JP2012249832A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】異なる制御装置間において、好適に情報の送受信を行うことを可能とすること。
【解決手段】払出装置77において遊技球の払い出しに関して所定の異常が発生した場合に払出側MPU102から主側MPU92に対して異常開始コマンドが送信される。当該異常開始コマンドは第2の信号経路SL2を通じてシリアル通信によって主側MPU92に送信される。ここで、第2の信号経路SL2の伝送速度は1200bpsに設定されている。受信された異常開始コマンドはコマンドバッファ94dに格納され、異常開始コマンドに対応した払出異常報知コマンド等の各種コマンドがシリアル通信によって音光制御装置72に送信される。当該信号経路の伝送速度は19200bpsに設定されている。払出異常報知コマンドが音光制御装置72に受信されたことを契機として払出異常報知がエラー発光部58bやスピーカ部59にて実行される。
【選択図】 図6

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
遊技機の一種として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機として、複数の制御装置を備えたものが知られている。当該遊技機では、複数の制御装置間で通信を行いながら各制御装置にて所定の制御が実行されることで遊技の進行が制御される。
これら複数の制御装置を備える構成として、例えばパチンコ遊技機では、主制御装置と払出制御装置とを備えている。主制御装置では遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したか否かの入球判定が行われ、遊技球の払出に係る入球部への入球が発生した場合には主制御装置から払出制御装置へ賞球コマンドが出力される。払出制御装置は賞球コマンドに対応した個数の遊技球が払い出されるように、払出装置を駆動制御する(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−213766号公報
払出制御装置は、払出装置に異常がある場合、主制御装置に対して異常発生時用のコマンドを送信する。当該異常発生時用のコマンドは主制御装置にて受信された後、所定数のコマンドを一時的に格納可能な記憶領域であるバッファに格納される。その後、主制御装置にて行われる処理において、バッファに格納された上記コマンドが報知用の制御装置へ送信され、当該報知用の制御装置にて異常報知の処理が行われる。
しかしながら、主制御装置が実行する処理において、所定の処理回の開始からその次の処理回の開始までの期間に報知用の制御装置へ送信可能なコマンド数は限られている。そのため、前記期間に送信可能なコマンド数を超えてコマンドが受信された場合、コマンドが送信されずにバッファに格納されたまま次の処理回へ移行する状況が発生する。このような状況が連続して発生するとバッファの記憶領域が未処理のコマンドで一杯になり、新しいコマンドが払出制御装置から送信されたとしても格納できない又は古いコマンドが上書きされてしまう。
なお、上記課題は主制御装置、払出制御装置及び報知用の制御装置の関係に限定されたものではなく、他の制御装置間の関係においても同様に発生する。また、異常報知に係る構成に限定されたものではなく、他の情報伝達に係る構成においても同様に発生する。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、異なる制御装置間において、好適に情報の送受信を行うことが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
以下、上記課題を解決するための手段について記載する。
請求項1記載の発明は、制御手段として、第1制御手段、第2制御手段及び第3制御手段を有し、
前記第2制御手段は、第1通信手段を介して前記第1制御手段からコマンドを受信し、第2通信手段を介して前記第3制御手段にコマンドを送信し、
これらコマンドの受信及び送信が行われることにより、前記第1制御手段において行われた所定の処理に対応した処理が前記第3制御手段にて行われ、
前記第1通信手段は、当該第1通信手段による情報の伝送速度が、前記第2通信手段の情報の伝送速度よりも低くなるようにする第1情報送信手段を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、異なる制御装置間において、好適に情報の送受信を行うことが可能となる。
第1の実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 (a),(b)図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための説明図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。 主側MPUにて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される特図特電制御処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される特図変動開始処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される不正検知処理を示すフローチャートである。 データ送信回路部にて実行されるコマンド送信処理を示すフローチャートである。 音光制御装置にて実行される報知及び演出制御処理を示すフローチャートである。 払出制御装置から主制御装置へのコマンドの伝送に係る構成及び主制御装置から音光制御装置へのコマンドの伝送に係る構成を示したブロック図である。 (a)はコマンドバッファの初期状態を示す説明図、(b)はコマンドバッファの一部の記憶領域にコマンドが格納された状態を示す説明図、(c)はコマンドバッファの全記憶領域にコマンドが格納された状態を示す説明図である。 払出側MPUにて実行される払出状態検知処理を示すフローチャートである。 第1データ送信部にて実行されるコマンド送信処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される払出状態受信処理を示すフローチャートである。 主側MPUにおける各種コマンドの送受信の様子を説明するためのタイミングチャートである。 第2の実施の形態における払出制御装置から主制御装置へのコマンドの伝送に係る構成及び主制御装置から音光制御装置へのコマンドの伝送に係る構成を示したブロック図である。
<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材などを四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、図2に示すように、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、図2に示すように、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口(第1始動入球部)33,下作動口(第2始動入球部)34,スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34への入球が発生すると、それが遊技盤24の背面側に配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合に、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の賞球の払い出しが実行され、可変入賞装置32への入球が発生した場合には15個の賞球の払い出しが実行され、上作動口33への入球が発生した場合には3個の遊技球の払い出しが実行され、下作動口34への入球が発生した場合には4個の遊技球の払い出しが実行される。なお、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口33及び下作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。上作動口33及び下作動口34は共に上向きに開放されている。また、上作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は上下方向、より詳細には鉛直方向に並んでいる。下作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての電動役物34aが設けられている。電動役物34aが閉鎖状態である場合には下作動口34への入賞が不可となり、電動役物34aが開放状態となることで下作動口34への入賞が可能となる。
可変入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる大入賞口32aを備えているとともに、当該大入賞口32aを開閉する開閉扉32bを備えている。開閉扉32bは、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放される態様がある。
メイン表示部43及び役物用表示部44は、遊技領域の下部側の外縁に沿って配設された装飾部材39に設けられている。装飾部材39は、遊技盤24の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材39の前面は、遊技領域をパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル57と対向しており、さらに窓パネル57との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材39の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
装飾部材39の前面から露出するようにしてメイン表示部43及び役物用表示部44が設けられている。つまり、メイン表示部43及び役物用表示部44は、前扉枠14の窓パネル57を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部43,44の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
メイン表示部43では、上作動口33又は下作動口34への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。つまり、本パチンコ機10では、上作動口33への入賞と下作動口34への入賞とが内部抽選において区別されておらず、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が共通の表示領域であるメイン表示部43にて明示される。そして、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、メイン表示部43にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。また、開閉実行モード後に当否抽選の確率が高確率となる場合と、開閉実行モード後に当否抽選の確率が低確率となる場合とでは、メイン表示部43にて変動表示が終了される場合の停止結果が異なっている。
ちなみに、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、メイン表示部43にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。また、メイン表示部43にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
役物用表示部44では、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口34に設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット36には、絵柄として数字が付された図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット36には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。このセンターフレーム42は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置41の表示面の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示面の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示画面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
図柄表示装置41では、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて図柄の変動表示が開始される。すなわち、メイン表示部43において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。
図柄表示装置41の表示内容について、図5を参照して詳細に説明する。図5は図柄表示装置41の表示面Gを示す図である。
絵柄の一種である図柄は、「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」〜「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
図5(a)に示すように、図柄表示装置41の表示面Gには、複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。
図5(b)に示すように、表示面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。
上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて表示面Gにおいて遊技回用の演出が行われる場合には、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示が開始される。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示から待機表示に切り換えられ、最終的に各図柄列Z1〜Z3にて所定の図柄を静止表示した状態で遊技回用の演出が終了される。
また、遊技回用の演出が終了する場合において同一の図柄の組合せが一の有効ライン上に停止表示された場合には、可変入賞装置32が所定回数に亘って開閉され且つ多量の遊技球の獲得を可能とする開閉実行モードに移行することとなる。この場合に、開閉実行モード後に当否抽選の確率が高確率となる場合に対応した遊技回用の演出では、いずれかの有効ラインに同一の奇数の数字が付された図柄の組み合わせが形成される。一方、開閉実行モード後に当否抽選の確率が低確率となる場合に対応した遊技回用の演出では、いずれかの有効ラインに同一の偶数の数字が付された図柄の組み合わせが形成される。
また、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置41にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
センターフレーム42の前面側における左上部分には、メイン表示部43及び図柄表示装置41に対応した第1保留発光部45が設けられている。遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留発光部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上述したように、センターフレーム42の上部がパチンコ機10前方に延出していることにより、第1保留発光部45の視認性が遊技球の落下により阻害されない構成となっている。
センターフレーム42の右上部分には、役物用表示部44に対応した第2保留発光部46が設けられている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、第2保留発光部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留発光部45,46の機能が図柄表示装置41の一部の領域における表示により果たされる構成としてもよい。
遊技盤24には、内レール部48と外レール部49とが取り付けられており、これら内レール部48と外レール部49とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構51から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構51は、図2に示すように、樹脂ベース21における窓孔23の下方に取り付けられており、前扉枠14に設けられた発射ハンドル55が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部56が形成されている。窓部56は、略楕円形状をなし、窓パネル57が嵌め込まれている。窓パネル57は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよい。
窓部56の周囲には、各種発光部等の発光手段が設けられている。当該各種発光部の一部として表示発光部58aが窓部56の上方に設けられている。また、表示発光部58aの左右両側であって前扉枠14の上側の隅角部分には左右一対のエラー発光部58bが設けられている。また、エラー発光部58bに隣接させて、遊技状態に応じた効果音などが出力される左右一対のスピーカ部59が設けられている。
前扉枠14における窓部56の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部61と下側膨出部62とが上下に並設されている。上側膨出部61内側には上方に開口した上皿61aが設けられており、下側膨出部62内側には同じく上方に開口した下皿62aが設けられている。上皿61aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構51側へ導くための機能を有する。また、下皿62aは、上皿61a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。また、下皿62aは、上皿61a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿61a及び下皿62aには、裏パックユニット15の払出装置77から払い出された遊技球が前扉枠14の背面に設けられた通路形成ユニット80を通じて排出される。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、主制御装置71及び音光制御装置72と、が搭載されている。
主制御装置71や音光制御装置72を含めて内枠13の背面側を覆うようにして裏パックユニット15が設置されている。裏パックユニット15は、透明性を有する合成樹脂により形成された裏パック73を備えており、当該裏パック73に対して、払出機構部74及び制御装置集合ユニット75が取り付けられている。
払出機構部74は、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク76と、当該タンク76に貯留された遊技球を払い出すための払出装置77と、を備えている。払出装置77より払い出された遊技球は、当該払出装置77の下流側に設けられた払出通路を通じて、上皿61a又は下皿62aに排出される。なお、払出機構部74には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチを有する裏パック基板が搭載されている。
制御装置集合ユニット75は、払出制御装置78と電源及び発射制御装置79とを備えている。これら払出制御装置78と電源及び発射制御装置79とは、払出制御装置78がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
裏パック73には、払出機構部74及び制御装置集合ユニット75以外にも、外部端子板81が設けられている。外部端子板81は、パチンコ機10の背面において裏パックユニット15の回動基端側であって上側の隅角部分に設置されている。外部端子板81は、パチンコ機10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために、所定の信号出力を行うための基板である。
<パチンコ機10の電気的構成>
図6は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置71は、遊技の主たる制御を司る主制御基板91と、電源を監視する停電監視基板(電断監視基板)96と、を具備している。主制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92には、ROM93及びRWM94が内蔵されている。
ROM93は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を、読み出し専用として利用するように構成されている。当該ROM93は、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。
