JP2015049175A - 金属多孔体の表面積の測定方法及び金属多孔体の製造方法 - Google Patents

金属多孔体の表面積の測定方法及び金属多孔体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属多孔体など従来の表面積の測定方法では表面積の測定が困難な形状を有する構造物の表面積の測定に適した測定方法、及び前記測定方法を利用した金属多孔体の製造方法を提供する。
【解決手段】金属の純度が金属多孔体と同じであって、表面積が互いに異なる金属片を複数用意し、導電性液体中で前記金属片のそれぞれの静電容量を測定して前記静電容量と前記表面積との関係を検量線に表す工程と、前記導電性液体中で前記金属多孔体の静電容量を測定する工程と、を有し、前記検量線から前記金属多孔体の表面積を算出する、表面積の測定方法。
【選択図】図4

Description

本発明は各種電池、キャパシタや燃料電池等の集電体等に用いられる金属多孔体の表面積の測定方法及び金属多孔体の製造方法に関する。
三次元網目状構造を有する金属多孔体は、各種フィルタ、触媒担体、電池用電極など多方面に用いられている。例えば、三次元網目状ニッケル多孔体(以下「ニッケル多孔体」という)からなるセルメット(住友電気工業(株)製:登録商標)はニッケル水素電池やニッケルカドミウム電池等の電池の電極材料として使用されている。
前記セルメットは連通気孔を有する金属多孔体であり、金属不織布など他の多孔体に比べて気孔率が非常に高い(90%以上)という特徴がある。そして、発泡ウレタン等の連通気孔を有する樹脂成形体の骨格表面にニッケル層を形成した後、熱処理して発泡樹脂成形体を分解し、さらにニッケルを還元処理することで得られる。ニッケル層の形成は発泡樹脂成形体の骨格表面にカーボン粉末等を塗布して導電化処理した後、電気めっきによってニッケルを析出させることで行われる。
一方、ニッケルと同様にアルミニウムも導電性、耐腐食性、軽量などの優れた特徴があり、電池用途では、例えば、リチウム電池の正極として、アルミニウム箔の表面にコバルト酸リチウム等の活物質を塗布したものが使用されている。このような用途において正極の容量を向上するためには、アルミニウムの表面積を大きくした三次元網目状アルミニウム多孔体(以下「アルミニウム多孔体」という)を用い、アルミニウム多孔体の気孔部にも活物質を充填することが考えられる。このようにすると電極を厚くしても活物質を利用でき、単位面積当たりの活物質利用率が向上するからである。
アルミニウム多孔体をめっき法によって作製した場合、アルミニウムは酸素に対する親和力が大きく酸化還元電位が水素より低いため、水溶液系のめっき浴では電気めっきを行うことが困難であり、溶融塩浴を用いる方法が行われている。溶融塩によるめっき浴は一般的には高温にする必要があるが、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(EMIC)や、1−ブチルピリジニウムクロリド(BPC)などの有機塩化物塩と塩化アルミニウム(AlCl3)とを混合することで、常温で液体のアルミニウム浴を形成できることが知られている。
特に、EMIC−AlCl3系は液の特性が良好でアルミめっき液として有用であり、特開2011−225950号公報(特許文献1)には、アルミニウム構造体の製造方法に前記アルミめっき液を用いることが提案されている。
ニッケルやアルミニウム等による金属多孔体を電池やキャパシタ等の電気化学デバイスの電極に利用する場合、金属多孔体がどの程度の表面積を有しているのかを把握しておくことは、デバイスを製造する際に貴重な情報となる。
一般に、物体の表面積や比表面積を測定する方法としては、例えばBET法や水銀圧入法がある。BET法は被測定物にガスを吸着させて、そのガス吸着量から比表面積および細孔径を見積もる方法であるが、ガス吸着量が一定以上大きくないと評価が困難である。具体的には比表面積が100以上、好ましくは1000以上が必要とされており、金属多孔体の評価には適していない。また、水銀圧入法は水銀を被測定物の微細孔に圧入することにより表面積を評価する方法であるが、水銀は環境面で使用を避けるべき物質であり、金属多孔体の表面積の測定方法としては他の方法が望まれる。
