JP2015048090A - カップ状容器 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、ゼリー等において、内容物とシート体との間に隙間が形成されない状態となるように内容物が満量充填されているカップ状容器については、内容物が外部へ飛散することに特に注意が必要となる。
(1)本発明に係るカップ状容器は、内容物が収納される有底筒状の容器体と、前記容器体の上端開口縁に形成され、該容器体の開口を閉塞するシート体が剥離可能に貼着される環状のフランジと、を備え、前記容器体の底部における底壁部は、外周縁部に位置する環状の接地部と、該接地部に径方向内側から連なり上方に向けて延びる立ち上がり周壁部と、屈曲部を介して前記立ち上がり周壁部の上端部に連結されると共に、前記屈曲部を中心に反転変形可能とされた頂壁部と、を備え、前記屈曲部は、前記接地部よりも薄肉であることを特徴とする。
特に、反転変形の支点となる屈曲部は接地部よりも薄肉であるので、頂壁部を反転変形させ易い。そのため、例えば開封直前であっても速やかに内容物の上面を下げることができ、内容物の飛散を効果的に抑制し易い。
さらに、シート体を貼着する場合、内容物が上端開口縁を越えて陥没部側に流れ込んだとしても、上述したように突出部が内容物の貼着面への乗り上がりを阻害するので、内容物が貼着面に到達して付着することを防止できる。従って、シート体の良好な貼着を確実なものとすることができると共に、内容物の品質を維持し易い。
〔カップ状容器の構成〕
図1に示すように、本実施形態のカップ状容器1は、図示しない内容物が収納される有底筒状の容器体2と、この容器体2の開口を閉塞するシート体3と、を備えている。
容器体2は、合成樹脂材料、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)等の熱可塑性樹脂で形成されており、例えばシート材を熱成形(サーモフォーミング成型)することで形成されたシート成形体である。そして、この容器体2は、胴部10と底部11とで上方に開口した有底筒状に形成されている。
図3及び図4に示すように、フランジ17のうち外周縁部の上面には、貼着突起21が上方に向けて突出した貼着台20がフランジ17の全周に亘って環状に形成されている。貼着突起21の上面は、シート体3が剥離可能に貼着される貼着面21aとされている。
この陥没部22は、上方及び径方向内側に向けて開口しており、陥没部22を画成する表面のうち上方を向く底面は、径方向内側に向かうにしたがって下方に向かうように傾斜している。そして、陥没部22の底面には、上端開口縁16Aと貼着面21aとの間に位置する部分において、上方に向けて突出する複数の突出部23が周方向に等間隔に形成されている。
この底壁部30は、接地部31に対して径方向内側から連なり上方に向けて延びる立ち上がり周壁部32と、この立ち上がり周壁部32の上端部に連なる頂壁部33と、をさらに備えている。
上記シート体3は、図1に示すように、例えば合成樹脂の単層或いは積層シート、又は金属薄膜層と合成樹脂層とが積層された積層シート等であり、容器体2におけるフランジ17の貼着面21aに対して剥離可能に貼着されている。これにより、容器体2の開口を閉塞し、内容物を密封している。
なお、貼着方法としては、例えば圧着、熱溶着、高周波溶着や接着等の方法等が挙げられるが、剥離可能に貼着できれば、いずれの方法に限定されるものではない。
次に、上述したように構成されたカップ状容器1の作用について説明する。
このカップ状容器1によれば、例えば容器体2を把持しながら、図6に示すように、シート体3をフランジ17から剥離させることで開封を行うことができ、内容物を取り出すことが可能となるが、この開封時、シート体3を剥離する前に容器体2の胴部10を径方向内側に押圧して、容器体2の内圧を高めることで内容物の上面を下げることが可能となる。
この際、頂壁部33は、容器外方である下方に向けて反転変形するので、図6に示すように、一度変形するとその状態が維持される。従って、内容物の上面を下げたままの状態にしておくことができ、開封時における内容物の飛散を効果的に抑制することができる。また、従来のものとは異なり、容器体2を把持し続けて外力を加え続ける必要がないので、使用し易く、利便性に優れている。
