JP2015045431A - 粉粒体の乾燥方法および竪型振動乾燥機 - Google Patents

粉粒体の乾燥方法および竪型振動乾燥機 Download PDF

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Shigekatsu Mori
滋勝 森
和也 曽我
Kazuya Soga
和也 曽我
康夫 徳光
Yasuo Tokumitsu
康夫 徳光
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講平 深谷
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Toshinori Kato
寿紀 加藤
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Abstract

【課題】竪型振動乾燥機を使用して、水分や溶剤を含浸した粉粒体を短時間で効率的に乾燥すること。
【解決手段】常圧および減圧運転の竪型振動乾燥機にガス吹込みノズルを取り付けて、粉粒体層内へガスを吹き込むことによって乾燥を促進する。ガス吹込みノズルの一例としては、乾燥容器15の上蓋16に固定したガス吹き込み直管部30の下部にガス吹き出し用の複数のノズル孔を開けた円環型ノズル29を取り付ける。粉粒体の乾燥は、蒸気または温水で加熱した本体壁面から粉粒体層Fに供給される熱により進行するが、円環型ノズル29のノズル孔からガスを層内へ吹き込むことにより、壁面と層間の伝熱を促進して乾燥効率を向上させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、竪型振動乾燥機を用いて粉粒体を乾燥する方法およびそれに使用する竪型振動乾燥機に関する。特に、減圧下で粉粒体を乾燥する場合に好適な乾燥方法及びそれに使用する竪型振動乾燥機に係る発明である。
竪型振動乾燥機11の一例を、先行技術文献の非特許文献1から引用した図1・2に基づいて説明する。図1は先行技術文献における竪型振動乾燥機「VU型」を組み込んだ減圧振動乾燥装置の流れ図、図2は同「VU型」の流動パターンに係るモデル図である。
竪型振動乾燥機11は、通常、略全面に加熱用ジャケット13を取り付けた乾燥容器(処理容器)15が、4個のスプリング17で支持されている。該乾燥容器15の下面には、2台の振動モータ19を前後面に備えた加振機(加振手段)21が取り付けられている。
上記乾燥容器15は、中央底壁に隆起部23が形成されて、底部にドーナツ状の乾燥処理帯25を備えている。該乾燥処理帯25に粉粒体原料を投入して、2台の振動モータ19により半楕円状の振動を乾燥容器15の底部から加えることにより、図2(A)・(B)に示す如く、乾燥処理帯25の粉粒体層Fは円周方向に旋回しながら半径方向に上下流動する。乾燥と同時に粉粒体層Fの混合も合わせて行う。本装置は常圧(101.325kPa)下だけではなく減圧下の乾燥操作にも適用できる(図1参照)。
上記タイプの竪型振動乾燥機11においては、加熱用ジャケット13に蒸気(スチーム)または温水を供給して加熱した容器壁面から粉粒体層Fに熱を供給することにより粉粒体の乾燥を行う。
昨今、上記タイプの振動乾燥装置において、生産性の見地から、加熱エネルギーを増大させずに、乾燥速度のさらなる向上が要望されるようになってきている。
しかし、当該要望に応えることができる技術は、本発明者らは、寡聞にして知らない。
なお、本発明の特許性に影響を与えるものではないが、関連する先行技術文献として、特許文献1・2等を挙げることができる。
特許文献1には、スラリー原料を乾燥処理するに際して、本発明と同様な処理容器内において、静置状態で行うペースト成形工程(1)と、加振状態で行う凝集塊生成工程(2)を経た凝集塊を、加振と束流のガス噴出とにより自生粉砕する技術が記載されている。
