JP2015051529A - 二軸延伸ナイロンコーティングフィルム、ラミネートフィルム、ラミネート包材、電池および二軸延伸ナイロンコーティングフィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】難燃性に優れ、冷間成型時に優れた深絞り成型性を有する二軸延伸ナイロンコーティングフィルムを提供すること。
【解決手段】本発明の二軸延伸ナイロンコーティングフィルムは、ナイロン樹脂を原料とする二軸延伸ナイロンフィルムにコーティング層が設けられた二軸延伸ナイロンコーティングフィルムであって、前記二軸延伸ナイロンフィルムは、当該フィルムの三次元屈折率のうち、当該フィルム面内の最大屈折率値をNxとし、当該フィルム面内の最小屈折率値をNyとし、当該フィルムの厚み方向の屈折率値をNzとした場合に、面配向度(P)が下記数式(F1)で表される条件を満たすものであり、
P = (Nx+Ny)/2−Nz ≧ 0.042 ・・・(F1)
前記コーティング層は、塩素系難燃剤、臭素系難燃剤、リン系難燃剤および無機系難燃剤からなる群から選択される少なくとも一種からなり、前記コーティング層の厚みが、0.1μm以上であることを特徴とするものである。
【選択図】なし
【解決手段】本発明の二軸延伸ナイロンコーティングフィルムは、ナイロン樹脂を原料とする二軸延伸ナイロンフィルムにコーティング層が設けられた二軸延伸ナイロンコーティングフィルムであって、前記二軸延伸ナイロンフィルムは、当該フィルムの三次元屈折率のうち、当該フィルム面内の最大屈折率値をNxとし、当該フィルム面内の最小屈折率値をNyとし、当該フィルムの厚み方向の屈折率値をNzとした場合に、面配向度(P)が下記数式(F1)で表される条件を満たすものであり、
P = (Nx+Ny)/2−Nz ≧ 0.042 ・・・(F1)
前記コーティング層は、塩素系難燃剤、臭素系難燃剤、リン系難燃剤および無機系難燃剤からなる群から選択される少なくとも一種からなり、前記コーティング層の厚みが、0.1μm以上であることを特徴とするものである。
【選択図】なし
Description
本発明は、特に、冷間成型用の包装材料として好適に用いることができる二軸延伸ナイロンコーティングフィルム、ラミネートフィルム、ラミネート包材、電池および二軸延伸ナイロンコーティングフィルムの製造方法に関する。
二軸延伸ナイロンフィルム(以後、ONyフィルムとも言う)は、強度、耐衝撃性、耐ピンホール性などに優れるため、重量物包装や水物包装など大きな強度負荷が掛かる用途に多く用いられている。
そして、このONyフィルムを含むラミネート包材を、熱間成型に比して、安全性や形状自由度(絞り成型性)に優れ、薄肉化や軽量化が図れる冷間成型用の包装材料として用いることが検討されている(例えば、特許文献1)。このようなONyフィルムを含むラミネート包材は電池包装用や医薬用として好適に用いることができる。
そして、このONyフィルムを含むラミネート包材を、熱間成型に比して、安全性や形状自由度(絞り成型性)に優れ、薄肉化や軽量化が図れる冷間成型用の包装材料として用いることが検討されている(例えば、特許文献1)。このようなONyフィルムを含むラミネート包材は電池包装用や医薬用として好適に用いることができる。
一方、冷間成型用の包装材料は、電池などの大容量化に伴い、更なる絞り成型性の向上(深絞り成型性)が要求されるようになっている。しかしながら、特許文献1に記載のような二軸延伸ナイロンフィルムを含むラミネート包材においては、通常の絞り成型では問題にはならないものの、深絞り成型をすると、ピンホールが発生するおそれがある。
また、二軸延伸ナイロンフィルムを含むラミネート包材を用いた電池の用途は、従来の電気自動車、タブレット型端末機器などから大きく広がっている。例えば、災害時に円滑な対応ができるといった観点から、貯蔵電力を利用する需要が高まりつつあることから、住宅、公共施設、工場などの建物にも電池が設置されるようになっている。そして、このように建物に設置される電池については、消防法の問題もあり、より発火し難くなるような性質(難燃性)が求められている。
そこで、本発明は、難燃性に優れ、冷間成型時に優れた深絞り成型性を有する二軸延伸ナイロンコーティングフィルム、ラミネートフィルム、ラミネート包材、電池および二軸延伸ナイロンコーティングフィルムの製造方法を提供することを目的とする。
そこで、本発明は、難燃性に優れ、冷間成型時に優れた深絞り成型性を有する二軸延伸ナイロンコーティングフィルム、ラミネートフィルム、ラミネート包材、電池および二軸延伸ナイロンコーティングフィルムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明において、冷間成型とは、絞り成型のうち加熱せず常温下で行う成型をいう。かかる冷間成型の一手段として、アルミニウム箔などの成型に用いられる冷間成型機を用いて、シート材料を雌金型に対して雄金型で押し込み、高速でプレスすることが挙げられる。かかる冷間成型によると、加熱することなく型付け、曲げ、剪断、絞りなどの塑性変形を生じさせることができる。
前記課題を解決すべく、本発明者は、フィルムの表面の粗さ並びにフィルムの分子配向と、絞り成型性との間には相関があることを見出した。本発明は、このような知見に基づいて完成されたものであり、以下のような二軸延伸ナイロンコーティングフィルム、ラミネートフィルム、ラミネート包材、電池および二軸延伸ナイロンコーティングフィルムの製造方法を提供するものである。
すなわち、本発明の二軸延伸ナイロンコーティングフィルムは、ナイロン樹脂を原料とする二軸延伸ナイロンフィルムにコーティング層が設けられた二軸延伸ナイロンコーティングフィルムであって、前記二軸延伸ナイロンフィルムは、当該フィルムの三次元屈折率のうち、当該フィルム面内の最大屈折率値をNxとし、当該フィルム面内の最小屈折率値をNyとし、当該フィルムの厚み方向の屈折率値をNzとした場合に、面配向度(P)が下記数式(F1)で表される条件を満たすものであり、
P = (Nx+Ny)/2−Nz ≧ 0.042 ・・・(F1)
前記コーティング層は、塩素系難燃剤、臭素系難燃剤、リン系難燃剤および無機系難燃剤からなる群から選択される少なくとも一種からなり、前記コーティング層の厚みが、0.1μm以上であることを特徴とするものである。
上記式(F1)に示すように、面配向度(P)、すなわち、フィルム面内の最大屈折率値と最小屈折率値との中間の値と、フィルム厚み方向の屈折率値との差が、上記条件を満たす場合、二軸延伸ナイロンフィルムの延伸の度合いが冷間成型に適した範囲となり、冷間成型時に優れた深絞り成型性を有する二軸延伸ナイロンフィルムが得られると本発明者は推察する。
また、前記コーティング層により、深絞り成型性などの諸特性を維持しつつ、難燃性を付与することができる。
すなわち、本発明の二軸延伸ナイロンコーティングフィルムは、ナイロン樹脂を原料とする二軸延伸ナイロンフィルムにコーティング層が設けられた二軸延伸ナイロンコーティングフィルムであって、前記二軸延伸ナイロンフィルムは、当該フィルムの三次元屈折率のうち、当該フィルム面内の最大屈折率値をNxとし、当該フィルム面内の最小屈折率値をNyとし、当該フィルムの厚み方向の屈折率値をNzとした場合に、面配向度(P)が下記数式(F1)で表される条件を満たすものであり、
P = (Nx+Ny)/2−Nz ≧ 0.042 ・・・(F1)
前記コーティング層は、塩素系難燃剤、臭素系難燃剤、リン系難燃剤および無機系難燃剤からなる群から選択される少なくとも一種からなり、前記コーティング層の厚みが、0.1μm以上であることを特徴とするものである。
