象とする表示(図42(c))に変化する。
ステップS2501にて否定判定した場合、ステップS2505に進み、今回受信した各停止操作時コマンドが、停止OFF操作コマンドであるか否かを判定する。停止OFF操作コマンドは、各リールの停止操作のうちストップスイッチ42~44の押圧操作を終了した場合に主制御装置101から出力されるコマンドである。
ステップS2505にて肯定判定した場合、ステップS2506に進み、今回のゲームの演出として、リールの停止OFF操作時に発生する演出が設定されているか否かを判定する。設定されていなければ、そのまま本設定処理を終了する。設定されている場合、ステップS2507にて、今回受信した停止OFF操作コマンドが、設定されている停止OFF操作時の演出の対象となっているリールの停止操作のものか否かを判定する。対象リールの停止OFF操作ではない場合には、そのまま本設定処理を終了する。対象リールの停止OFF操作である場合、ステップS2508にて、停止OFF操作時演出が行われるように、補助表示部65等を制御して、その後、本設定処理を終了する。
例えば、今回の停止OFF操作時演出として、上乗せ演出が設定されている場合、図58(b)に示すように、ストップスイッチ42~44を押圧操作を終了して、当該ストップスイッチ42~44から手を離したタイミングで、補助表示部65にて上乗せ演出が発生する。またこの場合、当該上乗せ演出に対応する効果音がスピーカ64から発せられる。ステップS2505にて否定判定した場合は、そのまま本演出設定処理を終了する。
<全停止時演出設定処理>
次に、全停止時演出設定処理について、図59のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS2601では、今回受信している停止時コマンドとしてチャレンジモード終了コマンドが含まれているか否かを判定する。チャレンジモード終了コマンドが含まれている場合には、ステップS2602にて、チャレンジモード終了演出が行われるように、補助表示部65等を制御する。チャレンジモード終了演出では、例えば、図63(b)に示すように、補助表示部65にて、「チャレンジモード 終了」という文字表示を行う。その他、チャレンジモード終了演出では、チャレンジモードが終了することに対応させた効果音(例えば、男性の野太い声で「もっと精進せい!」)がスピーカ64から発せられるように制御する。
ステップS2601にてチャレンジモード終了コマンドが含まれていない場合には、ステップS2603にて、今回受信している停止時コマンドとしてアタックモード開始コマンドが含まれているか否かを判定する。アタックモード開始コマンドが含まれている場合には、ステップS2604にて、アタックモード開始演出を設定する処理を行う。アタックモード開始演出では、例えば、図65(a)に示すように、補助表示部65にて、「アタックモード!!Ver.1」という文字表示を行う。その他、アタックモード開始演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、女性の高い声で「アタックモードスタート!」)が発せられるように制御する。
ちなみに、アタックモード開始演出における「Ver.1」の表示は、アタックモードのランクに対応している。つまり、今回開始されるアタックモードが第1アタックモードであることを示す表示である。そして、アタックモードのランクが第2アタックモードに昇格すると(昇格コマンドを受信すると)、昇格演出として、補助表示部65にて、「アタックモード!!Ver.2」という文字表示が行われる。また、アタックモードのランクが第3アタックモードに昇格すると、「アタックモード!!Ver.3」という文字表示が行われ、第4アタックモードに昇格すると、「アタックモード!!Ver.4」という文字表示が行われる。
ステップS2603にてアタックモード開始コマンドが含まれていない場合には、ステップS2605にて、今回受信している停止時コマンドとしてアタックモード終了コマンドが含まれているか否かを判定する。アタックモード終了コマンドが含まれている場合には、ステップS2606にて、アタックモード終了演出を設定する処理を行う。アタックモード終了演出では、例えば、図65(b)に示すように、補助表示部65にて、「アタックモード END」という文字表示を行うとともに、今回のアタックモード(VBモード、特化ゾーンを含む)の継続ゲーム数を表示し、また、今回のアタックモード(VBモード、特化ゾーン、ボーナスを含む)の総払出枚数を表示する。その他、アタックモード終了演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、女性の高い声で「またね」)が発せられるように制御する。
ステップS2605にてアタックモード終了コマンドが含まれていない場合には、ステップS2607にて、今回受信している停止時コマンドとしてVBモード開始コマンドが含まれているか否かを判定する。VBモード開始コマンドが含まれている場合には、ステップS2608にて、VBモード開始演出を設定する処理を行う。VBモード開始演出では、例えば、図66(a)に示すように、補助表示部65にて、「777 VICTORY!!」という文字表示を行う。その他、VBモード開始演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男女の声で「ヴィクトリーボーナス開始」)が発せられるように制御する。
ステップS2607にてVBモード開始コマンドが含まれていない場合には、ステップS2611にて、今回受信している停止時コマンドとしてVBモード終了コマンドが含まれているか否かを判定する。VBモード終了コマンドが含まれている場合には、ステップS2612にて、VBモード終了演出を設定する処理を行う。VBモード終了演出では、例えば、図66(b)に示すように、補助表示部65にて、「VICTORY BONUS END」という文字表示を行うとともに、今回のVBモード終了時のアタックモードの継続ゲーム数(VBモード、特化ゾーンを含む)の継続ゲーム数を表示し、また、今回のVBモード終了時のアタックモード(VBモード、特化ゾーン、ボーナスを含む)の総払出枚数を表示する。その他、VBモード終了演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男女の声で「まだまだ続くぞ」)が発せられるように制御する。
ステップS2611にてVBモード終了コマンドが含まれていない場合には、ステップS2613にて、今回受信している停止時コマンドとして特化ゾーン開始コマンドが含まれているか否かを判定する。特化ゾーン開始コマンドが含まれている場合には、ステップS2614にて、特化ゾーン開始演出を設定する処理を行う。特化ゾーン開始演出では、例えば、図67(a)に示すように、補助表示部65にて、「上乗せチャレンジ!!」という文字表示を行うとともに、アタックモードの上乗せが発生し易い特殊なモードであることを示唆するキャラクタの表示を行う。その他、特化ゾーン開始演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男の子の声で「行くぞ」)が発せられるように制御する。
ステップS2613にて特化ゾーン開始コマンドが含まれていない場合には、ステップS2615にて、今回受信している停止時コマンドとして特化ゾーン終了コマンドが含まれているか否かを判定する。特化ゾーン終了コマンドが含まれている場合には、ステップS2616にて、特化ゾーン終了演出を設定する処理を行う。特化ゾーン終了演出では、例えば、補助表示部65にて、今回の特化ゾーンにて上乗せを行った総ゲーム数を表示する。その他、特化ゾーン終了演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、電子音で「キュキュキュキュキュイーン!」)が発せられるように制御する。なお、総上乗せゲーム数に応じて補助表示部65の表示内容やスピーカ64から発せられる効果音を異ならせるとよい。
ステップS2615にて特化ゾーン終了コマンドが含まれていない場合には、ステップS2617にて、今回受信している停止時コマンドとしてボーナス終了コマンドが含まれているか否かを判定する。ボーナス終了コマンドが含まれている場合には、ステップS2618にて、ボーナス終了演出を設定する処理を行う。ボーナス終了演出では、例えば、補助表示部65にて、今回のボーナス中に獲得した総払出枚数を表示するとともに、アタックモードやVBモード、特化ゾーン中に移行したボーナスであれば、アタックモード(VBモード、特化ゾーン、ボーナスを含む)の総払出枚数を表示する。その他、ボーナス終了演出では、アタックモードの当否、チャレンジモードの当否、上乗せゲーム数に応じて、これらの内容を示唆するキャラクタ等による演出を行う。
ステップS2602、ステップS2604、ステップS2606、ステップS2608、ステップS2612、ステップS2614、ステップS2616及びステップS2618のいずれかの処理を実行した後、又はステップS2617にて否定判定した後は、ステップS2609、ステップS2619に進む。ステップS2609、ステップS2619では、上乗せ演出が設定されている場合には上乗せ演出を実行するように、補助表示部65等を制御する。既に説明したとおり、上乗せ演出の設定は、開始時演出設定処理における、ステップS2207にて行われる。具体的には、上乗せ演出の設定処理(図56)にて、今回の上乗せ演出の発生タイミングが全停止時に設定された場合、図58(c)に示すように、全ての各リール32L,32M,32Rが停止したタイミングで、補助表示部65にて上乗せ演出が発生する。またこの場合、当該上乗せ演出に対応する効果音がスピーカ64から発せられる。
その後、ステップS2610、ステップS2620にて、その他の停止時演出を設定してから、本演出設定処理を終了する。ステップS2610、ステップS2620では、例えば、入賞役に対応させた色で上部ランプ63が点灯するように制御したり、入賞役の払出数に対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したり、リプレイ時の自動ベットに対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したりする。
以上のように、主制御装置101からの各種コマンドに基づいて、表示モードの移行を報知するための各種処理が表示制御装置81側で行われ、その報知が補助表示部65等により行われる。その他、表示制御装置81側では、これら表示モードの移行の報知以外にも、各種ゲーム中の演出用処理が行われる。
<各種ゲーム中の演出用処理>
本実施形態では、各種ゲーム中の演出として、ボーナス中演出や連続演出が設けられている。ボーナス中演出は、第1BBや第2BB入賞に基づいて移行するボーナス状態中の各ゲームにて行われる演出である。連続演出とは、遊技者にとって有利な結果(ボーナスやアタックモード、チャレンジモード、VBモード等に当選していること)を期待させる演出であって、複数回(本実施形態では4回)のゲームに亘って継続され得る演出であり、最終回のゲームにおいて当該有利な結果であったか否かの報知が行われる演出である。
<ボーナス中演出設定処理>
先ず、ボーナス中演出設定処理について、図60のフローチャートを参照しながら説明する。ボーナス中演出設定処理は、開始時演出設定処理(図54)のステップS2208にて実施される処理である。
ボーナス中演出設定処理では、ステップS2701にて、今回のゲームからボーナスゲームが開始されるか否かを判定する。ボーナスゲームとは、第1BB又は第2BB入賞した次のゲームから、ボーナス終了までのゲームが該当する。ステップS2701にて肯定判定する場合とは、前ゲームにて第1BB又は第2BB入賞が成立した場合である。この場合、ステップS2702にて、今回のボーナス種別を把握する処理を行う。より詳しくは、今回のボーナスゲームが第1BB入賞に基づくものか、それとも第2BB入賞に基づくものかを把握する。そして、ステップS2703にて、ステップS2702にて把握したボーナス種別に対応するボーナス演出の設定を行う。ステップS2701にて否定判定した場合、又はステップS2703の処理を実行した後は、ボーナス中演出設定処理を終了する。
ちなみに、本実施形態では、第1BB入賞に基づくボーナスゲームの場合と、第2BB入賞に基づくボーナスゲームの場合とで、ボーナス演出の内容が遊技者に識別可能な程度に異なっている。より詳しくは、第1BB入賞に基づくボーナスゲームでは、補助表示部65にて実写による動画演出が行われるボーナス演出が設定されており、第2BB入賞に基づくボーナスゲームでは、補助表示部65にてアニメーションによる演出が行われるボーナス演出が設定されている。また、スピーカ64から出力される効果音(歌)も第1BBと第2BBとで異なっている。
いずれのボーナス演出も、ゲームの進行に関わらず独立して実施される演出であり、ボーナスゲームが継続する限り繰り返し実施されるように設定されている。例えば、5分間の動画演出又はアニメーション演出を単位演出とし、ボーナス演出開始後5分が経過して当該単位演出が終了すると、再度、当該単位演出を再度最初から開始するように設定されている。なお、補助表示部65における演出については単位演出終了時の画面で停止し、且つ効果音(歌)のみが繰り返される構成としてもよい。また、補助表示部65における演出については各ゲームの進行に同期して実施され、且つ効果音(歌)のみが各ゲームの進行に関わらず独立して実施される構成としてもよい。
上記のように、第1BB入賞に基づくボーナス演出と、第2BB入賞に基づくボーナス演出とが識別可能である一方で、第1BB入賞や第2BB入賞の契機となった遊技結果は、ボーナス演出から識別不可又は識別困難となるように設定されている。すなわち、第1BB入賞に基づくボーナス演出について、例えば、特リプA重複1当選を契機として第1BB入賞した場合と、特リプAB重複1当選を契機として第1BB入賞した場合とで、ボーナス演出は識別不可又は識別困難であり、より具体的には同じボーナス演出が実行される。また、第2BB入賞に基づくボーナス演出についても、同様であり、例えば、特リプA重複2当選を契機としたボーナス演出と、特リプAB重複2当選を契機としたボーナス演出とが識別不可又は識別困難であり、同じボーナス演出が実行される。
<連続演出用の処理>
連続演出について、その概要を、図68を参照しながら説明する。
例えば、図68(a)に示すように、連続演出が設定された1ゲーム目の開始時に連続演出の継続回数を示唆する表示を行う(図では、4ゲームの連続演出に対応させて4段のだるま落とし演出を示している)。そして、当該連続演出が設定された1ゲーム目の終了時において、連続演出の継続の有無を報知する演出を行う(図では、1段目のだるま落としが成功したことの演出を示しており、連続演出が継続することを示している)。連続演出が途切れる場合、当該連続演出が設定された1ゲーム目の終了時において、連続演出が途中で終了することを報知する演出が行われる(例えば、1段目のだるま落としが失敗する演出等)。連続演出の継続の有無に関する演出は、連続演出における各ゲームにおいて同様である。
図68(b)に示すように、連続演出が設定された2ゲーム目の開始時には、残りの連続演出の回数を示唆する表示を行う(図では、残り3段のだるま落とし演出)。そして、当該2ゲーム目の終了時において、連続演出の継続の有無を報知する演出を行う(図では、2段目のだるま落としが成功したことの演出を示しており、連続演出が継続することを示している)。
図68(c)に示すように、連続演出が設定された3ゲーム目の開始時には、残りの連続演出の回数を示唆する表示を行う(図では、残り2段のだるま落とし演出)。そして、当該3ゲーム目の終了時において、連続演出の継続の有無を報知する演出を行う(図では、3段目のだるま落としが成功したことの演出を示しており、連続演出が継続することを示している)。
図68(d)に示すように、連続演出の最終ゲーム(4ゲーム目)の開始時には、連続演出の最終ゲームであることを示唆する表示を行う(図では、1段のだるま落とし演出)。そして、当該最終ゲームの終了時において、遊技者にとって有利な結果であったか否かの演出を行う(図では、最終段のだるま落としが成功したことの演出を示している)。
以上のように、連続演出では、前ゲームの演出を引き継いで次のゲームの演出が設定され、各ゲームの演出が連続性を有している。また、現状のゲームが連続演出開始から何ゲーム目であるか(連続演出終了まで何ゲームあるか)が明確に認識可能となっている。
ここで、連続演出の各ゲームにおいて、次ゲームまで連続演出が継続するか否かは、連続演出のゲームが進行するほど継続率が高くなるように設定されている。すなわち、連続演出の1ゲーム目終了時に、連続演出の非継続が報知される可能性が最も高く、ゲームが進行するほど、非継続が報知される可能性は低くなる。そのため、連続演出においては、現状のゲームが連続演出における何ゲーム目であるかで、遊技者の関心の高さが大きく異なり、開始ゲームから終了ゲームに進行するにつれて高い関心が寄せられるようになる。
以下、上記連続演出に関する処理として、開始時演出設定処理(図54)における移行契機役報知用処理(ステップS2205)、連続演出設定処理(ステップS2209)について、それぞれ説明する。
<移行契機役報知用処理>
移行契機役報知用処理では、先ず、ステップS2801にて、チャンス演出を今回のゲームの演出として設定するか否かのチャンス演出抽選処理を実行する。チャンス演出では、図67(b)に示すように、例えば、補助表示部65にて、「チャンス!!」という文字表示を行うとともに、ビックリマークが付されたキャラクタを各リール32L,32M,32Rに対応させてそれぞれ表示するようにする。その他、チャンス演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、電子音で「キュイ」)が発せられるように制御する。チャンス演出抽選処理では、例えば、移行契機役当選時の約2分の1でチャンス演出が発生するように抽選を行う。なお、チャンス演出抽選処理の当選確率が移行契機役の種類、表示モードや遊技状態、設定値等によって異なる構成としてもよい。続くステップS2802では、ステップS2801の抽選処理に当選したか否かを判定する。当選している場合には、ステップS2803にて今回のゲームの演出としてチャンス演出が行われるように設定する。
ここで、本スロットマシン10において、移行契機役を含めて各小役の入賞を成立させるために推奨される遊技態様について説明する。
各ゲームにて当選し得る役のうち、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによって入賞させることができない所謂取りこぼしが発生する小役は、強チェリー、弱チェリー、強スイカ、弱スイカが設定されている。より詳しくは、既に説明したとおり、強チェリーは、第28小役、第32小役~第35小役のいずれかが入賞し得る役であるところ、左リール32Lについての第28小役図柄、第32小役図柄~第35小役図柄は「チェリー」図柄及び「第2リプレイ」図柄である。この場合、3ベットゲームにおいて、7番目の「赤ベル」図柄から20番目の「白ベル」図柄が左リール32Lの上段に到達したタイミングで左リール32Lの停止操作が行われた場合、上記第28小役図柄、第32小役図柄~第35小役図柄たる「チェリー」図柄及び「第2リプレイ」図柄のいずれをも、有効ラインに停止させることができない。そのため、これらのタイミングで左リール32Lの停止操作が行われると、強チェリー役の取りこぼしが発生する。
また、弱チェリーは、第27小役、第32小役~第35小役のいずれかが入賞し得る役であるところ、左リール32Lについての第27小役図柄、第32小役図柄~第35小役図柄は「チェリー」図柄及び「第2リプレイ」図柄である。この場合においても、3ベットゲームにおいて、7番目の「赤ベル」図柄から20番目の「白ベル」図柄が左リール32Lの上段に到達したタイミングで左リール32Lの停止操作が行われた場合、上記第27小役図柄、第32小役図柄~第35小役図柄たる「チェリー」図柄及び「第2リプレイ」図柄のいずれをも、有効ラインに停止させることができない。そのため、これらのタイミングで左リール32Lの停止操作が行われると、弱チェリー役の取りこぼしが発生する。
強スイカは、第30小役及び第41小役のいずれかが入賞し得る役であるところ、左リール32Lについての第30小役図柄及び第41小役図柄は、「スイカ」図柄である。この場合、3ベットゲームにおいて、9番目の「赤7」図柄から3番目の「白ベル」図柄が左リール32Lの上段に到達したタイミングで左リール32Lの停止操作が行われた場合、第30小役図柄及び第41小役図柄たる「スイカ」図柄を有効ラインに停止させることができない。そのため、これらのタイミングで左リール32Lの停止操作が行われると、強スイカ役の取りこぼしが発生する。
弱スイカは、第29小役及び第41小役のいずれかが入賞し得る役であるところ、左リール32Lについての第29小役図柄及び第41小役図柄は、「スイカ」図柄である。この場合においても、3ベットゲームにおいて、9番目の「赤7」図柄から3番目の「白ベル」図柄が左リール32Lの上段に到達したタイミングで左リール32Lの停止操作が行われた場合、第29小役図柄及び第41小役図柄たる「スイカ」図柄を有効ラインに停止させることができない。そのため、これらのタイミングで左リール32Lの停止操作が行われると、弱スイカ役の取りこぼしが発生する。
そうすると、これら取りこぼしが発生し得る役のいずれについても入賞可能性を残しながら左リール32Lを停止操作する場合、4番目の「チェリー」図柄から6番目の「第2リプレイ」図柄が左リール32Lの上段に到達したタイミングで停止操作する必要がある。なお、以下の説明では、かかる左リール32Lの操作態様を、取りこぼしを生じさせない操作態様として、特定操作態様(第1操作態様)とも称し、これに対する上記の取りこぼしが生じる各操作態様を非特定操作態様(第2操作態様)とも称する。
ステップS2803にて設定するチャンス演出では、今回の当選役が移行契機役のうちのいずれかであることが示唆されるものの、いずれの移行契機役であるかは判別できない又は判別しにくいように設定されている。すなわち、チャンス演出が行われた場合、今回のゲームの当選役として、強チェリー、弱チェリー、強スイカ、弱スイカ等のいずれかである可能性が高いものの、強チェリー及び弱チェリーのいずれであるかの判別、強スイカ及び弱スイカのいずれであるかの判別、強チェリー及び強スイカのいずれであるかの判別等が行えないようになっている。そのため、遊技者としては、各移行契機役のいずれに当選している場合であっても取りこぼしを発生させないように、上記の特定操作態様にて左リール32Lの操作を行うこととなる。
また、チャンス演出は移行契機役の当選したゲームで必ず発生するわけではなく、チャンス演出抽選処理(ステップS2801)にて当選したことを条件として発生する。そうすると、移行契機役の取りこぼしを発生させないように、通常時から毎ゲーム、上記の特定操作態様にて左リール32Lの操作を行うことが推奨されることになる。
ステップS2802にて否定判定した場合、又はステップS2803の処理を行った後は、ステップS2804に進む。ステップS2804では、今回の開始時コマンドとして前兆コマンドが含まれているか否かを判定する。前兆コマンドが含まれていない場合には、ステップS2805にて、今回の開始時コマンドとして上乗せコマンドが含まれているか否かを判定する。上乗せコマンドが含まれていない場合には、ステップS2806にてボーナスに当選しているか否かを判定する。ボーナスに当選していない場合、すなわち、抽選結果として強チェリーや弱スイカ等の移行契機役当選であった場合であって、チャレンジモードやアタックモード、VBモードへの移行抽選や継続ゲーム数の上乗せ抽選に当選しておらず、且つボーナスにも当選していない場合には、ステップS2807にて、擬似前兆モードの抽選処理を実行する。擬似前兆モードとは、前兆モードと見た目上は識別困難であるものの、前兆モードでは前兆ゲーム数が終了したことに基づいて遊技者に有利な結果(チャレンジモードの当選等)が報知される一方、擬似前兆モードでは、擬似前兆ゲーム数が終了したことに基づいて遊技者にとって有利な結果を報知することなく終了するモードである。
ステップS2807では、ROM182の各種テーブル記憶エリア182aから擬似前兆モード抽選用のテーブルを取得するとともに、各種カウンタエリア183bから抽選用のカウンタを取得して、擬似前兆モードを実行するか否かの抽選を行う。擬似前兆モード抽選用のテーブルでは、当選している移行契機役の種類に応じて擬似前兆モードの抽選に当選する確率が異なるように設定されており、例えば、強チェリーの方が弱チェリーよりも擬似前兆モードの抽選に当選する確率が高くなるように設定されている。
ステップS2808では、ステップS2807の処理結果に基づいて、擬似前兆モードの抽選に当選したか否かを判定する。当選している場合には、ステップS2809にて、擬似前兆モードのゲーム数の抽選処理を行う。かかる処理は、主制御装置101側のステップS810等に対応するものであり、1~20のうちの1の擬似前兆ゲーム数を抽選によりランダムに決定する。但し、上記のとおり、各種当選に基づく前兆モードとは異なり、疑似前兆ゲーム数は20ゲーム以下となるように決定される。また、疑似前兆ゲーム数の抽選においては、0ゲームは選択されない。続くステップS2810では、ステップS2809にて決定した擬似前兆ゲーム数を、各種カウンタエリア183bに設けられた連続演出カウンタにセットする処理を行う。連続演出カウンタは、結果報知までのゲーム数を把握するためのカウンタであり、1ゲーム毎に1ずつ減算される。例えば、4ゲームの連続演出を行う構成においては、連続演出カウンタが4となるゲームにおいて連続演出が開始され、連続演出カウンタが0となるゲームにて結果報知が行われる。本実施形態では、前兆モードや擬似前兆モードに設定されると、連続演出を経てから当該前兆モードや擬似前兆モードが終了する構成としている。そして、上記ステップS2810にて連続演出カウンタに擬似前兆ゲーム数を入力することで、擬似前兆モードの残りゲーム数が連続演出開始に対応するもの(残り4ゲーム)となると、連続演出が開始されることとなる。
ステップS2811では、各種フラグ格納エリア183aに擬似前兆モードであることを示す擬似フラグをセットする処理を実行する。続くステップS2812では、連続演出フラグをセットする。その後、移行契機役報知用処理を終了する。また、ステップS2804~ステップS2806のいずれかで肯定判定した場合、又はステップS2808にて否定判定した場合は、そのまま移行契機役報知用処理を終了する。
<連続演出設定処理>
次に、開始時演出設定処理(図54)のステップS2209にて行われる連続演出設定処理について、図62のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2901では、今回受信している開始時コマンドとして前兆コマンドが含まれているか否かを判定する。前兆コマンドが含まれている場合には、ステップS2902にて、当該前兆コマンドに含まれる前兆モードの前兆ゲーム数を連続演出カウンタに入力する処理を行う。これにより、前兆モードの残りゲーム数が連続演出開始に対応するもの(残り4ゲーム)となると、連続演出が開始されることとなる。なお、ステップS2902にて1ゲーム~3ゲームの前兆ゲーム数を連続演出カウンタに入力する場合には、連続演出が途中から開始される。例えば、ステップS2902にて連続演出カウンタに2を入力すると、連続演出は今回のゲームから開始され、図68(c)の連続演出3ゲーム目の演出から行われる。また、連続演出カウンタに0を入力する場合、すなわち、前兆モードを経ずにアタックモード等の当選報知が行われる場合には、連続演出は実行されない。ステップS2902の処理を行った後は、ステップS2903にて、連続演出フラグをセットする。
ステップS2901にて否定判定した場合、又はステップS2903の処理を実行した後は、ステップS2904に進む。ステップS2904では、連続演出フラグがセットされているか否かを判定する。連続演出フラグがセットされている場合には、ステップS2905にて連続演出カウンタから1減算する処理を行う。そして、ステップS2906にて、連続演出カウンタが連続演出に対応する数(0~3)であるか否かを判定する。連続演出カウンタが連続演出に対応する数である場合には、ステップS2907にて、擬似フラグがセットされているか否かを判定する。擬似フラグがセットされていない場合には、ステップS2908に進み、各種テーブル記憶エリア182aから本前兆用演出テーブルを取得する。そして、ステップS2909にて、本前兆用演出テーブルと連続演出カウンタとから、対応する連続演出の演出データを特定し、ROM182の演出データ記憶エリア182bから対応する演出データを取得し、今回の連続演出として設定する処理を行う。本前兆用演出テーブルから特定される連続演出の演出データとしては、連続演出カウンタが1~3であれば、次ゲームまで連続演出が継続することを示す演出データとなっており、連続演出カウンタが0であれば、今回の連続演出が成功で終了することを示す演出データとなっている。
ステップS2907にて擬似フラグがセットされていると判定した場合には、ステップS2910に進む。ステップS2910では、各種テーブル記憶エリア182aから擬似前兆用演出テーブルを取得する。そして、ステップS2911にて、擬似前兆用演出テーブルと連続演出カウンタとから、対応する連続演出の演出データを特定し、ROM182の演出データ記憶エリア182bから対応する演出データを取得し、今回の連続演出として設定する処理を行う。擬似前兆用演出テーブルから特定される連続演出の演出データとしては、連続演出カウンタが1~3であれば、次ゲームまで連続演出が継続することを示す演出データ又は継続しないことを示す演出データとなっており、連続演出カウンタが0であれば、今回の連続演出が失敗で終了することを示す演出データとなっている。
なお、連続演出カウンタが1~3である場合に擬似前兆用演出テーブルから特定される演出データとしては、連続演出が設定されないものも含まれる。例えば、連続演出カウンタが3及び2の場合には連続演出の演出データが設定されず、連続演出カウンタが1の場合に、図68(a)の次ゲームまで連続演出が継続することを示す連続演出1ゲーム目の演出データが設定され、連続演出カウンタが0の場合に、図68(b)において次ゲームまで連続演出が継続しないことを示す連続演出2ゲーム目の演出データが設定される。このようにすることで、擬似前兆モードの擬似前兆ゲーム数が0となるゲームにて連続演出が途中で途切れる演出を設定することが可能となる。
ステップS2909又はステップS2911の処理を行った後は、ステップS2912にて連続演出カウンタが0であるか否かを判定する。連続演出カウンタが0である場合には、ステップS2913にて連続演出フラグ及び擬似フラグをクリアする処理を行う。なお、擬似フラグがセットされていない場合には、その状態を維持する。ステップS2904、ステップS2906若しくはステップS2912にて否定判定した場合、又はステップS2913の処理を行った後は、本連続演出設定処理を終了する。
以上のように、本スロットマシン10では、遊技媒体としてのメダルの投入、及びスタートレバー41の始動操作に基づいて主制御装置101側の抽選処理が行われるとともに、各リール32L,32M,32Rが回転開始され、ストップスイッチ42~44の停止操作に基づいて各リール32L,32M,32Rは停止し、有効ラインに停止した図柄の組合せが、抽選処理の結果に対応するものである場合、対応する特典が付与される構成において、抽選処理の結果としてリプレイとなる確率が異なる複数のRT状態が設けられており、対応する昇格リプレイや転落リプレイの入賞が成立することでRT状態が移行する。対応するリプレイの入賞の可否は、当否抽選の結果の他、ストップスイッチ42~44の操作順序によって定められており、当該操作順序の報知は、抽選処理の結果に応じて行われる表示モードの移行抽選に当選することで行われる。抽選処理の結果としては押し順ベルが設けられており、当該ストップスイッチ42~44の操作順序によっては、当該押し順ベル入賞を成立させてメダルを獲得することが可能となる。そして、リプレイ確率が向上する遊技状態として第2RT状態や第3RT状態に移行させ、且つ操作順序の報知が行われる表示モードに移行させることで、そのRT状態において、リプレイ確率が向上した状態で押し順ベル入賞を成立させることができ、多量のメダルを獲得することが可能となる。
既に説明したとおり、多量のメダルの獲得が期待できるモードとして例えばアタックモードへ移行すると、初期ゲーム数(50)が設定され、当該初期ゲーム数に亘ってアタックモードによる遊技が可能となる。アタックモード等において上乗せ抽選に当選すると、アタックモードの継続ゲーム数の上乗せが行われ、アタックモードによる遊技を行うことが可能となるゲーム数が増加する。その結果、当該アタックモードにて獲得できるメダル数も増加し得ることとなる。
<上乗せ報知の態様>
本スロットマシン10では、アタックモードの継続ゲーム数の上乗せが発生する場合の上乗せ報知の態様が複数設定されている。より詳しくは、上乗せ報知の態様として、上乗せ報知が行われるゲームが異なる複数の態様を有しており、上乗せが発生したゲーム又は上乗せが発生したゲームを契機とする一連のゲームにて上乗せ報知を行う場合(以下の説明では「即乗せ報知」とも称する)と、上乗せが発生したゲームよりも後のゲームであって報知ゲームが事後的に決定される上乗せ報知を行う場合(以下の説明では「後乗せ報知」とも称する)とが設定されている。
即乗せ報知において、上乗せが発生したゲームを契機とする一連のゲームとは、例えば、上乗せが発生したゲームを契機として、上記前兆モードが発生したり連続演出が発生したりする場合等を示し、当該上乗せが発生したゲームから複数のゲームに亘って継続し得るゲームを一連のゲームと称する。当該一連のゲームは、連続した演出が発生しない場合も含み、例えば、上乗せが発生したゲームにおいては対応する演出は発生せず、次のゲームや複数ゲーム後において上乗せ報知が発生する態様も、当該上乗せが発生したゲーム及び上乗せ報知が発生するまでの間のゲームを一連のゲームとし、かかる上乗せ報知の態様も即乗せ報知に含まれるものとする。
一方、後乗せ報知において、上乗せが発生したゲームよりも後のゲームであって事後的に決定される報知ゲームとは、上乗せが発生したゲームにおいて定められるのではなく、例えばアタックモードの終了間際のゲーム等、アタックモードの進行に伴い事後的に報知タイミングが決定される点で、上記即乗せ報知における一連のゲームとは異なっている。言い換えるならば、上記報知ゲームは、上乗せが発生したゲームを契機とせずに設定されるゲームともいえる。
また、上乗せ報知の演出態様として、上記図58にて説明したように、補助表示部65やスピーカ64により上乗せ演出が発生する態様の他、各リール32L,32M,32Rの回転演出を伴って上乗せ演出が発生する態様も設定されている。
以下、各上乗せ報知の態様に関して、上乗せ報知を行うための処理を含めて説明する。
<上乗せ報知用処理>
上乗せ報知用処理は、主制御装置101において、第2特定役処理(図33)のステップS919や、第3特定役処理(図34)のステップS1006、特化ゾーン用処理のステップS1104等にて実施される処理である。すなわち、アタックモードのゲーム数上乗せ抽選に当選し、ゲーム数の上乗せが行われた後に、主制御装置101の処理として実施される処理である。上乗せ報知用処理では、上乗せ報知を行うゲームの設定を行うとともに、当該ゲームにて上乗せ報知を行う場合、その上乗せ報知の実行タイミングの設定を行う。
即乗せ報知と後乗せ報知について、図70を参照しながら、補助表示部65の表示内容の概要を説明する。
即乗せ報知は、有利区間残りゲーム数ZGのうちの一部のゲーム数を有利区間の残りゲーム数として先に報知するものであり、後乗せ報知は、有利区間残りゲーム数ZGのうちの残りのゲーム数を後から報知する演出が行われる。先に報知する側のゲーム数を表示用残数カウンタHGとし、後から報知する側のゲーム数を後乗せカウンタBGとすると、有利区間残りゲーム数ZGは、表示用残数カウンタHGと後乗せカウンタBGとの合計値に等しくなる。表示用残数カウンタHGはゲームを消化する度に1ずつ減算され、後乗せカウンタBGはゲームを消化しても後乗せ報知が発生しない限り減算はなされない。
図70に示すように、本実施形態では、アタックモードを消化している最中において、補助表示部65に表示される表示上の残りゲーム数(残りゲーム数表示ZGP)が所定数(本変形例では1)となった場合に、すなわち、主制御装置101にて管理する表示用残数カウンタHGが所定数(1)となった場合に、後乗せ報知が発生する。後乗せ報知では、例えば、上乗せ報知演出の場合と同様に、後乗せカウンタBG(150)に対応するゲーム数(図では150)の上乗せが行われたことが報知される。その結果、主制御装置101で管理する後乗せカウンタBGはその報知分減算される(図では0となる)とともに、主制御装置101にて管理する表示用残数カウンタHGは後乗せ報知による報知分が上乗せされて更新され、補助表示部65における残りゲーム数表示ZGPも表示用残数カウンタHGに対応した値となる(図では1ゲーム消化して150)。
このように、上乗せ当選時において、後乗せ報知が選択されると表示用残数カウンタHGと実際の有利区間残りゲーム数ZGとに差が生じ得る。その一方で、即乗せ報知が選択されると表示用残数カウンタHGと実際の有利区間残りゲーム数ZGとに差が生じない。本実施形態では、上乗せ当選時に後乗せカウンタBGが参照され、現状の後乗せカウンタBGの値によって、後乗せ報知が選択されるか即乗せ報知が選択されるかが異なっている。
すなわち、上乗せ報知用処理では、図69に示すように、先ずステップS3001にて各種カウンタエリア106eの後乗せカウンタBGを把握する処理を行う。続くステップS3002では、報知ゲーム抽選処理を実行する。報知ゲーム抽選処理は、今回の上乗せ報知を、後乗せ報知とするか即乗せ報知とするかの抽選処理である。報知ゲーム抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから後乗せ抽選テーブルを取得し、ステップS3001にて把握した後乗せカウンタBGの値に応じて後乗せ報知とするか否かの抽選を行う。
後乗せ抽選テーブルは、図71に示すように、後乗せカウンタBGの値と、上乗せ当選の契機となった特定役の種類とによって、後乗せ報知が選択される確率が異なるように設定されている。例えば、強チェリーを契機とする上乗せ時においては、後乗せカウンタBGが30未満である場合には20%で後乗せ報知が選択される(80%で即乗せ報知が選択される)一方、後乗せカウンタBGが30以上100未満では10%で後乗せ報知が選択され、後乗せカウンタBGが100以上では5%で後乗せ報知が選択される、といったように、後乗せカウンタBGの値が大きいほど、後乗せ報知の選択率が低くなるように設定されている。
また、上乗せ当選の契機となった特定役の種類として、強チェリーや弱チェリー、強スイカ、弱スイカといった当選確率が比較的低い所謂レア役(低確率契機結果、低確率結果)よりも、各種押し順リプレイや各種押し順ベルといった当選確率が比較的高い所謂通常役(高確率契機結果、高確率結果)のほうが、後乗せカウンタBGの値が小さい場合の後乗せ選択率が高くなるように設定されている。より詳しくは、各種押し順リプレイや各種押し順ベルを契機とする報知ゲーム抽選処理では、後乗せカウンタBGが30未満である状況では100%の確率で後乗せ報知が選択される。
上記のように、後乗せカウンタBGは、表示用残数カウンタHGが所定数となってから上乗せ報知が行われて、その上乗せ報知分減算される。そのため、基本的には、有利区間のゲーム、すなわち、アタックモードの遊技が進行するにつれて、後乗せカウンタBGの値は大きく場合が多く、逆に有利区間の開始当初、すなわち、アタックモードの遊技の序盤においては、後乗せカウンタBGの値は0又は小さい値である可能性が高い。
すなわち、アタックモードの遊技の序盤において上乗せ当選した場合、後乗せ報知が選択される確率が高く、特に、押し順リプレイや押し順ベルのようなレア役ではない通常役を契機として上乗せ当選した場合には、アタックモードの序盤であれば必ず後乗せ報知が選択される。その結果、アタックモードの開始後、後乗せカウンタBGは比較的早期に溜まり易くなる。
ステップS3002にて報知ゲーム抽選処理を実行した後は、ステップS3003にて、後乗せ当選したか否かを判定する。後乗せ当選しておらず、即乗せ報知が選択された場合、ステップS3004にて、各種カウンタエリア106eに設けられた表示用残数カウンタHGに、今回の上乗せ当選ゲームを加算する処理を行う。そして、ステップS3005にて、今回のゲームにおいて、いずれのタイミングにて上乗せ報知を実行するかを設定するための、報知タイミング設定処理を実行する。報知タイミング設定処理では、今回のゲームにおけるどのタイミングで上乗せ報知を行うかを設定する処理である。
上乗せ報知は、上乗せゲーム数に応じて実行タイミングが異なるように設定されている。具体的には、図72の実行タイミングテーブルに示すように、今回のゲームにおける上乗せ報知の実行タイミングとして、各リール32L,32M,32Rの停止操作順に、第1リール、第2リール、第3リールとすると、第1リールの停止操作時、第2リールの停止操作時、第3リールの停止操作時が設定されている。そして、各リールの停止操作のうちストップスイッチ42~44の押圧操作が行われたとする停止ON操作が行われたタイミングと、当該押圧操作を終了したとする停止OFF操作が行われたタイミングと、が設定されている。
ここで、ストップスイッチ42~44の操作態様について、補足説明する。ストップスイッチ42~44は最も手前側に配置される初期位置から、最も奥側に配置される操作位置まで変位可能となっている。初期位置に配置される状況では、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号はLOW状態となっており、初期位置から操作位置まで操作されることによって、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。そして、主制御装置101では、検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わったことに基づいて、ストップスイッチ42~44の押圧操作が行われたとする停止ON操作が行われたと把握する。
また、ストップスイッチ42~44は、バネ等によって初期位置に向けて付勢されている。そのため、ストップスイッチ42~44から手を離して、操作位置に向けて押し込んだ操作力(押圧力)を付与しないようにすると、ストップスイッチ42~44は、上記バネ等の付勢力によって、初期位置に復帰する。この場合、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号は、HI信号からLOW信号に切り換わる。そして、主制御装置101では、検知信号がHI信号からLOW信号に切り換わったことに基づいて、ストップスイッチ42~44の押圧操作が終了されたとする停止OFF操作が行われたと把握する。
上乗せ報知は、各ストップスイッチ42~44の停止操作として、停止ON操作時と停止OFF操作時とのいずれでも発生し得るように設定されている。つまり、上乗せ報知が発生するゲームでは、ストップスイッチ42~44を押圧操作したタイミングだけでなく、押圧操作を終了したタイミングでも当該上乗せ演出が発生し得る。
上乗せ報知の実行タイミングテーブルでは、上乗せゲーム数が比較的少ないゲーム数として、例えば5ゲーム~10ゲームの上乗せが発生する場合、第1リールの停止ON操作が行われたタイミングが5%で選択され、第1リールの停止OFF操作が行われたタイミングは10%、第2リールの停止ON操作は15%、第2リールの停止OFF操作は20%、第3リールの停止ON操作は20%、第3リールの停止OFF操作(全リール停止時)は30%で、それぞれ選択される。この場合、各リールの停止ON操作時の方よりも、停止OFF操作時の方が選択され易くなっているとともに、後側の操作の方が選択され易くなっている。
一方、上乗せゲーム数が比較的多いゲーム数として、例えば100ゲーム以上の上乗せが発生する場合、第1リールの停止ON操作が行われたタイミングが5%で選択され、第1リールの停止OFF操作が行われたタイミングは10%、第2リールの停止ON操作は5%、第2リールの停止OFF操作は30%、第3リールの停止ON操作は5%、第3リールの停止OFF操作(全リール停止時)は45%で、それぞれ選択される。この場合も、各リールの停止OFF操作時の方が、停止ON操作時よりも選択され易くなっているとともに、後側の操作の方が比較的、選択され易くなっている。
つまり、本実施形態では、各リールの停止ON操作時よりも停止OFF操作時の方が、上乗せ報知が発生し易くなるように設定されている。また、第1~第3リールを比較すると、第3リールの停止操作時(ON操作、OFF操作)が最も選択され易く、第2リールの停止操作時が次いで選択され易く、第1リールの停止操作時が最も選択されにくくなるように設定されている。
上乗せゲーム数との関係からすると、上乗せゲーム数が多いほど、特に第3リール停止OFF操作時のタイミングが選択され易くなっている。つまり、上乗せ報知が発生することを事前に察知している場合、第3リール停止ON操作時までに上乗せ報知が発生しなければ、遊技者は、多量のゲーム数の上乗せが発生することに大いに期待しながら、第3リール停止OFF操作を実行するものと考えられる。
ステップS3005では、上記上乗せ報知の実行タイミングテーブルに基づいて、今回のゲームにおける上乗せ報知の実行タイミングを設定する。その後、本上乗せ報知用処理を終了する。この場合、今回の上乗せが即乗せ報知として、今回のゲームにて報知されることの情報、及び、今回のゲームにおける上乗せ報知の実行タイミングに関する情報は、本上乗せ報知用処理に続けて実行される上乗せコマンドのセット処理(ステップS920、ステップS1007、ステップS1105等)にて、上乗せコマンドに設定される。これらの情報を含む上乗せコマンドを受信した表示制御装置81では、これらの情報に基づいて、上乗せ報知演出の設定を行う(図56)。
ステップS3003にて後乗せ抽選に当選したと判定した場合、ステップS3006に進む。ステップS3006では、各種カウンタエリア106eに設けられた後乗せカウンタBGに、今回の上乗せゲーム数を加算する処理を実行する。そして、ステップS3007にて各種フラグ格納エリア106dに後乗せフラグをセットする処理を行ってから、本上乗せ報知用処理を終了する。
後乗せフラグは、後乗せカウンタBGの値が0よりも大きく、表示用残数カウンタHGが所定値となった場合に後乗せ報知そ行うべき状況であることを、主制御装置101のCPU102が把握するためのフラグである。また、この場合、本上乗せ報知用処理に続けて実行される上乗せコマンドのセット処理では、今回のゲームにて上乗せ報知が発生しないことの情報が上乗せコマンドに設定される。この情報を含む上乗せコマンドを受信した表示制御装置81では、今回のゲームでは上乗せ報知が発生しないように制御する(図56、ステップS2403:NO)。
<後乗せ報知用処理>
次に、後乗せ報知用処理について、図73のフローチャートを参照しながら説明する。後乗せ報知用処理は、主制御装置101における入賞結果対応処理(図44)のステップS1402にて実施される処理である。
先ずステップS3101では、現状の表示モードがアタックモード、VBモード及び特化ゾーンのいずれかであるか否かを判定する。なお、既に説明したとおり、いずれの表示モードであるかは、対応するフラグを把握することで判定可能である。これらのモードではない場合、すなわち、通常モードやチャレンジモード中である場合には、そのまま後乗せ報知用処理を終了する。アタックモード、VBモード及び特化ゾーンのいずれかのモードである場合、ステップS3102にてボーナス状態中であるか否かを判定する。第1BBや第2BBに基づくBB状態やCBに基づくCB状態のいずれかである場合は、そのまま後乗せ報知用処理を終了する。ステップS3102にて否定判定した場合、ステップS3103に進み、表示用残数カウンタHGの減算処理を行う。この場合、ステップS3103では、表示用残数カウンタHGの減算後の値を含むコマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する。かかるコマンドを受信した表示制御装置81では、残りゲーム数表示ZGPの表示を更新するように、補助表示部65を制御する。なお、表示制御装置81にて表示用残数カウンタHGに対応するカウンタ等を設け、表示制御装置81側で残りゲーム数表示ZGPの更新用の処理を行う構成としてもよい。
ステップS3104では、ステップS3103の処理結果として、表示用残数カウンタHGが後乗せ報知の契機となる所定値(1)となったか否かを判定する。所定値となっていない場合には、そのまま後乗せ報知用処理を終了する。所定値となった場合には、ステップS3105にて後乗せフラグがセットされているか否かを判定する。後乗せフラグがセットされていなければ、そのまま後乗せ報知用処理を終了する。
ステップS3105にて後乗せフラグがセットされていると判定した場合、ステップS3106に進む。ステップS3106では、後乗せカウンタBGの値を把握する。そして、ステップS3107にて、後乗せカウンタBGの値に応じた上乗せ報知が行われるように、上乗せコマンドをセットする処理を行う。この場合の上乗せコマンドには、当該ゲームにて上乗せ報知を行うことの情報とともに、後乗せカウンタBGの値に応じたゲーム数の上乗せが行われることの情報が含まれている。なお、後乗せカウンタBGの一部を上乗せする構成としてもよく、例えば、抽選により一部を上乗せするか否かを決定したうえで、一部とする場合にはその一部のゲーム数の上乗せが行われることの情報を上乗せコマンドにセットするとよい。
続くステップS3108では、上記ステップS3107にて上乗せコマンドに設定した上乗せゲーム数に対応する値を、後乗せカウンタBGから減算する処理を行う。そして、ステップS3109にて、ステップS3108の処理結果として、後乗せカウンタBGが0となったか否かを判定する。0ではない場合には、そのまま後乗せ報知用処理を終了する。0である場合には、ステップS3110にて後乗せフラグをクリアする処理を行ってから、後乗せ報知用処理を終了する。
上記のように、入賞結果対応処理における後乗せ報知用処理にて、上乗せコマンドが表示制御装置81へ送信されることにより、表示制御装置81では、全停止時演出設定処理(図59)におけるステップS2609やステップS2619の全停止時の上乗せ報知用処理にて、上乗せ報知演出を行うための処理が実行される。これにより、表示用残数カウンタHGが所定値となったゲームにおいて、全リール32L,32M,32Rが停止した後に後乗せ報知として上乗せ報知が実行される。そのため、表示用残数カウンタHGが所定値(1)となったゲームにおいては、当該ゲームの入賞結果に関わらず、上乗せ報知(後乗せ報知)が行われることに期待しながら、第3リールの停止OFF操作が行われることとなる。
ちなみに、即乗せ報知を行う場合に選択される上乗せ報知のタイミングのうちの第3リール停止OFF操作時と、後乗せ報知を行う場合の全停止時とは、異なるタイミングとなり得る。すなわち、第3リール停止OFF操作時とは、第3リールの停止OFF操作を行ったタイミングであり、当該タイミングにて対応するリールが停止する場合もあれば、スベリ制御を伴って若干遅れたタイミングにて対応するリールが停止する場合もある。そのため、第3リール停止OFF操作時とは、全リール32L,32M,32Rが停止するタイミングよりも若干早いタイミングとなり得る。その一方、入賞結果対応処理における後乗せ報知用処理にて設定される後乗せ報知の実行タイミングは、当該入賞結果対応処理が実行された後のタイミングであり、全リール32L,32M,32Rが完全に停止した後であって、小役入賞が発生していればメダル払い出しが行われた後(ステップS413の払出判定処理が実行された後)のタイミングである。そのため、即乗せ報知における第3リール停止OFF操作時よりも、後乗せ報知が実行されるタイミングは後のタイミングとなり得るものである。
<回転演出処理>
次に、上乗せ報知が行われる場合の演出態様の一種として、各リール32L,32M,32Rの回転演出を伴う上乗せ報知を行うための処理について説明する。図74は、回転演出処理を示すフローチャートである。回転演出処理は、主制御装置101におけるリール制御処理(図18)のステップS401に実施される処理である。回転演出処理では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにセットされている回転演出用のフラグに基づいて、対応する回転演出を実行するための処理を行う。回転演出用のフラグとしては、本実施形態では、疑似フリーズフラグ、第1フリーズフラグ、第2フリーズフラグ及び第3フリーズフラグが設けられている。そこで、先ず、これら各フリーズフラグに対応する回転演出(各種フリーズ演出)の概要について、図75及び図76を参照しながら説明する。
