JP2015053314A - 永久電流スイッチ、その製造方法及びこれを用いた超電導磁石製品、並びに接続部品及び金型 - Google Patents

永久電流スイッチ、その製造方法及びこれを用いた超電導磁石製品、並びに接続部品及び金型 Download PDF

Info

Publication number
JP2015053314A
JP2015053314A JP2013183850A JP2013183850A JP2015053314A JP 2015053314 A JP2015053314 A JP 2015053314A JP 2013183850 A JP2013183850 A JP 2013183850A JP 2013183850 A JP2013183850 A JP 2013183850A JP 2015053314 A JP2015053314 A JP 2015053314A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
permanent current
superconducting
current switch
mgb
conductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013183850A
Other languages
English (en)
Inventor
和久田 毅
Takeshi Wakuta
毅 和久田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2013183850A priority Critical patent/JP2015053314A/ja
Publication of JP2015053314A publication Critical patent/JP2015053314A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Containers, Films, And Cooling For Superconductive Devices (AREA)

Abstract

【課題】永久電流スイッチのクエンチ耐性を改善する。【解決手段】超電導体で形成された一続きの電流経路(101)と、ヒータ(4a、4b)とを備え、電流経路(101)がスリットを有する平板を構成し、平板は、複数枚が積層され、隣り合う平板同士の間には、絶縁シート又はヒータ(4a、4b)が配置され、隣り合う平板の電流経路同士も一続きに接続され、隣り合う電流経路は、電流の向きが相異なる構成を有する永久電流スイッチを用いる。【選択図】図4

