JP2015053849A - モータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータの回転を停止せずにモータ及び回路の過負荷を迅速かつ的確に解消する。【解決手段】バッテリ80とモータ52のコイル14に印加する電圧を生成するインバータ回路40との間の電流を検知する電流検知部94と、モータ52が過負荷か否かを判定するための過負荷判定値を出力する過負荷判定値出力部96と、電流検知部94が検知した電流値と過負荷判定値とを比較し、電流検知部94が検知した電流値が過負荷判定値以上の場合にモータ52が過負荷であると判定する過負荷判定部98と、過負荷判定部98がモータ52が過負荷であると判定した場合に、モータ52の回転速度を所定の速度である500rpmに制御する強制500rpm指令部88と、を備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、モータ制御装置に関する。
モータのうち、例えば車両用エアコンの送風に用いられるブロアモータでは、車外から侵入した枯葉等の異物によってファンの回転が妨げられてブロアモータの負荷が高くなった場合には、ブロアモータの回転を停止する過負荷保護の制御を実行する。かかる過負荷保護の実行により、過負荷によるブロアモータの制御装置の回路及びブロアモータのステータのコイルの過熱を防止している。
図18は、インバータ回路40とバッテリ80の負極との間の電流値に基づいてモータの過負荷を判定するモータ制御装置の一例を示す概略図である。図18では、インバータFET44D、44E、44Fの各々のソースとバッテリ80との間には電流検知部94が設けられている。電流検知部94は、シャント抵抗94Aと、シャント抵抗94Aの電流値を検知し検知した電流値を増幅するアンプ94Bとを含み、アンプ94Bが出力した信号は、過負荷判定部98と過電流判定部102とに各々入力される。
過電流判定部102では、アンプ94Bが出力した信号と過電流判定値出力部100が出力した過電流判定値とを比較し、また、過負荷判定部98は、アンプ94Bが出力した信号と過負荷判定値出力部96が出力した過負荷判定値とを比較する。過電流判定部102及び過負荷判定部98が出力した信号は論理和回路130に入力される。
論理和回路130は、アンプ94Bが出力した信号が、過電流判定部102で過電流判定値以上と判定した場合又は過負荷判定部98で過負荷判定値以上と判定した場合に電圧補正部68の出力を強制的に停止させる信号を出力する。その結果、回路が過負荷状態又は過電流状態と判定された場合にはモータ52の回転を停止でき、回路の焼損が防止できる。
また、車両用エアコンの吸気系統には異物の混入を防ぐためのフィルタが設けられているが、かかるフィルタは吸気抵抗となり得るので、当該フィルタを外して車両用エアコンを使用する場合がある。吸気系統のフィルタを外すとエアコンの送風量は増加するが、ブロアモータは回転数制御により同一回転を維持しようとするため、ブロアモータが高いトルク(=高負荷)になりやすくなる。
また、ブロアモータはファンの送風の一部でモータ制御装置等の回路を冷却しているが、吸気系統のフィルタを外した状態でファンの送風量が大きく変化すると、ファンからの送風の一部を回路の冷却に導入できず、回路が過熱しやすくなる。
ブロアモータの負荷が増大した場合には、モータ制御装置の過熱を防止するために、前述のようにブロアモータの回転を停止する過負荷保護の制御を実行する。しかしながら、吸気系統のフィルタが除去されてブロアモータが過回転になりやすい状況では、前述の過負荷保護の制御を頻繁に実行することになり、車両用エアコンの円滑な作動が望めなくなるという問題点があった。
特許文献1には、モータに駆動用電源を供給する経路に配置されたシャント抵抗の温度が所定温度に達した場合にモータの回転速度の指令信号のレベルを低下させて回路の過熱を防ぐモータ駆動システムの過負荷保護装置が開示されている。
特許第3801015号公報
モータの負荷とモータに供給する電流とには相関関係があり、モータの負荷が大きくなればモータに供給される電流も大きくなる。しかしながら、特許文献1に記載の発明は、電流によってシャント抵抗に生じた熱をサーミスタが検知してモータの負荷を判定しているので、モータに供給される電流の大きさでモータの負荷を判定する場合に比べ、迅速な判定が困難であるという問題があった。また、特許文献1に記載の発明は、モータの巻線の電流量による温度変化の影響をサーミスタが受けやすく、回路の過熱状態を正確に把握することが困難であるという問題もあった。
本発明は上記に鑑みてなされたもので、モータの回転を停止せずにモータ及び回路の過負荷な状態を迅速かつ的確に解消できるモータ制御装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載のモータ制御装置は、電源とモータのコイルに印加する電圧を生成するインバータ回路との間に流れる電流を検知する電流検知手段と、前記モータが過負荷か否かを判定するための過負荷判定値を出力する過負荷判定値出力手段と、前記電流検知手段が検知した電流値が前記過負荷判定値以上の場合に前記モータが過負荷であると判定する過負荷判定手段と、前記過負荷判定手段が前記モータが過負荷であると判定した場合に、前記モータの回転速度を所定の速度に低下させる制御を行う回転速度制御手段と、を備えている。
