JP2015051958A - ペプチド、タグペプチド、及びタンパク質の精製・検出・固定化方法 - Google Patents

ペプチド、タグペプチド、及びタンパク質の精製・検出・固定化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来よりも反応性が向上した新規のタグペプチド及び該タグペプチドを用いたタンパク質の精製・検出・固定化方法の提供。
【解決手段】特定の配列からなるアミノ酸配列のペプチド(KMVQGSGC)を、タグペプチドとして、下記(i)〜(iii)の工程を含むタンパク質を検出または定量する方法に用いる。(i)特定の配列からなるアミノ酸配列のペプチド(KMVQGSGC)をタグペプチドとして付加したタンパク質を含有する試料を調製する工程。(ii)前記(i)の工程で得られた試料に、前記タグペプチドと結合する物質を接触させて、タグペプチドと結合する物質とタグペプチドを付加したタンパク質との結合物を形成させる工程。(iii)前記(ii)の工程で得られた結合物を検出または定量する工程。
【選択図】図7

Description

本発明は、ペプチド、タグペプチド、及びタンパク質の精製・検出・固定化方法に関する。
遺伝子工学的に発現させたタンパク質の精製・検出や、担体への固定化を簡便に行なうための技術として、前記タンパク質を発現させる際に、タグペプチドとよばれる、前記ペプチドを認識する物質(例えば抗体など)と特異的に結合可能なペプチドを、前記タンパク質に付加した状態で発現させた後、前記ペプチドを認識する物質を用いて精製・検出・固定化を行なう方法が知られている。
従来から知られているタグペプチドの例として、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるFLAGタグ(特許文献1及び2)、配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるMycタグ(非特許文献1)、配列番号3に記載のアミノ酸配列からなるHisタグ(特許文献3及び4)、配列番号4に記載のアミノ酸配列からなるEタグ、配列番号5に記載のアミノ酸配列からなるHAタグ、配列番号6に記載のアミノ酸配列からなるT7タグ、配列番号7に記載のアミノ酸配列からなるPkタグ、配列番号8に記載のアミノ酸配列からなるHSVタグ、配列番号9に記載のアミノ酸配列からなるVSV−Gタグ、などの正常細胞内には本来存在しない、ウイルス、ファージ、癌遺伝子由来のタンパク質の部分領域や、同じアミノ酸配列の繰り返しからなる、10アミノ酸程度のペプチドがあげられる。前記例示した9種類のタグペプチドの中で、FLAGタグ(配列番号1)は高性能なタグとして知られている。しかしながら、近年の実験の高感度化に伴い、反応性がさらに向上したタグペプチドが要求されている。
一方、ヒトB型ナトリウム利尿ペプチド(以下、hBNPとする)の一部のアミノ酸配列をタグペプチドとして用いた例は知られているが(特許文献5,6)、hBNPのC末端部分やリング状部分をタグとして用いるものであった。
米国特許第4703004号明細書 特許第2665359号公報 特開昭63−251095号公報 米国特許第5310663号明細書 国際公開第2011/071021号パンフレット 特開2012−140331号公報
Evanetal.、Mol.Cel.Biol.、5(12)、3610−3616(1985)
本発明は、従来よりも反応性が向上した新規のタグペプチド及び該タグペプチドを用いたタンパク質の精製・検出・固定化方法を提供することを目的とする。
本発明者は上記の課題に関し鋭意研究を行なった結果、本発明を完成するに至った。即ち本発明は、以下のとおりである。
(1)配列番号16に記載のアミノ酸配列からなるペプチド、またはN末端に1〜2個のアミノ酸及び/またはC末端に1〜6個のアミノ酸が付加した配列番号16に記載のアミノ酸配列からなるペプチド。
(2)上述の(1)に記載のペプチドにおいて、配列番号16に記載のアミノ酸配列からなるペプチド、またはC末端に1〜6個のアミノ酸が付加した配列番号16に記載のアミノ酸配列からなるペプチド。
(3)上述の(1)または(2)に記載のペプチドにおいて、配列番号16に記載のアミノ酸配列からなるペプチド、またはC末端に1〜4個のアミノ酸が付加した配列番号16に記載のアミノ酸配列からなるペプチド。
