JP2015051905A - 窒化ガリウムの製造方法 - Google Patents

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晋也 秋山
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Abstract

【課題】窒化ガリウムを常圧で製造できるようにする。
【解決手段】ガリウム酸化物とカルシウムシアナミドを加熱することにより窒化ガリウムを製造する。
【選択図】図1

Description

本発明は、窒化ガリウムの製造方法に関する。
近年、窒化ガリウム(GaN)は、青色発光ダイオード、半導体レーザ、高耐圧・高周波電源IC等を形成する半導体材料として注目されている。
現在半導体材料として使用されている窒化ガリウムは、ハイドライド気相エピタキシャル成長法(Hydride Vapor Phase Epitaxy:HVPE)、有機金属気相成長法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:MOCVD)などの気相成長により2〜4インチ程度の単結晶ウエハーに製造されている。しかしながら、気相成長のため結晶欠陥が多数存在し、デバイスに組み込んだ際に目的の特性を得ることが難しいことから、結晶欠陥の低減が大きな課題となっている。
結晶欠陥を低減する手法として、窒化ガリウムの結晶を液相成長させる方法がある。しかしながら、この方法では、1500℃以上の高温のガリウム融液に窒素ガスを1万気圧以上の超高圧で溶解させて窒化ガリウムを成長させるため、高温高圧条件に耐える反応設備が必要となり、工業的な応用には至っていない。
高温高圧条件を緩和する手法として、アルカリ金属をフラックスとして用いる窒化ガリウムの合成法が研究されており、なかでも金属ナトリウムを使用するNaフラックス法がよく知られている。Naフラックス法では、金属ナトリウムと金属ガリウムを混合し、約50気圧の窒素中で800℃程度で加熱する(特許文献1)。また、酸化ガリウムと窒化リチウムを、液体ガリウム浴で約700℃、40気圧の窒素加圧下で反応させる方法が提案されている(特許文献2)。しかしながら、これらの方法でも40〜50気圧の高圧条件で反応させることが必要とされるため、反応装置の大型化や融液の撹拌が困難となる。
特開2002−201100号公報 特開2009−51721号公報
本発明は、従来のフラックス法に対し、ガリウムの窒化物を常圧で製造できるようにすることを課題とする。
本発明者は、ガリウム酸化物に対して、カルシウムシアナミドの窒化作用を利用すると、常圧で窒化ガリウムを合成できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、ガリウム酸化物とカルシウムシアナミドとを加熱することを特徴とする窒化ガリウムの製造方法を提供する。
本発明によれば、常圧で窒化ガリウムを製造することができる。したがって、40〜50気圧の高圧を必要としていた従来のフラックス法に比して、安全に、簡便な製造設備で窒化ガリウムを製造することが可能となる。
図1は、窒化ガリウムを製造するフローチャートである。 図2は、反応装置の模式図である。 図3は、実施例1における加熱時の温度プロファイルである。 図4は、実施例1により得られた窒化ガリウムのX線回折分析(XRD)の測定結果である。 図5は、実施例1により得られた窒化ガリウムの走査型電子顕微鏡写真(SEM)である。 図6は、実施例2における加熱工程の、示差熱−重量変化の測定結果である。 図7Aは、実施例3における加熱処理の各保持時間における最高保持温度とX線回折分析のピーク強度との関係図である。 図7Bは、実施例3における加熱処理の各最高保持温度における保持時間とX線回折分析のピーク強度との関係図である。
以下、図面を参照し、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の方法によりガリウム酸化物から窒化ガリウムを製造する場合の基本的な態様のフローチャートであり、図2は、この方法で使用する反応装置1の模式図である。
(1)反応装置
反応装置1は、電気炉2内に石英製の管状炉3を有し、管状炉3の長手方向の中央部が灼熱ゾーン4となっている。管状炉3の内部には、窒化ホウ素製の耐熱性の反応容器5を載せるステンレス製のポート6が設けられている。また、管状炉3には、その内部を排気する真空ポンプ7と、雰囲気ガスを供給するガス供給手段(図示せず)が接続されている。この反応装置1は、格別の耐圧構造は有しておらず、常圧で使用可能となっている。そのため、この反応装置1を工業的に大型化することは容易である。
(2)反応材料
本発明では、出発原料としてGa23等のガリウム酸化物を使用し、窒化剤としてカルシウムシアナミド(CaCN2)を使用する。