さらに、頂壁部33は上方に向けて膨らんだ有頂筒状に形成されているうえ、上方に向けて突の屈曲部35を介して立ち上がり周壁部32の上端部に連結されているので、容器体2の内圧上昇に伴ってスムーズに反転変形し易い。この点においても内容物の飛散を効果的に抑制することができる。
加えて、人目に触れ難い容器体2の底壁部30に形成される頂壁部33を反転変形させるので、胴部10の形状変化を防止でき、容器体2のデザイン性が低下することを抑制することができる。
さらに、頂壁部33を図6に示す状態で成形した後、内容物を充填する前、または充填後に頂壁部33を図1に示す状態に反転変形させ、その後に内容物が充填された容器体2をシート体3で封止してもよい。
カップ状容器1の製造時、内容物が収納された容器体2にシート体3を貼着する際に、内容物の一部が容器体2の上端開口縁16Aを越えてフランジ17を乗り越えようとしても、突出部23及び陥没部22の側面22Aを利用して内容物の移動を阻害することができる。特に、内容物が固形の小片のような浮遊物を含んでいる場合には、この浮遊物の移動を有効に阻害することができる。これにより、浮遊物を含めて内容物が貼着面21aに乗り上がったまま、該貼着面21aにシート体3が貼着されることを回避でき、シート体3の貼着性が低下したり、シート体3で挟み込まれた内容物が例えば変質したりすることを防止することができる。
この状態であったとしても、シート体3を剥離した際、剥離初期段階で外気が陥没部22を通って容器体2の内部に導入されるので、容器体2の内部に外気が急激に入り込むことを防止することができ、内容物の飛散を効果的に抑制することができる。
また、容器体2の胴部本体15を横断面視六角形状としたが、この形状に限定されるものではなく、例えば六角形状以外の多角形状でも構わないし、横断面視円形状や楕円形状等でも構わない。また、フランジ17を平面視で環状に形成したが、多角形状等、他の形状であっても良い。
本試験は、図1に示す容器体2を複数個用意し、これら複数個の容器体2を用いて試験を行った。その際、屈曲部35の肉厚T1と接地部31の肉厚T2とが異なるだけで、それ以外の部分は同じであり、同じ製造方法で製造された容器体2を用いた。
試験を行った結果、表1に示すように、実施例1だけが「良」であり、比較例1〜8については「否」であった。
2…容器体
3…シート体
17…フランジ
30…底壁部
31…接地部
32…立ち上がり周壁部
33…頂壁部
35…屈曲部
Claims (5)
- 内容物が収納される有底筒状の容器体と、
前記容器体の上端開口縁に形成され、該容器体の開口を閉塞するシート体が剥離可能に貼着される環状のフランジと、を備え、
前記容器体の底部における底壁部は、
外周縁部に位置する環状の接地部と、
該接地部に径方向内側から連なり上方に向けて延びる立ち上がり周壁部と、
屈曲部を介して前記立ち上がり周壁部の上端部に連結されると共に、前記屈曲部を中心に反転変形可能とされた頂壁部と、を備え、
前記屈曲部は、前記接地部よりも薄肉であることを特徴とするカップ状容器。 - 請求項1に記載のカップ状容器において、
前記頂壁部は、前記屈曲部から上方に向けて膨らむ有頂筒状に形成されていることを特徴とするカップ状容器。 - 請求項1又は2に記載のカップ状容器において、
前記フランジは、
前記上端開口縁に連なる内周部に形成され、下方に窪んだ陥没部と、
前記内周部よりも径方向外側に位置する部分に全周に亘って形成され、前記シート体が剥離可能に貼着される貼着面と、を備え、
前記陥没部の底面上であって前記上端開口縁と前記貼着面との間に位置する部分には、上方に向けて突出する複数の突出部が周方向に間隔をあけて形成されていることを特徴とするカップ状容器。 - 請求項3に記載のカップ状容器において、
周方向で互いに隣接する前記突出部同士の径方向内側における間隔は、径方向外側における間隔よりも大きいことを特徴とするカップ状容器。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載のカップ状容器において、
前記容器体は、シート材を熱成形することで形成されたシート成形体であることを特徴とするカップ状容器。
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