また、BET法や水銀圧入法の他に、被測定物の表面粗さを測定し、この値から表面積を見積もる方法も考えられる。しかしながら表面粗さの測定では評価面積が非常に小さいため、これから被測定物全体のマクロな面積を評価することは困難である。
特開2011−225950号公報
本発明は上記問題点に鑑みて、金属多孔体など従来の表面積の測定方法では表面積の測定が困難な形状を有する構造物の表面積の測定に適した測定方法、及び前記測定方法を利用した金属多孔体の製造方法を提供することを課題とする。
本発明は上記課題を解決すべく以下の構成を採用する。
即ち、本発明は(1)金属の純度が金属多孔体と同じであって、表面積が互いに異なる金属片を複数用意し、導電性液体中で前記金属片のそれぞれの静電容量を測定して前記静電容量と前記表面積との関係を検量線に表す工程と、前記導電性液体中で前記金属多孔体の静電容量を測定する工程と、を有し、前記検量線から前記金属多孔体の表面積を算出する、表面積の測定方法である。
本発明により、従来の表面積の測定方法では測定が困難であった構造物であっても表面積を測定することが可能な表面積の測定方法、及び前記測定方法を利用した金属多孔体の製造方法を提供することが可能となる。
静電容量を評価するための等価回路の一例を表す図である。 交流インピーダンスを測定するための測定セルの概要を示す図である。 静電容量を評価するための等価回路の別の一例を表す図である。 金属片の表面積と静電容量の関係についての検量線を表すグラフである。
最初に本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明は、金属の純度が金属多孔体と同じであって、表面積が互いに異なる金属片を複数用意し、導電性液体中で前記金属片のそれぞれの静電容量を測定して前記静電容量と前記表面積との関係を検量線に表す工程と、前記導電性液体中で前記金属多孔体の静電容量を測定する工程と、を有し、前記検量線から前記金属多孔体の表面積を算出する、表面積の測定方法である。
上記(1)に記載の発明により、例えば、三次元網目状構造を有する金属多孔体のように従来の方法では表面積の測定が困難な構造物であっても表面積を容易に測定することができる。
(2)また、本発明の実施形態に係る表面積の測定方法は、前記金属多孔体と前記導電性液体との接触角が0°以上、90°以下であることが好ましい。
前記金属多孔体と前記導電性液体との接触角が0°以上、90°以下であると、金属多孔体と導電性液体との濡れ性が非常によくなり、金属多孔体表面全体が均一に導電性液体と接触するようになる。これにより前記金属多孔体の正確な静電容量を測定することができ、前記金属多孔体の真の表面積を算出することが可能となる。
(3)また、本発明の実施形態に係る表面積の測定方法は、前記導電性液体が、前記金属多孔体を使用する素子中で前記金属多孔体と接触する導電性液体であることが好ましい。
金属多孔体は各種フィルタ、触媒担体、電池やキャパシタ用の電極など多様な用途がある材料である。これらのなかでも電池やキャパシタ用の電極(集電体)のように導電性液体と接触して用いられる場合には、実効的に使えている面積、すなわち金属多孔体が導電性液体に濡れている面積を評価することが重要である。金属多孔体の表面積が大きくても導電性液体との濡れ性が悪い場合には素子中で金属多孔体の能力が充分に発揮されないからである。
本発明の実施形態に係る表面積の測定方法では、前記導電性液体を、金属多孔体を使用する素子中で金属多孔体が接触する導電性液体と同じにすることで、その導電性液体に対して実効的に使える金属多孔体の表面積を測定することができる。
