JP2015050794A - 増設装置、被増設装置、および、熱の状態推定方法 - Google Patents

増設装置、被増設装置、および、熱の状態推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】増設装置において時間が計測できない場合でも熱の状態を推定できる技術の提供。
【解決手段】本発明の増設装置は、被増設装置と通信する通信部と、発熱する発熱部と、前記発熱部における熱の状態を推定する推定部と、前記熱の状態を記録媒体に記録する記録部と、を備える。前記推定部は、前記記録媒体に記録されている過去の前記熱の状態と、前記被増設装置から取得した前記過去からの経過時間とに基づいて、現在の前記熱の状態を推定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、被増設装置に増設装置が増設される構成において、増設装置における熱の状態を推定する技術に関する。
従来、モーターが発熱した発熱量の加算と、モーターが放熱した放熱量の減算とを行うことにより、サーミスタ等を使用することなくモーターの温度を推定する技術が知られている(特許文献1、参照。)。
特開2008−72805号公報
しかしながら、放熱時間に基づいて放熱量を推定するため、放熱時間が計測できない場合には放熱量が推定できないという問題があった。特に、ある装置に増設される増設装置においては、放熱時間を計測する時計が備えられない場合や、時計を備えていても電源が遮断される場合があり、放熱量を推定できないという問題があった。
本発明は前記課題にかんがみてなされたもので、増設装置において時間が計測できない場合でも熱の状態を推定できる技術の提供を目的とする。
前記目的を達成するための増設装置は、被増設装置と通信する通信部と、発熱する発熱部と、発熱部における熱の状態を推定する推定部と、熱の状態を記録媒体に記録する記録部と、を備える。推定部は、記録媒体に記録されている過去の熱の状態と、被増設装置から取得した過去からの経過時間とに基づいて、現在の熱の状態を推定する。推定部は、被増設装置から取得した過去からの経過時間に基づいて現在の熱の状態を推定するため、増設装置が時間を計測できなくても、増設装置の発熱部における熱の状態を推定できる。本明細書において、過去とは、現在よりも前に熱の状態が推定された時刻を意味する。
また、増設装置は、過去からの経過時間を計測する増設側時計部をさらに備えてもよい。そして、推定部は、過去から現在までの期間の少なくとも一部において増設側時計部が停止していた場合に、記録媒体に記録されている過去の熱の状態と、被増設装置から取得した過去からの経過時間とに基づいて、現在の熱の状態を推定してもよい。一方、過去から現在までの全期間において増設側時計部が停止していなかった場合に、推定部は、記録媒体に記録されている過去の熱の状態と、増設側時計部が計測した過去からの経過時間とに基づいて、現在の熱の状態を推定してもよい。すなわち、推定部は、増設側時計部が停止していなかった場合には、被増設装置から取得した経過時間ではなく、増設側時計部が計測した経過時間に基づいて熱の状態を推定する。これにより、被増設装置と増設装置との通信量を抑制できる。なお、過去からの経過時間を計測するとは、過去に開始したタイマーによって経過時間を計測することであってもよいし、現在の時刻を計測し、当該現在の時刻と過去の時刻との差を算出することであってもよい。
また、記録媒体は不揮発性メモリであってもよい。そして、増設側時計部の停止状態において、増設装置に対する電源の供給が遮断されてもよい。すなわち、増設装置全体に対する電源の供給が遮断されることによって、増設側時計部が停止してもよい。この場合、増設装置における消費電力を抑制できる。過去の熱の状態は不揮発性メモリに記録されるため、増設装置全体に対する電源の供給が遮断されても、過去の熱の状態を記録しておくことができる。むろん、過去の熱の状態以外に、現在の熱の状態の推定に必要なパラメーターが存在する場合、当該パラメーターを不揮発性メモリに記録してもよい。
さらに、以上のように熱の状態を推定する手法は、熱の状態推定方法、熱の状態推定プログラムの発明としても成立する。また、以上のような増設装置は、単独の装置として実現される場合もあれば、熱の状態推定システムの一部として含まれる場合もある。