上記式(F1)に示すように、面配向度(P)、すなわち、フィルム面内の最大屈折率値と最小屈折率値との中間の値と、フィルム厚み方向の屈折率値との差が、上記条件を満たす場合、二軸延伸ナイロンフィルムの延伸の度合いが冷間成型に適した範囲となり、冷間成型時に優れた深絞り成型性を有する二軸延伸ナイロンフィルムが得られると本発明者は推察する。
また、前記コーティング層により、深絞り成型性などの諸特性を維持しつつ、難燃性を付与することができる。
本発明の二軸延伸ナイロンコーティングフィルムにおいては、当該フィルムの平面屈折率比(Nx/Ny)が下記数式(F2)で表される条件を満たすことが好ましい。
1.0 ≦ (Nx/Ny) ≦ 1.0065 ・・・(F2)
本発明の二軸延伸ナイロンコーティングフィルムにおいては、前記コーティング層が、リン系難燃剤からなることが好ましい。
1.0 ≦ (Nx/Ny) ≦ 1.0065 ・・・(F2)
本発明の二軸延伸ナイロンコーティングフィルムにおいては、前記コーティング層が、リン系難燃剤からなることが好ましい。
本発明のラミネートフィルムは、前記二軸延伸ナイロンコーティングフィルムを積層してなることを特徴とするものである。
本発明のラミネートフィルムにおいては、冷間成型用であることが好ましい。
本発明のラミネートフィルムの用途は特に限定されないが、例えば、電池の外装材に好適に用いることができる。
本発明のラミネートフィルムを電池の外装材に用いる場合、当該ラミネートフィルムの積層態様は特に限定されないが、例えば、前記二軸延伸ナイロンコーティングフィルム/アルミニウム層/ポリプロピレン層、および、ポリエチレンテレフタレート層/前記二軸延伸ナイロンコーティングフィルム/アルミニウム層/ポリプロピレン層が挙げられる。
本発明のラミネートフィルムにおいては、冷間成型用であることが好ましい。
本発明のラミネートフィルムの用途は特に限定されないが、例えば、電池の外装材に好適に用いることができる。
本発明のラミネートフィルムを電池の外装材に用いる場合、当該ラミネートフィルムの積層態様は特に限定されないが、例えば、前記二軸延伸ナイロンコーティングフィルム/アルミニウム層/ポリプロピレン層、および、ポリエチレンテレフタレート層/前記二軸延伸ナイロンコーティングフィルム/アルミニウム層/ポリプロピレン層が挙げられる。
本発明のラミネート包材は、前記ラミネートフィルムを用いたことを特徴とするものである。
本発明の電池は、前記ラミネートフィルムを外装材として用いたことを特徴とするものである。
本発明の電池は、建物設置用であってもよい。
本発明の電池は、前記ラミネートフィルムを外装材として用いたことを特徴とするものである。
本発明の電池は、建物設置用であってもよい。
本発明の二軸延伸ナイロンコーティングフィルムの製造方法は、前記二軸延伸ナイロンコーティングフィルムを製造する二軸延伸ナイロンコーティングフィルムの製造方法であって、前記原料から原反フィルムを成形する原反フィルム製造工程と、チューブラー式二軸延伸法にて、前記原反フィルムを二軸延伸する二軸延伸工程と、前記二軸延伸工程後のフィルムに熱処理を施して熱固定する熱固定工程と、前記熱固定工程後のフィルムの表面に難燃剤を塗布してコーティング層を形成するコーティング工程と、を備えることを特徴とする方法である。
本発明の二軸延伸ナイロンコーティングフィルムの製造方法においては、前記二軸延伸工程は、MD方向(フィルムの移動方向)およびTD方向(フィルムの移動方向に直交する方法)の延伸倍率がそれぞれ2.8倍以上であり、かつ、前記TD方向の延伸倍率が前記MD方向の延伸倍率より0.1倍以上大きい条件で前記原反フィルムを二軸延伸することが好ましい。
本発明の二軸延伸ナイロンコーティングフィルムの製造方法においては、前記熱固定工程における前記フィルムの熱処理温度が190℃以上215℃以下であることが好ましい。
本発明によれば、冷間成型時に優れた深絞り成型性を有する二軸延伸ナイロンコーティングフィルム、ラミネートフィルム、ラミネート包材、電池および二軸延伸ナイロンコーティングフィルムの製造方法を提供することができる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
〔二軸延伸ナイロンフィルムの構成〕
本実施形態の二軸延伸ナイロンフィルム(ONyフィルム)は、ナイロン樹脂を原料とする原反フィルムを二軸延伸し、所定の温度で熱固定して形成したものである。
原料であるナイロン樹脂としては、ナイロン6、ナイロン8、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン6,12などを使用することができる。物性や溶融特性、取り扱いやすさの点からはナイロン6(以後、Ny6ともいう)を用いることが好ましい。
ここで、前記Ny6の化学式を下記式(1)に示す。
〔二軸延伸ナイロンフィルムの構成〕
本実施形態の二軸延伸ナイロンフィルム(ONyフィルム)は、ナイロン樹脂を原料とする原反フィルムを二軸延伸し、所定の温度で熱固定して形成したものである。
原料であるナイロン樹脂としては、ナイロン6、ナイロン8、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン6,12などを使用することができる。物性や溶融特性、取り扱いやすさの点からはナイロン6(以後、Ny6ともいう)を用いることが好ましい。
ここで、前記Ny6の化学式を下記式(1)に示す。
原料であるナイロン樹脂の数平均分子量は、15000以上30000以下であることが好ましく、22000以上24000以下であることがより好ましい。
本実施形態においては、ONyフィルムの三次元屈折率のうち、ONyフィルム面内の最大屈折率値をNxとし、ONyフィルム面内の最小屈折率値をNyとし、ONyフィルムの厚み方向の屈折率値をNzとした場合に、面配向度(P)が下記数式(F1)で表される条件を満たすことが必要である。
P = (Nx+Ny)/2−Nz ≧ 0.042 ・・・(F1)
面配向度(P)が0.042未満では、得られるフィルムの深絞り成型性が不十分となる。このうち、面配向度(P)は0.043以上であることが好ましい。
また、本実施形態においては、ONyフィルムの平面屈折率比(Nx/Ny)が下記数式(F2)で表される条件を満たすことが好ましい。
1.0 ≦ (Nx/Ny) ≦ 1.0065 ・・・(F2)
平面屈折率比(Nx/Ny)が前記範囲外の場合は、得られるフィルムの面内バランスが崩れるため、深絞り成型性が低下する傾向にある。また、冷間成型時に優れた深絞り成型性を得るという観点から、平面屈折率比(Nx/Ny)は、1.00以上1.0060以下であることがより好ましい。
ここで、三次元屈折率の各成分Nx、NyおよびNzは、大塚電子社製RETS−100を使用して、フィルムを0°のものと45°傾けたものの屈折率を測定し、得られた結果を解析することにより算出できる。なお、三次元屈折率は、測定波長589nmにおける値である。
P = (Nx+Ny)/2−Nz ≧ 0.042 ・・・(F1)
面配向度(P)が0.042未満では、得られるフィルムの深絞り成型性が不十分となる。このうち、面配向度(P)は0.043以上であることが好ましい。
また、本実施形態においては、ONyフィルムの平面屈折率比(Nx/Ny)が下記数式(F2)で表される条件を満たすことが好ましい。
1.0 ≦ (Nx/Ny) ≦ 1.0065 ・・・(F2)