(4)本発明の金属多孔体の製造方法は、樹脂成形体の表面を導電化処理する導電化処理工程と、前記樹脂成形体の表面に金属めっき膜を形成して樹脂構造体を製造するめっき膜形成工程と、前記樹脂構造体から前記樹脂成形体を除去する樹脂除去工程と、を有する金属多孔体の製造方法であって、前記めっき膜形成工程以降の工程において、上記(1)から上記(3)のいずれか一項に記載の表面積の測定方法を用いて前記金属構造体又は前記金属多孔体の表面積を測定する工程を有し、前記表面積に基づいて前記金属めっき膜を形成する条件を制御する金属多孔体の製造方法、である。
上記(4)に記載の発明により、金属多孔体の表面積が所望の範囲となるように制御しながら金属多孔体を製造することが可能となる。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る表面積の測定方法等の具体例を以下に説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
<表面積の測定方法>
本発明の実施形態に係る表面積の測定方法は、下記理論式に示されるように、金属材料の静電容量が表面積に比例するということを利用する測定方法である。
(理論式)
C = ε × (A / d)
C:静電容量、 ε:誘電率、 d:2極間の距離、 A:試料の表面積
このためまずは、表面積が既知で測定試料である金属多孔体と同じ純度(組成)の金属片を複数用意し、これら金属片の静電容量を評価し、金属片の表面積と静電容量との関係を表す検量線を作成する。検量線の作成に使用する金属片は測定試料と同じ純度(組成)であれば形状等は特に限定されない。
なお、本発明において純度(組成)が同じである金属とは、それぞれの金属の純度(質量%)を定量分析した場合に、一方の金属の純度に対して、他方の金属の純度が±0.5%の範囲内にあることをいう。すなわち、例えば、純度が99.0質量%の金属がある場合には、これと同一の純度の金属とは、純度が98.5質量%から99.5質量%の範囲にある金属のことをいう。
静電容量の評価は次のようにして行うことができる。
まず、金属片を導電性液体中に浸漬して交流インピーダンスを測定し、その結果を図1に示す等価回路を用いて解析することで評価する。交流インピーダンスの測定は、図2に示すように導電性液体中の前記金属片と対照電極とに交流電圧を付加することによって行うことができる。
前記導電性液体は金属片が反応してしまうような溶液でなければ特に限定されるものではない。イオンが含まれていて導電性の液体であればよく、電気伝導度が0.1S/m以上、50S/m以下程度の導電性液体を好ましく用いることができる。前記電気伝導度は0.5S/m以上、50S/m以下程度であることがより好ましく、1.0S/m以上、50S/m以下程度であることが更に好ましい。例えば、少量の不純物を含む水、導電性の有機溶媒、溶融塩などが挙げられる。また、後述するように前記導電性液体は、測定試料と同じ組成である金属片との接触角が0°以上、90°以下の範囲となる導電性液体や、測定試料である金属多孔体を用いる素子中に使用される導電性液体などを好ましく用いることができる。
前記対象電極は、前記導電性液体と反応しない金属を適宜選択して用いることが好ましい。例えば、一般的な導電性液体と反応しない金属としては、白金、金等が挙げられる。
また、前記交流インピーダンスを測定する際の測定周波数は、前記導電性液体中で前記金属片が溶解しない範囲の周波数を選択すればよい。
以上の様にして測定される交流インピーダンスから、図1に示す等価回路を用いて静電容量の解析を行う。そして、各金属片の表面積と静電容量との関係をグラフに表すことで検量線の作成を行うことができる。
続いて、測定試料の静電容量を評価し、その結果を前記検量線に照らすことで測定試料の表面積を算出することができる。即ち、本発明の表面積の測定方法は、測定試料である金属多孔体の静電容量値に基づいて前記検量線から表面積を算出する方法である。測定試料の静電容量は前記金属片の場合と同様にして評価することができる。すなわち、検量線を作成した際に使用した導電性液体と同じ導電性液体中で、対照電極との間に交流電圧を付加して交流インピーダンスを測定し、その結果から前記等価回路を用いて静電容量の解析を行うことができる。
