以下に添付図面を参照して、この発明にかかる遊技機の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態)
(ぱちんこ遊技機の基本構成)
まず、実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の基本構成について説明する。図1は、ぱちんこ遊技機の一例を示す正面図である。図1に示すように、ぱちんこ遊技機100は、遊技盤101を備えている。遊技盤101の下部位置には、発射部が配置されている。発射部の駆動によって発射された遊技球は、レール102a,102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技領域103内を落下する。
遊技領域103には、複数の釘が設けられており、この釘によって遊技球は不特定な方向に向けて落下する。遊技盤101の略中央部分には、画像表示部としてのメイン液晶表示器104とサブ液晶表示器125とが配置されている。なお、以下において、「液晶表示器」を単に「液晶」と称す。なお、本実施の形態では、液晶を用いているが、有機EL、プラズマディスプレイなどを用いることも可能である。
メイン液晶104とサブ液晶125は、たとえば液晶表示器(LCD:Liquid Crystal Display)である。メイン液晶104は、遊技の進行をあらわす主要な演出を表示する。メイン液晶104は、遊技盤101に対して奥方向に窪んだ位置に配置されている(図2−2参照)。メイン液晶104としては、19インチSXGA(Super eXtended Graphics Array)、15インチXGA(eXtended Graphics Array)、12.1インチWXGA(Wide XGA)、12.1インチSVGA(Super Video Graphics Array)などを用いることが可能である。
なお、以下において、19インチSXGAを単に「19インチ」、15インチXGAを単に「15インチ」、12.1インチWXGAおよび12.1インチSVGAを単に「12インチ」という。
サブ液晶125は、メイン液晶104による主要な演出を補完する特殊演出を表示するものであり、具体的には、特定のリーチ演出時に用いられる。サブ液晶125としては、たとえば、4.3インチWQVGA(Wide Quarter Video Graphics Array)が用いられる。なお、以下において、4.3インチWQVGAを単に「4.3インチ」という。サブ液晶125は、たとえば、遊技盤101とほぼ同一平面となる位置に配置されており、メイン液晶104に比べて遊技盤101の盤面に対する立体方向の手前側に配置されている(図2−2参照)。
また、サブ液晶125は、表裏に回転する回転支持部に支持されるものとしてもよく、具体的には、ディスプレイが配置される側と、遊技盤101と同様の装飾が施された側とのうち、いずれか一方の側が表面に位置するように回転自在な構成としてもよい。より具体的には、たとえば、通常時にはサブ液晶125を裏側に配置させる一方、特殊演出時にはサブ液晶125を表側に配置させてサブ液晶125から画像を表示させるようにしてもよい。
メイン液晶104の下方には、第1始動口105が配設されており、メイン液晶104の右側には第2始動口106が配設されている。第1始動口105および第2始動口106は、始動入賞させるための入賞口である。
第2始動口106の近傍には、電動チューリップ107が設けられている。電動チューリップ107は、遊技球を第2始動口106へ入賞しにくくさせる閉状態(閉口された状態)と、閉状態よりも入賞しやすくさせる開状態(開口された状態)とをとる。これらの状態の制御は、電動チューリップ107が備えるソレノイドによっておこなわれる。
電動チューリップ107は、第2始動口106の上方に配設されたゲート108を遊技球が通過したことによりおこなわれる普通図柄抽選の抽選結果に基づいて開口する。電動チューリップ107は、電チューサポート機能が付加される遊技状態において、開放時間が長くなり、第2始動口106に遊技球をより導きやすくする。電チューサポート機能とは、普通図柄の変動時間の短縮、普通図柄の当選確率の高確率化、電動チューリップ107の開放時間の長期間化といった機能である。電チューサポート機能が付加される遊技状態とは、いわゆる時短遊技状態であり、特定の特別遊技(大当たり遊技)の終了後に設定される遊技状態である。
電チューサポート機能が付加されていない通常遊技状態では、遊技領域103のうち、遊技領域103を左右に分断する中心線を基準にして左側の遊技領域103に遊技球が打ち出される左打ちによって遊技がおこなわれ、主に第1始動口105への入賞によって遊技が進行される。一方、電チューサポート機能が付加される時短遊技状態では、遊技領域103のうち、遊技領域103を左右に分断する中心線を基準にして右側の領域に遊技球が打ち出される右打ちによって遊技がおこなわれ、主に第2始動口106への入賞によって遊技が進行される。
具体的には、遊技者が左打ちをすると、打ち出された遊技球は、矢印130に示すように遊技領域103の左側を流下する。一方、遊技者が右打ちをすると、打ち出された遊技球は、矢印140に示すように遊技領域103の右側を流下する。なお、右打ちにより第2始動口106に入賞しなかった遊技球は、第2始動口106の下方の固定役物141や不図示の釘などが干渉することにより、第1始動口105へはほとんど入賞しないようになっている。
第2始動口106の下方には、大入賞口109が設けられている。大入賞口109は、大当たり遊技状態となったときに開放され、遊技球の入賞により所定個数(たとえば15個)の賞球を払い出すための入賞口である。
メイン液晶104の左下には、普通入賞口110が配設されている。普通入賞口110は、遊技球の入賞により所定個数(たとえば10個)の賞球を払い出すための入賞口である。遊技領域103の最下部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収する回収口111が設けられている。
遊技盤101の右下部分には、特別図柄が表示される特別図柄表示部112が配置されている。特別図柄表示部112は、第1特別図柄(以下「特図1」という)が表示される特図1表示部と、第2特別図柄(以下「特図2」という)が表示される特図2表示部とを有する。
遊技球が第1始動口105へ入賞すると、特別遊技の判定(以下「当たり判定」という)がおこなわれる。特図1表示部には、特図1が変動表示されるとともに、当たり判定の判定結果をあらわす図柄にて停止表示される。遊技球が第2始動口106へ入賞すると当たり判定がおこなわれる。特図2表示部には、特図2が変動表示されるとともに、当たり判定の判定結果をあらわす図柄にて停止表示される。
また、遊技盤101の右下部分には、普通図柄が表示される普通図柄表示部113が配置されている。普通図柄は、普通図柄抽選の抽選結果をあらわす図柄である。普通図柄抽選は、上述したように電動チューリップ107を開状態とするか否かの抽選である。たとえば、特別図柄表示部112および普通図柄表示部113としては7セグメントディスプレイが用いられる。
特別図柄表示部112および普通図柄表示部113の左側には、特別図柄および普通図柄の保留情報数を表示する保留表示部114が配置されている。保留情報とは、たとえば、特別図柄の変動中に入賞した遊技球を、次変動以降に大当たり判定を受ける権利として留保されたものである。以下の説明において、第1始動口105への入賞による保留球を特1保留球といい、第2始動口106への入賞による保留球を特2保留球という。保留表示部114としては、たとえばLED(Light Emitting Diode)が用いられる。この保留表示部114としてのLEDは複数配置され、点灯または消灯によって保留球数をあらわす。
遊技盤101の遊技領域103の外周部分には、枠部材115が設けられている。枠部材115における遊技領域103の上側および下側となる2辺には、演出ライト部116が設けられている。演出ライト部116は、それぞれ複数のランプを有する。演出ライト部116は、たとえば大当たり当選時などに、不図示のモータによって、光の照射方向を上下方向に変更するように駆動され、ぱちんこ遊技機100の正面にいる遊技者を照射する。
枠部材115の下部位置には、操作ハンドル117が配置されている。操作ハンドル117は、発射部を駆動させて遊技球を発射させる発射指示部材118を備えている。発射指示部材118は、操作ハンドル117の外周部において、遊技者から見て右回りに回転可能に設けられている。発射部は、発射指示部材118が遊技者によって直接操作されている場合に、遊技球を発射させる。
枠部材115において、遊技領域103の下側となる辺には、遊技者による操作を受け付ける演出ボタン119が設けられている。また、枠部材115において、演出ボタン119のとなりには、十字キー120が設けられている。さらに、枠部材115には、音声を出力するスピーカが組み込まれている。
(ぱちんこ遊技機の背面構成)
つぎに、ぱちんこ遊技機100の背面構成について説明する。図2−1は、ぱちんこ遊技機の背面構成を示す説明図である。図2−1において、ぱちんこ遊技機100は、枠部材115に嵌め込まれている。ぱちんこ遊技機100は、主制御部としての主制御基板200と、複数のプリント基板からなる演出制御部としての演出制御基板210と、電源の供給をおこなう電源制御基板220とを備えている。各基板200,210,220は、透明の樹脂成形部材からなる基板ケース200a,210a,220aにそれぞれ収容されている。演出制御基板210は、背面カバー211に覆われている。背面カバー211は、透明の樹脂成形部材によって構成されており、演出制御基板210の外側に配設されている接続ケーブルを保護する。
具体的には、背面カバー211は、各種制御基板や、その他の遊技機の部品に接続される接続ケーブルを保護する。また、背面カバー211は、開閉自在になっており、閉状態において、一部(下部)が主制御基板200の主基板ケース200aを覆う構成となっている。これにより、背面カバー211の閉状態において、主制御基板200を取り外すことができないようになっている。一方、背面カバー211の開状態においては、主制御基板200を、図中、左方向にスライドさせることにより、主制御基板200の取り外しが可能になっている。
主制御基板200は、透明の主基板ケース200aによって封止されており、外部から他の基板を接続する不正改造や、他の基板に交換する不正行為ができないようになっているとともに、主制御基板200の不正改造や不正行為に対して、目視による確認ができるようになっている。なお、演出制御基板210や電源制御基板220についても、同様に透明な演出基板ケース210aまたは電源基板ケース220aに収納されている。
また、主基板ケース200aには、主制御基板200上に配設されているラムクリアスイッチを押下することが可能な操作部201が設けられている。ラムクリアスイッチは、主制御基板200のRAM(Random Access Memory)に蓄積されているバックアップ情報をクリアするためのスイッチである。主基板ケース200aには、回動軸203を中心に回動することにより開閉自在な開閉部202が設けられている。開閉部202は、閉状態において操作部201を覆うようになっている。
ラムクリアスイッチを押下する場合には、操作者が開閉部202を開状態とした後に、操作部201を操作するといった二段階の手順を踏むようになっている。開状態となった開閉部202は、操作者が操作しない限り、重力によって閉状態となる。このように、ラムクリアスイッチを押下する際には、開閉部202を開状態にするという手順を踏まなければならないので、ラムクリアスイッチを不正に押下することによって大当たりを高頻度でおこなわせるといった行為を抑止できるようにしている。
(メイン液晶とサブ液晶の位置関係)
つぎに、図2−2を用いて、メイン液晶104とサブ液晶125との位置関係について説明する。図2−2は、メイン液晶とサブ液晶との位置関係を示す側方断面図である。なお、図2−2に示す側方断面図は、図1のa方向から見た側方断面図である。