ここで、フリーズ演出とは、スタートレバー41(開始操作手段)の操作に基づいて各リール32L,32M,32R(周回体)の回転を開始させ、ストップスイッチ42~44(停止操作手段)の操作に基づいて各リール32L,32M,32Rの回転を停止させることを通常遊技動作とし、当該通常遊技動作の開始又は進行を制限する演出である。より詳しくは、フリーズ演出は、スタートレバー41の操作、スタートレバー41の操作に基づく各リール32L,32M,32Rの回転開始制御、ストップスイッチ42~44の操作、ストップスイッチ42~44の操作に基づく各リール32L,32M,32Rの回転停止制御の少なくともいずれかが実行されない(制限される)演出である。
本実施形態において上記各フリーズフラグに対応するフリーズ演出は、各リール32L,32M,32Rの回転開始時に行われる回転演出として設定されている。本実施形態では、フリーズ演出は、第9再遊技(特リプA)に当選したゲームの一部のゲームを契機として発生するように設定されている。フリーズ演出が発生する場合、図75及び図76に示すように、遊技結果として第9再遊技入賞が成立して当該第9再遊技入賞に基づく特典としての再遊技が付与されて自動ベット処理が終了した後、すなわち、各リール32L,32M,32Rが停止している状況でスタートレバー41の始動操作が行われると(ta1、tb1)、先ず、通常時の回転方向(正方向、下方向、周回方向)とは逆方向に所定角度回動する(ta1~ta2、tb1~tb2)。本実施形態では、所定角度を、1つの図柄が1コマ分ずれる角度、より詳しくは、例えば下段に配置されていた図柄が中段に配置されるようにずれる角度(360度÷21図柄≒17度)よりも小さくなる角度(約15度)として設定している。そして、所定角度分だけ逆回転した後、所定期間(約1sec)に亘って、その位置で一時停止した状態が維持される(ta2~ta3、tb2~tb3)。上記のように、所定角度を1つの図柄が1コマ分ずれる角度よりも小さくしているため、上記一時停止している状況では、各図柄は有効ライン上とずれた位置に配置される。このようにすることで、仮に遊技者が逆回転を見逃したとしても、ずれた状態が認識し易くなる。
なお、所定角度として複数種類の角度を設け、演出に応じて選択され易い角度が異なるようにしてもよい。また、所定角度で維持される状態の期間を複数種類設け、演出に応じて選択され易い期間が異なるようにしてもよい。更に、これら角度と期間とを組み合わせて、演出に適用してもよいし、段階的に複数種類の角度で一時停止する構成としてもよい。
フリーズ演出のうち、疑似フリーズ演出に対応する疑似フリーズフラグがセットされている場合、図75及び図76(a)に示すように、上記所定角度分だけ逆回転して一時停止した後、所定期間が経過すると、正回転して通常の回転制御に移行する(ta3~)。その後、ストップスイッチ42~44の停止操作に基づいて、各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われ(ta4)、今回のゲームの遊技結果に対応する図柄が有効ライン上に停止する(ta5)。
一方、フリーズ演出のうち、各種7揃いフリーズ演出に対応する第1フリーズフラグ、第2フリーズフラグ、第3フリーズフラグのいずれかがセットされている場合、図75及び図76(b)に示すように、上記所定角度分だけ逆回転して一時停止した後、所定期間が経過すると、更に逆回転してから(tb3~tb4)、所定ラインに「赤7」図柄が揃った状態で一時停止する(tb4~tb5)。その後、正回転して通常の回転制御に移行し(tb5~)、ストップスイッチ42~44の停止操作に基づいて(tb6)、今回のゲームの遊技結果に対応する図柄が有効ライン上に停止する(tb7)。
各種7揃いフリーズ演出においては、「赤7」図柄が揃って一時停止するラインによって、期待できる上乗せゲーム数が異なるように設定されている。すなわち、本実施形態では、「赤7」図柄が中ラインL2に揃って一時停止する中段赤7揃いフリーズ演出と、「赤7」図柄が右上がりラインL5に揃って一時停止する右上がり赤7揃いフリーズ演出と、「赤7」図柄が上ラインL1に揃って一時停止する上段赤7揃いフリーズ演出と、が設定されており、上乗せゲーム数の期待度が、上段赤7揃いフリーズ演出が最も高く、右上がり赤7揃いフリーズ演出がその次に高く、中段赤7揃いフリーズ演出が最も低くなるように設定されている。なお、中段赤7揃いフリーズ演出は第1フリーズフラグがセットされることで実行され、右上がり赤7揃いフリーズ演出は第2フリーズフラグがセットされることで実行され、上段赤7揃いフリーズ演出は第3フリーズフラグがセットされることで実行される。
回転演出処理では、先ず、ステップS3201にて、各種カウンタエリア106eに設けられたフリーズカウンタFCを1減算する処理を実行する。フリーズカウンタFCは、フリーズ演出を行うことが決定されたゲームから、何ゲーム後にフリーズ演出を発生されるかを主制御装置101のCPU102が把握するためのカウンタである。より詳しくは、CPU102はフリーズカウンタFCが0となることでフリーズ演出を発生させるように制御するものであり、例えば、フリーズカウンタFCに1が入力される場合、当該フリーズ演出を行うことが決定された後、上記減算処理(ステップS3201)が1回実施された場合にフリーズ演出が発生するように制御する。この場合、例えば、今回のゲームにおける抽選処理等、当該回転演出処理よりも前の処理においてフリーズカウンタFCに1が入力されると、今回のゲームにてフリーズカウンタFCが0となり、今回のゲームにてフリーズ演出が発生する。また、例えば、今回のゲームにおける抽選処理等、当該回転演出処理よりも前の処理においてフリーズカウンタFCに2が入力されると、今回のゲームを契機として1ゲーム後のゲーム、すなわち次のゲームにてフリーズカウンタFCが0となり、当該次のゲームにてフリーズ演出が発生する。このように、フリーズカウンタFCは、フリーズ演出を行うことが決定されたゲームを契機とする一連のゲームにおいて、フリーズ演出を実行するゲームをCPU102が把握するためのカウンタである。
ステップS3201にてフリーズカウンタFCの減算処理を行った後は、ステップS3202にてフリーズカウンタFCが0となって今回のゲームがフリーズ演出を発生すべきゲームであるか否かを判定する。フリーズカウンタFCが0となった場合には、ステップS3203に進み、各種フラグ格納エリア106dに疑似フリーズフラグがセットされているか否かを判定する。疑似フリーズフラグがセットされている場合には、ステップS3204にて当該疑似フリーズフラグをクリアする処理を実行し、ステップS3205にて、今回のゲームの回転演出として、疑似フリーズ演出が行われるように設定する。この場合、主制御装置101は、各リール32L,32M,32Rに接続されているステッピングモータを個別制御することで、疑似フリーズ演出を実行する。
ステップS3203にて疑似フリーズフラグがセットされていないと判定した場合、ステップS3206にて第1フリーズフラグがセットされているか否かを判定する。第1フリーズフラグがセットされている場合には、ステップS3207にて当該第1フリーズフラグをクリアする処理を実行し、ステップS3208にて、今回のゲームの回転演出として、中段赤7揃いフリーズ演出が行われるように設定する。この場合、主制御装置101は、各リール32L,32M,32Rに接続されているステッピングモータを個別制御することで、中段赤7揃いフリーズ演出を実行する。
ステップS3206にて第1フリーズフラグがセットされていないと判定した場合、ステップS3209にて第2フリーズフラグがセットされているか否かを判定する。第2フリーズフラグがセットされている場合には、ステップS3210にて当該第2フリーズフラグをクリアする処理を実行し、ステップS3211にて、今回のゲームの回転演出として、右上がり赤7揃いフリーズ演出が行われるように設定する。この場合、主制御装置101は、各リール32L,32M,32Rに接続されているステッピングモータを個別制御することで、右上がり赤7揃いフリーズ演出を実行する。
ステップS3209にて第2フリーズフラグがセットされていないと判定した場合、ステップS3212にて第3フリーズフラグがセットされているか否かを判定する。第3フリーズフラグがセットされている場合には、ステップS3213にて当該第3フリーズフラグをクリアする処理を実行し、ステップS3214にて、今回のゲームの回転演出として、上段赤7揃いフリーズ演出が行われるように設定する。この場合、主制御装置101は、各リール32L,32M,32Rに接続されているステッピングモータを個別制御することで、上段赤7揃いフリーズ演出を実行する。
ステップS3205、ステップS3208、ステップS3211及びステップS3214の処理を実行した後、又はステップS3202若しくはステップS3212にて否定判定した後は、ステップS3215にて、その他の回転演出設定処理を実行する。その他の回転演出設定処理では、上記各フリーズ演出の他に設けられた各種回転演出(例えば、各リール32L,32M,32Rの回転開始タイミングを異ならせる演出や、各リール32L,32M,32Rの回転を開始せずに行うフリーズ演出等)が行われるように設定をする。ステップS3215の処理を実行した後は、回転演出処理を終了する。
以上のように、上乗せ報知が行われる場合の演出態様の一態様として各種フリーズ演出が設定されている。本実施形態では、これら各種フリーズ演出が、第1BBや第2BB当選に基づくボーナス中に発生し得る構成としている。
<第4特定役処理>
ボーナス中の指示機能に関する抽選処理として、第4特定役処理について、図77のフローチャートを参照しながら説明する。第4特定役処理は、主制御装置101における抽選結果対応処理(図31)のうちステップS710にて実施される処理であり、持ち越し状態ではなく、ボーナス状態中であることを条件として実施される。
ステップS3301では、今回の遊技結果がBB中第2役であるか否かを判定する。BB中第2役である場合には、ステップS3302にて第1疑似演出用処理を実行してから、第4特定役処理を終了する。BB中第2役ではない場合、ステップS3303にてBB中第3役であるか否かを判定する。BB中第3役である場合には、ステップS3304にてBB中指示抽選用処理を実行してから、第4特定役処理を終了する。BB中第3役ではない場合、すなわち、今回の遊技結果がBB中第1役である場合には、そのまま第4特定役処理を終了する。
既に説明したとおり、ボーナス状態中においては、BB中第1役とBB中第2役とBB中第3役とにそれぞれ当選し得る構成としている(図28)。BB中第1役はベル役であり、BB中第2役及びBB中第3役はリプレイである。BB中第2役及びBB中第3役についてより詳しくは、BB中第2役は第9再遊技(特リプA)当選となる遊技結果であり、BB中第3役は第9再遊技(特リプA)及び第10再遊技(特リプB)当選となる遊技結果である。第4特定役処理は、第9再遊技に当選している遊技結果であれば第1疑似演出用処理及びBB中指示抽選用処理のいずれかを実行し、そのうち第10再遊技に当選していなければ、つまりBB中第2役であれば第1疑似演出用処理を実行し、第10再遊技に当選していれば、つまりBB中第3役であればBB中指示抽選用処理を実行する処理である。以下、第1疑似演出用処理及びBB中指示抽選用処理について、それぞれ説明する。
<第1疑似演出用処理>
第1疑似演出用処理について、図78のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS3401では、各種カウンタエリア106eに設けられた外れカウンタの値を把握する処理を実行する。外れカウンタは、ボーナス状態ではない状態、すなわち、通常遊技状態や各種RT状態等において、指示機能に関する抽選に非当選となった場合に加算処理が行われ得るカウンタである。また、外れカウンタは、ボーナス状態(BB状態)終了時に図示しない初期化処理により初期値(0)にリセットされる。すなわち、外れカウンタはボーナス間のゲームにおいて、どれだけ指示機能に関する抽選に非当選となったかを示す指標といえる。
既に説明した通り、本実施形態では、指示機能に関する抽選として、第1特定役処理や第2特定役処理、第3特定役処理において実行される、VBモードや特化ゾーンへの移行抽選、アタックモードの上乗せ抽選等が設定されており、これらの指示機能に関する抽選に非当選となった場合の処理として、疑似上乗せ報知用処理が設けられている(図33のステップS929、図34のステップS1016)。疑似上乗せ報知用処理では、図79のフローチャートに示すように、ステップS3501にて今回各種抽選に非当選となった契機役を把握する処理を行う。そして、ステップS3502にて上記外れカウンタの加算ポイントを把握する。図80(a)に示すように、各種テーブル記憶エリア105aには外れカウンタテーブルが設けられており、外れカウンタテーブルは抽選契機役に応じて、外れカウンタに加算するポイントが割り振られている。外れカウンタテーブルでは、基本的には各ゲームでの当選確率が低い遊技結果ほど多くのポイントが加算されるように設定されている。例えば、強チェリーを契機として各種指示機能に関する抽選に非当選となった場合には10ポイントを外れカウンタに加算し、弱チェリーを契機として各種指示機能に関する抽選に非当選となった場合には1ポイントを外れカウンタに加算するように、ポイントが割り振られている。また、ボーナスとの重複役ではない遊技結果のほうが重複役よりも多くのポイントが付与されるように設定されており、例えば、強チェリーでは10ポイントが設定されている一方、強チェリー重複1では1ポイントが設定されている。ステップS3502にて外れカウンタの加算ポイントを把握した後は、ステップS3503にて外れカウンタの加算処理を行ってから、疑似上乗せ報知用処理を終了する。すなわち、外れカウンタには、各種指示機能に関する抽選に非当選となった場面が多いほど、多くのポイントが蓄積されており、より詳しくは、指示機能に関する抽選に当選する確率の高い契機役にて当該抽選に非当選となった場面が多いほど、多くのポイントが蓄積されている。
第1疑似演出用処理の説明に戻り、ステップS3401にて上記疑似上乗せ報知用処理にてポイントの蓄積が行われた外れカウンタの値を把握する処理を実行した後は、ステップS3402にて疑似フリーズ抽選処理を実行する。疑似フリーズ抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから疑似フリーズ抽選テーブルを取得し、ステップS3401にて把握した外れカウンタに基づいて、疑似フリーズ演出を実行するか否かの抽選を行う。疑似フリーズ抽選テーブルは、図80(b)に示すように、外れカウンタの値が大きいほど疑似フリーズ演出の当選確率が高くなるように設定されている。
ステップS3402にて疑似フリーズ抽選処理を実行した後は、ステップS3403にて疑似フリーズに当選したか否かを判定する。疑似フリーズに当選している場合には、ステップS3404にて疑似フリーズフラグをセットする処理を行う。その後、ステップS3405にて、上記フリーズカウンタFCに2を入力する処理を行ってから、第1疑似演出用処理を終了する。これにより、今回のゲームの次のゲームのリール回転開始時に、疑似フリーズ演出が発生する。疑似フリーズに非当選である場合には、そのまま第1疑似演出用処理を終了する。
このように、ボーナス状態に移行するよりも以前のゲームの遊技結果が、ボーナス状態中のフリーズ演出の発生の有無に寄与し得る構成としている。このようにすることで、ボーナス状態中の演出効果が高められるだけでなく、ボーナス状態へ移行するタイミングや状況が、ボーナス状態中の何らかの抽選に影響を及ぼす、という意識付けを行うことが可能となる。
<BB中指示抽選用処理>
次に、BB中指示抽選用処理について、図81のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、BB中指示抽選用処理は、ボーナス状態において第9再遊技及び第10再遊技のいずれにも当選しているゲーム(BB中第3役当選のゲーム)にて実施される処理である。
ステップS3601では、今回のボーナスが、当選確率に設定差が設けられた遊技結果に基づくボーナスか否かを判定する。図36に示すように、強チェリー重複1、弱チェリー重複1、強スイカ重複1、弱スイカ重複1、チャンスA重複1、チャンスB重複1、中段ベル重複1、特リプA重複1及び単独第1BBのいずれかに当選した場合の第1BBや、特リプA重複2及び単独第2BBのいずれかに当選した場合の第2BBは、設定差が設けられていない遊技結果に基づくボーナスである。一方、特リプAB重複1に当選した場合の第1BBや、強チェリー重複2、弱チェリー重複2、強スイカ重複2、弱スイカ重複2、チャンスA重複2、チャンスB重複2、中段ベル重複2、特リプA重複2及び特リプAB重複2のいずれかに当選した場合の第2BBは、設定差が設けられている遊技結果に基づくボーナスである。すなわち、同じ第1BBや第2BBでも、当選契機によって、設定差が設けられた遊技結果に基づくボーナスか否かが異なっている。
既に説明したとおり、本スロットマシン10では、指示機能に関する各種抽選は、設定差のない遊技結果に基づいて行われる。そこで、設定差が設けられていない遊技結果に基づくボーナス中においては、指示機能に関する各種抽選を実行し得る一方、設定差が設けられている遊技結果に基づくボーナス中においては、指示機能に関する各種抽選の実行が制限される構成としている。なお、以下の説明では、指示機能に関する抽選の有無により、設定差が設けられていない遊技結果に基づくボーナスを制限非対象ボーナスとも称し、設定差が設けられている遊技結果に基づくボーナスを制限対象ボーナスとも称する。
そして、上記のように同じ第1BBや第2BBであっても制限対象ボーナスである場合もあれば、制限非対象ボーナスである場合もあり、ボーナス状態へ移行する際に入賞する図柄の組み合わせ(入賞態様)からは、制限対象ボーナスと制限非対象ボーナスとの区別がつかない。但し、第1BBと第2BBとで、制限対象ボーナスと制限非対象ボーナスとの比率が異なり、例えば設定3においては、重複当選も含めてトータルでの第1BBと第2BBとの当選確率は同じであるものの(約496分の1)、第1BBの制限対象ボーナスは約1310分の1で当選して(第1BBの約38%)、制限非対象ボーナスは約800分の1で当選する(第1BBの約62%)のに対して、第2BBの制限対象ボーナスは約1010分の1で当選して(第2BBの約49%)、制限非対象ボーナスは約978分の1で当選する(第2BBの約51%)。つまり、第2BBよりも第1BBのほうが制限非対象ボーナスである割合が高く、指示機能に関する抽選が実行されるという観点からすると、第1BBのほうが遊技者にとって好ましいものとなっている。
ステップS3601にて否定判定し、今回のボーナスが、制限非対象ボーナスである場合、ステップS3602にて、ボーナス状態移行前の表示モードが通常モード又はチャレンジモードであるか否かを判定する。なお、ステップS3602では、ボーナス状態移行前の表示モードが通常モードやチャレンジモードであっても、アタックモード当選フラグがセットされている場合、すなわち、ボーナスとアタックモード等への移行抽選とに同時当選した場合には、否定判定する。
ステップS3602にて肯定判定した場合、ステップS3603にて、BB中モード移行用処理を実行してから、BB中指示抽選用処理を終了する。また、ステップS3602にて否定判定した場合、ステップS3604にて、BB中上乗せ用処理を実行してから、BB中指示抽選用処理を終了する。また、ステップS3601にて、今回のボーナスが、制限対象ボーナスであると判定した場合、ステップS3605にて、第2疑似演出用処理を実行してから、BB中指示抽選用処理を終了する。
以下、BB中モード移行用処理、BB中上乗せ用処理、第2疑似演出用処理について、それぞれ説明する。
<BB中モード移行用処理>
BB中モード移行用処理について、図82のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS3701では、モード移行抽選処理を行う。モード移行抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aに記憶されているBB中モード移行テーブルを取得して、モード移行抽選を行う。BB中モード移行テーブルは、図83(a)に示すように、現状の表示モードと、第1BB及び第2BBの相違と、外れカウンタの値とによってモード移行抽選の当選確率及び当選時の移行先の表示モードが異なるように設定されている。
より詳しくは、例えば、通常モード中に移行した第1BB当選に基づくボーナス状態で実行されるモード移行抽選では、外れカウンタの値が5以下であれば、5%の確率でチャレンジモードへ移行し、1%の確率でアタックモードへ移行し、0.1%の確率でスーパーアタックモードへ移行する。同じく通常モード中に移行した第1BB当選に基づくボーナス状態であっても、外れカウンタの値が21以上であれば、10%の確率でチャレンジモードへ移行し、5%の確率でアタックモードへ移行し、1%の確率でスーパーアタックモードへ移行する。チャレンジモード中に移行した第1BB当選に基づくボーナス状態であれば、外れカウンタの値が同じであっても、通常モード中のそれよりも各モードの移行当選率が高く、例えば、外れカウンタが21以上である場合には、20%の確率でアタックモードへ移行し、10%の確率でスーパーアタックモードへ移行する。
第2BB当選に基づくボーナス状態は第1BB当選に基づくボーナス状態よりも、外れカウンタの値が同じであっても各モードの移行当選率が高く、例えば、通常モードにおいて外れカウンタが5以下である場合には、10%の確率でチャレンジモードへ移行し、5%の確率でアタックモードへ移行し、1%の確率でスーパーアタックモードへ移行する。
そのため、外れカウンタに多くのポイントが蓄積されている状況で第1BBや第2BBに当選した場合のほうが、モード移行抽選の当選確率が高く、更に、第1BBよりも第2BBに当選した場合のほうが、モード移行抽選の当選確率が高くなっている。但し、上記のとおり、第1BBよりも第2BBのほうが制限対象ボーナスの割合が高く、モード移行抽選が行われる(BB中モード移行用処理が行われる)可能性は、第1BBのほうが高くなる。
なお、本実施形態では、一のボーナス状態においては、モード移行抽選の結果が次のBB中指示抽選用処理の起動時(BB中第3役当選時)に反映される構成としている。例えば、通常モード中に移行したボーナス状態におけるモード移行抽選にてチャレンジモードへの移行抽選に当選した場合、次のBB中モード移行用処理では、チャレンジモードからのモード移行抽選が実施される。また、通常モード中に移行したボーナス状態におけるモード移行抽選にてアタックモードへの移行抽選に当選した場合、次のBB中指示抽選用処理では、ステップS3602にて否定判定して、BB中上乗せ用処理が実施される。
ステップS3701にてモード移行抽選処理を実行した後は、ステップS3702にていずれかのモードへの移行抽選に当選したか否かを判定する。いずれのモードへの移行抽選にも当選しなかった場合には、ステップS3703に進み、疑似フリーズフラグをセットした後、ステップS3704にてフリーズカウンタFCに2を入力してから、BB中モード移行用処理を終了する。この場合、当該ゲームの次のゲームの回転開始時に、疑似フリーズ演出が発生する。
ステップS3702にて肯定判定した場合、ステップS3705に進み、チャレンジモードへの移行抽選に当選したか否かを判定する。チャレンジモードへの移行抽選に当選している場合、ステップS3706にて、第1フリーズフラグをセットする処理を実行する。
続くステップS3707では、チャレンジモード当選フラグをセットする処理を実行し、ステップS3708にて前兆モードのゲーム数を0に設定する処理を実行する。この場合、当該ボーナス状態の終了時にチャレンジモード当選報知演出が発生し、ボーナス状態の次ゲームからチャレンジモードが開始される。そして、ステップS3704にてフリーズカウンタFCに2を入力してから、BB中モード移行用処理を終了する。この場合、当該ゲームの次のゲームの回転開始時に、中段赤7揃いフリーズ演出が発生する。
ステップS3705にて否定判定した場合、ステップS3709に進み、アタックモードへの移行抽選に当選したか否かを判定する。アタックモードへの移行抽選に当選している場合、ステップS3710にて、第2フリーズフラグをセットする処理を実行する。
続くステップS3711では、アタック用報知フラグをセットする処理を実行する。この場合、当該ボーナス状態の終了後から第1昇格リプレイ入賞を成立させることが可能となり、アタックモードへの移行が早期に発生する。なお、ステップS3711にてチャレンジモードフラグやチャレンジモード当選フラグがセットされている場合には、これらのフラグをクリアする。その後、ステップS3704にてフリーズカウンタFCに2を入力してから、BB中モード移行用処理を終了する。この場合、当該ゲームの次のゲームの回転開始時に、右上がり赤7揃いフリーズ演出が発生する。
ステップS3709にて否定判定した場合とは、スーパーアタックモードへの移行抽選に当選していることを意味する。この場合、ステップS3712に進み、第3フリーズフラグをセットするとともに、ステップS3713にてアタック用報知フラグ、ステップS3714にて特化ゾーン用報知フラグをそれぞれセットする処理を実行し、ステップS3704にてフリーズカウンタFCに2を入力してから、BB中モード移行用処理を終了する。この場合、当該ゲームの次のゲームの回転開始時に、上段赤7揃いフリーズ演出が発生し、当該ボーナス状態の終了後から第1,第2昇格リプレイ入賞及びBARリプレイ入賞を成立させることが可能となり、スーパーアタックモードへの移行が早期に発生する。
<BB中上乗せ用処理>
BB中上乗せ用処理について、図84のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS3801では、アタックモードのゲーム数上乗せ抽選処理を実行する。ゲーム数上乗せ抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aに記憶されているBB中上乗せ抽選テーブルを取得して、ゲーム数上乗せ抽選を行う。BB中上乗せ抽選テーブルは、図83(b)に示すように、第1BB及び第2BBの相違と、外れカウンタの値とによって上乗せ当選確率及び当選時の上乗せゲーム数が異なるように設定されている。
より詳しくは、例えば、第1BB当選に基づくボーナス状態では、外れカウンタの値が5以下であれば、20%の確率で30ゲームの上乗せに当選し、15%の確率で50ゲームの上乗せに当選し、5%の確率で100Gの上乗せに当選する。同じく第1BB当選に基づくボーナス状態であっても、外れカウンタの値が21以上であれば、40%の確率で30ゲームの上乗せに当選し、30%の確率で50ゲームの上乗せに当選し、20%の確率で100ゲームの上乗せに当選する。つまり、外れカウンタに多くのポイントが蓄積されている状況でボーナス状態に移行した場合のほうが、上乗せ当選確率が高くなるし、当選時の上乗せゲーム数も多くなる。
更に、第1BBと第2BBとを比較すると、第2BBのほうが上乗せ当選確率が高く、当選時の上乗せゲーム数も多くなるように設定されている。例えば、第2BB当選に基づくボーナス状態において、外れカウンタの値が21以上であれば、10%の確率で30ゲームの上乗せに当選し、40%の確率で50ゲームの上乗せに当選し、50%の確率で100ゲームの上乗せに当選する。
ステップS3801にてゲーム数上乗せ抽選処理を実行した後は、ステップS3802にて上乗せ当選したか否かを判定する。上乗せ当選していない場合には、ステップS3803にて疑似フリーズフラグをセットし、ステップS3804にてフリーズカウンタFCに2を入力してから、BB中上乗せ用処理を終了する。この場合、当該ゲームの次のゲームの回転開始時に疑似フリーズ演出が発生する。
ステップS3802にて上乗せ当選していると判定した場合、ステップS3805に進む。ステップS3805では、上乗せゲーム数が30ゲームであるか否かを判定する。30ゲームである場合には、ステップS3806にて、第1フリーズフラグをセットする処理を実行する。ステップS3805にて否定判定した場合、ステップS3807にて、上乗せゲーム数が50ゲームであるか否かを判定する。50ゲームである場合には、ステップS3808にて、第2フリーズフラグをセットする処理を実行する。ステップS3807にて否定判定する場合とは、上乗せゲーム数が100ゲームであることを意味し、この場合、ステップS3809にて、第3フリーズフラグをセットする処理を実行する。
ステップS3806、ステップS3808及びステップS3809のいずれかの処理を実行した後は、ステップS3810に進む。ステップS3810では、アタックモードのゲーム数上乗せ処理を実行する。より詳しくは、アタックモードの継続数G3に今回の上乗せゲーム数を加算する処理を実行する。続くステップS3811では、表示用残数カウンタHGに今回の上乗せゲーム数を加算する処理を実行する。そして、ステップS3812にて上乗せコマンドをセットして、ステップS3804にてフリーズカウンタFCに2を入力してから、BB中上乗せ用処理を終了する。
この場合、ステップS3806にて第1フリーズフラグがセットされると、図85(a)に示すように、今回のゲームの次のゲームの回転開始時の演出として中段赤7揃いフリーズ演出が発生し、その後、全リール32L,32M,32Rが停止する際の全停止時演出として30ゲームの上乗せ報知演出が発生する。また、ステップS3808にて第2フリーズフラグがセットされると、図85(b)に示すように、今回のゲームの次のゲームの回転開始時の演出として右上がり赤7揃いフリーズ演出が発生し、その後、全リール32L,32M,32Rが停止する際の全停止時演出として50ゲームの上乗せ報知演出が発生する。そして、ステップS3809にて第3フリーズフラグがセットされると、図85(c)に示すように、今回のゲームの次のゲームの回転開始時の演出として上段赤7揃いフリーズ演出が発生し、その後、全リール32L,32M,32Rが停止する際の全停止時演出として100ゲームの上乗せ報知演出が発生する。なお、各赤7揃いフリーズ演出が発生する際には、補助表示部65にて赤7揃いフリーズ演出に対応する表示演出(例えば、軍人のキャラクタが雄たけびを挙げている様子を表示する演出)が発生する。
<第2疑似演出用処理>
第2疑似演出用処理について、図86のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、第2疑似演出用処理は、制限対象ボーナスにおいてBB中第3役に当選したゲームにて実施される処理である。
第2疑似演出用処理では、ステップS3901にて、通常モード又はチャレンジモード中に移行したボーナスであるか否かを判定する。なお、制限対象ボーナス中に表示モードの移行抽選は実施されないため、ステップS3602の処理のように、アタックモード当選フラグが事後的にセットされることにより、同じボーナス状態中において判定処理の結果が異なる事象は生じない。
ステップS3901にて肯定判定した場合、ステップS3902にて第1疑似演出用処理を実行してから、第2疑似演出用処理を終了する。第1疑似演出用処理は、図78の処理と同様であり、ボーナス移行前に蓄積された外れカウンタの値に応じて疑似フリーズ演出を発生させるための処理を行う。
ステップS3901にて否定判定した場合、ステップS3903にて後乗せフラグがセットされているか否かを判定する。後乗せフラグがセットされていない場合には、上記ステップS3902に進み、第1疑似演出用処理にて疑似フリーズ演出用の処理を実行する。後乗せフラグがセットされている場合には、ステップS3904にてBB中疑似上乗せ用処理を実行してから、第2疑似演出用処理を終了する。
<BB中疑似上乗せ用処理>
BB中疑似上乗せ用処理について、図87のフローチャートを参照しながら説明する。
上記のとおり、BB中疑似上乗せ用処理は、表示モードがアタックモードやVBモード、特化ゾーン中において後乗せフラグがセットされている状況で制限対象ボーナスに移行した場合であって、その制限対象ボーナス中にBB中第3役に当選した場合に実施される。BB中疑似上乗せ用処理では、制限対象ボーナスにおいて実施が制限される上乗せ抽選に関し、当該上乗せ抽選を実施することなく疑似的な上乗せ報知演出を行うための処理が設定されている。
すなわち、ステップS4001では、後乗せカウンタBGの値を把握する処理を実行する。既に説明したとおり、後乗せカウンタBGは、アタックモードのゲーム数の上乗せが発生したものの、その旨の報知が行われていない分の上乗せゲーム数に相当する。続くステップS4002では、ステップS4001にて把握した後乗せカウンタBGが30未満であるか否かを判定する。30未満である場合には、ステップS4003にて、第1疑似演出用処理を実行してから、BB中疑似上乗せ用処理を終了する。上記のとおり、第1疑似演出用処理では、外れカウンタに基づく疑似フリーズ演出用の処理が実施される。
ステップS4002にて後乗せカウンタBGが30以上であると判定した場合、ステップS4004にて報知ゲーム数抽選処理を実行する。報知ゲーム数抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから取得する第1疑似上乗せテーブルと、後乗せカウンタBGとに基づいて、疑似的な上乗せ報知演出(以下、疑似上乗せ報知演出とも称する)を行う場合の報知ゲーム数を抽選する。第1疑似上乗せテーブルでは、図88(a)に示すように、疑似上乗せ報知演出における報知ゲーム数として、30ゲーム、50ゲーム、100ゲームが設定されている。後乗せカウンタBGの値が30以上100未満であれば、30ゲームが100%の確率で選択され、後乗せカウンタBGの値が100以上200未満であれば、30ゲームと50ゲームとが50%ずつで選択され、後乗せカウンタBGの値が200以上であれば、30ゲームは10%、50ゲームは40%、100ゲームは50%の確率でそれぞれ選択される。すなわち、後乗せカウンタBGの値が大きいほど、疑似上乗せ報知演出において報知されるゲーム数は大きくなり、その報知ゲーム数は、制限非対象ボーナスにおいてBB中第3役当選時に発生する上乗せ抽選における上乗せゲーム数と対応付けられている。
ステップS4004にて報知ゲーム数抽選処理を実行した後は、ステップS4005に進む。ステップS4005では、報知ゲーム数抽選処理にて30ゲームの報知が選択されたか否かを判定する。30ゲームが選択されている場合には、ステップS4006にて、第1フリーズフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップS4007にて、後乗せカウンタBGから30を減算する処理を実行し、ステップS4008にて表示用残数カウンタHGに30を加算する処理を実行する。
ステップS4005にて否定判定した場合、ステップS4009に進む。ステップS4009では、報知ゲーム数抽選処理にて50ゲームの報知が選択されたか否かを判定する。50ゲームが選択されている場合には、ステップS4010にて、第2フリーズフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップS4011にて、後乗せカウンタBGから50を減算する処理を実行し、ステップS4012にて表示用残数カウンタHGに50を加算する処理を実行する。
ステップS4009にて否定判定する場合とは、報知ゲーム数抽選処理にて100ゲームの報知が選択されたことを意味する。この場合、ステップS4013にて、第3フリーズフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップS4014にて、後乗せカウンタBGから100を減算する処理を実行し、ステップS4015にて表示用残数カウンタHGに100を加算する処理を実行する。
ステップS4008、ステップS4012及びステップS4015のいずれかの処理を実行した後は、ステップS4016に進む。ステップS4016では、フリーズカウンタFCに2を入力する処理を実行する。これにより、第1フリーズフラグをセットした場合には、次のゲームの回転開始時に中段赤7揃いフリーズ演出が発生し、第2フリーズフラグをセットした場合には、次のゲームの回転開始時に右上がり赤7揃いフリーズ演出が発生し、第3フリーズフラグをセットした場合には、次のゲームの回転開始時に上段赤7揃いフリーズ演出が発生することになる。
そして、ステップS4017にて、上乗せコマンドをセットする処理を実行する。当該上乗せコマンドには、上記ステップS4008、ステップS4012又はステップS4015にて表示用残数カウンタHGに加算したゲーム数の上乗せ報知演出を当該ゲームで発生させるための情報が含まれている。その結果、今回のゲームにて発生する各種7揃いフリーズ演出に対応する上乗せ報知演出が、補助表示部65等により実行される。
ステップS4017の処理を実行した後は、ステップS4018にて後乗せカウンタBGが0となったか否かを判定する。後乗せカウンタBGが0である場合には、ステップS4019にて後乗せフラグをクリアする処理を実行する。ステップS4018にて否定判定した場合、又はステップS4019の処理を実行した後は、BB中疑似上乗せ用処理を終了する。
以上のようにすることで、制限対象ボーナス中に、各種赤7揃いフリーズ演出を伴う上乗せ報知演出が発生する。この上乗せ報知演出は、実際に上乗せ抽選を経たものではなく、疑似的な演出である。
選択され得るゲーム数と、後乗せカウンタBGとの関係について補足説明する。
疑似上乗せ報知演出における報知ゲーム数として50ゲームは、後乗せカウンタBGが100以上である(100~199)場合にのみ選択される。そうすると、今回の疑似上乗せ報知演出として、後乗せカウンタBGのうちの50ゲーム分を報知したとしても、残り50ゲーム以上が後乗せカウンタBGに残存していることになる。また、報知ゲーム数として100ゲームは、後乗せカウンタBGが200以上である場合にのみ選択される。そうすると、今回の疑似上乗せ報知演出として、後乗せカウンタBGのうちの100ゲーム分を報知したとしても、残り100ゲーム以上が後乗せカウンタBGに残存していることになる。一方、報知ゲーム数として30ゲームは、後乗せカウンタBGが30以上である場合に選択されるものであり、今回の疑似上乗せ報知演出によって、後乗せカウンタBGが0ともなり得るし、100ゲーム分以上残存することもあり得るものである。
つまり、疑似上乗せ報知演出として、中段赤7揃いフリーズ演出が発生して30ゲームの上乗せ報知演出が発生すると、今回の上乗せ報知演出として30ゲーム分の加算がされるものの、後どれくらいの後乗せ報知が残存しているかは判別できない。一方、疑似上乗せ報知演出として、右上がり赤7揃いフリーズ演出が発生して50ゲームの上乗せ報知演出が発生すると、今回の上乗せ報知演出として50ゲーム分の加算がなされるだけでなく、残りの後乗せ分として50ゲーム以上が残存していることを示すものとなる。また、疑似上乗せ報知演出として、上段赤7揃いフリーズ演出が発生して100ゲームの上乗せ報知演出が発生すると、今回の上乗せ報知演出として100ゲーム分の加算がなされるだけでなく、残りの後乗せ分として100ゲーム以上が残存していることを示すものとなる。そうすると、仮に上記制限対象ボーナスにおける上乗せ報知演出が疑似的なものであると判別されたとしても、その上乗せ報知演出分以上の情報を提供するものとなり、かかる上乗せ報知演出を確認する動機づけとすることができる。
<疑似上乗せ報知が行われる様子>
後乗せ報知と疑似上乗せ報知が行われる場合の実際の残りゲーム数ZGと表示用残数カウンタHGとの関係について、図89のタイミングチャートを参照しながら説明する。
図89(a)に示すように、tc1のタイミングにて有利区間としてアタックモードが開始された場合、当該アタックモードの初期ゲーム数が残りゲーム数ZG(より詳しくは、アタックモード継続数G3。以下同じ)に入力れるとともに、表示用残数カウンタHGにも同様の初期ゲーム数が入力される。その後、ゲームの消化毎に、残りゲーム数ZG及び表示用残数カウンタHGの減算処理が行われる。
tc2のタイミングやtc3のタイミングで何らかの上乗せ契機が生じて上乗せ当選した場合(例えば強チェリーに基づいて上乗せが発生した場合)、上乗せゲーム数が残りゲーム数ZGに加算される。即乗せ報知が選択された場合、tc2のタイミングやtc3のタイミングで、表示用残数カウンタHGにも上乗せゲーム数が加算される。
tc4のタイミングで当選した上乗せについて、即乗せ報知ではなく後乗せ報知が選択された場合、残りゲーム数ZGには上乗せゲーム数の加算が行われる一方、表示用残数カウンタHGには上乗せゲーム数の加算が行われない。その結果、実際の残りゲーム数ZGの値と表示用残数カウンタHGの値とが異なる事象が生じる。その後、tc5のタイミングとして、表示用残数カウンタHGの値が所定値(1)となるまでゲームが消化されると、未報知分の後乗せ報知が発生する。その結果、表示用残数カウンタHGの値は残りゲーム数ZGの値と同じ値となる(又は近い値となる)。
tc6のタイミングにおいて当選した上乗せについても、後乗せ報知が選択されたものとし、その後、tc7のタイミングで制限非対象ボーナスに当選したものとする。既に説明したとおり、アタックモード中であっても、ボーナス中においては、ゲームの消化毎に残りゲーム数ZG及び表示用残数カウンタHGの減算処理が行われない。一方、アタックモード中のボーナスにおいても、有利区間ゲーム数AGの増加処理は行われる。例えば、図88(b)に示すように、ボーナス中の演出において、補助表示部65の残りゲーム数表示ZGPについては、その更新が停止していることを示す減算停止表示がなされる(図では、「STOP」の文字表示が残りゲーム数表示ZGPに前側に重なるように表示されている)。一方、有利区間ゲーム数AGに対応する総ゲーム数の表示に対しては、減算停止表示がなされず、その更新が停止していないことを、遊技者が把握可能となっている。また、ボーナス中の演出では、補助表示部65において、ボーナスの残払出数に対応する残払出数表示が表示され、あとどれくらいのゲーム数をボーナス中に消化できるかを、遊技者が把握可能となっている。
上記のとおり制限非対象ボーナスでは、BB中第3役当選時において上乗せ抽選が実施され、当該上乗せ抽選に当選すると上乗せ報知として各種赤7揃いフリーズ演出が発生する。例えば、tc8のタイミングやtc9のタイミングで上乗せ当選した場合には、上乗せゲーム数に対応する赤7揃いフリーズ演出を伴う上乗せ報知演出が発生する。この場合、主制御装置101における残りゲーム数ZGの加算は行われるため、補助表示部65における残りゲーム数表示ZGPも対応するゲーム数だけ加算されて更新される。tc10のタイミングでボーナス状態が終了すると、残りゲーム数ZG及び表示用残数カウンタHGの減算処理も再開される。
tc11のタイミングで表示用残数カウンタHGが所定値(1)となると、tc6のタイミングで発生した分の上乗せが後乗せ報知として報知される。その後、tc12のタイミングにて残りゲーム数ZG及び表示用残数カウンタHGのいずれについても0となることで、アタックモード(有利区間)が終了する。
図89(b)に示すように、td1のタイミングにて有利区間としてアタックモードが開始された場合、図89(a)と同様に、アタックモードの初期ゲーム数が残りゲーム数ZG及び表示用残数カウンタHGに入力される。その後、td2のタイミング、td3のタイミング、td4のタイミング、td6のタイミングにて上乗せが発生し、そのうちtd2及びtd3のタイミングの上乗せは即乗せ報知が選択され、td4及びtd6のタイミングの上乗せは後乗せ報知が選択されたものとする。
td4のタイミングの上乗せ分については、td5のタイミングにて、表示用残数カウンタHGが所定値となることに基づく後乗せ報知によって報知される。これは、tc4及びtc5のタイミングの説明と同様である。
上記tc7のタイミングで移行した制限非対象ボーナスとは異なり、td7のタイミングで移行したボーナスが制限対象ボーナスであったとする。上記のとおり、制限対象ボーナスにおいては、BB中第3役に当選しても上乗せ抽選の実施が制限される。但し、本実施形態では、当該制限対象ボーナス中において、未報知の上乗せ分を利用した疑似的な上乗せ報知演出が発生し得る。すなわち、td8のタイミングにて、BB中第3役に当選したとすると、td6のタイミングにて発生した上乗せ分を利用して、疑似上乗せ報知が発生する。この場合、td6のタイミングにて発生した上乗せゲーム数の一部を、疑似上乗せ報知とし、赤7揃いフリーズ演出を伴う上乗せ報知演出が行われる。
そして、td9のタイミングにてボーナス状態が終了した後、表示用残数カウンタHGが所定値となるtd10のタイミングにて、td6のタイミングにて発生した上乗せの残り分の後乗せ報知が行われる。その後、td11のタイミングにて残りゲーム数ZG及び表示用残数カウンタHGのいずれについても0となることで、アタックモード(有利区間)が終了する。
制限対象ボーナスと制限非対象ボーナスについて、図90を参照しながら補足説明する。
既に説明したとおり、本スロットマシン10では、ボーナス状態へ移行するボーナス役として、主に第1BBと第2BBとが設定されている。第1BBは有効ラインに「赤7」図柄が揃って停止することで入賞が成立し、第2BBは有効ラインに「白BAR」図柄が揃って停止することで入賞が成立する。そのため、遊技者は、入賞態様からいずれのボーナスかを明確に把握することが可能である。付け加えると、表示制御装置81によるボーナス中演出設定処理(図60)において、各ボーナスに対応させてそれぞれ異なる演出が行われるように設定される。そのため、入賞態様だけでなく、ボーナス状態中においても、第1BB及び第2BBのいずれのボーナスであるかを把握可能である。
第1BBや第2BBは、単独当選役と重複当選役とが設定されており、重複当選役としては、強チェリーや強スイカ等の移行契機役との重複役(強チェリー重複1,2、強スイカ重複1,2等)、第9再遊技との重複役(特リプA重複1,2)、第9再遊技及び第10再遊技との重複役(特リプAB重複1,2)が設定されている。
単独当選役と、第9再遊技との重複役とは、第1BB及び第2BBのいずれについても当選確率の設定差が生じないように設定されており、これらの役を契機とする第1BB及び第2BBは、指示機能に関する抽選が制限されない制限非対象ボーナスである。また、第9再遊技及び第10再遊技との重複役については、第1BB及び第2BBのいずれについても当選確率に設定差が設けられており、当該役を契機とする第1BB及び第2BBは、指示機能に関する抽選が制限される制限対象ボーナスである。
これに対して、移行契機役との重複役は、第1BBについては当選確率の設定差が生じないように設定されており、当該役を契機とする第1BBは制限非対象ボーナスであり、第2BBについては当選確率に設定差が設けられており、当該役を契機とする第2BBは制限対象ボーナスである。
このように、本実施形態では、同じ第1BBや第2BBであっても、当選契機によって制限対象ボーナスとなったり制限非対象ボーナスとなったりする事象が生じるように設定されている。そのため、例えば、第1BB中にBB中第3役に当選し、赤7揃いフリーズ演出を伴う上乗せ報知演出が発生した場合に、それが実際の上乗せを伴う上乗せ報知演出であるか、それとも後乗せ報知の未報知分を利用した疑似的な上乗せ報知演出であるか、が判別しにくくなっている。
より詳しくは、第1BB中のBB中第3役に当選した場合において、赤7揃いフリーズ演出を伴う上乗せ報知演出が発生した場合、今回のボーナスが移行契機役との重複役か第9再遊技との重複役及び単独当選役を契機とするボーナスであれば、当該上乗せ報知演出は実際の上乗せを伴う上乗せ報知演出である一方、今回のボーナスが第9再遊技及び第10再遊技との重複役を契機とするボーナスであれば、当該上乗せ報知演出は疑似的な上乗せ報知演出となる。また、第2BB中のBB中第3役に当選した場合において、赤7揃いフリーズ演出を伴う上乗せ報知演出が発生した場合、今回のボーナスが第9再遊技との重複役及び単独当選役を契機とするボーナスであれば、当該上乗せ報知演出は実際の上乗せを伴う上乗せ報知演出である一方、今回のボーナスが移行契機役との重複役か第9再遊技及び第10再遊技との重複役を契機とするボーナスであれば、当該上乗せ報知演出は疑似的な上乗せ報知演出となる。
しかも、特に、第9再遊技との重複役と、第9再遊技及び第10再遊技との重複役に関しては、当選ゲームでの停止出目が共通し易いように設定されている。具体的には、第9再遊技と第10再遊技とは、中リール32M及び右リール32Rの対象図柄は共通しているものの、左リール32Lの対象図柄は、第9再遊技では「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄であり、第10再遊技では「青年」図柄が設定されている。左リール32Lに「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄はあわせて6つ配置されている一方、左リール32Lに「青年」図柄は1つだけ配置されている。また、左リール32Lにおいて「青年」図柄は13番目に配置されており、その直下である12番目及びその2つ上である15番目に「白ベル」図柄が配置されている。そのため、第9再遊技及び第10再遊技のいずれにも当選している状況において、第10再遊技入賞となるように第10再遊技の対象図柄を左リール32Lの有効ライン上に停止させようとするならば、13番目の「青年」図柄が有効ラインに到達したタイミングで停止操作をする必要があり、それ以外のタイミング、すなわち、14番目の「第1リプレイ」図柄から12番目の「白ベル」図柄が有効ラインに到達したタイミングで停止操作を行うと第10再遊技の対象図柄ではなく第9再遊技の対象図柄が停止することになる。
そのため、第9再遊技及び第10再遊技との重複役である特リプAB重複1,2当選ゲームにおいては、基本的には第9再遊技入賞が成立し、あえて第10再遊技入賞を狙って停止操作が行われ、且つその停止操作に成功した場合にのみ第10再遊技入賞が成立することになる。そうすると、第9再遊技との重複役である特リプA重複1,2当選ゲームにおける停止出目(第9再遊技入賞となる停止出目)と、第9再遊技及び第10再遊技との重複役である特リプAB重複1,2当選ゲームにおける停止出目は、基本的には共通なものとなり、いずれの当選役を契機とするボーナスかが判別されにくくなっている。つまり、当選ゲームでの停止出目からは制限対象ボーナスであるか制限非対象ボーナスであるかが判別されにくく、ボーナス中の赤7揃いフリーズ演出を伴う上乗せ報知演出が、疑似的なものか否かの判別がされにくくなっている。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
当選確率に設定差が設けられ、上乗せ抽選の実施が制限される制限対象ボーナス中に、後乗せ報知の未報知分を利用して疑似的な上乗せ報知演出を発生させる構成とした。これにより、有利区間中に移行する制限対象ボーナスにおける有利度を高めすぎないようにしながらも、当該制限対象ボーナス中の興趣向上を図ることができる。
制限対象ボーナスにおける疑似的な上乗せ報知演出は、当該制限対象ボーナスにおいて当選し得るBB中第3役当選に基づいて実行される構成とし、BB中第3役の当選確率は設定値に関わらず同じ確率とした。このようにすることで、制限対象ボーナスにおける疑似的な上乗せ報知の契機の出現率も、設定値に関わらず同じ確率とすることができる。よって、設定値により移行率が異なる制限対象ボーナスにおいて、疑似的な上乗せ報知によって興趣向上を図るだけでなく、当該疑似的な上乗せ報知によって当該ボーナスが制限対象ボーナスであることをうまくカモフラージュし、設定値の予測を困難とする効果も期待できる。
制限対象ボーナスにおける疑似的な上乗せ報知演出を行う場合、各リール32L,32M,32Rの回転開始が制限されるフリーズ演出を発生させる構成とした。主制御装置101にて各ゲームの抽選が実行されるとともに、各リール32L,32M,32Rの回転制御が実行される一方、サブ側の表示制御装置81にて補助表示部65等の各種演出が実行されるという前提に立つと、遊技者は、サブ側の各種演出として上記疑似的な上乗せ報知演出が行われても、それが疑似的なものであるという疑いを抱き易いものと考えられる。その点、上記のように、主制御装置101側の各リール32L,32M,32Rのフリーズ演出を伴う疑似的な上乗せ報知演出としたことで、単なる演出としての上乗せ報知演出ではなく、実際の上乗せ抽選を経たものであるとの印象を与え易くなる。よって、制限対象ボーナスにおける、上乗せ報知演出による演出効果を向上させることができる。
しかも、疑似的な上乗せ報知演出とともに実行するフリーズ演出を、制限非対象ボーナスにおいて上乗せが行われた場合に発生するフリーズ演出と対応付け、同じゲーム数の上乗せ報知演出を行う場合には、同じ種類のフリーズ演出を行う構成とした。このようにすることからも、疑似的な上乗せ報知演出が実際の上乗せ抽選を経たものである印象を増強することが可能となる。