平面屈折率比(Nx/Ny)が前記範囲外の場合は、得られるフィルムの面内バランスが崩れるため、深絞り成型性が低下する傾向にある。また、冷間成型時に優れた深絞り成型性を得るという観点から、平面屈折率比(Nx/Ny)は、1.00以上1.0060以下であることがより好ましい。
ここで、三次元屈折率の各成分Nx、NyおよびNzは、大塚電子社製RETS−100を使用して、フィルムを0°のものと45°傾けたものの屈折率を測定し、得られた結果を解析することにより算出できる。なお、三次元屈折率は、測定波長589nmにおける値である。
なお、ONyフィルムの面配向度(P)を上述した範囲にする手段としては、ONyフィルム製造時の延伸倍率や延伸温度、延伸速度、延伸後の熱固定温度を調整することなどが挙げられる。
製造時の延伸倍率としては、例えば、2.8倍以上、より好ましくは3.0倍以上である。なお、上記延伸倍率は、ONyフィルムの実用性の観点から、例えば、4.5倍以下、より好ましくは4.0倍以下が好適である。
また、製造時のMD方向およびTD方向における延伸倍率の差を設けてもよい。製造時のMD方向およびTD方向における延伸倍率の差としては、TD方向の延伸倍率からMD方向の延伸倍率を減じた差(TD−MD)が、例えば、0.1以上であり、より好ましくは0.2以上0.8以下であり、特に好ましくは0.3以上0.8以下の範囲で調整できる。
また、延伸後の熱固定温度としては、例えば、150℃以上218℃以下であり、より好ましくは160℃以上215℃以下で調整できる。
製造時の延伸倍率としては、例えば、2.8倍以上、より好ましくは3.0倍以上である。なお、上記延伸倍率は、ONyフィルムの実用性の観点から、例えば、4.5倍以下、より好ましくは4.0倍以下が好適である。
また、製造時のMD方向およびTD方向における延伸倍率の差を設けてもよい。製造時のMD方向およびTD方向における延伸倍率の差としては、TD方向の延伸倍率からMD方向の延伸倍率を減じた差(TD−MD)が、例えば、0.1以上であり、より好ましくは0.2以上0.8以下であり、特に好ましくは0.3以上0.8以下の範囲で調整できる。
また、延伸後の熱固定温度としては、例えば、150℃以上218℃以下であり、より好ましくは160℃以上215℃以下で調整できる。
〔二軸延伸ナイロンコーティングフィルムの構成〕
本実施形態の二軸延伸ナイロンコーティングフィルムは、ONyフィルムに以下説明するコーティング層が設けられたものである。このコーティング層は、ONyフィルムの一方の面側のみに設けられていてもよいし、ONyフィルムの表裏面に設けられていてもよい。
前記コーティング層を構成する難燃剤としては、例えば、塩素系難燃剤、臭素系難燃剤、リン系難燃剤および無機系難燃剤が挙げられる。これらの中でも、難燃性付与効果が高く、かつ燃焼した際に、有毒ガスを発生しないという観点から、リン系難燃剤がより好ましい。これらの難燃剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の二軸延伸ナイロンコーティングフィルムは、ONyフィルムに以下説明するコーティング層が設けられたものである。このコーティング層は、ONyフィルムの一方の面側のみに設けられていてもよいし、ONyフィルムの表裏面に設けられていてもよい。
前記コーティング層を構成する難燃剤としては、例えば、塩素系難燃剤、臭素系難燃剤、リン系難燃剤および無機系難燃剤が挙げられる。これらの中でも、難燃性付与効果が高く、かつ燃焼した際に、有毒ガスを発生しないという観点から、リン系難燃剤がより好ましい。これらの難燃剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記塩素系難燃剤としては、塩素化パラフィン、および塩素化ポリエチレンなどが挙げられる。前記塩素系難燃剤を用いる場合、相乗効果が得られるという観点から、三酸化アンチモンと併用することが好ましい。
前記臭素系難燃剤としては、芳香族に置換した臭素化合物などが挙げられる。前記臭素系難燃剤を用いる場合、相乗効果が得られるという観点から、三酸化アンチモンと併用することが好ましい。
前記リン系難燃剤としては、芳香族ホスフェート、含塩素アルキルホスフェートおよび無機リン酸塩系難燃剤などのリン酸系難燃剤、並びに赤リンなどが挙げられる。
前記無機系難燃剤としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、および三酸化アンチモンなどが挙げられる。
前記臭素系難燃剤としては、芳香族に置換した臭素化合物などが挙げられる。前記臭素系難燃剤を用いる場合、相乗効果が得られるという観点から、三酸化アンチモンと併用することが好ましい。
前記リン系難燃剤としては、芳香族ホスフェート、含塩素アルキルホスフェートおよび無機リン酸塩系難燃剤などのリン酸系難燃剤、並びに赤リンなどが挙げられる。
前記無機系難燃剤としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、および三酸化アンチモンなどが挙げられる。
前記コーティング層の形成方法としては、例えば、(i)溶剤中に難燃剤を溶解させた溶液をコーティングする方法(溶剤コーティング法)、(ii)分散媒中に難燃剤を分散させた分散液(例えば懸濁液)をコーティングする方法などを採用できる。これらの中でも、コーティング層に欠陥が生じにくいという観点から、(i)の溶剤コーティング法を採用することが好ましい。
前記コーティング層の厚みは、0.1μm以上であることが必要であり、0.2μm以上であることがより好ましい。厚みが0.1μm未満では、難燃性の向上効果が不足する。なお、厚みの上限値に特に制限はないが、5μmを超えると、難燃性の向上効果が得られにくくなり、コーティング層の形成に時間がかかるためにコストが高くなるばかりで好ましくない。
〔ラミネートフィルムの構成〕
本実施形態のラミネートフィルムは、上記した二軸延伸ナイロンコーティングフィルム(コート/ONy)の少なくともいずれか一方の面に、1層あるいは2層以上の他のラミネート基材を積層して構成されている。具体的に、他のラミネート基材としては、例えばアルミニウム(Al)層やアルミニウム層を含むフィルムや、ポリプロピレン(PP)系やポリエチレン(PE)系のシール層(シーラント層)などが挙げられる。
また、本実施形態のラミネートフィルムは、上記したONyフィルムの少なくとも一方の面にポリエチレンテレフタレート(PET)や、ポリエステル樹脂や、ポリ塩化ビニル(PVC)や、ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC)や、ポリ塩化ビニリデン共重合体樹脂や、滑剤や、帯電防止剤や、硝化綿アミド樹脂などの層(コーティング層であってもよい)をさらに積層したものでもよい。
このようなラミネート基材やコーティング層などが積層されることで、製造効率の向上や搬送効率の向上を図ることができるとともに、機能性(耐薬品性、電気絶縁性、防湿性、耐寒性、加工性など)が付加されたラミネートフィルムを得ることができる。
前記ラミネートフィルムの積層態様としては、例えば、コート/ONy/Al/PP、PET/コート/ONy/Al/PP、コート/ONy/Al/PVCが挙げられる。これらの中でも、電池の外装材用のラミネートフィルムとしては、ONy/Al/PP、PET/ONy/Al/PPなどの積層態様が好ましく、特に建物設置用電池のラミネートフィルムとしては、コート/ONy/Al/PPの積層態様が好ましい。