図2−2において、メイン液晶104は、遊技者側(遊技盤101の側)から見て、遊技盤101に対して奥方向に窪んだ状態で配置されている。メイン液晶104の近傍には、演出制御基板210が配置されている。そのため、メイン液晶104と演出制御基板210との距離は、近くなっている。つまり、演出制御基板210の制御信号をメイン液晶104に出力するための信号線231は、短いものとなっており、たとえば20cm程度となっている。
また、サブ液晶125は、メイン液晶104に比べて、演出制御基板210に対して離間して配置されている。具体的には、サブ液晶125は、遊技盤101とほぼ同一平面となる位置に配置されており、つまり、メイン液晶104に比べて、図中b方向にも演出制御基板210に対して離間して配置されている。また、サブ液晶125は、演出制御基板210の下方向にずれた位置に配置されている。そのため、演出制御基板210の制御信号をサブ液晶125に出力するための信号線232は、長いものとなっており、たとえば80cm程度となっている。
また、サブ液晶125の周囲には、不図示の役物が配置される場合もあり、このような場合、役物を迂回させて配置される分、信号線は、より長いものとなる。さらに、サブ液晶125を、表裏に回転する回転支持部に支持させる構成とした場合には、サブ液晶125の回転を考慮した分、より長いものとなる。
(演出制御基板の構成)
つぎに、図3を用いて、演出制御基板の構成について説明する。図3は、演出制御基板の構成を示す説明図である。図3において、演出制御基板210は、演出統括基板310と、液晶中継基板320と、CGROM(Character Generator Read Only Memory)中継基板330と、からなる。演出統括基板310上には、システムCPU311と、画像CPU312と、ランプ制御CPU313と、VDP(Video Display Processor)314と、端子台315と、が配置されている。
システムCPU311は、演出全体を統括制御する。画像CPU312は、画像や音声を制御する。具体的には、画像CPU312は、システムCPU311から受信した演出コマンドを解析し、表示すべき画像を選択するとともに、当該画像を表示させるための描画コマンドをVDP314に送信する。ランプ制御CPU313は、演出ライト部116や盤ランプ464(図4参照)などの各種ランプを制御するほか、演出役物465(図4参照)の動作を制御する。
VDP314は、画像CPU312から受信した描画コマンドに基づいて、CGROM331から動画データや静止画データを読み込み、メイン液晶104やサブ液晶125に表示させる。具体的には、VDP314には、描画データを生成するための回路が設けられ、画像CPU312から送信される描画コマンドに基づいて画像データをビットマップ展開して画素単位での描画データを生成する。VDP314は、生成した描画データをメイン液晶104やサブ液晶125に出力する。なお、描画データを生成する回路には、生成した描画データを一時的に保持しておくためのバッファが設けられている。
端子台315は、たとえば、液晶中継基板320に接続するインタフェースとして機能する。具体的には、端子台315には、不図示の信号線が連結されており、たとえば、VDP314によって生成された画像信号であるLVDS(Low Voltage Differential Signaling)信号やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)−RGB(Red Green Blue)信号(以下、単に「RGB信号)という)を液晶中継基板320に出力することが可能になっている。
LVDS信号は、メイン液晶104を制御するための信号であり、一対の信号線間の電位差を用いた伝送方式である平衡伝送方式(差動伝送方式)によって伝送されるものである。また、RGB信号は、サブ液晶125を制御するための信号であり、一線とグランド線との間の電位差を用いた伝送方式である不平衡伝送方式(シングルエンド伝送方式)によって伝送されるものである。
なお、図3においては図示していないが、演出統括基板310上には、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの各種記憶部や、CPU311〜313の動作周波数(クロック周波数)を生成する発振器のほか、各種配線なども配置されている。
演出統括基板310上には、たとえば支持部340の支持により、所定の間隙を有して液晶中継基板320が配置されている。また、演出統括基板310上には、たとえば支持部350の支持により、所定の間隙を有してCGROM中継基板330が配置されている。液晶中継基板320およびCGROM中継基板330は、演出統括基板310上のCPU311〜313やROMなど、主要部品が外部から見える状態となるように、演出統括基板310上に配置されており、設計段階におけるプログラムの書き換えなど各種取り扱いを妨げないようにしている。なお、液晶中継基板320と、CGROM中継基板330とは、一体化されたものを用いてもよい。
図3では、支持部340,350によって液晶中継基板320およびCGROM中継基板330を演出統括基板310上に支持させているが、演出制御基板210の配置するためのスペースを増大させないという観点から、演出統括基板310上に重なるように液晶中継基板320およびCGROM中継基板330を配置させる構成としていれば、支持部340,350を用いた構成に限らない。
たとえば、各基板310,320,330を収容する演出基板ケース210a(図2−1参照)に液晶中継基板320およびCGROM中継基板330を支持させる構成としたり、演出統括基板310と液晶中継基板320とを接続するコネクタに液晶中継基板320およびCGROM中継基板330を支持させる構成としたりすることも可能である。
液晶中継基板320上には、端子台321と、RTC(Real Time Clock)323と、スケーラ324と、発振器325と、差動回路326と、が設けられている。端子台321は、演出統括基板310に接続するインタフェース、およびメイン液晶104やサブ液晶125に接続するインタフェースとして機能する。
具体的には、端子台321には、端子台315に連結する不図示の信号線が連結されており、VDP314から画像信号(LVDS信号やRGB信号)を入力することが可能になっている。また、端子台321には、メイン液晶104やサブ液晶125に連結する不図示の信号線が連結されており、VDP314からの画像信号を、メイン液晶104やサブ液晶125に出力することが可能になっている。
RTC323は、実時間を計時して出力するものであり、ぱちんこ遊技機100の電源が遮断されてもバックアップ電源(不図示)により計時動作を継続する。スケーラ324は、画像(解像度)の拡大または縮尺をおこなう。発振器325は、4.3インチのサブ液晶125を動作させるための動作周波数(クロック周波数)を生成する。
4.3インチのサブ液晶125を動作させるための動作周波数は、たとえば9MHzである。なお、メイン液晶104を動作させるための動作周波数(たとえば54MHz)を生成させる発振器531(図5参照)は、VDP314内に設けられるものでもよいが、演出統括基板310上に設けられている。差動回路326は、RGB信号を、シングルエンド伝送方式からV−by−One(登録商標)方式の差動伝送方式に変換して、サブ液晶125に出力するものである。なお、V−by−One方式と、LVDS方式と、は、通信に用いるライン数が異なるなど通信仕様が異なるものの、それぞれ差動伝送方式による伝送方式である。
ここで、シングルエンド伝送方式と、差動伝送方式について、補足しておく。一般に、シングルエンド伝送方式は、基準電圧「0」より高い場合「High」を検出しまた低い場合「Low」を検出し、検出した信号に対応してデータ列を表現する方式であり、構造が単純でコストを低く抑えることができるものである。特に、本実施の形態のように、サブ液晶125を動作させる場合には、メイン液晶104を動作させる場合に比べて、必要な情報量が少ないため、構造が単純なシングルエンド伝送方式を用いることが可能である。しかしながら、シングルエンド伝送方式は、グランド線を用いてアースを経由するため、ノイズがのりやすく、また信号が減衰しやすいため、信号線を長くして用いることには適していないという不利な一面がある。
具体的には、シングルエンド伝送方式では、基準電圧「0」に対して、「High」と「Low」とを検出するようになっているため、ノイズによって「High」や「Low」を検出する場合がある。つまり、サブ液晶125が演出制御基板210から離間配置されると、その分、ノイズがのりやすくなっている。
一方、差動伝送方式は、プラス側とマイナス側に結線される、一対の分離独立した信号線を用いており、各信号の電位差(信号レベルの差)によりデータを伝送する方式である。たとえば、信号レベルの差がプラスであれば「High」、マイナスであれば「Low」を検出する。
具体的には、差動伝送方式では、ノイズに応じて基準電圧も変化するため、この基準電圧よりも大きい電圧を「High」として検出し、基準電圧よりも小さい電圧を「Low」として検出する。つまり、ノイズに応じて基準電圧も上下するため、「High」と「Low」との相対的な関係は変わらないようになっている。そのため、差動伝送方式は、シングルエンド伝送方式に比べて、ノイズに対する耐性に優れている。
また、差動信号の場合、シングルエンド伝送方式に比べて、所定の電圧を印加した直後など一時的に定常値を超過する電圧が印加される、いわゆるオーバシュートやアンダシュートが生じにくくなっている。これにより、オーバシュートやアンダシュートにともなう素子の破壊が生じにくくなっている。さらに、差動伝送方式は、シングルエンド伝送方式よりもノイズ耐性が高いため、シングルエンドよりも高速な伝送速度、小さな信号振幅、低い消費電力、少ない電磁障害での信号処理が可能になる。
なお、ぱちんこ遊技機100は、遊技店においては、いわゆる島設備に設置されるものであり、この島設備内は遊技球を回収したり研磨したりするため各種電気装置や各種配線などが設けられているため、ノイズが発生しやすい環境になっている。そのため、液晶中継基板320とサブ液晶125との間の長い信号線232(図2−2参照)を用いたデータの伝送方式については、ノイズを拾いにくい差動伝送方式とすることが効果的になっている。
また、差動伝送方式とすることにより、端子台321とサブ液晶125との信号線の数を減らすことができ、端子の数を減らすことができるようになっている。具体的には、シングルエンド伝送方式の接続では、たとえば端子数が21となるのに対して、差動伝送方式では端子数が2となる。
CGROM中継基板330上には、CGROM331が設けられている。CGROM331は、動画などの画像データを記憶する記憶媒体である。CGROM331としては、たとえば、16ギガバイト、24ギガバイトまたは32ギガバイト(以下「ギガバイト」を「G」と表記する)の記憶容量を有するものが用いられる。
(ぱちんこ遊技機の制御部の内部構成)
つぎに、図4を用いて、ぱちんこ遊技機100の制御部の内部構成について説明する。図4は、ぱちんこ遊技機の制御部の内部構成を示すブロック図である。図4に示すように、ぱちんこ遊技機100の制御部400は、遊技の進行を制御する主制御部401と、演出内容を制御する演出制御部402と、賞球の払い出しを制御する賞球制御部403とを備えている。以下にそれぞれの制御部の構成について詳細に説明する。
(1.主制御部)
主制御部401は、CPU(Central Processing Unit)411と、ROM(Read Only Memory)412と、RAM(Random Access Memory)413と、不図示の入出力インタフェース(I/F)などを備えて構成される。
