JP2015047132A - レトロトランスポゾンをマーカーとするジャトロファの系統分類・識別方法 - Google Patents

レトロトランスポゾンをマーカーとするジャトロファの系統分類・識別方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ジャトロファの系統図を構築できるような、ジャトロファの系統分類・識別方法、及び当該方法に好適なプライマーセットを提供する。【解決手段】 LTR型レトロトランスポゾンをマーカーとして用いる方法であり、主たるLTR型レトロトランスポゾンファミリー、LTR配列の同定に基づき、効率的なプライマーセット((i)隣接フォワードプライマー、(ii)隣接リバースプライマー、(iii)LTRフォアワードプライマー又はLTRリバースプライマー、(iv)RTPフォワードプライマー又はRTPリバースプライマーの組み合わせ)を設計した。【選択図】 なし

Description

本発明は、ジャトロファ(Jatropha)属ゲノムで、新規に同定されたcopia型レトロトランスポゾンのLTR(Long Terminal Repeat)配列に基づき、ジャトロファの系統を分類・識別する方法、及び系統分類・識別のためのキットに関する。
ジャトロファ・クルカス(Jatropha curcas L)は種子から非食用ジャトロファ油を製造することができるため、バイオディーゼル燃料生産のための生物資源として注目を集めている。
バイオ燃料資源としてのジャトロファの利用性を高めるためには、耕作限界地でも生産可能なジャトロファ系統を選択する必要がある。さらに、環境ストレス耐性を高め、油の収率が高いジャトロファの育種開発のためには、現在存在しているジャトロファの品種、系統を分類・識別し、育種に活用することが望まれる。
しかしながら、現在のところ、ジャトロファについては、明確な品種分類というものはなされておらず、系統間の分類についても明確になされていないのが現状である。
ジャトロファは、メキシコ及び南米を起源とし、アフリカ、アジアにも広がったといわれている。ジャトロファのメキシコ・グアテマラ系統とアジア・アフリカ系統とが区別されているが、これらの系統の分類・識別方法についても、確立されていないのが現状である。
植物の系統分類を含めた品種識別方法としては、近年の分子生物学的技術の発展に伴いDNA多型を利用した品種識別方法が使われるようになっている。DNAマーカーを用いる識別方法は、植物体でその形質が現れているかどうかに関係なく、品種の違いを識別することができるという点で有利である。
DNAマーカーとしては、RFLP(Restriction Fragment Length Polymorphism:制限酵素断片長多型)、AFLP(Amplified Fragment Length Polymorphism:増幅断片長多型)、CAPS(Cleaved Amplified Polymorphic Sequence:増幅切断多型配列)、SSR(Simple Sequence Repeat)などが知られている。
ジャトロファについては、SSRマーカーを用いて、メキシコ・グアテマラ系統とアジア・アフリカ系統とが識別されている。
ここで、SSRとは、1〜4ヌクレオチドのモチーフがタンデムに繰り返している配列である。ゲノムに多数、散在しており、繰り返し数が変化しやすいので、DNAマーカーとして適している。また、SSRマーカーは共優性であり、RAPD等の優性マーカーより信頼性が高く、より多くの情報が得られる。例えば、繰り返し数の違いにより系統の違いを識別することが可能である。
しかしながら、SSRは、2〜4塩基の繰り返し配列回数の違いによる多型であることから、繰り返し回数の違いに基づいて、メキシコ・グアテマラ系統とアジア・アフリカ系統のような、種分化の違いを検出することはできるが、これらの系統の正確な区別のためには、さらなる検討が必要である。また、SSRでは、同系統内で、さらに分化した系統を区別、識別することは困難である。
上記の他、植物のゲノム中に多数存在する反復配列の1つであるレトロトランスポゾンも優れたDNAマーカーとして知られている。レトロトランスポゾンは、そのゲノム中の配列が転写されると、さらに逆転写されて元の配列のコピーDNA断片を生成する。このDNA断片が、新たにゲノム中に挿入されると、挿入されたレトロトランスポゾン配列は安定的に子孫に遺伝する。したがって、レトロトランスポゾンに隣接するゲノム配列は、それぞれの種、系統に固有のものであり、ある系統、品種ではレトロトランスポゾンの挿入がみられるゲノムの場所に、別の系統、品種では挿入が見られないという品種間又は系統間の多型が存在する。このようなことから、レトロトランスポゾンは、植物ゲノム中に多数散在しており、挿入部位は、系統又は品種に特異的であることから、優れた共優性の遺伝的マーカーとなる。また、レトロトランスポゾンが、ゲノムに挿入されているか否かにより、進化の過程がわかり、SSRよりも正確に系統間の違いを知ることもできる。
レトロトランスポゾンマーカーを用いた品種識別方法としては、特許4889328号で、キクの品種識別方法として、レトロトランスポゾン配列内に設計されたプライマーを含むプライマーセットを用いてキクの品種を識別することが提案されている。
また、特開2006−42808号公報、特開2010−172322号公報では、加工食品に含まれる原料植物の植物種を判定する方法として、植物ゲノムの特定位置にレトロトランスポゾンが挿入されているか否かを検出する方法が開示されている。
また、非特許文献1において、豆(Pisum sativum)について、LTR型レトロトランスポゾンの挿入有無により、品種を識別することが開示されている。
特許4889328号 特開2006−42808号公報 特開2010−172322号公報
Andrew J. Flavell et al., "Retrotransposon-based insertion polymorphism (RBIP) for high throughput marker analysis", The Plant Journal, (1998) 16(5), p.643-650
ジャトロファについては、SSRマーカーを用いてメキシコ・グアテマラ系統とアジア・アフリカ系統の違い、及びメキシコ・グアテマラ系統間の違いを検出している程度であり、信頼できるマーカーでアジア・アフリカの各系統をさらに分類、識別したという報告は特になく、有用なマーカーも特に報告された例がない。
本発明の目的は、ジャトロファの系統の分類、さらには識別を行うことが可能なDNAマーカーを用いたジャトロファの系統分類・識別方法、及び当該分類・識別のためのプライマーキットを提供することにある。
本発明者らは、メキシコ・グアテマラ系統、アジア・アフリカ系統の区別だけでなく、さらに、これらの系統内において分化した系統の分類・識別を行う方法として、レトロトランスポゾンマーカーを用いる方法を試みた。
ジャトロファについては、一部のタンパク質コード配列について同定情報が公開されている。同定されていない配列データは、ゲノム配列の一部として公開されている(http://www.kazusa.or.jp/jatropha)。