RWM94は、SRAMやDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合にROM93よりも読み出しに要する時間が短いものとなっている。当該RWM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。
また、MPU92又は主制御基板91には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRWM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU92には、入出力ポートが設けられている。MPU92の入力側には、停電監視基板96、払出制御装置78、各入賞用検知センサ、磁石検知センサ24a及び電波検知センサ24bなどが接続されている。
停電監視基板96には電源及び発射制御装置79が接続されており、MPU92には停電監視基板96を介して電力が供給される。電源及び発射制御装置79は電源及び発射制御基板111を備えており、当該電源及び発射制御基板111には、電入時用電源部113と、電断時用電源部114とが設けられている。
電入時用電源部113は、例えば遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されており、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御装置71や払出制御装置78等の各々に必要な動作電圧を生成するとともに、その生成した動作電圧を主制御装置71や払出制御装置78等に対して供給する。
電入時用電源部113とMPU92との電力供給経路の途中位置には停電監視基板96が設けられている。停電監視基板96は、電入時用電源部113から供給される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。そして、この電圧が22ボルト未満になると電源遮断の発生と判断し、MPU92に停電信号(電断信号)の出力設定を停電(電源遮断)の発生に対応したものとする。
電断時用電源部114はコンデンサからなり、パチンコ機10の電源がON状態の場合(商用電源からの電力供給が行われている場合)に電入時用電源部113から供給される電力により充電される。また、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合や商用電源における停電発生時といった電源遮断状態(商用電源からの電力供給が遮断されている場合)では、電断時用電源部114から放電されRWM94に対して記憶保持用電力(バックアップ電力)が供給される。よって、かかる状況であっても、電断時用電源部114から記憶保持用電力が供給されている間はRWM94に記憶された情報が消去されることなく記憶保持される。
また、図示による説明は省略するが、電源及び発射制御基板111には、上記電断時用電源部114とは異なる停電時処理用電源部が設けられている。電源及び発射制御基板111では、直流安定24ボルトの電源が22ボルト未満になった後においても、停電時処理用電源部から放電することにより、後述する停電時処理の実行に十分な時間の間、制御系の駆動電源である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。これにより、MPU92は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
また、電源及び発射制御装置79は、遊技球発射機構51の発射制御を担うものであり、発射ハンドル55に対する所定の発射操作を特定したことに基づいて、遊技球発射機構51を駆動する。
入賞用検知センサとして、MPU92の入力側には、遊技領域の一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35に対して設けられた入賞用の検知センサ31a,31b,31c,32e,33a,34c,35a,35b(以下、これらをまとめて入賞用検知センサ31a〜35bという)が電気配線を介して電気的に接続されている。この場合、主制御基板91と各入賞用検知センサ31a〜35bとがそれぞれ1の電気配線を介して接続されている構成としてもよく、各信号経路の途中に中継基板が介在している構成としてもよい。これは他の機器との接続に係る構成についても同様である。
各入賞用検知センサ31a〜35bの検知結果に基づいて、MPU92において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU92では、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて大当たり抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいてサポート抽選を実行する。サポート抽選に当選すると下作動口34への遊技球の入賞が可能となる。
MPU92の入力側には、上記各入賞用検知センサ31a〜35b以外にも磁石検知センサ24a及び電波検知センサ24bが電気配線を介して電気的に接続されている。
磁石検知センサ24aは、上作動口33周辺における遊技盤24の背面側に設置されている。上記のとおり上作動口33は内部抽選のトリガとなるため、窓パネル57の前方において上作動口33周辺に磁石を近付け、不正に上作動口33へと遊技球を誘導させようとする行為が想定される。これに対して、磁石検知センサ24aが設けられていることにより、上記磁石を用いた不正行為が行われた場合に、それを検知することが可能となる。
電波検知センサ24bは、上作動口33及び下作動口34周辺における遊技盤24の背面側に設置されている。上記のとおり上作動口33及び下作動口34は内部抽選のトリガとなるため、パチンコ機10前方において上作動口33又は下作動口34に向けて電波を不正に出力し、上作動口検知センサ33a又は下作動口検知センサ34cに遊技球の通過を誤検知させようとする行為が想定される。これに対して、電波検知センサ24bが設けられていることにより、上記電波を用いた不正行為が行われた場合に、それを検知することが可能となる。MPU92では、磁石検知センサ24a及び電波検知センサ24bの検知結果に基づいて上記不正行為の発生の有無を特定する。
MPU92の出力側には、払出制御装置78及び音光制御装置72が接続されている。
払出制御装置78は、払出装置77を通じた遊技球の払出の制御を司る払出制御基板101を具備している。払出制御基板101には、MPU102が搭載されている。MPU102には、ROM103及びRWM104が内蔵されている。なお、以下の説明では、主制御装置71に設けられたMPU92、ROM93及びRWM94と区別するために、主制御装置71に設けられたMPU92、ROM93及びRWM94を主側MPU92、主側ROM93及び主側RWM94と称し、払出制御装置78に設けられたMPU102、ROM103及びRWM104を払出側MPU102、払出側ROM103及び払出側RWM104と称する。
払出側ROM103は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を、読み出し専用として利用するように構成されている。当該払出側ROM103は、払出側MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。
払出側RWM104は、SRAMやDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合に払出側ROM103よりも読み出しに要する時間が短いものとなっている。この払出側RWM104には、払出側ROM103内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。払出側MPU102は、主側MPU92と同様に、パチンコ機10の電源遮断時においても電断時用電源部114からバックアップ電圧が供給されており、払出側RWM104に記憶されたデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。
また、払出側MPU102又は払出制御基板101には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが設けられている。
払出側MPU102は払出装置77と電気的に接続されている。当該払出装置77には、タンク76から払出装置77に供給されている遊技球をそれよりも下流側へ流下しないように通過を阻止する状態と、当該遊技球を下流側へ送り出す状態とに切り換える回転体などの球止め部材を駆動する払出モータ77aが設けられているとともに、上記下流側へと送り出される遊技球を個別に検知する払出検知センサ77bが設けられている。払出側MPU102の出力側には払出モータ77aが電気配線を介して電気的に接続されているとともに、払出側MPU102の入力側には払出検知センサ77bが電気配線を介して電気的に接続されている。払出側MPU102では、払出制御基板101に設けられたドライバ回路を通じて払出モータ77aに駆動信号を供給することで遊技球の払出を実行させるとともに、払出検知センサ77bの検知結果に基づいて払出が完了した遊技球の個数を把握する。
また、払出側MPU102は、裏パックユニット15に設けられた球貸用接続端子板106と電気配線を通じて電気的に接続されているとともに、当該球貸用接続端子板106が電気配線を通じて球貸装置Yと電気的に接続されている。払出側MPU102は、球貸装置Yとの間で電気信号の送受信を行うことで貸球の制御を実行する。
また、払出側MPU102には、下皿62aといった球受け皿が遊技球の満杯状態となっているかを検知する満杯検知センサ105aが電気的に接続されているとともに、タンク76が球無状態となっているかを検知する球無し検知センサ105bが電気的に接続されている。
払出側MPU102は、主側MPU92との間で通信を行うことに基づき、遊技球の払出を制御する。当該通信を行うための構成として、主制御基板91と払出制御基板101との間には複数の信号経路が存在している。主側MPU92から払出側MPU102に向けて賞球コマンド(払出指令情報)を送信するための信号経路として第1の信号経路SL1が設けられている。また、払出側MPU102から主側MPU92に向けて払出状況コマンドを送信するための第2の信号経路SL2が設けられている。第1の信号経路SL1、第2の信号経路SL2における通信及び払出状況コマンドの詳細については後で説明する。
主側MPU92の出力側には、データ送信回路部107が接続され、当該データ送信回路部107の出力側に音光制御装置72が接続されている。主制御装置71から音光制御装置72へ送信されるコマンドは、主制御基板91に設けられたデータ送信回路部107によって送信される。
データ送信回路部107はデータ送信部107a及び送信データ記憶部107bからなる。送信予定のコマンドは主側MPU92によって送信データ記憶部107bに格納されることで出力対象として設定され、データ送信部107aによって音光制御装置72に送信される。ここで、送信データ記憶部107bは複数のコマンドを記憶可能な容量、具体的には4コマンド分の記憶容量を有しており、格納されたコマンドはデータ送信部107aによって送信される。コマンドが送信される順番は、送信データ記憶部107bに格納された順番となっている。
音光制御装置72は、主制御装置71から入力された各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられた表示発光部58a、エラー発光部58b及びスピーカ部59を駆動制御するとともに、表示制御装置121をコマンドの送信により制御するものである。
表示制御装置121は、音光制御装置72から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行って、図柄表示装置41の表示面Gにおける画像の表示を制御する。
また、主側MPU92の出力側には、可変入賞装置32の開閉扉32bを開閉動作させる可変入賞駆動部32cと、下作動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34b、メイン表示部43及び役物用表示部44が接続されている。主制御基板91には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU92は各種駆動部の駆動制御を実行する。また、第1保留発光部45及び第2保留発光部46の発光制御も主側MPU92により行われる。
<主側MPU92にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、主側MPU92にて各種抽選を行うための電気的な構成について、図7を用いて説明する。
主側MPU92は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図7に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43及び図柄表示装置41における表示継続時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、下作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、主側RWM94の抽選用カウンタエリア94aに設けられている。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、主側ROM93における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリアに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。そして、かかる振分先として、通常大当たり結果と、確変大当たり結果とが設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に当否抽選モードが低確率モードとなる大当たり結果である。また、確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に当否抽選モードが高確率モードとなる大当たり結果である。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は高確率モードの当否テーブルが参照される遊技状態下よりも少なくなっている。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数は任意である。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新される。大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留格納エリア94bに格納される。
保留格納エリア94bは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、上作動口33又は下作動口34への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、上作動口33又は下作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留用エリアREは、保留数記憶エリアNAを備えており、当該保留数記憶エリアNAには上作動口33又は下作動口34への入賞履歴を保留記憶している数(保留数N)を特定するための情報が格納される。
なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
実行エリアAEは、メイン表示部43の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
大当たり乱数カウンタC1の値に対して大当たり当選となる乱数の値は、主側ROM93における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリアに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
<主側MPU92にて実行される各種処理について>
次に、主側MPU92にて遊技を進行させるために実行される各処理を説明する。かかる主側MPU92の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では4msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。
<メイン処理>
先ず、図8のフローチャートを参照しながらメイン処理を説明する。
先ずステップS101では、電源投入ウェイト処理を実行する。当該電源投入ウェイト処理では、例えばメイン処理が起動されてから1secが経過するまで次の処理に進行することなく待機する。続くステップS102では主側RWM94のアクセスを許可するとともに、ステップS103にて主側MPU92の内部機能レジスタの設定を行う。
その後、ステップS104では、電源及び発射制御装置79に設けられたRWM消去スイッチが手動操作されているか否かを判定し、続くステップS105では、主側RWM94の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。また、ステップS106ではチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し、続くステップS107ではそのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
本パチンコ機10では、例えば遊技ホールの営業開始時など、電源投入時にRWMデータを初期化する場合にはRWM消去スイッチを押しながら電源が投入される。したがって、RWM消去スイッチが押されていれば、ステップS108の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS108の処理に移行する。ステップS108では、主側RWM94の初期化として当該主側RWM94をクリアする。その後、ステップS109に進む。
一方、RWM消去スイッチが押されていない場合には、停電フラグに「1」がセットされていること、及びチェックサムが正常であることを条件に、ステップS108の処理を実行することなくステップS109に進む。ステップS109では、電源投入設定処理を実行する。電源投入設定処理では、停電フラグの初期化といった主側RWM94の所定のエリアを初期値に設定するとともに、現状の遊技状態を認識させるために現状の遊技状態に対応したコマンドを音光制御装置72に送信する。また、払出側RWM104の初期化を実行すべきことを示す払出初期化コマンドを払出側MPU102に送信する。さらに、タイマ割込み処理の発生を許可するために割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS110〜ステップS113の残余処理に進む。つまり、主側MPU92はタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS110〜ステップS113の残余処理を繰り返し実行する。この点、当該ステップS110〜ステップS113の残余処理は、非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、先ずステップS110にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS111では、乱数初期値カウンタCINIの更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS112にて変動種別カウンタCSの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する。
これらの更新処理では、主側RWM94の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。
その後、ステップS113にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップS113の処理を実行したら、ステップS110に戻り、ステップS110〜ステップS113の処理を繰り返す。
<タイマ割込み処理>
次に、図9のフローチャートを参照しながらタイマ割込み処理を説明する。
ここで、主側MPU92にてタイマ割込み処理を定期的に実行するためのハード構成について説明する。主制御基板91には所定周期でパルス信号を出力するパルス信号出力手段としてクロック回路が設けられており、さらに当該クロック回路と主側MPU92との間の信号経路の途中位置に存在するように分周回路が設けられている。
分周回路は、クロック回路からのパルス信号の周期を変更する周波数変更手段として機能し、タイマ割込み処理の起動タイミングを主側MPU92にて特定するためのパルス信号を出力するように構成されている。つまり、分周回路から主側MPU92に対して特定周期である4msec周期の間隔でパルス信号が供給されるようになっている。主側MPU92では、かかるパルス信号の立ち上がり又は立下りといった特定の信号形態の発生を確認する処理を実行し、特定の信号形態の発生を確認したことを少なくとも一の条件としてタイマ割込み処理を起動して実行する。