本実施形態のラミネートフィルムは、上記した二軸延伸ナイロンコーティングフィルム(コート/ONy)の少なくともいずれか一方の面に、1層あるいは2層以上の他のラミネート基材を積層して構成されている。具体的に、他のラミネート基材としては、例えばアルミニウム(Al)層やアルミニウム層を含むフィルムや、ポリプロピレン(PP)系やポリエチレン(PE)系のシール層(シーラント層)などが挙げられる。
また、本実施形態のラミネートフィルムは、上記したONyフィルムの少なくとも一方の面にポリエチレンテレフタレート(PET)や、ポリエステル樹脂や、ポリ塩化ビニル(PVC)や、ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC)や、ポリ塩化ビニリデン共重合体樹脂や、滑剤や、帯電防止剤や、硝化綿アミド樹脂などの層(コーティング層であってもよい)をさらに積層したものでもよい。
このようなラミネート基材やコーティング層などが積層されることで、製造効率の向上や搬送効率の向上を図ることができるとともに、機能性(耐薬品性、電気絶縁性、防湿性、耐寒性、加工性など)が付加されたラミネートフィルムを得ることができる。
前記ラミネートフィルムの積層態様としては、例えば、コート/ONy/Al/PP、PET/コート/ONy/Al/PP、コート/ONy/Al/PVCが挙げられる。これらの中でも、電池の外装材用のラミネートフィルムとしては、ONy/Al/PP、PET/ONy/Al/PPなどの積層態様が好ましく、特に建物設置用電池のラミネートフィルムとしては、コート/ONy/Al/PPの積層態様が好ましい。
〔ラミネート包材の構成〕
本実施形態のラミネート包材は、上記ラミネートフィルムから構成されている。一般に、アルミニウム層を含むラミネート包材は、冷間成型の際にアルミニウム層においてネッキングによる破断が生じ易いため冷間成型に適していない。この点、本実施形態のラミネート包材によれば、上記したONyフィルムが優れた絞り成型性を有するため、冷間での深絞り成型などの際に、アルミニウム層の破断を抑制でき、包材におけるピンホールの発生を抑制できる。したがって、包材総厚が薄い場合でも、シャープな形状かつ高強度の成型品が得られる。
本実施形態のラミネート包材は、上記ラミネートフィルムから構成されている。一般に、アルミニウム層を含むラミネート包材は、冷間成型の際にアルミニウム層においてネッキングによる破断が生じ易いため冷間成型に適していない。この点、本実施形態のラミネート包材によれば、上記したONyフィルムが優れた絞り成型性を有するため、冷間での深絞り成型などの際に、アルミニウム層の破断を抑制でき、包材におけるピンホールの発生を抑制できる。したがって、包材総厚が薄い場合でも、シャープな形状かつ高強度の成型品が得られる。
本実施形態のラミネート包材は、ONyフィルムと他のラミネート基材との全体の厚みが200μm以下であることが好ましい。かかる全体の厚みが200μmを超えると、冷間成型によるコーナー部の成型が困難となり、シャープな形状の成型品が得られにくい傾向がある。
本実施形態のラミネート包材におけるONyフィルムの厚さは、5μm以上50μm以下であることが好ましく、10μm以上30μm以下であることがより好ましい。ここで、ONyフィルムの厚さが5μm未満では、ラミネート包材の耐衝撃性が低くなり、冷間成型性が不十分となる傾向にある。一方、ONyフィルムの厚さが50μmを超えると、ラミネート包材の耐衝撃性の更なる向上効果が得られにくくなり、包材総厚が増加するばかりで好ましくない。
〔二軸延伸ナイロンフィルムの製造装置〕
次に、本実施形態の二軸延伸ナイロンフィルムを製造する方法について図面に基づいて説明する。
先ず、本実施形態の二軸延伸ナイロンフィルムを製造する装置について、一例を挙げて説明する。
フィルム製造装置100は、図1に示すように、原反フィルム1を製造するための原反製造装置90と、原反フィルム1を延伸する二軸延伸装置(チューブラー延伸装置)10と、延伸後に折り畳まれた基材フィルム2(以後、単に「フィルム2」ともいう)を予熱する第一熱処理装置20(予熱炉)と、予熱されたフィルム2を上下2枚に分離する分離装置30と、分離されたフィルム2を熱処理(熱固定)する第二熱処理装置40と、フィルム2が熱固定されるときに、下流側からフィルム2に張力を加える張力制御装置50と、フィルム2が熱固定されてなる二軸延伸ナイロンフィルム3(以後、単に「フィルム3」ともいう)を巻き取る巻取装置60とを備えている。
次に、本実施形態の二軸延伸ナイロンフィルムを製造する方法について図面に基づいて説明する。
先ず、本実施形態の二軸延伸ナイロンフィルムを製造する装置について、一例を挙げて説明する。
フィルム製造装置100は、図1に示すように、原反フィルム1を製造するための原反製造装置90と、原反フィルム1を延伸する二軸延伸装置(チューブラー延伸装置)10と、延伸後に折り畳まれた基材フィルム2(以後、単に「フィルム2」ともいう)を予熱する第一熱処理装置20(予熱炉)と、予熱されたフィルム2を上下2枚に分離する分離装置30と、分離されたフィルム2を熱処理(熱固定)する第二熱処理装置40と、フィルム2が熱固定されるときに、下流側からフィルム2に張力を加える張力制御装置50と、フィルム2が熱固定されてなる二軸延伸ナイロンフィルム3(以後、単に「フィルム3」ともいう)を巻き取る巻取装置60とを備えている。
原反製造装置90は、図1に示すように、押出機91と、サーキュラーダイス92と、水冷リング93と、安定板94と、ピンチロール95とを備えている。
チューブラー延伸装置10は、チューブ状の原反フィルム1を内部空気の圧力により二軸延伸(バブル延伸)してフィルム2を製造するための装置である。このチューブラー延伸装置10は、図1に示すように、ピンチロール11と、加熱部12と、案内板13と、ピンチロール14とを備えている。
第一熱処理装置20は、扁平となったフィルム2を予備的に熱処理するための装置である。第一熱処理装置20は、図1に示すように、テンター21と、加熱炉22とを備えている。
分離装置30は、図1に示すように、ガイドロール31と、トリミング装置32と、分離ロール33A,33Bと、溝付ロール34A〜34Cとを備えている。また、トリミング装置32は、ブレード321を有している。
チューブラー延伸装置10は、チューブ状の原反フィルム1を内部空気の圧力により二軸延伸(バブル延伸)してフィルム2を製造するための装置である。このチューブラー延伸装置10は、図1に示すように、ピンチロール11と、加熱部12と、案内板13と、ピンチロール14とを備えている。
第一熱処理装置20は、扁平となったフィルム2を予備的に熱処理するための装置である。第一熱処理装置20は、図1に示すように、テンター21と、加熱炉22とを備えている。
分離装置30は、図1に示すように、ガイドロール31と、トリミング装置32と、分離ロール33A,33Bと、溝付ロール34A〜34Cとを備えている。また、トリミング装置32は、ブレード321を有している。
第二熱処理装置40は、図1に示すように、テンター41と、加熱炉42とを備えている。
張力制御装置50は、図1に示すように、ガイドロール51A,51Bと、張力ロール52とを備えている。
巻取装置60は、図1に示すように、ガイドロール61と、巻取ロール62とを備えている。
張力制御装置50は、図1に示すように、ガイドロール51A,51Bと、張力ロール52とを備えている。
巻取装置60は、図1に示すように、ガイドロール61と、巻取ロール62とを備えている。
