JP2015052710A - 偏光板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】機械的特性に優れると共に、液晶表示装置に含まれた際に表示ムラの発生を抑制し得る偏光板およびその製造方法を提供する。【解決手段】偏光子と、偏光子上に直接、シリコーン系組成物を塗布して、重合硬化させることにより形成される偏光子保護フィルムとを備え、シリコーン系組成物が、重合性基を有するシリコーン化合物、並びに、重合性基および偏光子と結合形成可能な基を有する化合物を含有する、偏光板。【選択図】なし

Description

本発明は、偏光板およびその製造方法に係り、特に、重合性基を有するシリコーン化合物、並びに、重合性基および偏光子と結合形成可能な基を有する化合物を含むシリコーン系組成物を用いて形成される偏光子保護フィルムを備える偏光板およびその製造方法に関する。
通常、偏光子は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを用いて製造される。より具体的には、ヨウ素などの二色性色素または二色性染料を、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに吸着配向させて、その後一軸延伸させることにより製造される。
このような偏光子は、機械的強度に劣るため、TAC(ケン化処理されたトリアセチルセルロースからなるフィルム)などの偏光子保護フィルムを偏光子に貼り合せて、偏光板として使用されている。
一方、近年、偏光子保護フィルムに対して、透湿度の制御や、機械的強度の向上など種々の性能向上が求められており、様々な提案がなされている。例えば、特許文献1では、かご型構造を有するポリオルガノシルセスキオキサンを主たる成分とするシリコーン樹脂を用いて得られるシリコーン系樹脂フィルムを、偏光子保護フィルムとして使用する態様が開示されている。
特開2010−096848号
上述したように、偏光板自体の特性(特に、機械的強度)の向上が求められる一方で、近年、該偏光板を含む液晶表示装置のより一層の性能向上が求められており、特に、高温高湿環境下に液晶表示装置を静置した後であっても、表示ムラが生じないことが求められている。
本発明者らは、特許文献1に記載されるポリオルガノシルセスキオキサンを主たる成分とするシリコーン樹脂を用いて形成される偏光子保護フィルムを含む偏光板を製造し、該偏光板を含む液晶表示装置の表示ムラについて検討を行ったところ、液晶表示装置を高温高湿処理に曝した後に表示ムラが確認され、さらなる改良が必要であった。
本発明は、上記実情に鑑みて、機械的特性に優れると共に、液晶表示装置に含まれた際に表示ムラの発生を抑制し得る偏光板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を達成すべく鋭意研究した結果、高温高湿環境下に液晶表示装置を曝した際に、偏光板中の偏光子保護フィルムが偏光子上から剥がれて、表示ムラが発生することを知見した。該知見をもとに、重合性基および偏光子と結合形成可能な基を有する化合物を含むシリコーン系組成物を使用することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) 偏光子と、偏光子上に直接、シリコーン系組成物を塗布して、重合硬化させることにより形成される偏光子保護フィルムとを備え、
シリコーン系組成物が、重合性基を有するシリコーン化合物、並びに、重合性基および偏光子と結合形成可能な基を有する化合物を含有する、偏光板。
(2) 化合物が、後述する式(A)で表される化合物である、(1)に記載の偏光板。
(3) 化合物が、後述する式(I)で表される化合物である、(1)または(2)に記載の偏光板。
(4) 式(I)中、R1およびR2がそれぞれ水素原子を表し、Zが後述する式(II)で表される基、または、オキシラニル基もしくはオキセタニル基を有する基である、(3)に記載の偏光板。
(5) 重合性基を有するシリコーン化合物が、重合性基を有し、かご型構造を有するポリオルガノシルセスキオキサンである、(1)〜(4)のいずれかに記載の偏光板。
(6) 偏光子保護フィルムが、光学的に等方性である、(1)〜(5)のいずれかに記載の偏光板。
(7) 偏光子が、ポリビニルアルコールおよびエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる群から選択される少なくとも1つを含む、(1)〜(6)のいずれかに記載の偏光板。
(8) (1)〜(7)のいずれかに記載の偏光板を有する液晶表示装置。
(9) 熱可塑性樹脂基材上にポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層体を作製する工程Aと、
積層体中のポリビニルアルコール系樹脂層をヨウ素で染色する工程Bと、
積層体を延伸する工程Cと、
工程Bおよび工程Cの後に、積層体中のポリビニルアルコール系樹脂層上に直接、重合性基を有するシリコーン化合物、並びに、重合性基およびポリビニルアルコール系樹脂層と結合形成可能な基を有する化合物を含むシリコーン系組成物を塗布して、重合硬化させることにより偏光子保護フィルムを作製する工程Dとを備える、偏光板の製造方法。
本発明によれば、機械的特性に優れると共に、液晶表示装置に含まれた際に表示ムラの発生を抑制し得る偏光板およびその製造方法を提供することができる。
本発明の偏光板の一の実施形態の断面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
上述したように、特許文献1に記載のシリコーン樹脂を用いて形成される偏光子保護フィルムを含む偏光板を液晶表示装置に組み込み、高温高湿環境下に曝すと、偏光板中の偏光子と偏光子保護フィルムとの間が剥離し、結果として表示ムラを生じさせる。そこで、本発明では、重合性基を有するシリコーン化合物(以後、単に「シリコーン化合物」とも称する)、並びに、重合性基および偏光子と結合形成可能な基を有する化合物(以後、「化合物X」とも称する)を併用することにより、偏光板の機械的強度を保持しつつ、液晶表示装置の表示ムラを抑制できることを見出している。
本発明において、所望の効果が得られるメカニズムは、以下のように推測される。本発明では、まず、偏光子上に直接上記シリコーン化合物および化合物Xを含むシリコーン系組成物を塗布することにより、化合物Xが塗布層と偏光子の界面に偏在して、化合物Xが偏光子表面と結合を形成し得る。次に、塗布された組成物(塗布層)を重合硬化させることにより、シリコーン化合物中の重合性基と、偏光子と結合している化合物X中の重合性基とが反応する。つまり、化合物Xが偏光子と偏光子保護フィルム中のシリコーン化合物の両方に結合し、両者の接着性を高める役割を果たす。
以下に、本発明の偏光板の一実施形態について図面を参照して説明する。図1に、本発明の偏光板の一実施形態の断面図を示す。なお、本発明における図は模式図であり、各層の厚みの関係や位置関係などは必ずしも実際のものとは一致しない。以下の図も同様である。
偏光板10は、偏光子12と、偏光子保護フィルム14とを備える。図1に示すように、偏光子保護フィルム14は、上記偏光子12表面上に配置されている。
以下、偏光板中の各部材(偏光子、偏光子保護フィルム)について詳述する。
<偏光子>
偏光子は、光を特定の直線偏光に変換する機能を有する部材であればよく、吸収型偏光子および反射型偏光子を利用することができる。
吸収型偏光子としては、ヨウ素系偏光子、二色性染料を利用した染料系偏光子、およびポリエン系偏光子などが用いられる。ヨウ素系偏光子および染料系偏光子には、塗布型偏光子と延伸型偏光子があり、いずれも適用できるが、ポリビニルアルコールにヨウ素または二色性染料を吸着させ、延伸して作製される偏光子が好ましい。
反射型偏光子としては、複屈折の異なる薄膜を積層した偏光子、ワイヤーグリッド型偏光子、選択反射域を有するコレステリック液晶と1/4波長板とを組み合わせた偏光子などが用いられる。
なかでも、後述する偏光子保護フィルムとの密着性がより優れる点で、ポリビニルアルコール系樹脂(特に、ポリビニルアルコールおよびエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる群から選択される少なくとも1つ)を含む偏光子であることが好ましい。
偏光子の厚みは特に制限されないが、取扱い性に優れると共に、光学特性にも優れる点より、0.1〜1000μmが好ましく、0.5〜100μmがより好ましく、1〜30μmが特に好ましい。