このモータ制御装置は、電流検知手段が電源とインバータ回路との間の電流を検知する。また、過負荷判定手段は、電流検知手段が検知した電流を過負荷判定値と比較してモータが過負荷か否かを判定するので、回路に電流が流れることによって生じた熱をサーミスタが検知してモータの過負荷を判定する場合に比して、迅速かつ正確に判定できる。
また、このモータ制御装置は、前述のように迅速かつ正確に過負荷の状態を判定した後に、モータを所定の回転速度で回転させる制御を行う。かかる制御により、モータの回転を停止せずにモータ及び回路の過負荷な状態を迅速かつ的確に解消できる。
請求項2に記載のモータ制御装置は、請求項1に記載のモータ制御装置において、前記モータ又は回路基板の温度を検知する第1温度検知手段と、前記過負荷判定値出力手段が出力する過負荷判定値を調整するために前記第1温度検知手段の出力と前記過負荷判定値出力手段の出力とを接続する接続手段と、をさらに備える。
このモータ制御装置によれば、接続手段を介して過負荷判定値出力手段側の電圧が第1温度検知手段側に分圧される。その結果、過負荷判定値出力手段が出力する過負荷判定値が低下するように調整されるので、電流検知手段が検知した電流値が上昇傾向を示した等の場合に、迅速に過負荷の状態を判定できる。
請求項3記載のモータ制御装置は、請求項2に記載のモータ制御装置において、前記第1温度検知手段は、抵抗を介して一端に電圧が印加されると共に他端が接地され、温度が上昇するに従って抵抗値が低下するサーミスタであり、温度が上昇するに従って前記サーミスタの抵抗値が低下することに応じて前記過負荷判定値の電圧が前記接続手段を介して前記サーミスタ側に分圧されることにより前記過負荷判定値を調整する。
このモータ制御装置によれば、回路の温度の上昇に応じてサーミスタの抵抗値は低下するので、過負荷判定値出力手段が出力する過負荷判定値の電圧が接続手段を介してサーミスタ側に分圧される。かかる分圧により、過負荷判定値出力手段が出力する電流値である過負荷判定値も低下するので、回路が過熱するおそれがある場合には、より低い過負荷判定値に基づいて迅速にモータの過負荷を判定できる。
請求項4の発明は、請求項3に記載のモータ制御装置において、前記第1温度検知手段に並列に接続された抵抗をさらに備える。
このモータ制御装置によれば、温度変化によって抵抗値が変化する第1温度検知手段の特性を第1温度検知手段に並列に接続した抵抗によって緩和することにより、低温域での第1温度検知手段の抵抗値の上昇が抑制される。これにより、請求項2に記載のモータ制御装置よりも低い温度で過負荷判定値出力手段が出力する過負荷判定値の電圧が接続手段を介して第1温度検知手段側に分圧されやすくなるので、回路の過熱による温度上昇に先だって迅速にモータの過負荷状態を判定することができる。
請求項5の発明は、請求項4に記載のモータ制御装置において、前記第1温度検知手段と独立して前記モータ又は回路基板の温度を検知する第2温度検知手段と、前記モータが過熱状態か否かを判定するための過熱状態判定値を出力する過熱状態判定値出力手段と、前記第2温度検知手段が検知した温度が前記過熱状態判定値が示す温度以上の場合に前記モータが過熱状態であると判定する過熱状態判定手段と、をさらに備える。
このモータ制御装置によれば、過熱状態判定値出力手段には並列抵抗が並列に接続された第1温度検知手段は接続されず、第1温度検知手段とは別個の第2温度検知手段が接続されている。また、第2温度検知手段には、第1温度検知手段のような並列抵抗は接続されていない。その結果、第1温度検知手段に接続された並列抵抗の影響を考慮せずに、モータの過熱状態の判定が可能となる。
請求項6の発明は、請求項5に記載のモータ制御装置において、前記第2温度検知手段は、温度に応じて抵抗値が変化するサーミスタである。
このモータ制御装置によれば、汎用素子であるサーミスタを用いて、モータの過熱状態の判定が可能となる。
請求項7の発明は、請求項2〜6のいずれか1項に記載のモータ制御装置において、前記接続手段は一端が前記第1温度検知手段の出力に接続され、かつ他端が前記過負荷判定値出力手段の出力に接続された抵抗である。
このモータ制御装置によれば、回路の温度が上昇するに従ってサーミスタである第1温度検知手段の抵抗値は低下するので、過負荷判定値出力手段が出力する過負荷判定値の電圧が接続手段を介して第1温度検知手段側に分圧される。また、接続手段に抵抗を用いることにより、分圧による電圧の急激な低下を適宜抑制できる。このように適宜抑制された分圧により、過負荷判定値出力手段が出力する電流値である過負荷判定値も低下するので、回路が過熱するおそれがある場合には、より低い過負荷判定値に基づいて迅速にモータの過負荷を判定できる。
請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載のモータ制御装置において、前記過負荷判定値を超える過電流判定値を出力する過電流判定値出力手段と、前記電流検知手段が検知した電流値が前記過電流判定値以上の場合に前記モータが過電流状態であると判定する過電流判定手段と、をさらに備え、前記回転速度制御手段は、前記過電流判定手段が前記モータが過電流状態であると判定した場合に、前記モータの回転を所定の時間停止する。
このモータ制御装置によれば、電流検知手段が検知した電流が過負荷判定値よりも大きな値である過電流判定値以上の場合に、モータが過負荷状態よりも危機的な過電流状態と判定する。当該判定の場合には、所定の時間モータの回転を停止するので、モータ及び回路の焼損を防止できる。