プリンターのブロック図である。 モーター温度監視処理のシーケンス図である。 他の実施形態にかかるモーター温度監視処理のシーケンス図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら以下の順に説明する。
(1)第一実施形態:
(2)他の実施形態:
(1)第一実施形態:
図1Aは、本発明の実施形態にかかる熱の状態推定システムとしてのプリンター1の構成を示すブロック図である。プリンター1は、被増設装置としての本体装置10と、増設装置としての増設カセット20とを備える。本体装置10は、コントローラー11とユーザーI/F部12と外部通信部13と印刷部14と電源部15と増設制御部16とを備える。コントローラー11は、CPUや不揮発性メモリやRAMやASIC等からなり、不揮発性メモリに記録された種々のプログラムをCPUが実行することによってプリンター1の全体を制御する。
コントローラー11は、外部通信部13から印刷ジョブを取得すると、取得した印刷ジョブに基づいて印刷部14と増設カセット20とを制御して印刷を実行する。外部通信部13は、無線LAN,有線LAN,USB(Universal Serial Bus)等の通信規格に準拠した通信回路であり、外部のホストPC6等から印刷ジョブを取得する。コントローラー11は、水晶振動子を備えており、当該水晶振動子の発振数に基づいて時間を計測する。印刷部14は、インクジェット方式、電子写真方式など周知の印刷方式で写真紙・普通紙・OHPシートなどの印刷媒体に印刷を実行するためのアクチュエーターやセンサーや駆動回路や機械部品を備えている。ユーザーI/F部12はタッチパネルディスプレイや各種操作キー等を備えている。
電源部15は、商用電源から本体装置10の各部に供給する電源と、増設カセット20に供給する電源とを生成する。増設制御部16は、増設カセット20を制御するための回路であり、増設カセット20と通信するための通信回路を含む。増設制御部16と増設カセット20とは有線通信を行うとともに、本体装置10に増設カセット20が装着された場合に、増設制御部16と増設カセット20との間を接続する通信線が電気的に接続する。増設制御部16は、増設カセット20に収容された印刷媒体が印刷ジョブにて指定されている場合、増設カセット20に対して印刷媒体の供給を指示する供給情報を送信する。なお、増設カセット20に収容されている印刷媒体のサイズや種類はユーザーによる設定等に予めコントローラー11の不揮発性メモリに記録されている。
また、本体装置10に増設カセット20が装着された場合に、増設制御部16と増設カセット20との間を接続する電源線が電気的に接続する。増設制御部16は、増設カセット20と電源部15とを接続する電源線の導通/非導通を切り替えるスイッチを備えている。コントローラー11は、増設カセット20に印刷媒体の供給を指示する必要があるか否かを印刷ジョブに基づいて判定し、増設カセット20に印刷媒体の供給を指示する必要がない場合には、増設カセット20を停止状態とする。
図2は、本体装置10に増設カセット20の動作を示すシーケンス図である。増設カセット20を停止状態とするにあたり、まずコントローラー11は、増設制御部16を介して増設カセット20に停止通知を送信する(ステップS2)。その後、コントローラー11は、増設カセット20に対する電源の供給を遮断する(ステップS3)。すなわち、コントローラー11は、増設カセット20と電源部15とを接続する電源線のスイッチを非導通とするように増設制御部16に指示する。コントローラー11は、増設カセット20が停止状態である期間に、増設カセット20に印刷媒体の供給を指示する必要が生じた場合、増設カセット20に対する電源の供給を開始する(ステップS4)。これにより、増設カセット20は、停止状態から動作状態へと復帰できる。
コントローラー11は、所定の監視周期dt[秒]が経過するごとに経過時間計測処理S1を実行する。本実施形態において、監視周期dtは1分(60秒)であることとする。経過時間計測処理S1において、コントローラー11は、監視周期dtが経過したか否かを判定する(ステップS11)。監視周期dtが経過していない場合(ステップS11:N)、コントローラー11は、ステップS11に戻り、監視周期dtの経過を待つ。一方、監視周期dtが経過した場合(ステップS11:Y)、コントローラー11は、経過時間tに監視周期dtを加算することにより経過時間tを更新する(ステップS12)。次に、コントローラー11は、増設カセット20が動作状態であるか否かを判定する(ステップS13)。