(4)上述の(1)〜(3)いずれかに記載のペプチドにおいて、配列番号16に記載のアミノ酸配列からなるペプチド、またはC末端にグリシルセリンが付加した配列番号16に記載のアミノ酸配列からなるペプチド。
(5)上述の(1)〜(3)いずれかに記載のペプチドにおいて、配列番号10に記載のアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号13に記載のアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号14に記載のアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号15に記載のアミノ酸配列からなるペプチド、または配列番号16に記載のアミノ酸配列からなるペプチド。
(6)上述の(1)〜(5)いずれかに記載のペプチドからなることを特徴とするタグペプチド。
(7)上述の(6)に記載のタグペプチドにおいて、配列番号10に記載のアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号13に記載のアミノ酸配列からなるペプチド、または配列番号14に記載のアミノ酸配列からなるペプチドからなるタグペプチド。
(8)下記(i)〜(iv)の工程を含む、タンパク質の精製方法。
(i)上述の(6)または(7)に記載のタグペプチドを付加したタンパク質を含有する試料を調製する工程。
(ii)前記(i)の工程で得られた試料に、前記タグペプチドと結合する物質を接触させて、タグペプチドと結合する物質とタグペプチドを付加したタンパク質との結合物を形成させる工程。
(iii)前記(ii)の工程で得られた結合物に溶離物質を接触させて、前記タグペプチドを付加したタンパク質を前記タグペプチドと結合する物質から遊離させる工程。
(iv)遊離させた、前記タグペプチドを付加したタンパク質を回収する工程。
(9)下記(i)〜(iii)の工程を含む、タンパク質を検出または定量する方法。
(i)上述の(6)または(7)に記載のタグペプチドを付加したタンパク質を含有する試料を調製する工程。
(ii)前記(i)の工程で得られた試料に、前記タグペプチドと結合する物質を接触させて、タグペプチドと結合する物質とタグペプチドを付加したタンパク質との結合物を形成させる工程。
(iii)前記(ii)の工程で得られた結合物を検出または定量する工程。
(10)下記(i)〜(iii)の工程を含む、タンパク質の固定化方法。
(i)上述の(6)または(7)に記載のタグペプチドを付加したタンパク質を含有する試料を調製する工程。
(ii)前記タグペプチドと結合する物質を水不溶性担体に固定化する工程。
(iii)(ii)で得られた固定化担体に、(i)で得られた試料を接触させ、固定化担体にタグペプチドを付加したタンパク質を固定化させる工程。
以下に本発明を詳細に説明する。本発明のペプチドは、配列番号16に記載のアミノ酸配列からなるペプチド、またはN末端に1〜2個のアミノ酸及び/またはC末端に1〜6個のアミノ酸が付加した配列番号16に記載のアミノ酸配列からなるペプチドである。中でも、配列番号16に記載のアミノ酸配列からなるペプチド、またはC末端に1〜6個のアミノ酸が付加した配列番号16に記載のアミノ酸配列からなるペプチドが好ましく、配列番号16に記載のアミノ酸配列からなるペプチド、またはC末端に1〜4個のアミノ酸が付加した配列番号16に記載のアミノ酸配列からなるペプチドが更に好ましい。具体的には、配列番号16に記載のアミノ酸配列からなるペプチド、またはC末端にグリシルセリンが付加した配列番号16に記載のアミノ酸配列からなるペプチドが好ましく、また配列番号10,13,14,15,または16に記載のアミノ酸配列からなるペプチドが好ましい。
なお、配列番号10に記載のアミノ酸配列からなるペプチド(以下、BNNと略記することもある)は、hBNPの3−10位に相当するものであり、配列番号13,14,15,16に記載のアミノ酸配列からなるペプチドも、hBNPの配列の一部に相当するものである。
これらのペプチドは、構成するアミノ酸のうちの一つ以上を他のアミノ酸に置換したペプチドであっても、本発明のペプチドに含まれる。他のアミノ酸への置換は、公知の部位特異的変異導入法を用いて、親和性及び特異性を確認しながら実施すればよい。またいくつかの変異を組み合わせることで、さらに性能を向上させることも可能である。