BB中第3役当選時であっても疑似的な上乗せ報知演出を発生させない場合には、各種赤7揃いフリーズ演出に発展しない疑似フリーズ演出を実行する構成とした。これにより、抽選に外れる場合もあることをあえて見せることで、抽選を経て発生している上乗せ報知演出である印象を更に強めることが可能となる。そして、この疑似フリーズについても、実際に制限非対象ボーナスにおいて上乗せ非当選時に発生するようにしたことから、制限非対象ボーナスとの関係から、制限対象ボーナス中の疑似的な上乗せ報知演出の信頼性を提供することが可能となる。
疑似的な上乗せ報知演出をその契機となる抽選結果に対応する停止出目を出現させた後に発生させる構成としており、より詳しくは、BB中第3役入賞となる停止出目が出現した次ゲームの開始時に疑似的な上乗せ報知演出を発生させる構成とした。停止出目のような主制御装置101側の管轄下の事象のほうが、補助表示部65による表示演出のような表示制御装置81側の管轄下の事象よりも、遊技者を信頼させる効果が高いであろう、との考えからすると、上記構成は、信頼性を付与してから疑似的な上乗せ報知演出を発生させる構成となる。このようにすることで、これから発生し得る上乗せ報知演出が、よもや疑似的なものであるということの疑いを抱かせないように停止出目によって信頼させたうえで、上乗せ報知演出を行えば、当該上乗せ報知演出が疑似的なものであることを見破られる可能性を低減することが可能となる。
しかも、停止出目によって信頼性を付与した後、更に各リール32L,32M,32Rのフリーズ演出によって信頼性を追加付与したうえで、補助表示部65による上乗せ報知演出を発生させる構成としたことから、当該上乗せ報知演出が疑似的なものであると見破られないようにする効果がより高められている。
また、上記のように、疑似的な上乗せ報知演出を、遊技結果としてのBB中第3役当選に基づいて実行する点からも、主制御装置101側の抽選を経た上乗せ報知演出である印象を与える効果が増強されている。
制限対象ボーナスにおいてBB中第3役に当選した場合であっても、後乗せカウンタBGの値によっては、疑似的な上乗せ報知演出が発生しないようにした。これにより、単にBB中第3役に当選すればよいだけでなく、何らかの抽選(上乗せ抽選)に当選する必要があることの印象を強く与えることが可能となる。しかもこのように、BB中第3役当選時に上乗せ報知が発生しない場面も生じ得るようにすれば、後乗せカウンタBGの値に応じてBB中第3役に当選しないような抽選テーブルにする等、特殊な構成を用いる必要がなく、より簡便な構成にて、且つBB中第3役に当選しにくいボーナスがある等の違和感を与えないようにしながら、制限対象ボーナスの注目度を高めることが可能となる。
制限対象ボーナス中に当選し得る役として、BB中第3役の他に、BB中第2役が設けられており、BB中第3役は第9再遊技及び第10再遊技に当選する役である一方、BB中第2役は第9再遊技に当選する役であり、当選時に第9再遊技入賞となる停止出目が出現し得る、という点で、BB中第2役とBB中第3役とは共通している。そして、BB中第2役では、疑似的な上乗せ報知演出を発生させないようにしているため、第9再遊技入賞となる停止出目が出現した場合であって、上記疑似的な上乗せ報知演出が発生しなかった場合、それがBB中3役当選によるものなのか、それともBB中第2役当選によるものなのかが判別できない。これにより、後乗せカウンタBGの蓄積がない場面など、BB中第3役当選に基づいて上乗せ報知演出を発生させない場面があっても、与え得る違和感を低減することが可能となる。
BB中第2役とBB中第3役とは、いずれもリプレイが付与される役であり、上記のように疑似的な上乗せ報知演出の発生の有無という差を生じさせても、遊技者にとっての有利度には差が生じない。これにより、上乗せ報知演出の発生契機がBB中第2役とBB中第3役とのいずれであるかを判別しにくくする効果を高めることができる。
アタックモード等において、押し順ベルや押し順リプレイによって後乗せカウンタBGが蓄積され易いようにした。より詳しくは、押し順ベルや押し順リプレイのほうが、強チェリー等の所謂レア役よりも上乗せ当選時に後乗せ報知が選択され易いようにした。このように比較的当選確率が高い押し順ベル等によって後乗せカウンタBGの蓄積が生じるようにすることで、当該後乗せカウンタBGの蓄積が発生したことを遊技者が把握しにくく、制限対象ボーナスにおいて疑似的な上乗せ報知を発生させても、それが後乗せカウンタBGを利用したものであることを悟られにくくすることが可能となる。
設定値による当選確率の差がある制限対象ボーナスと、設定値による当選確率の差がない制限非対象ボーナスとを比較すると、ボーナス中に発生する上乗せ報知演出の態様が共通しており、当該上乗せ報知演出の態様からは、いずれのボーナス中のものであるかを識別することができないようにした。このようにすることで、制限対象ボーナスと制限非対象ボーナスとを判別しにくくし、制限対象ボーナスを制限非対象ボーナスと思わせることによって、制限対象ボーナスの遊技性を向上させることができる。
しかも、上記のように設定値による当選確率の差の有無が異なる両ボーナスの区別をつきにくくすれば、設定値による当選確率の差が判別しにくくなり、自らの運によってボーナスを引き当てたという印象を与え易くなる。つまり、例えば、設定差のある制限対象ボーナスにたくさん移行することで多くの遊技媒体を獲得したとしても、制限非対象ボーナスとの区別がつかなければ、それが設定値によるものではなく、自らの運によって獲得したものであるという印象を与えることも可能である。
制限非対象ボーナスにて実行する上乗せ報知演出は、上乗せ当選を契機とする一連のゲームにおいて実行する即乗せ報知である一方、制限対象ボーナスにて実行する上乗せ報知演出は、上乗せ当選となったゲームよりも後のゲームであって事後的に決定されるゲームにて実行される後乗せ報知であるところ、ボーナス中以外の即乗せ報知と後乗せ報知とは遊技者が識別可能な程度に異なっているものの、ボーナス中の即乗せ報知と後乗せ報知とは識別できないようになっている。つまり、ボーナス中以外において識別可能である前提でボーナス中の両報知を体験させることで、両報知が同じ報知であるものと把握させることが可能となる。
特に、ボーナス中以外の後乗せ報知では、アタックモード中継続して表示されている残りゲーム数表示ZGPが1となるゲームにて発生し得るものであり、当該後乗せ報知が発生し得ることを事前に(複数ゲーム前から)察知可能である一方、制限対象ボーナスにおける後乗せ報知ではBB中第3役に当選するまで察知できず、ボーナス中以外の即乗せ報知のように契機とするゲームから一連のゲームで行う報知の範疇に含まれるものである。このような差からしても、制限対象ボーナスにおける上乗せ報知演出が、後乗せ報知ではないと把握させ易く、当該後乗せ報知が疑似的なものではないという印象を強く与えるとともに、制限対象ボーナスと制限非対象ボーナスとの区別をつきにくくすることができる。
制限対象ボーナス及び制限非対象ボーナスにおいて上乗せ報知演出の契機となるBB中第3役の当選確率は、いずれのボーナスにおいても共通している。そのため、BB中第3役の出現率からしても、いずれのボーナスであるかを判別できず、制限対象ボーナスの遊技性を向上させる効果が高められる。
しかも、BB中第3役当選時に上乗せ報知演出を発生させる場合、いずれのボーナスであっても第9再遊技入賞となる停止出目が出現するようにした。これにより、停止出目からもボーナスの区別がされにくくなるだけでなく、主制御装置101側の各リール32L,32M,32Rの駆動制御の結果として、上記上乗せ報知演出が発生している印象を強く与えることができ、制限対象ボーナスにおいて行う上乗せ報知演出が上乗せ抽選を経たものであると判断させること、すなわち今回の上乗せ報知演出が制限非対象ボーナスにおいて発生している演出であると思わせる効果を高めることが可能となる。
制限対象ボーナスであっても制限非対象ボーナスであっても、BB中第2役当選時には上乗せ報知演出は発生しない。しかも、BB中第2役当選時の停止出目も、制限対象ボーナスと制限非対象ボーナスとで共通しており、当選確率も同じものとなっている。つまり、上乗せ報知演出が発生しない場面からも、停止出目やその出現率からいずれのボーナスであるかを区別しにくくし、制限対象ボーナスの遊技性を向上させる効果が高めることが可能となる。
制限対象ボーナスと制限非対象ボーナスとでは、BB中指示抽選用処理において、BB中第3役当選時の処理が途中から異なり、制限対象ボーナスでは第2疑似演出用処理が実行され、制限非対象ボーナスではBB中モード移行用処理やBB中上乗せ用処理が実行される。このように、いずれのボーナスであっても途中までの処理を共通化し、ボーナス種別によって異なる上乗せ報知演出を発生させるうえで、処理構成の簡素化が図られる。
しかも、例えば、BB中上乗せ用処理であっても、第2疑似演出用処理であっても、各種フリーズフラグをセットする処理等が、両処理にて共通している。つまり、上記のように途中までの処理を共通化して、途中からの処理を異ならせる構成において、当該異ならせた処理においても共通処理が存在しているため、処理構成の更なる簡素化が図れている。
第1BBにおいて制限対象ボーナスと制限非対象ボーナスに移行可能なようにし、また、第2BBにおいて制限対象ボーナスと制限非対象ボーナスに移行可能なようにした。つまり、ボーナス移行時の入賞出目(「赤7」図柄揃いや「白BAR」図柄揃い)からは、制限対象ボーナスと制限非対象ボーナスとの区別がつかない。しかも、これら制限対象ボーナスと制限非対象ボーナスとで補助表示部65等による演出も共通なものとしていることから、入賞後は、見た目上、制限対象ボーナスと制限非対象ボーナスとの区別がつかなうようになる。このことからも、制限対象ボーナスの遊技性を高める効果が増強されている。
当選ゲームにおいても、制限対象ボーナスと制限非対象ボーナスとの停止出目は基本的には共通しており、例えば、制限非対象ボーナスである特リプA重複1当選時と、制限対象ボーナスである特リプAB重複1当選時とでは、いずれも基本的には特リプAたる第9再遊技入賞が成立する。このようにすることで、いずれのボーナスであるかの区別が更につきにくくなっている。
但し、当選ゲームに限ると、制限対象ボーナスと制限非対象ボーナスとの判別は可能であり、上記特リプA重複1当選時と特リプAB重複1当選時とでは、特リプBたる第10再遊技入賞の成否によって、制限対象ボーナスと制限非対象ボーナスとの区別がつくようにしている。このようにすることで、両ボーナスの区別がつかないまま演出を楽しみたい遊技者と、両ボーナスの区別をつけたうえで演出を楽しみたい遊技者との多様なニーズに応じることが可能となる。
特リプAB重複1当選時において、第9再遊技のほうが第10再遊技よりも容易に入賞成立させることが可能であり、第10再遊技入賞に対応する停止操作タイミングにてストップスイッチ42~44を停止操作できた場合にだけ、第10再遊技入賞が成立する。両ボーナスの区別をつけたうえで演出を楽しみたい遊技者とは、遊技に熟練した遊技者である可能性が高く、その考えからすると、上記構成のようにすることで、両ボーナスの区別がつかないまま演出を楽しみたい遊技者が誤って第10再遊技入賞を成立させてしまう可能性を低くすることが可能となる。
制限非対象ボーナスにおいて上乗せ抽選を実行する場合、当該ボーナス移行前の状況に応じて上乗せ抽選の当選確率が異なるようにした。より詳しくは、ボーナス移行前の外れカウンタの蓄積状況に応じてボーナス中の上乗せ抽選の当選確率が異なるようにした。このように、ボーナス移行前の遊技状況がボーナス中の上乗せ抽選の当選確率等に影響を及ぼし得るという意識付けをしたうえで、制限対象ボーナスにおいて当該ボーナス移行前の後乗せカウンタBGの蓄積状況によって疑似的な上乗せ報知演出を発生させる構成としたことにより、当該制限対象ボーナスにおける上乗せ報知演出が後乗せカウンタBGの値に応じて発生し易かったり発生しにくかったりする事象を違和感なく受け入れさせることが可能となる。
当選確率の設定差がある制限対象ボーナスと設定差がない制限非対象ボーナスとを比較すると、設定値によって当選し易さが逆転する場合がある。すなわち、例えば、特リプA重複1に基づく制限対象ボーナスと、特リプAB重複1に基づく制限非対象ボーナスとの当選確率を比較すると、図36に示すように、設定1では特リプA重複1の当選確率は約1010分の1であり、特リプAB重複1は約6550分の1であり、特リプA重複1、すなわち制限対象ボーナスの方が当選し易い。一方、設定6では特リプA重複1の当選確率は約1010分の1であり、特リプAB重複1は約546分の1であり、特リプAB重複1、すなわち制限非対象ボーナスの方が当選し易い。このように、設定値によって制限対象ボーナスと制限非対象ボーナスとの割合が異なるため、両ボーナスにて実施される上乗せ報知演出が疑似的なものであるか否かの区別を行いにくくすることができる。
<変形例1>
本変形例では、上記実施形態におけるBB中疑似上乗せ用処理の処理構成を変更する。図91(a)は、本変形例におけるBB中疑似上乗せ用処理の一部を示すフローチャートである。
ステップS4101では後乗せカウンタBGを把握する。続くステップS4102では、疑似上乗せ抽選処理を実行する。疑似上乗せ抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから第2疑似上乗せテーブルを取得し、各種赤7揃いフリーズ演出を伴う上乗せ報知演出を発生させるか否かの抽選を行う。第2疑似上乗せテーブルは、図91(b)に示すように、後乗せカウンタBGの値に応じて、疑似上乗せ報知演出の当選率及び当選時の疑似上乗せゲーム数が異なるように設定されている。特に、後乗せカウンタBGの値が30以下である場合には、いずれのゲーム数の疑似上乗せも発生しないように設定されている。
ステップS4103では、ステップS4102の処理結果に基づいて、疑似上乗せ報知抽選に当選したか否かを判定する。疑似上乗せ報知抽選に当選していない場合には、ステップS4104に進み、第1疑似演出用処理を実行してから、BB中疑似上乗せ用処理を終了する。第1疑似演出用処理については、上記ステップS4003等にて説明した通りである。ステップS4103にて肯定判定した場合には、上記ステップS4005へ進み、各種赤7揃いフリーズ演出を伴う疑似的な上乗せ報知演出用の処理を実行する。
すなわち、上記構成のように、疑似上乗せ抽選を経て赤7揃いフリーズ演出を発生させる構成としても、後乗せカウンタBGの値がボーナス状態中の上乗せゲーム数の最低数に達していなければ、疑似上乗せ抽選に当選しないようすれば、後乗せカウンタBGがマイナスとなってしまう等の不都合を生じさせないようにすることができる。
第2疑似上乗せテーブルにおいては、上記第1の実施形態とは異なり、後乗せカウンタBGの値が30以上であっても、疑似上乗せ報知に当選しない場合もあるように設定されている。すなわち、後乗せカウンタBGが30未満であれば報知当選率は0%であり、30以上100未満であれば報知当選率は30%であり、100以上200未満であれば報知当選率は50%であり、200以上であれば報知当選率は70%、といったように、後乗せカウンタBGの値が大きくなるほど報知当選率が高くなるように設定されている。
つまり、多くの後乗せ分の上乗せゲーム数が潜在的に存在している場合であっても、ボーナス中に疑似的な上乗せ報知が発生しない場面が多くなり、かかる上乗せ報知の希少性が高められるだけでなく、その希少性から上乗せ報知が行われた場合の喜び度合いを大きくし、後乗せカウンタBGが蓄積されているであろう場面にてBB中第3役に当選した場合であっても上乗せ報知が発生しない場面をあえて見せることにより、上乗せ報知が疑似的なものであるとの疑いを生じさせにくくさせることができる。
制限非対象ボーナスにおいて上乗せ当選が異なる複数のボーナスを設け、それら複数のボーナスのそれぞれの演出と、報知当選率の異なる制限対象ボーナス中の演出とを対応付けてもよい。例えば、図91(c)に示すように、ボーナス状態への移行時のアタックモードのランクに応じて、BB中第3役当選時の上乗せ当選確率を異なるように設定する。具体的には、1~4までのアタックモードのランクに対し、BB中第3役当選時において、ランク1では上乗せ当選せず、ランク2では30%の確率で上乗せ当選し、ランク3では50%の確率で上乗せ当選し、ランク4では70%の確率で上乗せ当選するように、BB中上乗せ抽選テーブルを設定する。そして、ランク1ではボーナス状態中の演出を第1演出(背景青)、ランク2ではボーナス状態中の演出を第2演出(背景黄)、ランク3ではボーナス状態中の演出を第3演出(背景緑)、ランク4ではボーナス状態中の演出を第4演出(背景赤)といったように、各ランクをボーナス状態中の演出態様にて遊技者が明確に把握可能なように設定する。
このような前提のもと、制限対象ボーナス中の疑似上乗せ報知の報知当選率によって、ボーナス状態中の演出態様を異ならせる。より詳しくは、図91(b)に示すように、後乗せカウンタBGの値が30未満であればボーナス状態中の演出を上記第1演出(背景青)とし、後乗せカウンタBGの値が30以上100未満であればボーナス状態中の演出を上記第2演出(背景黄)とし、後乗せカウンタBGの値が100以上200未満であればボーナス状態中の演出を上記第3演出(背景緑)とし、後乗せカウンタBGの値が200以上であればボーナス状態中の演出を上記第4演出(背景赤)とする。このようにすれば、当該ボーナス状態中の報知当選率が高いこと又は低いことをボーナス状態中の演出から把握可能となるとともに、制限非対象ボーナスでの演出と各種赤7揃いフリーズ演出を伴う上乗せ報知演出の発生率との関係が、制限対象ボーナスでも同様の関係となることから、制限対象ボーナス中に発生する上乗せ報知演出が疑似的なものであることを悟られにくくすることが可能となる。
この場合、制限対象ボーナスにおけるボーナス状態中の演出を後乗せカウンタBGの値だけでなく、アタックモードのランクも反映可能な構成としてもよい。例えば、アタックモードのランクに応じて制限非対象ボーナスのボーナス状態中の演出を1対1で対応付けて設定するのではなく、ランク1では第1演出が選択され易く、第2演出~第4演出が選択されにくいものの、ランク1のアタックモード中の制限非対象ボーナスであっても第2演出~第4演出が選択され得るもの等としたうえで、制限対象ボーナスのボーナス状態中の演出を移行時の後乗せカウンタBGとアタックモードのランクとから選択する構成とするとよい。このようにすることで、アタックモードのランクと制限対象ボーナスのボーナス中演出とが対応しないことの違和感を与えにくくすることができる。
<変形例2>
本変形例では、ボーナス状態中の残払出数に応じて疑似上乗せ報知演出の発生確率を異ならせる。図92は、本変形例における各種疑似上乗せテーブルを示している。
本変形例における疑似上乗せ抽選処理(ステップS4102)では、現状の残払出数カウンタの値を把握する。そして、残払出数カウンタの値に応じた疑似上乗せテーブルを取得して疑似上乗せ報知演出を実行するか否か、及び実行する場合の報知ゲーム数を抽選により決定する。
図92(a)は、残払出数カウンタが150~216である状況で取得される第3疑似上乗せテーブルを示しており、図92(b)は、残払出数カウンタが100~149である状況で取得される第4疑似上乗せテーブルを示しており、図92(c)は、残払出数カウンタが1~99である状況で取得される第5疑似上乗せテーブルを示している。既に説明したとおり、ボーナス状態においてメダル払い出しが行われることで残出残数カウンタの減算処理が行われる。そのため、残払出数カウンタの値が大きいほど、ボーナス状態においてメダル払い出しが行われた回数が少ない(BB中第1役の当選回数が少ない)状況を示し、言い換えると、ボーナス状態における未消化のゲーム数が多い状況を示している。つまり、第3疑似上乗せテーブルが取得される状況とは、ボーナス状態における未消化ゲーム数が、第4疑似上乗せテーブルや第5疑似上乗せテーブルが取得される状況よりも多い状況である。また、第4疑似上乗せテーブルが取得される状況とは、第5疑似上乗せテーブルが取得される状況よりは未消化ゲーム数が多く、第3疑似上乗せテーブルが取得される状況よりは少ない状況である。そして、第5疑似上乗せテーブルが取得される状況とは、第3疑似上乗せテーブルや第4疑似上乗せテーブルが取得される状況よりも未消化ゲーム数が少ない状況である。
第3疑似上乗せテーブル~第5疑似上乗せテーブルでは、図91に示すように、いずれのテーブルにおいても後乗せカウンタBGが30未満である状況では疑似上乗せ報知演出が発生しないように設定されている。その一方、後乗せカウンタBGが30以上であれば、後乗せカウンタBGの値が同じである状況で比較すると、疑似上乗せ報知演出の発生率が、第3疑似上乗せテーブルが最も低く、第5疑似上乗せテーブルが最も高くなるように設定されている。また、疑似上乗せ抽選の当選時における報知ゲーム数についても、第3疑似上乗せテーブルが最も少なく、第5疑似上乗せテーブルが最も多くなるように設定されている。
上記構成のようにすることで、ボーナス状態の序盤では多いゲーム数の疑似上乗せ報知が発生しにくくなる。そのため、ボーナス状態中の遊技の進行につれて後乗せカウンタBGが枯渇してしまう事象を抑制することができる。
特に、制限対象ボーナスにおいて、後乗せカウンタBGはボーナス状態中に補充されることはないため、上記のような構成としないと、ボーナス状態の序盤と終盤とで疑似上乗せ報知の発生率が異なり易くなり、上乗せ報知演出が疑似的なものであることが悟られる要因となり得る。その点、上記構成のようにすることで、疑似上乗せ報知の発生率をボーナス状態中全般に亘って平均的なものに近づけることが可能となり、疑似的なものであることを悟られにくくする効果をより高めることが可能となる。
<変形例3>
本変形例では、アタックモードの進行状況に応じて疑似上乗せ報知演出の発生確率を異ならせる。図93は、本変形例における各種疑似上乗せテーブルを示している。
本変形例における疑似上乗せ抽選処理(ステップS4102)では、現状の有利区間ゲーム数AGを把握する。そして、有利区間ゲーム数AGの値に応じた疑似上乗せテーブルを取得して疑似上乗せ報知演出を実行するか否か、及び実行する場合の報知ゲーム数を抽選により決定する。
図93(a)は、有利区間ゲーム数AGが100未満である状況で取得される第6疑似上乗せテーブルを示しており、図93(b)は、有利区間ゲーム数AGが100以上である状況で取得される第7疑似上乗せテーブルを示している。既に説明したとおり、有利区間ゲーム数AGは、アタックモード等に当選してからの消化ゲーム数を示している。つまり、第6疑似上乗せテーブルが取得される状況とは、今回のボーナス状態が有利区間開始からの消化ゲーム数が100ゲーム未満(開始から間もない状況)で移行したボーナス状態であることを示し、第7疑似上乗せテーブルが取得される状況とは、今回のボーナス状態が有利区間開始からの消化ゲーム数が100ゲーム以上(開始からある程度の期間が経過した状況)で移行したボーナス状態であることを示している。なお、有利区間ゲーム数AGではなく、アタックモードの開始からのゲーム数(消化ゲーム数)によって取得する疑似上乗せテーブルを異ならせる構成としてもよい。
図93(b)に示すように、第7疑似上乗せテーブルは、上記第2疑似上乗せテーブル等と同様に、後乗せカウンタBGが30未満であれば後乗せ報知演出は発生せず、後乗せカウンタBGが30以上であればその値が大きくなるほど後乗せ報知演出の発生率は高くなり、発生時の報知ゲーム数も多くなるように設定されている。一方、図93(a)に示すように、第6疑似上乗せテーブルでは、後乗せカウンタBGの値に関わらず、後乗せ報知演出は発生しないように設定されている。なお、第6疑似上乗せテーブルにおいても一部疑似上乗せ報知演出が発生するようにしてもよいが、第7疑似上乗せテーブルのそれよりも発生率が低くなるようにするとよい。
つまり、本変形例では、アタックモード等、有利区間の開始から間もない状況で移行した制限対象ボーナスでは、疑似上乗せ報知演出は発生せず、アタックモード等の有利区間の開始からある程度のゲーム数を消化した状況で移行した制限対象ボーナスでは、疑似上乗せ報知演出が発生する。
このように、アタックモードの開始間もない状況、すなわち、後乗せカウンタBGの蓄積が見込めないような状況では、疑似上乗せ報知演出を発生させないようにすることで、疑似上乗せ報知演出が疑似的なものである印象をより薄めることができる。後乗せカウンタBGの蓄積は上乗せに期待が持てる特定役に当選した回数に依存し易いところ、アタックモード開始間もない状況とは、当該特定役の当選回数が少ない場合が多く、特定役の当選回数自体が後乗せカウンタBGに与える影響は大きくなる。一方、特定役の当選回数が多くなれば、即乗せ報知と後乗せ報知との選択率等の影響も大きくなり、特定役の当選回数自体が後乗せカウンタBGに与える影響は相対的に小さくなる。つまり、上記構成のようにすることで、特定役の当選回数といった遊技者が明確に把握し得る事象の与える影響が大きい場合にはそもそも疑似上乗せ報知演出を発生させないようにしたり、疑似上乗せ報知演出が発生しにくいようにすることで、事前に当選している内容を報知している印象を与えにくくすることが可能となる。
更に、制限非対象ボーナス中の上乗せ時において、即乗せ報知と後乗せ報知との選択が行われる構成としたうえで、アタックモードの進行状況に応じてその選択率を異ならせる構成としてもよい。後乗せ報知が選択された場合には、各種赤7揃いフリーズ演出を伴う上乗せ報知演出を発生させず、上乗せゲーム数を後乗せカウンタBGへ加算する処理だけを行う。例えば、図93(c)に示すように、有利区間ゲーム数AGが100未満である状況では、必ず後乗せ報知が選択されるようにし、有利区間ゲーム数AGが100以上であれば、所定の割合(30%)で後乗せ報知が選択される構成とする。このようにすることで、制限非対象ボーナス及び制限対象ボーナスのいずれであっても、アタックモードの序盤においては、赤7揃いフリーズ演出は発生しなくなる。よって、制限対象ボーナスにおいて進行状況に応じて疑似上乗せ抽選の当選確率を異ならせるようにした効果をより高めることが可能となる。
そのうえで、制限非対象ボーナスにおいて後乗せ報知が選択された場合には疑似フリーズが発生するようにし、制限対象ボーナスにおいて疑似上乗せ報知演出を発生させない場合にも所定の割合で疑似フリーズが発生するようにすることで、制限対象ボーナスにおけるフリーズ発生態様(上乗せ報知演出の発生割合)と制限非対象ボーナスにおけるそれとを識別しにくくし、両ボーナスの見分けがつかないようにする効果を高めることが可能となる。
また、アタックモード序盤において、制限非対象ボーナス中に上乗せが発生する場合、すなわち後乗せ報知が選択された場合、疑似フリーズを発生させないようにしてもよい。この場合、制限対象ボーナスにおいても、アタックモード序盤では疑似上乗せ抽選に非当選であっても疑似フリーズを発生させないようにするとよい。これにより、アタックモード序盤で移行したボーナスでは、上乗せが発生しない、又は上乗せが発生しても必ず(高確率で)後乗せ報知が選択される、という印象を強く与えることができる。よって、疑似上乗せ報知演出と、実際の上乗せ報知演出との区別をつきにくくすることが可能となる。
<変形例4>
本変形例では、疑似上乗せ報知演出の発生率が設定値によって異なっている。図94は、本変形例における疑似上乗せテーブルを示している。
図94に示すように、本変形例の第8疑似上乗せテーブルでは、後乗せカウンタBGが30以上である状況において、設定値によって疑似上乗せ報知演出の発生率や発生時の報知ゲーム数が異なる。例えば、後乗せカウンタBGが30~99である状況において、30ゲームの疑似上乗せ報知演出が発生する確率は、設定1,2では30%、設定3,4では35%、設定5,6では40%となっており、設定値が高くなるほど疑似上乗せ報知演出の発生率が高くなる。また、後乗せカウンタBGが100~199である状況において、50Gの疑似上乗せ報知演出は、設定1,2では発生せず、設定3以上で発生し得るように設定されている。更に、100ゲームの疑似上乗せ報知演出は、設定5,6の後乗せカウンタBGが200以上である状況でのみ選択され得るように設定されており、100Gの疑似上乗せ報知演出が発生した場合には、設定5,6が確定する。
このようにすることで、疑似上乗せ報知演出への注目度を高めることが可能となるし、更に、仮に上乗せ報知演出が疑似的なものであるとして遊技者に悟られた場合であっても、その遊技者が、当該上乗せ報知演出を、無意味な演出であると感じてしまう事象を抑制することができる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、制限対象ボーナスにおける疑似上乗せ報知演出の発生の有無を、当該制限対象ボーナスの当選ゲームにおける入賞態様によって異ならせる。図95は、本実施形態におけるBB当選ゲーム用入賞結果対応処理を示すフローチャートである。BB当選ゲーム用入賞結果対応処理は、上記入賞結果対応処理(図44)が実施される場合に合わせて実施される処理であり、例えば、ステップS1401の前に実施される処理である。
ステップS4201では、第1BB又は第2BBの当選ゲームであるか否かを判定する。すなわち、今回のゲームが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされたゲームであるか否かを判定する。第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグのいずれもセットされていない場合、又はいずれかのフラグがセットされているものの当該ゲームよりも前のゲームにてセットされたものである場合は、そのまま本BB当選ゲーム用の処理を終了する。ステップS4201にて肯定判定することで、ステップS4202に進む。
ステップS4202では、今回のゲームの遊技結果が、特リプAB重複1、又は特リプAB重複2であるか否かを判定する。これら以外の遊技結果を契機として第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされた場合には、そのまま本BB当選ゲーム用の処理を終了する。これらの遊技結果を契機としてBB当選フラグがセットされた場合には、ステップS4203に進む。
ステップS4203では、今回のゲームの入賞結果を把握する処理を実行する。既に説明したとおり、各ゲームで重複役に当選した場合には、当選役の種類によって入賞順序に優先/非優先が設定される場合がある。そして、本スロットマシン10では、特リプAB重複1,2のようにリプレイとボーナスとの重複役では、リプレイを優先的に入賞させる構成としている。リプレイは取りこぼしが生じない遊技結果であるところ、特リプAB重複1,2当選ゲームにおいては、第9再遊技又は第10再遊技のいずれかが入賞することとなる。ステップS4203の処理は、第9再遊技入賞及び第10再遊技入賞のいずれが成立しているかを把握するための処理である。
ステップS4204では、ステップS4203の処理結果に基づいて、第10再遊技入賞(特リプB入賞)が成立しているか否かを判定する。第10再遊技入賞が成立していない場合、すなわち第9再遊技入賞が成立している場合には、そのまま本BB当選ゲーム用の処理を終了する。第10再遊技入賞が成立している場合には、ステップS4205にて、各種フラグ格納エリア106dにフリーズ制限フラグをセットする処理を実行してからBB当選ゲーム用の処理を終了する。
既に説明したとおり、第9再遊技及び第10再遊技に重複当選している状況においては、第9再遊技入賞のほうが圧倒的に成立し易く、特定の停止操作態様(左リール32Lの有効ラインに13番目の「青年」図柄が到達したタイミングで行われる停止操作態様)にて停止操作が行われた場合にだけ第10再遊技入賞が成立する。つまり、本BB当選ゲーム用の処理においては、基本的には上記フリーズ制限フラグはセットされず、BB当選ゲームにおいて特定の停止操作態様にて停止操作が行われた場合にだけフリーズ制限フラグがセットされる。
次に、本実施形態における第2疑似演出用処理について、図96のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS4301では、今回のボーナス状態が通常モード又はチャレンジモード中に移行したものか否かを判定する。通常モード又はチャレンジモード中に移行したものである場合、ステップS4302にて上記フリーズ制限フラグがセットされているか否かを判定する。フリーズ制限フラグがセットされている場合、そのまま第2疑似演出用処理を終了する。フリーズ制限フラグがセットされていない場合、ステップS4303にて第1疑似演出用処理を実行してから第2疑似演出用処理を終了する。既に説明したとおり、第1疑似演出用処理は、疑似フリーズ演出を発生させるための処理である。すなわち、フリーズ制限フラグがセットされている場合には、第1疑似演出用処理は実行されず、疑似フリーズ演出は発生しない。
ステップS4301にて通常モード又はチャレンジモードであると判定した場合、ステップS4304にて後乗せフラグがセットされているか否かを判定する。後乗せフラグがセットされている場合には、ステップS4305にてBB中疑似上乗せ用処理を実行してから第2疑似演出用処理を終了する。後乗せフラグがセットされていない場合には、ステップS4302に進み、上記のとおり、フリーズ制限フラグの有無により疑似フリーズ演出を発生させるか否かの処理を実行する。
次に、本実施形態におけるBB中疑似上乗せ用処理について、図97のフローチャートを参照しながら説明する。
本実施形態におけるBB中疑似上乗せ用処理は、上記第1の実施形態における処理と概ね同様であり、相違点としては、疑似フリーズ演出や各種赤7揃いフリーズ演出を発生させるか否かをフリーズ制限フラグの有無によって異ならせる点である。
すなわち、ステップS4001及びステップS4002と同様に、ステップS4401にて後乗せカウンタBGを把握する処理を実行し、ステップS4402にて後乗せカウンタBGが30未満であるかあ否かを判定する。30未満である場合、ステップS4403にて、上記フリーズ制限フラグがセットされているか否かを判定する。フリーズ制限フラグがセットされていなければ、ステップS4404にて第1疑似演出用処理を実行してから、BB中疑似上乗せ用処理を終了する。一方、ステップS4403にてフリーズ制限フラグがセットされている場合には、そのまま、BB中疑似上乗せ用処理を終了する。すなわち、フリーズ制限フラグがセットされている場合には、後乗せカウンタBGが30未満である状況では、疑似フリーズも発生しない。
後乗せカウンタBGが30以上である場合、ステップS4405にて、報知ゲーム数抽選処理を実行する。ステップS4405では、ステップS4004と同様に、第1疑似上乗せテーブルと後乗せカウンタBGとに基づいて報知ゲーム数を決定する。
その後、ステップS4406にて、上記フリーズ制限フラグがセットされているか否かを判定する。フリーズ制限フラグがセットされていない場合には、ステップS4408~ステップS4422にて、上記ステップS4006~ステップS4019の処理と同様に、各種赤7揃いフリーズ演出を伴う上乗せ報知演出を発生させるための処理を実行する。ステップS4406にてフリーズ制限フラグがセットされていると判定した場合、ステップS4407にて、フリーズ非発生用処理を実行してから、BB中疑似上乗せ用処理を終了する。
<フリーズ非発生用処理>
フリーズ非発生用処理について、図98のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS4501では、上記ステップS4405の報知ゲーム数抽選処理の処理結果が30ゲームの疑似上乗せ報知演出であったか否かを判定する。30ゲームの疑似上乗せ報知演出であった場合、ステップS4502にて、各種カウンタエリア106eに設けられたBB後報知カウンタに30を加算する処理を実行し、ステップS4503にて後乗せカウンタBGから30を減算する処理を実行してから、フリーズ非発生用処理を終了する。すなわち、この場合、第1フリーズフラグはセットされず、中段赤7揃いフリーズ演出は発生しないし、30ゲームの上乗せ報知も発生しない。BB後報知カウンタは、このようなフリーズ演出を非発生とした分の後乗せカウンタBGの減算分を、CPU102が把握するためのカウンタである。
ステップS4501にて否定判定した場合、ステップS4504に進み、50ゲームの疑似上乗せ報知演出が選択されたか否かを判定する。50ゲームの疑似上乗せ報知演出であった場合、ステップS4505にて、BB後報知カウンタに50を加算する処理を実行し、ステップS4506にて、後乗せカウンタから50を減算する処理を実行してから、フリーズ非発生用処理を終了する。
ステップS4504にて否定判定する場合とは、今回の報知ゲーム数抽選処理の処理結果が100ゲームの疑似上乗せ報知演出であったことを意味する。この場合、ステップS4507にて、BB後報知カウンタに100を加算する処理を実行し、ステップS4508にて、後乗せカウンタBGから100を減算する処理を実行してから、フリーズ非発生用処理を終了する。
このように、特リプAB重複1,2当選を契機とするボーナス状態において、当該特リプAB重複1,2当選ゲームで第10再遊技入賞を成立させることで、疑似フリーズや各種赤7フリーズ演出の実行が制限される。上記のとおり、特リプAB重複1,2当選ゲームにおいては、基本的には第9再遊技入賞が成立し易く、第10再遊技入賞は成立しにくい。すなわち、特リプAB重複1,2当選ゲームにおいては、あえて第10再遊技入賞を狙って停止操作を行わないと第10再遊技入賞は成立しない。
遊技者によっては、演出を楽しみたい遊技者だけでなく、遊技進行を優先したい遊技者もいるものと考えられ、上記のような疑似的な上乗せ報知演出は、遊技者の有利度に実質的な差異を生じさせるものではないため、遊技進行を優先したい遊技者にとっては、演出効果を見込んだ上記構成がかえって煩わしいものと感じられ得るものとも考えられる。そこで、上記構成のように、第10再遊技入賞を成立させれば、その疑似的な上乗せ報知演出が非発生となるようにすることで、当該演出による演出効果を期待しながらも、遊技進行を優先したい遊技者のニーズにも応えることが可能となる。
<BB終了時報知用処理>
BB終了時報知用処理について、図99(a)のフローチャートを参照しながら説明する。BB終了時報知用処理は、主制御装置101による終了判定処理(図46)において残払出数が0となった場合に実施される処理であり、例えば、ステップS1603とステップS1604の処理の間に実施される処理である。
ステップS4601では、上記BB後報知カウンタが0よりも大きいか否かを判定する。すなわち、今回終了するボーナスが制限対象ボーナスであって、当該ボーナス中に疑似上乗せ報知演出の実行が制限されたか否かを判定する。BB後報知カウンタが0である場合には、そのままBB終了時報知用処理を終了する。BB後報知カウンタが0よりも大きい場合には、ステップS4602に進む。
ステップS4602では、表示用残数カウンタHGにBB後報知カウンタの値を加算する処理を実行する。そして、ステップS4603にて、上記加算分の上乗せが生じたことの報知を行うための上乗せコマンドをセットする処理を実行する。この上乗せコマンドを受信した表示制御装置81では、全停止時演出における上乗せ報知演出として、図99(b)に示すように、上記BB後報知カウンタの分のゲーム数の上乗せ報知演出が行われるように補助表示部65等を制御する。なお、当該上乗せ報知演出は、各種赤7揃いフリーズ演出は伴わず、補助表示部65及びスピーカ64により実施される。
続くステップS4604では、BB後報知カウンタを0にクリアする処理を実行する。そして、ステップS4605にてフリーズ制限フラグをクリアする処理を実行してから、BB終了時報知用処理を終了する。
<当選ゲームの停止出目と各種フリーズ演出の有無との関係>
特リプA重複1,2及び特リプAB重複1,2におけるボーナス当選ゲームでの停止出目と、疑似フリーズ演出や各種赤7揃いフリーズ演出の有無との関係について、図100を参照しながら補足説明する。
既に説明したとおり、本スロットマシン10では、ボーナスとして第1BB及び第2BBが設けられており、その大部分が特リプA重複1,2又は特リプAB重複1,2当選に基づくものである(約87%、図90参照)。
特リプA重複1,2及び特リプAB重複1,2の当選ゲームにおいては、いずれも特リプAとしての第9再遊技入賞が成立し得る。当該当選ゲームにおいて第9再遊技入賞が成立すると、特リプA重複1当選ゲームであるか特リプA重複2当選ゲームであるかだけでなく、特リプAB重複1当選ゲームであるか特リプAB重複2当選ゲームであるかも停止出目からは判別ができない。
このうち、特リプA重複1及び特リプAB重複1であるか、それとも特リプA重複2及び特リプAB重複2であるかについては、ボーナス状態へ移行させるゲームにおける停止出目(「赤7」図柄揃い又は「白BAR」図柄揃い)によって、判別可能である。
一方、特リプA重複1,2であるか、それとも特リプAB重複1,2であるかは、上記のように当選ゲームにおいて第9再遊技入賞を成立させると、その後のゲームでは判別が不可となっている。より詳しくは、例えば、特リプA重複1であっても特リプAB重複1であっても、BB中第2役当選ゲームでは疑似フリーズ演出が発生するし、BB中第3役当選ゲームでは疑似的なものか否かの違いはあるものの、演出上同じ演出となる赤7揃いフリーズ演出を伴う上乗せ報知演出が発生する。上記第1の実施形態では、このような演出を利用して、制限対象ボーナスである特リプAB重複1,2における演出効果を高める構成としていた。
これに対して、特リプAB重複1,2の当選ゲームにおいて第10再遊技入賞が成立すると、当該ゲームが、特リプA重複1、2当選ゲームではなく、特リプAB重複1,2当選ゲームであることが明確に判別可能となる。
そこで、このように第10再遊技入賞が成立したことに基づいて、特リプAB重複1,2に基づくボーナス状態中においては、BB中第2役当選時の疑似フリーズ演出やBB中第3役当選時の赤7揃いフリーズ演出を伴う疑似上乗せ報知演出を発生させないようにした。つまり、今回のボーナスが特リプAB重複1,2当選に基づくボーナスであり、遊技者が制限対象ボーナスであることを把握している可能性が高い状況であれば、疑似的な上乗せ報知を行わないようにした。これにより、疑似的な演出である旨が判別されている状況でその演出を発生させてしまう無駄を防止することが可能となる。
特に、本スロットマシン10における疑似的な上乗せ報知演出においては、各リール32L,32M,32Rの回転演出として各種赤7揃いフリーズ演出を発生させる構成としている。これにより、単なる表示演出にて疑似的な上乗せ報知演出を発生させる構成と比較すると、疑似的である印象を弱める効果が期待できるようになっている。その一方、当該フリーズ演出中においては停止操作等が無効化されることから、仮に当該フリーズ演出が疑似的な上乗せ報知演出であることが悟られてしまっていれば、当該フリーズ演出の演出効果は期待できないだけでなく、かえって、遊技の進行が中断されることによって遊技者をいら立たせてしまう可能性も生じ得る。そこで、上記構成のように、当該ボーナスが制限対象ボーナスか否かを判別されていることの可能性に応じて、フリーズ演出の発生の有無を切り替える構成としたことにより、フリーズ演出による演出効果をより状況に応じて発揮させることが可能となる。
このように疑似的な上乗せ報知演出を行わないようにしつつ、ボーナス終了時には疑似的な上乗せ報知演出において報知されるはずであった分の上乗せゲーム数を報知する構成としたため、フリーズ演出を発生させないようにあえて第10再遊技入賞を成立させても、後乗せゲーム数を把握できないといった不都合を生じさせない。これにより、遊技進行を優先させることを可能としつつも、提供される情報量(上乗せゲーム数)の相違といった不平等感を生じさせないようにすることが可能となる。
<変形例1>
上記第2の実施形態では、特リプA重複1,2や特リプAB重複1,2当選ゲームにおける入賞態様によって、ボーナス中の演出を異ならせる構成としたが、本変形例では、他の当選契機に基づくボーナスについて説明する。
既に説明したとおり、ボーナス当選契機役としては、特リプA重複1,2や特リプAB重複1,2の他に、強チェリーや弱スイカ等の移行契機役との重複役(強チェリー重複1,2や弱スイカ重複1,2等)と、ボーナス単独当選となる単独第1BB、単独第2BBが設けられている。リプレイとの重複役である特リプA重複1,2や特リプAB重複1,2とは異なり、これら移行契機役との重複役やボーナス単独役では、当選ゲームにおいていずれの役も入賞しない所謂取りこぼしも生じ得る。
図101に示すように、本変形例では、当選ゲームにおいて取りこぼしを生じさせた場合には、疑似的な上乗せも含めて上乗せ報知演出等が発生するようにし、取りこぼしを生じさせなかった場合には、疑似的な演出も含めて上乗せ報知演出を発生させないようにする。より詳しくは、移行契機役との重複役において、例えば、強チェリー重複1,2のうち、強チェリー重複2については制限対象ボーナスである。そして、当該強チェリー重複2当選ゲームにおいて、強チェリー入賞が成立した場合には、フリーズ制限フラグをセットすることにより疑似的な上乗せ報知演出を発生させないようにする。一方、強チェリー重複2当選ゲームにおいて、強チェリー入賞が成立しなかった場合には、フリーズ制限フラグをセットしないことにより疑似的な上乗せ報知演出を発生させるようにする。
ここで、移行契機役との重複役のうち、第1BBとの重複役は制限非対象ボーナスであり、第2BBとの重複役は制限対象ボーナスであるところ、移行契機役との重複役を契機としてボーナスへ移行した場合、そのボーナスが制限対象ボーナスか制限非対象ボーナスかは、ボーナス入賞ゲームの停止出目によって明確に判別可能である。すなわち、移行契機役との重複役を契機として、「赤7」図柄揃いによってボーナス状態へ移行した場合、そのボーナスは制限非対象ボーナスであり、移行契機役との重複役を契機として、「白BAR」図柄揃いによってボーナス状態へ移行した場合、そのボーナスは制限対象ボーナスであり、遊技者がこのような役構成を理解していれば、移行契機役を契機とするボーナス状態中の上乗せ報知が疑似的なものか否かを明確に判別可能である。
上記役構成の理解の有無は、遊技者による遊技機の仕様の理解度によって異なるものと考えられ、概して、遊技の熟練度が高い遊技者はその理解度も高いものと考えられる。そこで、上記変形例では、移行契機役との重複役の当選ゲームにおいて、移行契機役の取りこぼしを生じさせた場合には、遊技の熟練度が低いものとして疑似的な上乗せ報知演出を発生させる一方、移行契機役入賞を成立させた場合には、遊技の熟練度が高いものとして疑似的な上乗せ報知演出を発生させないようにした。このように、遊技者の理解度に応じて演出を発生させることにより、状況に応じて好適な演出効果を発揮させることが可能となる。
なお、本変形例におけるBB当選ゲーム用入賞結果対応処理(図95)においては、ステップS4202にて、特リプAB重複1,2以外のボーナス当選ゲームであっても肯定判定するとともに、ステップS4204では、ボーナスと重複している役であって、疑似的な上乗せ報知演出を発生の有無の判断対象となる各役(特リプB、強チェリー、強スイカ等)の入賞が成立しているか否かを判定し、入賞が成立している場合にはステップS4205にてフリーズ制限フラグをセットし、入賞が成立していない場合には当該フリーズ制限フラグをセットしない構成とするとよい。
更に、例えば、強チェリー重複1のように制限非対象ボーナスにおいても、当選ゲームの取りこぼしの有無によって、上乗せ報知演出の発生の有無を異ならせてもよい。より詳しくは、移行契機役との重複役当選ゲームにおいて、移行契機役入賞を成立させることができた場合には、フリーズ制限フラグをセットする。そして、制限非対象ボーナス中のBB第3役当選時におけるBB中上乗せ用処理(図84)においても、フリーズ制限フラグがセットされている場合には、上乗せ当選時の赤7揃いフリーズ演出を伴う上乗せ報知演出を実行せず、BB終了時にまとめて上乗せゲーム数を報知する構成とするとよい。より詳しくは、第1フリーズフラグ等の各種フラグをセットする処理(ステップS3806、ステップS3808、ステップS3809)の前に、フリーズ制限フラグの有無を判定し、当該フリーズ制限フラグがセットされていない場合に、対応するフリーズフラグをセットする。フリーズ制限フラグがセットされている場合には、フリーズフラグをセットせずに今回の上乗せゲーム数をBB後報知カウンタに加算する等の処理を行う。これにより、制限非対象ボーナス中においても、各種フリーズ演出を行わないで、ボーナス状態の終了時の上乗せ報知演出を発生させることが可能となる。
上記のように、制限非対象ボーナス中においても、フリーズ演出の発生の有無をボーナス当選ゲームの停止出目(取りこぼしの有無等)によって異ならせる構成とすることで、制限対象ボーナスにおけるフリーズ演出の発生の有無とボーナス当選ゲームにおける停止出目(取りこぼしの有無等)との関係が合致し、ボーナス当選ゲームにおける停止出目によってフリーズ演出が発生したり発生しなかったりする印象を強めることができる。つまり、ボーナスが制限対象ボーナスであるか制限非対象ボーナスであるかによってフリーズが発生するか否かが定まるのではなく、ボーナス当選ゲームの停止出目によってフリーズが発生するか否かが定まるため、遊技の熟練度が高い遊技者にとっては煩わしい演出を非発生としつつ、遊技の熟練度が低い遊技者にとってはそのフリーズが疑似的な上乗せ報知演出によるものであるか否かをより分かりにくくすることが可能となる。
<変形例2>
本変形例では、フリーズ制限フラグがセットされたことを、一の有利区間に亘って有効なものとして扱う。図102(a)は本変形例におけるBB終了時報知用処理を示すフローチャートであり、図102(b)は本変形例におけるアタックモード終了時用処理を示すフローチャートである。アタックモード終了時用処理は、アタックモードの残りゲーム数(アタックモード継続数G3)が0となったゲームにおいて主制御装置101にて実施される処理である。
本変形例におけるBB終了時報知用処理では、フリーズ制限フラグをクリアする処理を行わない以外は、上記第2の実施形態の処理と同様である(図99(a))。すなわち、ステップS4701にてBB後報知カウンタが0より大きいか否かを判定し、大きい場合にはステップS4702にて表示用残数カウンタHGにBB後報知カウンタの値を加算するとともに、ステップS4703にて上乗せコマンドをセットする。これにより、ボーナス終了時において、補助表示部65等による上乗せ報知演出が発生する。その後、本変形例では、ステップS4704にてBB後報知カウンタを0にクリアする処理を行ってから、フリーズ制限フラグをクリアすることなく、BB終了時報知用処理を終了する。
フリーズ制限フラグは、アタックモード終了時用処理にてクリアされる。
すなわち、ステップS4801にてアタックモード終了ゲームか否かを判定し、終了ゲームである場合には、ステップS4802にてフリーズ制限フラグがセットされているか否かを判定する。フリーズ制限フラグがセットされている場合には、ステップS4803にて当該制限フラグをクリアしてから、本終了時用処理を終了する。ステップS4801又はステップS4802にて否定判定した場合には、そのまま本終了時用処理を終了する。
このようにすることで、一の有利区間(アタックモード)中において、ボーナス当選ゲームで第10再遊技入賞させるなどしてフリーズ制限フラグをセットさせることに成功すると、その状態が引き継がれ、その後のボーナス当選ゲームにて第10再遊技入賞等を成立させなくてもボーナス状態中のフリーズ演出(特に疑似的な上乗せ報知)が発生しなくなる。これにより、遊技性が向上するし、仮に第10再遊技入賞を成立させるための停止操作に失敗してしまった場合であっても、無意味なフリーズ演出が発生しない。よって、フリーズ演出をより好適に発生させることが可能となる。
<変形例3>
本変形例では、フリーズ制限フラグがセットされた後に、そのフリーズ制限フラグを遊技者がクリアすることが可能となっている。図103(a)は、本変形例におけるBB入賞ゲーム用入賞結果対応処理を示すフローチャートである。本BB入賞ゲーム用の処理は、主制御装置101による入賞結果対応処理(図44)にて実施される処理である。
ステップS4901では、入賞結果に基づいて、今回のゲームがBB入賞ゲームであるか否かを判定する。すなわち、今回のゲームの入賞結果として、有効ラインに「赤7」図柄が揃って停止し第1BB入賞が成立するゲームか、有効ラインに「白BAR」図柄が揃って停止し第2BB入賞が成立するゲームかで、ステップS4901にて肯定判定する。BB入賞ゲームではない場合には、そのまま本BB入賞ゲーム用の処理を終了する。