本発明者らは、上記配列データを基に、Ty1-copia型レトロトランスポゾンの主要メンバーとそれらのLTRの配列を同定し、同定したLTR配列を基に、特定領域にレトロトランスポゾンの挿入があるか否かを検出できるプライマーを設計し、本発明を完成した。
すなわち、本発明のレトロトランスポゾンをマーカーとするジャトロファの系統分類・識別方法は、LTR(Long Terminal Repeat)型レトロトランスポゾンマーカーを用いたジャトロファの系統分類・識別方法であって、
下記(i)及び(ii)、並びに(iii)又は(iv)のプライマーを含むプライマーセットを用いて、判定対象のジャトロファから調製したDNAを鋳型として、核酸増幅反応を行う工程:
(i)左側LTRの5’側隣接領域の塩基配列と相補性を有する15〜60塩基のフォワードプライマー(以下、「隣接フォワードプライマー」という)、
(ii)右側LTRの3’側隣接領域の塩基配列と相補性を有する15〜60塩基のリバースプライマー(以下、「隣接リバースプライマー」という)、
(iii)前記右側LTR配列の3’末端配列およびその3’側隣接配列と相補性を有する15〜60塩基のフォワードプライマー若しくは前記左側LTR配列の5’末端配列およびその5’側隣接配列と相補性を有する15〜60塩基のリバースプライマー(以下、「LTRプライマー」という)、
(iv)前記左右LTR配列の間に存するレトロトランスポゾン配列の少なくとも一部と相補性を有する15〜60塩基のフォワード又はリバースプライマー(以下、「RTPフォワードプライマー」又は「RTPリバースプライマー」という);
並びに前記増幅反応により得られた増幅産物の有無及び長さに基づいて、(iii)及び(iv)で用いたレトロトランスポゾン配列を含むLTR型レトロトランスポゾンの挿入の有無を判定する工程を含む。
また、本発明は、本発明の識別方法の実施に有効なプライマーセットも包含する。すなわち、本発明のジャトロファの系統分類・識別用キットは、下記プライマーセットから選択される少なくとも1つのプライマーセットを含む:
(a)配列番号1,2,及び3のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも1種のプライマーセット;
(b)配列番号4,5,及び6のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
(c)配列番号7,8,9,及び10のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
(d)配列番号11,12,13,及び14のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
(e)配列番号15,16,17,及び18のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
(f)配列番号19,20,21,及び22のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
(g)配列番号23,24,25,及び26のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
(h)配列番号27,28,29,及び30のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
(i)配列番号31,32,33及び34のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;及び
(j)配列番号35,36,37,及び38のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも1種のプライマーセット。
なお、本明細書において、「右側」「左側」とは、ゲノム地図を慣用にしたがって、5’側から3’側にむけて塩基が配列されるように表したときの右側(5’側)、左側(3’側)をいう。
本発明のレトロトランスポゾンをマーカーとするジャトロファの系統分類・識別方法によれば、現在、明確な分類・識別がなされていないジャトロファの系統を、進化・分化の過程も含めて系統分類をすることができ、系統図を確立することが可能となる。
copia型LTRレトロトランスポゾンの構成を説明するための図である。 Jc3ファミリーのレトロトランスポゾンの配列を示す図である。 Jc7ファミリーのレトロトランスポゾンの配列を示す図である。 Jc8ファミリーのレトロトランスポゾンの配列を示す図である。 Jc9ファミリーのレトロトランスポゾンの配列を示す図である。 本発明の系統分類・識別方法で使用するプライマーを説明するための図である。 系統分類・識別方法の態様を説明するための図である。 実施例で得られた電気泳動結果のゲルを撮像した写真である。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、今回、開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本実施形態のジャトロファの系統分類・識別方法は、LTR(Long Terminal Repeat)型レトロトランスポゾンマーカーを用いたジャトロファの系統分類・識別方法であって、
下記(i)及び(ii)、並びに(iii)又は(iv)のプライマーを含むプライマーセットを用いて、判定対象のジャトロファから調製したDNAを鋳型として、核酸増幅反応を行う工程:
(i)左側LTRの5’側隣接領域の塩基配列と相補性を有する15〜60塩基のフォワードプライマー(以下、「隣接フォワードプライマー」という)、
(ii)右側LTRの3’側隣接領域の塩基配列と相補性を有する15〜60塩基のリバースプライマー(以下、「隣接リバースプライマー」という)、
(iii)前記右側LTR配列の3’末端配列およびその3’側隣接配列と相補性を有する15〜60塩基のフォワードプライマー若しくは前記左側LTR配列の5’末端配列およびその5’側隣接配列と相補性を有する15〜60塩基のリバースプライマー(以下、「LTRプライマー」という)、
(iv)前記左右LTR配列の間に存するレトロトランスポゾン配列の少なくとも一部と相補性を有する15〜60塩基のフォワード又はリバースプライマー(以下、「RTPフォワードプライマー」又は「RTPリバースプライマー」という);
並びに前記増幅反応により得られた増幅産物の有無及び長さに基づいて、(iii)及び(iv)で用いたレトロトランスポゾン配列を含むLTR型レトロトランスポゾンの挿入の有無を判定する工程を含む。
レトロトランスポゾンをマーカーとして用いることにより、進化の過程を考慮して、ジャトロファの系統を分類することができる。
また、上記実施形態の方法によれば、レトロトランスポゾンの挿入の有無に基づいて増幅産物が得られる又は得られないことになり、あるいは得られる増幅産物の断片長が異なる。従って、増幅産物の有無及び断片長の差異に基づいて、レトロトランスポゾンの挿入の有無を検出することができ、作業が簡便である。
前記プライマーセットとして、上記(i)及び(ii)、及び(iii)のLTRフォワードプライマー及びLTRリバースプライマーを用いることが好ましい。これにより、レトロトランスポゾンの多型、隣接領域の多型も含めて、さらに分化した系統を分類・識別することが可能となる。