増設カセット20が動作状態であると判定した場合(ステップS13:Y)、コントローラー11は、現在の経過時間tを示す経過時間情報を増設カセット20に送信する(ステップS14)。そして、コントローラー11は、経過時間tを0にリセットする(ステップS15)。従って、増設カセット20が動作状態である場合、コントローラー11は、監視周期dtが経過するごとに、0に監視周期dtを加算した値である監視周期dtを経過時間tとして示す経過時間情報を増設カセット20に送信されることとなる。すなわち、コントローラー11は、増設カセット20が動作状態である場合、監視周期dtごとに、経過時間tとして監視周期dtを示す経過時間情報を増設カセット20に送信することとなる。
一方、増設カセット20が動作状態であると判定しなかった場合(ステップS12:N)ステップS14,S15をスキップする。従って、増設カセット20が停止状態である場合、経過時間tが0にリセットされることなく経過時間tに監視周期dtが加算されていく。例えば、増設カセット20が停止状態となる直前に監視周期dtが経過したタイミングから、4回の監視周期dtが経過した場合、経過時間tとして4dt(4分)が取得されることとなる。その後、増設カセット20が停止状態から動作状態に復帰し、監視周期dtが経過した場合、コントローラー11は、4dtにdtを積算した値である5dt(5分)の経過時間tを取得し、当該経過時間tを示す経過時間情報を増設カセット20に送信することとなる。経過時間tは経過時間情報を送信すると0にリセットされるため、経過時間tは前回経過時間情報を送信した時刻から経過した期間の長さを意味する。また、増設カセット20が停止状態から動作状態に復帰した場合、増設カセット20が停止状態になる前に最後に経過時間情報を増設カセット20に送信した時刻からの経過時間tを示す経過時間情報が増設カセット20に送信されることとなる。
次に、増設カセット20の構成について説明する。図1に示すように、増設カセット20は、コントローラー21と搬送モーター22とロータリーエンコーダー23と通信部24とを備える。コントローラー21は、CPUや不揮発性メモリやRAMやASIC等からなり、不揮発性メモリに記録された種々のプログラムをCPUが実行することによって増設カセット20を制御する。
コントローラー21は、本体装置10から印刷媒体の供給を指示する供給情報を取得した場合に、搬送モーター22に供給する駆動電流パルスを生成するドライバ回路を含む。
搬送モーター22は、印刷媒体と接触した状態で回転することにより、印刷媒体を搬送する搬送ローラーを駆動する。ロータリーエンコーダー23は、搬送モーター22の回転速度nを計測するためのセンサーであり、搬送モーター22の回転速度nを示す信号を所定の計測周期ごとにコントローラー21に出力する。コントローラー21は、予め不揮発性メモリに記録されている目標の回転速度と、コントローラー21が計測した実際の回転速度nとの差を縮小するように、搬送モーター22に出力する駆動電流パルスを生成するフィードバック制御を行う。記録部としてのコントローラー21は、計測周期ごとの搬送モーター22の回転速度nを記録媒体としての不揮発性メモリに記録する。計測周期の長さcは、例えば数十ミリ秒とされる。
本実施形態の搬送モーター22はDCモーターであり、搬送モーター22に出力する駆動電流パルスはPWM(Pulse Width Modulation)パルスである。コントローラー21は、上述したフィードバック制御によって、搬送モーター22の駆動電流パルスにおけるON期間の比率であるデューティ比Dを設定し、ドライバ回路はデューティ比Dに基づいて制御周期ごとに駆動電流パルスを生成する。制御周期の長さdは、例えば数十ミリ秒とされる。
コントローラー21は、本体装置10から停止通知を取得した場合、搬送モーター22等の駆動部の駆動を所定の原点位置にて停止させ、本体装置10が増設カセット20の電源を遮断するのに備える。なお、増設カセット20はバックアップ電源を有しておらず、停止状態においてコントローラー21が動作不能となる。ただし、コントローラー21の不揮発性メモリに記録されたデータは停止状態においても保持される。
