JP2015053570A - 圧電素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数の圧電片を接合した構造の圧電素子を製造する際に、接合時の位置合わせが容易であり、かつ接合時の損傷も少ない、圧電素子の製造方法を提供する。【解決手段】 複数の水晶ウェハにそれぞれ金属膜を形成する金属膜形成工程(ステップS1)。水晶ウェハ同士を金属膜を介して接合することにより、積層ブロックを形成する接合工程(ステップS2)。積層ブロックを積層方向に切り出すことにより積層板を形成する切り出し工程(ステップS3)。積層板を加工することにより振動素子の形状を形成する形状加工工程(ステップS4)。【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば水晶振動素子や慣性センサ素子などの圧電素子の製造方法に関する。
本明細書でいう「主面」とは圧電ウェハの主面であり、「側面」とは圧電ウェハの表の主面と裏の主面との間の面である。例えば、水晶ウェハのZ板の主面はZ面(Z軸に垂直な面)であり、側面はX面(X軸に垂直な面)若しくはY面(Y軸に垂直な面)又はこれらをZ軸を中心に回転させた面である。圧電ウェハの主面及び側面は、その圧電ウェハから製造された圧電片の主面及び側面でもある。
特許文献1には、音叉型水晶振動素子(以下「振動素子」と略称する。)を用いた角速度センサが開示されている。特許文献1における振動素子は、二枚の水晶ウェハを直接接合することによって製造され、二つの水晶片の主面同士を接合した構造である。一方、複数の水晶片の側面同士を接合することにより、従来技術(特許文献1等)では得られない効果を奏する圧電素子が、特許文献2、3に開示されている。
図9は特許文献2の振動素子を示し、図9[1]は接合工程前を示す平面図であり、図9[2]は接合工程後を示す平面図であり、図9[3]は図9[2]におけるIII−III線断面図である。以下、この図面に基づき説明する。
特許文献2の振動素子800は、基部801と、基部801から同一方向に延設された二本の振動腕部802a,802bと、振動腕部802a,802bの表面に形成された励振電極803a,803bと、振動腕部802a,802bの裏面に形成された励振電極804a,804bと、を備える。基部801及び振動腕部802a,802bは、それぞれ別々の水晶片からなる。図中のX軸、Y軸及びZ軸は、水晶片の結晶軸である。
振動素子800の製造方法は、次のとおりである。まず、水晶ウェハにウェットエッチングを施すことにより、基部801と振動腕部802aと振動腕部802bとの三個の水晶片を形成し、振動腕部802a,802bにそれぞれ励振電極803a,803b,804a,804bを形成する(図9[1])。そして、基部801の両側面に、それぞれ振動腕部802a,802bを接合する(図9[2])。
その接合方法としては、直接接合、陽極接合、又は、接着剤による接合を採用している。直接接合とは、接合面を鏡面研磨して親水化(OH基化)して仮接合(オプティカルコンタクト)し、これを250℃以上に加熱してシロキサン結合(Si−O−Si)によって原子間レベルで接合する方法である。陽極接合とは、接合面を250℃〜400℃に加熱し、これに数十V〜数kVの電圧を印加して接合する方法である。接着剤による接合とは、接合面に例えばエポキシ樹脂を塗布し、接合面同士を貼り合せる方法である。
特許文献2の振動素子によれば、基部と二本の振動腕部とを別々の水晶片として形成することにより、エッチング残渣を無くせるとともに、二本の振動腕部の間も狭くできる、ということである。なお、従来技術(例えば特許文献1の図9参照)では、基部と二本の振動腕部とからなる一個の水晶片を水晶ウェハから形成していたため、二本の振動腕部の間でエッチング液の流れが悪くなることによりエッチング残渣が生じ、これを避けるために二本の振動腕部の間を大きく採っていた。
図10は特許文献3の慣性センサ素子(以下「センサ素子」と略称する。)を示し、図10[1]は接合工程前を示す平面図であり、図10[2]は接合工程後を示す斜視図である。以下、この図面に基づき説明する。