主制御部401は、CPU411がRAM413をワークエリアとして使用しながら、ROM412に記憶された各種プログラムを実行することによって、ぱちんこ遊技機100の遊技の進行を制御するように機能する。具体的には、主制御部401は、当たり判定、普通図柄判定、遊技状態の設定などをおこない、遊技の進行を制御する。主制御部401は、主制御基板200(図2−1参照)によって実現される。
CPU411は、予めROM412に記憶された各種プログラムに基づき、遊技内容の進行にともなう基本処理を実行する。ROM412には、当たり判定プログラム、特図変動プログラム、大入賞口制御プログラム、遊技状態設定プログラム、などが記憶されている。
当たり判定プログラムは、始動口スイッチ(SW)421,422によって検出された遊技球に対して、特別遊技の判定である当たり判定をおこなうプログラムである。特図変動プログラムは、当たり判定結果に応じて、特別図柄の変動開始から変動停止までの変動態様を示した所定の変動パターンを用いて特別図柄を変動停止させるプログラムである。
大入賞口制御プログラムは、当たり時に、所定の開放時間を1ラウンドとして、たとえば15ラウンド、大入賞口109を開放させるプログラムである。遊技状態設定プログラムは、当たりの種類に応じて、当たり終了後の遊技状態を、低確率遊技状態または高確率遊技状態に設定するとともに、電チューサポート機能が付加される遊技状態、または電チューサポート機能が付加されない遊技状態を設定するプログラムである。
高確率遊技状態は、低確率遊技状態に比べて、たとえば5倍程度大当たりが発生しやすい遊技状態である。電チューサポート機能は、普通図柄の変動時間を短くするとともに、電動チューリップ107の開放時間を長くする機能である。
また、主制御部401には、遊技球を検出する各種スイッチ(SW)、大入賞口109などの電動役物を開閉動作させるためのソレノイド、上記の特図1表示部112a、特図2表示部112b、普通図柄表示部113、保留表示部114などが接続される。
具体的に、上記の各種SWとしては、第1始動口105へ入賞した遊技球を検出する第1始動口SW421と、第2始動口106へ入賞した遊技球を検出する第2始動口SW422と、ゲート108を通過した遊技球を検出するゲートSW423と、大入賞口109へ入賞した遊技球を検出する大入賞口SW424と、普通入賞口110へ入賞した遊技球を検出する普通入賞口SW425とが主制御部401に接続される。それぞれのSW(421〜425)による検出結果は主制御部401へ入力される。これらのSWには、近接スイッチなどが用いられる。
また、上記のソレノイドとしては、電動チューリップ107を開閉動作させる電動チューリップソレノイド431と、大入賞口109を開閉動作させる大入賞口ソレノイド432とが主制御部401に接続される。主制御部401は、それぞれのソレノイド(431,432)に対する駆動を制御する。
さらに、主制御部401は、演出制御部402および賞球制御部403にも接続され、それぞれの制御部に対して各種コマンドを出力する。たとえば、主制御部401は、演出制御部402に対しては変動開始コマンド、変動停止コマンドなどのコマンドを出力する。また、主制御部401は、賞球制御部403に対しては賞球コマンドを出力する。
(2.演出制御部)
演出制御部402は、演出制御基板210(図3参照)に相当し、システム制御部402aと、画像表示制御部402bと、ランプ制御部402cとによって構成され、ぱちんこ遊技機100の演出内容を制御する機能を有する。システム制御部402aは、主制御部401から受信した各種コマンドに基づいて演出制御部402全体を統括する機能を有している。画像表示制御部402bは、システム制御部402aからの指示内容に基づいて画像および音声の制御をおこなう機能を有している。ランプ制御部402cは、遊技盤101および枠部材115などに設けられたランプの点灯を制御する機能を有している。
本実施の形態において、システム制御部402aと、画像表示制御部402bと、ランプ制御部402cとは、同一のプリント基板(演出統括基板310)上に設けられているが、それぞれ、独立したプリント基板上に設けられるようにしている。
(2−1.システム制御部)
まず、システム制御部402aの構成について説明する。システム制御部402aは、システムCPU311と、ROM442と、RAM443と、不図示の入出力インタフェース(I/F)などを備えて構成される。
システムCPU311は、予めROM442に記憶された各種プログラムに基づき、演出内容を決定する処理を実行する。ROM442には、システムCPU311が各種処理を実行するために必要となるプログラムが記憶されている。RAM443は、システムCPU311のワークエリアとして機能する。システムCPU311が各種プログラムを実行することによりRAM443にセットされたデータは、所定のタイミングにて画像表示制御部402bおよびランプ制御部402cに対して出力される。
システム制御部402aは、システムCPU311がRAM443をワークエリアとして使用しながら、ROM442に記憶された、演出統括プログラムなどのプログラムを実行することによって、演出制御部402全体を統括するように機能する。演出統括プログラムは、特別図柄の変動に対応させて、演出図柄を用いたリーチ演出などの変動演出や、客待ち状態中の客待ち演出を統括するプログラムである。
また、システム制御部402aには、演出ボタン119が接続されており、遊技者から演出ボタン119が操作(押下)された旨を示すデータが入力される。また、システム制御部402aには、十字キー120が接続されており、遊技者によって選択されたキーに対応するデータが入力される。
(2−2.画像表示制御部)
つぎに、画像表示制御部402bの構成について説明する。画像表示制御部402bは、画像CPU312と、ROM452と、RAM453と、VDP314と、RTC323と、スケーラ324と、CGROM331と、不図示の入出力インタフェース(I/F)などを備えて構成される。
画像CPU312は、画像や音声の生成および出力処理を実行する。ROM452には、画像や音声の生成および出力処理のためのプログラムや、背景画像・図柄画像・キャラクタ画像・予告画像など各種画像データや各種音声データなどが記憶されている。RAM453は、画像CPU312のワークエリアとして機能し、メイン液晶104やサブ液晶125に表示させる画像データやスピーカ454から出力させる音声データが一時的に格納される。
すなわち、画像表示制御部402bは、画像CPU312がRAM453をワークエリアとして使用しながら、ROM452に記憶された画像制御プログラムや音声制御プログラムなどの各種プログラムを実行することによって、システム制御部402aからの指示に基づいて画像および音声の制御をおこなうように機能する。
たとえば、画像CPU312は、システム制御部402aから指示された指示内容に基づいて、背景画像表示処理、演出図柄変動/停止表示処理、キャラクタ画像表示処理など各種画像処理と、音声を出力させる音声処理を実行する。このときには、VDP314は、画像CPU312からの指示に基づいて、処理に必要な画像データをCGROM331から読み出して、描画データを生成して、たとえばVRAM(Video RAM)などの所定の記憶領域に書き込む。
所定の記憶領域に書き込まれた背景画像や演出図柄画像などの描画データは、所定のタイミングでメイン液晶104やサブ液晶125に対して出力され、メイン液晶104やサブ液晶125の表示画面上において重畳表示される。また、画像CPU312は、処理に必要な音声データをROM452から読み出して、RAM453に書き込む。RAM453に書き込まれた音声データは、たとえばシステム制御部402aを介してスピーカ454に対して出力され、音声データに基づく音声がスピーカ454から出力される。
(2−3.ランプ制御部)
つぎに、ランプ制御部402cの構成について説明する。ランプ制御部402cは、ランプ制御CPU313と、ROM462と、RAM463と、不図示の入出力インタフェース(I/F)などを備えて構成される。ランプ制御CPU313は、ランプを点灯させる処理などを実行する。ROM462には、各種プログラム、当該処理に必要となるランプ点灯に用いる制御データなどが記憶されている。RAM463は、ランプ制御CPU313のワークエリアとして機能する。
ランプ制御部402cは、演出ライト部116と、盤ランプ464と、演出役物465と、枠ランプ466とに接続され、点灯制御するデータや動作制御するデータを出力する。これにより、ランプ制御部402cは、遊技盤101および枠部材115などに設けられたランプの点灯、演出役物465の動作を制御するように機能する。
(3.賞球制御部)
つぎに、賞球制御部403の構成について説明する。賞球制御部403は、CPU481と、ROM482と、RAM483と、不図示の入出力インタフェース(I/F)などを備えて構成される。CPU481は、払い出す賞球を制御する賞球制御処理を実行する。ROM482には、当該処理に必要となるプログラムなどが記憶されている。RAM483は、CPU481のワークエリアとして機能する。
また、賞球制御部403は、払出部(払出駆動モータ)491と、発射部492と、定位置検出SW493と、払出球検出SW494と、球有り検出SW495と、満タン検出SW496と接続される。賞球制御部403は、払出部491に対して入賞時の賞球数を払い出す制御をおこなう。払出部491は、遊技球の貯留部から所定数を払い出すためのモータからなる。具体的には、賞球制御部403は、払出部491に対して各入賞口に入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出す制御をおこなう。
また、賞球制御部403は、発射部492に対する遊技球の発射の操作を検出して遊技球の発射を制御する。発射部492は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイド等を備える。賞球制御部403は、発射部492のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイド等を駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤101の遊技領域103に遊技球を送り出す。
また、この賞球制御部403には、払い出す遊技球の状態を検出する各所の検出部が接続され、賞球のための払い出し状態を検出する。これらの検出部としては、定位置検出SW493、払出球検出SW494、球有り検出SW495、満タン検出SW496等がある。たとえば、賞球制御部403は、賞球制御基板によってその機能を実現する。
また、主制御部401には、盤用外部情報端子基板497が接続されており、主制御部401が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。賞球制御部403についても、枠用外部情報端子基板498が接続されており、賞球制御部403が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。
(演出制御部の詳細な構成)
つぎに、図5を用いて、演出制御部402(演出制御基板210)の詳細な構成について説明する。図5は、演出制御部の詳細な構成を示すブロック図である。図5において、演出制御部402は、演出統括基板310と、液晶中継基板320と、CGROM中継基板330と、バックライト駆動基板560と、からなる。
演出統括基板310は、中継基板インタフェース(I/F)501,502を介して、液晶中継基板320と接続されている。第1中継基板I/F501は、具体的には、図3に示した端子台315である。また、液晶中継基板I/F502は、具体的には、図3に示した端子台321である。
演出統括基板310には、第2中継基板I/F503が設けられ、第2中継基板I/F503を介してCGROM中継基板330と接続されている。さらに、演出統括基板310には、バックライト駆動基板I/F514が設けられ、バックライト駆動基板I/F514を介してバックライト駆動基板560と接続されている。