Description

本発明は、永久電流スイッチ、その製造方法及びそれを用いた超電導磁石製品、並びにそれに用いる接続部品及びそれを作製する際に用いる金型に関する。
超電導応用分野では、超電導電磁石の電流閉回路に永久電流を流すために永久電流スイッチ(PCS:Persistent Current Switch)と呼ばれるスイッチ素子が利用される。一般に、永久電流スイッチは、高抵抗の金属母材に超電導フィラメントが埋め込まれた超電導線を巻きまわして構成されたコイルであり、これにヒータが備え付けられた構成となっている。
この永久電流スイッチは、極低温下に置かれて超電導状態であるときには電気抵抗がゼロのスイッチオンの状態となる。一方、ヒータに通電してスイッチの温度を上昇させて常電導状態とした場合には、スイッチの電気抵抗が金属母材の抵抗率で決まる高抵抗となり、スイッチオフの状態となる。このように、永久電流スイッチは、熱を利用して、超電導と常電導状態とを使い分けることにより、スイッチとして動作させることができる。
これまでの超電導スイッチとして用いられる超電導材料は、金属系NbTi(ニオブチタン)であった。NbTiは臨界温度が9.5K(ケルビン)であるが、NbSn(ニオブ3スズ)のような化合物超電導材料に比べると、安価で大量生産が容易でかつ機械的強度もすぐれることから、中・低磁場領域で使う超電導製品に広く使われている。一般に、低磁場領域に設置される超電導スイッチ用の超電導線材は、高抵抗のCu−Ni(キュプロニッケル)にこのNbTiフィラメントが多数埋め込まれた線材が利用されている。
永久電流スイッチに使われる超電導線材では、金属母材の抵抗を利用した高抵抗状態をつくる必要があるために、熱的な安定性を確保するために通常の超電導線材には付与される、良導体である銅又はアルミニウムといった安定化材を付与することができない。そのため、永久電流スイッチに使われる超電導線材(PCS用超電導線材)は、通常の超電導線材に比べると安定性に乏しく、わずかな擾乱によって生じる発熱によって容易にクエンチが生じる。
クエンチを回避する最も簡単な方法は、臨界温度の高い超電導材料を使用することである。臨界電流の高い超電導材料としては、Y系(イットリウム系)超電導材料やBi系(ビスマス系)超電導材料のような酸化物超電導体が知られており、前者の臨界温度はおよそ90K、後者は110K以上である。これらの超電導材料を用いて永久電流スイッチを構成した場合、クエンチについてはほとんど考慮する必要がなくなる。しかし、液体ヘリウムを使うような超電導製品において、臨界温度が高いこれらの材料を使った永久電流スイッチでは、これをオフする(すなわち常電導に転移させる)ためのヒータの熱量が膨大になり、液体ヘリウムの蒸発量が非常に大きくなり、現実的ではなくなる。また、酸化物超電導線材は、製造コストがかかり、かつ、生産性に劣るため、現在は試験的な装置が製造されるにとどまり、あまり普及していない。
その他の高温超電導材料としては、MgBがある。MgB超電導体は、金属系超電導のひとつであり、臨界温度が39Kと比較的低いが、NbTiなどに比べると十分な臨界温度をもつことから、永久電流スイッチ用途として最適である。MgBの原材料および製造コストは酸化物超電導体に比べると安く、酸化物超電導線材に比べると容易に線材を製造できるため、好ましい。
従来のNbTiを使ったPCSと同様な構成で、MgB線材を用いてPCSを製作することも可能である。MgBをPCS用に使えるようにするには、NbTiと同様に、Cu−Niのような高抵抗金属を使うことが必要であり、また、金属マトリックスの断面積を減らす、すなわち、細い線材とすることが必要となる。
MgB超電導線材は、一般には金属管に原料粉末(MgとB、もしくはMgB粉末)を充填し、線引きを行って前駆線材を製作し、熱処理を行って金属管内に充填したMgとBとを反応させ、もしくは、MgB同士を焼結することによって超電導線材を得る。このような線材製作方法をパウダーインチューブ法(Powder In Tube法:以下、「PIT法」と記す。)と呼ぶ。
Cu−Niの金属管を用いてPIT法でMgB線材を製作すること自体は可能であるが、金属管の中に硬いMgB、Bといった粉末を充填して線引きを行うためには、加工途中で断線しないようにある程度の厚さの金属管を使う必要がある。また、PIT法では、細い線材を製作することが難しい。そのため、MgBを使ってPCSを製作しようとすれば、線材を長く巻線することによってオフ抵抗を稼ぐことが必要になり、その結果、線材使用量の増加することとなる。
MgB超電導体を永久電流スイッチとして利用する技術に関して、次の特許文献がある。
特許文献1には、蒸着法を用いて、基板の一の面にヒータ、導電性膜、MgB膜の順で積層した構成を有する超電導スイッチが開示されている。
また、特許文献2には、超電導被覆層によって覆われている二ホウ化マグネシウム超電導線と他の超電導線とが、はんだを充填させた接続金属管内にて接続されている二ホウ化マグネシウム超電導線の接続構造が開示されている。これは、PCSに適用可能なものである。
特開2013−016664号公報 特開2006−174546号公報
特許文献1に記載の蒸着法により製作したMgB膜は、PIT法に比べると高い電流密度を有しており優れている。しかし、実際のPCSに適用するためには、電流密度が高いだけでは不十分であり、電流容量が十分にあること、PCSオフ時に所定の抵抗がでるように十分な長さの線材長が確保できること、及び、PCSクエンチ時に焼損しない程度の熱容量(体積)を有していることが必要になる。蒸着法により製作できるMgBの体積には制約があり、小さいコイルに用いるPCSにはそのような蒸着薄膜PCSでも十分であるが、大きい磁石に用いるPCSには薄膜の物量(体積)が不足するために適用ができないと考えられる。
特許文献2に記載の技術は、PCSと超電導磁石との接続に超電導はんだを用いたものである。MgB線材のバリアに超電導特性を示すNbを用いることにより、常電導の電気抵抗を含まない永久電流閉ループを構成することができる。しかし、PCS線材はPIT法を用いており、PIT法を用いた場合の課題については解決されていない。
本発明の目的は、永久電流スイッチのクエンチ耐性を改善することにある。
本発明の永久電流スイッチは、超電導体で形成された一続きの電流経路と、ヒータとを備え、電流経路がスリットを有する平板を構成し、平板は、複数枚が積層され、隣り合う平板同士の間には、絶縁シート又はヒータが配置され、隣り合う平板の電流経路同士も一続きに接続され、隣り合う電流経路は、電流の向きが相異なる構成を有する。
本発明によれば、製作が困難なMgB超電導線材を使わずともクエンチ耐性を改善した永久電流スイッチを簡便に作製することができる。この永久電流スイッチは、コストパフォーマンスにも優れている。
実施例1の永久電流スイッチの3次元ミアンダ導体の形状を示す鳥瞰図である。 実施例1において直方体から3次元ミアンダ導体を形成するためのスリット加工の位置を示す4面図である。 実施例1の永久電流スイッチに用いるシートヒータの構造を示す模式図である。 実施例1の永久電流スイッチの構成を示す分解図である。 実施例1の永久電流スイッチに超電導の口出し線を設置するための接続部品の例を示す鳥瞰図である。 実施例1の永久電流スイッチに超電導の口出し線を設置するための接続部品にNbTi超電導線を取り付ける過程を示す鳥瞰図である。 実施例1において超電導の口出し線を固定した状態の永久電流スイッチの接続部品を示す鳥瞰図である。 実施例2の永久電流スイッチに用いる2次元ミアンダ導体を成型するための金型の構造を示す分解図である。 実施例2の2次元ミアンダ導体を成型するための金型の構造を示す鳥瞰図である。 実施例2の2次元ミアンダ導体を示す鳥瞰図である。 実施例2のシート状の2次元ミアンダ導体を示す鳥瞰図である。 実施例2においてシート状の2次元ミアンダ導体を積層して構成した永久電流スイッチを示す分解図である。
本発明は、超電導コイルを永久電流状態で使用する超電導装置(超電導磁石製品)に用いられる永久電流スイッチに関し、特にMgB超電導材料を用いた永久電流スイッチに関する。
本発明の永久電流スイッチは、超電導材料としてMgB超電導体を使用する。MgB超電導体を線材に加工する際に困難を伴うPIT法を利用せず、MgBバルクを用いて超電導電流経路を製作する。これにより、クエンチ耐性を改善した安価な永久電流スイッチを提供できる。
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明はここで取り上げた実施形態に限定されることはなく、要旨を変更しない範囲で適宜組み 合わせや改良が可能である。
本発明に係る永久電流スイッチは、以下に説明するような3次元的な超電導電流経路を持つ超電導導体を備えており、その超電導導体の経路の全部もしくは一部がMgBのバルク材から形成された導体で構成されていることが特徴である。
超電導導体の経路は、平板状の構造内に超電導電流がひとつづきに流れるように配置・構成されており、そのひとつづきの長さが平板状構造の外形最大寸法よりも長くなるように、平板内で所定の形状に曲げられて配置されている。そして、この平板状の構造は、複数枚積層された構造となっており、積層された平板間を超電導電流が流れるように接続されている。
本発明の永久電流スイッチは、従来の永久電流スイッチのように超電導線材をボビンに巻きまわして製作する方法ではなく、線材化プロセスも用いない。本発明においては、超電導バルクを切削加工して形成した導体を使って構成することを特徴としている。その結果、短時間かつ低コストで永久電流スイッチを製作することが可能となる。特に、MgB超電導体は、バルクの作製が容易であることから、この材料を用いることが好適である。
MgBバルク材から3次元の電流経路を容易に形成するためには、平板が矩形状であることが望ましい。また、電流経路がミアンダ形状であることが望ましい。この場合には、後述するが、電流経路の形成が切削加工により容易に行える。また、各層の電流経路のパターンを同一形状とすることにより量産化が可能となる。