ステップS4901で肯定判定した場合、ステップS4902にて、フリーズ制限フラグがセットされているか否かを判定する。フリーズ制限フラグがセットされていない場合には、そのままBB入賞ゲーム用の処理を終了する。フリーズ制限フラグがセットされている場合、ステップS4903にて、今回のゲームのストップスイッチ42~44の停止操作態様が予め定められた特定操作態様であったか否かを判定する。特定操作態様としては、本変形例では、逆押し(右ストップスイッチ44を最初に停止操作)操作としているが、他の操作態様であってもよい。ステップS4903にて否定判定した場合には、そのままBB入賞ゲーム用の処理を終了する。ステップS4903にて肯定判定し、特定操作態様にてボーナス入賞成立となった場合には、ステップS4904にて、フリーズ制限フラグをクリアしてから、本ボーナス入賞ゲーム用の処理を終了する。
この場合、図103(b)に示すように、例えば、特リプAB重複1,2当選ゲームにて第10再遊技入賞が成立する等して、フリーズ制限フラグがセットされることに基づいて、補助表示部65等にて、疑似的な上乗せ報知演出が非発生となる状態(図では「実上乗せモード」と表記)となったことを示す報知を行う構成とするとよい。そして、図103(c)に示すように、補助表示部65等にて、上記特定操作態様を行うことで当該疑似的な上乗せ報知演出が非発生となる状態を解除できる旨の報知を行う構成とするとよい。
このようにすることで、意図せずフリーズ制限フラグがセットされてしまったり、フリーズ制限フラグをセットした後に心変わりをしたりする等、遊技者の意思に反してフリーズ演出が非発生となってしまう場面を少なくすることができる。
この場合、フリーズ制限フラグをセットするための操作よりも、フリーズ制限フラグをクリアするための操作のほうが、操作難易度を低くしているため、遊技の熟練度の低い遊技者が意図せずフリーズ制限フラグをセットしてしまった場合など、なかなか当該フラグをクリアできない、といった不都合が生じないようにすることができる。
<第3の実施形態>
本実施形態では、制限対象ボーナスにおける疑似的な上乗せ報知演出の態様が異なっている。図104は、本実施形態におけるBB中疑似上乗せ用処理を示すフローチャートである。
本実施形態では、先ずステップS5001にてアタックモードの残りゲーム数ZG(より詳しくは、アタックモード継続数G3)を把握する処理を実行する。そして、ステップS5002にて疑似上乗せ抽選処理を実行する。本実施形態における第7疑似上乗せテーブルでは、図105に示すように、残りゲーム数ZGによって、疑似的な上乗せ報知演出を行う場合に選択される報知ゲーム数が異なるように設定されている。具体的には、残りゲーム数ZGが50未満である場合には、疑似的な上乗せ報知演出は発生せず、残りゲーム数ZGが多くなるほど疑似的な上乗せ報知演出が発生し易くなるように設定されている。また、残りゲーム数ZGが多くなるほど、多いゲーム数の疑似的な上乗せ報知演出が選択され易くなっている。
ステップS5003では、ステップS5002の処理結果に基づいて、疑似上乗せ抽選に当選したか否かを判定する。当選していない場合には、ステップS5004にて疑似フリーズ用の第1疑似演出用処理を実行し、ステップS5005にてフリーズカウンタFCに2を入力してから、BB中疑似上乗せ用処理を終了する。この場合、上記ステップS4103やステップS4204と同様に、外れカウンタに応じて疑似フリーズ演出が発生する。
ステップS5003にて疑似上乗せ抽選に当選したと判定した場合、ステップS5006にて30ゲームの疑似上乗せ報知演出に当選したか否かを判定する。30ゲームに当選している場合、ステップS5007に進み、第1フリーズフラグをセットする処理を実行する。続くステップS5008では、各種カウンタエリア106eに設けられた先乗せカウンタMGに30を加算する処理を実行する。先乗せカウンタMGは、疑似的な上乗せ報知演出を行った分のゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。続くステップS5009では、表示用残数カウンタHGに30を加算する処理を実行する。
ステップS5006にて否定判定した場合、ステップS5010にて50ゲームの疑似上乗せ報知演出に当選したか否かを判定する。50ゲームに当選している場合、ステップS5011に進み、第2フリーズフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップS5012にて、上記先乗せカウンタMGに50を加算する処理を実行し、ステップS5013にて表示用残数カウンタHGに50を加算する処理を実行する。
ステップS5010にて否定判定する場合とは、100ゲームの疑似上乗せ報知演出に当選していることを意味する。この場合、ステップS5014に進み、第3フリーズフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップS5015にて、上記先乗せカウンタMGに100を加算する処理を実行し、ステップS5016にて表示用残数カウンタHGに100を加算する処理を実行する。
ステップS5009、ステップS5013及びステップS5014のいずれかの処理を実行した後は、ステップS5017にて、上記各処理にて表示用残数カウンタHGに加算した分のゲーム数の上乗せ報知演出を行うことの情報が含まれる上乗せコマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットし、その後、ステップS5005にてフリーズカウンタFCに2を入力してから、BB中疑似上乗せ用処理を終了する。
以上のように、本実施形態では、後乗せカウンタBGの値に関わらず、制限対象ボーナスのBB中第3役当選ゲームにおいて、抽選により疑似的な上乗せ報知演出を発生させる。そのため、実際のアタックモードの残りゲーム数ZGと表示用残数カウンタHGとに差が生じ得るものとなっており、表示用残数カウンタHGのほうが実際の残りゲーム数ZGよりも多くなり得る。
次に、本実施形態における上乗せ報知用処理について、図106のフローチャートを参照しながら説明する。
本実施形態では、ステップS5101にて、上記先乗せカウンタMGが0よりも大きい値か否かを判定する。0よりも大きい場合、ステップS5102にて、先乗せカウンタMGの値は、今回の上乗せゲーム数よりも大きいか否かを判定する。大きい場合には、ステップS5103に進み、先乗せカウンタMGから今回の上乗せゲーム数を減算する処理を実行してから、本上乗せ報知用処理を終了する。この場合、今回のゲームで上乗せ報知は発生しないし、後乗せ報知用の処理も行われない。
ステップS5102にて今回の上乗せゲーム数が先乗せカウンタMG以上であると判定した場合、ステップS5104に進む。ステップS5104では、今回の上乗せゲーム数から、先乗せカウンタMGの値を減算する処理を実行する。そして、ステップS5105にて、先乗せカウンタMGを0にクリアする処理を実行する。
ステップS5101にて先乗せカウンタMGが0であると判定した場合、又はステップS5105の処理を実行した後は、ステップS5106~ステップS5112にて、即乗せ報知及び後乗せ報知用の処理を実行してから、本上乗せ報知用処理を終了する。ステップS5106~ステップS5112の処理は、上記ステップS3001~ステップS3007の処理と同様である。
すなわち、上記BB中疑似上乗せ報知用処理にて、疑似的に発生させた上乗せ報知演出の報知ゲーム数は、先乗せカウンタMGとして記憶される。そして、その後に発生した上乗せ契機に基づいて、今回の上乗せゲーム数を先乗せカウンタMGから減算し、先乗せカウンタMGが0となったら、残りのゲーム数を上乗せする構成としている。つまり、先に疑似的な上乗せ報知演出を実行し、実際の上乗せ契機が生じた場合に、先に実行した上乗せ報知演出の分を補填する構成である。このようにすることで、疑似的な上乗せ報知演出を後乗せカウンタBGの値に関わらず発生させることが可能となり、発生パターンの多様化を図ることができる。なお、以下の説明では、上記の疑似的な上乗せ報知演出を後乗せ報知演出との関係で、先乗せ報知演出とも称する。
本実施形態における区間表示第2処理について、図107のフローチャートを参照しながら説明する。
本実施形態では、上記ステップS1801~ステップS1809の処理と同様に、ステップS5201~ステップS5209にて、有利区間ゲーム数AGの上限(1500)又は、アタックモードやチャレンジモードの継続ゲーム数の消化に基づいて、有利区間を終了するための処理を実行する。但し、本実施形態では、ステップS5209にて肯定判定し、アタックモードやチャレンジモードの継続ゲーム数の消化に基づいて有利区間を終了する場合の処理が異なっている。
すなわち、ステップS5209にて肯定判定した場合、ステップS5210にて表示用残数カウンタHGが0よりも大きいか否かを判定する。表示用残数カウンタHGが0よりも大きい場合、ステップS5211にて表示用残数カウンタHGを0にクリアする処理を実行した後、ステップS5212にて特別演出コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。ステップS5210にて否定判定した場合、又はステップS5212の処理を実行した後は、ステップS5205に進み、有利区間ゲーム数AGを0にクリアする処理を実行する。ステップS5205以降の処理は上述のとおりである。
すなわち、上記のとおり、先乗せ報知演出を発生させた場合、後に上乗せ契機が生じた場合には、先乗せカウンタMGの減算が行われて、先乗せ報知演出の分の報知ゲーム数の補填がなされる一方、上乗せ契機が生じなかったり、上乗せ契機が生じても上乗せゲーム数が報知ゲーム数を補填するに至らなかった(先乗せカウンタMGが0とならなかった)場合には、実際の残りゲーム数ZGよりも表示用残数カウンタHGのほうが多い状態でアタックモード等が終了することとなる。つまり、表示用残数カウンタHGが0に至る前に、実際の残りゲーム数ZGが0となってアタックモード等が終了し得る。
そこで、本実施形態では、このような状況が生じた場合には、特別演出が発生するようにしている。特別演出について、図108及び図109を参照しながら説明する。図108は、各種テーブル記憶エリア105aに記憶されている特別演出テーブルを示し、図109は、補助表示部65にて実施される特別演出の概要を示している。
表示制御装置81にて特別演出を発生させる場合、アタックモード終了時の終了演出を通常の演出とは異なる演出とするように制御する。すなわち、図109(a)に示すように、アタックモード終了時の終了演出が通常演出の場合、アタックモードが終了した旨の表示とともに、今回のアタックモードの継続ゲーム数(図では「ゲーム数」の表記)と、今回のアタックモードでの獲得メダル数(図では「ゲット数」の表示)とが表示される。
本実施形態では、特別演出として複数の演出が設定されており、例えば、特別演出Aが実行される場合、図109(b)に示すように、アタックモード終了時の終了演出において、アタックモードの継続ゲーム数と獲得メダル数の表示とともに、所定のキャラクタ(図では、武器を手に持った軍人のキャラクタ)の表示がなされる。また、例えば、特別演出Bが実行される場合、図109(c)に示すように、アタックモード終了時の終了演出において、アタックモードの継続ゲーム数と獲得メダル数の表示とともに、上記特別演出Aの場合のキャラクタとは異なるキャラクタ(図では、手に持った武器を掲げて雄たけびを挙げる軍人のキャラクタ)の表示がなされる。
表示制御装置81におけるアタックモード終了時の演出設定処理では、終了時の表示用残数カウンタHGの値と、設定値とによって、特別演出Aと特別演出Bとのいずれを選択するかが異なるように設定されている。図108に示すように、表示用残数カウンタHGが0の場合に、特別演出Aや特別演出Bは選択されず、アタックモード終了時の演出は通常演出(図109(a))が選択される。表示用残数カウンタHGが1~9の場合には、通常演出と特別演出Aとの選択率が設定値によって異なっている。より詳しくは、設定1又は設定2であれば、通常演出と特別演出Aとは50%ずつで選択される。設定3又は設定4であれば通常演出が40%で選択され、特別演出Aは60%で選択される。設定5又は設定6であれば、通常演出が30%で選択され、特別演出Aは70%で選択される。つまり、設定値が高くなれば特別演出Aの選択率が高くなるように設定されており、表示用残数カウンタHGが1~9である状況でアタックモードが終了した場合には、特別演出Aが選択されるほど、高設定を期待できるようになる。
表示用残数カウンタHGが10以上である場合には、表示用残数カウンタHGが10未満である場合よりも、設定値の絞り込みを行い易くなるように設定されている。すなわち、表示用残数カウンタHGが10~99である場合には、設定1又は設定2であれば、通常演出が60%で選択され、特別演出Aは40%で選択される。設定3又は設定4であれば、通常演出が10%で選択され、特別演出Aは70%で選択され、特別演出Bは20%で選択される。設定5又は設定6であれば、通常演出は選択されず、特別演出Aは60%で選択され、特別演出Bは40%で選択される。つまり、表示用残数カウンタHGが10~99である状況でアタックモードが終了した場合には、特別演出Bが選択されると設定3以上であることが判別可能となり、通常演出が選択されると設定4以下であることが判別可能となる。また、特別演出Aが選択されると設定3又は設定4である可能性が高くなり、特別演出Bが選択されると設定5又は設定6である可能性が高くなる。
表示用残数カウンタHGが100以上である場合には、設定1又は設定2であれば、通常演出が90%で選択され、特別演出Aは10%で選択される。設定3又は設定4であれば、通常演出は選択されず、特別演出Aは90%で選択され、特別演出Bは10%で選択される。設定5又は設定6であれば、通常演出は選択されず、特別演出Aは10%で選択され、特別演出Bは90%で選択される。つまり、表示用残数カウンタHGが100以上である状況でアタックモードが終了した場合には、通常演出が選択されると設定1又は設定2であることが判別可能となる。また、特別演出Aが選択されると設定3又は設定4である可能性が高くなり、特別演出Bが選択されると設定5又は設定6である可能性が高くなり、その絞り込みのし易さは、表示用残数カウンタHGが100未満である状況よりも容易なものとなる。
以上のように、先乗せ報知演出を行う結果、表示用残数カウンタHGと実際の残りゲーム数ZGに乖離が生じ、表示用残数カウンタHGが0とならないでもアタックモードが終了する場面が生じ得るものの、このような場面では、設定値の絞り込みが可能となる特別演出が発生し得るようにした。このように、表示用残数カウンタHGが0となる前にアタックモードが終了してしまうことの残念感を、設定値の絞り込みを行うことが可能となる嬉しさによって補うことが可能となる。
先乗せ報知演出が行われる場合の様子について、図110のタイミングチャートを参照しながら説明する。
図110(a)に示すように、te1のタイミングにて有利区間としてアタックモードが開始された場合、当該アタックモードの初期ゲーム数が残りゲーム数ZGに入力れるとともに、表示用残数カウンタHGにも同様の初期ゲーム数が入力される。その後、ゲームの消化毎に、残りゲーム数ZG及び表示用残数カウンタHGの減算処理が行われる。
te2のタイミングで制限対象ボーナスが開始された場合、te5のタイミングまでのボーナス状態中に先乗せ報知演出が発生し得る。例えば、te3やte4のタイミングで先乗せ報知演出が発生した場合、表示用残数カウンタHGの加算が行われるものの、この演出は疑似的なものであるため、実際の残りゲーム数ZGの加算は行われない。なお、既に説明したとおり、先乗せ報知演出も各種赤7揃いフリーズ演出を伴う上乗せ報知演出であり、BB中第3役当選ゲームの次のゲームのリール回転開始時に上記フリーズ演出が発生する。
te5のタイミングでボーナスが終了すると、その後はゲームの消化毎に、残りゲーム数ZG及び表示用残数カウンタHGの減算が再開される。そして、te6やte7のタイミングで実際の上乗せ契機が生じた場合、te3やte4のタイミングでの先乗せ報知演出での報知ゲーム数の補填が行われ、図では、表示用残数カウンタHGと残りゲーム数ZGとの乖離が解消される。その結果、te8のタイミングにて残りゲーム数ZGが0となってアタックモードが終了する際には、表示用残数カウンタHGも0となる。
図110(b)に示すように、tf1のタイミングにて有利区間としてアタックモードが開始された場合、上記図110(a)と同様に、アタックモードの初期ゲーム数の入力がなされ、その後、ゲームの消化毎に、残りゲーム数ZG及び表示用残数カウンタHGの減算処理が行われる。
tf2のタイミングで制限対象ボーナスが開始された場合、tf5のタイミングまでのボーナス状態中に先乗せ報知演出が発生し得る。例えば、tf3やtf4のタイミングで先乗せ報知演出が発生した場合、表示用残数カウンタHGの加算が行われるものの、この演出は疑似的なものであるため、実際の残りゲーム数ZGの加算は行われない。これらの先報知演出については、上記te3やte4のタイミングでの先乗せ報知演出と同様である。
tf5のタイミングでボーナスが終了すると、その後はゲームの消化毎に、残りゲーム数ZG及び表示用残数カウンタHGの減算が再開される。図110(b)においては、tf6のタイミングで実際の上乗せ契機が生じて、tf3のタイミングでの先乗せ報知演出での報知ゲーム数の補填が行われる一方、tf4のタイミングでの先乗せ報知演出での報知ゲーム数の補填は行われなかった場合を示している。この場合、tf7のタイミングにて残りゲーム数ZGが0となってアタックモードが終了する際に、表示用残数カウンタHGは0ではなく、上記tf4のタイミングでの先乗せ報知演出での報知ゲーム数の分だけ残存した状態でアタックモードが終了することとなる。この場合、表示用残数カウンタHGは終了ゲームにて強制的に0に減算されるとともに、特別演出が発生し、設定値の示唆が行われる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
後乗せカウンタBGの値に関わらず、上乗せ抽選が制限される制限対象ボーナス中に疑似的な上乗せ報知演出を発生させる構成としたことにより、当該上乗せ報知演出の発生率が制限対象ボーナスに移行する状況に依存せず、より自由度の高い演出とすることができる。
先乗せ報知演出による残りゲーム数表示ZGPと実際の残りゲーム数ZGとの乖離を、後から生じ得る上乗せ契機によって補填する構成とした。これにより、上記乖離が生じたままアタックモードが終了する場面を少なくすることができ、先乗せ報知演出による演出効果(実際の上乗せが行われているものと判断させることによる効果)をより好適に発揮させることができる。
先乗せ報知演出は、アタックモードの残りゲーム数が多い場合には発生し易く、残りゲーム数が少ない場合には発生しにくい。このようにすることで、上記補填の行われ易さに応じて先乗せ報知演出を発生させることができる。つまり、アタックモードの残りゲーム数が少ない場合等、補填が行われ得ないような状況ではなるべく先乗せ報知演出を発生させないようにすることで、上記乖離が生じたままアタックモードが終了する場面を少なくすることができる。
上記乖離が生じたままアタックモードが終了する場合、特別演出として、設定値の示唆演出を発生させる構成とした。これにより、表示上の残りゲーム数表示ZGPが0となる前にアタックモードが終了してしまうことに対する残念感をフォローすることができる。
<変形例1>
本変形例では、先乗せ報知演出にて報知するゲーム数の表示の別形態を説明する。すなわち、上記第3の実施形態では、先乗せ報知演出にて報知したゲーム数は、表示用残数カウンタHGに加算され、残りゲーム数表示ZGPとして先乗せ報知演出分を加味しない表示と区別せずに表示する構成としたが、本変形例では、先乗せ報知演出分を加味しない表示と区別可能に表示する。
図111(a)に示すように、補助表示部65において、残りゲーム数表示ZGPとは別途、先乗せ報知分のゲーム数表示を行う。図においては、当該先乗せ報知分のゲーム数表示を、「?ゲーム数」として表示している。この場合、表示制御装置81では、主制御装置101から受信する上乗せコマンドに基づき、今回の上乗せ報知演出が先乗せ報知演出であることを把握した場合には、残りゲーム数表示ZGPではなく、先乗せ報知分のゲーム数表示を、今回の上乗せゲーム数を加算して更新する処理を行う構成とする。そして、ゲームの消化毎に残りゲーム数表示ZGPを1ずつ減算して更新する一方、先乗せ報知分のゲーム数表示はゲームの消化毎に減算しない。また、その後にゲーム数の上乗せが発生して上乗せ報知演出を制限する場合、上記第3の実施形態と同様に、残りゲーム数表示ZGPについても表示の変更を制限し、更に先乗せ報知分のゲーム数表示についても表示の変更を行わない。そして、残りゲーム数表示ZGPが所定数(1)となった場合に、当該先乗せ報知分のゲーム数表示のうち、補填が行われた分を後乗せ報知演出として残りゲーム数表示ZGPに加算する構成とするとよい。
このようにすることで、先乗せ報知演出によって加算されたゲーム数が、未確定分であることを明確に把握させることが可能となる。その一方、その後の上乗せ当選時の上乗せ報知を制限し、当該未確定分をそのまま表示しておく構成とし、先乗せ報知演出の分の補填が行われたか否かを判別できないようにすることで、未確定分が確定したか否かについて関心を寄せさせることができ、上乗せ報知が発生しない各ゲームの注目度を好適に高めることが可能となるし、最後までアタックモードを楽しませることが可能となる。
なお、上乗せ契機が生じた場合に、先乗せ報知分のゲーム数表示の態様を変化可能としてもよい。例えば、上乗せ契機が生じた場合に、その上乗せ期待度に応じて先乗せ報知分のゲーム数表示の色や形、背景を変化させる構成としてもよい。このようにすることで、残りゲーム数表示ZGPが所定値となった場合に、補填が行われた分の後乗せ報知演出の発生期待度を事前に察知することが可能となる。
また、先乗せ報知分のゲーム数表示に関し、先乗せ報知演出が行われた分の報知ゲーム数だけでなく、実際に上乗せ当選した上乗せ報知演出の報知ゲーム数も(抽選等により)一部加算する構成としてもよい。このようにすることで、先乗せ報知分のゲーム数表示が未確定分だけの表示にならず、当該ゲーム数表示が事後的に加算される期待度を高めることが可能となる。
<変形例2>
本変形例では、上記第3の実施形態と同様に先乗せ報知演出の報知ゲーム数を残りゲーム数表示ZGPに加算して更新する構成としたうえで、残りゲーム数表示ZGPの表示を、残りのゲーム数が判別困難な特別表示に変更可能とする。
図111(b)では、残りゲーム数表示ZGPのゲーム数を示す数字部分の表示(数字表示)を、特別表示として「????」として示しており、後何ゲームで有利区間が終了するか、又は後何ゲームで後乗せ報知の契機ゲーム数となるかが判別困難又は判別不可能となっている。例えば、表示制御装置81において、先乗せ報知演出を発生させた場合に、変更抽選を行い、当該変更抽選に当選した場合に数字表示から特別表示に変更する構成とするとよい。このようにすることで、仮に先乗せ報知分の補填が行われないまま有利区間が終了する場合であっても、その終了ゲームを事前に察知しにくくなり、遊技者が感じるであろう喪失感を低減することが可能となる。
なお、特別表示への変更は、少なくとも先乗せ報知分のゲーム数以上の数字が残りゲーム数表示ZGPの数字部分に示されているゲームにて行う構成とするとよい。例えば、表示制御装置81において、各ゲームで残りゲーム数表示ZGPの値を把握する処理を行い、先乗せ報知分のゲーム数以上である特定値(例えば150)を示す数字表示となるゲームにて、上記変更抽選を行う構成とするとよい。このようにすることで、先乗せ報知分がまるまる補填されなかった場合にも数字表示から特別表示へ変更される構成とすることができる。
また、先乗せ報知演出が発生しなかった場合にも、残りゲーム数表示ZGPの数字表示が所定の数字表示(例えば「0150」)となったゲームにて、上記特定表示に変更する構成としてもよい。このようにすれば、特定表示へ変更前の表示からゲーム数を数えたとしても、その数えたとおりのゲーム数で終了する場合も生じ、残りゲーム数表示ZGPが先乗せ報知演出による未確定分が含まれる数字表示であることの印象を弱めることが可能となる。
<変形例3>
本変形例では、先乗せ報知演出を行った後、上乗せ契機が生じた場合の上乗せ報知用処理の構成が異なっている。図112は、本変形例における上乗せ報知用処理の一部を示すフローチャートである。
ステップS5301では、先乗せカウンタMGが1以上であるか否かを判定する。1以上である場合、ステップS5302に進み、今回の上乗せ契機となった遊技結果が、移行契機役であるか否かを判定する。移行契機役ではない場合、すなわち押し順ベルや押し順リプレイ等の当選確率が比較的高い所謂通常役に基づいて上乗せ当選した場合には、ステップS5303~ステップS5306にて、上記ステップS5102~ステップS5105と同様に、今回の上乗せゲーム数を先乗せカウンタMGから減算する処理等を行う。ステップS5302にて移行契機役であり、強チェリーや弱スイカ等の当選確率が比較的低い所謂レア役に基づいて上乗せ当選した場合には、ステップS5106に進み、先乗せカウンタMGからの減算を行わないで、そのもののゲーム数を上乗せ報知するための処理(ステップS5106~ステップS5112)を実行する。
通常役当選時の上乗せ抽選よりもレア役当選時の上乗せ抽選のほうが上乗せ当選し易い点からも、レア役当選ゲームでは、上乗せ報知演出が発生することに対して大きな期待感が寄せられるものと考えられる。そのような前提のもと、上記構成では、各ゲームにおいて出現率の高い通常役に基づく上乗せに関しては、先乗せ報知演出の補填にあて、各ゲームにおいて出現率の低いレア役に基づく上乗せに関しては、先乗せ報知演出の補填にあてずにそのまま上乗せ報知を行う構成としている。これにより、上乗せ報知演出が発生することに対して大きな期待感を寄せられているゲームにて、上乗せ報知演出が発生しないことの喪失感や違和感を与えることなく、遊技者が気付きにくいゲームで先乗せ報知演出の報知ゲーム数の補填を行うことが可能となる。
先乗せ報知演出発生後の上乗せ当選時の当選役によって、先乗せ報知演出分の補填に充てられるか否かが異なる構成であるものの、先乗せ報知演出の契機となる結果(BB中第3役)や状況は、後の上乗せ当選時の補填に充てられるか否かの判断には影響を及ぼさない。つまり、後の上乗せ当選時に補填に充てられるか否かの判断は、先乗せカウンタMGの値以外については、先乗せ報知演出の内容とは独立して行われる処理といえる。このようにすることで、後の上乗せ当選時の演出内容が先乗せ報知演出の内容によって大幅に異なるといった事象を生じさせにくくし、演出の違和感を与えないことを通じて、先乗せ報知演出による演出効果を高めることができる。
なお、アタックモードの残りゲーム数ZGによって、上乗せ当選時において先乗せ報知演出の補填に充てられ易さが異なる構成としてもよい。このようにしても、先乗せ報知演出の演出内容とは補填の判断を独立して行うことができる。この場合、残りゲーム数ZGが少ないほど、補填に充てられ易いようにすることで、残りゲーム数ZGが0となる際に乖離が残存している事象を少なくすることができる。
<変形例4>
本変形例では、残りゲーム数表示ZGPに先乗せ報知演出の報知ゲーム数を加算する(残りゲーム数表示ZGPの値が表示用残数カウンタHGと等しくなる)第3の実施形態をベースとし、表示用残数カウンタHGが予め定められた値となるゲームにて、残りゲーム数表示ZGPの値から先乗せ報知演出の報知ゲーム数を減算する。図113は、本変形例における後乗せ報知用処理を示すフローチャートである。
ステップS5401にて有利区間中であると判定した場合、ステップS5402にて表示用残数カウンタHGの減算処理を実行する。そして、ステップS5403にて、当該減算処理後の表示用残数カウンタHGが第1所定数(102、52、32)であるか否かを判定する。第1所定数は、先乗せ報知演出にて報知され得るゲーム数(100、50、30)に対応する数であり、より詳しくは、先乗せ報知演出にて報知され得るゲーム数に対して報知用のゲーム数(2)を加算した数となっている。ステップS5403にて第1所定数であると判定した場合、ステップS5404にて後乗せフラグがセットされているか否かを判定する。後乗せフラグがセットされている場合には、ステップS5405にて、後乗せカウンタBGが第2所定数(100)よりも大きいか否かを判定する。ステップS5405の第2所定数は、一の上乗せ契機における上乗せゲーム数として比較的大きな値となるように設定されており、ステップS5405にて肯定判定する場合とは、比較的多くのゲーム数の後乗せ報知が発生する場合である。
ステップS5405にて肯定判定した場合、ステップS5406にて、次のゲームの回転開始時にフリーズ演出を発生させるための処理を行う。具体的には、第4フリーズフラグをセットするとともに、フリーズカウンタFCに1を入力する処理を実行する。処理の詳細な説明は省略するが、本変形例における回転演出処理(図74)では、フリーズカウンタFCが0となり、第4フリーズフラグがセットされている場合には、当該第4フリーズフラグをクリアするとともに、所定期間(例えば10sec)に亘って各リール32L,32M,32Rの回転開始を遅延させる遅延フリーズ演出を設定する。そのため、第4フリーズフラグがセットされた次のゲームでは、リールの回転開始が所定期間にわたって遅延する。続くステップS5407では、途中加算用フリーズ演出が次のゲームにて実行されるように、表示制御装置81を制御するための処理を実行する。より詳しくは、途中加算用フリーズコマンドを表示制御装置81へ出力する。また、ステップS5407では、次ゲームにおいて、表示用残数カウンタHGに後乗せカウンタBGの値を加算するとともに当該加算分を後乗せカウンタBGから減算する処理及び後乗せカウンタBGが0となった場合には後乗せフラグをクリアする処理が行われるようにする処理(例えば、それ用のフラグをセットする処理)を行う。
途中加算用フリーズ演出について、図114を参照しながら説明する。
途中加算用フリーズ演出は、各リール32L,32M,32Rの回転開始が遅延されている上記の所定期間中に実施される演出である。当該演出では、図114(a)に示す、補助表示部65における残りゲーム数表示ZGPが、図114(c)に示すように、加算更新されて変更される演出である。この場合、図114(c)の表示への変更前において、図114(b)に示す、幻想演出(特別報知)が実行される。幻想演出では、炎に包まれた男性のキャラクタを表示するとともに、男性の野太い声で、「きさまがみていたのはまぼろしにすぎん!」とのセリフがスピーカ64から発せられ、それまでの表示が疑似的な表示であったことの説明がなされる。なお、当該セリフは補助表示部65にて文字表示もなされる構成とするとより好ましい。幻想演出は、上記所定期間に亘って実行され、所定期間が経過すると当該幻想演出が終了して、図114(c)の残りゲーム数表示ZGPの変更後の表示となる。遊技者は、各リール32L,32M,32Rの回転開始が遅延されることを通じて、幻想演出が発生することを把握可能となり、当該回転開始が遅延されて遊技操作を行えない所定期間において当該幻想演出を見ることから、幻想演出の見落とし防止効果及び注目度向上効果が期待できる。
ステップS5404にて後乗せフラグがセットされていないと判定した場合、ステップS5408にて、先乗せカウンタMGが第3所定数(100、50、30)であるか否かを判定する。第3所定数は、先乗せ報知演出にて報知され得るゲーム数(100、50、30)に対応する数であり、より詳しくは、先乗せ報知演出にて報知され得るゲーム数である。ステップS5408にて肯定判定する場合とは、先乗せ報知演出後において、その報知ゲーム数がまるまる補填されなかった場合を示している。
ステップS5408にて肯定判定した場合、ステップS5409にて、次のゲームの回転開始時にフリーズ演出を発生させるための処理を行う。具体的には、第4フリーズフラグをセットするとともに、フリーズカウンタFCに1を入力する処理を実行する。続くステップS5410では、減算用フリーズ演出が次のゲームにて実行されるように、表示制御装置81を制御するための処理を実行する。より詳しくは、減算用フリーズコマンドを表示制御装置81へ出力する。また、ステップS5410では、次ゲームにおいて、表示用残数カウンタHGから先乗せカウンタMGの値が減算するとともに当該減算分を先乗せカウンタMGから減算する処理が行われるようにする処理(例えば、それ用のフラグをセットする処理)を行う。
減算用フリーズ演出について、図114を参照しながら説明する。
減算用フリーズ演出は、途中加算用フリーズ演出に対応する演出であり、途中加算用フリーズ演出と、各リール32L,32M,32Rの動作は同一であって、補助表示部65における表示内容だけが異なる演出である。すなわち、減算用フリーズ演出では、第4フリーズフラグに基づいて、各リール32L,32M,32Rの回転開始が遅延されている上記の所定期間中に実施される演出である。当該演出では、図114(a)に示す、補助表示部65における残りゲーム数表示ZGPが、図114(d)に示すように、減算更新されて変更される演出である。この場合、図114(d)の表示への変更前において、図114(b)に示す、幻想演出(特別報知)が実行される。幻想演出については、上述のとおりであり、炎に包まれた男性のキャラクタを表示や、それまでの表示が疑似的な表示であったことの説明用の報知がなされる。途中加算用フリーズ演出との相違点は、幻想演出後に、残りゲーム数表示ZGPが加算更新されるか減算更新されるかである。
ステップS5403にて表示用残数カウンタHGが第1所定数ではないと判定した場合、ステップS5411に進み、ステップS3104~ステップS3110と同様に、ステップS5411~ステップS5417にて表示用残数カウンタHGが第4所定数(1)となった場合の後乗せ報知演出を行うための処理を実行してから、後乗せ報知用処理を終了する。なお、第4所定数は第1所定数よりも小さい値であり、後乗せ報知演出は、途中加算用フリーズ演出や減算用フリーズ演出よりも後のゲームにて発生し得る演出となっている。ステップS5401及びステップS5405のいずれかで否定判定した場合、又はステップS5407及びステップS5410のいずれかの処理を実行した後は、そのまま後乗せ報知用処理を終了する。
このように、表示用残数カウンタHGの値が第1所定数となり、残りゲーム数表示ZGPが先乗せ報知演出の報知ゲーム数に対応する値となった場合には、途中加算用フリーズ演出又は減算用フリーズ演出が発生し得る。途中加算用フリーズ演出では、残りゲーム数表示ZGPが大幅に加算されて変更され、減算用フリーズ演出では、残りゲーム数表示ZGPが大幅に減算されて変更されるため、遊技者にとって嬉しい事象と嬉しくない事象の両極端な事象のうちのいずれかが発生することとなる。これにより、途中加算用フリーズ演出や減算用フリーズ演出へ関心を寄せさせ、特にその分岐点となる幻想演出が行われている最中のドキドキ感を最高潮に高めることができる。
上記、減算用フリーズ演出は、先乗せ報知演出の分がまるまる補填されなかった場合に発生するものであり、一部補填が行われた場合には、上記第3の実施形態にて示したように、特別演出が発生して設定値の示唆が行われる。つまり、表示用残数カウンタHGが第1所定数となり、減算用フリーズ演出が発生しなくても最終的には(表示用残数カウンタHGが第4所定数となった場合には)表示用残数カウンタHGと残りゲーム数ZGとの乖離分が減算され得る。そして、第4所定数となった場合の減算分は、第1所定数での減算分よりも少ない。そうすると、第1所定数にて減算用フリーズ演出を回避できたら、今度は、第4所定数にて後乗せ報知が発生することや、全て補填がなされたこと、又は全て補填がなされなくても特別演出が発生することに期待することになり、先乗せ報知演出による演出効果だけでなく、その乖離分の減算を利用した新たな遊技性を創出することが可能となる。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記各実施形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態や変形例の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)制限対象ボーナスとして設定値による当選確率の差を設け、当該制限対象ボーナス中に疑似上乗せ報知を発生させる構成としたが、制限対象ボーナスの移行率に設定差があればよく、例えば、設定差のある小役の当選回数や入賞回数が特定回数に至った場合に移行抽選を経て移行するボーナスを制限対象ボーナスとしてもよい。
(2)ボーナス中に上乗せ報知演出が発生する場合、BB中第3役当選となったゲームの次のゲームの開始時に上乗せ報知演出を発生させる構成としたが、当該BB中第3役当選となったゲームにて上乗せ報知演出を発生させる構成としてもよいし、BB中第3役当選となったゲームよりも複数回後のゲームにて上乗せ報知演出を発生させる構成としてもよい。但し、BB中第3役当選となったゲームと上乗せ報知演出を発生させるゲームとが離れすぎると、その間に再度BB中第3役当選となる可能性も生じ得る。その点、BB中第3役当選となったゲーム又はその次のゲームの開始時であれば、報知内容の複雑化が生じず好ましい。
この場合、上乗せ報知演出に合わせて実行する、フリーズカウンタFCには対応する数値を入力するように変更すればよく、例えば、上乗せ抽選に当選したゲームにてフリーズ演出を発生させるのであればフリーズカウンタFCに1を入力し、上乗せ抽選に当選したゲームの2ゲーム後にフリーズ演出を発生させるのであればフリーズカウンタFCに3を入力するとよい。
(3)ボーナス中の上乗せ報知としてフリーズ演出を伴う構成としたが、ボーナス中以外のアタックモード中等で上乗せ報知を実行する場合にもフリーズ演出を発生させる構成としてもよい。
(4)第1BBや第2BBにおける制限対象ボーナス(や制限非対象ボーナス)について説明したが、CBの当選確率に設定差を設け、当該制限対象ボーナスとなるCB状態中に疑似上乗せ報知演出を発生させる構成としてもよい。この場合、CBとして当選確率に設定差のないものと、設定差のあるものを設けることで、制限対象ボーナスとなるCB状態と、制限非対象ボーナスとなるCB状態とが生じることとなり、上記第1BBや第2BBの関係性による効果を両CB状態においても期待することができる。これは、CBに限られず、シングルボーナス(SB)や、残払出数の上限がBBよりも少ないミドルボーナス(MB)やレギュラーボーナス(REG)等にも適用可能である。
(5)遊技状態としてボーナス状態に移行する第1BBや第2BBにおける制限対象ボーナス(や制限非対象ボーナス)について説明したが、移行する状態はボーナス状態に限定されず、所定のRT状態であってもよい。すなわち、移行率に設定差のある特定RT状態では上乗せ抽選の実行を制限し、その特定RT状態中に疑似上乗せ報知演出を実行する構成としてもよい。この場合、移行率に設定差のない通常RT状態では上乗せ抽選の実行を制限しないことで、上記制限対象ボーナスと制限非対象ボーナスとの関係性による効果を両RT状態によっても期待することができる。
(6)制限非対象ボーナス中の上乗せをBB中第3役当選を契機として実行する構成を前提とし、制限対象ボーナス中の疑似上乗せ報知演出をBB中第3役当選を契機として実行する構成としたが、制限非対象ボーナスにおける上乗せ契機と、制限対象ボーナスにおける疑似上乗せ報知演出の契機とが異なる構成としてもよい。例えば、制限対象ボーナス中の疑似上乗せ報知演出は、BB中第2役当選を契機として行う構成としてもよい。この場合、制限対象ボーナス中の疑似フリーズ演出はBB中第3役当選を契機として行う構成とするとよい。
(7)制限対象ボーナスと、制限非対象ボーナスとで、ボーナス状態中の各ゲームの抽選テーブルを共用し、同じ抽選テーブルを用いる構成としたが、異なる抽選テーブルを用いる構成としてもよい。また、第1BB状態と第2BB状態との各ゲームで異なる抽選テーブルを用いる構成としてもよい。
(8)疑似上乗せ報知演出を、上乗せ抽選が制限される制限対象ボーナス中に実行する構成としたが、上乗せ抽選が制限される状態で実行されればよく、例えば持ち越し状態中に実行する構成としてもよい。この場合、制限対象ボーナスの持ち越し状態だけでなく、制限非対象ボーナスの持ち越し状態中も上乗せ抽選が制限されるため、疑似上乗せ報知演出の実行対象となり得る。
(9)疑似上乗せ報知演出や上乗せ報知演出において発生させるフリーズ演出は上記のものに限定されない。例えば、各リール32L,32M,32Rの回転開始が所定期間に亘って遅延される態様のフリーズ演出としてもよい。この場合、遅延される所定期間の長さに応じて、疑似上乗せ報知演出において報知されるゲーム数の期待度が異なる構成としてもよい。
(10)フリーズ演出において「赤7」図柄揃いを一時停止させる構成としたが、一時停止させない構成としてもよいし、一時停止させる図柄組合せを変更してもよい。有効ライン上に停止する特定図柄(例えば「赤7」図柄)の数によって上乗せ報知ゲーム数の期待度を示唆する構成としてもよい。
(11)疑似上乗せ報知演出において報知するゲーム数は上記のものに限定されず、30ゲームよりも少ないゲーム数の報知がなされる場合があってもよいし、100ゲームよりも多いゲーム数の報知がなされる場合があってもよく、ボーナス移行時の状況によって報知ゲーム数の幅が異なる構成としてもよい。30ゲームよりも少ないゲーム数の報知がなされ得る構成とすることで、後乗せカウンタBGの蓄積量が少ない場合であっても疑似上乗せ報知演出を発生させることが可能となる。
(12)疑似上乗せ報知演出においては、主制御装置101による回転演出処理としてフリーズ演出を発生させて、「赤7」図柄揃いが一時停止するラインによって報知ゲーム数の期待度を示唆する構成としたが、以下のように変更してもよい。
例えば、ストップスイッチ42~44の停止操作の順序によって入賞する結果が異なる操作態様役を設け、第1順序で停止操作すると第1結果が入賞成立し、第1順序とは異なる第2順序で停止操作すると第1結果とは異なる第2結果が入賞成立するものとする。そして、第1結果入賞時の停止出目を例えば右上がりラインL5に「赤7」図柄が揃って停止する停止出目とし、第2結果入賞時の停止出目を例えば上ラインL1に「赤7」図柄が揃って停止する停止出目とする。そして、当該操作態様役当選に基づいて、上乗せ報知演出(疑似上乗せ報知演出)が発生するものとし、報知するゲーム数に応じて、第1結果入賞となる第1順序の順序報知を実行するか、第2結果入賞となる第2順序の順序報知を実行するかを決定する。この場合、いずれの順序の順序報知を実行する場合においても、例えば「赤7を狙え!」等の停止指示演出を補助表示部65やスピーカ64にて発生させるとよい。
また、第1結果入賞時の停止出目を例えば右上がりラインL5に「赤7」図柄が揃って停止する停止出目とし、第2結果入賞時の停止出目を右上がりラインL5に「赤7」図柄がテンパイするものの所定リール(例えば、第2順序の最終停止リール)にて右上がりラインL5とは異なる位置に「赤7」図柄が停止してテンパイ外れとなる停止出目とし、第1順序で停止操作すると「赤7」図柄が揃って停止し、第2順序で停止操作すると「赤7」図柄がテンパイ外れとなるようにする。そして、当該操作態様役当選時に、上乗せ抽選に当選した場合や疑似上乗せ報知演出を行う場合(疑似上乗せ報知演出の対象となる未報知の上乗せが存在する場合)に、上記の「赤7を狙え!」等の停止指示演出を実行するとともに第1順序の順序報知を実行し、上乗せ抽選に当選しなかった場合や疑似上乗せ報知演出を発生させない場合(疑似上乗せ報知演出の対象となる未報知の上乗せが存在しない場合)に、停止指示演出を実行するとともに第2順序の順序報知を実行する構成とするとよい。
これらの場合、上乗せ報知演出や疑似上乗せ報知演出として、フリーズ演出に代えて、又は加えて、上記の停止順序に基づく停止指示演出や順序報知を実行する構成とするとよい。
このようにしても、停止出目と合わせて上乗せ報知演出を楽しませることができ、単なる表示画面における上乗せ報知演出よりも遊技者に与える信頼度が向上する。但し、停止操作の操作順序によって入賞する役が異なるという有利区間のゲーム性を理解している遊技者にとっては、上記第1順序の順序報知や第2順序の順序報知は、疑似的な上乗せ報知演出の一環であることを容易に予想可能であり、主制御装置101側の管轄下であるフリーズ演出を伴う上乗せ報知演出のほうが遊技者の信頼を得られるものと考えられる。
(13)上乗せ報知用処理を主制御装置101にて実行する構成としたが、表示制御装置81にて実行する構成としてもよい。但し、疑似的な上乗せ報知演出を各リール32L,32M,32Rの駆動制御等を用いて行う場合、後乗せカウンタBGの値を当該各リール32L,32M,32Rの駆動制御等を行う制御装置にて把握可能とすることが好ましく、仮に表示制御装置81にて上乗せ報知用処理を実行する構成(表示制御装置81にて後乗せカウンタBGを管理する構成)とするのであれば、上記疑似的な上乗せ報知演出と合わせて行う各リール32L,32M,32Rの駆動制御を、表示制御装置81が管理する構成とするとよい。
(14)疑似的な上乗せ報知演出の発生態様を設定値によって異ならせる構成において、発生率や報知ゲーム数だけでなく、発生時の演出(例えば補助表示部65にて表示する演出内容)が設定値によって異なる構成としてもよい。また、発生態様の設定値による差や設定値の絞り込みのし易さについては、上記構成のものに限定されず、設定値を予測する遊技を補助する振り分け態様であれば、発生態様の設定値による差当は任意である。
(15)フリーズ制限フラグがセットされることにより、各種赤7揃いフリーズ演出を伴う疑似的な上乗せ報知演出が制限される構成としたが、疑似的な上乗せ報知演出において各種赤7揃いフリーズ演出を非発生としたうえで、補助表示部65等による上乗せ報知演出は発生する構成としてもよい。すなわち、遊技操作や制御の開始や進行が制限されるフリーズ演出が発生しないようにすれば、演出によって遊技進行が邪魔されることを好まない遊技者のニーズに沿うことが可能とである。
(16)フリーズ制限フラグがセットされることにより、疑似的な上乗せ報知演出の実行を制限し、且つBB終了時に制限分の上乗せ報知を実行する構成としたが、BB終了時においては制限分の上乗せ報知も実行しない構成としてもよい。その分の上乗せ報知は、少なくとも後乗せ報知として表示用残数カウンタHGが所定値となるゲームにて報知されるものであり、BB終了時の報知によって遊技者の有利度に実質的な差異を生じさせるものではないからである。
(17)BB当選ゲームの停止出目によってフリーズ制限フラグをセットする構成としたが、遊技者の操作に基づいて当該フリーズ制限フラグをセットする構成であればよい。例えば、BB当選ゲームやBB入賞ゲームのストップスイッチ42~44の操作順序によってフリーズ制限フラグをセットする構成(例えば、順押しであればセットせず、逆押しであればセットする等の構成)でもよいし、ストップスイッチ42~44を押圧操作(ON操作)している期間の長さが所定期間以上となった場合にフリーズ制限フラグをセットする構成(例えば、3sec以上長押しされた場合にセットする構成)でもよいし、他の操作手段の操作に基づいてセットする構成であってもよい。
また、BB当選ゲームの停止出目によってフリーズ制限フラグをセットして、疑似的な上乗せ報知演出の実行を制限する構成としたが、BB当選ゲームの停止出目によって、BB中の制御が異なる構成であればよい。例えば、停止出目によって(フラグがセットされることにより)、BB中のスベリ制御のスベリコマ数が変更されたり、BB中の抽選テーブルが変更されたり、BB中の演出内容が変更される構成であってもよい。
(18)フリーズ制限フラグを事前に(BB当選前から)セット可能な構成であってもよい。但し、この場合、通常の遊技操作によって意図せずセットされてしまったりしないように、通常の遊技操作に用いる操作手段(クレジット投入スイッチ56~58や、スタートレバー41、ストップスイッチ42~44)とは異なる操作手段を用いて、フリーズ制限フラグをセットする構成とするとよい。
(19)BB入賞時のストップスイッチ42~44の操作順序によってフリーズ制限フラグをクリア可能な構成としたが、他の操作態様や他の操作手段の操作によってフリーズ制限フラグをクリア可能な構成としてもよい。この場合、フリーズ制限フラグをセットする操作よりも容易に操作可能なもので、フリーズ制限フラグをクリア可能とすることが好ましい。
(20)取りこぼしが発生し得る役との重複役にてボーナスに当選した場合、当該重複役当選ゲームで、取りこぼしが生じないように停止操作された場合(取りこぼし役入賞の場合)にフリーズ制限フラグをセットする構成としたが、逆に取りこぼしが生じた場合にフリーズ制限フラグをセットする構成としてもよい。このようにすれば、遊技の熟練度が低い遊技者やフリーズ演出を楽しみたい遊技者に対して停止操作の重要性を再認識させて、フリーズ演出を発生させるべく遊技操作技術の向上心を掻き立てることが可能となる。また、遊技の熟練度が高い遊技者に対しては、取りこぼしを生じさせないように停止操作をし且つフリーズ演出を発生させるか、取りこぼしを発生させて且つフリーズ演出を発生させないか、の選択を行わせることになる。取りこぼしを発生させると、当選契機役がわかりにくくなるため、それが制限対象ボーナスか制限非対象ボーナスかも判別しにくくなり、結果的に演出を楽しませる構成ともなり得る。つまり、熟練度が高い遊技者に強いる選択肢は、いずれも何らかの遊技演出を楽しませることが可能な選択肢となり、遊技を進行させることに躍起となる遊技者に対して遊技演出を楽しむ心のゆとりを提供し得る構成となる。
(21)フリーズ制限フラグがセットされることにより、ボーナス中のフリーズ演出が全て発生しないようにしたが、一部発生する構成としてもよい。例えば、報知ゲーム数抽選処理(ステップS4004等)にて100ゲームが選択された場合にはフリーズ演出(上段赤7揃いフリーズ演出)を伴う疑似上乗せ報知演出が発生し、50ゲームや30ゲームが選択された場合にはフリーズが発生しない構成としてもよい。疑似的な上乗せ報知演出であることを理解している遊技者であっても、多量の上乗せ報知演出は嬉しいものと考えられ、上記のように所定ゲーム数以上(100ゲーム以上)の疑似上乗せ報知演出であればフリーズ制限フラグの有無にかかわらず実行する構成とすれば、遊技者を少なからず喜ばせる効果が期待できる。
また、フリーズ制限フラグがセットされたことにより疑似上乗せ報知演出に関連するフリーズ演出(各種赤7揃いフリーズ演出や疑似フリーズ演出)を非発生としたが、疑似上乗せ報知演出とは異なる他の契機によるフリーズ演出(例えばプレミア役に当選したことの報知用のフリーズ)は発生可能とするとよい。
(22)第9再遊技(特リプA)との重複当選となる特リプA重複1,2を制限非対象ボーナスとし、第9再遊技(特リプA)及び第10再遊技(特リプB)との重複当選となる特リプAB重複1,2を制限対象ボーナスとなるように、当選確率を設定したが、これらの関係が逆となるようにしてもよい。すなわち、第9再遊技との重複当選となる特リプA重複1,2の当選確率に設定差を設けて制限対象ボーナスとし、第9再遊技及び第10再遊技との重複当選となる特リプAB重複1,2の当選確率に設定差を設けずに制限非対象ボーナスとする構成としてもよい。このようにすると、当選時に第10再遊技入賞を狙って停止させる操作が、実際に上乗せ抽選が行われていることを判別するための操作であり、上記実施形態における実際に上乗せ抽選が行われていないことを判別するための操作とは、逆の意図による操作となるものの、制限対象ボーナスか否かの判別は可能である。
(23)先乗せ報知演出と、後乗せカウンタBGに基づく疑似上乗せ報知演出とが混在する構成としてもよい。すなわち、BB中第3役当選時に後乗せカウンタBGが十分に蓄積されている場合であっても、それに基づく疑似上乗せ報知演出でなく、先乗せ報知演出が発生する構成としてもよい。
(24)先乗せ報知演出を行った後、上乗せ契機が生じた場合に先乗せ報知演出の分の補填として上乗せ報知を制限する構成としたが、先乗せ報知と後乗せ報知との選択を行ったうえで、後乗せ報知が選択された場合、又は先乗せ報知が選択された場合の一方での報知を制限し、他方では制限しない(報知を行い補填に充てない)構成としてもよい。
(25)先乗せ報知演出を行った後、残りゲーム数ZGと表示用残数カウンタHGとの差分がある場合の減算処理を、予め定められた第1所定数や第4所定数にて行う構成としたが、各ゲームで実行抽選を行い、実行抽選に当選した場合に減算処理を行う構成としてもよい。この場合、実行抽選の当選と、先乗せ報知演出分の補填(上乗せ当選)とのいずれが先に完了するかを楽しませる遊技性も実現可能である。
(26)先乗せ報知演出を行った後の減算処理を、ゲームの結果が特定結果となった場合に実行する構成としてもよい。例えば、上乗せ契機役である特定役に当選したものの上乗せ非当選となった回数や、特定役のうちの所定役(例えば強チェリー)に当選したものの上乗せ非当選となった回数によって、減算処理を実行する構成としてもよい。