〔二軸延伸ナイロンコーティングフィルムの製造方法〕
次に、このフィルム製造装置100を用いて二軸延伸ナイロンフィルムを製造する各工程を詳細に説明する。
次に、このフィルム製造装置100を用いて二軸延伸ナイロンフィルムを製造する各工程を詳細に説明する。
(原反フィルム製造工程)
原料であるナイロン樹脂は、図1に示すように、押出機91により溶融混練され、サーキュラーダイス92によりチューブ状に押し出される。チューブ状の溶融樹脂は、水冷リング93により冷却される。原反フィルム1は原料である溶融ナイロン樹脂が水冷リング93により急冷されることで成形される。冷却された原反フィルム1は、安定板94により折り畳まれる。折り畳まれた原反フィルム1は、ピンチロール95により、扁平なフィルムとして次の二軸延伸工程に送られる。
原料であるナイロン樹脂は、図1に示すように、押出機91により溶融混練され、サーキュラーダイス92によりチューブ状に押し出される。チューブ状の溶融樹脂は、水冷リング93により冷却される。原反フィルム1は原料である溶融ナイロン樹脂が水冷リング93により急冷されることで成形される。冷却された原反フィルム1は、安定板94により折り畳まれる。折り畳まれた原反フィルム1は、ピンチロール95により、扁平なフィルムとして次の二軸延伸工程に送られる。
(二軸延伸工程)
原反フィルム製造工程により製造された原反フィルム1は、図1に示すように、ピンチロール11により、扁平なフィルムとして装置内部に導入される。導入された原反フィルム1は、加熱部12で赤外線により加熱することでバブル延伸される。その後、バブル延伸された後のフィルム2は、案内板13により折り畳まれる。折り畳まれたフィルム2は、ピンチロール14によりピンチされ扁平なフィルム2として次の第一熱処理工程に送られる。
原反フィルム製造工程により製造された原反フィルム1は、図1に示すように、ピンチロール11により、扁平なフィルムとして装置内部に導入される。導入された原反フィルム1は、加熱部12で赤外線により加熱することでバブル延伸される。その後、バブル延伸された後のフィルム2は、案内板13により折り畳まれる。折り畳まれたフィルム2は、ピンチロール14によりピンチされ扁平なフィルム2として次の第一熱処理工程に送られる。
この際、MD方向およびTD方向の延伸倍率をそれぞれ2.8倍以上とすることで、衝撃強度が向上することが期待できる。
また、TD方向の延伸倍率からMD方向の延伸倍率を減じた差(TD−MD)が、0.1以上であることが好ましく、0.2以上0.8以下であることがより好ましく、0.3以上0.8以下であることが更により好ましい。TD−MDの値が前記下限未満では、得られるフィルムの深絞り成型性が不十分となる傾向にあり、また、フィルムの厚み精度が低下する傾向にある。また、特に、TD−MDの値が0.1以下の場合には、延伸安定性が劣るとともに、フィルムの厚み精度が低下する傾向にある。一方、TD−MDの値が前記上限を超えると、得られるフィルムの深絞り成型性が不十分となる傾向にあり、また、延伸安定性が低下する傾向にある。
また、TD方向の延伸倍率からMD方向の延伸倍率を減じた差(TD−MD)が、0.1以上であることが好ましく、0.2以上0.8以下であることがより好ましく、0.3以上0.8以下であることが更により好ましい。TD−MDの値が前記下限未満では、得られるフィルムの深絞り成型性が不十分となる傾向にあり、また、フィルムの厚み精度が低下する傾向にある。また、特に、TD−MDの値が0.1以下の場合には、延伸安定性が劣るとともに、フィルムの厚み精度が低下する傾向にある。一方、TD−MDの値が前記上限を超えると、得られるフィルムの深絞り成型性が不十分となる傾向にあり、また、延伸安定性が低下する傾向にある。
(第一熱処理工程)
二軸延伸工程から送られたフィルム2は、テンター21のクリップ(図示せず)で両端部を把持されながら、このフィルム2の収縮開始温度以上であって、フィルム2の融点よりも約30℃低い温度かそれ以下の温度でこのフィルム2を予め熱処理されて次の分離工程に送られる。
この第一熱処理における熱処理温度は、120℃以上190℃以下であり、かつ、弛緩率は、15%以下であることが好ましい。
この第一熱処理工程により、フィルム2の結晶化度が増して、重なり合ったフィルム同士の滑り性が良好になる。
二軸延伸工程から送られたフィルム2は、テンター21のクリップ(図示せず)で両端部を把持されながら、このフィルム2の収縮開始温度以上であって、フィルム2の融点よりも約30℃低い温度かそれ以下の温度でこのフィルム2を予め熱処理されて次の分離工程に送られる。
この第一熱処理における熱処理温度は、120℃以上190℃以下であり、かつ、弛緩率は、15%以下であることが好ましい。
この第一熱処理工程により、フィルム2の結晶化度が増して、重なり合ったフィルム同士の滑り性が良好になる。
(分離工程)
ガイドロール31を介して送られた扁平なフィルム2は、図1に示すように、トリミング装置32のブレード321により、両端部を切開されて2枚のフィルム2A,2Bに分離される。そして、フィルム2A,2Bは、上下に離れて位置する一対の分離ロール33A、33Bにより、フィルム2A,2Bの間に空気を介在させながらこれらを分離される。この扁平なフィルム2の切開は、両端部から若干内側にブレード321を位置させることにより、一部分耳部が生じるように行ってもよく、或いは、フィルム2の折り目部分にブレード321を位置させることにより、耳部が生じないように行ってもよい。
これらのフィルム2A,2Bは、フィルムの流れ方向に順に位置する3個の溝付ロール34Aから34Cにより、再び重ねられて次の第二熱処理工程に送られる。なお、これらの溝付ロール34Aから34Cは、溝付き加工後、表面にめっき処理を施したものである。この溝を介してフィルム2A、2Bと空気との良好な接触状態が得られる。
ガイドロール31を介して送られた扁平なフィルム2は、図1に示すように、トリミング装置32のブレード321により、両端部を切開されて2枚のフィルム2A,2Bに分離される。そして、フィルム2A,2Bは、上下に離れて位置する一対の分離ロール33A、33Bにより、フィルム2A,2Bの間に空気を介在させながらこれらを分離される。この扁平なフィルム2の切開は、両端部から若干内側にブレード321を位置させることにより、一部分耳部が生じるように行ってもよく、或いは、フィルム2の折り目部分にブレード321を位置させることにより、耳部が生じないように行ってもよい。
これらのフィルム2A,2Bは、フィルムの流れ方向に順に位置する3個の溝付ロール34Aから34Cにより、再び重ねられて次の第二熱処理工程に送られる。なお、これらの溝付ロール34Aから34Cは、溝付き加工後、表面にめっき処理を施したものである。この溝を介してフィルム2A、2Bと空気との良好な接触状態が得られる。
(第二熱処理工程(熱固定工程))
重なった状態のフィルム2A、2Bは、テンター41のクリップ(図示せず)で両端部を把持されながら、フィルム2を構成する樹脂の融点以下であって、融点から約30℃低い温度以上で熱処理(熱固定)され、物性の安定した二軸延伸ナイロンフィルム3(以後、フィルム3ともいう)となり、次の巻取工程に送られる。
この第二熱処理(熱固定)における熱処理温度は、190℃以上215℃以下であることが好ましい。熱処理温度が前記下限未満では、フィルム収縮率が大きくなり、デラミが発生する危険性が高まる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、熱固定時のボーイング現象が大きくなり、フィルムの歪みが増し、また、密度が高くなり過ぎて、結晶化度が高くなり過ぎてフィルムの変形がし難くなる傾向にある。