なお、後段において、該ポリビニルアルコール系樹脂を含む偏光子を含む偏光板の製造方法について詳述する。
<偏光子保護フィルム>
偏光子保護フィルムは、偏光子を保護して、偏光板に機械的強度を付与するフィルムである。なお、図1においては、偏光子保護フィルム14は、偏光子12の片面のみに配置されているが、両面に配置されていてもよい。
偏光子保護フィルムは、偏光子上に、直接、シリコーン系組成物を塗布して、重合硬化させることにより形成される。なお、シリコーン系組成物には、重合性基を有するシリコーン化合物、並びに、重合性基および偏光子と結合形成可能な基を有する化合物(化合物X)が含まれる。
以下では、まず、シリコーン系組成物に含まれる成分について詳述し、その後上記手順について詳述する。
(重合性基を有するシリコーン化合物)
重合性基を有するシリコーン化合物(以後、単に「シリコーン化合物」とも称する)は、偏光子上で重合硬化し得る化合物である。なお、シリコーン化合物は、1種のみを使用しても、2種以上を併用してもよい。例えば、後述する重合性基を有するかご型シルセスキオキサンと、重合性基を有する非かご型シルセスキオキサンとの混合物を使用してもよい。
シリコーン化合物中に含まれる重合性基の種類は特に制限されず、例えば、ラジカル重合性基、カチオン重合性基などが挙げられる。ラジカル重合性基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基などが挙げられる。カチオン重合性基としては、ビニルエーテル基、オキシラニル基、オキセタニル基などが挙げられる。なかでも、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、ビニル基、オキシラニル基またはオキセタニル基が好ましく、(メタ)アクリロイル基またスチリル基がさらに好ましく、(メタ)アクリロイル基が特に好ましい。
なお、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基およびメタアクリロイル基の両方を含む概念である。
シリコーン化合物中における重合性基の数は特に制限されず、1つでも、複数(2つ以上)であってもよい。
シリコーン化合物とは、シリコーン結合(Si−O結合)を含む化合物であり、その構造は特に制限されない。
(シリコーン化合物の好適態様(その1))
シリコーン化合物の好適態様としては、偏光板の機械的強度がより高い、および/または、液晶表示装置の表示ムラがより抑制される点(以下、単に「本発明の効果がより優れる点」とも称する)から、重合性基を有するポリオルガノシルセスキオキサンが挙げられる。なお、ポリオルガノシルセスキオキサンとは、基本構成単位がT単位であるポリシロキサンの総称である。
ポリオルガノシルセスキオキサンの種類は特に制限されず、例えば、ランダム型構造、ラダー型構造、または、カゴ型構造を有するポリオルガノシルセスキオキサンが挙げられる。
ポリオルガノシルセスキオキサンの好適態様の一つとしては、本発明の効果がより優れる点で、重合性基を有し、かご型構造を有するポリオルガノシルセスキオキサン(以後、かご型シルセスキオキサンとも称する)が挙げられる。
かご型シルセスキオキサンとしては、ケイ素原子全てに重合性基を有する、分子量分布および分子構造の制御された、かご型シルセスキオキサンであるのが好ましいが、重合性基の一部がアルキル基、フェニル基等に置き換わっていても差し支えない。また、完全に閉じた多面体構造ではなく、一部が開裂したような構造であってもよい。
((かご型シルセスキオキサンの好適態様(その1)))
かご型シルセスキオキサンとしては、式(1)[RSiO3/2n(但し、Rは(メタ)アクリロイル基、グリシジル基およびビニル基のうちのいずれか一つの基を有する有機官能基であり、nは8、10または12である)で表され、構造単位中にかご型構造を有するポリオルガノシルセスキオキサンが好ましく挙げられる。
有機官能基の好適態様としては、式(2)〜式(4)で表される基が挙げられる。
式(2)において、R10は、水素原子またはメチル基を示す。また、式(2)および(3)において、mは1〜3の整数を示す。
式(1)中のnが8、10または12であるかご型ポリオルガノシルセスキオキサンの具体的な構造としては、下記式(5)、(6)および(7)に示すかご型構造体が挙げられる。なお、下記式中のRは、式(1)におけるRと同じである。
上記シリコーン化合物(特に、かご型シルセスキオキサン)は、WO2004/085501A1等に記載の方法で製造可能である。
例えば、かご型シルセスキオキサンは、RSiX3で表されるケイ素化合物を極性溶媒および塩基性触媒存在下で加水分解反応させると共に一部縮合させ、得られた加水分解縮合生成物をさらに非極性溶媒および塩基性触媒存在下で再縮合させて得ることができる。
ここで、Rは上述した有機官能基であり、Xは加水分解性基を示すが、好ましくは、Rは式(2)で表される基である。好ましいRの具体例を示せば、3−メタクリロキシプロピル基、メタクリロキシメチル基、および3−アクリロキシプロピル基が例示される。
以下、該方法について詳述する。
加水分解性基Xは、加水分解性を有する基であれば特に限定されず、アルコキシ基、アセトキシ基、および塩素原子等が挙げられるが、アルコキシ基であることが好ましい。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−およびi−プロポキシ基、並びに、n−、i−およびt−ブトキシ基等が挙げられる。これらの中で、メトキシ基は反応性が高いため好ましい。
RSiX3で表されるケイ素化合物の中で好ましい化合物を示せば、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシラン、3−メタクリロキシプロピルトリクロロシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、および、3−アクリロキシプロピルトリクロロシランが挙げられる。中でも、原料の入手が容易である3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを用いることが好ましい。
加水分解反応に用いられる塩基性触媒としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウムなどのアルカリ金属水酸化物、または、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリエチルアンモニウムヒドロキシドなどの水酸化アンモニウム塩が例示される。これらの中でも、触媒活性が高い点から、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドが好ましく用いられる。塩基性触媒は、通常、水溶液として使用される。
加水分解反応条件については、反応温度は0〜60℃が好ましく、20〜40℃がより好ましい。反応温度が0℃以上であると、反応速度が速くなり、反応時間を短縮することができる。また、60℃以下であると、複雑な縮合反応が抑制され、結果として加水分解縮合生成物の高分子量化が抑制される。また、反応時間は2時間以上が好ましい。
加水分解反応は水の存在が必須であるが、これは塩基性触媒の水溶液から供給することもできるし、別途水として加えてもよい。水の量は加水分解性基を加水分解するに足る量以上、好ましくは理論量の1.0〜1.5倍量である。また、加水分解時には有機極性溶媒を用いることが好ましく、有機極性溶媒としてはメタノール、エタノール、2−プロパノールなどのアルコール類、または、他の有機極性溶媒を用いることができる。好ましくは、水と溶解性のある炭素数1〜6の低級アルコール類であり、2−プロパノールを用いることがより好ましい。有機極性溶媒を用いることにより、反応系が均一となり、加水分解反応が十分に進行しやすい。
加水分解反応終了後は、水または水含有反応溶媒を分離する。水または水含有反応溶媒の分離は、減圧蒸発等の手段が採用できる。水分やその他の不純物を十分に除去するためには、非極性溶媒を添加して加水分解反応生成物を溶解させ、この溶液を食塩水等で洗浄し、その後無水硫酸マグネシウム等の乾燥剤で乾燥させる等の手段が採用できる。非極性溶媒を、蒸発等の手段で分離すれば、加水分解反応生成物を回収することができるが、非極性溶媒が次の反応で使用する非極性溶媒として使用可能であれば、これを分離する必要はない。