この場合、タイマ割込み処理の起動が禁止されている状況において上記特定の信号形態の発生を確認した場合には、その割込みが禁止されている状態から割込みが許可された状態となった場合にタイマ割込み処理が起動される。つまり、主側MPU92における処理の実行状況によっては前回のタイマ割込み処理が開始されてから4.1msec経過後に次のタイマ割込み処理が開始される場合が生じ、このような事象が発生した場合には次のタイマ割込み処理は直前のタイマ割込み処理が開始されてから3.9msec経過後に開始されることとなる。
4msecが経過しているにも関わらずタイマ割込み処理が起動されない場合としては、上記ステップS110にて割込み禁止の設定がなされ、上記残余処理が実行されている最中において4msecが経過した場合である。したがって、残余処理の実行状況によって、タイマ割込み処理の開始タイミングは変動することとなる。
但し、上記分周回路からのパルス信号の出力は主側MPU92における処理の経過内容に関係なく4msecといった特定周期で行われるため、基本的にはタイマ割込み処理は特定周期で起動される。さらにまた、主側MPU92の処理構成は、所定のタイミングにおけるタイマ割込み処理が前回のタイマ割込み処理が起動されてから特定周期を超える期間が経過した後に起動されたとしても、当該所定のタイミングの次のタイミングにおけるタイマ割込み処理にてその特定周期を超えた分が吸収されて、さらに次のタイミングにおけるタイマ割込み処理ではパルス信号の入力を確認したタイミングで起動されるように設定されている。
なお、タイマ割込み処理が定期的に起動される態様は、上記態様に限定されることはなく、基本的には4msecといった所定の周期で起動されるが、タイマ割込み処理が前回起動されてから所定の周期に相当する時間が経過したタイミングが残余処理の途中であるといった事情により、新たなタイマ割込み処理が所定の周期に相当する時間の経過後に起動された場合であっても、その次のタイマ割込み処理は、上記新たなタイマ割込み処理が起動されてから所定の周期に相当する時間の経過前のタイミングでは開始されない構成としてもよい。つまり、タイマ割込み処理は、基本的には所定の周期で起動されるとともに、残余処理との関係で所定の周期を超える時間の間隔で開始されることがある一方、所定の周期を下回る時間の間隔では開始されない構成としてもよい。この場合であっても、残余処理との関係では、タイマ割込み処理の起動間隔は変動し得るものとなる。
さて、タイマ割込み処理では、先ずステップS201にて停電情報記憶処理を実行する。停電情報記憶処理では、主側MPU92に設けられた入出力ポートを通じて停電監視基板96から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には停電時処理を実行する。
停電時用処理では、主側RWM94に記憶された情報についてのチェックサム算出処理を実行する。ここで算出されたチェックサムは主側RWM94に記憶される。その後、主側RWM94の出力ポートの情報を全て「0」にセットするとともに、主側RWM94へのアクセスを禁止する。そして、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
続くステップS202では抽選用乱数更新処理を実行する。抽選用乱数更新処理では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。
この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。また、大当たり乱数カウンタC1については、数値情報の更新が1周した際には、対応する乱数初期値カウンタCINIから初期値の情報を読み出し、その読み出した初期値の情報を新たな周回の初期値として上書きする。
ここで、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の更新は、遊技が正規に進行している状態(具体的には後述するステップS207にて否定判定をする状態)においては、後述するステップS214の特図特電制御処理の1回の実行に対して1回実行される構成となっている。当該特図特電制御処理では、作動口33,34への入賞を監視する処理が実行されるとともに、作動口33,34への入賞が発生している場合には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3から数値情報を取得する処理が実行される。そして、その取得した数値情報に基づき、大当たり当選か否かの当否判定処理や、大当たり種別を振り分けるための振分判定処理や、リーチ発生当選か否かのリーチ判定処理が実行される。
つまり、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3のそれぞれは、それらの数値情報を取得可能とする1回の契機に対して、数値情報の更新処理が1回行われる構成となっている。そして、上記のとおり、これら大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3のそれぞれは、対象となる全ての数値情報が各1回ずつ設定された場合に更新周回が1回完了したと判定される。したがって、パチンコ機10の設計段階にて設定した確率で、大当たり当選が発生し、大当たり当選が発生した場合には、パチンコ機10の設計段階にて設定した割合で、各大当たり結果のいずれかに振り分けられる。また、大当たり当選とならなかった場合には、パチンコ機10の設計段階にて設定した確率でリーチ表示が発生する。
また、電動役物開放カウンタC4の更新は、遊技が正規に進行している状態(具体的には後述するステップS207にて否定判定をする状態)においては、後述するステップS215の普図普電制御処理の1回の実行に対して1回実行される構成となっている。当該普図普電制御処理では、スルーゲート35への入賞を監視する処理が実行されるとともに、スルーゲート35への入賞が発生している場合には、電動役物開放カウンタC4から数値情報を取得する処理が実行される。そして、その取得した数値情報に基づき、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定処理が実行される。
つまり、電動役物開放カウンタC4は、その数値情報を取得可能とする1回の契機に対して、数値情報の更新処理が1回行われる構成となっている。そして、上記のとおり、電動役物開放カウンタC4は、対象となる全ての数値情報が各1回ずつ設定された場合に更新周回が1回完了したと判定される。したがって、パチンコ機10の設計段階にて設定した確率で、電動役物34aの開放当選が発生する。
その後、ステップS203では乱数初期値更新処理を実行する。乱数初期値更新処理では、上記ステップS111と同様に乱数初期値更新処理を実行する。また、ステップS204では、上記ステップS112と同様に変動用カウンタ更新処理を実行する。
続くステップS205では、磁石検知処理を実行する。磁石検知処理では、先ず磁石検知センサ24aがONとなっているか否かを判定する。具体的には、磁石検知センサ24aは、磁石による磁気の発生を検知していない場合に非検知中に対応した磁石検知信号を出力するとともに、磁石による磁気の発生を検知している場合に検知中に対応した磁石検知信号を出力する。かかる磁石検知信号は、ドライバICによって当該信号が主側MPU92への入力対象として設定されている場合に当該主側MPU92の入力ポートへ入力される。入力ポートを監視することで、磁石検知センサ24aが磁気の発生を検知中であるか否かを判定する。
磁石検知センサ24aがONとなっていた場合で且つタイマ割込み処理の複数処理回に亘ってONの状態が検知され続ける場合には、磁石検知済み状態に設定する。その後、磁石を用いた不正行為の発生を特定したことを遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために異常用の外部出力開始処理を実行する。当該外部出力開始処理において、磁石検知済み状態に設定された場合には、不正行為の発生を報知する異常用のコマンドが送信データ記憶部107bに格納されることにより出力対象に設定される。
続くステップS206では、遊技停止判定処理を実行する。遊技停止判定処理では、上記ステップS205にて磁石検知済み状態に設定されているか否かを判定する。当該遊技停止判定処理にて肯定判定をした場合には、遊技の進行を停止すべき状況であると特定し、否定判定をした場合には、遊技の進行を停止すべき状況ではないと特定する。
その後、ステップS207では遊技の進行を停止している状態であるか否かを判定し、遊技の進行を停止していない状態であることを条件に、ステップS208移行の処理を実行する。
ステップS208では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部32c,34bに行うための処理を実行する。例えば、大入賞口32aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には可変入賞駆動部32cへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、下作動口34の電動役物34aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には電動役物駆動部34bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
続くステップS209では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
続くステップS210では、入賞検知処理を実行する。当該入賞検知処理では、各入賞用検知センサ31a〜35bから受信している信号を読み込むとともに、一般入賞口31、大入賞口32a、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35への入賞の有無を特定する処理を実行する。
ここで、入賞用検知センサ31a〜35bは、遊技球を検知していない場合に非検知中に対応したLOWレベルの入賞検知信号を出力するとともに、遊技球を検知している場合に検知中に対応したHIレベルの入賞検知信号を出力する。なお、これらLOWレベルとHIレベルとの関係が逆であってもよい。かかる入賞検知信号は、ドライバICによって当該信号が主側MPU92への入力対象として設定されている場合に当該主側MPU92の入力ポートへ入力される。
主側MPU92では、入賞用検知センサ31a〜35bのいずれか1つのセンサによって入力された入賞検知信号が、タイマ割込み処理の所定の処理回においてLOWレベルであり、次の処理回においてHIレベルであり、さらに次の処理回においてもHIレベルであった場合に、当該入力元のセンサに対応する入賞口において遊技球が入賞したと判定する。上記のように、主側MPU92において、複数の入賞検知信号によって入賞の有無を判定することにより、入賞用検知センサ31a〜35bからノイズが入力された場合に遊技球の入賞があったと誤検知してしまうことを防止可能となる。
また、上記構成により、主側MPU92では、遊技球の入賞を判定するにあたってタイマ割込み処理が3回実行されることとなる。よって、複数の処理回で連続して同一の入賞口における入賞を検知しない構成となっている。
続くステップS211では、主側RWM94に設けられている複数種類のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。この場合、記憶されている数値情報が減算されて更新されるタイマカウンタを集約して扱う構成であるが、減算式のタイマカウンタの更新及び加算式のタイマカウンタの更新の両方を集約して行う構成としてもよい。
続くステップS212では、遊技球の発射制御を行うための発射制御処理を実行する。発射ハンドル55に対して発射操作が継続されている状況では、所定の発射周期である0.6secに1個の遊技球が発射される。
続くステップS213では、入力状態監視処理として、ステップS209の読み込み処理にて読み込んだ情報に基づいて、各入賞用検知センサ31a〜35bの断線確認や、遊技機本体12や前扉枠14の開放確認を行う。
続くステップS214では、遊技回の実行制御及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行する。
続くステップS215にて普図普電制御処理を実行する。普図普電制御処理では、スルーゲート35への入賞が発生している場合に普図側の保留情報を取得するための処理を実行するとともに、普図側の保留情報が記憶されている場合にその保留情報について開放判定を行い、さらにその開放判定を契機として普図用の演出を行うための処理を実行する。また、開放判定の結果に基づいて、下作動口34の電動役物34aを開閉させる処理を実行する。
続くステップS216では、直前のステップS214及びステップS215の処理結果に基づいて、メイン表示部43に係る保留情報の増減個数を第1保留発光部45に反映させるための出力情報の設定を行うとともに、役物用表示部44に係る保留情報の増減個数を第2保留発光部46に反映させるための出力情報の設定を行う。具体的には、複数の発光部をそれぞれ有する第1保留発光部45及び第2保留発光部46において、所定の発光状態とする発光部の個数を変化させる。例えば、メイン表示部43に係る保留情報の個数が1個増加した場合には、第1保留発光部45が有する1つの発光部を非発光状態から発光状態へ変化させ、保留情報の個数を1個減少した場合には、第1保留発光部45が有する1つの発光部を発光状態から非発光状態へ変化させる。
ここで、図柄表示装置41は、第1保留発光部45の出力情報と対応した保留情報の表示を行っており、主側MPU92は第1保留発光部45の出力情報に対応した保留表示コマンドを送信データ記憶部107bに格納することで出力対象に設定する。当該保留表示コマンドは複数のビットにより構成されており、保留情報の個数の情報が含まれている。具体的には、保留表示コマンドは2バイトの情報からなる。保留表示コマンドは、上位情報と下位情報とを備え、それら各情報はそれぞれ1バイトで構成されている。上位情報には本コマンドを包括した保留表示コマンドであることを特定する情報が設定されており、下位情報には具体的な保留数の情報が設定されている。
出力対象に設定された保留表示コマンドは、データ送信回路部107から音光制御装置72に送信される。音光制御装置72は、受信した保留表示コマンドに含まれる保留情報の個数に対応した表示を実行させるコマンドを表示制御装置121に送信する。当該保留表示コマンドを受信した表示制御装置121は図柄表示装置41に保留情報の個数に対応した表示を実行させる。具体的には、保留数Nを示す表示を図柄表示装置41にて実行し、保留数Nが増減した場合には、当該表示においても同様に保留数が増減する。
既に説明したとおり、メイン表示部43に係る保留情報の増加は、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて実行される。また、上作動口33には上作動口検知センサ33aが設けられており、下作動口34には下作動口検知センサ34cが設けられている。上作動口33及び下作動口34ついての入賞の監視は、タイマ割込み処理の各処理回における入賞検知処理にてそれぞれ実行される。よって、上記保留表示コマンドはタイマ割込み処理の同一処理回において、上作動口33及び下作動口34の入賞に基づいて2個設定され得る。
また、ステップS216では、直前のステップS214及びステップS215の処理結果に基づいて、メイン表示部43の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行うとともに、役物用表示部44の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う。
続くステップS217では、不正用の監視対象として設定されている所定の事象が発生しているか否かを監視する不正検知処理を実行する。当該不正検知処理では、電波検知センサ24bが電波を検知しているか否かを確認する。当該不正報知処理の詳細については後述する。
続くステップS218では、遊技回及び開閉実行モードのいずれもが実行されていない状況において図柄表示装置41の表示内容を待機表示用のものとするためのデモ表示用処理を実行するとともに、ステップS219では、払出側MPU102から受信したコマンド及び信号の内容を確認し、その確認結果に対応した処理を行うための払出状態受信処理を実行する。また、ステップS220では、賞球コマンドを出力対象として設定するための払出出力処理を実行する。
続くステップS221では、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するための外部情報設定処理を実行する。また、ステップS222では、試射試験情報を編集するための処理を実行する。
ステップS207にて肯定判定をした場合、又はステップS208〜ステップS222の処理を実行した後は、ステップS223に進む。ステップS223では、割込み終了宣言の設定を実行する。主側MPU92では、一度タイマ割込み処理が起動された場合、次のタイマ割込み処理が起動されるための条件の1つとして割込み終了宣言の設定を行うことが定められており、ステップS223では、次のタイマ割込み処理の実行を可能とするために割込み終了宣言の設定を行う。また、ステップS224では、割込み許可の設定を行う。主側MPU92では、タイマ割込み処理が一旦起動されると、割込み禁止の状態に設定されるため、ステップS224では、次のタイマ割込み処理の実行を可能とするために割込み許可の設定を行う。その後、本タイマ割込み処理を終了する。
<特図特電制御処理>
次に、タイマ割込み処理(図9)のステップS214にて実行される特図特電制御処理について説明する。
特図特電制御処理では、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生している場合に保留情報を取得するための処理を実行するとともに、保留情報が記憶されている場合にその保留情報について当否判定を行い、さらにその当否判定を契機として遊技回用の演出を行うための処理を実行する。また、当否判定の結果に基づいて、遊技回用の演出後に開閉実行モードに移行させる処理を実行するとともに、開閉実行モード中及び開閉実行モード終了時の処理を実行する。
さて、特図特電制御処理では、図10のフローチャートに示すように、先ずステップS301にて、保留情報の取得処理を実行する。保留情報の取得処理では、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生しているか否かを判定し、入賞が発生している場合には保留格納エリア104bにおける保留数記憶エリアNAに格納された保留数Nを読み出し、当該保留数が上限値(本実施の形態では「4」)未満であるか否かを判定する。保留数Nが上限値未満である場合には、保留数を1加算するとともに、前回のステップS203にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を、保留用エリアREの空き保留エリアRE1〜RE4のうち最初の保留エリアに格納する。
なお、上作動口33及び下作動口34への入賞が同時に発生している場合には、保留情報の取得処理を1回実行する範囲内において、上記保留情報を取得するための処理を複数回実行する。
ステップS301にて保留情報の取得処理を実行した後は、ステップS302に進む。ステップS302では、主側RWM94に設けられた特図特電カウンタの情報を読み出す処理を実行する。続くステップS303では、主側ROM93から特図特電アドレステーブルを読み出す処理を実行する。そして、ステップS304にて、特図特電アドレステーブルから特図特電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する処理を実行する。
ここで、ステップS302〜ステップS304の処理内容について説明する。
既に説明したとおり特図特電制御処理には、遊技回用の演出に係る処理、開閉実行モードに係る処理が含まれている。この場合に、遊技回用の演出に係る処理として、遊技回用の演出を開始させるための処理である特図変動開始処理と、遊技回用の演出を進行させるための処理である特図変動中処理と、遊技回用の演出を終了させるための処理である特図確定中処理と、が設定されている。また、開閉実行モードに係る処理として、開閉実行モードのオープニングを制御するための処理である特電開始処理と、大入賞口32aの開放中の状態を制御するための処理である特電開放中処理と、大入賞口32aの閉鎖中の状態を制御するための処理である特電閉鎖中処理と、開閉実行モードのエンディング及び開閉実行モード終了時の遊技状態の移行を制御するための処理である特電終了処理と、が設定されている。
このような処理構成において、特図特電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかを主側MPU92にて把握するためのカウンタであり、特図特電アドレステーブルには、特図特電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムにおける開始アドレスが設定されている。