以上の方法により、三次元網目状構造を有する金属多孔体のように従来の方法では表面積の評価が非常に困難な構造物であっても、容易に表面積を測定することができる。
金属多孔体としては、例えば、三次元網目状構造を有するものであって、ニッケル製のもの、アルミニウム製のものなどが挙げられ、また、これらに他の金属が複合めっきされたものや合金化されたものであってもよい。
本発明の実施形態に係る表面積の測定方法においては、前記導電性液体は前記測定試料である金属多孔体との接触角が0°以上、90°以下であることが好ましい。
この場合には、金属多孔体と導電性液体との濡れ性が非常によく、金属多孔体の表面全体を導電性液体に濡らすことができ、正確な静電容量を評価することができる。これは、三次元網目状構造を有する金属多孔体のように複雑な形状をしている構造物の真の表面積を測定する場合に非常に有効である。前記接触角は、0°以上、70°以下であることがより好ましく、0°以上、45°以下であることが更に好ましい。
また、本発明の実施形態に係る表面積の測定方法においては、前記導電性液体は前記金属多孔体を使用する素子中で前記金属多孔体と接触する導電性液体と同じ組成であることが好ましい。
本発明の実施形態に係る表面積の測定方法によれば、金属多孔体が導電性液体と接触している部分の面積を測定することができる。このため電池やキャパシタのような素子に用いられている導電性液体を用いて金属多孔体の静電容量を測定することで、金属多孔体が素子中の導電性液体と実際に接触して有効に機能し得る実効的な表面積を測定することができる。このように金属多孔体の理想的に利用できるはずの面積の算出が可能であるため、素子の設計上あるいは製造上の課題等を見出すことができるようになる。例えば、プロセス面の課題により、実際に組んだ電池では金属多孔体の面積を十分に有効に利用できていない場合などを把握することができるようになる。また、素子中において実際に利用する導電性液体を用いて評価するため、分析によるコンタミネーションの懸念が無く、金属多孔体の全数検査等による品質管理に活用することができる。更に、静電容量評価はせいぜい1分以内で計測することが可能であるため、分析に要する時間を短縮することが可能である。
前記素子は金属多孔体と導電性液体とが接触した状態で用いられる素子であれば特に限定されるものではない。電池としてはイオン挿入型活物質を用いる二次電池が挙げられ、例えば、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池等がある。キャパシタとしてはイオン性物質の吸着脱離を利用するキャパシタ(蓄電素子)が挙げられ、例えば、リチウムイオンキャパシタ等がある。
また、電池やキャパシタに限らず、例えば、熱交換装置において熱交換媒体が液体であって金属多孔体と接触して用いられる場合には、このような装置に用いられる熱交換媒体を用いることも好ましい。
<金属多孔体の製造方法>
本発明の実施形態に係る金属多孔体の製造方法は、前記の表面積の測定方法によって金属多孔体の表面積を測定することで、金属多孔体の表面積が所望の範囲内になるように制御して金属多孔体を得るものである。
金属多孔体の製造工程としては、少なくとも、基材の導電化処理工程と、基材表面へのめっき膜形成工程と、基材である樹脂の除去工程と、を有する。そして、前記めっき膜形成工程の最中、前記めっき膜形成工程と前記樹脂除去工程との間、又は前記樹脂除去工程の後に、金属多孔体の表面積を前記測定方法によって測定する。これにより金属多孔体の表面積が所望の範囲に満たない場合には、金属構造体もしくは金属多孔体の表面積の測定結果に基づき、めっき膜形成工程において、めっき電流密度条件を変更する、又はめっき液の不純物を除去するなどの対応により、金属構造体もしくは金属多孔体の表面積を制御することが可能となる。なお、めっき膜形成工程以外で金属構造体もしくは金属多孔体の表面積を測定し、表面積が所望の範囲にないことが判明した場合には、これらの表面に再度めっき膜を形成する、あるいはめっき膜の一部を除去するといった対応をすることで金属構造体もしくは金属多孔体の表面積を制御することが可能となる。