同一形状の電流経路のパターンが配置された場合には、パターンの向きがそろうように積層し、上下の電流パターンを接続して電流を一続きに流した場合、隣接する上下の導体に流れる電流の向きが互いに反対向きとなるように構成(接続)する。
上下の超電導電流を接続する電流経路は超電導体である必要があるが、この部分の材質はMgBもしくは超電導はんだである。MgBで上下間がつながれる構成の場合には、MgB直方体バルクを切削加工して上下間にスリットを入れる際に、上下の平板状構造が完全には分離しないように一部分を切り残せばよい。また、超電導はんだを用いて経路を形成する場合には、平板状の構造間に超電導はんだを挿入して接続する。
以上のようにして3次元的なミアンダ状の電流経路を形成することができる。
通常の永久電流スイッチと同様に、本発明の永久電流スイッチにも超電導体を加熱することにより常電導に転移するヒータを備えている。ヒータの形状は、シート状であって、平板状の構造(2次元の電流経路)の任意の位置に挿入されている。また、シート状のヒータは、上下の2次元の電流経路の間に設置してもよい。また、ヒータおよび平板状の構造は、樹脂で一体化され、熱的に接触するとともに、永久電流スイッチが液体ヘリウム中に設置されたときに、液体ヘリウムが永久電流スイッチの内部に侵入しないようにふさぐ役割をしている。
また、本発明においては、永久電流スイッチに以下のような改良や変更を加えることができる。
1)電流負荷や機械的強度の観点から、ミアンダ状の電流経路の幅を一様幅ではなく、差を持たせる。
2)上下の接続を行う領域で、ミアンダパターンの幅を以外の場所よりも広くする。
3)外部回路と本発明の3次元ミアンダ導体との接続を行うためのNbTi口出し線を、PbBiを使って設置する。
4)3次元ミアンダ導体の層間に挿入するヒータは、ミアンダ状の発熱体が絶縁材料ではさまれた構造をもつヒータとし、ミアンダ状導体配置(間隔)を調整し、ヒータの発熱密度に分布を持たせる。
5)永久電流スイッチ内部には、熱伝導を良好にするための窒化アルミニウム、アルミナなどのフィラーを混入した樹脂を内部に充填する。
6)融点もしくは硬化温度が120℃以下の樹脂を内部に充填する。
また、バルク材を用いた電流経路は、導体の寸法が従来の超電導線材のフィラメント径に比べて大きくなることから、フラックスジャンプと呼ばれる不安定性によるクエンチが発生する可能性がある。これを回避するために、以下の改良や変更を加えることができる。
7)フラックスジャンプに対して影響のある方向の導体寸法を2mm以下にする。
8)上下に積層する導体間の隙間は、25μm以上かつ導体の厚さの寸法以下にする。
9)臨界電流密度が運転条件において5×10A/m以下となるように調整されたMgB材料を使う。
10)超電導導体の温度を計測するための熱電対、白金測温抵抗体もしくは半導体センサーを永久電流スイッチの内部に設置し、定格運転温度よりも高い温度で永久電流モードに投入した後、定格運転温度まで温度を下げて運転する。
本発明を更に具体的に説明する。
(PCSの仕様)
磁気共鳴イメージング(MRI)用永久電流モード磁石のために、電流容量800A、オフ抵抗1ohmのPCSを製作した。PCSは、1T以下の環境に設置することとした。MgBバルクの臨界電流密度は、磁場環境1Tにおいて4000A/mmあるため、MgB導体の電流が流れる断面積を1mmと決定した。PCSオフ抵抗(MgBが常電導状態のときの抵抗)を1ohmにするために必要な導体長さは、MgBの臨界温度における常電導抵抗は2×10−7ohmであるので、5mとなる。
以下、実施例を用いて説明する。
(MgBバルクの作製)
MgBの原料であるMg(マグネシウム)とB(ホウ素)の粉末を、化学量論組成となるように秤量し、ボールミルを用いてアルゴン雰囲気中で混合を行った。MgとBの混合粉末を金型に充填し、一軸プレスを行い、70mml×32mmw×12mmtのMgB前駆体を成型した。成型したMgB前駆体をNbの箔で包んだ後、高純度アルゴン雰囲気で650℃、2時間の熱処理を行い、MgBを生成した。熱処理後のMgBバルク材の4面に機械加工を施し、70mml×30mmw×10mmtのMgB直方体(バルク)を製作した。
なお、本実施例では、MgBの原料粉末のMgとBの混合物を用いてMgBバルク材を製作したが、この方法に限定されるものではなく、MgBの粉末を固め、焼結して、バルクを形成してもよい。MgBの粉末をボールミルで十分に粉砕混合し、加圧成型したのち、900℃で48時間焼結を行うことにより、緻密なMgBバルクを得ることができる。
(MgBバルクの加工)
図1は、実施例の永久電流スイッチの3次元ミアンダ導体の形状を示す鳥瞰図である。
本図に示す3次元ミアンダ導体1は、MgB直方体にスリット102、103を設けることにより作製したものである。すなわち、3次元ミアンダ導体1は、水平方向(長手方向)の複数のスリット102及び鉛直方向(厚さ方向)の複数のスリット103を有する。スリット102は、水平方向に互い違い(交互)に設けてある。また、スリット103は、鉛直方向に互い違い(交互)に設けてある。
これらのスリット102、103により、6枚の電流経路である平板と、それぞれの平板に設けたミアンダ状の電流経路とが形成されている。それぞれの平板は、幅方向(奥行き方向)に往復する電流経路を有している。また、隣り合う2枚の平板は、スリットを設けていない端部を有し、この端部によって電気的に接続されている。そして、積層された平板は、水平方向に往復する電流経路を有する構成となっている。
本実施例の場合、平板1枚1枚が一体成形されたものであるだけでなく、積層された複数枚の平板全体が一体成形されたものであるといえる。
また、スリット102は奥行き方向に貫通し、スリット103は厚さ方向に貫通しているため、平板が4枚以上の積層された構成とすることも容易である。
図2は、図1の3次元ミアンダ導体を作製する際に、MgB直方体に設けるスリットの位置を示す4面図である。
本図においては、MgB直方体2(MgBバルク)のスリット加工位置3(点線)を示している。スリットは、ワイヤーソーを用いてスリット加工位置3(点線)に設けた。これにより、図1に示すMgBの3次元ミアンダ導体1が得られた。この後、スリットに樹脂を充填した(図示せず)。
スリット加工について更に具体的に説明する。
まず、MgB直方体2の広い面が下になるように置き、ワイヤーを上下方向(鉛直方向)となるように配置し、MgB直方体2をミアンダ状になるように加工した。ミアンダの折れ曲がり部の幅は2mm、直線部の幅は1mm残すようにし、隙間としては0.7mm(公称値)とした。MgB直方体2の長手方向の両端部は、外部回路と接続を行うことを考慮し、約7mm程度とした。また、電流の流れ込みの広がりを想定し、端部の幅広領域からミアンダへの導入部の幅は6mmとした。スリットを両側から16箇所入れることにより、折り返しは30箇所となり、導体の電流経路の長さはおよそ850mmとなる。
次に、水平方向のスリット加工を行う必要があるが、切れ込みが入った状態でワイヤーソーによる加工をするとMgB導体が破損するため、スリットに樹脂を充填したのちに水平方向のスリット(以下、便宜上「水平スリット」という。)の加工を行った。樹脂は、運転時のPCS内部の伝熱を改善するために、窒化アルミニウム粉末を混ぜたものを使用した。
樹脂を充填したMgB導体の表面の余分な樹脂を削り取って整形した後、水平方向のスリット加工を同様にワイヤーソーで行った。図2において右から2箇所、左から3箇所(便宜上、右、左という。)スリット加工を行って、6層構造を製作した。各層の厚さは1mmとし、隙間は0.7mm(公称値)とした。この加工により、MgBの導体の電流経路の長さは5mとなる。
以下、平面内にミアンダラインが形成された導体を2次元ミアンダ(導体)、3次元的にミアンダラインが構成されたものを3次元ミアンダ(導体)と記す。また、以下では、2次元ミアンダ導体を積層した3次元ミアンダ導体において、2次元ミアンダ導体の積層方向を上下方向(鉛直方向)といい、2次元ミアンダ導体の長手方向を左右方向という場合がある。
以上のとおり、永久電流スイッチを構成する3次元ミアンダ導体は、超電導体で形成された一続きの電流経路を有する。また、電流経路は、スリットを有する平板を構成し、平板は、複数枚が積層されている。隣り合う平板の電流経路同士も一続きに接続された構成であり、隣り合う電流経路は、電流の向きが相異なる。
(永久電流スイッチの構成)
図4は、本発明の永久電流スイッチの構成を示す分解図である。
本図に示す永久電流スイッチ(PCS)は、図1に示す3次元ミアンダ導体を組み込んだものである。
本図において、3次元ミアンダ導体101(「MgB導体」又は「MgBミアンダ導体」ともいう。)は、上から1番目および下から1番目の水平スリットにシートヒータ4a、4bを挿入してある。シートヒータ4a、4bは、口出し線を有する。それ以外の水平スリットには、絶縁シートを配置してもよい。
液体ヘリウム中に設置されるPCSは、PCSオフ時のヒータの熱量を最小限に抑えるために熱絶縁層を設けることが望ましい。このため、3次元ミアンダ導体101の上下には、FRPの板8a、8bを設け、シートヒータ4a、4bの口出し線を配置した位置の反対側の面には、FRPの板8cを設けてある。FRPの板8a、8b、8cの厚さは5mmである。板8cの長手方向に直交する両側面にはFRPの板8dを設置してある。3次元ミアンダ導体101の上面及び下面には、口出し線を設けた接続部品9a、9bが設けてある。板8dは、3次元ミアンダ導体101及び接続部品9a、9bを固定するために厚さ10mmとした。板8a、8b、8c、8dと3次元ミアンダ導体101とは、樹脂により一体化される(樹脂含浸工程)。接続部品9a、9bは、ボルトを用いて板8dに固定する。
樹脂含浸工程においては、3次元ミアンダ導体101の5面をFRPの板8a、8b、8c、8dで囲った後、口出し線側を上にし、窒化アルミニウムフィラーを混入したエポキシ樹脂を口出し線側から注ぎ込み、減圧下で脱泡を行いながら硬化させた。
図3は、本発明の永久電流スイッチに用いるシートヒータの例を示す模式図である。