前述の本発明のペプチドは、タグペプチドとして有用である。タグペプチドは、それを付加した物質に与える影響を少なくするために、アミノ酸の長さが短く、かつ、タグペプチドに対する特異性及び反応性の高い物質が存在することが要求されるが、本発明のタグペプチドは、これを満たすものである。
本発明のタグペプチドの中でも、特に配列番号10,13,または14に記載のアミノ酸配列からなるペプチドからなるタグペプチドは、アミノ酸の長さが比較的短く、かつ、タンパク質に付加された場合に、特異性及び反応性の高い物質が存在するため、タグペプチドとしてとりわけ有用である。
なお、本発明の実施例によれば、配列番号10に記載のアミノ酸配列からなるペプチド、即ちBNNを特異的に認識する抗体が得られ、その抗体はBNNばかりでなく、配列番号14または13に記載のアミノ酸配列からなるペプチドに対しても同等の反応性を有している。そのため、配列番号13または14に記載のアミノ酸配列からなるペプチドは、タグペプチドとしてBNNと同等の有用性があるといえる。なお、配列番号13または14に記載のアミノ酸配列からなるペプチドは、BNNよりもアミノ酸の長さが短くなっているため、タグペプチドとして用いた場合に、BNNと比較して、付加するタンパク質への影響がより低減することが予想できる点で、好ましいといえる。タグペプチドとして用いる場合には、配列番号10,13,または14に記載のアミノ酸配列からなるペプチドの中でも、好ましくは配列番号13または14に記載のアミノ酸配列からなるペプチドであり、更に好ましくは配列番号14に記載のアミノ酸配列からなるペプチドである。
タグペプチドを利用する際に用いられる、タグペプチドと結合する物質としては、モノクローナル抗体・ポリクローナル抗体・抗血清が例示できるが、ロット間差の考慮が不要なモノクローナル抗体が、安定的な精製ができる点で好ましい。
本発明のタグペプチドを利用することで、タグペプチドを付加したタンパク質をアフィニティー精製することができる。アフィニティー精製は、適切な担体にタグペプチドと結合する物質を、タグペプチドを付加したタンパク質との結合性を保持した状態で結合させたものを用いて精製すればよい。タグペプチドと結合する物質と結合したタグペプチドを付加したタンパク質を遊離させるには、溶離物質を接触させればよい。通常pHを変化させて溶出すればよいが、pH変化に対して不安定なタンパク質を精製する場合は、使用したタグペプチドを大過剰添加して溶出させてもよい。
タンパク質にタグペプチドを付加する方法として、遺伝子工学的方法で付加する方法があげられる。具体的には、発現させるタンパク質にタグペプチドをコードするポリヌクレオチドを付加すればよい。その際、発現させるタンパク質のN末端側またはC末端側の直後にタグペプチドを付加してもよいし、発現させるタンパク質との相互作用を避けるための任意のリンカーペプチドを介してタグペプチドを付加してもよい。発現させるタンパク質にタグペプチドを付加する別の方法として、化学的に付加する方法があげられる。具体的には、発現させるタンパク質とSMCC(Succinimidyl4−[N−maleimidomethyl]cyclohexane−1−carboxylate)などの試薬とを反応させることで前記タンパク質にマレイミド基を導入後、タグペプチドと反応させて、タグペプチドを化学的に導入する方法があげられるが、発現させるタンパク質とタグペプチドとの結合方法に特に限定はなく、例えば、ポリエチレングリコールやポリエチレンイミンなどの高分子を介して付加してもよいし、マレイミド基以外の官能基を介して化学的に付加してもよい。マレイミド基以外の官能基としては、カルボジイミド(carbodiimide)、ヒドラジド(hydrazide)、ヒドロキシメチルホスフィン(hydroxymethylphosphine)、イミドエステル(imideester)、イソシアネート(isocyanate)、ブロモアセテート(bromoacetate)、NHSエステル(N−hydroxysuccinimideester)、ピリジルジスルフィド(pyridyldisulfide)、ソラレン(psoralen)等があげられる。