特図特電アドレステーブルについて説明すると、特図特電カウンタは「0」〜「6」の数値情報を設定可能となっており、特図特電アドレステーブルには特図特電カウンタの各数値情報に1対1で対応させて開始アドレスの情報(「SA0」〜「SA6」)が設定されている。この場合、開始アドレスSA0は、特図変動開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA1は、特図変動中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA2は、特図確定中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA3は、特電開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA4は、特電開放中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA5は、特電閉鎖中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA6は、特電終了処理を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
特図特電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における特図特電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算又は「0」クリア(初期化)される。したがって、各処理回における特図特電制御処理では、特図特電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。
以下に、特図特電カウンタ及び特図特電アドレステーブルを利用して、特図変動開始処理、特図変動中処理、特図確定中処理、特電開始処理、特電開放中処理、特電閉鎖中処理及び特電終了処理を実行するための処理構成を説明するとともに、各処理の処理構成を具体的に説明する。
ステップS304の処理を実行した後は、ステップS305にて、ゼロフラグの設定処理を実行する。ゼロフラグの設定処理では、特図特電タイマカウンタの数値情報を読み出し、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」である場合に、主側MPU92のレジスタに設けられたゼロフラグに「1」をセットする処理を実行する。特図特電タイマカウンタは、時間の経過に応じた特図特電カウンタの更新タイミングを主側MPU92にて特定するために利用されるカウンタである。
続くステップS306では、ステップS304に取得した開始アドレスの示す処理にジャンプ(移行)する処理を実行する。具体的には、取得した開始アドレスがSA0である場合にはステップS307の特図変動開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA1である場合にはステップS308の特図変動中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA2である場合にはステップS309の特図確定中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA3である場合にはステップS310の特電開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA4である場合にはステップS311の特電開放中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA5である場合にはステップS312の特電閉鎖中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA6である場合にはステップS313の特電終了処理にジャンプする。ステップS307〜ステップS313の処理を実行した場合には、本特図特電制御処理を終了する。
以下、ステップS307〜ステップS313の処理について個別に説明する。
先ず、ステップS307の特図変動開始処理について、図11のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS401では、保留数Nが1以上であるか否かを判定する。保留数Nが「0」である場合にはそのまま本特図変動開始処理を終了する。保留数Nが1以上である場合には、ステップS402にてデータ設定処理を実行する。
データ設定処理では、先ず保留数Nを1減算するとともに、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納されたデータ(すなわち、保留情報)を実行エリアAEに移動する。その後、保留用エリアREの各保留エリアRE1〜RE4に格納されたデータ(すなわち、保留情報)をシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1保留エリアRE1のデータをクリアするとともに、第2保留エリアRE2→第1保留エリアRE1、第3保留エリアRE3→第2保留エリアRE2、第4保留エリアRE4→第3保留エリアRE3といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
本実施の形態においては、後述するステップS411にて設定される変動用コマンドが音光制御装置72にて受信された場合に、音光制御装置72は表示制御装置121に図柄表示装置41にて表示する保留数を1減算させ、保留数Nに対応した保留数の表示を実行させる。
具体的には、保留情報の個数を1減算した表示を実行させるコマンドを表示制御装置121に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置121は図柄表示装置41に保留情報の個数を1減算した表示を実行させる。この表示としては、保留情報が存在していることに対応した単位画像の表示個数を変化させる構成となっている。当該構成においては、保留情報の個数が増加した場合には、表示させる単位画像の個数を増加させ、保留情報の個数が減少した場合には表示させる単位画像の個数を減少させる。
続くステップS403では、当否判定処理を実行する。当否判定処理では、先ず当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。高確率モードである場合には主側ROM93に設けられた高確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が高確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。また、低確率モードである場合には主側ROM93に設けられた低確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が低確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。
続くステップS404では、ステップS403における当否判定処理の結果が大当たり当選結果であるか否かを判定する。大当たり当選結果である場合には、ステップS405にて振分判定処理を実行する。振分判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち振分判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2に係る数値情報を把握する。そして、主側ROM93に設けられた振分テーブルを参照して、上記把握した大当たり種別カウンタC2に係る数値情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。具体的には、低確大当たり結果、高確大当たり結果のうちいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。
続くステップS406では、大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回においてメイン表示部43に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、主側ROM93に予め記憶されている大当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を主側RWM94に記憶する。この大当たり結果用の停止結果テーブルには、メイン表示部43に停止表示される絵柄の態様の情報が、大当たり結果の種類毎に相違させて設定されている。
続くステップS407では、振分判定結果に対応したフラグセット処理を実行する。具体的には、主側RWM94には各大当たり結果の種類に対応したフラグが設けられており、ステップS407では、それら各大当たり結果の種類に対応したフラグのうち、ステップS405の振分判定結果に対応したフラグに対して「1」をセットする。
一方、ステップS404にて、大当たり当選結果ではないと判定した場合には、ステップS408にて、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回においてメイン表示部43に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、主側ROM93に予め記憶されている外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を主側RWM94に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
ステップS407及びステップS408のいずれかの処理を実行した後は、ステップS409にて、表示継続時間(表示継続期間)の把握処理を実行する。かかる処理では、変動種別カウンタCSの数値情報を取得する。また、今回の遊技回において図柄表示装置41にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回が高確大当たり結果又は低確大当たり結果である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。また、いずれの大当たり結果でもなく、さらに実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3に係る数値情報がリーチ発生に対応した数値情報である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。
リーチ表示が発生すると判定した場合には、主側ROM93に記憶されているリーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した表示継続時間情報を取得する。一方、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、主側ROM93に記憶されているリーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した表示継続時間情報を取得する。ちなみに、リーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して取得され得る表示継続時間は、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して取得され得る表示継続時間と異なっている。
なお、リーチ非発生時における表示継続時間情報は、保留数Nが多いほど、表示継続時間が短くなるように設定されている。また、各種大当たり結果の場合、外れリーチ時の場合及びリーチ非発生の外れ結果の場合のそれぞれに対して個別に表示継続時間テーブルが設定されていてもよい。この場合、各遊技結果に応じた表示継続時間の振分が行われることとなる。
続くステップS410では、ステップS409にて取得した表示継続時間の情報を、特図特電タイマカウンタにセットする。当該タイマカウンタにセットされた数値情報の更新は、既に説明したタイマ更新処理(図9)にて実行される。ちなみに、遊技回用の演出として、メイン表示部43における絵柄の変動表示と図柄表示装置41における図柄の変動表示とが行われるが、これらの各変動表示が終了される場合にはその遊技回の停止結果が表示された状態(図柄表示装置41では有効ライン上に所定の図柄の組合せが待機された状態)で確定時間(最終停止時間)に亘って確定表示(最終停止表示)される。この場合に、ステップS409にて取得される表示継続時間は1遊技回分のトータル時間に対して確定時間を差し引いた時間となっている。この点、表示継続時間を確定の前時間(最終停止の前時間)と換言することもできる。
続くステップS411では、変動用コマンド及び種別コマンドを送信データ記憶部107bに格納することで出力対象に設定する。当該変動用コマンド及び種別コマンドは複数のビットにより構成されており、具体的には両コマンドとも2バイトの情報からなる。両コマンドは上位情報と下位情報とを備え、それら各情報はそれぞれ1バイトで構成されている。上位情報には演出系コマンドであることを特定する情報が設定されており、下位情報には具体的な情報が設定されている。演出系コマンドは、遊技に係る演出が図柄表示装置41、表示発光部58a及びスピーカ部59を通じて行われるようにするためのコマンドである。当該具体的な情報の内容については下記に示す。
変動用コマンドには、表示継続時間の情報が含まれる。ここで、上記のとおりリーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して取得される表示継続時間は、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して取得される表示継続時間と異なっているため、変動用コマンドにリーチ発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、サブ側の制御装置である音光制御装置72では表示継続時間の情報からリーチ発生の有無を特定することは可能である。この点、変動用コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報が含まれているとも言える。なお、変動用コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。
また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、低確大当たり結果の情報又は高確大当たり結果の情報が含まれる。ステップS411にて出力対象として設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、サブ側の制御装置である音光制御装置72に送信される。
音光制御装置72では、変動用コマンド及び種別コマンドを受信している場合には、それら変動用コマンド及び種別コマンドに対応した演出系の音声発光パターンを設定するための処理を実行する。
続くステップS412にてメイン表示部43における絵柄の変動表示を開始させる。続くステップS413では、特図特電カウンタを1加算する。この場合、特図変動開始処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「0」であるため、ステップS413の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「1」となる。その後、本特図変動開始処理を終了する。
特図特電制御処理(図10)の説明に戻り、ステップS308にて実行される特図変動中処理では、今回の遊技回用の演出における表示継続時間が経過したか否かを判定する。当該判定において肯定判定をした場合には、確定コマンドを送信データ記憶部107bに格納することで出力対象に設定する。確定コマンドは、サブ側の制御装置である音光制御装置72に対して今回の遊技回用演出について確定表示を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。
ステップS309にて実行される特図確定中処理では、今回の遊技回用の演出における確定時間が経過したか否かを判定する。当該判定において肯定判定をした場合には、今回の遊技回用の契機となった当否判定結果が大当たり結果であったか否かを判定する。当該当否判定結果が大当たり結果である場合には、オープニングコマンドを送信データ記憶部107bに格納することで出力対象に設定する。オープニングコマンドは、サブ側の制御装置である音光制御装置72に対して開閉実行モード用の演出を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。
ステップS310にて実行される特電開始処理では、今回の開閉実行モードにおけるオープニング時間が経過したか否かを判定する。当該判定において肯定判定をした場合には、開放継続時間の情報を設定し、大入賞口32aを開放状態とするための開放設定処理を実行する。
ステップS311にて実行される特電開放中処理では、現状のラウンド遊技における開放継続時間が経過したか否かを判定する。当該判定において肯定判定をした場合には、閉鎖時間の情報を設定し、大入賞口32aを閉鎖状態とするための閉鎖設定処理を実行する。
ステップS312にて実行される特電閉鎖中処理では、今回の開閉実行モードにおける全てのラウンド遊技が終了したか否かを判定する。当該判定において肯定判定をした場合には、エンディングコマンドを送信データ記憶部107bに格納することで出力対象に設定する。エンディングコマンドは、サブ側の制御装置である音光制御装置72に対してエンディング用の演出を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。
ステップS313にて実行される特電終了処理では、エンディング時間が経過したか否かを判定する。当該判定において肯定判定をした場合には遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理では、今回終了した開閉実行モードの移行の契機となった大当たり結果の種類を、主側RWM94のフラグを参照することで確認し、その確認した大当たり結果の種類に対応した抽選モードへの設定を行う。
以上のとおり、ステップS307〜ステップS312において、各種コマンドが主側MPU92によって送信データ記憶部107bに設定される。
<不正検知処理>
次に、タイマ割込み処理(図9)のステップS217にて実行される不正検知処理について説明する。
不正検知処理では、電波を用いて遊技球の入賞を不正に発生させようとする行為が発生しているか否かを監視し、当該不正行為が発生していることを特定した場合にそれに対処するための処理を実行する。ただし、本不正検知処理にて検知される不正行為の発生は、タイマ割り込み処理のステップS206にて実行される遊技機停止判定処理において遊技の進行を停止する契機とならない。
不正検知処理では、図12のフローチャートに示すように、ステップS501では先ず、電波検知センサ24bがONとなっているか否かを判定する。具体的には、電波検知センサ24bは、電波を検知していない場合に非検知中に対応したLOWレベルの電波検知信号を出力するとともに、電波を検知している場合に検知中に対応したHIレベルの電波検知信号を出力する。なお、これらLOWレベルとHIレベルとの関係が逆であってもよい。かかる電波検知信号は、ドライバICによって当該信号が主側MPU92への入力対象として設定されている場合に当該主側MPU92の入力ポートへ入力される。ステップS501では、入力ポートを監視することで、電波検知センサ24bが電波を検知中であるか否かを判定する。ステップS501にて肯定判定をした場合には、ステップS502へ進む。
ステップS502では、電波検知コマンド設定済み状態であるか否かを判定する。具体的には、主側RWM94に設けられた電波検知コマンド設定済みフラグに「1」がセットされているか否かを判定する。ステップS502にて否定判定をした場合には、ステップS503に進む。
ステップS503では、電波検知済み状態であるか否かを判定する。具体的には、主側RWM94に設けられた電波検知済みフラグに「1」がセットされているか否かを判定する。ステップS503にて否定判定をした場合には、ステップS504に進むとともに主側RWM94に設けられた電波検知済みカウンタを1加算する。
続くステップS505では、電波検知済みカウンタの値が「2」であるか否かを判定する。ステップS505にて肯定判定した場合には、ステップS506に進むとともに電波検知済み状態に設定する。具体的には、電波検知済みフラグに「1」をセットする。
ステップS503にて肯定判定をした場合又はステップS506の実行後は、ステップS507にて送信データ記憶部107bの容量に空きがあるか否かを判定する。ステップS507にて肯定判定をした場合には、続くステップS508にて電波検知コマンドを送信データ記憶部107bに格納することで出力対象に設定する。
電波検知コマンドは、電波検知状態であることを主側MPU92にて特定したことをサブ側の制御装置である音光制御装置72に認識させるためのコマンドである。音光制御装置72では、電波検知コマンドを受信している場合には電波検知用の音声発光パターンを設定する。具体的には、電波検知コマンドは2バイトの情報からなる。電波検知コマンド、上位情報と下位情報とを備え、それら各情報はそれぞれ1バイトで構成されている。上位情報には不正検知用のコマンドであることを特定する情報が設定されており、下位情報には具体的に電波を用いた不正行為を検知したことを特定する情報が設定されている。電波検知コマンドは、送信データ記憶部107bに格納することで出力対象に設定する。