特許文献3のセンサ素子900は、センサ基部901と、センサ基部901から同一方向に延設された励振用腕部902a及び検出用腕部902bと、励振用腕部902aの両側面に形成された励振用電極903aと、検出用腕部902bの両側面に形成された検出用電極903bと、を備える。励振用腕部902aは、接合電極904aを介して接合されたI字状水晶片912aとU字状水晶片911の一部とからなる。検出用腕部902bは、接合電極904bを介して接合されたI字状水晶片912bとU字状水晶片911の一部とからなる。図中のX軸、Y軸及びZ軸は、水晶片の結晶軸である。
センサ素子900の製造方法は、次のとおりである。まず、水晶ウェハにウェットエッチングを施すことにより、I字状水晶片912a,912bとU字状水晶片911との三個の水晶片を形成し、これらの水晶片の表面に励振用電極903a、検出用電極903b及び接合電極904a,904bを形成する(図10[1])。そして、I字状水晶片912aの接合電極904aとU字状水晶片911の接合電極904aとを接合し、I字状水晶片912bの接合電極904bとU字状水晶片911の接合電極904bとを接合する(図10[2])。
その接合方法としては、US−GGI(Ultra Sonic Gold to Gold Interconnection)接合又は陽極接合を採用している。US−GGIを採用した場合は、図10[2]に示す状態に各水晶片を接触させ、I字状水晶片912a,912bをU字状水晶片911の方向にそれぞれ押圧するとともに、超音波を印加し、かつ高温に加熱することにより、接合電極904a同士及び接合電極904b同士を接合する。ここで、接合電極904a,904bは金からなる。
特許文献3のセンサ素子によれば、対向する電極同士が平行となる位置に形成されていることにより、対向する電極間に生じる電界が均一になるので、等価直列抵抗を低減できる、ということである。なお、従来技術(例えば特許文献1の図6参照)では、対向する励振電極同士が直交する位置に形成されていることにより、励振電極間に生じる電界が不均一になるので、等価直列抵抗が大きくなっていた。
特許第3335122号公報(図6、図9) 特開2007−300381号公報(図1、図2、図3) 特開2006−308359号公報(図4)
しかしながら、特許文献2、3の技術には次のような問題があった。
特許文献2、3の技術では、微小な水晶片同士を接合している。そのため、微小ゆえに、接合時の位置合わせが難しく、かつ、接合時の圧力によって損傷しやすい、という問題があった。近年、圧電素子がますます小型化しているため、この問題は更に深刻化しつつある。
そこで、本発明の目的は、複数の圧電片を接合した構造の圧電素子を製造する際に、接合時の位置合わせが容易であり、かつ接合時の損傷も少ない、圧電素子の製造方法を提供することにある。
本発明に係る圧電素子の製造方法は、
圧電材料からなる複数の圧電ウェハにそれぞれ金属膜を形成する金属膜形成工程と、
前記圧電ウェハ同士を前記金属膜を介して接合することにより積層ブロックを形成する接合工程と、
前記積層ブロックを積層方向に切り出すことにより積層板を形成する切り出し工程と、
前記積層板を加工することにより圧電素子の形状を形成する形状加工工程と、
を含む。
本発明に係る圧電素子の製造方法によれば、複数の圧電ウェハに金属膜を形成し、圧電ウェハ同士を金属膜を介して接合して積層ブロックを形成し、積層ブロックを積層方向に切り出して積層板を形成し、積層板を加工して圧電素子の形状を得ることにより、複数の圧電片を接合した構造の圧電素子を製造する際に、従来の圧電片同士の接合を圧電ウェハ同士の接合に置き換えられるので、接合時の位置合わせが容易になるとともに、接合時の損傷も低減できる。