前記レトロトランスポゾンとしては、代表的には、Jc3(配列番号49)、Jc7(配列番号50)、Jc8(配列番号51)、及びJc9(配列番号52)、並びに前記各配列と85%以上の相同性を有する配列で表されるレトロトランスポゾンからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
また、前記LTRの塩基配列としては、配列番号39〜41及び前記各配列と85%以上の配列同一性を有する配列より選ばれる1種で示される配列が挙げられる。
好ましい実施態様として、配列番号1、2及び3に示すプライマー、又は前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなるプライマーセットを用いて、Jc3SのLTR型レトロトランスポゾンの有無を検出するジャトロファの系統分類・識別方法がある。また、別の好ましい実施態様として、配列番号35、36、37及び38に示すプライマー、又は前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなるプライマーセットを用いて、Jc9SのLTR型レトロトランスポゾンの有無を検出するジャトロファの系統分類・識別方法がある。
Jc3SのLTR型レトロトランスポゾン及びJc9SのLTR型レトロトランスポゾンは、それぞれJc3レトロトランスポゾン、Jc9レトロトランスポゾンの変異型で、LTR配列のみを有するレトロトランスポゾンである。したがって、Jc3S、Jc9SのLTR配列の存在の有無を検出することにより、ジャトロファの系統を分類することができる。
前記プライマーセットとして、複数のレトロトランスポゾンの挿入の有無を判定するための複数のプライマーセットを使用し、さらに、各レトロトランスポゾンの挿入の有無に基づいて、ジャトロファの系統を分類・識別する工程を含んでもよい。
複数種類のレトロトランスポゾンの挿入の有無を検出し、検出結果の組み合わせにより、下流の系統分類までを総合的に行うことができる。
レトロトランスポゾンを含む系統の増幅産物の断片長は、50〜2000bpであることが好ましい。また、前記核酸増幅反応は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)であることが好ましい。さらに、前記増幅産物の長さの区別は、アガロースゲル電気泳動またはポリアクリルアミドゲル電気泳動により行うことが好ましい。
これらの手法を用いることで、検出作業の簡便化を図ることができる。
上記実施形態において、下記LTRの配列に基づく前記プライマーセットの具体的態様は、好ましくは以下のとおりである。
(1)前記LTRが配列番号39の配列又は当該配列と85%以上の相同性を有する場合、(a)配列番号1,2,及び3のプライマーからなる群より選ばれる少なくとも1種のプライマーセット;
(2)前記LTRが配列番号40の配列又は当該配列と85%以上の相同性を有する場合、(b)配列番号4,5,及び6のプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
(3)前記LTRが配列番号41の配列又は当該配列と85%以上の相同性を有する場合、(c)配列番号7,8,9,及び10のプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
(4)前記LTR配列が配列番号42の配列又は当該配列と85%以上の相同性を有する場合、(d)配列番号11,12,13,及び14のプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット、
(5)前記LTRが配列番号43の配列又は当該配列と85%以上の相同性を有する場合、(e)配列番号15,16,17,及び18のプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
(6)前記LTRが配列番号44の配列又は当該配列と85%以上の相同性を有する場合、(f)配列番号19,20,21,及び22のプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
(7)前記LTRが配列番号45の配列又は当該配列と85%以上の相同性を有する場合、(g)配列番号23,24,25,及び26のプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
(8)前記LTRが配列番号46の配列又は当該配列と85%以上の相同性を有する場合、(h)配列番号27,28,29,及び30のプライマーからなる群より選ばれる少なくとも3種のプライマーセット;
(9)前記LTRが配列番号47の配列又は当該配列と85%以上の相同性を有する場合、(i)配列番号31,32,33及び34のプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;及び
(10)前記LTRが配列番号48の配列又は当該配列と85%以上の相同性を有する場合、(j)配列番号35,36,37,及び38のプライマーからなる群より選ばれる少なくとも1種のプライマーセット。
したがって、本発明は、本発明の実施形態を実行するジャトロファの系統分類・識別キットも包含し、好ましい態様としては、下記プライマーセットから選択される少なくとも1つのプライマーセットを含む。
(a)配列番号1,2,及び3のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも1種のプライマーセット;
(b)配列番号4,5,及び6のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
(c)配列番号7,8,9,及び10のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
(d)配列番号11,12,13,及び14のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
(e)配列番号15,16,17,及び18のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
(f)配列番号19,20,21,及び22のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
(g)配列番号23,24,25,及び26のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
(h)配列番号27,28,29,及び30のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
(i)配列番号31,32,33及び34のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも3種のプライマーセット;及び
(j)配列番号35,36,37,及び38のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも1種のプライマーセット。
上記プライマーセットは、1種類だけであってもよいし、複数の組み合わせであってもよいし、(a)−(j)の全てを含んでもよい。