特許文献2は、温調ジャケットおよび減圧排気手段を具備して乾燥処理を行う密閉可能な処理容器と、該処理容器に傾斜ねじり振動を付与する加振手段とを備えている竪型振動乾燥機が記載されている。
特開2009−68740号公報 特開2011−7368号公報
商品カタログ「振動乾燥機Vibration Dryer」中央化工機株式会社、2012年6月発行、第3・7頁
本発明は、上記にかんがみて、竪型振動乾燥機を用いて粉粒体原料を乾燥処理するに際して、加熱エネルギーを増大させずに、乾燥速度のさらなる向上の要望に応えることができる粉粒体の乾燥方法およびそれに使用する竪型振動乾燥機を提供することを目的(課題)とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意開発に努力をした結果、下記構成の粉粒体の乾燥方法に想到した。
竪型振動乾燥機を用いて粉粒体を乾燥するに際して、
前記竪型振動乾燥機として、乾燥容器の中央底壁に隆起部が形成されて、底部にドーナツ状の乾燥処理帯を備えたものを使用し、
前記乾燥処理帯に前記隆起部を越える高さで、かつ、前記乾燥容器の内容量の50%以下の量の粉粒体原料を充填して粉粒体層を形成し、該粉粒体層の1/2〜1/5の高さ位置から、前記粉粒体層にジェット状の吹き抜けが発生しない流量以下のガスを吹き込みながら加振する、ことを特徴とする。
上記構成により、本発明の粉粒体の乾燥方法は、加熱エネルギーを増大させずに、粉粒体層の乾燥速度のさらなる向上の要望に応えることができる。すなわち、後述の試験例で示す如く、ガス吹き込みにより乾燥時間を短縮できるため生産性の向上をもたらすとともに、乾燥用に供給する熱量と振動モータの消費電力とを削減ができて、省エネルギーを達成することができる。
その理由は、下記の如くであると考えられる。
粉粒体層(被処理粉粒体)の乾燥速度は壁面と粉粒体層間の伝熱と粉粒体層の粒子運動による熱的混合状態によって支配される。該粉粒体層の粒子運動は処理容器に付加された振動によって励起される。該粉粒体(粒子)の励起状態は、振動による造粒作用や粒子の壁面付着作用に大きく影響される。これらの造粒作用や壁面付着作用により、粒子が円滑に転動して、他粒子との置換が円滑に行われないことがある。このため、壁面からの粉粒体層に対する伝導伝熱が均一とならず、乾燥速度が増大しない。なお、対流や放射による伝熱はほとんど発生せず無視できる。
特に、減圧下の乾燥においては、対流が殆ど発生しないこともあいまって、凝集(造粒)作用および壁面付着作用が発生しやすいとともに、通常、加熱設定温度を低く設定する。このため、加熱エネルギーを増大させることによる、乾燥速度の増大は困難である。
本発明で使用する竪型振動乾燥機「VU型」を組み込んだ減圧振動乾燥装置の流れ図である。 (A)、(B)は、同じく竪型振動乾燥機「VU型」における上面および縦断面から見た各粉粒体層の流動パターンに係るモデル図である。 本発明の方法に使用するガス吹き込みノズルを設置した竪型振動乾燥機の一例を示す概略断面図である。 (A)、(B)及び(C)は、本発明の方法で竪型振動乾燥機の処理室内に設置して使用するガス吹き込みノズルの各態様を示す概略斜視図である。 竪型振動乾燥機でシリカ粉体を乾燥したときのガス(空気)吹き込みの効果の比較を示した図である。 同じくアルミナ粉体を乾燥したときのガス(空気)吹き込みの効果の比較を示した図である。 同じく炭酸カルシウムを乾燥したときのガス(空気)吹き込みの効果の比較を示した図である。
以下、本発明の実施の一形態を、図1〜4を参照しながら説明する。
ここでは減圧(真空)振動乾燥を例に採り説明する。減圧振動乾燥は、高乾燥に際して温加熱が不要乃至低温加熱ですみ、耐熱性を有しない粉粒体(原料)にも適用できる。
