JP2015049937A - 接点装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アークが発生した際に、速やかにアークを消弧することができる接点装置を提供する。【解決手段】固定接点10および、固定接点10に接触する閉位置と固定接点10から離れた開位置との間で移動する可動接点11で構成される接点部15と、加熱されることによって、消弧性を有する消弧ガスを放出する消弧部材14と、接点部15および消弧部材14を囲む容器13とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、接点を開閉する接点装置に関するものである。
従来、一対の固定接点と、固定接点に接触する閉位置および固定接点から離れた開位置との間で移動する一対の可動接点とを備え、可動接点を移動させることで一対の固定接点間を短絡または開放する接点装置がある(例えば、特許文献1参照)。一対の可動接点は、可動接触子に設けられており、可動接点が閉位置にある場合、可動接点,可動接触子を介して一対の固定接点間が短絡(導通)し、可動接点が開位置にある場合、一対の固定接点間が開放(非導通)となる。
特開2007−287525号公報
可動接点が固定接点から離れる際に、可動接点−固定接点間にアークが発生するおそれがあり、アークを速やかに消弧することが望まれている
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、アークが発生した際に、速やかにアークを消弧することができる接点装置を提供することにある。
本発明の接点装置は、固定接点および、前記固定接点に接触する閉位置と前記固定接点から離れた開位置との間で移動する可動接点で構成される接点部と、加熱されることによって、消弧性を有する消弧ガスを放出する消弧部材と、前記接点部および前記消弧部材を囲む容器とを備えることを特徴とする。
この接点装置において、前記容器は、前記接点部と前記消弧部材とを含んだ内部の空間を気密状態にすることが好ましい。
この接点装置において、前記容器の内部には、水素が含まれることが好ましい。
この接点装置において、前記容器の内部における水素の体積比率は50%以上である
ことが好ましい。
この接点装置において、前記容器の内部には、窒素が含まれることが好ましい。
この接点装置において、前記容器の内部における窒素の体積比率は50%以上であることが好ましい。
この接点装置において、前記容器の内部には、空気よりも活性が低いガスが含まれることが好ましい。
この接点装置において、前記容器の内部には、空気よりも絶縁破壊電界強度が高いガスことが好ましい。
この接点装置において、前記容器の内部には、空気よりも消弧性能が高いガスが含まれることが好ましい。
この接点装置において、前記消弧部材は、前記接点部と対向する面に凹部が形成されることが好ましい。
この接点装置において、前記消弧部材は、膜状に形成されることが好ましい。
この接点装置において、前記消弧部材から放出される消弧ガスの放出方向を、前記接点部がある方向に制限するノズルを備えることが好ましい。
この接点装置において、前記接点部と前記消弧部材との間に設けられた第1の壁体と、前記消弧部材を介して前記第1の壁体と対向する第2の壁体とを備え、前記消弧部材は、前記第1の壁体と前記第2の壁体との間に形成される空間の一部に設けられることが好ましい。
この接点装置において、前記消弧部材は、貫通孔が形成されることが好ましい。
この接点装置において、前記消弧部材は、前記接点部と対向する面に保護膜が設けられることが好ましい。
この接点装置において、前記保護膜は、表面に貫通孔が形成されることが好ましい。
この接点装置において、前記保護膜は、多孔質材料で形成され、表面に凹部が形成されることが好ましい。
以上説明したように、本発明では、アークが発生した際に、アークによって消弧部材が加熱され、消弧部材は、接点部(固定接点,可動接点)を囲む容器内に消弧ガスを放出する。したがって、容器内における消弧ガスの圧力が高くなり、速やかにアークを消弧することができるという効果がある。