本発明のタグペプチドを用いることにより、タグペプチドを付加したタンパク質と、タグペプチドと結合する物質との結合物を形成させ、それをウェスタンブロッティング、ELISA、フローサイトメトリー、免疫沈降、免疫組織化学、表面プラズモン共鳴分析等の各種手法により検出又は定量することにより、タンパク質を検出又は定量することができる。
免疫測定試薬でしばしば問題になるのは、異好性抗動物抗体である。たとえば、ウサギ由来ポリクローナル抗体(抗原認識)と抗ウサギ抗体(水不溶性担体に固定化)とが反応系の中に含まれる場合、測定検体の中に抗ウサギ抗体が存在すると、検体中の抗ウサギ抗体により、本来想定している量のウサギ由来ポリクローナル抗体が水不溶性担体に捕捉されなくなり、正確な測定値が得られなくなってしまう。そこで、ウサギポリクローナル抗体にタグペプチドを付加し、水不溶性担体にタグペプチドを認識する抗体を固定化することで、異好性抗動物抗体の影響をなくした測定系が構築できる。
本発明のタグペプチドは、前述したタンパク質の精製・検出目的のほかに、タンパク質の担体への固定化目的で使用することもできる。タンパク質を水不溶担体に直接固定化すると、立体構造の変化がおきやすく、活性が失われる場合が多い。そこで、タグペプチドと結合する物質を水不溶性担体に固定化しておき、前記固定化担体にタグペプチドを付加したタンパク質を固定化させる方法を採用することにより、立体構造の変化がおきにくい状態で担体に固定化することができる。
本発明のペプチドは、タグペプチドとして有用であり、従来知られているFLAGタグを用いた精製・検出・固定化方法と比較し、反応性を向上させることができる。本発明のペプチドによれば、非常に短いアミノ酸配列からなるペプチドであっても、タグペプチドとして使用することができ、付加するタンパク質への影響をより低減することができると考えられる。
実施例3で使用した抗体と蛍光強度の関係を示したグラフである。 実施例5で使用した抗体と蛍光強度の関係を示したグラフである。 実施例6で、4−2Nの抗体のエピトープ分析を行なった結果を示したグラフである。 実施例6で、6−4Oの抗体のエピトープ分析を行なった結果を示したグラフである。 実施例6で、9−21Oの抗体のエピトープ分析を行なった結果を示したグラフである。 実施例6で、10−17Mの抗体のエピトープ分析を行なった結果を示したグラフである。 実施例7で、抗体濃度と蛍光強度との関係を示したグラフである。
下に本発明を更に詳細に説明するために実施例を示すが、これら実施例は本発明の一例を示すものであり、本発明は実施例に限定されるものではない。
[実施例1]タグペプチドを付加したタンパク質の調製
タグペプチドとして、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるFLAGタグ及び配列番号10に記載のアミノ酸配列からなるBNNを使用した。タグペプチドを付加するタンパク質として、ウサギより単離されたエストラジオールを認識する抗体(以下、抗E2抗体と略す)(松葉隆雄ら、東ソー研究報告、53、3−9(2008))を使用した。まず、抗E2抗体の軽鎖遺伝子をコードする動物細胞発現用ベクターに、タグペプチドをコードする遺伝子配列を挿入した。タグペプチドをコードする遺伝子配列は、抗E2抗体を動物細胞で発現させた際、抗E2抗体の軽鎖ポリペプチドのN末端にタグペプチドが付加されるように挿入した。遺伝子挿入はKOD−Plus−Mutagenesis Kit(東洋紡績社製)を用いて行なった。得られたタグペプチド付加型抗E2抗体軽鎖遺伝子と抗E2抗体重鎖遺伝子を遺伝子導入装置にてチャイニーズハムスター卵巣細胞株に遺伝子導入し、その培養上清中にタグペプチド付加型抗E2抗体を得た。該培養上清30mlをアミコンウルトラ−15 30K(ミリポア社製)で500μlに濃縮した。Ab SpinTrap(GEヘルスケア社製)にて該濃縮物よりタグペプチド付加型抗E2抗体を精製した。
[実施例2]BNNを認識する抗体の単離
BNNを認識する抗体を以下の方法で単離した。
(1)免疫用コンジュゲ−ト液の作製
配列番号10に記載のアミノ酸配列からなるBNNは、業者にペプチド合成を依頼して得た。該ペプチドフラグメント溶液(10mg/ml、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で溶解したもの)と、マレイミド活性化KLH溶液(10mg/ml、PBSで溶解したもの)を、体積比1:1で混和し、室温で2時間撹拌して反応させた。その後、反応液をPBSに対して2日間4℃で透析することにより、免疫用コンジュゲート液を得た。