(27)ボーナスとアタックモード等とに同時当選している場合のボーナス移行前の持ち越し状態中において、先乗せ報知演出を実行する構成としてもよい。アタックモード等との同時当選が可能なボーナスとは制限非対象ボーナスであり、そのボーナス中に上乗せ抽選が実行され得るものである。その一方で、制限非対象ボーナスであってもボーナス持ち越し状態においては上乗せ抽選が制限されるため、制限非対象ボーナスにおけるボーナス状態中と持ち越し状態とは上乗せ抽選の可否でギャップが存在する。そこで、持ち越し状態中に先乗せ報知演出を発生する構成とすれば、事後的(ボーナス中、又はその後のアタックモード等)に補填される可能性も高いし、上記のギャップを埋めることも可能となり、先乗せ報知演出を利用して演出バランスを好適に担保することが可能となる。
(28)制限対象ボーナスでは、移行時の状況によって、上乗せ抽選だけではなくモード移行抽選の実行も制限されるところ、かかるモード移行抽選の結果報知を疑似的に行う構成としてもよい。この場合、例えば、通常モードで当選した制限対象ボーナス中のBB中第3役当選時に、アタックモード移行抽選に当選したことに対応する右上がり赤7揃いフリーズ演出を発生させる。そして、当該制限対象ボーナスの終了後に、アタックモード準備中である旨の演出(昇格リプレイ当選待ちの状況であることの報知)を実行する構成とし、当該準備中にアタックモード当選した場合にはそのままアタックモードに移行させ(昇格リプレイ当選時に押し順報知を発生させ)、当該準備中にアタックモード当選しなければ(所定ゲーム数に亘ってアタックモード当選しなければ)、例えば上記の幻想演出を発生させたうえで、順備中の演出を終了する構成としてもよい。
(29)設定差のある制限対象ボーナス中の疑似上乗せ報知演出によって設定値の示唆を実行可能な構成を示したが、制限対象ボーナス中において疑似上乗せ報知演出に関わらず設定値の示唆を実行可能な構成としてもよく、このようにしても、制限非対象ボーナスに対する制限対象ボーナスの優位性の代わりとして、制限対象ボーナスに特典を付加することが可能である。また、制限対象ボーナスと制限非対象ボーナスとでいずれも設定値の示唆が発生し得ることを前提とし、制限対象ボーナスの方が制限非対象ボーナスよりも設定値の示唆の発生率が高い構成や設定値を絞り込み易い設定値の示唆が発生し易い構成等としても、制限対象ボーナスに特典を付加することができる。
(30)ボーナス当選時の停止出目によって、上乗せ報知演出の発生の有無を異ならせる構成としたが、ボーナス中の何らかの演出態様が異なればよく、例えば、当選時の停止出目によってボーナス中の演出の背景色が異なる構成としてもよい。
(31)ボーナス当選時の停止出目によってフリーズ制限フラグをセットする構成としたが、ボーナス当選から入賞までの間のゲームによってフリーズ制限フラグをセットする構成としてもよい。
(32)ボーナス中の停止出目によってフリーズ制限フラグをセットする構成としてもよい。すなわち、BB中第2役当選時のとBB中第3役当選時とでは、いずれも第9再遊技当選となる点で共通し、BB中第3役では第10再遊技当選となる一方、BB中第2役では第10再遊技当選とならない点で異なっている。つまり、遊技者が第10再遊技入賞を成立させることに成功すれば、それがBB中第3役当選に基づくものであることを判別することができ、疑似フリーズがBB中第3役に基づくものなのかBB中第2役に基づくものなのかを判別可能である。そこで、ボーナス中に第10再遊技入賞となる停止出目が出現した場合に、フリーズ制限フラグをセットし、特に、疑似フリーズの発生を制限する構成とすれば、上乗せ抽選が実行されていないことが判別されているのにもかかわらず疑似フリーズを行うことによる違和感を与えないようにすることができる。
(33)上乗せ報知用処理を、アタックモードのゲーム数上乗せ抽選に当選した場合に、ゲーム数上乗せ処理を実行した後で実行する構成としたが、ゲーム数上乗せ処理を実行するよりも前に上乗せ報知用処理を実行する構成としてもよい。すなわち、今回の上乗せゲーム数をアタックモードの残りゲーム数に加算するよりも前に、その報知タイミングを決定する構成としてもよい。この場合、例えば後乗せ報知が選択された場合には、そのゲームにて後乗せカウンタBGの加算処理を行うとともに、後乗せ報知が実行されるゲームにおいてゲーム数上乗せ処理を実行する構成としてもよい。アタックモードの実行ゲーム数と残りゲーム数の総和が上限ゲーム数に達しているか否かを判定する場合、上記後乗せ報知が選択された分の後乗せカウンタBGの値も加味して上限ゲーム数に達しているか否かの判定を行う構成とするとよい。
(34)後乗せ抽選テーブルは上記のものに限定されない。例えば、後乗せカウンタBGの値と、特定役の種類とによって、後乗せ報知及び即乗せ報知のいずれかが選択される構成としたが、後乗せ報知及び即乗せ報知のいずれもが選択される場合もあるものとして、上乗せ当選時の上乗せゲーム数を後乗せ報知と即乗せ報知に割り振る構成としてもよい。この場合、上乗せゲーム数や特定役、後乗せカウンタBGの値等によって、後乗せ報知と即乗せ報知とに割り振られる割合が異なるようにしてもよい。
具体的には、例えば、強チェリー当選に基づいて100ゲームの上乗せに当選した場合、50ゲームが後乗せ報知に割り振られ、残りの50ゲームが即乗せ報知に割り振られるものの、強チェリー当選に基づいて30ゲームの上乗せに当選した場合、30ゲーム全てが即乗せ報知に割り振られ、後乗せ報知には割り振られないといったように、上乗せゲーム数に応じて割り振りの割合が異なる構成としてもよい。また、弱チェリー当選に基づいて100ゲームの上乗せに当選した場合、80ゲームが後乗せ報知に割り振られ、残りの20ゲームが即乗せ報知に割り振られるといったように、上乗せ当選の契機となった特定役の種類に応じて割り振りの割合が異なる構成としてもよい。更に、強チェリー当選に基づいて100ゲームの上乗せに当選した場合において、後乗せカウンタBGが30以上であれば、50ゲームが後乗せ報知に割り振られ、残りの50ゲームが即乗せ報知に割り振られるものの、後乗せカウンタBGが30未満であれば、100ゲーム全てが後乗せ報知に割り振られるといったように、後乗せカウンタBGの値によって割り振りの割合が異なる構成としてもよい。
(35)区間表示器として、第8表示用セグメントN8や第9表示部N9を例してとして説明したが、区間表示器の構成は上記のものに限定されない。区間表示器として、少なくとも表示態様の切り替えによって、有利区間か否かが明示的に表示される構成であればよく、例えば、第8表示用セグメントN8や第9表示部N9の配置位置やその大きさ、有利区間中の表示態様(点灯態様)を上記のものと異ならせてもよい。例えば、スタートレバー41の操作部や所定のクレジット投入スイッチ56~58の一部又は全部を発光制御可能な構成とし、有利区間となることに基づいて当該操作部やクレジット投入スイッチ56~58を発光させることとし、区間表示器としての機能を所定の操作部にて担保する構成としてもよい。上記のとおり、開始ゲームの次のゲームの操作を許容するよりも前のタイミングにおいて区間表示器の表示を開始させる構成であるところ、上記の所定の操作部を当該開始タイミングの終期となる操作対象とし、上記のように所定の操作部やその付近にて有利区間の表示を行うようにすることで、有利区間への移行をより把握させ易くなる。
また、補助表示部65の表示画面中に区間表示器の機能を有する表示部が含まれる構成としてもよい。この場合、少なくとも当該区間表示器の機能を有する表示部に関しては、主制御装置101により制御されることが好ましく、補助表示部65自体を主制御装置101が制御し、上記区間表示器の機能を有する表示部と合わせて主制御装置101が制御する構成としてもよい。
更に、区間表示器として、所定の第1位置と当該第1位置とは異なる第2位置とに変位可能な役物を遊技者から視認可能となる位置(例えば遊技機前面部)に設け、当該役物が第1位置に配置されることによる当該役物を含む表示態様と当該役物が第2位置に配置されることによる当該役物を含む表示態様とによって有利区間か否かを報知する構成としてもよい。
(36)指示モニタ68において、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7を利用した押し順情報(「1」~「6」)の表示態様は上記のものに限定されない。例えば、押し順役として、最初に停止操作するストップスイッチ42~44によって入賞する役が異なり、第2リール、第3リールの停止順序は入賞する役に関与しない3択の押し順役が含まれる場合、第1表示用セグメントN1、第6表示用セグメントN6及び第7表示用セグメントN7を点灯することにより表示される押し順情報(「7」の表示)と、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7を点灯することにより表示される押し順情報(「8」の表示)と、第1表示用セグメントN1~第3表示用セグメントN3、第6表示用セグメントN6及び第7表示用セグメントN7を点灯することにより表示される押し順情報(「9」の表示)により、これら3択の押し順役の押し順報知を行う構成としてもよい。
(37)指示モニタ68において、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7を利用した押し順情報を消灯するタイミングは第3リール停止ON操作時に限定されず、少なくとも、押し順報知によって操作すべきストップスイッチ42~44が把握されるまで当該押し順報知が行われていればよい(押し順情報が表示されていればよい)。例えば、第2リール停止ON操作時であってもよいし、第2リール停止OFF操作時であってもよい。また、3択の押し順役の押し順報知を行う場合には、第1リール停止ON操作時であってもよいし、第1リール停止OFF操作時であってもよい。さらに、これらの操作時から所定時間(例えば0.5sec)が経過してから消灯する構成としてもよい。
さらに、第3リール停止ON操作時よりも遅いタイミングであってもよく、第3リール停止OFF操作時であってもよいし、第3リール停止OFF操作時から所定時間(例えば0.5sec)が経過してから消灯する構成であってもよいし、メダル払い出し終了時であってもよい。
(38)指示モニタ68を、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61や払出枚数表示部62と兼用してもよい。これらの場合、押し順報知が行われるタイミングでは、各表示部60~62において押し順報知を行う一方、押し順報知が行われていないタイミングにおいては、それぞれの表示部60~62本来の表示を行う構成とするとよい。
クレジット表示部60と兼用する場合、少なくともベット操作が行われるまでは当該クレジット表示部60にてクレジット表示を行い、その後、(スタートレバー41の操作に基づき)押し順報知を行う構成とするとよい。押し順報知は、少なくとも、当該ゲームにて獲得した(払い出される)メダル数が増加して更新されるタイミング(メダル払い出しが開始されるタイミング)よりも前のタイミングで終了する(押し順情報を消灯する)とよく、例えば、第3リール停止ОN操作時までに終了する構成とし、メダル払い出しが開始される際には、クレジット表示に切り替わっている構成とするとよい。
残払出枚数表示部61はボーナス中の残払出数を表示する表示部であるところ、例えば、ボーナス状態を、小役の当選確率を高くしてメダルを増加させる遊技性としたうえで、押し順報知を行わない構成(押し順報知によってメダルを増加させる遊技性とは異なる遊技性)とし、残払出枚数表示部61により残払出数の表示が行われるゲームと押し順報知が行われるゲームとが重複しないようにしてもよい。なお、この場合、ボーナス中において、補助表示部65による押し順報知演出は発生可能としてもよい。
払出枚数表示部62と兼用する場合、少なくとも払出枚数表示部62にて当該ゲームの払出メダル数の表示が開始されるよりも前のタイミングで押し順報知が終了する構成とするとよい。例えば、第3リール停止ON操作時に、押し順報知を終了し(押し順情報を消灯し)、払出役が入賞した場合には、当該第3リール停止OFF操作時に、払出枚数を表示する構成とするとよい。かかる構成を残払出枚数表示部61に適用してもよい。
さらに、これらの表示部60~62を利用して押し順報知を行う構成としてもよい。遊技パネル25において、クレジット表示部60は左、残払出枚数表示部61は中、払出枚数表示部62は右に並設されているところ(図1)、各ストップスイッチ42~44と対応付けて、左ストップスイッチ42を操作すべき場合はクレジット表示部60を表示し、中ストップスイッチ43を操作すべき場合は残払出枚数表示部61を表示し、右ストップスイッチ44を操作すべき場合は払出枚数表示部62を表示する等して押し順を報知する構成としてもよい。この場合、上記のように、ベット操作が行われた後~第3リール停止ON操作時までは、表示部60~62のいずれについても、当該表示部60~62にて押し順報知を行ったとしても、その本来の表示機能が担保されるところ、かかるベット操作が行われた後~第3リール停止ON操作時までをこれら表示部60~62による押し順報知が行われる期間とし、それ以外の期間においては、各表示部60~62の本来の表示を行う構成とするとよい。
(39)有利区間を以下のように定義してもよい。最大払出枚数に係る入賞に対応する押し順報知が少なくとも1回は発生する区間。より詳しくは、停止順序によって9枚、3枚又は0枚のメダル払出が行われ得る押し順ベルにおいて、9枚のメダル払出が発生することとなる押し順報知を少なくとも1回は発生することとなる区間。
(40)遊技状態の移行によって小役確率が変化し得る移行役として、第1BB、第2BBの他、CB(第1CB~第4CB)を設けたが、これらの移行役に加え、又は代えて他の移行役を設けてもよい。他の移行役としては、スベリコマ数の制限を有さないMB(ミドルボーナス)や、第1BBや第2BBよりも上限獲得数の少ないREG(レギュラーボーナス)や、1ゲームのJACゲームを実行可能とするSB(シングルボーナス)等が考えられる。また、各ボーナスにおける上限獲得数は上記のものに限定されない。例えば、CB状態中の上限獲得数を15枚よりも少ない3枚としてもよいし、0枚としてもよい。
(41)移行役(第1BB、第2BB、CB)の入賞時にはメダル払出が行われない構成としたが、メダル払出が行われる構成としてもよい。
(42)設定値によってアタックモード等への移行抽選や上乗せ抽選の確率や有利度に差が生じないように、特に設定差の無い抽選結果に基づいてこれら抽選を行う構成としたが、設定差のある抽選結果に基づいて抽選を行うものの、当選時の恩恵(特典、移行抽選等の当選確率や上乗せゲーム数)を調節することで設定差が生じないようにしてもよい。例えば、設定1では100分の1の確率で当選し、設定6では10分の1の確率で当選する特定役を設け、当該特定役当選時のアタックモードの上乗せ抽選の当選確率を、設定1では2分の1とし、設定6では、20分の1とする。このようにすることで、トータルの上乗せ当選確率は、いずれの設定値であっても200分の1となり、設定差がなくなる。
(43)アタックモード等への移行抽選や上乗せ抽選に当選することにより、基本的には遊技者にとって有利な事象が生じることとしたが、例えば、アタックモード等の終了抽選を行う構成としてもよいし、継続ゲーム数の減算抽選を行う構成としてもよい。
(44)ベット数が3である状況でのゲームについて主に説明したが、ベット数が1である1ベットゲームやベット数が2である2ベットゲームに上記発明を適用してもよい。例えば、1ベットゲームや2ベットゲームにて有利区間への移行抽選に当選した場合と、3ベットゲームにて有利区間への移行抽選に当選した場合とで、区間表示器の表示開始態様テーブルを異ならせることで、区間表示器の表示開始態様が異なる構成としてもよい。
(45)有利区間の強制終了ゲームは上記の数(1500)に限定されず、それよりも多くてもよいし、少なくてもよい。
(46)有利区間の強制終了条件は、上限ゲーム数(1500)の消化だけでなく、それに加えて又はそれに代えて上限払出メダル数(3000枚)を設けてもよい。
(47)上乗せ抽選テーブルや上乗せゲーム数抽選テーブルは上記のものに限定されず、その当選確率や当選時の上乗せゲーム数の範囲や平均等も任意である。例えば、上乗せゲーム数として、有利区間の上限数を超えるゲーム数(2000ゲーム等)が選択され得るものであってもよい。
(48)疑似ボーナスとしてのVBモードをアタックモード中にのみ移行可能な構成としたが、通常モード中からでも移行可能な構成としてもよい。この場合、VBモードへの移行抽選に当選した場合には、当該当選ゲームを開始ゲームとし、開始ゲームの次のゲームの操作を許容するよりも前のタイミングで区間表示器の表示を開始する構成とすればよい。また、この場合、第1BBや第2BBにVBモードと同時当選した場合には、第1BBや第2BBへの入賞が成立するゲームを開始ゲームとするとよい。
(49)有利区間への移行抽選や上乗せ抽選等を行う契機となる特定役として、強チェリー、弱チェリー、強スイカ、弱スイカ、等のメダル払出を伴う小役や、これら強チェリー等と入賞態様が共通する特定再遊技、及びこれら小役や特定再遊技とボーナスとの重複役を例として説明したが、上記抽選契機となる結果はこれらの結果に限定されない。例えば、所定のボーナスの単独役や、通常リプレイでも有利区間への移行抽選等を行う構成としてもよい。また、消化ゲーム数や、各結果に基づいて別途付与されるポイントの累積数等に基づいて移行抽選等を行う構成としてもよい。いずれにしても、有利区間への移行抽選等の契機が、設定値による当選確率や発生頻度に差が生じないものであればよい。
(50)押し順ベルや押し順リプレイ当選時において、各リール32L,32M,32Rの停止順序によって入賞する役が異なり、付与される特典が異なる構成としたうえで、その停止順序の報知を行うか否かによって遊技者にとっての有利度を異ならせる構成としたが、停止操作に関する報知を行うことで遊技者にとっての有利度が異なることとなる役を用いたものであればよい。
例えば、所定のリールとして左リール32Lにおいて、第1図柄(例えば「黒BAR」図柄)と第2図柄(例えば「赤7」図柄)とを同時に狙えない個所に(5図柄以上離れた位置にそれぞれ)配置する。そして、左リール32Lの第1図柄と、中リール32Mの所定絵柄(例えば「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄)と、右リール32Rの所定絵柄(例えば「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄)と、が有効ラインに停止した場合に第1結果入賞が成立し、左リール32Lの第2図柄と、中リール32Mの所定絵柄(例えば「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄)と、右リール32Rの所定絵柄(例えば「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄)と、が有効ラインに停止した場合に第2結果入賞が成立するように、第1結果と第2結果との入賞態様を設定する。この場合、第1結果当選時に第1図柄を狙って停止操作すれば、当該第1結果入賞が成立し得るものの、第1図柄ではなく第2図柄を狙って停止操作すると、第1結果入賞は成立せず、対応する特典は付与されない。同様に、第2結果当選時に第2図柄を狙って停止操作すれば、当該第2結果入賞は成立し得るものの、第2図柄ではなく第1図柄を狙って停止操作すると、第2結果入賞は成立せず、対応する特典は付与されない。そのうえで、第1結果と第2結果とのいずれかが当選することとなる特定役を設け、当該特定役当選時に、第1結果及び第2結果のいずれに当選しているか(第1図柄及び第2図柄のいずれを狙って左リール32Lを停止操作すればよいか)を報知可能とする。このような構成においても、当該報知によって当選している結果(第1結果及び第2結果のいずれか)を入賞させることが可能となり、当該報知の有無によって遊技者にとっての有利度が変化する。そして、かかる報知が行われやすくなるモードや、当該報知が行われやすくなるモードへの移行確率が高くなるモードや、これらのモードへの移行抽選に当選したものの移行前であるモードの少なくともいずれかのモードを含む状況を有利区間としてもよく、また、上記各モードと押し順役に基づく各モードを含めて、上記各モードの少なくともいずれかのモードを含む状況を有利区間としてもよい。
すなわち、同じ当選役であっても停止出目を異ならせるための停止操作は停止順序に限定されず、停止操作タイミングを含む停止操作態様であればよく、かかる停止操作態様を行わせるための報知は、押し順報知に限定されず操作態様に関する態様報知であればよい。
(51)有利区間に関し、設定値に関わらず移行抽選の当選確率や当選時の特典(移行モードや上乗せゲーム数等)等が共通する構成としたが、設定値によって当選確率等が異なる構成としてもよい。この場合、移行抽選等の抽選契機となる結果の種類によって、設定値による確率や当選時の特典の差が生じるものと、設定値による確率や当選時の特典の差が生じないものとが存在する構成としてもよい。
(52)有利区間中の継続ゲーム数を有利区間ゲーム数AG等により管理する構成としたが、例えば、所定ゲーム数消化するまで(例えば50ゲーム)や所定の終了条件が成立するまで(例えば、リプレイが3連続当選するまで)を1セットして、そのセット数により管理する構成としてもよい。具体的には、アタックモードを、所定ゲーム数(50ゲーム)を1セットとし、アタックモード開始時やアタックモード移行抽選時にセット数を抽選により決定する。そして、その決定されたセット数が消化されることでアタックモードを終了するようにする。この場合、アタックモード中等において特定役当選等、測定条件が成立した場合に、アタックモードの上乗せ抽選として、セット数の上乗せ抽選を行う構成とし、かかる抽選に当選した場合に、その当選内容に応じたセット数の上乗せを行う構成とするとよい。
かかる構成において、有利区間の上限ゲーム数(1500ゲーム)との関係では、例えば、予め定められた所定ゲーム数(例えば50ゲーム)を1セットとしたり、所定の終了条件が成立する(例えば、リプレイが3連続当選するまで)か特定ゲーム数(例えば50ゲーム)を消化するかを1セットとする場合には、上限ゲーム数を所定ゲーム数や特定ゲーム数で除算したセット数(30セット)を上限セット数とし、当該上限セット数消化することで有利区間を強制的に終了する構成としてもよい。この場合、有利区間のセット数を所定のカウンタにて把握し、かかるカウンタが上限値(30)に達した場合に強制終了する構成とするとよい。チャレンジモードや前兆モードを加味するのであれば、これらチャレンジモードや前兆モードもセット数に加味される構成(例えば、前兆モードとチャレンジモードとの合計ゲーム数が1セットとなるようにゲーム数が定められる構成)とすると、これらのモードも含めて、上記カウンタが上限値に達すると、有利区間の上限ゲーム数に達することになる。なお、1セット当たりのゲーム数が変動し得る構成(所定の終了条件が成立するか特定ゲーム数を消化するかを1セットとする構成)においては、有利区間の上限ゲーム数よりも少ないゲーム数で上記セット数のカウンタが上限値になり得る。
疑似上乗せ報知演出との関係では、上記のようにセット数の未報知分を利用して制限対象ボーナス中においてセット数の上乗せが行われたことを疑似的に報知する構成とするとよい。
(53)チャレンジモードや前兆モードにおいても押し順報知が行われる構成としてもよい。より具体的には、アタックモード、チャレンジモード、前兆モード等を含めて、有利区間としても特定遊技状態へ移行した場合、押し順報知が少なくとも所定回数(1回)は発生するまで当該有利区間が終了しない構成としてもよい。
(54)各設定値によって出玉率が変化する構成とし、設定1が最も出玉率が低く、設定6が最も出玉率が高くなる構成としたが、設定値によって出玉(遊技媒体)の増減率や増減態様が変化する構成であればよい。例えば、設定1と設定2との出玉率が同じであるなど、一部の設定値の出玉率が同じであって、他の設定値の出玉率が異なる構成としてもよい。また、設定1,3,5は出玉の増減率が高く、設定2,4,6は出玉の増減率が低い構成としてもよい。また、設定1,5は短時間で出玉が所定量増加し長時間で出玉が所定量減少し、設定2,3,4は所定量の増加に設定1,5よりも長時間要するとともに所定量の減少に設定1,5よりも短時間で済み、設定6は出玉の増減がほとんど発生しない構成としてもよい。これらの場合、各設定値の出玉率は同じであってもよい。
(55)リール及びそれに対応するストップスイッチを3つ並列して備えるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップスイッチを5つ並列して備えたスロットマシンであってもよい。リールの停止操作における誤操作を抑制するという観点からすると、リール及びそれに対応するストップスイッチは少なくとも2つあればよい。また、ベット数が3である状況で有効ラインが1ラインに設定されるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、有効ラインは5ラインであってもよい。
(56)スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機(所謂、球使用回胴式遊技機)としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
例えば、パチンコ機や球使用回胴式遊技機において、出玉率等に変化を与える設定値を複数段階有する構成とし、これらの設定値の示唆や教示演出として、上記各発明を適用してもよい。この場合、大当たり確率が高低となる高確率状態と低確率状態とを有するパチンコ機においては、上記スロットマシン10における有利区間を高確率状態として適用してもよく、所定の入球部への入球率が高低となる高入球状態と低入球状態とを有するパチンコ機においては、上記スロットマシン10における有利区間を高入球状態として、上記各発明を適用してもよい。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される特徴的な構成について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の各特徴群に示す発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴A群>
特徴A1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
遊技媒体の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数段階設けられており、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値が設定される設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた移行結果(例えば、特リプAB重複1)であって、前記有効位置に当該移行結果に対応する移行用の絵柄組合せが停止したことに基づいて、遊技状態を遊技者とって有利な有利状態(制限対象ボーナス)に移行させる有利移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理において制限対象ボーナスへ移行させる処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記設定手段により第1設定値が設定されている場合と前記第1設定値とは異なる第2設定値が設定されている場合とで、前記抽選手段による抽選結果が前記移行結果となる確率は異なっており、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第2結果とを有し、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を所定の報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7)にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、通常遊技状態と、前記態様報知手段による前記態様報知の実行頻度が前記通常遊技状態よりも高くなる特定遊技状態(アタックモード、チャレンジモード等を含む有利区間)と、を少なくとも設け、
前記通常遊技状態において前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果であることに基づいて、前記特定遊技状態への移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理を実行する機能)と、
前記移行抽選手段による抽選結果が前記特定遊技状態へ移行させることに対応する結果であることに基づいて、前記特定遊技状態へ移行させる特定移行手段(主制御装置101による入賞結果対応処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態の残数を把握する把握手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、
予め定められた終了条件が成立したことに基づいて、前記特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる通常移行手段(主制御装置101による区間表示第2処理において通常の終了条件が成立したことに基づく有利区間の終了処理を実行する機能)と、
予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記残数を増加させる増加処理を実行可能な増加手段(主制御装置101によるゲーム数上乗せ処理を実行する機能)と、
前記増加手段により前記増加処理が行われた場合に、当該増加処理の契機となった前記特定条件が成立したゲームに基づいて当該増加処理が行われたことの第1増加報知(即乗せ報知)を所定の報知手段(補助表示部65)にて実行可能な第1増加報知実行手段(表示制御装置81による上乗せ演出の設定処理を実行する機能)と、
前記増加手段により前記増加処理が行われた場合に、当該増加処理の契機となった前記特定条件が成立したゲームよりも後のゲームに基づいて当該増加処理が行われたことの第2増加報知(後乗せ報知)を所定の報知手段(補助表示部65)にて実行可能な第2増加報知実行手段(表示制御装置81による上乗せ演出の設定処理を実行する機能)と、
前記第2増加報知実行手段による前記第2増加報知の対象となる前記増加処理の結果について、未報知分の結果を把握する未報知分把握手段(主制御装置101による後乗せカウンタBGを把握する処理等を実行する機能)と、
前記未報知分把握手段による前記未報知分の結果に基づいて、前記有利状態中に前記第2増加報知を実行可能な第3増加報知実行手段(主制御装置101によるBB中疑似上乗せ用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、抽選手段による抽選結果が移行結果となり、移行結果に対応する移行用の絵柄組合せが停止すると遊技者にとって有利な有利状態に移行する。このような構成において、更に、周回体の停止操作態様によって入賞する結果が異なる場合があり、かかる停止操作態様に関する態様報知の有無によって有利度を異ならせる、といった特定遊技状態が設けられている。そして、抽選手段による抽選結果が特定結果となると、特定遊技状態への移行抽選が行われ得るため、各ゲームにおいて有利状態と特定遊技状態との連鎖が生じ得るようになる。
しかも、特定遊技状態においては、特定条件成立に基づいて、当該特定遊技状態の終了契機となり得る残数を増加させる増加処理が行われ、その結果報知として、第1増加報知や第2増加報知が行われる。そのため、特定遊技状態の態様報知による利益を享受しながら有利状態への当選を待つ遊技性において、増加処理によって、その利益を享受しながらの待ちの状況が延長され得るものとなり、上記有利状態と特定遊技状態との連鎖が更に生じ易くなる。そして、有利状態の当選確率は遊技媒体の増加態様等に変化を生じさせる設定値によって異なっており、有利状態へ移行し易い設定値であれば、特定遊技状態中に有利状態へ頻繁に移行し得るため、特定遊技状態と有利状態との連鎖が生じ易くなるし、有利状態へ移行しにくい設定値であれば、特定遊技状態と有利状態との連鎖は生じにくくなるため、設定値が連鎖の遊技に多大な影響を及ぼし得ることとなる。そうすると、遊技者としては、連鎖が生じ易い設定値が設定された遊技台を望んで遊技を行うものと考えられ、複数の遊技台が設置され得る遊技ホールの中で、所望の設定値の遊技台を探し出す楽しさも提供できる。
その一方で、設定値によって遊技媒体の増減の差が大きくなりすぎると、上記所望の設定値の遊技台以外の遊技台の稼働率は大幅に低下し得るし、所望の設定値を望むあまり遊技媒体を多量に獲得することだけに遊技者が注目してしまい、せっかくの遊技演出を十分に楽しんでもらえない可能性も生じ得る。つまり、上記連鎖の遊技において有利状態の有利度をあまりに高めすぎてしまうと、設定値による遊技媒体の増減差が大きくなり過ぎることによって、上記不都合が顕在化してしまう可能性がある。かといって、せっかくの有利状態と特定遊技状態との連鎖の遊技において、単にそれぞれの状態が行き来するだけとしてしまうと、連鎖が生じていても互いの状態の関連性が希薄化し、遊技への飽きが生じ易くなる。
そこで、上記構成では、設定値によって移行率が異なる有利状態中に、増加処理が行われたゲームよりも後のゲームでその結果を報知するための第2増加報知の未報知分が実行され得る構成とした。このように、第2増加報知の未報知分を利用することで、有利状態中に特定遊技状態の増加処理等を行うなどして有利状態の有利度を高める必要がなく、設定値による増減の差を増大化しないようにしながらも、有利状態と特定遊技状態との関連性を強めることが可能となる。
なお、「第1増加報知実行手段」について、「前記増加手段により前記増加処理が行われた場合に、当該増加処理の契機となった前記特定条件が成立したゲームを契機とする一連のゲームにおいて当該増加処理が行われたことの第1増加報知(即乗せ報知)を所定の報知手段(補助表示部65)にて実行可能な第1増加報知実行手段(表示制御装置81による上乗せ演出の設定処理を実行する機能)」と表現してもよいし、「第2増加報知実行っ手段」について、「前記増加手段により前記増加処理が行われた場合に、当該増加処理の契機となった前記特定条件が成立したゲームよりも後のゲームであって、事後的に決定されるゲームにて、当該増加処理が行われたことの第2増加報知(後乗せ報知)を所定の報知手段(補助表示部65)にて実行可能な第2増加報知実行手段(表示制御装置81による上乗せ演出の設定処理を実行する機能)」と表現してもよい。これは、以下の他の特徴においても適用可能である。
なお、上記「通常移行手段」は、以下のように表現してもよい。
「前記特定遊技状態が終了した場合に前記通常遊技状態へ移行させる通常移行手段」や、「前記特定遊技状態において前記把握手段により把握される前記残数に基づいて、当該特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる通常移行手段」。
特徴A2.前記有利状態において前記増加手段による前記増加処理の実行を制限可能な制限手段(主制御装置101によるステップS3601の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
有利状態中のゲームは、制限手段により増加処理の実行が制限されるため、実質的に特定遊技状態中の有利度に影響を及ぼさないゲームとなる。このような前提のもと、特徴A1のように有利状態中に第2増加報知の未報知分の報知を実行可能としておけば、有利状態の有利度を高めすぎることなく、有利状態中のゲームが特定遊技状態の有利度に影響を及ぼし得るゲームである印象を高めることが可能となる。
特徴A3.前記設定手段により第1設定値が設定されている場合と前記第1設定値とは異なる第2設定値が設定されている場合とで、前記第3増加報知実行手段により前記第2増加報知が実行される確率が共通していることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態への移行率は設定値によって異なっているものの、有利状態中に第2増加報知が実行される確率は設定値に関わらず共通しているため、有利状態中の第2増加報知の発生率から設定値の予測を行いにくくすることができる。特に、設定値による遊技媒体の増減の幅を小さくすべき、との考えからすると、特定遊技状態に関しては設定値による有利度の差が生じないようにすべきものと考えられるし、増加処理の実行率、すなわち増加報知の発生率も設定値による差が生じないようにすべきものと考えられる。そうすると、上記構成のように有利状態中の第2増加報知の発生率を設定値による差が生じないようにしておけば、特定遊技状態中の第1増加報知や第2増加報知との関係で齟齬が生じず、有利状態中の第2増加報知を違和感なく楽しませることが可能となる。
なお、上記構成は、以下のように表現してもよい。
「前記設定手段により第1設定値が設定されている場合と前記第1設定値とは異なる第2設定値が設定されている場合とで、前記有利状態中の所定ゲームでの前記第3増加報知実行手段により前記第2増加報知が実行される確率が共通している」構成。
また、「・・・確率が共通している」とは、「・・・確率が同一又は略同一である」と表現してもよい。これら「共通している」や「同一又は略同一である」との表現は、完全に一致していない構成も含み、その当選確率を遊技者が識別困難な程度に一致していればよい。「共通している」や「同一又は略同一である」との表現が示す程度は、他の特徴にて示す場合も同様である。
特徴A4.前記設定手段により第1設定値が設定されている場合と前記第1設定値とは異なる第2設定値が設定されている場合とで、前記第3増加報知実行手段により所定態様にて前記第2増加報知が実行される確率が異なっていることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態への移行率だけでなく、有利状態中に所定態様にて第2増加報知が実行される確率も設定値によって異なっている。そのため、例えば、有利状態への移行率及び所定態様の第2増加報知の実行率のいずれもが高くなる設定値と、その移行率及び実行率のいずれもが低くなる設定値とで、全有利状態中のトータルの所定態様での第2増加報知の発生回数の差が大きくなり、高い側の設定値で受ける印象(たくさん第2増加報知が実行されるので嬉しいイメージ)と低い側の設定値で受ける印象(なかなか第2増加報知が実行されないので嬉しくないイメージ)との差も大きくなる。その一方で、特徴A1に記載のとおり、有利状態中の第2増加報知の実行率を高くしても有利度に影響がないため、全遊技中の所定態様での第2増加報知の発生回数の差も、有利度に影響を及ぼさない。このようにすることで、設定値の違いによって実質的な有利度の差よりも、与える印象の差を大きくすることが可能となり、遊技の公平性を担保しながら遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、上記構成は、以下のように表現してもよい。
「前記設定手段により第1設定値が設定されている場合と前記第1設定値とは異なる第2設定値が設定されている場合とで、前記有利状態中の所定ゲームでの前記第3増加報知実行手段により所定態様にて前記第2増加報知が実行される確率が異なっている」構成。
特徴A5.少なくとも前記抽選手段及び前記駆動制御手段を有する第1制御手段(主制御装置101)と、前記第2増加報知実行手段を有する第2制御手段(表示制御装置81)と、を備え、
前記未報知分把握手段は前記第1制御手段が有していることを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づいて抽選を行い、停止操作手段の操作に基づいて周回体を停止させて入賞を成立させる遊技を行ううえで、遊技者の利益に関与する抽選手段や周回体の駆動制御を行う駆動制御手段を第1制御手段に設け、第2増加報知実行手段等の報知用の構成を第2制御手段に設けることで、機能の分散化を図りながら各処理を好適に実行可能とするとともに、利益に関与する手段を第1制御手段に集約することで不正行為等の対策を好適に図ることが可能となる。
そのうえで、未報知分把握手段を第1制御手段側に設ける構成とすることで、未報知分把握手段の把握結果を、第1制御手段側の処理に反映させることが可能となる。すなわち、例えば、未報知分把握手段の把握結果を抽選手段による抽選に反映させることが可能であるし、未報知分把握手段の把握結果を駆動制御手段による周回体の駆動制御に反映させることが可能である。このようにすることで、第3増加報知実行手段による第2増加報知を、演出として行うとしても、第2制御手段により制御される演出用の表示画面等だけで行う構成と比較して、演出効果をより高めることが可能となる。
なお、上記構成は、「前記第1制御手段から前記第2制御手段へは所定の情報出力が行われ得る一方、前記第2制御手段から前記第1制御手段へは所定の情報出力が行われない」構成を備えることで、第1制御手段側に未報知分把握手段を備えることの意義がより高められる。
特徴A6.前記駆動制御手段が、前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させることを通常遊技動作とし、
前記第3増加報知実行手段により前記第2増加報知を実行する場合、前記通常遊技動作の開始又は進行が制限される特定遊技動作が行われるように各前記周回体を制御する特別駆動制御手段(主制御装置101による回転演出用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態中に第2増加報知が行われる場合、通常遊技動作の開始や進行が制限される特定遊技動作として、所謂フリーズが発生する。このようにすれば、周回体の周回の開始や停止等の進行が制限されてフリーズしていることを通じて第2増加報知が行われることを把握可能となるし、当該フリーズ中に第2増加報知を行えば、第2増加報知が見逃されることも抑制される。よって、第2増加報知への注目度を好適に高め、有利状態中に第2増加報知を行うことによる効果を好適に奏することが可能となる。
特徴A7.前記第3増加報知実行手段は、前記有利状態において前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特別結果(BB中第3役)となったゲームにおいて、前記第2増加報知を実行可能であることを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態中の抽選結果が特別結果となったゲームにおいて第2増加報知が実行され得る。このようにすることで、有利状態中の第2増加報知が、その実行が予め決定されていたものや単なる演出ではなく、抽選結果として特別結果を引き当てたからこそ発生した、という印象を強めることが可能となる。よって、あたかも実際に増加処理が行われたかのように思わせる効果を高めることが可能となる。
特徴A8.前記有利状態において、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合に、前記第2増加報知を実行するか否かの実行抽選を行う実行抽選手段(主制御装置101による疑似上乗せ抽選処理を実行する機能)を備え、
前記第3増加報知実行手段は、前記実行抽選手段による抽選結果に応じて前記第2増加報知を実行することを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果当選となるだけで第2増加報知が実行されるのではなく、実行抽選を経て第2増加報知が実行される。そのため、特別結果当選となった場合に第2増加報知が実行されない場合もある。このようにすることで、より実際の増加処理のフローに近い流れで増加報知が行われることとなり、増加処理が行われたかのように思わせる効果が高められる。
それだけでなく、上記構成のようにすることで、有利状態中の抽選結果が特別結果となった場合に、第2増加報知を実行しなくても違和感を与えにくくなる。つまり、特徴A1に記載のとおり、第3増加報知実行手段は、第2増加報知を、第2増加報知実行手段による未報知分に基づいて実行する構成であり、未報知分が存在しない場合には、例えば特別結果当選とならないように抽選テーブルを変更する等、第2増加報知を実行しなくてもよい特別な構成が必要となり得る。その点、上記構成のように実行抽選を経る構成であれば、未報知分が存在しない場合には、単に実行抽選に非当選となるようにすればよく、特別な構成を用いることなく、うまく第2増加報知の実行の有無を管理することが可能となる。
特徴A9.前記実行抽選手段は、第1状況にて前記有利状態へ移行した場合は前記実行抽選の当選確率を第1確率とし、前記第1状況とは異なる第2状況にて前記有利状態へ移行した場合は前記実行抽選の当選確率を前記第1確率よりも高い第2確率とすることが可能であることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態へ移行する状況に応じて、特別結果当選時の第2増加報知の実行確率を異ならせる構成となり、第2増加報知の実行態様が多様化され、有利状態中の第2増加報知による遊技において、興趣向上を好適に図ることができる。
特徴A10.前記実行抽選手段は、前記特定遊技状態への移行後のゲーム数が所定数未満である状況を前記第1状況とし、前記移行後のゲーム数が前記所定数以上である状況を前記第2状況とすることが可能であることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
特定遊技状態への移行後の消化ゲーム数が多くなれば、第2増加報知実行手段による第2増加報知の実行対象となる特定条件が成立している可能性は高くなり、第2増加報知実行手段による第2増加報知の未報知分が存在している可能性も高くなる。また、消化ゲーム数であれば、有利状態移行前に特定条件が成立したか否かに左右されず、第1状況か第2状況かが決定される。そのため、上記構成のようにすることで、第2増加報知の実行率を第2増加報知の未報知分との関係で違和感なく調節しながら、有利状態中の増加報知が第2増加報知であることを特定条件の成否から直接的に予測されにくくすることが可能となる。
特徴A11.前記実行抽選手段は、前記有利状態への移行後のゲーム数が特定数未満である状況を前記第2状況とし、前記移行後のゲーム数が前記特定数以上である状況を前記第1状況とすることが可能であることを特徴とする特徴A9又は特徴A10に記載の遊技機。
有利状態中の消化ゲーム数が多くなれば、第2増加報知の実行契機となる特別結果のゲームが生じた可能性は高くなる。そして、有利状態中に第2増加報知の契機となる増加処理が行われない、という条件の上では、有利状態中に第2増加報知が実行されるほど、未報知分はその分少なくなる。そのため、上記構成のようにすることで、有利状態の消化ゲーム数が多くなるほど、第2増加報知が実行されにくくなる構成となり、未報知分が枯渇してしまう事象を生じにくくすることができる。よって、第2増加報知の実行率を第2増加報知の未報知分との関係で違和感なく調節することができる。
特徴A12.前記実行抽選手段は、前記第2増加報知実行手段による前記第2増加報知の未報知分が今回の前記特別結果当選に基づく前記第2増加報知のゲーム数未満である状況を前記第1状況とし、前記未報知分が今回の前記特別結果当選に基づく前記第2増加報知のゲーム数以上である状況を前記第2状況とすることが可能であることを特徴とする特徴A9乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成では、未報知分のゲーム数を直接的に判別して実行抽選の当選確率を異ならせる構成となり、未報知分がない又は少ない場合に第2増加報知を実行しようとする等の事象の発生をより確実に回避することができる。
特徴A13.前記特典付与手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であり、前記有効位置に予め定められた特別の絵柄組合せが停止した場合に、当該特別結果に対応する特典を付与するものであり、
前記抽選手段による抽選結果として、前記第3増加報知実行手段による前記第2増加報知の実行契機とならない特殊結果(BB中第2役)が設けられており、
前記特典付与手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果であり、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止した場合に、当該特殊結果に対応する特典を付与可能であることを特徴とする特徴A7乃至A12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2増加報知の実行契機となり得る特別結果に対応する特別の絵柄組合せが、特別結果当選時以外にも出現し得るものとなる。当該特別結果当選時以外の特殊結果に基づいては、第2増加報知は実行されないため、特別の絵柄組合せが出現したからといって、必ず第2増加報知が実行されるとは限られない。このようにすることで、第2増加報知が実行されない場面も含めて、実際に増加処理が行われる場合の事象と似せることができ、有利状態中の第2増加報知について、あたかも増加処理が行われたかのように思わせる効果が高められる。
特徴A14.前記特別結果に対応する特典と、前記特殊結果に対応する特典とが共通していることを特徴とする特徴A13に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果当選時と特殊結果当選時との停止出目を共通化する構成において、さらにいずれの結果であっても付与される特典を共通化することで、第2増加報知の実行契機をわかりにくくする効果をより高めることが可能となる。
特徴A15.前記抽選手段による抽選結果が予め定められた契機結果である場合に前記特定条件が成立するか否かの第1特別抽選を実行可能な第1特別抽選手段(主制御装置101によるアタックモード等のゲーム数上乗せ抽選処理を実行する機能)と、
前記第1特別抽選手段による抽選結果が前記特定条件成立とする結果である場合、当該特定条件成立に基づく前記増加処理についての増加報知の態様を、前記第1増加報知実行手段による前記第1増加報知の態様及び前記第2増加報知実行手段による前記第2増加報知の態様を含む複数の態様から一の態様を選択する第2特別抽選を実行可能な第2特別抽選手段(主制御装置101による後乗せ抽選処理を実行する機能)と、
を備え、
前記契機結果として、前記抽選手段による当選確率が相対的に肯定となる高確率契機結果(押し順ベル、押し順リプレイ)と低確率契機結果(強チェリーや弱スイカ等のレア役)とが設定されており、
前記高確率契機結果に基づく前記第1特別抽選にて当選結果となった場合の前記第2特別抽選では、前記低確率契機結果に基づく前記第1特別抽選にて当選結果となった場合の前記第2特別抽選よりも、前記第2増加報知実行手段による前記第2増加報知の態様が選択され易いことを特徴とする特徴A1乃至A14のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、高確率契機結果に基づく増加処理のほうが低確率契機結果に基づく増加処理よりも、第2増加報知実行手段による前記第2増加報知の対象となり易くなる。抽選手段による抽選結果が低確率契機結果であり、所謂レア役と称される結果の場合、一般的には派手な演出が行われる等して、遊技者はその当選に気づき易いだけでなく、増加処理の契機が発生したことを認識し易い。一方、抽選手段による抽選結果が高確率契機結果であると、低確率契機結果の場合よりも、それが増加処理の契機となることを認識しにくい。このような前提のもと、上記のように高確率契機結果に基づく増加処理は第2増加報知の対象となり易い構成とすることで、増加処理が行われたことや、第2増加報知実行手段による未報知分が蓄積されていることが悟られにくくなる。このようにすることで、有利状態中に第2増加報知が行われた場合に、その第2増加報知が何の結果由来の増加報知かについても悟られにくくなる。
なお、上記構成は、「前記低確率契機結果に基づく前記第1特別抽選のほうが、前記高確率契機結果に基づく前記第1特別抽選よりも当選結果となり易い」との構成を限定すると、高確率契機結果に基づいて増加処理が行われたことを悟られにくくする効果をより高めることが可能となる。
特徴A16.前記抽選手段による抽選結果が前記移行結果である場合、前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せが停止するまで当該移行結果当選が留保される構成であり、
前記駆動制御手段は、前記移行結果当選時に前記有効位置に第1当選時用の絵柄組合せと当該第1当選時用の絵柄組合せとは異なる第2当選時用の絵柄組合せを含む複数の絵柄組合せが停止可能となるように各前記周回体を制御するものであり、
