JP2016173934A - アルミニウム多孔体、アルミニウム多孔体の製造方法、電極、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ及びリチウムイオン電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】三次元網目状構造を有するアルミニウム多孔体であって、前記アルミニウム多孔体は、みかけの抵抗率は0.180mΩ・cm以下であり、かつ、骨格の表面の酸化膜の厚さが8nm以下であるアルミニウム多孔体。
【選択図】なし
Description
このアルミニウムを用いた正極の容量を向上するためには、アルミニウムの表面積を大きくした三次元網目状構造を有するアルミニウム多孔体(以下「アルミニウム多孔体」という)を用い、アルミニウム多孔体の気孔部にも活物質を充填することが考えられる。アルミニウム多孔体を用いることで、電極を厚くしても活物質を保持でき、単位面積当たりの活物質利用率が向上するからである。
ところで、アルミニウムは酸化されやすい金属であり、通常は自然酸化膜で覆われている。上記の方法によって得られるアルミニウム多孔体の骨格の表面にも酸化膜が形成されているため、電池等の電極として用いる場合には、酸化膜を薄くして内部抵抗を減らすことが好ましい。
また、国際公開第2012/111585号(特許文献2)や国際公開第2012/111705号(特許文献3)には、形成されるアルミニウム膜の純度を99.0質量%以上とすることで酸化膜の厚さを200nm以下にできることが記載されている。更に、アルミニウム膜の純度を99.9質量%以上とすることで酸化膜の厚さを90nm以下にできることが記載されている。
国際公開第2012/039287号(特許文献4)には、樹脂成形体を濃硝酸に接触させて分解する等の方法により、SEM−EDXによって分析した場合に表面の酸化量が5質量%以下のアルミニウム多孔体を得ることができる旨の記載がある。
このため従来のアルミニウム多孔体は、骨格の表面に基材の残渣を残さず、かつ酸化膜の厚さをより薄くすることができれば、接触抵抗を更に低くすることができるという点で改良の余地があった。
(1)三次元網目状構造を有するアルミニウム多孔体であって、
前記アルミニウム多孔体は、みかけの抵抗率は0.180mΩ・cm以下であり、かつ、骨格の表面の酸化膜の厚さが8nm以下であるアルミニウム多孔体、である。
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
(1)本発明の一態様に係るアルミニウム多孔体は、
三次元網目状構造を有するアルミニウム多孔体であって、
前記アルミニウム多孔体は、みかけの抵抗率は0.180mΩ・cm以下であり、かつ、骨格の表面の酸化膜の厚さが8nm以下であるアルミニウム多孔体、である。
上記(1)に記載の発明の態様によれば、骨格の表面に基材の残渣がなく、かつ、骨格の表面に形成されている酸化膜の厚さが薄く、電気抵抗が小さいアルミニウム多孔体を提供することができる。
上記(2)に記載の発明の態様によれば、骨格の表面に形成されている酸化膜の厚さが更に薄く、電気抵抗がより小さいアルミニウム多孔体を提供することができる。
上記(1)に記載のアルミニウム多孔体を製造する方法であって、
三次元網目状構造を有する樹脂製の基材の表面に溶融塩電解めっきによってアルミニウム膜を形成する工程と、
前記アルミニウム膜の表面を酸又はアルカリによって洗浄する工程と、
前記基材を除去する工程と、
を有するアルミニウム多孔体の製造方法、である。
上記(3)に記載の発明の態様によれば、骨格の表面に形成されている酸化膜の厚さが薄く、電気抵抗が小さいアルミニウム多孔体を製造可能なアルミニウム多孔体の製造方法を提供することができる。
上記(4)に記載の発明の態様によれば、電池やキャパシタ等の蓄電デバイスの電極として好ましく利用可能な、接触抵抗がより低い電極を提供することができる。
上記(5)に記載の発明の態様によれば、内部抵抗が低く、大電流による充放電が可能な電気二重層キャパシタを提供することができる。
上記(6)に記載の発明の態様によれば、内部抵抗が低く、大電流による充放電が可能なリチウムイオンキャパシタを提供することができる。
上記(7)に記載の発明の態様によれば、内部抵抗が低く、大電流による充放電が可能なリチウムイオン電池を提供することができる。