(2)免疫
上述の免疫用コンジュゲート液(1mg/ml)とフロイントの完全アジュバントを等量ずつ混合して乳濁液とし、これをマウス(雌、6週令)の腹腔内に0.1mlずつ1週間間隔で計4回注射した。マウス1匹1回当たりのコンジュゲ−ト投与量は50μgであった。更に最終免疫の1週間後に、ブ−スタ−として免疫用コンジュゲート液をPBSで0.5mg/mlに希釈したもの(0.1ml)を腹腔内に投与した。
(3)細胞融合
ブ−スタ−免疫から3日後にマウスの脾臓を摘出し、その細胞を赤血球溶解バッファーにて赤血球を破壊した。残った細胞をE−RDF培地に懸濁して細胞融合に用いる脾リンパ球とした。次に同じくE−RDF培地に懸濁したミエローマ細胞0.4×10個を脾リンパ球1.6×10個と混合し、遠心(1000rpm、5分)後、上清を除去した。細胞沈殿物をマンニトール緩衝液(250mM マンニトール、100mM 塩化カルシウム、100mM 塩化マグネシウム)に懸濁し、電気的細胞融合を行なった。電気的細胞融合を行なった細胞懸濁液をHAT培地(100μM ヒポキサンチン、0.4μM アミノプテリン、16μM チミジンを含むGIT培地)200mlに懸濁し、384ウエル細胞培養プレ−ト10枚の各ウエルに0.05mlずつ分注した。約7日後にはハイブリド−マの増殖が認められた。得られたハイブリドーマの中で、BNNと結合し、配列番号11のアミノ酸配列には結合しない、BNNと特異的に結合する抗体(BNN認識抗体)を産生するハイブリドーマ4種(4−2N、6−4O、9−21O、10−17M)が得られた。
[実施例3]BNNのタンパク質固定化用タグとしての評価
実施例2で得られたBNN認識抗体を用いて、BNNを付加したタンパク質の固定が可能か評価した。
実施例2で得られたハイブリドーマのうち、9−21Oについて、定法により培養・精製することで、モノクローナル抗体(9−21O)を得た。モノクローナル抗体(9−21O)をELISAプレートに0.1μg/ウェルで固定化し、1重量%スキムミルクでブロッキングした。ウェルを洗浄後、実施例1で得られたBNNを付加した抗E2抗体(BNN結合抗E2抗体)を1μg/mLの濃度で調整し、当該溶液100μLをウェルに添加して反応させた。ウェルを洗浄後、市販の抗ラビットIgG抗体−アルカリホスファターゼコンジュゲートをウェルに添加し、1時間反応させた。反応後、定法に従いアルカリホスファターゼ活性を測定した。陰性対照として、BNN認識抗体を固定化せずブロッキング操作のみ行なったウェルをについて、同様の操作を行なった。結果を図1に示す。BNN認識抗体を固定化したウェルにBNN結合抗E2抗体を添加したときが、BNN認識抗体を固定化しなかったウェルにBNN結合抗E2抗体を添加したときと比較し、有意にシグナルが高いことから、BNN認識抗体がBNNを付加したタンパク質と特異的に結合できることを確認した。
[実施例4]BNNを認識する抗体のアルカリホスファターゼ標識体の作製
実施例3で得られたモノクローナル抗体(9−21O)を、アルカリホスファターゼ標識キット(同仁化学社製、Product No.LK12)を用いて、製品添付のプロトコルに従い標識することで、モノクローナル抗体(9−21O)のアルカリホスファターゼ標識体(ALP標識9−21O)を作製した。
[実施例5]BNNのタンパク質検出用タグとしての評価
実施例2で得られたハイブリドーマより取得したBNN認識抗体が、BNNを付加したタンパク質を特異的に検出可能か評価した。
抗ラビット抗体をELISAプレートに0.1μg/ウェルで固定化し、1重量%スキムミルクでブロッキングした。ウェルを洗浄後、実施例1で得られたBNNを付加した抗E2抗体(BNN結合抗E2抗体)を1μg/mLの濃度で調整し、当該溶液100μLをウェルに添加して反応させた。ウェルを洗浄後、実施例4で得られたALP(アルカリホスファターゼ)標識BNN認識抗体(ALP標識9−21O)を1000倍希釈した溶液を100μL添加し、1時間反応させた。ウェルを洗浄後、定法に従いアルカリホスファターゼ活性を測定した。比較例として、BNN結合抗E2抗体の代わりに抗E2抗体(BNN非結合抗E2抗体)を用意し、同様の実験を行なった。結果を図2に示す。BNNを付加した抗E2抗体を添加したときが、BNNを付加しない抗E2抗体を添加したときと比較し、有意にシグナルが高いことから、BNN認識抗体を用いてBNNを付加した抗体を特異的に検出できることを確認した。