また、このときの弛緩率は、15%以下であることが好ましい。
なお、加熱炉42内のフィルム2A、2Bに対しては、下流側に位置する張力制御装置50により強い張力が加えられるようになっている。
重なった状態のフィルム2A、2Bは、テンター41のクリップ(図示せず)で両端部を把持されながら、フィルム2を構成する樹脂の融点以下であって、融点から約30℃低い温度以上で熱処理(熱固定)され、物性の安定した二軸延伸ナイロンフィルム3(以後、フィルム3ともいう)となり、次の巻取工程に送られる。
この第二熱処理(熱固定)における熱処理温度は、190℃以上215℃以下であることが好ましい。熱処理温度が前記下限未満では、フィルム収縮率が大きくなり、デラミが発生する危険性が高まる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、熱固定時のボーイング現象が大きくなり、フィルムの歪みが増し、また、密度が高くなり過ぎて、結晶化度が高くなり過ぎてフィルムの変形がし難くなる傾向にある。
また、このときの弛緩率は、15%以下であることが好ましい。
なお、加熱炉42内のフィルム2A、2Bに対しては、下流側に位置する張力制御装置50により強い張力が加えられるようになっている。
(巻取工程)
第二熱処理工程により熱固定されたフィルム3は、張力制御装置50を経て、ガイドロール61を介して2本の巻取ロール62に、フィルム3A,3Bとして巻き取られる。
第二熱処理工程により熱固定されたフィルム3は、張力制御装置50を経て、ガイドロール61を介して2本の巻取ロール62に、フィルム3A,3Bとして巻き取られる。
(コーティング工程)
上記得られたフィルム3A,3Bには、図示しないコーティング装置により、その表面にコーティング層が形成される。コーティング層は、フィルム3A,3Bの表面に難燃剤を含む溶液を塗布し、得られた塗布膜を乾燥させることにより形成できる。コーティング層の厚みは、難燃剤の種類、難燃剤を含む溶液の濃度、難燃剤を含む溶液の塗布量などにより制御することが可能である。塗布方法としては、例えば刷毛塗りやロール塗り、スプレー塗布、ワイヤーコートなどが挙げられる。また、コーティング層は、フィルム3A,3Bの一方の面側のみに形成してもよいし、フィルム3A,3Bの表裏面に形成してもよい。このうち、コーティング層は、ONyフィルムの、ラミネート基材を積層する面とは反対側の面側のみに形成することが好ましい。
上記得られたフィルム3A,3Bには、図示しないコーティング装置により、その表面にコーティング層が形成される。コーティング層は、フィルム3A,3Bの表面に難燃剤を含む溶液を塗布し、得られた塗布膜を乾燥させることにより形成できる。コーティング層の厚みは、難燃剤の種類、難燃剤を含む溶液の濃度、難燃剤を含む溶液の塗布量などにより制御することが可能である。塗布方法としては、例えば刷毛塗りやロール塗り、スプレー塗布、ワイヤーコートなどが挙げられる。また、コーティング層は、フィルム3A,3Bの一方の面側のみに形成してもよいし、フィルム3A,3Bの表裏面に形成してもよい。このうち、コーティング層は、ONyフィルムの、ラミネート基材を積層する面とは反対側の面側のみに形成することが好ましい。
〔実施形態の変形〕
なお、以上説明した態様は、本発明の一態様を示したものであって、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の構成を備え、目的および効果を達成できる範囲内での変形や改良が、本発明の内容に含まれるものであることはいうまでもない。また、本発明を実施する際における具体的な構造および形状などは、本発明の目的および効果を達成できる範囲内において、他の構造や形状などとしても問題はない。
なお、以上説明した態様は、本発明の一態様を示したものであって、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の構成を備え、目的および効果を達成できる範囲内での変形や改良が、本発明の内容に含まれるものであることはいうまでもない。また、本発明を実施する際における具体的な構造および形状などは、本発明の目的および効果を達成できる範囲内において、他の構造や形状などとしても問題はない。
例えば、本実施形態では、二軸延伸方法としてチューブラー方式を採用したが、テンター方式であってもよい。さらに、延伸方法としては同時二軸延伸でも逐次二軸延伸でもよい。
次に、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、各例における特性(二軸延伸ナイロンフィルムの三次元屈折率、面配向度および平面屈折率比、二軸延伸ナイロンコーティングフィルムの難燃性、並びにラミネートフィルムの深絞り成型性)は以下のような方法で評価した。
(i)三次元屈折率、面配向度(P)および平面屈折率比
大塚電子社製RETS−100を使用して、フィルムを0°のものと45°傾斜させたものにおいて屈折率を測定し、得られた結果を解析することにより、三次元屈折率(測定波長:589nm)の各成分Nx、NyおよびNzを算出した。また、これら三次元屈折率の値から、面配向度(P)および平面屈折率比を算出した。
(ii)難燃性
「プラスチック材料の防炎性試験−UL94」における「20mm垂直防炎テスト(20mm Vertical Burning Test);2000年6月8日改訂版」の記載に準拠して、二軸延伸ナイロンコーティングフィルムの難燃性を評価した。UL94における「V−0」、「V−1」及び「V−2」は、難燃性のレベルを示し、順に難燃性が低下する。そして、以下の基準に従って評価した。
○:難燃性のレベルが、「V−2」以上である。
×:難燃性のレベルが、「V−2」未満である。
大塚電子社製RETS−100を使用して、フィルムを0°のものと45°傾斜させたものにおいて屈折率を測定し、得られた結果を解析することにより、三次元屈折率(測定波長:589nm)の各成分Nx、NyおよびNzを算出した。また、これら三次元屈折率の値から、面配向度(P)および平面屈折率比を算出した。
(ii)難燃性
「プラスチック材料の防炎性試験−UL94」における「20mm垂直防炎テスト(20mm Vertical Burning Test);2000年6月8日改訂版」の記載に準拠して、二軸延伸ナイロンコーティングフィルムの難燃性を評価した。UL94における「V−0」、「V−1」及び「V−2」は、難燃性のレベルを示し、順に難燃性が低下する。そして、以下の基準に従って評価した。
○:難燃性のレベルが、「V−2」以上である。
×:難燃性のレベルが、「V−2」未満である。
(iii)深絞り成型性
ラミネートフィルムを裁断して、120×80mmの短冊片を作製してサンプルとした。33×55mmの矩形状の金型を用い、0.1MPaの面圧で押えて、0.5mmの成型深さから0.5mm単位で成型深さを変えて各10枚のサンプルについて冷間成型(引き込み1段成型)した。そして、アルミニウム箔にピンホールが10枚のサンプルのいずれにも発生していない成型深さを限界成型深さとし、その成型深さを評価値として示し、以下の基準に従って評価した。なお、ピンホールの確認は透過光を目視で確認した。
◎:限界成型深さが7mm以上である。
○:限界成型深さが6mm以上7mm未満である。
△:限界成型深さが5mm以上6mm未満である。
×:限界成型深さが5mm未満である。