ここで、ガリウム酸化物としては純度99.9%以上のものを使用することが好ましく、カルシウムシアナミドとしては、純度98%以上のものを使用することが好ましい。
なお、窒化剤としては、一般に、ジシアンジアミド、窒化カルシウム、窒化マグネシウム、アンモニアガスなどが知られている。しかしながら、ジシアンジアミドはガリウム酸化物が窒素と反応する700℃程度の温度になる前に分解してしまうので、窒化ガリウムを得る場合の窒素の供給源として有効に機能しない。
窒化カルシウムは900℃で分解し、分子状のN2ガスが生成されるが、このN2ガスは、ガリウム酸化物のガリウムと結合する活性をもたない。
窒化マグネシウムは、窒素とマグネシウムの結合が強く、1500℃で分解するが、このとき放出されるN2ガスもガリウム酸化物のガリウムと結合する活性をもたない。
アンモニアガスは、1000℃程度に加熱することにより分解し、活性な窒素が生成されるので、それをガリウム酸化物と反応させると窒化ガリウムを得ることができる。しかしながら、1000℃は窒化ガリウムが昇華する温度であるため、窒化ガリウムの収率が低くなる。これに対し、800℃から900℃程度で反応させると活性な窒素が不足し、目的とする窒化ガリウム(GaN)よりも窒素当量の少ない生成物ができてしまう。また、アンモニアガスを工業的に使用する場合には、その除去設備が大掛かりになるという問題も生じる。
これに対し、カルシウムシアナミドは、約700〜1000℃で加熱することによりガリウム酸化物を窒化することができ、特に1000℃未満で加熱すると窒化ガリウムを効率良く製造することができる。また、カルシウムシアナミドは、それ自体の取り扱い性も良好である
(3)前処理
ガリウム酸化物をカルシウムシアナミドと共に加熱する場合のそれらの形態は特に制限はない。ガリウム酸化物は粉末状でもよい。取り扱い性の便宜上、ガリウム酸化物を加圧成型によりペレット状にしてもよく、ポリビニルアルコール等の成型助剤を粉末状のガリウム酸化物に加えて焼結することによりペレット状にしてもよい。ガリウム酸化物を蒸着により薄膜に成形してもよい。この場合、蒸着膜の下地とする基板について、特に制限はなく、シリコン、ガラス、シリコンカーバイド等を使用することができる。
(4)加熱工程
必要に応じて前処理をしたガリウム酸化物とカルシウムシアナミドを上述の反応装置1の反応容器5に入れ、その反応容器5を、管状炉3内の灼熱ゾーン4にセットし、管状炉3に雰囲気ガスとして不活性ガス、好ましくは窒素ガスを導入し、電気炉2で加熱する。
反応系の雰囲気には、必要に応じてアンモニアガスを添加してもよい。例えば、アンモニアガスを5vol%程度で含有させる。アンモニアガスは、1000℃近傍でカルシウムシアナミドの窒素供給源としての作用を補充することができ、一回の加熱工程で得られる窒化ガリウムを増加させることができる。
ガリウム酸化物から窒化ガリウムを製造する場合の反応温度に関し、反応容器5内の最高温度を好ましくは約700〜1000℃、より好ましくは1000℃未満、特に約850〜約900℃とし、この温度に保持する。以下、この温度を最高保持温度ともいう。
反応温度を1000℃未満とすることにより、一旦合成された窒化ガリウムが昇華することによる収率の低下を防止することができる。したがって、本発明によれば、収率よく窒化ガリウムを製造することが可能となる。
加熱工程における圧力は、常圧とすることができるが、必要に応じて加圧してもよい。
例えば、窒素ガスを1気圧以上とすることにより窒化ガリウムの収率を高めることができる。
こうして、本発明によれば、窒化ガリウムを、常圧で、1000℃未満という低い反応温度で、安全に収率よく得ることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1(ガリウム酸化物(ペレット)の窒化)
市販の粉末状のカルシウムシアナミド(CaCN2)と、ガリウム酸化物として粉末状の酸化ガリウム(Ga23)(純度99.99%)を用意し、ガリウム酸化物は、プレス機により直径約16mm、厚さ約1mm、重量約0.6gのペレット状に成型した。
また、図2に示した反応装置1の耐熱性の反応容器5として、内径約30mm、深さ約35mmの円筒形状の窒化ホウ素製の坩堝を用意した。
この坩堝に、カルシウムシアナミドを敷き、その上にガリウム酸化物のペレットをおき、その上をカルシウムシアナミドで覆うことにより、カルシウムシアナミドの中にガリウム酸化物を埋め込んだ。そして、その上から平らな棒で軽く押して全体をならした。この場合、カルシウムシアナミドの使用量は約6gであった。