本図において、シートヒータ4は、2枚のポリイミドシート6(カプトン(登録商標)、厚さ25μm)にステンレス鋼の箔(厚さ30μm)を挟み込んで接着した構成を有する。ステンレス鋼の箔は、幅2mmのヒータパターン5(発熱体)を形成している。ヒータパターン5の端部には、電流を通電するための口出し線7が取り付けられている。シートヒータ4の厚さは、接着剤を含め、およそ110μmである。
液体ヘリウム中で通電してPCSを加熱する際、3次元ミアンダ導体の温度分布が一様になるように、ヒータパターン5は外周側の発熱密度が高くなるように設計した。すなわち、シートヒータ4の平面内で配線に粗密を設け、当該平面の外周部の発熱密度を高めた構成とした。スリットに挿入されたシートヒータ4は、熱絶縁のためのケースに組み込んだ後に行われる樹脂含浸工程で一体化・固定した。
(NbTi口出し線との接続)
NbTiやNbSnなどの超電導磁石と本発明のPCSとの接続は、MgBミアンダ導体をいったんNbTiの口出し線と超電導はんだを用いて超電導接続を行ったのち、NbTiの口出し線とNbTi超電導線もしくはNbSn超電導線を超電導接続することとした。
以下、NbTi超電導線を例として、図5〜7を用いて接続部品の構成を説明する。
口出しのNbTiとミアンダ導体とは、図5に示す銅製の接続部品10aを使って接続した。
口出しのNbTiの母材(安定化銅、バリア層など)を溶出させ、フィラメントをむき出しにし、PbBi(超電導はんだの一種)をフィラメントに含ませた。すなわち、フィラメントを超電導はんだで濡らした。NbTiのフィラメントをむき出しにしたあとに超電導はんだでフィラメントを濡らす際、フィラメントが超電導はんだをはじき、はんだが浸透していかない場合、NbTiの母材を化学的手法でPbBiに置換することが望ましい。
図6に示すように、フィラメント22が超電導はんだで濡らされたNbTiの口出し線11aを接続部品10bの上面に設置する。そして、口出し線11aと接続部品10bをはんだ付けする。このときのはんだは、一般的なはんだであり、超電導はんだよりも融点が高いことが重要である。はんだは、接続部品10bの上面からはみ出さないようにし、はみ出した場合は削って平らにしておく。口出し線11aは、はんだ付けにより接続部品10bと一体化される。NbTiの口出し線11aと接続部品10bとを一体化した後、接続部品10bのくぼみ23に超電導はんだを溶かして流し込む。超電導はんだの量は、接続部品10bの上面までとする。
図7は、超電導はんだでフィラメントを固定した後の状態を示したものである。
超電導はんだ24の上面と接続部品10cの上面とを一致させた。超電導はんだの量が過剰で盛り上がりがある場合には、削り取って平らにする。すなわち、超電導はんだ24は、ミアンダ導体の平板(端部)に面で接触するようになっている。
電流がNbTiの口出し線11bのフィラメントからMgB導体へスムーズに流れるように、フィラメントの向きはMgB導体を沿わせ、ラップジョイントされるように配置する。フィラメントの向きとMgB導体の電流の導入向きが反対となる拝み接続の場合には、超電導電流が拝み接続の根元付近に集中して流れるため、接続部品で確保した接続長及び接続面積を十分に利用できなくなる。本実施例では接続部品は鏡対称としている。
図4に示すように、NbTiの口出し線がとりつけられた接続部品9a、9bは、MgB導体の上下から挟むように設置し、ボルトで板8dに固定する。図4では各部品はばらばらに描かれているが、樹脂含浸工程で板8a、8b、8c、8d(熱絶縁板)とMgBミアンダ導体とは一体化する。
接続部品9a、9bをボルトで固定し、一体化した後、接続部品9a、9bを、ドライヤーを使って緩やかに加熱し、接続部品9a、9bに固着していたPbBi(図7の符号24)を融解して、PbBiとMgBとを電気的に接続する。MgBとPbBiとの濡れ性は低いため、MgB側には予めPbBiを蒸着しておくことが望ましい。また、接続部品9a、9bにPbBiを盛る際にPbBiの表面が接続部品9a、9bの面より極わずかにはみ出るようにしておき、ボルト締結による押し付け力が加わるようにすれば、PbBiとMgBとの接触が改善され、更に好ましい。
以上により、MgBバルク材を用いた永久電流スイッチを作製することができる。MgBPCSにNbTiの口出し線が取り付けられているため、NbTiコイル又はNbSnコイルとの超電導接続に関しては、従来の超電導接続技術を適用することによって接続することができる。
(2次元ミアンダ導体の作製法)
3次元ミアンダ導体を製作するためには、まず、図2に示すMgB直方体2を作製し、それにスリット加工を施すことにより2次元ミアンダ導体を作製した。さらに、2次元ミアンダ導体にスリットを入れることにより、図1に示す3次元ミアンダ導体1を製作した。
別の方法として、MgBの直方体バルクを作ってから2次元ミアンダ導体を切削加工によって作製する代わりに、2次元ミアンダの粉末成型体を熱処理して2次元ミアンダ導体を直接形成することによって、スリット加工の工数を低減することが可能である。
図8は、2次元ミアンダ導体を成型するための金型の構造を示す分解図である。
また、図9は、図8の金型を組み立てた状態を示す鳥瞰図である。
図9において、金型15は、台座14と、L字型の枠12a、12bとを組み合わせた構成を有する。枠12a、12bはそれぞれ、フィン状の隔壁13a、13bを有する。枠12a、12bは、組み合わせた状態で2個の枠12a、12bの隔壁13a、13bが互いに他の枠12a又は12bの隔壁13a又は13bの間に配置される。枠12a、12b及び隔壁13a、13bの間隙は、一続きの迷路状(ミアンダ状)となっている。この間隙に粉末を充填することにより、2次元ミアンダ成型体を作製した。
図8においては、L字型の枠12a、12b、フィン状の隔壁13a、13b及び台座14を分解した状態を示している。台座14には、ザグリを設けてあり、枠12a、12bの下部が納まるようになっている。
本実施例においては、ステンレス鋼で金型15の構成要素(台座14、L字型の枠12a、12b)を製作した。フィン状の隔壁13a、13bの厚さは0.5mmとした。枠12a、12bの一方に設けられた隔壁13a又は13bの中心間距離は5mmとした。2つの枠12a、12bが組み合わされたとき、2つの枠12a、12bに取り付けられたフィン状の隔壁13a、13bが互いの隙間に挿入される。また、隔壁13a、13bの先端部は、対向する枠12a、12bの内壁に接触しない長さとしてある。2つの枠12a、12bを組み合わせると、幅が約2mmのミアンダ状の空隙が形成される。
つぎに、2次元ミアンダ成型体を作製する手順について説明する。
金型15を振動台の上に乗せ、振動させながら、MgBの原料となるMgとBとの混合粉末、もしくは、MgBの粉末を充填した。MgとBとの混合粉末を充填する際には、原料粉末の酸化による汚染を防ぐため、アルゴン雰囲気で行った。すでにMgBになった粉末を充填する場合には、酸化による汚染の影響は小さいが、成型体内部(充填粉末の隙間)に残留した空気(酸素)により熱処理過程で影響が出るため、MgとBとの混合粉末の場合と同じようにアルゴン雰囲気で充填することが望ましい。
金型15の材質は、MgBの生成反応熱処理もしくは焼結熱処理において、原料粉末と反応しない材質であれば何を適用してもよい。使用可能な材質は、原料粉末の組成や熱処理温度に依存するため適切に選定する。材料の候補としては、鉄、ステンレス鋼、アルミナ、Ti、Nbなどがある。本実施例では、原料粉末としてMgとBとの混合粉末を用い、650℃で熱処理を行ってMgBを生成させたが、このような条件下ではステンレス鋼を利用することができる。
PCSの設計に応じて2次元ミアンダ導体を切り分けて使用するため、隔壁の高さは任意である。製造コストを下げるためには、一度に大きな(高さのある)金型で2次元ミアンダ導体を製作するほうが良い。隔壁(金型)の最大高さは、原料粉末を均一に、かつ、所定の密度以上となるように充填できるかどうか、また、熱処理を行う際の熱処理炉の制約などによって制約される。本実施例では、小ロット製造であり、また、熱処理炉の制約から高さを50mmとした。本発明は、このような寸法によって限定されるものではない。
粉末を細い管路に充填する場合、管の直径にくらべて管の長さが長くなってくると、粉詰まりが生じて粉末の充填が難しくなってくる。ミアンダ状の空隙の幅は2mmであるものの、ミアンダ導体経路に沿って空間が広がっていることから、本実施例の金型では、原料粉末の粉詰まりも生じず、容易に充填が可能である。さらに、振動台の上に金型を乗せ、金型を振動させながら充填作業を行うことにより、粉末の偏りを生じることなく充填ができた。
2次元ミアンダ導体の原料粉末として、MgとBとの混合粉末もしくはMgBの粉末を使うにせよ、緻密なバルク導体を得るためには充填密度を上げることが重要である。粉詰まりが生じないため、振動台による加振のみでもMgBバルクを生成するに十分な充填密度となっているが、更に緻密な組織とし、高い臨界電流密度を有するバルク導体を得るためには、充填された粉末を押し固める必要がある。その場合、金型のミアンダ状の空隙と対になる雄型のミアンダ状のジグを使って適宜押し固めながら充填作業を行えばよい。
原料粉末を充填した金型をアルゴン雰囲気で650℃、2時間で熱処理を行ってMgBを生成させ、十分に温度が下がった後に金型をとりはずした。MgとBとの混合原料粉末からMgBを生成させると、その過程で70%程度に体積が減少することから、生成されたMgBとステンレス鋼の隔壁との間には隙間が生じ、容易に金型を引き抜くことができる。
以上のようにして、図10に示すようなMgBの2次元ミアンダ導体16を製作した。
次に、この2次元ミアンダ導体16を加工して3次元ミアンダ導体を作製する際、加工力による破損を防ぐために、樹脂で2次元ミアンダ導体16の隙間を充填して補強した。補強用の充填樹脂としては、導体のPCS内部の熱伝導を改善するために、窒化アルミニウムフィラー入りの樹脂を使用した。
樹脂で固めた後、余分な樹脂を除去し、外形寸法を整えるために6面に対し機械加工を施した。このようにして製作された2次元ミアンダ導体は、例えば実施例1に示すような手順でPCSに加工することができる。
(2次元ミアンダ導体シートの利用)
実施例1では、2次元ミアンダ導体にスリットを入れる加工を施して製作した3次元ミアンダ導体を用いた永久電流スイッチについて説明した。