前記第1当選時用の絵柄組合せが停止した場合には前記第3増加報知実行手段による前記第2増加報知の実行を許容する一方、前記第2当選時用の絵柄組合せが停止した場合には前記第3増加報知実行手段による前記第2増加報知の実行を制限する手段(主制御装置101によるフリーズ制限フラグをセットする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A15のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行結果当選時の停止出目によって、その後移行した有利状態中の第2増加報知の実行の有無が異なる。より詳しくは、移行結果当選ゲームにおいて、第1当選時用の絵柄組合せを停止させると第2増加報知が実行され、第2当選時の絵柄組合せを停止させると第2増加報知の実行が制限される。これら停止出目は、遊技者による停止操作手段の操作に基づいて出現するものであるところ、第1当選時用の絵柄組合せが停止するか、第2当選時用の絵柄組合せが停止するかは、基本的には遊技者の操作に委ねられている事項といえる。つまり、有利状態中における第2増加報知の実行の有無を、遊技者が選択し得る構成となり、遊技者の多様なニーズに応じて演出を発生させることが可能となる。
特徴A17.遊技状態として、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる低有利状態(通常区間)と高有利状態(有利区間)とが設定されており、
予め定められた終了条件が成立したことに基づいて、前記高有利状態を前記低有利状態へ移行させる低有利移行手段(主制御装置101による区間表示第2処理において通常の終了条件が成立したことに基づく有利区間の終了処理を実行する機能)と、
前記高有利状態の残数を把握する把握手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、
予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記残数を増加させる増加処理を実行可能な増加手段(主制御装置101によるゲーム数上乗せ処理を実行する機能)と、
前記増加手段により前記増加処理が行われた場合に、当該増加処理が行われたことの増加報知(上乗せ報知)を所定の報知手段(補助表示部65)にて実行可能な第1増加報知実行手段(主制御装置101による上乗せ報知演出を実行するための処理を行う機能)と、
前記特定条件が成立したものの前記増加手段による前記増加処理が実行されていない、又は前記増加手段により前記増加処理が行われたものの前記増加報知が実行されていない未実行分を把握する未実行分把握手段(主制御装置101による後乗せカウンタBGを把握する処理を実行する機能)と、
前記特定条件の成立が制限される所定の制限期間中において、前記未実行分把握手段により把握される前記未実行分についての前記増加報知を所定の報知手段にて実行可能な第2増加報知実行手段(主制御装置101によるBB中疑似上乗せ用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる高有利状態と低有利状態とがあり、高有利状態は特定条件が成立すると高有利状態の残数が増加されるといった所謂上乗せ機能を有しており、残数の増加に対応する増加報知が行われるため、当該特定条件が成立することへの期待感が高められている。しかも、上記構成においては、特定条件の成立が制限される所定の制限期間中に、増加処理や増加報知の未実行分に基づいて増加報知が行われる場合があり、このような制限期間中においても、高有利状態の注目度が高められている。よって、実際の残数と報知される回数とに齟齬が生じないようにしつつ、高有利状態中の興趣を好適に向上させることができる。
なお、上記「低有利移行手段」は、以下のように表現してもよい。
「前記高有利状態が終了した場合に前記低有利状態に移行させる低有利移行手段」や、「前記高有利状態において前記把握手段により把握される前記残数に基づいて、当該高有利状態を前記低有利状態へ移行させる低有利移行手段」。
なお、上記特徴A17の構成に対し、特徴A1乃至A16にて示した構成を個別に適用してもよいし、特徴A1乃至A16にて示した構成を組合せて適用してもよい。この場合、「高有利状態」を「特定遊技状態」、「低有利状態」を「通常遊技状態」、「所定の制限期間」を「有利状態」、「第1増加報知実行手段」を「第1増加報知実行手段」及び「第2増加報知実行手段」、「第2増加報知実行手段」を「第3増加報知実行手段」等として適宜読み替えて適用するとよい。
特徴A18.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定移行結果(例えば、特リプAB重複1)であって、前記有効位置に当該特定移行結果に対応する移行用の絵柄組合せが停止したことに基づいて、遊技状態を遊技者とって有利な特定有利状態(制限対象ボーナス)に移行させる有利移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理において制限対象ボーナスへ移行させる処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる低有利状態(通常区間)と高有利状態(有利区間)とが設定されており、
予め定められた終了条件が成立したことに基づいて、前記高有利状態を前記低有利状態へ移行させる低有利移行手段(主制御装置101による区間表示第2処理において通常の終了条件が成立したことに基づく有利区間の終了処理を実行する機能)と、
前記高有利状態の残数を把握する把握手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、
予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記残数を増加させる増加処理を実行可能な増加手段(主制御装置101によるゲーム数上乗せ処理を実行する機能)と、
前記増加手段により前記増加処理が行われた場合に、当該増加処理が行われたことの増加報知(上乗せ報知)を所定の報知手段(補助表示部65)にて実行可能な第1増加報知実行手段(主制御装置101による上乗せ報知演出を実行するための処理を行う機能)と、
前記特定条件が成立したものの前記増加手段による前記増加処理が実行されていない、又は前記増加手段により前記増加処理が行われたものの前記増加報知が実行されていない未実行分を把握する未実行分把握手段(主制御装置101による後乗せカウンタBGを把握する処理を実行する機能)と、
所定の前記特定有利状態中において、前記未実行分把握手段により把握される前記未実行分についての前記増加報知を所定の報知手段にて実行可能な第2増加報知実行手段(主制御装置101によるBB中疑似上乗せ用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、抽選手段による抽選結果が特定移行結果となり、特定移行結果に対応する移行用の絵柄組合せが停止すると遊技者にとって有利な特定有利状態に移行する。このような構成において、更に、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる高有利状態と低有利状態とがあり、高有利状態は特定条件が成立すると高有利状態の残数が増加されるといった所謂上乗せ機能を有しており、残数の増加に対応する増加報知が行われるため、当該特定条件が成立することへの期待感が高められている。しかも、特定有利状態中においては、増加処理や増加報知の未実行分に基づいて増加報知が行われる場合があり、高有利状態に関する注目度が高められている。この場合、未実行分の増加報知であれば実際に特定条件を成立させる必要がないため、例えば、特定有利状態において特定条件が成立し得ないような構成や特定条件の成立が制限されるような構成、特定条件が成立しにくくなる構成においても増加報知を実行することが可能となる。よって、実際の残数と報知される数とに齟齬が生じないようにしつつ、高有利状態中の興趣を好適に向上させることができる。
なお、上記「低有利移行手段」は、以下のように表現してもよい。
「前記高有利状態が終了した場合に前記低有利状態に移行させる低有利移行手段」や、「前記高有利状態において前記把握手段により把握される前記残数に基づいて、当該高有利状態を前記低有利状態へ移行させる低有利移行手段」。
特徴A19.所定の前記特定有利状態において、前記特定条件の成立を制限する手段(主制御装置101によるステップS3601の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A18に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利な特定有利状態において特定条件を成立させないようにしても増加報知を実行することが可能となり、特定有利状態の有利度を高めすぎることなく、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
なお、上記構成は、以下のように表現してもよい。
「所定の前記特定有利状態においては、前記特定条件の成立が制限される」。
特徴A20.遊技媒体の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数段階設けられており、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値が設定される設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段により第1設定値が設定されている場合と前記第1設定値とは異なる第2設定値が設定されている場合とで、前記第2増加報知実行手段により前記増加報知が実行される確率が共通していることを特徴とする特徴A18又は特徴A19に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定有利状態中に増加報知が実行される確率は設定値に関わらず共通しているため、特定有利状態中の増加報知の発生率から設定値の予測を行いにくくすることができる。特に、設定値による遊技媒体の増減の幅を小さくすべき、との考えからすると、高有利状態に関しては設定値による有利度の差が生じないようにすべきものと考えられるし、増加処理の実行率、すなわち増加報知の発生率も設定値による差が生じないようにすべきものと考えられる。そうすると、上記構成のように特定有利状態中の増加報知の発生率を設定値による差が生じないようにしておけば、高有利状態中の増加報知との関係で齟齬が生じず、特定有利状態中の増加報知を違和感なく楽しませることが可能となる。
なお、上記構成は、以下のように表現してもよい。
「前記設定手段により第1設定値が設定されている場合と前記第1設定値とは異なる第2設定値が設定されている場合とで、所定の前記特定有利状態における所定ゲームでの前記第2増加報知実行手段により前記増加報知が実行される確率が共通している」。
特徴A21.遊技媒体の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数段階設けられており、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値が設定される設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段により第1設定値が設定されている場合と前記第1設定値とは異なる第2設定値が設定されている場合とで、前記第2増加報知実行手段により所定態様にて前記増加報知が実行される確率が異なっていることを特徴とする特徴A18乃至A20のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定有利状態中に所定態様にて増加報知が実行される確率が設定値によって異なっている。そのため、例えば、所定態様の増加報知の実行率が高くなる設定値とその実行率が低くなる設定値とで、増加報知の発生回数の差が大きくなり、高い側の設定値で受ける印象(たくさん増加報知が実行されるので嬉しいイメージ)と低い側の設定値で受ける印象(なかなか増加報知が実行されないので嬉しくないイメージ)との差も大きくなる。その一方で、特定有利状態中の増加報知は、その実行率を高くしても有利度に影響がないため、全遊技中の増加報知の発生回数の差も、有利度に影響を及ぼさない。このようにすることで、設定値の違いによって実質的な有利度の差よりも、与える印象の差を大きくすることが可能となり、遊技の公平性を担保しながら遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、上記構成は、以下のように表現してもよい。
「前記設定手段により第1設定値が設定されている場合と前記第1設定値とは異なる第2設定値が設定されている場合とで、所定の前記特定有利状態における所定ゲームでの前記第2増加報知実行手段により所定態様にて前記増加報知が実行される確率が異なっている」。
特徴A22.少なくとも前記低有利移行手段を有する第1制御手段(主制御装置101)と、前記第1増加報知実行手段を有する第2制御手段(表示制御装置81)と、を備え、
前記未実行分把握手段は前記第1制御手段が有していることを特徴とする特徴A18乃至A21のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者の利益に関与する低有利状態移行手段を第1制御手段に設け、第1増加報知実行手段等の報知用の構成を第2制御手段に設けることで、機能の分散化を図りながら各処理を好適に実行可能とするとともに、利益に関与する手段を第1制御手段に集約することで不正行為等の対策を好適に図ることが可能となる。
そのうえで、未実行分把握手段を第1制御手段側に設ける構成とすることで、未実行分把握手段の把握結果を、第1制御手段側の処理に反映させることが可能となる。すなわち、例えば、未実行分把握手段の把握結果を各ゲームの抽選に反映させることが可能であるし、未実行分把握手段の把握結果を各ゲームの結果報知の態様(スロットマシンのリール制御等)に反映させることが可能である。このようにすることで、第2増加報知実行手段による増加報知を、演出として行うとしても、第2制御手段により制御される演出用の表示画面等だけで行う構成と比較して、演出効果をより高めることが可能となる。
なお、上記構成は、「前記第1制御手段から前記第2制御手段へは所定の情報出力が行われ得る一方、前記第2制御手段から前記第1制御手段へは所定の情報出力が行われない」構成を備えることで、第1制御手段側に未実行分把握手段を備えることの意義がより高められる。
特徴A23.前記駆動制御手段が、前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させることを通常遊技動作とし、
前記第2増加報知実行手段により前記増加報知を実行する場合、前記通常遊技動作の開始又は進行が制限される特定遊技動作が行われるように各前記周回体を制御する特別駆動制御手段(主制御装置101による回転演出用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A22に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定有利状態中に増加報知が行われる場合、通常遊技動作の開始や進行が制限される特定遊技動作として、所謂フリーズが発生する。このようにすれば、周回体の周回の開始や停止等の進行が制限されてフリーズしていることを通じて増加報知が行われることを把握可能となるし、当該フリーズ中に増加報知を行えば、増加報知が見逃されることも抑制される。よって、増加報知への注目度を好適に高め、特定有利状態中に増加報知を行うことによる効果を好適に奏することが可能となる。
特徴A24.前記第2増加報知実行手段は、所定の前記特定有利状態において前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特別結果(BB中第3役)となったゲームにおいて、前記増加報知を実行可能であることを特徴とする特徴A18乃至A23のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定有利状態中の抽選結果が特別結果となったゲームにおいて未実行分に基づく増加報知が実行され得る。このようにすることで、特定有利状態中の増加報知が、その実行が予め決定されていたものや単なる演出ではなく、抽選結果として特別結果を引き当てたからこそ発生した、という印象を強めることが可能となる。よって、あたかも実際に増加処理が行われたかのように思わせる効果を高めることが可能となる。
特徴A25.所定の前記特定有利状態において、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合に、前記増加報知を実行するか否かの実行抽選を行う実行抽選手段(主制御装置101による疑似上乗せ抽選処理を実行する機能)を備え、
前記第2増加報知実行手段は、前記実行抽選手段による抽選結果に応じて前記増加報知を実行することを特徴とする特徴A24に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果当選となるだけで第2増加報知実行手段による増加報知が実行されるのではなく、実行抽選を経て増加報知が実行される。そのため、特別結果当選となった場合に増加報知が実行されない場合もある。このようにすることで、より実際の増加処理のフローに近い流れで増加報知が行われることとなり、増加処理が行われたかのように思わせる効果が高められる。
それだけでなく、上記構成のようにすることで、特定有利状態中の抽選結果が特別結果となった場合に、増加報知を実行しなくても違和感を与えにくくなる。つまり、特徴A18に記載のとおり、第2増加報知実行手段は、未実行分に基づいて増加報知を実行する構成であり、未実行分が存在しない場合には、例えば特別結果当選とならないように抽選テーブルを変更する等、増加報知を実行しなくてもよい特別な構成が必要となり得る。その点、上記構成のように実行抽選を経る構成であれば、未実行分が存在しない場合には、単に実行抽選に非当選となるようにすればよく、特別な構成を用いることなく、うまく増加報知の実行の有無を管理することが可能となる。
特徴A26.前記実行抽選手段は、所定の前記特定有利状態へ第1状況にて移行した場合は前記実行抽選の当選確率を第1確率とし、所定の前記特定有利状態へ前記第1状況とは異なる第2状況にて移行した場合は前記実行抽選の当選確率を前記第1確率よりも高い第2確率とすることが可能であることを特徴とする特徴A25に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定有利状態へ移行した状況に応じて、特別結果当選時の増加報知の実行確率を異ならせる構成となり、増加報知の実行態様が多様化され、特定有利状態中の増加報知による遊技において、興趣向上を好適に図ることができる。
特徴A27.前記実行抽選手段は、前記高有利状態への移行後のゲーム数が所定数未満である状況を前記第1状況とし、前記移行後のゲーム数が前記所定数以上である状況を前記第2状況とすることが可能であることを特徴とする特徴A26に記載の遊技機。
高有利状態への移行後の消化ゲーム数が多くなれば、第1増加報知実行手段による増加報知の未実行分が存在している可能性も高くなる。また、消化ゲーム数であれば、特定有利状態へ移行する前に特定条件が成立したか否かに左右されず、第1状況か第2状況かが決定される。そのため、上記構成のようにすることで、増加報知の実行率を増加報知の未実行分との関係で違和感なく調節しながら、特定有利状態中の増加報知が未実行分に基づくものであることを特定条件の成否から直接的に予測されにくくすることが可能となる。
特徴A28.前記実行抽選手段は、所定の前記特定有利状態に移行してからのゲーム数が特定数未満である状況を前記第2状況とし、前記移行してからのゲーム数が前記特定数以上である状況を前記第1状況とすることが可能であることを特徴とする特徴A27又は特徴A27に記載の遊技機。
特定有利状態中の消化ゲーム数が多くなれば、増加報知の実行対象となり得るゲームが生じた可能性は高くなるものと考えられる。そして、特定有利状態中において増加報知の契機となる増加処理を行わないとする構成においては、特定有利状態中に増加報知が実行されるほど、未実行分はその分少なくなる。そのため、上記構成のようにすることで、特定有利状態の消化ゲーム数が多くなるほど増加報知が実行されにくくなる構成となり、未実行分が枯渇してしまう事象を生じにくくすることができる。よって、増加報知の実行率を未実行分との関係で違和感なく調節することができる。
特徴A29.前記実行抽選手段は、前記増加報知の未実行分が今回の前記第2増加報知実行手段による増加報知のゲーム数未満である状況を前記第1状況とし、前記未実行分が今回の前記第2増加報知実行手段による増加報知のゲーム数以上である状況を前記第2状況とすることが可能であることを特徴とする特徴A26乃至A28のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成では、未実行分のゲーム数を直接的に判別して実行抽選の当選確率を異ならせる構成となり、未実行分がない又は少ない場合に第2増加報知実行手段が増加報知を実行しようとする等の事象の発生をより確実に回避することができる。
特徴A30.前記特典付与手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であり、前記有効位置に予め定められた特別の絵柄組合せが停止した場合に、当該特別結果に対応する特典を付与するものであり、
前記抽選手段による抽選結果として、前記第2増加報知実行手段による前記増加報知の実行契機とならない特殊結果(BB中第2役)が設けられており、
前記特典付与手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果であり、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止した場合に、当該特殊結果に対応する特典を付与可能であることを特徴とする特徴A24乃至A29のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2増加報知実行手段による増加報知の実行契機となり得る特別結果に対応する特別の絵柄組合せが、特別結果当選時以外にも出現し得るものとなる。特殊結果に基づいては増加報知は実行されないため、特別の絵柄組合せが出現したからといって、必ず増加報知が実行されるとは限られない。このようにすることで、増加報知が実行されない場面も含めて、実際に増加処理が行われる場合の事象と似せることができ、所定期間中の増加報知について、あたかも増加処理が行われたかのように思わせる効果が高められる。
特徴A31.前記特別結果に対応する特典と、前記特殊結果に対応する特典とが共通していることを特徴とする特徴A30に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果当選時と特殊結果当選時との停止出目を共通化する構成において、さらにいずれの結果であっても付与される特典を共通化することで、増加報知の実行契機をわかりにくくする効果をより高めることが可能となる。
特徴A32.前記抽選手段による抽選結果が予め定められた契機結果である場合に前記特定条件が成立するか否かの第1特別抽選を実行可能な第1特別抽選手段(主制御装置101によるアタックモード等のゲーム数上乗せ抽選処理を実行する機能)と、
前記第1特別抽選手段による抽選結果が前記特定条件成立とする結果である場合、当該特定条件成立に基づく前記増加処理及び前記増加報知の少なくとも一方の実行態様を、前記未実行分把握手段による把握対象とされる態様を含む複数の態様から一の態様を選択する第2特別抽選を実行可能な第2特別抽選手段(主制御装置101による後乗せ抽選処理を実行する機能)と、
を備え、
前記契機結果として、前記抽選手段による当選確率が相対的に肯定となる高確率契機結果(押し順ベル、押し順リプレイ)と低確率契機結果(強チェリーや弱スイカ等のレア役)とが設定されており、
前記高確率契機結果に基づく前記第1特別抽選にて当選結果となった場合の前記第2特別抽選では、前記低確率契機結果に基づく前記第1特別抽選にて当選結果となった場合の前記第2特別抽選よりも、前記未実行分把握手段により把握対象とされる態様が選択され易いことを特徴とする特徴A18乃至A31のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、高確率契機結果に基づく特定条件のほうが低確率契機結果に基づく特定条件よりも、増加処理や増加報知が未実行とされて未実行分把握手段による把握対象となり易くなる。抽選手段による抽選結果が低確率契機結果であり、所謂レア役と称される結果の場合、一般的には派手な演出が行われる等して、遊技者はその当選に気づき易いだけでなく、増加処理の契機が発生したことを認識し易い。一方、抽選手段による抽選結果が高確率契機結果であると、低確率契機結果の場合よりも、それが増加処理の契機となることを認識しにくい。このような前提のもと、上記のように高確率契機結果に基づく増加処理や増加報知が未実行となり易い構成とすることで、第2増加報知実行手段による増加報知の対象となる未実行分が蓄積されていることが悟られにくくなる。このようにすることで、特定有利状態中に増加報知が行われた場合に、その増加報知が何の結果由来の増加報知かについても悟られにくくなる。
なお、上記構成は、「前記低確率契機結果に基づく前記第1特別抽選のほうが、前記高確率契機結果に基づく前記第1特別抽選よりも当選結果となり易い」との構成を限定すると、高確率契機結果に基づいて増加処理が行われたことを悟られにくくする効果をより高めることが可能となる。
特徴A33.前記抽選手段による抽選結果が前記特定移行結果である場合、前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せが停止するまで当該特定移行結果当選が留保される構成であり、
前記駆動制御手段は、前記移行結果当選時に前記有効位置に第1当選時用の絵柄組合せと当該第1当選時用の絵柄組合せとは異なる第2当選時用の絵柄組合せを含む複数の絵柄組合せが停止可能となるように各前記周回体を制御するものであり、
前記第1当選時用の絵柄組合せが停止した場合には前記第2増加報知実行手段による前記増加報知の実行を許容する一方、前記第2当選時用の絵柄組合せが停止した場合には前記第2増加報知実行手段による前記増加報知の実行を制限する手段(主制御装置101によるフリーズ制限フラグをセットする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A18乃至A32のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定移行結果当選時の停止出目によって、その後生じる特定有利状態中の増加報知の実行の有無が異なる。より詳しくは、移行結果当選ゲームにおいて、第1当選時用の絵柄組合せを停止させると増加報知が実行されるようになり、第2当選時の絵柄組合せを停止させると増加報知の実行が制限される。これら停止出目は、遊技者による停止操作手段の操作に基づいて出現するものであるところ、第1当選時用の絵柄組合せが停止するか、第2当選時用の絵柄組合せが停止するかは、基本的には遊技者の操作に委ねられている事項といえる。つまり、特定有利状態中における増加報知の実行の有無を、遊技者が選択し得る構成となり、遊技者の多様なニーズに応じて演出を発生させることが可能となる。
<特徴B群>
特徴B1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた第1移行結果(例えば、特リプA重複1)であって、前記有効位置に当該第1移行結果に対応する第1移行用の絵柄組合せが停止したことに基づいて、遊技状態を遊技者とって有利な第1有利状態(制限非対象ボーナス)に移行させる第1有利移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理において制限対象ボーナスへ移行させる処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた第2移行結果(例えば、特リプAB重複1)であって、前記有効位置に当該第2移行結果に対応する第2移行用の絵柄組合せが停止したことに基づいて、遊技状態を遊技者とって有利な第2有利状態(制限対象ボーナス)に移行させる第2有利移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理において制限非対象ボーナスへ移行させる処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第2結果とを有し、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を所定の報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7)にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、通常遊技状態と、前記態様報知手段による前記態様報知の実行頻度が前記通常遊技状態よりも高くなる特定遊技状態(アタックモード、チャレンジモード等を含む有利区間)と、を少なくとも設け、
前記通常遊技状態において前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果であることに基づいて、前記特定遊技状態への移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理を実行する機能)と、
前記移行抽選手段による抽選結果が前記特定遊技状態へ移行させることに対応する結果であることに基づいて、前記特定遊技状態へ移行させる特定移行手段(主制御装置101による入賞結果対応処理を実行する機能)と、
予め定められた終了条件が成立したことに基づいて、前記特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる通常移行手段(主制御装置101による区間表示第2処理において通常の終了条件が成立したことに基づく有利区間の終了処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態の残数を把握する把握手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、
予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記残数を増加させる増加処理を実行可能な増加手段(主制御装置101によるゲーム数上乗せ処理を実行する機能)と、
前記増加手段により前記増加処理が行われた場合に、当該増加処理の結果についての増加報知(即乗せ報知)を所定の報知手段(補助表示部65)にて実行可能な増加報知実行手段(表示制御装置81による上乗せ演出の設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記増加報知実行手段は、前記第1有利状態及び前記第2有利状態のいずれにおいても前記増加報知を実行可能であり、
前記第1有利状態においては前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特別結果(BB中第3役)となった場合に前記特定条件が成立し得る一方、前記第2有利状態においては前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果となった場合には前記特定条件は成立しないことを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、抽選手段による抽選結果が第1移行結果や第2移行結果となり、これら第1移行結果や第2移行結果に対応する絵柄組合せが停止すると遊技者にとって有利な第1有利状態や第2有利状態に移行する。このような構成において、更に、周回体の停止操作態様によって入賞する結果が異なる場合があり、かかる停止操作態様に関する態様報知の有無によって有利度を異ならせる、といった特定遊技状態が設けられている。そして、抽選手段による抽選結果が特定結果となると、特定遊技状態への移行抽選が行われ得るため、各ゲームにおいて有利状態と特定遊技状態との連鎖が生じ得るようになる。
しかも、特定遊技状態においては、特定条件成立に基づいて、当該特定遊技状態の終了契機となり得る残数を増加させる増加処理が行われて増加報知が行われる。そのため、特定遊技状態の態様報知による利益を享受しながら第1有利状態や第2有利状態への当選を待つ遊技性において、増加処理によって、その利益を享受しながら待ちの状況が延長され得るものとなり、上記有利状態と特定遊技状態との連鎖が更に生じ易くなっている。それだけではなく、第1有利状態へ移行すると、当該第1有利状態中においても、増加処理が行われ得るものとなっている。一方、第2有利状態へ移行すると、当該第2有利状態中においては増加処理が行われ得ない。そのため、特定遊技状態中にいずれの有利状態へ移行するかによって、有利度が大きく異なり、そのような観点からも遊技性が格段に向上している。
上記のように、第2有利状態において増加処理を行わないようにすることで、第1有利状態との有利度の差を大きくし、遊技媒体の増減の振れ幅を大きくすることが可能である一方、第2有利状態単体で見ると、第1有利状態への移行を期待していた遊技者からすると、当該第2有利状態中の遊技は面白みがなく、注目度の低下が懸念される。かといって、第2有利状態において、単なる演出として増加報知を行っても、増加処理が行われていないこととの乖離が激しく、かえって注目度低減の要因となってしまう恐れがある。
そこで、上記構成では、第2有利状態中において増加処理は行わないものの増加報知は行う構成としたうえで、当該第2有利状態中の増加報知は、第1有利状態中に増加処理が行われる場合の遊技結果である特別結果を契機として実行される構成としている。つまり、第1有利状態及び第2有利状態のいずれにおいても、増加報知は特別結果となるゲームにて実行されることとなり、第2有利状態中に行う増加報知が、実際の抽選手段による抽選結果に基づくものとなる。よって、第2有利状態中に増加処理を経ずに増加報知を行う場合、その増加報知が単なる演出として行われているのではなく、実際に増加処理を経た増加報知であることの印象強めることが可能となる。これにより、第2有利状態の注目度を好適に高めることが可能となる。
なお、上記構成は、
「前記増加報知実行手段は、前記第1有利状態及び前記第2有利状態のいずれにおいても前記増加報知を実行可能であり、前記第1有利状態においては前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特別結果(BB中第3役)となった場合に前記特定条件が成立し得る一方、前記第2有利状態においては前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果となった場合には前記特定条件は成立しない」を、
「前記増加報知実行手段は、前記第1有利状態及び前記第2有利状態のいずれにおいても前記増加報知を実行可能であり、前記特定条件は、前記第1有利状態において成立し得る一方、前記第2有利状態においては成立しないものであり、前記第1有利状態においては前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特別結果(BB中第3役)となった場合に前記特定条件が成立し得る一方、前記第2有利状態においては前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果となった場合には前記特定条件は成立しない」と表現してもよい。
また、上記「通常移行手段」は、以下のように表現してもよい。
「前記特定遊技状態が終了した場合に前記通常遊技状態へ移行させる通常移行手段」や、「前記特定遊技状態において前記把握手段により把握される前記残数に基づいて、当該特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる通常移行手段」。
特徴B2.前記第1有利状態において前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果当選となる確率と、前記第2有利状態において前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果当選となる確率とが、共通していることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1有利状態における増加報知の発生率と、第2有利状態における増加報知の発生率とが共通し、第2有利状態中の増加報知を、第1有利状態中の増加報知に似せる効果をより高めることが可能となる。
特徴B3.前記特典付与手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であり、前記有効位置に前記特別結果に対応する特別の絵柄組合せが停止した場合に、前記特別結果に対応する特典を付与可能であり、
前記増加報知実行手段は、前記第1有利状態において前記特別の絵柄組合せが前記有効位置に停止可能となるゲームにて前記増加報知を実行可能であり、前記第2有利状態において前記特別の絵柄組合せが前記有効位置に停止可能となるゲームにて前記増加報知を実行可能であることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
上記構成によれば、両有利状態において特別結果当選時に増加報知が行われ得る構成において、抽選結果だけでなく停止出目も共通し、実行された増加報知が抽選結果に基づく増加報知である印象を更に強めることが可能となる。よって、特徴B1の第2有利状態中の注目度向上効果をより好適に発揮することが可能となる。
特に、遊技者の利益に関与する抽選手段による抽選や周回体の駆動等が主側の制御装置にて行われ、表示画面等の演出はサブ側の制御装置にて行われる、という前提に立てば、遊技者は、サブ側の管理下にある演出内容よりも、主側の管理下にある周回体の動作や停止出目を信頼するものと考えられる。すなわち、周回体の動作や停止出目を伴わずに、表示画面等の演出だけで示される内容に関しては、単なる演出として見られる可能性が高くなると考えられる。その点、上記構成においては、停止出目も含めて、第2有利状態中の増加報知と、第1有利状態中の増加報知との演出内容が合致するため、単なる演出ではなく、実際に増加処理が行われたものと判断される可能性が高くなる。
特徴B4.前記特別結果は第1特別結果であり、
前記特典付与手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果であり、前記有効位置に前記第1特別結果に対応する特別の絵柄組合せが停止した場合に、前記第1特別結果に対応する特典を付与可能であり、
前記第1有利状態において前記抽選手段による抽選結果が予め定められた第2特別結果(BB中第1役)となった場合には前記特定条件が成立せず、且つ、前記第2有利状態において前記抽選手段による抽選結果が前記第2特別結果となった場合にも前記特定条件は成立しないものであり、
前記増加報知実行手段は、前記第1有利状態において前記第2特別結果当選であって、前記特別の絵柄組合せが前記有効位置に停止可能となる場合は前記増加報知を実行せず、前記第2有利状態において前記第2特別結果当選であって前記特別の絵柄組合せが前記有効位置に停止可能となる場合は前記増加報知を実行しないことを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
いずれも特別の絵柄組合せとして停止出目が共通する第1特別結果と第2特別結果とが設けられており、第1有利状態では、第1特別結果当選となると増加処理が実行され得る一方、第2特別結果当選となると増加処理は実行されない。また、第2有利状態では、第1特別結果及び第2特別結果のいずれに当選しても増加処理は実行されない。このようにすれば、第1有利状態及び第2有利状態中に実行され得る増加報知が第1特別結果及び第2特別結果のいずれを契機とする増加報知であるかがわかりにくくなり、それによって、第2有利状態中の増加報知が増加処理を経ていないものであることを悟られにくくすることが可能となる。
特徴B5.前記第1有利状態において前記抽選手段による抽選結果が前記第2特別結果当選となる確率と、前記第2有利状態において前記抽選手段による抽選結果が前記第2特別結果当選となる確率とが、共通していることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1有利状態中に特別の絵柄組合せが停止する場合における増加報知の発生率と、第2有利状態中に特別の絵柄組合せが停止する場合における増加報知の発生率とが共通し、第2有利状態中の増加報知を、第1有利状態中の増加報知に似せる効果をより高めることが可能となる。
特徴B6.前記増加報知実行手段は、前記特別の絵柄組合せが前記有効位置に停止した後のタイミングで前記第1有利状態及び第2有利状態中の前記増加報知を実行可能であることを特徴とする特徴B3乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別の絵柄組合せが停止可能となる場合に増加報知が行われるものにおいて、その増加報知は、特別の絵柄組合せが停止した後に実行される。表示演出等の報知よりも、停止出目のほうが遊技者を信頼させる効果が高いという前提に立つと、上記構成は、増加報知の前にその報知内容の信頼性を付与する構成といえる。つまり、停止出目によって実際に増加処理が行われたと判断乃至確信させたうえで、増加報知を実行する構成である。よって、第2有利状態中の増加報知を、増加処理を伴うものであると思わせる効果をより高めることが可能となる。
特徴B7.前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果となった場合に、当該特別結果となったゲームが前記第1有利状態と前記第2有利状態とのいずれであるかを判定する判定処理を実行可能な判定手段(主制御装置101によるステップS3601の処理を実行する機能)を備え、
前記増加報知実行手段は、前記判定手段により前記第1有利状態であると判定された場合には第1処理を実行し、前記第2有利状態であると判定された場合には前記第1処理とは異なる処理を実行することを特徴とする特徴B1乃至B6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1有利状態と第2有利状態とで同じ特別結果を用いて増加報知を行う構成において、判定手段による判定結果に基づいて増加報知用の処理が第1処理と第2処理とで異なる。つまり、第1有利状態と第2有利状態とで、特別結果当選時の処理構成が途中まで共通しており、上記各特徴の優れた効果を奏するうえで、処理構成の複雑化が抑制される。
特徴B8.前記第1処理と前記第2処理とで、少なくとも所定の共通処理(主制御装置101による表示用残数カウンタHGの加算処理)が存在するように、前記第1処理及び前記第2処理が設定されていることを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1有利状態と第2有利状態とで、特別結果当選となった場合の判定処理以降の処理が異なる構成において、当該判定処理以降の処理に共通処理が設定されているため、遊技機において有利状態の区別を容易なものとしつつも、似た処理構成となり、処理構成の更なる簡素化が図られる。
特徴B9.前記増加報知実行手段は、
前記第1有利状態において、当該第1有利状態中の前記特別結果当選に基づいて実行された前記増加処理の結果についての前記増加報知を実行可能であり、
前記第2有利状態において、当該第2有利状態に移行するよりも前に実行された前記増加処理の結果についての前記増加報知を、前記特別結果当選に基づいて実行可能であることを特徴とする特徴B1乃至B8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1有利状態中においては当該第1有利状態中の特別結果当選に基づいて実行された増加処理の結果に対応する増加報知を実行することを前提とし、第2有利状態中においては、第2有利状態移行前に行われた増加処理の結果に対応する増加報知を特別結果当選に基づいて実行する。このようにすれば、第2有利状態中に特定条件が成立しない構成においても、第2有利状態中に増加報知を実行可能となるし、その増加報知が有利状態中に実行された増加処理に対応するものである印象を強めることが可能となる。
特徴B10.前記第1移行用の絵柄組合せと前記第2移行用の絵柄組合せとが共通していることを特徴とする特徴B1乃至B9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1有利状態へ移行する第1移行用の絵柄組合せと、第2有利状態へ移行する第2移行用の絵柄組合せとが共通しているため、移行時の停止出目からは、今回の有利状態がいずれかを判断できなくなる。これにより、実行される増加報知が、増加処理を経た増加報知かそうではない増加報知かの判断もしにくくなり、第2有利状態中の注目度を好適に高めることができる。
特徴B11.前記第1移行結果及び前記第2移行結果は、いずれも前記第1有利状態又は前記第2有利状態への移行を可能とする有利結果(第1BB)を含み、且ついずれか一方は前記有利結果とは異なる重複結果(特リプB)を含む結果であり、
前記特典付与手段は、前記有効位置に、前記重複結果に対応する絵柄組合せであって、前記第1移行用の絵柄組合せ及び前記第2移行用の絵柄組合せとは異なる重複用の絵柄組合せが停止したことに基づいて前記重複結果に対応する特典を付与することを特徴とする特徴B1乃至B10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1移行結果と第2移行結果とは、当選内容として重複結果を含むか否かの差があり、重複結果は第1移行用の絵柄組合せや第2移行用の絵柄組合せとは異なる重複用の絵柄組合せが停止することで入賞する。そのため、重複用の絵柄組合せを停止させて重複結果入賞を成立させることで、第1移行結果当選か第2移行結果当選かを判断することが可能となる。これにより、上記のように第2有利状態中の増加報知を、あたかも増加処理を経たものと思わせる効果を得つつも、第2有利状態中の増加報知が増加処理を経ていないものと判定しようと思えば可能とし、演出を楽しみたい遊技者とそうではない遊技者との相反するニーズに応じることが可能となる。
特徴B12.前記停止操作手段が、前記重複結果に対応する前記重複用の絵柄組合せを停止可能となる第1態様にて操作された場合は当該重複用の絵柄組合せが停止可能となる一方、当該第1態様とは異なる第2態様にて操作された場合は前記重複用の絵柄組合せとは異なる他の絵柄組合せが停止するものであり、
前記他の絵柄組合せは、前記第1移行結果及び前記第2移行結果のいずれに当選している場合でも停止し得るものであることを特徴とする特徴B11に記載の遊技機。
上記構成によれば、重複結果入賞を成立させて第1移行結果と第2移行結果の判断をしようとするには、第1態様にて停止操作手段を操作する必要があり、第1態様ではなく第2態様としてしまうと第1移行結果と第2移行結果との判断はできなくなる。よって、停止操作手段を第1態様として操作することできた場合にのみ、増加報知が第1増加報知か第2増加報知かの判断を行うことが可能となる。このようにすれば、演出を楽しみたければ第2態様にて操作すればよいし、そうでなければ第1態様にて操作すれば良くなり、遊技者のニーズを停止操作手段の操作態様によって遊技機側でくみ取ることが可能となる。
特徴B13.前記第2態様は前記第1態様よりも遊技者が容易に操作可能な態様であることを特徴とする特徴B12に記載の遊技機。
上記構成によれば、増加報知の種別を判断可能となるには、より困難な第1態様にて操作する必要が生じ、停止操作手段を操作して遊技を進行するスロットマシンの遊技性において、増加報知の種別の判断の有無ですら遊技性に組み込むことが可能となる。
なお、上記構成は以下のように表現してもよい。
「各前記周回体のうち特定周回体(左リール32L)において、前記重複用の絵柄組合せに対応する絵柄の配置数が、前記他の絵柄組合せに対応する絵柄の配置数よりも少ない」構成や、「前記停止操作手段の操作が前記第1態様となる期間は前記第2態様となる期間よりも短い」構成。
特徴B14.前記特定条件は、前記第1移行結果当選となったゲームでは成立し得る一方、前記第2移行結果当選となったゲームでは成立しないことを特徴とする特徴B1乃至B13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定条件が成立し得る第1有利状態と、特定条件が成立しない第2有利状態との関係性と一致し、特定条件の成否によって出玉調節する効果を、当選ゲームを含めて期待することができる。
特に、特徴B11のように当選ゲームの停止出目が異なり得る構成に本構成を適用すれば、当該当選ゲームにおいて特定条件が成立するか否かといった点に注目しながら遊技が行われるであろうことを前提とすると、おのずと、各停止操作手段の停止操作も慎重な操作となり易く、当該当選ゲームの停止出目への関心が寄せられ易くなる。よって、特徴B11の効果をより好適に奏することが可能となる。
特徴B15.遊技媒体の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数段階設けられており、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値が設定される設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段により第1設定値が設定されている場合と前記第1設定値とは異なる第2設定値が設定されている場合とで、前記抽選手段による抽選結果が前記第1移行結果となる確率は共通している一方、前記抽選手段による抽選結果が前記第2移行結果となる確率は異なっていることを特徴とする特徴B1乃至B14のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、増加処理が行われる(特定条件が成立し得る)第1有利状態は、設定値に関わらず当選確率が共通しており、増加処理が行われない(特定条件が成立しない)第2有利状態は、設定値によって当選確率が異なる。このようにすることで、停止操作態様によって入賞結果や有利度を異ならせる遊技性を、第2有利状態によって設定値に関わらず実現し、そのうえで、当該第2有利状態を、設定値によって当選確率が異なる第1有利状態に似せて、あたかも上記停止操作態様についての遊技性に設定値が関与するかのような印象を与えることも可能となる。
特徴B16.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた第1移行結果(例えば、特リプA重複1)であって、前記有効位置に当該第1移行結果に対応する第1移行用の絵柄組合せが停止したことに基づいて、遊技状態を遊技者とって有利な第1有利状態(制限非対象ボーナス)に移行させる第1有利移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理において制限対象ボーナスへ移行させる処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた第2移行結果(例えば、特リプAB重複1)であって、前記有効位置に当該第2移行結果に対応する第2移行用の絵柄組合せが停止したことに基づいて、遊技状態を遊技者とって有利な第2有利状態(制限対象ボーナス)に移行させる第2有利移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理において制限非対象ボーナスへ移行させる処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第2結果とを有し、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を所定の報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7)にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、通常遊技状態と、前記態様報知手段による前記態様報知の実行頻度が前記通常遊技状態よりも高くなる特定遊技状態(アタックモード、チャレンジモード等を含む有利区間)と、を少なくとも設け、
前記通常遊技状態において前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果であることに基づいて、前記特定遊技状態への移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理を実行する機能)と、
前記移行抽選手段による抽選結果が前記特定遊技状態へ移行させることに対応する結果であることに基づいて、前記特定遊技状態へ移行させる特定移行手段(主制御装置101による入賞結果対応処理を実行する機能)と、
予め定められた終了条件が成立したことに基づいて、前記特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる通常移行手段(主制御装置101による区間表示第2処理において通常の終了条件が成立したことに基づく有利区間の終了処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態の残数を把握する把握手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、