演出統括基板310には、システムCPU311が配置されている。システムCPU311は、主制御基板I/F511に接続され、ROM442に記憶されている各種プログラムを用いて、RAM443をワークエリアとして使用しながら、主制御部401のCPU411から送信されるコマンドに応じた演出内容を選択して、演出制御部402全体を統括する。
また、システムCPU311は、動作周波数(たとえば6MHz)を生成する水晶振動子からなる発振器512に接続され、動作周波数を動作基準として動作する。さらに、システムCPU311は、バックライト駆動基板I/F514を介して、バックライト駆動基板560に接続し、メイン液晶104のバックライトの輝度を制御する。具体的には、システムCPU311は、システムCPU311に接続されるバックライト調光ボリューム(図中、BL調光ボリューム)515の調節量に基づいて、バックライトの輝度を制御する。
また、システムCPU311は、決定した演出内容を、ランプ制御CPU313および画像CPU312へ送信する。また、システムCPU311は、画像CPU312から画像表示タイミングを受信し、メイン液晶104またはサブ液晶125に表示させる画像の表示タイミングに同期させて、音声の出力タイミングやランプの点灯タイミングを制御する。
ランプ制御CPU313は、水晶振動子からなる発振器521に接続され、当該発振器521にて生成された動作周波数(たとえば10MHz)を動作基準にして、RAM463をワークエリアとして使用しながら、ROM462に記憶されている各種プログラムを実行する。具体的には、ランプ制御CPU313は、システムCPU311から入力されるコマンドに応じたランプデータや演出役物465を動作させるための駆動データを選択し、選択したデータを出力させる。
また、ランプ制御CPU313は、盤面I/F522に接続され、遊技盤101上の盤ランプ464の発光を制御する。さらに、ランプ制御CPU313は、アンプ基板I/F513に接続され、アンプ基板I/F513を介して、不図示の枠ランプ駆動基板へ、クロック信号や制御信号などを出力する。また、演出統括基板310には、電源基板I/F523が接続され、電源基板I/F523から、演出統括基板310、液晶中継基板320、CGROM中継基板550,551、バックライト駆動基板561,562に必要な所定の電圧が供給されるようになっている。具体的には、電源基板I/F523は、外部入力された、+35V、+15V、+5Vの電圧を供給する。
画像CPU312は、水晶振動子からなる発振器525に接続され、当該発振器525にて生成された動作周波数(たとえば30MHz)を動作基準にして、RAM453をワークエリアとして使用しながら、ROM452に記憶されている各種プログラムを実行する。具体的には、画像CPU312は、システムCPU311から入力されるコマンドに応じた画像を選択し、選択した画像をメイン液晶104やサブ液晶125に表示させる。
また、画像CPU312は、VDP314に接続されている。VDP314は、水晶振動子からなる発振器531に接続され、当該発振器531にて生成された原発周波数(たとえば33.3MHz)を動作基準にして動作する。VDP314は、具体的には、画像CPU312からのコマンドに基づいて、当該コマンドに対応する動画データや静止画データをCGROM331から読み込んで、メイン液晶104やサブ液晶125に画像を出力させる。また、VDP314には、音源DSP(Digital Signal Processor)が内蔵されており、アンプ基板I/F513を介して、画像に応じた音声をスピーカ454から出力させる。
また、VDP314は、発振器531によって生成された原発周波数(たとえば33.3MHz)を基に、位相同期回路を用いてメイン液晶104を動作させるための動作周波数(たとえば54MHz)を生成する。VDP314は、位相同期回路を用いることにより、発振器531や、液晶中継基板320の発振器325によって生成される原発周波数以上の周波数を生成することが可能になっている。
なお、サブ液晶125を動作させるための動作周波数(たとえば9MHz)は、発振器531によって生成された原発周波数(たとえば33.3MHz)よりも小さい周波数であるため、VDP314は、9MHzの動作周波数を生成することはできない。そのため、詳細については後述するが、サブ液晶125用の動作周波数を生成する発振器325は液晶中継基板320上に設けられている。
VDP314には、音量SW532が接続されている。この音量SW532は、音量を調節するためのスライドスイッチであり、スイッチの位置によって、たとえば4段階のうちいずれか一つを検出し、検出した位置をアンプ基板I/F513へ送信する。
液晶中継基板320には、RTC323と、スケーラ324と、発振器325と、差動回路326と、が設けられている。また、液晶中継基板320には、メイン液晶I/F541が設けられており、メイン液晶104に接続している。さらに、液晶中継基板320には、サブ液晶I/F542が設けられており、サブ液晶125に接続している。
メイン液晶I/F541およびサブ液晶I/F542は、図3に示した端子台321に相当する。液晶中継基板320は、メイン液晶104の種別(解像度)や、サブ液晶125の数に応じて、適宜仕様を変更することができるようになっている。液晶中継基板320の仕様ごとの詳細な説明については、図6−1〜図6−3を用いて後述する。
CGROM中継基板330は、第2中継基板I/F503を介して演出統括基板310に接続されている。CGROM中継基板330は、CGROM331の容量に応じて異なるものが用いられ、たとえば、32GのCGROM331を用いる場合には32G用CGROM中継基板550が用いられ、24GのCGROM331を用いる場合には24G用CGROM中継基板551が用いられる。つまり、CGROM中継基板330は、CGROM331の容量に応じて、適宜仕様を変更することができるようになっている。CGROM中継基板330の仕様ごとの詳細な説明については、図7−1および図7−2を用いて後述する。
バックライト駆動基板560(19インチ用バックライト駆動基板561または15インチ用バックライト駆動基板562)は、バックライト駆動基板I/F514を介して演出統括基板310に接続されている。バックライト駆動基板560は、メイン液晶104の種別(解像度)に応じて異なるものが用いられ、たとえば、19インチのメイン液晶104を用いる場合には、19インチ用バックライト駆動基板561が用いられる。
また、15インチのメイン液晶104を用いる場合には、15インチ用バックライト駆動基板562が用いられる。つまり、バックライト駆動基板560は、使用する液晶中継基板320に応じて、適宜仕様を変更することができるようになっている。バックライト駆動基板560の仕様ごとの詳細な説明については、図8−1および図8−2を用いて後述する。
なお、12.1インチのメイン液晶104を接続する場合には、15インチのメイン液晶104を接続する場合と同様の接続方式(液晶中継基板320および15インチ用バックライト駆動基板562)とすることが可能である。本実施の形態においては、12.1インチのメイン液晶104を用いる場合の説明を省略する。
(液晶中継基板の仕様ごとの一例)
つぎに、図6−1〜図6−3を用いて、液晶中継基板320の仕様ごとの詳細について説明する。図6−1は、19インチのメイン液晶と、4.3インチのサブ液晶とに接続する場合の液晶中継基板の一例を示す説明図である。図6−1において、液晶中継基板320は、VDP314によって生成された描画データを、差動伝送方式であるLVDS信号線を2本用いて、メイン液晶I/F541へ出力する。
LVDS信号線は、たとえば、それぞれ一対のラインを1ラインとして、データ信号用の4ラインと、クロック信号用の1ラインとを有しており、計5ラインによって1本のLVDS信号線を形成している。一対のラインは、それぞれ、プラス側に接続されたラインと、マイナス側に接続されたラインとからなる。差動伝送方式では、一対のライン間の電位差が信号レベルとなり、たとえば、電位差がプラスの場合に「High」を検出し、電位差がマイナスの場合に「Low」を検出するようになっている。
一般に、19インチのメイン液晶104aには、2本のLVDS信号線が接続可能な接続口が設けられている。この接続口に、2本のLVDS信号線が接続(Dual接続)される。これにより、19インチのメイン液晶104aは、画像を表示出力することができるようになっている。
発振器325は、サブ液晶125を動作させるための動作周波数(たとえば9MHz)を生成し、動作周波数をVDP314に出力する。VDP314は、この動作周波数を用いて、サブ液晶125を制御する。発振器325は、使用するサブ液晶125に応じた周波数のものを用いればよい。たとえば、5インチのサブ液晶125を使用する場合には、このサブ液晶125に応じた、10MHzを生成する発振器325を用いればよい。なお、VDP314は、発振器325によって生成された動作周波数よりも高い周波数であれば、位相同期回路を用いて必要な周波数を生成することも可能である。
差動回路326は、VDP314から出力されたシングルエンド伝送方式によるRGB信号を入力する。RGB信号は、具体的には、赤色信号、緑色信号、青色信号、水平同期信号、垂直同期信号、ディスプレイイネーブル信号、クロック信号(9MHz)などである。差動回路326は、RGB信号を、シングルエンド伝送方式から、差動伝送方式のV−by−One方式に変換してサブ液晶I/F542へ出力する。
V−by−One方式における信号線は、たとえば、データ信号用の一対のラインを有する。また、ノイズを低減させるという観点からすると、信号線の長さは、シングルエンド伝送方式を用いた箇所よりも、差動伝送方式を用いた箇所の方が長くなるように設定することが望ましい。
RTC323は、実時間を計時して出力するものであり、要、不要に応じて、液晶中継基板320に搭載させればよい。RTC323は、画像CPU312に接続され、所定の信号を入出力可能にする。たとえば、RTC323によって計時された実時間の情報は、画像CPU312に出力される。スケーラ324は、画像表示部の大きさ(19インチ、15インチ、4.3インチなど)に応じて画像(解像度)の拡大または縮尺をおこなうものであり、要、不要に応じて、液晶中継基板320に搭載させればよい。また、使用する画像表示部に応じたものを用いることが可能である。
たとえば、スケーラ324は、15インチ用の画像を、19インチ用の画像に拡大させたり、4.3インチ用に縮小させたりする。スケーラ324によって拡縮された画像は、VDP314に出力される。また、19インチのメイン液晶104aを用いつつ、15インチ分の表示領域のみを使用する場合、具体的には、たとえば19インチのメイン液晶104aの周囲を役物などで覆うことにより15インチ分の表示領域のみを使用する場合、スケーラ324により、19インチ用の画像を15インチ用の画像に縮小させるようにすればよい。
図6−2は、15インチのメイン液晶にのみ接続する場合の液晶中継基板の一例を示す説明図である。なお、図6−2に示す液晶中継基板600は、本実施の形態で使用する液晶中継基板320とは異なるものである。図6−2において、液晶中継基板600は、VDP314によって生成された描画データを、1本のLVDS信号線のみを用いてメイン液晶I/F541へ出力する。一般に、15インチのメイン液晶104bには、1本のLVDS信号線のみが接続可能な接続口しか設けられていない。この接続口に1本のLVDS信号線が接続(Single接続)される。これにより、15インチのメイン液晶104bは、画像を表示出力することができるようになっている。
2本のLVDS信号線のうち、メイン液晶I/F541と接続しないもう1本のLVDS信号線は、端子処理され、使用不可能としている。また、液晶中継基板600には、サブ液晶125が接続されないため、サブ液晶125に必要なRGB信号線も端子処理され、使用不可能としている。また、液晶中継基板600には、RTC323やスケーラ324が搭載されず、RTC323用のRTC信号線、スケーラ324用のスケーラ信号線も、端子処理され、使用不可能としている。