本発明の実施形態1の接点装置の概略構成図である。 (a)(b)同上の別構成の接点装置の概略構成図である。 (a)(b)実施形態2の接点装置の概略構成図である。 実施形態3の接点装置の概略構成図である。 実施形態4の接点装置の概略構成図である。 実施形態5の接点装置の概略構成図である。 同上のカバーを含む一部を拡大した上面図である。 (a)(b)同上の別構成のカバーを含む一部を拡大した上面図である。 実施形態6の接点装置の概略構成図である。 別構成の保護膜の概略構成図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態に係る接点装置1について図面を用いて詳細に説明する。ただし、以下に説明する接点装置1は本発明の一例に過ぎない。そして、本発明は、下記の実施形態に限定されることなく、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、以下の説明では、図1における上下左右を上下左右方向として説明するが、接点装置1の使用形態を限定する趣旨ではない。
本実施形態の接点装置1の概略構成図を図1に示す。本実施形態の接点装置1は、一対の固定接点10と、一対の可動接点11と、各固定接点10を支持する一対の接点台100,101と、両可動接点11を支持する可動接触子12とを備える。また、本実施形態の接点装置1は、固定接点10と可動接点11とで接点部15を構成しており、接点部15および後述する消弧部材14を収納する容器13を備える。なお、図1には、本実施形態の接点装置1と、接点装置1の下方に配置される電磁石装置2とで構成される電磁継電器3を表しているが、電磁石装置2は接点装置1の構成要素には含まれない。また、接点装置1は、電磁継電器3の使用に限定しない。
一対の接点台100,101は、導電性材料で構成されており、上下方向を長手方向とする円柱形状に形成されている。そして、一対の接点台100,101は、上下方向に直交する平面内の一方向(図1における左右方向)に並んで配置されている。また、一対の接点台100,101各々の下端部には固定接点10が設けられている。一対の接点台100,101各々は、後述する容器13の上壁に形成された一対の丸孔130に挿入される形で、容器13に接合されている。
可動接触子12は、導電性材料で構成されており、左右方向を長手方向とする矩形板状に形成されている。可動接触子12は、長手方向の両端部が一対の接点台100,101の下端部と対向するように、一対の接点台100,101の下方に配置されている。可動接触子12のうち、各接点台100,101に設けられている固定接点10と対向する各部位には、可動接点11がそれぞれ設けられている。
可動接触子12は、後述する電磁石装置2によって上下方向に駆動される。これにより、可動接触子12に設けられた各可動接点11は、それぞれに対向する固定接点10に接触する閉位置と、固定接点10から離れた開位置との間で移動することになる。可動接点11が閉位置にあるとき、すなわち接点装置1が閉じた状態では、一対の接点台100,101の間は可動接点11,可動接触子12を介して短絡する。また、可動接点11が開位置にあるとき、すなわち接点装置1が開いた状態では、一対の接点台100,101の間は開放される。
容器13は、酸化アルミニウム(アルミナ),炭化ケイ素(SiC),窒化アルミニウムなどのセラミックからなる耐熱性材料で構成され、内部に気密空間を有する箱体で形成されている。なお、容器13の構成材料はセラミックに限定せず、エポキシ樹脂等の樹脂材料または、ステンレス鋼(SUS),銅(Cu),アルミニウム(Al)等の金属材料で構成されていてもよい。なお、容器13を金属材料で構成する場合、容器13と固定接点10とを電気的に絶縁処理する必要がある。また、容器13を樹脂材料で構成する場合、強度および内部空間の気密性を確保するために、ある程度の厚みを有する必要がある。
次に、電磁石装置2について説明する。電磁石装置2は、固定子20と、可動子21と、継鉄(図示せず)と、励磁コイル22と、シャフト23と、ホルダ24と、接圧ばね25と、復帰ばね26とを備える。なお、電磁石装置2は、励磁コイル22が巻き付けられるコイルボビン(図示せず)を有していてもよい。
固定子20は、円筒状に形成された固定鉄心であって、その上端部が容器13の下壁に固定されている。可動子21は、円柱状に形成された可動鉄心である。可動子21は、固定子20の下方において、その上端面を固定子20の下端面に接触させた第1の位置と、その上端面が固定子20の下端面から離れた第2の位置との間で移動可能に構成されている。
なお、電磁石装置2は、非磁性体からなり固定子20および可動子21を収納するケース(図示せず)を有していてもよい。ケースは、上面が開口した有底円筒状に形成され、上端部(開口周部)が容器13の下壁に固定される。これにより、ケースは、可動子21の移動方向を上下方向に制限し、かつ可動子21の第2の位置を規定する。
継鉄は、固定子20および可動子21と共に、励磁コイル22の通電時に生じる磁束が通る磁気回路を形成する。このため、継鉄と固定子20と可動子21とは、いずれも磁性材料から形成されている。