別の3次元ミアンダ導体を形成方法として、シート状に成型した2次元ミアンダ導体を積み重ね、2次元ミアンダ導体間を、超電導接続を行うことにより、3次元のミアンダ導体を構成することができる。以下にシート状の2次元ミアンダ導体を積層形成したPCSの製作方法について説明する。
(シート状の2次元ミアンダ導体を用いたPCS)
図2に示すような直方体のMgBバルクをスリット加工して形成したもの又は図10に示すMgBの2次元ミアンダ導体16加圧成型し、熱処理することにより直接的に形成した2次元ミアンダ導体を、マルチワイヤーソーを用いて、図11に示すようなミアンダラインの幅が2mm、厚さが0.5mmのシート状の2次元ミアンダ導体17を切り出した。ここで、2次元ミアンダ導体17は、導体28であるMgBと2次元ミアンダの隙間を埋めた樹脂29とを含む。よって、平板である2次元ミアンダ導体17は、一体成形されたものであるといえる。
つぎに、このシート状の2次元ミアンダ導体17を他の部品と組み合わせて作製した永久電流スイッチ(PCS)について説明する。
図12は、上記のシート状の2次元ミアンダ導体を積層して構成したPCSを示す分解図である。
本図において、PCSは、シート状の2次元ミアンダ導体17aと、積層された2次元ミアンダ導体17aの間を直列に超電導的に接続するためのシート19(PbBi製)と、積層された2次元ミアンダ導体17aの間を絶縁するための絶縁シート18と、シートヒータ4c、4dと、熱絶縁用ケース80a、80b、80d(FRP製)と、NbTi口出し線を有する接続部品9c、9d(詳細は図5〜7参照)とを含む。
シートヒータ4c、4dには、絶縁を施してある。絶縁シート18及びシートヒータ4c、4dは、2次元ミアンダ導体17aとシート19との接触を妨げないように配置されている。
シート19は、積層された2次元ミアンダ導体17aの間を直列に接続し、積層方向にもミアンダ状の電流経路が形成されるように、2次元ミアンダ導体17aの端部に一層ごとに左右交互に配置してある。2次元ミアンダ導体17aは、合計16枚積層した。
シートヒータ4c、4dは、図3に示すステンレス鋼製のミアンダ導体を発熱体とし、この発熱体を厚さ25μmのポリイミドシート2枚の間に挟み込んだものである。絶縁材、発熱体、接着剤などを合わせ、厚さを100μmとした。シートヒータ4c、4dを配置しない部位に設置した絶縁シート18は、厚さ50μmのポリイミドシートである。
2次元ミアンダ導体17aを超電導接続するためのシート19(PbBi製)は、所定の組成比で合成されたPbBiのキャスト材を圧延し、幅及び長さを切り揃えて形成した。シートヒータ4c、4dを挿入する部位には、厚さ約150μmのものを、絶縁シート18を挿入する部位には、厚さ約100μmのものを配置した。
図12に示すように、FRP製の熱絶縁用ケース80a、80b、80dに積層した2次元ミアンダ導体17a等を納め、接続部品9c、9dを上下からボルトで仮締めした。熱絶縁用ケース80a、80b、80d(FRP製)と接続部品9c、9dとがボルトで一体化されたものを、120℃に設定された恒温槽に入れて保持し、全体が一様に温まった後に恒温槽から取り出し、仮締めしていたボルトを増し締めした。
超電導はんだのPbBiの融点は125℃であるが、融点直下の温度(120℃)まで加熱することにより、PbBiは軟化し、ボルトの締結力により容易に変形する。ボルト増し締めにより、PbBiは2次元ミアンダ導体17a(MgBミアンダ)との接触が良くなり、良好な超電導接続を形成することができた。なお、より確実にPbBiとMgBとの接続を行うためには、予めMgBの接続面にPbBiを蒸着させておくことが好ましい。
なお、本実施例では、NbTiの口出し線がPCSの両側から出る構造としたが、これはPbBiのシートを加圧するための構造を対称構造とし、更に部品点数を減らすためである。PbBiの超電導接続部に適切に荷重がかけられる構造とすれば、構造は本実施例に限定される必要はない。適切な固定方法を用いることにより口出し線を片側から出す構成とすることも可能である。
以上のように、3次元ミアンダ導体、口出し線及び熱絶縁用ケースが一体化されたものに、ビーズワックスを用いて内部の隙間を充填した。ビーズワックスを使うのは、PbBiの融点よりも低い温度で融解する材料を用いて、超電導接続部への影響をなくすためである。PbBiの融点よりも低い温度で含浸および硬化が可能な樹脂を用いるのであれば、本実施例のビーズワックスに制限されるものではなく、どのような樹脂を用いることができる。さらに、樹脂には、PCS内部の熱伝導を良好にするためのアルミナや窒化アルミニウムのフィラーを混入することが好ましい。
以上のように、2通りの実施例について説明したが、これらの実施例においてシート状の2次元ミアンダ導体(平板)を4枚以上積層した構成とすることも容易である。
(シート状の2次元ミアンダ導体を用いる利点)
2次元ミアンダ導体を切り分けてシート状2次元ミアンダ導体を作製し、これを積み上げて3次元ミアンダ導体を構成する利点は、薄いシート状の2次元ミアンダ導体を作ることができ、薄い導体を用いることにより、フラックスジャンプという低温超電導体特有の磁気的不安定性を改善できることである。
2次元ミアンダ導体にスリットを入れて3次元ミアンダ導体を形成する場合、加工を進めるに従って、加工を加えるミアンダラインの折り返し部で支えるべき重量が次第に増加し、破損しやすくなるため、PCSの大型化が困難となる。一方、2次元ミアンダ導体を薄く1層ずつ切り落としていけば、支えるべき重量は切り落とされるシート1枚分であるため、破損を生じることなく、容易にスライス加工可能である。
(フラックスジャンプの説明)
超電導体に磁場が印加されているとき、超電導体内部の磁束分布は、外部からの磁気圧に均衡するように(磁場が超電導体内部に入らないように)、超電導電流が流れて磁束分布(磁場分布の傾き)を維持している。なんらかの原因で超電導体の内部の温度が上昇し、わずかにでも臨界電流密度が低下すると、その低下に伴い、磁束が超電導体の内部に侵入する。磁束侵入に伴い、電界が発生し、損失が生じることから、その結果、超電導体の内部温度は上昇し、更に臨界電流密度が低下する。したがって、更に磁束が侵入し、発熱及び臨界電流の低下が連鎖的に起こる。この一連の連鎖が続き、なだれ的に磁束が内部に侵入することをフラックスジャンプと呼ぶ。
磁束侵入による損失発生に対し、超電導体の熱容量が十分であれば温度上昇は抑えられるが、液体ヘリウム温度付近では比熱が極めて小さいため、NbTiのように臨界温度が高々10Kの超電導体では、フラックスジャンプは致命的であり、フラックスジャンプに伴う発熱によって超電導体は急激に常電導転移(クエンチ)する。
無限長超電導平板における断熱条件下でのフラックスジャンプの発生の判定条件としては、下記式(1)が知られている。
Figure 2015053314
ここで、Jは運転状態における超電導体の臨界電流密度、2dは超電導平板の厚さ、Tは運転温度、Tは超電導体の臨界温度、μは真空中の透磁率、Cは単位体積あたりの比熱である。
フラックスジャンプを抑制するためには、Jを下げるか、厚さ(2d)を小さくする必要がある。臨界温度の高いMgBは、NbTiに比べるとフラックスジャンプに対して耐性があるものの、従来のNbTi同様にフラックスジャンプを抑制するためには導体の厚さを低減することが必要となる。
ここで、フラックスジャンプの元となる超電導体に印加される磁場について補足説明をする。一本の導体に電流を通電したときには、自分自身に流れる電流がつくる磁場が超電導線材に印加される。磁場は、電流の流れる向きを右ねじの進む向きにあわせたときに、ねじの回る方向に発生する。これを自己磁場という。円断面形状を持つ無限長の直線状超電導線材に通電すると、磁束は超電導線材の表面から侵入し、その侵入した磁束領域の先端を磁束フロントと呼ぶ。磁束線は、直線状の電流に対し、右ねじの向きに周方向に連続している。磁場の空間的な勾配があるところに電流が流れており、したがって、表面からの磁束に侵入に対応するように、超電導線材の表面から磁束フロントの部分に超電導電流が流れている。
線材を巻線してコイルを作った場合、近接する導体により自己磁場以外の磁場が上乗せになる。これを外部磁場と呼ぶことにする。外部磁場は、PCSそのものの巻線から発生する磁場以外に、PCSに接続される超電導磁石がつくる磁場も外部磁場である。
フラックスジャンプを議論する場合、自己磁場及び外部磁場、さらにそれらが重畳される場合、超電導体内の磁束分布が異なるため、厳密には分けて議論しないといけない。しかし、大まかに現象をとらえるならば、超電導体の表面の磁束密度、言い換えるなら、磁気圧(磁束を超電導体内部に押し込もうとする力)に対し、それに拮抗するように超電導体内部に流れる(局所的な)臨界電流がもつエネルギーを考えればよく、それが解放されてもクエンチにいたる温度上昇が発生しない状況とすればよい。
磁束フロントが超電導体中心にまで到達していない断面形状の大きな超電導体の場合には、表面の磁束密度(BFJ)が下記式(2)で算出した値を超えない範囲ではフラックスジャンプは起こらないものと考えられる。
Figure 2015053314
(本発明のフラックスジャンプ低減作用)
まず、PCSの自己磁場についてのみ考える。
本発明では、ミアンダ導体は、隣接する部分導体に流れる電流が互いに逆向きになるような導体パターンおよび配置が特徴となっている。(各層の2次元のミアンダ導体のパターンを同一とし積層すると、各層間で隣接する2次元ミアンダ導体に流れる電流は、互いに逆向きになっている。) このような電流配置の場合には、導体の各部に流れる電流がつくる磁場が互いにキャンセルするため、ミアンダ導体全体にわたるマクロな外部磁場は発生しない(ここでは、PCS以外の外部磁場は考えていない)。
したがって、ミアンダ導体を構成する部分導体の距離が離れている場合には、それぞれの部分における導体内部の磁場分布は、一本のみの導体に電流が流れる場合と同じである。また、導体一本の断面形状で縦と横の長さの比が1に近い場合(正方形断面に近い場合)、ミアンダ導体間の距離を小さくしても内部の磁束の分布はほとんど変化しない。