なお、液晶中継基板600において、サブ液晶125を接続させる場合には、図6−1に示した液晶中継基板320と同様に、スケーラ324、発振器325、差動回路326およびサブ液晶I/F542を、設けるようにすればよい。つまり、スケーラ324、発振器325、差動回路326およびサブ液晶I/F542を、要、不要に応じて搭載することができ、不要時におけるコストの削減を図ることができるようになっている。
また、RTC323を設ける場合も、図6−1に示した液晶中継基板320と同様にすればよい。つまり、RTC323を、要、不要に応じて搭載することができ、不要時におけるコストの削減を図ることができるようになっている。
図6−3は、19インチのメイン液晶と、4.3インチのサブ液晶2機とに接続する場合の液晶中継基板の一例を示す説明図である。なお、図6−3に示す液晶中継基板630は、本実施の形態で使用する液晶中継基板320とは異なるものである。図6−3において、液晶中継基板630は、VDP314によって生成された描画データを、2本のLVDS信号線を用いてメイン液晶I/F541へ出力する。19インチのメイン液晶104aには、2本のLVDS信号線が接続(Dual接続)される。これにより、19インチのメイン液晶104aは、画像を表示出力することができるようになっている。
発振器631は、2機のサブ液晶125を動作させるための動作周波数(たとえば18MHz)を生成し、動作周波数をVDP314に出力する。なお、1機のサブ液晶125を動作させるには9MHzの動作周波数が必要であり、ここでは2機のサブ液晶125を用いているため、これらを動作させるためには、9MHz×2=18MHzの動作周波数が必要となる。
VDP314から出力されたシングルエンド伝送方式によるRGB信号は、LVDS変換器632に入力される。LVDS変換器632は、RGB信号を、シングルエンド伝送方式から差動伝送方式(LVDS信号)に変換する。LVDS変換器632によって変換されたLVDS信号は、LVDS分配器633により、交互に9MHzに分配して、2つのRGB信号に分配される。
なお、本実施の形態では、VDP314から出力されたRGB信号を、LVDS分配器633を用いて分配させるために、信号を分配させる前に、一旦、LVDS変換器632を用いてLVDS信号に変換しているが、これに限らず、RGB信号のまま、分配させる構成とすることも可能である。
LVDS分配器633によって分配された、シングルエンド伝送方式による2つのRGB信号は、それぞれ、差動回路326に入力され、差動回路326によって、V−by−One方式の差動伝送方式に変換される。具体的には、各差動回路326には、それぞれ発振器634が接続され、この発振器634によって生成される各サブ液晶125用の動作周波数(たとえば9MHz)を用いて、RGB信号を差動伝送方式に変換して、それぞれサブ液晶I/F542へ出力する。
なお、液晶中継基板630を用いて、15インチのメイン液晶104bと、2機の4.3インチのサブ液晶125とに接続する場合には、VDP314から出力される2つのLVDS信号のうち、一つを端子処理して、使用しないようにすればよい。また、RTC323を設けないようにすることも可能である。
(CGROM中継基板の仕様ごとの一例)
つぎに、図7−1および図7−2を用いて、CGROM中継基板330の仕様ごとの詳細について説明する。図7−1は、32G用CGROM中継基板の一例を示す説明図である。図7−1において、32G用CGROM中継基板550には、演出統括基板310の第2中継基板I/F503(図5参照)に接続するCGROM中継基板I/F701が設けられている。
さらに、32G用CGROM中継基板550には、CGROMI/F702が設けられ、16GのCGROM331aに接続する。CGROM中継基板I/F701およびCGROMI/F702は、アドレス信号などの画像データへのアクセスに必要な情報や、データ信号などの画像データの読み込みに必要な情報を送受するものである。このような構成により、VDP314は、CGROM331にアクセスすることができるようになっているとともに、CGROM331から必要な画像データを読み込むことができるようになっている。
なお、全記憶容量を16Gとする場合には、一方の16GCGROM331aのみを装着し、もう一方の16GCGROMを用いないようにすればよい。具体的には、一方のCGROMI/F702(接続コネクタ)を、32G用CGROM中継基板550上に搭載しないようにすればよい。また、全記憶容量を64Gとする場合には、たとえば、32GのCGROM331aを2つ設けるようにすればよい。本実施の形態では、たとえば全容量が256Gまで対応することができるようになっている。
なお、CGROM中継基板330を介さずに、演出統括基板310にCGROM331aを直接接続する構成とすることも可能であるが、このような構成としたとすると、演出統括基板310にCGROMI/F702(接続コネクタ)を、要、不要にかかわらず、たとえば2つ設けておく必要がある。具体的には、たとえば、CGROM331aを1つしか用いない場合には、2つ設けた接続コネクタのうち、一方の接続コネクタは不要となるため、その分、不要なコストが発生することとなる。
また、接続コネクタは、接続する端子数がたとえば120(いわゆる120Pin)といった大型なものであるため、空き端子とした場合には、不要なスペースを発生させることとなる。本実施の形態では、必要な記憶容量に応じたCGROM中継基板330を用いることができるため、このような不要なコストおよび不要なスペースが発生することが抑止できるようになっている。
図7−2は、24G用CGROM中継基板の一例を示す説明図である。図7−2において、24G用CGROM中継基板551には、演出統括基板310の第2中継基板I/F503(図5参照)に接続するCGROM中継基板I/F701が設けられている。
さらに、24G用CGROM中継基板551には、CGROMI/F702が設けられ、16GのCGROM331aと、8GのCGROM331bに接続されている。24G用CGROM中継基板551には、電圧レギュレータである、LDO(Low Drop Out)723が設けられている。LDO723は、入力された供給電圧(たとえば3.3V)を、8GのCGROM331b用の電圧(たとえば1.8V)に変換する。
また、24G用CGROM中継基板551には、電圧レベルの変換が可能なバスバッファ722が設けられている。バスバッファ722は、8GのCGROM331bに対応する電圧レベルに変換(たとえば3.3Vから1.8V)して信号の送受をおこなわせるものである。このような構成により、VDP314は、CGROM331a,331b(特にCGROM331b)にアクセスすることが可能であるとともに、CGROM331a,331b(特にCGROM331b)から必要な画像データを読み込むことが可能になっている。
なお、記憶容量を16Gとする場合には、たとえば、8GのCGROM331bを2つ設け、2つのCGROM331bのいずれに対しても、バスバッファ722を介在させるとともに、LDO723による1.8Vの電圧を供給させるようにしてもよい。このようなCGROM中継基板330を用いることにより、記憶容量を自由に選択することができるようになっている。また、CGROM331a,331bなどを組み合わせることができるので、CGROM中継基板330を再利用する際にも、記憶容量の選択の幅を広げることができる。
(バックライト駆動基板の仕様ごとの一例)
つぎに、図8−1および図8−2を用いて、バックライト駆動基板560の仕様ごとの詳細について説明する。図8−1は、19インチ用バックライト駆動基板の一例を示す説明図である。図8−1において、19インチ用バックライト駆動基板561には、演出統括基板310のバックライト駆動基板I/F514(図5参照)に接続する、バックライト駆動基板I/F801が設けられている。
さらに、19インチ用バックライト駆動基板561には、バックライトI/F802が設けられ、19インチ用LEDバックライト803に接続する。昇圧回路804は、VDP314から入力したパルス変調波(PWM(Pulse Width Modulation))と供給電圧(たとえば15V)とを用いて、供給電圧を最大40.8Vまで昇圧可能にし、所定の電圧をLEDの陽極に印加させる。
図8−2は、15インチ用バックライト駆動基板の一例を示す説明図である。なお、15インチ用バックライト駆動基板562を用いた場合には、供給電圧(たとえば35V)となり、図8−1に示した19インチ用バックライト駆動基板561の場合の供給電圧(たとえば15V)と異なっている。つまり、本実施の形態では、使用するメイン液晶104a,104bに応じて、異なる電圧が供給可能になっている。
図8−2において、15インチ用バックライト駆動基板562には、演出統括基板310のバックライト駆動基板I/F514(図5参照)に接続する、バックライト駆動基板I/F801が設けられている。さらに、15インチ用バックライト駆動基板562には、バックライトI/F802が設けられ、15インチ用LEDバックライト821に接続する。降圧回路822は、VDP314から入力したパルス変調波と供給電圧(たとえば35V)とを用いて、所定の電圧をLEDの陽極に印加させる。
図8−1および図8−2に示す構成により、システムCPU311は、供給電圧の異なる19インチ用LEDバックライト803および15インチ用LEDバックライト821に対して、それぞれLEDを点灯させることが可能になっている。
(画像表示制御部の機能的構成)
つぎに、図9を用いて、本実施の形態にかかる画像表示制御部402b(本発明の画像制御装置)の機能的構成について説明する。図9は、本実施の形態にかかる画像表示制御部の機能的構成を示すブロック図である。なお、図9では、画像表示制御部402bの説明として、主に、メイン液晶104と、当該メイン液晶104に接続するVDP314との接続について説明する。
図9において、画像表示制御部402bは、演出統括基板310と、液晶中継基板320と、CGROM331と、画像表示部910とを、備えている。CGROM331は、画像データを記憶し、本発明の記憶手段に相当する。システム制御部402aに設けられるVDP314は、CGROM331に記憶されている画像データを用いて描画データを生成する。VDP314は、本発明の画像処理手段に相当する。
画像表示部910は、VDP314によって生成された描画データを用いて画像を表示する。接続部920は、VDP314によって生成された描画データを、一対の信号線間の電位差を用いた伝送方式である平衡伝送方式によって伝送する。平衡伝送方式とは、具体的には、差動伝送方式であり、たとえば、LVDS信号によって伝送することである。接続部920は、所定の接続方式に設定変更可能にして画像表示部910と接続する。
接続部920は、図5に示したメイン液晶I/F541および図3に示した端子台321に相当する。具体的には、接続部920は、15インチのメイン液晶104bと接続する場合の第1接続方式、または画像表示に必要な描画データのデータ量が15インチのメイン液晶104bとは異なる19インチのメイン液晶104aと接続する場合の第2接続方式のうち、いずれか一方の接続方式に切替設定可能なものである。
15インチのメイン液晶104bは、本発明の第1画像表示手段に相当し、19インチのメイン液晶104aは、本発明の第2画像表示手段に相当する。15インチのメイン液晶104bと、19インチのメイン液晶104aとは、接続部920から送信される平衡伝送方式の描画データを受信することが可能なそれぞれ異なる数の接続端子を有する。
具体的には、15インチのメイン液晶104bには、1本のLVDS信号線のみが接続可能な接続口が設けられている。なお、15インチXGAに限らず、12.1インチWXGA、または12.1インチSVGAについても、1本のLVDS信号線のみが接続可能な接続口が設けられている。また、19インチのメイン液晶104aには、2本のLVDS信号線が接続可能な接続口が設けられている。