励磁コイル22は、継鉄で囲まれる空間内に配置される。また、励磁コイル22の内側には、固定子20と可動子21とが配置される。電磁石装置2は、励磁コイル22への通電時に励磁コイル22で生じる磁束によって可動子21を吸引して上方へ移動させ、励磁コイル22への通電が停止すると復帰ばね26のばね力によって可動子21を下方へ移動させる。
シャフト23は、非磁性材料で構成され、上下方向を長手方向とする丸棒状に形成されている。シャフト23は、電磁石装置2で発生した駆動力を接点装置1へ伝達する。シャフト23は、容器13の下壁の中央部に形成された通孔131に挿通されており、固定子20および復帰ばね26の内側を通って、その下端部が可動子21に固定されている。シャフト23の上端部は、可動接触子12を保持するホルダ24に固定されている。
ホルダ24は、可動接触子12の上下方向の両側に設けられていて互いに対向する上板240および下板241と、上板240と下板241との周縁部同士を連結する側板242とを具備している。ここでは、上板240および下板241はそれぞれ矩形板状に形成されている。側板242は、上板240の下面において互いに対向する一対の辺と、下板241の上面において互いに対向する一対の辺とを連結するように一対設けられている。下板241の中央部には、シャフト23の上端部が固定されている。これにより、電磁石装置2で発生した駆動力がシャフト23を介してホルダ24へと伝達される。そして、可動子21の上下方向への移動に伴って、ホルダ24が上下方向に移動する。
接圧ばね25は、ホルダ24の下板241と可動接触子12との間に配置されており、可動接触子12を上方へと付勢するコイルばねである。復帰ばね26は、固定子20の内側に配置されており、可動子21を下方へと付勢するコイルばねである。
以下に、本実施形態の接点装置1を用いた電磁継電器3の基本的な動作について簡単に説明する。
まず、励磁コイル22の非通電時における電磁継電器3の状態について説明する。この状態では、電磁石装置2の可動子21が第2の位置にある。このため、ホルダ24は、電磁石装置2によってシャフト23を介して下方に引き下げられている。このとき、ホルダ24は、その上板240により可動接触子12を下方に押し下げることになる。したがって、可動接触子12は、上板240によって上方への移動が規制され、可動接点11を固定接点10から離れた開位置に位置させる。この状態は、接点装置1が開いた状態であり、一対の接点台100,101間は開放状態(非導通)である。
次に、励磁コイル22の通電時における電磁継電器3の状態について説明する。この状態では、電磁石装置2の可動子21が第1の位置にある。このため、ホルダ24は、電磁石装置2によってシャフト23を介して上方に引き上げられている。したがって、ホルダ24の上板240が上方へと移動するため、可動接触子12は、上板240による上方への移動規制が解除される。このため、可動接触子12は、ホルダ24の下板241により接圧ばね25を介して上方に押し上げられ、可動接点11を固定接点10に接触する閉位置に位置させる。この状態は、接点装置1が閉じた状態であり、一対の接点台100,101間は短絡状態(導通)である。また、可動接触子12が接圧ばね25により上方へと付勢されているため、固定接点10と可動接点11との間の接圧(接触圧)を確保することができる。
ここで、可動接点11が固定接点10から離れる際に、固定接点10−可動接点11間にアークが生じるおそれがある。そこで、本実施形態の接点装置1は、加熱されると消弧性を有する消弧ガスを放出する消弧部材14が、接点部15(固定接点10,可動接点11)と同一空間に配置されている。具体的には、図1に示すように、消弧部材14は、右側の固定接点10,可動接点11の近傍に位置するように、上下方向において固定接点10と開位置にある可動接点11との間となる領域内における、容器13の右壁内面に設けられている。消弧部材14は、水素を吸蔵した水素吸蔵合金で構成されており、加熱されることによって貯蔵している水素(消弧ガス)を迅速に放出する性質を有している。
そして、固定接点10−可動接点11間にアークが発生した際に、アークの熱によって消弧部材14が加熱され、消弧部材14から消弧ガス(水素)が放出される。この消弧ガスによりアークを急速に冷却して迅速に消弧することが可能になる。さらに、本実施形態では、接点部15(固定接点10,可動接点11)と消弧部材14とは、内部の空間を気密状態にする容器13に収納されている。したがって、消弧部材14から放出される消弧ガスを容器13内に充満させることができ、より消弧性能を向上させることができる。なお、容器13は、接点部15と消弧部材14とを囲む構成であればよく、内部に気密空間を有することは必須ではない。例えば、容器13を、上端,下端が開口した筒状に形成し、接点部15および消弧部材14の側方のみを囲む構成であっても、アークが発生した際に、容器13内における消弧ガスの圧力が高くなり、速やかにアークを消弧することができる。