本発明の第1の実施の形態に係るモータ制御装置を用いたモータユニットの構成を示す概略図である。 本発明の第1の実施の形態に係るモータ制御装置の概略を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係るモータ制御装置に用いられるチップサーミスタの温度特性の一例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係るモータ制御装置における過負荷保護制御を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係るモータ制御装置の概略を示す図である。 (A)は第1の実施の形態におけるチップサーミスタと過負荷判定値出力部とを示した概略図であり、(B)は第2の実施の形態におけるチップサーミスタと過負荷判定値出力部との接続を示す概略図である。 本発明の第2の実施の形態に係るチップサーミスタと過負荷判定値とのブリッジ回路における電流値、電圧値及び抵抗値の関係を示す概略図である。 本発明の第2の実施の形態におけるブリッジ抵抗RBの抵抗値の変化に対応した過負荷閾値電圧VPの変化の一例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態におけるブリッジ抵抗RBの抵抗値の変化に対応したチップサーミスタ電圧VTの変化の一例を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係るモータ制御装置の概略を示す図である。 (A)は第2の実施の形態におけるチップサーミスタと過負荷判定値出力部との接続を示す概略図であり、(B)は第3の実施の形態におけるチップサーミスタと過負荷判定値出力部との接続を示す概略図である。 本発明の第3の実施の形態における並列抵抗RPの抵抗値の変化に対応した過負荷閾値電圧VPの変化の一例を示す図である。 図12の平衡温度付近の拡大図である。 本発明の第3の実施の形態における並列抵抗RPの抵抗値の変化に対応したチップサーミスタ電圧VTの変化の一例を示す図である。 本発明の第4の実施の形態に係るモータ制御装置の概略を示す図である。 (A)は第3の実施の形態におけるチップサーミスタと過負荷判定値出力部との接続を示す概略図であり、(B)は第4の実施の形態におけるチップサーミスタと過負荷判定値出力部との接続を示す概略図である。 本発明の第4の実施の形態でのチップサーミスタ温度に対するチップサーミスタ電圧VTの変化の一例を示す図である。 インバータ回路とバッテリの負極との間の電流値に基づいてモータの過負荷を判定するモータ制御装置の一例を示す概略図である。
[第1の実施の形態]
図1は、本実施の形態に係るモータ制御装置を用いたモータユニット10の構成を示す概略図である。図1の本実施の形態に係るモータユニット10は、一例として車両用エアコンの送風に用いられる、いわゆるブロアモータのユニットである。
本実施の形態に係るモータユニット10は、ステータ14の外側にロータ12が設けられた、アウターロータ構造の三相モータに係るものである。ステータ14はコア部材に導線が巻かれた電磁石であって、U相、V相、W相の三相を構成している。
ステータ14のU相、V相、W相の各々は、後述するモータ制御装置20の制御により、電磁石で発生する磁界の極性が切り替えられることにより、いわゆる回転磁界を発生する。
ロータ12の内側(図示せず)にはロータマグネットが設けられており、ロータマグネットは、ステータ14で生じた回転磁界に対応することにより、ロータ12を回転させる。
ロータ12にはシャフト16が設けられており、ロータ12と一体になって回転する。図1には示していないが、本実施の形態ではシャフト16には、いわゆるシロッコファン等の多翼ファンが設けられ、当該多翼ファンがシャフト16と共に回転することにより、車両用エアコンにおける送風が可能となる。
ステータ14は、上ケース18を介して、モータ制御装置20に取り付けられる。モータ制御装置20は、モータ制御装置20の基板22と、基板22上の素子から生じる熱を放散するヒートシンク24とを備えている。
ロータ12、ステータ14及びモータ制御装置20を含んで構成されるモータユニット10には、下ケース28が取り付けられる。
図2は、本実施の形態に係るモータ制御装置の概略を示す図である。図2に記載のインバータ回路40は、FET(Field Effect Transistor)によってモータ52のステータ14のコイルに供給する電力をスイッチングする。例えば、インバータFET44A、44DはU相のコイル14Uに、インバータFET44B、44EはV相のコイル14Vに、インバータFET44C、44FはW相のコイル14Wに、各々供給する電力のスイッチングを行う。
インバータFET44A、44B、44Cの各々のドレインは、チョークコイル82を介して車載のバッテリ80の正極に接続されている。また、インバータFET44D、44E、44Fの各々のソースはバッテリ80の負極に接続されている。
また、本実施の形態のモータ制御装置20の基板上には、前述のインバータ回路40に加え、コンパレータ54、実回転数算出部56、指令回転数算出部58、スタンバイ回路60、メイン電源通電部62、通電制御駆動波形決定部64、PI制御部66、電圧補正部68及びFETドライバ70等が実装されている。