接続部920は、第1接続方式として15インチのメイン液晶104bに接続する場合の単線接続(Single接続)方式、または、第2接続方式としてSingle接続方式よりも接続する端子の数が多い複線接続(Dual接続)方式のうち、いずれか一方の接続方式に切替設定可能なものである。Single接続は、1本のLVDS信号のみを15インチのメイン液晶104bと端子接続してLVDS信号線を送信可能にするとともに、もう1本のLVDS信号線については端子処理して送信不可能にする接続方式である。また、Dual接続は、複数(具体的には2本)のLVDS信号線を端子接続して、LVDS信号を送信可能にする伝送方式である。
また、本実施の形態において、VDP314は、大当たり判定の判定結果を用いて演出内容を決定するシステムCPU311が配置される演出基板上に設けられている。システムCPU311は、本発明の演出決定手段に相当する。接続部920は、液晶中継基板320上に設けられている。液晶中継基板320は、演出統括基板310に接続可能な所定のインタフェース(液晶中継基板I/F502)を有して演出統括基板310に対して分離可能なものである。
なお、本実施の形態にかかる液晶中継基板320には、サブ液晶I/F542、RTC323、スケーラ324、発振器325および差動回路326が設けられているが、これらは必須のものではなく、少なくとも、接続部920(メイン液晶I/F541)と、液晶中継基板I/F502とが設けられていればよい。つまり、少なくとも、接続部920(メイン液晶I/F541)と液晶中継基板I/F502とが設けられて演出統括基板310に分離可能なプリント基板を用いることが可能である。
なお、本実施の形態では、システムCPU311と、画像CPU312と、ランプ制御CPU313とが一体に設けられた演出統括基板310を用いたが、各CPU311〜313は、別々のプリント基板上に設けられたものであってもよい。この場合、いずれかのプリント基板上にVDP314が配置され、このVDP314が配置されるプリント基板に対して、接続部920を設けた液晶中継基板320を分離可能としたものであればよい。
(1.主制御部がおこなう処理)
まず、ぱちんこ遊技機100の主制御部401がおこなう処理について説明する。なお、以下に説明する主制御部401の各処理は、主制御部401のCPU411がROM412に記憶されたプログラムを実行することによりおこなう。
(タイマ割込処理)
まず、図10を用いて主制御部401がおこなうタイマ割込処理について説明する。図10は、タイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。主制御部401は、電源の供給が開始されると、起動処理や電源遮断監視処理などを含んだメイン制御処理(不図示)の実行を開始する。主制御部401は、電源が供給されている間、このメイン制御処理を継続的に実行している。主制御部401は、このメイン制御処理に対して、タイマ割込処理を所定周期(たとえば4ms)で割り込み実行する。
図10に示すように、タイマ割込処理において、主制御部401は、まず、主制御部401がおこなう各種抽選に用いる乱数の更新をおこなう乱数更新処理を実行する(ステップS1001)。主制御部401は、この乱数更新処理において、当たり乱数、図柄乱数、変動パターン乱数などの更新をおこなう。
つぎに、主制御部401は、各種スイッチにより検出をおこなうスイッチ処理を実行する(ステップS1002)。このスイッチ処理において、主制御部401は、始動口(第1始動口105、第2始動口106)に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ処理、ゲート108を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ処理、大入賞口109に入賞した遊技球を検出する大入賞口スイッチ処理、普通入賞口110に入賞した遊技球を検出する普通入賞口スイッチ処理などをおこなう。
つづいて、主制御部401は、特別図柄および普通図柄に関する図柄処理を実行する(ステップS1003)。ここで、図柄処理は、特別図柄に関する特別図柄処理と、普通図柄に関する普通図柄処理とからなる。特別図柄処理において主制御部401は、大当たり抽選をおこない、特別図柄を変動表示/停止表示させる(図11−1および図11−2参照)。普通図柄処理において主制御部401は、普通図柄抽選をおこない、普通図柄を変動表示/停止表示させる(図示および詳細な説明は省略する)。
図柄処理を実行すると、主制御部401は、各種電動役物の動作制御に関する電動役物制御処理を実行する(ステップS1004)。電動役物制御処理には、電動チューリップ107の動作を制御する電動チューリップ制御処理(不図示)、大入賞口109の動作を制御する大入賞口処理(図12−1および図12−2参照)などが含まれる。
つぎに、主制御部401は、賞球に関する賞球処理を実行する(ステップS1005)。賞球処理において、主制御部401は、たとえば、大入賞口109や普通入賞口110へ入賞した遊技球に対して、所定個数の賞球の払い出しを指示する賞球コマンドをRAM413に設定する。そして、主制御部401は、ステップS1001〜S1005の各処理によりRAM413に設定されたコマンドを演出制御部402などに対して出力する出力処理を実行し(ステップS1006)、タイマ割込処理を終了する。タイマ割込処理を終了すると、主制御部401はメイン処理へ戻る。
(特別図柄処理)
つぎに、図11−1および図11−2を用いて、特別図柄処理の処理内容について説明する。図11−1は、特別図柄処理の処理内容を示すフローチャート(その1)である。図11−2は、特別図柄処理の処理内容を示すフローチャート(その2)である。
図11および図11−2において、主制御部401は、大当たり中であるか否かを判定する(ステップS1101)。なお、大当たり中であるか否かの判定は、具体的には、大当たり遊技フラグがONであるか否かの判定をおこなうことである。大当たり遊技フラグは、たとえば、大当たり当選時にONに設定され、大当たり終了時にOFFに設定されるフラグである。
ステップS1101において、大当たり中である場合には(ステップS1101:Yes)、特別図柄を変動表示させずにそのまま特別図柄処理を終了する。大当たり中である場合には(ステップS1101:No)、主制御部401は、特別図柄を変動表示中であるか否かを判定する(ステップS1102)。特別図柄が変動表示中である場合(ステップS1102:Yes)、ステップS1111へ移行する。特別図柄を変動表示中ではない場合(ステップS1102:No)、第2始動口106へ入賞した遊技球に対する保留情報数U2が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS1103)。
保留情報数U2が「1」以上である場合(ステップS1103:Yes)、つまり、U2≧1である場合、主制御部401は、保留情報数U2を「1」減算したものを新たな保留情報数U2として(ステップS1104)、ステップS1107へ移行する。ステップS1103において、保留情報数U2が「0」である場合(ステップS1103:No)、つまり、U2=0である場合、第1始動口105へ入賞した遊技球に対する保留情報数U1が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS1105)。
ステップS1105において、保留情報数U1が「0」であれば(U1=0)(ステップS1105:No)、特別図柄処理を終了する。保留情報数U1が「1」以上であれば(ステップS1105:Yes)、つまり、U1≧1である場合、保留情報数U1を「1」減算したものを新たな保留情報数U1として(ステップS1106)、ステップS1107へ移行する。
なお、ステップS1103およびステップS1105に示したように、第1始動口105への入賞による保留情報よりも、第2始動口106への入賞による保留情報を先に変動させるようにし、いわゆる優先消化させるようにしている。これは、第1始動口105に入賞した保留情報に対する大当たりの図柄判定よりも、第2始動口106に入賞した保留情報に対する大当たりの図柄判定の方が、遊技者にとって有利な大当たり(たとえば、出球の多い大当たりや、電チューサポート機能付きの大当たり)に当選しやすくしているためである。
つづいて、主制御部401は、大当たりであるか否かの大当たり抽選処理をおこなう(ステップS1107)。そして、変動パターン判定処理を実行する(ステップS1108)。この後、判定された変動パターンに基づき特別図柄表示部112の特別図柄の変動表示を開始する(ステップS1109)。
このとき、第2始動口106への入賞による第2大当たり抽選の抽選結果を示す特別図柄(特図2)を変動表示させる場合は、特図2表示部112bの特別図柄を変動表示させる。第1大当たり抽選の抽選結果を示す特別図柄(特図1)を変動表示させる場合は、特図1表示部112aの特別図柄を変動表示させる。
特別図柄の変動表示開始に合わせ、主制御部401は、変動開始コマンドをRAM413に設定する(ステップS1110)。ステップS1110で設定される変動開始コマンドには、ステップS1107の大当たり抽選処理の抽選結果やステップS1108の変動パターン判定処理によって選択された変動パターンを示す情報などが含まれる。また、ステップS1110で設定された変動開始コマンドは、図10のステップS1006に示した出力処理の実行時に、演出制御部402に対して出力される。
つづいて、主制御部401は、特別図柄の変動表示の開始から所定の変動時間(変動表示開始直前に選択した変動パターンによって定義された変動時間)が経過したか否かを判定する(ステップS1111)。所定の変動時間が経過していなければ(ステップS1111:No)、主制御部401は、そのまま特別図柄処理を終了する。
一方、所定の変動時間が経過すると(ステップS1111:Yes)、特別図柄表示部112にて変動表示中の特別図柄を停止表示し(ステップS1112)、変動停止コマンドをRAM413に設定する(ステップS1113)。ステップS1113で設定された変動停止コマンドは、図10のステップS1006に示した出力処理の実行時に、演出制御部402に対して出力される。
変動停止コマンドをRAM413に設定した後、停止中処理を実行する(ステップS1114)。なお、停止中処理では、たとえば、時短遊技状態(電チューサポート機能が付加された遊技状態)の残余回数の計測をしたりする。
この後、停止中の特別図柄が大当たりであるか否かを判定する(ステップS1115)。大当たりではない場合(ステップS1115:No)、そのまま特別図柄処理を終了する。大当たりである場合(ステップS1115:Yes)、大当たりのオープニングを開始するとともに(ステップS1116)、オープニングコマンドをRAM413に設定し(ステップS1117)、特別図柄処理を終了する。
オープニングコマンドは、図10のステップS1006に示した出力処理の実行時に、演出制御部402に対して出力される。なお、不図示であるが、ステップS1115において、大当たりである場合には(ステップS1115:Yes)、大当たり中であることを示す大当たり遊技フラグをONにする。
(大入賞口処理)
つぎに、図12−1および図12−2を用いて、大入賞口処理の処理内容について説明する。図12−1は、大入賞口処理の処理内容を示すフローチャート(その1)である。図12−2は、大入賞口処理の処理内容を示すフローチャート(その2)である。
図12−1および図12−2において、主制御部401は、まず、大当たり中であるか否かを判定する(ステップS1201)。大当たり中でない場合(ステップS1201:No)、そのまま大入賞口処理を終了する。大当たり中である場合(ステップS1201:Yes)、オープニング中であるか否かを判定する(ステップS1202)。オープニング中とは、大当たり当選時に選択された大入賞口動作パターンにおける所定の待機期間(オープニング期間)である。