〔レトロトランスポゾン〕
本発明のジャトロファの系統分類・識別方法においてDNAマーカーとして使用するレトロトランスポゾンは、配列の両末端にLTR(Long Terminal Repeat)と呼ばれる反復配列をもつLTR型のレトロトランスポゾンである。レトロトランスポゾンのうち、Ty1-copia型に分類されるLTR型レトロトランスポゾンについては、図1に示すように、その両端にLTRが存在し、5’側及び3’側のLTRのすぐ内側には、逆転写の際に必要な配列であるPBS(primer binding site)及びPPT(poly purine truct)がそれぞれ存在する。LTRに挟まれた内部翻訳領域には、自身の転写後のcDNAの形成、組み込みに必要なタンパク質をコードするpol領域、組み込み酵素などを包み込むウィルス粒子を形成するのに必要なGAG領域、インテグラーゼ領域などが存在する。
これらの特徴から、レトロトランスポゾンの全長配列が調べられていない作物であっても、DNAデータべースにおいて既知の、あるいは新たに逆転写領域の配列を同定すれば、その延長配列を単離するTAIL(Thermal Asymmetric InterLaced)PCR(Polymerase Chain Reaction)、SuppressionPCR等により、末端のLTR配列までを同定することが可能である。
ジャトロファの場合、copia型レトロトランスポゾンは約32000個存在することが知られている。本発明者らは、ジャトロファについて、機能が同定されていないゲノム配列データをもとに、Contig配列を整列し、Ty1-copia型レトロトランスポゾンの主要ファミリーを同定した。
本発明者らは、さらに、レトロトランスポゾンのLTR配列を同定した。LTR配列は、レトロトランスポゾンの左右端に存在する、ほぼ完全に一致する配列で、同じファミリーに属するレトロトランスポゾン配列間でホモロジーがなくなる位置をLTRの末端とした。さらに、LTRの端に、特徴的な配列(5’端でTGT、3’端でACA)が存在するかどうか、さらにその3’側の内部領域にPBS、5’側の内部領域にPPTの配列を有しているか否かを調べた。これらの配列を有していた場合に、該当する領域をLTRであるとした。そして、その5’端のTGTと3’端のACA間の配列をLTR配列と同定した。
今回、同定したジャトロファのレトロトランスポゾンのファミリーのコンセンサス配列を、図2〜図5及び配列番号49〜52に示す。図2〜図5中、四角で囲んだ部分がLTR配列部分である。
同定したLTR配列を表1及び配列番号39〜48に示す。表1−1は、Jc3ファミリーのLTR配列を示す。表1−2は、Jc7ファミリーのLTR配列を示す。Jc7ファミリーについては、3種類の多型(Jc7A,Jc7B,Jc7C)が存在した。表1−3は、Jc8ファミリーのLTR配列を示す。Jc8ファミリーについては、4種類の多型(Jc8A,Jc8B,Jc8C,Jc8D)が存在した。表1−4は、Jc9ファミリーの多型を示す。Jc9ファミリーについては、2種類の多型(Jc9A、Jc9S1)が存在した。尚、表1に示すLTR配列は、今回同定したレトロトランスポゾンファミリーの配列であり、実際のジャトロファでは、これらの配列に多型が存在する。通常、表1に示す配列と85%以上、好ましくは90%以上の相同性を有する多型が存在する。
今回、同定されたレトロトランスポゾンファミリーのうち、共通のLTRをもつ系統の中で、進化の過程において左右LTR同士の相同組換えでPBS配列やPPT配列を含む内部配列が脱落し、実質的に単一のLTR配列のみを有する特殊な短いレトロトランスポゾンのみの特殊なメンバーの存在が認められた。
表1中、Jc3S1、Jc9S2は、単一のLTR配列のみを有するメンバーのLTR配列を示している。
LTR型レトロトランスポゾンの左右のLTRは、レトロトランスポゾンの転移時には完全に同じ配列を有していたが、その後、時間が経過するほど点突然変異が蓄積して左右の配列は異なってくる。したがって、以上のようなLTR型レトロトランスポゾンをDNAマーカーとして、当該レトロトランスポゾンの挿入の有無を検出することで、当該レトロトランスポゾンの転移してきた年代を知ることができ、進化の過程を表す系統樹に基づいて、分岐年代を推定することが可能となる。またそのような転移後のLTRの配列の突然変異による多型、内部配列の多型、および隣接領域の多型を知ることにより、近縁の系統をさらに細かく分類、識別することもできる。
〔プライマーの設計〕
本発明の方法で使用するプライマーは、下記(i),(ii),(iii),(iv)である。
(i)左側LTRの5’側隣接領域の塩基配列と相補性を有する15〜60塩基のフォワードプライマー(以下、「隣接フォワードプライマー」又は「F_Lプライマー」という);
(ii)右側LTRの3’側隣接領域の塩基配列と相補性を有する15〜60塩基のリバースプライマー(以下、「隣接リバースプライマー」又は「F_Rプライマー」という);
(iii)前記右側LTR配列の3’末端配列およびその3’側隣接配列と相補性を有する15〜60塩基のフォワードプライマー若しくは前記左側LTR配列の5’末端配列及びその5’側隣接配列と相補性を有する15〜60塩基のリバースプライマー(以下、「LTRプライマー」、フォワードプライマー,リバースプライマーを区別する場合にはそれぞれ「LTR_Lプライマー」「LTR_Rプライマー」という)
(iv)前記左右LTR配列の間に存するレトロトランスポゾン配列の少なくとも一部と相補性を有する15〜60塩基のフォワード又はリバースプライマー(以下、「RTPプライマー」という);
上記プライマーは、(i),(ii),及び(iii)のプライマーを組み合わせたプライマーセット(第1態様の識別方法);(i),(ii),及び(iv)のプライマーを組み合わせたプライマーセット(第2態様の識別方法);(i),(ii),並びに(iii)のLTR_L及びLTR_Rのプライマーを組み合わせたプライマーセット(第3態様の識別方法);あるいは(i),(ii),(iii),及び(iv)のプライマーを組み合わせたプライマーセット(第4態様の識別方法)として用いられる。
上記(i)グループのプライマー(隣接フォワードプライマー)は、図6に示すゲノム図において、Aを5’端とするDNA断片である。上記(ii)グループのプライマー(隣接リバースプライマー)は、図6に示すゲノム図において、Eを5’端とするDNA断片である。
上記(iv)グループのプライマー(RTPプライマー)は、図6に示すゲノム地図において、C1を5’端とするDNA断片(フォワードプライマー)又はC2を5’端とするDNA断片(リバースプライマー)である。
RTPプライマーの場合、レトロトランスポゾンとして特異的な配列が含まれるように、開始点C1、C2の塩基位置を選択する必要がある。
上記(iii)グループのプライマー(LTRプライマー)は、図6に示すゲノム地図において、Bを5’端とするDNA断片(フォワードプライマー)又はDを5’端とするDNA断片(リバースプライマー)である。
LTRプライマーの場合、LTRと隣接領域との境界を横断するように、LTR配列及び隣接領域の一部と相補性を有する配列を含むように開始点B、Dの塩基位置を選択する必要がある。