通信部24は、本体装置10との通信を行うための通信回路である。上述したように、本体装置10に増設カセット20が装着された場合に、増設制御部16と増設カセット20との間を接続する信号線が電気的に接続し、本体装置10と増設カセット20とが通信可能となる。通信部24は、供給情報と経過時間情報とを本体装置10から受信し、異常情報を本体装置10に送信する。
図2に示すように、コントローラー21は、本体装置10から経過時間情報を取得するごとに、搬送モーター22の温度を推定する温度推定処理P1を実行する。温度推定処理P1において、コントローラー21は、経過時間情報が示す経過時間tを取得する(ステップP11)。さらに、コントローラー21は、不揮発性メモリに記録された搬送モーター22の温度を搬送モーター22の過去の温度T0[K]として取得する(ステップP12)。そして、コントローラー21は、経過時間tと搬送モーター22の過去の温度T0とに基づいて、搬送モーター22の現在の温度Tを推定する(ステップP13)。さらに、コントローラー21は、搬送モーター22の現在の温度Tを不揮発性メモリに更新記録する(ステップP14)。経過時間tは前回経過時間情報を送信した時刻から経過した期間の長さを意味するとともに、経過時間情報を受信することに搬送モーター22の温度Tが推定されるため、経過時間tは過去の温度T0を推定した時刻から経過した期間の長さを意味する。
以下、搬送モーター22の温度の推定理論を説明する。コントローラー21は、下記の(1)式に基づいて搬送モーター22の現在の温度T[K]を推定する。
Figure 2015050794
すなわち、コントローラー21は、搬送モーター22の過去の温度T0に、当該過去の温度T0を推定した時刻から経過した経過期間tにおける発熱温度ΔTfevを加算し、経過期間tにおける放熱温度ΔTradを減算することにより、搬送モーター22の現在の温度Tを推定する。経過期間tにおける発熱温度ΔTfevと放熱温度ΔTradとは、下記の(2a)(2b)式によって導出できる。
Figure 2015050794
前記の(2)式において、ΔQfev[J]は経過期間tにおける発熱量を表し、ΔQrad[J]は経過期間tにおける放熱量を表し、C[J/K]は搬送モーター22の熱容量を表す。熱容量Cは、搬送モーター22に固有の定数である。ここで、経過期間tにおける発熱量ΔQfevは、搬送モーター22の駆動によって発熱した熱量であると見なすことができる。従って、経過期間tにおける発熱量ΔQfevは、下記の(3)式によって導出できる。
Figure 2015050794
前記の(3)式において、I[A]は搬送モーター22を流れる電流を表し、R[Ω]は搬送モーター22の抵抗を表す。抵抗Rは、搬送モーター22に固有の定数である。さらに、搬送モーター22を流れる電流Iは、搬送モーター22に供給された駆動電流パルス(平均電流)と、搬送モーター22の回転に応じた誘導起電圧によって生じる電流とによって構成される。従って、搬送モーター22を流れる電流Iは、下記の(4)式によって導出できる。
Figure 2015050794
前記の(4)式において、Isup[A]は駆動電流パルスの平均電流を表し、Iief[A]は誘導起電圧によって生じる電流を表す。駆動電流パルスの平均電流Isupは下記の(5)式によって導出される。
Figure 2015050794
前記の(5)式において、Imax[A]は駆動電流パルスがON時の電流値を表し、ΣDは不揮発性メモリにおいて制御周期ごとに記録されているデューティ比Dの合計値を表す。また、経過期間tの長さである経過時間tをデューティ比Dが設定される制御周期の長さdで除算したt/dは、経過期間tにおいてデューティ比Dが設定された全回数を意味する。すなわち、駆動電流パルスの平均電流Isupは、経過時間tにおけるデューティ比Dの平均値を駆動電流パルスがON時の電流値Imaxに乗算することにより得られる。コントローラー21は、駆動電流パルスの平均電流Isupを算出すると、不揮発性メモリに記録されたデューティ比Dを消去する。従って、不揮発性メモリには経過期間tごとに、当該経過期間t内において設定されたデューティ比Dが蓄積されることとなる。