実施形態1の製造方法を示す工程図である。 実施形態1の製造方法を示す斜視図であり、図2[1]→図2[2]の順に工程が進行する。 実施形態1の製造方法を示す斜視図であり、図3[3]→図3[4]→図3[5]の順に工程が進行する。 実施形態1の製造方法で得られた振動素子を示す平面図である。 実施形態2の製造方法で得られた振動素子を示す平面図である。 実施形態3の製造方法における切り出し工程後を示す平面図である。 実施形態3の製造方法における形状加工工程中を示す平面図である。 実施形態3の製造方法における形状加工工程後を示す平面図である。 特許文献2の振動素子を示し、図9[1]は接合工程前を示す平面図であり、図9[2]は接合工程後を示す平面図であり、図9[3]は図9[2]におけるIII−III線断面図である。 特許文献3のセンサ素子を示し、図10[1]は接合工程前を示す平面図であり、図10[2]は接合工程後を示す斜視図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という。)について説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については同一の符号を用いる。図面に描かれた形状は、当業者が理解しやすいように描かれているため、実際の寸法及び比率とは必ずしも一致していない。以下、「圧電素子の製造方法」を単に「製造方法」という。
図1は、実施形態1の製造方法を示す工程図である。図2は、実施形態1の製造方法を示す斜視図であり、図2[1]→図2[2]の順に工程が進行する。図3は、実施形態1の製造方法を示す斜視図であり、図3[3]→図3[4]→図3[5]の順に工程が進行する。以下、これらの図面に基づき説明する。
本実施形態1は、圧電ウェハとして水晶ウェハを用い、圧電素子として振動素子を製造する例である。本実施形態1の製造方法は次の工程を含む。
・複数の水晶ウェハ51〜55にそれぞれ金属膜50を形成する金属膜形成工程(図1ステップS1、図2[1])。
・水晶ウェハ51〜55同士を金属膜50を介して接合することにより、積層ブロック56を形成する接合工程(図1ステップS2、図2[2])。
・積層ブロック56を積層方向に切り出すことにより積層板60を形成する切り出し工程(図1ステップS3、図3[3])。
・積層板60を加工することにより振動素子40の形状を形成する形状加工工程(図1ステップS4、図3[4][5])。
次に、上記各工程について詳しく説明する。ここで、水晶の結晶は三方晶系であり、水晶の頂点を通る結晶軸がZ軸(光軸)、Z軸に垂直な平面内の稜線を結ぶ三つの結晶軸がX軸(電気軸)、X軸及びZ軸に直交する座標軸がY軸(機械軸)である。本明細書でいう「X軸、Y軸及びZ軸」は、それぞれ他の軸を中心として一定角度の範囲で回転させたときの回転後のX軸、Y軸及びZ軸も含むものとする。例えば、X軸、Y軸及びZ軸からなる座標系をX軸を中心として±5度の範囲で回転させたときの回転後のY軸及びZ軸も、それぞれY軸及びZ軸と呼ぶことにする。
1.金属膜形成工程(図1ステップS1、図2[1])
水晶ウェハ51,52,54,55は、振動腕部になる部分であり、X板を用いる。水晶ウェハ53は、基部になる部分であり、振動が発生しないようにY板を用いる。金属膜50は、例えば下地膜の上に金膜が形成された二層からなり、後述する水晶のエッチング液に対して耐食性を有する。下地膜は、水晶ウェハと金膜との密着性を高めるものであり、例えばクロム、チタン、ニッケル、タンタルなどが挙げられる。金属膜50の成膜方法は、例えばスパッタリングや真空蒸着が用いられる。本実施形態1では、水晶ウェハ51〜55の表裏全面に金属膜50を形成し、そのまま次の接合工程で用いる。
また、金属膜形成工程において、水晶ウェハ51〜55の少なくとも一枚の表裏の少なくとも一方に、部分的に金属膜50を形成してもよい。金属膜50を部分的に形成するには、例えば、成膜時にメタルマスクで覆ったり、成膜後にフォトリソグラフィ及びエッチングを用いたりすればよい。
2.接合工程(図1ステップS2、図2[2])
本実施形態1では、水晶ウェハ51〜55同士の接合に拡散接合を用いる。拡散接合とは、母材を密着させ、母材の融点以下の温度条件で、塑性変形をできるだけ生じない程度に加圧して、接合面間に生じる原子の拡散を利用して接合する方法、とJISに定義されている。本実施形態1では、拡散接合を行う際に、真空や不活性ガスなどの雰囲気中で、金属膜50が形成された水晶ウェハ51〜55の主面同士を互いに重ねて密着させ、加圧及び加熱する。このとき、加圧は水晶ウェハ51〜55同士を密着させるだけでもよく、加熱は室温から200℃以下の範囲でよい。