いずれのプライマーも、断片長15〜60bpであり、好ましくは20〜30bpであある。短すぎると、ターゲットとする領域に対する特異性が低くなり、所望の増幅反応が行われないおそれがある。一方、長くなりすぎると、安定的に得られる増幅産物との関係で、ターゲットとする領域に対する特異性部分を鋳型として伸長される部分が少なくなり、ひいては系統の分類、識別が困難になるおそれがある。
上記(i)〜(iv)のプライマーにおいて、「相補性を有する」とは、100%完全に相補的であることに限定されず、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズできる程度の相補性を包含する意味である。
従って、プライマーの設計に当たっては、3’端側15塩基において標的とする配列と通常80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上の配列同一性を有すればよい。かかる配列同一性により、通常、数塩基だけ配列が相異する多型も増幅させることが可能となる。
かかるプライマーセットは、核酸増幅反応により得られるPCR産物の長さが異なるように設計することが好ましい。増幅産物の断片長は、50〜2000bp、好ましくは60〜2000bpの範囲で、より好ましくは、長くとも400〜600bpとなるように設計することが好ましい。長くなりすぎると、核酸増幅反応物が得られにくくなったり、繰り返し反応の間に、伸長エラーなどが生じやすくなるからである。
この他、プライマー設計にあたっては、GC含量率40〜60%とすること、プライマー内部に二次構造を含まないようにすること、プライマー内に自己相補的配列を含まないこと、プライマーセットの組み合わせにおいて3’末端同士が相補的でないこと、アニーリングのための融解温度を55〜65℃となるようにすることなどの要件を充足するように設計することが好ましい。
以上のように、ターゲットとするLTRレトロトランスポゾンの配列に応じて、(i)(ii)(iii)(iv)の各プライマーを設計し、分類・識別方法に用いるためのプライマーセットを設計する。
表1に示すような各ファミリーのLTR配列を有するLTR型レトロトランスポゾンの識別に有用なプライマーセットの代表例を表2に示す。表2に示すプライマーは代表例であり、これに限定されず、上記プライマーの設計条件を充足する他のプライマーも含まれる。尚、表中、種類の欄のA,B,C,D,Eは、各プライマーについて、図6で示す開始点位置を示す。
以上のようなプライマーは、検出できるように、適宜標識されていてもよい。標識としては、PCRの分野で通常用いられている標識、例えば、染料、蛍光、アイソトープ、酵素などを用いて標識することができる。
〔系統分類・識別方法〕
以上のようにして設計されたプライマーセットを用いて、LTR型レトロトランスポゾンの有無を検出することにより、未だ分類されていないジャトロファの系統を分類することができる。また、本発明の分類方法により分類した系統樹に基づき、対象とするジャトロファ個体がいずれの系統に属するか、さらにはいずれの系統から分化、進化したものであるかといった情報を得ることができる。
以上のようにして設計されたプライマーセットを用いて、ジャトロファの系統を分類・識別する方法について説明する。
対象とするジャトロファ個体から調製したDNAを鋳型として、上記プライマーセットを用いて増幅反応を行う。
増幅反応に供するジャトロファのDNA試料は、ジャトロファ個体から、植物分子生物学の分野で慣用されている手法にしたがって、ゲノムDNAを抽出し、調製することができる。市販のDNA抽出試薬(例えば、DNeasy Plant Mini Kit)を用いてもよい。
ゲノムDNAの抽出には、ジャトロファ個体の任意の組織(例えば、葉、茎、根、花弁、カルスなど)を用いることができる。
対象とするジャトロファについて、特定のLTR型レトロトランスポゾンのJcの挿入の有無を検出することにより、例えば、図3の系統図において、Jcレトロトランスポゾンを有する系統Iと有しない系統IIのいずれかに属するか分類することができる。さらに、異なる遺伝子座について、異なるレトロトランスポゾンファミリーの挿入の有無を検出してもよい。レトロトランスポゾンファミリーの挿入の有無の組み合わせから、さらに下流の系統III、IVを識別することができる。複数の遺伝子座について、異なるレトロトランスポゾンファミリーの挿入の有無を検出する場合、各遺伝子座ごとにそれぞれレトロトランスポゾンの有無を検出してもよいし、マルチプルPCR等の利用により、同時に検出することもできる。
<第1態様>
第1態様の識別方法は、上記プライマー(i)(ii)及び(iii)のプライマーセットを用いる場合である。すなわち、図6において、開始点Aの隣接フォワードプライマー、開始点Eの隣接リバースプライマー、及び開始点BのLTRフォワードプライマー又はDのLTRリバースプライマーの組み合わせであるプライマーセットを用いる。
かかるプライマーセットを用いて増幅反応を行った場合、判定対象となるジャトロファ個体が、マーカーとして使用したレトロトランスポゾンが挿入された系統Iの場合、ターゲットとしたレトロトランスポゾン配列及びLTRを含むA−E間領域、並びにプライマー(iii)として使用したLTRフォワードプライマー又はLTRバースプライマーと相補性を有する配列から開始されるLTR配列を含むA−B間又はD−E間の配列の増幅産物が得られることになる。通常、A−E間は断片長が長くなりすぎて、安定的に複製・増幅反応が行われず、結果として、レトロトランスポゾン領域を含む長いA−E断片は得られない傾向にある。
一方、判定対象となるジャトロファ個体がマーカーとして使用したレトロトランスポゾンが挿入されていない系統IIの場合、図6で示すように、短いA−E間配列の増幅産物のみが得られることになる。
このような態様では、系統Iの増幅産物であるA−B断片(又はD−E断片)と、系統IIの増幅産物であるA−E断片との長さが、区別が容易な程度に断片長の異なるものを得られる場合にマルチプルPCRを行うことができる。
ただし、レトロトランスポゾンがLTR配列のみからなる特殊な系統の場合、レトロトランスポゾンを有する系統及びレトロトランスポゾンが挿入されていない系統の双方について、A−Eの増幅産物が得られる。しかしながら、レトロトランスポゾンを有する系統のA−E増幅産物と、レトロトランスポゾンが挿入されていないA−Eの増幅産物とでは、得られる増幅産物の長さ、種類(配列)が相違するので、増幅産物の種類又は断片長の違いに基づいて、これらの系統を区別することができる。
<第2態様>
使用するプライマーセットは、上記プライマー(i)(ii)及び(iv)のプライマーセットである。すなわち、図2に示す開始点Aの隣接フォワードプライマー、開始点Eの隣接リバースプライマー、及び開始点C1のRTPフォワードプライマー又はC2 のRTPリバースプライマーである。
かかるプライマーセットを用いて、増幅反応を行った場合、判定対象となるジャトロファ個体が、マーカーとして使用するLTR型レトロトランスポゾンJcが挿入された系統Iに属する場合、ターゲットしたレトロトランスポゾン配列及びLTRを含むA−E間領域、並びにプライマー(iv)として使用したRTPフォワードプライマー又はRTPリバースプライマーと相補性を有する配列から開始されるレトロトランスポゾン配列の一部及びLTR配列を含むA−C2又はC1−E間領域で増幅反応が起こる。通常、A−E間は断片長が長くなりすぎて、安定的に複製・増幅反応が行われないことから、結果として、レトロトランスポゾン領域を含む長いA−E断片の増幅産物は得られず、A−C2領域又はC1−E領域の増幅産物が得られる。