本発明の実施形態に係るアルミニウム多孔体等の具体例を以下に説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施形態に係るアルミニウム多孔体は、三次元網目状構造を有するアルミニウム多孔体であって、みかけの抵抗率は0.180mΩ・cm以下であり、かつ、骨格の表面の酸化膜の厚さが8nm以下である。
前記アルミニウム多孔体は、骨格の表面に形成されている酸化膜の厚さが8nm以下と非常に薄いため、みかけの抵抗率も非常に小さくなっている。このため、キャパシタや電池等の蓄電デバイスの電極として好ましく用いることができる。前記酸化膜の厚さが薄いほどみかけの抵抗率が小さくなるため、前記酸化膜の厚さは5nm以下であることが好ましく、3nm以下であることがより好ましい。
なお、前記アルミニウム多孔体の条件は、目付量が100g/m2以上、150g/m2以下であり、厚さが0.9mm以上、1.1mm以下であり、セル径が150μm以上、700μm以下であるものとする。すなわち、前記条件以外のアルミニウム多孔体の場合には、前記条件に換算してみかけの抵抗率を求めるものとする。
本発明の実施形態に係るアルミニウム多孔体の製造方法は、三次元網目状構造を有する樹脂製の基材の表面に溶融塩電解めっきによってアルミニウム膜を形成する工程と、前記アルミニウム膜の表面を酸又はアルカリによって洗浄する工程と、前記基材を除去する工程と、を有するアルミニウム多孔体の製造方法、である。
アルミニウムめっき浴中ではアルミニウム膜の表面には未だ酸化膜が形成されていないが、アルミニウム膜を水洗する時にアルミニウム膜の表面に厚い水酸化アルミニウム膜が形成されてしまう。そこで、本発明者等が種々検討したところ、めっき後の水洗工程において酸又はアルカリの水溶液を用いてアルミニウム膜の洗浄とエッチングを同時に行うことで水酸化アルミニウム膜が形成されず、その後の基材を除去する工程において酸化膜が成長せずに薄い状態を保てることが見出された。
以下、本発明の実施形態に係るアルミニウム多孔体の製造方法について、より詳細に説明する。
まず、基材として、三次元網目状構造を有し連通孔を有する樹脂成形体を準備する。樹脂成形体の素材は任意の樹脂を選択できる。ポリウレタン、メラミン、ポリプロピレン、ポリエチレン等の発泡樹脂成形体が素材として例示できる。発泡樹脂成形体と表記したが、連続した気孔(連通孔)を有するものであれば任意の形状の樹脂成形体を選択できる。例えば繊維状の樹脂を絡めて不織布のような形状を有するものも、発泡樹脂成形体に替えて使用可能である。
気孔率は、次式で定義される。
気孔率=(1−(樹脂成形体の重量[g]/(樹脂成形体の体積[cm3]×素材密度)))×100[%]
また、セル径は、樹脂成形体表面を顕微鏡写真等で拡大し、1インチ(25.4mm)あたりの気孔数をセル数として計数して、平均孔径=25.4mm/セル数として平均的な値を求める。
樹脂成形体の骨格の表面にアルミニウムを電解めっきするためには樹脂成形体の骨格の表面をあらかじめ導電化処理する必要がある。導電化処理としては、樹脂成形体の骨格の表面に導電性を有する層を設けることができる処理である限り特に制限はない。例えば、ニッケル等の導電性金属の無電解めっき、アルミニウム等の蒸着及びスパッタ、又はカーボン等の導電性粒子を含有した導電性塗料を塗布する方法を挙げることができる。
まず、導電性塗料としてのカーボン塗料を準備する。導電性塗料としての懸濁液は、好ましくは、カーボン粒子、粘結剤、分散剤および分散媒を含む。導電性粒子の塗布を均一に行うには、懸濁液が均一な懸濁状態を維持している必要がある。このため、懸濁液は、20℃〜40℃に維持されていることが好ましい。その理由は、懸濁液の温度が20℃未満になった場合、均一な懸濁状態が崩れ、樹脂多孔体の網状構造をなす骨格の表面に粘結剤のみが集中して層を形成する場合があるからである。この場合、塗布されたカーボン粒子の層は剥離し易く、強固に密着した金属めっきを形成し難い。一方、懸濁液の温度が40℃を越えた場合は、分散剤の蒸発量が大きく、塗布処理時間の経過とともに懸濁液が濃縮されてカーボンの塗布量が変動しやすい。
また、カーボン粒子の粒径は、0.01μm〜5μmであることが好ましく、より好ましくは0.01μm〜2μmである。粒径が大きいと樹脂成形体のセルを詰まらせたり、平滑なめっきを阻害したりする要因となり、また、小さすぎると十分な導電性を確保することが難しくなる。
樹脂成形体へのカーボン粒子の塗布は、上記懸濁液に対象となる樹脂成形体を浸漬し、絞りと乾燥を行うことで行うことができる。