また、本実施の形態のモータ制御装置20の基板上には、チョークコイル82及び平滑コンデンサ84A、84B等が実装され、さらにエアコンECU(Electronic Control Unit)78及びバッテリ80が接続されている。チョークコイル82及び平滑コンデンサ84A、84Bはバッテリ80と共に略直流電源を構成している。また、エアコンECU78は、車両用エアコンの電子制御ユニットであり、ユーザがエアコンECU78によりエアコンをオンにすると、モータ制御装置20の制御により、モータ52が作動する。また、ユーザが車両用エアコンの風量を調節する場合は、エアコンECU78を介してモータ52(ロータ12)の回転速度を指示するための信号が入力される。
本実施の形態では、シャフト16と同軸に設けられたセンサマグネット12Aの磁界をホール素子12Bが検出する。コンパレータ54は、ホール素子12Bのアナログ出力をデジタル信号に変換する装置であり、実回転数算出部は、コンパレータ54が出力したデジタル信号に基づいてロータ12の実回転速度を算出する。指令回転数算出部はエアコンECU78等からの指示に基づいた目標回転速度を算出する。本実施の形態では、目標回転速度は、略1000〜5000rpmである。
PI制御部66は、指令回転数算出部58が算出した目標回転速度と実回転数算出部56が算出した実回転速度とから、実回転速度を目標回転速度に変化させる場合にステータ14のコイルに印加する電圧をいわゆるPI制御によって算出する。PI制御部66は、目標回転速度と実回転速度との偏差と目標回転速度における電圧と実回転速度における電圧との偏差との比例関係基づいて目標回転速度における電圧を算出する偏差比例部66Pを含む。また、PI制御部66は、上記の比例関係のみでは残留偏差が生じる場合に、かかる残留偏差を偏差積分によって解消する偏差積分部66Iを含む。電圧補正部68は、PI制御部66による算出結果に基づいて、ステータ14のコイルに印加する電圧を補正する。
スタンバイ回路60は、バッテリ80から各部への電源供給を制御する回路である。また、メイン電源通電部62は、スタンバイ回路60の制御に従って、モータ制御装置への電源をオンにする。また、メイン電源通電部62は、モータ52の始動時、すなわちモータ52を回転速度0rpmから回転させる場合に、論理和回路86を介して強制500rpm指令部88に指令を出す。強制500rpm指令部88は、モータ52の始動時には目標回転速度が所定の時間において500rpmとなるように指令回転数算出部58を制御し、指令回転数算出部58は、500rpmに係る信号をPI制御部66に出力する。なお、所定の時間は、一例として、500〜1000m秒である。
所定の時間が経過後は、強制500rpm指令部による指令回転数算出部58への制御は終了し、指令回転数算出部58はエアコンECU78からの指示に基づいて算出した目標回転速度に係る信号をPI制御部66に出力する。
通電制御駆動波形決定部64は、スタンバイ回路60とメイン電源通電部62を介して電源が供給されると、コンパレータ54が出力したデジタル信号に基づいてロータ12の位置を割り出し、ロータ12の位置と指令回転数算出部58が算出した目標回転速度とに基づいて、ステータ14のコイルに印加する電圧の駆動波形を決定する。
FETドライバ70は、通電制御駆動波形決定部64が決定した駆動波形と、電圧補正部68が補正した電圧値とに基づいて、インバータ回路40のスイッチングを制御するためのPWM信号を生成してインバータ回路40に出力する。
また、本実施の形態に係るモータ制御装置20の基板上には、抵抗R3を介して一端に制御電圧Vccが印加されると共に他端が接地され、基板の温度を抵抗値として検知するチップサーミスタRTが実装されている。図3は、本実施の形態に係るモータ制御装置に用いられるチップサーミスタの温度特性の一例を示す図である。本実施の形態に用いられるチップサーミスタRTは温度の上昇に対して抵抗が減少するNTC (Negative Temperature Coefficient)サーミスタであり、図3に示したように、温度が上昇するにつれてチップサーミスタRTの抵抗値は減少する。なお、反転回路を併用することで、温度が上昇するにつれて抵抗値が増大するPTC(Positive Temperature Coefficient)サーミスタを使用してもよい。
チップサーミスタRT及び抵抗R3は、一種の分圧回路を構成しており、抵抗R3と接続されているチップサーミスタRTの一端からは、チップサーミスタRTの抵抗値に基づいて変化する電圧が出力される。チップサーミスタRTの一端から出力された電圧は過熱状態判定部106において過熱判定値出力部104が出力する過熱判定値と比較され、チップサーミスタRTの一端から出力された電圧が過熱判定値以下の場合には、目標回転速度を強制的に0rpmとするように指令回転数算出部58を制御する。前述のように、本実施の形態に係るチップサーミスタRTは、温度の上昇に対して抵抗が減少するタイプなので、抵抗R3とチップサーミスタRTとで構成された分圧回路の出力端でもあるチップサーミスタRTの一端から出力される電圧は、温度の上昇に応じて低下する。過熱状態判定部106は、チップサーミスタRTの一端から出力された電圧が過熱判定値以下の場合に回路が過熱していると判定する。過熱判定値は基板に実装される素子及びチップサーミスタRTの位置等によって変化するが、一例として145℃においてチップサーミスタRTと抵抗R3との分圧回路が出力する電圧である。