さらに、消弧部材14は、固定接点10,可動接点11の近傍に配置されているので、消弧部材14から勢いよく放出される消弧ガスがアークに吹き付けられることによって、アークを消弧することができる。
このように、本実施形態の接点装置1は、固定接点10および可動接点11で構成される接点部15と、消弧部材14と、容器13とを備える。可動接点11は、固定接点10に接触する閉位置と、固定接点10から離れた閉位置との間で移動する。消弧部材14は、加熱されることによって、消弧性を有する消弧ガスを放出する。容器13は、接点部15と消弧部材14とを囲む。
したがって、本実施形態の接点装置1は、可動接点11が固定接点10から離れる際にアークが生じても、接点部15と消弧部材14とを含んだ容器13内部の空間において、消弧部材14から消弧ガスが放出される。これにより、容器13内における消弧ガスの圧力が高くなり、アークを迅速に消弧することができる。
なお、消弧部材14が放出する消弧ガスの成分は水素に限定せず、窒素などで構成されていてもよい。また、消弧部材14を構成する材料は、水素吸蔵合金に限定せず、加熱されることによって消弧ガスを放出する材料であればよい。例えば、消弧部材14は、フェノール樹脂等の樹脂材料または、水素吸蔵金属,水素化チタン(TiH)等の金属材料または、ホウ酸などの無機物で構成されていてもよい。また、消弧部材14が消弧ガスを放出するタイミングは、加熱時に限定せず、非加熱時においても消弧ガスを放出する構成であってもよい。
また、図1では、1つの消弧部材14のみを図示しているが、2つ以上の消弧部材14を備えていてもよく、例えば左側の固定接点10,可動接点11の近傍にも消弧部材14が配置されていてもよい。また、消弧部材14の大きさは、図1に示す大きさに限定しない。
また、予め容器13の内部に、空気よりも消弧性能が高いガスを封入しておいてもよい。容器13の内部の空気に、消弧性能が高いガスが含まれることによって、アークが発生した際により速やかに消弧することができる。なお、消弧性能が高いガスの例として、水素,二酸化炭素などがあげられる。例えば、容器13の内部の気体に予め水素を封入しておく場合、水素による消弧効果を確保するために、容器13内の空気における水素の体積比率は50%以上であることが望ましい。また、容器13の内部に水素を封入しておくことによって、水素中での使用が好適な種類の消弧部材14を用いることができる。
また、予め容器13の内部に、空気よりも絶縁破壊電界強度が高いガスを封入しておいてもよい。容器13の内部の気体に、絶縁破壊電界強度が高いガスが含まれることによって、固定接点10−可動接点11間における電気的な絶縁性を向上させ、アークの発生自体を抑制することができる。なお、絶縁破壊電界強度が高いガスの例として、窒素(N2)などがあげられる。例えば、容器13の内部の気体に予め窒素を封入しておく場合、窒素による消弧効果に加え、アークの発生自体を抑制することができる。また、窒素による上記効果を確保するために、容器13内の空気における窒素の体積比率は50%以上であることが望ましい。また、容器13の内部に窒素を封入しておくことによって、窒素中での使用が好適な種類の消弧部材14を用いることができる。
また、予め容器13の内部に、空気よりも活性が低いガスを封入しておいてもよい。容器13内に活性が低いガスを封入しておくことによって、反応性が高く、活性が低いガス中でしか使用できない種類の消弧部材14を用いることができる。なお、活性が低いガスの例として、ヘリウム(He),アルゴン(Ar),ネオン(Ne),キセノン(Xe),クリプトン(Kr)等の希ガスまたは、窒素などがあげられる。
なお、本実施形態の接点装置1は、いわゆるプランジャ型の電磁石装置2と共に用いて電磁継電器3を構成しているが、以下に示すいわゆるヒンジ型の電磁石装置4と共に用いて電磁継電器5を構成してもよい。図2を用いて、電磁継電器5について簡単に説明する。
電磁石装置4は、図2(a)(b)に示すように、励磁コイル40,固定鉄心41,可動鉄心42,支持部43,アマチュア44を備え、容器13内に設けられる。アマチュア44は、下面に可動鉄心42が設けられた矩形板状に形成されており、容器13に固定された支持部43に基端部が支持され、先端部に可動接触子12が設けられる。固定鉄心41は、励磁コイル40が巻き付けられ、可動鉄心42と上下方向に対向している。そして、アマチュア44は、基端部を支点として先端部が上下方向に移動するように回転可能に構成されている。なお、アマチュア44には、アマチュア44を上方向に付勢する復帰ばね(図示なし)が設けられている。