一方、判定対象となるジャトロファ個体が、マーカーとして使用したレトロトランスポゾンが挿入されていない系統IIの場合、図6で示すように、短いA−E間配列の増幅産物のみが得られることになる。
よって、系統Iと系統IIとは、得られた増幅産物の種類(長さ、配列など)が相違するので、区別することができる。すなわち、得られた増幅産物の種類(長さ、配列など)に応じて判定対象となるジャトロファ個体が系統Iに属するか、系統IIに属するかを判定できる。
<第3態様>
第3態様は、複数のレトロトランスポゾンのファミリーを検出できるように、レトロトランスポゾン検出のためのプライマー対を適宜組み合わせたプライマーセットを用いて、異なる遺伝子座に挿入されている、対応のレトロトランスポゾンを検出し、挿入されているレトロトランスポゾンの組み合わせに基づいて、系統を分類、識別する態様である。
例えば、Jc7ファミリーのレトロトランスポゾンの挿入の有無と、Jc8ファミリーのレトロトランスポゾンの挿入の有無をそれぞれ検出し、これらのレトロトランスポゾンの挿入の組み合わせに基づき、分類する。例えば、Jc7ファミリーのレトロトランスポゾンの挿入の有無により、系統Iと系統IIに分類され、さらに、系統Iについて、Jc8ファミリーのレトロトランスポゾンの有無に基づき、系統IIIと系統IVを分類することができる。
個々のレトロトランスポゾンの検出については、上記第1態様又は第2態様で用いるようなプライマー対を選択することができる。
複数のレトロトランスポゾンを検出する場合、各レトロトランスポゾン検出のためのプライマー対を用いて、レトロトランスポゾンを各順に検出してもよいし、複数のレトロトランスポゾン検出のためのプライマー対の組み合わせを用いて、マルチプルPCRなどを利用して、同時に増幅産物を得て、検出してもよい。
<第4態様>
第4態様でレトロトランスポゾンを検出する場合、(i)隣接フォワードプライマー、(ii)隣接リバースプライマー、(iii)LTRフォワード又はリバースプライマー、(iv)RTPフォワード又はリバースプライマーを含む。
このような態様は、LTR多型又は隣接領域の多型の差異も含めた系統の識別を行いたい場合に有用である。
かかるプライマーセットを用いて増幅反応を行った場合、判定対象となるジャトロファ個体が、マーカーとして使用したレトロトランスポゾンが挿入された系統Iに属する場合、上記第1態様及び第2態様で得られる双方の増幅産物、すなわちLTR配列を含むA−B間又はD−E間の配列の増幅産物、及びA−C間又はC−E間の増幅産物が得られることになる。ここで、例えば系統IVにおいてLTR又は隣接領域の配列が突然変異により、プライマーとして使用した配列と一致しない場合、A−C2間又はC1−E間の増幅産物は得られるが、A−B間又はD−E間の増幅産物は得られない。一方、プライマーとして使用したLTRと一致するLTR配列を有する系統IIIの場合、A−B間又はD−E間の配列の増幅産物、及びA−C間又はC−E間の増幅産物が得られることになる。
他方、判定対象となるジャトロファ個体がマーカーとして使用したレトロトランスポゾンが挿入されていない系統IIの場合、短いA−E間配列の増幅産物のみが得られることになる。
以上のように、判定対象とするジャトロファ個体が、マーカーとして使用したレトロトランスポゾンを有していない系統IIであるか否か、さらに当該レトロトランスポゾンが挿入されている系統Iの場合において、LTR多型で分類されているいずれの系統(例えば図7に示す系統III又は系統IV)に属するかといったことまで判定することができる。
上記第1〜第4の態様において行われる核酸増幅反応は、公知の核酸増幅手段を適宜選択して用いればよい。具体的には、例えば、PCR法、ICAN(Isothermal and Chimeric primer-initiated Amplification of Nucleic acids)法、UCAN法、LAMP(Loop-Mediated Isothermal Amplification)法、プライマーエクステンション法等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。中でもPCR法が好適である。また、複数のレトロトランスポゾンのファミリーの有無を検出するために、複数のプライマー対の組み合わせを用いて増幅反応を行い、検出するマルチプルPCRを行ってもよい。
判定対象であるジャトロファ個体から抽出したDNAサンプルを鋳型として、識別しようとする系統に特異的なプライマーセットを用いて、増幅反応を行う。複数のレトロトランスポゾンを検出するためのプライマー対のセットを用いて、未分類のジャトロファがいかなる系統に属するかという分類、識別を行うことができる。
増幅産物の有無を確認する方法としては、例えばアガロースゲル電気泳動、アクリルアミドゲル電気泳動などの電気泳動を挙げることができる。電気泳動法により、増幅産物の有無及び長さの違いを検出することができる。ここで検出する増幅産物の長さは、目的とする配列(LTR配列又はレトロトランスポゾン配列の一部)の有無であることから、数塩基の違いを検出する厳密なものである必要がない。したがって、アガロース電気泳動等の簡便な電気泳動であっても、検出可能である。
例えば、上記第1態様のプライマーセットを用いた場合、所定のLTR型レトロトランスポゾンを有する系統ではA−B又はD−Eの増幅産物が得られる。一方、所定のLTR型レトロトランスポゾンを有しない系統ではA−Eの増幅産物しか得られない。A−B又はD−Eの増幅産物は、プライマーの種類にもよるが、通常、400〜600bpに設計していることから、得られる断片も400〜600bpである。これに対して、LTR型レトロトランスポゾンを有しない品種から得られるA−E増幅産物は、通常、200〜300bp程度となる。このように、比較する断片長は、2倍近く相違することから、マルチプルPCRを行った場合でも、電気泳動の結果、異なるバンドが得られるので容易に区別することができる。すなわち、得られる断片長から、所定のLTR型レトロトランスポゾンを有する系統と有しない系統を区別することができる。
なお、LTR多型を判別する場合、例えば、上記と同様に増幅反応を行った後、得られた増幅産物の配列決定を行うことにより、多型を検出することが好ましい。また、多型変異が既知の場合、既知のLTR配列とハイブリダイズすることができるプローブを支持体に固定したプローブアレイを用いて、プローブとハイブリダイズする増幅産物を検出することにより、挿入されているレトロトランスポゾンファミリーの種類を判定するようにしてもよい。
以上のようにして、未分類のジャトロファの系統を分類することができる。そして、各ジャトロファ個体が、各種LTRファミリーメンバーとの関係分類に基づき、いずれの系統に属するかを判別できる。また、増幅産物の配列を調べることにより、同系統の近縁種の系統間を識別することができる。