また、インバータFET44D、44E、44Fの各々のソースとバッテリ80との間には電流検知部94が設けられている。電流検知部94は、抵抗値が0.2mΩ〜数Ω程度と小さいシャント抵抗94Aと、シャント抵抗94Aの電流値を検知し検知した電流値を増幅するアンプ94Bとを含み、アンプ94Bが出力した信号は、過負荷判定部98と過電流判定部102とに各々入力される。過電流判定部102では、アンプ94Bが出力した信号と過電流判定値出力部100が出力した過電流判定値とを比較し、アンプ94Bが出力した信号が過電流判定値以上の場合には強制的に電圧補正部68の出力を停止させることにより、モータ52の回転を停止させる。また、過負荷判定部98は、アンプ94Bが出力した信号と過負荷判定値出力部96が出力した過負荷判定値とを比較し、アンプ94Bが出力した信号が過負荷判定値以上の場合には、論理和回路86を介して強制500rpm指令部88に指令し、モータ52の回転速度を強制的に所定の回転速度である500rpmに低下させる制御をする。
本実施の形態では、過電流判定値は過負荷判定値を超える値であり、回路保護のために緊急にモータ52の回転を停止させなければならない電流値である。過電流判定値及び過負荷判定値の具体的な数値は、モータ52の仕様に左右されるので、設計時のシミュレーション及び実験を通じてモータの仕様ごとに個別具体的に決定する。なお、過電流判定値出力部100及び過負荷判定値出力部96の回路の構成は種々考えられるが、一例として、図6(A)右に示したような分圧回路を用いる。
過電流状態と判定してモータ52の回転を停止した後は、所定の時間ステータ14のコイルへの電圧の印加を中断し、回路が焼損するのを防止する。所定の時間は、一例として100m秒であり、100m秒の間はコイルへの電圧の印加を中断する。その後電圧の印加を再開し、過電流判定値を超えていれば再度電圧の印加を中断する。それを所定回数繰り返す状態が継続したら、回路の焼損の虞が高いと判断して、再度の電圧の印加を中止する。
また、過負荷状態と判定してモータ52の回転速度を500rpmにした場合は、電流検知部94が検知した電流値が過負荷判定値を下回るまでモータ52の回転速度を500rpmに制御する。電流検知部94が検知した電流値が過負荷判定値を下回った後は、指令回転数算出部58が算出した目標回転速度でモータ52が回転するように、ステータ14のコイルに印加する電圧を制御する。
図4は、本実施の形態に係るモータ制御装置における過負荷保護制御を示すフローチャートである。過負荷保護制御は、過負荷判定部98が、電流検知部94が検知した電流値が過負荷判定値以上と判定した時に開始され、ステップ400でモータ52の回転速度を500rpmに制御する。ステップ402では、過負荷判定部98において再び電流検知部94が検知した電流値が過負荷判定値以上か否かを判定する。肯定判定の場合にはステップ400に手順を戻し、モータ52の回転速度を500rpmとする制御を継続する。ステップ402で否定判定の場合には、ステップ404でモータ52の回転速度が目標回転速度になるように制御して過負荷保護制御を終了する。
本実施の形態では、インバータ回路40とバッテリ80との間に設けた電流検知部94が検知した電流値が所定の閾値以上であるか否かにより回路の過電流状態及び回路の過負荷状態を各々判定している。このように実測した電流値に基づいて回路の過電流状態及び過負荷状態を判定するので、回路の発熱状態から回路の過電流状態又は回路の過負荷状態を判定する場合に比べ、迅速な判定が可能になる。
さらに本実施の形態では、過電流状態ほど回路の電流値が大きくない過負荷状態の場合には、過負荷状態が解消するまでモータ52を目標回転速度よりも低速な500rpmで回転を継続させるので、過負荷状態であっても車両用エアコンの作動を継続できる。
[第2の実施の形態]
図5は、本発明の第2の実施の形態に係るモータ制御装置の概略を示す図である。図5では、前述の第1の実施の形態と同一の構成については同一の符号を付すと共に、第1の実施の形態と同一の構成についての詳細な説明は省略する。本実施の形態は、チップサーミスタRTの抵抗R3が接続された側の端(出力端)と過負荷判定値出力部96の出力端とをブリッジ抵抗RBを介して接続したブリッジ回路を構成している点が第1の実施の形態と相違する。ブリッジ回路を構成できるのであれば、ブリッジ抵抗RB以外にも導体又はダイオード等の他の接続手段を用いてもよい。
図6(A)は、第1の実施の形態におけるチップサーミスタRTと過負荷判定値出力部96とを示した概略図である。過負荷判定値出力部96は、抵抗R1、R2を備え、制御電圧Vccを過負荷閾値電圧VPとして出力する分圧回路を構成している。チップサーミスタRTも温度によって抵抗値が変化する抵抗であり、抵抗R3と共に、制御電圧Vccをチップサーミスタ電圧VTとして出力する分圧回路を構成する。
図6(B)は本実施の形態におけるチップサーミスタRTと過負荷判定値出力部96との接続を示す概略図である。過負荷判定値出力部96及びチップサーミスタRTが各々分圧回路を構成するのは第1の実施の形態と同様であるが、本実施の形態では、双方の分圧回路をブリッジ抵抗RBで接続している。
図6(A)、(B)に示した各抵抗の抵抗値は、温度によって抵抗値が変化するチップサーミスタRTを除き、一例として下記の通りである。また、ブリッジ抵抗RBは後述するように10〜90kΩの範囲で段階的に変更し、過負荷状態を解消するために最適な抵抗値を選択する。
R1:49.9kΩ
R2:30.1kΩ
R3:3.57kΩ
RB:10〜90kΩ