可動接触子12は、アマチュア44の先端部に設けられており、アマチュア44の回転によって、可動接点11が固定接点10に接触する第1の位置と、可動接点11が固定接点10から離れた第2の位置との間で移動する。
したがって、励磁コイル40の通電時には、励磁コイル40で生じる磁束により可動鉄心42が固定鉄心41へ吸引され、可動接触子12が第1の位置へと移動する。これにより、一対の接点台100,101間が短絡(導通)する。また、励磁コイル40の非通電時には、復帰ばねのばね力により可動接触子12が第1の位置へと移動する。これにより、一対の接点台100,101間が開放(非導通)する。
(実施形態2)
本実施形態の接点装置1の概略構成図を図3に示す。本実施形態の接点装置1は、実施形態1の接点装置1の構成に加えて、消弧部材14に凹部140が形成されている。他の構成は、実施形態1と同一であり、実施形態1と同一構成には、同一符号を付して説明を省略する。なお、図3(b)は、接点装置1を上から見た断面図であり、図3(b)における上下を前後方向として説明する。また、図3(a)(b)において、アークをA1で示している。
本実施形態の消弧部材14は、容器13の右壁内面の前端から後端まで連続するように形成されている。さらに、消弧部材14は、接点部15(固定接点10,可動接点11)と対向する左面に凹部140が形成されている。この凹部140によって、アークが発生した際に、アークを消弧部材14で覆うこととなるので、アークの熱が消弧部材14に効率よく伝えられる。さらに、アークに対して多方向から消弧ガスを吹き付けることとなるので、より消弧性能を向上させることができる。
なお、消弧部材14は、容器13の一部として設けられていてもよい。また、接点部15近傍の空間に別途構造物(絶縁板など)を設け、この構造物に消弧部材14を設けてもよい。または、構造物の一部を消弧部材14で構成してもよい。また、外部磁界などで、アークを引き伸ばす場合、引き伸ばされたアークを覆うように消弧部材14を設けてもよい。
なお、その他の構成および機能は、実施形態1と同様である。
(実施形態3)
本実施形態の接点装置1の概略構成図を図4に示す。本実施形態の接点装置1は、消弧部材14が膜状に形成されている。他の構成は、実施形態1と同一であり、実施形態1と同一構成には、同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態の消弧部材14は、膜状に形成されており、容器13の右壁内面に設けられている。消弧部材14を膜状に形成する方法として、消弧部材14を金属材料で構成する場合、メッキ,蒸着,スパッタ等があげられ、消弧部材14を樹脂材料で構成する場合、塗布等があげられる。
消弧部材14を膜状に形成することによって、消弧部材14全体を加熱しやすくなり、消弧ガスを発生させるために必要な熱量を少なくすることができる。したがって、アークが発生した際に、より早く消弧部材14が加熱されて消弧ガスを放出することができ、アークをより迅速に消弧することができる。
なお、その他の構成および機能は、実施形態1と同様である。また、本実施形態の構成は、実施形態2の構成と組み合わされていてもよい。
(実施形態4)
本実施形態の接点装置1の概略構成図を図5に示す。本実施形態の接点装置1は、実施形態1の接点装置1の構成に加えて、消弧部材14から放出される消弧ガスの放出方向を接点部15がある方向に制限するノズル16を備えている。他の構成は、実施形態1と同一であり、実施形態1と同一構成には、同一符号を付して説明を省略する。また、図5において、アークをA1で示している。
ノズル16は、筒状に形成されており、消弧部材14を囲むように容器13の右壁内面に設けられる。そして、ノズル16の開口は、接点部15(固定接点10,可動接点11)に対向している。
このノズル16によって、消弧部材14から放出される消弧ガスは、拡散することなく放出方向が制限されるので、接点部15に向かって吹き付けられ、消弧ガスの吹き付け量も向上する。そして、アークが発生した際に、消弧ガスはアークを分断するように吹き付けられるので、消弧性能が向上する。また、接点部15に向かって消弧ガスが吹き付けられるので、アークの発生自体も抑制することができる。
なお、ノズル16は、消弧部材14の近傍に設けられることが望ましく、消弧部材14と接触するように設けられていてもよい。また、ノズル16は、消弧部材14と一体に構成されていてもよい。