〔実施例1〕
(原反フィルム製造工程)
図1に示すように、ナイロン樹脂を原料として、押出機91により270℃で溶融混練した後、溶融物をサーキュラーダイス92からチューブ状のフィルムとして押出し、引き続き水冷リング93でチューブ状の溶融物を水(15℃)で急冷して原反フィルム1を作製した。ここで、ナイロン樹脂として使用したものは、宇部興産(株)製ナイロン6〔UBEナイロン1022FD(商品名)、相対粘度 ηr=3.5〕である。
(二軸延伸工程)
次に、図1に示すように、この原反フィルム1を一対のピンチロール11間に挿通した後、中に気体を圧入しながら加熱部12で加熱すると共に、延伸開始点に吹き付けてバブルに膨張させ、下流側の一対のピンチロール14で引き取ることにより、チューブラー法によるMD方向およびTD方向の同時二軸延伸を行った。この延伸の際の倍率はMD方向で3.0倍、TD方向で3.3倍とした。
(第一熱処理工程および第二熱処理工程)
次に、図1に示すように、フィルム2に対し第一熱処理装置20により温度170℃にて熱処理を施し、その後、分離装置30を経た後に、第二熱処理装置40により温度205℃にて熱処理を施し、熱固定した。
(巻取工程)
次いで、図1に示すように、第二熱処理工程により熱固定されたフィルム3を、張力制御装置50を経て、ガイドロール61を介して2本の巻取ロール62に、フィルム3A,3Bとして巻き取って二軸延伸ナイロンフィルムを製造した。得られた二軸延伸ナイロンフィルムの厚みは15μmであった。
得られた二軸延伸ナイロンフィルムの三次元屈折率、面配向度(P)および平面屈折率比を測定した。得られた結果を表1に示す。
(コーティング工程)
次に、二軸延伸ナイロンフィルムに対して、難燃剤としてリン酸系難燃剤を使用し、リン酸系難燃剤を含む溶液を二軸延伸ナイロンフィルムの表面に塗布し、塗布膜を乾燥させることにより二軸延伸ナイロンフィルムの表面にコーティング層を形成した。
得られた二軸延伸ナイロンコーティングフィルムのコーティング層厚みおよび難燃性を測定または評価した。得られた結果を表1に示す。
(ラミネートフィルムの作製)
得られた二軸延伸ナイロンフィルムを表基材フィルムとし、厚さ40μmのアルミニウム箔を中間基材とし、厚さ60μmのCPPフィルムをシーラントフィルムとして、ドライラミネートすることによりラミネートフィルムを得た。また、ドライラミネート後のラミネートフィルムは、40℃で3日間エージングを行った。
得られたラミネートフィルムの深絞り成型性を評価した。得られた結果を表1に示す。
ラミネートフィルムを裁断して、120×80mmの短冊片を作製してサンプルとした。33×55mmの矩形状の金型を用い、0.1MPaの面圧で押えて、0.5mmの成型深さから0.5mm単位で成型深さを変えて各10枚のサンプルについて冷間成型(引き込み1段成型)した。そして、アルミニウム箔にピンホールが10枚のサンプルのいずれにも発生していない成型深さを限界成型深さとし、その成型深さを評価値として示し、以下の基準に従って評価した。なお、ピンホールの確認は透過光を目視で確認した。
◎:限界成型深さが7mm以上である。
○:限界成型深さが6mm以上7mm未満である。
△:限界成型深さが5mm以上6mm未満である。
×:限界成型深さが5mm未満である。
〔実施例1〕
(原反フィルム製造工程)
図1に示すように、ナイロン樹脂を原料として、押出機91により270℃で溶融混練した後、溶融物をサーキュラーダイス92からチューブ状のフィルムとして押出し、引き続き水冷リング93でチューブ状の溶融物を水(15℃)で急冷して原反フィルム1を作製した。ここで、ナイロン樹脂として使用したものは、宇部興産(株)製ナイロン6〔UBEナイロン1022FD(商品名)、相対粘度 ηr=3.5〕である。
(二軸延伸工程)
次に、図1に示すように、この原反フィルム1を一対のピンチロール11間に挿通した後、中に気体を圧入しながら加熱部12で加熱すると共に、延伸開始点に吹き付けてバブルに膨張させ、下流側の一対のピンチロール14で引き取ることにより、チューブラー法によるMD方向およびTD方向の同時二軸延伸を行った。この延伸の際の倍率はMD方向で3.0倍、TD方向で3.3倍とした。
(第一熱処理工程および第二熱処理工程)
次に、図1に示すように、フィルム2に対し第一熱処理装置20により温度170℃にて熱処理を施し、その後、分離装置30を経た後に、第二熱処理装置40により温度205℃にて熱処理を施し、熱固定した。
(巻取工程)
次いで、図1に示すように、第二熱処理工程により熱固定されたフィルム3を、張力制御装置50を経て、ガイドロール61を介して2本の巻取ロール62に、フィルム3A,3Bとして巻き取って二軸延伸ナイロンフィルムを製造した。得られた二軸延伸ナイロンフィルムの厚みは15μmであった。
得られた二軸延伸ナイロンフィルムの三次元屈折率、面配向度(P)および平面屈折率比を測定した。得られた結果を表1に示す。
(コーティング工程)
次に、二軸延伸ナイロンフィルムに対して、難燃剤としてリン酸系難燃剤を使用し、リン酸系難燃剤を含む溶液を二軸延伸ナイロンフィルムの表面に塗布し、塗布膜を乾燥させることにより二軸延伸ナイロンフィルムの表面にコーティング層を形成した。
得られた二軸延伸ナイロンコーティングフィルムのコーティング層厚みおよび難燃性を測定または評価した。得られた結果を表1に示す。
(ラミネートフィルムの作製)
得られた二軸延伸ナイロンフィルムを表基材フィルムとし、厚さ40μmのアルミニウム箔を中間基材とし、厚さ60μmのCPPフィルムをシーラントフィルムとして、ドライラミネートすることによりラミネートフィルムを得た。また、ドライラミネート後のラミネートフィルムは、40℃で3日間エージングを行った。
得られたラミネートフィルムの深絞り成型性を評価した。得られた結果を表1に示す。
〔実施例2〜5、比較例1〜5〕
実施例2〜5、比較例1および2として、実施例1で示した製造方法で製造条件(延伸倍率、熱固定温度、フィルム厚み、コーティング層の有無および形成面、難燃剤種類、コーティング層厚み)を適宜調整し、二軸延伸ナイロンフィルム、二軸延伸ナイロンコーティングフィルムおよびラミネートフィルムを作製した。
得られた二軸延伸ナイロンフィルムの三次元屈折率、面配向度(P)、および平面屈折率比を測定した。得られた結果を表1に示す。また、得られた二軸延伸ナイロンコーティングフィルムのコーティング層厚みおよび難燃性を評価した。さらに、得られたラミネートフィルムの深絞り成型性を評価した。得られた結果を表1に示す。
一方、比較例3〜5として、表1に示す製造方法で得られた二軸延伸ナイロンフィルムを入手し、実施例1と同様に、三次元屈折率、面配向度(P)、および平面屈折率比を測定した。得られた結果を表1に示す。また、比較例3〜5の二軸延伸ナイロンフィルムを用いて二軸延伸ナイロンコーティングフィルムおよびラミネートフィルムを作製し、実施例1と同様に、コーティング層厚み、難燃性および深絞り成型性を評価した。得られた結果を表1に示す。なお、コーティング層のない比較例1および4については、二軸延伸ナイロンフィルムの難燃性を評価した。
実施例2〜5、比較例1および2として、実施例1で示した製造方法で製造条件(延伸倍率、熱固定温度、フィルム厚み、コーティング層の有無および形成面、難燃剤種類、コーティング層厚み)を適宜調整し、二軸延伸ナイロンフィルム、二軸延伸ナイロンコーティングフィルムおよびラミネートフィルムを作製した。