3.切り出し工程(図1ステップS3、図3[3])
積層ブロック56の切り出しには、例えばワイヤーソーを用いることができる。ワイヤーソーは、人工水晶の原石から水晶ウェハを切り出す際に用いられている。切り出し方向は、水晶ウェハ51〜55の積層方向、すなわち水晶ウェハ51〜55の主面に垂直な方向である。積層ブロック56を切り出すことによって得られた積層板60は、水晶片61〜65が金属膜50を挟んで接合された構造になっている。水晶片61〜65は、それぞれ水晶ウェハ51〜55に由来する。
4.形状加工工程(図1ステップS4、図3[4][5])
本実施形態1では、積層板60の加工にウェットエッチングを用いる。まず、水晶のエッチング液に対する耐食性を有する例えばクロムからなるマスク66を、積層板60の表裏に形成する。マスク66の形成には、クロムの成膜、フォトリソグラフィによるレジストパターンの形成、エッチングによるクロムのパターン形成、などの工程が必要である。続いて、マスク66が形成された積層板60をフッ酸系のエッチング液に浸すことにより、積層板60を構成する水晶の不要な部分を除去する。最後に、マスク66をクロムのエッチングによって除去することにより、振動素子40を得る。
なお、クロムのエッチングには、金属膜50を除去しないエッチング液を使用する。また、水晶のエッチングによって水晶から離れて箔状に残った不要な金属膜50は、超音波洗浄などによって洗い落とすことができる。
図4は、実施形態1の製造方法で得られた振動素子を示す平面図である。以下、この図面に基づき説明する。
振動素子40は、基部30と、基部30から同一方向に延設された第一振動腕部10及び第二振動腕部20と、を備えている。
第一振動腕部10は、表裏関係にある第一外側面12a及び第一内側面12bと、第一外側面12aを含む第一外側腕部11aと、第一内側面12bを含む第一内側腕部11bと、第一外側電極13a及び第一内側電極13b及び第一中間電極14とを有し、第一外側面12aに第一外側電極13aが設けられ、第一内側面12bに第一内側電極13bが設けられ、第一外側腕部11aと第一内側腕部11bとが第一中間電極14を介して接合されている。
第二振動腕部20は、表裏関係にある第二外側面22a及び第二内側面22bと、第二外側面22aを含む第二外側腕部21aと、第二内側面22bを含む第二内側腕部21bと、第二外側電極23a及び第二内側電極23b及び第二中間電極24とを有し、第二外側面22aに第二外側電極23aが設けられ、第二内側面22bに第二内側電極23bが設けられ、第二外側腕部21aと第二内側腕部21bとが第二中間電極24を介して接合されている。
基部30は、表裏関係にある第一基部側面31及び第二基部側面32を有し、第一基部側面31が第一内側電極13bを介して第一振動腕部10に接合され、第二基部側面32が第二内側電極23bを介して第二振動腕部20に接合されている。
振動素子40が素子搭載部材(図示せず)に搭載されたものは、「水晶振動子」と呼ばれる。第一中間電極14、第二外側電極23a及び第二内側電極23bは、導電性接着剤(図示せず)などによって素子搭載部材の配線43に電気的に接続され、配線43は素子搭載部材の端子41に電気的に接続されている。第二中間電極24、第一外側電極13a及び第一内側電極13bは、導電性接着剤(図示せず)などによって素子搭載部材の配線44に電気的に接続され、配線44は素子搭載部材の端子42に電気的に接続されている。
第一振動腕部10及び第二振動腕部20は、それらの延設方向がY軸方向であり、それらの並ぶ方向がX軸方向である。基部30は、第一振動腕部10及び第二振動腕部20の延設方向が−X軸方向であり、第一振動腕部10及び第二振動腕部20の並ぶ方向がY軸方向である。