続くステップS509では、電波検知済みフラグをクリアする。続くステップS510では電波検知済みカウンタの値をクリアした後、続くステップS511では電波検知コマンド設定済み状態に設定する。具体的には電波検知コマンド設定済みフラグに「1」をセットする。
続くステップS512では、電波を用いた不正行為の発生を特定したことを遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために異常用の外部出力開始処理を実行する。なお、外部端子板81に対する出力設定は、タイマ割込み処理(図9)におけるステップS221の外部情報設定処理にて実行される。
ステップS507にて否定判定をした場合又はステップS512の実行後は、本不正検知処理を終了する。
ステップS501にて否定判定をした場合には、ステップS513にて電波検知コマンド設定済みフラグをクリアする。ステップS502にて肯定判定をした場合、ステップS505にて否定判定をした場合又はステップS513の実行後は、本不正検知処理を終了する。
本実施の形態において、送信データ記憶部107bの容量はコマンド4個分となっており、タイマ割込み処理において出力対象に設定されるコマンドは、出力対象に設定された順番に送信データ記憶部107bに格納される。
ここで、タイマ割込み処理の1処理回中において、ステップS214にて実行される特図特電制御処理では変動コマンドと種別コマンドが出力対象に設定され、その後のステップS216にて実行される表示制御処理では上作動口33及び下作動口34の入賞を契機として2個の保留表示コマンドが出力対象に設定され得る。
この場合、上記コマンドによってコマンド4個分の容量が全て使用されてしまい、その後の処理において発生する可能性のある電波検知コマンド及び払出状況コマンドについては送信データ記憶部107bに格納できなくなってしまう。
本実施の形態では、不正行為を検知した後であって電波検知コマンドを出力対象に設定する前に、送信データ記憶部107bに空きがあるか否かを判定し、肯定判定されれば電波検知コマンドを出力対象に設定する構成とした。また、上記判定において否定判定された場合には、電波検知済みフラグに「1」を格納したまま、出力対象への設定処理をスキップする構成とした。
スキップした電波検知コマンドの出力対象への設定については、次回以降の処理回において送信データ記憶部107bの容量に空きがある場合に行うこととした。上記のように、コマンドの設定をスキップした場合においても不正行為の検知を示すフラグがセットされていることにより、電波検知コマンドよりも先に格納された4個のコマンドを送信しつつ、スキップしたコマンドの設定は次回以降の処理回で行うことが可能となる。また、2バイトの情報により構成された電波検知コマンドでなく1ビットで構成されたフラグの状態でコマンドの設定処理を保留することでコマンドを記憶するよりも必要な容量が少なくて済む。
ここで、一般的に不正行為は、不正を行う者の行為に起因して一定の期間継続して行われるものである。そのため、今回の処理回だけ不正行為を検知するセンサがオンとなっている場合は少なく、次回以降の処理回においても上記センサがオンとなっていることが多い。このような不正行為の検知信号の性質上、今回の処理回において処理をスキップしたとしても不正行為の検知に支障が生じる可能性は低い。また、次回の処理回にて検知していない場合は、不正行為を検知するセンサのノイズが原因となっている場合が考えられる。よって、コマンドの設定処理をスキップしたとしても不正行為の検知を問題なく実行することが可能となっている。
次に図13のフローチャートを参照しながら、タイマ割込み処理にて出力対象に設定されたコマンドのコマンド送信処理について説明する。
タイマ割込み処理にて出力対象に設定されたコマンドは、データ送信回路部107の送信データ記憶部107bに格納される。当該格納されたコマンドはデータ送信回路部107にて主側MPU92の制御とは非同期で音光制御装置72に送信される。
先ずステップS601にて送信データ記憶部107bにコマンドが格納されているか否かを判定する。ステップS601にて肯定判定をした場合には、続くステップS602にてコマンドシフト処理にて送信データ記憶部107bに格納されたコマンドをデータ送信部107aの内部RAMに移動させる。送信データ記憶部107bに1個のコマンドが格納されている場合には、そのコマンドを内部RAMに移動させ、複数個のコマンドが格納されている場合には、それらのコマンドのうち最初に格納されたコマンドを内部RAMに移動させる。その後、当該内部RAMに移動させたコマンドを送信データ記憶部107bから消去する。
続くステップS603にて、コマンド送信開始処理を実行する。コマンド送信開始処理ではデータ送信部107aの内部RAMに移動したコマンドの音光制御装置72への送信を開始する。
続くステップS604では、コマンド送信が完了したか否かを判定する。当該判定処理において、否定判定をした場合にはステップS604を繰り返し実行する。
ステップS601にて否定判定をした場合又はステップS604にて肯定判定をした場合には、ステップS601に戻り、ステップS601〜ステップS604の処理を繰り返す。
上記のようにコマンド送信処理がタイマ割込み処理と非同期で実行されていることにより、出力対象への設定から送信までのタイムラグが少なくなり、音光制御装置72での処理と主制御装置71での処理との間のずれが生じにくくなる。
本実施の形態において、主制御装置71から音光制御装置72に複数のコマンドが送信される。これら複数のコマンドには優先度が設けられており、タイマ割込み処理において優先度の高いコマンドを優先度の低いコマンドよりも早い処理順で出力対象に設定することによって優先度を設定している。具体的には、ステップS214の特図特電制御処理の処理順が最も早く、次にステップS216の表示制御処理、ステップS217の不正検知処理、ステップS219の払出状態受信処理の順で実行されるように各処理の処理順が設定されている。これにより、変動用コマンド及び種別コマンド、保留表示コマンド、電波検知コマンド、払出異常コマンドの順に優先度が設定されている。払出異常コマンドは、払出側MPU102により主側MPU92へ送信される払出状況コマンドに基づいて主側MPU92から音光制御装置72へ送信されるコマンドであり、異常終了コマンド、払出モータ異常コマンド、下皿満杯コマンド及びタンク球無コマンドが含まれる。当該払出異常コマンドについては後で詳細に説明する。
上記各コマンドはタイマ割込み処理において出力対象に設定され、データ送信回路部107にて実行されるコマンド送信処理において、音光制御装置72へ送信される。音光制御装置72へ出力される順番はタイマ割込み処理で出力対象に設定された順番となっている。上記のように各コマンドの音光制御装置72への送信順について優先度を設けることで、優先度が高いコマンドを他のコマンドよりも先に確実に送信することが可能となる。
<報知及び演出制御処理>
音光制御装置72は、図14のフローチャートにて示すような報知及び演出制御処理を定期的(例えば2msec周期)に実行しており、当該処理にて各種コマンドの受信に対応した処理を実行する。
ステップS701にて報知系コマンド、つまり、電波検知コマンド、払出異常コマンドを受信したか否かを判定し、報知系コマンドを受信している場合にはステップS702にて、その報知系コマンドに対応した報知用処理を実行する。具体的には、各報知系コマンドに対応した報知がエラー発光部58b及びスピーカ部59を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音光制御装置72のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って不正の検出又は異常状態の報知をエラー発光部58b及びスピーカ部59にて行わせる。
続くステップS703では、今回の報知系コマンドの受信に対応した報知系のコマンドを表示制御装置121に送信する。表示制御装置121では、そのコマンドから不正行為又は払出状態の特定に対応した報知が図柄表示装置41を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置121のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って各種報知を図柄表示装置41にて行わせる。
ステップS701にて否定判定をした場合又はステップS703を実行した場合には、ステップS704の処理を実行する。
ステップS704では、演出系コマンドとして変動用コマンド及び種別コマンド等を受信したか否かを判定し、演出系コマンドを受信している場合にはステップS705にて、それら演出系コマンドに対応した演出系の音声発光パターンを設定するための処理を実行する。具体的には、今回の演出系コマンドに対応した演出が表示発光部58a及びスピーカ部59を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音光制御装置72のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って各種演出を表示発光部58a及びスピーカ部59にて行わせる。かかるデータテーブルは、今回の遊技回の表示継続時間に対応している。
続くステップS706では、今回の演出系コマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置121に送信する。表示制御装置121では、そのコマンドから今回の演出の種類を把握し、その種類に対応した表示演出が図柄表示装置41を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置121のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って各種演出を図柄表示装置41にて行わせる。
ステップS704にて否定判定をした場合又はステップS706を実行した後は、本報知及び演出制御処理を終了する。
次に、図15を参照しながら払出制御装置78及び主制御装置71の払出状況コマンドの送受信に係る構成について説明する。図15は、払出制御装置78から主制御装置71へのコマンドの伝送に係る構成及び主制御装置71から音光制御装置72へのコマンドの伝送に係る構成を示したブロック図である。
既に説明したように、主制御基板91と払出制御基板101との間には第1の信号経路SL1及び第2の信号経路SL2が設けられている。
かかる信号経路について詳細には、主側MPU92では入賞用検知センサ31a〜35bの検知結果に基づいて賞球の発生に対応した入賞部への入賞を確認した場合に払出側MPU102に向けて賞球コマンド(払出指令情報)を送信するが、当該賞球コマンドを伝送するために第1の信号経路SL1が設けられている。この場合、賞球コマンドには自身が賞球コマンドであることを示す情報及び賞球を実行すべき個数の情報が含まれており、複数ビットの情報として構成されている。具体的には、賞球コマンドは複数種類存在しており、各賞球コマンドは2バイトの情報からなる。
当該賞球コマンドの通信を行う上で、第1の信号経路SL1はパラレル通信ではなくシリアル通信を行うように設定されている。つまり、賞球コマンドに含まれる複数ビットの情報が単一の信号経路を通じて順次送信される構成となっている。なお、第1の信号経路SL1は、主制御基板91及び払出制御基板101に設けられた各コネクタに対して電気的に接続するためのコネクタが電気配線の両端に設けられた単一のコネクタユニットにより構成されているが、これに限定されることはなく、中継基板などを信号経路の途中位置に介することで複数のコネクタユニットにより構成されていてもよい。
第2の信号経路SL2は、払出側MPU102から主側MPU92に向けて払出状況コマンドを送信するために利用される。払出状況コマンドには、賞球が完了したこと及びその完了した賞球の個数を示す賞球完了コマンドと、遊技球の払出に関して所定の異常が発生したことを示す異常開始コマンドと、当該所定の異常が解除されたことを示す異常終了コマンドと、が含まれている。つまり、払出状況コマンドには、自身のコマンドの種類を示す情報及び払出状況の内容を示す情報が含まれており、複数ビットの情報として構成されている。なお、上記遊技球の払出に関する所定の異常には、下皿62aの満杯状態、タンク76の球無し状態、払出モータ77aの異常が含まれる。また、第2の信号経路SL2におけるデータ伝送速度は1200bpsとなっている。
払出側MPU102から主側MPU92へ送信される各コマンドは2バイトで構成されており、上位情報と下位情報とを備え、それら各情報はそれぞれ1バイトで構成されている。これら上位情報及び下位情報のうち、下位情報には本コマンドの内容を特定するための情報が設定されており、上位情報には本コマンドを包括する種別情報が設定されている。例えば、異常開始コマンドであれば、上位情報には異常開始コマンドであることを特定する情報が設定されており、下位情報には具体的に払出モータ異常、タンク76の球無し状態及び下皿62aの満杯状態のどの払出異常かを特定する情報が設定されている。
払出側MPU102が払出状況コマンドを送信データ記憶部S1に入力することで、第1データ送信部T1は主側MPU92に当該払出状況コマンドを送信する。当該払出状況コマンドの通信を行う上で、第2の信号経路SL2は第1の信号経路SL1と同様に、パラレル通信ではなくシリアル通信を行うように設定されている。つまり、払出状況コマンドに含まれる複数ビットの情報が単一の信号経路を通じて順次送信される構成となっている。
当該入力されたコマンドは第1データ送信部T1にて内部信号からシリアル通信用の情報に変換され、第2の信号経路SL2を利用して第1データ受信部R1に送信される。具体的に、異常開始コマンド及び異常終了コマンドは複数ビットで構成された内部信号から1ビットずつ順次送信可能な情報に変換される。
第1データ受信部R1にて受信されたコマンドは第1データ受信部R1によってシリアル通信用のデータから主側MPU92の内部処理用の信号に変換され、主側MPU92へ出力される。具体的には、1ビットずつ送られてきた情報を複数ビットのコマンド単位で主側MPU92に出力する。主側MPU92では、第2の信号経路SL2を利用して送信された払出状況コマンドを主側RWM94に設けられたコマンドバッファ94dに記憶する。
なお、第2の信号経路SL2は、主制御基板91及び払出制御基板101に設けられた各コネクタに対して電気的に接続するためのコネクタが電気配線の両端に設けられた単一のコネクタユニットにより構成されているが、これに限定されることはなく、中継基板などを信号経路の途中位置に介することで複数のコネクタユニットにより構成されていてもよい。
主側MPU92と払出側MPU102との間のコマンドの通信をパラレル通信ではなくシリアル通信としたことにより、仮に主制御基板91と払出制御基板101とを電気的に接続する電気配線に対して不正な基板を接続させる、所謂ぶら下げ基板を利用した不正行為が行われたとしても、当該不正な基板が電気配線などに隠れてしまう可能性が低減される。上記行為は不正に多量の遊技球の払出を受けようとして行われるものであり、主制御基板91と払出制御基板101との間の信号経路は上記行為の対象として狙われやすい。この場合に、主側MPU92と払出側MPU102との間で双方向のコマンド通信が行われる構成において、コマンドの通信としてパラレル通信を採用すると、それだけ電気配線の数が多くなり上記不正な基板がこれら電気配線によって隠れ易くなってしまう。これに対して、コマンドの通信がシリアル通信で行われることにより、上記不正な基板が電気配線に隠れづらくなり、当該基板が仮に設置された場合にそれを発見し易くなる。
また、主制御装置71と音光制御装置72との間の信号経路DL1におけるコマンド通信もシリアル通信により行われている。これにより、上述した所謂ぶら下げ基板を利用した不正行為が行われたとしても、主制御装置71と音光制御装置72とを電気的に接続する配線によって所謂ぶら下げ基板が隠れてしまうことを防止可能となる。
次に、コマンドバッファ94dの構成について、図16を参照しながら詳細に説明する。図16(a)はコマンドバッファ94dの初期状態を示す説明図、図16(b)はコマンドバッファ94dの一部の記憶領域にコマンドが格納された状態を示す説明図、図16(c)はコマンドバッファの全記憶領域にコマンドが格納された状態を示す説明図である。図16において、読み出し前のコマンドが格納された記憶領域についてはドットで示している。
払出側MPU102から主側MPU92にて受信された払出状況コマンドは、既に説明したように送信データ記憶部107bに格納されるが、他のコマンドと比較して音光制御装置72へ送信する優先度が低く設定されている。そのため、払出状況コマンドは一旦コマンドバッファ94dに格納され、優先度の高いコマンドから先に送信データ記憶部107bに格納される。
コマンドバッファ94dは、各種コマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは複数の記憶領域を有しており、本パチンコ機10において各記憶領域は1コマンドを格納できるよう2バイトの容量となっている。リングバッファは、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファ94dにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。また、各記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。
具体的には、図16(a)に示すように、コマンドバッファ94dは10個の記憶領域を有しており、各領域の先頭アドレスはA0〜A9に設定されている。記憶ポインタW及び読出ポインタRには初期状態ではA0が格納されている。
コマンドバッファ94dにコマンドが格納された場合、図16(b)に示すように、記憶ポインタWには次の記憶領域の先頭アドレスが格納される。したがって、初期状態から3つのコマンドが記憶領域に格納された場合、記憶ポインタWにはA3が格納される。また、この状態でコマンドが読み出された場合、読出ポインタRには次の記憶領域の先頭アドレスが格納される。したがって、少なくとも1個の記憶領域にコマンドが格納されている状況において、初期状態から1つのコマンドが読み出された場合、読出ポインタRにはA1が格納される。格納されたコマンドが読み出され、読出ポインタRに格納されたアドレスと記憶ポインタWに格納されたアドレスが同一となった場合に、格納されたコマンドがすべて読み出されたものとして処理される。
上記コマンドバッファ94dに格納される払出状況コマンドは、1200bpsの伝送速度で第2の信号経路SL2を利用して主制御装置71に送信される。つまり、払出状況コマンドは主制御装置71においてタイマ割込み処理の4処理回に1個の割合で受信される。
また、払出制御装置78は払出状況検知処理を定期的に、具体的には主制御装置71と同様、4msec周期で実行しており、当該処理にて各種払出状況の検知に対応した払出状況コマンドが出力対象に設定される。払出状況コマンドには既に説明したとおり、賞球完了コマンド、異常開始コマンド及び異常終了コマンドが含まれている。出力対象に設定された払出状況コマンドは、払出制御基板に設けられた送信データ記憶部S1に格納される。送信データ記憶部S1は複数の記憶領域を有しており、5個の払出状況コマンドを記憶可能となっている。
払出側MPU102にて検知した払出状況に対応した払出状況コマンドを出力対象に設定する払出状態検知処理を図17のフローチャートを参照しながら説明する。
払出状態検知処理では、先ずステップS801にて賞球完了状態を検知しているか否かを判定する。具体的には、払出側MPU102が主側MPU92から受信した賞球コマンドの賞球数と対応した遊技球の払い出しが払出装置77にて完了したことを払出検知センサ77bの出力結果に基づいて確認する。
ステップS801にて肯定判定をした場合には、ステップS802にて賞球完了コマンドを送信データ記憶部S1に格納することで出力対象に設定する。ステップS801にて否定判定をした場合又はステップS802の実行後は、ステップS803にて払出モータ異常を検知しているか否かを判定する。具体的には、払出装置77には払出モータ77aから払い出される遊技球を検知する払出検知センサ77bが設けられており、払出制御装置78がドライバ回路を通じて払出モータ77aに駆動信号を供給した場合に、払出検知センサ77bが遊技球を検知していなければ払出モータ異常状態であると判定される。
ステップS803にて肯定判定をした場合には、ステップS804にて払出モータ異常コマンドを送信データ記憶部S1に格納することで出力対象に設定される。ステップS803にて否定判定をした場合又はステップS804の実行後は、ステップS805にてタンク球無状態を検知しているか否かを判定する。具体的には、球無し検知センサ105bの出力結果を確認することによってタンク76の球無し状態の検知を行っている。球無し検知センサ105bは、タンク76に貯留されている遊技球が所定数以上である場合には、非検知中に対応したLOWレベルの検知信号を出力する。また、所定数よりも少ない場合には、検知中に対応したHIレベルの検知信号を出力する。LOWレベルからHIレベルへ検知信号が変化し、その後も複数処理回に亘ってHIレベルの検知信号が検出されている場合には、タンク球無状態であると判断される。