なお、その他の構成および機能は、実施形態1と同様である。また、本実施形態の構成は、実施形態2,3のうち少なくともいずれか1つの構成と組み合わされていてもよい。
(実施形態5)
本実施形態の接点装置1の概略構成図を図6に示す。本実施形態の接点装置1は、実施形態1の接点装置1の構成に加えて、消弧部材14を覆うカバー17を備えている。他の構成は、実施形態1と同一であり、実施形態1と同一構成には、同一符号を付して説明を省略する。また、図6において、アークをA1で示している。
図7に、カバー17を含む接点装置1の一部を拡大した上面図を示す。図6,図7に示すように、カバー17は、消弧部材14から離間して覆うように容器13の右壁132(第2の壁体)の内面に設けられている。具体的には、カバー17は、接点部15と消弧部材14との間に介在し、消弧部材14よりも面積が大きい壁体170(第1の壁体)と、壁体170の前端部,後端部と右壁132の内面とを連結する連結片171,172とで構成されている。すなわち、カバー17は、上端および下端が開口した半角筒状に形成され、カバー17と容器13の右壁132とで囲まれた空間を形成している。そして、消弧部材14は、カバー17と右壁132とで囲まれた空間の一部に位置するように、右壁132の内面に設けられている。したがって、カバー17と消弧部材14との間に空隙173が形成されることとなる。
そして、アークが発生した際に、消弧部材14から消弧ガスが放出される。このとき、消弧部材14は、カバー17と右壁132とで囲まれた空間に設けられているので、カバー17との空隙173における消弧ガスの圧力が局所的に高くなる。さらに、カバー17は上端,下端が開口した半角筒状に形成されているので、空隙173にアークを通過させることができる。すなわち、消弧ガスの圧力が局所的に高い空隙173にアークを通過させることで、消弧性能を向上させることができる。なお、外部磁界などを用いてアークをカバー17がある方向に引き伸ばすことによって、空隙173にアークを通過させやすくすることができる。
なお、図6,図7では、消弧部材14は、容器13の右壁132の内面に設けられているが、カバー17の壁体170の右面に設けられていてもよい。
また、カバー17の形状は上記に限定せず、カバー17と右壁132との間に形成される空間の一部に消弧部材14が設けられていればよい。例えば、図8(a)に示すように、カバー17を壁体170のみで構成し、消弧部材14の左面に壁体170が設けられる構成であってもよい。この場合、壁体170の面積は、消弧部材14の面積よりも大きく、壁体170と右壁132との間の空間において、消弧部材14が介在していない空隙174が形成される。この空隙174においても、消弧ガスの圧力を局所的に高められるので、上記同様の効果を得ることができる。
さらに、図8(b)に示すように、消弧部材14に上下方向に貫通する貫通孔141を形成してもよい。貫通孔141は消弧部材14に形成されているので、貫通孔141内部における消弧ガスの圧力をより高めることができ、この貫通孔141内にアークを通過させることで、消弧性能をより向上させることができる。
なお、その他の構成および機能は、実施形態1と同様である。また、本実施形態の構成は、実施形態2〜4のうち少なくともいずれか1つの構成と組み合わされていてもよい。
(実施形態6)
本実施形態の接点装置1の概略構成図を図9に示す。
本実施形態の接点装置1は、実施形態1の接点装置1の構成に加えて、消弧部材14を保護する保護膜18を備えている。他の構成は、実施形態1と同一であり、実施形態1と同一構成には、同一符号を付して説明を省略する。
保護膜18は、金属材料からなる板材で構成されており、接点部15(固定接点10,可動接点11)と対向する消弧部材14の左面全体に設けられている。保護膜18は、消弧部材14へのアークの接触(転流)を防止することで、消弧部材14の消耗を容易に防止することができる。
なお、保護膜18は、板材に限定せず、網目状に形成されていてもよい。また、保護膜18の構成材料は、金属材料に限定せず、セラミック材料または、エポキシ,ポリイミド,ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂材料または、酸化アルミニウム,炭化ケイ素,ジルコニウム系の酸化物または、これらの複合材料で構成されていてもよい。また、アークの熱を消弧部材14に伝えるために、保護膜18は、熱伝導性が高く、かつ耐熱性を有することが望ましい。