ガリウム酸化物及びカルシウムシアナミドを入れた坩堝を、図2示した反応装置1のポート6に載せ、管状炉3内の灼熱ゾーン4にセットした。管状炉3内は予め0.1MPa程度まで減圧し、次いで管状炉3内に毎分約3000mLの流量で窒素ガスを導入し、管状炉3内の雰囲気を略窒素100%とした。管状炉3内の窒素ガス雰囲気を保持したまま、図3に示す温度プロファイルで、最高保持温度が900℃で、900℃に10時間保持されるように加熱した。
その後、3時間かけて管状炉3内を室温まで自然冷却し、ガリウム酸化物とカルシウムシアナミドとの反応生成物を坩堝から取り出した。この反応生成物は粉末状で、表面が、窒化ガリウム特有の薄い黄色になっていた。
反応生成物のX線回折分析(X‐ray diffraction:XRD)を行った。この場合、対照として、アルドリッチ社製の窒化ガリウム粉末(多結晶)を測定した。結果を図4に示す。図4から、実施例1の生成物は対照とする窒化ガリウム粉末と同様のピークが見られ、窒化ガリウムが生成されていることを確認した。
また、加熱処理前のガリウム酸化物と、本実施例の反応生成物の走査型電子顕微鏡写真を撮った。結果を図5に示す。図5から、ガリウム酸化物粉末の表面が、窒化反応により、細かな凹凸のある形状に変化したことがわかる。
なお、実施例1の操作において、加熱工程における最高保持温度を600℃にした場合、得られた反応生成物の表面は灰色であり、そのX線回折分析をしたところ、ガリウム酸化物の特性ピーク以外には明瞭なピークが観察されなかったことから、ガリウム酸化物とカルシウムシアナミドを反応させて窒化ガリウムを得る方法では、加熱温度を600℃よりも高くすることが必要であると考えられる。
実施例2(ガリウム酸化物(粉末)の窒化)
ガリウム酸化物とカルシウムシアナミドとの重量比率を1:2とし、粉末状のガリウム酸化物をカルシウムシアナミドと加熱反応させる以外は実施例1と同様にして窒化ガリウムを合成した。
本実施例においては、加熱工程における示差熱−重量変化を測定した。結果を図6に示す。図6において、800℃付近に見られる重量変化は、カルシウムシアナミドから発生した活性な窒素がガリウム酸化物の酸素に置換したことを示している。なお、400℃付近の吸熱反応による重量変化のピークは、カルシウムシアナミドに含まれる水酸化カルシウムが分解し、水が水蒸気として失われたことによるものと推察される。
実施例3(ガリウム酸化物(焼結体)の窒化)
実施例1のガリウム酸化物のペレット状に成型する工程において、ガリウム酸化物の粉末に成型助剤としてポリビニルアルコールを混合し、それをプレス成形し、さらに1300℃で焼結させることにより、直径約14mm、厚さ約1mmのペレットを得た。得られたペレットの密度は、ガリウム酸化物の理論密度に対して60〜70%であった。
実施例1と同様の窒化ホウ素製の坩堝内で、上述のようにして得たガリウム酸化物のペレット1枚(0.6g)をカルシウムシアナミド6gに埋め込み、坩堝に蓋をし、図2に示した反応装置を使用して実施例1と同様に加熱した。
また、加熱温度については、最高保持温度を700℃から50℃刻みに1000℃まで7通りに変化させ、また、最高保持温度の保持時間を1〜50時間の範囲で変化させた。
こうして得られた反応生成物のX線回折分析を実施例1と同様に行い、窒化ガリウム結晶の(002)に相当する2θ=34.6°のピーク強度を、最高保持温度に対してプロットした。結果を、図7A及び図7Bに示す。これらの図から、700℃ではガリウム酸化物の窒化反応が生じること、800℃以上では、最高保持温度の保持時間が長くなるのに応じてピーク強度が強くなること、最高保持温度を高くすると、最高保持温度の保持時間を短くしてもガリウム酸化物の窒化反応が進行すること、より具体的には、850℃で5時間以上の加熱、又は900℃で1時間の加熱により、800℃で30時間以上の加熱と同等の窒化が行われることがわかる。
1 反応装置
2 電気炉
3 管状炉
4 灼熱ゾーン
5 反応容器
6 ポート
7 真空ポンプ

Claims (6)

  1. ガリウム酸化物と、カルシウムシアナミドとを加熱することを特徴とする窒化ガリウムの製造方法。
  2. 雰囲気ガスとして窒素ガスを導入する請求項1記載の製造方法。
  3. 加熱により温度700〜1000℃に保持する請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 温度1000℃未満で保持する請求項3記載の製造方法。
  5. ガリウム酸化物を粉末状態でカルシウムシアナミドと反応させる請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. ガリウム酸化物を焼結し、カルシウムシアナミドと反応させる請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
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