オープニング中であれば(ステップS1202:Yes)、オープニング処理をおこなって(ステップS1203)、ステップS1204へ移行する。オープニング処理は、オープニング期間の経過を待って、1ラウンド目の、大入賞口109の開放をおこなう処理である。オープニング中ではない場合(ステップS1202:No)、ステップS1204へ移行する。
そして、主制御部401は、インターバル中であるか否かを判定する(ステップS1204)。インターバル中とは、各ラウンド間の、大入賞口109を閉口させる待機期間(インターバル期間)である。インターバル中であれば(ステップS1204:Yes)、インターバル処理をおこなって(ステップS1205)、ステップS1206へ移行する。インターバル処理は、インターバル期間の経過を待って、つぎのラウンドの、大入賞口109の開放をおこなう処理である。
インターバル中でなければ(ステップS1204:No)、ステップS1206へ移行する。そして、主制御部401は、エンディング中であるか否かを判定する(ステップS1206)。エンディング中とは、たとえば最終ラウンドが終了し、つぎの特別図柄の変動が開始されるまでの所定の待機期間(エンディング期間)である。
エンディング中ではない場合(ステップS1206:No)、ステップS1208に移行する。エンディング中である場合(ステップS1206:Yes)、エンディング処理をおこなって(ステップS1207)、ステップS1208に移行する。エンディング処理は、エンディング期間の経過を待って、つぎの特別図柄の変動を開始させるにあたり、たとえば時短遊技状態の設定などをおこなう処理である。
そして、主制御部401は、大入賞口109の開放中であるか否かを判定する(ステップS1208)。大入賞口109の開放中とは、大当たりの各ラウンド中である。大入賞口109の開放中でなければ(ステップS1208:No)、そのまま大入賞口処理を終了する。大入賞口109の開放中であれば(ステップS1208:Yes)、開放期間が経過したか否かを判定する(ステップS1209)。
開放期間が経過していなければ(ステップS1209:No)、主制御部401は今回の大入賞口109の開放中に、大入賞口109へ規定個数(たとえば10個)の遊技球の入賞があったかを判定する(ステップS1210)。規定個数の入賞がなければ(ステップS1210:No)、そのまま開放中処理を終了する。
ステップS1209において、開放期間が経過した場合(ステップS1209:Yes)、または規定個数の入賞があった場合には(ステップS1210:Yes)、主制御部401は、大入賞口109を閉口させる(ステップS1211)。そして最終ラウンドであるか否かを判定する(ステップS1212)。最終ラウンドでなければ(ステップS1212:No)、インターバルを開始して(ステップS1213)、大入賞口処理を終了する。最終ラウンドであれば(ステップS1212:Yes)、エンディングを開始する(ステップS1214)。
エンディングを開始すると、主制御部401はエンディングコマンドをRAM413に設定して(ステップS1215)、大入賞口処理を終了する。このエンディングコマンドには、今回の大当たりのエンディング期間を示す情報などが含まれている。エンディングコマンドは、図10のステップS1006に示した出力処理の実行時に、演出制御部402に対して送信される。
(2.システム制御部がおこなう処理)
つぎに、演出制御部402のシステム制御部402aがおこなう処理について説明する。以下に示すシステム制御部402aがおこなう各処理は、たとえば、システム制御部402aのシステムCPU311がROM442に記憶されているプログラムを実行することによっておこなわれるものである。
(演出タイマ割込処理)
まず、図13を用いて、演出タイマ割込処理の処理内容について説明する。図13は、演出タイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。システム制御部402aは、起動中継続的に所定のメイン演出制御処理(不図示)をおこなっており、このメイン演出制御処理に対して、図13に示す演出タイマ割込処理を、所定の周期(たとえば4ms)で割り込み実行する。
演出タイマ割込処理において、システム制御部402aは、まず、コマンド受信処理(図14参照)をおこなう(ステップS1301)。コマンド受信処理をおこなうと、システム制御部402aは、つづいて、演出ボタン119や十字キー120が遊技者から操作を受け付けた際に、受け付けた旨のコマンドを設定する、操作受付処理をおこなう(ステップS1302)。
そして、システム制御部402aは、演出中におこなう演出中処理(図16参照)を実行する(ステップS1303)。この後、コマンド送信処理をおこなって(ステップS1304)、演出タイマ割込処理を終了する。演出タイマ割込処理を終了すると、システム制御部402aはメイン演出制御処理に戻る。コマンド送信処理では、コマンド受信処理または操作受付処理などによりRAM443の各記憶領域に設定された情報を示すコマンドを、画像表示制御部402bやランプ制御部402cに対して出力する処理をおこなう。
(コマンド受信処理)
つぎに、図14を用いて、図13のステップS1301に示したコマンド受信処理の処理内容について説明する。図14は、コマンド受信処理の処理内容を示すフローチャートである。図14に示すコマンド受信処理において、システム制御部402aは、主制御部401から変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1401)。変動開始コマンドは、主制御部401の特別図柄処理において設定されるコマンドである(図11−1のステップS1110参照)。
変動開始コマンドを受信していなければ(ステップS1401:No)、ステップS1403へ移行する。変動開始コマンドを受信していれば(ステップS1401:Yes)、システム制御部402aは、実行する演出の演出内容を決定する演出決定処理をおこない(ステップS1402)、ステップS1403へ移行する。演出決定処理の詳細な処理内容については図15を用いて後述する。
ステップS1403において、システム制御部402aは、主制御部401から変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1403)。変動停止コマンドは、主制御部401の特別図柄処理において設定されるコマンドである(図11−2のステップS1113参照)。変動停止コマンドを受信していなければ(ステップS1403:No)、ステップS1405へ移行する。
変動停止コマンドを受信していれば(ステップS1403:Yes)、システム制御部402aは、実行中の演出を終了させる演出終了処理をおこない(ステップS1404)、ステップS1405へ移行する。演出終了処理では、演出モードの残余回数の計測などをおこない、特定の演出モード(たとえば時短遊技状態であることを示す時短演出モード)を終了させたりする。
ステップS1405において、システム制御部402aは、主制御部401からオープニングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1405)。オープニングコマンドは、主制御部401の特別図柄処理において設定されるコマンドである(図11−2のステップS1117参照)。オープニングコマンドを受信していなければ(ステップS1405:No)、ステップS1407へ移行する。
オープニングコマンドを受信していれば(ステップS1405:Yes)、システム制御部402aは、大当たり中におこなう大当たり演出を選択する大当たり演出選択処理をおこない(ステップS1406)、ステップS1407へ移行する。たとえば、大当たり演出選択処理において、システム制御部402aは、大当たりの種別(大当たり図柄)に応じた大当たり演出を選択する。
ステップS1407では、主制御部401からエンディングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1407)。エンディングコマンドは、主制御部401の大入賞口処理において設定されるコマンドである(図12−2のステップS1215参照)。エンディングコマンドを受信していなければ(ステップS1407:No)、そのままコマンド受信処理を終了する。
エンディングコマンドを受信している場合(ステップS1407:Yes)、システム制御部402aは、大当たり演出の終了時におこなうエンディング演出を選択するための、エンディング演出選択処理をおこない(ステップS1408)、コマンド受信処理を終了する。
(演出決定処理)
つぎに、図15を用いて、図14のステップS1402に示した演出決定処理について説明する。図15は、演出決定処理の処理内容を示すフローチャートである。演出決定処理において、システム制御部402aは、図14に示したコマンド受信処理において受信された変動開始コマンドを解析し(ステップS1501)、大当たり抽選の抽選結果、変動パターン(特別図柄の変動時間)、遊技状態などを示す情報を取得する。
つづいて、システム制御部402aは、RAM443に記憶されている変動演出パターンテーブルを用いて、変動演出パターンを選択するための、変動演出パターン選択処理を実行する(ステップS1502)。この後、予告演出を選択するための予告演出選択処理を実行する(ステップS1503)。そして、演出開始コマンドをRAM443に設定し(ステップS1504)、演出決定処理を終了する。
(演出中処理)
つぎに、図16を用いて、図13のステップS1303に示した演出中処理について説明する。図16は、演出中処理の処理内容を示すフローチャートである。図16において、システム制御部402aは、演出切替タイミングであるか否かを判定する(ステップS1601)。演出切替タイミングは、たとえば、サブ液晶125を用いる演出など実行中の演出パターンごとに予め設定されるタイミングや、演出ボタン119の押下によって演出を切り替える場合には、演出ボタン119の押下があったタイミングである。
演出切替タイミングではない場合(ステップS1601:No)、そのまま演出中処理を終了する。演出切替タイミングである場合(ステップS1601:Yes)、演出を切り替えるための演出切替コマンドをRAM443に設定し(ステップS1602)、演出中処理を終了する。
(3.画像表示制御部がおこなう処理)
つぎに、画像表示制御部402bがおこなう処理について説明する。以下に示す画像表示制御部402bがおこなう処理は、たとえば、画像表示制御部402bの画像CPU312がROM452に記憶されているプログラムを実行することによっておこなわれるものである。
(画像制御処理)
図17は、画像表示制御部がおこなう画像制御処理の処理内容を示すフローチャートである。図17において、画像表示制御部402bは、システム制御部402aから演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1701)。演出開始コマンドは、システム制御部402aがおこなう演出決定処理において設定されるコマンドである(図15のステップS1504参照)。
演出開始コマンドを受信しない場合(ステップS1701:No)、ステップS1704に移行する。演出開始コマンドを受信した場合(ステップS1701:Yes)、演出開始コマンドに対応する開始画像を選択する(ステップS1702)。そして、選択した演出画像をVDP314に出力させるための開始描画コマンドをRAM453に設定する(ステップS1703)。開始描画コマンドは、所定のタイミングでVDP314に出力される。
この後、画像表示制御部402bは、システム制御部402aから演出切替コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1704)。演出切替コマンドは、システム制御部402aがおこなう演出中処理において設定されるコマンドである(図16のステップS1602参照)。演出切替コマンドを受信しない場合(ステップS1704:No)、そのまま画像制御処理を終了する。