第一外側腕部11a、第一内側腕部11b、第二外側腕部21a、第二内側腕部21b及び基部30は、それぞれ直方体状の水晶片である。ここで、直方体を構成するいずれかの平行な二面を、それぞれ一方の側面及び他方の側面とする。第一外側腕部11aの一方の側面の全体に第一外側電極13aが形成され、第一外側腕部11aの他方の側面の全体に第一中間電極14が形成され、第一内側腕部11bの一方の側面の全体に第一内側電極13bが形成され、第一内側腕部11bの他方の側面の全体に第一中間電極14が形成されている。同様に、第二外側腕部21aの一方の側面の全体に第二外側電極23aが形成され、第二外側腕部21aの他方の側面の全体に第二中間電極24が形成され、第二内側腕部21bの一方の側面の全体に第二内側電極23bが形成され、第二内側腕部21bの他方の側面の全体に第二中間電極24が形成されている。基部30の一方の側面の全体に第一内側電極13bが形成され、基部30の他方の側面の全体に第二内側電極23bが形成されている。
図3と図4とを対比して説明すると、水晶片61は第一外側腕部11a、水晶片62は第一内側腕部11b、水晶片63は基部30、水晶片64は第二内側腕部21b、水晶片65は第二外側腕部21aになり、複数の金属膜50はそれぞれ第一外側電極13a、第一中間電極14、第一内側電極13b、第二外側電極23a、第二中間電極24及び第二内側電極23bになっている。
次に、振動素子40の動作を説明する。
音叉型の振動素子40を振動させる場合、端子41,42に交番電圧を印加する。印加後のある電気的状態を瞬間的に捉えると、第一振動腕部10では、第一中間電極14がプラス電位となり、第一外側電極13a及び第一内側電極13bがマイナス電位となり、プラスからマイナスに電界が生じる。このとき、第二振動腕部20では、第二中間電極24がマイナス電位となり、第二外側電極23a及び第二内側電極23bがプラス電位となり、第一振動腕部10に生じた極性とは反対の極性となり、プラスからマイナスに電界が生じる。この交番電圧で生じた電界によって、第一振動腕部10及び第二振動腕部20に伸縮現象が生じ、所定の共振周波数の屈曲振動モードが得られる。なお、基部30は、第一内側電極13b及び第二内側電極23bによって交番電圧が印加されるものの、X軸方向に電界が発生しないため、伸縮することはない。
次に、図1乃至図4に基づき、本実施形態1の製造方法の作用及び効果について説明する。
(1)複数の水晶ウェハ51〜55に金属膜50を形成し、水晶ウェハ51〜55同士を金属膜50を介して接合して積層ブロック56を形成し、積層ブロック56を積層方向に切り出して積層板60を形成し、積層板60を加工して振動素子40の形状を得ることにより、複数の水晶片61〜65を接合した構造の振動素子40を製造する際に、従来の水晶片61〜65同士の接合を、水晶ウェハ51〜55同士の接合に置き換えられる。したがって、水晶片61〜65に比べると水晶ウェハ51〜55は極めて大きいので、接合時の位置合わせが容易になるとともに、接合時の損傷も低減できる。
(2)形状加工工程での水晶のウェットエッチングにおいて、従来技術(特許文献1等)では第一内側面12b及び第二内側面22bに相当する部分にエッチング残渣が生じていた。これに対し、本実施形態1によれば、第一内側面12bが第一内側電極13bで覆われ、第二内側面22bが第二内側電極23bで覆われているので、第一内側面12b及び第二内側面22bにおけるエッチング残渣の発生を防止できる。
(3)接合工程において拡散接合を採用した場合は、次の効果を奏する。第一に、200℃以下で加熱することにより、直接結合、陽極接合、US−GGI接合などに比べて加熱による残留応力を低減できるので、振動素子40の屈曲振動モードに与える影響を低減できる。第二に、接着剤よりも強固に接合できることから、振動素子40の耐久性を向上できる。
(4)水晶のウェットエッチングで使用するエッチング液に対して金属膜50が耐食性を有する場合は、金属膜50が水晶のウェットエッチングに耐えて残ることにより、金属膜50をそのまま電極膜(第二外側電極23a等)として利用できるので、新たに電極膜を形成する工程を省略できる。
(5)水晶ウェハ51〜55の表裏全面に金属膜50を形成し、表裏全面に金属膜50が形成された水晶ウェハ51〜55同士を金属膜50を介して接合する場合は、電極膜となる金属膜50のパターニングが不要となるので、製造工程を簡素化できる。
(6)水晶ウェハ51〜55のうち少なくとも一枚の表裏の少なくとも一方に部分的に金属膜50を形成し、部分的に金属膜50が形成された水晶ウェハを含めて水晶ウェハ51〜55同士を金属膜50を介して接合する場合は、電極膜となる金属膜50のパターニングが一回必要になるものの、多様な電極膜パターンの振動素子40を製造できる。