ステップS805にて肯定判定をした場合には、ステップS806にてタンク球無コマンドを送信データ記憶部S1に格納することで出力対象に設定する。ステップS805にて否定判定をした場合又はステップS806の実行後は、ステップS807にて下皿満杯状態を検知しているか否かを判定する。具体的には、満杯検知センサ105aの出力結果を確認することによって下皿62aの満杯状態の検知を行っている。満杯検知センサ105aは、下皿62aに貯留されている遊技球が所定数よりも少ない場合には、非検知中に対応したLOWレベルの入賞検知信号を出力するとともに、所定数以上である場合には、検知中に対応したHIレベルの入賞検知信号を出力する。LOWレベルからHIレベルへ検知信号が変化し、その後も複数処理回に亘ってHIレベルの検知信号が検出されている場合には、下皿満杯状態であると判断される。
ステップS807にて肯定判定をした場合には、ステップS808にて下皿満杯コマンドを送信データ記憶部S1に格納することで出力対象に設定する。ステップS807にて否定判定をした場合又はステップS808の実行後は、ステップS809にて異常終了状態を検知しているか否かを判定する。具体的には、既に説明した払出モータ異常状態、タンク球無状態及び下皿満杯状態のいずれかの状態が検知された状態から、検知されていない状態となり、複数の処理回に亘って上記各状態が検知されていない場合には、異常終了状態であると判断される。
ステップS809にて肯定判定をした場合には、ステップS810にて異常終了コマンドを送信データ記憶部S1に格納することで出力対象に設定する。ステップS809にて否定判定をした場合又はステップS810の実行後は、本払出状態検知処理を終了する。
払出状態検知処理において、送信データ記憶部S1に格納された払出状況コマンドは、第1データ送信部T1によって主制御装置71に送信される。払出状況コマンドの送信中において新たに払出状況コマンドが出力対象に設定された場合、当該新たに設定された払出状況コマンドをその送信開始のタイミングまで待機させる構成となっている。当該払出状況コマンドを待機させるためのコマンド送信処理について図18のフローチャートを参照しながら説明する。
払出状況検知処理にて出力対象に設定されたコマンドは、払出制御基板101の送信データ記憶部S1に格納される。当該格納されたコマンドは第1データ送信部T1にて払出側MPU102の制御とは非同期で主側MPU92に送信される。
先ずステップS901にて送信データ記憶部S1にコマンドが格納されているか否かを判定する。ステップS901にて肯定判定をした場合には、続くステップS902にてコマンドシフト処理にて送信データ記憶部S1に格納されたコマンドを第1データ送信部T1の内部RAMに移動させる。その後、当該内部RAMに移動させたコマンドを送信データ記憶部S1から消去する。
続くステップS903にて、コマンド送信開始処理を実行する。コマンド送信開始処理では第1データ送信部T1の内部RAMに移動したコマンドの主制御装置71への送信を開始する。
続くステップS904では、コマンド送信が完了したか否かを判定する。当該判定処理において、否定判定をした場合にはステップS904を繰り返し実行する。
ステップS901にて否定判定をした場合又はステップS904にて肯定判定をした場合には、ステップS901に戻り、ステップS901〜ステップS904の処理を繰り返す。
送信データ記憶部S1に格納されたコマンドは、格納された順番に第1データ送信部T1によって主制御基板91へ送信される。送信が完了すると送信データ記憶部S1から消去されることにより、第1データ送信部T1が主制御装置71へコマンドを送信中である場合に発生したコマンドについては送信データ記憶部S1に格納することで次の送信可能なタイミングまで待機させることが可能となり、払出状況コマンドの送信漏れを防止可能となる。
また、払出状況コマンドは、検知対象として定期的に発生するものではなく突発的に発生する状況を対象としており同一処理回内にてすべてのコマンドが出力対象に設定され得る。そのため、送信データ記憶部S1の記憶容量は払出状況コマンドの種類と同数のコマンド5個分となっている。
送信データ記憶部S1の記憶容量がコマンド5個分となっていることにより、払出状況コマンドとして発生する各コマンドが払出側MPU102の払出状況検知処理の同一処理回内にて1個ずつ発生しても送信データ記憶部S1にて送信タイミングまで待機させることが可能となる。
ここで、払出状況コマンドの出力対象への設定頻度は20処理回以上となっている。具体的には、賞球完了コマンドは賞球完了状態を検知することにより設定されるが、遊技球を払い出す払出モータ77aの払出速度は60msec間隔で遊技球を払い出す速度に設定されている。既に説明したとおり、上作動口33への入賞が発生した場合の3個の遊技球の払い出しが最小の賞球数であるため、最低でも1回の払い出しに180msec必要となる。また、異常開始コマンドである払出モータ異常コマンド、タンク球無コマンド及び下皿満杯コマンドは、異常が発生してから遊技者及びホール管理者が当該異常の発生を認識し、異常に対する復帰作業を完了し、再度異常が発生するまでに賞球完了よりも長い期間が必要となる。また、異常終了コマンドも異常開始コマンドと同様、異常が発生してから復帰するまでに賞球完了よりも長い期間が必要となる。
払出状況コマンドの出力対象への設定間隔が20処理回以上となっていることにより、出力対象に設定されたコマンドと同じコマンドが送信データ記憶部S1に設定されることがなくなる。これにより、送信データ記憶部S1に既に格納されたコマンドが上書きされ、主制御装置71への払出状況コマンドの送信漏れが発生することを防止可能となっている。
<払出状態受信処理>
次に、タイマ割込み処理(図9)のステップS219にて実行される払出状態受信処理について説明する。
払出状態受信処理では、図19のフローチャートに示すように、先ずステップS1001では、第2の信号経路SL2を通じて払出側MPU102から賞球完了コマンドが受信され、コマンドバッファ94dに格納されているか否かを判定する。賞球完了コマンドは、既に説明したとおり、賞球が完了した場合に払出側MPU102から送信されるとともに、その賞球が完了した個数の情報が含まれる。主側MPU92は、読出ポインタRを参照してコマンドバッファ94dに格納された未処理コマンドのうち、先頭の記憶領域に格納されたコマンドを読み出す。主側MPU92にて、当該読み出されたコマンドは確認され、賞球完了コマンドである場合には、ステップS1002に進む。
ステップS1002では、賞球数の外部出力処理を実行する。賞球数の外部出力処理では、今回完了した賞球の個数の情報を遊技ホールの管理コンピュータに認識させる外部出力を行うための処理を実行する。
ステップS1001にて否定判定をした場合又はステップS1002を実行した後、ステップS1003にて送信データ記憶部107bの記憶容量に空きがあるか否かを判定する。ステップS1003にて肯定判定をした場合には、ステップS1004にて読出ポインタRと記憶ポインタWに格納されているアドレスが同一か否かを判定する。コマンドバッファ94dの読出ポインタRと記憶ポインタWに格納されたアドレスが同一であった場合は、未処理のコマンドが無い状態である。
ステップS1004にて否定判定をした場合には、続くステップS1005にて、第2の信号経路SL2を通じて払出側MPU102から異常終了コマンドが受信され、コマンドバッファ94dに格納されているか否かを判定する。異常終了コマンドは、既に説明したとおり、遊技球の払出に関して所定の異常が解除された場合に払出側MPU102から送信される。主側MPU92は、ステップS1001と同様、読出ポインタRを参照してコマンドバッファ94dに格納された未処理コマンドのうち、先頭の記憶領域に格納されたコマンドを読み出す。主側MPU92にて、当該読み出されたコマンドは確認され、異常終了コマンドを受信している場合にはステップS1006に進む。
続くステップS1006では、異常終了コマンドを送信データ記憶部107bに格納することで出力対象に設定する。異常終了コマンドが出力対象に設定された場合に、読出ポインタRにはコマンドバッファ94dにおいて今回読み出された記憶領域の次の記憶領域の先頭アドレスが格納される。また、音光制御装置72では、異常終了コマンドを受信した場合に既に実行している払出モータ異常や下皿満杯等の払出異常報知を終了させる。
ここで、上記異常終了コマンドは、払出側MPU102から受信したコマンドを主側MPU92にて何ら変換せずに、受信したままの形式で音光制御装置72に送信される。その他の払出異常コマンドについても同様に、主側MPU92にて変換をせずに音光制御装置72へ送信される。
ステップS1003にて否定判定した場合、ステップS1004にて肯定判定した場合又はステップS1006の実行後は、本払出状態受信処理を終了する。
ステップS1005にて否定判定をした場合には、ステップS1007にて、第2の信号経路SL2を通じて払出側MPU102から異常開始コマンドである払出モータ異常コマンドが受信され、コマンドバッファ94dに格納されているか否かを判定する。払出モータ異常コマンドは、既に説明したとおり、払出モータ77aの異常が発生した場合に払出側MPU102から送信される。ステップS1001と同様、主側MPU92は、読出ポインタRを参照してコマンドバッファ94dに格納された未処理コマンドのうち、先頭の記憶領域に格納されたコマンドを読み出す。主側MPU92にて、当該読み出されたコマンドは確認され、払出モータ異常コマンドである場合にはステップS1008に進む。
続くステップS1008では、払出モータ異常コマンドを送信データ記憶部107bに格納することで出力対象に設定する。払出モータ異常コマンドが出力対象に設定された場合に、読出ポインタRにはコマンドバッファ94dにおいて今回読み出された記憶領域の次の記憶領域の先頭アドレスが格納される。ステップS1008の実行後は、本払出状態受信処理を終了する。払出モータ異常コマンドは、払出側MPU102から受信したコマンドを主側MPU92にて何ら変換せずに、受信したままの形式で音光制御装置72に送信される。
また、音光制御装置72では、既に説明した報知及び演出制御処理において、当該払出モータ異常コマンドの受信を契機として払出モータ異常報知がエラー発光部58bやスピーカ部59にて実行される。また、かかる払出モータ異常報知が図柄表示装置41にて実行されるようにしてもよい。
ステップS1007にて否定判定をした場合には、ステップS1009にて下皿満杯コマンドが受信され、コマンドバッファ94dに格納されているか否かを判定する。下皿満杯コマンドは、既に説明したとおり、満杯検知センサ105aによって下皿62aの満杯状態が検知されている場合に払出側MPU102から送信される。主側MPU92は、ステップS1001と同様、読出ポインタRを参照してコマンドバッファ94dに格納された音光制御装置72に対する未送信コマンドのうち、先頭の記憶領域に格納されたコマンドを読み出す。主側MPU92にて、当該読み出されたコマンドは確認され、下皿満杯コマンドを受信している場合にはステップS1010に進む。
続くステップS1010では、下皿満杯コマンドを送信データ記憶部107bに格納することで出力対象に設定する。下皿満杯コマンドが出力対象に設定された場合に、読出ポインタRにはコマンドバッファ94dにおいて今回読み出された記憶領域の次の記憶領域の先頭アドレスが格納される。ステップS1010の実行後は、本払出状態受信処理を終了する。下皿満杯コマンドは、払出側MPU102から受信したコマンドを主側MPU92にて何ら変換せずに、受信したままの形式で音光制御装置72に送信される。
また、音光制御装置72では、既に説明した報知及び演出制御処理において、当該下皿満杯コマンドの受信を契機として下皿満杯報知がエラー発光部58bやスピーカ部59にて実行される。また、かかる下皿満杯報知が図柄表示装置41にて実行されるようにしてもよい。
ステップS1009にて否定判定をした場合には、ステップS1011にてタンク球無コマンドが受信され、コマンドバッファ94dに格納されているか否かを判定する。タンク球無コマンドは、既に説明したとおり、球無し検知センサ105bによってタンク76の球無状態が検知されている場合に払出側MPU102から送信される。主側MPU92は、ステップS1001と同様、読出ポインタRを参照してコマンドバッファ94dに格納された未処理コマンドのうち、先頭の記憶領域に格納されたコマンドを読み出す。主側MPU92にて、当該読み出されたコマンドは確認され、タンク球無コマンドを受信している場合にはステップS1012に進む。
続くステップS1012では、タンク球無コマンドを送信データ記憶部107bに格納することで出力対象に設定する。タンク球無コマンドが出力対象に設定された場合に、読出ポインタRにはコマンドバッファ94dにおいて今回読み出された記憶領域の次の記憶領域の先頭アドレスが格納される。タンク球無コマンドは、払出側MPU102から受信したコマンドを主側MPU92にて何ら変換せずに、受信したままの形式で音光制御装置72に送信される。
また、音光制御装置72では、既に説明した報知及び演出制御処理において、当該タンク球無コマンドの受信を契機としてタンク球無報知がエラー発光部58bやスピーカ部59にて実行される。また、かかるタンク球無報知が図柄表示装置41にて実行されるようにしてもよい。
ステップS1011にて否定判定した場合又はステップS1012の実行後は、本払出状態受信処理を終了する。
タイマ割込み処理において、本払出状態受信処理を特図特電制御処理及び不正検知処理よりも後の処理として実行することで、払出状況コマンドよりも不正検知処理及び特図特電制御処理にて出力対象として設定される各種コマンドを優先して音光制御装置72へ送信することが可能となる。
ここで、特図特電制御処理にて設定されるコマンドの方が払出状態受信処理にて設定されるコマンドよりも優先して送信されるのは、遊技の進行を制御する信号であるためである。演出系のコマンドにおいて送信漏れが発生してしまうと図柄表示装置41の表示と内部での処理が異なってしまい遊技者は正常に遊技をすることができないため、特図特電制御処理にて設定されるコマンドの優先度が高く設定されている。
不正検知処理にて発生するコマンドの優先度が払出状態受信処理にて発生するコマンドよりも高く設定されているのは、不正行為によって不正な賞球を得ることを不正行為における早い段階で止めることを可能とするためである。
これに対し、払出状態受信処理にて設定される払出状況コマンドは、発生しても遊技球の払出がなされない状況が発生する可能性があるが、これらはコマンドが受信されなくても遊技者が異常発生の初期段階で気づくことが可能である。また、遊技球が払い出されない状況が発生した場合でも、賞球は消去されずに、異常状態の解除後に払い出しが行われるため、優先度が最も低く設定されている。
また、送信データ記憶部107bの容量に空きが無い場合には、払出状況コマンドの出力対象への設定処理をスキップする構成としたことで、払出状況コマンドよりも電波検知コマンドや演出系コマンドの送信を優先して音光制御装置72へ送信することが可能となる。
また、所定の処理回における払出受信処理の開始から次回の処理回における特図特電制御処理の開始までの期間において、2個のコマンドを主制御装置71から音光制御装置72へ送信完了となっている。当該構成において、1処理回内で出力対象に設定する払出状況コマンドは最大1個となっていることにより、払出状況コマンドを出力対象に設定しつつ、次回の処理回における特図特電制御処理において変動用コマンド及び種別コマンドが発生した場合にも送信データ記憶部107bに格納することが可能となっている。
次に、主制御装置71から音光制御装置72へのコマンドの送信に係る構成について詳細に説明する。
既に説明したように、データ送信回路部107において、送信データ記憶部107bにコマンドが格納されるとデータ送信部107aから音光制御装置72に対してコマンドの送信が開始される。
データ送信部107aにおいて、送信データ記憶部107bに格納されたコマンドは内部信号からシリアル通信用の情報に変換され、信号経路DL1を利用して音光制御装置72に設けられた第2データ受信部R2に送信される。具体的に、送信データ記憶部107bに格納されたコマンドは2バイトで構成された内部信号から1ビットずつ順次送信可能な情報に変換される。
ここで、コマンドバッファ94dの全ての記憶領域にコマンドが格納された場合、図16(c)に示すように、記憶ポインタW及び読出ポインタRには同一のアドレスが格納される。この状態では、初期状態であるか記憶領域が満杯状態であるのかが判定できず初期状態であるとみなされ、コマンドバッファ94dに格納されたコマンドはクリアされてしまう。
これに対し、第2データ送信部T2はシリアル通信の伝送速度が19200bpsとなるように設けられている。タイマ割込み処理は4msecごとに処理が実行されるよう設定されており、19200bpsに設定することで、各処理回間に発生する4msecの期間内において2バイト(16ビット)で構成されたコマンドを4コマンド送信することが可能となっている。実際には、1コマンドを19200bpsで送信する場合、1msec以内に送信完了となるため、4コマンド以上のコマンドを送信可能な速度となっている。
また、主側MPU92において、タイマ割込み処理の割り込み周期(4msec)の間に優先度の高い変動用コマンド、種別コマンド、上作動口33及び下作動口34の入賞を契機とした保留表示コマンドが発生した場合に、これら4コマンドを確実に送信完了とすることが可能な伝送速度に信号経路DL1が設定されている。これにより、主側MPU92が送信する優先度の高いコマンドを確実に送信可能となっている。
また、主側MPU92は送信データ記憶部107bの容量が空いていない場合には払出状況コマンドをコマンドバッファ94dに一時的に格納可能となっている。これにより、払出異常コマンドよりも送信の優先順位の高いコマンドが存在する構成において、送信データ記憶部107bの容量が一杯になった場合でも払出異常コマンドの送信漏れを防止可能となる。
特図特電処理において、変動用コマンド及び種別コマンドは、1回設定されると少なくとも所定の複数の処理回は設定する必要がない構成となっている。具体的には、変動用コマンド及び種別コマンドが設定されてから表示継続時間(具体的には最短でも1msec)が経過後に次のコマンドが設定されるため、遊技回用の演出が行われている間はコマンドが設定されない構成となっている。
また、保留表示コマンドは上作動口33及び下作動口34の入賞を契機として出力対象に設定されるコマンドである。既に説明したとおり、入賞をしたことが検知されるには複数の処理回、具体的には3処理回が必要となるため、各作動口の入賞を契機とした保留表示コマンドは1回設定されると少なくとも次の2処理回は設定されない構成となっている。
上記のように、各処理回において4コマンドが送信される構成ではないため、上述した4コマンドが所定の処理回で設定されたとしても、次の処理回で払出状況コマンドを送信可能となる。
また、主制御装置71において、タイマ割込み処理の1処理回内で優先すべきコマンド数は4個であり、それらのコマンドの送信を完了可能とするように伝送速度が設定されている。このため、所定の処理回において受信したコマンドが次の処理回となってもコマンドバッファ94dに格納されているという状況が発生しづらくなる。これにより、コマンドの受信量が送信量を上回ることが少なくなり、未処理コマンドがコマンドバッファ94dの記憶領域をオーバーフロー及びコマンドの送信漏れが発生することを防止可能となる。
また、払出側MPU102から主側MPU92に対して送信される異常開始コマンドの伝送速度は1200bpsとなっており、主側MPU92から音光制御装置72に対して送信される各種コマンドの伝送速度は19200bpsとなっている。これにより、主側MPU92の入力側の伝送速度のほうが出力側の伝送速度よりも小さく設定されているため、1コマンドを受信する期間よりも送信する期間のほうが短くなり、主側MPU92の音光制御装置72に対する送信漏れを防止可能となる。
また、主側MPU92の入出力側の第2の信号経路SL2における伝送速度は1200bpsで一定となっており、出力側の信号経路DL1における伝送速度は19200bpsで一定となっている。このように所定の一定速度で情報を伝送することにより、ソフトウェアなどで速度を制御する必要なく情報の伝送漏れを防止することが可能となる。
また、主側MPU92の受信側である第2の信号経路SL2におけるコマンド伝送速度は1200bpsとなっており、4処理回に1個の払出状況コマンドを受信可能となっている。また、主側MPU92の送信側である信号経路DL1のコマンド伝送速度は19200bpsで1処理回に4個のコマンドを送信可能となっている。つまり、払出状況コマンドを1個受信する間に主側MPU92は16個のコマンドを送信可能となっている。
しかしながら、4処理回内に送信可能な16個のコマンドのうち、演出系コマンド及び電波検知コマンドは既に説明したとおり、連続した処理回で設定されるコマンドではない。よって、他の優先度の高いコマンドが設定される間の期間を利用し、払出状況コマンドを設定することが可能となり、コマンドバッファ94dのオーバーフロー及び払出状況コマンドの送信漏れを防止可能となる。
次に、以上説明した処理が実行されることにより発生する各種コマンドの送受信タイミングについて、図20を参照しながら説明する。図20は主側MPU92における各種コマンドの送受信の様子を説明するためのタイミングチャートである。