本発明を実施するための形態を実施例により説明する。下記実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。
〔PCRによる増幅及び系統の分類・識別〕
種々の系統のジャトロファの葉から、CTAB(Cetyl trimethyl ammonium bromide)法にてDNA抽出し、識別用サンプルを調製した。
各識別用サンプルについて、表2に示すJc7BのLTR検出用プライマー群(LTR_L、LTR_R、F_L、F_R)を用いて、下記条件でPCRを行い、PCR産物を得た。PCR反応は、プライマー対1(F_LとLTR_L)、プライマー対2(LTR_RとF_R)、プライマー対3(F_LとF_R)を用いてそれぞれについて行った。
PCR条件:
94℃で2分置いた後、94℃で15秒、55℃で45秒、72℃で2分を1サイクルとして、35サイクル繰り返し、最後に72℃で10分間伸長反応を行った。
得られたPCR産物を、TAEバッファーで作製した2%アガロースゲルで、100V、40分間電気泳動に供した。なお、増幅産物の長さの指標として、100bp DNA Laderマーカーを用いた。泳動終了後、ゲル板からゲルをはずし、エチジウムブロマイドで染色後、UV照射下でDNAバンドを観察した。ゲルを撮像した写真を図8に示す。
図8に示すように、アジア・アフリカ系統に属するウガンダ(Uganda)、カーポヴェルデ(Cape verde)、マダカスカル(Madagascar)、タンザニア(Tanzania)、中国(Chinese)、タイ(Thai)、インドネシア(Indonesia IS)、フィリピン(Parawan)産のジャトロファでは、LTR及び隣接領域を増幅するプライマー対1(A−B増幅産物)、プライマー対2(D−E増幅産物)を用いた場合に増幅産物が得られ、対応するバンドが認められた。これに対して、メキシコ・グアテマラ系統に属するメキシコ(Mexico2b)及びグアテマラ(Guatemala1)産のジャトロファでは、プライマー対1、プライマー対2を用いた場合には、増幅産物が得られず、対応するバンドが認められなかったが、プライマー対3(短いA−E増幅産物)が得られ、385bp程度のところにバンドが認められた。従って、Jc7のレトロトランスポゾンの存在は、アジア・アフリカ系統に共通する特徴であると考えられる。
なお、Guatemala2については、メキシコ・グアテマラ系統であるにもかかわらず、プライマー対1、プライマー対2を用いた場合に増幅産物が得られ、対応するバンドが認められた。この結果によれば、Guatemala2はMexico2bやGuatemala1よりもアジア・アフリカ系統に近い系統であると考えられる。すなわち、Mexico2bやGuatemala1の共通祖先と、Guatemala2とアジア・アフリカ系統の共通祖先がまず分岐し、その後、Guatemala2とアジア・アフリカ系統が分かれたと考えられる。
このように、Jc7のレトロトランスポゾンに着目することにより、メキシコ・グアテマラ系統における更なる系統分類が可能であることがわかる。
本発明のジャトロファの識別方法によれば、進化の過程を考慮したジャトロファの遠い系統、LTR多型に基づく近縁の系統まで、所望により分類・識別することができるので、ジャトロファの各種系統の分類・識別方法として有用である。

Claims (13)

  1. LTR(Long Terminal Repeat)型レトロトランスポゾンマーカーを用いたジャトロファの系統分類・識別方法であって、
    下記(i)及び(ii)、並びに(iii)又は(iv)のプライマーを含むプライマーセットを用いて、判定対象のジャトロファから調製したDNAを鋳型として、核酸増幅反応を行う工程:
    (i)左側LTRの5’側隣接領域の塩基配列と相補性を有する15〜60塩基のフォワードプライマー(以下、「隣接フォワードプライマー」という)、
    (ii)右側LTRの3’側隣接領域の塩基配列と相補性を有する15〜60塩基のリバースプライマー(以下、「隣接リバースプライマー」という)、
    (iii)前記右側LTR配列の3’末端配列およびその3’側隣接配列と相補性を有する15〜60塩基のフォワードプライマー又は前記左側LTR配列の5’末端配列およびその5’側隣接配列と相補性を有する15〜60塩基のリバースプライマー(以下、「LTRプライマー」という)、
    (iv)前記左右LTR配列の間に存するレトロトランスポゾン配列の少なくとも一部と相補性を有する15〜60塩基のフォワード又はリバースプライマー(以下、「RTPフォワードプライマー」又は「RTPリバースプライマー」という);
    並びに前記増幅反応により得られた増幅産物の有無及び長さに基づいて、(iii)及び(iv)で用いたレトロトランスポゾン配列を含むLTR型レトロトランスポゾンの挿入の有無を判定する工程
    を含むジャトロファの系統分類・識別方法。
  2. 前記プライマーセットとして、上記(i)及び(ii)、及び(iii)のLTRフォワードプライマー及びLTRリバースプライマーを用いる、請求項1に記載のジャトロファの系統分類・識別方法。
  3. 前記レトロトランスポゾンは、Jc3(配列番号49)、Jc7(配列番号50)、Jc8(配列番号51)、及びJc9(配列番号52)、並びに前記各配列と85%以上の相同性を有する配列で表されるレトロトランスポゾンからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1又は請求項2に記載のジャトロファの系統分類・識別方法。
  4. 前記LTRの塩基配列は、配列番号39〜41より選ばれる1種で示される配列と85%以上の相同性を有する配列である請求項1又は請求項2に記載のジャトロファの系統分類・識別方法。
  5. 配列番号1、2及び3に示すプライマー、又は前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなるプライマーセットを用いて、Jc3SのLTR型レトロトランスポゾンの有無を検出するジャトロファの系統分類・識別方法。
  6. 配列番号35、36、37及び38に示すプライマー、又は前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなるプライマーセットを用いて、Jc9SのLTR型レトロトランスポゾンの有無を検出するジャトロファの系統分類・識別方法。
  7. 前記プライマーセットとして、複数のレトロトランスポゾンの挿入の有無を判定するための複数のプライマーセットを使用し、
    さらに、各レトロトランスポゾンの挿入の有無に基づいて、ジャトロファの系統を分類・識別する工程を含む請求項1又は請求項2に記載のジャトロファの系統分類・識別方法。
  8. レトロトランスポゾンを含む系統の増幅産物の断片長は、50〜2000bpである請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のジャトロファの系統分類・識別方法。
  9. 前記核酸増幅反応は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)である請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のジャトロファの系統分類・識別方法。