一方、誘導起電力によって生じる電流Iiefは、下記の(6)式によって導出できる。
Figure 2015050794
前記の(6)式において、K[V/rpm]は逆起電力定数を表し、N[rpm]は搬送モーター22の回転速度を表す。搬送モーター22の回転速度Nは下記の(7)式によって導出される。
Figure 2015050794
前記の(7)式において、Σnは不揮発性メモリにおいて計測周期ごとに記録されている回転速度nの合計値を表す。また、回転速度nが計測された計測周期の長さcで経過時間tを除算したt/cは、経過期間tにおいて回転速度nが計測された全回数を意味する。従って、搬送モーター22の回転速度Nは、経過期間tに含まれる個々の計測周期における回転速度nの平均値を意味する。コントローラー21は、搬送モーター22の回転速度Nを算出すると、不揮発性メモリに記録された回転速度nを消去する。従って、不揮発性メモリには経過期間tごとに、当該経過期間t内において計測された回転速度nが蓄積されることとなる。
経過期間tにおける放熱量ΔQradは、経過期間tにおいて搬送モーター22から空気中に放出された熱量であると見なすことができる。従って、経過期間tにおける放熱量ΔQradは、ニュートンの冷却の法則に基づく下記の(8)式によって導出できる。
Figure 2015050794
前記の(8)式において、α[W/(m・K)]は熱伝導率を表し、Sは搬送モーター22の表面積を表し、Tmは搬送モーター22の環境温度を表す。熱伝導率αと表面積Sとは、搬送モーター22に固有の定数である。環境温度Tmは、増設カセット20の筐体内の空気の平均的な温度であり、例えば25度とされる。
前記の(1)〜(8)式が示すように、コントローラー21は、経過時間tと搬送モーター22の過去の温度T0と回転速度Nと各定数R,K,α,Sとに基づいて、搬送モーター22の現在の温度Tを推定できる。コントローラー21は、前記の(1)〜(8)式を計算することにより搬送モーター22の現在の温度Tを推定してもよい。また、コントローラー21は、必ずしも前記の(1)〜(8)式を計算しなくてもよく、前記の(1)〜(8)式の入力値と出力値との対応関係を規定したテーブルを参照することにより、搬送モーター22の現在の温度Tを推定してもよい。さらに、前記の(1)〜(8)式は理解が容易な形式で記載したに過ぎず、コントローラー21は、前記の(1)〜(8)式を変形/統合/分解した計算式によって搬送モーター22の現在の温度Tを推定してもよい。
図2に示すように、増設カセット20が動作状態である場合、本体装置10から経過時間情報が監視周期dt(1分)ごとに取得されるため、コントローラー21は、監視周期dtごとに不揮発性メモリに搬送モーター22の現在の温度Tを更新記録することとなる。増設カセット20が動作状態である場合、搬送モーター22の現在の温度Tの推定に使用する経過時間tは常に監視周期dtと等しくなる。
一方、増設カセット20が停止状態である場合、本体装置10は経過時間情報を送信しないとともに、そもそもコントローラー21が不揮発性メモリのデータを書き換えできないため、停止状態の前において最後に監視周期dtが経過した時刻における搬送モーター22の温度Tが不揮発性メモリに保持され続けることとなる。そして、増設カセット20が停止状態から動作状態に復帰した次の監視周期dtにおいて、本体装置10が経過時間情報を増設カセット20に送信することとなる。この経過時間情報が示す経過時間tは、停止状態の前において最後に監視周期dtが経過した時刻から現在の監視周期dtが経過した時刻までの期間の長さを意味することとなる。従って、コントローラー21は、経過期間tが停止状態の期間を含む場合でも、経過期間tにおける放熱量ΔQradに基づいて搬送モーター22の現在の温度Tを推定できる。むろん、搬送モーター22の温度Tを計測するサーミスタ等が不要であり、コストが増大することもない。