図7は、本実施の形態に係るチップサーミスタRTと過負荷判定値出力部96とのブリッジ回路における電流値、電圧値及び抵抗値の関係を示す概略図である。抵抗R1の抵抗値をR、抵抗R2の抵抗値をR、抵抗R3の抵抗値をR、チップサーミスタRTの抵抗値をR、ブリッジ抵抗RBの抵抗値をRとする。また、抵抗R1を流れる電流I1の電流値をI、ブリッジ抵抗RBを流れる電流IBの電流値をI、抵抗R3を流れる電流I3の電流値をI、過負荷閾値電圧VPの電圧値をV、チップサーミスタ電圧VTの電圧値をVとすると、以下の式(1)〜(5)が導かれる。

また、図7より、I=(Vcc−V)/ R、I=(V−V)/ Rであるから、これらI、Iを上記の式(5)に代入すると、以下の式(6)が得られる。

上記の式(6)と上記の式(1)〜(4)とから、以下の式(7)、(8)が得られる。
図8は、本実施の形態におけるブリッジ抵抗RBの抵抗値の変化に対応した過負荷閾値電圧VPの変化の一例を示す図である。上記の式(7)を用い、Vccを5Vとして、ブリッジ抵抗RBの抵抗値を10、20、30、40、50、60、70、80、90kΩ及びブリッジ抵抗RBを実装しない場合の抵抗値無限大に各々変化させて過負荷閾値電圧VPを算出している。
図8に示したように、ブリッジ抵抗RBを実装しない無限大の場合に比して、チップサーミスタRTの温度が低い時は過負荷閾値電圧VPが高く、チップサーミスタRTの温度が高い時は過負荷閾値電圧VPが低くなる。本実施の形態に用いられるチップサーミスタRTは第1の実施の形態と同様に温度の上昇に対して抵抗が減少するNTCサーミスタである。したがって、回路の温度が上昇しチップサーミスタRTの抵抗値が下がると、ブリッジ抵抗RBを介して過負荷判定値出力部96の電圧がチップサーミスタRT側に分圧されやすくなり、過負荷閾値電圧VPが低下する。
過負荷閾値電圧VPが低下すれば、電流値である過負荷判定値も低下し、より迅速に過負荷の状態を判定できるようになる。特に過負荷は、回路の過熱に随伴する場合が多いので、チップサーミスタRTの温度が高い時に過負荷閾値電圧VPが低下すると、高温時に過負荷閾値電圧VPが低下しない場合よりも迅速に過負荷の状態を判定でき、回路の焼損をいち早く防止できる。
本実施の形態を車両用エアコンに実装する場合には、回路が焼損等しない安全な温度での過負荷閾値電圧VPを図8の結果又は実験から求め、求めた過負荷閾値電圧VP以下となるブリッジ抵抗を選定することで、回路の焼損を防ぐ過負荷判定が可能となる。例えば、回路が焼損しない安全な温度が140℃であって、140℃で過負荷閾値電圧VPを1.5V以下とする場合であれば、ブリッジ抵抗RBの抵抗値を20kΩとする。
図9は、本実施の形態におけるブリッジ抵抗RBの抵抗値の変化に対応したチップサーミスタ電圧VTの変化の一例を示す図であり、上記の式(8)を用いて算出されている。図9に示したように、ブリッジ抵抗RBの値が変化しても、チップサーミスタ電圧VTの値に大きな変化はなく、ブリッジ回路を構成した本実施の形態においても、過熱状態判定部106による回路の過熱状態の判定に支障はない。
以上説明したように、本実施の形態では、分圧回路を各々構成している過負荷判定値出力部96とチップサーミスタRTとをブリッジ抵抗RBで接続することにより、過負荷が生じやすい基板の温度が高い場合に、迅速に過負荷の状態を判定できるという効果を奏する。
[第3の実施の形態]
図10は、本発明の第3の実施の形態に係るモータ制御装置の概略を示す図である。図10では、前述の第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同一の構成については同一の符号を付すと共に、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同一の構成についての詳細な説明は省略する。本実施の形態は、チップサーミスタRTに並列抵抗RPを設けた点が第2の実施の形態と相違する。
図11(A)は、第2の実施の形態におけるチップサーミスタRTと過負荷判定値出力部96との接続を示す概略図である。過負荷判定値出力部96及びチップサーミスタRTが各々分圧回路を構成し、双方の分圧回路をブリッジ抵抗RBで接続している。図11(B)は本実施の形態におけるチップサーミスタRTと過負荷判定値出力部96との接続を示す概略図である。過負荷判定値出力部96及びチップサーミスタRTが各々分圧回路を構成し、双方の分圧回路をブリッジ抵抗RBで接続している点は同様であるが、チップサーミスタRTに並列に接続された並列抵抗RPが別途設けられている。
図11(A)に示した各抵抗の抵抗値は、前述の図6(B)と同一なので説明を省略する。図11(B)に示した各抵抗の抵抗値は、温度によって抵抗値が変化するチップサーミスタRTを除き、一例として下記の通りである。また、並列抵抗RPは後述するように10〜90kΩの範囲で段階的に変更し、過負荷状態を解消するために最適な抵抗値を選択する。
R1:49.9kΩ
R2:30.1kΩ
R3:3.57kΩ
RB:20kΩ
RP:10〜90kΩ
本実施の形態では、チップサーミスタRT及び並列抵抗RPを1つの合成抵抗とみなして、前述の式(7)、(8)を用いて過負荷閾値電圧VP及びチップサーミスタ電圧VTを算出する。
