JP2015045201A - 水切部材用ジョイント部材及び水切部材の連結構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】部材コストの増大等を招くことなく、しかも水切部材の見栄えが損なわれるのを抑制しながら、作業工数の増大を抑制することができる水切部材用ジョイント部材及び水切部材の連結構造を提供する。【解決手段】横並びで隣り合って設けられる水切部材同士はジョイナ部材40によって互いに連結される。ジョイナ部材40は、隣り合う各水切部材のうち一方の水切部材の水切板部の裏面に設けられる第1裏板部57と、他方の水切部材の水切板部の裏面に設けられる第2裏板部58とを有している。各裏板部57,58には、それぞれその下側部分に上側部分に対して切り離し可能とされた切り離し部71,72が設けられている。ジョイナ部材40には、切り離し部71,72の周縁部に沿って溝部65〜67が形成されており、その溝部65〜67の破断によって当該切り離し部71,72が切り離し可能とされている。【選択図】 図4
Description
本発明は、水切部材用ジョイント部材及び、そのジョイント部材により隣り合う水切部材同士を連結する水切部材の連結構造に関する。
住宅等の建物では、その外周部に沿って水切部材が設けられている。水切部材は、建物外周部に沿って複数並べて設けられ、例えば外壁パネルの下端部に対して取り付けられている。隣り合う水切部材同士はジョイナ部材により互いに連結されている(例えば特許文献1参照)。ジョイナ部材は、隣り合う水切部材の裏面に跨がって配設され、その配設状態で各水切部材を互いに連結している。このジョイナ部材により、隣り合う水切部材間の隙間が塞がれるとともに、それら水切部材同士の間で屋内外方向のずれが生じるのが抑制されるため、水切部材間の境界部にて外観が損なわれるのを抑制することができる。
ところで、建物には、水切部材として、上下に延びる水切板部の上下寸法(高さ寸法)が互いに異なる複数種類(例えば2種類)の水切部材が設けられる場合がある。例えば、玄関前に玄関ポーチが設けられている建物では、水切部材が、建物外周部のうち玄関ポーチに隣接する部分(以下、ポーチ隣接部という)においては基礎上に配置され、それ以外の部分(以下、一般部という)においては基礎よりも屋外側に配置される場合がある。この場合、ポーチ隣接部においては、水切部材(水切板部)の下端が基礎の天端よりも高い位置に設定され、一般部においては、基礎の天端よりも低い位置に設定される。そのため、ポーチ隣接部では、水切板部の上下寸法が比較的小さい小サイズの水切部材が用いられ、一般部では、水切板部の上下寸法が比較的大きい大サイズの水切部材が用いられる。
このように、大小サイズの異なる2種類の水切部材が用いられる場合、ジョイナ部材も、それに応じて大小サイズの異なる2種類のジョイナ部材が用いられる。つまり、ジョイナ部材として、大サイズの水切部材同士を連結する大サイズのジョイナ部材と、小サイズの水切部材同士を連結する小サイズのジョイナ部材とが用いられる。この場合、大サイズのジョイナ部材は、大サイズの水切部材の水切板部の上下寸法に対応する上下寸法を有しており、小サイズのジョイナ部材は、小サイズの水切部材の水切板部の上下寸法に対応する上下寸法を有している。
ところで、水切部材として、サイズの異なる2種類の水切部材が設けられる上述の構成では、それらサイズの異なる水切部材同士が互いに隣り合う部分が存在する。ここで、これらサイズの異なる水切部材同士をジョイナ部材により連結するに際しては、例えば大サイズのジョイナ部材を用いて連結することが考えられる。しかしながら、その場合、ジョイナ部材の一部が小サイズの水切部材から下方にはみ出してしまうため、そのはみ出し部分を現場で切除する作業が発生しうる。この作業は、はみ出し部分の外縁に沿ってジョイナ部材を切削工具等できれいに切断する等の手間のかかる作業となることが考えられ、作業工数の著しい増大を招くおそれがある。
一方、小サイズのジョイナ部材を用いてサイズの異なる水切部材同士を連結する場合には、大サイズの水切部材の水切板部の下部裏面にジョイナ部材を配置することができないため、当該水切部材の裏当てが不十分となって、当該水切部材に屋内外方向への撓みや変形が生じるおそれがある。その場合、水切部材間に屋内外方向へのずれが発生し、水切部材の見栄えが損なわれるおそれがある。
そこで、大サイズ及び小サイズのジョイナ部材に加えて、サイズの異なる水切部材同士を連結する専用のジョイナ部材を別途用意することが考えられる。かかる専用のジョイナ部材は、例えば、左半分を大サイズの水切部材の水切板部に対応した上下寸法で、右半分を小サイズの水切部材の水切板部に対応した上下寸法で形成することが考えられる。しかしながら、その場合、ジョイナ部材の種類が増えることになるため、部材コストの増大や部材管理の煩雑化等を招くおそれがあり好ましくない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、部材コストの増大等を招くことなく、しかも水切部材の見栄えが損なわれるのを抑制しながら、作業工数の増大を抑制することができる水切部材用ジョイント部材及び水切部材の連結構造を提供することを主たる目的とするものである。
上記課題を解決すべく、第1の発明の水切部材用ジョイント部材は、上下方向に延びる水切板部を有する水切部材が建物外周部に沿って複数設けられており、前記水切部材として、第1水切部材と、その第1水切部材よりも前記水切板部の上下寸法が小さくされていることで下端部が前記第1水切部材よりも高い位置にある第2水切部材とを備える建物に適用され、隣り合う前記水切部材同士を互いに連結する水切部材用のジョイント部材であって、板状をなすとともに、隣り合う前記各水切部材の前記水切板部の裏面に跨がって設けられるジョイント本体を備え、前記ジョイント本体は、前記隣り合う各水切部材のうち一方の水切部材の前記水切板部の裏面に設けられる第1裏板部と、他方の水切部材の前記水切板部の裏面に設けられる第2裏板部とを有しており、前記第1裏板部と前記第2裏板部とはいずれも前記第1水切部材の前記水切板部の上下寸法に対応する上下寸法を有しており、前記第1裏板部及び前記第2裏板部のうち少なくともいずれか一方の裏板部では、当該裏板部の上下寸法を前記第2水切部材の前記水切板部の上下寸法に対応させるべく、その下側部分が上側部分に対して切り離し可能とされた切り離し部となっており、前記ジョイント本体には、前記切り離し部の周縁部に沿って破断部が形成されており、その破断部による破断によって当該切り離し部が前記切り離し可能とされていることを特徴とする。