なお、停止状態の前の動作状態における最後の監視周期dtから停止状態となるまでの期間W(図2)においても駆動電流パルスが搬送モーター22に供給され、搬送モーター22が回転し得る。当該期間Wにおける駆動電流パルスのデューティ比Dと搬送モーター22の回転速度nとは不揮発性メモリに蓄積されているため、これらの情報が停止状態にて消去されることはない。従って、期間Wにおける駆動電流パルスのデューティ比Dと搬送モーター22の回転速度nも考慮して、停止状態の期間を含む経過期間tにおける発熱量ΔQfevを推定できる。なお、停止状態においては、駆動電流パルスのデューティ比Dと搬送モーター22の回転速度nとが不揮発性メモリに蓄積されない。従って、前記の(5),(7)式において、停止状態における駆動電流パルスのデューティ比Dと搬送モーター22の回転速度nとして、実質的に0を合計していることとなる。
コントローラー21は、不揮発性メモリに記録した搬送モーター22の現在の温度Tが閾値以上であるか否かを判定する。そして、搬送モーター22の現在の温度Tが閾値以上であると判定した場合、コントローラー21は、搬送モーター22の駆動を停止させるとともに、異常情報を本体装置10に送信する。
なお、搬送モーター22の現在の温度Tを推定するコントローラー21は、推定部に相当する。また、推定部としてのコントローラー21が推定する搬送モーター22の現在の温度Tは、熱の状態に相当する。また、水晶振動子を備えた本体装置10のコントローラー11は、被増設側時計部に相当する。さらに、搬送モーター22は発熱部に相当する。被増設側時計部は、必ずしも水晶振動子を用いて時間を計測しなくてもよく、例えばインターネットから取得したデータや外部の装置から受信したデータに基づいて時間を計測してもよい。
(2)他の実施形態:
前記実施形態においては、増設カセット20が動作状態である場合に、本体装置10から経過時間情報を送信することにより、監視周期dtが経過したことを増設カセット20のコントローラー21が実質的に認識できた。しかしながら、増設カセット20が動作状態である場合には、監視周期dtが経過したことを増設カセット20のコントローラー21が認識してもよい。すなわち、コントローラー21が水晶振動子を備え、コントローラー21が増設側時計部として機能してもよい。
図3は、増設カセット20のコントローラー21が増設側時計部として機能する場合のシーケンス図である。同図に示すように、増設カセット20が動作状態である場合、自発温度推定処理P101を実行する。自発温度推定処理P101において、コントローラー21は、当該コントローラー21が備える水晶振動子の発振数に基づいて監視周期dtが経過したか否かを判定する(ステップP111)。監視周期dtが経過していない場合(ステップP111:N)、コントローラー21は、ステップP111に戻り、監視周期dtの経過を待つ。一方、監視周期dtが経過した場合(ステップP111:Y)、コントローラー21は、経過時間tとして監視周期dtを取得する(ステップP112)。そして、前記実施形態の温度推定処理P1と同様の手法によって、コントローラー21は、搬送モーター22の現在の温度Tを推定する(ステップP113〜S115)。これにより、増設カセット20が動作状態である場合に、監視周期dtごとに搬送モーター22の温度Tを推定し、不揮発性メモリに記録できる。
ただし、増設カセット20が停止状態から動作状態に復帰した場合、増設カセット20のコントローラー21は、前記実施形態と同様の温度推定処理P1を実行する。すなわち、コントローラー21は、監視周期dtの長さではなく、本体装置10から取得した経過時間情報が示す経過時間tに基づいて搬送モーター22の現在の温度Tを推定する。
一方、本体装置10のコントローラー11は、停止通知を増設カセット20に送信すると同時に、経過時間tの計測を開始する(ステップS102)。そして、コントローラー11は、増設カセット20への電源の供給を開始すると同時に、経過時間tの計測を終了する(ステップS103)。さらに、コントローラー11は、計測が終了した経過時間tを示す経過時間情報を増設カセット20に送信する(ステップS101)。この実施形態によれば、停止状態から復帰した場合に限り経過時間情報を増設カセット20に送信すればよいため、本体装置10と増設カセット20との間の通信量を抑制できる。
コントローラー21は、本体装置10から取得した経過時間tに基づいて、現在の熱の状態を推定すればよく、必ずしも搬送モーター22の現在の温度Tを推定しなくてもよい。例えば、コントローラー21は、本体装置10から取得した経過時間tに基づいて、搬送モーター22の放熱量ΔQradだけを推定してもよい。