また、消弧部材14から放出される消弧ガスの放出経路を確保する必要があり、本実施形態では消弧部材14の左面にのみ保護膜18を設けている。消弧ガスを透過可能な多孔質材料または網目状に保護膜18を形成する場合、消弧部材14全体を覆うように保護膜18を設けてもよい。
また、図10に示すように、保護膜18に1乃至複数の貫通孔180を形成してもよい。貫通孔180は、保護膜18の厚み方向に形成されている。この貫通孔180を介して、消弧部材14から放出される消弧ガスを接点部15(固定接点10,可動接点11)、すなわちアークに吹き付けて消弧することができる。なお、アークを分断するように消弧ガスを吹き付けるために、貫通孔180の方向は、可動接点11の移動方向(上下方向)に対して直交方向であることが望ましい。なお、貫通孔180の開口形状は、円状,角状など制限はない。また、図10に示すように、保護膜18の面積は、消弧部材14の面積よりも大きくてもよい。
なお、保護膜18を、消弧ガスを透過可能な多孔質材料で形成する場合、表面に凹部を形成してもよい。この場合、凹部の底部は厚みが薄く消弧ガスが透過しやすいので、上述した貫通孔180を形成した構成と同様に、凹部を介してアークに消弧ガスを吹き付けて消弧することができる。
なお、その他の構成および機能は、実施形態1と同様である。また、本実施形態の構成は、実施形態2〜5のうち少なくともいずれか1つの構成と組み合わされていてもよい。
1 接点装置
2 電磁石装置
3 電磁継電器
10 固定接点
11 可動接点
12 可動接触子
13 容器
14 消弧部材
15 接点部
100,101 接点台

Claims (17)

  1. 固定接点および、前記固定接点に接触する閉位置と前記固定接点から離れた開位置との間で移動する可動接点で構成される接点部と、
    加熱されることによって、消弧性を有する消弧ガスを放出する消弧部材と、
    前記接点部および前記消弧部材を囲む容器とを備える
    ことを特徴とする接点装置。
  2. 前記容器は、前記接点部と前記消弧部材とを含んだ内部の空間を気密状態にする
    ことを特徴とする請求項1記載の接点装置。
  3. 前記容器の内部には、水素が含まれる
    ことを特徴とする請求項2記載の接点装置。
  4. 前記容器の内部における水素の体積比率は50%以上である
    ことを特徴とする請求項3記載の接点装置。
  5. 前記容器の内部には、窒素が含まれる
    ことを特徴とする請求項2記載の接点装置。
  6. 前記容器の内部における窒素の体積比率は50%以上である
    ことを特徴とする請求項5記載の接点装置。
  7. 前記容器の内部には、空気よりも活性が低いガスが含まれる
    ことを特徴とする請求項2記載の接点装置。
  8. 前記容器の内部には、空気よりも絶縁破壊電界強度が高いガスが含まれる
    ことを特徴とする請求項2記載の接点装置。
  9. 前記容器の内部には、空気よりも消弧性能が高いガスが含まれる
    ことを特徴とする請求項1乃至8のうちいずれか1項に記載の接点装置。
  10. 前記消弧部材は、前記接点部と対向する面に凹部が形成される
    ことを特徴とする請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載の接点装置。
  11. 前記消弧部材は、膜状に形成される
    ことを特徴とする請求項1乃至10のうちいずれか1項に記載の接点装置。
  12. 前記消弧部材から放出される消弧ガスの放出方向を、前記接点部がある方向に制限するノズルを備える
    ことを特徴とする請求項1乃至11のうちいずれか1項に記載の接点装置。
  13. 前記接点部と前記消弧部材との間に設けられた第1の壁体と、
    前記消弧部材を介して前記第1の壁体と対向する第2の壁体とを備え、
    前記消弧部材は、前記第1の壁体と前記第2の壁体との間に形成される空間の一部に設けられる
    ことを特徴とする請求項1乃至12のうちいずれか1項に記載の接点装置。
  14. 前記消弧部材は、貫通孔が形成される
    ことを特徴とする請求項13記載の接点装置。
  15. 前記消弧部材は、前記接点部と対向する面に保護膜が設けられる
    ことを特徴とする請求項1乃至14のうちいずれか1項に記載の接点装置。
  16. 前記保護膜は、貫通孔が形成される
    ことを特徴とする請求項15記載の接点装置。
  17. 前記保護膜は、多孔質材料で形成され、表面に凹部が形成される
    ことを特徴とする請求項15または16記載の接点装置。
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