本発明のジョイント部材は、そのジョイント本体の第1裏板部及び第2裏板部がいずれも第1水切部材(大サイズの水切部材)の水切板部の上下寸法に対応する上下寸法を有しているため、基本的には、隣り合う第1水切部材同士を連結する大サイズのジョイント部材として利用されるものとなっている。そして、本発明では、かかる大サイズ用のジョイント部材において、ジョイント本体の第1裏板部及び第2裏板部のうち少なくともいずれか一方の裏板部に切り離し部が設けられ、その切り離し部が切り離されることにより、当該一方の裏板部の上下寸法が第2水切部材(小サイズの水切部材)の水切板部の上下寸法に対応する寸法となるようになっている。したがって、この切り離し状態において、当該一方の裏板部を第2水切部材の水切板部の裏面に配置し、他方の裏板部を第1水切部材の水切板部の裏面に配置すれば、第1水切部材及び第2水切部材を互いに連結することが可能となる。
この場合、第1水切部材同士を連結するためのジョイント部材を、第1水切部材及び第2水切部材の連結にも兼用できるため、ジョイント部材の種類が増えるのを抑制することができ、その結果部材コストの増大や部材管理の煩雑化等の不都合の発生を抑制することができる。また、かかる連結状態では、第1水切部材及び第2水切部材の各水切板部がそれぞれ十分に裏当てされるため、各水切板部の屋内外方向へのずれを抑制することができ、その結果水切部材の見栄えが損なわれるのを抑制することができる。さらに、切り離し部は、その周縁部に沿って形成された破断部の破断によって容易に切り離すことができるため、作業工数の増大を抑制することができる。よって、以上より、部材コストの増大等を招くことなく、しかも水切部材の見栄えが損なわれるのを抑制しながら、作業工数の増大を抑制することができる。
第2の発明の水切部材用ジョイント部材は、第1の発明において、前記第1裏板部及び前記第2裏板部のそれぞれに、前記破断部により切り離し可能とされた前記切り離し部が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、ジョイント本体の第1裏板部及び第2裏板部のそれぞれに、破断部により切り離し可能とされた切り離し部が設けられているため、それら各裏板部のいずれについても、対応する切り離し部を切り離すことで、その上下寸法を第2水切部材の水切板部の上下寸法に対応した寸法とすることができる。したがって、サイズの異なる第1水切部材及び第2水切部材が、(大サイズの)第1水切部材を右側、(小サイズの)第2水切部材を左側として並んでいる場合にも、それとは逆に、第1水切部材を左側、第2水切部材を右側として並んでいる場合にも、それら両水切部材を連結することが可能となり、より使い勝手のよいものとすることができる。
第3の発明の水切部材用ジョイント部材は、第2の発明において、前記破断部として、前記各裏板部の前記切り離し部の境界部に沿って延びる第1破断部を有しており、前記第1破断部は、前記ジョイント本体における幅方向の中央部に位置していることを特徴とする。
本発明によれば、各裏板部の切り離し部の境界部に沿って延びる第1破断部が、ジョイント本体における幅方向の中央部に位置しているため、第1裏板部の切り離し部を切り離した場合と、第2裏板部の切り離し部を切り離した場合とで、ジョイント本体の形状を左右対称とすることができる。これにより、第1水切部材と第2水切部材とが、第1水切部材を右側、第2水切部材を左側として並んでいる場合にも、それとは逆に第1水切部材を左側、第2水切部材を右側として並んでいる場合にも、同様の裏当て状態で両水切部材を連結することができる。
第4の発明の水切部材用ジョイント部材は、第1乃至第3のいずれかの発明において、前記破断部は、前記ジョイント本体の板面に形成され、前記切り離し部の周縁部に沿って延びる溝部であることを特徴とする。
本発明によれば、ジョイント本体の板面に形成された溝部に沿ってカッタ等の刃物を動かす等してジョイント本体を容易に破断することができる。そのため、切り離し部の切り離し作業を容易に行うことができる。
第5の発明の水切部材用ジョイント部材は、第1乃至第4のいずれかの発明において、前記ジョイント本体は、前記水切部材の前記水切板部の屈曲形状に対応して屈曲形成されており、前記ジョイント本体には、その屈曲部に沿って前記破断部が形成されていることを特徴とする。
水切部材では、その水切板部が屈曲された屈曲形状を有している場合が多い。その場合、その水切板部の裏面に配置されるジョイント本体は、水切板部の屈曲形状に対応して屈曲形成されることになる。そこで本発明では、かかる構成にあって、ジョイント本体に形成された屈曲部に沿って破断部を形成している。この場合、ジョイント本体を屈曲部に沿って曲げる等することで、比較的簡単に破断部による破断を行うことが可能となる。
第6の発明の水切部材用ジョイント部材は、第1乃至第5のいずれかの発明において、前記破断部として、前記各裏板部の境界部に沿って延びる第2破断部を有しており、前記第2破断部は、前記ジョイント本体における前記水切板部との対向面に形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、ジョイント本体において第1裏板部及び第2裏板部の境界部に沿って延びる第2破断部が、ジョイント本体における水切板部との対向面(換言すると外側面)に形成されているため、隣り合う第1水切部材同士をジョイント部材により連結する際、それら第1水切部材の各水切板部間の隙間を通じて第2破断部を視認することができる。そのため、第2破断部をその第1水切部材間の隙間に位置合わせすることで、ジョイント部材を所定の位置(例えば隣り合う第1水切部材に対して左右均等となる位置)に容易に配置することが可能となり、その結果ジョイント部材を所定位置から位置ずれした状態で取り付けてしまうといった不都合の発生を防止することができる。
第7の発明の水切部材用ジョイント部材は、第6の発明において、前記ジョイント本体における前記切り離し部よりも上側の部分において、その前記対向面には、前記各裏板部の境界部となる位置に位置決め部が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、ジョイント本体における切り離し部よりも上側の部分に、さらに位置決め部が設けられている。この位置決め部は、第2破断部と同様、各裏板部の境界に位置しているため、隣り合う第1水切部材をジョイント部材により連結する際には、第1水切部材間の隙間を通じて視認することができる。この位置決め部は、第2破断部よりも高い位置にあるため視認がし易く、そのためこの位置決め部を用いてジョイント部材の位置合わせをすれば、ジョイント部材を所定位置により一層容易に配置することが可能となる。