演出切替コマンドを受信した場合(ステップS1704:Yes)、演出切替コマンドに対応する切替画像を選択する(ステップS1705)。そして、選択した切替画像をVDP314に出力させるための切替描画コマンドをRAM453に設定し(ステップS1706)、画像制御処理を終了する。切替描画コマンドは、所定のタイミングでVDP314に出力される。
(4.VDPがおこなう画像生成処理)
つぎに、図18を用いて、VDP314がおこなう画像生成処理について説明する。図18は、VDPがおこなう画像生成処理の処理内容を示すフローチャートである。図18において、VDP314は、画像表示制御部402bから開始描画コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1801)。開始描画コマンドは、画像表示制御部402bがおこなう画像制御処理において設定されるコマンドである(図17のステップS1703参照)。
開始描画コマンドを受信しない場合(ステップS1801:No)、ステップS1805に移行する。開始描画コマンドを受信した場合(ステップS1801:Yes)、開始描画コマンドに対応する開始画像データをCGROM331から読み込む(ステップS1802)。そして、開始画像データをビットマップ展開して開始描画データを生成する(ステップS1803)。この後、メイン液晶104や、たとえばサブ液晶を用いる場合にはサブ液晶125に開始描画データを出力する(ステップS1804)。
そして、VDP314は、画像表示制御部402bから切替描画コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1805)。切替描画コマンドは、画像表示制御部402bがおこなう画像制御処理において設定されるコマンドである(図17のステップS1706参照)。切替描画コマンドを受信しない場合(ステップS1805:No)、そのまま画像生成処理を終了する。
切替描画コマンドを受信した場合(ステップS1805:Yes)、切替描画コマンドに対応する切替画像データをCGROM331から読み込む(ステップS1806)。そして、切替画像データをビットマップ展開して切替描画データを生成する(ステップS1807)。この後、メイン液晶104や、たとえばサブ液晶を用いる場合にはサブ液晶125に切替描画データを出力し(ステップS1808)、画像生成処理を終了する。
従来技術は、新機種を製作するにあたり、液晶表示器を変更する場合、具体的には、液晶表示器を大型のものまたは小型のものに変更する場合、液晶表示器に対応させて高価なVDPも交換する必要があり、コストが高くなるといった問題があった。具体的には、液晶表示器の解像度に応じて液晶表示器ごとに必要なデータ量が異なることにより、VDPと液晶表示器との接続方式が異なることになるため、液晶表示器に対応させてVDPも交換しなければならないといった問題があった。これにより、コストが嵩むばかりでなく、VDPを廃棄処分することとなり、環境問題の観点からも好ましくないといった問題があった。
これに対して、以上説明したように、本実施の形態では、15インチのメイン液晶104bと接続する場合の接続方式、または19インチのメイン液晶104aと接続する場合の接続方式のうち、いずれか一方の接続方式に切替設定可能なメイン液晶I/F541を設けた。これにより、新機種の製作にあたり、15インチのメイン液晶104bから19インチのメイン液晶104aへ変更する場合、または、19インチのメイン液晶104aから15インチのメイン液晶104bへ、変更する場合、高価なVDP314を交換することなく、接続方式の設定を切り替えれば済むことになる。
したがって、新機種を製作するにあたり、メイン液晶104を交換する場合に、VDP314を再利用することができる。これにより、製造コストを抑えることができるとともに、不要な廃棄を抑えることができる。
また、本実施の形態では、19インチSXGAのメイン液晶104aと接続する場合の接続方式(Dual接続)と、15インチXGA、12.1インチWXGAまたは12.1インチSVGAのメイン液晶104bと接続する場合の接続方式(Single接続)と、のうち、いずれか一方の接続方式に切替設定可能にした。したがって、VDP314を再利用することができるとともに、端子接続といった簡単な手法により、メイン液晶104を交換することができる。
さらに、液晶中継基板320は、液晶中継基板I/F502を有し演出統括基板310に対して分離可能なものとしつつ、メイン液晶I/F541によって接続方式の切替設定可能にした。したがって、新機種を製作する際に、メイン液晶104に対応する接続方式とした液晶中継基板320を用いることができる。すなわち、液晶中継基板320に拡張性をもたせることができる。これにより、メイン液晶104を変更する場合に、演出統括基板310を交換することなく、液晶中継基板320を交換すれば済むことになり、製造コストを抑えることができるとともに、不要な廃棄を抑えることができる。
また、本実施の形態では、CGROM中継基板330を用いて、CGROM331に接続し、演出統括基板310とCGROM331との間で、VDP314による画像の制御に必要なデータを中継するようにした。具体的には、図7−1および図7−2に示したように、16GのCGROM331aに接続する場合の中継方式、または8GのCGROM331bに接続する場合の中継方式のいずれか一方の中継方式にてCGROM331と接続するようにした。
したがって、VDP314を再利用しながら、たとえば、16G、24G、32Gといった様々な容量のCGROM331を用いることができ、CGROM中継基板330に拡張性をもたせることができる。また、新機種の製作にあたり、CGROM331を変更する場合に、演出統括基板310を交換することなく、CGROM中継基板330を交換すれば済むことになる。
このように、本実施の形態によれば、新機種を製作するにあたり、CGROM331を交換する場合に、演出統括基板310を再利用することができることにより、製造コストを抑えることができるとともに、不要な廃棄を抑えることができる。
また、本実施の形態では、メイン液晶104に比べて、VDP314に離間して配置されるサブ液晶125に対しては、シングルエンド伝送方式にて生成した描画データを、差動回路326を用いて差動伝送方式に変換するようにした。したがって、構造が単純でコストを低く抑えことができるというシングルエンド伝送方式の利点を生かしながら、差動伝送方式によりサブ液晶125のノイズによる画像の乱れを抑え、演出効果を高めることができる。特に、本実施の形態によれば、各種電気装置や各種配線などによりノイズが発生しやすい島設備に設置されるぱちんこ遊技機100のノイズ対策に効果的である。
また、本実施の形態では、サブ液晶125に対して、シングルエンド伝送方式を用いるとともに、伝送方式を差動伝送方式に変換するようにした。したがって、最も効果的に、シングルエンド伝送方式の利点を生かしながら、画像の乱れを抑えることができる。
また、サブ液晶125に対しては差動伝送方式の描画データに変換することにより、端子台321とサブ液晶125とを接続する信号線の数を減らすことができ、これにより、コストダウンを図ることができる。
さらに、本実施の形態では、VDP314を設けた演出統括基板310に対して分離可能な液晶中継基板320に、差動回路326およびサブ液晶I/F542を設けるようにした。これにより、新機種の製作にあたり、液晶中継基板320には、用いるサブ液晶125に対応する差動回路326を搭載させれば済むことになる。
また、サブ液晶125は、機種によっては用いられないこともあり、サブ液晶125を用いない場合には、差動回路326を液晶中継基板320に搭載させないようにすることができる。つまり、サブ液晶125を用いるか否かに応じて差動回路326を搭載または非搭載にすることができ、液晶中継基板320に拡張性をもたせることができる。これにより、サブ液晶125を不要とする際におけるコストの削減を図ることができる。
また、本実施の形態において、VDP314を設けた演出統括基板310に対して分離可能な液晶中継基板320は、サブ液晶125用の発振器325を配置したものであるとともに発振器325とVDP314とを接続するものとした。したがって、サブ液晶125の交換に際しては、VDP314が搭載される演出統括基板310の交換を要することなく、サブ液晶125に応じた発振器325を設けることができる。
つまり、液晶中継基板320を交換するだけで、サブ液晶125に応じた動作周波数を生成することができる。これにより、新機種を製作するにあたり、サブ液晶125を交換する場合に、演出統括基板310を再利用することができる。この結果、製造コストを抑えることができるとともに、不要な廃棄を抑えることができる。
また、本実施の形態では、発振器325を液晶中継基板320上に設けたので、サブ液晶125を用いない場合には発振器325を液晶中継基板320上に搭載させないようにすることができ、コストを抑えることができる。
また、液晶中継基板320は、発振器325とサブ液晶I/F542とを設けているものの、サブ液晶125は機種によっては用いられないこともある。発振器325やサブ液晶I/F542を液晶中継基板320上に搭載に可能することにより、サブ液晶125を用いない場合には発振器325やサブ液晶I/F542を液晶中継基板320に搭載させないようにすることができる。
つまり、サブ液晶125を用いるか否かに応じて、液晶中継基板320に、発振器325やサブ液晶I/F542を搭載させたり、搭載させないようにしたりすることができる。このように、本実施の形態によれば、液晶中継基板320に拡張性をもたせることができ、サブ液晶125を用いない際におけるコストの削減を図ることができる。
また、本実施の形態では、RTC323を液晶中継基板320に設けるようにした。したがって、要、不要に応じてRTC323を搭載させることができ、液晶中継基板320に拡張性をもたせることができる。これにより、RTC323を不要とする際におけるコストの削減を図ることができる。
また、本実施の形態では、スケーラ324を液晶中継基板320に設けるようにした。したがって、要、不要に応じてスケーラ324を搭載させることができ、液晶中継基板320に拡張性をもたせることができる。これにより、スケーラ324を不要とする際におけるコストの削減を図ることができる。
さらに、近年のぱちんこ遊技機100では、新機種として、既存の機種(たとえば「CR○△□」という機種)の大当たり当選確率や演出の出現割合を変更させたバージョンを変えた機種(たとえば「CR○△□ライトバージョン」といった機種)を製品化することがある。このようなバージョン変更をおこなう際にも、本実施の形態によれば、容易にメイン液晶104の大きさ(解像度)を変えたり、サブ液晶125を設けたりすることができ、バージョン変更に過ぎない機種を斬新なものにすることができる。
本発明の構成を参照符号とともに示すと以下のとおりである。前記第1画像表示手段(104b)と前記第2画像表示手段(104a)とは、前記接続手段(920)から送信される前記平衡伝送方式の前記描画データを受信することが可能なそれぞれ異なる数の接続端子を有し、前記接続手段(920)は、前記第1接続方式として前記第1画像表示手段(104b)に接続する場合の単線接続方式、または、前記第2接続方式として前記単線接続方式よりも接続する端子の数が多い複線接続方式のうち、いずれか一方の接続方式に切替設定可能なものである。
また、前記画像処理手段(314)は、始動条件の成立により遊技者にとって有利な有利遊技状態とするか否かの有利判定の判定結果を用いて演出内容を決定する演出決定手段(311)が配置される演出基板(310)上に設けられ、前記接続手段(920)は、前記演出基板(310)に接続可能な所定のインタフェース(502)を有して前記演出基板(310)に対して分離可能な中継基板(320)上に設けられる。