前記樹脂製の基材の骨格の表面にアルミニウム膜を形成する方法としては、溶融塩浴を用いためっき法を採用する。
−溶融塩めっき−
溶融塩中で電解めっきを行い、基材である前記樹脂成形体の骨格の表面にアルミニウム膜を形成する。
溶融塩浴中でアルミニウムのめっきを行うことにより、特に三次元網目状構造を有する樹脂成形体のように複雑な骨格構造を有する基材の表面にも均一に厚いアルミニウム膜を形成することができる。表面が導電化された樹脂成形体を陰極とし、アルミニウムを陽極として溶融塩中で直流電流を印加する。
また、溶融塩としては、有機系ハロゲン化物とアルミニウムハロゲン化物の共晶塩である有機溶融塩、アルカリ金属のハロゲン化物とアルミニウムハロゲン化物の共晶塩である無機溶融塩を使用することができる。比較的低温で溶融する有機溶融塩浴を使用すると、基材である樹脂成形体を分解することなく電解めっきすることができる。有機系ハロゲン化物としてはイミダゾリウム塩、ピリジニウム塩等が使用でき、具体的には1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(EMIC)、ブチルピリジニウムクロリド(BPC)が好ましい。
溶融塩中に水分や酸素が混入すると溶融塩が劣化するため、めっきは窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で、かつ密閉した環境下で行うことが好ましい。
本発明の実施形態に係るアルミニウム多孔体の製造方法は、上記のようにして得られたアルミニウム膜の表面を酸又はアルカリで洗浄する工程を有する。前記基材の骨格の表面にアルミニウム膜が形成された樹脂構造体を溶融塩浴から取り出し、アルミニウム膜が大気等の酸化雰囲気に曝されると、アルミニウム膜の表面には酸化膜が形成される。この酸化膜が形成されたアルミニウム膜の表面を酸又はアルカリで洗浄することによって酸化膜をエッチングすることができる。この工程によってアルミニウム膜の表面の酸化膜は厚さが薄くなり、その後の工程においてもほぼ成長せず薄い状態を保つことができる。
前記酸の水溶液のpHは0以上、2以下程度であればよい。また、前記アルカリの水溶液のpHは11以上、14以下程度であればよい。
アルミニウム多孔体は目付量が低下すると抵抗が増加するが、酸化膜が薄くなっていることにより抵抗が低減する。このため、アルミニウム膜を酸又はアルカリで洗浄する工程を行なうことにより、抵抗値を増加させずに低目付化したアルミニウム多孔体を得ることができる。アルミニウム多孔体は目付量が低下すると気孔率が上昇するため、蓄電デバイスの電極として用いた場合に内部に詰める活物質量を多くすることができ、蓄電デバイスの高容量化に寄与することができる。
上記のようにして得られた樹脂構造体から前記樹脂製の基材を除去する方法は特に限定されないが、例えば、窒素雰囲気下あるいは大気下等で370℃以上、アルミニウムの融点未満に加熱する熱処理によって行うことができる。これにより樹脂が焼失し、中空の骨格を有するアルミニウム多孔体が得られる。
なお、従来のアルミニウム多孔体の製造方法では、めっき後の水洗工程において、基材に残留しているアルミニウムめっき液と水との発熱反応により、骨格の表面に厚い水酸化アルミニウム膜が形成されていた。そして、基材を燃焼除去する工程で水酸化アルミニウム膜が脱水し、厚い酸化膜が形成されていたと考えられる。これに対し、本発明の実施形態に係るアルミニウム多孔体の製造方法では、めっき後の水洗工程を酸又はアルカリで行うことで、エッチングと洗浄を同時に行い、水酸化アルミニウム膜を形成することなく、水洗することができる。このため、基材を燃焼除去する工程において酸化膜が成長せず、酸化膜が薄い状態を保つことができる。
本発明の実施形態に係る電極は、前記本発明の実施形態に係るアルミニウム多孔体を集電体として用いるものである。すなわち、前記アルミニウム多孔体の気孔部に活物質を充填することで蓄電デバイスの電極として用いることができる。前述のように本発明の実施形態に係るアルミニウム多孔体は骨格の表面の酸化膜の厚さが薄く、抵抗率が非常に小さいため、蓄電デバイスの内部抵抗を小さくすることができる。
前記蓄電デバイスは特に制限されるものではなく、例えば、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、及びリチウムイオン電池(リチウムイオン二次電池等を含む)などが挙げられる。