加水分解反応では加水分解と共に、加水分解物の縮合反応が生じる。縮合反応が伴う加水分解での反応生成物は、通常、数平均分子量が1400〜5000の無色の粘性液体となる。この加水分解縮合生成物は、反応条件により異なるが数平均分子量が1400〜3000のオリゴマーとなり、加水分解性基Xの大部分、好ましくはほぼ全部がOH基に置換され、さらにそのOH基の大部分、好ましくは95%以上が縮合されている。加水分解縮合生成物の構造については、複数種のかご型、はしご型、ランダム型のシルセスキオキサンであり、かご型構造をとっている化合物についても完全なかご型構造の割合は少なく、かごの一部が開いている不完全なかご型の構造が主となっている。したがって、この加水分解で得られた加水分解縮合生成物を、さらに、塩基性触媒存在下、有機溶媒中で加熱することによりシロキサン結合を縮合(再縮合という)させることによりかご型構造のシルセスキオキサンを選択的に製造する。
水または水含有反応溶媒を分離したのち、非極性溶媒および塩基性触媒の存在下に再縮合反応を行う。再縮合反応の反応条件については、反応温度は100〜200℃の範囲が好ましく、さらには110〜140℃がより好ましい。上記反応温度の範囲内であれば、再縮合反応をさせるために十分なドライビングフォースが得られやすい。
反応時間は2〜12時間が好ましい。非極性溶媒の使用量は加水分解反応生成物を溶解するに足る量であることがよく、塩基性触媒の使用量は加水分解反応生成物に対し、0.1〜10質量%の範囲であることが好ましい。
非極性溶媒としては、水と溶解性の無いまたは殆どないものであればよいが、炭化水素系溶媒が好ましい。かかる、炭化水素系溶媒としてはトルエン、ベンゼン、キシレンなどの沸点の低い非極性溶媒がある。中でも、トルエンを用いることが好ましい。
塩基性触媒としては、加水分解反応に使用される塩基性触媒が使用でき、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウムなどのアルカリ金属水酸化物、または、テトラメルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリエチルアンモニウムヒドロキシドなどの水酸化アンモニウム塩が挙げられるが、テトラアルキルアンモニウム等の非極性溶媒に可溶性の触媒が好ましい。
また、再縮合に使用する加水分解縮合生成物は水洗、脱水し濃縮したものを用いるのが好ましいが、水洗、脱水を行わなくても使用できる。この反応の際、水は存在してもよいが、積極的に加える必要はなく、塩基性触媒溶液から持ち込まれる水分程度にとどめることがよい。なお、加水分解縮合生成物の加水分解が十分に行われていない場合は、残存する加水分解性基を加水分解するに必要な理論量以上の水分が必要であるが、通常は加水分解反応が十分に行われる。再縮合反応後は、触媒を水洗し取り除き濃縮し、シルセスキオキサン混合物が得られる。
このようにして得られるシルセスキオキサンは、反応条件や加水分解縮合生成物の状態により異なるが、構成成分は、複数種かご型シルセスキオキサンが全体の70%以上であり、残部は非かご型の縮合物である。複数種のかご型シルセスキオキサンの構成成分は式(5)で表されるT8が20〜40%、式(6)で表されるT10が40〜50%で、残部はその他の成分で、通常、式(7)で表されるT12である。T8はシロキサン混合物を20℃以下で放置することで針状の結晶として析出させ分離することができる。
本発明で使用するシリコーン化合物におけるかご型シルセスキオキサンは、T8、T10およびT12の混合物であってもよく、これらから1種または2種を分離または濃縮したものであってもよい。また、本発明で使用するシリコーン化合物は、上記製法で得られたシリコーン化合物に限定されるものではない。
(シリコーン化合物の好適態様(その2))
シリコーン化合物としては、式(8)で表されるかご型開裂シロキサンも好ましく挙げられる。
(R11SiO3/2n1−(R11(R122SiO1/2m1 式(8)
式中、R11は、メチル基、フェニル基、または、(メタ)アクリロイル基、グリシジル基およびビニル基から選ばれるいずれか一つの反応性基を有する有機官能基を表す。R12は、メチル基を表す。(n1+m1)個あるR11は互いに同じであっても異なっていてもよいが、少なくとも一つは上記有機官能基である。有機官能基としては、上記式(2)、(3)または(4)で表される有機官能基が好ましく挙げられる。
n1は8、10、12または14を示し、m1は0、2、4または6を示す。
上記式(8)で表されるかご型開裂シロキサンは、国際公開WO2008/099850公報に記載されているような方法で得ることができる。
また、式(8)で表されるかご型開裂シロキサンとしては、以下のような化合物が挙げられる。なお、以下式中、「R11」を「R1」と、「R12」を「R2」として表記する。
(重合性基、および、偏光子と結合形成可能な基を有する化合物)
重合性基および偏光子と結合形成可能な基を有する化合物(化合物X)は、上述したように、偏光子と偏光子保護フィルムとの密着性を高める機能を有する。
化合物Xは、重合性基を有する。重合性基の定義は、上述の通りである。重合性基の数は特に制限されず、1つでも、複数(2つ以上)でもよい。
化合物Xに含まれる偏光子と結合形成可能な基(以後、反応性基とも称する)とは、偏光子を構成している材料が有する基と相互作用して、偏光子に化学吸着可能な基を意味する。該反応性基としては、例えば、ボロン酸基、ボロン酸エステル基、オキシラニル基、オキセタニル基、水酸基、カルボキシル基、イソシアネート基、−SiX3(Xはハロゲン、アルコキシ基、または、アルキル基を表し、少なくとも一つはハロゲンもしくはアルコキシ基である)などが挙げられる。なかでも、偏光子にポリビニルアルコール系樹脂が含まれる場合、反応性基としては、上記例示基中のポリビニルアルコール系樹脂と結合形成可能な基(例えば、ボロン酸基、ボロン酸エステル基、イソシアネート基、−SiX3など)が好ましく、ボロン酸基がより好ましい。反応性基の数は特に制限されず、1つでも、複数(2つ以上)でもよい。
化合物Xの好適態様としては、本発明の効果がより優れる点で、式(A)で表される化合物が挙げられる。
式(A) (Z)n−X−Q
式(A)中、Zは、重合性基を有する置換基を表す。重合性基の定義は、上述の通りである。該重合性基を有する置換基の具体例としては、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、ビニルケトン基、ビニル基、ブタジエン基、ビニルエーテル基、オキシラニル基、アジリジニル基、または、オキセタニル基等を含む置換基が好ましく、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、ビニル基、オキシラニル基またはオキセタニル基を含む置換基がより好ましく、(メタ)アクリロイル基またはスチリル基を含む置換基がさらに好ましく、(メタ)アクリロイル基を含む置換基が特に好ましい。
なかでも、Zは、下記式(II)で表される基、または、オキシラニル基もしくはオキセタニル基を有する置換基であるのが好ましい。
式(II)中、R3は、水素原子またはメチル基であり、水素原子が好ましい。
1は、単結合、または、−O−、−CO−、−NH−、−CO−NH−、−COO−、−O−COO−、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロ環基(ヘテロアリール基)、および、それらの組み合わせから選ばれる2価の連結基であり、単結合、−CO−NH−、または−COO−が好ましく、単結合または−CO−NH−が最も好ましい。*は、結合位置を示す。
式(A)中、Qは、偏光子と結合形成可能な基である。該基の定義は、上述の通りである。
式(A)中、Xはn+1価の連結基を表す。
nは1〜4の整数を表すが、1を表すことがより好ましい。
なお、nが1の場合、Xは2価の連結基を表し、例えば、−O−、−CO−、−NH−、−CO−NH−、−COO−、−O−COO−、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリール基、および、それらの組み合わせから選ばれる2価の連結基が好ましく、置換もしくは無置換のアリーレン基がより好ましい。
Xは好ましくは、−COO−アリーレン基−、−アリーレン基−、−CONH−アリーレン基−であり、より好ましくは−COO−アリーレン基−である。