本実施形態では、プリンターの増設カセット20における搬送モーター22における熱の状態を推定したが、プリンターの増設カセット20に備えられる他のモーター(ピックアップモーター等)における熱の状態を推定してもよい。なお、本体装置10に増設できる増設カセット20は複数でもよい。この場合、複数の増設カセット20のそれぞれにおいて、コントローラー21が熱の状態を推定すればよい。さらに、本体装置10に排紙装置が増設される場合、当該排紙装置が備えるモーターにおける熱の状態を当該排紙装置のコントローラーが推定してもよい。また、プリンター以外の装置に適用してもよく、パソコンと増設ハードディスクドライブなどに適用してもよい。また、発熱部は発熱する部品であればよく、モーターでなくてもよい。発熱部は、発熱に応じて熱の管理が必要な部材であればよく、ジュール熱が生じ得るモーター以外の電子部品であってもよい。例えば、発熱部は、演算処理に応じて発熱するCPUであってもよいし、LEDや電球等の発光素子であってもよい。さらに、発熱部は、必ずしもジュール熱を熱源としなくてもよく、摩擦熱が熱源となる摺動部品や制動部品であってもよいし、燃料の燃焼が熱源となるエンジン等であってもよい。また、被増設装置と増設装置とは、互いに独立した筐体を有していなくてもよく、被増設装置と増設装置とが共通する筐体に収容されてもよい。
1…プリンター、10…本体装置、11…コントローラー、12…ユーザーI/F部、13…外部通信部、14…印刷部、15…電源部、16…増設制御部、20…増設カセット、21…コントローラー、22…搬送モーター、23…ロータリーエンコーダー、24…通信部。

Claims (5)

  1. 被増設装置と通信する通信部と、
    発熱する発熱部と、
    前記発熱部における熱の状態を推定する推定部と、
    前記熱の状態を記録媒体に記録する記録部と、を備える増設装置であって、
    前記推定部は、前記記録媒体に記録されている過去の前記熱の状態と、前記被増設装置から取得した前記過去からの経過時間とに基づいて、現在の前記熱の状態を推定する、
    増設装置。
  2. 前記過去からの経過時間を計測する増設側時計部をさらに備え、
    前記推定部は、
    前記過去から現在までの期間の少なくとも一部において前記増設側時計部が停止していた場合に、前記記録媒体に記録されている前記過去の前記熱の状態と、前記被増設装置から取得した前記過去からの経過時間とに基づいて、現在の前記熱の状態を推定し、
    前記過去から現在までの全期間において前記増設側時計部が停止していなかった場合に、前記記録媒体に記録されている前記過去の前記熱の状態と、前記増設側時計部が計測した前記過去からの経過時間とに基づいて、現在の前記熱の状態を推定する、
    請求項1に記載の増設装置。
  3. 前記記録媒体は不揮発性メモリであり、
    前記増設装置は、電源の供給が遮断されることにより停止する、
    請求項2に記載の増設装置。
  4. 発熱する発熱部と、前記発熱部における熱の状態を推定する推定部と、前記熱の状態を記録媒体に記録するとともに、前記記録媒体に記録されている過去の前記熱の状態と、前記被増設装置から取得した前記過去からの経過時間とに基づいて、現在の前記熱の状態を推定する推定部と、を備える増設装置と通信する被増設装置であって、
    前記過去からの経過時間を計測する被増設側時計部と、
    前記過去からの経過時間を示す経過時間情報を前記増設装置に送信する送信部と、
    を備える被増設装置。
  5. 被増設装置と通信する増設装置における熱の状態を推定する熱の状態推定方法であって、
    前記増設装置において、
    前記熱の状態を記録媒体に記録する記録し、
    前記記録媒体に記録されている過去の前記熱の状態と、前記被増設装置から取得した前記過去からの経過時間とに基づいて、現在の前記熱の状態を推定し、
    前記被増設装置において、
    前記過去からの経過時間を計測し、
    前記過去からの経過時間を示す経過時間情報を前記増設装置に送信する、
    熱の状態推定方法。
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