第8の発明の水切部材の連結構造は、第1乃至第7のいずれかの発明の水切部材用ジョイント部材により隣り合う前記水切部材同士を連結する水切部材の連結構造であって、前記ジョイント部材は、少なくとも前記第1裏板部に前記切り離し部を有するものであって、その切り離し部が切り離される前の前記ジョイント部材を切り離し前ジョイント部材、その切り離し部が切り離された後の前記ジョイント部材を切り離し後ジョイント部材とした場合に、隣り合う前記第1水切部材同士は、前記切り離し前ジョイント部材により互いに連結されており、その連結状態において当該ジョイント部材の各裏板部がそれぞれ前記各第1水切部材の前記水切板部の裏面に配置されており、隣り合う前記第1水切部材及び前記第2水切部材は、前記切り離し後ジョイント部材により互いに連結されており、その連結状態において当該ジョイント部材の前記第1裏板部が前記第2水切部材の前記水切板部の裏面に配置され、当該ジョイント部材の前記第2裏板部が前記第1水切部材の前記水切板部の裏面に配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、第1乃至第7の発明と同様の効果を水切部材の連結構造として奏することができる。
以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、図1は建物全体を示す平面図である。
図1に示すように、建物10には玄関11が設けられている。玄関11には玄関口12が設けられており、その玄関口12には玄関ドア13が設けられている。玄関11の屋外側には玄関ポーチ15が設けられている。玄関ポーチ15は、玄関口12を介して玄関11と通じている。
玄関ポーチ15には、その床面を形成するポーチ床部16が設けられている。ポーチ床部16は、土間コンクリート17やモルタル18等(図5参照)を有して構成され、その床面16aが地盤面に対して高い位置に設定されている。
続いて、建物10の外周部に設けられる水切部材の構成について説明する。水切部材は、建物10の外周部に沿って横並びで複数設けられており、本建物10では、水切部材として、水切板部の上下寸法(高さ寸法)が互いに異なる大小2種類の水切部材が用いられている。基本的に、建物外周部のうち玄関ポーチ15に隣接するポーチ隣接部以外の部位(以下、一般部という)では大サイズの水切部材が用いられ、ポーチ隣接部では小サイズの水切部材が用いられている。そこでまず、一般部に設けられる水切部材の構成について図2及び図3に基づいて説明する。図2は、一般部における水切部材及びその周辺の構成を示す縦断面図であり、図3は、一般部において水切部材が横並びで設けられた状態を示す斜視図である。なお、図2は図1のA−A線断面図に相当する。
図2に示すように、基礎21は建物外周部に沿って設けられており、その天端21a上には建物ユニットの床大梁23が設けられている。床大梁23は、基礎21に沿って延びており、その床大梁23の屋外側には外壁パネル25が固定されている。外壁パネル25は、建物外周部に沿って複数並設されており、それら複数の外壁パネル25によって建物10の外壁が構成されている。
外壁パネル25は、屋外面を形成する外壁面材26と、その裏面側(屋内面側)に取り付けられた外壁フレーム27とを有している。外壁面材26は、窯業系サイディング等の外装材により形成されている。外壁フレーム27は、断面コ字状の軽量鉄骨材からなる複数のフレーム材が矩形枠状に連結されることにより形成されている。外壁フレーム27は、外壁面材26の下端部に沿って延びる下フレーム材27aを有しており、その下フレーム材27aが床大梁23に対してボルト29により固定されている。
外壁面材26の下方には、水切部材30が設けられている。水切部材30は、図3に示すように、アルミニウム等の金属材料により長尺状に形成されており、その横断面(長手方向に対して直交する方向の断面)が長手方向全域に亘って同一形状とされている。水切部材30は、外壁面材26の下端(横幅方向)に沿って延びるように配置されており、下フレーム材27aにおいて外壁面材26の下端よりも下方にはみ出したはみ出し部28に固定されている。なお、水切部材30が第1水切部材に相当する。
水切部材30は、はみ出し部28にビス45により取り付けられた取付板部31と、取付板部31の下端部から屋外側へ延びる横板部32と、横板部32の屋外側端部から下方に延びる上側縦板部33と、上側縦板部33の下端部付近から屋内側へ延びる段差板部34と、段差板部34の屋内側端部から下方へ延びる下側縦板部35とを有する。この場合、水切部材30は、上下に段違いで配置された2つの縦板部33,35を有しており、それによって意匠性が高められている。
下側縦板部35は、基礎21よりも屋外側において基礎21の天端21aよりも下方へと延びている。これにより、基礎21の天端21aと外壁パネル25(外壁面材26)の下端との隙間が水切部材30によって屋外側から覆われており、当該隙間を通じた雨水等の床下への入り込みが防止されている。また、下側縦板部35の下端付近には鼠返し板部36が設けられている。鼠返し板部36は、基礎21(立ち上がり部)の屋外側面へ向けて延びており、その屋外側面と所定の隙間を隔てて配置されている。
水切部材30は、取付板部31を挟んで横板部32と上下に対向する対向板部37をさらに有している。それら対向する横板部32及び対向板部37の間には、それら両者32,37間を屋外側から閉塞するように長尺状のキャップ38が嵌め込まれている。このキャップ38により、水切部材30取付用のビス45が屋外側から覆い隠されている。
なお、本水切部材30では、取付板部31から下方に延びる部分、すなわち横板部32、上側縦板部33、段差板部34及び下側縦板部35により水切板部が構成されている。
隣り合う水切部材30同士はジョイナ部材40によって互いに連結されている。以下、ジョイナ部材40の構成について図2及び図3に加え、図4を参照しながら説明する。なお、図4は、ジョイナ部材40の構成を示す斜視図である。また、ジョイナ部材40は、後述するように、その一部が切り離し可能に形成されており、(a)がジョイナ部材40についてその一部を切り離していない切り離し前の状態を示しており、(b)がその一部を切り離した切り離し後の状態を示している。