[実施例6]BNN認識抗体の認識部位の決定
実施例2で得られたハイブリドーマより取得した、4種類のBNN認識モノクローナル抗体(4−2N、6−4O、9−21O、10−17M)についてエピトープ分析を下記の方法で行なった。それぞれのモノクローナル抗体をELISAプレートに固定化し、1重量%スキムミルクでブロッキングした。ウェルを洗浄後、配列番号12に記載のアミノ酸配列からなるペプチドである、hBNPの3−32位のアミノ酸配列に相当するペプチド(KMVQGSGCFGRKMDRISSSSGLGCKVLRRH、以下、hBNP(3−32)と略す)、ペプチド、及びhBNPのC末端部位を認識する抗体BC23−11(特開2011−122957号公報)のALP標識体を添加し、1時間反応させた。このとき、hBNP(3−32)は500pMとなるように添加した。またペプチドは、配列番号10に記載のアミノ酸配列からなるペプチド(KMVQGSGC)、配列番号11に記載のアミノ酸配列からなるペプチド(SPKMVQGSGC、配列番号10に記載のアミノ酸のN末端側にセリルプロリンが結合)、配列番号13に記載のアミノ酸配列からなるペプチド(KMVQGSG、配列番号10に記載のアミノ酸配列の1−7位のアミノ酸配列に相当するペプチド)、配列番号14に記載のアミノ酸配列からなるペプチド(KMVQGS、配列番号10に記載のアミノ酸配列の1−6位のアミノ酸配列に相当するペプチド)、配列番号15に記載のアミノ酸配列からなるペプチド(KMVQG、配列番号10に記載のアミノ酸配列の1−5位のアミノ酸配列に相当するペプチド)、配列番号16に記載のアミノ酸配列からなるペプチド(KMVQ、配列番号10に記載のアミノ酸配列の1−4位のアミノ酸配列に相当するペプチド)の6種類を用い、50または500nMとなるように添加した。ウェルを洗浄後、定法に従いALP活性を測定した。
結果を図3、図4、図5、図6に示す。配列番号11に記載のアミノ酸配列からなるペプチドを添加したときと比較して、配列番号15に記載のアミノ酸配列からなるペプチド、及び配列番号16に記載のアミノ酸配列からなるペプチドを添加したときは、蛍光強度の減少がわずかに観察された。一方、配列番号10に記載のアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号13に記載のアミノ酸配列からなるペプチド、及び配列番号14に記載のアミノ酸配列からなるペプチドを添加したときは、蛍光強度が大きく減少した。この測定系では、蛍光強度は固相化したBNN認識モノクローナル抗体に結合したhBNP(3−32)の量に依存する。つまり、ペプチドの添加により蛍光強度が減少するということは、該ペプチドがBNN認識モノクローナル抗体と結合することで、BNN認識モノクローナル抗体とhBNP(3−32)との結合を阻害することを示している。阻害を生じる最小のペプチドは配列番号16に記載のアミノ酸配列からなるペプチドであったため、配列番号10に記載のアミノ酸配列の1−4位のアミノ酸配列に相当するペプチドであれば、タグペプチドとして有用であることがわかった。また、配列番号10、配列番号13、及び配列番号14に記載のアミノ酸配列からなるペプチドは、BNN認識モノクローナル抗体との反応性が大きいことから、タグペプチドとして好ましいことがわかった。
[実施例7]従来のタグペプチドとの性能比較
タグペプチドとして従来から広く利用されているFLAGタグ(配列番号1)との性能を比較した。
抗BNN抗体(実施例2で得られたハイブリドーマより取得した、BNN認識モノクローナル抗体)または抗FLAG抗体(シグマアルドリッチ社製、モノクローナル抗FLAG M2抗体)をELISAプレートに0.1μg/ウェルで固定化し、1重量%スキムミルクでブロッキングした。ウェルを洗浄後、抗BNN抗体を固定化したウェルには実施例1で得られたBNNタグを付加した抗E2抗体(BNN結合抗E2抗体)を添加して反応させ(濃度:4pmol/ウェル、800fmol/ウェル、160fmol/ウェル、32fmol/ウェル、6.4fmol/ウェル)、抗FLAG抗体を固定化したウェルには実施例1で得られたFLAGタグを付加した抗E2抗体(FLAG結合抗E2抗体)を添加して反応させた(濃度:4pmol/ウェル、800fmol/ウェル、160fmol/ウェル、32fmol/ウェル、6.4fmol/ウェル)。ウェルを洗浄後、市販の抗ラビットIgG抗体−アルカリホスファターゼコンジュゲートをウェルに添加し、1時間反応させた。反応後、定法に従いアルカリホスファターゼ活性を測定した。結果を図7に示す。BNNタグを認識する抗体のうち、9−21Oと10−17Mを固定化したものは、FLAGタグを認識する抗体を固定化したものと比較し、タグペプチドを付加した抗E2抗体の補足量が増大していることが判明した。つまり、BNNタグはFLAGタグと比較して反応性が向上したタグペプチドであるといえる。