図12は、本実施の形態における並列抵抗RPの抵抗値の変化に対応した過負荷閾値電圧VPの変化の一例を示す図である。図12では、ブリッジ抵抗RBの抵抗値を20kΩとし、並列抵抗RPの抵抗値を10、20、30、40、50、60、70、80、90kΩ及び並列抵抗RPを実装しない場合の抵抗値無限大に各々変化させて過負荷閾値電圧VPを算出している。いずれの場合もブリッジ抵抗RBを実装していないブリッジ無しの場合よりも高温域で過負荷閾値電圧VPが低下しているが、ブリッジ無しの場合と過負荷閾値電圧VPが同一となる温度である平衡温度と当該平衡温度以下の低温域での過負荷閾値電圧VPとに差異が認められる。本実施の形態ではチップサーミスタRTに並列抵抗RPを並列に接続することにより、チップサーミスタRTの温度による抵抗値の変化が並列抵抗RPによって抑制される。その結果、平衡温度以下の低温域において、過負荷閾値電圧VPが並列抵抗RPなしの場合に比べて低くなる。低温域での過負荷閾値電圧VPは、並列抵抗RPの抵抗値が低くなるほど低くなり、ブリッジ抵抗RBを実装しない場合の低温域での過負荷閾値電圧VPに近づいていく。
ブリッジ抵抗RBを実装すると、第2の実施の形態のように高温域において過負荷閾値電圧VPを低下させることができる。しかしながら、低温域においては過負荷閾値電圧VPがブリッジ抵抗RBを実装していない場合よりも高くなり、低温域での過負荷判定の制御に支障をきたすおそれがある。本実施の形態では、平衡温度以下の低温域での過負荷閾値電圧VPの上昇が抑制されるので、低温域での過負荷判定の制御に支障をきたすおそれを低減できる。
また、並列抵抗RPの抵抗値が低いほど、平衡温度も低くなる。図13は、図12の平衡温度付近の拡大図である。図13では、並列抵抗RPを実装しない無限大の場合には平衡温度が110℃であるが、20kΩの並列抵抗RPを実装した場合には平衡温度が106℃、10kΩの並列抵抗RPを実装した場合には平衡温度が102℃になる。
ブリッジ抵抗RBを実装した場合、並列抵抗RPの有無に関わらず平衡温度以上では過負荷閾値電圧VPがブリッジ無しの場合より低下するが、並列抵抗RPの実装することで平衡温度も低下させることができる。平衡温度を低下させることにより、より低温の状態から過負荷閾値電圧VPをブリッジ無しの場合よりも低くすることができ、回路の過熱による温度上昇に先だって迅速に過負荷状態を判定することができる。
図14は、本実施の形態における並列抵抗RPの抵抗値の変化に対応したチップサーミスタ電圧VTの変化の一例を示す図である。並列抵抗RPを実装すると低温域でチップサーミスタ電圧VTが低下するが、本実施の形態では、145℃を過熱状態と判定する温度としているので、並列抵抗RPを実装しても、過熱状態判定部106による回路の過熱状態の判定に支障はない。
以上説明したように、本実施の形態では、チップサーミスタRTに並列抵抗RPを設けることにより、低温域において抵抗値が増大するチップサーミスタRTの特性を並列抵抗RPによって緩和し、低温域での過負荷閾値電圧VPの上昇が抑制される。従って、並列抵抗RPを実装しない場合よりも低温域から過負荷閾値電圧VPを低下させることができるので、回路の過熱による温度上昇に先だって迅速に過負荷状態を判定することができる。
[第4の実施の形態]
図15は、本発明の第4の実施の形態に係るモータ制御装置の概略を示す図である。図15では、前述の第1〜3の実施の形態と同一の構成については同一の符号を付すと共に、第1〜3の実施の形態と同一の構成についての詳細な説明は省略する。本実施の形態は、チップサーミスタRT1とは別に、抵抗R4を介して一端に制御電圧Vccが印加されると共に他端が接地され、基板の温度を抵抗値として検知するチップサーミスタRT2を設けた点が第3の実施の形態と相違する。
本実施の形態に用いられるチップサーミスタRT2は温度の上昇に対して抵抗が減少するNTCサーミスタであり、抵抗R4と共に一種の分圧回路を構成する。また、抵抗R4に接続されているチップサーミスタRT2の一端は、過熱状態判定部106に接続されている。
図16(A)は、第3の実施の形態におけるチップサーミスタRTと過負荷判定値出力部96との接続を示す概略図である。図16(B)は、本実施の形態におけるチップサーミスタRT1と過負荷判定値出力部96との接続を示す概略図である。図16(B)では、過負荷判定値出力部96及び図16(A)のチップサーミスタRTに相当するチップサーミスタRT1が各々分圧回路を構成し、双方の分圧回路をブリッジ抵抗RBで接続している点、及びチップサーミスタRT1に並列に接続された並列抵抗RPが別途設けられている点は、図16(A)と同じである。しかしながら、図16(B)に示した本実施の形態では、チップサーミスタRT1とは別個に設けられたチップサーミスタRT2と抵抗R4とが分圧回路を構成している。また、チップサーミスタRT2と抵抗R4とで構成された分圧回路から出力された電圧は、チップサーミスタ電圧VTとして過熱状態判定部106に入力される。
過熱状態判定部106では、チップサーミスタRT2が検知した温度が過熱状態判定値が示す温度以上の場合に前記モータが過熱状態であると判定する。例えば、チップサーミスタRT2がNTCサーミスタの場合、基板の温度が上昇するとチップサーミスタRT2及び抵抗R4で構成された分圧回路が出力する電圧は低下する。したがって、過熱状態判定部106は、当該分圧回路から出力された電圧が過熱状態判定値の電圧以下の場合に、チップサーミスタRT2が検知した温度が過熱状態判定値が示す温度以上であると判定する。
図15及び図16(B)に示したように、本実施の形態では、並列抵抗RPが接続されたRT1を含む回路から出力された電圧を過熱状態の判定には用いず、並列抵抗が接続されていないチップサーミスタRT2を含む分圧回路が出力した電圧を過熱状態の判定に用いている。その結果、チップサーミスタRT2と抵抗R4とで構成された分圧回路は並列抵抗RPの影響を受けないので、第3の実施の形態のように低温域でチップサーミスタ電圧VTが低下しない。