図2〜図4(a)に示すように、ジョイナ部材40は、耐候性に優れた樹脂材料により所定幅(一定幅)を有した板状に形成されており、その上下寸法(高さ寸法)が水切部材30の水切板部の上下寸法(高さ寸法)に対応した大きさとなっている。ジョイナ部材40は、隣り合う各水切部材30の裏面(内側面)に跨がって設けられており、水切部材30の裏面に沿って屈曲された屈曲形状を有している。ちなみに、ジョイナ部材40を仮に平面状に展開した場合、その展開形状は長方形状となる。なお、ジョイナ部材40が、水切部材用ジョイント部材に相当する。
ジョイナ部材40は、隣り合う水切部材30における各横板部32の裏面に跨がって設けられる横板部41と、その横板部41の屋外側端部から下方に延びるとともに各上側縦板部33の裏面に跨がって設けられる上側縦板部42と、上側縦板部42の下端部から屋内側に延びるとともに各段差板部34の裏面に跨がって設けられる段差板部43と、段差板部43の屋内側端部から下方に延びるとともに各下側縦板部35の裏面に跨がって設けられる下側縦板部44とを有する。なお、これら各板部41〜44によってジョイント本体が構成されている。
ジョイナ部材40は、その左半分(幅方向の左半分)が一方の水切部材30の裏面に配置され、その右半分(幅方向の右半分)が他方の水切部材30の裏面に配置されている。つまり、ジョイナ部材40は、隣り合う各水切部材30に対して左右均等に配置されている。以下の説明では、ジョイナ部材40において、一方の水切部材30の裏面に配置される部分を第1裏板部57、他方の水切部材30の裏面に配置される部分(右側半分の部分)を第2裏板部58ともいう。この場合、第1裏板部57と第2裏板部58との境界部はジョイナ部材40の幅方向中央部に位置している。
ジョイナ部材40は、その上下両端部においてそれぞれ各水切部材30に結合されている。ジョイナ部材40は、その横板部41の屋内側端部(被結合部)が各水切部材30の横板部32の裏面側にそれぞれ設けられた結合部46に結合されており、下側縦板部44の下端部(被結合部)が各水切部材30の下側縦板部35の裏面側にそれぞれ設けられた結合部47に結合されている。
結合部46は、横板部32から下方に若干延びてそれから屋外側へさらに延びることで、横板部32との間に屋外側に開口された溝部48を形成しており、その溝部48に横板部41の屋外側端部が挿し込まれることで当該端部が結合部46に結合されている。一方、結合部47は、鼠返し板部36から上方に延びることで、下側縦板部35との間に上方に開口された溝部49を形成しており、その溝部49に下側縦板部44の下端部が挿し込まれることで当該端部が結合部47に結合されている。このようにして、ジョイナ部材40が隣り合う各水切部材30にそれぞれ結合され、その結果隣り合う水切部材30同士がジョイナ部材40を介して互いに連結されている。
水切部材30の裏側には、防鼠部材39が設けられている。防鼠部材39は、水切部材30と同方向に延びる長尺状をなしており、その上端部が下フレーム材27aのはみ出し部28に対して固定されている。詳しくは、防鼠部材39の上端部は、はみ出し部28と水切部材30の取付板部31との間に挟み込まれ、その挟み込み状態で水切部材30とともに共通のビス45によりはみ出し部28に固定されている。
防鼠部材39は、はみ出し部28に対する固定部分から下方へと延びており、その下端部が基礎21の天端21aに接触している。この場合、基礎21の天端21aと外壁パネル25の下端部との隙間が防鼠部材39により閉鎖されており、その隙間を通じた鼠等の小動物の床下への侵入が防止されている。なお、図示は省略するが、防鼠部材39には、複数の通気孔が形成されている。
続いて、ポーチ隣接部に設けられる水切部材の構成について図5に基づいて説明する。なお、図5は、ポーチ隣接部における水切部材及びその周辺の構成を示す縦断面図であり、図1のB−B線断面図に相当する。また、以下の説明では、一般部における水切部材30(及びその周辺構成)と共通する構成についてはその説明を割愛する。
図5に示すように、玄関ポーチ15では、ポーチ床部16が基礎21に隣接して設けられている。ポーチ床部16は、土間コンクリート17と、その上側に設けられたモルタル18とを有して構成されている。モルタル18の上面はポーチ床部16の床面16aとなっており、その床面16aは基礎21の天端21aよりも高い位置に設定されている。なお、モルタル18は、基礎21の天端21aよりも高い位置にある部分が一部天端21a上にはみ出している。
ポーチ隣接部では、基礎21が外壁面材26の下方に配設されており、その外壁面材26と基礎21の天端21aとの間に水切部材50が設けられている。水切部材50は、水切部材30と同様、アルミニウム等の金属材料により長尺状に形成されており、その横断面(長手方向に対して直交する方向の断面)が長手方向全域に亘って同一形状とされている。水切部材50は、外壁面材26の下端(横幅方向)に沿って延びるように配置され、下フレーム材27aのはみ出し部28に対して固定されている。なお、水切部材50が第2水切部材に相当する。
水切部材50は、基礎21の天端21a上に配置されている関係で、水切板部の上下方向の長さが上記の水切部材30よりも短くなっている。水切部材50は、概ね、水切部材30から段差板部34、下側縦板部35及び鼠返し板部36を取り除いた形状を有しており、具体的には、はみ出し部28に対してビス45により取り付けられた取付板部51と、取付板部51の下端部から屋外側へ延びる横板部52と、横板部52の屋外側端部から下方に延びる縦板部53とを有して構成されている。
なお、本水切部材50では、取付板部51から下方に延びる部位、すなわち横板部52及び縦板部53により水切板部が構成されている。
隣り合う水切部材50同士はジョイナ部材60によって互いに連結されている。ジョイナ部材60は、耐候性に優れた樹脂材料によりL字状に形成され、その上下寸法(高さ寸法)が水切部材50の水切板部の上下寸法(高さ寸法)に対応した大きさとなっている。ジョイナ部材60は、隣り合う各水切部材50の裏面(内側面)に跨がって設けられている。
ジョイナ部材60は、隣り合う水切部材50の各横板部52の裏面に跨がって設けられる横板部61と、各縦板部53の裏面に跨がって設けられる縦板部62とを有する。ジョイナ部材60は、その横板部61の屋外側端部が各水切部材50の横板部52の裏面側に設けられた結合部63に結合されており、その縦板部62の下端部が各水切部材50の縦板部53の裏面側に設けられた結合部64に結合されている。これによって、ジョイナ部材60は隣り合う各水切部材50に対してそれぞれ結合され、その結果隣り合う水切部材50同士がジョイナ部材60を介して互いに連結されている。