式(A)で表される化合物は、少なくとも1個のホウ素原子を含んでいるのが好ましく、下記式(I)で表される化合物が好ましい。
式(I)中、R1およびR2はそれぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の、脂肪族炭化水素基、アリール基、またはヘテロアリール基を表す。
また、R1とR2は、アルキレン基、アリーレン基、またはこれらの組み合わせからなる連結基を介して互いに連結してもよい。
なお、式(I)中、ZおよびXの定義は、上述の通りである。
式(I)中、R1およびR2がそれぞれ表す置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基には、置換もしくは無置換のアルキル基、アルケニル基およびアルキニル基が含まれる。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1‐アダマンチル基、2−ノルボルニル基等の直鎖状、分枝状、または環状のアルキル基が挙げられる。
アルケニル基の具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−シクロペンテニル基、1−シクロヘキセニル基等の直鎖状、分枝状、または環状のアルケニル基が挙げられる。
アルキニル基の具体例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、1−オクチニル基等が挙げられる。
アリール基の具体例としては、1個から4個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と不飽和五員環とが縮合環を形成したものを挙げることができ、具体例としてはフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナブテニル基、フルオレニル基、ピレニル基等が挙げられる。
なお、R1、R2およびX1は、可能な場合はさらに1個以上の置換基によって置換されていてもよい。置換基の種類は特に制限されず、特開2006−309120号公報の段落0054で例示される置換基群Yなどが挙げられる。
以下に、化合物Xの具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
(その他の成分)
上記シリコーン系組成物には、上記シリコーン化合物および化合物X以外の他の成分が含まれていてもよい。
例えば、シリコーン系組成物には、上記シリコーン化合物とラジカル共重合が可能な不飽和化合物が含まれていることが好ましい。該不飽和化合物としては、偏光子保護フィルムがより低吸水性となる点から、脂環式不飽和化合物を含むことが好ましい。
不飽和化合物としては、式(9)で表される化合物が挙げられる。式中、Zは(9a)または(9b)で表される何れかの基を示し、R’は水素またはメチル基を示す。
一方、不飽和化合物中における、脂環式不飽和化合物以外の残部の非脂環式不飽和化合物としては、鎖式不飽和化合物や芳香族不飽和化合物が好ましく挙げられる。
式(9)で表される脂環式不飽和化合物において、Zが式(9a)で表される基である場合の具体的な化合物としては、Rが水素であるペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカンジメチロールジアクリレートがあり、Zが式(9b)で表される基である場合の具体的な化合物としては、Rが水素であるジシクロペンタニルジアクリレート、または、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメチロールジアクリレートがある。
本発明においては、より耐久性のよい偏光子保護フィルムを得る目的から、上記の脂環式不飽和化合物、好ましくは式(9)で表される脂環式不飽和化合物を多く含むのが好ましく、不飽和化合物の全量に対して、該脂環式不飽和化合物が、少なくとも50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上であることが好ましい。場合により、該不飽和化合物の全量が該脂環式不飽和化合物であるとき最も好ましい。
シリコーン系組成物には、重合開始剤が含まれていてもよい。このような重合開始剤としては、光重合開始剤、熱重合開始剤であればよく、市販されているものを適宜選択して使用することができる。
光重合開始剤としては、例えば、アルキンフェノン系、アシルフォスフィンオキサイド系、チタノセン系等が挙げられる。熱重合開始剤としては、例えば、ケトンパーオキサイド系、パーオキシケタール系、ハイドロパーオキサイド系、ジアルキルパーオキサイド系、ジアシルパーオキサイド系、パーオキシジカーボネート系、パーオキシエステル系等が挙げられる。
シリコーン系組成物には、必要に応じて、溶媒が含まれていてもよい。溶媒としては、水や有機溶媒が挙げられる。
上記シリコーン系組成物には、その特性を損なわない範囲で上記以外の各種添加剤を添加することができる。各種添加剤としては、酸化防止剤、光安定剤、有機/無機フィラー、可塑剤、難燃剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、離型剤、発泡剤、核剤、着色剤、架橋剤、分散助剤、レベリング剤、および、樹脂成分等を例示することができる。
<シリコーン系組成物>
シリコーン系組成物には、上述したシリコーン化合物や化合物Xが含まれる。
シリコーン系組成物中におけるシリコーン化合物の含有率は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、組成物全量に対して、5〜50質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましく、20〜40質量%がさらに好ましい。
また、シリコーン系組成物中における化合物Xの含有率は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、組成物全量に対して、0.1〜10質量%が好ましく、0.1〜2質量%がより好ましく、0.5〜2質量%がさらに好ましい。
さらに、シリコーン系組成物中におけるシリコーン化合物と化合物Xとの質量比(化合物Xの質量/シリコーン化合物の質量)は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、0.01〜0.10が好ましく、0.02〜0.05がより好ましい。化合物Xは、偏光子と偏光子保護フィルムの界面に偏在して機能を発現する為、ごく微量の添加で効果を発現できる。
なお、該シリコーン系組成物中の上述したシリコーン化合物および化合物Xの含有量は、形成される偏光子保護フィルムの透湿度が200g/m・day以下で、硬度が2H以上となるように調整されることが好ましい。
<偏光板の製造方法>
上述した偏光子および偏光子保護フィルムを有する偏光板は、上述した偏光子上に直接、上記シリコーン系組成物を塗布して、重合硬化させることにより製造することができる。
シリコーン系組成物の塗布の方法は特に制限されず、公知の塗布方法を採用し得る。例えば、グラビアコート、ロールコート、リバースコート、ナイフコート、ダイコート、リップコート、ドクターコート、エクストルージョンコート、スライドコート、ワイヤーバーコート、カーテンコート、押出コート、スピナーコート等の公知の塗布方法を採用することができる。
シリコーン系組成物を塗布した後、必要に応じて、溶媒を除去するために、該組成物の塗布層に対して乾燥処理を施してしてもよい。乾燥処理の方法は特に制限されず、風乾処理や、加熱処理などが挙げられる。
上記塗布により得られた組成物の塗布層を重合硬化させる方法は特に制限されず、加熱処理または光照射処理などが挙げられる。
加熱処理の条件は使用される材料により異なるが、反応効率がより優れる点で、40〜120℃(好ましくは50〜80℃)で0.5分〜10分(好ましくは1分〜5分)処理することが好ましい。
光照射処理の条件は特に制限されず、紫外線を発生させて照射して光硬化させるという紫外線照射法が好ましい。このような方法に用いる紫外線ランプとして、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、パルス型キセノンランプ、キセノン/水銀混合ランプ、低圧殺菌ランプ、無電極ランプが挙げられる。これらの紫外線ランプの中でも、メタルハライドランプまたは高圧水銀ランプを用いることが好ましい。