  10. 前記増幅産物の長さの区別は、アガロースゲル電気泳動又はポリアクリルアミドゲル電気泳動により行う請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のジャトロファの系統分類・識別方法。
  11. 下記LTRの配列に基づく前記プライマーセットは、以下のとおりである請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のジャトロファの系統分類・識別方法:
    (1)前記LTRが配列番号39の配列又は当該配列と85%以上の相同性を有する場合、(a)配列番号1,2,及び3のプライマーからなる群より選ばれる少なくとも1種のプライマーセット;
    (2)前記LTRが配列番号40の配列又は当該配列と85%以上の相同性を有する場合、(b)配列番号4,5,及び6のプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
    (3)前記LTRが配列番号41の配列又は当該配列と85%以上の相同性を有する場合、を有する場合、(c)配列番号7,8,9,及び10のプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
    (4)前記LTR配列が配列番号42の配列又は当該配列と85%以上の相同性を有する場合、(d)配列番号11,12,13,及び14のプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
    (5)前記LTRが配列番号43の配列又は当該配列と85%以上の相同性を有する場合、(e)配列番号15,16,17,及び18のプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
    (6)前記LTRが配列番号44の配列又は当該配列と85%以上の相同性を有する場合、(f)配列番号19,20,21,及び22のプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
    (7)前記LTRが配列番号45の配列又は当該配列と85%以上の相同性を有する場合、(g)配列番号23,24,25,及び26のプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
    (8)前記LTRが配列番号46の配列又は当該配列と85%以上の相同性を有する場合、(h)配列番号27,28,29,及び30のプライマーからなる群より選ばれる少なくとも3種のプライマーセット;
    (9)前記LTRが配列番号47の配列又は当該配列と85%以上の相同性を有する場合、(i)配列番号31,32,33及び34のプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;及び
    (10)前記LTRが配列番号48の配列を有する場合、(j)配列番号35,36,37,及び38のプライマーからなる群より選ばれる少なくとも1種のプライマーセット。
  12. 下記プライマーセットから選択される少なくとも1つのプライマーセットを含むジャトロファの系統分類・識別キット。
    (a)配列番号1,2,及び3のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも1種のプライマーセット;
    (b)配列番号4,5,及び6のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
    (c)配列番号7,8,9,及び10のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
    (d)配列番号11,12,13,及び14のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
    (e)配列番号15,16,17,及び18のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
    (f)配列番号19,20,21,及び22のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
    (g)配列番号23,24,25,及び26のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
    (h)配列番号27,28,29,及び30のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
    (i)配列番号31,32,33及び34のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも3種のプライマーセット;及び
    (j)配列番号35,36,37,及び38のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも1種のプライマーセット。
  13. 下記プライマーセットをすべて含むジャトロファの系統分類・識別キット。
    (a)配列番号1,2,及び3のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも1種のプライマーセット;
    (b)配列番号4,5,及び6のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
    (c)配列番号7,8,9,及び10のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
    (d)配列番号11,12,13,及び14のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
    (e)配列番号15,16,17,及び18のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
    (f)配列番号19,20,21,及び22のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
    (g)配列番号23,24,25,及び26のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
    (h)配列番号27,28,29,及び30のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも2種のプライマーセット;
    (i)配列番号31,32,33及び34のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも3種のプライマーセット;及び
    (j)配列番号35,36,37,及び38のプライマー、並びに前記各プライマーと3’端側15塩基において80%以上の配列同一性を有するプライマーからなる群より選ばれる少なくとも1種のプライマーセット。
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