ところで、水切部材として、水切板部の高さが異なる2種類の水切部材30,50が用いられている上述の構成では、それら各水切部材30,50同士が隣り合って配置される部分が存在する。ここで、それら各水切部材30,50同士をジョイナ部材で連結するに際しては、例えば水切部材30用の(大サイズの)ジョイナ部材40を用いて連結することが考えられる。しかしながら、その場合、ジョイナ部材40の一部が小サイズの水切部材50から下方にはみ出してしまうため、そのはみ出し部分を現場で切除する作業が発生しうる。この作業は、はみ出し部分の外縁に沿ってジョイナ部材40を切削工具等できれいに切断する等の手間のかかる作業となることが考えられ、作業工数の著しい増大を招くおそれがある。
その一方で、水切部材50用の(小サイズの)ジョイナ部材60を用いて、各水切部材30,50同士を連結する場合には、大サイズの水切部材30の水切板部の下部裏面にジョイナ部材60を配置することができないため、水切部材30の裏当てが不十分となって、水切部材30に屋内外方向への撓みや変形が生じるおそれがある。その場合、水切部材30,50間に屋内外方向へのずれが発生し、水切部材30,50の見栄えが損なわれるおそれがある。
そこで本実施形態では、これらの問題に対する対策として、水切部材30用のジョイナ部材40に特徴的な構成を設けており、そのジョイナ部材40を用いてサイズ違いの水切部材30,50同士を好適に連結できるようにしている。以下、ジョイナ部材40が有する特徴的構成について説明する。なお、以下の説明では、ジョイナ部材40の設置状態を基準として、横幅方向、上下方向及び屋内外方向を言う。
図4(a)に示すように、ジョイナ部材40の表面40a(外側面)、換言するとジョイナ部材40において水切部材30の裏面(内側面)と対向する対向面には複数の溝部65〜67が形成されている。これら溝部65〜67としては、下側縦板部44における幅方向(横幅方向)の中央部において上下方向に延びる第1溝部65と、段差板部43における幅方向(横幅方向)の中央部において屋内外方向に延びる第2溝部66と、同じく段差板部43における上側縦板部42との境界部において幅方向(横幅方向)に延びる第3溝部67とが設けられている。
これら各溝部65〜67はいずれもその横断面がV字状をなすV字溝となっている。溝部65〜67のV字角度αは鋭角となっており、例えば30°〜90°の範囲に設定されている。但し、V字角度αは鈍角であってもよい。なお、この場合、これら各溝部65〜67がそれぞれ破断部に相当する。また、第1溝部65及び第2溝部66がそれぞれ第1破断部及び第2破断部に相当する。
第1溝部65は、下側縦板部44における上下方向全域に亘って連続して延びるように形成されており、第2溝部66は、段差板部43における屋内外方向全域に亘って連続して延びるように形成されている。第1溝部65と第2溝部66とは互いに連続しており、それぞれ第1裏板部57と第2裏板部58との境界部に沿って上下に延びている。
第3溝部67は、段差板部43の裏面(下面)において当該段差板部43の幅方向全域に亘って連続して延びるように形成されている。この場合、第3溝部67は、段差板部43と上側縦板部42とが直角に屈曲する屈曲部69に沿って延びており、その長さ方向の中央部にて第2溝部66の端部(詳しくは第1溝部65とは反対側の端部)と連続している。
なお、以下においては、第3溝部67のうち、第2溝部66よりも左側の部分(換言すると第1裏板部57に形成された部分)を第3溝部67aといい、第2溝部66よりも右側の部分(換言すると第2裏板部58に形成された部分)を第3溝部67bという。また、各溝部65〜67は、全体として、ジョイナ部材40における幅方向の中央位置を基準として対称をなすように形成されている。
ジョイナ部材40において、第1溝部65、第2溝部66及び第3溝部67aにより区画された内側の領域は、当該ジョイナ部材40から切り離し可能とされた第1切り離し部71となっている。第1切り離し部71は、図4(b)に示すように、ジョイナ部材40が各溝部65,66,67aに沿って破断されることにより、ジョイナ部材40のそれ以外の部分から切り離し可能とされている。この第1切り離し部71の切り離し状態では、第1裏板部57の上下寸法(上下方向の長さ寸法)がジョイナ部材60の上下寸法と略同じ大きさとされ、より詳しくは、第1裏板部57の断面がジョイナ部材60の断面と略同じ形状とされる。また、換言すると、この場合第1裏板部57の上下寸法は(小サイズの)水切部材50の水切板部の上下寸法に対応する大きさとなる。
また、ジョイナ部材40において、第1溝部65、第2溝部66及び第3溝部67bにより区画された内側の領域は、当該ジョイナ部材40から切り離し可能とされた第2切り離し部72となっている。図示は省略するが、第2切り離し部72は、ジョイナ部材40が各溝部65,66,67bに沿って破断されることにより、ジョイナ部材40のそれ以外の部分から切り離し可能とされている。この第2切り離し部72の切り離し状態では、第2裏板部58の上下寸法がジョイナ部材60の上下寸法と略同じ上下寸法とされ、より詳しくは、第2裏板部58の断面がジョイナ部材60の断面と略同じ形状とされる。また、換言すると、この場合第2裏板部58の上下寸法は水切部材50の水切板部の上下寸法に対応する大きさとなる。
また、本実施形態では、ジョイナ部材40を溝部65〜67に沿って手作業により又はカッターを用いて容易に破断することが可能となっている。したがって、各切り離し部71,72をジョイナ部材40から容易に切り離すことが可能となっている。
ここで、本実施形態では、水切板部の上下寸法が異なる水切部材30,50同士を連結する際、各切り離し部71,72のうちいずれか一方をジョイナ部材40から切り離し、その切り離した状態のジョイナ部材40を用いてそれら水切部材30,50同士を連結することとしている。以下、かかる水切部材30,50同士をジョイナ部材40により連結する際の連結構成について、図4(b)に加え図6を用いて説明する。図6は、切り離し部71が切り離された状態のジョイナ部材40を用いて水切部材30,50同士が連結された状態を示す斜視図である。
図6に示すように、水切板部の上下寸法が互いに異なる水切部材30,50同士は横並びに隣り合って設けられている。それら隣り合う各水切部材30,50はいずれもその取付板部31,51が同じ高さ位置にて下フレーム材27aに取り付けられており、それによって、水切部材50(水切板部)の下端部が水切部材30(水切板部)の下端部よりも高い位置に位置している。また、両水切部材30,50が横並びとされた状態では、水切部材30の横板部32と水切部材50の横板部52とが互いに面一とされ、水切部材30の上側縦板部33と水切部材50の縦板部53とが互いに面一とされている。