前記基材の導電化処理工程は、基材である樹脂成形体の表面を導電化処理する工程である。樹脂成形体としては、例えば、三次元網目状構造を有し連通孔を有する樹脂成形体が挙げられる。このような樹脂成形体を基材として用いることで、表面積が大きく、各種フィルタ、触媒担体、電池やキャパシタ用の電極などの用途に好ましく利用可能な金属多孔体を得ることができる。
樹脂成形体の素材は任意の樹脂を選択できる。ポリウレタン、メラミン、ポリプロピレン、ポリエチレン等の発泡樹脂成形体が素材として例示できる。発泡ウレタン及び発泡メラミンは気孔率が高く、また気孔の連通性があるとともに熱分解性にも優れているため発泡樹脂成形体として好ましく使用できる。発泡ウレタンは気孔の均一性や入手の容易さ等の点、更に、気孔径の小さなものが得られる点で好ましい。
樹脂成形体の表面に金属を電解めっきするためには、樹脂成形体の表面をあらかじめ導電化処理して導電被覆層を形成しておく。導電化処理としては、樹脂成形体の表面に導電性を有する層を設けることができる処理である限り特に制限はない。例えば、ニッケル等の導電性金属の無電解めっき、アルミニウム等の蒸着及びスパッタ、又はカーボン等の導電性粒子を含有した導電性塗料の塗布等、任意の方法を選択することができる。
続いて、表面を導電化処理した樹脂成形体の表面に金属めっき膜を形成する。めっきする金属は特に限定されず、所望の金属多孔体を得るために適宜選択すればよい。
例えば、ニッケル多孔体を得るためには、公知のめっき法を採用することができる。めっき浴としては、公知又は市販のものを使用することができ、例えば、ワット浴、塩化浴、スルファミン酸浴等が挙げられる。上記の導電被覆層が形成された樹脂成形体を前記めっき浴に浸し、樹脂成形体を陰極に、ニッケルの対極板を陽極に接続して直流或いはパルス断続電流を通電させることにより、導電被覆層上に、さらにニッケルめっき層を形成することができる。
また、アルミニウム多孔体を得るためには、溶融塩浴を用いためっき法を採用することができる。溶融塩浴中でアルミニウムのめっきを行うことにより特に三次元網目状構造を有する樹脂成形体のように複雑な骨格構造の表面に均一に厚いアルミニウム膜を形成することができる。表面が導電化された樹脂成形体を陰極とし、アルミニウムを陽極として溶融塩中で直流電流を印加すればよい。前記溶融塩としては、有機系ハロゲン化物とアルミニウムハロゲン化物の共晶塩である有機溶融塩、アルカリ金属のハロゲン化物とアルミニウムハロゲン化物の共晶塩である無機溶融塩を使用することができる。比較的低温で溶融する有機溶融塩浴を使用すると、基材である樹脂成形体を分解することなく電解めっきすることができる。有機系ハロゲン化物としてはイミダゾリウム塩、ピリジニウム塩等が使用でき、具体的には1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド(EMIC)、ブチルピリジニウムクロライド(BPC)が好ましい。
上記のようにして得られた樹脂構造体を、窒素雰囲気下あるいは大気下等で500℃以上に加熱する熱処理を行うことで樹脂を焼失させ、金属多孔体を得ることができる。
以上の製造工程において、前述の表面積の測定方法は、前記めっき膜形成工程の最中、前記めっき膜形成工程と前記樹脂除去工程との間、又は前記樹脂除去工程の後に、行うことができる。
前記めっき膜形成工程の最中に前記表面積の測定方法を行う場合には、めっき浴を前記導電性液体として利用すればよい。即ち、めっき浴中において、めっき膜を形成している最中の樹脂構造体(表面に金属めっき膜が形成された樹脂成形体)と対照電極との間に交流電圧を付加して交流インピーダンスを測定し、図1に示す等価回路に基づいて樹脂構造体の静電容量を評価する。そして、金属多孔体と同純度の金属からなり、表面積がそれぞれ異なる複数の金属片と、前記めっき浴と、を用いて前記金属の表面積と静電容量との関係を表す検量線を予め作成しておくことで、この検量線と前記樹脂構造体の静電容量とから前記樹脂構造体の表面積を算出することができる。このようにして、めっき膜の形成中に適宜表面積を測定し、所望の表面積となるようにめっき膜形成工程の条件を変更することで、表面積が所定の範囲に制御された金属多孔体を得ることができる。