図1は本発明で使用する竪型振動乾燥機を、溶剤の回収ができるように減圧型としたものの流れ図である。ここでは、減圧型を例に採り説明するが、本発明は、常圧型にも適用できる。
前述の如く、乾燥容器(処理容器)11において、4個のスプリング17で支持された乾燥容器15が、2台の振動モータ19を前後に備えた加振機21により、斜め上方に半楕円状の振動を付与される。これにより、乾燥容器15本体内部の粉粒体は円周方向に旋回しながら半径方向に上下流動し、乾燥と同時に粉粒体が混合(攪拌)される(図2参照)。
乾燥容器15は略全面に加熱用ジャケット13が取り付けてあり、蒸気または温水により内壁面から粉粒体層Fを加熱する。乾燥容器15内のガスは真空ポンプ26により排気され所定の圧力に保持される。排ガス中の蒸気(溶剤)はコンデンサー(冷却器)27で凝縮され、溶剤回収タンク28に回収される。このときの減圧度は、通常、大気圧の半分以下、具体的には、0.5〜50kPaの範囲から適宜選定する。被処理物(原料)の特性(材質、粒径、初期含水率、乾燥含水率等)、被処理量等により異なる。
ガス吹き込みノズルは、本実施形態では、図3および図4(A)に示す如く、小口径のノズル孔29aを所定ピッチで空けた円環パイプで形成した円環型ノズル29とした。通常、ノズル孔29aの方向は、粉粒体層にジェット状の吹き抜けが発生しないように下側方向とする。図例では真下に向いているが、水平方向から真下の間なら特に限定されない。即ち、ノズル孔29aは、水平方向から真下の間で内側・真下・外側方向の任意位置に所定ピッチで1個ずつ又は複数個ずつ設けることができる。
ガス吹き込みノズルの形態は、上記の円環型に限られない。例えば、図4(B)に示すような、細管が櫛状に配された櫛型ノズル31や、図4(C)に示すような、数本のL型直管が放射状に配された分岐多管型ノズル33が考えられる。これらのガス吹き込みノズルの形態は、乾燥する粉粒体の造粒性や付着性等に応じて選択し、最適に設計したものとする。
図3に示す如く、円環型ノズル29を、乾燥処理帯25の中間高さ位置に配する。具体的には、円環型ノズル29にガスを供給する直管部30の上端部30aを上蓋16の上方に突出させて固定させて円環型ノズル29を取り付ける。直管部30の上端30aには、図示しない、フレキシブルホースにより流量計を介してコンプレッサー26と接続する。
ここで、円環型ノズル29を上下動して吹込み高さを調節可能とすることが望ましい。
上記のように構成した竪型振動乾燥機の乾燥容器(処理容器)15の乾燥処理帯25に、隆起部23を超える高さで、かつ、前記乾燥容器15の内容量の50%(高さで約1/2)以下、望ましくは33%(高さで約1/3)以下の粉粒体原料(被乾燥物)を充填して粉粒体層Fを形成する。
続いて、該粉粒体層Fの1/2〜1/5、望ましくは1/3〜1/5の吹込み高さ位置から、粉粒体層にジェット状の吹き抜けが発生しない流量以下のガスを吹き込みながら加振する。
ここで、ガス吹込み位置が高すぎると、粉粒体層にジェット状の吹き抜けが発生しやすく、ガス吹き込み位置が低すぎると、ノズルと乾燥処理帯壁面間の粒子流れが阻害されやすい。
そして、ガスの吹き込み流量は、振動付与時における粉粒体層の粒子相互間をガスが通過するが、ジェット状のガスの吹き抜けが発生しない流量以下とする。ガスの吹込み流量は、通常、減圧振動乾燥装置の真空吸引量の1/10以下とする。そして、減圧粉粒体の粒径や凝集力(付着力)によって異なる。具体的には、乾燥容器15の乾燥処理帯25における内側断面積基準の平均流速にして、0.1〜2cm/s 、望ましくは0.2〜1.5cm/sの範囲から適宜選定することが望ましい。
なお、上記吹込みに使用するガスは、通常、乾燥空気とする。粉粒体原料が、酸化等を嫌うものである場合、窒素ガス等の不活性ガスとする。