T1のタイミングでタイマ割込み処理が開始される。その後のT2のタイミングで払出状況コマンドが受信されているため、当該払出状況コマンドは、コマンドバッファ94dに格納される。
T3のタイミングでは、ステップS214にて特図特電制御処理が実行され、保留情報がある場合には、演出系コマンドが設定される。演出系コマンドとしては変動用コマンド及び種別コマンドが送信データ記憶部107bに格納することで出力対象に設定される。
その後のT4のタイミングでステップS216にて表示制御処理が実行される。ここで、上作動口33及び下作動口34の両方に入賞が確認されることで、T4では2個の保留表示コマンドが送信データ記憶部107bに格納される。
その後のT5のタイミングでは、電波検知済みフラグがセットされているが、送信データ記憶部107bの容量が一杯であるため、電波検知コマンドは出力対象に設定されない。また、払出状況コマンドも今回の処理回では出力対象に設定されない。
その後のT6のタイミングでは、T3のタイミングにて出力対象に設定した変動用コマンド及び種別コマンドのどちらかの送信が完了し、その後のT7のタイミングでもう一方の送信が完了する。送信が完了したコマンドは送信データ記憶部107bから消去される。
その後のT8のタイミングでは、次のタイマ割り込み処理が開始されるとともに、T4のタイミングにて出力対象に設定した保留表示コマンドのどちらかの送信が完了し、その後のT9のタイミングでもう一方の送信が完了する。送信が完了したコマンドは送信データ記憶部107bから消去される。
その後のT10にて前回の処理にて出力対象に設定できなかった電波検知コマンドを設定し、送信データ記憶部107bに格納する。その後のT11のタイミングにて、電波検知コマンドと同様、前回の処理回において送信データ記憶部107bに格納できなかった払出状況コマンドを送信データ記憶部107bに格納することで出力対象に設定する。
その後のT12のタイミングにてT10で出力対象に設定した電波検知コマンドの送信が完了し、送信データ記憶部107bから消去される。その後のT13のタイミングにてT11で出力対象に設定した払出状況コマンドの送信が完了し、送信データ記憶部107bから消去される。
T14及びT15のタイミングでその後のタイマ割込み処理が開始される。その後のT16のタイミングで上作動口33又は下作動口34のどちらかに入賞が確認されて、1個の保留表示コマンドが送信データ記憶部107bに格納される。その後のT17のタイミングで電波検知済みフラグがセットされたことにより電波検知コマンドが送信データ記憶部107bに格納され、出力対象に設定される。
その後のT18のタイミングでT16にて出力対象に設定した保留表示コマンドの送信が完了し、その後のT19のタイミングでT17にて出力対象に設定した電波検知コマンドの送信が完了し、それぞれの送信が完了した場合に各コマンドは送信データ記憶部107bから消去される。
T20のタイミングで次のタイマ割込み処理が開始される。その後のT21のタイミングにて払出制御装置78から払出状況コマンドが送信され、コマンドバッファ94dに格納される。
その後のT22のタイミングにて入賞が確認されていない方の上作動口33又は下作動口34のどちらかに入賞が確認されて、1個の保留表示コマンドが送信データ記憶部107bに格納される。その後のT23のタイミングにてコマンドバッファ94dに格納されている払出状況コマンドが送信データ記憶部107bに格納され、出力対象に設定される。
その後のT24のタイミングでT22にて出力対象に設定した保留表示コマンドの送信が完了し、その後のT25のタイミングでT23にて出力対象に設定した払出状況コマンドの送信が完了し、それぞれの送信が完了した場合に各コマンドは送信データ記憶部107bから消去される。その後のT26のタイミングにて次の処理回が開始される。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
払出側MPU102から主側MPU92に対して送信される払出状況コマンドの伝送速度は1200bpsとなっており、主側MPU92から音光制御装置72に対して送信される各種コマンドの伝送速度は19200bpsとなっている。これにより、主側MPU92の入力側の伝送速度のほうが出力側の伝送速度よりも低く設定されているため、コマンドをコマンドバッファ94dに格納するよりも、送信が完了してコマンドバッファ94dから消去するほうが早く行われるため、払出状況コマンドの主側MPU92から音光制御装置72への送信漏れを防止可能となる。
また、主側MPU92の入出力側の第2の信号経路SL2における伝送速度は1200bpsで一定となっており、出力側の信号経路DL1における伝送速度は19200bpsで一定となっている。このように所定の一定速度で情報を伝送することにより、ソフトウェアなどで速度を制御する必要なく情報の伝送漏れを防止することが可能となる。また、ソフトウェアのコストアップを抑制可能となる。
また、主側MPU92において受信側のコマンド伝送速度は1200bpsで4処理回に1コマンドを受信可能となっており、送信側のコマンド伝送速度は19200bpsで1処理回に4コマンドを送信可能となっている。つまり、払出状況コマンドを1コマンド受信する間に主側MPU92は16コマンドを送信可能となっているが、上述したとおり、各処理回にて主側MPU92は4コマンドを常に出力対象に設定する構成ではない。よって、主側MPU92によって新たなコマンドが設定ない期間を有効利用しつつ、コマンドバッファ94dのオーバーフローによる払出状況コマンドの送信漏れを防止可能となる。
また、送信データ記憶部S1が設けられていることにより、第1データ送信部T1が主制御装置71へコマンドを送信中である場合に発生したコマンドについては送信データ記憶部S1に格納することで次の送信可能なタイミングまで待機させることが可能となり、払出状況コマンドの送信漏れを防止可能となる。
また、払出状況コマンドは、検知対象として定期的に発生するものではなく突発的に発生する状況を対象としている。これに対し、送信データ記憶部S1の記憶容量はコマンド5個分となっていることにより、払出状況コマンドとして発生する各コマンドが払出側MPU102のタイマ割込み処理の同一処理回内にて1回ずつ発生した場合にも、全てのコマンドを送信データ記憶部S1に格納可能となっており、主制御装置71への送信漏れを防止可能となっている。
また、主側MPU92において、タイマ割込み処理の割り込み周期(4msec)の間に優先度の高い変動用コマンド、種別コマンド、上作動口33及び下作動口34の入賞を契機とした保留表示コマンドが発生した場合に、これら4コマンドを確実に送信完了とすることが可能な伝送速度に信号経路DL1が設定されている。これにより、主側MPU92が送信する優先度の高いコマンドを確実に送信可能となっている。
また、演出系コマンド及び保留表示コマンドは連続した処理回で出力対象に設定されない構成となっており、当該演出系コマンドが及び保留表示コマンドが発生しない処理回において払出異常コマンドを送信する構成としたことで、他の優先度の高いコマンドが設定される間の期間を利用し、払出異常コマンドを設定することが可能となり、コマンドバッファ94dのオーバーフロー及び払出異常コマンドの送信漏れを防止可能となる。
また、所定の処理回における払出受信処理の開始から次回の処理回における特図特電制御処理の開始までの期間において、2個のコマンドを主制御装置71から音光制御装置72へ送信完了となっている。当該構成において、1処理回内で出力対象に設定する払出異常コマンドは最大1個となっていることにより、払出異常コマンドを出力対象に設定しつつ、次回の処理回における特図特電制御処理において変動用コマンド及び種別コマンドが発生した場合にも送信データ記憶部107bに格納することが可能となっている。
<第2の実施の形態>
本実施の形態では、主制御装置71から音光制御装置72へのコマンドの伝送方法に係る構成が上記第1の実施の形態と異なっている。当該相違する構成について以下に説明する。なお、以下の説明では、上記第1の実施の形態と同様の構成については基本的にその説明を省略する。図21は本実施の形態における払出制御装置78から主制御装置71へのコマンドの伝送に係る構成及び主制御装置から音光制御装置へのコマンドの伝送に係る構成を示したブロック図である。
図21に示すように、主側MPU92が出力対象に設定する各種コマンド及び払出側MPU102から送信される払出状況コマンドを主制御装置71から音光制御装置72へ送信するが、上記コマンドを伝送するために第1ビット用経路DL2及び第2ビット用経路DL3が設けられている。
当該コマンドの通信は、第1ビット用経路DL2及び第2ビット用経路DL3を利用してシリアル通信ではなくパラレル通信を行うように設定されている。つまり、複数のビットを同時並行的に各ビット用経路DL2,DL3を利用して送信する構成となっている。
主側MPU92によって送信データ記憶部107bに格納されたコマンドはデータ送信回路部107によって主側MPU92の処理とは非同期で送信データ記憶部107bに格納された順番で並列データ送信部TPにより音光制御装置72へ送信される。
並列データ送信部TPでは、送信データ記憶部107bに格納されたコマンドは内部信号からパラレル通信用の情報に変換され、第1ビット用経路DL2及び第2ビット用経路DL3を利用して音光制御装置72に設けられた並列データ受信部RPに送信される。具体的に、送信データ記憶部107bに格納されたコマンドは2バイトで構成された内部信号から2ビットずつ並列的に送信可能な情報に変換される。また、並列データ送信部TPはパラレル通信の伝送速度が9600bpsとなるように設けられている。
上記のように、主側MPU92の受信側ではシリアル通信でデータ伝送を行い、送信側ではパラレル通信でデータ伝送を行うことで、複数のビットを一度に送信することが可能となるため、伝送線路あたりの伝送速度を高くしなくても、伝送線路の本数を増やすことによって送信側のデータ伝送に係る構成全体として伝送速度を高くすることができ、払出状況コマンドの送信漏れを防止することが可能となる。
<他の実施の形態>
(1)上記各実施の形態において主側MPU92にて受信したコマンドをデータ送信回路部107に出力し、データ送信回路部107から音光制御装置72にコマンドを送信する構成としたが、主側MPU92を介さずに、受信したコマンドを直接出力してもよい。具体的には払出側MPU102から出力されたコマンドをデータ送信回路部107に入力する構成が考えられる。この場合、払出側の処理としてコマンドを送信する前に送信データ記憶部107bの空き容量を確認し、空きがあれば送信し、空きが無ければ送信データ記憶部S1にコマンドを待機させておく構成が考えられる。コマンドの送信中においては、送信データ記憶部107bの1コマンド分の空き容量は予約されて主側MPU92からのコマンドを格納しない構成とする必要がある。
(2)上記各実施の形態において、主側MPU92の送信側のデータ伝送速度を19200bpsや9600bpsと一定の速度とし、主側MPU92の受信側のデータ伝送速度を1200bpsと一定の速度としたが、コマンドバッファ94dの空き容量によって送信側及び受信側のデータ伝送速度を可変制御する構成としてもよい。例えば、コマンドバッファ94dにおいて、格納されている未送信コマンドが8個未満である場合には主側MPU92の送信側のデータ伝送速度が19200bps、受信側のデータ伝送速度が1200bpsと設定され、格納されている未送信コマンドが8個以上である場合には主側MPU92の送信側のデータ伝送速度が38400bps、受信側のデータ伝送速度が1200bpsと設定される構成が考えられる。
また、読み出し前の払出状況コマンドが8個以上である場合に主側MPU92の受信側のデータ伝送速度を送信側のデータ伝送速度に比べて低くする構成としてもよい。これにより、コマンドを受信完了となる期間が長くなり、その期間内で送信可能となるコマンド数の増やすことができ、コマンドバッファ94dのオーバーフローを防止可能となる。
(3)上記各実施の形態において、タイマ割込み処理が4msecごとに発生させる構成としていたが、4msecより長く設定しても短く設定してもよい。例えば、タイマ割込み処理を2msecごとに実行させてもよく、この場合には主側MPU92の送信側における伝送速度を38400bpsと設定する必要がある。これによって、タイマ割込みの各処理回において、4コマンド発生したとしても次の処理回までに音光制御装置72への送信を完了可能となり、コマンドバッファ94dがオーバーフローすること及びコマンドの送信漏れが発生することを防止可能となる。つまり、各処理回において発生し得るコマンド数によってコマンドバッファ94dがオーバーフローしないように主側MPU92の送信側の伝送速度を設定する必要がある。
(4)上記各実施の形態において、主側MPU92が払出側MPU102から受信したコマンドを格納するためのコマンドバッファ94dの記憶領域として10コマンド分の容量を設けたが、主側MPU92において払出側MPU102から受信したコマンドが4処理回で1コマンドを受信し、主側MPU92において4処理回に1回以上の周期で払出側MPU102から受信したコマンドを音光制御装置72に送信可能となっているため、コマンドバッファ94dの記憶容量は1コマンド分あればよい。つまり、タイマ割込み処理の1処理回内にて格納される可能性がある数以上のコマンドが格納できる容量が確保されていればよい。
(5)上記各実施の形態において、払出制御装置78と主制御装置71の間及び主制御装置71と音光制御装置72の間の通信は有線通信でなく、無線通信であってもよい。具体的には、Blutooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、赤外線など無線通信により各コマンドのやり取りを行ってもよい。
(6)上記各実施の形態において、主側MPU92が払出側MPU102から受信したコマンドの格納先として、リングバッファにより構成されたコマンドバッファ94dを設ける構成としたが、コマンドバッファ94dはリングバッファでなくてもよく、コマンド1個分の記憶容量を有した記憶領域であってもよい。その場合、受信した払出状況コマンドはタイマ割込みの4処理回以内に音光制御装置72に送信する必要がある。また、上記記憶領域は複数の容量を有していれば、リングバッファでなくてもよい。その場合、当該記憶領域に格納されている各コマンドについて格納された順番を管理可能とする必要がある。例えばコマンドごとの記憶領域に対応させて、格納された順番を記憶する記憶領域が別途設けられている構成が考えられる。
(7)上記各実施の形態において、1処理回で4個のコマンドを送信可能とする構成でなく、1処理回で5コマンド以上を主制御装置71から音光制御装置72に送信する構成としてもよい。主制御装置71のコマンド送信速度を送信するコマンド数を次の処理回までに送信可能とする速度に設定されていればよい。具体的には、主側MPU92にて送信されるコマンドのうち電波検知コマンド及び払出異常コマンドよりも優先度の高いコマンドとして、変動用コマンド、種別コマンド、上作動口33及び下作動口34の入賞を契機とした保留表示コマンドに加え、保留数Nの減少を契機として図柄表示装置41における保留表示をシフトさせるシフトコマンドを追加して5個を優先させる構成としてもよい。この場合、主側MPU92において1処理回内に5個のコマンドを通信可能とするように送信側の伝送速度を24000bpsとする必要がある。
(8)上記各実施の形態において、コマンドの送信漏れを防止する構成を音光制御装置72の報知に係る構成について適用したが、コマンドは報知コマンドに限定しなくてもよい。つまり、複数の制御装置間において情報の伝達が行われる場合には、同様の構成を適用可能である。
(9)上記各実施の形態において、払出側MPU102から受信した払出状況コマンドは主側MPU92にて何ら変換せずに、受信したままの形式で音光制御装置72に送信される構成としたが、払出側MPU102からのコマンドをそのまま音光制御装置72に送信するのではなく、払出側MPU102からのコマンドに対応したコマンドを主側ROM93から読み出して送信するようにしてもよい。
(10)上記各実施の形態において、主制御装置71から音光制御装置72へのコマンドの伝送速度を払出制御装置78から主制御装置71へのコマンドの伝送速度よりも速くすることで、払出制御装置78から音光制御装置72へのコマンドの送信漏れを防止する構成でなく、主制御装置71から音光制御装置72へのコマンド送信の頻度を払出制御装置78から主制御装置71へのコマンド送信の頻度よりも多くする構成としてもよい。
例えば、払出制御装置78から主制御装置71へコマンドの送信を開始する場合における最短の間隔が、主制御装置71から音光制御装置72へコマンドの送信を開始する場合における最短の間隔よりも長く設定されている構成が考えられる。
このような間隔の設定を行うためには、例えば払出制御装置78にて定期的に定期処理が実行される構成の場合に上記最短の間隔を当該定期処理の1周期よりも長い間隔(例えば複数回の定期処理の実行に対して1個の割合)とする一方、主制御装置71にて定期的(払出制御装置78の定期処理の実行間隔と同一又はそれよりも短い間隔)に定期処理が実行される構成の場合に上記最短の間隔が当該定期処理の1周期以下となる間隔(例えば1回の定期処理の実行に対して1個又は複数個の割合)とする構成が考えられる。
また、例えば払出制御装置78において1回の定期処理で所定個数のコマンドの送信を開始することが可能な構成とするとともに、主制御装置71においても1回の定期処理で所定個数のコマンドの送信を開始することが可能な構成である場合において、払出制御装置78のMPU102として主制御装置71のMPU92よりも処理速度が遅いものを用いることなどによって、払出制御装置78の定期処理の実行間隔を主制御装置71の定期処理の実行間隔よりも長くする構成が考えられる。
上記各構成であれば、例えば払出制御装置78から主制御装置71への情報の伝送速度が主制御装置71から音光制御装置72への情報の伝送速度と同一又は略同一であったとしても、払出制御装置78から音光制御装置72へのコマンドの送信漏れの発生を抑制することが可能となる。また、例えば前者の伝送速度が後者の伝送速度よりも高い構成であったとしても、それに応じて上記各最短の間隔を調整することにより、上記コマンドの送信漏れの発生を抑制することが可能となる。
(11)上記各実施の形態において、払出側MPU102にて生成されるコマンドよりも主側MPU92にて生成されるコマンドを優先して音光制御装置72に送信する構成としたが、払出側MPU102にて生成されるコマンドを主側MPU92にて生成されるよりも優先する構成としてもよい。
具体的には、主側MPU92の所定の処理回において、変動用コマンド、種別コマンド、上作動口33の入賞を契機とした保留表示コマンド、下作動口34の入賞を契機とした保留表示コマンド及び払出状況コマンドの5個のコマンドの送信が重なった場合に、先ず、払出状況コマンドを送信データ記憶部に格納し、次に変動用コマンド、種別コマンド、保留表示コマンドの順に格納する。当該格納処理において、送信データ記憶部の記憶容量が一杯になった場合には、上作動口33又は下作動口34の入賞を契機とした保留表示コマンドをコマンドバッファ94dに一時的に格納し、次回以降の処理回において音光制御装置72へ送信する構成が考えられる。
(12)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.制御手段として、第1制御手段(第1、及び第2の実施の形態における払出制御装置78)、第2制御手段(第1及び第2の実施の形態における主制御装置71)及び第3制御手段(第1及び第2の実施の形態における音光制御装置72)を有し、
前記第2制御手段は、第1通信手段(第1及び第2の実施の形態における第1データ送信部T1、第2の信号経路SL2、第1データ受信部R1)を介して前記第1制御手段からコマンド(第1及び第2の実施の形態における払出状況コマンド)を受信し、第2通信手段を介して前記第3制御手段(第1の実施の形態におけるデータ送信部107a、信号経路DL1、第2データ受信部R2、第2の実施の形態における並列データ送信部TP、第1ビット用経路DL2、第2ビット用経路DL3、並列データ受信部RP)にコマンド(第1、第2及び第3の実施の形態における演出系コマンド、保留表示コマンド、電波検知コマンド及び払出異常コマンド)を送信し、
これらコマンドの受信及び送信が行われることにより、前記第1制御手段において行われた所定の処理に対応した処理が前記第3制御手段にて行われ、
前記第1通信手段は、当該第1通信手段による情報の伝送速度が、前記第2通信手段の情報の伝送速度よりも低くなるようにする第1情報送信手段(第1及び第2の実施の形態における第1データ送信部T1)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、第2制御手段の受信側である第1通信手段の伝送速度が送信側である第2通信手段よりも遅くなるよう設けられていることで、第2制御手段において送信するコマンドよりも受信するコマンドが多くなることを防止可能となり、第3制御手段へのコマンドの伝送漏れを防止することが可能となる。
特徴A2.前記第2制御手段は、前記第1通信手段を介して受信したコマンドを格納する格納手段(第1及び第2の実施の形態におけるコマンドバッファ94d)を備え、当該格納手段にコマンドが格納されていることに基づいて、当該コマンド又はそのコマンドを用いて行われた処理により導出されたコマンドを、前記第2通信手段を介して前記第3制御手段に送信し、