これら水切部材30,50同士は、第1切り離し部71が切り離された状態にあるジョイナ部材40によって互いに連結されている。以下においては、説明の便宜上、切り離し部71,72が切り離される前のジョイナ部材40(すなわち図4(a)に示すジョイナ部材40)についてその符号にXを付し、第1切り離し部71が切り離された後のジョイナ部材40(すなわち図4(b)に示すジョイナ部材40)についてその符号にYを付す。なお、この場合、ジョイナ部材40Xが切り離し前ジョイント部材に相当し、ジョイナ部材40Yが切り離し後ジョイント部材に相当する。
ジョイナ部材40Yは、隣り合う水切部材30,50の裏面に跨がって設けられ、第1裏板部57が水切部材50の裏面に配置され、第2裏板部58が水切部材30の裏面に配置されている。この場合、ジョイナ部材40Yにおいて、横板部41が両水切部材30、50の各横板部32,52の裏面に跨がって配置され、上側縦板部42が両水切部材30,50の各縦板部33,53の裏面に跨がって配置されている。また、ジョイナ部材40Yの第2裏板部58において、その段差板部43が水切部材30の段差板部34の裏面に配置され、その下側縦板部44が水切部材30の下側縦板部35の裏面に配置されている。
ジョイナ部材40Yにおいて、第1裏板部57は、その上下両端部、詳しくは横板部41の屋内側端部及び上側縦板部42の下端部がそれぞれ水切部材50の結合部63,64に結合されている。一方、第2裏板部58は、その上下両端部、詳しくは横板部41の屋内側端部及び下側縦板部44の下端部がそれぞれ水切部材30の結合部46,47に結合されている。これにより、ジョイナ部材40Yが隣り合う各水切部材30,50にそれぞれ結合され、その結果隣り合う水切部材30,50同士がジョイナ部材40Yを介して互いに連結されている。
なお、上記(図6)の場合とは逆に、水切部材30が左側、水切部材50が右側となって両水切部材30,50が隣り合っている部位では、第2切り離し部72を切り離したジョイナ部材40を用いて両水切部材30,50を互いに連結すればよい。この場合の連結構成については、図6の場合と基本的に同様であるため、ここではその説明を割愛する。
図3の説明に戻って、各切り離し部71,72を切り離す前のジョイナ部材40Xを用いて、隣り合う水切部材30同士を連結する際の作業について簡単に説明する。上述したように、ジョイナ部材40Xには、その表面40aに各裏板部57,88の境界部(換言するとジョイナ部材40Xの幅方向中央部)に沿って第1溝部65及び第2溝部66が形成されているため、ジョイナ部材40Xを用いて各水切部材30を連結する際、それら各溝部65,66を水切部材30同士の間の隙間を通じて視認することができる。そのため、それら各溝部65,66を水切部材30間の当該隙間に位置合わせすることで、ジョイナ部材40Xを各水切部材30に対して左右均等となる所定位置に位置決めすることができる。これにより、ジョイナ部材40Xを上記所定位置から位置ずれした状態で取り付けてしまうといった不都合の発生を防止することができる。
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
ジョイナ部材40における第1裏板部57及び第2裏板部58のそれぞれにおいて、当該裏板部57,58の上下寸法を(小サイズの)水切部材50の水切板部の上下寸法に対応させるべく、その下側部分に上側部分から切り離し可能とされた切り離し部71,72を設けた。この場合、各切り離し部71,72のうちいずれか一方の切り離し部71(72)を切り離して、その切り離した側の当該一方の裏板部57(58)を水切部材50の水切板部裏面に配置し、他方の裏板部58(57)を水切部材30の水切板部裏面に配置すれば、それら両水切部材30,50を互いに連結することが可能となる。
これにより、大サイズの水切部材30同士を連結するためのジョイナ部材40を、大小サイズの異なる水切部材30,50同士を連結するために兼用できるため、ジョイナ部材40の種類が増えるのを抑制することができ、その結果部材コストの増大や部材管理の煩雑化等の不都合の発生を抑制することができる。また、かかる連結状態では、各水切部材30,50の水切板部をそれぞれ十分に裏当てすることができるため、各水切板部の屋内外方向へのずれを抑制することができ、その結果水切部材30,50の見栄えが損なわれるのを抑制することができる。さらに、ジョイナ部材40には、切り離し部71,72の周縁部に沿って溝部65〜67が形成されており、その溝部65〜67による破断によって当該切り離し部71,72が容易に切り離し可能とされているため、作業工数の増大を抑制することもできる。よって、以上より、部材コストの増大等を招くことなく、しかも水切部材30,50の見栄えが損なわれるのを抑制しながら、作業工数の増大を抑制することができる。
第1裏板部57及び第2裏板部58のそれぞれに切り離し部71,72を設けたため、それら各裏板部57,58のいずれについても、切り離し部71,72を切り離すことでその上下寸法を水切部材50の水切板部の上下寸法に対応した寸法とすることができる。したがって、サイズの異なる各水切部材30,50が、水切部材30を右側、水切部材50を左側として並んでいる場合にも、それとは逆に、水切部材30を左側、水切部材50を右側として並んでいる場合にも、それら両水切部材30,50を連結することが可能となり、より使い勝手のよいものとすることができる。
各溝部65〜67のうち、各裏板部57,58の切り離し部71,72の境界部に沿って延びる第1溝部65及び第2溝部66を、ジョイナ部材40における幅方向の中央部に位置させた。この場合、第1切り離し部71を切り離した場合と、第2切り離し部72を切り離した場合とで、ジョイナ部材40の形状を左右対称とすることができるため、サイズの異なる水切部材30,50同士が、水切部材30を右側、水切部材50を左側として並んでいる場合にも、それとは逆に水切部材30を左側、水切部材50を右側として並んでいる場合にも、同様の裏当て状態で両水切部材30,50を連結することができる。
ジョイナ部材40を、水切部材30,50の水切板部の屈曲形状に対応させて屈曲形成し、そのジョイナ部材40の屈曲部69に沿って第3溝部67を形成した。この場合、ジョイナ部材40を屈曲部69に沿って曲げる等することで、比較的簡単に第3溝部67に沿った破断を行うことが可能となる。