本発明の実施形態に係る電気二重層キャパシタは、前記本発明の実施形態に係るアルミニウム多孔体を集電体として用いた電気二重層キャパシタである。
図1は電気二重層キャパシタ用電極材料を用いた電気二重層キャパシタの一例を示す断面模式図である。セパレーター142で仕切られた有機電解液143中に、アルミニウム多孔体に電極活物質を担持した電極材料を分極性電極141として配置している。電極材料141はリード線144に接続しており、これら全体がケース145中に収納されている。アルミニウム多孔体を集電体として使用することで、集電体の表面積が大きくなり、活物質としての活性炭との接触面積が大きくなるため高出力、高容量化可能な電気二重層キャパシタを得ることができる。
本発明の実施形態に係るリチウムイオンキャパシタは、前記本発明の実施形態に係るアルミニウム多孔体を集電体として用いたリチウムイオンキャパシタである。
図2はリチウムイオンキャパシタ用電極材料を用いたリチウムイオンキャパシタの一例を示す断面模式図である。セパレーター142で仕切られた有機電解液143中に、アルミニウム多孔体に正極活物質を担持した電極材料を正極146として配置し、集電体に負極活物質を担持した電極材料を負極147として配置している。正極146及び負極147はそれぞれリード線148、149に接続しており、これら全体がケース145中に収納されている。アルミニウム多孔体を集電体として使用することで、集電体の表面積が大きくなり、活物質としての活性炭を薄く塗布しても高出力、高容量化可能なリチウムイオンキャパシタを得ることができる。
本発明の実施形態に係るリチウムイオン電池は、前記本発明の実施形態に係るアルミニウム多孔体を集電体として用いたリチウムイオン電池である。
例えばリチウムイオン電池(リチウムイオン二次電池等を含む)の正極に使用する場合は、活物質としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)、マンガン酸リチウム(LiMn2O4)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)等を使用する。活物質は導電助剤及びバインダーと組み合わせて使用する。
−樹脂成形体−
アルミニウム多孔体の基材となる樹脂成形体として、気効率96%、セル数46個/インチ、セル径約550μm、厚さ1.0mmのウレタン発砲体を準備し、これを100mm×100mm角に切断した。
ウレタン発砲体をカーボン懸濁液に浸漬し乾燥することで、ウレタン発砲体の表面全体にカーボン粒子が付着した導電層を形成した。カーボン懸濁液の成分は、カーボンブラック、樹脂バインダー、浸透剤、及び消泡剤を含むものとした。カーボンブラックの粒径は0.02μmとした。
表面に導電層を形成した前記ウレタン発砲体をワークとして、給電機能を備える治具にセットした後、窒素雰囲気かつ低水分(露点−30℃以下)としたグローブボックス内に入れ、温度40℃の溶融塩アルミニウムめっき浴(33mol%EMIC−67mol%AlCl3)に浸漬した。ワークをセットした治具を整流器の陰極側に接続し、対極のアルミニウム板(純度99.99質量%)を陽極側に接続した。
電流密度6.5A/dm2の直流電流を20分間印加してめっきすることにより、ウレタン発砲体表面に143g/m2の目付量のアルミニウム膜が形成された樹脂構造体を得た。撹拌はテフロン(登録商標)制の回転子を用いてスターラーにて行った。なお、電流密度はウレタン発砲体のみかけの面積で計算した値である。
上記の樹脂構造体を溶融塩アルミニウムめっき浴から取出し、10質量%の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、1分間超音波洗浄した。水酸化ナトリウム水溶液の液温は30℃とし、超音波の周波数は100kHzとした。その後、樹脂構造体を水酸化ナトリウム水溶液から取出し、純水で洗浄した。
その結果、樹脂構造体におけるアルミニウム膜の目付量は112g/m2となった。
上記のようにして洗浄した樹脂構造体をよく乾燥させ、大気下にて、610℃で20分の熱処理を行った。これにより基材であるウレタン発泡体が焼失してアルミニウム多孔体1が得られた。
−酸化膜の厚さ−
XPS分析法によりアルミニウム多孔体1の骨格の表面の酸化膜の厚さを見積もったところ、3.4nmであった。