また、このような表面積の評価は、めっき膜を形成した後であって前記樹脂を除去する前の段階、あるいは樹脂を除去した後の段階において行ってもよい。これらの場合においては、前記めっき膜形成工程の最中に表面積の測定を行う場合と同様に導電性液体としてめっき浴を用いて表面積の測定を行ってもよいし、金属多孔体を用いる素子において使用される導電性液体を用いて表面積の測定を行ってもよい。
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、これらの実施例は例示であって、本発明の表面積の測定方法等はこれらに限定されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲の範囲によって示され、特許請求の範囲の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
[実施例1]
(導電被覆層の形成)
樹脂成形体として、セル数46個/インチ、気孔径約550μm、厚さ1mmのウレタン発泡体を準備し、これを80mm×50mm角に切断した。このポリウレタンフォームの表面にスパッタリングによってアルミニウムを目付量10g/m2で成膜して導電被覆層を形成した。
(溶融塩めっき)
表面に導電被覆層を形成した前記ウレタン発泡体をワークとして、給電機能を有する治具にセットした後、アルゴン雰囲気かつ低水分(露点−30℃以下)としたグローブボックス内に入れ、温度45℃の溶融塩アルミめっき浴(33mol%EMIC−67mol%AlCl3に1,10−フェナントロリン0.5g/Lを添加したもの)に浸漬した。ワークをセットした治具を整流器の陰極側に接続し、対極のアルミニウム板(純度99.99質量%)を陽極側に接続した。
電流密度6A/dm2の直流電流を60分間印加してめっきすることにより、ウレタン発泡体表面に0.15g/cm3の質量のアルミニウム膜が形成された樹脂構造体を得た。攪拌はテフロン(登録商標)製の回転子を用いてスターラーにて行った。なお、電流密度はウレタン発泡体の見かけの面積で計算した値である。
(樹脂の除去)
上記で得られた樹脂構造体をめっき浴から取り出し、水洗処理後、大気下にて600℃で30分、熱処理を行った。これにより樹脂が焼失し、アルミニウム多孔体(純度99.9質量%)が得られた。
以上の方法により得られたアルミニウム多孔体から見かけの面積が2.40cm2となるように3つの測定試料を切り出した。
−アルミニウム多孔体の表面積の測定−
[検量線の作成]
純度が99.9質量%で、表面積が0.60cm2、1.55cm2、2.40cm2のアルミニウム片をそれぞれ3枚ずつ用意した。これらのアルミニウム片について、5質量%のNaCl溶液中で交流インピーダンスを測定した。参照電極としては銀(Ag)の表面に塩化銀(AgCl)を被覆したAg/AgCl電極を用い、対極には白金(Pt)電極を用いた。測定周波数は100kHz〜1Hzとした。
そして、図3に示す等価回路に基づいて、10kHz〜1kHzの範囲における前記金属片の静電容量を評価した。結果を表1に表す。
また、上記の結果に基づいて、アルミニウム片の表面積と静電容量との関係を表した検量線を作成した。結果を図4に示す。
[測定試料の表面積の測定]
表面積の測定モデルとして、上記で得た見かけの面積が2.40cm2のアルミニウム多孔体を用いて、前記検量線を作成した際の条件と同様にして静電容量を測定した。結果を表1に表す。
これにより、アルミニウム多孔体の実際の表面積は8.45cm2であり、比表面積は3.52倍であることが分かった。
[実施例2]