Claims (10)

  1. 配列番号16に記載のアミノ酸配列からなるペプチド、またはN末端に1〜2個のアミノ酸及び/またはC末端に1〜6個のアミノ酸が付加した配列番号16に記載のアミノ酸配列からなるペプチド。
  2. 請求項1に記載のペプチドにおいて、配列番号16に記載のアミノ酸配列からなるペプチド、またはC末端に1〜6個のアミノ酸が付加した配列番号16に記載のアミノ酸配列からなるペプチド。
  3. 請求項1または2に記載のペプチドにおいて、配列番号16に記載のアミノ酸配列からなるペプチド、またはC末端に1〜4個のアミノ酸が付加した配列番号16に記載のアミノ酸配列からなるペプチド。
  4. 請求項1〜3いずれかに記載のペプチドにおいて、配列番号16に記載のアミノ酸配列からなるペプチド、またはC末端にグリシルセリンが付加した配列番号16に記載のアミノ酸配列からなるペプチド。
  5. 請求項1〜3いずれかに記載のペプチドにおいて、配列番号10に記載のアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号13に記載のアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号14に記載のアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号15に記載のアミノ酸配列からなるペプチド、または配列番号16に記載のアミノ酸配列からなるペプチド。
  6. 請求項1〜5いずれかに記載のペプチドからなることを特徴とするタグペプチド。
  7. 請求項6に記載のタグペプチドにおいて、配列番号10に記載のアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号13に記載のアミノ酸配列からなるペプチド、または配列番号14に記載のアミノ酸配列からなるペプチドからなるタグペプチド。
  8. 下記(i)〜(iv)の工程を含む、タンパク質の精製方法。
    (i)請求項6または7に記載のタグペプチドを付加したタンパク質を含有する試料を調製する工程。
    (ii)前記(i)の工程で得られた試料に前記タグペプチドと結合する物質を接触させて、タグペプチドと結合する物質とタグペプチドを付加したタンパク質との結合物を形成させる工程。
    (iii)前記(ii)の工程で得られた結合物に溶離物質を接触させて、前記タグペプチドを付加したタンパク質を、前記タグペプチドと結合する物質から遊離させる工程。
    (iv)遊離させた、前記タグペプチドを付加したタンパク質を回収する工程。
  9. 下記(i)〜(iii)の工程を含む、タンパク質を検出または定量する方法。
    (i)請求項6または7に記載のタグペプチドを付加したタンパク質を含有する試料を調製する工程。
    (ii)前記(i)の工程で得られた試料に、前記タグペプチドと結合する物質を接触させて、タグペプチドと結合する物質とタグペプチドを付加したタンパク質との結合物を形成させる工程。
    (iii)前記(ii)の工程で得られた結合物を検出または定量する工程。
  10. 下記(i)〜(iii)の工程を含む、タンパク質の固定化方法。
    (i)請求項6または7に記載のタグペプチドを付加したタンパク質を含有する試料を調製する工程。
    (ii)前記タグペプチドと結合する物質を水不溶性担体に固定化する工程。
    (iii)(ii)で得られた固定化担体に、(i)で得られた試料を接触させ、固定化担体にタグペプチドを付加したタンパク質を固定化させる工程。
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