予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記残数を増加させる増加処理を実行可能な増加手段(主制御装置101によるゲーム数上乗せ処理を実行する機能)と、
前記増加手段により前記増加処理が行われた場合に、当該増加処理の結果についての増加報知(即乗せ報知)を所定の報知手段(補助表示部65)にて実行可能な第1増加報知実行手段(表示制御装置81による上乗せ演出の設定処理を実行する機能)と、
前記第1有利状態において前記特定条件が成立した場合には前記増加手段による前記増加処理の実行を許容する一方、前記第2有利状態において前記特定条件が成立した場合には前記増加手段による前記増加処理の実行を制限する特定手段(主制御装置101による制限非対象ボーナス中の上乗せ抽選を許容し、制限対象ボーナス中の上乗せ抽選を制限するように設定された上乗せ抽選テーブル)と、
前記第2有利状態において前記特定条件が成立した場合に、前記増加手段による前記増加処理が実行されていない、又は前記増加手段により前記増加処理が行われたものの前記増加報知が実行されていない未実行分に基づいて前記増加報知を所定の報知手段(補助表示部65)にて実行可能な第2増加報知実行手段(主制御装置101によるBB中疑似上乗せ用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、抽選手段による抽選結果が第1移行結果や第2移行結果となり、これら第1移行結果や第2移行結果に対応する絵柄組合せが停止すると遊技者にとって有利な第1有利状態や第2有利状態に移行する。このような構成において、更に、周回体の停止操作態様によって入賞する結果が異なる場合があり、かかる停止操作態様に関する態様報知の有無によって有利度を異ならせる、といった特定遊技状態が設けられている。そして、抽選手段による抽選結果が特定結果となると、特定遊技状態への移行抽選が行われ得るため、各ゲームにおいて有利状態と特定遊技状態との連鎖が生じ得るようになる。
しかも、特定遊技状態においては、特定条件成立に基づいて、当該特定遊技状態の終了契機となり得る残数を増加させる増加処理が行われて増加報知が行われる。そのため、特定遊技状態の態様報知による利益を享受しながら第1有利状態や第2有利状態への当選を待つ遊技性において、増加処理によって、その利益を享受しながら待ちの状況が延長され得るものとなり、上記有利状態と特定遊技状態との連鎖が更に生じ易くなっている。それだけではなく、第1有利状態へ移行すると、当該第1有利状態中においても、増加処理が行われ得るものとなっている。一方、第2有利状態へ移行すると、当該第2有利状態中においては増加処理が行われ得ない。そのため、特定遊技状態中にいずれの有利状態へ移行するかによって、有利度が大きく異なり、そのような観点からも遊技性が格段に向上している。
上記のように、第2有利状態において増加処理を行わないようにすることで、第1有利状態との有利度の差を大きくし、遊技媒体の増減の振れ幅を大きくすることが可能である一方、第2有利状態単体で見ると、第1有利状態への移行を期待していた遊技者からすると、当該第2有利状態中の遊技は面白みがなく、注目度の低下が懸念される。かといって、第2有利状態において、単なる演出として増加報知を行っても、増加処理が行われていないこととの乖離が激しく、かえって注目度低減の要因となってしまう恐れがある。
そこで、上記構成では、第2有利状態中において特定条件が成立しても増加処理は行わないものの、増加処理や増加報知の未実行分に基づいて増加報知を行う構成としたことで、実際の残数と報知される数とに齟齬が生じないようにしつつ、第2有利状態における遊技性を向上させることが可能となる。よって、第2有利状態における有利度を高めすぎることなく、遊技の注目度を高めることができる。
なお、上記「通常移行手段」は、以下のように表現してもよい。
「前記特定遊技状態が終了した場合に前記通常遊技状態へ移行させる通常移行手段」や、「前記特定遊技状態において前記把握手段により把握される前記残数に基づいて、当該特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる通常移行手段」。
特徴B17.前記第1有利状態において前記特定条件が成立する確率と、前記第2有利状態において前記特定条件が成立する確率とが、共通していることを特徴とする特徴B16に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1有利状態における増加報知の発生率と、第2有利状態における増加報知の発生率とが共通し、第2有利状態中の増加報知を、第1有利状態中の増加報知に似せる効果をより高めることが可能となる。
特徴B18.前記特定条件は、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特別結果(BB中第3役)となった場合に成立し得るものであり、
前記特定手段は、前記第1有利状態において前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果となった場合に前記増加処理の実行を許容する一方、前記第2有利状態において前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果となった場合に前記増加処理の実行を制限することを特徴とする特徴B16又は特徴B17に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1有利状態と第2有利状態とで、特定条件成立の契機となる遊技結果が特別結果として共通なものとなる。このようにすることで、実際には増加処理の実行が制限される第2有利状態中の増加報知についても、増加処理が行われたような印象を強く与えることが可能となる。
特徴B19.前記特典付与手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であり、前記有効位置に前記特別結果に対応する特別の絵柄組合せが停止した場合に、前記特別結果に対応する特典を付与可能であり、
前記特定手段により、前記第1有利状態中において前記増加処理の実行が許容される場合と、前記第2有利状態中において前記増加処理の実行が制限される場合とで、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止し得ることを特徴とする特徴B18に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果当選時に増加報知が行われ得る構成において、抽選結果だけでなく停止出目も共通し、実行された増加報知が抽選結果に基づく増加報知である印象を更に強めることが可能となる。よって、第2有利状態中の注目度向上効果をより好適に発揮することが可能となる。
特に、遊技者の利益に関与する抽選手段による抽選や周回体の駆動等が主側の制御装置にて行われ、表示画面等の演出はサブ側の制御装置にて行われる、という前提に立てば、遊技者は、サブ側の管理下にある演出内容よりも、主側の管理下にある周回体の動作や停止出目を信頼するものと考えられる。すなわち、周回体の動作や停止出目を伴わずに、表示画面等の演出だけで示される内容に関しては、単なる演出として見られる可能性が高くなると考えられる。その点、上記構成においては、停止出目も含めて、第2有利状態中の増加報知と、第1有利状態中の増加報知との演出内容が合致するため、単なる演出ではなく、実際に増加処理が行われたものと判断される可能性が高くなる。
特徴B20.前記特別結果は第1特別結果であり、
前記抽選手段による抽選結果として、前記第1特別結果とは異なる第2特別結果(BB中第2役)が設定されており、
前記特典付与手段は、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果であり、前記有効位置に前記第1特別結果に対応する特別の絵柄組合せが停止した場合に、前記第1特別結果に対応する特典を付与可能であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記第2特別結果であり、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止した場合に、前記第2特別結果に対応する特典を付与可能であり、
前記特定条件は、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特別結果(BB中第3役)となった場合に成立しないことを特徴とする特徴B19に記載の遊技機。
いずれも特別の絵柄組合せとして停止出目が共通する第1特別結果と第2特別結果とが設けられており、第1有利状態では、第1特別結果当選となると増加処理が実行され得る一方、第2特別結果当選となると増加処理は実行されない。また、第2有利状態では、第1特別結果及び第2特別結果のいずれに当選しても増加処理は実行されない。このようにすれば、第1有利状態及び第2有利状態中に実行され得る増加報知が第1特別結果及び第2特別結果のいずれを契機とする増加報知であるかがわかりにくくなり、それによって、第2有利状態中の増加報知が増加処理を経ていないものであることを悟られにくくすることが可能となる。
なお、「第2特別結果」について、「前記第1有利状態及び前記第2有利状態中における前記抽選手段による抽選結果として前記第1特別結果とは異なる第2特別結果」と表現することで、両有利状態中に第2特別結果当選となることによる効果をより明確に奏することが可能となる。
特徴B21.前記第1有利状態において前記抽選手段による抽選結果が前記第2特別結果当選となる確率と、前記第2有利状態において前記抽選手段による抽選結果が前記第2特別結果当選となる確率とが、共通していることを特徴とする特徴B20に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1有利状態中に特別の絵柄組合せが停止する場合における増加報知の発生率と、第2有利状態中に特別の絵柄組合せが停止する場合における増加報知の発生率とが共通し、第2有利状態中の増加報知を、第1有利状態中の増加報知に似せる効果をより高めることが可能となる。
特徴B22.前記第2増加報知実行手段は、前記特別の絵柄組合せが前記有効位置に停止した後のタイミングで前記増加報知を実行可能であることを特徴とする特徴B19乃至B21のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別の絵柄組合せが停止可能となる場合に増加報知が行われるものにおいて、その増加報知は、特別の絵柄組合せが停止した後に実行される。表示演出等の報知よりも、停止出目のほうが遊技者を信頼させる効果が高いという前提に立つと、上記構成は、増加報知の前にその報知内容の信頼性を付与する構成といえる。つまり、停止出目によって実際に増加処理が行われたと判断乃至確信させたうえで、増加報知を実行する構成である。よって、第2有利状態中の増加報知を、増加処理を伴うものであると思わせる効果をより高めることが可能となる。
特徴B23.前記特定条件は、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特別結果(BB中第3役)となった場合に成立し得るものであり、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果となった場合に、当該特別結果となったゲームが前記第1有利状態と前記第2有利状態とのいずれであるかを判定する判定処理を実行可能な判定手段(主制御装置101によるステップS3601の処理を実行する機能)を備え、
前記第1増加報知実行手段は、前記判定手段により前記第1有利状態であると判定された後に第1処理を実行し、
前記第2増加報知実行手段は、前記判定手段により前記第2有利状態であると判定された後に前記第1処理とは異なる第2処理を実行することを特徴とする特徴B16乃至B22のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1有利状態と第2有利状態とで同じ特別結果を用いて増加報知を行う構成において、判定手段による判定結果に基づいて増加報知用の処理が第1処理と第2処理とで異なる。つまり、第1有利状態と第2有利状態とで、特別結果当選時の処理構成が途中まで共通しており、上記各特徴の優れた効果を奏するうえで、処理構成の複雑化が抑制される。
特徴B24.前記第1処理と前記第2処理とで、少なくとも所定の共通処理(主制御装置101による表示用残数カウンタHGの加算処理)が存在するように、前記第1処理及び前記第2処理が設定されていることを特徴とする特徴B23に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1有利状態と第2有利状態とで、特別結果当選となった場合の判定処理以降の処理が異なる構成において、当該判定処理以降の処理に共通処理が設定されているため、遊技機において有利状態の区別を容易なものとしつつも、似た処理構成となり、処理構成の更なる簡素化が図られる。
特徴B25.前記第1移行用の絵柄組合せと前記第2移行用の絵柄組合せとが共通していることを特徴とする特徴B16乃至B24のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1有利状態へ移行する第1移行用の絵柄組合せと、第2有利状態へ移行する第2移行用の絵柄組合せとが共通しているため、移行時の停止出目からは、今回の有利状態がいずれかを判断できなくなる。これにより、実行される増加報知が、増加処理を経た増加報知かそうではない増加報知かの判断もしにくくなり、第2有利状態中の注目度を好適に高めることができる。
特徴B26.前記第1移行結果及び前記第2移行結果は、いずれも前記第1有利状態又は前記第2有利状態への移行を可能とする有利結果(第1BB)を含み、且ついずれか一方は前記有利結果とは異なる重複結果(特リプB)を含む結果であり、
前記特典付与手段は、前記有効位置に、前記重複結果に対応する絵柄組合せであって、前記第1移行用の絵柄組合せ及び前記第2移行用の絵柄組合せとは異なる重複用の絵柄組合せが停止したことに基づいて前記重複結果に対応する特典を付与することを特徴とする特徴B16乃至B25のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1移行結果と第2移行結果とは、当選内容として重複結果を含むか否かの差があり、重複結果は第1移行用の絵柄組合せや第2移行用の絵柄組合せとは異なる重複用の絵柄組合せが停止することで入賞する。そのため、重複用の絵柄組合せを停止させて重複結果入賞を成立させることで、第1移行結果当選か第2移行結果当選かを判断することが可能となる。これにより、上記のように第2有利状態中の増加報知を、あたかも増加処理を経たものと思わせる効果を得つつも、第2有利状態中の増加報知が増加処理を経ていないものと判定しようと思えば可能とし、演出を楽しみたい遊技者とそうではない遊技者との相反するニーズに応じることが可能となる。
特徴B27.前記停止操作手段が、前記重複結果に対応する前記重複用の絵柄組合せを停止可能となる第1態様にて操作された場合は当該重複用の絵柄組合せが停止可能となる一方、当該第1態様とは異なる第2態様にて操作された場合は前記重複用の絵柄組合せとは異なる他の絵柄組合せが停止するものであり、
前記他の絵柄組合せは、前記第1移行結果及び前記第2移行結果のいずれに当選している場合でも停止し得るものであることを特徴とする特徴B26に記載の遊技機。
上記構成によれば、重複結果入賞を成立させて第1移行結果と第2移行結果の判断をしようとするには、第1態様にて停止操作手段を操作する必要があり、第1態様ではなく第2態様としてしまうと第1移行結果と第2移行結果との判断はできなくなる。よって、停止操作手段を第1態様として操作することできた場合にのみ、増加報知が第1増加報知か第2増加報知かの判断を行うことが可能となる。このようにすれば、演出を楽しみたければ第2態様にて操作すればよいし、そうでなければ第1態様にて操作すれば良くなり、遊技者のニーズを停止操作手段の操作態様によって遊技機側でくみ取ることが可能となる。
特徴B28.前記第2態様は前記第1態様よりも遊技者が容易に操作可能な態様であることを特徴とする特徴B27に記載の遊技機。
上記構成によれば、増加報知の種別を判断可能となるには、より困難な第1態様にて操作する必要が生じ、停止操作手段を操作して遊技を進行するスロットマシンの遊技性において、増加報知の種別の判断の有無ですら遊技性に組み込むことが可能となる。
なお、上記構成は以下のように表現してもよい。
「各前記周回体のうち特定周回体(左リール32L)において、前記重複用の絵柄組合せに対応する絵柄の配置数が、前記他の絵柄組合せに対応する絵柄の配置数よりも少ない」構成や、「前記停止操作手段の操作が前記第1態様となる期間は前記第2態様となる期間よりも短い」。
特徴B29.前記特定条件は、前記第1移行結果当選となることで成立し得る一方、前記第2移行結果当選となっても成立しないことを特徴とする特徴B16乃至B28のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、増加処理の実行が許容される第1有利状態と、増加処理の実行が制限される第2有利状態との関係性と一致し、特定条件の成否によって出玉調節する効果を、当選ゲームを含めて期待することができる。
特に、特徴B26のように当選ゲームの停止出目が異なり得る構成に本構成を適用すれば、当該当選ゲームにおいて増加処理が行われるか否かといった点に注目しながら遊技が行われるであろうことを前提とすると、おのずと、各停止操作手段の停止操作も慎重な操作となり易く、当該当選ゲームの停止出目への関心が寄せられ易くなる。よって、特徴B26の効果をより好適に奏することが可能となる。
特徴B30.遊技媒体の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数段階設けられており、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値が設定される設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段により第1設定値が設定されている場合と前記第1設定値とは異なる第2設定値が設定されている場合とで、前記抽選手段による抽選結果が前記第1移行結果となる確率は共通している一方、前記抽選手段による抽選結果が前記第2移行結果となる確率は異なっていることを特徴とする特徴B16乃至B29のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、増加処理の実行が許容される第1有利状態は、設定値に関わらず当選確率が共通しており、増加処理の実行が制限される第2有利状態は、設定値によって当選確率が異なる。このようにすることで、停止操作態様によって入賞結果や有利度を異ならせる遊技性を、第2有利状態によって設定値に関わらず実現し、そのうえで、当該第2有利状態を、設定値によって当選確率が異なる第1有利状態に似せて、あたかも上記停止操作態様についての遊技性に設定値が関与するかのような印象を与えることも可能となる。
<特徴C群>
特徴C1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる通常遊技動作が行われるように各前記周回体を制御する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
遊技媒体の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数段階設けられており、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値が設定される設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による当選結果が、前記設定手段により第1設定値が設定されている場合と前記第1設定値とは異なる第2設定値が設定されている場合とで当選確率が共通する第1移行結果(例えば、特リプA重複1)であって、前記有効位置に移行用の絵柄組合せ(「赤7」図柄揃い)が停止したことに基づいて、遊技状態を遊技者とって有利な第1有利状態(制限非対象ボーナス)に移行させる第1有利移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理において制限対象ボーナスへ移行させる処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が、前記設定手段により前記第1設定値が設定されている場合と前記第2設定値が設定されている場合とで当選確率が異なる第2移行結果(例えば、特リプAB重複1)であって、前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せが停止したことに基づいて、遊技状態を遊技者とって有利な第2有利状態(制限対象ボーナス)に移行させる第2有利移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理において制限非対象ボーナスへ移行させる処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞成立となる第2結果とを有し、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を所定の報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7)にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、通常遊技状態と、前記態様報知手段による前記態様報知の実行頻度が前記通常遊技状態よりも高くなる特定遊技状態(アタックモード、チャレンジモード等を含む有利区間)と、を少なくとも設け、
前記通常遊技状態において前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果であることに基づいて、前記特定遊技状態への移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101による第1特定役処理を実行する機能)と、
前記移行抽選手段による抽選結果が前記特定遊技状態へ移行させることに対応する結果であることに基づいて、前記特定遊技状態へ移行させる特定移行手段(主制御装置101による入賞結果対応処理を実行する機能)と、
予め定められた終了条件が成立したことに基づいて、前記特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる通常移行手段(主制御装置101による区間表示第2処理において通常の終了条件が成立したことに基づく有利区間の終了処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態の残数を把握する把握手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、
予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記残数を増加させる増加処理を実行可能な増加手段(主制御装置101によるゲーム数上乗せ処理を実行する機能)と、
前記増加手段により前記増加処理が行われた場合に、当該増加処理の契機となった前記特定条件が成立したゲームに基づいて当該増加処理が行われたことの第1増加報知(即乗せ報知)を所定の報知手段(補助表示部65)にて実行可能な第1増加報知実行手段(表示制御装置81による上乗せ演出の設定処理を実行する機能)と、
前記増加手段により前記増加処理が行われた場合に、当該増加処理の契機となった前記特定条件が成立したゲームよりも後のゲームに基づいて当該増加処理が行われたことの第2増加報知(後乗せ報知)を所定の報知手段(補助表示部65)にて実行可能な第2増加報知実行手段(表示制御装置81による上乗せ演出の設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1増加報知実行手段による前記第1有利状態における前記第1増加報知の報知態様と、前記第2増加報知実行手段による前記第2有利状態における前記第2増加報知の実行態様とが識別不可又は識別困難であることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、抽選手段による抽選結果が第1移行結果や第2移行結果となり、これら第1移行結果や第2移行結果に対応する絵柄組合せが停止すると遊技者にとって有利な第1有利状態や第2有利状態に移行する。このような構成において、更に、周回体の停止操作態様によって入賞する結果が異なる場合があり、かかる停止操作態様に関する態様報知の有無によって有利度を異ならせる、といった特定遊技状態が設けられている。そして、抽選手段による抽選結果が特定結果となると、特定遊技状態への移行抽選が行われ得るため、各ゲームにおいて有利状態と特定遊技状態との連鎖が生じ得るようになる。
しかも、特定遊技状態においては、特定条件成立に基づいて、当該特定遊技状態の終了契機となり得る残数を増加させる増加処理が行われ、その増加処理が行われると、第1増加報知や第2増加報知が行われる。そのため、特定遊技状態の態様報知による利益を享受しながら第1有利状態や第2有利状態への当選を待つ遊技性において、増加処理によって、その利益を享受しながらの待ちの状況が延長され得るものとなり、上記有利状態と特定遊技状態との連鎖が更に生じ易くなっている。
ここで、第1有利状態への移行契機となる第1移行結果は設定値に関わらず当選確率が共通なものとなっており、第2有利状態への移行契機となる第2移行結果は設定値によって当選確率が異なっている。そのため、遊技媒体の増減態様等は第2有利状態の出現率によって調節され得る。しかし、第2有利状態の出現率の差が如実に把握され得る構成であると、設定値の把握があまりに容易になってしまい、遊技ホールにおける各遊技台の稼働率に影響を及ぼし得る。
そこで、第1有利状態と第2有利状態とは、入賞時(移行時)の停止出目がいずれも移行用の絵柄組合せとなっており、第1有利状態と第2有利状態とでその区別がつきにくくなっている。しかも、第1有利状態中の第1増加報知と第2有利状態中の第2増加報知についても識別不可又は識別困難となっており、増加報知からも第1有利状態か第2有利状態かの判断が行いにくくなっている。第1増加報知は、そのゲームにおいて増加処理が行われた場合の報知であり、第2増加報知は、それよりも以前のゲームにおいて増加処理が行われた場合の報知である点で相違している。このように、第1有利状態と第2有利状態といった、設定値による当選確率の差の有無や増加報知の内容が異なる有利状態を、その区別がつきにくいようにすることで、第2有利状態によって遊技媒体の増減態様の差を設計したとしても、それが設定値による差(第2有利状態への移行率の差)であるのか、それとも第1有利状態によるものなのかが判別しにくくなる。よって、設定値によって遊技媒体の増加態様を設計しつつも、その増加態様、すなわち遊技媒体の増加や減少等が遊技者自身の運によって実現されたかのように思わせることが可能となるし、逆に、遊技媒体の増加や減少等が遊技者自身の運よりも設定値によるものであるとの印象も与えることも可能となる。以上の結果、遊技の興趣向上が図られる。
なお、「識別不可又は識別困難である」について、「遊技者が識別不可又は識別困難である」と表現してもよいし、「共通している」や「同一又は略同一である」と表現してもよい。
また、上記「通常移行手段」は、以下のように表現してもよい。
「前記特定遊技状態が終了した場合に前記通常遊技状態へ移行させる通常移行手段」や、「前記特定遊技状態において前記把握手段により把握される前記残数に基づいて、当該特定遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させる通常移行手段」。
特徴C2.前記駆動制御手段は、各前記周回体を予め定められた特定態様にて制御する特定駆動制御手段(主制御装置101による各種フリーズ演出用の処理を実行する機能)を備え、
前記第1増加報知実行手段は、前記第1有利状態において前記第1増加報知を実行する場合、前記特定駆動制御手段による前記特定態様となる各前記周回体の制御が行われるようにし、
前記第2増加報知実行手段は、前記第2有利状態において前記第2増加報知を実行する場合、前記特定駆動制御手段による前記特定態様となる各前記周回体の制御が行われるようにすることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1有利状態における第1増加報知と、第2有利状態における第2増加報知とが、報知態様の共通性だけでなく、周回体の制御に関しても特定態様として共通する。このようにすることで、例えば、表示画面上の演出だけを似せる構成と比較して、遊技者が同じものとして認識する可能性が高くなる。
特に、遊技者の利益に関与する抽選手段による抽選や周回体の駆動等が主側の制御装置にて行われ、表示画面等の演出はサブ側の制御装置にて行われる、という前提に立てば、遊技者は、サブ側の管理下にある演出内容よりも、主側の管理下にある周回体の動作等を信頼するものと考えられ、上記構成のようにすることで、第1有利状態と第2有利状態との判別を困難とする効果をより好適に奏することが可能となる。
特徴C3.前記特定駆動制御手段は、前記特定態様として前記通常遊技動作の開始又は進行が制限される特定遊技動作が行われるように各前記周回体を制御することを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1増加報知や第2増加報知が行われる場合、通常遊技動作の開始や進行が制限される特定遊技動作として、所謂フリーズが発生する。このようにすれば、周回体の周回の開始や停止等の進行が制限されてフリーズしていることを通じて増加報知が行われることを把握可能となるし、当該フリーズ中に増加報知を行えば、増加報知が見逃されることも抑制される。よって、両増加報知への注目度を好適に高め、両有利状態中にそれぞれ増加報知を行うことによる効果を好適に奏することが可能となる。
特徴C4.前記特定態様として第1特定態様(中段赤7揃いフリーズ演出を伴う(疑似)上乗せ報知演出)と第2特定態様(右上がり赤7揃いフリーズ演出を伴う(疑似)上乗せ報知演出)とを有し、
前記第1増加報知実行手段は、前記第1有利状態において、第1数の前記増加処理が行われたことに対応する前記第1増加報知を実行する場合、前記特定駆動制御手段による前記第1特定態様となる各前記周回体の制御が行われるようにし、第2数の前記増加処理が行われたことに対応する前記第1増加報知を実行する場合、前記特定駆動制御手段による前記第2特定態様となる各前記周回体の制御が行われるようにし、
前記第2増加報知実行手段は、前記第2有利状態において、前記第1数の前記第2増加報知を実行する場合、前記特定駆動制御手段による前記第1特定態様となる各前記周回体の制御が行われるようにし、前記第2数の前記第2増加報知を実行する場合、前記特定駆動制御手段による前記第2特定態様となる各前記周回体の制御が行われるようにすることを特徴とする特徴C2又は特徴C3に記載の遊技機。
上記構成によれば、周回体の制御態様として複数の特定態様が設定されており、増加処理において増加される特定遊技状態の残数に応じて実行される特定態様が異なる。そして、第1数の増加処理に対応する増加報知であれば、第1増加報知であっても第2増加報知であっても第1特定態様にて周回体の制御が行われ、第2数の増加処理に対応する増加報知であれば、第1増加報知であっても第2増加報知であっても第2特定態様にて周回体の制御が行われる。このように、印象に残り易い周回体の特定制御と増加処理にて増加される残数とを対応付けることで、第1増加報知と第2増加報知とが同じ増加報知である印象をより強めることが可能となる。
特徴C5.前記第1増加報知実行手段は、前記第1有利状態において行われる第1特定抽選(主制御装置101におけるBB中上乗せ用処理を実行する機能)の結果が当選結果(上乗せ当選)である場合に前記第1増加報知を実行し、前記第1特定抽選の結果が当選結果ではない場合に第1非増加報知(疑似フリーズ演出及び特リプAや特リプB入賞出目)を実行可能であり、
前記第2増加報知実行手段は、前記第2有利状態において行われる第2特定抽選(主制御装置101におけるBB中疑似上乗せ用処理を実行する機能)の結果が当選結果(疑似上乗せ当選)である場合に前記第2増加報知を実行し、前記第2特定抽選の結果が当選結果ではない場合に第2非増加報知(疑似フリーズ演出及び特リプAや特リプB入賞出目)を実行可能であり、
前記第1非増加報知の報知態様と前記第2非増加報知の報知態様とが識別不可又は識別困難であることを特徴とする特徴C1乃至C4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1有利状態において第1特定抽選に当選すると第1増加報知が実行され、第2有利状態において第2特定抽選に当選すると第2増加報知が行われ、これら特定抽選に当選した場合の第1増加報知と第2増加報知の報知態様だけでなく、非当選となった場合の第1非増加報知と第2非増加報知の報知態様についても、識別不可又は識別困難であり、これらの非増加報知からも第1有利状態であるか第2有利状態であるかの判別が困難となっている。このようにすれば、両有利状態の判別を困難とすることによる効果をより好適に発揮させることが可能となる。
特徴C6.前記第1増加報知実行手段による前記第1有利状態以外における前記第1増加報知の報知態様と、前記第2増加報知実行手段による前記第2有利状態以外における前記第2増加報知の実行態様とが識別可能であることを特徴とする特徴C1乃至C5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態中以外(特定遊技状態中)における第1増加報知と第2増加報知とが識別可能であるという前提のもと、有利状態において第1増加報知と第2増加報知と実行すれば、当該有利状態中における第1増加報知と第2増加報知とが同じ増加報知である印象を更に強めることが可能となる。
特徴C7.前記第2増加報知実行手段は、
前記第2有利状態以外においては、前記増加処理が行われたゲームよりも後のゲームであって、所定の報知が予め定められた所定態様となるゲーム(表示用残数カウンタHGに対応する残数表示が残り1となるゲーム)にて、前記第2増加報知を実行可能であり、
前記第2有利状態においては、前記所定の報知の態様に関わらず、前記第2増加報知を実行可能であることを特徴とする特徴C1乃至C6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2増加報知が所定の報知が所定態様となるゲームにて行われるものである、という前提のもと、第2有利状態においては所定の報知の態様に関わらず第2増加報知を実行すれば、第2有利状態における第2増加報知がいつもの第2増加報知ではないとの印象を与え、有利状態中の第1増加報知と第2増加報知とが同じ増加報知である印象を強めることが可能となる。
特徴C8.前記第1増加報知実行手段は、前記第1有利状態において、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特別結果となったゲームにて、前記第1増加報知を実行可能であり、
前記第2増加報知実行手段は、前記第2有利状態において、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果となったゲームにて、前記第2増加報知を実行可能であることを特徴とする特徴C7に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1有利状態中の第1増加報知や第2有利状態中の第2増加報知は、いずれの増加報知であっても、特別結果となったゲームで実行され得る。このようにすれば、有利状態中の第1増加報知と第2増加報知とが遊技結果として共通し、両有利状態の判別を困難とする効果を高めるだけでなく、第2増加報知が抽選を経てランダムに実行されることを通じて、第2有利状態中の第2増加報知がそれ以外の第2増加報知(所定の報知が所定態様となるゲームにて実行される第2増加報知)とは異なるものであって第1増加報知と同じものである印象を強めることができる。
特徴C9.前記設定手段により前記第1設定値が設定されている場合、前記抽選手段による抽選結果が前記第1移行結果となる確率は、前記抽選手段による抽選結果が前記第2移行結果となる確率よりも高い確率であり、
前記設定手段により前記第2設定値が設定されている場合、前記抽選手段による抽選結果が前記第1移行結果となる確率は、前記抽選手段による抽選結果が前記第2移行結果となる確率よりも低い確率であることを特徴とする特徴C1乃至C8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、当選確率の設定差がない第1移行結果の当選確率と、当選確率の設定差がある第2移行結果の当選確率との差は、設定値によって異なり、第1設定値であれば、第1移行結果のほうが当選し易く、第2設定値であれば第2移行結果のほうが当選し易くなる。つまり、有利状態中に増加報知が発生すると、第1設定値であれば、その増加報知が第1増加報知である可能性が高くなり、第2設定値であれば、その増加報知が第2増加報知である可能性が高くなる。このように、設定値によっていずれの増加報知であるかが逆転するようにすることで、増加報知の種類の判別や両有利状態の判別を困難としつつも、実質的に設定値による差があるようになるため、設定値を予測する遊技を行わせることも可能となる。
特徴C10.前記第1増加報知実行手段は、前記第1有利状態において行われる第1特定抽選(主制御装置101におけるBB中上乗せ用処理を実行する機能)の結果が当選結果(上乗せ当選)である場合に前記第1増加報知を実行し、
前記第2増加報知実行手段は、前記第2有利状態において行われる第2特定抽選(主制御装置101におけるBB中疑似上乗せ用処理を実行する機能)の結果が当選結果(疑似上乗せ当選)である場合に前記第2増加報知を実行し、
第1状況にて前記第1有利状態へ移行した場合と、前記第1状況とは異なる第2状況にて前記第1有利状態へ移行した場合とで、前記第1特定抽選が当選結果となる確率が異なり得るものであり、
前記第1状況にて前記第2有利状態へ移行した場合と、前記第2状況にて前記第2有利状態へ移行した場合とでも、前記第2特定抽選が当選結果となる確率は異なり得るものであり、
前記第1状況にて前記第1有利状態へ移行した場合の前記第1特定抽選が当選結果となる確率と、前記第1状況にて前記第2有利状態へ移行した場合の前記第2特定抽選が当選結果となる確率とが共通していることを特徴とする特徴C1乃至C9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1有利状態において第1特定抽選を経て第1増加報知が行われ、第2有利状態において第2特定抽選を経て第2増加報知が行われる構成において、第1特定抽選や第2特定抽選の当選確率は、有利状態へ移行する状況に応じて異なり得る。このようにすることで、有利状態へ移行する状況によっても、有利状態と特定遊技状態との連鎖の生じ易さが異なり、遊技性が格段に向上する。
そのうえで、第1状況において第1有利状態へ移行した場合と第1状況において第2有利状態へ移行した場合とで、第1特定抽選と第2特定抽選が当選結果となる確率が共通しており、これら第1状況において有利状態へ移行した場合は、特定抽選の当選確率からいずれの有利状態かを判別することが困難となっている。これにより、両有利状態の判別がより困難となり、特徴C1の効果をより好適に奏することが可能となる。
特徴C11.前記第2状況にて前記第1有利状態へ移行した場合の前記第1特定抽選が当選結果となる確率と、前記第2状況にて前記第2有利状態へ移行した場合の前記第2特定抽選が当選結果となる確率とが共通していることを特徴とする特徴C10に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1状況にて移行した有利状態だけでなく、第2状況にて移行した有利状態においても、第1特定抽選と第2特定抽選との当選確率が共通する。このようにすることで、有利状態へ移行する状況に応じて特定抽選の当選確率が異なることを前提とし、いずれの状況で移行した場合であっても第1増加報知と第2増加報知の実行確率が共通することになり、第1有利状態と第2有利状態との判別を行いにくくする効果をより高めることが可能となる。
特徴C12.前記第2状況にて前記第1有利状態へ移行した場合の前記第1特定抽選が当選結果となる確率と、前記第2状況にて前記第2有利状態へ移行した場合の前記第2特定抽選が当選結果となる確率とが異なっていることを特徴とする特徴C10に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1状況にて移行した有利状態では第1特定抽選と第2特定抽選との当選確率が同じであるものの、第2状況にて移行した有利状態では、第1特定抽選と第2特定抽選との当選確率が異なる。このようにすることで、第1状況であれば第1有利状態と第2有利状態との判別が行いにくく、第2状況であれば第1有利状態と第2有利状態との判別が行い易くなる。よって、第2有利状態を判別して設定値の予測を行う余地を残し、遊技性を向上させることが可能となる。
特徴C13.少なくとも前記第1有利状態又は前記第2有利状態へ移行可能となる場合の前記特定遊技状態の状況を把握する状況把握手段(主制御装置101によるゲーム数管理処理を実行する機能)と、
前記状況把握手段による把握結果に応じて、前記第1状況と前記第2状況との判別を行う判別手段(主制御装置101によるステップS4101の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴C10乃至C12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態の進行状況によって、移行した有利状態中の特定抽選の当選確率が異なることとなる。このようにすれば、特定遊技状態と有利状態との連鎖により創出される遊技性の興趣をより好適に向上させることができる。
特徴C14.前記状況把握手段は、前記特定遊技状態中において、前記第2増加報知実行手段によって前記第2増加報知が行われることとなる前記増加処理に基づく増加数のうち、前記第2増加報知の未実行分を把握する増加数把握手段(主制御装置101による後乗せカウンタBGを把握する処理を実行する機能)を備え、
前記第2増加報知実行手段は、前記増加数把握手段の把握結果に基づいて前記第2有利状態における前記第2増加報知を実行するものであり、
前記判別手段は、前記増加数把握手段の把握結果に応じて前記第1状況と前記第2状況との判別を行うことを特徴とする特徴C13に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2有利状態中の第2増加報知を、第2増加報知の未実行分に基づいて行うことを前提とし、当該未実行分に応じて特定抽選の当選確率が異なる。このようにすることで、例えば、未実行分が少ない場合には第2増加報知が行われにくくするように特定抽選の当選確率を調節することが可能となり、しかも、その調節を第1有利状態中の第1特定抽選に関しても適用すれば、第1有利状態と第2有利状態との差が生じないようにしながら当該調節を行うことが可能となる。
特徴C15.前記状況把握手段は、前記特定遊技状態中において、前記第2増加報知実行手段によって前記第2増加報知が行われることとなる前記増加処理に基づく増加数のうち、前記第2増加報知の未実行分を把握する増加数把握手段(主制御装置101による後乗せカウンタBGを把握する処理を実行する機能)を備え、
前記第2増加報知実行手段は、前記増加数把握手段の把握結果に基づいて前記第2有利状態における前記第2増加報知を実行するものであり、
前記判別手段は、前記状況把握手段により把握される前記特定遊技状態の消化ゲーム数に応じて前記第1状況と前記第2状況との判別を行うことが可能であることを特徴とする特徴C13又は特徴C14に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2有利状態中の第2増加報知を、第2増加報知の未実行分に基づいて行うことを前提とし、特定遊技状態の消化ゲーム数に応じて特定抽選の当選確率が異なる。つまり、消化ゲーム数によって第2増加報知の未実行分はある程度予測可能であり、このような構成とすることで、有利状態へ移行する際に第2増加報知の未実行分を把握する必要がなくなるため処理の簡素化を図ることができる。それだけでなく、未実行分は特定条件の成否というランダム性を有しており、遊技者はその未実行分を把握できないのに対して、消化ゲーム数であれば遊技者は把握可能であり、このような遊技者が把握可能なパラメータによって特定抽選の当選確率を異ならせる構成とすれば、遊技者に不信感を抱かせないようにして遊技の公平性が担保される。
特徴C16.前記抽選手段による抽選結果が前記第2移行結果である場合、前記有効位置に第1特定の絵柄組合せ(第9再遊技入賞となる停止出目)が停止可能となるとともに当該第1特定の絵柄組合せとは異なる第2特定の絵柄組合せ(第10再遊技入賞となる停止出目)が停止可能となり、
前記状況把握手段は、前記第2有利状態への移行契機となる前記第2移行結果当選時に前記有効位置に停止した絵柄組合せを把握する絵柄把握手段(主制御装置101によるBB当選ゲーム用b入賞結果対応処理を実行する機能)を備え、
前記判別手段は、前記絵柄把握手段の把握結果に応じて前記第1状況と前記第2状況との判別を行うことが可能であることを特徴とする特徴C13乃至C15のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2有利状態への移行契機となる第2移行結果当選ゲームにて停止させた絵柄組合せによって第2特定抽選の当選確率、すなわち第2増加報知の実行率が変化する。第2有利状態中の第2増加報知が単なる演出であって、特定遊技状態の実際の残数には影響を及ぼさないもの、という構成であれば、第2増加報知を実行させてその演出を楽しみたい遊技者と第2増加報知を実行させないようにしたい遊技者との相反する遊技者のニーズが生じるものと考えられる。その点、上記構成のように、当選時の絵柄組合せによってその演出の有無を選択できるようにすれば、上記遊技者の多様なニーズに応える遊技機とすることができる。
特徴C17.前記第1有利状態において前記第1特定抽選に非当選となった場合、前記第2増加報知実行手段は、前記非当選となった分の増加報知を前記第1有利状態の終了後に前記第2増加報知として実行可能であることを特徴とする特徴C10乃至C16のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2有利状態の状況に応じて第2特定抽選の当選確率を調節し、それに合わせて第1特定抽選の当選確率も調節する構成において、第1特定抽選の当選確率を第2特定抽選に合わせるために非当選となる分の報知が行われなくなってしまう、といった事象を回避することができる。このようにすることで、第1特定抽選側の当選確率を、第2特定抽選側に無理なく合わせることが可能となる。
特徴C18.前記第2有利状態において前記特定条件は成立しないように設定されており、
前記第2増加報知実行手段による前記第2有利状態中の前記第2増加報知は、前記第2有利状態移行前のゲームにて実行された前記増加処理に対応する報知であることを特徴とする特徴C1乃至C17のいずれか1に記載の遊技機。
第2有利状態は設定値によって移行率が異なることから、上記構成のようにすることで、設定値によって特定遊技状態における遊技性の有利度の優劣が生じないようにすることができ、かかる遊技性における遊技の公平性が担保される。そのうえで、第2有利状態中の第2増加報知は、第1有利状態中の第1増加報知と報知態様が共通していることから、あたかも第2有利状態中にも増加処理が行われているかのような印象を与えることが可能となり、上記のように特定遊技状態中の公平性を担保しながらも、それによる遊技性の低下を抑制することができる。
<特徴D群>
特徴D1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる通常遊技動作が行われるように各前記周回体を制御する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による当選結果が第1移行結果(例えば、特リプA重複1)であって、前記有効位置に当該第1移行結果に対応する絵柄組合せ(「赤7」図柄揃い)が停止したことに基づいて、遊技状態を遊技者とって有利な第1有利状態(制限非対象ボーナス)に移行させる第1有利移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理において制限対象ボーナスへ移行させる処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が、前記第1移行結果とは異なる第2移行結果(例えば、特リプAB重複1)であって、前記有効位置に当該第2移行結果に対応する絵柄組合せが停止したことに基づいて、遊技状態を遊技者とって有利な第2有利状態(制限対象ボーナス)に移行させる第2有利移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理において制限非対象ボーナスへ移行させる処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記第1移行結果は少なくとも第1特定結果(特リプA)を含む結果であり、
前記第2移行結果は少なくとも前記第1特定結果及び当該第1特定結果とは異なる第2特定結果(特リプB)を含む結果であり、
前記第1有利状態及び前記第2有利状態において、特定報知(上乗せ報知演出、疑似上乗せ報知演出)を実行可能な特定報知実行手段(主制御装置101によるBB中上乗せ用処理、BB中疑似上乗せ用処理を実行する機能)と、
前記第1特定結果に対応する第1特定の絵柄組合せが前記有効位置に停止した場合、前記特定報知実行手段による前記特定報知の実行を許容する一方、前記第2特定結果に対応する第2特定の絵柄組合せが停止した場合、前記特定報知実行手段による前記特定報知の実行を制限可能な制限手段(主制御装置101によるBB当選ゲーム用入賞結果対応処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、第1移行結果又は第2移行結果にて移行する第1有利状態や第2有利状態において特定報知が実行され得る構成を前提とし、両移行結果に含まれる第1特定結果に対応する第1特定の絵柄組合せを停止させるといずれの有利状態でも特定報知が実行され、第2移行結果にのみ含まれる第2特定結果に対応する第2特定の絵柄組合せを停止させると特定報知の実行が制限される。このように、第2移行結果当選時の停止出目によって第2有利状態中の特定報知の実行が制限され得るため、特定報知の実行の有無による第1有利状態か第2有利状態かの判別の可否を、停止出目によって切り替えることが可能となる。このようにすることで、上記有利状態の判別の可否が、遊技者自らの停止操作によって決定される構成となり、複数の有利状態を設けた構成において、その有利状態の種類を判別することによる嬉しさ、又は判別しないことによる嬉しさを享受させることができる。
特徴D2.前記特定報知実行手段は、前記特定報知を実行する場合、所定の遊技動作の進行を制限する特定制御(フリーズ演出)を行うことが可能であり、
前記制限手段により前記特定報知の実行が制限される場合、前記特定制御の実行も制限されることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知は所定の遊技動作の進行が制限される特定制御を伴う報知となり、所謂フリーズ演出のように、遊技者は遊技操作が制限されることを通じて当該特定報知を認識し易くなるとともに、当該特定報知の注目度が高められる。その一方で、このような演出効果の高い特定制御であっても、スムーズな遊技進行を優先したい遊技者にとっては、かえって煩わしいものとなり得ると考えられる。そこで、停止出目によって特定報知の実行を制限するとともに、制限時には特定制御についても行われないようにすることで、遊技進行を優先したい遊技者のニーズに応えることが可能となる。
特徴D3.前記制限手段により前記特定報知の実行が制限される場合と、そうでない場合とで、遊技者にとっての有利度に変化が生じないように設定されていることを特徴とする特徴D1又は特徴D2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知の有無という違いによって、有利度に変化が生じないため、例えば、特徴D2の効果のように、遊技進行を優先したい遊技者の選択(特定報知の制限を選択)を、有利度と関係なく、より純粋に行わせることが可能となる。