一方、導体の厚さに対し幅が広いストリップ状の導体1本に電流を通電する場合には、超電導導体内部への磁束の侵入は幅広の方向からがメインとなり、導体の幅方向の表端から電流が流れる傾向となる。この場合、フラックスジャンプを誘発する内部の磁束の分布の方向は線材の幅方向であり、式における線材幅としては幅広側の長さとしなければならない。
一方、本発明のような電流配置で、ストリップ状の導体を多層近接させて配置し、隣接する層で電流の向きが互いに反対となるように電流を流すと、ストリップの面に垂直な方向の磁界が著しく小さくなる。その結果、磁束の分布は線材の幅および長手方向には生じない。磁束は、互いに反対向きの電流に挟まれた領域、すなわち、ストリップ線材間に集中するようになり、その結果、ストリップ線材への磁束の侵入は、線材の厚さ方向が主となり、フラックスジャンプ発生の可能性を議論する導体サイズは、ストリップ線材の厚さとなり、小さくすることができる。
本発明のように、幅広の薄い断面形状をもつ線材を厚さ方向に近接させて配置すると、幅広導体の欠点を消すことが可能となる。このような効果を出すためには、幅広の線材を近接させて配置することが重要となるが、おおむね、線材の厚さに対しそれ以下の距離で設置することが重要である。また、ギャップ最小寸法はついては、層間の絶縁層の厚さで制限され、25μm程度が最小寸法となる。
つぎに、PCSが接続される超電導磁石からの漏れ磁場による外部磁場について考える。この磁場は、単にPCSの内部の磁場に重畳されるだけであるので、幅広の面が漏れ磁場に対して平行になるようにPCSを配置することにより、外部磁場に対し、導体の厚さを小さく見せることができる。
(臨界電流密度低下によるフラックスジャンプの抑制)
バルク状の超電導体を利用することから、従来の超電導線材に比べると、超電導体(フィラメント)の幅は大幅に大きくなるため、フラックスジャンプに対する配慮が必要となる。フラックスジャンプを抑制するためには、線材の幅を小さくすること以外に臨界電流密度を下げることも重要である。臨界電流密度を下げるには、超電導特性そのものを変化させて臨界電流密度を下げるか、運転温度を上げることが考えられる。
一般に、超電導線材の開発は臨界電流密度を上げる方向で開発が行われるので、下げることに関しては逆のことを行えばよく、比較的容易に制御可能である。臨界電流密度を抑える方向としては、MgBの導体の超電導体の密度を下げて、MgBの結晶粒同士の電流パスを制限することが最も簡便である。これを行うには、原料粉末の充填密度をコントロールすればよい。
さらに別の方法でMgB超電導粒子の電流パスの結合度合いを変化させるには、熱処理温度・時間といった条件のコントロールによって、MgB結晶粒同士の接続具合(断面積)を変化させることができる。一般に、高温・長時間の熱処理によりMgB結晶粒は成長し、隣接するMgB同士の結合が強化される傾向にある。したがって、熱処理条件の制御により適切な臨界電流密度を制限したMgBを得ることができる。その他、電流パスを制限する方法としては、不純物の導入がある。不純物元素の導入により、MgB結晶格子にとりこまれない不純物は、MgB結晶粒の外に吐き出され、MgB結晶同士の界面に集積し、結晶の結合を阻害する。不純物の導入によって臨界電流密度の抑制が可能となる。
また、MgB格子に取り込まれる第三元素の添加も有効である。MgBの高磁場領域における特性の改善のために炭素をMgB格子に取り込ませる研究が進められている。この方法によると、結晶格子内に取り込まれたMgBにより、局所的な超電導特性が変化することにより磁束線格子をピン止めする構造がうまれ、磁場中における通電特性が改善される。しかし、この方法はもともと39Kあった臨界温度を32K程度まで下げることになり、また、低磁場領域の特性を下げてしまう。しかし、低磁場領域で使うPCSにとっては、電流密度の低下は好都合であり、また、液体ヘリウム温度よりも極端に臨界温度が高い材料は、PCSオフ時のヒータ熱量を大きくする必要があることから、むしろ望ましい。
例えば、臨界温度39K、単位体積あたりの比熱を15000J/m/Kとし、臨界電流密度を1×10A/mとすればフラックスジャンプしない導体厚さは2mm強となり、バルク状のMgBの利用が容易となる。MgBの臨界電流密度は、PCSの運転条件(温度、磁場)において、1×10A/m以下とすることが望ましい。また、同条件で5×10A/mとすれば、厚さは約0.5mmとなり、厚さ0.5mmのシート状MgBミアンダが利用できる。
臨界電流密度の下限については設計事項であるが、臨界電流密度を小さくしすぎると定格電流を流すために必要なMgBの断面積が増えることになり、その結果、オフ抵抗を所定値以上にするためには導体長を長くする必要が生じ、MgBの体積が増える。MgBの体積が増えると、PCSをオフにするためにMgBに投入すべき熱量が増加するために、液体ヘリウム中でPCSを利用するには不利になる。したがって、臨界電流密度の下限については、許容されるMgBの体積およびヒータ熱量に応じて決定される。
(高温での永久電流モード運転投入)
PCSのオペレーションの工夫によって、臨界電流密度を下げ、フラックスジャンプを抑制することもできる。
まず、永久電流モード運転を確立するための、PCSのオペレーションについて説明する。
永久電流モードの確立は、まず、PCSのヒータをオンにしてMgBを常電導の抵抗状態にし、PCSに並列接続された超電導磁石に通電(励磁)を行う。超電導磁石の電流が定格に到達したら、PCSヒータをオフにしてPCSの温度が下がるのを待ち、PCSを超電導状態にする。PCSが超電導になったら、超電導電流に電流を供給している外部の電源の出力電流を下げていく。出力電流の低下とともに、超電導磁石に流れていた電流はPCSに流入し、超電導磁石とPCSのループに超電導電流が流れるようになる。外部電源の出力をゼロとし外部電源を超電導磁石から電気的に切り離すことによって永久電流モード運転が確立される。
一般のNbTiを使ったPCSでは、NbTiの臨界温度がたかだか10Kであるため、PCSヒータをオフにし、PCSの温度が液体ヘリウム温度まで十分冷えた後に、外部電源の出力を下げて永久電流モードに投入する。一方、MgBでは臨界温度が39Kであるから、液体ヘリウム温度(4.2K)に冷えるまでの途中で外部電源の操作を行って、PCSに電流を流すことが可能である。この場合、実際の運転状態よりも高い温度で永久電流ループが形成されることになる。MgB導体内部の電流密度は、運転温度の4.2Kよりも高い温度となっており、したがって、電流密度は4.2Kのときよりも下がっている。このような定格運転温度よりも高い条件で永久電流モードに投入することによって臨界電流密度を下げて、フラックスジャンプを抑制することが可能である。
また、高温での永久電流モード投入には副次的な効果が期待できる。NbTiなどの金属系超電導材料ではフラックスクリープという現象をほとんど考える必要はないが、高温超電導体(MgB含む)においてはフラックスクリープを考慮に入れる必要がある。フラックスクリープのうち、磁束クリープは、永久電流モード運転されている超電導導体内部の磁束の分布が、外部からのわずかな磁束の侵入によりその分布(傾斜)が次第に緩やかになっていく現象である。磁束の侵入に伴い、損失が発生するから、損失により永久電流は減衰し、超電導磁石に保持されている磁束(磁場)は減衰する。
酸化物超電導体のように磁束を止めてピン止め力が弱く、かつ、高い温度で運転される場合には、フラックスクリープが顕著である。酸化物超電導材料は、NMR、MRIといった永久電流モード運転によって磁場安定性が確保されている装置には、永久電流モード磁石用途としては使用することができない。MgBにおいても、酸化物超電導体ほどではないが、条件によってはフラックスクリープが起きることが確認されている。
フラックスクリープの減衰率を低減する方法のひとつとして、高温励磁が知られているが、これは運転温度よりも高い温度で永久電流モードを確立した後、温度を下げて運転する方法である。運転温度よりも高い温度で永久電流モードに投入しておくと、定格運転温度のときの磁場勾配よりも緩やかな磁場分布が超電導導体内部に形成される。フラックスクリープによる磁場減衰は、対数緩和であるから磁場分布が緩やかということは、より長く時間が経過しフラックスクリープによる磁場減衰率が小さくなった状態となっているからである。
MgBをPCSとして利用する場合には、このような高温での永久電流モード投入によりフラックスジャンプの発生を抑制し、同時に、フラックスクリープも抑制することが可能である。
このようなオペレーションを実施するには、PCSの導体温度をモニターすることが重要であり、熱電対、白金測温抵抗体、半導体温度計などをとりつける。また、PCS内部の温度空間分布を適切に設計することが重要であり、そのためには発熱密度分布を制御した(シート)ヒータを利用することが望ましい。
(本発明のPCSの利用)
本発明の永久電流スイッチは、液体ヘリウム中で運転するあらゆる永久電流モード運転の超電導磁石に適用することができる。特に、永久電流運転による磁場安定性が必要なNMR、MRIといった応用には最適である。
本発明によれば、製作が困難なPIT法によるMgB超電導線材を使わずとも、クエンチ耐性を改善した永久電流スイッチを簡便に構成することができ、コストパフォーマンスにすぐれた永久電流モードスイッチを提供できる。
本発明は、永久電流モード運転する超電導磁石一般に適用でき、製品化されている超電導磁石製品(MRI、NMR)などに利用できる。
1、101:3次元ミアンダ導体、2:MgB直方体、3:スリット加工位置、4、4a、4b、4c、4d:シートヒータ、5:ヒータパターン、6:ポリイミドシート、7:口出し線、8a、8b、8c、8d:板、80a、80b、80d:板、9、9a、9b、9c、9d:接続部品、11a、11b:口出し線、12a、12b:枠、13a、13b:隔壁、14:台座、15:金型、16、17、17a:2次元ミアンダ導体、18:絶縁シート、19:シート、22:フィラメント、23:くぼみ、24:超電導はんだ、28:導体、29:樹脂、102、103:スリット。