(導電被覆層の形成)
樹脂成形体として、セル数58個/インチ、気孔径約450μm、厚さ1.4mmのウレタン発泡体を準備し、これを80mm×50mm角に切断した。このポリウレタンフォームの表面に、粒径0.01〜0.2μmの非晶性炭素であるカーボンブラック100gを0.5Lの10%アクリル酸エステル系樹脂水溶液に分散した導電性塗料を塗布することで導電被覆層を形成した。
(溶融塩めっき)
表面に導電被覆層を形成した前記ウレタン発泡体をワークとして、ニッケルめっきを施し、ウレタン発砲体の表面にニッケルめっき膜を形成した。めっき液としては、スルファミン酸ニッケルめっき液を用いた。スルファミン酸浴は、スルファミン酸ニッケル450g/Lと硼酸30g/Lの濃度の水溶液で、pHを4に調製した。そして、温度を55℃とし、電流密度を20ASD(A/dm2)としてニッケルめっきを行った。
(樹脂の除去)
上記で得た樹脂構造体を大気中1000℃で15分間加熱することによって基材(ウレタン発砲体)を燃焼除去した。このときニッケルも一部酸化されるため、その後更に、還元(水素)雰囲気で1000℃、20分の条件で還元処理を行った。これによりニッケル多孔体(純度99.9質量%)が得られた。
以上の方法により得られたニッケル多孔体から見かけの面積が2.20cm2となるように3つの測定試料を切り出した。
−ニッケル多孔体の表面積の測定−
[検量線の作成]
純度が99.9質量%で、表面積が0.61cm2、1.43cm2、2.10cm2のニッケル片をそれぞれ3枚ずつ用意した。これらのニッケル片について、実施例1でアルミニウム片の検量線を作成したと同様にして静電容量を評価した。結果を表1に表す。
また、上記の結果に基づいて、ニッケルの表面積と静電容量との関係を表した検量線を作成した。結果を図4に示す。
[測定試料の表面積の測定]
表面積の測定モデルとして、上記で得た見かけの面積が2.20cm2のニッケル多孔体を用いて、前記検量線を作成した際の条件と同様にして静電容量を測定した。結果を表1に表す。
これにより、ニッケル多孔体の実際の表面積は24.25cm2であり、比表面積は11.02倍であることが分かった。
Figure 2015049175
以上のように、三次元網目状構造を有する金属多孔体のように、従来の方法では表面積の測定が困難であった構造物についても、容易に表面積を測定することができた。
11 Rs(溶液抵抗)
12 Rp(反応抵抗)
13 C(静電容量)
21 測定装置
22 白金(Pt)
23 金属多孔体
24 導電性液体
31 Rs
32 C

Claims (4)

  1. 金属の純度が金属多孔体と同じであって、表面積が互いに異なる金属片を複数用意し、導電性液体中で前記金属片のそれぞれの静電容量を測定して、前記静電容量と前記表面積との関係を検量線に表す工程と、
    前記導電性液体中で前記金属多孔体の静電容量を測定する工程と、
    を有し、
    前記検量線から前記金属多孔体の表面積を算出する、表面積の測定方法。
  2. 前記金属多孔体と前記導電性液体との接触角が0°以上、90°以下である請求項1に記載の表面積の測定方法。
  3. 前記導電性液体が、前記金属多孔体を使用する素子の中で前記金属多孔体と接触する導電性液体である請求項1又は請求項2に記載の表面積の測定方法。
  4. 樹脂成形体の表面を導電化処理する導電化処理工程と、
    前記樹脂成形体の表面に金属めっき膜を形成して樹脂構造体を製造するめっき膜形成工程と、
    前記樹脂構造体から前記樹脂成形体を除去する樹脂除去工程と、
    を有する金属多孔体の製造方法であって、
    前記めっき膜形成工程以降の工程において、請求項1に記載の表面積の測定方法を用いて前記金属構造体又は前記金属多孔体の表面積を測定する工程を有し、前記表面積に基づいて前記金属めっき膜を形成する条件を制御する、金属多孔体の製造方法。
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