特徴D4.前記駆動制御手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第2移行結果であり、前記停止操作手段が、前記第2特定の絵柄組合せを停止可能となる特定態様にて操作された場合は当該第2特定の絵柄組合せが停止可能となる一方、当該特定態様とは異なる態様にて操作された場合は前記第1特定の絵柄組合せが停止するように各前記周回体を制御することを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2移行結果当選時において特定態様にて停止操作手段が操作されると、第2特定の絵柄組合せが停止して特定報知の実行が制限される一方、当該特定態様にて操作されないと、第2特定の絵柄組合せではなく第1特定の絵柄組合せが停止して特定報知の実行が制限されない。このように、停止操作手段の操作態様によって特定報知の実行の有無を異ならせることで、当該特定報知の実行の有無を遊技者の選択に委ね、その選択を遊技機側で把握することが可能となる。
特徴D5.前記駆動制御手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第2移行結果であり、前記停止操作手段が、前記第2特定の絵柄組合せを停止可能となる特定態様にて操作された場合は当該第2特定の絵柄組合せが停止可能となる一方、当該特定態様にて操作されなかった場合は前記第1特定の絵柄組合せが停止するように各前記周回体を制御することを特徴とする特徴D1乃至D4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2移行結果当選時において特定態様にて停止操作手段が操作されると、第2特定の絵柄組合せが停止して特定報知の実行が制限される一方、当該特定態様にて操作されないと、第2特定の絵柄組合せではなく第1特定の絵柄組合せが停止して特定報知の実行が制限されない。このように、停止操作手段の操作態様によって特定報知の実行の有無を異ならせることで、当該特定報知の実行の有無を遊技者の選択に委ね、その選択を遊技機側で把握することが可能となるとともに、第1特定の絵柄組合せ及び第2特定の絵柄組合せのいずれか一方は停止するため、特定報知を制限させようとする特定態様に失敗してしまった場合でも、取りこぼしが生じず、安心してその選択を行わせることができる。
特徴D6.各前記周回体のうち特定周回体(左リール32L)において、前記第2特定の絵柄組合せに対応する絵柄の配置数が、前記第1特定の絵柄組合せに対応する絵柄の配置数よりも少ないことを特徴とする特徴D4又は特徴D5に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定の絵柄組合せではなく第2特定の絵柄組合せを停止させようとする場合、特定周回体において、第1側よりも数の少ない第2側の絵柄を狙って停止操作(特定態様にて操作)する必要がある。つまり、特定態様にて第2特定の絵柄組合せを停止させることは、第1特定の絵柄組合せを停止させるよりも難しい操作となる。このようにすることで、基本的には特定報知を実行して演出効果を優先し、当該難しい操作をあえて行う場合にのみ特定報知の実行を制限する構成となり、せっかく用意した特定報知といった演出がなかなか実行されないといった事象を回避できるし、遊技者の操作技術の向上心を掻き立てる効果も期待できる。
特徴D7.前記第1特定の絵柄組合せに対応する第1絵柄と前記第2特定の絵柄組合せに対応する第2絵柄とは、前記特定周回体において、前記第2絵柄に対して周回上流側に所定の前記第1絵柄が位置し、且つ当該第2絵柄に対して周回下流側に他の前記第1絵柄が位置するように配されていることを特徴とする特徴D6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定周回体に対する停止操作のタイミングが、上流側の所定の第1絵柄が有効位置に到達するまでのタイミングであれば第1絵柄が停止する。そして、当該所定の第1絵柄が有効位置を通過した後においては、第2絵柄が有効位置に到達するまでのタイミングであれば第2絵柄が停止し、当該第2絵柄が有効位置を通過した後であれば下流側の他の第1絵柄が有効位置に停止する。つまり、第2絵柄を停止させようとするのであれば、所定の第1絵柄が有効位置を通過してから第2絵柄が有効位置に到達するまでの間のタイミングに限定される。このようにすることで、第1絵柄と第2絵柄とのいずれをも停止可能としながらも、第1絵柄と第2絵柄との引き込みの優先順序を設定することが可能となる。
特徴D8.前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1のタイミングにて操作された場合には対応する絵柄組合せが停止して前記特典付与手段により対応する特典が付与され、前記停止操作手段が前記第1のタイミングとは異なる第2のタイミングにて操作された場合には前記対応する絵柄組合せが停止せず前記特典付与手段により対応する特典が付与されない操作対応結果(強スイカなどの取りこぼし役)が設けられており、
前記第2特定の絵柄組合せは、前記第1のタイミングにて操作された場合には停止不可となるように対応する絵柄が各前記周回体に配されていることを特徴とする特徴D4乃至D7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作対応結果当選時の特典を漏れなく享受できるように、通常時は、主に第1のタイミングにて停止操作が行われることが想定され、このような前提のもと、第2特定の絵柄組合せは第1のタイミングで停止操作されると停止しない。つまり、特定報知を制限しようとするならば、通常時とは異なるタイミングにて停止操作する必要が生じ、意図せず特定報知が制限されてしまう事象を生じにくくすることができる。
特徴D9.前記第2移行結果に当選した場合であって、前記第2特定結果に対応する第2特定の絵柄組合せが停止したことの停止情報を記憶可能な記憶手段(主制御装置101によるフリーズ制限フラグをセットする処理を実行する機能)を備え、
前記制限手段は、前記停止情報に基づいて、前記特定報知実行手段による前記特定報知の実行を制限可能な構成であり、
前記記憶手段は、前記停止情報の記憶契機となった前記第2移行結果当選に基づく前記第2有利状態が終了した後も、当該停止情報を保持可能であることを特徴とする特徴D1乃至D8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定の絵柄組合せを停止させた停止情報は、第2有利状態後も保持されるため、次の第2移行結果当選時において第2特定の絵柄組合せを停止させなくても、第2有利状態中の特定報知の実行が制限される。このようにすることで、毎回、第2特定の絵柄組合せを停止させることを強要せず、操作性の向上を図ることができる。
特徴D10.前記第2移行結果に当選した場合であって、前記第2特定結果に対応する第2特定の絵柄組合せが停止したことの停止情報を記憶可能な記憶手段(主制御装置101によるフリーズ制限フラグをセットする処理を実行する機能)を備え、
前記制限手段は、前記停止情報に基づいて、前記特定報知実行手段による前記特定報知の実行を制限可能な構成であり、
遊技者による特定操作に基づいて、前記記憶手段により記憶されている前記停止情報を、前記第2有利状態移行前に消去することが可能な消去手段(主制御装置101によるBB入賞ゲーム用入賞結果対応処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、たまたま第2特定の絵柄組合せを停止させてしまった場合に、意図せず特定報知が制限されてしまうことを解消することが可能となる。
特徴D11.前記第2特定の絵柄組合せを停止させる操作のほうが、前記特定操作よりも操作難易度が高いことを特徴とする特徴D10に記載の遊技機。
上記構成によれば、意図せず第2特定の絵柄組合せを停止させてしまった遊技者が、特定報知の制限を解除しようとしても、なかなか解除できない、といった事象を抑制することができる。
なお、上記構成の具体的な構成としては、例えば、以下のとおりである。
「前記駆動制御手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第2移行結果であり、前記停止操作手段が、前記第2特定の絵柄組合せを停止可能となる特定タイミングにて操作された場合は当該第2特定の絵柄組合せが停止可能となる一方、当該特定タイミングとは異なるタイミングにて操作された場合は前記第1特定の絵柄組合せが停止するように各前記周回体を制御するものであり、
前記特定操作は、各前記停止操作手段を特定順序にて操作することである」構成。
特徴D12.前記消去手段は、前記停止情報の記憶契機となった前記第2特定の絵柄組合せについての前記第2移行結果当選に基づく前記第2有利状態への移行前に前記特定操作が行われた場合、当該第2有利状態移行以前に当該停止情報を消去することが可能であることを特徴とする特徴D10又は特徴D11に記載の遊技機。
上記構成によれば、たまたま第2特定の絵柄組合せを停止させてしまった場合に、その第2特定の絵柄組合せを停止させた第2移行結果当選に基づく第2有利状態移行前に特定操作を行えば、当該第2有利状態において特定報知を実行させることが可能となる。これにより、特定報知が意図せず制限されてしまう場面が少なくなり、特定報知による演出効果を好適に期待することができる。
特徴D13.前記消去手段は、前記停止情報の記憶契機となった前記第2特定の絵柄組合せについての前記第2移行結果当選に基づく前記第2有利状態が終了した後であって、前記第2移行結果に当選にした場合に前記特定操作が行われたことに基づいて、前記停止情報を消去することが可能であることを特徴とする特徴D10乃至D12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定の絵柄組合せを停止させて特定報知が制限される第2有利状態を消化した後において、遊技者が心変わりした場合に、次回以降の第2有利状態において特定報知を実行させることが可能となる。この場合、上記特定報知が制限される第2有利状態の消化後、自由なタイミングで特定操作を受付可能なわけではなく、第2移行結果に当選したことを契機として受付可能となる構成としたため、特定操作を意図せず行ってしまうといった事象の発生を抑制することが可能となる。
特徴D14.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる通常遊技動作が行われるように各前記周回体を制御する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による当選結果が移行結果(例えば、強チェリー重複1)であって、前記有効位置に当該移行結果に対応する移行用の絵柄組合せ(「赤7」図柄揃い)が停止したことに基づいて、遊技状態を遊技者とって有利な有利状態(制限非対象ボーナス)に移行させる有利移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理において制限対象ボーナスへ移行させる処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記移行結果と予め定められた特定結果(強チェリー)とを含む重複結果が設定されており、
前記有利状態において、特定報知(上乗せ報知演出、疑似上乗せ報知演出)を実行可能な特定報知実行手段(主制御装置101によるBB中上乗せ用処理、BB中疑似上乗せ用処理を実行する機能)と、
前記重複結果に当選した場合であって、前記特定結果に対応する特定の絵柄組合せが停止したこと、又は前記特定の絵柄組合せが停止しなかったことの一方に基づいて、前記特定報知実行手段による前記特定報知の実行を制限可能な制限手段(主制御装置101によるBB当選ゲーム用入賞結果対応処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、移行結果当選で移行用の絵柄組合せが停止すると移行する有利状態において特定報知が実行され得る構成を前提とし、重複結果当選時の停止出目によって有利状態中の特定報知の実行が制限され得る。より詳しくは、重複結果は移行結果と特定結果とを含む結果であり、特定結果に対応する特定の絵柄組合せが停止した場合、又は特定の絵柄組合せが停止しなかった場合の一方で、特定報知が制限される。つまり、前者は特定結果入賞に基づいて特定報知が制限され、後者は、特定結果を取りこぼしたこと又は移行結果当選ゲームにて有利状態に移行させた(移行用の絵柄組合せが停止した)ことに基づいて特定報知が制限される。このように、移行結果当選ゲームでの停止出目によって有利状態中の演出を異ならせるようにすれば、移行結果当選(有利状態当選)を察知する、という当選ゲームでの遊技性に加え、有利状態中の演出内容を停止操作によって決定するという遊技性が追加され、当選ゲームにおける興趣を大幅に向上させることが可能となる。
特徴D15.前記特定報知の実行が制限された場合と前記特定報知の実行が制限されない場合とで、遊技者にとっての有利度は共通しており、
前記駆動制御手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であり、前記停止操作手段が、前記特定の絵柄組合せを停止可能となる特定タイミングにて操作された場合は当該特定の絵柄組合せが停止可能となる一方、当該特定タイミングとは異なるタイミングにて操作された場合は前記特定の絵柄組合せを停止させることが不可となる構成であり、
前記制限手段は、前記重複結果に当選した場合であって、前記特定結果に対応する特定の絵柄組合せが停止したことに基づいて、前記特定報知実行手段による前記特定報知の実行を制限可能となることを特徴とする特徴D14に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知の制限の有無にかかわらず有利度が共通していることを前提とし、停止操作のタイミングによっては取りこぼしが生じ得る特定結果について、入賞させることができた場合には、特定報知の実行が制限される。遊技に熟練している遊技者ほど、比較的、有利度が変わらない単なる演出を好まないものと考えられるところ、上記構成は、取りこぼしを生じさせないように停止操作できる遊技者を遊技に熟練している遊技者として特定し、単なる演出としての特定報知を行わない構成である。このようにすることで、多様な遊技者のニーズに応じて演出をそれぞれ設定することが可能となる。
なお、上記特徴D14又は特徴D15に対し、特徴D1乃至D13にて示した構成を個別に適用してもよいし、特徴D1乃至D13にて示した構成を組合せて適用してもよい。
特徴D16.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる通常遊技動作が行われるように各前記周回体を制御する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による当選結果が移行結果(例えば、特リプA重複1)であって、前記有効位置に当該移行結果に対応する移行用の絵柄組合せ(「赤7」図柄揃い)が停止したことに基づいて、遊技状態を遊技者とって有利な有利状態(制限非対象ボーナス)に移行させる有利移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理において制限対象ボーナスへ移行させる処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記有利状態において、特定報知(上乗せ報知演出、疑似上乗せ報知演出)を実行可能な特定報知実行手段(主制御装置101によるBB中上乗せ用処理、BB中疑似上乗せ用処理を実行する機能)と、
前記移行結果に当選した場合の停止出目に基づいて、前記特定報知実行手段による前記特定報知の実行を制限可能な制限手段(主制御装置101によるBB当選ゲーム用入賞結果対応処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、移行結果に当選し移行用の絵柄組合せが停止すると移行する有利状態において特定報知が実行され得る構成を前提とし、移行結果当選時の停止出目によって有利状態中の特定報知の実行が制限され得る。このように、移行結果当選ゲームでの停止出目によって有利状態中の演出を異ならせるようにすれば、移行結果当選(有利状態当選)を察知する、という当選ゲームでの遊技性に加え、有利状態中の演出内容を停止操作によって決定するという遊技性が追加され、当選ゲームにおける興趣を大幅に向上させることが可能となる。
なお、上記特徴D16に対し、特徴D1乃至D15にて示した構成を個別に適用してもよいし、特徴D1乃至D15にて示した構成を組合せて適用してもよい。
特徴D17.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる通常遊技動作が行われるように各前記周回体を制御する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による当選結果が移行結果(例えば、特リプA重複1)であって、前記有効位置に当該移行結果に対応する移行用の絵柄組合せ(「赤7」図柄揃い)が停止したことに基づいて、遊技状態を遊技者とって有利な有利状態(制限非対象ボーナス)に移行させる有利移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理において制限対象ボーナスへ移行させる処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記移行結果当選である当選ゲームにおいて、前記有効位置に第1特定の絵柄組合せが停止した場合に、前記有利状態において第1特定制御(疑似上乗せ報知演出を実行しない制御)を実行可能となる第1特定制御実行手段(主制御装置101によるフリーズ制限フラグがセットされている場合の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、移行結果に当選し移行用の絵柄組合せが停止すると有利状態に移行する構成を前提とし、移行結果当選ゲームでの停止出目によって有利状態中の制御として第1特定制御が行われるようになる。このように、移行結果当選ゲームでの停止出目によって有利状態中の制御が異なり得るようにすれば、移行結果当選(有利状態当選)を察知する、という当選ゲームでの遊技性に加え、有利状態中の制御内容(演出内容)を停止操作によって決定するという遊技性が追加され、当選ゲームにおける興趣を大幅に向上させることが可能となる。
特徴D18.前記当選ゲームにおいて、前記有効位置に前記第1特定の絵柄組合せとは異なる第2特定の絵柄組合せが停止したことに基づいて、前記有利状態において前記第1特定制御とは異なる第2特定制御(疑似上乗せ報知演出を実行する制御)を実行可能となる第2特定制御実行手段(主制御装置101による疑似上乗せ報知演出用の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D17に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行結果に当選し移行用の絵柄組合せが停止すると有利状態に移行する構成を前提とし、移行結果当選ゲームでの停止出目によって有利状態中の制御が第1特定制御と第2特定制御とで異なるようになる。このように、移行結果当選ゲームでの停止出目によって有利状態中の制御を異ならせるようにすれば、移行結果当選(有利状態当選)を察知する、という当選ゲームでの遊技性に加え、有利状態中の制御内容(演出内容)を停止操作によって決定するという遊技性が追加され、当選ゲームにおける興趣を大幅に向上させることが可能となる。
特徴D19.前記有利状態中において所定の報知手段にて特定報知(疑似フリーズ演出)を実行可能な特定報知実行手段(主制御装置101による第1疑似演出用処理を実行する機能)を備え、
前記第1特定制御実行手段は、前記第1特定制御として前記特定報知実行手段による前記特定報知の実行を制限し、
前記第2特定制御実行手段は、前記第2特定制御として前記特定報知実行手段による前記特定報知の実行を許容することを特徴とする特徴D18に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行結果当選ゲームでの停止出目によって有利状態中の特定報知の実行が許容されたり制限されたりする。このようにすることで、特定報知の実行の有無を、遊技者自らの停止操作によって決定することが可能となる。より詳しくは、当選ゲームにおいて、特定報知を見たくない遊技者は第1特定の絵柄組合せを停止させ、特定報知を見たい遊技者は第2特定の絵柄組合せを停止させる、といったように、当選ゲームにおいて有利状態中の報知内容に関して遊技者が介入する余地が生じ、当該当選ゲームの遊技性を向上させることができる。
特徴D20.前記特定報知実行手段により前記特定報知が実行される場合、所定の遊技動作の進行を制限する特別制御(フリーズ演出)が実行され得るものであり、
前記第1特定制御実行手段により前記特定報知の実行が制限される場合、前記特別制御の実行も制限されることを特徴とする特徴D19に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知は所定の遊技動作の進行が制限される特別制御を伴う報知となり、所謂フリーズ演出のように、遊技者は遊技操作が制限されることを通じて当該特定報知を認識し易くなるとともに、当該特定報知の注目度が高められる。その一方で、このような演出効果の高い特別制御であっても、スムーズな遊技進行を優先したい遊技者にとっては、かえって煩わしいものとなり得ると考えられる。そこで、停止出目によって特定報知の実行を制限するとともに、制限時には特別制御についても行われないようにすることで、遊技進行を優先したい遊技者のニーズに応えることが可能となる。
特徴D21.前記第1特定制御実行手段により前記第1特定制御が実行される場合と、前記第2特定制御実行手段により前記第2特定制御が実行される場合とで、遊技者にとっての有利度に変化が生じないように設定されていることを特徴とする特徴D18乃至D20のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利度に変化を生じさせない範囲で、当選ゲームにおける停止出目によって有利状態中の制御を異ならせることによる演出効果を期待することができる。
特に、特徴D20のように、所定の遊技動作の進行が制限され得る構成においては、遊技進行を優先したい遊技者の選択(特定報知の制限を選択)を、有利度と関係なく、より純粋に行わせることが可能となる。
特徴D22.前記駆動制御手段は、前記当選ゲームにおいて、前記停止操作手段が、前記第1特定の絵柄組合せを停止可能となる特定態様にて操作された場合は当該第1特定の絵柄組合せが停止可能となる一方、当該特定態様とは異なる態様にて操作された場合は前記第2特定の絵柄組合せが停止するように各前記周回体を制御することを特徴とする特徴D18乃至D21のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行結果当選ゲームにおいて特定態様にて停止操作手段が操作されると、第1特定の絵柄組合せが停止して第1特定制御が実行される一方、当該特定態様にて操作されないと、第1特定の絵柄組合せではなく第2特定の絵柄組合せが停止して第2特定制御が実行される。このように、停止操作手段の操作態様によって有利状態中の制御を異ならせることで、遊技者自身が選択した特定制御を、遊技機側で操作態様として把握することが可能となる。
特徴D23.前記駆動制御手段は、前記当選ゲームにおいて、前記停止操作手段が、前記第1特定の絵柄組合せを停止可能となる特定態様にて操作された場合は当該第1特定の絵柄組合せが停止可能となる一方、当該特定態様にて操作されなかった場合は前記第2特定の絵柄組合せが停止するように各前記周回体を制御することを特徴とする特徴D18乃至D22のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行結果当選ゲームにおいて特定態様にて停止操作手段が操作されると、第1特定の絵柄組合せが停止して第1特定制御が実行される一方、当該特定態様にて操作されないと、第1特定の絵柄組合せではなく第2特定の絵柄組合せが停止して第2特定制御が実行される。このように、停止操作手段の操作態様によって有利状態中の制御を異ならせることで、遊技者自身が選択した特定制御を、遊技機側で操作態様として把握することが可能となる。
特に、上記構成においては、第1特定の絵柄組合せ及び第2特定の絵柄組合せのいずれか一方は停止するため、第1特定制御を実行させようとして特定態様に失敗してしまった場合でも、取りこぼしが生じず、安心してその選択を行わせることができる。
特徴D24.各前記周回体のうち特定周回体(左リール32L)において、前記第1特定の絵柄組合せに対応する絵柄の配置数が、前記第2特定の絵柄組合せに対応する絵柄の配置数よりも少ないことを特徴とする特徴D22又は特徴D23に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定の絵柄組合せではなく第1特定の絵柄組合せを停止させようとする場合、特定周回体において、第2側よりも数の少ない第1側の絵柄を狙って停止操作(特定態様にて操作)する必要がある。つまり、特定態様にて第1特定の絵柄組合せを停止させることは、第2特定の絵柄組合せを停止させるよりも難しい操作となる。このようにすることで、基本的には第2特定制御が実行され、当該難しい操作をあえて行う場合にのみ第1特定制御が実行される構成となる。このようにすれば、例えば、第2特定制御では所定の演出が行われるような構成においては、せっかく用意した演出がなかなか実行されないといった事象を回避できるし、遊技者の操作技術の向上心を掻き立てる効果も期待できる。
特徴D25.前記第1特定の絵柄組合せに対応する第1絵柄と前記第2特定の絵柄組合せに対応する第2絵柄とは、前記特定周回体において、前記第1絵柄に対して周回上流側に所定の前記第2絵柄が位置し、且つ当該第1絵柄に対して周回下流側に他の前記第2絵柄が位置するように配されていることを特徴とする特徴D24に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定周回体に対する停止操作のタイミングが、上流側の所定の第2絵柄が有効位置に到達するまでのタイミングであれば第2絵柄が停止する。そして、当該所定の第2絵柄が有効位置を通過した後においては、第1絵柄が有効位置に到達するまでのタイミングであれば第1絵柄が停止し、当該第1絵柄が有効位置を通過した後であれば下流側の他の第2絵柄が有効位置に停止する。つまり、第1絵柄を停止させようとするのであれば、所定の第2絵柄が有効位置を通過してから第1絵柄が有効位置に到達するまでの間のタイミングに限定される。このようにすることで、第1絵柄と第2絵柄とのいずれをも停止可能としながらも、第1絵柄と第2絵柄との引き込みの優先順序を設定することが可能となる。
特徴D26.前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1のタイミングにて操作された場合には対応する絵柄組合せが停止して前記特典付与手段により対応する特典が付与され、前記停止操作手段が前記第1のタイミングとは異なる第2のタイミングにて操作された場合には前記対応する絵柄組合せが停止せず前記特典付与手段により対応する特典が付与されない操作対応結果(強スイカなどの取りこぼし役)が設けられており、
前記第1特定の絵柄組合せは、前記第1のタイミングにて操作された場合には停止不可となるように対応する絵柄が各前記周回体に配されていることを特徴とする特徴D22乃至D25のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作対応結果当選時の特典を漏れなく享受できるように、通常時は、主に第1のタイミングにて停止操作が行われることが想定され、このような前提のもと、第1特定の絵柄組合せは第1のタイミングで停止操作されると停止しない。つまり、第1特定制御を実行させようとするならば、通常時とは異なるタイミングにて停止操作する必要が生じ、意図せず第1特定制御が実行される事象を生じにくくすることができる。
特徴D27.前記当選ゲームにおいて、前記第1特定の絵柄組合せが停止したことの停止情報を記憶可能な記憶手段(主制御装置101によるフリーズ制限フラグをセットする処理を実行する機能)を備え、
前記第1特定制御実行手段は、前記停止情報に基づいて前記第1特定制御を実行可能となる構成であり、
前記記憶手段は、前記停止情報の記憶契機となった前記移行結果当選に基づく前記有利状態が終了した後も、当該停止情報を保持可能であることを特徴とする特徴D17乃至D26のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定の絵柄組合せを停止させた停止情報は、有利状態後も保持されるため、次の移行結果当選時において第1特定の絵柄組合せを停止させなくても、有利状態中においては第1特定制御が実行される。このようにすることで、毎回、第1特定の絵柄組合せを停止させることを強要せず、操作性の向上を図ることができる。
特徴D28.前記当選ゲームにおいて、前記第1特定の絵柄組合せが停止したことの停止情報を記憶可能な記憶手段(主制御装置101によるフリーズ制限フラグをセットする処理を実行する機能)を備え、
前記第1特定制御実行手段は、前記停止情報に基づいて前記第1特定制御を実行可能となる構成であり、
遊技者による特定操作に基づいて、前記記憶手段により記憶されている前記停止情報を、前記有利状態移行前に消去することが可能な消去手段(主制御装置101によるBB入賞ゲーム用入賞結果対応処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D17乃至D27のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、たまたま第1特定の絵柄組合せを停止させてしまった場合に、意図せず第1特定制御が実行されてしまうことを解消することが可能となる。
特徴D29.前記第1特定の絵柄組合せを停止させる操作のほうが、前記特定操作よりも操作難易度が高いことを特徴とする特徴D28に記載の遊技機。
上記構成によれば、意図せず第1特定の絵柄組合せを停止させてしまった遊技者が、第1特定制御ではなく第2特定制御を実行させようとしても、なかなかそうはできない、といった事象を抑制することができる。
なお、上記構成の具体的な構成としては、例えば、以下のとおりである。
「前記駆動制御手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記移行結果であり、前記停止操作手段が、前記第1特定の絵柄組合せを停止可能となる特定タイミングにて操作された場合は当該第1特定の絵柄組合せが停止可能となる一方、当該特定タイミングとは異なるタイミングにて操作された場合は前記第2特定の絵柄組合せが停止するように各前記周回体を制御するものであり、
前記特定操作は、各前記停止操作手段を特定順序にて操作することである」。
特徴D30.前記消去手段は、前記停止情報の記憶契機となった前記第1特定の絵柄組合せについての前記移行結果当選に基づく前記有利状態への移行前に前記特定操作が行われた場合、当該有利状態移行以前に当該停止情報を消去することが可能であることを特徴とする特徴D28又は特徴D29に記載の遊技機。
上記構成によれば、たまたま第1特定の絵柄組合せを停止させてしまった場合に、その第1特定の絵柄組合せを停止させた移行結果当選に基づく有利状態移行前に特定操作を行えば、当該有利状態において第1特定制御ではなく第2特定制御を実行させることが可能となる。これにより、意図せず第1特定制御が実行されてしまう場面が少なくなる。
特徴D31.前記消去手段は、前記停止情報の記憶契機となった前記第1特定の絵柄組合せについての前記移行結果当選に基づく前記有利状態が終了した後であって、前記移行結果に当選にした場合に前記特定操作が行われたことに基づいて、前記停止情報を消去することが可能であることを特徴とする特徴D28乃至D30のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定の絵柄組合せを停止させて第1特定制御が実行される有利状態を消化した後において、遊技者が心変わりした場合に、次回以降の有利状態において第2特定制御を実行させることが可能となる。この場合、上記第1特定制御が実行される有利状態の消化後、自由なタイミングで特定操作を受付可能なわけではなく、移行結果に当選したことを契機として受付可能となる構成としたため、特定操作を意図せず行ってしまうといった事象の発生を抑制することが可能となる。
特徴D32.前記移行結果として、第1移行結果(例えば、特リプA重複1)と第2移行結果(例えば、特リプAB重複1)とが設定されており、
前記有利移行手段は、
前記抽選手段による当選結果が前記第1移行結果であって、前記有効位置に当該第1移行結果に対応する絵柄組合せ(「赤7」図柄揃い)が停止したことに基づいて、遊技状態を遊技者とって有利な第1有利状態(制限非対象ボーナス)に移行させる第1有利移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理において制限非対象ボーナスへ移行させる処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が、前記第2移行結果であって、前記有効位置に当該第2移行結果に対応する絵柄組合せが停止したことに基づいて、遊技状態を遊技者とって有利な第2有利状態(制限対象ボーナス)に移行させる第2有利移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理において制限対象ボーナスへ移行させる処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1移行結果は少なくとも第1特定結果(特リプA)を含む結果であり、
前記第2移行結果は少なくとも前記第1特定結果及び当該第1特定結果とは異なる第2特定結果(特リプB)を含む結果であり、
前記特典付与手段は、前記有効位置に前記第2特定の絵柄組合せが停止したことに基づいて前記第1特定結果に対応する特典を付与し、前記有効位置に前記第1特定の絵柄組合せが停止したことに基づいて前記第2特定結果に対応する特典を付与することを特徴とする特徴D18乃至D31のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1移行結果又は第2移行結果にて第1有利状態や第2有利状態に移行する構成を前提とし、両移行結果に含まれる第1特定結果に対応する第2特定の絵柄組合せを停止させるといずれの有利状態でも第2特定制御が実行され、第2移行結果にのみ含まれる第2特定結果に対応する第1特定の絵柄組合せを停止させると第1特定制御が実行される。このように、第2移行結果当選時の停止出目によって第2有利状態中の制御が異なるため、第1有利状態か第2有利状態かの判別の可否を、停止出目によって切り替えることが可能となる。このようにすることで、上記有利状態の判別の可否が、遊技者自らの停止操作によって決定される構成となり、複数の有利状態を設けた構成において、その有利状態の種類を判別することによる嬉しさ、又は判別しないことによる嬉しさを享受させることができる。
<特徴E群>
特徴E1.遊技状態として、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる低有利状態(通常区間)と高有利状態(有利区間)とが設定されており、
予め定められた終了条件が成立したことに基づいて、前記高有利状態を前記低有利状態へ移行させる低有利移行手段(主制御装置101による区間表示第2処理において通常の終了条件が成立したことに基づく有利区間の終了処理を実行する機能)と、
前記高有利状態の残数を把握する把握手段(有利区間残りゲーム数ZG)と、
予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記残数を増加させる増加処理を実行可能な増加手段(主制御装置101によるゲーム数上乗せ処理を実行する機能)と、
前記増加手段により前記増加処理が行われた場合に、当該増加処理が行われたことの増加報知(上乗せ報知)を所定の報知手段(補助表示部65)にて実行可能な第1増加報知実行手段(主制御装置101による上乗せ報知演出を実行するための処理を行う機能)と、
前記特定条件が成立していない状況で、増加報知を所定の報知手段にて実行可能な第2増加報知実行手段(主制御装置101による先乗せ報知演出を実行するための処理を行う機能)と、
前記第2増加報知実行手段により増加報知が実行された後、前記特定条件が成立した場合に、前記第1増加報知実行手段による前記増加報知の実行を制限する制限手段(主制御装置101によるステップS5101~ステップS5105の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる高有利状態と低有利状態とがあり、高有利状態は特定条件が成立すると高有利状態の残数が増加されるといった所謂上乗せ機能を有しており、残数の増加に対応する増加報知が行われるため、当該特定条件が成立することへの期待感が高められている。しかも、上記構成においては、特定条件が成立していなくても増加報知が行われる場合があり、特定条件が成立していない状況や、特定条件が成立しにくい状況であっても、高有利状態の注目度が高められている。そのうえで、特定条件非成立で増加報知を行った場合、その後に特定条件が成立した際の増加報知は制限され得る構成とした。つまり、上記構成は、増加報知を増加処理よりも先に実行したうえで、その後の増加処理にて当該先に実行した増加報知分を補填する構成といえる。このようにすることで、実際の残数との差が大きくなりすぎることを抑制しながら、増加報知を自由なタイミングで発生させることが可能となる。
なお、上記「低有利移行手段」は、以下のように表現してもよい。
「前記高有利状態が終了した場合に前記低有利状態に移行させる低有利移行手段」や、「前記高有利状態において前記把握手段により把握される前記残数に基づいて、当該高有利状態を前記低有利状態へ移行させる低有利移行手段」。
特徴E2.前記第2増加報知実行手段により実行される増加報知に対応する残数の増加分を把握する増加分把握手段(主制御装置101による先乗せカウンタMGを把握する処理を実行する機能)を備え、
前記制限手段は、前記増加分把握手段により把握される増加分だけ、前記特定条件成立に基づいて実行された前記増加処理に対応する増加報知の実行を制限することを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定条件非成立で実行された増加報知における残数の増加分だけ、その後に実行された増加処理に対応する増加報知の実行が制限される。そのため、特定条件非成立で増加報知を行ったからといって、その後の増加処理に対応する増加報知が全て制限されるわけではなく、実際に特定条件が成立した場合に行う増加報知の演出効果を期待しながらも、特定条件が成立しにくい状況等の注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴E3.前記特定条件として、少なくとも第1特定条件(強スイカ等の所謂レア役に基づく上乗せ)と第2特定条件(押し順ベル等の所謂通常役に基づく上乗せ)とが設定されており、
前記制限手段は、前記第2増加報知実行手段により増加報知が実行された後、前記特定条件として、前記第1特定条件が成立した場合と、前記第2特定条件が成立した場合とで、前記第1増加報知実行手段による増加報知の実行の制限率が異なっていることを特徴とする特徴E1又は特徴E2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定条件非成立で増加報知が行われた後、第1特定条件が成立した場合と第2特定条件が成立した場合とで、第1増加報知実行手段による増加報知の実行が制限されるか否か(制限され易さ)が異なる。例えば、第1特定条件のほうが制限され易いのであれば、上記特定条件非成立で増加報知が行われた後、第1特定条件が成立すると増加報知は実行されにくく、第2特定条件が成立すると増加報知はそれよりも実行され易いものとなる。このように、特定条件の種類によって増加報知が制限される程度を異ならせれば、一律で制限する場合よりも、制限されていることが悟られにくくなる。これにより、第2増加報知実行手段による増加報知を、特定条件非成立で実行されたものと判別しにくくし、第2増加報知実行手段による増加報知の演出効果を好適に期待することが可能となる。
特徴E4.前記第1特定条件は前記第2特定条件よりも成立しにくいものであり、
前記制限手段は、前記第2増加報知実行手段により増加報知が実行された後、前記特定条件として、前記第1特定条件が成立した場合のほうが、前記第2特定条件が成立した場合よりも、前記第1増加報知実行手段による増加報知の実行を制限し易いことを特徴とする特徴E3に記載の遊技機。
上記構成によれば、成立し易い特定条件ほど、第2増加報知実行手段による増加報知後に成立すると、第1増加報知実行手段による増加報知の実行が制限される。成立しにくい特定条件ほど成立時の残数の増加程度に大きな期待が寄せられると考えられ、そうすると、成立しにくい特定条件(第1特定条件)が成立した場合、その後の増加報知に大きな関心が寄せられるものと考えられる。つまり、成立しにくい特定条件が成立した場合の増加報知の実行を制限すると、増加報知を期待している遊技者は、大いに落胆するであろうし、制限がされていない場合の増加報知の実行確率との関係で、多大な違和感を与えかねない。そこで、上記構成のように、成立しにくい特定条件が成立した場合には制限されにくくし、成立し易い側の特定条件に基づく増加処理の増加報知を制限され易いようにすることで、増加報知が制限されていることを悟られにくくしながら、うまく先の増加報知分を補填することが可能となる。
特徴E5.前記第2増加報知実行手段は、予め定められた複数種類の特別条件(各種ゲーム数の先乗せ報知演出)のうちの一の特別条件が成立したことに基づいて、前記特定条件が成立していない状況での増加報知を実行可能であり、
前記制限手段における、前記第1増加報知実行手段による増加報知の制限率は、前記第2増加報知実行手段による増加報知の実行契機となった前記特別条件の種類に関わらず共通していることを特徴とする特徴E1乃至E4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2増加報知実行手段による増加報知の実行契機の種類は、その後の第1増加報知実行手段による増加報知の制限率に影響を及ぼさない。このようにすることで、増加報知を制限するための処理構成が簡素なものとなるだけでなく、第2増加報知実行手段による増加報知が、より特定条件成立に基づくものである印象を強めることができる。つまり、仮に、先の増加報知の実行契機によってその後の制限率を異ならせると、その制限率が、第2増加報知実行手段による増加報知の実行率や増加報知にて報知する増加数に影響を及ぼすことになり、特定条件成立時の増加報知のパラメータと大きく異なり得る。その点、上記構成のように、第2増加報知実行手段は、その後の制限率を考慮しないで増加報知を実行する構成とすることで、第1増加報知実行手段による増加報知のパラメータに近い又は同じパラメータにて増加報知を行うことが可能となり、特定条件非成立であることをより悟られにくくすることができる。
特徴E6.前記把握手段により把握される残数に応じて、前記制限手段による増加報知の制限率が異なっていることを特徴とする特徴E1乃至E5のいずれか1に記載の遊技機。
第2増加報知実行手段による増加報知と実際の残数との差を少なくするためには、より早期に先の増加報知分の補填が行われることが好ましい。その一方で、残数が多ければその後に更に特定条件が成立する可能性は高く、先の増加報知分を補填するチャンスは発生し易くなる。また、残数が少なければその後に特定条件が成立する可能性は低く、上記補填するチャンスは発生しにくい。このような前提のもと、上記構成のように残数に応じて制限率を異ならせれば、例えば、より早期に補填をしようとするあまり、残数が多いのにもかかわらず強制的に増加報知を制限してしまう、といったような構成となりにくく、違和感を与えないようにしながら先の増加報知分を補填することが可能となる。
特徴E7.前記把握手段により把握される残数が少ないほど、前記制限手段により増加報知が制限され易いことを特徴とする特徴E6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴E6の構成において、残数が少ない状況では、積極的に先の増加分の補填が行われる構成となり、高有利状態が終了する際の報知回数の差を小さくすることが可能となる。
特徴E8.前記高有利状態における残数に対応する表示であって、前記第1増加報知実行手段及び前記第2増加報知実行手段による増加報知の増加分が反映される残数表示を所定の報知手段にて実行可能な残数表示実行手段(主制御装置101による表示用残数カウンタHGに関する処理を実行する機能)と、
前記残数表示実行手段により表示される残数表示が予め定められた所定数(1)となったことに基づいて、前記把握手段により把握される残数との差分に関する報知を実行可能な差分報知実行手段(主制御装置101による後乗せ報知用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E7のいずれか1に記載の遊技機。
残数表示実行手段による残数表示は、第1増加報知実行手段による実際に増加処理が行われた分の増加報知だけでなく、増加処理を伴わずに行われる第2増加報知実行手段による増加報知の増加分が反映されるため、第2増加報知実行手段による増加報知と、第1増加報知実行手段による増加報知との区別が、残数表示からはつきにくい。但し、第2増加報知実行手段による増加報知は、実際に増加処理が行われていないため、実際の把握手段により把握される残数との差があり得る表示となる。そこで、上記構成においては、残数表示が予め定められた所定数となった場合、差分に関する報知が行われ得る構成としているため、上記差分をなくしたうえで高有利状態を終了させることができる。よって、残数表示に残りがあるのにも関わらず終了する等の違和感を与えないようにすることができる。
特徴E9.前記増加手段により前記増加処理が行われた場合に、当該増加処理が行われたことの増加報知(上乗せ報知)を、当該増加処理が行われたゲームよりも後のゲームにて所定の報知手段(補助表示部65)にて実行可能な第3増加報知実行手段(主制御装置101による後乗せ報知演出を実行するための処理を行う機能)を備え、
前記残数表示実行手段は、前記第3増加報知実行手段による増加報知の増加分も反映可能であり、
前記差分報知実行手段は、前記把握手段により把握される残数との差分に関する報知として、前記第3増加報知実行手段による増加報知を実行可能であることを特徴とする特徴E8に記載の遊技機。
上記構成によれば、残数表示が所定数となった場合に、把握手段により把握される残数との差分に関する報知として、第2増加報知実行手段による増加報知が補填されなかった分の報知だけでなく、第3増加報知実行手段による増加報知の未実行分の報知も行われ得る。つまり、上記差分に関する報知として、残数表示が実際の残数よりも多いとする報知(例えば、残数表示を減算する報知)だけでなく、残数表示が実際の残数よりも少ないとする報知(例えば、残数表示を増加する報知)も行われ得る。そのため、差分の報知は、遊技者にとって残念な報知だけでなく嬉しい報知ともなり得るようになり、差分の報知が行われることへの注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴E10.前記差分報知実行手段にて、前記第2増加報知実行手段により実行された増加報知についての前記差分に関する報知が実行された場合、遊技者に特別特典を付与することが可能な特別特典付与手段(主制御装置101による特別演出コマンドをセットする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E9に記載の遊技機。
実際の残数が少なくなるような修正用の報知は遊技者にとっては好ましくないものであるが、上記構成においては、修正用の報知として、第2増加報知実行手段側の修正用報知、すなわち実際の残数が少なくなるような報知がなされた場合には、特別特典が付与される。そのため、減算された場合の残念感をフォローすることができる。
特徴E11.前記所定数は、前記第2増加報知実行手段による増加報知の増加分に相当する数であることを特徴とする特徴E8乃至E10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、増加報知の増加分が丸ごと補填されなかった場合であっても、差分に関する報知によって、残数表示を修正したうえで高有利状態を終了させることができる。しかも、上記のようにすることで、遊技者は、先に行われた増加報知の増加数に対応する残数表示となった場合に修正用の報知(差分に関する報知)がなされる、といった心構えをすることが可能となり、突然、修正用の報知がなされるよりも残念感が軽減される。
特徴E12.前記差分報知実行手段は、
前記残数表示実行手段により表示される残数表示が、前記第2増加報知実行手段による増加報知の増加分に相当する第1所定数となった場合に前記把握手段により把握される残数との差分に関する報知を実行可能であり、且つ、前記残数表示実行手段により表示される残数表示が、前記第1所定数よりも少ない第2所定数となった場合に前記把握手段により把握される残数との差分に関する報知を実行可能であり、
前記第2所定数にて、前記第2増加報知実行手段により実行された増加報知についての前記差分に関する報知が実行された場合、遊技者に特別特典を付与することが可能な特別特典付与手段(主制御装置101による特別演出コマンドをセットする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E8乃至E11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、増加報知の増加分が丸ごと補填されなかった場合には第1所定数にてその修正用の報知(差分に関する報知)がなされ、仮に少しでも補填がなされた場合には第2所定数にてその修正用の報知がなされる。このようにすることで、残数の表示に関して差分が存在したまま高有利状態が終了する事象の発生をより好適に回避可能となる。
しかも、第1所定数であっても第2所定数であっても、実際の残数が少なくなるような修正用の報知は遊技者にとっては好ましくないものであるが、上記構成においては、第2所定数にて修正用の報知がなされた場合には、特別特典が付与される。そのため、第1所定数にてその修正用の報知がなされなかった場合には、第2所定数にて修正用の報知がなされることを望むようになり、第2増加報知実行手段による増加報知を起因とする修正用の報知を利用した新たな遊技性が創出される。
特徴E13.前記特定条件の成立が制限される制限状態(制限対象ボーナス)が設定されており、
前記第2増加報知実行手段は、前記制限状態において増加報知を実行可能であることを特徴とする特徴E1乃至E12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定条件の成立が制限される制限状態であっても、増加報知を実行し、あたかも特定条件が成立可能な状態であるかのような印象を与えることができる。このようにすることで、かかる制限状態における興趣向上を図ることが可能となる。
特徴E14.遊技媒体の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数段階設けられており、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値が設定される設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段により第1設定値が設定されている場合と前記第1設定値とは異なる第2設定値が設定されている場合とで、前記制限状態への移行率が異なっていることを特徴とする特徴E13に記載の遊技機。
制限状態は設定値によって移行率が異なるため、仮に特定条件の成立が制限されていることが明確に把握されてしまうと、その設定値が如実に判別されてしまう可能性がある。その点、上記構成によれば、特定条件の成立が制限されていても増加報知が実行されるため、制限状態であることが把握されにくく、設定値の判別が困難となる。このようにすることで、設定値が早期に判別されることによる当該遊技機又は他の遊技機の稼働率の低下を回避することができる。
なお、以上詳述した特徴A群乃至特徴E群の各構成に対して、他の特徴A群乃至特徴E群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以下に上述した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。