また、照射条件はそれぞれのランプの条件によって異なるが、照射露光量は20〜10000mJ/cm2の範囲であればよく、100〜10000mJ/cm2での範囲であることが好ましい。
上記処理により得られる偏光子保護フィルムの平均厚みは特に制限されず、取扱い性の点などから、1〜1000μmが好ましく、1〜300μmがより好ましく、5〜100μmが特に好ましい。
また、偏光子保護フィルムは、光学的に等方性であることが好ましい。光学的に等方性とは、波長550nmで測定した偏光子保護フィルムの面内レタデーションであるRe(550)は、下記式(1)を満たすことが好ましい。
式(1) −10nm≦Re(550)≦10nm
なお、面内レタデーションの測定方法は、Axometrics社のAxoscan(ポラリメーター)装置を用い同社の解析ソフトウエアを用いて測定する。
<偏光板の製造方法の好適態様>
偏光板の製造方法の好適態様としては、生産性により優れ、得られる偏光板の特性がより優れる点で、以下の工程A〜工程Dを含む製造方法が好ましい。
工程A:熱可塑性樹脂基材上にポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層体を作製する工程
工程B:積層体中のポリビニルアルコール系樹脂層をヨウ素で染色する工程
工程C:積層体を延伸する工程
工程D:工程Bおよび工程Cの後に、積層体中のポリビニルアルコール系樹脂層上に直接、重合性基を有するシリコーン化合物、並びに、重合性基およびポリビニルアルコール系樹脂層と結合形成可能な基を有する化合物を含むシリコーン系組成物を塗布して、重合硬化させることにより偏光子保護フィルムを作製する工程
以後、工程A〜工程Dについて詳述する。
(工程A)
工程Aは、熱可塑性樹脂基材上にポリビニルアルコール系樹脂層(以後、PVA系樹脂層とも称する)を形成して積層体を作製する工程である。
以下では、工程Aで使用される材料について詳述した後、その手順について詳述する。
熱可塑性樹脂基材の構成材料は、任意の適切な材料を採用し得る。熱可塑性樹脂基材の構成材料としては、非晶質の(結晶化していない)ポリエチレンテレフタレート系樹脂が好ましく用いられる。中でも、非晶性の(結晶化しにくい)ポリエチレンテレフタレート系樹脂が特に好ましく用いられる。
非晶性のポリエチレンテレフタレート系樹脂の具体例としては、ジカルボン酸としてイソフタル酸をさらに含む共重合体や、グリコールとしてシクロヘキサンジメタノールをさらに含む共重合体が挙げられる。
後述する工程Cにおいて水中延伸方式を採用する場合、上記熱可塑性樹脂基材は水を吸収し、水が可塑剤的な働きをして可塑化し得る。その結果、延伸応力を大幅に低下させることができ、高倍率に延伸することが可能となり、空中延伸時よりも熱可塑性樹脂基材の延伸性が優れ得る。その結果、優れた光学特性を有する偏光子を作製することができる。1つの実施形態においては、熱可塑性樹脂基材は、好ましくは、その吸水率が0.2%以上であり、さらに好ましくは0.3%以上である。一方、熱可塑性樹脂基材の吸水率は、好ましくは3.0%以下、さらに好ましくは1.0%以下である。このような熱可塑性樹脂基材を用いることにより、製造時に熱可塑性樹脂基材の寸法安定性が著しく低下して、得られる偏光子の外観が悪化するなどの不具合を防止することができる。また、水中延伸時に基材が破断したり、熱可塑性樹脂基材からPVA系樹脂層が剥離したりするのを防止することができる。なお、熱可塑性樹脂基材の吸水率は、例えば、構成材料に変性基を導入することにより調整することができる。吸水率は、JIS K 7209に準じて求められる値である。
熱可塑性樹脂基材のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは170℃以下である。このような熱可塑性樹脂基材を用いることにより、PVA系樹脂層の結晶化を抑制しながら、積層体の延伸性を十分に確保することができる。さらに、水による熱可塑性樹脂基材の可塑化と、水中延伸を良好に行うことを考慮すると、120℃以下であることがより好ましい。1つの実施形態においては、熱可塑性樹脂基材のガラス転移温度は、好ましくは60℃以上である。このような熱可塑性樹脂基材を用いることにより、PVA系樹脂を含む塗布液を塗布・乾燥する際に、熱可塑性樹脂基材が変形(例えば、凹凸やタルミ、シワ等の発生)するなどの不具合を防止して、良好に積層体を作製することができる。また、PVA系樹脂層の延伸を、好適な温度(例えば、60℃程度)にて良好に行うことができる。別の実施形態においては、PVA系樹脂を含む塗布液を塗布・乾燥する際に、熱可塑性樹脂基材が変形しなければ、60℃より低いガラス転移温度であってもよい。なお、熱可塑性樹脂基材のガラス転移温度は、例えば、構成材料に変性基を導入する、結晶化材料を用いて加熱することにより調整することができる。ガラス転移温度(Tg)は、JIS K 7121に準じて求められる値である。
熱可塑性樹脂基材の延伸前の厚みは、好ましくは20〜300μm、より好ましくは50〜200μmである。上記範囲内であれば、PVA系樹脂層の形成がより容易で、工程Cでの延伸を容易に実施することもできる。
上記PVA系樹脂は、任意の適切な樹脂を採用し得る。例えば、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体が挙げられる。ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルをケン化することにより得られる。エチレン−ビニルアルコール共重合体は、エチレン−酢酸ビニル共重合体をケン化することにより得られる。PVA系樹脂のケン化度は、通常85モル%〜100モル%であり、好ましくは95.0モル%〜99.95モル%、さらに好ましくは99.0モル%〜99.93モル%である。ケン化度は、JIS K 6726−1994に準じて求めることができる。このようなケン化度のPVA系樹脂を用いることによって、耐久性に優れた偏光子が得られ得る。ケン化度が高すぎる場合には、ゲル化してしまうおそれがある。
PVA系樹脂の平均重合度は、目的に応じて適切に選択し得る。平均重合度は、通常1000〜10000であり、好ましくは1200〜4500、さらに好ましくは1500〜4300である。なお、平均重合度は、JIS K 6726−1994に準じて求めることができる。
PVA系樹脂層形成用の塗布液は、代表的には、上記PVA系樹脂を溶媒に溶解させた溶液である。溶媒としては、例えば、水、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドN−メチルピロリドン、各種グリコール類、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等のアミン類が挙げられる。これらは単独で、または、2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、好ましくは、水である。
溶液のPVA系樹脂濃度は、溶媒100質量部に対して、好ましくは3〜20質量部である。このような樹脂濃度であれば、熱可塑性樹脂基材に密着した均一な塗布膜を形成することができる。
塗布液に、添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、界面活性剤等が挙げられる。可塑剤としては、例えば、エチレングリコールやグリセリン等の多価アルコールが挙げられる。界面活性剤としては、例えば、非イオン界面活性剤が挙げられる。これらは、得られるPVA系樹脂層の均一性や染色性、延伸性をより一層向上させる目的で使用され得る。
塗布液の塗布方法としては、任意の適切な方法を採用することができる。例えば、ロールコート法、スピンコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、ダイコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ナイフコート法(コンマコート法等)等が挙げられる。
上記塗布液の塗布・乾燥温度は、好ましくは50℃以上である。
PVA系樹脂層の延伸前の厚みは、好ましくは3〜40μm、さらに好ましくは3〜20μmである。
PVA系樹脂層を形成する前に、熱可塑性樹脂基材に表面処理(例えば、コロナ処理等)を施してもよいし、熱可塑性樹脂基材上に易接着層を形成してもよい。このような処理を行うことにより、熱可塑性樹脂基材とPVA系樹脂層との密着性を向上させることができる。