前記第1情報送信手段は、前記第2制御手段において前記第3制御手段にコマンドを送信するための処理対象として前記格納手段に格納されるコマンドが設定される頻度との関係で、前記格納手段の格納可能数を超えて前記第1通信手段を介して前記第2制御手段にコマンドが送信されることがないように、前記第1通信手段による情報の伝送速度が、前記第2通信手段のコマンドの伝送速度よりも低くなるようにするものであることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、第2制御手段において格納手段が設けられていることにより、第2通信手段においてコマンドを送信中である場合にも、第1制御手段から受信したコマンドを格納手段にて待機させておくことが可能となる。また、格納手段において格納可能数を超えないような第1通信手段によるコマンドの伝送速度となっていることにより、格納手段の記憶領域をコマンドがオーバーフローすること及び未処理のコマンドが消去されることを防止可能となる。
特徴A3.前記第2制御手段は、特定処理(第1及び第2の実施の形態におけるタイマ割込み処理)を特定周期で実行して、その処理結果に対応したコマンドを、前記第2通信手段を介して前記第3制御手段に送信し、
前記特定処理が実行されることにより設定され得るコマンドには、前記第2制御手段において前記第1制御手段から受信してそれに基づき前記第3制御手段に送信されるコマンドよりも優先して送信されるコマンドが含まれていることを特徴とする特徴A1又はA2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、第2通信手段による情報の伝送速度よりも第1通信手段による情報の伝送速度が低くなっている構成において、第2制御手段の特定処理の処理結果が第1制御手段から受信されたコマンドよりも優先されて第3制御手段へ送信されることにより、優先すべきコマンドを確実に第3制御手段へ送信しつつ、第1制御手段から受信されたコマンドについても送信漏れを防止可能となる。
特徴A4.前記第2通信手段は、当該第2通信手段の情報伝送速度を、前記特定周期の範囲内で特定数のコマンドの送信が可能となるような伝送速度にする第2情報送信手段(第1及び第2の実施の形態におけるデータ送信回路部107)を備え、
前記第1情報送信手段は、前記第1通信手段の情報の伝送速度を、1個の前記コマンドの送信に前記特定周期よりも長い期間を要するような伝送速度にするものであることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、送信の優先度が高いコマンドについて特定周期の範囲内で送信可能としつつ、より優先度の低いコマンドについては受信頻度を低くすることで格納手段がオーバーフローすることを防止し、第3制御手段へのコマンドの送信漏れが防止可能となる。
特徴A5.前記特定処理が実行されることにより設定され得るコマンドの種類は、複数種類存在しており、
それら複数種類のコマンドには、前記第2制御手段において前記第1制御手段から受信してそれに基づき前記第3制御手段に送信されるコマンドよりも優先して送信されるコマンドとして、特定数の種類のコマンド(第1及び第2の実施の形態における変動用コマンド、種別コマンド、保留表示コマンド)が含まれており、
これら特定数の種類のコマンドは、前記特定処理の処理回で送信対象として設定された場合、その次の処理回では送信対象として設定されないコマンドであり、
前記第2通信手段は、前記第2通信手段の情報の伝送速度を、前記特定周期の範囲内で前記特定数の種類のコマンドの送信が可能となるような伝送速度にする第2情報送信手段(第1及び第2の実施の形態におけるデータ送信回路部107)を備えていることを特徴とする特徴A3又はA4に記載の遊技機。
特徴A5によれば、特定周期の範囲内で特定数の種類のコマンドを送信可能となっていることにより、当該特定数の種類のコマンドを送信した次の処理回では第1制御手段から受信してそれに基づき送信されるコマンドを第3制御手段へ送信することが可能となり、優先すべきコマンドが発生しない処理回を利用してより優先度の低いコマンドを送信可能となる。
特徴A6.前記特定処理が実行されることにより設定され得るコマンドの種類は、複数種類存在しており、
それら複数種類のコマンドには、前記第2制御手段において前記第1制御手段から受信してそれらに基づき前記第3制御手段に送信されるコマンドよりも優先して送信されるコマンドとして、特定数の種類のコマンドが含まれており、
これら特定数の種類の情報は、前記特定処理の所定の処理回で送信対象として設定された場合、その次の処理回では送信対象として設定されない情報であり、
前記第1情報送信手段は、前記第1通信手段の情報の伝送速度を、前記特定処理が特定の複数回行われた場合に1個のコマンドの送信が可能となるような伝送速度にするものであり、
前記第2情報送信手段は、前記第2通信手段の情報の伝送速度を、前記特定処理が前記特定の複数回行われた場合に、少なくとも前記特定数の種類のコマンドと、前記第1通信手段を介して情報を受信したことに基づき送信する1個のコマンドとの送信が可能となるような伝送速度にするものであることを特徴とする特徴A3又はA4に記載の遊技機。
特徴A6によれば、特定周期が特定の複数回行われた場合に、当該複数回の特定周期が行われた期間にて発生した情報について第3制御手段に漏れなく送信可能となる。
特徴A7.前記第1通信手段及び前記第2通信手段は、シリアル通信によって情報を伝送することを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A7によれば、シリアル通信で情報の伝送が行われることにより、各制御手段において情報を伝送するための信号経路の数を抑えることができる。これにより、遊技機のコスト削減を図ることができ、各種制御手段に対し不正な基板が接続された状況において、当該不正な基板が電機配線に隠れづらくなる。
特徴A8.前記第1通信手段は、シリアル通信によって情報を伝送し、
前記第2通信手段は、パラレル通信によって情報を伝送することを特徴とする特徴A1乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A8によれば、第2制御手段において、第1制御手段からの情報の受信側はシリアル通信で情報の伝送がなされ、第3制御手段への情報の送信側はパラレル通信で情報の伝送がなされていることにより、伝送線路あたりの伝送速度を高くしなくても伝送線路の本数を増やすことで送信側のデータ伝送に係る構成全体として伝送速度を高くすることが可能となる。これにより、第3制御手段への情報の伝送漏れを防止可能とすることが可能となる。
特徴A9.前記第1制御手段は、当該第1制御手段に接続された装置の異常を検知した場合に、前記第2制御手段へ第1コマンドを送信し、
前記第2制御手段は、前記第1コマンドを受信した場合に、当該第1コマンドに基づいた第2コマンドを前記第3制御手段へ送信し、
前記第3制御手段は、前記第2コマンドを受信した場合に、当該第2コマンドに基づいた報知態様により異常の報知を行うことを特徴とする特徴A1乃至A8のいずれか1記載の遊技機。
特徴A9によれば、第1制御手段から第2制御手段及び第2制御手段から第3制御手段へ情報の送受信を行う構成において、第3制御手段の報知の契機となる第2制御手段による第1コマンドの伝送漏れを防止することが可能となり、第1制御手段にて発生した異常を漏れなく報知することが可能となる。
特徴A10.前記第1通信手段は、前記第1制御手段から前記第2制御手段へ第1速度で情報を伝送する第1情報送信手段を備え、
前記第2通信手段は、前記第2制御手段から前記第3制御手段へ第2速度で情報を伝送する第2情報送信手段を備え、
前記第1情報送信手段及び前記第2情報送信手段において伝送速度は変動しないことを特徴とする特徴A1乃至A9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A10によれば、第1情報送信手段及び第2情報送信手段における伝送速度が第1速度及び第2速度で変動しないことにより、ソフトウェアなどで伝送速度を可変制御する必要なく情報の伝送漏れを防止することが可能となる。また、ソフトウェアのコストアップを抑制可能となる。
特徴A11.前記第1制御手段において、前記第1通信手段を介して前記第2制御手段に送信するコマンドは複数種類存在しており、
前記第1制御手段は、前記複数種類のコマンドを格納する待機領域(第1、第2及び第3の実施の形態における送信データ記憶部S1)を備え、
前記複数種類のコマンドのうち1のコマンドが前記第1通信手段を介して前記第2制御手段に送信中である場合には、その他のコマンドは前記待機領域に格納されることを特徴とする特徴A1乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A11によれば、待機領域が設けられていることにより、第1通信手段を介して第2制御手段に送信する複数種類のコマンドのうち1のコマンドの送信中において、他のコマンドが発生した場合にも待機領域に格納することで、当該他のコマンドを送信タイミングまで待機させておくことが可能となる。これにより、第1制御手段から第2制御手段に送信するコマンドについても送信漏れを防止することが可能となる。
<特徴B群>
特徴B.制御手段として、第1制御手段(第1、及び第2の実施の形態における払出制御装置78)、第2制御手段(第1及び第2の実施の形態における主制御装置71)及び第3制御手段(第1及び第2の実施の形態における音光制御装置72)を有し、
前記第2制御手段は、第1通信手段(第1及び第2の実施の形態における第1データ送信部T1、第2の信号経路SL2、第1データ受信部R1)を介して前記第1制御手段からコマンド(第1及び第2の実施の形態における払出状況コマンド)を受信し、第2通信手段を介して前記第3制御手段(第1の実施の形態におけるデータ送信部107a、信号経路DL1、第2データ受信部R2、第2の実施の形態における並列データ送信部TP、第1ビット用経路DL2、第2ビット用経路DL3、並列データ受信部RP)にコマンド(第1、第2及び第3の実施の形態における演出系コマンド、保留表示コマンド、電波検知コマンド及び払出異常コマンド)を送信し、
これらコマンドの受信及び送信が行われることにより、前記第1制御手段において行われた所定の処理に対応した処理が前記第3制御手段にて行われ、
前記第2制御手段は、特定処理(第1及び第2の実施の形態におけるタイマ割込み処理)を特定周期で実行して、その処理結果に対応したコマンドを、前記第2通信手段を介して前記第3制御手段に送信し、
前記特定処理が実行されることにより設定され得るコマンドの種類は、複数種類存在しており、
それら複数種類のコマンドには、前記第2制御手段において前記第1制御手段から受信してそれに基づき前記第3制御手段に送信されるコマンドよりも優先して送信されるコマンドとして、特定数の種類のコマンド(第1及び第2の実施の形態における変動用コマンド、種別コマンド、保留表示コマンド)が含まれており、
これら特定数の種類のコマンドは、前記特定処理の処理回で送信対象として設定された場合、その次の処理回では送信対象として設定されないコマンドであり、
前記第2通信手段は、前記第2通信手段の情報伝送速度を、前記特定周期の範囲内で特定数の種類のコマンドの送信が可能となるような伝送速度にする第2情報送信手段(第1及び第2の実施の形態におけるデータ送信回路部107)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴Bによれば、第2制御手段の特定処理の処理結果が第1制御手段から受信された情報よりも優先されて第3制御手段へ送信される構成において、優先度が高い情報の個数に基づいてそれらの情報が特定周期の範囲内で第2制御手段から第3制御手段に送信可能となるように第2通信手段の通信速度が決められていることにより、優先度の高い情報の送信漏れを防止可能となる。
<特徴C群>
特徴C.制御手段として、第1制御手段(第1、及び第2の実施の形態における払出制御装置78)、第2制御手段(第1及び第2の実施の形態における主制御装置71)及び第3制御手段(第1及び第2の実施の形態における音光制御装置72)を有し、
前記第2制御手段は、第1通信手段(第1及び第2の実施の形態における第1データ送信部T1、第2の信号経路SL2、第1データ受信部R1)を介して前記第1制御手段からコマンド(第1及び第2の実施の形態における払出状況コマンド)を受信し、第2通信手段を介して前記第3制御手段(第1の実施の形態におけるデータ送信部107a、信号経路DL1、第2データ受信部R2、第2の実施の形態における並列データ送信部TP、第1ビット用経路DL2、第2ビット用経路DL3、並列データ受信部RP)にコマンド(第1、第2及び第3の実施の形態における演出系コマンド、保留表示コマンド、電波検知コマンド及び払出異常コマンド)を送信し、
これらコマンドの受信及び送信が行われることにより、前記第1制御手段において行われた所定の処理に対応した処理が前記第3制御手段にて行われ、
前記第2制御手段は、特定処理(第1及び第2の実施の形態におけるタイマ割込み処理)を特定周期で実行して、その処理結果に対応したコマンドを、前記第2通信手段を介して前記第3制御手段に送信し、
前記特定処理が実行されることにより設定され得るコマンドの種類は、複数種類存在しており、
それら複数種類のコマンドには、前記第2制御手段において前記第1制御手段から受信してそれに基づき前記第3制御手段に送信されるコマンドよりも優先して送信されるコマンドとして、特定数の種類のコマンド(第1及び第2の実施の形態における変動用コマンド、種別コマンド、保留表示コマンド)が含まれており、
これら特定数の種類のコマンドは、前記特定処理の処理回で送信対象として設定された場合、その次の処理回では送信対象として設定されないコマンドであり、
前記第1情報送信手段は、当該第1通信手段の情報の伝送速度を、1個の前記コマンドの送信に前記特定周期よりも長い期間を要するような伝送速度にするものであることを特徴とする遊技機。
特徴Cによれば、第2制御手段の特定処理の処理結果が第1制御手段から受信された情報よりも優先されて第3制御手段へ送信される構成において、優先度の低い情報について受信頻度を低くすることにより、相対的に優先度の高い情報の送信頻度を高くすることが可能なり、第2制御手段から第3制御手段への情報の送信漏れが防止可能となる。
<特徴D群>
特徴D.制御手段として、第1制御手段(第1、及び第2の実施の形態における払出制御装置78)、第2制御手段(第1及び第2の実施の形態における主制御装置71)及び第3制御手段(第1及び第2の実施の形態における音光制御装置72)を有し、
前記第2制御手段は、前記第1制御手段から情報(第1及び第2の実施の形態における払出状況コマンド)を受信し、前記第3制御手段(第1の実施の形態におけるデータ送信部107a、信号経路DL1、第2データ受信部R2、第2の実施の形態における並列データ送信部TP、第1ビット用経路DL2、第2ビット用経路DL3、並列データ受信部RP)に情報(第1、第2及び第3の実施の形態における演出系コマンド、保留表示コマンド、電波検知コマンド及び払出異常コマンド)を送信し、
これらコマンドの受信及び送信が行われることにより、前記第1制御手段において行われた所定の処理に対応した処理が前記第3制御手段にて行われ、
前記第1制御手段から前記第2制御手段への情報の伝達が、前記第2制御手段から第3制御手段への情報の伝達よりも遅いことを特徴とする遊技機。
特徴Dによれば、第2制御手段の受信側の情報の伝達が送信側よりも遅くなるよう設けられていることで、第2制御手段において送信する情報量よりも受信する情報量が多くなることを防止可能となり、第1制御手段から第3制御手段への情報の伝達漏れを防止することが可能となる。
71…主制御装置、72…音光制御装置、78…払出制御装置、92…主側MPU、94…主側RWM、94d…コマンドバッファ、107a…データ送信部、107b…送信データ記憶部、T1…第1データ送信部、T3…第3データ送信部、R1…第1データ受信部、R2…第2データ受信部、TP…並列データ送信部、RP…並列データ受信部、SL2…第2の信号経路、DL1…信号経路、DL2…第1ビット用経路、DL3…第2ビット用経路。

Claims (7)

  1. 制御手段として、第1制御手段、第2制御手段及び第3制御手段を有し、
    前記第2制御手段は、第1通信手段を介して前記第1制御手段からコマンドを受信し、第2通信手段を介して前記第3制御手段にコマンドを送信し、
    これらコマンドの受信及び送信が行われることにより、前記第1制御手段において行われた所定の処理に対応した処理が前記第3制御手段にて行われ、
    前記第1通信手段は、当該第1通信手段による情報の伝送速度が、前記第2通信手段の情報の伝送速度よりも低くなるようにする第1情報送信手段を備えていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記第2制御手段は、前記第1通信手段を介して受信したコマンドを格納する格納手段を備え、当該格納手段にコマンドが格納されていることに基づいて、当該コマンド又はそのコマンドを用いて行われた処理により導出されたコマンドを、前記第2通信手段を介して前記第3制御手段に送信し、
    前記第1情報送信手段は、前記第2制御手段において前記第3制御手段にコマンドを送信するための処理対象として前記格納手段に格納されるコマンドが設定される頻度との関係で、前記格納手段の格納可能数を超えて前記第1通信手段を介して前記第2制御手段にコマンドが送信されることがないように、前記第1通信手段による情報の伝送速度が、前記第2通信手段のコマンドの伝送速度よりも低くなるようにするものであることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記第2制御手段は、特定処理を特定周期で実行して、その処理結果に対応したコマンドを、前記第2通信手段を介して前記第3制御手段に送信し、
    前記特定処理が実行されることにより設定され得るコマンドには、前記第2制御手段において前記第1制御手段から受信してそれに基づき前記第3制御手段に送信されるコマンドよりも優先して送信されるコマンドが含まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
  4. 前記第2通信手段は、当該第2通信手段の情報伝送速度を、前記特定周期の範囲内で特定数のコマンドの送信が可能となるような伝送速度にする第2情報送信手段を備え、
    前記第1情報送信手段は、前記第1通信手段の情報の伝送速度を、1個の前記コマンドの送信に前記特定周期よりも長い期間を要するような伝送速度にするものであることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
  5. 前記特定処理が実行されることにより設定され得るコマンドの種類は、複数種類存在しており、
    それら複数種類のコマンドには、前記第2制御手段において前記第1制御手段から受信してそれに基づき前記第3制御手段に送信されるコマンドよりも優先して送信されるコマンドとして、特定数の種類のコマンドが含まれており、
    これら特定数の種類のコマンドは、前記特定処理の処理回で送信対象として設定された場合、その次の処理回では送信対象として設定されないコマンドであり、
    前記第2通信手段は、前記第2通信手段の情報の伝送速度を、前記特定周期の範囲内で前記特定数の種類のコマンドの送信が可能となるような伝送速度にする第2情報送信手段を備えていることを特徴とする請求項3又は4に記載の遊技機。
  6. 前記特定処理が実行されることにより設定され得るコマンドの種類は、複数種類存在しており、
    それら複数種類のコマンドには、前記第2制御手段において前記第1制御手段から受信してそれらに基づき前記第3制御手段に送信されるコマンドよりも優先して送信されるコマンドとして、特定数の種類のコマンドが含まれており、
    これら特定数の種類の情報は、前記特定処理の所定の処理回で送信対象として設定された場合、その次の処理回では送信対象として設定されない情報であり、
    前記第1情報送信手段は、前記第1通信手段の情報の伝送速度を、前記特定処理が特定の複数回行われた場合に1個のコマンドの送信が可能となるような伝送速度にするものであり、
    前記第2情報送信手段は、前記第2通信手段の情報の伝送速度を、前記特定処理が前記特定の複数回行われた場合に、少なくとも前記特定数の種類のコマンドと、前記第1通信手段を介して情報を受信したことに基づき送信する1個のコマンドとの送信が可能となるような伝送速度にするものであることを特徴とする請求項3又は4に記載の遊技機。
  7. 前記第1制御手段において、前記第1通信手段を介して前記第2制御手段に送信するコマンドは複数種類存在しており、
    前記第1制御手段は、前記複数種類のコマンドを格納する待機領域を備え、
    前記複数種類のコマンドのうち1のコマンドが前記第1通信手段を介して前記第2制御手段に送信中である場合には、その他のコマンドは前記待機領域に格納されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1に記載の遊技機。
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