切り離し部71,71の周縁部に沿った破断部として、溝部65〜67を形成したため、その溝部65〜67に沿ってカッタを動かす等してジョイナ部材40を容易に破断することができる。そのため、切り離し部71,72の切り離し作業を容易に行うことができる。
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)図7に示すように、ジョイナ部材40において上側縦板部42の表面及び横板部41の表面にもそれぞれ、第1裏板部57と第2裏板部58との境界部に位置する溝部81,82を設けるようにしてもよい。図7では、溝部81が上側縦板部42の表面においてその上下方向全域に亘って延びるように形成されており、溝部82が横板部41の表面においてその屋内外方向全域に亘って延びるように形成されている。これら各溝部81,82は互いに連続しており、溝部82は第2溝部66と連続している。したがって、第1溝部65、第2溝部66、溝部81及び溝部82は互いに連続した一連の溝部となっており、その一連の溝部が各裏板部57,58の境界部に沿って延びている。
かかる構成によれば、ジョイナ部材40Xを用いて隣り合う水切部材30同士を連結する際において、ジョイナ部材40Xの位置決めに第1溝部65及び第2溝部66だけでなく、上記各溝部81,82を用いることができる。すなわち、上記各溝部81,82を隣り合う水切部材30間の隙間に位置合わせすることで、ジョイナ部材40Xの位置決めを行うことができる。これらの溝部81,82は第1溝部65及び第2溝部66よりも高い位置にあり、溝部81については屋外側(正面側)を向き、溝部82については上方を向いているため、その視認がし易くなっている。そのため、これらの溝部81,82を用いれば、ジョイナ部材40Xの位置決めをより一層容易に行うことができる。
(2)上記実施形態では、溝部65〜67の(横)断面形状をV字形状としたが、溝部の断面形状は必ずしもこれに限定されない。例えば図8(a)に示すように、溝部84の断面形状を矩形形状としてもよいし、図8(b)に示すように、溝部85の隅部(コーナ部)にR形状を付してもよい。
(3)上記実施形態では、ジョイナ部材40に、破断部として溝部65〜67を設けたが、破断部は必ずしも溝部に限定する必要はない。例えば、図9(a)及び(b)に示すように、ジョイナ部材40の表面40aに、破断部として、複数の凹部87を所定の間隔で設けてもよい。凹部87は、例えば半球状に形成することが考えられる。また、破断部として、ジョイナ部材40を厚み方向(板厚方向)に貫通する複数の孔部を所定の間隔で設けてもよい。
ちなみに、図9では、ジョイナ部材40の上側縦板部42及び横板部41の各表面において、その幅方向(横幅方向)中央部にそれぞれ凹部87が1つずつ設けられている。これらの凹部87は、いずれもジョイナ部材40Xを隣り合う水切部材30の裏面にて位置決めする際に用いる位置決め部とされている。
(4)上記実施形態では、ジョイナ部材40の表面40aに各溝部65〜67をそれぞれ設けたが、それら各溝部65〜67のうち少なくともいずれかをジョイナ部材40の裏面(内側面)に設けてもよい。ただ、ジョイナ部材40Xの位置決め作業性の観点からすると、各溝部65〜67のうち、第1溝部65及び第2溝部66についてはジョイナ部材40の表面40aに設けることが望ましい。また、ジョイナ部材40の表裏両面にそれぞれ溝部を設けてもよい。
(5)ジョイナ部材の形態は、必ずしも上記実施形態のものに限定されず、その連結対象である隣り合う水切部材の形態に応じて適宜変更すればよい。図10(a)では、水切板部の上下寸法が互いに異なる水切部材91,92がそれぞれ、建物側の引っ掛け部(図示略)に引っ掛けられて取り付けられる取付部91a,92aと、その取付部91a,92aから下方に向けて延びる上側縦板部91b,92bと、上側縦板部91b,92bの下端部から屋外側に向けて下方傾斜して延びる傾斜板部91c,92cと、傾斜板部91c,92cの下端部から下方に向けて延びる下側縦板部91d,92dとを有している。水切部材92の下側縦板部92dの上下寸法は水切部材91の下側縦板部91dの上下寸法よりも小さくなっており、それによって水切部材92の下端部は水切部材91の下端部よりも高い位置にある。
なお、本例では、水切部材91の水切板部がそれぞれ各板部91b〜91dにより構成され、水切部材92の水切板部がそれぞれ各板部92b〜92dにより構成されている。
一方、ジョイナ部材100は、図10(b)に示すように、水切部材91,92の裏面に沿って屈曲された屈曲形状を有しており、隣り合う水切部材91,92における各上側縦板部91b,92bの裏面に跨がって配置される上側縦板部100aと、各傾斜板部91c,92cの裏面に跨がって配置される傾斜板部100bと、各下側縦板部91d,92dの裏面に跨がって配置される下側縦板部100cと、を有する。
ジョイナ部材100において、下側縦板部100cの表面(水切部材91,92裏面との対向面)には、十字をなすように2つの溝部101,102が縦横に形成されている。それら各溝部101,102のうち、溝部101が下側縦板部100cにおける幅方向の中心部にて上下方向に延びており、溝部102が下側縦板部100cにおける上下方向の中心部にて横幅方向に延びている。
下側縦板部100cにおいて各溝部101,102により4つに区画された各領域のうち、下側の各領域がそれぞれ切り離し部105,106とされている。この場合にも、図10(a)に示すように、それら各切り離し部105,106のうち一方の切り離し部105をジョイナ部材100から切り離せば、その切り離し状態のジョイナ部材100を用いて隣り合う水切部材91,92同士を互いに連結することができる。
(6)ジョイナ部材40は、各切り離し部71,72の双方を切り離すことで、水切部材50用のジョイナ部材60と略同じ断面形状となる。そのため、各切り離し部71,72を切り離したジョイナ部材40を用いて隣り合う水切部材50同士を連結するようにしてもよい。そうすれば、ジョイナ部材40を一種類のみ用意すれば足り、コストの増大等のさらなる抑制が図れる。
(7)上記実施形態では、ジョイナ部材40の各裏板部57,58にそれぞれ切り離し部71,72を設けたが、ジョイナ部材40の各裏板部57,58のうちいずれか一方にのみ切り離し部71(又は72)を設けるようにしてもよい。例えば、第3溝部67(67a)を第1裏板部57にのみ形成して、第1裏板部57にのみ切り離し部71を設けることが考えられる。その場合でも、切り離し部を切り離した状態のジョイナ部材40を用いて、水切板部の上下寸法が互いに異なる水切部材30,50同士を連結することができる。