こうすることにより、壁面からの粉粒体層に対する伝熱速度が向上する(特に粒子相互が凝集しやすく壁面付着作用が発生しやすい減圧下では)とともに、層内粒子の良好な混合が達成されることが期待できる。したがって、粉粒体層F内の均一な温度と含水率の分布が維持されるため、乾燥速度を改善することができる。
以下、本発明の効果を確認するために行った粉粒体の乾燥試験について説明する。本実施例では、吹込みガスは空気とした。
1)乾燥機は、中央化工機株式会社から上市されている「VU30型」竪型振動乾燥機を用いた。該竪型振動乾燥機の仕様を下記する。
乾燥容器(処理容器)・・・内径:30cm、内側断面積:707cm2、隆起部外径:8cm、隆起部高さ:9cm、環状部(処理部)断面積:657 cm2
加振手段・・・0.13kW振動モータ2台、回転数:1500min-1、全振幅:3mm
加熱手段・・・常圧下:150℃蒸気、減圧下:60℃温水
2)空気吹き込みノズルは円環状型を用い下記仕様のものとし、空気吹き込み高さは乾燥処理帯底面から10mm(粉粒体層高さの12%)とした。
円環中心径:155mm、パイプ内径:11.4mm(呼び径「8A」)、ノズル孔径:0.5mm、ノズル孔個数(ピッチ角度):12個(30°)
3)試料(粉粒体)は、表1の上段に示す各粒径・含水率を有するシリカ、アルミナおよび炭酸カルシウム(CaCO3)を準備した。そして、各試料を表示量投入した後、表示の吹き込み量で、空気(10℃)を吹き込んで常圧下及び減圧下で乾燥試験を行った。なお、比較のために、エア吹き込み無しの乾燥試験も同時に行った。また、減圧度は9〜110Torr(1.20〜14kPa)の範囲となるように設定した。減圧度は、開始時に吸引流量を調節して設定値とし、運転開始後は、吸引流量を増減することにより適宜調節する。
そして、各試料であるシリカ、アルミナ及びCaCO3についての乾燥試験で得られた、粉粒体層内温度の時間変化及び含水率の時間変化を、図5、図6及び図7にそれぞれ示す。
それらの結果から、粒子の種類によらず、下記傾向があることが分かる。
1)常圧で空気吹き込み無の場合:
試料投入後10〜20minで粉粒体層温度が水沸点の100℃付近まで上昇して乾燥もかなり進行する。その後、100℃付近の温度が維持されて乾燥が略完了後、温度が再度、壁温(加熱温度:150℃)に向かって上昇する。
2)常圧で空気吹き込み有の場合:
初期から乾燥が進行するが、60〜80℃付近で温度が維持されて乾燥が略完了後、温度が再度、温度が壁温(加熱温度:150℃)に向かって上昇する。
3)減圧で空気吹き込み無の場合:
粉粒体層温度が18Torr(2.4kPa)における沸点(21℃)付近で略一定値に維持されながら、乾燥が徐々に進行する。
4)減圧で空気吹き込み有の場合:
粉粒体層温度が徐々に上昇し、空気吹き込みの無い場合に比して、短時間で乾燥が終了する。
そして、その乾燥促進の理由は、下記の如くと考えられる。
粉粒体層の加振と同時に極少量の空気が吹き込まれることにより、前記接触する粒子相互の付着凝集化および壁面付着化が阻止される。したがって、乾燥容器壁面からの粉粒体層に対する伝導伝熱効率が向上して乾燥効率が増大する。
次に、各試験例における乾燥速度の解析は、次の手順で行った。以下において、「顕熱量」、「潜熱量」および「伝熱量」は、いずれも時間次元(s-1)を含む、単位時間当たり熱量である。
定率(恒率)乾燥状態(含水率の変化率が小さくなった状態)における、粉粒体層内温度をTb、空気の入り口温度をTgとしたとき、吹き込み空気の層貫通空気顕熱量qaは、(1)式で与えられる。
a=ρg・Q・Cp(Tb−Tg) (1)
但し、ρg:空気密度、Q:空気流量、Cp:空気比熱
流出空気が蒸気飽和状態で流出すると仮定し、そのときの飽和蒸気量(粉粒体層内温度Tbにおける)をa、蒸発潜熱をLbとすれば、空気介在水蒸気潜熱量qafは、(2)式で与えられる。