(7)切り出し工程後において、各水晶ウェハ51〜56の厚みによって各水晶片61〜65の厚みが予め定められ、各水晶片61〜65の厚み方向の両面が耐食膜(第一外側電極13a、第一内側電極13b、…)によって覆われている。そのため、形状加工工程後においても、第一外側面12a、第一内側面12b、第二内側面22b及び第二外側面22aは互いに平行に保たれたままである。それゆえ、励振電極(第一外側電極13a、第一中間電極14、…)の相互間に生じる電界が均一になることにより、等価直列抵抗を小さくすることができる。
(8)本実施形態1では、特許文献3の技術(図10)と比べて、第一内側電極13b及び第二内側電極23bを基部30の末端(振動腕部の延設方向の逆方向)まで形成することにより、第一内側電極13b及び第二内側電極23bと配線43,44とを精度よく確実に接続することができる。
図5は、実施形態2の製造方法で得られた振動素子を示す平面図である。以下、この図面に基づき説明する。
本実施形態2の製造方法は、実施形態1の製造方法に対して、形状加工工程で使用するマスクのパターンが異なる。そのため、本実施形態2の製造方法で得られた振動素子140は、次の構造になる。第一内側腕部11bの一部は、第一振動腕部110の延設方向の逆方向に基部130及び第一外側腕部111aから突出している。第二内側腕部21bの一部は、第二振動腕部120の延設方向の逆方向に基部130及び第二外側腕部121aから突出している。
換言すると、第一外側腕部111a、基部130及び第二外側腕部121aの前記延設方向の長さが、実施形態1におけるそれらの長さに比べて短くなっている。そのため、第一中間電極14、第一内側電極13b、第二内側電極23b及び第二中間電極24の各一部が露出することになる。したがって、振動素子140の全ての電極は、少なくとも一部が露出しているので、素子搭載部材の電極パッド71〜76に対して導線81〜86を介して面と面とで電気的に接続することが可能である。
すなわち、第一外側電極13aは導線81を介して電極パッド71、第一中間電極14は導線82を介して電極パッド72、第一内側電極13bは導線83を介して電極パッド73、第二内側電極23bは導線84を介して電極パッド74、第二中間電極24は導線85を介して電極パッド75、第二外側電極23aは導線86を介して電極パッド76にそれぞれ接続されている。また、電極パッド71,73,75は配線44に電気的に接続され、電極パッド72,74,76は配線43に電気的に接続されている。なお、導線81〜86は、金線やアルミニウム線又は導電性接着剤などである。
本実施形態2によれば、振動素子140の全ての電極を面と面とで電気的に接続できることにより、素子搭載部材に対する電気的接続が容易となるので、更なる小型化に対応できる。本実施形態2のその他の構成、作用及び効果は、実施形態1のそれらと同様である。
図6乃至図8は実施形態3の製造方法を示す平面図であり、図6は切り出し工程後の状態、図7は形状加工工程中、図8は形状加工工程後の状態である。以下、これらの図面に基づき説明する。
本実施形態3の製造方法は、実施形態1の振動素子の量産に適した方法である。まず、図示しないが、接合工程では、複数個分の振動素子に相当する水晶ウェハ及びフレームとなる水晶ウェハを接合する。そのため、図6に示すように、切り出し工程後の積層板90には、フレームとなる水晶片91,92が振動素子となる水晶片61〜65を挟んだ構造になっている。また、積層板90は、複数個分の振動素子に相当する、水晶片の層数及び水晶片の長さを有する。
続いて、図7に示すように、形状加工工程において、積層板90の表裏の振動素子となる領域及びフレームとなる領域に、水晶エッチングに対するマスク66を形成する。前述したように、マスク66の形成には、クロムの成膜、フォトリソグラフィによるレジストパターンの形成、エッチングによるクロムのパターン形成、などの工程が必要である。