Claims (15)

  1. 超電導体で形成された一続きの電流経路と、ヒータとを備え、前記電流経路がスリットを有する平板を構成し、前記平板は、複数枚が積層され、隣り合う前記平板同士の間には、絶縁シート又は前記ヒータが配置され、隣り合う前記平板の前記電流経路同士も一続きに接続され、隣り合う前記電流経路は、電流の向きが相異なることを特徴とする永久電流スイッチ。
  2. 前記ヒータは、シート状であることを特徴とする請求項1記載の永久電流スイッチ。
  3. 前記平板は、一体成形したものであることを特徴とする請求項1記載の永久電流スイッチ。
  4. 積層された複数枚の前記平板は、全体が一体成形されたものであることを特徴とする請求項1記載の永久電流スイッチ。
  5. 前記平板が4枚以上の積層された構成を有することを特徴とする請求項1記載の永久電流スイッチ。
  6. 直方体に形成された前記超電導体に切削加工を施すことにより、前記スリットを形成したものであることを特徴とする請求項1記載の永久電流スイッチ。
  7. 金型成形により前記スリットを形成したものであることを特徴とする請求項1記載の永久電流スイッチ。
  8. 前記平板は、MgBで形成したものであることを特徴とする請求項1記載の永久電流スイッチ。
  9. 前記ヒータは、シート状の平面内で配線に粗密を設け、当該平面の外周部の発熱密度を高めた構成であることを特徴とする請求項2記載の永久電流スイッチ。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の永久電流スイッチを備えたことを特徴とする超電導磁石製品。
  11. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の永久電流スイッチに用い、前記平板の端部を超電導接続するための部品であって、フィラメントを有する口出し線と、前記フィラメントを固定する超電導はんだとを含み、前記超電導はんだは、前記平板に面で接触する構成であることを特徴とする接続部品。
  12. 前記超電導はんだは、PbBiを含むことを特徴とする請求項11記載の接続部品。
  13. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の永久電流スイッチを構成する前記電流経路を作製する際に用い、台座と、2個のL字型の枠とを備え、前記枠は、隔壁を有し、組み合わせた状態で2個の前記枠の前記隔壁が互いに他の前記枠の前記隔壁の間に配置されることを特徴とする金型。
  14. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の永久電流スイッチを製造する方法であって、直方体に形成された前記超電導体に切削加工を施すことにより、前記スリットを形成する工程を含むことを特徴とする永久電流スイッチの製造方法。
  15. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の永久電流スイッチを製造する方法であって、金型成形により前記スリットを形成する工程を含むことを特徴とする永久電流スイッチの製造方法。
JP2013183850A 2013-09-05 2013-09-05 永久電流スイッチ、その製造方法及びこれを用いた超電導磁石製品、並びに接続部品及び金型 Pending JP2015053314A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013183850A JP2015053314A (ja) 2013-09-05 2013-09-05 永久電流スイッチ、その製造方法及びこれを用いた超電導磁石製品、並びに接続部品及び金型