(工程B)
工程Bは、積層体中のポリビニルアルコール系樹脂層をヨウ素で染色する工程である。
具体的には、PVA系樹脂層にヨウ素を吸着させることにより行う。当該吸着方法としては、例えば、ヨウ素を含む染色液にPVA系樹脂層(積層体)を浸漬させる方法、PVA系樹脂層に当該染色液を塗工する方法、当該染色液をPVA系樹脂層に噴霧する方法等が挙げられる。好ましくは、染色液に積層体を浸漬させる方法である。ヨウ素が良好に吸着し得るからである。
上記染色液は、好ましくは、ヨウ素水溶液である。ヨウ素の配合量は、水100質量部に対して、好ましくは0.1〜0.5質量部である。ヨウ素の水に対する溶解度を高めるため、ヨウ素水溶液にヨウ化物を配合することが好ましい。ヨウ化物としては、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタン等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、ヨウ化カリウムである。ヨウ化物の配合量は、水100質量部に対して、好ましくは0.02〜20質量部、より好ましくは0.1〜10質量部である。
染色液の染色時の液温は、PVA系樹脂の溶解を抑制するため、好ましくは20〜50℃である。
染色液にPVA系樹脂層を浸漬させる場合、浸漬時間は、PVA系樹脂層の透過率を確保するため、好ましくは5秒〜5分である。また、染色条件(濃度、液温、浸漬時間)は、最終的に得られる偏光子の偏光度もしくは単体透過率が所定の範囲となるように、設定することができる。1つの実施形態においては、得られる偏光子の偏光度が99.98%以上となるように、浸漬時間を設定する。別の実施形態においては、得られる偏光子の単体透過率が40%〜44%となるように、浸漬時間を設定する。
工程Bは、後述の工程Cの前に行ってもよいし、工程Cの後に行ってもよい。後述するが、工程Cにおいて水中延伸方式を採用する場合、好ましくは、工程Bは工程Cの前に行う。
(工程C)
工程Cは、積層体を延伸する工程である。
積層体の延伸方法は、任意の適切な方法を採用することができる。具体的には、固定端延伸でもよいし、自由端延伸(例えば、周速の異なるロール間に積層体を通して一軸延伸する方法)でもよい。積層体の延伸は、一段階で行ってもよいし、多段階で行ってもよい。多段階で行う場合、後述の積層体の延伸倍率(最大延伸倍率)は、各段階の延伸倍率の積である。
延伸方式は、特に限定されず、空中延伸方式でもよいし、水中延伸方式でもよい。好ましくは、水中延伸方式である。水中延伸方式によれば、上記熱可塑性樹脂基材やPVA系樹脂層のガラス転移温度(代表的には、80℃程度)よりも低い温度で延伸し得、PVA系樹脂層を、その結晶化を抑えながら、高倍率に延伸することができる。その結果、優れた光学特性を有する偏光子を作製することができる。
積層体の延伸温度は、熱可塑性樹脂基材の形成材料、延伸方式等に応じて、任意の適切な値に設定することができる。空中延伸方式を採用する場合、延伸温度は、好ましくは熱可塑性樹脂基材のガラス転移温度(Tg)以上であり、さらに好ましくは熱可塑性樹脂基材のガラス転移温度(Tg)+10℃以上、特に好ましくはTg+15℃以上である。一方、積層体の延伸温度は、好ましくは170℃以下である。このような温度で延伸することで、PVA系樹脂の結晶化が急速に進むのを抑制して、当該結晶化による不具合(例えば、延伸によるPVA系樹脂層の配向を妨げる)を抑制することができる。
延伸方式として水中延伸方式を採用する場合、延伸浴の液温は、好ましくは40〜85℃、より好ましくは50〜85℃である。このような温度であれば、PVA系樹脂層の溶解を抑制しながら高倍率に延伸することができる。具体的には、上述のように、熱可塑性樹脂基材のガラス転移温度(Tg)は、PVA系樹脂層の形成との関係で、好ましくは60℃以上である。
水中延伸方式を採用する場合、積層体をホウ酸水溶液中に浸漬させて延伸することが好ましい(ホウ酸水中延伸)。延伸浴としてホウ酸水溶液を用いることで、PVA系樹脂層に、延伸時にかかる張力に耐える剛性と、水に溶解しない耐水性とを付与することができる。具体的には、ホウ酸は、水溶液中でテトラヒドロキシホウ酸アニオンを生成してPVA系樹脂と水素結合により架橋し得る。その結果、PVA系樹脂層に剛性と耐水性とを付与して、良好に延伸することができ、優れた光学特性を有する偏光子を作製することができる。
上記ホウ酸水溶液は、好ましくは、溶媒である水にホウ酸および/またはホウ酸塩を溶解させることにより得られる。ホウ酸濃度は、水100質量部に対して、好ましくは1〜10質量部である。ホウ酸濃度を1質量部以上とすることにより、PVA系樹脂層の溶解を効果的に抑制することができ、より高特性の偏光子を作製することができる。なお、ホウ酸またはホウ酸塩以外に、ホウ砂等のホウ素化合物、グリオキザール、グルタルアルデヒド等を溶媒に溶解して得られた水溶液も用いることができる。
好ましくは、上記延伸浴(ホウ酸水溶液)にヨウ化物を配合する。ヨウ化物を配合することにより、PVA系樹脂層に吸着させたヨウ素の溶出を抑制することができる。ヨウ化物の具体例は、上述のとおりである。ヨウ化物の濃度は、水100質量部に対して、好ましくは0.05〜15質量部、より好ましくは0.5〜8質量部である。
積層体の延伸浴への浸漬時間は、好ましくは15秒〜5分である。
積層体の延伸倍率(最大延伸倍率)は、積層体の元長に対して、好ましくは5.0倍以上である。このような高い延伸倍率は、例えば、水中延伸方式(ホウ酸水中延伸)を採用することにより、達成し得る。なお、本明細書において「最大延伸倍率」とは、積層体が破断する直前の延伸倍率をいい、別途、積層体が破断する延伸倍率を確認し、その値よりも0.2低い値をいう。
(工程D)
工程Dは、工程Bおよび工程Cの後に、積層体中のポリビニルアルコール系樹脂層上に直接、重合性基を有するシリコーン化合物、並びに、重合性基およびポリビニルアルコール系樹脂層と結合形成可能な基を有する化合物を含むシリコーン系組成物を塗布して、重合硬化させることにより偏光子保護フィルムを作製する工程である。
工程Dの手順は、上述した方法で実施することができる。
本発明の偏光板の製造方法の好適態様の一つは、上記工程A、工程B、工程Cおよび工程D以外に、その他の工程を含み得る。その他の工程としては、例えば、特開2012−256018号公報の段落0046〜0054に記載の不溶化工程、架橋工程、上記工程Cとは別の延伸工程、洗浄工程、乾燥工程等が挙げられる。その他の工程は、任意の適切なタイミングで行い得る。
例えば、上記不溶化工程は、代表的には、ホウ酸水溶液にPVA系樹脂層を浸漬させることにより行うことができる。また、上記架橋工程は、代表的には、ホウ酸水溶液にPVA系樹脂層を浸漬させることにより行うことができる。また、好ましくは、架橋工程は上記工程Cの前に行う。好ましい実施形態においては、工程B、架橋工程および工程Cをこの順で行う。また、上記工程Cとは別の延伸工程としては、例えば、上記積層体を高温(例えば、95℃以上)で空中延伸する工程が挙げられる。さらに、洗浄工程は、代表的には、ヨウ化カリウム水溶液にPVA系樹脂層を浸漬させることにより行うことができる。
<偏光板およびその用途>
上述したように、本発明の偏光板は、偏光子と、偏光子保護フィルムとを少なくとも有する。なお、本発明の効果を損なわない範囲で、他の層を含んでいてもよい。例えば、偏光子の偏光子保護フィルムとは反対側の表面上に、支持体が配置されていてもよい。該支持体としては、上述した熱可塑性樹脂基材を延伸して得られる支持体が挙げられる。
本発明の偏光板を、画像表示装置の光通路内、例えば液晶表示装置の少なくとも液晶セルの片側等に配置することで、本発明の画像表示装置、例えば液晶表示装置を得ることができる。液晶表示装置は用いる液晶セルの種類によって種々のモードがあるが、何れの場合にも本発明の偏光板を使用できる。例えば、VA(ヴァーティカリーアラインメント)型、IPS(インプレーンスイッチング)型、OCB(オプティカリーコンペンセイテッドベンド)型、TN(ツイステッドネマティック)型、STN(スーパーツイステッドネマティック)型など種々のモードの液晶表示装置に、本発明の偏光板を使用することができる。