続いて、マスク66が形成された積層板90をフッ酸系のエッチング液に浸すことにより、積層板90を構成する水晶の不要な部分を除去する。最後に、図8に示すように、マスク66をクロムのエッチングによって除去することにより、複数の振動素子40、複数の振動素子40を取り囲むフレーム93、及び、振動素子40とフレーム93とを一時的に接続する接続部94を得る。複数の振動素子40は一つずつ、電気的な検査を経て、接続部94でフレーム93から切り離され、素子搭載部材に実装される。
本実施形態3によれば、複数の振動素子40をフレーム93に一時的に接続した状態に製造することにより、一度に大量の振動素子40を製造できるので、量産時の生産性を向上できる。本実施形態3のその他の構成、作用及び効果は、実施形態1のそれらと同様である。
以上、上記各実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細については、当業者が理解し得るさまざまな変更を加えることができる。例えば、上記各実施形態では音叉型振動素子を採り上げたが、棒状振動子などにしてもよい。また、本発明には、上記各実施形態の構成の一部又は全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。
本発明は、水晶やセラミックスからなる圧電素子に利用可能である。
40 振動素子
10 第一振動腕部
11a 第一外側腕部
11b 第一内側腕部
12a 第一外側面
12b 第一内側面
13a 第一外側電極
13b 第一内側電極
14 第一中間電極
20 第二振動腕部
21a 第二外側腕部
21b 第二内側腕部
22a 第二外側面
22b 第二内側面
23a 第二外側電極
23b 第二内側電極
24 第二中間電極
30 基部
31 第一基部側面
32 第二基部側面
41,42 端子
43,44 配線
50 金属膜
51,52,53,54,55 水晶ウェハ
56 積層ブロック
60 積層板
61,62,63,64,65 水晶片
66 マスク
140 振動素子
110第一振動腕部
111a 第一外側腕部
120第二振動腕部
121a 第二外側腕部
130 基部
71,72,73,74,75,76 電極パッド
81,82,83,84,85,86 導線
90 積層板
91,92 水晶片
93 フレーム
94 接続部
800 振動素子
801 基部
802a,802b 振動腕部
803a,803b,804a,804b 励振電極
900 センサ素子
901 センサ基部
902a 励振用腕部
902b 検出用腕部
903a 励振用電極
903b 検出用電極
904a,904b 接合電極
911 U字状水晶片
912a,912b I字状水晶片

Claims (5)

  1. 圧電材料からなる複数の圧電ウェハにそれぞれ金属膜を形成する金属膜形成工程と、
    前記圧電ウェハ同士を前記金属膜を介して接合することにより積層ブロックを形成する接合工程と、
    前記積層ブロックを積層方向に切り出すことにより積層板を形成する切り出し工程と、
    前記積層板を加工することにより圧電素子の形状を形成する形状加工工程と、
    を含む圧電素子の製造方法。
  2. 前記接合工程において、前記接合が拡散接合である、
    請求項1記載の圧電素子の製造方法。
  3. 前記圧電ウェハは水晶ウェハであり、前記形状加工工程において前記加工はウェットエッチングであり、このウェットエッチングで使用するエッチング液に対して前記金属膜が耐食性を有する、
    請求項1又は2記載の圧電素子の製造方法。
  4. 前記金属膜形成工程において、前記圧電ウェハの表裏全面に前記金属膜を形成し、
    前記接合工程において、表裏全面に前記金属膜が形成された前記圧電ウェハ同士を当該金属膜を介して接合する、
    請求項3記載の圧電素子の製造方法。
  5. 前記金属膜形成工程において、少なくとも一枚の前記圧電ウェハの表裏の少なくとも一方に部分的に前記金属膜を形成し、
    前記接合工程において、部分的に前記金属膜が形成された前記圧電ウェハを含めて前記圧電ウェハ同士を当該金属膜を介して接合する、
    請求項3記載の圧電素子の製造方法。
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