得られた二軸延伸ナイロンフィルムの三次元屈折率、面配向度(P)、および平面屈折率比を測定した。得られた結果を表1に示す。また、得られた二軸延伸ナイロンコーティングフィルムのコーティング層厚みおよび難燃性を評価した。さらに、得られたラミネートフィルムの深絞り成型性を評価した。得られた結果を表1に示す。
一方、比較例3〜5として、表1に示す製造方法で得られた二軸延伸ナイロンフィルムを入手し、実施例1と同様に、三次元屈折率、面配向度(P)、および平面屈折率比を測定した。得られた結果を表1に示す。また、比較例3〜5の二軸延伸ナイロンフィルムを用いて二軸延伸ナイロンコーティングフィルムおよびラミネートフィルムを作製し、実施例1と同様に、コーティング層厚み、難燃性および深絞り成型性を評価した。得られた結果を表1に示す。なお、コーティング層のない比較例1および4については、二軸延伸ナイロンフィルムの難燃性を評価した。
表1に示す結果からも明らかなように、二軸延伸ナイロンフィルムの面配向度が前記条件を満たし、かつ所定のコーティング層が設けられている場合(実施例1〜5)には、難燃性および深絞り成型性を両立できることが確認された。
一方で、コーティング層を設けていない場合やコーティング層の厚みが薄すぎる場合(比較例1、2および4)には、ラミネート包材としての難燃性が不十分であることが確認された。二軸延伸ナイロンフィルムの面配向度が前記条件を満たさない場合(比較例3〜5)には、この二軸延伸ナイロンフィルムを用いて得られるラミネートフィルムの深絞り成型性が不十分であることが確認された。
一方で、コーティング層を設けていない場合やコーティング層の厚みが薄すぎる場合(比較例1、2および4)には、ラミネート包材としての難燃性が不十分であることが確認された。二軸延伸ナイロンフィルムの面配向度が前記条件を満たさない場合(比較例3〜5)には、この二軸延伸ナイロンフィルムを用いて得られるラミネートフィルムの深絞り成型性が不十分であることが確認された。
本発明の二軸延伸ナイロンコーティングフィルムは、例えば工業用分野(電気自動車、タブレット型端末機器、スマートフォンなどに搭載されるリチウム電池用包材など)、生活品用分野(液体洗剤用詰め替え包材など)などの包装材料など、耐ピンホール特性が特に必要とされる包装材料として好適に用いることができる。本発明のラミネート包材は、特に優れた深絞り成型性が要求される冷間成型用包材として好適に用いることができる。また、電池用包材の中でも、特に難燃性が要求される建物に設置される電池用包材として好適に用いることができる。
3,3A,3B…二軸延伸ナイロンフィルム
Claims (12)
- ナイロン樹脂を原料とする二軸延伸ナイロンフィルムにコーティング層が設けられた二軸延伸ナイロンコーティングフィルムであって、
前記二軸延伸ナイロンフィルムは、当該フィルムの三次元屈折率のうち、当該フィルム面内の最大屈折率値をNxとし、当該フィルム面内の最小屈折率値をNyとし、当該フィルムの厚み方向の屈折率値をNzとした場合に、面配向度(P)が下記数式(F1)で表される条件を満たすものであり、
P = (Nx+Ny)/2−Nz ≧ 0.042 ・・・(F1)
前記コーティング層は、塩素系難燃剤、臭素系難燃剤、リン系難燃剤および無機系難燃剤からなる群から選択される少なくとも一種からなり、
前記コーティング層の厚みが、0.1μm以上である
ことを特徴とする二軸延伸ナイロンコーティングフィルム。 - 請求項1に記載の二軸延伸ナイロンコーティングフィルムにおいて、
当該フィルムの平面屈折率比(Nx/Ny)が下記数式(F2)で表される条件を満たす
1.0 ≦ (Nx/Ny) ≦ 1.0065 ・・・(F2)
ことを特徴とする二軸延伸ナイロンコーティングフィルム。 - 請求項1または請求項2に記載の二軸延伸ナイロンコーティングフィルムにおいて、
前記コーティング層が、リン系難燃剤からなる
ことを特徴とする二軸延伸ナイロンコーティングフィルム。 - 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の二軸延伸ナイロンコーティングフィルムを積層してなることを特徴とするラミネートフィルム。
- 請求項4に記載のラミネートフィルムにおいて、
冷間成型用であることを特徴とするラミネートフィルム。 - 請求項4または請求項5に記載のラミネートフィルムにおいて、
当該ラミネートフィルムの積層態様が、
前記二軸延伸ナイロンコーティングフィルム/アルミニウム層/ポリプロピレン層、および、ポリエチレンテレフタレート層/前記二軸延伸ナイロンコーティングフィルム/アルミニウム層/ポリプロピレン層のうちのいずれか1つである
ことを特徴とするラミネートフィルム。 - 請求項4から請求項6までのいずれか一項に記載のラミネートフィルムを用いたことを特徴とするラミネート包材。
- 請求項4から請求項6までのいずれか一項に記載のラミネートフィルムを外装材として用いたことを特徴とする電池。
- 請求項8に記載の電池において、
建物設置用であることを特徴とする電池。 - 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の二軸延伸ナイロンコーティングフィルムを製造する二軸延伸ナイロンコーティングフィルムの製造方法であって、
前記原料から原反フィルムを成形する原反フィルム製造工程と、
チューブラー式二軸延伸法にて、前記原反フィルムを二軸延伸する二軸延伸工程と、
前記二軸延伸工程後のフィルムに熱処理を施して熱固定する熱固定工程と、
前記熱固定工程後のフィルムの表面に難燃剤を塗布してコーティング層を形成するコーティング工程と、を備える
ことを特徴とする二軸延伸ナイロンコーティングフィルムの製造方法。 - 請求項10に記載の二軸延伸ナイロンコーティングフィルムの製造方法において、
前記二軸延伸工程は、MD方向(フィルムの移動方向)およびTD方向(フィルムの移動方向に直交する方法)の延伸倍率がそれぞれ2.8倍以上であり、かつ、前記TD方向の延伸倍率が前記MD方向の延伸倍率より0.1倍以上大きい条件で前記原反フィルムを二軸延伸する
ことを特徴とする二軸延伸ナイロンコーティングフィルムの製造方法。 - 請求項10または請求項11に記載の二軸延伸ナイロンコーティングフィルムの製造方法において、
前記熱固定工程における前記フィルムの熱処理温度が190℃以上215℃以下である
ことを特徴とする二軸延伸ナイロンコーティングフィルムの製造方法。
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JP2013184272A JP2015051529A (ja) | 2013-09-05 | 2013-09-05 | 二軸延伸ナイロンコーティングフィルム、ラミネートフィルム、ラミネート包材、電池および二軸延伸ナイロンコーティングフィルムの製造方法 |
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Cited By (1)
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EP3951976A4 (en) * | 2019-03-29 | 2023-09-20 | Mitsui Chemicals, Inc. | LITHIUM-ION BATTERY OUTER FILM, LITHIUM-ION BATTERY AND LITHIUM-ION BATTERY STACK |
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