図17は、本実施の形態でのチップサーミスタ温度に対するチップサーミスタ電圧VTの変化の一例を示す図である。本実施の形態では、図17に示したように、チップサーミスタ電圧VTは、並列抵抗RPの抵抗値に影響されない。従って、本実施の形態では、並列抵抗RPの抵抗値を変更した場合に、チップサーミスタ電圧VTの変化を考慮する必要がない。
以上説明したように、第3の実施の形態では、過負荷閾値電圧VPを調整するために並列抵抗RPの抵抗値を変更した場合に、チップサーミスタ電圧VTも並列抵抗RPの抵抗値によって変化するので、並列抵抗RPの抵抗値を任意に変更することは困難である。しかしながら、本実施の形態では、上述のように、チップサーミスタ電圧VTは並列抵抗RPの影響を受けないので、過負荷閾値電圧VPを調整するために並列抵抗RPの抵抗値を任意に変更することが容易となる。
10・・・モータユニット、12・・・ロータ、12A・・・センサマグネット、12B・・・ホール素子、14・・・ステータ、14U、14V、14W・・・コイル、16・・・シャフト、18・・・上ケース、20・・・モータ制御装置、22・・・基板、24・・・ヒートシンク、28・・・下ケース、40・・・インバータ回路、44A、44B、44C、44D、44E、44F・・・インバータFET、52・・・モータ、54・・・コンパレータ、56・・・実回転数算出部、58・・・指令回転数算出部、60・・・スタンバイ回路、62・・・メイン電源通電部、64・・・通電制御駆動波形決定部、66・・・PI制御部、66I・・・偏差積分部、66P・・・偏差比例部、68・・・電圧補正部、70・・・ドライバ、78・・・エアコンECU、80・・・バッテリ、82・・・チョークコイル、84A,84B・・・平滑コンデンサ、86・・・論理和回路、88・・・強制500rpm指令部、94・・・電流検知部、94A・・・シャント抵抗、94B・・・アンプ、96・・・過負荷判定値出力部、98・・・過負荷判定部、100・・・過電流判定値出力部、102・・・過電流判定部、104・・・過熱判定値出力部、106・・・過熱状態判定部、130・・・論理和回路、R1,R2,R3,R3,R4・・・抵抗、RB・・・ブリッジ抵抗、RP・・・並列抵抗、RT,RT1,RT2・・・チップサーミスタ、Vcc・・・制御電圧、VP・・・・過負荷閾値電圧、VT・・・チップサーミスタ電圧

Claims (8)

  1. 電源とモータのコイルに印加する電圧を生成するインバータ回路との間に流れる電流を検知する電流検知手段と、
    前記モータが過負荷か否かを判定するための過負荷判定値を出力する過負荷判定値出力手段と、
    前記電流検知手段が検知した電流値が前記過負荷判定値以上の場合に前記モータが過負荷であると判定する過負荷判定手段と、
    前記過負荷判定手段が前記モータが過負荷であると判定した場合に、前記モータの回転速度を所定の速度に低下させる制御を行う回転速度制御手段と、
    を備えたモータ制御装置。
  2. 前記モータ又は回路基板の温度を検知する第1温度検知手段と、
    前記過負荷判定値出力手段が出力する過負荷判定値を調整するために前記第1温度検知手段の出力と前記過負荷判定値出力手段の出力とを接続する接続手段と、
    をさらに備えた請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記第1温度検知手段は、抵抗を介して一端に電圧が印加されると共に他端が接地され、温度が上昇するに従って抵抗値が低下するサーミスタであり、
    温度が上昇するに従って前記サーミスタの抵抗値が低下することに応じて前記過負荷判定値の電圧が前記接続手段を介して前記サーミスタ側に分圧されることにより前記過負荷判定値を調整する請求項2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記第1温度検知手段に並列に接続された抵抗をさらに備えた請求項3に記載のモータ制御装置。
  5. 前記第1温度検知手段と独立して前記モータ又は回路基板の温度を検知する第2温度検知手段と、
    前記モータが過熱状態か否かを判定するための過熱状態判定値を出力する過熱状態判定値出力手段と、
    前記第2温度検知手段が検知した温度が前記過熱状態判定値が示す温度以上の場合に前記モータが過熱状態であると判定する過熱状態判定手段と、
    をさらに備えた請求項4に記載のモータ制御装置。
  6. 前記第2温度検知手段は、温度に応じて抵抗値が変化するサーミスタである請求項5に記載のモータ制御装置。
  7. 前記接続手段は一端が前記第1温度検知手段の出力に接続され、かつ他端が前記過負荷判定値出力手段の出力に接続された抵抗である請求項2〜6のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
  8. 前記過負荷判定値を超える過電流判定値を出力する過電流判定値出力手段と、
    前記電流検知手段が検知した電流値が前記過電流判定値以上の場合に前記モータが過電流状態であると判定する過電流判定手段と、
    をさらに備え、
    前記回転速度制御手段は、前記過電流判定手段が前記モータが過電流状態であると判定した場合に、前記モータの回転を所定の時間停止する請求項1〜7のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
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