なお、本発明の偏光板と液晶セルとの間に、視野角特性やコントラストを改善するための位相差フィルムを挿入してもよい。位相差フィルムは用いる液晶セルの種類によって異なるが、VA型の場合にはnegative−C−plateやA−plateとnegative−C−plate等を用い、IPSの場合にはbiaxial−plateやpossitive−C−plate等を用い、TN型にはハイブリッド配向したディスコティック液晶を固定化したフィルム等を用い、STN型にはbiaxial−plate等が挙げられる。
また、本発明の偏光板は液晶プロジェクターに好適に用いることができる。その場合には、通常、赤、緑および青のそれぞれの光源に対してスイッチングを行う液晶セル用のカラー偏光板として使用される。
以下に実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
[偏光板101の作製]
(偏光子001の作製)
平均重合度4000、ケン化度99.8%のポリビニルアルコールフイルムを40℃の温水中で約6倍に延伸した。これを、ヨウ素0.5g/l、ヨウ化カリウム50g/lの水溶液中に30℃にて1分間浸漬した。次いでホウ酸100g/l、ヨウ化カリウム60g/lの水溶液中に70℃にて5分間浸漬した。さらに、水洗槽で20℃、10秒間水洗して、80℃で5分間乾燥してヨウ素系偏光子を得た。偏光子は、幅1330mm、厚みは15μmであった。このようにして作製した偏光子を偏光子001とした。
(偏光子保護フィルム001の作製)
まず、下記に示す成分を含むシリコーン系組成物1を調製した。
A−DCP(100%) 80.0g
かご型シルセスキオキサンS−1 40.0g
偏光子と結合が可能なボロン酸化合物A−1 1.0g
イルガキュア907(100%) 3.0g
レベリング剤SP−13 0.04g
MEK 81.8g
使用した材料を以下に示す。
・A−DCP:トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート[新中村化学工業(株)製]
・ボロン酸化合物A−1(以下、化合物)
・イルガキュア907:重合開始剤[チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製]
・レベリング剤SP−13(以下、化合物)
かご型シルセスキオキサンS−1としては、特開2010−96848号公報の実施例1記載の混合物を使用した。
より具体的には、まず、撹拌機、滴下ロート、温度計を備えた反応容器に、溶媒として2−プロパノール(IPA)40mlと塩基性触媒として5%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH水溶液)を装入した。滴下ロートにIPA15mlと3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MTMS:東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製SZ−6300)12.69gを入れ、反応容器を撹拌しながら、室温でMTMSのIPA溶液を30分かけて滴下した。MTMS滴下終了後、加熱することなく2時間撹拌した。2時間撹拌後溶媒を減圧下で溶媒を除去し、トルエン50mlで溶解した。反応溶液を飽和食塩水で中性になるまで水洗した後、無水硫酸マグネシウムで脱水した。無水硫酸マグネシウムをろ別し、濃縮することで加水分解縮合生成物(シルセスキオキサン)を8.6g得た。このシルセスキオキサンは種々の有機溶媒に可溶な無色の粘性液体であった。
次に、撹拌機、ディンスターク、冷却管を備えた反応容器に上記で得られたシルセスキオキサン20.65gとトルエン82mlと10%TMAH水溶液3.0gを入れ、徐々に加熱し水を留去した。さらに130℃まで加熱しトルエンを還流温度で再縮合反応を行った。このときの反応溶液の温度は108℃であった。トルエン還流後2時間撹拌した後、反応を終了とした。反応溶液を飽和食塩水で中性になるまで水洗した後、無水硫酸マグネシウムで脱水した。無水硫酸マグネシウムをろ別し、濃縮することで目的物であるかご型シルセスキオキサン(混合物)を18.77g得た。得られたかご型シルセスキオキサンは種々の有機溶媒に可溶な無色の粘性液体であった。
再縮合反応後の反応物の液体クロマトグラフィー分離後の質量分析を行ったところ上記構造式(5)、(6)および(7)の分子構造にアンモニウムイオンが付いた分子イオンが確認され、構成比率はT8:T10:T12およびその他が約2:4:1:3であり、かご型構造を主たる成分とする混合物であることが確認できた。
次に、シリコーン系組成物1をヨウ素系偏光子の両方の面に、塗布、乾燥した。60℃で1分間加熱した後、窒素パージ下酸素濃度約0.1%で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm、照射量1000mJ/cmの紫外線を照射して塗布層を硬化させ、偏光子保護フィルムを作製した。なお、偏光子保護フィルムの膜厚は、80μmになるよう塗布量を調整した。これを偏光子保護フィルム001とした。
偏光子保護フィルム001の面内レタデーションをAxometrics社のAxoscan(ポラリメーター)装置で測定した。面内レタデーション(Re)は0.5nmであった。
偏光子001の両面に偏光子保護フィルム001を直接作製したものを偏光板101とした。
[液晶表示装置201の作製]
VAモードの液晶TV(39E61HR、SKYWORTH社製)の表裏の偏光板を剥がして、液晶セルとして用いた。
液晶TVの視認側とバックライト側に偏光板101を、吸収軸が互いに直交するように貼り合わせた。このようにして液晶表示装置201を作製した。
[実施例2〜7]
[液晶表示装置202〜207の作製]
偏光子保護フィルム001の作製において、かご型シルセスキオキサンと偏光子と結合が可能な化合物を表1に記載のようにした以外は、実施例1と同様にして、偏光子保護フィルム002〜007、偏光板102〜107、液晶表示装置202〜207を作製した。
[比較例1〜3]
[液晶表示装置208〜210の作製]
偏光子保護フィルム001の作製において、かご型シルセスキオキサンと偏光子と結合が可能な化合物を表1に記載のようにした以外は、実施例1と同様にして、偏光子保護フィルム008〜010、偏光板108〜110、液晶表示装置208〜210を作製した。
[フィルムの評価]
作製した各実施例および比較例のフィルムについて、下記の物性測定と評価を行った。結果は表1に示す。
(1)鉛筆硬度
各実施例および比較例の偏光板の鉛筆硬度は、500g荷重条件の鉛筆硬度試験(JIS5600−5−4準拠)で測定した。
(2)密着性
密着性は、各実施例および比較例の偏光板を湿熱条件85℃85%RH下に100時間放置し、偏光子保護フィルムの剥がれの程度を目視で観測し、以下の基準により4段階で評価した。実用上、A〜Cであることが好ましい。
A:剥がれは観測されなかった。
B:偏光子保護フィルムの1/8以下の面積で僅かな剥がれが観測された。
C:偏光子保護フィルムの1/8を超えて1/2以下の面積で剥がれが観測された。
D:偏光子保護フィルムの1/2超の面積で剥がれが観測された。
[液晶表示装置の評価]
作製した各実施例および比較例の液晶表示装置について、下記の評価を行った。結果は表1に示す。
(高温高湿環境経時後の黒表示ムラ)
液晶表示装置を60℃、相対湿度90%で24時間経過させた後、25℃、相対湿度60%の環境下で24時間調湿した後で点灯をさせ、黒表示時の色ムラの程度を目視で観測し、以下の基準により4段階で評価した。
4段階評価のうちA〜Cが許容範囲内で、Dは許容範囲外であった。
A:色ムラは観測されなかった。
B:表示面の1/8以下の面積で弱い色ムラが観測された。
C:表示面の1/8を超えて1/2以下の面積で弱い色ムラが観測された。
D:表示面の1/2を超える面積で強い色ムラが観測された。
使用した材料を以下に示す。
・かご型シルセスキオキサンS−2:特開2012−218322号公報の実施例1に記載の(6)(以下、参照)
・かご型シルセスキオキサンS−3:特開2012−183818号公報の実施例1の構造式(4)に記載の化合物(以下、参照)
・かご型シルセスキオキサンS−4:特許第4142385号公報の合成例1に記載の混合物
該かご型シルセスキオキサンS−4は、以下の方法で製造した。