af=Q・a・Lb (2)
また、粉粒体層内の粉粒体質量をWp、含水率をf、運転時間をtとすれば、蒸発速度Rtは(3)式で与えられ、さらに、全水蒸気潜熱量qt1は(4)式で与えられる。
t=−Wp(df/dt) (3)
t1=Rt・Lb (4)
したがって、空気に同伴されない粉粒体層Fの層貫通水蒸気潜熱量qvは(5)式で与えられる。
v=qt1−qaf (5)
ここで、前記(2)式から推算されるqafの値がqaf≧qt1の場合、qaf=qt1としてqv=0とする。また、同じくqafの値がqaf<qt1の場合、qvは(5)式で与えられる。
そして熱収支から、壁面からの伝熱量qwは、(6)式で与えられるとともに、壁温度をTw、壁面伝熱係数をhwp、壁伝熱面積をAwとすれば(7)式で与えられる。
w=qt1+qa (6)
wp1=qw/(Aw(Tw−Tb)) (7)
前記乾燥試験の結果を使用して、推算した空気吹き込み有における下記各パラメータ値を求めた。
a:層貫通空気顕熱量、
af:空気介在水蒸気潜熱量
v:層貫通水蒸気潜熱量
t1:全水蒸気潜熱量
wp1:壁面伝熱係数
同時に、減圧で空気吹き込み無の場合の全水蒸気潜熱量qt2と壁面伝熱係数hwp2とを同様にして求めた。
そして、全水蒸気潜熱量比qt1/qt2、及び、壁面伝熱係数比hwp1/hwp2を求めて、空気吹き込みの効果を確認した。
Figure 2015045431
常圧の場合のシリカとアルミナは、前記から層貫通水蒸気潜熱量qv=0であるため、空気同伴水蒸気潜熱量qafと全水蒸気潜熱量qt1とは等しくなる。
炭酸カルシウムについては、空気吹き込み量が11.5L/minと小さいため、qafの値も26%程度まで低下し、層貫通蒸気潜熱量qvの方が支配的となっている。しかし、空気吹き込みによる乾燥速度の上昇は余り顕著とならない。
常圧下では、壁面加熱温度を120〜160℃としても、粉粒体層Fの温度を100℃の沸点に保持して十分大きな乾燥速度とすることができる。このため、空気吹き込みによる効果は顕著ではない。
減圧下では、粉粒体層F中の飽和蒸気量が大幅に低下するため、空気介在水蒸気潜熱量qafは大幅に減少し、粉粒体層Fを貫通する水蒸気潜熱量qvは全水蒸気潜熱量qt1と近似して、空気吹き込みによる蒸発効果(乾燥効果)は無視し得る。しかし、空気吹き込み有の場合、全水蒸気潜熱量qt1は空気吹き込み無の場合の全水蒸気潜熱量qt2に比して顕著に増大する。これは、壁面伝熱係数が顕著に増大し、乾燥速度が増大するためである。
このように減圧の場合には、ガス吹き込みにより乾燥時間を大幅に短縮できるため生産性の向上をもたらすとともに、乾燥用に供給する熱量と振動モータの消費電力とを削減出来るため顕著な省エネルギーを達成することができる。
次に、シリカの減圧乾燥において空気吹き込み有の場合を例に採り、実際の計算の手順を説明する。
なお、各パラメータ値は下記の通りとした。
ρg(密度):1.3kg/m3、Cp(比熱):1kJ/(kg・K)、Tg(空気吹き入口温度):10℃、Lb(水蒸発潜熱):2.17×103kJ/kg、a(粉粒体層内温度の飽和蒸気量):0.017kg/m3、Tb(粉粒体層温度):17℃、Tw(壁温度):60℃、Q(空気流量):46L/min=0.77×10-3m3/s(標準状態)、Aw(壁面積)0.135m2
ここで、
空気顕熱量qa=ρg・Q・Cp(Tb−Tg
=1.3kg/m3・0.77×10-3m3/s・1kJ/(kg・℃)・(17℃-10℃)
=7.007×10-3kJ/s
空気介在水蒸気潜熱量qaf=Q・a・Lb
=0.77×10-3m3/s・0.017kg/m3・2.17×103kJ/kg
=2.84×10-2kJ/s
となる。