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013183850A JP2015053314A (ja) 2013-09-05 2013-09-05 永久電流スイッチ、その製造方法及びこれを用いた超電導磁石製品、並びに接続部品及び金型

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015053314A true JP2015053314A (ja) 2015-03-19

Family

ID=52702150

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013183850A Pending JP2015053314A (ja) 2013-09-05 2013-09-05 永久電流スイッチ、その製造方法及びこれを用いた超電導磁石製品、並びに接続部品及び金型

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015053314A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021054094A1 (ja) 2019-09-20 2021-03-25 住友電気工業株式会社 永久電流スイッチ及び超電導装置
CN114496453A (zh) * 2022-01-29 2022-05-13 中国科学院电工研究所 一种带有失超保护的铌三锡超导磁体及其制作方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6193684A (ja) * 1984-10-15 1986-05-12 Toshiba Corp 熱式永久電流スイツチ
JPH01161348U (ja) * 1988-04-29 1989-11-09
JPH1094166A (ja) * 1996-09-17 1998-04-10 Nippon Steel Corp 酸化物系超電導体を用いた限流素子とその製造方法
JP2008518581A (ja) * 2004-10-26 2008-05-29 ノヴ テクノロジーズ インコーポレイテッド 漏電制限システム
JP2013016664A (ja) * 2011-07-05 2013-01-24 Hitachi Ltd 超電導スイッチ,超電導磁石、およびmri
WO2013113573A1 (en) * 2012-02-02 2013-08-08 Siemens Plc A mechanical superconducting switch

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6193684A (ja) * 1984-10-15 1986-05-12 Toshiba Corp 熱式永久電流スイツチ
JPH01161348U (ja) * 1988-04-29 1989-11-09
JPH1094166A (ja) * 1996-09-17 1998-04-10 Nippon Steel Corp 酸化物系超電導体を用いた限流素子とその製造方法
JP2008518581A (ja) * 2004-10-26 2008-05-29 ノヴ テクノロジーズ インコーポレイテッド 漏電制限システム
JP2013016664A (ja) * 2011-07-05 2013-01-24 Hitachi Ltd 超電導スイッチ,超電導磁石、およびmri
WO2013113573A1 (en) * 2012-02-02 2013-08-08 Siemens Plc A mechanical superconducting switch

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021054094A1 (ja) 2019-09-20 2021-03-25 住友電気工業株式会社 永久電流スイッチ及び超電導装置
US11980106B2 (en) 2019-09-20 2024-05-07 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Persistent current switch and superconducting device
CN114496453A (zh) * 2022-01-29 2022-05-13 中国科学院电工研究所 一种带有失超保护的铌三锡超导磁体及其制作方法
CN114496453B (zh) * 2022-01-29 2023-12-22 中国科学院电工研究所 一种带有失超保护的铌三锡超导磁体及其制作方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2010140398A1 (ja) 冷凍機冷却型超電導磁石
US8185175B2 (en) Superconducting coil and superconductor used for the same
JP2007266149A (ja) 超電導線材の接続方法及び超電導線材
WO2018181561A1 (ja) 接続構造体
JP5921940B2 (ja) 超電導コイルの伝導冷却板及び超電導コイル装置
JP5724029B2 (ja) 超電導電流リード、超電導電流リード装置、および超電導マグネット装置
WO2002103716A1 (fr) Materiau de fil supraconducteur et son procede de preparation, aimant supraconducteur comprenant ce dernier
JP4728007B2 (ja) 二硼化マグネシウムを用いた永久電流スイッチおよびその製造方法
JP4799979B2 (ja) 酸化物超伝導体コイル、酸化物超伝導体コイルの製造方法、酸化物超伝導体コイルの励磁方法、酸化物超伝導体コイルの冷却方法、及びマグネットシステム
Kim et al. Fundamental insight in the design of multifilament MgB2 joint for boosting the persistent-mode operation
JP2015053314A (ja) 永久電流スイッチ、その製造方法及びこれを用いた超電導磁石製品、並びに接続部品及び金型
JP6047341B2 (ja) 伝導冷却式永久電流スイッチ及び超電導線材の製造方法
JP5736216B2 (ja) 超伝導バルク体とその製造方法および超伝導バルク磁石
JP5011181B2 (ja) 酸化物超電導電流リード
JP2008305765A (ja) 酸化物超電導電流リード
JP5675232B2 (ja) 超電導電流リード
JP2015023056A (ja) 積層パンケーキ型超電導コイル及びそれを備えた超電導機器
JP2012064495A (ja) 被覆超電導線材の製造方法、超電導線材被覆の電着方法、及び、被覆超電導線材
JP2012028041A (ja) 超電導電流リード
JP4634908B2 (ja) 高温超電導コイル
JP2012064323A (ja) 超電導電流リード
JP6314022B2 (ja) 超電導電流リード及び超電導電流リードの製造方法
Solovyov et al. Performance of layer wound epoxy-impregnated coils made from a multifilamentary cable of exfoliated YBCO
JP2009104813A (ja) 超伝導材
JP2013074082A (ja) 永久電流スイッチ、およびそれを備える伝導冷却型超電導マグネット装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160805

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160809

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161005

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20161220