105gのフェニルトリクロロシラン(0.5モル)を500ccのベンゼンに溶解し、水で加水分解が完了するまで振とうする。加水分解生成物を水洗後、市販の30%ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキサイド溶液16.6cc(0.03モル)を加え、この混合物を4時間還流温度に加熱した。次いで全体を冷却し、約96時間放置した。この時間経過後、得られたスラリーを再び24時間還流温度に加熱し、次いで冷却し濾過した。かくして篭型オクタフェニルシルセスキオキサン約75gを得た。次に、反応容器中に上記の篭型オクタフェニルシルセスキオキサン8重量部と1,3−ビス(3−メタクリロキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン8重量部と、トルエン32重量部と、水酸化セシウム0.16重量部と、重合禁止剤(精工化学社製メトキノン)0.03重量部を仕込み、この混合物を還流温度にて強撹拌し7時間加熱した。仕込み時は篭型オクタフェニルシルセスキオキサンの白色粉末はトルエンに溶解しなかったが、反応が進むにつれ徐々に溶解し、7時間後にはすべて溶解した。この溶液を室温まで冷却し、不溶な未反応の水酸化セシウムを濾過により除去した後、メタノール500重量部に注ぎ込み、末端にメタクリロイル基を有したシリル化ポリフェニルシルセスキオキサンを沈殿せしめた。沈殿生成物を濾別した後、真空乾燥して、白色固体の末端にメタクリロイル基を有した単一構造の篭型シリル化ポリフェニルシルセスキオキサン(シリコーン樹脂)14重量部を得た。
・ボロン酸化合物A−2:特開2006−309120号公報記載のI−92)
・ボロン酸化合物A−3:特開2006−309120号公報記載のI−86)
・イソシアネートA−4:特開2006−309120号公報記載のI−97)
表1に示すように、各実施例の偏光板は機械的特性(硬度)に優れると共に、該偏光板を含む液晶表示装置においては表示ムラの発生が抑制されていた。
なかでも、実施例1〜3、5、および7から分かるように、化合物Xとして、ラジカル重合性基((メタ)アクリロイル基、スチリル基)を有し、かつ、ボロン酸基を有する化合物を使用した場合、より表示ムラの発生が抑制されることが確認された。
一方、所定のシリコーン化合物が使用されていない比較例1、並びに、化合物Xが使用されていない比較例2および3においては、所望の効果が得られなかった。
[実施例8]
[偏光板111の作製]
(偏光子011の作製)
熱可塑性樹脂基材として、吸水率0.60%、Tg80℃の非晶質ポリエチレンテレフタレート(A−PET)フィルム(三菱化学社製、商品名「ノバクリア」、厚み:100μm)を用いた。熱可塑性樹脂基材の片面に、重合度2600、ケン化度99.9%のポリビニルアルコール(PVA)樹脂(日本合成化学工業社製、商品名「ゴーセノール(登録商標)NH−26」)の水溶液を60℃で塗布および乾燥して、厚み7μmのPVA系樹脂層を形成し、積層体を作製した。
得られた積層体を、液温30℃の不溶化浴(水100質量部に対して、ホウ酸を4質量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(不溶化工程)。次いで、液温30℃の染色浴(水100質量部に対して、ヨウ素を0.2質量部配合し、ヨウ化カリウムを1.0質量部配合して得られたヨウ素水溶液)に60秒間浸漬させた。次いで、液温30℃の架橋浴(水100質量部に対して、ヨウ化カリウムを3質量部配合し、ホウ酸を3質量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(架橋工程)。その後、積層体を、液温60℃のホウ酸水溶液(水100質量部に対して、ホウ酸を4質量部配合し、ヨウ化カリウムを5質量部配合して得られた水溶液)に浸漬させながら、周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に一軸延伸を行った。ホウ酸水溶液への浸漬時間は120秒であり、積層体が破断する直前まで延伸した(最大延伸倍率は5.0倍)。その後、積層体を洗浄浴(水100質量部に対して、ヨウ化カリウムを3質量部配合して得られた水溶液)に浸漬させた後、60℃の温風で乾燥させ(洗浄・乾燥工程)、偏光子011を作製した。
(偏光子保護フィルム011の作製)
続いて、積層体のPVA系樹脂層表面に、実施例1で調製したシリコーン系組成物1を塗布、乾燥し、60℃で1分間加熱した後、窒素パージ下酸素濃度約0.1%で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量1000mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、膜厚80μmの偏光子保護フィルム011を作製した。
偏光子保護フィルム011の面内レタデーションをAxometrics社のAxoscan(ポラリメーター)装置で測定した。面内レタデーション(Re)は0.5nmであった。
このようにして作製した、厚み123μmの偏光板の透湿度は50g/m2・day、硬度は4H、密着評価はAであった。なお、このときの熱可塑性樹脂基材の厚みは40μmであり、透湿度は25g/m2・dayである。
10 偏光板
12 偏光子
14 偏光子保護フィルム

Claims (9)

  1. 偏光子と、前記偏光子上に直接、シリコーン系組成物を塗布して、重合硬化させることにより形成される偏光子保護フィルムとを備え、
    前記シリコーン系組成物が、重合性基を有するシリコーン化合物、並びに、重合性基および前記偏光子と結合形成可能な基を有する化合物を含有する、偏光板。
  2. 前記化合物が、式(A)で表される化合物である、請求項1に記載の偏光板。
    式(A) (Z)n−X−Q
    (式(A)中、Zは、重合性基を有する置換基を表す。nは、1〜4の整数を表す。Xは、n+1価の連結基を表す。Qは、偏光子と結合形成可能な基を表す。)
  3. 前記化合物が、式(I)で表される化合物である、請求項1または2に記載の偏光板。
    (式(I)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の、脂肪族炭化水素基、アリール基、または、ヘテロアリール基を表し、アルキレン基、アリーレン基、またはこれらの組み合わせからなる連結基を介して連結してもよい。X1は、2価の連結基を表す。Zは、重合性基を有する置換基を表す。)
  4. 式(I)中、R1およびR2がそれぞれ水素原子を表し、Zが式(II)で表される基、または、オキシラニル基もしくはオキセタニル基を有する基である、請求項3に記載の偏光板。
    (式(II)中、R3は、水素原子またはメチル基を表す。L1は、単結合、−O−、−CO−、−NH−、−CO−NH−、−COO−、−O−COO−、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロ環基、および、それらの組み合わせから選ばれる2価の連結基である。*は、結合位置を示す。)
  5. 前記重合性基を有するシリコーン化合物が、重合性基を有し、かご型構造を有するポリオルガノシルセスキオキサンである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏光板。
  6. 前記偏光子保護フィルムが、光学的に等方性である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の偏光板。
  7. 前記偏光子が、ポリビニルアルコールおよびエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の偏光板。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の偏光板を有する液晶表示装置。
  9. 熱可塑性樹脂基材上にポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層体を作製する工程Aと、
    前記積層体中の前記ポリビニルアルコール系樹脂層をヨウ素で染色する工程Bと、
    前記積層体を延伸する工程Cと、
    前記工程Bおよび前記工程Cの後に、前記積層体中の前記ポリビニルアルコール系樹脂層上に直接、重合性基を有するシリコーン化合物、並びに、重合性基および前記ポリビニルアルコール系樹脂層と結合形成可能な基を有する化合物を含むシリコーン系組成物を塗布して、重合硬化させることにより偏光子保護フィルムを作製する工程Dとを備える、偏光板の製造方法。
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