10…建物、21…基礎、30…第1水切部材としての水切部材、40…水切部材用ジョイント部材としてのジョイナ部材、50…第2水切部材としての水切部材、57…第1裏板部、58…第2裏板部、60…ジョイナ部材、65…破断部、第1破断部及び第2破断部としての第1溝部、66…破断部、第1破断部及び第2破断部としての第2溝部、67…破断部としての第3溝部、71…切り離し部としての第1切り離し部、72…切り離し部としての第2切り離し部。
Claims (8)
- 上下方向に延びる水切板部を有する水切部材が建物外周部に沿って複数設けられており、前記水切部材として、第1水切部材と、その第1水切部材よりも前記水切板部の上下寸法が小さくされていることで下端部が前記第1水切部材よりも高い位置にある第2水切部材とを備える建物に適用され、
隣り合う前記水切部材同士を互いに連結する水切部材用のジョイント部材であって、
板状をなすとともに、隣り合う前記各水切部材の前記水切板部の裏面に跨がって設けられるジョイント本体を備え、
前記ジョイント本体は、前記隣り合う各水切部材のうち一方の水切部材の前記水切板部の裏面に設けられる第1裏板部と、他方の水切部材の前記水切板部の裏面に設けられる第2裏板部とを有しており、
前記第1裏板部と前記第2裏板部とはいずれも前記第1水切部材の前記水切板部の上下寸法に対応する上下寸法を有しており、
前記第1裏板部及び前記第2裏板部のうち少なくともいずれか一方の裏板部では、当該裏板部の上下寸法を前記第2水切部材の前記水切板部の上下寸法に対応させるべく、その下側部分が上側部分に対して切り離し可能とされた切り離し部となっており、
前記ジョイント本体には、前記切り離し部の周縁部に沿って破断部が形成されており、その破断部による破断によって当該切り離し部が前記切り離し可能とされていることを特徴とする水切部材用ジョイント部材。 - 前記第1裏板部及び前記第2裏板部のそれぞれに、前記破断部により切り離し可能とされた前記切り離し部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の水切部材用ジョイント部材。
- 前記破断部として、前記各裏板部の前記切り離し部の境界部に沿って延びる第1破断部を有しており、
前記第1破断部は、前記ジョイント本体における幅方向の中央部に位置していることを特徴とする請求項2に記載の水切部材用ジョイント部材。 - 前記破断部は、前記ジョイント本体の板面に形成され、前記切り離し部の周縁部に沿って延びる溝部であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の水切部材用ジョイント部材。
- 前記ジョイント本体は、前記水切部材の前記水切板部の屈曲形状に対応して屈曲形成されており、
前記ジョイント本体には、その屈曲部に沿って前記破断部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の水切部材用ジョイント部材。 - 前記破断部として、前記各裏板部の境界部に沿って延びる第2破断部を有しており、
前記第2破断部は、前記ジョイント本体における前記水切板部との対向面に形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の水切部材用ジョイント部材。 - 前記ジョイント本体における前記切り離し部よりも上側の部分において、その前記対向面には、前記各裏板部の境界部となる位置に位置決め部が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の水切部材用ジョイント部材。
- 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の水切部材用ジョイント部材により隣り合う前記水切部材同士を連結する水切部材の連結構造であって、
前記ジョイント部材は、少なくとも前記第1裏板部に前記切り離し部を有するものであって、その切り離し部が切り離される前の前記ジョイント部材を切り離し前ジョイント部材、その切り離し部が切り離された後の前記ジョイント部材を切り離し後ジョイント部材とした場合に、
隣り合う前記第1水切部材同士は、前記切り離し前ジョイント部材により互いに連結されており、その連結状態において当該ジョイント部材の各裏板部がそれぞれ前記各第1水切部材の前記水切板部の裏面に配置されており、
隣り合う前記第1水切部材及び前記第2水切部材は、前記切り離し後ジョイント部材により互いに連結されており、その連結状態において当該ジョイント部材の前記第1裏板部が前記第2水切部材の前記水切板部の裏面に配置され、当該ジョイント部材の前記第2裏板部が前記第1水切部材の前記水切板部の裏面に配置されていることを特徴とする水切部材の連結構造。
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JP2013177895A Pending JP2015045201A (ja) | 2013-08-29 | 2013-08-29 | 水切部材用ジョイント部材及び水切部材の連結構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015045201A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017223057A (ja) * | 2016-06-16 | 2017-12-21 | 城東テクノ株式会社 | 水切り部材 |
JP2018053697A (ja) * | 2016-09-29 | 2018-04-05 | 株式会社 ▲高▼▲橋▼監理 | 隣地空きなし工法用水切り |
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2013
- 2013-08-29 JP JP2013177895A patent/JP2015045201A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017223057A (ja) * | 2016-06-16 | 2017-12-21 | 城東テクノ株式会社 | 水切り部材 |
JP2018053697A (ja) * | 2016-09-29 | 2018-04-05 | 株式会社 ▲高▼▲橋▼監理 | 隣地空きなし工法用水切り |
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