XPS分析においては、X線源には単色化Alを用い、検出領域は100×1400μmとし、検出深さは約4〜5nm(取出角45°)とした。Al2pのスペクトルの結合状態(金属/酸化物等)の割合から酸化膜の厚さを見積もった。
−みかけの抵抗率−
2端子法によりアルミニウム多孔体1のみかけの抵抗率を測定したところ0.146mΩ・cmであった。
−表面観察−
アルミニウム多孔体1の骨格の表面を、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope;SEM)に付属するエネルギー分散型X線分析装置(Energy Dispersive X−ray Detector;EDX)によって分析したところ、骨格の表面に基材の残渣が付着していないことが確認された。
実施例1で用いたと同じウレタン発泡体に、実施例1と同様にして136g/m2の目付量のアルミニウム膜を形成した。
この樹脂構造体を30℃の10質量%塩酸水溶液に1分間浸漬し、その後、純水で洗浄した。その結果、樹脂構造体におけるアルミニウム膜の目付量は116g/m2となった。
この樹脂構造体を実施例1と同様にして熱処理し基材を除去してアルミニウム多孔体2を得た。
(評価)
−酸化膜の厚さ−
実施例1と同様にしてアルミニウム多孔体2の骨格の表面の酸化膜の厚さを見積もったところ、4.2nmであった。
−みかけの抵抗率−
実施例1と同様にしてアルミニウム多孔体2のみかけの抵抗率を測定したところ0.151mΩ・cmであった。
−表面観察−
実施例1と同様にアルミニウム多孔体2の骨格の表面をSEM−EDXによって分析したところ、骨格の表面に基材の残渣が付着していないことが確認された。
実施例1で用いたと同じウレタン発泡体に、実施例1と同様にして110g/m2の目付量のアルミニウム膜を形成した。
その後、アルカリによる洗浄を行なわなかった以外は実施例1と同様の操作を行うことにより、アルミニウム多孔体Aを得た。
(評価)
−酸化膜の厚さ−
実施例1と同様にしてアルミニウム多孔体Aの骨格の表面の酸化膜の厚さを見積もったところ、8nmよりも厚いものであった。
−みかけの抵抗率−
実施例1と同様にしてアルミニウム多孔体2のみかけの抵抗率を測定したところ0.201mΩ・cmであった。
142 セパレーター
143 有機電解液
144 リード線
145 ケース
146 正極
147 負極
148 リード線
149 リード線
Claims (7)
- 三次元網目状構造を有するアルミニウム多孔体であって、
前記アルミニウム多孔体は、みかけの抵抗率は0.180mΩ・cm以下であり、かつ、骨格の表面の酸化膜の厚さが8nm以下であるアルミニウム多孔体。 - 前記酸化膜の厚さが5nm以下である請求項1に記載のアルミニウム多孔体。
- 請求項1に記載のアルミニウム多孔体を製造する方法であって、
三次元網目状構造を有する樹脂製の基材の表面に溶融塩電解めっきによってアルミニウム膜を形成する工程と、
前記アルミニウム膜の表面を酸又はアルカリによって洗浄する工程と、
前記基材を除去する工程と、
を有するアルミニウム多孔体の製造方法。 - 請求項1又は請求項2に記載のアルミニウム多孔体を集電体として用いた電極。
- 請求項1又は請求項2に記載のアルミニウム多孔体を集電体として用いた電気二重層キャパシタ。
- 請求項1又は請求項2に記載のアルミニウム多孔体を集電体として用いたリチウムイオンキャパシタ。
- 請求項1又は請求項2に記載のアルミニウム多孔体を集電体として用いたリチウムイオン電池。
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金属の百科事典, JPN6015041587, 1999, pages 479, ISSN: 0003859984 * |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113646460A (zh) * | 2019-03-29 | 2021-11-12 | 富士胶片株式会社 | 铝箔、铝箔的制造方法、集电体、锂离子电容器及锂离子电池 |
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CN111118451A (zh) * | 2020-01-20 | 2020-05-08 | 昆山浦元真空技术工程有限公司 | 海绵铝生产工艺及其所用的海绵铝生产设备 |
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