そして、Wp=3.4kg、図5(B)より(−df/dt)=0.867×10-4/s、であるから、
t(蒸発速度)=−Wp(df/dt)
=3.4kg・0.867×10-4/s
=2.95×10-4kg/s
全水蒸気潜熱量qt1=Rt・Lb
=2.95×10-4kg/s・2.17×103 kJ/kg
=6.40×10-1 kJ/s
粉粒体層を突抜ける水蒸気潜熱量qv=qt1−qaf
=6.4×10-1kJ/s−2.84×10-2kJ/s
=6.11kJ/s
壁面からの伝熱量qw=qt1+qa
=6.40×10-1 kJ/s−7.007×10-3kJ/s
≒qt1
壁面伝熱係数数hwp1=qw/(Aw(Tw−Tb))
=6.40×10-1kJ/s÷(0.135m2(60℃−17℃))
=0.11kJ/(m2・s・K)
となる。
これに対して、減圧乾燥において空気吹き込み無の場合、空気顕熱量qa及び空気介在水蒸気潜熱量qafはともに、0kJ/sとなる。
そして、Wp=3.4kg、図5(B)より(−df/dt)=0.261×10-4/s、であるから、
蒸発速度Rt=−Wp(df/dt)
=3.4kg・0.261×10-4/s
=0.89×10-4kg/s
全水蒸気潜熱量qt2=Rt・Lb
=0.89×10-4kg/s・2.17×103 kJ/kg
=1.93×10-1 kJ/s
粉粒体層を突抜ける水蒸気潜熱量qv=qt2−qaf
=1.93×10-1 kJ/s−0kJ/s
=1.93×10-1 kJ/s
壁面からの伝熱量qw=qt2+qa
=1.93×10-1 kJ/s+0kJ/s
=1.93×10-1 kJ/s
壁面伝熱数hwp2=qw/(Aw(Tw−Tb))
=1.93×10-1kJ/s÷(0.135m2(60℃−23℃))
=0.039kJ/(m2・s・K)
となる。
上記から減圧下における空気吹き込み有に対する空気吹き込み無の場合の吹込み効果は下記の如くになる。すなわち、全水蒸気潜熱量比及び壁面伝熱係数比ともに3倍前後であり、吹込み効果が顕著であることが分かる。
全水蒸気潜熱量比qt1/qt2
=6.40×10-1 kJ/s÷1.93×10-1 kJ/s
=3.32
壁面伝熱係数比hwp1/hwp2
=0.110kJ/(m2・s・K)÷0.039kJ/(m2・s・K)
=2.82
11 竪型振動乾燥機
13 ジャケット
15 乾燥容器
23 隆起部
25 乾燥処理帯
F 粉粒体層

Claims (5)

  1. 竪型振動乾燥機を用いて粉粒体を乾燥するに際して、
    前記竪型振動乾燥機として、乾燥容器の中央底壁に隆起部が形成されて、底部にドーナツ状の乾燥処理帯を備えたものを使用し、
    前記乾燥処理帯に前記隆起部を超える高さで、かつ、前記乾燥容器の内容量の50%以下の量の粉粒体原料を充填して粉粒体層を形成し、該粉粒体層の1/2〜1/5の高さ位置から、前記粉粒体層にジェット状の吹き抜けが発生しない流量以下のガスを吹き込みながら加振する、
    ことを特徴とする粉粒体の乾燥方法。
  2. 前記竪型振動乾燥機を、減圧振動乾燥装置とするとともに、ガス吹き込み流量を、前記減圧振動乾燥装置の真空吸引量の1/10以下とすることを特徴とする請求項1記載の粉粒体の乾燥方法。
  3. 請求項1又は2記載の粉粒体の乾燥方法に使用する竪型振動乾燥機であって、前記乾燥処理帯の中間高さ位置にガス吹き込みノズルが配されていることを特徴とする竪型振動乾燥機。
  4. 前記ガス吹き込みノズルの配置形態が、円環型、分岐多管型又は櫛型のいずれかであることを特徴とする請求項3記載の竪型振動乾燥機。
  5. 前記ガス吹き込みノズルが上下動されて吹き込み高さを調節可能とされていることを特徴とする請求項4記載の竪型振動乾燥機。
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